(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】RAF阻害剤とMEK阻害剤の組合せ
(51)【国際特許分類】
A61K 31/506 20060101AFI20240208BHJP
A61K 31/44 20060101ALI20240208BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240208BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240208BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240208BHJP
A61K 31/4184 20060101ALI20240208BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20240208BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
A61K31/506
A61K31/44
A61P35/00
A61P43/00 121
A61K45/00
A61P43/00 111
A61K31/4184
A61P35/02
A61P11/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550043
(86)(22)【出願日】2022-02-18
(85)【翻訳文提出日】2023-10-16
(86)【国際出願番号】 US2022016962
(87)【国際公開番号】W WO2022178244
(87)【国際公開日】2022-08-25
(32)【優先日】2021-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522212055
【氏名又は名称】デイ ワン バイオファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ブラックマン, サミュエル シー.
(72)【発明者】
【氏名】ベネトサナコス, エレニ
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084NA14
4C084ZB26
4C084ZB27
4C084ZC20
4C084ZC75
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC17
4C086BC39
4C086BC42
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA10
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC20
4C086ZC75
(57)【要約】
がんに罹患している対象を処置するための方法および組成物が本明細書に記載される。一部の態様では、がんに罹患している患者を処置する方法であって、対象に、(i)(R)-2-(1-(6-アミノ-5-クロロピリミジン-4-カルボキサミド)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(化合物A)または薬学的に許容されるその塩;および(ii)本明細書に提示されるMEK阻害剤を投与するステップを含む、方法が本明細書に記載される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
がんに罹患している対象を処置する方法であって、前記対象に、
(i)(R)-2-(1-(6-アミノ-5-クロロピリミジン-4-カルボキサミド)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(化合物A)または薬学的に許容されるその塩;および
(ii)ピマセルチブであるMEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩
を投与するステップを含み、
化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩およびピマセルチブまたは薬学的に許容されるその塩が、前記がんを処置するための治療有効量で投与される、方法。
【請求項2】
前記化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩が、前記対象に、1週間当たり約50mg~約800mgの量で、または1週間当たり約100mg/m
2~約600mg/m
2の量で投与され、前記ピマセルチブまたは薬学的に許容されるその塩が、前記対象に、1日当たり約5mg~約150mgの量で投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩が、前記対象に、1週間当たり約200mg~約600mgの量で、または1週間当たり約140mg/m
2~約420mg/m
2の量で投与され、前記ピマセルチブまたは薬学的に許容されるその塩が、前記対象に、1日当たり約10mg~約60mgの量で投与される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
化合物Aを投与するステップを含む、請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ピマセルチブのHCl塩を投与するステップを含む、請求項1から4までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記対象が、以下の融合:AGK:BRAF、BRAF-AGAP3、AGAP3:BRAF、TNS3:BRAF、またはKIAA1549:BRAFのうちの1つまたは複数を有すると同定されている、請求項1から5までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
以下の融合:AGK:BRAF、BRAF-AGAP3、AGAP3:BRAF、TNS3:BRAF、またはKIAA1549:BRAFのうちの1つまたは複数を有する対象を同定するステップを含む、請求項1から5までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記対象が、PIK3CA H1047R、KRAS G12C、KRAS G12D、およびKRAS G12Sから選択される変異を有すると同定されている、請求項1から5までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
KRAS G12C、KRAS G12D、およびKRAS G12Sから選択される変異を有する対象を同定するステップを含む、請求項1から5までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記対象が、BRAF G464V、BRAFインデル、BRAF L597R、BRAF G466V、BRAF G469A、BRAF K601E、およびBRAF G469Rから選択されるBRAF変異を有すると同定されている、請求項1から5までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
BRAF G464V、BRAFインデル、BRAF L597R、BRAF G466V、BRAF G469A、BRAF K601E、およびBRAF G469Rから選択されるBRAF変異を有する対象を同定するステップを含む、請求項1から5までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記がんが、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)経路異常を伴う再発性、進行性、または難治性固形腫瘍である、請求項1から11までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
がんに罹患している対象を処置する方法であって、前記対象に、
(i)(R)-2-(1-(6-アミノ-5-クロロピリミジン-4-カルボキサミド)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(化合物A)または薬学的に許容されるその塩;および
(ii)MEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩
を投与するステップを含み、
化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩および前記MEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩が、前記がんを処置するための治療有効量で投与され、
前記化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩が、前記対象に、1週間当たり約50mg~約800mgの量で、または1週間当たり約100mg/m
2~約600mg/m
2の量で投与される、方法。
【請求項14】
がんに罹患している対象を処置する方法であって、前記対象に、
(i)(R)-2-(1-(6-アミノ-5-クロロピリミジン-4-カルボキサミド)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(化合物A)または薬学的に許容されるその塩;および
(ii)MEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩
を投与するステップを含み、
化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩および前記MEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩が、前記がんを処置するための治療有効量で投与され、
前記対象が、1つまたは複数のマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)経路異常を有する、方法。
【請求項15】
前記MAPK経路異常が、1つまたは複数のBRAF変異または融合およびKRAS変異または融合から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記BRAF変異または融合およびKRAS変異または融合が、以下の遺伝子変異または遺伝子融合:BRAF V600E、BRAF G464V、BRAF G466V、BRAF G464V、BRAF K601E、KRAS Q61、KRAS G12S、BRAF G464V、BRAFインデル、BRAF L597R、BRAF G466V、BRAF G469A、BRAF K601E、BRAF G469R、KRAS G12C、KRAS G12D、KRAS G12S、AGK:BRAF、BRAF-AGAP3、AGAP3:BRAF、TNS3:BRAF、またはKIAA1549:BRAFから選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記MEK阻害剤が、コビメチニブ、セルメチニブ、ピマセルチブ、PD0325901、レファメチニブ、ビニメチニブ、BI-847325、トラメチニブ、GDC-0623、G-573、CH5126766、CIP-137401および
【化28】
の構造を有する化合物から選択される、請求項13から16までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記MEK阻害剤が、セルメチニブ、ビニメチニブ、またはピマセルチブである、請求項13から16までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記MEK阻害剤が、ピマセルチブである、請求項13から16までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記がんが、以下の変異:RAS陽性変異、RAF陽性変異、MEK陽性変異、およびERK陽性変異のうちの1つまたは複数を有する、請求項1から19までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記がんが、RASまたはRAF変更を有する、請求項1から19までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記がんが、NRAS変異、KRAS変異、またはHRAS変異を有する、請求項1から21までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記がんが、BRAF変異、BRAF融合、またはCRAF融合を有する、請求項1から21までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記BRAF変異が、非V600 BRAF変異である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記BRAF変異が、V600 BRAF変異である、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記がんが、MAPK経路を通じたシグナル伝達への依存性をもたらすゲノム変更を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
がんに罹患している対象を同定するステップであって、前記がんが、RAF変更、RAS変異、NF-1変異、またはMAPK経路を通じたシグナル伝達への依存性をもたらすゲノム変更のうちの1つまたは複数を有する、ステップをさらに含む、請求項1から26までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩または前記MEK阻害剤を前記投与するステップの前に、前記対象のがん試料がBRAF、KRAS、CRAF、HRAS、NF-1および/またはNRAS変異試験に供されている、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩または前記MEK阻害剤を前記投与するステップの前に、前記対象のがん試料がゲノム検査に供されており、前記ゲノム検査が、ゲノム変更によりMPAKシグナル伝達への依存性が創出されることを実証するものである、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
患者が、組織学的に確認された非血液腫瘍を有すると診断されている、請求項27から29までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記がんが、NF-1機能喪失をもたらすNF-1の変異を有する、請求項27から30までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記対象が、以下の融合:KIAA1549:BRAF、STARD3NL:BRAF、BCAS1:BRAF、KHDRBS2:BRAF、CCDC6:BRAF、FAM131B:BRAF、SRGAP:BRAF、CLCN6:BRAF、GNAI1:BRAF、MRKN1:BRAF、GIT2:BRAF、GTF21:BRAF、FXR1:BRAF、RNF130:BRAF、BRAF:MACF1、TMEM106B:BRAF、PPC1CC:BRAF、CUX1:BRAF、AGK:BRAF、AGAP3:BRAF、TNS3:BRAF、TARDBP:BRAF、ARMC10:BRAF、CUL1:BRAF、TRIM24:BRAF、AKAP9:BRAF、FKBP15:BRAF、SKAP2:BRAF、ZKSCAN1:BRAF、KLHL7:BRAF、SEPT3:BRAF、SRGAP3:RAF1、QK1:RAF1、FYCO:RAF1、ATG7:RAF1、またはNFIA:RAF1のうちの1つまたは複数を有すると同定されている、請求項1から31までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記対象が、以下の融合:AGK:BRAF、AGAP3:BRAF、TNS3:BRAF、またはKIAA1549:BRAFのうちの1つまたは複数を有すると同定されている、請求項1から31までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記対象が、AGAP3:BRAF融合を有すると同定されている、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記対象が、KIAA1549:BRAF融合を有すると同定されている、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記非V600 BRAF変異が、V600E、G469A、G464V、G466V、K601E、G469R、およびL597Rから選択される、請求項1から24まで、または26から35までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記非V600 BRAF変異が、V600E、G464A、G464V、K601E、およびG469Rから選択される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記非V600 BRAF変異が、G464V、K601E、G469A、およびG466Vから選択される、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記がんが、KRAS変異を有する、請求項1から31までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記KRAS変異が、KRAS G12C、KRAS G12V、KRAS G12D、KRAS Q61K、KRAS Q61H、KRAS G13D、およびKRAS G12Sから選択される、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記KRAS変異が、KRAS G12C、KRAS G12D、KRAS G13D、およびKRAS G12Sから選択される、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
化合物Aが、1週間当たり約100mg~約700mgの量で投与される、請求項1から41までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
化合物Aが、1週間当たり約200mg、約400mg、または600mgで投与される、請求項1から41までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記対象が、少なくとも18歳である、請求項42または43に記載の方法。
【請求項45】
化合物Aが、1週間当たり約100mg/m
2から約500mg/m
2の間の量で投与される、請求項1から41までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
化合物Aが、1週間当たり約140mg/m
2、約280mg/m
2、または約420mg/m
2で投与される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記対象が、12歳、13歳、14歳、15歳、16歳、または17歳である、請求項45または46に記載の方法。
【請求項48】
化合物Aが、週1回投与される、請求項42から47までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記MEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩が、1日当たり約10mg~約150mgの量で投与される、請求項1、2または6から48までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記MEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩が、1日2回、約5mgから約75mgの間の量で投与される、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記MEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩が、1日2回、約15mg、約30mg、約45mg、または約60mgで投与される、請求項1から48までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記対象が、汎RAF治療の施行を以前に受けていない、請求項1から51までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記対象が、シトクロムP450 CYP3A4阻害剤、シトクロムP450 CYP2C19阻害剤、P450 CYP3A4誘導因子、またはCYP2C9の基質の投与を以前に受けていない、請求項1から51までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記がんが、固形腫瘍である、請求項1から53までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記がんが、進行固形腫瘍である、請求項1から53までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記がんが、肺がん、結腸直腸がん、膵がん、皮膚がん、神経膠腫、非神経膠腫脳がん、骨肉腫、胃腸がん、乳がん、甲状腺がん、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia)(AML)、および多発性骨髄腫(MM)から選択される、請求項1から53までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記がんが、肺がん、黒色腫、子宮頸部がん、乳がん、結腸直腸がんまたは膵がんである、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記がんが、肺がんである、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
前記がんが、再発性または進行性固形腫瘍である、請求項1から9まで、または13から58までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記対象が、化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩、または前記MEK阻害剤の前記投与前に、少なくとも1種の、標準治療とみなされる前の治療を受けたことがある、請求項1から58までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記前の治療が、全身治療である、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記前の治療が、化学療法、ホルモン療法、免疫療法、または放射線療法である、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
前記対象が、以前にいかなるがん処置も受けていない、請求項1から58までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
PMA誘導型末梢血単核細胞(PBMC)によって測定されるpERK阻害のIC80を達成するために必要な化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩の毎週用量が、単剤療法で同じpERK阻害のIC80を達成するために必要な化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩の毎週用量よりも少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約30%、約40%、または約50%少ない、請求項1から63までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
PMA誘導型末梢血単核細胞(PBMC)によって測定されるpERK阻害のIC80を達成するために必要な前記MEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩の毎週用量が、単剤療法で同じpERK阻害のIC80を達成するために必要な前記MEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩の毎週用量よりも少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約30%、約40%、または約50%少ない、請求項1から64までのいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、そのそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる2021年2月19日出願の米国仮特許出願第63/151,425号および2021年4月9日出願の米国仮特許出願第63/173,158号の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
2018年には、世界全体でのがんの新規症例は1810万件であり、がんに関連した死亡は950万件であった。2040年までに、1年当たりの新規がん症例の数は2950万件に増加し、がんに関連した死亡の数は1640万件に増加することが予想される。2020年には、米国において診断された新規がん症例は180万件であり、がんによる死亡は606,520件であったと推定される。がんは米国における2番目に多い死因のままであり、ほぼ24件に1件の死亡の原因となっている。医学的進歩によりがん生存率は改善されているが、新しい有効な処置が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
発明の概要
ある特定の態様では、本開示は、がんに罹患している対象を処置する方法であって、対象に、
(i)(R)-2-(1-(6-アミノ-5-クロロピリミジン-4-カルボキサミド)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(化合物A)または薬学的に許容されるその塩;および
(ii)ピマセルチブであるMEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩
を投与するステップを含み、
化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩およびピマセルチブまたは薬学的に許容されるその塩は、がんを処置するための治療有効量で投与される、方法を提供する。一部の実施形態では、化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩が、対象に、1週間当たり約50mg~約800mgの量で、または1週間当たり約100mg/m2~約600mg/m2の量で投与され、ピマセルチブまたは薬学的に許容されるその塩が、対象に、1日当たり約5mg~約150mgの量で投与される。一部の実施形態では、化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩が、対象に、1週間当たり約200mg~約600mgの量で、または1週間当たり約140mg/m2~約420mg/m2の量で投与され、ピマセルチブまたは薬学的に許容されるその塩が、対象に、1日当たり約10mg~約60mgの量で投与される。一部の実施形態では、方法は、化合物Aを投与することを含む。一部の実施形態では、方法は、ピマセルチブHClを投与することを含む。一部の実施形態では、対象は、以下の融合:AGK:BRAF、BRAF-AGAP3、AGAP3:BRAF、TNS3:BRAF、またはKIAA1549:BRAFのうちの1つまたは複数を有すると同定されている。一部の実施形態では、方法は、以下の融合:AGK:BRAF、BRAF-AGAP3、AGAP3:BRAF、TNS3:BRAF、またはKIAA1549:BRAFのうちの1つまたは複数を有する対象を同定するステップを含む。一部の実施形態では、対象は、PIK3CA H1047R、KRAS G12C、KRAS G12D、およびKRAS G12Sから選択される変異を有すると同定されている。一部の実施形態では、方法は、KRAS G12C、KRAS G12D、およびKRAS G12Sから選択される変異を有する対象を同定するステップを含む。一部の実施形態では、方法は、KRAS G12C、KRAS G12D、およびKRAS G12Sから選択される変異を有する対象を同定するステップを含む。一部の実施形態では、対象は、BRAF G464V、BRAFインデル、BRAF L597R、BRAF G466V、BRAF G469A、BRAF K601E、およびBRAF G469Rから選択されるBRAF変異を有すると同定されている。一部の実施形態では、方法は、BRAF G464V、BRAFインデル、BRAF L597R、BRAF G466V、BRAF G469A、BRAF K601E、およびBRAF G469Rから選択されるBRAF変異を有する対象を同定するステップを含む。一部の実施形態では、がんは、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)経路異常を伴う再発性、進行性、または難治性固形腫瘍である。
【0004】
別の態様では、本開示は、がんに罹患している対象を処置する方法であって、対象に、
(i)(R)-2-(1-(6-アミノ-5-クロロピリミジン-4-カルボキサミド)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(化合物A)または薬学的に許容されるその塩;および
(ii)MEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩
を投与するステップを含み、
化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩およびMEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩の総量が、がんの処置において治療的に有効なものであり、
化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩は、対象に、1週間当たり約50mg~約800mgの量で、または1週間当たり約100mg/m
2~約600mg/m
2の量で投与される、方法を提供する。一部の実施形態では、MAPK経路異常は、1つまたは複数のBRAF変異または融合およびKRAS変異または融合から選択される。一部の実施形態では、BRAF変異または融合およびKRAS変異または融合は、以下の遺伝子変異または遺伝子融合:BRAF V600E、BRAF G464V、BRAF G466V、BRAF G464V、BRAF K601E、KRAS Q61、KRAS G12S、BRAF G464V、BRAFインデル、BRAF L597R、BRAF G466V、BRAF G469A、BRAF K601E、BRAF G469R、KRAS G12C、KRAS G12D、KRAS G12S、AGK:BRAF、BRAF-AGAP3、AGAP3:BRAF、TNS3:BRAF、またはKIAA1549:BRAFから選択される。一部の実施形態では、MEK阻害剤は、コビメチニブ、セルメチニブ、ピマセルチブ、PD0325901、レファメチニブ、ビニメチニブ、BI-847325、トラメチニブ、GDC-0623、G-573、CH5126766、CIP-137401および
【化1】
の構造を有する化合物から選択される。一部の実施形態では、MEK阻害剤は、セルメチニブ、ビニメチニブ、またはピマセルチブである。一部の実施形態では、MEK阻害剤は、ピマセルチブである。一部の実施形態では、がんは、以下の変異:RAS陽性変異、RAF陽性変異、MEK陽性変異、およびERK陽性変異のうちの1つまたは複数を有する。一部の実施形態では、がんは、RASまたはRAF変更を有する。一部の実施形態では、がんは、NRAS変異、KRAS変異、またはHRAS変異を有する。一部の実施形態では、がんは、BRAF変異、BRAF融合、またはCRAF融合を有する。一部の実施形態では、BRAF変異は、非V600 BRAF変異である。一部の実施形態では、BRAF変異は、V600 BRAF変異である。一部の実施形態では、がんは、MAPK経路を通じたシグナル伝達への依存性をもたらすゲノム変更を有する。一部の実施形態では、方法は、がんに罹患している対象を同定するステップであって、がんが、RAF変更、RAS変異、NF-1変異、またはMAPK経路を通じたシグナル伝達への依存性をもたらすゲノム変更のうちの1つまたは複数を有する、ステップをさらに含む。一部の実施形態では、化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩またはMEK阻害剤を投与するステップの前に、対象のがん試料がBRAF、KRAS、CRAF、HRAS、NF-1および/またはNRAS変異試験に供されている。一部の実施形態では、化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩またはMEK阻害剤を投与するステップの前に、対象のがん試料がゲノム検査に供されており、ゲノム検査が、ゲノム変更によりMPAKシグナル伝達への依存性が創出されることを実証するものである。一部の実施形態では、患者は、組織学的に確認された非血液腫瘍を有すると診断されている。一部の実施形態では、がんは、NF-1機能喪失をもたらすNF-1の変異を有する。一部の実施形態では、対象は、以下の融合:KIAA1549:BRAF、STARD3NL:BRAF、BCAS1:BRAF、KHDRBS2:BRAF、CCDC6:BRAF、FAM131B:BRAF、SRGAP:BRAF、CLCN6:BRAF、GNAI1:BRAF、MRKN1:BRAF、GIT2:BRAF、GTF21:BRAF、FXR1:BRAF、RNF130:BRAF、BRAF:MACF1、TMEM106B:BRAF、PPC1CC:BRAF、CUX1:BRAF、AGK:BRAF、AGAP3:BRAF、TNS3:BRAF、TARDBP:BRAF、ARMC10:BRAF、CUL1:BRAF、TRIM24:BRAF、AKAP9:BRAF、FKBP15:BRAF、SKAP2:BRAF、ZKSCAN1:BRAF、KLHL7:BRAF、SEPT3:BRAF、SRGAP3:RAF1、QK1:RAF1、FYCO:RAF1、ATG7:RAF1、またはNFIA:RAF1のうちの1つまたは複数を有すると同定されている。一部の実施形態では、対象は、以下の融合:AGK:BRAF、AGAP3:BRAF、TNS3:BRAF、またはKIAA1549:BRAFのうちの1つまたは複数を有すると同定されている。一部の実施形態では、対象は、AGAP3:BRAF融合を有すると同定されている。一部の実施形態では、対象は、KIAA1549:BRAF融合を有すると同定されている。一部の実施形態では、非V600 BRAF変異は、V600E、G469A、G464V、G466V、K601E、G469R、およびL597Rから選択される。一部の実施形態では、非V600 BRAF変異は、V600E、G464A、G464V、K601E、およびG469Rから選択される。一部の実施形態では、非V600 BRAF変異は、G464V、K601E、G469A、およびG466Vから選択される。一部の実施形態では、がんは、KRAS変異を有する。一部の実施形態では、KRAS変異は、KRAS G12C、KRAS G12V、KRAS G12D、KRAS Q61K、KRAS Q61H、KRAS G13D、およびKRAS G12Sから選択される。一部の実施形態では、KRAS変異は、KRAS G12C、KRAS G12D、KRAS G13D、およびKRAS G12Sから選択される。一部の実施形態では、化合物Aは、1週間当たり約100mg~約700mgの量で投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、1週間当たり約200mg、約400mg、または600mgで投与される。一部の実施形態では、対象は、少なくとも18歳である。一部の実施形態では、化合物Aは、1週間当たり約100mg/m
2から約500mg/m
2の間の量で投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、1週間当たり約140mg/m
2、約280mg/m
2、または約420mg/m
2で投与される。一部の実施形態では、対象は、12歳、13歳、14歳、15歳、16歳、または17歳である。一部の実施形態では、化合物Aを、週1回投与する。一部の実施形態では、MEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩は、1日当たり約10mg~約150mgの量で投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩は、1日2回、約5mgから約75mgの間の量で投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩が、1日2回、約15mg、約30mg、約45mg、または約60mgで投与される。一部の実施形態では、対象は、汎RAF治療の施行を以前に受けていない。一部の実施形態では、対象は、シトクロムP450 CYP3A4阻害剤、シトクロムP450 CYP2C19阻害剤、P450 CYP3A4誘導因子、またはCYP2C9の基質の投与を以前に受けていない。一部の実施形態では、がんは、固形腫瘍である。一部の実施形態では、がんは、進行固形腫瘍である。一部の実施形態では、がんは、肺がん、結腸直腸がん、膵がん、皮膚がん、神経膠腫、非神経膠腫脳がん、骨肉腫、胃腸がん、乳がん、甲状腺がん、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia)(AML)、および多発性骨髄腫(MM)から選択される。一部の実施形態では、がんは、肺がん、黒色腫、子宮頸部がん(cervix cancer)、乳がん、結腸直腸がんまたは膵がんである。一部の実施形態では、がんは、肺がんである。一部の実施形態では、がんは、再発性または進行性固形腫瘍である。一部の実施形態では、対象は、化合物Aもしくは薬学的に許容されるその塩またはMEK阻害剤の投与前に、少なくとも1種の、標準治療とみなされる前の治療を受けたことがある。一部の実施形態では、前の治療は、全身治療である。一部の実施形態では、前の治療は、化学療法、ホルモン療法、免疫療法、または放射線療法である。一部の実施形態では、対象は、以前にいかなるがん処置も受けていない。一部の実施形態では、PMA誘導型末梢血単核細胞(PBMC)によって測定されるpERK阻害のIC80を達成するために必要な化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩の毎週用量は、単剤療法で同じpERK阻害のIC80を達成するために必要な化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩の毎週用量よりも少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約30%、約40%、または約50%少ない。一部の実施形態では、PMA誘導型末梢血単核細胞(PBMC)によって測定されるpERK阻害のIC80を達成するために必要なMEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩の毎週用量は、単剤療法で同じpERK阻害のIC80を達成するために必要なMEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩の毎週用量よりも少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約30%、約40%、または約50%少ない。
【0005】
別の態様では、本開示は、がんに罹患している対象を処置する方法であって、対象に、
(i)(R)-2-(1-(6-アミノ-5-クロロピリミジン-4-カルボキサミド)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(化合物A)または薬学的に許容されるその塩;および
(ii)MEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩
を投与するステップを含み、
化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩およびMEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩の総量が、がんの処置において治療的に有効なものであり、
対象が、1つまたは複数のマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)経路異常を有する、方法を提供する。一部の実施形態では、MAPK経路異常は、1つまたは複数のBRAF変異または融合およびKRAS変異または融合から選択される。一部の実施形態では、BRAF変異または融合およびKRAS変異または融合は、以下の遺伝子変異または遺伝子融合:BRAF V600E、BRAF G464V、BRAF G466V、BRAF G464V、BRAF K601E、KRAS Q61、KRAS G12S、BRAF G464V、BRAFインデル、BRAF L597R、BRAF G466V、BRAF G469A、BRAF K601E、BRAF G469R、KRAS G12C、KRAS G12D、KRAS G12S、AGK:BRAF、BRAF-AGAP3、AGAP3:BRAF、TNS3:BRAF、またはKIAA1549:BRAFから選択される。一部の実施形態では、MEK阻害剤は、コビメチニブ、セルメチニブ、ピマセルチブ、PD0325901、レファメチニブ、ビニメチニブ、BI-847325、トラメチニブ、GDC-0623、G-573、CH5126766、CIP-137401および
【化2】
の構造を有する化合物から選択される。一部の実施形態では、MEK阻害剤は、セルメチニブ、ビニメチニブ、またはピマセルチブである。一部の実施形態では、MEK阻害剤は、ピマセルチブである。一部の実施形態では、がんは、以下の変異:RAS陽性変異、RAF陽性変異、MEK陽性変異、およびERK陽性変異のうちの1つまたは複数を有する。一部の実施形態では、がんは、RASまたはRAF変更を有する。一部の実施形態では、がんは、NRAS変異、KRAS変異、またはHRAS変異を有する。一部の実施形態では、がんは、BRAF変異、BRAF融合、またはCRAF融合を有する。一部の実施形態では、BRAF変異は、非V600 BRAF変異である。一部の実施形態では、BRAF変異は、V600 BRAF変異である。一部の実施形態では、がんは、MAPK経路を通じたシグナル伝達への依存性をもたらすゲノム変更を有する。一部の実施形態では、方法は、がんに罹患している対象を同定するステップであって、がんが、RAF変更、RAS変異、NF-1変異、またはMAPK経路を通じたシグナル伝達への依存性をもたらすゲノム変更のうちの1つまたは複数を有する、ステップをさらに含む。一部の実施形態では、化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩またはMEK阻害剤を投与するステップの前に、対象のがん試料がBRAF、KRAS、CRAF、HRAS、NF-1および/またはNRAS変異試験に供されている。一部の実施形態では、化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩またはMEK阻害剤を投与するステップの前に、対象のがん試料がゲノム検査に供されており、ゲノム検査は、ゲノム変更によりMPAKシグナル伝達への依存性が創出されることを実証するものである。一部の実施形態では、患者は、組織学的に確認された非血液腫瘍を有すると診断されている。一部の実施形態では、がんは、NF-1機能喪失をもたらすNF-1の変異を有する。一部の実施形態では、対象は、以下の融合:KIAA1549:BRAF、STARD3NL:BRAF、BCAS1:BRAF、KHDRBS2:BRAF、CCDC6:BRAF、FAM131B:BRAF、SRGAP:BRAF、CLCN6:BRAF、GNAI1:BRAF、MRKN1:BRAF、GIT2:BRAF、GTF21:BRAF、FXR1:BRAF、RNF130:BRAF、BRAF:MACF1、TMEM106B:BRAF、PPC1CC:BRAF、CUX1:BRAF、AGK:BRAF、AGAP3:BRAF、TNS3:BRAF、TARDBP:BRAF、ARMC10:BRAF、CUL1:BRAF、TRIM24:BRAF、AKAP9:BRAF、FKBP15:BRAF、SKAP2:BRAF、ZKSCAN1:BRAF、KLHL7:BRAF、SEPT3:BRAF、SRGAP3:RAF1、QK1:RAF1、FYCO:RAF1、ATG7:RAF1、またはNFIA:RAF1のうちの1つまたは複数を有すると同定されている。一部の実施形態では、対象は、以下の融合:AGK:BRAF、AGAP3:BRAF、TNS3:BRAF、またはKIAA1549:BRAFのうちの1つまたは複数を有すると同定されている。一部の実施形態では、対象は、AGAP3:BRAF融合を有すると同定されている。一部の実施形態では、対象は、KIAA1549:BRAF融合を有すると同定されている。一部の実施形態では、非V600 BRAF変異は、V600E、G469A、G464V、G466V、K601E、G469R、およびL597Rから選択される。一部の実施形態では、非V600 BRAF変異は、V600E、G464A、G464V、K601E、およびG469Rから選択される。一部の実施形態では、非V600 BRAF変異は、G464V、K601E、G469A、およびG466Vから選択される。一部の実施形態では、がんは、KRAS変異を有する。一部の実施形態では、KRAS変異は、KRAS G12C、KRAS G12V、KRAS G12D、KRAS Q61K、KRAS Q61H、KRAS G13D、およびKRAS G12Sから選択される。一部の実施形態では、KRAS変異は、KRAS G12C、KRAS G12D、KRAS G13D、およびKRAS G12Sから選択される。一部の実施形態では、化合物Aは、1週間当たり約100mg~約700mgの量で投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、1週間当たり約200mg、約400mg、または600mgで投与される。一部の実施形態では、対象は、少なくとも18歳である。一部の実施形態では、化合物Aは、1週間当たり約100mg/m
2から約500mg/m
2の間の量で投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、1週間当たり約140mg/m
2、約280mg/m
2、または約420mg/m
2で投与される。一部の実施形態では、対象は、12歳、13歳、14歳、15歳、16歳、または17歳である。一部の実施形態では、化合物Aは、週1回投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩が、1日当たり約10mg~約150mgの量で投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩が、1日2回、約5mgから約75mgの間の量で投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩が、1日2回、約15mg、約30mg、約45mg、または約60mgで投与される。一部の実施形態では、対象は、汎RAF治療の施行を以前に受けていない。一部の実施形態では、対象は、シトクロムP450 CYP3A4阻害剤、シトクロムP450 CYP2C19阻害剤、P450 CYP3A4誘導因子、またはCYP2C9の基質の投与を以前に受けていない。一部の実施形態では、がんは、固形腫瘍である。一部の実施形態では、がんは、進行固形腫瘍である。一部の実施形態では、がんは、肺がん、結腸直腸がん、膵がん、皮膚がん、神経膠腫、非神経膠腫脳がん、骨肉腫、胃腸がん、乳がん、甲状腺がん、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia)(AML)、および多発性骨髄腫(MM)から選択される。一部の実施形態では、がんは、肺がん、黒色腫、子宮頸部がん、乳がん、結腸直腸がんまたは膵がんである。一部の実施形態では、がんは、肺がんである。一部の実施形態では、がんは、再発性または進行性固形腫瘍である。一部の実施形態では、対象は、化合物Aもしくは薬学的に許容されるその塩またはMEK阻害剤の投与前に、少なくとも1種の、標準治療とみなされる前の治療を受けたことがある。一部の実施形態では、前の治療は、全身治療である。一部の実施形態では、前の治療は、化学療法、ホルモン療法、免疫療法、または放射線療法である。一部の実施形態では、対象は、以前にいかなるがん処置も受けていない。一部の実施形態では、PMA誘導型末梢血単核細胞(PBMC)によって測定されるpERK阻害のIC80を達成するために必要な化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩の毎週用量は、単剤療法で同じpERK阻害のIC80を達成するために必要な化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩の毎週用量よりも少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約30%、約40%、または約50%少ない。一部の実施形態では、PMA誘導型末梢血単核細胞(PBMC)によって測定されるpERK阻害のIC80を達成するために必要なMEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩の毎週用量は、単剤療法で同じpERK阻害のIC80を達成するために必要なMEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩の毎週用量よりも少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約30%、約40%、または約50%少ない。
【0006】
参照による組込み
本明細書において言及されている全ての刊行物、特許および特許出願は、個々の刊行物、特許、または特許出願が、具体的にかつ個別に参照により組み込まれることが示されたものと同じく参照により本明細書に組み込まれる。
【0007】
本発明の新規の特徴が添付の特許請求の範囲において詳細に記載されている。本発明の原理が利用されている例示的な実施形態が記載されている以下の詳細な説明および添付図面を参照することにより、本発明の特徴および利点のよりよい理解が得られよう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、化合物Aとピマセルチブの組合せを使用する第1b/2相試験デザインを例示する。多施設非盲検副試験は、MAPK経路の重要なタンパク質の異常を有する再発性または進行性固形腫瘍、例えば、RASまたはRAF変更を有する腫瘍などを有する12歳以上の患者からなる。化合物Aは、週1回投与され(1日目、8日目、15日目、および22日目)、ピマセルチブは、1日1回(QD)または1日2回(BID)投与され、疾患増悪または許容されない毒性が存在しなければサイクルを28日毎に繰り返す。略語:BRAF(v-rafマウス肉腫ウイルス癌遺伝子ホモログB);F/U(追跡調査);KRAS(Kirstenラット肉腫ウイルス癌遺伝子);MAPK(マイトジェン活性化プロテインキナーゼ);およびNRAS(神経芽細胞腫ウイルス癌遺伝子(neuroblastoma sarcoma viral oncogene))。
【発明を実施するための形態】
【0009】
発明の詳細な説明
本発明の好ましい実施形態が本明細書において示され、記載されているが、そのような実施形態が単に例として提供されていることは当業者には明白であろう。当業者は、本発明から逸脱することなく多数の変形、変化および置換をすぐに思いつくであろう。本明細書に記載の発明の実施形態に対する種々の代替を本発明の実施に使用することができることが理解されるべきである。以下の特許請求の範囲により本発明の範囲が規定されること、ならびに、これらの特許請求の範囲内に入る方法および構造、およびそれにより、それらの等価物が包含されることが意図されている。
【0010】
定義
別段の定義のない限り、本明細書において使用される全ての科学技術用語は、本発明が属する当業者に一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で言及される特許および刊行物は全て、参照により組み込まれる。
【0011】
本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」という単数形は、文脈により明確に別段の規定がなされない限り、複数の参照を包含する。
【0012】
「アリール」とは、炭素原子を6~20個有することが好ましい芳香族単環または多環部分を指し、フェニル、ビフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、フルオレニル、インデニルまたはフェナントレニルから選択されることが好ましく、フェニルまたはナフチルから選択されることがより好ましい。
【0013】
「ヘテロアリール」とは、炭素原子を6~20個有し、少なくとも1つの環がO、Nおよび/もしくはSから選択されるヘテロ原子を含有する芳香族部分を指す、または、ヘテロアリールは、O、Nおよび/もしくはSから選択されるヘテロ原子を少なくとも1個、ならびに炭素原子1~6個を含有する芳香環である。ヘテロアリールは、Oおよび/もしくはNから選択されるヘテロ原子を1~4個、より好ましくは1個、2個または3個含有することが好ましく、ピリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プテリジニル、プリニル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、およびフロピリジニルから選択されることが好ましい。スピロ部分もこの定義の範囲内に入る。好ましいヘテロアリールとしては、ピリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリルが挙げられる。ヘテロアリール基は、例えば、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヒドロキシで必要に応じて一置換、二置換または三置換されていてもよい。
【0014】
「ヘテロシクリル」とは、O、Nおよび/またはSから選択されるヘテロ原子を少なくとも1個、ならびに炭素原子を1~6個含有する飽和または不飽和環を指す。ヘテロシクリルは、Oおよび/またはNから選択されるヘテロ原子を1~4個、より好ましくは1個、2個または3個含有することが好ましく、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオキサニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ホモピペリジニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、1,2,3,6-テトラヒドロピリジニル、2-ピロリニル、3-ピロリニル、インドリニル、2H-ピラニル、4H-ピラニル、ジオキサニル、1,3-ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリジニルイミダゾリニル、イミダゾリジニル、アゼチジン-2-オン-1-イル、ピロリジン-2-オン-1-イル、ピペリド-2-オン-1-イル、アゼパン-2-オン-1-イル、3-アザビシコ[3.1.0]ヘキサニル、3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、アザビシクロ[2.2.2]ヘキサニル、3H-インドリルおよびキノリジニルから選択されることが好ましい。スピロ部分もこの定義の範囲内に入る。
【0015】
「カルボシクリル(carbocyclyl)」とは、炭素原子3~20個の単環式または多環式環系を指し、飽和、不飽和または芳香族であり得る。
【0016】
「アルキル」とは、炭素原子を1~10個、好ましくは1~8個有し、炭素原子1~4個有することがより好ましい、飽和炭化水素部分、すなわち直鎖または分枝アルキル、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシルまたはヘプチルなどを指す。
【0017】
「シクロアルキル」とは、炭素原子を3~10個、好ましくは3~8個有し、炭素原子を3~6個有することがより好ましいアルキル環、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルなどを指す。
【0018】
「アルケニル」は、炭素原子を1~10個、好ましくは2~8個、より好ましくは炭素原子を2~4個有し、二重結合を1つまたは複数、好ましくは二重結合を1つ有する不飽和炭化水素部分、すなわち直鎖または分枝アルケニル、例えば、ビニル、アリル、メタリル、ブテン-2-イル、ブテン-3-イル、ペンテン-2-イル、ペンテン-3-イル、ペンテン-4-イル、3-メチル-ブタ-3-エニル、2-メチル-ブタ-3-エニル、1-メチル-ブタ-3-エニル、ヘキセニルまたはヘプテニルなどを指す。
【0019】
「アルキニル」とは、炭素原子を1~10個、好ましくは2~8個、より好ましくは炭素原子を2~4個有し、三重結合を1つまたは複数、好ましくは三重結合を1つ有する不飽和炭化水素部分、すなわち直鎖または分枝アルキニル、例えば、エチニル、プロピニル、ブチン-2-イル、ブチン-3-イル、ペンチン-2-イル、ペンチン-3-イル、ペンチン-4-イル、2-メチル-ブタ-3-イニル、1-メチル-ブタ-3-イニル、ヘキシニルまたはヘプチニルなどを指す。
【0020】
「ハロ」または「ハロゲン」とは、ハロゲン原子を指し、F、Cl、BrおよびIから選択されることが好ましく、F、ClおよびBrから選択されることが好ましい。
【0021】
シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルおよびヘテロシクリルアルキルの定義では、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルがアルキレン部分を介して結合していることが意図されている。このアルキレン部分は直鎖基であっても分枝鎖基であってもよい。前記アルキレン部分は、炭素原子を1~6個有することが好ましい。その例としては、メチレン、エチレン、n-プロピレン、n-ブチレン、n-ペンチレン、n-ヘキシレン、イソ-プロピレン、sec.-ブチレン、tert.-ブチレン、1,1-ジメチルプロピレン、1,2-ジメチルプロピレン、2,2-ジメチルプロピレン、1,1-ジメチルブチレン、1,2-ジメチルブチレン、1,3-ジメチルブチレン、2,2-ジメチルブチレン、2,3-ジメチルブチレン、3,3-ジメチルブチレン、1-エチルブチレン、2-エチルブチレン、3-エチルブチレン、1-n-プロピルプロピレン、2-n-プロピルプロピレン、1-イソ-プロピルプロピレン、2-イソ-プロピルプロピレン、1-メチルペンチレン、2-メチルペンチレン、3-メチルペンチレンおよび4-メチルペンチレンが挙げられる。より好ましくは、前記アルキレン部分は、例えば、メチレン、エチレン、n-プロピレンおよびイソ-プロピレンなど、炭素原子を1~3個有するものである。メチレンが最も好ましい。
【0022】
「アシル」は、-C(O)R基を指し、ここで、Rは、「C1~C6-アルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C3~C8-シクロアルキル」、「C3~C8-ヘテロシクロアルキル」、「C1~C6-アルキルアリール」または「C1~C6-アルキルヘテロアリール」を包含する。「アシルオキシ」は、-OC(O)R基を指し、ここで、Rは、「C1~C6-アルキル」、「アリール」、「ヘテロ-アリール」、「C1~C6-アルキルアリール」または「C1~C6-アルキルヘテロアリール」を包含する。
【0023】
「アリールアシル」は、2-アセチルフェニルなどを含めたアシル置換基を有するアリール基を指す。
【0024】
「ヘテロアリールアシル」は、2-アセチルピリジルなどを含めたアシル置換基を有するヘテロアリール基を指す。
【0025】
「アルコキシ」は、-O-R基を指し、ここで、Rは、「C1~C6-アルキル」、「C2~C6-アルケニル」、「C2~C6-アルキニル」、「C3~C8-シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C2~C6-アルキルアリール」または「C1~C6-アルキルヘテロアリール」、「C2~C6-アルケニルアリール」、「C2~C6-アルケニルヘテロアリール」、「C2~C6-アルキニルアリール」、「C2~C6-アルキニルヘテロアリール」、「C1~C6-アルキルシクロアルキル」、「C1~C6-アルキルヘテロシクロアルキル」を包含する。好ましいアルコキシ基の例として、メトキシ、エトキシ、フェノキシなどが挙げられる。
【0026】
「アルコキシカルボニル」は、C(O)OR基を指し、ここで、Rは、「C1~C6-アルキル」または「アリール」または「ヘテロアリール」または「C1~C6-アルキルアリール」または「C1~C6-アルキルヘテロアリール」を包含する。
【0027】
「アルコキシカルボニルアミノ」は、-NR’C(O)OR基を指し、ここで、Rは、「C1~C6-アルキル」または「アリール」または「ヘテロアリール」または「C1~C6-アルキルアリール」または「C1~C6-アルキルヘテロアリール」を包含し、R’は、水素または「C1~C6-アルキル」を包含する。
【0028】
「アミノカルボニル」は、C(O)NRR’基を指し、ここで、R、R’はそれぞれ、独立に、水素またはC1~C6-アルキルまたはアリールまたはヘテロアリールまたは「C1~C6-アルキルアリール」または「C1~C6-アルキルヘテロ-アリール」を包含する。
【0029】
「アシルアミノ」は、-NR(CO)R’基を指し、ここで、R、R’はそれぞれ、独立に、水素または「C1~C6-アルキル」または「アリール」または「ヘテロアリール」または「C1~C6-アルキルアリール」または「C1~C6-アルキルヘテロアリール」である。
【0030】
「スルホニルオキシ」は、-OSO2-R基を指し、ここで、Rは、H、「C1~C6-アルキル」、ハロゲンで置換された「C1~C6-アルキル」、例えば、-OSO2-CF3基、「C2~C6-アルケニル」、「C2~C6-アルキニル」、「C3~C8-シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1~C6-アルキルアリール」または「C1~C6-アルキルヘテロアリール」、「C2~C6-アルケニルアリール」、「C2~C6-アルケニルヘテロアリール」、「C2~C6-アルキニルアリール」、「C2~C6-アルキニルヘテロアリール」、「C1~C6-アルキルシクロアルキル」、「C1~C6-アルキルヘテロシクロアルキル」から選択される。
【0031】
「スルホニル」は、「-SO2-R」基を指し、ここで、Rは、H、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1~C6-アルキル」、ハロゲンで置換された「C1~C6-アルキル」、例えば、-SO2-CF3基、「C2~C6-アルケニル」、「C2~C6-アルキニル」、「C3~C8-シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1~C6-アルキルアリール」または「C1~C6アルキルヘテロアリール」、「C2~C6アルケニルアリール」、「C2~C6-アルケニルヘテロアリール」、「C2~C6-アルキニルアリール」、「C2~C6-アルキニルヘテロアリール」、「C1~C6-アルキルシクロアルキル」、「C1~C6-アルキルヘテロシクロアルキル」から選択される。
【0032】
「スルフィニル」は、「-(O)-R」基を指し、ここで、Rは、H、「C1~C6-アルキル」、ハロゲンで置換された「C1~C6-アルキル」、例えば、-SO-CF3基、「C2~C6-アルケニル」、「C2~C6-アルキニル」、「C3~C8-シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」3、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1~C6-アルキルアリール」または「C1~C6-アルキルヘテロアリール」、「C2~C6-アルケニルアリール」、「C2~C6-アルケニルヘテロアリール」、「C2~C6-アルキニルアリール」、「C2~C6-アルキニルヘテロアリール」、「C1~C6-アルキルシクロアルキル」、「C1~C6-アルキルヘテロシクロアルキル」から選択される。
【0033】
「スルファニル」は、-S-R基を指し、ここで、Rは、H、「C1~C6-アルキル」、ハロゲンで置換されていてもよい「C1~C6-アルキル」、例えば、-S-CF3基、「C2~C6-アルケニル」、「C2~C6-アルキニル」、「C3~C8-シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1~C6-アルキルアリール」または「C1~C6-アルキルヘテロアリール」、「C2~C6-アルケニルアリール」、「C2~C6-アルケニルヘテロアリール」、「C2~C6-アルキニルアリール」、「C2~C6-アルキニルヘテロアリール」、「C1~C6-アルキルシクロアルキル」、「C1~C6-アルキルヘテロシクロアルキル」を包含する。好ましいスルファニル基としては、メチルスルファニル、エチルスルファニルなどが挙げられる。
【0034】
「スルホニルアミノ」は、-NRSO2-R’基を指し、ここで、R、R’はそれぞれ、独立に、水素、「C1~C6-アルキル」、「C2~C6-アルケニル」、「C2~C6-アルキニル」、「C3~C8-シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1~C6-アルキルアリール」または「C1~C6-アルキルヘテロアリール」、「C2~C6-アルケニルアリール」、「C2~C6-アルケニルヘテロアリール」、「C2~C6-アルキニルアリール」、「C2~C6-アルキニルヘテロアリール」、「C1~C6-アルキルシクロアルキル」、「C1~C6-アルキルヘテロシクロアルキル」を包含する。
【0035】
「アミノスルホニル」は、-SO2-NRR’基を指し、ここで、R、R’はそれぞれ、独立に、水素、「C1~C6-アルキル」、「C2~C6-アルケニル」、「C2~C6-アルキニル」、「C3~C8-シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1~C6-アルキルアリール」または「C1~C6-アルキルヘテロアリール」、「C2~C6-アルケニルアリール」、「C2~C6-アルケニルヘテロアリール」、「C2~C6-アルキニルアリール」、「C2~C6-アルキニルヘテロアリール」、「C1~C6-アルキルシクロアルキル」、「C1~C6-アルキルヘテロシクロアルキル」を包含する。
【0036】
「アミノ」は、-NRR’基を指し、ここで、R、R’はそれぞれ、独立に、水素、「C1~C6-アルキル」、「C2~C6-アルケニル」、「C2~C6-アルキニル」、「C3~C8-シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1~C6-アルキルアリール」または「C1~C6-アルキルヘテロアリール」、「C2~C6-アルケニルアリール」、「C2~C6-アルケニルヘテロアリール」、「C2~C8-アルキニルアリール」、「C2~C6-アルキニルヘテロアリール」、「C1~C6-アルキルシクロアルキル」、「C1~C6-アルキルヘテロシクロアルキル」であり、RおよびR’は、それらが付着している窒素原子と一緒になって、3~8員ヘテロ-シクロアルキル環を形成していてもよい場合がある。
【0037】
「置換されているかまたは置換されていない」:個々の置換基の定義によって別様に限定される場合を除き、「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」、「アルコキシ」、「アリール」および「ヘテロアリール」基などの上記の基は、独立に、「C1~C6-アルキル」、「C1~C6-アルキルアリール」、「C1~C6-アルキルヘテロアリール」、「C2~C6-アルケニル」、「C2~C6-アルキニル」、第一級、第二級もしくは第三級アミノ基または第四級アンモニウム部分、「アシル」、「アシルオキシ」、「アシルアミノ」、「アミノカルボニル」、「アルコキシカルボニルアミノ」、「アルコキシカルボニル」、「アリール」、「アリールオキシ」、「ヘテロアリール」、「ヘテロアリールオキシ」、カルボキシル、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、スルファニル、スルホキシ、スルホニル、スルホンアミド、アルコキシ、チオアルコキシ、トリハロメチルなどからなる群から選択される置換基1個から5個までで置換されていてもよい場合がある。本発明の枠組み内では、前記「置換」は、特にビシナルの機能的な置換基が関与する場合に、近接する置換基が閉環し、したがって、例えば、ラクタム、ラクトン、環状無水物が形成される状況も含み、さらに、例えば保護基を得るために閉環によって形成されるアセタール、チオアセタール、動物も含むものとする。
【0038】
本発明の化合物またはそれらのプロドラッグの互変異性(例えば、ケト-エノール互変異性)は、個々の形態で(例えば、ケト、エノール形態、および任意の比での混合物として一緒に)存在し得る。立体異性体(例えば、鏡像異性体、シス/トランス異性体、配座異性体など)にも同じことが当てはまる。
【0039】
異性体は、当技術分野で周知の方法によって、例えば、液体クロマトグラフィーによって分離することができる。鏡像異性体に関しては、例えば、キラル固定相を使用することによって分離することができる。さらに、鏡像異性体は、ジアステレオマーに変換する、すなわち、鏡像異性的に純粋な補助化合物とカップリングし、続いて、得られたジアステレオマーを分離し、補助残基を切断することによって単離することができる。あるいは、光学的に純粋な出発材料を使用した立体選択的合成によって本発明の化合物の任意の鏡像異性体を得ることができる。
【0040】
「薬学的に許容される」という句は、本明細書では、健全な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは併発症を伴わずにヒトおよび動物の組織と接触させて使用するために適し、妥当なベネフィット/リスク比に見合う、化合物、材料、組成物、および/または剤形を指すために使用される。
【0041】
本明細書で使用される場合、「変異」は、規定された一次アミノ酸配列、例えば、標的タンパク質の一次アミノ酸配列中の少なくとも1つのアミノ酸残基のアミノ酸残基欠失、アミノ酸残基挿入、および/またはアミノ酸残基置換を包含する。アミノ酸「置換」とは、規定された一次アミノ酸配列の少なくとも1つのアミノ酸成分が別のアミノ酸(例えば、システイン残基またはリシン残基)で置き換えられることを意味する。一次アミノ酸配列内の1つまたは複数のアミノ酸残基の変異または置換(例えば、保存的変異または置換など)は、そのアミノ酸配列によってコードされる標的タンパク質がその標的タンパク質のリガンドと結合した際、または標的タンパク質とアロステリックに結合することが可能な未知の候補薬剤と結合した際のコンフォメーションの変化の受けやすさに実質的な変化をもたらさないものであることが望ましい。標準の技法によって標的タンパク質などのタンパク質の一次アミノ酸配列内に変異または置換を作出するための方法は当技術分野で周知である。
【0042】
本明細書で使用される場合、「Rafキナーゼ」という用語は、セリン/トレオニン-プロテインキナーゼのファミリーの任意の1つを指す。このファミリーは、3種のアイソフォームメンバー(B-Raf、C-Raf(Raf-1)、およびA-Raf)からなる。Rafプロテインキナーゼは、遺伝子発現および重要な細胞機能を制御するために細胞外シグナルを核に送るキナーゼカスケードからなるMAPKシグナル伝達経路に関与する。文脈により別のものが示されない限り、「Rafキナーゼ」という用語は、任意の種に由来する任意のRafキナーゼタンパク質を指すものとする。一態様では、Rafキナーゼは、ヒトRafキナーゼである。
【0043】
「Raf阻害剤」または「Rafの阻害剤」という用語は、セリン/トレオニン-プロテインキナーゼの1種または複数種のアイソフォームメンバー(B-Raf、C-Raf(Raf-1)および/またはA-Raf)、変異体形態を含めたRafと相互作用することが可能な化合物を示すために使用される。Raf変異体形態のいくつかの例としては、これだけに限定されないが、B-Raf V600E、B-Raf V600D、B-Raf V600K、B-Raf V600E+T5291および/またはB-Raf V600E+G468Aが挙げられる。
【0044】
「in vivo」という用語は、対象の体内で起こる事象を記載するために使用される。
【0045】
「ex vivo」という用語は、対象の体外で起こる事象を記載するために使用される。ex vivoアッセイは対象に対しては実施されない。そうではなく、ex vivoアッセイは、対象から分離された試料に対して実施される。試料に対して実施されるex vivoアッセイの例は「in vitro」アッセイである。
【0046】
「in vitro」という用語は、実験用試薬を、その材料を得た生物学的供給源から分離されるように保持するための容器中で起こる事象を記載するために使用される。in vitroアッセイは、生細胞または死細胞を使用する、細胞に基づくアッセイを包含し得る。in vitroアッセイは、インタクトな細胞を使用しない、無細胞アッセイも包含し得る。
【0047】
「対象」、「個体」および「患者」という用語は、互換的に使用され得、ヒト、ならびに非ヒト哺乳動物(例えば、非ヒト霊長類、イヌ類(canine)、ウマ類(equine)、ネコ類(feline)、ブタ類(porcine)、ウシ類(bovine)、有蹄動物、ウサギ類(lagomorph)など)を指す。種々の実施形態では、対象は、病院内で、外来患者として、または他の臨床的状況で医師または他の医療従事者の介護下にあるヒト(例えば、成人男性、成人女性、青少年男子、青少年女子、男児、女児)であり得る。ある特定の実施形態では、対象は、医師または他の医療従事者の介護または処方下にない対象であり得る。
【0048】
本明細書で使用される場合、「それを必要とする対象」という句は、下記の通り、本明細書に記載の化合物または塩を用いて予防的にまたは治療的に処置される病理に罹患している、またはそのリスクがある対象を指す。
【0049】
「決定すること」、「測定すること」、「評価すること」、「評定すること」、「アッセイすること」および「分析すること」という用語は、本明細書では、多くの場合、測定の形態を指すために互換的に使用される。これらの用語は、ある要素が存在するか否かを決定すること(例えば、検出)を包含する。これらの用語は、定量的決定、定性的決定または定量的かつ定性的決定を包含し得る。評定することは、相対的または絶対的なものであり得る。「の存在を検出すること」は、状況に応じて、あるものの存在または非存在を決定することに加えて、存在するあるものの量を決定することを包含し得る。
【0050】
「投与する(administer)」、「投与される(administered)」、「投与する(administers)」および「投与すること(administering)」という用語は、組成物を対象に、これだけに限定されないが、静脈内、動脈内、経口、非経口、頬側、局所、経皮、直腸、筋肉内、皮下、骨内、経粘膜、または腹腔内投与経路を含めた、当技術分野で公知の経路によって提供することと定義される。ある特定の実施形態では、組成物を投与する経口経路を使用することができる。化合物を「投与する(administer)」、「投与される(administered)」、「投与する(administers)」および「投与すること(administering)」という用語は、本開示の化合物または本開示の化合物のプロドラッグを、必要とする個体に提供することを意味すると理解されるべきである。
【0051】
「有効量」または「治療有効量」という用語は、これだけに限定されないが、下で定義される疾患処置を含めた意図された適用をもたらすために十分である、本明細書に記載の化合物または塩の量を指す。治療有効量は、意図された適用(in vitroまたはin vivo)、または、処置されている対象および疾患状態、例えば、対象の体重および年齢、疾患状態の重症度、投与様式などに応じて変動し得、当業者が容易に決定することができる。これらの用語はまた、標的細胞における特定の応答、例えば、増殖の低減または標的タンパク質の活性のダウンレギュレーションを誘導し得る用量にも当てはまる。具体的な用量は、選択される特定の化合物、従うべき投薬レジメン、他の化合物と組み合わせて投与されるかどうか、投与のタイミング、投与される組織、およびそれが運搬される物理的送達系に応じて変動し得る。
【0052】
本明細書で使用される場合、「処置」または「処置すること」とは、これだけに限定されないが、治療的利益を含めた、疾患、障害、または医学的状態に対する有益なまたは所望の結果を得るための手法を指す。ある特定の実施形態では、処置または処置することは、本明細書に開示される化合物または組成物を対象に投与することを伴う。治療的利益には、処置されている根底にある障害の根絶または好転が含まれ得る。また、治療的利益は、根底にある障害に付随する生理的症状のうちの1つまたは複数の根絶または好転、例えば、対象が依然として根底にある障害を患っているにもかかわらず対象において改善が認められることで達成され得る。処置することは、例えば、疾患もしくは状態のうちの1つもしくは複数の症状を低減すること、遅延させることもしくはその重症度を軽減することを含み得る、または、処置することは、疾患、欠陥、障害、もしくは有害な状態などの症状が患者に生じる頻度を低減させることを含み得る。
【0053】
本明細書で使用される場合、「相乗作用(synergy)」、「相乗的(synergetic)」、「相乗作用(synergism)」または「相乗効果(synergistic effect)」とは、2種またはそれよりも多くの化合物または組成物が個々に効果を生じるが、一緒になって、それらの個々の効果よりも大きな、組み合わさった効果を生じることを指す。
【0054】
ある特定の実施形態では、「防止する(prevent)」または「防止すること(preventing)」という用語は、疾患または障害に関する場合、統計サンプルにおいて、化合物により、処理された試料において、無処理の対照試料と比べて障害もしくは状態の発生が低減する、または障害もしくは状態の1つもしくは複数の症状の発症が無処理の対照試料と比べて遅延するもしくはその重症度が低下することを指し得る。
【0055】
「約」または「およそ」という用語は、当業者によって決定される特定の値に対する許容される誤差範囲内に入ることを意味し得、許容される誤差範囲内は、その値の測定または決定の仕方、すなわち測定系の限界に一部依存する。例えば、「約」は、当技術分野における慣習に従って、1または1よりも大きい標準偏差の範囲内に入ることを意味し得る。あるいは、「約」は、所与の値に対して最大20%、最大15%、最大10%、最大5%、または最大1%の範囲を意味し得る。
【0056】
本明細書全体を通して示される最大の数値限定はいずれも、より低い数値限定の全てを、そのようなより低い数値限定が本明細書に明白に記載されているものと同じく、包含するものとする。本明細書全体を通して示される最小の数値限定はいずれも、それよりも高い数値限定も全て、そのようなより高い数値限定が本明細書において明白に記載されたものとして包含する。本明細書全体を通して示される数値範囲はいずれも、そのようなより広い数値範囲に入る、より狭い数値範囲も全て、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書において明白に記載されたものとして包含する。
【0057】
本明細書で使用される節の見出しは、単に構成目的のものであり、記載の主題を限定するものとは解釈されない。
【0058】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態を本明細書に開示される任意の他の態様または実施形態と組み合わせることができる。
【0059】
がんに罹患している対象を処置する方法
一態様では、本開示は、がんに罹患している対象を処置する方法であって、対象に、RAF阻害剤または薬学的に許容されるその塩およびMEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む、方法を提供する。一態様では、本開示は、がんに罹患している対象を処置する方法であって、対象に、RAF阻害剤およびMEK阻害剤を投与するステップを含み、RAF阻害剤およびMEK阻害剤の総量が、がんの処置において治療的に有効なものである、方法を提供する。一態様では、本開示は、がんに罹患している対象を処置する方法であって、対象に、
(i)(R)-2-(1-(6-アミノ-5-クロロピリミジン-4-カルボキサミド)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(化合物A)または薬学的に許容されるその塩;および
(ii)本明細書に提示されるMEK阻害剤;
を投与するステップを含み、化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩およびMEK阻害剤の総量が、がんの処置において治療的に有効なものである、方法を提供する。
一部の実施形態では、がんは、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)経路異常を伴う再発性、進行性、または難治性固形腫瘍である。一部の実施形態では、対象は、表1~7に記載の遺伝子変異または遺伝子融合を有する。一部の実施形態では、がんは、以前に処置されていないものであり得る。一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩およびMEK阻害剤または薬学的に許容される塩の投与により、相乗効果がもたらされ得る。一部の実施形態では、相乗効果を、本明細書に開示される方法を使用して測定する。一部の実施形態では、相乗効果を、変異細胞株を使用して決定することができる。一部の実施形態では、変異細胞株は、非V600 BRAF変異体細胞株である。一部の実施形態では、変異細胞株は、KRAS変異体細胞株である。一部の実施形態では、変異細胞株は、NRAS変異体細胞株である。一部の実施形態では、相乗効果を、BRAF融合を有するモデルを使用して測定する。一部の実施形態では、BRAF融合は、本明細書に開示されるBRAF融合である。一部の実施形態では、変異細胞株は、表1または表2に提示されている変異を有する。一部の実施形態では、変異細胞は、表1または表2に提示されている細胞株である。
【0060】
A.Raf阻害剤
一態様では、本明細書に記載のRAF阻害剤は、B-Rafおよび/またはC-Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、Raf阻害剤は、B-RafキナーゼおよびC-Rafキナーゼに対して選択的である。一部の実施形態では、Raf阻害剤は、B-Raf(野生型)、B-Raf V600EおよびC-Rafに対して選択的である。一部の実施形態では、Raf阻害剤は、B-Raf(野生型)、B-Raf V600DおよびC-Rafに対して選択的である。一部の実施形態では、Raf阻害剤は、B-Raf(野生型)、B-Raf V600KおよびC-Rafに対して選択的である。一部の実施形態では、Raf阻害剤は、変異体B-Rafに対して選択的である。一部の実施形態では、Raf阻害剤は、変異体B-Raf V600Eに対して選択的である。一部の実施形態では、Raf阻害剤は、変異体B-Raf V600Dに対して選択的である。一部の実施形態では、Raf阻害剤は、変異体B-Raf V600Kに対して選択的である。
【0061】
Rafキナーゼの活性を阻害することが可能な化合物を本開示の方法において使用することができる。一部の実施形態では、Raf阻害剤は、B-Raf V600だけでなくより多くのアイソフォームのRafキナーゼタンパク質を阻害する。一部の実施形態では、Raf阻害剤は、B-Raf V600Eだけでなくより多くのアイソフォームのRafキナーゼタンパク質を阻害する。一部の実施形態では、Raf阻害剤は、B-Raf(野生型)、変異体B-Raf、A-Raf、およびC-Rafを阻害する。一部の実施形態では、Raf阻害剤は、B-Raf(野生型)、B-Raf V600E、A-Rafおよび/またはC-Rafに対して選択的である。一部の実施形態では、Raf阻害剤は、B-Raf(野生型)、B-Raf V600K、A-Rafおよび/またはC-Rafに対して選択的である。一部の実施形態では、Raf阻害剤は、B-Raf(野生型)、B-Raf V600D、A-Rafおよび/またはC-Rafに対して選択的である。一部の実施形態では、Raf阻害剤は、B-Raf(野生型)、B-Raf V600K、およびC-Rafに対して選択的である。一部の実施形態では、Raf阻害剤は、B-Raf(野生型)、B-Raf V600EおよびC-Rafに対して選択的である。一部の実施形態では、Raf阻害剤は、B-Raf(野生型)、B-Raf V600DおよびC-Rafに対して選択的である。一部の実施形態では、Raf阻害剤は、B-Raf(野生型)、B-Raf V600KおよびC-Rafに対して選択的である。一部の実施形態では、Raf阻害剤は、変異体B-Rafに対して選択的である。一部の実施形態では、Raf阻害剤は、変異体B-Raf V600Eに対して選択的である。一部の実施形態では、Raf阻害剤は、変異体B-Raf V600Dに対して選択的である。一部の実施形態では、Raf阻害剤は、変異体B-Raf V600Kに対して選択的である。
【0062】
本開示は、本明細書に開示される方法に有用なRAF阻害剤を提供する。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、(R)-2-(1-(6-アミノ-5-クロロピリミジン-4-カルボキサミド)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(化合物A)または薬学的に許容されるその塩である。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、
【化3】
によって表される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8293752号に記載されているものである。
【0063】
一部の実施形態では、化合物Aは、MAPK経路の活性化を伴わずに、RAF単量体および二量体を阻害する。一部の実施形態では、化合物Aは、野生型BRAFにおけるMAPKシグナル伝達の活性化を誘導しない。一部の実施形態では、化合物Aは、BRAF融合におけるMAPK活性化の活性化を誘導しない。一部の実施形態では、BRAF融合は、KIAA1549-BRAFである。一部の実施形態では、化合物Aは、MAPKシグナル伝達の誘導を伴わずに、RAF単量体および二量体を阻害する。
【0064】
一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に約50mg~約800mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に約100mg~約600mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に約100mg~約500mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に約200mg~約600mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、または約700mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に約200mg、約400mg、または約600mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に約200mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に約400mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に約600mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に100mg~800mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に100mg~700mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に100mg~600mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に100mg~500mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に200mg~600mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に約50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、または800mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に約200mg、400mg、または600mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に200mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に400mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に600mgで投与される。一部の実施形態では、対象は、成体である。一部の実施形態では、対象は、18歳を超えているまたは18歳である。
【0065】
一部の実施形態では、RAF阻害剤(例えば、化合物Aなど)は、対象に1週間当たり約50mg~約800mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に1週間当たり約100mg~約700mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に1週間当たり約100mg~約600mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に1週間当たり約100mg~約500mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に1週間当たり約200mg~約600mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に1週間当たり約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、700mg、または約800mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に1週間当たり約200mg、約400mg、または約600mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に1週間当たり約200mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に1週間当たり約400mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に1週間当たり約600mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に1週間当たり100mg~800mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に1週間当たり100mg~700mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に1週間当たり100mg~600mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に1週間当たり100mg~500mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に1週間当たり200mg~600mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に1週間当たり50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、または800mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に1週間当たり200mg、400mg、または600mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に1週間当たり200mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に1週間当たり400mgで投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に1週間当たり600mgで投与される。一部の実施形態では、1週間当たりの投薬は、週に1回の投薬である。一部の実施形態では、対象は、成体である。一部の実施形態では、対象は、18歳を超えているまたは18歳である。
【0066】
一部の実施形態では、RAF阻害剤(例えば、化合物Aなど)は、対象に約100mg/m2~約600mg/m2で投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に約100mg/m2、約120mg/m2、約140mg/m2、約160mg/m2、約180mg/m2、約200mg/m2、約220mg/m2、約240mg/m2、約260mg/m2、約280mg/m2、約300mg/m2、約320mg/m2、約340mg/m2、約360mg/m2、約380mg/m2、約400mg/m2、約420mg/m2、約440mg/m2、約460mg/m2、約480mg/m2、約500mg/m2、約520mg/m2、約540mg/m2、約560mg/m2、約580mg/m2、約600mg/m2で投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に約140mg/m2、約280mg/m2、または約420mg/m2で投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に約140mg/m2で投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に約280mg/m2で投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に約480mg/m2で投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に少なくとも約25mg/m2の用量で投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に50mg/m2~600mg/m2で投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に100mg/m2~600mg/m2で投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に100mg/m2、120mg/m2、140mg/m2、160mg/m2、180mg/m2、200mg/m2、220mg/m2、240mg/m2、260mg/m2、280mg/m2、300mg/m2、320mg/m2、340mg/m2、360mg/m2、380mg/m2、400mg/m2、420mg/m2、440mg/m2、460mg/m2、480mg/m2、500mg/m2、520mg/m2、540mg/m2、560mg/m2、580mg/m2、または600mg/m2で投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に140mg/m2、280mg/m2、または420mg/m2で投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に140mg/m2で投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に280mg/m2で投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に480mg/m2で投与される。一部の実施形態では、対象は、12歳から18歳の間である。一部の実施形態では、対象は、約12歳から約18歳までである。一部の実施形態では、対象は、12歳を超えるまたは12歳である年齢~18歳未満または18歳である年齢である。一部の実施形態では、対象は、12歳未満である。一部の実施形態では、対象は、少なくとも6カ月齢である。
【0067】
一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に1週間当たり約50mg/m2~約800mg/m2で投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に1週間当たり約100mg/m2~約500mg/m2で投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に1週間当たり約100mg/m2、約120mg/m2、約140mg/m2、約160mg/m2、約180mg/m2、約200mg/m2、約220mg/m2、約240mg/m2、約260mg/m2、約280mg/m2、約300mg/m2、約320mg/m2、約340mg/m2、約360mg/m2、約380mg/m2、約400mg/m2、約420mg/m2、約440mg/m2、約460mg/m2、約480mg/m2、または約500mg/m2、約520mg/m2、約540mg/m2、約560mg/m2、約580mg/m2、または約600mg/m2で投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に1週間当たり約140mg/m2、約280mg/m2、または約420mg/m2で投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に1週間当たり約140mg/m2で投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に1週間当たり約280mg/m2で投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に1週間当たり約480mg/m2で投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に1週間当たり100mg/m2~600mg/m2で投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に1週間当たり約100mg/m2、約120mg/m2、約140mg/m2、約160mg/m2、約180mg/m2、約200mg/m2、約220mg/m2、約240mg/m2、約260mg/m2、280mg/m2、300mg/m2、320mg/m2、340mg/m2、360mg/m2、380mg/m2、400mg/m2、420mg/m2、440mg/m2、460mg/m2、480mg/m2、または500mg/m2、520mg/m2、540mg/m2、560mg/m2、580mg/m2、または600mg/m2で投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に1週間当たり約140mg/m2、280mg/m2、または420mg/m2で投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に1週間当たり140mg/m2で投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に1週間当たり280mg/m2で投与される。一部の実施形態では、RAF阻害剤は、対象に1週間当たり480mg/m2で投与される。一部の実施形態では、1週間当たりの投薬は、週に1回の投薬である。一部の実施形態では、対象は、12歳から18歳の間である。一部の実施形態では、対象は、約12歳から約18歳までである。一部の実施形態では、対象は、12歳を超えるまたは12歳である年齢~18歳未満または18歳である年齢である。一部の実施形態では、対象は、12歳未満である。一部の実施形態では、対象は、少なくとも6カ月齢である。
【0068】
一部の実施形態では、化合物Aは、対象に約50mg~約800mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に約100mg~約600mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に約100mg~約500mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に約200mg~約600mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、700mg、または約800mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に約200mg、約400mg、または約600mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に約200mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に約400mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に約600mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に100mg~800mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に100mg~600mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に100mg~500mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に200mg~600mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、または800mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に200mg、400mg、または600mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に200mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に400mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に600mgで投与される。一部の実施形態では、対象は、成体である。一部の実施形態では、対象は、18歳を超えているまたは18歳である。
【0069】
一部の実施形態では、化合物Aは、対象に1週間当たり約100mg~約800mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に1週間当たり約100mg~約600mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に1週間当たり約100mg~約500mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に1週間当たり約200mg~約600mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に1週間当たり約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、または約700mg、約800mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に1週間当たり約200mg、約400mg、または約600mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に約200mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に1週間当たり約400mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に1週間当たり約600mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に1週間当たり100mg~700mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に1週間当たり100mg~600mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に1週間当たり100mg~500mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に1週間当たり200mg~600mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に1週間当たり50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、または700mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に1週間当たり200mg、400mg、または600mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に1週間当たり200mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に1週間当たり400mgで投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に1週間当たり600mgで投与される。一部の実施形態では、1週間当たりの投薬は、週に1回の投薬である。一部の実施形態では、対象は、成体である。一部の実施形態では、対象は、18歳を超えているまたは18歳である。
【0070】
一部の実施形態では、化合物Aは、対象に約500mg/m2~約800mg/m2で投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に約100mg/m2~約500mg/m2で投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に約100mg/m2、約120mg/m2、約140mg/m2、約160mg/m2、約180mg/m2、約200mg/m2、約220mg/m2、約240mg/m2、約260mg/m2、約280mg/m2、約300mg/m2、約320mg/m2、約340mg/m2、約360mg/m2、約380mg/m2、約400mg/m2、約420mg/m2、約440mg/m2、約460mg/m2、約480mg/m2、または約500mg/m2、約520mg/m2、約540mg/m2、約560mg/m2、約580mg/m2、または約600mg/m2で投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に約140mg/m2、約280mg/m2、または約420mg/m2で投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に約140mg/m2で投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に約280mg/m2で投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に約480mg/m2で投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に100mg/m2~500mg/m2で投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に100mg/m2、120mg/m2、140mg/m2、160mg/m2、180mg/m2、200mg/m2、220mg/m2、240mg/m2、260mg/m2、280mg/m2、300mg/m2、320mg/m2、340mg/m2、360mg/m2、380mg/m2、400mg/m2、420mg/m2、440mg/m2、460mg/m2、480mg/m2、または500mg/m2、520mg/m2、540mg/m2、560mg/m2、580mg/m2、または600mg/m2で投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に140mg/m2、280mg/m2、または420mg/m2で投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に140mg/m2で投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に280mg/m2で投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に480mg/m2で投与される。一部の実施形態では、対象は、12歳から18歳の間である。一部の実施形態では、対象は、約12歳から18歳までである。一部の実施形態では、対象は、12歳を超えているまたは12歳と等しく、18歳未満であるまたは18歳である。一部の実施形態では、対象は、12歳未満である。一部の実施形態では、対象は、少なくとも6カ月齢である。
【0071】
一部の実施形態では、化合物Aは、対象に1週間当たり約100mg/m2~約500mg/m2で投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に1週間当たり約100mg/m2、約120mg/m2、約140mg/m2、約160mg/m2、約180mg/m2、約200mg/m2、約220mg/m2、約240mg/m2、約260mg/m2、約280mg/m2、約300mg/m2、約320mg/m2、約340mg/m2、約360mg/m2、約380mg/m2、約400mg/m2、約420mg/m2、約440mg/m2、約460mg/m2、約480mg/m2、または約500mg/m2、約520mg/m2、約540mg/m2、約560mg/m2、約580mg/m2、または約600mg/m2で投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に1週間当たり約140mg/m2、約280mg/m2、または約420mg/m2で投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に1週間当たり約140mg/m2で投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に1週間当たり約280mg/m2で投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に1週間当たり約480mg/m2で投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に1週間当たり100mg/m2~500mg/m2で投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に1週間当たり100mg/m2、120mg/m2、140mg/m2、160mg/m2、180mg/m2、200mg/m2、220mg/m2、240mg/m2、260mg/m2、280mg/m2、300mg/m2、320mg/m2、340mg/m2、360mg/m2、380mg/m2、400mg/m2、420mg/m2、440mg/m2、460mg/m2、480mg/m2、または500mg/m2、520mg/m2、540mg/m2、560mg/m2、580mg/m2、または600mg/m2で投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に1週間当たり140mg/m2、280mg/m2、または420mg/m2で投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に1週間当たり140mg/m2で投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に1週間当たり280mg/m2で投与される。一部の実施形態では、化合物Aは、対象に1週間当たり480mg/m2で投与される。一部の実施形態では、1週間当たりの投薬は、週に1回の投薬である。一部の実施形態では、対象は、12歳から18歳の間である。一部の実施形態では、対象は、12歳を超えるまたは12歳である年齢から18歳未満または18歳である年齢の間である。一部の実施形態では、対象は、12歳未満である。一部の実施形態では、対象は、少なくとも6カ月齢である。
【0072】
一部の実施形態では、化合物Aは、週1回(QW)の用量で投与される。一部の実施形態では、投与される化合物Aの週1回(QW)の用量は600mgよりも多い。一部の実施形態では、投与される化合物Aの週1回(QW)の用量は最大600mgである。一部の実施形態では、投与される化合物Aの週1回(QW)の用量は最大530mgである。一部の実施形態では、投与される化合物Aの週1回(QW)の用量は最大420mgである。一部の実施形態では、投与される週1回(QW)の用量は、最大350mgである。一部の実施形態では、投与される化合物Aの週1回(QW)の用量は最大280mgである。一部の実施形態では、投与される化合物Aの週1回(QW)の用量は600mgである。一部の実施形態では、投与される化合物Aの週1回(QW)の用量は530mgである。一部の実施形態では、投与される化合物Aの週1回(QW)の用量は420mgである。一部の実施形態では、投与される週1回(QW)の用量は350mgである。一部の実施形態では、投与される化合物Aの週1回(QW)の用量は280mgである。
【0073】
一部の実施形態では、化合物Aを最大で週1回(QW)の最大用量で経口投与(PO)する。一部の実施形態では、化合物Aの週1回(QW)投与される最大経口用量(PO)は600mgよりも多い。一部の実施形態では、化合物Aの週1回(QW)投与される最大経口用量(PO)は最大600mgである。一部の実施形態では、化合物Aの週1回(QW)投与される最大経口用量(PO)は最大530mgである。一部の実施形態では、化合物Aの週1回(QW)投与される最大経口用量(PO)は最大420mgである。一部の実施形態では、週1回(QW)投与される最大経口用量(PO)は、最大350mgである。一部の実施形態では、化合物Aの週1回(QW)投与される最大経口用量(PO)は最大280mgである。一部の実施形態では、化合物Aの週1回(QW)投与される最大経口用量(PO)は600mgである。一部の実施形態では、化合物Aの週1回(QW)投与される最大経口用量(PO)は530mgである。一部の実施形態では、化合物Aの週1回(QW)投与される最大経口用量(PO)は420mgである。一部の実施形態では、化合物Aの週1回(QW)投与される最大経口用量(PO)は350mgである。一部の実施形態では、化合物Aの週1回(QW)投与される最大経口用量(PO)は280mgである。一部の実施形態では、化合物Aまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物は化合物Aである。
【0074】
一部の実施形態では、約140mg/m2の化合物Aは、対象に、週に1回、長期的に投与される。一部の実施形態では、約280mg/m2の化合物Aは、対象に、週に1回、長期的に投与される。一部の実施形態では、約350mg/m2の化合物Aは、対象に、週に1回、長期的に投与される。一部の実施形態では、約420mg/m2の化合物Aは、対象に、週に1回、長期的に投与される。一部の実施形態では、約530mg/m2の化合物Aは、対象に、週に1回、長期的に投与される。一部の実施形態では、約140mg/m2の化合物Aは、週に1回、360日間にわたって長期的に投与される。一部の実施形態では、約280mg/m2の化合物Aは、週に1回、360日間にわたって長期的に投与される。一部の実施形態では、約350mg/m2の化合物Aは、週に1回、360日間にわたって長期的に投与される。一部の実施形態では、約420mg/m2の化合物Aは、週に1回、360日間にわたって長期的に投与される。一部の実施形態では、約530mg/m2の化合物Aは、週に1回、360日間にわたって長期的に投与される。一部の実施形態では、約140mg/m2の化合物Aは、週に1回、少なくとも1年にわたって長期的に投与される。一部の実施形態では、約280mg/m2の化合物Aは、週に1回、少なくとも1年にわたって長期的に投与される。一部の実施形態では、約350mg/m2の化合物Aは、週に1回、少なくとも1年にわたって長期的に投与される。一部の実施形態では、約420mg/m2の化合物Aは、週に1回、少なくとも1年にわたって長期的に投与される。一部の実施形態では、約530mg/m2の化合物Aは、週に1回、少なくとも1年にわたって長期的に投与される。
【0075】
一部の実施形態では、約200mgの化合物Aは、対象に、週に1回、長期的に投与される。一部の実施形態では、約400mgの化合物Aは、対象に、週に1回、長期的に投与される。一部の実施形態では、約600mgの化合物Aは、対象に、週に1回、長期的に投与される。一部の実施形態では、約200mgの化合物Aは、週に1回、360日間にわたって長期的に投与される。一部の実施形態では、約400mgの化合物Aは、週に1回、360日間にわたって長期的に投与される。一部の実施形態では、約420mg/m2の化合物Aは、週に1回、360日間にわたって長期的に投与される。一部の実施形態では、約600mgの化合物Aは、週に1回、360日間にわたって長期的に投与される。一部の実施形態では、約200mgの化合物Aは、週に1回、少なくとも1年にわたって長期的に投与される。一部の実施形態では、約400mgの化合物Aは、週に1回、少なくとも1年にわたって長期的に投与される。一部の実施形態では、約600mgの化合物Aは、週に1回、少なくとも1年にわたって長期的に投与される。
【0076】
一部の実施形態では、化合物Aまたはその塩に関する本明細書に記載の投薬は、化合物Aの重量に基づく。一部の実施形態では、化合物Aまたはその塩に関する本明細書に記載の投薬は、化合物Aの遊離塩基の形態の重量に対応する。例えば、一部の実施形態では、化合物Aまたはその塩の投薬に関しては、そのような投薬における化合物Aの重量が記載される。一部の実施形態では、化合物Aまたはその塩に関する本明細書に記載の投薬は、化合物Aの塩の重量に対応する。
【0077】
B.MEK阻害剤
本開示は、本明細書に開示される方法のためのMEK阻害剤を提供する。一部の実施形態では、MEK阻害剤は、式(I)の構造を有する化合物または薬学的に許容されるその塩であり;
【化4】
(式中、
R
1、R
2、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13およびR
14は、独立に、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アジド、-OR
3、-NR
4C(O)OR
6、-OC(O)R
3、-NR
4S(O)
jR
6、-S(O)
jNR
3R
4、-S(O)
jNR
4C(O)R
3、-C(O)NR
4S(O)
jR
6、-S(O)
jR
6、-NR
4C(O)R
3、-C(O)NR
3R
4、-NR
5C(O)NR
3R
4、
-NR
5C(NCN)NR
3R
4、-NR
3R
4、C
1~C
10アルキル、C
2~C
10アルケニル、C
2~C
10アルキニル、C
3~C
10シクロアルキル、C
3~C
10シクロアルキルアルキル、-S(O)
j(C
1~C
6アルキル)、-S(O)
j(CR
4R
5)
m-アリール、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、-O(CR
4R
5)
m-アリール、-NR
4(CR
4R
5)
m-アリール、-O(CR
4R
5)
m-ヘテロアリール、-NR
4(CR
4R
5)
m、ヘテロアリール、-O(CR
4R
5)
m-ヘテロシクリル、-NR
4(CR
4R
5)
m-ヘテロシクリルおよび1~5個のフッ素で置換された-S(C
1~C
2アルキル)から選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、独立して置換されているかまたは置換されておらず;
R
3は、水素、トリフルオロメチル、C
1~C
10アルキル、C
2~C
10アルケニル、C
2~C
10アルキニル、C
3~C
10シクロアルキル、C
3~C
10シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、およびアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、独立して置換されているかまたは置換されておらず;アリールは、オキソ、ハロゲン、ニトロ、CF
3、CHF
2、CH
2F、OCF
3、OCHF
2、OCH
2F、アジド、NR’SO
2R’’’’、SO
2N’’、C(O)R’、C(O)OR’、OC(0)R’、NR’C(O)OR’’’’、NR’C(O)R’’、C(O)NR’R’’、SR’’’’、S(0)R’’’’、SO
2R’、NR’R’’、NR’C(O)NR’’R’’’、NR’C(NCN)N’’R’’’、OR’、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロシクリルアルキルから独立に選択される1~5個の基で必要に応じて置換され;
R
4は、水素またはC
1~6アルキルから選択され、アルキルは、置換されていても置換されていなくてもよく;または
R
3およびR
4は、それらが付着している原子と一緒になって、それぞれ置換されているかもしくは置換されていない4~10員ヘテロアリールもしくは複素環を形成していてよく;
R
5は、水素またはC
1~C
6アルキルであり、アルキルは置換されていても置換されていなくてもよく;または
R
4およびR
5は、それらが付着している原子と一緒になって、それぞれ置換されているかもしくは置換されていない4~10員炭素環、ヘテロアリールもしくは複素環を形成していてよく;
R
6は、トリフルオロメチル、C
1~C
10アルキル、C
3~C
10シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロシクリルアルキルから選択され、ここで、各アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、独立して置換されているかまたは置換されておらず;
R’、R’’およびR’’’は、独立に、水素、C
1~C
4アルキル、C
2~C
4アルケニル、アリールおよびアリールアルキルから選択され;
R’’’’は、C
1~C
4アルキル、C
2~C
4アルケニル、アリールおよびアリールアルキルから選択され;
Wは、1)それぞれ置換されていないかまたは1~5個の置換基ZR
15によって置換されている、1~4個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールまたは1~4個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル;および2)-C(O)OR
15、-C(O)NR
4R
15、-C(O)NR
4OR
15、-C(O)NR
4S(O)
jR
6、-C(O)NR
4NR
4NR
15、-NR’R’’、-NR’C(O)R’、-NR’S(O)
jR’、-NRC(O)NR’R’’、NR’S(O)
jNR’R’’、または-C(O)NR
4NR
4C(O)R
15;から選択されるが、ただし、Wは-C(O)OHではなく;
Zは、結合、NR
16、O、NR
16SO
2またはSであり;
R
15は、水素、トリフルオロメチル、C
1~C
10アルキル、C
2~C
10アルケニル、C
2~C
10アルキニル、C
3~C
10シクロアルキル、C
3~C
10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロシクリルアルキルから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、独立して置換されているかまたは置換されておらず;
R
16は、水素またはC
1~C
10アルキルから選択され;またはR
15およびR
16は、それらが付着している原子と一緒になって、1個または2個の窒素原子を有し、必要に応じて酸素原子を有する4~10員環を形成し、前記環は、置換されているかまたは置換されておらず;
Xは、NまたはN
+O
-であり;
mは、0、1、2、3、4または5であり;
jは、1または2である);
ここで、化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩およびMEK阻害剤の総量は、がんの処置において治療的に有効なものである。一部の実施形態では、MEK阻害剤は、3-(4-メトキシ-フェニルアミノ)-イソニコチン酸、3-フェニルアミノ-イソニコチン酸メチルエステル、2,3,6-トリフルオロ-5-フェニルアミノ-イソニコチン酸、または3-オキソ-3-(3-フェニルアミノ-ピリジン-4-イル)-プロピオン酸エチルエステルではない。
【0078】
式(I)の構造を有する化合物または薬学的に許容されるその塩の一部の実施形態では、R1は、HおよびFから選択される。一部の実施形態では、R1は、Hである。
【0079】
式(I)の構造を有する化合物または薬学的に許容されるその塩の一部の実施形態では、R2は、水素、F、Cl、およびMeから選択され、ここで、メチル基は、必要に応じて1~3個のフッ素で置換されている。一部の実施形態では、R2は、Fである。
【0080】
式(I)の構造を有する化合物または薬学的に許容されるその塩の一部の実施形態では、R9は、H、F、およびClから選択される。一部の実施形態では、R9は、Hである。
【0081】
式(I)の構造を有する化合物または薬学的に許容されるその塩の一部の実施形態では、R10は、H、F、Cl、Br、ニトロ、-SO2NR3R4または-C(O)NR3R4、-Me、および-OMeから選択され、ここで、メチル基は、必要に応じて1~3個のフッ素で置換されている。一部の実施形態では、R10は、Hである。
【0082】
式(I)の構造を有する化合物または薬学的に許容されるその塩の一部の実施形態では、R11は、H、F、Cl、Br、Me、および-OMeから選択され、ここで、メチル基は、必要に応じて1~3個のフッ素で置換されている。一部の実施形態では、R11は、Hである。
【0083】
式(I)の構造を有する化合物または薬学的に許容されるその塩の一部の実施形態では、R12は、H、F、Cl、Br、ニトロ、Me、-SCF3、-SCHF2、-SCH2F、-SO2NR3R4、-C(O)NR3R4および-OMeから選択され、ここで、メチル基は、必要に応じて1~3個のフッ素で置換されている。一部の実施形態では、R12は、Iである。
【0084】
式(I)の構造を有する化合物または薬学的に許容されるその塩の一部の実施形態では、R13は、HまたはFである。一部の実施形態では、R13は、Hである。式(I)の構造を有する化合物または薬学的に許容されるその塩の一部の実施形態では、R14は、HまたはFである。一部の実施形態では、R14は、Hである。
【0085】
式(I)の構造を有する化合物または薬学的に許容されるその塩の一部の実施形態では、Wは、-C(O)OR
15、-C(O)NR
4R
15、-C(O)NR
4OR
15、-C(O)(C
2~C
10アルキル)、または-C(O)NR
4S(O)
jR
6である。一部の実施形態では、Wは、-C(O)NHR
15である。一部の実施形態では、R
15は、C
1~C
4アルキルまたはC
1~C
4アルケニルであり、それぞれ独立してかつ必要に応じて1~3個の-OH、-OMe、-NH
2、-N(メチル)
2または-N(エチル)
2で置換されている。一部の実施形態では、R
15は、1~3個の-OHで置換されたC
1~C
4アルキルである。一部の実施形態では、Wは、
【化5】
である。一部の実施形態では、Wは、
【化6】
である。
【0086】
式(I)の構造を有する化合物または薬学的に許容されるその塩の一部の実施形態では、Xは、Nである。
【0087】
一部の実施形態では、MEK阻害剤は、式(Ia)の構造を有する化合物または薬学的に許容されるその塩である:
【化7】
(式中、
R
2、R
12、R
10、およびR
11は、独立に、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アジド、-OR
3、-NR
4C(O)OR
6、-OC(O)R
3、-NR
4S(O)
jR
6、-S(O)
jNR
3R
4、-S(O)
jNR
4C(O)R
3、-C(O)NR
4S(O)
jR
6、-S(O)
jR
6、-NR
4C(O)R
3、-C(O)NR
3R
4、-NR
5C(O)NR
3R
4、
-NR
5C(NCN)NR
3R
4、-NR
3R
4、C
1~C
10アルキル、C
2~C
10アルケニル、C
2~C
10アルキニル、C
3~C
10シクロアルキル、C
3~C
10シクロアルキルアルキル、-S(O)
j(C
1~C
6アルキル)、-S(O)
j(CR
4R
5)
m-アリール、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、-O(CR
4R
5)
m-アリール、-NR
4(CR
4R
5)
m-アリール、-O(CR
4R
5)
m-ヘテロアリール、-NR
4(CR
4R
5)
m、ヘテロアリール、-O(CR
4R
5)
m-ヘテロシクリル、-NR
4(CR
4R
5)
m-ヘテロシクリルおよび1~5個のフッ素で置換された-S(C
1~C
2アルキル)から選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、独立して置換されているかまたは置換されておらず;
R
3は、水素、トリフルオロメチル、C
1~C
10アルキル、C
2~C
10アルケニル、C
2~C
10アルキニル、C
3~C
10シクロアルキル、C
3~C
10シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、およびアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、独立して置換されているかまたは置換されておらず;アリールは、オキソ、ハロゲン、ニトロ、CF
3、CHF
2、CH
2F、OCF
3、OCHF
2、OCH
2F、アジド、NR’SO
2R’’’’、SO
2N’’、C(O)R’、C(O)OR’、OC(0)R’、NR’C(O)OR’’’’、NR’C(O)R’’、C(O)NR’R’’、SR’’’’、S(0)R’’’’、SO
2R’、NR’R’’、NR’C(O)NR’’R’’’、NR’C(NCN)N’’R’’’、OR’、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロシクリルアルキルから独立に選択される1~5個の基で必要に応じて置換され;
R
4は、水素またはC
1~6アルキルから選択され、アルキルは、置換されていても置換されていなくてもよく;または
R
3およびR
4は、それらが付着している原子と一緒になって、それぞれ置換されているかもしくは置換されていない4~10員ヘテロアリールもしくは複素環を形成していてよく;
R
5は、水素またはC
1~C
6アルキルであり、アルキルは置換されていても置換されていなくてもよく;または
R
4およびR
5は、それらが付着している原子と一緒になって、それぞれ置換されているかもしくは置換されていない4~10員炭素環、ヘテロアリールもしくは複素環を形成していてよく;
R
6は、トリフルオロメチル、C
1~C
10アルキル、C
3~C
10シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロシクリルアルキルから選択され、ここで、各アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、独立して置換されているかまたは置換されておらず;
R’、R’’およびR’’’は、独立に、水素、C
1~C
4アルキル、C
2~C
4アルケニル、アリールおよびアリールアルキルから選択され;
R’’’’は、C
1~C
4アルキル、C
2~C
4アルケニル、アリールおよびアリールアルキルから選択され;
mは、0、1、2、3、4または5であり;
jは、1または2である)。
【0088】
一部の実施形態では、MEK阻害剤は、式(Ia)の構造を有する化合物または薬学的に許容されるその塩である:
【化8】
(式中、
R
2、R
12、R
10、およびR
11は、独立に、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アジド、-OR
3、-NR
4C(O)OR
6、-OC(O)R
3、-NR
4S(O)
jR
6、-S(O)
jNR
3R
4、-S(O)
jNR
4C(O)R
3、-C(O)NR
4S(O)
jR
6、-S(O)
jR
6、-NR
4C(O)R
3、-C(O)NR
3R
4、-NR
5C(O)NR
3R
4、
-NR
5C(NCN)NR
3R
4、-NR
3R
4、C
1~C
10アルキル、C
2~C
10アルケニル、C
2~C
10アルキニル、C
3~C
10シクロアルキル、C
3~C
10シクロアルキルアルキル、-S(O)
j(C
1~C
6アルキル)、-S(O)
j(CR
4R
5)
m-アリール、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、-O(CR
4R
5)
m-アリール、-NR
4(CR
4R
5)
m-アリール、-O(CR
4R
5)
m-ヘテロアリール、-NR
4(CR
4R
5)
m、ヘテロアリール、-O(CR
4R
5)
m-ヘテロシクリル、-NR
4(CR
4R
5)
m-ヘテロシクリルおよび1~5個のフッ素で置換された-S(C
1~C
2アルキル)から選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、独立して置換されているかまたは置換されておらず;
R
3は、水素、トリフルオロメチル、C
1~C
10アルキル、C
2~C
10アルケニル、C
2~C
10アルキニル、C
3~C
10シクロアルキル、C
3~C
10シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、およびアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、独立して置換されているかまたは置換されておらず;アリールは、オキソ、ハロゲン、ニトロ、CF
3、CHF
2、CH
2F、OCF
3、OCHF
2、OCH
2F、アジド、NR’SO
2R’’’’、SO
2N’’、C(O)R’、C(O)OR’、OC(0)R’、NR’C(O)OR’’’’、NR’C(O)R’’、C(O)NR’R’’、SR’’’’、S(0)R’’’’、SO
2R’、NR’R’’、NR’C(O)NR’’R’’’、NR’C(NCN)N’’R’’’、OR’、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロシクリルアルキルから独立に選択される1~5個の基で必要に応じて置換され;
R
4は、水素またはC
1~6アルキルから選択され、アルキルは、置換されていても置換されていなくてもよく;または
R
3およびR
4は、それらが付着している原子と一緒になって、それぞれ置換されているかもしくは置換されていない4~10員ヘテロアリールもしくは複素環を形成していてよく;
R
5は、水素またはC
1~C
6アルキルであり、アルキルは置換されていても置換されていなくてもよく;または
R
4およびR
5は、それらが付着している原子と一緒になって、それぞれ置換されているかもしくは置換されていない4~10員炭素環、ヘテロアリールもしくは複素環を形成していてよく;
R
6は、トリフルオロメチル、C
1~C
10アルキル、C
3~C
10シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロシクリルアルキルから選択され、ここで、各アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、独立して置換されているかまたは置換されておらず;
R’、R’’およびR’’’は、独立に、水素、C
1~C
4アルキル、C
2~C
4アルケニル、アリールおよびアリールアルキルから選択され;
R’’’’は、C
1~C
4アルキル、C
2~C
4アルケニル、アリールおよびアリールアルキルから選択され;
mは、0、1、2、3、4または5であり;
jは、1または2である)。
【0089】
式(Ia)、式(Ia’)の構造を有する化合物または薬学的に許容されるその塩の一部の実施形態では、R2は、水素、F、Cl、およびMeから選択され、ここで、メチル基は、必要に応じて1~3個のフッ素で置換されている。一部の実施形態では、R2は、Fである。
【0090】
式(Ia)、式(Ia’)の構造を有する化合物または薬学的に許容されるその塩の一部の実施形態では、R12は、H、F、Cl、Br、ニトロ、Me、-SCF3、-SCHF2、-SCH2F、-SO2NR3R4、-C(O)NR3R4および-OMeから選択され、ここで、メチル基は、必要に応じて1~3個のフッ素で置換されている。一部の実施形態では、R12は、Iである。
【0091】
式(Ia)、式(Ia’)の構造を有する化合物または薬学的に許容されるその塩の一部の実施形態では、R10は、H、F、Cl、Br、ニトロ、-SO2NR3R4または-C(O)NR3R4、-Me、および-OMeから選択され、メチル基は、必要に応じて1~3個のフッ素で置換されている。一部の実施形態では、R10は、Hである。
【0092】
式(Ia)、式(Ia’)の構造を有する化合物または薬学的に許容されるその塩の一部の実施形態では、R11は、H、F、Cl、Br、Me、および-OMeから選択され、ここで、メチル基は、必要に応じて1~3個のフッ素で置換されている。一部の実施形態では、R11は、Hである。
【0093】
一部の実施形態では、MEK阻害剤は、式(Ib)の構造を有する化合物または薬学的に許容されるその塩である:
【化9】
式中、
R
2およびR
12、は、独立に、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アジド、-OR
3、-C
1~C
10アルキル、C
2~C
10アルケニル、C
2~C
10アルキニル、C
3~C
10シクロアルキル、C
3~C
10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロシクリルアルキルから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、独立して置換されているかまたは置換されておらず;
Wは、-C(O)NR
4R
15、-C(O)NR
4OR
15、-C(O)NR
4NR
4NR
15、-NR’R’’、-NR’C(O)R’、-NRC(O)NR’R’’、または-C(O)NR
4NR
4C(O)R
15から選択され;
R
3は、水素、トリフルオロメチル、C
1~C
10アルキル、C
2~C
10アルケニル、C
2~C
10アルキニル、C
3~C
10シクロアルキル、C
3~C
10シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、およびアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、独立して置換されているかまたは置換されておらず;アリールは、オキソ、ハロゲン、ニトロ、CF
3、CHF
2、CH
2F、OCF
3、OCHF
2、OCH
2F、アジド、NR’SO
2R’’’’、SO
2N’’、C(O)R’、C(O)OR’、OC(0)R’、NR’C(O)OR’’’’、NR’C(O)R’’、C(O)NR’R’’、SR’’’’、S(0)R’’’’、SO
2R’、NR’R’’、NR’C(O)NR’’R’’’、NR’C(NCN)N’’R’’’、OR’、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロシクリルアルキルから独立に選択される1~5個の基で必要に応じて置換され;
R
4は、水素またはC
1~6アルキルから選択され、アルキルは、置換されていても置換されていなくてもよく;
R
15は、水素、トリフルオロメチル、C
1~C
10アルキル、C
2~C
10アルケニル、C
2~C
10アルキニル、C
3~C
10シクロアルキル、C
3~C
10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロシクリルアルキルから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、独立して置換されているかまたは置換されておらず;
R’、R’’およびR’’’は、独立に、水素、C
1~C
4アルキル、C
2~C
4アルケニル、アリールおよびアリールアルキルから選択され;
R’’’’は、C
1~C
4アルキル、C
2~C
4アルケニル、アリールおよびアリールアルキルから選択される。
【0094】
式(Ib)の構造を有する化合物または薬学的に許容されるその塩の一部の実施形態では、R2は、水素、F、Cl、およびMeから選択され、ここで、メチル基は、必要に応じて1~3個のフッ素で置換されている。一部の実施形態では、R2は、Fである。
【0095】
式(Ib)の構造を有する化合物または薬学的に許容されるその塩の一部の実施形態では、R12は、H、F、Cl、Br、ニトロ、Me、-SCF3、-SCHF2、-SCH2F、-SO2NR3R4、-C(O)NR3R4および-OMeから選択され、ここで、メチル基は、必要に応じて1~3個のフッ素で置換されている。一部の実施形態では、R12は、Iである。
【0096】
式(Ib)の構造を有する化合物または薬学的に許容されるその塩の一部の実施形態では、Wは、-C(O)OR
15、-C(O)NR
4R
15、-C(O)NR
4OR
15、-C(O)(C
2~C
10アルキル)、または-C(O)NR
4S(O)
jR
6である。一部の実施形態では、Wは、-C(O)NHR
15である。一部の実施形態では、R
15は、C
1~C
4アルキルまたはC
1~C
4アルケニルであり、それぞれ独立してかつ必要に応じて1~3個の-OH、-OMe、-NH
2、-N(メチル)
2または-N(エチル)
2で置換されていている。一部の実施形態では、R
15は、1~3個の-OHで置換されたC
1~C
4アルキルである。一部の実施形態では、Wは、
【化10】
である。
【0097】
一部の実施形態では、MEK阻害剤は、
【化11】
または薬学的に許容されるその塩である。一部の実施形態では、MEK阻害剤は、
【化12】
または薬学的に許容されるその塩である。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、N-[(2S)-2,3-ジヒドロキシプロピル]-3-[(2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ]イソニコチンアミド塩酸塩(すなわち、N-[(2S)-2,3-ジヒドロキシプロピル]-3-[(2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ]ピリジン-4-カルボキサミド塩酸塩)である。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、
【化13】
の構造を有する。一部の実施形態では、MEK阻害剤は、N-((1R,2S,3R)-2,3-ジヒドロキシシクロヘキシル)-3-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)イソニコチンアミドまたは薬学的に許容されるその塩である。
【0098】
一部の実施形態では、MEK阻害剤は、
【化14】
または薬学的に許容されるその塩である。一部の実施形態では、MEK阻害剤は、
【化15】
または薬学的に許容されるその塩である。一部の実施形態では、MEK阻害剤は、N-((S)-2,3-ジヒドロキシ-プロピル)-3-(2-フルオロ-4-ヨード-フェニルアミノ)-イソニコチンアミド(ピマセルチブ)または薬学的に許容されるその塩である。
【0099】
一部の実施形態では、MEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩は、コビメチニブ、セルメチニブ、ピマセルチブ、PD0325901、レファメチニブ、ビニメチニブ、BI-847325、トラメチニブ、GDC-0623、G-573、CH5126766、CI-1040、PD035901およびTAK-933から選択される。一部の実施形態では、MEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩は、コビメチニブ、セルメチニブ、ピマセルチブ、PD0325901、レファメチニブ、ビニメチニブ、BI-847325、トラメチニブ、GDC-0623、G-573、CH5126766、CI-1040、PD035901、TAK-933、およびCIP-137401から選択される。一部の実施形態では、MEK阻害剤は、
【化16】
から選択される。一部の実施形態では、MEK阻害剤は、これによってそれぞれの全体が個別に参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7777050号、米国特許第8178693号、米国特許第9562016号、米国特許第7425637号、米国特許第8178693号、米国特許第9156795号、米国特許第9562017号、米国特許第7378423号、米国特許第8703781号、米国特許第9290468号に記載されているMEK阻害剤である。一部の実施形態では、MEK阻害剤は、
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
、ならびにそれらの薬学的に許容される塩から選択される。一部の実施形態では、MEK阻害剤は、CIP-137401である。一部の実施形態では、MEK阻害剤は、CAS No.1404099-63-3を有するものである。一部の実施形態では、MEK阻害剤は、セルメチニブである。
【0100】
一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に約5mg~約500mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に約10mg~約150mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に約10mg~約125mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に約10mg~約100mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に約25mg~約100mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に約50mg~約100mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に約5mg~約75mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、または約150mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に約15mg、約30mg、約45mg、または約60mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に約15mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に約30mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に約45mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に約60mgで投与される。一部の実施形態では、対象は、12歳から18歳の間である。一部の実施形態では、対象は、12歳を超えるまたは12歳である年齢から18歳未満または18歳である年齢の間である。一部の実施形態では、対象は、成体である。一部の実施形態では、対象は、18歳を超えているまたは18歳である。
【0101】
一部の実施形態では、本明細書に記載のMEK阻害剤またはその塩を1日1回投与する。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩を1日2回投与する。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩を1日3回投与する。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩を週1回投与する。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩を一日おきに投与する。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩を3日毎に投与する。
【0102】
一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に10mg~150mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に10mg~125mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に10mg~100mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に25mg~100mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に50mg~100mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に5mg~75mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、100mg、105mg、110mg、115mg、120mg、125mg、130mg、135mg、140mg、145mg、または150mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に15mg、30mg、45mg、または60mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に15mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に30mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に45mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に60mgで投与される。一部の実施形態では、対象は、12歳から18歳の間である。一部の実施形態では、対象は、12歳を超えるまたは12歳である年齢から18歳未満または18歳である年齢の間である。一部の実施形態では、対象は、成体である。一部の実施形態では、対象は、18歳を超えているまたは18歳である。
【0103】
一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に、毎日、約10mg~約150mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に、毎日、約10mg~約125mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に、毎日、約10mg~約100mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に、毎日、約25mg~約100mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に、毎日、約50mg~約100mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に、毎日、約5mg~約75mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に、毎日、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、または約150mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に、毎日、約15mg、約30mg、約45mg、または約60mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に、毎日、約15mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に、毎日、約30mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に、毎日、約45mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に、毎日、約60mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩を1日1回投与する。一部の実施形態では、対象は、12歳から18歳の間である。一部の実施形態では、対象は、12歳を超えるまたは12歳である年齢から18歳未満または18歳である年齢の間である。一部の実施形態では、対象は、成体である。一部の実施形態では、対象は、18歳を超えているまたは18歳である。
【0104】
一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に、1日2回、約10mg~約150mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に、1日2回、約10mg~約125mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に、1日2回、約10mg~約100mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に、1日2回、約25mg~約100mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に、1日2回、約50mg~約100mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に、1日2回、約5mg~約75mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に、1日2回、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、または約150mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に、1日2回、約15mg、約30mg、約45mg、または約60mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に、1日2回、約15mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に、1日2回、約30mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に、1日2回、約45mgで投与される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、対象に、1日2回、約60mgで投与される。一部の実施形態では、対象は、12歳から18歳の間である。一部の実施形態では、対象は、12歳を超えるまたは12歳である年齢から18歳未満または18歳である年齢の間である。一部の実施形態では、対象は、成体である。一部の実施形態では、対象は、18歳を超えているまたは18歳である。
【0105】
一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、ピマセルチブまたはその塩である。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩は、ピマセルチブ塩酸塩である。一部の実施形態では、MEK阻害剤は、ピマセルチブである。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩に関する本明細書に記載の投薬は、MEK阻害剤の重量に基づく。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩に関する本明細書に記載の投薬は、MEK阻害剤の遊離塩基の形態の重量に対応する。例えば、一部の実施形態では、ピマセルチブまたはその塩の投薬に関しては、そのような投薬におけるピマセルチブの重量が記載される。一部の実施形態では、MEK阻害剤またはその塩に関する本明細書に記載の投薬は、MEK阻害剤の塩の重量に対応する。
【0106】
一部の実施形態では、ピマセルチブ(例えば、ピマセルチブの塩またはピマセルチブ遊離塩基として)は、対象に約10mg~約150mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に約10mg~約125mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に約10mg~約100mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に約25mg~約100mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に約50mg~約100mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に約5mg~約75mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、または約150mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に約15mg、約30mg、約45mg、または約60mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に約15mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に約30mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に約45mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に約60mgで投与される。一部の実施形態では、対象は、12歳~18歳である。一部の実施形態では、対象は、12歳を超えるまたは12歳である年齢から18歳未満または18歳である年齢の間である。一部の実施形態では、対象は、成体である。一部の実施形態では、対象は、18歳を超えているまたは18歳である。一部の実施形態では、ピマセルチブをピマセルチブHClなどのピマセルチブの塩の形態で投与される。
【0107】
一部の実施形態では、ピマセルチブ(例えば、ピマセルチブの塩またはピマセルチブ遊離塩基として)は、対象に10mg~150mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に10mg~125mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に10mg~100mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に25mg~100mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に50mg~100mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に5mg~75mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、100mg、105mg、110mg、115mg、120mg、125mg、130mg、135mg、140mg、145mg、または150mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に15mg、30mg、45mg、または60mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に15mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に30mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に45mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に60mgで投与される。一部の実施形態では、対象は、12歳~18歳である。一部の実施形態では、対象は、12歳を超えるまたは12歳である年齢から18歳未満または18歳である年齢の間である。一部の実施形態では、対象は、成体である。一部の実施形態では、対象は、18歳を超えているまたは18歳である。一部の実施形態では、ピマセルチブをピマセルチブHClなどのピマセルチブの塩の形態で投与される。
【0108】
一部の実施形態では、ピマセルチブ(例えば、ピマセルチブの塩またはピマセルチブ遊離塩基として)は、対象に、毎日、約10mg~約150mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に、毎日、約10mg~約125mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に、毎日、約10mg~約100mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に、毎日、約25mg~約100mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に、毎日、約50mg~約100mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に、毎日、約5mg~約75mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に、毎日、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、または約150mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に、毎日、約15mg、約30mg、約45mg、または約60mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に、毎日、約15mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に、毎日、約30mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に、毎日、約45mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に、毎日、約60mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブを1日1回投与する。一部の実施形態では、対象は、12歳から18歳の間である。一部の実施形態では、対象は、12歳を超えるまたは12歳である年齢から18歳未満または18歳である年齢の間である。一部の実施形態では、対象は、成体である。一部の実施形態では、対象は、18歳を超えているまたは18歳である。一部の実施形態では、ピマセルチブをピマセルチブHClなどのピマセルチブの塩の形態で投与される。
【0109】
一部の実施形態では、ピマセルチブ(例えば、ピマセルチブの塩またはピマセルチブ遊離塩基として)は、対象に、1日2回、約10mg~約150mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に、1日2回、約10mg~約125mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に、1日2回、約10mg~約100mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に、1日2回、約25mg~約100mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に、1日2回、約50mg~約100mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に、1日2回、約5mg~約75mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に、1日2回、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、または約150mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に、1日2回、約15mg、約30mg、約45mg、または約60mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に、1日2回、約15mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に、1日2回、約30mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に、1日2回、約45mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に、1日2回、約60mgで投与される。一部の実施形態では、対象は、12歳~18歳である。一部の実施形態では、対象は、12歳を超えるまたは12歳である年齢から18歳未満または18歳である年齢の間である。一部の実施形態では、対象は、成体である。一部の実施形態では、対象は、18歳を超えているまたは18歳である。一部の実施形態では、ピマセルチブをピマセルチブHClなどのピマセルチブの塩の形態で投与される。
【0110】
一部の実施形態では、ピマセルチブ(例えば、ピマセルチブの塩またはピマセルチブ遊離塩基として)は、対象に、一日おきに約10mg~約150mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に、一日おきに約10mg~約125mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に、一日おきに約10mg~約100mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に、一日おきに約25mg~約100mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に、一日おきに約50mg~約100mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に、一日おきに約5mg~約75mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に、一日おきに約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、または約150mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に、一日おきに約15mg、約30mg、約45mg、または約60mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に、一日おきに約15mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に、一日おきに約30mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に、一日おきに約45mgで投与される。一部の実施形態では、ピマセルチブは、対象に、一日おきに約60mgで投与される。一部の実施形態では、対象は、12歳から18歳の間である。一部の実施形態では、対象は、12歳を超えるまたは12歳である年齢から18歳未満または18歳である年齢の間である。一部の実施形態では、対象は、成体である。一部の実施形態では、対象は、18歳を超えているまたは18歳である。一部の実施形態では、ピマセルチブをピマセルチブHClなどのピマセルチブの塩の形態で投与される。
【0111】
一部の実施形態では、セルメチニブ(例えば、セルメチニブの塩またはセルメチニブ遊離塩基として)は、対象に約2mg~約15mgで投与される。一部の実施形態では、セルメチニブは、対象に約5mg~約15mgで投与される。一部の実施形態では、セルメチニブは、対象に約10mg~約15mgで投与される。一部の実施形態では、セルメチニブは、対象に約2mg~約8mgで投与される。一部の実施形態では、セルメチニブは、対象に約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、または約15mgで投与される。一部の実施形態では、セルメチニブは、対象に約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、または約6mgで投与される。一部の実施形態では、セルメチニブは、対象に約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、または約11mgで投与される。一部の実施形態では、セルメチニブは、対象に約12mg、約13mg、約14mg、または約15mgで投与される。一部の実施形態では、対象は、12歳から18歳の間である。一部の実施形態では、対象は、12歳を超えるまたは12歳である年齢から18歳未満または18歳である年齢の間である。一部の実施形態では、対象は、成体である。一部の実施形態では、対象は、18歳を超えているまたは18歳である。
【0112】
一部の実施形態では、セルメチニブ(例えば、セルメチニブの塩またはセルメチニブ遊離塩基として)は、対象に、毎日、約2mg~約15mgで投与される。一部の実施形態では、セルメチニブは、対象に、毎日、約5mg~約15mgで投与される。一部の実施形態では、セルメチニブは、対象に、毎日、約10mg~約15mgで投与される。一部の実施形態では、セルメチニブは、対象に、毎日、約2mg~約8mgで投与される。一部の実施形態では、セルメチニブは、対象に、毎日、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、または約15mgで投与される。一部の実施形態では、セルメチニブは、対象に、毎日、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、または約6mgで投与される。一部の実施形態では、セルメチニブは、対象に、毎日、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、または約11mgで投与される。一部の実施形態では、セルメチニブは、対象に、毎日、約12mg、約13mg、約14mg、または約15mgで投与される。一部の実施形態では、対象は、12歳から18歳の間である。一部の実施形態では、対象は、12歳を超えるまたは12歳である年齢から18歳未満または18歳である年齢の間である。一部の実施形態では、対象は、成体である。一部の実施形態では、対象は、18歳を超えているまたは18歳である。
【0113】
一部の実施形態では、セルメチニブ(例えば、セルメチニブの塩またはセルメチニブ遊離塩基として)は、対象に、1日2回、約2mg~約15mgで投与される。一部の実施形態では、セルメチニブは、対象に、1日2回、約5mg~約15mgで投与される。一部の実施形態では、セルメチニブは、対象に、1日2回、約10mg~約15mgで投与される。一部の実施形態では、セルメチニブは、対象に、1日2回、約2mg~約8mgで投与される。一部の実施形態では、セルメチニブは、対象に、1日2回、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、または約15mgで投与される。一部の実施形態では、セルメチニブは、対象に、1日2回、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、または約6mgで投与される。一部の実施形態では、セルメチニブは、対象に、1日2回、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、または約11mgで投与される。一部の実施形態では、セルメチニブは、対象に、1日2回、約12mg、約13mg、約14mg、または約15mgで投与される。一部の実施形態では、対象は、12歳から18歳の間である。一部の実施形態では、対象は、12歳を超えるまたは12歳である年齢から18歳未満または18歳である年齢の間である。一部の実施形態では、対象は、成体である。一部の実施形態では、対象は、18歳を超えているまたは18歳である。
【0114】
C.変異および適応症
本明細書に提示される方法を、満たされていない医学的必要性が高いがんを処置するために使用することができる。一部の実施形態では、方法を、遺伝学的に規定されたがんのサブセットを処置するために使用する。一部の実施形態では、がんは、以下の変異:RAS陽性変異、RAF陽性変異、MEK陽性変異、およびERK陽性変異のうちの1つまたは複数を有する。一部の実施形態では、がんは、NRAS変異、KRAS変異、またはHRAS変異を有する。一部の実施形態では、がんは、BRAF変異、BRAF融合、またはCRAF融合を有する。一部の実施形態では、BRAF変異は、非V600 BRAF変異である。一部の実施形態では、BRAF変異は、V600 BRAF変異である。一部の実施形態では、がんは、クラスI BRAF変異、クラスII BRAF変異、またはクラスIII BRAF変異を有する。一部の実施形態では、対象は、クラスI BRAF変異、クラスII BRAF変異、またはクラスIII BRAF変異を有する。一部の実施形態では、がんは、クラスI BRAF変異を有する。一部の実施形態では、がんは、クラスII BRAF変異を有する。一部の実施形態では、がんは、クラスIII BRAF変異を有する。一部の実施形態では、対象は、クラスI BRAF変異またはクラスII BRAF変異を有する。一部の実施形態では、対象は、V600E変異、V600K変異、またはそれらの両方を欠く。一部の実施形態では、対象は、非V600 BRAF変異を有する。一部の実施形態では、本明細書に開示される方法は、対象における抗増殖活性を有する。一部の実施形態では、がんは、MAPK経路を通じたシグナル伝達への依存性をもたらすゲノム変更を有する。
【0115】
一部の実施形態では、がんは、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)経路異常を有する再発性、進行性、または難治性固形腫瘍である。一部の実施形態では、がんは、再発性であり、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)経路異常を有する。一部の実施形態では、がんは、進行性であり、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)経路異常を有する。一部の実施形態では、がんは、難治性であり、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)経路異常を有する。一部の実施形態では、がんは、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)経路の重要なタンパク質の異常を有する再発性または進行性固形腫瘍、例えば、RASまたはRAF変更を有する腫瘍などである。一部の実施形態では、がんは、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)経路の重要なタンパク質の異常を有する再発性または進行性固形腫瘍、例えば、BRAF融合またはCRAF融合を有する腫瘍などである。
【0116】
一部の実施形態では、がんは、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)異常を有する。一部の実施形態では、がんは、変異または遺伝子融合から選択されるマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)異常を有する。一部の実施形態では、MAPK異常は、RAS陽性変異、RAF陽性変異、MEK陽性変異、ERK陽性変異および遺伝子融合から選択される。一部の実施形態では、がんは、NRAS変異、KRAS変異、またはHRAS変異から選択されるMAPK異常を有する。一部の実施形態では、がんは、BRAF変異、BRAF融合、およびCRAF融合から選択されるMAPK異常を有する。
【0117】
一部の実施形態では、対象は、1つまたは複数のBRAF融合を有すると同定されている。一部の実施形態では、対象は、以下の融合:KIAA1549:BRAF、STARD3NL:BRAF、BCAS1:BRAF、KHDRBS2:BRAF、CCDC6:BRAF、FAM131B:BRAF、SRGAP:BRAF、CLCN6:BRAF、GNAI1:BRAF、MRKN1:BRAF、GIT2:BRAF、GTF21:BRAF、FXR1:BRAF、RNF130:BRAF、BRAF:MACF1、TMEM106B:BRAF、PPC1CC:BRAF、CUX1:BRAF、AGK:BRAF、AGAP3:BRAF、TNS3:BRAF、TARDBP:BRAF、ARMC10:BRAF、CUL1:BRAF、TRIM24:BRAF、AKAP9:BRAF、FKBP15:BRAF、SKAP2:BRAF、ZKSCAN1:BRAF、KLHL7:BRAF、SEPT3:BRAF、SRGAP3:RAF1、QK1:RAF1、FYCO:RAF1、ATG7:RAF1、およびNFIA:RAF1のうちの1つまたは複数を有すると同定されている。一部の実施形態では、対象は、KIAA1549:BRAF融合を有すると同定されている。一部の実施形態では、本明細書に開示される方法は、BRAF融合である。
【0118】
一部の実施形態では、本明細書に開示される方法を、RAF単量体または二量体を調節するために使用することができる。一部の実施形態では、RAF単量体を調節する。一部の実施形態では、RAF二量体を調節する。一部の実施形態では、本明細書に開示される調節は、阻害である。
【0119】
一部の実施形態では、がんは、B-Raf変異陽性がんである(すなわち、がんは、1つまたは複数のB-Raf変異を有する)。一部の実施形態では、B-Raf変異はエクソン11または15に存在する。一部の実施形態では、B-Raf変異は、コドン466、469、594、600、または601に存在する。一部の実施形態では、B-Raf変異は、コドン600に存在する。一部の実施形態では、B-Raf変異は、これだけに限定されないが、V600E、V600DまたはV600K変異を含む。一部の実施形態では、B-Raf変異は、V600Eである。一部の実施形態では、B-Raf変異は、V600Dである。一部の実施形態では、B-Raf変異は、V600Kである。一部の実施形態では、B-Raf変異は、V600E+T5291である。一部の実施形態では、B-Raf変異は、V600E+G468Aである。「V600E変異」は、アミノ酸位600におけるバリンのグルタミン酸による置換を意味する。T529IはトレオニンからイソロイシンへのB-Rafゲートキーパー変異であり、G468Aは、エクソン11におけるG1403CのB-Raf二次変異である。「V600K変異」は、アミノ酸位600におけるバリンのリシンによる置換を意味する。「V600D変異」は、アミノ酸位600におけるバリンのアスパラギン酸による置換を意味する。V600K変異により、B-Rafの600位において、バリン(V)からリシン(K)へのアミノ酸置換がもたらされる。V600K変異により、B-Rafの600位において、バリン(V)からリシン(K)へのアミノ酸置換がもたらされる。
【0120】
一部の実施形態では、がんは、非V600 B-Raf変異陽性がんである(すなわち、がんは、1つまたは複数のB-Raf変異を有し、その1つまたは複数の変異はB-Raf V600ではない)。一部の実施形態では、B-Raf変異は、エクソン11または15に存在する。一部の実施形態では、B-Raf変異は、コドン466、469、594、または601に存在する。一態様では、1つまたは複数の非V600E変異は、G466A、G466V、N581S、D594H、R146W、L613F、D565_スプライス、S394*、P367R、G469A、G469V、G469*、G466V、G464V、G397S、SI131、A762E、G469L、D594N、G596S、G596R、D594N、D594H、K601E、K601N、L597Q、L597V、G469R、D594G、またはG327_スプライスである。一態様では、1つまたは複数の非V600E変異は、G469R、R95T、A621_スプライス、V639I、Q609H、G464V、またはG466Vである。アスタリスク「*」は終止コドンを意味する。
【0121】
一部の実施形態では、本明細書に記載のがんは、V600 BRAF変異を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載のがんは、表1~7に記載の遺伝子変異または融合を有する。
【0122】
一部の実施形態では、がんは、V600E、G469A、G464V、G466V、K601E、G469R、およびL597Rから選択される非V600 BRAF変異を有すると同定されている。一部の実施形態では、非V600 BRAF変異は、V600E、G464A、G464V、K601E、およびG469Rから選択される。一部の実施形態では、非V600 BRAF変異は、G464V、K601E、G469A、およびG466Vから選択される。
【0123】
一部の実施形態では、がんは、K-Ras変異陽性がんである(すなわち、がんは、1つまたは複数のK-Ras変異を有する)。一部の実施形態では、K-Ras変異は、エクソン2に存在する。一部の実施形態では、K-Ras変異は、コドン12または13に存在する。一部の実施形態では、がんは、RAS変異を有すると同定されている。一部の実施形態では、RAS変異は、KRAS変異である。一部の実施形態では、KRAS変異は、KRAS G12C、KRAS G12V、KRAS G12D、KRAS Q61K、KRAS Q61H、KRAS G13D、およびKRAS G12Sから選択される。一部の実施形態では、KRAS変異は、KRAS G12C、KRAS G12D、KRAS G13D、およびKRAS G12Sから選択される。
【0124】
一部の実施形態では、がんは、N-Ras変異陽性がんである(すなわち、がんは、1つまたは複数のN-Ras変異を有する)。一部の実施形態では、N-Ras変異は、エクソン2、3、または4に存在する。一部の実施形態では、N-Ras変異は、エクソン2に存在する。一部の実施形態では、N-Ras変異は、エクソン3に存在する。一部の実施形態では、N-Ras変異は、エクソン4に存在する。一部の実施形態では、N-Ras変異は、Q61R、Q61K、Q61L、Q61H、またはQ61Pである。一部の実施形態では、N-Ras変異は、Q61R変異である。
【0125】
本開示は、がんに罹患している対象を処置する方法を提供する。一部の実施形態では、がんは、肺がん、結腸直腸がん、膵がん、皮膚がん、神経膠腫、非神経膠腫脳がん、骨肉腫、胃腸がん、乳がん、甲状腺がん、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia)(AML)、および多発性骨髄腫(MM)から選択される。一部の実施形態では、肺がんは、非小細胞肺がん(NSCLC)および小細胞肺がん(SCLC)を含む。一部の実施形態では、がんは、NSCLCではない。一部の実施形態では、がんは、尿路上皮腫瘍である。一部の実施形態では、がんは、低悪性度神経膠腫(LGG)である。一部の実施形態では、がんは、小児低悪性度神経膠腫(PLGG)である。一部の実施形態では、LGGは、新たに診断されたものである。一部の実施形態では、がんは、小児脳腫瘍である。一部の実施形態では、がんは、神経芽細胞腫である。一部の実施形態では、がんは、RAF1キナーゼ遺伝子が限局的に増幅している尿路上皮腫瘍である。一部の実施形態では、がんは、RAF1が増幅している腫瘍である。一部の実施形態では、がんは、MAPKシグナル伝達経路の活性化を示し、管腔遺伝子発現パターンを示す、RAF1が増幅している腫瘍である。一部の実施形態では、がんは、進行固形腫瘍である。
【0126】
一部の実施形態では、がんは、再発性、進行性、または難治性である。一部の実施形態では、がんは、再発性である。一部の実施形態では、がんは、進行性である。一部の実施形態では、がんは、難治性である。
【0127】
一部の実施形態では、本明細書に記載のがんは、新たに診断されたものである。一部の実施形態では、本明細書に記載のがんは、前のがん処置を一切受けていない。したがって、一部の実施形態では、本明細書に記載の処置方法をフロントライン治療(front-line therapy)として使用することができる。
【0128】
一部の実施形態では、がんは、血液悪性疾患である。一部の実施形態では、血液悪性疾患は、急性骨髄性白血病(acute myelogenous leukemia)(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ芽球性白血病(CLL)、および骨髄異形成症候群(myelodysplasia syndrome)から選択される。一部の実施形態では、血液悪性疾患は、急性骨髄性白血病(acute myelogenous leukemia)(AML)および慢性リンパ性白血病(CLL)から選択される。
【0129】
一部の実施形態では、がんは、甲状腺がん、卵巣がん、黒色腫、急性骨髄性白血病(acute myelogenous leukemia)(AML)、および結腸がんから選択される。一部の実施形態では、がんは、黒色腫または結腸がんである。
【0130】
一部の実施形態では、がんは、皮膚がんおよび胃腸がんから選択される。一部の実施形態では、がんは、皮膚がんである。一部の実施形態では、皮膚がんは、黒色腫である。一部の実施形態では、黒色腫は、B-Rafが変異した黒色腫である。一部の実施形態では、黒色腫は、N-Rasが変異した黒色腫である。一部の実施形態では、がんは、胃腸がんである。本明細書で使用される場合、「胃腸がん」には、食道のがん、胃のがん(胃がん(gastric cancer)としても公知)、胆道系のがん、膵臓のがん、小腸のがん、大腸、直腸のがんおよび肛門のがんが含まれる。一部の実施形態では、胃腸がんは、食道腺癌、食道胃接合部の腺癌または胃腺癌である。一部の実施形態では、胃腸がんは、胃がん(stomach cancer)である。
【0131】
一部の実施形態では、がんは、肺がん、結腸直腸がんまたは膵がんである。一部の実施形態では、がんは、肺がんである。一部の実施形態では、がんは、非小細胞肺がん(NSCLC)である。一部の実施形態では、がんは、扁平上皮NSCLCである。一部の実施形態では、がんは、非扁平上皮NSCLCである。
【0132】
一部の実施形態では、がんは、結腸がんである。結腸がんは、結腸直腸がん(CRC)、腸がん、または直腸がんとしても公知である。
【0133】
一部の実施形態では、がんは、中枢神経系がんである。一部の実施形態では、中枢神経系がんは、脳がんである。一部の実施形態では、甲状腺がんは、甲状腺癌である。一部の実施形態では、泌尿生殖器がんは、膀胱がんである。
【0134】
一部の実施形態では、がんは、固形腫瘍である。一部の実施形態では、がんは、進行固形腫瘍である。一部の実施形態では、がんは、非小細胞肺がんである。
【0135】
一部の実施形態では、がんは、再発性がんである。一部の実施形態では、本明細書に記載の対象は、化合物Aもしくは薬学的に許容されるその塩またはMEK阻害剤の投与前に、少なくとも1種の、標準治療とみなされる前の治療を受けたことがある。一部の実施形態では、前の治療は、全身治療である。一部の実施形態では、前の治療は、化学療法、ホルモン療法、免疫療法、または放射線療法である。一部の実施形態では、本明細書に開示される方法は、MAPKシグナル伝達を標的とし得る。一部の実施形態では、本明細書に開示される方法は、固形腫瘍に対する抗腫瘍活性を有し得る。
【0136】
同定方法
がんを処置する方法であって、ある量の化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩、およびMEK阻害剤(例えば、ピマセルチブ)を投与するステップを含む、方法が本明細書で提供される。一部の実施形態では、がんを処置する方法であって、ある量の化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩、およびMEK阻害剤(例えば、ピマセルチブ)を投与するステップを含み、化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩およびMEK阻害剤の総量が、がんの処置において治療的に有効なものである、方法が本明細書で提供される。本開示は、さらに、がんに罹患している対象を同定するステップを提供する。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、がんに罹患している対象を同定するステップを提供し、がんは、RAF変更、RAS変異、NF-1変異またはMAPK経路を通じたシグナル伝達への依存性をもたらすゲノム変更のうちの1つまたは複数を有するものである。一部の実施形態では、対象にRAF阻害剤およびMEK阻害剤を投与するステップの前に、対象を同定するステップを行う。一部の実施形態では、がんに罹患している対象を処置する方法は、
(a)がんに罹患している対象を同定するステップであって、がんが、RAF変更、RAS変異、NF-1変異またはMAPK経路を通じたシグナル伝達への依存性をもたらすゲノム変更のうちの1つまたは複数を有する、ステップ;および
(b)対象に、
(i)(R)-2-(1-(6-アミノ-5-クロロピリミジン-4-カルボキサミド)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(化合物A)または薬学的に許容されるその塩;および
(ii)本明細書に提示されるMEK阻害剤;
を投与するステップを含み、化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩およびMEK阻害剤の総量が、がんの処置において治療的に有効なものである。一部の実施形態では、MEK阻害剤は、本明細書に記載のMEK阻害剤である。一部の実施形態では、方法では、投与された際に相乗効果をもたらす。本明細書に記載の同定方法を本明細書に開示される任意の他の態様または実施形態と組み合わせることができる。一部の実施形態では、同定は、ゲノム検査(例えば、変異試験)を含む。一部の実施形態では、対象のがん試料に対して遺伝子検査を行う。一部の実施形態では、化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩またはMEK阻害剤を投与するステップの前に、対象のがん試料がBRAF、KRAS、CRAF、HRAS、NF-1および/またはNRAS変異試験に供されている。一部の実施形態では、化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩またはMEK阻害剤を投与するステップの前に、対象のがん試料がゲノム検査に供されており、ここで、ゲノム検査は、ゲノム変更によりMPAKシグナル伝達への依存性が創出されることを実証するものである。一部の実施形態では、対象は、組織学的に確認された非血液腫瘍を有すると診断されている。一部の実施形態では、対象は、組織学的に確認された血液腫瘍を有すると診断されている。
【0137】
一部の実施形態では、同定するステップは、本明細書に記載の1つまたは複数のがん変異または遺伝子融合を有する対象を同定することを含む。一部の実施形態では、がんは、以下の変異:RAS陽性変異、RAF陽性変異、MEK陽性変異、ERK陽性変異またはこれらの任意の組合せのうちの1つまたは複数を有する。一部の実施形態では、同定するステップは、本明細書に開示されるがん変異を同定することを含む。一部の実施形態では、がんは、RAS変異を有する。一部の実施形態では、RAS変異は、HRAS変異、KRAS、またはNRAS変異である。一部の実施形態では、がんは、NF-1機能喪失をもたらすNF-1の変異を有する。
【0138】
一部の実施形態では、同定するステップは、RAF変更を有する対象を同定することを含む。一部の実施形態では、RAF変更は、BRAF変異、BRAF融合、またはCRAF融合である。一部の実施形態では、がんは、非V600 BRAF変異を有する。一部の実施形態では、対象は、クラスI BRAF変異またはクラスII BRAF変異を有する。一部の実施形態では、対象は、V600E変異、V600K変異、またはそれらの両方を欠く。
【0139】
一部の実施形態では、同定するステップは、融合を有する対象を同定することを含む。一部の実施形態では、対象は、以下の融合:KIAA1549:BRAF、STARD3NL:BRAF、BCAS1:BRAF、KHDRBS2:BRAF、CCDC6:BRAF、FAM131B:BRAF、SRGAP:BRAF、CLCN6:BRAF、GNAI1:BRAF、MRKN1:BRAF、GIT2:BRAF、GTF21:BRAF、FXR1:BRAF、RNF130:BRAF、BRAF:MACF1、TMEM106B:BRAF、PPC1CC:BRAF、CUX1:BRAF、AGK:BRAF、AGAP3:BRAF、TNS3:BRAF、TARDBP:BRAF、ARMC10:BRAF、CUL1:BRAF、TRIM24:BRAF、AKAP9:BRAF、FKBP15:BRAF、SKAP2:BRAF、ZKSCAN1:BRAF、KLHL7:BRAF、SEPT3:BRAF、SRGAP3:RAF1、QK1:RAF1、FYCO:RAF1、ATG7:RAF1、およびNFIA:RAF1のうちの1つまたは複数を有すると同定されている。一部の実施形態では、対象は、以下の融合:AGK:BRAF、AGAP3:BRAF、TNS3:BRAF、またはKIAA1549:BRAFのうちの1つまたは複数を有すると同定されている。一部の実施形態では、対象は、AGAP3:BRAF融合を有すると同定されている。一部の実施形態では、対象は、SRGAP3:RAF1融合を有すると同定されている。一部の実施形態では、対象は、KIAA1549:BRAF融合を有すると同定されている。一部の実施形態では、MEK阻害剤は、N-((S)-2,3-ジヒドロキシ-プロピル)-3-(2-フルオロ-4-ヨード-フェニルアミノ)-イソニコチンアミド(ピマセルチブ)または薬学的に許容されるその塩である。一部の実施形態では、MEK阻害剤は、本明細書に開示される化合物である。
【0140】
一部の実施形態では、同定するステップは、非V600 BRAF変異を有する対象を同定することを含む。一部の実施形態では、非V600 BRAF変異は、V600E、G469A、G464V、G466V、K601E、G469R、およびL597Rから選択される。一部の実施形態では、非V600 BRAF変異は、V600E、G464A、G464V、K601E、およびG469Rから選択される。一部の実施形態では、非V600 BRAF変異は、G464V、K601E、G469A、およびG466Vから選択される。
【0141】
一部の実施形態では、同定するステップは、RAS変異を有する対象を同定することを含む。一部の実施形態では、RAS変異は、KRAS変異である。一部の実施形態では、KRAS変異は、KRAS G12C、KRAS G12V、KRAS G12D、KRAS Q61K、KRAS Q61H、KRAS G13D、およびKRAS G12Sから選択される。一部の実施形態では、KRAS変異は、KRAS G12C、KRAS G12D、KRAS G13D、およびKRAS G12Sから選択される。
【0142】
一部の実施形態では、同定するステップは、低悪性度神経膠腫(LGG)を有する対象を同定することを含む。一部の実施形態では、同定するステップは、新たに診断されたLGGを有する対象を同定することを含む。
【0143】
一部の実施形態では、対象は、現在も以前にも漿液性中心性網膜症、網膜静脈閉塞症、または眼疾患、不安定な神経学的状態、コントロールされていない心血管状態を有しておらず、いかなる汎RAF阻害剤の投与も受けていない。一部の実施形態では、対象は、汎RAF治療の施行を以前に受けていない。一部の実施形態では、対象は、他の化学療法剤(従来の化学療法、標的化薬剤、モノクローナル抗体など)、免疫抑制性を有する薬物(ステロイド以外)を同時に受けていない。
【0144】
一部の実施形態では、対象は、がんを処置するためのいかなる前の治療も受けていない。一部の実施形態では、本明細書に記載の方法を、がんを処置するためのフロントライン治療として使用する。
【0145】
一部の実施形態では、それを必要とする対象は、約6カ月齢から25歳までである。一部の実施形態では、それを必要とする対象は、約1歳から25歳までである。一部の実施形態では、それを必要とする対象は、25歳またはそれ未満である。一部の実施形態では、それを必要とする対象は、20歳またはそれ未満である。一部の実施形態では、それを必要とする対象は、15歳またはそれ未満である。一部の実施形態では、それを必要とする対象は、10歳またはそれ未満である。一部の実施形態では、それを必要とする対象は、20歳、19歳、18歳、17歳、16歳、15歳、14歳、13歳、12歳、11歳、10歳またはそれ未満である。一部の実施形態では、それを必要とする対象は、1歳、2歳、3歳、4歳、5歳、6歳、7歳、8歳、9歳、10歳、11歳、12歳、13歳、14歳、15歳、16歳、17歳、18歳、19歳、20歳、21歳、22歳、23歳、24歳、25歳である。一部の実施形態では、それを必要とする対象は、18歳未満である。一部の実施形態では、それを必要とする対象は、少なくとも18歳である。一部の実施形態では、それを必要とする対象は、18歳よりも年長である。
【0146】
一部の実施形態では、PMA誘導型末梢血単核細胞(PBMC)によって測定されるpERK阻害のIC80を達成するために必要な化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩の用量は、単剤療法として同じpERK阻害のIC80を達成するために必要な化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩の用量よりも少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または約90%少ない。一部の実施形態では、PMA誘導型末梢血単核細胞(PBMC)によって測定されるpERK阻害のIC80を達成するために必要な化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩の用量は、単剤療法として同じpERK阻害のIC80を達成するために必要な化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩の用量よりも少なくとも約20%少ない。一部の実施形態では、化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩の用量は、1日用量である。一部の実施形態では、化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩の用量は、毎週用量である。一部の実施形態では、PMA誘導型末梢血単核細胞(PBMC)によって測定されるpERK阻害のIC80を達成するために必要な化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩の毎週用量は、単剤療法で同じpERK阻害のIC80を達成するために必要な化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩の毎週用量よりも少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約30%、約40%、または約50%少ない。一部の実施形態では、PMA誘導型末梢血単核細胞(PBMC)によって測定されるpERK阻害のIC80を達成するために必要なMEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩の用量は、単剤療法として同じpERK阻害のIC80を達成するために必要なMEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩の用量よりも少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または約90%少ない。一部の実施形態では、PMA誘導型末梢血単核細胞(PBMC)によって測定されるpERK阻害のIC80を達成するために必要なMEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩の用量は、単剤療法として同じpERK阻害のIC80を達成するために必要なMEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩の用量よりも少なくとも約20%少ない。一部の実施形態では、PMA誘導型末梢血単核細胞(PBMC)によって測定されるpERK阻害のIC80を達成するために必要なMEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩の用量は、単剤療法として同じpERK阻害のIC80を達成するために必要なMEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩の用量よりも少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約30%、約40%、または約50%少ない。一部の実施形態では、MEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩の用量は、1日用量である。一部の実施形態では、MEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩の用量は、毎週用量である。pERK阻害剤のIC80は、例えば、Adelmann et al., Oncotarget. 2016 May 24; 7 (21): 30453-30460に記載されている当技術分野で公知の適切な方法によって測定することができる。
【実施例】
【0147】
本明細書に概説されている本発明は、ただ単に本発明のある特定の態様および実施形態を例示する目的で含められ、本発明をいかようにも限定するものではない以下の実施例を参照することによって容易に理解されよう。
【0148】
(実施例1)
マーカーの同定
変更または変異を有するマーカーを、Clinical Laboratory Improvement Amendments of 1988(CLIA)認定を受けた検査室、または現地で同様の認定を受けた他の検査室において常套的に実施される分子アッセイによって同定することができる。具体的には、以下の変更または変異:RAF変更、RAS変異、NF-1変異またはMAPK経路を通じたシグナル伝達への依存性をもたらすゲノム変更のうちの任意の1つについてマーカーを同定することができる。
【0149】
(実施例2)
RAF阻害剤およびMEK阻害剤を使用した処置
本明細書に記載のMEK阻害剤と組み合わせた化合物Aを、変異体細胞モデルまたは変異体がん細胞モデルを使用して評価することができる。動物モデルに、腫瘍発達のために腫瘍細胞を接種することができる。腫瘍発達の間、重量および腫瘍成長をモニタリングすることができる。接種した対象を、化合物A、本明細書に記載のMEK阻害剤、または化合物Aと本明細書に記載のMEK阻害剤の組合せを用いて処置することができる。対照群と処置群の差異を調査するために、統計的検定を使用して腫瘍抑制スコアを決定することができる。Bliss Independence Analysisを2Dおよび3D両方の組合せアッセイに使用することができ、スコアが0を上回ることにより相乗作用が示され、スコアが0を下回ることにより拮抗作用が示される。スコア0により、相加的であることが示される。
【0150】
(実施例3)
非V600 BRAF変異体腫瘍細胞株におけるRAF阻害剤およびMEK阻害剤を使用した相乗効果
ヒト腫瘍細胞株に関して、CellTiter-Gloに基づく2D単層アッセイにおいて5×5マトリックス組合せフォーマットで相乗作用を評定した。全ての化合物を細胞播種の24時間後の実験の開始時に一度添加した。培養物を加湿インキュベーター中、37℃および5%CO2でインキュベートした。化合物による処理の持続時間を72時間とした。細胞の生存度を、CellTiter-Glo試薬を使用することによって分析し、ここでEnVision Xcite multilabel plater readerを使用して発光を測定した。Bliss independence Analysisを使用することによって相乗作用を測定した。
【0151】
3Dクローン形成アッセイにおいて、腫瘍細胞懸濁物を、ヌードマウスにおいて成長しているヒト非V600 BRAF変異体腫瘍異種移植片から直接調製した。これらのex vivo PDXモデルを、3Dクローン形成アッセイにおいて、5×5マトリックス組合せフォーマットで、細胞を細胞培養培地および軟寒天と混合した超低接着プレートを使用して評定した。細胞播種の24時間後に化合物を添加した。培養物を加湿インキュベーター中37℃および7.5%CO2で8~13日間インキュベートし、倒立顕微鏡を使用してコロニー成長について綿密にモニタリングした。化合物Aを2~3日毎に添加した。8~13日後、生コロニーを2-(4-ヨードフェニル)-3-(4-ニトロフェニル)-5-フェニルテトラゾリウムクロリド(INT、1mg/ml、25μl/ウェル)の滅菌水溶液を用いて48時間にわたって染色し、自動画像解析システム(Bioreader 5000 Vα、BIO-SYS)を用いてコロニー計数を実施した。Bliss Independent Analysisを使用して相乗作用を測定した。
【0152】
Bliss Independence Analysisを2Dおよび3D両方の組合せアッセイに使用した。スコアが0を上回ることにより相乗作用が示され、一方スコアが0を下回ることにより拮抗作用が示される。
【0153】
表1に、非V600 BRAF変異体腫瘍細胞株において化合物AとMEK阻害剤の間で観察された応答を示す。
【表1】
【0154】
(実施例4)
KRAS変異体腫瘍細胞株におけるRAF阻害剤およびMEK阻害剤を使用した相乗効果
相乗作用を、CellTiter-Gloに基づく2D単層アッセイを使用し、6×6マトリックス組合せフォーマットで評定した。全ての化合物を細胞播種の24時間後に添加した。化合物Aを2日目および3日目に添加した。化合物による処理の持続時間を72時間とした。生存度を、EnVision Multi Label Readerを使用して発光を測定するCellTitre-Gloを使用して測定した。相乗作用をCombination Indexによって測定した。相乗作用スコアをBliss independenceおよびLoewe additivityモデルの両方で算出した。スコアが5よりも高いことにより相乗作用が示され、スコアが-5未満であることにより拮抗作用が示される。
【0155】
表2に、KRAS変異体腫瘍細胞株において化合物AとMEK阻害剤の間で観察された応答を示す。
【表2】
【0156】
(実施例5)
3D PDXモデルにおいてex vivoで化合物Aおよびピマセルチブを使用した相乗効果
3D PDX ex vivoアッセイにおいて、腫瘍細胞懸濁物を、ヌードマウスにおいて成長しているヒトBRAF融合腫瘍異種移植片から直接調製した。これらのex vivo PDXモデルを、3D成長アッセイにおいて、5×5マトリックス組合せフォーマットで、細胞を細胞培養培地および1%メチルセルロースと混合した超低接着プレートを使用して評定した。播種の24時間後に、Cell-Titer Glo添加後、0日目の発光読み取りを取得した。対照および試験化合物を細胞播種の24時間後に添加した。培養物を加湿インキュベーター中37℃および7.5%CO2で7日間インキュベートし、倒立顕微鏡を使用して成長および生存度について綿密にモニタリングした。化合物Aおよびピマセルチブを0日目に一度添加した。7日後、Cell Titer Glo試薬(Promega)を各ウェルに添加し、インキュベートし、発光を読み取った。CrownBioによって開発された効果に基づく方法であるCrownsynに基づき、両方の薬物が独立に作用するという仮定の下で、相乗作用を算出する。
【0157】
表3に、ex vivoでBRAF融合PDXモデルにおいて化合物Aとピマセルチブの間で観察された相乗作用応答を示す。
【表3】
【0158】
(実施例6)
3Dオルガノイドモデルにおける化合物Aおよびピマセルチブを使用した相乗効果
3Dオルガノイドアッセイにおいて、スクリーニングに使用するオルガノイドの適切なサイズを規定するために、必要数のオルガノイドを、50%マトリゲルを使用して1:1で処理した。0日目に、オルガノイドを全てのウェルから回収し、濾過し、播種した。マトリゲルを5%の最終濃度まで添加した。化合物を、オルガノイドが沈下した後、播種時に添加した。培養物を加湿インキュベーター中37℃および7.5%CO2で5日間インキュベートし、倒立顕微鏡を使用して成長および生存度について綿密にモニタリングした。化合物Aおよびピマセルチブを0日目に一度添加した。5日後、Cell Titer Glo試薬(Promega)を各ウェルに添加し、インキュベートし、発光を読み取った。効果に基づく方法であるCrownsynに基づき、両方の薬物が独立に作用するという仮定の下で、相乗作用を算出する。
【0159】
表4に、PDXオルガノイドモデルにおける化合物Aとピマセルチブの間で観察された応答を示す。表4の相乗作用スコアは、Loeweアルゴリズムを使用して算出されたものであり、スコアが5よりも高いことにより相乗作用が示され、スコアが5未満であることにより拮抗作用が示される。
【表4】
【0160】
(実施例7)
in vitroで非V600 BRAF変異体細胞株において(2D)またはex vivoでPDXモデルにおいて(3D)化合物Aおよびピマセルチブを使用した相乗効果
2D細胞増殖単層アッセイにおいて、細胞を播種し、72時間にわたって処理した。全ての化合物を実験開始時に一度添加した。化合物Aを24時間毎に繰り返し適用した。培養物を加湿インキュベーター中37℃および7.5%CO2で72時間インキュベートし、倒立顕微鏡を使用して成長および生存度について綿密にモニタリングした。72時間後Cell Titer Glo試薬(Promega)を各ウェルに添加し、インキュベートし、発光を読み取った。
【0161】
3Dクローン形成アッセイにおいて、化合物Aについては2~3日毎に繰り返し適用を行い、一方、ピマセルチブについては実験の開始時に一度だけ添加した。8~13日の間の、コロニー形成が最大になったところでコロニー計数を実施した。
【0162】
表5に、in vitroで非V600 BRAF変異体腫瘍細胞株において(2D)またはex vivoでPDXモデルにおいて(3D)化合物Aとピマセルチブの間で観察された相乗作用応答を示す。正の数により、Bliss Index≧0.15を達成した組合せ対の数として相乗作用が示された。スコア0により、全ての組合せ対についてBliss Indexが-0.15から+0.15の間で、相加効果が示された。負の数により、Bliss Index≦-0.15を達成した組合せ対の数として拮抗作用が示された。
【0163】
表6に、in vitroで非V600 BRAF変異体腫瘍細胞株において(2D)化合物Aおよびピマセルチブの間で観察された相乗作用応答を示す。相乗作用を、6×6マトリックス組合せフォーマットで評定し、Combination Index相乗作用スコアリングを決定し、Loeweスコアを提示する。スコアが5よりも高いことにより相乗作用が示され、スコアが5未満であることにより拮抗作用が示された。
【0164】
表7に、in vitroでKRAS変異体細胞株において(2D)化合物Aおよびピマセルチブの間で観察された相乗作用応答を示す。相乗作用を5×5マトリックス組合せフォーマットで評定し、その後、Bliss independence Analysisを行った。正の数により、Bliss Index≧0.15を達成した組合せ対の数として相乗作用が示された。スコア0により、全ての組合せ対についてBliss Indexが-0.15から+0.15の間で相加効果が示された。負の数により、Bliss Index≦-0.15を達成した組合せ対の数として拮抗作用が示された。
【表5】
【表6】
【表7】
【0165】
(実施例8)
化合物Aとピマセルチブの組合せについての処置スケジュール、選択基準および除外基準
パート1
【0166】
本試験は、12歳以上の、MAPK経路の重要なタンパク質の異常、例えばRASまたはRAF変更を有する腫瘍などの再発性または進行性固形腫瘍を有する患者の多施設、非盲検副試験である。これらの変更を有する患者を、Clinical Laboratory Improvement Amendments of 1988(CLIA)認定を受けた検査室、または現地で同様の認定を受けた他の検査室において常套的に実施される分子アッセイによって同定する。
【0167】
本試験は、スクリーニング期間、処置期間、安全性追跡調査期間、ならびに、生存、およびその後の抗がん治療を収集する長期追跡調査期間からなる。
【0168】
化合物Aは、週1回投与され(1日目、8日目、15日目、および22日目)、ピマセルチブは、最初に1日2回(BID)投与される。患者は、1年間にわたり2サイクル毎の終了時に、次いで、その後は3サイクル毎に、疾患に関するX線検査による評価を受ける。患者は、疾患の状況に適切な基準による疾患増悪のX線検査でのエビデンス、許容されない毒性、患者の同意撤回、または死亡まで化合物A+ピマセルチブを継続して受ける。一般に、応答評定は、固形腫瘍に対するRECISTバージョン1.1に従って実施する。特定の疾患状況では代替的な基準を使用することができ、例えば、神経膠腫に関しては応答評定をRANO基準によって評定する。疾患増悪のX線検査でのエビデンスを有する患者は、医療専門家の見解で、化合物A+ピマセルチブの組合せによる試験処置を継続することでその患者に対する臨床的有用性がもたらされる場合、化合物A+ピマセルチブを継続することが許容される可能性がある。
【0169】
図1に、12歳以上の、MAPK経路の重要なタンパク質の異常を有する再発性または進行性固形腫瘍、例えば、RASおよびRAF変更を有する腫瘍を有する患者の処置に関する試験デザインを提示する。この試験は、スクリーニング期間、処置期間、安全性追跡調査期間、ならびに、生存、およびその後の抗がん治療を収集する長期追跡調査期間からなる。化合物Aは、週1回投与され(1日目、8日目、15日目、および22日目)、ピマセルチブは、1日1回(QD)または1日2回(BID)投与される。化合物Aおよびピマセルチブの用量を、本試験の第1b相部分において患者が割り当てられる用量コホート毎に決定する。本試験の第2相部分において投与される化合物Aおよびピマセルチブの用量およびスケジュールを、第1b相部分の間に決定する。疾患増悪または許容されない毒性が存在しない場合、サイクルを28日毎に繰り返す。患者は、1年間にわたり2サイクル毎の終了時に、次いで、その後は3サイクル毎に、疾患に関するX線検査による評価を受ける。患者は、疾患の状況に適切な基準による疾患増悪のX線検査でのエビデンス、許容されない毒性、患者の同意撤回、または死亡まで化合物A+ピマセルチブを継続して受ける。
【0170】
本試験の用量漸増部分において化合物Aおよびピマセルチブの用量漸増のために3+3デザイン導入部を伴うベイズ最適間隔(BOIN)デザインを利用する。
【0171】
選択基準には、以下のうちの1つまたは複数が含まれ得る:確認されたMAPK経路異常、ECOGパフォーマンスステータス0~1、および十分な臓器機能。
【0172】
除外基準には、以下のうちの1つまたは複数が含まれ得る:現在または以前の漿液性中心性網膜症、網膜静脈閉塞症、または眼疾患;十分な処置にもかかわらず不安定な神経学的状態;コントロールされていない心血管状態;および何らかの汎RAF阻害剤を以前に受けたことがあること。
【0173】
除外基準には、以下も含まれ得る:(a)何らかの汎RAF阻害剤治療(例えば、LXH254/ナポラフェニブ、BGB-283、BGB-3245、ベルバラフェニブ)を以前に受けたことがあること、および/または(b)治療指数が小さい併用薬(シトクロムP450 CYP3A4もしくはCYP2C19の強力な阻害剤、CYP3A4の強力な誘導因子、もしくはCYP2C9の基質)。
【0174】
パート2:
【0175】
パート1の安全性、有効性および薬力学的評定の精査後、化合物Aとピマセルチブの組合せの推奨用量を決定する。
【0176】
本パート2用量拡大部分では、患者を、組合せを受けるように、バイオマーカーにより規定された拡大コホートに登録する。コホートの数は、パート1データの解析後に決定する。患者を、化合物Aとピマセルチブの組合せを受けるように、バイオマーカーにより規定される(例えば、NRAS、KRAS、HRAS、BRAF変異、BRAF/CRAF融合陽性、CRAF増幅固形腫瘍など)拡大コホートに登録する。主要エンドポイントは、医療専門家によって評定される、各コホートについて推定される奏効率である。副次エンドポイントには、安全性および忍容性、応答の持続時間、無増悪生存、全生存および薬物動態を含める。
【0177】
表8に、化合物Aとピマセルチブの組合せのための処置レジメンを提示する。
【表8-1】
【0178】
BID=1日2回;QD=1日1回;QW=週1回。
【0179】
成人:18歳以上。
【0180】
青少年:12歳以上18歳未満、BSA≧1.3m2。
【0181】
(実施例9)
化合物Aおよびピマセルチブの用量改変
本明細書に記載の方法における化合物Aの用量を、例えば下の表に例示する通り改変することができる。個々の患者に対して、毒性を管理するために用量レベルを改変することができる。
【0182】
表8に、成人(18歳以上)についての化合物Aの用量改変を提示する。開始用量から最大2回の用量低減が許容され得る。
【0183】
表9に、青少年(12歳以上~17歳)についての化合物Aの用量改変を提示する。BSAを算出すべきであり、更新された用量を各サイクルの1日目に提供すべきである。BSAは、任意の適切な算出方法によって決定することができる。一部の実施形態では、BSAをMosteller Formula(√((身長×体重)/3600))によって決定する。一部の実施形態では、BSAを投与の各サイクルの開始時に決定する。
【0184】
表10には、ピマセルチブの用量改変を提示する。開始用量から最大2回の用量低減が許容され得る。
【表8-2】
【0185】
【0186】
BSA=体表面積。BSAは、任意の適切な算出方法によって決定することができる。一部の実施形態では、BSAをMosteller Formula(√((身長×体重)/3600))によって決定する。一部の実施形態では、BSAを投与の各サイクルの開始時に決定する。
【0187】
QOW=隔週。
【表10】
一部の場合では、ピマセルチブHClなどのピマセルチブ塩の形態で投与する場合、表10に記載の用量は、塩中に存在するピマセルチブ遊離塩基の重量を表す。
【0188】
(実施例10)
黒色腫のBRAF融合モデル(AGK-BRAF融合)における化合物Aおよびピマセルチブの単一薬剤としての前臨床的有効性の評価
雌NOD/SCIDマウスにおける黒色腫がん異種移植モデルME11971(AGK-BRAF融合)の処置における化合物Aおよびピマセルチブの単一薬剤としてのin vivo治療有効性を使用して前臨床的評価を行う。ストックマウスから腫瘍断片を採取し、マウスへの接種に使用する。腫瘍発達のために、各マウスの右側腹部の皮下にME11971モデル腫瘍断片(直径2~3mm)を接種する。
【0189】
表11に、試験マウスの試験パラメータを提示する:合計100匹のマウスを本試験に登録し、群当たり10匹のマウスを含む10の試験群にランダムに割り当てる。平均腫瘍サイズがおよそ150(100~200)mm3に達したらランダム化を開始する。ランダム化は、「Matched distribution」法/「Stratified」法(StudyDirector(商標)software、バージョン3.1.399.19)乱塊法計画に基づいて実施する。ランダム化の日を0日目と指定する。
【0190】
腫瘍接種後、毎日、動物を罹患率および死亡率について確認する。常套的なモニタリングの間、動物を、挙動、例えば、移動性、食物および水分消費、体重増加/減少(体重をランダム化後に週2回測定する)、眼/毛のつやがなくなること、ならびにあらゆる他の異常に対する腫瘍成長および処置のあらゆる影響について確認する。死亡率および観察された臨床徴候を個々の動物について詳細に記録する。腫瘍体積をランダム化後に週2回測定する。投薬ならびに腫瘍および体重の測定をLaminar Flow Cabinet内で行う。試験全体を通して全ての動物の体重をモニタリングする。動物の体重が処置1日目の体重と比べて3日間連続して15%を超えて減少した場合または体重が処置1日目の体重と比べて20%を超えて減少した場合、その動物を安楽死させる。
【0191】
体重および腫瘍体積を、StudyDirector(商標)software(バージョン3.1.399.19)を使用することによって測定する。群分けの1日後(1日目)またはランダム化と同日(0日目)に処置を開始する。
【0192】
上記の表11に従った10の群のマウスに14日間の期間にわたって投薬を行う。化合物Aに関して選択される3つの用量は12.5mg/kg、25mg/kg、および50mg/kgであり、ピマセルチブに関して選択される3つの用量は10mg/kg、30mg/kg、および60mg/kgである。ビヒクル対照群の平均腫瘍体積が2000mm
3に達した時、または最終用量後に腫瘍および血漿試料を収集した時のいずれか早い方で試験を終了する。処置を14日間実施する。処置の拡大を行わない場合、最終用量の4時間後(第1群、第2群、第3群、第4群)/0.5時間後(第5群、第6群、第7群、第8群)に試験を終了する。
【表11】
【0193】
(実施例11)
黒色腫のBRAF融合モデル(AGK-BRAF融合)における化合物Aおよびピマセルチブの組合せの前臨床的有効性の評価
雌NOD/SCIDマウスにおける黒色腫がん異種移植モデルME11971(AGK-BRAF融合)の処置における化合物Aおよびピマセルチブの組合せのin vivo治療有効性を使用して前臨床的評価を行う。ストックマウスから腫瘍断片を採取し、マウスへの接種に使用する。腫瘍発達のために各マウスの右側腹部の皮下にME11971モデル腫瘍断片(直径2~3mm)を接種する。
【0194】
表11に、マウス試験パラメータを提示する:合計70匹のマウスを本試験に登録し、群当たり10匹のマウスを含む10の試験群にランダムに割り当てる。平均腫瘍サイズがおよそ150(100~200)mm3に達したらランダム化を開始する。ランダム化は、「Matched distribution」法/「Stratified」法(StudyDirector(商標)software、バージョン3.1.399.19)乱塊法計画に基づいて実施する。ランダム化の日を0日目と指定する。
【0195】
腫瘍接種後、毎日、動物を罹患率および死亡率について確認する。常套的なモニタリングの間、動物を、挙動、例えば、移動性、食物および水分消費、体重増加/減少(体重をランダム化後に週2回測定する)、眼/毛のつやがなくなることならびに任意の他の異常に対する腫瘍成長および処置のあらゆる影響について確認する。死亡率および観察された臨床徴候を個々の動物について詳細に記録する。
【0196】
腫瘍体積をランダム化後に週2回測定する。投薬ならびに腫瘍および体重の測定をLaminar Flow Cabinet内で行う。試験全体を通して全ての動物の体重をモニタリングする。動物の体重が処置1日目の体重と比べて3日間連続して15%を超えて減少した場合または体重が処置1日目の体重と比べて20%を超えて減少した場合、その動物を安楽死させる。
【0197】
体重および腫瘍体積を、StudyDirector(商標)software(バージョン3.1.399.19)を使用することによって測定する。群分けの1日後(1日目)またはランダム化と同日(0日目)に処置を開始する。
【0198】
上記の表に従った10の群のマウスに14日間の期間にわたって投薬を行う。化合物Aに関して選択される2つの用量は12.5mg/kgおよび25mg/kgであり、ピマセルチブに関して選択される用量は10mg/kgである。ビヒクル対照群の平均腫瘍体積が2000mm
3に達した時、または最終用量後に腫瘍および血漿試料を収集した時のいずれか早い方で試験を終了する。処置を14日間実施する。処置の拡大を行わない場合、単一薬剤有効性試験に対してゲーティングされるエンドポイントで試験を終了する。
【表12】
【0199】
本出願の開示を以下の実施形態の一覧においてさらに例示する。実施形態の一覧は、単に例示目的で示すものであり、本開示をいかようにも限定するものではない。
【0200】
追加的な実施形態
実施形態1.がんに罹患している対象を処置する方法であって、対象に、
(i)(R)-2-(1-(6-アミノ-5-クロロピリミジン-4-カルボキサミド)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(化合物A)または薬学的に許容されるその塩;および
(ii)式(I)の構造を有する化合物または薬学的に許容されるその塩であるMEK阻害剤
【化22】
(式中、
R
1、R
2、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13およびR
14は、独立に、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アジド、-OR
3、-NR
4C(O)OR
6、-OC(O)R
3、-NR
4S(O)
jR
6、-S(O)
jNR
3R
4、-S(O)
jNR
4C(O)R
3、-C(O)NR
4S(O)
jR
6、-S(O)
jR
6、-NR
4C(O)R
3、-C(O)NR
3R
4、-NR
5C(O)NR
3R
4、
-NR
5C(NCN)NR
3R
4、-NR
3R
4、C
1~C
10アルキル、C
2~C
10アルケニル、C
2~C
10アルキニル、C
3~C
10シクロアルキル、C
3~C
10シクロアルキルアルキル、-S(O)
j(C
1~C
6アルキル)、-S(O)
j(CR
4R
5)
m-アリール、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、-O(CR
4R
5)
m-アリール、-NR
4(CR
4R
5)
m-アリール、-O(CR
4R
5)
m-ヘテロアリール、-NR
4(CR
4R
5)
m、ヘテロアリール、-O(CR
4R
5)
m-ヘテロシクリル、-NR
4(CR
4R
5)
m-ヘテロシクリルおよび1~5個のフッ素で置換された-S(C
1~C
2アルキル)から選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、独立して置換されているかまたは置換されておらず;
R
3は、水素、トリフルオロメチル、C
1~C
10アルキル、C
2~C
10アルケニル、C
2~C
10アルキニル、C
3~C
10シクロアルキル、C
3~C
10シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、およびアリールから選択され;各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、独立して置換されているかまたは置換されておらず;アリールは、オキソ、ハロゲン、ニトロ、CF
3、CHF
2、CH
2F、OCF
3、OCHF
2、OCH
2F、アジド、NR’SO
2R’’’’、SO
2N’’、C(O)R’、C(O)OR’、OC(0)R’、NR’C(O)OR’’’’、NR’C(O)R’’、C(O)NR’R’’、SR’’’’、S(0)R’’’’、SO
2R’、NR’R’’、NR’C(O)NR’’R’’’、NR’C(NCN)N’’R’’’、OR’、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロシクリルアルキルから独立に選択される1~5個の基で必要に応じて置換され;
R
4は、水素またはC
1~6アルキルから選択され、アルキルは、置換されていても置換されていなくてもよく;または
R
3およびR
4は、それらが付着している原子と一緒になって、それぞれ置換されているかもしくは置換されていない4~10員ヘテロアリールもしくは複素環を形成していてよく;
R
5は、水素またはC
1~C
6アルキルであり、アルキルは置換されていても置換されていなくてもよく;または
R
4およびR
5は、それらが付着している原子と一緒になって、それぞれ置換されているかもしくは置換されていない4~10員炭素環、ヘテロアリールもしくは複素環を形成していてよく;
R
6は、トリフルオロメチル、C
1~C
10アルキル、C
3~C
10シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロシクリルアルキルから選択され、ここで、各アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、独立して置換されているかまたは置換されておらず;
R’、R’’およびR’’’は、独立に、水素、C
1~C
4アルキル、C
2~C
4アルケニル、アリールおよびアリールアルキルから選択され;
R’’’’は、C
1~C
4アルキル、C
2~C
4アルケニル、アリールおよびアリールアルキルから選択され;
Wは、1)それぞれ置換されていないかまたは1~5個の置換基ZR
15によって置換されている、1~4個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールまたは1~4個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル;および2)-C(O)OR
15、-C(O)NR
4R
15、-C(O)NR
4OR
15、-C(O)NR
4S(O)
jR
6、-C(O)NR
4NR
4NR
15、-NR’R’’、-NR’C(O)R’、-NR’S(O)
jR’、-NRC(O)NR’R’’、NR’S(O)
jNR’R’’、または-C(O)NR
4NR
4C(O)R
15から選択されるが、ただし、Wは-C(O)OHではなく;
Zは、結合、NR
16、O、NR
16SO
2またはSであり;
R
15は、水素、トリフルオロメチル、C
1~C
10アルキル、C
2~C
10アルケニル、C
2~C
10アルキニル、C
3~C
10シクロアルキル、C
3~C
10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロシクリルアルキルから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、独立して置換されているかまたは置換されておらず;
R
16は、水素またはC
1~C
10アルキルから選択され;またはR
15およびR
16は、それらが付着している原子と一緒になって、1個または2個の窒素原子を有し、必要に応じて酸素原子を有する4~10員環を形成し、前記環は、置換されているかまたは置換されておらず;
Xは、NまたはN
+O
-であり;
mは、0、1、2、3、4または5であり;
jは、1または2である)
を投与するステップを含み、
化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩およびMEK阻害剤の総量が、がんの処置において治療的に有効なものである、方法。
【0201】
実施形態2.がんに罹患している対象を処置する方法であって、
(a)がんに罹患している対象を同定するステップであって、がんが、RAF変更、RAS変異、NF-1変異、またはMAPK経路を通じたシグナル伝達への依存性をもたらすゲノム変更のうちの1つまたは複数を有する、ステップ;および
(b)対象に、
(i)(R)-2-(1-(6-アミノ-5-クロロピリミジン-4-カルボキサミド)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(化合物A)または薬学的に許容されるその塩;および
(ii)式(I)の構造を有する化合物または薬学的に許容されるその塩であるMEK阻害剤
【化23】
(式中、
R
1、R
2、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13およびR
14は、独立に、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アジド、-OR
3、-NR
4C(O)OR
6、-OC(O)R
3、-NR
4S(O)
jR
6、-S(O)
jNR
3R
4、-S(O)
jNR
4C(O)R
3、-C(O)NR
4S(O)
jR
6、-S(O)
jR
6、-NR
4C(O)R
3、-C(O)NR
3R
4、-NR
5C(O)NR
3R
4、
-NR
5C(NCN)NR
3R
4、-NR
3R
4、C
1~C
10アルキル、C
2~C
10アルケニル、C
2~C
10アルキニル、C
3~C
10シクロアルキル、C
3~C
10シクロアルキルアルキル、-S(O)
j(C
1~C
6アルキル)、-S(O)
j(CR
4R
5)
m-アリール、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、-O(CR
4R
5)
m-アリール、-NR
4(CR
4R
5)
m-アリール、-O(CR
4R
5)
m-ヘテロアリール、-NR
4(CR
4R
5)
m、ヘテロアリール、-O(CR
4R
5)
m-ヘテロシクリル、-NR
4(CR
4R
5)
m-ヘテロシクリルおよび1~5個のフッ素で置換された-S(C
1~C
2アルキル)から選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、独立して置換されているかまたは置換されておらず;
R
3は、水素、トリフルオロメチル、C
1~C
10アルキル、C
2~C
10アルケニル、C
2~C
10アルキニル、C
3~C
10シクロアルキル、C
3~C
10シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、およびアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、独立して置換されているかまたは置換されておらず、アリールは、オキソ、ハロゲン、ニトロ、CF
3、CHF
2、CH
2F、OCF
3、OCHF
2、OCH
2F、アジド、NR’SO
2R’’’’、SO
2N’’、C(O)R’、C(O)OR’、OC(0)R’、NR’C(O)OR’’’’、NR’C(O)R’’、C(O)NR’R’’、SR’’’’、S(0)R’’’’、SO
2R’、NR’R’’、NR’C(O)NR’’R’’’、NR’C(NCN)N’’R’’’、OR’、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロシクリルアルキルから独立に選択される1~5個の基で必要に応じて置換され;
R
4は、水素またはC
1~6アルキルから選択され、アルキルは、置換されていても置換されていなくてもよく;または
R
3およびR
4は、それらが付着している原子と一緒になって、それぞれ置換されているかもしくは置換されていない4~10員ヘテロアリールもしくは複素環を形成していてよく;
R
5は、水素またはC
1~C
6アルキルであり、アルキルは置換されていても置換されていなくてもよく;または
R
4およびR
5は、それらが付着している原子と一緒になって、それぞれ置換されているかもしくは置換されていない4~10員炭素環、ヘテロアリールもしくは複素環を形成していてよく;
R
6は、トリフルオロメチル、C
1~C
10アルキル、C
3~C
10シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロシクリルアルキルから選択され、ここで、各アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、独立して置換されているかまたは置換されておらず;
R’、R’’およびR’’’は、独立に、水素、C
1~C
4アルキル、C
2~C
4アルケニル、アリールおよびアリールアルキルから選択され;
R’’’’は、C
1~C
4アルキル、C
2~C
4アルケニル、アリールおよびアリールアルキルから選択され;
Wは、1)それぞれ置換されていないかまたは1~5個の置換基ZR
15によって置換されている、1~4個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールまたは1~4個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル;および2)-C(O)OR
15、-C(O)NR
4R
15、-C(O)NR
4OR
15、-C(O)NR
4S(O)
jR
6、-C(O)NR
4NR
4NR
15、-NR’R’’、-NR’C(O)R’、-NR’S(O)
jR’、-NRC(O)NR’R’’、NR’S(O)
jNR’R’’、または-C(O)NR
4NR
4C(O)R
15から選択されるが、ただし、Wは-C(O)OHではなく;
Zは、結合、NR
16、O、NR
16SO
2またはSであり;
R
15は、水素、トリフルオロメチル、C
1~C
10アルキル、C
2~C
10アルケニル、C
2~C
10アルキニル、C
3~C
10シクロアルキル、C
3~C
10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロシクリルアルキルから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、独立して置換されているかまたは置換されておらず;
R
16は、水素またはC
1~C
10アルキルから選択され;またはR
15およびR
16は、それらが付着している原子と一緒になって、1個または2個の窒素原子を有し、必要に応じて酸素原子を有する4~10員環を形成し、前記環は、置換されているかまたは置換されておらず;
Xは、NまたはN
+O
-であり;
mは、0、1、2、3、4または5であり;
jは、1または2である)
を投与するステップを含み、
化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩およびMEK阻害剤の総量が、がんの処置において治療的に有効なものである、方法。
【0202】
実施形態3.がんに罹患している対象を処置する方法であって、対象に、
(i)(R)-2-(1-(6-アミノ-5-クロロピリミジン-4-カルボキサミド)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(化合物A)または薬学的に許容されるその塩;および
(ii)コビメチニブ、セルメチニブ、ピマセルチブ、PD0325901、レファメチニブ、ビニメチニブ、BI-847325、トラメチニブ、GDC-0623、G-573、およびCH5126766から選択されるMEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩
を投与するステップを含み、
化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩およびMEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩の総量が、がんの処置において治療的に有効なものである、方法。
【0203】
実施形態4.がんが、以下の変異:RAS陽性変異、RAF陽性変異、MEK陽性変異、およびERK陽性変異のうちの1つまたは複数を有する、前述の実施形態のいずれかの方法。
【0204】
実施形態5.がんが、NRAS変異、KRAS変異、またはHRAS変異を有する、前述の実施形態1から4までのいずれかの方法。
【0205】
実施形態6.がんが、BRAF変異、BRAF融合、またはCRAF融合を有する、前述の実施形態1から4までのいずれかの方法。
【0206】
実施形態7.BRAF変異が、非V600 BRAF変異である、実施形態6の方法。
【0207】
実施形態8.非V600 BRAF変異が、V600E、G469A、G464V、G466V、K601E、G469R、およびL597Rから選択される、実施形態7の方法。
【0208】
実施形態9.非V600 BRAF変異が、V600E、G464A、G464V、K601E、およびG469Rから選択される、実施形態8の方法。
【0209】
実施形態10.非V600 BRAF変異が、G464V、K601E、G469A、およびG466Vから選択される、実施形態9の方法。
【0210】
実施形態11.RAS変異が、KRAS変異である、実施形態5の方法。
【0211】
実施形態12.KRAS変異が、KRAS G12C、KRAS G12V、KRAS G12D、KRAS Q61K、KRAS Q61H、KRAS G13D、およびKRAS G12Sから選択される、実施形態11の方法。
【0212】
実施形態13.KRAS変異が、KRAS G12C、KRAS G12D、KRAS G13D、およびKRAS G12Sから選択される、前述の実施形態11または12のいずれかの方法。
【0213】
実施形態14.BRAF変異が、V600 BRAF変異である、実施形態6の方法。
【0214】
実施形態15.がんが、MAPK経路を通じたシグナル伝達への依存性をもたらすゲノム変更を有する、前述の実施形態1から8までのいずれかの方法。
【0215】
実施形態16.がんが、NF-1機能喪失をもたらすNF-1の変異を有する、前述の実施形態1から3までのいずれかの方法。
【0216】
実施形態17.がん試料が、対象から取得したものである、前述の実施形態1から3までのいずれかの方法。
【0217】
実施形態18.化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩またはMEK阻害剤を投与するステップの前に、対象のがん試料がBRAF、KRAS、CRAF、HRAS、NF-1および/またはNRAS変異試験に供されている、実施形態17の方法。
【0218】
実施形態19.化合物Aまたは薬学的に許容されるその塩またはMEK阻害剤を投与するステップの前に、対象のがん試料がゲノム検査に供されており、ゲノム検査が、ゲノム変更によりMPAKシグナル伝達への依存性が創出されることを実証するものである、実施形態18の方法。
【0219】
実施形態20.対象が、組織学的に確認された非血液腫瘍を有すると診断されている、前述の実施形態17から19までのいずれかの方法。
【0220】
実施形態21.対象が、組織学的に確認された血液腫瘍を有すると診断されている、前述の実施形態17から19までのいずれかの方法。
【0221】
実施形態22.がんが、RAS変異を有する、前述の実施形態18から21までのいずれかの方法。
【0222】
実施形態23.RAS変異が、HRAS変異、KRAS、またはNRAS変異である、前述の実施形態18から22までのいずれかの方法。
【0223】
実施形態24.がんが、NF-1機能喪失をもたらすNF-1の変異を有する、前述の実施形態18から21までのいずれかの方法。
【0224】
実施形態25.がんが、RAF変更を有する、前述の実施形態18から21までのいずれかの方法。
【0225】
実施形態26.RAF変更が、BRAF変異、BRAF融合、またはCRAF融合である、実施形態25の方法。
【0226】
実施形態27.がんが、非V600 BRAF変異を有する、実施形態26の方法。
【0227】
実施形態28.対象が、V600E、G469A、G464V、G466V、K601E、G469R、およびL597Rから選択される非V600 BRAF変異を有すると同定されている、実施形態27の方法。
【0228】
実施形態29.対象が、V600E、G464A、G464V、K601E、およびG469Rから選択される非V600 BRAF変異を有すると同定されている、実施形態28の方法。
【0229】
実施形態30.対象が、G464V、K601E、G469A、およびG466Vから選択される非V600 BRAF変異を有すると同定されている、実施形態29の方法。
【0230】
実施形態31.対象が、KRAS変異を有すると同定されている、実施形態23の方法。
【0231】
実施形態32.対象が、KRAS G12C、KRAS G12V、KRAS G12D、KRAS Q61K、KRAS Q61H、KRAS G13D、およびKRAS G12Sから選択されるKRAS変異を有すると同定されている、実施形態31の方法。
【0232】
実施形態33.対象が、KRAS G12C、KRAS G12D、KRAS G13D、およびKRAS G12Sから選択されるKRAS変異を有すると同定されている、前述の実施形態31または32のいずれかの方法。
【0233】
実施形態34.対象が、クラスI BRAF変異またはクラスII BRAF変異を有する、前述の実施形態1から21までのいずれかの方法。
【0234】
実施形態35.対象が、V600E変異、V600K変異、またはそれらの両方を欠く、前述の実施形態1から21までのいずれかの方法。
【0235】
実施形態36.対象が、以下の融合:KIAA1549:BRAF、STARD3NL:BRAF、BCAS1:BRAF、KHDRBS2:BRAF、CCDC6:BRAF、FAM131B:BRAF、SRGAP:BRAF、CLCN6:BRAF、GNAI1:BRAF、MRKN1:BRAF、GIT2:BRAF、GTF21:BRAF、FXR1:BRAF、RNF130:BRAF、BRAF:MACF1、TMEM106B:BRAF、PPC1CC:BRAF、CUX1:BRAF、AGK:BRAF、AGAP3:BRAF、TNS3:BRAF、TARDBP:BRAF、ARMC10:BRAF、CUL1:BRAF、TRIM24:BRAF、AKAP9:BRAF、FKBP15:BRAF、SKAP2:BRAF、ZKSCAN1:BRAF、KLHL7:BRAF、SEPT3:BRAF、SRGAP3:RAF1、QK1:RAF1、FYCO:RAF1、ATG7:RAF1、またはNFIA:RAF1のうちの1つまたは複数を有すると同定されている、前述の実施形態6または26のいずれかの方法。
【0236】
実施形態37.対象が、以下の融合:AGK:BRAF、AGAP3:BRAF、TNS3:BRAF、またはKIAA1549:BRAFのうちの1つまたは複数を有すると同定されている、実施形態36の方法。
【0237】
実施形態38.対象が、KIAA1549:BRAF融合を有すると同定されている、前述の実施形態36または37のいずれかの方法。
【0238】
実施形態39.対象が、AGAP3:BRAF融合を有すると同定されている、前述の実施形態36または37のいずれかの方法。
【0239】
【0240】
実施形態40.がんが、固形腫瘍である、前述の実施形態1から39までのいずれかの方法。
【0241】
実施形態41.がんが、進行固形腫瘍である、実施形態40の方法。
【0242】
実施形態42.がんが、肺がん、結腸直腸がん、膵がん、皮膚がん、神経膠腫、非神経膠腫脳がん、骨肉腫、胃腸がん、乳がん、甲状腺がん、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia)(AML)、および多発性骨髄腫(MM)から選択される、前述の実施形態1から41までのいずれかの方法。
【0243】
実施形態43.がんが、肺がん、結腸直腸がんまたは膵がんである、前述の実施形態1から41までのいずれかの方法。
【0244】
実施形態44.がんが、非小細胞肺がんである、前述の実施形態1から41までのいずれかの方法。
【0245】
実施形態45.がんが、再発性がんである、前述の実施形態1から44までのいずれかの方法。
【0246】
実施形態46.対象が、化合物Aもしくは薬学的に許容されるその塩またはMEK阻害剤の投与前に、少なくとも1種の、標準治療とみなされる前の治療を受けたことがある、前述の実施形態1から45までのいずれかの方法。
【0247】
実施形態47.前の治療が、全身治療である、実施形態46の方法。
【0248】
実施形態48.前の治療が、化学療法、ホルモン療法、免疫療法、または放射線療法である、実施形態46の方法。
【0249】
実施形態49.MEK阻害剤が、N-((S)-2,3-ジヒドロキシ-プロピル)-3-(2-フルオロ-4-ヨード-フェニルアミノ)-イソニコチンアミド(ピマセルチブ)または薬学的に許容されるその塩である、前述の実施形態1から48までのいずれかの方法。
【0250】
実施形態50.MEK阻害剤が、式(Ia)
【化24】
(式中、
R
2、R
12、R
10、およびR
11は、独立に、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アジド、-OR
3、-NR
4C(O)OR
6、-OC(O)R
3、-NR
4S(O)
jR
6、-S(O)
jNR
3R
4、-S(O)
jNR
4C(O)R
3、-C(O)NR
4S(O)
jR
6、-S(O)
jR
6、-NR
4C(O)R
3、-C(O)NR
3R
4、-NR
5C(O)NR
3R
4、
-NR
5C(NCN)NR
3R
4、-NR
3R
4、C
1~C
10アルキル、C
2~C
10アルケニル、C
2~C
10アルキニル、C
3~C
10シクロアルキル、C
3~C
10シクロアルキルアルキル、-S(O)
j(C
1~C
6アルキル)、-S(O)
j(CR
4R
5)
m-アリール、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、-O(CR
4R
5)
m-アリール、-NR
4(CR
4R
5)
m-アリール、-O(CR
4R
5)
m-ヘテロアリール、-NR
4(CR
4R
5)
m、ヘテロアリール、-O(CR
4R
5)
m-ヘテロシクリル、-NR
4(CR
4R
5)
m-ヘテロシクリルおよび1~5個のフッ素で置換された-S(C
1~C
2アルキル)から選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、独立して置換されているかまたは置換されておらず;
R
3は、水素、トリフルオロメチル、C
1~C
10アルキル、C
2~C
10アルケニル、C
2~C
10アルキニル、C
3~C
10シクロアルキル、C
3~C
10シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、およびアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、独立して置換されているかまたは置換されておらず;アリールは、オキソ、ハロゲン、ニトロ、CF
3、CHF
2、CH
2F、OCF
3、OCHF
2、OCH
2F、アジド、NR’SO
2R’’’’、SO
2N’’、C(O)R’、C(O)OR’、OC(0)R’、NR’C(O)OR’’’’、NR’C(O)R’’、C(O)NR’R’’、SR’’’’、S(0)R’’’’、SO
2R’、NR’R’’、NR’C(O)NR’’R’’’、NR’C(NCN)N’’R’’’、OR’、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロシクリルアルキルから独立に選択される1~5個の基で必要に応じて置換され;
R
4は、水素またはC
1~6アルキルから選択され、アルキルは、置換されていても置換されていなくてもよく;または
R
3およびR
4は、それらが付着している原子と一緒になって、それぞれ置換されているかもしくは置換されていない4~10員ヘテロアリールもしくは複素環を形成していてよく;
R
5は、水素またはC
1~C
6アルキルであり、アルキルは置換されていても置換されていなくてもよく;または
R
4およびR
5は、それらが付着している原子と一緒になって、それぞれ置換されているかもしくは置換されていない4~10員炭素環、ヘテロアリールもしくは複素環を形成していてよく;
R
6は、トリフルオロメチル、C
1~C
10アルキル、C
3~C
10シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロシクリルアルキルから選択され、ここで、各アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、独立して置換されているかまたは置換されておらず;
R’’、R’’およびR’’’は、独立に、水素、C
1~C
4アルキル、C
2~C
4アルケニル、アリールおよびアリールアルキルから選択され;
R’’’’は、C
1~C
4アルキル、C
2~C
4アルケニル、アリールおよびアリールアルキルから選択され;
mは、0、1、2、3、4または5であり;
jは、1または2である)
の構造を有する化合物または薬学的に許容されるその塩である、前述の実施形態1から48までのいずれかの方法。
【0251】
実施形態51.MEK阻害剤が、
【化25】
または薬学的に許容されるその塩である、実施形態50の方法。
【0252】
実施形態52.MEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩が、
【化26】
から選択される、前述の実施形態1から48までのいずれかの方法。
【0253】
実施形態53.MEK阻害剤または薬学的に許容されるその塩が、
【化27】
から選択される、前述の実施形態1から48まで、または52のいずれかの方法。
【0254】
実施形態54.化合物Aが、1週間当たり約100mgから約700mgの間の量で投与される、前述の実施形態1から53までのいずれかの方法。
【0255】
実施形態55.化合物Aが、1週間当たり約200mg、約400mg、または600mgで投与される、実施形態54の方法。
【0256】
実施形態56.化合物Aが、1週間当たり約100mg/m2から約500mg/m2の間の量で投与される、前述の実施形態1から53までのいずれかの方法。
【0257】
実施形態57.化合物Aが、1週間当たり約140mg/m2、約280mg/m2、または約420mg/m2で投与される、実施形態56の方法。
【0258】
実施形態58.化合物Aが、週1回投与される、前述の実施形態1から57までのいずれかの方法。
【0259】
実施形態59.MEK阻害剤が、1日当たり約10mgから約150mgの間の量で投与される、前述の実施形態1から58までのいずれかの方法。
【0260】
実施形態60.MEK阻害剤が、1日2回、約5mgから約75mgの間の量で投与される、前述の実施形態1から58までのいずれかの方法。
【0261】
実施形態61.MEK阻害剤が、1日2回、約15mg、約30mg、約45mg、または約60mgで投与される、実施形態60の方法。
【0262】
実施形態62.対象が、汎RAF治療の施行を以前に受けていない、前述の実施形態1から61までのいずれかの方法。
【0263】
実施形態63.対象が、シトクロムP450 CYP3A4阻害剤、シトクロムP450 CYP2C19阻害剤、P450 CYP3A4誘導因子、またはCYP2C9の基質の投与を以前に受けていない、前述の実施形態1から62までのいずれかの方法。
【国際調査報告】