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特表2024-507073眼圧の遠隔光学監視のための方法およびデバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】眼圧の遠隔光学監視のための方法およびデバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/16 20060101AFI20240208BHJP
   A61B 3/107 20060101ALI20240208BHJP
   A61F 9/007 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
A61B3/16 300
A61B3/107
A61F9/007 170
A61F9/007 160
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544688
(86)(22)【出願日】2022-02-22
(85)【翻訳文提出日】2023-07-25
(86)【国際出願番号】 US2022017224
(87)【国際公開番号】W WO2022182629
(87)【国際公開日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】63/152,844
(32)【優先日】2021-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521177175
【氏名又は名称】スマートレンズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ダナ, アイクトル
(72)【発明者】
【氏名】ヤジチ, アフメト タイラン
(72)【発明者】
【氏名】アガオグル, セブダ
(72)【発明者】
【氏名】コンバン, サバス
(72)【発明者】
【氏名】バデイ, ムラート
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA03
4C316AA20
4C316AA24
4C316FB21
4C316FC04
4C316FY01
(57)【要約】
アイウェアデバイスを装着している人が、その眼の眼圧を正確に測定し、必要とされるときに薬剤を眼に分注することを可能にする、ウェアラブルアイウェアデバイス、使用方法、およびシステムが、説明される。種々の実施形態では、本開示は、薬物を眼の近傍の領域に、または眼または眼を被覆するコンタクトレンズ上に送達するための装置に関する。システムは、薬物送達のための装置と、眼の眼圧(IOP)を測定するための歪みセンサとを含む。本開示はさらに、歪みセンサからの歪み読取値を、薬物を眼の近傍の領域、眼上、または眼上のコンタクトレンズ上に送達するための装置から分注されるべき、薬物の適切な用量に転換する方法も含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェアラブルアイウェアデバイスとの併用のための薬物送達装置であって、前記装置は、
流体リザーバを画定する第1の本体であって、前記リザーバは、
霧発生器と、
供給管であって、前記供給管は、ある体積の流体を前記リザーバの中に給送する、供給管と、
流体センサであって、前記センサは、前記リザーバ内の前記流体の存在を検出することが可能である、流体センサと
を備える、第1の本体と、
第2の本体であって、前記第2の本体は、
解放可能な締結具であって、前記解放可能な締結具は、コンテナに係合する、解放可能な締結具と、
前記コンテナの中に延在する第1の針であって、前記第1の針は、前記コンテナとのシールを形成し、前記コンテナの中に空気を送達することが可能である、第1の針と、
前記コンテナの中に延在する第2の針であって、前記第2の針は、前記コンテナとのシールを形成し、前記第2の針は、前記供給管に接続され、前記コンテナの内容物は、前記第2の針を通して、前記供給管を通して、前記リザーバの中に進行する、第2の針と、
ポンプであって、前記ポンプは、空気を前記第1の針を通して前記コンテナの中に送達する、ポンプと、
コントローラであって、前記コントローラは、前記流体センサからのデータに基づいて前記リザーバ内の流体の体積を決定し、前記流体の体積が所定の閾値を下回るとき、前記ポンプをアクティブ化させる、コントローラと、
電源であって、前記電源は、電気を前記ポンプ、前記コントローラ、前記流体センサ、および前記霧発生器に提供する、電源と
を備える、第2の本体と
を備える、装置。
【請求項2】
前記霧発生器は、圧電素子を備える、請求項1に記載の薬物送達装置。
【請求項3】
前記解放可能な締結具は、ポートを備え、前記コンテナは、前記ポートと解放可能に係合する、請求項1または2に記載の薬物送達装置。
【請求項4】
前記流体センサは、前記リザーバ内の流体のレベルを検出し得る、前記請求項のいずれか1項に記載の薬物送達装置。
【請求項5】
前記ポンプは、手動ポンプである、前記請求項のいずれか1項に記載の薬物送達装置。
【請求項6】
前記ポンプは、電動ポンプを含む、請求項1-4のいずれか1項に記載の薬物送達装置。
【請求項7】
患者の眼を治療するためのシステムであって、前記システムは、
ゴーグルであって、前記ゴーグルは、前記眼に近接近して位置付けられるように構成され、前記ゴーグルは、
光学センサであって、前記光学センサは、歪みセンサの画像を捕捉することが可能である、光学センサと、
プロセッサであって、前記プロセッサは、前記光学センサからデータを受信し、前記歪みセンサによって被られる歪みの量を決定する、プロセッサと、
薬物を、前記眼に近接近しているある体積の空間の中に分注するための薬物送達装置であって、前記薬物送達装置は、霧発生器と、供給管と、流体センサとを伴う第1の本体を有し、前記薬物送達装置は、解放可能な締結具と、第1の針および第2の針と、ポンプと、コントローラと、電源とを伴う第2の本体を有する、薬物送達装置と
を備える、ゴーグル
を備え、
前記プロセッサは、前記光学センサからの前記データに基づいてIOP値を決定し、
前記プロセッサは、薬物を分注するように前記薬物送達装置をトリガする、システム。
【請求項8】
前記ゴーグルはさらに、無線通信モジュールを備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記光学センサはさらに、画像センサと、光源とを備える、請求項7または8に記載のシステム。
【請求項10】
前記光源は、LED(発光ダイオード)である、請求項9に記載のセンサ。
【請求項11】
前記歪みセンサは、
ガスリザーバと、
液体リザーバと、
前記ガスリザーバに接続する第1の端部と、前記液体リザーバに接続する第2の端部とを有するチャネルと
をさらに備える微小流体歪みセンサである、請求項7-10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記液体リザーバは、歪みを受けると変形することが可能である複数のチャネルを備え、前記変形は、前記チャネルに体積を増加させる、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記歪みセンサは、複数の光学マーカを含む成形ポリマーシートであり、前記マーカは、パターンを有し、前記パターンは、前記歪みセンサが歪みを受けると、変形を受ける、請求項7-12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
前記歪みセンサは、前記眼の反射画像のパターンである、請求項7-12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
患者の眼を治療するためのシステムであって、前記システムは、
ゴーグルであって、前記ゴーグルは、前記眼に近接近して位置付けられるように構成され、前記ゴーグルは、
磁気センサであって、前記磁気センサは、磁石の位置を決定することが可能である、磁気センサと、
プロセッサであって、前記プロセッサは、前記磁気センサからデータを受信し、前記磁石の位置の変化を決定し、前記磁石は、第1の位置と、第2の位置とを有する、プロセッサと、
薬物を、前記眼に近接近しているある体積の空間の中に分注するための薬物送達装置であって、前記薬物送達装置は、霧発生器と、供給管と、流体センサとを伴う第1の本体を有し、前記薬物送達装置は、解放可能な締結具と、第1の針および第2の針と、ポンプと、コントローラと、電源とを伴う第2の本体を有する、薬物送達装置と
を備える、ゴーグル
を備え、
前記プロセッサは、前記第1の位置と第2の位置との間の前記磁石の位置の変化に基づいて、IOP値を決定し、
前記プロセッサは、薬物を分注するように前記薬物送達装置をトリガする、システム。
【請求項16】
前記磁石は、コンタクトレンズプラットフォームの一部である、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
患者の眼に薬物を送達する方法であって、前記方法は、
プロセッサを介してセンサに照会することであって、前記センサは、前記眼の眼圧に関するデータセットを含有する、ことと、
前記プロセッサを介して、前記眼のIOP圧力を決定することと、
前記プロセッサおよびメモリデバイスを介して、前記IOP圧力が、薬物治療のための閾値要件を充足しているかどうかを比較することと、
薬物送達デバイスを介して、薬剤を前記眼に近接近しているある体積の空気の中に送達することと
を含み、
前記薬剤の送達は、薬物を、前記眼に近接近しているある体積の空間の中に分注するための薬物送達装置によって実施され、前記薬物送達装置は、霧発生器と、供給管と、流体センサとを伴う第1の本体を有し、前記薬物送達装置は、解放可能な締結具と、第1の針および第2の針と、ポンプと、コントローラと、電源とを伴う第2の本体を有する、方法。
【請求項18】
前記センサは、画像センサを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記センサは、磁場センサを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記プロセッサは、ハンドヘルド電子デバイス内に配置される、請求項17-19のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その全内容が本明細書に組み込まれる、2021年2月24日に出願された、米国仮出願第63/152,844号(弁理士整理番号第48675-710.101号)の利益を主張する。
【0002】
(1.発明の分野)
本開示は、眼圧を測定し、それを治療するために薬剤を分注するためのウェアラブル光学撮像センサシステムのシステムおよび使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
緑内障は、世界全体における失明の第2の最も一般的な原因である。これは、いくつかのリスク要因を伴う多因子性疾患であり、その中でも眼圧(IOP)が、最も重要である。IOP測定は、緑内障診断および患者監視のために使用される。IOPは、幅広い日周的増減を有し、身体の姿勢に依存し、そのため、診療所における眼科医療専門家によって行われる随時の測定は、誤解を招き得る。
【0004】
以前(2018年の第US20160015265A1号(特許文献1))に、緑内障診断のために使用され得る、眼圧監視のための埋込式微小流体デバイスが、提案された。後に、同一の目的を果たすが、しかしながら、埋込を必要としない、ウェアラブルデバイスが、実証された(Lab on a Chip, 2018, 18, 3471-3483(非特許文献1))。これらの以前の研究では、眼圧の増加が、角膜の膨隆、その結果、曲率半径の変化をもたらすことが確立された。
【0005】
文献では、IOP変化が、角膜の構造特徴に悪影響を及ぼし、角膜半径および角膜周縁に対する頂点高の変化を引き起こすことが示されている。角膜の構造特徴が、正確に測定され得る場合、1mmHgのIOP変化あたり4マイクロメートルの角膜半径の変化が、監視され得、IOP値が、推論されることができる。
【0006】
したがって、患者がその通常ルーチンを経験しながら1日の全体を通して患者の眼の複数の測定値をとり得る、IOP測定デバイスの必要性が存在する。
【0007】
また、正確な診断のための信頼性のあるデータを生産するための測定値をとるために十分な感度を有する、デバイスの必要性も、存在する。
【0008】
なおもさらに、患者の正常な視覚および活動を妨害しない様式において動作するようなデバイスの必要性も、存在する。
【0009】
なおもさらに、患者がその通常の日々の活動を継続する間、確実に動作し得るデバイスの必要性も、存在し、本デバイスは、患者の眼に対する特定の臨界位置または整合を要求しない。本デバイスは、ユーザにやさしくあるべきである。
【0010】
(2.背景の参照文献)
本願は、2021年10月6日に出願された、米国特許出願第17/495,198号(弁理士整理番号第48675-708.301号)、2021年7月8日に出願された、米国特許出願第17/370.735号(弁理士整理番号第48675-707.301号)、2018年9月7日に出願された、米国特許出願第16/124,630号(弁理士整理番号第48675-705.201号)、および2021年1月26日に出願された、第PCT/US2021/15093号(弁理士整理番号第48675-709.601号)(その全内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許出願公開第2016/0015265号明細書
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Lab on a Chip, 2018, 18, 3471-3483
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
これらおよび他の目的は、本明細書に説明されるデバイス、システム、および方法を使用して充足され得る。種々の実施形態では、本開示は、薬物を眼の近傍の領域に、または眼または眼を被覆するコンタクトレンズ上に送達するための装置に関する。システムは、薬物送達のための装置と、眼の眼圧(IOP)を測定するための歪みセンサとを含む。本開示はさらに、歪みセンサからの歪み読取値を、薬物を眼の近傍の領域、眼上、または眼上のコンタクトレンズ上に送達するための装置から分注されるべき、薬物の適切な用量に転換する方法も含む。種々の実施形態では、IOPは、コンタクトレンズ、カメラ、およびプロセッサを使用して決定されてもよい。いくつかの実施形態では、これらの要素のうちの1つまたはそれを上回るものが、同等の要素と置換されてもよい。いくつかの実施形態では、眼に近接近している薬物または薬剤分注デバイスが、存在してもよい。本デバイスは、一対のゴーグル、眼鏡、または他のアイウェアであってもよい。種々の実施形態では、IOP測定値を読み取る要素は、薬物送達のために使用される要素と協働してもよい。
【0014】
種々の実施形態では、本開示は、ウェアラブルアイウェアデバイスとの併用のための薬物送達装置に関する。本装置は、流体リザーバを画定する、第1の本体を備える。流体リザーバは、少なくとも部分的に開放側を被覆する霧発生器を伴う、開放側を有する。供給管が、ある体積の流体をリザーバの中に給送し、流体センサが、リザーバ内の流体の存在を検出する。本装置は、第2の本体を有してもよい。第2の本体は、コンテナに係合するための解放可能な締結具を有する。第2の本体はまた、コンテナの中に延在する、第1の針であって、コンテナとのシールを形成し、コンテナの中に空気を送達することが可能である、第1の針を有してもよい。コンテナの中に延在する、第2の針であって、コンテナとのシールを形成し、供給管に接続される、第2の針が、存在してもよい。コンテナの内容物は、第2の針を通して、供給管を通して、リザーバの中に進行してもよい。本装置はまた、ポンプであって、空気を第1の針を通してコンテナの中に送達する、ポンプも有する。コントローラが、流体センサからのデータに基づいてリザーバ内の流体の体積を決定し、流体の体積が所定の閾値を下回るとき、ポンプをアクティブ化させてもよい。電源が、電気をポンプ、コントローラ、流体センサ、および霧発生器に提供する。
【0015】
いくつかの実施形態では、眼を治療するためのシステムが、存在する。本システムは、眼に近接近して位置付けられる、ゴーグルまたは他の好適なアイウェアを備える。ゴーグルは、歪みセンサの画像を捕捉することが可能である、光学センサと、光学センサに照会する、またはそれからデータを受信し、歪みセンサによって被られる歪みの量を決定し得る、プロセッサとを備える。ゴーグルはまた、薬物を、眼に近接近しているある体積の空間の中に分注するための薬物送達装置も有する。薬物送達装置は、霧発生器と、供給管と、流体センサとを伴う、第1の本体と、解放可能な締結具と、第1の針および第2の針と、ポンプと、コントローラと、電源とを伴う、第2の本体とを有する。ゴーグルは、光学センサからのデータに基づいてIOP値を決定し、薬物を分注するように薬物送達装置をトリガしてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、眼を治療するためのシステムが、存在する。本システムは、眼に近接近して位置付けられる、ゴーグルまたは他の好適なアイウェアを備える。ゴーグルは、磁石または強磁性材料(磁石は、コンタクトレンズプラットフォームの一部であり、眼上に位置する)の位置を決定することが可能である、磁気センサを備える。ゴーグルは、プロセッサを含んでもよい。プロセッサは、磁気センサに照会する、またはそれからデータを受信し、磁石の位置の変化を決定してもよく、磁石は、第1の位置と、第2の位置とを有する。ゴーグルは、薬物を、眼に近接近しているある体積の空間の中に分注するための薬物送達装置を含んでもよい。薬物送達装置は、霧発生器と、供給管と、流体センサとを伴う、第1の本体と、解放可能な締結具と、第1の針および第2の針と、ポンプと、コントローラと、電源とを伴う、第2の本体とを有してもよい。プロセッサは、第1の位置と第2の位置との間の磁石の位置の変化に基づいて、IOP値を決定してもよい。プロセッサは、薬物を分注するように薬物送達装置をトリガしてもよい。
【0017】
また、眼に薬物を送達する種々の方法も、説明される。ある実施形態では、眼に薬物を送達する方法は、プロセッサを介してセンサに照会することであって、センサは、眼の眼圧に関するデータセットを含有する、ことを伴う。次いで、プロセッサを介して、眼のIOP圧力を決定することを伴う。次いで、プロセッサおよびメモリデバイスを介して、IOP圧力が、薬物治療のための閾値要件を充足しているかどうかを比較することを伴う。次いで、薬物送達デバイスを介して、薬剤を眼に近接近しているある体積の空気の中に送達することを伴う。薬剤の送達は、薬物を、眼に近接近しているある体積の空間の中に分注するための薬物送達装置であって、霧発生器と、供給管と、流体センサとを伴う、第1の本体を有し、解放可能な締結具と、第1の針および第2の針と、ポンプと、コントローラと、電源とを伴う、第2の本体を有する、薬物送達装置によって実施される。
【0018】
別の実施形態では、患者のIOPを測定し、治療するためのシステムが、存在し得る。本システムは、算出デバイスと、IOPデータを収集するための、算出デバイスと信号通信しているウェアラブルアイウェアデバイスと、薬物分注コンポーネントを有する、アイウェアデバイスとを有してもよい。本システムはまた、データベースが算出デバイスによってアクセスされ得、データベースおよびIOPデータが、ユーザの眼に関する治療計画を決定するために使用される、個人化された眼科的基準データを含むユーザプロファイルを含有する、データベースを有してもよい。アイウェア上の薬物送達コンポーネントが、算出デバイスからの信号に応答して、薬物を送達してもよい。
【0019】
種々の実施形態では、算出デバイスは、携帯電話、タブレット、またはラップトップコンピュータであってもよい。さらに他の実施形態では、算出デバイスは、ウェアラブルアイウェアデバイスに取り付けられてもよい。
【0020】
1つまたはそれを上回る照明器と、1つまたはそれを上回る画像センサとを伴う、アイウェアを使用する、デバイス、システム、および方法が、本明細書に説明される。照明器および画像センサの組み合わせが、周囲照明効果変化および/または不整合誤差のうちの一方またはそれを上回るものを排除するように動作しながら、角膜半径の感度が高くかつ正確な測定を提供し得る。曲率半径の(IOPの1mmHgの変化あたり4マイクロメートル程度の)わずかな変化が、典型的な成人角膜に関して観察され得る。光学設計は、画像処理およびセンサの融合および機械学習が正確かつ感度の高い状態で角膜内の曲率半径変化を測定することを可能にし得る。測定された変化は、機械学習プログラム、学習ニューラルネットワーク、人工知能プログラム、または他の分析算出プログラムを使用した計算において使用され、測定された半径の変化をIOPに関連付けてもよい。本方法は、既知のIOP読取値における曲率半径が、従来の眼科的方法によって入手される、角膜厚および構造特徴の予備的特性評価を使用してもよい。個人化されたデータセットは、次いで、データ処理アルゴリズムの中への入力として使用され、これはまた、IOPを計算するためにアイウェアからの持続的な撮像測定値を使用してもよい。データは、携帯電話またはクラウド等の算出デバイスに接続されてもよく、アイウェアは、薬物分注デバイスを使用して薬物を分注してもよい。薬物は、眼のIOPを低減させることに役立ち得る。本開示は、1つまたはそれを上回る画像センサからの画像入手を通してIOPを測定し、特定の個人に関する基準データに加えて画像データを使用し、IOPを正確に決定し、薬物を眼に分注し、IOPを制御し得る、ウェアラブル光学デバイスを含む。
【図面の簡単な説明】
【0021】
ここで、概略すると、同様の部品番号が同一の部分を指す、図面が、参照される。そうでなければ、異なる部品番号は、他の部品番号に類似する場合でも、異なる実施形態の異なる部分を表す。図内の要素は、具体的に示されていない限り、必ずしも縮尺通りではなく、要素または要素のある特性を強調するために、ある程度まで歪曲され得る。図の概観が不必要に歪曲された状態にならないように、全ての部分が、全ての実施形態に示されているわけではない。
【0022】
図1図1は、ある実施形態による、遠隔で眼圧を測定するための光学式撮像センサゴーグル(IOPゴーグル)を図示する。
【0023】
図2図2は、ある実施形態による、IOPゴーグルの上面図を図示する。
【0024】
図3図3Aおよび3Bは、ある実施形態による、ゴーグルを図示する。
【0025】
図4図4は、ある実施形態による、IOPが15から30mmHgまで変化するときの角膜の構造特徴の変化を図示する。
【0026】
図5図5は、ある実施形態による、角膜から反射する光学ビームを示す、概略光線トレースを図示する。
【0027】
図6図6は、ある実施形態による、画像を形成する光学ビームを示す、概略光線トレースを図示する。
【0028】
図7図7は、ある実施形態による、角膜半径が変化するときのカメラの画像面における点源の画像を示す、概略光線トレースを図示する。
【0029】
図8図8は、ある実施形態による、角膜位置を説明するために使用される、座標系を図示する。
【0030】
図9図9は、ある実施形態による、角膜のX位置変化を示す、概略光線トレースを図示する。
【0031】
図10図10は、ある実施形態による、角膜のz位置変化を示す、概略光線トレースを図示する。
【0032】
図11図11は、ある実施形態による、角膜の角度位置が変化するときの画像変化を示す、概略光線トレースを図示する。
【0033】
図12図12は、ある実施形態による、側面に面する画像センサおよび光スポットのパターンを図示する。
【0034】
図13図13は、ある実施形態による、角膜と交差する、異なる光ビームを図示する。
【0035】
図14図14は、ある実施形態による、レーザ点の位置の変化を示す、計算を図示する。
【0036】
図15図15は、ある実施形態による、眼上の光スポットのパターンを図示する。
【0037】
図16図16は、ある実施形態による、異なる眼圧を伴う、2つの例示的網膜の断面図を図示する。
【0038】
図17図17は、ある実施形態による、多項式適合を使用したデータのグラフを図示する。
【0039】
図18図18は、ある実施形態による、データ処理の概略図を図示する。
【0040】
図19図19は、ある実施形態による、サンプル論理を図示する。
【0041】
図20図20は、ある実施形態による、データ処理フローチャートを図示する。
【0042】
図21図21は、ある実施形態による、例示的データ処理パイプラインを図示する。
【0043】
図22図22は、ある実施形態による、別の例示的データ処理パイプラインを図示する。
【0044】
図23図23は、ある実施形態による、IOP測定能力および読取機デバイスを伴う、コンタクトレンズを図示する。
【0045】
図24図24は、ある実施形態による、IOP歪みセンサを伴う例示的ウェアラブルコンタクトを図示する。
【0046】
図25図25は、ある実施形態による、IOP歪みセンサを伴う例示的ウェアラブルコンタクトレンズを図示する。
【0047】
図26図26は、ある実施形態による、IOP歪みセンサを伴うウェアラブルコンタクトレンズの平面図を図示する。
【0048】
図27図27は、いくつかの実施形態による、断面におけるIOP歪みセンサのセットを図示する。
【0049】
図28図28は、異なる実施形態に従って構築された歪みセンサに関する異なる選択肢を図示する。
【0050】
図29図29は、いくつかの実施形態による、異なる数のリングに対する圧力応答のグラフを図示する。
【0051】
図30図30は、ある実施形態による、リザーバリングの数に基づく感度依存度を図示する。
【0052】
図31図31は、ある実施形態による、眼の角膜上に設置されるIOPセンサを伴うコンタクトレンズの断面図を図示する。
【0053】
図32図32は、ある実施形態による、3つの異なるリング幅に関する高さに対する感度依存度を図示する。
【0054】
図33図33は、ある実施形態による、補助的コンタクトレンズセンサおよび液体リザーバ断面の拡大図を図示する。
【0055】
図34図34は、ある実施形態による、円形および線形の凸面形形状でパターン化された、リザーバ天井を伴う、センサを図示する。
【0056】
図35図35は、ある実施形態による、線形にパターン化された液体リザーバ天井を伴うセンサの顕微鏡画像を図示する。
【0057】
図36図36は、ある実施形態による、センサを加工するために使用され得るステップを図示する。
【0058】
図37図37は、ある実施形態による、センサを加工するために使用され得るステップを図示する。
【0059】
図38図38は、ある実施形態による、補助的微小流体センサの天井層の加工ステップを図示する。
【0060】
図39図39は、ある実施形態による、癌細胞の生体力学のための歪みセンサを図示する。
【0061】
図40図40は、ある実施形態による、微視的特徴のいくつかの例示的形状を図示する。
【0062】
図41図41は、ある実施形態による、サンプルデバイスのCOMSOL結果のグラフを図示する。
【0063】
図42図42は、ある実施形態による、撮像デバイスと、薬物送達システムとを伴う、ゴーグルを図示する。
【0064】
図43図43は、ある実施形態による、光源を伴う、撮像システムを図示する。
【0065】
図44図44は、ある実施形態による、薬物分注システムの側面図を図示する。
【0066】
図45図45は、ある実施形態による、薬物送達システムの一部の断面を図示する。
【0067】
図46図46は、ある実施形態による、薬物分注システム論理のフローチャートを図示する。
【0068】
図47図47は、ある実施形態による、薬物分注システムを伴う、ゴーグルの電気回路図を図示する。
【0069】
図48図48は、ある実施形態による、歪みセンサのサンプル試験データを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0070】
本発明の詳細な説明
本開示は、眼の角膜を測定し、角膜の曲率に基づいて測定された眼の眼圧を決定するためのウェアラブルアイウェア、システム、および方法を説明する。本開示は、コンタクトレンズと、アイウェアと、アイウェアによって収集された角膜データに基づいてIOP値を計算するための、算出デバイスとを含む。本開示はまた、IOPを計算し、必要とされるときに薬物を眼に分注するための方法も含む。用語「アイウェアデバイス」または「アイウェア」を使用し得る説明は、本明細書では、同義的に使用されるように意図され、「アイウェアデバイス」または「アイウェア」のいずれの言及も、文脈が具体的に別様に示さない限り、本明細書に説明されるようなウェアラブルアイウェアシステム、装置、およびデバイスのうちのいずれも意味すると理解される。
【0071】
本明細書に説明されるようなアイウェアは、様々な形態をとり得る。形状因子は、ユーザのための選択肢の1つ、またはユーザの検眼医またはユーザの眼の健康に関わる他の医療専門家のための1つの選択肢であり得る。いくつかの実施形態では、形状因子は、フレームと、レンズとを含み得る。フレームは、ユーザが、その眼の正面に装着し得るものであり得る(男性または女性代名詞の使用が、本明細書では無作為に分散され得ることに留意されたい。開示される技術は、ユーザの性別に左右されない。本明細書に説明されるユーザまたは他のヒトの性別の同義的使用は、出願の利便性のためにすぎない)。フレームは、サングラス、視覚補正眼鏡、安全眼鏡、あらゆるタイプのゴーグル(例えば、水泳、運動、安全、スキー等)のためのフレームを含む、現代的アイウェアのために使用される、任意の種類のアイウェアフレームであり得る。フレームは、一方の眼のための単一のレンズ、2つの眼のためのレンズ(例えば、バイザ)、または単一のレンズおよびアイカバー(「弱視」を患う、一方の眼の損失を患い得るヒト等)のために好適であってもよい。レンズは、視覚補正のための処方レンズ、外観のための透明または色合いを付けられたレンズ、または眼を被覆する、不透明レンズであってもよい。多くの実施形態では、レンズは、ユーザの視野にわたって画定された面積を有してもよい。視野は、ユーザの視覚を遮断することを回避するために、透明であってもよい。アイウェアデバイスの種々の要素は、レンズの周縁またはフレーム上に設置されてもよい。フレームまたはレンズは、本開示との併用のために好適な、画像センサ、光源、バッテリ、算出デバイス、薬物送達デバイス、または任意の他のコンポーネントの付属品のためのフランジまたは他の突出部またはタブを有してもよい。
【0072】
ウェアラブルアイウェアは、画像センサが眼の画像を捕捉し得るように、ユーザの眼に面するように位置付けられる、1つまたはそれを上回る画像センサを有してもよい。画像センサは、カメラ、CCD(電荷結合素子)、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)、または他の画像捕捉技術であってもよい。ウェアラブルアイウェアは、眼に光を投影するための1つまたはそれを上回る光源を有してもよい。いくつかの実施形態では、光源は、光の固有の波長を生産する、ある形態の照明であってもよい。光の放出は、光がユーザの正常な視覚を妨害しないように、角膜の曲率に対して浅い角度にあり、眼の水晶体部分の外側に投影されてもよい。いくつかの実施形態では、光源は、レーザであってもよい。いくつかの実施形態では、光源は、LED(発光ダイオード)であってもよく、他の実施形態では、光源は、現在公知である、または依然として未開発である、任意の光発生技術であってもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、アイウェアデバイスは、画像センサの代わりに、またはそれに加えて、磁気センサを使用してもよい。磁気センサは、磁場を生成してもよい。磁石または強磁性材料を伴うコンタクトレンズプラットフォームが、眼上に装着され、検査されてもよい。磁場は、磁石または強磁性材料を眼の中心に向かって押動するようにアクティブ化されてもよい。磁場は、これが眼の表面に対して押動されている距離を評価するために使用されてもよい。眼表面の距離低下が、眼のIOP値を決定するために使用されてもよい。
【0074】
種々の実施形態では、光源および画像センサは、画像センサによって捕捉された画像が、角膜曲率の変化の正確な読取を妨害し得る、周囲光、眩輝、または他の光学アーチファクトを無視することが可能であるように位置付けられてもよい。光源および画像センサは、捕捉された画像が、より優れた信頼性と、より少ない信号ノイズとを有し得るように、1つまたはそれを上回る偏光フィルタを使用し、特定の偏波、波長、または強度の光を十分に低減または排除してもよい。別の実施形態では、アイウェアは、周囲照明条件が、角膜曲率を決定するための眼の好適な画像を撮影するために適切であるときに調整することに役立つような光センサを有してもよい。画像センサによって捕捉された画像は、ある期間にわたってローカルで記憶される、または通信ポータルを介して算出デバイスに伝送されてもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、通信ポータルは、算出デバイスへのデータの無線伝送のためのアンテナであってもよい。通信ポータルは、画像データを送信すること、薬物送達デバイスのための投薬情報を受信すること等、情報を送信し、受信してもよい。種々の実施形態では、算出デバイスは、ユーザがアイウェアデバイスのためのプログラム(App)機能を行うために選択し得る、携帯電話、タブレット型コンピュータ、ラップトップコンピュータ、または任意の他の算出デバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、算出デバイスは、アイウェア上に常駐してもよい。いくつかの実施形態では、通信ポータルは、画像センサと、光源と、算出デバイスと、全ての電気コンポーネントのための電力供給源との間での有線接続であってもよい。さらに他の実施形態では、通信ポータルは、アイウェアをクラウドに接続してもよい。
【0076】
ある実施形態では、眼のIOPを決定するための方法が、存在する。いくつかの実施形態では、本方法は、基本動作パイプラインを使用してもよい。パイプラインは、様々なソースから画像データを受信してもよい。いくつかの実施形態では、画像データは、アイウェアがユーザによって装着されると、そこから生じてもよい。いくつかの実施形態では、画像データは、固定された時点におけるユーザの記憶された眼科データを有する、データベースから生じてもよい。いくつかの実施形態では、画像は、固定された時点からのユーザの解剖学的データであってもよい。ある実施形態では、一部または全ての利用可能な画像データが、画像処理フロントエンドを伴う深層ニューラルネットワーク内で使用されてもよい。画像処理フロントエンドは、IOP読取値を導出または計算してもよい。いくつかの実施形態では、IOP読取値は、準リアルタイムな出力を提供する、ビデオデータレートにおいて更新されてもよい。
【0077】
別の実施形態では、データパイプラインは、非飽和画像を捕捉するために、画像センサに、露光レベル、利得、輝度、およびコントラストを変更させてもよい。画像は、背景ノイズを低減または排除するために、閾値フィルタを通して通過されてもよい。いくつかの高分解能画像が、ぼやけた低分解能画像が形成される間、迅速な処理のために一時メモリ内に記憶されてもよい。低分解能画像は、次いで、合致フィルタまたは特徴検出フィルタを通して通過され、種々の捕捉された画像内の特定の照明/光源に対応するスポットを正確に示してもよい。大まかな場所が、次いで、高分解能画像をセグメント化し、ピーク適合アルゴリズムを実施し、画像内の各ピークの位置および幅を個々に決定するために使用されてもよい。ピーク場所および幅の結果は、次いで、予め訓練されたニューラルネットワークと併用されてもよく、これは、次いで、角膜座標および曲率半径を推定するために使用されてもよい。非線形方程式ソルバが、曲率半径をIOP読取値に転換するために使用されてもよい。
【0078】
ある実施形態では、IOP読取値は、次いで、監視されている眼に投与するための薬物用量を決定するために使用されてもよい。薬物用量情報は、通信ポータルを通してアイウェアおよび薬物分注デバイスに戻るように中継されてもよい。薬物分注デバイスは、次いで、適切な用量を眼に投与してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、霧化器を使用してもよい。他の実施形態では、薬物送達デバイスは、点眼薬を使用してもよい。さらに他の実施形態では、算出デバイスは、ユーザに、ある時間にある用量の薬物を自己投与するための警告を提供してもよい。
【0079】
本明細書に説明されるように、ウェアラブルアイウェアデバイスが、ユーザの眼のIOPを測定するために、算出デバイスに結合されてもよい。ユーザは、使用法の文脈が明確に別様に示さない限り、アイウェアを装着するヒトであってもよい。
【0080】
非精密であり得る、種々の側面、実施形態および実施例が、説明される。医療技術および治療では、診断、薬物処方、および使用法、および療法計画は、全てのヒトが個々の生物学の微妙な差異に対して行うものに関して同一ではない場合がある。したがって、本明細書に説明される種々の実施形態は、「概して」または「実質的に」等の用語を使用し得る。これらの用語は、人々の変動および眼の変動に起因して、相互から、人によって、いくつかの実施形態が計算、通信、データ操作、および治療において動作する方法において、必然的に、変動が存在し得ることを意味するように理解されるべきである。「概して」および「実質的に」は、本開示の精神に適合する、任意の変形例を含むものとして言及される。
【0081】
本明細書において、種々のコンポーネントおよび画像が、参照される。呼称の使用は、読者を本開示のさらなる理解において誘導することに役立てるためのものである。特に、名詞の単数形バージョンは、多くの場合において使用されるが、実施形態が、複数の数のコンポーネントおよび画像もまた、本開示の範囲内であることを十分に考慮していることを理解されたい。
【0082】
ここで図1を参照すると、フレーム104と、レンズ106とを有する、アイウェア102デバイスが、提供され得る。レンズ106は、示されるような単一の構造であってもよい、または一対の眼鏡と同様に、2つのレンズが、存在してもよい。レンズ106は、第1の光源108と、その上に設置される、1つまたはそれを上回る画像センサ112、114、116とを有してもよい。他の実施形態では、光源108または画像センサのうちのいずれか1つが、フレーム104上に設置されてもよい。いくつかの実施形態では、画像センサおよび光源108は、フレーム104、レンズ106のいずれかの上に、または部分的に両方の上に設置されてもよい。アイウェア102はまた、眼に直接、または眼に近接近しているある体積の空気に薬剤を送達するように位置付けられる、薬物送達デバイス110を有してもよい。薬物送達デバイス110は、眼に薬剤を送達するための、霧化器または他のエアロゾルデバイス、点眼器、または任意の他のデバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイス110は、霧アプリケータであってもよい。いくつかの実施形態では、霧アプリケータは、薬物搬送カートリッジを伴う、MEMS(微小電気機械システム)霧化器であってもよい。薬物搬送カートリッジは、交換されてもよい。コントローラ118が、個々の画像センサ、光源108、および薬物送達デバイス110を制御してもよい。コントローラ118は、ワイヤまたはケーブル接続を介して他のコンポーネントに、または近距離無線通信プロトコルを使用することによってそれぞれに接続されてもよい。いくつかの実施形態では、各コンポーネントは、それ自体の電源を有してもよい。いくつかの実施形態では、単一の電源が、コンポーネントのそれぞれに配線され、必要に応じて全てのコンポーネントに給電してもよい。いくつかの実施形態では、ローカルおよび一元化を問わず、電源の組み合わせが、使用されてもよい。
【0083】
種々の実施形態では、コントローラおよび他のコンポーネントへの電力供給源は、交換可能であってもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイス110と関連付けられる、薬物リザーバ(図示せず)が、存在してもよく、薬物リザーバは、交換可能または補充可能であってもよい。いくつかの実施形態では、薬物リザーバは、薬物カートリッジであってもよい。いくつかの実施形態では、薬物リザーバは、カートリッジ等、貯蔵デバイスから薬物または薬剤を受容し得る、チャンバまたは他のコンテナであってもよい。図面では、コンポーネントは、例証の目的のためのみに単純な形状として描写される。コンポーネントは、アイウェア102上では正確な縮尺率ではなく、コンポーネントのサイズのいかなる解釈も、図面の図に基づいてそれらに割り当てられるべきではない。各コンポーネントの場所もまた、実施形態によって変動し得、提示される場所は、例証的にすぎない。図面の図は、例証の目的のためのものにすぎない。
【0084】
ある実施形態では、図2に示されるような、アイウェア202のための光学設計が、存在し得る。アイウェア202が、平面照明器216と、コリメータレンズ214によってコリメートされ、ホログラム210によってあるパターンに拡大される、レーザダイオード212とから構成される、側面照明器を装備してもよい。平面照明器216、レーザダイオード212、およびコリメータレンズ214のアセンブリが、光源220を構成してもよい。ホログラム210は、ミラー218によって角膜222に向かって中継されてもよい。角膜222からのホログラム210の反射が、1つまたはそれを上回る画像センサ204、206、208によって捕捉されてもよい。ある実施形態では、平面照明器216は、画像センサが眼の画像を入手することを可能にする、広い角度と、均一な照明とを提供してもよい。平面照明器216は、角膜、瞳孔、および虹彩の背景画像を入手するためにオンにされてもよい。これは、次いで、レーザダイオード212のような他の光源または提供され得る任意の他の光源からの背景のない画像収集を可能にするために、オフにされてもよい。
【0085】
ある実施形態では、レーザダイオード212は、レーザビームを、コリメータレンズ214を通して、ホログラム210を通して投影してもよい。ホログラム210画像が、ミラー218から反射し、角膜222上を照らす。眼の曲率に応じて、ホログラム画像は、矢印によって示されるように、第1の画像センサ208および第2の画像センサ206に反射する。本実施形態では、側面画像センサ204は、角膜222のホログラム反射からのいかなる画像も捕捉しない。種々の画像センサが、画像を捕捉し、画像データをプロセッサに送信してもよい。プロセッサは、アイウェアデバイスに搭載されてもよい、またはプロセッサは、クラウドプロセッサ、またはスマートフォン、タブレット、またはラップトップコンピュータ等、アイウェアデバイスに連結され得るプロセッサとして、遠隔に位置してもよい。
【0086】
ある実施形態では、アイウェアデバイス302が、図3Aに示されるように提供されてもよい。ある実施形態では、アイウェアデバイス302は、第1のレンズ326と、第2のレンズ328とを保持する、フレーム306を有してもよい。画像センサ304、308、324が、レンズまたはフレームの内側に(眼に面して)取り付けられてもよい。光源310が、アイウェアフレーム306の鼻ブリッジの近傍に位置付けられてもよい。光源、画像センサ、および他のコンポーネントの位置は、本開示の精神から逸脱することなく、設計または患者ニーズの変動に適するように変更されてもよい。
【0087】
ある実施形態では、レンズ326、328の断面が、図3Bに示される。アイウェアレンズは、球状欠陥のアレイを有し、これはまた、様々な異なるパターンおよび密度に位置付けられる、照明器320であり得る。側面照明器316が、レンズの中に線を投影し得る。低屈折率クラッディング層318および線形偏光フィルム322が、レンズの前面層を形成する。側面照明器316からの光324が、レンズを通して進行する。
【0088】
動作時、ある実施形態によるアイウェアは、平面状の側面照明器312、316、ならびにアイウェア302のレンズの前面カバーの中に埋設され得る、照明器314、320のアレイを装備してもよい。線形偏光フィルム322は、周囲光からアイウェアデバイス302の中の1つの(垂直、水平、または他の平面配向)偏光が、視覚を促進することを可能にしながら、他の偏光を遮断してもよい。本関係は、アイウェアデバイスが、線形偏光フィルム322における任意の周囲光の干渉なく、稼働することに役立ち得る。眼に面する画像センサ308、二次画像センサ324、および側視画像センサ304が、線形偏光フィルム322によって収容される周囲光を遮断し得る、交差された偏光器を有してもよい。種々の画像センサは、眼に対して事前に確立された位置を有してもよい。画像センサからのデータを評価し得るプログラムが、画像データからの正確な読取値を決定するために、眼に対する画像センサの位置を考慮してもよい。いくつかの実施形態では、各画像センサは、眼、光源、レンズ、アイウェアデバイス、または本開示によって使用される、任意の他のオブジェクトまたは基点に対するその相対位置に応じて、異なる計算を有してもよい。
【0089】
いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスが、IOP読取値に基づいてIOP制御のための薬物を分注するために、アイウェアの中に組み込まれてもよい。シースルー照明パターンを発生させることに対する導波管アプローチが、レンズの断面画像内の菱形形状の矢印において見られ得る。アイウェアの窓は、球状欠陥314のアレイを有し、側面照明器316によって、レンズ内から照明され得る。レンズは、低屈折率クラッディング層318でコーティングされ、線形偏光フィルム322から導波管を分離してもよい。
【0090】
角膜偏向の断面の図が、図4に示される。図は、一方が他方の上方にわずかに隆起されている、2つの曲線を示す。上部曲線が、30mmHg(30mmの水銀圧力)の角膜変位を図示し、下部曲線が、その圧力の半分、すなわち、15mmHGにわたる角膜変位を示す。図は、角膜の半径および頂点が、眼内のIOPに起因して変化し得る、2つの実施例を提供する。
【0091】
光線トレース図のある実施例が、ここで図5に示される。ある実施形態では、点源502が、角膜506の表面上に光を投影し得る。光線は、角膜506から反射され、1つまたはそれを上回る反射504を形成し得る。角膜506の曲率および入射角および反射角は、角膜に対する点源502の既知の位置、1つまたはそれを上回る画像センサによる画像捕捉の既知の角度、および捕捉された画像内に見られるような点源からの光の分散を使用して決定されてもよい。
【0092】
ある実施形態では、複数の点源602の照明効果からの例示的光線トレースが、角膜608の周囲に配列されてもよい。多くの点源602の照明効果のそれぞれからの光が、画像センサ604および画像センサ612において捕捉され、それぞれ、現実画像606および現実画像610を生産し得る。仮想画像614もまた、概念化され得る。
【0093】
別の実施形態では、2つの異なる角膜半径に関する例示的光線トレース図が、図7に示される。2つの例示的角膜IOP圧力は、15mmHGおよび30mmHGである。前述で説明されたように、一連の複数の点源702が、角膜の周囲に配列されてもよい。前面画像センサ704および側面画像センサ712が、それぞれ、現実画像706および現実画像710を捕捉するように位置付けられてもよい。種々の実施形態では、複数の点源702からの光が、角膜から反射し、反射光が、画像センサ704、712によって捕捉されてもよい。低圧角膜の場合には、15mmHgの角膜716は、より低いy軸投影またはより大きい曲率半径を有する。30mmHgの角膜708は、より高いy軸投影と、より小さい曲率半径とを有する。2つの角膜圧はまた、2つの異なる仮想画像、すなわち、15mmHg仮想画像714および30mmHg仮想画像718の生成を引き起こし得る。仮想角膜画像は、角膜の表面の下方に形成されてもよい。現実画像内の複数の点源に対応するスポットの位置は、2つのIOP値(15および30mmHg)に関して異なり得、眼に関するIOP値を計算するためのそのような画像を使用することの可能性を実証する。
【0094】
例示的座標系が、図8に示される。球座標系の起点は、眼のための視覚の中心または角膜、すなわち、眼の内側に沿った任意の位置であってもよい。種々の実施形態では、x軸の配向が、一般性を低減させないことに留意されたい。
【0095】
ある実施形態では、一方向における角膜の偏移が、図9に示されるように検出されてもよい。ある実施形態では、複数の点源902が、角膜の周囲にアレイ化される。第1の画像センサ904が、第1の現実画像906を捕捉し得る一方、第2の画像センサ910が、第2の現実画像908を捕捉し得る。第2の現実画像908は、経時的な角膜のx軸偏移に基づいて、画像によって変動し得る。左の偏移角膜912が、右の偏移角膜914の位置からわずかに偏移され得、それぞれ、対応する左の偏移仮想画像918と、右の偏移仮想画像916とを伴う。第1の時点T1と第2の時点T2との間で偏移された画像を使用して、角膜の偏移が、撮像され、角膜のX位置の偏移を決定するために使用されてもよい。画像分析が、信頼性があるx偏移情報を生産するように画像データを相関させるために使用されてもよい。
【0096】
別の実施形態では、角膜のz位置偏移が、図10に示されるような光線トレース図に示されるように決定され得る。ある実施形態では、複数の点源1002が、角膜から反射する光を生産する。反射光は、画像センサ1004および側面画像センサ1008によって捕捉されてもよい。現実画像1006および現実画像1010が、画像センサから収集される。眼の角膜は、z軸方向に偏移し得る。いくつかの実施形態では、角膜の移動に対応する、z偏移正1012と、z偏移負1014とが、存在し得る。仮想画像は、同様に調節され、z偏移正1012に対応し得る、正の仮想画像1016と、z偏移負1014の角膜位置に対応し得る、負の仮想画像1018とを生産してもよい。現実画像1006、1010内のスポットの位置が、異なるZ位置を表す。差異が、種々の画像のうちの1つまたはそれを上回るものの分析を通して、角膜のZ位置を抽出するために使用されてもよい。
【0097】
別の実施形態では、角度(シータ)偏移が、図11に示されるような光線トレース画像を使用して決定され得る。ある実施形態では、光の複数の点源1102が、存在してもよい。光が、角膜から反射され得、画像が、それぞれが現実画像1106および現実画像1108をそれぞれ生産する、前面画像センサ1104および側面画像センサ1110内で捕捉されてもよい。角膜シータ正1112が、シータ方向における正の偏移を表し得る一方、角膜シータ負1114が、負のシータ位置偏移を表し得る。正の仮想画像1116および負の仮想画像1118もまた、検出され得る。現実画像1106、1108内のスポットの位置が、2つの異なるシータ傾斜位置を表し得る。差異が、画像1106、1108の分析を通して角膜の角度傾斜シータを抽出するために使用されてもよい。
【0098】
ある実施形態では、図12に示されるように、眼1202の側視画像が、眼が、マトリクスパターン1208を使用して前面から照明され得る間、側面に面する画像センサ(図示せず)を通して見え、捕捉され得る。ある実施形態では、角膜1204は、マトリクスパターン1208によって引き起こされる照明のパターン1206を反射し得る。いくつかの実施形態では、照明源は、照明スポットまたはパターンの代わりに使用され得る、暗スポットのパターンを生産してもよい。
【0099】
ある実施形態では、図13に示されるように、線に形成されたレーザエネルギーを使用する、照明の別の実施例が、示される。ある実施形態では、2つの異なる圧力レベル下にある、角膜上に入射する光線に関する算出が、示され得る。線が、異なるIOP値に関して異なる位置において角膜を遮ることが、分かり得る。三日月形状の湾曲画像が、点源の画像に加えて分析されるとき、画像は、アイウェア位置に対する眼の位置、角膜半径、およびIOPを正確に推定するために十分な情報を含有する。
【0100】
ある実施形態によると、より低いIOPを伴う眼1304およびより高いIOPを伴う第2の眼1314は、所与の高さ、すなわち、眼のある側面からの距離において角膜の断面を照明する、光源を有してもよい。ある実施形態では、より低いIOPの角膜1304は、第1の円弧1302を生産する光源で照明されてもよい。角膜の第2の部分1314が、眼のIOP値が、より高くあり得るときに照明され、第1の円弧と異なる高さにおいて、眼を照明する第2の光源に対応する、第2の円弧1308を生産し得る。
【0101】
別の実施形態では、多数のレーザエネルギーの遮り位置が、図14に示されるように、ホログラムによってスポットに形成されてもよく、2つの異なるIOP値に関して計算され得る。
【0102】
別の実施形態では、ビデオフレームが、図15に示されるように、複数の光スポットを伴う、眼に面する画像センサから捕捉される。角膜からの照明スポットの反射は、前述に説明されるスポットの位置と同様に、眼に面する画像センサ(図示せず)によって可視であり得る。入射光1508は、具体的場所1502において角膜1504に当たる、コヒーレント光、単色光、または他のピンポイント光源であってもよい。種々の場所1502からの反射光が、眼に面する画像センサによって捕捉され得る。
【0103】
別の実施形態では、2つの異なる圧力設定下にあるモデル角膜の側面図が、図16に見られ得る。左の図は、モデルが約15mmHgの流体圧力に暴露されたときの角膜モデルの曲率および膨隆を表す。右の図は、約50mmHgの圧力に暴露されたときのモデルの膨隆の若干の増加を示す。モデル角膜の曲率はまた、圧力が増加または減少するにつれて、変化し得る。曲率および膨隆は、本明細書に説明される種々の技法を使用して測定され得る。ある実施形態では、より低い圧力IOP値は、前方または上向きの拡張限界1602によって表され得る一方、より高いIOP値の下では、眼球または角膜は、上向きの第2の拡張限界1604まで拡張し得る。2つの拡張の間の差異が、設定された高さの差異1606であると決定され得る。
【0104】
ある実施形態では、角膜の曲率は、画像内で捕捉され、図17に示されるように、分析を通して定量化され得る。画像は、角膜と空気との間の界面を抽出し、抽出された曲線に対して多項式適合を実施するように処理されてもよい。曲率およびピーク位置が、別個に抽出され、上の左および右プロットに示されるようにプロットされ得る。印加された圧力の変化が、約1mmHgを下回るノイズレベルとともに、適合された曲線から正確に抽出され得る。種々の実施形態では、適合は、線形位置偏移に起因するベースライン偏移が低減または排除されることを可能にする、高次多項式であってもよい。種々の実施形態では、アイウェア上の画像センサからの画像データが、画像処理コンポーネントから構成され得る、深層ニューラルネットワークに入力され、画像データをデータ点のセットに縮小させてもよい。画像処理パイプラインは、訓練された特徴抽出器または合致フィルタ処理、縁検出アルゴリズム、フィルタ処理アルゴリズム、および/または他のフィルタおよびアルゴリズムを含有してもよい。いくつかの画像センサの使用が、照明およびアイウェア画像センサおよびユーザの頭部に対する眼の位置の決定を可能にし得る。アルゴリズムは、次いで、角膜の曲率を高精度に抽出するためのニューラルネットワークおよび従来の数学的適合方法と併用されてもよい。
【0105】
角膜の曲率およびその頂点の高さが、図17に任意の単位でプロットされる。
【0106】
ある実施形態では、図18に示されるような、ニューラルネットワークまたは深層ニューラルネットワークを訓練する方法が、存在し得る。ある実施形態では、ニューラルネットワーク/深層ニューラルネットワーク(NN/DNN)のための訓練方法の概略図は、ユーザに標準的な眼科的測定を受けさせることを伴い得る。これらの測定は、基準IOPレベルに関連する角膜厚、位置、および角膜の構造特徴の個人の値に関する正確な値を与え得る。ユーザはまた、アイウェアが使用され得、基準データが、所与のIOPにおいて収集され得る、簡潔なデータ収集プロセス1806を受けてもよい。本方式で、アイウェアは、個々のユーザに対して較正されてもよい。これは全て、参照システムまたは複数のシステムから収集された、データであり得る。これらの測定は、一意の個人の角膜の構造特徴を伴うユーザのために、本システムを個人化し得る。個人化された測定から収集されたデータは、次いで、算出モデル(「幾何学的パラメータ発生器」1804および「角膜/解剖学的パラメータ発生器」1802)に加えて、光線追跡システムの中にフィードされ(1808)、多種多様なパラメータに関する大量の画像データを発生させてもよい(1810)。出力が、次いで、角膜半径およびIOPを推定するための画像処理パイプラインを含有する、NN/DNNと併用されてもよい(1812)。
【0107】
ある実施形態では、図19に示されるように、ニューラルネットワークまたは深層ニューラルネットワークの訓練のための訓練データセットの発生のためのアルゴリズムが、存在し得る。種々の画像センサからの現実画像内のスポットの場所が、光線追跡シミュレーションを使用して、様々な角膜位置および傾斜および角膜半径に関して計算されてもよい。スポットの場所およびスポットの幅が、光線追跡シミュレーションから抽出され得、ニューラルネットワーク訓練ソフトウェアの中に入力されるようなベクトルに形成され得、元の角膜位置が、所望の出力としてフィードされてもよい。大規模なデータセットを用いる訓練プロシージャは、ニューラルネットワークが、十分な速度および正確度を伴って解決されるように、本非常に非線形の問題に対処することを可能にし得る。ある実施形態では、図19に示される材料は、光追跡シミュレーションからのデータ発生およびニューラルネットワークを訓練するためのデータのフォーマット化のステップを要約する、「疑似コード」であると見なされ得る。
【0108】
ある実施形態では、測定の間のアイウェアの基本動作パイプラインが、図20に見られ得る。アイウェアは、画像を捕捉するための、カメラ等の画像センサを使用してもよい。捕捉された画像は、個人の眼科的および解剖学的データと組み合わせられてもよい。画像は、画像処理フロントエンドを用いて深層ニューラルネットワーク(DNN)の中にフィードされ、IOP推定を達成してもよい。IOP推定値は、ほぼリアルタイムの出力を提供する、ビデオ動画レートにおいて更新されてもよい。
【0109】
ある実施形態では、データ処理のためのパイプライン2100が、図21に見られ得るように、より詳細に見られ得る。ある実施形態では、画像センサの露光レベル、利得、輝度、およびコントラスト設定が、迅速に調節され、非飽和画像を捕捉してもよい(2102)。いくつかの実施形態では、本調節は、本明細書に説明されるような複数の点源が存在し得る場合でも、光源毎に行われてもよい。画像は、画像彩度に関して評価されてもよく(2104)、画像彩度が、高すぎる場合、画像センサの利得および露光が、調節され、画像が、再び撮影されてもよい。画像彩度が、許容可能である場合、画像は、関連のない背景信号を排除する、閾値フィルタを通して通過されてもよい(2106)。高分解能画像が、一時メモリ内に記憶されてもよい。高分解能画像は、不鮮明2108かつより低い分解能画像2110(より高速な処理のために有用であり得る)を生成するために使用されてもよい。低分解能画像は、次いで、合致フィルタまたは特徴検出フィルタを通して通過され、点マトリックパターンの位置および角度を位置特定してもよい(2112)。本機能は、フィルタが、画像内の光の各ピンポイントを識別し、光のそのピンポイントを現実画像のそれぞれの中の対応する複数の光の点源に合致させることを可能にし得る。本プロセスは、次いで、画像センサから現実画像内の光の各点の大まかな位置を計算してもよい(2114)。本プロセスは、次いで、現実画像毎に適切なxおよびy座標を生産してもよい。大まかな場所が、次いで、各点ドメインをセグメント化するために使用され、高分解能現実画像内の各点のピーク位置およびピーク幅を、正確度を伴って計算してもよい。画像センサ(カメラ)毎のマトリクスパターン内の点毎のxおよびy位置の正確な座標、およびピークの幅が、次いで、生産されてもよい。角膜基準性質2116に加えて、座標データが、次いで、ニューラルネットワークまたは深層ニューラルネットワークの中にフィードされてもよい。角膜基準性質は、非限定的実施例として、角膜の構造特徴、サイズ、曲率、および基準IOPにおいて得られた任意の他の測定値を含んでもよい。ピーク場所および幅の結果および/または正確な測定値が、以前に訓練されたニューラルネットワーク/DNNと併用され(2118)、画像センサ座標系内の角膜位置x、y、x、シータ、およびファイ、および角膜半径(曲率半径)を推測してもよい(2120)。非線形方程式2122ソルバが、曲率半径をIOP読取値に転換するために使用されてもよい。
【0110】
別の実施形態では、IOP読取値は、薬物の用量を決定するためにルックアップテーブル(図示せず)と併用されてもよい。薬物用量は、次いで、薬物送達デバイスを通して分注されてもよい。
【0111】
別の実施形態では、データ処理のためのパイプラインが、図22に示されるように、パイプラインの開始時において、異なる照明源間の切替を含むように調節されてもよい。異なる照明源間の切替は、異なる光源に対応する現実画像内の画像スポットの容易な分離を可能にし、それによって、画像処理を加速させ、かつデータ収集の正確度を潜在的に改良し得る。ある実施形態では、画像センサの露光レベル、利得、輝度、およびコントラスト設定が、迅速に調節され、1つまたはそれを上回る非飽和画像を捕捉してもよい(2202)。いくつかの実施形態では、本調節は、本明細書に説明されるような複数の点源が存在し得る場合でも、露光または画像毎に光源毎に行われてもよい。画像は、画像彩度に関して評価されてもよい(2204)。ある場合には、画像彩度が、高すぎ得、その場合には、画像センサの利得および露光が、調節されてもよく、画像が、再び撮影されてもよい。画像彩度が、許容可能な限界内にある場合、画像は、関連のない背景信号を排除する、閾値フィルタを通して通過されてもよい(2206)。高分解能画像が、一時メモリ内に記憶されてもよい。高分解能画像は、1つまたはそれを上回る不鮮明な2208、および/またはより低い分解能画像2210(より高速な処理のために有用であり得る)を生成するために使用されてもよい。低分解能画像は、次いで、合致フィルタまたは特徴検出フィルタを通して通過され、点マトリックパターンの位置および角度を位置特定してもよい(2212)。本機能は、フィルタが、画像内の光の各ピンポイントを識別し、光のそのピンポイントを現実画像のそれぞれの中の対応する複数の光の点源に合致させることを可能にし得る。本プロセスは、次いで、画像センサから現実画像内の光の各点の大まかな位置を計算してもよい(2214)。本プロセスは、次いで、現実画像毎に適切なxおよびy座標を生産してもよい。大まかな場所が、次いで、各点ドメインをセグメント化するために使用され、高分解能現実画像内の各点のピーク位置およびピーク幅を、正確度を伴って計算し得る。画像センサ(カメラ)毎のマトリクスパターン内の点毎のxおよびy位置の正確な座標、およびピークの幅が、次いで、生産されてもよい。角膜基準性質2216に加えて、座標データが、次いで、ニューラルネットワークまたは深層ニューラルネットワークの中にフィードされてもよい。角膜基準性質は、非限定的実施例として、角膜の構造特徴、サイズ、曲率、および基準IOPにおいて得られた任意の他の測定値を含んでもよい。ピーク場所および幅の結果および/または正確な測定値が、以前に訓練されたニューラルネットワーク/DNNと併用され(2218)、画像センサ座標系内の角膜位置x、y、x、シータ(θ)、およびファイ(φ)、および角膜半径(曲率半径)を推測してもよい(2220)。非線形方程式2222ソルバが、曲率半径をIOP読取値に転換するために使用されてもよい。
【0112】
種々の実施形態では、仮想画像は、概して、本プロセス内ではそれ自体で使用されない場合がある。画像センサが仮想画像からの光を種々の画像センサの結像面上に集束した後、現実画像が、仮想画像から形成されてもよい。
【0113】
本開示の利点は、限定ではないが、いかなる電力または回路も有しておらず、モバイルフォン内に見出されるもののような単純なカメラによって遠隔で監視され得る、非常に感度の高いウェアラブルコンタクトレンズセンサの作製のためのロバストなプロセスを含む。
【0114】
図23は、ある実施形態による、IOP自己測定技法のワークフロー2300のある実施例を示す。ある実施形態では、コンタクトレンズが、患者が自身でコンタクトレンズを設置し、除去することが可能であり得るため、他の利用可能なセンサと明確に異なり得る。IOPセンサコンタクトレンズ2302は、使用の観点から通常のコンタクトレンズに類似し得る。IOPが、増減するにつれて、角膜曲率の半径が、変化し得る。1つの非限定的な実施例では、IOPの1mmHgの変化が、曲率半径の約4mmの変化を引き起こし得る。ある実施形態では、センサの微小流体感知チャネル2306内の流体レベルが、角膜上での曲率半径変動に対する応答として変化し得る。センサ応答は、光学アダプタを装備するスマートフォンカメラ2304を用いて検出され、次いで、スマートフォンアプリ2308によって圧力値に転換されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるようなウェアラブル眼センサが、使用されてもよい。画像は、微小流体歪みセンサを示すが、歪みセンサは、コンタクトレンズ上での使用のために好適な任意のものであってもよい。そのような歪みセンサは、限定ではないが、基点の歪曲または基点のパターンの歪曲に基づいて歪みを決定する、カメラおよびアルゴリズムによって測定され得る、視覚基点を使用する歪曲センサを含み得る。光学読取、磁気読取、または任意の形態の電磁気読取に依拠し得る、他の歪みセンサもまた、可能性として考えられ得る。いくつかの実施形態では、歪みセンサは、磁場センサと置換されてもよい。磁場センサは、歪みセンサの代わりに、磁石または強磁性材料を有する、コンタクトレンズと併用されてもよい。
【0115】
ある実施形態では、患者は、携帯電話カメラ2304等の光学センサを使用して読み取られ得る、コンタクトレンズ2302を装着してもよい(図23)。カメラ2304は、IOP読取値の画像データを、眼のIOPを評価するためにデータを使用し得る、プロセッサ2306に提供する。いくつかの実施形態では、光学センサは、アイウェアデバイス、装置、またはシステムの一部であってもよい。
【0116】
いくつかの実施形態では、電子回路に似ている微小流体回路が、低または高域通過フィルタとして機能してもよい(電気抵抗および静電容量が、それぞれ、圧縮可能材料の流体抵抗(R)およびコンプライアンス(C)によって置換され得る)。RC値は、センサ応答の時定数を決定し得る。高いRC値を伴うセンサは、急激な変化に応答しない場合があるが、緩徐に変動する日周的変動に対して感度が高くあり得る。低いRC値を伴うセンサは、瞬目および眼内脈動の影響を検出するための能力を有してもよい。
【0117】
ある実施形態では、微小流体歪みセンサ(図24)は、ウェアラブル感知用途のためにコンタクトレンズに統合されてもよい(図25)。ある実施形態では、センサおよびコンタクトレンズプラットフォームは、1mmの厚さまたはそれ未満であってもよい。いくつかの実施形態では、センサおよびコンタクトレンズは、500ミクロンの厚さ未満であってもよい。さらに他の実施形態では、センサおよびコンタクトレンズプラットフォームは、約300ミクロンであってもよい。
【0118】
ある実施形態では、複数のリングと、液体リザーバとを伴う、閉鎖系センサの上面図が、図26に示されるように、コンタクトレンズプラットフォーム2600の中に埋設されてもよい。ある実施形態では、センサ材料2602を伴うセンサ2614である、センサ2614が、コンタクトレンズプラットフォーム2610内に埋設されてもよく、液体リザーバ2620(変位される液体体積を増幅させ、本明細書では、液体リザーバリングとして示される)、ガスリザーバ2630、および一端において液体リザーバ2620に、他端においてガスリザーバ2630に接続される、感知チャネル2640を区別する。最初に、液体リザーバ2620が、毛細管作用を使用して、油等の作業液体で充填され、次いで、シールされてもよい。これは、感知チャネル2640内に安定した気体/液体界面2650を生成し、閉鎖微小流体ネットワークを形成する。IOPの増減が、角膜曲率半径を変化させ、IOPの1mmHgの増加毎に、角膜曲率半径は、4mm増加する。これは、液体リザーバ弾性壁上に印加される歪みに起因して、液体リザーバ体積を増加させる。増加されたリザーバ体積は、真空を生成し、感知チャネル2640内の気体/液体位置2650を液体リザーバ2620に向かって偏移させる。感知チャネル断面積が、縮小されるにつれて、リザーバ体積変化に適応するために要求される、線形液体変位が、増加し、故に、感度が、改善する。いくつかの実施形態では、液体は、眼上での使用、または眼との併用のために好適である、水、生理食塩水、または他のpH平衡液体であってもよい。いくつかの実施形態では、液体は、特定の色に染色され、空気との接触を増加させる、またはユーザの眼の色とのコントラストを増加または低減させてもよい。いくつかの実施形態では、コンタクトレンズプラットフォームは、ユーザのための視覚補正を提供し得る。いくつかの実施形態では、収縮レンズプラットフォームが、ユーザのための化粧色を提供し得る。微小流体歪みセンサ内の液体の色が、コントラストを増強させる、またはコントラストを低減させるように染色されてもよい。いくつかの実施形態では、空気が、液体の代わりに、またはそれと併せてコントラストを提供するために染色されてもよい。
【0119】
種々の実施形態では、微小流体歪みセンサは、接線方向の力下で伸展され得るとき、微小流体液体リザーバネットワークの体積増幅に基づいて動作する(図27)。いくつかの実施形態では、微小流体歪みセンサの要素が、半径方向に分散される代わりに線形に分散され得る。ある実施形態では、液体リザーバを伴う微小流体歪みセンサの側面図が、図27内に見られ得、単一の広いチャンバ2724と比較される、複数のチャンバ2754を有してもよい。センサは、接線方向の力下で伸展され得る。ある実施形態では、単一の液体リザーバが、第1の境界2706と第2の境界2708との間に設定された幅を有してもよい。センサが、歪みを受け得るとき、第1の境界2716は、液体リザーバ2724の中心から引き離され得る一方、第2の境界2718もまた、液体リザーバの中心から引き離され得る。いくつかの実施形態では、第1および第2の境界は、概して均一または一貫した様式において偏移され得る。いくつかの実施形態では、一方の境界が、他方より多く偏移され得る。種々の実施形態では、第1の境界と第2の境界との間の距離は、センサが静置状態にある、または低減された量の歪み下にあり得るときよりも、センサが歪み下にあり得るときに、より長くあり得る。同様に、液体リザーバが1つを上回るチャネルを有し得る種々の実施形態では、無歪みまたは通常の条件における第1の境界2736および第2の境界2738は、第1の幅を有し得る一方、多重チャネル液体リザーバの全体幅は、歪んだ第1の境界2746および第2の境界2748によって画定されるように、より広くあり得る。再び、種々の実施形態では、無歪みの第1の境界2736は、歪んだ第1の境界2746に対して類似の位置を有し得る。同様に、無歪みの第2の境界2738も、歪んだ第2の境界2748に対して類似の位置を有し得る。種々の実施形態では、液体リザーバに歪み下でより多くの流体を取り込ませ、液体/空気境界を第1の位置2710、2740から第2の位置2720、2750まで偏移させ得るものは、(その歪んだ、または無歪みの位置に対する任意の境界の相対位置にかかわらず)境界間の幅の増加であり得る。
【0120】
種々の実施形態では、歪みセンサは、空気リザーバ2728、2758と、感知チャネル2726、2756の空気充填部分とを有してもよい。種々の実施形態も、同様に、感知チャネル2722、2752の液体充填部分を有する。ある実施形態では、歪みセンサは、眼の円周に沿った歪みが、コンタクトレンズプラットフォームを、コンタクトレンズプラットフォームが眼自体の輪郭に追従するにつれて、全ての方向に変形させ得るため、円周方向の引動を有し得る。引動の方向2730、2760は、図内では軸方向であるものとして観察され得るが、図は、略円形センサの断面であり、実際の変形方向は、コンタクトレンズプラットフォームが眼上に置かれる際のその全ての方向にあり得る。
【0121】
種々の実施形態では、歪みセンサは、断面境界2702、2704によって画定される、第1の非拘束の直径を有し得る。歪みセンサが、歪みを受け得るとき、断面境界は、わずかに拡張し得る(2712、2714)。微小流体センサが、複数の液体チャネルを使用するとき、歪みセンサ境界はまた、境界の通常または無歪みの設定2732、2734から境界の歪んだ設定2742、2744に変化し得る。
【0122】
提示される図が、本開示の理解を促進するような例証にすぎないことを記憶に留められたい。種々の実施形態では、機械的変化が、閉鎖微小流体ネットワークが接線方向の力を受けると、生じ得る。
【0123】
いくつかの実施形態では、微小流体歪みセンサは、圧潰を被り得る。単一のリザーバを利用する実施形態では、液体リザーバの上方の薄膜が、誘発された応力に起因して、かつ膜の低いリジディティに起因して圧潰し得る。より高いリジディティの膜を伴う複数のチャンバが、使用され得るとき、圧潰は、生じない場合がある、または有意に減少し得る。種々の実施形態では、液体リザーバ体積が、増加し、結果として生じる真空効果を生産し得る。液体リザーバ幅は、リザーバの体積が増加し得るように、伸長状であってもよい。膜が、圧潰する場合、体積増加が、有意に低減され得る。体積増加は、液体リザーバが狭い幅を伴う複数のチャンバ2754から成る場合、増幅され得る。増幅は、補助パターンが、小さいリザーバチャンバの膜上に存在する場合、さらにより高くあり得る。液体リザーバの体積が、増加すると、真空効果が、液体/空気界面位置(3)を液体リザーバに向かって引動し得る。mmHg単位におけるIOP変化あたりのμm単位における本界面の移動が、感度として定義され得る。各1mmHgのIOP変化が、0.05%の歪みを引き起こし得る。本歪みは、界面位置上での約100μm位置変化を引き起こし得る。
【0124】
最大感度に関して考慮され得る、別の要因は、センサ材料のヤング率(E)である。Eを増加させることが、装着者の快適性を低減させる。高潤滑性を伴うコンタクトレンズが、改良された快適性のために使用され得るとき、角膜とセンサ/レンズとの間の接触摩擦が、減少し得、これは、特に、高Eセンサに関して、滑動および減少された感度を引き起こし得る。最適なE値が、付加的な実験によって取得され得る。いくつかの実施形態では、E値は、0.2~10MPaの範囲内にあり得る。他の実施形態では、E値が、2Mpaを下回るように低減され得るとき、リザーバチャネルの幅もまた、概して100μmまたはそれを下回るように低減され得る。
【0125】
いくつかの実施形態では、コンタクトレンズプラットフォームは、非流体歪みセンサを用いて作製されてもよい。いくつかの実施形態によると、歪みセンサは、コンタクトレンズプラットフォームの中または上に埋設される、磁石または強磁性材料を有してもよい。磁性材料は、磁場の変化に応答し得、これは、角膜曲率のある程度の低下または変化を引き起こし得る。角膜曲率の変化は、磁場がオフである、または非常に低い値にあり得るときに対する磁性材料位置の変化を決定することによって測定され得る。位置の変化は、角膜(眼)曲率を変化させるために使用される磁力の量を示し、したがって、眼の抵抗圧力(IOP)の決定を可能にし得る。
【0126】
図28は、2つの非限定的実施形態の上面図を示す。ある実施形態では、単一の感知チャネルを伴う1リング2810リザーバが、左に示される。別の実施形態では、単一の感知チャネルを伴う3リング2820液体リザーバが、右に示される。これらおよび他の実施形態は両方とも、微小流体歪みセンサとして使用され得る。ある実施形態では、液体リザーバの垂直壁表面積の増加が、IOPの変化に対するセンサの感度を増加させ得る。種々の実施形態では、壁の数を増加させることおよび/またはチャネル壁の高さを増加させることが、センサの感度を向上させ得る。他の実施形態では、流体リザーバは、依然として、本明細書に説明されるような意図される機能を提供し得る、蛇行形状、楕円形、または任意の他の形状またはパターンを有してもよい。いくつかの実施形態では、流体リザーバ内の液体は、空気/液体界面が画像捕捉のためにより可視であり得るような色合い、色、または収縮を有してもよい。種々の実施形態では、液体リザーバ2802、2812は、液体を含有してもよく、空気リザーバ2804、2814は、空気を含有してもよい。空気/液体界面2808、2818は、空気および液体が遭遇する場所を形成する。空気/液体界面の位置は、歪みセンサが被り得る歪みの量を決定するために使用されてもよい。
【0127】
種々の実施形態では、異なる数のリングに関する感度結果が、図29および30内に提示される。より多くのリングを追加することによる壁の数の増加を図示する、図29のグラフはまた、線形様式における本デバイスの感度を増加させ得る。しかしながら、リザーバの幅を変更することは、センサの感度に著しい影響を及ぼし得ない。本現象は、図31に示されるように、接線歪みと半径方向の力誘発圧潰との間の相互作用の直接的結果であり得る。種々の実施形態では、リザーバ壁高の増加が、感度の増加につながり得る。種々の実施形態では、異なる高さが、異なる感受性を決定するために検査された。図29および30は、いくつかの実証的検査サンプルの図である。
【0128】
図31は、異なる液体リザーバパターンが接線歪み(細矢印)および半径方向力(太矢印)下で挙動し得る方法を図示する。ある実施形態では、コンタクトレンズプラットフォーム3104は、眼の視野の外側に位置付けられる、液体リザーバ3106を有してもよい。ある実施形態では、液体リザーバ3106は、1つの広いチャネル3112を有してもよい。1つの広いチャネルが、半径方向力3108および接線歪み3110を受け得るとき、広いチャネルは、屋根3114をチャネルの中に圧潰させることによって変形し得、センサの感度を減少させ得る。代替として、液体リザーバ3116は、より小さいコンパートメントに分割され、液体リザーバのうちの1つまたはそれを上回るものの天井の随意のパターンを伴う、複数のチャネルから構成されてもよく、次いで、半径方向力(太矢印)に起因する圧潰が、低減され得る。
【0129】
種々の実施形態では、可変の数のリザーバリング(1~5個)、リング幅(w=50~500μm)、リザーバ高(50、100、330μm)およびチップ厚(130μm、300μm)、および約1MPa(PDMS)対約10MPa(NOA65)および約100MPa(NOA61)の異なるヤング率を伴う、様々な加工されたセンサが、評価された。これらの感度検査の結果は、液体リザーバ高の増加が、センサの感度を増加させることを示し得る。いくつかの実施形態では、必要に応じて(例えば、要求される持続的な装着コンタクトレンズ性質に応じて)設計により多くのリザーバリングを追加することによって感度を改良することが、可能性として可能であり得る。さらに他の実施形態では、剛度(ヤング率(E)×チップ厚(t)/幅(w))は、感度を有意に改変しない場合があるが、しかしながら、剛度は、快適性およびレンズ/角膜の機械的相互作用等の他の要因に照らして、最適化される必要があり得る。
【0130】
微小流体歪み感知のための補助メタマテリアル
【0131】
ある実施形態では、微小流体チャネルネットワーク高が、印加された接線歪み3310に応答して増加し得る(図33)。体積増加が、エラストマセンサのリソグラフパターン化を通したポアソン比修正によって達成され得る。図33は、ある実施形態による、コンタクトレンズセンサ3302の断面を図示する。本例示的実施形態では、補助メタマテリアルが、歪み感知のために使用され得る。微小流体チャネルの天井は、示されるように、凸面形形状3306、すなわち、チャネル内部に向かって湾曲状の形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、これは、図34に示されるように、円形または線形パターンのいずれかを用いて天井フィルム3412をパターン化することによって達成され得る。接線方向の力が、印加され得(すなわち、眼のIOPに対する変化が存在するときのように)、これは、平坦な天井が使用され得るときに観察される圧潰と対照的に、凸面形天井のため、外向きの天井変形をもたらし得る。センサの前面に向かった変形は、チャネル高の増加、故に、液体リザーバ体積拡張の増幅を引き起こし得る。本増幅は、センサの感度を向上させ得る。
【0132】
ある実施形態では、センサは、2つまたはそれを上回る円形流体リザーバ3402を有し得る。円形液体リザーバは、単一のリザーバを形成するように接続されてもよい。流体リザーバリングは、共通または可変の幅3410を有してもよい。空気リザーバ3404は、空気部分3406と、流体部分とを有する、微小流体管またはチャネルに接続されてもよい。空気および液体がチャネル内で遭遇する位置を境界画定する、空気/液体界面3408が、存在し得る。
【0133】
ある実施形態では、流体リザーバは、液体リザーバの1つまたはそれを上回る表面3412上に物理的起伏パターンを有してもよい。パターン化または起伏特徴は、液体リザーバが歪みを受けたときに圧潰することを防止することに役立ち得る。
【0134】
図35は、左に、天井上に線形パターンの凸面形構造を伴う、補助センサ上の液体リザーバの画像を示す。図35は、右に、種々の実施形態による、平坦なデバイスと湾曲状の(補助)デバイスとの間の実験的感度比較を示す。感度の増加、すなわち、最大2.5倍の増加が、見られ得る。
【0135】
種々の実施形態では、生体適合性かつ電子機器フリーであり得る、微小流体機械的メタマテリアルが、非常に感度が高く、信頼性がある歪みセンサの加工を可能にし得る。本明細書に開示される接線歪み感知方法は、本明細書に説明されるように、IOP特有であり得る。本アプローチは、ブタの眼内のIOPを監視するために使用され、概して、検査間隔にわたって1mmHgの検出限界(0.05%の歪みに対応する)および信頼性を実証した。微小流体歪みセンサは、臨床的に関連のある範囲内で、IOPに応答する形状変化に起因する、眼の歪みを測定し得る。
【0136】
製造
【0137】
いくつかの実施形態では、センサは、フォトリソグラフィおよび/またはソフトリソグラフィ技法を使用して作製され得る。ある実施形態では、ポリジメチルシロキサン(PDMS)軟質成型型が、センサおよびコンタクトレンズプラットフォームを成型するために加工され、使用された。センサは、種々の実施形態に関して好ましい透明度と、可撓性と、疎油性と、生体適合性とを有する、ポリウレタン系Norland光学接着剤65(NOA65)から作製され得る。適切な特徴を伴う薄型NOA65フィルムが、次いで、図36に示されるように、センサを作製するためにともに接合されてもよい。本開示の目的のために、作製された種々の同等の加工方法が、薄型(約100μm)微小流体デバイスを生成するために使用され得る。本開示において使用されるポリウレタンのガス透過率は、ウェアラブル電子機器において使用される金属より最大6~8桁低くあり得る。
【0138】
ある実施形態では、歪みセンサは、特定の形状に切断され、次いで、PDMSコンタクトレンズの中に平坦な80~120μmの歪みセンサ(図36)として埋設されてもよい。いくつかの実施形態では、センサは、湾曲状の成型型が使用された場合に湾曲状に構築されてもよい。コンタクトレンズプラットフォームは、図25に示されるように、8~15mmの曲率半径と、10~14mmの半径とを伴って構築されてもよい。ドーム形状のプラスチック成型型が、特定の曲率半径における10~150μmのシリコーンフィルムを取得するために、それらの上にPDMSを傾注するために使用されてもよい。センサは、(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン(APTES)化学物質によってシリコーンフィルム上に接合されてもよい。より多くのシリコーンが、次いで、シリコーン内にセンサを完全に埋設するために傾注されてもよい。詳細が、図37に見られ得る。コンタクトレンズプラットフォームは、次いで、シリコーンを室温において一晩硬化させた後に、円形の打抜機を用いて切り出されてもよい。種々の実施形態では、センサは、コンタクトレンズセンサ全体が150μm未満であり得るように、50μm厚さと同程度に薄く作製されてもよい。
【0139】
別の実施形態では、補助センサバージョンが、ステップ4(図36)における変形例を用いて、上記に説明される同一の製造技法に追従し得、その場合、パターン化されたフィルムが、平坦なフィルムの代わりに底部層として使用され得る。パターン化が、図38に示されるように行われてもよい。マスタ成型型は、シリコンウエハ3802から成ってもよく、ポジレジスト3804が、ネガ3806、3808およびポジ3812シリコーン成型型を加工するために使用されてもよい。ネガ3808およびポジ3812シリコーン成型型の対が、パターン化されたセンサ層3810を加工するために使用されてもよい。
【0140】
埋設された微小流体歪みセンサを伴うコンタクトレンズプラットフォームを作製する例示的プロセスが、ここで、図36および37に示される。ある実施形態では、未硬化のUV硬化性接着剤3606が、スライドガラス3602上の2つのシリコーン層3604間に狭入されてもよい。UVエネルギーが、接着剤3606を硬化させるために使用されてもよい。別個の上部シリコーン層3604が、薄型の硬化接着剤層3608を取得するために使用されてもよい。未硬化のUV硬化性接着剤3614が、特徴3612とともにシリコーン成型型上に設置されてもよい。プラズマ処理が、次いで、ブランク硬化接着剤層3618の表面上に印加されてもよい。未硬化接着剤3614を用いてプラズマ処理されたブランク硬化接着剤層3618および成型型3612が、合体されてもよく、UV硬化が、接着剤に印加され、2つの層をともに接合してもよい。微小流体層を用いて硬化された層の表面は、プラズマ処理を使用することによる接合のために調製されてもよく、これは、表面を活性化させ得る。ブランク硬化接着剤層3624の表面のプラズマ処理3616が、APTES(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン)処理3622との組み合わせにおいて使用されてもよい。
【0141】
2つの活性化された層が、次いで、接合のためにサンドイッチのようにともに設置されてもよい。
【0142】
シリコーンが、次いで、ヒトの角膜のサイズに合致する、湾曲表面3702上に傾注されてもよい。シリコーンは、熱3704を印加することによって硬化されてもよい。付加的なプラズマ処理3706、次いで、APTES処理3708が、シリコーン層3712の表面に印加されてもよい。センサ3714の処理された表面が、次いで、2つの構造をともに接合するために湾曲状のシリコーン層3712上に設置されてもよい。別のシリコーン層が、シリコーン層の上部および/または底部上に適用されてもよい。埋設された微小流体センサを伴うコンタクトレンズプラットフォームが、次いで、定サイズに切断され、仕上げられ得る。
【0143】
本明細書に説明されるような歪みセンサの他の形態も、当業者に容易に明白となるであろうように、本または類似の技法を使用してコンタクトレンズプラットフォーム上またはその中に設置され得ることを理解されたい。同様に、センサは、磁場センサと併用され得る、薄型または小型磁石または強磁性材料と置換されてもよい。
【0144】
変形例および修正
【0145】
種々の実施形態では、本開示の微小流体歪み感知技術は、広い範囲の医療用途のために使用され得る。緑内障管理以外の生物医学用途は、(例えば、手の傷害においては関節における)理学療法監視、発話認識、胎児/乳幼児監視、振戦疾患、ロボット工学、および同等物を含み得る。
【0146】
種々の実施形態では、微小流体歪み感知は、図39に示されるように、生物学的感知および生化学的感知のために使用され得る。例えば、これは、細胞によって表面上に印加された歪みを監視または測定するために使用されてもよい。機械的手掛かりは、細胞分化、細胞自然死、および運動性等の細胞処理において重要な役割を果たす。細胞は、それらが成長する基質を感知し、その上に力を付与する。腫瘍細胞は、通常の細胞より多くの力を発生させ得る。主要な物理的手掛かりのうちの1つである、剪断応力が、機械信号によって活性化された遺伝子の上方調整を引き起こし得る。細胞によって発生される機械的手掛かりを理解することは、我々が癌の進行度を理解するために役立ち得る。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるような歪みセンサが、異なる物理的手掛かりおよび機械的手掛かりの暴露下での癌細胞シグナリングの直接的監視を提供し得る。したがって、これは、癌研究に対する新規アプローチをもたらし得る。いくつかの実施形態では、新しいバイオマーカが、発見され得る、および/または新しい薬物療法が、実装され得る。本明細書に説明されるような歪みセンサは、力が、シナプス可塑性の進行に関する重要となる要因のうちの1つであるため、ニューロンのシナプス可塑性の調製を含む、いくつかの他の条件において役立ち得る。
【0147】
ある実施形態では、微小流体チャネルの2つの層が、図39に示されるように構築され得る。細胞が、成長するにつれて、底部チャネル上の歪みセンサが、組織の硬直を提供し得る。上部チャネルもまた、剪断応力を変化させ得る、異なる流率を適用することによって操作され得る。細胞の機械的応答が、それらが機械的に操作され得る間に観察され得る。本実施形態は、バイオマーカおよび薬物の開発において使用され得る。
【0148】
別の実施形態では、微小流体歪みセンサは、癌が進行し、さらにより強固な特性を示すにつれて、癌組織を研究することにおいて有用であり得る。平均で、癌細胞は、通常の細胞より4倍堅固であり得る。癌細胞のより早期の硬直を理解することが、より早期の癌検出につながり得る。歪みセンサは、皮膚上で外部的に使用され得る、パッチの中に組み込まれてもよい。具体的には、歪みセンサは、皮膚および乳癌タイプにおいて使用され得る。微小チャネル内に埋設された赤外線ビーズを伴う、そのようなパッチが、卵巣癌、肝臓、および脳癌の症例において最適化され、内蔵に埋め込まれてもよい。いくつかの実施形態では、これらのパッチは、癌の再発を監視するために、重度の腫瘍除去外科手術の後に埋め込まれてもよい。微小流体ベースの歪みセンサと可撓性のシリコン電子機器を組み合わせることが、生体内の3次元軟組織上での多重化測定を可能にし得る。本信号は、wi-fi埋設技術を使用してクラウドベースのシステムに転送されてもよい。全体として、高度電子機器とともに組み込まれた歪みセンサは、癌再発の高い余地を有保する組織の持続的監視を提供し得る。
【0149】
いくつかの実施形態では、微小流体歪みセンサは、コンタクトレンズ内に所望の形状/サイズを伴う歪みセンサを埋設することによって製造され得る。いくつかの実施形態では、微小流体歪みセンサは、成型型上の特徴がコンタクトレンズに転写され得る、ソフトリソグラフィを通してコンタクトレンズの表面上に所望の構造特徴を直接パターン化することによって生産され得る。
【0150】
代替実施形態では、コンタクトレンズ上の微視的幾何学的特徴間の距離が、微小流体を使用する代わりに、直接測定され得る。本距離は、IOPの関数として変化し得る。これらの特徴の幾何学的形状およびパターンは、IOPに対する感度を最大限化するように慎重に選択されてもよい。IOPは、幾何学的特徴を伴うコンタクトレンズセンサの撮像に基づいて測定されてもよい。図40は、代替実施形態のある側面による、例示的コンタクトレンズの上面図および側面図を示す。IOP決定のための微視的特徴の場所および形状が、図示される。図40の形状は、例証的にすぎない。任意の形状または複数の形状、印、マーカ、または基点が、有用である測定値がセンサから得られ得る限り、使用されてもよい。上面図では、コンタクトレンズの半径が、rによって示され、rの値は、0.5~1cmであってもよい。シータ(θ)が、コンタクトレンズの周縁における特徴位置間の角度を示し、これは、コンタクトレンズ上に角度のある状態で設置され得る特徴の数を決定する。θのための値が、10度(36個の特徴が、周縁にある)~180度(2つの特徴が、周縁にある)であってもよい。いくつかの実施形態では、2つまたはそれを上回る特徴が、コンタクトレンズ上で使用されてもよい。記号d、d、d、...dが、連続する特徴間の距離を示し得、0.01~1cmであってもよい。総距離d=d+d+d+...+dは、rより小さくてもよい。断面図に示される、コンタクトレンズの曲率半径rは、0.5~1cmであってもよい。特徴の特徴的幅wは、0.001~0.5cmであってもよい。
【0151】
IOPが、変化するにつれて、周辺特徴間の距離、例えば、dが、変化し得、IOP変化の尺度として使用され得る。中心特徴間の距離、例えば、dまたはd、または任意の特徴の幅wが、それらがIOPに応答して変化し得ないため、基準測定値として使用され得る。周縁における対向する特徴間の距離2dが、IOP変化に対する応答として最も変化する。コンタクトレンズ特徴のうちのいずれか1つから眼の既知の特徴(すなわち、虹彩境界)までの距離が、IOPの尺度として検出され得る。
【0152】
代替実施形態の種々の側面が、本明細書に説明されるように、検査され、機能するものと決定されている。一例示的実施形態では、コンタクトレンズが、PDMSから作製され、約250μmの厚さを有する。コンタクトレンズは、眼モデル上で使用された。眼モデルの曲率半径は、ヒトの眼の挙動を模倣して、約4μm/mmHg(3μm/ミリバール)変化する。
【0153】
いくつかの実施形態では、マークが、コンタクトレンズ上に設置されてもよい。これらのマークは、プローブとしての役割を果たし得、図48に見られるように、印加された圧力の関数としてコンタクトレンズ上の異なる場所間の距離の変化の測定を可能にし得る。1つの非限定的な実施例では、眼モデル内の4つのレベルの印加された圧力が、25ミリバール~100ミリバールの可変の圧力を使用した。コンタクトレンズが、4つの場所においてサンプリングされ、3つの距離測定値を形成した。これらの場所間の距離が、示されるように、印加された圧力の関数としてプロットされた。コンタクトレンズの中心上に位置する点が、場所「1」として標識され、その数は、中心からより遠くに位置する点(例えば、場所「2」)として、増加された。異なるマーキングされた点間(例えば、場所「1」から「2」まで)の距離が、測定された。三角形、正方形、および菱形のデータプロットが、それぞれ、場所1から2、場所2から4、および場所4から6に関する印加された圧力の関数としての距離を示す、3つの線を示す。対応する線形適合も、同様にプロットされた。全体として、予備的結果は、距離マーカを使用したコンタクトレンズ上の異なる場所間の距離が、測定可能な範囲に入る、印加された圧力の一般的な線形関数に追従することを示す。
【0154】
いくつかの実施形態では、距離マーカを伴うコンタクトレンズプラットフォームは、歪みセンサコンタクトレンズと同様に加工されてもよい、またはそれらは、インクを用いてマーキングされるのみであってもよい。
【0155】
いくつかの実施形態では、コンタクトレンズデバイスは、任意の材料の熱膨張が、歪みセンサ上に歪みを生産する、または距離センサの変形を引き起こす、センサ上の変化を分析することによってオブジェクトの熱的変化の決定を可能にし得るため、温度センサとして使用されてもよい。いくつかの実施形態では、センサは、コンタクトレンズではなくてもよく、熱測定、歪み感知、細胞瘤の増殖感知、または任意の他の関数に関するかどうかにかかわらず、測定されるべきオブジェクトの表面に共形化するように成形されてもよい。いくつかの実施形態では、歪みセンサ/距離センサが、センサが、低いまたはゼロの空気圧によって悪影響を受け得ないため、真空中で、例えば、空間用途において使用されてもよい。
【0156】
いくつかの実施形態では、画像は、スマートフォンカメラ、特別なハンドヘルドカメラによって、またはウェアラブルカメラによって撮影されてもよい。画像は、0~180度の任意の角度において、眼を横断して直接撮影されてもよい。いくつかの実施形態では、画像は、画像捕捉が受動的に(患者による能動的関与を伴うことなく)行われ得るように、患者が、そのスマートフォンを使用し得るときに、スマートフォンによって自動的に撮影されてもよい。
【0157】
付加的な技術的注記
【0158】
いくつかの実施形態では、歪み感知のための閉鎖微小流体ネットワークは、歪みセンサ内で使用されるリングの数に応じて、1%の歪みあたり2~15mmの界面移動の歪み感度を有し得る。感度は、リングの数を増加させることによって、増加され得る。歪みセンサは、24時間にわたって印加される圧力変化に耐えるために十分に堅牢に作製されてもよい。加えて、歪みセンサは、通常の使用法下で数ヶ月の寿命を有してもよい。種々の実施形態では、0.1%より低い極端歪みレベルが、センサが長期の期間にわたって測定されるべき表面上に置かれることを可能にすることによって、測定され得る。その期間は、数分~数時間~数日であり得る。いくつかの実施形態では、コンタクトレンズプラットフォームの埋設されたセンサが、歪みセンサが長期の期間にわたって眼の表面上に置かれることを可能にし、眼圧(IOP)の監視を可能にする。いくつかの実施形態では、IOP感知は、1mmHgであってもよい。本値は、0.05%の歪みに対応し得る。微小流体歪みセンサは、液体リザーバとしての複数の微小流体チャネルを含む、液体リザーバネットワークを設計することによって、本歪み検出要件を達成し得る。液体リザーバネットワークは、感知チャネルに接続されてもよく、感知チャネルは、空気リザーバに接続されてもよい。種々の実施形態では、これらの3つのコンポーネントが、閉鎖系を形成し得る。ある実施形態では、微小流体センサは、毛管力のみを使用して、入口から作業液体で充填されてもよい。作業液体が、出口に到達すると、入口および出口は両方とも、センサ材料を使用してシールされ、内側に固定された液体体積を伴う閉鎖系を形成してもよい。液体は、感知チャネルをその全長の約半分まで充填し、液体/空気界面を作成してもよい。コンタクトレンズおよびセンサは両方とも、シリコーンおよびポリウレタン等のエラストマから作製されてもよいが、シリコーン/ヒドロゲル等の他の材料から作製されてもよい。
【0159】
異なるチャネル高および幅値に関する、約20μmの膜厚を伴う微小流体歪みセンサの体積増加に関するヒートマップが、ある実施形態に従って、図41に示される。マップは、i)圧潰センサ4106、ii)薄いセンサ4104、およびiii)厚いセンサ4102を表す、3つの異なる動作区域を図示する。ある実施形態によると、圧潰区域は、低減された感度および不安定な界面移動に起因する、動作不良のデバイスに対応し得る。区域iii)4102が、大きい体積変化と、安定した動作とを有し得る場合であっても、これは、多くの用途にとって実践的ではない場合がある。センサの大きい厚さは、快適性および機能性の両方を低減させ得る。概して薄いデバイスは、生物医学的用途のために、特に、角膜上での使用のためにより好適であり得る。いくつかの実施形態では、区域ii)4104に対応する、薄いセンサが、少ない量の歪みを受けるときの大きい体積変化を実証し得、したがって、本明細書に説明されるような歪みセンサの加工のために選択されてもよい。種々の実施形態では、チャネル高および膜厚が、センサ厚によって決定され得る一方、チャネル幅は、体積変化を最大限化するために制御するためのメインパラメータであり得る。いくつかの実施形態では、約50μmの幅が、良好な結果を生産し得る。
【0160】
いくつかの実施形態では、図42に示されるように、眼にわたって、またはそれに近接近して装着されるように設計された、一対の眼鏡、ゴーグル、または他のギヤであり得る、アイウェアデバイス4200が、存在し得る。アイウェアデバイスは、(スキーゴーグルのような)眼の周囲にピッタリと嵌合する部分または一対の眼鏡のように、眼のためのより多くの開放した環境を有してもよい。いくつかの実施形態では、アイウェアデバイスは、一方の眼または両方の眼を被覆する、またはそれに近接近してもよい。いくつかの実施形態では、アイウェアデバイスは、一対の眼鏡または他のアイウェアにわたって、またはそれに近接近して嵌合し得る、除去可能なデバイスであってもよい。アイウェアデバイス4200は、本明細書では、「一対のゴーグル」(または単に「ゴーグル」)と称され得、本用語は、アイウェアデバイスを意味すると理解されるべきである。ゴーグルは、撮像システムおよび/または薬物送達システムを有してもよい。ゴーグルはまた、撮像システムを監視し、薬物送達システムから薬剤を分注するときを決定し、薬物送達システムに薬剤を展開させるための、コンピュータチップ、マイクロチップ、または任意の他の電子デバイス等の基板上電子的コントローラを有してもよい。いくつかの実施形態では、画像捕捉システムは、本明細書に説明される、任意の画像捕捉システムであってもよい。いくつかの実施形態では、画像捕捉システムは、本明細書に説明されるように、2つまたはそれを上回る撮像デバイスまたはシステムを使用してもよい。さらに他の実施形態では、撮像システムは、本明細書に開示されるゴーグルおよび薬物送達システムと協働し得る、任意の同等な撮像デバイス、システム、電子機器、または機構であってもよい。
【0161】
いくつかの実施形態では、ゴーグル4200は、画像入手コントローラ4202を有してもよい。画像入手コントローラはまた、モバイルフォン、タブレット、コンピュータ、またはクラウドベースのデバイスまたはシステム等、外部電子デバイスとの無線コネクティビティを提供してもよい。いくつかの実施形態では、無線接続は、Bluetooth(登録商標)またはWiFiのような近距離無線システムを経由して伝送するように、周波数および帯域幅伝送の制御を伴う、アンテナまたは無線回路であってもよい。いくつかの実施形態では、無線コネクティビティは、セルラー接続または類似の長距離通信プロトコルであってもよい。画像入手コントローラは、カメラ4204または光源4206と電子通信してもよい。カメラ4204は、CCDまたは高解像度画像センサであってもよい。いくつかの実施形態では、画像センサは、電磁センサであってもよい。光源は、単点光源、または類似または異なるタイプの光のセットであってもよい。光源は、共通または異なる波長の光源のアレイまたは一連の光源であってもよい。光源は、画像入手コントローラまたは別個の光源コントローラによってアクティブ化されてもよい。光源のアクティブ化は、全て一度に、並列して(光の群が、一度にオフになる)、連続して(1つの光が、他のものの後にオフになる)、または光源コントローラまたは画像入手コントローラの中にプログラムされ得る、光源をオンまたはオフにする、任意のシーケンスで行われてもよい。いくつかの実施形態では、センサが可視光以外の電磁エネルギーの他の形態に依拠し得る場合、光源は、ゴーグルまたはアイウェアデバイス4200の一部ではなくてもよい。いくつかの実施形態では、ゴーグルは、様々な異なる歪みセンサを検出することが可能であり得る。ゴーグルは、患者によって採用される歪みセンサの各タイプのために適切なセンサを有してもよい。いくつかの実施形態では、コンタクトレンズプラットフォームは、眼上での形状変化を誘発するために使用されてもよく、ゴーグルのセンサは、誘発された形状変化、および静置状態対誘発された変化の異なる形状を検出するために使用されてもよく、眼のIOPを決定するために使用されてもよい。
【0162】
いくつかの実施形態では、ゴーグル4200はまた、薬剤分注器または薬物送達システム4208を有してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達システムは、薬剤の流体混合物を霧化または噴霧する、デバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、圧電駆動式噴霧器であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の薬物送達デバイス4208と同一のタイプのデバイスであり得る、第2の薬物送達デバイス4210が、存在し得る。いくつかの実施形態では、第2の薬物送達デバイス4210は、異なる薬剤を分注する、第1の薬物送達デバイスから独立して動作する、または第1の薬物送達デバイスとの組み合わせにおいて稼働する、異なるタイプのデバイスであってもよい。別の実施形態では、ゴーグル4200は、1つまたはそれを上回る薬物リザーバ4212を有してもよい。さらに別の実施形態では、ゴーグル4200は、電気エネルギーを使用して任意のコンポーネント間の電気通信を提供し、流体連通している要素を接続するための、配線および/または流体管類を有してもよい。管類4214の存在は、例証的にすぎず、ゴーグルのための配線、管類、または回路網は、任意の機能性または化粧的方式において展開され得る。
【0163】
ある実施形態では、画像捕捉デバイス4302および光源4304は、図43に示されるように、単一のシステムに統合されてもよい。ある実施形態では、画像捕捉デバイスは、カメラであってもよく、照明システムは、カメラレンズの周囲に設置される、円形の一群のLEDであってもよい。LEDは、眼の角膜上のコンタクトレンズ等、IOP測定デバイスを観察するために必要とされる照明効果を提供し得る。ある実施形態では、カメラは、コントローラに接続されてもよい。いくつかの実施形態では、カメラによって入手された画像は、無線または有線リンクを通して、モバイルフォン、タブレット、デスクトップコンピュータ、モバイルコンピュータ、またはクラウドコンピュータ等の遠隔撮像処理デバイスに伝送されてもよい。
【0164】
いくつかの実施形態では、アイウェアデバイスは、画像捕捉デバイス4302を含んでもよい。画像捕捉デバイスは、感光性デバイス、またはカメラのような実際の撮像デバイスであってもよい。画像捕捉デバイス4302は、光源4304を有してもよい。いくつかの実施形態では、光源は、単点光源であってもよい。いくつかの実施形態では、光源は、LED等の複数の光放出要素であってもよい。いくつかの実施形態では、光源は、環状アレイ、正方形アレイ、または線形アレイとして配列され得る、LEDのアレイであってもよい。さらにいくつかの他の実施形態では、LEDアレイは、任意のシーケンスまたは形状に配列されてもよい。いくつかの実施形態では、光源は、単一の波長または狭小帯域の波長における光を放出してもよい。他の実施形態では、光源は、光源の各光が光の広域スペクトルを生産する、またはアレイ内の各光が、異なる周波数の光を放出する状態で、光の広域スペクトル(広い周波数)における光を放出し得る。いくつかの実施形態では、撮像センサは、カメラであってもよく、カメラは、レンズ4306を有してもよい。いくつかの実施形態では、レンズは、レンズの雲霧化を低減させるようにコーティングで処理されてもよい。いくつかの実施形態では、レンズは、ゴーグルを装着するユーザに光を反射しないように、眩輝防止材料でコーティングされてもよい。
【0165】
ある実施形態では、カメラおよび照明システムは、図43に示されるように、カメラレンズ4306の周囲に設置される、円形の一群のLED4304であってもよい。LEDは、眼の角膜上のコンタクトレンズ等、IOP測定デバイスを観察するために必要とされる照明効果を提供し得る。ある実施形態では、カメラは、コントローラ4302に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、カメラによって入手された画像は、無線または有線リンクを通して、モバイルフォン、タブレット、デスクトップコンピュータ、モバイルコンピュータ、またはクラウドコンピュータ等の遠隔撮像処理デバイスに伝送されてもよい。
【0166】
ある実施形態では、図44-45に示されるように、ゴーグル4200との併用のための薬物送達システムが、存在し得る。ある実施形態では、薬物送達システムは、薬剤貯蔵コンポーネント4400と、薬剤霧発生器コンポーネント4500とを有してもよい。
【0167】
ある実施形態では、薬物送達システムは、ヒトの眼の治療のための薬剤または薬物を貯蔵するための貯蔵コンポーネント444を有してもよい。ある実施形態では、薬物リザーバ4404を受容または保持するための締結具または開口を有する、本体4402が、存在してもよい。いくつかの実施形態では、制御回路4406が、本体4402の中に取り付けられる、または組みこまれてもよい。いくつかの実施形態では、制御回路は、ゴーグルのために使用されるコントローラの一部であってもよい。ある実施形態では、圧力発生ポンプ4408が、本体に取り付けられてもよい。第1の針が、薬物リザーバ4404が本体に取り付けられるとき、第1の針4410が薬物リザーバを穿刺し得るように、本体4402の中に統合されてもよい。第1の針4410は、ポンプが、アクティブ化される場合、空気または他の材料が、薬物リザーバ4404の中に送り込まれ、薬物リザーバの内側に正圧環境を発生させ得るように、圧力発生ポンプ4408に接続されてもよい。第2の針4412が、薬物リザーバの中に穿通するように使用され、薬物が薬物溶液を霧発生器に引き込む、第2の流体導管の中に流入することを可能にしてもよい。ある実施形態では、空気が、リザーバを加圧するために使用されてもよい。空気は、圧力発生ポンプ4408を使用して送り込まれ、第1の針4410を通してリザーバ4404に進入してもよく、次いで、薬物または薬剤が、第2の針4412を通して外に押進されてもよい。ポンプ4408は、ホース4414または他の管類を用いて第1の針4410に接続され、正圧がリザーバ内に生成されることを可能にしてもよい。隔膜または他のデバイスが、リザーバ内での圧力の損失を防止するために使用され得る。第1および第2の針もまた、リザーバ圧力の損失を防止するための流動制御要素を有してもよい。いくつかの実施形態では、種々の電気コンポーネントおよび電源への、およびそこからの電気信号および電力の流動を可能にするための電気配線、電気回路網、または他の伝導性要素4416が、存在し得る。配線は、ゴーグルの中に統合されてもよい、または配線4416は、ゴーグルと別個に、独立型かつ除去可能または調節可能であってもよい。いくつかの実施形態では、電源(図示せず)が、ポンプ4408および制御回路4406に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、また、第2の針4412から第2のホース4422を通して噴霧器デバイス4500まで薬剤を搬送するための、管またはホースが、存在してもよい(図45)。いくつかの実施形態では、制御回路4406と噴霧器デバイス4500との間に、電気接続が、存在してもよい。他の実施形態では、ゴーグルコントローラ4202と噴霧器デバイス4500との間に、電気接続が、存在してもよい。いくつかの実施形態では、制御回路4406と、メインコントローラ4202と、噴霧器デバイス4500との全ての間に、電気接続が、存在してもよい。
【0168】
ある実施形態では、制御回路4406は、針を通してリザーバの中に挿入される、リザーバ4404内に存在する、薬物のレベルを監視してもよい。いくつかの実施形態では、針は、いずれかの制御デバイスが、リザーバ4404内の薬物のレベルを決定し得るように、制御回路4406、またはメインコントローラ4202にデータを提供するために容量性および/または電気化学的信号を使用して、センサとして作用してもよい。
【0169】
ある実施形態では、噴霧器デバイス4500は、薬剤貯蔵コンポーネント4404と流体および/または電気接続してもよい。いくつかの実施形態では、噴霧器デバイスは、本体4504を有してもよい。本体4504は、薬物送達管4508を通して流体空洞4506に送達される、薬物または薬剤を保持し得る、流体空洞4506を有してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達管4508は、薬物リザーバに接続されてもよい。いくつかの実施形態では、流体空洞4506は、開口部またはポートを有してもよい。ポートは、霧発生器4510によって部分的に被覆されてもよい。霧発生器は、穿孔孔または開口が、流体が補助を伴うことなく孔を通して移動することを防止するために十分に小さくあり得る、穿孔された区分4514を有してもよい。いくつかの実施形態では、霧発生器は、振動し、穿孔された区分を振動させ、流体空洞内に流体の霧を生産させてもよい。いくつかの実施形態では、センサ4512が、流体空洞4506内の流体の体積を測定してもよい。単一のセンサ4512、または任意の数の付加的なセンサ4512’が、存在してもよい。
【0170】
いくつかの実施形態では、霧発生器は、特定の周波数および強度において振動し得る、トランスデューサのような圧電素子であってもよい。霧発生器4510の振動は、穿孔された区分4514を同様に振動させ得る。振動の振幅および周波数が、流体空洞4506内の薬剤または薬物との相互作用を生産し得る。相互作用は、流体を、穿孔された区分4514内の穿孔を通して排出させ、液滴を生産させ得る。液滴生産のサイズおよび周波数は、霧発生器4510内で使用される振動の振幅および周波数に加えて、穿孔された区分内の開口のサイズによって変動され得る。いくつかの実施形態では、振幅および周波数は、霧発生器を制御し得る、任意の1つまたはそれを上回るコントローラの中にプログラムされてもよい。いくつかの実施形態では、前置増幅器4520が、霧発生器4510を駆動するために使用されてもよい。霧発生器4510は、メインコントローラまたは二次コントローラに電子的に接続される(4522)、または両方に接続されてもよい。電気エネルギーを使用し、電子信号を受信または送信する、種々のコンポーネントは、電子的に接続されてもよい。
【0171】
ある実施形態では、薬物分注デバイスは、図46に示されるように、意思決定のためのフローチャートに追従し得る。ある実施形態では、センサが、本明細書に説明されるように、コンタクトレンズを監視してもよい。いくつかの実施形態では、センサは、光学センサであってもよい。いくつかの実施形態では、センサは、磁場センサであってもよい。ある実施形態では、光学センサは、光学画像データをプロセッサに提供してもよい(4602)。プロセッサは、光学画像データをIOP読取値またはIOPデータに転換してもよい(4604)。代替として、センサが、磁場センサであり得る場合、センサは、磁場内の磁石または磁性材料の位置を検出してもよい。磁場内の磁石の位置は、眼表面の湾入に対応し得、これはまた、眼の眼圧を計算するためにも使用され得る。IOPデータが、所定の閾値を充足する(4606)とき、プロセッサは、ゴーグルの薬物分注システムをアクティブ化してもよい(4608)。薬物分注システムは、プロセッサから異なる信号に基づいて、一連の異なる用量を提供させてもよい。薬物分注システムは、適切な薬剤を適切な体積で、眼に近接近している空間の体積に展開してもよい。眼の近傍のエアロゾル化された薬剤の存在は、次いで、眼によって吸収されてもよい。薬剤は、眼に向かって噴霧され、眼による漸進的吸収のために眼の近傍に霧として提示される、または眼の中に流入されてもよい。液滴および流入物のサイズは、超音波トランスデューサの周波数および流体空洞の表面上の細孔のサイズを修正することによって制御され得る。
【0172】
薬物送達システムおよびIOPセンサを伴うウェアラブルアイギヤの概略図が、ここで、図47に示される。ある実施形態では、アイウェアは、コントローラ4702と、無線コネクティビティモジュール4708(アンテナ4722を含み得る)と、駆動電子機器を伴う噴霧器4704と、流体センサ4706とを伴う、電子回路4700を有し得る。ある実施形態では、アイウェアギヤは、薬物リザーバ4710と、噴霧器空洞4712とを有してもよい。圧電素子4714が、噴霧器空洞4712の上、中、または周囲に位置付けられ、薬物リザーバから提供される薬物または薬剤の霧を発生させてもよい。いくつかの実施形態では、アイウェアギヤは、センサ4716と、LED、レーザ、またはある他の光発生デバイスであり得る、光源4718とを有してもよい。電力セル4720が、電気コンポーネントに電力を提供するための回路4700に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、センサ4716は、画像センサであってもよく、光源4718は、歪みゲージを伴うコンタクトレンズが、照明され、読み取られ得るようにアクティブ化されてもよい。いくつかの実施形態では、センサは、磁場センサであってもよく、磁場センサは、コンタクトレンズプラットフォームの中または上の磁石または磁性材料の位置を検出するためにアクティブ化されてもよい。センサは、歪みゲージの画像を捕捉する、または磁場内の磁石の位置を決定する、またはデータをコントローラ4702に送信してもよい。コントローラは、データを評価し、眼のIOPを決定してもよい。コントローラは、次いで、薬物リザーバ4710からの薬剤または薬物を用いて噴霧器流体空洞をプライミングしてもよい。いったん流体空洞4712が、プライミングされ得ると、圧電素子4714が、アクティブ化され、薬剤/薬物を眼に近接近している体積に、または眼/コンタクトレンズプラットフォーム上に送達させてもよい。
【0173】
ある実施形態では、薬物送達システムは、基板上プロセッサによって制御されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達システムは、遠隔プロセッサによって制御されてもよい。種々の実施形態では、コントローラは、あるIOP閾値が、検出され得るときに薬物を自動的に分注する、または要求に応じて薬物を分注するようにプログラムされてもよい。薬物のタイミングおよび用量値は、アルゴリズム、スケジュール、またはアルゴリズムおよびスケジュールの組み合わせを使用して決定されてもよい。IOP読取値は、医師によってアクセスされ得る、クラウドに報告されてもよい。医師は、用量を送達するための閾値または薬物の用量の送達のためのスケジュールを設定してもよい。医師は、IOP読取値の履歴に基づいて、それを上回るとある用量の薬物が投与され得る閾値を決定するように決定してもよい。薬物の投与の用量履歴はまた、医師の決定においてある役割を果たし得る。IOPが、ある閾値を充足するとき、ある用量が、自動的に、患者によって、または医師によって投与されてもよい。本プロセスは、閾値IOP値および用量値に関する完全な自動的意思決定を可能にする、アルゴリズムの基礎を形成し得る。
【0174】
本明細書に説明される主題および動作の実施形態が、本明細書内に開示される構造と、それらの構造的な等価物とを含む、またはそれらのうちの1つまたはそれを上回るものの組み合わせにおいて、デジタル電子回路網内、またはコンピュータソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェア内に実装され得る。本明細書に説明される主題の実施形態は、1つまたはそれを上回るコンピュータプログラム、すなわち、処理回路等のデータ処理装置による実行のために、またはその動作を制御するために、1つまたはそれを上回るコンピュータ記憶媒体上にエンコードされるコンピュータプログラム命令の1つまたはそれを上回るモジュールとして実装され得る。CPU等のコントローラまたは処理回路は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路、プログラマブル論理等、本明細書に説明される機能を実施するように構成される、任意のデジタルおよび/またはアナログ回路コンポーネントを備え得る。代替として、または加えて、プログラム命令は、人工的に発生される伝搬信号、例えば、データ処理装置による実行のために好適な受信機装置への伝送のための情報をエンコードするように発生される、機械によって発生される電気、光学、または電磁信号上にエンコードされ得る。
【0175】
コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読記憶デバイス、コンピュータ可読記憶基板、ランダムまたはシリアルアクセスメモリアレイまたはデバイス、またはそれらのうちの1つまたはそれを上回るものの組み合わせであり得る、またはその中に含まれ得る。また、コンピュータ記憶媒体は、伝搬信号ではないが、コンピュータ記憶媒体は、人工的に発生される伝搬信号内にエンコードされるコンピュータプログラム命令のソースまたは宛先であり得る。コンピュータ記憶媒体はまた、1つまたはそれを上回る別個のコンポーネントまたは媒体(例えば、複数のCD、ディスク、または他の記憶デバイス)である、またはその中に含まれ得る。故に、コンピュータ記憶媒体は、有形および非一過性の両方である。
【0176】
本明細書に説明される動作は、データ処理装置によって、1つまたはそれを上回るコンピュータ可読記憶デバイス上に記憶された、または他のソースから受信されたデータに対して実施される動作として実装され得る。用語「データ処理装置」または「コンピューティングデバイス」は、実施例として、特殊目的論理回路網、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)を含み得る、前述の装置のプログラマブルプロセッサ、コンピュータ、システムオンチップ、または複数のものまたは組み合わせを含む、データを処理するためのあらゆる種類の装置、デバイス、および機械を包含する。「装置」はまた、ハードウェアに加えて、当該コンピュータプログラムのための実行環境を生成する、コード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、クロスプラットフォームランタイム環境、仮想機械、またはそれらのうちの1つまたはそれを上回るものの組み合わせを成すコードも含み得る。本装置および実行環境は、ウェブサービス、分散型コンピューティング、およびグリッドコンピューティングインフラストラクチャ等の種々の異なるコンピューティングモデルインフラストラクチャを実現し得る。
【0177】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、またはコードとしても公知である)が、コンパイラ型またはインタープリタ型言語、宣言型または手続型言語を含む、任意の形態のプログラミング言語で記述され得る、またはこれは、コンピューティング環境内での使用のために好適な独立型プログラムとして、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、オブジェクト、または他のユニットとしてを含め、任意の形態において展開され得る。コンピュータプログラムは、その必要はないが、ファイルシステム内のファイルに対応し得る。プログラムが、他のプログラムまたはデータを保持するファイルの一部(例えば、マークアップ言語文書内に記憶される1つまたはそれを上回るスクリプト)を当該プログラム専用の単一のファイル内に、または複数の連携ファイル(例えば、1つまたはそれを上回るモジュール、サブプログラム、またはコードの一部を記憶する、ファイル)内に記憶し得る。コンピュータプログラムが、1つのコンピュータ上で、または1つの敷地に位置する、または通信ネットワークによって、複数の敷地を横断して分散され、相互接続される、複数のコンピュータ上で実行されるように展開され得る。
【0178】
本明細書に説明されるプロセスおよび論理フローは、入力データに作用し、出力を発生させることによってアクションを実施するように、1つまたはそれを上回るコンピュータプログラムを実行する、1つまたはそれを上回るプログラマブルプロセッサによって、実施され得る。プロセスおよび論理フローはまた、特殊目的論理回路網、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)によって実施され得、装置もまた、それとして実装され得る。
【0179】
コンピュータプログラムの実行のために好適なプロセッサは、実施例として、汎用目的マイクロプロセッサおよび特殊目的マイクロプロセッサの両方と、任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つまたはそれを上回るプロセッサとを含む。概して、プロセッサは、読取専用メモリまたはランダムアクセスメモリまたは両方から命令およびデータを受信するであろう。コンピュータの不可欠な要素は、命令に従ってアクションを実施するためのプロセッサ、および命令およびデータを記憶するための、1つまたはそれを上回るメモリデバイスである。概して、コンピュータはまた、データを受信する、またはデータを転送する、または両方のために、データを記憶するための1つまたはそれを上回る大容量記憶デバイス、例えば、磁気、光磁気ディスク、または光ディスクを含む、またはそれに動作可能に結合されるであろう。しかしながら、コンピュータは、そのようなデバイスを有する必要はない。また、コンピュータは、別のデバイス、例えば、いくつかのみを挙げると、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、モバイルオーディオまたはビデオプレーヤ、ゲームコンソール、全地球測位システム(GPS)受信機、またはポータブル記憶デバイス(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ)内に埋設されてもよい。コンピュータプログラム命令およびデータを記憶するために好適なデバイスは、実施例として、半導体メモリデバイス、例えば、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリデバイス、磁気ディスク、例えば、内部ハードディスクまたはリムーバブルディス、光磁気ディスク、およびCD ROMおよびDVD-ROMディスクを含む、あらゆる形態の不揮発性メモリ、媒体、およびメモリデバイスを含む。プロセッサおよびメモリは、特殊目的論理回路網によって補完される、またはその中に組み込まれてもよい。
【0180】
ユーザとの相互作用を提供するために、本明細書に説明される主題の実施形態は、ディスプレイデバイス、例えば、ユーザに情報を表示するための、CRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニタ、OLED(有機発光ダイオード)モニタまたは他の形態のディスプレイ、およびキーボードおよび/またはポインティングデバイス、例えば、それによってユーザがコンピュータに入力を提供し得る、マウスまたはトラックボールを有する、コンピュータ上に実装され得る。他の種類のデバイスも、同様に、ユーザとの相互作用を提供するために使用され得、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバックであってもよく、ユーザからの入力が、音響、発話、または触知可能な入力を含む、任意の形態において受信され得る。加えて、コンピュータは、ユーザによって使用されるデバイスに文書を送信し、そこから文書を受信することによって、例えば、ウェブブラウザから受信される要求に応答して、ユーザのクライアントデバイス上のウェブブラウザにウェブページを送信することによって、ユーザと相互作用し得る。
【0181】
本明細書は、多くの具体的な実施形態詳細を含有するが、これらは、任意の実施形態または請求され得るものの範囲に対する限定として解釈されるべきではなく、むしろ、特定の実施形態に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態の文脈において本明細書に説明される、ある特徴はまた、単一の実施形態への組み合わせにも実装され得る。逆に、単一の実施形態の文脈において説明される種々の特徴もまた、別個に複数の実施形態に、または任意の好適な副次的組み合わせにも実装され得る。また、特徴は、上記において、ある組み合わせにおいて作用するものとして説明され、さらには最初にそのように請求され得るが、請求される組み合わせからの1つまたはそれを上回る特徴は、ある場合には、その組み合わせから削除され得、請求される組み合わせは、副次的組み合わせまたは副次的組み合わせの変形例を対象とし得る。
【0182】
同様に、動作は、図面では、特定の順序において描写されるが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が特定の示される順序または順次順序で実施されること、または全ての図示される動作が実施されることを要求するものとして理解されるべきではない。ある状況では、マルチタスキングまたは並行処理が、有利であり得る。また、上記で説明される実施形態における種々のシステムコンポーネントの分離は、全ての実施形態において、そのような分離を要求するものと理解されるべきではなく、説明されるプログラムコンポーネントおよびシステムが、概して、単一のソフトウェア製品に統合される、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。
【0183】
「または」の言及は、「または」を使用して説明されるいかなる用語も、説明される用語の単一のもの、1つを上回るもの、および全てのいずれも示し得るように、包括的なものとして解釈され得る。
【0184】
したがって、本主題の特定の実施形態が、説明されている。他の実施形態も、以下の請求項の範囲内にあるものとする。ある場合には、請求項内で列挙されるアクションは、異なる順序で実施され、依然として、望ましい結果を達成し得る。加えて、付随の図に描写されるプロセスは、望ましい結果を達成するために、必ずしも示される特定の順序または順次順序を要求するわけではない。ある実施形態では、マルチタスキングおよび並行処理が、有利であり得る。
【0185】
本方法およびシステムのある実施形態を説明したが、概念を組み込む他の実施形態も、使用され得ることが、ここで、当業者に明白な状態となるであろう。上記に説明されるシステムが、それらのコンポーネントのいずれかまたはそれぞれの複数のものを提供し得、これらのコンポーネントが、独立型機械上、またはいくつかの実施形態では、分散型システム内の複数の機械上に提供され得ることを理解されたい。上記に説明されるシステムおよび方法は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの任意の組み合わせを生産するためのプログラミングおよび/または工学技法を使用して、方法、装置、または製造品として実装され得る。加えて、上記に説明されるシステムおよび方法は、1つまたはそれを上回る製品上またはその中に具現化される、1つまたはそれを上回るコンピュータ可読プログラムとして提供され得る。本明細書で使用されるような、用語「製造品」は、1つまたはそれを上回るコンピュータ可読デバイス、ファームウェア、プログラマブル論理、メモリデバイス(例えば、EEPROM、ROM、PROM、RAM、SRAM等)、ハードウェア(例えば、集積回路チップ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)等)、電子デバイス、コンピュータ可読不揮発性記憶ユニット(例えば、CD-ROM、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ等)からアクセス可能かつその中に埋設される、コードまたは論理を包含することを意図している。製造品は、ネットワーク伝送ライン、無線伝送媒体、空間を通して伝搬する信号、無線波、赤外線信号等を介してコンピュータ可読プログラムへのアクセスを提供する、ファイルサーバからアクセス可能であり得る。製造品は、フラッシュメモリカードまたは磁気テープであり得る。製造品は、ハードウェア論理、およびプロセッサによって実行されるコンピュータ可読媒体内に埋設される、ソフトウェアまたはプログラム可能コードを含む。一般に、コンピュータ可読プログラムは、LISP、PERL、C、C++、C#、PROLOG等の任意のプログラミング言語内、またはJAVA(登録商標)等の任意のバイトコード言語内に実装され得る。ソフトウェアプログラムは、オブジェクトコードとして、1つまたはそれを上回る製品上またはその中に記憶され得る。
図1
図2
図3A
図3B
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【国際調査報告】