(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】適応近隣認識ネットワーキング(NAN)データインターフェース
(51)【国際特許分類】
H04W 72/02 20090101AFI20240208BHJP
H04W 52/02 20090101ALI20240208BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20240208BHJP
H04W 72/25 20230101ALI20240208BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20240208BHJP
【FI】
H04W72/02
H04W52/02 111
H04W84/12
H04W72/25
H04W92/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547513
(86)(22)【出願日】2022-02-09
(85)【翻訳文提出日】2023-08-04
(86)【国際出願番号】 US2022015859
(87)【国際公開番号】W WO2022173859
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】202121005858
(32)【優先日】2021-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホムチャウデュリ、サンディプ
(72)【発明者】
【氏名】シン、スドハンシュー
(72)【発明者】
【氏名】ゲイニー、ケネス・マービン
(72)【発明者】
【氏名】ライシニア、アリレザ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA43
5K067CC22
5K067DD34
5K067EE02
5K067EE25
5K067JJ21
5K067LL11
(57)【要約】
本開示は、近隣認識ネットワーキング(NAN)デバイスにおける電力消費を低減するための方法、デバイスおよびシステムを提供する。いくつかの実装は、より具体的には、NANデータインターフェース(NDI)のアイドル持続期間を低減するために、NANデバイスリンク(NDL)スケジュールを動的に調整することに関する。NDLスケジュールは、NDLがNANデバイス間のデータ通信のために利用可能である、発見ウィンドウ(DW)間隔ごとの、NANスロットの数を識別する。いくつかの態様において、NANデバイスは、DW間隔内の各NANスロット期間中にワイヤレスチャネル上の輻輳を測定し得、測定された輻輳に基づいて、NDLスケジュールを動的に更新し得る。いくつかの他の態様において、NANデバイスは、DW間隔内の各NANスロット期間中にNDL上のスループットを測定し得、測定されたスループットに基づいて、NDLスケジュールを動的に更新し得る。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信デバイスによるワイヤレス通信のための方法であって、
NANデバイスとワイヤレスチャネル上で近隣認識ネットワーキング(NAN)デバイスリンク(NDL)を確立することと、
前記NDLが前記NANデバイスとのデータ通信のために利用可能である、発見ウィンドウ(DW)間隔ごとの、NANスロットの数を示すNDLスケジュールを、前記NANデバイスとネゴシエートすることと、
DW間隔内の複数のNANスロットの各々の期間中に、前記ワイヤレスチャネル上の輻輳を測定することと、各NANスロット期間中に測定される前記輻輳は、それぞれのNANスロット期間中に前記ワイヤレスチャネルがビジーである時間量(T
busy)に関連付けられている、
前記複数のNANスロット期間中に測定される前記輻輳に基づいて、前記NDLスケジュールを動的に更新することと、
を備える、方法。
【請求項2】
前記複数のNANスロットの各々の期間中に、前記NDL上のスループットを測定すること、各NANスロット期間中に測定される前記スループットは、前記それぞれのNANスロット期間中に、前記NDL上で、前記ワイヤレス通信デバイスが前記NANデバイスと通信する時間量(T
load)に関連付けられており、前記NDLスケジュールの前記動的な更新は、前記複数のNANスロット期間中に測定される前記スループットにさらに基づく、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記NDLスケジュールの前記動的な更新は、
T
busyおよびT
loadの共分散に基づいて、前記NDLが前記NANデバイスとのデータ通信のために利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの前記数を調整すること、
を備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
NANスロットの前記数の前記調整は、
T
busyおよびT
loadの前記共分散が負の値であることに基づいて、NANスロットの前記数を増加させること、
を備える、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
NANスロットの前記数の前記調整は、
T
busyおよびT
loadの前記共分散が正の値であること、および前記NDLの平均アイドル持続期間が閾値よりも大きいことに基づいて、NANスロットの前記数を低減すること、
を備える、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記複数のNANスロットの各々の期間中に測定される前記輻輳および前記スループットは、前記それぞれのNANスロット期間中に前記ワイヤレスチャネルがアイドルである時間量(T
idle)を示し、前記NDLの前記平均アイドル持続期間は、T
idleの平均値と等しい、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記NDLスケジュールの前記動的な更新は、
T
loadの標準偏差に基づいて、前記NDLが前記NANデバイスとのデータ通信のために利用可能である、DW間隔ごとの、前記NANスロットの周期性を調整すること、
を備える、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記NANスロットの前記周期性の前記調整は、
T
loadがT
loadの前記標準偏差以下であることに基づいて、前記NANスロットの前記周期性を増加させること、
を備える、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記NANスロットの前記周期性の前記調整は、
T
loadがT
loadの前記標準偏差よりも大きいことに基づいて、前記NANスロットの前記周期性を低減すること、
を備える、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記NDLスケジュールの前記動的な更新は、
T
busyおよびT
loadに関連付けられた共同推定メトリックに基づいて、前記NDLが前記NANデバイスとのデータ通信のために利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの前記数を取得すること、
を備える、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
NANスロットの前記数は、前記共同推定メトリックに関連付けられた複数の値と、前記複数の値の各々に関連付けられたNANスロットのそれぞれの数を示す情報とを記憶するルックアップテーブル(LUT)から取得される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記NDLスケジュールによって示されない、1つまたは複数のNANスロット期間中に、前記NANデバイスからの到来データをリッスンすること、
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記NDLスケジュールの前記動的な更新は、
前記NDLスケジュールによって示されない、前記1つまたは複数のNANスロット期間中に、前記NANデバイスからの到来データを検出することに基づいて、前記NDLが前記NANデバイスとのデータ通信のために利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの前記数を調整すること、
を備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ワイヤレス通信デバイスであって、
少なくとも1つのモデムと、
前記少なくとも1つのモデムに通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信可能に結合され、プロセッサ可読コードを記憶する少なくとも1つのメモリと、を備え、前記プロセッサ可読コードは、前記少なくとも1つのモデムと共に前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、
NANデバイスとワイヤレスチャネル上で近隣認識ネットワーキング(NAN)デバイスリンク(NDL)を確立することと、
前記NDLが前記NANデバイスとのデータ通信のために利用可能である、発見ウィンドウ(DW)間隔ごとの、NANスロットの数を示すNDLスケジュールを、前記NANデバイスとネゴシエートすることと、
DW間隔内の複数のNANスロットの各々の期間中に、前記ワイヤレスチャネル上の輻輳を測定することと、各NANスロット期間中に測定される前記輻輳は、それぞれのNANスロット期間中に前記ワイヤレスチャネルがビジーであるそれぞれの時間量(T
busy)に関連付けられている、
前記複数のNANスロット期間中に測定される前記輻輳に基づいて、前記NDLスケジュールを動的に更新することと、
を行うように構成される、ワイヤレス通信デバイス。
【請求項15】
前記プロセッサ可読コードの実行は、
前記複数のNANスロットの各々の期間中に、前記NDL上のスループットを測定するようにさらに構成され、各NANスロット期間中に測定される前記スループットは、前記それぞれのNANスロット期間中に、前記NDL上で、前記ワイヤレス通信デバイスが前記NANデバイスと通信する時間量(T
load)に関連付けられており、前記NDLスケジュールの前記動的な更新は、前記複数のNANスロット期間中に測定される前記スループットにさらに基づく、
請求項14に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項16】
ワイヤレス通信デバイスによるワイヤレス通信のための方法であって、
NANデバイスと近隣認識ネットワーキング(NAN)デバイスリンク(NDL)を確立することと、
前記NDLが前記NANデバイスとのデータ通信のために利用可能である、発見ウィンドウ(DW)間隔ごとの、NANスロットの数を示すNDLスケジュールを、前記NANデバイスとネゴシエートすることと、
DW間隔内の複数のNANスロットの各々の期間中に、前記NDL上のスループットを測定することと、各NANスロット期間中に測定される前記スループットは、それぞれのNANスロット期間中に、前記NDL上で、前記ワイヤレス通信デバイスが前記NANデバイスと通信する時間量(T
load)に関連付けられている、
前記複数のNANスロット期間中に測定される前記スループットに基づいて、前記NDLスケジュールを動的に更新することと、
を備える、方法。
【請求項17】
前記複数のNANスロットの各々の期間中に、前記NDLに関連付けられたワイヤレスチャネル上の輻輳を測定すること、各NANスロット期間中に測定される前記輻輳は、前記それぞれのNANスロット期間中に前記ワイヤレスチャネルがビジーである時間量(T
busy)に関連付けられており、前記NDLスケジュールの前記動的な更新は、前記複数のNANスロット期間中に測定される前記スループットにさらに基づく、
をさらに備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記NDLスケジュールの前記動的な更新は、
T
busyおよびT
loadの共分散に基づいて、前記NDLが前記NANデバイスとのデータ通信のために利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの前記数を調整すること、
を備える、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
NANスロットの前記数の前記調整は、
T
busyおよびT
loadの前記共分散が負の値であることに基づいて、NANスロットの前記数を増加させること、
を備える、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
NANスロットの前記数の前記調整は、
T
busyおよびT
loadの前記共分散が正の値であること、および前記NDLの平均アイドル持続期間が閾値よりも大きいことに基づいて、NANスロットの前記数を低減すること、
を備える、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記複数のNANスロットの各々の期間中に測定される前記輻輳および前記スループットは、前記それぞれのNANスロット期間中に前記ワイヤレスチャネルがアイドルである時間量(T
idle)を示し、前記NDLの前記平均アイドル持続期間は、T
idleの平均値と等しい、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記NDLスケジュールの前記動的な更新は、
T
loadの標準偏差に基づいて、前記NDLが前記NANデバイスとのデータ通信のために利用可能である、DW間隔ごとの、前記NANスロットの周期性を調整すること、
を備える、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記NANスロットの前記周期性の前記調整は、
T
loadがT
loadの前記標準偏差以下であることに基づいて、前記NANスロットの前記周期性を増加させること、
を備える、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記NANスロットの前記周期性の前記調整は、
T
loadがT
loadの前記標準偏差よりも大きいことに基づいて、前記NANスロットの前記周期性を低減すること、
を備える、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記NDLスケジュールの前記動的な更新は、
T
busyおよびT
loadに関連付けられた共同推定メトリックに基づいて、前記NDLが前記NANデバイスとのデータ通信のために利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの前記数を取得すること、
を備える、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
NANスロットの前記数は、前記共同推定メトリックに関連付けられた複数の値と、前記複数の値の各々に関連付けられたNANスロットのそれぞれの数を示す情報とを記憶するルックアップテーブル(LUT)から取得される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記NDLスケジュールによって示されない、1つまたは複数のNANスロット期間中に、前記NANデバイスからの到来データをリッスンすること、
をさらに備える、請求項16に記載の方法。
【請求項28】
前記NDLスケジュールの前記動的な更新は、
前記NDLスケジュールによって示されない、前記1つまたは複数のNANスロット期間中に、前記NANデバイスからの到来データを検出することに基づいて、前記NDLが前記NANデバイスとのデータ通信のために利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの前記数を調整すること、
を備える、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
ワイヤレス通信デバイスであって、
少なくとも1つのモデムと、
前記少なくとも1つのモデムに通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信可能に結合され、プロセッサ可読コードを記憶する少なくとも1つのメモリと、を備え、前記プロセッサ可読コードは、前記少なくとも1つのモデムと共に前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、
NANデバイスと近隣認識ネットワーキング(NAN)デバイスリンク(NDL)を確立することと、
前記NDLが前記NANデバイスとのデータ通信のために利用可能である、発見ウィンドウ(DW)間隔ごとの、NANスロットの数を示すNDLスケジュールを、前記NANデバイスとネゴシエートすることと、
DW間隔内の複数のNANスロットの各々の期間中に、前記NDL上のスループットを測定することと、各NANスロット期間中に測定される前記スループットは、それぞれのNANスロット期間中に、前記NDL上で、前記ワイヤレス通信デバイスが前記NANデバイスと通信する時間量(T
load)に関連付けられている、
前記複数のNANスロット期間中に測定される前記スループットに基づいて、前記NDLスケジュールを動的に更新することと、
を行うように構成される、ワイヤレス通信デバイス。
【請求項30】
前記プロセッサ可読コードの実行は、
前記複数のNANスロットの各々の期間中に、前記NDLに関連付けられたワイヤレスチャネル上の輻輳を測定するようにさらに構成され、各NANスロット期間中に測定される前記輻輳は、前記それぞれのNANスロット期間中に前記ワイヤレスチャネルがビジーである時間量(T
busy)に関連付けられており、前記NDLスケジュールの前記動的な更新は、前記複数のNANスロット期間中に測定される前記スループットにさらに基づく、請求項29に記載のワイヤレス通信デバイス。
【発明の詳細な説明】
【優先権の主張】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本特許出願は、「ADAPTIVE NEIGHBOR AWARENESS NETWORKING(NAN)DATA INTERFACE」と題され、2021年2月11日に出願されたインド仮特許出願第202121005858号の優先権を主張し、このインド仮特許出願は、本出願の譲受人に譲渡される。先の出願の開示は、本特許出願の一部とみなされ、参照によって本特許出願に組み込まれている。
【技術分野】
【0002】
[0002]本開示は、一般に、ワイヤレス通信に関し、より詳細には、ワイヤレス通信のために使用されるべき近隣認識ネットワーキング(NAN:neighbor awareness networking)データインターフェース(NDI)を適応的に構成することに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]近隣認識ネットワーキング(NAN)は、ワイヤレス通信デバイス間のピアツーピア(P2P)ネットワーク(「NANクラスタ」とも称される)の形成をサポートするために、IEEE802.11標準ファミリーによって定義されているワイヤレス通信プロトコルを活用するワイヤレス通信技術である。クライアントデバイス間の通信を管理するために中間ノード(アクセスポイント(AP)など)に依存する、インフラストラクチャネットワーク(ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)など)と異なり、NAN対応のデバイス(「NANデバイス」とも称される)は、NANクラスタに参加する他のNANデバイスを直接発見し、通信することができる。結果として、NANデバイスは、例えば、より個人化されたユーザ体験を提供するために、物理的なコンテキストおよび個々の嗜好に基づいて、NANクラスタを発見し、加わり得る。
【0004】
[0004]NANクラスタは、共通の発見ウィンドウ(DW:discovery window)スケジュールと同期された、2つ以上のNANデバイスによって形成され得る。各DW期間中に、NANクラスタに参加するNANデバイスは、様々なサービスをアドバタイズし、または要求し得る。共通のアプリケーションを共有するNANデバイスは、NANデバイスリンク(NDL)を介してデータ接続を確立し得る。NDLは、NANデバイスのペア間のデータ通信のために使用され得る、共有リソースブロック(CRB:common resource block)のセットを含む。各NDLは、NANデバイスによる使用のためにCRBが利用可能な時間を示す、それぞれのNDLスケジュールに関連付けられる。NANデバイスのペアは、NDLを介して通信するためにNANデータパス(NDP)を確立し得る。NDPは、それぞれのNANデバイスに各々が所属する、NANデータインターフェース(NDI)のペア間のデータ接続である。
【0005】
[0005]NDP内に参加するNANデバイスは、NDLスケジュールによって示される時間期間中にデータ通信のために利用可能でなければならない。より具体的には、NANデバイスのNDIは、それらがデータを送信中または受信中でない場合であっても、示された持続期間の間はアクティブなままでなければならない。例えば、NDIがデータを送信中または受信中でない場合、NDIは、NDL上で到来データを積極的にリッスンしている。結果として、NANデバイスは、NDL上でアイドリングして(データを送信も受信もせず)、著しい量の電力を消費することがある。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本開示のシステム、方法およびデバイスは各々、いくつかの革新的な態様を有しており、それらのうちの1つのみが、本明細書において開示される望ましい属性について単独で責任を負うわけではない。
【0007】
[0007]本開示において説明される主題の1つの革新的な態様は、ワイヤレス通信の方法として実装され得る。本方法は、ワイヤレス通信デバイスによって行われてもよく、近隣認識ネットワーキング(NAN)デバイスと、ワイヤレスチャネルを介して、近隣認識ネットワーキング(NAN)デバイスリンク(NDL)を確立することと、NANデバイスとのデータ通信のためにNDLが利用可能である、発見ウィンドウ(DW)間隔ごとの、NANスロットの数を示すNDLスケジュールを、NANデバイスとネゴシエートすることと、DW間隔内の複数のNANスロットの各々の期間中に、ワイヤレスチャネル上の輻輳(congestion)を測定すること、ここで、各NANスロット期間中に測定される輻輳は、それぞれのNANスロット期間中にワイヤレスチャネルが使用中(busy)である、時間量(Tbusy)に関連付けられている、と、複数のNANスロット期間中に測定される輻輳に基づいて、NDLスケジュールを動的に更新することと、を含み得る。
【0008】
[0008]いくつかの実装において、本方法は、複数のNANスロットの各々の期間中に、NDL上のスループットを測定することをさらに含んでもよく、ここで、各NANスロット期間中に測定されるスループットは、それぞれのNANスロット期間中に、NDL上で、ワイヤレス通信デバイスがNANデバイスと通信する時間量(Tload)に関連付けられており、NDLスケジュールの動的な更新は、複数のNANスロット期間中に測定されるスループットにさらに基づく。いくつかの態様において、NDLスケジュールの動的な更新は、TbusyおよびTloadの共分散に基づいて、NANデバイスとのデータ通信のためにNDLが利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの数を調整することを含んでもよい。
【0009】
[0009]いくつかの態様において、NANスロットの数の調整は、TbusyおよびTloadの共分散が負の値であることに基づいて、NANスロットの数を増加させることを含んでもよい。いくつかの他の態様において、NANスロットの数の調整は、TbusyおよびTloadの共分散が正の値であること、ならびにNDLの平均アイドル持続期間が閾値よりも大きいことに基づいて、NANスロットの数を低減することを含んでもよい。いくつかの実装において、複数のNANスロットの各々の期間中に測定される輻輳およびスループットは、それぞれのNANスロット期間中にワイヤレスチャネルがアイドルである時間量(Tidle)を示してもよく、ここで、NDLのアイドル持続期間は、Tidleの平均値と等しい。
【0010】
[0010]いくつかの他の実装において、NDLスケジュールの動的な更新は、TbusyおよびTloadに関連付けられた共同推定メトリックに基づいて、NANデバイスとのデータ通信のためにNDLが利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの数を取得することを含み得る、いくつかの実装において、NANスロットの数は、共同推定メトリックに関連付けられた複数の値と、複数の値の各々に関連付けられたNANスロットのそれぞれの数を示す情報とを記憶するルックアップテーブル(LUT)から取得され得る。
【0011】
[0011]いくつかの実装において、NDLスケジュールの動的な更新は、Tloadの標準偏差に基づいて、NANデバイスとのデータ通信のためにNDLが利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの周期性を調整することを含み得る。いくつかの態様において、NANスロットの周期性の調整は、TloadがTloadの標準偏差以下であることに基づいて、NANスロットの周期性を増加させることを含んでもよい。いくつかの他の態様において、NANスロットの周期性の調整は、TloadがTloadの標準偏差よりも大きいことに基づいて、NANスロットの周期性を低減することを含んでもよい。
【0012】
[0012]いくつかの実装において、本方法は、NDLスケジュールによって示されない、1つまたは複数のNANスロット期間中に、NANデバイスから到来データをリッスンすることをさらに含み得る。いくつかの態様において、NDLスケジュールの動的な更新は、NDLスケジュールによって示されない、1つまたは複数のNANスロット期間中に、NANデバイスからの到来データを検出することに基づいて、NANデバイスとのデータ通信のためにNDLが利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの数を調整することを含んでもよい。
【0013】
[0013]本開示において説明される主題の別の革新的な態様は、ワイヤレス通信デバイスにおいて実装され得る。いくつかの実装において、ワイヤレス通信デバイスは、少なくとも1つのモデムと、少なくとも1つのモデムに通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサに通信可能に結合され、プロセッサ可読コードを記憶する少なくとも1つのメモリとを含み得る。いくつかの実装において、少なくとも1つのプロセッサによるプロセッサ可読コードの実行は、ワイヤレス通信デバイスに、NANデバイスと、ワイヤレスチャネルを介して、NDLを確立することと、NANデバイスとのデータ通信のためにNDLが利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの数を示すNDLスケジュールを、NANデバイスとネゴシエートすることと、DW間隔内の複数のNANスロットの各々の期間中に、ワイヤレスチャネル上で輻輳を測定することと、ここで、各NANスロット期間中に測定される輻輳は、それぞれのNANスロット期間中にワイヤレスチャネルがビジーである時間量に関連付けられている、複数のNANスロット期間中に測定される輻輳に基づいて、NDLスケジュールを動的に更新することと、を含む動作を行わせる。
【0014】
[0014]本開示において説明される主題の別の革新的な態様は、ワイヤレス通信の方法として実装され得る。本方法は、ワイヤレス通信デバイスによって行われてよく、NANデバイスと、ワイヤレスチャネルを介して、NDLを確立することと、NANデバイスとのデータ通信のためにNDLが利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの数を示すNDLスケジュールを、NANデバイスとネゴシエートすることと、DW間隔内の複数のNANスロットの各々の期間中に、NDL上でスループットを測定することと、ここで、各NANスロット期間中に測定されるスループットは、それぞれのNANスロット期間中に、NDLを介して、ワイヤレス通信デバイスがNANデバイスと通信する時間量(Tload)に関連付けられている、複数のNANスロット期間中に測定されるスループットに基づいて、NDLスケジュールを動的に更新することとを含み得る。
【0015】
[0015]いくつかの実装において、本方法は、複数のNANスロットの各々の期間中に、NDLに関連付けられたワイヤレスチャネル上で輻輳を測定すること、ここで、各NANスロット期間中に測定される輻輳は、それぞれのNANスロット期間中にワイヤレスチャネルがビジーである時間量(Tbusy)に関連付けられており、NDLスケジュールの動的な更新は、複数のNANスロット期間中に測定されるスループットにさらに基づく、をさらに含み得る。いくつかの態様において、NDLスケジュールの更新は、TbusyおよびTloadの共分散に基づいて、NANデバイスとのデータ通信のためにNDLが利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの数を調整することを含んでもよい。
【0016】
[0016]いくつかの態様において、NANスロットの数の調整は、TbusyおよびTloadの共分散が負の値であることに基づいて、NANスロットの数を増加させることを含み得る。いくつかの他の態様において、NANスロットの数の調整は、TbusyおよびTloadの共分散が正の値であること、ならびにNDLの平均アイドル持続期間が閾値よりも大きいことに基づいて、NANスロットの数を低減することを含んでもよい。いくつかの実装において、複数のNANスロットの各々期間中に測定される輻輳およびスループットは、それぞれのNANスロット期間中にワイヤレスチャネルがアイドルである時間量(Tidle)を示してもよく、ここで、NDLの平均アイドル持続期間は、Tidleの平均値と等しい。
【0017】
[0017]いくつかの他の実装において、NDLスケジュールの動的な更新は、TbusyおよびTloadに関連付けられた共同推定メトリックに基づいて、NANデバイスとのデータ通信のためにNDLが利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの数を取得することを含み得る。いくつかの実装において、NANスロットの数は、共同推定メトリックに関連付けられた複数の値と、複数の値の各々に関連付けられたNANスロットのそれぞれの数を示す情報とを記憶するLUTから取得され得る。
【0018】
[0018]いくつかの実装において、NDLスケジュールの動的な更新は、Tloadの標準偏差に基づいて、NANデバイスとのデータ通信のためにNDLが利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの周期性を調整することを含み得る。いくつかの態様において、NANスロットの周期性の調整は、TloadがTloadの標準偏差以下であることに基づいて、NANスロットの周期性を増加させることを含んでもよい、いくつかの他の態様において、NANスロットの周期性の調整は、TloadがTloadの標準偏差よりも大きいことに基づいて、NANスロットの周期性を低減することを含んでもよい。
【0019】
[0019]いくつかの実装において、本方法は、NDLスケジュールによって示されない、1つまたは複数のNANスロット期間中に、NANデバイスからの到来データをリッスンすることをさらに含み得る。いくつかの態様において、NDLスケジュールの動的な更新は、NDLスケジュールによって示されない、1つまたは複数のNANスロット期間中に、NANデバイスからの到来データを検出することに基づいて、NANデバイスとのデータ通信のためにNDLが利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの数を調整することを含んでもよい
[0020]本開示において説明される主題の別の革新的な態様は、ワイヤレス通信デバイスにおいて実装され得る。いくつかの実装において、ワイヤレス通信デバイスは、少なくとも1つのモデムと、少なくとも1つのモデムに通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサに通信可能に結合され、プロセッサ可読コードを記憶する少なくとも1つのメモリとを含み得る。いくつかの実装において、少なくとも1つのプロセッサによるプロセッサ可読コードの実行は、ワイヤレス通信デバイスに、NANデバイスと、ワイヤレスチャネルを介して、NDLを確立することと、NANデバイスとのデータ通信のためにNDLが利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの数を示すNDLスケジュールを、NANデバイスとネゴシエートすることと、DW間隔内の複数のNANスロットの各々の期間中に、NDL上でスループットを測定することと、ここで、各NANスロット期間中に測定されるスループットは、それぞれのNANスロット期間中に、NDLを介して、ワイヤレス通信デバイスがNANデバイスと通信する時間量(Tload)に関連付けられている、複数のNANスロット期間中に測定されるスループットに基づいて、NDLスケジュールを動的に更新することとを含む動作を行わせる。
【0020】
[0021]本開示において説明される主題の1つまたは複数の実装の詳細は、添付の図面および下記の説明において述べられている。他の特徴、態様、および利点は、説明、図面および特許請求の範囲から、明らかになるであろう。以下の図の相対的な寸法は、縮尺通り描かれていないことがあることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】[0022]例示的なワイヤレス通信ネットワークの絵図。
【
図2A】[0023]アクセスポイント(AP)と1つまたは複数のワイヤレス局(STA)との間の通信に使用可能な例示的なプロトコルデータユニット(PDU)を示す図。
【
図2B】[0024]
図2AのPDUにおける例示的なフィールドを示す図。
【
図3】[0025]例示的なワイヤレス通信デバイスのブロック図。
【
図4B】[0027]例示的なSTAのブロック図。
【
図5】[0028]別の例示的なワイヤレス通信ネットワークの絵図。
【
図6】[0029]例示的な近隣認識ネットワーキング(NAN)デバイスリンク(NDL)スケジュールを描くタイミング図。
【
図7】[0030]いくつかの実装による、NANデバイス間の例示的なメッセージ交換を描くシーケンス図。
【
図8】[0031]いくつかの実装による、NDLスケジュールを動的に調整するための例示的な動作を描くタイミング図。
【
図9】[0032]いくつかの実装による、NDLスケジュールを動的に調整するための別の例示的な動作を描くタイミング図。
【
図10】[0033]いくつかの実装による、NDLスケジュールを動的に調整するための別の例示的な動作を描くタイミング図。
【
図11】[0034]いくつかの実装による、適応NANデータインターフェース(NDI)をサポートするワイヤレス通信のための例示的な処理を例示するフローチャート。
【
図12】[0035]いくつかの実装による、適応NDIをサポートするワイヤレス通信のための例示的な処理を例示するフローチャート。
【
図13】[0036]いくつかの実装による例示的なワイヤレス通信デバイスのブロック図。
【
図14】[0037]いくつかの実装による例示的なワイヤレス通信デバイスのブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[0038]様々な図面における同様の参照番号および名称は、同様の要素を示す。
【0023】
[0039]下記の説明は、本開示の革新的な態様を説明する目的のために、一定の実装に向けられる。しかしながら、当業者は、本明細書における教示が多くの異なる手法で適用され得ることを容易に認識するであろう。説明される実装は、とりわけ、米国電気電子学会(IEEE)802.11標準、IEEE802.15標準、ブルートゥース(登録商標)スペシャルインタレストグループ(SIG)によって定義されるようなブルートゥース標準、または第三世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))によって公布されたロングタームエボリューション(LTE(登録商標))、3G、4Gもしくは5G(新無線(New Radio)(NR))標準のうちの1つまたは複数に従って、無線周波数(RF)信号を送信することおよび受信することが可能な任意のデバイス、システムまたはネットワークにおいて実装され得る。説明される実装は、以下の技術または技法、すなわち、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交FDMA(OFDMA)、シングルキャリアFDMA(SC-FDMA)、シングルユーザ(SU)多入力多出力(MIMO)およびマルチユーザ(MU)MIMOのうちの1つまたは複数に従って、RF信号を送信することおよび受信することが可能な任意のデバイス、システムまたはネットワークにおいて実装され得る。説明される実装は、ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、ワイヤレス広域ネットワーク(WWAN)、またはモノのインターネット(IOT)ネットワークのうちの1つまたは複数における使用に適した、他のワイヤレス通信プロトコルまたはRF信号を使用して実装されることも可能である。
【0024】
[0040]様々な態様は、一般に、近隣認識ネットワーキング(NAN)デバイスにおける電力消費を低減することに関し、より詳細には、NANデータインターフェース(NDI)のアイドル持続期間を低減するためにNANデバイスリンク(NDL)スケジュールを動的に調整することに関する。NDLスケジュールは、NANデバイス間のデータ通信のためにNDLが利用可能である、発見ウィンドウ(DW)間隔ごとの、NANスロットの数(時間のブロックを表す)を識別する。いくつかの態様において、NANデバイスは、DW間隔内の各NANスロット期間中にワイヤレスチャネル上の輻輳を測定し得、測定された輻輳に基づいて、NDLスケジュールを動的に更新し得る。例えば、各NANスロット期間中に測定される輻輳は、それぞれのNANスロット期間中にワイヤレスチャネルがビジーである(またはさもなければ、NANデバイス間のデータ通信に利用不可能な)時間量(Tbusy)に関連付けられ得る。いくつかの他の態様において、NANデバイスは、DW間隔内の各NANスロット期間中にNDL上でスループットを測定し得、測定されたスループットに基づいて、NDLスケジュールを動的に更新し得る。例えば、各NANスロット期間中に測定されるスループットは、それぞれのNANスロット期間中にNDL上でNANデバイスが通信する時間量(Tload)に関連付けられ得る。またさらに、いくつかの態様において、NANデバイスは、TbusyとTloadとの組合せに基づいて、NDLスケジュールを動的に更新してもよい。例えば、TbusyおよびTloadが相対的に低く、正の共分散を有する場合、NANデバイスは、NDLが将来のデータ通信のために使用され得るDW間隔ごとに、NANスロットの数を低減し得る。別の例として、NANデバイスは、TbusyおよびTloadに基づいて、共同推定メトリック(C2)を計算してもよく、C2の値に基づいて、DW間隔ごとに、NANスロットの数を決定してもよい。
【0025】
[0041]本開示において説明される主題の特定の実装は、以下の潜在的な利点のうちの1つまたは複数を実現するために実装され得る。本実装は、NANデバイスが、それらのNDIの電力消費を、NDIによって送信および受信されるデータのスループットおよびレイテンシに適応させることを可能にする。例えば、NDIは比較的長い時間期間にわたってアイドルである(アクティブであるが、データを送信または受信していない)とNANデバイスが決定した場合、NANデバイスは、(DW間隔ごとに)データ通信のために利用可能なNANスロットの数を低減し得る。利用可能なNANスロットの数を低減することによって、各NDIのアイドル持続期間も低減され得、それによって、NANデバイスの電力消費を最適化する。本開示の態様は、いくつかの場合において、低いデータスループットが、ワイヤレス媒体上での他のデバイス間の高レベルのノイズ、干渉、またはワイヤレス通信(まとめて「輻輳」と称される)によって引き起こされ得ることを認識する。TbusyおよびTloadの共分散、または任意の他の共同メトリックは、データスループットにおける変動が輻輳における変動に結び付けられ得るかどうかを示す。したがって、TbusyおよびTloadに基づいて、NDLスケジュールを動的に更新することによって、NANデバイスは、利用可能なNANスロットの数を、NDL上のデータ通信のスループットおよびレイテンシに対して、より正確に合わせることができる。
【0026】
[0042]
図1は、例示的なワイヤレス通信ネットワーク100のブロック図を示す。いくつかの態様によれば、ワイヤレス通信ネットワーク100は、Wi-Fi(登録商標)ネットワークなどのワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)の一例になり得る(また、以下、WLAN100と称されることになる)。例えば、WLAN100は、ワイヤレス通信プロトコル標準のIEEE802.11ファミリー(802.11ah、802.11ad、802.11ay、802.11ax、802.11az、802.11baおよび802.11beを含むが、これらに限定されない、IEEE802.11-2016仕様またはその修正版によって定義されたものなど)のうちの少なくとも1つを実装するネットワークとすることができる。WLAN100は、アクセスポイント(AP)102および複数の局(STA)104などの、多数のワイヤレス通信デバイスを含み得る。1つのAP102のみが示されているが、WLAN100は、複数のAP102を含むこともできる。
【0027】
[0043]STA104の各々は、数ある可能性の中でも、移動局(MS)、モバイルデバイス、モバイルハンドセット、ワイヤレスハンドセット、アクセス端末(AT)、ユーザ機器(UE)、加入者局(SS)、または加入者ユニットと称されることもある。STA104は、様々なデバイス、例えば、数ある可能性の中でも、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、他のハンドヘルドデバイス、ネットブック、ノート型コンピュータ、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、表示デバイス(例えば、特に、テレビ、コンピュータモニタ、ナビゲーションシステム)、音楽または他のオーディオまたはステレオデバイス、遠隔制御デバイス(「リモコン」)、プリンタ、キッチンまたは他の家電、キーフォブ(例えば、パッシブキーレスエントリーアンドスタート(PKES)システム)などを表し得る。
【0028】
[0044]単一のAP102とSTA104の関連付けられたセットとは、基本サービスセット(BSS:basic service set)と称されてもよく、これは、それぞれのAP102によって管理される。
図1は、AP102の例示的なカバレッジエリア108を付加的に示しており、カバレッジエリア108は、WLAN100の基本サービスエリア(BSA:basic service area)を表し得る。BSSは、サービスセット識別子(SSID)によってユーザに対して識別されるとともに、基本サービスセット識別子(BSSID)によって他のデバイスに対しても識別され得、BSSIDは、AP102の媒体アクセス制御(MAC)アドレスであり得る。AP102は、AP102のワイヤレス範囲内の任意のSTA104が、それぞれの通信リンク106(以下、「Wi-Fiリンク」とも称される)を確立するために、またはAP102との通信リンク106を維持するために、AP102に「関連付ける」こと、または再度関連付けることを可能にするために、BSSIDを含むビーコンフレーム(「ビーコン」)を定期的にブロードキャストする。例えば、ビーコンは、それぞれのAP102によって使用される1次チャネルの識別と、AP102とのタイミング同期を確立または維持するためのタイミング同期機能とを含むことができる。AP102は、WLAN内の様々なSTA104に、それぞれの通信リンク106を介して、外部ネットワークへのアクセスを提供し得る。
【0029】
[0045]いくつかの場合において、STA104は、AP102、またはSTA104自体以外の他の機器なしに、ネットワークを形成してもよい。そのようなネットワークの1つの例は、アドホックネットワーク(またはワイヤレスアドホックネットワーク)である。アドホックネットワークは、代替として、メッシュネットワークまたはピアツーピア(P2P)ネットワークと称されてもよい。いくつかの場合において、アドホックネットワークは、WLAN100などの、より大きなワイヤレスネットワーク内に実装され得る。そのような実装において、STA104は、通信リンク106を使用して、AP102を通じて互いに通信することが可能であり得る一方で、STA104は、直接ワイヤレスリンク110を介して互いに直接通信することもできる。付加的に、2つのSTA104は、両方のSTA104が同じAP102に関連付けられ、同じAP102よってサービス提供されるかどうかにかかわらず、直接通信リンク110を介して通信し得る。そのようなアドホックシステムにおいて、STA104のうちの1つまたは複数は、BSS内のAP102によって満たされる役割を引き受け得る。そのようなSTA104は、グループオーナ(GO)と称され、アドホックネットワーク内の送信をコーディネートし得る。直接ワイヤレスリンク110の例は、Wi-Fi直接接続、Wi-Fiトンネルドダイレクトリンクセットアップ(TDLS:Tunneled Direct Link Setup)を使用することによって確立される接続、および他のP2Pグループ接続を含む。
【0030】
[0046]AP102とSTA104とは、ワイヤレス通信プロトコル標準のIEEE802.11ファミリー(802.11ah、802.11ad、802.11ay、802.11ax、802.11az、802.11baおよび802.11beを含むが、これらに限定されない、IEEE802.11-2016仕様またはその修正版によって定義されたものなど)に従って機能し、(それぞれの通信リンク106を介して)通信し得る。これらの標準は、物理(PHY)層および媒体アクセス制御(MAC)層のためのWLAN無線およびベースバンドプロトコルを定義する。AP102とSTA104とは、物理層コンバージェンスプロトコル(PLCP)プロトコルデータユニット(PPDU)の形式で、互いへおよび互いから、ワイヤレス通信(以下、「Wi-Fi通信」とも称される)を送信および受信する。WLAN100内のAP102およびSTA104は、無認可スペクトル上でPPDUを送信し得、無認可スペクトルは、Wi-Fi技術によって従来使用される周波数帯域、例えば、2.4GHz帯、5GHz帯、60GHz帯、3.6GHz帯、および700MHz帯などを含むスペクトルの一部であり得る。本明細書において説明されるAP102およびSTA104のいくつかの実装は、6GHz帯などの他の周波数帯域においても通信し得、これは、認可通信と無認可通信の両方をサポートし得る。AP102およびSTA104は、共有される認可周波数帯域などの他の周波数帯域上で通信するように構成されることも可能であり、ただし、複数の運用者は、同じ周波数帯域または重複する周波数帯域において運用するための認可を有し得る。
【0031】
[0047]共有されるワイヤレス媒体へのアクセスは、一般に、分散協調機能(DCF:distributed coordination function)によって管理される。DCFでは、共有されるワイヤレス媒体の時間リソースおよび周波数リソースを割り振る中央マスタデバイスは一般に存在しない。それどころか、AP102またはSTA104などのワイヤレス通信デバイスが、データを送信することを許容される前に、ワイヤレス通信デバイスは、特定の時間にわたり待機し、次いで、ワイヤレス媒体へのアクセスを求めて競わなければならない。いくつかの実装において、ワイヤレス通信デバイスは、衝突回避機能(CA:collision avoidance)付きキャリアセンス多重アクセス(CSMA:carrier sense multiple access)(CSMA/CA)技法およびタイミング間隔の使用を通じて、DCFを実装するように構成され得る。データを送信する前に、ワイヤレス通信デバイスは、クリアチャネル評価(CCA:clear channel assessment)を行い、適当なワイヤレスチャネルがアイドルであると決定し得る。CCAは、物理的(PHYレベル)キャリアセンシングと仮想(MACレベル)キャリアセンシングの両方を含む。物理的キャリアセンシングは、有効なフレームの受信信号強度の測定を介して達成され、受信信号強度は、次いで、チャネルがビジーであるかどうかを決定するために閾値と比較される。例えば、検出されたプリアンブルの受信信号強度が閾値を超える場合、媒体はビジーであるとみなされる。物理的キャリアセンシングは、エネルギー検出も含む。エネルギー検出は、受信信号が有効なフレームを表すかどうかにかかわらず、ワイヤレス通信デバイスが受信する総エネルギーを測定することを伴う。検出された総エネルギーが閾値を超える場合、媒体はビジーであるとみなされる。仮想キャリアセンシングは、ネットワーク割振りベクトル(NAV:network allocation vector)、すなわち、媒体が次にアイドルになり得る時間のインジケータ、の使用を介して達成される。NAVは、ワイヤレス通信デバイスに対してアドレス指定されない有効なフレームが受信されるたびに、リセットされる。NAVは、検出されるシンボルの不在時においても、または検出されるエネルギーが関連する閾値未満である場合でも、ワイヤレス通信デバイスがアクセスを求めて競合し得る前に経過しなければならない持続時間として効果的に役割を果たす。
【0032】
[0048]いくつかのAPおよびSTAは、空間再使用技法を実装するように構成され得る。例えば、IEEE802.11axまたは802.11beを使用して通信するために構成されたAPおよびSTAは、BSSカラーにより構成され得る。異なるBSSに関連付けられたAPは、異なるBSSカラーに関連付けられ得る。APまたはSTAが、アクセスを求めて競合する間に、別のワイヤレス通信デバイスからワイヤレスパケットを検出した場合、APまたはSTAは、ワイヤレスパケットがそのBSS内の別のワイヤレス通信デバイスによって送信されたか、もしくは別のワイヤレス通信デバイスへ送信されたか、またはワイヤレスパケットのプリアンブル内のBSSカラー標識によって決定されるように、重複BSS(OBSS:overlapping BSS)からのワイヤレス通信デバイスから送信されたかに基づいて、異なる競合パラメータを適用し得る。例えば、ワイヤレスパケットに関連付けられたBSSカラーが、APまたはSTAのBSSカラーと同じである場合、APまたはSTAは、ワイヤレスチャネルに対してCCAを行う場合に、第1の受信信号強度標識(RSSI:received signal strength indication)検出閾値を使用してもよい。しかしながら、ワイヤレスパケットに関連付けられたBSSカラーが、APまたはSTAのBSSカラーと異なる場合、APまたはSTAは、ワイヤレスチャネルに対してCCAを行う場合に、第1のRSSI検出閾値を使用する代わりに第2のRSSI検出閾値を使用してもよく、第2のRSSI検出閾値は、第1のRSSI検出閾値よりも大きい。このようにして、干渉送信がOBSSに関連付けられる場合、競合に勝つための要件は緩められる。
【0033】
[0049]
図2Aは、AP102と1つまたは複数のSTA104との間のワイヤレス通信に使用可能な例示的なプロトコルデータユニット(PDU)200を示す。例えば、PDU200は、PPDUとして構成され得る。図示されるように、PDU200は、PHYプリアンブル202と、PHYペイロード204とを含む。例えば、プリアンブル202は、レガシー部分を含み得、レガシー部分自体は、2つのBPSKシンボルから成り得るレガシーショートトレーニングフィールド(L-STF)206と、2つのBPSKシンボルから成り得るレガシーロングトレーニングフィールド(L-LTF)208と、2つのBPSKシンボルから成り得るレガシー信号フィールド(L-SIG)210とを含む。プリアンブル202のレガシー部分は、IEEE802.11aワイヤレス通信プロトコル標準に従って構成され得る。プリアンブル202は、例えば、IEEE802.11ac、802.11ax、802.11beなどのIEEEワイヤレス通信プロトコル、または後のワイヤレス通信プロトコルに準拠した、1つまたは複数の非レガシーフィールド212を含む、非レガシー部分も含み得る。
【0034】
[0050]L-STF206は、一般に、受信デバイスが、自動利得制御(AGC)と、粗いタイミングおよび周波数推定とを行うことを可能にする。L-LTF208は、一般に、受信デバイスが、細かいタイミングおよび周波数推定を行うこと、ならびにワイヤレスチャネルの初期推定を行うことも可能にする。L-SIG210は、一般に、受信デバイスが、PDUの持続期間を決定することと、PDU上で送信することを回避するために、決定された持続期間を使用することとを可能にする。例えば、L-STF206、L-LTF208およびL-SIG210は、バイナリ位相シフトキーイング(BPSK)変調スキームに従って変調され得る。ペイロード204は、BPSK変調スキーム、直角位相BPSK(Q-BPSK)変調スキーム、直交振幅変調(QAM)変調スキーム、または別の適当な変調スキームに従って変調され得る。ペイロード204は、データフィールド(DATA)214を含むPLCPサービスデータユニット(PSDU)を含み得、DATA214は、ひいては、例えば、媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(MPDU)またはアグリゲートされたMPDU(A-MPDU:aggregated MPDU)の形式で、上位層データを搬送し得る。
【0035】
[0051]
図2Bは、
図2AのPDU200における例示的なL-SIG210を示す。L-SIG210は、データレートフィールド222と、予約されたビット224と、長さフィールド226と、パリティビット228と、テール(tail)フィールド230とを含む。データレートフィールド222は、データレートを示す(データレートフィールド222において示されるデータレートは、ペイロード204内で搬送されるデータの実際のデータレートではないことがあることに留意されたい)。長さフィールド226は、例えば、シンボルまたはバイト単位で、パケットの長さを示す。パリティビット228は、ビット誤りを検出するために使用され得る。テールフィールド230は、受信デバイスによって、デコーダ(例えば、ビタビデコーダ)の動作を終了させるために使用され得るテールビットを含む。受信デバイスは、例えば、マイクロ秒(μs)単位または他の時間単位で、パケットの持続期間を決定するために、データレートフィールド222および長さフィールド226において示されるデータレートおよび長さを利用し得る。
【0036】
[0052]
図3は、例示的なワイヤレス通信デバイス300のブロック図を示す。いくつかの実装において、ワイヤレス通信デバイス300は、
図1を参照して説明されたSTA104のうちの1つなどの、STAにおける使用のためのデバイスの一例とすることができる。いくつかの実装において、ワイヤレス通信デバイス300は、
図1を参照して説明されたAP102などの、APにおける使用のためのデバイスの一例とすることができる。ワイヤレス通信デバイス300は、(例えば、ワイヤレスパケットの形式において)ワイヤレス通信を送信すること(または送信のために出力すること)および受信することが可能である。例えば、ワイヤレス通信デバイスは、IEEE802.11ワイヤレス通信プロトコル標準、例えば、802.11ah、802.11ad、802.11ay、802.11ax、802.11az、802.11baおよび802.11beを含むが、これらに限定されない、IEEE802.11-2016仕様またはその修正版によって定義されるものなどに準拠した、物理層コンバージェンスプロトコル(PLCP)プロトコルデータユニット(PPDU)および媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(MPDU)の形式で、パケットを送信および受信するように構成され得る。
【0037】
[0053]ワイヤレス通信デバイス300は、1つもしくは複数のモデム302、例えば、Wi-Fi(IEEE802.11準拠)モデムを含むチップ、システムオンチップ(SoC)、チップセット、パッケージもしくはデバイスとすることができ、または、1つもしくは複数のモデム302、例えば、Wi-Fi(IEEE802.11準拠)モデムを含むチップ、システムオンチップ(SoC)、チップセット、パッケージもしくはデバイスを含むことができる。いくつかの実装において、1つまたは複数のモデム302(まとめて「モデム302」)は、WWANモデム(例えば、3GPP 4G LTEまたは5G準拠のモデム)を付加的に含む。いくつかの実装において、ワイヤレス通信デバイス300は、1つまたは複数の無線304(まとめて「無線304」)も含む。いくつかの実装において、ワイヤレス通信デバイス300は、1つまたは複数のプロセッサ、処理ブロックまたは処理要素306(まとめて「プロセッサ306」)と、1つまたは複数のメモリブロックまたは要素308(まとめて「メモリ308」)とをさらに含む。
【0038】
[0054]モデム302は、インテリジェントハードウェアブロックまたはデバイス、例えば、数ある可能性の中でも、特定用途向け集積回路(ASIC)などを含むことができる。モデム302は、PHY層を実装するように一般に構成される。例えば、モデム302は、パケットを変調し、変調されたパケットを、ワイヤレス媒体上での送信のために無線304へ出力するように構成される。モデム302は、同様に、無線304によって受信される変調されたパケットを取得し、復調されたパケットを提供するためにパケットを復調するように構成される。変調器および復調器に加えて、モデム302は、デジタル信号処理(DSP)回路構成、自動利得制御(AGC)、コーダ、デコーダ、マルチプレクサおよびデマルチプレクサをさらに含んでもよい。例えば、送信モードにある間に、プロセッサ306から取得されたデータは、コーダに対して提供され、コーダは、エンコードされたビットを提供するためにデータを符号化する。符号化されたビットは、次いで、変調されたシンボルを提供するために、(選択された変調およびコーディング方式(MCS)を使用して)変調コンステレーション内のポイントにマッピングされる。変調されたシンボルは、次いで、空間ストリームの数NSSまたは時空間ストリームの数NSTSにマッピングされ得る。それぞれの空間ストリームまたは時空間ストリームにおける変調されたシンボルは、次いで、多重化され、逆高速フーリエ変換(IFFT)ブロックを介して変換され、続いて、Txウィンドウ処理およびフィルタリングのためにDSP回路構成へ提供され得る。デジタル信号は、次いで、デジタル/アナログ変換器(DAC)へ提供され得る。結果として得られるアナログ信号は、次いで、周波数アップコンバータへ提供され、最終的には、無線304へ提供される。ビームフォーミングに関与する実装において、それぞれの空間ストリームにおける変調されたシンボルは、IFFTブロックに対するそれらの提供に先立って、ステアリングマトリクスを介してプリコーディングされる。
【0039】
[0055]受信モードにある間に、無線304から受信されたデジタル信号は、DSP回路構成へ提供され、DSP回路構成は、例えば、信号の存在を検出し、初期タイミングおよび周波数オフセットを推定することによって、受信された信号を獲得するように構成される。DSP回路構成は、最終的に狭帯域信号を取得するために、例えば、チャネル(狭帯域)フィルタリング、アナログ障害コンディショニング(I/Qインバランスについての補正など)を使用し、デジタル利得を適用して、デジタル信号をデジタル的にコンディショニングするようにさらに構成される。DSP回路構成の出力は、次いで、AGCへ供給されてよく、AGCは、適当な利得を決定するために、例えば、1つまたは複数の受信されたトレーニングフィールドにおいて、デジタル信号から抽出される情報を使用するように構成される。DSP回路構成の出力は、復調器とも結合され、復調器は、信号から変調されたシンボルを抽出し、例えば、各空間のストリームにおける各サブキャリアの各ビット位置について対数尤度比(LLR)を算出するように構成される。復調器は、デコーダと結合され、デコーダは、復号されたビットを提供するために、LLRを処理するように構成され得る。空間ストリームの全部からの復号されたビットは、次いで、逆多重化のためにデマルチプレクサへ供給される。逆多重化されたビットは、次いで、スクランブル解除され、処理、評価または解釈のためにMAC層(プロセッサ306)へ提供され得る。
【0040】
[0056]無線304は、一般に、少なくとも1つの無線周波数(RF)送信器(または「送信器チェーン」)と、少なくとも1つのRF受信器(または「受信器チェーン」)とを含み、これらは、1つまたは複数の送受信器へ組み合わされてもよい。例えば、RF送信器および受信器は、少なくとも1つの電力増幅器(PA)と、少なくとも1つの低雑音増幅器(LNA)とをそれぞれ含む、様々なDSP回路構成を含んでもよい。RF送信器および受信器は、ひいては、1つまたは複数のアンテナに結合されてもよい。例えば、いくつかの実装において、ワイヤレス通信デバイス300は、複数の送信アンテナ(各々が対応する送信チェーンを有する)と、複数の受信アンテナ(各々が対応する受信チェーンを有する)とを含むこと、または、これらに結合されることが可能である。モデム302から出力されるシンボルは、無線304へ提供され、無線304は、次いで、結合されたアンテナを介してシンボルを送信する。同様に、アンテナを介して受信されたシンボルは、無線304によって取得され、無線304は、次いで、シンボルをモデム302へ提供する。
【0041】
[0057]プロセッサ306は、インテリジェントハードウェアブロックまたはデバイス、例えば、処理コア、処理ブロック、中央処理ユニット(CPU)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ディスクリートゲートもしくはトランジスタロジックなど、ディスクリートハードウェア構成要素、または、本明細書において説明される機能を行うように設計された、これらの任意の組合せなどを含むことができる。プロセッサ306は、無線304およびモデム302を通じて受信された情報を処理し、ワイヤレス媒体を通じた送信のために、モデム302および無線304を通じて出力されるべき情報を処理する。例えば、プロセッサ306は、MPDU、フレームまたはパケットの生成および送信に関連する様々な動作を行うように構成された制御プレーンおよびMAC層を実装し得る。MAC層は、数ある動作または技法の中でも、フレームのコーディングおよびデコーディング、空間多重化、時空間ブロックコーディング(STBC:space-time block coding)、ビームフォーミング、およびOFDMAリソース割振りを行うように、または容易にするように構成される。いくつかの実装において、プロセッサ306は、一般に、上述された様々な動作をモデムに行わせるように、モデル302を制御し得る。
【0042】
[0058]メモリ308は、有形の記憶媒体、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)もしくは読み出し専用メモリ(ROM)、または、これらの組合せなどを含むことができる。メモリ308は、命令を含む非一時的なプロセッサまたはコンピュータ実行可能なソフトウェア(SW)コードも記憶することができ、命令は、プロセッサ306によって実行された場合、プロセッサに、MPDU、フレームまたはパケットの生成、送信、受信および解釈を含むワイヤレス通信のために、本明細書において説明される様々な動作を行わせる。例えば、本明細書において開示される構成要素の様々な機能、または本明細書において開示される方法、動作、処理もしくはアルゴリズムの様々なブロックもしくはステップは、1つまたは複数のコンピュータプログラムの1つまたは複数のモジュールとして実装されることが可能である。
【0043】
[0059]
図4Aは、例示的なAP402のブロック図を示す。例えば、AP402は、
図1を参照して説明されたAP102の例示的な実装とすることができる。AP402は、ワイヤレス通信デバイス(WCD:wireless communication device)410を含む(ただし、AP402自体が、本明細書において使用されるようなワイヤレス通信デバイスとも一般に称され得る)。例えば、ワイヤレス通信デバイス410は、
図3を参照して説明されたワイヤレス通信デバイス300の例示的な実装であってもよい。AP402は、ワイヤレス通信を送信および受信するために、ワイヤレス通信デバイス410に結合された複数のアンテナ420も含む。いくつかの実装において、AP402は、ワイヤレス通信デバイス410に結合されたアプリケーションプロセッサ430と、アプリケーションプロセッサ430に結合されたメモリ440とを付加的に含む。AP402は、インターネットを含む外部ネットワークへのアクセスを得るために、AP402がコアネットワークまたはバックホールネットワークと通信することを可能にする少なくとも1つの外部ネットワークインターフェース450をさらに含む。例えば、外部ネットワークインターフェース450は、有線(例えば、イーサネット(登録商標))ネットワークインターフェースと、ワイヤレスネットワークインターフェース(WWANインターフェースなど)のうちの一方または両方を含み得る。前述した構成要素のうちのあるものは、少なくとも1つのバス上で、構成要素のうちの他のものと直接的または間接的に通信することができる。AP402は、ワイヤレス通信デバイス410と、アプリケーションプロセッサ430と、メモリ440と、アンテナ420および外部ネットワークインターフェース450の少なくとも一部とを包含する筐体をさらに含む。
【0044】
[0060]
図4Bは、例示的なSTA404のブロック図を示す。例えば、STA404は、
図1を参照して説明されたSTA104の例示的な実装とすることができる。STA404は、ワイヤレス通信デバイス415を含む(ただし、STA404自体が、本明細書において使用されるようなワイヤレス通信デバイスとも一般に称され得る)。例えば、ワイヤレス通信デバイス415は、
図3を参照して説明されたワイヤレス通信デバイス300の例示的な実装であってもよい。STA404は、ワイヤレス通信を送信および受信するために、ワイヤレス通信デバイス415に結合された、1つまたは複数のアンテナ425も含む。STA404は、ワイヤレス通信デバイス415に結合されたアプリケーションプロセッサ435と、アプリケーションプロセッサ435に結合されたメモリ445とを付加的に含む。いくつかの実装において、STA404は、ユーザインターフェース(UI)455(タッチスクリーンまたはキーパッドなど)と、ディスプレイ465とをさらに含み、ディスプレイ465は、タッチスクリーンディスプレイを形成するために、UI455に一体化されてもよい。いくつかの実装において、STA404は、1つまたは複数のセンサ475、例えば、1つまたは複数の慣性センサ、加速度計、温度センサ、圧力センサ、または高度センサなどをさらに含み得る。前述した構成要素のうちのあるものは、少なくとも1つのバス上で、構成要素のうちの他のものと直接的または間接的に通信することができる。STA404は、ワイヤレス通信デバイス415と、アプリケーションプロセッサ435と、メモリ445と、アンテナ425、UI455、およびディスプレイ465の少なくとも一部とを包含する筐体をさらに含む。
【0045】
[0061]
図5は、別の例示的なワイヤレス通信ネットワーク500の絵図を示す。いくつかの態様によれば、ワイヤレス通信ネットワーク500は、WLANの一例とすることができる。例えば、ワイヤレスネットワーク500は、IEEE802.11標準ファミリーのうちの少なくとも1つを実装するネットワークとすることができる。ワイヤレスネットワーク500は、複数のSTA504を含み得る。上述されたように、STA504の各々は、数ある例の中でも、移動局(MS)、モバイルデバイス、モバイルハンドセット、ワイヤレスハンドセット、アクセス端末(AT)、ユーザ機器(UE)、加入者局(SS)、または加入者ユニットとも称され得る。STA504は、様々なデバイス、例えば、数ある例の中でも、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、他のハンドヘルドデバイス、ネットブック、ノート型コンピュータ、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、表示デバイス(例えば、特に、テレビ、コンピュータモニタ、ナビゲーションシステム)、音楽または他のオーディオまたはステレオデバイス、遠隔制御デバイス(「リモコン」)、プリンタ、キッチンまたは他の家電、キーフォブ(例えば、パッシブキーレスエントリーアンドスタート(PKES)システム)などを表し得る。
【0046】
[0062]ワイヤレスネットワーク500は、ピアツーピア(P2P)ネットワーク、アドホックネットワークまたはメッシュネットワークの一例である。STA504は、(中間APの使用なしに)P2Pワイヤレスリンク510を介して互いに直接的に通信することができる。いくつかの実装において、ワイヤレスネットワーク500は、近隣認識ネットワーキング(NAN)ネットワークの一例である。NANネットワークは、Wi-Fiアライアンス(WFA)近隣認識ネットワーキング(NANとも称される)標準仕様に従って動作する。NAN準拠のSTA504(以下、単純に「NANデバイス504」とも)は、パス選択のために、ハイブリッドワイヤレスメッシュプロトコル(HWMP)などのデータパケットルーティングプロトコルを使用して、ワイヤレスP2Pリンク510(以下、「NANリンクとも称される」)を介して、(例えば、IEEE802.11ワイヤレス通信プロトコル標準、例えば、802.11ay、802.11ax、802.11az、802.11baおよび802.11beを含むが、これらに限定されない、IEEE802.11-2016仕様またはその修正版によって定義されたものなどに準拠したフレームを含む、Wi-Fiパケットの形式で)NAN通信を互いに送信および受信する。
【0047】
[0063]NANネットワークとは、一般に、連続的な発見ウィンドウ(DW)間の時間期間、発見ウィンドウの持続時間、NANビーコン間隔、およびNAN発見チャネルを含む、NANパラメータの共通セットを共有するNANデバイスの集合を指す。NAN IDは、NANネットワーク内での使用のためのNANパラメータの特定のセットを意味する識別子である。NANネットワークは、動的に自己組織化され、自己構成される。ネットワーク内のNANデバイス504は、ネットワーク接続性が維持され得るように、他のNANデバイス504と共にアドホックネットワークを自動的に確立する。各NANデバイス504は、様々なNANデバイス504がネットワーク内のデータの分散において協働し得るように、NANネットワークのためにデータを中継するように構成される。結果として、メッセージは、ソースNANデバイスから宛先NANデバイスへ、パスに沿って伝播され、宛先に到達するまで、あるNANデバイスから次のNANデバイスへホッピングすることによって、送信され得る。
【0048】
[0064]各NANデバイス504は、2つのタイプのビーコン、すなわち、NAN発見ビーコンと、NAN同期ビーコンとを送信するように構成される。NANデバイス504がオンにされる場合、または他の方法でNAN機能性が有効にされる場合、NANデバイスは、NAN発見ビーコン(例えば、100時間ユニット(TUs:time units)ごとに、128TUごとに、または別の適切な期間)と、NAN同期ビーコン(例えば、512TUまたは別の適切な期間ごとに)とを周期的に送信する。発見ビーコンは、NANクラスタの発見を容易にするために使用される、DW間で送信される管理フレームである。NANクラスタは、時間同期機能(TSF)を使用して、同じクロックおよびDWスケジュールと同期される、NANネットワーク内のNANデバイスの集合である。NANクラスタに加わるために、NANデバイス504は、他のNANデバイスからの発見ビーコンを受動的にスキャンする。2つのNANデバイス504が、互いの送信範囲内に入った場合、それらは、そのような発見ビーコンに基づいて、互いを発見することになる。それぞれのマスタ嗜好値は、NANデバイス504のどちらがマスタデバイスになるかを決定する。NANクラスタが発見されない場合、NANデバイス504は、新しいNANクラスタを開始し得る。NANデバイス504が、NANクラスタを開始する場合、NANデバイス504は、マスタの役割を引き受け、発見ビーコンをブロードキャストする。付加的に、NANデバイスは、NANネットワーク内の1つを超えるNANクラスタに参加することを選んでもよい。
【0049】
[0065]NANクラスタ内のNANデバイス504は、特定のDWスケジュール、すなわち、NANデバイスが収束する時間およびチャネルと同期される。連続するDW(512TU)間の間隔は、「DW間隔」と称される。各DW間隔は、等しい持続期間(16TU)の複数(32)の「NANスロット」へとさらにサブ分割される。例えば、DWは、それぞれのDW間隔の最初のNANスロット(または最初の16TU)に一致し得る。各DWの初めにおいて、1つまたは複数のNANデバイス504は、NAN同期ビーコンを送信してもよく、NAN同期ビーコンは、NANクラスタ内のNANデバイスのタイミングをマスタデバイスのタイミングと同期させるために使用される管理フレームである。NANデバイス504は、次いで、発見ウィンドウ期間中に、サービス発見閾値内の、かつ、同じNANクラスタ内の他のNANデバイスへ、マルチキャストまたはユニキャストNANサービス発見フレームを直接的に送信し得る。サービス発見フレームは、それぞれのNANデバイス504によってサポートされるサービスを示す。
【0050】
[0066]いくつかの場合において、NANデバイス504は、両方のデバイスが測距動作をサポートするかどうかを確認するために、サービス発見フレームを交換し得る。NANデバイス504は、DW期間中に、そのような測距動作(「測距」)を行い得る。測距は、ファインタイミング測定(FTM:fine timing measurement)フレーム(IEEE802.11-REVmcにおいて定義されるものなど)の交換を伴い得る。例えば、第1のNANデバイス504は、複数のピアNANデバイス504へ、ユニキャストFTM要求を送信し得る。ピアNANデバイス504は、次いで、第1のNANデバイス504へ応答を送信し得る。第1のNANデバイス504は、次いで、ピアNANデバイス504の各々とFTMフレームを交換し得る。第1のNANデバイス504は、次いで、それ自体とピアデバイス504の各々との間のレンジをFTMフレームに基づいて決定し、ピアNANデバイス504の各々へレンジ標識を送信し得る。例えば、レンジ標識は、距離値、またはピアNANデバイス504が第1のNANデバイス504のサービス発見閾値(例えば、3メートル(m))内にあるかどうかに関する標識を含んでもよい。NANデバイスが、互いのサービス発見閾値内にとどまり、NANクラスタのアンカーマスタに同期されている限り、同じNANクラスタ内のNANデバイス間のNANリンクは、複数の発見ウィンドウにわたって持続し得る。
【0051】
[0067]いくつかのNANデバイス504はまた、Wi-Fi WLANまたはワイヤレス(例えば、セルラー)広域ネットワーク(WWAN)などの、他のネットワークとのワイヤレス通信のために構成されてもよく、これは、ひいては、インターネットを含む外部ネットワークへのアクセスを提供し得る。例えば、NANデバイス504は、Wi-Fiまたはセルラーリンク506を介して、それぞれWLANまたはWWANネットワークのAPまたは基地局502と関連付け、通信するように構成され得る。そのような場合において、NANデバイス504は、他のNANデバイス504に、関連付けられたWLANまたはWWANバックホールを介して外部ネットワークへのアクセスを提供するために、STAがWi-Fiホットスポットとして動作することを可能にするソフトウェア対応アクセスポイント(SoftAP:software-enabled access point)機能性を含み得る。そのようなNANデバイス504(NANコンカレントデバイスと称される)は、NANネットワークと、Wi-Fi BSSなどの別のタイプのワイヤレスネットワークの両方において動作することが可能である。いくつかのそのような実装において、NANデバイス504は、サービス発見フレーム内で、そのようなアクセスポイントサービスを提供する能力を他のNANデバイス504にアドバタイズしてもよい。
【0052】
[0068]2つの一般的なNANサービス発見メッセージ、すなわち、パブリッシュメッセージと、サブスクライブメッセージとがある。一般に、パブリッシュすることは、NANデバイス上のアプリケーションが、NANデバイスの能力およびサービスに関する選択された情報を他のNANデバイスに利用可能にするためのメカニズムであり、一方で、サブスクライブすることは、NANデバイス上のアプリケーションが、他のNANデバイスの能力およびサービスに関する選択されたタイプの情報を集めるためのメカニズムである。NANデバイスは、同じNANクラスタ内で動作する他のNANデバイスに特定のサービスを提供することを要求する場合に、サブクラスメッセージを生成および送信し得る。例えば、アクティブな加入者モードにおいて、NANデバイス内で実行されるサブスクライブ機能は、特定のサービスの利用可能性を積極的に求めるために、NANサービス発見フレームを送信し得る。要求されたサービスを提供することが可能なパブリッシュ側NANデバイス内で実行されるパブリッシュ機能は、例えば、サブスクライブメッセージ内で指定される基準を満たすことに応答して、サブスクライブ側NANデバイスに返答するためにパブリッシュメッセージを送信し得る。パブリッシュメッセージは、サービス発見閾値を示すレンジパラメータを含んでもよく、これは、サブスクライブ側NANデバイス自体がパブリッシュ側NANデバイスのサービスを利用することができる最大距離を表す。NANはまた、パブリッシュメッセージを一方的な手法で使用してもよく、例えば、パブリッシュ側NANデバイスは、それ自体のサービスを、同じNANクラスタ内で動作する他のNANデバイスにとって発見可能にするために、パブリッシュメッセージを生成および送信してもよい。受動的な加入者モードにおいて、サブスクライブ機能は、いかなるサブスクライブメッセージの転送も開始せず、むしろ、サブスクライブ機能は、所望のサービスの利用可能性を決定するために、受信されたパブリッシュメッセージにおける一致を探す。
【0053】
[0069]共通のアプリケーションを共有するNANデバイスは、NANデバイスリンク(NDL)上でデータ接続を確立し得る。NDLは、NANデバイスのペア間のデータ通信のために使用され得る共有リソースブロック(CRB:common resource block)のセットを含む。各NDLは、それぞれのNDLスケジュールに関連付けられており、それぞれのNDLスケジュールは、NANデバイスによる使用のためにCRBが利用可能である時間を示す。例えば、NDLスケジュールは、NDLが利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットのセットを識別し得る。NANデバイスのペアは、NDL上で通信するためにNANデータパス(NDP)を確立し得る。NDPは、各々がそれぞれのNANデバイスに所属する、NANデータインターフェース(NDI)のペア間のデータ接続である。一旦NDPが確立されると、NDPに参加する各NANデバイスは、NDLスケジュールによって示される時間期間中にはデータ通信のために利用可能でなければならない。例えば、NDPに関連付けられたNDLスケジュールが、DW間隔の最初の4つのNANスロットはNANデバイスのペア間のデータ通信のために使用され得ることを示す場合、NANデバイスの各々は、各DW間隔の最初の4つのNANスロット期間中に、NDL上でデータを送信または受信するために利用可能でなければならない。
【0054】
[0070]上述されたように、NDPに参加するNANデバイスは、NDLスケジュールによって示される時間期間中にはデータ通信のために利用可能でなければならない。より具体的には、NANデバイスのNDIは、それらがデータを送信または受信していない場合であっても、示された持続期間の間はアクティブなままでなければならない。例えば、NDIがデータを送信または受信していない場合、NDIは、NDL上で到来データを積極的にリッスンしている。結果として、NANデバイスは、NDL上でアイドリングして、著しい量の電力を消費することがある。
【0055】
[0071]様々な態様は、一般に、NANデバイスにおける電力消費を低減することに関し、より詳細には、NDIのアイドル持続期間を低減するためにNDLスケジュールを動的に調整することに関する。いくつかの態様において、NANデバイスは、DW間隔内の各NANスロット期間中にワイヤレスチャネル上で輻輳を測定してもよく、測定された輻輳に基づいて、NDLスケジュールを動的に更新してもよい。例えば、各NANスロット期間中に測定された輻輳は、それぞれのNANスロット期間中にワイヤレスチャネルがビジーである(または、NANデバイス間のデータ通信に対して、他の理由で利用不可能である)時間量(Tbusy)に関連付けられ得る。いくつかの他の態様において、NANデバイスは、DW間隔内の各NANスロット期間中にNDL上でスループットを測定してもよく、測定されたスループットに基づいて、NDLスケジュールを動的に更新してもよい。例えば、各NANスロット期間中に測定されたスループットは、それぞれのNANスロット期間中に、NANデバイスがNDL上で通信する時間量(Tload)に関連付けられ得る。またさらに、いくつかの態様において、NANデバイスは、TbusyとTloadとの組合せに基づいて、NDLスケジュールを動的に更新してもよい。例えば、TbusyおよびTloadが比較的低く、正の共分散を有する場合、NANデバイスは、DW間隔ごとに、NDLが将来のデータ通信のために使用され得る、NANスロットの数を低減し得る。別の例として、NANデバイスは、TbusyおよびTloadに基づいて、共同推定メトリック(C2)を計算してもよく、C2の値に基づいて、DW間隔ごとに、NANスロットの数を決定してもよい。
【0056】
[0072]本開示において説明される主題の特定の実装は、以下の潜在的な利点のうちの1つまたは複数を実現するために実装され得る。本実装は、NANデバイスが、それらのNDIの電力消費を、NDIによって送信および受信されるデータのスループットおよびレイテンシに対して適応させることを可能にする。例えば、NDIは比較的長い時間期間にわたってアイドルである(アクティブであるが、データを送信または受信していない)とNANデバイスが決定した場合、NANデバイスは、(DW間隔ごとの)データ通信のために利用可能なNANスロットの数を低減し得る。利用可能なNANスロットの数を低減することによって、各NDIのアイドル持続期間も低減され得、それによって、NANデバイスの電力消費を最適化する。本開示の態様は、いくつかの場合において、低いデータスループットが、ワイヤレス媒体上の他のデバイス間の高レベルのノイズ、干渉、またはワイヤレス通信(まとめて「輻輳」と称される)によって引き起こされ得ることを認識する。TbusyおよびTloadの共分散、または任意の他の共同メトリックは、データスループットにおける変動が輻輳における変動に結び付けられ得るかどうかを示す。したがって、TbusyおよびTloadに基づいて、NDLスケジュールを動的に更新することによって、NANデバイスは、利用可能なNANスロットの数を、NDL上のデータ通信のスループットおよびレイテンシに対して、より正確に合わせることができる。
【0057】
[0073]
図6は、例示的なNDLスケジュールを描くタイミング
図600を示す。NDLスケジュールは、NDLがNANデバイスのペア間のデータ通信のために使用され得るDW間隔(512TU)内の、NANスロットのセットを示す。
図6の例示的なNDLスケジュールは、DW間隔の32個のNANスロット(スロット0~31)すべてに及ぶ。したがって、NDLに関連付けられた各NANデバイスは、NDLスケジュールが有効である各DW間隔の持続期間の間、(NDL上で)データ通信を送信または受信するために利用可能でなければならない。具体的には、NANデバイス間でデータ通信を送信および受信するために使用されるNDIは、32個のNANスロットの各々の期間中に、アクティブなままでなければならない。
【0058】
[0074]
図6の例において、NANデバイスは、DW間隔の最初の12個のNANスロット(スロット0~11)の期間中にのみ、データ通信を交換し、残りの20個のNANスロット(スロット12~31)については、NDLをアイドルにする。NANデバイスのNDIは、スロット12~31の期間中に(例えば、到来データを積極的にリッスンすることによって)アクティブなままでなければならないので、NANデバイスは、NDLがアイドルである場合であっても、著しい量の電力を消費し続けることがある。本開示の態様は、NANデバイスが、その(複数の)NDIがアクティブなままでなければならないNANスロット(「アクティブNANスロット」と本明細書において称される)の数を低減することによって、そのアイドル電力消費を低減することができることを認識する。例えば
図6を参照すると、NDLに関連付けられた各NANデバイスは、アクティブNANスロットをDW間隔の最初の12個のNANスロット(スロット0~11)に限定することによって、そのアイドル電力消費を著しく低減し(または除去し)得る。
【0059】
[0075]いくつかの実装において、NANデバイスは、NDL上のデータ通信のスループットまたはレイテンシに基づいて、そのNDLスケジュールを動的に更新し得る。より具体的には、NANデバイスは、アクティブNANスロットの数を、DW間隔内で交換されるデータの量に合わせ得る。いくつかの態様において、NANデバイスは、DW間隔ごとに、データ通信の平均スループットを決定し、平均スループットに基づいて、DW間隔ごとのアクティブNANスロットの数を調整してもよい。例えば、NANデバイスは、各DW間隔期間中に、NANデバイスがNDL上で送信および受信するデータの量を監視し、その量のデータを通信するために必要とされるNANスロットの数を計算してもよい。NDLスケジュールによって現在割り振られているアクティブNANスロットの数が、必要とされるNANスロットの数を(閾値量だけ)超える場合、NANデバイスは、1つまたは複数の後続のDW間隔におけるアクティブNANスロットの数を低減し得る。
【0060】
[0076]本開示の態様は、ワイヤレス媒体上の輻輳(他のデバイス間のノイズ、干渉、またはワイヤレス通信など)がNDL上のデータ通信のスループットに影響を与え得ることをさらに認識する。具体的には、高レベルの輻輳は、NANデバイスが、ワイヤレス媒体をキャプチャすること、またはさもなければ、NDL上でデータを送信することを防止し得る。したがって、いくつかの場合において、NDL上の低いデータスループットは、ワイヤレス媒体上の高レベルの輻輳に起因し得る。そのような場合において、アクティブNANスロットの数を低減させることは、NDL上のデータ通信のスループットをさらに低減させることがあり、これは、NANデバイスのペア間のデータ送信の失速または切断につながり得る。
【0061】
[0077]いくつかの実装において、NANデバイスは、ワイヤレス媒体上の輻輳に基づいて、どのようにNDLスケジュールを更新するかを決定し得る。より具体的には、NANデバイスは、アクティブNANスロットの数を、DW間隔内に交換されるデータの量に対して、より良く合わせるために、輻輳についての知識を活用し得る。いくつかの態様において、NANデバイスは、DW間隔ごとに、ワイヤレス媒体上の平均スループットおよび輻輳を決定し、平均スループットおよび輻輳に基づいて、DW間隔ごとに、アクティブNANスロットの数を調整し得る。例えば、NANデバイスは、ワイヤレス媒体に対してクリアチャネル評価(CCA:clear channel assessment)を行い、各DW間隔期間中にワイヤレス媒体がビジーである(輻輳が閾値レベルを超えることを示す)持続期間を決定し得る。いくつかの実装において、NANデバイスは、測定されたスループットにおける変動を、測定された輻輳における変動とさらに比較し得る。例えば、スループットにおける増加(または減少)が、輻輳における増加(または減少)と一致する場合、NANデバイスは、NDL上のデータ通信のスループットがワイヤレス媒体上の輻輳によって限定されないと決定し得る。いくつかの他の実装において、NANデバイスは、測定されたスループットおよび測定された輻輳を共同メトリックとみなしてもよい。例えば、共同メトリックは、NANスロットが占有される(またはアイドルである)時間の割合を示し得る。
【0062】
[0078]いくつかの実装において、NANデバイスは、DW間隔の各NANスロットについて、ワイヤレス媒体上のスループットおよび輻輳を決定し得る。例えば
図6を参照して、NANデバイスは、32個のNANスロット(スロット0~31)の各々の期間中に、ワイヤレス媒体上のスループットおよび輻輳を監視し得る。いくつかの態様において、NANデバイスは、各NANスロット(16TU)について、ワイヤレス媒体がビジーである時間量(T
busy)と、NDLがNANデバイス間のデータ通信のために使用される時間量(T
load)とを決定し得る。上述されたように、T
busyは、ワイヤレス媒体に対してCCAを行うことによって決定され得、T
loadは、NANデバイス間でNDL上で通信されるデータの量を測定することによって決定され得る。いくつかの態様において、NANデバイスは、各NANスロットについて、ワイヤレス媒体がアイドルである時間量(T
idle)も決定し得る。いくつかの態様において、T
idleは、T
busy、T
load、および各NANスロットの持続期間(T
slot)の関数として計算され得る。
【0063】
【0064】
[0079]NANデバイスは、32個のエントリーのアレイ内にTbusyおよびTloadの値を記憶し得、ただし、各エントリーは、32個のNANスロットのうちの1つに対して、それぞれのタプル(Tbusy、Tload)を記憶する。いくつかの態様において、NANデバイスは、アレイ内にTidleの値も記憶し得る。各DW間隔の終わりにおいて、NANデバイスは、アレイ内に記憶された32個のエントリーすべてに基づいて、Tbusyの平均値
【0065】
【0066】
と、Tloadの平均値
【0067】
【0068】
とを計算し得る。いくつかの実装において、NANデバイスはまた、アレイ内に記憶された32個のエントリーに基づいて、Tloadの分散(Var(Tload))と、TbusyおよびTloadの共分散(cov(Tbusy、Tload))とを計算し得る。いくつかの態様において、
【0069】
【0070】
、
【0071】
【0072】
、Var(Tload)、およびcov(Tbusy、Tload)の値は、ある数(N)のDW間隔上で搬送され得る。本開示の態様は、
【0073】
【0074】
および
【0075】
【0076】
が、(上記の方程式に基づいて)NDLの平均アイドル持続期間
【0077】
【0078】
を計算するために使用され得ることを認識する。本開示の態様は、cov(Tbusy、Tload)が、ワイヤレス媒体上の輻輳にVar(Tload)が関連するかどうかを示し得ることをさらに認識する。例えば、cov(Tbusy、Tload)が正の値である場合、NANデバイスは、測定されたスループットが媒体輻輳に結び付けられ(tied to)ないと決定し得る。他方で、cov(Tbusy、Tload)が負の値である場合、NANデバイスは、測定されたスループットが媒体輻輳に結び付けられると決定し得る。
【0079】
[0080]いくつかの実装において、NANデバイスは、
【0080】
【0081】
、
【0082】
【0083】
、Var(Tload)、およびcov(Tbusy、Tload)の値に基づいて、更新されたNDLスケジュールに含まれるべきアクティブNANスロットの数を決定し得る。例えば、cov(Tbusy、Tload)は正の値であるが、
【0084】
【0085】
は閾値持続期間以下である場合、NANデバイスは、現在のNDLスケジュールを維持し得る(アクティブNANスロットの数に変化はない)。cov(Tbusy、Tload)は正の値であり、
【0086】
【0087】
は閾値持続期間よりも大きい場合、NANデバイスは、後続のDW間隔についてアクティブNANスロットの数を低減し得る。いくつかの態様において、アクティブスロットの低減された数(R)は、
【0088】
【0089】
およびTslotの関数として計算されてもよく、
【0090】
【0091】
ただし、ΔSは、「オーバーフロー」スロットの数を表す。例えば、オーバーフロースロットは、DW間隔ごとのデータスループットにおける変動をサポートするためのバッファを提供し得る。したがって、いくつかの実装において、ΔSは、Var(Tload)に基づいて決定され得る。cov(Tbusy、Tload)が負の値である(スループットがワイヤレス媒体上で輻輳によって限定されていることを示す)場合、NANデバイスは、アクティブNANスロットの数を増加させ得る。いくつかの態様において、NANデバイスは、アクティブNANスロットの数を2*ΔSスロットだけ増加させてもよい。
【0092】
[0081]いくつかの他の実装において、NANデバイスは、DW間隔に関連付けられた
【0093】
【0094】
および
【0095】
【0096】
の値に基づいて、各DW間隔の終わりにおいて、共同推定メトリック(C2)を計算し得、
【0097】
【0098】
ただし、αおよびβは、共同推定メトリックC2に対して、
【0099】
【0100】
および
【0101】
【0102】
の寄与をそれぞれ重み付けするように構成され得るスカラー量である。上述されたように、共同推定メトリックC2は、NANスロットがDW間隔期間中に占有される時間の割合を示し得る。したがって、C2のより低い値は、電力節約のためのより大きな機会を示し得る。いくつかの実装において、NANデバイスは、C2の値に基づいて、更新されたNDLスケジュールに含まれるべきアクティブNANスロットの数を決定し得る。例えば、C2のより低い値は、アクティブNANスロットのより小さい数に関連付けられ得、C2のより高い値は、アクティブNANスロットのより大きい数に関連付けられ得る。いくつかの態様において、C2の値は、合成推定メトリックの数
【0103】
【0104】
を生成するために、ある数(N)のDW間隔にわたって(線形にまたは非線形に)平均され得る。したがって、
【0105】
【0106】
の値は、複数のDW間隔にわたって獲得されたC2値の移動平均を表し得る。いくつかの実装において、NANデバイスは、C2(または
【0107】
【0108】
)の値を、C2(または
【0109】
【0110】
)についての値の範囲と、各C2(または
【0111】
【0112】
)値についてのアクティブNANスロットの関連付けられた数とを記憶するルックアップテーブル(LUT)と比較し得る。
【0113】
[0082]
図7は、いくつかの実装による、NANデバイス710および720間の例示的なメッセージ交換を描くシーケンス
図700を示す。NANデバイス710および720の各々は、それぞれ
図1および
図4のSTA104もしくは404のうちの例の1つ、または
図5のNANデバイス504のうちのいずれか1つであってもよい。いくつかの実装において、NANデバイス710および720は、同じNANクラスタに属してもよく、同じDWに同期されてもよい。
【0114】
[0083]第1のNANデバイス710は、第2のNANデバイス720と共にNDPをセットアップし得る。例えば、NDPイニシエータとして働く第1のNANデバイス710は、NDPのための第1のNDIを選択し、NDPをセットアップするための要求を示すデータパス要求NANアクションフレーム(NAF)を、第2のNANデバイス720へ送信し得る。NDLが、NANデバイス710および720間にまだ確立されていない場合、データパス要求NAFは、提案されるNDLスケジュールを示すスケジューリング情報も含み得る。NDPレスポンダとして働く第2のNANデバイス720は、第1のNANデバイス710からNDPセットアップ要求を受け入れ、NDPのための第2のNDIを選択し得る。第2のNANデバイス720は、NDPの受け入れを示すデータパス応答NAFを、第1のNANデバイス710へ送信し得る。NDLが、NANデバイス710および720間にまだ確立されていない場合、データパス応答NAFは、提案されるNDLスケジュールまたは対案の受け入れを示すスケジューリングする情報も含み得る。NDLスケジュールをネゴシエートした後に、NANデバイス710および720は、ワイヤレスチャネル730上にNDLを成功裡に確立し得る。
【0115】
[0084]
図7の例において、NDPは、少なくともある数(N)のDW間隔730(1)~730(N)の間持続する。第1のDW間隔730(1)の間、NANデバイス710および720は、ネゴシエートされたNDLスケジュールによって識別されるNANスロット期間中に、NDL上でデータ通信を送信および受信し得る。具体的には、それぞれのNANデバイス710および720の第1および第2のNDIは、NDLスケジュールによって識別されるNANスロットの持続期間の間、アクティブなままでなければならない。いくつかの実装において、第1のNANデバイス710は、第1のDW間隔730(1)の各NANスロット期間中に、ワイヤレスチャネル730上のスループットおよび輻輳を測定し得る。例えば
図6を参照して、第1のNANデバイス710は、第1のDW間隔730(1)内のNANスロットの各々について、値T
busyおよびT
loadのそれぞれのセットを決定し得る。
図7の例において、測定は、第1のNANデバイス710によって行われるものとして示されている。しかしながら、実際の実装において、スループットおよび輻輳は、第1のNANデバイス710、第2のNANデバイス720、または、これらの組合せによって測定されてもよい。
【0116】
[0085]第1のDW間隔730(1)の終わりにおいて、第1のNANデバイス710は、DW間隔の持続期間にわたって獲得されたTbusyおよびTloadの値に基づいて、
【0117】
【0118】
および
【0119】
【0120】
の値をそれぞれ計算し得る。いくつかの実装において、第1のNANデバイス710は、Var(Tload)およびcov(Tbusy、Tload)の値を計算し、
【0121】
【0122】
、
【0123】
【0124】
、Var(T
load)、およびcov(T
busy、T
load)の値に基づいて、NDLスケジュールを動的に更新し得る。例えば、
図6を参照して上述されたように、第1のNANデバイス710は、cov(T
busy、T
load)が正であるか負であるか、および、
【0125】
【0126】
が閾値持続期間よりも長いかどうかに基づいて、アクティブNANスロットの数を増加させるべきか、減少させるべきか、または維持するべきかを決定し得る。いくつかの他の実装において、第1のNANデバイス710は、共同推定メトリックC2(
図6を参照して説明されたものなど)を計算し、C2の値に基づいて、NDLスケジュールを動的に更新し得る。例えば、
図6を参照してさらに説明されたように、第1のNANデバイス710は、アクティブNANスロットの数を決定するために、C2の値をLUTと比較してもよい。第1のNANデバイス710が、アクティブNANスロット(
図7に示されるものなど)の数を増加または減少させることを決定した場合、NANデバイス710は、NDLスケジュールに追加されるべき、またはNDLスケジュールから除去されるべきNANスロットを識別するために、更新されたスケジューリング情報を第2のNANデバイス720へ送信し得る。更新されたスケジューリング情報は、NANビーコンフレーム、スケジュール更新通知NAF、または任意の他のユニキャストもしくはブロードキャストNAN管理フレーム内で送信され得る。
【0127】
[0086]第1のNANデバイス710は、第2のDW間隔730(2)期間中に、更新されたNDLスケジュールを実装し始め得る。第1のNANデバイスから、更新されたスケジューリング情報を受信すると、第2のNANデバイス720も、第2のDW間隔730(2)期間中に、更新されたNDLスケジュールを実装し得る。いくつかの態様において、第1および第2のNANデバイス710および720の各々は、更新されたスケジューリング情報の送信または受信の直後に、次のNANスロットから始まる、更新されたNDLスケジュールを実装し得る。いくつかの実装において、上述された処理は、ある数(N)のDW間隔にわたって繰り返されてもよい。例えば、第1のNANデバイス710は、ワイヤレスチャネル730上のスループットおよび輻輳を測定し、残りのDW間隔730(2)~730(N)の各々の期間中に、NDLスケジュールを動的に更新し続けてもよい。このようにして、NANデバイス710および720は、NDL上のデータ通信のスループットに対して、DW間隔ごとに、アクティブNANスロットの数を動的に適応させ得、それによって、それらそれぞれのNDIのアイドル持続期間を低減する。NDIのアイドル持続期間を低減することによって、本開示の態様は、NANデバイス710および720の電力消費を低減または最適化し得る。
【0128】
[0087]
図8は、いくつかの実装による、NDLスケジュールを動的に調整するための例示的な動作を描くタイミング
図800を示す。NDLスケジュールは、NANデバイス(ND)のペア802および804によって共有される。より具体的には、NDLスケジュールは、NDLがNANデバイス802および804間のデータ通信のために使用され得るDW間隔を有する、NANスロットのセットを示す。
図8の例において、NDLスケジュールは、少なくとも2つのDW間隔810および820に対して実装される。第1のDW間隔810は、時間t
0からt
1の持続期間に及び、第2のDW間隔820は、時間t
1からt
2の持続期間に及ぶ。
【0129】
[0088]第1のDW間隔810期間中に、NDLスケジュールは、32個のNANスロットすべてに広がるように示されている。したがって、NANデバイス802および804の各々は、第1のDW間隔810の持続期間の間、(NDL上で)データ通信を送信または受信するために利用可能でなければならない。具体的には、NANデバイス802および804間でデータ通信を送信および受信するために使用されるNDIは、32個のNANスロットの各々の期間中に、アクティブなままでなければならない。いくつかの実装において、第1のNANデバイス802は、第1のDW間隔810の各NANスロット期間中に、ワイヤレス媒体上のスループットおよび輻輳(congestion)を測定し得る。例えば
図6を参照して、第1のNANデバイス802は、第1のDW間隔810内のNANスロットの各々について、値T
busyおよびT
loadのそれぞれのセットを決定し得る。第1のDW間隔810の終わりにおいて、第1のNANデバイス802は、時間t
0からt
1に獲得されたT
busyおよびT
loadの値に基づいて、
【0130】
【0131】
および
【0132】
【0133】
の値を計算し得る。いくつかの実装において、第1のNANデバイス802は、T
busyおよびT
loadの値に基づいて、Var(T
load)およびcov(T
busy、T
load)をさらに計算し得る。いくつかの他の実装において、第1のNANデバイス802は、共同推定メトリックC2(
図6を参照して説明されたものなど)を計算してもよい。いくつかの実装において、第1のNANデバイス802は、
【0134】
【0135】
、
【0136】
【0137】
、Var(Tload)、cov(Tbusy、Tload)、またはC2の値に基づいて、NDLスケジュールを動的に更新し得る。
【0138】
[0089]
図8の例において、第1のNANデバイス802は、アクティブNANスロットの数を低減することを時間t
1において決定し得る。具体的には、NANデバイス802は、第1のDW間隔810の持続期間全体の1/4だけの間(
【0139】
【0140】
)、データがNDL上で送信および受信されると決定し得る。例えば、
図8に示されるように、データ通信は、第1のDW間隔810のNANスロット13から20の持続期間に及び得る。結果として、NANデバイス802は、アクティブNANスロットの数を32スロットから12スロット(R=8+4、ただし、Δ
S=4)に低減し得る。いくつかの態様において、12個のアクティブNANスロットは、NANデバイス802および804間のデータ通信が発生した、または発生すると予想されるNANスロット(NANスロット13~24など)に実質的に一致し得る。第1のNANデバイス802は、更新されたNDLスケジュールを第2のNANデバイス804に示すために、第2のDW間隔820期間中に、NDLスケジュール更新メッセージを送信し得る。NDLスケジュール更新メッセージは、NANビーコンフレーム、スケジュール更新通知NAF、または、第1のNANデバイス802の更新された利用可能性スケジュールを伝達することができる任意の他のユニキャストもしくはブロードキャストNAN管理フレームであってもよい。
図8の例において、NDLスケジュール更新メッセージは、第2のDW間隔820の第1のアクティブNANスロット(スロット13)期間中に送信される。しかしながら、実際の実装において、NDLスケジュール更新メッセージは、利用可能なNANスロットのうちのいずれかの期間中に送信され得る。
【0141】
[0090]更新の結果として、NDLスケジュールは、第2のDWウィンドウ820のNANスロット13から24のみに及ぶように示されている。
図8の例において、アクティブNANスロット21~24は、オーバーフローNANスロット(Δ
S=4)を表し得る。しかしながら、実際の実装においては、任意の数のオーバーフローNANスロットが、NANデバイス802および804間のデータ通信が発生すると予想されるアクティブNANスロット(NANスロット13~20など)の前に、またはその後に、分散され得る。したがって、NANデバイス802および804の各々は、アクティブNANスロット13~24の持続期間の間、(NDL上で)データ通信を送信または受信するために利用可能でなければならない。より具体的には、NANデバイス802および804間でデータ通信を送信および受信するために使用されるNDIは、第2のDW間隔820の最初の12個のNANスロットおよびDW間隔820の最後の8個のNANスロットの間、非アクティブ状態または電力節約状態にあり得る。いくつかの実装において、第1のNANデバイス802は、第2のDW間隔820の各NANスロット期間中に、ワイヤレス媒体上のスループットおよび輻輳を測定し続けてもよい。例えば、第1のNANデバイス802は、第2のDW間隔820内のNANスロットの各々について、値T
busyおよびT
loadのそれぞれのセットを決定し得る。第2のDW間隔820の終わりにおいて、第1のNANデバイス802は、時間t
0からt
1に獲得されたT
busyおよびT
loadの値に基づいて、
【0142】
【0143】
、
【0144】
【0145】
、Var(Tload)、cov(Tbusy、Tload)、またはC2の値を計算し得る。いくつかの実装において、第1のNANデバイス802は、
【0146】
【0147】
、
【0148】
【0149】
、Var(Tload)、cov(Tbusy、Tload)、またはC2の値に基づいて、NDLスケジュールをさらに更新してもよい。
【0150】
[0091]本開示の態様は、NANデバイス802および804間のデータ通信がDW間隔(
図8に示されるものなど)の任意の単一の部分に分離されないことがあることを認識する。むしろ、いくつかの場合において、NANデバイスは、DW間隔の持続期間の間中に、低いが一定のデータレートで(周期的バーストなどで)データを送信し得る。いくつかの実装において、NANデバイスは、例えば、低いが一定のレートのデータ通信を受け入れるために、DW間隔の持続期間にわたってアクティブNANスロットを周期的に分散させ得る。いくつかの態様において、NANデバイスは、T
loadの標準偏差(σ
load)に基づいて、アクティブNANスロットの周期性を決定し得る。例えば、T
loadがσ
loadよりも大きい場合、NANデバイスは、(例えば
図8に示されるように)複数のアクティブNANスロットを一緒にまとめてグループ化してもよい。しかしながら、T
loadがσ
load以下である場合、NANデバイスは、DW間隔をある数(n)のサブ間隔へサブ分割し得る。例えば、n=4の場合、各サブ間隔は、8個のNANスロットの持続期間に及び得る。各サブ間隔に含まれるべきアクティブNANスロットの数(D)は、サブ間隔(n)の数と、DW間隔に対して割り振られるアクティブNANスロットの総数(R)との関数として決定され得る。
【0151】
【0152】
[0092]
図9は、いくつかの実装による、NDLスケジュールを動的に調整するための別の例示的な動作を描くタイミング
図900を示す。NDLスケジュールは、NANデバイス(ND)のペア902および904によって共有される。より具体的には、NDLスケジュールは、NDLがNANデバイス902および904間のデータ通信のために使用され得るDW間隔と共に、NANスロットのセットを示す。
図9の例において、NDLスケジュールは、少なくとも2つのDW間隔910および920に対して実装される。第1のDW間隔910は、時間t
0からt
1の持続期間に及び、第2のDW間隔920は、時間t
1からt
2の持続期間に及ぶ。
【0153】
[0093]第1のDW間隔910期間中に、NDLスケジュールは、32個のNANスロットすべてに及ぶように示されている。したがって、NANデバイス902および904の各々は、第1のDW間隔910の持続期間の間に、(NDL上で)データ通信を送信または受信するために利用可能でなければならない。具体的には、NANデバイス902および904間でデータ通信を送信および受信するために使用されるNDIは、32個のNANスロットの各々期間中に、アクティブなままでなければならない。いくつかの実装において、第1のNANデバイス902は、第1のDW間隔910の各NANスロット期間中に、ワイヤレス媒体上のスループットおよび輻輳を測定し得る。例えば
図6を参照して、第1のNANデバイス902は、第1のDW間隔910内のNANスロットの各々について、値T
busyおよびT
loadのそれぞれのセットを決定し得る。第1のDW間隔910の終わりにおいて、第1のNANデバイス902は、時間t
0からt
1に獲得されたT
busyおよびT
loadの値に基づいて、
【0154】
【0155】
および
【0156】
【0157】
の値を計算し得る。いくつかの実装において、第1のNANデバイス902は、T
busyおよびT
loadの値に基づいて、Var(T
load)およびcov(T
busy、T
load)をさらに計算し得る。いくつかの他の実装において、第1のNANデバイス902は、共同推定メトリックC2(
図6を参照して説明されたものなど)を計算してもよい。いくつかの実装において、第1のNANデバイス902は、
【0158】
【0159】
、
【0160】
【0161】
、Var(Tload)、cov(Tbusy、Tload)、またはC2の値に基づいて、NDLスケジュールを動的に更新し得る。
【0162】
[0094]
図9の例において、第1のNANデバイス902は、アクティブNANスロットの数を低減することを時間t
1において決定し得る。具体的には、NANデバイス902は、第1のDW間隔910の持続期間全体の1/4だけの間(
【0163】
【0164】
)、データがNDL上で送信および受信されると決定し得る。例えば、
図9に示されるように、データは、第1のDW間隔910の持続期間中の周期的バースト(NANスロット1、2、9、10、17、18、25、および26に一致する)で送信されてもよく、ただし、データの各バーストは、2つのNANスロットの持続期間に及ぶ。結果として、NANデバイス902は、アクティブNANスロットの数を32スロットから12スロット(R=8+4、ただし、Δ
S=4)に低減し得る。データ通信は、DW間隔の持続期間の間中に及ぶので、NANデバイス902は、例えば、NANデバイス902および904間のデータ通信が発生した、または発生すると予想されるNANスロットに一致させるために、第2のDW間隔920の持続期間にわたり周期的な手法でアクティブNANスロットを分散させ得る。例えば、
図9に示されるように、12個のアクティブNANスロットは、NANスロット1~3、9~11、17~19、および25~27に一致する、4つの隣接するグループ(各々が3つのNANスロットを含む)へサブ分割され得る。
【0165】
[0095]第1のNANデバイス902は、更新されたNDLスケジュールを第2のNANデバイス904に示すために、第2のDW間隔920期間中に、NDLスケジュール更新メッセージを送信し得る。NDLスケジュール更新メッセージは、NANビーコンフレーム、スケジュール更新通知NAF、または、第1のNANデバイス902の更新された利用可能性スケジュールを伝達することができる任意の他のユニキャストもしくはブロードキャストNAN管理フレームであってもよく、第2のDW間隔920内の32個のNANスロットのうちのいずれかの期間中に送信され得る。更新の結果として、NANデバイス902および904間でデータ通信を送信および受信するために使用されるNDIの各々は、第2のDW間隔920のNANスロットのうちの20個の期間中に、非アクティブ状態または電力節約状態にあり得る。いくつかの実装において、第1のNANデバイス902は、第2のDW間隔920の各NANスロット期間中に、ワイヤレス媒体上のスループットおよび輻輳を測定し続けてもよい。例えば、第2のDW間隔920の終わりにおいて、第1のNANデバイス902は、
【0166】
【0167】
、
【0168】
【0169】
、Var(Tload)、cov(Tbusy、Tload)、またはC2の更新された値に基づいて、NDLスケジュールをさらに更新し得る。
【0170】
[0096]本開示の態様は、TbusyおよびTloadがNDL上の将来のデータ通信のかなり正確な予測を提供し得る一方で、データ通信の実際のスループットがDW間隔間で著しく変化することがあることをさらに認識する。いくつかの実装において、NANデバイスは、到来データについて1つまたは複数のNANスロットを選択的に調査することによって、その予測の精度をテストし得る。例えば、NANデバイスは、TbusyおよびTloadの値にかかわらず、所与のDW間隔期間中に、付加的なNANスロット(「調査される(probed、プローブ)NANスロット」と本明細書において称される)をアクティブ化し得る。NANデバイスが、調査されるNANスロットのうちの1つまたは複数の期間中に、到来データを受信した場合、既存のNDLスケジュールは、NDL上のデータ通信のために最適化されないことがある。いくつかの態様において、NANデバイスは、調査されるNANスロット期間中に受信されたデータの量に基づいて、NDLスケジュールをさらに更新し得る。例えば、調査されるNANスロット期間中に受信されたデータが、閾値量を超える場合、NANデバイスは、1つまたは複数の後続のDW間隔におけるアクティブNANスロットの数を増加させてもよい。
【0171】
[0097]
図10は、いくつかの実装による、NDLスケジュールを動的に調整するための別の例示的な動作を描くタイミング
図1000を示す。NDLスケジュールは、NANデバイス(ND)のペア1002および1004によって共有される。より具体的には、NDLスケジュールは、NDLがNANデバイス1002および1004間のデータ通信のために使用され得るDW間隔と共に、NANスロットのセットを示す。
図10の例において、NDLスケジュールは、少なくとも2つのDW間隔1010および1020に対して実装される。第1のDW間隔1010は、時間t
0からt
1の持続期間に及び、第2のDW間隔1020は、時間t
1からt
2の持続期間に及ぶ。
【0172】
[0098]第1のDW間隔1010期間中に、NDLスケジュールは、最初の12個のNANスロットのみに及ぶように示されている。したがって、NANデバイス1002および1004間でデータ通信を送信および受信するために使用されるNDIは、第1のDW間隔1010の最後の20個のNANスロットの間、非アクティブ状態または電力節約状態にあり得る。最後の20個のNANスロットは、NDL上でのデータ通信のために利用可能ではないので、第1のNANデバイス1002は、第2のNANデバイス1004がこれらのNANスロットのいずれかの期間中に送信するべきデータを有するかどうかを知らない。いくつかの実装において、第1のNANデバイス1002は、第2のNANデバイス1004からの到来データについて、第2のDW間隔1020の最後の20個のNANスロットを調査し得る。例えば、第1のNANデバイス1002は、更新されたNDLスケジュールが32個のNANスロットすべてに及ぶべきことを示すNDLスケジュール更新メッセージを、第2のNANデバイス1004へ送信し得る。NDLスケジュール更新メッセージは、NANビーコンフレーム、スケジュール更新通知NAF、または、第1のNANデバイス1002の更新された利用可能性スケジュールを伝達することができる任意の他のユニキャストもしくはブロードキャストNAN管理フレームであってもよい。
【0173】
[0099]更新の結果として、NANデバイス1002および1004間でデータ通信を送信および受信するために使用されるNDIの各々は、第2のDW間隔1020の32個のNANスロットすべての期間中に、アクティブなままであり得る。結果として、第1のNANデバイス1002は、第2のDW間隔1020の最後の20個のNANスロット期間中に、第2のNANデバイス1004からの到来データをリッスンし得る。第2のDW間隔1020の終わりにおいて(時間t
2において)、第1のNANデバイス1002は、NDLスケジュールを更新さらにするべきか、または既存のNDLスケジュールに戻るべきかを決定し得る。例えば、第1のNANデバイス1002が、最後の20個のNANスロットのいずれかの期間中に、いかなる到来データも受信しない場合、第1のNANデバイス1002は、既存のNDLスケジュールに戻るための要求を示す、別のNDLスケジュール更新メッセージ(単純さのために図示せず)を、第2のNANデバイス1004へ送信し得る。他方で、第1のNANデバイス1002が、最後の20個のNANスロット(
図10に示されるものなど)のうちの1つまたは複数の期間中に、到来データを受信する場合、第1のNANデバイス1002は、NDLスケジュールに対するさらなる更新を示す、別のNDLスケジュール更新メッセージ(単純さのために図示せず)を、第2のNANデバイス1004へ送信し得る。例えば、更新されたNDLスケジュールは、既存のNDLスケジュールにおいて現在アクティブでない、1つまたは複数の付加的なアクティブNANスロットを含み得る。
【0174】
[0100]
図11は、いくつかの実装による、適応NDIをサポートするワイヤレス通信のための例示的な処理1100を例示するフローチャートを示す。いくつかの実装において、処理1100は、
図4Bおよび
図5を参照してそれぞれ上述されたSTA404または504のうちの1つなどの、ネットワークノードとしてまたはネットワークノード内で動作するワイヤレス通信デバイスによって行われ得る。
【0175】
[0101]いくつかの実装において、処理1100は、ブロック1102において、NANデバイスとワイヤレスチャネル上でNDLを確立することにより始まる。ブロック1104において、処理1100は、NDLがNANデバイスとのデータ通信のために利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの数を示すNDLスケジュールを、NANデバイスとネゴシエートすることへ進む。ブロック1106において、処理1100は、DW間隔内の複数のNANスロットの各々の期間中に、ワイヤレスチャネル上の輻輳を測定することへ進み、ただし、各NANスロット期間中に測定される輻輳は、それぞれのNANスロット期間中にワイヤレスチャネルがビジーである時間量(Tbusy)に関連付けられている。いくつかの実装において、輻輳は、CCAメカニズムに基づいて測定されてもよい。ブロック1108において、処理1100は、複数のNANスロット期間中に測定された輻輳に基づいて、NDLスケジュールを動的に更新することへ進む。いくつかの実装において、NDLスケジュールの動的な更新は、更新されたNDLスケジュールを示す情報を搬送するNAN管理フレームを、NANデバイスへ送信することを含み得る。
【0176】
[0102]いくつかの実装において、スループットはまた、複数のNANスロットの各々の期間中にNDL上で測定されてもよく、ただし、各NANスロット期間中に測定されるスループットは、それぞれのNANスロット期間中に、NDL上で、ワイヤレス通信デバイスがNANデバイスと通信する時間量(Tload)に関連付けられている。いくつかの実装において、NDLスケジュールの動的な更新は、TbusyおよびTloadの共分散に基づいて、NDLがNANデバイスとのデータ通信のために利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの数を調整することを含み得る。
【0177】
[0103]いくつかの実装において、NANスロットの数の調整は、TbusyおよびTloadの共分散が負の値であることに基づいて、NANスロットの数を増加させることを含み得る。いくつかの他の実装において、NANスロットの数の調整は、TbusyおよびTloadの共分散が正の値であること、ならびにNDLの平均アイドル持続期間が閾値よりも大きいことに基づいて、NANスロットの数を低減することを含み得る。いくつかの実装において、複数のNANスロットの各々の期間中に測定される輻輳およびスループットは、それぞれのNANスロット期間中にワイヤレスチャネルがアイドルである時間量(Tidle)を示してもよく、ただし、NDLの平均アイドル持続期間は、Tidleの平均値と等しい。
【0178】
[0104]いくつかの他の実装において、NDLスケジュールの動的な更新は、TbusyおよびTloadに関連付けられた共同推定メトリックに基づいて、NDLがNANデバイスとのデータ通信のために利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの数を取得することを含み得る。いくつかの実装において、NANスロットの数は、共同推定メトリックに関連付けられた複数の値と、複数の値の各々に関連付けられたNANスロットのそれぞれの数を示す情報とを記憶するLUTから取得され得る。
【0179】
[0105]いくつかの実装において、NDLスケジュールの動的な更新は、Tloadの標準偏差に基づいて、NDLがNANデバイスとのデータ通信のために利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの周期性を調整することを含み得る。いくつかの態様において、NANスロットの周期性の調整は、TloadがTloadの標準偏差以下であることに基づいて、NANスロットの周期性を増加させることを含んでもよい。いくつかの他の態様において、NANスロットの周期性の調整は、TloadがTloadの標準偏差よりも大きいことに基づいて、NANスロットの周期性を低減することを含んでもよい。
【0180】
[0106]いくつかの実装において、ワイヤレス通信デバイスは、NDLスケジュールによって示されない、1つまたは複数のNANスロット期間中に、NANデバイスからの到来データをさらにリッスンし得る。いくつかの態様において、NDLスケジュールの動的な更新は、NDLスケジュールによって示されない、1つまたは複数のNANスロット期間中に、NANデバイスからの到来データを検出することに基づいて、NDLがNANデバイスとのデータ通信のために利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの数を調整することを含み得る。
【0181】
[0107]
図12は、いくつかの実装による、適応NDIをサポートするワイヤレス通信のための例示的な処理1200を例示するフローチャートを示す。いくつかの実装において、処理1200は、
図4Bおよび
図5を参照してそれぞれ上述されたSTA404または504のうちの1つなどの、ネットワークノードとしてまたはネットワークノード内で動作するワイヤレス通信デバイスによって行われ得る。
【0182】
[0108]いくつかの実装において、処理1200は、ブロック1202において、NANデバイスとワイヤレスチャネル上でNDLを確立することにより始まる。ブロック1204において、処理1200は、NDLがNANデバイスとのデータ通信のために利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの数を示すNDLスケジュールを、NANデバイスとネゴシエートすることへ進む。ブロック1206において、処理1200は、DW間隔内の複数のNANスロットの各々の期間中に、NDL上のスループットを測定することへ進み、ただし、各NANスロット期間中に測定されるスループットは、それぞれのNANスロット期間中に、NDL上で、ワイヤレス通信デバイスがNANデバイスと通信する時間量(Tload)に関連付けられている。いくつかの実装において、スループットは、NDL上で送信および受信されるデータの量に基づいて、測定され得る。ブロック1208において、処理1200は、複数のNANスロット期間中に測定された輻輳に基づいて、NDLスケジュールを動的に更新することへ進む。いくつかの実装において、NDLスケジュールの動的な更新は、更新されたNDLスケジュールを示す情報を搬送するNAN管理フレームを、NANデバイスへ送信することを含み得る。
【0183】
[0109]いくつかの実装において、輻輳は、複数のNANスロットの各々の期間中に、NDLに関連付けられたワイヤレスチャネル上でも測定されてもよく、ただし、各NANスロット期間中に測定される輻輳は、それぞれのNANスロット期間中にワイヤレスチャネルがビジーである時間量(Tbusy)に関連付けられている。いくつかの実装において、NDLスケジュールの更新は、TbusyおよびTloadの共分散に基づいて、NDLがNANデバイスとのデータ通信のために利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの数を調整することを含み得る。
【0184】
[0110]いくつかの実装において、NANスロットの数の調整は、TbusyおよびTloadの共分散が負の値であることに基づいて、NANスロットの数を増加させることを含み得る。いくつかの他の実装において、NANスロットの数の調整は、TbusyおよびTloadの共分散が正の値であること、ならびにNDLの平均アイドル持続期間が閾値よりも大きいことに基づいて、NANスロットの数を低減することを含み得る。いくつかの実装において、複数のNANスロットの各々の期間中に測定される輻輳およびスループットは、それぞれのNANスロット期間中にワイヤレスチャネルがアイドルである時間量(Tidle)を示してもよく、ただし、NDLの平均アイドル持続期間は、Tidleの平均値と等しい。
【0185】
[0111]いくつかの他の実装において、NDLスケジュールの動的な更新は、TbusyおよびTloadに関連付けられた共同推定メトリックに基づいて、NDLがNANデバイスとのデータ通信のために利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの数を取得することを含み得る。いくつかの実装において、NANスロットの数は、共同推定メトリックに関連付けられた複数の値と、複数の値の各々に関連付けられたNANスロットのそれぞれの数を示す情報とを記憶するLUTから取得され得る。
【0186】
[0112]いくつかの実装において、NDLスケジュールの動的な更新は、Tloadの標準偏差に基づいて、NDLがNANデバイスとのデータ通信のために利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの周期性を、調整することを含み得る。いくつかの態様において、NANスロットの周期性の調整は、TloadがTloadの標準偏差以下であることに基づいて、NANスロットの周期性を増加させることを含み得る。いくつかの他の態様において、NANスロットの周期性の調整は、TloadがTloadの標準偏差よりも大きいことに基づいて、NANスロットの周期性を低減することを含み得る。
【0187】
[0113]いくつかの実装において、ワイヤレス通信デバイスは、NDLスケジュールによって示されない、1つまたは複数のスロット期間中に、NANデバイスからの到来データをリッスンし得る。いくつかの態様において、NDLスケジュールの動的な更新は、NDLスケジュールによって示されない、1つまたは複数のNANスロット期間中に、NANデバイスからの到来データを検出することに基づいて、NDLがNANデバイスとのデータ通信のために利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの数を調整することを含み得る。
【0188】
[0114]
図13は、いくつかの実装による例示的なワイヤレス通信デバイス1300のブロック図を示す。いくつかの実装において、ワイヤレス通信デバイス1300は、
図11を参照して上述された処理1100を行うように構成される。ワイヤレス通信デバイス1300は、
図3を参照して上述されたワイヤレス通信デバイス300の例示的な実装とすることができる。例えば、ワイヤレス通信デバイス1300は、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのモデム(例えば、Wi-Fi(IEEE802.11)モデムまたはセルラーモデム)とを含むチップ、SoC、チップセット、パッケージまたはデバイスとすることができる。
【0189】
[0115]ワイヤレス通信デバイス1300は、受信構成要素1310と、通信マネージャ1320と、送信構成要素1330とを含む。通信マネージャ1320は、NDPセットアップ構成要素1322と、NDLスケジュールネゴシエーション構成要素1324と、輻輳測定構成要素1326と、NDLスケジュール更新構成要素1328とをさらに含む。構成要素1322~1328のうちの1つまたは複数の部分は、ハードウェアまたはファームウェアにおいて少なくとも部分的に実装され得る。いくつかの実装において、構成要素1322~1328のうちの少なくともいくつかは、メモリ(メモリ308など)に記憶されたソフトウェアとして少なくとも部分的に実装される。例えば、構成要素1322~1328のうちの1つまたは複数の部分は、それぞれの構成要素の機能または動作を行うために、プロセッサ(プロセッサ306など)によって実行可能な非一時的な命令(または「コード」)として実装され得る。
【0190】
[0116]受信構成要素1310は、NANデバイスからRX信号を受信するように構成される。送信構成要素1330は、NANデバイスへTX信号を送信するように構成される。通信マネージャ1320は、NANデバイスとの通信を制御または管理するように構成される。いくつかの実装において、NDLセットアップ構成要素1322は、NANデバイスとワイヤレスチャネル上で近隣認識ネットワーキング(NAN)デバイスリンク(NDL)を確立し得、NDLスケジュールネゴシエーション構成要素1324は、NDLがNANデバイスとのデータ通信のために利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの数を示すNDLスケジュールを、NANデバイスとネゴシエートし得、輻輳測定構成要素1326は、DW間隔内の複数のNANスロットの各々の期間中に、ワイヤレスチャネル上の輻輳を測定し得、各NANスロット期間中に測定される輻輳は、それぞれのNANスロット期間中にワイヤレスチャネルがビジーである時間量(Tbusy)に関連付けられており、NDLスケジュール更新構成要素1328は、複数のNANスロット期間中に測定される輻輳に基づいて、NDLスケジュールを動的に更新し得る。
【0191】
[0117]
図14は、いくつかの実装による例示的なワイヤレス通信デバイス1400のブロック図を示す。いくつかの実装において、ワイヤレス通信デバイス1400は、
図12を参照して上述された処理1200を行うように構成される。ワイヤレス通信デバイス1400は、
図3を参照して上述されたワイヤレス通信デバイス300の例示的な実装とすることができる。例えば、ワイヤレス通信デバイス1400は、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのモデム(例えば、Wi-Fi(IEEE802.11)モデムまたはセルラーモデム)とを含むチップ、SoC、チップセット、パッケージまたはデバイスとすることができる。
【0192】
[0118]ワイヤレス通信デバイス1400は、受信構成要素1410と、通信マネージャ1420と、送信構成要素1430とを含む。通信マネージャ1420は、NDPセットアップ構成要素1422と、NDLスケジュールネゴシエーション構成要素1424と、スループット測定構成要素1426と、NDLスケジュール更新構成要素1428とをさらに含む。構成要素1422~1428のうちの1つまたは複数の部分は、ハードウェアまたはファームウェアにおいて少なくとも部分的に実装され得る。いくつかの実装において、構成要素1422~1428のうちの少なくともいくつかは、メモリ(メモリ308など)に記憶されたソフトウェアとして少なくとも部分的に実装される。例えば、構成要素1422~1428のうちの1つまたは複数の部分は、それぞれの構成要素の機能または動作を行うために、プロセッサ(プロセッサ306など)によって実行可能な非一時的な命令(または「コード」)として実装され得る。
【0193】
[0119]受信構成要素1410は、NANデバイスからRX信号を受信するように構成される。送信構成要素1430は、NANデバイスへTX信号を送信するように構成される。通信マネージャ1420は、NANデバイスとの通信を制御または管理するように構成される。いくつかの実装において、NDLセットアップ構成要素1422は、NANデバイスとワイヤレスチャネル上で近隣認識ネットワーキング(NAN)デバイスリンク(NDL)を確立し得、NDLスケジュールネゴシエーション構成要素1424は、NDLがNANデバイスとのデータ通信のために利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの数を示すNDLスケジュールを、NANデバイスとネゴシエートし得、スループット測定構成要素1426は、DW間隔内の複数のNANスロットの各々の期間中に、NDL上のスループットを測定し得、ただし、各NANスロット期間中に測定されるスループットは、それぞれのNANスロット期間中にNDL上でワイヤレス通信デバイスがNANデバイスと通信する時間量(Tload)に関連付けられており、NDLスケジュール更新構成要素1428は、複数のNANスロット期間中に測定されるスループットに基づいて、NDLスケジュールを動的に更新し得る。
【0194】
[0120]本明細書において使用される場合、アイテムのリストの「少なくとも1つ」あるいはアイテムのリスト「のうちの1つまたは複数」を指す句は、単一の部材を含む、それらのアイテムの任意の組合せを指す。例えば、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、aのみ、bのみ、cのみ、aとbとの組合せ、aとcとの組合せ、bとcとの組合せ、およびaとbとcとの組合せの可能性を網羅することを意図されている。
【0195】
[0121]本明細書において開示される実装に関連して説明される様々な例示的な構成要素、ロジック、論理ブロック、モジュール、回路、動作およびアルゴリズム処理は、本明細書において開示される構造およびその構造的な均等物を含む、電子ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはハードウェア、ファームウェアもしくはソフトウェアの組合せとして実装され得る。ハードウェア、ファームウェアおよびソフトウェアの互換性は、機能性の観点から一般に説明されており、上述された様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路および処理において例示されている。そのような機能性が、ハードウェア、ファームウェアまたはソフトウェアにおいて実装されるかは、システム全体に課される特定の用途および設計制約に依存する。
【0196】
[0122]実装例は、以下の番号付けられた条項において説明される。
【0197】
1.ワイヤレス通信デバイスによるワイヤレス通信のための方法であって、
NANデバイスとワイヤレスチャネル上で近隣認識ネットワーキング(NAN)デバイスリンク(NDL)を確立することと、
前記NDLが前記NANデバイスとのデータ通信のために利用可能である、発見ウィンドウ(DW)間隔ごとの、NANスロットの数を示すNDLスケジュールを、前記NANデバイスとネゴシエートすることと、
DW間隔内の複数のNANスロットの各々の期間中に、前記ワイヤレスチャネル上の輻輳を測定することと、各NANスロット期間中に測定される前記輻輳は、それぞれのNANスロット期間中に前記ワイヤレスチャネルがビジーである時間量(Tbusy)に関連付けられている、
前記複数のNANスロット期間中に測定される前記輻輳に基づいて、前記NDLスケジュールを動的に更新することと
を備える、方法。
【0198】
2.前記複数のNANスロットの各々の期間中に、前記NDL上のスループットを測定すること、各NANスロット期間中に測定される前記スループットは、前記それぞれのNANスロット期間中に、前記NDL上で、前記ワイヤレス通信デバイスが前記NANデバイスと通信する時間量(Tload)に関連付けられており、前記NDLスケジュールの前記動的な更新は、前記複数のNANスロット期間中に測定される前記スループットにさらに基づく、
をさらに含む、条項1の方法。
【0199】
3.前記NDLスケジュールの前記動的な更新は、
TbusyおよびTloadの共分散に基づいて、前記NDLが前記NANデバイスとのデータ通信のために利用可能なDW間隔ごとに、NANスロットの前記数を調整すること
を含む、条項1または2のいずれかの方法。
【0200】
4.NANスロットの前記数の前記調整は、
TbusyおよびTloadの前記共分散が負の値であることに基づいて、NANスロットの前記数を増加させること
を含む、条項1~3のいずれかの方法。
【0201】
5.NANスロットの前記数の前記調整は、
TbusyおよびTloadの前記共分散が正の値であること、ならびに前記NDLの平均アイドル持続期間が閾値よりも大きいことに基づいて、NANスロットの前記数を低減すること
を含む、条項1~4のいずれかの方法。
【0202】
6.前記複数のNANスロットの各々の期間中に測定される前記輻輳および前記スループットは、前記それぞれのNANスロット期間中に前記ワイヤレスチャネルがアイドルである時間量(Tidle)を示し、前記NDLの前記平均アイドル持続期間は、Tidleの平均値と等しい、条項1~5のいずれかの方法。
【0203】
7.前記NDLスケジュールの前記動的な更新は、
Tloadの標準偏差に基づいて、前記NDLが前記NANデバイスとのデータ通信のために利用可能である、DW間隔ごとの、前記NANスロットの周期性を調整すること
を含む、条項1~6のいずれかの方法。
【0204】
8.前記NANスロットの前記周期性の前記調整は、
TloadがTloadの前記標準偏差以下であることに基づいて、前記NANスロットの前記周期性を増加させること
を含む、条項7の方法。
【0205】
9.前記NANスロットの前記周期性の前記調整は、
TloadがTloadの前記標準偏差よりも大きいことに基づいて、前記NANスロットの前記周期性を低減すること
を含む、条項8の方法。
【0206】
10.前記NDLスケジュールの前記動的な更新は、
TbusyおよびTloadに関連付けられた共同推定メトリックに基づいて、前記NDLが前記NANデバイスとのデータ通信のために利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの前記数を取得すること
を含む、条項1~9のいずれかの方法。
【0207】
11.NANスロットの数は、前記共同推定メトリックに関連付けられた複数の値と、前記複数の値の各々に関連付けられたNANスロットのそれぞれの数を示す情報とを記憶するルックアップテーブル(LUT)から取得される、条項1~10のいずれかの方法。
【0208】
12.前記NDLスケジュールによって示されない、1つまたは複数のNANスロット期間中に、前記NANデバイスからの到来データをリッスンすること
をさらに含む、条項1~11のいずれかの方法。
【0209】
13.前記NDLスケジュールの前記動的な更新は、
前記NDLスケジュールによって示されない、前記1つまたは複数のNANスロット期間中に、前記NANデバイスからの到来データを検出することに基づいて、前記NDLが前記NANデバイスとのデータ通信のために利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの前記数を調整すること
を含む、条項1~12のいずれかの方法。
【0210】
14.ワイヤレス通信デバイスであって、
少なくとも1つのモデムと、
前記少なくとも1つのモデムに通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信可能に結合され、プロセッサ可読コードを記憶する少なくとも1つのメモリとを含み、前記プロセッサ可読コードは、前記少なくとも1つのモデムと共に前記少なくとも1つのプロセッサによって実行された場合、条項1~13のうちのいずれか1つまたは複数の方法を行うように構成される、ワイヤレス通信デバイス。
【0211】
15.ワイヤレス通信デバイスによるワイヤレス通信のための方法であって、
NANデバイスと近隣認識ネットワーキング(NAN)デバイスリンク(NDL)を確立することと、
前記NDLが前記NANデバイスとのデータ通信のために利用可能である、発見ウィンドウ(DW)間隔ごとの、NANスロットの数を示すNDLスケジュールを、前記NANデバイスとネゴシエートすることと、
DW間隔内の複数のNANスロットの各々の期間中に、前記NDL上のスループットを測定することと、各NANスロット期間中に測定される前記スループットは、それぞれのNANスロット期間中に、前記NDL上で、前記ワイヤレス通信デバイスが前記NANデバイスと通信する時間量(Tload)に関連付けられている、
前記複数のNANスロット期間中に測定される前記スループットに基づいて、前記NDLスケジュールを動的に更新することと
を含む、方法。
【0212】
16.前記複数のNANスロットの各々の期間中に、前記NDLに関連付けられたワイヤレスチャネル上の輻輳を測定すること、各NANスロット期間中に測定される前記輻輳は、前記それぞれのNANスロット期間中に前記ワイヤレスチャネルがビジーである時間量(Tbusy)に関連付けられており、前記NDLスケジュールの前記動的な更新は、前記複数のNANスロット期間中に測定される前記スループットにさらに基づく、
をさらに含む、条項15の方法。
【0213】
17.前記NDLスケジュールの前記動的な更新は、
TbusyおよびTloadの共分散に基づいて、前記NDLが前記NANデバイスとのデータ通信のために利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの前記数を調整すること
を含む、条項15または16のいずれかの方法。
【0214】
18.NANスロットの前記数の前記調整は、
TbusyおよびTloadの前記共分散が負の値であることに基づいて、NANスロットの前記数を増加させること
を含む、条項17の方法。
【0215】
19.NANスロットの前記数の前記調整は、
TbusyおよびTloadの前記共分散が正の値であること、ならびに前記NDLの平均アイドル持続期間が閾値よりも大きいことに基づいて、NANスロットの前記数を低減すること
を含む、条項18の方法。
【0216】
20.前記複数のNANスロットの各々の期間中に測定される前記輻輳および前記スループットは、前記それぞれのNANスロット期間中に前記ワイヤレスチャネルがアイドルである時間量(Tidle)を示し、前記NDLの前記平均アイドル持続期間は、Tidleの平均値と等しい、条項15~19のいずれかの方法。
【0217】
21.前記NDLスケジュールの前記動的な更新は、
Tloadの標準偏差に基づいて、前記NDLが前記NANデバイスとのデータ通信のために利用可能である、DW間隔ごとの、前記NANスロットの周期性を調整すること
を含む、条項15~20のいずれかの方法。
【0218】
22.前記NANスロットの前記周期性の前記調整は、
TloadがTloadの前記標準偏差以下であることに基づいて、前記NANスロットの前記周期性を増加させること
を含む、条項21の方法。
【0219】
23.前記NANスロットの前記周期性の前記調整は、
TloadがTloadの前記標準偏差よりも大きいことに基づいて、前記NANスロットの前記周期性を低減すること
を含む、条項22の方法。
【0220】
24.前記NDLスケジュールの前記動的な更新は、
TbusyおよびTloadに関連付けられた共同推定メトリックに基づいて、前記NDLが前記NANデバイスとのデータ通信のために利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの前記数を取得すること
を含む、条項15~23のいずれかの方法。
【0221】
25.NANスロットの前記数は、前記共同推定メトリックに関連付けられた複数の値と、前記複数の値の各々に関連付けられたNANスロットのそれぞれの数を示す情報とを記憶するルックアップテーブル(LUT)から取得される、条項15~24のいずれかの方法。
【0222】
26.前記NDLスケジュールによって示されない、1つまたは複数のNANスロット期間中に、前記NANデバイスからの到来データをリッスンすること
をさらに含む、条項15~25のいずれかの方法。
【0223】
27.前記NDLスケジュールの前記動的な更新は、
前記NDLスケジュールによって示されない、前記1つまたは複数のNANスロット期間中に、前記NANデバイスからの到来データを検出することに基づいて、前記NDLが前記NANデバイスとのデータ通信のために利用可能である、DW間隔ごとの、NANスロットの前記数を調整すること
を含む、条項15~26のいずれかの方法。
【0224】
28.ワイヤレス通信デバイスであって、
少なくとも1つのモデムと、
前記少なくとも1つのモデムに通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信可能に結合され、プロセッサ可読コードを記憶する少なくとも1つのメモリとを含み、前記プロセッサ可読コードは、前記少なくとも1つのモデムと共に前記少なくとも1つのプロセッサによって実行された場合、条項15~27のいずれか1つまたは複数の方法を行うように構成される、ワイヤレス通信デバイス。
【0225】
[0123]本開示において説明される実装に対する様々な変形は、当業者にとって容易に明らかとなり得、本明細書において定義される一般的な原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱せずに、他の実装に適用され得る。したがって、特許請求の範囲は、本明細書において示される実装に限定されることを意図されず、本開示に一致する最も広い範囲、本明細書において開示される原理および新規な特徴と合致すべきである。
【0226】
[0124]付加的に、別々の実装の文脈で本明細書において説明される様々な特徴は、単一の実装において組み合わせて実装されることも可能である。反対に、単一の実装の文脈で説明される様々な特徴は、複数の実装において別々に、または任意の適切なサブ組合せで、実装されることも可能である。そのため、特徴は、特定の組合せで作用するものとして上述されることがあり、そのようなものとして最初に特許請求されることさえあるが、特許請求される組合せからの1つまたは複数の特徴は、いくつかの場合において、組合せから削除されることが可能であり、特許請求される組合せは、サブ組合せ、またはサブ組合せのバリエーションに向けられ得る。
【0227】
[0125]同様に、動作は、特定の順序で図面に描かれているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が、図示された特定の順序もしくは連続的な順序で行われること、またはすべての例示された動作が行われることを必要とするものとして理解されるべきではない。さらに、図面は、1つまたは複数の例示的な処理をフローチャートまたはフロー図の形式で概略的に描き得る。しかしながら、描かれていない他の動作が、概略的に例示される例示的な処理に組み込まれていることがある。例えば、1つまたは複数の付加的な動作が、例示される動作のいずれかの前に、後に、例示される動作のいずれかと同時に、または例示される動作のいずれかの間に、行われてもよい。いくつかの状況において、マルチタスクおよび並行処理が有利となり得る。さらに、上述された実装における様々なシステム構成要素の分離は、そのような分離をすべての実装において必要とすることとして理解されるべきではなく、説明されたプログラム構成要素およびシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品に共に一体化されること、または複数のソフトウェア製品へパッケージ化されることが可能であることが理解されるべきである。
【国際調査報告】