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  • 特表-電気接続装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】電気接続装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/48 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
H01R4/48 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549035
(86)(22)【出願日】2021-12-23
(85)【翻訳文提出日】2023-08-15
(86)【国際出願番号】 EP2021087588
(87)【国際公開番号】W WO2022174966
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】102021201454.2
(32)【優先日】2021-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】カプール,ジバン
(57)【要約】
電気接続装置(1)、特に電気部品および/または電子部品(2)を導体基板(3)に接続するための電気接続装置であって、導電性の接触部材(10)と、導電体(20)と、を含み、前記導電体(20)の一端(21)が、前記接触部材(10)に電気的に導通接続されているものにおいて、前記接触部材(10)は、少なくとも1つの第1のくし歯(11)と、少なくとも1つの第2のくし歯(12)と、を有するフォーク形状に構成されており、前記第1のくし歯(11)は、前記第2のくし歯(12)から中間空間(13)によって離間しており、前記導電体(20)の前記端部(21)は、前記第1のくし歯(11)と前記第2のくし歯(12)との間の前記中間空間(13)に配置され、前記第1のくし歯(11)および/または前記第2のくし歯(12)と電気的に導通接続されていることを特徴とする、電気接続装置(1)。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気接続装置(1)、特に電気部品および/または電子部品(2)を導体基板(3)に接続するための電気接続装置であって、導電性の接触部材(10)と、導電体(20)と、を含み、前記導電体(20)の一端(21)が、前記接触部材(10)に電気的に導通接続されているものにおいて、前記接触部材(10)は、少なくとも1つの第1のくし歯(11)と、少なくとも1つの第2のくし歯(12)と、を有するフォーク形状に構成されており、前記第1のくし歯(11)は、前記第2のくし歯(12)から中間空間(13)によって離間しており、前記導電体(20)の前記端部(21)は、前記第1のくし歯(11)と前記第2のくし歯(12)との間の前記中間空間(13)に配置され、前記第1のくし歯(11)および/または前記第2のくし歯(12)と電気的に導通接続されていることを特徴とする、電気接続装置(1)。
【請求項2】
前記導電体(20)が、複数の単体導体(23)、特に単体ワイヤを含むリッツ線(22)として構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の電気接続装置(1)。
【請求項3】
前記単体導体(23)が前記くし歯(11,12)間の前記中間空間(13)において少なくとも部分的に重なって配置されているように、リッツ線(22)として構成された前記導電体(20)の前記端部(21)が扇状に広げられていることを特徴とする、請求項2に記載の電気接続装置(1)。
【請求項4】
前記第2のくし歯(12)に向いた前記第1のくし歯(11)の側面および/または前記第1のくし歯(11)に向いた前記第2のくし歯(12)の側面に、構造体(14)が構成されており、前記構造体(14)は、前記導電体(20)の前記端部(21)と電気的に接触していることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の電気接続装置(1)。
【請求項5】
前記構造体(14)が歯(15)を有する逆鉤状に構成されており、前記歯(15)は前記それぞれのくし歯(11,12)から、前記くし歯(11,12)間の前記中間空間(13)に向かって突出し、前記中間空間(13)に配置された前記導体(20)の前記端部(21)と電気的に接触していることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の電気接続装置(1)。
【請求項6】
前記くし歯(11,12)が距離(a)を置いて離間しており、前記距離(a)は、前記導電体(20)の前記端部(21)前方の領域(24)における前記導電体(20)の直径(d)よりも小さいことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の電気接続装置(1)。
【請求項7】
前記導電性接触部材(10)を前記導体基板(3)に取り付けるために、前記導電性接触部材(10)に脚部(16)が構成されていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の電気接続装置(1)。
【請求項8】
前記導電体(20)の前記端部(21)が、前記導電性接触部材(10)にはんだ付けまたは溶接され、特に、前記導電性接続部材(10)の前記くし歯(11,12)の少なくとも1つにはんだ付けまたは溶接されていることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の電気接続装置(1)。
【請求項9】
前記導電体(20)の前記端部(21)が前記くし歯(11,12)の間に挟持されるように、前記導電性接続部材(10)の前記くし歯(11,12)が互いに押し付けられていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の電気接続装置(1)。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の電気接続装置(1)を含む組立体であって、前記組立体(100)は、少なくとも1つの電気部品および/または電子部品(2)と、少なくとも1つの導体基板(3)と、をさらに含み、前記導体(20)は、前記電気部品および/または電子部品(2)に電気的に接触するように構成され、前記接触部材(10)は、前記導体基板(3)に電気的に導通接続、特にはんだ付けされている、組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続装置、特に電気部品および/または電子部品を導体基板に接続するための接続装置、およびそのような接続装置を含む組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
電気部品および/または電子部品は、高周波リッツ線として構成された導体を含むことが多い。リッツ線として構成されたこれらの導体は、一束にまとめられた、絶縁された複数の単体導体を含む。高周波リッツ線導体によって、表皮効果や近接効果による加熱に起因する部品の損失が低減される。通常、リッツ線として構成されている導体は、電気部品および/または電子部品を導体基板、例えばプリント回路基板に接続できるようにするために、THT(Through Hole Technology)ピンまたはSMD(Surface Mounting Device)ピンと電気的に接触する。リッツ線のTHTピンまたはSMDピンへの接続は、リッツ線を構成する単体導体数が非常に多く、これらが小径である場合に難しくなる。導体数が多いと、取り扱いや、接続箇所へのはんだの塗布、またはリッツ線束へのはんだの浸透と接触が難しくなる。さらに、所望の接触のために長いはんだ付け時間が必要な場合や、長いはんだ付け時間を目指さなければならない場合、例えば銅からなる小径の単体導体は、はんだや、はんだ槽のはんだに溶解することがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明によれば、接続装置、特に電気部品および/または電子部品を導体基板に接続するための接続装置が提案される。接続装置は、導電性の接触部材と、導電体と、を含み、導電体の一端は、接触部材に電気的に導通接続されている。本発明によれば、接触部材は、少なくとも1つの第1のくし歯と、少なくとも1つの第2のくし歯と、を有するフォーク形状に構成されており、第1のくし歯は、第2のくし歯から中間空間によって離間しており、導電体端部は、第1のくし歯と第2のくし歯との間の中間空間に配置され、第1のくし歯および/または第2のくし歯と電気的に導通接続されている。
【0004】
従来技術と比較して、独立請求項の特徴を有する接続装置は、導体と、接触部材との間の電気接続が、製造が容易であると同時に、安定して、かつ良好に実現できるという利点を有する。したがって、電気部品および/または電子部品の導体を、有利には、接触部材と良好かつ容易に接触させることができる。接触部材はその後、接触部材に構成された脚部によって、導体基板、例えばプリント回路基板にはんだ付けすることができる。フォーク形状の接触部材のくし歯間の中間空間は、導体端部のための有利には良好な収容部となり、収容部内に導体端部が保持され、その後、有利には良好かつ容易に接触部材にはんだ付けまたは溶接することができる。接触部材に接触させるための導体端部を、例えば接触部材の周囲に巻き付ける代わりに、接触部材のくし歯間の中間空間に容易な方法で収容してもよい。
【0005】
本発明のさらなる有利な実施形態および改善形態は、従属請求項に記載された特徴によって可能となる。
有利な実施例によれば、導電体が、複数の単体導体、特に単体ワイヤを含むリッツ線として構成されていることが企図されている。このように構成された導体は、有利には可撓性があり、有利には良好に、フォーク形状の接触部材のくし歯間の中間空間に嵌め込むことができる。リッツ線として構成された導体端部は、有利には良好に変形させることができ、特に平坦化することができる。導体端部は、有利には容易に、例えばくし歯間の縦長に構成された中間空間に挿入することができ、中間空間内で、例えばはんだ付けまたは溶接によって接触部材に接続することができる。その際、導体端部は、はんだ付けまたは溶接プロセス中に、有利には良好に接触部材のくし歯間に保持されることができる。
【0006】
有利な実施例によれば、リッツ線として構成された導電体が、単体導体がくし歯間の中間空間において少なくとも部分的に重なって配置されるように、端部が扇状に広げられていることが企図されている。したがって、導電体は端部が平坦である。単体導体は、例えば導体の他の領域のように、導体端部が略円形の横断面を有する束として配置されておらず、扇状に広げられている。したがって、単体導体は、中間空間において少なくとも部分的に重なって配置されている。導体の端部は、それ以外の円形の横断面と比較して、平坦化された横断面を有する。したがって、有利には多数の単体導体が、導体端部において接触部材のくし歯に当接し、くし歯に電気的に導通接続することができ、特にはんだ付けまたは溶接することができる。導体端部と接触部材との間の接触面は、このように有利には拡大され、したがって、導体と接触部材との間に有利には良好な電気接触が確立される。扇状に広げられた端部、および接続対象の接触部材に直接位置し、開いた状態で挿入可能なリッツ線横断面によって、単体導体は、導体を接触部材に接続するためのはんだに対してより良好にアクセスでき、ひいては接触部材への導体のより良好な接続が達成できる。
【0007】
有利な実施例によれば、第2のくし歯に向いた第1のくし歯の側面および/または第1のくし歯に向いた第2のくし歯の側面に、構造体が構成されていることが企図されている。構造体は、導電体端部と電気的に接触している。構造体によって、有利には、導体と接触部材との間の接触が改善される。構造体は、有利には、導体端部をくし歯間の中間空間に保持し、有利には、導体端部、接触部材、および、例えばはんだ間の接触面を増加させ、その結果、導体と接触部材との間に特に良好かつ安定した電気接続が確立される。
【0008】
有利な実施例によれば、構造体が歯を有する逆鉤状に構成されており、歯がそれぞれのくし歯から、くし歯間の中間空間に向かって突出し、中間空間に配置された導体端部と電気的に接触していることが企図されている。したがって、導体端部は、接触部材の第1のくし歯および/または第2のくし歯の歯によって、中間空間内に保持される。特に、単体導体または単体導体の束は、導体端部を歯の間、特にくし歯の連続する歯の間に保持してもよい。
【0009】
有利な実施例によれば、くし歯が距離を置いて離間しており、この距離は、導電体端部前方の領域における導電体の直径よりも小さい。したがって、導体端部も平坦化され、導体は、端部が円形の横断面を有さなくなる。導体端部は、フォーク形状の接触部材のくし歯間の中間空間に完全に配置されている。導体が、導体のそれ以外の円形の横断面に比べて狭いくし歯間の中間空間に挿入されると、導体端部は平坦化され、したがって、単体導体が中間空間内で重なって配置され、導体端部は、導体の残りの部分に比べて平坦化された横断面となる。したがって、単体導体は、例えばはんだ付けプロセスまたは溶接プロセスに対して、より広い面にわたってアクセス可能となり、接触部材と導体との間に有利には良好な接続を確立することができる。
【0010】
有利な実施例によれば、導電性接触部材を導体基板に取り付けるために、導電性接触部材に脚部が構成されていることが企図されている。脚部は、例えばSMDプロセスで、例えば導体基板にはんだ付けすることができる。したがって、接続装置は、接触部材に接続された導体を有する電気部品および/または電子部品を、SMDプロセスによって導体基板に接続するために使用することができる。接触部材は、例えばSMDピンとして構成されており、ピンの一端は2つのくし歯をフォーク形状に有し、他端では脚部を有する。
【0011】
有利な実施例によれば、導電体端部が、導電性接触部材にはんだ付けまたは溶接され、特に、導電性接続部材のくし歯の少なくとも1つにはんだ付けまたは溶接されていることが企図されている。このようにして、導体と接触部材との間に、特に良好で安定した接続が確立される。接続には、例えば、レーザ溶接やレーザはんだ付けを使用してもよい。はんだ付けや溶接の際には、リッツ線が扇状に広がることで有利には支持され、例えばワニス製の絶縁層を単体導体の周囲で除去してもよい。
【0012】
有利な実施例によれば、導電性接続部材のくし歯が互いに押し付けられ、したがって、導電体端部がくし歯の間に挟持されることが企図されている。したがって、導電性接続部材のくし歯は、接続装置の製造時に互いに押し付けられ、導体端部が追加的に固定される。さらに、くし歯が互いに押し付けられる際に、導体端部は有利には圧縮されてもよく、したがって、導体の単体導体がくし歯の長手方向に沿った中間空間でさらに扇状に広がり、ひいてはくし歯と導体との間に有利には大きな接触面が発生し、はんだの浸透が支持される。
【0013】
さらに本発明によれば、先行する請求項のいずれか一項に記載の電気接続装置を含む組立体であって、組立体は、少なくとも1つの電気部品および/または電子部品と、少なくとも1つの導体基板と、をさらに含み、導体は、電気部品および/または電子部品に電気的に接触するように構成され、接触部材は、導体基板に電気的に導通接続、特にはんだ付けされている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の実施例を図面に示し、以下の説明で詳述する。
図1】電気接続装置によって接続された、電気部品および/または電子部品と、導体基板と、を備えた組立体の第1の実施例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1では、電気部品および/または電子部品2と、導体基板3と、を含む組立体100が示されている。電気部品および/または電子部品2は、接続装置1によって導体基板3に電気的に導通接続されている。導体基板3は、例えばプリント回路基板またはパワー基板、例えばDBC(Direct Bonded Copper)基板であってもよい。電気部品および/または電子的部品2は、例えば誘導性部品、例えばチョークまたはトランスであってもよい。電気部品および/または電子部品2は、例えばハウジング30内、例えばプラスチック製のハウジング30内に配置されてもよい。
【0016】
電気部品および/または電子部品2を連結するために、導電体20が設けられている。電気部品および/または電子部品2は、導電体20を介して電気的に接触することができる。したがって、電気部品および/または電子部品2は、さらなる導体、例えば導体基板3の導体路、またはさらなる電気部品および/または電子部品に電気的に接続することができる。電気部品および/または電子部品2が、例えば誘導性部品として構成されている場合、導体20は、例えば図示されていない磁気的に有効なコアの周りに巻かれ、例えばチョークまたはトランスを形成できる。図示の導体20に加えて、電気部品および/または電子部品2が電気的に接触することができるさらなる導体を設けてもよい。図示の実施例では、導体20はリッツ線22として、特に高周波リッツ線として構成されている。リッツ線22は、複数の単体導体23を含み、単体導体23は、束としてリッツ線22にまとめられている。リッツ線22は、例えば100本以上の単体導体23を含んでもよい。それぞれの単体導体23は、絶縁層によって他の単体導体23から電気的に絶縁されている。単体導体23は、例えば単体ワイヤとして構成されてよい。単体導体23は、例えば、それぞれ500マイクロメートル未満、特に200マイクロメートル未満、好ましくは特に50マイクロメートルの直径を有していてもよい。リッツ線22の単体導体23は、例えば全て同様に構成されている。単体導体23は、それぞれ、他の単体導体23から単体導体23を電気的に分離する、例えばワニス製の絶縁体を有していてもよい。さらに、リッツ線22は、単体導体23の束を囲んでまとめる1つまたは複数の外被を含んでもよい。単体導体23の束において、単体導体23が互いに絡み合わさっていてもよい。
【0017】
図示のように、導体20は、主に、導体20の単体導体23が束ねられた領域24から構成される。この領域24において、導体20は、例えば略円形の横断面積を有する。領域24には、導電体20の端部21が連結する。導体20の端部21では、導体20は円形の横断面を有しておらず、略円形の横断面を有する領域24と比較して平坦化された横断面を有する。リッツ線22として構成されている導体20の端部21では、単体導体23の束が平坦化されている。単体導体23は、導体20の端部21において、扇状に広がっている。加えて、全ての単体導体23の周囲に共通の被覆を形成するリッツ線22の外被は、導体20の端部21で除去されている。
【0018】
図示のように、接続装置1は、接触部材10をさらに含む。接触部材10は、例えばピン、例えばSMDピンまたはTHTピンとして構成してもよく、導体基板3、特にプリント回路基板への接続のために設けてもよい。図示の実施例では、接触部材10は、SMDピンとして構成されている。接触部材10には脚部16が構成されており、この脚部16で接触部材10は導体基板3に接続されている。図示のように、接触部材10は、導体基板3の反対側がフォーク状に構成されている。加えて、接触部材10には2つのくし歯11,12、すなわち第1のくし歯11と第2のくし歯12が構成されている。第1のくし歯11と第2のくし歯12は、互いに平行に、または若干の開き角(リッツ線挿入時の漏斗効果)をもって配置されている。第1のくし歯11と第2のくし歯12は、同一または類似の長さを有する。第1のくし歯11と第2のくし歯12は、接触部材10のベース領域17に連結する。接触部材10のベース領域17は、長手方向に、例えば導体基板3から離れた導体基板3に対して垂直方向に延びる。導体基板3に向いた接触部材10のベース領域17の端部には、本実施例では、接触部材10の脚部16が構成されている。導体基板3から離れる方向を向いた接触部材10のベース領域17の端部には、接触部材10のくし歯11,12が構成されている。くし歯11,12には、歯15の形状の構造体がそれぞれ構成されている。歯15は、くし歯11,12の互いに向かい合う内面から突出している。歯15は、単体導体23の束を導体20の端部21に固定する役割を果たす。
【0019】
接触部材10は、電気部品および/または電子部品2に固定されている。このために、電気部品および/または電子部品2のハウジング40に保持部31が構成されている。接触部材10のための保持部31には、例えば、接触部材10が通される切抜き部32が構成され、これを通して接触部材10が保持部31、ひいては電気部品および/または電子部品2のハウジング30に保持されている。
【0020】
導体20の端部21は、第1のくし歯11と第2のくし歯12との間の中間空間13に配置されている。中間空間13は、導体20の端部21が圧縮され、ひいては平坦化されるように狭くなっている。第1のくし歯11は、第2のくし歯12から距離aだけ離間して配置されている。距離aは、くし歯11,12に垂直な方向に測定される。距離aは、導体20の単体導体23が略円形の横断面を有する束を形成する導体20の領域24において、導体20の直径dよりも小さい。導体20の端部21は、接触部材10の第1のくし歯11および/または第2のくし歯12に電気的に導通して、かつ機械的に接続されている。このために、本実施例では、単体導体23は例えばレーザを用いて、第1のくし歯11および/または第2のくし歯12にはんだ付けまたは溶接される。導体20の端部21が接触部材10に溶接される場合、導体20の端部21を保持するための少なくとも1つの部材を保持部に追加的に設けてもよい。
【0021】
当然ながら、他の実施例や、図示の実施例の混合形態も可能である。
図1
【国際調査報告】