(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】双方向DC短絡保護のためのシステム、方法、及び装置
(51)【国際特許分類】
H02H 3/087 20060101AFI20240208BHJP
B60L 3/00 20190101ALI20240208BHJP
【FI】
H02H3/087
B60L3/00 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547653
(86)(22)【出願日】2022-02-14
(85)【翻訳文提出日】2023-09-05
(86)【国際出願番号】 EP2022053521
(87)【国際公開番号】W WO2022171865
(87)【国際公開日】2022-08-18
(32)【優先日】2021-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518042280
【氏名又は名称】イートン インテリジェント パワー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Eaton Intelligent Power Limited
【住所又は居所原語表記】30 Pembroke Road, Dublin 4 D04 Y0C2, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュミッツ、ゲルト
(72)【発明者】
【氏名】メイデ、ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】ウエーデルホーフェン、マルセル
【テーマコード(参考)】
5G004
5H125
【Fターム(参考)】
5G004AA04
5G004AB02
5G004BA03
5G004DA05
5G004EA03
5H125AA01
5H125AC08
5H125AC12
5H125AC22
5H125BC01
5H125EE22
(57)【要約】
双方の電流の流れ方向に対して選択された閾値での電流の検出及び迅速な遮断のための電子スイッチ(50)用の自己トリガ双方向制御電子装置構成要素は、双方の電流の流れ方向に対して複数の選択可能な遮断閾値を有する閾値スイッチであって、閾値スイッチの入力側のセンサの検知に基づいて、電子スイッチ内に配置された双方向電流センサシステム(65)に結合された閾値スイッチと、閾値スイッチの出力側に、磁気駆動コイル(45)からの電流を迅速に除去するための高非負荷回路電圧を含む高速非通電回路(53)であって、双方向電流センサシステムが複数の選択可能な遮断閾値のうちの選択された閾値以上の電流を検知した場合に、磁気駆動コイルから電流を迅速に除去するように構成されている高速非通電回路と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
双方の電流の流れ方向に対して選択された閾値での電流の検出及び遮断のための電子スイッチ用の自己トリガ双方向制御電子装置であって、
第1の電流の流れ方向に関連する第1の遮断閾値と、第2の電流の流れ方向に関連する第2の遮断閾値とを有する閾値スイッチであって、前記閾値スイッチの入力側のセンサの検知に基づいて、前記電子スイッチ内に配置された双方向電流センサシステムに結合された閾値スイッチと、
前記閾値スイッチの出力側にスイッチオフパルスを印加するように構成された非通電回路であって、磁気駆動コイルから電流を除去するための高非負荷回路電圧を含み、前記双方向電流センサシステムが前記第1及び第2の遮断閾値のうちの前記選択された閾値以上の電流を検知したときに前記磁気駆動コイルから前記電流を除去するように構成された非通電回路と、を備える、装置。
【請求項2】
前記非通電回路が、前記磁気駆動コイルから前記電流を除去するために高フリーホイーリングカウンタ電圧を印加するように更に構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記高フリーホイーリングカウンタ電圧がフライバックダイオードを備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記閾値スイッチが、2つの比較器を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1及び第2の遮断閾値の各々が、前記2つの比較器の入力側の双方向に調整可能な電流切断閾値を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記閾値スイッチが、コントローラの制御出力を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1及び前記第2の遮断閾値のうちの1つ又は複数が、短絡電流値に対応する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
電気的に結合された分圧器を更に備え、前記分圧器が、
前記閾値スイッチ内の前記分圧器の第1の側のセンサであって、バイポーラホールセンサである、センサ、及び
前記分圧器の第2の側の前記閾値スイッチ内の2つの比較器、に電気的に結合されている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記分圧器が、固定オーム抵抗、調整可能なオーム抵抗、可変調整可能な電位差計構成、又はツェナーダイオード回路からなる構成要素から選択される少なくとも1つの構成要素を備える、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記分圧器の前記第1の側が入力側であり、
前記分圧器の前記第2の側が出力側である、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記電子スイッチが、直流(DC)スイッチを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
双方の電流の流れ方向に対して選択された閾値での電流の検出及び遮断のための、電子スイッチ用の自己トリガ双方向制御電子装置を動作させる方法であって、
第1の電流の流れ方向に関連する第1の遮断閾値と、第2の電流の流れ方向に関連する第2の遮断閾値とを有する閾値スイッチであって、前記閾値スイッチの入力側のセンサの検知に基づいて、前記電子スイッチ内に配置された双方向電流センサシステムに結合された閾値スイッチを動作させることと、
前記閾値スイッチの出力側にスイッチオフパルスを印加するように構成された非通電回路であって、磁気駆動コイルから電流を除去するための高非負荷回路電圧を含み、前記双方向電流センサシステムが前記第1及び第2の遮断閾値のうちの前記選択された閾値以上の電流を検知したときに前記磁気駆動コイルから前記電流を除去するように非通電回路を動作させることと、を含む、方法。
【請求項13】
前記磁気駆動コイルから前記電流を除去するために高フリーホイーリングカウンタ電圧を印加するように前記非通電回路を動作させることを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記高フリーホイーリングカウンタ電圧がフライバックダイオードを備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記閾値スイッチが、2つの比較器を備える、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記第1及び第2の遮断閾値の各々が、前記2つの比較器の入力側の双方向に調整可能な電流切断閾値を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記閾値スイッチが、コントローラの制御出力を備える、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記第1及び前記第2の遮断閾値のうちの1つ又は複数が、短絡電流値に対応する、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
電気的に結合された分圧器を更に備え、前記分圧器が、
前記閾値スイッチ内の前記分圧器の第1の側のセンサであって、バイポーラホールセンサである、センサ、及び
前記分圧器の第2の側の前記閾値スイッチ内の2つの比較器、に電気的に結合されている、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記分圧器が、固定オーム抵抗、調整可能なオーム抵抗、可変調整可能な電位差計構成、又はツェナーダイオード回路からなる構成要素から選択される少なくとも1つの構成要素を備える、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記分圧器の前記第1の側が入力側であり、
前記分圧器の前記第2の側が出力側である、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記電子スイッチが、直流(DC)スイッチを備える、請求項12に記載の方法。
【請求項23】
双方の電流の流れ方向に対して選択された閾値での電流の検出及び迅速な遮断のための電子スイッチ用の自己トリガ双方向制御回路であって、
第1の電流の流れ方向に関連する第1の遮断閾値と、第2の電流の流れ方向に関連する第2の遮断閾値とを有する閾値スイッチであって、前記閾値スイッチが、前記閾値スイッチの入力側のセンサの検知に基づいて、前記電子スイッチ内に配置された双方向電流センサシステムに結合された閾値スイッチを動作させるためのスイッチング手段と、
前記閾値スイッチの出力側にスイッチオフパルスを印加するための高速非通電回路であって、磁気駆動コイルから電流を迅速に除去するための高非負荷回路電圧を含み、前記高速非通電回路が、前記双方向電流センサシステムが前記第1及び第2の遮断閾値のうちの前記選択された閾値以上の電流を検知したときに前記磁気駆動コイルからの電流を迅速に除去する、高速非通電回路を動作させるための電流除去手段と、を備える、回路。
【請求項24】
前記高速非通電回路が、前記磁気駆動コイルから前記電流を迅速に除去するために高フリーホイーリングカウンタ電圧を印加するように更に構成されている、請求項23に記載の回路。
【請求項25】
前記高フリーホイーリングカウンタ電圧がフライバックダイオードを備える、請求項24に記載の回路。
【請求項26】
前記閾値スイッチが、2つの比較器を備える、請求項25に記載の回路。
【請求項27】
前記選択された閾値が、前記2つの比較器の入力側の双方向に調整可能な電流切断閾値を含む、請求項26に記載の回路。
【請求項28】
前記閾値スイッチが、コントローラの制御出力を含む、請求項27に記載の回路。
【請求項29】
前記選択された閾値が短絡電流値に対応する、請求項28に記載の回路。
【請求項30】
電気的に結合された分圧器を更に備え、前記分圧器が、
前記閾値スイッチ内の前記分圧器の第1の側のセンサであって、バイポーラホールセンサである、センサ、及び
前記分圧器の第2の側の前記閾値スイッチ内の2つの比較器、に電気的に結合されている、請求項29に記載の回路。
【請求項31】
前記分圧器が、固定オーム抵抗、調整可能なオーム抵抗、可変調整可能な電位差計構成、又はツェナーダイオード回路からなる構成要素から選択される少なくとも1つの構成要素を備える、請求項30に記載の回路。
【請求項32】
前記分圧器の前記第1の側が入力側であり、
前記分圧器の前記第2の側が出力側である、請求項31に記載の回路。
【請求項33】
前記電子スイッチが、直流(DC)スイッチを備える、請求項32に記載の回路。
【請求項34】
遮断器/中継器の接触器を動作させるためのシステムであって、
遮断器/中継器であって、
電力バスに電気的に結合された固定接点と、
前記固定接点に選択的に電気的に結合された可動接点と、
前記可動接点に結合されたアーマチュアであって、前記アーマチュアが、前記固定接点と接触するように移動して、前記電力バスを通って電流が流れることを可能にするように構成されている、アーマチュアと、
コイル及び磁石コアを備える中継部であって、前記コイルが通電されると前記アーマチュアが前記磁石コアに引き寄せられるように、前記コイルが前記中継器を作動させるように構成されている、中継部と、
遮断部であって、
前記遮断器/中継器の本体に近接した複数のスプリッタプレートと、
前記複数のスプリッタプレート、及び接触ギャップと前記複数のスプリッタプレートとの間のアーク経路のうちの1つ又は複数を囲む永久磁石システムと、を備える、遮断部と、を備え、
前記電力バスが通電されているときの前記可動接点の係合又は係合解除中に、前記遮断器/中継器の前記本体が、前記永久磁石システムによって提供される磁場を使用して前記スプリッタプレートと協働してアークを消散させるように構成されている、遮断器/中継器と、
双方の電流の流れ方向に対して選択された閾値での電流の検出及び迅速な遮断のための、前記遮断器/中継器内の電子スイッチ用の自己トリガ双方向制御電子装置構成要素であって、
第1の電流の流れ方向に関連する第1の遮断閾値と、第2の電流の流れ方向に関連する第2の遮断閾値とを有する閾値スイッチであって、前記閾値スイッチの入力側のセンサの検知に基づいて、前記電子スイッチ内に配置された双方向電流センサシステムに結合された閾値スイッチと、
前記閾値スイッチの出力側にスイッチオフパルスを印加するように構成された高速非通電回路であって、磁気駆動コイルから電流を迅速に除去するための高非負荷回路電圧を含み、前記高速非通電回路が、前記双方向電流センサシステムが前記第1及び第2の遮断閾値のうちの前記選択された閾値以上の電流を検知したときに前記磁気駆動コイルからの電流を迅速に除去するように構成されている、高速非通電回路と、を備える、自己トリガ双方向制御電子装置構成要素と、を備える、システム。
【請求項35】
前記高速非通電回路が、前記磁気駆動コイルから前記電流を迅速に除去するために高フリーホイーリングカウンタ電圧を印加するように更に構成されている、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記高フリーホイーリングカウンタ電圧がフライバックダイオードを備える、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記閾値スイッチが、2つの比較器を備える、請求項34に記載のシステム。
【請求項38】
前記選択された閾値が短絡電流値に対応する、請求項34に記載のシステム。
【請求項39】
前記電子スイッチが、直流(DC)スイッチを備える、請求項34に記載のシステム。
【請求項40】
遮断器/中継器の接触器を動作させるためのシステムであって、
遮断器/中継器であって、
電力バスに電気的に結合された固定接点と、
前記固定接点に選択的に電気的に結合された可動接点と、
前記可動接点に結合されたアーマチュアであって、前記アーマチュアが、前記固定接点と接触するように移動して、前記電力バスを通って電流が流れることを可能にするように構成されている、アーマチュアと、
コイル及び磁石コアを備える中継部であって、前記コイルが通電されると前記アーマチュアが前記磁石コアに引き寄せられるように、前記コイルが前記中継器を作動させるように構成されている、中継部と、
遮断部であって、
前記遮断器/中継器の本体に近接した複数のスプリッタプレートと、
前記複数のスプリッタプレート、及び接触ギャップと前記複数のスプリッタプレートとの間のアーク経路のうちの1つ又は複数を囲む永久磁石システムと、を備える、遮断部と、を備え、
前記電力バスが通電されているときの前記可動接点の係合又は係合解除中に、前記遮断器/中継器の前記本体が、前記永久磁石システムによって提供される磁場を使用して前記スプリッタプレートと協働してアークを消散させるように構成されている、遮断器/中継器と、
第1の電流の流れ方向に関連する第1の遮断閾値と、第2の電流の流れ方向に関連する第2の遮断閾値とを有する閾値スイッチを備え、前記閾値スイッチの入力側のセンサの検知に基づいて、前記電子スイッチ内に配置された双方向電流センサシステムに結合された、電流の流れ方向の双方に対して選択された閾値での電流の検出及び迅速な遮断のための、前記遮断器/中継器内の電子スイッチ用の自動トリガ双方向制御電子装置構成要素と、を備える、システム。
【請求項41】
前記閾値スイッチが、2つの比較器を備える、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記選択された閾値が短絡電流値に対応する、請求項40に記載のシステム。
【請求項43】
前記電子スイッチが、直流(DC)スイッチを備える、請求項40に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年2月12日に出願された「SYSTEM,METHOD,AND APPARATUS FOR BI-DIRECTIONAL DC SHORT-CIRCUIT PROTECTION」と題する米国仮特許出願第63/200,074号(EATN-2027-P01)の優先権を主張する。
【0002】
前述の出願の各々は、あらゆる目的のためにその全体が参考により組み込まれる。
【0003】
(発明の分野)
特定の技術分野に限定されるものではないが、本開示は、DC短絡保護に関する。
【発明の概要】
【0004】
本開示の態様は、直流(DC)スイッチ用の自己トリガ双方向制御電子装置、デバイス、構成要素、回路などを含む。態様はまた、装置、デバイス、構成要素、回路などを使用又は動作させる方法及びシステムを含む。本開示の態様は、電流の流れ方向のいずれか、各々、又は双方について、選択された閾値での電流の検出及び遮断を含む。本開示の態様は、電流方向ごとに各々のスイッチング閾値を有することを含む。更に、本開示の態様は、電流が閾値を上回るときにスイッチオフパルスを印加して磁気駆動コイルから電流を除去することを含む。電流除去は、速い、高速、急速などであり得る。
【0005】
本開示のこれら及び他のシステム、方法、目的、特徴、及び効果は、好ましい実施形態及び図面の以下の詳細な説明から当業者にとって明らかであろう。
【0006】
本明細書で言及される全ての文書は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。単数形の項目への言及は、特に明記しない限り、又は本文から明らかでない限り、複数形の項目を含むと理解されるべきであり、その逆も同様である。文法的な接続詞は、特に明記しない限り、又はコンテキストから明らかでない限り、結合された節、文、単語などのありとあらゆる選言的及び連言的な組み合わせを表すことを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示及びその特定の実施形態の以下の詳細な説明は、以下の図を参照することによって理解され得る。
【
図1】磁気駆動コイルの迅速な遮断を実行するために迅速な非通電回路を利用する例示的なDCスイッチングデバイスを示している。
【
図2】DCスイッチングデバイス用の制御電子装置の例示的な実施形態を示している。
【
図3】電源と負荷との間に動作可能に配置された電力分配ユニット(PDU)を概略的に示す実施形態のシステムを示している。
【
図4】PDUを概略的に示すより詳細な実施形態のシステムを示している。
【
図5】ヒューズについての非限定的な例示的な応答曲線を示している。
【
図6】車両などのモバイルアプリケーションのための非限定的な例示的なシステムを示している。
【
図7】PDUを含む非限定的な例示的なシステムを示している。
【
図8】PDUの全て又は一部を含む実施形態の装置を示している。
【
図9】ヒューズ障害及びシステム障害に対する追加の保護を提供するための非限定的な例示的な装置を示している。
【
図10】システム応答値を実装するための例示的なデータの実施形態を示している。
【
図11】PDU上に存在し得る非限定的な例示的なヒューズ回路を示している。
【
図12】接触器を有するヒューズ回路の実施形態を示している。
【
図13】複数のヒューズを含むヒューズ回路の実施形態を示している。
【
図14】接触器と並列のヒューズを有するヒューズ回路を示している。
【
図15】車両の駆動サイクルに対するヒューズ応答を示す例示的なデータを示している。
【
図16】電源と、負荷と電源との間に電気的に配置されたヒューズを有する負荷とを含む非限定的な例示的なシステムを示している。
【
図17】PDUを有する車両の概略図を示している。
【
図18】遮断器/中継器及びプリチャージ中継器の概略図を示している。
【
図19】遮断器/中継器及び抑制器の概略図を示している。
【
図21】遮断器/中継器構成要素の実施形態の詳細を示している。
【
図22】遮断器/中継器構成要素の実施形態の詳細を示している。
【
図23】遮断器/中継器構成要素の実施形態の詳細を示している。
【
図24】接触器-ヒューズ及び遮断器/中継器の電流プロットを示している。
【
図25】電流保護のための実施形態のフロー図を示している。
【
図26】電流保護のための実施形態のフロー図を示している。
【
図27】電流保護のための実施形態のフロー図を示している。
【
図28】電流保護のための実施形態のフロー図を示している。
【
図29】バッテリとインバータとの間の電力保護構成の概略図を示している。
【
図30】バッテリとインバータとの間の電力保護構成の概略図を示している。
【
図31】バッテリと負荷との間の電力保護構成の概略図を示している。
【
図33】バッテリと負荷との間の電力保護構成の概略図を示している。
【
図34】バッテリと負荷との間の電力保護構成の概略図を示している。
【
図35】電流経路の描写を有するバッテリと負荷との間の電力保護構成の概略図を示している。
【
図36】電流経路の描写を有するバッテリと負荷との間の電力保護構成の概略図を示している。
【
図37】電流経路の描写を有するバッテリと負荷との間の電力保護構成の概略図を示している。
【
図38】電流経路の描写を有するバッテリと負荷との間の電力保護構成の概略図を示している。
【
図39】遮断器/中継器構成要素の実施形態の詳細を示している。
【
図41】遮断器/中継器構成要素の接点の実施形態の詳細を示している。
【
図42】遮断器/中継器構成要素の実施形態の詳細を示している。
【
図43】コントローラを備えた電力保護構成の概略図を示している。
【
図44】遮断器/中継器の実施形態の機能図を示している。
【
図45】遮断器/中継器の実施形態の概略図を示している。
【
図46】特定の電圧、アンペア数、及び時間ベースの値を示す遮断器/中継器構成の実施形態の概略図を示している。
【
図47】遮断器/中継器動作の実施形態の概略図を示している。
【
図48】自己トリガ双方向制御電子装置を動作させる方法を示している。
【
図49】自己トリガ双方向制御電子装置を動作させる方法を示している。
【
図50】電子スイッチ用の自己トリガ双方向制御回路を示している。
【
図51】遮断器/中継器の接触器を動作させるためのシステムを示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
多くのアプリケーション、特に高いDC電流の場合の電力分配は、いくつかの課題にさらされている。高可変負荷、高電力スループット、高電圧定格、及び/又は電力の流れ方向(例えば、電力フロー値、デューティサイクル、及び/又は電力フロー方向に応じて異なる保護された構成要素の感度)に応じた明確な保護特性を有するアプリケーションは、特定の課題をもたらす。モバイルアプリケーション、送電網動作、及び/又は電力供給動作を含むがこれらに限定されない特定のアプリケーションは、構成要素への大電流損傷及び/又はアプリケーションのダウンタイムのために高いコストを有する。高出力バッテリパックの損傷に起因して高いコスト、(例えば、データセンタ、医療施設、送電網、ミニグリッドなどのための)サービス損失に起因する外部コスト、アプリケーションの種類に関連するコストが発生する可能性がある(例えば、モバイルアプリケーション及び/又は遠隔配置された場所の障害は、サービス又は応答が利用可能になるまでの時間を増加させることがあり、そうでなければアプリケーションへの継続的な損傷を最小限に抑えることができる可能性がある修理のコストとサービス要員によるアクセスまでの時間の双方を増加させる)。特定のアプリケーションは、電力の流れの方向に応じて非常に可変の電力スループット要件を有し、更に、電力の方向に応じて電流の流れに対して明確な感度を有し得る。例えば、モバイルアプリケーションは、動力、回生電力、及び/又は急速充電電力がシステムを通って流れているかどうかに応じて、非常に明確な定格電力(例えば、公称電圧、電力スループット、及び/又は定格電流を含む)を有し得る。更なる例では、モバイルアプリケーションは、別個のパワーエレクトロニクス、特定の動作条件(例えば、充電中、動力運転中、回生中など)のみで電力にさらされる特定の構成要素、及び/又は電力方向に応じて電流に明確な感度を有するダイオードなどの電力制御構成要素を有し得る。同様に、電力網支援システム及び/又は電力供給動作などのアプリケーションは、動作状態、時刻、及び電力が流れている場所(例えば、グリッドからバッテリへ)に応じて異なる電力潮流定格を有し得る。グリッドへのバッテリ、及び/又は風車、タービンなどの発電装置からの電力の流れが、バッテリ、グリッド、負荷、又はこれらの組み合わせに流れる。
【0009】
別の例では、電気自動車の高電圧バッテリは、通常、比較的一定の電流によって充電される。充電中に短絡が発生した場合、発生する短絡電流は、駆動中に完全に充電されたバッテリとの完全短絡の場合よりも著しく低い。従って、例えば、DC回路内のスイッチングデバイスのスイッチング容量を超えることによる、又は充電ケーブルの熱過負荷による短絡の発生に根本的に関連する問題を最小限に抑えるために、多くのDCアプリケーションでは、電流の流れ方向に従って短絡電流をスイッチオフするための閾値を区別すること、及び/又は各々のアプリケーションに合わせて短絡電流を最適化することが望ましい。
【0010】
例示的なエネルギー貯蔵及びDCネットワークは、短絡の場合などの緊急事態における迅速な遮断のための別個のヒューズ要素と組み合わされた、通常動作におけるルーティング及びスイッチングのための接触器及び中継器(例えば、遮断器/中継器)の組み合わせを含む。これは、とりわけ、400V以上の公称電圧及び動作中に100Aを超える可能性があるDC電流を用いる電気移動度の分野におけるいわゆる「高電圧車載ネットワーク」に当てはまる。そのようなアプリケーションでは、DCアークの形成と組み合わせて、短絡の場合に数キロアンペアの電流が発生する可能性があり、適切な保護装置がないと、数ミリ秒以内にかなりの破壊を引き起こす可能性がある。
【0011】
国際公開第2020/016179号(2019年7月15日に出願され、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる「SWITCHING DEVICE AND SWITCHING ARRANGEMENT」)を参照すると、電気自動車などの高電圧ネットワークに適したDCスイッチングデバイスが記載されている。従来知られているDCスイッチングデバイスは、電流の流れの方向とは無関係に動作し、例えば、電流の流れの方向が反転した状態で、駆動モードと充電モードの双方に対して同じ閾値を利用する。公称動作では、より大型の電気自動車におけるエネルギー貯蔵の急速充電のために、数百アンペアのDC電流が発生する可能性がある。運転中、車両のパワーエレクトロニクスは、スイッチングされる電流が約30アンペアに制限されることを保証し、これは、スイッチングデバイスが負荷下で100,000を超えるスイッチング動作の長い電気的寿命を有することを可能にする。一方、DCネットワークで短絡が発生した場合、典型的には>1000Aの範囲の電流により、スイッチは、スイッチング接点を非常に迅速に開くことにより、発生するスイッチングアークが、スイッチング素子の損傷を防止するために、電流の流れの方向に関係なく、極めて高い温度に起因して、磁界の力によって接点先端から常に迅速に除去されることを保証する。スイッチングアークは、アークチャンバの方向に移動され、そこで消滅させられるため、短絡電流は、数ミリ秒以内にオフになる。
【0012】
短絡の検出は、例えばホール効果センサの形態で、固定接点のすぐ近くに配置された電流センサ素子によって提供される。例えば公称電流の倍数に対応することができる指定された閾値を超えた場合、電磁スイッチング駆動装置のコイル電圧は、スイッチングが典型的には2ミリ秒未満の時間内に接触し、無期限に開いたままであるように(例えば、接触子要素の再接触を防止するように開くこと)、オフにされた制御電子装置によって直ちに停止される。短絡の場合、電気部品への損傷は、非常に迅速に起こり得る。高い短絡電流の場合、スイッチング接点は、動的電流力のために(例えば、ローレンツ力に起因する)最初は開いている可能性があり、その結果、高エネルギーアークが直ちに形成される。まだ完全に放電されていない磁気駆動コイル(例えば、接触器要素の接触を制御する磁気駆動コイル)の場合、接点圧縮ばね力は依然として開動作中に作用している可能性があり、ローレンツ力が減少するにつれて接点を駆動して再接続させることができる。開動作中に依然として作用している可能性がある接触圧縮ばね力は、機械的接触開口部よりもはるかに速く作用する動的接触力に起因する可能性があり、これは、逆接触ばね及び磁気駆動コイルの同時非通電によって駆動され得る。初期開放直後の接触器の再接続は、アークによって加熱されたスイッチング接点の深刻な損傷及び/又は溶接をもたらす可能性がある。例示的なDCスイッチングデバイスは、迅速な非通電回路を利用して、磁気駆動コイルの迅速な遮断を実行する(例えば、
図1を参照)。例示的な非通電回路は、スイッチオフパルスを利用して、磁気コイル回路への高いフリーホイーリング対向電圧の接続を開始し、コイル電流の迅速な放電を確実にする。
図1の例は、‘179文献に更に記載されている。
【0013】
コイル電流放電が高速、急速、迅速、速いなどであるかどうかを決定することは、構成要素がどれだけ速く故障するか、又は保護された構成要素が高電流事象に対してどれだけ堅牢であるかなど、放電事象及びシステムの状況に依存することを理解されたい。特定の実施形態では、高速、急速、迅速、速いなどは、数ミリ秒よりも速い(例えば、2msよりも速い)など、名目上の減速よりも速い速度であり得る。当業者は、本開示の利点を有して、コイル電流放電特性が特定のシステムに対して高速、急速、迅速、速いなどであるかどうかを容易に決定することができる。本開示の任意の他の態様に限定されるものではないが、コイル電流放電特性が高速、急速、迅速、速いなどであるかどうかを決定する際の当業者の特定の考慮事項は、通電コイルの静電容量、通電コイルが動作している電源回路の静電容量、保護されたデバイスが高電流事象に耐える能力、資本対動作コストの考慮事項(例えば、電流をマージン内に保つための部品コスト対運用コスト)、過渡状態下及び電源事象下での開放中の電源回路のダイナミクス、及び/又は電源構成要素のダイナミクスを含む。
【0014】
図1を参照すると、図示された構成要素の例示的なリストは以下を含む:
・50DCスイッチ
・50aスイッチ主回路
・50b補助スイッチ
・51過電圧保護
・52逆極性保護
・53高速非通電回路
・54磁気駆動コイル
・55パワーアップドライバ
・56インバウンドフィルタ
・57閾値スイッチ入力電圧
・58タイマ
・59スイッチオンリンク
・60スイッチオン電圧制御回路
・61フィルタ回路
・62DC-DC降圧コンバータ
・63デカップリング
・64閾値スイッチ制御電圧
・65電流センサ
・66電流検知用閾値スイッチ
・67過電圧保護外部緊急遮断
・68外部緊急遮断の閾値スイッチ
【0015】
図1の例示的なスイッチ制御電子装置では、短絡電流をオフにすることを含む、スイッチオフ制御のための電流の流れ方向による区別はない。本開示の例は、本明細書を明確にするためにDC回路及びスイッチングを参照する。しかしながら、本明細書に記載のスイッチ制御電子装置の実施形態は、直流(DC)回路及び/又は交流(AC)回路を切り替えるのに有用である。
【0016】
本開示の例示的なDCスイッチングデバイスは、磁気駆動装置の迅速な非通電を含む、2つの電流の流れ方向に対して異なるレベルのスイッチオフ閾値を有する双方向短絡検出を提供する制御/解放電子装置を含む。特定の実施形態では、双方向スイッチオフ閾値は、以下などの各々の方向に応じた1つ又は複数の電流特性に基づくことができる:流れる電流値;電流値の変化率;電流の時間ベースの値;閾値に対する電流値の相対位置;閾値に対する電流値の相対位置の変化率;及び/又はこれらの組み合わせ。特定の実施形態では、スイッチングのために考慮される閾値及び/又は電流特性の双方は、電流の流れ方向に応じて変化し得る。
【0017】
電流方向に依存する切断閾値は、例えば、2つの比較器の並列配置を使用して実装されることができる。主電流経路のすぐ近くに、好ましくはホールセンサの形態で配置された電流センサから到来する信号は、その瞬間に流れる電流の量の尺度であり、双方の比較器の入力の1つに同時に進む。電流フローモードでは、ホール電圧信号は、2つの比較器の2つの入力の各々について固定基準信号と比較される。基準信号のレベルは、双方の電流方向の公称動作ケースにおいて、双方の比較器の出力信号が、DC負荷をオフに切り替えるための磁気駆動コイルの下流の高速非励磁の非作動状態にあるように、電流センサ信号に対して寸法決めされる。負荷電流が電流の一方向において閾値、及び/又は本明細書に記載の別の閾値、例えば短絡に対応する値、及び/又は即時の電力遮断が実行されるべきであることを示す任意の他の条件に達する場合、変更されたホール電圧レベルは、2つの比較器のうちの1つが、高速非通電回路が起動されるように出力信号の状態を変更する効果を有する。しかしながら、他方の比較器では、そこに同時に印加される基準電圧による変化したホール電圧は、出力信号の状態の変化をもたらす入力電圧差を引き起こさない。電流の他の方向の流れの場合に短絡電流閾値に到達すると、これは、逆極性の閾値とは異なることができるが、第2の比較器の信号出力に状態の変化が発生し、第1の比較器には変化がない。
【0018】
このような信号コンスタレーションは、ホール信号が2つの比較器のうちの一方の比較器に入力される反転信号に印加され、他方の比較器に入力される非反転信号に印加されるという点で有利に実装されることができる。所望の値又は基準電圧は、それに応じて制御電子装置の制御電圧を分割する分圧器を使用して実装されることができる。そのような分圧器は、例えば、2つの比較器に印加される基準電圧の固定コンスタレーションを指定するオーミック抵抗の直列接続を介して行うことができる。可変閾値が短絡電流をオフにするのに有用であるアプリケーションでは、分圧器は、例えばポテンショメータ又はツェナーダイオード構成の形態のBなどの可変抵抗器のチェーンとして設計されることもできる。他の閾値タイプ(例えば、電流変化率、電流値の積分、及び/又は電流値と閾値との比較)は、DCスイッチングデバイスの回路と集積化された適切なアナログ又はデジタル電子装置(例えば、コンデンサ、インダクタ、回路に結合された基準電圧及び/若しくは電流値、固体構成要素、及び/又は制御電子装置の利用)によって実装されることができることが分かるであろう。
【0019】
図2を参照すると、描かれている構成要素の例示的なリストは、以下を含む:
・10DCスイッチ
・10a主回路スイッチ
・10b補助スイッチ
・15ホールセンサ
・21比較器K1
・22比較器K2
・30分圧器
・35過電圧保護
・36逆極性保護
・40急速非通電回路
・45駆動コイル
【0020】
図2は、DCスイッチングデバイス用の制御電子装置の例示的な実施形態を示している。動作モードは、以下の例示的な実施形態を使用して説明される。監視される電流は、主電流経路12のすぐ近くのDCスイッチングデバイス10に取り付けられたバイポーラホールセンサ15によって測定される。非通電の場合、センサ出力にホール電圧UH-0が存在し、この例では供給電圧Vccの50%である。DC電流が増加すると、ホール電圧は、電流の一方向にも増加し、反対方向に増加する電流に対してホール電圧は減少する。ホール電圧は、入力信号として、制御電子装置の比較器部分20に並列に配置された2つの比較器21(例えば、反転)、22(例えば、非反転)に同時に供給される。この例では、一方の比較器は、反転入力であり、他方の比較器は、非反転入力である。他の信号の各々について、短絡の場合に磁気駆動装置の急速非通電回路40を作動させるための閾値を有する基準信号が電流の双方向に対して設定される。この例では、2つの基準電圧値は、恒久的に選択されたオーミック抵抗が設けられた分圧器30を介して常時印加される電源電圧Vccから導出される。分圧器30は、例えば接触器を開くための電流閾値を調整するために可変抵抗器を含み得ることが理解されよう。追加的又は代替的に、各比較器に提供される、及び/又は各比較器から提供されるホール電圧値は、変化率、累積時間-電流値などの他のタイプの閾値を利用するために、及び/又は(例えば、電流値が閾値に近付いているかどうかを決定するために)基準値との比較のために、調整され、及び/又は調整との並列接続を有し得る。例えば、R1=R2=15kΩ、R3=20kΩであり、電源電圧Vccが5Vである抵抗値コンステレーションにより、比較器K1 21の非反転入力に3.5Vの基準電圧が印加され、比較器K2 22の反転入力に2.0Vの電圧が印加されるように分圧される。従って、比較器K1におけるホールセンサ信号は、比較器K2の反転入力になると同時に非反転入力になる。監視されるDC電流がトリガ閾値(例えば、短絡電流、又は他の選択された閾値)を下回る限り、入力電圧差は、双方の比較器について常にゼロよりも大きい。
図2の例では、急速非通電回路40が作動しない、電圧差がゼロよりも大きい場合、出力信号は、状態「HI」を有する。しかしながら、ホール電圧が、所与の例示的な値を有する一方の電流の流れ方向について3.5Vの値に到達し、これが、この電流方向について指定された短絡の場合の閾値に対応する場合、比較器K1における電圧差がゼロになり、出力信号が状態「LO」にジャンプする。この例では、K2における2.0Vの基準電圧値に起因して、比較器K2における電圧差は依然としてゼロよりも大きいため、K2比較器からの出力信号は「HI」の状態を有し続けるが、2つの比較器の並列配置は、急速非通電回路40の即時起動、及びスイッチング装置の磁気駆動コイル45の対応する応答を引き起こす。
【0021】
この例では、逆方向に流れる電流の電流強度の増加は、ホール電圧の低下に関連する。この例では、減少する電圧が、例えば反対の電流方向に対して指定された短絡ケースの閾値に対応する2.0Vに到達すると、比較器K2の入力は、ゼロの電圧差に降下し、比較器K2の出力信号は、状態「LO」にジャンプする。この例では、より高い基準電圧のために比較器K1における電圧差は依然として正であり、比較器K1の出力は「HI」のままであるが、2つの比較器の並列配置は、急速非通電回路40の即時起動、及びスイッチング装置の磁気駆動コイル45の対応する応答を引き起こす。
【0022】
例示的なスイッチング装置は、例えばマイクロコントローラベースの構成、及び/又は
図9を参照して示されるようなコントローラを使用して、制御電子装置を実装することを含む。そのような制御電子装置の例示的な入力変数は、瞬間的に流れる負荷電流の尺度としてのホール電圧、及び/又はその処理値、例えば変化率、累積時間-電流値、及び/又はこれらのうちの任意の1つ又は複数の閾値との比較を含む。
【0023】
制御電子装置はまた、マイクロコントローラベースの構成を使用して実装されることもできる。そのような制御電子装置の入力変数は、瞬間的に流れる負荷電流の尺度としてホール電圧である。
【0024】
公称動作では、印加されるホール電圧は、電圧間隔内で変化し、電圧間隔の上限値及び下限値は、双方の電流方向の短絡の場合のスイッチオフ閾値に対応する。これらの閾値のレベルは、原則として異なるように設定されることができるが、所与のアプリケーションに対して固定される。これらの閾値を各々超えるか又は下回ると、マイクロコントローラ出力側では、
図2に関連して説明した比較器ベースの実施形態と同様に、駆動コイル45の急速非励磁回路40に起動信号が送信される。制御電子装置を利用する例は、やはり、駆動コイル45への負荷電流が迅速にオフに切り替えられ、接触器の再接続事象が回避されることを保証する。
【0025】
本開示の例示的な特徴は以下に記載され、そのうちの任意の1つ又は複数が特定の実施形態に存在し得る。例示的なシステムは、双方の電流の流れ方向に対して選択された閾値(例えば、短絡電流)での電流の検出及び迅速な遮断のためのDCスイッチ用の自己トリガ双方向制御電子装置を含み、2つの比較器の並列配置の形態の双方の電流方向に対して異なる選択可能な遮断閾値を有する閾値スイッチからなり、及び/又は制御電子装置を利用して、入力側の双極ホールセンサに基づくDCスイッチに配置された双方向電流センサシステムと、スイッチ駆動部の磁気コイルからの電流の迅速な除去のための高非負荷回路電圧を有する出力側の高速非通電回路とに結合される。自己トリガ双方向制御電子装置は、代替的に、構成要素、装置、デバイス、アセンブリ、回路、又はシステムとして説明されてもよい。例示的なシステムは、可変調整可能なポテンショメータ構成及び/又は同等のツェナーダイオード回路として、固定及び/又は調整可能なオーム抵抗を有する分圧器の形態で、比較器回路の入力側の双方向調整可能な電流切断閾値(例えば、短絡電流)を含む。例示的なシステムは、マイクロコントローラ回路などの制御電子装置を利用して、双方向の高電流事象の迅速な認識を提供するDCスイッチ用の自己トリガ双方向制御電子装置と、スイッチングデバイス(例えば、遮断器/中継器)の接触器を動作させる磁気コイルの迅速な動作停止とを含む。自己トリガ双方向制御電子装置のいくつかの実施形態では、高速非通電回路は、選択可能な遮断閾値がない場合に動作可能である。いくつかの実施形態では、自己トリガ双方向制御電子装置は、双方向電流の一方向に対する選択された閾値(例えば、短絡電流)における電流の検出及び迅速な遮断に有用であり得る。双方向スイッチングの様々な実施形態は、各電流方向に対して異なるスイッチング閾値を有することと、双方向に対して同じスイッチング閾値を有することと、一方の電流方向に対してのみスイッチング閾値を有し、他方の電流方向に対してはスイッチング閾値を有しないこととを含む。
【0026】
特定の説明は、閾値スイッチを動作させるためのスイッチング手段と、高速非通電回路を動作させるための電流除去手段とを参照する。
図1及び
図2に記載の実施形態は、スイッチング手段及び電流除去手段の非限定的な例を示している。
【0027】
特定の更なる例示的な実施形態を以下に記載する。更なる例では、限定されないが、接触器及び/又は遮断器/中継器などの構成要素は、
図2を参照して前述したような双方向スイッチング制御を有するスイッチング装置を利用して実装され得る。本開示の任意の態様に限定されるものではないが、検出された電流値、電流閾値などに関連して説明された動作は、各電流方向に対して同じ又は別個の動作を有することを含む、双方向電流応答として実装され得る。
【0028】
図48を参照すると、自己トリガ双方向制御電子装置を動作させる方法4800が示されている。双方の電流の流れ方向に対して選択された閾値での電流の検出及び遮断のための、電子スイッチ用の自己トリガ双方向制御電子装置を動作させる方法4800は、第1の電流の流れ方向に関連する第1の遮断閾値及び第2の電流の流れ方向に関連する第2の遮断閾値を有する閾値スイッチであって、閾値スイッチの入力側のセンサの検知に基づいて、電子スイッチ内に配置された双方向電流センサシステムに結合された閾値スイッチを動作させること4802と、閾値スイッチの出力側にスイッチオフパルスを印加するように非通電回路であって、磁気駆動コイルから電流を除去するための高非負荷回路電圧を含み、非通電回路が、双方向電流センサシステムが第1及び第2の遮断閾値のうちの選択された閾値以上の電流を検知した場合に磁気駆動コイルから電流を除去するように構成された非通電回路を動作させること4804と、を含む。
図49は、磁気駆動コイルから電流を除去するために高フリーホイーリングカウンタ電圧を印加するように非通電回路を動作させること4902を更に含む方法4900を示している。
【0029】
図50は、電子スイッチ用の自己トリガ双方向制御回路5002を示している。回路5002は、第1の電流の流れ方向に関連する第1の遮断閾値と、第2の電流の流れ方向に関連する第2の遮断閾値とを有する閾値スイッチを動作させるためのスイッチング手段5004を含んでもよく、閾値スイッチは、閾値スイッチの入力側のセンサの検知に基づいて、電子スイッチ内に配置された双方向電流センサシステムに結合される。スイッチング手段5004の実施形態は、少なくとも
図1及び
図2に示す実施形態を参照して示されて説明される。回路5002はまた、閾値スイッチの出力側にスイッチオフパルスを印加するように高速非通電回路を動作させるための電流除去手段5008を含んでもよく、高速非通電回路は、磁気駆動コイルから電流を迅速に除去するための高非負荷回路電圧を含み、高速非通電回路は、双方向電流センサシステムが第1及び第2の遮断閾値のうちの選択された閾値以上の電流を検知したときに磁気駆動コイルからの電流を迅速に除去する。電流除去手段5008の実施形態は、少なくとも
図1及び
図2に示される実施形態を参照して示されて説明される。双方向制御回路5002は、スイッチング手段5004及び電流除去手段5008の双方を含んでもよく、いずれか一方が省略されてもよいことを理解されたい。
【0030】
図51は、遮断器/中継器5102の接触器を動作させるためのシステム5100を示しており、システムは、本明細書に記載の遮断器/中継器5102と、双方の電流の流れ方向に対して選択された閾値での電流の検出及び迅速な遮断のための、遮断器/中継器5102内の電子スイッチ用の自己トリガ双方向制御電子装置構成要素5110とを含む。構成要素5110は、
図1及び
図2に示す実施形態を参照して図示及び説明したように、第1の電流の流れ方向に関連する第1の遮断閾値と、第2の電流の流れ方向に関連する第2の遮断閾値とを有する閾値スイッチ5104を含むことができ、閾値スイッチは、閾値スイッチの入力側のセンサの検知に基づいて、電子スイッチ内に配置された双方向電流センサシステムに結合される。構成要素5110はまた、
図1及び
図2に示す実施形態を参照して図示及び説明したように、閾値スイッチの出力側にスイッチオフパルスを印加するように構成された高速非通電回路5108を含むことができ、高速非通電回路は、磁気駆動コイルから電流を迅速に除去するための高非負荷回路電圧を含み、高速非通電回路5108は、双方向電流センサシステムが第1及び第2の遮断閾値のうちの選択された閾値以上の電流を検知したときに磁気駆動コイルから電流を迅速に除去するように構成されている。構成要素5110は、閾値スイッチ5104及び非通電回路5108の双方を含んでもよく、又はいずれか一方が省略されることができることを理解されたい。
【0031】
例示的な装置は、双方の電流の流れ方向に対して選択された閾値での電流の検出及び遮断のための、電子スイッチ用の自己トリガ双方向制御電子装置であって、第1の電流の流れ方向に関連する第1の遮断閾値及び第2の電流の流れ方向に関連する第2の遮断閾値を有する閾値スイッチであって、閾値スイッチの入力側のセンサの検知に基づいて、電子スイッチ内に配置された双方向電流センサシステムに結合された閾値スイッチと、閾値スイッチの出力側にスイッチオフパルスを印加するように非通電回路であって、磁気駆動コイルから電流を除去するための高非負荷回路電圧を含み、非通電回路が、双方向電流センサシステムが第1及び第2の遮断閾値のうちの選択された閾値以上の電流を検知した場合に磁気駆動コイルから電流を除去するように構成された非通電回路と、を含む、電子スイッチ用の自己トリガ双方向制御電子装置を含む。
【0032】
例示的な装置の特定の更なる態様が以下に説明され、そのうちの任意の1つ又は複数が特定の実施形態に存在し得る。例示的な装置は、非通電回路が、高フリーホイーリングカウンタ電圧を印加して磁気駆動コイルから電流を除去するように更に構成されることを更に含む。例示的な装置は、高フリーホイーリングカウンタ電圧がフライバックダイオードを備えることを更に含む。例示的な装置は、閾値スイッチが2つの比較器を備え、第1及び第2の遮断閾値の各々が、2つの比較器の入力側の双方向に調整可能な電流切断閾値を備えることを更に含む。例示的な装置は、閾値スイッチがコントローラの制御出力を備えることを更に含む。例示的な装置は、第1及び第2の遮断閾値のうちの1つ又は複数が短絡電流値に対応することを更に含む。例示的な装置は、分圧器の第1の側の閾値スイッチ内のセンサであって、バイポーラホールセンサであるセンサと、分圧器の第2の側の閾値スイッチ内の2つの比較器とに電気的に結合された分圧器を更に含む。例示的な装置は、分圧器が、固定オーム抵抗、調整可能なオーム抵抗、可変調整可能な電位差計構成、又はツェナーダイオード回路からなる構成要素から選択される少なくとも1つの構成要素を備えることを更に含む。例示的な装置は、分圧器の第1の側が入力側であり、分圧器の第2の側が出力側であることを更に含む。例示的な装置は、電子スイッチが直流(DC)スイッチを備えることを更に含む。
【0033】
例示的な方法は、双方の電流の流れ方向に対して選択された閾値での電流の検出及び遮断のための、電子スイッチ用の自己トリガ双方向制御電子装置を動作させることを含み、方法が、第1の電流の流れ方向に関連する第1の遮断閾値及び第2の電流の流れ方向に関連する第2の遮断閾値を有する閾値スイッチであって、閾値スイッチの入力側のセンサの検知に基づいて、電子スイッチ内に配置された双方向電流センサシステムに結合された閾値スイッチを動作させることと、閾値スイッチの出力側にスイッチオフパルスを印加するように非通電回路であって、磁気駆動コイルから電流を除去するための高非負荷回路電圧を含み、非通電回路が、双方向電流センサシステムが第1及び第2の遮断閾値のうちの選択された閾値以上の電流を検知した場合に磁気駆動コイルから電流を除去するように構成された非通電回路を動作させることと、を含む。
【0034】
例示的な方法の特定の更なる態様が以下に説明され、そのうちの任意の1つ又は複数が特定の実施形態に存在し得る。例示的な方法は、磁気駆動コイルから電流を除去するために高フリーホイーリングカウンタ電圧を印加するように非通電回路を動作させることを更に含む。例示的な方法は、高フリーホイーリングカウンタ電圧がフライバックダイオードを備えることを更に含む。例示的な方法は、閾値スイッチが2つの比較器を備えることを更に含む。例示的な方法は、第1及び第2の遮断閾値の各々が、2つの比較器の入力側の双方向に調整可能な電流切断閾値を備えることを更に含む。例示的な方法は、閾値スイッチがコントローラの制御出力を備えることを更に含む。例示的な方法は、第1及び第2の遮断閾値のうちの1つ又は複数が短絡電流値に対応することを更に含む。例示的な方法は、分圧器の第1の側の閾値スイッチ内のセンサであって、バイポーラホールセンサであるセンサと、分圧器の第2の側の閾値スイッチ内の2つの比較器とに電気的に結合された分圧器を更に含む。例示的な方法は、分圧器が、固定オーム抵抗、調整可能なオーム抵抗、可変調整可能な電位差計構成、又はツェナーダイオード回路からなる構成要素から選択される少なくとも1つの構成要素を備えることを更に含む。例示的な方法は、分圧器の第1の側が入力側であり、分圧器の第2の側が出力側であることを更に含む。例示的な方法は、電子スイッチが直流(DC)スイッチを備えることを更に含む。
【0035】
双方の電流の流れ方向に対して選択された閾値での電流の検出及び迅速な遮断のための電子スイッチ用の例示的な自動トリガ双方向制御回路は、第1の電流の流れ方向に関連する第1の遮断閾値及び第2の電流の流れ方向に関連する第2の遮断閾値を有する閾値スイッチであって、閾値スイッチの入力側のセンサの検知に基づいて、電子スイッチ内に配置された双方向電流センサシステムに結合された閾値スイッチを動作させるためのスイッチング手段と、閾値スイッチの出力側にスイッチオフパルスを印加するための高速非通電回路であって、磁気駆動コイルから電流を迅速に除去するための高非負荷回路電圧を含み、高速非通電回路が、双方向電流センサシステムが第1及び第2の遮断閾値のうちのうちの選択された閾値以上の電流を検知したときに磁気駆動コイルからの電流を迅速に除去する、高速非通電回路を動作させるための電流除去手段と、を含む。
【0036】
例示的な回路の特定の更なる態様が以下に説明され、そのうちの任意の1つ又は複数が特定の実施形態に存在し得る。例示的な回路は、高速非通電回路が、高いフリーホイーリング対向電圧を印加して、磁気駆動コイルから電流を迅速に除去するように更に構成されることを更に含む。例示的な回路は、高フリーホイーリングカウンタ電圧がフライバックダイオードを備えることを更に含む。例示的な回路は、閾値スイッチが2つの比較器を備えることを更に含む。例示的な回路は、選択された閾値が、2つの比較器の入力側の双方向に調整可能な電流切断閾値を含むことを更に含む。例示的な回路は、閾値スイッチがコントローラの制御出力を備えることを更に含む。例示的な回路は、選択された閾値が短絡電流値に対応することを更に含む。例示的な回路は、分圧器の第1の側の閾値スイッチ内のセンサであって、バイポーラホールセンサであるセンサと、分圧器の第2の側の閾値スイッチ内の2つの比較器とに電気的に結合された分圧器を更に含む。例示的な回路は、分圧器が、固定オーム抵抗、調整可能なオーム抵抗、可変調整可能な電位差計構成、又はツェナーダイオード回路からなる構成要素から選択される少なくとも1つの構成要素を備えることを更に含む。例示的な回路は、分圧器の第1の側が入力側であり、分圧器の第2の側が出力側であることを更に含む。例示的な回路は、電子スイッチが直流(DC)スイッチを備えることを更に含む。
【0037】
遮断器/中継器の接触器を動作させるための例示的なシステムは、遮断器/中継器であって、電力バスに電気的に結合された固定接点と、固定接点に選択的に電気的に結合された可動接点と、可動接点に結合されたアーマチュアであって、アーマチュアが電力バスを通る電流の流れを可能にするために固定接点と接触するように移動されるように構成されたアーマチュアと、コイル及び磁石コアを含む中継部であって、コイルが通電されるとアーマチュアが磁石コアに引き寄せられるように、コイルが中継器を作動させるように構成された中継部と、遮断部であって、遮断器/中継器の本体に近接する複数のスプリッタプレートと、複数のスプリッタプレート及び接点ギャップと複数のスプリッタプレートとの間のアーク経路のうちの1つ又は複数を囲む永久磁石システムとを含み、電力バスが通電されているときの可動接点の係合中又は係合解除中、遮断器/中継器の本体が、永久磁石システムによって提供される磁場を使用してスプリッタプレートと協働してアークを消散させるように構成された、遮断部と、を含む、遮断器/中継器と、遮断器/中継器内の電子スイッチ用の自己トリガ双方向制御電子装置構成要素であって、双方の電流の流れ方向に対して選択された閾値での電流の検出及び迅速な遮断のために、第1の電流の流れ方向に関連する第1の遮断閾値及び第2の電流の流れ方向に関連する第2の遮断閾値を有する閾値スイッチであって、閾値スイッチの入力側のセンサの検知に基づいて、電子スイッチ内に配置された双方向電流センサシステムに結合された閾値スイッチと、閾値スイッチの出力側にスイッチオフパルスを印加するように構成された高速非通電回路であって、磁気駆動コイルから電流を迅速に除去するための高非負荷回路電圧を含み、高速非通電回路が、双方向電流センサシステムが第1及び第2の閾値のうちのうちの選択された閾値以上の電流を検知したときに磁気駆動コイルからの電流を迅速に除去するように構成された高速非通電回路と、を含む、自己トリガ双方向制御電子装置構成要素と、を含む。
【0038】
例示的なシステムの特定の更なる態様が以下に説明され、そのうちの任意の1つ又は複数が特定の実施形態に存在し得る。例示的なシステムは、高速非通電回路が、高いフリーホイーリング対向電圧を印加して、磁気駆動コイルから電流を迅速に除去するように更に構成されることを更に含む。例示的な回路は、高フリーホイーリングカウンタ電圧がフライバックダイオードを備えることを更に含む。例示的な回路は、閾値スイッチが2つの比較器を備えることを更に含む。例示的な回路は、選択された閾値が短絡電流値に対応することを更に含む。例示的な回路は、電子スイッチが直流(DC)スイッチを備えることを更に含む。
【0039】
遮断器/中継器の接触器を動作させるための例示的なシステムは、遮断器/中継器であって、電力バスに電気的に結合された固定接点と、固定接点に選択的に電気的に結合された可動接点と、可動接点に結合されたアーマチュアであって、アーマチュアが電力バスを通る電流の流れを可能にするために固定接点と接触するように移動されるように構成されたアーマチュアと、コイル及び磁石コアを含む中継部であって、コイルが通電されるとアーマチュアが磁石コアに引き寄せられるように、コイルが中継器を作動させるように構成された中継部と、遮断部であって、遮断器/中継器の本体に近接する複数のスプリッタプレートと、複数のスプリッタプレート及び接点ギャップと複数のスプリッタプレートとの間のアーク経路のうちの1つ又は複数を囲む永久磁石システムとを含み、電力バスが通電されているときの可動接点の係合中又は係合解除中、遮断器/中継器の本体が、永久磁石システムによって提供される磁場を使用してスプリッタプレートと協働してアークを消散させるように構成された、遮断部と、を含む、遮断器/中継器と、遮断器/中継器内の電子スイッチ用の自己トリガ双方向制御電子装置構成要素であって、双方の電流の流れ方向に対して選択された閾値での電流の検出及び迅速な遮断のために、第1の電流の流れ方向に関連する第1の遮断閾値及び第2の電流の流れ方向に関連する第2の遮断閾値を有する閾値スイッチであって、閾値スイッチの入力側のセンサの検知に基づいて、電子スイッチ内に配置された双方向電流センサシステムに結合された閾値スイッチを含む、自己トリガ双方向制御電子装置構成要素と、を含む。
【0040】
例示的なシステムの特定の更なる態様が以下に説明され、そのうちの任意の1つ又は複数が特定の実施形態に存在し得る。例示的なシステムは、閾値スイッチが2つの比較器を備えることを更に含む。例示的なシステムは、選択された閾値が短絡電流値に対応することを更に含む。例示的なシステムは、電子スイッチが直流(DC)スイッチを備えることを更に含む。
【0041】
例示的な装置は、双方の電流の流れ方向に対して選択された閾値での電流の検出及び遮断のための、直流(DC)スイッチ用の自己トリガ双方向制御電子装置であって、DCスイッチと、第1の電流の流れ方向に関連する第1の遮断閾値及び第2の電流の流れ方向に関連する第2の遮断閾値を有する閾値スイッチであって、閾値スイッチの入力側のセンサの検知に基づいて、DCスイッチ内に配置された双方向電流センサシステムに結合された閾値スイッチと、閾値スイッチの出力側にスイッチオフパルスを印加するように非通電回路であって、磁気駆動コイルから電流を除去するための高非負荷回路電圧を含み、非通電回路が、双方向電流センサシステムが第1及び第2の遮断閾値のうちの選択された閾値以上の電流を検知した場合に磁気駆動コイルから電流を除去するように構成された非通電回路と、を含む、電子スイッチ用の自己トリガ双方向制御電子装置を含む。
【0042】
例示的な装置は、双方の電流の流れ方向に対して選択された閾値での電流の検出及び遮断のための、電子スイッチ用の自己トリガ双方向制御電子装置であって、双方向電流センサシステムと、第1の電流の流れ方向に関連する第1の遮断閾値及び第2の電流の流れ方向に関連する第2の遮断閾値を有する閾値スイッチであって、閾値スイッチの入力側のセンサの検知に基づいて、電子スイッチ内に配置された双方向電流センサシステムに結合された閾値スイッチと、閾値スイッチの出力側にスイッチオフパルスを印加するように非通電回路であって、磁気駆動コイルから電流を除去するための高非負荷回路電圧を含み、非通電回路が、双方向電流センサシステムが第1及び第2の遮断閾値のうちの選択された閾値以上の電流を検知した場合に磁気駆動コイルから電流を除去するように構成された非通電回路と、を含む、電子スイッチ用の自己トリガ双方向制御電子装置を含む。
【0043】
例示的な装置は、双方の電流の流れ方向に対して選択された閾値での電流の検出及び遮断のための、電子スイッチ用の自己トリガ双方向制御電子装置であって、磁気駆動コイルと、第1の電流の流れ方向に関連する第1の遮断閾値及び第2の電流の流れ方向に関連する第2の遮断閾値を有する閾値スイッチであって、閾値スイッチの入力側のセンサの検知に基づいて、電子スイッチ内に配置された双方向電流センサシステムに結合された閾値スイッチと、閾値スイッチの出力側にスイッチオフパルスを印加するように非通電回路であって、磁気駆動コイルから電流を除去するための高非負荷回路電圧を含み、非通電回路が、双方向電流センサシステムが第1及び第2の遮断閾値のうちの選択された閾値以上の電流を検知した場合に磁気駆動コイルから電流を除去するように構成された非通電回路と、を含む、電子スイッチ用の自己トリガ双方向制御電子装置を含む。
【0044】
例示的な装置は、双方の電流の流れ方向に対して選択された閾値での電流の検出及び遮断のための、電子スイッチ用の自己トリガ双方向制御電子装置であって、第1の電流の流れ方向に関連する第1の遮断閾値及び第2の電流の流れ方向に関連する第2の遮断閾値を有する閾値スイッチであって、閾値スイッチの入力側のセンサの検知、検知された電流に基づいて、電子スイッチ内に配置された双方向電流センサシステムに結合された閾値スイッチと、閾値スイッチの出力側にスイッチオフパルスを印加するように非通電回路であって、磁気駆動コイルから電流を除去するための高非負荷回路電圧を含み、非通電回路が、検知された電流が第1及び第2の遮断閾値のうちの選択された閾値以上である場合に磁気駆動コイルから電流を除去するように構成された非通電回路と、を含む、電子スイッチ用の自己トリガ双方向制御電子装置を含む。
【0045】
図3を参照すると、電源104と負荷106との間に動作可能に配置された電力分配ユニット(PDU)102を含む例示的なシステム100が概略的に示されている。電源104は、少なくともバッテリ、発電機、及び/又はコンデンサを含む任意のタイプであってもよい。電源104は、複数の電源又は電力線を含んでもよく、これらは電力の種類(例えば、発電機入力から分離されたバッテリ入力)に従って分配されてもよく、及び/又は給電される装置(例えば、動力電力などの主負荷電力から分離された補助及び/又は補機電力、及び/又は補機内の分割、動力電力内の分割など)に従って分配されてもよい。負荷106は、1つ又は複数の動力負荷(例えば、個々の駆動ホイールモータ、グローバル動力駆動モータなど)、1つ又は複数の付属品(例えば、ステアリング、ファン、ライト、キャブ動力などの車載付属品)を含む任意のタイプであってもよい。特定の実施形態では、PDU102は、均一な入力及び出力アクセスを利用すること、全ての電力分配を単一のボックス、単一の領域、及び/又は単一の論理的に統合された構成要素のグループにグループ化することなどによって、システム100を含むアプリケーションの電気システムの統合を容易にする。特定の実施形態では、PDU102は、電気システム又は電気システムの個々の態様の融合及び/又は接続若しくは切断(手動及び/又は自動)を含む、電気システムの保護を提供する。特定の実施形態では、1つ又は複数の電源104は、高電圧(例えば、96V、230V~360V、240V、480V、又は任意の他の値であってもよい動力源)又は低電圧(例えば、12V、24V、42V、又は任意の他の値)であってもよい。特定の実施形態では、1つ又は複数の電源104は、直流(DC)電源、又は多相(例えば、3相)AC電力を含む交流(AC)電源であってもよい。特定の実施形態では、PDU102は、パススルー装置であり、例えば、電力構成のために提供されないPDU102からの検知及び他の動作の影響を受けた場合にのみ、電源104によって構成されたように負荷106に電力を供給する。特定の実施形態では、PDU102は、選択された電力特性を負荷106に提供するために、例えば整流、電圧調整、ノイズの多い電力のクリーンアップなどの電力電子装置を含んでもよい。
【0046】
図4を参照すると、例示的なPDU102のより詳細な図が概略的に示されている。例示的なPDU102は、1つ又は複数の電源104によって提供され得る主電源202(例えば、高電圧、主負荷電力、動力など)と、1つ又は複数の電源104によって提供され得る補助電源204(例えば、補助、アクセサリ、低電圧など)とを含む。例示的なPDU102は、単一の主電源202及び単一の補助電源204を示しているが、所与のアプリケーションは、1つ又は複数の主電源202を含んでもよく、分離された補助電源204を含んでもよく、及び/又は補助電源204を省略してもよい。
【0047】
例示的なPDU102は、冷却剤入口206及び冷却剤出口208を更に含む。PDU102への冷却剤の供給は任意であり、特定の実施形態には含まれなくてもよい。冷却剤は、例えば利用可能な車載冷却剤(例えば、エンジン冷却剤、トランスミッション冷却剤、補助装置又は電源104などの他の動力構成要素に関連する冷却剤流など)を含む、本出願における利用可能性に応じた任意の種類のものであってもよく、及び/又はPDU102専用の冷却剤であってもよい。存在する場合、冷却剤によって提供される冷却の量は、例えば、PDU102内のハードウェア(例えば、弁又は制限部)を動作させること、システム内の別のデバイスに冷却剤流量の要求を提供することなどによって、PDU102を通って冷却剤ループを通って流れる冷却剤の量を変更することによって、可変であり得る。
【0048】
例示的なPDU102は、主電源コンセント210及び補助電源コンセント212を更に含む。前述のように、PDU102は、複数の主電源コンセント210、及び/又は分割、複数、多重化、及び/又は省略された補助電源コンセント212を含んでもよい。例示的なPDU102は、検知及び/又は能動的診断による電力への影響を除いて、電源コンセント210、212が対応する電源入口202、204とほぼ同じ電気特性を有する通過電源装置である。しかしながら、PDU102は、任意の所望の方法で電力を構成するための電力電子装置(ソリッドステート又はその他)を含むことができる。
【0049】
例示的なPDU102は、PDU102の特定の動作を機能的に実行するように構成されたコントローラ214を更に含む。コントローラ214は、例えば、PDU102内の任意の電源又は入力、ヒューズ、コネクタ、又は他のデバイスの電流値、電圧値、及び/又は温度を決定するために、PDU102内の1つ又は複数のセンサ及び/又はアクチュエータを含み、及び/又はそれに通信可能に結合される。追加的又は代替的に、コントローラ214は、例えば、車両コントローラ、エンジンコントローラ、トランスミッションコントローラ、アプリケーションコントローラ、及び/又はネットワークデバイス若しくはサーバ(例えば、フリートコンピュータ、クラウドサーバなど)を含む、PDU102を含むシステム100に通信可能に結合される。コントローラ214は、アプリケーションネットワーク(例えば、CAN、データリンク、プライベート又はパブリックネットワークなど)、外部ネットワーク、及び/又は別のデバイス(例えば、オペレータの携帯機器、車両用の運転室内コンピュータなど)に結合されてもよい。コントローラ214は、図示の便宜上、単一のスタンドアロン装置として概略的に示されている。コントローラ214及び/又はコントローラ214の態様は、コントローラ214の1つ又は複数の動作を実行するために、複数のハードウェアデバイスにわたって分散されてもよく、別のハードウェアデバイス(例えば、電源、負荷、車両、アプリケーションなどのためのコントローラ)内に含まれてもよく、及び/又はハードウェアデバイス、論理回路などとして構成されてもよいことが理解されよう。PDU102は、単一のエンクロージャ内のデバイスとして概略的に示されているが、単一のエンクロージャ内にあってもよく、及び/又はアプリケーション内の2つ又はそれ以上の場所に分散されてもよい。特定の実施形態では、PDU102を単一のエンクロージャ内に含めることは、統合、フットプリントの削減、及び/又はインターフェースの簡素化のための特定の利点を提供する。追加的又は代替的に、アプリケーション内の複数の位置にPDU102を含めることが本明細書では企図され、及び/又はアプリケーション内に複数のPDU102を含めることが本明細書では企図される。
【0050】
例示的なPDU102は、PDU102の主電力スループットを選択的に制御する主接触器216を含む。この例では、主接触器216は、コントローラ214に通信可能に結合され、コントローラによって制御される。主接触器216は、追加的に手動で制御可能であってもよく、及び/又は他の主接触器216は、手動で制御可能な主電力のためにインラインであってもよい。例示的な主接触器216は、ソレノイド(又は他のコイルベースの)接触器を含み、ソレノイドに通電すると接続された主電源(例えば、常開、又は通電されていないときに電源が切断される)が提供され、及び/又はソレノイドに通電すると切断された主電源(例えば、正常に閉じている、又は通電されていないときに電力が接続されている)が提供される。コントローラ214の電源が故障したときに電源をアクティブにすべきかどうか、所定のサービス計画、規制及び/又はポリシー、システム100の電力損失の結果、主電源で通常運ばれる電圧、正の手動切断オプションの利用可能性などに関する設計選択を含むシステム100の特性は、主接触器216が正常に開いているか正常に閉じているかの決定を通知又は指示し得る。特定の実施形態では、主接触器216は、ソリッドステート中継器などのソリッドステートデバイスであってもよい。複数の主接触器216が存在する場合、様々な接触器は、同じ又は別個のハードウェア(例えば、1つはソレノイドであり、1つはソリッドステート中継器である)を含んでもよく、及び/又は通常開又は通常閉であるための同じ又は別個のロジックを含んでもよい。主接触器216は、PDU102の外部のデバイス、例えば、キースイッチロックアウト、主接触器216を制御するためのアクセスを有するシステム100内の別のコントローラなどによって更に制御可能であってもよく、及び/又はコントローラ214は、主接触器216を開閉するための外部コマンドに応答してもよく、及び/又は主電源用のインラインの追加の接触器は、PDU102の外部のデバイスに応答してもよい。
【0051】
例示的なPDU102は、PDU102の補助電力スループットを選択的に制御する補助接触器218を含む。この例では、補助接触器218は、コントローラ214に通信可能に結合され、コントローラによって制御される。補助接触器218は、追加的に手動で制御可能であってもよく、及び/又は他の補助接触器218は、手動で制御可能な補助電力のためにインラインであってもよい。例示的な補助接触器218は、ソレノイド(又は他のコイルベースの)接触器を含み、ソレノイドに通電すると接続された補助電源(例えば、常開、又は通電されていないときに電源が切断される)が提供され、及び/又はソレノイドに通電すると切断された補助電源(例えば、正常に閉じている、又は通電されていないときに電力が接続される)が提供される。システム100の特性は、コントローラ214の電源が故障したときに電源をアクティブにすべきかどうか、所定のサービス計画、規制及び/又はポリシー、システム100の電力損失の結果、典型的には補助電源で運ばれる電圧、正の手動切断オプションの利用可能性などに関する設計選択を含み、補助接触器218が正常に開いているか正常に閉じているかの決定を通知又は指示し得る。特定の実施形態では、補助接触器218は、ソリッドステート中継器などのソリッドステートデバイスであってもよい。補助接触器218は、PDU102の外部のデバイス、例えば、キースイッチロックアウト、補助接触器218を制御するためのアクセスを有するシステム100内の別のコントローラなどによって更に制御可能であってもよく、及び/又はコントローラ214は、補助接触器218を開閉するための外部コマンドに応答してもよく、及び/又は補助電源用のインラインの追加の接触器は、PDU102の外部のデバイスに応答してもよい。特定の実施形態では、補助接触器218は、補助線ごと、補助線のサブセット(例えば、2つ、3つ、又は4つの補助接触器218を有する4つの補助電力入力)などに設けられてもよい。
【0052】
例示的なPDU102は、交流電源であってもよく、及び/又はコントローラ214上のソリッドステート電子回路として提供されてもよい電流源220を含む。電流源220は、例えばAC電流、DC電流、及び/又は経時的な制御可能な電流として、主ヒューズ222を横切る主電源への選択された電流注入を提供することができる。例えば、PDU102は、主電源上の電圧及び/又は電流センサなどのセンサを含んでもよく、電流源220は、主電源に所望の電流を注入するように構成された方法で電源(外部電源であってもよく、及び/又はコントローラを介して供給されてもよい)への電気的接続を提供する。電流源220は、例えばシステムノイズ、変動性、及び経年劣化に応答するために、所望の電流が注入されることを確実にするためのフィードバックを含んでもよく、及び/又は電流を注入するために公称電気的接続を適用してもよく、コントローラ214は、主電源に実際に注入された電流を決定するためにセンサ入力を決定する。例示的なPDU102は、主ヒューズ222に関連付けられた電流源220を示しているが、PDU102は、個々に、サブセット内に、又は全てのヒューズにわたって(ヒューズ上の電力の互換性の影響を受け、例えば、電気的に結合されたヒューズにわたる同時の電流注入は一般的に回避されるべきである)を含む、PDU102内のヒューズ222、224のいずれか1つ又は複数に関連付けられた1つ又は複数の電流源220を更に含んでもよい。追加の電流源220を含むことは、個々のヒューズにわたって電流を注入すること、及びヒューズの経時的な変動を管理することにおいてより高い分解能を提供し、より少ない電流源220を含むことは、システムコスト及び複雑さを低減することが分かる。特定の実施形態では、電流源220は、PDU102内の各ヒューズにわたって、及び/又は対象の各ヒューズにわたって、シーケンス若しくはスケジュールで、及び/又はコントローラ214によって要求されるように、電流を選択的に注入するように構成されている。
【0053】
例示的なPDU102は、主ヒューズ222及び補助ヒューズ224を含む。主電源には、1つ又は複数の主ヒューズ222が関連付けられ、補助電源には補助ヒューズ224が関連付けられる。特定の実施形態では、ヒューズは、加熱を示す抵抗デバイスなどの熱ヒューズであり、関連する電力線において所与の電流プロファイルを超える場合に故障するように意図されている。
図5を参照すると、ヒューズの典型的且つ非限定的な例示的な応答曲線が示されている。曲線302は、印加損傷曲線を表し、曲線を超えた場合に印加のいくつかの態様が損傷する電流-時間空間を示す。例えば、例示的なアプリケーション損傷曲線302では、10×定格電流を約50ミリ秒超えると、アプリケーションのいくつかの態様への損傷が発生する。アプリケーションは、多くの構成要素を含んでもよく、構成要素は、アプリケーション損傷曲線302において異なり得ることが理解されよう。更に、各ヒューズ222、224は、他の構成要素とは異なる損傷曲線を有する別個の構成要素に関連付けられてもよい。曲線304は、制御空間を表し、特定の実施形態では、コントローラ114は、ヒューズの障害又は公称外動作の場合にシステムが印加損傷曲線302に到達するのを防ぐための制御保護を提供する。印加損傷曲線302は、指定された値、例えば、満たされるべきシステム要件であってもよく、印加損傷曲線302の超過は、システム要件を満たさないが、構成要素への実際の損傷は、現在の時間空間内の他の何らかの値で経験され得る。曲線306は、例示的なヒューズのヒューズ溶断線を表す。ヒューズ溶断線306の位置では、ヒューズ温度がヒューズ設計温度を超え、ヒューズが溶断する。しかしながら、ヒューズは、ヒューズ導通ライン308によって示されるように、溶断開始後の期間にわたって導通し続ける(例えば、接続が切断される前の溶断した材料を通る伝導、アーク放電などに起因して)。時電流空間がヒューズ導通ライン308に到達すると、ヒューズは、電力ライン上でもはや導通しておらず、ラインは切断される。特定のシステムダイナミクス、ヒューズ間変動、ヒューズの経年劣化(例えば、誘発された機械的又は熱的劣化、組成又は酸化の変化など)、経験される電流の正確な性質(例えば、電流の立ち上がり時間)、及び他の現実世界の変数が、ヒューズの溶断及びヒューズの切断の双方の正確なタイミングに影響を及ぼすことが理解されよう。しかしながら、
図5に示されるような公称ヒューズであっても、非常に高い電流では、公称ヒューズ伝導線308、更にはヒューズ溶断線306さえも、例えば、ヒューズ切断動作の特定のダイナミクスが、非常に高い電流値で印加される電流に対して応答性が低い(時間領域において)か、又は応答性がないため、印加損傷曲線302を横切る可能性があることが分かる。
【0054】
例示的なPDU102は、補助電力に関連付けられた導電層226と、主電力に関連付けられた導電層228とを更に含む。導電層226、228は、電力線のヒューズへの電力結合を含む。特定の実施形態では、導電層226、228は、ヒューズとPDU102への電力接続との間の単なるワイヤ又は他の導電性結合である。追加的又は代替的に、導電層226、228は、PDU102内に電力接続を提供するために、例えば打ち抜き又は形成された導電層を有する平坦又は積層部分を含んでもよく、及び/又は導電層226、228の部分は、平坦又は積層部分を含んでもよい。本明細書で提供される他の開示に限定されるものではないが、平坦又は積層部分の利用は、導電層226、228の製造の柔軟性、設置の柔軟性及び/又は導電層226、228の設置面積の減少を提供し、及び/又は導電層226、228とPDU102の部分、例えば、導電層226、228と他のデバイスとの間の熱的及び/又は電気的接触が望まれるPDU102内のヒューズ、コントローラ、接触器、又は他のデバイスとの間のより大きな接触面積を提供する。例示的な導電層226、228は、ヒューズに関連して示されているが、導電層226、228は、追加的又は代替的に、コントローラ214(例えば、電力結合、PDU102の内部又は外部の通信、アクチュエータへの結合、センサへの結合、及び/又は熱結合)、接触器216、218、及び/又はPDU102内の任意の他のデバイスに関連付けられてもよい。
【0055】
図6を参照すると、例示的なシステム400は、車両などのモバイルアプリケーションである。例示的なシステム400は、PDU102を介して高電圧負荷106に電気的に結合された高電圧バッテリ104を含む。例示的なシステム400では、内燃機関402(発電機、モータジェネレータ、及び/又はインバータなどの関連する変換電子装置)などの補助原動機がPDU102に更に結合される。高電圧バッテリ104及び/又は補助原動機402は、システム400の特定の動作条件の間、電源又は負荷として機能し得て、更に、高電圧負荷106(例えば、車輪に結合された電気モータ又はモータジェネレータ)は、特定の動作条件の間、負荷又は電源として機能し得ることが理解される。本明細書における負荷106及び供給源104の説明は非限定的であり、記載された負荷106及び/又は供給源104が記載された名称ではないモードで動作することが多い、通常、又は常にある場合であっても、概念的な説明のために選択された公称動作、通常動作、及び/又は動作条件のみを参照する。例えば、高電圧バッテリ104は、正味エネルギーがバッテリから取り出されている動力動作中の電源として、及び/又は充電動作中の負荷、車輪又は補助原動機がバッテリを充電している動力動作などとして動作し得る。
【0056】
例示的なシステム400は、システム400内の別の構成要素、及び/又はシステム内の別のコントローラの一部(例えば、車両コントローラ、バッテリコントローラ、モータ又はモータジェネレータのコントローラ、及び/又はエンジンコントローラ)に関連付けられ得るパワートレインの動作を制御するためのパワートレインコントローラ404を更に含む。例示的なシステム400は、PDU102を介して高電圧バッテリ404に結合された充電器406と、システム400内の補助負荷及び付属負荷を表す低電圧負荷(
図6の例における「12Vオートロード」)とを更に含む。当業者は、例えば、補助動力(例えば、内燃機関)が電気システムとのみ相互作用してバッテリを再充電し、及び/又は動作中に追加のリアルタイム電力を提供するが、駆動輪とは機械的に相互作用しない場合、システム400が車両用のシリアルハイブリッドパワートレインを含むものとして認識するであろう。追加的又は代替的に、システムは、並列ハイブリッドシステムを含んでもよく、補助動力は、駆動輪と機械的に相互作用することができ、及び/又は電気システム(いずれか、又は双方)と相互作用することができる。追加的又は代替的に、システムは、補助電力が存在しない、及び/又は補助電力が存在するが高電圧/動力システム(例えば、補機、冷凍機などを駆動するための代替の電力ユニットであって、電力はPDU102を介して伝達され得るが、動力電気システムから分離され得る、代替の電力ユニット)と相互作用しない完全電気システムであってもよい。特定の実施形態では、車両などの動力システムは、例えば加速、減速、ストップアンドゴー交通、緊急動作などの間に非常に過渡的な負荷サイクルを経験し、従って、そのようなシステムにおける電力の管理は複雑であり、ヒューズなどの特定の装置は、非常に過渡的な負荷サイクルに対して脆弱である可能性がある。追加的又は代替的に、車両の動作の損失は、システムのダウンタイムのコスト、貨物の損失若しくは早すぎる配送、及び/又は障害による著しい動作リスク(例えば、オペレータ及び/又は車両の横倒し、交通における運行の喪失、自動車専用道路における運行の喪失など)をもたらす可能性がある。特定の実施形態では、ハイブリッド電気及び/又は完全電気であり得る他のシステムは、追加的又は代替的に、ポンピング動作、より大きなプロセス(例えば、化学、精製、穿孔など)のためのプロセス動作、発電動作、採掘動作などの動作中断に対する非常に可変のデューティサイクル及び/又は特定の脆弱性を受ける。これらの動作及び他の動作のシステム障害は、特定のシステムのダウンタイムを超えるプロセス障害に関連する損失などの外部性を含む可能性があり、及び/又はそのようなシステムのダウンタイムは、大きなコストを招く可能性がある。
【0057】
図7を参照すると、PDU102を含む例示的なシステムが示されている。例示的なPDU102は、いくつかの補助電力接続(例えば、例では、充電、パワーステアリング、車両アクセサリ、及び電流検出のための負荷リターンである)、及び主動力/牽引動力接続を有する。例示的なシステム500は、バッテリのハイサイド及びローサイドの各々に1つずつ、2つの高電圧接触器を含み、この例では、2つの高電圧接触器は、システム制御基板によって制御可能であるが、追加的又は代替的に手動であってもよい(例えば、オペレータによってアクセス可能なスイッチ)。更に、システム制御基板は、PDU102を介して全ての電力を切断することができるマスタ切断を制御することができる。システム500は、全体を通して説明した本開示の特定の動作をサポートする、システム制御基板によって制御可能な電力ヒューズバイパス502を更に示す。システム500は、電力ヒューズバイパス502を示しているが、追加的又は代替的に、補助ヒューズのうちの1つ又は複数、補助ヒューズの任意のサブセット、及び/又は補助ヒューズの全てをまとめて補助バイパスを含んでもよい。例示的なシステム500は、任意の冷却剤供給及び戻りカップリングを含む。システム500におけるバッテリ結合は、230Vから400Vバッテリ結合を示すが、高電圧結合は任意の値であってもよい。システム制御基板は、12V CANネットワークに通信可能に結合されているものとして示されているが、システム制御基板の周囲のアプリケーション又はシステムへの通信結合は、当該技術分野において理解されている任意のネットワーク、複数のネットワーク(例えば、車両、エンジン、パワートレイン、プライベート、パブリック、OBDなど)であってもよく、及び/又は無線ネットワーク接続であってもよく、又は無線ネットワーク接続を含んでもよい。
【0058】
図8を参照すると、PDU102の全部又は一部を含み得る例示的な装置1300が示されている。本明細書で主ヒューズ222と積層層226/228との間の相互作用を参照する説明は、追加的又は代替的に、装置1300内の任意のヒューズ及び/又はコネクタ、及び/又は本開示全体を通して説明されるPDU102の任意の他の構成要素の間の相互作用を企図する。例示的な装置1300は、高電圧接触器であってもよく、及び/又は装置1300内のヒューズ222、224の様々なものと関連付けられてもよい接触器216/218を含む。装置1300は、装置1300内の導電性回路の特定の態様のための導電層を含み得る積層層226/228を含む。積層層226/228は、追加的又は代替的に、装置1300内の様々な構成要素の剛性及び/又は構造的支持を提供し得る。積層層226/228は、構造的機能、熱伝達機能、及び/又は電気伝導率機能を含む積層層226/228の機能をサポートするために所望される方法で任意の構成要素と相互作用するように構成されてもよい。例示的な積層層226/228は、装置1300内の全ての接触器及びヒューズと相互作用するが、積層層226/228は、例えばプリント回路基板(PCB)設計と同様の方法で、接触器及び/又はヒューズのうちの選択されたもの、及び/又は装置内の他の構成要素と相互作用するように容易に構成されることができる。例示的な装置1300は、最終構成であってもよく、及び/又は試験構成であってもよいLブラケット上に配置される。特定の実施形態では、装置1300は、専用のハウジングに囲まれている、及び/又はバッテリハウジングなどのシステム100内の別のデバイスのハウジングに囲まれている。特定の実施形態では、装置1300は、装置の構成要素へのサービス及び/又は保守アクセスのための取り外し可能なハウジング部分(例えば、上部、蓋など)を含む。例示的な装置1300は、例えば、電力、データリンクアクセス、電源104への接続、負荷106への接続、センサ(図示せず)への接続、及び/又はシステム100などへの任意の他のタイプの接続を提供するためのコネクタ1302を含む。
【0059】
図9を参照すると、ヒューズ障害及びシステム障害に対する追加の保護を提供するための例示的な装置1900が記載されている。例えばコントローラ214上に実装された例示的な装置1900は、電流事象1904がアクティブであるか、又は発生すると予測されると決定する電流事象決定回路1902を含み、ここで、電流事象は、構成要素に熱的及び/又は機械的応力を引き起こすが、即時の障害又は観察可能な損傷を引き起こさない可能性がある電流値などの摩耗事象を経験している(又は経験しようとしている)成分を含む。例示的な構成要素はヒューズを含むが、バッテリセル、スイッチ又はコネクタ、モータなどを含むシステム内の他の任意の構成要素であってもよい。別の例示的な電流事象は、システム障害値、例えば、システム障害(例えば、ケーブルの障害、コネクタの障害など)を引き起こす可能性がある、又は引き起こすと予想される電流値を含む。
【0060】
装置1900は、電流事象1904に対するシステム応答値1910を決定する応答決定回路1906を更に含む。例示的且つ非限定的な応答は、電力を低減するようにオペレータに通知すること、電力を低減すること、電流事象1904が存在する又は差し迫っていることをシステムコントローラに通知すること、事象に関連する回路上の接触器を開くこと、回路保護を遅延させること、事象及び応答遅延の原因を監視して後で応答すること、及び/又はシステム内の動作状態に従って応答をスケジュールすることを含む。装置1900は、応答実装回路1908を更に含み、応答実装回路1908は、システム応答値1910に従って通信及び/又はアクチュエータ応答を決定し、システム応答値1910を実装するためにネットワーク通信1912及び/又はアクチュエータコマンド1914を提供する。例示的且つ非限定的なアクチュエータ応答は、接触器を動作させること、能動冷却剤アクチュエータを動作させてヒューズから離れる熱伝導を調節することなどを含む。
【0061】
図10を参照すると、システム応答値1910を実装するための例示的なデータ2000が示されている。例示的なデータ2000は、閾値2002、例えば、電流、温度、指標パラメータ、又は構成要素の摩耗及び/又はシステム障害が発生すると予想される他の値を含み、少なくともシステムのある時点における特定の動作条件下で、電流事象決定回路1902によって閾値として利用される。電流事象決定回路1902は、本開示全体を通して説明したように、複数の閾値及び/又は動的閾値を利用し得ることが理解される。曲線2004は、公称システム性能、例えば、装置1900の動作がない場合にシステムが経験する電流、温度、指数パラメータなどを表す。この例では、応答決定回路1906は、閾値2002が交差すると決定し、閾値2002の交差を回避する時間内に、接触器の切断時間2008(及び/又は有効冷却剤ループの応答時間)を考慮して、接触器に命令し、及び/又はヒューズから離れる熱伝導を増加させる。例示的なデータ2000は、結果として生じるシステム応答曲線2006を示し、結果として生じるシステム性能は閾値2002未満に維持される。システムは、代替的な応答軌道(例えば、結果として得られるシステム応答曲線2006は、システムのダイナミクス、接触器がどれだけ長く開いたままであるかなどに応じて、閾値2002をはるかに下回り得る)を経験し得る。それにもかかわらず、追加的又は代替的に、応答決定回路1906は、例えば、本開示全体を通して説明される任意の動作又は決定に従って、閾値2002を超えることを可能にし得る。特定の実施形態では、応答決定回路1906は、閾値2002を超えることを可能にするが、応答のより低いピーク値、及び/又は閾値2002を超える応答曲線下面積は、応答決定回路1906の動作がない場合よりも小さくなる。
【0062】
装置1900などの装置によって実行され得る例示的な手順は、電流事象(又は他の応答事象)が摩耗閾値を超えているか若しくは超えると予測されることを決定する動作、及び/又は電流事象がシステム障害値を超えているか若しくは超えると予測されることを決定する動作を含む。電流事象がいずれかの値を超えている、又はいずれかの値を超えると予測されていると決定したことに応答して、手順は、緩和措置を実行するための動作を含む。摩耗閾値の構成要素は、ヒューズ(例えば、ヒューズは、機械的応力、熱応力、又はヒューズ寿命の高使用を引き起こす電流事象を経験しているか、又は経験すると予想される)、システム内の構成要素(例えば、接触器、ケーブル、スイッチ、バッテリセルなど)、及び/又は名目上決定される定義された閾値(例えば、特定の構成要素に必ずしも結び付けられることなく、構成要素の損傷の可能性に関連すると予想される値の較正)であってもよい。特定の実施形態では、摩耗閾値及び/又はシステム障害値は、システム又はシステム内の構成要素の経年劣化又は摩耗状態に対して補償される(例えば、システムが経年変化するにつれて、閾値が減少し、及び/又は応答が増加する)。
【0063】
システム応答値1910であってもよい非限定的な緩和動作は、非限定的に、1)摩耗構成要素(例えば、事象を経験しているヒューズ、システム構成要素、及び/又は特定の電力線)を有する回路を切断すること;2)電力要求を低減するようにオペレータに通知すること;3)車両又はパワートレイン制御装置に電流事象を通知すること;4)オペレータへの利用可能な電力を調整又は制限すること;5)システム内の構成要素が基礎となる摩耗事象及び/又は障害事象を経験することを可能にすることを含む、状況(例えば、交通、移動車両、アプリケーションの種類、継続的な操作が必要であるというオペレータからの通知など)に応じて回路保護(切断及び/又は電力低減)を遅延させること;6)事象が持続する場合、及び後の条件が許す場合には、回路の監視及び切断(又は電力の低減など)を継続すること;7)システムの動作モードに従って応答をスケジュールすること(例えば、スポーツ、経済、緊急事態、フリートオペレータ(及び/又はポリシー)、所有者/オペレータ(及び/又はポリシー)、地理的ポリシー、及び/又は規制ポリシー);及び/又は8)摩耗構成要素をバイパスすること(例えば、応答動作としてヒューズの周りの電流をバイパスすること)、を含む。
【0064】
特定の実施形態では、電流事象が摩耗閾値を超えていること及び/又はシステム障害値を決定する動作は、1)回路を通る電流が閾値を超えている(例えば、アンペア値)と決定すること;2)回路を通る電流の変化率が閾値(例えば、アンペア/第2の値)を超えることを決定すること;及び/又は3)指数パラメータが閾値(例えば、累積されたアンペア-秒;アンペア/秒-秒;閾値を上回る期間又は1つを超える閾値を上回る期間の計数指数;瞬時電流値によって重み付けされたカウント指数;積分された電流、熱伝達、及び/又は電力値;及び/又は現在の動作条件に基づいてこれらをカウントダウン又はリセットすることを含む指数)を超えていると決定すること、などの計算に基づく。
【0065】
特定の実施形態では、電流事象が摩耗閾値を超えていること及び/又はシステム障害値を決定する動作は、1)トリップ曲線(例えば、電力時間若しくは現在時間の軌跡、及び/又は
図5に表されているようなデータセット若しくはテーブル上の動作曲線);2)温度の一次又は二次導関数と、スケジュールされた応答及び/又はエスカレートする応答のための1つ又は複数の温度閾値とを含むヒューズ温度モデル;3)測定されたバッテリ電圧(例えば、バッテリ電圧が低下するにつれて電流値が高くなる可能性があり、及び/又は電流の動的応答が変化して、摩耗閾値、システム障害値、及び/又は電流事象決定の変化を引き起こす可能性がある);4)電流、温度、電力需要、及び/又は指標パラメータの一次導関数;5)電流、温度、電力需要、及び/又は指標パラメータの二次導関数;6)バッテリ管理システムからの情報(例えば、電圧、電流、充電状態、健全性状態、これらのいずれかの変化率であって、これらのパラメータは、電流値、予想電流値、及び/又は電流値の動的応答に影響を及ぼす可能性があり、摩耗閾値、システム障害値、及び/又は電流事象決定の変化を引き起こす、変化率);7)接触器切断時間の決定及び監視、並びに電流事象への応答を決定する際の接触器切断時間の考慮;8)補助システム情報を利用し、応答を調整すること(例えば、今後の変更を生成すると予想される動作からの電力要求、補足拘束システムのアクティブ/展開-開接触器(電力切断);衝突回避システムをアクティブにする-最大限のシステム制御のために接触器を閉じたままにする;及び/又はアンチロックブレーキシステム及び/又は牽引制御システムがアクティブであり、最大システム制御のために接触器を閉じたままにする)、のうちの1つ又は複数を含むか、又はそれに基づいて調整される。特定の実施形態では、起動の程度も考慮してもよく、及び/又はシステムステータスをPDUに通信してもよく、例えば、システムは、可能な限り長い電力を必要とする重要な動作、又は可能な限り早く切断されることを必要とする遮断動作などを報告してもよい。
【0066】
図11を参照すると、PDU102上に存在し得る例示的なヒューズ回路2100が示されている。例示的なヒューズ回路2100は、主ヒューズ、補助ヒューズ、及び/又はヒューズのグループ又はヒューズのグループのサブセットに関連付けられてもよい。ヒューズ回路2100は、ヒューズ(F1)と並列に接触器(C1)を備える。通常動作中、接触器は開いており、ヒューズ回路2100内の電流はヒューズを通過する。特定の実施形態では、接触器は、物理的構成要素(例えば、ソレノイド及び/又はコイルベースのスイッチ又は中継器)を含んでもよく、及び/又は接触器は、ソリッドステート中継器であってもよい。特定の実施形態では、接触器は、常開(例えば、印加された電力が接触器を閉じる)又は常閉(例えば、印加された電力が接触器を開放する)であってもよい。例示的なヒューズ回路2100は、例えば装置1900の動作に従って、接触器がヒューズ回路を選択的にバイパスすることを可能にする(
図9及び対応する開示を参照)。
【0067】
図12を参照すると、接触器(C1)が第2のヒューズ(F2)と直列であり、C1-F2が第1のヒューズF1と並列に分岐するヒューズ回路2200の別の実施形態が開示されている。ヒューズ回路2200は、装置1900の動作のための追加の柔軟性及びいくつかの追加の特徴を提供する。例えば、接触器が閉じられ、電流をF1とF2との間で(2つのヒューズの抵抗比で)分割して、通常の動作が実行され得る。一例は、システム設計電流が設計量(例えば、システム設計電流の135%から300%であるが、本明細書では任意の値が企図される)を超えた場合に分割電流がヒューズF2を故障させるように設定された低い電流閾値を有するヒューズF2を含む。ヒューズF1は、非常に高い値に設定されてもよく、接触器の開放が回路の溶断容量を一時的に増加させるが依然として溶断されることを可能にする。追加的又は代替的に、ヒューズF2は、比較的安価であり、及び/又はアクセス可能なヒューズであってもよく、より低い電流閾値F2にあることは、より大きな機械的及び熱的疲労を被る可能性があり、ヒューズ回路2200の障害点として作用する可能性があり、これは、より高価であり、及び/又はアクセス可能性が低いヒューズF1の寿命を大幅に延ばし得る。追加的又は代替的に、通常の動作は、接触器を開いた状態で実行されてもよく、ヒューズF1は、回路の通常の溶断を画定する。高過渡又は他の電流事象が発生すると、接触器は閉じられ、分岐C1-F2は電流負荷を共有し、ヒューズF1を通常の又はより低い摩耗動作条件内に保つ。特定の実施形態では、ヒューズF1及びF2は、例えば、ヒューズF2がバックアップヒューズとして動作することを可能にし、F1及びF2について同様の障害状態を所定の位置に保つように、同様のサイズにされ得る。あるいは、ヒューズF2は、ヒューズF1よりも小さくてもよく、説明したような代替動作、ヒューズF1を保護するためにいくらかの電流を取り込むためのC1-F2回路の断続的な使用、及び/又はヒューズF2が小さい場合にシステムの電力制限を低減され得るF1のバックアップ溶断を可能にする(例えば、非定格動作モード、及び/又はリンプホーム動作モードとして)。あるいは、ヒューズF2は、例えば、動作が依然として継続することが望まれる非常に高い過渡電流状態をヒューズF2が管理することを可能にするために、ヒューズF1よりも大きくてもよい。ヒューズ回路2200の利用は、溶断システムの高度な制御を可能にし、公称動作中に電力システムを保護し、障害モード中、非公称動作中、及び/又は過渡動作中に高度な能力を依然として提供する。特定の実施形態では、例えば接触器C1が閉じているときにF1とF2との間の電流分担負荷を制御するために、C1-F2分岐に抵抗器が設けられてもよい。
【0068】
図13を参照すると、ヒューズ回路2300は、並列に示されている複数のヒューズF1、F2、F3、F4を含み、対応する接触器は各々と直列である。例示的なヒューズ回路2300は、補助ヒューズ用であるが、ヒューズ回路2300は、主ヒューズを含む任意のヒューズとすることができる。例示的なヒューズ回路2300は、例えばヒューズの一方が過渡事象を経験している場合に動作からヒューズを取り外すこと、又は電流負荷を共有するために高過渡事象が発生した場合などにヒューズを追加することのいずれかを可能にする。特定の実施形態では、ヒューズ回路2300内のヒューズのうちの1つ又は複数は、関連する接触器を有さず、ヒューズ回路2300用の一次耐負荷ヒューズである。ヒューズ回路2300内のヒューズの相対的なサイズは、任意の選択された値に従ってもよく、ヒューズ回路2300の目的(例えば、リンプホーム機能を提供するために、追加の容量を提供するために、バックアップとして機能するために、及び/又はシステム内の個々のヒューズの切断を可能にするために)に依存する。追加的又は代替的に、ヒューズ回路2300内のヒューズのいずれか1つ又は複数は、例えば電流負荷分散を制御するために、抵抗器と直列に配置されてもよい。特定の実施形態では、ヒューズF1、F2、F3、F4は、並列ではなく、及び/又はヒューズの1つ又は複数は並列ではない。従って、そのようなヒューズのための接触器の開放は、電流を別のヒューズに分流させない。例示的な実施形態は、全てのシステム能力を遮断することなく(例えば、制動をサポートするヒューズは、高い過渡事象であってもアクティブのままであり得るが、重要でないシステム用のアクセサリヒューズは、ヒューズ及び/又はシステムを保護するために切断され得る)特定のシステム能力を遮断する(例えば、障害、高過渡などに起因して)ことを可能にするために、ヒューズ用の接触器を個別に含む。
【0069】
図14を参照すると、各ヒューズが並列に接触器を有することを除いて、ヒューズ回路2300と同様のヒューズ回路2400が示されており、そのヒューズの経路に流れる電流を維持しながら、特定のヒューズの短絡を可能にする。特定の実施形態では、各ヒューズの並列経路は、ヒューズが並列に接続されているときに各ヒューズ回路にわたる負荷が少なくとも部分的に平衡されたままであるように、追加のヒューズ及び/又は抵抗器を含んでもよい。
図11から
図14の実施形態は、電流保護回路として参照されてもよく、
図11から
図14に示される実施形態などの実施形態は、及び/又は説明されるように、電流保護回路の選択可能な構成を可能にする。電流保護回路の選択可能な構成は、ランタイム動作(例えば、事象又は動作条件に応答して電流保護回路を再構成すること)及び/又は設計時動作(例えば、同じハードウェア装置が複数の電力定格、電気的接続構成、及び/又はサービス事象若しくはアップグレード変更をサポートすることを可能にする)を含んでもよい。
【0070】
図15を参照すると、車両の駆動サイクルに対するヒューズ応答を示す例示的なデータ2500が示されている。この例では、ヒューズ電流(例えば、12単位及び25単位の時間における破線の下側曲線)及びヒューズ温度(例えば、12単位及び25単位の時間における実線の上側曲線)が示されている。
図10を参照する部分に記載されている少なくとも任意の値を含む、ヒューズ性能及び/又は制限を記述する別のパラメータが利用されてもよいことが理解されよう。駆動サイクルの動作は、例では、ヒューズ温度が「ヒューズ温度回避限界」を超えると予想される高い過渡現象、例えば、ヒューズが機械的応力を受ける温度又は温度過渡現象を示す。装置1900は、ヒューズのいくつかの閾値、例えば、軽い摩耗閾値、重い摩耗閾値、及び、利用されているフューザ性能インジケータの別個の値(例えば、温度)に設定されてもよい潜在的な障害閾値を考慮してもよい。特定の実施形態では、複数のタイプの閾値、例えば、温度の閾値又は閾値のセット、時間と共に温度変化する第2の閾値又は閾値のセット(例えば、dT/dt)などが利用されてもよい。この例では、装置1900は、過渡点で緩和動作を行ってもよく、例えば、対応するヒューズを短時間バイパスして過渡を回避する、及び/又はヒューズが受ける過渡の速度を制御してもよい。
【0071】
図16を参照すると、例示的なシステム2600は、電源104及び負荷106を含み、ヒューズ(F1)が負荷106と電源104との間に電気的に配置される。オペレータは、電力要求(アクセルペダル入力)を提供し、装置1900は、(例えば、温度限界を超える現在の需要、又は何らかの他の決定に従って)負荷要求がヒューズの閾値を超えると決定するが、過渡事象がシステム動作条件限界を超えないと更に決定し得る。この例では、装置1900は、ヒューズを保護するために、過渡現象の前又は過渡現象の間の期間、接触器(C3)を閉じるように指令する。システム2600は、ヒューズバイパス接触器C3とは異なるハイサイド(C1)及びローサイド(C3)高電圧接触器(例えば、システム100からの216、218)を示す。
【0072】
図10を参照すると、システム応答値1910を実装するための例示的なデータ2000が示されている。例示的なデータ2000は、閾値2002(例えば、ヒューズの摩耗及び/又は故障が発生すると予想される電流、温度、指数パラメータ、又は他の値)を含み、少なくともシステムのある時点における特定の動作条件下で、電流事象決定回路1902によって閾値として利用される。電流事象決定回路1902は、本開示全体を通して説明したように、複数の閾値及び/又は動的閾値を利用し得ることが理解される。曲線2004は、公称システム性能、例えば、装置1900の動作がない場合にヒューズが経験する電流、温度、指数パラメータなどを表す。この例では、応答決定回路1906は、閾値2002が交差すると決定し、接触器の接続/切断時間2008を考慮して(例えば、ヒューズをバイパスし、第2のヒューズ分岐部に係合し、及び/又はより脆弱なヒューズ分岐部を閉鎖するために)、閾値2002の交差を回避するために時間内に接続又は切断するように接触器に指令する。追加的又は代替的に、応答決定回路1906は、それにもかかわらず、例えば、本開示を通して説明した任意の動作又は決定に従って、例えば、より重要なシステムパラメータがヒューズが接続されたままであることを必要とし、ヒューズが摩耗及び/又は障害事象を経験することを可能にする場合に、閾値2002を超えることを可能にしてもよい。
【0073】
特定の実施形態では、電流事象が摩耗閾値を超えていること及び/又はヒューズ障害値を決定する動作は、1)ヒューズを通る電流が閾値を超えている(例えば、アンペア値)と決定すること;2)ヒューズを通る電流の変化率が閾値(例えば、アンペア/第2の値)を超えることを決定すること;3)指数パラメータが閾値(例えば、累積されたアンペア-秒;アンペア/秒-秒;閾値を上回る期間又は1つを超える閾値を上回る期間の計数指数;瞬時電流値によって重み付けされたカウント指数;積分された電流、熱伝達、及び/又は電力値;及び/又は現在の動作条件に基づいてこれらをカウントダウン又はリセットすることを含む指数)を超えていると決定すること、などの計算に基づく。
【0074】
特定の実施形態では、電流事象が摩耗閾値を超えていること及び/又はヒューズ障害値を決定する動作は、1)トリップ曲線(例えば、電力時間若しくは現在時間の軌跡、及び/又は
図5に表されているようなデータセット若しくはテーブル上の動作曲線);2)温度の一次又は二次導関数と、スケジュールされた応答及び/又はエスカレートする応答のための1つ又は複数の温度閾値とを含むヒューズ温度モデル;3)測定されたバッテリ電圧(例えば、バッテリ電圧が低下するにつれて電流値が高くなる可能性があり、及び/又は電流の動的応答が変化して、摩耗閾値、システム障害値、及び/又は電流事象決定の変化を引き起こす可能性がある);4)電流、温度、電力需要、及び/又は指標パラメータの一次導関数;5)電流、温度、電力需要、及び/又は指標パラメータの二次導関数;6)バッテリ管理システムからの情報(例えば、電圧、電流、充電状態、健全性状態、これらのいずれかの変化率であって、これらのパラメータは、電流値、予想電流値、及び/又は電流値の動的応答に影響を及ぼす可能性があり、摩耗閾値、ヒューズ障害値、及び/又は電流事象決定の変化を引き起こす、変化率);7)接触器の接続時間又は切断時間の決定及び監視、並びに電流事象への応答を決定する際の接触器の接続時間又は切断時間の考慮;8)補助的なシステム情報を利用し、応答を調整すること(例えば、衝突回避システムをアクティブにすること、ヒューズを故障させること、及び/又はヒューズをバイパスしてシステムへの潜在的な損傷を可能にし、電力の流れを維持すること;アンチロックブレーキシステム及び/又は牽引制御システムをアクティブにする-最大システム制御(起動の程度、及び/又はPDUに通信されるシステムステータスも考慮してもよく、例えば、システムは、可能な限り長い電力を必要とする重要な動作、又は可能な限り早く電力を切断する必要がある遮断動作などを報告してもよい)のために電力を流し続ける)、のうちの1つ又は複数を含むか、又はそれに基づいて調整される。
【0075】
図9を参照すると、ヒューズの損傷及び/又はヒューズの障害を低減又は防止するための例示的な装置1900が示されている。例示的な装置1900は、電流事象決定回路1902を含み、これは、ヒューズ閾値(摩耗、障害、疲労、又は他の閾値)を超えたこと、又は超えると予測されることを電流事象1904が示すと決定し得る。電流事象1904は、例えば、
図10、
図15、及び、
図16に関連して説明される電流、温度、又は、任意の他のパラメータであってもよい。例示的な装置1900は、システム応答値1910を決定する応答決定回路1906、例えば、ヒューズ回路(例えば、2100、2200、2300、2400、又は任意の他のヒューズ回路若しくは電流保護回路)内の1つ又は複数の接触器を開閉する応答決定回路を更に含む。装置1900は、システム応答値1910に応答してネットワーク通信1912及び/又はアクチュエータコマンド1914を提供する応答実装回路1908を更に含む。例えば、システム応答値1910は、1つ又は複数の接触器を閉じることを決定してもよく、アクチュエータコマンド1914は、アクチュエータコマンド1914に応答するコマンドを選択された接触器に提供する。
【0076】
特定の実施形態では、1つ又は複数のヒューズをバイパス及び/又は係合するための動作は、車両バッテリ管理システム及び/又はアクセルペダル入力(又は他の負荷要求インジケータ)と協調して実行され、例えば、瞬間的な非ヒューズ動作が発生しようとしていること、及び/又はより高いヒューズ制限が簡単に適用可能であることを示す表示をバッテリ管理システム又は他の車両電力システムに提供するために、ヒューズで経験される突入電流を計時する。特定の実施形態では、非溶断動作及び/又はより高いヒューズ制限動作中に、装置1900は、仮想ヒューズを動作させてもよく、例えば、経験される電流が予測よりも高い場合(例えば、ヒューズ摩耗限界を超えるが、システム障害限界未満であると予測されたが、実際には、システム障害限界を超えることになると思われる)、装置1900は、主高電圧接触器を開く、ヒューズを再係合する、又は通常利用可能な溶断動作がない場合にシステムを保護するための別のシステム調整を行うように動作してもよい。
【0077】
図17を参照すると、接触器とヒューズとの組み合わせを有する従来公知のシステムの一例が示されている。例示を目的として、例示的なシステムは、電気自動車又は部分的に電気自動車用の電力分配ユニット(PDU)6402の一部として提供される。システムは、電気貯蔵部(例えば、バッテリ)と、車両に動力を供給するモータとを含む。電気貯蔵(又は電力貯蔵)デバイスは、バッテリ、燃料電池、及び/又はコンデンサ(例えば、スーパーコンデンサ又はハイパーコンデンサ)、及びこれらの組み合わせ(例えば、ピーク電力生成又は過渡動作の管理を支援するために回路に含まれるコンデンサ)を含む任意のタイプのものであってもよい。特定の実施形態では、電気貯蔵装置は、充電可能(例えば、リチウムイオン、ニッケル金属水素化物、又はニッケルカドミウムなどの任意の充電式バッテリ技術)又は回復可能(例えば、電荷発生能力を回復するための可逆化学を有する化学ベースの燃料電池)である。例示的なシステムでは、バッテリは、DC装置として動作し、モータは、AC装置として動作し、その間にインバータが配置されてモータの電力を調整する。例示的なシステムは、主電源回路の調整を提供するフィルタコンデンサ6404を含む。例示的なシステムは、ローサイド接触器及びハイサイド接触器を含む。ハイサイド接触器は、回路に過電流保護を提供するヒューズ6410と直列である。例示的なシステムは、プリチャージ中継器6408及びプリチャージ抵抗器6406として示されるプリチャージ回路を更に含む。特定の実施形態では、ハイサイド接触器が係合される前にプリチャージ中継器6408が係合され、回路全体の容量素子がプリチャージ抵抗器6406を介して通電することを可能にし、システム起動時の突入電流又は他の充電アーチファクトを制限する。過電流保護がヒューズ6410を介してシステムによって提供され、ヒューズ6410の特性がPDUを介して駆動回路の過電流保護を設定することが分かる。更に、接触器は、アーク放電、加熱、及び他の摩耗を含む接続及び切断事象にさらされる。
【0078】
図18を参照すると、本開示の例示的なPDU6402が概略的に示されている。例示的なPDU6402は、
図17に示すようなシステムにおいて利用可能である。
図18の例示的なPDUは、ハイサイドに遮断器/中継器6502構成要素を含む。
図18の例示的な構成は非限定的であり、本開示を通して説明される原理のいずれかを使用してシステムのための設計された過電流保護を提供する遮断器/中継器6502の任意の構成が本明細書では企図される。
図18の例示的なPDU6402は、過電流保護のために遮断器/中継器6502を利用して、接触器と直列のヒューズを省略している。本開示を通して説明した任意の遮断器/中継器6502は、
図18に示すようなシステムにおいて利用され得る。
図18のPDU6402は、
図17に示すものと同様に、プリチャージ中継器6408及びプリチャージ抵抗器6406を更に利用する。
図18の例では、遮断器/中継器6502は、プリチャージ回路と並列であり、遮断器/中継器6502の中継部は、システムがプリチャージ回路を介して充電された後に係合されてもよい。本明細書を通して説明するように、遮断器/中継器6502は、システムの設計動作電流の範囲全体にわたって全定格動作を提供しながら、連続的で選択可能な過電流保護を提供する。以前から知られているシステムでは、接触器/ヒューズ装置は、ヒューズ起動を少なくとも部分的に動作電流範囲内に押し下げるか、又はヒューズ起動を定格範囲から外方に移動させ、システムの定格電流を超える過電流保護のギャップを提供するかのいずれかで、動作範囲内にギャップを必ず提供する。更に、本開示を通して説明したように、遮断器/中継器6502は、複数の電流保護レジーム、動作条件に基づく選択可能な電流保護を提供することができ、以前の既知の接触器と比較して遮断器/中継器の接点要素の摩耗を低減する。従って、
図18に示すようなシステムは、以前から知られているシステムと比較して、信頼性が高く、応答性があり、且つ回復可能な過電流保護を提供することができる。
【0079】
図19を参照すると、例示的なPDU6402が概略的に示されている。例示的なPDU6402は、
図1に示すようなシステムにおいて利用可能であり、
図18に関して説明した特徴に追加又は代替し得る特徴を有する。
図19の例は、遮断器/中継器6502(抑制器、例では、キースイッチ入力6504の概略図による)への外部入力を示す。遮断器/中継器6502は、構成可能な方法で外部信号に応答する。例えば、キースイッチオン動作が利用されて、直接(例えば、遮断器/中継器のコイルを介してキースイッチ回路を配線すること)又は間接的に(例えば、キースイッチ位置を表すネットワーク値を受信すること、キースイッチ位置を表す電圧信号を受信することなど)遮断器/中継器6502を通電し、それによって動力回路を充電し得る。別の例では、キースイッチオフ動作が利用されて、遮断器/中継器6502を非通電とし、それによって動力回路から電力を除去し得る。外部信号は、システムの任意の部分から生成された外部コマンド、電力を供給すべきか切断すべきかを示す計算値(例えば、サービス事象、整備事象、事故インジケータ、緊急停止コマンド、ビークルコントローラリクエスト、ビークル上の何らかのデバイスに対するデバイス保護リクエスト、温度、電圧値、又は電流値が閾値を超えたという計算など)を含む、任意のタイプ又はいくつかのタイプのものであってもよい。外部信号は、ハードワイヤード信号(例えば、信号値を表す電圧との電気的接続)として、及び/又は有線若しくは無線通信であり得る通信(例えば、データリンク又はネットワーク通信)として供給されてもよく、PDU6402上又はPDU6402の外部のコントローラ(例えば、車両コントローラ、電力管理コントローラなど)によって生成されてもよい。
図19の例は、説明の便宜上、プリチャージ回路を示していないが、
図18又は
図19に示すような実施形態は、システムの特性、システムの設計目標及び要件などに応じて、プリチャージ回路を有するか、又はプリチャージ回路を省略してもよい。
【0080】
図20を参照すると、遮断器/中継器の例示的な概略ブロック図が示されている。
図20の例示的な遮断器/中継器は、高電圧スループットを動作させ、概略的に示されている接点を介して接続又は切断される電力バス6702(例えば、高電圧、動力、負荷電力など)を含む。電力バス上の「高電圧」である電圧は、任意の値であってもよく、駆動される負荷及びシステムの他の選択パラメータに依存する。特定の実施形態では、高電圧は、42Vを超える、72Vを超える、110Vを超える、220Vを超える、300Vを超える、及び/又は360Vを超える任意の電圧である。電圧範囲は、動力負荷対補助負荷(例えば、PTOデバイス、ポンプなど)に対して異なってもよく、これらの範囲よりも高くても低くてもよい。この例では、標準オン/オフ6504又は制御電圧が左側(12Vとして示されているが、6V、12V、24V、42Vなどの任意の値が利用され得る)に示されている。標準電圧6504は、例示の目的で示されているが、標準電圧は、追加的又は代替的に、遮断器/中継器のコントローラと通信するデータリンク又はネットワーク入力(例えば、遮断器/中継器が制御電力への独立したアクセスを有する場合)であってもよい。特定の実施形態では、標準電圧6504は、キースイッチにおいて、車両コントローラによって、システム内の補助(例えば、非動力又は非負荷)構成要素などによって経験されるのと同じ電圧である。特定の実施形態では、標準電圧6504は、キースイッチ6504信号である。標準電圧6504は、入力制御絶縁6710を介して受信されるように構成されてもよい。
【0081】
更に、
図20の例では、遮断器/中継器の補助制御のための入力を提供する補助オフ絶縁6708が示されている。特定の実施形態では、補助オフ絶縁6708は、標準電圧での選択可能な入力、コントローラ(例えば、コントローラは、選択された電圧の出力として電力を補助オフ絶縁に提供する)からの出力などの電気入力6704に結合される。特定の実施形態では、補助オフ絶縁6708は、データリンク又はネットワーク入力を利用してもよい。例えば、遮断器/中継器が内部コントローラを有する特定の実施形態では、標準オン/オフ6504及び補助オフ絶縁入力6704は、同じ物理入力であってもよく、例えば、データリンク入力、ネットワーク入力、及び/又は制御可能な電気信号(例えば、制御された電圧値)が、遮断器/中継器に、遮断器/中継器の現在の要求状態を決定するための情報を提供する。特定の実施形態では、遮断器/中継器は、標準オン/オフ位置の第1の電圧値、補助オフ位置の第2の電圧値を受け入れ、遮断器/中継器のハードウェア構成を介して応答して選択された動作を実行するハードウェアのみの装置である。
【0082】
図20の例では、標準オン/オフ入力6504及び補助オフ入力6704は、サージ保護及び極性保護などの回路保護部品(例えば、絶縁6708、6710)を含む。例示的な遮断器/中継器は、標準オン/オフ入力6504がハイであるときに中継器を通電する(電力バス上の接点を閉じる)ことと、標準オン/オフ入力6504がローであるか、又は補助オフ入力がロー6704であるときに中継器を非通電とする(電力バス上の接点を開く)こととを提供する論理回路を含む。
図20の例では、論理回路は、概略的に示されており、遮断器/中継器内のハードウェア要素として実装されてもよい。追加的又は代替的に、遮断器/中継器内のコントローラは、入力電圧、データリンク信号、及び/又はネットワーク通信を解釈して論理を実装し、中継器を開くか閉じるかを決定してもよい。本システムの論理は、電力を利用して閉じる(接触する)「常開」中継器として示されているが、遮断器/中継器は、「常閉」、ラッチ、又は任意の他の論理構成として構成されてもよい。追加的又は代替的に、標準オン/オフ入力6504及び/又は補助オフ入力6704は、遮断器/中継器の動作を実装するために論理ハイ又は論理ローを利用してもよい。
【0083】
図20の例示的な遮断器/中継器は、バス上の電流センサ、他のシステムパラメータに基づく計算された電流値、遮断器/中継器に渡される電流値、及び/又は遮断器/中継器に動作可能に結合されたコントローラ、又はバス上の電流値を決定するための任意の他のデバイス、機構、又は方法であり得る電流検知デバイス6706(「電流検知」)を更に示す。
図20の例では、電流検知デバイス6706は、論理回路の「トリガレベルのオフ」部分に結合されており、高電流値が検知されると中継器を非通電とするように動作する。検知された高電流値は、例えば論理回路内のハードウェアによって決定される単一の閾値、及び/又は例えばシステム内の動作条件又は他の値に基づいてコントローラによって決定される選択可能な閾値のいずれかであってもよい。ハードウェアを介して、又はコントローラを利用して、変化率、閾値を超える累積電流値などの検知された電流値の機能が、単一の検知された電流値に追加的又は代替的に利用され得ることが分かる。
図20に示すような遮断器/中継器は、選択された閾値電流値及び/又はその機能において電力バス回路の制御可能な開放を提供し、システムの定格電流の範囲全体にわたる連続動作を可能にすることが分かる。更に、
図20に示すような遮断器/中継器は、緊急停止動作、システム内の他の場所(例えば、車両コントローラ)からの要求、サービス又は保守動作、又は任意の他の選択された理由など、電流に関連しない可能性がある任意の選択されたパラメータに対して電力バスの制御可能な切断を提供する。本開示全体の特定の実施形態は、遮断器/中継器の追加の特徴を提供し、その任意の1つ又は複数は、
図20に示すような実施形態に含まれてもよい。
【0084】
図21を参照すると、例示的な遮断器/中継器が切断図で概略的に示されている。例示的な遮断器/中継器は、一般に、スイッチング部6820(上半分、又は「遮断器」)と、作動部6822(下半分、すなわち「中継器」)とを含む。例示のために、遮断器/中継器のいくつかの例示的な構成要素が示されて説明されている。例示的な遮断器/中継器は、中継部にコイル6816及び磁石コア6818を含む。この例では、コイル6816に通電すると中継器が作動し、アーマチュア6814が磁石コア6818まで引き下げられる。アーマチュア6814は、上部において可動接点6810に結合され、それによって固定接点6812と接触するように移動され、回路を完成させ、電力バスを通って電流が流れることを可能にする。
図21の例では、可動接点6810は、
図21の例では選択可能な付勢力の付勢ばね6804である接触力によって固定接点6812に押し込まれている。可動接点6810は、アーマチュア6814が係合(下方)位置にある場合であっても、十分な力で固定接点6812から持ち上げられ、接触力ばね6804を圧縮することができる。
図21の例では、可動接点6810が開極している、又は固定接点6812と接触していない非係合(上方)位置にあるアーマチュア6814を示している。
【0085】
遮断器/中継器の遮断部6820は、主接点の本体に近接したいくつかのスプリッタプレート6806と、スプリッタプレート6806及び/又は接点ギャップとスプリッタプレート6806との間のアーク経路を囲む永久磁石システム6802とを含む。電力バスが通電されているときの可動接点6810の係合又は係合解除中、主接点の本体は、永久磁石システム6802によって提供される磁場の存在下で、スプリッタプレート6806と協働して、結果として生じるアークを消散させて分配し、接点の摩耗、劣化、及び損傷を大幅に低減する。遮断部分の組み合わされた態様は、(例えば、遮断器/中継器の寿命にわたってアーク熱負荷が低いために)接点及びスイッチングチャンバの寿命を大幅に延ばすことが示されている。
【0086】
電力バスを通過する電流は、接点間の反発力、すなわちローレンツ力を発生させる。ローレンツ力は、接点の接触面積と電力バスを通る電流値との複素関数である。電流が非常に高い場合、接点間のローレンツ力は、接触力ばね6804を十分に圧縮して、可動接点6810を固定接点6812から持ち上げさせ、中継器を瞬間的に開く。接触力ばね6804は、選択可能な値で接点の物理的切断を提供するように容易に調整されることができることが分かっている。追加的又は代替的に、接点と接点の他の幾何学的態様との間の接触領域が操作されて、物理的切断電流を選択又は調整することができる。しかしながら、特定の実施形態では、接触力ばね6804の選択は、物理的切断電流の直接的な調整を提供する。特定の実施形態では、接触力ばね6804の選択は、物理的切断電流を変更するためにばねを変更することを含む。追加的又は代替的に、接触力ばね6804は、物理的切断電流を調整するためにその場で(例えば、ばねを軸方向に圧縮又は解放する)調整されることができる。
【0087】
特定の実施形態では、物理的切断事象の後(例えば、可動接点6810が固定接点6812から離れるように押され、接触力ばね6812を圧縮し、アーマチュア6814が下方又は接触位置にある間)、電力バスを通る電流は急速に低下し、ローレンツ力は減少し、可動接点6810を接触力ばね6804によって押し込んで係合位置に戻す。特定の実施形態では、電流センサ6706は、高電流事象を検出し、コイル6816をトリガして非通電にし、アーマチュア6814を係合解除位置に戻す。従って、可動接点6810が係合位置に戻るとき、アーマチュア6814は、可動接点6810が物理的切断事象の後に固定接点6812に接触しないように、可動接点を既に移動させている。特定の実施形態では、アーマチュア6814を係合解除するために電流センサ6706によって検出される閾値は、物理的切断電流よりも低く、アーマチュア6814に「ヘッドスタート」を与え、可動接点6810が固定接点6812に再接触する可能性を低減する。多くのシステムでは、非常に高い電流事象中の可動接点6810と固定接点6812との間の再接触は、接点の遮断器/中継器及び/又は溶接部に大きな損傷をもたらす可能性がある。
【0088】
図22を参照すると、アーマチュアと可動接点との相対運動を示す例示的な遮断器/中継器が示されている。この例では、上部のアーマチュアは、可動接点を固定接点から離れるように付勢し、電力バスの切断をもたらす。下部のアーマチュアは、可動接点を下方に引き下げて固定接点と係合させ、電力バスの接続をもたらす。
図22の動作矢印6904は、コイルへの通電後にアーマチュアが開状態から閉状態へと移動する際に生じるアーマチュアの移動を示している。本開示全体を通して「上」又は「下」への言及は、説明を明確にするためのものであり、遮断器/中継器の任意の構成要素の実際の垂直関係を指すものではない。遮断器/中継器は、アーマチュアの移動が上下、下上、水平配向、及び/又は任意の他の配向を含む任意の軸に沿っているように位置決めされ得る。特定の実施形態では、アーマチュアは、付勢ばね又は反転ばね(例えば、アーマチュアと永久磁石との間、及び/又はこれらのうちの1つ若しくは複数のハウジングに配置される)などの受動要素を利用して上部又は係合解除位置に戻り、遮断器/中継器の「常開」論理動作をもたらす。付勢ばね又は反転ばねは、
図22の概略断面図には現れない。本開示を通して説明したように、遮断器/中継器は、常開、常閉、ラッチ、又は任意の他の論理構成であってもよく、そのような構成を提供するためにハードウェア及び/又は制御要素を適切に調整する。
【0089】
図23を参照すると、例示的な遮断器/中継器が閉位置に示されている。
図23の例のアーマチュアは下降しており、可動接点6810は、アーマチュア6814と共に固定接点との係合位置まで更に下降しており、回路を閉じ、電力が電力バスを通過することを可能にしている。接触力ばね6804は、
図23に示す位置において圧縮されており、可動接点6810に固定接点に対する接触力を与える。可動接点には移動空間が設けられており、接触力6804に打ち勝つのに十分な力がばねによって可動接点6810を固定接点から持ち上げることができ、それによって回路を開き、電力が電力バスを通過するのを防止することが分かる。
【0090】
図24を参照すると、本開示の実施形態と一致する従来知られている接触器-ヒューズシステム及び遮断器/中継器システムの動作図が概略的に示されている。
図24の例では、動作電流バーが左側に示されており、2つの一般的な動作レジーム、すなわち定格電流値内での動作(例えば、領域7004、7006などのシステムの設計された電流制限内)及び定格電流値を超える動作(例えば、領域7008)を有する。更に、
図24の例では、定格電流内での動作が、下部領域7004と上部領域7006とに細分化されている。
図24の例では、下部領域7004及び上部領域7006は、定格電流領域内の動作モードを示すための例示的な例であり、例えば、下部領域7004は、補機の動作などの低電力動作に関連付けられてもよく、上部領域7006は、動力又は揚力の提供などの高電力動作に関連付けられてもよい。領域7004、7006は、動作条件間の概念的区別を提供し、下部領域7004及び上部領域7006内で生じる実際の動作は、
図24の説明にとって重要ではない。例えば、ある例示的なシステムのための上部領域7006は、車両(例えば、下部領域7004が通信又は付属品への電力などの別の機能である場合)を移動させるための動力であってもよく、別の例示的なシステムのための下部領域7004は、車両(例えば、上部領域7006が充電又は高性能動力などの別の機能である場合)を移動させるための動力であってもよい。
【0091】
図24の例では、中央に接触器-ヒューズシステムの動作領域が示されている。接触器は、定格電力までの完全な動作を提供する。設計上の選択は、接触器が、(例えば、システムリスクがより高い能力を提供するために受け入れられる場合)定格電力を僅かに上回るか、又は(例えば、システム構成要素を保護するためにシステム性能が損なわれる場合)定格電力を僅かに下回る動作を提供することを可能にする。接触器-ヒューズシステムは、ヒューズの動作領域を更に含み、ヒューズは、選択された電流値で作動する。動作ギャップ7002が発生し、ヒューズは、電流値が低いために作動しないが、接触器もまた、ギャップ7002領域における動作をサポートしないことが分かる。ギャップ7002は、接触器及び/又はヒューズの重複動作によってのみ閉じられることができ、必然的にシステムリスクプロファイル又は性能を損なう。ヒューズ領域がより低く延長される場合、特定のデューティサイクル下での定格動作は、ヒューズ事象及びミッションの喪失を引き起こす可能性がある。更に、接触器及びヒューズが摩耗又は劣化を経験すると、接触器-ヒューズシステムの動作領域が移動し、システム性能の一貫性がなくなり、保護が失われ、及び/又は不必要なヒューズ事象が生じる。更に、ヒューズの障害モードは、ヒューズ溶断期間及び起動中のヒューズを通るアーク放電時間に起因して、システムが高電流に長時間さらされる結果となる。最後に、接触器動作領域の上部範囲における接触器の動作は、接触器の望ましくない加熱及び劣化をもたらす。
【0092】
図24の例では、本開示の特定の実施形態と一致する遮断器/中継器の動作領域が示されている。遮断器/中継器は、動作電流バー全体にわたって滑らかで選択可能な機能を提供する。遮断器/中継器は、その電流容量の上部領域付近で動作しない高機能接点を提供し、上部領域7006などの高定格範囲内の動作からの加熱及び劣化を低減する。更に、電流センサ及び関連する切断動作は、動作がシステムの定格電流を上回る場合に選択可能な切断を可能にする。更に、非常に高い電流値で電力バスの即時切断を提供する物理的切断電流が利用可能である(例えば、
図21及び関連する開示を参照)。特定の実施形態では、遮断器/中継器のアーク放電機構は、従来知られている接触器-ヒューズ構成が経験するよりも迅速で損傷の少ない切断事象を更に提供する。更に、遮断器/中継器は、回復可能な断路動作を提供し、遮断器/中継器への単なるコマンドが再びサービス事象なしで接続を提供する。従って、高電流事象を引き起こすシステム障害が解決されるか、又は再起動と一致する場合、システムは、ヒューズ事象を診断したりヒューズを交換したりする必要なく、必要に応じてすぐに遮断器/中継器による動作を再開することができる。
【0093】
図25を参照すると、電力バスを切断するための例示的な手順7100が示されている。例示的な手順7100は、例えば電流センサ(
図21を参照)を利用して、電流値を検出するための動作7102を含む。手順7100は、過電流事象が検出されたかどうかを決定する動作7104を更に含む。例えば、検出された電流値、その関数、又は電流値に応答して決定された計算されたパラメータが閾値と比較されて、過電流事象が検出されたかどうかを決定することができる。例示的な手順7100は、例えばコイルを非通電にし、それによってアーマチュアを接点を開く位置に移動させることによって、接点を開くように指令する動作7106を更に含む。過電流閾値は、任意の値であってもよく、リアルタイムで及び/又は動作条件に従って変更されてもよい。過電流閾値の値は、アプリケーション及びシステム内の構成要素に依存する。例示的且つ非限定的な過電流値は、100A、200A、400A、1kA(1,000アンペア)、1.5kA、3kA、及び6kAを含む。
【0094】
図26を参照すると、物理的切断を実行するための例示的な手順7200が示されている。例示的な手順7200は、例えば電力バス内の結合された接点を通過する電流として、電流スループットを受け入れる動作7202を含む。例示的な手順7200は、現在の結果として生じる力(例えば、可動接点と固定接点との間のローレンツ力)が接触力(例えば、接触力ばねによって提供されるように)を超えるかどうかを決定するための動作7204を更に含む。例示的な手順7200は、例えば接触力ばねに打ち勝って可動接点を固定接点から離れるように移動させるローレンツ力などの物理的応答によって接点を開く動作7206を更に含む。物理的切断電流は、任意の値であってもよく、アプリケーション及びシステム内の構成要素に依存する。例示的且つ非限定的な物理的切断電流は、400A、1kA、2kA、4.5kA、9kA、及び20kAを含む。
【0095】
図27を参照すると、過電流事象に応答して、及び/又は任意の他の選択されたパラメータに応答して接点を開くための例示的な手順7300が示されている。例示的な手順7300は、例えば、キースイッチ若しくは他の回路を介して、及び/又はキースイッチオン状態の認識を介して、システムの電源をオンにする動作7302を含む。手順7300は、例えば、キースイッチオンの直後、選択された期間の後、システムプリチャージ事象が完了したと決定された後、及び/又は任意の他の選択された条件に従って、接触可能化条件が満たされているかどうかを決定する動作7304を更に含む。動作7304が接触可能化条件が満たされていないと決定する特定の実施形態では、手順7300は、接触可能化条件が満たされるまで動作7304を保持する。接触可能化条件が満たされていないと決定する動作7304に対する任意の他の応答が、本明細書では企図され、それは、接触条件を可能にする許可を要求すること、障害コードを設定することなどを含む。接触条件が満たされていると決定する動作7304に応答して、手順7300は、接触を閉じる(例えば、コイルに通電してアーマチュアを移動させる)動作7306と、電流スループットを受け入れる動作7202とを更に含む。例示的な手順7300は、許容電流が十分に高い場合に物理的切断を実行する動作7200を更に含み、電力バスを介して電流値を検出するために動作7102に進む。手順7300は、過電流事象が検出されたかどうかを決定する動作7104を更に含む(特定の実施形態では、動作7104は、動作7200において試験された物理的切断電流よりも低い電流値に設定されてもよい)。過電流事象が検出されたと決定する動作7104に応答して、手順7300は、接点を開くように指令する動作7312を含む。過電流事象が検出されないと決定する動作7104に応答して、手順7300は、補助コマンド(例えば、補助オフ入力)を検出する動作7308と、接点を開くための補助コマンド(例えば、論理ハイ、論理ロー、指定値、指定値の欠如など)が存在するかどうかを決定する動作7310とを含む。接点を開くための補助コマンドが存在すると決定する動作7310に応答して、手順7300は、接点を開くように指令する動作7312を含む。動作7310が、連絡先を開くための補助コマンドが存在しないと決定したことに応答して(例えば、
図27の例では、分岐「動作を継続する」である)、手順は動作7306に戻る。
【0096】
図28を参照すると、接触開放事象後に遮断器/中継器の動作を復元するための例示的な手順7400が示されている。例示的な手順7400は、遮断器/中継器の接点を開く動作7300、例えば、物理的切断、過電流検出、及び/又は補助オフコマンドに起因して接点が開く動作を含む。手順7400は、接触リセット条件が存在するかどうかを決定する動作7402を更に含む。例示的且つ非限定的な動作7402は、接触可能化条件が満たされていると決定すること、障害コード値がリセットされたと決定すること、システムコントローラが接触リセットを要求していると決定すること、及び/又は任意の他の接触リセット条件を含む。手順7400は、例えば、アーマチュアを移動させるためにコイルに電力を供給することによって接点を閉じる動作7404を更に含む。
【0097】
図29を参照すると、従来知られているモバイル電源回路の一例が示されている。例示的なモバイル電源回路は、
図17に示すモバイル電源回路と同様である。
図29の例では、プリチャージ回路を収容するジャンクションボックスと、ハイサイド中継器と、ローサイド中継器とを備えている。特定の実施形態では、プリチャージ回路及びハイサイド中継器は、ジャンクションボックス内のハウジング内に設けられる。
図29の例では、ヒューズ6410は、ハイサイドに過電流保護を提供し、PDUハウジング7500内に主中継器及びプリチャージ抵抗器6406と共に収容されている。
【0098】
図30を参照すると、例示的なモバイル電源回路は、ハイサイド回路に配置された遮断器/中継器6502と、ローサイド回路に配置された第2の遮断器/中継器6502とを含む。特定の実施形態では、各遮断器/中継器6502は、本開示を通して説明したように、モバイルアプリケーションの動作領域全体にわたって連続的な過電流制御を提供する。更に、ローサイドの遮断器/中継器6502は、ハイサイドの遮断器/中継器6502がバイパスされ得るプリチャージ動作中を含む全ての動作条件において過電流保護を提供し、その結果、モバイル電源回路は、プリチャージ抵抗器6406を介してプリチャージすることができることが分かる。特定の実施形態では、ハイサイド遮断器/中継器6502及びローサイド遮断器/中継器6502の双方は、急速アーク分散、接続及び切断事象中の低摩耗、並びにモバイル回路の高電流動作中であるが定格範囲内の加熱特性の改善などの追加の利点を提供する。
【0099】
図31を参照すると、モバイルアプリケーションのための例示的な電力分配構成が示されている。
図31の実施形態は、ハイサイド遮断器/中継器6502及びローサイド遮断器/中継器6502を有する、
図30の実施形態と同様である。プリチャージ動作(例えば、モバイルアプリケーションのシステム電源オン時に)、負荷のための電力供給動作(例えば、モバイルアプリケーションに動力又は補助動力を提供する)、回生動作(例えば、動力負荷又は補助負荷から電力を回収する)、及び充電動作(例えば、システムへの専用充電器の接続)を含む、
図31の実施形態の4つの動作レジームが本明細書に記載されている。
図31の例では、ローサイド遮断器/中継器6502は、関連する電流センサ6706を有する。
図31の例では、ローサイド遮断器/中継器6502は、全ての動作中にループ内にあり、任意の動作条件に対して電流保護を提供することができる。コストを節約するために、ハイサイド遮断器/中継器6502の電流センサは省略されることができる。特定の実施形態では、遮断器/中継器接点6502の保護のために、物理的な電流切断(例えば、
図24を参照)の場合に接点を保護するための動作を提供するために、遮断器/中継器6502ごとにローカル電流センサが含まれてもよい。例えば、充電回路を絶縁し、動力負荷及び/又は補助負荷のうちの選択された1つを介して電力をルーティングし、及び/又は充電動作中にインバータ(図示せず)を介した電力の流れを防止するために、図示のものを超えて追加の接触器及び/又は遮断器/中継器が設けられてもよいことが分かる。追加的又は代替的に、
図31に示す特定の構成要素は、特定の実施形態では存在しなくてもよい。例えば、充電回路上のローサイド接触器が存在しなくてもよく、動力負荷(牽引モータ駆動)又は補助負荷のいずれか1つ又は複数が存在しなくてもよい。プリチャージ動作中、ハイサイド遮断器/中継器6502が開いている間にプリチャージ接触器7702が閉じられてもよく、ローサイド遮断器/中継器6502は、プリチャージ動作中に(プリチャージヒューズに加えて、又はその代わりとして)電流保護を提供する。充電動作中、ローサイド遮断器/中継器6502は、電流保護を提供し、一方、ハイサイド遮断器/中継器6502は、充電回路によってバイパスされる。
【0100】
図32を参照すると、モバイルアプリケーションのための例示的な電力分配管理が示されている。
図32の実施形態は、ハイサイド遮断器/中継器6502が全ての動作中にループ内にあり、ローサイド遮断器/中継器6502が充電動作中にループ内にないことを除いて、
図31の実施形態と同様である。
図32の例では、ハイサイド遮断器/中継器6502は、物理的な電流切断中に接点を保護するためにそれに関連する電流検知を含み得る。特定の実施形態では、モバイルアプリケーションの回路ダイナミクスに応じて、ローサイドに示された電流センサ6706は、ハイサイド遮断器/中継器6502のための専用の電流センサなしで、ハイサイド遮断器/中継器6502の接点を保護するのに十分であり得る。
図32の実施形態のプリチャージ動作中、電流保護は、存在しないか、又はプリチャージヒューズによって提供される。
図32の実施形態の充電動作中、ハイサイド遮断器/中継器6502によって電流保護が提供される。
【0101】
図33を参照すると、モバイルアプリケーションのための例示的な電力分配管理が示されている。
図33の実施形態は、ハイサイド遮断器/中継器6502が標準的な接触器と交換されることを除いて、
図31の実施形態と同様である。
図33の例では、ローサイド遮断器/中継器6502は、全ての動作条件の間に電流保護を提供し、そうでなければシステムは、従来の構成要素を使用する。特定の実施形態では、改善された電流保護能力が望ましいが、接触器の摩耗はそれほど懸念されない可能性があり、ローサイド遮断器/中継器6502から離れたモバイル電源回路内の他の位置にある安価な接触器とのトレードオフは、許容可能な解決策であり得る。更に、全ての動作状態に対する回路内のローサイド遮断器/中継器6502の存在は、システムが充電されている間にローサイド遮断器/中継器6502が他の接触器の接続及び切断事象の回数を減らすように、接続のタイミングを通じて携帯電力回路内の従来の接触器の摩耗を減らすことができる。
【0102】
図34を参照すると、モバイルアプリケーションのための例示的な電力分配管理が示されている。
図34の実施形態は、ローサイド側遮断器/中継器が接触器に置き換えられ、ローサイド充電回路がローサイド接触器を通って引き回されることを除いて、
図32の実施形態と同様である。ローサイド充電回路は、
図32の実施形態と同様に、特定の実施形態ではローサイド接触器をバイパスし得る。
図34では、ハイサイド遮断器/中継器6502がバイパスされているとき、プリチャージヒューズによって保護が提供されない限り、プリチャージ動作中にプリチャージ回路を通る短絡保護のない回路経路が存在することが分かる。特定の実施形態では、プリチャージ回路(図示せず)内のヒューズは、プリチャージ動作状態中に短絡保護を提供するために設けられてもよく、及び/又は保護されていないプリチャージ動作は、許容可能なリスクであり得る。本開示全体にわたって示されている実施形態のいずれにおいても、特定の実施形態に対して遮断器/中継器6502から求められる利点に応じて、遮断器/中継器6502と潜在的に直列にヒューズが含まれてもよい。特定の実施形態では、遮断器/中継器6502を備えた含まれるヒューズは、例えば回路の冗長保護として、遮断器/中継器6502の物理的切断電流よりも高いと予想される非常に高い電流値で作動するように、及び/又は電気モバイルアプリケーションの耐用年数などの選択された期間にわたって持続すると予想される長寿命ヒューズを提供するように構成されてもよい。
【0103】
図35を参照すると、
図31に示す実施形態と一致する、モバイルアプリケーションのための例示的な電力分配管理が示されている。プリチャージ動作中の電力の流れは、
図35に概略的に示されており、矢印が電力の流れの経路を示している。
図35に関連して説明した動作は、本開示を通して説明した実施形態のいずれかのコンテキストで理解されることができる。プリチャージ動作中、プリチャージ接触器7702は閉じられ、ローサイド遮断器/中継器6502は閉じられ、モバイル回路及びプリチャージ抵抗器6406を介して電力が供給される。プリチャージ動作は、ハイサイド遮断器/中継器6502が閉じられる前に可動回路の容量性素子を充電することを可能にする。
図35の実施形態におけるプリチャージ動作中、ローサイド遮断器/中継器6502は、回路の過電流保護を提供する。開ループ(例えば、タイマを使用する)方式又は閉ループ(例えば、バッテリ端子間の電圧降下を検出すること、又は回路を通る電流を検出すること)方式で決定され得るプリチャージ動作が完了した後、ハイサイド遮断器/中継器6502は閉じられ、プリチャージ接触器7702は開かれ得る。
【0104】
図36を参照すると、
図31に示す実施形態と一致する、モバイルアプリケーションのための例示的な電力分配管理が示されている。負荷給電動作中の電力の流れが
図36に示されており、矢印が電力の流れの経路を示している。
図36に関連して説明した動作は、本開示を通して説明した実施形態のいずれかのコンテキストで理解されることができる。負荷給電動作中、この例では、プリチャージ接触器7702は開いており、電力は、ハイサイド遮断器/中継器6502及びローサイド遮断器/中継器6502を通って流れる。
図36の実施形態は、動力が供給されている牽引モータ負荷を示しているが、追加的又は代替的に、1つ又は複数の補助負荷を同様の方法で動力供給されてもよい。負荷動力供給動作中、ハイサイド遮断器/中継器6502及びローサイド遮断器/中継器6502の双方が過電流保護を提供する。特定の実施形態では、ハイサイド遮断器/中継器6502及びローサイド遮断器/中継器6502は、同じ又は異なる定格電流を有してもよい。例えば、ハイサイド遮断器/中継器6502又はローサイド遮断器/中継器6502のうちの一方の保守がより容易であるか、又はより安価である場合、遮断器/中継器6502のうちのその一方は、予測可能な一方の遮断器/中継器6502が最初に故障するシステムを提供するために、より低い全体電流定格を有してもよい。追加的又は代替的に、システム上の特定の動作は、より高い電流定格を有してもよく、例えば、充電回路が遮断器/中継器6502の一方(例えば、
図36の実施形態におけるローサイド遮断器/中継器)のみを通ってルーティングされる充電動作であり、従って、遮断器/中継器6502の一方は、他方よりも高い電流定格を有してもよい。特定の実施形態では、遮断器/中継器6502の電流定格は、可動接点及び固定接点の接点材料、可動接点及び固定接点の接点表面積、検出された電流に応じた制御された動作の閾値設定、スプリッタプレートの数又は配置、スプリッタプレート材料及び幾何学的形状、スプリッタプレートの周りの永久磁石システムの磁石強度及び幾何学的形状、接点力ばねの接点力、及び/又は接点上のローレンツ力に起因する物理的切断電流を決定する遮断器/中継器設計要素(例えば、接触表面積及び接触ばね力)によって反映され得る。
【0105】
図37を参照すると、
図31に示す実施形態と一致する、モバイルアプリケーションのための例示的な電力分配管理が示されている。回生動作中の電力の流れを
図37に示し、矢印は流路を示している。例えば回生制動中に経験され得るような、動力負荷からの回生動作が示されているが、本明細書では、システム内の任意の負荷からの任意の回生動作が企図される。回生動作中、ハイサイド遮断器/中継器6502及びローサイド遮断器/中継器6502は閉じられ、プリチャージ接触器7702は開いていてもよい。従って、ハイサイド遮断器/中継器6502及びローサイド遮断器/中継器6502の双方は、システムの回生動作中に過電流保護を提供する。
【0106】
図38を参照すると、
図31に示す実施形態と一致する、モバイルアプリケーションのための例示的な電力分配管理が示されている。充電動作中の電力の流れが
図38に示されており、矢印は流路を示している。充電は、外部充電装置によるものであってもよく、負荷の定格電力に関連するよりも高い電流動作を提供し得る高電流急速充電動作を含んでもよい。
図38に示す動作では、ローサイドの遮断器/中継器6502が閉じられ、充電回路内の接触器が閉じられ、図示のような電力流路が提供される。特定の実施形態では、ハイサイド遮断器/中継器6502及びプリチャージ中継器7702は、例えば充電動作中にインバータ(図示せず)を回路から絶縁するために開かれてもよい。特定の実施形態では、例えば、充電動作中のインバータの分離が必要とされない場合、及び/又は充電後のプリチャージサイクルなしの迅速な動作が望まれ得る場合、ハイサイド遮断器/中継器6502が閉じられてもよい。充電動作中、ローサイド遮断器/中継器6502は、
図38の例では過電流保護を提供する。
【0107】
図39を参照すると、遮断器/中継器の別の破断概略図が示されている。
図39の例では、遮断器側6820に回路遮断及び接続構成要素が示され、中継器側6822に接触器動作構成要素が示されている。図示の遮断器/中継器は一例であり、単極単投遮断器中継器を示している。追加的又は代替的に、遮断器/中継器は、二重極(例えば、2つの別個の回路、追加の電流能力を提供するための回路のうちの1つのための並列経路、及び/又はハイサイド結合を提供する一方の極及びローサイド結合を提供する他方の極を動作させること)であってもよい。特定の実施形態では、2つ又はそれ以上の極を有する遮断器/中継器は、極を独立して制御することができ、又は同じアーマチュアを利用して一緒に動作されてもよい。特定の実施形態では、双方の極は、同じスプリッタプレートによって、又はスプリッタプレートの独立したセットによって提供されるアーク拡散保護を有する。特定の実施形態では、双方の極は、同じ永久磁石システムによって、又は独立した永久磁石システムによって提供されるアーク拡散保護を有する。
【0108】
図40を参照すると、遮断器/中継器の概略論理図の別の例が示されている。
図40の例は、入力絶縁8604によって処理される緊急入力又は補助入力8602を含む。緊急入力又は補助入力8602は、任意の他の補助入力に取って代わるか、又はそれに加えてもよく、システムの任意の所望の態様に対する選択された応答のために遮断器/中継器の動作を制御する特定のアプリケーションの能力を提供し、これには、サービス中、緊急中、及び/又は任意の所望の制御ロジックによる切断保証を可能にすることを含むが、これに限定されない。
【0109】
図41を参照すると、例示的な遮断器/中継器の接触部の詳細な断面図が示されている。
図41の接触部は、可動接点6810と固定接点6812との接触面の構成例を示している。接点の構成は、接点の物理的開放力に寄与するシステムの一部であり、関連する回路で発生する高電流に所望の応答を提供するために任意の形状又は面積によって構成されることができる。
【0110】
図42を参照すると、例示的な遮断器/中継器が、説明のためにハウジングの一部が取り外されて示されている。例示的な遮断器/中継器は、2つの固定接点と係合する2つの可動接点を含む。
図42の例では、可動接点は、接点ばね6804によって提供される接触力によって、同じアーマチュア6814によって結合されて動作する。
図42の例では、各接点はバスバー8802を介して電気的に接続されている。この例では、バスバー8802は、接点間を直接遷移し、固定接点を含むバスバーの通電部分に大きく露出しない。特定の実施形態では、バスバー8802は、バスバー8802の一部を固定接点の通電部材に近接して露出させる軌道を含むことができ、それによって遮断器/中継器の物理的切断を提供するローレンツ力に寄与する。特定の実施形態では、バスバー8802の固定接点電流搬送部分に露出した面積、及びバスバー8802の固定接点電流搬送部分への近接度の双方が、ローレンツ力応答の構成を可能にする設計要素である。
【0111】
図43を参照すると、モバイルアプリケーションのための例示的な電力管理構成が示されている。
図43の例は、電源回路のハイサイドに配置された遮断器/中継器6502と、ハイサイド遮断器/中継器6502に並列に結合されたプリチャージ接触器、抵抗器、及びヒューズとを含む。
図43の例では、遮断器/中継器6502は、例えば、電源回路用の接点を介して追加の電流能力を提供するための二極遮断器/中継器6502である。
図43の例では、遮断器/中継器6502及び電力管理装置の制御機能を実行するコントローラ8902が示されている。例えば、コントローラ8902は、キースイッチ入力を受信し、プリチャージ動作を実行し、遮断器/中継器の閉鎖を動作させ、遮断器/中継器の接点を開くことによって高電流事象に応答する。別の例では、コントローラ8902は、キースイッチがオフになった後、又は補助入力、緊急入力、若しくは電力を切断するように要求する他の入力に応答して、遮断器/中継器を開くなど、電力管理装置の遮断動作を実行する。
【0112】
図43を更に参照すると、モバイルアプリケーションのための例示的な電力分配管理が概略的に示されており、これは、本開示の任意の他のシステム又は態様と共に全体的又は部分的に利用され得る。例示的な電力分配管理システムは、二極遮断器/中継器を含み、
図43の例は、単一の磁気駆動部(例えば、磁気アクチュエータ)を有する二極遮断器/中継器(例えば、極ごとに1組の接点を使用する)を含む。特定の実施形態では、双方の接点は、互いに開閉するように機械的に結合される(例えば、二極単投接触器として動作する)。特定の実施形態では、接触器は、1つ又は複数のアーク抑制態様(例えば、スプリッタプレート及び/又は永久磁石)を共有してもよく、及び/又は個々のアーク抑制態様を有してもよい。特定の実施形態では、アーク抑制態様は、部分的に共有されてもよく(例えば、双方の接点に近接したいくつかのスプリッタプレート)、及び/又は部分的に個別であってもよい(例えば、接点の一方又は他方のみに近接したいくつかのスプリッタプレート)。特定の実施形態では、接触器の様々な特徴が共有されてもよく、制御コマンド又は作動(例えば、二極双投配置)、アーク抑制態様、及び/又はハウジングなどの接触器の他の特徴が個別に供給され得る。
図43の例は、電力分配管理システム用のプリチャージ回路のための接点管理を提供するように別個に制御可能な別個の接触器(例えば、図示された3つの接点の左下)を更に示している。特定の実施形態では、プリチャージ接触器は、例えば、デュアルポール接点と同じハウジング内で、及び/又はデュアルポール接点の1つとして設けられたプリチャージカップリングと共に、デュアルポール接点と一体化されてもよい。
図43の例は、プリチャージ回路上のヒューズと、バッテリローサイドの更なる全体的なヒューズとを示している。図示されたヒューズの存在は任意であり、非限定的であり、ヒューズは他の場所に存在してもよく、省略されてもよく、及び/又は交換されてもよい(例えば、本開示全体を通して記載されるような遮断器/中継器によって、及び/又は二極若しくは多極遮断器/中継器上の極として)。特定の実施形態では、プリチャージ回路は、遮断器/中継器とは別個の電力分配ユニット内に、及び/又は遮断器/中継器を収容して、ソリッドステートプリチャージ回路として、及び/又はシステム内の他の場所及び/又は遮断器/中継器ハウジング内に配置された機械的/電気的回路として収容されてもよい。
【0113】
図43の極の電気的配置は概略的な例であり、特定の実施形態のためのシステムの配置に限定されない。特定の実施形態では、二極遮断器/中継器の各極(及び/又は多極遮断器/中継器の各極又は極のサブセット)は、同じ回路、別個の回路、及び/又は選択された回路(例えば、図示されていないシステム内の他の場所で制御可能なスイッチ又はコネクタを使用する)に選択可能な電気的結合を提供し得る。特定の実施形態では、電力分配管理システムは、高分解能電流センサ、及び/又は二極又は多極の遮断器/中継器の2つ又はそれ以上の極における電流検知を更に含む。特定の実施形態では、コントローラは、1つ又は複数の高分解能電流センサに通信可能に結合され、本開示を通して説明した任意の動作のために(例えば、開放後の再接触を回避するために、接点のうちの1つ又は複数に開放位置に指令するために)1つ又は複数の高分解能電流センサを利用し、及び/又は現在のセンサ(例えば、電流、又はそれから導出される他の情報)から決定された情報を車両コントローラなどのシステム内の別のコントローラに通信する。特定の実施形態では、二極又は多極の遮断器/中継器の各接触器は、本開示を通して説明したように、接触器の回路を通る大電流に起因するローレンツ力応答で接点を開くように構成された構成を含む。特定の実施形態では、一方の接点は、ローレンツ力応答で開くように構成され、他方の接触器は、応答する接触器との機械的結合に起因して開く。特定の実施形態では、各接点は、例えば回路保護の冗長性を提供するために、ローレンツ力応答で開くように構成されている。特定の実施形態では、各接点は、ローレンツ力応答で開くように構成され、各接点は、開放応答のための別個に構成された閾値を有し、及び/又は各接点は、(例えば、別個の磁気アクチュエータ又は他の制御されたアクチュエータを用いて)分離可能に制御可能である。
【0114】
図44を参照すると、例示的な遮断器/中継器9302がコンテキスト9300に概略的に示されている。例示的なコンテキスト9300は、例えば、遮断器/中継器9302が特定の性能特性を維持する役割を担う法的又は業界の規制、ポリシー、又は他の強制可能なフレームワークを含む規制インターフェース9304を含む。例示的な規制インターフェース9304は、例えば、ネットワーク通信、応答のための較正値、遮断器/中継器9302の構成要素のサイジングの選択などとして、遮断器/中継器9302をその上に有するアプリケーションのランタイム動作中に物理的に現れ得て、及び/又は規制インターフェース9304は、遮断器/中継器9302をその上に有するアプリケーションのランタイム動作中に物理的に現れない遮断器/中継器9302の選択、設置、修理、保守、及び/又は交換中に行われる1つ又は複数の設計時間の考慮事項を表し得る。
【0115】
例示的なコンテキスト9300は、信号、電圧、電気的結合、及び/又は命令された機能(例えば、コネクタ開コマンド又はコネクタ閉コマンド)が遮断器/中継器9302によって受信されるネットワーク結合を含み得るコマンド及び/又は制御インターフェース9306を更に含む。特定の実施形態では、遮断器/中継器9302は、電気機械部品のみを含み、例えば、遮断器/中継器9302は、マイクロプロセッサ、コントローラ、プリント回路基板、又は他の「インテリジェント」機構を含まない。特定の実施形態では、遮断器/中継器9302は、遮断器/中継器9302上にローカルにいくつかの機能コントローラを含み、遮断器/中継器9302をその上に有するアプリケーション上の他の場所、例えば、バッテリ管理システムコントローラ、車両コントローラ、パワーエレクトロニクスコントローラ、及び/又は1つ又は複数のコントローラにわたって分散された態様を有する他の機能コントローラを含む。特定の実施形態では、特定のコマンド又は制御態様は、物理的又は電気的コマンドとして提供され、他のコマンド又は制御態様は、通信要素(例えば、データリンク又はネットワークコマンド)として、及び/又はランタイム動作中に検出又は他の様態で決定されたパラメータに応答してプログラムされたロジックに従って決定された遮断器/中継器9302のインテリジェント態様として提供される。
【0116】
例示的なコンテキスト9300は、振動、温度事象、衝撃、及び遮断器/中継器9302が受ける他の環境パラメータなどの環境インターフェース9308を更に含む。環境インターフェース9308の態様は、例えば、材料設計の選択、部品のサイズ及び位置、コネクタの選択、能動又は受動冷却の選択などによって、遮断器/中継器9302に物理的に現れ得る。追加的又は代替的に、計画された又は経験されたデューティサイクル、電力スループットなどは、遮断器/中継器9302の環境インターフェース9308の一部であってもよい。
【0117】
例示的なコンテキスト9300は、高電圧インターフェース9310、例えば、システムの高電圧バッテリ、システム負荷、充電器などへの結合を更に含む。特定の実施形態では、高電圧インターフェース9310は、例えば、電圧定格、構成要素のサイズ、電流センサ(存在する場合)の定格、材料選択などによって、遮断器/中継器9302上に物理的に現れる。本開示全体を通して説明されるような遮断器/中継器の任意の例示的な特徴は、限定されないが、アーク消滅特徴、接触器設計要素、態様に影響を及ぼすコネクタ接触力などを含む、例示的な遮断器/中継器9302について本明細書に含まれ得る。コンテキスト9300の任意の態様が含まれても省略されてもよく、コンテキスト9300の記載された態様は、特定の遮断器/中継器9302の想定されるコンテキスト9300に限定されない。更に、コンテキスト9300の態様の構成は説明を明確にするための例であるが、特定の態様9304、9306、9308、9310は、特定の実施形態では他の態様9304、9306、9308、9310では省略、分離、及び/又は存在することができることが理解されよう。例えば、電圧制限、応答時間制限などは、一実施形態では規制インターフェース9304から、別の実施形態ではコマンド/制御インターフェース9306から、更に別の実施形態では双方のインターフェース9304、9306から生じると理解され得る。
【0118】
図45を参照すると、例示的な遮断器/中継器アーキテクチャ9400が示されている。例示的な遮断器/中継器9302は、遮断器/中継器9302から離れて配置された全ての電子制御機能を含み、電気機械ハードウェアのみが遮断器/中継器9302に残っている。例示的な遮断器/中継器9302は、コイル9404によって移動可能に動作する接触器9402、例えば常開又は常閉である高電圧接触器を含み、コイル9404への電力は、接触器9402に開閉力を提供する。特定の実施形態では、接触器9402は、通常開いており、コイル9404への電力は、接触器9402を閉じる。例示的なアーキテクチャ9400は、接触器9402によって切り替えられる高電圧回路9406と、一対の入力信号、例えばA入力9408及びB入力9410とを更に含むが、本明細書では任意の数及びタイプの入力信号が企図される。例示的な遮断器/中継器9302(
図47の描写における磁気駆動装置2302)を制御するための電子装置の例示的な動作を示す例示的なシステムが
図47に示されている。例示的なアーキテクチャ9400は、外部コントローラ9412、例えばバッテリ管理コントローラ、車両コントローラ、又はアプリケーション上に存在する他のコントローラを更に含み、外部コントローラ9412は、電子装置部分及び管理部分を含む。例示的なアーキテクチャ9400では、電子装置部分は、遮断器/中継器9302の直接開閉制御を管理し、遮断器/中継器9302に関する診断情報を通信するように構成されたコントローラを概略的に示している。管理部分は、例えば、遮断器/中継器9302のオン又はオフを指令し、過電流遮断を実装し、及び/又は補助若しくは安全遮断(例えば、クラッシュ信号、サービス事象信号など)を実装するための、遮断器/中継器9302への外部コマンドの供給を概略的に示す。電子装置及び管理部分は、説明を明確にするための構成で示されているが、電子装置及び管理部分の態様は、システム全体に分散されてもよく、及び/又は電子装置の一部は、遮断器/中継器9302上に配置されてもよいことが理解される。
【0119】
図46を参照すると、例示的なシステムの特定の電圧、アンペア数、及び時間ベースの値を示す例示的なシステム9500が示されている。例示的なシステム9500は、特定の電気的特性を有するスイッチオン信号と、特定の電気的特性を有するホールド信号とを含み、これらは非限定的な例である。例示的なシステム9500は、
図45に示すアーキテクチャ9400の特定の実施形態と一致する。
図46のシステムの特定の実施形態と一致する例示的な遮断器/中継器は、8.2Vのスイッチオン電圧、1.5Vの保持電圧に応答し、作動コイルに3オーム抵抗を含む。
【0120】
図47を参照すると、例示を目的として、
図45に示すようなアーキテクチャ9400の例示的な電子装置部分の動作が示されている。
図47のようなシステムの構成要素は、ハードウェア、ソフトウェア、論理回路で実装されてもよく、及び/又はシステムの周りで結合又は分散されてもよいことが理解されよう。例示的な電子装置は、12Vの制御電圧がモジュールに印加されるスイッチオン応答を含む。遮断器/中継器の実際の駆動コイルは、非通電回路及びドライバを介して制御電圧に切り替えられることができる。スイッチオンドライバ9702は、100msの間、最小公称電圧の約65%(例えば、定格値<70%又は8.2V)に制御される。スイッチオン動作のタイミング、電圧、及びスイッチングロジックは、非限定的な例である。スイッチオン動作中、駆動コイルは、引き込み電流で通電され、その結果、駆動装置は、スイッチオンすることができる。
【0121】
例示的な電子装置は、調整応答を含む。例示的な調整応答は、例えば制御回路(調整)を使用してスイッチオンプロセス中に電圧を直線的に調整することと、スイッチオンプロセス(例えば、100ms)の持続時間にわたってリンク機構とを含み、それによって選択された作動電圧を駆動コイルに印加する。
【0122】
例示的な電子装置は、ホールド応答を含む。例示的なホールド応答は、スイッチオン期間の後にドライバをディセーブルすることと、常時オンのままであるホールド信号(例えば、1.5V)、及び/又は常時診断中断(例えば、概略電圧グラフ9708を参照)を駆動コイルに提供することとを含む。
【0123】
特定の実施形態では、非通電トランジスタは、選択された間隔で(例えば、フォールトトレラント時間間隔、規制又はポリシー間隔、及び/又は関心のある間隔に応じて)チェックされる。非通電トランジスタが不良である場合(例えば、永久的に導電性である場合)、遮断器/中継器は、1.5V電源をオフにして磁気駆動装置を非通電にすることに依存する。システムは依然としてオフにされることができるが、不良品の非通電中継器を用いた動作は、予想よりも遅く、及び/又は遮断器/中継器が準拠するには遅すぎることがある。特定の実施形態では、頻繁なブランキングパルス(又は診断中断)は、コイル接続部にカットオフ電圧ピーク(フリーホイーリングレベル、例示的なシステムでは約180V)をもたらす。電圧ピークがオフのままであれば、非通電状態のトランジスタを不良と診断することができる。特定の実施形態では、ブランキングパルスは短く保たれ、それによってフリーホイーリング回路内のエネルギーを低く保ち、無駄なエネルギー及び加熱を低減し、またノイズ排出を低減するために保持エネルギーを低く保つ。特定の実施形態では、100マイクロ秒のブランキングパルスで十分である。特定の実施形態では、より速い又はより遅いブランキングパルスが利用されてもよい。特定の実施形態では、電子装置、管理、又はシステム内の他の場所で、非通電中継器及び/又はシステム応答(例えば、より遅い応答を説明するためのより控えめなシャットオフ)の診断が利用されてもよい。
【0124】
例示的な電子装置は、スイッチオフ及び/又は非通電応答を含む。この例では、1.5Vの保持電圧をオフにすることは、約4.5V(公称<50%*Urated=6V)のトリガ電圧を超えて非通電回路を非活性化する。
【0125】
本明細書に記載の特定の動作は、1つ又は複数の値、パラメータ、入力、データ、又は他の情報を解釈、受信、及び/又は決定すること(「データを受信すること」)を含む。データを受信する動作は、これらに限定されないが、ユーザ入力を介してデータを受信すること、任意のタイプのネットワークを介してデータを受信すること、受信デバイスと通信しているメモリ位置からデータ値を読み取ること、デフォルト値を受信データ値として利用すること、受信デバイスが利用可能な他の情報に基づいてデータ値を推定、計算、又は導出すること、及び/又は、後に受信したデータ値に応答してこれらのいずれかを更新すること、を含む。特定の実施形態では、データ値は、データ値を受信することの一部として、第1の動作によって受信され、後に第2の動作によって更新されてもよい。例えば、通信がダウンしているか、断続的であるか、又は中断されている場合、第1の受信動作が実行され得て、通信が回復された場合、更新された受信動作が実行され得る。
【0126】
本開示の態様を例示するために、本明細書における動作の特定の論理的なグループ、例えば本開示の方法又は手順が提供される。本明細書に記載の動作は、概略的に説明及び/又は図示されており、動作は、本明細書の開示と一致する方法で組み合わされ、分割され、並べ替えられ、追加され、又は除去され得る。動作説明のコンテキストは、1つ又は複数の動作のための順序付けを必要とし得て、及び/又は1つ又は複数の動作のための順序が明示的に開示され得るが、動作の順序は広く理解されるべきであり、動作の同等の結果を提供するための動作の任意の同等のグループ化が本明細書で具体的に企図されることが理解される。例えば、値が1つの動作ステップにおいて使用される場合、値の決定は、特定のコンテキスト(例えば、特定の効果を達成するための動作のためのデータの時間遅延が重要である場合)ではその動作ステップの前に必要とされ得るが、他のコンテキスト(例えば、動作の前の実行サイクルからの値の使用がそれらの目的に十分である場合)ではその動作ステップの前に必要とされない場合がある。従って、特定の実施形態では、説明したような動作の順序及び動作のグループ化が本明細書で明示的に企図され、特定の実施形態では、動作の並べ替え、細分化、及び/又は異なるグループ化が本明細書で明示的に企図される。
【0127】
本開示のいくつかの実施形態のみを示されて説明されたが、以下の特許請求の範囲に記載される本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、多くの変形及び変更を行うことができることは当業者にとって明らかであろう。全ての特許出願及び特許、外国及び国内の双方、並びに本明細書で参照される他の全ての刊行物は、その全体が法律によって許容される最大限まで本明細書に組み込まれる。
【0128】
本明細書に記載のプログラムされた方法及び/又は命令は、コンピュータ可読媒体上のコンピュータ命令、プログラムコード、及び/又は1つ又は複数のプロセッサ上の命令を実行する機械を介して部分的又は全体的に展開されてもよい。本明細書で使用される「プロセッサ」は、複数の「プロセッサ」と同義であり、コンテキストが明らかにそうでないことを示さない限り、2つの用語は交換可能に使用されてもよい。プロセッサは、サーバ、クライアント、ネットワークインフラストラクチャ、モバイルコンピューティングプラットフォーム、固定コンピューティングプラットフォーム、又は他のコンピューティングプラットフォームの一部であってもよい。プロセッサは、プログラム命令、コード、バイナリ命令などを実行することができる任意の種類の計算又は処理デバイスであってもよい。プロセッサは、信号プロセッサ、デジタルプロセッサ、組み込みプロセッサ、マイクロプロセッサ、又はそこに記憶されたプログラムコード又はプログラム命令の実行を直接的又は間接的に促進し得るコプロセッサ(数値演算コプロセッサ、グラフィックコプロセッサ、通信コプロセッサなど)などの任意の変形であってもよく、又はそれらを含んでもよい。更に、プロセッサは、複数のプログラム、スレッド、及びコードの実行を可能にしてもよい。スレッドは、プロセッサの性能を向上させ、アプリケーションの同時動作を容易にするために同時に実行されてもよい。実装として、本明細書に記載の方法、プログラムコード、プログラム命令などは、1つ又は複数のスレッドで実装されてもよい。スレッドは、それらに関連付けられた優先順位を割り当てられ得る他のスレッドを生成してもよい。プロセッサは、優先度又はプログラムコードで提供された命令に基づく任意の他の順序に基づいてこれらのスレッドを実行してもよい。プロセッサは、本明細書及び他の場所で説明されるような方法、コード、命令及びプログラムを記憶するメモリを含んでもよい。プロセッサは、本明細書及び他の場所で説明されるような方法、コード、及び命令を記憶し得るインターフェースを介して記憶媒体にアクセスしてもよい。方法、プログラム、コード、プログラム命令、又はコンピューティング又は処理デバイスによって実行可能な他のタイプの命令を記憶するためのプロセッサに関連付けられた記憶媒体は、限定されないが、CD-ROM、DVD、メモリ、ハードディスク、フラッシュドライブ、RAM、ROM、キャッシュなどのうちの1つ又は複数を含んでもよい。
【0129】
プロセッサは、マルチプロセッサの速度及び性能を向上させ得る1つ又は複数のコアを含んでもよい。実施形態では、プロセスは、2つ又はそれ以上の独立したコア(ダイと呼ばれる)を組み合わせるデュアルコアプロセッサ、クアッドコアプロセッサ、他のチップレベルマルチプロセッサなどであってもよい。
【0130】
本明細書に記載の方法及びシステムは、サーバ、クライアント、ファイアウォール、ゲートウェイ、ハブ、ルータ、又は他のそのようなコンピュータ及び/又はネットワークハードウェア上でコンピュータ可読命令を実行する機械を介して部分的又は全体的に展開されてもよい。コンピュータ可読命令は、ファイルサーバ、プリントサーバ、ドメインサーバ、インターネットサーバ、イントラネットサーバ、及びセカンダリサーバ、ホストサーバ、分散サーバなどの他の変形を含み得るサーバに関連付けられてもよい。サーバは、メモリ、プロセッサ、コンピュータ可読媒体、記憶媒体、ポート(物理的及び仮想的)、通信デバイス、並びに有線又は無線媒体などを介して他のサーバ、クライアント、マシン、及びデバイスにアクセスすることができるインターフェースのうちの1つ又は複数を含んでもよい。本明細書及び他の場所で説明される方法、プログラム、又はコードは、サーバによって実行されてもよい。更に、本出願で説明されるような方法の実行に必要な他のデバイスは、サーバに関連するインフラストラクチャの一部と考えられてもよい。
【0131】
サーバは、限定されないが、クライアント、他のサーバ、プリンタ、データベースサーバ、印刷サーバ、ファイルサーバ、通信サーバ、分散サーバなどを含む他のデバイスへのインターフェースを提供してもよい。更に、この結合及び/又は接続は、ネットワークを介したプログラムの遠隔実行を容易にし得る。これらのデバイスの一部又は全てのネットワーキングは、範囲から逸脱することなく、1つ又は複数の場所でのプログラム又は方法の並列処理を容易にし得る。更に、インターフェースを介してサーバに取り付けられたデバイスのいずれかは、方法、プログラム、コード、及び/又は命令を記憶することができる少なくとも1つの記憶媒体を含んでもよい。セントラルリポジトリは、異なるデバイス上で実行されるべきプログラム命令を提供してもよい。この実装では、遠隔リポジトリは、プログラムコード、命令、及びプログラムのための記憶媒体として機能してもよい。
【0132】
コンピュータ可読命令は、ファイルクライアント、印刷クライアント、ドメインクライアント、インターネットクライアント、イントラネットクライアント、及び二次クライアント、ホストクライアント、分散クライアントなどの他の変形を含み得るクライアントに関連付けられてもよい。クライアントは、メモリ、プロセッサ、コンピュータ可読媒体、記憶媒体、ポート(物理的及び仮想的)、通信デバイス、及び有線又は無線媒体などを介して他のクライアント、サーバ、マシン、及びデバイスにアクセスすることができるインターフェースのうちの1つ又は複数を含んでもよい。本明細書及び他の場所で説明される方法、プログラム、又はコードは、クライアントによって実行されてもよい。更に、本出願で説明されるような方法の実行に必要な他のデバイスは、クライアントに関連するインフラストラクチャの一部と考えられてもよい。
【0133】
クライアントは、限定されないが、サーバ、他のクライアント、プリンタ、データベースサーバ、印刷サーバ、ファイルサーバ、通信サーバ、分散サーバなどを含む他のデバイスへのインターフェースを提供してもよい。更に、この結合及び/又は接続は、ネットワークを介したプログラムの遠隔実行を容易にし得る。これらのデバイスの一部又は全てのネットワーキングは、範囲から逸脱することなく、1つ又は複数の場所でのプログラム又は方法の並列処理を容易にし得る。更に、インターフェースを介してクライアントに取り付けられたデバイスのいずれかは、方法、プログラム、アプリケーション、コード及び/又は命令を記憶することができる少なくとも1つの記憶媒体を含んでもよい。セントラルリポジトリは、異なるデバイス上で実行されるべきプログラム命令を提供してもよい。この実装では、遠隔リポジトリは、プログラムコード、命令、及びプログラムのための記憶媒体として機能してもよい。
【0134】
本明細書に記載の方法及びシステムは、ネットワークインフラストラクチャを介して部分的又は全体的に展開されてもよい。ネットワークインフラストラクチャは、コンピューティングデバイス、サーバ、ルータ、ハブ、ファイアウォール、クライアント、パーソナルコンピュータ、通信デバイス、ルーティングデバイス、並びに当該技術分野において知られている他の能動及び受動デバイス、モジュール及び/又はコンポーネントなどの要素を含んでもよい。ネットワークインフラストラクチャに関連するコンピューティングデバイス及び/又は非コンピューティングデバイスは、他の構成要素とは別に、フラッシュメモリ、バッファ、スタック、RAM、ROMなどの記憶媒体を含んでもよい。本明細書及び他の場所で説明されるプロセス、方法、プログラムコード、命令は、ネットワークインフラ要素のうちの1つ又は複数によって実行されてもよい。
【0135】
本明細書及び他の場所で説明される方法、プログラムコード、及び命令は、複数のセルを有するセルラネットワーク上で実装されてもよい。セルラネットワークは、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク又は符号分割多元接続(CDMA)ネットワークのいずれかであってもよい。セルラネットワークは、モバイルデバイス、セルサイト、基地局、リピータ、アンテナ、タワーなどを含んでもよい。セルネットワークは、GSM、GPRS、3G、4G、LTE、EVDO、メッシュ、又はその他のネットワークタイプであってもよい。
【0136】
本明細書及び他の場所で説明されている方法、プログラム、コード、及び命令は、モバイルデバイス上で、又はモバイルデバイスを介して実装されてもよい。モバイルデバイスは、ナビゲーションデバイス、車両遠隔ネットワークアクセスデバイス、セルフィン、携帯電話、携帯情報端末、ラップトップ、パームトップ、ネットブック、ページャ、電子ブックリーダ、音楽プレーヤなどを含んでもよい。これらのデバイスは、他の構成要素とは別に、フラッシュメモリ、バッファ、RAM、ROM、及び1つ又は複数のコンピューティングデバイスなどの記憶媒体を含んでもよい。モバイルデバイスに関連付けられたコンピューティングデバイスは、そこに記憶されたプログラムコード、方法、及び命令を実行することが可能にされてもよい。あるいは、モバイルデバイスは、他のデバイスと協働して命令を実行するように構成されてもよい。モバイルデバイスは、サーバとインターフェース接続され、プログラムコードを実行するように構成された基地局と通信し得る。モバイルデバイスは、ピアツーピアネットワーク、メッシュネットワーク、又はその他の通信ネットワークで通信してもよい。プログラムコードは、サーバに関連付けられた記憶媒体に記憶され、サーバ内に組み込まれたコンピューティングデバイスによって実行されてもよい。基地局は、コンピューティングデバイス及び記憶媒体を含んでもよい。記憶デバイスは、基地局に関連するコンピューティングデバイスによって実行されるプログラムコード及び命令を記憶してもよい。
【0137】
コンピュータ命令、プログラムコード、及び/又は命令は、ある時間間隔の計算に使用されるデジタルデータを保持するコンピュータ構成要素、デバイス、及び記録媒体を含み得る機械可読媒体;ランダムアクセスメモリ(RAM)として知られる半導体記憶装置;光ディスク、ハードディスク、テープ、ドラム、カード及び他のタイプのような磁気記憶装置の形態などの、通常はより永続的な記憶のための大容量記憶装置;プロセッサレジスタ、キャッシュメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ;CD、DVDなどの光記憶装置;フラッシュメモリ(例えば、USBスティック又はキー)、フロッピーディスク、磁気テープ、紙テープ、パンチカード、スタンドアロンRAMディスク、Zipドライブ、リムーバブル大容量ストレージ、オフラインなどのリムーバブルメディア;ダイナミックメモリ、スタティックメモリ、読み出し/書き込みストレージ、可変ストレージ、読み出し専用、ランダムアクセス、シーケンシャルアクセス、位置アドレス可能、ファイルアドレス可能、コンテンツアドレス可能、ネットワーク接続ストレージ、ストレージエリアネットワーク、バーコード、磁気インクなどの他のコンピュータメモリ、に記憶及び/又はアクセスされてもよい。
【0138】
本明細書に記載の方法及びシステムは、物理的及び/又は無形のアイテムをある状態から別の状態に変換してもよい。本明細書に記載の方法及びシステムはまた、物理的及び/又は無形のアイテムを表すデータをある状態から別の状態に変換してもよい。
【0139】
手順の説明、方法、フローチャート、及びブロック図を含む、本明細書で説明及び描写される要素は、要素間の論理的境界を意味する。しかしながら、本明細書に記載された任意の動作は、全体又は部分的に分割され、全体又は部分的に組み合わされ、全体又は部分的に並べ替えられ、及び/又は特定の実施形態では特定の動作が省略されてもよい。従って、様々なステップの順序の描写及び/又は説明は、特定のアプリケーションによって要求されない限り、又は明示的に述べられているか、又はコンテキストから明らかでない限り、それらのステップの特定の実行順序を必要とすると理解されるべきではない。本明細書に記載の動作は、コンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータ実行可能命令にアクセスするコンピューティングデバイスによって実装されてもよく、コンピューティングデバイスが命令を実行することにより、本明細書に記載の動作の1つ又は複数の態様を実行する。追加的又は代替的に、本明細書に記載の動作は、本明細書に記載の動作の1つ又は複数の態様を実行するように構成されたハードウェア構成、論理回路、及び/又は電気デバイスによって実行されてもよい。特定のコンピューティングデバイスの例は、車両、エンジン、トランスミッション、及び/又はPTOデバイスシステム、携帯情報端末、ラップトップ、パーソナルコンピュータ、携帯電話、他のハンドヘルドコンピューティングデバイス、有線又は無線通信デバイス、トランスデューサ、チップ、計算機、衛星、タブレットPC、電子書籍、ガジェット、電子デバイス、人工知能を有するデバイス、ネットワーキング機器、サーバ、ルータなどに配置又は関連付けられた1つ又は複数のコントローラを含んでもよいが、これらに限定されない。従って、前述の図面及び説明は、開示されたシステムの機能的態様を示しているが、本明細書の説明は、明示的に述べられていないか、又はコンテキストから明らかでない限り、本明細書に記載の動作、手順、又は方法を実装するためのコンピュータ命令、ハードウェアデバイス、論理回路などの特定の配置に限定されない。
【0140】
上述した方法及び/又はプロセス、並びにそれらのステップは、特定のアプリケーションのために、ハードウェア、コンピュータ可読媒体に記憶された命令、又はそれらの任意の組み合わせで実現されてもよい。ハードウェアは、汎用コンピュータ、専用コンピューティングデバイス若しくは特定のコンピューティングデバイス、論理回路、記載された動作を実行するように構成されたハードウェア構成、任意のタイプのセンサ、及び/又は任意のタイプのアクチュエータを含んでもよい。コンピューティングデバイス上で実行されるプロセスの態様は、内部及び/又は外部メモリと共に、1つ又は複数のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、組み込みマイクロコントローラ、プログラマブルデジタル信号プロセッサ、又は他のプログラマブルデバイスで実現されてもよい。プロセスはまた、又は代わりに、特定用途向け集積回路、プログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイロジック、又は電子信号を処理するように構成され得る任意の他のデバイス若しくはデバイスの組み合わせで具現化されてもよい。プロセスのうちの1つ又は複数は、機械可読媒体上で実行されることができるコンピュータ実行可能コードとして実現されてもよいことが更に理解されよう。
【0141】
従って、一態様では、上述した各方法及びそれらの組み合わせは、1つ又は複数のコンピューティングデバイス上で実行されると、それらのステップを実行するコンピュータ実行可能コードで具現化されてもよい。別の態様では、方法は、そのステップを実行するシステムで具現化されてもよく、いくつかの方法でデバイス間に分散されてもよく、又は機能の全てが専用のスタンドアロンデバイス又は他のハードウェアに統合されてもよい。別の態様では、前述した処理に関連付けられたステップを実行する手段は、前述したハードウェア及び/又はコンピュータ読取可能な命令のうちのいずれかを含んでもよい。全てのそのような置換及び組み合わせは、本開示の範囲内に入ることが意図されている。
【0142】
本明細書に記載された方法及びシステムは、詳細に示されて説明された特定の例示的な実施形態に関連して開示されているが、当業者には様々な変更及び改良が容易に明らかになり得る。従って、本明細書に記載の方法及びシステムの精神及び範囲は、前述の例によって限定されるものではなく、法律によって許容される最も広い意味で理解されるべきである。
【0143】
前述の例の説明は、例示及び説明の目的で提供されている。包括的であること、又は開示を限定することを意図するものではない。特定の例の個々の要素又は特徴は、概して、その特定の例に限定されず、必要に応じて置き換え可能であり、特に図示又は説明されていない場合であっても、選択された例において使用可能である。同じことが、多くの方式において変更されてもよい。このような変更は、本開示からの逸脱とみなされるべきではなく、全てのこのような修正が、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
【国際調査報告】