IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フォージ セラピューティクス,インク.の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】抗菌性化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 233/64 20060101AFI20240208BHJP
   C07D 405/12 20060101ALI20240208BHJP
   C07D 413/12 20060101ALI20240208BHJP
   C07D 407/10 20060101ALI20240208BHJP
   C07D 403/12 20060101ALI20240208BHJP
   C07H 15/12 20060101ALI20240208BHJP
   A61K 31/421 20060101ALI20240208BHJP
   A61K 31/4245 20060101ALI20240208BHJP
   A61K 31/417 20060101ALI20240208BHJP
   A61K 31/7008 20060101ALI20240208BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20240208BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
C07D233/64 CSP
C07D405/12
C07D413/12
C07D407/10
C07D403/12
C07H15/12
A61K31/421
A61K31/4245
A61K31/417
A61K31/7008
A61P11/00
A61P31/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548567
(86)(22)【出願日】2022-02-08
(85)【翻訳文提出日】2023-10-10
(86)【国際出願番号】 US2022015682
(87)【国際公開番号】W WO2022173758
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】63/148,261
(32)【優先日】2021-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521107024
【氏名又は名称】ブラックスミス メディシンズ,インク.
【住所又は居所原語表記】3033 Science Park Road,Suite 270,San Diego,California 92121,U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】テン,ミン
(72)【発明者】
【氏名】ナムマルワール,バスカー
(72)【発明者】
【氏名】リ,シャオミィン
(72)【発明者】
【氏名】ペレス,クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】プエルタ,デイビッド ティー.
【テーマコード(参考)】
4C057
4C063
4C086
【Fターム(参考)】
4C057AA18
4C057CC03
4C057DD02
4C057JJ22
4C063AA01
4C063BB06
4C063BB08
4C063BB09
4C063CC25
4C063CC52
4C063CC58
4C063CC72
4C063CC73
4C063CC82
4C063DD02
4C063DD03
4C063DD25
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC38
4C086BC69
4C086BC71
4C086EA08
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA09
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA59
4C086ZB32
(57)【要約】
【解決手段】グラム陰性菌の成長を阻害するのに役立つ、複素環化合物と上記化合物を含む医薬組成物とが本明細書で提供される。主題の化合物および組成物は、肺炎などの細菌感染の処置に役立つ。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、
【化1】
または、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグであって、式中、
はC-Cアルキルであり、
2aおよびR2bはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、またはC-Cアルキルであり、
は水素、-(C-Cアルキレン)-OH、または-(C-Cアルキレン)-NHであり、
は水素またはC-Cアルキルであり、
およびRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、またはC-Cアルキルであり、
はC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-(C-Cシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(C-Cシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-CO、-CON(R、-CHN(R、-NHCOR、-NHSO、-CHCN、C-Cアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、C-Cメトキシアルキル、およびC-Cアミノアルキルから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されており、
はそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルまたはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-CHOH、-NH、-OMe、-N(CH、-COH、-CONH、-SOCH、-C(=NH)NH、フェニル、ならびに、置換されていないか、-F、-CN、-OH、-NH、-OMe、-N(CH、-COH、-CONH、および-SOCHから選択された1つまたは2つの基によって置換されている単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、3つ、または4つの基によって置換され、
あるいは、同じ窒素に結合した2つのRは一体となって、置換されていないか、-F、-CN、-OH、-NH、-OMe、-COH、-CONH、および-SOCHから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている4~6員のヘテロシクロアルキルを形成し、
sは1または2であり、ならびに、
tは1または2である、
化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ。
【請求項2】
前記Rは-CHである、請求項1に記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項3】
前記R2aは水素であり、および、
前記R2bは水素である、請求項1または2に記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項4】
前記Rは水素である、請求項1~3のいずれか1つに記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項5】
前記Rはそれぞれ独立して、水素、フルオロ、クロロ、または-CHである、請求項1~4のいずれか1つに記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項6】
前記sは1である、請求項1~5のいずれか1つに記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項7】
前記Rはそれぞれ独立して、水素、フルオロ、クロロ、または-CHである、請求項1~6のいずれか1つに記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項8】
前記tは1である、請求項1~7のいずれか1つに記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項9】
式(IIa)の構造
【化2】
または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物を有し、式中、
は水素またはフルオロであり、および、
は水素またはフルオロである、請求項1に記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項10】
式(IIIa)の構造
【化3】
または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物を有し、式中、
は水素またはフルオロであり、および、
は水素またはフルオロである、請求項1に記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項11】
前記Rは水素または-(C-Cアルキレン)-OHである、請求項1~10のいずれか1つに記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項12】
前記Rは水素、-CHOH、-CHCHOH、または-CHNHである、請求項1~10のいずれか1つに記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項13】
前記Rは水素または-CHOHである、請求項1~12のいずれか1つに記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項14】
前記Rは水素である、請求項1~13のいずれか1つに記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項15】
前記Rは-CHOHである、請求項1~13のいずれか1つに記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項16】
前記RはC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-NHSO、-CHCN、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、C-Cメトキシアルキル、およびC-Cヒドロキシアルキルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されており、
前記Rはそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルまたはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-CHOH、-COH、-C(=NH)NH、および、置換されていないか、1つの-CONH基によって置換されている単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、3つ、または4つの基によって置換されている、請求項1~15のいずれか1つに記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項17】
前記RはC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-NHSO、-CHCN、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、およびC-Cメトキシアルキルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されており、ならびに、
前記Rはそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-COH、-C(=NH)NH、および、置換されていないか、1つの-CONH基によって置換されている5員の単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている、請求項1~16のいずれか1つに記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項18】
前記RはC-Cアルコキシ、C-Cシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、または-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)であり、アルコキシ、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは、-OH、-OMe、-N(R、-NHSO、および-CHCNから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換され、ならびに、
前記Rはそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、または-C(=O)-C-Cアルキルであり、アルキルは置換されていないか、-CN、-OH、およびオキサジアゾリルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されている、請求項1~17のいずれか1つに記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項19】
前記RはC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、またはC-Cヘテロアルキルであり、アルキル、アルコキシ、またはヘテロアルキルは、-OH、-OCH、-NH、および-N(CHから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって任意選択で置換される、請求項1~15のいずれか1つに記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項20】
前記RはC-Cアルコキシであり、アルコキシは-OH、-OCH、および-NHから独立して選択される1つまたは2つの基によって置換されている、請求項19に記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項21】
前記RはC-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)であり、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-NHSO、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、およびC-Cヒドロキシアルキルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されており、ならびに、
前記Rはそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルまたはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-CHOH、-COH、-C(=NH)NH、および、置換されていないか、1つの-CONH基によって置換されている5員の単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、3つ、または4つの基によって置換されている、請求項1~15のいずれか1つに記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項22】
前記Rは-O-(C-Cシクロアルキル)であり、シクロアルキルは-OH、-OCH、-NH、および-N(CHから独立して選択される1つまたは2つの基によって置換されている、請求項21に記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項23】
前記Rは-O-(シクロプロピル)であり、シクロプロピルは1つの-NH基によって置換されている、請求項22に記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項24】
前記Rは-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)であり、ヘテロシクロアルキルは-OH、-OCH、-NH、-N(CH、-CHCN、-CH、および-CHCHOCHから独立して選択される1つまたは2つの基によって置換されている、請求項21に記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項25】
前記Rは-O-(テトラヒドロフラニル)であり、テトラヒドロフラニルは1つの-OHまたは-NH基によって置換されている、請求項24に記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項26】
前記RはC-Cシクロアルキルであり、シクロアルキルは、-N(R、-OR、および-NHSOから独立して選択される1つまたは2つの基によって置換され、ならびに、
前記Rはそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-COH、-C(=NH)NH、および、置換されていないか、1つの-CONH基によって置換されている5員の単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている、請求項21に記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項27】
前記Rはシクロブチルであり、シクロブチルは1つの-N(R基によって置換され、ならびに、
前記Rはそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、または-C(=O)-C-Cアルキルであり、アルキルは置換されていないか、-CN、-OH、およびオキサジアゾリルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されている、請求項26に記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項28】
前記Rは、
【化4-1】
【化4-2】
である、請求項1~15のいずれか1つに記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項29】
前記Rは、
【化5-1】
【化5-2】
である、請求項1~15のいずれか1つに記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項30】
前記Rは、
【化6】
である、請求項1~15のいずれか1つに記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項31】
前記RはCHであり、
前記R2aおよび前記R2bはそれぞれ水素であり、
前記Rは水素、-(C-Cアルキレン)-OH、または-(C-Cアルキレン)-NHであり、
前記Rは水素であり、
前記Rおよび前記Rはそれぞれ水素であり、
前記RはC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-NHSO、-CHCN、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、C-Cメトキシアルキル、およびC-Cヒドロキシアルキルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されており、ならびに、
前記Rはそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルまたはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-CHOH、-COH、-C(=NH)NH、および、置換されていないか、1つの-CONH基によって置換されている単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、3つ、または4つの基によって置換されている、請求項1に記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項32】
前記Rは水素または-(C-Cアルキレン)-OHであり、
前記RはC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-NHSO、-CHCN、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、およびC-Cメトキシアルキルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されており、ならびに、
前記Rはそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-COH、-C(=NH)NH、および、置換されていないか、1つの-CONH基によって置換されている5員の単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている、請求項31に記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項33】
前記Rは水素または-CHOHであり、
前記RはC-Cアルコキシ、C-Cシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、または-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)であり、アルコキシ、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは、-OH、-OMe、-N(R、-NHSO、および-CHCNから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換され、ならびに、
前記Rはそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、または-C(=O)-C-Cアルキルであり、アルキルは置換されていないか、-CN、-OH、およびオキサジアゾリルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されている、請求項31または32に記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項34】
式(IV)の構造
【化7】
または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物を有し、式中、
は水素、-(C-Cアルキレン)-OH、または-(C-Cアルキレン)-NHであり、
はC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-NHSO、-CHCN、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、C-Cメトキシアルキル、およびC-Cヒドロキシアルキルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されており、ならびに、
はそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルまたはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-CHOH、-COH、-C(=NH)NH、および、置換されていないか、1つの-CONH基によって置換されている単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、3つ、または4つの基によって置換されている、請求項1に記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項35】
前記Rは水素または-(C-Cアルキレン)-OHであり、
前記RはC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-NHSO、-CHCN、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、およびC-Cメトキシアルキルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されており、ならびに、
前記Rはそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-COH、-C(=NH)NH、および、置換されていないか、1つの-CONH基によって置換されている5員の単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている、請求項34に記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項36】
前記Rは水素または-CHOHであり、
前記RはC-Cアルコキシ、C-Cシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、または-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)であり、アルコキシ、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは、-OH、-OMe、-N(R、-NHSO、および-CHCNから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換され、ならびに、
前記Rはそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、または-C(=O)-C-Cアルキルであり、アルキルは置換されていないか、-CN、-OH、およびオキサジアゾリルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されている、請求項34または35に記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項37】
前記Rは、
【化8-1】
【化8-2】
である、請求項34に記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項38】
1:(2R)-4-(4’-(2-アミノ-3-ヒドロキシプロポキシ)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-(2-((R)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-3-イン-1-オール、
2:(R)-4-(4’-((S)-2-アミノ-3-ヒドロキシプロポキシ)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-3-イン-1-オール、
3:(2S)-4-(4’-(2-アミノ-3-メトキシプロポキシ)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-3-イン-1-オール、
4:(S)-4-(4’-((トランス)-2-アミノシクロプロポキシ)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-3-イン-1-オール、
5:1-(4’-((S)-4-ヒドロキシ-3-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-1-イン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)エタン-1,2-ジオール、
6:(2S)-4-(4’-((2-アミノ-3-ヒドロキシプロポキシ)メチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-3-イン-1-オール、
7:2-アミノ-3-((4’-(3-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)プロプ-1-イン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)オキシ)プロパン-1-オール、
8:(S)-3-((4’-((S)-4-ヒドロキシ-3-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-1-イン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)オキシ)プロパン-1,2-ジオール、
9:(S)-4-(4’-(((トランス)-2-アミノシクロプロポキシ)メチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-3-イン-1-オール、
10:(トランス)-4-((4’-((S)-4-ヒドロキシ-3-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-1-イン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)オキシ)テトラヒドロフラン-3-オール、
11:2-(((4’-((S)-4-ヒドロキシ-3-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-1-イン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)オキシ)メチル)プロパン-1,3-ジオール、
12:(S)-4-(4’-((トランス)-2-((2-フルオロエチル)アミノ)シクロプロポキシ)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-3-イン-1-オール、
13:(2S)-4-(4’-((1,4-ジオキサン-2-イル)メトキシ)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-3-イン-1-オール、
14:(S)-4-(4’-((R)-2-ヒドロキシ-3-メトキシプロポキシ)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-3-イン-1-オール、
15:(S)-4-(4’-(((トランス)-4-アミノテトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-3-イン-1-オール、
16:3-((4’-((S)-4-ヒドロキシ-3-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-1-イン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)オキシ)-2-メチルプロパン-1,2-ジオール、
17:4-((4’-((S)-4-ヒドロキシ-3-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-1-イン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)オキシ)ブタン-1,2-ジオール、
18:(S)-3-((3-(4’-(3-(2-(1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)プロプ-1-イン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)シクロブチル)アミノ)プロパンニトリル、
19:(S)-2-((3-(4’-(3-(2-(1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)プロプ-1-イン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)シクロブチル)アミノ)エタン-1-オール、
20:(S)-1-(1-(3-(4’-(3-(オキセタン-3-イルアミノ)シクロブチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)プロプ-2-イン-1-イル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、
21:(S)-2-ヒドロキシ-1-(3-(4’-(3-(2-(1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)プロプ-1-イン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)アゼチジン-1-イル)エタン-1-オン、
22:2-((4’-((S)-4-ヒドロキシ-3-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-1-イン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)オキシ)ブタン-1,4-ジオール、
23:5-((4’-((S)-4-ヒドロキシ-3-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-1-イン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)オキシ)ペンタン-1,4-ジオール、
24:(トランス)-4-((4’-((S)-4-アミノ-3-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-1-イン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)オキシ)テトラヒドロフラン-3-オール、
25:(S)-2-((3-(4’-(3-(2-(1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)プロプ-1-イン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)シクロブチル)アミノ)アセトイミドアミド、
26:(S)-(3-(4’-(3-(2-(1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)プロプ-1-イン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)シクロブチル)グリシン、
27:(S)-1-(1-(3-(4’-(3-((オキサゾール-4-イルメチル)アミノ)シクロブチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)プロプ-2-イン-1-イル)-1H-イミダゾール-2-イル)エタン-1-オール、
28:2-((3-(4’-((S)-4-ヒドロキシ-3-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-1-イン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)シクロブチル)アミノ)アセトニトリル、
29:(S)-4-(4’-(3-(((1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)メチル)アミノ)シクロブチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-3-イン-1-オール、
30:3-(4’-((S)-4-ヒドロキシ-3-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-1-イン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)シクロブタン-1-オール、
31:(S)-4-(4’-(3-((2,2-ジフルオロエチル)アミノ)シクロブチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-3-イン-1-オール、
32:3-((3-(4’-((S)-4-ヒドロキシ-3-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-1-イン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)シクロブチル)アミノ)プロパンニトリル、
33:3-ヒドロキシ-2-((3-(4’-((S)-4-ヒドロキシ-3-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-1-イン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)シクロブチル)アミノ)プロパンニトリル、
34:(S)-4-(4’-(3-((2,2-ジフルオロ-3-ヒドロキシプロピル)アミノ)シクロブチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-3-イン-1-オール、
35:3-(((3-(4’-((S)-4-ヒドロキシ-3-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-1-イン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)シクロブチル)アミノ)メチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボキサミド、および、
36:N-((1S,3r)-3-(4’-((S)-4-ヒドロキシ-3-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-1-イン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)シクロブチル)メタンスルホンアミド、
37:3-((3-(4’-((S)-4-ヒドロキシ-3-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-1-イン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)シクロブチル)アミノ)-2-メチルプロパン酸、
38:(3R,4S)-4-((3-(4’-((S)-4-ヒドロキシ-3-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-1-イン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)シクロブチル)アミノ)テトラヒドロフラン-3-オール、
39:3-((3-(4’-((S)-4-ヒドロキシ-3-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-1-イン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)シクロブチル)アミノ)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2,4,5-トリオール、
40:2-シアノ-N-(3-(4’-((S)-4-ヒドロキシ-3-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-1-イン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)シクロブチル)アセトアミド、
41:(3S,4R)-4-((4’-((S)-4-ヒドロキシ-3-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-1-イン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)メチル)テトラヒドロフラン-3-オール、
42:(3R,4R)-4-((4’-(3-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)プロプ-1-イン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)オキシ)テトラヒドロフラン-3-オール、
43:(3R,4R)-4-((4’-((R)-5-ヒドロキシ-3-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ペンタ-1-イン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)オキシ)テトラヒドロフラン-3-オール、
44:(3R,4R)-4-((4’-((S)-4-ヒドロキシ-3-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-1-イン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)オキシ)-1-(2-メトキシエチル)ピロリジン-3-オール、
45:2-((3R,4R)-3-ヒドロキシ-4-((4’-((S)-4-ヒドロキシ-3-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-1-イン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)オキシ)ピロリジン-1-イル)アセトニトリル、
46:(シス)-4-((4’-((S)-4-ヒドロキシ-3-(2-((S)-1-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-1-イン-1-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)オキシ)テトラヒドロフラン-3-オール、
または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物から選択される、請求項1に記載の化合物、または、その薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物。
【請求項39】
請求項1~38のいずれか1つの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物、および薬学的に許容可能な賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項40】
グラム陰性菌感染の処置を必要とする患者においてグラム陰性菌感染を処置する方法であって、請求項1~38のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物、あるいは請求項39に記載の医薬組成物を、前記患者に投与する工程を含む、方法。
【請求項41】
前記グラム陰性菌感染は緑膿菌に関連する、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記グラム陰性菌感染は呼吸器感染症である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記呼吸器感染症は肺炎である、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記肺炎は、市中肺炎(CAP)、医療ケア関連肺炎(HCAP)、院内肺炎(HAP)、人工呼吸器関連肺炎(VAP)、またはこれらの組み合わせである、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
緑膿菌感染症の処置を必要とする患者において緑膿菌感染症を処置する方法であって、請求項1~38のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物、あるいは請求項39に記載の医薬組成物を、前記患者に投与する工程を含む、方法。
【請求項46】
前記患者は肺疾患を患っていると同定された、請求項40~45のいずれか1つに記載の方法。
【請求項47】
前記肺疾患は構造的な肺疾患である、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記肺疾患は、嚢胞性線維症、気管支拡張症、気腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性的な荒蕪肺疾患、またはこれらの組み合わせである、請求項46または47に記載の方法。
【請求項49】
投与は既存の感染症を処置するためのものである、請求項40~48のいずれか1つに記載の方法。
【請求項50】
投与は予防法として提供される、請求項40~48のいずれか1つに記載の方法。
【請求項51】
請求項1~38のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物、あるいは請求項39に記載の医薬組成物は、吸入、静脈内注射、または腹腔内注射によって溶液中で投与される、請求項40~50のいずれか1つに記載の方法。
【請求項52】
治療上活性な物質として使用するための、請求項1~38のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項53】
グラム陰性菌感染の処置または予防に使用するための、請求項1~38のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項54】
前記グラム陰性菌感染は緑膿菌に関連する、請求項53に記載の化合物。
【請求項55】
前記グラム陰性菌感染は呼吸器感染症である、請求項53に記載の化合物。
【請求項56】
前記呼吸器感染症は肺炎である、請求項55に記載の化合物。
【請求項57】
前記肺炎は、市中肺炎(CAP)、医療ケア関連肺炎(HCAP)、院内肺炎(HAP)、人工呼吸器関連肺炎(VAP)、またはこれらの組み合わせである、請求項55に記載の化合物。
【請求項58】
緑膿菌感染症の処置または予防において使用するための、請求項1~38のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項59】
前記患者は肺疾患を患っていると同定された、請求項53~58のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項60】
前記肺疾患は構造的な肺疾患である、請求項59に記載の化合物。
【請求項61】
前記肺疾患は、嚢胞性線維症、気管支拡張症、気腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性的な荒蕪肺疾患、またはこれらの組み合わせである、請求項59または60に記載の化合物。
【請求項62】
グラム陰性菌感染を処置または予防するための薬剤の調製のための、請求項1~38のいずれか1つに記載の化合物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2021年2月11日に出願された米国仮特許出願第63/148,261号の利益を主張するものであり、当該文献は参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
連邦政府が支援する研究に関する陳述
本発明は、アメリカ合衆国保健福祉省によって与えられたIDSEP160030の下、政府の支援でなされた。政府は本発明において一定の権利を有している。
【背景技術】
【0003】
細菌感染によって引き起こされた病気の有効な処置に対するニーズが医薬分野にある。
【発明の概要】
【0004】
グラム陰性菌の成長を阻害するのに役立つ、複素環化合物と上記化合物を含む医薬組成物とが本明細書で提供される。主題の化合物および組成物は、肺炎などの細菌感染の処置に役立つ。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される化合物は、UDP-{3-O-[(R)-3-ヒドロキシミリストイル]}-N-アセチルグルコサミンデアセチラーゼ(LpxC)モジュレーター化合物である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される化合物は、UDP-{3-O-[(R)-3-ヒドロキシミリストイル]}-N-アセチルグルコサミンデアセチラーゼ(LpxC)アンタゴニストである。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される化合物は、UDP-{3-O-[(R)-3-ヒドロキシミリストイル]}-N-アセチルグルコサミンデアセチラーゼ(LpxC)阻害剤である。
【0005】
1つの態様では、式(I)の化合物、
【0006】
【化1】
または、その薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物が本明細書に記載されており、 RはC-Cアルキルであり、
2aおよびR2bはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、またはC-Cアルキルであり、
は水素、-(C-Cアルキレン)-OH、または-(C-Cアルキレン)-NHであり、
は水素またはC-Cアルキルであり、
およびRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、またはC-Cアルキルであり、
はC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-(C-Cシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(C-Cシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-CO、-CON(R、-CHN(R、-NHCOR、-NHSO、-CHCN、C-Cアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、C-Cメトキシアルキル、およびC-Cアミノアルキルから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されており、
はそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルまたはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-CHOH、-NH、-OMe、-N(CH、-COH、-CONH、-SOCH、-C(=NH)NH、フェニル、ならびに、置換されていないか、-F、-CN、-OH、-NH、-OMe、-N(CH、-COH、-CONH、および-SOCHから選択された1つまたは2つの基によって置換されている単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、3つ、または4つの基によって置換され、
あるいは、同じ窒素に結合した2つのRは一体となって、置換されていないか、-F、-CN、-OH、-NH、-OMe、-COH、-CONH、および-SOCHから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている4~6員のヘテロシクロアルキルを形成し、
sは1または2であり、ならびに
tは1または2である。
【0007】
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は式(IIa)の化合物、
【0008】
【化2】
または、その薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物であり、式中、
は水素、-(C-Cアルキレン)-OH、または-(C-Cアルキレン)-NHであり、
は水素またはフルオロであり、
は水素またはフルオロであり、
はC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-(C-Cシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(C-Cシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-CO、-CON(R、-CHN(R、-NHCOR、-NHSO、-CHCN、C-Cアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、C-Cメトキシアルキル、およびC-Cアミノアルキルから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されており、ならびに、
はそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルまたはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-CHOH、-NH、-OMe、-N(CH、-COH、-CONH、-SOCH、-C(=NH)NH、フェニル、ならびに、置換されていないか、-F、-CN、-OH、-NH、-OMe、-N(CH、-COH、-CONH、および-SOCHから選択された1つまたは2つの基によって置換されている単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、3つ、または4つの基によって置換され、
あるいは、同じ窒素に結合した2つのRは一体となって、置換されていないか、-F、-CN、-OH、-NH、-OMe、-COH、-CONH、および-SOCHから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている4~6員のヘテロシクロアルキルを形成する。
【0009】
いくつかの実施形態において、式(I)または(IIa)の化合物は、式(III)の化合物、
【0010】
【化3】
または、その薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物であり、式中、
は水素、-(C-Cアルキレン)-OH、または-(C-Cアルキレン)-NHであり、
は水素またはフルオロであり、
は水素またはフルオロであり、
はC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-(C-Cシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(C-Cシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-CO、-CON(R、-CHN(R、-NHCOR、-NHSO、-CHCN、C-Cアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、C-Cメトキシアルキル、およびC-Cアミノアルキルから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されており、ならびに、
はそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルまたはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-CHOH、-NH、-OMe、-N(CH、-COH、-CONH、-SOCH、-C(=NH)NH、フェニル、ならびに、置換されていないか、-F、-CN、-OH、-NH、-OMe、-N(CH、-COH、-CONH、および-SOCHから選択された1つまたは2つの基によって置換されている単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、3つ、または4つの基によって置換され、
あるいは、同じ窒素に結合した2つのRは一体となって、置換されていないか、-F、-CN、-OH、-NH、-OMe、-COH、-CONH、および-SOCHから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている4~6員のヘテロシクロアルキルを形成する。
【0011】
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は式(IV)の化合物、
【0012】
【化4】
または、その薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物であり、
は水素、-(C-Cアルキレン)-OH、または-(C-Cアルキレン)-NHであり、
はC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-NHSO、-CHCN、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、C-Cメトキシアルキル、およびC-Cヒドロキシアルキルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されており、ならびに、
はそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルまたはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-CHOH、-COH、-C(=NH)NH、および、置換されていないか、1つの-CONH基によって置換されている単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、3つ、または4つの基によって置換されている。
【0013】
様々な変数について上記の基の任意の組み合わせが本明細書において企図される。明細書全体にわたって、基とその置換基は、安定した部分と化合物を提供するために当業者によって選択される。
【0014】
同様に、本明細書には、本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物、および少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を含む、医薬組成物が記載される。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、静脈内投与、皮下投与、経口投与、吸入、経鼻投与、皮膚投与、または経眼投与による哺乳動物への投与のために製剤化される。いくつかの実施形態において、医薬組成物は経口投与による哺乳動物への投与のために製剤化される。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、錠剤、丸剤、カプセル、液体、懸濁液、ゲル、分散剤、溶液、エマルジョン、軟膏、またはローションの形態である。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、錠剤、丸剤、またはカプセルの形態である。
【0015】
他の態様において、患者のグラム陰性菌感染を処置または予防する方法が本明細書で提供され、上記方法は、本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物を患者に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、グラム陰性菌感染は緑膿菌に関連する。いくつかの実施形態において、グラム陰性菌感染は呼吸器感染症である。いくつかの実施形態において、グラム陰性菌感染は肺炎である。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される。グラム陰性菌感染は、市中肺炎(CAP)、医療ケア関連肺炎(HCAP)、院内肺炎(HAP)、人工呼吸器関連肺炎(VAP)、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、患者は肺疾患を患っていると同定された。いくつかの実施形態において、肺疾患は構造的な肺疾患である。いくつかの実施形態において、肺疾患は、嚢胞性線維症、気管支拡張症、気腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性的な荒蕪肺疾患、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、投与は既存の感染症を処置するためのものである。いくつかの実施形態において、投与は予防法として提供される。いくつかの実施形態において、化合物または薬学的に許容可能な塩もしくはその溶媒和物、または本明細書に記載される医薬組成物は、吸入、静脈内注射、または腹腔内注射によって溶液中で投与される。
【0016】
他の態様では、UDP-{3-O-[(R)-3-ヒドロキシミリストイル]}-N-アセチルグルコサミンデアセチラーゼ酵素を阻害する方法が本明細書で提供され、上記方法は、本明細書に記載された化合物に上記酵素を接触させる工程を含む。
【0017】
他の態様において、患者の細菌感染を処置するための方法が本明細書で提供され、上記方法は、本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能な賦形剤を含む組成物を患者に投与する工程を含む。
【0018】
前述の態様のいずれかにおいて、さらなる実施形態が提供され、有効量の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、(a)哺乳動物に全身的に投与され、および/または、(b)哺乳動物に経口で投与され、および/または、(c)哺乳動物に静脈内投与され、および/または、(d)吸入によって投与され、および/または、(e)経鼻投与によって投与され、あるいは、および/または、(f)哺乳動物へ注入によって投与され、および/または、(g)哺乳動物に局所的に投与され、および/または、(h)点眼によって投与され、および/または、(i)哺乳動物に直腸で投与され、および/または、(j)哺乳動物に非全身的にあるいは局所的に投与される。
【0019】
前述の態様のいずれかにおいて、有効量の化合物の単回投与を含むさらなる実施形態は、化合物が哺乳動物に1日に1回投与されるか、または化合物が哺乳動物に1日の間に複数回投与されるさらなる実施形態を含んでいる。いくつかの実施形態において、化合物は連続的な投薬スケジュールで投与される。いくつかの実施形態において、化合物は、連続的な毎日の投薬スケジュールで投与される。
【0020】
本明細書に開示された実施形態のいずれかにおいて、哺乳動物はヒトである。
【0021】
包装材料と、包装材料内の式(I)の化合物または薬学的に許容可能な塩と、化合物または組成物、もしくはその薬学的に許容可能な塩、互変異性体、薬学的に許容可能なN-オキシド、薬学的に活性な代謝産物、薬学的に許容可能なプロドラッグ、または薬学的に許容可能な溶媒和物が、UDP-{3-O-[(R)-3-ヒドロキシミリストイル]}-N-アセチルグルコサミンデアセチラーゼ(LpxC)を調節するために、または、UDP-{3-O-[(R)-3-ヒドロキシミリストイル]}-N-アセチルグルコサミン]デアセチラーゼ(LpxC)の調節から利益を得る疾患または状態の1つ以上の症状の治療、予防、または改善のために使用されることを示すラベルとを含むキットが提供される。
【0022】
本明細書に記載される化合物、方法、および組成物の他の目標、特徴、および利点は、以下の詳細な記載から明らかとなる。しかしながら、本開示の精神と範囲内の様々な変更と修正がこの詳細な説明から当業者に明らかとなるため、詳細な説明および具体的な実施例は特定の実施形態を示しつつも、一例としてのみ与えられるものに過ぎないことが理解されよう。
【0023】
引用による組み込み
本明細書において言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、本明細書において特定される特定の目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
LpxC、リピドA、およびグラム陰性菌
金属タンパク質は、非常に多様な生物系、生物学的プロセス、および疾患に影響を及ぼす。例えば、UDP-{3-O-[(R)-3-ヒドロキシミリストイル]}-N-アセチルグルコサミン]デアセチラーゼ(LpxC)は、グラム陰性菌のリピドA生合成における第1の決定的な工程に関与する必須な酵素である。リピドAはグラム陰性菌の外膜の必須成分である。LpxCは、2つのヒスチジンおよびアスパラギン酸残基が亜鉛(II)イオンに結合した、亜鉛(II)依存性金属酵素である。LpxCの構造は、亜鉛(II)イオンが2つの水分子に結合していることを示し、これらは両方とも酵素の機構に関与している。LpxCは、グラム陰性菌の株にわたって高度に保存されており、LpxCを、グラム陰性感染症を処置するための魅力的な標的としている。逆に、LpxCは、黄色ブドウ球菌などのグラム陽性菌の成分ではない。
【0025】
近年、細菌の耐性株および多剤耐性株が増加している。したがって、特に新しい作用機序を有する新しい抗生物質が必要とされている。治療、診断、および研究の分野において有用なLpxCの金属タンパク質モジュレーターが依然として必要とされている。
【0026】
いくつかの実施形態は、UDP-{3-O-[(R)-3-ヒドロキシミリストイル]}-N-アセチルグルコサミン]デアセチラーゼ酵素を阻害する方法であって、酵素を式(I)の化合物と接触させる工程を含む方法を提供する。
【0027】
いくつかの実施形態において、本明細書には、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物が提供される。
【0028】
使用の方法
細菌増殖の阻害が示される疾患を処置する方法が本明細書で開示される。そのような疾患はグラム陰性菌感染を含む。いくつかの実施形態において、グラム陰性菌感染は緑膿菌に関連する。いくつかの実施形態において、グラム陰性菌感染の処置を必要とする患者においてグラム陰性菌感染を処置する方法は、式(I)の化合物、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物を患者に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、緑膿菌感染症の処置を必要とする患者において緑膿菌感染症を処置する方法は、式(I)の化合物、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物を患者に投与する工程を含む。
【0029】
いくつかの実施形態において、グラム陰性菌感染は緑膿菌に関連する。いくつかの実施形態において、グラム陰性菌感染は呼吸器感染症である。いくつかの実施形態において、グラム陰性菌感染は肺炎である。いくつかの実施形態において、グラム陰性菌感染は、市中肺炎(CAP)、医療ケア関連肺炎(HCAP)、院内肺炎(HAP)、人工呼吸器関連肺炎(VAP)、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、グラム陰性菌感染は、市中肺炎(CAP)である。いくつかの実施形態において、グラム陰性菌感染は、医療ケア関連肺炎(HCAP)である。いくつかの実施形態において、グラム陰性菌感染は、院内肺炎(HAP)である。いくつかの実施形態において、グラム陰性菌感染は、人工呼吸器関連肺炎(VAP)である。
【0030】
いくつかの実施形態において、患者は肺疾患を患っていると同定された。いくつかの実施形態において、肺疾患は構造的な肺疾患である。いくつかの実施形態において、肺疾患は、嚢胞性線維症、気管支拡張症、気腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性的な荒蕪肺疾患、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、患者は嚢胞性線維症を患っている。いくつかの実施形態において、患者は気管支拡張症を患っている。いくつかの実施形態において、患者は肺気腫を患っている。いくつかの実施形態において、患者は慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患っている。いくつかの実施形態において、患者は慢性的な荒蕪肺疾患を患っている。
【0031】
いくつかの実施形態において、投与は既存の感染症を処置するためのものである。
【0032】
いくつかの実施形態において、投与は予防法として提供される。
【0033】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるLpxC阻害化合物は、エンドトキシンの細菌産生によって、特にグラム陰性菌、およびリポ多糖(LPS)またはエンドトキシンの生合成においてLpxCを使用する細菌によって引き起こされる状態を処置または予防するために使用される。いくつかの実施形態において、患者においてエンドトキシンまたはLPSによって引き起こされる状態を処置または予防する方法は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物を患者に投与する工程を含む。別の実施形態において、本明細書に記載される複素環式LpxC阻害化合物は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)および慢性気管支炎の急性増悪(AECB)などの、リピドAおよびLPSまたはエンドトキシンの細菌産生によって引き起こされるかまたは悪化する状態の処置において有用である。いくつかの実施形態において、患者においてエンドトキシンまたはLPSによって引き起こされる状態を処置または予防する方法は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物を患者に投与する工程を含み、ここで、エンドトキシンまたはLPSによって引き起こされる状態は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)および慢性気管支炎の急性増悪(AECB)から選択される。
【0034】
他の実施形態において、本開示の化合物は、重篤な肺感染症および院内感染症を含む重篤なまたは慢性の気道感染症、例えば、エンテロバクター・エロゲネス(Enterobacter aerogenes)、エンテロバクター・クロアカ(Enterobacter cloacae)、大腸菌(Escherichia coli)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、クレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)、クライベラ・アスコルバタ(Kuyvera ascorbata)、クライベラ・クリオクレッセンス(Kuyvera cryocrescense)、シゲラ・ソネイ(Shigella sonnei)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、セラチア・マルセセンス(Serratia marcescens)、ステノトロホモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、セパシア菌(Burkholderia cepacia)、アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)、アルカリゲネス・キシロソキシダンス(Alcaligenes xylosoxidans)、フラボバクテリウム・メニンゴセプチカム(Flavobacterium meningosepticum)、および、シトロバクター・フロインデイ(Citrobacter freundi)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、クライベラ属(Kluyvera species)、レジオネラ属(Legionella species)、カタル球菌(Moraxella catarrhalis)、エンテロバクター属(Enterobacter species)、アシネトバクター属(Acinetobacter species)、クレブシエラ属(Klebsiella species)、バークホルデリア属(Burkholderia species)、およびプロテウス属(Proteus species)によって引き起こされる感染症、ならびに、他の細菌種、例えば、ナイセリア属(Neisseria species)、赤痢菌属(Shigella species)、サルモネラ属(Salmonella species)、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacler pylori)、ビブリオ科(Vibrionaceae)、およびボルデテラ属(Bordetella species)によって引き起こされる感染症、 さらに、ブルセラ属(Brucella species)、フランシセラ・ツラレンシス(Francisella tularensis)、および/またはペスト菌によって引き起こされる感染症の処置に使用することができる。いくつかの実施形態において、感染症はシュードモナス属に関連する。いくつかの実施形態において、感染症は緑膿菌に関連する。いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、黄色ブドウ球菌などのグラム陽性菌の増殖を阻害しない。
【0035】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるLpxC阻害化合物は、シュードモナス属の増殖を予防する方法において使用される。いくつかの実施形態において、シュードモナス属は緑膿菌である。
【0036】
いくつかの例において、抗生物質は、肺感染の治療的失敗をもたらす肺において最適以下の濃度を有する。いくつかの実施形態において、式(I)の複素環式LpxC阻害化合物は、肺におけるグラム陰性菌感染を処置または予防するために、肺において最適な濃度を有する。いくつかの実施形態において、化合物は、投与後に治療有効量で肺に存在する。
【0037】
いくつかの実施形態において、本明細書には、治療上活性な物質として使用するための、本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩が開示される。
【0038】
いくつかの実施形態において、グラム陰性菌感染の処置または予防に使用するための、本明細書に記載される化合物またはその薬学的に許容可能な塩が本明細書に開示される。いくつかの実施形態において、グラム陰性菌感染は緑膿菌に関連する。いくつかの実施形態において、グラム陰性菌感染は呼吸器感染症である。いくつかの実施形態において、呼吸器感染症は肺炎である。
【0039】
いくつかの実施形態において、グラム陰性菌感染を処置または予防するための薬剤の調製のための、本明細書に記載される化合物またはその薬学的に許容可能な塩の使用が本明細書に開示される。いくつかの実施形態において、グラム陰性菌感染は緑膿菌に関連する。いくつかの実施形態において、グラム陰性菌感染は呼吸器感染症である。いくつかの実施形態において、呼吸器感染症は肺炎である。
【0040】
LpxC阻害化合物
本明細書では、いくつかの実施形態において、複素環式LpxC阻害化合物と、上記化合物を含む医薬組成物とが提供される。主題の化合物および組成物は、UDP-{3-O-[(R)-3-ヒドロキシミリストイル]}-N-アセチルグルコサミンデアセチラーゼ(LpxC)を阻害するために、および細菌感染の処置に役立つ。
【0041】
いくつかの実施形態において、薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、活性な代謝産物、および薬学的に許容可能な溶媒和物を含む式(I)の化合物は、UDP-{3-O-[(R)-3-ヒドロキシミリストイル]}-N-アセチルグルコサミン}デアセチラーゼ(LpxC)モジュレーターである。いくつかの実施形態において、薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、活性な代謝産物、および薬学的に許容可能な溶媒和物を含む式(I)の化合物は、UDP-{3-O-[(R)-3-ヒドロキシミリストイル]}-N-アセチルグルコサミン}デアセチラーゼ(LpxC)アンタゴニストである。いくつかの実施形態において、薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、活性な代謝産物、および薬学的に許容可能な溶媒和物を含む式(I)の化合物は、UDP-{3-O-[(R)-3-ヒドロキシミリストイル]}-N-アセチルグルコサミン]デアセチラーゼ(LpxC)阻害剤である。
【0042】
本開示の1つの態様は、式(I)の構造を有する化合物、
【0043】
【化5】
または、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを提供し、
はC-Cアルキルであり、
2aおよびR2bはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、またはC-Cアルキルであり、
は水素、-(C-Cアルキレン)-OH、または-(C-Cアルキレン)-NHであり、
は水素またはC-Cアルキルであり、
およびRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、またはC-Cアルキルであり、
はC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-(C-Cシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(C-Cシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-CO、-CON(R、-CHN(R、-NHCOR、-NHSO、-CHCN、C-Cアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、C-Cメトキシアルキル、およびC-Cアミノアルキルから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されており、
はそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルまたはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-CHOH、-NH、-OMe、-N(CH、-COH、-CONH、-SOCH、-C(=NH)NH、フェニル、ならびに、置換されていないか、-F、-CN、-OH、-NH、-OMe、-N(CH、-COH、-CONH、および-SOCHから選択された1つまたは2つの基によって置換されている単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、3つ、または4つの基によって置換され、
あるいは、同じ窒素に結合した2つのRは一体となって、置換されていないか、-F、-CN、-OH、-NH、-OMe、-COH、-CONH、および-SOCHから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている4~6員のヘテロシクロアルキルを形成し、
sは1または2であり、ならびに
tは1または2である。
【0044】
いくつかの実施形態において、
はC-Cアルキルであり、
2aおよびR2bはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、またはC-Cアルキルであり、
は水素、-(C-Cアルキレン)-OH、または-(C-Cアルキレン)-NHであり、
は水素またはC-Cアルキルであり、
およびRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、またはC-Cアルキルであり、
はC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-(C-Cシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(C-Cシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-CO、-CON(R、-CHN(R、-NHCOR、-NHSO、C-Cアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、およびC-Cアミノアルキルから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されており、
はそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルまたはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-NH、-OMe、-N(CH、-COH、-CONH、-SOCH、-C(=NH)NH、フェニル、ならびに、置換されていないか、-F、-CN、-OH、-NH、-OMe、-N(CH、-COH、-CONH、および-SOCHから選択された1つまたは2つの基によって置換されている単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換され、
あるいは、同じ窒素に結合した2つのRは一体となって、置換されていないか、-F、-CN、-OH、-NH、-OMe、-COH、-CONH、および-SOCHから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている4~6員のヘテロシクロアルキルを形成し、
sは1または2であり、ならびに
tは1または2である。
【0045】
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(Ia)もしくは式(Ib)の化合物
【0046】
【化6】
またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を有する。
【0047】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。いくつかの実施形態において、化合物は、式(Ib)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。
【0048】
実施形態のいずれかまたはすべてについて、置換基は列挙された代替物の部分集合の中から選択される。例えば、式(I)、(Ia)、または(Ib)の化合物のいくつかの実施形態において、Rは非置換のC-Cアルキルである。いくつかの実施形態において、RはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態において、Rは-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CH(CH、-CHCHCHCH、-CHCH(CH、-CH(CH)(CHCH)、-C(CHである。いくつかの実施形態において、Rは-CHまたは-CHCHである。いくつかの実施形態において、Rは-CHである。
【0049】
式(I)、(Ia)、または(Ib)の化合物のいくつかの実施形態において、R2aおよびR2bはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、または非置換のC-Cアルキルである。いくつかの実施形態において、R2aおよびR2bはそれぞれ独立して、水素、-F、-Cl、-Br、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CH(CH、-CHCHCHCH、-CHCH(CH、-CH(CH)(CHCH)、または-C(CHである。いくつかの実施形態において、R2aおよびR2bはそれぞれ独立して、水素、-F、-Cl、-CH、-CHCH、または-CH(CHである。
【0050】
式(I)、(Ia)、または(Ib)の化合物のいくつかの実施形態において、R2aは水素である。いくつかの実施形態において、R2bは水素である。いくつかの実施形態において、R2aおよびR2bはそれぞれ水素である。
【0051】
式(I)、(Ia)、または(Ib)の化合物のいくつかの実施形態において、Rは-CHであり、R2aは水素であり、および、R2bは水素である。
【0052】
式(I)、(Ia)、または(Ib)の化合物のいくつかの実施形態において、Rは水素または非置換のC-Cアルキルである。いくつかの実施形態において、RはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態において、Rは水素、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CH(CH、-CHCHCHCH、-CHCH(CH、-CH(CH)(CHCH)、-C(CHである。いくつかの実施形態において、Rは水素、-CH、または-CHCHである。いくつかの実施形態において、Rは水素または-CHである。いくつかの実施形態において、Rは水素である。いくつかの実施形態において、Rは-CHである。
【0053】
式(I)、(Ia)、または(Ib)の化合物のいくつかの実施形態において、RおよびRはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、または非置換のC-Cアルキルである。いくつかの実施形態において、RおよびRはそれぞれ独立して、水素、-F、-Cl、-Br、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CH(CH、-CHCHCHCH、-CHCH(CH、-CH(CH)(CHCH)、または-C(CHである。いくつかの実施形態において、RおよびRはそれぞれ独立して、水素、-F、-Cl、-CH、-CHCH、または-CH(CHである。いくつかの実施形態において、RおよびRはそれぞれ独立して、水素、フルオロ、クロロ、または-CHである。
【0054】
式(I)、(Ia)、または(Ib)の化合物のいくつかの実施形態において、Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、または非置換のC-Cアルキルである。いくつかの実施形態において、Rはそれぞれ独立して、水素、-F、-Cl、-Br、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CH(CH、-CHCHCHCH、-CHCH(CH、-CH(CH)(CHCH)、または-C(CHである。いくつかの実施形態において、Rはそれぞれ独立して、水素、-F、-Cl、-CH、-CHCH、または-CH(CHである。いくつかの実施形態において、Rはそれぞれ独立して、水素、フルオロ、クロロ、または-CHである。
【0055】
式(I)、(Ia)、または(Ib)の化合物のいくつかの実施形態において、Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、または非置換のC-Cアルキルである。いくつかの実施形態において、Rはそれぞれ独立して、水素、-F、-Cl、-Br、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CH(CH、-CHCHCHCH、-CHCH(CH、-CH(CH)(CHCH)、または-C(CHである。いくつかの実施形態において、Rはそれぞれ独立して、水素、-F、-Cl、-CH、-CHCH、または-CH(CHである。いくつかの実施形態において、Rはそれぞれ独立して、水素、フルオロ、クロロ、または-CHである。
【0056】
式(I)、(Ia)、または(Ib)の化合物のいくつかの実施形態において、Rはそれぞれ独立して、水素、-F、-Cl、-Br、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CH(CH、-CHCHCHCH、-CHCH(CH、-CH(CH)(CHCH)、または-C(CHであり、および、Rはそれぞれ水素である。いくつかの実施形態において、Rはそれぞれ独立して、水素、-F、-Cl、-CH、-CHCH、または-CH(CHであり、および、Rはそれぞれ水素である。いくつかの実施形態において、Rはそれぞれ独立して、水素、フルオロ、クロロ、または-CHであり、および、Rはそれぞれ水素である。
【0057】
式(I)、(Ia)、または(Ib)の化合物のいくつかの実施形態において、Rはそれぞれ水素であり、および、Rはそれぞれ独立して、水素、-F、-Cl、-Br、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CH(CH、-CHCHCHCH、-CHCH(CH、-CH(CH)(CHCH)、または-C(CHである。いくつかの実施形態では、Rはそれぞれ水素であり、および、Rはそれぞれ独立して、水素、-F、-Cl、-CH、-CHCH、または-CH(CHである。いくつかの実施形態では、Rはそれぞれ水素であり、および、Rはそれぞれ独立して、水素、フルオロ、クロロ、または-CHである。
【0058】
式(I)、(Ia)、または(Ib)の化合物のいくつかの実施形態において、RおよびRはそれぞれ水素である。
【0059】
式(I)、(Ia)、または(Ib)の化合物のいくつかの実施形態において、sは1である。いくつかの実施形態において、sは2である。
【0060】
式(I)、(Ia)、または(Ib)の化合物のいくつかの実施形態において、tは1である。いくつかの実施形態において、tは2である。
【0061】
式(I)、(Ia)、または(Ib)の化合物のいくつかの実施形態において、sは1または2であり、および、tは1である。いくつかの実施形態において、sは1または2であり、および、tは2である。いくつかの実施形態において、sは1であり、およびtは1である。いくつかの実施形態において、sは2であり、およびtは1である。
【0062】
式(I)、(Ia)、または(Ib)の化合物のいくつかの実施形態において、tは1または2であり、および、sは1である。いくつかの実施形態において、tは1または2であり、および、sは2である。いくつかの実施形態において、tは1であり、およびsは1である。いくつかの実施形態において、tは2であり、およびsは1である。
【0063】
式(I)、(Ia)、または(Ib)の化合物のいくつかの実施形態において、RおよびRはそれぞれ独立して、水素、フルオロ、クロロ、または-CHであり、sは1であり、および、tは1である。
【0064】
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(II)の化合物、
【0065】
【化7】
またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。
【0066】
いくつかの実施形態において、Rは水素またはフルオロであり、および、Rは水素またはフルオロである。
【0067】
いくつかの実施形態において、Rは水素、-(C-Cアルキレン)-OH、または-(C-Cアルキレン)-NHであり、Rは水素またはフルオロであり、Rは水素またはフルオロであり、RはC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-(C-Cシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(C-Cシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-CO、-CON(R、-CHN(R、-NHCOR、-NHSO、-CHCN、C-Cアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、C-Cメトキシアルキル、およびC-Cアミノアルキルから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されており、ならびに、Rはそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルまたはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-CHOH、-NH、-OMe、-N(CH、-COH、-CONH、-SOCH、-C(=NH)NH、フェニル、ならびに、置換されていないか、-F、-CN、-OH、-NH、-OMe、-N(CH、-COH、-CONH、および-SOCHから選択された1つまたは2つの基によって置換されている単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、3つ、または4つの基によって置換され、あるいは、同じ窒素に結合した2つのRは一体となって、置換されていないか、-F、-CN、-OH、-NH、-OMe、-COH、-CONH、および-SOCHから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている4~6員のヘテロシクロアルキルを形成する。
【0068】
いくつかの実施形態において、Rは水素、-(C-Cアルキレン)-OH、または-(C-Cアルキレン)-NHであり、Rは水素またはフルオロであり、Rは水素またはフルオロであり、RはC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-(C-Cシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(C-Cシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-CO、-CON(R、-CHN(R、-NHCOR、-NHSO、C-Cアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、およびC-Cアミノアルキルから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されており、ならびに、Rはそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-NH、-OMe、-N(CH、-COH、-CONH、-SOCH、-C(=NH)NH、フェニル、ならびに、置換されていないか、-F、-CN、-OH、-NH、-OMe、-N(CH、-COH、-CONH、および-SOCHから選択された1つまたは2つの基によって置換されている単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換され、あるいは、同じ窒素に結合した2つのRは一体となって、置換されていないか、-F、-CN、-OH、-NH、-OMe、-COH、-CONH、および-SOCHから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている4~6員のヘテロシクロアルキルを形成する。
【0069】
いくつかの実施形態において、式(I)または(II)の化合物は、式(IIa)または式(IIb)の化合物
【0070】
【化8】
またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を有する。
【0071】
いくつかの実施形態において、Rは水素またはフルオロであり、および、Rは水素またはフルオロである。
【0072】
いくつかの実施形態において、Rは水素、-(C-Cアルキレン)-OH、または-(C-Cアルキレン)-NHであり、Rは水素またはフルオロであり、Rは水素またはフルオロであり、RはC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-(C-Cシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(C-Cシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-CO、-CON(R、-CHN(R、-NHCOR、-NHSO、-CHCN、C-Cアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、C-Cメトキシアルキル、およびC-Cアミノアルキルから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されており、ならびに、 Rはそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルまたはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-CHOH、-NH、-OMe、-N(CH、-COH、-CONH、-SOCH、-C(=NH)NH、フェニル、ならびに、置換されていないか、-F、-CN、-OH、-NH、-OMe、-N(CH、-COH、-CONH、および-SOCHから選択された1つまたは2つの基によって置換されている単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、3つ、または4つの基によって置換され、あるいは、同じ窒素に結合した2つのRは一体となって、置換されていないか、-F、-CN、-OH、-NH、-OMe、-COH、-CONH、および-SOCHから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている4~6員のヘテロシクロアルキルを形成する。
【0073】
いくつかの実施形態において、Rは水素、-(C-Cアルキレン)-OH、または-(C-Cアルキレン)-NHであり、Rは水素またはフルオロであり、Rは水素またはフルオロであり、RはC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-(C-Cシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(C-Cシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-CO、-CON(R、-CHN(R、-NHCOR、-NHSO、C-Cアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、およびC-Cアミノアルキルから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されており、ならびに、Rはそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-NH、-OMe、-N(CH、-COH、-CONH、-SOCH、-C(=NH)NH、フェニル、ならびに、置換されていないか、-F、-CN、-OH、-NH、-OMe、-N(CH、-COH、-CONH、および-SOCHから選択された1つまたは2つの基によって置換されている単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換され、あるいは、同じ窒素に結合した2つのRは一体となって、置換されていないか、-F、-CN、-OH、-NH、-OMe、-COH、-CONH、および-SOCHから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている4~6員のヘテロシクロアルキルを形成する。
【0074】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(IIa)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。いくつかの実施形態において、化合物は、式(IIb)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。
【0075】
式(II)、(IIa)、または(IIb)の化合物のいくつかの実施形態において、Rは水素である。いくつかの実施形態において、Rはフルオロである。
【0076】
式(II)、(IIa)、または(IIb)の化合物のいくつかの実施形態において、Rは水素である。いくつかの実施形態において、Rはフルオロである。
【0077】
式(II)、(IIa)、または(IIb)の化合物のいくつかの実施形態において、Rは水素であり、および、Rは水素である。いくつかの実施形態において、Rはフルオロであり、および、Rは水素である。いくつかの実施形態では、Rは水素であり、および、Rはフルオロである。いくつかの実施形態において、Rはフルオロであり、および、Rはフルオロである。
【0078】
いくつかの実施形態において、式(I)または(II)の化合物は、式(IIIa)、式(IIIb)、式(IIIc)、または式(IIId)の化合物
【0079】
【化9】
またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。
【0080】
いくつかの実施形態において、Rは水素またはフルオロであり、および、Rは水素またはフルオロである。
【0081】
いくつかの実施形態において、Rは水素、-(C-Cアルキレン)-OH、または-(C-Cアルキレン)-NHであり、Rは水素またはフルオロであり、Rは水素またはフルオロであり、RはC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-(C-Cシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(C-Cシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-CO、-CON(R、-CHN(R、-NHCOR、-NHSO、-CHCN、C-Cアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、C-Cメトキシアルキル、およびC-Cアミノアルキルから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されており、ならびに、 Rはそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルまたはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-CHOH、-NH、-OMe、-N(CH、-COH、-CONH、-SOCH、-C(=NH)NH、フェニル、ならびに、置換されていないか、-F、-CN、-OH、-NH、-OMe、-N(CH、-COH、-CONH、および-SOCHから選択された1つまたは2つの基によって置換されている単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、3つ、または4つの基によって置換され、あるいは、同じ窒素に結合した2つのRは一体となって、置換されていないか、-F、-CN、-OH、-NH、-OMe、-COH、-CONH、および-SOCHから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている4~6員のヘテロシクロアルキルを形成する。
【0082】
いくつかの実施形態において、Rは水素、-(C-Cアルキレン)-OH、または-(C-Cアルキレン)-NHであり、Rは水素またはフルオロであり、Rは水素またはフルオロであり、RはC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-(C-Cシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(C-Cシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-CO、-CON(R、-CHN(R、-NHCOR、-NHSO、C-Cアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、およびC-Cアミノアルキルから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されており、ならびに、Rはそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-NH、-OMe、-N(CH、-COH、-CONH、-SOCH、-C(=NH)NH、フェニル、ならびに、置換されていないか、-F、-CN、-OH、-NH、-OMe、-N(CH、-COH、-CONH、および-SOCHから選択された1つまたは2つの基によって置換されている単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換され、あるいは、同じ窒素に結合した2つのRは一体となって、置換されていないか、-F、-CN、-OH、-NH、-OMe、-COH、-CONH、および-SOCHから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている4~6員のヘテロシクロアルキルを形成する。
【0083】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(IIIa)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。いくつかの実施形態において、化合物は、式(IIIb)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。いくつかの実施形態において、化合物は、式(IIIc)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。いくつかの実施形態において、化合物は、式(IIId)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。
【0084】
式(III)、(IIIa)、または(IIIb)の化合物のいくつかの実施形態において、Rは水素である。いくつかの実施形態において、Rはフルオロである。
【0085】
式(III)、(IIIa)、または(IIIb)の化合物のいくつかの実施形態において、Rは水素である。いくつかの実施形態において、Rはフルオロである。
【0086】
式(III)、(IIIa)、または(IIIb)の化合物のいくつかの実施形態において、Rは水素であり、および、Rは水素である。いくつかの実施形態において、Rはフルオロであり、および、Rは水素である。いくつかの実施形態において、Rは水素であり、および、Rはフルオロである。いくつかの実施形態において、Rはフルオロであり、および、Rはフルオロである。
【0087】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、または(IIId)の化合物のいくつかの実施形態において、Rは水素である。
【0088】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、または(IIId)の化合物のいくつかの実施形態において、Rは-(C-Cアルキレン)-OHである。いくつかの実施形態において、Rは-(C-Cアルキレン)-OHである。いくつかの実施形態において、Rは、-CHOH、-CHCHOH、-CHCHCHOH、-CHCHCHCHOH、-CH(CH)OH、-CHCH(CH)OH、-CH(CH)CHOH、-CHCH(CHCH)OH、または-CH(CHCH)CHOHである。いくつかの実施形態において、Rは、-CHOH、-CHCHOH、または-CH(CH)OHである。いくつかの実施形態において、Rは-CHOHまたは-CHCHOHである。いくつかの実施形態において、Rは-CHOHである。いくつかの実施形態において、Rは-CHCHOHである。
【0089】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、または(IIId)の化合物のいくつかの実施形態において、Rは-(C-Cアルキレン)-NHである。いくつかの実施形態において、Rは-(C-Cアルキレン)-NHである。いくつかの実施形態において、Rは、-CHNH、-CHCHNH、-CHCHCHNH、-CHCHCHCHNH、-CH(CH)NH、-CHCH(CH)NH、-CH(CH)CHNH、-CHCH(CHCH)NH、または-CH(CHCH)CHNHである。いくつかの実施形態において、Rは-CHNH、-CHCHNH、または-CH(CH)NHである。いくつかの実施形態において、Rは-CHNHまたは-CHCHNHである。いくつかの実施形態において、Rは-CHNHである。
【0090】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、または(IIId)の化合物のいくつかの実施形態において、Rは水素または-(C-Cアルキレン)-OHである。いくつかの実施形態において、Rは水素または-(C-Cアルキレン)-OHである。いくつかの実施形態において、Rは水素、-CHOH、-CHCHOH、-CHCHCHOH、-CHCHCHCHOH、-CH(CH)OH、-CHCH(CH)OH、-CH(CH)CHOH、-CHCH(CHCH)OH、または-CH(CHCH)CHOHである。いくつかの実施形態において、Rは水素、-CHOH、-CHCHOH、または-CH(CH)OHである。いくつかの実施形態において、Rは水素、-CHOH、または-CHCHOHである。いくつかの実施形態において、Rは水素または-CHOHである。
【0091】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、または(IIId)の化合物のいくつかの実施形態において、Rは水素、-(C-Cアルキレン)-OH、または-(C-Cアルキレン)-NHである。いくつかの実施形態において、Rは水素、-CHOH、-CHCHOH、または-CHNHである。いくつかの実施形態において、Rは水素、-CHOH、または-CHNHである。
【0092】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、または(IIId)の化合物のいくつかの実施形態において、いくつかの実施形態において、RはC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)である。いくつかの実施形態において、RはC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-NHSO、-CHCN、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、C-Cメトキシアルキル、およびC-Cヒドロキシアルキルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、RはC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-NHSO、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、およびC-Cヒドロキシアルキルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、RはC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-NHSO、-CHCN、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、およびC-Cメトキシアルキルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、RはC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-NHSO、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、およびC-Cヒドロキシアルキルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、Rは、C-Cアルコキシ、C-Cシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、または-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)であり、アルコキシ、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは、-OH、-OMe、-N(R、NHSO、および-CHCNから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換される。いくつかの実施形態において、Rは、C-Cアルコキシ、C-Cシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、または-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)であり、アルコキシ、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは、-OH、-OMe、-N(R、およびNHSOから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換される。
【0093】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、または(IIId)の化合物のいくつかの実施形態において、Rはそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルまたはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-CHOH、-COH、-C(=NH)NH、および、置換されていないか、1つの-CONH基によって置換されている単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、3つ、または4つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、Rはそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-COH、-C(=NH)NH、および、置換されていないか、1つの-CONH基によって置換されている単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、Rはそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-COH、-C(=NH)NH、および、置換されていないか、1つの-CONH基によって置換されている5員の単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、Rはそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-COH、-C(=NH)NH、および、置換されていないか、1つの-CONH基によって置換されている5員の単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、Rはそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、または-C(=O)-C-Cアルキルであり、アルキルは置換されていないか、-CN、-OH、およびオキサジアゾリルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、Rはそれぞれ独立して、水素またはC-Cアルキルであり、上記C-Cアルキルは、置換されていないか、-CN、-OH、およびオキサジアゾリルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されている。
【0094】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、または(IIId)の化合物のいくつかの実施形態において、RはC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-NHSO、-CHCN、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、C-Cメトキシアルキル、およびC-Cヒドロキシアルキルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されており、ならびに、
はそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルまたはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-CHOH、-COH、-C(=NH)NH、および、置換されていないか、1つの-CONH基によって置換されている単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、3つ、または4つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、RはC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-NHSO、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、およびC-Cヒドロキシアルキルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されており、ならびに、Rはそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-COH、-C(=NH)NH、および、置換されていないか、1つの-CONH基によって置換されている単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている。
【0095】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、または(IIId)の化合物のいくつかの実施形態において、RはC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-NHSO、-CHCN、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、およびC-Cメトキシアルキルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されており、ならびに、Rはそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-COH、-C(=NH)NH、および、置換されていないか、1つの-CONH基によって置換されている5員の単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、RはC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-NHSO、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、およびC-Cヒドロキシアルキルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されており、ならびに、Rはそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-COH、-C(=NH)NH、および、置換されていないか、1つの-CONH基によって置換されている5員の単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている。
【0096】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、または(IIId)の化合物のいくつかの実施形態において、RはC-Cアルコキシ、C-Cシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、または-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)であり、アルコキシ、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは、-OH、-OMe、-N(R、-NHSO、および-CHCNから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換され、ならびに、Rはそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、または-C(=O)-C-Cアルキルであり、アルキルは置換されていないか、-CN、-OH、およびオキサジアゾリルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、Rは、C-Cアルコキシ、C-Cシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、または-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)であり、アルコキシ、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは、-OH、-OMe、-N(R、-NHSO、および-CHCNから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換され、ならびに、Rはそれぞれ独立して、水素またはC-Cアルキルであり、上記C-Cアルキルは、置換されていないか、-CN、-OH、およびオキサジアゾリルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されている。
【0097】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、または(IIId)の化合物のいくつかの実施形態において、RはC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、またはC-Cヘテロアルキルであり、アルキル、アルコキシ、またはヘテロアルキルは、-OH、-OCH、-NH、および-N(CHから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって任意選択で置換される。
【0098】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、または(IIId)の化合物のいくつかの実施形態において、RはC-Cアルコキシである。いくつかの実施形態において、RはC-Cアルコキシである。いくつかの実施形態において、RはC-Cアルコキシである。
【0099】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、または(IIId)の化合物のいくつかの実施形態において、RはC-Cアルコキシである。いくつかの実施形態において、RはC-Cアルコキシであり、アルコキシは置換されていないか、-ORおよび-N(Rから独立して選択される1つ、2つ、または3つの基によって置換され、ならびに、Rはそれぞれ独立して、水素またはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態において、RはC-Cアルコキシであり、アルコキシは、-ORおよび-N(Rから独立して選択される1つ、2つ、または3つの基によって置換され、ならびに、Rはそれぞれ独立して、水素またはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態において、RはC-Cアルコキシであり、アルコキシは置換されていないか、-ORおよび-N(Rから独立して選択される1つ、2つ、または3つの基によって置換され、ならびに、Rはそれぞれ独立して、水素、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CH(CH、-CHCHCHCH、-CHCH(CH、-CH(CH)(CHCH)、または-C(CHである。いくつかの実施形態において、RはC-Cアルコキシであり、アルコキシは、-ORおよび-N(Rから独立して選択される1つ、2つ、または3つの基によって置換され、ならびに、Rはそれぞれ独立して、水素、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CH(CH、-CHCHCHCH、-CHCH(CH、-CH(CH)(CHCH)、または-C(CHである。いくつかの実施形態において、RはC-Cアルコキシであり、アルコキシは置換されていないか、-ORおよび-N(Rから独立して選択される1つ、2つ、または3つの基によって置換され、ならびに、Rはそれぞれ独立して、水素、-CH、-CHCH、または-CH(CHである。いくつかの実施形態において、RはC-Cアルコキシであり、アルコキシは、-ORおよび-N(Rから独立して選択される1つ、2つ、または3つの基によって置換され、ならびに、Rはそれぞれ独立して、水素、-CH、-CHCH、または-CH(CHである。いくつかの実施形態において、RはC-Cアルコキシであり、アルコキシは置換されていないか、-OH、-OCH、-NH、および-N(CHから独立して選択される1つ、2つ、または3つの基によって置換される。いくつかの実施形態において、RはC-Cアルコキシであり、アルコキシは-OH、-OCH、-NH、および-N(CHから独立して選択される1つ、2つ、または3つの基によって置換される。いくつかの実施形態において、RはC-Cアルコキシであり、アルコキシは置換されていないか、-OH、-OCH、-NH、および-N(CHから独立して選択される1つまたは2つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、RはC-Cアルコキシであり、アルコキシは-OH、-OCH、-NH、および-N(CHから独立して選択される1つまたは2つの基によって置換されている。
【0100】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、または(IIId)の化合物のいくつかの実施形態において、RはC-Cアルコキシである。いくつかの実施形態において、RはC-Cアルコキシであり、アルコキシは置換されていないか、-ORおよび-N(Rから独立して選択される1つ、2つ、または3つの基によって置換され、ならびに、Rはそれぞれ独立して、水素またはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態において、RはC-Cアルコキシであり、アルコキシは置換されていないか、-OH、-OCH、-NH、および-N(CHから独立して選択される1つ、2つ、または3つの基によって置換される。いくつかの実施形態において、RはC-Cアルコキシであり、アルコキシは-OH、-OCH、-NH、および-N(CHから独立して選択される1つ、2つ、または3つの基によって置換される。いくつかの実施形態において、RはC-Cアルコキシであり、アルコキシは置換されていないか、-OH、-OCH、-NH、および-N(CHから独立して選択される1つまたは2つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、RはC-Cアルコキシであり、アルコキシは-OH、-OCH、-NH、および-N(CHから独立して選択される1つまたは2つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、RはC-Cアルコキシであり、アルコキシは-OH、-OCH、および-NHから独立して選択される1つまたは2つの基によって置換されている。
【0101】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、または(IIId)の化合物のいくつかの実施形態において、RはC-Cアルコキシである。いくつかの実施形態において、RはC-Cアルコキシであり、アルコキシは置換されていないか、-ORおよび-N(Rから独立して選択される1つ、2つ、または3つの基によって置換され、ならびに、Rはそれぞれ独立して、水素またはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態において、RはC-Cアルコキシであり、アルコキシは置換されていないか、-OH、-OCH、-NH、および-N(CHから独立して選択される1つ、2つ、または3つの基によって置換される。いくつかの実施形態において、RはC-Cアルコキシであり、アルコキシは-OH、-OCH、-NH、および-N(CHから独立して選択される1つ、2つ、または3つの基によって置換される。いくつかの実施形態において、RはC-Cアルコキシであり、アルコキシは置換されていないか、-OH、-OCH、-NH、および-N(CHから独立して選択される1つまたは2つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、RはC-Cアルコキシであり、アルコキシは-OH、-OCH、-NH、および-N(CHから独立して選択される1つまたは2つの基によって置換されている。
【0102】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、または(IIId)の化合物のいくつかの実施形態において、RはC-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)である。いくつかの実施形態において、RはC-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)であり、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-NHSO、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、およびC-Cヒドロキシアルキルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されており、ならびに、Rはそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルまたはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-CHOH、-COH、-C(=NH)NH、および、置換されていないか、1つの-CONH基によって置換されている5員の単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、3つ、または4つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、RはC-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)であり、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-NHSO、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、およびC-Cヒドロキシアルキルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されており、ならびに、Rはそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-COH、-C(=NH)NH、および、置換されていないか、1つの-CONH基によって置換されている5員の単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、RはC-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、または-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)であり、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-NHSO、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、およびC-Cヒドロキシアルキルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されており、ならびに、Rはそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、または-C(=O)-C-Cアルキルであり、アルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、および、置換されていないか、1つの-CONH基によって置換されている単環式の5員のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、RはC-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、または-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)であり、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-NHSO、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、およびC-Cヒドロキシアルキルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されており、ならびに、Rはそれぞれ独立して、水素またはC-Cアルキルであり、上記C-Cアルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、および、置換されていないか、1つの-CONH基により置換されている単環式の5員のヘテロアリールから独立して選択される1つ、2つ、または3つの基によって置換されている。
【0103】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、または(IIId)の化合物のいくつかの実施形態において、Rは、-O-(C-Cシクロアルキル)または-O-(3員~6員のヘテロシクロアルキル)であり、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、C-Cアルキル、およびC-Cヒドロキシアルキルから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、Rは、-O-(C-Cシクロアルキル)または-O-(3員~6員のヘテロシクロアルキル)であり、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OH、-OCH、-NH、-N(CH、-CH、および-CHCHOHから独立して選択される1つ、2つ、または3つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、Rは、-O-(C-Cシクロアルキル)または-O-(3員~6員のヘテロシクロアルキル)であり、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OH、-OCH、-NH、-N(CH、-CH、および-CHCHOHから独立して選択される1つまたは2つの基によって置換されている。
【0104】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、または(IIId)の化合物のいくつかの実施形態において、Rは-O-(C-Cシクロアルキル)である。いくつかの実施形態において、Rは-O-(C-Cシクロアルキル)であり、シクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、C-Cアルキル、およびC-Cヒドロキシアルキルから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、Rは-O-(C-Cシクロアルキル)であり、シクロアルキルは置換されていないか、-ORおよび-N(Rから独立して選択される1つ、2つ、または3つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、Rは-O-(C-Cシクロアルキル)であり、シクロアルキルは置換されていないか、-OH、-OCH、-NH、および-N(CHから独立して選択される1つ、2つ、または3つの基によって置換される。いくつかの実施形態において、Rは-O-(C-Cシクロアルキル)であり、シクロアルキルは置換されていないか、-OH、-OCH、-NH、および-N(CHから独立して選択される1つまたは2つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、Rは-O-(C-Cシクロアルキル)であり、シクロアルキルは置換されていないか、-OHおよび-NHから独立して選択される1つまたは2つの基によって置換されている。
【0105】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、または(IIId)の化合物のいくつかの実施形態において、Rは-O-(C-Cシクロアルキル)であり、シクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、C-Cアルキル、およびC-Cヒドロキシアルキルから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、Rは-O-(C-Cシクロアルキル)であり、シクロアルキルは置換されていないか、-ORおよび-N(Rから独立して選択される1つ、2つ、または3つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、Rは-O-(C-Cシクロアルキル)であり、シクロアルキルは置換されていないか、-OH、-OCH、-NH、および-N(CHから独立して選択される1つ、2つ、または3つの基によって置換される。いくつかの実施形態において、Rは-O-(C-Cシクロアルキル)であり、シクロアルキルは-OH、-OCH、-NH、および-N(CHから独立して選択される1つまたは2つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、Rは-O-(C-Cシクロアルキル)であり、シクロアルキルは、-OHおよび-NHから独立して選択される1つまたは2つの基によって置換されている。
【0106】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、または(IIId)の化合物のいくつかの実施形態において、Rは-O-(シクロプロピル)であり、シクロプロピルは置換されていないか、-OHおよび-NHから独立して選択される1つまたは2つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、Rは-O-(シクロプロピル)であり、シクロプロピルは-OHおよび-NHから選択される1つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、Rは-O-(シクロプロピル)であり、シクロプロピルは1つの-OH基によって置換されている。いくつかの実施形態において、Rは-O-(シクロプロピル)であり、シクロプロピルは1つの-NH基によって置換されている。
【0107】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、または(IIId)の化合物のいくつかの実施形態において、Rは-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)である。いくつかの実施形態において、Rは-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)であり、ヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、C-Cアルキル、およびC-Cヒドロキシアルキルから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、Rは-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)であり、ヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OH、-OCH、-NH、-N(CH、および-CHから独立して選択される1つ、2つ、または3つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、Rは-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)であり、ヘテロシクロアルキルは-OH、-OCH、-NH、-N(CH、-CHCN、-CH、および-CHCHOCHから独立して選択される1つまたは2つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、Rは-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)であり、ヘテロシクロアルキルは-OH、-OCH、-NH、-N(CH、および-CHから独立して選択される1つまたは2つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、Rは-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)であり、ヘテロシクロアルキルは-OH、-OCH、-NH、-N(CH、および-CHから独立して選択される1つまたは2つの基によって置換されている。
【0108】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、または(IIId)の化合物のいくつかの実施形態において、Rは-O-(テトラヒドロフラニル)であり、テトラヒドロフラニルは置換されていないか、-OH、-OCH、-NH、-N(CH、および-CHCHOHから独立して選択される1つまたは2つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、Rは-O-(テトラヒドロフラニル)であり、テトラヒドロフラニルは-OHおよび-NHから選択される1つの基によって置換されている。
【0109】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、または(IIId)の化合物のいくつかの実施形態において、RはC-Cシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、RはC-Cシクロアルキルであり、シクロアルキルは、-N(R、-OR、および-NHSOから独立して選択される1つまたは2つの基によって置換され、ならびに、Rはそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-COH、-C(=NH)NH、および、置換されていないか、1つの-CONH基によって置換されている5員の単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、RはC-Cシクロアルキルであり、シクロアルキルは、-N(R、-OR、および-NHSOから独立して選択される1つまたは2つの基によって置換され、ならびに、Rはそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-COH、-C(=NH)NH、および、置換されていないか、1つの-CONH基によって置換されている5員の単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、RはC-Cシクロアルキルであり、シクロアルキルは-OH、-OMe、および-N(R、および-NHSOから選択された1つの基によって置換され、ならびに、Rはそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、または-C(=O)-C-Cアルキルであり、アルキルは置換されていないか、-CN、-OH、およびオキサジアゾリルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、RはC-Cシクロアルキルであり、シクロアルキルは-OH、-OMe、および-N(R、および-NHSOから選択された1つの基によって置換され、ならびに、Rはそれぞれ独立して、水素またはC-Cアルキルであり、上記C-Cアルキルは、置換されていないか、-CN、-OH、およびオキサジアゾリルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、Rはシクロブチルであり、シクロブチルは1つの-N(R基によって置換され、ならびに、Rはそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、または-C(=O)-C-Cアルキルであり、アルキルは置換されていないか、-CN、-OH、およびオキサジアゾリルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されている。いくつかの実施形態において、Rはシクロブチルであり、シクロブチルは1つの-N(R基によって置換され、ならびに、Rはそれぞれ独立して、水素またはC-Cアルキルであり、上記C-Cアルキルは、置換されていないか、-CN、-OH、およびオキサジアゾリルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されている。
【0110】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、または(IIId)の化合物のいくつかの実施形態において、R
【0111】
【化10-1】
【0112】
【化10-2】
である。
【0113】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、または(IIId)の化合物のいくつかの実施形態において、R
【0114】
【化11-1】
【0115】
【化11-2】
である。
【0116】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、または(IIId)の化合物のいくつかの実施形態において、R
【0117】
【化12】
である。
【0118】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、または(IIId)の化合物のいくつかの実施形態において、R
【0119】
【化13-1】
【0120】
【化13-2】
である。
【0121】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、または(IIId)の化合物のいくつかの実施形態において、R
【0122】
【化14】
である。
【0123】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、または(IIId)の化合物のいくつかの実施形態において、R
【0124】
【化15】
である。
【0125】
式(I)の化合物のいくつかの実施形態において、
は-CHであり、
2aおよびR2bはそれぞれ水素であり、
は水素、-(C-Cアルキレン)-OH、または-(C-Cアルキレン)-NHであり、
は水素であり、
およびRはそれぞれ水素であり、
はC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-NHSO、-CHCN、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、C-Cメトキシアルキル、およびC-Cヒドロキシアルキルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されており、ならびに、
はそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルまたはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-CHOH、-COH、-C(=NH)NH、および、置換されていないか、1つの-CONH基によって置換されている単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、3つ、または4つの基によって置換されている。
【0126】
式(I)の化合物のいくつかの実施形態において、
は-CHであり、
2aおよびR2bはそれぞれ水素であり、
は水素、-(C-Cアルキレン)-OH、または-(C-Cアルキレン)-NHであり、
は水素であり、
およびRはそれぞれ水素であり、
はC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-NHSO、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、およびC-Cヒドロキシアルキルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されており、ならびに、
はそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-COH、-C(=NH)NH、および、置換されていないか、1つの-CONH基によって置換されている単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている。
【0127】
式(I)の化合物のいくつかの実施形態において、
は-CHであり、
2aおよびR2bはそれぞれ水素であり、
は水素または-(C-Cアルキレン)-OHであり、
は水素であり、
およびRはそれぞれ水素であり、
はC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-NHSO、-CHCN、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、およびC-Cメトキシアルキルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されており、ならびに、
はそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-COH、-C(=NH)NH、および、置換されていないか、1つの-CONH基によって置換されている5員の単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている。
【0128】
式(I)の化合物のいくつかの実施形態において、
は-CHであり、
2aおよびR2bはそれぞれ水素であり、
は水素または-(C-Cアルキレン)-OHであり、
は水素であり、
およびRはそれぞれ水素であり、
はC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-NHSO、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、およびC-Cヒドロキシアルキルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されており、ならびに、
はそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-COH、-C(=NH)NH、および、置換されていないか、1つの-CONH基によって置換されている5員の単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている。
【0129】
式(I)の化合物のいくつかの実施形態において、
は-CHであり、
2aおよびR2bはそれぞれ水素であり、
は水素または-CHOHであり、
は水素であり、
およびRはそれぞれ水素であり、
はC-Cアルコキシ、C-Cシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、または-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)であり、アルコキシ、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは、-OH、-OMe、-N(R、-NHSO、および-CHCNから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換され、ならびに、
はそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、または-C(=O)-C-Cアルキルであり、アルキルは置換されていないか、-CN、-OH、およびオキサジアゾリルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されている。
【0130】
式(I)の化合物のいくつかの実施形態において、Rは-CHであり、
2aおよびR2bはそれぞれ水素であり、
は水素または-CHOHであり、
は水素であり、
およびRはそれぞれ水素であり、
はC-Cアルコキシ、C-Cシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、または-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)であり、アルコキシ、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは、-OH、-OMe、-N(R、および-NHSOから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換され、ならびに、
はそれぞれ独立して、水素またはC-Cアルキルであり、上記C-Cアルキルは、置換されていないか、-CN、-OH、およびオキサジアゾリルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されている。
【0131】
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(IV)の化合物、
【0132】
【化16】
またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。いくつかの実施形態において、
は水素、-(C-Cアルキレン)-OH、または-(C-Cアルキレン)-NHであり、
はC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-NHSO、-CHCN、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、C-Cメトキシアルキル、およびC-Cヒドロキシアルキルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されており、ならびに、
はそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルまたはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-CHOH、-COH、-C(=NH)NH、および、置換されていないか、1つの-CONH基によって置換されている単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、3つ、または4つの基によって置換されている。
【0133】
いくつかの実施形態において、
は水素、-(C-Cアルキレン)-OH、または-(C-Cアルキレン)-NHであり、
はC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-NHSO、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、およびC-Cヒドロキシアルキルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されており、ならびに、
はそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-COH、-C(=NH)NH、および、置換されていないか、1つの-CONH基によって置換されている単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている。
【0134】
式(IV)の化合物のいくつかの実施形態において、
は水素または-(C-Cアルキレン)-OHであり、
はC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-NHSO、-CHCN、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、およびC-Cメトキシアルキルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されており、ならびに、
はそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-COH、-C(=NH)NH、および、置換されていないか、1つの-CONH基によって置換されている5員の単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている。
【0135】
式(IV)の化合物のいくつかの実施形態において、
は水素または-(C-Cアルキレン)-OHであり、
はC-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、4~6員のヘテロシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、-O-(C-Cアルキレン)-(4~6員のヘテロシクロアルキル)、または-(C-Cアルキレン)-O-(C-Cシクロアルキル)であり、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは置換されていないか、-OR、-N(R、-NHSO、C-Cアルキル、-C(=O)-C-Cヒドロキシアルキル、およびC-Cヒドロキシアルキルから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換されており、ならびに、
はそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルであり、アルキルは置換されていないか、-F、-CN、-OH、-COH、-C(=NH)NH、および、置換されていないか、1つの-CONH基によって置換されている5員の単環式のヘテロアリールから独立して選択された1つ、2つ、または3つの基によって置換されている。
【0136】
式(IV)の化合物のいくつかの実施形態において、
は水素または-CHOHであり、
はC-Cアルコキシ、C-Cシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、または-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)であり、アルコキシ、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは、-OH、-OMe、-N(R、-NHSO、および-CHCNから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換され、ならびに、
はそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、または-C(=O)-C-Cアルキルであり、アルキルは置換されていないか、-CN、-OH、およびオキサジアゾリルから選択された1つまたは2つの基によって置換されている。
【0137】
式(IV)の化合物のいくつかの実施形態において、
は水素または-CHOHであり、
はC-Cアルコキシ、C-Cシクロアルキル、-O-(C-Cシクロアルキル)、または-O-(4~6員のヘテロシクロアルキル)であり、アルコキシ、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルは、-OH、-OMe、-N(R、および-NHSOから独立して選択された1つまたは2つの基によって置換され、ならびに、
はそれぞれ独立して、水素またはC-Cアルキルであり、上記C-Cアルキルは、置換されていないか、-CN、-OH、およびオキサジアゾリルから選択された1つまたは2つの基によって置換されている。
【0138】
式(IV)の化合物のいくつかの実施形態において、Rは、
【0139】
【化17-1】
【0140】
【化17-2】
である。
【0141】
式(IV)の化合物のいくつかの実施形態において、Rは、
【0142】
【化18-1】
【0143】
【化18-2】
である。
【0144】
式(IV)の化合物のいくつかの実施形態において、Rは、
【0145】
【化19】
である。
【0146】
式(IV)の化合物のいくつかの実施形態において、Rは、
【0147】
【化20-1】
【0148】
【化20-2】
である。
【0149】
式(IV)の化合物のいくつかの実施形態において、Rは、
【0150】
【化21】
である。
【0151】
式(IV)の化合物のいくつかの実施形態において、Rは、
【0152】
【化22】
である。
【0153】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される化合物は以下の構造を有し、
【0154】
【化23】
式中、RおよびRは表1に記載されるとおりである。
【0155】
いくつかの実施形態において、Rは水素、CHOH、またはCHNHである。
【0156】
いくつかの実施形態において、Rは、
【0157】
【化24-1】
【0158】
【化24-2】
である。
【0159】
いくつかの実施形態において、Rは、
【0160】
【化25】
である。
【0161】
様々な変数について上記の基の任意の組み合わせが本明細書において企図される。明細書全体にわたって、基とその置換基は、安定した部分と化合物を提供するために当業者によって選択される。
【0162】
本明細書に記載される例示的な化合物は、以下の表に記載される化合物を含む。
【0163】
【表1-1】
【0164】
【表1-2】
【0165】
【表1-3】
【0166】
【表1-4】
【0167】
【表1-5】
【0168】
いくつかの実施形態において、化合物は、表1の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。いくつかの実施形態において、化合物は、表1の化合物のジアステレオマー、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。
【0169】
表1の化合物の構造および名前は、表1aで見られる。
【0170】
【表2-1】
【0171】
【表2-2】
【0172】
【表2-3】
【0173】
【表2-4】
【0174】
【表2-5】
【0175】
【表2-6】
【0176】
【表2-7】
【0177】
【表2-8】
【0178】
【表2-9】
【0179】
【表2-10】
【0180】
【表2-11】
【0181】
【表2-12】
【0182】
1つの態様では、本明細書に記載される化合物は、薬学的に許容可能な塩の形態である。同様に、同じタイプの活性を有するこうした化合物の活性代謝物は、本開示の範囲内に含まれている。加えて、本明細書に記載される化合物は、非溶媒和形態だけでなく、水、エタノールなどの薬学的に許容可能な溶媒を含む溶媒和形態で存在することができる。本明細書に提示される化合物の溶媒和形態は、同様に本明細書で開示されるものとみなされる。
【0183】
「薬学的に許容可能な」とは、本明細書で使用されるように、担体または希釈剤などの材料を指し、これは、化合物の生物学的活性または特性を抑制せず、使用される濃度または量で比較的無毒であり、つまり、この材料は望ましくない生物学的作用を引き起こすことなく、またはそれが含まれている組成物の成分のいずれにも有害に相互作用することなく、個体に投与される。
【0184】
「薬学的に許容可能な塩」という用語は、適切なアニオンと組み合わせた治療上活性な薬剤のカチオン形態、または代替的な実施形態において、適切なカチオンと組み合わせた治療上活性な薬剤のアニオンの形態からなる、治療上活性な薬剤の形態を指す。Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection and Use. International Union of Pure and Applied Chemistry, Wiley-VCH 2002. S.M. Berge, L.D. Bighley, D.C. Monkhouse, J. Pharm. Sci. 1977, 66, 1-19. P. H. Stahl and C. G. Wermuth, editors, Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection and Use, Weinheim/Zurich:Wiley-VCH/VHCA, 2002.薬学的な塩は、典型的には非イオン種よりも溶けやすく、胃液および腸液中では急速に溶けやすく、ゆえに、固体剤形に有用である。さらに、その溶解度がしばしばpHに影響されるため、消化管の1つの部分または別の部分における選択溶解が可能であり、この能力は、遅延放出性および徐放性の挙動の一態様として操作することができる。さらに、塩形成分子が中性の形態と平衡状態にあり得るため、生体膜の通過を調節することができる。
【0185】
いくつかの実施形態において、薬学的に許容可能な塩は、式(I)の化合物を酸と反応させることにより得られる。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物(つまり、遊離塩基形態)は塩基性であり、有機酸または無機酸と反応させられる。無機酸としては、限定されないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、およびメタリン酸が挙げられる。有機酸は、限定されないが、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、2,2-ジクロロ酢酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、2-オキソグルタル酸、4-アセトアミド安息香酸、4-アミノサリチル酸、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸(L)、アスパラギン酸(L)、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳酸(+)、カンフル-10-スルホン酸(+)、カプリン酸(デカン酸)、カプロン酸(ヘキサン酸)、カプリル酸(オクタン酸)、炭酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸(D)、グルコン酸(D)、グルクロン酸(D)、グルタミン酸、グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、イソ酪酸、乳酸(DL)、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸(-L)、マロン酸、マンデル酸(DL)、メタンスルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ニコチン酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸(-L)、サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸(+L)、チオシアン酸、トルエンスルホン酸(p)、および、ウンデシレン酸を含む。
【0186】
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、塩化物塩、硫酸塩、臭化物塩、メシレート塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、またはリン酸塩として調製される。
【0187】
いくつかの実施形態において、薬学的に許容可能な塩は、式(I)の化合物を塩基と反応させることにより得られる。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は酸性であり、塩基と反応させる。こうした状況では、式(I)の化合物の酸性プロトンは、金属イオン、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、またはアルミニウムのイオンと取り替えられる。場合によっては、本明細書に記載される化合物は、限定されないが、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、メグルミン、N-メチルグルカミン、ジシクロヘキシルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンなどの有機塩基と協働する。他の場合では、本明細書に記載される化合物は、アルギニン、リジンなどのアミノ酸とともに塩を形成する。酸性プロトンを含む化合物とともに塩を形成するために使用される許容可能な無機塩基は、限定されないが、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどを含む。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される化合物は、ナトリウム塩、カルシウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、メグルミン塩、N-メチルグルカミン塩、またはアンモニウム塩として調製される。
【0188】
薬学的に許容可能な塩に対する言及は、溶媒付加形態を含むことを理解されたい。いくつかの実施形態において、溶媒和物は溶媒の化学量論または非化学量論のいずれかを含み、水、エタノールなどのような薬学的に許容可能な溶媒を用いる結晶化のプロセスの間に形成される。水和物は溶媒が水である場合に形成され、または、アルコラートは溶媒がアルコールである場合に形成される。本明細書に記載される化合物の溶媒和物は、本明細書に記載されるプロセスの間に都合よく調製されるか、または形成される。加えて、本明細書で提供される化合物は任意選択で、溶媒和形態と同様に非溶媒和形態で存在する。
【0189】
本明細書に記載される方法および製剤は、式(I)の構造を有する化合物のN-オキシド(適切である場合)または薬学的に許容可能な塩と、同様に、同じタイプの活性を有するこれらの化合物の活性代謝物の使用も含む。
【0190】
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物の有機ラジカル(例えば、アルキル基、芳香環)の部位は様々な代謝反応の影響を受けやすい。有機ラジカルでの適切な置換基の取り込みにより、この代謝経路は減らされ、最小限に抑えられ、または除去される。特定の実施形態において、代謝反応に対する芳香環の感受性を減らすか、または取り除くための適切な置換基は、ほんの一例として、ハロゲン、重水素、アルキル基、ハロアルキル基、または重水素化アルキル基である。
【0191】
別の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、同位体で(例えば、放射性同位体で)、あるいは、限定されないが、発色団または蛍光性部分、生物発光標識、もしくは化学発光標識の使用を含む他の手段によって、標識される。
【0192】
本明細書に記載される化合物は同位体標識された化合物を含み、これは、1つ以上の原子が自然界で通常見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子と取り替えられるという事実を除けば、本明細書で提示される様々な式と構造において詳述されるものと同一である。本化合物に組み込むことが出来る同位体の例としては、例えば、H、H、13C、14C、15N、18O、17O、35S、18F、36Cl、123I、124I、125I、131I、32P、および33Pなどの、水素、炭素、窒素、酸素、硫黄、フッ素、塩素、ヨウ素、リンなどの同位体が挙げられる。1つの態様では、本明細書に記載される同位体標識された化合物、例えば、Hおよび14Cなどの放射性同位体が組み込まれる化合物は、薬物および/または基質組織の分布アッセイに有用である。1つの態様では、重水素などの同位体での置換は、例えば、インビボでの半減期の延長または必要用量の減少などの、より大きな代謝安定性に起因する特定の治療上の利点をもたらす。
【0193】
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は1つ以上の立体中心を有し、各立体中心はRまたはSの配置のいずれかで独立して存在する。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、R配置で存在する。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、S配置で存在する。本明細書で提示される化合物は、すべてのジアステレオマー形態、個々のエナンチオマー形態、アトロプ異性体形態、およびエピマー形態と、これらの適切な混合物を含む。本明細書で提供される化合物と方法は、すべてのシス(cis)、トランス(trans)、syn、anti、entgegen(E)、およびzusammen(Z)の異性体と、これらの適切な混合物を含む。
【0194】
個々の立体異性体は、立体選択的な合成および/もしくはキラルクロマトグラフィーカラムによる立体異性体の分離、または、非キラルもしくはキラルクロマトグラフィーカラムによるジアステレオマーの分離、または、適切な溶媒もしくは溶媒の混合物中での結晶化および再結晶化などの方法によって、必要に応じて得られる。特定の実施形態において、式(I)の化合物は、一対のジアステレオマー異性体化合物/塩を形成するために光学的に活性な分割剤に化合物のラセミ混合物を反応させ、ジアステレオマーを分離し、光学的に純粋な個々のエナンチオマーを回収することにより、その個々の立体異性体として調製される。いくつかの実施形態において、個々のエナンチオマーの分割は、本明細書に記載される化合物の共有結合のジアステレオマー誘導体を用いて実行される。別の実施形態において、ジアステレオマーは溶解度の差に基づいて分離/分割技術によって分離される。他の実施形態において、立体異性体の分離は、クロマトグラフィーによって、またはジアステレオマー塩の形成と再結晶化による分離とによって、またはクロマトグラフィーによって、またはこれらの任意の組み合わせによって行われる。Jean Jacques,Andre Collet,Samuel H.Wilen,“Enantiomers,Racemates and Resolutions”,John Wiley and Sons,Inc.,1981.いくつかの実施形態において、立体異性体は立体選択的な合成によって得られる。
【0195】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される化合物はプロドラッグとして調製される。「プロドラッグ」は、インビボで親薬物に変換される薬剤を指す。プロドラッグは、状況によっては、親薬物よりも投与が容易であるため、しばしば有用である。プロドラッグは、例えば、経口投与により生物学的に利用可能であるが、親薬物はそうではない。さらにまたは代替的に、プロドラッグは親薬物よりも医薬組成物中での溶解度が改善されている。いくつかの実施形態において、プロドラッグの設計は有効な水溶性を増加させる。プロドラッグの一例は、限定されないが、本明細書に記載される化合物であり、これはエステル(「プロドラッグ」)として投与されるが、その後、代謝的に加水分解されることで活性な実体をもたらす。プロドラッグのさらなる例は、酸性基に結合される短ペプチド(ポリアミノ酸)であり、このペプチドは代謝されることで活性な部分を暴露する。特定の実施形態において、インビボ投与後、プロドラッグは、化合物の生物学的、薬学的、または治療的に活性な形態に化学変換される。特定の実施形態において、プロドラッグは、1つ以上の工程またはプロセスによって、化合物の生物学的、薬学的、または治療的に活性な形態へと酵素で代謝される。
【0196】
本明細書に記載される化合物のプロドラッグとしては、限定されないが、エステル、エーテル、カーボネート、チオカーボネート、N-アシル誘導体、N-アシルオキシアルキル誘導体、N-アルキルオキシアシル誘導体、3級アミンの4級誘導体、N-マンニッヒ塩基、シッフ塩基、アミノ酸コンジュゲート、リン酸エステル、およびスルホン酸エステルが挙げられる。例えば、Design of Prodrugs, Bundgaard, A. Ed., Elseview, 1985 and Method in Enzymology, Widder, K. et al., Ed.; Academic, 1985, vol. 42, p. 309-396; Bundgaard, H. ”Design and Application of Prodrugs” in A Textbook of Drug Design and Development, Krosgaard-Larsen and H. Bundgaard, Ed., 1991, Chapter 5, p. 113-191; and Bundgaard, H., Advanced Drug Delivery Review, 1992, 8, 1-38を参照。これらの文献はそれぞれ引用により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態において、本明細書で開示される化合物のヒドロキシル基はプロドラッグを形成するために使用され、ヒドロキシル基はアシルオキシアルキルエステル、アルコキシカルボニルオキシアルキルエステル、アルキルエステル、アリールエステル、リン酸エステル、糖エステル、エーテルなどに組み入れられる。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される化合物中のヒドロキシル基はプロドラッグであり、ヒドロキシルがインビボで代謝されることでカルボン酸基が提供される。いくつかの実施形態において、カルボキシル基を用いてエステルまたはアミド(つまり、プロドラッグ)を提供し、これはその後インビボで代謝されることでカルボン酸基が提供される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される化合物は、アルキルエステルプロドラッグとして調製される。
【0197】
本明細書に記載される化合物のプロドラッグ形態(プロドラッグは本明細書で説明されるような式(I)の化合物を生成するためにインビボで代謝される)は、請求項の範囲内に含まれる。場合によっては、本明細書に記載される化合物のいくつかは、別の誘導体または活性化合物のプロドラッグである。
【0198】
いくつかの実施形態において、ヒドロキシル基、アミノ基、および/またはカルボン酸基のいずれか1つは、適切なやり方で官能化されることで、プロドラッグ部分を提供する。いくつかの実施形態において、プロドラッグ部分は上記のとおりである。
【0199】
追加の実施形態またはさらなる実施形態において、本明細書に記載される化合物は、それを必要としている生物への投与時に代謝されることで代謝物が生成され、これを用いて望ましい治療効果を含む所望の効果が生み出される。
【0200】
本明細書で開示される化合物の「代謝物」は、化合物が代謝される際に形成されるその化合物の誘導体である。「活性代謝物」という用語は、化合物が代謝される際に形成される化合物の生物学的に活性な誘導体を指す。「代謝される(metabolized)」という用語は、本明細書で使用されるように、有機体によって特定の物質が変化するプロセス(限定されないが、加水分解反応および酵素によって触媒される反応を含む)の合計を指す。したがって、酵素は、化合物への具体的な構造的変化をもたらし得る。例えば、シトクロムP450は、様々な酸化反応および還元反応を触媒する一方で、ウリジン二リン酸グルクロニルトランスフェラーゼは、芳香族アルコール、脂肪族アルコール、カルボン酸、アミン、および遊離スルフヒドリル基への活性化グルクロン酸分子の移動を触媒する。本明細書で開示される化合物の代謝物は、宿主への化合物の投与と宿主からの組織サンプルの解析、または肝細胞を用いた化合物のインビトロでのインキュベーションとその結果生じる化合物の解析のいずれかによって任意選択で特定される。
【0201】
いくつかの例では、複素環は互変異性体に存在し得る。そのような状況では、前記化合物の構造が1つの互変異性体で例証または命名されるが、代替的な互変異性体で例証または命名され得ることが理解される。代替的な互変異性体は、例えば、以下に例証される構造など、本開示に明確に含まれている。例えば、ベンゾイミダゾールまたはイミダゾールは以下の互変異性体中に存在することができる。
【0202】
【化26】
【0203】
化合物の調製
本明細書に記載される式(I)の化合物は、本明細書に記載される方法と組み合わせて、標準的な合成技術を用いて、または当該技術分野で知られている方法を用いて合成される。
【0204】
特段の定めのない限り、質量分析法、NMR、HPLCの従来の方法が採用される。
【0205】
化合物は、例えば、March’s Advanced Organic Chemistry,6th Edition,John Wiley and Sons,Incに記載される技術などの標準的な有機化学技術を用いて調製される。溶媒、反応温度、反応時間のバリエーション、および様々な化学試薬や他の反応条件などの本明細書に記載される合成形質転換の代替的な反応条件が利用されることもある。
【0206】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される化合物は、スキームAで記載されるように調製される。
【0207】
【化27】
【0208】
中間体Aと、適切なアリールボロン酸もしくはそのエステルまたはオルガノトリフルオロボレート(BFK)Bとの間の鈴木・宮浦カップリングなどの有機金属のカップリング反応により、中間体Cが得られた。適切な脱保護方法を使用して保護基を除去することにより、最終的な化合物Dが生成された。
【0209】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される化合物は、スキームBに記載されるように調製される。
【0210】
【化28】
【0211】
適切な還元的アミノ化条件(水素化ホウ素試薬、例えば、NaBH、NaCNBH、またはNaB(OAc)Hによる処理など)下で、ケトン含有中間体Eを、適切なアミン(R’’’-NH)と反応させることで、中間体Fが得られる。適切な脱保護方法を使用して保護基を除去することにより、最終的な化合物Gが生成された。
【0212】
いくつかの実施形態において、実施例に記載されるように化合物は調製される。
【0213】
特定の用語
本明細書および添付の請求項において使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に他に指定していない限り、複数の指示対象を含む。ゆえに、例えば、「薬剤(an agent)」への言及は複数のこのような薬剤を含み、「細胞」への言及は1以上の細胞(または複数の細胞)、および当業者に知られている同等物などへの言及を含む。分子量などの物理的特性、または化学式などの化学的特性に関する範囲が本明細書で使用されているとき、範囲のすべての組み合わせと部分的な組み合わせ、および範囲内の具体的な実施形態は包含されるように意図されている。「約(about)」という用語は、数または数の範囲を指すとき、参照される数または数の範囲が、実験のばらつきの範囲内(または統計学的な実験誤差内)の近似値であり、したがって、数または数の範囲が、例によっては、記載される数または数の範囲の1%~15%で変動することを意味する。「含むこと(comprising)」(および、「含む(comprise)もしくは(comprises)」、または「有すること(having)」もしくは「含むこと(including)」などの関連する用語)という用語は、他の特定の実施形態において、例えば、本明細書に記載される任意の物質の組成物、組成物、方法、またはプロセスなどの実施形態が、記載される特徴「からなる(consist of)」または「から本質的になる(consist essentially of)」ことを排除することを意図するものではない。
【0214】
別段の定めのない限り、本出願で使用される以下の用語の定義を下に示す。「含むこと(including)」という用語に加えて、「含む(include)」、「含む(includes)」、および「含まれる(included)」などの他の形態の使用は、限定的なものではない。本明細書に使用される段落の見出しは、組織化するためのものに過ぎず、記載される主題を制限するものと解釈されてはならない。
【0215】
本明細書で使用されるように、C-Cは、C-C、C-C...C-Cを含んでいる。ほんの一例として、「C-C」として指定された基は、その部分に1~4つの炭素原子があることを示し、すなわち、基は、1つの炭素原子、2つの炭素原子、3つの炭素原子、または4つの炭素原子を含有する。したがって、ほんの一例として、「C-Cアルキル」は、アルキル基に1~4つの炭素原子があることを示し、すなわち、アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、およびt-ブチルから選択される。
【0216】
「アルキル」基とは脂肪族炭化水素基を指す。アルキル基は分岐鎖または直鎖である。いくつかの実施形態において、「アルキル」基は、1~10個の炭素原子を有する(すなわち、C-C10アルキル)。「1~10」などの数の範囲は、本明細書で出てくるときは常に所定の範囲内の各々の整数を指す。例えば、「1~10個の炭素原子」とは、アルキル基が、1つの炭素原子、2つの炭素原子、3つの炭素原子などから最大で10個の炭素原子までからなることを意味するが、本定義はさらに、数の範囲が指定されていない「アルキル」という用語の登場も包含するものである。いくつかの実施形態において、アルキルはC-Cアルキルである。1つの態様では、アルキルはメチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、またはt-ブチルである。典型的なアルキル基としては、限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、三級ブチル、ペンチル、ネオペンチル、またはヘキシルが挙げられる。いくつかの実施形態において、アルキルはメチルである。
【0217】
「アルキレン」基は、二価アルキルラジカルを指す。上記の一価アルキル基のいずれかがアルキルからの第2の水素原子の除去によるアルキレンであってもよい。いくつかの実施形態において、アルキレンは、C-Cアルキレンである。他の実施形態において、アルキレンはC-Cアルキレンである。典型的なアルキレン基としては、限定されないが、-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、-CHCHCHCH-などが挙げられる。いくつかの実施形態において、アルキレンは-CH-である。
【0218】
「アルコキシ」基は-O(アルキル)基を指し、アルキルは本明細書で定義されるとおりである。
【0219】
「アルキルアミン」という用語は、-N(アルキル)基を指し、xは0であり、かつyは2であるか、または、xは1であり、かつyは1であるか、または、xは2であり、かつyは0である。
【0220】
「ヒドロキシアルキル」は、1つの水素原子がヒドロキシルと取り替えられるアルキルを指す。いくつかの実施形態において、ヒドロキシアルキルはC-Cヒドロキシアルキルである。典型的なヒドロキシアルキル基としては、限定されないが、-CHOH、-CHCHOH、-CHCHCHOH、-CHCHCHCHOHなどが挙げられる。いくつかの実施形態において、ヒドロキシアルキルは-CHOHまたは-CHCHOHである。いくつかの実施形態において、ヒドロキシアルキルは-CHOHである。いくつかの実施形態において、ヒドロキシアルキルはCHCHOHである。
【0221】
「アミノアルキル」とは、1つの水素原子がアミノと取り替えられるアルキルを指す。いくつかの実施形態において、アミノアルキルはC-Cアミノアルキルである。典型的なアミノアルキル基としては、限定されないが、-CHNH、-CHCHNH、-CHCHCHNH、-CHCHCHCHNHなどが挙げられる。いくつかの実施形態において、アミノアルキルは-CHNHまたは-CHCHNHである。いくつかの実施形態において、ヒドロキシアルキルは-CHNHである。いくつかの実施形態において、ヒドロキシアルキルは-CHCHNHである。
【0222】
「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素炭素二重結合が存在するアルキル基の一種を指す。1つの実施形態において、アルケニル基は、式-C(R)=CRを有し、Rはアルケニル基の残りの部分を指し、それは同じこともあれば、異なることもある。いくつかの実施形態において、RはHまたはアルキルである。いくつかの実施形態において、アルケニルは、エテニル(すなわち、ビニル)、プロペニル(すなわち、アリル)、ブテニル、ペンテニル、ペンタジエニルなどから選択される。アルケニル基の非限定的な例としては、-CH=CH、-C(CH)=CH、-CH=CHCH、-C(CH)=CHCH、および-CHCH=CHが挙げられる。
【0223】
「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの炭素炭素三重結合が存在するアルキル基の一種を指す。1つの実施形態において、アルキニル基は式-C≡C-Rを有し、Rはアルキニル基の残りの部分を指す。いくつかの実施形態において、RはHまたはアルキルである。いくつかの実施形態において、アルキニルは、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなどから選択される。アルキニル基の非限定的な例としては、-C≡CH、-C≡CCH、-C≡CCHCH、-CHC≡CHが挙げられる。
【0224】
「ヘテロアルキル」という用語は、アルキルの1つ以上の骨格原子が炭素以外の原子、例えば、酸素、窒素(例えば、-NH-、-N(アルキル)-、硫黄、またはこれらの組み合わせ)から選択されるアルキル基を指す。ヘテロアルキルはヘテロアルキルの炭素原子で分子の残りに結合される。1つの態様では、ヘテロアルキルはC-Cヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキルは、1つまたは2つの原子がO、NH、およびSから独立して選択されるC-Cヘテロアルキルである。
【0225】
「芳香族」という用語は、4n+2π電子(nは整数である)を含有する、非局在化されたπ-電子系を有する平面環を指す。「芳香族」という用語は、炭素環式アリール(「アリール」、例えば、フェニル)と複素環式アリール(または「ヘテロアリール」または「ヘテロ芳香族」)基(例えば、ピリジン)の両方を含んでいる。この用語は単環式または縮合環の多環式(つまり、隣接する炭素原子対を共有する環)基を含んでいる。
【0226】
「炭素環式」または「炭素環」という用語は、環の骨格を形成する原子がすべて炭素原子である、環または環系を指す。したがって、上記用語は、環骨格が炭素とは異なる少なくとも1つの原子を含有している「複素環式」環または「複素環」と、炭素環式とを区別している。いくつかの実施形態において、二環式の炭素環の2つの環の少なくとも1つは、芳香族である。いくつかの実施形態において、二環式の炭素環の両方の環は、芳香族である。炭素環はアリールおよびシクロアルキルを含む。
【0227】
本明細書で使用されるように、「アリール」という用語は、環を形成する原子の各々が炭素原子である、芳香族環を指す。1つの態様では、アリールは、フェニルまたはナフチルである。いくつかの実施形態において、アリールはフェニルである。いくつかの実施形態において、アリールは、フェニル、ナフチル、インダニル、インデニル、またはテトラヒドロナフチルである。いくつかの実施形態において、アリールはフェニルである。いくつかの実施形態において、アリールはC-C10アリールである。構造によっては、アリール基はモノラジカルまたはジラジカル(つまり、アリーレン基)である。
【0228】
「シクロアルキル」という用語は、単環式または多環式の脂肪族の非芳香族ラジカルを指し、環を形成する原子(つまり、骨格原子)の各々は炭素原子である。いくつかの実施形態において、シクロアルキルは、スピロ環状化合物または架橋化合物である。いくつかの実施形態において、シクロアルキルは、芳香環で任意選択で縮合され、結合点は、芳香環炭素原子ではない炭素にある。シクロアルキル基は、3~10個の環原子を有する基を含む。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、スピロ[2.2]ペンチル、ノルボルニル、およびビシクロ[1.1.1]ペンチルの中から選択される。いくつかの実施形態において、シクロアルキルは、C-Cシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、シクロアルキルは、C-Cシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、シクロアルキルは、シクロプロピルである。いくつかの実施形態において、シクロアルキルは、シクロブチルである。
【0229】
「ハロ」という用語または代替的に「ハロゲン」もしくは「ハロゲン化物」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを意味する。いくつかの実施形態において、ハロはフルオロ、クロロ、またはブロモである。
【0230】
「フルオロアルキル」という用語は、1つ以上の水素原子がフッ素原子と取り替えられるアルキルを指す。1つの態様では、フルオロアルキルは、C-Cフルオロアルキルである。いくつかの実施形態において、フルオロアルキルは-CFである。
【0231】
「複素環」または「複素環式」という用語は、環に1~4個のヘテロ原子を含有している芳香族複素環(ヘテロアリールとしても知られている)およびヘテロシクロアルキル環を指し、ここで、環の各ヘテロ原子はO、S、およびNから選択され、各複素環式基は、その環系中に3~10個の原子を有し、ただし、どの環も2つの隣接するOまたはS原子を含有していないものとする。非芳香族複素環式基(ヘテロシクロアルキルとしても知られている)は、その環系に3~10個の原子を有する環を含み、芳香族複素環式基は、その環系に5~10個の原子を有する環を複素環基含む。複素環式基はベンゾ縮合環系を含む。非芳香族複素環式基の例は、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、オキサゾリジノニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チオキサニル、ピペラジニル、アジリジニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ホモピペリジニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、1,2,3,6-テトラヒドロピリジニル、ピロリン-2-イル、ピロリン-3-イル、インドリニル、2H-ピラニル、4H-ピラニル、ジオキサニル、1,3-ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、3H-インドリル、インドリン-2-オニル、イソインドリン-1-オニル、イソインドリン-1,3-ジオニル、3,4-ジヒドロイソキノリン-1(2H)-オニル、3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オニル、イソインドリン-1,3-ジチオニル、ベンゾ[d]オキサゾール-2(3H)-オニル、1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2(3H)-オニル、ベンゾ[d]チアゾール-2(3H)-オニル、およびキノリジニルである。芳香族複素環式基の例は、ピリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プテリジニル、プリニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンズオキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、およびフロピリジニルである。前述の基は、可能であれば、C結合される(もしくはC連結される)か、またはN結合される。例えば、ピロールに由来する基は、ピロール-1-イル(N結合された)またはピロール-3-イル(C結合された)を含む。さらに、イミダゾールに由来する基は、イミダゾール-1-イルもしくはイミダゾール-3-イル(両方ともN結合された)、または、イミダゾール-2-イル、イミダゾール-4-イル、もしくはイミダゾール-5-イル(すべてC結合された)を含む。複素環式基はベンゾ縮合環系を含む。非芳香族複素環は、1つまたは2つのオキソ(=O)部分、例えば、ピロリジン-2-オンで任意選択で置換される。いくつかの実施形態において、二環式の複素環の2つの環の少なくとも1つは芳香族である。いくつかの実施形態において、二環式の複素環の両方の環は芳香族である。
【0232】
「ヘテロアリール」またはその代わりに「ヘテロ芳香族」という用語は、窒素、酸素、および硫黄から選択される1つ以上の環へテロ原子を含むアリール基を指す。ヘテロアリール基の例示的な例は、単環式ヘテロアリールおよび二環式ヘテロアリールを含む。単環式ヘテロアリールは、ピリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、ピリダジニル、トリアジニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、およびフラザニルを含む。単環式ヘテロアリールは、インドリジン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インダゾール、ベンゾイミダゾール、プリン、キノリジン、キノリン、イソキノリン、シノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、1,8-ナフチリジン、およびプテリジンを含む。いくつかの実施形態において、ヘテロアリールは環に0~4個のN原子を含有している。いくつかの実施形態において、ヘテロアリールは環に1~4個のN原子を含有している。いくつかの実施形態において、ヘテロアリールは環に0~4個のN原子、0~1個のO原子、および0~1個のS原子を含有している。いくつかの実施形態において、ヘテロアリールは環に1~4個のN原子、0~1個のO原子、および0~1個のS原子を含有している。いくつかの実施形態において、ヘテロアリールはC-Cヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、単環式のヘテロアリールはC-Cヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、単環式のヘテロアリールは5員または6員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、二環式のヘテロアリールはC-Cヘテロアリールである。
【0233】
「ヘテロシクロアルキル」基は、窒素、酸素、および硫黄から選択された少なくとも1つのヘテロ原子を含むシクロアルキル基を指す。いくつかの実施形態において、ヘテロシクロアルキルはアリールまたはヘテロアリールで縮合される。いくつかの実施形態において、ヘテロシクロアルキルは、オキサゾリジノニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、ピペリジン-2-オニル、ピロリジン-2,5-ジチオニル、ピロリジン-2,5-ジオニル、ピロリジノニル、イミダゾリジニル、イミダゾリジン-2-オニル、またはチアゾリジン-2-オニルである。1つの態様では、ヘテロシクロアルキルはC-C10ヘテロシクロアルキルである。別の態様では、ヘテロシクロアルキルはC-C10ヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、ヘテロシクロアルキルは単環式または二環式である。いくつかの実施形態において、ヘテロシクロアルキルは単環式であり、3、4、5、6、7、または8員の環である。いくつかの実施形態において、ヘテロシクロアルキルは単環式であり、3、4、5、または6員の環である。いくつかの実施形態において、ヘテロシクロアルキルは単環式であり、3または4員の環である。いくつかの実施形態において、ヘテロシクロアルキルは、環に0~2個のN原子を含有している。いくつかの実施形態において、ヘテロシクロアルキルは、環に0~2個のN原子、0~2個のO原子、および0~1個のS原子を含有している。
【0234】
「結合」または「単結合」という用語は、結合によって連結された原子がより大きな下部構造の一部であると考えられるときの2つの原子間または2つの部分間の化学結合を指す。1つの態様では、本明細書に記載される基が単結合であるとき、参照された基は存在せず、それによって、残りの特定された基の間での結合の形成が可能になる。
【0235】
「部分」という用語は、分子の特定のセグメントまたは官能基を指す。化学部分は、分子に埋め込まれた、または分子に付加された化学物質と認識されることが多い。
【0236】
「任意選択で置換された」または「置換された」という用語は、参照された基がハロゲン、-CN、-NH、-NH(アルキル)、-N(アルキル)、-OH、-COH、-COアルキル、-C(=O)NH、-C(=O)NH(アルキル)、-C(=O)N(アルキル)、-S(=O)NH、-S(=O)NH(アルキル)、-S(=O)N(アルキル)、アルキル、シクロアルキル、フルオロアルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、フルオロアルコキシ、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルホキシド、アリールスルホキシド、アルキルスルホン、およびアリールスルホンから個々にかつ独立して選択される1つ以上の追加の基によって任意選択で置換されることを意味する。他のいくつかの実施形態において、任意選択の置換基は、ハロゲン、-CN、-NH、-NH(CH)、-N(CH、-OH、-COH、-CO(C-Cアルキル)、-C(=O)NH、-C(=O)NH(C-Cアルキル)、-C(=O)N(C-Cアルキル)、-S(=O)NH、-S(=O)NH(C-Cアルキル)、-S(=O)N(C-Cアルキル)、C-Cアルキル、C-Cシクロアルキル、C-Cフルオロアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cフルオロアルコキシ、-SC-Cアルキル、-S(=O)C-Cアルキル、および-S(=O)-Cアルキルから独立して選択される。いくつかの実施形態において、任意選択の置換基は、ハロゲン、-CN、-NH、-OH、-NH(CH)、-N(CH、-CH、-CHCH、-CHF、-CF、-OCH、-OCHF、および-OCFから独立して選択される。いくつかの実施形態において、置換された基は、前述の基の1つまたは2つで置換される。いくつかの実施形態において、脂肪族炭素原子(非環式または環式)上の任意選択の置換基は、オキソ(=O)を含む。
【0237】
いくつかの実施形態において、それぞれの置換されたアルキル、置換されたフルオロアルキル、置換されたヘテロアルキル、置換された炭素環、および置換された複素環は、ハロゲン、C-Cアルキル、単環式の炭素環、単環式の複素環、-CN、-OR21、-CO21、-C(=O)N(R21、-N(R21、-NR21C(=O)R22、-SR21、-S(=O)R22、-SO22、および-SON(R21からなる群から独立して選択された1つ以上のRs基によって置換され、R21はそれぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cフルオロアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、C-Cヘテロシクロアルキル、フェニル、ベンジル、5員のヘテロアリール、および6員のヘテロアリールから選択され、または、2つのR21基は、それらが結合するN原子と一体となって、N含有複素環を形成し、R22はそれぞれ独立して、C-Cアルキル、C-Cフルオロアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、C-Cヘテロシクロアルキル、フェニル、ベンジル、5員のヘテロアリール、および6員のヘテロアリールから選択される。
【0238】
本明細書で使用されるように、製剤、組成物、または成分に対して「許容可能な」という用語は、処置されている対象の健康状態に対して持続的な有害効果がないことを意味する。
【0239】
本明細書で使用されるような「調節する(modulate)」という用語は、ほんの一例として、標的の活性を増強する、標的の活性を阻害する、標的の活性を制限する、または標的の活性を拡大することを含んで、標的の活性を変更するように、直接的または間接的に標的と相互作用することを意味する。
【0240】
本明細書で使用されるような「モジュレーター」という用語は、直接的または間接的に標的と相互作用する分子を指す。相互作用は、限定されないが、アゴニスト、部分アゴニスト、インバースアゴニスト、アンタゴニスト、分解剤(degrader)、またはそれらの組み合わせの相互作用を含む。いくつかの実施形態において、モジュレーターはアンタゴニストである。いくつかの実施形態において、モジュレーターは阻害剤である。
【0241】
本明細書で使用されるように、「投与する(administer)」、「投与すること(administering)」、「投与(administration)」などの用語は、生物学的作用の望ましい部位への化合物または組成物の送達を可能にするために使用され得る方法を指す。これらの方法は、限定されないが、経口経路、十二指腸内経路、非経口注入(静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内、血管内、または点滴を含む)、局所投与、および直腸投与を含む。当業者は、本明細書に記載される化合物および方法を用いて使用され得る投与技術に精通している。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される化合物および組成物は、経口で投与される。
【0242】
「同時投与」などの用語は、本明細書で使用されるように、一人の患者に対する選択された治療剤の投与を包含することを意味しており、同じもしくは異なる投与経路によって、または同じもしくは異なる時間に、治療剤が投与される治療レジメンを含むことを意図している。
【0243】
「有効量」または「治療有効量」という用語は、本明細書で使用されるように、処置されている疾患または疾病の症状の1つ以上をある程度まで軽減する、投与されている薬剤または化合物の十分な量を指す。結果は、疾患の徴候、症状、もしくは原因の減少および/または緩和、もしくは生体系の他の所望の変化を含む。例えば、治療用途のための「有効量」は、疾患症状を臨床的に有意に減少させるために必要とされる、本明細書に開示されるような化合物を含む組成物の量である。個々のケースでの適切な「有効」量は、用量漸増試験などの技術を使用して任意選択で決定される。
【0244】
「増強する(enhance)」または「増強すること(enhancing)」という用語は、本明細書で使用されるように、効力または持続時間のいずれかにおいて所望の効果を増加または延長させることを意味する。したがって、治療剤の効果を増強することに関して、「増強する」という用語は、効力または持続時間のいずれかにおいて、系に対する他の治療剤の効果を増加または延長させる能力を指す。本明細書で使用されるような「増強有効量」は、望ましい系において別の治療剤の効果を増強するのに十分な量を指す。
【0245】
本明細書で使用されるような「薬学的な組み合わせ(pharmaceutical combination)」という用語は、1つを超える有効成分の混合または併用に起因し、かつ、有効成分の固定したおよび固定していない組み合わせを含む生成物を意味する。「固定した組み合わせ」という用語は、有効成分、例えば、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、および助剤が、単一の実体または用量の形態で同時に患者に両方とも投与されることを意味する。「固定していない組み合わせ」という用語は、有効成分、例えば、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、および助剤が、具体的な干渉する時間制限なしで、同時に、同時発生的に、または連続して、別々の実体として患者に投与され、ここで、そのような投与は、患者の身体に有効レベルの2つの化合物を提供する。後者の用語はカクテル療法、例えば、3つ以上の有効成分の投与にも当てはまる。
【0246】
「製品」および「キット」という用語は、同義語として使用される。
【0247】
「対象」または「患者」という用語は、哺乳動物を包含する。哺乳動物の例は、限定されないが、以下の哺乳動物のクラスのメンバー、ヒト、チンパンジーなどのヒト以外の霊長類、ならびに他の類人猿およびサル種、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタなどの家畜、ウサギ、イヌ、およびネコなどの飼育動物、ラット、マウス、およびモルモットなどのげっ歯類を含む実験動物を含む。1つの態様では、哺乳動物はヒトである。
【0248】
「処置する」、「処置すること」、または「処置」という用語は、本明細書で使用されるように、疾患もしくは疾病の少なくとも1つの症状を緩和するか、軽減するか、もしくは改善すること、追加の症状を防ぐこと、疾患もしくは疾病を阻害すること、例えば、疾患もしくは疾病の進行もしくは悪化を抑えること、疾患もしくは疾病を軽減すること、疾患もしくは疾病の退行を引き起こすこと、疾患もしくは疾病によって引き起こされた二次的な状態を軽減すること、または疾患もしくは疾病の症状を予防的におよび/もしくは治療的に止めることを含む。
【0249】
医薬組成物
特定の実施形態において、本明細書に記載されるような複素環式のLpxC阻害化合物は、純粋な化学薬品として投与される。他の実施形態において、本明細書に記載される複素環式のLpxC阻害化合物は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(Gennaro,21st Ed. Mack Pub. Co.,Easton,PA(2005))に記載されるような選択された投与経路および標準の薬務に基づいて選択される、薬学的に適切または許容可能な担体(本明細書では薬学的に適切な(または許容可能な)賦形剤、生理学的に適切な(または許容可能な)賦形剤、または生理学的に適切な(または許容可能な)担体とも呼ばれる)と組み合わされる。
【0250】
本明細書では、1つ以上の薬学的に許容可能な担体とともに、本明細書に記載される少なくとも1つの複素環式のLpxC阻害化合物、またはその立体異性体、薬学的に許容可能な塩、もしくはN-オキシドを含む、医薬組成物が提供される。担体(または賦形剤)は、組成物の他の成分と適合性があり、組成物のレシピエント(すなわち、対象または患者)に対して有害でない場合に、許容可能であるか、または適切である。
【0251】
いくつかの実施形態は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0252】
特定の実施形態において、式(I)によって記載されるような複素環式のLpxC阻害化合物は、例えば、合成方法の工程の1つ以上で生成される未反応の中間体または合成副産物などの他の有機小分子の約5%未満、または約1%未満、または約0.1%未満を含有しているという点で、ほぼ純粋である。
【0253】
適切な経口剤形としては、例えば、錠剤、丸剤、サシェ剤、または硬ゼラチンもしくは軟ゼラチン、メチルセルロース、または消化管で容易に溶解する別の適切な材料のカプセル剤が挙げられる。いくつかの実施形態において、例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ナトリウムサッカリン、タルカム、セルロース、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウムなどを含む適切な無毒の固体担体が使用される(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(Gennaro,21st Ed.Mack Pub.Co.,Easton,PA(2005)を参照)。
【0254】
本明細書に記載されるような少なくとも1つの複素環式のLpxC阻害化合物を含む組成物の用量は、患者の状態、すなわち、疾患のステージ、一般的な健康状態、年齢、および他の因子に依存して異なる。
【0255】
医薬組成物は、治療(または予防)される疾患に適切な様式で投与される。適切な用量および投与の適切な持続時間と頻度は、患者の疾病、患者の疾患のタイプおよび重症度、有効成分の特定の形態、および投与の方法などの因子によって決定される。一般的に、適切な投与と処置の処置レジメンは、治療的および/もしくは予防的な利点(例えば、臨床転帰の改善)または症状の重症度の低下をもたらすのに十分な量の組成物を提供する。最適な用量は一般に実験モデルおよび/または臨床試験を使用して決定される。最適な用量は患者の体型、体重、または血液量によって変わる。
【0256】
経口用量は典型的には、約1.0mg~約1000mgの範囲であり、1日当たり1~4回またはそれ以上の回数である。
【0257】
併用療法
特定の例では、1つ以上の他の治療剤と組み合わせて、式(I)の少なくとも1つの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を投与することが適切である。
【0258】
1つの実施形態において、本明細書に記載される化合物の1つの治療有効性は、アジュバントの投与によって増強される(つまり、アジュバントはそれ自体では最小限の治療的利点しか有していないが、別の治療剤と組み合わせると、患者への全体的な治療的利点が増強される)。あるいは、いくつかの実施形態において、患者が受ける効果は、本明細書に記載される化合物の1つを、同様に治療効果を有する別の薬剤(これは治療レジメンも含む)とともに投与することによって増加する。
【0259】
1つの特定の実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、第2の治療剤と同時投与され、ここで、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、および第2の治療剤は、処置されている疾患、障害、または疾病の様々な態様を調整し、それによって、いずれかの治療剤単独の投与よりも大きな全体的な効果を提供する。
【0260】
どんな場合でも、処置されている疾患、障害、または疾病にかかわらず、患者が受ける全体的な効果は、単に2つの治療剤の相加的なものであるか、または患者は相乗的な効果を経験する。
【0261】
本明細書に記載される併用療法に関して、同時投与された化合物の投与量は、使用される共薬の種類、使用される特定の薬物、処置されている疾患または疾病などによって変わる。追加の実施形態において、1つ以上の他の治療剤と同時投与されたときに、本明細書で提供される化合物は、1つ以上の他の治療剤と同時に、または連続して投与される。
【0262】
併用療法では、複数の治療剤(その1つは本明細書に記載される化合物の1つである)は、任意の順序で、または同時でも投与される。投与が同時である場合、複数の治療剤は、ほんの一例として、単一の統一した形態で、または複数の形態で(例えば、単一の丸剤、または2つの別個の丸剤として)提供される。
【0263】
併用療法とともに、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、疾患または疾病の発症の前、最中、または後に投与され、化合物を含有している組成物を投与するタイミングは様々である。したがって、1つの実施形態において、本明細書に記載される化合物は、疾患または疾病の発症を防ぐために、予防薬として使用され、かつ、疾患または疾病にかかる傾向のある対象に継続的に投与される。別の実施形態において、化合物および組成物は、症状の発症の間に、またはその後にできるだけ早く対象に投与される。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、疾患または疾病の発症が検出されたまたは疑われた後に実行可能となってすぐに、かつ、疾患の処置に必要な期間にわたって、投与される。いくつかの実施形態において、処置に必要な期間は様々であり、処置期間は各対象の具体的なニーズに合わせて調整される。
【0264】
他の実施形態および使用は、本開示に照らして当業者には明らかとなるであろう。以下の実施例は、様々な実施形態の例証となるものとしてのみ提供され、いかなる方法でも本発明を制限するようには解釈されないものとする。
【実施例
【0265】
上で使用されたように、および、本発明の記載全体にわたって、別段の定めのない限り、以下の略語は次の意味を有すると理解されるものとする。
略語:
ACNまたはMeCN:アセトニトリル、
aq:水性、
BocまたはBOC:tert-ブトキシカルボニル、
DCM:ジクロロメタン、
DIAD:アゾジカルボン酸ジイソプロピル、
DMAP:4-ジメチルアミノピリジン、
DMF:ジメチルホルムアミド、
DMP:デス-マーチンペルヨージナン、
DPPA:ジフェニルホスホリルアジド、
Eq.またはequiv:当量、
EtOAc:酢酸エチル、
g:グラム、
hまたはhr(s):時間、
HPLC:高速液体クロマトグラフィー、
LC-MS、LC MS、またはLCMS:液体クロマトグラフィー-質量分析、
LDA:リチウムジイソプロピルアミド、
M:モル、
MeOH:メタノール、
mg:ミリグラム、
min:分、
mL:ミリリットル、
mmol:ミリモル、
MsCl:メタンスルホニル(メシル)塩化物、
MTBE:メチルtert-ブチルエーテル、
N:正常、
NBS:N-ブロモスクシンイミド、
NMR:核磁気共鳴、
Pet ether:石油エーテル、
PPTS:p-トルエンスルホン酸ピリジニウム、
p-TSA:パラ-トルエンスルホン酸、
rt:室温、
SFC:超臨界流体クロマトグラフィー、
TEA:トリエチルアミン(またはEtN)、
TFA:トリフルオロ酢酸、
THF:テトラヒドロフラン、
THP:テトラヒドロピラン、
TLC:薄層クロマトグラフィー、
TsCl:パラ-トルエンスルホニル(トシル)塩化物。
【0266】
以下の実施例は、例示目的のためのみに提供され、本明細書で提供される請求項の範囲を制限するものではない。
【0267】
I.化学合成
別段の定めのない限り、市販の供給元から入手されるような試薬と溶媒を使用した。無水溶媒および炉乾燥したガラス製品を、湿気および/または酸素に感度の高い合成変換に使用した。収量は最適化しなかった。反応時間はおおよそのものであり、最適化したものではない。別段の定めのない限り、カラムクロマトグラフィーおよび薄層クロマトグラフィー(TLC)を、シリカゲル上で実行した。スペクトルはppm(δ)で与えられ、結合定数Jはヘルツで報告した。プロトンスペクトルについては、溶媒ピークを参照ピークとして使用した。
【0268】
実施例1:2-((1S)-1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)エチル)-1H-イミダゾール(Int-5)の調製
【0269】
【化29】
【0270】
工程1:p-トルエンスルホン酸ピリジニウム(0.408g、1.62mmol)を、DCM(566mL、11v/w)中のエチル(S)-(-)-ラクテート(Int-1、50g、0.4232mol)および3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(46.2g、0.549mol)の溶液に添加した。反応混合物を4時間室温で撹拌した。TLCによってモニタリングした反応完了後、反応混合物をDCMで希釈し、飽和したNaHCO溶液で洗浄した。層を分離させ、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮することで、ジアステレオマーの混合物として無色の液体としての純粋なInt-2を得た。H NMRデータはJ.Org.Chem.2009,74,8154.で報告されたものに従った。収量:80g、93%。
【0271】
工程2:MeOH(750mL、15v/w)中のInt-2(50g、0.2472mol)の0℃に冷やした溶液に、NaBH(37.40g、0.988mol、4当量)を1時間かけて少量ずつ添加した。反応混合物を3時間かけて室温まで温めた。TLCによってモニタリングした反応完了後、反応混合物を飽和したNHCl溶液でクエンチし、DCM(500mL×3)で抽出した。層を分離させ、組み合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮した。粗製生成物をシリカカラムクロマトグラフィー(60~120メッシュ、30~50%EtOAcおよび石油エーテルで溶出)によって精製することで、純粋なInt-3を無色の液体として得た。収量:25g、63%。
【0272】
工程3:DCM(800mL、20v/w)中のInt-3(40g、0.2496mol)の0℃に冷やした溶液に、デス-マーチンペルヨージナン(158.8g、0.3744mol)を30分かけて少量ずつ添加した。反応混合物を3時間かけて室温まで温めた。TLCによってモニタリングした反応完了後、反応混合物をセライト床で濾過し、床をDCM(1000mL)でさらに洗浄した。濾液を飽和したNaHCO溶液、その後、ブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、30℃で減圧下で濃縮した。一部の白色固形物が粗製生成物中に観察された。この不純物を除去するために、粗製生成物をジエチルエーテルに溶解し、10%NaOH溶液(500mL×2)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮することで、粗塊を得た。白色固形物の形成がさらに観察されたため、粗塊をジエチルエーテル(500mL)に溶解し、セライト床で濾過し、ジエチルエーテル(750mL)で洗浄することで、不要な不純物を完全に除去した。濾液を減圧下で30℃で濃縮して、Int-4をジアステレオマーの混合物として無色液体として得て、これをそれ以上精製することなく次の工程に使用した。H NMRは、Org.Lett.2009,11,1103において報告されたすべての特徴的な共鳴を示した。収量:39g、98%。
【0273】
工程4:MeOH(390mL、10v/w)中のInt-4(39g、246.5mol)の溶液に、グリオキサール(水中40%、97.5mL、2.5v/w)を添加した。10℃に冷却した上記混合物に、28%のアンモニア水溶液(120mL、3v/w)を添加した。氷浴槽を除去し、反応混合物の温度を4時間室温にした。TLCおよびLC-MSによってモニタリングした反応の完了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO 60~120メッシュ、石油エーテル中80~100%EtOAcで溶出)によって精製することで、2-((1S)-1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)エチル)-1H-イミダゾール(Int-5)をジアステレオマーの混合物としてオフホワイトの固形物として得た。DMSO-d6に記録したH NMRおよびLCMSは、構造を支持するものであった。CDClで記録されたH NMR値については、WO2018216822A1を参照されたい。収量:27g、56%。LC MS:C1016の計算値196.25、実測値197.1[M+H]
【0274】
実施例2:1-(3-(4-ヨードフェニル)プロプ)-2-イン-1-イル)-2-((1S)-1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)エチル)-1H-イミダゾール(Int-9)の調製
【0275】
【化30】
【0276】
工程1:DMF(20mL)中の2,4-ジヨードベンゼン(Int-6)(5g、15mmol)の撹拌溶液に、プロパルギルアルコール(0.26mL、3mmol)を添加し、その後、Cul(5モル%)およびPdCl(PPh(5モル%)を添加した。反応物を50℃で加熱した。2等量のプロパルギルアルコール(0.26ml×2、3mmol)を次の90分間にわたって添加し、45分間にわたるインターバルをおいて、さらに2時間撹拌した。反応混合物を氷冷水(25mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×35mL)で抽出した。有機層をブラインでさらに洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空下で濃縮することで、粗製混合物を得た。化合物を、酢酸エチル中のヘキサンで溶出させることで、シリカゲルカラムでさらに精製して、所望の化合物Int-7を約52%の収率で得た。
【0277】
工程2:DCM(30mL)中のInt-7(2g、7.6mmol)の溶液を0℃に冷却した。この冷却した溶液に、N-ブロモスクシンイミド(8.1mmol)およびPPh(7.6mmol)を添加し、2時間0℃で撹拌した。出発物質が消費された後、反応混合物をDCMで希釈し、冷却した飽和NaHCO溶液に注ぐことによってクエンチし、DCMで2回抽出した。組み合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮することで、粗製生成物Int-8を得た。化合物を、酢酸エチル中のヘキサンで溶出させることで、シリカゲルカラムで精製して、所望のInt-8(2.01g、84%)を濃い油として得た。LC MS:CBrlの計算値は322.97であり、イオン化されていない。
【0278】
工程3:アセトニトリル(5mL)中のInt-5(1g、5.1mmol、パートIIを参照)の溶液を、アセトニトリル(10mL)中の炭酸カリウム(10mmol)のスラリーに添加し、反応混合物を70℃に30分間加熱した。予熱した反応混合物に、アセトニトリル(5mL)中のInt-8(1.64g、5.1mmol)の溶液を加え、加熱を80℃で3時間続けた。出発材料が消費された後、反応混合物を室温に冷却して、飽和NHClでクエンチした。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで2回抽出した。組み合わせた有機層をNaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製生成物を、DCM中1~2%メタノールで溶出することによりシリカゲル(230~400メッシュ)を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して、純粋な化合物Int-9(1.35g、78%)を得た。LC MS:C1923INの計算値は438.31、実測値:439.2 [M+H]
【0279】
実施例3:(2S)-4-(4-ブロモフェニル)-2-(2-((1S)-1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)エチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-3-イン-1-オール)(Int-15)の調製
【0280】
【化31】
【0281】
工程1:乾燥MeOH(50mL)中のInt-10(5g、0.0218mol)の0℃に冷却した撹拌溶液に、ジメチル(1-ジアゾ-2-オキソプロピル)ホスホネート(Bestmann-Ohira試薬、5.02g、0.0261mol)を滴下し、反応混合物を0℃で5分間撹拌した。その後、KCO(6g、0.0436mol)を反応混合物に添加し、0℃で10分間撹拌した。次いで、氷冷水浴を取り除き、反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応の完了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。粗残渣をEtOAc(500mL)で希釈し、水で洗浄した。有機層を分離し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製生成物を、石油エーテル中10~12%酢酸エチルで溶出することによりシリカゲル(60~120メッシュ)でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、Int-11(3.79g、77%)を得た。LC MS:C1219NOの計算値は225.29であり、イオン化されていない。
【0282】
工程2:乾燥トルエン(40mL)中のInt-11(3.79g、16.82mmol)の撹拌溶液に、1-ブロモ-4-ヨードベンゼン(Int-12)(5.71g、20.18mmol)およびTEA(6.9mL、49.26mmol)を添加し、反応混合物を窒素で5分間脱気し、次いでビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムクロリド(230mg、0.326mmol)およびCuI(187mg、0.985mmol)を添加し、室温で2時間撹拌した。反応の完了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。粗残渣をDCM(500mL)で希釈し、水で洗浄した。有機層を分離し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製生成物を、石油エーテル中10~12%酢酸エチルで溶出することによりシリカゲル(60~120メッシュ)でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、Int-13(5.4g、84.5%)を得た。LC MS:C1822BrNOの計算値は380.280、実測値:282 [M-Boc+2]
【0283】
工程3:乾燥DCM(54mL)中のInt-13(5.4g、0.0142mol)の0℃に冷却した撹拌溶液に、HCl(ジオキサン中4N、18mL)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応の完了後、溶媒を減圧下で濃縮して、粗製生成物をオフホワイトの固形物Int-14(4.2g)として得た。LC MS:C1011BrNO+の計算値は241.11、実測値:242[遊離塩基についてM+2].
【0284】
工程4:MeOH(20mL)中のInt-14(2g、0.0072mol)の撹拌溶液に、(2S)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)プロパナール)(Int-4、4.5g、0.021mol)、NHOAc(1.1g、0.0144mol)、およびグリオキサール(HO中40%、1.6mL、0.0108mol)を室温で添加した。反応混合物を80℃で2時間撹拌した。反応の完了後、反応混合物を減圧下で濃縮して粗残渣を得た(LCMS分析により、所望の生成物は約46%であり、2-非置換イミダゾールは19%であった)。粗残渣をEtOAc(250mL)で希釈し、水(100mL)で洗浄した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮することで、粗製生成物を得た。粗製生成物を、石油エーテル中50~60%酢酸エチルで溶出することによりシリカゲル(230~400メッシュ)でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、Int-15(790mg、22.76%)を得た。LC-MS:C2023BrNの計算値は419.230、実測値:421[M+2H]
【0285】
実施例4:tert-ブチル((2S)-4-(4-ブロモフェニル)-2-(2-((1S)-1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)エチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブタ-3-イン-1-イル)カルバメート)(Int-21)の調製
【0286】
【化32】
【0287】
工程1:DCM(55mL)中のInt-14(5.5g、22.91mmol)の撹拌溶液に、Boc-無水物(5.85mL、25.2mmol)およびトリエチルアミン(9.37mL、68.7mmol)を室温で添加した。反応混合物を3時間撹拌した。出発物質が完全に消費された後、反応混合物をDCM(200mL)で希釈し、水(100mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、100~200メッシュサイズ、ヘキサン中15~20%EtOAc)によって精製して、Int-16(5.0g、63.5%)をオフホワイトの固形物として得た。LC-MS:C1518BrNOの計算値は340.22、実測値:284.0[M-56]および286.0 [M-56+2]
【0288】
工程2:THF(37mL)中のInt-16(5.0g、14.70mmol)の撹拌溶液に、フタルアミド(2.378g、16.17mmol)およびトリフェニルホスフィン(7.71g、29.4mmol)を添加し、0℃に冷却した。この反応混合物にDIAD(5.8mL、29.4mmol)をゆっくりと添加し、撹拌を1時間続けた。反応の完了後、反応混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、水(100mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮することで、粗製Int-17(6.9g(粗製))を得て、これをいかなる精製も行わずに次の工程に使用した。試料はPPHOによる汚染を示した。LC-MS:C2321BrNの計算値は469.34、実測値:413.0 [M-56]
【0289】
工程3:DCM(70mL)中のInt-17(6.9g、14.70mmol)の撹拌溶液に、HCl(ジオキサン中4M、36.8mL、147mmol)を0℃で添加した。反応混合物を3時間室温で撹拌した。反応をTLCで追跡した。反応の完了後、形成された固形物を真空下で濾過し、ヘキサンで洗浄して、Int-18(4.5g、75%)を白色固形物として得た。LC-MS:アンモニウムイオンについてC1814BrNの計算値は369、実測値:369.0[M]および371.0[M+2]
【0290】
工程4:MeOH(45mL)中のInt-18(4.5g、11.09mmol)の撹拌溶液に酢酸アンモニウム(1.710g、22.19mmol)を添加し、室温で10分間撹拌した。この反応混合物に(2S)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)プロパナール(7.02g、44.4mmol)を添加し、撹拌を10分間継続した。最後に、グリオキサール(40%水溶液、1.916mL、16.64mmol)を添加した。室温で10分間撹拌した後、反応混合物を2時間80℃で加熱した。反応の完了後、揮発性物質を減圧下で蒸発させた。得られた残渣に水(100mL)を添加し、DCM中の5%MeOH(100mL×2)で抽出した。組み合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、230~400メッシュサイズ、ヘキサン中80~90%EtOAc)により精製することで、ベースライン分離なしにLCプロファイルに見られるジアステレオ異性体の混合物として、淡黄色のガム状(gummy)固形物としてInt-19(2.8g、46%)を得た。LC-MS:C2826BrNの計算値は548.44、実測値:548.0[M],550.0[M+2]
【0291】
工程5:MeOH(28mL)中のInt-19(2.8g、5.11mmol)の撹拌溶液に、室温でメチルアミン(水中40%、3.71mL、51.1mmol)を添加した。圧力管を密封し、85℃で2時間加熱した。反応の完了後、反応混合物をDCM(150mL)で希釈し、水(100mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮することで、Int-20(2.0g,94%)を淡黄色液体として得た。粗製物を精製することなく次の工程で使用した。LC-MS:C2024BrNの計算値は418.34、実測値:418.2[M]および420.2[M+2]
【0292】
工程6:DCM(27mL)中のInt-20(2.4g、5.74mmol)の撹拌溶液に、トリエチルアミン(2.347mL、17.21mmol)、Boc-無水物(1.598mL、6.88mmol)を室温で添加した。4時間撹拌した後、反応混合物をDCM(150mL)で希釈し、水(100mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、230~400メッシュサイズ、ヘキサン中40%EtOAc)によって精製して、Int-21(1.0g、32%)を褐色のガム状固形物として得た。LC-MS:C2532BrNの計算値は518.45、実測値:518.0[M], 520.0[M+2]
【0293】
実施例5:(3S)-5-(4-ブロモフェニル)-3-(2-((1S)-1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)エチル)-1H-イミダゾール-1-イル)ペンタ-4-イン-1-オール)(Int-109a)の調製
【0294】
【化33】
【0295】
工程1:アセトニトリル:水(1:1、500mL)中のD-ホモセリン(Int-100、25.0g、210mmol)の撹拌溶液に、0℃でNaOH(10.07g、252mmol)を添加した。25℃で1時間撹拌した後、反応混合物にBoc-無水物(10.07g、252mmol)を添加した。反応混合物を16時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、トルエン(200mL)と共沸させて、Int-101をオフホワイトのガム状固形物として得て、これを精製することなく次の工程に使用した。収量=50.0g(粗製生成物重量)。
【0296】
工程2:DMF(300mL)中のInt-101(50.0g、207mmol)の撹拌溶液に、ヨードメタン(25.9mL、415mmol)を0℃で添加した。反応混合物を3時間25℃で撹拌した。反応の完了後、反応混合物を減圧下で濃縮することで、Int-102をオフホワイトのガム状固形物として得た。H NMRはDMFの存在を示した。これをそれ以上精製することなく次の工程に使用した。収量=49.0g(粗製生成物重量)。
【0297】
工程3:DMF(300mL)中のInt-102(48.0g、206mmol)の撹拌溶液に、0℃でイミダゾール(28.0g、412mmol)およびtert-ブチルジメチルシリルクロリド(46.5g、309mmol)を添加した。反応混合物を16時間25℃で撹拌した。反応の完了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣をEtOAc(200mL)に溶解し、氷冷水(200mL×2)、ブライン(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮することで、粗製生成物を得た。粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO 100~200メッシュ、石油エーテル中5~7%EtOAc)により精製することで、淡黄色液体としてInt-103を得た。収量=47.0g(89%)
【0298】
工程4:乾燥トルエン(200mL)中のInt-103(20.0g、57.5mmol)の撹拌溶液に、DIBAL-H(トルエン中1.2M、71.9mL、86mmol)を-78℃で添加した。-78℃で2時間撹拌した後、反応物をMeOH(100mL)の添加によりクエンチした。15分間撹拌した後、これに50%酒石酸カリウムナトリウム溶液(150mL)を添加し、室温で1時間撹拌した。これをEtOAc(300mL×2)で抽出した。組み合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製生成物Int-104を無色の液体として得た。粗物質をそれ以上精製することなく次の工程に使用した。収量=13.8g(76%)。
【0299】
工程5:MeOH(140mL)中のInt-104(13.8g、43.5mmol)の撹拌溶液に炭酸カリウム(12.01g、87mmol)を添加し、その後、0℃でBestmann Ohira試薬(11.92mL、15.26g、79.42mmol)を添加した。10分間撹拌した後、氷浴を除去し、反応混合物を25℃で1時間撹拌した。反応をTLCで追跡した。反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣を水(100mL)でクエンチし、EtOAc(250mL×2)で抽出した。組み合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO 230~400メッシュ、石油エーテル中5%EtOAc)により精製して、Int-105を淡黄色液体として得た。収量=9.6g(70%)。
【0300】
工程6:トルエン(100mL)中のInt-105(9.5g、30.3mmol)の撹拌溶液に、4-ブロモ-1-ヨードベンゼン(7、10.29g、36.4mmol)、トリエチルアミン(12.67ml、91mmol)、およびヨウ化銅(I)(0.346g、1.818mmol)を25℃で添加し、窒素で15分間脱気した。この反応混合物に、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.425g、0.606mmol)を加え、1時間撹拌した。TLC(ヘキサン:EtOAc 95:5)によりモニタリングした反応は、出発物質の完全な消費を示した。水(200mL)を添加することにより反応をクエンチし、EtOAc(250mL×2)で抽出した。組み合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO 100~200メッシュサイズ、ヘキサン中7%EtOAc)により精製して、Int-106を褐色液体として2つのエピマーの60:40混合物として得た。収量=11.03g(77%)(SFC前、エピマーの混合物)。LC-MS:C2234BrNOSiの計算値468.507、実測値:412.0[M-56]および414.0[M-56+2]
【0301】
異性体(11.03g)をSFCによって分離して、106a(異性体1)および106b(異性体2)を得た。Int-106a:異性体1:3.0g、未知の立体化学を有する単一のエナンチオマー。Int-106b:異性体2:6.9g、未知の立体化学を有する単一のエナンチオマー。独立して、両方の異性体(Int-106aおよびInt-106b)を次の工程に使用した。
【0302】
工程7:DCM(30mL)中のInt-106a(3.0g、6.40mmol)の撹拌溶液に、HCl(ジオキサン中4.0M、11.2mL、44.8mmol)を0℃で添加した。反応混合物を6時間25℃で撹拌した。反応をTLCによってモニタリングした。反応の完了後、形成された固形物を真空下で濾過し、ヘキサンで洗浄し、真空下で乾燥させることで、オフホワイト固形物としてInt-107aを得た。収量=1.7g(85%)。LC-MS:アンモニウム塩C1113BrNO+の計算値は254.24、実測値:254.0[M]および256[M+2]
【0303】
工程8:MeOH(17mL)中のInt-107a(1.7g、5.85mmol)の撹拌溶液に酢酸アンモニウム(0.902g、11.70mmol)を添加し、10分間撹拌した。この反応混合物に、Int-108(3.70g、23.40mmol)を添加し、10分間の撹拌後、グリオキサール(水中の40%、1.0mL、8.78mmol)を添加した。10分間撹拌した後、反応混合物を2時間80℃で加熱した。反応をTLCによってモニタリングした。反応混合物を室温まで冷却し、水(20mL)でクエンチし、DCM(150mL×2)で抽出した。組み合わせた有機層を氷冷水(50mL)で、その後、ブライン(25mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO 230~400メッシュ、DCM中5%メタノール)により精製して、Int-109aを黄色ガム(gum)として得た。収量=1.5g(58%)。LC-MS:C2125BrNの計算値433.35、実測値:433.0[M]および435.0[M+2]
【0304】
実施例6:4-((4-ブロモフェノキシ)メチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン(Int-25a)の調製
【0305】
【化34】
【0306】
工程1:DCM(10mL)中の(1,2-O-イソプロピリデングリセロール)(Int-22a、1.0g、7.57mmol)の溶液に、トリエチルアミン(3.16mL、22.70mmol)、塩化トシル(1.875g、9.84mmol)、およびDMAP(92mg、0.757mmol)を0℃で添加した。次いで、反応混合物を25℃で2時間撹拌した。反応をTLCでモニタリングし、出発物質の完全な消費を示した。反応物を飽和重炭酸ナトリウム溶液の添加によりクエンチし、DCM(50mL×2)で抽出した。組み合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO 230~400メッシュ、石油エーテル中15%EtOAc)により精製して、Int-23aを白色固形物として得た。収量:1.5g(68%)。LC-MS:C1318Sの計算値は286.34、実測値:287.1[M+1]
【0307】
工程2:DMF(5mL)中のInt-23a(384mg、1.75mmol)の溶液に、炭酸セシウム(569mg、1.75mmol)を25℃で窒素雰囲気下で添加し、20分間撹拌した。この反応混合物にInt-24(500mg、1.75mmol)を添加し、90℃で4時間加熱した。反応をTLCでモニタリングし、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を室温に冷却し、氷冷水(30mL)の添加によってクエンチし、DCM(50mL×3)で抽出した。組み合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた粗製生成物(600mg)をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO 230~400メッシュ、石油エーテル中の10%EtOAc)により精製することで、Int-25aを得た。収量:250mg(29%)。LC-MS:C1827BOの計算値334.21、実測値:335.2[M+1](LCMSにより64%).
【0308】
同様の戦略を実施して、適切なキラル出発物質から(R)および(S)異性体誘導体を合成し、Int-25bおよびInt-25cを得た。
【0309】
実施例7:5-((4-ブロモフェノキシ)メチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン(Int-28)の調製
【0310】
【化35】
【0311】
工程1:DCM(50mL)中の(2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-5-イル)メタノール(Int-26)(5.0g、34.2mmol)の撹拌溶液に、トリエチルアミン(9.53mL、68.4mmol)およびp-トルエンスルホニルクロリド(7.17g、37.6mmol)を25℃で添加した。16時間撹拌した後、TLCで追跡した反応混合物は、出発物質の完全な消費を示した。反応を水(50mL)の添加によりクエンチし、DCM(50mL×2)で抽出した。組み合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、230~400メッシュ、ヘキサン中8~10%EtOAc)により精製することで、淡黄色液体としてInt-27を得た。収量:8.0g(78%)。LCMS:C1420Sの計算値300.37、実測値:301.2[M+1]
【0312】
工程2:DMF(80mL)中のInt-27(8.0g、26.6mmol)の撹拌溶液に、炭酸カリウム(8.1g、58.6mmol)および4-ブロモフェノール(Int-24)(5.07g、29.3mmol)を25℃で添加した。その後、反応混合物を60℃で5時間加熱した。反応をTLCで追跡し、出発物質の完全な消費を示した。水(100mL)を添加することにより反応をクエンチし、EtOAc(100mL×2)で抽出した。組み合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた粗製残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、230~400メッシュ、ヘキサン中8%EtOAc)により精製することで、Int-28を得た。収量:5.0g(62%)。LC MS:C1317BrOの計算値301.18、実測値:301.2[M]および303.2[M+2]
【0313】
実施例8:tert-ブチル 4-(((4-ブロモフェニル)オキシ)メチル)-2,2-ジメチルオキサゾリジン-3-カルボキシレート(Int-31a)の調製
【0314】
【化36】
【0315】
工程1:DCM(50mL)中のInt-29a(2.5g、0.0108mol)の撹拌溶液に、CBr(3.95g、0.012mol)を添加し、6時間撹拌した。6時間後、反応混合物をDCM(25ml)で希釈し、飽和NaHCO(15mL)、その後、飽和NaCl(15mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空下で濃縮した。78%の収率で黄色油として粗製混合物を得て、これをそれ以上精製することなく次の工程に使用した。LC MS:C1120BrNOの計算値294.19、実測値:観察されなかった。
【0316】
工程2:乾燥THF(15mL)中のInt-30a(0.0064mol)の撹拌溶液に、NaH(鉱油中60%分散液)(0.0097mol)を0℃で少量ずつ添加した。反応混合物を0℃で30分間撹拌した。その後、4-ブロモフェノール(Int-24)(0.0084mol)をTHFに溶解し、反応混合物にゆっくりと添加し、0℃で30分間撹拌した。その後、反応混合物を2時間室温で撹拌した。反応の完了後、反応混合物を飽和NHCl溶液でクエンチし、EtOAc(500mL)で希釈し、氷冷水(200mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製生成物を、石油エーテル中6~10%酢酸エチルで溶出することによりシリカゲル(230~400メッシュ)でのカラムクロマトグラフィーにより精製することで、生成物Int-31aを得た。収量:1.49g(57.32%)。LC MS:C1724BrNOの計算値386.2、実測値:観察されなかった。
【0317】
同様の戦略を実施して、適切なキラル出発物質から(R)および(S)異性体誘導体を合成し、Int-31bおよびInt-31cを得た。
【0318】
実施例9:tert-ブチル((1S,2S)-2-(4-ヨードフェノキシ)シクロプロピル)カルバメート(Int-37a)の調製
【0319】
【化37】
【0320】
工程1:水(200mL)中の4-ヨードフェノール(Int-32、38g、172mmol)の撹拌溶液に、NaOH(14.5g、362mmol)およびジブロモエタン(162.2g、863mmol)を添加し、混合物を120℃に一晩加熱した。反応の完了後、反応塊をEtOAc(1000mL×2)で抽出した。組み合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製生成物を、石油エーテル中の酢酸エチルで溶出することによりシリカゲル(60~120メッシュ)を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製することで、純粋な生成物Int-33をオフホワイト固形物として得た。収量:53g(94%)。
【0321】
工程2:THF(670mL)中のInt-33(67g、204mmol)の撹拌溶液に、t-BuOK(34.4g、307mmol)を添加し、室温で1時間撹拌した。反応の完了後、反応塊を水で希釈し、EtOAc(1000mL×2)で抽出した。組み合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製生成物を、石油エーテル中の酢酸エチルで溶出することによりシリカゲル(60~120メッシュ)を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製することで、純粋な生成物Int-34を無色の液体として得た。収量:49g(97%)。
【0322】
工程3:DCM(200mL)および銅(II)アセチルアセトネート(2.12g、8.13mmol)中のInt-34(20g、81.3mmol)の撹拌溶液に、ジアゾ酢酸エチル(50.27g、440mmol)を、シリンジポンプを通して、0℃で0.2mL/分の速度で添加した。添加の完了後、反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応の完了後、DCMを減圧下で除去した。残渣をEtOAc(500mL)に溶解し、水およびブライン溶液で洗浄した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製生成物を、石油エーテル中2~5%の酢酸エチルで溶出することによりシリカゲル(230~400メッシュ)を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製することで、Int-35a(トランス、非極性)およびInt-35b(シス、極性)を液体として得た。収量:化合物Int-35a-11.7g(22%)および化合物Int-35b-28g(ジアゾ酢酸エチルで汚染)。
【0323】
工程4:水(200mL)およびMeOH(200mL)中のInt-35a(38g、114mmol)の撹拌溶液に、NaOH(22.8g、570mmol)を添加し、室温で1時間撹拌した。反応の完了後、反応混合物を減圧下で濃縮し、水層をEtOAc(500mLx2)で洗浄し、希塩酸で水層を酸性化し、EtOAc(500mLx2)で抽出した。組み合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた粗製生成物Int-36aをそれ以上精製することなく使用した。収量:30g(88%)。LC MS:C10IOのm/z計算値は304.08、実測値:302.9[M-H]+.
【0324】
工程5:乾燥t-BuOH(300mL)中のInt-36a(30g、98.6mmol)の撹拌溶液に、TEA(15.1mL、108mmol)およびDPPA(29.9g、108mmol)を添加し、反応混合物を90℃で3時間撹拌した。反応の完了後、反応混合物を減圧下で濃縮し、EtOAc(500mL)で希釈し、NaHCOおよび水で洗浄した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮することで、粗製生成物を得た。粗製生成物を、石油エーテル中5~6%酢酸エチルで溶出することによりシリカゲル(60~120メッシュおよび230~400メッシュの比が1:1)を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製することで、純粋な生成物Int-37aをオフホワイト固形物として得た。収量:26.6g(70%)。LC MS:C1418INOについてm/z計算値375.21、実測値:276[M-100+H]
【0325】
同様の戦略を実施して、Int-37bからシス誘導体Int-35bを調製した。
【0326】
実施例10:(トランス)-4-(4-ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン-3-オール(Int-39)の調製
【0327】
【化38】
【0328】
工程1:1,4-ジオキサン(40mL)中の4-ブロモフェノール(Int-24)(4g、23.12mmol)の撹拌溶液に、3,6-ジオキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン(Int-38、1.98g、23.12mmol)、CsCO(11.3g、34.68mmol)、およびベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(1.05g、4.62mmol)を室温で添加し、反応混合物を120℃で16時間加熱した。反応の完了後、反応混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、飽和NaHCO溶液(100mL)、水(100mL)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製生成物を石油エーテルで粉砕し、乾燥させることでInt-39を得た。収量:5g(84%)。LC-MS:C1011BrOの計算値259.10、実測値:いかなるイオン化も観察されなかった。トランス異性体およびシス異性体を分離させることで、それぞれInt-39aおよびInt-39bを得た。
【0329】
実施例11:tert-ブチル((トランス)-4-(4-ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン-3-イル)カルバメート(Int-45)の調製
【0330】
【化39】
【0331】
工程1:1,4-ジオキサン(40mL)中の4-ブロモフェノール(Int-24)(4g、23.12mmol)の撹拌溶液に、3,6-ジオキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン(Int-40、1.98g、23.12mmol)、CsCO(11.3g、34.68mmol)、およびベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(1.05g、4.62mmol)を室温で添加し、反応混合物を120℃で16時間加熱した。反応の完了後、反応混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、飽和NaHCO溶液(100mL)、水(100mL)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製生成物を石油エーテルで粉砕し、乾燥させることでInt-41を得た。収量:5g(84%)。LC-MS:C1011BrOの計算値259.10、実測値:いかなるイオン化も観察されなかった。
【0332】
工程2:DCM(6mL)中のInt-1(0.600g、2.31mmol)の撹拌溶液に、EtN(0.5mL、3.47mmol)および塩化メシル(0.2mL、2.54mmol)を0℃で添加し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応の完了後、反応塊をDCM(50mL)で希釈し、次いで水(20mL)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗メシレートInt-42をそれ以上精製することなく次の工程で使用した。収量:0.75g(粗製)。LC-MS:C1113BrOSの計算値は337.18、実測値:質量はイオン化されなかった。
【0333】
工程3:DMF(10mL)中のメシレート(Int-42、0.750g、2.22mmol)の撹拌溶液に、アジ化ナトリウム(0.433g、6.67mmol)を室温で添加し、反応混合物を120℃で18時間加熱した。反応の完了後、反応塊を水に溶解し、EtOAc(2×50mL)で抽出した。組み合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製生成物Int-43をそれ以上精製することなく次の工程で使用した。収量:0.600g(粗製)。
【0334】
工程4:THF(9mL)および水(3mL)中のInt-43(0.600g、2.11mmol)の撹拌溶液に、PPh(0.663g、2.53mmol)を0℃で添加し、反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応の完了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣を1.5NのHClで酸性化し、EtOAcで抽出した。水層を10%NaOH溶液で塩基性化し、EtOAc(2×50mL)で抽出した。組み合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮することで、粗製生成物Int-44を得て、これをそれ以上精製することなく次の工程で使用した。収量:0.22g(40%)。LC-MS:C1012BrNOの計算値258.12、実測値:258[M]および260.0[M+2]
【0335】
工程5:乾燥DCM(3mL)中のInt-44(0.220g、0.852mmol)の撹拌溶液に、EtN(0.35mL、2.55mmol)および(Boc)O(0.3mL、1.279mmol)を0℃で添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応の完了後、反応混合物をジクロロメタン(40mL)で希釈し、水(20mL)で洗浄した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮することで、粗製生成物Int-45を得て、これをそれ以上精製することなく次の工程で使用した。収量:0.250g(粗製)。
【0336】
実施例12:(R)-1-(4-ブロモフェノキシ)-3-メトキシプロパン-2-オール(Int-47)の調製
【0337】
【化40】
【0338】
工程1:DMF(100mL)中の4-ブロモフェノール(Int-24、10.0g、57.80mmol)の撹拌溶液に、KCO(9.59g、69.40mmol)および(R)-グリシジルトシレート(13.19g、57.8mmol)を室温で添加した。反応混合物を8時間60℃で撹拌した。反応をTLCによってモニタリングし、反応の完了後、それを室温に冷却し、水(200mL)でクエンチし、EtOAc(300mL×2)で抽出した。組み合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、100~200メッシュサイズ、ヘキサン中20~30%EtOAc)によって精製して、Int-46(10g、43.7mmol、76%の収率)を無色の油として得た。収量=10.0g(76%)。LC MS:CBrOについての計算値229.07、実測値:いかなるイオン化も観察されなかった。
【0339】
工程2:MeOH(100mL)中のInt-46(10.0g、43.70mmol)の撹拌溶液に、MeOH(48.9mL、214.00mmol)中の25%のナトリウムメトキシドを25℃で添加し、反応混合物を16時間80℃で撹拌した。反応をTLCによってモニタリングした。反応の完了後、それを室温に冷却し、水(200mL)でクエンチし、EtOAc(300mL×2)で抽出した。組み合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮することで、Int-47を無色の液体として得た。収量:10.0g(88%)。LC MS:C1013BrOの計算値261.12、実測値:いかなるイオン化も観察されなかった。
【0340】
実施例13:(R)-1-(4-ブロモフェノキシ)-3-メトキシプロパン-2-オール(Int-51)の調製
【0341】
【化41】
【0342】
工程1:DCM(135mL)中のInt-47(9.0g、34.50mmol)の撹拌溶液に、EtN(9.62mL、68.90mmol)および塩化メシル(3.20mL、41.40mmol)を0℃で添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応をTLCによってモニタリングした。反応の完了後、反応混合物を、水(200mL)でクエンチし、DCM(200mL×2)で抽出した。組み合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮することで、Int-48を無色の液体として得た。粗物質をそれ以上精製することなく次の工程に使用した。収量:9.0g(77%)。LC MS:C1115BrOSの計算値339.20、実測値:いかなるイオン化も観察されなかった。
【0343】
工程2:DMF(30mL)中のInt-48(3.0g、8.84mmol)の撹拌溶液に、アジドナトリウム(2.9g、44.20mmol)を室温で添加した。反応混合物を80℃で5時間加熱した。完了後、反応を室温に冷却し、水(150mL)の添加によってクエンチし、EtOAc(100mL×2)で抽出した。組み合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮することで、Int-49を無色の液体として得た。粗製生成物6をそれ以上精製することなく次の工程に使用した。収量:2.50g(99%)。LC MS:C1012BrNの計算値286.13、実測値:258(M-Nおよび260(M-N+2)および180(M-N-Br).工程2の合計で3つのバッチを行った。組み合わせた生成物を次の工程に使用した。
【0344】
工程3:THF(75mL)および水(37.5mL)中のInt-49(7.50g、26.20mmol)の撹拌溶液に、トリフェニルホスフィン(8.25g、31.5mmol)を0℃で添加した。反応混合物を24時間、25℃で撹拌した。反応の完了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣を1.5NのHClで酸性化し、EtOAc(30mL×2)で抽出した。水層を10%のNaOH溶液で塩基性化し、DCM(100mL×2)中の10%のMeOHで抽出した。組み合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、Int-50を得た。粗製生成物をそれ以上精製することなく次の工程に取り入れた。収量:5g(73%)。
【0345】
工程4:DCM(75mL)中のInt-50(5.0g、19.22mmol)の撹拌溶液に、トリエチルアミン(8.04mL、557.7mmol)およびBoc-無水物(6.62mL、28.80mmol)を0℃で添加し、反応混合物を25℃で2時間撹拌した。反応の完了後、反応混合物をジクロロメタン(50mL)で希釈し、水(50mL)で洗浄した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮することで、Int-51を淡黄色液体として得た。粗製生成物をそれ以上精製することなく次の工程で使用した。収量:6.50g(78%)。LC MS:C1522BrNOの計算値360.25、実測値:260.2[M-Boc]および262.2[M-Boc+2]
【0346】
実施例14:6-(4-ブロモフェノキシ)-2,2,3,3,10,10,11,11-オクタメチル-4,9-ジオキサ-3,10-ジシラドデカン(Int-54)の調製
【0347】
【化42】
【0348】
工程1:DMF(20mL)中の4-ブロモフェノール(Int-24)(2.0g、11.56mmol)の撹拌溶液に、炭酸セシウム(5.65g、17.34mmol)を0℃で添加し、5分間撹拌した。この反応混合物に、α-ブロモ-γ-ブチロラクトン(2.67g、16.18mmol)を0℃で添加し、反応混合物を24時間25℃で撹拌した。反応をTLCでモニタリングし、出発物質の完全な消費を示した。氷冷水(100mL)を添加することにより反応をクエンチし、EtOAc(50mL×2)で抽出した。組み合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO 230~400メッシュサイズ、石油エーテル中15~20%EtOAc)により精製して、Int-52を白色固形物として得た。収量=2.1g(71%)。LC MS:C10BrOの計算値257.08、実測値:いかなるイオン化も観察されなかった。
【0349】
工程2:THF:MeOHの混合物(1:1、40mL)中のInt-52(2.1g、8.17mmol)の撹拌溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(0.309g、8.17mmol)を窒素雰囲気下で少量ずつ0℃で添加した。得られた反応混合物を25℃で3時間撹拌した。反応をTLCで追跡し、出発物質の完全な消費を示した。反応を氷水(20mL)の添加でクエンチし、揮発性物質を減圧下で蒸発させた。得られた残渣をEtOAc(40mL×3)で抽出した。組み合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、230~400メッシュ、ヘキサン中60%EtOAc)により精製することで、淡黄色液体としてInt-53を得た。収量=2.0g(94%)。LC MS:C1013BrOの計算値261.12、実測値:いかなるイオン化も観察されなかった。
【0350】
工程3:DMF(20mL)中のInt-53(2.0g、7.66mmol)の撹拌溶液に、イミダゾール(1.56g、22.98mmol)、DMAP(0.19g、1.53mmol)、およびTBDMS-Cl(2.89g、19.15mmol)を0℃で添加した。添加後、反応物を16時間25℃で撹拌した。反応をTLCで追跡し、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を水(100mL)で希釈し、EtOAc(250mL×2)で抽出した。組み合わせた有機層を冷水(200mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製物をカラムクロマトグラフィー(SiO 100~200メッシュサイズ、ヘキサン中5%EtOAc)により精製することで、Int-54を黄色の液体として得た。収量=2.8g(75%)。LC MS:C2241BrOSiの計算値489.64、実測値:いかなるイオン化も観察されなかった。
【0351】
実施例15:5-(4-ブロモフェノキシ)ペンタン-1,4-ジオール(Int-57)の調製
【0352】
【化43】
【0353】
工程1:DMF(20mL)中の4-ブロモフェノール(Int-24)(11.56mmol)の撹拌溶液に、炭酸カリウム(17.34mmol)を0℃で添加し、5分間撹拌した。この反応混合物に、5-(ブロモメチル)ジヒドロフラン-2(3H)-オン(16.18mmol)を0℃で添加し、反応混合物を24時間25℃で撹拌した。反応をTLCでモニタリングし、出発物質の完全な消費を示した。氷冷水(100mL)を添加することにより反応をクエンチし、EtOAc(50mL×2)で抽出した。組み合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO 230~400メッシュサイズ、石油エーテル中15~20%EtOAc)により精製して、Int-55を白色固形物として得た。収率=65%。LC MS:C1111BrOの計算値271.11、実測値:いかなるイオン化も観察されなかった。
【0354】
工程2:メタノール(50mL)中のInt-55(16.0mmol)の撹拌溶液に、HSO(7mL)を添加し、60℃で2時間加熱した。反応物を真空下で濃縮する。反応混合物を冷却し、氷冷水に注意深く注ぎ、飽和NaHCO溶液で塩基性化した。水層をEtOAc(50mL×2)で抽出した。組み合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO 230~400メッシュサイズ、石油エーテル中50%EtOAc)により精製して、Int-56を白色固形物として得た。収率=56%。
【0355】
工程3:THF:MeOHの混合物(8:2、40mL)中のInt-56(7.00mmol)の撹拌溶液に、水素化ホウ素リチウム(7.00mmol)を窒素雰囲気下で少量ずつ0℃で添加した。得られた反応混合物を25℃で3時間撹拌した。反応をTLCで追跡し、出発物質の完全な消費を示した。反応を氷水(20mL)の添加でクエンチし、揮発性物質を減圧下で蒸発させた。得られた残渣をEtOAc(40mL×3)で抽出した。組み合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、230~400メッシュ、ヘキサン中60%EtOAc)により精製することで、淡黄色液体としてInt-57を得た。収率=82%。LC MS:C1115BrOの計算値275.14、実測値:いかなるイオン化も観察されなかった。
【0356】
実施例16:4-(4-ブロモフェニル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン(Int-59)の調製
【0357】
【化44】
【0358】
1-(4-ブロモフェニル)-1,2-エタンジオール(Int-58)(500mg、2.3mmol)の撹拌溶液を、15mLの2,2-ジメトキシプロパンに溶解した。触媒量のp-トルエンスルホン酸を添加し、溶液を50℃で18時間撹拌した。50mLのトルエンを添加した後、得られた混合物をNaHCOの飽和溶液で洗浄した。有機相を回収し、MgSOで乾燥させ、溶媒を完全に除去した。この手順によりInt-59化合物を得て、これをそれ以上精製することなく使用した。黄色油、収量521mg。収率=88%。LC MS:C1113BrOの計算値257.12、実測値:いかなるイオン化も観察されなかった。
【0359】
実施例17:2-(3-(4-ブロモフェニル)アゼチジン-1-イル)-2-オキソエチルアセテート(Int-61)の調製
【0360】
【化45】
【0361】
DCM(10ml)中のInt-60(500mg、2.00mmol)の撹拌溶液に、トリエチルアミン(0.700ml、2.5当量)を添加し、その後、アセトキシアセチルクロリド(0.328g、2.41mmol、1.2当量)を添加し、45分間撹拌した。TLCは反応の完了を示した。反応混合物を水(15mL)に注ぎ、DCM(2×25mL)で抽出した。組み合わせた有機層を3MのHCl溶液(10mL)、飽和NaHCO(15mL)、飽和NaCl溶液(25mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮乾固した。粗製のInt-61を(95%)の収率の黄色油として単離させ、それ以上精製することなく次に取り入れた。LC MS:C1314BrNOの計算値312.0、実測値:いかなるイオン化も観察されなかった。
【0362】
実施例18:N-((トランス)-3-(4-ブロモフェニル)シクロブチル)メタンスルホンアミド(Int-63)およびN-((1r,3r)-3-(4-ブロモフェニル)シクロブチル)-2-シアノアセトアミド)(Int-110)の調製
【0363】
【化46】
【0364】
DCM(15ml)中のInt-62(500mg、1.90mmol)の撹拌溶液に、トリエチルアミン(0.67mL、4.76mmol、2.5当量)を添加し、その後、メチルスルホニルクロリド(0.260g、2.28mmol、1.2当量)を添加し、45分間撹拌した。TLCは反応の完了を示した。反応混合物を水(15mL)に注ぎ、DCM(2×20mL)で抽出した。組み合わせた有機層を3MのHCl溶液(10mL)、飽和NaHCO(15mL)、飽和NaCl溶液(20mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮乾固した。粗製のInt-63を収率(90%)の黄色油として得て、これをそれ以上精製することなく次に取り入れた。
【0365】
DCM(15ml)中のInt-62(500mg、1.90mmol)の撹拌溶液に、トリエチルアミン(0.67mL、4.76mmol、2.5当量)を添加し、その後、2-シアノアセチルクロリド(0.300g、2.28mmol、1.2当量)を添加し、45分間撹拌した。TLCは反応の完了を示した。反応混合物を水(15mL)に注ぎ、DCM(2×20mL)で抽出した。組み合わせた有機層を3MのHCl溶液(10mL)、飽和NaHCO(15mL)、飽和NaCl溶液(20mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮乾固した。粗製のInt-110を収率(90%)の黄色油として得て、これをそれ以上精製することなく次に取り入れた。
【0366】
実施例19:4,4,5,5-テトラメチル-2-(4-(((3R,4S)-4-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)テトラヒドロフラン-3-イル)メチル)フェニル)-1,3,2-ジオキサボロラン(Int-118)の調製
【0367】
【化47】
【0368】
工程1:THF(90mL)中のLiHMDS(THF中1.0M、245mL、245mmol)の溶液に、窒素雰囲気下-45℃で(S)-4-ヒドロキシジヒドロフラン-2(3H)-オン(Int-111、10g、98mmol)を添加し、30分間撹拌した。この反応混合物に、THF(90mL)中の1-ブロモ-4-(ブロモメチル)ベンゼン(29.4g、118mmol)の溶液を添加して、その後、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(28.6mL、264mmol)を-45℃で添加した。同じ温度で45分間撹拌した後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液(100mL)の添加によりクエンチした。これをEtOAc(400ml×2)で抽出した。組み合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、無水のNaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO 100~200メッシュ、ヘキサン中45%EtOAc)により精製することで、Int-112をオフホワイトの固形物として得た。収量:15g(56%)。LC MS:C1111BrOの計算値271.11、実測値:271.0[M]および273.0[M+2]絶対立体化学の割り当ては米国特許第6,268,515号に基づく。
【0369】
工程2:DCM(150mL)中のInt-112(15g、55.3mmol)の撹拌溶液に、イミダゾール(7.53g、111mmol)、続いてTBDPS-Cl(21.32mL、83mmol)を0℃で添加した。反応混合物を16時間25℃で撹拌した。反応を水(150mL)でクエンチし、DCM(300mL×3)で抽出した。組み合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、無水のNaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO 100~200メッシュ、ヘキサン中5%EtOAc)により精製することで、Int-113を無色の液体として得た。UPLCは68%の純度を示した。生成物を次の工程に取り入れた。収量:35g(84%)。LC MS:C2729BrOSiの計算値509.51、実測値:526[M+OH]および528[M+OH+2],509.1[M]および511.1[M+2]
【0370】
工程3:DCM(30mL)中のInt-113(35g、34.3mmol)の撹拌溶液に、DIBAL-H(トルエン中1.2M、48.7mL、58.4mmol)を窒素雰囲気下で-78℃で添加した。得られた反応混合物を-78℃で3時間撹拌した。反応をNHCl溶液(350mL)でクエンチし、DCM(800mL×2)で抽出した。組み合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、無水のNaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO 100~200メッシュ、ヘキサン中18%EtOAc)により精製することで、Int-114を無色のガムとして得た。収量:17g。LC MS:C2731BrOSiの計算値511.53、実測値:510.9[M]
【0371】
工程4:DCM(200mL)中のInt-114(17g、33.2mmol)の溶液に、TFA(26.8mL、166mmol)を0℃で添加し、反応混合物を30分間撹拌した。この反応混合物に、0℃でトリエチルシラン(5.12mL、66.5mmol)を添加した。反応混合物を25℃で6時間撹拌した。出発物質が完全に消費された後、反応物を水(300mL)でクエンチし、DCM(300mL×2)で抽出した。組み合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、無水のNaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO 100~200メッシュ、ヘキサン中11%EtOAc)により精製して、Int-115を無色の液体として得た。収量:10.1g(61%)。
【0372】
工程5:THF(100mL)中のInt-115(10.1g、20.38mmol)の撹拌溶液に、TBAF(THF中1.0M、30.6mL、30.6mmol)を0℃で滴下した。反応混合物を1時間25℃で撹拌した。反応混合物を水(200mL)で希釈し、EtOAc(250mL×2)で抽出した。組み合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、無水のNaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO 100~200メッシュ、ヘキサン中60%EtOAc)により精製することで、Int-116を白色固形物として得た。収量:4.9g(91%)。
【0373】
工程6:ジオキサン(130mL)中のInt-116(4.8g、18.67mmol)の撹拌溶液に、25℃でKOAc(5.5g、56.0mmol)およびビス(ピナコラート)ジボロン(7.11g、28.0mmol)を添加した。反応混合物を窒素で10分間脱気した。この反応混合物に、Pd(dppf)Cl.DCM錯体(complex)(1.52g、1.86mmol)を添加し、110℃で16時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、セライト床に通して濾過し、セライト床をEtOAc(50mL)で洗浄した。濾液に水(100mL)を添加し、EtOAc(100mL×2)で抽出した。組み合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮することで、粗製生成物を得た。粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO 230~400メッシュ、ヘキサン中50%EtOAc)により精製して、Int-117を淡黄色液体として得た。収量:4.8g(84%)。LC MS:C1725BOの計算値304.19、実測値:305.4[M+1]
【0374】
工程7:DCM(120mL)中のInt-117(5.1g、16.77mmol)の溶液に、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(2.3mL、25.1mmol)およびp-トルエンスルホン酸ピリジニウム(0.33g、1.34mmol)を0℃で添加した。反応混合物を16時間25℃で撹拌した。反応物を水(50mL)でクエンチし、DCM(100mL)で抽出した。組み合わせた有機層をブライン溶液(50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮することで、粗製生成物を得た。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO 230~400メッシュ、ヘキサン中15%EtOAc)により精製して、Int-118を無色の液体として得た。収量:4.4g(66%)。
【0375】
実施例20:(3R,4R)-1-(2-メトキシエチル)-4-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノキシ)ピロリジン-3-オール(Int-121)および2-((3R,4R)-3-ヒドロキシ-4-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノキシ)ピロリジン-1-イル)アセトニトリル(Int-122)の調製
【0376】
【化48】
【0377】
工程1:DMF(100mL)中の4-ブロモフェノール(Int-24、12g、69.4mmol)の撹拌溶液に、18-クラウン-6(0.055g、0.208mmol)、炭酸セシウム(27.1g、83mmol)を室温で添加した。10分後、この反応混合物にtert-ブチル6-オキサ-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-カルボキシレート(10.28g、55.5mmol)を添加し、90℃で16時間撹拌した。反応物を氷水(200mL)でクエンチし、形成された沈殿物を濾過し、ヘキサンで洗浄し、真空下で乾燥させることで、(rac)-Int-119を褐色の固形物として得た。LC-MS:C1520BrNOの計算値358.23、実測値:257.8[M-Boc]、259.8[M-Boc+2]、301.8[M-56]、303.7[M-56+2].収量:18.0g(72%)。
【0378】
工程2:DCM(40mL)中の(rac)-Int-119(4.5g、11.30mmol)の撹拌溶液に、HCl(ジオキサン中4M、10mL、11.72mmol)を0℃で添加した。反応混合物を2時間25℃で撹拌した。TLCによってモニタリングした反応の進行は、出発物質の完全な消費を示した(DCM中10%MeOH、SMは紫色に染色し、生成物はニンヒドリンで黄色に染色する)。揮発性物質を減圧下で蒸発させ、得られた粗製生成物をヘキサン(20mL)で粉砕し、濾過し、真空下で乾燥させることで、(rac)-Int-120を淡褐色固形物として得た。LC MS:C1013BrNO+の計算値は258.01、実測値:258.0[M]および260.0[M+2] 収量:3.45g(99%)。
【0379】
工程3a:アセトニトリル(20mL)中の(rac)-Int-120(1.8g、6.11mmol)の撹拌溶液に、炭酸カリウム(573mg、4.15mmol)および1-ブロモ-2-メトキシエタン(0.636mL、6.72mmol)を0℃で添加した。反応混合物を7時間60℃で加熱した。反応の進行をTLCによってモニタリングした。揮発性物質を減圧下で蒸発させ、水(50mL)を添加し、DCM(150mL×2)で抽出した。組み合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮することで、(rac)-Int-121を褐色液体として得た。LCMS:C1318BrNOの計算値316.2、実測値:315.9[M]および317.9[M+2].収量:1.2g(58%)。
【0380】
ブロモアセトニトリルを6.11mmolスケールで使用してニトリル誘導体を作製するために上記と同じ方法に従って、所望の(rac)-Int-122を褐色液体として得た。収量1.3g(62%)。LCMS:C1213BrNの計算値296.15、実測値:297.9[M]および299.9[M+2]
【0381】
実施例21:4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノール(Int-66)の調製
【0382】
【化49】
【0383】
工程1:1,4-ジオキサン(20mL)中のInt-24(2.0g、9.09mmol)の撹拌溶液に、ビス(ピナコラート)ジボロン(3.46g、13.64mmol)および酢酸カリウム(2.2g、22.73mmol)を室温で添加した。反応混合物を、窒素ガスを用いて10分間脱気した。この混合物に、Pd(dppf)Cl(665mg、0.91mmol)を添加し、脱気を2分間続けた。次いで、反応混合物を90℃で4時間加熱した。反応をTLCによってモニタリングし、TLCは出発物質の完全な消費を示した。反応物をセライト床で濾過した。濾液をEtOAc(100mL)で希釈し、水(50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた粗製生成物(2.5g)をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO 230~400メッシュ、石油エーテル中5%EtOAc)により精製して、Int-66を白色固形物として得た。収量=1.8g(82%)。LC-MS:C1217BOの計算値220.08、実測値:218.9[M-1]
【0384】
以下の化合物を、適切な出発物質を使用して実施例21に従って調製した。Int-80は市販の4-ブロモフェニルシクロブタノン(Int-64)から調製した。Int-81は市販の(4-ブロモフェニル)メタノール)(Int-65)から調製した。
【0385】
【表3-1】
【0386】
【表3-2】
【0387】
実施例19:tert-ブチル(2-フルオロエチル)((1R,2R)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノキシ)シクロプロピル)カルバメート)(Int-82)の調製
【0388】
【化50】
【0389】
乾燥DMF(5mL)中のInt-70a(0.5g、1.33mmol)の撹拌溶液に、0℃でNaH(鉱油中60%分散物、0.106g、2.66mmol)を添加した。次いで、1-ブロモ-2-フルオロエタン(0.253g、1.99mmol)を添加し、反応混合物を0℃~25℃で2時間撹拌した。反応の完了後、反応混合物を飽和NHCl溶液でクエンチし、EtOAc(50mL)で希釈し、氷冷水(20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製生成物を、石油エーテル中6~20%酢酸エチルで溶出することによりシリカゲル(230~400メッシュ)でのカラムクロマトグラフィーにより精製することで、生成物Int-82を得た。収量:0.4g(71%)。LC-MS:C2233BFNOの計算値421.32、実測値:366.1[M-56+1]
【0390】
実施例20:鈴木反応による式(I)の特定の化合物の調製
【0391】
【化51】
工程1:DMF(1mL)中の適切なヨウ化アリール(Int-9、Int-15、またはInt-21)(0.45mmol)の撹拌溶液に、適切なアリールボロン酸エステル中間体(実施例18参照)(0.32mmol)、三塩基性リン酸カリウム(0.96mmol)、および水(0.5mL)を室温で添加した。反応混合物を窒素ガスで5分間脱気した。この反応混合物にPdCl(dppf)(11.7mg、0.02mmol)を添加し、脱気を2分間続けた。その後、反応混合物を100℃で3時間マイクロ波照射に供した。反応の完了後、無機固形物をセライトパッドに通して濾過した。濾液をEtOAc(50mL)で希釈し、水(30mL)、ブライン(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO 230~400メッシュ、DCM中3%MeOH)によって精製して、中間体Int-83、Int-84、およびInt-85の化合物を得た。
【0392】
Int-83、Int-84、およびInt-85の化合物のいくつかを脱保護して、所望の最終化合物を得た。
【0393】
工程2:DCM(2mL)中のInt-83、Int-84、およびInt-85の化合物(0.219mmol)の撹拌溶液に、ジオキサン(1mL)中の4.0MのHClを0℃で添加した。その後、反応混合物を25℃で2時間撹拌した。反応をTLCでモニタリングし、出発物質の完全な消費を示した。揮発性物質を減圧下で蒸発させた。得られた粗製生成物を逆相分取HPLC(水およびアセトニトリル中の10mMの重炭酸アンモニウム)により精製することで、式(I)の所望の特定の化合物を白色固形物として得た。収率は28~45%の範囲であった。
【0394】
工程2a:場合によっては、代替手順を使用して所望の化合物を得た。例えば、DCM(5mL)中のInt-83(200mg、0.267mmol)の撹拌溶液に、トリフルオロ酢酸(1.4mL)を0℃で滴下した。添加完了後、反応混合物を25℃で2時間撹拌した。反応をTLCで追跡した。揮発性物質を減圧下で蒸発させた。得られた残渣を飽和重炭酸ナトリウム溶液(10mL)で塩基性化し、DCM(10mL×2)で抽出した。組み合わせた有機層を水(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた粗製化合物を逆相分取HPLC(10mMの重炭酸アンモニウム緩衝液およびアセトニトリル)によって精製することで、式(I)の特定の化合物をオフホワイトの固形物として得た。収率=13~40%。
【0395】
以下の化合物を実施例20に従って調製した。
【0396】
【表4】
【0397】
いくつかの化合物について、最終誘導体化を脱保護前に行って、所望の最終標的を得た。例えば、アセチル基保護基の加水分解は、脱保護の前にTHFと水におけるNaOHを使用して行われた。
【0398】
実施例21:中間体Int-84のO-アルキル化による式(I)の特定の化合物の調製
【0399】
【化52】
【0400】
工程1:DMF(7mL)中のInt-84(1.50g、6.58mmol)の撹拌溶液に、KCOを添加した。反応混合物を30分間撹拌した。これに、対応するハロゲン化アルキル(6.58mmol)を添加し、80℃で8時間加熱した。反応の完了後、反応混合物を氷冷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。水層を酢酸エチル(50mL×2)でさらに抽出した。組み合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO 100~200メッシュサイズ、DCM中0~5%メタノール)により精製することで、中間体化合物Int-86a-cを固形物として得た。収率30~45%。
【0401】
工程2:乾燥DCM(2mL)中のInt-86a-c(0.2476mmol)の撹拌溶液に、HCl(1,4-ジオキサン中4M、2mL)を0℃で添加した。反応混合物を1時間0℃~室温で撹拌した。反応の完了後、反応混合物を減圧下で濃縮して、粗製生成物を得た。粗製生成物を、HOおよびACN中の0.1%HCOOHを使用することによって精製して、オフホワイトの半固形物として式(I)の所望の特定の化合物を得た。収率は23.5~50%の範囲であった。
【0402】
以下の化合物を実施例21に従って調製した。
【0403】
【表5】
【0404】
実施例22:シクロブタノン中間体(Int-87/88)で始まる還元的アミノ化による式(I)の特定の化合物の調製
【0405】
【化53】
【0406】
工程1:実施例20の工程1と同じ手順に従って、Int-80とともに適切なInt-9またはInt-15を使用してInt-87およびInt-88を調製した。
【0407】
工程2:メタノール(10mL)中のInt-87(またはInt-88)(60mmol)の撹拌溶液に、適切なそれぞれのアミン(RNH)を添加し(78mmol、1.3当量)、その後、酢酸を滴下した。反応物を45分間撹拌した。これにシアノ水素化ホウ素ナトリウム(66mol、1.1当量)を添加し、反応物を4時間撹拌した。4時間後、反応混合物を濃縮し、水で希釈し、酢酸エチル(2×25mL)で抽出した。有機層を飽和NaCl(15mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮することで、Int-89(またはInt-90)の粗製生成物を得た。収率は75~90%の範囲であった。反応混合物を、それ以上精製することなく次の工程に使用する。
【0408】
工程3:メタノール(5mL)中のInt-89(またはInt-90)(50mmol)の撹拌溶液に、ジオキサン(1.0mL)中の4MのHClを0℃で30分間添加した。反応をTLCでモニタリングし、出発物質の完全な消費を示した。反応の完了後、揮発性物質を減圧下で蒸発させた。得られた粗製生成物を逆相分取HPLC(10mMの重炭酸アンモニウム緩衝液およびアセトニトリル)によって精製して、式(I)の所望の特定の化合物を得た。収率は57~89%の範囲であった。
【0409】
以下の化合物を実施例21に従って調製した。
【0410】
【表6-1】
【0411】
【表6-2】
【0412】
実施例22:
【0413】
【化54】
【0414】
工程1:DCM(25mL)中のInt-81(3.0g、0.0128mol)の撹拌溶液に、PPh(3.5g、0.0134mol)を添加し、その後、CBr(4.67g、0.0140mol)を添加した。反応混合物を6時間撹拌した。6時間後、反応混合物を濃縮し、ヘキサン中1~8%のEtOAcで溶出することによりシリカゲルカラムで精製して、濃い黄色の油として約85%の収率で所望の化合物Int-91を得た。LC-MS:C1318BBrOの計算値297.0、実測値:イオン化はない(観察されなかった)。
【0415】
工程2:乾燥THF(15mL)中のアルコールInt-29a(0.0064mol)の撹拌溶液に、NaH(鉱油中60%分散液)(0.0097mol)を0℃で少量ずつ添加した。反応混合物を0℃で30分間撹拌した。その後、(Int-91)(0.0084mol)をTHFに溶解し、反応混合物にゆっくりと添加し、0℃で30分間撹拌した。その後、反応混合物を2時間室温で撹拌した。反応の完了後、反応混合物を飽和NHCl溶液でクエンチし、EtOAc(500mL)で希釈し、氷冷水(200mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製生成物Int-92aをそれ以上おこなうことなく次の工程に直接使用した。収量:1.49g(57.32%)。LC-MS:C2438BNOの計算値448.2、実測値:イオン化はない(観察されなかった)。
【0416】
同じ手順に従い、tert-ブチル((1R,2R)-2-ヒドロキシシクロプロピル)カルバメートから出発して、Int-92bを得た。
【0417】
以下の化合物を、実施例22に従って、適切なInt92a-bおよびInt-15から、実施例20における手順と同様の手順を使用して調製して、所望の化合物を白色固形物として得て、これは28~32%の収率であった。
【0418】
【表7】
【0419】
実施例A-1:非経口医薬組成物
注入(皮下、静脈内)による投与に適した非経口医薬組成物を調製するために、1~100mgの式(I)の化合物の水溶性塩、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を、滅菌水中に溶解させ、その後、0.9%の滅菌食塩水10mLと混合する。適切な緩衝液を、任意選択の酸または塩基とともに任意選択で加えて、pHを調整する。混合物を、注入による投与に適した投与量単位形態に組み込む。
【0420】
実施例A-2:経口溶液
経口送達用の医薬組成物を調製するために、十分な量の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を、(任意選択の可溶化剤、任意選択の緩衝液、および矯味賦形剤(taste masking excipient)と共に)水に加え、20mg/mLの溶液を得る。
【0421】
実施例A-3:経口錠剤
20~50重量%の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、20~50重量%の微結晶性セルロース、1~10重量%の低置換ヒドロキシプロピルセルロース、および1~10重量%のステアリン酸マグネシウム、もしくは他の適切な賦形剤を混合することによって、錠剤を調製する。錠剤は直接の圧縮によって調製される。圧縮錠剤の全重量を100~500mgで維持する。
【0422】
実施例A-4:経口カプセル
経口送達用の医薬組成物を調製するために、10~500mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を、デンプンまたは他の適切な粉末混合物と混合する。混合物を、経口投与に適した硬ゼラチンカプセルなどの経口剤形に組み込む。
【0423】
別の実施形態において、10~500mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を、サイズ4のカプセル、またはサイズ1のカプセル(ヒプロメロースまたは硬ゼラチン)に入れ、カプセルを閉じる。
【0424】
II.生物学的評価
実施例B-1:化合物および金属タンパク質モジュレーターをスクリーニングするためのインビトロアッセイ
細菌感受性試験
最小阻害濃度(MIC)は、臨床・検査標準協会(Clinical and Laboratory Standards Institute)(CLSI)ガイドラインに従って微量液体希釈法(broth microdilution method)により決定した。手短に言えば、生物懸濁液を3×10~7×10コロニー形成単位(CFU)/mLの最終接種材料に調整した。薬物希釈および接種は、無菌のカチオン調整ミューラー・ヒントン寒天培地(Beckton Dickinson)中で行った。ウェルにおいて、100μLの接種体積を、2倍連続希釈の薬物とともに2μLのDMSOと混合した。すべての接種された微量希釈トレイを周囲空気中35℃で18~24時間インキュベートした。インキュベーション後、目に見える増殖を妨げる薬物の最低濃度(OD600nm<0.05)をMICとして記録した。アッセイの性能は、CLSIガイドラインに従って、定義されたMICスペクトルを有する実験室品質管理株および化合物の使用によってモニタリングした。
【0425】
本開示の実施形態における化合物についての選択細菌に対する例示的なインビトロアッセイデータを表Aに提供する。本開示の化合物は黄色ブドウ球菌を阻害しない。
【0426】
【表8-1】
【0427】
【表8-2】
【0428】
LpxC結合アッセイ
大腸菌と緑膿菌LpxCに対するIC50値は、J.Med.Chem.2012,55,1662-1670にあらかじめ記載されたRapid Fire MSアッセイを用いて決定される。
【0429】
本開示の実施形態における化合物についての選択細菌に対する例示的なインビトロアッセイデータを表Bに提供する。
【0430】
【表9】
【0431】
本明細書に記載される実施例と実施形態は説明目的のためのものに過ぎず、当業者に示唆される様々な修正や変更は、本出願の精神と範囲、および添付の請求項の範囲内に含まれるものとする。
【国際調査報告】