(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】書込み停止の数による適応テープ較正判定基準
(51)【国際特許分類】
G11B 20/10 20060101AFI20240208BHJP
G06F 3/06 20060101ALI20240208BHJP
G11B 5/584 20060101ALI20240208BHJP
G11B 20/18 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
G11B20/10 301Z
G06F3/06 304R
G11B5/584
G11B20/18 512A
G11B20/18 552E
G11B20/18 572B
G11B20/18 572G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546018
(86)(22)【出願日】2022-01-24
(85)【翻訳文提出日】2023-07-28
(86)【国際出願番号】 EP2022051511
(87)【国際公開番号】W WO2022171423
(87)【国際公開日】2022-08-18
(32)【優先日】2021-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】宮村 剛志
(72)【発明者】
【氏名】田中 啓介
(72)【発明者】
【氏名】ゲイル、アーネスト、スチュワート
【テーマコード(参考)】
5D044
【Fターム(参考)】
5D044BC01
5D044CC01
5D044DE02
5D044DE37
5D044DE46
5D044DE49
5D044DE61
5D044DE68
(57)【要約】
書込み停止の数に基づく適応テープ較正判定基準の一手法では、書込み停止によって引き起こされた再書込み発生の回数を特定のテープ・ドライブ・タイプごとに決定する。書込み動作中に書込み停止を検出したことに応答して、書込み停止の総回数をテープ・ドライブ上に記憶する。再書込み較正しきい値を決定する。再書込み較正しきい値は、テープ・ドライブ上での書込み停止の総回数および特定のテープ・ドライブ・タイプの較正基準値を含む。テープ・ドライブ上でデータ・セットを書き込んでいる間に、書込み停止によって引き起こされた再書込み発生の回数が再書込み較正しきい値を超えたことに応答して、テープ・ドライブの較正を実行する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実施方法であって、
1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、特定のテープ・ドライブ・タイプの書込み停止に対する再書込みの比率を決定するステップと、
テープ・ドライブ上での書込み動作中に1回または複数回の書込み停止を検出したことに応答して、前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、前記書込み動作中に検出された書込み停止の回数を前記テープ・ドライブ上に記憶するステップと、
前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、再書込み較正しきい値を決定するステップと、
前記テープ・ドライブ上でデータ書込み動作を実行している間に再書込みの第1の回数が前記再書込み較正しきい値を超えたことに応答して、前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、前記テープ・ドライブの較正を実行するステップと
を含むコンピュータ実施方法。
【請求項2】
前記再書込み較正しきい値を決定する前記ステップが、
前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、データ・セットを書き込んでいる間に検出された書込み停止の前記回数を取り出すこと、
前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、総書込み停止再書込みを計算することであり、前記総書込み停止再書込みが、データ・セットを書き込んでいる間に検出された書込み停止の前記回数に前記特定のテープ・ドライブ・タイプの書込み停止に対する再書込みの前記比率を乗じることによって計算される、前記計算すること、および
前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、前記総書込み停止再書込みを前記特定のテープ・ドライブ・タイプの較正基準値に加えること
をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項3】
前記特定のテープ・ドライブ・タイプの書込み停止に対する再書込みの前記比率を決定する前記ステップが、
前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、1つまたは複数のデータ・セットのそれぞれのデータ・セットに対する書込み停止によって引き起こされた再書込みの第2の回数を前記特定のテープ・ドライブ・タイプ上で測定すること、
前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、1つまたは複数のデータ・セットのそれぞれのデータ・セットに対する書込み停止の回数を前記特定のテープ・ドライブ・タイプ上で測定すること、および
前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、前記特定のテープ・ドライブ・タイプの書込み停止に対する再書込みの前記比率を計算することであり、前記特定のテープ・ドライブ・タイプの書込み停止に対する再書込みの前記比率が、前記1つまたは複数のデータ・セットのそれぞれのデータ・セットに対する書込み停止によって引き起こされた再書込みの前記第2の回数を前記1つまたは複数のデータ・セットのそれぞれのデータ・セットに対する書込み停止の前記回数で除することよって計算される、前記計算すること
をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項4】
書込み停止の前記回数が、前記テープ・ドライブの重要プロダクト・データに記憶される、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項5】
前記特定のテープ・ドライブ・タイプの書込み停止に対する再書込みの前記比率が、1つまたは複数の特定のテープ・ドライブ・タイプの特定のテープ・ドライブ・タイプごとに計算される、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項6】
コンピュータ・プログラム製品であって、前記コンピュータ・プログラム製品が、1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体と、前記1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体上に記憶されたプログラム命令とを含み、前記プログラム命令が、
特定のテープ・ドライブ・タイプの書込み停止に対する再書込みの比率を決定する命令と、
テープ・ドライブ上での書込み動作中に1回または複数回の書込み停止を検出したことに応答して、前記書込み動作中に検出された書込み停止の回数を前記テープ・ドライブ上に記憶する命令と、
再書込み較正しきい値を決定する命令と、
前記テープ・ドライブ上でデータ書込み動作を実行している間に再書込みの第1の回数が前記再書込み較正しきい値を超えたことに応答して、前記テープ・ドライブの較正を実行する命令と
を含む、コンピュータ・プログラム製品。
【請求項7】
前記再書込み較正しきい値を決定する前記命令が、前記1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体上に記憶された、
データ・セットを書き込んでいる間に検出された書込み停止の前記回数を取り出す命令、
総書込み停止再書込みを計算する命令であり、前記総書込み停止再書込みが、データ・セットを書き込んでいる間に検出された書込み停止の前記回数に前記特定のテープ・ドライブ・タイプの書込み停止に対する再書込みの前記比率を乗じることによって計算される、前記命令、および
前記総書込み停止再書込みを前記特定のテープ・ドライブ・タイプの較正基準値に加える命令
のうちの1つまたは複数をさらに含む、請求項6に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項8】
前記特定のテープ・ドライブ・タイプの書込み停止に対する再書込みの前記比率を決定する前記命令が、前記1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体上に記憶された、
1つまたは複数のデータ・セットのそれぞれのデータ・セットに対する書込み停止によって引き起こされた再書込みの第2の回数を前記特定のテープ・ドライブ・タイプ上で測定する命令、
1つまたは複数のデータ・セットのそれぞれのデータ・セットに対する書込み停止の回数を前記特定のテープ・ドライブ・タイプ上で測定する命令、および
前記特定のテープ・ドライブ・タイプの書込み停止に対する再書込みの前記比率を計算する命令であり、前記特定のテープ・ドライブ・タイプの書込み停止に対する再書込みの前記比率が、前記1つまたは複数のデータ・セットのそれぞれのデータ・セットに対する書込み停止によって引き起こされた再書込みの前記第2の回数を前記1つまたは複数のデータ・セットのそれぞれのデータ・セットに対する書込み停止の前記回数で除することよって計算される、前記命令
のうちの1つまたは複数をさらに含む、請求項6に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項9】
書込み停止の前記回数が、前記テープ・ドライブの重要プロダクト・データに記憶される、請求項6に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項10】
前記特定のテープ・ドライブ・タイプの書込み停止に対する再書込みの前記比率が、1つまたは複数の特定のテープ・ドライブ・タイプの特定のテープ・ドライブ・タイプごとに計算される、請求項6に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項11】
コンピュータ・システムであって、前記コンピュータ・システムが、
1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサと、
1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体と、
前記1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体上に記憶されたプログラム命令であり、前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサの少なくとも1つによって実行するための前記プログラム命令と
を含み、前記記憶されたプログラム命令が、
特定のテープ・ドライブ・タイプの書込み停止に対する再書込みの比率を決定する命令と、
テープ・ドライブ上での書込み動作中に1回または複数回の書込み停止を検出したことに応答して、前記書込み動作中に検出された書込み停止の回数を前記テープ・ドライブ上に記憶する命令と、
再書込み較正しきい値を決定する命令と、
前記テープ・ドライブ上でデータ書込み動作を実行している間に再書込みの第1の回数が前記再書込み較正しきい値を超えたことに応答して、前記テープ・ドライブの較正を実行する命令と
を含む、コンピュータ・システム。
【請求項12】
前記再書込み較正しきい値を決定する前記命令が、前記1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体上に記憶された、
データ・セットを書き込んでいる間に検出された書込み停止の前記回数を取り出す命令、
総書込み停止再書込みを計算する命令であり、前記総書込み停止再書込みが、データ・セットを書き込んでいる間に検出された書込み停止の前記回数に前記特定のテープ・ドライブ・タイプの書込み停止に対する再書込みの前記比率を乗じることによって計算される、前記命令、および
前記総書込み停止再書込みを前記特定のテープ・ドライブ・タイプの較正基準値に加える命令
のうちの1つまたは複数をさらに含む、請求項11に記載のコンピュータ・システム。
【請求項13】
前記特定のテープ・ドライブ・タイプの書込み停止に対する再書込みの前記比率を決定する前記命令が、前記1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体上に記憶された、
1つまたは複数のデータ・セットのそれぞれのデータ・セットに対する書込み停止によって引き起こされた再書込みの第2の回数を前記特定のテープ・ドライブ・タイプ上で測定する命令、
1つまたは複数のデータ・セットのそれぞれのデータ・セットに対する書込み停止の回数を前記特定のテープ・ドライブ・タイプ上で測定する命令、および
前記特定のテープ・ドライブ・タイプの書込み停止に対する再書込みの前記比率を計算する命令であり、前記特定のテープ・ドライブ・タイプの書込み停止に対する再書込みの前記比率が、前記1つまたは複数のデータ・セットのそれぞれのデータ・セットに対する書込み停止によって引き起こされた再書込みの前記第2の回数を前記1つまたは複数のデータ・セットのそれぞれのデータ・セットに対する書込み停止の前記回数で除することよって計算される、前記命令
のうちの1つまたは複数をさらに含む、請求項11に記載のコンピュータ・システム。
【請求項14】
書込み停止の前記回数が、前記テープ・ドライブの重要プロダクト・データに記憶される、請求項11に記載のコンピュータ・システム。
【請求項15】
前記特定のテープ・ドライブ・タイプの書込み停止に対する再書込みの前記比率が、1つまたは複数の特定のテープ・ドライブ・タイプの特定のテープ・ドライブ・タイプごとに計算される、請求項11に記載のコンピュータ・システム。
【請求項16】
コンピュータ実施方法であって、
1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、テープ・ドライブの再書込み較正しきい値を決定するステップであり、前記再書込み較正しきい値が、前記テープ・ドライブ上での書込み停止に基づく再書込みの総回数および特定のテープ・ドライブ・タイプの較正基準値を含む、前記ステップと、
前記テープ・ドライブ上での書込み動作中に、書込み停止によって引き起こされた再書込み発生の回数が前記再書込み較正しきい値を超えたことに応答して、前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、前記テープ・ドライブの較正を実行するステップと
を含むコンピュータ実施方法。
【請求項17】
前記テープ・ドライブの前記再書込み較正しきい値を決定する前記ステップであり、前記再書込み較正しきい値が、前記テープ・ドライブ上での書込み停止に基づく再書込みの前記総回数および前記特定のテープ・ドライブ・タイプの前記較正基準値を含む、前記ステップが、
前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、1つまたは複数のデータ・セットのそれぞれのデータ・セットに対する再書込みの回数を前記特定のテープ・ドライブ・タイプ上で測定すること、
前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、1つまたは複数のデータ・セットのそれぞれのデータ・セットに対する書込み停止の回数を前記特定のテープ・ドライブ・タイプ上で測定すること、および
前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、前記特定のテープ・ドライブ・タイプの書込み停止に対する再書込みの比率を計算することであり、前記特定のテープ・ドライブ・タイプの書込み停止に対する再書込みの前記比率が、前記1つまたは複数のデータ・セットのそれぞれのデータ・セットに対する再書込みの前記回数を、前記1つまたは複数のデータ・セットのそれぞれのデータ・セットに対する書込み停止の前記回数で除することよって計算される、前記計算すること
をさらに含む、請求項16に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項18】
前記テープ・ドライブ上での前記書込み動作中に、書込み停止によって引き起こされた再書込み発生の前記回数が前記再書込み較正しきい値を超えたことに応答して、前記テープ・ドライブの前記較正を実行する前記ステップが、
前記テープ・ドライブ上での前記書込み動作中に前記書込み停止を検出したことに応答して、前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、前記書込み停止を、前記テープ・ドライブ上での書込み停止の総回数に加えること、
前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、書込み停止の前記総回数を前記テープ・ドライブから取り出すこと、
前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、書込み停止再書込みの総回数を決定することであり、書込み停止再書込みの前記総回数が、書込み停止の前記総回数に、前記特定のテープ・ドライブ・タイプの書込み停止に対する再書込みの前記比率を乗じることによって決定される、前記決定すること、および
前記テープ・ドライブ上でデータ書込み動作を実行している間に書込み停止再書込みの前記回数が前記再書込み較正しきい値を超えたことに応答して、前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、前記テープ・ドライブの前記較正を実行すること
をさらに含む、請求項17に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項19】
前記テープ・ドライブ上でのそれぞれの書込み停止に対する再書込み発生の前記回数が、1つまたは複数のテープ・ドライブ・タイプのテープ・ドライブ・タイプごとに計算される、請求項16に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項20】
書込み停止の前記回数が、前記テープ・ドライブの重要プロダクト・データに記憶される、請求項16に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項21】
コンピュータ・プログラム製品であって、前記コンピュータ・プログラム製品が、1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体と、前記1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体上に記憶されたプログラム命令とを含み、前記プログラム命令が、
テープ・ドライブの再書込み較正しきい値を決定する命令であり、前記再書込み較正しきい値が、前記テープ・ドライブ上での書込み停止に基づく再書込みの総回数および特定のテープ・ドライブ・タイプの較正基準値を含む、前記命令と、
前記テープ・ドライブ上での書込み動作中に、書込み停止によって引き起こされた再書込み発生の回数が前記再書込み較正しきい値を超えたことに応答して、前記テープ・ドライブの較正を実行する命令と
を含む、コンピュータ・プログラム製品。
【請求項22】
前記テープ・ドライブの前記再書込み較正しきい値を決定する前記命令であり、前記再書込み較正しきい値が、前記テープ・ドライブ上での書込み停止に基づく再書込みの前記総回数および前記特定のテープ・ドライブ・タイプの前記較正基準値を含む、前記命令が、前記1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体上に記憶された、
1つまたは複数のデータ・セットのそれぞれのデータ・セットに対する再書込みの回数を前記特定のテープ・ドライブ・タイプ上で測定する命令、
1つまたは複数のデータ・セットのそれぞれのデータ・セットに対する書込み停止の回数を前記特定のテープ・ドライブ・タイプ上で測定する命令、および
前記特定のテープ・ドライブ・タイプの書込み停止に対する再書込みの比率を計算する命令であり、前記特定のテープ・ドライブ・タイプの書込み停止に対する再書込みの前記比率が、前記1つまたは複数のデータ・セットのそれぞれのデータ・セットに対する再書込みの前記回数を、前記1つまたは複数のデータ・セットのそれぞれのデータ・セットに対する書込み停止の前記回数で除することよって計算される、前記命令
のうちの1つまたは複数をさらに含む、請求項21に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項23】
前記テープ・ドライブ上での書込み動作中に、書込み停止によって引き起こされた再書込み発生の回数が前記再書込み較正しきい値を超えたことに応答して、前記テープ・ドライブの較正を実行する前記命令が、前記1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体上に記憶された、
前記テープ・ドライブ上での前記書込み動作中に前記書込み停止を検出したことに応答して、前記書込み停止を、前記テープ・ドライブ上での書込み停止の総回数に加える命令、
書込み停止の前記総回数を前記テープ・ドライブから取り出す命令、
書込み停止再書込みの総回数を決定する命令、であり、書込み停止再書込みの前記総回数が、書込み停止の前記総回数に、前記特定のテープ・ドライブ・タイプの書込み停止に対する再書込みの前記比率を乗じることによって決定される、前記命令、および
前記テープ・ドライブ上でデータ書込み動作を実行している間に書込み停止再書込みの前記回数が前記再書込み較正しきい値を超えたことに応答して、前記テープ・ドライブの前記較正を実行する命令
のうちの1つまたは複数をさらに含む、請求項22に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項24】
前記テープ・ドライブ上でのそれぞれの書込み停止に対する再書込み発生の前記回数が、1つまたは複数のテープ・ドライブ・タイプのテープ・ドライブ・タイプごとに計算される、請求項21に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項25】
書込み停止の前記回数が、前記テープ・ドライブの重要プロダクト・データに記憶される、請求項21に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般にテープ・ベースのデータ記憶の分野に関し、より詳細には、書込み停止の数に基づく適応テープ較正判定基準(adaptive tape calibration criteria)に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気テープ・データ記憶は、デジタル記録を使用して磁気テープ上にデジタル情報を記憶するためのシステムである。現在、大部分の磁気テープはカートリッジおよびカセットの中にパッケージ化されている。現在記録されているデータの多くは直ちにアクセスする必要のないものであるため、磁気テープは、長期データ記憶のための好ましい解決策である。時代遅れに見えることもあるが、この技術は、その導入以降、著しく進歩している。最初の商用デジタル・テープ記憶システムは、テープ1巻にだいたい1メガバイトのデータを記憶したが、最新のカートリッジは15テラバイト以上のデータを保持し、容量はコンスタントに増大している。
【0003】
磁気テープ・ドライブが、特にオフラインのデータ・バックアップとして現在も依然として使用されている理由は、長期保管安定性および非常に有利なユニット費用にある。テープ上に記憶されたデータには、ハード・ドライブ上に記憶されたデータほどには速くアクセスすることはできないが、テープ記憶の方がエネルギー効率および信頼性が高い。さらに、磁気テープ記憶の方が費用効果が高く、通常は、同じ量のデータをディスク上に記憶する費用の1/6で済む。また、ディスク・ドライブの容量増大速度は低下しているが、磁気テープの記憶容量は依然として年に約33パーセントずつ増大している。
【0004】
テープ・ドライブに関して、チャネルは、デジタル信号をアナログ信号に変換し、そのアナログ信号をデータ・トラックからテープに出力するプロセス、またはアナログ信号をテープから読み取り、それをデジタル信号に変換するプロセスである。それぞれのヘッド要素の状態に応じて、チャネルは、信号の入力および出力を最適化するために、ヘッドを流れる電流の量に基づいてさまざまなパラメータの最適値を決定する。それらの値は、テープ・ドライブの不揮発性メモリである、それぞれのヘッドのテープ・ドライブ重要プロダクト・データ(vital product data)(VPD)に記憶される。テープにデータを書き込むときまたはテープからデータを読み取るときには、VPDに保存されたそれらの値が、チャネルを制御する構成要素のレジスタにセットされる。
【0005】
これらのチャネル・パラメータは、テープ・ドライブの出荷直後の初期構成時に、またはヘッドの劣化またはテープ媒体の状態のためにそれらの値を再構成する必要があるときに調整される。この調整は較正と呼ばれる。較正は、それぞれのトラックのチャネル・セッティングを調整する手順である。較正を実行するときには、ユーザ・データが書き込まれていないテープ媒体上のエリアに移動し、最適な値が決定されるまでデータを繰り返し書き込み、読み取ることによって、さまざまなパラメータが最適化される。例えば、較正中に、それぞれのトラックの電圧/振幅レベルを変更しながらテープにデータを書き込み、次いで、そのデータをリード・バックする(read back)ときに信号対雑音比を測定する。較正は次いで、それぞれのトラックの最良の結果からチャネル・パラメータを独立に選択する。この較正プロセスには時間がかかり、これによりテープ・ドライブの転送速度が低下する。これは、較正の実行中は新たなデータを書き込むことができないためである。
【0006】
近年、容量の増大に伴って、テープ・ドライブがテープ媒体に書き込むときの1ビット当たりの面積(線密度×トラック幅)は極端に狭くなっている。例えば、書込みの前にはヘッド位置をトラック上に位置合せする必要がある。ドライブと媒体の両方が良好なコンディションにある場合には位置合せに問題はないが、使用された後にコンディションが悪化する場合には、トラック幅との位置合せが難しくなる。正確に位置合せすることができない状態でドライブがデータを書き込む場合には、他のトラック上に書き込まれたデータを上書きしてしまったり、またはドライブがデータを読み取ることができなかったりすることがある。ヘッドがトラック上に適正に位置合せされていないとドライブが判定した場合、ドライブはテープへの書込みを終了する。これは書込み停止(stop write)と呼ばれる。ヘッドの位置がトラック上に戻ると書込みは再開されるが、書込み停止が発生すると再書込みの回数は増加する。
【0007】
較正による転送速度の低下に懸念を抱くユーザが増えている。それらのユーザは、必要がないときには較正を実行しないテープ・ドライブを欲している。較正の必要がないそのような1つのケースは、較正が、書込み停止によって実際に引き起こされた再書込みを減らすことを試みているときである。なぜなら、較正は書込み停止を修正することができないためである。本発明が解決する課題は、再書込みが書込み停止によって引き起こされるときに、テープ・スループットを低減させるテープ・ドライブの較正を回避することである。
【発明の概要】
【0008】
本発明の実施形態は、書込み停止の回数に基づく適応テープ較正判定基準のためのコンピュータ実施方法、コンピュータ・プログラム製品およびシステムを含む。第1の実施形態では、書込み停止によって引き起こされた再書込み発生の回数を特定のテープ・ドライブ・タイプごとに決定する。書込み動作中に書込み停止を検出したことに応答して、書込み停止の総回数をテープ・ドライブ上に記憶する。再書込み較正しきい値を決定する。再書込み較正しきい値は、テープ・ドライブ上での書込み停止の総回数および特定のテープ・ドライブ・タイプの較正基準値を含む。テープ・ドライブ上で書込み動作中に、書込み停止によって引き起こされた再書込み発生の回数が再書込み較正しきい値を超えたことに応答して、テープ・ドライブの較正を実行する。
【0009】
本発明の実施形態は、書込み停止の回数に基づく適応テープ較正判定基準のためのコンピュータ実施方法およびコンピュータ・プログラム製品を含む。第2の実施形態では、テープ・ドライブの再書込み較正しきい値を決定する。再書込み較正しきい値は、テープ・ドライブ上での書込み停止に基づく再書込みの総回数および特定のテープ・ドライブ・タイプの較正基準値を含む。テープ・ドライブ上での書込み動作中に、書込み停止によって引き起こされた再書込み発生の回数が再書込み較正しきい値を超えたことに応答して、テープ・ドライブの較正を実行する。
【0010】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態を単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態による、分散データ処理環境を示す機能ブロック図である。
【
図2】(a)および(b)は、本発明の一実施形態による、書込み停止によって引き起こされた再書込みの回数の決定の一例を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態による、書込み停止のそれぞれの発生によって引き起こされた再書込みの発生の回数を1つのデータ・セットの書込み動作中に決定する準備手順のために、
図1の分散データ処理環境内の磁気テープ装置上で適応較正プログラムによって実行される動作ステップを示す流れ図である。
【
図4】本発明の一実施形態による、データ・セットを書き込んでいる間の書込み停止の発生の回数に基づく再書込みに対する判定基準を決定するために、
図1の分散データ処理環境内の磁気テープ装置上で適応較正プログラムによって実行される動作ステップを示す流れ図である。
【
図5】本発明の一実施形態による、較正を実行すべきかどうかを判定するために、
図1の分散データ処理環境内の磁気テープ装置上で適応較正プログラムによって実行される動作ステップを示す流れ図である。
【
図6】本発明の一実施形態による、
図1の分散データ処理環境内の適応較正プログラムを実行する磁気テープ装置の構成要素のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
テープ・ドライブでは、書込みヘッドと読取りヘッドが対で配置され、書込み動作中には、テープ媒体上にデータを書き込んだ直後に、読取りヘッドがテープからデータをリードバックする。読み取ったデータが書き込んだデータと一致しない場合、ドライブは、書き込まれなかったデータを別のヘッドを用いて書き込む。再び書き込むこの機構は再書込みと呼ばれる。テープを移動させ、データを書き込んでいる間に、テープ・ドライブは再書込みの度数をカウントし、較正が必要かどうかを判定する。較正が必要であると判定された後にテープが較正エリアに近づいたときに、較正を実行して、チャネル・パラメータを最適化する。
【0013】
本発明では、ヘッドをトラック上に位置合せすることができないときの書込み停止が再書込みに与える影響を調査する。テープ媒体の反復使用による媒体の劣化によってまたはドライブ・ヘッド上のデブリによってヘッドをトラック上に位置合せすることが難しくなると、再書込みの度数は常に一定の速度で増大する。書込み停止の影響は考慮されないため、たとえ少量のデブリ(debris)によって再書込みが発生する場合であっても、再書込みの発生の度数はしきい値を超えることがあり、不必要な較正が実行され、これによって転送速度が低下する。
【0014】
本発明の実施形態は、書込み停止が検出されたときに書込み停止によって引き起こされる再書込みの回数を考慮するために、再書込みによって引き起こされる較正に対する基準値を変更するための機構を説明する。
【0015】
データ・セットは、テープ・ドライブがテープに書き込む最小単位である。典型的なテープ・ドライブ、例えば32個のヘッド要素を有するLTOテープ・ドライブの例では、データ・セットが、192個のコードワード・インターリーブ(Codeword Interleave)(CWI)セット・データ単位からなり、これらは32個のヘッドを使用して同時に書き込まれる。一実施形態では、テープ・ドライブ製品の特定のそれぞれのタイプについて、書込み停止の回数ごとに再書込みの度数を前もって測定する。データ・セットが書き込まれるたびに、テープ・ドライブは、データを書き込むのと並行して、1データ・セット当たりの書込み停止の回数をテープ・ドライブの不揮発性メモリに記録する。
【0016】
一実施形態では、較正を実行すべきかどうかを判断するときに、書込み停止の数に対応する再書込み発生の度数を、較正を実行するのに必要な再書込みの回数の基準値に加える。一実施形態では、書込み停止に起因する再書込みの回数を含む再書込みの基準値を実際の書込み中に発生する再書込みの度数と比較することによって、較正を実行すべきかどうかを判定する。
【0017】
図1は、本発明の少なくとも1つの実施形態による、適応較正プログラム132の動作に適した、全体が100で示された分散データ処理環境を示す機能ブロック図である。本明細書で使用されている用語「分散」は、単一のコンピュータ・システムとして一緒に動作する物理的に別個の多数の装置を含むコンピュータ・システムを表す。
図1は、1つの実施態様を示しているだけであり、異なる実施形態を実施することができる環境に関する限定を暗示するものではない。当業者は、特許請求項に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、図示の環境に対する多くの変更を実施することができる。
【0018】
分散データ処理環境100は、ネットワーク120に接続されたコンピューティング装置110およびコンピューティング装置110に接続された磁気テープ装置130を含む。ネットワーク120は、例えば、電気通信ネットワーク、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、例えばインターネット、またはこれらの3つのネットワークの組合せとすることができ、有線、無線または光ファイバ接続を含むことができる。ネットワーク120は、音声、データおよびビデオ情報を含むマルチメディア信号を含む、データ、音声もしくはビデオ信号またはこれらの組合せを送受信することができる1つもしくは複数の有線ネットワークもしくは無線ネットワークまたはその両方を含むことができる。一般に、ネットワーク120は、コンピューティング装置110と分散データ処理環境100内の他のコンピューティング装置(図示せず)との間の通信を支援する接続とプロトコルの任意の組合せとすることができる。
【0019】
コンピューティング装置110は、データを受信、送信および処理することができる独立型コンピューティング装置、管理サーバ、ウェブ・サーバ、モバイル・コンピューティング装置または他の電子装置もしくはコンピューティング・システムとすることができる。一実施形態では、コンピューティング装置110を、分散データ処理環境100内の他のコンピューティング装置(図示せず)とネットワーク120を介して通信することができるラップトップ・コンピュータ、タブレット・コンピュータ、ネットブック・コンピュータ、パーソナル・コンピュータ(PC)、デスクトップ・コンピュータ、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、スマート・ホンまたはプログラム可能な電子装置とすることができる。別の実施形態では、コンピューティング装置110が、例えばクラウド・コンピューティング環境において、多数のコンピュータをサーバ・システムとして利用するサーバ・コンピューティング・システムを表しうる。別の実施形態では、コンピューティング装置110が、分散データ処理環境100内でアクセスされたときに継ぎ目のないリソースの単一のプールとして機能するクラスタ化されたコンピュータおよび構成要素(例えばデータベース・サーバ・コンピュータ、アプリケーション・サーバ・コンピュータ)を利用するコンピューティング・システムを表す。
【0020】
一実施形態では、磁気テープ装置130が適応較正プログラム132を含む。一実施形態では、適応較正プログラム132が、書込み停止の数に基づく適応テープ較正判定基準のためのプログラム、アプリケーションまたはより大きなプログラムのサブプログラムである。
【0021】
一実施形態では、磁気テープ装置130が情報リポジトリ(information repository)134を含む。一実施形態では、適応較正プログラム132が情報リポジトリ134を管理してもよい。代替実施形態では、コンピューティング装置のオペレーティング・システムが、単独でまたは適応較正プログラム132と一緒に、情報リポジトリ134を管理してもよい。情報リポジトリ134は、情報の記憶、収集、比較もしくは結合またはこれらの組合せを実行することができるデータ・リポジトリである。いくつかの実施形態では、情報リポジトリ134が磁気テープ装置130の外部に置かれており、ネットワーク120などの通信ネットワークを介してアクセスされる。いくつかの実施形態では、情報リポジトリ134が磁気テープ装置130上に格納されている。いくつかの実施形態では、磁気テープ装置130が情報リポジトリ134にアクセスすることができるとの条件で、情報リポジトリ134が別のコンピューティング装置(図示せず)上にあってもよい。情報リポジトリ134は、限定はされないが、テープ・ドライブ構成データ、テープ・ドライブ・エラー・データ、テープ・カートリッジ・エラー・データ、テープ較正データ、記憶システム構成データ、ファイルシステム・データ、および適応較正プログラム132が1つまたは複数の源から受信した他のデータ、ならびに適応較正プログラム132が生成したデータを含む。
【0022】
情報リポジトリ134は、当技術分野で知られている、情報を記憶するための揮発性または不揮発性記憶媒体を使用して実装することができる。同様に、情報リポジトリ134は、リレーショナル・データベース、オブジェクト指向データベースまたは1つもしくは複数のテーブルなどの当技術分野で知られている適当な記憶アーキテクチャを用いて実装することもできる。
【0023】
図2(a)および
図2(b)は、本発明の一実施形態による、書込み停止によって引き起こされた再書込みの数の決定の一例を示している。
図2(a)および2(b)の例では、長さ約1000メートルのテープを80のエリアに分割して、それぞれのエリアの統計情報を記録した。記録された情報は、それぞれのエリア内での書込み停止および再書込みの発生の回数を含む。
図2(a)および2(b)の表では、領域がエリア番号を示し、ラップ(wrap)が、書き込まれたトラックの識別を示し、CO再書込みが再書込みの回数を示し、書込み停止が書込み停止の回数を示す。
【0024】
図2(a)に示された表は、領域1および2における再書込みおよび書込み停止の発生の回数を示している。
図2(b)に示された表は、領域21、22および24における再書込みおよび書込み停止の発生が0であったことを示している。このデータから、書込み停止が発生しなかった場合であっても1エリア当たり約1628回の再書込みが発生したと理解することができる。領域1では、2853回の再書込みが発生し、それに対して書込み停止が発生は647回であった。書込み停止によって引き起こされた再試行の発生の回数は2853(領域1)-1628(領域2)=1225回である。したがって、書込み停止の発生1回当たりの再書込みの発生の回数は1225/647=1.89回、すなわち約2回である。言い換えると、書込み停止1回当たり、テープ・ドライブによって約2回の再書込みが実行される。この値は、較正に対するしきい値の決定に使用されるだけであるため、この書込み停止1回当たりの再書込みの回数の計算は近似であることに留意すべきである。
【0025】
図2(b)に示された表は、領域23における再書込みおよび書込み停止の発生がそれぞれ1830回および25回であることを示している。領域21、22および24における再書込みの回数は書込み停止に起因する再書込みを含んでいないため、これらの領域の再書込みは全て他の原因によるものである。したがって、これらの領域の再書込みのベースラインの回数は約1630回、書込み停止に起因する再書込みの回数は約200回である。これにより、これらの領域の書込み停止に対する再書込みの比率(ratio of rewrites per stop write)は約8となる。
【0026】
したがって、このドライブで較正を実行するかどうかを判定するための再書込みに対する判定基準としては、最小値2を使用することが好ましい。この値は多くの不必要な較正動作を回避するが、領域21~24の小さなサンプルだけで見られたより高いしきい値を使用しない。
【0027】
したがって、ドライブ上で計算を実行すべきかどうかを判定するため、書込み停止の回数に2を乗じることによって得られた値を、特定のドライブ・タイプに対して予め定められた再書込みに対する判定基準に加え、これを、実際の書込み中の1データ・セット当たりの再書込みの発生の回数と比べる。
【0028】
例えば、1つのデータ・セットの書込み停止の発生の回数がnであるとき、再書込みの発生の回数は2nである。較正に対する判定基準として9がセットされたテープ・ドライブの例示的なケースでは、5回以上の書込み停止が発生すると、たとえドライブに問題がない場合であっても再書込みの回数は10に達する(すなわち、書込み停止1回当たり2回の再書込み×5回の書込み停止)。再書込みの回数が判定基準9を超えているため、たとえそれらの再書込みが、較正によって修正することができない書込み停止によって引き起こされたものである場合であっても、既存の技術では、従来の較正判定方法が不必要な較正を実行させる。しかしながら、本発明を使用することによって、書込み停止によって引き起こされた再書込みは、判定基準を、この例では9+2n=19に変更し、不必要な較正は回避される。言い換えると、本発明は、書込み停止によって引き起こされた再書込みを考慮し、真に必要なときにだけ較正を実行する。
【0029】
図3は、本発明の一実施形態による、1つのデータ・セットの書込み動作中の書込み停止のそれぞれの発生によって引き起こされた再書込みの回数の比率を計算する準備手順のために、
図1の分散データ処理環境内の磁気テープ装置上で適応較正プログラム132によって実行される動作ステップを示す流れ図である。代替実施形態では、他のプログラムが、適応較正プログラム132と一緒に実行されている間に、ワークフロー300のステップを実行してもよい。一実施形態では、適応較正プログラム132が、ドライブ上での再書込みの回数を解析中のデータ・セットごとに測定する。一実施形態では、適応較正プログラム132が、ドライブ上での書込み停止の回数を解析中のデータ・セットごとに測定する。一実施形態では、適応較正プログラム132が、書込み停止1回当たりの再書込みを計算する。
【0030】
本発明の実施形態は、少なくとも、書込み停止のそれぞれの発生によって引き起こされた再書込みの発生の回数を1つのデータ・セットの書込み動作中に決定する適応較正プログラム132の準備手順を提供することを理解すべきである。しかしながら、
図3は、1つの実施態様を示しているだけであり、異なる実施形態を実施することができる環境に関する限定を暗示するものではない。当業者は、特許請求項に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、図示の環境に対する多くの変更を実施することができる。
【0031】
適応較正プログラム132は、1データ・セット当たりの再書込みの回数を測定する→RW(ステップ302)。一実施形態では、適応較正プログラム132が、ドライブ上での書込み停止によって引き起こされた再書込みの回数を解析中のデータ・セットごとに測定する。一実施形態では、解析するデータ・セットの数がシステム・デフォルト値である。別の実施形態では、解析するデータ・セットの数が、ユーザまたはシステム管理者から受け取られる。一実施形態では、適応較正プログラム132がこの値をRWに格納する。上の
図2(a)および2(b)の例では、再書込みの回数を決定するために80のエリアを解析した。
【0032】
適応較正プログラム132は、グッド・ドライブ上での再書込みの回数を測定する→SW
DS(ステップ304)。一実施形態では、適応較正プログラム132が、ドライブ上での書込み停止の回数を解析中のデータ・セットごとに測定する。一実施形態では、解析するデータ・セットの数がシステム・デフォルト値である。別の実施形態では、解析するデータ・セットの数が、ユーザまたはシステム管理者から受け取られる。一実施形態では、適応較正プログラム132がこの値をSW
DSに格納する。上の
図2(a)および2(b)の例では、書込み停止の回数を決定するために80のエリアを解析した。
【0033】
適応較正プログラム132は、書込み停止1回当たりの再書込みを計算する(ステップ306)。一実施形態では、適応較正プログラム132が、書込み停止に対する再書込みの比率を式(1)を使用して計算する。
R=RW/SWDS (1)
【0034】
一実施形態では、書込み停止に対する再書込みの比率が、現在使用中のドライブだけでなく、再書込みと書込み停止のベースライン比率を確立するための内部試験に使用されるドライブ上でも測定される。一実施形態では、次いで、このサイクルについて適応較正プログラム132は終了となる。
【0035】
図4は、本発明の一実施形態による、データ・セットを書き込んでいる間の書込み停止の発生の回数に基づく再書込みに対する判定基準を決定するために、
図1の分散データ処理環境内の磁気テープ装置上で適応較正プログラム132によって実行される動作ステップを示す流れ図である。代替実施形態では、他のプログラムが、適応較正プログラム132と一緒に実行されている間に、ワークフロー400のステップを実行してもよい。一実施形態では、適応較正プログラム132が、
図2で決定した書込み中の書込み停止の発生の回数を取り出し、この値をSW
WRTに格納する。一実施形態では、適応較正プログラム132が、そのドライブ・タイプに対する判定基準値を取り出し、その値をCに格納する。一実施形態では、適応較正プログラム132が、特定のドライブに対する特定の基準値を、書込み停止の回数を考慮することによって計算する。一実施形態では、次いで、このサイクルについて適応較正プログラム132は終了となる。
【0036】
本発明の実施形態は、少なくとも、データ・セットを書き込んでいる間の書込み停止の発生の回数に基づく再書込みに対する判定基準を決定するために適応較正プログラム112によって実行される動作ステップを提供することを理解すべきである。しかしながら、
図4は、1つの実施態様を示しているだけであり、異なる実施形態を実施することができる環境に関する限定を暗示するものではない。当業者は、特許請求項に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、図示の環境に対する多くの変更を実施することができる。
【0037】
適応較正プログラム132は、書込み中の書込み停止の回数をカウントする→SWWRT(ステップ402)。一実施形態では、適応較正プログラム132が、データ書込み動作中の書込み停止の発生の回数をカウントし、この値をSWWRTに格納する。
【0038】
適応較正プログラム132は、ドライブ・タイプの判定基準を得る→C(ステップ404)。一実施形態では、適応較正プログラム132が、そのドライブ・タイプに対する判定基準値を取り出し、その値をCに格納する。一実施形態では、この判定基準値が、較正を実行すべきかどうかを判定するために使用される、ドライブのタイプごとに前もって測定された再書込みの基準値である。
【0039】
適応較正プログラム132は、そのドライブに対する判定基準Cdを決定する(ステップ406)。一実施形態では、適応較正プログラム132が、特定のドライブに対する特定の基準値または判定基準を、書込み停止の回数を考慮することによって計算する。一実施形態では、適応較正プログラム132が、特定のドライブに対する特定の基準値Cdを、式(2)を使用して計算する。
Cd=C+(SWWRT×(RW/SWDS)) (2)
【0040】
一実施形態では、式(2)が、較正を実行すべきかどうか判定するのに書込み停止の回数を考慮している。一実施形態では、SW
WRTが、現在の書込みサイクル中に遭遇した書込み停止の回数であり、RW/SW
DSは、上
図3で決定した書込み停止に対する再書込みの比率である。一実施形態では、再書込みの回数が、書込み停止によって引き起こされた再書込みの回数にこのドライブ・タイプの判定基準値Cを加えたものを超えたかどうかを判定するためにCdを計算する。この計算を実行するのは、書込み停止によって引き起こされたものではない再書込みの回数がしきい値を超えた場合、較正によって再書込みを修正することができるためである。一実施形態では、次いで、このサイクルについて適応較正プログラム132は終了となる。
【0041】
図5は、本発明の一実施形態による、較正を実行すべきかどうかを判定するために、
図1の分散データ処理環境内の磁気テープ装置上で適応較正プログラム132によって実行される動作ステップを示す流れ図である。代替実施形態では、他のプログラムが、適応較正プログラム132と一緒に実行されている間に、ワークフロー500のステップを実行してもよい。
【0042】
一実施形態では、R(K)が、直前のK個のデータ・セットを書き込んでいる間に遭遇した再書込みの発生の回数である。一実施形態では、i番目のデータ・セットを書き込んでいる間に遭遇した再書込みの発生の回数であるR(i)を、較正を実行すべきかどうかを判定する際に使用する判定基準Cdと比較する。再書込みの発生の回数がこの判定基準よりも大きいときにはカウント(n)に1を加える。K個のデータ・セットに対する過去の比較で得られたカウントの数がしきい値よりも大きいときには較正を実行する。
【0043】
一実施形態では、適応較正プログラム132が、最後のK個のデータ・セット書込みに対する再書込みの回数を取り出し、それらをR(1)からR(K)に格納する。一実施形態では、適応較正プログラム132が、カウンタiを使用して、データ・セットの数をカウントし、すなわちiが1からKまでカウントし、nが、再書込みの回数が所定のしきい値を超えたデータ・セットの総数をカウントするために使用される。一実施形態では、適応較正プログラム132が、データ・セットiに対する再書込みの回数、すなわちR(i)が所定のしきい値Cdを超えているかどうかを判定する。一実施形態では、データ・セットiに対する再書込みの回数が所定のしきい値Cdを超えていると適応較正プログラム132が判定した場合、適応較正プログラム132は、再書込みの回数が所定のしきい値を超えたデータ・セットの総数のカウントを増分する。一実施形態では、適応較正プログラム132が、最後のデータ・セットを解析したかどうかを判定する。すなわち、i<Kである場合、分析すべきデータ・セットが残っている。一実施形態では、最後のデータ・セットを解析していないと適応較正プログラム132が判定した場合、適応較正プログラム132は、カウンタiを増分して、次のデータ・セットを解析する。一実施形態では、適応較正プログラム132が、再書込みの回数がしきい値を超えた全てのデータ・セットの総カウント自体が別の所定のしきい値を超えているかどうかを判定する。一実施形態では、再書込みの回数がしきい値を超えた全てのデータ・セットの総カウント自体が別の所定のしきい値を超えていると適応較正プログラム132が判定した場合、適応較正プログラム132は較正を実行する。次いで、このサイクルについて適応較正プログラム132は終了となる。
【0044】
本発明の実施形態は、少なくとも、較正を実行すべきかどうかを判定するために適応較正プログラム132によって実行される動作ステップを提供することを理解すべきである。しかしながら、
図5は、1つの実施態様を示しているだけであり、異なる実施形態を実施することができる環境に関する限定を暗示するものではない。当業者は、特許請求項に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、図示の環境に対する多くの変更を実施することができる。
【0045】
図5に示されたプロセスは、較正を実行すべきかどうかを判定するために適応較正プログラム132によって実行される動作ステップの可能な1回の反復を示しており、この反復は、較正の実行がセットされるたびに繰り返されることを理解すべきである。
【0046】
適応較正プログラム132は、最後のK個のデータ・セットの再書込みR(1)...R(K)を得る(ステップ502)。一実施形態では、適応較正プログラム132が、最後のK個のデータ・セット書込みに対する再書込みの回数を取り出し、それらをR(1)からR(K)に格納する。一実施形態では、適応較正プログラム132が、最後のK個のデータ・セット書込みに対する再書込みの回数を、テープ・ドライブのメモリから取り出す。
【0047】
適応較正プログラム132はi=1、n=0をセットする(ステップ504)。一実施形態では、適応較正プログラム132が、カウンタiを使用して、データ・セットの数をカウントし、すなわちiが1からKまでカウントし、nが、再書込みの回数が所定のしきい値を超えたデータ・セットの総数をカウントするために使用される。
【0048】
適応較正プログラム132は、R(i)>Cdであるかどうかを判定する(判断ブロック506)。一実施形態では、適応較正プログラム132が、データ・セットiに対する再書込みの回数、すなわちR(i)が所定のしきい値Cdを超えているかどうかを判定する。一実施形態では、所定のしきい値Cdが、
図5で決定した基準値である。一実施形態では、データ・セットiに対する再書込みの回数が所定のしきい値Cdを超えていないと適応較正プログラム132が判定した場合(判断ブロック506の「いいえ」枝)、適応較正プログラム132は判断ブロック510に進み、次のデータ・セットをチェックする。一実施形態では、データ・セットiに対する再書込みの回数が所定のしきい値Cdを超えていると適応較正プログラム132が判定した場合(判断ブロック506の「はい」枝)、適応較正プログラム132はステップ508に進み、再書込みの回数が所定のしきい値を超えたデータ・セットの総数のカウントを増分する。
【0049】
適応較正プログラム132はn=n+1をセットする(ステップ508)。一実施形態では、データ・セットiに対する再書込みの回数が所定のしきい値Cdを超えていると適応較正プログラム132が判定した場合、適応較正プログラム132は、再書込みの回数が所定のしきい値を超えたデータ・セットの総数のカウントnを増分する。
【0050】
適応較正プログラム132は、そのデータ・セットが最後のデータ・セットであるかどうかを判定する(判断ブロック510)。一実施形態では、適応較正プログラム132が、最後のデータ・セットを解析したかどうかを判定する。すなわち、i<Kである場合、分析すべきデータ・セットが残っている。一実施形態では、最後のデータ・セットを解析していないと適応較正プログラム132が判定した場合(判断ブロック510の「いいえ」枝)、適応較正プログラム132はステップ512に進み、次のデータ・セットをチェックする。一実施形態では、最後のデータ・セットを解析したと適応較正プログラム132が判定した場合(判断ブロック510の「はい」枝)、適応較正プログラム132は判断ブロック514に進み、カウントが所定のしきい値を超えたかどうかを判定する。
【0051】
適応較正プログラム132はi=i+1をセットする(ステップ512)。一実施形態では、最後のデータ・セットを解析していないと適応較正プログラム132が判定した場合、適応較正プログラム132は、カウンタiを増分して、次のデータ・セットを解析する。一実施形態では、次いで、適応較正プログラム132が判断ブロック506に戻り、次のデータ・セットをチェックする。
【0052】
適応較正プログラム132は、nがしきい値よりも大きいかどうかを判定する(判断ブロック514)。一実施形態では、適応較正プログラム132が、再書込みの回数がしきい値を超えた全てのデータ・セットの総カウント自体が別の所定のしきい値を超えているかどうかを判定する。一実施形態では、再書込みの回数がしきい値を超えた全てのデータ・セットの総カウント自体が別の所定のしきい値を超えていると適応較正プログラム132が判定した場合(判断ブロック514の「はい」枝)、適応較正プログラム132はステップ516に進み、較正を実行する。一実施形態では、再書込みの回数がしきい値を超えた全てのデータ・セットの総カウント自体が別の所定のしきい値を超えていないと適応較正プログラム132が判定した場合(判断ブロック514の「いいえ」枝)、このサイクルについて適応較正プログラム132は終了となる。
【0053】
適応較正プログラム132は較正を実行する(ステップ516)。一実施形態では、再書込みの回数がしきい値を超えた全てのデータ・セットの総カウント自体が別の所定のしきい値を超えていると適応較正プログラム132が判定した場合、適応較正プログラム132は較正を実行する。次いで、このサイクルについて適応較正プログラム132は終了となる。
【0054】
図6は、本発明の少なくとも1つの実施形態による、適応較正プログラム132に適したコンピューティング装置110の構成要素を示すブロック図である。
図6は、コンピュータ600、(1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサを含む)1つまたは複数のプロセッサ604、通信ファブリック(communications fabric)602、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)616とキャッシュ618とを含むメモリ606、永続性記憶装置(persistent storage)608、通信ユニット612、I/Oインタフェース614、ディスプレイ622および外部装置620を示している。
図6は、1つの実施形態を示しているだけであり、異なる実施形態を実施することができる環境に関する限定を暗示するものではないことを理解すべきである。図示の環境に対する多くの変更を実施することができる。
【0055】
示されているとおり、コンピュータ600は通信ファブリック602を介して動作し、通信ファブリック602は、コンピュータ・プロセッサ604、メモリ606、永続性記憶装置608、通信ユニット612およびI/Oインタフェース614間の通信を提供する。通信ファブリック602は、プロセッサ604(例えばマイクロプロセッサ、通信プロセッサおよびネットワーク・プロセッサ)、メモリ606、外部装置620およびシステム内の他のハードウェア構成要素間でデータをやり取りしまたは情報を制御するのに適したアーキテクチャを有するように実装されたものとすることができる。例えば、通信ファブリック602は、1本または数本のバスによって実装することができる。
【0056】
メモリ606および永続性記憶装置608はコンピュータ可読記憶媒体である。図示の実施形態では、メモリ606がRAM616およびキャッシュ618を含む。一般に、メモリ606は、揮発性または不揮発性の適当なコンピュータ可読記憶媒体を含むことができる。キャッシュ618は、RAM616から最近アクセスされたデータおよびほぼ最近アクセスされたデータを保持することによってプロセッサ604の性能を強化する高速メモリである。
【0057】
適応較正プログラム132のプログラム命令は、メモリ606の1つまたは複数のメモリを介してそれぞれのコンピュータ・プロセッサ604の1つまたは複数によって実行するために、永続性記憶装置608またはより一般的にはコンピュータ可読記憶媒体に記憶することができる。永続性記憶装置608は、磁気ハード・ディスク・ドライブ、ソリッドステート・ディスク・ドライブ、半導体記憶装置、リード・オンリー・メモリ(ROM)、電子的に消去可能なプログラマブル・リード・オンリー・メモリ(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、またはプログラム命令もしくはデジタル情報を記憶することができる他のコンピュータ可読記憶媒体とすることができる。
【0058】
永続性記憶装置608によって使用される媒体は取外し可能な媒体とすることもできる。例えば、永続性記憶装置608に対して取外し可能なハード・ドライブを使用することができる。他の例には、やはり永続性記憶装置608の部分である別のコンピュータ可読記憶媒体に転送するためにドライブに挿入された光および磁気ディスク、サム・ドライブ(thumb drive)ならびにスマート・カードが含まれる。
【0059】
これらの例では、通信ユニット612が、他のデータ処理システムまたは装置との通信を提供する。これらの例では、通信ユニット612が1つまたは複数のネットワーク・インタフェース・カードを含む。通信ユニット612は、物理通信リンクと無線通信リンクの一方または両方を使用することによって通信を提供することができる。本発明のいくつかの実施形態の文脈では、通信ユニット612を介して入力データを受信することができ、同様に出力を送信することができるような態様で、さまざまな入力データの源がコンピュータ600から物理的に遠く離れた場所にあってもよい。
【0060】
I/Oインタフェース614は、コンピュータ600に接続されたものとすることができる他の装置とのデータの入出力を可能にする。例えば、I/Oインタフェース614は、キーボード、キーパッド、タッチスクリーン、マイクロホン、デジタル・カメラもしくは他の適当ないくつかの入力装置またはこれらの組合せなどの外部装置620への接続を提供することができる。外部装置620はさらに、例えばサム・ドライブ、ポータブル光または磁気ディスクおよびメモリ・カードなどのポータブル・コンピュータ可読記憶媒体を含むことができる。本発明の実施形態を実施するために使用されるソフトウェアおよびデータ、例えば適応較正プログラム132を、このようなポータブル・コンピュータ可読記憶媒体に記憶することができ、I/Oインタフェース614を介して永続性記憶装置608にロードすることができる。I/Oインタフェース614はディスプレイ622にも接続する。
【0061】
ディスプレイ622は、ユーザに対してデータを表示する機構を提供し、例えばコンピュータ・モニタとすることができる。ディスプレイ622は、タブレット・コンピュータのディスプレイなどのようにタッチスクリーンとして機能することもできる。
【0062】
本明細書に記載されたプログラムは、本発明の特定の実施形態においてそれらのプログラムが実施されるアプリケーションに基づいて識別される。しかしながら、本明細書に記載された特定のプログラム名は単に便宜的に使用されているだけであること、したがって、本発明を、そのような名称によって識別もしくは暗示される特定のアプリケーションまたはそのような名称によって識別および暗示される特定のアプリケーションで使用することだけに限定すべきでないことを理解すべきである。
【0063】
本発明は、システム、方法もしくはコンピュータ・プログラム製品、またはこれらの組合せであることがある。コンピュータ・プログラム製品は、本発明の態様をプロセッサに実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令をその上に有するコンピュータ可読記憶媒体を含むことがある。
【0064】
このコンピュータ可読記憶媒体は、命令実行装置が使用するための命令を保持および記憶することができる有形の装置とすることができる。このコンピュータ可読記憶媒体は例えば、限定はされないが、電子記憶装置、磁気記憶装置、光記憶装置、電磁記憶装置、半導体記憶装置またはこれらの適当な組合せとすることができる。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストは、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリー・メモリ(ROM)、消去可能なプログラマブル・リード・オンリー・メモリ(EPROMまたはフラッシュ・メモリ)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、ポータブル・コンパクト・ディスク・リード・オンリー・メモリ(CD-ROM)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)、メモリ・スティック、フロッピー(R)・ディスク、機械的にコード化された装置、例えばパンチカードまたはその上に命令が記録された溝の中の一段高くなった構造体、およびこれらの適当な組合せを含む。本明細書で使用されるとき、コンピュータ可読記憶媒体は、それ自体が一過性の信号、例えば電波もしくは自由に伝搬する他の電磁波、ウェーブガイドもしくは他の伝送体内を伝搬する電磁波(例えば光ファイバ・ケーブル内を通る光パルス)、または電線を通して伝送される電気信号であると解釈されるべきではない。
【0065】
本明細書に記載されたコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体から対応するそれぞれのコンピューティング/処理装置にダウンロードすることができ、またはネットワーク、例えばインターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワークもしくは無線ネットワークまたはこれらの組合せを介して外部コンピュータもしくは外部記憶装置にダウンロードすることができる。このネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータもしくはエッジ・サーバ、またはこれらの組合せを含むことができる。それぞれのコンピューティング/処理装置内のネットワーク・アダプタ・カードまたはネットワーク・インタフェースは、コンピュータ可読プログラム命令をネットワークから受信し、それらのコンピュータ可読プログラム命令を、対応するそれぞれのコンピューティング/処理装置内のコンピュータ可読記憶媒体に記憶するために転送する。
【0066】
本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セット・アーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令もしくは状態設定データであってもよく、またはSmalltalk(R)、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同種のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組合せで書かれた、ソース・コードもしくはオブジェクト・コードであってもよい。このコンピュータ可読プログラム命令は、全体がユーザのコンピュータ上で実行されてもよく、一部がユーザのコンピュータ上で実行されてもよく、独立型ソフトウェア・パッケージとして実行されてもよく、一部がユーザのコンピュータ上で、一部がリモート・コンピュータ上で実行されてもよく、または全体がリモート・コンピュータもしくはリモート・サーバ上で実行されてもよい。上記の最後のシナリオでは、リモート・コンピュータが、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)もしくはワイド・エリア・ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、またはこの接続が、外部コンピュータに対して(例えばインターネット・サービス・プロバイダを使用してインターネットを介して)実施されてもよい。いくつかの実施形態では、本発明の態様を実施するために、例えばプログラム可能論理回路、フィールドプログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)またはプログラム可能論理アレイ(PLA)を含む電子回路が、このコンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用してその電子回路をパーソナライズすることにより、このコンピュータ可読プログラム命令を実行してもよい。
【0067】
本明細書では、本発明の態様が、本発明の実施形態による方法、装置(システム)およびコンピュータ・プログラム製品のフローチャートもしくはブロック図またはその両方の図を参照して説明される。それらのフローチャートもしくはブロック図またはその両方の図のそれぞれのブロック、およびそれらのフローチャートもしくはブロック図またはその両方の図のブロックの組合せは、コンピュータ可読プログラム命令によって実施することができることが理解される。
【0068】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータのプロセッサまたは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサによって実行される命令が、フローチャートもしくはブロック図またはその両方の図のブロックに指定された機能/操作を実施する手段を生成するような態様で、汎用コンピュータもしくは専用コンピュータのプロセッサ、または他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに提供されて、マシンを形成するものであってよい。これらのコンピュータ可読プログラム命令はさらに、命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体が、フローチャートもしくはブロック図またはその両方の図のブロックに指定された機能/操作の態様を実施する命令を含む製品を含むような態様で、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され、コンピュータ、プログラム可能データ処理装置もしくは他の装置またはこれらの組合せに特定の方式で機能するように指示することができるものであってもよい。
【0069】
これらのコンピュータ可読プログラム命令はさらに、コンピュータ、他のプログラム可能装置または他の装置上で実施される命令が、フローチャートもしくはブロック図またはその両方の図のブロックに指定された機能/操作を実施するような態様で、コンピュータによって実施されるプロセスを生み出すために、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置または他の装置上にロードされ、コンピュータ、他のプログラム可能装置または他の装置上で一連の動作ステップを実行させるものであってもよい。
【0070】
添付図中のフローチャートおよびブロック図は、本発明のさまざまな実施形態によるシステム、方法およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実施態様のアーキテクチャ、機能および動作を示す。この点に関して、それらのフローチャートまたはブロック図のそれぞれのブロックは、指定された論理機能を実施する1つまたは複数の実行可能命令を含む、命令のモジュール、セグメントまたは部分を表すことがある。いくつかの代替実施態様では、ブロックに示された機能を、図に示された順序とは異なる順序で実行することができる。例えば、連続して示された2つのブロックが、実際は、実質的に同時に実行されること、または含まれる機能によってはそれらのブロックが時に逆の順序で実行されることもある。それらのブロック図もしくはフローチャートまたはその両方の図のそれぞれのブロック、ならびにそれらのブロック図もしくはフローチャートまたはその両方の図のブロックの組合せを、指定された機能もしくは操作を実行しまたは専用ハードウェアとコンピュータ命令の組合せを実施するハードウェアベースの専用システムによって実施することができることにも留意すべきである。
【0071】
本発明のさまざまな実施形態の以上の説明は例示のために示したものであり、以上の説明が網羅的であること、または、以上の説明が、開示された実施形態だけに限定されることは意図されていない。当業者には、本発明の範囲および趣旨を逸脱しない多くの変更および変形が明らかとなろう。本明細書で使用した用語は、実施形態の原理、実用的用途、もしくは市販されている技術にはない技術的改善点を最もよく説明するように、または本明細書に開示された実施形態を当業者が理解できるように選択した。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実施方法であって、
1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、特定のテープ・ドライブ・タイプの書込み停止に対する再書込みの比率を決定するステップと、
テープ・ドライブ上での書込み動作中に1回または複数回の書込み停止を検出したことに応答して、前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、前記書込み動作中に検出された書込み停止の回数を前記テープ・ドライブ上に記憶するステップと、
前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、再書込み較正しきい値を決定するステップと、
前記テープ・ドライブ上でデータ書込み動作を実行している間に再書込みの第1の回数が前記再書込み較正しきい値を超えたことに応答して、前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、前記テープ・ドライブの較正を実行するステップと
を含むコンピュータ実施方法。
【請求項2】
前記再書込み較正しきい値を決定する前記ステップが、
前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、データ・セットを書き込んでいる間に検出された書込み停止の前記回数を取り出すこと、
前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、総書込み停止再書込みを計算することであり、前記総書込み停止再書込みが、データ・セットを書き込んでいる間に検出された書込み停止の前記回数に前記特定のテープ・ドライブ・タイプの書込み停止に対する再書込みの前記比率を乗じることによって計算される、前記計算すること、および
前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、前記総書込み停止再書込みを前記特定のテープ・ドライブ・タイプの較正基準値に加えること
をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項3】
前記特定のテープ・ドライブ・タイプの書込み停止に対する再書込みの前記比率を決定する前記ステップが、
前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、1つまたは複数のデータ・セットのそれぞれのデータ・セットに対する書込み停止によって引き起こされた再書込みの第2の回数を前記特定のテープ・ドライブ・タイプ上で測定すること、
前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、1つまたは複数のデータ・セットのそれぞれのデータ・セットに対する書込み停止の回数を前記特定のテープ・ドライブ・タイプ上で測定すること、および
前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、前記特定のテープ・ドライブ・タイプの書込み停止に対する再書込みの前記比率を計算することであり、前記特定のテープ・ドライブ・タイプの書込み停止に対する再書込みの前記比率が、前記1つまたは複数のデータ・セットのそれぞれのデータ・セットに対する書込み停止によって引き起こされた再書込みの前記第2の回数を前記1つまたは複数のデータ・セットのそれぞれのデータ・セットに対する書込み停止の前記回数で除することよって計算される、前記計算すること
をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項4】
書込み停止の前記回数が、前記テープ・ドライブの重要プロダクト・データに記憶される、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項5】
前記特定のテープ・ドライブ・タイプの書込み停止に対する再書込みの前記比率が、1つまたは複数の特定のテープ・ドライブ・タイプの特定のテープ・ドライブ・タイプごとに計算される、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか一項に記載のコンピュータ実施方法を、コンピュータ・プロセッサに実行させるためのプログラム。
【請求項7】
請求項1ないし5の何れか一項に記載のコンピュータ実施方法を実行するコンピュータ・プロセッサを備えたコンピュータ・システム。
【請求項8】
コンピュータ実施方法であって、
1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、テープ・ドライブの再書込み較正しきい値を決定するステップであり、前記再書込み較正しきい値が、前記テープ・ドライブ上での書込み停止に基づく再書込みの総回数および特定のテープ・ドライブ・タイプの較正基準値を含む、前記ステップと、
前記テープ・ドライブ上での書込み動作中に、書込み停止によって引き起こされた再書込み発生の回数が前記再書込み較正しきい値を超えたことに応答して、前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、前記テープ・ドライブの較正を実行するステップと
を含むコンピュータ実施方法。
【請求項9】
前記テープ・ドライブの前記再書込み較正しきい値を決定する前記ステップであり、前記再書込み較正しきい値が、前記テープ・ドライブ上での書込み停止に基づく再書込みの前記総回数および前記特定のテープ・ドライブ・タイプの前記較正基準値を含む、前記ステップが、
前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、1つまたは複数のデータ・セットのそれぞれのデータ・セットに対する再書込みの回数を前記特定のテープ・ドライブ・タイプ上で測定すること、
前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、1つまたは複数のデータ・セットのそれぞれのデータ・セットに対する書込み停止の回数を前記特定のテープ・ドライブ・タイプ上で測定すること、および
前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、前記特定のテープ・ドライブ・タイプの書込み停止に対する再書込みの比率を計算することであり、前記特定のテープ・ドライブ・タイプの書込み停止に対する再書込みの前記比率が、前記1つまたは複数のデータ・セットのそれぞれのデータ・セットに対する再書込みの前記回数を、前記1つまたは複数のデータ・セットのそれぞれのデータ・セットに対する書込み停止の前記回数で除することよって計算される、前記計算すること
をさらに含む、請求項8に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項10】
前記テープ・ドライブ上での前記書込み動作中に、書込み停止によって引き起こされた再書込み発生の前記回数が前記再書込み較正しきい値を超えたことに応答して、前記テープ・ドライブの前記較正を実行する前記ステップが、
前記テープ・ドライブ上での前記書込み動作中に前記書込み停止を検出したことに応答して、前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、前記書込み停止を、前記テープ・ドライブ上での書込み停止の総回数に加えること、
前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、書込み停止の前記総回数を前記テープ・ドライブから取り出すこと、
前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、書込み停止再書込みの総回数を決定することであり、書込み停止再書込みの前記総回数が、書込み停止の前記総回数に、前記特定のテープ・ドライブ・タイプの書込み停止に対する再書込みの前記比率を乗じることによって決定される、前記決定すること、および
前記テープ・ドライブ上でデータ書込み動作を実行している間に書込み停止再書込みの前記回数が前記再書込み較正しきい値を超えたことに応答して、前記1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって、前記テープ・ドライブの前記較正を実行すること
をさらに含む、請求項9に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項11】
前記テープ・ドライブ上でのそれぞれの書込み停止に対する再書込み発生の前記回数が、1つまたは複数のテープ・ドライブ・タイプのテープ・ドライブ・タイプごとに計算される、請求項8に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項12】
書込み停止の前記回数が、前記テープ・ドライブの重要プロダクト・データに記憶される、請求項8に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項13】
請求項8ないし12の何れか一項に記載のコンピュータ実施方法を、コンピュータ・プロセッサに実行させるためのプログラム。
【国際調査報告】