(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】注意散漫感知型交通発進アラート
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
G08G1/16 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547143
(86)(22)【出願日】2022-02-16
(85)【翻訳文提出日】2023-09-28
(86)【国際出願番号】 US2022070677
(87)【国際公開番号】W WO2022178509
(87)【国際公開日】2022-08-25
(32)【優先日】2021-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515301041
【氏名又は名称】アティエヴァ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミランダ、エリセオ
(72)【発明者】
【氏名】サラマ、シュリーフ エム.
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB13
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF27
5H181FF32
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL20
(57)【要約】
コンピュータ実装方法は:第1の車両のコンピュータシステムが、交通停止基準が満たされていると判定する段階、前記交通停止基準は、前記第1の車両が交通において静止していること、及び、前記第1の車両のすぐ前にある第2の車両もまた静止していることを含む;前記コンピュータシステムが、前記第1の車両の運転者に関連するカメラ出力を受信する段階、前記カメラ出力は、前記第1の車両の搭乗者キャビン内に位置付けられたカメラによって生成される;前記コンピュータシステムが、前記カメラ出力に基づき、前記運転者に注意散漫レベルを割り当てる段階、前記注意散漫レベルは、複数の注意散漫レベルの中から選択される;前記コンピュータシステムが、発進事象の基準が満たされていると判定する段階;及び、前記コンピュータシステムが、前記運転者に割り当てられた前記注意散漫レベルに基づき、前記発進事象に関する複数のアラートレベルの中から第1のアラートレベルを選択する段階、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の車両のコンピュータシステムが、交通停止基準が満たされていると判定する段階、前記交通停止基準は、前記第1の車両が交通において静止しており、前記第1の車両のすぐ前にある第2の車両もまた静止していることを含む;
前記コンピュータシステムが、前記第1の車両の運転者に関連するカメラ出力を受信する段階、前記カメラ出力は、前記第1の車両の搭乗者キャビン内に位置付けられたカメラによって生成される;
前記コンピュータシステムが、前記カメラ出力に基づき、前記運転者に注意散漫レベルを割り当てる段階、前記注意散漫レベルは、複数の注意散漫レベルの中から選択される;
前記コンピュータシステムが、発進事象の基準が満たされていると判定する段階;及び
前記コンピュータシステムが、前記運転者に割り当てられた前記注意散漫レベルに基づき、前記発進事象に関する複数のアラートレベルの中から第1のアラートレベルを選択する段階
を備える、コンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記第1のアラートレベルは、聴覚アラート又は視覚アラートの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
アラート一時停止基準が満たされているかどうかを判定する段階を更に備える、請求項1又は2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記アラート一時停止基準は、所定期間中における事象を考慮する、請求項3に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記所定期間は、直近に発せられたアラート以降の時間を有し、ここで前記アラート一時停止基準は、前記直近に発せられたアラート以降に前記第1の車両が閾値速度を超えたことを含む、請求項4に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記所定期間は、前記第1の車両が作動されて以降の時間を有し、ここで前記アラート一時停止基準は、前記第1の車両が作動されて以降に前記第1の車両が閾値速度を超えたことを含む、請求項4に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記発進事象の前記基準は、前記第1の車両及び前記第2の車両の間の距離が閾値距離を超えるかどうかを考慮する、請求項1から6のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記閾値距離は、前記第1の車両の長さに少なくとも部分的に基づいている、請求項7に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記閾値距離は、初期距離に前記第1の車両の前記長さを加えたものとして定義され、ここで前記初期距離は、前記交通停止基準が満たされている場合における前記第1の車両及び前記第2の車両の間の前記距離として定義される、請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
前記交通停止基準が満たされた後であって前記発進事象の前記基準が満たされる前において、前記第1の車両が前記第2の車両に対して移動すると判定する段階、及び、これに応答して、前記閾値距離を前記第1の車両及び前記第2の車両の間の新たな距離で更新する段階、を更に備える、請求項9に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
前記交通停止基準が満たされた後であって前記発進事象の前記基準が満たされる前において、前記第2の車両が前記第1の車両に向かって移動すると判定する段階を更に備え、ここで前記閾値距離は、前記第1の車両及び前記第2の車両の間のより短い距離で更新されない、請求項9に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
前記発進事象の前記基準は、前記第1の車両のブレーキペダルが踏み込まれていることを更に有する、請求項7から11のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
前記ブレーキペダルがもはや踏み込まれていないと判定する段階、及び、車両動態システムが前記第1の車両を停止状態に保持していない限りにおいてアラートを抑止する段階、を更に備える、請求項12に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項14】
前記カメラ出力に基づき、前記第2の車両が前記発進事象の前記基準を満たしていると判定することに応答して、前記運転者の頭部方向及び前記運転者の視線方向を判定する段階を更に備え、ここで前記注意散漫レベルは、前記頭部方向及び前記視線方向に基づき割り当てられる、請求項1から13のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項15】
第1の注意散漫レベルは、前記運転者が現在、前記第1の車両のフロントガラスを通して見ておらず、前記第1の車両の運転席側窓を通して見ていることを前記頭部方向及び前記視線方向が示していることに応答して前記運転者に割り当てられる、請求項14に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項16】
第2の注意散漫レベルは、前記運転者が現在、前記第1の車両のフロントガラスを通して見ておらず、前記第1の車両の助手席の方、又は前記運転者の膝の方を見ていることを前記頭部方向及び前記視線方向が示していることに応答して前記運転者に割り当てられ、ここで前記第2の注意散漫レベルは、前記第1の注意散漫レベルに比べてより注意散漫な状態を表す、請求項15に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項17】
第3の注意散漫レベルは、前記運転者が現在、前記第1の車両のフロントガラスを通して見ておらず、前記第1の車両の後部の方を見ていることを前記頭部方向及び前記視線方向が示していることに応答して前記運転者に割り当てられ、ここで前記第3の注意散漫レベルは、前記第2の注意散漫レベルに比べてより注意散漫な状態を表している、請求項16に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項18】
前記発進事象の前記基準は、前記第2の車両の加速度が閾値加速度を超えるかどうかを考慮する、請求項1から17のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項19】
前記第1のアラートレベルを選択した後に、前記カメラ出力に基づくことなく、タイムアウト事象に基づき第2のアラートレベルを選択する段階を更に備える、請求項1から18のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項20】
視界方向の角度又は角度の範囲を考慮して、前記角度又は角度の範囲に基づき、アラートを生成する前に所定時間待機する段階を更に備える、請求項1から19のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項21】
最低注意散漫レベルに対してアラートは生成されず、全ての他の注意散漫レベルに対して同じタイプのアラートが生成される、請求項1から20のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項22】
少なくとも1つのアラートを抑制するかどうかを判定する段階を更に備える、請求項1から21のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項23】
前記アラートを抑制するかどうかの前記判定は、前記第1の車両の速度を考慮する段階を有する、請求項22に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項24】
プロセッサに動作を実行させるためのコンピュータプログラムであって、前記動作は:
第1の車両のコンピュータシステムが、交通停止基準が満たされていると判定する手順、前記交通停止基準は、前記第1の車両が交通において静止していること、及び、前記第1の車両のすぐ前にある第2の車両もまた静止していることを含む;
前記コンピュータシステムが、前記第1の車両の運転者に関連するカメラ出力を受信する手順、前記カメラ出力は、前記第1の車両の搭乗者キャビン内に位置付けられたカメラによって生成される;
前記コンピュータシステムが、前記カメラ出力に基づき、前記運転者に注意散漫レベルを割り当てる手順、前記注意散漫レベルは、複数の注意散漫レベルの中から選択される;
前記コンピュータシステムが、発進事象の基準が満たされていると判定する手順;及び
前記コンピュータシステムが、前記運転者に割り当てられた前記注意散漫レベルに基づき、前記発進事象に関する複数のアラートレベルの中から第1のアラートレベルを選択する手順
を有する、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2021年2月16日に提出された、「注意散漫感知型交通発進アラート(DISTRACTION-SENSITIVE TRAFFIC DRIVE-OFF ALERTS)」と題する米国特許出願第17/248,986号に対する優先権を主張するものであり、その開示内容は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本書は、注意散漫感知型交通発進アラートに関連する。
【背景技術】
【0003】
交通渋滞において、又は停止信号においてなど、交通における車両が1又は複数の他の車両の後ろで停止し得る複数のシナリオが存在する。交通がいつ再び流れ始めるかを認識し、車両がその時点で前進し続けられるようにすることは、多くの場合、車両の運転者に委ねられている。運転者が車両の前進運動を再開することを遅延させると、交通において途切れが生じ、これは通常望ましくない。そのような状況において、運転者に警告を発出するための幾つかの手法が試行されてきたが、それらは不必要に注意を引くものであり得、運転者の集中力レベルを低下させる、又は運転体験を損ねる可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
第1の態様において、コンピュータ実装方法は:第1の車両のコンピュータシステムが、交通停止基準が満たされていると判定する段階、前記交通停止基準は、前記第1の車両が交通において静止していること、及び、前記第1の車両のすぐ前にある第2の車両もまた静止していることを含む;前記コンピュータシステムが、前記第1の車両の運転者に関連するカメラ出力を受信する段階、前記カメラ出力は、前記第1の車両の搭乗者キャビン内に位置付けられたカメラによって生成される;前記コンピュータシステムが、前記カメラ出力に基づき、前記運転者に注意散漫レベルを割り当てる段階、前記注意散漫レベルは、複数の注意散漫レベルの中から選択される;前記コンピュータシステムが、発進事象の基準が満たされていると判定する段階;及び、前記コンピュータシステムが、前記運転者に割り当てられた前記注意散漫レベルに基づき、前記発進事象に関する複数のアラートレベルの中から第1のアラートレベルを選択する段階、を備える。
【0005】
実装形態は、以下の特徴のいずれか又は全てを含むことができる。第1のアラートレベルは、聴覚アラート又は視覚アラートの少なくとも1つを含む。コンピュータ実装方法は、アラート一時停止基準が満たされているかどうかを判定する段階を更に備える。アラート一時停止基準は、所定期間中における事象を考慮する。所定期間は、直近に発せられたアラート以降の時間を有し、ここでアラート一時停止基準は、直近に発せられたアラート以降に第1の車両が閾値速度を超えたことを含む。所定期間は、第1の車両が作動されて以降の時間を有し、ここでアラート一時停止基準は、第1の車両が作動されて以降に第1の車両が閾値速度を超えたことを含む。発進事象の基準は、第1及び第2の車両の間の距離が閾値距離を超えるかどうかを考慮する。閾値距離は、第1の車両の長さに少なくとも部分的に基づいている。閾値距離は、初期距離に第1の車両の長さを加えたものとして定義され、ここで初期距離は、交通停止基準が満たされている場合における第1及び第2の車両の間の距離として定義される。コンピュータ実装方法は、交通停止基準が満たされた後であって発進事象の基準が満たされる前において、第1の車両が第2の車両に対して移動すると判定する段階、及び、これに応答して、閾値距離を第1及び第2の車両の間の新たな距離で更新する段階を更に備える。コンピュータ実装方法は、交通停止基準が満たされた後であって発進事象の基準が満たされる前において、第2の車両が第1の車両に向かって移動すると判定する段階を更に備え、ここで閾値距離は、第1及び第2の車両の間のより短い距離で更新されない。発進事象の基準は、第1の車両のブレーキペダルが踏み込まれていることを更に有する。コンピュータ実装方法は、ブレーキペダルがもはや踏み込まれていないと判定する段階、及び、車両動態システムが第1の車両を停止状態に保持していない限りにおいてアラートを抑止する段階、を更に備える。コンピュータ実装方法は、カメラ出力に基づき、第2の車両が発進事象の基準を満たしていると判定することに応答して、運転者の頭部方向及び運転者の視線方向を判定する段階を更に備え、ここで注意散漫レベルは、頭部方向及び視線方向に基づき割り当てられる。第1の注意散漫レベルは、運転者が現在、第1の車両のフロントガラスを通して見ておらず、第1の車両の運転席側窓を通して見ていることを頭部方向及び視線方向が示していることに応答して運転者に割り当てられる。第2の注意散漫レベルは、運転者が現在、第1の車両のフロントガラスを通して見ておらず、第1の車両の助手席の方又は運転者の膝の方を見ていることを頭部方向及び視線方向が示していることに応答して運転者に割り当てられ、ここで第2の注意散漫レベルは、第1の注意散漫レベルに比べてより注意散漫な状態を表す。第3の注意散漫レベルは、運転者が現在、第1の車両のフロントガラスを通して見ておらず、第1の車両の後部の方を見ていることを頭部方向及び視線方向が示していることに応答して運転者に割り当てられ、ここで第3の注意散漫レベルは、第2の注意散漫レベルに比べてより注意散漫な状態を表す。発進事象の基準は、第2の車両の加速度が閾値加速度を超えるかどうかを考慮する。コンピュータ実装方法は、第1のアラートレベルを選択した後に、カメラ出力に基づくことなく、タイムアウト事象に基づき第2のアラートレベルを選択する段階を更に備える。コンピュータ実装方法は、視界方向の角度又は角度の範囲を考慮して、当該角度又は角度の範囲に基づき、アラートを生成する前に所定時間待機する段階を更に備える。最低注意散漫レベルに対してアラートは生成されず、全ての他の注意散漫レベルに対して同じタイプのアラートが生成される。コンピュータ実装方法は、少なくとも1つのアラートを抑制するかどうかを判定する段階を更に備える。アラートを抑制するかどうかの判定は、第1の車両の速度を考慮する段階を有する。
【0006】
第2の態様において、コンピュータプログラム製品は、非一時的ストレージ媒体に有形で具現化され、前記コンピュータプログラム製品は、実行された場合、プロセッサに動作を実行させる命令を備え、前記動作は:第1の車両のコンピュータシステムが、交通停止基準が満たされていると判定する手順、前記交通停止基準は、前記第1の車両が交通において静止していること、及び、前記第1の車両のすぐ前にある第2の車両もまた静止していることを含む;前記コンピュータシステムが、前記第1の車両の運転者に関連するカメラ出力を受信する手順、前記カメラ出力は、前記第1の車両の搭乗者キャビン内に位置付けられたカメラによって生成される;前記コンピュータシステムが、前記カメラ出力に基づき、前記運転者に注意散漫レベルを割り当てる手順、前記注意散漫レベルは、複数の注意散漫レベルの中から選択される;前記コンピュータシステムが、発進事象の基準が満たされていると判定する手順;及び、前記コンピュータシステムが、前記運転者に割り当てられた前記注意散漫レベルに基づき、前記発進事象に関する複数のアラートレベルの中から第1のアラートレベルを選択する手順、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【0008】
【0009】
【
図3A】車両の運転者及び搭乗者コンパートメントを概略的に示す。
【
図3B】車両の運転者及び搭乗者コンパートメントを概略的に示す。
【
図3C】車両の運転者及び搭乗者コンパートメントを概略的に示す。
【
図3D】車両の運転者及び搭乗者コンパートメントを概略的に示す。
【
図3E】車両の運転者及び搭乗者コンパートメントを概略的に示す。
【
図3F】車両の運転者及び搭乗者コンパートメントを概略的に示す。
【0010】
【0011】
【0012】
【
図6】本開示の態様を実装するために使用され得るコンピューティングデバイスの例示的なアーキテクチャを示す。
【0013】
様々な図面における同様の参照符号は、同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本書は、注意散漫感知型交通発進アラートを提供するシステム及び技法の例について説明する。幾つかの実装形態において、交通が再び流れ始めるときの状況に対するアラートは、車両が運転者において検出する現在の注意散漫レベルに応じて調整され得る。これにより、車両及びその運転者の間の相互作用に対するより微妙な(nuanced)手法を提供することができ、より集中した運転体験を提供することができる。
【0015】
本明細書の例では、車両に言及する。車両は、搭乗者又は積荷、又はその両方を輸送する機械である。車両は、少なくとも1つタイプの燃料又は他のエネルギー源(例えば電気)を使用する1又は複数のモータを有することができる。車両の例は、自動車、トラック、及びバスを含むが、これらに限定されない。車輪の数は車両のタイプの間で異なってもよく、車輪の1又は複数(例えば全て)は、車両の推進のために使用され得る。車両は、1人又は複数人の人を収容する搭乗者コンパートメントを含むことができる。少なくとも1人の車両の乗員は運転者であると考えることができ;この場合、様々なツール、道具、又は他のデバイスが運転者に提供され得る。本明細書の例において、例の対象物である車両は、場合により「自車両」と称される。1又は複数の他の車両は、場合により「目標車両」と称される。
【0016】
本明細書の例では、交通に言及する。本明細書において使用される場合、交通は、2又はそれより多くの車両が同じ道路、高速道路、又は街路を使用している任意の状況を指す。加えて、車両が交通において停止している状態は、車両が静止しており駐車されていない(例えば、自動変速機を有する車両が駐車モードに置かれていない)任意の状況を指す。
【0017】
本明細書の例では、発進事象に言及する。本明細書において使用される場合、発進事象とは、自車両のすぐ前に位置付けられた目標車両が自車両に対して特定の方法で移動するときを指す。例えば、目標車両は、自車両に対して特定の長さのスペースを空け得る。別の例として、目標車両は、少なくとも所定の加速度を受け得る。
【0018】
本明細書の例では、センサに言及する。センサは、事象及び/又はその環境の1又は複数の態様の変化を検出し、当該検出を反映する信号を出力するように構成されている。単なる説明的な例として、センサは、車両及び物体の間の距離、車両の速度、車両の軌道、又は車両の加速度のうち1又は複数を示し得る。1又は複数の実施形態と共に使用され得るセンサの例は、光センサ(例えば、カメラ);走査システム(例えば、ライダ);無線式センサ(例えば、レーダ);音響センサ(例えば、超音波デバイス及び/又はマイクロフォン);慣性計測ユニット(例えば、ジャイロスコープ及び/又は加速度計);(例えば、車両又はその構成要素用の)速度センサ;(例えば、車両又はその構成要素用の)位置センサ;(例えば、車両又はその構成要素用の)方位センサ;トルクセンサ;温度センサ(例えば、一次又は二次温度計);(例えば、周囲の空気又は車両の構成要素用の)圧力センサ;湿度センサ(例えば、雨検知器);又は着座センサを含むが、これらに限定されない。
【0019】
図1A~
図1Bは、車両システム100及び150の例を示す。車両システム100及び150は、本明細書の他の箇所で説明される1又は複数の他の例と共に使用され得る。車両システム100及び/又は150は、注意散漫感知型交通発進アラートを提供するために使用され得る。車両システム100は、センサ102、ユーザインタフェース104、及び車両制御部106を含む。車両システム100が含み得る他の態様、及び、車両システム100が実装され得る車両の他の構成要素は、簡潔さのためここでは省略される。
【0020】
センサ102は、レーダ108を含み得る。幾つかの実装形態において、レーダ108は、少なくとも部分的に電波に基づく任意の物体検出システムを含み得る。例えば、レーダ108は、車両に対する前進方向に方向付けられ得、少なくとも、1又は複数の他の物体(例えば、別の車両)までの距離を検出するために使用され得る。
【0021】
センサ102は、ライダ110を含み得る。幾つかの実装形態において、ライダ110は、少なくとも部分的にレーザ光に基づく任意の物体検出システムを含み得る。例えば、ライダ110は、車両に対する任意の方向に方向付けられ得、少なくとも、1又は複数の他の物体(例えば、別の車両)までの距離を検出するために使用され得る。
【0022】
センサ102は、カメラ112を含み得る。幾つかの実装形態において、カメラ112は、車両システム100がその信号を考慮する任意の画像センサを含み得る。例えば、カメラ112は、車両に対する任意の方向に方向付けられ得、車両、車線、車線区分線、及び/又は道路標識を検出するために使用され得る。
【0023】
センサ102は、超音波センサ114を含み得る。幾つかの実装形態において、超音波センサ114は、超音波に基づき、少なくとも物体の近接性を検出するにあたり使用される任意の送信機、受信機、及び/又は送受信機を含み得る。例えば、超音波センサ114は、車両の外面に、又は車両の外面近傍に位置付けられ得る。
【0024】
センサ102の少なくとも1つは、交通停止及び/又は運転者における注意散漫のレベルを検出するにあたり考慮される出力を生成し得る。例えば、2又はそれより多くのセンサの出力(例えば、レーダ108、ライダ110及びカメラ112の出力)が組み合わされて、自車両及び目標車両の間の距離を判定し得る。幾つかの実装形態において、1又は複数の他のタイプのセンサは、追加的に、又は代わりに、センサ102に含まれ得る。
【0025】
ユーザインタフェース104は、視覚インタフェース116を含み得る。幾つかの実装形態において、視覚インタフェース116は、車両の搭乗者コンパートメントにおける少なくとも1つのディスプレイデバイスを含み得る。例えば、視覚インタフェース116は、タッチスクリーンデバイス及び/又は計器群ディスプレイを含み得る。
【0026】
ユーザインタフェース104は、聴覚インタフェース118を含み得る。幾つかの実装形態において、聴覚インタフェースは、搭乗者コンパートメントに位置付けられた1又は複数のスピーカを含み得る。例えば、聴覚インタフェース118は、少なくとも部分的に、車両内のインフォテインメントシステムと共に動作し得る。
【0027】
ユーザインタフェース104は、触覚インタフェース120を含み得る。幾つかの実装形態において、触覚インタフェース120は、人間によって知覚され得る触覚又は力覚出力を生成するように構成されている。例えば、触覚インタフェース120は、運転者に対するアラートとして機能するように設計され得る。
【0028】
幾つかの実装形態において、1又は複数の他のタイプのインタフェースは、追加的に、又は代わりに、ユーザインタフェース104に含まれ得る。
【0029】
車両制御部106は、ステアリング制御部122を含み得る。幾つかの実装形態において、運転者は、ステアリング制御部122を操作することを介して少なくとも1つの車輪のステアリング角を調整することにより、車両の軌道を制御する。ステアリング制御部122は、ステアリング制御部122及び調整可能な車輪の間の機械的接続を通じてステアリング角を制御するように構成され得る、又は、ステアバイワイヤシステムの一部であり得る。
【0030】
車両制御部106は、ギア制御部124を含み得る。幾つかの実装形態において、運転者は、ギア制御部124を使用して、車両の複数の動作モード(例えば、運転モード、ニュートラルモード、又は駐車モード)の中から選択する。例えば、ギア制御部124は、車両内の自動変速機を制御するために使用され得る。
【0031】
車両制御部106は、信号制御部126を含み得る。幾つかの実装形態において、信号制御部126は、車両が生成し得る1又は複数の信号を制御し得る。例えば、信号制御部126は、車両の方向指示器及び/又は警音器を制御し得る。
【0032】
車両制御部106は、ブレーキ制御部128を含み得る。幾つかの実装形態において、ブレーキ制御部128は、車両を減速させ、車両を停止させ、及び/又は停止時に車両を停止状態に維持するように設計された1又は複数のタイプの制動システムを制御し得る。例えば、ブレーキ制御部128は、運転者によってブレーキペダルを使用して作動され得る。
【0033】
車両制御部106は、加速度制御部130を含み得る。幾つかの実装形態において、加速度制御部130は、車両の1又は複数のタイプの推進モータを制御し得る。例えば、加速度制御部130は、車両の電気モータ及び/又は内燃モータを制御し得る。
【0034】
車両制御部106は、車両動態システム132を含み得る。幾つかの実装形態において、車両動態システム132は、運転者の制御に加えて、又はそれを欠く場合に、又はそれに代えて、車両の1又は複数の機能を制御し得る。例えば、車両が坂道の上で停止するとき、運転者が(例えば、ブレーキペダルを踏んで)ブレーキ制御部128を稼動させない場合、車両動態システム132は、車両を停止状態に保持し得る。
【0035】
ここで
図1Bに目を向けると、車両システム150は、交通発進システム152、運転者注意散漫システム154、及び、交通発進システム152及び運転者注意散漫システム154の間の統合システム156を含む。交通発進システム152は、複数のアラートレベル158のいずれかに従ってアラートを生成するように構成され得る。アラートレベル158のそれぞれは、アラート発出の1又は複数のモードに従ってアラートを生成することに関連付けられ得る。例えば、アラートレベル158の1つは、視覚インタフェース116上でアラートを提供することを伴い得る。別の例として、別のアラートレベル158は、聴覚インタフェース118を使用してアラートを提供することを伴い得る。別の例として、別のアラートレベル158は、触覚インタフェース120を使用してアラートを提供することを伴い得る。別の例として、別のアラートレベル158は、ユーザインタフェース104の2又はそれより多くのインタフェースの組み合わせを使用してアラートを提供することを伴い得る。例えば、アラートレベル158の1つは、(例えば、聴覚インタフェース118による)聴覚アラート又は(例えば、視覚インタフェース116による)視覚アラートの少なくとも1つを含み得る。別の例として、アラートレベル158の1つは、少なくとも1つの(例えば、聴覚インタフェース118による)聴覚アラート、視覚メッセージ(例えば、視覚インタフェース116によって提示されるメッセージ)、及び(例えば、視覚インタフェース116によって生成される)アニメーションを含み得る。
【0036】
交通発進システム152は、複数のシナリオ160のいずれかに基づき動作するように構成され得る。例えば、交通発進システム152は、交通停止基準が満たされているかどうか(例えば、車両システム150の車両及びそのすぐ前にある車両が静止しているかどうか)を判定し得る。別の例として、交通発進システム152は、発進事象の基準が満たされている(例えば、すぐ前にある車両が特定の距離を移動して離れた、又は少なくとも所定の加速度で前進している)と判定し得る。交通発進システム152は、
図6を参照して以下で説明される1又は複数の構成要素を使用して実装され得る。
【0037】
幾つかの実装形態において、運転者注意散漫システム154は、運転者に関連する1又は複数のセンサ出力(例えば、カメラ信号)を処理して、複数の注意散漫レベル162のいずれかを運転者に割り当てるように構成され得る。例えば、運転者注意散漫システム154は、運転者の頭部方向及び/又は視線方向を判定し得る。そうすることで、運転者がどの程度注意散漫であるか(例えば、運転者が一時的な性質の軽度な注意散漫状態にあるに過ぎない場合、又は、運転者に著しい刺激が提供されない限りにおいて継続する可能性が高い方法で運転者が著しく注意散漫である場合)を運転者注意散漫システム154が考慮することを可能にし得る。幾つかの実装形態において、注意散漫レベル162は、数値を備え得る(例えば、1、2、3...などと称される)。運転者注意散漫システム154は、
図6を参照して以下で説明される1又は複数の構成要素を使用して実装され得る。
【0038】
幾つかの実装形態において、統合システム156は、交通発進システム152及び運転者注意散漫システム154の間のインタフェースを提供するように構成され得る。幾つかの実装形態において、情報は、交通発進システム152及び運転者注意散漫システム154の間の少なくとも一方向に伝達される。例えば、運転者注意散漫システム154は、注意散漫レベル162のうちどれが運転者に現在割り当てられているかを交通発進システム152に通知することができ、交通発進システム152は、この情報を使用して、アラートレベル158の中からアラートレベルを選択し得る。別の例として、交通発進システム152は、運転者注意散漫レベルに関する情報が必要である場合、運転者注意散漫システム154に通知し得る。例えば、これは、運転者注意散漫システム154が運転者の注意散漫に関する判定を、いつ、及び/又はどの程度集中的に実行するかに影響し得る。統合システム156は、
図6を参照して以下で説明される1又は複数の構成要素を使用して実装され得る。
【0039】
図2は、状態
図200の一例を示す。状態
図200は、本明細書の他の箇所で説明される1又は複数の他の例と共に使用され得る。状態
図200は、システム(例えば、
図1Bにおける車両システム150)が想定し得る状態を概略的に表しており、そのような各状態は、プログラム又は機械における情報の特定の構成に対応している。状態
図200は、車両システムが想定し得る全ての可能な状態を必ずしも表していない。
【0040】
状態
図200は、一時停止状態202を含む。車両システムは、アラート一時停止基準が満たされているとの判定に基づき、一時停止状態202になり得る(例えば、基準が満たされている間においてアラートの発出は一時停止される)。幾つかの実装形態において、所定期間中の事象は、アラート一時停止基準が満たされているかどうかを評価するにあたり考慮され得る。例えば、アラート一時停止基準は、(例えば、
図1Bにおけるアラートレベル158の1つである)直近に発せられたアラートの時点から開始して、車両が閾値速度を超えるまで継続して満たされ得る。運転者が車両の前進運動の再開を遅延させている場合にアラートを発出し始めるのがまだ望ましくない可能性があるため、そのような手法により、前回のアラートの後にあまりにも早くアラートを発出することを回避し得る。反対に、閾値速度を超えると、アラート一時停止基準はもはや満たされなくなり得る。そのため、車両システムは、スタンバイ状態204に入るなどによって、一時停止状態202を離れ得る。
【0041】
別の例として、アラート一時停止基準は、車両が作動された時点から開始して、車両が閾値速度を超えるまで継続して満たされ得る。運転者が車両の前進運動の再開を遅延させている場合にアラートを発出し始めることが望ましい可能性があるため、そのような手法により、運転を開始してから十分な時間が経過していない間にアラートを発出することを回避し得る。反対に、閾値速度を超えると、アラート一時停止基準はもはや満たされなくなり得る。そのため、車両システムは、スタンバイ状態204に入るなどによって、一時停止状態202を離れ得る。
【0042】
スタンバイ状態204において、車両システムは、1又は複数の基準が満たされるまで待機し得る。幾つかの実装形態において、車両システム(例えば、
図1Bにおける交通発進システム152)は、交通停止基準が満たされているかどうかを判定し得る。交通停止基準は、1又は複数のアラートの発出を状況が正当化するかどうかのモニタリングをそれが開始する根拠となるような、能動的な運転のシナリオからの十分な逸脱の発生(例えば、発進アラートが生成されない場合)を表し得る。例えば、交通停止基準は、車両システムを有する自車両が交通において静止していること、及び、自車両のすぐ前にある目標車両もまた静止していることを含み得る。そのような基準の充足は、発進条件遷移206をトリガし得る。例えば、発進条件遷移206は、状態
図200におけるモニタリング状態208をもたらし得る。
【0043】
モニタリング状態208において、車両システムは、1又は複数の観点で目標車両をモニタリングし得る。モニタリングは、センサ102(
図1A)の1又は複数の出力を処理することに基づき得る。幾つかの実装形態において、モニタリングは、目標車両が自車両に対して移動(例えば、前進又は後退)したかどうかを判定し得る。例えば、目標車両が(例えば、依然として)停止していると判定すると、車両システムは、モニタリング状態208内のTarget_Standstill状態210に入り得る。車両システムは、目標車両が静止していると(例えば、1又は複数のセンサを使用して)判定される限りにおいて、Target_Standstill状態210に留まり得る。
【0044】
1又は複数のセンサからの出力に基づき、目標車両が自車両に対して移動すると判定され得る。これは、前方車両移動遷移212をトリガし得る。例えば、前方車両移動遷移212は、車両システムを、モニタリング状態208内のTarget_Standstill状態210からTarget_Moving状態214に変化させ得る。すなわち、Target_Standstill状態210及びTarget_Moving状態214の両方において、車両システムは、1又は複数の観点で(例えば、センサ出力に基づき)目標車両をモニタリングし得る。例えば、Target_Moving状態214において、車両システムは、目標車両の位置、速度、及び/又は加速度をモニタリングし得る。幾つかの実装形態において、車両システムは、Target_Moving状態214で、移動する目標車両が決して閾値加速度を超えず、代わりに、目標車両が自車両からの所定の範囲内で停止すると判定し得る。例えば、このシナリオは、目標車両が幾らかの距離を前進又は後退し、その後停止することを伴い得る。幾つかの実装形態において、そのようなシナリオは、自車両の運転者に対していかなるアラートをも発出する必要性を生じさせない場合がある。しかしながら、車両システムは、応答して1又は複数の行動を実行し得る。幾つかの実装形態において、目標車両に関する判定は、遷移216をトリガし得る。遷移216は、目標車両が範囲内で停止したとの判定に対応し得る。例えば、遷移216は、車両システムを、モニタリング状態208内のTarget_Moving状態214からTarget_Standstill状態210に変化させ得る。
【0045】
Target_Moving状態214及びTarget_Standstill状態210のそれぞれにおいて、車両システムは、1又は複数の点で自車両をモニタリングし得る。幾つかの実装形態において、車両システムは、加速度制御部130(
図1A)又は自車両の別の構成要素(例えば、センサ)に基づき、自車両が移動すると判定し得る。そのような判定は、1又は複数の行動をトリガし得る。幾つかの実装形態において、自車両移動遷移218がトリガされ得る。例えば、自車両移動遷移218は、車両システムを、モニタリング状態208内のTarget_Moving状態214又はTarget_Standstill状態210のいずれかからスタンバイ状態204に変化させ得る。
【0046】
他方、車両システムが、Target_Moving状態214において、発進事象の基準が満たされていると判定する場合、1又は複数の行動が実行され得る。幾つかの実装形態において、発進事象の基準は、自車両及び目標車両の間の距離が閾値距離を超えるかどうかを考慮する。この例において、自車両及び目標車両の間のそのような距離の発生は、自車両の運転者に対する何らかの種類のアラートの生成の根拠となると想定される。幾つかの実装形態において、発進事象の基準が満たされていることに対応するシナリオの発生に関するこの判定は、遷移220をトリガし得る。例えば、遷移220は、車両システムを、モニタリング状態208からアラート状態222に変化させ得る。
【0047】
幾つかの実装形態において、発進事象の基準は、目標車両の加速度が閾値加速度を超えるかどうかを考慮する。この例において、自車両及び目標車両の間の現在の距離にかかわらず、目標車両によるそのような加速の発生は、自車両の運転者に対する何らかの種類のアラートの生成の根拠となると想定される。幾つかの実装形態において、発進事象の基準が満たされていることに対応するシナリオの発生に関するこの判定は、遷移220をトリガし得る。例えば、遷移220は、車両システムを、モニタリング状態208からアラート状態222に変化させ得る。
【0048】
発進事象の基準は、代わりに、又は加えて、1又は複数の他の考慮事項を含み得る。幾つかの実装形態において、発進事象の基準は、(例えば、
図1Aにおけるブレーキ制御部128を作動させることにより)自車両のブレーキペダルが踏み込まれていることを有し得る。すなわち、自車両の運転者が現在ブレーキペダルを踏んでいない場合、自車両は(例えば、目標車両に向かっての)前進の過程にあり得、アラートを発出することは賢明ではない可能性がある。そのため、ブレーキペダルが踏み込まれていないと判定すると、必ずしもそうではないが、アラートは抑止され得る。他方、運転者が現在ブレーキペダルを踏んでいる場合、幾つかの状況においてはアラートが生成され得る。
【0049】
ブレーキペダルの踏み込みの欠如がアラートを抑止すべきかどうかを判定するにあたり、1又は複数の他の考慮事項が考慮され得る。幾つかの実装形態において、運転者がブレーキペダルを踏んでいない場合においても、車両は静止したままであり得、そのような状況において、システムは、(例えば、代わりに交通発進システム152(
図1B)がアラートを生成することを可能にするために)その状況においてアラートを抑止しなくてよい。例えば、
図1Aにおける車両動態システム132は、ブレーキペダルが踏み込まれていない場合においても車両を停止状態に保持してよい;従って、アラートはその結果、抑止されなくてよい。
【0050】
状態
図200の1又は複数の状態において、車両システムは、自車両の運転者が注意散漫であるかどうか、及びそれがどの程度であるかを評価し得る。例えば、これは、運転者注意散漫システム154(
図1B)によって行われ得る。幾つかの実装形態において、複数の注意散漫レベルの中から選択された注意散漫レベルが、判定に基づき運転者に割り当てられ得る。例えば、運転者注意散漫の新たな判定、及び、必要に応じての割り当てられた注意散漫レベルの更新は、定期的に、何らかのトリガ事象に基づき、又は不定期に実行され得る。
【0051】
アラート状態222において、車両システムは、1又は複数の行動を実行し得る。アラート状態222内の状態224において、車両システムは、運転者に現在関連付けられている注意散漫レベルを考慮し得る。例えば、運転者に割り当てられた注意散漫レベルは、注意散漫レベル162(
図1B)のいずれかであり得る。幾つかの実装形態において、注意散漫レベル226が運転者に現在適用されると車両システムが判定することに基づき、車両システムは、Visual_Alert状態228に入り得る。Visual_Alert状態228は、視覚アラートに対応するアラートレベル158(
図1B)の1つを選択することを伴い得る。例えば、視覚アラートは、視覚インタフェース116(
図1A)を使用して生成され得る。
【0052】
生成されたアラートは、行動を起こすよう自車両の運転者を刺激し得る。例えば、運転者は、自車両が前進を開始するよう、加速度制御部130(
図1A)を作動させ得る。車両が移動することを車両システムが検出すると、1又は複数の行動が実行され得る。幾つかの実装形態において、これは、遷移230をトリガし得る。例えば、遷移230は、車両システムを、アラート状態222から一時停止状態202に変化させ得る。幾つかの実装形態において、アラートが生成された後に車両が移動を開始しない場合、タイムアウト条件はまた、又は代わりに、遷移230をトリガし得る。
【0053】
アラート(この例においては、視覚アラート)が生成された後に車両が移動を開始しない場合、1又は複数の行動が取られ得る。幾つかの実装形態において、別の状態へのタイムアウト遷移232が生じ得る。タイムアウト遷移232は、遷移230よりも短いトリガ時間に関連付けられ得る。例えば、タイムアウト遷移232は、車両システムを、Visual_Alert状態228からAudible_Alert状態234に変化させ得る。Audible_Alert状態234は、可聴アラートに対応するアラートレベル158(
図1B)の1つを選択することを伴い得る。例えば、可聴アラートは、聴覚インタフェース118(
図1A)を使用して生成され得る。すなわち、この例において、タイムアウト遷移232は、アラートレベル(ここでは、Visual_Alert状態228)が選択された後に、タイムアウト事象に基づき別のアラートレベル(ここでは、Audible_Alert状態234)が選択され、他のアラートレベルがカメラ出力に基づき選択されないようにし得る。
【0054】
他方、車両システムがアラート状態222に入る時点において注意散漫レベル226とは異なる注意散漫レベルが運転者に割り当てられていた場合、1又は複数の異なる行動が、代わりに、又は加えて、実行された可能性がある。車両システムは、注意散漫レベル236が運転者に割り当てられていると判定し得る。幾つかの実装形態において、これは、(例えば、
図1Aにおけるアラートレベル158の中から)異なるアラートレベルを選択するという結果をもたらし得る。例えば、車両システムはその場合、状態224でAudible_Alert状態234を選択し得る。幾つかの実装形態において、注意散漫レベル236は、注意散漫レベル226よりも高い注意散漫レベルであるとみなされ得る。例えば、この例において、より高いと判定された運転者の注意散漫レベルを考慮することで、車両システムは、Visual_Alert状態228に関連付けられたアラートを最初に生成し、その後、タイムアウト遷移232に進むのではなく、Audible_Alert状態234に関連付けられたアラートを生成することを可能にし得る。
【0055】
上記の例は、コンピュータ実装方法が:第1の車両のコンピュータシステム(例えば、
図1Bにおける交通発進システム152)が、(例えば、
図1Bにおけるシナリオ160の1つにおいて)交通停止基準が満たされていると判定する段階を備え得、交通停止基準は、第1の車両が交通において静止しており、第1の車両のすぐ前にある第2の車両もまた静止していることを含むことを示す。方法は、コンピュータシステムが、第1の車両の運転者に関連するカメラ出力を受信する段階を備え得、カメラ出力は、第1の車両の搭乗者キャビン内に位置付けられたカメラ(例えば、
図1Aにおけるセンサ102のカメラ112)によって生成される。方法は、コンピュータシステムが(例えば、統合システム156を介して、
図1Bの運転者注意散漫システム154が)、カメラ出力に基づき、運転者に注意散漫レベル(例えば、
図2の注意散漫レベル226又は236)を割り当てる段階を備え得、注意散漫レベルは、複数の注意散漫レベル(例えば、
図1Bにおける注意散漫レベル162)の中から選択される。方法は、コンピュータシステムが、(例えば、
図1Bにおけるシナリオ160の1つにおいて)発進事象の基準が満たされていると判定する段階を備え得る。方法は、コンピュータシステム(例えば、
図1Bにおける交通発進システム152)が、運転者に割り当てられた注意散漫レベルに基づき、発進事象に関する複数のアラートレベル(例えば、
図1Bにおけるアラートレベル158)の中から第1のアラートレベル(例えば、
図2におけるVisual_Alert状態228又はAudible_Alert状態234)を選択する段階を備え得る。
【0056】
図3A~
図3Fは、車両の運転者300及び搭乗者コンパートメント302を概略的に示す。説明される例は、本明細書の他の箇所で説明される1又は複数の他の例と共に使用され得る。
図3Aにおいて、座席304に位置付けられた運転者300が上から示されている。例えば、座席304は、搭乗者コンパートメント302(
図3B~
図3F)に、例えばその前列に位置し得る。
【0057】
1又は複数のカメラが、搭乗者コンパートメント302に位置付けられ得る。
図3Aにおいて、カメラ306及び308が示されている。例えば、カメラ306は、限定されないが、搭乗者コンパートメント302の車内バックミラーに隣接することを含め、運転者の前方の位置に配置される。別の例として、カメラ308は、限定されないが、搭乗者コンパートメント302におけるヘッドライナを含め、運転者の後方の位置に配置される。
【0058】
カメラ306及び/又は308は、注意散漫レベルの判定に関連する、運転者300に関する1又は複数の特性を判定し得る。幾つかの実装形態において、カメラ306及び/又は308は、運転者300の頭部310の少なくとも一部の画像を捕捉し得る。例えば、頭部方向312が判定され得、ここでは、運転者300の顔と同方向に方向付けられた矢印を使用して概略的に表されている。幾つかの実装形態において、カメラ306及び/又は308は、運転者300の片目又は両目の少なくとも一部の画像を捕捉し得る。例えば、視線方向314が判定され得、ここでは、運転者300の目を起点とする2つの矢印を使用して概略的に表されている。頭部方向312及び視線方向314は、互いに独立して変化し得る。頭部方向312及び視線方向314のそれぞれは、好適な単位に任意選択的に関連付けられた1又は複数の数字を使用して表され得る。例えば、頭部方向312及び視線方向314のそれぞれは、ヨー角(例えば、鉛直軸を中心とする回転)及びピッチ角(例えば、人の顔の方向に対して横方向の水平軸を中心とする回転)を用いて特徴付けられ得る。幾つかの実装形態において、頭部方向312及び視線方向314の少なくとも1つは、座標系に対するそれぞれのベクトルとして表され得る。車両システム(例えば、
図1Bにおける運転者注意散漫システム154)は、頭部方向312又は視線方向314の少なくとも1つに基づき、運転者注意散漫レベルを割り当て得る。
【0059】
以下の例は、頭部方向312及び視線方向314の様々な組み合わせが、異なる注意散漫レベルにどのように関連付けられ得るかを示す。
図3B~
図3Fは、搭乗者コンパートメント302を破線の長方形として上から概略的に示す。簡潔さのため、運転者300(
図3A)は、これらの例において省略されており、代わりに、各状況における運転者の位置は、頭部方向312及び視線方向314によって示されている。加えて、視界方向316は、頭部方向312及び視線方向314に基づき、運転者300が見ている結果的な方向を表す。
図3Bにおいて、視界方向316は、運転者300が搭乗者コンパートメント302のフロントガラス318を通して外を見ていることを示す。幾つかの実装形態において、視界方向316のこの構成は、特定の注意散漫レベルに関連付けられ得る。例えば、この構成は、注意散漫レベル162(
図1B)のうち最低注意散漫レベルに関連付けられ得る。幾つかの実装形態において、
図3Bにおける視界方向316は、デフォルトの視界方向とみなされ得る。
【0060】
図3Cにおいて、視界方向316は、運転者300がフロントガラス318を通して外を見ているのではなく、むしろ搭乗者コンパートメント302の運転席側窓320を通して見ていることを示す。幾つかの実装形態において、視界方向316のこの構成は、特定の注意散漫レベルに関連付けられ得る。例えば、この構成は、
図3Bにおける注意散漫レベルよりも高い(例えば、これに比べてより注意散漫であることを表す)注意散漫レベルに関連付けられ得る。システムを1又は複数の方法で別様に挙動させるために、視界方向316の角度又は角度の範囲が考慮され得る。幾つかの実装形態において、セクタ317は、デフォルトの頭部位置(例えば、
図3B)及びサイドミラー(ここでは、運転者のサイドミラー)の間の角度の範囲に対応して画定され得る。視界方向316がセクタ317内にある場合、システムは、何らかの注意散漫のレベルを検出しているにもかかわらず、アラートを直ちにトリガしなくてよい。例えば、システムは代わりに、(例えば、1又は複数のアラートを発出することにより)注意散漫を報告する前に、所定時間(例えば、幾つかの秒数)待機し得る。
【0061】
図3Dにおいて、視界方向316は、運転者300がフロントガラス318を通して外を見ているのではなく、むしろ搭乗者コンパートメント302の助手席322の方を見ていることを示す。幾つかの実装形態において、視界方向316のこの構成は、特定の注意散漫レベルに関連付けられ得る。例えば、この構成は、
図3Cにおける注意散漫レベルよりも高い(例えば、これに比べてより注意散漫であることを表す)注意散漫レベルに関連付けられ得る。システムを1又は複数の方法で別様に挙動させるために、視界方向316の角度又は角度の範囲が考慮され得る。幾つかの実装形態において、セクタ323は、デフォルトの頭部位置(例えば、
図3B)及びサイドミラー(ここでは、助手席側のサイドミラー)の間の角度の範囲に対応して画定され得る。視界方向316がセクタ323内にある場合、システムは、何らかの注意散漫のレベルを検出しているにもかかわらず、アラートを直ちにトリガしなくてよい。例えば、システムは代わりに、(例えば、1又は複数のアラートを発出することにより)注意散漫を報告する前に、所定時間(例えば、幾つかの秒数)待機し得る。
【0062】
図3Eにおいて、視界方向316は、運転者300がフロントガラス318を通して外を見ているのではなく、むしろ運転者300の膝324の方を見ていることを示す(例えば、運転者300は、電話又は他のデバイスを使用している可能性がある)。幾つかの実装形態において、視界方向316のこの構成は、特定の注意散漫レベルに関連付けられ得る。例えば、この構成は、
図3Cにおける注意散漫レベルよりも高い(例えば、これに比べてより注意散漫であることを表す)注意散漫レベルに関連付けられ得る。
【0063】
図3Fにおいて、視界方向316は、運転者300がフロントガラス318を通して外を見ているのではなく、むしろ搭乗者コンパートメント302の後部326の方を見ていることを示す。幾つかの実装形態において、視界方向316のこの構成は、特定の注意散漫レベルに関連付けられ得る。例えば、この構成は、
図3Eの注意散漫レベルよりも高い(例えば、これに比べてより注意散漫であることを表す)注意散漫レベルに関連付けられ得る。
【0064】
頭部方向312及び視線方向314の他の組み合わせは、上記の注意散漫レベルの1又は複数に、又は異なる注意散漫レベルに関連付けられ得る。
【0065】
図4A~
図4Bは、道路400上の交通に関連する例を示す。説明される例は、本明細書の他の箇所で説明される1又は複数の他の例と共に使用され得る。車両402及び404は、隣接する2本の車線のいずれかを進む一方向の交通を有する道路400上に現在位置している。幾つかの実装形態において、車両402は、自車両とみなされ得る。例えば、車両402は、乗用車(例えば、セダン)であり得る。幾つかの実装形態において、車両404は、目標車両とみなされ得る。例えば、車両404は、大型車両(例えば、トラック、1又は複数のセミトレーラを有するトラクタ、又はバス)であり得る。本例において、注意散漫感知型交通発進アラートを提供する車両システム(例えば、
図1Bにおける車両システム150)は、車両404の検出された形状に、又は、いかなる形状検出が実行されることにも依拠しない。そのため、車両404は、例示のみを目的として、この例においては大型車両として示される。
【0066】
図4Aは、車両402及び404が両方とも道路400上で静止していることを示す。車両402及び404は、交通渋滞に起因して、又は交通信号灯を理由に停止した可能性がある。現在の例は、車両404が静止状態になった後、又はそれとほぼ同時に、車両402が停止することを想定している。車両402は、(例えば、
図1Bにおける交通発進システム152によって)交通停止基準が満たされたと判定される時点において、車両402及び404の間(例えば、車両402の前部及び車両404の後部の間)に距離406が存在するような道路400上の位置に停止している。この時点で、車両システムは、距離406に対応する初期距離を登録し得る。例えば、初期距離は、静止車両の後ろで停止する場合における車両402の運転者の個人的選好を示す。距離406及び初期距離のいずれか又は両方は、以下で例示される通り、後に変化し得る、又は変更され得る。
【0067】
ここでは、車両404の後部で始まりその前部に向かって延びる距離408が示されている。距離408は、車両402の長さを表す。幾つかの実装形態において、注意散漫感知型交通発進アラートを提供する車両システムは、車両間の距離が閾値距離を超えるかどうかを考慮し得る。例えば、閾値距離は、初期距離に距離408を加えたものとして定義され得る。そのため、発進事象の基準は、車両402及び404の間の距離406が閾値距離を超えるかどうかを考慮し得、閾値距離は、車両402の長さに少なくとも部分的に基づき得る。特に、閾値距離は、初期距離に距離408を加えたものとして定義され得、ここで初期距離は、交通停止基準が満たされている場合における車両402及び404の間の距離として定義される。
【0068】
初期距離は、1又は複数の状況における距離406の変化に基づき再定義され得る。幾つかの実装形態において、車両402及び404が停止した後(例えば、交通停止基準が満たされた後)であるが車両404が再び前進し始める前(例えば、発進事象の基準が満たされる前)に、車両402が車両404に対して移動することが検出され得る。例えば、運転者は、空けたままに保つスペースの量に対する運転者の個人的選好である地点よりも早く停止した可能性がある。そのような判定に応答して、車両システムは、車両402の移動に起因してより短くなった距離406で初期距離を更新し得る。例えば、この更新は、発進事象の基準によって考慮される閾値距離を更新することに対応し得る。
【0069】
他方、1又は複数の状況において、車両システムは、距離406が変化する場合でも初期距離を再定義しなくてよい。幾つかの実装形態において、車両402及び404が停止した後(例えば、交通停止基準が満たされた後)であるが車両404が再び前進し始める前(例えば、発進事象の基準が満たされる前)に、車両404が車両402に向かって移動することが検出され得る。例えば、車両404の運転者は、道路400が上り坂である場合に、車両404が幾らかの距離を後退することを可能にし得る、又は、車両404の前に空間を作成するために、車両404を幾らかの距離にわたり後退させ得る。そのような判定に応答して、車両システムは、車両402及び404の間の距離406が今や初期距離よりも短くなっているにもかかわらず、初期距離を更新しなくてよい。例えば、この状況において、発進事象の基準によって考慮される閾値距離は、車両404が車両402に向かって移動した後に変化しない。
【0070】
幾つかの状況において、車両404による前方への移動は、発進事象の基準が満たされたものとして登録される。
図4Bは、車両402が静止したままの状態で車両404が前進し、それにより、車両402及び404の間に今や距離410が存在することを示す。車両システム(例えば、
図1Bにおける交通発進システム152)は、(例えば、上述の通り)閾値距離に関して距離410を評価し得る。幾つかの実装形態において、車両システムは、距離410が閾値距離を超える場合に、発進事象の基準が満たされていると判定し得る。例えば、再び端的に
図4Aを参照すると、閾値距離を満たすことは、車両404が距離408を超えて前進することを含み得る。
【0071】
幾つかの実装形態において、発進事象の基準は、距離410に関係なく満たされたとみなされ得る。例えば、車両404が閾値加速度を超える加速度で前進する場合、これはまた、又は代わりに、車両システムが、発進事象の基準が満たされていると判定するための根拠となり得る。
【0072】
発進事象の基準が満たされていると判定すると、車両システムは、1又は複数の行動を実行し得る。幾つかの実装形態において、車両システム(例えば、
図1Bにおける交通発進システム152)は、(例えば、
図1Bにおける運転者注意散漫システム154によって)運転者に割り当てられた注意散漫レベルに基づき、発進事象に関する複数のアラートレベルの中から第1のアラートレベルを選択し得る。例えば、これは、(例えば、
図2におけるVisual_Alert状態228の)視覚アラート及び/又は(例えば、
図2におけるAudible_Alert状態234の)可聴アラートを生成することを伴い得る。
【0073】
1又は複数の状況が考慮され得る。幾つかの実装形態において、注意散漫感知型交通発進アラートを提供する車両システムは、自車両が位置付けられている道路、高速道路、又は街路のタイプを考慮し得る。例えば、車両システムは、車両402が右折車線412内に存在することを(例えば、
図1Aにおけるライダ110及び/又はカメラ112に基づき)検出し得る。これは、車両402の状況に基づき、車両システムが異なるタイプのアラートを提供すること、又は、アラートを提示するタイミングを修正することを可能にし得る。
【0074】
図5は、方法500の一例を示す。方法500は、本明細書に記載の1又は複数の他の例と共に使用され得る。示されているものより多い、又はより少ない動作が実行され得る。別段の指示がない限り、2又はそれより多くの動作が異なる順序で実行され得る。
【0075】
動作502は、1又は複数のアラートを抑制するかどうかを判定することを伴い得る。幾つかの実装形態において、システムは、自車両が移動を開始するとき、又はタイムアウトの後に、アラートを無効化し得る。運転者の不便を回避し、交通渋滞中に複数のアラートが生成されることを防止するため、システムは、自車両速度が特定の閾値(例えば、特定の最低速度)に達した後にのみ、交通発進アラートのトリガを開始し得る。速度閾値は、2つの例を挙げると、前回のアラートの生成以降、又は、直近で車両に電源が投入されて以降に経過した時間に関して評価され得る。例えば、システムがアラートをトリガし、その後運転者がゼロ速度から閾値よりも低い任意の値に移動した場合であって、交通発進条件が再び満たされた場合、システムは、この状況においていかなるアラートもトリガしなくてよい。むしろ、車両速度が閾値よりも高くなり、発進条件が再び満たされる場合に、システムは、再びアラートのトリガを再開し得る。運転者が自車両に電源を投入する場合、同様の規則が適用され得る:システムは、電源投入後に車両速度が速度閾値に達する、又はこれを超えることがない限り、アラートをトリガしなくてよい。
【0076】
動作504は、第1の車両(例えば、
図4A~
図4Bにおける車両402)のコンピュータシステムが、交通停止基準が満たされていると判定する段階を伴い得る。交通停止基準は、第1の車両が交通において静止しており、第1の車両のすぐ前にある第2の車両(例えば、
図4A~
図4Bにおける車両404)もまた静止していることを含み得る。
【0077】
動作506は、コンピュータシステムが、第1の車両の運転者に関連するカメラ出力を受信する段階を伴い得、カメラ出力は、第1の車両の搭乗者キャビン内に位置付けられたカメラ(例えば、
図3Aにおけるカメラ306)によって生成される。
【0078】
動作508は、コンピュータシステムが、カメラ出力に基づき、運転者に注意散漫レベルを割り当てる段階を伴い得、注意散漫レベルは、複数の注意散漫レベル(例えば、
図1Bにおける注意散漫レベル162)の中から選択される。
【0079】
動作510は、(例えば、
図4Bを参照して上述した通り)コンピュータシステムが、発進事象の基準が満たされていると判定する段階を伴い得る。
【0080】
動作512は、コンピュータシステムが、運転者に割り当てられた注意散漫レベルに基づき、発進事象に関する複数のアラートレベル(例えば、
図1Bにおけるアラートレベル158)の中から第1のアラートレベルを選択する段階を伴い得る。例えば、第1のアラートレベルは、第1の注意散漫レベル(又は注意散漫レベルの範囲)に対して選択され得る;第2のアラートレベルは、第2の注意散漫レベル(又は注意散漫レベルの範囲)に対して選択され得る;及び、第3のアラートレベルは、第3の注意散漫レベル(又は注意散漫レベルの範囲)に対して選択され得る;などである。別の例として、(例えば、本質的に注意散漫でない状態に対応する)最低注意散漫レベルに対してシステムはいかなるアラートも発出しないことがある;対照的に、全ての他の注意散漫レベルに対して同じタイプのアラートが生成され得る。すなわち、他の(より高い)注意散漫レベルに対して、システムは、注意散漫レベルが最低注意散漫レベルと異なることに基づきアラートを選択する。
【0081】
図6は、本明細書に記載のシステム、装置、及び/又は技法のうちのいずれか、又は考えられる様々な実施形態で利用することができる任意の他のシステム、装置、及び/又は技法を含む、本開示の態様を実装するために使用され得るコンピューティングデバイス600の例示的なアーキテクチャを示す。
【0082】
図6に示されているコンピューティングデバイスを使用して、本明細書に記載のオペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、及び/又は(ソフトウェアエンジンを含む)ソフトウェアモジュールを実行することができる。
【0083】
幾つかの実施形態において、コンピューティングデバイス600は、中央処理装置(CPU)などの少なくとも1つの処理デバイス602(例えば、プロセッサ)を含む。様々な製造業者、例えばIntel又はAdvanced Micro Devicesから、様々な処理デバイスが入手可能である。この例において、コンピューティングデバイス600はまた、システムメモリ604、及びシステムメモリ604を含む様々なシステム構成要素を処理デバイス602に結合するシステムバス606を含む。システムバス606は、様々なバスアーキテクチャのうちのいずれかを使用する、メモリバス、又はメモリコントローラ;周辺バス;及びローカルバスを含むがこれらに限定されない、使用することができる任意の数のタイプのバス構造体のうちの1つである。
【0084】
コンピューティングデバイス600を使用して実装され得るコンピューティングデバイスの例は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、(スマートフォン、タッチパッドモバイルデジタルデバイス、又は他のモバイルデバイスなどの)モバイルコンピューティングデバイス、又はデジタル命令を処理するように構成された他のデバイスを含む。
【0085】
システムメモリ604は、リードオンリメモリ608及びランダムアクセスメモリ610を含む。起動中などにコンピューティングデバイス600内で情報を転送するように機能する基本ルーチンを含む基本入力/出力システム612が、リードオンリメモリ608に記憶されてもよい。
【0086】
幾つかの実施形態において、コンピューティングデバイス600はまた、デジタルデータを記憶するためのハードディスクドライブなどの二次ストレージデバイス614を含む。二次ストレージデバイス614は、二次ストレージインタフェース616によってシステムバス606に接続される。二次ストレージデバイス614、及び関連付けられたそのコンピュータ可読媒体は、コンピューティングデバイス600用の(アプリケーションプログラム及びプログラムモジュールを含む)コンピュータ可読命令、データ構造、及び他のデータの不揮発性であり非一時的なストレージを提供する。
【0087】
本明細書に記載の例示的な環境では二次ストレージデバイスとしてハードディスクドライブを使用しているが、他の実施形態では他のタイプのコンピュータ可読ストレージ媒体が使用される。これらの他のタイプのコンピュータ可読ストレージ媒体の例は、磁気カセット、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク、ベルヌーイカートリッジ、コンパクトディスクリードオンリメモリ、デジタルバーサタイルディスクリードオンリメモリ、ランダムアクセスメモリ、又はリードオンリメモリを含む。幾つかの実施形態は非一時的媒体を含む。例えば、コンピュータプログラム製品は、非一時的ストレージ媒体に有形で具現化されてもよい。更に、そのようなコンピュータ可読ストレージ媒体は、ローカルストレージ又はクラウドベースのストレージを含んでもよい。
【0088】
複数のプログラムモジュールが、二次ストレージデバイス614、及び/又はオペレーティングシステム618、1又は複数のアプリケーションプログラム620、(本明細書に記載のソフトウェアエンジンなどの)他のプログラムモジュール622、及びプログラムデータ624を含むシステムメモリ604に記憶され得る。コンピューティングデバイス600は、Microsoft Windows(登録商標)、Google Chrome(登録商標)OS、Apple(登録商標)OS、Unix(登録商標)、又はLinux(登録商標)及び変形体、及びコンピューティングデバイスに適した任意の他のオペレーティングシステムなどの、任意の適したオペレーティングシステムを利用することができる。他の例は、タブレットコンピューティングデバイスで使用されるMicrosoft(登録商標)、Google(登録商標)、又はApple(登録商標)オペレーティングシステム、又は任意の他の適したオペレーティングシステムを含むことができる。
【0089】
幾つかの実施形態において、ユーザは1又は複数の入力デバイス626を介してコンピューティングデバイス600に入力を提供する。入力デバイス626の例は、キーボード628、マウス630、(例えば音声及び/又は他のオーディオ入力のための)マイクロフォン632、(タッチパッド又はタッチ感知ディスプレイなどの)タッチセンサ634、及び(例えばジェスチャ入力のための)ジェスチャセンサ635を含む。幾つかの実装形態において、入力デバイス626は、存在、近接性、及び/又は運動に基づく検出を提供する。幾つかの実装形態において、ユーザが歩いて自身の家に入る場合があり、これが処理デバイスへの入力をトリガし得る。例えば、この場合、入力デバイス626はユーザの自動化された体験を容易にし得る。他の実施形態は他の入力デバイス626を含む。入力デバイスは、システムバス606に結合されている入力/出力インタフェース636を介して処理デバイス602に接続されてもよい。これらの入力デバイス626は、(パラレルポート、シリアルポート、ゲームポート、又はユニバーサルシリアルバスなどの)任意の数の入力/出力インタフェースによって接続されてもよい。考えられる幾つかの実施形態においては、入力デバイス626及び入力/出力インタフェース636の間の無線通信も可能であり、幾つかの例を挙げると、赤外線、BLUETOOTH(登録商標)無線技術、802.11a/b/g/n、セルラ、超広帯域(UWB)、ZigBee(登録商標)、又は他の無線周波数通信システムを含む。
【0090】
この例示的な実施形態において、モニタ、液晶ディスプレイデバイス、発光ダイオードディスプレイデバイス、プロジェクタ、又はタッチ感知ディスプレイデバイスなどのディスプレイデバイス638も、ビデオアダプタ640などのインタフェースを介してシステムバス606に接続される。コンピューティングデバイス600は、ディスプレイデバイス638に加えて、スピーカ又はプリンタなどの様々な他の周辺デバイス(図示せず)を含んでもよい。
【0091】
コンピューティングデバイス600は、ネットワークインタフェース642を介して1又は複数のネットワークに接続され得る。ネットワークインタフェース642は、有線及び/又は無線通信を提供することができる。幾つかの実装形態において、ネットワークインタフェース642は、無線信号を送信及び/又は受信するための1又は複数のアンテナを含むことができる。ローカルエリアネットワーキング環境又は(インターネットなどの)ワイドエリアネットワーキング環境で使用されるとき、ネットワークインタフェース642はイーサネット(登録商標)インタフェースを含むことができる。考えられる他の実施形態は、他の通信デバイスを使用する。例えば、コンピューティングデバイス600の幾つかの実施形態は、ネットワークをまたがって通信するためのモデムを含む。
【0092】
コンピューティングデバイス600は、少なくとも何らかの形態のコンピュータ可読媒体を含むことができる。コンピュータ可読媒体は、コンピューティングデバイス600によってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体を含む。例として、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読ストレージ媒体及びコンピュータ可読通信媒体を含む。
【0093】
コンピュータ可読ストレージ媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータなどの情報を記憶するように構成された任意のデバイスに実装される、揮発性及び不揮発性であり、リムーバブル及び非リムーバブルな媒体を含む。コンピュータ可読ストレージ媒体は、ランダムアクセスメモリ、リードオンリメモリ、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ、フラッシュメモリ、又は他のメモリ技術、コンパクトディスクリードオンリメモリ、デジタルバーサタイルディスク、又は他の光学ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ、又は他の磁気ストレージデバイス、又は所望の情報を記憶するために使用することができ、コンピューティングデバイス600によってアクセスすることができる任意の他の媒体を含むが、これらに限定されない。
【0094】
通常、コンピュータ可読通信媒体は搬送波又は他の伝送機構などの変調データ信号においてコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータを具現化し、任意の情報伝達媒体を含む。「変調データ信号」という用語は、信号に情報をコード化する方式でその特性のうちの1又は複数を設定又は変更させた信号を指す。例として、コンピュータ可読通信媒体は、有線ネットワーク又は直接有線接続などの有線媒体、及び音響、無線周波数、赤外線、及び他の無線媒体などの無線媒体を含む。上記のいずれかの組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。
【0095】
図6に示されているコンピューティングデバイスも、1又は複数のそのようなコンピューティングデバイスを含むことができるプログラマブル電子装置の一例であり、複数のコンピューティングデバイスが含まれるとき、そのようなコンピューティングデバイスは好適なデータ通信ネットワークに共に結合されることにより、本明細書で開示される様々な機能、方法、又は動作を集合的に実行することができる。
【0096】
本明細書の全体を通して使用される用語「実質的に」及び「約」は、処理時のばらつきに起因するものなどの小さい変動を説明及び報告するために使用される。例えば、それらは、±5%未満又はそれに等しい、例えば±2%未満又はそれに等しい、例えば±1%未満又はそれに等しい、例えば±0.5%未満又はそれに等しい、例えば±0.2%未満又はそれに等しい、例えば±0.1%未満又はそれに等しい、例えば±0.05%未満又はそれに等しいことを指すことができる。また、本明細書において使用されるとき、「a」又は「an」などの不定冠詞は「少なくとも1つ」を意味する。
【0097】
上記の複数のコンセプト、及び以下でより詳細に論述される追加の複数のコンセプトの全ての組み合わせ(そのような複数のコンセプトが相互に矛盾しない限り)が、本明細書で開示される本発明の主題の一部であると企図されていることを理解されたい。特に、本開示の最後に現れる特許請求される主題の全ての組み合わせが、本明細書で開示される本発明の主題の一部であると企図されている。
【0098】
複数の実装形態が説明された。しかしながら、本明細書の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正が加えられ得ることを理解されたい。
【0099】
加えて、図に示されている論理の流れは、望ましい結果を実現するために、示されている特定の順序、又は連続した順序を必要とするものではない。加えて、他のプロセスが提供されてもよく、又は説明された流れからプロセスが排除されてもよく、説明されたシステムに他の構成要素が追加されても、又は説明されたシステムから他の構成要素が削除されてもよい。従って、他の実装形態が以下の特許請求の範囲に記載の範囲内に属する。
【0100】
説明された実装形態の特定の特徴が本明細書に記載の通り示されてきたが、今や多くの修正、置換、変更、及び均等物が当業者に想起されるであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、実装形態の範囲に含まれる全てのこうした修正及び変更を包含することを意図していることが理解されるべきである。それらは限定ではなく単なる例として提示されており、形態及び詳細に様々な変更が加えられてもよいことを理解されたい。相互に排他的な組み合わせを除いて、本明細書に記載の装置及び/又は方法の任意の部分が任意の組み合わせで組み合わされてもよい。本明細書に記載の実装形態は、説明された異なる実装形態の機能、構成要素、及び/又は特徴の様々な組み合わせ及び/又は副次的組み合わせを含むことができる。
【国際調査報告】