(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】プレハブ構造を用意するのに用いるためのモジュール、モジュールの製造方法、及び運搬フレーム
(51)【国際特許分類】
E04B 1/348 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
E04B1/348 C
E04B1/348 H
E04B1/348 X
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023549116
(86)(22)【出願日】2022-02-10
(85)【翻訳文提出日】2023-10-16
(86)【国際出願番号】 CA2022050192
(87)【国際公開番号】W WO2022170430
(87)【国際公開日】2022-08-18
(32)【優先日】2021-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523309244
【氏名又は名称】ロードスター ストラクチャーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】サールズ ダレル アルバート
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドフィールド ジェフリー レイ ニューウェル
(57)【要約】
本発明は、プレハブ構造を用意するのに用いるための鉄筋コンクリートモジュールを提供する。該鉄筋コンクリートモジュールは、水平スラブと、4つの隅柱と、水平スラブの長手縁及び横縁の各々から下方に延在し、且つ隣り合う柱同間に延在してこれらに接続される周縁梁と、水平スラブの裏側に設配置され、且つ対向する2つの周縁梁の間に延在する少なくとも2つの横リブと、を備える。モジュールは、一体物として製造される。また、モジュールを製造する方法、及びモジュールを運搬車上で支持するように構成された運搬フレームも提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレハブ構造を用意するのに用いるための鉄筋コンクリートのモジュールであって、該モジュールは、
対向する2つの長手縁と、対向する2つの横縁と、4つの隅と、を画定する水平スラブと、
4つの隅柱であって、前記隅柱の各々は各隅に配置されている4つの隅柱と、
2つの長手周縁梁であって、前記長手周縁梁の各々は、前記水平スラブの各長手縁から下方に延在し、且つ隣り合う柱間に延在してこれらに接続される2つの長手周縁梁と、
2つの横周縁梁であって、前記横周縁梁の各々は、前記水平スラブの前記横縁から下方に延在し、且つ隣り合う柱間に延在してこれらに接続される2つの横周縁梁と、
前記水平スラブの裏側に設けられ、且つ対向する長手周縁梁の間に延在する少なくとも2つの横リブと、
前記隅柱の各々の前記底部に配置されて、支持面に取り付けられるように構成された取付要素と、を備え、
前記モジュールは支持面に載置されるように構成され、
隣り合う柱と前記周縁梁の各下縁とにより、壁埋め込みアセンブリを受容するように構成された開口が画定され、
前記水平スラブの各々、前記隅柱、前記周縁梁、及び前記横リブは、鉄筋補強コンクリート製であり、前記モジュールは一体物として製造される、モジュール。
【請求項2】
前記長手縁は前記横縁と同一の長さである、請求項1に記載のモジュール。
【請求項3】
前記長手縁は前記横縁の2倍の長さである、請求項1に記載のモジュール。
【請求項4】
各隅柱に隣接する前記水平スラブの上面に配置された吊上げアンカを更に備える、請求項1から3のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項5】
2つの中央柱であって、前記中央柱の各々は各長手縁の中間位置に設けられ、前記長手縁は前記横縁の2倍の長さである2つ中央柱と、
前記2つの中央柱の間に延在する中央梁と、を更に備える請求項1に記載のモジュール。
【請求項6】
各隅柱と各中央柱とに隣接する前記水平スラブの前記上面に配置された吊上げアンカを更に備える、請求項5に記載のモジュール。
【請求項7】
前記横リブはT字断面形状を有する、請求項1から6のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項8】
前記支持面は1つ又は複数の追加のモジュールの水平スラブの上面である、請求項1から7のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項9】
前記支持面は底部スラブである、請求項1から7のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項10】
前記支持面は各柱の前記底部を支持するように適応した成形済みのフーチングを備え、
前記成形済みのフーチングは、
正方形のコンクリート体として形成された、成形済みの鉄筋コンクリート基礎と、
前記コンクリート基礎から上方に延在し且つ上面を有するフーチング柱と、
前記フーチング柱の前記上面から延在する4つのボルトと、を備える、請求項1から7のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項11】
前記成形済みのフーチングの前記コンクリート基礎及び前記フーチング柱は、一体物として打設される、請求項10に記載のモジュール。
【請求項12】
前記取付要素は打ち込み取付要素である、請求項1から10のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項13】
前記打ち込み取付要素は、前記支持面上の対応する取付要素に対して接続アセンブリを介して取り付けられるように構成される、請求項12に記載のモジュール。
【請求項14】
前記接続アセンブリは、上接続台板に接続された上ブラケットと下接続台板に接続された下ブラケットとを備え、前記上ブラケットと前記下ブラケットとはピン接続によって結合される、請求項13に記載のモジュール。
【請求項15】
前記隅柱及び/又は前記中央柱の1つ又は複数の外側に向いた面、前記水平スラブの上面、及び/又は前記水平スラブの下面に配置された1つ又は複数のボルトインサートを更に備え、前記ボルトインサートは構造又は機能要素を受容するように構成される、請求項1から14のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項16】
前記壁組込みアセンブリは1つ又は複数の装飾要素、構造要素、又は機能要素を受容するように構成され、前記1つ又は複数の構造要素又は前記1つ又は複数の機能要素は、窓ユニット、ドアユニット、壁パネル、及び断熱材から選択される、請求項1から15のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項17】
前記開口の内周に配置された1つ又は複数のボルトインサートを更に備え、前記ボルトインサートは前記壁組込みアセンブリを受容するように構成される、請求項16に記載のモジュール。
【請求項18】
前記ボルトインサートは打ち込みボルトインサートである、請求項15又は17に記載のモジュール。
【請求項19】
装飾パネル又は断熱パネル、手摺り、ソーラーパネル、風力タービン、水貯留又は水管理機構から選択される外付け要素を更に備える、請求項1から18のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項20】
前記周縁梁は、設備用アクセスを提供する及び/又は公共インフラを受容するのに適した寸法及び形状である設備用アクセス開口を更に備える、請求項1から19のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項21】
各隅柱は複数の垂直鉄筋要素を備え、前記垂直鉄筋要素の各々は、スラブへの接続のために、前記垂直鉄筋要素の各々の上端に溶接された正方形のプレートワッシャを備えるヘッドバーである、請求項1から20のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項22】
各モジュールの上方外縁の周辺に延在する垂直の窪みを更に備える、請求項1から21のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項23】
各モジュールの前記外縁を囲む前記上面の周辺に延在する水平の窪みを更に備える、請求項22に記載のモジュール。
【請求項24】
設置に際して隣り合うモジュール間に封止係合を提供するように構成された密封手段を更に備える、請求項1から23のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項25】
前記モジュールは、標準的なサイズのトラクタ・トレーラで運搬されるように寸法に形成されている、請求項1から24のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項26】
鉄筋コンクリートモジュールを製造する方法であって、前記方法は、
水平スラブケージと、4つの隅柱ケージと、4つの周縁梁ケージと、少なくとも2つの横リブケージと、を備える鉄筋ケージの配列を定める工程と、
所望のモジュール形状にするために、型枠内で前記配列を鉄筋躯体に組み立てる工程であって、前記鉄筋躯体及び前記型枠は上下逆の構成である、前記配列を鉄筋躯体に組み立てる工程と、
コンクリートスラリーを前記型枠内に打設するする工程と、
前記コンクリートスラリーを、前記鉄筋コンクリートモジュールを形成するために十分な時間、型枠内で硬化させる工程と、を備える。
【請求項27】
前記鉄筋ケージのアセンブリは、2つの中央柱ケージと中央梁ケージとを更に備える、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記型枠は、前記型枠の内面に1つ又は複数のボルトインサートを更に備える、請求項26又は27に記載の方法。
【請求項29】
前記打設する工程は1度打ちで行われる、請求項26から28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
請求項1から25のいずれか1項に定義される1つ又は複数のモジュールを運搬車上で支持するように構成された運搬フレームであって、前記運搬フレームは、
支持脚の第1及び第2の対であって、前記支持脚の各々は垂直に方向付けられており、且つ前記各支持脚から上方向に延出するように構成された伸縮式の脚インサートを有する支持脚の第1の対及び第2の対と、
前記支持脚の第1の対の各脚の間に延在する第1横補強梁と、
前記支持脚の第2の対の各脚の間に延在する第2横補強梁と、
前記支持脚の第1の対と第2の対との間に延在する第1及び第2長手補強梁と、
前記支持脚の第1の対の前記伸縮式脚インサートの上端の間に延在し、且つ前記上端に取り付けられた第1水平支持梁と、
前記支持脚の第2の対の伸縮式脚インサートの上端の間に延在し、且つ前記上端に取り付けられた第2水平支持梁と、を備え、
前記第1水平支持梁及び前記第2水平支持梁の各々は、前記各支持梁の各端から外側に延出するように構成された伸縮式アームインサートを備える、運搬フレーム。
【請求項31】
前記支持脚の各々の内部には、前記伸縮式脚インサートを昇降させるために油圧シリンダが設けられている、請求項30に記載の運搬フレーム。
【請求項32】
前記支持ビームの各々の内部には、前記伸縮式アームインサートを伸縮させるために油圧シリンダが設けられている、請求項30又は31に記載の運搬フレーム。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、プレハブ建築物の分野、特に鉄筋コンクリートのモジュール構造に関する。
【0002】
[背景]
国際公開第2018/174825号には、建築物のためのプレハブ完成品立体構造(PPVC)モジュールを建設するための方法が開示されている。該方法は、(i)PPVCモジュールの本体を形成するためにコンクリートを打設することであって、PPVCモジュールの本体は、1つ又は複数の耐荷重柱及び梁と、PPVCモジュールの上部を覆う屋根を含む6つの壁と、を備える、コンクリートを打設することと、(ii)PPVCモジュールが組み立てられて建築物になる現場まで運搬される前に、PPVCモジュールの内装を実質的に仕上げることと、を備える。
【0003】
米国特許第US3568380号には、各隅と各辺の長さの中間領域とにおいて取付用のプレハブ垂直耐荷重柱を有する、長方形のプレハブフロアパネル構造からなる、プレハブ建築ユニットが開示されている。
【0004】
欧州特許出願公開第3498929号には、コンクリート材からなる積層可能なモノリシック筒状体と、フロアを形成する4つの筒状壁と、天井と、側壁と、から形成される立方体ハウジング、を有し、ドア及び窓は、端壁に設けられている建築モジュールが開示されている。
【0005】
したがって、1つ又は複数のモジュールから形成される居住可能な構造に対して高い設計柔軟性を提供する一方で、容易にカスタマイズ可能であるとともに運搬可能でもあるモジュールシステムが求められている。
【0006】
この背景情報は、本発明との関連する可能性があると出願人が考える情報を明らかにするために提供される。いかなる先行情報も、本発明に対する先行技術を構成すると必ずしも認めるものでも、解釈するものでもない。
[発明の概要]
【0007】
本発明の目的は、プレハブ構造を用意するのに用いるためのモジュール、及びそれを製造する方法を提供することである。本発明の態様によれば、プレハブ構造を用意するのに用いるための鉄筋コンクリートモジュールが提供される。前記モジュールは、対向する2つの長手縁と、対向する2つの横縁と、4つの隅と、を画定する水平スラブと、4つの隅柱であって、前記隅柱の各々は各隅に設けられる4つの隅柱と、2つの長手周縁梁であって、前記長手周縁梁の各々は水平スラブの各長手縁から下方に延在し、且つ隣り合う柱間に延在してこれらに接続される2つの長手周縁梁と、2つの横周縁梁であって、前記横周縁梁の各々は水平スラブの横縁から下方に延在し、且つ隣り合う柱間に延在してこれらに接続される2つの横周縁梁と、水平スラブの裏側に配置され、且つ対向する長手周縁梁の間に延在する少なくとも2つの横リブと、隅柱の各々の底部に配置されて、支持面に取り付けられるように構成された取付要素と、を備える。モジュールは、支持面に載置されるように構成される。隣り合う柱と周縁梁の各下縁とにより、壁埋め込みアセンブリを受容するように構成された開口が画定される。水平スラブ、隅柱、周縁梁、及び横リブの各々は、鉄筋補強コンクリートにより製造され、モジュールは一体物として製造される。
【0008】
本発明の別の態様によれば、鉄筋コンクリートモジュールを製造する方法が提供される。前記方法は、水平スラブケージと、4つの隅柱ケージと、4つの周縁梁ケージと、少なくとも2つの横リブケージと、を備える鉄筋ケージの配列を定める工程と、所望のモジュール形状にするために型枠内で配列を鉄筋躯体に組み立てる工程であって、鉄筋躯体及び型枠は上下逆の構成である配列を鉄筋躯体に組み立てる工程と、コンクリートスラリーを型枠内に1度打ちで打設する工程と、コンクリートスラリーを、鉄筋コンクリートモジュールを形成するのに十分な時間だけ型枠内で硬化させる工程と、を備える。
【0009】
本発明の別の態様によれば、本発明の1つ又は複数のモジュールを運搬車上で支持するように構成された運搬フレームが提供される。運搬フレームは、支持脚の第1の対及び第2の対であって、支持脚の各々は垂直に方向付けられており、且つ各支持脚から上方向に延出するように構成された伸縮式脚インサートを有する支持脚の第1の対及び第2の対と、支持脚の第1の対の各脚の間に延在する第1横補強梁と、支持脚の第2の対の各脚の間に延在する第2横補強梁と、支持脚の第1の対と第2の対との間に延在する第1及び第2長手補強梁と、支持脚の第1の対における伸縮脚インサートの上端の間に延在し、且つ前記上端に取り付けられた第1の水平支持梁と、支持脚の第2の対における伸縮脚インサートの上端の間に延在し、且つ前記上端に取り付けられた第2水平支持梁と、を備える。第1水平支持ビーム及び第水平支持梁の各々は、各支持梁の各端から外側に延出するように構成された伸縮式アームインサートを備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係るハーフモジュールの斜視図を示している。
【
図2】本発明の一実施形態に係るハーフモジュールの平面図を示している。
【
図3A】本発明の一実施形態に係るフルモジュールの斜視図を示している。
【
図3B】本発明の一実施形態に係るフルモジュールの平面図を示している。
【
図4A】本発明の別の実施形態に係るフルモジュールの斜視図を示している。
【
図4B】本発明の別の実施形態に係るフルモジュールの平面図を示している。
【
図5A】本発明の実施形態に係る、モジュールの異なる組立及び積層構成の斜視図を示している。
【
図5B】本発明の実施形態に係る、モジュールの異なる組立及び積層構成の斜視図を示している。
【
図5C】本発明の実施形態に係る、モジュールの異なる組立及び積層構成の斜視図を示している。
【
図5D】本発明の実施形態に係る、モジュールの異なる組立及び積層構成の斜視図を示している。
【
図5E】本発明の実施形態に係る、モジュールの異なる組立及び積層構成の斜視図を示している。
【
図5F】本発明の実施形態に係る、モジュールの異なる組立及び積層構成の斜視図を示している。
【
図5G】本発明の実施形態に係る、モジュールの異なる組立及び積層構成の斜視図を示している。
【
図6A】本発明の一実施形態に係る、スラブ開口を有するモジュールの端の部分斜視図を示している。
【
図6B】本発明の一実施形態に係る、
図6Aのモジュールの平面図である。
【
図7】本発明の実施形態による3つのモジュールからなるアセンブリの斜視図を示し、隣り合うモジュールの上方周縁の接合部の挿入拡大図を含む。
【
図8】本発明の一実施形態に係る、隅柱の鉄筋躯体の部分斜視図を示している。
【
図9A】本発明の一実施形態に係る、中央柱の鉄筋躯体の部分斜視図を示している。
【
図9B】本発明の一実施形態に係る、中央梁と周縁梁との接合箇所における鉄筋躯体の部分斜視図を示している。
【
図10】本発明の一実施形態に係る、隅柱の断面図を示している。
【
図11】本発明の一実施形態に係る、中央柱の断面図を示している。
【
図12】本発明の一実施形態に係る、T字梁の断面図を示している。
【
図13】本発明の一実施形態に係る、周縁梁の断面図を示している。
【
図14】本発明の一実施形態に係る、中央梁の断面図を示している。
【
図15】本発明の一実施形態に係る、隅柱の接続アセンブリの側面図を示している。
【
図16】本発明の一実施形態に係る、隅柱の接続アセンブリの斜視図を示している。
【
図17】本発明の一実施形態に係る、中央柱の接続アセンブリの側面図を示している。
【
図18】本発明の一実施形態に係る、中央柱の接続アセンブリの斜視図を示している。
【
図19】本発明の一実施形態に係る、ヘッドバーの端の斜視図を示している。
【
図20】本発明の一実施形態に係る、隅柱の端面図を示している。
【
図21】本発明の一実施形態に係る、中央柱の端面図を示している。
【
図22】本発明の一実施形態に係る、隅柱の鉄筋躯体の斜視図を示している。
【
図23】本発明の一実施形態に係る、中央柱の鉄筋躯体の斜視図を示している。
【
図24A】本発明の一実施形態に係る、フルモジュールの長手側面の鉄筋躯体の側面図を示している。
【
図24B】本発明の別の実施形態に係る、フルモジュールの長手側面の鉄筋躯体の側面図を示している。
【
図25】本発明の一実施形態に係る、モジュールの横側の鉄筋躯体の側面図を示している。
【
図26】本発明の一実施形態に係るハーフモジュールの斜視図であって、鉄筋躯体を示すために部分的に切り取られたものを示している。
【
図27A】本発明の一実施形態に係るフルモジュールの斜視図であって、鉄筋躯体を示すために部分的に切り取られたものを示している。
【
図27B】本発明の別の実施形態に係るフルモジュールの斜視図であって、鉄筋躯体を示すために部分的に切り取られたものを示している。
【
図28】本発明の一実施形態に係る、コンクリートのフーチングアセンブリにおける成形済みの部分の斜視図を示している。
【
図29】本発明の一実施形態に係るフーチングアセンブリの上平面図を示している。
【
図30】本発明の一実施形態に係るフーチングアセンブリの側面図を示している。
【
図31】本発明の一実施形態に係るフーチング平面図を示している。
【
図32】本発明の一実施形態に係る、縮小形状の運搬フレームの斜視図を示している。
【
図33】本発明の一実施形態に係る、拡張形状の運搬フレームの斜視図を示している。
【
図34】本発明の一実施形態に係る、フルモジュールを積載した運搬フレームの斜視図を示している。
【
図35】本発明の一実施形態に係る、2つのハーフモジュールを積載した運搬フレームの斜視図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書で使用する「約」という用語は、正常値からの誤差が±10%であることを指す。具体的に言及されていても言及されていなくても、そのような誤差は本明細書で規定されている所定値に常に含まれているものとして理解すべきである。
【0012】
特に定義がされていない限り、本明細書で用いられる全ての技術的且つ科学的用語は、本発明が属する技術の当業者によって一般に理解されるのと同様の意味を有する。
【0013】
本発明は、居住可能な構造の建築に使用するのに適した、成形済みの鉄筋コンクリートモジュールを提供する。このモジュールは、鋼製の鉄筋補強を備える成形済みの標準的なポルトランド・セメント建造物を用いて製造されるとともに、支柱上に天井/屋根スラブの基礎構造設計を有する。好適な実施形態において、モジュールは一体物として製造される。
【0014】
好適な実施形態において、モジュールは、工場で事前に成形され、従来のフラットベッド型のトラクタ・トレーラによって既存の道路/高速道路で、組み立てられて最終構造となる現場まで運搬される。
【0015】
本発明によれば、モジュールは長方形のフルモジュール又は正方形のハーフモジュールとして提供されてもよく、いずれの場合も、任意の組み合わせで位置決め、相互接続、及び/又は縦方向の積層が行われて、多数の異なる1階建て又は多階建て構成を形成することができる。
【0016】
好適な実施形態において、モジュールは、対向する2つの長手縁と、対向する2つの横縁と、4つの隅と、を画定する水平のコンクリートスラブと、水平スラブの各隅に設けられた4つの隅柱と、を備える。水平スラブは、一階建て構造物の屋根を形成する一方で、積層構成の上層階の床も兼ねている。
【0017】
図1に示すように、一実施形態において、モジュールは水平のコンクリートスラブを備える正方形のハーフモジュールであって、長手縁は横縁と同じ長さである。
【0018】
図3に示すように、別の実施形態では、モジュールは長方形のフルモジュールであって、長手縁は横縁の2倍の長さである。長方形のモジュールは、水平スラブの各隅に設けられた4つの隅柱に加えて2つの中央柱を更に備え、中央柱は、各長手縁の中間地点に配置される。
【0019】
本発明によれば、2つの基本的なモジュール構成(フルモジュール及びハーフモジュール)が組み合わされて、数多くの構造の設計構成を利用できるようにし得る。2:1の長さと幅との比率により、複数のモジュールを様々な隣接及び積層関係で配置させることができ、それによって建築設計上の柔軟性を持たせている。
【0020】
したがって、好適な実施形態においては、複数の成形済みのモジュールを一緒に組み立て、複数の積層ユニットを備える大型構造を形成することができる。
図5Aから
図5Gは、本発明のハーフモジュールとフルモジュールとの組み合わせを用いて実現可能な例示的な構成を示しており、並列配置、垂直配置、積層配置、及びこれらの任意の組み合わせを含む。高さに関して最大で3ユニットまでの積層配置が図に例示されているが、本発明のモジュールは、最大で7つ積層されたユニットの構造の建築に使用するのに適した荷重強度値を示した。
【0021】
一実施形態において、モジュール(ハーフ及びフルの両方)は、構造的完全性及び機能性に悪影響を及ぼすことなく、組み立てられて最終構造となるための現場まで運搬されるように設計されている。好適な実施形態において、モジュールの長さ寸法、幅寸法、及び高さ寸法は、高速道を走行する部類の標準的なトラクタ・トレーラの寸法に対応しており、高速道路でのスムーズな運搬のために標準的な橋梁の下を通過可能にしている。
【0022】
好適な実施形態において、ハーフモジュールは、幅と等しい長さを有する。一実施形態において、ハーフモジュールの長さ及び幅は、約2.5mから約7.0mまでである。一実施形態において、ハーフモジュールは、約4.5mの長さ及び約4.5mの幅を有する。
【0023】
好適な実施形態において、フルモジュールは、幅の2倍である長さを有する。一実施形態において、フルモジュールの長さは約5.0mから約14mまでであり、幅は約2.5mから約7mまでである。一実施形態において、フルモジュールは、約9.0mの長さ及び約4.5mの幅を有する。
【0024】
一実施形態において、フルモジュール及びハーフモジュールの高さは、約3.15mから約3.45mまでである。
【0025】
一実施形態において、本発明のモジュールは、居住空間の1平方メートルあたりの重量が約1MT未満になるように設計された鉄筋コンクリート構造を提供する。一実施形態において、本発明のモジュールは、居住空間の1平方メートルあたりの重量が約0.6MTから約0.85MTまでになるように設計された鉄筋コンクリート構造を提供する。一実施形態において、本発明のモジュールは、居住空間の1平方メートルあたりの重量が約0.77MTになるように設計された鉄筋コンクリート構造を提供する。
【0026】
一実施形態において、本発明のモジュールは、利用可能な居住空間の1立方メートルあたりの重量が約3MT未満になるように設計された鉄筋コンクリート構造を提供する。一実施形態において、本発明のモジュールは、利用可能な居住空間の1立方メートルあたりの重量が約0.18MTから約2.6MTまでとなるように設計された鉄筋コンクリート構造を提供する。一実施形態において、本発明のモジュールは、利用可能な居住空間の1立方メートルあたりの重量が約0.22MTとなるように設計された鉄筋コンクリート構造を提供する。
【0027】
本発明によれば、より一層の構造強度及びねじり安定性を提供するために、モジュールは、水平スラブの各縁から下方に延在するとともに、隣り合う柱間に延在してそれらに接合される周縁梁を更に備える。
【0028】
ハーフモジュールについては、周縁梁は、隣り合う柱間において各長手縁から下方に延在するとともに、これらの柱に接合される2つの長手周縁梁として、且つ、隣り合う柱間において各横縁から下方に延在するとともに、これらの柱に接合される2つの横周縁梁として設けられる。
【0029】
フルモジュールについては、周縁梁は、各長手縁から下方に延在するとともに、隣り合う隅柱と中央柱との間に延在してこれらに接合されている長手周縁梁として、且つ、各横縁から下方に延在するとともに、隣り合う隅柱間に延在してこれらに接合される2つの横周縁梁として設けられる。
【0030】
本発明によれば、モジュールは、水平スラブの裏側に配置されて、対向する長手周縁梁間に延在するとともに、これらに接合される少なくとも2つの横リブ(又は、「T字梁」)を更に備える。
【0031】
水平スラブの裏側にある横リブと、周縁梁によって形成されて水平スラブの外周縁の周囲に設けられた「スカート」と、の組み合わせにより、強度及び剛性を兼ね備えた曲げ耐性が提供される。したがって、T字梁及び周縁梁の存在により、当該技術で知られているのと同様の強度を有する頑丈で均一なスラブを製造するのに通常使用される量の鉄筋コンクリートを必要とせずに、ねじり力に対して高い耐性を有する鉄筋コンクリートモジュールが提供される。
【0032】
図1は、一実施形態に係るハーフモジュール10の斜視図を示しており、水平スラブ15を表示するとともに、4つの隅柱12と、水平スラブの各隅に配置された吊上げアンカ75と、各隅柱の底部に配置された接続アセンブリ40と、の相対関係を表示している。
【0033】
図2は、一実施形態に係るハーフモジュール10の平面図を示しており、4つの隅柱12と、周縁梁17と、2つの横リブ29と、の相対関係を表示している。
【0034】
図3Aは、一実施形態に係るフルモジュール20の斜視図を示しており、水平スラブ25を表示するとともに、4つの隅柱22と、中央柱23と、水平スラブの各隅に配置された吊上げアンカ75と、各隅柱の底部に配置された接続アセンブリ40と、各中央柱の底部に配置された中央接続アセンブリ45と、の相対関係を表示している。
【0035】
図3Bは、一実施形態に係るフルモジュール20の平面図を示しており、4つの隅柱22と、2つの中央柱23と、周縁梁27,28と、中央梁26と、4つの横リブ29と、の相対関係を表示している。
【0036】
図4Aは、中央柱を備えていない代替実施形態に係るフルモジュール120の斜視図を示しており、4つの隅柱122と、水平スラブの各隅に配置された吊上げアンカ75と、各隅柱の底部に配置された接続アセンブリ40と、の相対関係を表示している。
【0037】
図4Bは、一実施形態に係るフルモジュール120の平面図を示しており、水平スラブ125を表示するとともに、4つの隅柱122と、周縁梁127,128と、中央梁126と、4つの横リブ129と、の相対関係を表示している。
【0038】
一実施形態において、周縁梁は、柱からの荷重を、周縁梁と、横梁(リブ)と、屋根スラブと、に移動させるために設けられる。一実施形態において、周縁梁は、4.5m×9mの寸法を有するモジュールに必要な耐荷重を実現するために、30インチ(760mm)の奥行きとなるように製造される。この寸法は、運搬可能であると同時に「最適な」居住空間を確保できる非常に効率の良い大きさである。
【0039】
一実施形態において、各周縁梁には、構造の内部に実用品又は基本設備を設けることができるように、それを貫通する開口(又は設備用アクセス)が設けられている。好適な実施形態において、設備用アクセスは、梁の長さに沿って一定の間隔で複数の位置に設けられる。一定の間隔の複数の開口により、相対位置に関係なく、隣り合うモジュールの開口が確実に同一位置に設けられて、実用品や基本設備を複数の隣り合うモジュール間で移動させやすく又は共有しやすくなる。好適な実施形態において、設備用アクセスはモジュールを製造する時点で組み入れられるので、モジュールが製造された後にアクセス開口を導入する必要性がない。モジュールが製造された後にアクセス開口を導入すると、コンクリートの構造的完全性に悪影響を与えてモジュールの寿命を減少させ得る。製造時に設備用アクセス開口を設けることで、製造後の修正を避けることができる。
【0040】
一実施形態に係るハーフモジュールにおいて、横周縁梁及び長手周縁梁の各々は、その基準長、すなわちハーフ構造体の側面にわたって配置された2つの設備用開口を有する。
図25は、本発明の一実施形態に係るフルモジュールの長手側面を形成するのに使用され得る鉄筋躯体を示しており、該鉄筋躯体は、本発明の一実施形態による設備用アクセス開口84を含む。
【0041】
一実施形態に係るフルモジュールにおいて、フルモジュールの長手側面は4つの設備用アクセスを有し、横周縁梁は2つの設備用アクセスを有する。
図24Aは、本発明の一実施形態に係る、ハーフモジュールの長手側面を形成するために使用され得る鉄筋躯体を示しており、該鉄筋躯体は、設備用アクセス開口84を含む。
図24Bには、中央柱を持たないフルモジュールの代替実施形態の長手側面が示されており、設備用アクセス開口184も表示されている。
【0042】
設備用アクセスの数は、モジュールの全体的な構造強度を維持するための技術要件の範囲内で、最終構造の機能的要件によって定められるとおりに変更できる。
【0043】
また、本発明のモジュールには、階層間の階段、天窓、エレベータ、機械的設備等の構造的要素を収容するための開口が水平スラブに設けることができる。本発明によれば、スラブ開口は、モジュールの梁間の空間に設けられる。一実施形態において、開口は、例えば
図6A及び
図6Bに示すように、周縁梁とその隣りの横リブ(T字リブ)との間に設けられる。一実施形態において、開口は、中央梁とその隣りの横リブとの間に設けられる。一実施形態において、開口は、隣り合う横リブの間に設けられる。
図6A及び
図6Bは、一実施形態に係るモジュールの端部を示しており、該端部は階段35を収容するための開口34を有する。
【0044】
図7は、
図6Aのモジュールを含む3つのモジュールからなる例示的なアセンブリを示している。
図6A及び
図7に示す実施形態において、モジュールには、各モジュールの上方外縁を囲む垂直面に沿って延在する垂直の窪み38が設けられている。この窪みは、当接するモジュールの上方外縁間に間隙又は空隙37を確実に形成するために設けられる。一実施形態において、モジュールの上面には、各モジュールの上方外縁を囲む水平面に沿って延在する水平の窪み39も設けられている。
図7の挿入図で拡大して示す空隙37は、水平の窪み39とともに、隣接するモジュール同士の継ぎ目に封止材を施すことを可能にする環状の空間を形成して、外部接続要素に対して外側からの封止又は積層構成の床面間の封止を提供する。一実施形態において、封止材は、継ぎ目を充填するために塗布される液体状の密閉剤、継ぎ目に詰められる発泡状材料、又はこの両方の組み合わせである。
【0045】
本発明のモジュールは、構造全体の強度を犠牲にすることなく、構造柱が占める体積に対して、開放された居住空間を高割合で有する構造を提供する。本発明のモジュールは、ハーフモジュール及びフルモジュールと、スラブ開口の有無と、多岐にわたるカスタマイズ可能なアドオン機能との任意の組合せから形成された様々な異なる構成で組み合わせることもできる。
【0046】
利用可能な居住空間に対してモジュールの構造部品(すなわち、スラブ、柱、及び梁)の体積を減らすと、必要なセメント系材料の量も減少するため、結果としてモジュールを製造して運搬するためのエネルギー需要及びライフサイクルカーボンフットプリントを大幅に削減することができる。
【0047】
水平スラブ、隅柱及び中央柱、周縁梁、中央梁、並びに横リブの各々は、鉄筋コンクリートから形成される。これらの部品の例示的な断面図は
図10から
図14に提供されており、隅柱(
図10)と、中央柱(
図11)と、横リブ(
図12)と、周縁梁(
図13)と、中央梁(
図14)と、を含む。
図8及び
図9に示すように、隅柱及び中央柱の各々には、柱の底部に打ち込み接続要素60が設けられており、該接続要素は、支持面に接続するための接続アセンブリ40,45の各々に接続するために用いられる。
【0048】
【0049】
スラブ、周縁梁、中央梁、及び横リブのための鉄筋躯体は、標準的な鉄筋組み立て方法を用いて製造される。一方で、柱には、強度等の必要な構造要件を提供しつつ、コンクリートの使用を最小限にして、すなわち柱の断面を最小限にしてこれらの構造要件を満たすために、ヘッドバー構造が設けられる。
【0050】
ヘッドバー70は、
図19に示すように、正方形のプレートワッシャ71を、各柱の上部に配置された鉄筋72の端部に対して溶接することで形成される。
図20及び
図21に示すように、複数のヘッドバー70を用いて各柱のための鉄筋フレームの周囲を形成することで、各柱において必要な垂直強度が提供される。先行技術の鉄筋コンクリート建築においては、典型的に、垂直方向の必要強度を確保するために鉄筋の頂部を「L字」状に屈曲させているが、その必要性を省くことで屈曲した鉄筋が柱の中央空間に侵入することを回避することができる。したがって、
図8及び
図9Aに示すように、ヘッドバーを用いることで、各柱の中央に、打ち込み取付要素60の配置に適応させるための空間も形成される。
【0051】
また、
図8及び
図9Aに示すように、各柱には、その頂部にも打ち込み接続要素60が設けられている。吊上げアンカ75(図示せず)は、各隅の上面及び存在する場合には中央柱の上面において、各打ち込み取付要素60に対して取り外し可能に取り付けることができる。吊上げアンカは、モジュールを、居住可能な構造の敷地に配置するためのみならず、運搬機への積み込みや運搬機からの積み降ろしのために、クレーン等によって容易に吊上げるために設けられる。
【0052】
図9Bは、中央柱を備えないフルモジュールの実施形態に設けられた打ち込み接続要素60を示している。
【0053】
打ち込み取付要素60は、接続アセンブリをモジュールに取り付けるために用いられてもよい。一実施形態によると、接続アセンブリは、上部台板に取り付けられた上ブラケットと、下部台板に取り付けられた下ブラケットと、上ブラケットと下ブラケットとを接続するピンと、を備える。各柱の底部に配置された打ち込み取付要素は、ボルト接続により、接続アセンブリの上部台板を介して接続アセンブリに取り付けられる。一方、接続アセンブリの他方の台板(すなわち、下部台板)は、モジュールが取り付けられる対応する面にボルト付けされる。以上のことから、モジュールの柱の下部に配置された接続アセンブリは、モジュールが積層構成にて設けられる場合には、モジュールを下方モジュールの上面に物理的に接続するために用いられてもよい。あるいは、モジュールが1階建て又は下層階として設けられる場合には、モジュールを支持面に物理的に接続するために用いられてもよい。
図15及び
図16は、隅柱に用いられることに適した接続アセンブリを示しており、該接続アセンブリは、上接続台板41bと、下接続台板41aと、上ブラケット43bと、下ブラケット43aと、ピン42と、ボルト孔44と、を含む。
図17及び
図18は、中央柱に用いられることに適した接続アセンブリを示しており、該接続アセンブリは、上接続台板46bと、下接続台板46aと、上ブラケット48bと、下ブラケット48aと、ピン42と、ボルト孔44と、を含む。中央柱の接続アセンブリは、隅柱の接続アセンブリよりも長尺であり、後述するように、支持面上で2つの対応するボルトに取り付けるための2つのボルト孔が設けられている。
【0054】
図15から
図18に示す接続アセンブリのピン接続は、特に、本発明のモジュラーシステムとともに用いることに適している。接続アセンブリは、1つのモジュールから別のモジュールへの、あるいは、モジュールからそのモジュールが載置されている支持面へのモーメントの移動を制限するように設計されており、その一方で、モジュールを垂直方向に積層する又は隣接して組み立てる際の向きについて柔軟性を許容してもいる。
【0055】
一実施形態によると、接続アセンブリは、柱の下部及び各支持面に対して、ボルト接続によって任意の向きに固着することができる。このモジュール接続により、取り付けられたユニットの種々の垂直構成及び水平構成に合わせて調整可能な解決策が可能となる。一実施形態において、各接続アセンブリは隣り合う柱に搭載された接続アセンブリに対して90度回転している。
【0056】
ピン接続を利用することで、個々のモジュールの構造的完全性に損害を与え得る分解工程を必要とすることなく、移転のためにモジュールを迅速に取り外すことが可能となる。
【0057】
本発明によれば、柱の底部に取り付けられた接続アセンブリは、積層構成の場合には、任意の適切な支持面に取り付けることができ、例えば、コンクリート基礎スラブもしくはコンクリート基礎フーチング、又は下方モジュールの上面に取り付けることができる。
【0058】
一実施形態において、モジュールが設置される支持面は、
図28から
図30に示すように、基礎フーチングアセンブリとして設けられる。このような実施形態において、モジュールの柱の底部に配置された接続アセンブリは、支持面56から上方に延びるフーチングボルト55に取り付けられることによって、基礎フーチングアセンブリ50のフーチング柱53の支持面56に対して接続されるように用いられる。
【0059】
好適な実施形態において、フーチングアセンブリは、製造施設で製造されて現場に運搬される、成形済みのハイブリッド基礎フーチングとして設けられる。フーチングアセンブリは、
図28に示すように、成形済みの鉄筋コンクリート基礎52を備える。基礎52は、中央開口を有する正方形のコンクリート体又はコンクリートフレームとして形成される。鉄筋は、基礎から内側に延在するとともに上方に延在して、フーチング柱のための躯体を形成する。好適な実施形態において、フーチング柱を打設するための型として機能する型枠もまた、製造施設で提供される。このアセンブリは、設置現場に運搬されて、そこで地面に設置されて1つ又は複数のモジュールのための支持面を形成する。現場では、型枠内の所定の場所に追加のコンクリートが打設されて、所望の高さを有するフーチング柱が設けられる。
【0060】
現場で最終打設工程を行うことで、基礎フーチングアセンブリを受容する地面の多様性に関係なく、各基礎フーチングの最終高さを同一にすることがより容易になり、各モジュールの水平な最終配置が可能となる。一実施形態において、フーチングアセンブリ基礎52の底面は、凹凸のある地面に水平に配置しやすくするために、中央凹部を有する。
【0061】
成形済みの基礎と現場打ち柱との組み合わせを備えるフーチングアセンブリの使用には、床スラブを現場で設置する際に通常発生する時間と材料との両方に起因する費用を削減するという利点がある。フーチングアセンブリは、その寸法及び重量が低減されているので、一層容易に運搬することも可能である。
【0062】
一実施形態において、コンクリート基礎とフーチング柱とを備えるフーチングアセンブリは、一体物として打設可能である。
【0063】
一実施形態において、本発明のモジュールの製造方法は、水平スラブ、隅柱、中央柱、中央梁、周縁梁、横リブの各々のために、鉄筋躯体又は鉄筋ケージを提供する工程と、コンクリート打設工程より前に、型枠内で各躯体を所望のモジュール構成に組み立てる工程と、を備える。打設工程は、モジュールの躯体を、水平スラブが底部にあり且つ柱が上に向いている、上下逆の配置にした状態で行われる。上下逆の打設により、モジュールの上面が確実に平滑且つ良質になる。好適な実施形態では、モジュールは、一度打ちで打設される。
【0064】
一実施形態において、打設されたモジュールに打ち込みボルトインサートを形成するために、型枠には1つ又は複数のボルトインサートが設けられる。一実施形態において、打ち込みボルトインサートは、隅柱及び/又は中央柱、水平スラブの上面、及び/又は水平スラブの下面のうち、1つ又は複数の外側に向いた面に設けられる。一実施形態において、打ち込みボルトインサートは、隅柱及び中央柱の全ての面に設けられる。一実施形態において、打ち込みボルトインサートは、周縁梁及び中央梁の全ての面に設けられる。一実施形態において、打ち込みボルトインサートは、横リブの全ての面に設けられる。一実施形態において、打ち込みボルトインサートは、各面に2列で設けられる。
【0065】
打ち込みインサートが設けられることで、装飾、構造、又は機能要素をモジュールに取り付けることが可能になる。例えば、柱の外側に向いた面に配置されたボルトインサートは、装飾要素を取り付けるために用いられ得る。別の例としては、水平スラブの内面に配置されたボルトインサートは、天井部品を取り付けるか、又は、実用品若しくはその他の基礎設備部品を支持するために用いられ得る。
【0066】
本発明のモジュールは、隣り合う柱間に延在する開放空間を有して形成される。この開口設計により、現場への運搬に適した軽量モジュールが提供される。開放空間は、様々な機能特性を有する種々の壁埋め込みアセンブリを組み込むことにより、設計を柔軟にする機会も提供する。
【0067】
一実施形態において、隣り合う柱と周縁梁の各下縁とは、壁埋め込みアセンブリを受容するように構成された開口を画定する。一実施形態において、壁埋め込みアセンブリは、1つ又は複数の装飾要素、構造要素、又は機能要素を受容するように構成される。隣り合う柱間の開放空間に面した柱の面に配置されたボルトインサートは、壁埋め込みアセンブリの取り付けを容易にする。
【0068】
例えば、壁埋め込みアセンブリは、窓ユニット、ドアユニット、壁パネル、及び断熱材等の機能要素を組み込むために用いられてもよい。
【0069】
一実施形態において、壁埋め込みアセンブリは予め製造された壁ユニットであり、該壁ユニットは、基礎モジュール構造を製造したあとに、工場又は現場において柱間の開口に組み込まれて、出入り口、照明、並びに熱/エネルギーの保存及び制御に関するオプションを提供する。
【0070】
一実施形態において、1つ又は複数の壁埋め込みアセンブリは、製造施設で成形済みのモジュールに固着されて、構造とともに現場に運搬される。一実施形態において、壁埋め込みアセンブリは、現場でモジュールに固着される。
【0071】
上述のとおり、モジュールを上下逆に打設することにより、モジュールの上面が確実に平滑且つ良質となる。屋根面の完全性は、水不浸透性を含む要素への耐性を確保するのに重要である。好適な実施形態において、コンクリート面を水に対して不浸透にするために、コンクリート面のコーティング又は下処理を行わないことが求められる。
【0072】
一実施形態において、モジュールの屋根面は、フレームを取り付けて屋上排水枡を形成することにより、雨水の保持及び管理に適合させることができる。一実施形態において、フレームは、屋根スラブの周囲に配置された打ち込み取付部分を用いて取り付けることができる。一実施形態において、集めた水の流出/排出を制御する手段が組み込まれて、屋上排水枡が、例えば灌漑用又は中水利用のための水管理システムとして機能できる。屋上排水枡から排水を制御することにより、流出水が自然水域に直接放出されるという有害な環境影響を緩和することができる。
【0073】
屋根が不浸透性質であることで、屋根面を庭や栽培スペースとして利用することもできる。
【0074】
前述のように、各モジュールには、各柱に隣接する水平スラブの上面に、打ち込み取付要素に取り付けられる取り外し可能な吊上げアンカを設けることができる。吊上げアンカは、モジュールを、居住可能な構造の敷地に配置するためのみならず、運搬機への積み込みや運搬機からの積み下ろしのために、クレーン等により容易に吊り上げるために設けられる。一実施形態において、取り外し可能な吊上げアンカは、打ち込み取付要素に螺入される。一実施形態において、ハーフモジュールは、4つの吊り上げ箇所を用い、フルモジュールは8つの吊り上げ箇所を用いる。
【0075】
一実施形態において、モジュールは、打ち込み取付要素の位置においてボルト締め可能な吊り上げ装置により吊り上げられる。一実施形態において、ボルト締め可能な吊り上げ装置は、ボルト締め吊り上げプレートである。
【0076】
モジュール及びその具体的な部品の設計、並びにモジュール及びその部品のための材料の選定により、結果として生じる構造が、リサイクル可能、移転可能/移動可能、再利用可能であり、且つ、耐久性が高く長寿命であり、且つ、ライフサイクルコストが最も低く、且つ、寿命が尽きるまで正味のポジティブな環境影響をもたらすことが保証される。
【0077】
本発明のモジュールは、満たすべき性能特性を充足する、又は、オンタリオ州で義務付けられているように、雪荷重、風荷重、及び地震に関する建築基準法を超える一方で、運搬中に構造的完全性を維持もする。加えて、本発明の1又は複数のモジュールを利用して構築された居住可能な構造も、これらの建築基準法に適合している。
【0078】
本発明の一実施形態において、モジュールを運搬車上で支持するように構成される運搬フレームが提供される。
【0079】
使用の際、運搬フレームは運搬車の平らな荷台に固定される。運搬車は(所定位置に運搬フレームが固定された状態で)、モジュールの下に戻ることができる。所定位置にあるとき、運搬フレームは、伸縮してリフト位置にモジュールを持上げることができる。フレームは、油圧によって昇降する。
【0080】
各運搬フレームは、後方対と前方対とを備える4つの支持脚を有し、該支持脚は、それらの間に延在する補強梁により接続されている。各支持脚は、その上方端から垂直方向上方に延びる伸縮式の脚インサートを有する。各支持脚の内部には、脚インサートを昇降させるために油圧シリンダが設けられている。
【0081】
各運搬フレームは、2つの水平支持梁も有する。水平梁の一方は、支持脚の後方対の脚インサートの上方端に取り付けられ、水平梁の他方は、支持脚の前方対の脚インサートの上方端に取り付けられている。
【0082】
運搬フレームは、水平支持梁の各端部から水平に延びる伸縮式のアームインサートも有する。脚インサート及びアームインサートは、運搬車がモジュールの下の所定位置に戻されたあとに延伸して、モジュールを地面から持上げるとともに、モジュールを運搬中に所定位置に固定する。
【0083】
図32及び
図33は、異なる展開段階にある運搬フレーム300の実施形態を示している。図示されているのは、支持脚310、水平方向の支持梁320、長手方向の補強梁340、及び横補強梁330である。
図32は、縮小形態の運搬フレームを示し、
図33は、伸縮アーム325と伸縮脚インサート315とを備える拡張形態の運搬フレームを示している。
【0084】
一旦モジュールを現場設置のために所定位置に降下させると、脚インサート及びアームインサートは格納されて、運搬車をモジュールの下から引き出すことができるように十分な隙間を確保する。
【0085】
一実施形態において、各運搬車は、荷台に固定される2つの運搬フレームを有することになる。一実施形態において、両運搬フレームは、同時に持上げられるか、又は、別々に持上げられて、フルモジュール(
図34に示す)、ハーフモジュール、又は2つのハーフモジュール(
図35に示す)を収容することができる。
【0086】
運搬フレームは、モジュールをクレーンで運搬車に積み込んだり運搬車から積み降ろしたりする必要性を軽減/排除するように設計されている。
【0087】
更に、現場でのステージングに非常に有用である。クレーンは、運搬車へのモジュールの積み込みにも、モジュールを現場に運んだ際の積み降ろしにも不要である。クレーンが現場にある場合、現場の範囲内でモジュールをクレーンが到達可能な距離までの運搬を容易にするために運搬車を用いることができ、時間とコストが非常にかかるクレーン位置の移動や撤収を省くことができる(クレーンは、1日あたり、8,000ドルから10,000ドル以上かかることがある)。これにより、モジュールの設置のコスト効率や時間効率が良好となる。昇降は数分以内に行うことができ、従来のステージング作業よりも相当早く、より少ない労力で済む。この手法により、建設工程における大半の遅延が生じる設置の当日に、高コストをかけて密に計画したり時間をかけたりして現場に運搬する必要性が更に省略される。
【0088】
一実施形態において、モジュールを所定の位置に設置して、建物の1階を形成しやすくするためにも支持フレームを用いることができる。
【0089】
本発明の前述の実施形態は例であり、多種多様に変形し得ることは明らかである。そのような現在の変形例又は今後の変形例は、本発明の趣旨及び範囲を逸脱しているとして見なすべきではなく、そのような全ての変形例は、当業者にとって明らかであるように、以下の特許請求の範囲内に含まれることが意図されている。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレハブ構造を用意するのに用いるための鉄筋コンクリートのモジュールであって、該モジュールは、
対向する2つの長手縁と、対向する2つの横縁と、4つの隅と、を画定する水平スラブと、
4つの隅柱であって、前記隅柱の各々は各隅に配置されている4つの隅柱と、
2つの長手周縁梁であって、前記長手周縁梁の各々は、前記水平スラブの各長手縁から下方に延在し、且つ隣り合う柱間に延在してこれらに接続される2つの長手周縁梁と、
2つの横周縁梁であって、前記横周縁梁の各々は、前記水平スラブの前記横縁から下方に延在し、且つ隣り合う柱間に延在してこれらに接続される2つの横周縁梁と、
前記水平スラブの裏側に設けられ、且つ対向する長手周縁梁の間に延在する少なくとも2つの横リブと、
前記隅柱の各々の前記底部に配置されて、支持面に取り付けられるように構成された取付要素と、を備え、
前記モジュールは支持面に載置されるように構成され、
隣り合う柱と前記周縁梁の各下縁とにより、壁埋め込みアセンブリを受容するように構成された開口が画定され、
前記開口の各々は前記隣り合う柱間に延在し、且つ前記周縁梁の前記各下縁から前記柱の各々の前記下部まで延在し、
前記水平スラブの各々、前記隅柱、前記周縁梁、及び前記横リブは、鉄筋補強コンクリート製であり、前記モジュールは一体物として製造される、モジュール。
【請求項2】
前記長手縁は前記横縁と同一の長さである、請求項1に記載のモジュール。
【請求項3】
前記長手縁は前記横縁の2倍の長さである、請求項1に記載のモジュール。
【請求項4】
各隅柱に隣接する前記水平スラブの上面に配置された吊上げアンカを更に備える、請求項1から3のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項5】
2つの中央柱であって、前記中央柱の各々は各長手縁の中間位置に設けられ、前記長手縁は前記横縁の2倍の長さである2つ中央柱と、
前記2つの中央柱の間に延在する中央梁と、を更に備える請求項1に記載のモジュール。
【請求項6】
各隅柱と各中央柱とに隣接する前記水平スラブの前記上面に配置された吊上げアンカを更に備える、請求項5に記載のモジュール。
【請求項7】
前記横リブはT字断面形状を有する、請求項1から6のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項8】
前記支持面は1つ又は複数の追加のモジュールの水平スラブの上面である、請求項1から7のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項9】
前記支持面は底部スラブである、請求項1から7のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項10】
前記支持面は各柱の前記底部を支持するように適応した成形済みのフーチングを備え、
前記成形済みのフーチングは、
正方形のコンクリート体として形成された、成形済みの鉄筋コンクリート基礎と、
前記コンクリート基礎から上方に延在し且つ上面を有するフーチング柱と、
前記フーチング柱の前記上面から延在する4つのボルトと、を備える、請求項1から7のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項11】
前記成形済みのフーチングの前記コンクリート基礎及び前記フーチング柱は、一体物として打設される、請求項10に記載のモジュール。
【請求項12】
前記取付要素は打ち込み取付要素である、請求項1から10のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項13】
前記打ち込み取付要素は、前記支持面上の対応する取付要素に対して接続アセンブリを介して取り付けられるように構成される、請求項12に記載のモジュール。
【請求項14】
前記接続アセンブリは、上接続台板に接続された上ブラケットと下接続台板に接続された下ブラケットとを備え、前記上ブラケットと前記下ブラケットとはピン接続によって結合される、請求項13に記載のモジュール。
【請求項15】
前記隅柱及び/又は前記中央柱の1つ又は複数の外側に向いた面、前記水平スラブの上面、及び/又は前記水平スラブの下面に配置された1つ又は複数のボルトインサートを更に備え、前記ボルトインサートは構造又は機能要素を受容するように構成される、請求項1から14のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項16】
前記壁組込みアセンブリは1つ又は複数の装飾要素、構造要素、又は機能要素を受容するように構成され、前記1つ又は複数の構造要素又は前記1つ又は複数の機能要素は、窓ユニット、ドアユニット、壁パネル、及び断熱材から選択される、請求項1から15のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項17】
前記開口の内周に配置された1つ又は複数のボルトインサートを更に備え、前記ボルトインサートは前記壁組込みアセンブリを受容するように構成される、請求項16に記載のモジュール。
【請求項18】
前記ボルトインサートは打ち込みボルトインサートである、請求項15又は17に記載のモジュール。
【請求項19】
装飾パネル又は断熱パネル、手摺り、ソーラーパネル、風力タービン、水貯留又は水管理機構から選択される外付け要素を更に備える、請求項1から18のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項20】
前記周縁梁は、設備用アクセスを提供する及び/又は公共インフラを受容するのに適した寸法及び形状である設備用アクセス開口を更に備える、請求項1から19のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項21】
各隅柱は複数の垂直鉄筋要素を備え、前記垂直鉄筋要素の各々は、スラブへの接続のために、前記垂直鉄筋要素の各々の上端に溶接された正方形のプレートワッシャを備えるヘッドバーである、請求項1から20のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項22】
各モジュールの上方外縁の周辺に延在する垂直の窪みを更に備える、請求項1から21のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項23】
各モジュールの前記外縁を囲む前記上面の周辺に延在する水平の窪みを更に備える、請求項22に記載のモジュール。
【請求項24】
設置に際して隣り合うモジュール間に封止係合を提供するように構成された密封手段を更に備える、請求項1から23のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項25】
前記モジュールは、標準的なサイズのトラクタ・トレーラで運搬されるように寸法に形成されている、請求項1から24のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項26】
鉄筋コンクリートモジュールを製造する方法であって、前記方法は、
水平スラブケージと、4つの隅柱ケージと、4つの周縁梁ケージと、少なくとも2つの横リブケージと、を備える鉄筋ケージの配列を定める工程と、
所望のモジュール形状にするために、型枠内で前記配列を鉄筋躯体に組み立てる工程であって、前記鉄筋躯体及び前記型枠は上下逆の構成である、前記配列を鉄筋躯体に組み立てる工程と、
コンクリートスラリーを前記型枠内に打設するする工程と、
前記コンクリートスラリーを、前記鉄筋コンクリートモジュールを形成するために十分な時間、型枠内で硬化させる工程と、を備える。
【請求項27】
前記鉄筋ケージのアセンブリは、2つの中央柱ケージと中央梁ケージとを更に備える、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記型枠は、前記型枠の内面に1つ又は複数のボルトインサートを更に備える、請求項26又は27に記載の方法。
【請求項29】
前記打設する工程は1度打ちで行われる、請求項26から28のいずれか1項に記載の方法。
【国際調査報告】