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特表2024-507150電磁ピックアンドプレース誘導加熱器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】電磁ピックアンドプレース誘導加熱器
(51)【国際特許分類】
   B23K 1/002 20060101AFI20240208BHJP
   B25J 13/00 20060101ALI20240208BHJP
   H05B 6/10 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
B23K1/002
B25J13/00 Z
H05B6/10 371
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548612
(86)(22)【出願日】2022-02-14
(85)【翻訳文提出日】2023-08-10
(86)【国際出願番号】 US2022016317
(87)【国際公開番号】W WO2022174145
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】17/175,419
(32)【優先日】2021-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】デュン,マイケル
【テーマコード(参考)】
3C707
3K059
【Fターム(参考)】
3C707AS06
3C707AS08
3C707AS12
3C707BS02
3C707BT12
3C707MT03
3C707NS17
3K059AA08
3K059AB24
3K059AC03
3K059AC20
3K059AC40
3K059CD80
(57)【要約】
装置及び関連する方法は、アセンブリコンポーネントとの磁気結合及びアセンブリコンポーネントの加熱の両方のために磁芯を使用するピックアンドプレースシステムに関する。磁芯は、コンポーネントを磁気で及び熱で係合させるように構成されたコンポーネント係合表面を有する。コントローラは、磁芯に巻き付けられた誘導コイルにAC電流及びDC電流の両方を供給するように構成される。誘導コイルに供給されたDC電流は、磁芯に磁場を誘導し、それによって、コンポーネント係合表面と係合されるとき、コンポーネントを磁場で引き付ける。磁芯に供給されたAC電流は、磁芯を誘導して加熱し、それによって、コンポーネント係合表面と係合されるとき、コンポーネントを加熱する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アセンブリのコンポーネントを加熱し、ピックし、及びプレースするシステムであって、
前記アセンブリの前記コンポーネントを磁気で及び熱で係合させるように構成されたコンポーネント係合表面を有する磁芯と、
前記磁芯の周りに巻き付けられた誘導コイルと、
前記誘導コイルにDC信号及びAC信号を供給するコントローラと、を備え、
前記DC信号は、前記磁芯に磁場を誘導し、前記コンポーネント係合表面と係合されるとき、前記コンポーネントを磁気で引き付け、
前記AC信号は、前記磁芯を誘導して加熱し、前記コンポーネント係合表面と係合されるとき、前記コンポーネントを加熱する、
システム。
【請求項2】
前記磁芯及び前記磁芯の周りに巻き付けられたインダクタを移動させる機械アクチュエータを更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記機械アクチュエータは、
前記磁芯及び前記磁芯の周りに巻き付けられたインダクタを、x-y平面で前記コンポーネントと位置合わせするように構成されたx-y位置アクチュエータと、
前記磁芯をz方向に前記コンポーネントと係合/離脱させるように構成されたz位置アクチュエータと、を含む、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記コントローラは、最初に、前記コンポーネントを加熱し、次に、前記コンポーネントを磁気で引き付けるか、または、最初に、前記コンポーネントを磁気で引き付け、次に、前記コンポーネントを加熱するかのいずれかのように、供給された前記DC信号及び前記AC信号を順序付けるように更に構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記アセンブリから前記コンポーネントを取り除くとき、前記コントローラは、最初に、前記AC信号を供給し、前記コンポーネントを加熱し、次に、前記DC信号を供給し、前記コンポーネントを磁気で引き付ける、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記アセンブリに前記コンポーネントを据え付けるとき、前記コントローラは、最初に、前記DC信号を供給し、前記コンポーネントを磁気で引き付け、次に、前記AC信号を供給し、前記コンポーネントを加熱する、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記コントローラは、前記コンポーネントを同時に熱で加熱し磁気で引き付けるように、前記DC信号及び前記AC信号の両方を同時に供給するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記磁芯は、前記コンポーネント係合表面と別の表面との間で前記磁芯の長さに沿った真空開口を有し、
当該システムは、更に、
前記真空開口に真空を供給し、前記コンポーネント係合表面と係合されるとき、前記コンポーネントの真空結合を供給するように構成された真空コンポーネントエクストラクタを備える、
請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記コントローラは、最初に、前記コンポーネントを加熱し、次に、前記コンポーネントに真空結合を供給するか、または、最初に、前記コンポーネントに真空結合を供給し、次に、前記コンポーネントを加熱するかのいずれかのように、前記誘導コイルに供給された前記AC信号及び前記真空開口に供給された前記真空を順序付けるように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記コントローラは、同時に、前記コンポーネントを加熱し、及び前記コンポーネントに真空結合を供給するように、前記誘導コイルに前記AC信号を供給すること、及び前記真空開口に真空を供給することを同時に行うように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記磁芯は、更に、
前記アセンブリの前記コンポーネントを介して、誘導された磁場を方向付けるように構成された中心台座と、
前記アセンブリの前記コンポーネントの周辺の付近の前記磁場に対する戻り経路を供給するように構成された周辺機器台座と、を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
アセンブリのコンポーネントを加熱し、ピックし、及びプレースする方法であって、
磁芯の係合表面において、前記コンポーネントを係合させることと、
前記磁芯の周りに巻き付けられた誘導コイルに供給されたDC信号を介して、前記磁芯に磁場を誘導し、前記コンポーネント係合表面と係合されるとき、前記コンポーネントを磁気で引き付けることと、
前記磁芯の周りに巻き付けられた前記誘導コイルに供給されたAC信号を介して、前記磁芯を誘導して加熱し、前記コンポーネント係合表面と係合されるとき、前記コンポーネントを加熱することと、を備える、
方法。
【請求項13】
x-y位置アクチュエータを介して、前記磁芯及び前記磁芯の周りに巻き付けられたインダクタを、x-y平面で前記コンポーネントと位置合わせすることを更に備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記機械アクチュエータが、
z位置アクチュエータを介して、前記磁芯をz方向に前記コンポーネントと係合及び/または離脱させることを含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項15】
最初に、前記コンポーネントを加熱し、次に、前記コンポーネントを磁気で引き付けるか、または、最初に、前記コンポーネントを磁気で引き付け、次に、前記コンポーネントを加熱するかのいずれかのように、供給された前記DC信号及び前記AC信号を順序付けることを更に備える、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
最初に、前記コントローラを介して、前記AC信号を供給し、前記コンポーネントを加熱ことと、
次に、前記コントローラを介して、前記DC信号を供給し、前記コンポーネントを磁気で引き付けることと、
によって、前記アセンブリから前記コンポーネントを取り除くことを更に備える、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
最初に、前記コントローラを介して、前記DC信号を供給し、前記コンポーネントを磁気で引き付けることと、
次に、前記コントローラを介して、前記AC信号を供給し、前記コンポーネントを加熱することと、
によって、前記アセンブリに前記コンポーネントを据え付けることを更に備える、
請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記コンポーネントを熱で及び磁気で同時に加熱するように、前記DC信号及び前記AC信号の両方を同時に供給することを更に備える、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記磁芯は、前記コンポーネント係合表面と別の表面との間で前記磁芯の長さに沿った真空開口を有し、前記方法は、更に、
真空コンポーネントエクストラクタを介して、前記真空開口に真空を供給し、前記コンポーネント係合表面と係合されるとき、前記コンポーネントの真空結合を供給することを備える、
請求項12に記載の方法。
【請求項20】
最初に、前記コンポーネントを加熱し、次に、前記コンポーネントに真空結合を供給するか、または、最初に、前記コンポーネントに真空結合を供給し、次に、前記コンポーネントを加熱するかのいずれかのように、前記誘導コイルに供給された前記AC信号及び前記真空開口に供給された前記真空を順序付けることを更に備える、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
取り付けられたコンポーネントを有するシステムを組み立て、再加工を行い、分解するためにピックアンドプレースツールが使用される。ピックアンドプレースツールは、コンポーネントを係合させ(例えば、「ピックする」)、特定の台の位置にその係合されたコンポーネントを移動させ、その特定の位置にコンポーネントをプレースするように構成することができる。一部のピックアンドプレースツールは、或る位置から、それらが組み立てられることになる場所に、またはそれらが既に組み立てられた場所からコンポーネントを取り付けまたは取り外すようにも構成される。そのようなピックアンドプレースツールが有する能力が多いと、そのようなシステムがより高価且つ複雑であるように思われる。
【発明の概要】
【0002】
装置及び関連する方法は、アセンブリのコンポーネントを加熱し、ピックし、及びプレースするシステムに関する。システムは、磁芯、誘導コイル、及びコントローラを含む。磁芯は、アセンブリのコンポーネントを磁気で及び熱で係合させるように構成されたコンポーネント係合表面を有する。誘導コイルは、磁芯の周りに巻き付けられる。コントローラは、誘導コイルにDC信号及びAC信号を供給する。DC信号は、磁芯に磁場を誘導し、それによって、コンポーネント係合表面と係合されるとき、コンポーネントを磁気で引き付ける。AC信号は、磁芯を誘導して加熱し、それによって、コンポーネント係合表面と係合されるとき、コンポーネントを加熱する。
【0003】
いくつかの実施形態は、アセンブリのコンポーネントを加熱し、ピックし、及びプレースする方法に関する。方法は、磁芯の係合表面において、コンポーネントを係合させることを含む。方法は、磁芯の周りに巻き付けられた誘導コイルに供給されたDC信号を介して、磁芯に磁場を誘導し、それによって、コンポーネント係合表面と係合されるとき、コンポーネントを磁気で引き付けることを含む。方法はまた、磁芯の周りに巻き付けられた誘導コイルに供給されたAC信号を介して、磁芯を誘導して加熱し、それによって、コンポーネント係合表面と係合されるとき、コンポーネントを加熱することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】A及びBは、システムアセンブリから接着して取り付けられたコンポーネントを取り除くピックアンドプレースツールの斜視図である。
図2】システムアセンブリのコンポーネントを誘導して加熱すること、及び磁気で引き付けることの両方で構成されたコンポーネントヘッドの概略図である。
図3】A~Cは、システムアセンブリ上でのコンポーネントのプレース及び取り外しを例示する概略図である。
図4】誘導して加熱し、コンポーネントを接着して取り付け/取り外すように構成されたピックアンドプレースツールの実施形態の側面図である。
図5】真空技術を使用する部品エクストラクタを含むコンポーネント取り除きツールの実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
装置及び関連する方法は、アセンブリコンポーネントとの磁気結合及びアセンブリコンポーネントの加熱の両方のための磁芯を使用するピックアンドプレースシステムに関する。磁芯は、コンポーネントを磁気で及び熱で係合させるように構成されたコンポーネント係合表面を有する。コントローラは、磁芯の周りに巻き付けられた誘導コイルにAC電流及びDC電流の両方を供給するように構成される。誘導コイルに供給されるDC電流は、磁芯に磁場を誘導し、それによって、コンポーネント係合表面と係合されるとき、コンポーネントを磁気で引き付ける。磁芯に供給されるAC電流は、磁芯を誘導して加熱し、それによって、コンポーネント係合表面と係合されるとき、コンポーネントを加熱する。
【0006】
図1A及び1Bは、システムアセンブリから接着して取り付けられたコンポーネントを取り除くピックアンドプレースツールの斜視図である。図1A及び1Bでは、ピックアンドプレースツール10は、システムアセンブリ14から接着して取り付けられたコンポーネント12を取り除く工程にある。ピックアンドプレースツール10は、接着して取り付けられたコンポーネントを加熱すること、及び磁気で引き付けることの両方で構成される。そのような加熱すること及び磁気で引き付けることは、システムアセンブリ10にコンポーネントを取り付けるか、またはシステムアセンブリ10から接着して取り付けられたコンポーネント12などのコンポーネントを取り除くかのいずれかであるように調整される。そのような加熱する機能及び磁気で引き付ける機能の両方は、誘導コイル16に電流を供給することによって行われる。
【0007】
磁気での引き付けは、誘導コイル16にDC電流を供給することによって行われる。誘導コイル16によって伝導されたそのようなDC電流は、磁場を誘導し、磁場は、誘導コイルの1つの側面に近接した磁気物体を引き付けるかまたは反発するかのいずれかのために方位付けられる。そのような磁場を、芯18によって方向付けることができ、芯18の周りに誘導コイル16が巻き付けられる。誘導コイル16にAC電流を供給することによって、誘導して加熱が行われる。そのようなAC電流は、i)その周りに誘導コイル16が巻き付けられる芯18などの導電芯を誘導して加熱し、ii)AC電流によって誘導されたAC電磁場にあるようにそれに近接したいずれかの導電材料を誘導して加熱し、iii)AC電流によって誘導して加熱された芯18などの導電芯と接触したコンポーネントを導電して加熱する、ことができる。
【0008】
システムアセンブリ14から接着して取り付けられたコンポーネント12を取り除くために、ピックアンドプレースツール10は、x-y平面(例えば、水準面に並列した平面)でコンポーネントヘッド20を接着して取り付けられたコンポーネント12と位置合わせするように、誘導コイル16及び芯18を含むコンポーネントヘッド20を移動させる。次いで、ピックアンドプレースツール10は次いで、芯18のコンポーネント係合表面22を接着して取り付けられたコンポーネント12と係合させるように、コンポーネントヘッド20を低くする(例えば、負のz方向に移動させる)。次いで、ピックアンドプレースツール10は、システムアセンブリ14に接着して取り付けられたコンポーネント12を取り付ける接着剤の接着強度を低減させるように、誘導コイル16にAC電流を供給することによって、接着して取り付けられたコンポーネントを加熱することができる。そのような接着剤が加熱されるとき、システムアセンブリ14へ接着して取り付けられたコンポーネント12の接着強度は、回路基板アセンブリ14からの、接着して取り付けられたコンポーネント12の取り除きが可能であるように著しく低減することができる。
【0009】
回路基板アセンブリ14に接着して取り付けられたコンポーネント12を取り付けるために、様々なタイプの接着剤を使用することができる。回路基板アセンブリ14などのそのような回路基板アセンブリに電子コンポーネントを取り付けるために、様々な半田、金属、及び他の接着剤が一般に使用される。接着して取り付けられたコンポーネント12のリードと回路基板アセンブリ14の導電トレースとの間の導電接続のために、そのような様々な接着剤を使用することができる。接着して取り付けられたコンポーネント12及び回路基板アセンブリ14のみの物理的取り付けのために、一部の接着剤を使用することができる。
【0010】
コンポーネント12を取り付けるために使用される接着剤の接着強度が弱くなった後、コンポーネントヘッド20にコンポーネント12を磁気で引き付けるように、誘導コイル16にDC電流を供給することができる。コンポーネント12が磁気で結合された後、ピックアンドプレースツール10は、コンポーネントヘッド20に磁気で結合されたコンポーネント12を持ち上げるように、コンポーネントヘッド20を上昇させることができる(例えば、正のz方向に移動させる)。次いで、ピックアンドプレースツール10は、部品取り除きビンとコンポーネントヘッド20を位置合わせするように、コンポーネントヘッド20を移動させる。最終的に、位置合わせされた部品取り除きビンにコンポーネント12を落下させるように、DC電流がゼロにされ、または反転される。よって、AC電流及びDC電流は、コンポーネント12を加熱し、磁気で結合し、システムアセンブリ14から取り除くように順序付けられる。示される実施形態では、そのような電気励起のシーケンスは、最初に、AC電流を最初に供給することと、次に、DC電流を供給することと、次に、電流を供給しないことまたはDC電流を反転させることを含む。逆の動作のために-システムアセンブリにコンポーネントをプレースし及び引き付けるために、電気励起信号のそのようなシーケンスは、適切に変化する。電気励起信号のそのようなシーケンスは、以下で更に詳細に説明される。
【0011】
図2は、システムアセンブリのコンポーネントを誘導して加熱すること、及び磁気で引き付けることの両方で構成されたコンポーネントヘッドの概略図である。図2では、コンポーネントヘッド20は、芯18の周りに巻き付けられた誘導コイル16を含む。コントローラ22によって誘導コイル16に電気励起信号が供給される。コントローラ22は、ピックアンドプレースツールによって行われる特定の動作に対応する方式において、様々な電気励起信号を順序付ける。示される実施形態では、第1のDC励起信号24が生成され、誘導コイル16に供給される。DC励起信号24が誘導コイル16に供給される時間の間、コントローラ24は、そのようなコンポーネントが取り付けられることになるシステムアセンブリ上の位置に対して、取り付けられたコンポーネントを位置合わせしている。DC励起信号24が終端された後、コントローラ22は、システムアセンブリにコンポーネントを取り付ける接着剤を誘導して加熱するように、AC励起信号26を生成する。AC励起信号26が供給される時間の間、コントローラは、芯18とコンポーネントとの間の良好な熱結合を保証するように、コンポーネントに対して下方向の力(負のz方向に方向付けられた力)を供給していることがある。
【0012】
図3A~3Cは、システムアセンブリ上でのコンポーネントのプレース及び取り外しを例示する概略図である。図3Aでは、コンポーネントヘッド20がコンポーネント12と位置合わせされ(例えば、x-y平面で)、コンポーネント12は、システムアセンブリ14に接着して取り付けられる。示される実施形態では、コンポーネント12は、システムアセンブリ14に取り付けられた電子コンポーネントのためのカバーである。コンポーネントヘッド20が結合することができるいずれかのタイプのコンポーネントをピックアンドプレースするために、コンポーネントヘッドを使用することができる。いくつかの実施形態では、以下で示されるように、コンポーネントヘッド20とコンポーネント12との間の追加のまたは補完的な結合を供給するために、真空を使用して結合を増強することができる。図3Aでは、矢印28は、コンポーネントヘッドがコンポーネント12を係合させるように(例えば、接触する)降ろされていることを示す。
【0013】
図3Bでは、コンポーネント12を加熱するように、AC励起信号26が誘導コイル14に供給される。そのような加熱を、予め定められた持続時間の間に行うことができ、またはコンポーネント12もしくは芯18が予め定められた温度に到達するまで行うことができる。いくつかの実施形態では、コンポーネントヘッド20は、芯20の温度及び/またはコンポーネント12の温度を検知するように構成された温度センサを含む。コンポーネント12が加熱された後(または、その間)、コンポーネントヘッド20にコンポーネント12を磁気で引き付けるように、DC励起信号24が誘導コイル14に供給される。図3Cでは、矢印30は、コンポーネント12を取り除くように、コンポーネントヘッドが上昇されており、コンポーネント12は、システムアセンブリ14からコンポーネントヘッド20に磁気で結合されることを示す。
【0014】
図4は、コンポーネントを誘導して加熱し、接着して取り付け/取り外すように構成されたピックアンドプレースツールの実施形態の側面図である。図4では、半田ボール32を介してシステムアセンブリ14に取り付けられた、接着して取り付けられたコンポーネント12が示される。コンポーネントヘッド20は、誘導コイル16と、補完的高浸透率部材34T及び34Bとを含む。接着して取り付けられたコンポーネント12の周りでシステムアセンブリ14の反対側面に高浸透率部材の補完的ペア34T及び34Bを位置付けることができる。高浸透率部材の補完的ペア34T及び34Bのうちの少なくとも1つは、中心台座36T(図1~3Cに示される実施形態において芯18が動作するように動作する)を含む。示される実施形態では、最上部の高浸透率部材34Tは、中心台座36Tを含む。ここで「最上部」は、接着して取り付けられたコンポーネント12が位置する側と、システムアセンブリ14の同じ側に位置する補完的高浸透率部材34T及び34Bの一方を指す。用語「底部」は、補完的高浸透率部材34T及び34Bのうち、接着して取り付けられたコンポーネント12が位置する側とは反対側に位置するシステムアセンブリ14の他方を指すために使用される。用語「最上部」及び「底部」は、回路基板アセンブリ14の特定の方位を示すために必要とされない。代わりに、補完的高浸透率部材34T及び34Bの間で区別するために、用語「第1の」及び「第2の」を使用することができる。
【0015】
高浸透率部材の補完的ペア34T及び34Bの中心台座24Tの周囲を囲む誘導コイル16を介して、補完的高浸透率部材34T及び34Bに磁場を誘導することができる。コイルドライバ18は、中心台座36Tの周囲を囲む誘導コイル16にAC電流を生成し、それによって、そこに磁場を誘導するように構成される。高浸透率部材34T及び34Bが高浸透率材料から成ることを理由に、そこに誘導されたいずれかの磁場は、誘導された磁場に対する損失を最小にするように、高浸透率部材を介したチャネルである。磁場は、最も高い浸透率の閉じられた経路のメタファである、「最低抵抗」の経路を取る。補完的高浸透率部材34T及び34Bを介して、磁場を方向付けることによって、補完的高浸透率部材34T及び34Bは、高浸透率部材34T及び34Bの内部表面によって定められた内部空洞の外側で磁場露出回路から保護する。そのような空洞内の回路のみが磁場に露出される。
【0016】
高浸透率部材の補完的ペア34T及び34Bのうちの少なくとも1つは、周辺機器台座を有する。示される実施形態では、最上部及び底部の高浸透率部材34T及び34Bの両方は、中心台座36T~中心台座36Bをそれぞれ有する。中心台座36Tは、接着して取り付けられたコンポーネントを通じて、そこに誘導された磁場を方向付けるように構成される。周辺機器台座38T及び38Bは、接着して取り付けられたコンポーネントの周辺の周りの磁場に対する戻り経路を供給するように構成される。誘導コイルは、中心台座36Tの周りに巻き付けられる。よって、構成された中心台座36Tは、芯18が図1~3Cに表された実施形態において機能するように機能する。
【0017】
動作中、補完的高浸透率部材34T及び34Bは、接着して取り付けられたコンポーネント12の周りで回路基板アセンブリの反対側に位置付けられる。高浸透率部材34T及び34Bは、高浸透率部材34T及び34Bの内部表面によって定められた内部空洞に接着して取り付けられたコンポーネント12を実質的に囲むように、クラムシェル形式において位置付けられる。磁場は次いで、コイルドライバ18によって誘導コイル16のAC励起を介して高浸透率部材34T及び34Bに誘導される。誘導された磁場は、接着して取り付けられたコンポーネント12内または下でいずれかの導電材料によりAC電流を誘導するように、接着して取り付けられたコンポーネント12を通じて方向付けられ、それによって、そのような導電材料を加熱する。磁場が方向付けられるこの領域内の位置にある、いずれかの半田、リード、回路基板トレースなどは次いで、それらの誘導されたAC電流に起因して加熱する。そのような加熱は、接着剤を直接加熱することができ(例えば、半田接着剤がこの領域内の位置にある場合)、または接着剤を間接的に加熱することができる(例えば、加熱された導電材料から接着剤への熱伝導を介して)。
【0018】
接着剤が加熱されると、回路基板アセンブリ14から接着して取り付けられたコンポーネント12を取り除くことができる。回路基板アセンブリ14から接着して取り付けられたコンポーネント12を取り除く様々な方法を採用することができる。例えば、最上部の高浸透率部材34Tを上昇させることができ、ツール、ピンセットなどを使用して、接着して取り付けられたコンポーネント12を手動で取り除くことができる。いくつかの実施形態では、最上部の高浸透率部材34Tは、接着して取り付けられたコンポーネント12の最上部の表面に最上部の高浸透率部材34Tを真空で取り付けるように、吸引システムを備えることができる。次いで、最上部の高浸透率部材34Tを上昇させることによって、真空で取り付けられたコンポーネント12がそれによって取り除かれる。
【0019】
図5は、真空技術を使用する部品エクストラクタを含むコンポーネント取り除きツールの実施形態の側面図である。図5では、半田ボール32を介してシステムアセンブリ14に取り付けられた、接着して取り付けられたコンポーネント12が示される。最上部の高浸透率部材34T’は、図4に表された実施形態において示された最上部の高浸透率部材34Tとは異なる。最上部の高浸透率部材34T’は、部品吸引ポート38を含む。部品吸引ポート38は、中心台座34T’を通じた最上部の高浸透率部材34T’の外側表面からの中心開口である。中心台座34T’に接着して取り付けられたコンポーネント12を係合させることができる吸引を供給するように、真空システムを部品吸引ポート38に流体接続することができる。次いで、半田ボール32が融解されたとき(例えば、半田ボールのリフローの間)、最上部の高浸透率部材34T’を取り除くことができ、それによって、コンポーネント12を取り除き、その融解された半田ボール32は、コンポーネント12とシステムアセンブリ14との間の接着剤の取り付けをもはや供給しない。例えば、中心台座34T’に隣接してなどの様々な他の構成に部品吸引ポート38が位置することができる。いくつかの実施形態では、例えば、環状開口は、接着して取り付けられたコンポーネント12による環状吸引シールを供給するように、中心台座34T’の周囲を囲むことができる。
【0020】
可能な実施形態の議論
以下は、本発明の可能な実施形態の非限定的な説明である。
【0021】
装置及び関連する方法は、アセンブリのコンポーネントを加熱し、ピックし、及びプレースするシステムに関する。システムは、磁芯、誘導コイル、及びコントローラを含む。磁芯は、アセンブリのコンポーネントを磁気で及び熱で係合させるように構成されたコンポーネント係合表面を有する。誘導コイルは、磁芯の周りに巻き付けられる。コントローラは、誘導コイルにDC信号及びAC信号を供給する。DC信号は、磁芯に磁場を誘導し、それによって、コンポーネント係合表面と係合されるとき、コンポーネントを磁気で引き付ける。AC信号は、磁芯を誘導して加熱し、それによって、コンポーネント係合表面と係合されるとき、コンポーネントを加熱する。
【0022】
先述の段落のシステムは任意選択で、加えて及び/または代わりに、以下の特徴、構成、及び/または追加のコンポーネントのうちのいずれか1つ以上を含むことができる。
【0023】
先述のシステムの更なる実施形態は更に、磁芯及びその周りに巻き付けられたインダクタを移動させる機械アクチュエータを含むことができる。
【0024】
先述のシステムのいずれかの更なる実施形態では、機械アクチュエータは、x-y位置アクチュエータ及びz位置アクチュエータを含むことができる。x-y位置アクチュエータは、x-y平面で磁芯及び磁芯の周りに巻き付けられたインダクタをコンポーネントと位置合わせするように構成される。z位置アクチュエータは、磁芯をz方向にコンポーネントと係合/離脱させるように構成される。
【0025】
先述のシステムのいずれかの更なる実施形態では、コントローラは更に、最初に、コンポーネントを加熱し、次に、コンポーネントを磁気で引き付けるか、または、最初に、コンポーネントを磁気で引き付け、次に、コンポーネントを加熱するかのいずれかのように、供給されたDC信号及びAC信号を順序付けるように構成することができる。
【0026】
先述のシステムのいずれかの更なる実施形態では、アセンブリからコンポーネントを取り除くとき、コントローラは、最初に、AC信号を供給し、それによって、コンポーネントを加熱することができ、次に、DC信号を供給し、それによって、コンポーネントを磁気で引き付けることができる。
【0027】
先述のシステムのいずれかの更なる実施形態では、アセンブリにコンポーネントを据え付けるとき、コントローラは、最初に、DC信号を供給し、それによって、コンポーネントを磁気で引き付けることができ、次に、AC信号を供給し、それによって、コンポーネントを加熱することができる。
【0028】
先述のシステムのいずれかの更なる実施形態では、コントローラは、コンポーネントを同時に熱で加熱及し磁気で引き付けるように、DC信号及びAC信号の両方を同時に供給するように構成することができる。
【0029】
先述のシステムのいずれかの更なる実施形態では、磁芯は、コンポーネント係合表面と別の表面との間で磁芯の長さに沿った真空開口を有することができる。システムは更に、真空開口に真空を供給し、それによって、コンポーネント係合表面と係合されるとき、コンポーネントの真空結合を供給するように構成された真空コンポーネントエクストラクタを含むことができる。
【0030】
先述のシステムのいずれかの更なる実施形態では、コントローラは、最初に、コンポーネントを加熱し、次に、コンポーネントに真空結合を供給するか、または、最初に、コンポーネントに真空結合を供給し、次に、コンポーネントを加熱するかのいずれかのように、誘導コイルに供給されたAC信号及び真空開口に供給された真空を順序付けるように構成することができる。
【0031】
先述のシステムのいずれかの更なる実施形態では、コントローラは、同時に、コンポーネントを加熱し、及びコンポーネントに真空結合を供給するように、誘導コイルにAC信号を供給すること、及び真空開口に真空を供給することを同時に行うように構成することができる。
【0032】
先述のシステムのいずれかの更なる実施形態では、磁芯は更に、中心台座及び周辺機器台座を含むことができる。中心台座は、アセンブリのコンポーネントを介して、誘導された磁場を方向付けるように構成される。周辺機器台座は、アセンブリのコンポーネントの周辺の付近の磁場に対する戻り経路を供給するように構成される。
【0033】
いくつかの実施形態は、アセンブリのコンポーネントを加熱し、ピックし、及びプレースする方法に関する。方法は、磁芯の係合表面において、コンポーネントを係合させることを含む。方法は、磁芯の周りに巻き付けられた誘導コイルに供給されたDC信号を介して、磁芯に磁場を誘導し、それによって、コンポーネント係合表面と係合されるとき、コンポーネントを磁気で引き付けることを含む。方法はまた、磁芯の周りに巻き付けられた誘導コイルに供給されたAC信号を介して、磁芯を誘導して加熱し、それによって、コンポーネント係合表面と係合されるとき、コンポーネントを加熱することを含む。
【0034】
先述の段落の方法は任意選択で、加えて及び/または代わりに、以下の特徴、構成、及び/または追加のコンポーネントのうちのいずれか1つ以上を含むことができる。
【0035】
先述の方法の更なる実施形態は更に、x-y一アクチュエータを介して、x-y平面で磁芯及び磁芯の周りに巻き付けられたインダクタをコンポーネントと位置合わせすることを含むことができる。
【0036】
先述の方法の更なる実施形態では、機械アクチュエータが、z位置アクチュエータを介して、磁芯をz方向にコンポーネントと係合及び/または離脱させることを含むことができる。
【0037】
先述の方法の更なる実施形態は更に、最初に、コンポーネントを加熱し、次に、コンポーネントを磁気で引き付けるか、または、最初に、コンポーネントを磁気で引き付け、次に、コンポーネントを加熱するかのいずれかのように、供給されたDC信号及びAC信号を順序付けることを含むことができる。
【0038】
先述の方法の更なる実施形態は更に、最初に、コントローラを介して、AC信号を供給し、それによって、コンポーネントを加熱することと、次に、コントローラを介して、DC信号を供給し、それによって、コンポーネントを磁気で引き付けることとによって、アセンブリからコンポーネントを取り除くことを含むことができる。
【0039】
先述の方法の更なる実施形態は更に、最初に、コントローラを介して、DC信号を供給し、それによって、コンポーネントを磁気で引き付けることと、次に、コントローラを介して、AC信号を供給し、それによって、コンポーネントを加熱することとによって、アセンブリにコンポーネントを据え付けることを含むことができる。
【0040】
先述の方法の更なる実施形態は更に、コンポーネントを熱で及び磁気で同時に加熱するように、DC信号及びAC信号の両方を同時に供給することを含むことができる。
【0041】
先述の方法の更なる実施形態では、磁芯は、コンポーネント係合表面と別の表面との間で磁芯の長さに沿った真空開口を有することができる。方法は更に、真空コンポーネントエクストラクタを介して、真空開口に真空を供給し、それによって、コンポーネント係合表面と係合されるとき、コンポーネントの真空結合を供給することを含むことができる。
【0042】
先述の方法の更なる実施形態は更に、最初に、コンポーネントを加熱し、次に、コンポーネントに真空結合を供給するか、または、最初に、コンポーネントに真空結合を供給し、次に、コンポーネントを加熱するかのいずれかのように、誘導コイルに供給されたAC信号及び真空開口に供給された真空を順序付けることを含むことができる。
【0043】
例示的な実施形態(複数可)を参照して発明が説明されてきたが、発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更が行われてもよく、同等物がそのコンポーネントと交換されてもよいことが当業者によって理解されるであろう。加えて、その必須の範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を発明の教示に適合させるために、多くの修正が行われてもよい。したがって、開示される特定の実施形態(複数可)に発明が限定されないが、発明が、添付の特許請求の範囲に収まる全ての実施形態を含むことが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】