(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】金属酸化物材料の還元手段
(51)【国際特許分類】
C22B 5/02 20060101AFI20240208BHJP
C22B 1/16 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
C22B5/02
C22B1/16 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023545232
(86)(22)【出願日】2022-02-18
(85)【翻訳文提出日】2023-09-26
(86)【国際出願番号】 SE2022050182
(87)【国際公開番号】W WO2022177497
(87)【国際公開日】2022-08-25
(32)【優先日】2021-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506004399
【氏名又は名称】ルオッサバーラ-キールナバーラ アーベー
【氏名又は名称原語表記】LUOSSAVAARA-KIIRUNAVAARA AB
【住所又は居所原語表記】Box 952 SE-971 28 LULEA SWEDEN
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】エリクソン,オラ
(72)【発明者】
【氏名】アストローム,ビョルン
(72)【発明者】
【氏名】マージャバーラ,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】フィエルボルグ,エルジャン
【テーマコード(参考)】
4K001
【Fターム(参考)】
4K001AA08
4K001AA09
4K001AA10
4K001AA19
4K001BA05
4K001CA01
4K001CA02
4K001CA09
4K001CA25
4K001CA32
4K001DA05
4K001HA09
4K001HA11
(57)【要約】
本開示は、金属酸化物材料(5)の還元方法に関し、還元金属材料の製造に適合した金属材料製造構成(1)に関し、金属酸化物材料製造ユニット(3)によって、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料(5)が製造され、金属酸化物材料(5)との反応に適合した還元剤(6)を導入するために直接還元設備(7)が構成される。上記方法は、熱エネルギーを保持する上記金属酸化物材料(5)を装入するステップと;還元剤(6)を導入するステップと;化学反応を実現するため導入される還元剤(6)の加熱又はさらなる加熱のために、金属酸化物材料(5)の上記熱エネルギーを利用することによって上記金属酸化物材料(5)を還元金属材料に還元するステップと;還元金属材料を直接還元設備(7)から排出するステップとを含む。本開示は、さらに、直接還元設備(7)及び金属酸化物材料製造ユニット(3)、並びに製鋼業者などの金属製造場所に輸送できる状態の還元金属材料(RM)の自動又は半自動製造を実施するために構成されたデータプログラム(P)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属酸化物材料製造ユニット(3)によって製造された金属酸化物材料(5)の還元方法であって、前記金属酸化物材料(5)が、前記金属酸化物材料製造ユニット(3)から、前記金属酸化物材料製造ユニット(3)の製造熱プロセスによって生じる熱エネルギーを保持する前記金属酸化物材料(5)を装入するための直接還元設備(7)内まで移送され、前記直接還元設備(7)が、熱エネルギーを保持する前記金属酸化物材料(5)との反応に適合した還元剤(6、31)の導入のために構成され:
前記金属酸化物材料(5)を製造するステップと;
熱エネルギーを保持する前記金属酸化物材料(5)を前記直接還元設備(7)に装入するステップと;
前記還元剤(6、31)を前記直接還元設備(7)に導入するステップと;
化学反応を行うため、前記導入された還元剤(6、31)の加熱又はさらなる加熱のために、前記金属酸化物材料(5)の前記熱エネルギーを利用することによって、前記金属酸化物材料(5)を還元金属材料(RM)に還元するステップと;
前記還元金属材料を前記直接還元設備(7)から排出するステップと、
を特徴とする、方法。
【請求項2】
前記金属酸化物材料(3)の熱を維持するために、熱エネルギーを保持する前記金属酸化物材料(5)が、前記金属酸化物材料製造ユニット(3)から前記直接還元設備(7)に直接移送される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記金属酸化物材料(5)の前記製造が;金属鉱体を粉砕するステップと;金属鉱石粒子を分離するステップと;前記金属鉱石粒子の金属鉱石混合物(24)を製造するステップと;前記金属鉱石混合物(24)を硬化させるステップとを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記金属鉱石混合物(24)を硬化させる前記ステップが、前記金属鉱石混合物(24)の酸化及び/又は前記金属鉱石混合物(24)の焼結を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記金属鉱石混合物(24)を硬化させるステップの前に、前記金属鉱石混合物(24)の乾燥、及び/又は前記金属鉱石混合物(24)の予熱及び/又は加熱のステップが行われる、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記金属鉱石混合物(24)が鉄鉱石混合物を含み、前記鉄鉱石混合物の予熱及び/又は加熱の前記ステップが磁鉄鉱石から赤鉄鉱石への酸化を含む、請求項3~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記還元剤が、電気分解ユニット(19)によって生成した水素ガス(6)を含み、前記方法が、水(w)を前記水素ガス(6)及び酸素ガス(10)に分解するステップを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記還元剤が、一酸化炭素及び/又は水素ガス、及び/又はメタン及び/又はプロパン及び/又はエタンなどの炭化水素、及び/又はあらゆる別の炭化水素基を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記酸素ガス(10)が、前記金属酸化物材料(5)を製造するために前記金属酸化物材料製造ユニット(3)に移送される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記酸素ガス(10)が、前記金属酸化物材料製造ユニット(3)に移送されて、前記金属鉱石混合物(24)の硬化及び/又は選鉱のステップに使用される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記金属鉱石混合物(24)の硬化の前記ステップが、前記金属鉱石混合物(24)の酸化のステップ及び/又は前記金属鉱石混合物(24)を焼結させるステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記方法が、過剰の熱を前記電気分解ユニット(19)から前記金属酸化物材料製造ユニット(3)に移動させるステップを含む、請求項7~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記方法が、過剰の熱を前記直接還元設備(7)から前記金属酸化物材料製造ユニット(3)に移動させるステップを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
過剰の熱を移動させる前記ステップが、前記金属鉱石混合物(24)の予熱及び/又は加熱、及び/又は前記金属鉱石混合物(24)の硬化のために追加の熱を供給することを含む、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
廃棄還元流体(8)が、前記直接還元設備(7)から前記金属酸化物材料製造ユニット(3)まで移送され、前記還元剤(6)の廃棄還元流体(8)が、前記金属酸化物材料製造ユニット(3)によって得られる前記製造熱プロセスに使用される、及び/又は水素ガスを含む前記廃棄還元性流体(8)が、前記直接還元設備(7)に戻され、前記金属材料製造構成(1)が、前記廃棄還元性流体(8)を前記直接還元設備(7)に戻すように構成された供給要素を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記廃棄還元流体(8)が、前記金属鉱石混合物(24)の予熱及び/又は加熱、及び/又は前記金属鉱石混合物(24)の酸化、及び/又は前記金属鉱石混合物(24)を焼結させるステップに使用される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記廃棄還元流体(8)が水素ガスを含む、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記製造熱プロセスが、金属酸化物材料予熱装置(203、207)によって、熱エネルギーを保持する前記金属酸化物材料(5)を得るために、前記金属酸化物材料(5)を予熱することを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記金属酸化物材料の予熱の前に、前記金属酸化物材料を冷却するステップが行われる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
還元金属材料(RM)の製造に適合した金属材料製造構成(1)であって、前記構成(1)が;
製造熱プロセスによって熱エネルギーを保持する金属酸化物材料(5)を製造するように構成された金属酸化物材料製造ユニット(3)と;
直接還元設備(7)であって:
前記金属酸化物材料(5)を前記金属酸化物材料製造ユニット(3)から前記直接還元設備(7)内に移送するように構成される金属酸化物材料装入入口機器(9)と;
前記金属酸化物材料(5)との反応に適合した還元剤を前記直接還元設備(7)内に導入するように構成された還元剤流体入口機器(11)と;
廃棄還元流体(8)を前記直接還元設備(7)から排出するように構成された廃棄還元流体出口機器(13)と;
前記還元金属材料を前記直接還元設備(7)から排出するように構成された還元金属材料出口機器(15)と
を含む直接還元設備(7)とを含み;
前記直接還元設備(7)は、前記金属酸化物材料(5)と還元が行われる前記還元剤(6)との間の化学反応が実現されるように、前記還元剤(6、31)の加熱又はさらなる加熱を行うために、前記金属酸化物材料(5)の熱エネルギー(この熱エネルギーは前記製造熱プロセスによって生じる)を利用することによって前記金属酸化物材料(5)から還元金属材料への前記還元を行うように構成されることを特徴とする金属材料製造構成(1)。
【請求項21】
前記直接還元設備(7)が前記金属酸化物材料製造ユニット(3)と統合される、請求項20に記載の金属材料製造構成(1)。
【請求項22】
前記金属材料製造構成(1)が;
水(w)を水素ガス(6)及び酸素ガス(10)に分解するように構成された電気分解ユニット(19)と;
前記水素ガス(6)を前記電気分解ユニット(19)から前記還元剤流体入口機器(11)に移送するように構成された水素ガス移送機器(44’、44”)と
をさらに含む、請求項20又は21に記載の金属材料製造構成(1)。
【請求項23】
前記金属材料製造構成(1)が、前記酸素ガス(10)を前記電気分解ユニット(19)から前記金属酸化物材料製造ユニット(3)に移送するように構成された酸素ガス移送機器(66’、66”)を含む、請求項22に記載の金属材料製造構成(1)。
【請求項24】
前記水素ガス移送機器(44’、44”)が流体輸送手段及び/又はホース配列を含む、請求項22に記載の金属材料製造構成(1)。
【請求項25】
前記直接還元設備(7)が前記電気分解ユニット(19)と統合される、請求項22に記載の金属材料製造構成(1)。
【請求項26】
前記金属酸化物材料装入入口機器(9)が、前記金属酸化物材料(5)を前記金属酸化物材料製造ユニット(3)から前記直接還元設備(7)内に直接移送するように構成される、請求項20~25のいずれか一項に記載の金属材料製造構成(1)。
【請求項27】
前記金属酸化物材料製造ユニット(3)が;金属鉱体を粉砕するように構成された粉砕装置と;金属鉱石粒子を分離するように構成された分離装置と;前記金属鉱石粒子の金属鉱石混合物(24)を製造するように構成された金属鉱石混合物製造装置と;前記金属鉱石混合物(24)を硬化させるように構成された硬化装置(22)とを含む、請求項20~26のいずれか一項に記載の金属材料製造構成(1)。
【請求項28】
前記硬化装置(22)が、前記金属鉱石混合物(24)の酸化のために構成される、及び/又は前記金属鉱石混合物(24)を焼結させるように構成された焼結装置を含む、及び/又は前記金属鉱石混合物(24)を加熱するための加熱装置を含む、請求項27に記載の金属材料製造構成(1)。
【請求項29】
前記金属材料製造構成(1)が、前記廃棄還元流体出口機器(13)を介して前記直接還元設備(7)に連結される熱交換装置(79、89)を含み、前記熱交換装置(79、89)が、前記還元剤(6、31)の廃棄還元流体(8)から熱を移動させるように構成され、廃棄還元流体(8)は、前記直接還元設備(7)から、前記金属酸化物材料製造ユニット(3)まで及び/又は請求項20に記載の前記電気分解ユニット(19)まで供給されて、前記熱交換装置(79、89)を通過するエネルギー伝達流体(AG)を加熱する、請求項20~28のいずれか一項に記載の金属材料製造構成(1)。
【請求項30】
前記金属材料製造構成(1)が、前記直接還元設備(7)内に導入される前に前記還元剤を加熱するように構成された還元剤加熱機器(HH)を含む、請求項20~29のいずれか一項に記載の金属材料製造構成(1)。
【請求項31】
前記金属材料製造構成(1)が、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法ステップを制御するように適合した制御回路網(50)を含む、請求項20~30のいずれか一項に記載の金属材料製造構成(1)。
【請求項32】
請求項20~31のいずれか一項に記載の前記金属材料製造構成(1)が、還元金属材料(RM)の自動又は半自動製造を実施するようにプログラムされたデータプログラム(P)を格納するデータ媒体であって、前記データプログラム(P)がプログラムコードを含み、制御回路網(50)が:
前記金属酸化物材料(5)を製造することと;
熱エネルギーを保持する前記金属酸化物材料(5)を前記直接還元設備(7)に装入することと;
前記還元剤(6、31)を前記直接還元設備(7)に導入することと;
化学反応を行うため、前記導入された還元剤(6、31)の加熱又はさらなる加熱のために、前記金属酸化物材料(5)の前記熱エネルギーを利用することによって、前記金属酸化物材料(5)を還元金属材料(RM)に還元することと;
前記還元金属材料を前記直接還元設備(7)から排出することと、
の前記方法ステップを行うために、前記データ媒体が、前記制御回路網(50)のコンピュータ上で読み取り可能である、データ媒体。
【請求項33】
データ媒体製品のデータ媒体上に格納されたデータプログラム(P)及びプログラムコードを含むデータ媒体製品であって、請求項30に記載のデータ媒体の前記データプログラム(P)が前記コンピュータ上で実行される場合に、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法ステップを実施するために、前記データ媒体が、前記制御回路網(50)のコンピュータ上で読み取り可能である、データ媒体製品。
【請求項34】
金属酸化物材料製造ユニット(3)に連結して一体化されるように構成される、又は金属酸化物材料製造ユニット(3)に連結するように構成される直接還元設備(7)であって、金属酸化物材料(5)の製造に適合した製造熱プロセスによって生じる熱エネルギーを保持する前記金属酸化物材料(5)を、前記直接還元設備(7)内に装入することができ、前記直接還元設備(7)が、化学反応を行うために還元剤(6、31)を受け取るように構成される、直接還元設備(7)。
【請求項35】
前記直接還元設備(7)が;前記金属酸化物材料(5)を前記金属酸化物材料製造ユニット(3)から前記直接還元設備(7)に移送するように構成された金属酸化物材料装入入口機器(9)と;化学反応による前記金属酸化物材料(5)との反応に適合した還元剤(6、31)を前記直接還元設備(7)内に導入するように構成された還元剤流体入口機器(11)と;廃棄還元流体(8)を前記直接還元設備(7)から排出するように構成された廃棄還元流体出口機器(13)と;還元金属材料(RM)を前記直接還元設備(7)から排出するように構成された還元金属材料出口機器(15)とを含む、請求項34に記載の直接還元設備(7)。
【請求項36】
前記金属酸化物材料(5)が、ペレットなどの凝集物の形態である、請求項34又は35に記載の直接還元設備(7)。
【請求項37】
前記還元剤(6、31)が、還元剤供給源(30)から前記直接還元設備(7)に移送される、請求項34~36のいずれか一項に記載の直接還元設備(7)。
【請求項38】
前記還元剤流体入口機器(11)が、水を前記還元剤(6、31)に分解するように構成された電気分解ユニット(19)と関連する及び/又は連結する、請求項34~37のいずれか一項に記載の直接還元設備(7)。
【請求項39】
前記還元剤が水素ガス(6)を含む、請求項34~38のいずれか一項に記載の直接還元設備(7)。
【請求項40】
前記直接還元設備(7)が、約20℃~約750℃の温度を有する還元金属材料(RM)を製造するように構成される、請求項34~39のいずれか一項に記載の直接還元設備(7)。
【請求項41】
金属鉱石混合物(24)から金属酸化物材料(5)を製造するように構成された金属酸化物材料製造ユニット(3)であって、前記製造された金属酸化物材料(5)が、前記金属酸化物材料製造ユニット(3)の製造熱プロセスによって生じる熱エネルギーを保持し、前記金属酸化物材料製造ユニット(3)が、熱エネルギーを保持する前記金属酸化物材料(5)を、直接還元設備(7)に導入される前記金属酸化物材料と還元剤(6、31)との間の化学反応によって、熱エネルギーを保持する前記金属酸化物材料(5)を還元金属材料(RM)に還元するように構成された前記直接還元設備(7)に移送するように構成される、金属酸化物材料製造ユニット(3)。
【請求項42】
前記金属酸化物材料製造ユニット(3)が、前記直接還元設備(7)から前記金属酸化物材料製造ユニット(3)に移動する過剰の熱によって前記金属鉱石混合物(24)を加熱するように構成される、請求項41に記載の金属酸化物材料製造ユニット(3)。
【請求項43】
前記金属酸化物材料製造ユニット(3)が、酸素ガス(10)を硬化装置(22)に排出するように構成された酸素ガス排出機器(A)を含み、前記金属鉱石混合物(24)を酸化させるため、及び/又は燃焼プロセスによって前記金属鉱石混合物を加熱するために、酸素ガス(10)が電気分解ユニット(19)から前記金属酸化物材料製造ユニット(3)に供給される、請求項41又は42に記載の金属酸化物材料製造ユニット(3)。
【請求項44】
前記金属酸化物材料製造ユニット(3)が、前記金属酸化物材料製造ユニット(3)によって使用されるプロセスガス(PG)を加熱するように構成された水素ガス排出機器(B)を含む、請求項41~43のいずれか一項に記載の金属酸化物材料製造ユニット(3)。
【請求項45】
前記金属酸化物材料製造ユニット(3)が、前記金属鉱石混合物(24)を加熱するように構成された水素ガス排出機器を含む、請求項41~44のいずれか一項に記載の金属酸化物材料製造ユニット(3)。
【請求項46】
前記金属酸化物材料製造ユニット(3)が、製造熱プロセスによって、前記熱エネルギーを保持する金属酸化物材料を製造するために前記金属酸化物材料を予熱するように構成された金属酸化物材料予熱装置(203、207)を含む、請求項41に記載の金属酸化物材料製造ユニット(3)。
【請求項47】
前記金属酸化物材料予熱装置(203、207)が、前記直接還元設備(7)から前記金属酸化物材料予熱装置(203、207)に移動する過剰の熱によって、あらかじめ冷却された金属酸化物材料(5)を予熱するように構成される、請求項46に記載の金属酸化物材料製造ユニット(3)。
【請求項48】
前記金属酸化物材料予熱装置が金属酸化物材料冷却/予熱装置(207)として構成されてもよい、請求項46又は47に記載の金属酸化物材料製造ユニット(3)。
【請求項49】
金属酸化物材料の製造方法であって、前記製造熱プロセスの前記酸化及び/又は焼結プロセスの間、及び/又は熱を伝達するために、高い酸素圧を維持する酸素に富むプロセスガスを用いて前記酸化が行われる、製造方法。
【請求項50】
金属材料製造構成(1)であって、前記製造熱プロセスの前記酸化及び/又は焼結プロセスの間、及び/又は熱を伝達するために、高い酸素圧を維持する酸素に富むプロセスガスを供給するための供給配列が前記金属材料製造構成(1)に設けられる、金属材料製造構成(1)。
【請求項51】
前記金属材料製造構成(1)の金属酸化物材料製造ユニット(3)が、前記金属酸化物材料製造ユニット(3)の硬化装置(22)内に前記酸素に富むプロセスガス(OE)を導入するように構成された酸素に富むプロセスガスの排出機器(OEE)を含む、請求項50に記載の金属材料製造構成(1)。
【請求項52】
統合された金属材料製造構成(1)であって、前記統合された金属材料製造構成(1)が、金属酸化物材料製造ユニット(3)及び/又は電気分解ユニット(19)及び/又は水素貯蔵ユニット(26’)及び/又は酸素貯蔵ユニット(26”)及び/又は金属製造業者(17)及び/又は金属酸化物材料ペレット化プラント(201)及び/又は金属酸化物材料予熱装置(203)及び/又は金属酸化物材料冷却/予熱装置(207)及び/又は製鋼業者及び/又はスクラップ金属溶融電気アーク炉EAFを用いるミニミル業者及び/又は浸炭反応器(248)及び/又は浸炭ゾーン(249)及び/又は炭素源供給者(CSE)と統合される直接還元設備(7)を含むことを特徴とする統合された金属材料製造構成(1)。
【請求項53】
金属酸化物材料製造ユニット(3)によって行われる硬化プロセスに酸素ガス(10)が使用される、金属酸化物材料の製造方法。
【請求項54】
前記金属材料製造構成(1)に、酸素(10)ガスを硬化装置(22)内に供給するように構成された供給機器が設けられる、金属材料製造構成(1)。
【請求項55】
加熱プロセスガスが、金属酸化物材料製造ユニット(3)の乾燥及び/又は予熱ユニット(36)に供給される酸素欠乏プロセスガスを構成する、金属酸化物材料の製造方法。
【請求項56】
金属材料製造構成(1)であって、前記金属材料製造構成(1)が、金属酸化物材料製造ユニット(3)の乾燥及び/又は予熱ユニット(36)に酸素欠乏プロセスガスを供給するように構成された供給部材を含む、金属材料製造構成(1)。
【請求項57】
金属材料製造構成(1)であって、金属鉱石混合物(24)の予熱及び/又は加熱のため、及び/又は製造熱プロセスにおける前記金属鉱石混合物(24)の硬化のために、パイプ配列などの供給要素が、水素ガス(6)を含む排気ガスなどの廃棄還元流体を、直接還元設備(7)から金属酸化物材料製造ユニット(3)に移送するように構成される、金属材料製造構成(1)。
【請求項58】
還元剤の廃棄還元流体が、金属鉱石混合物(24)の予熱及び/又は加熱、及び/又は硬化プロセスにおけるプロセスガスに使用される、金属材料製造構成(1)。
【請求項59】
金属酸化物材料(5)を製造するように構成された硬化プロセスにおいて金属鉱石混合物を加熱するために、水素ガス(6)が金属酸化物材料製造ユニット(3)に供給される、金属酸化物材料の製造方法。
【請求項60】
金属材料製造構成(1)であって、硬化プロセスにおいて金属鉱石混合物を加熱するために、水素ガス(6)を金属酸化物材料製造ユニット(3)に供給するための供給機器を前記金属材料製造構成(1)が含む、金属材料製造構成(1)。
【請求項61】
水素ガスバーナー機器(BD)によって酸素に富むプロセスガス(OE)を加熱するために、水素ガス(6)が金属酸化物材料製造ユニット(3)に供給される、金属酸化物材料の製造方法。
【請求項62】
金属材料製造構成(1)であって、酸素に富むプロセスガス(OE)を加熱するために、前記金属材料製造構成(1)が、金属酸化物材料製造ユニット(3)の水素ガスバーナー機器(BD)に水素ガス(6)を供給するための手段を含む、金属材料製造構成(1)。
【請求項63】
前記直接還元設備(7)内に導入される前の前記水素ガス(6)が水素貯蔵庫及びバッファータンク(26’)内に貯蔵され、及び/又は前記電気分解ユニット(19)によって生成した前記酸素(10)が、前記酸素(10)を前記金属酸化物材料製造ユニットに供給する前に、酸素貯蔵タンク(26”)内に貯蔵される、請求項22に記載の金属材料製造構成(1)。
【請求項64】
前記直接還元設備(7)が、炭素を含まない還元金属材料及び/又は炭素含有還元金属材料(CRM)を製造するように構成される、請求項20~31のいずれか一項に記載の金属材料製造構成(1)。
【請求項65】
前記炭素含有還元金属材料(CRM)が、前記直接還元設備(7)に連結された別個の浸炭反応器(248)、及び/又は前記直接還元設備(7)の別個の浸炭ゾーン(249)、及び/又は前記直接還元設備(7)の内部の浸炭容積(250)によって得られる、請求項64に記載の金属材料製造構成(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、請求項1に記載の金属酸化物材料の還元方法に関し、さらに、請求項20に記載の金属材料製造構成(metal material production configuration)に関する。本発明は、さらに、金属材料製造構成が還元金属材料の自動又は半自動製造を実施するように適合させたプログラムコードでプログラムされたデータプログラムを格納するデータ媒体(data medium)に関する。
【0002】
本発明は、還元金属材料を提供するための鉱業及び金属材料製造業に関する。本発明は、工業用金属、例えばスポンジ(例えば海綿鉄(sponge iron))又はその他の種類の還元金属材料を製造する冶金プロセス産業に関する。本発明は、還元設備及び金属酸化物材料製造ユニットの製造業者及び供給業者に関する。
【0003】
特に、本発明は、鋼などの鉄金属を加工する製鋼業に関する場合がある。しかし、本発明は、アルミニウム、銅、鉛、及び亜鉛などの非鉄金属を加工するさまざまな種類の金属製造業者に関する場合がある。
【0004】
少なくとも1つの発明は、直接還元設備(direct reduction facility)に関する場合があり、そのような設備のための還元金属材料及び/又は構成要素を製造する産業に関する場合がある。
【0005】
少なくとも1つの発明は、金属酸化物材料製造ユニットに関する場合があり、そのような設備のための金属酸化物材料及び/又は構成要素を製造する産業に関する場合がある。
【背景技術】
【0006】
背景
還元金属材料は、還元を行うための還元ガスを用いた金属酸化物の直接還元によって製造される。金属酸化物材料は、高炉(shaft furnace)などの直接還元設備の上部から連続的に供給することができ、同時に、天然ガスの熱風を直接還元設備の下部に吹き込むことができ、それによって、金属酸化物材料が下に向かって落下するときに、高炉全体で化学反応が起こる。排ガスは、直接還元設備の上部から出る。加熱された天然ガス又は別の還元剤の上昇流に接触する金属酸化物材料の下降流は、金属酸化物材料と加熱された天然ガスとの間の化学反応を引き起こす対向流交換として定義することができる。
【0007】
金属酸化物材料の直接還元では、流動床直接還元プロセスを行うこともできる。このような方法では、微細な金属酸化物材料粒子は、加圧流体を用いて直接還元設備内に導入することができ、重力によって流動性が生じ、金属酸化物材料の化学反応及び還元が行われる。
【0008】
周知の技術では、金属酸化物材料と還元剤との間で化学反応を生じさせるために、還元剤の温度を上昇させるための種々の方法、例えば還元剤の燃焼を開始するために酸素を加えることによる方法が用いられる。しかし、還元剤を加熱するこのような方法は、還元剤がその還元強度(reduction strength)を失うことを意味する。上記還元強度の低下を補うために、還元剤をさらに加熱して化学反応を行うことができる。しかし、還元剤のさらなる加熱によって、還元剤の還元強度はさらに低下する。還元剤の低下した還元強度を補うために、直接還元設備内に導入される還元剤の量を増やすこともできる。にもかかわらず、還元剤のさらなる添加及び加熱は、時間が節約され費用対効果の高いやり方で金属酸化物材料の還元方法を実現するための効果的なやり方ではない。
【0009】
上記化学反応は、加熱された還元剤によって酸素が金属酸化物材料から還元されることを意味し、これによって金属酸化物材料の温度が上昇する。金属酸化物材料は、従来技術の直接還元設備内で、加熱された還元剤、例えば水素ガスと一酸化炭素との混合物である合成ガスによって、最高800℃の温度まで、又は場合により1200℃まで上記化学反応によって加熱することができる。
【0010】
したがって、直接還元設備から排出される還元金属材料は高温であり、排出後に冷却する必要があり、このため、従来技術による還元金属材料の製造のエネルギー効率は損なわれる。
【0011】
金属酸化物材料の直接還元は、金属材料の融点よりも低い温度で金属酸化物材料を還元金属材料に還元する固相プロセスと呼ばれる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
発明の概要
目的の1つは、CO2及びNOXの排出が減少する又は解消されると同時に、低いエネルギー消費を用いる、金属酸化物材料の還元方法及び金属材料製造構成を提供することである。
【0013】
目的の1つは、鋼、クロム、ニッケル、銅などの商業用金属の製造に使用するための中間金属材料としての還元金属材料のCO2フリー製造が促進される、金属酸化物材料の還元方法及び金属材料製造構成を提供することである。
【0014】
目的の1つは、還元金属材料の省エネルギー製造を提供することである。
【0015】
目的の1つは、海綿鉄、ニッケルブリケット、銅などの還元金属材料のCO2フリー製造が促進される、金属酸化物材料の還元方法及び金属材料製造構成を提供することである。
【0016】
目的の1つが存在し、直接還元設備内で金属酸化物材料を還元するための還元剤の利用が最小限にされる。
【0017】
目的の1つが存在し、水素ガスと酸素ガスとを生成する電気分解ユニットが必要とする電力の利用が最小限にされる。
【0018】
目的の1つは、還元金属材料を製造するための環境に優しい方法を提供することである。
【0019】
目的の1つは、金属酸化物材料から還元金属材料への還元中の還元剤の還元強度を維持することである。
【0020】
目的の1つは、従来技術によると、水素含有ガスの還元強度を低下させ、それによってより多くの水素含有ガスを導入する必要が生じ、従来技術の還元設備から供給される炉頂ガス中に過剰の水素が存在する結果にもなる、燃焼用に酸素などを用いた水素含有ガスの強い加熱/燃焼及び/又は加熱を必要とせずに、還元設備内で熱エネルギーを保持する金属酸化物材料の還元に用いられる水素含有ガスの還元強度及び還元力を維持することである。
【0021】
目的の1つは、還元剤の化学反応性及び/又は還元剤の高い推進力を維持することであり、この化学反応性は、金属酸化物材料との効率的な化学反応を行うために重要である。
【0022】
従来技術によると、金属酸化物材料との発熱化学反応を実現するために還元剤が予熱(pre-heating)されるときに、還元剤の還元強度は低下する。
【0023】
目的の1つは、金属酸化物材料の時間が節約された製造が促進される、金属酸化物材料の還元方法及び金属材料製造構成を提供することである。
【0024】
目的の1つは、直接還元設備であって、建設の費用対効果が高く、費用対効果の高い保守サービスが促進され、金属酸化物材料の直接還元設備への直接的で効率的な装入が容易になる直接還元設備を提供することである。
【0025】
目的の1つは、金属酸化物材料の直接還元設備内への直接の効率的な装入が促進される直接還元設備を提供することである。
【0026】
目的の1つは、金属酸化物材料のエネルギーが節約され時間が節約される直接還元によって、CO2の中間の排出及び/又はCO2低排出及び/又はCO2を含まない方法に使用するための還元金属材料の製造が促進される、金属材料製造構成及び金属酸化物材料の還元方法を提供することである。
【0027】
目的の1つは、炭素含有還元金属材料の効率的な製造が促進される、金属材料製造構成及び金属酸化物材料の還元方法を提供することである。
【0028】
目的の1つは、炭素を含まない又は炭素を含有する還元金属材料の製造、及び/又は金属の製造のための持続可能なサプライチェーンマネジメントにおいて、エネルギー及び材料が最適に使用されて少量の廃棄物が生成されるプロセスの効率的で相互接続されたネットワークが促進される、金属材料製造構成及び金属酸化物材料の還元方法を提供することである。
【0029】
この目的又は上記目的の少なくとも1つは、金属酸化物材料製造ユニットによって製造された金属酸化物材料の還元方法によって実現され、金属酸化物材料は、金属酸化物材料製造ユニットから、金属酸化物材料製造ユニットの製造熱プロセスによって生じる熱エネルギーを保持する金属酸化物材料を装入するための直接還元設備内に移送され、直接還元設備は、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料との反応に適合した還元剤を導入するように構成され、上記方法は:上記金属酸化物材料を製造するステップと;熱エネルギーを保持する上記金属酸化物材料を、直接還元設備に装入するステップと;還元剤を直接還元設備に導入するステップと;化学反応を行うために導入された還元剤の加熱又はさらなる加熱のために金属酸化物材料の上記熱エネルギーを利用することによって、上記金属酸化物材料を還元金属材料に還元するステップと;還元金属材料を直接還元設備から排出するステップとを含む。
【0030】
このような方法では、還元剤の強い化学反応性が維持され、この結果、効率的で時間が節約される還元プロセスが得られ、これによって還元金属材料の時間が節約された製造が促進される。
【0031】
或いは、金属酸化物材料製造ユニットは、熱エネルギー(例えば約700~1400℃、好ましくは約900~1200℃の温度、又は約800~1600℃、好ましくは約900~1500℃の温度)を保持する金属酸化物材料を提供する(製造する/生成する/形成する/産出する)。
【0032】
或いは、金属酸化物材料は、金属酸化物材料製造ユニットの金属酸化物材料ペレット化プラントから、及び/又は金属酸化物材料製造ユニットの金属酸化物材料予熱装置から、金属酸化物材料ペレット化プラントの製造熱プロセスによって、及び/又は金属酸化物材料製造ユニット金属酸化物材料予熱装置及び/又は金属酸化物材料冷却/予熱装置の製造熱プロセスによって生じる熱エネルギーを保持する金属酸化物材料を装入するように構成された直接還元設備内に(例えば直接)移送される。
【0033】
或いは、直接還元設備には、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料を還元設備内に装入する装入速度を制御するように適合した制御回路網(control circuitry)に電気的に結合した耐熱性コンベヤバンド又は別の適切な移送部材などの移送装置を含む耐熱性供給装置が設けられる。
【0034】
或いは、製造熱プロセスは、金属酸化物材料の製造に適合しており、金属酸化物材料を製造するために金属鉱石混合物を硬化させる(indurating)ステップを含む。
【0035】
或いは、金属鉱石混合物を硬化させるステップは、金属鉱石混合物の酸化のステップ、及び/又は金属鉱石混合物を焼結させるステップを含む。
【0036】
或いは、製造熱プロセスは、金属酸化物材料が得られるように適合しており、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料を製造するためにあらかじめ冷却された金属酸化物材料を予熱するステップを含む。
【0037】
或いは、製造熱プロセスは、金属酸化物材料製造ユニットによって、例えば金属酸化物材料予熱装置及び/又は金属酸化物材料冷却/予熱装置によって、あらかじめ冷却された金属酸化物材料を予熱することによって熱エネルギーを保持する金属酸化物材料が得られるように適合される。
【0038】
或いは、金属酸化物材料を予熱するステップの前に、金属酸化物材料を冷却するステップが行われる。
【0039】
或いは、製造熱プロセス(例えば金属酸化物材料予熱装置による金属酸化物材料の予熱)によって生じる熱エネルギーを保持する金属酸化物材料は直接還元設備内に装入される。
【0040】
或いは、製造熱プロセスは、金属酸化物材料の製造(提供)に適合している。
【0041】
或いは、直接還元設備内に導入される前の還元剤(例えば純水素ガス)は、水素貯蔵庫及びバッファータンク内で貯蔵される。
【0042】
或いは、電気分解ユニットによって生成された酸素は、金属酸化物材料製造ユニットに酸素が供給される前に、酸素貯蔵庫及びバッファータンク内で貯蔵される。
【0043】
或いは、水素貯蔵庫及びバッファータンク及び/又は酸素貯蔵庫及びバッファータンクは、地域暖房又は別のエネルギー利用者のために用いることができる。
【0044】
或いは、製造熱プロセスによって生じる熱エネルギー(加熱エネルギー)が約500℃を超える温度に相当する場合に、金属酸化物材料製造ユニットから直接還元設備内に移送される金属酸化物材料。
【0045】
或いは、金属酸化物材料製造ユニットから直接還元設備内に移送される金属酸化物材料は、製造熱プロセスによって生じ約900℃を超える温度に相当する熱エネルギー(加熱エネルギー)を保持する。
【0046】
或いは、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料が得られるように構成された金属酸化物材料製造ユニットから(例えば、金属酸化物材料ペレット化プラントから、及び/又は金属酸化物材料予熱装置から、及び/又は金属酸化物材料冷却/予熱装置から)、直接還元設備内に移送される金属酸化物材料は、約700℃~1350℃、好ましくは800℃~1300℃;又は約800℃~1350℃、好ましくは900℃~1350℃の温度に相当する熱エネルギーを保持する。
【0047】
或いは、金属酸化物材料製造ユニットによって、約700℃~1300℃、好ましくは約750℃~1150℃の温度を維持する金属酸化物材料(凝集物又はペレット)が製造される。
【0048】
或いは、実質的又は完全に吸熱の化学反応は、約300℃~700℃、好ましくは約450℃~550℃に等しい熱エネルギーを消費することができ、このエネルギーは、直接還元設備内に装入される金属酸化物材料から得られる。
【0049】
或いは、金属酸化物材料製造ユニットによって、約900℃~1300℃、好ましくは約1000℃~1100℃の温度を維持する金属酸化物材料(凝集物又はペレット)が製造される。
【0050】
このような方法では、金属酸化物材料の化学反応及び還元を行うために、還元剤を加熱する必要性が少なくなる。
【0051】
このような方法では、化学反応及び還元プロセスの間に還元剤の還元強度が低下しない。
【0052】
このような方法では、直接還元設備内で化学反応を実現するために、例えば酸素によって還元剤を燃焼させる必要がない。
【0053】
このような方法では、直接還元設備内で最適な吸熱化学反応を実現するために、直接還元設備の内部で還元剤を循環させる必要性が少なくなる。従来技術によると、このような循環によってさらなるエネルギー消費が必要となる。
【0054】
このような方法では、還元剤の化学反応性が維持される。
【0055】
或いは、還元剤は、CO(一酸化炭素)及び/又はH2(水素ガス)及び/又はCxHy(炭化水素)、例えばメタン(CH4)及び/又はプロパン(C3H8)及び/又はエタン(C2H6)及び/又はあらゆる別の炭化水素基を含む。
【0056】
或いは、還元剤は95%を超えるメタン(CH4)を含む。
【0057】
或いは、還元剤は純水素ガスである。
【0058】
このような方法では、還元剤として使用される水素ガスは、還元強度が低下しないことが実現される。
【0059】
従来技術では、加熱/燃焼によって上記化学反応に上記熱エネルギーを加える又は発生させることによって(従来技術に示されるように)、例えば化学反応及び還元プロセスによって用いられ導入される水素が非常に高い温度に到達するためのバーナー(例えば酸素を用いた燃焼)による水素。
【0060】
或いは、還元剤は、還元剤予熱機器によって20~700℃(好ましくは約100~600℃)の範囲内のあらゆる温度に予熱することができる。
【0061】
或いは、還元剤予熱機器は、還元剤の還元強度が低下しない程度に還元剤を予熱するように構成される。
【0062】
或いは、還元剤予熱機器は、還元金属材料又は還元される金属酸化物材料の効率的な浸炭(carburizing)のために還元剤の温度を制御(及び/又は監視及び/又は調節)するように適合させた制御回路網に電気的に結合する。
【0063】
或いは、75体積%~100体積%の水素含有量を有する、又は好ましくは100体積%の水素含有量を有する還元剤。
【0064】
或いは、還元剤予熱機器は、電熱器、間接ガス/ガスヒーターなどを含む。
【0065】
或いは、還元剤は水素ガスを含む。
【0066】
このような方法では、還元剤の高い還元強度のため、予熱された及び/又は加熱された及び/又は温かい金属酸化物材料の直接還元設備内への直接的で効率的な装入を可能にする、短い若しくは小型の直接還元設備、又は低い位置に上部部分を有する直接還元設備の短い建造物の利用が可能である。
【0067】
或いは、直接還元設備は、高炉、ロータリーキルン、又は横断流若しくは対向流熱交換器、又は金属酸化物材料を還元するために構成された別の直接還元設備として形成することができる。
【0068】
或いは、直接還元設備は、加圧下で操作されるように構成することができる。
【0069】
或いは、直接還元設備の全体のシステムは過圧(overpressure)にさらされる。
【0070】
或いは、直接還元設備の内部(例えばチャンバー)であって、化学反応が行われる内部(チャンバー)は過圧(大気圧よりも高い圧力)にさらされる。
【0071】
或いは、過圧は、直接還元設備内に還元剤を注入することによって実現され、一方、還元剤は加圧される。
【0072】
或いは、還元剤は、コンプレッサー機器によって加圧される。
【0073】
或いは、還元剤は水素ガスを含み、この水素ガスは、加圧水素ガスを生成するように構成された電気分解ユニットによって生成される。
【0074】
或いは、上記過圧を得るために直接還元設備の内部に導入される加圧された還元剤を得るために、電気分解ユニットによって分解される水は、電気分解ユニット内に注入される前に加圧される。
【0075】
このような方法では、小型の直接還元設備、あまり嵩高くない流体ライン、及び費用対効果の高い直接還元設備が実現される。
【0076】
従来技術は、装入される金属酸化物材料との化学反応を行うために加熱される異なる種類の還元剤、例えば化石燃料、例えば天然ガス、及びメタンの部分酸化によって抽出される不純物を有する水素ガスを使用することができる。
【0077】
従来技術の還元炉によって製造される高温の還元金属材料は、冷却する必要があり、過剰の熱は大気中に失われる。
【0078】
上記熱エネルギーを保持する金属酸化物材料を直接還元設備内に装入することによって、還元剤によって金属酸化物材料を加熱する必要なしに、予熱された及び/又は加熱された及び/又は高温の及び/又は温かい金属酸化物材料と還元剤との間の化学反応が行われると思われる。
【0079】
このような方法では、持続可能で省エネルギーの金属酸化物材料還元方法が促進される金属材料製造構成が実現される。
【0080】
或いは、化学反応は、約500℃~1300℃に等しい熱エネルギーを消費することができ、このエネルギーは、金属酸化物材料製造ユニットからの熱エネルギーを最初に保持する金属酸化物材料から得られる。
【0081】
或いは、直接還元設備は、還元下の温かい及び/又は予熱された及び/又は加熱された(熱エネルギー)金属酸化物材料を冷却するように適合し、加熱されていない及び/又は加熱された還元剤による化学反応が行われる対向流熱交換器として構成される。
【0082】
このような方法では、導入される還元剤は、化学反応中に熱エネルギーを保持する金属酸化物材料によって加熱される。
【0083】
或いは、排出される還元金属材料は、約20℃~500℃の温度を有することができる。
【0084】
或いは、排出された還元金属材料は浸炭することができ、金属酸化物材料の還元方法は、より高温、例えば約400℃~700℃、好ましくは約500℃~650℃の還元金属材料が得られるように制御される。
【0085】
或いは、排出された還元金属材料を浸炭する場合、導入される還元剤は、還元金属材料を必要な温度にするために予熱することができるが、依然として金属酸化物材料は、化学反応中に還元剤よりも温かい熱エネルギーを維持する。
【0086】
或いは、金属酸化物材料製造ユニットによる金属酸化物材料の製造方法によって得られる、還元される金属酸化物材料の熱エネルギー。
【0087】
或いは、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料は、金属酸化物材料の熱を維持するために、金属酸化物材料製造ユニットから直接還元設備内に直接移送される。
【0088】
このような方法では、金属酸化物材料、したがって還元金属材料に関して化学及び物理冶金的性質が向上すると同時に、熱の節約が実現される。
【0089】
このような方法では、費用対効果の高い金属酸化物材料の還元方法が実現される。
【0090】
このような方法では、金属酸化物材料の熱エネルギーを利用することによって、ガスチャネルファン、ガスチャネル、及びガス管のサイズを最適化することができ、あまり嵩高くないようにすることができる(これによって従来技術よりも必要なガス流が少なくなる)。
【0091】
このような方法では、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料は、予熱された及び/又は/加熱された及び/又は高温の及び/又は温かい金属酸化物材料の状態で、化学反応を行えるように直接還元設備内に装入される。
【0092】
或いは、上記金属酸化物材料の製造は;金属鉱体を粉砕するステップと;金属鉱石粒子を分離するステップと;上記金属鉱石粒子の金属鉱石混合物を製造するステップと;金属鉱石混合物を硬化させるステップとを含む。
【0093】
或いは、金属鉱石混合物を製造するステップは、金属鉱石混合物を凝集させるステップを含む。
【0094】
或いは、金属鉱石混合物を硬化させるステップは、金属鉱石混合物を加熱する及び/又は予熱することをさらに含む。
【0095】
或いは、金属鉱石混合物を硬化させるステップの前に、金属鉱石混合物を乾燥させる、及び/又は金属鉱石混合物を予熱及び/又は加熱するステップが行われる。
【0096】
このような方法では、金属酸化物材料の還元の持続可能な方法が実現され、一方、酸素ガスを金属酸化物材料製造ユニットに供給することによる熱エネルギーを保持する金属酸化物材料を製造するためと、純水素ガスによる直接還元設備で化学反応を行えるようにするためとの両方で、共通の電気分解ユニットを用いることができる。
【0097】
或いは、金属鉱石混合物を硬化させるステップは、金属鉱石混合物の酸化及び/又は金属鉱石混合物の焼結を含む。
【0098】
或いは、過剰の熱を移動させるステップは、金属鉱石混合物の予熱及び/又は加熱、及び/又は金属鉱石混合物の硬化のためのさらなる熱を提供することを含む。
【0099】
このような方法では、電気分解ユニットによって生成された酸素ガスの利用を生かすことができる金属酸化物材料製造ユニットが実現され、この電気分解ユニットは、水から純水素ガスも生成するように構成される。
【0100】
或いは、還元剤は、電気分解ユニットによって発生された水素ガスを含み、上記方法は、水を上記水素ガスと酸素ガスとに分解するステップを含む。
【0101】
或いは、電気分解ユニットは、水力、風力、波力、又は別の非化石及び再生可能エネルギーからの電気を利用する。
【0102】
このような方法では、電気分解ユニットによって生成される酸素ガスによって金属鉱石混合物を硬化させる持続可能な方法が実現される。
【0103】
このような方法では、電気分解ユニットによって生成される酸素ガスを、金属酸化物材料製造ユニットによって得られる酸化及び燃焼プロセスに使用することができる。
【0104】
或いは、酸素ガスは、金属酸化物材料を製造するための金属酸化物材料製造ユニットに移送される。
【0105】
或いは、酸素ガスは、金属鉱石混合物の硬化及び/又は選鉱(concentrating)によって精鉱(concentrate)を得るステップに用いるために金属酸化物材料製造ユニットに移送される。
【0106】
或いは、金属鉱石混合物は鉄鉱石混合物を含み、鉄鉱石混合物を予熱及び/又は加熱するステップは、磁鉄鉱石を赤鉄鉱石に酸化させることを含む。
【0107】
或いは、磁鉄鉱鉱石を赤鉄鉱鉱石に酸化させるステップでは、電気分解ユニットから供給された酸素ガスが使用される。
【0108】
或いは、磁鉄鉱石から赤鉄鉱石への転移は酸素環境下で行われ、この酸素ガスは共通の電気分解ユニットから供給することができる。
【0109】
或いは、金属酸化物材料製造ユニットの硬化装置によって行われる磁鉄鉱石から赤鉄鉱石への酸化は、製造される金属酸化物材料によって保持される熱エネルギーを発生し、この熱エネルギーは、直接還元設備によって行われる上記実質的又は完全に吸熱の化学反応に抽出され使用される。
【0110】
これによって、金属酸化物材料の省エネルギー製造が得られる。
【0111】
或いは、金属鉱石混合物中に高含有量の磁鉄鉱石を使用することによって、本来の金属酸化物材料製造ユニットにおけるFe2+からFe3+への酸化による磁鉄鉱石から赤鉄鉱石への転移が可能となり、これによって金属酸化物材料製造ユニットによって使用されるさらなる熱が発生する。
【0112】
このような方法では、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料を製造するための金属酸化物材料製造ユニット内で使用可能なエネルギー伝達媒体が得られる。
【0113】
或いは、金属鉱石混合物を硬化させるステップは、金属鉱石混合物を酸化させるステップ、及び/又は金属鉱石混合物を焼結させるステップを含む。
【0114】
或いは、上記方法は、電気分解ユニットから金属酸化物材料製造ユニットに過剰の熱を移動させるステップを含む。
【0115】
或いは、上記方法は、直接還元設備から金属酸化物材料製造ユニットに過剰の熱を移動させるステップを含む。
【0116】
或いは、過剰の熱を移動させるステップは、金属鉱石混合物の予熱及び/又は加熱、及び/又は上記金属鉱石粒子の金属鉱石混合物の製造、及び/又は金属鉱石混合物の乾燥、及び/又は金属鉱石混合物の予熱及び/又は加熱;金属鉱石混合物の酸化;並びに金属鉱石混合物の焼結を行うステップにさらなる熱を供給することを含む。
【0117】
このような方法では、金属酸化物材料を還元するための持続可能な方法及び省エネルギーの方法が実現される。
【0118】
或いは、酸素ガスは、電気分解ユニットから金属酸化物材料製造ユニットに移送されて、過剰の熱をさらに加熱するステップ(例えば酸素ガスが燃焼燃料と組み合わされる)に用いられる。
【0119】
このような方法では、電気分解ユニット及び/又は直接還元設備から移送された過剰の熱は、持続可能で省エネルギーの方法でさらに加熱される。
【0120】
或いは、直接還元設備から金属酸化物材料製造ユニットに廃棄還元流体(waste reduction fluid)が移送され、この還元剤の廃棄還元流体は、金属酸化物材料製造ユニットによって行われる製造熱プロセスに使用される。
【0121】
或いは、直接還元設備から金属酸化物材料製造ユニットに廃棄還元流体が移送され、この還元剤の還元流体は、金属酸化物材料ペレット化プラントによって及び/又は金属酸化物材料予熱装置によって行われる製造熱プロセスに使用される。
【0122】
このような方法では、金属酸化物材料の製造は、直接還元設備から排出された廃棄還元流体から得られる追加の熱を使用することによってエネルギーが効率的となり、この廃棄還元流体は化学反応によって生じる。
【0123】
このような方法では、電気分解ユニットによって生成される酸素ガス(燃料と組み合わされる)によって、及び/又は化学反応によって生成して直接還元設備から排出される加熱廃棄還元流体から得られる追加の熱を使用することによって、金属鉱石混合物を乾燥させる持続可能な方法が実現される。
【0124】
或いは、廃棄還元流体は、化学反応によって生成される気体の水(water vapour)及び/又は水蒸気(water steam)を含む、及び/又は化学反応中に上記熱エネルギーを保持する金属酸化物材料と反応しなかった水素ガスを含む。
【0125】
或いは、廃棄還元流体の水素ガスは、金属酸化物材料を還元するための直接還元設備に戻される。
【0126】
或いは、廃棄還元流体の水素ガスは、直接還元設備及び/又は金属酸化物材料製造ユニットに戻す前に、熱交換装置に通される。
【0127】
或いは、廃棄還元流体の気体の水及び/又は水蒸気は、熱交換装置を通して供給され、水蒸気を水に変換するように構成されたスチームコンデンサー装置に通され、この水は電気分解ユニットに戻される。
【0128】
或いは、プロセスガス(大気ガス)は、プロセスガスが加熱されるように熱交換装置に移送され、又は通され、ここで加熱されたプロセスガスは、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料を製造するための金属酸化物材料製造ユニットに供給される。
【0129】
或いは、金属鉱石混合物の予熱及び/又は加熱、及び/又は金属鉱石混合物の酸化、及び/又は金属鉱石混合物の焼結に使用される還元剤の廃棄還元流体。
【0130】
或いは、廃棄還元流体は水素ガスを含む。
【0131】
或いは、廃棄還元流体は純水素ガスを含む。
【0132】
或いは、廃棄還元流体は水蒸気を含む。
【0133】
或いは、廃棄還元流体は、過剰の(余分の)還元剤及び/又は化学反応中に得られる別の化合物を含む。
【0134】
この目的又は上記目的の少なくとも1つは、請求項20に記載の金属材料製造構成によって実現されている。
【0135】
或いは、金属酸化物材料製造ユニットは、金属酸化物材料製造ユニットの金属酸化物材料予熱装置による金属酸化物材料の予熱などの製造熱プロセスによって熱エネルギーを保持する金属酸化物材料を製造するように構成される。
【0136】
或いは、金属酸化物材料製造ユニットは、上記熱エネルギーを保持する金属酸化物材料を直接還元設備内に装入するように構成された装入機器を含む。
【0137】
或いは、金属酸化物材料製造ユニットは、冷却された金属酸化物材料の金属酸化物材料予熱装置による予熱などの熱プロセスの製造(及び/又は発生)によって熱エネルギーを保持する金属酸化物材料を生産(製造及び生成)するように構成される。
【0138】
或いは、金属酸化物材料予熱装置による金属酸化物材料の予熱によって生じる熱エネルギーを保持する金属酸化物材料は、直接還元設備内に装入される。
【0139】
或いは、製造(及び/又は生成)熱プロセスは、金属酸化物材料予熱装置による予熱された金属酸化物材料の生成(生産)に適合しており、この予熱された金属酸化物材料は直接還元設備内に装入される。
【0140】
或いは、直接還元設備は、金属酸化物材料と還元を行う還元剤との間の化学反応が実現されるように、還元剤の加熱又はさらなる加熱を行うために、金属酸化物材料の熱エネルギー(この熱エネルギーは、製造(及び/又は生成)熱プロセスによって生じる)を利用することによって金属酸化物材料から還元金属材料への還元を行うように構成される。
【0141】
或いは、直接還元設備は、金属酸化物材料製造ユニットと統合される。
【0142】
このような方法では、予熱された及び/又は加熱された及び/又は高温の及び/又は温かい金属酸化物材料、例えば鉄鉱石ペレット又は別の凝集形態は、直接還元設備内に(好ましくは直接)装入されて化学反応が行われ、これによって、海綿鉄などの還元金属材料を製造するためのエネルギー消費が減少する、統合された金属材料製造構成が提供される。同時に、水素ガスの還元剤を使用することによって、還元金属材料の製造中にCO2が排出されない。同時に、電気分解ユニットによって水素ガスを生成するために非化石エネルギーを用いることによって、CO2のさらなる排出がなくなる。同時に、電気分解ユニットによって生成される酸素ガスは、好ましくは金属酸化物材料製造ユニットの製造熱プロセスにおいて用いられる。
【0143】
或いは、直接還元設備は、金属酸化物材料製造ユニット、及び/又は電気分解ユニット、及び/又は水素貯蔵ユニット、及び/又は酸素貯蔵ユニット、及び/又は金属製造業者、及び/又は金属酸化物材料ペレット化プラント、及び/又は金属酸化物材料予熱装置、及び/又は金属酸化物材料冷却/予熱装置、及び/又は精鋼業者、及び/又はスクラップ金属溶融電気アーク炉EAFを用いるミニミル(minimill)業者、及び/又は浸炭反応器、及び/又は浸炭ゾーン、及び/又は炭素源供給者と統合される。
【0144】
上記のユニット、産業、反応器、ゾーン、装置、場所、供給者などは、1つの共通の製造システムを形成することができ、互いに連携される。
【0145】
このような方法では、廃棄還元流体の重要性評価、改善された水素及び酸素の効率、及び環境影響の減少を促進する労力の重要性評価を促進する金属酸化物材料、還元金属材料、及び金属(鋼など)の製造に使用される複数のプロセスを統合する産業共生が実現される。
【0146】
このような方法では、上記プロセスの持続可能なサプライチェーンマネジメントが実現される。
【0147】
このような方法では、上記プロセスによって生成する副生成物(例えば、熱エネルギー、水素、酸素など)は、別の利用者のための原材料及び供給源となり、温室効果ガス排出の減少に寄与する持続可能な方法でこれらの副生成物を使用することができる。
【0148】
このような方法では、エネルギー及び材料が最適に使用され、少量の廃棄物が生成されるプロセスの相互接続ネットワークが得られる。例えば、直接還元設備から回収された廃棄水素は、鉱業用車両などに使用することができる。
【0149】
或いは、炭素源供給者は、炭素補足及び利用ユニット、及び/又はバイオガス製造ユニット、及び/又は合成ガス製造ユニットを含む。
【0150】
或いは、炭素を含まない還元金属材料又は炭素含有還元金属材料は、金属製造業者、例えば鋼製造業者によって使用される完成還元金属材料、例えば粗鉄、中間生成物、銑鉄、又は別の中間生成物を構成する。完成還元金属材料は、鋼スラブ又は別の半完成鋼製品を製造するための材料を構成することができる。完成還元金属材料は、例えば、鋳造などのさらなる段階に使用される鋼ビレット金属として製造することができる。
【0151】
或いは、還元金属材料は、ホットブリケット鉄(HBI)の形態の海綿鉄を構成する。
【0152】
或いは、直接還元設備は、統合ミニミルの一部であり、冷却後の還元鉄は、鋼製造構成の電気炉に供給される。
【0153】
金属酸化物材料と還元を行うため還元剤との間の化学反応が実現されるように、還元剤の加熱又はさらなる加熱を行うために、金属酸化物材料の熱エネルギー(この熱エネルギーは製造熱プロセスによって生じる)を利用することによって金属酸化物材料から還元金属材料への還元を行うように構成された直接還元設備によって、効率的に還元金属材料の高温(例えば約600℃)を利用することが可能となり、ここでHBIを得るために還元金属材料に高圧が加えられる。
【0154】
このような方法では、例えば、還元鉄鉱石材料は約600℃の所望の温度を有し、この所望の温度において還元鉄鉱石材料の浸炭が最も効率的となる。
【0155】
上記方法から別の生成物、例えば酸化窒素、無機物、酸素ガス、リンなどを回収することができる。
【0156】
或いは、金属材料製造構成は、水を水素ガスと酸素ガスとに分解するように構成された電気分解ユニットと;水素ガスを電気分解ユニットから還元剤流体入口機器(reducing agent fluid inlet device)に移送するように構成された水素ガス移送機器とを含み、還元剤は上記水素ガスを含む。
【0157】
或いは、金属材料製造構成は、酸素ガスを電気分解ユニットから金属酸化物材料製造ユニットに移送するように構成された酸素ガス移送機器を含む。
【0158】
或いは、水素ガス移送機器は、流体輸送手段及び/又はホース配列を含む。
【0159】
或いは、直接還元設備は、電気分解ユニットと統合される。
【0160】
或いは、金属酸化物材料装入入口機器は、金属酸化物材料を金属酸化物材料製造ユニットから直接還元設備内に直接移送するように構成される。
【0161】
或いは、金属酸化物材料装入入口機器は、耐火性コンベヤシステムを含む。
【0162】
或いは、金属酸化物凝集物製造ユニットは、金属鉱体を粉砕するように構成された粉砕装置と;金属鉱石粒子を分離するように構成された分離装置と;上記金属鉱石粒子の金属鉱石混合物を製造するように構成された金属鉱石混合物製造装置と;金属鉱石混合物を硬化させるように構成された硬化装置とを含む。
【0163】
或いは、硬化装置は、金属鉱石混合物の酸化のために構成され、及び/又は金属鉱石混合物を焼結させるように構成された焼結装置を含み、及び/又は金属鉱石混合物を加熱するための加熱装置を含む。
【0164】
或いは、廃棄還元流体出口機器F(waste reduction fluid outlet device)を介して直接還元設備に熱交換装置が連結され、この熱交換装置は、還元剤の廃棄還元流体からの熱を伝達するように構成され、この廃棄還元流体は、直接還元設備から金属酸化物材料製造ユニット及び/又は電気分解ユニットに供給されて、熱交換装置から金属酸化物材料製造ユニットを通過するエネルギー伝達流体を加熱する。
【0165】
或いは、金属材料製造構成は、直接還元設備内に導入される前に還元剤を加熱するように構成された還元剤加熱機器を含む。
【0166】
或いは、排ガス出口を形成する直接還元設備の廃棄還元流体出口機器は、直接還元設備の上部に配置される。
【0167】
或いは、気体の水、及び/又は水蒸気、及び/又は排ガス、及び/又は水素ガスなどの廃棄還元流体は、第1の段階で化学反応に使用されない過剰の還元流体として定義することができ、及び/又は化学反応によって生成される過剰の流体として定義することができる。
【0168】
好ましくは、廃棄還元流体は、化学反応のため高温を示すことができる。
【0169】
或いは、金属材料製造構成は、直接還元設備と熱交換装置との間に連結されるパイプ配列を含み、このパイプ配列は、金属酸化物凝集物製造ユニットと熱交換装置との間にさらに連結される。
【0170】
或いは、金属鉱石混合物の予熱及び/又は加熱のため、及び/又は製造熱プロセスにおける金属鉱石混合物の硬化のために、パイプ配列は、水素ガスなどの廃棄還元流体を直接還元設備から金属酸化物材料製造ユニットに移送するように構成される。
【0171】
或いは、実質的又は完全に吸熱の化学反応に廃棄還元流体を再利用するために、パイプ配列は、水素ガスなどの廃棄還元流体を直接還元設備から直接還元設備に戻すように構成される。
【0172】
或いは、パイプ配列は、水蒸気などの廃棄還元流体を直接還元設備から熱交換装置に移送するように構成される。
【0173】
或いは、熱交換装置は、水蒸気を水に変換するように構成されたスチームコンデンサー装置を含むことができる。
【0174】
或いは、スチームコンデンサー装置は、電気分解ユニットに連結され、水蒸気から変換された水を電気分解ユニットに送出するように構成される。
【0175】
或いは、金属材料製造構成は、いずれかの方法ステップを制御するように適合した制御回路網を含む。
【0176】
この目的又は上記目的の少なくとも1つは、金属材料製造構成によって、還元金属材料の自動又は半自動製造が行われるようにプログラムされたデータプログラムを格納するデータ媒体によって実現されており、上記データプログラムはプログラムコードを含み:金属酸化物材料製造ユニットによって上記金属酸化物材料を製造することと;熱エネルギーを保持する上記金属酸化物材料を直接還元設備に装入することと;還元剤を直接還元設備に導入することと;化学反応を実現するため、導入された還元剤の加熱又はさらなる加熱のために、金属酸化物材料の上記熱エネルギーを利用することによって、上記金属酸化物材料を還元金属材料に還元することと;直接還元設備から還元金属材料を排出することとの方法ステップが制御回路網によって行われるように、データ媒体は、制御回路網のコンピュータ上で読み取り可能となる。
【0177】
この目的又は上記目的の少なくとも1つは、データ媒体製品であって、データ媒体製品のデータ媒体上に格納されたデータプログラム及びプログラムコードを含むデータ媒体製品によって実現されており、データ媒体のデータプログラムがコンピュータ上で実行される場合に、上記方法ステップを行うために、上記データ媒体は、制御回路網のコンピュータ上で読み取り可能となる。
【0178】
直接還元設備:
従来技術の還元設備の共通の問題は、これらでは、還元金属材料の製造においてエネルギー効率的な製造方法が利用されず、還元金属材料の製造において最適な方法でCO2の排出が減少しないことである。
【0179】
還元金属材料の製造方法を提供することと、CO2排出の減少に適合し、還元金属材料の製造における効率的なエネルギー消費のために設計された直接還元設備を提供することとが目的である。
【0180】
この目的又は上記目的の少なくとも1つは、金属酸化物材料の製造に適合した製造熱プロセスによって生じた熱エネルギーを保持する金属酸化物材料の直接還元設備内への装入を可能にする、金属酸化物材料製造ユニットと統合されるように構成され、又は金属酸化物材料製造ユニットに連結するように構成された(又は金属酸化物材料製造ユニットに隣接して配置される)直接還元設備によって実現されており、この直接還元設備は、還元剤と上記熱エネルギーを保持する金属酸化物材料との間で化学反応を生じさせるために還元剤を受け取るように構成される。
【0181】
或いは、直接還元設備は、金属酸化物材料を金属酸化物材料製造ユニットから直接還元設備内に移送するように構成された金属酸化物材料装入入口機器と;金属酸化物材料と反応するように適合した還元剤を直接還元設備内に導入するように構成された還元剤流体入口機器と;直接還元設備から廃棄還元流体を排出するように構成された還元流体出口機器と;直接還元設備から還元金属材料を排出するように構成された還元金属材料出口機器とを含む。
【0182】
或いは、ペレット又は別の適切な形態などの凝集物の形態である金属鉱石材料及び/又は金属酸化物材料。
【0183】
このような方法では、凝集物の形態の金属鉱石混合物を提供することによって、金属酸化物材料製造ユニット(ロータリーキルンユニット、ストレートグレート、又はあらゆる別の硬化装置など)内で酸化を用いて又は用いずに効率的な硬化プロセスを行うための開放空間が金属鉱石混合物の間に実現される。
【0184】
このような方法では、凝集物の形態の金属酸化物材料及び/又は金属鉱石混合物を提供することによって、直接還元設備内の効率的な還元プロセスを行うための、金属酸化物材料の間の開放空間が実現される。
【0185】
このような方法では、金属鉱石材料の酸化のために、金属鉱石材料が金属酸化物材料製造ユニットの硬化装置(ロータリーキルンユニット、ストレートグレート、又は別の酸化及び/又は焼結装置など)内に収集されるときに、開放空間によって、金属鉱石材料の効率的な酸化プロセスが行われることが実現される。
【0186】
このような方法では、金属酸化物材料を還元するために、金属酸化物材料(凝集物など)が直接還元設備内に収集されるときに、効率的な還元プロセスを行うための開放空間が凝集物の間に形成されることが実現される。
【0187】
或いは、還元剤供給源は、還元剤が直接還元設備に供給されるように構成される。
【0188】
或いは、還元剤流体入口機器は、水を前記還元剤に分解するように構成された電気分解ユニットに結合及び/又は連結する。
【0189】
或いは、還元剤は水素ガスを含む。
【0190】
或いは、直接還元設備は、約15℃~300℃、好ましくは約100℃~200℃の温度を有する最終還元金属材料が製造されるように構成される。
【0191】
或いは、直接還元設備は、最高約550℃の温度を有する最終還元金属材料が製造されるように構成される。
【0192】
或いは、硬化装置は、金属酸化物材料を製造するため、及び金属酸化物材料の必要な強度を得るために、約1200℃~1300℃の温度で金属鉱石混合物を(例えばグレートキルンユニット内で)焼結させるように構成される。
【0193】
金属酸化物材料製造ユニット:
従来技術の金属酸化物材料製造ユニットの共通の問題は、エネルギー効率的な製造方法が利用されず、還元設備内で使用される金属酸化物材料の製造において最適な方法でのCO2の排出の減少が行われないことである。
【0194】
目的の1つは、CO2排出の減少に適合した金属酸化物材料の製造方法及び金属酸化物材料製造ユニットを提供することであり、この金属酸化物材料製造ユニットは、金属酸化物材料の製造において効率的なエネルギー消費が行われるように設計される。
【0195】
この目的又は上記目的の少なくとも1つは、金属鉱石混合物から金属酸化物材料が製造されるように構成された金属酸化物材料製造ユニットによって実現されており、製造された金属酸化物材料は、金属酸化物材料製造ユニットの製造熱プロセスによって生じる熱エネルギーを保持し、上記金属酸化物材料製造ユニットは、直接還元設備内に還元剤を導入することによって熱エネルギーを保持する金属酸化物材料を還元金属材料に還元するように構成された直接還元設備内に、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料が直接移送されるように構成される。
【0196】
或いは、金属酸化物材料製造ユニットは、電気分解ユニットから金属酸化物材料製造ユニットに移動した過剰の熱によって金属鉱石混合物が加熱されるように構成され、この電気分解ユニットは、酸素ガス及び水素ガスを生成するように構成され、還元剤は水素ガスを含む。
【0197】
或いは、金属酸化物材料製造ユニットは、酸素ガスを硬化装置に放出するように構成された第1の酸素ガス排出機器を含み、この酸素ガスは、燃焼プロセスにおいて金属鉱石混合物を加熱するため、及び/又は金属鉱石混合物を酸化させるために、電気分解ユニットから供給される。
【0198】
或いは、金属酸化物材料製造ユニットは、熱交換装置から金属酸化物材料製造ユニットに供給されるプロセスガスをさらに加熱するための燃焼を行うために、酸素ガスを電気分解ユニットから金属酸化物材料製造ユニットに排出するように構成された第2の酸素ガス排出機器を含む。
【0199】
或いは、金属酸化物材料製造ユニットは、金属鉱石混合物の焼成及び/又は燃焼及び/又は加熱を行うために、電気分解ユニットから移送された水素ガスを排出するように構成された水素ガス排出機器を含み、ここで製造熱プロセスは、金属鉱石混合物を硬化させるステップを含むことができ、及び/又は製造熱プロセスは金属鉱石混合物を焼結させるステップを含む。
【0200】
或いは、金属酸化物材料製造ユニットは、電気分解ユニットから移送された酸素ガスを排出するように構成された第1の酸素ガス排出機器を含み、ここで製造熱プロセスは上記酸素ガスの燃焼を含む(例えば燃焼燃料との組み合わせられる)。
【0201】
或いは、金属酸化物材料製造ユニットによって、約900℃~1300℃、好ましくは約950℃~1200℃の温度を維持する金属酸化物材料が製造される。
【0202】
或いは、金属酸化物材料製造ユニットによって、約800℃の温度を超える温度を維持する金属酸化物材料が製造される。
【0203】
或いは、金属酸化物材料製造ユニットは、電気分解ユニットから移送された酸素ガスを排出するように構成された第2の酸素ガス排出機器を含み、ここで、製造熱プロセスは、磁鉄鉱石から赤鉄鉱石への酸化によって金属鉱石混合物の予熱及び/又は加熱を行うステップを含む。
【0204】
このような方法では、電気分解ユニットによって生成される酸素ガスが還元金属材料の製造に効率的に使用されることが実現される。
【0205】
或いは、金属酸化物材料は金属酸化物凝集物を構成することができる、
【0206】
或いは、金属酸化物材料は酸化鉄凝集物を構成することができる。
【0207】
或いは、金属酸化物材料は酸化クロム凝集物を構成することができる。
【0208】
或いは、金属酸化物材料製造ユニットは金属酸化物凝集物製造ユニットを構成することができる。
【0209】
或いは、金属酸化物材料製造ユニットは酸化鉄凝集物製造ユニットを構成することができる。
【0210】
或いは、金属酸化物材料製造ユニットは酸化クロム凝集物製造ユニットを構成することができる。
【0211】
前記熱エネルギーを保持する金属酸化物材料の、直接還元設備内への高温及び/又は温かい装入を使用することで、定常状態の還元剤は、予熱する必要はないが、金属酸化物材料(装入された高温及び/又は温かい金属酸化物材料)によって加熱され、それによって、還元下の金属酸化物材料は還元(化学反応)中に冷却されるという大きな利点が得られる。
【0212】
或いは、硬化装置では、加熱と酸化との間で区別が可能な焼結プロセスが行われる。
【0213】
或いは、金属酸化物材料製造プロセス(ペレット化)中、及び/又は熱を伝達するために、酸化は、高い酸素圧を維持する酸素に富むプロセスガス(oxygen-enriched process gas)を用いて行うことができる。
【0214】
酸化速度を増加させるため、及び金属酸化物材料製造への熱の放出の操作可能な制御のために、酸素に富むプロセスガスが重要となりうる。
【0215】
或いは、金属鉱石混合物の乾燥及び/又は予熱及び/又は加熱のために、金属材料製造構成は、酸素欠乏プロセスガス(oxygen deficient process gas)をグレート炉機器(grate furnace device)に供給するように構成された供給ライン(図示せず)を含む。
【0216】
金属鉱石混合物(例えばグリーンペレット)を予熱するように構成された乾燥及び予熱ユニットに酸素欠乏プロセスガスを排出することによって、金属鉱石混合物は、酸化が防止され、硬化装置に入る前に過剰の熱の発生が防止される。
【0217】
このような方法では、磁鉄鉱石の予熱ゾーン内での酸化が防止され、それによって、金属鉱石混合物の酸化のための酸化ゾーンの後で予熱及び酸化熱の節約のために少ない熱を使用することが可能となる。
【0218】
或いは、グレート炉機器の後で、酸素に富むプロセスガスに曝露される金属鉱石混合物(例えばグリーンペレット)は、金属鉱石混合物(グリーンペレット)から、金属酸化物材料製造ユニットの製造熱プロセスによって生じる熱エネルギーを保持する金属酸化物材料(凝集物)への酸化のためにロータリーキルンユニット内に供給した。
【0219】
このような方法では、金属鉱石混合物の乾燥及び/又は予熱及び/又は加熱中の酸化を遅延させ、続いて酸化中に酸素濃度を高めることによって、エネルギーを節約するための効率的な方法が実現される。
【0220】
このような方法では、製造熱プロセスによって生じる廃棄ガスが減少する(例えば過剰の窒素)のと同時に、製造熱プロセスの時間の節約が実現される。
【0221】
金属鉱石混合物(例えばグリーンペレット)の酸化(及び/又は焼結)のために構成された硬化装置内に、酸素ガス(及び/又は酸素に富むプロセスガス)を排出することによって、金属鉱石混合物に対して酸化プロセスが行われ、これは、硬化装置内に排出される酸素ガスによって向上し及び/又は強化される。
【0222】
凝集物の形態の金属鉱石混合物を得ることによって、凝集物の間に開放空間が形成され、この空間は金属鉱石混合物の効率的な酸化を促進する。
【0223】
このような方法では、金属酸化物材料を得るための金属鉱石混合物の制御された酸化が実現される。
【0224】
このような方法では、上記酸化プロセスによって熱の発生の増加が実現される。
【0225】
このような方法では、金属酸化物材料の費用対効果が高く時間が節約される製造が実現される。
【0226】
このような方法では、磁鉄鉱石から赤鉄鉱石への最適化された酸化が実現される。
【0227】
或いは、吸熱化学反応又は実質的に吸熱の化学反応又は完全に吸熱;及び/又は発熱化学反応及び/又は実質的に発熱の化学反応、及び/又は部分的に発熱の化学反応を実現するため、導入される還元剤の加熱又はさらなる加熱のために、金属酸化物材料の上記熱エネルギーを利用することによる、金属酸化物材料から還元金属材料への還元。
【0228】
吸熱反応は、金属酸化物材料から熱エネルギーを吸収する化学反応として説明することができる。発熱反応は、熱エネルギーを放出する化学反応として説明することができる。
【0229】
上記化学反応の例は以下の通りである:
3Fe2O3+H2→2Fe3O4+H2O+熱(弱い発熱)
Fe3O4+H2→3FeO+H2O-熱(吸熱)
FeO+H2→Fe+H2O-熱(吸熱)
【0230】
例えば、鉄鉱石Fe2O3が海綿鉄Feに還元されることによって、このように完成還元金属材料が実現され、すなわち還元金属材料は、製鉄業に輸送できる状態となる。
【0231】
上記化学反応の例は以下の通りである:
3Fe2O3+CO→2Fe3O4+CO2+熱(発熱)
Fe3O4+CO→3FeO+CO2-熱(吸熱)
FeO+CO→Fe+CO2+熱(発熱)
【0232】
「直接還元設備」という表現は、「高炉」、「直接還元炉」、「キルン」、「オーブン」などに変更することができる。
【0233】
「金属酸化物材料製造ユニット」という表現は、「ストレートグレートプラント」、「グレートキルンプラント」、「複合選別及び選鉱プラント」、「ペレット化プラント」、「複合選別及び選鉱プラント」、「凝集物製造ユニット」、「ペレット機械」、「金属酸化物材料ペレット化プラント」、「金属酸化物材料予熱装置」、又は「ペレット製造場所」などに変更することができる。
【0234】
金属酸化物材料製造ユニットは、金属酸化物材料ペレット化プラント、及び/又は金属酸化物材料予熱装置、及び/又は金属酸化物材料冷却/予熱装置を含むことができる。
【0235】
「還元された」という言葉は、「直接還元された」という表現に変更することができる。
【0236】
「還元強度」という表現は、「還元電位」という表現に変更することができる。
【0237】
「金属酸化物材料」という表現は、「凝集金属酸化物材料」、「金属酸化物ペレット」、「金属酸化物ブリケット」、又は「金属酸化物マーブルサイズペレット」、又は単に「凝集物」に変更することができる。
【0238】
金属酸化物材料の凝集物は、約1mm~25mm、好ましくは約5mm~約16mmの平均直径、又はあらゆる別の適切な寸法を有することができる。
【0239】
直接還元設備内に装入されている凝集物のそれぞれの寸法は、還元剤と装入された金属酸化物材料との間で効率的で時間が節約された還元を行うために、還元剤が凝集物を通過し凝集物の間を通過できるような値である。
【0240】
「金属鉱石混合物」という表現は、「凝集金属鉱石混合物」、「金属鉱石ペレット」、「グリーン金属鉱石ペレット」、「金属鉱石ブリケット」又は「金属鉱石マーブルサーズボール」、又は単に「凝集物」、又は「金属鉱石スラリー」、又は「金属鉱石精鉱」、又は「精鉱」に変更することができる。
【0241】
供給部材、供給機器、供給配列、供給要素は、ガス管線、及び/又は流体パイプ、及び/又は気体、液体、又は固体の物質の形態の流体を移送するように構成されたあらゆる種類の移送手段を含むことができ、ファン及び/又はポンプ、又は別の流体駆動手段を含むことができ、流体の流れを制御するためのバルブ機器を含むことができる。
【0242】
「製造熱プロセス」という表現は、金属酸化物材料の製造に関与するあらゆる製造プロセスを意味することができ、この製造プロセスによって、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料が得られ、この製造熱プロセスは、金属鉱石混合物を金属酸化物材料に硬化させるために熱を利用し、及び/又は製造した金属酸化物材料に熱を発生させる。
【0243】
「金属酸化物材料」という表現は、金属鉱石又は鉄鉱石であって、酸化及び/又は焼結が行われており、鉄以外の別の元素及び/又は鉱物、例えば天然合金元素、又は合金を構成しないより少量の鉱物を含む、金属鉱石又は鉄鉱石を意味することができる。
【0244】
「金属鉱石混合物」という表現は、金属酸化物材料に硬化させることができる状態のスラリー及び又は「グリーン」ペレットに調製された金属鉱石又は鉄鉱石を意味することができる。
【0245】
「還元金属材料」という表現は、浸炭された又は炭素を含まない還元金属材料を含む中間生成物を意味することができる。
【0246】
「鉄鉱石」という表現は、効率的なプロセスを行うための珪岩、石灰、カンラン石、別のバインダーなどの添加剤が導入された鉄鉱石を意味することができる。
【0247】
「還元金属材料」という表現は、「直接還元金属材料」という表現で置き換えることができる。
【0248】
バルブ機器、ファン、及びポンプは、流体の流れを制御するように構成された制御回路網に連結させることができる。
【0249】
或いは、上記熱エネルギーを保持する金属酸化物材料との実質的又は完全に吸熱の化学反応に再利用される廃棄還元性流体(waste reducing fluid)。
【0250】
或いは、「製造熱プロセス」という表現は、金属酸化物材料予熱装置又は金属酸化物材料冷却/予熱装置によって、あらかじめ冷却された金属酸化物材料を予熱することを伴うあらゆる製造プロセスを意味することができる。
【0251】
或いは、金属酸化物材料製造ユニットは、金属酸化物材料製造ユニットによって得られる(金属酸化物材料)の製造/生成/形成/発生の熱プロセスによって生じる上記熱エネルギーを与えるための金属酸化物材料ペレット化プラント及び/又は金属酸化物材料予熱装置を含む。
【0252】
或いは、金属酸化物材料予熱装置は、金属酸化物材料冷却/予熱装置として構成することができる。
【0253】
これは、金属鉱石混合物の硬化によって、又はあらかじめ冷却された金属酸化物材料の予熱によって、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料を製造するように構成された金属酸化物材料製造ユニットによって解決されている。
【0254】
或いは、金属酸化物材料製造ユニットは、金属酸化物材料製造ユニットから熱エネルギーを保持する金属酸化物材料を排出するように構成された金属酸化物材料排出出口を含む。
【0255】
或いは、硬化は、製造熱プロセスの酸化及び/又は焼結プロセスの間に、高い酸素圧を維持する酸素に富むプロセスガスを用いて行われる金属鉱石混合物の酸化及び/又は焼結プロセスを含む。
【0256】
或いは、加熱されたプロセスガスは、金属酸化物材料製造ユニットの乾燥及び/又は予熱ユニットに供給された酸素欠乏プロセスガスを構成する。
【0257】
或いは、水素ガスを含む廃棄還元性流体は、金属材料製造構成が廃棄還元性流体を直接還元設備に戻すように構成された供給要素を含む直接還元設備に戻される。
【0258】
或いは、硬化プロセス中の金属鉱石混合物及び/又はプロセスガスの予熱及び/又は加熱に使用される、還元剤の廃棄還元流体。
【0259】
或いは、金属酸化物材料製造ユニットは、バーナー機器、例えば水素バーナーを含む。
【0260】
或いは、還元剤の廃棄還元流体は、硬化プロセスに使用される金属鉱石混合物及び/又は酸素に富むプロセスガス及び/又は酸素欠乏プロセスガスの予熱及び/又は加熱に用いられる廃棄還元流体供給源から供給される。
【0261】
或いは、金属酸化物材料製造ユニットのバーナー機器、例えば水素バーナー機器は、金属鉱石混合物の硬化及び/又は加熱のため、及び/又はあらかじめ冷却された金属酸化物材料の予熱によって熱エネルギーを保持する金属酸化物材料を得るために構成される。
【0262】
或いは、直接還元設備は、炭素を含まない還元金属材料及び/又は炭素含有還元金属材料を製造するように構成される。
【0263】
或いは、炭素含有還元金属材料は、直接還元設備に連結された別の浸炭反応器、及び/又は直接還元設備の別の浸炭ゾーン、及び/又は直接還元設備の内部の浸炭容積によって得られる。
【0264】
1つ又は複数の本開示は、上記の例に限定されない場合があり、それらの記載の例の修正又は組み合わせに対する多くの可能性は、添付の請求項に規定される基本概念から逸脱することなく当業者に対して明らかとなるべきである。例えば、直接還元設備は、幾つかの用途では、金属酸化物材料製造ユニットからある距離で、又は遠く離れて位置する場合がある。しかし、好ましくは上記化学反応によって用いられる、金属酸化物材料製造ユニットによって得られる上記製造熱プロセスによって生じる熱エネルギーである金属酸化物材料の熱エネルギー。しかし金属酸化物材料の熱エネルギーは依然として、上記化学反応を実現するための還元剤の加熱又はさらなる加熱を可能するような値のものである。
【0265】
図面の簡単な説明
これより添付の概略的図面を参照しながら、例として本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0266】
【
図1】従来技術による金属材料製造構成を示している。
【
図2】第1の例による金属材料製造構成を示している。
【
図3】第2の例による金属材料製造構成を示している。
【
図4】第3の例による金属材料製造構成を示している。
【
図5】第4の例による金属材料製造構成を示している。
【
図7】第5の例による金属材料製造構成を示している。
【
図8】第6の例による金属材料製造構成を示している。
【
図9】第7の例による金属材料製造構成を示している。
【
図10】金属酸化物材料の代表的な還元方法を示すフローチャートを示している。
【
図11】金属酸化物材料の代表的な還元方法を示すフローチャートを示している。
【
図12】さらなる一例による金属材料製造構成の制御回路網を示している。
【
図13a】金属酸化物材料冷却/予熱装置の代表的な方式を示している。
【
図13b】金属酸化物材料冷却/予熱装置の代表的な方式を示している。
【
図13c】金属酸化物材料冷却/予熱装置の代表的な方式を示している。
【
図13d】金属酸化物材料冷却/予熱装置の代表的な方式を示している。
【
図14a】金属酸化物材料製造ユニットの代表的な態様を示している。
【
図14b】金属酸化物材料製造ユニットの代表的な態様を示している。
【
図14c】金属酸化物材料製造ユニットの代表的な態様を示している。
【
図14d】金属酸化物材料製造ユニットの代表的な態様を示している。
【
図15a】統合された金属材料製造構成の例を示している。
【
図15b】統合された金属材料製造構成の例を示している。
【
図16】金属材料製造構成の金属酸化物材料製造ユニットの一例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0267】
詳細な説明
以降、添付の図面を参照しながら本発明の代表的な実施形態が説明されるが、明確にするため、及び本発明の理解のため、重要ではない一部の詳細は図面から省かれている場合がある。
【0268】
図1は、従来技術による金属材料製造構成P101を示している。従来技術の金属材料製造構成P101は、金属酸化物材料P105を還元するように構成される還元炉P103を含む。金属酸化物材料P105は、列車P107及び/又は水上輸送P108によって、金属酸化物材料P105を製造するように構成された金属酸化物材料製造ユニットP109から還元炉P103まで輸送される。還元剤供給源P106によって製造された還元剤(図示せず)は還元炉P103内に導入される。還元剤は加熱され、それによって金属酸化物材料と加熱された還元剤との間の化学反応が実現される。還元剤の加熱によって、還元剤の還元強度が低下し、それによって還元プロセスは時間がかかるようになり、還元剤のさらなる再循環及びさらなる加熱が必要となる場合がある。これは、さらにエネルギーが消費されることを示している。完成還元金属材料RMは金属製造業者P111まで輸送される。
【0269】
図2は、第1の例による金属材料製造構成1を示している。金属鉱石は、金属鉱石鉱床(metal ore mine)2(鉄鉱石鉱床など)から金属材料製造構成1の金属酸化物材料製造ユニット3まで輸送され、金属酸化物材料製造ユニット3は、金属酸化物材料5を製造するように構成される。金属酸化物材料5は、例えば金属酸化物材料製造ユニット3によって行われる酸化及び焼結プロセスを含む製造熱プロセスによって得られる熱エネルギーを保持する。還元剤と金属酸化物材料との間の化学反応を行うために、直接還元設備7内に装入されるときに、金属酸化物材料5が、上記熱エネルギーを維持(例えば熱エネルギーを完全に維持、又は熱エネルギーを実質的に維持、又は50~90%の程度で熱エネルギーを維持)するような方法で、製造熱プロセスからの熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5は直接還元設備7内に移送される。
【0270】
或いは、金属酸化物材料5は、直接還元設備7内に装入(移送)されるときに、約850℃~約1300℃の間、好ましくは約1000~1250℃の間の温度に相当する熱エネルギーを保持する。
【0271】
金属酸化物材料製造ユニット3によって行われる製造熱プロセスによって生じる熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5は、直接還元設備7内に装入される。直接還元設備7は、還元剤製造プラント12によって製造された純水素ガス又は別の適切な還元剤などの還元剤6が導入されるように構成される。還元剤6は、上記熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5との反応に適合している。
【0272】
或いは、還元剤6と金属酸化物材料との間の実質的又は完全に吸熱の化学反応及び/又は完全に実質的又は完全に吸熱の化学反応を実現するために、導入された還元剤6を加熱するために、金属酸化物材料5の上記熱エネルギーによって、金属酸化物材料5は還元金属材料RMに還元される。
【0273】
直接還元設備7は、金属酸化物材料5を金属酸化物材料製造ユニット3から直接還元設備7内に移送する(通過させる)ように構成された金属酸化物材料装入入口機器9(例えば第1の開口部)を含む。
【0274】
直接還元設備7は、還元剤6を直接還元設備7内に導入する構成された還元剤流体入口機器11をさらに含む。
【0275】
或いは、還元剤は、上記熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5との実質的又は完全に吸熱の化学反応において反応するように適合される。
【0276】
或いは、還元剤は、上記熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5との部分的に発熱の化学反応において反応するように適合される。
【0277】
或いは、還元剤は、実質的又は完全に吸熱の化学反応によって、及びわずかに発熱の化学反応によって、上記熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5と反応するように適合され、この発熱の化学反応は、金属酸化物材料の還元中の実質的又は完全に吸熱の化学反応の前又は後に行われる。
【0278】
或いは、還元剤は、上記製造熱プロセスによって得られた上記熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5との実質的又は完全に吸熱及び/又は発熱の化学反応において反応するように適合され、この実質的又は完全に吸熱の化学反応は、金属酸化物材料5から第1のエネルギー量を吸収し、発熱化学反応は、第2のエネルギー量を放出し、第1のエネルギー量は第2のエネルギー量よりも多い。
【0279】
或いは、還元剤は、化学反応の開始又は維持のために第1のエネルギー量を吸収するように適合される。
【0280】
或いは、第1のエネルギー量は全エネルギー量の95~99%であり、第2のエネルギー量は化学反応の全エネルギー量の1~5%である。
【0281】
直接還元設備7は、水蒸気及び水素ガスなどの廃棄還元流体を直接還元設備7から排出するように構成された廃棄還元流体出口機器13をさらに含む。
【0282】
直接還元設備7は、還元金属材料RMを直接還元設備7から排出するように構成された還元金属材料出口機器15をさらに含む。還元金属材料は、製鋼所などの金属製造業者17まで輸送される。
【0283】
或いは、直接還元設備7は、上記製造熱プロセスによって得られる金属酸化物材料5の上記熱エネルギー、すなわち製造熱プロセスによって生じる熱エネルギーを利用して、化学反応の実現のために還元剤を加熱することによって、金属酸化物材料5の還元金属材料RMへの直接還元が行われるように構成される。
【0284】
或いは、直接還元設備7は、統合された還元金属材料製造プラント18を構成する金属酸化物材料製造ユニット3と完全又は部分的に統合される。
【0285】
図3は、第2の例による金属材料製造構成1を示している。金属鉱石は、金属鉱石鉱床2から金属材料製造構成1の金属酸化物材料製造ユニット3まで輸送される。金属酸化物材料製造ユニット3によって、金属酸化物材料製造ユニット3により行われる製造熱プロセスによって得られる熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5が製造される。
【0286】
製造熱プロセスは、例えば、金属鉱石混合物の乾燥及び予熱、金属鉱石混合物の酸化、並びに硬化プロセスにおける金属鉱石混合物の焼結を含むことができる。
【0287】
上記熱エネルギーを保持する金属酸化物材料は、金属酸化物材料の直接還元のため還元剤との化学反応を行うために、直接還元設備7内に直接移送することができる。直接還元設備7は、還元剤、例えば金属材料製造構成1と統合することができる電気分解ユニット19によって製造される水素ガス6を受け取るように構成される。
【0288】
或いは、電気分解ユニット19は、直接還元設備7から遠く離れて位置することができる。
【0289】
化学反応によって、廃棄還元性流体8が生成し、これは直接還元設備7から排出される。
【0290】
廃棄還元性流体8の還元剤などの化合物は、直接還元設備7に戻して、上記化学反応に使用することができる。
【0291】
廃棄還元性流体8の水は、電気分解ユニット19に戻すことができる。
【0292】
或いは、廃棄還元流体8の気体の水及び/又は水蒸気は熱交換装置(図示せず)に通され、水蒸気を水に変換するように構成されたスチームコンデンサー装置(図示せず)に通され、この水は電気分解ユニット19に戻される。
【0293】
或いは、廃棄還元性流体8(例えば水素ガスを含む)は、上記熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5との化学反応に再利用するために処理される。
【0294】
或いは、廃棄還元性流体8は、上記熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5との発熱化学反応に利用するために処理される。
【0295】
直接還元設備7は、還元金属材料RMを金属製造業(図示せず)に輸送するための列車20に還元金属材料RMを排出するように構成された還元金属材料出口機器(図示せず)を含む。金属酸化物材料5の上記熱エネルギー(この熱エネルギーは上記製造熱プロセスによって生じる)を利用して、金属酸化物材料と上記還元を行うための還元剤との間の上記化学反応を実現するために還元剤を加熱することによって、金属酸化物材料5から還元金属材料RMへの還元を行うように、この直接還元設備7は構成される。
【0296】
電気分解ユニット19は、水を上記水素ガス6及び酸素ガス10に分解するように構成される。
【0297】
或いは、金属酸化物材料製造ユニット3によって行われる上記製造熱プロセスを行うために、酸素ガス10は電気分解ユニット19から金属酸化物材料製造ユニット3に移送される。
【0298】
図4は、第3の例による金属材料製造構成1を示している。金属鉱石(図示せず)は、金属鉱石鉱床2から金属酸化物材料製造ユニット3まで輸送される。
【0299】
製造される金属酸化物材料5は、金属酸化物材料製造ユニット3の傾斜した製造ラインに沿って製造される。金属酸化物材料5は、金属酸化物材料製造ユニット3によって行われる製造熱プロセスによって生じる熱エネルギーを保持する。上記熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5は、還元剤との化学反応を行うために直接還元設備7内に直接移送される。金属酸化物材料5の熱エネルギーを利用することによって、還元剤6の還元強度は低下しない。還元剤6は純水素ガスを含むことができる。
【0300】
従来技術では、加熱された還元剤による金属酸化物材料5の加熱を利用するあまり効率的でないシステムが用いられている。このように還元剤をあらかじめ加熱することで、還元剤の還元強度が低下する。
【0301】
図4中の金属材料製造構成1は、化学反応のために既に加熱された金属酸化物材料を利用する。これによって還元剤の還元強度が維持される。このような方法では、効率的な化学反応が実現され、これによって、費用対効果の高い製造、小型の直接還元設備、小型のガス供給ラインの使用、時間が節約された製造、製造の厳密な制御及び監視が促進される。
【0302】
このような小型の直接還元設備7によって、直接還元設備7の上部からの、上記熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5の効率的な装入が可能となる。
【0303】
したがって、上記熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5は、その製造後に直接還元設備7内に直接移送し装入することができる。
【0304】
或いは、上記熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5は、より低い温度まで冷却した後に、直接還元設備7内に移送することができる。
【0305】
或いは、直接還元設備7は、金属酸化物材料製造ユニット3からある距離に又は遠く離れて位置することができる。しかし、好ましくは上記化学反応によって用いられる、金属酸化物材料製造ユニット3によって行われる上記製造熱プロセスによって生じる、金属酸化物材料5の熱エネルギー。金属酸化物材料5の熱エネルギーは、依然として、上記化学反応を実現するための還元剤6の加熱又はさらなる加熱が可能となるような値である。
【0306】
或いは、水wを純水素ガス及び酸素ガス10に分解するように電気分解ユニット19が構成される。電気分解ユニット19は、非化石電気e又はこれとは別に実質的に非化石の電気eを電気分解に使用するように構成することができる。予熱された及び/又は加熱された及び/又は温かい金属酸化物材料5と水素ガス6との間の上記化学反応によって金属酸化物材料5の直接還元を行うために、直接還元設備7内に純水素ガスが導入される。
【0307】
或いは、還元剤は、直接還元設備7内に導入する前に予熱することができ、導入される還元剤は、約300℃~約700℃、好ましくは約400℃~約650℃の温度を有することができる。金属酸化物材料5の熱エネルギーは、依然として、上記化学反応を実現するための還元剤6の加熱又はさらなる加熱が可能となるような値である。
【0308】
直接還元設備7から排出される、水蒸気及び水素ガスを含む廃棄還元性流体8。水蒸気は、凝縮して水となり、電気分解ユニット19に戻される。水素ガスは、直接還元設備7に戻され、上記化学反応に再利用される。電気分解ユニット19によって発生した水素ガス及び/又は廃棄還元性流体からの水素ガスは、金属酸化物材料5を製造するために金属酸化物材料製造ユニット3で使用することができる。
【0309】
金属酸化物材料5を製造するための金属鉱石混合物24の酸化及び/又は焼結のために、金属酸化物材料製造ユニット3の硬化装置22に酸素ガス10を移送することができる。直接還元設備7は、上記化学反応によって得られた還元金属材料RMが排出されるように構成される。還元金属材料RMは金属製造業者17まで輸送される。
【0310】
図5は、第4の例による金属材料製造構成1を示している。金属鉱石は、金属鉱石鉱床2から金属酸化物材料製造ユニット3まで輸送される。金属酸化物材料5の直接還元設備7内への効率的な装入を促進するために、金属酸化物材料製造ユニット3の下に直接還元設備7が配置される。離れた位置にある電気分解ユニット(図示せず)によって水素ガス6及び酸素ガス10が生成され、水素ガス6は、輸送手段44’及び/又はパイプライン44’’によって金属材料製造構成1の第1の貯蔵タンク26’まで輸送される。
【0311】
金属材料製造構成1は、第2の貯蔵タンク26’’から酸素ガス10を移送するように構成された酸素ガス管66’’を含み、この酸素ガス10は、輸送手段66’によって、離れた位置にある電気分解ユニット(図示せず)から第2の貯蔵タンク26’’まで輸送することができる。酸素ガス10は、金属鉱石混合物24を硬化させるために金属酸化物材料製造ユニット3に供給することができる。
【0312】
金属酸化物材料製造ユニット3は、ペレット化プラントPPのグレートキルンユニット34を含むことができる。
【0313】
グレートキルンユニット34のグレート炉機器35は、乾燥及び予熱ユニット36を含むことができ、これによって、ペレット化プラントPPのロータリーキルンユニット37内の熱処理のための金属酸化物混合物(例えばグリーンペレット)が調製される。
【0314】
ロータリーキルンユニット37は、高い熱エネルギーを金属鉱石混合物24に与え、製造された金属酸化物材料5は高い熱エネルギーを維持する。ロータリーキルンユニット37によって、金属酸化物混合物(ペレット)が焼結され、ペレットにさらなる機械的強度が付与される。グレートキルンユニット34は、直接還元設備7内に装入できる状態である完成金属酸化物材料5としてペレットが金属酸化物材料製造ユニット3から出る前の金属酸化物材料製造ユニット3の最後の処理装置であってよい。
【0315】
グレート炉機器35は、4つのゾーン(図示せず)に分割することができる。最初の2つのゾーンでは、金属鉱石混合物24(例えばグリーンペレット)は、ペレット床(図示せず)の下から送られる熱風によって乾燥される。最初の2つのゾーンに続いて、金属鉱石混合物24は、調節予熱(tempered pre-heat)ゾーン及び予熱ゾーンに通される。これら2つの最後のゾーンは、ロータリーキルンユニット37に入る前に金属鉱石混合物24(例えばグリーンペレット)の温度を上昇させる役割を果たす。
【0316】
或いは、金属材料製造構成1は、金属鉱石混合物24の乾燥及び/又は予熱及び/又は加熱のために、酸素欠乏プロセスガスをグレート炉機器35に供給するように構成された供給ライン(図示せず)を含む。
【0317】
或いは、グレート炉機器35に続いて、金属鉱石混合物(グリーンペレット)の、金属酸化物材料製造ユニット3の製造熱プロセスによって生じる熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5(凝集物)への酸化のために、ロータリーキルンユニット37内に供給された酸素に富むプロセスガスに曝露される、金属鉱石混合物(例えばグリーンペレット)。
【0318】
このような方法では、金属鉱石混合物24の乾燥及び/又は予熱及び/又は加熱中に酸化を遅延させる、続いて酸化中に酸素濃度を高めることによって、エネルギーを節約するため効率的な方法が実現される。
【0319】
このような方法では、製造熱プロセスによって生じる廃棄ガスが減少する(例えば過剰の窒素)のと同時に、製造熱プロセスの時間の節約が実現される。
【0320】
グレートキルンユニット34の最大の処理装置(例えば50~60メートルの長さ)となりうるグレート炉機器35内では、直接還元設備7から供給された廃棄還元性流体(図示せず)によって熱交換器(図示せず)内で加熱された高温及び/又は温かいプロセスガスによって、金属鉱石混合物24の乾燥及び予熱が行われる。
【0321】
或いは、加熱されたプロセスガスは、金属酸化物材料製造ユニット3の乾燥及び予熱ユニット36に供給される酸素欠乏プロセスガスを構成する。
【0322】
このような方法では、グレート炉機器35の調節予熱ゾーン及び予熱ゾーンにおける金属鉱石材料24の酸化が防止されることが実現される。
【0323】
このような方法では、ロータリーキルンユニット37内で行われる焼結及び/又は酸化プロセスにおける熱エネルギーの増加を調節するために、金属鉱石混合物24の酸素含有量を制御することができる。
【0324】
或いは、ロータリーキルンユニット37内で金属鉱石混合物の効率的な焼結及び/又は酸化を行うために、酸素に富むプロセスガスがロータリーキルンユニット37内に供給される。酸素に富むプロセスガスは、酸化速度を増加させるため、及び金属酸化物材料の製造における熱放出を操作可能に制御するために重要である。
【0325】
或いは、酸素に富むプロセスガスは、酸素ガスと混合された加熱プロセスガスを含む。
【0326】
或いは、酸素ガスは、電気分解ユニット(図示せず)から移送される。
【0327】
このような方法では、金属鉱石材料(例えばペレット)の酸化の酸化速度は、ロータリーキルンユニット37内で増加する。
【0328】
或いは、金属鉱石混合物は磁鉄鉱を含み、これによって、ロータリーキルンユニット37によって行われる金属鉱石混合物の酸化の大部分では、磁鉄鉱から赤鉄鉱への酸化が利用される。
【0329】
電気分解ユニットによって生成される酸素ガスを使用することによって(直接還元設備7内で使用される水素ガスも生成される)、幾つかの利点が得られる。例えば、水からの水素ガス及び酸素ガスの生成、制御可能な方法での金属鉱石混合物の制御された酸化、金属酸化物材料5の時間が節約されエネルギー効率的である製造などに、非化石エネルギーを使用することができる。
【0330】
或いは、グレートキルンユニット内で金属鉱石混合物の効率的な焼結及び/又は酸化を行うために、純酸素ガス10をロータリーキルンユニット37内に供給することができる。
【0331】
図6は、一例による直接還元設備7を示している。金属酸化物材料製造ユニット3によって、金属酸化物材料5が製造され、これは、金属酸化物材料製造ユニット3から排出されるときに、例えば約900℃~1300℃、好ましくは約950℃~1250℃の温度を維持する。
【0332】
金属酸化物材料5は、金属鉱石ペレット又は別の適切な凝集物の形態であってよい。金属酸化物材料5は、金属酸化物材料製造ユニット3から直接還元設備7内に直接装入され、一方、金属酸化物材料5は、金属酸化物材料製造ユニット3によって行われる製造プロセスによる熱エネルギーを依然として維持する。還元剤供給源30は、直接還元設備7に連結され、直接還元設備7に還元剤31を供給するように構成される。
【0333】
高温(上記熱エネルギー)の金属酸化物材料の下降流56は、還元剤31の上昇流57に接触する。還元剤31は、金属酸化物材料5の温度よりも低い温度を示す。直接還元設備7は、対向流熱交換器として規定することができ、直接還元下で高温の流入金属酸化物材料5を冷却するように構成され、ここで未加熱の還元剤によって実質的又は完全に吸熱の化学反応が行われる。
【0334】
或いは、直接還元設備7から排出される還元金属材料RMは、約50℃~300℃、好ましくは100~200℃の温度を有することができる。
【0335】
或いは、排出される還元金属材料RMは約20℃~500℃の範囲内の温度を有することができる。
【0336】
或いは、排出される還元金属材料RMは浸炭を行うことができ、ここで金属酸化物材料5の還元方法は、より高い温度、例えば約400℃~700℃、好ましくは約500℃~650℃の還元金属材料が製造されるように制御される。
【0337】
図7は、第5の例による金属材料製造構成1を示している。金属鉱石は、金属鉱石鉱床2から、金属酸化物材料製造ユニット3の選別及び選鉱プラント4まで輸送される。金属鉱石は、ふるい分け、破砕、分離、粉砕、浮遊選鉱プロセスを行うことができ、選別及び選鉱プラント4によってさらなる分離を行うことができる。
【0338】
粉砕、分離、及び浮遊選鉱プロセスの後、種々の添加剤を金属鉱石混合物24又はスラリーに混入することができる。金属鉱石混合物24は、ある含水量まで濾過することができ、金属含有量を増加させるために金属鉱石混合物24から不純物を分離することができる。
【0339】
金属鉱石混合物24の金属含有量の増加が完了してから、金属鉱石混合物24は、金属酸化物材料製造ユニット3のペレット化プラント78に移送される。ペレット化プラント78では、バインダーとして粘土鉱物を金属鉱石混合物24に加えることができ、続いて、凝集した金属鉱石混合物(例えばいわゆる「グリーン」ペレット)が回転ドラム(図示せず)内で形成される。金属鉱石混合物24は、強度を増加させるために乾燥72及び予熱74を行うことができる。
【0340】
ペレット化プラント78は、ストレートグレートペレット化プラント、又はグレートキルンペレット化プラント、又は金属酸化物材料製造ユニットのあらゆる別の種類のペレット製造プラントを構成することができ、この金属酸化物材料製造ユニットは、金属酸化物材料製造ユニット3によって行われる製造熱プロセスにおいて凝集金属鉱石混合物を利用し、及び/又は直接還元設備7内に装入される凝集金属酸化物材料5を製造するように構成される。
【0341】
製造熱プロセスによって生じる熱エネルギーを保持する凝集金属酸化物材料5は、金属酸化物材料製造ユニット3から直接還元設備7に移送される。
【0342】
或いは、金属鉱石混合物は鉄鉱石混合物を含み、鉄鉱石混合物を予熱及び/又は加熱するステップは、磁鉄鉱石から赤鉄鉱石の酸化を含む。このような方法では、磁鉄鉱が赤鉄鉱に酸化されるときに、追加の熱エネルギーが生成し、それによってエネルギー需要がさらに低下する。
【0343】
或いは、硬化装置22内で金属鉱石混合物の効率的な焼結プロセス及び/又は酸化プロセスを行うために、酸素に富むプロセスガスOEが硬化装置22内に供給される。
【0344】
或いは、参照番号72は乾燥を表し、参照番号74(予熱ゾーン)は予熱を表し、参照番号77(酸化ゾーン)は金属鉱石混合物の酸化を表し、参照番号76(焼結ゾーン)は金属鉱石混合物24の焼結を表す。
【0345】
凝集金属酸化物材料5が、装入前に十分で適切な最終的性質を有することを実現するため、例えばグリーンペレットの形態の凝集金属鉱石混合物24は、調節予熱ゾーン74における予熱、及び酸化ゾーン77における酸化、及び/又は焼結ゾーン76における焼結を行うことができる。
【0346】
こうして、金属鉱石粒子が部分的にともに溶融して、直接還元設備7内に装入できる状態になる凝集金属酸化物材料5を形成するような温度に加熱される凝集金属鉱石混合物24。このように、焼結プロセスは酸化プロセスと組み合わせることができ、凝集金属鉱石混合物は、約1250℃付近の温度で焼結させることができる。
【0347】
或いは、金属鉱石混合物は、赤鉄鉱を含み、磁鉄鉱石混合物又は磁鉄鉱石でできたグリーンペレットによって行われるような酸化反応は使用されない。
【0348】
酸素に富むプロセスガスOEは、酸化速度を増加させるため、及び金属酸化物材料製造ユニット3の操作可能な制御を行うために重要である。
【0349】
焼結プロセスは、加熱と酸化との間で区別することができる。酸化は、製造熱プロセス中、すなわち製造熱プロセスの酸化及び/又は焼結プロセス(硬化)中に高い酸素圧を維持する酸素に富むプロセスガスOEを用いて行うことができる。
【0350】
或いは、酸素に富むプロセスガスPGは、混合ユニット70’において酸素ガス10が注入される加熱プロセスガスPGを含む。加熱プロセスガスPGは、直接還元設備7から排出された廃棄還元性流体8から大気ガスAGに熱を伝達するように構成された熱交換器79によって得られる。
【0351】
金属鉱石混合物24の効率的な酸化及び/又は焼結を可能にするために、金属酸化物材料製造ユニット3の硬化装置22に、純酸素ガス10を移送することもできる。
【0352】
或いは、酸素ガス10は、例えばパイプライン組立体(図示せず)によって電気分解ユニット19から供給される。電気分解ユニット19は、水wを水素ガス6及び酸素ガス10に分解するように構成される。電気分解ユニット19は、非化石電気e又は別の方法で得られた電気eを使用することができる。熱エネルギーを保持する金属酸化物材料と水素ガス6との間の化学反応によって凝集金属酸化物材料5の直接還元を行うために、水素ガス6が直接還元設備7内に導入される。
【0353】
水素ガス6と水蒸気とを含む廃棄還元性流体8は、例えば直接還元設備7の上部から熱交換器79内に排出され、廃棄還元性流体8の水蒸気を水に凝縮させるように凝縮機器CDが構成される。
【0354】
水素ガス6は、熱交換器79を介して直接還元設備7に戻され、上記化学反応に再利用することができる。廃棄還元性流体8の水素ガス6を精製するために、精製ユニット71を直接還元設備7に連結することができる。
【0355】
或いは、水素ガス6は、水素ガスバーナー機器BDによって酸素に富むプロセスガスOEを加熱するために使用することもできる。
【0356】
焼結ユニットの焼結ゾーン76内に移送される前の凝集金属鉱石材料の酸化を防止するために、調節予熱ゾーン74及び/又は酸化ゾーン77に供給される酸素欠乏プロセスガスODを含むために、加熱プロセスガスPGは70’’において処理することができる。
【0357】
直接還元金属材料RMは直接還元設備7から排出され、金属製造業者17に輸送される。
【0358】
図8は、第6の例による金属酸化物材料製造ユニット3を含む金属材料製造構成1を示している。濡れた金属鉱石凝集物81’は、乾燥ステーション82において乾燥される。乾燥した金属鉱石凝集物81’は、既に乾燥している金属鉱石凝集物81’’とともに、金属酸化物材料製造ユニット3の予熱ステーション84に移送される。予熱は、金属鉱石凝集物の強度を増加させるために行われる。金属鉱石凝集物にそれらの最終的な性質を付与するために、これらは硬化装置22の焼結ステーション86(焼成ゾーン)において焼結され、金属酸化物材料製造ユニット3から金属酸化物材料5が排出される。金属鉱石凝集物は、硬化装置22によって酸化させることもできる。
【0359】
製造された金属酸化物材料5は、硬化装置22において本質的又は完全に発生した熱エネルギー、及び/又は金属酸化物材料製造ユニット3によって発生した熱エネルギーを保持する。上記熱エネルギーを保持する凝集金属酸化物材料5は、硬化装置22から、上記熱エネルギーを保持する凝集金属酸化物材料5の直接還元が行われるように構成された直接還元設備7まで移送される。
【0360】
電気分解ユニット19は、水wを水素ガス6及び酸素ガス10に分解するように構成される。電気分解ユニット19は、好ましくは非化石電気又は実質的に非化石の電気を使用する。金属酸化物材料5と水素ガス6との間の化学反応によって凝集金属酸化物材料5の上記直接還元を行うために、水素ガス6が直接還元設備7内に導入される。
【0361】
水素ガス6と水蒸気とを含む廃棄還元性流体8は、直接還元設備7の上部Tから排出される。水素ガス6は、熱交換器89を介して直接還元設備7に戻され、上記化学反応に再利用することができる。水蒸気は凝縮器(図示せず)によって水に凝縮され、これは電気分解ユニット19に戻される。酸素ガス10は、凝集物の上記酸化及び/又は焼結のために硬化装置22に移送される。凝集物の酸化の酸化速度は、酸素ガス10を使用することによって増加する。
【0362】
このような方法では、電気分解ユニット19によって生成される酸素ガスを利用する、金属酸化物材料の時間が節約され安定した製造が実現される。
【0363】
熱交換器89は、廃棄還元性流体8から大気ガスAGに熱を伝達する。生成した加熱プロセスガスPGは、金属鉱石凝集物の予熱ゾーン84及び/又は硬化22における乾燥82及び/又は予熱に使用することができる。
【0364】
好ましくは、生成した加熱プロセスガスPGは、酸素欠乏プロセスガスODを含むためにステーション88において処理することができ、この酸素欠乏プロセスガスODは、硬化装置22に移送される前に凝集金属鉱石材料が酸化するのを防止するために予熱ゾーン84に送られる。
【0365】
金属材料製造構成1は、還元金属材料RMの製造を成長するように適合させた制御回路網50をさらに含む。制御回路網50のデータプログラムを格納するデータ媒体は、金属材料製造構成1が還元金属材料の自動又は半自動製造を実施するようにあらかじめプログラムされている。このデータプログラムは、制御回路網50によって、金属酸化物材料製造ユニット3が金属酸化物材料を製造し、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料を直接還元設備7に装入するために、コンピュータによって使用されるプログラムコードを含む。制御回路網50は;水素ガス6などの還元剤を直接還元設備7に導入し;化学反応を実現するため導入された還元剤を加熱するために金属酸化物材料の上記熱エネルギーを利用することによって、金属酸化物材料を還元金属材料に還元し;直接還元設備7から還元金属材料を排出するように構成される。制御回路網50は、乾燥ステーション82、予熱ステーション84、硬化装置22、熱交換器89を制御し、水素ガス6の流れの調節85を行うように構成することができる。
【0366】
金属酸化物材料製造ユニット3は、酸素ガス10を硬化装置22内に放出するように構成された第1の酸素ガス排出機器Aをさらに含むことができる。
【0367】
焼結プロセスは、加熱と酸化との間で区別することができる。酸化は、金属酸化物材料の製造プロセス中に高い酸素圧を維持するために、酸素に富むプロセスガスを用いて行うことができる。酸素に富むプロセスガスは、酸化速度を増加させるため、及び制御回路網50によって金属酸化物材料製造ユニット3の操作可能な制御を行うためにも重要である。
【0368】
金属酸化物材料製造ユニット3は、プロセスガスPGのさらなる加熱のために水素ガス6を燃焼させるように構成された水素ガス排出機器Bを含むことができる。
【0369】
金属酸化物材料製造ユニット3は、硬化装置22内に配置された水素ガスバーナーBDを含むことができる。
【0370】
直接還元設備7から直接還元金属材料が排出され、製鋼業者などの金属製造業者17まで輸送される。
【0371】
図9は、第7の例による金属酸化物材料製造ユニット3を含む金属材料製造構成1を示している。金属酸化物材料の製造によって生じる熱エネルギーを保持して製造された金属酸化物材料5は直接還元設備7内に装入される。
【0372】
或いは、上記熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5は、好ましくは直接還元設備7内に直接移送される。
【0373】
電気分解ユニット19は、水を水素ガス6(還元剤)及び酸素ガス10に分解するように構成される。
【0374】
金属酸化物材料5と水素ガス6との間の化学反応によって得られた廃棄還元性流体8は、直接還元設備7から熱交換器99に排出される。
【0375】
廃棄還元性流体8から水素ガス6が分離され、これは金属酸化物材料製造ユニット3及び直接還元設備7に戻すことができる。廃棄還元性流体8は水蒸気をさらに含む。水蒸気は凝縮して水(図示せず)になり、これは再利用のため電気分解ユニット19に戻される。
【0376】
廃棄還元性流体8は熱エネルギーを保持し、これは金属酸化物材料製造ユニット3に供給されたプロセスガスPGに伝達される。
【0377】
電気分解ユニット19によって生成された酸素ガス10は、金属酸化物材料5の効率的な製造のために、金属酸化物材料製造ユニット3に供給される。
【0378】
電気分解ユニット19から金属酸化物材料製造ユニット3に過剰の熱を伝達するために、電気分解ユニット19と金属酸化物材料製造ユニット3との間で第1の過剰熱ホース(excess heat hose)91が連結される。
【0379】
直接還元設備7から金属酸化物材料製造ユニット3に過剰の熱を伝達するために、直接還元設備7と金属酸化物材料製造ユニット3との間に第2の過剰熱ホース92が連結される。
【0380】
金属材料製造構成1は、金属製造業者17に輸送される還元金属材料の製造を制御するように適合させた制御回路網50をさらに含む。制御回路網50は、金属材料製造構成1が還元金属材料の自動又は半自動製造を実施するようにプログラムされるデータプログラムを格納するデータ媒体(図示せず)を含む。
【0381】
上記データプログラムは、金属酸化物材料製造ユニット3による金属酸化物材料の製造の管理及び操作を制御回路網50が行うようにコンピュータによって使用されるプログラムコードを含む。この制御回路網は、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5の直接還元設備7への移送を操作するように構成される。
【0382】
制御回路網50は、還元剤制御ユニット94を介して還元剤の直接還元設備内への導入を制御するように構成することができる。
【0383】
制御回路網50は、電源制御ユニット93を介して電気分解ユニット19への電力の送出を制御するように連結し、構成することができる。
【0384】
制御回路網50は、電源制御ユニット93を介して電気分解ユニット19への電力の送出を制御するように連結し構成することができる。
【0385】
制御回路網50は、水投入制御ユニット95を介して電気分解ユニット19内への水の導入を制御するように連結し構成することができる。
【0386】
制御回路網50は、水投入制御ユニット95を介して電気分解ユニット19内への水の導入を制御するように連結し構成することができる。
【0387】
制御回路網50は、装入制御ユニット96を介して直接還元設備7内への金属酸化物材料5の装入を制御するように連結し構成することができる。
【0388】
制御回路網50は、金属酸化物材料製造ユニット3の製造熱プロセスの少なくとも1つのプロセスを制御するように連結し構成することができる。
【0389】
制御回路網50は、熱交換器99を制御するように連結し構成することができる。
【0390】
制御回路網50は、排出制御ユニット97を介して直接還元設備7からの還元金属材料の排出を制御するように連結し構成することができる。
【0391】
制御回路網50は、さらに、化学反応を行うため導入される還元剤の加熱又はさらなる加熱のために、金属酸化物材料の上記熱エネルギーを利用することによる金属酸化物材料から還元金属材料への還元を制御するように連結し構成することができる。
【0392】
或いは、廃棄還元性流体の水素含有量を測定するように構成された第1のセンサーデバイスS1が、直接還元設備7の廃棄還元流体出口機器に配置される。
【0393】
或いは、第1のセンサーデバイスは制御回路網50に連結される(図示せず)。
【0394】
或いは、制御回路網50は、廃棄還元性流体の水素含有量の測定から直接還元設備7内で進行する化学反応を制御するように構成される。
【0395】
或いは、還元剤の水素含有量を測定するように構成された第2のセンサーデバイスS2が、直接還元設備7の還元剤流体入口機器11に配置される。
【0396】
或いは、第2のセンサーデバイスS2は制御回路網50に連結される(図示せず)。
【0397】
或いは、制御回路網50は、直接還元設備7内に導入される還元剤の水素含有量の測定から電気分解ユニット19を制御するように構成される。
【0398】
或いは、金属酸化物材料5の製造のために調製される金属鉱石混合物の酸素含有量を測定するように構成された第3のセンサーデバイスS3が、金属酸化物材料製造ユニット3内に配置される。
【0399】
或いは、第3のセンサーデバイスS3は制御回路網50に連結される(図示せず)。
【0400】
或いは、制御回路網50は、金属酸化物材料製造ユニット3に供給される酸素欠乏プロセスガスの量を制御するように構成される。
【0401】
このような方法では、金属酸化物材料製造ユニット3の予熱ゾーン内での金属鉱石混合物の酸化が防止されることが実現される。
【0402】
このような方法では、製造熱プロセスによって行われる焼結及び/又は酸化プロセスにおける熱エネルギーの増加を調節するために、金属鉱石混合物の酸素含有量を制御することが実現できる。
【0403】
或いは、直接還元設備の内部であって、実質的又は完全に吸熱の化学反応が行われる内部が過圧(大気圧よりも高い圧力)にさらされる。
【0404】
或いは、この過圧は、直接還元設備内に還元剤を導入することによって実現され、一方、還元剤は加圧される。
【0405】
或いは、還元剤は、コンプレッサー機器CCによって加圧される。
【0406】
或いは、還元剤は水素ガスを含み、この水素ガスは、加圧水素ガスが生成されるように構成された電気分解ユニットによって生成される。
【0407】
或いは、直接還元設備7の内部に導入される前に、還元剤加熱機器HHによって(be means of)還元剤が加熱される。
【0408】
或いは、直接還元設備7内に導入される還元剤の量を調節することによって、及び/又は加圧された還元剤の圧力を調節することによって、及び/又は直接還元設備7内に導入される還元剤の温度を調節することによって、及び/又は直接還元設備7内に金属酸化物材料を装入する速度を調節することによって、及び/又は直接還元設備7内に装入される金属酸化物材料のあらかじめ決定された温度を得るために製造熱プロセスを制御することによって、及び/又は廃棄還元性流体8の金属酸化物材料製造ユニット3への供給を制御することによって、及び/又は酸素に富むプロセスガスの金属酸化物材料製造ユニット3への供給を制御することによって、及び/又は酸素欠乏プロセスガスの金属酸化物材料製造ユニットへの供給を制御することによって、直接還元設備7を離れるときに、排出された還元金属材料が、あらかじめ決定された温度及び/又は硬度及び/又は強度及び/又は集合体寸法などを示すような方法で、金属材料製造構成1の操作を制御するように制御回路網50を構成することができる。
【0409】
或いは、完成還元金属材料の品質は、制御ユニットによる制御及び/又は監視が行われ、制御ユニットは、硬化装置内の金属鉱石混合物の滞留時間を制御し、及び/又は製造された凝集物の粒度を制御し、及び/又は金属酸化物材料製造ユニット3の製造熱プロセス全体の最適な温度プロファイルの確立を制御する。
【0410】
図10は、金属酸化物材料の代表的な還元方法を示すフローチャートを示している。金属酸化物材料は、金属酸化物材料製造ユニットによって製造される。金属酸化物材料は、金属酸化物材料製造ユニットから、金属酸化物材料製造ユニットの製造熱プロセスによって生じる熱エネルギーを保持する金属酸化物材料を装入するための直接還元設備内に移送され、直接還元設備は、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料との反応に適合した還元剤を導入するように構成される。この方法は、方法を開始する第1のステップ101を含む。第2のステップ102は方法の実施を示している。第3のステップ103は方法を停止することを含む。第2のステップ102は;上記金属酸化物材料製造ユニットによって上記金属酸化物材料を製造することと;熱エネルギーを保持する上記金属酸化物材料を直接還元設備に装入することと;還元剤を直接還元設備に導入することと;化学反応を行うため導入される還元剤を加熱するために金属酸化物材料の上記熱エネルギーを利用することによって上記金属酸化物材料を還元金属材料に還元することと;還元金属材料を直接還元設備から排出することとを含むことができる。
【0411】
図11は、金属酸化物材料の代表的な還元方法を示すフローチャートを示している。この方法は、方法を開始する第1のステップ111を含む。第2のステップ112は、上記金属酸化物材料製造ユニットによって上記金属酸化物材料を製造することを含む。第3のステップ113は、金属鉱体を粉砕することと;金属鉱石粒子を分離することと;上記金属鉱石粒子の金属鉱石混合物を製造することと;金属鉱石混合物を硬化させることとを含む。第4のステップ114は、金属鉱石混合物を硬化させることを含む。第5のステップ115は、鉄鉱石混合物を予熱及び/又は加熱するステップ、及び/又は磁鉄鉱石から赤鉄鉱石への酸化のステップを含む。第6のステップ116は、熱エネルギーを保持する上記金属酸化物材料を直接還元設備に装入することを含む。第7のステップ117は上記熱エネルギーを保持する金属酸化物材料を金属酸化物材料製造ユニットから直接還元設備に移送することを含む。第8のステップ118は、還元剤を直接還元設備に導入することを含む。第9のステップ119は、化学反応を行うため導入される還元剤の加熱又はさらなる加熱のために金属酸化物材料の上記熱エネルギーを利用することによって上記金属酸化物材料を還元金属材料に還元することを含む。
【0412】
第10のステップ120は、還元金属材料を直接還元設備から排出することを含む。第11のステップ121は、水を水素ガス及び酸素ガスに分解することを含む。第12のステップ122は、酸素ガスを金属酸化物材料製造ユニットに移送し、水素ガスを直接還元設備に移送することを含む。第13のステップ123は方法を停止することを含む。
【0413】
図12は、さらなる一例による金属材料製造構成1の制御回路網50を示している。制御回路網50は、金属酸化物材料製造ユニットによって製造された金属酸化物材料の還元方法を制御するように構成され、金属酸化物材料は、金属酸化物材料製造ユニットから、金属酸化物材料製造ユニットの製造熱プロセスによって生じる熱エネルギーを保持する金属酸化物材料を装入するための直接還元設備内まで移送され、直接還元設備は、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料と反応するように適合した還元剤を導入するように構成される。この方法は:上記金属酸化物材料製造ユニットによって上記金属酸化物材料を製造するステップと;熱エネルギーを保持する上記金属酸化物材料を直接還元設備に装入するステップと;還元剤を直接還元設備に導入することと;実質的又は完全に吸熱の化学反応を行うため導入される還元剤を加熱するために金属酸化物材料の上記熱エネルギーを利用することによって上記金属酸化物材料を還元金属材料に還元することと;還元金属材料を直接還元設備から排出することとを特徴とする。
【0414】
制御回路網50は、コンピュータと、コンピュータに電源が入っていない場合でさえも保存された情報を維持できるコンピュータメモリである不揮発性メモリNVM1320とを含むことができる。
【0415】
制御回路網50は、処理装置1310、及び読み取り/書き込みメモリ1350をさらに含む。NVM1320は第1の記憶装置(memory unit)1330を含む。コンピュータプログラム(あらゆる稼働データに適切なあらゆる種類であってよい)は、制御回路網5の機能を制御するために第1の記憶装置1330内に格納される。さらに、制御回路網50は、バスコントローラ(図示せず)、物理インターフェースが得られるシリアル通信ユニット(図示せず)を含み、これによって2つの方向で別々に情報が転送される。
【0416】
制御回路網50は、入力/出力信号伝達が行われるあらゆる適切な種類のI/Oモジュール(図示せず)、金属材料製造構成1の実際の稼働状況を調べるように構成された制御回路網50のセンサー配列(図示せず)からの連続的に変化する信号を変換するためのA/Dコンバータ(図示せず)を含むことができる。
【0417】
制御回路網50は、受信した制御信号から、及び検出された稼働状況及び別の稼働データから、例えばプロセスガス、水素ガス、酸素ガスの流れ、金属酸化物材料の直接還元設備内への装入速度、還元金属材料の排出速度などを適切に調整するように構成される。
【0418】
制御回路網50は、時間及び日付に適合させるための入力/出力ユニット(図示せず)も含む。制御回路網50は、金属材料製造構成1の操作中の独立事象から生じる複数の事象の数を数えるためのイベントカウンター(図示せず)を含む。
【0419】
さらに、制御回路網50は、金属材料製造構成1の半自動及び/又は自動操作のためのマルチタスクの実行及びリアルタイム計算を行うためのデータに関連する割り込みユニット(図示せず)を含む。NVM1320は、センサー配列の外部センサーチェックのための第2の記憶装置1340も含む。
【0420】
プログラムPを格納するためのデータ媒体は、稼働データにより金属材料製造構成1の操作に自動的に適合するためのプログラムルーチンを含むことができる。
【0421】
プログラムPを格納するデータ媒体は、媒体上に格納されたプログラムコードを含み、これは、制御回路網50によって本明細書に記載の方法及び/又は方法ステップを行うために、コンピュータ上で読み取り可能である。
【0422】
プログラムPは、別個のメモリ1360中及び/又は読み取り/書き込みメモリ1350中にさらに格納することができる。この実施形態ではプログラムPは、実行可能に格納される、又は圧縮データ形式で格納される。
【0423】
処理装置1310が、関与する特定の機能を実行すると記載される場合、処理装置1310が、別個のメモリ1360に格納されたプログラムの特定部分、又は読み取り/書き込みメモリ1350中に格納されたプログラムの特定部分を実行できることを理解すべきである。
【0424】
処理装置1310は、方法ステップを行うための直接還元設備及び電気分解ユニットの一連のプロセス制御ユニットに連結される第1のデータバス1315を介して通信するためのデータポート999と関連している。
【0425】
不揮発性メモリNVM1320は、第2のデータバス1312を介して処理装置1310と通信するように適合される。別個のメモリ1360は、第3のデータバス1311を介して処理装置610と通信するように適合される。読み取り/書き込みメモリ1350は、第4のデータバス1314を介して処理装置1310と通信するように適合される。受信したデータを一時的に格納した後、処理装置1310は、前述の方法によりプログラムコードを実行できる状態にある。
【0426】
好ましくは、信号(データポート999によって受信される)は、金属材料製造構成1の稼働状況に関する情報を含む。データポート999で受信した信号は、金属材料製造構成の稼働状況を検出するセンサーデバイスの自動較正の制御及び監視を行うために制御回路網50が使用することができる。
【0427】
情報及びデータは、適切な通信機器、例えばコンピュータディスプレイ又はタッチスクリーンを介して、操作者によって、制御回路網50まで手動で送ることができる。
【0428】
上記方法は、処理装置1310によって制御回路網50が部分的に実行することもでき、処理装置1310は、別個のメモリ1360又は読み取り/書き込みメモリ1350中に格納されたプログラムPを実行する。制御回路網50がプログラムPを実行すると、本明細書に開示される適切な方法ステップが実施される。
【0429】
図13aは、金属酸化物材料予熱装置203と、金属酸化物材料予熱装置203によって行われる製造熱プロセスによって生じる熱エネルギーを保持する金属酸化物材料の移送に適合した第1の移送機器(図示せず)とを含む、金属材料製造構成1の金属酸化物材料製造ユニット3を示している。
【0430】
直接還元設備7は、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料を還元設備7内に装入する装入速度を制御するように適合した制御回路網(図示せず)に電気的に結合する第1の耐熱性コンベヤバンド(図示せず)又は別の適切な移送部材を含む第1の移送機器を設けることができ、又はこれに連結される。
【0431】
金属酸化物材料製造ユニット3の金属酸化物材料予熱装置203は、例えばバーナー機器、発熱体など(図示せず)によって熱エネルギーを保持する金属酸化物材料を製造することができ、あらかじめ冷却された金属酸化物材料は金属酸化物材料予熱装置203によって予熱される。
【0432】
あらかじめ冷却された金属酸化物材料は、金属酸化物材料を金属酸化物材料予熱装置203に移送する前に貯蔵備蓄205において貯蔵することができる。
【0433】
金属酸化物材料製造ユニット3の金属酸化物材料ペレット化プラント201は、金属酸化物材料ペレット化プラント201の硬化装置(図示せず)によって熱エネルギーを保持する金属酸化物材料を製造することができる。金属酸化物材料ペレット化プラント201は、プロセス金属鉱石混合物24を熱エネルギーを保持する上記金属酸化物材料5に加工するように構成される。
【0434】
場合により、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5は、第2の移送機器(図示せず)を介して、金属酸化物材料ペレット化プラント201から、直接還元設備7内に導入される還元剤6によって金属酸化物材料を還元金属材料RMに還元するように構成された直接還元設備7まで移送される。金属酸化物材料ペレット化プラント201によって製造された熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5は、第2の耐熱性コンベヤバンド(図示せず)又は別の適切な移送部材を含む第2の移送機器を介して、直接還元設備7内に直接装入することができる。
【0435】
場合により、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5は、金属酸化物材料予熱装置203から、直接還元設備7内に導入される還元剤6によって金属酸化物材料5を還元金属材料RMに還元するように構成された直接還元設備7に移送される。
【0436】
金属酸化物材料ペレット化プラント201によって、又は金属酸化物材料予熱装置203によって得られる熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5は、還元金属材料RMが得られる化学反応を行うため導入される還元剤6の加熱又はさらなる加熱のために金属酸化物材料の熱エネルギーを利用して直接還元設備7内で還元剤6によって還元される。
【0437】
図13bは、金属酸化物材料予熱装置として又は金属酸化物材料冷却装置として操作するように構成された金属酸化物材料冷却/予熱装置207を示している。
【0438】
金属酸化物材料製造ユニット(図示せず)の金属酸化物材料ペレット化プラント201は、金属酸化物材料冷却/予熱装置207に連結され、金属酸化物材料ペレット化プラント201の硬化装置(図示せず)によって熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5が製造される。金属酸化物材料ペレット化プラント201は、金属鉱石混合物24を熱エネルギーを保持する上記金属酸化物材料5に加工するように構成される。
【0439】
製造熱プロセスは、金属酸化物材料が製造されるように適合させることができ、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料を製造するための金属鉱石混合物を硬化させるステップを含む。金属鉱石混合物を硬化させるステップは、金属鉱石混合物の酸化のステップ、及び/又は金属鉱石混合物を焼結させるステップを含むことができる。
【0440】
熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5は、金属酸化物材料ペレット化プラント201から金属酸化物材料冷却/予熱装置207に移送され、この金属酸化物材料冷却/予熱装置207は、金属酸化物材料5を冷却して、貯蔵備蓄205に移送される冷却金属酸化物材料となるように構成される。金属酸化物材料5の熱エネルギーは、金属酸化物材料冷却/予熱装置207を通過したプロセスガス204により金属酸化物材料冷却/予熱装置207によって回収される。
【0441】
金属酸化物材料冷却/予熱装置207は、プロセスガス204を加熱するために冷却動作モードに設定され、金属酸化物材料ペレット化プラント201に戻されて熱を有するプロセスガス208が得られる。熱を含むプロセスガス208は、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5を製造するために金属酸化物材料製造ユニットによって使用される。金属酸化物材料ペレット化プラント201及び金属酸化物材料冷却/予熱装置207から離れた位置にある直接還元設備(図示せず)まで、冷却金属酸化物材料を輸送するように輸送手段206が構成される。直接還元設備内に装入される、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料を得るために、離れた位置にある直接還元設備は予熱装置(図示せず)に連結することができる。
【0442】
図13cは、金属材料製造構成1の金属酸化物材料製造ユニット3の金属酸化物材料ペレット化プラント201に関連する金属酸化物材料冷却/予熱装置207を示している。場合により、金属酸化物材料冷却/予熱装置207は、金属酸化物材料ペレット化プラント201から切り離され、金属酸化物材料は、金属酸化物材料ペレット化プラント201から直接還元設備7内まで(好ましくは直接)移送される(すなわち、金属酸化物材料ペレット化プラント201の製造熱プロセスによって生じる熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5が装入される)。
【0443】
金属酸化物材料ペレット化プラント201によって得られた熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5は、還元金属材料RMが得られる化学反応を行うため金属酸化物材料5の熱エネルギーを利用して、直接還元設備7内に導入された還元剤によって還元される。直接還元設備7の上部における廃棄還元流体出口(図示せず)は、熱を保持する廃棄還元性流体8を熱交換器(図示せず)から抜き取るように構成され、金属酸化物材料ペレット化プラント201に戻された熱を含むプロセスガスが得られる。
【0444】
金属酸化物材料ペレット化プラント201 if 金属酸化物材料製造ユニット3は、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5を還元設備7内に装入するために、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5を金属酸化物材料製造ユニット3から排出するように構成された金属酸化物材料排出出口214を含む。
【0445】
場合により、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5は、動作停止モードに設定された金属酸化物材料冷却/予熱装置207を介して、還元設備7まで移送経路212を通って移送される。
【0446】
金属酸化物材料は、動作停止モードに設定された金属酸化物材料冷却/予熱装置207の金属酸化物材料排出出口214を介して、金属酸化物材料冷却/予熱装置207から直接還元設備7内に移送することができる。動作停止モードは、金属酸化物材料冷却/予熱装置207が金属酸化物材料5を冷却しないことを意味する。
【0447】
図13dは、金属材料製造構成1の金属酸化物材料冷却/予熱装置207を示している。
【0448】
金属酸化物材料冷却/予熱装置207は、貯蔵備蓄205から金属酸化物材料冷却/予熱装置207まで移送されるあらかじめ冷却された金属酸化物材料を予熱するための予熱動作モードに設定される。貯蔵備蓄205は、あらかじめ冷却された金属酸化物材料を貯蔵するように構成される。予熱された金属酸化物材料、すなわち熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5は、上記熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5を金属酸化物材料冷却/予熱装置207から直接還元設備7内に装入するように構成された装入機器TBを介して移送される。
【0449】
熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5を予熱運転モードで製造するように適合した金属酸化物材料冷却/予熱装置207によって得られる製造熱プロセスによって、上記熱エネルギーが生じる。
【0450】
予熱運転モードでは、あらかじめ冷却された金属酸化物材料は、最初に加熱源(電熱体210又はプロセスガスバーナー機器など)によって加熱することができる。さらに、あらかじめ冷却された金属酸化物材料を予熱するための予熱プロセスに熱を加えるために、直接還元設備7から回収された熱エネルギーを保持する廃棄還元性流体8、及び/又は運転中の金属酸化物材料ペレット化プラント201若しくは別の熱源からの熱エネルギーを利用することができる。
【0451】
したがって、製造熱プロセスは、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料が得られるように適合され、上記熱エネルギーを保持する金属酸化物材料を得るために、あらかじめ冷却された金属酸化物材料を予熱するステップを含む。
【0452】
或いは、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料を得るためのあらかじめ冷却された金属酸化物材料を予熱するステップに続いて、還元金属材料RMを製造するために以下のステップが必要である;上記金属酸化物材料5を製造するステップ;熱エネルギーを保持する上記金属酸化物材料を直接還元設備7内に装入するステップ;還元剤を直接還元設備7内に導入するステップ;化学反応を行うため導入される還元剤の加熱又はさらなる加熱のために金属酸化物材料5の上記熱エネルギーを利用することによって、上記金属酸化物材料5を還元金属材料RMに還元するステップ;及び還元金属材料RMを直接還元設備7から排出するステップ。
【0453】
図14aから14dは、還元が行われた鉄鉱石酸化物材料5の浸炭及び/又は還元金属材料RMの浸炭を行うように構成された直接還元設備7の例を示している。
【0454】
図14aは、金属酸化物材料から、炭素を含まない還元金属材料又は炭素含有還元金属材料(金属製造業者17(例えば鋼239を製造する製鋼業者)によって加工される)への直接還元のための、再生可能エネルギーREを用いた一態様による金属材料製造構成1及びプロセスを示している。還元剤31(例えば水素ガス)は還元剤供給源30(例えば電気分解ユニットなどの水素供給源)によって製造され、直接還元設備7に供給される。
【0455】
金属材料製造構成1は、金属酸化物材料製造ユニット3を含み、これは、金属酸化物材料製造ユニット3の金属酸化物材料ペレット化プラント201の硬化装置(図示せず)によって行われる硬化プロセスによって生じる熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5が得られるように適合している。
【0456】
熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5は、金属酸化物材料冷却/予熱装置207によって冷却して、冷却金属酸化物材料貯蔵備蓄205に移送することができる。
【0457】
金属酸化物材料製造ユニット3の金属酸化物材料冷却/予熱装置207は、貯蔵備蓄205から金属酸化物材料冷却/予熱装置207に移送されたあらかじめ冷却された金属酸化物材料を予熱するように構成される。
【0458】
金属酸化物材料5は、硬化プロセス、又は金属酸化物材料冷却/予熱装置207による金属酸化物材料の予熱のいずれかによって生じる熱エネルギーを保持し、直接還元設備7内に装入される。
【0459】
直接還元設備7は、金属酸化物材料装入入口機器9を含み、これは、金属酸化物材料5を金属酸化物材料製造ユニット3から直接還元設備7に移送するように構成される。直接還元設備7は、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5と反応するように適合した還元剤31を直接還元設備7内に導入するように構成された還元剤流体入口機器11を含む。直接還元設備7は、廃棄還元流体8を直接還元設備7から排出するように構成された廃棄還元流体出口機器13を含み、この廃棄還元流体8は、直接還元設備7及び/又は金属酸化物材料製造ユニット3によって回収及び再利用が行われる。
【0460】
廃棄還元流体8の熱エネルギー及びガスの性質は、金属酸化物材料製造ユニット3によって再利用することができる。廃棄還元流体8は、直接還元設備7から金属酸化物材料5を予熱するための金属酸化物材料冷却/予熱装置207まで移送することができ、及び/又は金属酸化物材料ペレット化プラント201の硬化装置によって使用することができる。
【0461】
直接還元設備7は、金属酸化物材料5の熱エネルギーを利用することによって金属酸化物材料5が還元金属材料RMに還元されるように構成され、この熱エネルギーは、上記還元が行われる金属酸化物材料と還元剤31との間の化学反応を行うため還元剤31の加熱又はさらなる加熱を行うために、製造熱プロセスが行われる金属酸化物材料製造ユニット3によって生じる。したがって、製造(及び/又は発生)熱プロセスは、予熱された金属酸化物材料が得られる(製造される)ように適合される。
【0462】
直接還元設備7は、還元金属材料RMを直接還元設備7から、還元金属材料RMを浸炭するように構成された別個の浸炭反応器248に排出するように構成された還元金属材料出口機器15を含む。
【0463】
炭素源CSEから炭素含有物質CSが抽出され、これは、炭素含有還元金属材料CRMを製造するために炭素含有物質CSを還元金属材料RMに加えるように構成された別個の浸炭反応器248の中の還元金属材料RMに加えられる。別個の浸炭反応器248によって得られた炭素含有還元金属材料CRMは、別個の浸炭反応器248から排出され、金属製造業者17に移送される。
【0464】
或いは、炭素含有物質CSは、純炭素元素を含み、又はメタン、プロパン、若しくは別の炭化水素若しくは別の分子の分子の元素の1つである。
【0465】
或いは、炭素含有還元金属材料を製造するための直接還元設備7の別個の(絶縁された)浸炭ゾーン249内の還元金属材料に炭素含有物質CSが加えられる。
【0466】
図14bは、直接還元設備7の還元金属材料排出出口に連結する別個の浸炭反応器248を含む直接還元設備7を示している。熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5が、熱エネルギーが得られる金属酸化物材料製造ユニット3から直接還元設備7内に装入される。還元剤31を直接還元設備7の内部に供給した。炭素含有物質CSは、炭素源(図示せず)から抽出され、還元金属材料RMの浸炭のために構成された別個の浸炭反応器248中に導入される。別個の浸炭反応器248から得られた炭素含有還元金属材料CRMは別個の浸炭反応器248から排出される。
【0467】
図14cは、直接還元設備7の内部の別個の(絶縁された)浸炭ゾーン249を示している。熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5は、熱エネルギーが得られる金属酸化物材料製造ユニット3から直接還元設備7内に装入される。別個の(絶縁された)浸炭ゾーン249は、別個の(絶縁された)浸炭ゾーン249内に導入される炭素含有物質CSと、直接還元設備7の内部に供給される還元剤31との混合が回避されるように構成される。還元剤31は、還元金属材料を得るために直接還元設備7内に導入され、その還元金属材料は、炭素含有還元金属材料CRMを得るために別個の(絶縁された)浸炭ゾーン249内で浸炭される。
【0468】
図14dは、直接還元設備7の内部の浸炭容積250を示しており、この浸炭容積250は、直接還元設備7内に装入される金属酸化物材料5の還元のために構成され、この金属酸化物材料5は、金属酸化物材料製造ユニット3の金属酸化物材料ペレット化プラント(図示せず)及び/又は金属酸化物材料予熱装置(図示せず)によって生じる熱エネルギーを保持する。浸炭容積250は、還元される金属酸化物材料5の浸炭のために構成され、これによって直接還元設備7内に供給された炭素含有物質CSは、直接還元設備7内に供給された還元剤31と混合される。
【0469】
浸炭容積250は、還元される金属酸化物材料5の浸炭のために、還元剤31(例えば水素H2)と炭素含有物質CS(例えば二酸化炭素CO2)との間で浸炭化学反応が起こるように構成され、還元下の金属(鉄鉱石)酸化物材料5は、還元される金属(鉄鉱石)酸化物材料5に加えられる炭素含有材料を生成するための触媒として機能する。
【0470】
或いは、以下の式による還元下で金属(鉄鉱石)酸化物材料5に加えられる炭素含有材料を生成するための触媒として機能する還元される金属(鉄鉱石)酸化物材料5の浸炭を行うために、水素H2(還元剤のもの及び/又は直接還元設備7内に別に導入されるH2)と二酸化炭素CO2との間の化学反応が起こるように浸炭容積250が構成される:
CO2+2H2→C+2H2O
CO2+H2→CO+H2O
CO+H2→C+H2O
(炭素含有還元金属材料CRMが得られる場合)。
【0471】
図15aは、統合された金属材料製造構成1の一例を示している。直接還元設備7は、金属酸化物材料製造ユニット3及び/又は金属酸化物材料製造ユニット3の金属酸化物材料ペレット化プラント201及び/又は金属酸化物材料製造ユニット3の金属酸化物材料予熱装置203及び/又は金属酸化物材料製造ユニット3の金属酸化物材料冷却/予熱装置207及び/又は還元金属材料を浸炭するための浸炭反応器248及び/又は還元金属材料を浸炭するための浸炭ゾーン249及び/又は炭素源CSE及び/又は金属製造業者17と統合される。
【0472】
統合された金属材料製造構成1は、電気分解ユニット19及び/又は水素貯蔵庫及びバッファータンク26’及び/又は酸素貯蔵タンク26’’を含むことができ、これらは直接還元設備7及び/又は金属酸化物材料製造ユニット3の近くに位置する。好ましくは、これらはパイプライン(図示せず)を介して直接還元設備7に連結される。
【0473】
或いは、直接還元設備7内に導入される前の還元剤(水素)は、水素貯蔵庫及びバッファータンク26’内に貯蔵される。或いは、酸素は、金属酸化物材料製造ユニット3に供給される前に、酸素貯蔵タンク26’’内で貯蔵される。
【0474】
図15bは、統合された金属材料製造構成1のさらなる一例を示している。金属鉱石Aは、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料を製造するために金属酸化物材料ペレット化プラント201に移送され、これは直接還元設備7内に直接装入することができる。金属酸化物材料は、冷却した金属酸化物材料を貯蔵するために貯蔵備蓄(図示せず)に移送することができる。冷却された金属酸化物材料は、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料を製造して直接還元設備7内に装入するために、予熱装置203によって予熱される。
【0475】
電気分解ユニット19は、予熱装置203によって、直接還元設備7によって、及び金属酸化物材料ペレット化プラント201によって使用される水素ガス及び酸素ガスを精製するように構成される。水素ガスは、水素貯蔵庫及びバッファータンク26’内で貯蔵することができ、これはエネルギーを貯蔵するための効率的な方法である。
【0476】
直接還元設備7から還元金属材料が浸炭反応器248に排出されて、これによって還元金属材料から、金属製造業者17に輸送するために調製される中間生成物への浸炭が行われ、これにより金属材料Bが製造される。
【0477】
図16は、金属材料製造構成1の金属酸化物材料製造ユニット3の一例である。金属酸化物材料製造ユニット3は、硬化装置IAを使用する金属酸化物材料ペレット化プラント201を含む。金属酸化物材料ペレット化プラント201の硬化装置IAは、金属鉱石混合物24を硬化させて熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5を得るプロセスを含む製造熱プロセスが行われるように構成される。
【0478】
硬化装置IAは、上向き通風乾燥ゾーンUDD及び下向き通風乾燥ゾーンDDDを形成する乾燥ゾーンを含む。硬化装置IAは、金属鉱石混合物24を予熱するように構成された加熱ゾーンをさらに含み、この加熱ゾーンは、調節予熱ゾーンTPH及び予熱ゾーンPHを含む。
【0479】
硬化装置IAは、金属鉱石混合物24を金属酸化物材料5に酸化させ焼結させるために構成されたキルンユニットKをさらに含む。このキルンユニットKは、金属鉱石混合物24の焼結及び酸化を行うための硬化装置22中に配置されたバーナー機器BD1を含む。
【0480】
好ましくは、バーナー機器BD1は、燃焼に適合した水素バーナーを含み、この水素バーナーでは、例えば酸素及び純水素ガスが使用され、又は熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5の還元のために構成された直接還元設備7から抜き取られる廃棄還元流体8から回収された実質的に純粋な水素ガスが使用される。或いは、水素ガスは、あらゆる種類の水素源から得ることができるが、好ましくは電気分解ユニットから得ることができ、又は上記廃棄還元流体8から回収することができる。酸素ガスは、電気分解ユニット19から、又はあらゆる種類の酸素源から得ることができる。
【0481】
水素バーナーによって、水素ガスは酸素ガスと迅速に反応し、金属鉱石混合物24の上記加熱及び酸化に適切な高い火炎温度が得られる。
【0482】
水素ガス中に炭素を含有しないので、水素バーナーからは二酸化炭素は排出されない。高い火炎温度、及びそれによって実現される短い火炎によって、キルンユニットKは周知のユニットよりは嵩高にならない場合がある。
【0483】
製造された金属酸化物材料5は、金属酸化物材料ペレット化プラント201から、直接還元設備7まで、又は貯蔵備蓄205まで移送される。熱エネルギーを保持する金属酸化物材料は、例えば、場合により、金属酸化物材料5を冷却するために、金属酸化物材料製造ユニット3の金属酸化物材料冷却/予熱装置207に移送される。
【0484】
選択肢1:
金属酸化物材料5を直接還元設備7に移送する場合、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5は、直接還元設備7内に移送され、製造熱プロセスによって生じた金属酸化物材料5の熱エネルギーは、金属酸化物材料5の直接還元に使用される。
【0485】
選択肢2:
金属酸化物材料5を貯蔵備蓄205に移送する場合、金属酸化物材料5は金属酸化物材料冷却/予熱装置207を通って移送される。金属酸化物材料冷却/予熱装置207は、硬化装置IAから排出された金属酸化物材料5を冷却するように構成される。
【0486】
金属酸化物材料冷却/予熱装置207は、金属酸化物材料5から熱エネルギーを移送し、金属酸化物材料冷却/予熱装置207によって硬化装置IAに回収され、この熱エネルギー量が金属酸化物材料5の製造に使用されるように構成された熱移送配列HTAを含む。金属酸化物材料冷却/予熱装置207は、第1の冷却器ゾーンC1、第2の冷却器ゾーンC2、第3の冷却器ゾーンC3、及び第4の冷却器ゾーンC4を含み、その少なくとも1つがパイプ配列を介して硬化装置IAに連結される。熱エネルギーを金属酸化物材料冷却/予熱装置207から硬化装置IAに戻すことによって、熱エネルギーの効率的な再利用が行われる。
【0487】
金属酸化物材料冷却/予熱装置207は、予熱装置として使用することもできる。あらかじめ冷却された金属酸化物材料を予熱する場合、燃焼に適合した水素バーナーを含むバーナー装置BD2と発熱体が併用される。水素バーナーでは、例えば酸素(例えば電気分解ユニット19から)と、上記電気分解ユニット19及び/又は廃棄還元流体8からの純水素ガス又は実質的に純粋な純水素ガスとが使用される。さらに、下向き通風乾燥、調節予熱、及び予熱プロセスに使用され排出される弱い熱エネルギーを、金属酸化物材料冷却/予熱装置207にさらに供給して、あらかじめ冷却された金属酸化物材料のさらなる予熱を行うことができる。
【0488】
選択肢3:
直接還元設備7中へのあらかじめ冷却された金属酸化物材料の予熱の場合、予熱装置が使用される。あらかじめ冷却された金属酸化物材料を予熱する場合、発熱体がバーナー装置と併用される。
【0489】
金属酸化物材料製造ユニット3は、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5を金属酸化物材料製造ユニット3から排出するように構成された金属酸化物材料排出出口214を含む。
【0490】
硬化は、金属鉱石混合物24の酸化及び/又は焼結プロセスを含み、この酸化及び/又は焼結プロセスは、製造熱プロセスの酸化及び/又は焼結プロセス中に高い酸素圧を維持する酸素に富むプロセスガスを用いて行われる。加熱プロセスガス(図示せず)は、金属酸化物材料製造ユニット3の乾燥及び/又は予熱ユニットに供給される酸素欠乏プロセスガスを構成し、例えば上向き通風乾燥ゾーンUDD及び/又は下向き通風乾燥ゾーンDDD及び/又は調節予熱ゾーンTPH及び/又は予熱ゾーンPHを構成する。
【0491】
場合により、硬化装置IAによって製造された金属酸化物材料5は、酸化物材料5の冷却は行わない動作停止モードに設定された金属酸化物材料冷却/予熱装置207を介して供給されるが、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5を金属酸化物材料排出出口214に移送し、熱エネルギーを保持する金属酸化物材料5は、直接還元設備7内に装入できる状態にある。場合により、金属酸化物材料冷却/予熱装置207によって、さらなる熱エネルギーを熱エネルギーを保持する金属酸化物材料に加えることができる。
【0492】
1つ又は複数の本開示は、上記の例に限定されない場合があり、それらの記載の例の修正又は組み合わせに対する多くの可能性は、添付の請求項に規定される基本概念から逸脱することなく当業者に対して明らかとなるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属酸化物材料製造ユニット(3)によって製造された金属酸化物材料(5)の還元方法であって、前記金属酸化物材料(5)が、前記金属酸化物材料製造ユニット(3)から、前記金属酸化物材料製造ユニット(3)の製造熱プロセスによって生じる熱エネルギーを保持する前記金属酸化物材料(5)を装入するための直接還元設備(7)内まで移送され、前記直接還元設備(7)が、熱エネルギーを保持する前記金属酸化物材料(5)との反応に適合した還元剤(6、31)の導入のために構成され:
前記金属酸化物材料(5)を製造するステップと;
熱エネルギーを保持する前記金属酸化物材料(5)を前記直接還元設備(7)に装入するステップと;
前記還元剤(6、31)を前記直接還元設備(7)に導入するステップと;
化学反応を行うため、前記導入された還元剤(6、31)の加熱又はさらなる加熱のために、前記金属酸化物材料(5)の前記熱エネルギーを利用することによって、前記金属酸化物材料(5)を還元金属材料(RM)に還元するステップと;
前記還元金属材料を前記直接還元設備(7)から排出するステップと、
を特徴とする、方法。
【請求項2】
前記金属酸化物材料(3)の熱を維持するために、熱エネルギーを保持する前記金属酸化物材料(5)が、前記金属酸化物材料製造ユニット(3)から前記直接還元設備(7)に直接移送される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記金属酸化物材料(5)の前記製造が;金属鉱体を粉砕するステップと;金属鉱石粒子を分離するステップと;前記金属鉱石粒子の金属鉱石混合物(24)を製造するステップと;前記金属鉱石混合物(24)を硬化させるステップとを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記金属鉱石混合物(24)を硬化させる前記ステップが、前記金属鉱石混合物(24)の酸化及び/又は前記金属鉱石混合物(24)の焼結を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記金属鉱石混合物(24)を硬化させるステップの前に、前記金属鉱石混合物(24)の乾燥、及び/又は前記金属鉱石混合物(24)の予熱及び/又は加熱のステップが行われる、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記金属鉱石混合物(24)が鉄鉱石混合物を含み、前記鉄鉱石混合物の予熱及び/又は加熱の前記ステップが磁鉄鉱石から赤鉄鉱石への酸化を含む、請求項3~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記還元剤が、電気分解ユニット(19)によって生成した水素ガス(6)を含み、前記方法が、水(w)を前記水素ガス(6)及び酸素ガス(10)に分解するステップを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記還元剤が、一酸化炭素及び/又は水素ガス、及び/又はメタン及び/又はプロパン及び/又はエタンなどの炭化水素、及び/又はあらゆる別の炭化水素基を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記酸素ガス(10)が、前記金属酸化物材料(5)を製造するために前記金属酸化物材料製造ユニット(3)に移送される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記酸素ガス(10)が、前記金属酸化物材料製造ユニット(3)に移送されて、前記金属鉱石混合物(24)の硬化及び/又は選鉱のステップに使用される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記金属鉱石混合物(24)の硬化の前記ステップが、前記金属鉱石混合物(24)の酸化のステップ及び/又は前記金属鉱石混合物(24)を焼結させるステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記方法が、過剰の熱を前記電気分解ユニット(19)から前記金属酸化物材料製造ユニット(3)に移動させるステップを含む、請求項7~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記方法が、過剰の熱を前記直接還元設備(7)から前記金属酸化物材料製造ユニット(3)に移動させるステップを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
過剰の熱を移動させる前記ステップが、前記金属鉱石混合物(24)の予熱及び/又は加熱、及び/又は前記金属鉱石混合物(24)の硬化のために追加の熱を供給することを含む、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
廃棄還元流体(8)が、前記直接還元設備(7)から前記金属酸化物材料製造ユニット(3)まで移送され、前記還元剤(6)の廃棄還元流体(8)が、前記金属酸化物材料製造ユニット(3)によって得られる前記製造熱プロセスに使用される、及び/又は水素ガスを含む前記廃棄還元性流体(8)が、前記直接還元設備(7)に戻され、前記金属材料製造構成(1)が、前記廃棄還元性流体(8)を前記直接還元設備(7)に戻すように構成された供給要素を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記廃棄還元流体(8)が、前記金属鉱石混合物(24)の予熱及び/又は加熱、及び/又は前記金属鉱石混合物(24)の酸化、及び/又は前記金属鉱石混合物(24)を焼結させるステップに使用される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記廃棄還元流体(8)が水素ガスを含む、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記製造熱プロセスが、金属酸化物材料予熱装置(203、207)によって、熱エネルギーを保持する前記金属酸化物材料(5)を得るために、前記金属酸化物材料(5)を予熱することを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記金属酸化物材料の予熱の前に、前記金属酸化物材料を冷却するステップが行われる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
還元金属材料(RM)の製造に適合した金属材料製造構成(1)であって、前記構成(1)が;
製造熱プロセスによって熱エネルギーを保持する金属酸化物材料(5)を製造するように構成された金属酸化物材料製造ユニット(3)と;
直接還元設備(7)であって:
前記金属酸化物材料(5)を前記金属酸化物材料製造ユニット(3)から前記直接還元設備(7)内に移送するように構成される金属酸化物材料装入入口機器(9)と;
前記金属酸化物材料(5)との反応に適合した還元剤を前記直接還元設備(7)内に導入するように構成された還元剤流体入口機器(11)と;
廃棄還元流体(8)を前記直接還元設備(7)から排出するように構成された廃棄還元流体出口機器(13)と;
前記還元金属材料を前記直接還元設備(7)から排出するように構成された還元金属材料出口機器(15)と
を含む直接還元設備(7)とを含み;
前記直接還元設備(7)は、前記金属酸化物材料(5)と還元が行われる前記還元剤(6)との間の化学反応が実現されるように、前記還元剤(6、31)の加熱又はさらなる加熱を行うために、前記金属酸化物材料(5)の熱エネルギー(この熱エネルギーは前記製造熱プロセスによって生じる)を利用することによって前記金属酸化物材料(5)から還元金属材料への前記還元を行うように構成されることを特徴とする金属材料製造構成(1)。
【請求項21】
前記直接還元設備(7)が前記金属酸化物材料製造ユニット(3)と統合される、請求項20に記載の金属材料製造構成(1)。
【請求項22】
前記金属材料製造構成(1)が;
水(w)を水素ガス(6)及び酸素ガス(10)に分解するように構成された電気分解ユニット(19)と;
前記水素ガス(6)を前記電気分解ユニット(19)から前記還元剤流体入口機器(11)に移送するように構成された水素ガス移送機器(44’、44”)と
をさらに含む、請求項20又は21に記載の金属材料製造構成(1)。
【請求項23】
前記金属材料製造構成(1)が、前記酸素ガス(10)を前記電気分解ユニット(19)から前記金属酸化物材料製造ユニット(3)に移送するように構成された酸素ガス移送機器(66’、66”)を含む、請求項22に記載の金属材料製造構成(1)。
【請求項24】
前記水素ガス移送機器(44’、44”)が流体輸送手段及び/又はホース配列を含む、請求項22に記載の金属材料製造構成(1)。
【請求項25】
前記直接還元設備(7)が前記電気分解ユニット(19)と統合される、請求項22に記載の金属材料製造構成(1)。
【請求項26】
前記金属酸化物材料装入入口機器(9)が、前記金属酸化物材料(5)を前記金属酸化物材料製造ユニット(3)から前記直接還元設備(7)内に直接移送するように構成される、請求項20~25のいずれか一項に記載の金属材料製造構成(1)。
【請求項27】
前記金属材料製造構成(1)が、前記廃棄還元流体出口機器(13)を介して前記直接還元設備(7)に連結される熱交換装置(79、89)を含み、前記熱交換装置(79、89)が、前記還元剤(6、31)の廃棄還元流体(8)から熱を移動させるように構成され、廃棄還元流体(8)は、前記直接還元設備(7)から、前記金属酸化物材料製造ユニット(3)まで及び/又は請求項20に記載の前記電気分解ユニット(19)まで供給されて、前記熱交換装置(79、89)を通過するエネルギー伝達流体(AG)を加熱する、請求項20~26のいずれか一項に記載の金属材料製造構成(1)。
【請求項28】
前記金属材料製造構成(1)が、前記直接還元設備(7)内に導入される前に前記還元剤を加熱するように構成された還元剤加熱機器(HH)を含む、請求項20~27のいずれか一項に記載の金属材料製造構成(1)。
【請求項29】
前記金属材料製造構成(1)が、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法ステップを制御するように適合した制御回路網(50)を含む、請求項20~28のいずれか一項に記載の金属材料製造構成(1)。
【請求項30】
請求項20~29のいずれか一項に記載の前記金属材料製造構成(1)が、還元金属材料(RM)の自動又は半自動製造を実施するようにプログラムされたデータプログラム(P)を格納するデータ媒体であって、前記データプログラム(P)がプログラムコードを含み、制御回路網(50)が:
前記金属酸化物材料(5)を製造することと;
熱エネルギーを保持する前記金属酸化物材料(5)を前記直接還元設備(7)に装入することと;
前記還元剤(6、31)を前記直接還元設備(7)に導入することと;
化学反応を行うため、前記導入された還元剤(6、31)の加熱又はさらなる加熱のために、前記金属酸化物材料(5)の前記熱エネルギーを利用することによって、前記金属酸化物材料(5)を還元金属材料(RM)に還元することと;
前記還元金属材料を前記直接還元設備(7)から排出することと、
の前記方法ステップを行うために、前記データ媒体が、前記制御回路網(50)のコンピュータ上で読み取り可能である、データ媒体。
【請求項31】
データ媒体製品のデータ媒体上に格納されたデータプログラム(P)及びプログラムコードを含むデータ媒体製品であって、請求項30に記載のデータ媒体の前記データプログラム(P)が前記コンピュータ上で実行される場合に、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法ステップを実施するために、前記データ媒体が、前記制御回路網(50)のコンピュータ上で読み取り可能である、データ媒体製品。
【請求項32】
金属酸化物材料製造ユニット(3)に連結して一体化されるように構成される、又は金属酸化物材料製造ユニット(3)に連結するように構成される直接還元設備(7)であって、金属酸化物材料(5)の製造に適合した製造熱プロセスによって生じる熱エネルギーを保持する前記金属酸化物材料(5)を、前記直接還元設備(7)内に装入することができ、前記直接還元設備(7)が、化学反応を行うために還元剤(6、31)を受け取るように構成される、直接還元設備(7)。
【請求項33】
前記直接還元設備(7)が;前記金属酸化物材料(5)を前記金属酸化物材料製造ユニット(3)から前記直接還元設備(7)に移送するように構成された金属酸化物材料装入入口機器(9)と;化学反応による前記金属酸化物材料(5)との反応に適合した還元剤(6、31)を前記直接還元設備(7)内に導入するように構成された還元剤流体入口機器(11)と;廃棄還元流体(8)を前記直接還元設備(7)から排出するように構成された廃棄還元流体出口機器(13)と;還元金属材料(RM)を前記直接還元設備(7)から排出するように構成された還元金属材料出口機器(15)とを含む、請求項32に記載の直接還元設備(7)。
【請求項34】
前記金属酸化物材料(5)が、ペレットなどの凝集物の形態である、請求項32又は33に記載の直接還元設備(7)。
【請求項35】
前記還元剤(6、31)が、還元剤供給源(30)から前記直接還元設備(7)に移送される、請求項32~34のいずれか一項に記載の直接還元設備(7)。
【請求項36】
前記還元剤流体入口機器(11)が、水を前記還元剤(6、31)に分解するように構成された電気分解ユニット(19)と関連する及び/又は連結する、請求項32~35のいずれか一項に記載の直接還元設備(7)。
【請求項37】
前記還元剤が水素ガス(6)を含む、請求項32~36のいずれか一項に記載の直接還元設備(7)。
【請求項38】
金属鉱石混合物(24)から金属酸化物材料(5)を製造するように構成された金属酸化物材料製造ユニット(3)であって、前記製造された金属酸化物材料(5)が、前記金属酸化物材料製造ユニット(3)の製造熱プロセスによって生じる熱エネルギーを保持し、前記金属酸化物材料製造ユニット(3)が、熱エネルギーを保持する前記金属酸化物材料(5)を、直接還元設備(7)に導入される前記金属酸化物材料と還元剤(6、31)との間の化学反応によって、熱エネルギーを保持する前記金属酸化物材料(5)を還元金属材料(RM)に還元するように構成された前記直接還元設備(7)に移送するように構成される、金属酸化物材料製造ユニット(3)。
【請求項39】
前記金属酸化物材料製造ユニット(3)が、前記直接還元設備(7)から前記金属酸化物材料製造ユニット(3)に移動する過剰の熱によって前記金属鉱石混合物(24)を加熱するように構成される、請求項38に記載の金属酸化物材料製造ユニット(3)。
【請求項40】
前記金属酸化物材料製造ユニット(3)が、酸素ガス(10)を硬化装置(22)に排出するように構成された酸素ガス排出機器(A)を含み、前記金属鉱石混合物(24)を酸化させるため、及び/又は燃焼プロセスによって前記金属鉱石混合物を加熱するために、酸素ガス(10)が電気分解ユニット(19)から前記金属酸化物材料製造ユニット(3)に供給される、請求項38又は39に記載の金属酸化物材料製造ユニット(3)。
【請求項41】
前記金属酸化物材料製造ユニット(3)が、前記金属酸化物材料製造ユニット(3)によって使用されるプロセスガス(PG)を加熱するように構成された水素ガス排出機器(B)を含む、請求項38~40のいずれか一項に記載の金属酸化物材料製造ユニット(3)。
【請求項42】
前記金属酸化物材料製造ユニット(3)が、前記金属鉱石混合物(24)を加熱するように構成された水素ガス排出機器を含む、請求項38~41のいずれか一項に記載の金属酸化物材料製造ユニット(3)。
【請求項43】
前記金属酸化物材料製造ユニット(3)が、製造熱プロセスによって、前記熱エネルギーを保持する金属酸化物材料を製造するために前記金属酸化物材料を予熱するように構成された金属酸化物材料予熱装置(203、207)を含む、請求項38に記載の金属酸化物材料製造ユニット(3)。
【請求項44】
前記金属酸化物材料予熱装置(203、207)が、前記直接還元設備(7)から前記金属酸化物材料予熱装置(203、207)に移動する過剰の熱によって、あらかじめ冷却された金属酸化物材料(5)を予熱するように構成される、請求項43に記載の金属酸化物材料製造ユニット(3)。
【請求項45】
前記金属酸化物材料予熱装置が金属酸化物材料冷却/予熱装置(207)として構成されてもよい、請求項43又は44に記載の金属酸化物材料製造ユニット(3)。
【請求項46】
金属酸化物材料の製造方法であって、
金属鉱石混合物の酸化のために構成された金属材料製造構成(1)の硬化装置(22)内に酸素に富むプロセスガス(OE)を導入することと;
前記金属酸化物材料(5)を製造するように適合した、製造熱プロセス前記酸化及び/又は焼結プロセス中に高い酸素圧が維持される前記酸素に富むプロセスガス(OE)を用いた前記金属鉱石混合物の酸化であって;前記製造熱プロセスが、前記金属酸化物材料(5)を製造するための前記金属鉱石混合物を硬化させるステップを含む、酸化と;
酸素ガス移送機器(66’、66’’)によって、酸素ガスを電気分解ユニット(19)から前記金属材料製造構成(1)の金属酸化物材料製造ユニット(3)に移送することとの製造方法。
【請求項47】
金属材料製造構成(1)であって、
前記金属材料製造構成(1)が、金属酸化物材料(5)の製造に適合した、製造熱プロセス酸化及び/又は焼結プロセスの間に高い酸素圧が維持される酸素に富むプロセスガス(OE)を供給するための供給配列が設けられ;前記製造熱プロセスが、前記金属酸化物材料(5)を製造するために金属鉱石混合物を硬化させるステップを含み;
前記金属材料製造構成(1)の金属酸化物材料製造ユニット(3)が、前記酸素に富むプロセスガス(OE)を前記金属酸化物材料製造ユニット(3)の硬化装置(22)内に導入するように構成された酸素に富むプロセスガス排出機器(OEE)を含み;
前記金属材料製造構成(1)が、酸素ガス(10)を電気分解ユニット(19)から前記金属酸化物材料製造ユニット(3)に移送するように構成された酸素ガス移送機器(66’、66’’)を含む、
金属材料製造構成(1)。
【請求項48】
前記金属材料製造構成が、前記金属材料製造構成(1)の直接還元設備内に導入する前に還元剤を加熱するように構成された還元剤加熱機器を含む、請求項47に記載の金属材料製造構成(1)。
【請求項49】
統合された金属材料製造構成(1)であって;
水を水素ガス(6)及び酸素ガス(10)に分解するように構成された電気分解ユニット(19)であって、水力、風力、波力、又は別の非化石及び再生可能エネルギーからの電気を使用し;前記水素ガス(6)を含む還元剤が、前記直接還元設備に導入される前に、水素貯蔵庫及びバッファータンク(26’)内に貯蔵される電気分解ユニット(19)と一体化される直接還元設備(7)を含み;
前記直接還元設備(7)が;
金属酸化物材料ペレット化プラント(201)及び/又は金属酸化物材料予熱装置(203)を含む金属酸化物材料製造ユニット(3);
酸素貯蔵タンク(26’’)であって;前記水素貯蔵庫及びバッファータンク(26’)及び前記酸素貯蔵タンク(26’’)が、前記直接還元設備(7)及び/又は前記金属酸化物材料製造ユニット(3)の近くに位置する酸素貯蔵タンク(26’’)と
さらに一体化され;
前記金属酸化物材料(5)を製造するために、前記酸素ガス(10)が前記金属酸化物材料製造ユニット(3)に移送されることを特徴とする統合された金属材料製造構成(1)。
【請求項50】
前記直接還元設備(7)が、金属製造業(17)及び/又は製鋼業者及び/又はスクラップ金属溶融電気アーク炉EAFを用いるミニミル業者及び/又は浸炭反応器(248)及び/又は浸炭ゾーン(249)及び/又は炭素源供給者(CSE)と統合される請求項49に記載の統合された金属材料製造構成(1)。
【請求項51】
金属材料製造構成(1)であって、酸素に富むプロセスガス(OE)を加熱するために、前記金属材料製造構成(1)が、金属酸化物材料製造ユニット(3)の水素ガスバーナー機器(BD)に水素ガス(6)を供給するための手段を含む、金属材料製造構成(1)。
【請求項52】
前記直接還元設備(7)内に導入される前の前記水素ガス(6)が水素貯蔵庫及びバッファータンク(26’)内に貯蔵され、及び/又は前記電気分解ユニット(19)によって生成した前記酸素(10)が、前記酸素(10)を前記金属酸化物材料製造ユニットに供給する前に、酸素貯蔵タンク(26”)内に貯蔵される、請求項22に記載の金属材料製造構成(1)。
【請求項53】
前記炭素含有還元金属材料(CRM)が、前記直接還元設備(7)に連結された別個の浸炭反応器(248)、及び/又は前記直接還元設備(7)の別個の浸炭ゾーン(249)、及び/又は前記直接還元設備(7)の内部の浸炭容積(250)によって得られる、請求項52に記載の金属材料製造構成(1)。
【国際調査報告】