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特表2024-507093交通事象についての運転支援システムからの物理的フィードバック確認
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】交通事象についての運転支援システムからの物理的フィードバック確認
(51)【国際特許分類】
   B60W 50/14 20200101AFI20240208BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20240208BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
B60W50/14
B60W60/00
G08G1/16 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547112
(86)(22)【出願日】2022-02-16
(85)【翻訳文提出日】2023-09-28
(86)【国際出願番号】 US2022070679
(87)【国際公開番号】W WO2022178511
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】17/248,977
(32)【優先日】2021-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515301041
【氏名又は名称】アティエヴァ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘイルング、トール アクセル ノットランド
(72)【発明者】
【氏名】ハリッシュ、スムカ ミソレ
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジンウー
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA02
3D241BA12
3D241BA33
3D241BA59
3D241CA08
3D241CC01
3D241CC08
3D241CC11
3D241CC17
3D241DA04Z
3D241DB01Z
3D241DB02Z
3D241DB05Z
3D241DB10Z
3D241DC02Z
3D241DC31Z
3D241DC49Z
3D241DC51Z
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181CC27
5H181FF33
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL09
(57)【要約】
コンピュータ実装方法は、第1の車両の動きを現在制御している運転支援システムによって、第1の車両外部の交通事象を検出する段階;及び運転支援システムによって、交通事象を検出したことに応じて、運転支援システムが交通事象に対処するという確認を、第1の車両内の搭乗者に行う段階、ここで、確認は、搭乗者が認識できる物理的フィードバックを有する、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の車両の動きを現在制御している運転支援システムによって、前記第1の車両外部の交通事象を検出する段階;及び
前記運転支援システムによって、前記交通事象を検出したことに応じて、前記運転支援システムが前記交通事象に対処するという確認を、前記第1の車両内の搭乗者に行う段階、ここで、前記確認は、前記搭乗者が認識できる物理的フィードバックを有する
を備える、コンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記運転支援システムによって、前記交通事象の検出によってトリガされた動作を行う段階を更に備え、前記動作は、前記確認を行った後に行われる、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記動作は、前記第1の車両にブレーキをかけること又は前記第1の車両のステアリング角を変更することのうちの少なくとも1つを有する、請求項2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記物理的フィードバックは、前記第1の車両についての第1のブレーキ動作を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記運転支援システムは、前記交通事象を検出したことに応じて、後続の動作を計画しない、請求項4に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記運転支援システムは、前記交通事象を検出したことに応じて、第2のブレーキ動作を計画し、前記第1のブレーキ動作は、前記第2のブレーキ動作より順序が先である、請求項4に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記第2のブレーキ動作は、前記第1のブレーキ動作が行われること無しでも前記交通事象に対処するために、前記運転支援システムに対して定められ、前記第1のブレーキ動作は、前記第2のブレーキ動作よりも強い、請求項6に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記第1のブレーキ動作が行われたことに応じた前記第1の車両の第1の速度は、前記第2のブレーキ動作が行われたことに応じた前記第1の車両の第2の速度に最終的に等しい、請求項7に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記第1の速度及び前記第2の速度が等しくなった後、続いて前記第1の速度は、前記第2の速度よりも大きくなる、請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
前記第1の速度が前記第2の速度よりも大きくなった後、前記第1の速度及び前記第2の速度は、再び最終的に等しくなる、請求項9に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
前記物理的フィードバックは、前記第1の車両についての第1のステアリング角の変更を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
前記物理的フィードバックは、前記第1のステアリング角の変更のすぐ後に行われる第2のステアリング角の変更を更に含み、前記第2のステアリング角の変更は、前記第1のステアリング角の変更と実質的に反対である、請求項11に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
前記運転支援システムは、前記交通事象を検出したことに応じて第2のステアリング角の変更を計画し、前記第1のステアリング角の変更は、前記第2のステアリング角の変更よりも順序が先であり且つ大きい、請求項11に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項14】
前記第1のステアリング角の変更に対応する第1の横方向オフセットは、前記第2のステアリング角の変更に対応する第2の横方向オフセットに最終的に等しい、請求項13に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項15】
前記物理的フィードバックは、前記搭乗者のためのシートベルトの張力を増大することを含む、請求項1から14のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項16】
前記物理的フィードバックは、前記第1の車両内の前記搭乗者のためのシートを移動することを含む、請求項1から15のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項17】
前記交通事象は、物体が前記第1の車両の経路内に位置すること、又は第2の車両が前記第1の車両の前記経路に入ることを含む、請求項1から16のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項18】
プロセッサに、
第1の車両の動きを現在制御している運転支援システムによって、前記第1の車両外部の交通事象を検出する手順;及び
前記運転支援システムによって、前記交通事象を検出したことに応じて、前記運転支援システムが前記交通事象に対処するという確認を、前記第1の車両内の搭乗者に行う手順、ここで、前記確認は、前記搭乗者が認識できる物理的フィードバックを有する
を実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項19】
車両のための運転支援システムであって、前記運転支援システムは、
前記運転支援システムが前記車両の動きを制御している間に、前記車両外部の交通事象を検出するための第1の手段;及び
前記第1の手段が前記交通事象を検出したことに応じて、前記運転支援システムが前記交通事象に対処するという確認を、前記車両内の搭乗者に行うための第2の手段、ここで、前記確認は、前記搭乗者が認識できる物理的フィードバックを有する
を備える、運転支援システム。
【請求項20】
前記第1の手段は、レーダ、ライダ、カメラ、又は超音波センサのうちの少なくとも1つを含み、前記第2の手段は、前記車両のステアリングシステム、前記車両のブレーキシステム、前記車両のシートベルトテンショナ、又は前記車両のシートモーターのうちの少なくとも1つを含む、請求項19に記載の運転支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年2月16日に出願された「PHYSICAL FEEDBACK CONFIRMATION FROM ASSISTED-DRIVING SYSTEM ABOUT TRAFFIC EVENT」と題された、米国特許出願第17/248,977号の優先権を主張するものであり、その開示全体は、参照により本明細書により組み込まれる。
【0002】
本書は、運転支援システムからの物理的フィードバック確認に関連する。
【背景技術】
【0003】
今日製造されている一部の車両は、車両の運転に関連するオペレーションを少なくとも部分的に取り扱い得る1つ又は複数のタイプのシステムを搭載している。提供される運転自律性のレベルは、そのようなシステム間で、大幅な程度に異なり得る。いくつかの既存のシステムは、システムのオペレーション及び/又はこれにより検出された事象の発生に関してオーディオ又はビジュアル通信を提供する。しかしながら、そのような手法は、1つ又は複数の欠点と関連付けられ得る。例えば、アラーム等の音は、曖昧であり得;口語のアナウンスメントは、再生されるのに時間がかかりすぎる場合があり、人がメッセージを処理するのに更なる時間を要し得;提示される視覚的な合図(例えば、画面上の)は、認識するのが困難で、気づかれない場合がある。
【発明の概要】
【0004】
第1態様において、コンピュータ実装方法は、第1の車両の動きを現在制御している運転支援システムによって、前記第1の車両外部の交通事象を検出する段階;及び前記運転支援システムによって、前記交通事象を検出したことに応じて、前記運転支援システムが前記交通事象に対処するという確認を、前記第1の車両内の搭乗者に行う段階、ここで、前記確認は、前記搭乗者が認識できる物理的フィードバックを有する、を備える。
【0005】
実装形態は、以下の特徴のうちのいずれか又は全てを含むことができる。前記コンピュータ実装方法は、前記運転支援システムによって、前記交通事象の検出によってトリガされた動作を行う段階を更に備え、前記動作は、前記確認を行った後に行われる。前記動作は、前記第1の車両にブレーキをかけること又は前記第1の車両のステアリング角を変更することのうちの少なくとも1つを有する。前記物理的フィードバックは、前記第1の車両についての第1のブレーキ動作を含む。前記運転支援システムは、前記交通事象を検出したことに応じて、後続の動作を計画しない。前記運転支援システムは、前記交通事象を検出したことに応じて、第2のブレーキ動作を計画し、前記第1のブレーキ動作は、前記第2のブレーキ動作より順序が先である。前記第2のブレーキ動作は、前記第1のブレーキ動作が行われること無しでも前記交通事象に対処するために、前記運転支援システムに対して定められ、前記第1のブレーキ動作は、前記第2のブレーキ動作よりも強い。前記第1のブレーキ動作が行われたことに応じた前記第1の車両の第1の速度は、前記第2のブレーキ動作が行われたことに応じた前記第1の車両の第2の速度に最終的に等しい。前記第1及び第2の速度が等しくなった後、続いて前記第1の速度は、前記第2の速度よりも大きくなる。前記第1の速度が前記第2の速度よりも大きくなった後、前記第1及び第2の速度は、再び最終的に等しくなる。前記物理的フィードバックは、前記第1の車両についての第1のステアリング角の変更を含む。前記物理的フィードバックは、前記第1のステアリング角の変更のすぐ後に行われる第2のステアリング角の変更を更に含み、前記第2のステアリング角の変更は、前記第1のステアリング角の変更と実質的に反対である。前記運転支援システムは、前記交通事象を検出したことに応じて第2のステアリング角の変更を計画し、前記第1のステアリング角の変更は、前記第2のステアリング角の変更よりも順序が先であり且つ大きい。前記第1のステアリング角の変更に対応する第1の横方向オフセットは、前記第2のステアリング角の変更に対応する第2の横方向オフセットに最終的に等しい。前記物理的フィードバックは、前記搭乗者のためのシートベルトの張力を増大することを含む。前記物理的フィードバックは、前記第1の車両内の前記搭乗者のためのシートを移動することを含む。前記交通事象は、物体が前記第1の車両の経路内に位置すること、又は第2の車両が前記第1の車両の前記経路に入ることを含む。
【0006】
第2の態様において、コンピュータプログラム製品は、非一時的記憶媒体において有形に具現化され、前記コンピュータプログラム製品は、実行された場合にプロセッサにオペレーションを実行させる命令を備え、前記オペレーションは、第1の車両の動きを現在制御している運転支援システムによって、前記第1の車両外部の交通事象を検出する手順;及び前記運転支援システムによって、前記交通事象を検出したことに応じて、前記運転支援システムが前記交通事象に対処するという確認を、前記第1の車両内の搭乗者に行う手順、ここで、前記確認は、前記搭乗者が認識できる物理的フィードバックを有する、を備える。
【0007】
第3の態様において、車両のための運転支援システムは、前記運転支援システムが前記車両の動きを制御している間に、前記車両外部の交通事象を検出するための第1の手段;及び前記第1の手段が前記交通事象を検出したことに応じて、前記運転支援システムが前記交通事象に対処するという確認を、前記車両内の搭乗者に行うための第2の手段、ここで、前記確認は、前記搭乗者が認識できる物理的フィードバックを有する、を備える。
【0008】
実装形態は、以下の特徴のうちのいずれか又は全てを含むことができる。
前記第1の手段は、レーダ、ライダ、カメラ、又は超音波センサのうちの少なくとも1つを含み、前記第2の手段は、前記車両のステアリングシステム、前記車両のブレーキシステム、前記車両のシートベルトテンショナ、又は前記車両のシートモーターのうちの少なくとも1つを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】運転支援システムが自車の前方の車両に関連する検出された交通事象に対処することを確認することに関連する例を示す。
図1B】運転支援システムが自車の前方の車両に関連する検出された交通事象に対処することを確認することに関連する例を示す。
図1C】運転支援システムが自車の前方の車両に関連する検出された交通事象に対処することを確認することに関連する例を示す。
【0010】
図2図1A~1Cにおける例に関連する速度の一例を用いた図表を示す。
【0011】
図3A】運転支援システムが自車の前方の物体に関連する検出された交通事象に対処することを確認することに関連する例を示す。
図3B】運転支援システムが自車の前方の物体に関連する検出された交通事象に対処することを確認することに関連する例を示す。
【0012】
図4図3A~3Bにおける例に関連する横方向オフセットの一例を用いた図表を示す。
【0013】
図5A】自車がターゲットの車両に自動で追従している時に、運転支援システムが自車の前方の物体に関連する検出された交通事象に対処することを確認することに関連する例を示す。
図5B】自車がターゲットの車両に自動で追従している時に、運転支援システムが自車の前方の物体に関連する検出された交通事象に対処することを確認することに関連する例を示す。
【0014】
図6図5A~5Bにおける例に関連する横方向オフセットの一例を用いた図表を示す。
【0015】
図7A】自車の車線に合流する車両に関連する検出された交通事象に、運転支援システムが対処することを確認することに関連する例を示す。
図7B】自車の車線に合流する車両に関連する検出された交通事象に、運転支援システムが対処することを確認することに関連する例を示す。
図7C】自車の車線に合流する車両に関連する検出された交通事象に、運転支援システムが対処することを確認することに関連する例を示す。
【0016】
図8図7A~7Cにおける例に関連する速度の一例を用いた図表を示す。
【0017】
図9A】自車がターゲットの車両に自動で追従している時に、自車の車線に合流する車両に関連する検出された交通事象に、運転支援システムが対処することを確認することに関連する例を示す。
図9B】自車がターゲットの車両に自動で追従している時に、自車の車線に合流する車両に関連する検出された交通事象に、運転支援システムが対処することを確認することに関連する例を示す。
図9C】自車がターゲットの車両に自動で追従している時に、自車の車線に合流する車両に関連する検出された交通事象に、運転支援システムが対処することを確認することに関連する例を示す。
【0018】
図10図9A~9Cにおける例に関連する速度の一例を用いた図表を示す。
【0019】
図11】プロセスの一例のためのフローチャートを示す。
【0020】
図12】車両の一例を示す。
【0021】
図13】本開示の態様を実装するために使用され得るコンピューティングデバイス1300の例示的なアーキテクチャを示す。
【0022】
様々な図面における同様の参照符号は同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本書は、自律運転システム、先進運転支援システム(advanced driving-assistance system:ADAS)又は他の運転支援(assisted-driving:AD)システムによって、障害物又は他の事象の検出及び反応しようとする意図の両方をユーザに伝達するための物理的フィードバックを提供するシステム及び技法の例を記載する。実装は、物理的力を通じて、ADAS/ADソフトウェアが障害物を検出したこと及びシステムが安全な方式で応答しようとすることを、車両内のユーザに伝達し得る。
【0024】
自律運転(例えば、AD/ADAS)システムは、その周囲についての認識及びその安全を確実にするための能力をユーザに伝達すべきである。本明細書において記載されている実装は、1つ又は複数のアクチュエータを使用して、ADAS/ADシステムが障害物を検出し、それに安全に反応することをユーザに伝達する直感的な方法として役割を果たす物理的力を生成する。いくつかの実装形態では、これは、システムが動作している自車の前方に割り込む車両の検出を含み得る。例えば、システムは、割り込んだ車両を検出したこと並びに車両間の相対的な距離が心地悪いほど小さくならないことを確実にしようとする意図を伝達することの明確な信号として「ブレーキを軽くタップすること」に似た方式で速度を調節し得る。別の例は、ユーザが衝突のリスクを認識し得る程度に、自車に対するその横方向距離を低減するような方式で、車両が逸れる(例えば、横方向の動きを経験する)場合である。例えば、システムは、2つの車両間の横方向距離に小さくも急速な増大をもたらすためのスパイクのような方式で、ロードホイール角を迅速に調節し得る。これらの形態の通知は、例えば、音、話し言葉の説明、表示灯、又は画面上に表示される通知等のオーディオ又はビジュアルベースの通知とは対象的に、ユーザにとって比較的曖昧でない。これらの通知は、即時的な期間及び長期間の両方におけるADAS/ADシステムに対する即時的な信頼感を作り出すことを担い得る。
【0025】
本明細書において記載されているいくつかの実装は、物理的力を使用して、直感的、即時的、曖昧でない方式でユーザに通知する。物理的力は、(モータ、ブレーキ、及び/又はステアリングホイール/コラム等の)車両の動きを制御するために使用される1つ又は複数のアクチュエータから、シートに組み込まれたモータから、シートベルトの強く引く力から、又は他の物理的力の源から生じ得る。
【0026】
いくつかの実装形態では、物理的フィードバックは、環境に対する運転者の反応の効果をエミュレートし得る。いくつかの実装形態では、即時的な又は急速な反応を通じて搭乗者に通知する際のADAS/ASシステムの行動は、システムのオペレーションを人間の運転者反応に近くなるように思われるようにし、これにより、システムへの信頼を増大することができる。例えば、ADAS/ADシステムによる比較的穏やかなブレーキ(例えば、ブレーキへのタップに類似する)は、運転者が障害物又は類似の交通事象に突然気づいたときに最も取り得る可能性が高い反応に直接的に対応し得る。別の例として、ADAS/ADシステムによる比較的穏やかなステアリング操縦(例えば、ステアリングホイールのわずかな回転に類似する)は、車両が横方向に突然接近されたときに運転者が最も取り得る可能性が高い反応に直接的に対応し得る。後者の例は、二重の側面の確認:ステアリングホイールの移動において視覚的に、及び人が知覚できる横方向の急な動きの点で物理的に、の両方を提供し得る。物理的フィードバックを生成する他の方法は、限定されないが、車両のシートベルトモータ(例えば、シートベルトプリテンションシステム内の)、又はシートモーター、又はパワートレインモータの作動を含み、それによって使用され得る。
【0027】
本明細書において記載されている実装は、安全にリスク又は脅威となると認識され得る障害物をシステムが検出したこと、及び障害物に対する安全な反応としての動作をシステムが行った又は行おうとしていることを、ADAS/ADシステムが(車両が1つ有する運転者席にいるか、又は搭乗者席にいるかの)任意のユーザに、明確に、迅速に、及び曖昧でなく伝達することを可能にし得る。これは、ユーザによるシステムへの信頼を増大し得、車両を使用する際の搭乗体験を向上する。
【0028】
ADAS/ADシステムの主要なゴール及び品質尺度の1つは、環境に応じて安全で快適な動きを計画及び実行することである。典型的な動きは、他の尺度に従って、横方向及び縦方向両方のジャーク(加速度の時間微分)を最小化するように計画され得る。ジャークを最小化することは、できるだけスムーズに感じる動きのために計画する考えであり得る。スムーズな動きが一般にユーザの快適さと相関があるが、障害物に応じた最小限に急に動く動きがユーザに、ADAS/ADシステムが障害物を認識しておらず、したがってそれに反応していないという印象を与え得る状況が存在する。ADAS/ADシステムは、障害物によって引き起こされた考えられる脅威に対する、安全で快適な動き反応を計画したかもしれず、実行するプロセスにあり得るが、この動きは、人間の運転者が応答するであろう方法と異なり得、よって、ADAS/ADシステムがユーザの安全を確実にしているという確信をユーザに必ずしも与えない。ADAS/ADシステムは、視覚的な合図(例えば、ディスプレイ上での図示又は警戒灯)又はオーディオ通知(例えば、アラームのようなピーン又は口頭のアナウンスメント)等の古典的な様式のヒューマンマシンインタラクションを通じて、その障害物の認識を伝達し得る。しかしながら、これらのタイプの通知は、限定されないが、(アラームのようなピーン等の)曖昧さ、又は(口頭の通知の最後を聞く、又は視覚的な説明を解釈する等の)遅い人間の処理を含む問題を有し得る。
【0029】
本明細書の例では、車両が参照される。車両は、搭乗者又は積荷、又はその両方を輸送する機械である。車両は、少なくとも1つタイプの燃料、又は他のエネルギー源(例えば電気)を使用する1つ又は複数のモータを有し得る。車両の例は、限定されないが、車、トラック、及びバスを含む。ホイールの数は車両のタイプの間で異なってよく、ホイールのうちの1つ又は複数(例えば全て)は車両の推進のために使用され得る。車両は1人又は複数人の人を収容する搭乗者コンパートメントを含み得る。少なくとも1人の車両の乗員は運転者であると考えられ得;この場合、様々なツール、道具、又は他のデバイスが運転者に提供され得る。本明細書における例において、車両によって搬送されるどの人も、その人が車両を運転しているかどうか、又はその人が車両を運転するための制御権を持つかどうか、又はその人が車両を運転するための制御を欠いているかどうかに関係なく、車両の「搭乗者」と称される場合がある。本明細書における例において、例の対象である車両は、場合により、「自車」と称される。1つ又は複数の他の車両は、場合により、「ターゲットの車両」と称される。本例における複数の車両は、例示的な目的のみのために、互いに類似する又は同一であるものとして例示される。
【0030】
本明細書における例は、(例えば、ADシステムによって行われるような)運転支援を参照する。運転支援は、1つ又は複数の動的運転タスクを少なくとも部分的に自動化することを含む。ADASは、運転支援を行うことができ、運転支援システムの一例である。運転支援は、典型的には車両上、車両下、又は車両内に位置する1つ又は複数のセンサの出力に部分的に基づいて実行される。自律車両は運転支援を実行するシステムの一例であるが、全ての運転支援システムが完全自律車両を提供するように設計されているわけではない。SAE Internationalによって、運転オートメーションの複数のレベルが定められており、通例、それぞれレベル0、1、2、3、4及び5と称される。例えば、レベル0システム又は運転モードは、システムによる持続的な車両制御を含まなくてよい。例えば、レベル1システム又は運転モードは、アダプティブクルーズコントロール、緊急ブレーキ支援、自動緊急ブレーキ支援、車線維持、及び/又は車線センタリングを含んでよい。例えば、レベル2システム又は運転モードは、ハイウェイ支援、自律障害物回避、及び/又は自律駐車を含み得る。例えば、レベル3又は4システム又は運転モードは、運転支援システムによる車両の漸増制御を含み得る。例えば、レベル5システム又は運転モードでは、運転支援システムへの人間の介入が不要であり得る。
【0031】
本明細書中の例は、センサに言及している。センサは、事象及び/又はその環境の1つ又は複数の局面の変化を検出し、その検出を反映する信号を出力するように構成されている。例示的な例のみとして、センサは、車両及び物体の間の距離、車両の速度、車両の軌跡、又は車両の加速度のうち1つ又は複数を示し得る。1つ又は複数の実施形態と共に使用され得るセンサの例は、限定されないが、光センサ(例えば、カメラ);スキャンシステム(例えば、ライダ);無線ベースのセンサ(例えば、レーダ);音響センサ(例えば、超音波デバイス及び/又はマイク);慣性計測装置(例えば、ジャイロスコープ及び/又は加速度計);速度センサ(例えば、車両又はその構成要素についての);位置センサ(例えば、車両又はその構成要素についての);方位センサ(例えば、車両又はその構成要素についての);トルクセンサ;温度センサ(例えば、一次又は二次温度計);圧力センサ(例えば、周囲の空気又は車両の構成要素);湿度センサ(例えば、雨検知器);又はシート占有センサを含む。
【0032】
図1A~1Cは、運転支援システムが自車の前方の車両に関連する検出された交通事象に対処することを確認することに関連する例を示す。図1A~1Cを参照して記載されている例は、本明細書における他の箇所に記載されている1つ又は複数の他の例と組み合わされ得る。
【0033】
これらの例は、道路100上の交通を参照して記載される。車両102は現在、道路100上の右端車線に位置している。例えば、道路100は、双方向交通又は一方交通を有する。車両102は、自車と考えられ得る。車両102は現在、図の上部に向かう方向で道路100に沿って進んでいる。具体的に、運転支援システムは現在、車両102の動きを制御している。例えば、車線維持機能及び/又はアダプティブクルーズコントロールは現在、車両102においてアクティブであってよい。図1Aにおいて、道路100上で車両102の前方に障害物が現在存在しない。
【0034】
図1Bは、車両102と同じ道路100の車線に存在する車両104に、車両102が接近することを示す。車両104は、2つの例だけを挙げると、静止していてもよいし、又は車両102よりも遅く進んでもよい。車両102の運転支援システムは、1つ又は複数のセンサを使用する車両104を検出する。例えば、車両102の運転支援システムは、車両102が先行する車両の後に自動で追従することを可能にする車頭間隔制御機能(又はアダプティブクルーズコントロール)を有し得るが、車両104は、車両102と、そのような機能が適用されるのに十分な近さでなくてもよい。
【0035】
ここで図面における車両104の存在はまた、車両102内の搭乗者が車両104を見ることができ、車両102にとっての障害物として車両104を認識し得ることを意味する。ここで単語、障害物は、車両102と物理的にインタラクトし得る任意の物理的な物体を説明するために、一般的な意味で使用される。障害物は、静止している(例えば、静的である)又は移動している(例えば動的である)場合がある。障害物の例は、限定されないが、(車両及び歩行者等の)他の交通主体、路面のくぼみ、道路のゴミ、ジャージーバリア、及び照明ポールを含む。別の例として、物体は、自車の経路に位置する何か、又は自車の経路に入る別の車両を含み得る。このように、車両102内の搭乗者は、運転支援システムが現在の交通状況、すなわち、車両102が車両104に接近していることに対処するという確認から利益を得ることができる。
【0036】
車両102の運転支援システムは、したがって、車両104を検出したことに応じて、搭乗者に少なくとも1つの確認を行い得る。例えば、これは、車両102が車両104の後に自動で追従するための車頭間隔制御を適用する最大距離以内に車両104が入る前に、実行され得る。確認は、車両102の運転支援システムが検出された交通事象に対処することを搭乗者に示す。いくつかの実装形態では、確認は、搭乗者に対する1つ又は複数のタイプの物理的フィードバックを有し得る。例えば、車両102の運転支援システムは、車両102のブレーキを緩やかにタップし、これにより、現在制御されている車両102の動きを大幅に変更することなく、運転支援システムが車両104を検出したことを搭乗者に合図し得る。
【0037】
図1Cは、車両102の運転支援システムが車両104の後に自動で追従するために車頭間隔制御を適用し始める最大距離に、車両102及び104の間の距離106が現在およそ等しいことを示す。例えば、車頭間隔制御は、予め定められた最大速度までで、車両102及び104の間の最小の間隔を保持することを含み得る。車頭間隔制御(又は、別の例として、アダプティブクルーズコントロール)を適用することは、車両104を検出した車両102の運転支援システムが、検出の時間の後のいくらかの(おそらくまだ定められていない)時間に後続の動作を取るという計画をしたかもしれないことを示す。しかしながら、搭乗者に対する物理的フィードバックによる確認を生成することによって、車両102の運転支援システムは、確定した動作が取られる前にも、運転支援システムが交通事象を検出したこと及びそれに対処することを搭乗者が確信できるという、より快適な搭乗体験を提供することができる。
【0038】
図2は、図1A~1Cにおける例に関連する速度の一例を用いた図表200を示す。図表200は、本明細書における他の箇所に記載された1つ又は複数の他の例と共に用いられ得る。図表200は、水平軸上の時間(例えば、t)の関数としての垂直軸上の速度(例えば、v)を示す。時間軸では、検出の時間(tdetection)が、運転支援システムが交通事象を検出した時間を示す。例えば、図1A~1Cも参照すると、検出の時間は、車両102の運転支援システムがその前方にいる車両104を検出した時に対応する。
【0039】
交通事象の性質及び/又は他の状況によって、交通事象を検出したことに応じて、運転支援システムは、行われる予定の1つ又は複数の将来の動作を計画してもよいし、又は具体的な将来の動作を何も計画しなくてもよい。運転支援システムによって計画された及び/又は実際に行われた動作は、図表200に示され得る。ここで、図表200は、破線を使用して示されたグラフ202を含む。グラフ202は、本開示において記載されるような確認のプロビジョニング無しの車両の動き(すなわち、運転支援システムによって制御された動き)に対応する。グラフ202は、車両が検出の時間に速度204を有すること、検出の時間に続いて発生する減速202'までのいくらかの期間に亘って、それが速度204を保持することを示す。例えば、図1A~1Cも参照すると、減速202'は、車両102が車両104に接近するに際し、運転支援システムによって行われる予定の計画された動作であってよい。
【0040】
ここで、図表200は、実線を使用して示されたグラフ206を含む。グラフ206は、本開示において記載されるような確認のプロビジョニング有りの車両の動き(すなわち、運転支援システムによって制御された動き)に対応する。グラフ206は、車両が検出の時間に速度204を有すること、車両が検出の時間の後すぐにブレーキ動作によって(例えば、ブレーキをかけること及び/又はパワートレイントルクを低減させることによって)減速206'を経験すること、及びそれが速度204にその後戻り、減速202'まで速度204を保持することを示す。すなわち、減速206'を受ける車速は、減速202'を受ける車速に最終的等しくあり得る。
【0041】
減速206'は、搭乗者の注意を引くことを意図した初期ブレーキ208を含み得、その後、車両は、より急でないペースで速度204に戻る。例えば、初期ブレーキ208における減速206'の傾き(ブレーキの量)は、減速202'の間のどのポイントにおけるものよりも大きくあり得る。
【0042】
減速206'は、順序が先であり、減速202'よりも少なくとも部分的に急な傾きを有し得るが、それでも減速206'は、車両の動きに大幅な変化を生まないように設計され、調和されていてよい。いくつかの実装形態では、減速202'は、減速206'が行われること無しでも運転支援システムが交通事象に対処するように定められている。例えば、減速206'は、少なくとも瞬間的に減速202'よりも強くてよいが、減速202'は、それ自体が検出された交通事象に対する適切な反応であってよい。
【0043】
図3A~3Bは、運転支援システムが自車の前方の物体に関連する検出された交通事象に対処することを確認することに関連する例を示す。図3A~3Bを参照して説明されている例は、本明細書における他の箇所で説明されている1つ又は複数の他の例と組み合わされ得る。
【0044】
これらの例は、道路300上の交通を参照して説明される。車両302は現在、道路300上の右端車線に位置している。例えば、道路300は、双方向交通又は一方交通を有する。車両302は、自車と考えられてよい。車両302は現在、例示の上部に向かう方向で道路300に沿って進んでいる。具体的には、運転支援システムは現在、車両302の動きを制御している。例えば、車線維持機能及び/又はアダプティブクルーズコントロールが車両302において現在アクティブであってよい。
【0045】
現在、障害物304が道路300上で車両302の前方に存在している。障害物304は、限定されないが、道路300における路面のくぼみ又は車両302よりも遅く進む自転車乗用者を含む、任意のタイプの、車両302との関係で静的又は動的な障害であり得る。車両302の運転支援システムは、障害物304を検出する。
【0046】
車両302の運転支援システムは、障害物304を検出したことに応じて、搭乗者に少なくとも1つの確認を行い得る。例えば、これは、運転支援システムが障害物304の検出に対処するために1つ又は複数の動作を行い得る、障害物304の距離に車両302が入る前に実行され得る。確認は、車両302の運転支援システムが検出された交通事象に対処することを搭乗者に示す。いくつかの実装形態では、確認は、搭乗者に対する1つ又は複数のタイプの物理的フィードバックを有し得る。例えば、車両302の運転支援システムは、車両302のステアリング角を緩やかに調節し(例えば、ステアリングホイールを軽く揺すぶり)、これにより、現在制御されている車両302の動きを大幅に変更することなく、運転支援システムが障害物304を検出したことを搭乗者に合図し得る。
【0047】
図3Bは、車両302が障害物304と比較的近い場合に、車両302の運転支援システムがステアリング角変更306(例えば、回避操縦)を行うことを示す。例えば、車両302が障害物304を通り過ぎるために道路300の他の車線に入らないように又は入るのに最小時間のみを費やすように、ステアリング角変更306は、設計され得る。障害物304を検出した車両302の運転支援システムは、検出の時間の後のいくらかの(おそらくまだ定められていない)時間にステアリング角変更306を行うことを計画したかもしれない。しかしながら、搭乗者に対する物理的フィードバックによる確認を生成することによって、車両302の運転支援システムは、確定した動作が取られる前にも、運転支援システムが交通事象を検出したこと及びそれに対処することを搭乗者が確信できるという、より快適な搭乗体験を提供することができる。
【0048】
図4は、図3A~3Bにおける例に関連する横方向オフセットの一例を用いた図表400を示す。図表400は、本明細書における他の箇所において説明されている1つ又は複数の他の例と共に使用され得る。図表400は、水平軸上の時間(例えば、t)の関数としての垂直軸上の横方向オフセット(例えば、d)を示す。時間軸では、検出の時間(tdetection)は、運転支援システムが交通事象を検出した時を示す。例えば、図3A~3Bも参照すると、検出の時間は、車両302の運転支援システムがその前方にいる障害物304を検出した時に対応する。
【0049】
交通事象の性質及び/又は他の状況によって、交通事象を検出したことに応じて、運転支援システムは、行われる予定の1つ又は複数の将来の動作を計画してもよいし、又は具体的な将来の動作を何も計画しなくてもよい。運転支援システムによって計画された及び/又は実際に行われた動作は、図表400に示され得る。ここで、図表400は、破線を使用して示されたグラフ402を含む。グラフ402は、本開示において記載されるような確認のプロビジョニング無しの車両の動き(すなわち、運転支援システムによって制御された動き)に対応する。グラフ402は、検出の時間に車両が任意の基準から横方向オフセット404(例えば、名目上ゼロオフセット)を有すること、及び検出の時間に続いて発生する横方向オフセット変化402'までのいくらかの期間に亘って、車両が横方向オフセット404を保持することを示す。例えば、図3A~3Bも参照すると、横方向オフセット変化402'は、車両302が障害物304に接近するに際し、運転支援システムによって行われる予定の計画された動作であり得る。
【0050】
ここで、図表400は、実線を使用して示されたグラフ406を含む。グラフ406は、本開示において記載されるような確認のプロビジョニング有りの車両の動き(すなわち、運転支援システムによって制御された動き)に対応する。グラフ406は、車両が検出の時間に横方向オフセット404'を有すること、車両が検出の時間のすぐ後に、ステアリング角の変化(例えば、運転支援システムがステアリングホイールを回転する又はそうでなければ車両軌跡を変更すること)によって、横方向オフセット変化406'を経験すること、及び横方向オフセット404にその後戻り、横方向オフセット変化402'まで横方向オフセット404を保持することを示す。すなわち、横方向オフセット変化406'を受ける車両横方向オフセットは、横方向オフセット変化402'を受ける横方向オフセット変化に最終的に等しくあり得る。
【0051】
横方向オフセット変化406'は、搭乗者の注意を引くことを意図した初期ステアリング408を含み得、その後、車両は、より急でないペースで横方向オフセット404に戻る。例えば、初期ステアリング408における横方向オフセット変化406'の傾き(ステアリング角の変化の量)は、横方向オフセット変化402'の間の任意のポイントよりも大きくあり得る。横方向オフセット変化406'は、初期ステアリング408のすぐ後に行われた後続のステアリング408'を含み得る。例えば、後続のステアリング408'は、初期ステアリング408と実質的に反対であり得る。
【0052】
横方向オフセット変化406'は、順序が先であり、横方向オフセット変化402'よりも少なくとも部分的に急な傾きを有し得るが、それでも横方向オフセット変化406'は、車両の動きに大幅な変化を生まないように設計され、調和されていてよい。いくつかの実装形態では、横方向オフセット変化402'は、横方向オフセット変化406'が行われること無しでも運転支援システムが交通事象に対処するように定められている。例えば、横方向オフセット変化406'は、少なくとも瞬間的に横方向オフセット変化402'よりも強くてよいが、横方向オフセット変化402'は、それ自体が検出された交通事象に対する適切な反応であってよい。グラフ406に係る横方向オフセットは、グラフ402に係る横方向オフセットと最終的に等しくあり得る。例えば、グラフ406の横方向オフセットは、横方向オフセット変化402'の間のグラフ402の横方向オフセットに等しい。
【0053】
図5A~5Bは、自車がターゲットの車両に自動で追従している時に、運転支援システムが自車の前方の物体に関連する検出された交通事象に対処することを確認することに関連する例を示す。図5A~5Bを参照して説明されている例は、本明細書における他の箇所で説明されている1つ又は複数の他の例と組み合わされ得る。
【0054】
要するに、道路500上で、ADAS/ADシステムを搭載した車両502は、自動車線センタリングが有効にされた状態で、(例えば、車頭間隔制御又はアダプティブクルーズコントロールを使用して)車両504に自動で追従している。例えば、車両502の搭乗者は、ホイールからその手を離している。自動追従はここで、矢印506によって概略的に示される。障害物508が道路500上に存在する。車両502の前方の道路の状態は、車両504によって大きく見えなくされる。突然、障害物508(例えば、路面のくぼみ)が、車両502がそれを超えて走った後すぐに、車両504の搭乗者にとって見えるようになる。路面のくぼみは、何らかの形態のステアリング操縦が車両502の経路を調節(例えば、横方向の変位によって)しない限り、車両502の1つ又は複数のホイールが路面のくぼみに入るような位置にあり得る。例えば、そのような操縦は、「逸れること」及び「一時的な横方向の車線片寄らせ」のような用語によって知られている。現代の認識システムの進歩に伴い、ADAS/ADシステムは、車両502の軌跡を調節し、(矢印510によって概略的に示されるような)路面のくぼみのない軌跡に従い得る。例えば、車両502は、いずれのホイールも障害物508と接触するようになることを防ぐのに十分なだけ逸れ得る。
【0055】
車両内の人は一般に、ホイールが路面のくぼみを回避するかどうかを認識することにあまり長けておらず、操縦(ここで矢印510によって示されている)が最小限の横方向の変位のために設計されている場合は特に、ADAS/ADシステムが路面のくぼみを回避する操縦を実行するということに必ずしも確信を感じない。システムが路面のくぼみを回避することを示すオーディオ又はビジュアルベースの通知は、曖昧であり、車両502の運転者の確信を増大しないかもしれない。横方向の変位を最小化することに加えて、典型的な操縦設計手順は、横方向加速度及びジャークのような数量を考慮し得る。現在の主題は、車両502が実際に路面のくぼみを回避することをユーザによって明確にする、代替的な路面のくぼみ回避操縦を設計するために使用されてよい。これは、路面のくぼみを回避するというシステムの意図を明確に伝達する横方向の軽い突きをもたらしながら、初期の急速であるが安全なステアリング角の調整によって達成され得る。
【0056】
ここでより詳細に、本例は、道路500上の交通を参照して説明される。車両502は現在、道路500上の右端車線に位置している。例えば、道路500は、双方向交通又は一方交通を有する。車両502は、自車と考えられ得る。車両502は現在、図の上部に向かう方向で道路500に沿って進んでいる。具体的に、運転支援システムは現在、車両504の後に自動で追従するために車両502の動きを制御している。例えば、車線維持機能は現在、車両502においてアクティブであってよい。
【0057】
現在、障害物508が道路500上で車両504の前方に存在している。障害物508は、限定されないが、道路500における路面のくぼみ又は車両502よりも遅く進む自転車乗用者を含む、任意のタイプの、車両502との関係で静的又は動的な障害であり得る。車両502の運転支援システムは、障害物508を検出する。
【0058】
車両502の運転支援システムは、障害物508を検出したことに応じて、搭乗者に少なくとも1つの確認を行い得る。例えば、これは、運転支援システムが障害物508の検出に対処するために1つ又は複数の動作を行い得る、障害物508の距離に車両502が入る前に実行され得る。確認は、車両502の運転支援システムが検出された交通事象に対処することを搭乗者に示す。いくつかの実装形態では、確認は、搭乗者に対する1つ又は複数のタイプの物理的フィードバックを有し得る。例えば、車両502の運転支援システムは、車両502のステアリング角を緩やかに調節し(例えば、ステアリングホイールを軽く揺すぶり)、これにより、現在制御されている車両502の動きを大幅に変更することなく、運転支援システムが障害物508を検出したことを搭乗者に合図し得る。
【0059】
図5Bは、車両502が障害物508と比較的近い場合に、車両502の運転支援システムが、矢印510によって概略的に示されている、ステアリング角変更(例えば、回避操縦)を実行することを示す。例えば、車両502が障害物508を通り過ぎるために道路500の他の車線に入らないように又は入るのに最小時間のみを費やすように、ステアリング角変更は、設計され得る。障害物508を検出した車両502の運転支援システムは、検出の時間の後のいくらかの(おそらくまだ定められていない)時間にステアリング角変更行うことを計画したかもしれない。しかしながら、搭乗者に対する物理的フィードバックによる確認を生成することによって、車両502の運転支援システムは、確定した動作が取られる前にも、運転支援システムが交通事象を検出したこと及びそれに対処することを搭乗者が確信できるという、より快適な搭乗体験を提供することができる。
【0060】
図6は、図5A~5Bにおける例に関連する横方向オフセットの一例を用いた図表600を示す。図表600は、本明細書における他の箇所に記載された1つ又は複数の他の例と共に用いられ得る。図表600は、水平軸上の時間(例えば、t)の関数としての垂直軸上の横方向オフセット(例えば、d)を示す。時間軸では、検出の時間(tdetection)が、運転支援システムが交通事象を検出した時間を示す。例えば、図5A~5Bも参照すると、検出の時間は、車両502の運転支援システムがその前方にいる障害物508を検出した時に対応する。
【0061】
交通事象の性質及び/又は他の状況によって、交通事象を検出したことに応じて、運転支援システムは、行われる予定の1つ又は複数の将来の動作を計画してもよいし、又は具体的な将来の動作を何も計画しなくてもよい。運転支援システムによって計画された及び/又は実際に行われた動作は、図表600に示され得る。ここで、図表600は、破線を使用して示されたグラフ602を含む。グラフ602は、本開示において記載されるような確認のプロビジョニング無しの車両の動き(すなわち、運転支援システムによって制御された動き)に対応する。グラフ602は、検出の時間に車両が任意の基準から横方向オフセット604(例えば、名目上ゼロオフセット)を有すること、及び検出の時間に続いて発生する横方向オフセット変化602'までのいくらかの期間に亘って、車両が横方向オフセット604を保持することを示す。例えば、図5A~5Bも参照すると、横方向オフセット変化602'は、車両502が障害物508に接近するに際し、運転支援システムによって行われる予定の計画された動作であり得る。
【0062】
ここで、図表600は、実線を使用して示されたグラフ606を含む。グラフ606は、本開示において記載されるような確認のプロビジョニング有りの車両の動き(すなわち、運転支援システムによって制御された動き)に対応する。グラフ606は、車両が検出の時間に横方向オフセット604を有すること、車両が検出の時間のすぐ後に、ステアリング角の変化(例えば、運転支援システムがステアリングホイールを回転する又はそうでなければ車両軌跡を変更すること)によって、横方向オフセット変化606'を経験すること、及び続いてそれが横方向オフセット変化602'に出くわすことを示す。すなわち、横方向オフセット変化606'を受ける車両横方向オフセットは、横方向オフセット変化602'を受ける横方向オフセット変化に最終的に等しくあり得る。
【0063】
横方向オフセット変化606'は、搭乗者の注意を引くことを意図した初期ステアリング608を含み得、その後は、車両は、より急でないペースで横方向オフセット604に戻る。例えば、初期ステアリング608における横方向オフセット変化606'の傾き(ステアリング角の変化の量)は、横方向オフセット変化602'の間の任意のポイントよりも大きくあり得る。横方向オフセット変化606'は、初期ステアリング608'のすぐ後に行われた後続のステアリング608を含み得る。例えば、後続のステアリング608'は、初期ステアリング608と異なり得る。
【0064】
横方向オフセット変化606'は、順序が先であり、横方向オフセット変化602'よりも少なくとも部分的に急な傾きを有し得るが、それでも横方向オフセット変化606'は、車両の動きに大幅な変化を生まないように設計され、調和されていてよい。いくつかの実装形態では、横方向オフセット変化602'は、横方向オフセット変化606'が行われること無しでも運転支援システムが交通事象に対処するように定められている。例えば、横方向オフセット変化606'は、少なくとも瞬間的に横方向オフセット変化602'よりも強くてよいが、横方向オフセット変化602'は、それ自体が検出された交通事象に対する適切な反応であってよい。グラフ606に係る横方向オフセットは、グラフ602に係る横方向オフセットと最終的に等しくあり得る。例えば、グラフ606の横方向オフセットは、横方向オフセット変化602'の後段の間のグラフ602の横方向オフセットに等しい。
【0065】
図7A~7Cは、自車の車線に合流する車両に関連する検出された交通事象に、運転支援システムが対処することを確認することに関連する例を示す。図7A~7Cを参照して記載されている例は、本明細書における他の箇所に記載されている1つ又は複数の他の例と組み合わされ得る。
【0066】
これらの例は、道路700上の交通を参照して記載される。車両702は現在、道路700上の左車線に位置している。例えば、道路700は、2つの車線のうちいずれかにおいて進行する一方交通を有する。車両702は、自車と考えられ得る。車両702は現在、図の上部に向かう方向で道路700に沿って進んでいる。特に、運転支援システムは現在、車両702の動きを制御している。例えば、車線維持機能及び/又はアダプティブクルーズコントロールは現在、車両702においてアクティブであってよい。現在、車両704は、道路700の右車線且つ車両702のある程度前方に存在している。
【0067】
図7Bは、矢印706によって概略的に示されているように、車両704が右車線から車両702の前方の左車線に移動し始めることを示している。車両702の運転支援システムは、この交通事象を検出する。例えば、車両702の運転支援システムは、交通事象の性質及び/又は他の状況によって、交通事象に対処するために1つ又は複数の動作を計画してもよいし、又は具体的な将来の動作を計画しなくてもよい。
【0068】
車両702の運転支援システムは、車両704の動きを検出したことに応じて搭乗者に少なくとも1つの確認行い得る。例えば、これは、車両702の車線に車両704が完全に入る前に、実行され得、運転支援システムは、車両704の検出に対処するための1つ又は複数の動作を行い得る。確認は、車両702の運転支援システムが検出された交通事象に対処することを搭乗者に示す。いくつかの実装形態では、確認は、搭乗者に対する1つ又は複数のタイプの物理的フィードバックを有し得る。例えば、車両702の運転支援システムは、車両702のブレーキを緩やかにタップし、これにより、現在制御されている車両702の動きを大幅に変更することなく、運転支援システムが車両704を検出したことを搭乗者に合図し得る。
【0069】
図7Cは、車両702の運転支援システムが車両704の後に自動で追従するために車頭間隔制御を適用し始める最大距離に、車両702及び704の間の距離708が現在およそ等しいことを示す。例えば、車頭間隔制御は、予め定められた最大速度までで、車両702及び704の間の最小の間隔を保持することを含み得る。車頭間隔制御(又は、別の例として、アダプティブクルーズコントロール)を適用することは、車両704を検出した車両702の運転支援システムが、検出の時間の後のいくらかの(おそらくまだ定められていない)時間に後続の動作を取るという計画をしたかもしれないことを示す。しかしながら、搭乗者に対する物理的フィードバックによる確認を生成することによって、車両702の運転支援システムは、確定した動作が取られる前にも、運転支援システムが交通事象を検出したこと及びそれに対処することを搭乗者が確信できるという、より快適な搭乗体験を提供することができる。
【0070】
図8は、図7A~7Cにおける例に関連する速度の一例を用いた図表800を示す。図表800は、本明細書における他の箇所に記載された1つ又は複数の他の例と共に用いられ得る。図表800は、水平軸上の時間(例えば、t)の関数としての垂直軸上の速度(例えば、v)を示す。時間軸上で、検出の時間(tcut-in)は、運転支援システムが交通事象を検出した時を示す。例えば、図7A~7Cも参照すると、検出の時間は、車両704がその車線に入ることを車両702の運転支援システムが検出した時に対応する。
【0071】
交通事象の性質及び/又は他の状況によって、交通事象を検出したことに応じて、運転支援システムは、行われる予定の1つ又は複数の将来の動作を計画してもよいし、又は具体的な将来の動作を何も計画しなくてもよい。ここで、図表800は、破線を使用して示されたグラフ802を含む。グラフ802は、本開示において記載されるような確認のプロビジョニング無しの車両の動き(すなわち、運転支援システムによって制御された動き)に対応する。グラフ802は、車両が検出の時間において速度804を有すること、及びそれがいくらかの期間に亘って速度804を保持することを示す。
【0072】
ここで、図表800は、実線を使用して示されたグラフ806を含む。グラフ806は、本開示において記載されるような確認のプロビジョニング有りの車両の動き(すなわち、運転支援システムによって制御された動き)に対応する。グラフ806は、車両が検出の時間に速度804を有すること、車両が検出の時間の後すぐにブレーキ動作によって(例えば、ブレーキをかけること及び/又はパワートレイントルクを低減させることによって)減速806'を経験すること、及びそれが速度804にその後戻り、速度804を保持することを示す。すなわち、減速806'を受ける車速は、グラフ802に係る車速に最終的に等しくあり得る。減速806'は、搭乗者の注意を引くことを意図した初期ブレーキ808を含み得、その後、車両は、より急でないペースで速度804に戻る。
【0073】
現在の例において、運転支援システムは、車両704の検出に応じて任意の具体的な動作を行うことを計画しなかったかもしれない。しかしながら、確認は、運転支援システムが交通事象を検出して、それに対処することを、搭乗者に示す。
【0074】
図9A~9Cは、自車がターゲットの車両に自動で追従している時に、自車の車線に合流する車両に関連する検出された交通事象に、運転支援システムが対処することを確認することに関連する例を示す。図9A~9Cを参照して記載されている例は、本明細書における他の箇所に記載されている1つ又は複数の他の例と組み合わされ得る。
【0075】
要するに、矢印906によって概略的に示されているように、道路900上で、ADAS/ADシステムを搭載した車両902は、安全な時間差を有して、自動車線センタリングが有効にされた状態で、車両904に追従している。例えば、車両902の運転者は、ホイールからその手を離していてよい。矢印910によって概略的に示されているように、車両908は、車両902を追い越し、車両902の前方の右において割り込む。車両908は、これを、車両902の搭乗者が潜在的にリスクを伴う近接として認識し得るもの(例えば、1秒未満の時間差)で行う。車両902の搭乗者が手動で運転している場合、彼らは、車両908との距離を増大するために、ブレーキペダルに彼らの足をすぐに移動し、ブレーキペダルを(例えば、比較的力をこめて)押したかもしれない。これは、迅速な車両902の速度の低減、又はより正確には、縦方向のジャークにおける大規模なスパイクをもたらし得る。車両902が運転支援を用いて(例えば、自律的に)動作しているため、ADAS/ADシステムは、状況を認識し、車両908の後部へと衝突することを回避するために速度を低減させるための計画を展開した。計画アルゴリズムの観点から、これは、特に困難な状況ではないかもしれず、ADAS/ADシステムは、安全(それは衝突を回避する)且つスムーズ(速度の低下が緩やかであるか、又は特に急速でない)の両方である計画された速度プロファイルを計算し得る。プロファイルを実行することは、安全であり得るが、スムーズな速度の低減は、(「チーン」のような音を通じた潜在的な通知にも関わらず)車両902内の搭乗者が心配になり、不快を感じるのに十分な短さに車両908との距離がなることを可能にし得る。すなわち、車両902の搭乗者がシートベルトから少しの押しを認識するのに十分なほど、速度をすぐに低減させる、ADAS/ADシステムによる急に動く(それほどスムーズでない)反応を、車両902の搭乗者は、好み得る。ADAS/ADシステムは、この好みを満たすように速度プロファイルを設計し得る。標準的なプロファイル設計基準とは対照的に、このプロファイルは、実行される動きを意図的に、初期に急に動いていると感じさせるようにし得る。数学的に、このプロファイルのための設計手順は、数量ジャーク、又は加速度の時間微分を伴う必要はない。初期の急な動きは、衝突のリスクが事実上存在しないことへの疑いがあったとしても、それをほとんど残さないで、潜在的な危険が処理され、取り扱われているということの、車両902内の任意の搭乗者に対する明確なメッセージとしての役割を果たし得る。ユーザに意図を伝達することに加えて、車両908との距離も増大するこの初期の急な動きの後、速度プロファイルの残りは、快適等の他の優先事項を考慮して設計され得る。
【0076】
ここでより詳細に、本例は、道路900上の交通を参照して説明される。車両902は現在、道路900上の左車線に位置している。例えば、道路900は、2つの車線のうちいずれかにおいて一方交通進行を有する。車両902は、自車と考えられ得る。車両902は現在、図の上部に向かう方向で道路900に沿って進んでいる。運転支援システムは現在、車両902の動きを制御している。具体的に、車両902は現在、車両904の後に自動で追従している。例えば、車線維持機能及び/又はアダプティブクルーズコントロールは現在、車両902においてアクティブであってよい。現在、車両908は、道路900の右車線且つ車両902のある程度前方に存在している。
【0077】
図9Bは、矢印910によって概略的に示されているように、車両908が右車線から車両902の前方の左車線に移動し始めることを示している。車両902の運転支援システムは、この交通事象を検出する。例えば、車両902の運転支援システムは、交通事象の性質及び/又は他の状況によって、交通事象に対処するために、1つ又は複数の動作を計画してもよいし、又は具体的な将来の動作を計画しなくてもよい。
【0078】
車両902の運転支援システムは、車両908の動きを検出したことに応じて、搭乗者に少なくとも1つの確認を行い得る。例えば、これは、車両902の車線に車両908が完全に入る前に、実行され得、運転支援システムは、車両908の検出に対処するための1つ又は複数の動作を行い得る。確認は、車両902の運転支援システムが検出された交通事象に対処することを搭乗者に示す。いくつかの実装形態では、確認は、搭乗者に対する1つ又は複数のタイプの物理的フィードバックを有し得る。例えば、車両902の運転支援システムは、車両902のブレーキを緩やかにタップし、これにより、現在制御されている車両902の動きを大幅に変更することなく、運転支援システムが車両908を検出したことを搭乗者に合図し得る。
【0079】
図9Cは、車両902及び908の間の距離912が現在、車両908の後に自動で追従するために車両902の運転支援システムが車頭間隔制御を適用するようなものであることを示す。例えば、車頭間隔制御は、予め定められた最大速度までで、車両902及び908の間の最小の間隔を保持することを含み得る。車頭間隔制御(又は、別の例として、アダプティブクルーズコントロール)を適用することは、車両908を検出した車両902の運転支援システムが、検出の時間の後のいくらかの(おそらくまだ定められていない)時間に後続の動作を取るという計画をしたかもしれないことを示す。しかしながら、搭乗者に対する物理的フィードバックによる確認を生成することによって、車両902の運転支援システムは、確定した動作が取られる前にも、運転支援システムが交通事象を検出したこと及びそれに対処することを搭乗者が確信できるという、より快適な搭乗体験を提供することができる。
【0080】
図10は、図9A~9Cにおける例に関連する速度の一例を用いた図表1000を示す。図表1000は、本明細書における他の箇所に記載された1つ又は複数の他の例と共に用いられ得る。図表1000は、水平軸上の時間(例えば、t)の関数としての垂直軸上の速度(例えば、v)を示す。時間軸上で、検出の時間(tcut-in)は、運転支援システムが交通事象を検出した時を示す。例えば、図9A~9Cも参照すると、検出の時間は、車両908がその車線に入ることを車両902の運転支援システムが検出した時に対応する。
【0081】
交通事象の性質及び/又は他の状況によって、交通事象を検出したことに応じて、運転支援システムは、行われる予定の1つ又は複数の将来の動作を計画してもよいし、又は具体的な将来の動作を何も計画しなくてもよい。ここで、図表1000は、破線を使用して示されたグラフ1002を含む。グラフ1002は、本開示において記載されるような確認のプロビジョニング無しの車両の動き(すなわち、運転支援システムによって制御された動き)に対応する。グラフ1002は、車両が検出の時間に速度1004を有すること、検出時間に続いて発生する減速1002'までのいくらかの期間に亘って、それが速度1004を保持することを示す。
【0082】
ここで、図表1000は、実線を使用して示されたグラフ1006を含む。グラフ1006は、本開示において記載されるような確認のプロビジョニング有りの車両の動き(すなわち、運転支援システムによって制御された動き)に対応する。グラフ1006は、車両が検出の時間に速度1004を有すること、車両が検出の時間の後すぐにブレーキ動作によって(例えば、ブレーキをかけること及び/又はパワートレイントルクを低減させることによって)減速1006'を経験すること、及びそれが速度1004に最終的に戻り、速度1004を保持することを示す。すなわち、減速1006'を受ける車速は、グラフ1002に係る車速に最終的に等しくあり得る。減速1006'は、搭乗者の注意を引くことを意図した初期ブレーキ1008を含み得る。初期ブレーキ1008の後、車両は、より急でないペースで速度を取り戻し得る。
【0083】
減速1006'は、減速1002'より順序が先であり、減速1002'よりも強い。少なくとも瞬間1010において、減速1006'は、減速1002'に等しくあり得る。減速1006'及び減速1002'が瞬間1010において等しくなった後、瞬間1012において、減速1006'の速度は、減速1002'の速度よりも大きくあり得る。瞬間1012の後、減速1006'の速度は、減速1002'の速度に等しくなり得る。
【0084】
現在の例において、運転支援システムは、車両908の検出に応じて、任意の具体的な動作を行うことを計画していないかもしれない。しかしながら、確認は、運転支援システムが交通事象を検出して、それに対処することを、搭乗者に示す。
【0085】
図11は、プロセス1100の一例のためのフローチャートを示す。プロセス1100は、本明細書において記載されている1つ又は複数の他の例と共に使用され得る。示されているよりも多くの又は少ないオペレーションが行われ得る。2つ又はそれより多くのオペレーションは、別段示されない限り、異なる順序で行われ得る。
【0086】
オペレーション1102において、運転支援が始められ得る。いくつかの実装形態では、運転支援システムは、本明細書の他の箇所において記載されている自車のうちの少なくとも1つの動きを制御し得る。例えば、道路制御、アダプティブクルーズコントロール、及び/又は車線維持機能が適用され得る。
【0087】
オペレーション1104において、交通事象が検出され得る。いくつかの実装形態では、自車の外部の交通事象を検出するために、自車の少なくとも1つのセンサが使用され得る。
【0088】
オペレーション1106において、運転支援システムは、運転支援システムが交通事象に対処するという確認を自車内の搭乗者に行い得る。いくつかの実装形態では、確認は、搭乗者が認識できる物理的フィードバックを有する。例えば、本明細書の他の箇所において記載されている物理的フィードバックのうち1つ又は複数が提供され得る。
【0089】
オペレーション1108において、オーディオ出力及び/又はビジュアル出力が運転支援システムによって生成され得る。
【0090】
オペレーション1110において、運転支援システムは、交通事象を検出したことに応じて、1つ又は複数の動作を行い得る。いくつかの実装形態では、動作は、似ているか、又は搭乗者に対する物理的フィードバックを生成する際に使用されるタイプの作動を含み得る。例えば、そのタイプの作動は、搭乗者が交通事象に気づいた時にどのように応答すると予測され得るかに関連し得る。
【0091】
図12は、車両1200の一例を示す。車両1200は、本明細書の他の箇所で説明される1つ又は複数の他の例と共に使用されてもよい。車両1200は、ADAS/ADシステム1202及び車両制御1204を含み得る。ADAS/ADシステム1202は、以下の図13を参照して記載されている構成要素の一部又は全てを使用して実装され得る。ADAS/ADシステム1202は、センサ1206及び計画アルゴリズム1208を含む。ADAS/ADシステム1202が実装され得る車両1200の他の構成要素を、限定されないが、含む、車両1200が含み得る他の態様は、簡潔さのためにここでは省略される。
【0092】
センサ1206は、センサ出力を処理し、その処理に基づいた検出を行うための適切な回路及び/又は実行可能プログラミングも含むとして、ここで記載される。センサ1206は、レーダ1210を含み得る。いくつかの実装形態では、レーダ1210は、少なくとも部分的に電波に基づいた任意の物体検出システムを含み得る。例えば、レーダ1210は、車両に対して前方方向で方向付けられ得、1つ又は複数の他の物体(例えば、別の車両)との距離を少なくとも検出するために使用され得る。レーダ1210は、車両1200との関係で物体の存在を検知することによって交通事象を検出し得る。
【0093】
センサ1206は、ライダ1212を含み得る。いくつかの実装形態では、ライダ1212は、少なくとも部分的にレーザ光に基づいた任意の物体検出システムを含み得る。例えば、ライダ1212は、車両に対して任意の方向で方向付けられ得、1つ又は複数の他の物体(例えば、別の車両)との距離を少なくとも検出するために使用され得る。ライダ1212は、車両1200との関係で物体の存在を検知することによって、交通事象を検出し得る。
【0094】
センサ1206は、カメラ1214を含み得る。いくつかの実装形態では、カメラ1214は、その信号を車両1200が考慮する任意の画像センサを含み得る。例えば、カメラ1214は、車両に対する任意の方向で方向付けられ得、車両、車線、車線模様、及び/又は道路標識を検出するために使用され得る。カメラ1214は、車両1200との関係で状況を視覚的に記録することによって、交通事象を検出し得る。
【0095】
センサ1206は、超音波センサ1216を含み得る。いくつかの実装形態では、超音波センサ1216は、超音波に基づいて少なくとも物体の近接を検出する際に使用される任意の送信機、受信機、及び/又は送受信機を含み得る。例えば、超音波センサ1216は、車両の外面に又はその近くに位置し得る。超音波センサ1216は、車両1200との関係で物体の存在を検知することによって、交通事象を検出し得る。
【0096】
ADAS/ADシステム1202が車両1200の動きを制御している間に、センサ1206のうち任意の1つだけで、又はセンサ1206のうち2つ又はそれより多くが集合的に、車両1200の外部の交通事象を検出し得る。いくつかの実装形態では、センサ1206のうちの少なくとも1つは、交通事象を検出する際に考慮される出力を生成し得る。例えば、2つ又はそれより多くのセンサの出力(例えば、レーダ1210、ライダ1212、及びカメラ1214の出力)は、自車及びターゲットの車両の間の距離を決定するために、組み合わされ得る。いくつかの実装形態では、1つ又は複数の他のタイプのセンサは、センサ1206に加えて又は代えて含まれ得る。
【0097】
計画アルゴリズム1208は、検出された交通事象に応じて、1つ又は複数の動作を行う又は動作を何も行わないことを、ADAS/ADシステム1202について計画し得る。センサ1206のうち1つ又は複数の出力が考慮され得る。いくつかの実装形態では、計画アルゴリズム1208は、減速202'(図2)、横方向オフセット変化402'(図4)、横方向オフセット変化602'(図6)、車両704の自動追従(図7C)、及び/又は減速1002'(図10)を定め得る。計画アルゴリズム1208又はADAS/ADシステム1202の別の態様は、交通事象の検出に応じて、搭乗者に対する物理的フィードバックの遂行をトリガし得る。例えば、減速206'(図2)、横方向オフセット変化406'(図4)、横方向オフセット変化606'(図6)、減速806'(図8)、及び/又は減速1006'(図10)のうち1つ又は複数の遂行がトリガされ得る。
【0098】
車両制御1204は、ステアリング制御1218を含み得る。いくつかの実装形態では、ADAS/ADシステム1202及び/又は車両1200の別の運転者は、ステアリング制御1218を操作することによって、少なくとも1つのホイールのステアリング角を調節することによって、車両1200の軌跡を制御する。ステアリング制御1218は、ステアリング制御1218及び調整可能なホイールの間の機械的な接続を通じてステアリング角を制御するために構成されてもよいし、又はステアバイワイヤシステムの一部であってもよい。
【0099】
車両制御1204は、ギア制御1220を含み得る。いくつかの実装形態では、ADAS/ADシステム1202及び/又は車両1200の別の運転者は、ギア制御1220を使用して、車両の複数の動作モード(例えば、運転様式、ニュートラルモード、又は駐車モード)の中から選択する。例えば、ギア制御1220は、車両1200における自動伝送を制御するために使用され得る。
【0100】
車両制御1204は、信号制御1222を含み得る。いくつかの実装形態では、信号制御1222は、車両1200が生成し得る1つ又は複数の信号を制御し得る。例えば、信号制御1222は、回転信号及び/又は車両1200のクラクションを制御し得る。
【0101】
車両制御1204は、ブレーキ制御1224を含み得る。いくつかの実装形態では、ブレーキ制御1224は、車両を減速する、車両を停止する、及び/又は停止されている場合には車両を停止している状態で保持するように設計された1つ又は複数のタイプのブレーキシステムを制御し得る。例えば、ブレーキ制御1224は、ADAS/ADシステム1202によって作動され得る。別の例として、ブレーキ制御1224は、ブレーキペダルを使用して運転者によって作動され得る。
【0102】
車両制御1204は、車両ダイナミックシステム1226を含み得る。いくつかの実装形態では、車両ダイナミックシステム1226は、運転者の制御に加えて、又はその非存在下で、又はそれに代わって車両1200の1つ又は複数の機能を制御し得る。例えば、車両が丘の上で停止するようになった場合で、運転者がブレーキ制御1224をアクティブ化すること(例えば、ブレーキペダルを踏むこと)をしない場合、車両ダイナミックシステム1226は、停止している状態で車両を保ち得る。
【0103】
車両制御1204は、加速度制御1228を含み得る。いくつかの実装形態では、加速度制御1228は、車両の1つ又は複数のタイプの推進モータを制御し得る。例えば、加速度制御1228は、車両1200の電気モータ及び/又は内燃モータを制御し得る。
【0104】
車両制御1204は、シートベルトテンショナ1230を含み得る。いくつかの実装形態では、シートベルトテンショナ1230は、車両1200の1つ又は複数のシートに対して、シートベルトの張力を制御(例えば、張力を増大及び/又は低下)し得る。例えば、シートベルトテンショナ1230は、衝撃の事象において、ある量のプリテンションをシートベルトに適用するために、及び/又は交通事象の検出時に搭乗者に物理的フィードバックを提供するために、張力を制御し得る。
【0105】
車両制御1204は、シートモーター1232を含み得る。いくつかの実装形態では、シートモーター1232は、車両1200のシートの1つ又は複数の横方向位置(例えば、前後方向でシートを移動)及び/又は構成(例えば、背もたれの傾きを調節する)を制御し得る。例えば、シートモーター1232は、ユーザ入力(例えば快適な設定)に従って、及び/又は交通事象の検出時に搭乗者に物理的フィードバックを提供するために、位置/傾きを制御し得る。
【0106】
車両制御1204の一部又は全ては、車両1200の搭乗者が認識できる物理的フィードバックを提供するため構成されていてよい。このような物理的フィードバックは、ADAS/ADシステム1202が検出された交通事象に対処していという、搭乗者に対する確認としての役割を果たし得る。
【0107】
車両1200は、ユーザインタフェース1234を含み得る。ユーザインタフェース1234は、オーディオインタフェース1236を含み得る。いくつかの実装形態では、オーディオインタフェース1236は、搭乗者コンパートメント内に位置する1つ又は複数のスピーカを含み得る。例えば、オーディオインタフェース1236は、車両内のインフォテインメントシステムと共に、少なくとも部分的に動作し得る。
【0108】
ユーザインタフェース1234は、ビジュアルインタフェース1238を含み得る。いくつかの実装形態では、ビジュアルインタフェース1238は、車両1200の搭乗者コンパートメント内の少なくとも1つのディスプレイデバイスを含み得る。例えば、ビジュアルインタフェース1238は、タッチ画面デバイス及び/又はインストルメント・クラスタディスプレイを含み得る。
【0109】
いくつかの実装形態では、車両1200のモータは、搭乗者に対する物理的フィードバックを生成するために、作動され得る。例えば、モータは、速度を増大する又は車両1200の速度を低下させるために制御され得る。
【0110】
いくつかの実装形態では、搭乗者に対する物理的フィードバックのプロビジョニングが、1つ又は複数のメッセージの提示との組合せで行われ得る。例えば、オーディオインタフェース1236及び/又はビジュアルインタフェース1238は、交通事象の検出時に作動され得る。
【0111】
図13は、本明細書において記載されているシステム、装置、及び/又は技法のうちのいずれか、又は考えられる様々な実施形態で利用することができる任意の他のシステム、装置、及び/又は技法を含む、本開示の態様を実装するために使用され得るコンピューティングデバイス1300の例示的なアーキテクチャを示す。
【0112】
図13に示されているコンピューティングデバイスを使用して、本明細書において記載されているオペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、及び/又は(ソフトウェアエンジンを含む)ソフトウェアモジュールを実行することができる。
【0113】
いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス1300は、中央処理装置(CPU)等の少なくとも1つの処理デバイス1302(例えばプロセッサ)を含む。様々な処理デバイスは、様々な製造業者、例えばIntel又はAdvanced Micro Devicesから入手可能である。この例では、コンピューティングデバイス1300は、システムメモリ1304、及びシステムメモリ1304を含む様々なシステム構成要素を処理デバイス1302に結合するシステムバス1306も含む。システムバス1306は、様々なバスアーキテクチャのうちのいずれかを使用する、メモリバス、又はメモリコントローラ;周辺バス;及びローカルバスを含むがこれらに限定されない、使用することができる任意の数のタイプのバス構造のうちの1つである。
【0114】
コンピューティングデバイス1300を使用して実装され得るコンピューティングデバイスの例は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、(スマートフォン、タッチパッドモバイルデジタルデバイス、又は他のモバイルデバイス等の)モバイルコンピューティングデバイス、又はデジタル命令を処理するように構成された他のデバイスを含む。
【0115】
システムメモリ1304は、リードオンリメモリ1308及びランダムアクセスメモリ1310を含む。起動中等にコンピューティングデバイス1300内で情報を転送するように機能する基本ルーチンを含む基本入出力システム1312が、リードオンリメモリ1308に記憶されてもよい。
【0116】
いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス1300は、デジタルデータを記憶するためにハードディスクドライブ等の二次ストレージデバイス1314も含む。二次ストレージデバイス1314は、二次ストレージインタフェース1316によってシステムバス1306に接続される。二次ストレージデバイス1314、及び関連付けられたそのコンピュータ可読媒体は、コンピューティングデバイス1300用の(アプリケーションプログラム及びプログラムモジュールを含む)コンピュータ可読命令、データ構造、及び他のデータの不揮発性であり非一時的なストレージを提供する。
【0117】
本明細書において記載されている例示的な環境では二次ストレージデバイスとしてハードディスクドライブが利用されているが、他の実施形態では他のタイプのコンピュータ可読記憶媒体が使用される。これらの他のタイプのコンピュータ可読記憶媒体の例は、磁気カセット、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク、ベルヌーイカートリッジ、コンパクトディスクリードオンリメモリ、デジタルバーサタイルディスクリードオンリメモリ、ランダムアクセスメモリ、又はリードオンリメモリを含む。いくつかの実施形態は、非一時的媒体を含む。例えば、コンピュータプログラム製品は、非一時的記憶媒体において有形に具現化されてもよい。加えて、このようなコンピュータ可読記憶媒体は、ローカルストレージ又はクラウドベースのストレージを含んでもよい。
【0118】
複数のプログラムモジュールが、二次ストレージデバイス1314、及び/又はオペレーティングシステム1318、1つ又は複数のアプリケーションプログラム1320、(本明細書において記載されているソフトウェアエンジン等の)他のプログラムモジュール1322、及びプログラムデータ1324を含むシステムメモリ1304に記憶され得る。コンピューティングデバイス1300は、Microsoft Windows(登録商標)、Google Chrome(登録商標)OS、Apple(登録商標) OS、Unix(登録商標)、又はLinux(登録商標)及び変形体、及びコンピューティングデバイスに適した任意の他のオペレーティングシステム等の、任意の適したオペレーティングシステムを利用することができる。他の例は、タブレットコンピューティングデバイスで使用されるMicrosoft(登録商標)、Google(登録商標)、又はAppleオペレーティングシステム、又は任意の他の適したオペレーティングシステムを含むことができる。
【0119】
いくつかの実施形態では、ユーザは1つ又は複数の入力デバイス1326を通じてコンピューティングデバイス1300に入力を提供する。入力デバイス1326の例は、キーボード1328、マウス1330、(例えば音声及び/又は他のオーディオ入力のための)マイク1332、(タッチパッド又はタッチ感知ディスプレイ等の)タッチセンサ1334、及び(例えばジェスチャ入力のための)ジェスチャセンサ1335を含む。いくつかの実装形態では、入力デバイス1326は存在、近接、及び/又は動きに基づく検出を提供する。いくつかの実装形態では、ユーザが歩いて自身の家に入る場合があり、これにより処理デバイスへの入力がトリガされる場合がある。例えば、この場合、入力デバイス1326はユーザの自動化された体験を容易にし得る。他の実施形態は他の入力デバイス1326を含む。入力デバイスは、システムバス1306に結合された入出力インタフェース1336を通じて処理デバイス1302に接続され得る。これらの入力デバイス1326は、(パラレルポート、シリアルポート、ゲームポート、又はユニバーサルシリアルバス等の)任意の数の入出力インタフェースによって接続されてもよい。考えられるいくつかの実施形態では入力デバイス1326及び入出力インタフェース1336の間の無線通信も可能であり、いくつかの例だけを挙げると、赤外線、BLUETOOTH(登録商標)無線技術、802.11a/b/g/n、セルラー、超広帯域(UWB)、ZigBee(登録商標)、又は他の無線周波数通信システムを含む。
【0120】
この例示的な実施形態では、モニタ、液晶ディスプレイデバイス、発光ダイオードディスプレイデバイス、プロジェクタ、又はタッチ感知ディスプレイデバイス等のディスプレイデバイス1338も、ビデオアダプタ1340等のインタフェースを介してシステムバス1306に接続される。コンピューティングデバイス1300は、ディスプレイデバイス1338に加えて、スピーカ又はプリンタ等の様々な他の周辺デバイス(図示せず)を含んでもよい。
【0121】
コンピューティングデバイス1300は、ネットワークインタフェース1342を通じて1つ又は複数のネットワークに接続され得る。ネットワークインタフェース1342は、有線及び/又は無線通信を提供することができる。いくつかの実装形態では、ネットワークインタフェース1342は、無線信号を送信及び/又は受信するための1つ又は複数のアンテナを含むことができる。ローカルエリアネットワーク環境又は(インターネット等の)ワイドエリアネットワーク環境で使用されるとき、ネットワークインタフェース1342はイーサネット(登録商標)インタフェースを含むことができる。考えられる他の実施形態は、他の通信デバイスを使用する。例えば、コンピューティングデバイス1300のいくつかの実施形態は、ネットワークを通じて通信するためのモデムを含む。
【0122】
コンピューティングデバイス1300は、少なくとも何らかの形態のコンピュータ可読媒体を含むことができる。コンピュータ可読媒体は、コンピューティングデバイス1300によってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体を含む。一例として、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読記憶媒体及びコンピュータ可読通信媒体を含む。
【0123】
コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータ等の情報を記憶するように構成された任意のデバイスに実装される、揮発性及び不揮発性であり、リムーバブル及び非リムーバブルな媒体を含む。コンピュータ可読記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ、リードオンリメモリ、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ、フラッシュメモリ、又は他のメモリ技術、コンパクトディスクリードオンリメモリ、デジタルバーサタイルディスク、又は他の光学ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ、又は他の磁気ストレージデバイス、又は所望の情報を記憶するために使用することができコンピューティングデバイス1300によってアクセスすることができる任意の他の媒体を含むが、これらに限定されない。
【0124】
通常、コンピュータ可読通信媒体は搬送波又は他の伝送機構等の変調データ信号においてコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータを具現化し、任意の情報伝達媒体を含む。用語「変調データ信号」は、信号に情報をコード化する方式でその特性のうちの1つ又は複数を設定又は変更させた信号を指す。一例として、コンピュータ可読通信媒体は、有線ネットワーク又は直接有線接続等の有線媒体、及び音響、無線周波数、赤外線、及び他の無線媒体等の無線媒体を含む。上記のいずれかの組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲に含まれる。
【0125】
図13に示されているコンピューティングデバイスも、1つ又は複数のこのようなコンピューティングデバイスを含むことができるプログラマブル電子装置の一例であり、複数のコンピューティングデバイスが含まれる場合、このようなコンピューティングデバイスは適したデータ通信ネットワークに共に結合されて、本明細書に開示される様々な機能、方法、又はオペレーションを集合的に実施することができる。
【0126】
本明細書の全体を通して使用される用語「実質的に」及び「約」は、処理時のばらつきによるもの等の小さい変動を説明及び釈明するために使用される。例えば、それらは、±0.05%より小さいか又は等しいこと等の、±0.1%より小さいか又は等しいこと等の、±0.2%より小さいか又は等しいこと等の、±0.5%より小さいか又は等しいこと等の、±1%より小さいか又は等しいこと等の、±2%より小さいか又は等しいこと等の、±5%より小さいか又は等しいことを指すことができる。また、本明細書において使用されるとき、「a」又は「an」等の不定冠詞は「少なくとも1つ」を意味する。
【0127】
(そのような複数のコンセプトが互いに矛盾しないならば)上記の複数のコンセプト及び以下でより詳細に説明される追加の複数のコンセプトの全ての組合せが、本明細書に開示されている本発明の主題の一部であるとして考えられることを理解されたい。具体的には、本開示の最後に表れる特許請求された主題の全ての組合せは、本明細書に開示される発明の主題の一部であることが企図されている。
【0128】
複数の実装形態について説明してきた。しかし、本明細書の精神及び範囲から逸脱しない限り、様々な修正が加えられてもよいことが理解されよう。
【0129】
加えて、図に示されている論理の流れは、望ましい結果を得るために、示されている特定の順序、又は連続した順序を必要としない。加えて、他のプロセスが提供されてもよく、又は説明された流れからプロセスが削除されてもよく、説明されたシステムに他の構成要素が追加又は除去されてもよい。従って、他の実装形態が添付の特許請求の範囲に記載の範囲に含まれる。
【0130】
説明された実装形態のいくつかの特徴は本明細書において記載されているように示されてきたが、今や多くの修正、置換、変更、及び均等物が当業者に思い起こされよう。したがって、添付の特許請求の範囲は、実装形態の範囲に含まれる全てのこのような修正及び変更を包含することを意図していることが理解されるべきである。それらは限定ではなく単なる一例として提示されており、形態及び詳細に様々な変更が加えられてもよいことを理解されたい。互いに排他的な組合せを除いて、本明細書において記載されている装置及び/又は方法の任意の部分が任意の組合せで組み合わせられてもよい。本明細書において記載されている実装形態は、説明された様々な実装形態の機能、構成要素、及び/又は特徴の様々な組合せ及び/又は部分的組合せを含むことができる。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】