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特表2024-507171飲料を抽出するための装置、システム、および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】飲料を抽出するための装置、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/40 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
A47J31/40 101
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548813
(86)(22)【出願日】2022-01-19
(85)【翻訳文提出日】2023-10-05
(86)【国際出願番号】 US2022012904
(87)【国際公開番号】W WO2022173565
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】17/175,196
(32)【優先日】2021-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500027208
【氏名又は名称】スターバックス・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ナタラジャン ヴェンカタクリシュナン
(72)【発明者】
【氏名】ジョゼフ エミール ゴームリー
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA12
4B104BA02
4B104EA19
4B104EA28
(57)【要約】
コーヒーの個別サービング分など、所望の分量の飲料を抽出するための装置、システム、および方法が提供されている。本開示の特定の態様は、既存の自動バルクコーヒー抽出システムのバルクホッパアセンブリの開放されたホッパスロットに結合されるように構成されたバルクホッパ交換ユニットまたは個別サービングフィードホッパアダプタであって、既存の自動バルクコーヒー抽出システムは、通常、このシステムに接続されたバルクホッパ内に貯蔵されたコーヒー豆を使用してバルク飲料を調製するために使用される、バルクホッパ交換ユニットまたは個別サービングフィードホッパアダプタに関する。例えば、個別サービングフィードホッパアダプタにより、有利には、既存の自動バルクコーヒー抽出システムは、バルクホッパのいずれにも現在貯蔵されていない材料(例えば、コーヒー豆)の使用を含む特定の飲料の個別サービング分を調製することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動コーヒー抽出システムのホッパアセンブリのバルクホッパを交換するためのバルクホッパ交換ユニットであって、前記バルクホッパ交換ユニットは、
前記自動コーヒー抽出システムの前記ホッパアセンブリのバルクホッパスロットに取外し可能に係合するように構成されたアダプタ構成要素と、
前記アダプタ構成要素に取外し可能に係合するように構成された容器構成要素と
を有しており、
前記容器構成要素は、前記バルクホッパ内に貯蔵することができるコーヒー豆の量よりも少ない量のコーヒー豆を保持するようにサイズおよび形状が決められた内部容積を画定するコンテナを有しており、
前記アダプタ構成要素は、開口と、前記自動コーヒー抽出システムの粉砕機アセンブリ内への前記コーヒー豆の分配を制御するように構成された、前記開口の下方に位置するフィードオーガとを有しており、
前記容器構成要素が、前記アダプタ構成要素に係合すると、前記アダプタ構成要素内への前記コーヒー豆の移送を容易にするために、前記アダプタ構成要素の前記開口は、前記容器構成要素の前記コンテナの下側開口に整列する、
バルクホッパ交換ユニット。
【請求項2】
前記アダプタ構成要素は、前記自動コーヒー抽出システムの前記ホッパアセンブリの前記バルクホッパスロットとの係合を容易にするように適合された1つ以上のホッパ係合特徴を有している、請求項1記載の交換ユニット。
【請求項3】
前記アダプタ構成要素は、ほぼ垂直の後側部分と、ほぼ水平の前側部分とを有しており、前記前側部分の上面は、前記容器構成要素との係合を容易にするために、前記上面上に配置された係合部材を有しており、前記係合部材が前記開口を有している、請求項1記載の交換ユニット。
【請求項4】
前記容器構成要素は、ハンドルを有している、請求項1または2記載の交換ユニット。
【請求項5】
前記アダプタ構成要素は、前記フィードオーガの回転を制御するために前記フィードオーガに動作可能に連結されたアダプタオーガを有しており、前記アダプタオーガは、前記自動抽出システムの前記ホッパアセンブリのホッパモータに連結するように適合されたオーガカップリングを有している、請求項1から3までのいずれか1項記載の交換ユニット。
【請求項6】
前記フィードオーガは、前記フィードオーガが、前記自動抽出システムの粉砕機アセンブリにほぼ整列するように、前記アダプタ構成要素に沿って配置されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の交換ユニット。
【請求項7】
前記容器構成要素は、前記コンテナの前記下側開口の上方に位置するスロットを有しており、前記容器構成要素は、前記スロット内に挿入されるように適合され、かつ前記コンテナの前記下側開口を覆うようにサイズを決められた取外し可能な保持部材を有しており、これにより、前記コーヒー豆は、前記取外し可能な保持部材が前記スロットから少なくとも部分的に取り外されるまで、前記コンテナ内に保持される、請求項1から6までのいずれか1項記載の交換ユニット。
【請求項8】
前記係合部材は、前記係合部材の対向する側方面に沿って延びるノッチを有している、請求項3記載の交換ユニット。
【請求項9】
前記容器構成要素の下側部分は、前記ノッチ内に嵌合するように適合された内側に延びる側方レールを有している、請求項8記載の交換ユニット。
【請求項10】
前記容器構成要素は、前記側方レールに取外し可能に係合するように構成された保持部材を有しており、これにより、前記コーヒー豆は、前記容器構成要素が前記アダプタ構成要素に係合されるまで、前記コンテナ内に保持される、請求項9記載の交換ユニット。
【請求項11】
前記保持部材は、前記コンテナからの前記コーヒー豆の移送を阻止する閉鎖形態と、前記コーヒー豆が前記コンテナ内にそれ以上保持されない開放形態との間で、前記レールに沿ってスライドするように構成されている、請求項10記載の交換ユニット。
【請求項12】
前記保持部材の先行面による、前記係合部材の前側面との接触によって、前記保持部材は、前記容器構成要素の前記レールに沿って近位方向にスライドさせられ、これにより、前記コンテナの前記下側開口の覆いがなくなり、前記アダプタ構成要素への前記コーヒー豆の移送が可能となる、請求項11記載の交換ユニット。
【請求項13】
自動コーヒー抽出システムのホッパアセンブリのバルクホッパを交換するためのバルクホッパ交換ユニットであって、前記バルクホッパ交換ユニットは、
前記自動コーヒー抽出システムの前記ホッパアセンブリのバルクホッパスロットに取外し可能に係合するように構成されたアダプタ構成要素と、
前記アダプタ構成要素に取外し可能に係合するように構成された容器構成要素と
を有しており、
前記容器構成要素は、コーヒー豆の250グラム未満の最大貯蔵容量を有するようにサイズが決められた内部容積を画定するコンテナを有しており、
前記容器構成要素は、取外し可能なゲートを備え、前記ゲートは、閉鎖形態から開放形態へと移動させられるようになっていて、これにより前記コーヒー豆を前記コンテナから出すことができる、
バルクホッパ交換ユニット。
【請求項14】
前記取外し可能なゲートは、スライド可能に前記容器構成要素に取り付けられている、請求項13記載の交換ユニット。
【請求項15】
前記取外し可能なゲートの先行面による、前記アダプタ構成要素上の係合部材の前側面との接触によって、前記保持部材は近位方向にスライドさせられて前記開放形態となる、請求項14記載の交換ユニット。
【請求項16】
前記アダプタ構成要素は開口を有しており、前記容器構成要素の前記コンテナは下側開口を有しており、前記両開口は、前記容器構成要素が、前記アダプタ構成要素に完全に係合し、前記取外し可能なゲートが前記開放形態に移動させられると整列させられるように構成されている、請求項15記載の交換ユニット。
【請求項17】
前記取外し可能なゲートは、前記閉鎖形態には自動的に付勢されない、請求項13から16までのいずれか1項記載の交換ユニット。
【請求項18】
バルクホッパアセンブリを備える自動コーヒー抽出システムを使用して、コーヒー飲料の個別サービング分を調製する方法であって、当該方法は、
前記自動コーヒー抽出システムの前記バルクホッパアセンブリのバルクホッパスロット上に、バルクホッパ交換ユニットのアダプタ構成要素を取外し可能に装着するステップ、
シングルカップフィードホッパ交換ユニットの容器構成要素に、コーヒー飲料の個別サービング分の調製のために十分な量のコーヒー豆を充填するステップ、
前記容器構成要素を前記アダプタ構成要素に連結するステップ、および
前記コーヒー飲料を調製するために前記自動コーヒー抽出システムを作動させるステップ、
を含む方法。
【請求項19】
前記アダプタ構成要素から前記容器構成要素を取り外すステップ、
第2の容器構成要素に、第2のコーヒー飲料の個別サービング分の調製のために十分な量のコーヒー豆を充填するステップ、
前記第2の容器構成要素を前記アダプタ構成要素に連結するステップ、および
前記第2のコーヒー飲料を調製するために前記自動コーヒー抽出システムを作動させるステップ、
をさらに含む、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記自動コーヒー抽出システムを作動させるステップは、前記アダプタ構成要素が装着されている前記バルクホッパスロットに対応する、前記バルクホッパアセンブリのホッパセレクタを作動させるステップを含む、請求項18または19記載の方法。
【請求項21】
前記自動コーヒー抽出システムの前記バルクホッパアセンブリのバルクホッパスロットから、前記アダプタ構成要素を取り外すステップをさらに含む、請求項18から20までのいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に関する相互参照
本願は、2021年2月12日に出願された米国特許出願第17/175,196号明細書の続きであり、その全体を参照により本明細書に援用するものとする。本願は、米国特許第9,930,987号明細書に関し、その全体を参照により本明細書に援用するものとする。
【0002】
技術分野
本開示は、概して、バルクホッパ交換ユニットであって、このバルクホッパ交換ユニットが、自動バルク飲料調製システム(例えば、自動バルクコーヒー抽出システム)の既存のバルクホッパスロットに係合した後に、飲料(例えば、コーヒー)のシングルカップ分または個別サービング分などの比較的少量分のための抽出を可能にする、バルクホッパ交換ユニットに関する。
【0003】
背景技術
コーヒーなどの抽出飲料のための多数の方法およびシステムが知られている。既存の業務用のコーヒー抽出システムは、複数のホッパスロットを含み、これらのホッパスロットはそれぞれ、複数の異なるコーヒー飲料のバルク調製を容易にするために、異なるコーヒー豆を貯蔵している。しかしながらこのような飲料抽出システムは、ホッパ内に貯蔵されたコーヒー豆を使用するコーヒー飲料の調製に限られている。
【0004】
概要
自動バルクコーヒー抽出システム(例えば、スターバックスコーヒーカンパニーによって提供されるClover(登録商標)自動抽出システム)は、商業的なコーヒー店またはコーヒーハウスにおいて利用されてもよく、一般的に注文されるコーヒー飲料のシングルカップ分またはトラベラー分(例えば、複数カップ分)などの個別サービング分の提供の精度および再現性を効率的な方法で改善することができる。例えば、複数の異なるホッパまたは貯蔵コンテナ内に貯蔵されたコーヒー豆を使用してコーヒー飲料の個別サービング(例えば、シングルカップ)分を調製するために、有利には、同じ粉砕機アセンブリおよび抽出アセンブリを使用することができる。しかしながら、店舗の利用者が、自動バルクコーヒー抽出システムに現在取り付けられているホッパのいずれにおけるコーヒー豆とも異なるコーヒー豆を必要とするコーヒー飲料を注文した場合、バリスタは、所望のコーヒー飲料の個別サービング(例えば、シングルカップ)分を調製するために、異なるコーヒー調製機(例えば、フレンチプレスのコーヒーメーカーまたはハンドドリップのコーヒー抽出器)を使用する必要があり得る。これにより結果として、非効率(例えば、処理量の低下、追加のクリーニング時間、追加の調製時間)、追加の必要な機器(ひいては、狭い飲料および/または食品調製エリアにおける追加のスペース)、ならびに長い待機時間および/または自動化の見通しの欠如による顧客満足の低下を招き得る。
【0005】
本開示の特定の態様は、バルクホッパ交換ユニットまたは個別サービングフィードホッパアダプタであって、シングル自動バルク飲料調製システム(例えば、スターバックスコーヒーカンパニーによって運営されているコーヒー店で商業的に使用されている、Clover(登録商標)自動抽出システム)を使用して様々な飲料(例えば、コーヒー飲料)の個別サービング分をバリスタまたは他のユーザーが抽出することができるバルクホッパ交換ユニットまたは個別サービングフィードホッパアダプタに関する。例えば、バルクホッパ交換ユニットまたは個別サービングフィードホッパアダプタは、自動バルク飲料調製システム(例えば、自動バルクコーヒー抽出システム)のバルクホッパアセンブリの開放されたホッパスロットに取外し可能に係合する(ホッパスロット上にまたはホッパスロット内に装着される、嵌合される、結合される、または連結される)ように構成されたアダプタ構成要素またはモジュールを含む。アダプタ構成要素は、例えば、バルクホッパの代わりになる(例えば、既存のバルクホッパスロット内に嵌まり、ホッパモータ、粉砕機アセンブリにつながるシュート、ホッパセレクタアセンブリなどの従来のバルクホッパが係合または連結するであろう構成要素または機構に係合または連結する)取付けドックを含んでいてもよい。
【0006】
バルクホッパ交換ユニットはさらに、アダプタ構成要素(例えば、取付けドック)に取外し可能に嵌合または係合するように構成された容器構成要素またはモジュールも含むことができる。容器構成要素は、アダプタ構成要素がバルクホッパスロットに係合される前または係合された後に、アダプタ構成要素に係合、嵌合、またはその他の形式で連結されてもよい。複数の個別サービング用の容器構成要素に、所望の各コーヒー飲料のための適切なコーヒー豆材料を予め充填することができ、そして、自動バルク飲料調製システム(例えば、自動バルクコーヒー抽出システム)を使用して各コーヒー飲料の様々な個別サービング分を調製するために、アダプタ構成要素に交換可能に係合されるように、準備しておくまたは並べておくことができる。いくつかの実現形態では、バルクホッパ交換ユニットは、コーヒー店において、フレンチプレスまたはハンドドリップコーヒーメーカーの必要性をなくすかもしれない。
【0007】
容器構成要素は、容器構成要素がアダプタ構成要素に係合されるまで、所望の飲料の個別サービング分を調製するために必要な内容物(例えば、コーヒー豆)を、一時貯蔵容器またはコンテナの内部容積内に保持するスライドゲートまたは他の保持機構を含むことができる。容器構成要素がアダプタ構成要素に係合されると、スライドゲートまたは他の保持機構は、容器構成要素の貯蔵コンテナの内容物が、貯蔵容器を出ることができる(例えば、スライドゲートまたは他の保持機構によってそれ以上は保持されない)第2の形態(例えば、開放またはロック解除形態)に自動的に動かされるまたは移行させられる。別の実現形態では、スライドゲートまたは他の保持機構は、第1の形態と第2の形態との間を手動で動かされるまたは移行させられる。
【0008】
アダプタ構成要素は、スライドゲートまたは他の保持機構が取り外されたときに、容器構成要素の貯蔵容器またはコンテナの内容物を受け取るように構成された開口を有していてもよい。アダプタ構成要素は、容器構成要素から受け取った内容物(例えば、コーヒー豆)の、自動飲料調製システム(例えば、バルクコーヒー抽出システム)の粉砕機アセンブリ内への制御された調量を容易にするために、アダプタ構成要素の内部容積内に少なくとも部分的に配置されているフィードオーガを有することができる。バルクホッパ交換ユニットの構成要素またはモジュールは、クリーニングを容易にするために、いかなる工具もなしに、分解することができる。アダプタ構成要素は、オーガに接続されるホッパモータを有していてもよい。ホッパモータは、オーガを時計回り方向および反時計回り方向に回転させることができる。別の実現形態では、ホッパモータは、自動飲料調製システム(例えば、バルクコーヒー抽出システム)のホッパアセンブリの構成要素である。
【0009】
本明細書に開示された任意の特徴、構造またはステップは、本明細書に開示された任意の他の特徴、構造もしくはステップと置き換えるか、または組み合わせることができるか、または省略することができる。さらに、開示を要約する目的で、本発明の特定の態様、利点、および特徴が本明細書に記載されている。本明細書に開示された本発明の任意の特定の実施形態により、そのような利点のいずれかまたはすべてが達成されることは必須ではないことを理解されたい。本開示のどの態様も、必須または不可欠ではない。
【0010】
添付の図面には例示の目的で種々の実施形態が示されており、これらの実施形態は決して、実施形態の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。さらに、開示される種々の実施形態の様々な特徴を組み合わせて、さらなる実施形態を形成することも可能であり、これらの実施形態は本開示の一部である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】本明細書に開示されたバルクホッパ交換ユニットまたは個別サービングフィードホッパシステムの実施形態と共に使用することができる自動バルクコーヒー抽出システムを示す斜視図である。
図1B図1Aに示した自動バルクコーヒー抽出システムの正面図である。
図1C図1Aに示した自動バルクコーヒー抽出システムの背面図である。
図1D図1Aに示した自動バルクコーヒー抽出システムの側面断面図である。
図1E図1Aに示した自動バルクコーヒー抽出システムの正面断面図である。
図2】自動飲料調製システムの概略的なブロック図である。
図3A】互いに連結された2つの主要構成要素を備えたバルクホッパ交換ユニットの実施形態を示す斜視図である。
図3B】互いに連結された2つの主要構成要素を備えたバルクホッパ交換ユニットの実施形態を示す斜視図である。
図3C】分離された2つの主要構成要素を備えたバルクホッパ交換ユニットを示す斜視図である。
図4A図3A図3Cに示したバルクホッパ交換ユニットの保持部材の動作を示す図であり、バルクホッパ交換ユニットのコーヒー容器構成要素から取り外された保持部材と共に示す斜視図である。
図4B図3A図3Cに示したバルクホッパ交換ユニットの保持部材の動作を示す図であり、閉鎖形態にある保持部材を有するコーヒー容器構成要素を示す断面図である。
図4C図3A図3Cに示したバルクホッパ交換ユニットの保持部材の動作を示す図であり、閉鎖形態にある保持部材を有するコーヒー容器構成要素を示す底面斜視図である。
図5A図3Aに示したバルクホッパ交換ユニットを示す側面断面斜視図である。
図5B図3Aに示したバルクホッパ交換ユニットを示す別の断面図である。
図6A図1A図1Eの自動バルクコーヒー抽出システムと共に使用されてもよいバルクホッパ交換ユニットの別の実施形態を示す図である。
図6B図1A図1Eの自動バルクコーヒー抽出システムと共に使用されてもよいバルクホッパ交換ユニットの別の実施形態を示す図である。
図6C図1A図1Eの自動バルクコーヒー抽出システムと共に使用されてもよいバルクホッパ交換ユニットの別の実施形態を示す図である。
図6D図1A図1Eの自動バルクコーヒー抽出システムと共に使用されてもよいバルクホッパ交換ユニットの別の実施形態を示す図である。
図7A】本明細書に開示されたバルクホッパ交換ユニットの別の実施形態を、どのようにして図1A図1Eの自動バルクコーヒー抽出システムと共に使用することができるかの例を示す図であり、自動バルクコーヒー抽出システムのバルクホッパアセンブリのホッパスロットの1つに取り付けられた、バルクホッパ交換ユニットが示されている。
図7B】本明細書に開示されたバルクホッパ交換ユニットの別の実施形態を、どのようにして図1A図1Eの自動バルクコーヒー抽出システムと共に使用することができるかの例を示す図であり、バルクホッパ交換ユニットの容器構成要素が、アダプタ構成要素から取り外されていて、アダプタ構成要素は、同じまたは異なる容器構成要素と共にさらに使用するために装着されたままである。
【0012】
詳細な説明
図1A図1Eは、コーヒー飲料のシングルカップ分またはトラベラー分(例えば、複数カップ分)などの個別サービング分を迅速かつ自動的に抽出するように設計された、自動バルクコーヒー抽出システム2の例示的な実施形態を示している。一般的に、コーヒー抽出システム2は、上側部分4および下側部分6を有していてもよい。上側部分4および下側部分6は、(図1Dに示された)粉砕機アセンブリ34および抽出アセンブリ36を含む内部構成要素を収容している。外部構成要素は、バルクホッパアセンブリ8、ホッパセレクタアセンブリ10、ユーザーインターフェースアセンブリ12、廃棄物容器アセンブリ14、ディスペンスアセンブリ16、およびベース部分18を含む。
【0013】
上述したように、コーヒー抽出システム2により、ユーザーは、多種のバルク状のコーヒー飲料のシングルカップ分またはトラベラー分を迅速かつ簡単に抽出することができる。異なる種類のコーヒー飲料を収容するために、コーヒー抽出システム2のバルクホッパアセンブリ8は、複数のホッパ20を収容するように適合されており、複数のホッパのそれぞれが、異なる種類のコーヒー飲料材料(例えば、深煎りコーヒー豆、中煎りコーヒー豆、浅煎りコーヒー豆、および/またはカフェインレスコーヒー豆)を収容することができる。コーヒー抽出システム2のバルクホッパアセンブリ8は、(図示したように)3つのバルクホッパを、または3つ以上もしくは3つ未満のホッパを収容するように構成されていてもよい。
【0014】
バルクホッパアセンブリ8は、コーヒー抽出システム2の上側部分4の上方に配置されていてもよい。例えば、バルクホッパアセンブリ8は、ホッパ20を保持するためのホッパ保持体22を含むことができる。ホッパセレクタアセンブリ10は、所望の飲料材料(例えばコーヒー豆の種類)に基づき1つ以上のホッパ20を選択するために使用することができる複数のパドル24を有している。さらに、パドル24は、抽出サイクルの完了を示すために機械的にリセットすることができる。各パドル24は、別個のホッパスロットに対応している。パドル24は、ホッパ20に整列させることができる。パドル24とホッパ20との整列により、各パドル24と選択されたホッパスロットとの間の対応の視覚的な確認を提供することができる。
【0015】
パドル24のうちの1つ以上を押し下げることにより、コーヒー抽出システム2のための抽出サイクルを開始することができる。パドル24のうちの1つ以上を押し下げることにより、ホッパ20のうちの1つまたは複数の制御される供給アセンブリ(例えば、オーガ38)を作動させる。パドル24のうちの1つ以上が手動で解放されると(例えば、持ち上げられると)、パドル24は、(例えば、飲料の分配前に)抽出サイクルを終了することができる。パドル24および/またはオーガ38は、特定のホッパが選択されたときに、装置のユーザーにかつ/または顧客に、視覚的確認を提供するように構成することができる。例えば、1つ以上のパドルの選択は、コーヒー抽出システム2の外側から目視可能であってもよい各ホッパの内容物の攪拌を開始させることができる。
【0016】
ユーザーインターフェースアセンブリ12は、飲料パラメータ、設定またはメンテナンスのリマインダなどの、コーヒー抽出システム2に関するデータまたは情報を表示することができる表示画面26を含んでいてもよい。コーヒー抽出システム2は、表示される情報の種類を制御するためのまたは特定のパラメータもしくは設定を入力するための表示制御装置28を含んでいてもよい。表示画面は、スクロールしてメニューオプションを選択するためのタッチパネルディスプレイまたは複数の入力ボタンを有していてもよい。廃棄物容器アセンブリ14は、抽出後の「使用済み」コーヒー粉砕物を収容するための容器を有する。容器は、内容物の排出を容易にするために取外し可能であってもよい。
【0017】
ディスペンスアセンブリ16は、抽出されたコーヒー飲料の、ベース部分18上に配置されたコンテナ30への分配を容易にする。ベース部分18は、あらゆるこぼれた飲料を捕捉するためのドリッププレート32を含むことができる。ベース部分18を、排出部と流体連通させることができる。
【0018】
図1Dを参照すると、コーヒー抽出システム2の内部構成要素は、粉砕機アセンブリ34および抽出アセンブリ36を有していてもよい。ホッパ20は、フィードオーガ38とホッパモータ40とを含む。ホッパモータ40は、フィードオーガ38を回転させるように構成されていて、フィードオーガは、制御された量のコーヒー豆を粉砕機アセンブリ34に提供するように構成されている。図1Eを参照すると、粉砕機アセンブリ34は、ホッパ20の下方に配置されていて、ホッパアセンブリ8は、ホッパ20から粉砕機アセンブリ34へのコーヒー豆の供給を容易にするために先細りしたシュート39を有していてもよい。いくつかの実現形態では、ホッパモータは、ホッパアセンブリ8の構成要素(例えば、ホッパ保持体22)であってもよいが、ホッパ20ではない。
【0019】
各ホッパ20またはホッパ20のサブセットは、単一の粉砕機アセンブリ34と連通していてもよい。すべてのホッパのためにまとめて単一の粉砕機アセンブリ34を使用することにより、製品コストを減じ、故障ポイントを減じ、コーヒー抽出システム2のサイズを減じることができる。
【0020】
粉砕機アセンブリ34は、コーヒー豆を挽いて粉にするように構成されていて、制御された粉砕サイズを提供するように構成されていてもよい。粉砕機アセンブリ34は、選択された飲料に基づいて粉砕サイズを自動的に調節するための粉砕機調節機構を含むことができる。さらに、粉砕機アセンブリ34は、詰まりを解消するための、または粉砕機アセンブリ34がコーヒー抽出システム2に正しく配置されていないときに動作を防止するための様々な安全機能部も有することができる。
【0021】
抽出アセンブリ36は、温水および粉砕機アセンブリ34からのコーヒー粉を使用してコーヒー飲料を抽出するように構成されている。抽出アセンブリ36は、この場合、調製されたコーヒー飲料をディスペンスアセンブリ16に供給する。
【0022】
図1Cを参照すると、コーヒー抽出システム2に電気を供給するために、コーヒー抽出システム2の背面に1つ以上の電力ケーブル37a,37bを接続することができる。コーヒー抽出システム2は、コーヒー抽出システム2を冷却するための複数の通気口41も有することができる。コーヒー抽出システム2の背面は、コーヒー抽出システム2への、およびコーヒー抽出システム2からの情報を伝送するための複数のイーサネットポートまたはUSBポート42を有することもでき、例えば、デイジーチェーンを形成している。別の例として、コーヒー抽出システム2の使用に関する情報を、中央のデータベースに伝送し、データを集めることができる。さらに別の例では、ソフトウェアのアップデートを、コーヒー抽出システム2に伝送することができる。コーヒー抽出システム2は、例えば、電力使用を調整するために、別のコーヒー抽出システムと通信することができる。さらに、コーヒー抽出システム2は、コーヒー抽出システム2の背面に配置された回路ブレーカ43含むことができる。
【0023】
コーヒー抽出システム2は、特定の特徴と共に説明されているが、上述のアセンブリまたは構成要素のうちの1つまたは複数は、省略、置換、統合されてもよく、または複数のサブアセンブリに分割されてもよい。図2に関連して後述する、または参照により援用される前述した米国特許第9,930,987号明細書に記載の付加的な構造的特徴および動作的特徴も含むことができる。
【0024】
図2は、飲料を抽出するための飲料装置1000を示す概略的なブロック図である。飲料装置1000の構成要素は、コーヒー抽出システム2に実装されてもよい。飲料装置1000およびコーヒー抽出システム2は、コーヒー以外の飲料(例えば、茶、ココア)を抽出してもよいが、説明のために、飲料装置1000の構造および動作は、コーヒーを抽出する機械(例えば、コーヒー抽出システム2)に関連して説明される。
【0025】
飲料装置1000は、吸水アセンブリ1002を含むことができる。吸水アセンブリ1002は、飲料を抽出するために使用される水をろ過するための水フィルタを有することができる。しかしながら、コーヒー抽出システム2が、機械とは別個の水浄化システムを有する設備に設置される場合、水フィルタは必須でなくてもよい。吸水アセンブリ1002は、ヒートシンクを含むことができ、ヒートシンクを通って水が流れることができる。ヒートシンクは、ヒートシンクを通る水への熱伝達によって、伝導熱または放射熱などを散逸させることができる。水への熱伝達により、水がボイラ1004に入る前に、水を予熱することができる。ボイラ1004に入る前に水を予熱することにより、ボイラ1004および/またはコーヒー抽出システム2内の他の構成要素のために必要な電力を減じることができる。少なくともある程度の水は、ボイラ1004へと直接流れることができ、存在しているならば吸水アセンブリ1002を迂回することができる。
【0026】
ボイラ1004は、吸水アセンブリ1002から水を受け取りかつ貯蔵することができ、貯蔵した水を所望の温度に、例えば150°F~水の沸点の直前の範囲の温度に、例えば約190°F~約200°Fの温度に加熱することができる。
【0027】
飲料調製装置1000は、ボイラ1004内の水温またはボイラ1004から流れる水の温度を測定するための1つ以上のセンサを含むことができる。例えば、飲料装置1000は、カップごとに異なる抽出温度を提供するためにボイラ1004からの水の温度を変化させることができる水温制御アセンブリ1006を有することができる。水温制御アセンブリ1006は、抽出サイクルの間にボイラ1004から水を受け取ることができ、制御装置1026に応答して、ボイラ1004から受け取った水の温度を調節することができる。水温制御アセンブリ1006は、飲料を抽出するために使用される水の温度を下げるために、ボイラ1004からの加熱された水を、吸水アセンブリ1002または水入口からのより低温の水と混合することができる。水温制御アセンブリ1006は、加熱された水と実際に混合することなく、低温の水が、加熱された水を冷却することを可能とする熱交換器を有していてもよい。水温制御アセンブリ1006は、飲料を抽出するために使用される水を、ボイラ1004内の水の温度以上に加熱することもできる。
【0028】
水温制御アセンブリ1006は、抽出チャンバにおける流体の温度を検知することができる。検知された温度に基づき、水温制御アセンブリ1006は、抽出チャンバへと流れる水の温度を制御することができる。例えば、抽出チャンバ内の流体の温度が高すぎる場合には、抽出アセンブリ1010に冷水を向かわせることができる。抽出チャンバ内の流体の温度が低すぎる場合には、抽出アセンブリ1010に高温水を向かわせることができる。
【0029】
交換的に、飲料装置1000は、水温制御アセンブリ1006を有していなくてもよく、水を所望の温度に加熱するためにボイラ1004に依存してもよい。
【0030】
水計量および搬送アセンブリ1008は、抽出サイクル中、予め規定された量の水を温度制御アセンブリ1006から抽出アセンブリ1010へと搬送する。抽出アセンブリ1010は、水計量および搬送アセンブリ1008から加熱された水を受け取り、粉砕機アセンブリ1024から粉材料を受け取り、飲料を抽出し、次いで抽出された飲料を、流体搬送アセンブリ1012を介してディスペンスアセンブリ1014へと提供することができる。
【0031】
水計量および搬送アセンブリ1008は、ポンプを含んでいなくてもよく、流体を抽出チャンバ1010へと移動させるために重力および/または外部の流体ライン圧に依存していてもよい。制御装置1026は、飲料装置1000における複数の流量計に基づいて、抽出アセンブリ1010に提供される水の量を決定することができる。しかしながら、水計量および搬送アセンブリ1008は、抽出アセンブリ1010に水を向かわせるためのポンプを含むこともできる。制御装置1026は、ポンプ速度およびポンプが作動している時間の長さに基づき、抽出アセンブリ1010に提供される水の量を決定することができる。
【0032】
水計量および搬送アセンブリ1008は、クリーニングサイクル中に所定の量の水を、抽出アセンブリ1010へと搬送することもできる。抽出アセンブリ1010は、使用済みの粉材料および残留物を抽出アセンブリ1010から固体廃棄物廃棄部1020へ移動させるために、プラウアセンブリなどのクリーニングシステムを有することもできる。固体廃棄物廃棄部1020は、排出のために周期的に取り出される、または電子ごみディスポーザに接続された、またはコーヒー抽出システム2が設置されている設備の下水ラインに直接に接続された容器を有してもよい。さらに、固体廃棄物廃棄部1020は、水道水を受け取るように接続されてもよく、「粉砕されつくされた」使用済みコーヒーを廃棄ユニットからごみディスポーザユニット内へまたは直接に下水ラインへ流し込むために水道水を使用してもよい。固体廃棄物廃棄部1020は、例えば各カップのコーヒーの抽出後に、自動的な洗浄シーケンスを周期的に開始してもよく、または洗浄シーケンスを手動で開始してもよい。いくつかの実現形態では、固体廃棄物廃棄部1020は、液体廃棄物廃棄部1016と同じである。
【0033】
飲料装置1000は、飲料をディスペンスアセンブリ1014へと向かわせる、かつ/または液体廃棄物を液体廃棄物廃棄部1016(例えば、廃棄物容器または排出部)へと向かわせる流体搬送アセンブリ1012を有していてもよい。流体搬送アセンブリ1012は、抽出アセンブリ1010の内部とディスペンサアセンブリ1014との間に流体連通が提供される第1の弁位置と、抽出アセンブリ1010と液体廃棄物廃棄部1016との間に流体連通が提供される第2の弁位置との間を移行することができる弁または弁アセンブリを有することができる。流体搬送アセンブリ1012は、制御装置1026に応答して、第1の弁位置と第2の弁位置との間を移動してもよい。
【0034】
ディスペンスアセンブリ1014は、1つ以上のディスペンサを含むことができる。例えば、ディスペンスアセンブリ1014は、選択された飲料を分配することができる飲料ディスペンサを含むことができる。ディスペンスアセンブリ1014は、水ディスペンサを含むことができる。水ディスペンサは、ボイラ1004および/または装置1000の外部の水源に接続された1つ以上の流体入口を有していてもよい。ディスペンスアセンブリ1014は、流体の流入および流出を制御する1つ以上の弁アセンブリを含むことができる。
【0035】
ディスペンサアセンブリ1014が、抽出された飲料(または後述するように水)をコンテナに充填する間、ベースアセンブリ1018は、コンテナを保持または収容することができる。ベースアセンブリ1018は、例えばカップからこぼれたものおよびディスペンサアセンブリ1014からの滴を吸収するための排出部分を有することができる。排出部分は、排出のために取外し可能であるか、液体廃棄物廃棄部1016に接続されているか、またはコーヒー飲料システム2が設置されている設備の下水ラインに直接に接続されていてもよい。ベースアセンブリ1018は、コンテナがベースアセンブリ1018内に存在するか否かを制御装置1026に示すためのコンテナ検出ユニット(図示せず)を含むことができる。抽出アセンブリ1010が飲料を抽出した後にコンテナが存在しない場合、制御装置1026は、抽出された飲料の分配を阻止するために流体搬送アセンブリ1012を停止させることができるか、または閉鎖することができる。別の例として、クリーニングサイクル中コンテナが存在している場合、制御装置1026は、コンテナ内へのすすぎ水の分配を阻止するために流体搬送アセンブリ1012を停止させることができ、または閉鎖することができる。カップ検出ユニットは、光学センサ、機械的センサまたは超音波センサなどの任意の形式のセンサを含んでいてもよい。
【0036】
飲料装置1000は、粉砕機アセンブリ1024へ供給される飲料材料を保持するための1つ以上のホッパアセンブリ1022を有していてもよい。制御装置1026は、粉砕機アセンブリ1024に供給すべき飲料材料の量を表示してもよい。コーヒー抽出システム2が複数のホッパアセンブリ1022を有する場合、各ホッパアセンブリ1022に異なる種類の飲料材料を充填することができる。
【0037】
制御装置1026に応答して、粉砕機アセンブリ1024は、ホッパアセンブリ1022からの飲料材料を粉砕し、次いで、所定の量の粉砕された材料を抽出アセンブリ1010へ提供することができる。粉砕サイズは、抽出されるコーヒーの味およびその他の特性に影響を与える場合があるので、制御装置1026は、複数の粉砕サイズ(例えば、粗い、普通、細かい)のうちの1つを粉砕機アセンブリ1024に示してもよい。
【0038】
飲料装置1000は、制御装置1026および関連する回路を装置1000の他の構成要素から分離するためのバリア1028を含むことができる。例えば、高温の水および飲料の抽出から生じる蒸気は、凝縮し、制御装置1028を損傷させ、またはさもなければ動作不能にすることがある。さらに、低温の水道水を搬送する管路表面上で生じる凝縮も、同様の問題を引き起こすおそれがある。したがって、湿気バリア1028は、制御装置1026および関連する回路を乾燥状態に保つのに役立つ。
【0039】
制御装置1026は、上述したように、飲料装置1000のいくつかのまたはすべてのその他の構成要素の動作を制御し、プロセッサ1032、メモリ1038、コントロールパネルおよびディスプレイ1030、および通信ポート1036を含む。
【0040】
プロセッサ1032は、メモリ1038または別のメモリ(図示せず)に記憶されたソフトウェアプログラムを実行し、上述および後述するように、飲料装置1000の構成要素の動作を制御する。
【0041】
1つ以上のソフトウェアプログラムの記憶に加えて、メモリ1038は、所定の抽出パラメータまたはさらに詳しく後述するレシピのセットを記憶することができる。メモリ1038は、機械動作に関するデータ(例えば、抽出された飲料の数、抽出された飲料の種類、または抽出された飲料のサイズ)も記憶することができる。
【0042】
コントロールパネルおよびディスプレイ1030により、オペレータは、抽出オプション(例えば、コーヒーの種類、カップサイズ、および抽出パラメータ)を入力することができ、またはプロセッサ1032がディスプレイ上に生成することができるメニューから抽出オプションを選択することができる。例えば、オペレータは、コントロールパネルおよびディスプレイ1030を介して、個別の抽出パラメータ(例えば、粉砕サイズ、水温、抽出時間およびコーヒー粉対水の比)、またはメモリ1038に記憶された所定の抽出パラメータのセットを選択することができる。後者の一例として、コーヒー焙煎者が、そのコーヒーのために好ましい抽出パラメータを決定していてもよい。この場合、これらの好ましいパラメータをセットとしてメモリ1038に記憶させ、このセットを、コーヒーの名前または種類などの識別子に関連づけることができる。したがって、時間のかかる作業であり得る各抽出パラメータの個別の入力または選択に代わって、オペレータは、単にメニューから識別子を入力または選択すればよく、制御装置1026が、飲料装置1000に、識別子に対応するパラメータのセットに従ってコーヒーを抽出させる。
【0043】
いくつかの実施形態では、コントロールパネルおよびディスプレイに対して交換的にまたは付加的に、飲料装置1000は、抽出オプションを選択するための複数の別の入力制御部1034を含むことができる。
【0044】
通信ポート1036により、プロセッサ1032と、メモリ1038と、コントロールパネルおよびディスプレイ1030とを、飲料装置1000の外部の1つ以上のデバイスに通信させることができる。例えば、ポート1038は、コンピュータに接続されていてもよく、これにより、コンピュータからのプログラミングまたは診断の実行を行うことができる。ポート1038は、情報(例えば、抽出パラメータまたは電源情報)を通信するために別の飲料装置1000に接続されてもよい。別の例として、ポート1036は、インターネットに接続されてもよく、これにより、抽出パラメータのセットなどのデータをメモリ1038にダウンロードするか、または飲料装置1000から使用統計をアップロードすることができる。さらに、ポート1036は、無線チャネルを介して、コーヒーのコンテナまたはコーヒーカップ上のRFIDタグまたはバーコードから抽出パラメータのセットなどを受信してもよい(タグは、カップ所有者の好みのコーヒー種類、カップサイズまたは抽出パラメータを保持していてもよい)。さらに、ポート1036により、プロセッサ1032は、コーヒーを飲む人の好みおよび抽出されたカップの数などの人口統計学的な情報を、コーヒー焙煎者もしくは供給業者へ、または飲料装置1000の製造業者/供給業者へダウンロードすることを可能にされてもよい。
【0045】
本明細書に記載された、粉砕サイズ調整、抽出アセンブリ、水入力システム、飲料分配特徴およびプラウアセンブリを含むがこれらに限定されない特徴の多くは、飲料を迅速に抽出するように設計されている。飲料の個別サービング分(例えば、シングルカップ分)のための既存の抽出プロセスには、60秒超かかることが多い。これに対し、本明細書に記載したコーヒー抽出システム2は、約60秒以下、例えば、40秒未満、約35秒未満または約30秒未満で、飲料の個別サービング分(例えば、シングルカップ分)を粉砕、抽出および分配することができる。いくつかの実施形態では、コーヒー抽出システム2は、約10秒未満または約5秒未満で、個別サービング分(例えば、シングルカップ分)を分配することができる。さらに、いくつかの実施形態では、抽出アセンブリのクリーニングを含むリセットプロセスも、約30秒以下で可能である。
【0046】
飲料装置1000の交換的な実施形態が考えられる。例えば、上述したユニットまたは構成要素の1つ以上は省かれてもよく、複数のユニットの機能がより少数のユニットに統合されてもよく、または単一のユニットの機能が複数のユニットに分割されてもよい。
【0047】
図3A図3Cを参照すると、自動バルク飲料調製システムまたは装置(例えば、コーヒー抽出システム2および/または飲料装置1000)と共に使用されてもよいバルクホッパ交換ユニットまたは個別サービングフィードホッパアダプタ300の実施形態が示されている。個別サービングフィードホッパアダプタ300は、2つの主要構成要素またはモジュール、すなわちアダプタ構成要素301および容器構成要素302を含む。2つの主要な構成要素は特に有利であり得るが、付加的な中間構成要素を使用することもでき、または2つの主要な構成要素を副構成要素に細分することもできる。
【0048】
アダプタ構成要素301は、自動バルク抽出システムの開かれたバルクホッパスロット(例えば、コーヒー抽出システム2のホッパ保持体22)の上にまたは内部に、バルクホッパの代わりとして取り付けられるように適合させられた取付けドックである。アダプタ構成要素301は、バルクホッパと同じ嵌合特徴または係合特徴を有していてもよい。アダプタ構成要素301は、後側部分304および前側部分305を有する外側ハウジング303を含むことができる。後側部分304はほぼ垂直であってもよく、前側部分はほぼ水平であってもよく、これによりほぼ「L」字形を形成している。後側部分304は、アダプタ構成要素301が、自動バルク抽出システムのホッパスロット(例えば、コーヒー抽出システム2のホッパアセンブリ8)の対応する構造的特徴と嵌合または係合することができるようにサイズおよび形状が決められた構造的特徴を有することができ、これにより、自動バルク抽出システム(例えば、コーヒー抽出システム2)を使用する飲料の調製(例えばコーヒー飲料の抽出)は容易になる。例えば、アダプタ構成要素301の後側部分304は、(図5Aに示された)アダプタオーガ307を、自動バルク抽出システムのホッパモータ(例えば、コーヒー抽出システム2のホッパモータ34)に連結するように適合されたオーガカップリング306を含むことができる。いくつかの実現形態では、アダプタ構成要素301は、オーガカップリング306に連結されたホッパモータを含んでいてもよい。
【0049】
図3Bを参照すると、後側部分304は、自動バルク抽出システムのホッパスロットの対応する構造と連結するように適合させられた後側連結器308を有していてもよく、これにより、アダプタ構成要素301は、ホッパスロットと適切に係合する(例えば、ホッパスロット上にまたはホッパスロット内に取り付けられる)。図3Aに最もよく示されているように、アダプタ構成要素301の前側部分305は、ホッパスロットとのアダプタ構成要素301の係合を容易にするように、またはホッパスロットからのアダプタ構成要素301の簡単な取外しの開始を容易にするように構成されたタブ309を含んでいてもよい。アダプタ構成要素301は、あらゆる点で、バルクホッパ交換ユニットではなくてバルクホッパが接続されているかのように、自動バルク抽出システム(例えば、コーヒー抽出システム2)にとっては現れていてもよい。
【0050】
図3Cを参照すると、アダプタ構成要素301の前側部分305のプラットフォームの上面は、係合部材310を含んでいてもよい。係合部材310は、中央開口311を含む。係合部材310は、係合部材310の各側方面上に形成されたスロットまたは溝312を有している。スロットまたは溝312は、容器構成要素302の下側部分314(例えば、水平プラットフォーム)上に形成されたまたは下側部分314から延びている対応するレール313を受容するように適合されている。レール313の内面は、スロットまたは溝312への挿入およびスロットまたは溝312に沿ったスライド運動を容易にするために丸み付けられていてもよい。レール313は、容器構成要素302がアダプタ構成要素301の前側部分305のプラットフォームの上面に沿って水平方向に前進するときに、アダプタ構成要素301の係合部材310のスロットまたは溝312内に挿入されかつこれに沿ってスライドするように適合されている。スロットまたは溝312と対応するレール313との間の嵌合インターフェースは、シングルカップ容器構成要素302とアダプタ構成要素301との間の取外し可能な係合または嵌合を容易にする。希望および/または必要に応じて、図示したもの以外の他の適切な連結設計または特徴。容器構成要素302が係合部材310に沿って完全に前進させられると(例えば、後側部分303の前壁316と接触すると)、中央開口311は、容器構成要素302の貯蔵容器またはコンテナ315の底部における対応する下側開口と整列させられるように適合されている。図5Aに関連してさらに詳細に示されかつ説明されるように、アダプタ構成要素301は、中央開口311の下方に配置されたフィードオーガ317を有する。フィードオーガ317は、フィードオーガ317の回転を容易にするために、アダプタオーガ307に動作可能に連結されている。
【0051】
容器構成要素302は、貯蔵容器315、ハンドル318、および保持部材319を有している。貯蔵容器315は、コーヒー豆(または他の飲料の内容物)を収容するのに適した上側開口320と、アダプタ構成要素301の中央開口311と整列するように適合された下側開口321とを備え、これにより保持部材319が下側開口321を遮断しないように、または覆わないように移動させられたときにフィードオーガ317へのコーヒー豆の放出は容易にされる。図示したように、上側開口320は下側開口321よりも大きく、上側開口320と下側開口321との間では貯蔵容器315の高さに沿って断面寸法が減少している。相対的に大きな上側開口320により、こぼすことのなしにコーヒー豆を容易に挿入することができる。別の実施形態では、貯蔵容器315は、高さに沿って均一なまたはほぼ均一な断面寸法を有していてもよい。貯蔵容器315は、コーヒーの個別サービング分(例えば、シングルカップ分)を調製するために十分なコーヒー豆を収容するためのサイズである内部容積を画定してもよい。いくつかの実現形態では、内部容積は、コーヒーのトラベラーサイズ分(例えば、複数のシングルカップ分)を調製するために十分なコーヒー豆を収容するためのサイズであってもよい。ハンドル318は、バリスタまたは他のユーザーの片手で、容器構成要素302を容易につかみ、搬送するのを容易にするために適合されている。
【0052】
本開示全体を通して、「シングルカップ」分または「個別サービング」分が参照されるが、個別サービングフィードホッパアダプタまたはバルクホッパ交換ユニット300は、バルクホッパ20よりも飲料内容物(例えば、コーヒー豆)のより少量分を保持するようにサイズが決められた貯蔵コンテナ(例えば、ホッパ、容器)を使用して、所望の分量を調整するように適合および使用されてもよい。例えば、個別サービング分またはシングルカップ分は、1人の個人による消費に適した分量またはサービングサイズであってもよく、これは、飲料の実際のカップ(例えば、8液量オンス)よりも多いまたは少ない(例えば、4液量オンス~24液量オンス、4液量オンス~16液量オンス、8液量オンス~24液量オンス)。個別サービング分は、いくつかの実現形態では、トラベラー分(例えば、1~4の個別サービングサイズなどの複数杯分、または96液量オンスまで)であってもよい。いくつかの実現形態によれば、貯蔵容器315は、バルクホッパ交換ユニットまたは個別サービングフィードホッパアダプタ300が交換されるバルクホッパ20の内部容積の20%未満(1:5の比)、15%未満(3:20の比)、10%未満(1:10の比)、または5%未満(1:20の比)である内部容積(例えば最大貯蔵容量)を画定していてもよい。貯蔵容器315の内部容積とバルクホッパ20の内部容積との比は、1:100~1:5(例えば、1:100~1:20、1:50~1:20、1:50~1:10、1:20~1:10、3:20~1:20、1:10~1:5)であってもよい。貯蔵容器315は、バルクホッパ20が収容するようにサイズが決められたコーヒー豆の量(例えば最大貯蔵容量)の20%未満、15%未満、10%未満または5%未満を収容するようにサイズ決めされていてもよい(例えば、最大貯蔵容量を有している)。貯蔵容器315は、15グラム~250グラム(例えば、15グラム~60グラム、60グラム以下、250グラム以下、20グラム~60グラム、30グラム~60グラム、15グラム~100グラム、それらの重複範囲、または列挙した範囲内の任意の値)のコーヒー豆の最大貯蔵容量を有するようにサイズが決められていてもよい。「最大貯蔵容量」は、明白かつ通常の意味を有していてもよく、例えば、容量を超える貯蔵容器315内のコーヒー豆は、溢れ出し、またはこぼれ出て、貯蔵容器内に収容することはできない。いくつかの実現形態では、貯蔵容器315は、15グラム~250グラム未満(例えば、15グラム~60グラム未満、60グラム未満、250グラム未満、20グラム~60グラム未満、30グラム~60グラム未満、15グラム~100グラム未満、それらの重複範囲、または列挙した範囲内の任意の値)のコーヒー豆を収容するようにサイズを決められていてもよい。
【0053】
いくつかの実現形態では、第1の最大貯蔵容量を有するバルクホッパが、個別サービングフィードホッパアダプタまたはバルクホッパ交換ユニット300に置き換えられ、この場合、個別サービングフィードホッパアダプタ300の貯蔵容器315は、第2の最大貯蔵容量を有する。第2の最大貯蔵容量は、第1の最大貯蔵容量未満であってもよい。例えば、第2の最大貯蔵容量は、前段落で記載した最大貯蔵容量を有していてもよい。バリスタまたはその他のユーザーは、バルクホッパが貯蔵するようにサイズが決められたコーヒー豆の量(例えば、バルクホッパの最大貯蔵容量)の20%未満(1:5比)、15%未満(3:20比)、10%未満(1:10比)または5%未満(1:20比)で、貯蔵容器314を満たすことができる。バリスタまたは他のユーザーは、15グラム~250グラム(例えば、15グラム~60グラム、60グラム以下、250グラム以下、20グラム~60グラム、30グラム~60グラム、15グラム~100グラム、それらの重複範囲、または列挙した範囲内の任意の値)のコーヒー豆を貯蔵容器314に満たすまたは充填することができる。コーヒー豆の量は、3液量オンス~96液量オンス(例えば、3液量オンス~20液量オンス、3液量オンス~30液量オンス、8液量オンス~30液量オンス、8液量オンス~64液量オンス、それらの重複範囲、または列挙した範囲内の任意の値、例えば、3液量オンス、4液量オンス、8液量オンス、12液量オンス、16液量オンス、20液量オンス、30液量オンス、31液量オンス、48液量オンス、96液量オンス)のコーヒー飲料を抽出するために十分な量であってもよい。貯蔵容器314は、個別サービングフィードホッパアダプタまたはバルクホッパ交換ユニット300を、自動コーヒー抽出システムのバルクホッパスロットに結合または係合する前または後に充填されてもよい。自動コーヒー抽出システムは、この場合、バリスタまたは他のユーザーによって貯蔵容器314に入れられたコーヒー豆の量を使用して、コーヒーの個別サービング分を抽出するために(手動または自動で)作動させられてもよい。
【0054】
図4A図4Cを参照すると、保持部材319は、容器構成要素302のレール313の上方に形成されたスロットまたは溝に嵌合し、スロットまたは溝に沿ってレール313に沿ってスライドするようにサイズおよび形状を決められてもよい。保持部材319の側方面は、スロットまたは溝内への挿入およびスロットまたは溝内におけるレール313に沿ったスライドを容易にするために丸み付けられていてもよい。保持部材319は、(図4Aに示したように)部分的にまたは完全に、スロットまたは溝から取り外されてもよい。図4Bおよび図4Cに示されているように、保持部材319は、この保持部材319が貯蔵容器315の底部における下側開口321を覆って、それによりその中に充填されたコーヒー豆または他の飲料成分の保持(または分配もしくは放出の防止)が達成されるまで、遠位方向に前進させられてもよい。
【0055】
図3Aに示されたように、アダプタ構成要素301の前側部分305のプラットフォームの上面に沿って、かつ後側部分304の壁316に向かって遠位方向に容器構成要素302を前進させることにより、保持部材319は、アダプタ構成要素301の前側部分305のプラットフォームの上面から上方に突出した係合部材310の前側(例えば、近位)部分322と接触するので、保持部材319はレール313の上方のスロットまたは溝に沿って近位方向に(前方に向かって、またはバリスタに向かって)自動的に摺動させられ、これにより、下側開口321の覆いは除去され、コーヒー豆は、中央開口311からアダプタ構成要素301におけるフィードオーガ317に向かって落下することができるようになる。
【0056】
いくつかの実現形態では、貯蔵容器315の下側開口321が覆われる閉鎖(またはロック)形態に保持部材319を自動的に戻す付勢部材(例えば、ばね)は設けられていない。いくつかの実現形態では、保持部材319を閉鎖形態と開放形態との間で制御可能に移行させるための磁気アセンブリまたは他の作動機構は設けられていない。その代わりに、保持部材319は、手動の力によりもたらされる機械的または物理的な接触により、これらの形態間を移行させられる。したがって、保持部材319は、規定形態を有していなくてもよい。
【0057】
別の実現形態では、貯蔵容器315の下側開口321が覆われる閉鎖(またはロック)形態に保持部材319を自動的に戻す付勢部材(例えば、ばね)が設けられていてもよい。したがって、保持部材319は、閉鎖またはロックされた規定形態を有していてもよい。
【0058】
図5Aおよび図5Bは、バルクホッパ交換ユニットまたは個別サービングフィードホッパアダプタ300のオーガアセンブリの実施形態を示している。オーガアセンブリは、オーガカップリング306、アダプタオーガ307、およびフィードオーガ317を含む。アダプタオーガ307とフィードオーガとは、(例えば、ホッパモータ34による)アダプタオーガ307の回転が、フィードオーガ317の対応する回転を生じさせるように、機械的かつ動作可能に連結されている。フィードオーガ317は、有利には、コーヒー豆が所定の速度で粉砕機アセンブリ34内へ調量供給され得るようにオーガが回転するまで、フィードオーガ317の下方に位置する粉砕機アセンブリ34にコーヒー豆が進入するのを阻止することができる。
【0059】
図5Bは、フィードオーガ317の断面を補助的に示す断面図を示している。図示したように、フィードオーガ317は、内側コア323と、少なくとも部分的に内側コア323を包囲するブレードまたは縦溝324とを有する平坦なパドルホイール設計を有していてもよい。しかしながら、いくつかの実現形態では、フィードオーガ317は、必要なおよび/または所望の駆動力および騒音を低減するように設計された、屈曲または波形のブレードまたは縦溝324を有していてもよい。ホッパモータ34は、アダプタオーガ307を時計回り方向または反時計回り方向に回転させることができ、次に、アダプタオーガは、フィードオーガ317を回転させることができる。いくつかの実現形態では、ホッパモータ34は、アダプタ構成要素301のオーガアセンブリの構成要素である。フィードオーガ317の近位端部におけるオーガ保持体325は、アダプタ構成要素301のスロット内にフィードオーガ317の近位端部を固定することができる。
【0060】
図5Bはさらに、アダプタ構成要素301の底部分が、アダプタ構成要素301の底部分の少なくとも一部に沿って断続的または連続的に延びることができる1つ以上の係合特徴326,327(例えば、リップ、隆起部、突出部、凹部、溝または開口)を有することができることを示している。係合特徴326,327は、自動バルク抽出システム(例えば、コーヒー抽出システム2)のホッパスロットの嵌合特徴または連結特徴との係合を容易にするように適合されている。いくつかの実現形態では、アダプタ構成要素301は、ほぼ水平(例えば、非垂直)方向で、ホッパスロットに沿ってまたはホッパスロット内へと遠位方向にスライドさせられる。別の実現形態では、アダプタ構成要素301は、ほぼ垂直方向から結合させられ、ホッパスロット上にまたはホッパスロット内に落とされる。図5Bはさらに、容器構成要素302のレール313が、アダプタ構成要素301の係合部材310の対応するスロットまたは溝312内にどのようにして嵌まり込むのかを拡大図で示している。
【0061】
ブレードまたは縦溝324は、内側コア323の周囲に沿って均等に分布されていてもよい。内側コア323とブレード324とは、同じ材料または異なる材料を含むことができる。例えば、内側コア323は、ステンレス鋼を含むことができ、内側コア323の周囲にブレード324を、ナイロン、PVC、ポリマー、セラミックまたはそれらの任意の組合せを使用して射出成形することができる。別の例として、内側コア323とブレード324とはそれぞれ、ナイロン、PVC、ポリマー、セラミックまたはそれらの任意の組合せを含むことができる。
【0062】
フィードオーガ317の製造は、2段階の射出成形プロセスを含むことができる。第1に、ナイロン、PVC、ポリマー、セラミックまたはそれらの任意の組合せを使用して、内側コア323を射出成形することができる。内側コア323が冷却された後、ナイロン、PVC、ポリマー、セラミックまたはそれらの任意の組合せを使用して、内側コア323上にブレード324を射出成形することができる。
【0063】
図6A図6Dは、図1A図1Eに示した自動コーヒー抽出システム2などの、自動バルクコーヒー抽出システムに関連して使用することができるバルクホッパ交換ユニットまたは個別サービングフィードホッパアダプタ300の別の実施形態を示している。図6Aは、バルクホッパ交換ユニットまたは個別サービングフィードホッパアダプタ300の側方斜視図であり、図6Bは、図6Aの側方断面図である。
【0064】
バルクホッパ交換ユニットまたは個別サービングフィードホッパアダプタ300’は、図3A図5Bに関連して説明したバルクホッパ交換ユニットまたは個別サービングフィードホッパアダプタ300と同様の構造的特徴および動作的特徴を有していてもよい。例えば、バルクホッパ交換ユニット300’は、上述したアダプタ構成要素301および容器構成要素302と同様の構造的特徴および動作的特徴を有していてもよいアダプタ構成要素301’および容器構成要素302’を含む。容器構成要素302’はさらに、上述した保持部材319と類似の保持機能を提供することができる取外し可能な保持部材319’(例えば、ゲートまたは他の保持機構)を含む。
【0065】
しかしながら、容器構成要素302’は、ほぼ水平方向からではなく、ほぼ垂直方向からアダプタ構成要素301’に係合、結合または嵌合するように適合させられていてもよい(例えば、側方装着器具ではなく、上方装着器具)。図6Cは、アダプタ構成要素301’の前側部分305’のプラットフォームの隆起した上面に形成された中央開口311’の上方に位置する容器構成要素302’を示している。中央開口311’は、容器構成要素302’の遠位結合部材または部分330を収容するようにサイズおよび形状を決められている。遠位結合部材330は、中央開口311’の上方の位置からほぼ鉛直の軌道で中央開口311’内に挿入される。容器構成要素302’は、近位結合部材または部分331も有していて、この近位結合部材または部分は、近位結合部材331の下部周面が、アダプタ構成要素301’の前側部分305’のプラットフォームの隆起した上面に載置されるように、アダプタ構成要素301’の中央開口311’よりも(および遠位結合部材330よりも)長さおよび幅が大きくなるようにサイズおよび形状を決められている。近位結合部材331は、保持部材319’を収容するようにサイズおよび形状を決められたスロット333を含む。保持部材319に関して説明したのと同様に、保持部材319’がスロット333内に完全に挿入されると、容器構成要素302’内のすべての内容物(例えば、コーヒー豆)は、容器構成要素302’内に保持される。しかしながら、保持部材319’をスロット333から(部分的または完全に)取り外す行為により、容器構成要素302’の内容物は、容器構成要素302’内にもはや保持されず、アダプタ構成要素301’の中央開口311’内に進入(例えば、落下)してもよく、次いでフィードオーガ317に進入してもよい。
【0066】
図6Dは、保持部材319’を、開放または取外し形態で示しており、この形態では、容器構成要素302’のいかなる内容物も、アダプタ構成要素301’の中央開口311’への進入をもはや阻止されていない。図示されたように、保持部材319’は、容器構成要素301’のハンドル318’側の近位結合部材331の側で挿入され、取り外されてもよい。保持部材319’は、保持部材319’がスロット333内に完全に挿入されると、いかなる内容物の放出または排出も阻止されるように、容器構成要素302’の下側開口321’を完全に覆うようにサイズを決められた長さと幅とを有していてもよい。
【0067】
保持部材319’の第1の端部は、保持部材319’のスロット内への挿入およびスロットからの取外しを容易にするために、保持部材の第1の端部に対して実質的に垂直に延びている把持部材334を有していてもよい。把持部材334は、保持部材319’の過剰挿入も阻止することができる。把持部材334は、交換的に、つまみを有していてもよく、このつまみは、保持部材の第1の端部に対して垂直に延びている必要はない。いくつかの実現形態によれば、保持部材319’は、手動で(例えば、把持部材334の押込みおよび引っ張りによって)スロット内に挿入されかつスロットから取り外され、容器構成要素302’がアダプタ構成要素301’に結合または嵌合された際に自動的に、閉鎖形態と開放形態との間を移行するのではない。保持部材319’は、閉鎖形態に自動的に付勢されなくてもよい。
【0068】
別の実現形態では、保持部材319’の動作を(一方向または両方向で)自動化することもできる。例えば、機械的なカムシステム(例えば、回転および/またはスライドカム機構、および/またはクランク機構)を、保持部材319’、およびアダプタ構成要素301’のオーガアセンブリ(例えば、フィードオーガ317)に、動作可能に連結(例えば、機械的に取付け)することができ、これによりフィードオーガ317が回転すると、カムシステムによって、保持部材319’が、閉鎖形態と開放形態との間で移行させられる。カムシステムは、コーヒー豆またはその他の内容物が、容器構成要素302’内に充填される時点で手動でリセットされる(例えば、保持部材319’が手動で閉鎖形態へと移行させられる)一方向カムシステムを有していてもよい。いくつかの実現形態では、カムシステムは、自動的にリセットされる。
【0069】
使用方法
図7Aは、自動コーヒー抽出システム2のバルクホッパスロットに取り付けられたバルクホッパ交換ユニットまたは個別サービングフィードホッパアダプタ300の実施形態を示している。図7Aに示されたように、バルクホッパスロットの1つには、バルクホッパ交換ユニットまたは個別サービングフィードホッパアダプタ300が位置することができ、他のバルクホッパスロットにはバルクホッパが位置することができる。もちろん、いくつかの例では、所望のようにかつ/または必要に応じて、複数のバルクホッパ交換ユニットまたは個別サービングフィードホッパアダプタ300を、複数のバルクホッパスロットに連結することができる。さらに、処理量を増大させるために、複数の容器構成要素302が、飲料内容物で予め充填されてもよく、準備され、または並べられてもよく、バルクホッパスロットの1つに取り付けられたアダプタ構成要素301に交換可能に係合させられてもよい。
【0070】
バルクホッパ交換ユニットまたは個別サービングフィードホッパアダプタ300は、自動コーヒー抽出システム2の適切なホッパセレクタ(例えば、パドル24)を選択することにより、使用のために選択されてもよい。いくつかの形態では、個別サービングフィードホッパアダプタ300(例えば、アダプタ構成要素301および/または容器構成要素302)が、コーヒー抽出システム2のバルクホッパスロットの1つに連結(例えば、結合、嵌合、係合)されると、コーヒー抽出システム2は直ちにかつ自動的に、個別サービングフィードホッパアダプタ300が結合されたことを検知または認識し、個別サービングフィードホッパアダプタ300に対応するメニュー画面を、表示画面26に表示させる。メニュー画面により、バリスタまたはユーザーによる、飲料(例えば、コーヒー)の種類および/または他の飲料パラメータの選択が可能とされてもよい。いくつかの形態では、そのコーヒー店で購入可能な飲料(例えば、コーヒー種類)の在庫に基づく選択のために、飲料(例えば、コーヒー)の種類に関する様々なオプションがメニュー画面に予め表示される。自動コーヒー抽出システム2が作動された後、バルクホッパ交換ユニットまたは個別サービングフィードホッパアダプタ300は、飲料材料の個別サービング量(例えば、シングルカップ分の量)を、粉砕機アセンブリ500に分配することができる。
【0071】
制御された量を、シュート39を介して粉砕機アセンブリ34に入れることができる。粉砕機アセンブリ34は、ホッパ選択に基づいて特定の粉砕サイズに設定することができる。粉砕機アセンブリ34が、飲料材料を粉砕した後、飲料材料は、抽出アセンブリ36内へと流れることができ、次いで抽出アセンブリからディスペンスアセンブリ16へと、次いでディスペンスアセンブリ16の放出注ぎ口の下方に位置する飲料コンテナ30内へと流れることができる。容器構成要素302は、(図7Bに示されたように)アダプタ構成要素301から取り外されてもよく、飲料内容物(例えば、コーヒー豆)が充填された新しい容器構成要素302を、アダプタ構成要素301に嵌合または係合させることができ、抽出プロセスが繰り返されてもよい。アダプタ構成要素301は、追加の飲料の調製を準備するために延長された期間、コーヒー抽出システム2に結合された位置に残されていてもよい、または一回の使用後または短期間後にバルクホッパと交換されてもよい。図6A図6Dのバルクホッパ交換ユニットまたは個別サービングフィードホッパアダプタ300も、付加的にまたは交換的に使用されてもよい。
【0072】
両バルクホッパおよび個別サービングフィードホッパアダプタ300のために単一の粉砕機アセンブリ34を使用することにより、粉砕機アセンブリのために必要なスペースの量を減じることができ、製品コストを減じることができ、故障ポイントを減じ、必要なキャリブレーションの量を減じることができる。粉砕機アセンブリ34は、飲料材料を、制御された粉砕サイズに粉砕することができる。粉砕サイズは、飲料材料の種類または飲料の種類を含むがこれに限定されない複数の要因に基づいて変化させることができる。
【0073】
専門用語
説明を目的として、本明細書において使用されているような「水平」という用語は、その向きにかかわらず、説明されている装置が使用されるまたは説明されている方法が実施される平面または表面に対して平行な平面であると定義される。「垂直」という用語は、上で定義した水平に対して垂直な方向を指す。「上方」、「下方」、「底部」、「上部」、「側方」、「より高い」、「下側」、「上側」、「上の」および「下の」などの用語は、水平面に関して定義されている。
【0074】
本発明で使用される場合、相対的な用語「近位」、「遠位」、「前方」および「後方」は、制御装置に対面するユーザー(例えば、バリスタ)を基準として定義される。すなわち、近位は、ユーザー操作可能な制御装置を備える機械の側を意味し、遠位は、その機械の反対側を意味する。
【0075】
「できる(can)」、「できる可能性がある(could)」、「可能性がある(might)」または「場合がある(may)」等の条件を表す文言は、特記しない限り、または使用されている文脈において異なった意味に解されない限り、概して、特定の実施形態は特定の特徴、要素および/またはステップを含んでいるが、他の実施形態は含んでいないことを表すことを意図したものである。したがってこのような条件を表す文言は、概して、これらの特徴、要素および/またはステップが、任意の特定の実施形態に含まれるのか否か、または実行されるべきであるのか否かにかかわらず、その特徴、要素、および/またはステップが1つまたは複数の実施形態にとっていずれにせよ必須である、ということを含意することを意図するものでもない。「備える(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」などの用語は、同義であり、包括的かつ非制限的に使用され、追加の要素、特徴、行為、操作などを除外しない。「または」という用語も、包括的な意味で(かつ排他的な意味ではなく)使用され、したがって、例えば列挙された要素を接続するために使用される場合、「または」という用語は、列挙された要素のうちの1つ、いくつか、またはすべてを意味する。
【0076】
本明細書において使用されている「ほぼ」、「約」および「実質的」という用語は、所望の機能を実施することができ、または所望の結果を達成することができる、記載した量に近い量を表す。例えば、文脈によって特定され得るように、「ほぼ」、「約」および「実質的」という用語は、記載量の10%以内にある量を表していてもよい。別の例として、特定の実施形態では、「ほぼ平行」および「実質的に平行」という用語は、文脈によって特定され得るように、厳密な平行から10度以内で離れた値、量、または特性を表す。
【0077】
「X、YおよびZのうち少なくとも1つ」という表現のような選言的な文言は、そうでないことが特記されていない限り、物、用語等はX、YまたはZのいずれかでよい、またはそれらの任意の組合せでよい(例えば、X、Y、および/またはZ)ということを表すために、一般的に使用されている文脈に応じて異なるように解される。したがって、そのような選言的な文言は概して、特定の実施形態がそれぞれ存在するために少なくとも1つのX、少なくとも1つのY、または少なくとも1つのZを必要とすることを意味することを意図しておらず、また意図するべきではない。
【0078】
本明細書で開示される範囲には、いずれかのまたはすべての重複、副範囲、およびそれらの組合せも包含される。「まで」、「少なくとも」、「より大きい」、「より小さい」、「間」などの文言は、言及された数字を含む。「約」または「ほぼ」などの用語が先行する数字は、言及された数字を含む。例えば、「約5インチ」は、「5インチ」を含む。
【0079】
特定の実施形態および実施例を本明細書に記載したが、本開示に図示および記載されたシステムおよび装置の多くの態様を様々に組合せかつ/または変更して、さらなる実施形態または許容可能な実施例を形成することができることは、当業者により理解されるであろう。そのような修正および変更はすべて、本開示の範囲内に含まれることが意図される。多種多様な設計およびアプローチが可能である。本明細書に開示されたいずれの特徴、構造またはステップも、必須あるいは不可欠ではない。
【0080】
いくつかの実現形態は、添付の図面に関連して説明されている。しかしながら、図面は縮尺通りに図示されていないことを理解すべきである。距離、角度などは、単なる例示であり、必ずしも図示された装置の実際の寸法およびレイアウトとの正確な関係を有するわけではない。構成要素を追加、削除、および/または配置変更することが可能である。さらに、種々の実施形態に関連する任意の特定の特徴、態様、方法、性質、特性、品質、属性、要素などの本明細書における開示は、本明細書に記載された他のすべての実施形態において使用することができる。さらに、本明細書に記載されたあらゆる方法は、記載されたステップを行うために適した任意の装置を使用して実施されてもよいことが認識されるであろう。
【0081】
開示の目的で、特定の態様、利点、および新規の特徴が本明細書に記載されている。任意の特定の実施形態によれば、そのような利点のすべてが必ずしも達成されない場合があることを理解されたい。すなわち、例えば、本明細書に教示または示唆され得る他の利点を必ずしも達成することなく、開示が、本明細書に教示された1つの利点または利点のグループを達成する形式で実現または実施されてもよいことを当業者は認識するであろう。
【0082】
さらに、例示的な実施形態が本明細書に記載されているが、任意のおよびすべての実施形態の範囲は、本開示に基づいて当業者によって認識されるような同等の要素、変更、省略、(例えば様々な実施形態にわたる態様の)組合せ、適応、および/または改変を有する。特許請求の範囲における限定は、特許請求の範囲において使用される用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書に記載される例または本出願の審査中に記載される例に限定されるべきではなく、これらの例は非排他的なものと解釈されるべきである。さらに、開示されたプロセスおよび方法の動作は、動作の順序を入れ替えることおよび/または追加の動作を挿入することおよび/または動作を削除することによるものを含む、任意の方法で変更されてもよい。したがって、本明細書および実施例は例示的でしかないと見なされることを意図しており、真の範囲および趣旨は、特許請求の範囲およびそれらの均等物の全範囲によって示される。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
【国際調査報告】