(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】性的刺激用バイブレータとしての性玩具、方法、および使用
(51)【国際特許分類】
A61H 19/00 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
A61H19/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544683
(86)(22)【出願日】2022-01-24
(85)【翻訳文提出日】2023-09-12
(86)【国際出願番号】 DE2022000005
(87)【国際公開番号】W WO2022156849
(87)【国際公開日】2022-07-28
(32)【優先日】2021-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】102021101450.6
(32)【優先日】2021-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523280389
【氏名又は名称】エルプラスハ スポルカ ゼッド オグラニチョノン オドポウィジャルノシチョン インノビジョン スポルカ ヤワナ
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヘルガス, イェンス
【テーマコード(参考)】
4C074
【Fターム(参考)】
4C074AA01
4C074CC01
4C074DD01
4C074FF01
4C074GG01
4C074HH08
(57)【要約】
少なくとも1つの偏心慣性質量部を回転的に駆動する電気モータ駆動部を含む、性的刺激用バイブレータとしての性玩具が提供される。慣性質量部は、ある回転周波数範囲内で偏心的に回転し、このことによりバイブレータはこの周波数範囲内で、従ってその作動揺動周波数範囲内で振動する。モータ駆動部の直径は5mm~50mmである。バイブレータは、動作中に聴覚的にほぼ感知されないように設計されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの偏心慣性質量部(2)を回転的に駆動する電気モータ駆動部(1、3)を含む、性的刺激用バイブレータとしての性玩具であって、前記慣性質量部が、ある回転周波数範囲内で偏心的に回転し、このことにより前記バイブレータが前記周波数範囲内で、従ってその作動揺動周波数範囲内で振動し、前記モータ駆動部(1、3)の直径が5mm~50mmである、前記性玩具において、
前記バイブレータが、
A.)前記作動揺動周波数がf=10~40Hzの範囲内にある、
および/または、
B.)1ボルトの最小駆動電圧における前記電気モータ駆動部の回転速度定数が600rpm/ボルト~2,400rpm/ボルトの範囲内であり、一方、10ボルトの最大駆動電圧における前記回転速度定数が60rpm/ボルト~240rpm/ボルトの範囲内であり、その間の全ての駆動電圧について、1ボルト~10ボルトの駆動電圧範囲内での前記駆動電圧と前記回転速度定数の各積が、600rpm~2,400rpmの回転速度をもたらす、
および/または、
C.)前記電気モータ駆動部のトルク定数が、aa.)0.001mNm/Aもしくは0.01mNm/Aもしくは0.1mNm/Aもしくは1.0mNm/Aもしくは10mNm/Aから、bb.)10mNm/Aもしくは20mNm/Aもしくは30mNm/Aもしくは40mNm/Aもしくは50mNm/Aまでの範囲内にあるように設計されていることを特徴とする、性玩具。
【請求項2】
前記作動揺動周波数が以下の範囲、即ち、f=15~40Hz、20~40Hz、25~40Hz、30~40Hz、35~40Hz、10~35Hz、10~30Hz、10~25Hz、10~20Hz、10~15Hz、15~35Hz、15~30Hz、15~25Hz、15~20Hz、20~35Hz、20~30Hz、20~25Hz、25Hz~35Hz、25~30Hz、30~35Hzのうちの1つに収まることを特徴とする、請求項1に記載の性玩具。
【請求項3】
前記電気モータ駆動部(3)が減速ギアを有さないことを特徴とする、請求項1または2に記載の性玩具。
【請求項4】
前記性玩具の内部の前記慣性質量部の領域に第1の筐体(5)が配置されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の性玩具。
【請求項5】
前記電気モータ駆動部(1、3)が密閉されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の性玩具。
【請求項6】
前記電気モータ駆動部(1、3)を制御および/または調整する制御および/または調整エレクトロニクス(6)が設けられていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の性玩具。
【請求項7】
前記制御および/または調整エレクトロニクス(6)が第2の筐体(5)を有することを特徴とする、請求項6に記載の性玩具。
【請求項8】
前記性玩具の中またはその壁(10)に少なくとも1つの振動伝達要素(8)が配置されており、前記振動伝達要素の固有共振が前記作動揺動周波数に対応しているか、または前記作動揺動周波数範囲内にあることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の性玩具。
【請求項9】
前記振動伝達要素(8)が舌形状に形成されていることを特徴とする、請求項8に記載の性玩具。
【請求項10】
前記駆動電圧が1~5ボルトまたは1~3ボルトまたは3~5ボルトの範囲内であることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の性玩具。
【請求項11】
前記制御および/または調整エレクトロニクス(6)がフルブリッジを介して動作することを特徴とする、請求項6から10のいずれか一項に記載の性玩具。
【請求項12】
前記フルブリッジがDC-DCコンバータを介して動作することを特徴とする、請求項11に記載の性玩具。
【請求項13】
制御および/または調整エレクトロニクス(6)が、動作中に少なくとも1つの振動プログラムが読み出されるかまたは読み出し可能となるようにプログラムされており、時間的な観点から少なくとも1つの揺動フェーズと少なくとも1つの非揺動フェーズとが提供されることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の性玩具。
【請求項14】
前記制御および/または調整エレクトロニクス(6)が、前記非揺動フェーズから前記揺動フェーズへの前記偏心慣性質量部(2)の所望の回転周波数への出力上昇に要するのが少なくとも0.5秒、最大で3秒となるように構成されていることを特徴とする、請求項13に記載の性玩具。
【請求項15】
前記揺動フェーズから前記非揺動フェーズへの前記偏心慣性質量部(2)の所望の回転周波数からの出力低下に要するのが少なくとも0.5秒、最大で3秒であることを特徴とする、請求項13または14に記載の性玩具。
【請求項16】
前記制御および/または調整エレクトロニクス(6)が、少なくとも0.5秒、最大で3秒の時間ウィンドウ内で、前記偏心慣性質量部(2)を所望の作動揺動周波数まで確実に出力上昇させるべく、前記駆動電圧を実際の駆動電圧を超えるまで急上昇させ、その後に作動電圧を前記実際の駆動電圧まで下げるように設計されていることを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の性玩具。
【請求項17】
前記制御および/または調整エレクトロニクス(6)は、前記電気モータ駆動部(1、3)がその作動揺動周波数で動作している間に、逆極性電流を供給することによって少なくとも0.5秒、最大で3秒で、前記電気モータ駆動部(1、3)を完全に停止させるように設計されていることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載の性玩具。
【請求項18】
前記性玩具が、制御部(20)と、弾性中間部(21)を介して接続されている振動部(22)と、を有することを特徴とする、請求項1から17のいずれか一項に記載の性玩具。
【請求項19】
前記制御部(20)の内部に振動減衰要素が配置されていることを特徴とする、請求項18に記載の性玩具。
【請求項20】
前記電気モータ駆動部(1、3)が、少なくとも1つの前記慣性質量部(2)を回転的に駆動する1つのシャフトを含む2重モータとして、各々が少なくとも1つの前記慣性質量部(2)を駆動する2つのシャフトを含む2重モータとして、または、各々が少なくとも1つの前記慣性質量部(2)を駆動する2つのシャフトを含む1つの簡素なモータとして設計されていることを特徴とする、請求項1から19のいずれか一項に記載の性玩具。
【請求項21】
電源(9)が電池であることを特徴とする、請求項1から20のいずれか一項に記載の性玩具。
【請求項22】
前記電池がリチウムイオン電池であることを特徴とする、請求項21に記載の性玩具。
【請求項23】
振動を発生させるためのバイブレータとしての性玩具を動作させるための方法であって、請求項1から22のいずれか一項に記載の性玩具が使用されることを特徴とする、方法。
【請求項24】
振動を発生させるためのバイブレータとしての性玩具の使用であって、前記性玩具が請求項1から22のいずれか一項に記載の性玩具であることを特徴とする、使用。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明は性的刺激用バイブレータとしての性玩具、方法、および使用に関する。
【0002】
性的刺激用バイブレータとしての性玩具の多数の異なる実施形態が先行技術から知られているが、多くは偏心回転する慣性質量部を駆動する電気モータ駆動部、通常はブラシ電気モータを有しており、バイブレータまたは係るバイブレータの壁は慣用的な80~120Hzまたはそれ以上から始まる周波数範囲で振動し、その結果、慣性質量部の回転揺動周波数もまた、バイブレータのこの作動揺動周波数と本質的に一致するようになっている。しかしながら、この分野の先行技術から知られているこれらのバイブレータは非常に大量かつ大音量のノイズおよび音を発し、それらは係るバイブレータの使用中に極めて耳障りで不快なものとして知覚され、その結果聴覚および感覚に不快な刺激(irritation)をもたらす場合がある。
【0003】
したがって、本発明の目的は、上述した不快な刺激を最小限に抑え、理想的な場合には回避することである。
【0004】
本発明によれば、この目的は、請求項1に記載の性玩具、請求項23に記載の方法、および請求項24に記載の使用によって達成される。
【0005】
性的刺激用バイブレータとしての性玩具は、電気モータ駆動部、例えば特に従来の設計を有するブラシ電気モータ(DCモータ)を有し、一般に減速ギアを有しない。モータはそのシャフトを介してある回転周波数範囲内で偏心的に回転する慣性質量部を駆動し、その結果、バイブレータ(以下の考察では「性玩具」および「バイブレータ」という用語は本質的に同義語として理解される)はこの周波数範囲内で、従ってその作動揺動周波数範囲内で振動し、モータ駆動部の直径は5m~50mmである。バイブレータは次のように設計されている。
A.)作動揺動周波数がf=10~40Hzの範囲内である、および/または、
B.)1ボルトの最小駆動電圧における電気モータ駆動部の回転速度定数が600rpm/ボルト~2,400rpm/ボルトの範囲内であり、一方、10ボルトの最大駆動電圧における回転速度定数が60rpm/ボルト~240rpm/ボルトの範囲内であり、その間の全ての駆動電圧について、1ボルト~10ボルトの駆動電圧範囲内での駆動電圧と回転速度定数の各積は、600rpm~2,400rpmの回転速度をもたらす、
および/または、
C.)電気モータ駆動部のトルク定数が、aa.)0.001mNm/Aもしくは0.01mNm/Aもしくは0.1mNm/Aもしくは1.0mNm/Aもしくは10mNm/Aから、bb.)10mNm/Aもしくは20mNm/Aもしくは30mNm/Aもしくは40mNm/Aもしくは50mNm/Aまでの範囲内である。
【0006】
また本発明にとって同じく重要なことは、直径が約5mm~約50mmしかないこれらの非常に小型の電気モータ駆動部において、音圧レベル(単位:dB)と人間が知覚する音量(単位:フォン)との間の周波数依存性の差が利用され、その結果、10Hz~40Hzのこの非常に低い周波数範囲内でモータが作動し、用途に応じて、使用される特定の電気モータ駆動部の(すなわち電気モータの)電圧依存性の回転速度定数および/または電流依存性のトルク定数もまた適切な大きさに設定されて、好適な振動強度がもたらされることである。本発明はいわゆる聴覚補償音量に関する類似の考察に基づいている。「聴覚補償音量」とは、録音された音を人間において異なる音量でも同様の聴覚的印象が得られるように再生する手法を表す言葉である(Fletcher-Munson、1933年による)。f=90Hzの仮想純音とf=10~40Hzの範囲内の純音を比較した場合、約3フォン~約80フォンの範囲内の音量レベルでは、音圧レベルの差は約10dB~約60dBである。音圧レベルの差は音量レベルが大きくなるほど小さくなり、音圧レベルの差は周波数差が大きくなるほど大きくなる。言い換えれば、同じ音圧レベルにおいて、約3~80フォンの範囲内の絶対音量では、周波数範囲f=10~40Hzで作動するモータはf=90Hzで作動するモータに比べて、10~60フォン(音量の尺度)だけ穏やかなものとして知覚される。本発明に係る性玩具(バイブレータ)の振動は非常にソフトであると知覚されるが、これは本質的に上で説明した効果に起因して発生するものである。この所望の効果はまた、低音量レベルにおける音量レベル(単位:フォン)と音の大きさ(単位:ソーン)との間の差の漸増が音量レベルに依存することに起因して、容易に増幅される。
【0007】
ただし実施形態によっては、偏心慣性質量部が電気モータ駆動部の直径を越えて延在することも同様に考えられる。電気モータ駆動部はその場合、慣用的な少なくとも80~120Hzの範囲の代わりに、10~40Hzの周波数範囲で動作する。先行技術のほとんど全ての場合において、電気モータ駆動部は電気モータと減速ギアとで構成されており、モータは通常は300~600Hzの比較的高い周波数で作動し、その場合振動は減速により結果的に少なくとも80Hz~120Hzまたはそれ以上の範囲となる。電気モータは通常わずか数ボルト、有利には約3ボルトの作動電圧で作動する。
【0008】
上述した直径の場合にそのシャフトにおける回転重量が通常5グラム~30グラムの範囲内となる、本発明に係る電気モータ駆動部のこれらの非常に特殊な寸法は、この非常に低周波である周波数範囲内で、この非常に特殊な性玩具の分野において特にソフトであると知覚される有利なバイブレータをもたらす。
【0009】
この文脈では、少なくとも80~120Hzにならないと刺激効果が確立されないという数十年来広まっている通説を克服する必要もあった。
【0010】
この点について、作動揺動周波数が、以下の範囲、即ち、f=15~40Hz、20~40Hz、25~40Hz、30~40Hz、35~40Hz、10~35Hz、10~30Hz、10~25Hz、10~20Hz、10~15Hz、15~35Hz、15~30Hz、15~25Hz、15~20Hz、20~35Hz、20~30Hz、20~25Hz、25Hz~35Hz、25~30Hz、30~35Hzのうちの1つに収まることが実証されており、従って有利であることが分かっている。
【0011】
更なる不要なノイズを回避するためには、実証された成果によれば、電気モータ駆動部が減速ギアを有さないのが有利である。
【0012】
例えば電気モータのシャフトの不均衡に起因して生じる可能性のある更なるノイズを低減するために、実証された成果によれば、性玩具の内部の慣性質量部の領域に第1の筐体を配置することが有利であり、その結果、生じる可能性のある音およびノイズはより小さい強度で外部に放出される。
【0013】
したがって、実証された成果によれば、電気モータ駆動部が密閉されることが有利である。
【0014】
更に、実証された成果によれば、電気モータ駆動部を制御および/または調整し、適切に使用すると電気モータの安定した確実な作動が保証される、制御および/または調整エレクトロニクスを提供することが有利である。
【0015】
この文脈では、実証された成果によれば、制御および/または調整エレクトロニクスが干渉ノイズを低減するための第2の筐体を有することも有利である。
【0016】
上述した筐体は金属製であってもセラミック製であってもポリマー製(プラスチック製)であってもよい。
【0017】
この実証された成果によれば、刺激の没入性を高めるためには、性玩具の中またはその壁に少なくとも1つの振動伝達要素が配置され、振動伝達要素の固有共振が作動揺動周波数に対応しているかまたは作動揺動周波数範囲内にあることが有利である。
【0018】
実際には、振動伝達要素が舌形状に形成された場合には有利であることが実証されている。
【0019】
実際には、以下の実施形態が好適でありかつその場合に有利であることが実証されている。
【0020】
駆動電圧は1~5ボルトまたは1~3ボルトまたは3~5ボルトの範囲内である。一般にPWD制御部/調整部として設計される制御および/または調整エレクトロニクスは、フルブリッジを介して動作する。フルブリッジはDC-DCコンバータを介して動作し、より滑らかな動作を達成するべく、一般には数ボルトのバッテリーを使用して、わずかに増加させる。制御および調整エレクトロニクスは、動作中に少なくとも1つの振動プログラムが読み出されるかまたは読み出し可能となるようにプログラムされており、時間的な観点から少なくとも1つの揺動フェーズと少なくとも1つの非揺動フェーズとが提供される。これは振動プログラムの基礎であり、この場合、過度の刺激を防止するまたは個々のケースにおいて変化をもたらすために、揺動フェーズが休止フェーズによって中断される。
【0021】
この文脈では、実証された成果によれば、制御および/または調整エレクトロニクスを、非揺動フェーズから揺動フェーズへの偏心慣性質量部の所望の回転周波数への出力上昇に要するのが少なくとも0.5秒、最大で3秒となるように構成することが有利である。この文脈では、実証された成果によれば、揺動フェーズから非揺動フェーズへの偏心慣性質量部の所望の回転周波数からの出力低下に要するのが少なくとも0.5秒、最大で3秒であることもまた有利である。また更に、この文脈では、実証された成果によれば、制御および/または調整エレクトロニクスが、少なくとも0.5秒、最大で3秒の時間ウィンドウ内で偏心慣性質量部を所望の作動揺動周波数まで確実に出力上昇させるべく、駆動電圧を実際の駆動電圧を超えるまで急上昇させ、その後に作動電圧を実際の駆動電圧まで下げるように設計されることが有利である。
【0022】
更に、この文脈では、実証された成果によれば、制御および/または調整エレクトロニクスが、電気モータ駆動部がその作動揺動周波数で動作している間に、逆極性電流を供給することによって少なくとも0.5秒、最大で3秒で、電気モータ駆動部を完全に停止させるように設計される場合も有利である。
【0023】
この性玩具は、通常は一種の握りとして形成される制御部と、例えば材料削減領域として設計される、弾性中間部を介して接続されている振動部と、を有する。しびれを軽減または更には防止するために、振動減衰要素、例えば特に性玩具の内壁に装着されるハニカム形状の格子要素が、制御部の内側に配置されると有利である。振動の発生を増加させるために、電気モータ駆動部が、少なくとも1つの慣性質量部を回転的に駆動する1つのシャフトを含む2重モータ(原則として、2重モータとは、直列または並列に電力供給される2つの個別のモータを意味するものと理解される)として、各々が少なくとも1つの慣性質量部を回転的に駆動する2つのシャフトを含む2重モータとして、または、各々が少なくとも1つの慣性質量部を駆動する2つのシャフトを含む1つの簡素なモータとして設計されると、有利な場合がある。電力供給のためには、電源は電池、特にリチウムイオン電池が適していることが実証されている。
【0024】
最後に、本発明に係る性玩具が使用されることを特徴とする、振動を発生させるためのバイブレータとしての性玩具を動作させるための方法、および、性玩具が本発明に係る性玩具であることを特徴とする、振動を発生させるためのバイブレータとしての性玩具の使用が特許請求される。
【0025】
以下の
図1および
図2は、例として非限定的な様式で本発明を説明するものである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明に係る性玩具/バイブレータの機能的かつ形式的な構造の概略図である。
【
図2】本発明に係る性玩具/バイブレータの一実施形態の断面の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
性的刺激用バイブレータとしての本発明に係る性玩具の一実施形態が提示されるが、これには少なくとも1つの偏心慣性質量部2を回転的に駆動する電気モータ駆動部1、3が含まれ、慣性質量部はある回転周波数範囲内で偏心的に回転し、このことによりバイブレータがこの周波数範囲内で、従ってその作動揺動周波数範囲内で振動し、電気モータ駆動部1、3の直径は5mm~50mmであり、バイブレータは作動揺動周波数範囲がf=10~40Hzとなるように設計されている、
および/または、1ボルトの最小駆動電圧では電気モータ駆動部の回転速度定数は600rpm/ボルト~2400rpm/ボルトの範囲内であり、一方、10ボルトの最大駆動電圧では回転速度定数は60rpm/ボルト~240rpm/ボルトの範囲内であり、その間の全ての駆動電圧について、1ボルト~10ボルトの駆動電圧範囲内での駆動電圧と回転速度定数の各積は、600rpm~2,400rpmの回転速度をもたらす、および/または、電気モータ駆動部のトルク定数は、0.001mNm/A~50mNm/A、もしくは0.001mNm/A~30mNm/A、もしくは0.01mNm/A~50mNm/A、もしくは0.01mNm/A~30mNm/A、もしくは0.1mNm/A~50mNm/A、もしくは0.1mNm/A~30mNm/A、もしくは1.0mNm/A~50mNm/A、もしくは1.0mNm/A~30mNm/A、もしくは10mNm/A~50mNm/A、もしくは10mNm/A~30mNm/Aの範囲内である。
【0028】
バイブレータは10~40Hzの作動振動範囲を有し、すなわちこの範囲内で振動し、電気モータ駆動部1、3(参照番号3はそのような電気モータを示す)はこの場合減速ギア4を有しているが(このケースでは、電気モータ3と減速ギア4とが電気モータ駆動部1を形成している)、その場合、例えば電気モータ駆動部1が40Hzで作動すると、2:1の減速では慣性質量部2は20Hzで偏心的に回転し、その結果20Hzの振動周波数を呈することになる。
【0029】
性玩具の内部の慣性質量部2の領域に、電気モータ駆動部1、3を同時に(音響的に)封入する第1の筐体5が配置されている。
【0030】
更に、電気モータ駆動部1、3を制御および/または調整する制御および/または調整エレクトロニクス6が設けられ、制御および/または調整エレクトロニクスは第2の(音響)筐体7を有する。
【0031】
また更に、性玩具の中またはその壁10には、作動揺動周波数範囲内で固有共振を有する少なくとも1つの振動伝達要素8が配置され、これは舌形状の設計および金属形態を有する。
【0032】
駆動電圧は3~5ボルトの範囲内であり、より精確には、電気モータ駆動部1、3は約3.3ボルトで動作する。
【0033】
制御および/または調整エレクトロニクス6はフルブリッジを介して動作し、フルブリッジはDC-DCコンバータを介して動作し、制御および/または調整エレクトロニクス6は約5ボルトで動作する。
【0034】
制御および調整エレクトロニクス6は、動作中に少なくとも1つの振動プログラムが読み出されるかまたは読み出し可能となるようにプログラムされており、時間的な観点から少なくとも1つの揺動フェーズと少なくとも1つの非揺動フェーズとが提供される。バイブレータ(性玩具)は、制御部20と、弾性中間部21を介して接続されている振動部22と、を有する。制御部20の内部にはハニカム構造を有するメッシュ状の設計を有する振動減衰要素が配置されており、これは内壁10に密着させて設置されている。
【0035】
電気モータ駆動部1、3は、振動が振動部22に直接伝達されるようにブリッジ要素11を介して内壁10に剛性的に接続されており、この結果、振動部22の材料削減部としての弾性中間部21の働きにより、振動部が比較的剛性の高い制御部20に対して振動できるようになっている。
【0036】
電源9は電池、具体的にはリチウムイオン電池であり、駆動電圧は3.3ボルトである。
【国際調査報告】