(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】サンプリングのためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01N 27/62 20210101AFI20240208BHJP
G01N 1/00 20060101ALI20240208BHJP
G01N 30/72 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
G01N27/62 F
G01N27/62 X
G01N1/00 101P
G01N30/72 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548923
(86)(22)【出願日】2022-02-24
(85)【翻訳文提出日】2023-08-10
(86)【国際出願番号】 IB2022051652
(87)【国際公開番号】W WO2022180576
(87)【国際公開日】2022-09-01
(32)【優先日】2021-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510075457
【氏名又は名称】ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】523306667
【氏名又は名称】テイト, スティーブン
(71)【出願人】
【識別番号】523306678
【氏名又は名称】ガットマン, アンドラス
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】テイト, スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ガットマン, アンドラス
(72)【発明者】
【氏名】ル ブランク, イブ
(72)【発明者】
【氏名】コービー, トーマス アール.
【テーマコード(参考)】
2G041
2G052
【Fターム(参考)】
2G041CA01
2G041DA05
2G041EA04
2G041GA15
2G041GA19
2G041GA20
2G041GA29
2G041HA01
2G041HA02
2G052AB26
2G052AB27
2G052AD06
2G052AD26
2G052AD42
2G052AD46
2G052CA02
2G052CA03
2G052CA04
2G052CA05
2G052CA12
2G052CA14
2G052EB01
2G052EB02
2G052FD07
2G052GA22
2G052GA24
2G052GA27
2G052JA06
2G052JA07
2G052JA08
2G052JA30
(57)【要約】
サンプリングデバイスに接続された第1の端部と、第2の端部とを有する細管を含むシステム。サンプリングデバイスは、サンプルを分離溶液で分離し、サンプルおよび分離溶液を第2の端部に送達するように構成されている。第2の端部は、細管接地接触部に結合されている。輸送液体供給導管と流体連絡している輸送液体供給システムは、輸送液体を輸送液体供給導管を通して輸送液体源から提供する。輸送液体供給導管から提供された輸送液体は、少なくとも部分的にメニスカスによって画定された受け取り体積を含む。細管の第2の端部は、受け取り体積と流体連絡している。除去導管と流体連絡している液体排出システムは、液体を受け取り体積から除去する。分析システムは、除去導管と流体連絡している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、前記システムは、
サンプリングデバイスに接続された第1の端部と、第2の端部とを有する細管であって、前記サンプリングデバイスは、サンプルを分離溶液で分離し、前記サンプルと前記分離溶液とを前記第2の端部に送達するように構成されており、前記第2の端部は、細管接地接触部に結合されている、細管と、
輸送液体供給導管と流体連絡している輸送液体供給システムであって、輸送液体供給システムは、前記輸送液体供給導管を通して輸送液体源から輸送液体を提供し、前記輸送液体供給導管から提供された前記輸送液体は、少なくとも部分的にメニスカスによって画定された受け取り体積を備え、前記細管の前記第2の端部は、前記受け取り体積と流体連絡している、輸送液体供給システムと、
前記受け取り体積から液体を除去する除去導管と流体連絡している液体排出システムと、
前記輸送液体供給導管を前記除去導管に接続するための電気伝導体と、
前記輸送液体供給導管に接続された第1の電気的コンタクトと、
前記除去導管と流体連絡している分析システムと
を備えている、システム。
【請求項2】
前記細管の前記第2の端部は、前記メニスカス内に配置されており、前記細管接地接触部は、少なくとも部分的に前記受け取り体積を備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記細管の前記第2の端部は、前記除去導管内に配置されており、前記細管接地接触部は、少なくとも部分的に前記受け取り体積を備えている、請求項1~2のいずれかに記載のシステム。
【請求項4】
前記細管の前記第2の端部の周囲は、前記除去導管から間隔を空けられている、請求項1~3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記輸送液体供給導管と前記細管の前記第2の端部とに結合されたインターフェースをさらに備え、前記インターフェースは、前記除去導管に近接して前記受け取り体積を画定している、請求項1~4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
前記細管の前記第2の端部は、伝導性先端部をさらに備え、前記細管接地接触部は、前記伝導性先端部に接続されている、請求項1~5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
前記インターフェースは、少なくとも1つの可撓性要素を備えている、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記可撓性要素は、ゴム、ポリウレタン、ネオプレン、およびシリコーンのうちの少なくとも1つを備えている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記サンプリングデバイスは、キャピラリー電気泳動または液体クロマトグラフィーを実行する、請求項1~8のいずれかに記載のシステム。
【請求項10】
前記分析システムは、質量分析計である、請求項1~9のいずれかに記載のシステム。
【請求項11】
前記先端部は、前記メニスカスから離れ、前記メニスカスの上方に配置されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項12】
サンプルを分析する方法であって、前記方法は、
前記サンプルおよび分離溶液を細管から受け取ることであって、前記細管は、サンプリングデバイスに接続された第1の端部と、細管接地接触部に結合された第2の端部とを有し、前記サンプリングデバイスは、前記サンプルを前記分離溶液から分離するように構成されており、前記サンプルおよび前記分離溶液は、前記第2の端部から、輸送液体供給導管から送達された輸送液体によって少なくとも部分的に画定された受け取り体積の中に受け取られる、ことと、
前記受け取り体積と流体連絡している除去導管と流体連絡している液体排出システムの中に前記受け取られたサンプルおよび前記分離溶液を吸引することと、
前記受け取られたサンプルおよび分離溶液を質量分析システムを用いて分析することと
を含む、方法。
【請求項13】
前記方法は、前記輸送液体供給導管と流体連絡している輸送液体供給システムから前記輸送液体供給導管に前記輸送液体を供給することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記受け取り体積は、少なくとも部分的にメニスカスによって画定されている、請求項12~13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記方法は、前記メニスカス内に前記細管の前記第2の端部を受け取ることをさらに含む、請求項12~14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記細管の前記第2の端部の周囲は、前記除去導管と接触している、請求項12~15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記方法は、前記除去導管に近接して前記受け取り体積を画定するインターフェースを受け取ることをさらに含む、請求項12~16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記インターフェースは、少なくとも1つの可撓性要素を備えている、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記サンプリングデバイスは、前記サンプルを取得するためにキャピラリー電気泳動および液体クロマトグラフィーのうちの少なくとも1つを実行する、請求項12~18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記方法は、前記細管から前記サンプルおよび前記分離溶液を受け取ることをさらに含み、前記サンプルおよび前記分離溶液は、重力下で前記細管の前記第2の端部から前記受け取り体積の中に放出される、請求項12~19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記分離溶液は、前記質量分析システムによるイオン化を可能にするために、前記輸送液体によって希釈される、請求項12~20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
サンプル処理システムであって、前記サンプル処理システムは、
分離細管を備え、前記分離細管は、分析器具への溶離液の送達のために、キャピラリー電気泳動(CE)システムから開放ポートインターフェースの受け取り体積における輸送液体の中に前記溶離液を送達するように位置付けられており、
前記分離細管は、前記分析器具から電気的に分断されている、サンプル処理システム。
【請求項23】
前記輸送液体は、前記CEシステムから送達された緩衝液を備えている、請求項22に記載のサンプル処理システム。
【請求項24】
前記受け取り体積は、大気圧における空気-液体界面を備えている、請求項22~23のいずれかに記載のサンプル処理システム。
【請求項25】
前記分離細管の先端部は、前記空気-液体界面の空気側に配置されている、請求項24に記載のサンプル処理システム。
【請求項26】
前記分離細管の先端部は、前記空気-液体界面の液体側に配置されている、請求項24に記載のサンプル処理システム。
【請求項27】
前記CEシステムを前記分析器具から電気的に分断する絶縁変圧器をさらに備えている、請求項22~26のいずれかに記載のサンプル処理システム。
【請求項28】
システムであって、前記システムは、
サンプリングデバイスに接続された第1の端部と、第2の端部とを有する細管であって、前記サンプリングデバイスは、サンプルを分離溶液で分離し、前記サンプルと前記分離溶液とを前記第2の端部に送達するように構成されている、細管と、
前記輸送液体供給導管と流体連絡している輸送液体供給システムであって、前記輸送液体供給システムは、輸送液体供給導管を通して輸送液体源から輸送液体を提供し、前記輸送液体供給導管から提供された前記輸送液体は、少なくとも部分的にメニスカスによって画定された受け取り体積を備え、前記受け取り体積における前記輸送液体は、前記第1の端部に対して電気的に接地されており、前記細管の前記第2の端部は、前記受け取り体積と流体連絡している、輸送液体供給システムと、
液体を前記受け取り体積から除去する除去導管と流体連絡している液体排出システムと、
前記除去導管と流体連絡している分析システムと
を備えている、システム。
【請求項29】
前記細管の前記第2の端部は、前記メニスカス内に配置されており、前記受け取り体積の少なくとも一部と流体接触している細管接地接触部をさらに備えている、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記細管の前記第2の端部は、前記除去導管内に配置されており、前記細管接地接触部は、少なくとも部分的に前記受け取り体積の導管壁を備えている、請求項28~29のいずれかに記載のシステム。
【請求項31】
前記細管の前記第2の端部の周囲は、前記除去導管から間隔を空けられている、請求項28~30のいずれかに記載のシステム。
【請求項32】
前記輸送液体供給導管と前記細管の前記第2の端部とに結合されたインターフェースをさらに備え、前記インターフェースは、前記除去導管に近接して前記受け取り体積を画定している、請求項28~31のいずれかに記載のシステム。
【請求項33】
前記細管の前記第2の端部は、伝導性先端部をさらに備え、前記受け取り体積は、前記伝導性先端部によって接地されている、請求項28~32のいずれかに記載のシステム。
【請求項34】
前記インターフェースは、少なくとも1つの可撓性要素を備えている、請求項28~33のシステム。
【請求項35】
前記可撓性要素は、ゴム、ポリウレタン、ネオプレン、およびシリコーンのうちの少なくとも1つを備えている、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記サンプリングデバイスは、キャピラリー電気泳動または液体クロマトグラフィーを実行する、請求項28~35のいずれかに記載のシステム。
【請求項37】
前記分析システムは、質量分析計である、請求項28~36のいずれかに記載のシステム。
【請求項38】
前記細管の前記第2の端部は、伝導性先端部をさらに備え、前記伝導性先端部は、前記受け取り体積のメニスカスの上方に配置されており、前記サンプルおよび前記分離溶液は、前記伝導性先端部によって接地されている、請求項28~32のいずれかに記載のシステム。
【請求項39】
サンプルを分析する方法であって、前記方法は、
輸送液体を電気的に接地しながら、輸送液体供給導管から送達された前記輸送液体によって少なくとも部分的に画定された受け取り体積の中に、細管から前記サンプルおよび分離溶液を受け取ることと、
前記受け取り体積と流体連絡している除去導管と流体連絡している液体排出システムの中に、前記輸送液体、受け取られたサンプル、および前記分離溶液を吸引することと、
質量分析システムを用いて前記受け取られたサンプルおよび分離溶液を分析することと
を含む、方法。
【請求項40】
前記方法は、前記輸送液体供給導管と流体連絡している輸送液体供給システムから前記輸送液体供給導管に前記輸送液体を供給することをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記受け取り体積は、少なくとも部分的にメニスカスによって画定されている、請求項39~40のいずれかに記載の方法。
【請求項42】
前記方法は、前記メニスカス内で前記細管の前記第2の端部を受け取ることをさらに含む、請求項39~41のいずれかに記載の方法。
【請求項43】
前記細管の前記第2の端部の周囲は、前記除去導管と接触している、請求項39~42のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
前記方法は、前記除去導管に近接して前記受け取り体積を画定するインターフェースを受け取ることをさらに含む、請求項39~43のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
前記インターフェースは、少なくとも1つの可撓性要素を備えている、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記サンプリングデバイスは、前記サンプルを取得するために、キャピラリー電気泳動および液体クロマトグラフィーのうちの少なくとも1つを実行する、請求項39~45のいずれかに記載の方法。
【請求項47】
前記方法は、前記細管から前記サンプルおよび前記分離溶液を受け取ることをさらに含み、前記サンプルおよび前記分離溶液は、重力下で前記細管の前記第2の端部から前記受け取り体積の中に放出される、請求項39~46のいずれかに記載の方法。
【請求項48】
前記分離溶液は、前記質量分析システムによってイオン化されることを可能にするために、前記輸送液体によって希釈される、請求項39~47のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2021年2月25日に出願された米国仮出願第63/153,586号、および2021年7月6日に出願された米国仮出願第63/218,754号に対して優先権を主張するPCT国際特許出願として2022年2月24日に出願されたものであり、両出願は、全体が参照により本明細書中に援用される。
【0002】
質量分析法(MS)ベースの方法は、格別高い感度、選択性、および特異性を伴って幅広い検体のラベルフリーな、ユニバーサルな質量検出を達成することができる。結果として、多くの用途のためのMSベースの分析のスループットを向上させることにおいて著しい関心が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一局面において、本技術は、システムに関し、システムは、サンプリングデバイスに接続された第1の端部と、第2の端部とを有する細管であって、サンプリングデバイスは、サンプルを分離溶液で分離し、サンプルおよび分離溶液を第2の端部に送達するように構成されており、第2の端部は、細管接地接触部に結合されている、細管と、輸送液体供給導管と流体連絡している輸送液体供給システムであって、輸送液体供給システムは、輸送液体供給導管を通して輸送液体源から輸送液体を提供し、輸送液体供給導管から提供された輸送液体は、少なくとも部分的にメニスカスによって画定された受け取り体積を備え、細管の第2の端部は、受け取り体積と流体連絡している、輸送液体供給システムと、受け取り体積から液体を除去する除去導管と流体連絡している液体排出システムと、輸送液体供給導管を除去導管に接続するための電気伝導体と、輸送液体供給導管に接続された第1の電気的コンタクトと、除去導管と流体連絡している分析システムとを含む。一実施例において、細管の第2の端部は、メニスカス内に配置されており、細管接地接触部は、少なくとも部分的に受け取り体積を含む。別の実施例において、細管の第2の端部は、除去導管に配置されており、細管接地接触部は、少なくとも部分的に受け取り体積を含む。なおも別の実施例において、細管の第2の端部の周囲は、除去導管から間隔を空けられている。さらに別の実施例において、システムは、輸送液体供給導管と細管の第2の端部とに結合されたインターフェースをさらに含み、インターフェースは、除去導管に近接して受け取り体積を画定している。
【0004】
上記局面の別の実施例において、細管の第2の端部は、伝導性先端部をさらに含み、細管接地接触部は、伝導性先端部に接続されている。実施例において、インターフェースは、少なくとも1つの可撓性要素を含む。別の実施例において、可撓性要素は、ゴム、ポリウレタン、ネオプレン、およびシリコーンのうちの少なくとも1つを含む。なおも別の実施例において、サンプリングデバイスは、キャピラリー電気泳動または液体クロマトグラフィーを実行する。さらに別の実施例において、分析システムは、質量分析計である。
【0005】
上記局面の別の実施例において、先端部は、メニスカスから離れ、メニスカスの上方に配置されている。
【0006】
別の局面において、本技術は、サンプルを分析する方法に関し、方法は、細管からサンプルおよび分離溶液を受け取ることであって、細管は、サンプリングデバイスに接続された第1の端部と、細管接地接触部に結合された第2の端部とを有し、サンプリングデバイスは、サンプルを分離溶液から分離するように構成されており、サンプルおよび分離溶液は、第2の端部から、輸送液体供給導管から送達された輸送液体によって少なくとも部分的に画定された受け取り体積の中に受け取られる、ことと、受け取り体積と流体連絡している除去導管と流体連絡している液体排出システムの中に、受け取られたサンプルおよび分離溶液を吸引することと、受け取られたサンプルおよび分離溶液を質量分析システムを用いて分析することとを含む。実施例において、方法は、輸送液体供給導管と流体連絡している輸送液体供給システムから輸送液体供給導管に輸送液体を供給することをさらに含む。別の実施例において、受け取り体積は、少なくとも部分的にメニスカスによって画定されている。なおも別の実施例において、方法は、メニスカス内に細管の第2の端部を受け取ることをさらに含む。さらに別の実施例において、細管の第2の端部は、除去導管と接触している。
【0007】
上記局面の別の実施例において、方法は、除去導管に近接して受け取り体積を画定しているインターフェースを受け取ることをさらに含む。実施例において、インターフェースは、少なくとも1つの可撓性要素を含む。別の実施例において、サンプリングデバイスは、サンプルを取得するために、キャピラリー電気泳動および液体クロマトグラフィーのうちの少なくとも1つを実行する。なおも別の実施例において、方法は、サンプルおよび分離溶液を細管から受け取ることをさらに含み、サンプルおよび分離溶液は、重力下で細管の第2の端部から受け取り体積の中に放出される。さらに別の実施例において、分離溶液は、質量分析システムによってイオン化されることを可能にするために、輸送液体によって希釈される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、サンプリングデバイスを開放ポートインターフェース(OPI)サンプリングインターフェースおよびエレクトロスプレーイオン化(ESI)源と組み合わせる例示的システムである。
【0009】
【
図2A】
図2Aは、キャピラリー電気泳動(CE)細管からの分離されたサンプルを分析するための例示的システムの拡大部分図を描写している。
【0010】
【
図2B】
図2Bは、液体クロマトグラフィー(LC)細管からの分離されたサンプルを分析するための例示的システムの拡大部分図を描写している。
【0011】
【
図3A】
図3Aは、CE細管からの分離されたサンプルを分析するための例示的システムの別の拡大部分図を描写している。
【0012】
【
図3B】
図3Bは、LC細管からの分離されたサンプルを分析するための例示的システムの別の拡大部分図を描写している。
【0013】
【
図4A】
図4Aは、インターフェースを使用してCE細管からの分離されたサンプルを分析するための例示的システムの別の拡大部分図である。
【0014】
【
図4B】
図4Bは、インターフェースを使用してLC細管からの分離されたサンプルを分析するための例示的システムの別の拡大部分図を描写している。
【0015】
【
図5A】
図5Aは、CE細管からの分離されたサンプルを分析するための例示的システムの別の拡大部分図を描写している。
【0016】
【
図5B】
図5Bは、LC細管からの分離されたサンプルを分析するための例示的システムの別の拡大部分図を描写している。
【0017】
【
図6】
図6は、分離されたサンプルを分析する方法を描写している。
【0018】
【
図7】
図7は、本実施例の1つ以上が実装され得る適切な動作環境の実施例を描写している。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、サンプリングデバイス132に接続された細管102をOPIサンプリングインターフェース104およびESI源114と組み合わせる例示的システム100の概略図である。システム100は、サンプリングOPIの開放端部において受け取られた検体をイオン化および質量分析するための質量分析デバイス等の質量分析器具であり得る。そのようなシステム100は、例えば、米国特許第10,770,277号に記載されており、その開示は、全体が参照により本明細書中に援用される。細管102は、先端部112を有する端部からサンプリングOPI 104の開放端部の中に、緩衝溶液においてサンプルからの分離された検体を含む溶離液108を放出または放逐するように構成されている。細管102は、第1の端部においてサンプリングデバイス132に接続されており、その実施例は、以下に説明されている。
図1に示されているように、例示的システム100は、概して、イオン化チャンバ118の中に1つ以上のサンプル検体を含む液体を(例えば、エレクトロスプレー電極116を介して)吐出するためのESI源114と液体連絡しているサンプリングOPI 104と、ESI源114によって生成されたイオンの下流の処理および/または検出のためにイオン化チャンバ118と連絡している質量分析器検出器(概して120において描写されている)とを含む。ESI源114の噴霧器プローブ138およびエレクトロスプレー電極116の構成に起因して、そこから放逐されたサンプルは、気相に変換される。輸送液体供給システム122(例えば、1つ以上のポンプ124および1つ以上の導管125を含む)は、輸送液体源またはリザーバ126からサンプリングOPI 104に、そしてサンプリングOPI 104からESI源114に、液体のフローを提供する。輸送液体源126(例えば、液体、脱着溶媒を含む)は、非限定的実施例として、輸送液体がポンプ124(例えば、往復ポンプ、容積式ポンプ、例えばロータリポンプ、ギアポンプ、プランジャポンプ、ピストンポンプ、蠕動ポンプ、ダイヤフラムポンプ、またはその他のポンプ、例えば重力ポンプ、インパルスポンプ、空気ポンプ、エレクトロキネティックポンプ、および遠心ポンプ)によって選択された体積レートで送達され得る輸送液体供給導管127を介してサンプリングOPI 104と流体連絡し得る。以下に詳細に議論されるように、サンプリングOPIの中へのおよびサンプリングOPIの外からの液体のフローは、1つ以上の溶離液液滴108が、受け取り体積128の中に導入され得、後に、ESI源114に送達され得るように、サンプリングOPI 104の開放端部においてアクセス可能なメニスカス129によって少なくとも部分的に画定された受け取り体積128内で生じる。除去導管110は、OPI 104をESI 114に接続する液体排出システムの1つの部分を形成し、輸送液体および任意の溶離液液滴108をOPI 104から除去する。電気的コンタクト106は、OPI 104上に配置され、電気伝導体107は、その接地を確実にするために、OPI 104の外側部分(それは、輸送液体供給導管127の一部を形成する)を除去導管110に接続する。
【0020】
コントローラ130は、それらの動作のためにシステム100の様々なコンポーネントに動作可能に結合され得る。コントローラ130は、限定されるものではないが、マイクロコントローラ、コンピュータ、マイクロプロセッサ、または制御信号およびデータを送信および受信することが可能な任意のデバイスであり得る。システム100のコントローラ130と残りの要素との間の有線接続または無線接続は、描写されないが、当業者に明白であり得る。
【0021】
図1に示されているように、ESI源114は、エレクトロスプレー電極116の出口端部を包囲する噴霧器プローブ138に高速の噴霧ガスフローを供給する加圧ガス(例えば、窒素、空気、または貴ガス)の源136を含み得る。描写されているように、エレクトロスプレー電極116は、噴霧器プローブ138の遠位端から突出している。加圧ガスは、例えば、高速の噴霧フローと、液体サンプルLS(例えば、輸送流体Sの希釈およびサンプリングデバイス132から受け取られた溶離液)のジェットとの相互作用を介して、サンプルプルームの形成および質量分析器検出器120によるサンプリングのためのプルーム内のイオンの放出を向上させるために、エレクトロスプレー電極116から吐出された液体と相互作用する。液体サンプルLSの個別的な体積は、通常は、輸送液体Sの体積によって互いに分離されている。噴霧器ガスは、例えば約0.1L/分~約20L/分の範囲における様々な流量において供給され得、それも、コントローラ130の影響下で(例えば、弁140の開放および/または閉鎖を介して)制御され得る。
【0022】
噴霧器ガスの流量は、サンプリングOPI 104内の液体の流量が、例えばそれがエレクトロスプレー電極116から吐出される際の噴霧器ガスと検体-溶媒希釈物との相互作用によって生成される吸入/吸引力(例えば、Venturi効果に起因する)に基づいて調整され得るように、(例えば、コントローラ130の影響下で)調整され得ることが理解され得る。電圧(例えば、5kV)は、動作中にエレクトロスプレー電極116に印加され、これにより、エレクトロスプレー電極と接地されたOPI 104との間に電位を形成する。イオン化チャンバ118は、大気圧に維持され得るが、いくつかの実施例においては、イオン化チャンバ118は、大気圧よりも低い圧力まで排気され得る。
【0023】
質量分析器検出器120が様々な構成を有し得ることも、当業者によって、本明細書中の教示に照らして、理解されるであろう。概して、質量分析器検出器120は、ESI源114によって生成されたサンプルイオンを処理(例えば、フィルタ、ソート、解離、検出等)するように構成されている。非限定的な実施例として、質量分析器検出器120は、トリプル四重極質量分析計、または当該技術分野において公知であり、かつ本明細書中の教示にしたがって修正された任意のその他の質量分析器であり得る。本明細書中に開示されるシステム、デバイス、および方法の様々な局面にしたがって修正され得るその他の非限定的な例示的質量分析計システムは、例えば、Rapid Communications in Mass Spectrometry (2003; 17: 1056-1064)に掲載され、James W. HagerおよびJ. C. Yves Le Blancによって執筆され、“Product ion scanning using a Q-q-Q linear ion trap (Q TRAP) mass Spectrometer”と題された論文、および“Collision Cell for Mass Spectrometer”と題された米国特許第7,923,681号に見出すことができ、それらの開示は、全体が参照により本明細書中に援用される。
【0024】
本明細書中に記載されているものおよび当業者に公知であるその他のものを含むがそれらに限定されないその他の構成もまた、本明細書中に開示されるシステム、デバイス、および方法に関連して利用され得る。例えば、その他の質量分析計は、シングル四重極、トリプル四重極、ToF、線形イオントラップ、3Dトラップ、静電トラップ、ハイブリッド分析器、およびその他の公知の質量分析計を含む。例えば、イオン化チャンバ118と質量分析器検出器120との間に配置され、高い場と低い場との間のそれらの移動度の差に基づいてイオンを分離するように構成されたイオン移動度質量分析計(例えば、微分移動度質量分析計)を含む任意の数の付加的要素がシステム100に含まれ得ることがさらに理解され得る。加えて、質量分析器検出器120は、分析器検出器120を通過するイオンを検出し得、例えば、検出された毎秒のイオンの数を示す信号を供給し得る検出器を備え得ることが理解され得る。
【0025】
図1に示されているように、サンプリングデバイス132は、高スループット質量分析法のためのサンプル導入システムを提供するために、OPI 104とインターフェースを取られる。実施例において、サンプリングデバイス132は、キャピラリー電気泳動(CE)を実行し、CE細管102は、OPI 104とインターフェースを取られる。その他の実施例において、サンプリングデバイス132は、液体クロマトグラフィー(LC)を実行し、LC細管102は、OPI 104とインターフェースを取られる。CEまたはLC細管102が、OPI 104を介して質量分析器具120に結合されるとき、システムは、それぞれ、キャピラリー電気泳動質量分析法(CE-MS)システムまたは液体クロマトグラフィー質量分析法(LC-MS)システムとして参照され得る。CE-MSまたはLC-MSシステムの分析性能(感度、再現性、スループット等)は、CEまたはLCデバイスおよびOPIの性能に依存する。CEまたはLCデバイスおよびOPIの性能は、これらのデバイスとインターフェースを取るための動作条件またはパラメータの選択に依存する。これらのデバイスにインターフェースを取るための例示的な動作条件およびパラメータは、本明細書中で以下に記載される。
【0026】
サンプリングデバイス132は、CEシステムであり得る。CEは、電気泳動移動度に基づいてサンプル内の検体を分離するサンプル分離方法である。標準的なCEシステムは、電解質(例えば、緩衝溶液)で充填された溶融シリカ細管を利用する。サンプルは、細管の第1の端部の中に導入される。標準的なシステムにおいて、細管の第1の端部は、アノード緩衝溶液と接触させられ、第2の端部は、カソード緩衝溶液と接触させられる。そして、高電圧(例えば、20kV)が細管にわたって印加され、検体の移動を開始させる。サンプルのコンポーネントは、電気泳動移動度の差に基づく電場の影響下で移動し、分離する。そして、この分離されたサンプルは、緩衝溶液において分離された検体を含む溶離液として、質量分析法システム100のOPI 104に送達され得る。
図1は、受け取り体積128のメニスカス129の下方に配置された細管102の先端部112を描写している。これは、1つの例示的構成に過ぎず、
図2Aにおいてさらに描写され、記載される。CEシステムと質量分析法デバイスとの直接的なインターフェースを可能にするその他の適切な構成は、
図3A、4A、および5Aに描写されている。構成に関わらず、ESI電極116(例えば、5kV)およびCEシステム132(例えば、20kV)の両方における所望の電位を維持するために、CEシステム132から送達される溶離液は、好ましくは接地される。この機能性を可能にするそのような構造の実施例は、以下に描写され説明されており、輸送液体および/またはOPI内の物理的構造を介したCEシステムの接地、または専用の細管接地接触部を介した接地を含む。
【0027】
サンプリングデバイス132は、LCシステムであり得る。LCは、化学親和力の差に基づいてサンプル内の検体を分離する。標準的なLCシステムにおいて、液体サンプルは、溶媒において溶解され(例えば、移動相)、そして、固定相を含むシステム(例えば、カラム)を通して流される。固定相に対する保持力がより強い検体は、システムを通して移動するためにより長い時間がかかり得るので、サンプルの分離が生じる。そして、分離されたサンプルの標的検体は、本明細書中に記載されているように、質量分析法システム100のOPI 104に送達され得る。LCシステムからの圧力は、分離されたサンプルの溶離液の制御されたフローを開始するために使用され得、細管102からの溶媒は、OPI 104の中に入る。
図1は、受け取り体積128のメニスカス129の下方に配置された細管102の先端部112を描写している。これは、1つの例示的構成に過ぎず、
図2Bにおいてさらに描写され、記載される。LCシステムと質量分析法デバイスとの直接的なインターフェースを可能にするその他の適切な構成は、
図3B、4B、および5Bに描写されている。LCシステムは、高伝導性を有するそれらを含む異なる緩衝液または溶媒を利用し得る。そのような高伝導性の液体は、通常は、MSデバイスと適合しない。したがって、本明細書中に描写されている実施例において、輸送液体供給導管に接続された第1の電気的コンタクト106は、輸送液体を接地し、これにより、高伝導性緩衝液がLCシステムにおいて利用され、MSシステムのイオン源におけるイオン化抑制を回避する程度まで希釈するためにOPI 104の中に直接的に導入されることを可能にする。より具体的には、電気コンタクト106は、緩衝液の伝導性を低減させる接地を提供する。これは、高伝導性緩衝液を利用するLCシステム(例えば、ネイティブLC)が、LCシステムからの溶離液のさらなる処理を伴わずに、OPI 104を通してMSデバイスと直接的にインターフェースを取ることを可能にする。
【0028】
図2Aは、CE細管202aからの分離されたサンプルを分析するための例示的システム200aの拡大部分図を描写している。システム200aにおいて、細管202aは、CEサンプリングデバイス232aに接続された第1の端部を有し、電位(例えば、20kV)が、CEサンプリングデバイス232aに印加される。細管202aは、メニスカス229aによって少なくとも部分的に画定された受け取り体積228a内に先端部212aを有する細管の第2の端部を配置することにより、OPI 204aとインターフェースを取られる。受け取り体積228aは、大気に対して開放されているので、細管202aと受け取り体積228aとの間のインターフェースは、大気圧液体接合部(APLJ)として参照され得、輸送液体のメニスカス229aが、空気-液体界面を形成する。受け取り体積228aは、例えばCEサンプリングデバイス232aの第1の端部において印加される電気に対して、受け取り体積228aにおける液体を接地させることにより、電気回路を完成させる。接地は、受け取り体積228aへの液体の供給源、供給導管、またはOPI 204aの出口に適用され得る。
【0029】
図2Aにおいて、システム200aは、ポンプ224a、輸送液体源226a、および輸送液体供給導管227aを有する輸送液体供給システム222aを含む。ポンプ224aは、第1の流量で輸送液体供給源226aから輸送液体供給導管227aの中に輸送液体を圧送するように構成されている。輸送液体は、OPI 204aの開放端部に向けて輸送液体供給導管227aを通して流れ、該開放端部においてメニスカス229aによって少なくとも部分的に画定された受け取り体積228aが形成される。細管202aの先端部212aは、細管202aからの溶離液が受け取り体積228aの中に放出されるように、受け取り体積228a内に配置される。そして、細管202aからの溶離液は、第2の流量で除去導管210aを通して除去される。第1の流量および第2の流量は、輸送液体がOPI 204aの開放端部において受け取り体積228aを形成し、そして、後続して、いかなる輸送液体もOPI 204aの開放端部からの滴下または漏れを伴わずに除去導管210aを通して除去されることを可能にするように構成される。
【0030】
システム200aは、輸送液体供給導管227aに接続された電気伝導体207a(これは、輸送液体供給導管227aの中に統合され得るか、または、それとは別個であり得る)および第1の電気的コンタクト206aをさらに含む。電気伝導体207aは、輸送液体供給導管227aを除去導管210aに接続する。第1の電気的コンタクト206aは、溶媒液を接地するように構成されており、電気伝導体207aは、除去導管210aもまた接地されることを確実にすることを助ける。第1の電気的コンタクト206aは、例えば接地ワイヤに取り付けられた金属クランプ等の接地コネクタを含み得る。細管202aの先端部212aが受け取り体積228aを構成する輸送液体と接触している限り、細管202aから放出された溶離液は、第1の電気的コンタクト206aを介して接地され得る。理解され得るように、その他の実施例において、液体が受け取り体積228aにおいて効果的な接地を提供するために十分な伝導性を有する場合、輸送液体は、例えば供給導管または液体源等のOPI 204aから上流で接地され得る。したがって、2つの液体回路、例えばCEサンプリングデバイス232aからの溶媒液とOPI 204aから流れる輸送液体とは、電気的に分断される。この構成は、CE細管202aからの溶離液が、希釈のためにOPI 204aの中に直接的に流れ、希釈された溶液を質量分析システムのエレクトロスプレーイオン化源に移送することを可能にし、その一方で、CEシステム上(例えば、20kV)で必要な電位と、質量分析システムのエレクトロスプレー電極上(例えば、5kV)で必要な電位とを分離し、それらを維持することを可能にする。
【0031】
図2Aに描写される構成の別の実施例において、輸送液体供給導管227aおよび個別のポンプ224aは、排除され得る。そのような構成は、付属書において描写され、記載されており、その開示は、全体が参照により本明細書中に援用される。しかしながら、輸送液体は、依然としてOPI 204aの適切な動作のために必要とされるので、緩衝液は、CEサンプリングデバイス232aの出口バイアルから導入され得る。この緩衝液は、圧力下で、サンプル細管202aから分離した接合部においてOPI 204aに導入される。緩衝液は、OPI 204aまたはAPLJまでの流路に沿った任意の場所において接地され得る。付属書の
図1において、接地は、APLJへの緩衝液の導入の直前に描写されている。付属書の
図1は、絶縁変圧器も描写しており、それは、CEサンプリングデバイス232aおよび質量分析システムが、それらの2つのコンポーネントを電気的に分断するために共通電力供給を利用する場合、利用され得る。当業者によって理解され得るように、質量分析システムをサポートする電力供給のタイプおよび構成に依存して、または、別個の電力供給が利用される場合、別個の絶縁変圧器は必要とされないこともある。
【0032】
図2Bは、LC細管202bからの分離されたサンプルを分析するための例示的システム200bの拡大部分図を描写している。多数の特徴が
図2Aの文脈において上述されており、そのような特徴は必ずしもさらには記載されないが、本明細書中では明確化のために一貫した番号が付されている。概して、システム200bは、ポンプ224b、輸送液体源226b、および輸送液体供給導管227bを有する輸送液体供給システム222bを含む。システム200bは、輸送液体供給導管227bを除去導管210bに接続するための電気伝導体207bと、輸送液体供給導管227bに接続される第1の電気的コンタクト206bとをさらに含む。第1の電気的コンタクト206bおよび電気伝導体207bは、輸送液体および除去導管210bが接地されることを確実にする。LC細管202bは、メニスカス229bによって少なくとも部分的に画定された受け取り体積228b内に先端部212bを有する細管202bの第2の端部を配置することにより、OPI 204bとインターフェースを取られる。受け取り体積228b内に先端部212bを配置することにより、LC細管202bから放出された溶離液は、接地され得る。このように、電気的コンタクト206bが、LCシステムから吐出された高濃度溶離液からのイオン化抑制を低減し、LCシステムの分離動作と干渉することを伴わずに、OPI 204bの中への溶離液(現在は輸送液体において希釈されている)の直接的な導入を可能にするので、通常は標準的なMSシステムとは適合しない高伝導性液体が、本明細書中に記載されるLC-MSシステムにおいて使用され得る。この構成は、LC細管202bからの希釈された溶離液が、OPI 204bを通して質量分析システムのエレクトロスプレー電極へと直接的に流れることを可能にする。
【0033】
図3Aは、CE細管302aからの分離されたサンプルを分析するための例示的システム300aの別の拡大部分図を描写している。多数の特徴が
図2Aの文脈において上述されており、そのような特徴は必ずしもさらには記載されないが、本明細書中では明確化のために一貫した番号が付されている。概して、システム300aは、ポンプ324a、輸送液体源326a、および輸送液体供給導管327aを有する輸送液体供給システム322aを含む。システム300aは、輸送液体供給導管327aを除去導管310aに接続するための電気伝導体307aと、輸送液体供給導管327aに接続される第1の電気的コンタクト306aとをさらに含む。第1の電気的コンタクト306aおよび電気伝導体307aは、輸送液体および除去導管310aが接地されることを確実にする。システム300aは、メニスカス329aによって少なくとも部分的に画定された受け取り体積328aをさらに含む。CE細管302aは、除去導管310a内に先端部312aを有する細管302aの第2の端部を配置することにより、OPI 304aとインターフェースを取られる。細管302aは、細管302aと除去導管310aとの間にいかなる直接的な接触も存在しないように、除去導管310aから間隔を空けられ得る。代替的に、細管302aは、接触が除去導管310aを通した輸送液体のフローを完全に遮断しない限り、除去導管310aと接触し得る。いずれの構成においても、細管302aの先端部312aを除去導管310a内に配置するすることにより、細管は、輸送液体と接触し、したがって、細管302aからの溶離液は、第1の電気的コンタクト306aを介して接地される。細管302aは、輸送液体のフローを可能にするために、細管302aと除去導管310aとの間に十分な空間を提供するようなサイズにされる。この構成は、CE細管302aからの溶離液が輸送液体において希釈され、OPI 304aを通して質量分析システムに直接的に流れることを可能にし、その一方で、CEシステム上(例えば、20kV)および質量分析システムのエレクトロスプレー電極上(例えば、5kV)で必要な電位を維持することを可能にする。
【0034】
図3Bは、LC細管302bからの分離されたサンプルを分析するための例示的システム300bの別の拡大部分図を描写している。多数の特徴が
図2Aの文脈において上述されており、そのような特徴は必ずしもさらには記載されないが、本明細書中では明確化のために一貫した番号が付されている。概して、システム300bは、ポンプ324b、輸送液体源326b、輸送液体供給導管327bを有する輸送液体供給システム322bを含む。システム300bは、輸送液体供給導管327bを除去導管310bに接続するための電気伝導体307bと、輸送液体供給導管327bに接続される第1の電気的コンタクト306bとをさらに含む。第1の電気的コンタクト306bおよび電気伝導体307bは、輸送液体および除去導管327bが接地されることを確実にする。システム300bは、メニスカス329bによって少なくとも部分的に画定された受け取り体積328bをさらに含む。LC細管302bは、除去導管310b内に先端部312bを有する細管302bの第2の端部を配置することにより、OPI 304bとインターフェースを取られる。細管302bは、除去導管310bから間隔を空けられ得るか、または、
図3Aに関して上述されたように、輸送液体のフローが維持される場合、除去導管310bと接触し得る。細管302bの先端部312bを除去導管310a内に配置することにより、細管は、輸送液体と接触し、細管302bからの溶離液は、したがって、第1の電気的コンタクト306bを介して接地される。このように、電気的コンタクト306bが、LCシステムから吐出された高濃度溶離液からのイオン化抑制を低減し、これにより、それを質量分析システムと適合するので、通常は標準的なMSシステムと適合しない高伝導性液体が、本明細書中に記載されているLC-MSシステムにおいて使用され得る。この構成は、LC細管302bからの溶離液が輸送液体において希釈され、OPI 304bを通して質量分析システムへと直接的に流れることを可能にする。
【0035】
図4Aは、CE細管402aからの分離されたサンプルを分析するための例示的システム400aの別の拡大部分図を描写しており、この場合、伝導性または非伝導性の可撓性ファスナーまたはガスケット430aを介してOPI 404aに固定され得る物理的インターフェースまたはコネクタ429aを使用している。多数の特徴が
図2Aの文脈において上述されており、そのような特徴は必ずしもさらには記載されないが、本明細書中では明確化のために一貫した番号が付されている。概して、システム400aは、ポンプ424a、輸送液体源426a、および輸送液体供給導管427aを有する輸送液体供給システム422aを含む。システム400aは、輸送液体供給導管427aを除去導管410aに接続するための電気伝導体407aと、輸送液体供給導管427aに接続された第1の電気的コンタクト406aとをさらに含む。第1の電気的コンタクト406aおよび電気伝導体407aは、輸送液体および除去導管410aが接地されることを確実にする。CE細管402aは、インターフェース429aによってOPI 404aに接続され、インターフェース429aは、輸送液体供給導管427aおよび細管402aの第2の端部に結合される。インターフェース429aは、除去導管410aに近接して受け取り体積428aを画定し、従って、インターフェース429aは、輸送液体供給導管427aから輸送液体を受け取るように構成されている。インターフェース429aは、例えば入口を介して細管402aの第2の端部の少なくとも先端部412aと連絡可能に結合されるように構成されている。この例示的システム400aにおいて、輸送液体は、インターフェース429aに溢れる。そして、細管402aからの溶離液は、インターフェース429aによって画定された受け取り体積428aの中に受け取られ得、輸送液体において希釈され得、除去導管410aを介して除去され得る。
【0036】
インターフェース429aおよび/またはファスナー430aは、伝導性または非伝導性であり得る。非伝導性インターフェース429aの例は、限定されるものではないが、例えばゴムまたはプラスチック等の非伝導性材料を含むチューブ、チャンバ、または導管を含む。伝導性インターフェース429aの実施例は、限定されるものではないが、例えば伝導性金属(例えば、銅、アルミニウム、鋼鉄)等の伝導性材料を含むチューブ、チャンバ、または導管を含む。インターフェース429aおよび/またはファスナー430aの伝導性に依存して、CEシステムとESIとの間のOPIが、CEシステムを質量分析システムから電気的に絶縁するので、CEシステム上(例えば、20kV)および質量分析システムのエレクトロスプレー電極上(例えば、5kV)で必要な電位を維持するために、追加の接地伝導体が必要とされ得る(例えば、溶融ガラスシリカ細管は、OPIとESIとの間の絶縁体である)。CEシステムは、一端において正または負の電圧を印加し、対電極がインターフェース429aに結合された他端において第2の電圧を印加し、第2の電圧は、CE細管にわたる明確な(well-defined)電圧降下を維持するために、OPI 404aの開放端部において印加される電圧と一致しなければならない。実施例において、ファスナー430aは、固体ガスケット、化学的接着剤、または接着性のラップまたはテープであり得る。インターフェース429aは、少なくとも1つの可撓性要素を含み得るか、または、全体的にまたは部分的に、ゴム、ポリウレタン、ネオプレン、またはシリコーンのうちの少なくとも1つから作製され得る。その他のファスナー430aの構成は、当業者に明らかであり得る。伝導性ファスナー429aとの非伝導性ファスナー430aの使用は、CEシステムにおいて必要とされる電気を維持するために、第2の電気的コンタクト416aがインターフェース429a上に配置されることを必要とする。インターフェース429a自体が非伝導性である場合、第2の電気的コンタクト416aは、先端部412aに接続されるべきである。インターフェース429aが伝導性である実施例において、第1の電気的コンタクト406aは、細管402aからの溶離液を接地するために十分なので、任意の第2の電気的コンタクト416aは、随意ではあるが、望ましくあり得る。
【0037】
図4Bは、ファスナー430bを介して接続されたインターフェース429bを使用してLC細管402bからの分離されたサンプルを分析するための例示的システム400bの拡大部分図を描写している。多数の特徴が
図2Aおよび4Aの文脈において上述されており、そのような特徴は必ずしもさらには記載されないが、本明細書中では明確化のために一貫した番号が付されている。概して、システム400bは、ポンプ424b、輸送液体源426b、および輸送液体供給導管427bを有する輸送液体供給システム422bを含む。システム400bは、輸送液体供給導管427bを除去導管410bに接続するための電気伝導体407bと、輸送液体供給導管427bに接続される第1の電気的コンタクト406bとをさらに含む。LC細管402bは、インターフェース429bによってOPI 404bに接続され、インターフェース429bは、輸送液体供給導管427bおよび細管402bの第2の端部に結合される。細管402bからの溶離液は、インターフェース429bによって画定された受け取り体積428bによって受け取られ、LCシステムから吐出された高濃度溶離液からのイオン化抑制を低減するために、輸送液体において希釈され、除去導管410bを介して除去される。インターフェース429bおよびファスナー430bの構成および材料ならびにそれを考慮した電気的コンタクト416bに対する要件は、
図4Aの文脈において上述されている。
【0038】
図5Aは、CE細管502aからの分離されたサンプルを分析するための例示的システム500aの別の拡大部分図を描写している。
図5Aは、
図2Aにおいて最初に描写されたAPLJの別の構成であるが、サンプル細管502aの先端部512aは、OPI 504aの受け取り体積528a内(APLJの液体側)ではなく、OPI 504aのまわりの大気内(例えば、APLJの空気側)に位置付けられる。OPI 504aは、以前の実施例と比較して逆転されているが、OPI 504aで利用されているコンポーネントは、一貫している。このように、多数の特徴が、
図2Aの文脈において上述されており、そのような特徴は必ずしもさらには記載されないが、本明細書中では明確化のために一貫した番号が付されている。概して、システム500aは、ポンプ524a、輸送液体源526a、および輸送液体供給導管527aを有する輸送液体供給システム522aを含む。システム500aは、輸送液体供給導管527aを除去導管510aに接続するための電気伝導体507aと、輸送液体供給導管527aに接続された第1の電気的コンタクト506aとをさらに含む。第1の電気的コンタクト506aおよび電気伝導体507aは、輸送液体および除去導管510aが接地されることを確実にする。
【0039】
例示的システム500aにおいて、細管502aの一端は、OPI 504aの開放端部から離れ、該開放端部の上方に位置する伝導性先端部512aを有する。細管502aからの溶離液の液滴508aは、メニスカス529aによって少なくとも部分的に画定された受け取り体積528aの中に、重力下で先端部512aから放出され得る。細管502aの先端部512aは、受け取り体積528aから離れ、該受け取り体積の上方に配置されるので、伝導性先端部512aに接続された第2の電気的コンタクト516aは、CEシステム上の電位を維持するために必要とされる。このように、溶離液の液滴508aが細管512aの先端部512aから放出されるとき、溶離液508aは、第2の電気的コンタクト516aを介して接地される。溶離液は、輸送液体において希釈され、そして、除去導管510aを介して質量分析システムへと除去される。
【0040】
図5Bは、LC細管502bからの分離されたサンプルを分析するための例示的システム500bの別の拡大部分図を描写している。多数の特徴が
図2Aおよび5Aの文脈において上述されており、そのような特徴は必ずしもさらには記載されないが、本明細書中では明確化のために一貫した番号が付されている。概して、システム500bは、ポンプ524b、輸送液体源526b、輸送液体供給導管527bを有する輸送液体供給システム522bを含む。システム500bは、輸送液体供給導管527bを除去導管510bに接続するための電気伝導体507bと、輸送液体供給導管527bに接続された第1の電気的コンタクト506bとをさらに含む。第1の電気的コンタクト506bおよび電気伝導体507bは、輸送液体および除去導管527bが接地されることを確実にする。細管502bは、OPI 504bの開放端部から離れ、該開放端部の上方に位置する伝導性先端部512bを含む。細管502bからの溶離液の液滴508bは、メニスカス529bによって少なくとも部分的に画定された受け取り体積528bの中に、重力下で先端部512bから放出され得る。第2の電気的コンタクト516bは、伝導性先端部512bに接続される。したがって、溶離液の液滴508bが細管502bの先端部512bから放出されるとき、溶離液508bは、第2の電気的コンタクト516bを介して接地される。このように、除去導管510bを介してMSシステムに入る前に、電気的コンタクト516bが、LCシステムから吐出された高濃度溶離液からのイオン化抑制を低減するので、通常は標準的なMSシステムと適合しない高伝導性液体が、本明細書中に記載されているLC-MSシステムにおいて使用され得る。
【0041】
図6は、細管から受け取られた分離されたサンプルを分析する方法600を描写している。細管は、キャピラリー電気泳動(CE)または液体クロマトグラフィー(LC)のいずれかを実行するサンプリングデバイスに接続された第1の端部を有する。CEまたはLCサンプリングデバイスを接続するための例示的システムは、例えば、
図2A~5Bにおいて上述されている。方法600は、細管から溶離液(例えば、分離されたサンプルおよび溶媒)を受け取ることを含む(動作602)。溶離液は、少なくとも部分的に輸送液体によって画定された受け取り体積の中に受け取られ、輸送液体において希釈される。受け取り体積は、メニスカスによって少なくとも部分的に画定され得る。動作602を実行することに先立って、方法600は、輸送液体を輸送液体供給導管に供給することを含み得る(動作614)。輸送液体は、輸送液体供給システムから供給され、それは、輸送液体供給導管と流体連絡している。輸送液体は、輸送液体源から輸送液体供給導管を通してOPIの開放端部に向けて流れ、該開放端部において受け取り体積が形成される。第1の電気的コンタクトは、輸送液体を接地するために、輸送液体供給導管に接続される。そして、受け取られた希釈された溶離液は、液体排出システムの中に吸引される(動作604)。液体排出システムは、受け取り体積から液体を除去するように構成された除去導管と流体連絡している。液体排出システムは、例えば、
図1において上述されている。方法は、質量分析システムを用いて受け取られた希釈された溶離液を分析することに続く(動作606)。
【0042】
図2A~5Bにおいて上述されたように、動作602において細管(溶離液は、その細管から受け取られた)は、様々な例示的構成において配列され得る。1つの実施例において、方法600は、メニスカス内に細管の第2の端部を受け取ることを含む(動作608)。例えば
図2Aおよび2Bに示されている例示的システム等におけるように、細管の第2の端部は、輸送液体内に、そして除去導管の外に配置され得る。代替的に、例えば
図3Aおよび3Bに示されている例示的システム等におけるように、細管の第2の端部は、除去導管内に配置され得る。これらの実施例において、細管のうちの第2のものの周囲は、除去導管と接触し得る。しかしながら、細管の第2の端部と除去導管との間の接触は、輸送液体が受け取り体積から除去導管の中に流れることを可能にするように構成されなければならない。
【0043】
第2の実施例において、方法600は、除去導管に近接して受け取り体積を画定しているインターフェースを受け取ることを含む(動作610)。インターフェースは、輸送液体供給導管および細管の第2の端部に結合される。このように、一旦インターフェースが受け取られる(動作610)と、細管からの溶離液が、受け取り体積を画定しているインターフェースの中に受け取られ得る(動作602)。上述されたように、インターフェースは、少なくとも1つの可撓性要素を含み得、第2の電気的コンタクトに接続され得る。動作610において受け取られたインターフェースを利用する例示的システムは、例えば、
図4Aおよび4Bにおいて、本明細書中で上述されている。第3の実施例において、方法600は、細管から溶離液を受け取ることを含み、溶離液は、重力下で細管の第2の端部から受け取り体積の中に放出される(動作612)。動作612と整合する例示的システムは、例えば、
図5Aおよび5Bにおいて上述されている。細管の第2の端部は、重力が溶離液の液体を細管の先端部から放出させるように、受け取り体積から離れ、該受け取り体積の上方に位置する。細管は、受け取り体積と直接的に接触しないので、第2の電気的コンタクトが、細管の先端部上に配置され、溶離液が細管の第2の端部から放出されるとき、それを接地させるように構成される。
【0044】
図7は、本実施例の1つ以上のものが実装され得る適切な動作環境700の1つの実施例を描写している。この動作環境は、例えば
図1に描写されるコントローラ等の質量分析システムのためのコントローラの中に直接的に組み込まれ得る。コントローラは、溶離液をOPIに供給するCEまたはLCシステムとさらにインターフェースを取り得る。これは、適切な動作環境の1つの実施例に過ぎず、用途または機能性の範囲に関するいかなる限定も示唆することを意図されていない。使用に適し得るその他の周知のコンピューティングシステム、環境、および/または構成は、限定されるものではないが、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ハンドヘルドまたはラップトップデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースシステム、プログラム可能な消費者用電子機器(例えばスマートフォン)、ネットワークPC、マイクロコンピュータ、メインフレームコンピュータ、タブレット、上記システムおよびデバイスのうちの任意のものを含む分散コンピューティング環境等を含み得る。
【0045】
その最も基本的な構成において、動作環境700は、通常は、少なくとも1つの処理ユニット702およびメモリ704を含む。コンピューティングデバイスの正確な構成およびタイプに依存して、メモリ704(とりわけ、サンプリングデバイス、細管からの溶離液の放出、液体流量、MSのものとのCEまたはLCのインターフェース動作等を制御するための、または本明細書中に開示されているその他の方法を実行するための命令を格納する)は、揮発性(例えば、RAM)、不揮発性(例えば、ROM、フラッシュメモリ等)、または2つの何らかの組み合わせでであり得る。この最も基本的な構成は、ライン706によって
図7において図示されている。さらに、環境700はまた、格納デバイス(リムーバブル708および/または非リムーバブル710)を含み得、これは、限定されるものではないが、磁気的なものまたは光学ディスクまたはテープを含む。同様に、環境700はまた、例えばタッチスクリーン、キーボード、マウス、ペン、音声入力等の入力デバイス714、および/または、例えばディスプレイ、スピーカ、プリンタ等の出力デバイス716を有し得る。また、環境において含まれるものは、例えばLAN、WAN、ポイント・ツー・ポイント、Bluetooth(登録商標)、RF等の1つ以上の通信接続712であり得る。
【0046】
動作環境700は、通常は、コンピュータ読み取り可能な媒体の少なくともいくつかの形態を含む。コンピュータ読み取り可能な媒体は、動作環境を有する処理ユニット702またはその他のデバイスによってアクセスされ得る任意ン利用可能な媒体であり得る。例えば、限定するのものではないが、コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータ格納媒体または通信媒体を含み得る。コンピュータ格納媒体は、例えばコンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュールまたはその他のデータ等の格納のための任意の方法または技術で実装される揮発性および不揮発性、リムーバブルおよび非リムーバブルな媒体を含む。コンピュータ格納媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたはその他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途(DVD)またはその他の光学的格納装置、磁気化セット、磁気テープ、磁気ディスク格納装置またはその他の磁気格納デバイス、ソリッドステート格納装置、または所望の情報を格納するために使用され得る任意のその他の有形媒体を含む。通信媒体は、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、またはその他のデータを搬送波またはその他の輸送機構等の変調データ信号において実現し、任意の情報配信媒体を含む。用語「変調データ信号」は、信号内の情報をエンコードするように設定または変更された1つ以上のそれの特性を有する信号を意味する。例えば、限定されるものではないが、通信媒体は、例えば有線接続ネットワークまたは直接有線接続等の有線接続媒体、ならびに、例えば音響、RF、赤外線、およびその他の無線媒体等の無線媒体を含む。上記のうちの任意のものの組み合わせもまた、コンピュータ読み取り可能な媒体の範囲内に含まれるべきである。コンピュータ読み取り可能なデバイスは、コンピュータ格納媒体を組み込むハードウェアデバイスである。
【0047】
動作環境700は、1つ以上のリモートコンピュータに対する論理接続を使用してネットワーク接続された環境において動作する単一のコンピュータであり得る。リモートコンピュータは、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ピアデバイス、またはその他の一般的なネットワークノードであり得、通常は、上述された要素のうちの多くのものまたは全てと、言及されてはいないその他のものとを含む。論理接続は、利用可能な通信媒体によってサポートされた任意の方法を含み得る。そのようなネットワーキング環境は、オフィス、企業全体のコンピュータネットワーク、イントラネット、およびインターネットにおいてはありふれたものである。
【0048】
いくつかの実施例において、本明細書中に記載されているコンポーネントは、コンピュータ格納媒体およびその他の有形媒体上に格納され得、通信媒体において伝送され得るコンピュータシステム700によって実行可能なモジュールまたは命令を含む。コンピュータ格納媒体は、例えばコンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、またはその他のデータ等の情報を格納するための任意の方法または技術において実装される揮発性および不揮発性、リムーバブルまたは非リムーバブルな媒体を含む。上記のうちの任意のものの組み合わせもまた、読み取り可能な媒体の範囲内に含まれるべきである。いくつかの実施例において、コンピュータシステム700は、コンピュータシステム700による使用のためにリモート格納媒体においてデータを格納するネットワークの一部である。
【0049】
本開示は、添付の図面を参照して本技術のいくつかの実施例を記載したが、その中の可能な実施例のうちのいくつかのみが示された。しかしながら、その他の局面が、多くの異なる形態において具現化され、本明細書中に記載された実施例に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施例は、本開示が徹底的かつ完全であり、可能な実施例の範囲を当業者に十分に伝えるために提供されたものである。
【0050】
特定の実施例が本明細書中に記載されたが、本技術の範囲は、これらの特定の実施例に限定されない。当業者は、その他の実施例または改良が、本技術の範囲内にあることを認識し得る。したがって、特定の構造、動作、または媒体は、例証的な実施例に過ぎないものとして開示された。本技術による実施例はまた、本明細書中で特に断らない限り、一般的に開示されているが明示的に組み合わせで例示されていないものの要素またはコンポーネントを組み合わせ得る。本技術の範囲は、後続の特許請求の範囲およびその任意の均等物によって規定される。
【国際調査報告】