(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】宇宙機用の保持及び切り離し装置、並びに保持及び切り離しアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B64G 1/64 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
B64G1/64 100
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544031
(86)(22)【出願日】2021-02-25
(85)【翻訳文提出日】2023-07-28
(86)【国際出願番号】 ES2021070137
(87)【国際公開番号】W WO2022180281
(87)【国際公開日】2022-09-01
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517174522
【氏名又は名称】エアバス ディフェンス アンド スペース,エス.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セスペドーサ カスタン,フェルナンド ホセ
(72)【発明者】
【氏名】モラ プラザ,ホセ ルイス
(57)【要約】
支持構造体(F)に対して切り離し可能な本体(M)を保持し切り離すように設計された宇宙機用の保持及び切り離し装置である。当該装置は、本体(M)と支持構造体(F)とをロック位置に維持すべく設計された切り離しボルト(1)と、切り離しボルト(1)を支持構造体(F)内にロックするロック装置であって、ケース(3)及びセグメント分割リング(2)を含むロック装置と、前記ケース(3)は軸方向に移動可能で、且つ通過溝(15)を表面に有する端部を含むことと、ロック装置に作用する切り離しシステムとを備える。切り離しシステムは、アクチュエータ(9)と、ロックピン(6)を有するロッド(5)とを含み、ロックピン(6)は、ケースの通過溝(15)及び圧縮ばね(10)と協働するように設計されており、これにより、アクチュエータ(9)が保持及び切り離し装置をロックする位置にロッド(5)をロックするように設計されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持構造体(F)に対する切り離し可能な本体(M)の保持及び切り離しのために構成された、宇宙機用の保持及び切り離し装置であって、
前記切り離し可能な本体(M)及び前記支持構造体(F)を当該保持及び切り離し装置のロック位置に一緒に維持するように構成された切り離しボルト(1)と、
前記切り離しボルト(1)を前記支持構造体(F)内にロックするロック装置であって、当該ロック装置はハウジング(3)とセグメント分割リング(2)とを含み、前記ハウジング(3)は前記切り離しボルト(1)の軸の方向に移動可能であり、前記セグメント分割リング(2)は半径方向に拡張するように構成され、前記セグメント分割リング(2)の外面及び前記ハウジング(3)の対応部分の内面は、前記切り離しボルト(1)の軸に対して傾斜した合わせ面をなしており、当該保持及び切り離し装置の前記ロック位置において、前記切り離しボルト(1)が前記セグメント分割リング(2)によって保持されるように構成されている、ロック装置と、
前記切り離しボルト(1)のための抽出システムであって、当該抽出システムは、ばね(14)と、上側支持体(13)と、下側支持体(12)と、前記上側支持体(13)と前記下側支持体(12)との間のナット(11)とを含み、前記ばね(14)は前記上側支持体(13)及び前記下側支持体(12)によって案内され、前記切り離しボルト(1)は、当該保持及び切り離し装置の前記ロック位置において前記ナット(11)の作用により予荷重を付与される、抽出システムと、
を備えてなる、保持及び切り離し装置において、
前記ロック装置のハウジング(3)は、表面に通過溝(15)を有してなる端部を備えること、
並びに、
当該保持及び切り離し装置は、前記ロック装置に作用する切り離しシステムを更に備えており、その切り離しシステムは、
ロックピン(6)を有するロッド(5)であって、当該ロッド(5)は前記切り離しボルト(1)と同じ向きを有し、前記ロックピン(6)は前記ハウジング(3)の通過溝(15)と協働するように構成されている、ロッド(5)と、
圧縮ばね(10)と、
アクチュエータ(9)と、
を備えており、前記アクチュエータ(9)は、前記ロッド(5)を当該保持及び切り離し装置のロック位置にロックするように構成され、前記圧縮ばね(10)は、前記ロック装置のハウジング(3)に当接するように配設されていると共に、前記ロッド(5)を回転させるように前記ロッド(5)の周りに配設されていること、
を特徴とする、宇宙機用の保持及び切り離し装置。
【請求項2】
前記ロック装置及び前記切り離しシステムは前記支持構造体(F)に配設されている、請求項1に記載の宇宙機用の保持及び切り離し装置。
【請求項3】
前記アクチュエータ(9)は、前記ロッド(5)を取り囲む永久磁気ブレーキである、請求項1又は2に記載の宇宙機用の保持及び切り離し装置。
【請求項4】
前記セグメント分割リング(2)と前記ハウジング(3)との前記合わせ面はテーパ面である、請求項1から3のいずれか一項に記載の宇宙機用の保持及び切り離し装置。
【請求項5】
前記圧縮ばね(10)の両端部の一方は、前記圧縮ばね(10)が当接するように配設された前記ハウジング(3)の表面の反対側の支持体(4)の表面上に載置される、請求項1から4のいずれか一項に記載の宇宙機用の保持及び切り離し装置。
【請求項6】
前記アクチュエータ(9)を支持すると共に前記ハウジング(3)を取り囲む外部ハウジング(7)を更に備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の宇宙機用の保持及び切り離し装置。
【請求項7】
前記セグメント分割リング(2)は、前記保持及び切り離し装置の切り離し位置において分離されるように構成された3つのセクタを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の宇宙機用の保持及び切り離し装置。
【請求項8】
宇宙機用の保持及び切り離しアセンブリ(20)であって、
当該保持及び切り離しアセンブリ(20)は、請求項1から7のいずれか一項に記載の幾つかの保持及び切り離し装置(30)によって囲まれた中央アクチュエータ(100)を支持構造体(F)上に備え、
請求項1から7のいずれか一項に記載の前記幾つかの保持及び切り離し装置(30)は、前記切り離し可能な本体(M)に一部分を有すると共に前記支持構造体(F)に一部分を有しており、且つ前記中央アクチュエータ(100)に接続されていること、を特徴とする宇宙機用の保持及び切り離しアセンブリ。
【請求項9】
前記支持要素(30)は、スライダクランク機構(40)によって前記宇宙機用の中央保持及び切り離し装置(100)に接続されている、請求項8に記載の宇宙機用の保持及び切り離しアセンブリ(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、宇宙機及びランチャ(又はディスペンサインターフェース)などの2つの要素間の保持及び構造的連続性を提供する装置に関する。当該装置はまた、アンテナ、太陽電池パネルなどの他の展開可能な要素の保持及び切り離しにも適している。本発明はまた、上述の保持及び切り離し装置を備えるアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、宇宙支持構造体からの分離可能な及び/又は展開可能な物体の拘束及び切り離しに適した、保持及び切り離しシステム又は保持及び切り離し機構として知られる、宇宙支持構造体での使用に特に適合した拘束及び切り離し装置がある。
【0003】
「拘束及び切り離し装置」に言及する特許文献1(EP_2298648_A1)は、支持構造体に取り付けられた展開可能な本体の拘束及び切り離しのための、収容状態と切り離し状態との間で動作可能な装置であって、それぞれが展開可能な本体又は支持構造体のいずれかに取り付けられる一対のサブアセンブリであって、支持構造体に対する展開可能な本体の横方向の動きを実質的に防止するために収容状態で互いに噛み合う合わせ面を有する、サブアセンブリと、双方のサブアセンブリに接続され、これらのサブアセンブリに対して圧縮予荷重作用を及ぼしてこれらのサブアセンブリを一緒に維持する切り離し可能な張力要素と、及ぼされた圧縮予荷重作用を監視することを可能にする力測定システムと、付与された予荷重を解放してサブアセンブリの自由な分離を可能にする解放装置と、切り離し可能な張力要素に実質的に純粋な張力の予荷重を付与するように装置に埋め込まれた予荷重付与機構と、を備える装置を開示している。
【0004】
特許文献2(WO2007/007109_A1)は、凹部を有するばね式ロッドと、ロッドの動きを阻止するために凹部に係合可能なラッチ部材とを備える電磁切り離し機構を開示している。切り離し部材が、切り離し部材の第1の位置ではラッチ部材を凹部に係合させた状態で保持し、切り離し部材の第2の位置ではラッチ部材を凹部から係合解除することを可能にする。磁石が、切り離し部材を第1の位置に保持し、機構は、切り離し部材を第2の位置に付勢するばねなどの手段を含む。少なくとも切り離し部材が第2の位置に移動し、ラッチ部材が凹部から係合解除され、ロッドがばね力によって軸方向に移動するように磁石を消磁するために、コイルが配設されている。
【0005】
これらの装置は、切り離し機能を良好に実行する。しかしながら、起動後に改修を要さずに容易に再装備可能な単純な構造を有する宇宙機用の保持及び切り離し装置を提供する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2298648号明細書
【特許文献2】国際公開WO2007/007109号パンフレット
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、上述の欠点を克服する宇宙機用の保持及び切り離し装置を提供することである。
【0008】
本発明は、支持構造体に対する切り離し可能な本体の保持及び切り離しのために構成された宇宙機用の保持及び切り離し装置を提供するものであり、当該保持及び切り離し装置は、
切り離し可能な本体及び支持構造体を保持及び切り離し装置のロック位置に一緒に維持するように構成された切り離しボルトと、
切り離しボルトを支持構造体内にロックするロック装置であって、ロック装置はハウジングとセグメント分割リングとを含み、ハウジングは切り離しボルトの軸の方向に移動可能であり、セグメント分割リングは半径方向に拡張するように構成され、セグメント分割リングの外面及びハウジングの対応する部分の内面は、切り離しボルトの軸に対して傾斜した合わせ面であり、それにより、保持及び切り離し装置のロック位置において、切り離しボルトがセグメント分割リングによって保持されるように構成されている、ロック装置と、
切り離しボルトのための抽出システムであって、抽出システムは、ばねと、上側支持体と、下側支持体と、上側支持体と下側支持体との間のナットとを含み、ばねは上側支持体及び下側支持体によって案内される、抽出システムと、
を備える、保持及び切り離し装置において、
ロック装置のハウジングは、通過溝(passing groove)を表面に有する端部を含み、
当該保持及び切り離し装置は更に、ロック装置に作用する切り離しシステムを備え、
当該ロック装置に作用する切り離しシステムは、
- ロックピンを有するロッドであって、ロッドは切り離しボルトと同じ向きを有し、ロックピンはハウジングの溝と協働するように構成されている、ロッドと、
- 圧縮ばねと、
- アクチュエータと、
を含み、前記アクチュエータは、ロッドを当該保持及び切り離し装置のロック位置にロックするように構成され、圧縮ばねは、ロック装置のハウジングに当接するように配設されると共に、ロッドを回転させるようにロッドの周りに配設されている。
【0009】
本発明はまた、宇宙機用の保持及び切り離しアセンブリも提供するものであり、
その保持及び切り離しアセンブリは、いくつかの保持及び切り離し装置によって囲まれた中央アクチュエータを支持構造体上に備え、前記いくつかの保持及び切り離し装置は、切り離し可能な本体上の一部分及び支持構造体上の一部分を有し、中央アクチュエータに接続されている。
【0010】
従来技術の装置と比較した本発明の主な利点は以下の通りである:
- 切り離しが非爆発性である。
- 低衝撃を可能にする。
- 低電圧起動が必要である。
- 起動後にユーザによって再装備可能である。
- 再装備前の改修が不要である。
- 複数の同時切り離しを同期させることができる。
【0011】
本発明の別の利点は、予荷重ボルト継手を有し、これを切り離し可能であることである。
【0012】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面に関連してその目的(物)を説明するいくつかの実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】ロック位置にある宇宙機用の保持及び切り離し装置の断面図である。
【
図2】切り離しプロセス中の様々な段階にある宇宙機用の保持及び切り離し装置の断面図である。
【
図3】切り離しプロセス中の様々な段階にある宇宙機用の保持及び切り離し装置の断面図である。
【
図4】切り離しプロセス中の様々な段階にある宇宙機用の保持及び切り離し装置の断面図である。
【
図5】切り離しプロセス中の様々な段階にある宇宙機用の保持及び切り離し装置の断面図である。
【
図6】切り離しプロセス中の様々な段階にある宇宙機用の保持及び切り離し装置の断面図である。
【
図7】切り離しプロセス中の様々な段階にある宇宙機用の保持及び切り離し装置の断面図である。
【
図8】
図1の位置にある保持及び切り離し装置のセグメント分割リングの詳細図である。
【
図9】開位置にある保持及び切り離し装置のセグメント分割リングの詳細図である。
【
図10】本発明の保持及び切り離しアセンブリの斜視図である。
【
図11】様々な位置にある本発明の宇宙機用の保持及び切り離しアセンブリの図である。
【
図12】様々な位置にある本発明の宇宙機用の保持及び切り離しアセンブリの図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1及び
図2は、支持構造体F(固定)に対する切り離し可能な本体M(可動)の保持及び切り離しのための、宇宙機用の保持及び切り離し装置を示す。
そして、この保持及び切り離し装置は、
切り離し可能な本体M及び支持構造体Fを保持及び切り離し装置のロック位置に一緒に維持するように構成された切り離しボルト1と、
切り離しボルト1を支持構造体F内にロックするロック装置であって、
当該ロック装置はハウジング3とセグメント分割リング2(セグメント化されたリング2)とを含み、ハウジング3は切り離しボルト1の軸の方向に移動可能であると共に、通過溝(passing groove)15を表面に有する端部を含んでおり、セグメント分割リング2は半径方向に拡張するように構成され、セグメント分割リング2の外面及びハウジング3の一部分の内面は、切り離しボルト1の軸に対して傾斜した合わせ面であり、それにより、保持及び切り離し装置のロック位置において、切り離しボルト1がセグメント分割リング2によって保持されるように構成されている、ロック装置と、
ロック装置に作用する切り離しシステムであって、
・アクチュエータ9と、
・ロックピン6を有するロッド5であり、当該ロッド5は切り離しボルト1と同じ向きを有し、ロックピン6はハウジング3の溝15と協働するように構成されている、ロッド5と、
・圧縮ばね10と、
を含み、それにより、アクチュエータ9はロッド5を保持及び切り離し装置のロック位置にロックするように構成され、圧縮ばね10は、ロック装置のハウジング3に当接するように配設されると共に、ロッド5を回転させるようにロッド5の周りに配設されている、切り離しシステムと、
切り離しボルト1のための抽出システムであって、
当該抽出システムは、ばね14と、上側支持体13と、下側支持体12と、上側支持体13と下側支持体12との間のナット11とを含み、ばね14は上側支持体13及び下側支持体12によって案内される、抽出システムと、
を備えている。
【0015】
図1は、切り離し可能な本体Mが支持構造体Fに取り付けられているところのロック位置にある、本発明の宇宙機用の保持及び切り離し装置の断面図である。
【0016】
ロック装置は、ハウジング3とセグメント分割リング2とを含み、
図1のロック位置では、セグメント分割リング2は、ハウジング3の作用により閉じたままである。セグメント分割リング2の外面及びハウジング3の内面は、切り離しボルト1の軸に対して傾斜した合わせ面である。
図1の位置では、セグメント分割リング2は、切り離しボルト1を保持している(この
図1では、切り離しボルト1の基部は、セグメント分割リング2によって保持されている。
図8は、切り離しボルト1の基部をロック位置に保持するセグメント分割リング2の詳細を示している)。
【0017】
保持及び切り離し装置は、アクチュエータ9を支持すると共にハウジング3を取り囲んでいる外部ハウジング7を更に備えることができる。
【0018】
前記アクチュエータは、磁気ブレーキとすることができるが、別のタイプとすることもできる。
【0019】
切り離しボルト1には、圧縮ばね14及びナット11の作用によって予荷重が付与される。
【0020】
図1の位置では、アクチュエータ9はロッド5をロックし、圧縮ばね10は圧縮状態にある。
【0021】
図7は、切り離し可能な本体Mが支持構造体Fから切り離された切り離し位置にある、本発明の宇宙機用の保持及び切り離し装置の断面図に対応する。
【0022】
電気指令がアクチュエータ9に送信された後、ロッド5が解放され、したがってロッド5を回転させる圧縮ばね10によって自由に回転する。ロッド5は、ロックピン6が溝15内を移動して溝15によって案内されるのに伴って1/4回転し、圧縮ばね10は、拡張してハウジング3を切り離しボルト1の軸の方向に下方に移動させてセグメント分割リング2を解放し、セグメント分割リング2は次いで、半径方向に拡張してその開位置へと変化し(
図9も参照)、支持体4は、圧縮ばね10によってセグメント分割リング2を開いた状態に維持する。セグメント分割リング2がその開位置にある状態で、切り離しボルト1は解放され、予荷重を失い、上側支持体13及び下側支持体12によって案内されるばね14の作用によって外側に排出され、ばね14は上側支持体13を押して、切り離し可能な本体Mと支持構造体Fとの分離を可能にする。
【0023】
同じ手順を逆順に実行することで、保持及び切り離し装置を、改修を要さずに新たな動作のための初期位置に再装備することができる。
【0024】
ロック装置及び切り離しシステムは、支持構造体F内に配置することができる。
【0025】
アクチュエータ9は、ロッド5を取り囲む永久磁気ブレーキとすることができる。
【0026】
セグメント分割リング2とハウジング3との合わせ面は、テーパ面とすることができる。
【0027】
圧縮ばね10の端部の一方は、圧縮ばね10が当接するように配設されたハウジング3の表面の反対側(対向側)の支持体4の表面上に載置することができる。
【0028】
セグメント分割リング2は、
図9に示すように、保持及び切り離し装置の切り離し位置で分離されるべく構成された3つのセクタ2’,2’’,2’’’を含むことができる。
【0029】
図10は、本発明の宇宙機用の保持及び切り離しアセンブリ20を、支持構造体Fに配置された中央アクチュエータ100による切り離し作動を可能にするその構成要素と共に示す。保持及び切り離しアセンブリ20はまた、説明される実施形態のうちのいずれかの宇宙機用のいくつかの保持及び切り離し装置30を備え、これらの保持及び切り離し装置30は、切り離し可能な本体M上に一部分および支持構造体F上に一部分(
図11~12を参照)を有し、中央アクチュエータ100に接続されている。これらの保持及び切り離し装置30は、切り離し位置において支持構造体Fから切り離し可能な本体Mを分離(離脱)させるように構成されている。
【0030】
一実施形態によれば、宇宙機用の保持及び切り離しアセンブリ20は、
図10~
図12に斜視図で示すように、スライダクランク機構40によって保持及び切り離し装置30に接続された中央アクチュエータ100を有することができる。
【0031】
図11は、保持及び切り離し装置30が保持位置にある
図10の断面を示す。中央アクチュエータ100の作動後(
図12)、保持及び切り離し装置30は切り離し位置に到達し、切り離し可能な本体Mは支持構造体Fから切り離される。
【0032】
したがって、中央アクチュエータ100は、全ての保持及び切り離し装置30の同時切り離しを可能にする。
【0033】
本発明は、好ましい実施形態に関連して十分に説明されているが、実施形態は、これらの実施形態によって限定されるものとしてではなく、添付の特許請求の範囲の内容によって限定されるものとして、その範囲内で修正を導入できることは明らかである。
【符号の説明】
【0034】
F 支持構造体
M 切り離し可能な本体
1 切り離しボルト
2 セグメント分割リング
3 ハウジング
(2,3は、切り離しボルトのロック装置を構成する。)
5 ロッド
6 ロックピン
9 アクチュエータ
10 圧縮ばね
(5,6,9,10は、ロック装置に作用する切り離しシステムを構成する。)
11 ナット
12 下側支持体
13 上側支持体
14 ばね
(11~14は、切り離しボルトのための抽出システムを構成する。)
15 通過溝
20 保持及び切り離しアセンブリ
30 保持及び切り離し装置
40 スライダクランク機構
100 中央アクチュエータ
【国際調査報告】