(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】第3のペイン用の堅固なフレームを有するマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニット及びその作成の方法
(51)【国際特許分類】
C03C 27/06 20060101AFI20240208BHJP
E06B 3/663 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
C03C27/06 101K
E06B3/663 N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547471
(86)(22)【出願日】2022-02-17
(85)【翻訳文提出日】2023-10-03
(86)【国際出願番号】 US2022016700
(87)【国際公開番号】W WO2022178061
(87)【国際公開日】2022-08-25
(32)【優先日】2021-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518301590
【氏名又は名称】ビトロ フラット グラス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャバーニ、ロクサーナ
(72)【発明者】
【氏名】マッカミー、ジェイムズ、ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】デイビス、ウィリアム、ザ セカンド
【テーマコード(参考)】
2E016
4G061
【Fターム(参考)】
2E016BA01
2E016CA01
2E016CB01
2E016CC03
2E016EA01
2E016EA02
2E016EA05
4G061AA20
4G061AA21
4G061AA26
4G061BA01
4G061CD02
4G061CD12
4G061CD22
(57)【要約】
断熱ガラス・ユニット及びそれを形成する方法は、平行で間隔を空けた関係の1対のガラス・ペインと、1対のガラス・ペインの間にスペースを画定する一体式シール型ユニットを提供するために1対のペインの隣接するエッジ同士の間に位置する少なくとも1つのエッジ・スペーサ及び少なくとも主シール材と、1対のガラス・ペインの間のスペース内部に位置する少なくとも1つの透明フィルムであって、上記少なくとも1つの透明フィルムが、支持構造体と少なくとも1つのエッジ・スペーサとのうちの1つにしっかりと固定され、フィルムが1対のガラス・ペインの間に間隔を空けた平行な関係で設置され、フィルムが1対のガラス・ペインの間にフィルムを設置することに先立ってテンションをかけられた状態へと熱収縮される、少なくとも1つの透明フィルムとを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行で間隔を空けた関係の1対のガラス・ペインと、
前記1対のガラス・ペインの間にスペースを画定する一体式シール型ユニットを提供するために前記1対のペインの隣接するエッジ同士の間に位置する少なくとも1つのエッジ・スペーサ及び少なくとも主シール材と、
前記1対のガラス・ペインの間の前記スペース内部に位置する少なくとも1つの透明フィルムであって、前記少なくとも1つの透明フィルムが、支持構造体と前記少なくとも1つのエッジ・スペーサとのうちの1つにしっかりと固定され、前記フィルムが、前記1対のガラス・ペインの間に間隔を空けた平行な関係に設置され、前記フィルムが、前記1対のガラス・ペインの間に前記フィルムを設置することに先立ってテンションをかけられる、少なくとも1つの透明フィルムと
を備える、断熱ガラス・ユニット。
【請求項2】
前記少なくとも1つの透明フィルムが、前記支持構造体により支持され、前記支持構造体が、前記エッジ・スペーサから離れている、請求項1に記載の断熱ガラス・ユニット。
【請求項3】
前記支持構造体が、前記フィルムのエッジに隣接して位置する複数のフレーム部材を備える、請求項2に記載の断熱ガラス・ユニット。
【請求項4】
前記複数のフレーム部材が、堅固であり、各々が、堅固なアルミニウム・プロファイルなどの堅固な中実プロファイル又は中空プロファイルから作られる、請求項3に記載の断熱ガラス・ユニット。
【請求項5】
前記フィルムが、前記フィルムを前記支持構造体にしっかりと固定することに先立って又は後でアニールされる、請求項2に記載の断熱ガラス・ユニット。
【請求項6】
前記フィルムの前記テンションをかけられた状態が、リニア・インチ当たり681g(1.5lb)以下のテンションを有する、請求項1に記載の断熱ガラス・ユニット。
【請求項7】
前記フィルムが、1分間以下にわたり少なくとも100℃のアニーリング温度に加熱される、請求項1に記載の断熱ガラス・ユニット。
【請求項8】
前記フィルムが、高分子シート、薄いガラス・シート、及び任意の他の透明シートのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の断熱ガラス・ユニット。
【請求項9】
前記フィルムが、ポリエチレン・テレフタレートを含む高分子シートである、請求項8に記載の断熱ガラス・ユニット。
【請求項10】
前記フィルムが、機械的部材、接着剤、主シール材のうちの少なくとも1つにより又は熱可塑性溶着により前記支持構造体又は前記少なくとも1つのエッジ・スペーサにしっかりと固定される、請求項1に記載の断熱ガラス・ユニット。
【請求項11】
前記支持構造体が、前記エッジ・スペーサにしっかりと固定される、請求項2に記載の断熱ガラス・ユニット。
【請求項12】
前記1対のガラス・ペインが、第1のガラス・ペイン及び第2のガラス・ペインを含み、前記支持構造体は、第1のチャンバと第2のチャンバとの間の圧力均等化を確実にするために、前記第1のガラス・ペインと前記フィルムの第1の側との間に位置する前記第1のチャンバと前記第2のガラス・ペインと前記フィルムの第2の側との間に位置する前記第2のチャンバとの間をガスが移動することを可能にするように構成される、請求項2に記載の断熱ガラス・ユニット。
【請求項13】
前記フィルムが、透過スペクトル及び/又は反射スペクトルを制御するために、前記フィルム内に埋め込まれた材料又は片側若しくは両側にコーティングされた材料のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の断熱ガラス・ユニット。
【請求項14】
断熱ガラス・ユニットを形成するための方法であって、
平行で間隔を空けた関係の1対のガラス・ペインを用意するステップと、
少なくとも1つのフィルムを用意するステップと、
しわを取り除くために前記フィルムを引き伸ばすステップと、
支持構造体の1つに前記フィルムをしっかりと固定するステップと、
前記フィルムを収縮させるために前記フィルムに熱を加えるステップであり、前記フィルムをアニールする前記ステップが、前記支持構造体の1つに前記フィルムをしっかりと固定する前記ステップの後で行われる、前記フィルムに熱を加えるステップと、
前記フィルムが前記1対のガラス・ペインの間に間隔を空けた平行な関係で設置されるように前記支持構造体の1つにしっかりと固定された前記フィルムを前記1対のガラス・ペインの間に設置するステップと、
前記1対のペインの間にスペースを画定する一体式シール型ユニットを提供するために前記1対のペインの隣接するエッジ同士の間に前記少なくとも1つのエッジ・スペーサ及び主シール材を設けるステップと
を含む、方法。
【請求項15】
前記フィルムが、前記支持構造体にしっかりと固定され、前記フィルム及び前記支持構造体が、前記少なくとも1つのエッジ・スペーサから離れている場所のところで前記1対のガラス・ペインの間に設置される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記支持構造体が、前記フィルムのエッジに隣接して位置する複数のフレーム部材を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記フィルムは、前記フィルムが、リニア・インチ当たり681g(1.5lb)以下のテンションを有するように、前記フィルムを収縮させるために十分な温度に、十分な時間にわたって加熱される、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
熱収縮に先立って及び後で前記フィルムをトリミングするステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記フィルムが、機械的部材、接着剤、前記主シール材又は熱可塑性溶着プロセスのうちの少なくとも1つより前記支持構造体と前記少なくとも1つのエッジ・スペーサとのうちの1つにしっかりと固定される、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記支持構造体が、前記フィルムのエッジに隣接して位置する複数のフレーム部材を含み、前記複数のフレーム部材が、堅固な中実プロファイル又は中空プロファイルである、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2021年2月17日出願の米国仮特許出願第63/150,346号、及び2022年2月15日出願の米国特許出願第17/672,227号の優先権を主張し、その開示は、その全体が参照により組み込まれている。
【0002】
本発明は、フレーム及びエッジ・スペーサにより支持されたテンションをかけられたフィルムから形成される第3のペインを有するマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニット及びその製作のための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
1対のガラス・ペインの間に支持されたプラスチックシート若しくは多層フィルムの形態の第3のペイン、又はそれどころかより多くのペインを有する断熱ガラス・ユニットが知られている。ガラス・ペインは、ガラス・ペインのエッジに沿って設けられた少なくとも1つの外周スペーサ、少なくとも主シール材、及び副シール材を介して互いに接続される。第3のペインは、ガラス・ペインの各々の間にスペースを作り出し、スペースが窓構造体を横切る熱コンダクタンスを小さくするために空気又はガスで満たされることがある。クリプトン、アルゴン、六フッ化硫黄、二酸化炭素、等を含め、任意の不活性、低熱伝達ガスが使用されることがある。この充填ガスは、プラスチック第3のペインの内面の黄ばみを防止するため又は最小にするためにある認識可能な量の酸素を含有できる。断熱ガラス・ユニットの1つの実例が、
図1に図示される。この設計では、第3のペインは、高コスト構成部品であるlow-e被覆型PETフィルムを含む。第3のペインは、外周スペーサ、主シール材、及び副シール材にしっかりと固定される。このプロセスは、加熱型しわ除去ステップ中にフィルムを支持するために最初に完全に熱硬化される少なくとも副シール材を必要とする。完全に組み立てられたユニットは、フィルムへの非常に非効率的な熱伝達という結果になり、これが組み立てるために2~4時間、典型的には4時間近くを必要とする。長い組み立て時間に加えて、この設計の主な欠点のうちの1つは、フィルムがしばしばしわになることであり、フィルムがシステムへと完全に統合されるという理由で、全ユニットが破棄されなければならない。フィルムがスペーサに取り付けられるときでさえ、輸送中又は動作中のユニットの何らかのゆがみは、漏れが生じない場合でさえ、フィルムのしわを作ることになるだろう。多数の中間ペインを含む設計では、中間ペインと主シール材と副シール材との間に追加の界面が必然的にあり、これが空気侵入のリスクを高める。
【0004】
2つのパネルを有する先行技術の断熱ガラス・ユニットの多くは、R5熱性能よりも良くはあり得ない。
【0005】
加えて、2つ以上のパネルを有する先行技術の断熱ガラス・ユニットの多くが、かなりの重量のものであり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
短時間で容易に組み立てられる断熱ガラス・ユニットに対する本分野における必要性があり、そこでは第3のペインのしわの発生が最小にされる。また、追加の界面を作らずに追加の中間ペインの存在を可能にする断熱ガラス・ユニットに対する本分野における必要性もある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの態様によれば、本開示は、平行で間隔を空けた関係の1対のガラス・ペインと、上記1対のガラス・ペインの間にスペースを画定する一体式シール型ユニットを提供するために上記1対のペインの隣接するエッジ同士の間に位置する少なくとも1つのエッジ・スペーサ及び少なくとも主シール材と、上記1対のガラス・ペインの間の上記スペース内部に位置する少なくとも1つの透明フィルムとを備える、断熱ガラス・ユニットに向けられる。上記少なくとも1つの透明フィルムが、支持構造体と上記少なくとも1つのエッジ・スペーサとのうちの1つにしっかりと固定され、その結果、上記フィルムが、上記1対のガラス・ペインの間に間隔を空けた平行な関係に設置される。上記フィルムが、上記1対のガラス・ペインの間に上記フィルムを設置することに先立って、張った状態へと熱収縮される。
【0008】
上記少なくとも1つの透明フィルムが、上記支持構造体により支持される。1つの実施例によれば、上記フィルムが、直接上記エッジ・スペーサにしっかりと固定されることがある。もう1つの実施例によれば、上記フィルムが、上記支持構造体にしっかりと固定されてもよく、上記支持構造体が、上記フィルムのエッジに隣接して位置する少なくとも1つのフレーム部材を備える。この少なくとも1つのフレーム部材は、長方形断面(12.7mm×6.35mm(1/2”×1/4”))及び1.59mm(1/16”)の壁厚を有する堅固な中空アルミニウム・プロファイルから作られる堅固なフレームであってもよい。堅固なプロファイルは、アルミニウム、ステンレス鋼、強化熱可塑性プラスチック、及び高い剛性を有する他の巧みに処理された複合材料など任意の材料から作られてもよい。上記プロファイルの厚さは、材料の弾性率及びその密度に依存する。もう1つの実施例によれば、上記支持構造体が、上記フィルムのエッジをサンドイッチする1対のフレーム部材を備えることができる。
【0009】
上記フィルムが、上記フィルムを上記支持構造体にしっかりと固定することに先立って又は後でアニールされることがある。上記フィルムがテンションをかけられた状態へと加熱され、上記フィルムの上記テンションをかけられた状態が、リニア・インチ(linear inch)当たり681g(1.5lb)以下のテンションを有する。
【0010】
使用されるフィルムのタイプに応じて、上記フィルムを収縮させるために、上記フィルムは、ある一定の温度に加熱される。1つの実施例によれば、上記フィルムは、少なくとも100℃の温度に1分未満、具体的には数秒間にわたって加熱されることがある。
【0011】
上記フィルムが、高分子シート、薄いガラス・シート、及び/又は任意の他の透明シートのうちの少なくとも1つを含むことができる。1つの実施例によれば、上記フィルムが、ポリエチレン・テレフタレート(PET)を含む高分子シートであってもよい。上記フィルムがまた、透過スペクトル及び/又は反射スペクトルを制御するために、上記フィルムに埋め込まれた材料又は片側若しくは両側にコーティングされた材料のうちの少なくとも1つも含むことができる。上記フィルムの少なくとも1つの表面が、low-eコーティングを含むことができる。上記フィルムはまた、発音部材として作用するように構成されてもよい。
【0012】
上記フィルムが、機械的部材、接着剤、又は熱可塑性溶着プロセスのうちの少なくとも1つにより上記支持構造体又は上記少なくとも1つのエッジ・スペーサにしっかりと固定されることがある。上記支持構造体が、上記エッジ・スペーサにしっかりと固定されることがある。
【0013】
1つの実施例によれば、上記1対のガラス・ペインが、第1のガラス・ペイン及び第2のガラス・ペインを含むことができ、上記支持構造体は、第1のチャンバと第2のチャンバとの間の圧力均等化を確実にするために、上記第1のガラス・ペインと上記フィルムの第1の側との間に位置する第1のチャンバと上記第2のガラス・ペインと上記フィルムの第2の側との間に位置する第2のチャンバとの間をガスが移動することを可能にするように構成されることがある。
【0014】
もう1つの態様によれば、本開示は、断熱ガラス・ユニットを形成するための方法に向けられ、平行で間隔を空けた関係の1対のガラス・ペインを用意するステップと、少なくとも1つのフィルムを用意するステップと、しわを取り除くために上記フィルムを引き伸ばすステップと、支持構造体と少なくとも1つのエッジ・スペーサとのうちの1つに上記フィルムをしっかりと固定するステップと、テンションをかけられた状態へと上記フィルムを収縮させるために上記フィルムに熱を加えるステップであって、上記フィルムを加熱する上記ステップが、上記支持構造体と上記少なくとも1つのエッジ・スペーサとのうちの1つに上記フィルムをしっかりと固定する上記ステップの前に又は後に行われる、上記フィルムに熱を加えるステップと、上記フィルム及び支持構造体が、上記1対のガラス・ペインの間に間隔を空けた平行な関係に設置されるように上記1対のガラス・ペインの間の上記支持構造体にしっかりと固定された上記フィルムを設置するステップと、上記1対のペインの間にスペースを画定する一体式シール型ユニットを提供するために上記1対のペインの隣接するエッジ同士の間に上記少なくとも1つのエッジ・スペーサ及び主シール材を設けるステップとを含む。
【0015】
1つの実施例によれば、上記フィルムが、直接上記少なくとも1つのエッジ・スペーサにしっかりと固定されることがある。或いは、上記フィルムが、上記支持構造体にしっかりと固定されることがあり、上記フィルム及び上記支持構造体が、上記少なくとも1つのエッジ・スペーサから離れている場所のところで上記1対のガラス・ペインの間に設置される。
【0016】
上記支持構造体が、上記フィルムのエッジに隣接して位置する少なくとも1つの堅固なフレーム部材又は上記フィルムのエッジをサンドイッチする1対の柔軟なフレーム部材を含むことがある。1つの実施例によれば、上記支持構造体が、上記フィルムのエッジに隣接して位置する少なくとも1つのフレーム部材を備えることがあり、上記少なくとも1つのフレーム部材が、長方形断面(12.7mm×6.35mm(1/2”×1/4”))及び1.59mm(1/16”)の壁厚を有する中空アルミニウム・プロファイルなどの堅固なプロファイルから作られる。
【0017】
上記フィルムは、上記フィルムの上記テンションがリニア・インチ当たり681g(1.5lb)以下のテンションを有するように、上記フィルムを収縮させるために十分な温度に、十分な時間にわたって加熱されることがある。
【0018】
上記方法は、上記フィルムが、上記テンションをかけられた状態へと加熱されそして上記支持構造体と上記少なくとも1つのエッジ・スペーサとのうちの1つにしっかりと固定された後で、上記フィルムをトリミングするステップをさらに含む。上記フィルムが、機械的部材、接着剤、又は熱可塑性溶着プロセスのうちの少なくとも1つにより上記支持構造体と上記少なくとも1つのエッジ・スペーサとのうちの1つにしっかりと固定されることがある。
【0019】
低い熱質量を有する本発明のディバイダ・ポリマ・フィルムの使用は、2~4時間の全先行技術しわ除去時間と比較して、1時間未満、具体的には1分未満、又はそれどころか1秒未満でしわ除去温度に達することがある。本発明はまた、ガラス厚さ、low-eコーティング、及びユニット内のコーティング物の場所の様々な組み合わせに関して入れ替えを可能にする。このことは、製造者が与えられた建築物、地理的領域、又はコード必要条件に関する望まれるコスト/性能トレードオフを与えるために設計を適合させることを可能にする。別の構造体上の中心ディバイダ又は第3のペインを支持することは、先行技術よりももっと容易にユニットの中心線からのディバイダのオフセットを可能にする。このことは、熱性能を依然として改善しながらもっと容易に組子のプレイスメント/追加を可能にする。また、中間ペインがユニットへと一体化される先行技術とは違って、本発明のシステムは、組み立てのための下位部品へと分けられてもよい。このことは、プロセスの初期に規格外れ部品の廃棄を可能にすることによって最終システムの歩留まり改善を可能にする。また、ユニット内に多数の中間パネル又はペインを含むことは、はるかに容易である。
【0020】
発明は、添付の描かれた図に図説され、図では類似の参照文字は全体を通して類似の部品を特定する。逆に指示されない限り、描かれた図は、等尺ではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】先行技術によるマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニットの断面側面図である。
【
図2】発明の実施例によるマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニットの断面側面図である。
【
図3】発明の実施例による
図2のマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニットの一部分の展開側面斜視図である。
【
図4A】発明によるガラス・ユニット内部に第3のペインをしっかりと固定するための様々な配置を示すマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニットの断面側面図である。
【
図4B】発明によるガラス・ユニット内部に第3のペインをしっかりと固定するための様々な配置を示すマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニットの断面側面図である。
【
図4C】発明によるガラス・ユニット内部に第3のペインをしっかりと固定するための様々な配置を示すマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニットの断面側面図である。
【
図4D】発明によるガラス・ユニット内部に第3のペインをしっかりと固定するための様々な配置を示すマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニットの断面側面図である。
【
図5A】マルチ・ペイン断熱ガラス・ユニット内に支持構造体をマウントするための様々な配置を示す断面部分図である。
【
図5B】マルチ・ペイン断熱ガラス・ユニット内に支持構造体をマウントするための様々な配置を示す断面部分図である。
【
図5C】マルチ・ペイン断熱ガラス・ユニット内に支持構造体をマウントするための様々な配置を示す断面部分図である。
【
図5D】マルチ・ペイン断熱ガラス・ユニット内に支持構造体をマウントするための様々な配置を示す断面部分図である。
【
図6A】発明の実施例によるフレーム/第3のペインの断面部分側面図である。
【
図6B】発明の実施例による
図6Aのフレームの斜視図である。
【
図7A】発明の実施例によるフレーム/第3のペインの断面部分側面図である。
【
図7B】発明の実施例による
図7Aのフレームの斜視図である。
【
図8A】発明の実施例によるフレーム/第3のペインの断面部分側面図である。
【
図8B】発明の実施例による
図8Aのフレームの斜視図である。
【
図9A】発明の実施例による支持構造体に第3のペインをしっかりと固定するステップを示す図である。
【
図9B】発明の実施例による支持構造体に第3のペインをしっかりと固定するステップを示す図である。
【
図9C】発明の実施例による支持構造体に第3のペインをしっかりと固定するステップを示す図である。
【
図9D】発明の実施例による支持構造体に第3のペインをしっかりと固定するステップを示す図である。
【
図10A】発明の実施例によるフィルム収縮をともなう事前取り付け加熱vs事前収縮済フィルム又は低収縮フィルムの使用についての最適温度決定を図説するグラフである。
【
図10B】発明の実施例によるフィルム収縮をともなう事前取り付け加熱vs事前収縮済フィルム又は低収縮フィルムの使用についての最適温度決定を図説するグラフである。
【
図11】発明の特徴による最高の熱性能のための中心パネルに関する光学的位置を示すグラフである。
【
図12A】発明によるマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニットのパネル同士の間の圧力均等化のための様々な配置を示す断面部分図である。
【
図12B】発明によるマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニットのパネル同士の間の圧力均等化のための様々な配置を示す断面部分図である。
【
図12C】発明によるマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニットのパネル同士の間の圧力均等化のための様々な配置を示す断面部分図である。
【
図12D】発明によるマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニットのパネル同士の間の圧力均等化のための様々な配置を示す断面部分図である。
【
図13A】発明の実施例による組子を含むマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニットの斜視図である。
【
図13B】発明の実施例による
図13Aのマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニットの断面部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
「左」、「右」、「上部」、「下部」、等の本明細書において使用する空間的又は方向的な用語は、描いた図に示されたように発明に関係する。発明は、様々な代わりの向きを想定でき、したがって、このような用語が限定するように考えられるべきではないことを理解されたい。
【0023】
本明細書において使用するように、「左」、「右」、「内側」、「外側」、「より上」、「より下」、等の空間的又は方向的な用語は、描いた図に示されるように発明に関係する。しかしながら、発明が様々な代わり向きを仮定でき、したがって、このような用語が、限定するように考えられるべきではないことを理解されたい。さらに、本明細書において使用するように、明細書及び特許請求の範囲で使用される寸法、物理的特性、処理パラメータ、成分の量、反応条件、等を表わすすべての数は、「約」という用語によりすべての事例において修正されるように理解されたい。したがって、それとは反対に指示されない限り、下記の明細書及び特許請求の範囲に記述された数値は、本発明により得ようと努める望まれる特性に依存して変わることがある。最低でも、そして特許請求の範囲の範囲と同等な理論の適用を制限するための試みとしてではなく、各々の数値は、発表された有効桁数を考慮して、そして通常の端数処理技術を適用することによって少なくとも解釈されるべきである。その上、本明細書において開示したすべての範囲は、範囲の始まりの値及び終わりの値並びにその範囲に包摂される任意の及びすべての部分範囲を包含するように理解されるべきである。例えば、「1から10まで」の述べられた範囲は、1の最小値と10の最大値との間の(そして両端を含む)任意の及びすべての部分範囲、すなわち、最小値1以上で始まりそして最大値10以下で終わるすべての部分範囲、例えば、1から3.3まで、4.7から7.5まで、5.5から10まで、等を含むように考えられるべきである。加えて、本明細書において参照される、限定しないが、発行済みの特許及び特許出願などのすべての文書は、その全体が「引用により取り込まれる」ように考えられたい。量への何らかの言及は、別なふうに明示しない限り、「重量パーセントによる」ものである。「フィルム」という用語は、透明なバリア層、具体的に、PETなどの薄いプラスチックシートを呼ぶ。
【0024】
「上方に(over)」という用語は、「最上部に(atop)」を意味する。例えば、多数ペインIGU層が、他の層又はペインの最上部に又は上方に置かれることがあり、そこではエア・ギャップ又はエア・チャンバを包含する層の間にスペースが存在してもよい。
【0025】
本明細書における発明の検討は、ある一定の限定内で「特に」又は「好ましくは」(例えば、ある一定の限定内で「好ましくは」、「より好ましくは」、又は「それどころかもっと好ましくは」)であるある一定の特徴を記述することがある。発明が、これらの特定の限定又は好ましい限定に限定されないばかりか、開示の全体の範囲を包含することを理解されたい。
【0026】
本明細書において使用するように、「備えている」という経過的な(transitional)用語(及び、例えば、「含有している」及び「含んでいる」という他の相当する用語)は、「制限のない(open-ended)」ものであり、明示しない事項の包含にも開かれている。「備えている」という用語で記載されるとはいえ、「から基本的に構成される」及び「から構成される」という用語もまた、この開示の範囲内である。
【0027】
発明は、発明の下記の態様をいずれかの組み合わせで備える、から構成する又はから基本的に構成する。発明の様々な態様が、別に描かれた図に図説される。しかしながら、これは、図説及び検討の容易さのために単純化されることを理解されたい。発明の実施では、1つの描かれた図に示された発明の1つ又は複数の態様が、他の描かれた図のうちの1つ又は複数に示された発明の1つ又は複数の態様と組み合わせられてもよい。
【0028】
言及が、ここで
図1に行われ、
図1は、先行技術による、全体として1として表示されるマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニットの断面側面図を示す。ユニット1は、平行で間隔を空けた関係の1対のガラス・ペイン2a、2bを含む。コーティングされたフィルム4の形態の第3のペインが、ペイン2a、2bの間に設置され、ペイン2a、2bとフィルム4との間に空きスペース5a、5bを作り出す。フィルム4は、主シール材6を用いてエッジ・スペーサ8a、8bにしっかりと固定される。エッジ・スペーサ8a、8bは、一般にそれらそれぞれのペイン2a、2bの周囲の周りに延びる。エッジ・スペーサ8a、8bは、フィルム4が対向するペイン2a、2b同士の間の中ほどに設置されるように断面で同一の寸法ものである。エッジ・スペーサ8a、8bは、ペイン2a、2bがエッジ・スペーサ8a、8bに取り付けられたときに、ペイン2a、2bが互いにそしてフィルム4に平行であるように成形されることがある。副シール材7が、フィルム4をさらにしっかりと固定するためそしてユニット1内に設けられる。先行技術のガラス・ユニット1を作成するためのプロセスは、ペイン2a、2b、フィルム4、エッジ・スペーサ8a、8b、主シール材6、副シール材7を含む全体のユニットを組み立てるステップと、2時間までかかることがあり得るシール材を硬化させるステップと、追加のさらに2時間以上かかることがあるオーブン内でフィルム4を収縮させるステップと、次いでアルゴンなどの不活性ガスでスペース5a、5bを手作業で満たすステップとを含む。
【0029】
先行技術の設計では、中央フィルム4をサンドイッチするエッジ・スペーサ8a、8bの使用は、主シール材材料6との2つの界面を形成し、中央フィルム4が、機械的支持体を形成する副シール材7によりしっかりと掴まれるように外へ向けてさらに延びる。これが、シール上にせん断応力の印加という結果をもたらすことがあり、このことがシール不良に関する可能性を上昇させることがある。また、これら2つの追加の界面は、ユニット1の熱性能を劣化させることがある空気侵入に関する追加の不良点という結果になる。加えて、ユニット1を構築するための時間は、数時間、3~5時間のどこか又はそれ以上になることがある。
【0030】
言及が、ここで
図2~
図3に行われ、これらの図は、本発明の実施例による、全体として10として表示されるマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニットを示す。ユニット10は、平行で間隔を空けた関係の1対のガラス・ペイン12a、12bを含む。少なくとも1つのエッジ・スペーサ18が、ガラス・ペイン12a、12bの間に設けられる。第1の又は主シール材16が、1対のガラス・ペイン12a、12bの間にスペース15を画定する一体式シール型ユニットを提供するために1対のガラス・ペイン12a、12bの隣接するエッジ同士の間に据えられる。少なくとも1つの透明フィルム14が、1対のガラス・ペイン12a、12bの間のスペース15内部に据えられる。少なくとも1つの透明フィルム14は、
図2、
図3、及び
図4A~
図4Cに示したような支持構造体20と、又は
図4Dに示したような少なくとも1つのエッジ・スペーサ18とのうちの1つにしっかりと固定され、そのため、フィルムが、1対のスペース15a、15bを作り出すように1対のガラス・ペイン12、12a、12bの間に間隔を空けた平行な関係で設置される。スペース15a、15bは、窓構造体を横切る熱コンダクタンスを減少させるために空気又はガスで満たされることがある。クリプトン、アルゴン、六フッ化硫黄、二酸化炭素、等を含め、いずれかの不活性、低熱伝達ガスが、使用されることがある。組み合わせガス及び/又は異なるガスが、熱コンダクタンスの望まれる低下を得るためにスペース15a、15b内に使用されることがある。この充填ガスは、内側フィルム14の黄ばみを防止するため又は最小にするためにある程度のはっきりと分かる量の酸素を含有できる。
【0031】
フィルム14は、1対のガラス・ペイン12a、12bの間にフィルム14を設置することに先立ってアニールされる。このアニールするステップは、ストレス誘起結晶化を介してフィルム14内のテンションを解放する。このステップは、フィルム14のために使用される材料、及びフィルム14をアニールするためにフィルム14が加熱される温度に応じて、典型的には数分かかる。
【0032】
使用されるフィルム14のタイプに応じて、フィルム14は、フィルム14のストレス誘起結晶化を生じさせるようにフィルム14のガラス転移温度に少なくとも等しいある一定のアニーリング温度に加熱される。1つの実施例によれば、フィルムは、少なくとも70℃のアニーリング温度にほぼ10分間にわたって加熱されることがある。他の実施例によれば、フィルムは、110℃、90℃、又は85℃よりも上まで加熱されることがある。
【0033】
図2、
図3、及び
図4A~
図4Cに示した実施例によれば、少なくとも1つの透明フィルム14は、フレーム部材20により支持される。フィルム14は、支持構造体20にしっかりと固定されることがあり、そこでは支持構造体20が、エッジに隣接して位置しそしてフィルム14の周囲の辺りに延びる少なくとも1つのフレーム部材20を含む。この少なくとも1つのフレーム20は、堅固な中実プロファイル又は長方形断面(12.7mm×6.35mm(1/2”×1/4”))及び1.59mm(1/16”)の壁厚を有する堅固な中空アルミニウム・プロファイルなどの中空プロファイルから作られた堅固なフレームであってもよい。もう1つの実施例によれば、支持体20は、フィルム14のエッジをサンドイッチしそしてフィルム14の周囲の辺りに延びる1対のフレーム部材20a、20bを備えることができる。
【0034】
図4A配置では、単一のエッジ・スペーサ18がペイン12の間に位置し、複数のフレーム部材20がフィルム14を支持するために設けられる。エッジ・スペーサ18は、垂直な横部分及び水平な上部部分と底部部分とを有するC字形状の部材であってもよい。エッジ・スペーサ18は、一般にペイン12の周囲の辺りに延びる。フレーム部材20は、エッジ・スペーサ18の内部に機械的に若しくは接着でしっかりと固定される又はいずれかの他の良く知られた技術によりしっかりと固定されることがある。
図5Aも参照。フレーム部材20及びフィルム14は、フィルム14とペイン12との間に等しいスペース15a、15bを作り出すようにペイン12同士の間に等間隔で据えられることがある。或いは、フレーム部材20及びフィルム14は、スペース15a又は15bのうちの一方がスペース15a、15bの他方よりも大きくなるようにペイン12同士の間に据えられてもよい。主シール材16が、エッジフレーム18をペイン12にしっかりと固定するために使用されてもよく、エッジ・スペーサ18の垂直な横部分28に沿って延びることがある。接着剤が、フィルム14をフレーム部材20にしっかりと固定するために使用されてもよい。
【0035】
図4B配置は、エッジ・スペーサ18とフローティング配置にあるフレーム部材20を示す。この配置では、フィルム14が複数のフレーム20にしっかりと固定され、フレーム20は、フィルムがエッジ・スペーサ18の外であり、ユニット10の視野エリア13内であるようにエッジ・スペーサ18の内部にマウントされる。フレーム部材20は、フレームがエッジ・スペーサ18により構造的に支持されないように、溶着又ははんだ付けなどで外側の機械的構造体とそこにしっかりと固定されることがある。エッジ・スペーサ18は、ペイン12がエッジ・スペーサ18に取り付けられるときに、ペイン12が互いにそしてフィルム14に対して平行であるように成形されることがある。主シール材16が、エッジ部材18を囲みそしてペイン12同士の間に設置されることがある。接着剤が、フィルム14をフレーム部材にしっかりと固定することを可能にするためにフレーム部材20とフィルム14との間のフィルム14のいずれかの側に配置されることがある。
【0036】
図4C配置は、1対のクリップ46を用いてエッジ・スペーサ18にさらにしっかりと固定されることがある
図4Bのフローティング配置を示す。この配置では、フィルム14を保持するフレーム部材20がユニット10内に落とされ、そのため、フレームが、エッジ・スペーサ18の外側であり、ユニット10の視野エリア13の内部であり、そして1対のクリップ46は、フレーム部材20がエッジ・スペーサ18にスナップ・インすることを可能にする。クリップ46は、ユニット10の中間部分をしっかりと固定するために各々のフレーム部材20に取り付ける。
【0037】
図4Dの実施例によれば、フレーム部材20a、20bは、サイジングで互い違いにされてもよい。ユニット10は、エッジ・スペーサ18を囲む同じ主シール材16を包含する。エッジ・スペーサ18内には、大きい方のフレーム部分20bにだけ取り付ける別の一連のクリップ40があってもよい。フィルム14は、フレーム20a、20bの各々の側にフィルム14をしっかりと固定する接着剤を用いて大きい方のフレーム20bより上に設置される。小さい方のフレーム20aは、ユニット10内部の中間構造体の機械的シールを作り出すように大きい方のフレーム20b及びフィルム14を設置することの後で設置されてもよい。
【0038】
言及が、ここで
図5A~
図5Dに行われ、
図5A~
図5Dは、フレーム部材20をエッジ・スペーサ18にしっかりと固定するための様々な配置を示す。
図5Aは、フィルム14を保持するフレーム部材20がエッジ・スペーサ18の内部に及び/又は内側に設置される配置を図示する。
図5Bは、フィルム14を保持するフレーム部材20がユニット10内に落とされ、そのためフィルム14がエッジ・スペーサ18の外側でありそしてユニット10の視覚エリア13に対して内部である配置を図示する。
図5Cは、フィルム14を保持するフレーム部材20が視覚エリア13に対して内部に位置するが、クリップ46を用いてエッジ・スペーサ18へとスナップ留めされるさらに別の配置を図示する。
図5Dは、フレーム部材20a、20bがサイジングで互い違いにされ、ユニット10内に不等間隔のスペース15a、15bを作り出し、そして機械的シールがユニット10内の所定の場所にフレーム部材を保持するようにフレーム部材20が設置される配置を図示する。
【0039】
フィルム14は、支持構造体20にしっかりと固定された後でアニールされることがある。フィルム14は、しわを取り除くためにテンションをかけられた状態へ機械的に引き伸ばされ、その時間の後で熱が、フィルム14をさらに収縮させるために加えられ、フィルム14は、リニア・インチ当たり681g(1.5lb)以下のテンションを有する。
【0040】
フィルム14は、高分子シート、薄いガラス・シート、及び/又は任意の他の透明シートのうちの少なくとも1つから形成されることがある。高分子シートは、強化有機材料を含むことができる。1つの実施例によれば、フィルム14は、ポリエチレン・テレフタレート(PET)を含む高分子シートであってもよい。PETフィルム14は、12.7~254μm(0.5~10mil)、12.7~127μm(0.5~5mil)又はそれどころか12.7~54.8μm(0.5~2mil)の厚さを有することがある。フィルム14の少なくとも一方の表面は、low-eコーティングを含むことができる。本発明の断熱ガラス・ユニット10が、ガラス・ペイン12a、12b上にlow-eコーティング及び/又は1つ若しくは複数の表面上にフィルム14を含むことによって先行技術の配置よりもはるかに優れた熱性能を達成できることが見出されている。特に、発明のユニット10が、より低いコストのアルゴン(Ar)を用いそして全体の厚さのより広い範囲にわたりR5性能を及びクリプトン(Kr)ガスを用いてR9性能又はより優れた性能を有することができることが見出されている。
【0041】
1つの実施例によれば、接着剤22が、フィルム14をフレーム部材20、又はエッジ・スペーサ18、又は他の支持構造体にしっかりと固定するために使用されることがある。接着剤22は、コンタクト接着剤、感圧接着剤、UV硬化接着剤、熱硬化型接着剤、又は化学硬化型接着剤を含め、いずれかの知られている接着剤であってもよい。さらにもう1つの実施例によれば、フィルム14は、主シール材16を用いてエッジ・スペーサ18にしっかりと固定されてもよい。さらにもう1つの実施例によれば、フィルムは、加熱されて、溶融しそして接着剤又はシール材を必要とせずにフレーム部材20又はエッジ・スペーサ18と貼り合わせられてもよい。
【0042】
1つの実施例によれば、そして
図6A、
図6B、
図7A、
図7B、
図8A、及び
図8Bを参照して、フィルム14は、機械的部材の使用により支持構造体20又は少なくとも1つのエッジ・スペーサにしっかりと固定されることがある。支持構造体20は、1対のフレーム部材20a、20bを含むことができ、フレームでは、フィルムがその間にサンドイッチされ、フレーム部材20a、20bは、キー又はダブ・テールなどの他の機械的固定具若しくは接合用構造体50a、50b、側方部材の少なくとも一部分を覆う接着剤、及び接着剤により側方部材に接着された透明パネルを用いてコーナーのところで一緒に保持される。もう1つの配置は、側部のノッチを使用し次いでコーナーを形成するために前記側部を折り曲げて製造されるコーナーを有する支持フレーム部材20a、20b、側方部材の少なくとも一部分を覆う接着剤、及び接着剤により側部に接着された透明フィルム14を含むことができる。
【0043】
フィルム14は、機械的クリップ又は他の固定具を用いて1対のフレーム部材20a、20bに取り付けられることがある。フィルム14の機械的なしっかりとした固定は、下記に説明するようなキー/ロック・プロフィール付フレーム対を使用して実現されてもよい。
【0044】
例えば、
図6A及び
図6Bに示したように、キー/ロック部材は、フレーム部材20a、20bのエッジに沿って延びる複数のコーン形状の分離した部材52a、52bであってもよく、上記部材52a、52bは、これらの間に位置するフィルム14と機械的に噛み合うように構成される。
図7A及び
図7Bは、フレーム部材20a、20bのエッジの長さに沿って延びる一連のキー/ロック・ロッド形状の丸みを帯びた部材54a、54bを示す。
図8A及び
図8Bは、フレーム部材20a、20bのエッジの長さに沿って延びる一連のキー/ロック・ロッド形状の連続コーン部材56a、56bを示す。
【0045】
図2及び
図3を参照し続けそして
図9A~
図9Dをさらに参照して、断熱ガラス・ユニット10形成するための方法は、平行で、間隔を空けた関係の1対のガラス・ペイン12a、12bを用意すること、少なくとも1つのフィルム14を用意すること、及び
図9Aに示したような、曲げ圧延、真空圧延、若しくはニップ・ロール型しわ除去システム30又はいずれかの他の抗しわシステムなどのローラ30の使用を通してフィルムを事前に引き伸ばすことを含む。このプロセスは、終わるまでに典型的には1分未満しかかからない。プロセスの次のステップは、
図9Bに示したように、支持構造体20又は少なくとも1つのスペーサ18のいずれかにフィルム14をしっかりと固定すること、及び
図9Bの矢印により表わされたサイズにフィルム14をトリミングすることを含む。このステップは、終わるまでに数秒を必要とする。
図9Cに示したように、熱が、矢印34により示されるように加えられて、
図9Dに示したようなテンションをかけられた状態へとフィルム14を収縮させる。フィルム14は、次いで、美しい外観のために支持構造体20の周囲の周りをトリミングされる又は切断される。熱収縮ステップは、フィルム14を形成するために使用される材料に応じて、1分未満で完遂されることがある。熱収縮の後で、フィルム14が、支持構造体20有りでもなしでも、1対のガラス・ペイン12a、12bの間に間隔を空けた平行な関係で設置されるように、フィルム14は、1対のガラス・ペイン12a、12bの間に設置される。少なくとも1つのエッジ・スペーサ18及び主シール材16が、1対のペイン12a、12bの隣接するエッジ同士の間に設けられて、ペインの間にスペース15を画定する一体式シール型ユニット10を提供する。ステップ9A~9Dが、明確な動きで機械上で実行されることがあり、これによってステップのうちのいずれか又はすべてが、自動的に実行されてもよいことが認識され得る。
【0046】
1つの実施例によれば、フィルム14は、支持構造体20にしっかりと固定されてもよく、そしてフィルム14及び支持構造体20が、ユニット10の視野エリア13の内部である場所などの少なくとも1つのエッジ・スペーサ18から離れている場所のところで1対のガラス・ペイン12a、12bの間に設置される。
【0047】
支持構造体20は、フィルム14のエッジに隣接して位置する少なくとも1つのフレーム部材20a又はフィルム14のエッジをサンドイッチする1対のフレーム部材20a、20bを備えることができる。1つの実施例によれば、支持構造体20は、フィルム14のエッジに隣接して位置する複数のフレーム部材20a、20bを備えることができ、複数のフレーム部材20a、20bは、堅固であり、堅固な中実プロファイル又は長方形断面(12.7mm×6.35mm(1/2”×1/4”))及び1.59mm(1/16”)の壁厚を有する堅固な中空アルミニウム・プロファイルなどの中空プロファイルから作られることがある。フレーム部材20a、20bは、成型プロセス、スタンピング・プロセス、3Dプリント・プロセス、等を含めいずれかの知られている方法を使用して形成されることがある。
【0048】
フィルム14は、収縮させそしてしわを取り除くためにフィルム14にとって十分な温度にそして十分な時間にわたり加熱されることがあり、フィルムはそのときにはリニア・インチ当たり681g(1.5lb)以下のテンションを有する。
【0049】
方法は、フィルム14が堅固な状態へと収縮されそして支持構造体20と少なくとも1つのエッジ・スペーサ18とのうちの1つにしっかりと固定された後で、フィルム14をトリミングすることをさらに含む。フィルム14は、ナイフ、ブレード、レーザ、等を使用してトリミングされることがある。フィルム14は、機械的部材、接着剤、又は熱可塑性溶着プロセスのうちの少なくとも1つにより支持構造体20と少なくとも1つのエッジ・スペーサ18とのうちの1つにしっかりと固定されることがある。
【0050】
フィルム14は、また、透過スペクトル及び/若しくは反射スペクトルを制御するために、フィルム内に埋め込まれた材料又は片側若しくは両側にコーティングされた材料のうちの少なくとも1つを含むことができることも認識され得る。パターンは、フィルム14が支持構造体20又はスペーサ18に張り付けられる前又は後のいずれかでフィルム14上に印刷されることがある。フィルム14は、エンド・ユーザに視覚的に訴えるはずの追加の設計を可能にするエンド・ユーザに見える部分に付けられる美的な材料でコーティングされてもよい又は美的な材料があってもよい。フィルム14の少なくとも一方の表面は、low-eコーティングを含むことができる。1つの実施例によれば、ユニット10の光学的ヘイズは、BK Gardner Hazegardにより測定されるように3%未満、好ましくは1.5%未満、そして好ましくは1%未満であってもよい。
【0051】
また、フィルム14は、フィルム14の中へと埋め込まれた材料を用いて又はフィルム14の一方若しくは両方の表面14a、14bにコーティングを付けることのいずれかによって光学的(可視領域及び/又はIR領域)透過スペクトル及び/又は反射スペクトルの受動制御のための熱変色性機能を有するように設計されることがある。
【0052】
言及が
図10Aに行われ、
図10Aは、接着前加熱(すなわち、フィルム収縮)ステップに関する最適温度決定を示す。
図10Bは、事前収縮済フィルム又は低収縮フィルムを使用する温度決定を示し、ここでは熱安定化済フィルムは必要ない。熱プロファイル(すなわち、温度vs時間)は、フィルムがしわのないようなものであり、ストレスは、基本的に力がスペーサ18のフレーム部材20に加えられないようなものである。
【0053】
言及が
図11に行われ、
図11は、ユニット10の最高の熱性能のためのフィルム14に関する光学的な場所を描いているグラフを示す。
図11に示したように、フィルム14にとっての最良の場所は、外側ガラス・ペイン12a、12bの内側表面同士の間の中心線上である。しかしながら、
図11に示したように、フィルム14はまた、外側ガラス・ペイン12a、12bの内側表面同士の間の中心線から又はスペース15の中心線からオフセットした場所に設置されることも可能であり、そして熱性能の改善vs2パネル断熱窓ガラス・ユニットを依然として実現できる。
【0054】
図2~
図3及び
図4A~
図4Dを参照し続けてそして
図12A~
図12Dをさらに参照して、1対のガラス・ペイン12は、第1のガラス・ペイン12a及び第2のガラス・ペイン12bを含むことができる。第1のチャンバ15aは、第1のガラス・ペイン12aとフィルム14の第1の側14aとの間に位置し、第2のチャンバ15bは、第2のガラス・ペイン12bとフィルム14の第2の側14bとの間に位置する。開口部が、第1のチャンバ15aと第2のチャンバ15bとの間の圧力均等化を確実にするために第1のチャンバ15aと第2のチャンバ15bとの間をガスが移動することを可能にするするために設けられてもよい。フィルム14がスペーサ18a及び18bと一体化される
図12Aに示した実施例によれば、開口部44aがフィルム14に設けられることがある。フィルム14が支持構造体20にしっかりと固定され、そして支持構造体20及びフィルム14がユニット10の視野エリア13に対して内部に位置する
図12Bに示した実施例では、開口部44bが、支持構造体20内に設けられることがある。支持構造体20及びフィルム14がスペーサ18の内側に位置する
図12Cに示した実施例では、多数の開口部の形態の開口部44cが、支持構造体20内に設けられることがある。
図12Dに示した実施例では、支持構造体20が、スペーサ18と協働するクリップ46を用いてユニット10の視野エリア13に対して内部にしっかりと固定される。この実施例では、開口部44dが、支持構造体20内に設けられる。
【0055】
言及が、ここで、組子40を示す
図13A及び
図13Bに行われる。組子40は、いずれか、エッジ・スペーサ18又は支持構造体20、又は両方に取り付けられることがある。組子40は、クリップを用いて又は用いずに取り付けられることがある。1つの配置によれば、組子40が、上部フレーム20a内部のノッチ42内に挿入されることがあり、フィルム14が、下部フレーム20bに取り付けられることがある。或いは、組子40は、フィルム上に印刷されてもよい。
【0056】
発明は、下記の番号を付けた条項にさらに記載される。
【0057】
条項1:平行で間隔を空けた関係の1対のガラス・ペインと;上記1対のガラス・ペインの間にスペースを画定する一体式シール型ユニットを提供するために上記1対のペインの隣接するエッジ同士の間に位置する少なくとも1つのエッジ・スペーサ及び少なくとも主シール材と;上記1対のガラス・ペインの間の上記スペース内部に位置する少なくとも1つの透明フィルムであって、上記少なくとも1つの透明フィルムが、支持構造体と上記少なくとも1つのエッジ・スペーサとのうちの1つにしっかりと固定され、上記フィルムが、上記1対のガラス・ペインの間に間隔を空けた平行な関係で設置され、上記フィルムが、上記1対のガラス・ペインの間に上記フィルムを設置することに先立ってテンションをかけられる、少なくとも1つの透明フィルムとを備える、断熱ガラス・ユニット。
【0058】
条項2:上記少なくとも1つの透明フィルムが、上記支持構造体により支持され、上記支持構造体が、上記エッジ・スペーサから離れている、請求項1に記載の断熱ガラス・ユニット。
【0059】
条項3:上記支持構造体が、上記フィルムのエッジに隣接して位置する複数のフレーム部材を備える、条項2に記載の断熱ガラス・ユニット。
【0060】
条項4:上記複数のフレーム部材は、各々が、堅固な中実プロファイル又は1.59mm(1/16”)の壁厚を有する長方形中空アルミニウム・プロファイルなどの中空プロファイルである、条項3に記載の断熱ガラス・ユニット。
【0061】
条項5:上記フィルムが、上記フィルムを上記支持構造体にしっかりと固定することに先立って又は後でアニールされる、条項2から4までのいずれか一項に記載の断熱ガラス・ユニット。
【0062】
条項6:上記フィルムの上記テンションをかけられた状態が、リニア・インチ当たり681g(1.5lb)以下のテンションを有する、条項1から5までのいずれか一項に記載の断熱ガラス・ユニット。
【0063】
条項7:上記フィルムが、1分間以下にわたり少なくとも100℃の温度に加熱される、条項1から6までのいずれか一項に記載の断熱ガラス・ユニット。
【0064】
条項8:上記フィルムが、高分子シート、薄いガラス・シート、及び任意の他の透明シートのうちの少なくとも1つを含む、条項1から7までのいずれか一項に記載の断熱ガラス・ユニット。
【0065】
条項9:上記フィルムが、ポリエチレン・テレフタレートを含む高分子シートである、条項8に記載の断熱ガラス・ユニット。
【0066】
条項10:上記フィルムが、機械的部材、接着剤、主シール材のうちの少なくとも1つにより又は熱可塑性溶着により上記支持構造体又は上記少なくとも1つのエッジ・スペーサにしっかりと固定される、条項1から9までのいずれか一項に記載の断熱ガラス・ユニット。
【0067】
条項11:上記支持構造体が、上記エッジ・スペーサにしっかりと固定される、条項2に記載の断熱ガラス・ユニット。
【0068】
条項12:上記1対のガラス・ペインが、第1のガラス・ペイン及び第2のガラス・ペインを含み、上記支持構造体は、第1のチャンバと第2のチャンバとの間の圧力均等化を確実にするために、上記第1のガラス・ペインと上記フィルムの第1の側との間に位置する上記第1のチャンバと上記第2のガラス・ペインと上記フィルムの第2の側との間に位置する上記第2のチャンバとの間をガスが移動することを可能にするように構成される、条項2に記載の断熱ガラス・ユニット。
【0069】
条項13:上記フィルムが、透過スペクトル及び/又は反射スペクトルを制御するために、上記フィルム内に埋め込まれた材料又は片側若しくは両側にコーティングされた材料のうちの少なくとも1つを含む、条項1から12までのいずれか一項に記載の断熱ガラス・ユニット。
【0070】
条項14:断熱ガラス・ユニットを形成するための方法であって、平行で間隔を空けた関係の1対のガラス・ペインを用意するステップと;少なくとも1つのフィルムを用意するステップと;しわを取り除くために上記フィルムを引き伸ばすステップと;支持構造体のうちの1つに上記フィルムをしっかりと固定するステップと;上記フィルムを収縮させるために熱を加えるステップであり、上記フィルムを加熱する上記ステップが、上記支持構造体と上記少なくとも1つのエッジ・スペーサとのうちの1つに上記フィルムをしっかりと固定する上記ステップの前に又は後に行われる、上記フィルムを収縮させるために熱を加えるステップと;上記フィルムが上記1対のガラス・ペインの間に間隔を空けた平行な関係に設置されるように、上記支持構造体のうちの1つにしっかりと固定された上記フィルムを上記1対のガラス・ペインの間に設置するステップと;上記1対のペインの間にスペースを画定する一体式シール型ユニットを提供するために上記1対のペインの隣接するエッジ同士の間に上記少なくとも1つのエッジ・スペーサ及び主シール材を設けるステップとを含む、方法。
【0071】
条項15:上記フィルムが、上記支持構造体にしっかりと固定され、上記フィルム及び支持構造体が、上記少なくとも1つのエッジ・スペーサから離れている場所のところで上記1対のガラス・ペインの間に設置される、条項14に記載の方法。
【0072】
条項16:上記支持構造体が、上記フィルムのエッジに隣接して位置する複数のフレーム部材を備える、条項14又は15に記載の方法。
【0073】
条項17:上記フィルムは、上記フィルムが、リニア・インチ当たり681g(1.5lb)以下のテンションを有するように、上記フィルムを収縮させるために十分な温度に、十分な時間にわたって加熱される、条項14から16までのいずれか一項に記載の方法。
【0074】
条項18:熱収縮に先立って及び後で上記フィルムをトリミングするステップを含む、条項14から17までのいずれか一項に記載の方法。
【0075】
条項19:上記フィルムが、機械的部材、接着剤、上記主シール材、又は熱可塑性溶着プロセスのうちの少なくとも1つにより上記支持構造体と上記少なくとも1つのエッジ・スペーサとのうちの1つにしっかりと固定される、条項14から18までのいずれか一項に記載の方法。
【0076】
条項20:上記支持構造体が、上記フィルムのエッジに隣接して位置する複数のフレーム部材を含み、上記少なくとも1つのフレーム部材が、堅固な中実プロファイル又は1.59mm(1/16”)の壁厚を有する中空長方形アルミニウム・プロファイル(12.7mm×6.35mm(1/2”×1/4”))などの中空プロファイルである、条項14から19までのいずれか一項に記載の方法。
【0077】
開示が例示的な設計を有するとして説明されてきている一方で、本開示は、この開示の精神及び範囲内でさらに変更されてもよい。この出願は、それゆえに、出願の一般的な原理を使用する開示の任意の変形形態、使用形態、又は適応形態を包含するものである。さらに、この出願は、この開示が属しそして別記の特許請求の範囲の範囲内になる技術分野において知られた実行形態又は慣習的な実行形態内になるとして本開示からのこのような乖離を包含するものである。
【国際調査報告】