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▶ ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエーツ,ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】電子パネルを含む衣類
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/00 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
A41D13/00 102
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547235
(86)(22)【出願日】2022-02-04
(85)【翻訳文提出日】2023-08-23
(86)【国際出願番号】 EP2022052795
(87)【国際公開番号】W WO2022167628
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】63/145,620
(32)【優先日】2021-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/592,120
(32)【優先日】2022-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391018178
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエーツ,ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【弁理士】
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】クレーメンス ダイルマン
(72)【発明者】
【氏名】ヨアヒム クーンケ
(72)【発明者】
【氏名】ヨアヒム ベー.ミュラー
【テーマコード(参考)】
3B211
【Fターム(参考)】
3B211AA01
3B211AA02
3B211AA05
3B211AB01
3B211AC12
(57)【要約】
本開示の実施形態は、様々な衣類に組み込むことができるフレキシブル電子パネルのための装置、システム及び方法に関する。例示的な実施形態において、衣類は複数のパネルを含む。態様において、第一のパネルは、衣類の第一の付属部分から衣類の第二の付属部分まで延在している一体型パネルである。さらに、少なくとも第一のパネルは少なくとも1つの導電性トレースを含み、残りの複数のパネルは衣類の残りの部分を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパネルを含む衣類であって、
第一のパネルは、前記衣類の第一の付属部分から前記衣類の第二の付属部分まで延在している一体型パネルであり、
少なくとも前記第一のパネルは少なくとも1つの導電性トレースを含み、そして、残りの複数のパネルは前記衣類の残りの部分を形成する、衣類。
【請求項2】
前記第一のパネルは、x-y方向に圧縮された合成ポリマー膜を含み、前記導電性トレースは前記合成ポリマー膜内に配置されており、
前記第一のパネルは前記合成ポリマー膜に結合された伸長性基材を含み、そして、
前記導電性トレースはz方向に座屈されている、請求項1記載の衣類。
【請求項3】
前記衣類は上半身衣類であり、そして前記第一のパネルは、前記衣類の前部又は後部を横切って中央部分から第一の腕部の遠位部分及び第二の腕部の遠位部分まで延在している、請求項1又は2記載の衣類。
【請求項4】
前記衣類は下半身衣類であり、前記第一のパネルは、前記衣類の前部又は後部を横切って中央部分から第一の脚部の遠位部分及び第二の脚部の遠位部分まで延在している、請求項1又は2記載の衣類。
【請求項5】
前記衣類は、ワンピースカバーオール衣類であり、前記第一のパネルは、前記ワンピースカバーオール衣類の前部又は後部から前記ワンピースカバーオール衣類の胴体部分まで延在している胴体延在部分をさらに含み、前記胴体延在部分の遠位部分から前記ワンピース衣類の脚部分の少なくとも1つの遠位部分まで延在している少なくとも1つの脚延在部分をさらに含む、請求項1又は2記載の衣類。
【請求項6】
前記第一のパネルの前記遠位部分のうちの少なくとも1つの少なくとも一部は、前記衣類の腕部分及び/又は脚部分の少なくとも一部の周りで周方向にラップする横断方向に長尺の部分をさらに含む、請求項1~5のいずれか1項記載の衣類。
【請求項7】
前記1つ以上のパネルのそれぞれは、独立して、テキスタイル布帛、フィルム、微孔膜又は、ある程度の弾性を独立して有していても又は有していなくてもよい他の適切な基材、又はそれらのラミネートである、請求項1~6のいずれか1項記載の衣類。
【請求項8】
前記第一のパネルは、細孔内、微孔膜上又はそれらの組み合わせに吸収された導電性トレースを有する微孔膜を含む、請求項1~7のいずれか1項記載の衣類。
【請求項9】
前記第一のパネルは、前記少なくとも1つの導電性トレースに結合され、1つ以上の電子構成要素に解放可能に結合するように構成された電気接続をさらに含む、請求項1~8のいずれか1項記載の衣類。
【請求項10】
前記衣類は、ジッパー、ボタン、スナップ、雄コネクタ、雌コネクタ、ポケット又はそれらの組み合わせをさらに含む、請求項9記載の衣類。
【請求項11】
前記1つ以上の電子構成要素は、電源、電源スイッチ、センサ、電子回路、アンテナ、無線送信機、無線受信機、リモコン、表示デバイス、タッチスクリーン、音声送信機、スピーカ、マイクロホン、触覚デバイス、加熱要素又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上である、請求項8又は9記載の衣類。
【請求項12】
前記電源、前記電源スイッチ、前記センサ、前記電子回路、前記アンテナ、前記無線送信機、前記無線受信機、前記リモコン、前記表示デバイス、前記タッチスクリーン、前記音声送信機、前記スピーカ、前記マイクロホン、前記触覚デバイス、前記加熱要素又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも2つは、前記導電性トレースによって互いに接続されている、請求項11記載の衣類。
【請求項13】
前記電源、前記電源スイッチ、前記センサ、前記電子回路、前記アンテナ、前記無線送信機、前記無線受信機、前記リモコン、前記表示デバイス、前記タッチスクリーン、前記音声送信機、前記スピーカ、前記マイクロホン、前記触覚デバイス、前記加熱要素又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つは、取り外し可能及び/又は交換可能である、請求項11又は12記載の衣類。
【請求項14】
前記第一のパネルは、テキスタイル、フィルム、それらの組み合わせ又はラミネートのうちの1つ以上を含む多層パネルである、請求項1~13のいずれか1項記載の衣類。
【請求項15】
前記多層パネルは、外側テキスタイル層、中間フィルム層及び内側テキスタイル層を含むラミネートである、請求項14記載の衣類。
【請求項16】
前記中間フィルム層は微孔質層であり、前記導電性トレースは前記微孔質層内にある、請求項15記載の衣類。
【請求項17】
前記第一のパネルは、電気又は電気信号を前記第一のパネルから第二のパネルに送るように構成された導電性接続をさらに含む、請求項1~16のいずれか1項記載の衣類。
【請求項18】
前記第一のパネルの遠位部分の少なくとも1つの少なくとも一部は電源ハウジングをさらに含む、請求項1~17のいずれか1項記載の衣類。
【請求項19】
前記一体型パネルは可撓性及び/又は伸長性である、請求項1~18のいずれか1項記載の衣類。
【請求項20】
実質的に平らであり、衣類(又は物品)に組み込んで三次元の衣類/物品片を形成することができる一体型パネルであって、少なくとも1つの導電性トレースを含む導電性パネルである、一体型パネル。
【請求項21】
前記一体型パネルは可撓性及び/又は伸長性である、請求項20記載の一体型パネル。
【請求項22】
衣類を製造する方法であって、
複数のパネルを提供すること、ここで、前記複数のパネルのうちの第一のパネルは導電性トレースを含む一体型パネルであり、前記複数のパネルのうちの第二のパネルに前記第一のパネルをシームで結合する、
残りのパネルを前記第一のパネル及び/又は前記第二のパネルに結合して衣類を形成すること、
を含み、
前記第一のパネルには、前記パネルの一部にわたって横断方向に、前記パネルの一部にわたって長手方向に又はそれらの組み合わせに延在しているいかなるシームも存在しない、方法。
【請求項23】
前記第一のパネルは、前記衣類の第一の付属部分から前記衣類の第二の付属部分まで延在している、請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記衣類はシャツであり、前記第一のパネルは、前記シャツの前部又は後部の中央部分から、第一の腕部の遠位部分及び第二の腕部の遠位部分まで延在している、請求項22記載の方法。
【請求項25】
前記衣類はズボンであり、前記第一のパネルは、前記衣類の前部又は後部を横切る中央部分から、第一の脚部の遠位部分及び第二の脚部の遠位部分まで延在している、請求項22記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本開示は、一般に、ウェアラブル電子機器のための装置、システム及び方法に関する。より具体的には、本開示は、様々な衣類に組み込むことができるフレキシブル電子パネルのための装置、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
ウェアラブル電子機器及びスマート衣類はますます人気が高まっている。スマートウォッチなどのウェアラブル電子機器は、着用者の脈拍数及び酸素飽和度を検出できる。スマート衣類は着用者の動きを検出して、可能性として危険な状態をユーザに警告し、又は、衣類を光らせて、弱光状態での視認性を高め、又は、広告又はマーケティング目的で使用することができる。さらに、ウェアラブル電子機器の機能はここ数年で劇的に向上し、その一方でウェアラブル電子構成要素の価格は下がり、これらのアイテムの人気はさらに高まった。しかしながら、衣類は、典型的に、複数の布帛パネルを縫い合わせて作られている。スマート衣類の電子回路は、しばしば、1つのパネルから別のパネルまで延在している必要があり、隣接するパネル間の相互接続を、2つのパネルが合うところで電子機器を接続するために使用しなければならない。2つのパネルを接続するこれらの電気接続は、衣類のシームでの材料の規則的な屈曲により過度に摩耗して、電子パネルが動作不能になる可能性がある。本明細書に開示される実施形態は、これらの問題を解決する。
【発明の概要】
【0003】
要旨
上述したように、ウェアラブル電子機器及びスマート衣類はますます人気が高まっている。しかしながら、スマート衣類には製造上の課題がある。衣類は、典型的に、複数のパネル片を必要とし、隣接するパネル片は縫製、縫合、ボンド結合、接着、溶接又は接合によって結合されて、完成した衣類を形成する。例えば、シャツは、前胴部分、後胴部分及び2つの腕部分の少なくとも4つのパネルから製造することができる。パネルを隣接縁で縫い合わせて衣類を形成することができる。本開示は、衣類を製造するためのパネル片の1つとして使用することができる、少なくとも1つの導電性トレースを含む一体型パネルについて説明する。少なくとも1つの導電性トレースを含む一体型パネルの使用により、1つのパネルから別のパネルに電子接続を交差させる必要がない衣類が可能になり、それによって耐久性のあるスマート衣類を製造する。本明細書で使用されるときに、「一体型パネル」及び「電子パネル」という語句は同等であり、パネルを横切るシームのないパネルを意味する。一体型パネルの少なくとも1つの縁部分は、一体型パネルを隣接パネルに接合し、又は、例えば、袖口部分を取り囲むパネルの場合のように、一体型パネルの1つの縁をそれ自体に接合するシームを有することができる。電子パネルは、少なくとも1つの導電性トレースを含む一体型パネルであることを理解されたい。
【0004】
1つの例によれば、本開示は、複数のパネルを含む衣類であって、第一のパネルは、衣類の第一の付属部分から衣類の第二の付属部分まで延在している一体型パネルであり、少なくとも第一のパネルは、少なくとも1つの導電性トレースを含み、残りの複数のパネルは衣類の残りの部分を形成する、衣類に関する。衣類は、シャツ、長袖シャツ、半袖シャツ、ズボン、ショーツ、オーバーオール、上半身衣類、下半身衣類、全身衣類、ジャケット、中間層、ベース層、カバーオール、手袋、靴下又は帽子であることができる。衣類の付属部分とは、腕部分又は袖、脚部分又はそれらの任意の組み合わせを指すことが意図される。幾つかの実施形態において、一体型パネルは、第一の腕部分の遠位部分(すなわち、第一の付属部分)から第二の腕部分の遠位部分(すなわち、第二の付属部分)まで延在することができる。他の実施形態において、一体型パネルは、第一の脚部分の遠位部分から第二の脚部分の遠位部分まで延在することができる。本明細書で使用されるときに、「遠位部分」という語句は、付属部分の任意の点を意味する。例えば、衣類が長袖シャツであり、袖が各手首まで延在しているならば、一体型パネルは、第一の付属部分の任意の点、第一の腕部分の手首、前腕、肘又は上腕部分から、独立して、第二の付属部分の手首、前腕、肘又は上腕部分まで延在していることができる。衣類では典型的なことであるが、付属部分の長さは、衣類のデザイン、機能、又はデザインと機能の両方に応じて変化しうる。
【0005】
別の例によれば、本開示は、実質的に平坦であり、衣類(又は物品)に組み込んで三次元の衣類/物品片を形成することができる一体型パネルであって、前記一体型パネルは、少なくとも1つの導電性トレースを含む導電性パネルである、一体型パネルに関する。衣類は、シャツ、長袖シャツ、半袖シャツ、ズボン、ショーツ、オーバーオール、カバーオール、手袋、靴下又は帽子であることができる。態様において、一体型パネルは可撓性及び/又は伸長性がある。態様において、一体型パネルは衣類上の第一の点から第二の点まで延在している。態様において、第一の点及び第二の点は衣類の胴体上にある。幾つかの態様において、第一の点は、衣類の胴体の第二の点と同じ側にある。他の態様において、第一の点は、衣類の胴体の第二の点とは異なる側にある。幾つかの態様において、一体型パネルは胴体の半分未満をラップしている。他の態様において、一体型パネルは胴体の半分を超えてラップし、例えば胴体の周囲全体をラップしている。
【0006】
さらに別の例によれば、本開示は、2つ以上の衣類であって、前記2つ以上の衣類は、ベース層、中間層、外層、ズボン、カバーオール、オーバーオール、手袋、靴下又は帽子であり、前記2つ以上の衣類のそれぞれは、上記の例の一体型パネルを含み、第一の衣類の一体型パネルは、第二の衣類及び/又は後続の衣類の一体型パネルと電子通信する、2つ以上の衣類に関する。衣類は、シャツ、長袖シャツ、半袖シャツ、ズボン、ショーツ、オーバーオール、カバーオール、手袋、靴下及び/又は帽子であることができる。
【0007】
別の例によれば、本開示は、実質的に平坦であり、ユーザが着用する物品に組み込まれるように構成された電子パネルであって、前記電子パネルには、パネルの一部にわたって横断方向に、パネルの一部にわたって長手方向に又はそれらの組み合わせの方向に延在しているいかなるシームも存在せず、前記電子パネルは物品の複数の布帛パネルに結合され、それにより、前記電子パネルと複数の布帛パネルとが物品を形成しており、前記電子パネルは少なくとも1つの導電性トレースを含む、電子パネルに関する。
【0008】
別の例によれば、本開示は、実質的に平坦であり、ユーザが着用する物品に組み込まれるように構成された電子パネルであって、前記電子パネルには、電子パネルの一部にわたって横断方向に、電子パネルの一部をわたって長手方向に又はそれらの組み合わせの方向に延在しているいかなるシームも存在せず、前記電子パネルは、ユーザの少なくとも関節を横切って延在するように構成されており、前記電子パネルは少なくとも1つの導電性トレースを含む、電子パネルに関する。
【0009】
前述の例のいずれかの態様において、前記電子パネルは、x-y方向に圧縮された合成ポリマー膜を含み、前記導電性トレースは前記合成ポリマー膜内に配置されており、前記電子パネルは、前記合成ポリマー膜に結合された伸長性基材を含み、そして、前記導電性トレースはz方向に座屈されている。
【0010】
特定の態様において、前記物品は長袖シャツであり、前記電子パネルは、衣類の前部又は後部を横切って中央部分から第一の腕部の遠位部分及び第二の腕部の遠位部分まで延在している。
【0011】
特定の他の態様において、前記物品はズボンであり、前記電子パネルは、衣類の前部又は後部を横切って中央部分から第一の脚部の遠位部分及び第二の脚部の遠位部分まで延在している。
【0012】
さらに他の態様において、前記物品はワンピースカバーオール衣類であり、前記電子パネルは衣類の前部又は後部を横切って中央部分から第一の腕部の遠位部分及び第二の腕部の遠位部分まで延在しており、ワンピースカバーオールの前部又は後部からワンピースカバーオールの胴部分まで延在している胴体延在部分をさらに含み、胴体延在部分の遠位部分からワンピース衣類の脚部分の少なくとも1つの遠位部分まで延在している少なくとも1つの脚延在部分をさらに含む。
【0013】
上記の例のいずれかの態様において、前記電子パネルの遠位部分の少なくとも1つの少なくとも一部は、前記物品の一部の周りを周方向にラップする横断方向に長尺の部分をさらに含む。追加的に又は代替的に、電子パネルは、テキスタイル布帛、フィルム、微孔膜、又は、ある程度の弾性を独立して有していても又は有していなくてもよい他の適切な基材、又はそれらのラミネートである。
【0014】
上記の例のいずれかの特定の態様において、前記電子パネルは、細孔内、微孔膜上又はそれらの組み合わせに吸収された導電性トレースを有する微孔膜を含む。追加的に又は代替的に、前記電子パネルは、少なくとも1つの導電性トレースに結合され、1つ以上の電子構成要素に解放可能に結合するように構成された電気接続をさらに含む。追加的に又は代替的に、前記電子パネルは、少なくとも1つの導電性トレースに結合され、1つ以上の電子構成要素に永久的に結合するように構成された電気接続を含む。
【0015】
上記の例の態様において、前記1つ以上の電子構成要素は、電源、電源スイッチ、センサ、電子回路、アンテナ、無線送信機、無線受信機、リモコン、表示デバイス、タッチスクリーン、音声送信機、スピーカ、マイクロホン、触覚デバイス、加熱要素又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上である。
【0016】
上記の例の態様において、電源、電源スイッチ、センサ、電子回路、アンテナ、無線送信機、無線受信機、リモコン、表示デバイス、タッチスクリーン、音声送信機、スピーカ、マイクロホン、触覚デバイス、加熱要素又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも2つは、前記導電性トレースによって互いに接続されている。
【0017】
上記の2つの例のいずれかの特定の態様において、電源、電源スイッチ、センサ、電子回路、アンテナ、無線送信機、無線受信機、リモコン、表示デバイス、タッチスクリーン、音声送信機、スピーカ、マイクロホン、触覚デバイス、加熱要素又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つは、取り外し可能及び/又は交換可能である。
【0018】
上記の例のいずれかの態様において、前記電子パネルは、テキスタイル、フィルム、それらの組み合わせ又はラミネートのうちの1つ以上を含む多層電子パネルである。
【0019】
上記の例の特定の実施形態において、前記多層電子パネルは、外側テキスタイル層、中間フィルム層及び内側テキスタイル層を含むラミネートである。
【0020】
上記の実施形態の特定の態様において、中間フィルム層は微孔質層であり、導電性トレースは前記微孔質層内にある。
【0021】
上記の例のいずれかの態様において、前記電子パネルは、第一のパネルから第二のパネルに電気又は電気信号を送るように構成された導電接続をさらに含む。追加的に又は代替的に、前記電子パネルの少なくとも一部は、電源ハウジングをさらに含む。追加的に又は代替的に、前記電子パネルは可撓性及び/又は伸長性がある。追加的に又は代替的に、前記衣類はシャツであり、1つ以上の電子構成要素を収納するためのカラーハウジングを含む。
【0022】
上記の例の特定の態様において、前記1つ以上の電子構成要素は、電源、電源スイッチ、センサ、電子回路、アンテナ、無線送信機、無線受信機、リモコン、表示デバイス、タッチスクリーン、音声送信機、スピーカ、マイクロホン、触覚デバイス、加熱要素又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上である。
【0023】
さらに別の例によれば、本開示は、衣類を製造する方法であって、複数のパネルを提供すること、ここで、前記複数のパネルのうちの第一のパネルは導電性トレースを含む一体型パネルである、前記複数のパネルのうちの第二のパネルに前記第一のパネルをシームにおいて結合すること、残りのパネルを前記第一のパネル及び/又は前記第二のパネルに結合して衣類を形成することを含み、ここで、前記第一のパネルには、前記パネルの一部にわたって横断方向に、前記パネルの一部にわたって長手方向に又はそれらの組み合わせに延在しているいかなるシームも存在しない、方法に関する。
【0024】
上記の実施形態の態様において、第一のパネル部分は衣類の第一の付属部分から衣類の第二の付属部分まで延在している。あるいは、衣類はシャツであり、第一のパネルは、シャツの前部又は後部を横切って中央部分から第一の腕部の遠位部分及び第二の腕部の遠位部分まで延在している。あるいは、衣類はズボンであり、第一のパネルは衣類の前部又は後部を横切って中央部分から第一の脚部の遠位部分及び第二の脚部の遠位部分まで延在している。あるいは、衣類はワンピースカバーオールであり、衣類はワンピースカバーオール衣類であり、第一のパネルは、ワンピースカバーオール衣類の前部又は後部からワンピースカバーオール衣類の胴体部分まで延在している胴体延在部分をさらに含み、胴体延在部分の遠位部分からワンピース衣類の脚部分の少なくとも1つの遠位部分まで延在している少なくとも1つの脚延在部分をさらに含む。
【0025】
上記の製造方法の例のいずれかの態様において、第一のパネルを第二のパネルに結合することは、縫製シーム、接着シーム、溶接シーム、ボンド結合シーム又はそれらの組み合わせを含む。追加的に又は代替的に、衣類の製造方法は、合成ポリマー膜上又は合成ポリマー膜内に導電性トレースを配置することによって一体型パネルを形成することをさらに含む。
【0026】
上記の実施形態の態様において、前記電子パネルは、テキスタイル、フィルム、それらの組み合わせ又はラミネートのうちの1つ以上を含む多層パネルである。上記の実施形態の態様において、前記電子パネルは、外側テキスタイル層、中間フィルム層及び内側テキスタイル層を含むラミネートである多層パネルである。上記の実施形態の態様において、前記中間フィルム層は微孔質層であり、前記導電性トレースは微孔質層内にある。上記の実施形態のいずれかの態様において、製造方法は、1つ以上の電子構成要素を前記導電性トレースに結合することをさらに含む。
【0027】
上記の例の態様において、前記1つ以上の電子構成要素は、電源、電源スイッチ、センサ、電子回路、アンテナ、無線送信機、無線受信機、リモコン、表示デバイス、タッチスクリーン、音声送信機、スピーカ、マイクロホン、触覚デバイス、加熱要素又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上である。
【0028】
上記の例はまさに実施例であり、本開示によって別途提供される本発明の概念の範囲を限定し又は他の方法で狭めるように解釈されるべきではない。複数の例が開示されているが、さらに他の実施形態は、例示的な例を示し説明する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に制限的なものではなく、本質的に例示的なものと考えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図面の簡単な説明
添付図面は、本開示のさらなる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれてその一部を構成し、実施形態を示し、記載とともに本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0030】
図1図1は、少なくとも1つの実施形態による、対象が着用できる衣類に組み込まれた電子パネルのシステム例である。
【0031】
図2図2A~Bは、少なくとも1つの実施形態による、衣類に組み込まれた電子パネルの例である。
【0032】
図3図3は、少なくとも1つの実施形態による、衣類から切り離された状態の図2A~Bに示した電子パネルの例である。
【0033】
図4図4A~Bは、少なくとも1つの実施形態による、衣類に組み込まれた電子パネルの別の例である。
【0034】
図5図5A~Bは、少なくとも1つの実施形態による、衣類に組み込まれた電子パネルのさらに別の例である。
【0035】
図6A-C】図6A~Cは、少なくとも1つの実施形態による、導電性トレースが合成ポリマー膜の表面に適用されそして座屈された、導電性物品の形成の概略図である。
【0036】
図6D図6Dは、少なくとも1つの実施形態による、衣類の両側への電子パネルの適用の概略図である。
【0037】
図6E図6Eは、 少なくとも1つの実施形態による、その各側に座屈した合成ポリマー膜を有する伸長性基材の概略図である。
【0038】
図6F図6Fは、少なくとも1つの実施形態による、両面に導電性トレースを有し、導電性トレースを電気的に相互接続する導電性トレースが吸収された合成ポリマー膜の概略図であり、前記合成ポリマー膜は座屈構成にある。
【0039】
図7A図7Aは、少なくとも1つの実施形態による、導電性トレースが合成ポリマー膜中に吸収されて座屈された導電性物品の概略図である。
【0040】
図7B図7Bは、少なくとも1つの実施形態による、伸長性基材の各側に座屈された合成ポリマー膜を有する導電性物品の概略図である。
【0041】
図8図8は、本開示の態様を実施することができるコンピューティングデバイスの物理構成要素(例えば、ハードウェア)を示すブロック図である。
【0042】
図9A図9Aは、本開示の態様を実施することができるモバイルコンピューティングデバイスの簡略図である。
【0043】
図9B図9Bは、本開示の態様を実施することができるモバイルコンピューティングデバイスの別の簡略ブロック図である。
【0044】
図10図10は、少なくとも1つの実施形態による、衣類に組み込まれた電子パネルの別の例である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
詳細な説明
引用されたすべての特許文献及び非特許文献の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0046】
本明細書で使用されるときに、「実施形態」又は「開示」という用語は、限定することを意図するものではなく、特許請求の範囲で定義される、又は本明細書に記載される実施形態のいずれかに一般的に適用される。これらの用語は、本明細書で相互互換的に使用される。
【0047】
別段の開示がない限り、本明細書で使用されるときに、用語「a」及び「an」は、参照される特徴の1つ以上(すなわち、少なくとも1つ)を包含することが意図される。
【0048】
本開示の特徴及び利点は、以下の詳細な説明を読むことにより、当業者によってより容易に理解されるであろう。明確にするために、別個の実施形態の関係で上記及び下記に説明される本開示の特定の特徴は、単一の要素において組み合わせて提供されてもよいことが理解されるべきである。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の関係で説明される本開示の様々な特徴は、別離して、又はいかなるサブコンビネーションで提供されてもよい。さらに、文脈上特に別段の記載がない限り、単数形への言及には複数形も含まれることがある(例えば、「a」及び「an」は1つ以上を指すことがある)。
本出願で指定される様々な範囲の数値の使用は、特に断りのない限り、記載された範囲内の最小値と最大値の両方に「約」という用語が前に付いているかのように近似値として記載されている。このようにして、記載された範囲の上下のわずかな変動値を使用して、範囲内の値と実質的に同じ結果を達成することができる。また、これらの範囲の開示は、最小値と最大値の間のあらゆる値を含む連続的な範囲が意図されている。
【0049】
様々な実施形態の説明
当業者は、本開示の様々な態様が、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現できることを容易に理解するであろう。また、本明細書で参照される添付の図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本開示の様々な態様を説明するために誇張されていることがあり、その点において、図面は限定的なものとして解釈されるべきではないことにも留意されたい。
【0050】
図1は、1つの実施形態による、対象106が着用できる衣類104に組み込まれた電子パネル102の例示のシステム100である。図示されるように、電子パネル102は、限定するわけではないが、シャツ(例えば、長袖シャツ、半袖シャツ、タンクトップなど)、ズボン、ショーツ、オーバーオール、カバーオール、レギンス、ドレス、スカート、下着、手袋、靴下、帽子などを含む、様々な種類の衣類104に組み込むことができる。特定の実施形態によれば、電子パネル102及び/又は衣類104は、テキスタイル布帛、フィルム、微孔膜又は他の適切な基材であってよく、これは独立してある程度の弾性を有していても又は有していなくてもよく、あるいはそれらのラミネートであってもよい。これらの例の追加の詳細を以下に提供する。
【0051】
幾つかの実施形態において、電子パネル102は、パネル片A’、A’’、A’’’、B’及び/又はB’’とともに、衣類104を形成する一体型パネルであることができる。これらの実施形態において、電子パネル102は、各パネル片の周縁又はその近くで1つ以上のパネル片A’、A’’、A’’’、B’及び/又はB’’に取り付けられ、衣類104の一部を形成する。態様において、衣類104を形成する個々のパネル片A’、A’’、A’’’、B’及び/又はB’’ならびに電子パネル102は、シームによって互いに取り付けられることができる。例えば、電子パネル102は、電子パネル102の周囲の少なくとも一部の周りに延在する少なくとも1つのシーム108’、108’’、108’’’によって個々のパネル片に結合されうる。シームを形成するための取り付け方法としては、例えば、縫い合わせ、ボンド結合、ラミネート化、グルー接着、接着、溶接又はそれらの組み合わせを挙げることができる。電子パネル102は一体型とすることができ、衣類104の複数のパネル片A’、A’’、A’’’、B’及び/又はB’’に取り付けられるので、個々の衣類パネル間の電気接続は必要ない。導電性トレース(例えば、後述する導電性トレース120)は、電子パネル102の長さの一部に沿って、及び/又は電子パネル102の長さ全体に沿って延在することによって、衣類104の複数の部分に隣接する、例えば、複数のパネル片A’、A’’、A’’’、B’及び/又はB’’に隣接する、1つ以上の電気構成要素の接続を可能にすることができる。追加的に又は代替的に、導電性トレース(例えば、後述する導電性トレース120)は、電子パネル102の幅の一部に沿って、及び/又は電子パネル102の幅全体に沿って延在することによって、衣類104の複数の部分、例えば、パネル片A’、A’’、A’’’、B’及び/又はB’’に隣接する1つ以上の電気構成要素の接続を可能にすることができる。したがって、電子パネル102及びその機能は、複数のパネル片A’、A’’、A’’’、B’及び/又はB’’に関連付けることができる。本開示は、一体型パネル及び1つ以上の追加のパネルからの衣類の形成について記載しており、これらの1つ以上の追加のパネルは、本明細書では便宜上のみでA’、A’’、A’’’、B’及び/又はB’’として記載されることを理解されたい。衣類は、一体型パネル、すなわち電子パネルと、少なくとも1つの追加のパネルとから製造されうる。幾つかの実施形態において、追加のパネルの数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上であることができる。衣類を形成するために使用される追加のパネルの正確な数は、多くの要因に依存し、例えば、デザインの選択、機能的な決定又はデザインと機能の組み合わせなどによることができる。
【0052】
態様において、電子パネル102は、いかなるシームも存在せず、衣類104のパネル片A’、A’’、A’’’、B’及び/又はB’’のうちの少なくとも1つの間に延在している、及び/又はそれらに取り付けられる電子パネルであることができる。特定の例において、電子パネル102には、電子パネル102の一部にわたって横断方向に延在している、すなわち、電子パネル102の幅の一部にわたって延在している、いかなるシームも存在しない。追加的に又は代替的に、特定の例において、電子パネル102には、電子パネル102の一部にわたって長手方向に延在している、すなわち、電子パネル102の長さの一部にわたって延在している、いかなるシームも存在しない。
【0053】
特定の実施形態によれば、電子パネル102は、他のパネル片A’、A’’、A’’’、B’及び/又はB’’に縫い付けられ、適用され、及び/又は接着されて衣類104を形成する。衣類104がシャツである特定の実施形態において、電子パネル102は、衣類104の第一の付属部分から衣類104の第二の付属部分まで、例えば、第一の腕部分の遠位部分110から第二の腕部分の遠位部分112まで延在することによって、複数のパネルA’、A’’、A’’’に取り付けることができる。特定の例において、第一の腕部分の遠位部分110は、本明細書では第一の腕部分の第一の遠位部分110と呼ばれることがあり、第二の腕部分の遠位部分112は、本明細書では第二の腕部分の第二の遠位部分112と呼ばれることがあり、集合的に、第一の腕部分の遠位部分110及び第二の腕部分の遠位部分112は、本明細書では遠位腕部分110、112と呼ばれることがある。
【0054】
追加的に又は代替的に、電子パネル102は、図1に示されるように、衣類104の胴体の部分に取り付けることができる。これらの実施形態の幾つかにおいて、電子パネル102は、衣類104の胴体上の第一の点113から衣類104の胴体上の第二の点115まで延在することができる。幾つかの実施形態において、第一の点113及び第二の点115は、衣類104の胴体の同じ側にあり、他の実施形態において、第一の点113及び/又は第二の点115は衣類104の胴体の異なる側にある。幾つかの実施形態において、電子パネル102は、衣類104の胴体の半分未満の周囲でラップし、他の実施形態において、電子パネル102は、衣類104の胴体の半分を超えて周囲でラップする。幾つかの実施形態において、電子パネル102は、衣類104の胴体の周囲全体でラップする。
【0055】
特定の実施形態によれば、電子パネル102は、対象106の一方又は両方の腕部分の少なくとも一部の周りを周方向にラップする、1つ以上の腕部分で横断方向に長尺の部分110、112を含むことができる。腕部分の少なくとも一部の周りでラップする横断方向に長尺の部分を含むことによって、電子パネル102は、幾つかの実施形態において、対象106の1つ以上の腕部の周囲で比較的しっかりとしたフィットを提供することができ、これにより、以下でより詳細に説明するように、電子パネル102に組み込まれた1つ以上のセンサによる正確な読み取りを容易にすることができる。幾つかの実施形態において、電子パネル102は、対象106の一方又は両方の腕部分の少なくとも一部の周りを周方向にラップする、1つ以上の遠位腕部分から距離を置いて配置された横断方向に長尺の部分110、112を含むことができる。追加的に又は代替的に、電子パネル102は、対象106の一方の又は両方の腕部分の遠位部分の周りを周方向にラップする、横断方向に長尺の部分110、112を含むことができる。幾つかの実施形態において、横断方向に長尺の部分110は、図示されるように腕部分の半分を超えて周囲に延在し、他の実施形態において、横断方向に長尺の部分112は、図示されるように腕部分の半分未満の周囲に延在している。
【0056】
衣類104がズボンである特定の実施形態において、電子パネル102は、第一の脚部分の遠位部分116から第二の脚部分の遠位部分114まで延在することによって複数のパネルに取り付けられる。特定の例において、本明細書では、第一の脚部分の遠位部分116を第一の脚部分の第一の遠位部分116と呼ぶことができ、第二の脚部分の遠位部分114を第二の脚部分の第二の遠位部分114と呼ぶことができ、集合的に、第一の脚部分の遠位部分116と第二の脚部分の遠位部分114を本明細書では遠位脚部分116、114と呼ぶことができる。
【0057】
特定の実施形態によれば、電子パネル102は、対象106の一方又は両方の脚部分の少なくとも一部の周りを周方向にラップする、1つ以上の脚部分に横断方向に長尺の部分114、116を含むことができる。脚部分の少なくとも一部の周りでラップする横断方向に長尺の部分を含むことによって、電子パネル102は、幾つかの実施形態において、対象106の1つ以上の脚の周りに比較的しっかりとしたフィットを提供することができ、これにより、以下でより詳細に説明するように、電子パネル102に組み込まれた1つ以上のセンサによる正確な読み取りが容易になる。幾つかの実施形態において、電子パネル102は、対象106の一方又は両方の脚部分の少なくとも一部の周りを周方向にラップする、1つ以上の遠位脚部分から距離を置いて配置された横断方向に長尺の部分114、116を含むことができる。追加的に又は代替的に、電子パネル102は、対象106の一方又は両方の脚部分の遠位部分の周りに周方向にラップする横断方向に長尺の部分114、116を含むことができる。
【0058】
衣類104の他の例及びその例示的な衣類104への電子パネル102の組み込みについては、以下でより詳細に説明する。
【0059】
少なくとも幾つかの実施形態において、電子パネル102は、合成ポリマー膜118及び導電性トレース120を含む。特定の実施形態によれば、導電性トレース120は、複数の導電性トレース120を含むことができる。特定の実施形態において、合成ポリマー膜118及び導電性トレース120は、電子パネル102に部分的又は完全にまたがることができる。したがって、導電性トレース120は、複数のパネル片(例えば、パネル片 A’、A’’、A’’’、B’及び/又はB’’)に隣接することができ、衣類の様々な部分で電気接続を提供することができる。
【0060】
特定の実施形態によれば、導電性トレース120は、合成ポリマー膜118の厚さを通して細孔の表面上に配置されるか、又は細孔中に吸収されることができる。電子パネル102は、膜平面内で圧縮され、それにより、合成ポリマー膜118から外れて又は「厚さ」方向で合成ポリマー膜118の座屈が起こる。さらに、合成ポリマー膜118は多孔質又は非孔質であることができる。幾つかの実施形態において、合成ポリマー膜118は微孔質である。
【0061】
有利なことに、電子パネル102は、伸長範囲にわたって導電性能を維持することができ、それにより、衣類104の屈曲によって電子パネル102が動作不能になる可能性が低減される。例えば、電子パネル102は、電子パネル102の元の弛緩構成の50%ひずみまで伸長されたときに、無視できるほどの抵抗変化を有することができる。「ひずみ」は、本明細書で規定されるときに、合成ポリマー膜118の元の弛緩構成と比較した合成ポリマー膜118の伸長を表すことが意図される。幾つかの実施形態において、電子パネル102は、100%ひずみまで、又はさらには100%ひずみを超えて伸ばされたときに、無視できるほどの抵抗変化を有する。幾つかの実施形態において、電子パネル102は、電子パネル102が組み込まれる衣類104よりも伸長性がある。
【0062】
特定の実施形態によれば、「導電性トレース」という用語は、本明細書で使用されるときに、電子を伝導することができる連続ライン又は連続経路を表すことが意図される。例示的な実施形態において、非導電領域は、合成ポリマー膜118上又は合成ポリマー膜118内で導電性トレース120に沿って配置される。幾つかの実施形態において、導電性インクを使用して、合成ポリマー膜118上又は合成ポリマー膜118内に導電性トレース120を堆積することができる。「導電性インク」という用語は、本明細書で使用されるときに、キャリア液体(例えば、溶媒)中に導電性粒子を組み込んだ材料を指す。幾つかの実施形態において、導電性粒子としては、銀、金、銅又は白金粒子が挙げられる。適切な導電性インクの非限定的な例としては、2108-IPA(カリフォルニア州リッチモンドのNanogap,Inc.)、UTDAgPA(イリノイ州シャンペーンのUT Dots,Inc.)、UTDAg60X(イリノイ州シャンペーンのUT Dots,Inc.)、PE872(デラウェア州ウィルミントンのデュポン)、125-19FS(マサチューセッツ州エアのCreative Materials,Inc.)及びCM036(オハイオ州デラウェアのEngineered Conductive Materials)が挙げられる。導電性トレース120を形成する他の導電性材料の非限定的な例としては、導電性金属粒子又はナノ粒子(例えば、銀、金、銅及び白金)、他の導電性材料の粒子又はナノ粒子(例えば、グラファイト又はカーボンブラック)、導電性ナノチューブ、導電性金属フレーク、導電性ポリマー及びそれらの組み合わせが挙げられる。本明細書で使用されるときに、「ナノ粒子」という用語は、導電性粒子の少なくとも1つの次元において1.0nm~100nmのサイズを有する粒子を表すことが意図される。
【0063】
特定の例において、導電性トレースは、多孔質又は非多孔質合成ポリマー膜118の外面上に分布され、及び/又は、多孔質(又は微孔質)合成ポリマー膜118の細孔内に堆積されうる。適切な合成ポリマー膜の非限定的な例としては、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、変性ポリテトラフルオロエチレンポリマー、テトラフルオロエチレン(TFE)コポリマー、ポリプロピレン及びポリエチレンなどのポリアルキレン、ポリエステルスルホン(PES)、ポリエステル、米国特許公開第2016/0032069号明細書で教示されているとおりのポリ(p-キシリレン)(ePPX)、Sbrigliaの米国特許第9,926,416号明細書に教示されているとおりの多孔質超高分子量ポリエチレン(eUHMWPE)、Sbrigliaの米国特許第9,932,429号明細書に教示されているとおりの多孔質エチレンテトラフルオロエチレン(eETFE)、Sbrigliaらの米国特許第7,932,184号明細書に教示されているとおりの多孔質ポリ乳酸(ePLLA)、Sbrigliaの米国特許第9,441,088号明細書に教示されているとおりの多孔質フッ化ビニリデン-コ-テトラフルオロエチレン又はトリフルオロエチレン[VDF-コ-(TFE又はTrFE)]ポリマー、ならびにそれらのコポリマー及び組み合わせが挙げられる。
【0064】
少なくとも1つの実施形態において、合成ポリマー膜118は、ノード及びフィブリル微細構造を有する微孔質フルオロポリマー膜118などの微孔質合成ポリマー膜118であり、ノードはフィブリルによって相互接続されており、細孔は、膜全体にわたってノードとフィブリルとの間に位置する空隙又は空間である。例示的なノード及びフィブリル微細構造は、ゴアの米国特許第3,953,566号明細書に記載されている。
【0065】
本明細書に記載される微孔膜118は、比表面積が約4.0m/cmを超え、約10m/cmを超え、約50m/cmを超え、約75m/cmを超え、そして100m/cm以下であるという点で、他の膜又は構造と区別されうる。幾つかの実施形態において、比表面積は約4.0m/cm~100m/cmである。本明細書において、比表面積は、包絡体積ではなく、骨格体積に基づいて規定される。さらに、微孔質合成ポリマー膜118内のフィブリルの過半は、約1.0μm未満、又は約0.1μm~約1.0μm、約0.3μm~約1.0μm、約0.5μm~約1.0μm、又は約0.7μm~約1.0μmの直径を有する。さらに、微孔膜118は薄く、約100μm未満、約75μm未満、約50μm未満、約35μm未満、約25μm未満、約20μm未満、約10μm未満、約5μm未満又は約3μm未満の厚さを有する。少なくとも1つの例示的な実施形態において、合成ポリマー膜118は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜である。Goreの米国特許第3,953,566号明細書、Bowenらの米国特許公開第2004/0173978号明細書、Bacinoらの米国特許第7,306,729号明細書、Bacinoの米国特許第5,476,589号明細書又はBrancaらの米国特許第5,183,545号明細書に記載の方法に従って調製された延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜はここで使用されうる。
【0066】
特定の実施形態において、導電性トレース120を合成ポリマー膜118(例えば、非孔質合成ポリマー膜)の外面に適用して、電子パネル102を形成することができる。幾つかの実施形態において、導電性トレースは、合成ポリマー膜118の外面の一部にモノリシック(例えば、連続)コーティングを形成する。少なくとも1つの実施形態において、所望のパターンを有するステンシルは合成ポリマー膜の表面に適用される。当業者に知られている合成ポリマー膜118の表面上にパターンを形成する他の形態は、本開示の範囲内であると考えられる。例示的な実施形態において、合成ポリマー膜118は平坦(すなわち、平面)であり、導電性材料が適用されるときにしわを含まない。導電性材料(例えば、導電性インク)は、ステンシルが除去されると、導電性材料が所望のパターンで合成ポリマー膜118上に残り、導電性トレース120を形成するように、ステンシル上に適用される。導電性材料は、導電性トレース120が合成ポリマー膜118の外面の少なくとも一部の上に配置されて電子パネル102を形成するように適用されることができる。
【0067】
「上(on)」という用語は、導電性トレース120に関して本明細書で使用されるときに、トレースが合成ポリマー膜118の表面上にあること(すなわち、合成ポリマー膜118の細孔内に導電性材料が位置していない)、又はトレースが実質的に合成ポリマー膜118の表面上に位置していること(すなわち、無視できる量の導電性材料が合成ポリマー膜118の細孔内に位置していてもよいこと)を示すことが意図されることを理解されたい。「上(on)」は、導電性トレース120が(介在要素なしで)基材上に直接配置されうること、又は介在要素が存在しうることを示すことも意図される。理論に拘束されることを望まないが、合成ポリマー膜118の細孔中への導電性材料のごくわずかな侵入(例えば、ミクロン)により、合成ポリマー膜118の表面に対する導電性トレース120の接着性が改善されると考えられる。
【0068】
別の実施形態において、導電性材料(例えば、導電性インク)を多孔質又は微孔質合成ポリマー膜118に適用して、それにより、導電性材料が合成ポリマー膜118中に吸収されて、合成ポリマー膜118内に導電性材料、ひいては導電性トレース120を配置して電子パネル102を形成することができる。
【0069】
「吸収される」とは、本明細書で使用されるときに、液体キャリア(導電性インクなど)を介して、多孔質又は微孔質合成ポリマー膜118の既存の細孔又は空隙内への導電性トレース120の包含及び/又は堆積を表すことが意図され、特に、導電性トレース120が合成ポリマー膜118の一体部分で、細孔又は空隙内の導電性トレース120が幾分か露出しうる充填膜を除外する。導電性材料を膜内の細孔又は空隙に堆積させる任意の既知の方法を本明細書で使用できることに留意されたい。幾つかの実施形態において、導電性トレース120は、多孔質又は微孔質合成ポリマー膜118の厚さを貫通する細孔を占める。
【0070】
したがって、導電性トレース120は、多孔質又は微孔質合成ポリマー膜118の細孔体積の過半を占めることができる。例示的な実施形態において、細孔は、電子が通過するための導電性トレース120を形成するのに十分な量の導電性材料を含む。導電性材料は、例えば、スクリーン印刷、オーバーコーティング、パッド印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、デジタル印刷及びグラビア印刷などの既知の堆積、コーティング方法及び吸収方法によって合成ポリマー膜118に適用されて、導電性トレースを形成することができる。上又は中に導電性トレース120を有する合成ポリマー膜118は、本明細書において、電子パネル102と呼ばれる。
【0071】
電子パネル102に伸長性を与えるために、ポリマー膜上及び/又はポリマー膜内に導電性トレースを有する合成ポリマー膜118を、伸長した基材(例えば、弾性テキスタイル)上に配置して、伸張した基材(例えば、弾性テキスタイル)が解放され、弛緩した非伸長状態に戻るときに、合成ポリマー膜118の座屈が膜の面外、又は、合成ポリマー膜118の「厚さ」方向で発生するようにして、電子パネル102に伸長性を導入することができる。特定の例において、電子パネル102は不連続接着剤によって弾性基材に取り付けられる。特定の例において、導電性トレース120を外力から保護するために、導電性トレース120上に絶縁性オーバーコートが配置される。電子パネル102のこの平面圧縮により、合成ポリマー膜118に長さが蓄えられる。平面膜に伸長性を付与することなどにより、電子パネル102に伸長性を導入するために様々な技術を使用することができる(Zagglらの国際公開(WO)第2016/135188号明細書、Zagglらの米国特許公開第2016/0167291号明細書、Flouseらの米国特許公開第5,026,513号明細書、Whiteの米国特許公開第2013/183515号明細書、Jainの米国特許公開第2011/167547号明細書、Wordenらの米国特許公開第4,443,511号明細書、Imaiの米国特許公開第2009/227165号明細書及びDuttaらの米国特許第5,804,011号明細書)。機械的及び非機械的(例えば、熱)処理技術が使用されうる。
【0072】
1つのアプローチは、電子パネル102を機械的に圧縮又は座屈させて、電子パネル102内にしわを寄せ、又は、面外構造を生成することである。例示的な実施形態において、圧縮は平面状のプリント回路上で行われる。「座屈」又は「座屈配向」は、本明細書で使用されるときに、しわ、波形又は折り目などの面外構造を示す電子パネル102を表すことが意図される。座屈は、一方向又は二方向で電子パネル102に導入されうる。「x-y方向に圧縮される」、「x-y圧縮」、又は「x-y圧縮する」は、本明細書で使用されるときに、一方向(すなわち、「x」方向又は「y」方向)又は両方向(すなわち、「x」及び「y」方向)の圧縮を介してプリント回路に伸長性を導入することを指す。電子パネル102は、「x」方向及び「y」方向に順次又は同時に圧縮されることができる。
【0073】
少なくとも1つの実施形態において、圧縮は一方向(例えば、「x」方向)に行われる。電子パネル102の「x」方向(例えば、膜平面内)の圧縮により、「座屈」又は面外(すなわち、「z」方向)の構造が導入されうる。このようなプロセスは、一般に、Zagglらの米国特許公開第2016/0167291号明細書に開示されており、この方法では、伸長された状態の伸長可能な基材上での多孔質フィルムの可逆的な接着が生じるように、多孔質フィルムが伸長された状態の伸長可能な基材上に適用される。次いで、上に多孔質フィルムを適用した状態で伸長性基材を弛緩させて、構造化された又は圧縮化された多孔質フィルムを得る。Zagglらの国際公開WO2016/135188号明細書に教示されている代替実施形態において、ノード及びフィブリル構造を有する多孔質膜は、「z」方向における実質的な構造の導入がほとんど又は全くないように圧縮されうる(すなわち、ノード及びフィブリル構造内のフィブリル圧縮)。
【0074】
電子パネル102における「座屈」又は面外構造は、非圧縮電子パネル102の厚さの少なくとも2倍の高さを有することができる。さらに、面外(すなわち、z方向)構造の高さは、約2μm~約2000μm又は約20μm~約1000μmの範囲であることができる。さらに、少なくとも一方向の構造密度は、1mm当たり少なくとも1バックル、1mm当たり少なくとも2バックル、1mm当たり少なくとも3バックル、1mm当たり少なくとも4バックル、1mm当たり少なくとも5バックル、1mm当たり少なくとも6バックル、1mm当たり少なくとも7バックル、1mm当たり少なくとも8バックル、1mm当たり少なくとも9バックル、又は1mm当たり少なくとも10バックルである。幾つかの実施形態において、構造密度は、1mm当たり1バックル~1mm当たり10バックル、1mm当たり1バックル~1mm当たり7バックル、1mm当たり1バックル~1mm当たり5バックル、又は1mm当たり1バックル~1mm当たり3バックルである。
【0075】
特定の実施形態において、電子パネル102は、テキスタイル、フィルム、それらの組み合わせ又はラミネートのうちの1つ以上を含む多層パネルであることができる。例えば、電子パネル102は、外側テキスタイル層(すなわち、ラミネートが衣類に作られるときに外側に面する層)、中間フィルム層及び内側テキスタイル層(すなわち、ラミネートが衣類に作られるときに内側に面する及び/又は身体に接触する層)を含む多層ラミネートであることができる。これらの実施形態の幾つかにおいて、中間フィルム層は微孔質層であることができ、ここで、導電性トレースは微孔質層内にある。他の実施形態において、電子パネル102は、外側フィルム層(外側に面する)と内側テキスタイル層(内側に面する及び/又は身体に接触する)とを含む二層ラミネートであることができる。
【0076】
特定の例において、1つ以上の電子構成要素122は導電性トレース120に電気的に結合され、次いで、この電子構成要素122を使用して、以下の機能のうちの1つ以上を提供することができる:検知(例えば、データとして格納できる対象106に関連する1つ以上のパラメータの検知)、データの収集、データの処理、データの格納、データの送信、電子パネル102及びその構成要素への電力の供給、ユーザインターフェース(例えば、タッチスクリーン、マイクロホン)などの提供、及び/又はフィードバック(例えば、感覚、触覚、音声、視覚など)の提供。電子構成要素122の例としては、限定するわけではないが、以下のものが挙げられる:コンピューティングデバイス、電源、電源スイッチ、センサ、電子回路、アンテナ、無線送信機、無線受信機、ユーザインターフェース、リモコン、表示デバイス、タッチスクリーン、音声送信機、スピーカ、マイクロホン、触覚デバイス、加熱要素、温度調節デバイス、例えば、加熱及び/又は冷却デバイス、加速度計、ひずみゲージ、生体センサ、温度センサ、ECGセンサ、EMGセンサ、充電器又はそれらの組み合わせ。追加的に又は代替的に、1つ以上の電子構成要素122は、導電性トレース120を介して互いに電気的に結合されうる。例えば、第一の腕部110上に配置された電子構成要素122Aと第二の腕部112上に配置された電子構成要素122Bは、導電性トレース120を介して互いに電気的及び通信可能に結合されうる。同様に、第一の脚部114上に配置された電子構成要素122C及び第二の脚部1146上に配置された電子構成要素122Dは、導電性トレース120を介して互いに電気的及び通信可能に結合されうる。
【0077】
特定の実施形態によれば、例えば122で示される電子構成要素などの1つ以上の電子構成要素は、電気接続124を介して102で示される電子パネルなどの電子パネルに取り外し可能に結合されうる。したがって、1つ以上の電子構成要素122をアップグレードすることが望ましい場合、及び/又は1つの電子構成要素122が故障した場合には、1つ以上の電子構成要素122を取り外し及び/又は交換することができる。少なくとも幾つかの実施形態において、電気接続124は、電子パネル102及び/又は衣類104の特徴部、例えば、ジッパー、ボタン、スナップ、雄コネクタ、雌コネクタ、ポケット又はそれらの組み合わせに組み込むことができる。特定の実施形態によれば、「解放可能に結合された」という用語は、本明細書で使用されるときに、繰り返し(例えば、複数回)接続及び切断することができる、少なくとも第一の電気構成要素と第二の電気構成要素との間の電気的及び/又は情報的な接続を表すことが意図される。この接続は、2つ以上の構成要素間の電気又は電気/データ信号の伝達を容易にすることができ、既知の接続のいずれかであってもよい。既知の接続としては、限定するわけではないが、例えば、USB、ミニUSB、USB-C、POGO、MAG-Safe、イーサネット、SATA、Firewire(商標)、シリアルコネクタを挙げることができる。コネクタは防水性であっても又はなくてもよい。
【0078】
少なくとも幾つかの実施形態において、電子パネル102及び/又は衣類104は、1つ以上の電子構成要素122の1つ以上のハウジング126を含むことができる。特定の例において、ハウジング126は、ハウジング126Aによって示されるように、電子パネル102及び/又は衣類104の遠位部分(例えば、1つ以上の遠位部分110、112、114及び/又は116)の近位に配置でき、及び/又は、ハウジング126Bによって示されるように、電子パネル102及び/又は衣類104の遠位部分から離れて配置できる。少なくとも幾つかの実施形態において、ハウジング126は、電子パネル102及び/又は衣類104の特徴部、例えば、襟に組み込むことができる。
【0079】
特定の実施形態によれば、データ(例えば、検知データ)は、通信リンク(図示せず)を介して、電子パネル102及び/又は電子構成要素122から1つ以上のコンピューティングデバイス128(例えば、ラップトップ及び/又はデスクトップコンピュータ128A及び/又はモバイルデバイス128B)に送信され、また、1つ以上のコンピューティングデバイス128から電子パネル102及び/又は電子構成要素122に送信されうる。特定の実施形態において、コンピューティングデバイス128は、電子パネル102及び/又は電子構成要素122によって検知及び/又は収集されたデータを処理及び/又は格納することができる。追加的に又は代替的に、データは、通信リンク及びネットワーク132を介して1つ以上のサーバ130に送受信することができ、次いで、サーバ130は、電子パネル102及び/又は電子構成要素122によって検知及び/又は収集されたデータを処理及び/又は格納することができる。
【0080】
特定の例において、電子パネル102によって検知及び/又は収集され、電子パネル102によって及び/又はコンピューティングデバイス128によって及び/又はサーバ130によって処理されたデータは、対象の様々な生体測定パラメータの決定を容易にすることができる。例えば、特定の実施形態において、電子パネルによって収集及び/又は検知されたデータは、対象106が特定の様式でどのくらいの頻度で動いているかを示すことができる。追加的に又は代替的に、電子パネル102によって収集されたデータは、対象106が負傷を引き起こす可能性が高い様式で動いているかどうか、及び/又は、対象106が低下した能力で動作していることを示す様式で動いているかどうかを判定するために使用することができる。特定の実施形態において、対象106が負傷を引き起こす可能性が高い様式で動いているかどうか、及び/又は対象106が低下した能力で操作していることを示す様式で動いているかどうかの判定は、対象106の移動データを他の健康な対象からの移動データと比較することに基づくことができる。そして、対象106の移動データが他の健康な対象者からの移動データと閾値だけ異なるならば、電子パネル102、コンピューティングデバイス128及び/又はサーバ130は、対象106が負傷を引き起こす可能性が高い様式で動いている、及び/又は対象106が低下した能力で動作していることを示す様式で動いていると判断することができる。
【0081】
特定の実施形態において、対象106がどのように動いているか、対象106が特定の様式でどのくらいの頻度で動いているか、及び/又は動きの頻度及び/又は動きの様式が負傷を引き起こしたか又は引き起こすかどうかについて、電子パネル102、コンピューティングデバイス128及び/又はサーバ130のユーザインターフェースを介して対象106に通知を提供することができる。
【0082】
別の例として、電子パネルによって収集及び/又は検知されたデータは、例えば、対象106の体温、対象106の脈拍数、対象106の血圧、対象106の酸素飽和度、対象106の他の心臓及び/又は呼吸パラメータなどの1つ以上の生体測定パラメータを示すことができる。同様に、これらのパラメータのいずれかに関する通知を、電子パネル102、コンピューティングデバイス128及び/又はサーバ130のユーザインターフェースを介して対象106に提供することができる。
【0083】
特定の実施形態において、通信リンクは、有線リンク(例えば、物理的接続を介して達成されるリンク)、及び/又は、例えば、Bluetooth(商標)、IEEE802.11、近距離無線通信(NFC)、WiFi、独占的無線プロトコルなどの短距離無線リンクなどの無線通信リンクであるか、又はそれらを含むことができる。「通信リンク」という用語は、少なくとも2つのデバイス間で少なくとも一方向に何らかのタイプの情報を通信する能力を指すことができ、直接的、持続的又はその他の制限された通信チャネルに限定されるものとして理解されるべきではない。すなわち、実施形態によれば、通信リンクは、持続的通信リンク、断続的通信リンク、アドホック通信リンクなどであることができる。通信リンクは、電子パネル102、電子構成要素122、コンピューティングデバイス128及び/又はサーバ130の間の直接通信、及び/又は電子パネル102、電子構成要素122、コンピューティングデバイス128及び/又はサーバ130の間を少なくとも1つの他のデバイス(例えば、リピータ、ルータ、ハブなど)を介して伝わる間接通信を指すことができる。通信リンクは、電子パネル102、電子構成要素122、コンピューティングデバイス128及び/又はサーバ130の間の一方向通信及び/又は双方向通信を容易にすることができる。電子パネル102、電子構成要素122、コンピューティングデバイス128及び/又はサーバ130の間でデータ及び/又は制御信号を送信して、電子パネル102、電子構成要素122、コンピューティングデバイス128及び/又はサーバ130の機能を調整することができる。特定の実施形態において、データは、電子パネル102、電子構成要素122、コンピューティングデバイス128及び/又はサーバ130のうちの1つ以上から定期的に又はコマンドに応じてダウンロードされうる。特定の例において、対象は、例えば、電子パネル102、電子構成要素122によって検知及び/又は収集されたデータを取得するために、又は記録及び/又は治療を開始、終了及び/又は変更するために、電子パネル102、電子構成要素122、コンピューティングデバイス128及び/又はサーバ130と通信することができる。
【0084】
コンピューティングデバイス128及びサーバ130に関するさらなる詳細は、以下の図9~10Bに提供される。
【0085】
図2A~Bは、衣類204に組み込まれた電子パネル202の例である。特に、図2Aは、電子パネル202の部分を含む衣類204の後側を示し、図2Bは、電子パネル202の別の部分を含む衣類204の前側を示す。さらに、図3は、少なくとも1つの実施形態による、衣類204から切り離された図2A~Bに示される電子パネル202の例である。
【0086】
特定の実施形態によれば、電子パネル202は、電子パネル102と同じ又は類似の特性を有することができ、及び/又は衣類204は、衣類104と同じ又は類似の特性を有することができる。例えば、特定の実施形態によれば、電子パネル202及び/又は衣類204は、テキスタイル布帛、フィルム、微孔膜、又は、ある程度の弾性を独立して有していても又は有していなくてもよい他の適切な基材、又はそれらのラミネートであることができる。
【0087】
図示されているように、衣類204は長袖シャツであることができ、複数のパネル片(例えば、パネル片A’、A’’及び/又はA’’’)を含む。電子パネル102と同様に、電子パネル202は、パネル片A’、A’’、A’’’とともに衣類204を形成する一体型パネルであることができる。これらの実施形態において、電子パネル202は、各パネル片の周囲又はその近くで1つ以上のパネル片A’、A’’、A’’’に取り付けられ、衣類204の一部を形成する。態様において、衣類204を形成する個々のパネル片A’、A’’、A’’’及び電子パネル202は、シームによって互いに取り付けられることができる。例えば、電子パネル202は、電子パネル202の周囲の少なくとも一部の周りに延在している少なくとも1つのシーム206によって個々のパネル片に結合されうる。電子パネル202は一体型とすることができ、衣類204の複数のパネル片A’、A’’及びA’’’に取り付けられるので、各パネル片A’、A’’及び/又はA’’’に関連付けられた電子パネルを結合する電気接続は要求されない。導電性トレース(例えば、後述する導電性トレース218)は、電子パネル202の長さの一部に沿って、及び/又は電子パネル202の長さ全体に沿って延在することによって、衣類204の複数の部分に隣接する、例えば、パネル片A’、A’’及び/又はA’’’に隣接する、1つ以上の電気構成要素の接続を可能にすることができる。追加的に又は代替的に、導電性トレース(例えば、後述する導電性トレース218)は、電子パネル202の幅の一部に沿って、及び/又は電子パネル202の幅全体に沿って延在することによって、複数のパネル片A’、A’’及び/又はA’’’に隣接する1つ以上の電気構成要素の接続を可能にすることができる。したがって、電子パネル202及びその機能は、複数のパネル片A’、A’’及び/又はA’’’と関連付けることができる。
【0088】
態様において、電子パネル202には、シームが存在せず、衣類204の複数のパネル片A’、A’’及び/又はA’’’の間に延在する、及び/又はそれらに取り付けられる電子パネルであることができる。特定の例において、電子パネル202には、電子パネル202の一部にわたって横断方向に延在する、すなわち、電子パネル202の幅の一部にわたって延在するいかなるシームも存在しない。追加的に又は代替的に、特定の例において、電子パネル202には、電子パネル202の一部にわたって長手方向に延在する、すなわち、電子パネル202の長さの一部にわたって延在するいかなるシームも存在しない。
【0089】
特定の実施形態によれば、電子パネル202は、他のパネル片A’、A’’、A’’’に縫合され、適用され、及び/又は接着されて衣類204を形成する。特定の実施形態において、電子パネル202は、衣類204の第一の付属部分から衣類204の第二の付属部分、例えば、第一の腕部分の遠位部分208から第二の腕部分の遠位部分210まで延在することによって、複数のパネルA’、A’’及び/又はA’’’に取り付けられる。特定の例において、第一の腕部分の遠位部分208は、本明細書で第一の腕部分の第一の遠位部分208と呼ばれることがあり、第二の腕部分の遠位部分210は、本明細書で第二の腕部分の第二の遠位部分210と呼ばれることがあり、そして集合的に、第一の腕部分の遠位部分208及び第二の腕部分の遠位部分210は、本明細書で遠位腕部分208、210と呼ばれることがある。
【0090】
特定の実施形態によれば、電子パネル202は、遠位腕部分208、210の一方又は両方の少なくとも一部の周りで周方向にラップする、遠位腕部分208、210の1つ以上に横断方向に長尺の部分212を含むことができる。特定の例において、横断方向に長尺の部分212は、衣類204の袖を形成することができる。遠位腕部分208、210の少なくとも一部の周りをラップする横断方向に長尺の部分212を含むことにより、電子パネル202は、衣類204の着用者の1つ以上の腕の周りに比較的にしっかりとしたフィットを提供することができ、電子パネル202に組み込まれた1つ以上のセンサによる正確な読み取りを容易にすることができる。追加的に又は代替的に、電子パネル202は、衣類204の着用者の腕部分の一方又は両方の少なくとも一部の周りで周方向にラップする、1つ以上の遠位腕部分208、210から距離を置いて配置された横断方向に長尺の部分212を含むことができる。追加的に又は代替的に、電子パネル202は、衣類204の着用者の腕部分の一方又は両方以外の衣類204の着用者の部分の周りで周方向にラップする横断方向に長尺の部分212を含むことができる。
【0091】
特定の実施形態によれば、電子パネル202は、衣類204の後部中央部分214から第一の腕部の遠位部分208及び/又は第二の腕部の遠位部分210まで延在している。電子パネル202が衣類204の中央部分214から1つ以上の遠位腕部分208、210まで延在しているので、電子パネル202は、着用者の胴体に対する着用者の腕の動きをより良好に検知することができ、ユーザが負傷をする可能性があるかどうか、及び/又はユーザの動きが負傷を帳消しにするかどうかをより良好に示すことができる。追加的に又は代替的に、衣類204の中央部分214の近位に配置することによって、脈拍数、血圧、酸素飽和度、体温及び/又は他の心臓及び/又は呼吸器パラメータなどの、より正確な生体測定値を取得することができる。
【0092】
少なくとも幾つかの実施形態において、電子パネル202は、合成ポリマー膜216及び導電性トレース218を含む。特定の実施形態によれば、導電性トレース218は、複数の導電性トレース218を含むことができる。特定の実施形態において、合成ポリマー膜216及び導電性トレース218は、電子パネル202に部分的又は完全にまたがることができる。したがって、導電性トレース218は、複数のパネル片(例えば、電子パネル片A’、A’’及び/又はA’’’)に隣接することができ、衣類の様々な部分に電気接続を提供することができる。
【0093】
特定の例において、1つ以上の電子構成要素220が導電性トレース218に電気的に結合され、次いで、この電子構成要素220を使用して、以下の機能のうちの1つ以上を提供することができる:検知(例えば、データとして格納できる衣類204の着用者に関連する1つ以上のパラメータの検知)、データの収集、データの処理、データの格納、データの送信、電子パネル202及びその構成要素への電力の供給、ユーザインターフェース(例えば、タッチスクリーン、マイクロホン)の提供、及び/又はフィードバック(例えば、感覚、触覚、音声、視覚など)の提供。電子構成要素220の例としては、限定するわけではないが、以下のものが挙げられる:コンピューティングデバイス、電源、電源スイッチ(例えば、電源スイッチ220A)、センサ(例えば、センサ220B)、電子回路、アンテナ、無線送信機、無線受信機、ユーザインターフェース(例えば、ユーザインターフェース220C)、リモコン、表示デバイス、タッチスクリーン、音声送信機、スピーカ、マイクロホン、触覚デバイス、加熱要素、充電器又はそれらの組み合わせ。追加的に又は代替的に、1つ以上の電子構成要素220は、導電性トレース218を介して互いに電気的に結合されうる。例えば、電子構成要素220Cが第一の腕部の第一の遠位部分208に配置され、電子構成要素220Bが第二の腕部の一部に配置されたとしても、それらは、導電性トレース218を介して互いに電気的及び通信可能に結合されうる。
【0094】
特定の実施形態によれば、1つ以上の電子構成要素220は、電気接続222を介して電子パネル202に取り外し可能に結合されうる。したがって、1つ以上の電子構成要素220をアップグレードすることが望ましい場合、及び/又は1つの電子構成要素220が故障した場合には、1つ以上の電子構成要素220を取り外し及び/又は交換することができる。少なくとも幾つかの実施形態において、電気接続222は、電子パネル202及び/又は衣類204の特徴、例えば、ジッパー、スナップ、雄コネクタ、雌コネクタ、ボタン、ポケット又はそれらの組み合わせに組み込むことができる。
【0095】
少なくとも幾つかの実施形態において、電子パネル202及び/又は衣類204は、1つ以上の電子構成要素220を収容するための1つ以上のハウジング224を含むことができる。特定の例において、ハウジング224は、ハウジング224Aによって示されるように、電子パネル202及び/又は衣類204の遠位部分(例えば、遠位部分208及び/又は210の1つ以上)の近位に配置され、及び/又は、ハウジング224Bに示されるように、電子パネル202の遠位部分及び/又は衣類204の遠位部分から離れて配置されることができる。少なくとも幾つかの実施形態において、ハウジング224は、電子パネル202及び/又は衣類204の特徴、例えば、襟に組み込むことができる。
【0096】
特定の実施形態によれば、データ(例えば、検知データ)は、通信リンク(図示せず)を介して、電子パネル202及び/又は電子構成要素220から1つ以上のコンピューティングデバイス(例えば、ラップトップ及び/又はデスクトップコンピュータ128A及び/又はモバイルデバイス128B)に送信され、また、1つ以上のコンピューティングデバイスから電子パネル202及び/又は電子構成要素220に送信されることができる。特定の実施形態において、コンピューティングデバイスは、電子パネル202及び/又は電子構成要素220によって検知及び/又は収集されたデータを処理及び/又は格納することができる。追加的に又は代替的に、データは、通信リンク及びネットワーク(例えば、ネットワーク132)を介して1つ以上のサーバ(例えば、サーバ130)に送信し、そしてそこから受信することができ、前記サーバは、その後、電子パネル202及び/又は電子構成要素220によって検知及び/又は収集されたデータを処理及び/又は格納することができる。
【0097】
図4A~Bは、少なくとも1つの実施形態による、衣類304に組み込まれた電子パネル302の別の例である。特定の実施形態によれば、電子パネル302は、電子パネル102及び/又は202と同じ又は類似の特性を有することができ、及び/又は衣類304は、衣類104及び/又は204と同じ又は類似の特性を有することができる。例えば、特定の実施形態によれば、電子パネル302及び/又は衣類304は、テキスタイル、フィルム、微孔膜、又は、ある程度の弾性を独立して有していても又は有していなくてもよい他の適切な基材、又は、そのラミネートであることができる。
【0098】
図示のように、衣類304はズボンであり、複数のパネル片(例えば、パネル片A’及び/又はA’’)を含む。電子パネル102及び/又は202と同様に、電子パネル302は、パネルA’、A’’とともに衣類304を形成する一体型パネルであることができる。これらの実施形態において、電子パネル302は、各パネル片の周囲又はその近くで1つ以上のパネル片A’、A’’に取り付けられ、衣類304の一部を形成する。態様において、衣類304を形成する個々のパネル片A’、A’’及び電子パネル302はシームによって互いに取り付けられることができる。例えば、電子パネル302の周囲の少なくとも一部の周りに延在している少なくとも1つのシーム306によって個々のパネル片に電子パネル302を結合することができる。電子パネル302は一体型とすることができ、衣類304の複数のパネル片A’及び/又はA’’に取り付けられるので、各パネル片A’及び/又はA’’に関連付けられた電子パネルを結合する電気接続は要求されない。導電性トレース(例えば、後述する導電性トレース318)は、電子パネル302の長さの一部に沿って、及び/又は電子パネル302の長さ全体に沿って延在することによって、衣類304の複数の部分、例えば、パネル片A’及び/又はA’’に隣接する1つ以上の電気構成要素の接続を可能にすることができる。追加的に又は代替的に、導電性トレース(例えば、後述する導電性トレース318)は、電子パネル302の幅の一部に沿って、及び/又は電子パネル302の幅全体に沿って延在することによって、複数のパネル片A’及び/又はA’’に隣接する1つ以上の電気構成要素の接続を可能にすることができる。したがって、電子パネル302及びその機能は、複数のパネル片A’及び/又はA’’に隣接して関連付けることができる。
【0099】
態様において、電子パネル302には、いかなるシームも存在せず、衣類304の複数のパネル片A’及び/又はA’’間に延在する及び/又はそれらに取り付けられる電子パネルであることができる。特定の例において、電子パネル302には、電子パネル302の一部にわたって横断方向に延在する、すなわち、電子パネル302の幅の一部にわたって延在するいかなるシームも存在しない。追加的に又は代替的に、特定の例において、電子パネル302には、電子パネル302の一部にわたって長手方向に延在する、すなわち、電子パネル302の長さの一部にわたって延在するいかなるシームも存在しない。
【0100】
特定の実施形態によれば、電子パネル302は、他のパネル片A’、A’’に縫合され、適用され、及び/又は接着されて衣類304を形成する。特定の実施形態において、電子パネル302は、第一の脚部分の遠位部分308から第二の脚部分の遠位部分310まで延在することによって複数のパネルに取り付けられる。特定の例において、第一の脚部分の遠位部分308は、本明細書で第一の脚部分の第一の遠位部分308と呼ばれることがあり、第二の脚部分の遠位部分310は、本明細書で第二の脚部分の第二の遠位部分310と呼ばれることがあり、また、集合的に、第一の脚部分の遠位部分308及び第二の脚部分の遠位部分310は、本明細書で遠位脚部分308、310と呼ばれることがある。
【0101】
特定の実施形態によれば、電子パネル302は、遠位脚部分308、310の一方又は両方の少なくとも一部の周りで周方向にラップする、遠位脚部分308、310のうちの1つ以上で横断方向に長尺の部分312Aを含むことができる。特定の例において、横断方向に長尺の部分312Aは、衣類304のレッグカフを形成することができる。遠位脚部分308、310の少なくとも一部の周りでラップする横断方向に長尺の部分312を含むことにより、電子パネル302は、衣類304の着用者の1つ以上の脚部の周りで比較的にしっかりとしたフィットを提供し、電子パネル302に組み込まれた1つ以上のセンサによる正確な読み取りを容易にすることができる。追加的に又は代替的に、電子パネル302は、衣類304の着用者の脚部分の一方又は両方の少なくとも一部の周りで周方向にラップする、1つ以上の遠位脚部分308、310からある距離を置いて配置された横断方向に長尺の部分312Bを含むことができる。追加的に又は代替的に、電子パネル302は、衣類304の着用者の脚部分の一方又は両方以外の衣類304の着用者の一部の周りで周方向にラップする横断方向に長尺の部分312を含むことができる。
【0102】
特定の実施形態によれば、電子パネル302は、衣類304の後部中央部分314’(及び/又は前部中央部分314’’)から第一の脚部の遠位部分308及び/又は第二の脚部の遠位部分310まで延在する。電子パネル302が衣類304の中央部分314から1つ以上の遠位脚部分308まで延在するので、電子パネル302は、着用者の腰部に対する着用者の脚部の動きをより良く検知することができ、これにより、ユーザが負傷する可能性が高いかどうか、及び/又はユーザの動きが負傷を帳消しにするかどうかをより良く示すことができる。追加的に又は代替的に、衣類304の中央部分314の近位に配置することによって、より正確な生理学的パラメータを検知することができる。
【0103】
少なくとも幾つかの実施形態において、電子パネル302は、合成ポリマー膜316及び導電性トレース318を含む。特定の実施形態によれば、導電性トレース318は、複数の導電性トレース318を含むことができる。特定の実施形態において、合成ポリマー膜316及び導電性トレース318は、電子パネル302に部分的又は完全にまたがることができる。したがって、導電性トレース318は、複数のパネル片(例えば、パネル片A’及び/又はA'')に隣接することができ、衣類の様々な部分に電気接続を提供することができる。
【0104】
特定の例において、1つ以上の電子構成要素320が導電性トレース318に電気的に結合され、次いで、これを使用して、以下の機能のうちの1つ以上を提供することができる:検知(例えば、データとして格納できる衣類304の着用者に関連する1つ以上のパラメータの検知)、データの収集、データの処理、データの格納、データの送信、電子パネル302及びその構成要素への電力の供給、ユーザインターフェース(例えば、 タッチスクリーン、マイクロホン)の提供、及び/又はフィードバック(例えば、感覚、触覚、音声、視覚など)の提供。電子構成要素320の例としては、限定するわけではないが、以下のものが挙げられる:コンピューティングデバイス、電源、電源スイッチ(例えば、電源スイッチ320A)、センサ(例えば、センサ320B及び/又は320C)、電子回路、アンテナ、無線送信機、無線受信機、ユーザインターフェース(例えば、ユーザインターフェース320D)、リモコン、表示デバイス、タッチスクリーン、音声送信機、スピーカ、マイクロホン、触覚デバイス、加熱要素、充電器又はそれらの組み合わせ。追加的に又は代替的に、1つ以上の電子構成要素320は、導電性トレース318を介して一緒に電気的に結合することができる。例えば、電子構成要素320Bが第一の脚部の第一の遠位部分308に配置され、電子構成要素320Cが第二の脚部の部分310に配置されているとしても、それらは、導電性トレース318を介して互いに電気的及び通信的に接続されうる。
【0105】
特定の実施形態によれば、1つ以上の電子構成要素320は、電気接続322を介して電子パネル302に取り外し可能に結合されうる。したがって、1つ以上の電子構成要素320をアップグレードすることが望ましい場合、及び/又は、1つの電子構成要素320が故障した場合には、1つ以上の電子構成要素320を取り外し及び/又は交換することができる。幾つかの実施形態において、1つ以上の電子構成要素320は、雄/雌コネクタを介して電子パネル302に取り外し可能に結合される。追加的に又は代替的に、電気接続322は、電子パネル302及び/又は衣類304の特徴部、例えば、ジッパー、ボタン、スナップ、雄コネクタ、雌コネクタ、ポケット又はそれらの組み合わせに組み込まれることができる。
【0106】
少なくとも幾つかの実施形態において、電子パネル302及び/又は衣類304は、1つ以上の電子構成要素320のための1つ以上のハウジング324を含むことができる。特定の例において、コンパートメント324は、ハウジング324により示されるように、電子パネル302及び/又は衣類304の遠位部分(例えば、1つ以上の遠位部分308及び/又は310)の近位に配置され、及び/又は、電子パネル302の遠位部分及び/又は衣類304の遠位部分から離れて配置される。少なくとも幾つかの実施形態において、ハウジング324は、電子パネル302及び/又は衣類304の特徴部、例えばウエストバンドに組み込まれうる。
【0107】
特定の実施形態によれば、データ(例えば、検知データ)は、通信リンク(図示せず)を介して、電子パネル302及び/又は電子構成要素320から1つ以上のコンピューティングデバイス(例えば、ラップトップ及び/又はデスクトップコンピュータ128A及び/又はモバイルデバイス128B)に送信され、また、1つ以上のコンピューティングデバイスから電子パネル302及び/又は電子構成要素320に送信されうる。特定の実施形態において、コンピューティングデバイスは、電子パネル302及び/又は電子構成要素320によって検知及び/又は収集されたデータを処理及び/又は格納することができる。追加的に又は代替的に、通信リンク及びネットワーク(例えば、ネットワーク132)を介して1つ以上のサーバ(例えば、サーバ130)にデータを送信し、そしてそこから受信することができ、前記サーバは、その後、電子パネル302及び/又は電子構成要素320によって検知及び/又は収集されたデータを処理及び/又は格納することができる。
【0108】
図5A~Bは、少なくとも1つの実施形態による、衣類404に組み込まれた電子パネル402のさらに別の例である。特定の実施形態によれば、電子パネル402は、電子パネル102、202及び/又は302と同じ又は類似の特性を有することができ、及び/又は衣類404は、衣類104、204及び/又は304と同じ又は類似の特性を有することができる。例えば、特定の実施形態によれば、電子パネル402及び/又は衣類404は、テキスタイル布帛、フィルム、微孔膜、又は、ある程度の弾性を独立して有していても又は有していなくてもよい他の適切な基材、又はそのラミネートであることができる。
【0109】
図示されているように、衣類404は、ワンピースカバーオール衣類であり、複数のパネル片(例えば、パネル片A’、A’’)を含む。本明細書で使用するときに、ワンピースカバーオール衣類は、ズボン状部分と、長袖の有無にかかわらず上部部分とを含む単一の衣類を意味する。電子パネル102、202及び/又は302と同様に、電子パネル402は、例えばパネルA’、A’’とともに衣類404を形成する一体型パネルであることができる。これらの実施形態において、電子パネル402は、各パネル片の周囲又はその近くで1つ以上のパネル片、例えばA’、A’’に取り付けられ、衣類404の一部を形成する。態様において、衣類404を形成する個々のパネル片A’、A’’及び電子パネル402は、縫製シームによって互いに取り付けられることができる。例えば、電子パネル402は、電子パネル402の周囲の少なくとも一部の周りに延在する少なくとも1つのシーム406によって個々のパネル片に結合されうる。電子パネル402は一体型とすることができ、衣類404の複数のパネル片A’及び/又はA’’に取り付けられるので、各パネル片A’、A’’に関連付けられた電子パネルを結合する電気接続は要求されない。導電性トレース(例えば、後述する導電性トレース418)は、電子パネル402の長さの一部に沿って、及び/又は電子パネル402の長さ全体に沿って延在することによって、複数のパネル片A’及び/又はA’に隣接する1つ以上の電気構成要素の接続を可能にすることができる。追加的に又は代替的に、導電性トレース(例えば、後述する導電性トレース418)は、電子パネル402の幅の一部に沿って、及び/又は電子パネル402の幅全体に沿って延在することによって、複数のパネル片A’及び/又はA’’に隣接する1つ以上の電気構成要素の接続を可能にすることができる。したがって、電子パネル402及びその機能は、衣類を形成するために使用される複数のパネル片、例えばパネル片A’及び/又はA’’に隣接して関連付けられることができる。
【0110】
態様において、電子パネル402には、いかなるシームも存在せず、衣類404の複数のパネル片A’及び/又はA’’間に延在する及び/又はそれらに取り付けられる電子パネルであることができる。特定の例において、電子パネル402には、電子パネル402の一部にわたって横断方向に延在する、すなわち、電子パネル402の幅の一部にわたって延在するいかなるシームも存在しない。追加的に又は代替的に、特定の例において、電子パネル402には、電子パネル402の一部にわたって長手方向に延在する、すなわち、電子パネル402の長さの一部にわたって延在するいかなるシームも存在しない。
【0111】
特定の実施形態によれば、電子パネル402は、パネル片A’、A’’に縫合、適用及び/又は接着されて衣類404を形成する。特定の実施形態において、電子パネル402は、複数のパネルにまたがることができ、ワンピースカバーオール衣類404の前部又は後部胴体部分から少なくとも1つの脚延在部分411まで延在する胴体延在部分408を含む。態様において、脚延在部分411は、ワンピース衣類404の胴体延在部分の遠位部分409から少なくとも1つの脚部分の遠位部分410に延在している。
【0112】
特定の実施形態によれば、電子パネル402は、遠位脚部分410の一方又は両方の少なくとも一部の周りで周方向にラップする、1つ以上の遠位脚部分410で横断方向に長尺の部分412Aを含むことができる。特定の例において、横断方向に長尺の部分412Aは、衣類404のレッグカフを形成することができる。遠位脚部分410の少なくとも一部の周囲をラップする、横断方向に長尺の部分412を含むことにより、電子パネル402は、衣類404の着用者の1つ以上の脚部の周囲に比較的しっかりとしたフィットを提供し、電子パネル402に組み込まれた1つ以上のセンサによる正確な読み取りを容易にすることができる。追加的に又は代替的に、電子パネル402は、衣類404の着用者の脚部分の一方又は両方の少なくとも一部の周りで周方向にラップする、1つ以上の遠位脚部分410から距離を置いて配置された横断方向に長尺の部分412Bを含むことができる。追加的に又は代替的に、電子パネル402は、遠位腕部分413の一方又は両方の少なくとも一部の周りで周方向にラップする、1つ以上の遠位腕部分413で横断方向に長尺の部分412Cを含むことができる。追加的に又は代替的に、電子パネル402は、衣類404の着用者の脚部分及び/又は腕部分の一方又は両方以外の衣類404の着用者の部分の周りで周方向にラップする横断方向に長尺の部分412を含むことができる。
【0113】
特定の実施形態によれば、電子パネル402は、衣類404の後部中央部分414’(及び/又は前部中央部分414”(図示せず))から1つ以上の遠位脚部分410及び/又は1つ以上の遠位腕部分413まで延在している。電子パネル402が衣類404の中央部分414から1つ以上の遠位脚部分410及び/又は1つ以上の遠位腕部分413まで延在しているので、電子パネル402は、着用者の胴体に対する着用者の脚部及び/又は腕部の動きをよりよく検知することができ、これにより、ユーザが負傷する可能性が高いかどうか、及び/又はユーザの動きが負傷を帳消しにするかどうかをよりよく示すことができる。追加的に又は代替的に、電子パネル402が衣類404の中央部分414の近位に配置されることによって、より正確な生理学的パラメータが検知されうる。
【0114】
少なくとも幾つかの実施形態において、電子パネル402は、合成ポリマー膜416及び導電性トレース418を含む。特定の実施形態によれば、導電性トレース418は、複数の導電性トレース418を含むことができる。特定の実施形態において、合成ポリマー膜416及び導電性トレース418は、電子パネル402に部分的又は完全にまたがることができる。したがって、導電性トレース418は、複数のパネル片(例えば、パネル片A’及び/又はA’’)に隣接することができ、衣類の様々な部分に電気接続を提供することができる。
【0115】
特定の例において、1つ以上の電子構成要素420が導電性トレース418に電気的に結合され、次いで、この電子構成要素420を使用して、以下の機能のうちの1つ以上を提供することができる:検知(例えば、データとして格納できる衣類404の着用者に関連する1つ以上のパラメータの検知)、データの収集、データの処理、データの格納、データの送信、電子パネル402及びその構成要素への電力の供給、ユーザインターフェースの提供(例えば、タッチスクリーン、マイクロホン)及び/又はフィードバックの提供(例えば、感覚、触覚、音声、視覚など)。電子構成要素420の例としては、限定するわけではないが、以下のものが挙げられる:コンピューティングデバイス、電源、電源スイッチ(例えば、電源スイッチ420A)、センサ(例えば、センサ420B及び/又は420C)、電子回路、アンテナ、無線送信機、無線受信機、ユーザインターフェース(例えば、ユーザインターフェース420D)、リモコン、表示デバイス、タッチスクリーン、音声送信機、スピーカ、マイクロホン、触覚デバイス、加熱要素、充電器又はそれらの組み合わせ。追加的に又は代替的に、1つ以上の電子構成要素420は、導電性トレース418を介して互いに電気的に結合されうる。例えば、電子構成要素420Bが第一の脚部の第一の遠位部分410に配置され、電子構成要素420Cが第一の腕部の部分413に配置されているとしても、それらは、導電性トレース418を介して互いに電気的及び通信的に結合されうる。
【0116】
特定の実施形態によれば、1つ以上の電子構成要素420は、電気接続422を介して電子パネル402に取り外し可能に結合されうる。したがって、1つ以上の電子構成要素420をアップグレードすることが望ましい場合、及び/又は1つの電子構成要素420が故障した場合には、1つ以上の電子構成要素420を取り外し及び/又は交換することができる。少なくとも幾つかの実施形態において、電気接続422は、電子パネル402及び/又は衣類404の特徴部、例えば、ジッパー、ボタン、スナップ、雄コネクタ、雌コネクタ、ポケット又はそれらの組み合わせに組み込まれることができる。
【0117】
少なくとも幾つかの実施形態において、電子パネル402及び/又は衣類404は、1つ以上の電子構成要素420のための1つ以上のハウジング424を含むことができる。特定の例において、ハウジング424は、ハウジング424により示されるように、電子パネル402及び/又は衣類404の遠位部分(例えば、1つ以上の遠位部分410及び/又は413)の近位に配置され、及び/又は電子パネル402の遠位部分及び/又は衣類404の遠位部分から離れて配置されうる。少なくとも幾つかの実施形態において、ハウジング424は、電子パネル402及び/又は衣類404の特徴部、例えばウエストバンド、襟などに組み込まれることができる。
【0118】
特定の実施形態によれば、データ(例えば、検知データ)は、通信リンク(図示せず)を介して、電子パネル402及び/又は電子構成要素420から1つ以上のコンピューティングデバイス(例えば、ラップトップ及び/又はデスクトップコンピュータ128A及び/又はモバイルデバイス128B)に送信され、また、1つ以上のコンピューティングデバイスから電子パネル402及び/又は電子構成要素420に送信されうる。特定の実施形態において、コンピューティングデバイスは、電子パネル402及び/又は電子構成要素420によって検知及び/又は収集されたデータを処理及び/又は格納することができる。追加的に又は代替的に、通信リンク及びネットワーク(例えば、ネットワーク132)を介して1つのサーバ(例えば、サーバ130)に送信され、そしてそこから受信され、前記サーバは、その後、電子パネル402及び/又は電子構成要素420により検知及び/収集されたデータを処理及び/又は格納することができる。
【0119】
図6A~Fを参照すると、幾つかの実施形態において、伸長性基材610上に導電性トレース670及び合成ポリマー膜660を含む電子パネル600(例えば、電子パネル102、202、302、402及び/又は502)は製造される。幾つかの実施形態において、伸長性基材610は、図6Bに示されるように、導電性トレース含有ポリマー膜650の適用前に、まず矢印615の方向(例えば、x方向)に伸張される。本明細書で使用されるときに、「伸長性」という用語は、1つ以上の方向に引っ張ることができるが、解放されると、材料がその元の形状に戻るか又は実質的に戻る材料を表すことが意図される。さらに、伸長性基材610は、その上に、熱可塑性接着剤又は熱硬化性接着剤などの不連続接着剤を有する。接着剤は、図6Aに示されるように、接着剤ドット620の形態でグラビア印刷機によってパターンで適用されうる。伸長性基材610上の接着剤のパターンは、導電性トレース含有ポリマー膜650の不連続接着(又は導電性トレース含有ポリマー膜650上の連続接着)によって、導電性トレース含有ポリマー膜650がx方向及び/又はy方向に圧縮され、z方向に座屈することができる限り、限定されないことを理解されたい。したがって、電子パネルがx方向及び/又はy方向に圧縮し、z方向に座屈する限り、格子又は平行線などの他のパターンも本発明の範囲内であると考えられる。
【0120】
幾つかの実施形態において、導電性トレース含有ポリマー膜650は、伸長された基材610に、伸長状態で接着剤、例えば熱可塑性接着剤によって不連続に取り付けられる。 伸長性基材は、伸長性基材の弾性に応じて、その元の弛緩した長さの1.25倍、1.5倍、1.7倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍又は10倍(又はそれ以上)まで伸長されうる。幾つかの実施形態において、伸長性基材610は、基材の弾性限界に達するまで伸ばされる。
【0121】
伸長性基材610が所望の量まで伸張されると、図6Bに示されるように、合成ポリマー膜660及び導電性トレース670を含む導電性トレース含有ポリマー膜650が、伸長された基材610上に配置され、伸長性基材610に予め取り付けられた接着ドット620を介して、伸長された基材610に取り付けられる。導電性トレース670は、図6Bに示されるように、伸長された基材610から離れる方向に向くように配置されても、又は、導電性トレース670は、伸長された基材に向くように配置されても(図示せず)よいことを理解されたい。次に、導電性トレース含有ポリマー膜650を上に有する伸長性基材610は、図6Cに示されるように、矢印625の方向に非伸長(すなわち、弛緩)状態に戻ることができ、それにより、導電性トレース含有ポリマー膜650をx方向に圧縮し、膜をz面で座屈させて、面外構造(例えば、しわ、波形又は折り目)を形成する。
【0122】
導電性トレース含有ポリマー膜650は、限定するわけではないが、Zagglらの欧州特許第3061598A1号明細書及びZagglらの米国特許第9,849,629号明細書に記載の方法に関連して記載されるものなど、合成ポリマー膜のz方向のしわ又は折り目などの面外形状を示す。このような実施形態において、合成ポリマー膜は座屈配向を有する。使用されうる伸長性基材の例としては、限定するわけではないが、伸長性のテキスタイル又は布帛、伸長性の不織布材料、又は伸長性の膜が挙げられる。図6Cで形成された電子パネル600は、合成ポリマー膜660上に導電性トレース670を印刷するなどして、導電性トレース670を合成ポリマー膜660の表面に適用し、矢印625の方向でその弛緩構成にリトラクトさせた実施形態を示す。図6Cから、導電性トレース670及び合成ポリマー膜660は、座屈配向を有し、接着ドット620において伸長性基材610への不連続な接着点を有することが分かる。この座屈により、導電性トレース含有ポリマー膜650は、導電性トレース670の導電性を損なうことなく、1つ以上の方向に伸張されるときに伸長性基材610とともに移動することが可能になる。
【0123】
幾つかの実施形態において、それぞれが合成ポリマー膜660及び導電性トレース670を有する、導電性トレース含有ポリマー膜650、651を、図6Dに示されるように、伸長された(すなわち、矢印615の方向に伸長された)基材610の両面に適用することができる。換言すれば、導電性トレース含有ポリマー膜650は、伸長された基材610の一方の側に配置され、導電性トレース含有ポリマー膜651は、伸長された基材610の反対側に配置されることができる。図6Cに示される実施形態と同様に、伸長された基材610は、矢印625の方向に非伸長の弛緩状態に戻ることができ、それによって、導電性トレース含有ポリマー膜650、651をx方向に圧縮し、合成ポリマー膜660をz面で座屈させて、図6Eに示されるように、面外構造(例えば、しわ、波形又は折り目)を形成する。導電性トレース含有ポリマー膜650、651内の合成ポリマー膜660及び導電性トレース670は、互いに同一であっても又は異なっていてもよいことに留意されたい。
【0124】
幾つかの実施形態において、図6Fに示されるように、導電性トレース670及び導電性トレース671は、合成ポリマー膜660の反対側に配置され、電子パネル600の一部を形成することができる。図6Gに示されるように、導電性トレース670が合成ポリマー膜660の一方の側に配置され、導電性トレース671が合成ポリマー膜660の反対側に配置され、垂直相互接続アクセス(VIA)675により、導電性トレース670、671が互いに電気的に連通し、導電性トレース含有ポリマー膜680を形成することができる。VIA675は、合成ポリマー膜にスルーホールを形成し、前記ホールを導電性材料で充填することによって形成されうる。あるいは、最初にスルーホールを作成する必要がなく、多孔質合成ポリマー膜の厚さを通して導電性材料を浸透させることによってVIAを形成することもできる。導電性トレース670、671は互いに同じであっても又は異なっていてもよいことに留意されたい。
【0125】
幾つかの実施形態において、伸長性基材610は、導電性を維持しながら、伸長性基材の元の弛緩構成の50%ひずみまで伸長されうる。換言すれば、電子パネルの抵抗は、電子パネルが50%ひずみまで伸長されたときに、実質的に変化しない。すなわち、電子パネルの抵抗は、電子パネルが50%ひずみまで伸長されたときに、実質的に変化しない。例えば、電子パネルが10mmであったならば、抵抗を損失したり又は有意に損失したりすることなく、15mmの長さまで伸長されうる。
【0126】
他の実施形態において、電子パネルは、伸長性基材の元の弛緩構成の100%まで、又はさらに100%を超えて伸長したときに、無視できるほどの抵抗変化を有する。波形形成又は座屈により、導電性トレースは、電子パネルのない伸長性テキスタイルとほぼ同じ特性で、1つ以上の方向に自由に伸長させることが可能になる。
【0127】
図7Aに示される代替実施形態において、導電性トレースは合成ポリマー膜710中に吸収され、導電性トレース含有ポリマー膜750を形成する。導電性トレースが合成ポリマー膜710中に吸収されており、したがって、分離して示されていないことを除いて、電子パネル700の構造は図6A~6Cに示されるものと同じであることに留意されたい。吸収プロセスの結果として、ある程度の量の導電性材料が合成ポリマー膜の表面又は表面の一部に残ることができることを理解されたい。導電性トレースを中に含む合成ポリマー膜710を含む、導電性トレース含有合成ポリマー膜750は、伸長性基材730が弛緩した(非伸長)状態にあるときに、伸長性基材730上で座屈構成を有する。導電性トレース含有ポリマー膜750は、接着ドット720(例えば、熱可塑性又は熱硬化性接着ドット)によって伸長性基材730に不連続に取り付けられる。合成ポリマー膜710のz面での座屈により、導電性トレース含有ポリマー膜750は、導電性トレースの導電性を損なうことなく、1つ以上の方向に伸張されるときに伸長性基材730とともに移動することができる。図7Bに示される別の実施形態において、それぞれ内部に導電性トレースを有する導電性トレース含有ポリマー膜750、751は、不連続の接着ドット720によって基材730の反対側にそれぞれ適用される。Z平面における合成ポリマー膜710、715の座屈により、導電性トレース含有ポリマー膜750、751は、導電性トレースの導電性を損なうことなく、1つ以上の方向に伸長されるときに伸長性基材730とともに移動することができる。合成ポリマー膜710、715及びその中の導電性トレースは互いに同じであっても又は異なっていてもよいことに留意されたい。
【0128】
どの図にも示されていないが、吸収プロセスの結果として、何らかの導電性トレースが合成ポリマー膜の表面又は一部の上に配置されうることを理解されたい。導電性トレースが液体キャリア(例えば、導電性インク)を介して適用される実施形態において、電子パネルに熱を加えて、液体キャリアの少なくとも一部を除去することができる。加えられる温度は、合成ポリマー膜内の導電性トレース(例えば、金属粒子)を少なくとも部分的に融合して、導電性粒子の連続ネットワークを形成するのに十分な温度であることができる。導電性トレースが合成ポリマー膜の表面に適用される場合などの他の実施形態において、電子パネルに熱を加えて、導電性トレース(例えば、金属粒子)を少なくとも部分的に溶融させて、合成ポリマー膜の表面上に導電性粒子の連続ネットワークを形成することができる。他の実施形態において、導電性粒子からリガンド又は他の加工助剤を除去するために熱が使用されうる。
【0129】
幾つかの実施形態において、導電性トレースを、限定するわけではないが、磨耗などの外部要素から保護するのを支援するために、導電性トレース上に絶縁性オーバーコートを適用することができる。導電性トレースを絶縁するために使用される材料の非限定的な例としては、ウレタン、アクリル、シリコーン、スチレンイソプレンブタジエンブロックコポリマー、バイトンFKM(合成ゴム及びフルオロポリマーエラストマー)、ポリオレフィン又はフルオロポリマーが挙げられる。
【0130】
有利なことに、本明細書に記載の導電性物品は非常に可撓性であり、以下に説明するカワバタ試験によって示して、0.1グラム力-cm/cm未満の可撓性を有する。さらに、導電性物品は耐久性が高く、電子パネルの導電性をなおも維持しながら、複数回の洗浄に耐えることができる。さらに、導電性物品は、本明細書に記載の伸長対抵抗試験によって規定されて、高度に伸長性である。また、導電性物品は通気性も高く、本明細書に記載の水分蒸気透過速度(MVTR)試験によって示して、少なくとも2,000のMVTRを有する。
【0131】
図8は、本明細書に記載される電子パネル(例えば、電子パネル102、202、302、402及び/又は502)に組み込まれ、及び/又は電子パネルに通信可能に結合されうる、コンピューティングデバイスの物理構成要素(例えば、ハードウェア)を示すブロック図である。以下に説明するコンピューティングデバイス構成要素は、生理学的データ(例えば、運動データ、脈拍数データ、血圧データ、酸素飽和度データ及び/又は他の心臓及び/又は呼吸データ)を検知及び/又は処理することができる可能性がある。基本的な構成において、コンピューティングデバイス800は、少なくとも1つの処理ユニット802及びシステムメモリ804を含むことができる。コンピューティングデバイスの構成及びタイプに応じて、システムメモリ804は、限定するわけではないが、揮発性記憶装置(例えば、ランダムアクセスメモリ)、不揮発性記憶装置(例えば、読み取り専用メモリ)、フラッシュメモリ、又はそのようなメモリの任意の組み合わせを含むことができる。システムメモリ804は、オペレーティングシステム805と、検知及び処理構成要素820などの1つ以上を含むことができる。
【0132】
オペレーティングシステム805は、例えば、コンピューティングデバイス800の動作を制御するのに適している可能性がある。さらに、本開示の実施形態は、グラフィックスライブラリ、他のオペレーティングシステム又は任意の他のアプリケーションプログラムと組み合わせて実施することができ、任意の特定のアプリケーション又はシステムに限定されない。この基本構成を破線808内の構成要素により図8に示す。コンピューティングデバイス800は、追加の特徴又は機能を有してもよい。例えば、コンピューティングデバイス800は、追加のデータ記憶デバイス(取り外し可能及び/又は取り外し不可能)を含むこともできる。このような追加の記憶装置を取り外し可能記憶デバイス809と取り外し不可記憶デバイス810によって図8に示す。
【0133】
上述のように、多数のプログラムモジュール及びデータファイルはシステムメモリ804に格納されうる。処理ユニット802上で実行中に、プログラムモジュール806(例えば、検知及び処理構成要素820)は、限定するわけではないが、本明細書に記載されるとおりの態様、例えば、図1に記載された検知態様を含むプロセスを実行することができる。
【0134】
さらに、本開示の実施形態は、個別の電子要素、論理ゲートを含むパッケージ化又は集積化電子チップ、マイクロプロセッサを利用する回路又は電子要素もしくはマイクロプロセッサを含む単一チップを含む電気回路で実施することができる。例えば、本開示の実施形態は、図8に示される構成要素のそれぞれ又は多くが単一の集積回路上に集積されうるシステムオンチップ(SOC)を介して実施されうる。このようなSOCデバイスは、1つ以上の処理ユニット、グラフィックスユニット、通信ユニット、システム仮想化ユニット及び様々なアプリケーション機能を含むことができ、それらのすべてが単一の集積回路としてチップ基板上に統合される(又は「焼き付けられる」)。SOCを介して動作するときに、プロトコルを切り替えるクライアントの機能に関して本明細書で説明される機能は、単一の集積回路(チップ)上でコンピューティングデバイス800の他の構成要素と統合されたアプリケーション固有ロジックを介して動作することができる。本開示の実施形態は、限定するわけではないが、機械的、光学的、流体的及び量子技術を含む、例えばAND、OR及びNOTなどの論理演算を実行できる他の技術を使用して実施することもできる。さらに、本開示の実施形態は、汎用コンピュータ内又は他の任意の回路もしくはシステム内で実施されうる。
【0135】
コンピューティングデバイス800はまた、視覚画像センサ、音声センサ、サウンド又は音声入力デバイス、タッチ又はスワイプ入力デバイスなどの1つ以上の入力デバイス812を有することもできる。また、ディスプレイ、スピーカなどの出力デバイス814も含まれることができる。上記のデバイスは一例であり、他のデバイスが使用されてもよい。コンピューティングデバイス800は、他のコンピューティングデバイス850(例えば、コンピューティングデバイス128及び/又は130)との通信を可能にする1つ以上の通信接続816を含むことができる。適切な通信接続816の例としては、限定するわけではないが、無線周波数(RF)送信機、受信機及び/又はトランシーバ回路、ユニバーサルシリアルバス(USB)、パラレルポート及び/又はシリアルポートが挙げられる。
【0136】
コンピュータ読み出し可能媒体という用語は、本明細書で使用されるときに、コンピュータ記憶媒体を含むことができる。コンピュータ記憶媒体としては、コンピュータ可読命令、データ構造又はプログラムモジュールなど、情報を記憶するための任意の方法又は技術で実装される揮発性及び不揮発性、取り外し可能及び取り外し不可媒体を挙げることができる。システムメモリ804、取り外し可能記憶デバイス809及び取り外し不可記憶デバイス810はすべて、コンピュータ記憶媒体の例(例えば、メモリ記憶装置)である。コンピュータ記憶媒体としては、RAM、ROM、電気的に消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、光記憶装置、磁気記憶デバイス、又は、情報を記憶するために使用でき、コンピューティングデバイス800によってアクセスできる任意の他の製品を挙げることができる。任意のそのようなコンピュータ記憶媒体は、コンピューティングデバイス800の一部であることができる。コンピュータ記憶媒体は、搬送波又は他の伝播又は変調されたデータ信号を含まない。
【0137】
通信媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は搬送波又は他の伝送機構などの変調データ信号内の他のデータによって具体化することができ、あらゆる情報配信媒体を含む。「変調データ信号」という用語は、信号内の情報を符号化するように設定又は変更された1つ以上の特性を有する信号を表すことができる。限定ではなく例として、通信媒体としては、有線ネットワーク又は直接有線接続などの有線媒体、及び、音響、無線周波数(RF)、赤外線及び他の無線媒体などの無線媒体を挙げることができる。
【0138】
図9A及び9Bは、本開示の実施形態を実施することができるモバイルコンピューティングデバイス900、例えば、携帯電話、スマートフォン、ウェアラブルコンピュータ(スマートウォッチなど)、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータなどを示す。例えば、コンピューティングデバイス128及び/又は130は、モバイルコンピューティングデバイス900の機能の一部又はすべてを有することができる。特定の実施形態において、電子パネルの実施形態によって検知された生理学的信号の処理及び/又は格納の一部は、モバイルコンピューティングデバイス900によって実行されうる。追加的に又は代替的に、モバイルコンピューティングデバイス900は、電子パネルの実施形態にデータを送信し、及び/又は対象(例えば、対象106)が電子パネルの実施形態と相互作用するための方法を提供することができる。
【0139】
基本的な構成において、モバイルコンピューティングデバイス900は、入力要素と出力要素の両方を有するハンドヘルドコンピュータである。モバイルコンピューティングデバイス900は、典型的に、ディスプレイ905と、ユーザがモバイルコンピューティングデバイス900に情報を入力できるようにする1つ以上の入力ボタン910とを含む。モバイルコンピューティングデバイス900のディスプレイ905は、入力デバイス(例えば、タッチスクリーンディスプレイ)としても機能することができる。含まれている場合に、任意選択的なサイド入力要素915により、さらなるユーザ入力が可能になる。サイド入力要素915は、ロータリースイッチ、ボタン又は任意の他のタイプの手動入力要素であることができる。代替の態様において、モバイルコンピューティングデバイス900は、より多くの又はより少ない入力要素を組み込むことができる。例えば、幾つかの実施形態において、ディスプレイ905はタッチスクリーンでなくてもよい。さらに別の代替実施形態において、モバイルコンピューティングデバイス900は、携帯電話などのポータル電話システムである。モバイルコンピューティングデバイス900はまた、任選択的なキーパッド935を含むことができる。任意選択的なキーパッド935は、物理キーパッド、又はタッチスクリーンディスプレイ上に生成される「ソフト」キーパッドであることができる。様々な実施形態において、出力要素は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を表示するためのディスプレイ905、視覚インジケータ920(例えば、発光ダイオード)及び/又はオーディオトランスデューサ925(例えば、スピーカ)を含む。幾つかの態様において、モバイルコンピューティングデバイス900は、ユーザに触覚フィードバックを提供するための振動トランスデューサを組み込んでいる。さらに別の態様において、モバイルコンピューティングデバイス900は、外部デバイスに信号を送信する、又は外部デバイスから信号を受信するための、オーディオ入力(例えば、マイクロホンジャック)、オーディオ出力(例えば、ヘッドホンジャック)及びビデオ出力(例えば、HDMI(商標)ポート)などの入力ポート及び/又は出力ポートを組み込んでいる。
【0140】
図9Bは、モバイルコンピューティングデバイスの一態様のアーキテクチャを示すブロック図である。すなわち、モバイルコンピューティングデバイス900は、幾つかの態様を実装するためにシステム(例えば、アーキテクチャ)902を組み込むことができる。1つの実施形態において、システム902は、1つ以上のアプリケーション(例えば、ブラウザ、電子メール、カレンダ登録、連絡先マネージャ、メッセージングクライアント、ゲーム及びメディアクライアント/プレーヤ)を実行できる「スマートフォン」として実装される。幾つかの態様において、システム902は、統合された携帯情報端末(PDA)及び無線電話などのコンピューティングデバイスとして統合される。
【0141】
1つ以上のアプリケーションプログラム966がメモリ962にロードされ、オペレーティングシステム964上で、又はオペレーティングシステム964と関連して実行されうる。アプリケーションプログラムの例としては、電話ダイヤラプログラム、電子メールプログラム、個人情報管理(PIM)プログラム、ワードプロセッシングプログラム、スプレッドシートプログラム、インターネットブラウザプログラム、メッセージングプログラムなどが挙げられる。システム902は、メモリ962内に不揮発性記憶領域968も含む。不揮発性記憶領域968は、システム902の電源が切られた場合に失われてはならない永続的な情報を格納するために使用されうる。アプリケーションプログラム966は、電子メールアプリケーションによって使用される電子メール又は他のメッセージなどの情報を不揮発性記憶領域968で使用及び格納することができる。同期アプリケーション(図示せず)もシステム902上に常駐し、ホストコンピュータ上に常駐する対応する同期アプリケーションと相互作用し、不揮発性記憶領域968に格納された情報と、ホストコンピュータに格納された対応する情報との同期を保つようにプログラムされる。理解されるように、本明細書で説明されるような入力ベースのFOAモデルを提供するための命令(例えば、言語パーサ、オブジェクト検出器、オブジェクトセレクタ及び/又は動き検出器など)を含む、他のアプリケーションがメモリ962にロードされ、モバイルコンピューティングデバイス900上で実行されうる。
【0142】
システム902は、1つ以上のバッテリとして実装されうる電源970を有する。電源970は、バッテリを補充又は再充電するACアダプタ又は電力供給ドッキングクレードルなどの外部電源をさらに含むことができる。
【0143】
システム902は、無線周波数通信を送受信する機能を実行する無線インターフェース層972を含むこともできる。無線インターフェース層972は、通信キャリア又はサービスプロバイダを介して、システム902と「外界」(例えば、電子パネルの実施形態)との間の無線接続を容易にする。無線インターフェース層972への及び無線インターフェース層972からの送信は、オペレーティングシステム964の制御下で行われる。言い換えれば、無線インターフェース層972によって受信された通信は、オペレーティングシステム964を介してアプリケーションプログラム966に伝達されることができ、またその逆も同様である。
【0144】
視覚インジケータ920は、視覚的な通知を提供するために使用することができ、及び/又は、オーディオインターフェース974は、オーディオトランスデューサ925(例えば、図9Aに示すオーディオトランスデューサ925)を介して可聴通知を生成するために使用することができる。図示の実施形態において、視覚インジケータ920は発光ダイオード(LED)であり、オーディオトランスデューサ925はスピーカであってよい。これらのデバイスは、電源970に直接接続され、それにより、起動されると、プロセッサ960及び他の構成要素がバッテリ電力を節約するためにシャットダウンする可能性がある場合でも、通知機構によって指示される期間オンのままであることができる。LEDは、ユーザがデバイスの電源が入っている状態を示すアクションを実行するまで、無期限に点灯し続けるようにプログラムされうる。オーディオインターフェース974は、ユーザに可聴信号を提供し、ユーザから可聴信号を受信するために使用される。例えば、オーディオインターフェース974は、オーディオトランスデューサ925に結合されることに加えて、電話での会話を容易にするなど、可聴入力を受信するためのマイクロホンにも結合されうる。本開示の実施形態によれば、マイクロホンは、以下に説明するように、通知の制御を容易にするオーディオセンサとしても機能しうる。システム902は、静止画像、ビデオストリームなどを記録するための周辺デバイス930(例えば、オンボードカメラ)の動作を可能にするビデオインターフェース976をさらに含むことができる。オーディオインターフェース974、ビデオインターフェース976及びキーボード935は、入力(例えば、本明細書で説明されるように、口頭による合図又は文字による合図)を受信するように動作されうる。
【0145】
システム902を実装するモバイルコンピューティングデバイス900は、追加の特徴又は機能を有することができる。例えば、モバイルコンピューティングデバイス900は、磁気ディスク、光ディスク又はテープなどの追加のデータ記憶デバイス(取り外し可能及び/又は取り外し不可)を含むこともできる。このような追加の記憶装置は、不揮発性記憶領域968によって図9Bに示されている。
【0146】
モバイルコンピューティングデバイス900によって生成又は捕捉され、システム902を介して格納されるデータ/情報は、上述したように、モバイルコンピューティングデバイス900上にローカルに格納されうるか、又は、データは、無線インターフェース層972を介して、又は、インターネットなど、モバイルコンピューティングデバイス900と、モバイルコンピューティングデバイス900に関連付けられた別個のコンピューティングデバイス、例えば、分散コンピューティングネットワーク内のサーバコンピュータとの間の有線接続を介して、デバイスによってアクセスされうる任意の数の記憶媒体に格納されうる。理解されるように、そのようなデータ/情報は、モバイルコンピューティングデバイス900を介して、無線インターフェース層972を介して、又は分散コンピューティングネットワークを介してアクセスされうる。同様に、そのようなデータ/情報は、電子メール及び共同データ/情報共有システムを含む周知のデータ/情報転送及び格納手段に従って、格納及び使用のためにコンピューティングデバイス間で容易に転送されうる。
【0147】
理解されるように、図9A及び9Bは、本方法及びシステムを説明する目的で記載されており、本開示を特定の一連の工程又はハードウェアもしくはソフトウェア構成要素の特定の組み合わせに限定することを意図するものではない。
【0148】
図10は、例としてシャツとして示されている衣類1204に組み込まれた電子パネル1202のさらに別の例である。図10は、衣類1204の背面を示す。特定の実施形態において、電子パネル1202は、複数のパネルにまたがることができ、衣類1204の前部(図10には図示せず)又は後部胴体部分から延在している胴体延在部分1208を含むことができる。態様において、胴体延在部分1208は、例えば、例示的に図示されたシャツにおいて衣類の着用者の腰の近くに位置する衣類の部分など、衣類1204の底部に向かって又は底部にまで延在している。特定の実施形態によれば、1つ以上の電子構成要素1220は、電気接続1222を介して電子パネル1202に取り外し可能に結合されうる。したがって、1つ以上の電子構成要素1220をアップグレードすることが望ましい場合、及び/又は1つの電子構成要素1220が故障した場合には、1つ以上の電子構成要素1220を取り外し及び/又は交換することができる。少なくとも幾つかの実施形態において、電子パネル1202及び/又は衣類1204の特徴部、例えば、ジッパー、ボタン、スナップ、雄コネクタ、雌コネクタ、ポケット又はそれらの組み合わせに電気接続1222を組み込むことができる。
【0149】
少なくとも幾つかの実施形態において、電子パネル1202及び/又は衣類1204は、導電性トレース1218に結合された1つ以上の電子構成要素1220のための1つ以上のハウジング1224を含むことができる。特定の例において、図10に示すように、ハウジング1224は、例示的に図示されたシャツにおいて、胴体延在部分1208上で、衣類の着用者の腰の近くに配置されうる。特定の例において、1つ以上の電子構成要素1220は、導電性トレース1218に電気的に結合され、次いで、これを使用して、以下の機能のうちの1つ以上を提供することができる:検知(例えば、データとして格納できる衣類1204の着用者に関連する1つ以上のパラメータの検知)、データの収集、データの処理、データの格納、データの送信、電子パネル1202及びその構成要素への電力の供給、ユーザインターフェース(例えば、タッチスクリーン、マイクロホン)及び/又はフィードバック(例えば、感覚、触覚、音声、視覚など)の提供。図10は、1つの導電性ワイヤ1218が胴体延在部分1208から第一の付属部分まで延在している実施形態を示している。導電性ワイヤ1208は、胴体部分から電気パネル1202の他のいずれかの部分まで延在している単一のワイヤ又は複数のワイヤを含むことができることを理解されたい。幾つかの実施形態において、複数のワイヤを互いに独立して電子パネル1202に取り付けることができる。他の実施形態において、追加のワイヤが接合部でワイヤ又はワイヤ束から分岐してもよい。電子構成要素1220の例としては、限定するわけではないが、以下のもの:コンピューティングデバイス、電源、電源スイッチ(例えば、電源スイッチ1220A)、センサ、電子回路、アンテナ、無線送信機、無線受信機、ユーザインターフェース、リモコン、表示デバイス、タッチスクリーン、音声送信機、スピーカ、マイクロホン、触覚デバイス、加熱要素、充電器又はそれらの組み合わせが挙げられる。胴体延在部分1208と、胴体延在部分1208上の電子構成要素1220及び/又は1つ以上のハウジング1224の位置(例えば、衣類1204の着用者の腰の近く)に関連する特徴部以外に、衣類1204及び電子パネル1202は、図2A、2B、3、5A及び5Bに関連して説明したものを含む、本明細書に記載の他の衣類及び電子パネルと同じ又は類似の1つ以上の特徴部を含むことができる。図2A、2B、3、5A及び5Bに示される実施形態と同様である図10に示される実施形態の特徴部は同様の参照番号によって識別される。
【0150】
本出願の発明は、一般的に及び特定の実施形態に関して上記で説明されてきた。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態に様々な変更及び変形を加えることができることは、当業者に明らかであろう。したがって、実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその均等の範囲内にある限り、本発明の変更及び変形を網羅することが意図されている。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10
【国際調査報告】