(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】電気コネクタ筐体及び密閉回路基板のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H01R 13/66 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
H01R13/66
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548209
(86)(22)【出願日】2021-02-12
(85)【翻訳文提出日】2023-08-09
(86)【国際出願番号】 US2021017944
(87)【国際公開番号】W WO2022173446
(87)【国際公開日】2022-08-18
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】515059049
【氏名又は名称】アイディール インダストリーズ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ホーナー,リチャード スコット
(72)【発明者】
【氏名】ヘイニー,ジョシュア
(72)【発明者】
【氏名】ビージ,ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァーノン,ケビン
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA09
5E021FA16
5E021FB20
5E021FC16
5E021FC32
5E021MA04
5E021MA12
(57)【要約】
電気コネクタは、少なくとも1つの電気接点を受容するように構成されたコネクタ筐体を含む。電気コネクタは、コネクタ筐体内に収容される回路基板をさらに含む。電気コネクタは、前記回路基板を前記少なくとも1つの電気接点に電気的に接続するように構成された少なくとも1つの電気リードをさらに含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの電気接点を受容するように構成されたコネクタ筐体と、
前記コネクタ筐体内に収容される回路基板と、
前記回路基板を前記少なくとも1つの電気接点に電気的に接続するように構成された少なくとも1つの電気リードと、
を含む電気コネクタ。
【請求項2】
前記コネクタ筐体内に固定され、前記少なくとも1つの電気接点を前記コネクタ筐体内にロックするように構成された少なくとも1つのバネ保持部をさらに含む、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項3】
前記少なくとも1つのバネ保持部は導電性金属を含み、前記少なくとも1つのバネ保持部は前記少なくとも1つの電気接点に直接電気的に接続され、前記少なくとも1つの電気リーは前記少なくとも1つのバネ保持部に直接電気的に接続されている、請求項2に記載の電気コネクタ。
【請求項4】
前記電気コネクタは、前記少なくとも1つの電気接点を受容するように構成された第1のチャンバと、前記回路基板を含む第2のチャンバとをさらに含む、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項5】
前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとを接続するパススルーをさらに含む、請求項4に記載の電気コネクタ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの電気リードは前記パススルーを介して前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとの間を通る、請求項5に記載の電気コネクタ。
【請求項7】
前記パススルーは、前記第1のチャンバの底面及び前記第2のチャンバの上面に形成されている、請求項4に記載の電気コネクタ。
【請求項8】
前記回路基板と前記第2のチャンバの上面との間に位置するガスケットをさらに含む、請求項7に記載の電気コネクタ。
【請求項9】
前記ガスケットは、前記第2のチャンバの上面と前記回路基板との間に密封を形成し、前記ガスケットは前記パススルーの形状に対応する開口を含む、請求項8に記載の電気コネクタ。
【請求項10】
前記第2のチャンバの底面は、前記コネクタ筐体にシールされた底部カバーを含む、請求項7に記載の電気コネクタ。
【請求項11】
前記回路基板に接続された少なくとも1つの信号ピンをさらに含み、該少なくとも1つの信号ピンは、前記回路基板から、前記少なくとも1つの信号ピンを第2の電気コネクタの信号受器に嵌合するように構成されたインターフェイスに延びる、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項12】
前記電気コネクタは第1のフラットワイピングコネクタであり、前記第2の電気コネクタは、該第1のフラットワイピングコネクタと嵌合するように構成された第2のフラットワイピングコネクタである、請求項11に記載の電気コネクタ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの信号ピンは、前記第2の電気コネクタの少なくとも1つの第2の電気接点と嵌合する前記電気コネクタの側と同じ側で前記第2の電気コネクタの信号ピン受け器と嵌合するように構成されている、請求項12に記載の電気コネクタ。
【請求項14】
前記電気コネクタの外部のコンピュータ装置と通信するように構成された無線送信器をさらに含む、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項15】
前端開口及び後端開口を有するコネクタ筐体であって、
前記コネクタ筐体は少なくとも1つの電気接点を保持するように構成され、
前記コネクタ筐体は第1のチャンバ及び第2のチャンバをさらに含み、
前記第1のチャンバは前記前端開口と前記後端開口との間に位置する、
コネクタ筐体と、
前記コネクタ筐体に取り付けられ、前記第2のチャンバ内に位置する回路基板と、
前記回路基板に電気的に接続され、前記第1のチャンバから前記第2のチャンバに延びる少なくとも1つの電気リードと、
を含む電気コネクタ。
【請求項16】
前記コネクタ筐体に固定される第1の無線周波数識別(RFID)タグ又はリーダーをさらに含み、該第1のRFIDタグ又はリーダーは、前記電気コネクタと嵌合するように構成された第2の電気コネクタの第2のRFIDタグ又はリーダーと通信するように構成されている、請求項15に記載の電気コネクタ。
【請求項17】
前記回路基板と通信する少なくとも1つの温度センサをさらに含み、該少なくとも1つの温度センサは、
前記第1のチャンバ、
前記第2のチャンバ、
前記電気コネクタに挿入された電気接点の表面、
前記少なくとも1つの電気リード、又は
前記第1のチャンバ内の保持バネ、
のうちの少なくとも1つの温度を測定するように構成されている、請求項15に記載の電気コネクタ。
【請求項18】
前記回路基板上のコンポーネントは、前記電気コネクタに挿入された電気接点から前記電気リードを介して受信される電流を介して給電される、請求項15に記載の電気コネクタ。
【請求項19】
前記回路基板上のコンポーネントは、前記電気リードを介して前記電気コネクタ内に挿入される電気接点の電圧を測定するように構成されている、請求項15に記載の電気コネクタ。
【請求項20】
電気コネクタを組み立てるための方法であって、
コネクタ筐体を形成することと、
電気接点を受容ように構成された前記コネクタ筐体の開口内にバネ保持部を挿入することと、
前記コネクタ筐体の回路基板チャンバ内に回路基板を挿入することと、
前記回路基板を前記コネクタ筐体に固定することと、
前記コネクタ筐体の前記回路基板チャンバの上にカバーをシールすることと、
を含む方法。
【請求項21】
前記回路基板は、前記バネ保持部が前記コネクタ筐体内に挿入され、前記回路基板が前記コネクタ筐体に固定された後に、前記バネ保持部を前記回路基板に電気的に接続するように構成された少なくとも1つの電気リードを含む、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は概して電気コネクタ、電気コネクタの組み立て方法に関し、具体的には、内部に回路基板を収容する電気コネクタ筐体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、当該技術分野では、フラットワイピング接点コネクタを含む電気コネクタが知られている。例えば、フラットワイピング接点技術は、資材運搬トラックの電源接続のような用途に用いられ、単極及び双極のフラットワイピング接点コネクタは蓄電池の接続に用いられる。
【0003】
一例として、参照によりその全体が本願に組み込まれる特許文献1には、フラットワイピング接点及びその製造方法が記載されている。例えば、プラスチック筐体は、導体用の大きな後ろ側開口と、相手コネクタへの電気接続を行うためのより定義された前端開口とを有する、筐体を貫通する通路又はチャネルを有するように成形され得る。通路は、接点を保持し、別のコネクタと嵌合したときに接点のために必要な接触なワイピング圧力を提供する板バネを設置及び保持するための側壁スロットを備えるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0093149号明細書
【0005】
このようなコネクタの組み立て方法は、大きな後ろ側の開口を介して筐体にバネを挿入することを含み、大きな後ろ側の開口では、バネが挿入された後にプラスチック筐体の一部がバネの後端の後ろにくるように冷間成形(ステーキング)することによって、バネがスロット内の位置に固定される。筐体の外部では、平坦なワイピング接点が適切な導体に接合される。そして、接点は大きな後端の開口を介して筐体に取り付けられ、スバネの前端上でラッチされるまで前方にスライドされる。
【0006】
説明した電気コネクタは、その意図された目的に適し得るが、組み立てがより簡単で、フラットワイピングコネクタとして機能する、改善されたフラットワイピングコネクタに対する強い要望が残っている。
【発明の概要】
【0007】
本願では、少なくとも1つの電気接点を受け、電気コネクタのコネクタ筐体内に回路基板を収容するように構成された電気コネクタ及び電気コネクタの組み立て方法を説明する。電気コネクタは、回路基板をコネクタ筐体内に挿入され得る少なくとも1つの電気接点に電気的に接続するように構成された少なくとも1つの電気リードをさらに含む。
【0008】
本願で開示する主題の目的、利点、特徴、特性及び関係のより良い理解は、以下の詳細な説明及び添付の図面から得られる。これらの図面は、説明する実施形態の原理が用いられ得る様々な方法を示す説明に役立つ例を示す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】
図1Aは、冷間成形された杭とフラットワイピング接点のための例示の電気コネクタ筐体の断面斜視図である。
【
図1B】
図1Bは、フラットワイピング接点が取り付けられた
図1Aの例示の電気コネクタ筐体の断面斜視図である。
【
図2】
図2は、本開示の教示に係る例示の電気コネクタ筐体の右上斜視図である。
【
図3】
図3は、本開示の教示に係る
図2の電気コネクタ筐体の左上斜視図である。
【
図4】
図4は、本開示の教示に係る
図2の電気コネクタ筐体の下正面斜視図である。
【
図5】
図5は、本開示の教示に係る底部カバーを有する
図2の電気コネクタ筐体の下正面斜視図である。
【
図6】
図6は、本開示の教示に係る
図2の電気コネクタ筐体の正面立面図である。
【
図7】
図7は、本開示の教示に係る
図2の電気コネクタ筐体の背面立面図である。
【
図8】
図8は、本開示の教示に係る
図2の電気コネクタ筐体の右側立面図である。
【
図9】
図9は、本開示の教示に係る
図2の電気コネクタ筐体の左側立面図である。
【
図12】
図12は、本開示の教示に係る例示の回路基板アセンブリの右上斜視図である。
【
図13】
図13は、本開示の教示に係る
図12の回路基板アセンブリ及び2つの例示の保持バネの右上斜視図である。
【
図14】
図14は、本開示の教示に係る
図2の電気コネクタ筐体、例示のガスケット、例示の回路基板及び例示の底部カバーの分解斜視図である。
【
図15】
図15は、本開示の教示に係る
図2の電気コネクタ筐体、保持バネ及び電気接点の分解斜視図である。
【
図17】
図17は、本開示の教示に係る、
図8及び
図10に示す断面線Aに沿った電気コネクタアセンブリの断面正面図である。
【
図19】
図19は、本開示の教示に係る、
図8及び
図10に示す断面線Bに沿った電気コネクタアセンブリの断面正面図である。
【
図20】
図20は、本開示の教示に係る別の例示の電気コネクタ筐体の左下斜視図である。
【
図21】
図21は、本開示の教示に係る、内部に回路基板が収容された例示の電気コネクタの例示のシステムのブロック図である。
【
図22】
図22は、本開示の教示に係る、電気コネクタを組み立てるための例示の方法を示すフローチャートである。
【
図23】
図23は、本開示の教示に係る、電気コネクタにおける温度を特定するための例示の方法を示すフローチャートである。
【
図24】
図24は、本開示の教示に係る、ユーザコンピューティング環境の一例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
例示の方法及び装置の以下の説明は、本願で詳述する正確な形式に説明の範囲を限定することを意図していない。代わりに、以下の説明は、他の人が教示に従うことができるように説明することを意図している。
【0011】
少なくとも1つの電気接点を受け、電気コネクタのコネクタ筐体内に回路基板を収容するように構成された電気コネクタ及び電気コネクタの組み立て方法を本願で説明する。電気コネクタは、コネクタ筐体内に挿入され得る少なくとも1つの電気接点に回路基板を電気的に接続するように構成される少なくとも1つの電気リードをさらに含む。
【0012】
電気コネクタは、異なる用途のために異なるサイズ及び定格を有し得る。例えば、コネクタ筐体内の電気接点は、電気接点の使用目的に応じて、さまざまなサイズ又はさまざまな材料のものであり得る。同様に、電気コネクタの筐体も、特定の用途に基づく形状及びサイズにされ、所望により様々な絶縁材料から製造され得る。例えば、一部の電気コネクタは、車両に電力を供給するために、電気自動車の配線をバッテリに接続するために用いられ得る。そのため、電気コネクタは、コネクタを流れる予想アンペア数(電流)及びシステムの電圧に基づいて設計され得る。
【0013】
一例として、電気コネクタは、300~500アンペアの電流が流れるように設計され得る。500アンペアよりも高い電流に電気コネクタが用いられると、電気コネクタの電気接点が過度な熱を放射し、その結果、電気コネクタ筐体の完全性が損なわれ得る。これは熱暴走と呼ばれることがある。例えば、熱暴走事故の間に、電気コネクタ筐体が歪んだり、溶けたり等することがある。意図したものよりも高い電流のためにコネクタを用いることに加えて、電気接点が筐体に適切に挿入されていないか、電気接点が第2のコネクタの第2の接点に適切に接触していないか又はワイヤが適切に圧着されていないか又は電気接点に固定されていない場合にも熱暴走が起こり得る。これらの例のいずれかで、電気コネクタの障害が発生する可能性がある。電気コネクタが完全に故障していなくても、電気コネクタの誤動作は、電気コネクタが電気的に接続する負荷又は電源に悪影響を及ぼし得る。
【0014】
従って、本願では、熱暴走事故を示す過剰な熱を監視するために又は電気コネクタを流れる電気の他の側面を測定して、電気コネクタの故障又は電気コネクタによって接続された負荷又は電源の損傷をもたらし得る電気コネクタの誤用を検出するために用いられ得る、様々な電気コネクタ筐体及び密閉回路基板を開示する。電気コネクタ内の回路基板は、無線トランシーバ、無線周波数識別(RFID)タグ及び/又はリーダー及び/又は任意の他の種類の無線通信装置を介して他のコンピュータ装置と通信する等の他の目的のためにも用いられ得る。
【0015】
図1A及び
図1Bを参照して、内部に回路基板が収容されていない筐体及びバネの例を示す。とりわけ、
図1A及び
図1Bは、内部の詳細を明らかにするために断面化されたフラットワイピングコネクタ用の単極筐体10の斜視図を示す。
【0016】
後端開口12及び前端開口14は、筐体10を通る通路、チャネル又はチャンバを画定する。この場合の前端は、相補的な顎15及びU字状フード17構造を備えた両性又はジェンダーレスコネクタとして構成され、接触面が適切に係合するように、180度回転された別の同一のコネクタに接続できる。対向するオフセット顎15は、接続の間に整合して係合した接点32を囲み、嵌合するコネクタそれぞれのU字状フード17は、長手方向及び回転方向に整合して、対向するコネクタ顎15を直線接続動作で受容すうrように作用する。U字状フードは、この種類のコネクタを直線接続動作のみに制限する。
【0017】
再び
図1 Aを参照すると、板ばね16は、床24に近接し且つ平行な2つの対向するバネポケット又はスロット20(1つのみを示す)に保持されたバネベース延長部18によって保持されている。明らかに、バネスロット20は、バネの挿入のために後端開口12に対して開かれているか又はアクセス可能に構成されている。板バネ16は、延長部18がスロット20内に摺動するように後端開口12を介して挿入される。バネは、バネの基部のすぐ後ろの床24を介して外圧によって上方に駆動されるバネ杭26によってスロット20内の最終位置に保持される。杭26は、板バネ16が筐体10に挿入された後に筐体10の床24に冷間成形される。したがって、板バネ16は、延長部18の前端がスロット20の前端を越えて移動することを制限され、板バネ16の後端は杭26によって移動が制限されるため位置が固定される。板バネ16の片持ち先端は、障壁22を越えて延び、床24から離れて上方にバイアスされている。
【0018】
アセンブリの説明のために
図1Bを参照する。接点30は、バネフック34によって終端された前端ワイピング面32と、後端導体受容部36とを含む(導線は図示せず)。接点30は、前端ワイピング面32が障壁22の下を通り、バネフック34が板バネ16の前縁又は端部にラッチ又はスナップするまで、上方にバイアスされた板バネ16に沿って乗るように、後端開口12に挿入されることによって取り付けられる。筐体は、導体受容部36の前端がこの点で障壁22に当接するような寸法になるように構成され、それによって接点30はこの位置に固定され、それ以上の前方に又は後方に動くのが抑制され、板バネ16の圧縮による垂直方向の動きのみに制限される。
【0019】
その後の動作では、2つの相対する接点に、電流が流れるそれぞれのワイピング面32で圧縮係合させるワイピング動作によってもたらされるわずかな垂直方向の変異を許容するために、バネ16によって提供される浮遊作用により、接点30は、他の相対するコネクタとの嵌合の間に十分に押し下げられることができるようにする。
【0020】
しかしながら、上述したように、電気コネクタの誤用又は電気コネクタの損傷は、コネクタの故障及び/又は電気コネクタが電気的に結合している何らかのものに損傷をもたらし得る。
図1A及び
図1Bで図示説明するコネクタは、故障又は他の装置に対する潜在的な損傷の状態が存在する場合に測定又は特定する機構を有していない。したがって、本願では、回路基板を収容するように構成され、コネクタの状態(例えば、温度、電圧、電流等)を監視するための電気コネクタ内に他のコンポーネントを有し得る様々なコネクタ筐体が開示される。加えて、そのようなコネクタを組み立てる方法を本願で開示する。
【0021】
図2は、本開示の教示に係る例示の電気コネクタ筐体200の右上斜視図である。コネクタ筐体200は、電気接点(
図2に図示せず)が挿入され得る後端開口202を含み得る。例示のコネクタ筐体200はフラットワイピングコネクタであるが、本願で説明する様々なシステム及び方法は、フラットワイピングコネクタ以外の種類のコネクタと共に用いられ得る。
【0022】
図3は、本開示の教示に係る
図2の電気コネクタ筐体200の左上斜視図である。
図3では、前端開口302が示され、これは、例えば、負荷が電源に接続されるように、他のコネクタと嵌合するように構成されている。コネクタ筐体200は孔304も含む。孔304は、コネクタ筐体200内に収容された回路基板に直接接続されるピンを受容するように構成されている。このように、孔304から延びるピンは、コネクタ筐体200内の回路基板をコネクタ筐体200に嵌合された相対するコネクタの回路に接合するための雄コネクタとして機能し得る。別の実施形態では、孔304は、コネクタ筐体200に嵌合されたコネクタの一部であるピンを受容し得る。このように、孔304は、コネクタ筐体200内の回路基板を相対するコネクタ内の回路に電気的に接合するための雌側コネクタとして機能し得る。いずれの場合も、孔304は、コネクタ筐体内の回路基板への電気的接続を収容し得る。
【0023】
図4は、本開示の教示に係る
図2の電気コネクタ筐体200の底面正面斜視図である。コネクタ筐体200の図は、回路基板が取り付けられるか又はさもなければ配置され得るコネクタ筐体200の底部のチャンバ402を示す。このような回路基板は
図4には示していないが、
図12~
図14、
図17及び
図19でさらに図示説明される。
図4には、回路基板をコネクタ筐体200に取り付けるために用いられ得る、コネクタ筐体200に成形されたポスト404をさらに示す。様々な実施形態において、回路基板は、ポスト404以外の方法又はコンポーネントを用いて又はポスト404に加えて、コネクタ筐体200に取り付けられ得るか又は固定され得る。
【0024】
コネクタ筐体200は、電気リードがチャンバ402からコネクタ筐体200の第2のチャンバ又は通路に通過するためのパススルー406も含む。このように、電気リードは、チャンバ402内の回路基板を、コネクタ筐体200のチャンバの他の部分の導電性部品、センサ等に接続し得る。加えて、パススルー408は、回路基板がコネクタ筐体200の外部の何かに電気的に接続できるように、チャンバ402内の回路基板を
図3の孔304に接続するための電気リード又はピンのための開口を提供する。様々な実施形態では、回路基板用のチャンバをコネクタ筐体の別のチャンバ又は通路に接続するために、パススルー406及び408よりも追加の、異なる又はより少ないパススルーが用いられ得る。様々な実施形態では、コネクタ筐体200内のパススルーは、回路基板用のチャンバと電気コネクタの他のチャンバとを分離又はシールするために電気部品が挿入された後でシールされ得る。
【0025】
図5は、本開示の教示に係る底部カバーを有する
図2の電気コネクタ筐体500の底面正面斜視図である。
図5に示すコネクタ筐体500は、
図4に示すチャンバ402の上に配置された底部カバー502を含む。底部カバー502は、回路基板及びチャンバ402内の他のコンポーネントを保護するために、コネクタ筐体200に取り付け、シール又はさもなければ接続され得る。
【0026】
図6は、本開示の教示に係る
図2の電気コネクタ筐体200の正面立面図である。
図7は、本開示の教示に係る
図2の電気コネクタ筐体200の背面立面図である。
【0027】
図8は、本開示の教示に係る
図2の電気コネクタ筐体200の右側立面図である。
図9は、本開示の教示に係る
図2の電気コネクタ筐体200の左側立面図である。
図8に示すコネクタ筐体200は、コネクタ筐体200内の回路基板からコネクタ筐体200の孔304に至るピンを覆い保護し得るピンカバー802を含む。一部の実施形態では、ピンカバー802はコネクタ筐体200自体に存在せず、コネクタ筐体200内の回路基板上に取り付けられるか又はさもなければ回路基板の一部であり得る。加えて、
図8は、断面線A及びBを示す。断面線A及びBに関連するコネクタ筐体200の断面図を、それぞれ
図16及び
図18に示す。
図10は、本開示の教示に係る
図2の電気コネクタ筐体200の上面図である。
図10は、
図16及び
図18にそれぞれ示す断面線A及びBも示す。
【0028】
図11Aは、本開示の教示に係る底部カバー502を有する
図2の電気コネクタ筐体200の底面平面図である。
図11Bは、本開示の教示に係る
図2の底部カバー502がない電気コネクタ筐体200の底面平面図である。
図11Aには、
図11Bに図示していない、本願で記載した孔304を通過し得るピン1102も示す。
図4と同様に、底部カバー502のない
図11Bは、回路基板を収容するように構成されたチャンバ402、回路基板を取り付けるためのポスト404、回路基板をコネクタ筐体200の他の通路又はチャンバ内の部品に接続するためのパススルー406及び回路基板を他の装置又はコネクタに接続するためのピン用パススルー408を示す。
【0029】
図12は、本開示の教示に係る例示の回路基板アセンブリ1200の右上斜視図である。
図13は、
図12の回路基板アセンブリ1200と、本開示の教示に係る2つの例示の保持バネ1302の正面右斜視図である。回路基板アセンブリ1200のコンポーネントは、本願で開示するコネクタ筐体200等の電気コネクタ筐体に挿入される前に組み立てられ、接続され得る。回路基板アセンブリ1200は、回路基板1202(回路は図示せず)を含み、回路基板1202は、
図4及び
図11Bに示すポスト404を収容するための孔1204を有する。孔1204はポスト404を覆うことができ、回路基板1202は様々な方法でポスト404に適合し得る。例えば、ポスト404は、チャンバ402内で回路基板1202をわずかに溶融して固定するために、熱ステーキングされ得る。他の例では、回路基板1202をポスト404に取り付けるために接着剤が用いられ、回路基板1202をポスト404に取り付けるために回路基板1202とポスト404との間の干渉嵌めが用いられ得るか又はコネクタ筐体のチャンバ内に回路基板1202を固定する他の好適な方法が様々な実施形態で用いられ得る。
【0030】
回路基板アセンブリ1200は、回路基板に取り付けられる電気リード1206をさらに含む。電気リード1206は、それらが保持バネ1302と接触しているときに、保持バネ1302と回路基板1202との間の電気的接続を維持するために保持バネ1302を押し戻すバネ力を電気リード1206が有するように形成され得る。加えて、電気リード1206は、コネクタ筐体200等のコネクタ筐体に保持バネ1302を挿入する間に、電気リード1206に引っかかることなく電気リード1206に沿って摺動するように形成される。
図12及び
図13は、回路基板1202を保持バネ1302に電気的に接続する1つの可能な方法のみを示しているが、両者を接続する他の方法が様々な実施形態で用いられ得る。加えて、
図13の実施形態は、回路基板1202を保持バネ1302に接続することに関連するが、同様の又は異なる電気リードは、電気接点、センサ又は任意の他のコンポーネント等のコネクタ本体内の他のコンポーネントに直接又は間接的に回路基板1202を電気的に接続し得る。回路基板アセンブリは、回路基板1202が収容されているコネクタの外部にある装置又はコネクタに回路基板1202を電気的に接続するピン1210を覆うピンカバー802をさらに含む。
【0031】
図14は、本開示の教示に係る、
図2の電気コネクタ筐体200、例示のガスケット1402、回路基板1202及び底部カバー502の分解斜視図である。とりわけ、
図14は、ガスケット1402が回路基板1202と、回路基板1202が取り付けられるチャンバ402の表面との間にどのように配置されるかを示す。ガスケット1402は、回路基板1202を取り付けるために用いられるポスト404を収容する孔に加えて、回路基板1202からコネクタ筐体200内の装置、センサ、コンポーネント等への接続を可能にするためにパススルー406及び408と整合する開口を含み得る。ガスケット1402は、回路基板1202及びそのコンポーネントを、パススルー406及び408の周囲を含むコネクタ筐体200の残りの部分から密封する役割をさらに果たす。
【0032】
図15は、本開示の教示に係る、
図2の電気コネクタ筐体200、保持バネ1302及び電気接点1502の分解斜視図である。電気コネクタ202を用いる場合、保持バネ1302は先ず後端開口202に挿入される。保持バネ1302は挿入後にコネクタ筐体200に固定される。ワイヤは電気接点1502の開口に挿入され、電気接点はワイヤの周りに圧着される。その後、電気接点1502は後端開口202に挿入され、完全に挿入されると、電気接点1502は保持バネ1302によってコネクタ筐体200内で保持される。
【0033】
図16は、本開示の教示に係る、
図8及び
図10に示す断面線Aに沿って
図2の電気コネクタ筐体200の断面正面図である。
図16の例は、回路基板、ガスケット、底部カバー、保持バネ又は電気接点が取り付けられていないコネクタ筐体200を示す。コネクタ筐体200は、本願で開示したように、保持バネ及び電気接点が挿入され得る後端開口202を含む。コネクタ筐体200は前端開口302をさらに含み、これは、本願で開示するように、コネクタ筐体200と同様の他のコネクタ筐体と嵌合して、2つのコネクタ筐体内の電気接点も嵌合させ得る。
図16は、回路基板を取り付けられ得るチャンバ402及び電気接点を挿入され得るチャンバ1602もさらに示す。パススルー406(
図16には示さないパススルー408及び別のパススルー406も)は、電気リード(例えば、電気リード1206)又は他のコンポーネントがチャンバ402内の回路基板からチャンバ1602内に延びるように、チャンバ402及びチャンバ1602を接続する。
図16は、チャンバ402内に回路基板を取り付けるか又は固定するために用いられ得るポスト404をさらに示す。
【0034】
図17は、本開示の教示に係る
図8及び10に示す断面線Aに沿って電気コネクタアセンブリの断面正面図である。とりわけ、
図17は、保持バネ1302、電気接点1502、ガスケット1402、回路基板1202、電気リード1206及び底部カバー502の全て所定の位置にあるアセンブリを示す。
図17に示すように、電気リード1206は、回路基板1202から保持バネ1302に延び得る。電気リード1206、保持バネ1302及び電気接点1502の全ては、導電性金属等の導電性材料から作られ得る。このように、回路基板1202上のコンポーネントは、電気接点1502及び電気接点1502内のワイヤにおける電気又は電気信号の側面を検出でき得る。例えば、電気接点1502及び保持バネ1302の電圧が検出することができ得る。
図17の実施形態では、単一の電気リード1206のみが保持バネ1302に接触する。しかしながら、他の実施形態では、複数の電気リードが保持バネ及び/又は電気接点に接触するように、コネクタ筐体は複数のパススルーを提供するように構成され得る。このように、電気接点1502を通る電流等の電気接点1502を通る信号の他の側面が測定され得る。
【0035】
図18は、本開示の教示に係る、
図8及び10に示す断面線Bに沿って
図2の電気コネクタ筐体200の断面正面図である。
図18は、回路基板用チャンバ402をチャンバ1802に接続するパススルー408を具体的に示す。チャンバ1802は、チャンバ1602内の電気接点をチャンバ1802及び第2の電気接点が挿入される別のチャンバから離すために、チャンバ1602から分離されている。孔304は、コネクタ筐体200(例えば、チャンバ1802)の内部からコネクタ筐体200の外にピンを通すための開口を提供する。
【0036】
図19は、本開示の教示に係る、
図8及び
図10に示される断面線Bに沿った電気コネクタアセンブリの断面正面図である。
図19は、ピン1210がどのようにパススルー408を通って回路基板1202からチャンバ1802に、孔304を通ってコネクタ筐体200の外部に通るかを示す。このように、ピン1210は、2つの電気コネクタ間の通信を促進するために、例えば他の電気コネクタと接触する。ピン1210は、ピンカバーによってチャンバ1802内で部分的に又は全体的に保護され得る。ピンカバー802は、パススルー408を通って回路基板1202からチャンバ1802内に延び得る。
【0037】
様々な実施形態では、回路基板1202は、電気コネクタ、電気コネクタ内の接点、電気コネクタ内又は外の空気/環境又は電気コネクタの又は関連する任意の他の態様を測定するための様々なコンポーネントを含み得るか又は接続され得る。例えば、温度センサは回路基板1202上又はコネクタ筐体200内の任意の場所に位置し得る。例えば、温度センサは、チャンバ402内、チャンバ1602内、チャンバ1802内又はコネクタ筐体200の外部表面上の任意の場所に位置し得る。加えて又は代替的に、温度センサは、電気リード1206、保持バネ1302、電気接点1502、ピン1210及び/又はコネクタ筐体200内の他のコンポーネントのうちの1つ以上と接触するように位置し得る。様々な実施形態では、他の種類のセンサもコネクタ筐体200内又はコネクタ筐体200上又はコネクタ筐体200内のコンポーネント上の任意の位置にも組み込まれ得る。例えば、コネクタ筐体の状態及び/又は環境を監視するために水分又は湿度センサ又は任意の他の種類のセンサが用いられ得る。コネクタ筐体200に組み込まれた様々なセンサはセンサから回路基板1202に至る電気リードも含み得るために、それらのセンサからの測定値が検出/受信され得る。電気リードは、本願で開示したパススルー406又は408のいずれかを介してセンサから延びるか又は異なるパススルーを介して延び得る。
【0038】
図20は、本開示の教示に係る別の例示の電気コネクタ筐体2000の左下斜視図である。コネクタ筐体2000は、回路基板用のチャンバをコネクタ筐体2000の外部に接続するパススルー2004を含む。前端開口2006もコネクタ筐体2000内に示す。無線周波数識別(RFID)リーダー2002を接続するための電気リードは、RFIDリーダー2002をコネクタ筐体2000内の回路基板に接続するために、パススルー2004内に延びる。RFIDリーダー2002は、2つの電気コネクタが嵌合した場合に、他方のコネクタ筐体と重なるコネクタ筐体2000の外側部分に配置される。このように、RFIDリーダー2002は、他方の電気コネクタ上のRFIDタグを読み取り得る。したがって、他方のRFIDタグから読み取られた一意の識別子が識別され得る。その一意の識別子は、図示しない他方の電気コネクタ、他方の電気コネクタが接続されるバッテリ充電器、他方の電気コネクタが接続されているバッテリ又は他方の電気コネクタに関連する任意の他の装置に関連し得る。このように、回路基板のプロセッサ又は回路基板のプロセッサが通信する他のコンピュータ装置は、コネクタ筐体2000がどの装置又はコネクタに接続されているかを識別し得る。別の実施形態では、コネクタ筐体2000は、RFIDリーダー2002の代わりにRFIDタグを有し得るか又はRFIDタグ及びRFIDリーダー2002の両方を有し得る。他方のコネクタと重なるコネクタ筐体2000の部分にRFIDタグ又はRFIDリーダーのいずれかを配置することにより、一方のコネクタ上のRFIDリーダーは、他方のコネクタ上のRFIDタグと重なってタグを読み取り得る。RFIDリーダーはコネクタ筐体の表面に取り付けられてたものとして示されているが、RFIDリーダー又はタグは、様々な実施形態においてコネクタ筐体の一部内に形成することもできる。
【0039】
図21は、本開示の教示に係る回路基板が収容された例示の電気コネクタのための例示のシステム2100のブロック図である。システム2100の様々な態様は、本願で開示するようにコネクタ筐体内の回路基板に取り付けられ得るか、コネクタ筐体上又は内に取り付けられ、コネクタ筐体内の回路基板に電気的に接続され得るか又は、本願で開示するように、コネクタ筐体内の回路基板のコンポーネントと通信(例えば、有線又は無線)し得る。
【0040】
とりわけ、システム2100のプロセッサ2102及び/又は他の装置は、電源2106によって電力供給され得る。電源2106は、電気コネクタ筐体内の電気接点を通って電流から引き出された電力又はバッテリ等の任意のタイプの電源であり得る。プロセッサ2102は、メモリ2104、入力ボタン2118、1つ以上の温度センサ2110、RFIDタグ又はリーダー2112、ディスプレイ又はライト2114、入力ボタン2118(又は他のユーザインターフェイス)及び無線送信器2116に動作可能に連結され得る。メモリ2104には、プロセッサ706によって読み取られるか又は実行されるコード(例えば、非一時的コンピュータ読み取り可能命令)が記憶されている。そのようなコードは、プロセッサ2102に、本願で開示する動作、ステップ、方法等のうちのいずれかを行われ得る。メモリ2104は、温度、読み取られたRFIDタグ、読み取られた信号の電圧又は電流等の取り込まれた様々なセンサデータを、システム2100のコンポーネントによって感知又は特定された任意の情報のタイムスタンプと共に記憶し得る。プロセッサ2102は、無線送信器2116を介してそのようなデータを別のコンピュータ装置2200に通信し得る。システム2100及び/又はコンピュータ装置2200は、
図24に関して以下で説明するコンピュータ装置の任意のコンポーネントを有するか又はコンピュータ装置であり得る。様々な実施形態では、システム2100は、さらに、有線接続を介してコンピュータ装置2200又は他のコンピュータ装置と通信し得る。
【0041】
温度センサ2110は、コネクタ筐体内の様々なコンポーネント、コネクタ筐体内又は外の空気又はコネクタ筐体の表面の温度を監視して、熱暴走事故又は監視することが望ましい他の温度挙動又は状態を監視するために用いられる本願で開示の温度センサであり得る。
図23に関して以下に説明するように、プロセッサは、感知された温度が筐体上又は筐体内の特定の位置又は筐体内の特定のコンポーネント等の電気コネクタ筐体に関連する危険な又は望ましくない温度状態を示す所定の温度閾値に達するか又は超えた場合に、別のコンピュータ装置に警告を送信し得る。
【0042】
無線送信器2116はコンピュータ装置2200と通信し得る。コンピュータ装置2200は、様々な実施形態で有線又は無線(例えば、Bluetooth)接続を介して通信し得る。コンピュータ装置2200は、任意の種類のコンピュータ装置、コントローラ、プロセッサ等であり得る。例えば、コンピュータ装置2200は、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、大型出力ディスプレイ、システム2100と共に使用するために特別に構築されたコンピュータ装置、油圧又は他の自動化されたパイプベンダーのコントローラ等であり得る。このように、システム2100は任意の他の種類のコンピュータ装置と通信するように構成され得る。
【0043】
センサ測定値を表すデータ(例えば、温度センサ2110、RFIDリーダー2112、信号センサ2108)は、表示、収集又は他の目的のために、無線送信器2116を介してコンピュータ装置2200に送信され得る。様々な例では、無線送信器2116は、コンピュータ装置2200から信号/データを受信し得るトランシーバであってもよい。
【0044】
ユーザが入力を提供し得るように、入力ボタン2118又は他の種類のユーザ入力装置がシステム2100に組み込まれ得る。例えば、メモリ2104に記憶されたデータをコンピュータ装置2200に送信すべきでことをシステム2100に示すために入力ボタン2118が押され得る。他の実施形態では、そのようなデータの送信は自動的に行われ得る。ディスプレイ/ライト2114はユーザにフィードバックを提供し得る。例えば、緑色の発光ダイオード(LED)は、電気コネクタの温度が許容可能であることを示し、黄色又は赤色のLEDはコネクタ又はコネクタの温度に問題があることを示し得る。
【0045】
様々な実施形態では、
図21に示すものよりも追加的、異なる又は少ない態様が持ち入れられ得る。例えば、
図21に示すものと同じ種類の追加センサが用いられ得るか、
図21に示すものと異なる種類のセンサが用いられ得るか又は
図21に示すよりも少ないセンサが用いられ得る。無線、GPSチップ又は任意の他の種類の電子装置又は部品等の他の装置又はコンポーネントが追加的で又は代替的に用いられ得る。加えて、本願で開示するように、様々な実施形態では、様々な電子部品(
図21に示すものかどうかに関わらず)は、有線又は無線接続を介して互いに通信してもいいし、有線又は無線接続を介して別個のコンピュータ装置(例えば、コンピュータ装置2200)とそれぞれ通信してもよい。
【0046】
図22は、本開示の教示に係る電気コネクタを組み立てるための例示の方法2200を示すフローチャートである。ブロック2202で、コネクタ筐体は、例えば、非導電性プラスチックから作られる。ブロック2204で、コネクタ筐体の1つ以上の後端開口内に1つ以上の保持バネが挿入され得る。例えば、保持バネは、
図13、
図15及び
図17の保持バネ1302であってもよく、コネクタ筐体は、本願で開示するコネクタ筐体200であり得る。
【0047】
ブロック2206で、1つ以上の保持バネはコネクタ筐体内に固定され得る。一部の保持バネ及びコネクタ筐体は、コネクタ筐体内で保持バネを自動的に保持及び固定するように形成及び構成され得るが、他の種類の保持バネ及びコネクタ筐体は、保持バネを筐体内に固定するためにコネクタ筐体の変形(例えば、コールドステーキング)を利用し得る。いずれの場合も、保持バネは筐体内で固定される。
【0048】
ブロック2208で、ガスケット(例えば、
図14及び
図17のガスケット1402)が回路基板チャンバ(例えば、
図4、
図11B、
図14及び
図16~
図19のチャンバ402)に挿入される。ブロック2210で、回路基板(例えば、
図12~
図14、
図17及び
図19の回路基板1202)が回路基板チャンバに挿入される。様々な実施形態では、ガスケット及び回路基板は、互いに接着された後に共に挿入され得るか又は別々に挿入され得る。ブロック2212で、回路基板はコネクタ筐体内に固定され得る。例えば、本願で開示するように、ポスト404等のポストは、回路基板の周りに形成して固定するためにコールドステーキングされ得る。
【0049】
ブロック2214で、回路基板を保護するために、回路基板チャンバカバー(例えば、
図5、
図11A、
図14、
図17及び
図19の底部カバー502)が回路基板チャンバの上に置かれ、シールされ得る。
【0050】
ブロック2216で、ワイヤが電気接点に挿入され、電気接点は、ブロック2218でコネクタ筐体の後端開口に挿入され得る。ブロック2220で、コネクタ筐体の前端開口は、本願で開示するように第2のコネクタ筐体に嵌合され得る。様々な実施形態では、ブロック2216、2218及び2220は、現場の第1のユーザによって電気コネクタを用いて行われ得るのに対して、他のブロックは、電気コネクタが製造される製造施設で1人以上の他の個人によって行われ得る。
【0051】
図23は、本開示の教示に係る電気コネクタで温度を特定するための例示の方法2300を示すフローチャートである。ブロック2302で、例えば、
図21のプロセッサ2102等のプロセッサで温度センサ信号が受信される。その信号に基づいて、プロセッサは、温度センサ信号に関連する温度センサにおける温度を、温度センサ信号に基づいて特定し得る。一部の実施形態では、温度センサ信号自体は、特定されるべき温度を示し得るのに対して、他の実施形態では、プロセッサは、関連する温度センサにおける温度を特定するために、温度センサ信号に対して追加の処理を行う必要があり得る。追加の処理が用いられるかどうかは、例えば、用いられる温度センサの種類に依存し得る。
【0052】
ブロック2306で、ブロック2304で特定された温度を所定の温度閾値と比較して、条件が危険か及び/又は潜在的な熱暴走事象を示す条件を示すかどうかが特定され得る。所定の閾値温度はいくつかの異なる要因に基づき得る。例えば、温度センサの配置は、所定の閾値温度に影響を与え得る。例えば、温度は、コネクタ筐体内の電気リード1206のうちの1つの表面、保持バネ1302のうちの1つの表面又は電気接点1502の表面で測定され得る。温度は、電気接点(例えば、電気接点1502)で最も高くなり得るため、例えば、電気リード又は保持バネにおける温度の測定値は、電気接点での温度の測定値が比較されるよりも低い所定の閾値温度と比較され得る。同様に、コネクタ筐体内の異なる位置又はコネクタ筐体の外部若しくは内部の表面上の異なる位置は、潜在的な熱暴走を示す熱源がどこにあるかに基づいて異なる予想温度を有し得る。そのため、所定の温度閾値は、所与の温度センサの配置に基づいて構成され得る。加えて、所定の温度閾値は、コネクタ筐体絶縁体の種類、コネクタのアンペア定格又はその他の種類又は定格、コネクタ筐体の厚さ、コネクタ筐体の材料の融点等に基づいて構成され得る。つまり、用いられるコネクタの種類及びその使用目的は、異なる温度に耐える能力を示し得るため、コネクタの種類及び使用目的は、そのコネクタが安全に用いられ得る所定の温度閾値を設定するために考慮され得る。
【0053】
様々な実施形態では、潜在的な熱暴走事象は、所定の温度閾値を用いることなく又は所定の温度閾値を用いることに加えて特定され得る。例えば、コネクタ筐体内(又はコネクタ筐体内の特定のコンポーネント)又は上で感知される温度が経時的に監視され、典型的な温度からの経時的な著しい逸脱は潜在的な熱暴走事象又は電気コネクタの誤用を示し得る。つまり、プロセッサは、例えば、コネクタが用いられる動作温度又は全体の平均温度を特定し、平均温度を超える特定の閾値パーセント又は他のメトリック以上の逸脱についてコネクタの温度を監視し得る。このようにして、コネクタの危険な温度を示す可能性のある所定の温度閾値が設定又は決定されていない場合でも、プロセッサは、安全でない可能性があり、及び/又はコネクタの故障を引き起こす可能性がある温度の逸脱についてコネクタの温度を監視することができる。
【0054】
様々な実施形態において、温度センサは、コネクタが位置する環境温度(例えば、周囲空気温度)を測定するようにも構成され得る。例えば、周囲空気温度は、回路基板上又はさもなければ回路基板チャンバ(例えば、本願で開示のチャンバ402)内に取り付けられた温度センサによって測定され得る。これは、コネクタ自体から熱が迅速に放散されないことがあるため、より高温の環境はコネクタが熱暴走事象の影響を受けやすくするため、ブロック2306で用いられる所定の閾値温度がどのようなものであるべきかを決定するのに役立ち得る。したがって、上述したように、コネクタ内又はコネクタにおける温度が危険であることを特定する多くの異なる方法が利用され得る。
【0055】
ブロック2308で、コネクタ内の温度が所定の温度閾値を超えていると判定された場合(又は、コネクタが潜在的に危険な温度に達したと判定された場合)、警告が送信され得る。警告は、プロセッサによって送信される多くの異なる種類の信号のうちの1つ以上であり得る。例えば、状態が危険であることを示すために、コネクタ上のライトに信号が送信され得る。警告は、有線又は無線接続を介して別のコンピュータ装置に送信され得る。他のコンピュータ装置は、そのような警告に基づいて、例えば、電気コネクタがワイヤを介して電気的に接続する装置を遮断することによって、コネクタへの給電を遮断し得る。
【0056】
したがって、本願では、電気コネクタにおける熱暴走事象を防止するための様々なセンサ及びコネクタ筐体構成が開示される。これは、コネクタの誤用(例えば、定格アンペア数よりも高いアンペア数のコネクタの使用)の事例の特定、コネクタの使用時になされた誤りの事例(例えば、電気接点とワイヤとの間の不良圧着)の特定又はコネクタに電気的に接続された装置が誤動作している場合の特定に役立つ。本願で開示のコネクタの測定値を用いることは、(例えば、コネクタで所望の温度よりも高い温度を示す警告又は信号に応答して、コネクタに関連する装置を遮断することにより)さらなる損傷を防止するためにも用いられ得る。
【0057】
加えて、本願で開示の電気コネクタで感知された他の態様は他の方法で有用であり得る。例えば、電気接点で測定される電圧は、電気接点が電気的に接続されているバッテリの状態又は健康状態を示し得る。そのような電圧測定はバッテリの充電レベルも示し得る。上記の温度に関する警告と同様に、電圧が第1の所定の閾値を満たすか若しくは超えるか又は第2の所定の閾値を満たすか若しくは下回る場合にも警告が送信され得る。このように、コネクタにおける電圧が望ましくないか又は他の場所で望ましくない状態を示す場合、警告が送信され得る。
【0058】
図24は、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、スマートフォン、タブレット又は非一時的コンピュータ読み取り可能媒体内に記憶されるもの等の命令を実行する能力を有する任意の他の装置等の汎用コンピュータシステム環境100を含むユーザコンピュータ環境の一例を示す図である。本願に開示の様々なコンピュータシステム(例えば、角度インジケータ表示装置、コンピュータ装置)はコンピューティングシステム100と同様であり得るか又はコンピュータシステム100の一部のコンポーネントを含み得る。さらに、単一のコンピュータシステム100の文脈で説明及び図示しているが、当業者であれば、以下で説明する様々なタスクは、実行可能命令が複数のコンピュータシステム100のうちの1つ以上に関連し得る及び/又は実行され得るローカルエリアネットワーク又は広域ネットワークを介してリンクされた複数のコンピュータシステム100を有する分散環境で実行され得ることも理解するであろう。
【0059】
その最も基本的な構成において、コンピュータシステム環境100は、典型的には、バス106を介してリンクされ得る少なくとも1つの処理ユニット102及び少なくとも1つのメモリ104を含む。コンピュータシステム環境の厳密な構成及び種類に応じて、メモリ104は揮発性(RAM110等)、不揮発性(ROM108、フラッシュメモリ等)又はこれら2つのいくつかの組み合わせであり得る。コンピュータシステム環境100は追加の特徴及び/又は機能を有し得る。例えば、コンピュータシステム環境100は、限定されないが、磁気又は光ディスク、テープドライブ及び/又はフラッシュドライブを含む追加の(取り外し可能及び/又は取り外し不能)記憶装置も含み得る。そのような追加の記憶装置は、例えば、ハードディスクドライブインターフェイス112、磁気ディスクドライブインターフェイス114及び/又は光ディスクドライブインターフェイス116によって、コンピュータシステム環境100にアクセス可能にし得る。理解されるように、システムバス306にそれぞれリンクされ得るこれらの装置は、ハードディスク118からの読み取り及び書き込み、取り外し可能な磁気ディスク120からの読み取り又は書き込み及び/又はCD/DVD ROM又は他の光学メディア等の取り外し可能な光ディスク122からの読み取り又は書き込みをそれぞれ可能にする。ドライブインターフェイス及びそれらに関連するコンピュータ読み取り可能媒体は、コンピュータ読み取り可能命令、データ構造、プログラムモジュール及びコンピュータシステム環境100のための他のデータの不揮発性記憶を可能にする。当業者であれば、データを記憶することが可能な他の種類のコンピュータ読み取り可能媒体が同じ目的のために用いられ得ることをさらに理解するであろう。そのような媒体装置の例は、限定されないが、磁気カセット、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク、ベルヌーイカートリッジ、ランダムアクセスメモリ、ナノドライブ、メモリスティック、他の読み取り/書き込み及び/又は読み取り専用メモリ及び/又はコンピュータ読み取り可能命令、データ構造、プログラムモジュール又は他のデータ等の情報を記憶するための任意の他の方法又は技術を含む。任意のそのようなコンピュータ記憶媒体はコンピュータシステム環境100の一部であり得る。
【0060】
多数のプログラムモジュールが1つ以上のメモリ/媒体装置に記憶され得る。例えば、起動時など、コンピュータシステム環境100内の要素間で情報を転送するのに役立つ基本ルーチンを含む基本入出力システム(BIOS)124がROM108に記憶され得る。同様に、RAM110、ハードドライブ118及び/又は周辺記憶装置は、オペレーティングシステム126、(例えば、本願で開示する機能を含み得る)1つ以上のアプリケーションプログラム128、他のプログラムモジュール130及び/又はプログラムデータ122を含むコンピュータ実行可能命令を記憶するために用いられ得る。さらに、コンピュータ実行可能命令は、必要に応じて、例えば、ネットワーク接続を介してコンピュータ環境100にダウンロードされ得る。
【0061】
エンドユーザは、キーボード134及び/又はポインティングデバイス136等の入力装置を介してコンピュータシステム環境100にコマンド及び情報を入力し得る。図示されていないが、他の入力装置は、マイク、ジョイスティック、ゲームパッド、スキャナ等を含み得る。これら及び他の入力装置は、通常、バス106に連結され得る周辺インターフェイス138によって処理ユニット102に接続される。入力装置は、例えば、パラレルポート、ゲームポート、ファイアワイヤ又はユニバーサルシリアルバス(USB)等のインターフェイスを介して、プロセッサ102に直接又は間接的に接続され得る。コンピュータシステム環境100からの情報を表示するために、モニタ140又は他の種類のディスプレイ装置も、インターフェイスを介して、例えばビデオアダプタ132を介してバス106に接続され得る。モニタ140に加えて、コンピュータシステム環境100は、スピーカ及びプリンタ等の図示しない他の周辺出力装置も含み得る。
【0062】
コンピュータシステム環境100は、1つ以上のコンピュータシステム環境への論理接続を利用し得る。コンピュータシステム環境100とリモートコンピュータシステム環境との間の通信は、ネットワークルーティングの役割を果たすネットワークルータ152等のさらなる処理装置を介して交換され得る。ネットワークルータ152との通信は、ネットワークインターフェイスコンポーネント154を介して行われ得る。そのため、そのようなネットワーク環境、例えば、インターネット、ワールドワイドウェブ、LAN又は他の同様の種類の有線又は無線ネットワーク内では、コンピュータシステム環境100に関連して図示したプログラムモジュール又はその一部は、コンピュータシステム環境100のメモリ記憶装置に記憶され得ることが理解されよう。
【0063】
コンピュータシステム環境100は、コンピュータシステム環境100の位置を特定するためのローカリゼーションハードウェア186も含み得る。場合によっては、ローカリゼーションハードウェア156は、例示にすぎないが、GPSアンテナ、RFIDチップ又はリーダー、WiFiアンテナ又はコンピュータシステム環境100の位置を特定するために用いられ得る信号を捕捉又は送信するために用いられ得る他のコンピュータハードウェアを含み得る。
【0064】
本開示は、特定の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に明示的に記載されている場合を除き、特許請求の範囲はこれらの実施形態に限定されることを意図していないことが理解されよう。反対に、本開示は、本開示の精神及び範囲内に含まれ得る代替、修正及び同等物を網羅することを意図している。さらに、本開示の詳細な説明では、開示した実施形態の完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細を説明している。しかしながら、本開示と整合するシステム及び方法はこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることは、当業者にとって自明であろう。他の例では、周知の方法、手順、コンポーネント及び回路は、本開示の様々な態様を不必要に不明瞭にしないように詳細に説明されていない。
【0065】
本開示の詳細な記載の一部の部分は、手順、論理ブロック、処理及びコンピュータ又はデジタルシステムメモリ内のデータビットに対する動作の他の記号的表現に関して提示されている。これらの説明及び表現は、データ処理技術分野の当業者が、その仕事の内容を最も効果的に他の当業者に伝達するために用いる手段である。本願では、手順、論理ブロック、処理等は概して、所望の結果に至るステップ又は命令の自己整合的なシーケンスであると考えられる。ステップは物理量の物理的操作を必要とするものである。通常、必ずしも必要ではないが、これらの物理的操作はコンピュータシステム又は同様の電子コンピュータ装置内で記憶、転送、結合、比較及び操作が可能な電気的又は磁気的データの形式をとる。便宜上の理由で、及び一般的な使用に関して、そのようなデータは本願で開示した様々な実施形態に関して、ビット、値、要素、記号、文字、用語、数字等と呼ばれる。
【0066】
しかしながら、これらの用語は、物理的操作及び量を指すものと解釈されるべきであり、当技術分野で一般的に用いられている用語を考慮してさらに解釈されるべき便宜的なラベルに過ぎないことに留意すべきである。本願における議論から明らかなように、特段の記載がない限り、本実施形態の説明全体を通して、「特定すること」又は「出力すること」又は「送信すること」又は「記録すること」又は「位置特定すること」又は「保存すること」又は「表示すること」又は「受信すること」又は「認識すること」又は「利用すること」又は「生成すること」又は「提供すること」又は「アクセスすること」又は「チェックすること」又は「通知すること」又は「配信すること」等の用語を用いた説明は、データを操作し、変換するコンピュータシステム又は同様の電子コンピュータ装置の動作及び処理を指すものと理解される。データはコンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理的(電子的)量として表され、コンピュータシステムのメモリ又はレジスタ又は本願で説明するか又は当業者に理解される他の情報記憶装置、伝送装置又は表示装置内の物理的量として同様に表される他のデータに変換される。
【0067】
いくつかの例示の方法及び装置が本願で説明してきたが、本特許の適用範囲はこれらに限定されない。反対に、本特許は、文字通り又は等価物の原則の下で添付の特許請求の範囲に公正に含まれる全ての方法、装置及び製造物を対象とする。
【国際調査報告】