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特表2024-507084排出及び送達機能を提供するための二重ポンプ付き電動モータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】排出及び送達機能を提供するための二重ポンプ付き電動モータ
(51)【国際特許分類】
   F04C 11/00 20060101AFI20240208BHJP
   F04B 23/12 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
F04C11/00 B
F04B23/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546278
(86)(22)【出願日】2022-02-18
(85)【翻訳文提出日】2023-07-31
(86)【国際出願番号】 IB2022051472
(87)【国際公開番号】W WO2022180496
(87)【国際公開日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】63/153,984
(32)【優先日】2021-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516173429
【氏名又は名称】ジーエイチエスピー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】GHSP, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100096758
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100114845
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 雅和
(74)【代理人】
【識別番号】100148781
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 友和
(72)【発明者】
【氏名】ロシンスキー, リャン デイヴィッド
【テーマコード(参考)】
3H071
【Fターム(参考)】
3H071AA03
3H071BB02
3H071CC11
3H071CC32
3H071DD89
(57)【要約】
流体ポンプは、ハウジングを含む。送達部分は、ハウジング内に配設された送達ポンプ要素を含む。戻り部分は、ハウジング内に配設された戻りポンプ要素を含む。モータは、駆動シャフトを介して送達ポンプ要素及び戻りポンプ要素を駆動するハウジング内に配設されている。送達部分は、貯留部から駆動ユニットに流体を送達するように構成されている。戻りポンプ要素は、駆動ユニットの収集アセンブリから貯留部に流体を送達するように構成されている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体ポンプであって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に配設された送達ポンプ要素を有する送達部分と、
前記ハウジング内に配設された戻りポンプ要素を有する戻り部分と、
駆動シャフトを介して前記送達ポンプ要素及び前記戻りポンプ要素を駆動する、前記ハウジング内に配設されたモータと、を備え、前記送達部分が、貯留部から駆動ユニットに流体を送達するように構成されており、前記戻りポンプ要素が、前記駆動ユニットの収集アセンブリから前記貯留部に前記流体を送達するように構成されている、流体ポンプ。
【請求項2】
前記モータが、ステータと、前記ステータと電磁通信するロータとを含み、前記駆動シャフトが、前記ロータから、前記送達ポンプ要素及び前記戻りポンプ要素の各々に延びている、請求項1に記載の流体ポンプ。
【請求項3】
前記モータの動作が、前記貯留部と、前記駆動ユニットと、前記収集アセンブリとの間前記流体を送達するように、前記送達ポンプ要素及び前記戻りポンプ要素を同時に動作させる、請求項1又は2に記載の流体ポンプ。
【請求項4】
前記送達ポンプ要素が、生成ロータである、請求項1~3のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項5】
前記収集アセンブリが、複数の収集部を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項6】
前記戻りポンプ要素が、偏心ポンプ室内に位置付けられている羽根ポンプである、請求項1~5のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項7】
前記偏心ポンプ室が、前記収集アセンブリの各収集部と連通している専用戻り入口を含む、請求項6に記載の流体ポンプ。
【請求項8】
前記収集アセンブリが、第1の収集部及び第2の収集部を含み、前記偏心ポンプ室が、前記第1の収集部と連通している第1の戻り入口、及び前記第2の収集部と連通している第2の戻り入口を含む、請求項6又は7に記載の流体ポンプ。
【請求項9】
前記偏心ポンプ室が、前記貯留部と連通している戻り出口につながる対向する出口ポートを含む、請求項5~8のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項10】
前記羽根ポンプが、回転部材と、複数の動作可能なポンプ空洞を画定するように前記回転部材から前記偏心ポンプ室の壁まで延びる複数の外方に付勢されるフィンと、を含む、請求項5~9のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項11】
前記送達ポンプ要素が、送達入口及び送達出口を含み、前記送達入口及び前記送達出口が、前記ハウジングの外壁内に画定されており、前記送達入口及び前記送達出口が、ガスケットによって分離されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項12】
前記ハウジングがマニホールド内に位置付けられており、前記ハウジングの外壁上の少なくとも1つのガスケットが、前記送達部分を前記戻り部分から分離するように前記マニホールドと協働する、請求項1~11のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項13】
前記複数のガスケットが、前記戻り部分の前記第1の戻り入口及び前記第2の戻り入口を前記戻り部分の前記戻り出口から分離するばねシールを含む、請求項12に記載の流体ポンプ。
【請求項14】
前記ハウジングの前記戻り部分の少なくとも一部が、前記ハウジングの端面内に画定されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項15】
前記ハウジングが、前記モータをモータ空洞内に固定するモータハウジングを含み、かつまた、前記モータを動作させるコントローラを有するプリント回路基板を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項16】
前記ハウジングが、前記ハウジングの前記送達部分を画定するように協働するポンプ本体及びポーティングハウジングを含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項17】
前記ハウジングが、前記ハウジングの前記戻り部分を画定するように前記ポーティングハウジングと協働する偏心リング及びポンプカバーを含む、請求項16に記載の流体ポンプ。
【請求項18】
前記戻りポンプ要素が、遊び歯車と噛合う駆動歯車を含む歯車ポンプである、請求項1~4のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項19】
前記駆動歯車及び前記遊び歯車が、略レムニスケート外形を有するポンプ室内に位置付けられている、請求項18に記載の流体ポンプ。
【請求項20】
前記ハウジングが、前記送達部分及び前記戻り部分の各々を画定するポーティングハウジングを含み、前記ハウジングが、前記戻り部分を画定するポンプカバーを含む、請求項18又は19に記載の流体ポンプ。
【請求項21】
前記戻り部分及び前記送達部分が各々、前記ポンプカバーを通して流体を送達する、請求項18~20のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項22】
流体ポンプであって、
モータ部分と、送達部分と、戻り部分とを有するハウジングと、
前記モータ部分内に配設されたモータであって、前記モータから前記送達部分及び前記戻り部分を通って延びる駆動シャフトに動作可能に結合されている、モータと、
前記送達部分内に配設され、前記駆動シャフトと結合された送達ポンプ要素と、
前記ハウジングの前記戻り部分内に配設され、前記駆動シャフトと結合された戻りポンプ要素と、を備え、前記モータの動作が、前記駆動シャフトを介して前記送達ポンプ要素及び前記戻りポンプ要素を駆動し、前記送達ポンプ要素が、貯留部から駆動ユニットに流体を送達するように構成されており、前記戻りポンプ要素が、前記駆動ユニットの第1の収集部及び第2の収集部から前記貯留部に前記流体を送達するように構成されている、流体ポンプ。
【請求項23】
前記モータが、ステータと、前記ステータと電磁通信するロータとを含み、前記駆動シャフトが、前記ロータから、前記送達ポンプ要素及び前記戻りポンプ要素の各々に延びている、請求項22に記載の流体ポンプ。
【請求項24】
前記モータの動作が、前記貯留部と、前記駆動ユニットと、前記収集アセンブリとの間で前記流体を送達するように、前記送達ポンプ要素及び前記戻りポンプ要素を同時に動作させる、請求項22又は23に記載の流体ポンプ。
【請求項25】
前記送達ポンプ要素が、生成ロータである、請求項22~24のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項26】
前記収集アセンブリが、複数の収集部を含む、請求項22~25のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項27】
前記戻りポンプ要素が、偏心ポンプ室内に位置付けられている羽根ポンプである、請求項22~26のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項28】
前記偏心ポンプ室が、前記収集アセンブリの各収集部からの専用戻り入口を含む、請求項27に記載の流体ポンプ。
【請求項29】
前記収集アセンブリが、第1の収集部及び第2の収集部を含み、前記偏心ポンプ室が、前記第1の収集部と連通している第1の戻り入口、及び前記第2の収集部と連通している第2の戻り入口を含む、請求項27又は28に記載の流体ポンプ。
【請求項30】
前記偏心ポンプ室が、前記貯留部と連通している戻り出口につながる対向する出口ポートを含む、請求項26~29のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項31】
前記羽根ポンプが、回転部材と、複数の動作可能なポンプ空洞を画定するように前記回転部材から前記偏心ポンプ室の壁まで延びる複数の外方に付勢されるフィンと、を含む、請求項26~30のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項32】
前記送達ポンプ要素が、送達入口及び送達出口を含み、前記送達入口及び前記送達出口が、前記ハウジングの外壁内に画定されており、前記送達入口及び前記送達出口が、ガスケットによって分離されている、請求項22~31のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項33】
前記ハウジングがマニホールド内に位置付けられており、前記ハウジングの外壁上の少なくとも1つのガスケットが、前記送達部分を前記戻り部分から分離するように前記マニホールドと協働する、請求項22~32のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項34】
前記複数のガスケットが、前記戻り部分の前記第1の戻り入口及び前記第2の戻り入口を前記戻り部分の前記戻り出口から分離するばねシールを含む、請求項33に記載の流体ポンプ。
【請求項35】
前記ハウジングの前記戻り部分の少なくとも一部が、前記ハウジングの端面内で画定されている、請求項22~34のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項36】
前記ハウジングが、前記モータをモータ空洞内に固定するモータハウジングを含み、かつまた、前記モータを動作させるコントローラを有するプリント回路基板を含む、請求項22~35のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項37】
前記ハウジングが、前記ハウジングの前記送達部分を画定するように協働するポンプ本体及びポーティングハウジングを含む、請求項22~36のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項38】
前記ハウジングが、前記ハウジングの前記戻り部分を画定するように前記ポーティングハウジングと協働する偏心リング及びポンプカバーを含む、請求項37に記載の流体ポンプ。
【請求項39】
流体ポンプであって、
モータ部分、送達ポンプ要素、及び戻りポンプ要素と、
前記モータから前記送達ポンプ要素及び前記戻りポンプ要素の各々に延びる駆動シャフトと、を備え、前記モータ、前記駆動シャフト、前記送達ポンプ要素、及び前記戻りポンプ要素が、ハウジング内に収容されており、
前記モータの動作が、前記駆動シャフトを介して前記送達ポンプ要素及び前記戻りポンプ要素を同時に駆動し、
前記送達ポンプ要素が、貯留部から駆動ユニットに流体を送達するように構成されており、
前記戻りポンプ要素が、前記駆動ユニットの収集アセンブリから前記貯留部に前記流体を送達するように構成されている、流体ポンプ。
【請求項40】
前記モータが、ステータと、前記ステータと電磁通信するロータとを含み、前記駆動シャフトが、前記ロータから、前記送達ポンプ要素及び前記戻りポンプ要素の各々に延びている、請求項39に記載の流体ポンプ。
【請求項41】
前記モータの動作が、前記貯留部と、前記駆動ユニットと、前記収集アセンブリとの間で前記流体を送達するように、前記送達ポンプ要素及び前記戻りポンプ要素を同時に動作させる、請求項39又は40に記載の流体ポンプ。
【請求項42】
前記送達ポンプ要素が、生成ロータである、請求項39~41のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項43】
前記収集アセンブリが、複数の収集部を含む、請求項39~42のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項44】
前記戻りポンプ要素が、偏心ポンプ室内に位置付けられている羽根ポンプである、請求項39~43のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項45】
前記偏心ポンプ室が、前記収集アセンブリの各収集部への専用戻り入口を含む、請求項44に記載の流体ポンプ。
【請求項46】
前記収集アセンブリが、第1の収集部及び第2の収集部を含み、前記偏心ポンプ室が、前記第1の収集部と連通している第1の戻り入口、及び前記第2の収集部と連通している第2の戻り入口を含む、請求項44又は45に記載の流体ポンプ。
【請求項47】
前記偏心ポンプ室が、前記貯留部と連通している戻り出口につながる対向する出口ポートを含む、請求項43~46のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項48】
前記羽根ポンプが、回転部材と、複数の動作可能なポンプ空洞を画定するように前記回転部材から前記偏心ポンプ室の壁に延びる複数の外方に付勢されるフィンと、を含む、請求項43~47のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項49】
前記送達ポンプ要素が、送達入口及び送達出口を含み、前記送達入口及び前記送達出口が、前記ハウジングの外壁内に画定されており、前記送達入口及び前記送達出口が、ガスケットによって分離されている、請求項39~48のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項50】
前記ハウジングがマニホールド内に位置付けられており、前記ハウジングの外壁上の少なくとも1つのガスケットが、前記送達ポンプ要素を有する送達部分を前記戻りポンプ要素を有する戻り部分から分離するように、前記マニホールドと協働する、請求項39~49のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項51】
前記複数のガスケットが、前記戻り部分の前記第1の戻り入口及び前記第2の戻り入口を前記戻り部分の前記戻り出口から分離するばねシールを含む、請求項50に記載の流体ポンプ。
【請求項52】
前記ハウジングの前記戻り部分の少なくとも一部が、前記ハウジングの端面内で画定されている、請求項50又は51に記載の流体ポンプ。
【請求項53】
前記ハウジングが、前記モータをモータ空洞内に固定するモータハウジングを含み、かつまた、前記モータを動作させるコントローラを有するプリント回路基板を含む、請求項39~52のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項54】
前記ハウジングが、前記ハウジングの前記送達部分を画定するように協働するポンプ本体及びポーティングハウジングを含む、請求項50~53のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項55】
前記ハウジングが、前記ハウジングの前記戻り部分を画定するように前記ポーティングハウジングと協働する偏心リング及びポンプカバーを含む、請求項54に記載の流体ポンプ。
【請求項56】
前記戻りポンプ要素が、遊び歯車と噛合う駆動歯車を含む歯車ポンプである、請求項39~42のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項57】
前記駆動歯車及び前記遊び歯車が、略レムニスケート外形を有するポンプ室内に位置付けられている、請求項56に記載の流体ポンプ。
【請求項58】
前記ハウジングが、前記送達ポンプ要素及び前記戻りポンプ要素の各々を画定するポーティングハウジングを含み、前記ハウジングが、前記戻りポンプ要素を画定するポンプカバーを含む、請求項56又は57に記載の流体ポンプ。
【請求項59】
前記戻りポンプ要素及び前記送達ポンプ要素が各々、前記ポンプカバーを通って流体を送達する、請求項56~58のいずれか一項に記載の流体ポンプ。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、流体ポンプ、より具体的には、1つ以上の収集部から貯留部に流体を排出し、また貯留部から機械的構成要素に流体を送達するために使用され得る二重モータ流体ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
機械的アセンブリ内では、流体は典型的には、アセンブリ内で潤滑及び冷却機能を提供するために使用される。流体ポンプは、この流体を貯留部から別個の場所に送達して、所望の機能を提供するために使用され得る。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一態様によれば、流体ポンプは、ハウジングを含む。送達部分は、ハウジング内に配設された送達ポンプ要素を含む。戻り部分は、ハウジング内に配設された戻りポンプ要素を含む。モータは、駆動シャフトを介して送達ポンプ要素及び戻りポンプ要素を駆動するハウジング内に配設されている。送達部分は、貯留部から駆動ユニットに流体を送達するように構成されている。戻りポンプ要素は、駆動ユニットの収集アセンブリから貯留部に流体を送達するように構成されている。
【0004】
本発明の別の態様によれば、流体ポンプは、モータ部分、送達部分、及び戻り部分を有するハウジングを含む。モータは、モータ部分内に配設されている。モータは、モータから、送達部分及び戻り部分を通って延びる駆動シャフトに動作可能に結合されている。送達ポンプ要素は、送達部分内に配設され、駆動シャフトと結合されている。戻りポンプ要素は、ハウジングの戻り部分内に配設され、駆動シャフトと結合されている。モータの動作は、駆動シャフトを介して送達ポンプ要素及び戻りポンプ要素を駆動する。送達ポンプ要素は、貯留部から駆動ユニットに流体を送達するように構成されている。戻りポンプ要素は、駆動ユニットの第1の収集部及び第2の収集部から貯留部に流体を送達するように構成されている。
【0005】
本発明の別の態様によれば、流体ポンプは、モータ部分、送達ポンプ要素、及び戻りポンプ要素を含む。駆動シャフトは、モータから送達ポンプ要素及び戻りポンプ要素の各々に延びる。モータ、駆動シャフト、送達ポンプ要素、及び戻りポンプ要素は、ハウジング内に収容されている。モータの動作は、駆動シャフトを介して、送達ポンプ要素及び戻りポンプ要素を同時に駆動する。送達ポンプ要素は、貯留部から駆動ユニットに流体を送達するように構成されている。戻りポンプ要素は、駆動ユニットの収集アセンブリから貯留部に流体を送達するように構成されている。
【0006】
本発明のこれらの及び他の態様、目的、及び特徴は、以下の明細書、特許請求の範囲、及び添付図面を研究すれば、当業者によって理解及び認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】流体ポンプの態様の側面斜視図。
図2図1の流体ポンプの別の斜視図。
図3図1の流体ポンプの端面立面図。
図4図2の流体ポンプの側面立面図。
図5図1の流体ポンプの側面立面図。
図6】線VI-VIに沿ってとられた、図3の流体ポンプの断面図。
図7】線VII-VIIに沿ってとられた、図3の流体ポンプの断面図。
図8図2の流体ポンプの分解斜視図。
図9】線IX-IXに沿ってとられ、戻りポンプ要素の態様を示す、図5の流体ポンプの断面図。
図10】線X-Xに沿ってとられ、送達ポンプ要素の態様を示す、図5の流体ポンプの断面図。
図11図1の流体ポンプの態様を使用して、流体経路を通る流体の流れを示す概略図。
図12】流体ポンプの態様の側面斜視図。
図13図12の流体ポンプの端面立面図。
図14図12の流体ポンプの送達及び戻り部分の分解斜視図。
図15】線XV-XVに沿ってとられた、図13の流体ポンプの断面図。
図16】線XVI-XVIに沿ってとられた、図13の流体ポンプの断面図。
図17】線XVII-XVIIに沿ってとられ、戻りポンプ要素の態様を示す、図12の流体ポンプの断面図。
図18】線XVIII-XVIIIに沿ってとられ、戻りポンプ要素の態様を示す、図12の流体ポンプの断面図。
【0008】
好ましい実施形態の詳細な説明
本開示の追加の特徴及び利点は、以下の詳細な説明に記載され、説明から当業者に明らかになるか、又は特許請求の範囲及び添付図面とともに、以下の説明に記載されるように本発明を実施することによって認識されるであろう。
【0009】
本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語は、2つ以上の項目のリストにおいて使用されるとき、列記された項目のうちのいずれか1つを単独で採用することができること、又は列記された項目のうちの2つ以上の任意の組み合わせを採用することができることを意味する。例えば、組成物が構成要素A、B、及び/又はCを含むものとして記載されている場合、該組成物は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBの組み合わせ、A及びCの組み合わせ、B及びCの組み合わせ、又はA、B、及びCの組み合わせを含むことができる。
【0010】
本文書では、第1及び第2、頂部及び底部などの関係語は、必ずしもそのようなエンティティ又はアクションの間のそのようないかなる実際の関係又は順序も必要とすることなく、又は暗示することなく、1つのエンティティ又はアクションと別のエンティティ又はアクションとを区別するためにのみ使用される。
【0011】
本開示の目的で、(結合する(couple)、結合している(coupling)、結合された(coupled)、などの全ての形態の)「結合された(coupled)」という用語は、概して、2つの構成要素(電気的又は機械的)を、直接的又は間接的に互いに接合することを意味する。そのような接合は、本質的に固定的又は移動可能であり得る。そのような接合は、2つの構成要素(電気的若しくは機械的)及び/又は任意の追加の中間部材によって達成され得る。そのような接合は、互いに単一のまとまった本体として一体的に形成される(すなわち、一体的に結合される)部材を含み得るか、又は2つの構成要素の接合を指し得る。そのような接合は、本質的に恒久的であり得るか、又は別途指示がない限り、本質的に取り外し可能若しくは解放可能であり得る。
【0012】
本明細書で使用されるとき、「実質的な」、「実質的に」という用語、及びそれらの変形形態は、説明された特徴が、値又は説明と等しい又はほぼ等しいことに注目することを意図する。例えば、「実質的に平面状の」表面は、平面状であるかほぼ平面状である表面を表すことを意図する。更に、「実質的に」は、2つの値が等しいかほぼ等しいことを表すことを意図する。いくつかの実施形態では、「実質的に」は、互いに約5%以内又は互いに約2%以内などの、互いに約10%以内の値を表し得る。
【0013】
本明細書で使用されるとき、「the」、「a」、又は「an」という用語は、「少なくとも1つ」を意味し、反対のことが明示的に示されていない限り、「1つのみ」に限定されるべきではない。したがって、例えば「ある構成要素(a component)」に対する参照は、別途文脈が明確に示していない限り、2つ以上のそのような構成要素を有する実施形態が含まれる。
【0014】
図1図18に例示されるように、参照番号10は、概して、1つの収集部16又は複数の収集部16を含むことができる収集アセンブリ15から、貯留部18に、次に貯留部18から、収集アセンブリ15を含む駆動ユニット12に、流体14を送達するために、駆動ユニット12などの機械的アセンブリ内に組み込まれる流体ポンプを指す。流体ポンプ10は、駆動ユニット12のための油圧システム20などの流体回路内の様々な構成要素間で、流体14を移動させる複数のポンプ要素を含む。デバイスの様々な態様によれば、流体ポンプ10は、流体ポンプ10を形成するように一緒に取り付けられた複数の構成要素からなるハウジング22を含む。流体ポンプ10の送達部分24は、ハウジング22内に配設された送達ポンプ要素26を含む。流体ポンプ10の戻り部分28は、ハウジング22内にも配設された戻りポンプ要素30を含む。モータ32は、ハウジング22内に配設されており、典型的には、駆動シャフト34を介して、送達ポンプ要素26及び戻りポンプ要素30を同時に駆動する。送達部分24は、貯留部18から駆動ユニット12に流体14を送達するように構成されている。戻りポンプ要素30は、駆動ユニット12の収集部16のうちの少なくとも1つから貯留部18に流体14を送達するように構成されており、流体14は、次に送達ポンプ要素26を使用して送達され得る。
【0015】
図1図18を参照すると、流体ポンプ10を使用して冷却又は潤滑される駆動ユニット12は、特定の用途、典型的には車両用途内のトランスミッション又は他の同様の機械的アセンブリの形態であり得る。送達部分24及び戻り部分28を有する流体ポンプ10の使用は、システムが駆動ユニット12において流体14の所望のレベルを維持することを可能にする。その時点で駆動ユニット12内に必要とされない可能性がある流体14は、後で油圧システム20全体を再循環するために、貯留部18内に一時的に維持又は保管され得る。駆動ユニット12内に所望のレベルの流体14を維持することによって、駆動ユニット12内の流体抗力が最小化され、駆動ユニット12は、駆動ユニット12の収集部16内のより少ない量の流体14の必要性に対処するために、より小さい全体サイズを有するか、又はより低いプロファイルを有することができる。
【0016】
流体ポンプ10は、送達ポンプ要素26及び戻りポンプ要素30の各々を制御するために、単一のモータ32を利用する。送達及び戻りポンプ要素26、30は、流体ポンプ10内にコンパクトなパッケージ及び軽量化を提供するように一緒に一体化される。本明細書で考察されるように、モータ32は、駆動シャフト34を介して、送達及び戻りポンプ要素26、30の各々を同時に又は同時期に動作させるように構成されている。
【0017】
図1図18を再び参照すると、送達ポンプ要素26及び戻りポンプ要素30を駆動するモータ32は、ステータ38と電磁通信するロータ40を有する電気モータ32であり得る。ステータ38の通電巻線42は、回転軸44の周りでロータ40を回転させる。ロータ40は、流体ポンプ10のためのハウジング22を通って延びる駆動シャフト34に取り付けられる。この駆動シャフト34は、ハウジング22の送達部分24及び戻り部分28を通って延びる。このようにして、駆動シャフト34は、流体ポンプ10内でこれらのポンプ要素の各々を動作させるように、送達ポンプ要素26及び戻りポンプ要素30の各々と係合する。加えて、モータ32が動作するとき、送達ポンプ要素26及び戻りポンプ要素30の各々は、油圧システム20を通して、したがって収集アセンブリ15を含む駆動ユニット12と貯留部18との間で流体14を送達するように同時に動作する。
【0018】
図6図18を再び参照すると、駆動ユニット12内の流体14は、駆動ユニット12のための収集アセンブリ15の各々内に集まる。第1及び第2の収集部50、52が図11内に示されているが、単一の収集部16又は複数の収集部16が、特定の駆動ユニット12の収集アセンブリ15内に含まれ得ることが企図される。複数の収集部16が収集アセンブリ15内に含まれる場合、流体ポンプ10は、駆動ユニット12の各それぞれの収集部16に対して別個の専用戻り入口54を含むことができる。流体ポンプ10のためのモータ32が作動するとき、戻りポンプ要素30は、駆動シャフト34の動作を通じて回転する。
【0019】
ここで図1図10を参照すると、戻りポンプ要素30は、偏心ポンプ室62内で動作する羽根ポンプ60の形態であり得ることが企図される。羽根ポンプ60は、遠心力66に従ってモータ32の動作中に回転部材58から外方に付勢される、複数の半径方向に動作可能かつ外方に付勢されるフィン64を有する回転部材58を含む。この遠心力66は、羽根ポンプ60のフィン64に偏心ポンプ室62の内壁68と係合させ、それによって複数の動作可能なポンプ空洞70を画定する。戻りポンプ要素30が回転すると、これらの動作可能なポンプ空洞70は、回転部材58の円筒形状と偏心ポンプ室62の内壁68の楕円形状との間に形成される。この構成は、ポンプ空洞70を、偏心ポンプ室62の内壁68の偏心形状とともに拡張及び収縮させる。個々のポンプ空洞70の膨張及び収縮は、膨張ポンプ空洞74への吸引72及び収縮ポンプ空洞78からの放出76の形態で圧力差を生成する。ポンプ空洞70内の圧力のこれらの変化は、流体14が戻りポンプ要素30内に引き込まれ、戻りポンプ要素30から押し出されるようにする。重ねて、様々なポンプ空洞70の拡張及び収縮は、戻りポンプ要素30が動作する偏心ポンプ空洞74の偏心形状によって引き起こされる。デバイスの特定の態様では、半径方向に動作可能かつ外方に付勢されるフィン64は、フィン64を外方向に付勢し、偏心ポンプ室62の内壁68と係合して動作可能なポンプ空洞70を画定する、付勢部材を含むことができる。
【0020】
図1図11に例示されるように、流体ポンプ10は、一般に排出入口と称される、第1の戻り入口55及び第2の戻り入口57などの2つの戻り入口54を含む。第1及び第2の戻り入口55、57は、第1及び第2の収集部50、52のうちの少なくとも一方、典型的には両方から流体14を引き出すように、戻りポンプ要素30と協働する。戻りポンプ要素30の動作は、この流体14を、第1及び第2の収集部50、52のうちの一方又は両方から、それぞれの第1及び第2の戻り入口55、57及び入口ポート90を介して、偏心ポンプ室62を通して偏心ポンプ室62内に移動させる。次に、戻りポンプ要素30は、偏心ポンプ室62の対向する出口ポート92を介して、貯留部18に向かって流体14を移動させるように動作する。次に、流体14は、以下でより完全に記載されるように、流体ポンプ10の他の構成要素によって更に再循環するために貯留部18内に集められる。
【0021】
図3図11を再び参照すると、戻り入口54は各々、駆動ユニット12の対応する収集部16から延び、戻りポンプ要素30のための入口ポート90を介して、偏心ポンプ室62内に延びる。対応する出口ポート92は、偏心ポンプ室62の対向する側から貯留部18に向かって延びる。対向する出口ポート92は、単一の戻り出口100が偏心ポンプ室62から貯留部18に向かって流体14を送達するために使用されるように、一緒に合流し、流体ポンプ10の戻り部分28内で結合するように構成され得る。戻り入口54、入口ポート90、出口ポート92、及び戻り出口100を作る戻りチャネル102は、戻り部分28内に画定され得る。典型的には、これらのチャネルは、ポンプカバー104、偏心リング106、及び流体ポンプ10のポーティングハウジング108内に画定されている。この構成を使用して、戻りポンプ要素30は、貯留部18への送達のために、駆動ユニット12のために、第1及び第2の収集部50、52のいずれか又は第1及び第2の収集部50、52の両方から流体14を引き出すことができる。したがって、収集アセンブリ15の任意の1つの収集部16又は複数の収集部16内の流体14の集まりは、流体14が偏心ポンプ室62に引き込まれることをもたらすであろう。
【0022】
図3図11を再び参照すると、一対の戻り入口54と単一の戻り出口100との間の流体経路は、ポンプカバー104と流体ポンプ10を受け取るマニホールド176との間に画定され得る。戻り入口54は、ポンプカバー104の端面118とマニホールド176との間に画定される戻り流れ空間116にまたがる1つのガスケット又は複数のガスケット、例えばそれぞれのばねシール114を含むことができる。戻り出口100は、この戻り流れ空間116と連通することができる。例示的な動作では、本明細書に記載されるように、第1及び第2の収集部50、52からの流体14は、ばねシール114を通って移動し、流れ空間116から分離され、次に、入口ポート90を介して戻りポンプ要素30を通って偏心ポンプ室62に入る。次いで、流体14は、対向する出口ポート92を介して偏心ポンプ室62から移動し、戻り流れ空間116内に入る。流体14は、羽根ポンプ60及び収縮ポンプ空洞78の動作を通じて、偏心ポンプ室62から及び戻り流れ空間116を通って押し出される。この放出部76は、単一の戻り出口100を通して貯留部18に向かって流体14を押し出す。この構成を通じて、2つの戻り入口54及び戻りポンプ要素30は、単一の戻り出口100に向かって流体14の一貫した流れを提供する。
【0023】
特定の例では、収集部16のうちの1つは乾燥していてもよく、他の収集部16は一定量の流体14を含んでもよい。そのような例では、戻りポンプ要素30は、流体14を貯留部18に送達するために、流体ポンプ10の戻り部分28を通して十分な流体14を提供することができる。この構成を通じて、流体14の一貫した供給は、油圧システム20を通して後で再循環するために、収集部16(第1及び第2の収集部50、52のうちの一方又は両方)から貯留部18に送達され得る。
【0024】
図6及び図7を参照すると、戻りポンプ要素30は、流体ポンプ10の偏心リング106内に画定される偏心ポンプ室62内に位置付けられ得る。偏心リング106は、戻り入口54の各々を含むポンプカバー104と戻り出口100との間に挟まれている。本明細書で考察されるように、流体14は、それぞれ、戻り入口54を介して収集部16から戻りポンプ要素30に送達され、戻り出口100を介して戻りポンプ要素30から貯留部18に向かって送達される。ポーティングハウジング108は、ポンプカバー104から偏心リング106の反対側に位置付けられる。このポーティングハウジング108は、偏心ポンプ室62内で使用される羽根ポンプ60に対する流体14の吸引部72及び放出部76を補助するための流れ空洞110を含むことができる。ポーティングハウジング108内の流れ空洞110は、戻りポンプ要素30に面して偏心ポンプ室62を部分的に画定する、ポーティングハウジング108の戻り面112内に画定され得る。重ねて、これらの流動空洞110は、入口ポート90を通して流体14を引き出すのを補助するだけでなく、対向する出口ポート92を通して及び貯留部18に向かって流体14を押し出すのを補助するために使用され得る。
【0025】
図1図18を再び参照すると、流体ポンプ10の送達部分24は、流体14を貯留部18から引き出し、この流体14を、送達ポンプ要素26を通して及び収集アセンブリ15を有する駆動ユニット12に向かって移動させる、送達ポンプ要素26を含む。典型的には、流体ポンプ10の送達部分24は、貯留部18から流体14を受け取る単一の送達入口120と、駆動ユニット12に向かって流体14を送達する単一の送達出口122と、を含むことになる。
【0026】
図1図11に例示されるように、流体ポンプ10の戻り部分28は、対応する各収集部16からそれぞれ流体14を受け取る2つの専用排出又は専用戻り入口54を含むことができる。この異なる数の送達部分24内の送達入口120及び戻り部分28内の戻り入口54は、収集アセンブリ15の第1及び第2の収集部50、52のうちの少なくとも1つから流体14を引き出すための戻りポンプ要素30の増加した容量を通して考慮される。戻り部分28は、戻りポンプ要素30において増加した容量を含むが、戻りポンプ要素30は、典型的には、戻りポンプ要素30の最大流量よりも少ない量の流体14を送達する。典型的な動作条件下では、戻りポンプ要素30は、送達ポンプ要素26の容量と同様、又は実質的に同様の量の流体14を戻すことになる。
【0027】
加えて、第1及び第2の収集部50、52のうちの一方が乾燥しており、流体14の全て又は実質的に全てが第1及び第2の収集部50、52のうちの他方にある状態では、戻り部分28の単一の戻り入口54の容量は、送達部分24の送達ポンプ要素26の容量に一致するのに十分な容量を有する。典型的には、起動条件では、第1及び第2の収集部50、52は各々、戻り部分28が最大容量で動作することを可能にする十分な量の流体14を含み得る。
【0028】
限定ではなく、例として、送達ポンプ要素26が1回転当たり4立方センチメートルの容量を含む場合、戻りポンプ要素30は、1回転当たり8立方センチメートルの容量を含むことができることが企図される。重ねて、典型的な動作条件下では、戻りポンプ要素30は、送達ポンプ要素26によって駆動ユニット12に送達されるのと同じ又は類似の量の流体14を貯留部18に戻す。本明細書で考察されるように、戻り流体ポンプ10の増加した容量は、第1及び第2の収集部50、52のうちの一方が乾燥しており、第1及び第2の収集部50、52のうちの他方がより多くの量の流体14を含み得る状況を説明する。そのような状態では、ある期間、貯留部18に戻された流体14の全てが、戻り入口54のうちの1つのみを通って移動させられ、戻り流体ポンプ10の動作可能なポンプ空洞70の半分だけが、流体14が第1及び第2の収集部50、52の他の収集部16内に集まることを可能にするまで、流体14の吸引部72及び放出部76を生成する。重ねて、この構成は、流体14の一貫した流れが、所望に応じて適切な冷却及び潤滑機能を提供するために、第1及び第2の収集部50、52の一方又は両方から貯留部18に、及び貯留部18から駆動ユニット12に移動されることを確実にする。
【0029】
図6図18を再び参照すると、送達ポンプ要素26は、ポンプ本体132内に着座している、ジェロータと称されることもある生成ロータ130の形態であり得る。生成ロータ130は、流体ポンプ10の回転軸44に沿って回転する内側歯車134を含む。外側偏心歯136は、内側歯車134が回転するにつれて、流体ポンプ10の送達部分24を通して流体14を送達するための一連の流体室138が形成されるように、オフセット構成でポンプ本体132内に配置される。生成ロータ130が回転すると、様々な流体室138は、流体14を貯留部18から引き出し、次に、この流体14を駆動ユニット12に向かって押すように動作する。流体14が駆動ユニット12に向かって押されると、流体14は、様々な構成要素を潤滑及び冷却し、次に、流体ポンプ10の戻り部分28内の戻りポンプ要素30を使用して流体ポンプ10に再循環して戻されるように収集アセンブリ15に向かって落ちる。
【0030】
図4図10を再び参照すると、流体ポンプ10の特定の実施形態では、送達入口120は、ポーティングシール150の形態で、ガスケットの一方の側にポーティングハウジング108内に位置付けられる。送達出口122はまた、典型的には、ポーティングシール150の反対側に、ポーティングハウジング108内に位置付けられる。流体14は、貯留部18から送達部分24に移動し、ハウジング22の外壁80内の送達入口120に入り、生成ロータ130を通って移動し、ポーティングハウジング108内などのハウジング22の外壁80内に画定された1つ以上の送達チャネル152を介して、駆動ユニット12に送達される。送達チャネル152から、流体14は、ポーティングハウジング108内などのハウジング22の外壁80内に画定することもできる送達出口122を出る。
【0031】
図1図18の例示的な構成では、ポーティングハウジング108は、流体ポンプ10の送達部分24及び流体ポンプ10の戻り部分28の各々の一部分を画定するが、送達及び戻り部分24、28の代替的な配置及び構成は可能である。Oリング154及びばねシール114などの様々なガスケットは、流体ポンプ10の位置に位置付けられ、送達部分24を通って移動する流体14と、流体ポンプ10の戻り部分28を通って移動する流体14との分離を維持する。
【0032】
図1図18を再び参照すると、流体ポンプ10は、モータ32のためのステータ38を取り囲むモータ空洞168を画定するオーバーモールドを含むモータ部分又はモータハウジング160を含み、また、ステータ38に対するロータ40の回転動作を可能にする。モータハウジング160は、プリント回路基板(PCB)162と、モータ32に電力を送達するために、また動作中に流体ポンプ10の構成要素との間でデータを通信するために利用され得る様々な電気接続と、を含むことができる。モータ32は、コントローラ164が、駆動ユニット12の流体流れの必要性に応じて、モータ32の速度を増加又は減少させるために利用され得るように、可変速度モータ32の形態であり得ることが企図される。モータ32が停止するときなどの特定の条件では、流体14がトランスミッションを通して循環される必要がないように、トランスミッションは使用されていない場合がある。そのような例では、流体ポンプ10を一時的に停止させることができる。モータハウジング160内のPCB162は、流体ポンプ10を通って移動する流体14の流体温度、流体流量、様々な状態、並びに流体ポンプ10及びそれを通って移動する流体14に関連する他の同様の状態情報を監視することができる様々なセンサ166を含むことができる。
【0033】
図6図10を再び参照すると、流体ポンプ10の特定の態様についてハウジング22を構成する様々な構成要素は、ポンプカバー104、偏心リング106、ポーティングハウジング108、ポンプ本体132、及びモータハウジング160を含むことができるが、これらに限定されない。これらの構成要素は、それらを互いに固定するこれらの構成要素を通って延びるポンプねじ170を介して一緒に取り付けられ得る。様々な位置合わせピン172は、特定の構成要素を一緒に位置合わせするために、ハウジング22の特定の構成要素内に配設することができる。特に、生成ロータ130、ポンプ本体132、偏心リング106、及びポンプカバー104に対するポーティングハウジング108の位置合わせは、流体ポンプ10の送達部分24及び戻り部分28の各々を通る流体14の適切な流れを確保するために使用される。送達部分24及び戻り部分28内の流体14の特定の部分を分離するために使用される様々なOリング154に加えて、モータハウジング160は、駆動ユニット12のための特定のマニホールド176に対して流体ポンプ10を密封するために使用されるケースシール174を含むことができる。
【0034】
図1図11に関して本明細書で考察されるように、流体ポンプ10は、モータ32と、PCB162内に含まれる、又はPCB162と通信するコントローラ164とを利用して、送達ポンプ要素26及び戻りポンプ要素30の各々を同時に駆動する。送達ポンプ要素26及び戻りポンプ要素30は、流体ポンプ10のためにハウジング22内に一緒に一体化され、流体14を貯留部18及び駆動ユニット12へ、及びこれらから送達するためのコンパクトなパッケージを提供する。本明細書で考察されるように、駆動ユニット12用の収集アセンブリ15は、二重フィル又は平衡化された羽根ポンプ60が戻りポンプ要素30として使用されるように、第1及び第2の収集部50、52を含むことができる。この構成は、流体14が第1及び第2の収集部50、52のうちの一方又は両方から、及び貯留部18に送達されることを確実にするために、2つの別個の専用戻り入口54又は専用排出入口を利用する。流体ポンプ10の戻り部分28は、これらの2つの戻り入口54を、戻り出口100を通って貯留部18に向かって送達される単一の油圧通路に結合する。次に、流体ポンプ10の潤滑及び冷却機能は、流体14を貯留部18から引き出し、この流体14を様々な冷却及び/又は潤滑回路を通して移動させる送達ポンプ要素26によって提供される。本明細書で考察されるように、複数の収集部16のうちのいずれの収集部が、任意の特定の時間にその中に配設された流体14を有し得るかは、典型的には知られていない。複数の専用排出又は専用戻り入口54を有する排出ポンプとしての戻りポンプ要素30の使用は、第1及び第2の収集部50、52のうちの一方又は両方から貯留部18に流体14の十分な流れを提供することができる。戻りポンプ要素30としての羽根ポンプ60の使用は、送達ポンプ要素26としてポンプ排気量の2倍を提供し、それによって、油圧システム20を通る流体14の一貫した流れを確保する。
【0035】
デバイスの様々な態様によれば、送達及び戻り部分24、28の様々な入口及び出口の位置は、流体ポンプ10を受け取る駆動ユニット12及び貯留部18の正確な設計に応じて変化し得る。加えて、送達部分24及び戻り部分28の位置付けは、流体ポンプ10が配設されている駆動ユニット12及び貯留部18の構成に応じて切り替えることもできる。様々な構成では、送達ポンプ要素26及び戻りポンプ要素30の各々を同時に駆動するために、単一のモータ32が使用されることが企図される。加えて、2つの排出又は戻り入口54を有する戻り部分28及び単一の送達入口120を有する送達部分24の構成は、デバイスの各構成内に存在する特徴である。本明細書で考察されるように、戻り部分28は、駆動ユニット12内に含まれる収集部16の数に応じて、2つの戻り入口54又は2つより多くの戻り入口54を含むことができる。追加の収集部16が含まれる場合、追加の戻り入口54、並びに追加の戻りポート及び出口ポート92は、戻り部分28の戻りポンプ要素30のための偏心ポンプ室62内に含まれ得る。単一の収集部16が含まれる場合、単一の戻り入口54及び単一の出口ポート92を利用することができる。
【0036】
ここで図12図18を参照すると、流体ポンプ10は、モータ部分又はモータハウジング160、送達部分24、及び戻り部分28を有するハウジング22を含むことができる。モータ32は、モータハウジング160内に配設されており、モータ32から、送達部分24及び戻り部分28を通って延びる駆動シャフト34に動作可能に結合されている。送達ポンプ要素26は、送達部分24内に配設されており、駆動シャフト34と結合されている。同様に、戻りポンプ要素30は、戻り部分28内に配設されており、また、駆動シャフト34と結合されている。モータ32の動作は、駆動シャフト34を介して、送達ポンプ要素26及び戻りポンプ要素30を駆動する。送達部分24及び送達ポンプ要素26は、流体14を貯留部18から駆動ユニット12に送達するように構成されている。戻り部分28及び戻りポンプ要素30は、流体14を駆動ユニット12の収集アセンブリ15から貯留部18に送達するように構成されている。デバイスの特定の態様では、戻りポンプ要素30は、駆動シャフト34と結合された駆動歯車202を含む歯車ポンプ200の形態であり得る。歯車ポンプ200はまた、駆動歯車202と噛合う遊び歯車204を含む。
【0037】
図12図18を再び参照すると、モータ32の動作中に、駆動シャフト34は、送達ポンプ要素26及び戻りポンプ要素30の各々を動作させる。歯車ポンプ200の場合、駆動シャフト34は、概してレムニスケート外形208を有するポンプ室206内で駆動歯車202及び遊び歯車204を回転させる。駆動歯車202及び遊び歯車204がポンプ室206内で回転すると、駆動歯車202及び遊び歯車204の歯210は、ポンプ室206の内面214とともに複数の歯車空洞212を形成する。このようにして、個々の歯車空洞212は、収集部16から流体を引き出す戻り入口54から流体14を送達する。駆動歯車202及び遊び歯車204がポンプ室206内で回転すると、歯車空洞212内の流体14は、ポンプ室206の内面214に沿って移動し、戻り出口100の出口ポート92に移動し、貯留部18に送達される。
【0038】
図12図18を再び参照すると、デバイスの様々な態様によれば、送達入口120及び送達出口122は、送達ポンプ要素26からポンプカバー104を通って延びるように位置付けられ得る。したがって、送達入口120、送達出口122、並びに戻り入口54及び戻り出口100は各々、ポンプカバー104の端面118内に位置付けられ得る。ポンプカバー104を通る送達ポンプ要素26及び戻りポンプ要素30による流体14の移動を説明するために、ポンプ室206は、ポンプカバー104内のオフセット構成に位置付けられ得る。ポンプ室206のこのオフセット構成はまた、駆動歯車202がポンプカバー104内に中央に位置付けられて、駆動シャフト34と係合することを可能にする。遊び歯車204は、典型的には、送達入口120及び送達出口122に対して、オフセット方向で、ポンプカバー104の反対側に位置付けられ得る。
【0039】
図1図18を再び参照すると、流体ポンプ10は、モータ部分又はモータハウジング160、送達ポンプ要素26、及び戻りポンプ要素30を含むことができる。駆動シャフト34は、モータ32から、送達ポンプ要素26及び戻りポンプ要素30の各々に延びる。モータ32、駆動シャフト34、送達ポンプ要素26、及び戻りポンプ要素30は全て、ハウジング22内に収容されている。モータ32の動作は、駆動シャフト34を介して、送達ポンプ要素26及び戻りポンプ要素30を同時に駆動するように構成されている。送達ポンプ要素26は、貯留部18から駆動ユニット12に流体14を送達するように構成されている。戻りポンプ要素30は、後での使用のために、流体14を駆動ユニット12の収集アセンブリ15から貯留部18に送達するように構成されている。本明細書に記載されるように、駆動ユニット12及び流体ポンプ10の様々な構成は、流体ポンプ10が位置付けられている特定の機構の設計に応じて変化することができる。したがって、収集アセンブリ15内の収集部16の数は、戻りポンプ要素30の設計と同様に変化し得る。
【0040】
デバイスの様々な態様によれば、本明細書に記載された流体ポンプ10は、様々な機構のうちのいずれか1つに組み込まれ得る。そのような機構は、車両、ロボット工学、電化製品、及び他の同様の機械的用途を含むことができるが、これらに限定されない。典型的には、本明細書に記載された流体ポンプ10の使用は、様々な機構の潤滑及び/又は冷却に関連する流体14を提供するために使用される。これらの流体14は、油、冷却剤、水、及び他の同様の流体14を含むことができるがこれらに限定されない。
【0041】
また、本開示の概念から逸脱することなく、上述した構造及び方法に変更及び修正が行われ得ることも理解されるべきであり、更に、これらの特許請求の範囲がそれらの言語によって別途明示的に述べていない限り、そのような概念は、以下の特許請求の範囲によって網羅されることを意図することが理解されるべきである。


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【国際調査報告】