(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】ゲート金属-絶縁体-フィールドプレート金属集積回路コンデンサおよびそれを形成する方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/822 20060101AFI20240208BHJP
H01L 21/338 20060101ALI20240208BHJP
H01L 29/41 20060101ALI20240208BHJP
H01L 21/28 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
H01L27/04 C
H01L27/04 A
H01L29/80 H
H01L29/80 E
H01L29/80 F
H01L29/44 Y
H01L21/28 301R
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549087
(86)(22)【出願日】2022-02-16
(85)【翻訳文提出日】2023-10-11
(86)【国際出願番号】 US2022016574
(87)【国際公開番号】W WO2022177971
(87)【国際公開日】2022-08-25
(32)【優先日】2021-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521085021
【氏名又は名称】エフィシェント・パワー・コンバージョン・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジャンジュン・カオ
(72)【発明者】
【氏名】ゴードン・ステックレイン
(72)【発明者】
【氏名】ムスカン・シャーマ
【テーマコード(参考)】
4M104
5F038
5F102
【Fターム(参考)】
4M104AA04
4M104AA07
4M104BB30
4M104CC01
4M104CC03
4M104DD07
4M104DD15
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4M104FF10
4M104GG12
4M104GG19
5F038AC04
5F038AC05
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5F102GL04
5F102GM04
5F102GQ01
(57)【要約】
GaN FETおよび金属-絶縁体-金属コンデンサを含む集積回路。コンデンサは、横方向GaNプロセスフローと完全に一体化される。すなわち、GaN FETの同じゲート金属層、フィールドプレート金属層、および誘電体層が、コンデンサの底部プレート、絶縁体、および上部プレートを形成するためにも使用される。上部プレートは、上部プレート通って延びる導電性ビアによって接触される。集積回路のコンデンサの電圧降伏容量を増加させるために、ゲート金属層の一部は、導電性ビアの周りにリングの形状で形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート金属層から形成されるゲート金属を含む電界効果トランジスタ(FET)と、
前記FETの上に配設され、フィールドプレート金属層から形成される第1のフィールドプレートと、
前記ゲート金属層から形成される底部電極、
前記フィールドプレート金属層から形成される上部電極、
前記上部電極を通って延びる導電性ビアを備える、前記上部電極への接点
を含むコンデンサと、
前記ゲート金属と前記第1のフィールドプレートとの間、かつ、前記コンデンサの前記上部電極と前記底部電極との間に配設される第1の誘電体層と
を備える、集積回路。
【請求項2】
前記FETが、GaN FETを備え、前記集積回路が、
基板の上のGaN層と、
前記GaN層の上の前面バリア層と
をさらに備え、
前記GaN層と前記前面バリア層との間の界面において、2次元電子ガス(2DEG)が形成される、請求項1に記載の集積回路。
【請求項3】
前記コンデンサの前記底部電極が、オーミック接点によって前記2DEGに電気的に接続される、請求項2に記載の集積回路。
【請求項4】
前記第1のフィールドプレートおよび前記コンデンサの前記上部電極を形成する前記フィールドプレート金属層が、窒化チタンを含む、請求項3に記載の集積回路。
【請求項5】
前記コンデンサの前記上部電極が、オーミック接点によって前記2DEGに電気的に接続される、請求項2に記載の集積回路。
【請求項6】
前記導電性ビアが、前記集積回路の上部接点を前記コンデンサの前記上部電極に導電的に接続する、請求項1に記載の集積回路。
【請求項7】
前記ゲート金属層のセグメントが、前記導電性ビア用のエッチングストップとして機能する、請求項6に記載の集積回路。
【請求項8】
前記コンデンサの前記底部電極が、前記導電性ビアを囲繞するリングの形状に形成される部分を有する、請求項1に記載の集積回路。
【請求項9】
前記コンデンサの前記底部電極が、前記導電性ビアを囲繞するリングの形状に形成される部分を有し、前記リングが、前記リングの下にある前記2DEGの部分に対するダイオードを形成して、前記上部電極が前記底部電極より高い電圧にあるとき、第1の極性方向において、電流をブロックし、前記コンデンサの電圧降伏容量を増加させる、請求項3に記載の集積回路。
【請求項10】
前記コンデンサの前記上部電極が、オーミック接点によって前記2DEGに電気的に接続され、前記導電性ビア用のエッチングストップが、前記オーミック接点を囲繞するリングの形状に形成され、前記リングが、前記リングの下にある前記2DEGの部分に対するダイオードを形成して、前記底部電極が前記上部電極より高い電圧にあるとき、前記第1の極性方向と反対の第2の極性方向において、電流をブロックし、前記コンデンサの前記電圧降伏容量を増加させる、請求項9に記載の集積回路。
【請求項11】
前記コンデンサの前記上部電極の上に配設される前記FETと共通の第2の誘電体層と、前記第2の誘電体層の上に配設される前記FETと共通の第2のフィールドプレートとをさらに備え、前記第2のフィールドプレートが、第3のコンデンサ電極を形成する、請求項1に記載の集積回路。
【請求項12】
ゲート金属層から形成されるゲート金属を有するFETと、前記FETの上のフィールドプレート層から形成されるフィールドプレートと、底部電極および上部電極を有する金属-絶縁体-金属コンデンサとを備える集積回路を形成する方法であって、
前記ゲート金属層から前記コンデンサの前記底部電極を形成するステップと、
前記フィールドプレート金属層から前記コンデンサの前記上部電極を形成するステップと、
前記上部電極を通ってエッチングストップに延びる導電性ビアを備える、前記上部電極への接点を形成するステップと、
前記FETと前記コンデンサとに共通の少なくとも1つの誘電体層を形成するステップであって、前記誘電体層が、前記コンデンサの前記上部電極と前記底部電極との間の絶縁体として配設される、ステップと
を含む、方法。
【請求項13】
前記FETが、2DEG領域を有するGaN FETを備え、前記方法が、前記コンデンサの前記底部電極の一部を、前記導電性ビアを囲繞するリングの形状に形成するステップをさらに含み、前記リングが、前記リングの下にある前記2DEG領域の部分に対するダイオードを形成して、前記上部電極が前記底部電極より高い電圧にあるとき、第1の極性方向において、電流をブロックし、前記コンデンサの電圧降伏容量を増加させる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記コンデンサの前記上部電極を前記2DEG領域に接続するオーミック接点を形成するステップと、前記導電性ビアのための前記エッチングストップを、前記オーミック接点を囲繞するリングの形状に形成するステップとをさらに含み、前記リングが、前記リングの下にある前記2DEG領域の第2の部分に対するダイオードを形成して、前記底部電極が前記上部電極より高い電圧にあるとき、第2の極性方向において、電流をブロックし、前記コンデンサの前記電圧降伏容量を増加させる、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、トランジスタおよびコンデンサを含む集積回路に関し、より詳細には、共通の金属層および誘電体を共有するトランジスタおよびコンデンサを含む集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
トランジスタは、コンデンサなどといった、他の電気構成要素と集積化されることが多い。たとえば、米国特許第10,153,273号は、単一の集積回路において製造される、FETトランジスタおよび金属-絶縁体-金属コンデンサを開示している。しかし、金属-絶縁体-金属コンデンサは、トランジスタとは異なる金属層を使用し、したがって、デバイスを作るために別個のプロセスフローを必要とし、このことによって、製造プロセスが複雑になる。
【0003】
FETおよび金属-絶縁体-金属コンデンサを有する集積回路を形成することが知られており、ここで、コンデンサは、FETのゲートと同じ金属層から形成される底部プレートと、FETの上にあるフィールドプレートと同じ金属層から形成される上部プレートとを有し、コンデンサのプレート間の絶縁体は、FETの上にある同じ誘電体層から形成される。しかし、そのような従来技術の集積回路では、フィールドプレート金属は、コンデンサの上部プレートとしても機能するが、比較的厚い(>200nm)のアルミニウムベースの膜でなければならず、そのため、それは、コンデンサの上部プレートへの接点ビアの化学的選択性エッチングのためのエッチングストップとして働くことができる。厚いアルミニウムフィールドプレートは、ウェハ表面のトポロジーを劣化させ、特に、複数のフィールドプレートを有するデバイスにおいて不利益である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、薄い非アルミニウム金属から形成されるフィールドプレート層を有する、集積化されたゲート金属層-絶縁体層-フィールドプレート層コンデンサを有する集積回路であって、コンデンサの上部プレートへの接点が、エッチングストップとして機能する上部プレートなしに作られる、集積回路を形成することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、GaNトランジスタと、横方向GaNプロセスフローと完全に一体化される金属-絶縁体-金属コンデンサとを含む集積回路を提供することによって、従来技術の上述の欠点を克服する。すなわち、GaN FETに使用されるのと同じゲート金属層、フィールドプレート金属層、および誘電体層が、コンデンサの底部プレート、絶縁体、および上部プレートを形成するためにも使用される。しかし、上述した従来技術とは異なり、本発明のフィールドプレート層は、非アルミニウム金属層(好ましくは、TiN)から形成され、これは、比較的薄く(約40nm)、したがって、上で言及された従来技術の欠点を有しない。
【0007】
本発明によれば、コンデンサの上部プレートは、好ましくは導電性ビアによって電気的に接触されるが、従来技術とは異なり、ビアはコンデンサの上部プレートを貫通する。なぜならば、上部プレートはアルミニウムから形成されず、エッチングストップとして機能しないからである。
【0008】
本発明の第1の実施形態では、フィールドプレート金属ではなく、ゲート金属層のセグメントが、導電性接点ビアのためのエッチングストップとして機能する。
【0009】
本発明の第2の実施形態では、コンデンサの底部プレートの少なくとも一部が、上部プレートのための導電性接点ビアの周りでリングの形状に形成されて、第1の極性でのコンデンサの降伏電圧を向上させる。
【0010】
本発明のさらなる実施形態では、導電性接点ビアのためのエッチングストップは、リングの形状に形成され、その結果、両方の極性でのコンデンサの降伏電圧を向上させる。
【0011】
本発明のさらに別の実施形態では、コンデンサは、3つの金属電極を備え、ここで、第3の電極が、第1のフィールドプレート金属層の上の第2のフィールドプレート金属層から形成され、GaN FETと共通のさらなる誘電体層が、第1のフィールドプレート層と第2のフィールドプレート層との間に配設され、コンデンサのさらなる絶縁体層を形成する。
【0012】
実装形態および要素の組合せの様々な新規の詳細を含む、本明細書に記載される上記および他の好ましい特徴が、ここで、添付図面を参照し、より詳細に記載され、特許請求の範囲において指摘されることになる。特定の方法および装置は、例示としてのみ示され、特許請求の範囲の限定として示されないことを理解するべきである。当業者には理解されるように、本明細書の教示の原理および特徴は、特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、様々な多くの実施形態において採用することができる。
【0013】
本開示の特徴、目的、および利点は、図面と一緒に考えれば、以下に記載される詳細な説明から、より明らかとなり、図面において、同様の参照記号は、全体を通して対応して識別する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】本発明の第1の実施形態による、電界効果トランジスタ(FET)およびコンデンサを含む集積回路の平面図である。
【
図1B】本発明の第1の実施形態による、電界効果トランジスタ(FET)およびコンデンサを含む集積回路の断面図である。
【
図1C】コンデンサおよび2DEG領域へのその接続を示す概略回路図である。
【
図2】
図1Aおよび
図1Bの集積回路を形成するためのプロセスフローを示す構造図である。
【
図3】
図1Aおよび
図1Bの集積回路を形成するためのプロセスフローを示す構造図である。
【
図4】
図1Aおよび
図1Bの集積回路を形成するためのプロセスフローを示す構造図である。
【
図5】
図1Aおよび
図1Bの集積回路を形成するためのプロセスフローを示す構造図である。
【
図6】
図1Aおよび
図1Bの集積回路を形成するためのプロセスフローを示す構造図である。
【
図7A】本発明の第2の実施形態による集積回路の平面図である。
【
図7B】本発明の第2の実施形態による集積回路の断面図である。
【
図7C】コンデンサおよび2DEG領域へのその接続を示す概略回路図である。
【
図8】
図7Aおよび
図7Bの集積回路を形成する1つのステージにおける構造図である。
【
図9】
図7Aおよび
図7Bの集積回路を形成する1つのステージにおける構造図である。
【
図13A】本発明の集積回路の別の実施形態の平面図である。
【
図13B】本発明の集積回路の別の実施形態の断面図である。
【
図14A】本発明の集積回路のさらに別の実施形態の平面図である。
【
図14B】本発明の集積回路のさらに別の実施形態の断面図である。
【
図15A】本発明の集積回路のさらなる実施形態の平面図である。
【
図15B】本発明の集積回路のさらなる実施形態の断面図である。
【
図15C】コンデンサおよび2DEG領域へのその接続を示す概略回路図である。
【
図16A】本発明の集積回路のまたさらなる実施形態の平面図である。
【
図16B】本発明の集積回路のまたさらなる実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の詳細な説明には、一定の実施形態への参照が行われる。これらの実施形態は、それらを当業者が実施するのを可能にする十分な詳細と共に記載される。他の実施形態を採用できること、および様々な構造的、論理的、および電気的変更を行うことができることを理解されたい。
【0016】
図1Aおよび
図1Bは、本発明の第1の実施形態による、電界効果トランジスタ(FET)710とコンデンサ720の両方を含む集積回路700の平面図および断面図を図示する。電界効果トランジスタ(FET)710は、好ましくは、GaN FETである。コンデンサ720は、底部プレート1001および上部プレート3001を有する金属-絶縁体-金属コンデンサである。下に記載されるように、コンデンサ720は、GaN FET710の横方向製造プロセスフローと完全に一体化される。
【0017】
集積回路700は、基板4001、基板4001上の窒化ガリウム(GaN)層4002、およびGaN層4002の上の窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)前面バリア層4003を含む。GaN層4002と前面バリア層4003との間の界面に形成される2次元電子ガス(2DEG)領域5004は、コンデンサの底部プレート1001にわたって横方向に、および底部プレート1001の下に延び、それが参照番号1004によって識別される。
【0018】
集積回路700は、ゲート金属層、好ましくはTiN(500~2000Å厚)で形成される、GaNトランジスタ710のゲート金属5001をさらに含む。同じ金属層が、横方向に広がり、コンデンサ720の底部プレート/電極1001を形成する。同様に、コンデンサ720の上部プレート/電極3001は、GaNトランジスタ710の上に配設される、フィールドプレート5005と同じ導電性金属層(好ましくは、TiN)から形成される。有利なことに、従来技術とは異なり、フィールドプレート5005および上部プレート3001を形成するフィールドプレート金属層がアルミニウムを含まず、50~1000Åの厚さを有する薄い金属(好ましくは、TiN)である。(上部プレート3001を形成する)フィールドプレート金属がアルミニウムを含まないために、それはエッチングストップとして機能することができず、上部プレートと接触するビア3003は上部プレート3001を貫通する。
図1Bに示される本発明の第1の実施形態では、好ましくはタングステンプラグである導電性ビア3003は、上部プレート3001と接触し上部プレート3001を通って延びて、第1の層間誘電(絶縁)層2001(好ましくは、Si
3N
4)を続けて通り、エッチングストップとして機能するゲート金属層の分離されたセグメント3006において停止する。コンデンサの底部プレート1001は、底部プレート接点ビア1003、配線金属1005、オーミック接点ビア5003、およびオーミック接点5002によって、下にある2DEG領域1004に電気的に接続される。
【0019】
集積回路700は、第2の層間誘電体2002、第3の層間誘電体2003、および第4の層間誘電体2004も含み、これらは、金属層および第1の層間誘電体2001のように、GaNトランジスタ710とコンデンサ720の両方に共通である。第1の層間誘電体2001はコンデンサ720の絶縁体層として機能する。
図1Aに示されるように、コンデンサ底部プレート1001および上部プレート3001の重複領域1006が、コンデンサの活性区域である。
【0020】
図1Aおよび
図1Bの上述の実施形態は、約6ボルトのコンデンサ720上の電圧に制限され、その上では、上部プレート3001に導電性接続されるエッチングストップ3006は、
図1Cに示されるコンデンサ720の概略表現中のノーマルオープンヒューズ3007によって示されるように、2DEG1004と短絡することになる。
【0021】
図2から
図6は、集積回路700を形成する様々なステージにおける半導体層構造を図示しており、したがって、集積回路700を形成する方法を図示する。
図2を参照すると、プロセスの始めに、窒化ガリウム(GaN)層4002が基板4001の上に配設され、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)前面バリア層4003がGaN層4002の上に配設される。ゲート金属層1007は、AlGaN前面バリア層4003上に形成または堆積される。
【0022】
図3を参照して、プロセスの第2のステップでは、ゲート金属層1007は、パターン形成したフォトレジストマスクを用いてエッチングされて、コンデンサ底部プレート1001、エッチングストップ3006、およびトランジスタゲート金属5001(
図1B)を形成し、すべてが同じゲート金属層1007から形成される。次に、第1の層間誘電体2001が、コンデンサ底部プレート1001、上部プレートエッチングストップ3006、およびトランジスタゲート金属5001、ならびにAlGaN前面バリア層4003の上に堆積される。
【0023】
図4を参照して、プロセスの第3のステップでは、第1のフィールドプレート金属層(好ましくは、TiN)が第1の層間誘電体層2001上に堆積され、パターン形成したフォトレジストマスクを用いてエッチングされて、コンデンサ上部プレート3001および第1のフィールドプレート5005を形成する(
図1B)。したがって、コンデンサ上部プレート3001および第1のフィールドプレート5005は、同じ金属層から形成される。次に、第2の層間誘電体2002が、コンデンサ上部プレート3001、第1のフィールドプレート5005、および第1の層間誘電体2001の上に堆積される。
【0024】
図5を参照して、プロセスの第4のステップでは、誘電体を通してエッチングが行われてビアを形成し、金属がビアの中に堆積されてオーミック接点金属5002が形成される。次いで、第3の層間誘電体2003が、オーミック接点金属5002および第2の層間誘電体2002の上に堆積される。
【0025】
図6を参照して、プロセスの最後のステップでは、第4の層間誘電体2004が第3の層間誘電体2003上に堆積され、ビアホールがパターン形成されてエッチングされ、金属がビアホールの中に堆積されて化学的機械的平坦化(CMP)によって平坦化され、上部プレート接点3003(すなわち、コンデンサ上部プレートへの電気接点)、底部プレート接点1003(すなわち、コンデンサ底部プレートへの電気接点)、およびオーミック金属5002への電気接点5003を形成する。底部プレート接点1003、上部プレート接点3003、およびオーミック金属接点5002への接点5003は、好ましくは各々がタングステンプラグビアである。
【0026】
さらに、金属(AlCuまたはAlSiCuなど)が(第4の層間誘電体2004、上部プレート接点3003、底部プレート接点1003、およびオーミック接点金属5002への接点5003の上の)上面上に堆積され、次いで、パターン形成およびエッチングされて、底部プレート配線金属1005および上部プレート配線金属3005を形成する。
【0027】
図7Aおよび
図7Bは、第1の実施形態のコンデンサ降伏電圧制限を有しない集積回路800という、本発明の第2の実施形態の平面図および断面図を図示する。集積回路800の多くの構成要素および集積回路800を形成するプロセスの多くは、上述の集積回路700(
図1Aおよび
図1B)およびその形成方法(
図2~
図6)と同じまたは同様である。
【0028】
集積回路800は、第1の実施形態の集積回路700と同様であるが、エッチングストップ3006がない。したがって、第2の実施形態では、上部プレート接点(上部プレートビア)3003は、前面バリア層4003を通って延び、下にある2DEG3004と接触する。上部プレート3001および底部プレート1001がここで両方とも2DEG3004に電気的に接続されると、コンデンサのプレートが2DEGを通した導電によって短絡するのを防ぐため、構造の中にダイオードを設けることが必要である。ダイオードを形成するため、コンデンサ720のコンデンサ底部プレート1001は、上部プレート接点3003を囲繞するまたは囲むリング形状部分P1001を含んで形成され、それによって、(上部プレート3001に導電的に接続される)上部プレート接点3003の下の2DEG領域3004から、(底部プレート1001に導電的に接続される)オーミック接点5002の下の2DEG領域1004に導電するのを防ぎ、上部プレート3001が底部プレート1001に短絡するのを防ぐ。リング形状の部分P1001は、任意の好適な円環形状(たとえば、円形、矩形、または三角形)であってよい。
図7Cの概略回路図に示されるように、コンデンサ底部プレート1001によって形成されるリングが、ダイオード構成におけるFETのゲートとして機能する。コンデンサ上部プレート3001がコンデンサ底部プレート1001より高い電圧にあるとき、コンデンサ720が約6ボルトより高くバイアスをかけられる場合でさえ、(2DEG1004へのゲート金属1001の接続によって形成されるFETのダイオード構成を有する)リング形状の部分P1001が、2DEG領域3004から2DEG領域1004への導電を防ぎ、上部プレート3001から底部プレート1001への導電を防ぐ(すなわち、コンデンサを短絡から防ぐ)。
【0029】
図8から
図12は、集積回路800を形成する様々なステージにおける構造を図示し、したがって、集積回路800を形成する方法を図示する。
図8、
図10、
図11の構造およびプロセスは、
図2、
図4、
図5の構造およびプロセスと同じまたは同様である。しかし、
図3とは対照的に、
図9では、ゲート金属層1007は、コンデンサ720のコンデンサ底部プレート1001がリング形状またはリング形状部分を有するように、形成される。さらに、
図9では、上部プレートエッチングストップ3006が形成されない。したがって、
図3とは対照的に、
図12では、上部プレート接点(たとえば、上部プレートビア)3003は、上に述べたように、2DEG層3004に延びて接触する。
【0030】
図13Aおよび
図13Bは、第2の実施形態の底部プレートゲート金属リング1001を第1の実施形態のエッチングストップ3006と組み合わせた、本発明のさらなる実施形態である集積回路910の平面図および断面図を図示する。
【0031】
集積回路910のコンデンサ720は、第2の実施形態のリング形状の底部電極1001および第1の実施形態のエッチングストップ3006の両方を含む。
図7Bに示される第2の実施形態のコンデンサのように、集積回路910のコンデンサ720は、第1の極性方向に(上部電極が底部電極より高い電圧にあるとき、上部プレートから底部プレートに)より高い電圧をサポートすることができる。なぜならば、底部プレート1001は、降伏ブロックダイオードを形成するためのリング形状部分がない、
図1Bのコンデンサと比較して、上部プレートエッチングストップ3006を囲繞するリング形状部分P1001を含むためである。
【0032】
図14Aおよび
図14Bは、示されるように、上部プレート接点3003の下の2DEG3004に接続するオーミック金属接点5002によって接点3003が上部プレート3001に導電的に接続される、本発明のさらなる実施形態である集積回路920の平面図および断面図を図示する。前に記載した実施形態でのように、集積回路920のコンデンサ720は、第2の実施形態でのように、コンデンサの底部プレート1001の一部をリング形状に構成することによって、(上部プレートから底部プレートに、一方向に)高い電圧をサポートする。
【0033】
図15Aおよび
図15Bは、(
図14Bの、以前の実施形態でのように)コンデンサの上部プレートと底部プレートの両方について、下にある2DEGに対するオーミック金属接点5002と、(
図1Bの、第1の実施形態でのように)上部プレート接点ビア3003のためのエッチングストップ3006との両方を含む、本発明の別の実施形態である集積回路930の平面図および断面図を図示する。重要なことに、本発明のこの実施形態は、両方の極性でのコンデンサについての降伏電圧の向上を実現する。エッチングストップ3006は、上部プレート3001のオーミック接点金属5002を囲繞するリング形状P3006中に形成されて、第2の極性方向で、(上部プレート3001のオーミック金属接点5002の下の)2DEG層3004と、(底部プレート1001のオーミック金属接点5002の下の)2DEG領域1004との間の導電を防ぐ。ここで、リング形状部分P3006は、ダイオードとして構成されるFETのゲートとして機能する。第2の極性方向は、底部電極1001がコンデンサ720の上部電極3001より高い電圧にあるときに対応する。すなわち、第2の極性方向は、第1の極性方向に対して反対である。底部プレート1001のリング形状部分P1001は、上部プレート3001のオーミック接点金属接点5002およびエッチングストップ3006を囲繞し、第1の極性方向において、(上部プレート3001のオーミック金属接点5002の下の)2DEG層3004と、(底部プレート1001のオーミック接点5002の下の)2DEG領域1004との間の導電を防ぐ。ここで、リング形状部分P1001は、(
図7A~
図7Cの実施形態と同様に)ダイオードとして構成される別のFETのゲートとして有効に機能する。
【0034】
図15Cの概略図は、リング形状エッチングストップ3006およびリング形状底部プレート1001の各々が、どのようにそれぞれのFETをダイオード構成で形成して、両方の方向においてコンデンサにおける電圧降伏を防ぐかを図示する。リング形状底部プレート1001のダイオードおよびリング形状エッチングストップ3006のダイオードは、背中合わせに配置され、リング形状エッチングストップ3006とリング形状底部プレート1001との間のリング形状間隙領域の下の2DEG領域によって分離される。背中合わせのダイオード構成が、両方(反対)の方向での電圧降伏からの電流をブロックする。こうして、コンデンサ上部プレート3001がコンデンサ底部プレート1001に対して正の電圧にあるとき、リング形状底部プレート1001のブロックダイオードは、(コンデンサを短絡させることになる)第1の極性方向において2DEG領域932を通る電流を防ぎ、コンデンサ上部プレート3001がコンデンサ底部プレート1001に対して負の電圧にあるとき、リング形状エッチングストップ3006のブロックダイオードは、(コンデンサを短絡させることになる)反対方向での2DEG領域932を通る電流を防ぐ。
【0035】
こうして、
図15A、
図15B、および
図15Cに示されるような背中合わせのダイオード構成の実装によって、第1の実施形態のコンデンサ降伏電圧制限を有さず、第2の実施形態の単一極性降伏電圧制限を有しない構造がもたらされ、それによって、コンデンサ720が降伏することなく両方の極性での6ボルト以上の電圧に対処することが可能になる。
【0036】
図15Bに示されるように、上部プレート3001は、上部プレート接点ビア3003、配線金属3005、接点ビア5003、およびオーミック接点金属5002を介して2DEG3004に導電的に接続される。しかし、上部プレート3001は、代わりに、(
図14Bに示されるように)2DEG3004と接触するオーミック接点5002へと上部プレート3001を延ばすことによって、または任意の他の好適な方法によって、2DEG3004に導電的に接続することができる。
【0037】
図16Aおよび
図16Bは、コンデンサ720が、3つの交互配置された電極、すなわち、第2のフィールドプレート5006と同じ金属層、好ましくは薄いTiN層から形成される、コンデンサ底部プレート1001、コンデンサ上部プレート3001、および第3の導電性プレート1008から形成される、本発明のまたさらなる実施形態である集積回路940の平面図および断面図を図示する。第3のコンデンサ電極/プレート1008は、好ましくは、タングステンプラグビア1003によって接触され、タングステンプラグビア1003によってコンデンサ底部電極1001に導電的に接続される。3つの交互配置された電極、すなわち、コンデンサ底部プレート1001、コンデンサ上部プレート3001、および第3の電極1008が、コンデンサ720の面積当たりの容量を増加させる。
【0038】
上の説明および図は、本明細書に記載される特徴および利点を実現する、単に具体的な実施形態の例示と考えられるべきである。特定のプロセス条件に対する変更および代替を行うことができる。したがって、本発明の実施形態は、上述の説明および図によって限定されるとは考えられない。
【符号の説明】
【0039】
700 集積回路
710 電界効果トランジスタ、FET、GaN FET、GaNトランジスタ
720 コンデンサ
800 集積回路
910 集積回路
920 集積回路
930 集積回路
932 2DEG領域
940 集積回路
1001 底部プレート、底部プレート/電極、ゲート金属、コンデンサ底部プレート、コンデンサの底部プレート、ゲート金属、底部プレートゲート金属リング、底部電極、リング形状底部プレート、コンデンサ底部電極
1003 底部プレート接点ビア、底部プレート接点、タングステンプラグビア
1004 2DEG領域、2DEG
1005 配線金属、底部プレート配線金属
1006 重複領域
1007 ゲート金属層
1008 第3の導電性プレート、第3のコンデンサ電極/プレート、第3の電極
2001 第1の層間誘電(絶縁)層、第1の層間誘電体
2002 第2の層間誘電体
2003 第3の層間誘電体
2004 第4の層間誘電体
3001 上部プレート、上部プレート/電極、上部電極
3003 ビア、導電性ビア、上部プレート接点、接点、上部プレート接点ビア
3004 2DEG、2DEG領域、2DEG層
3005 上部プレート配線金属、配線金属
3006 セグメント、エッチングストップ
3007 ノーマルオープンヒューズ
4001 基板
4002 窒化ガリウム(GaN)層、GaN層
4003 窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)前面バリア層、前面バリア層、AlGaN前面バリア層
5001 ゲート金属
5002 オーミック接点、オーミック金属、オーミック金属接点、オーミック接点金属、オーミック接点金属接点
5003 オーミック接点ビア、電気接点、接点、接点ビア
5004 2次元電子ガス(2DEG)領域
5005 フィールドプレート、第1のフィールドプレート
5006 第2のフィールドプレート
P1001 リング形状部分、リング形状の部分
P3006 リング形状、リング形状部分
【国際調査報告】