(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】電磁界感知装置
(51)【国際特許分類】
G01R 29/08 20060101AFI20240208BHJP
H05H 1/46 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
G01R29/08 F
H05H1/46 R
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550049
(86)(22)【出願日】2022-02-17
(85)【翻訳文提出日】2023-10-06
(86)【国際出願番号】 US2022016803
(87)【国際公開番号】W WO2022178131
(87)【国際公開日】2022-08-25
(32)【優先日】2021-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520190366
【氏名又は名称】コメット テクノロジーズ ユーエスエー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ティグラン ポゴシャン
(72)【発明者】
【氏名】アントニー オリベティ
(72)【発明者】
【氏名】カークウッド ジェイ.ロウ
【テーマコード(参考)】
2G084
【Fターム(参考)】
2G084CC04
2G084CC12
2G084CC13
2G084CC16
2G084DD55
2G084HH23
2G084HH24
2G084HH43
(57)【要約】
電磁界センサが、内部と貫通する開口部を含むハウジングと、第1の内部空間を有する第1の区分及び第2の内部空間を有する第2の区分を含む誘電体素子であって、誘電体素子はハウジングの開口部内に受容される、誘電体素子と、誘電体素子の第1の内部空間及び第2の内部空間の内部に配置され、第1の内部空間及び第2の内部空間に近接する導体であって、導体は、第1の錐台形状を形成する第1の部分と、第2の錐台形状を形成する第2の部分とを含み、第1の内部空間は、導体の第1の部分を受容し、第2の内部空間は、導体の第2の部分を受容する、導体と、を備え得る。プラズマ発生システムの整合ネットワーク又は他の用途に使用される電磁界センサ。
【選択図】
図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁界センサであって、
内部を貫通する開口部を備えるハウジングと、
第1の内部空間を有する第1の区分と、第2の内部空間を有する第2の区分と、を備える誘電体素子であって、前記誘電体素子は、前記ハウジングの前記開口部内に位置決めされる、誘電体素子と、
前記誘電体素子の前記第1の内部空間及び前記第2の内部空間の内部に配置され、前記第1の内部空間及び前記第2の内部空間に近接する導体であって、前記導体は、第1の錐台形状を形成する第1の部分と、第2の錐台形状を形成する第2の部分とを備え、前記第1の内部空間は、前記導体の前記第1の部分を受容し、前記第2の内部空間は、前記導体の前記第2の部分を受容する、導体と、を具備する、電磁界センサ。
【請求項2】
前記ハウジングは、上部と下部とを含み、前記上部は第1の開口部を含み、前記下部は第2の開口部を含み、前記第1の開口部と前記第2の開口部とは共に前記ハウジングを貫通する開口部を形成し、
前記誘電体素子の前記第1の区分は、前記第1の内部空間を形成する第1のくり抜き部分を有する第1の錐体の第3の錐台形状を形成し、前記第1の区分は前記第1の開口部内に位置決めされ、
前記誘電体素子の前記第2の区分は、前記第2の内部空間を形成する第2のくり抜き部分を有する第2の錐体の第4の錐台形状を形成し、前記第2の区分は前記第2の開口部内に位置決めされ、
前記第1の区分の前記第3の錐台形状は、前記第1の内部空間内に前記第1の錐台形状の外面を受容し、
前記第2の区分の前記第4の錐台形状は、前記第2の内部空間内に前記第2の錐台形状の外面を受容し、
前記第1の区分は、前記第1の錐台形状の大径が前記第2の錐台形状の大径に隣接して位置決めされ、前記導体が実質的に前記第1のくり抜き部分及び前記第2のくり抜き部分の内部にて前記第1の区分と前記第2の区分との間に実質的に収容されるように、前記第2の区分とはy軸に関して逆に位置決めされる、請求項1に記載の電磁界センサ。
【請求項3】
前記導体は、前記誘電体素子の前記第1の区分の前記第1の内部空間内に摩擦嵌めされる、請求項1に記載の電磁界センサ。
【請求項4】
前記誘電体素子の前記第2の区分は、前記誘電体素子の前記第1の区分内に前記導体を維持する、請求項3に記載の電磁界センサ。
【請求項5】
前記導体の前記第2の錐台形状は、傾斜長さであって、前記傾斜長さに沿った外面に関連付けられた傾斜長さを含み、前記外面は、前記誘電体素子の前記第1の区分に対する前記導体の相対運動が抑制されるように、前記第2の内部空間に対して位置決めされる、請求項4に記載の電磁界センサ。
【請求項6】
前記ハウジングの前記上部に関連付けられた第1の導電板であって、前記第1の導電板は、電気及び磁気結合器のための第1のピックアップ構造を提供する、第1の導電板と、
前記ハウジングの前記下部に関連付けられた第2の導電板であって、前記第2の導電板は、前記電気及び磁気結合器のための第2のピックアップ構造を提供する、第2の導電板と、をさらに具備する、請求項2に記載の電磁界センサ。
【請求項7】
前記第1の導電板は、前記第1の開口部に関連付けられた第1のリングを形成し、第2の導電板は、前記第2の開口部に関連付けられた第2のリングを形成する、請求項6に記載の電磁界センサ。
【請求項8】
前記導体は、前記第1のリング及び前記第2のリングの内側に位置するように、前記第1の導電板の前記第1の開口部及び前記第2の導電板の前記第2の開口部の内部に受容される、請求項7に記載の電磁界センサ。
【請求項9】
前記第1の錐台形状は、第1の平坦面に対して第1の小径を有し、第2の平坦面に対して第1の大径を有し、前記第1の平坦面と前記第2の平坦面との間の前記第1の錐台形状の外面に沿った距離が第1の傾斜長さを規定し、
前記第2の錐台形状は、第3の平坦面に対して第3の小径を有し、第4の平坦面に対して第2の大径を有し、前記第3の平坦面と前記第4の平坦面との間の前記第2の錐台形状の外面に沿った距離が第2の傾斜長さを規定する、請求項1に記載の電磁界センサ。
【請求項10】
前記第1の傾斜長さは、前記第2の傾斜長さよりも大きい、請求項9に記載の電磁界センサ。
【請求項11】
前記第1の大径は前記第2の大径と等しい、請求項9に記載の電磁界センサ。
【請求項12】
前記第1の大径は前記第2の大径よりも大きいか、前記第2の大径は前記第1の大径よりも大きい、請求項9に記載の電磁界センサ。
【請求項13】
前記第1の錐台形状は、前記導体の全垂直高さの50%を超える垂直高さを形成する、請求項1に記載の電磁界センサ。
【請求項14】
前記第1の錐台形状は、第1の平坦面に対して第1の小径を有し、第2の平坦面に対して第1の大径を有し、前記第1の平坦面と前記第2の平坦面との間の前記第1の錐台形状の先細外面に沿った距離が、第1の傾斜長さを規定し、前記先細外面は、前記第1の傾斜長さに沿って複数の段を備え、
前記第2の錐台形状は、第3の平坦面に対して第3の小径を有し、第4の平坦面に対して第2の大径を有し、前記第3の平坦面と前記第4の平坦面との間の前記第2の錐台形状の外面に沿った距離が第2の傾斜長さを規定する、請求項1に記載の電磁界センサ。
【請求項15】
前記第1の錐台形状は、第1の平坦面に対して第1の小径を有し、第2の平坦面に対して第1の大径を有し、前記第1の平坦面と前記第2の平坦面との間の前記第1の錐台形状の外面に沿った距離が第1の傾斜長さを規定し、
前記第2の錐台形状は、第3の平坦面に対して第3の小径を有し、第4の平坦面に対して第2の大径を有し、前記第3の平坦面と前記第4の平坦面との間の前記第2の錐台形状の先細外面に沿った距離が第2の傾斜長さを規定し、前記先細外面は、前記第2の傾斜長さに沿って複数の段を備える、請求項1に記載の電磁界センサ。
【請求項16】
前記電磁界センサに作用する半径方向及び軸方向の力により、前記電磁界センサの内部構成要素の摩擦嵌合の緊密さが増大する、請求項1に記載の電磁界センサ。
【請求項17】
整合ネットワークであって、
第1の可変コンデンサと第2の可変コンデンサとを有する整合分岐と、
前記第1の可変コンデンサ及び前記第2の可変コンデンサに電気的に接続された第3の可変コンデンサ及び第4の可変コンデンサを有するスプリッタ分岐と、
前記第3の可変コンデンサに接続された外側コイルと、
前記第4の可変コンデンサに接続された内側コイルと、
電磁界センサであって、
内部を貫通する開口部を備えるハウジングと、
第1の内部空間を有する第1の区分と、第2の内部空間を有する第2の区分とを含む誘電体素子であって、前記誘電体素子は前記ハウジングの前記開口部内に位置決めされる、誘電体素子と、
前記誘電体素子の前記第1の内部空間及び前記第2の内部空間の内部に配置され、前記第1の内部空間及び前記第2の内部空間に近接する導体であって、前記導体は、第1の錐台形状を形成する第1の部分と、第2の錐台形状を形成する第2の部分とを含み、前記第1の内部空間は前記導体の前記第1の部分を受容し、前記第2の内部空間は前記導体の前記第2の部分を受容する、導体と、を具備する、電磁界センサと、を具備する、整合ネットワーク。
【請求項18】
前記ハウジングは、上部と下部とを含み、前記上部は第1の開口部を含み、前記下部は第2の開口部を含み、前記第1の開口部と前記第2の開口部とは共に前記ハウジングを貫通する開口部を形成し、
前記誘電体素子の前記第1の区分は、前記第1の内部空間を形成する第1のくり抜き部分を有する第1の錐体の第3の錐台形状を形成し、前記第1の区分は前記第1の開口部内に位置決めされ、
前記誘電体素子の前記第2の区分は、前記第2の内部空間を形成する第2のくり抜き部分を有する第2の錐体の第4の錐台形状を形成し、前記第2の区分は前記第2の開口部内に位置決めされ、
前記第1の区分の前記第3の錐台形状は、前記第1の内部空間内に前記第1の錐台形状の外面を受容し、
前記第2の区分の前記第4の錐台形状は、前記第2の内部空間内に前記第2の錐台形状の外面を受容し、
前記第1の区分は、前記第1の錐台形状の大径が前記第2の錐台形状の大径に隣接して位置決めされ、前記導体が実質的に前記第1のくり抜き部分及び前記第2のくり抜き部分の内部にて前記第1の区分と前記第2の区分との間に実質的に収容されるように、前記第2の区分とはy軸に関して逆に位置決めされる、請求項17に記載の整合ネットワーク。
【請求項19】
高周波プラズマ処理装置であって、
反応チャンバと、
前記反応チャンバ内のプラズマに高周波電力を供給する高周波発生器と、
整合ネットワークであって、
第1の可変コンデンサと第2の可変コンデンサとを有する整合分岐と、
前記第1の可変コンデンサ及び前記第2の可変コンデンサに電気的に接続された第3の可変コンデンサ及び第4の可変コンデンサを有するスプリッタ分岐と、を具備する、整合ネットワークと、
前記第3の可変コンデンサに接続された外側コイルと、
前記第4の可変コンデンサに接続された内側コイルと、
電磁界センサであって、
内部を貫通する開口部を備えるハウジングと、
第1の内部空間を有する第1の区分と、第2の内部空間を有する第2の区分とを含む誘電体素子であって、前記誘電体素子は、前記ハウジングの前記開口部内に位置決めされる、誘電体素子と、
前記誘電体素子の前記第1の内部空間及び前記第2の内部空間の内部に配置され、前記第1の内部空間及び前記第2の内部空間に近接する導体であって、前記導体は、第1の錐台形状を形成する第1の部分と、第2の錐台形状を形成する第2の部分とを含み、前記第1の内部空間は、前記導体の前記第1の部分を受容し、前記第2の内部空間は、前記導体の前記第2の部分を受容する、導体と、を具備する、電磁界センサと、を具備する、高周波プラズマ処理装置。
【請求項20】
前記ハウジングは、上部と下部とを含み、前記上部は第1の開口部を含み、前記下部は第2の開口部を含み、前記第1の開口部と前記第2の開口部とは共に前記ハウジングを貫通する開口部を形成し、
前記誘電体素子の前記第1の区分は、前記第1の内部空間を形成する第1のくり抜き部分を有する第1の錐体の第3の錐台形状を形成し、前記第1の区分は前記第1の開口部内に位置決めされ、
前記誘電体素子の前記第2の区分は、前記第2の内部空間を形成する第2のくり抜き部分を有す
る第2の錐体の第4の錐台形状を形成し、前記第2の区分は前記第2の開口部内に位置決めされ、
前記第1の区分の前記第3の錐台形状は、前記第1の内部空間内に前記第1の錐台形状の外面を受容し、
前記第2の区分の前記第4の錐台形状は、前記第2の内部空間内に前記第2の錐台形状の外面を受容し、
前記第1の区分は、前記第1の錐台形状の大径が前記第2の錐台形状の大径に隣接して位置決めされ、前記導体が実質的に前記第1のくり抜き部分及び前記第2のくり抜き部分の内部にて前記第1の区分と前記第2の区分との間に実質的に収容されるように、前記第2の区分とはy軸に関して逆に位置決めされる、請求項19に記載の高周波プラズマ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2021年2月22日に出願された米国仮特許出願63/151,896号と、2022年2月16日に出願された米国非仮特許出願第17/673,536号に対する優先権を主張する。この2つの出願の内容は、参照することにより、その全体が本明細書に組み込まれる。優先権を含む、あらゆる利用可能な権利を主張する。
【背景技術】
【0002】
PEARSONコイルなどの電流センサを含む電磁界(EMF)センサが当技術分野で周知である。
図1~
図2Bに示すように、電圧、電流及びインピーダンスのセンサSが、ある長さの同軸ケーブルを受容するための中心孔32を有するハウジング30を備える場合がある。同軸ケーブルは、中心導体Aと、中心導体Aの内部に配置された円筒形絶縁体層Bと、を備える。円筒形絶縁体層Bは、例えば、PTFE、セラミックなどを含み得る誘電材料から形成される場合がある。凹部34及び36内には、容量性プレート及び/又は磁気ループを備える(図示しない)電圧/電流感知回路基板が取り付けられている。このような回路基板は、中心導体Aの両側に平行に配置され、中心導体Aの電気的特性を感知するように機能する。
【0003】
従来のEMFセンサには、センサSの精度を確保するために正確な組み立てと継続的なメンテナンスが必要である。円筒形絶縁体層Bに対する中心導体Aの位置ずれにより、センサの結合係数及び特性インピーダンスと、同軸構造の内部導体と外部導体の同心度が変化することがあり得るため、調整及びメンテナンスが重要である。例えば、幾何学的配置のエアポケット又は他の欠陥が、センサの実効結合係数及び特性インピーダンスの変化を引き起こすであろう。位置がずれているEMFセンサの読み取り値は、適切に位置が較正されたEMFセンサとは異なるであろう。この例では、空気が誘電体又は絶縁体であるため、結合係数と特性インピーダンスが較正されたものと同じではない場合、そのようなセンサの較正がもはや正確なものではないと思われることから、中心導体Aと外部導体との間の分離(又は影響を受ける誘電率又は同心度の任意の変化)により、読み取り値が不適切なものとなる可能性がある。
【0004】
適切に組み立てられていても、時間の経過とともに、温度変化をはじめとする負荷又はストレッサによって生じ、中心導体Aに及ぼされる可能性のある力(例えば、軸方向の力及び半径方向の力)により、中心導体Aが絶縁体層Bに対して相対的に移動することになるであろう。絶縁体層Bに対する中心導体Aのこの相対移動により、結合係数及び特性インピーダンスが変化する可能性がある。この例では、中心導体Aと絶縁体層Bとの間のエアポケットによって、中心導体Aの絶縁体層Bからの離間が生じる可能性がある。応力が大きい場合は、かなりの空隙が発生するほか、アーク放電が発生して、センサ自体又は近くの機器に損傷を与えることがあり得る。
【0005】
このため、中心導体Aと絶縁体層Bとの間に間隙が生じない(あるいは時間の経過とともに間隙が大きくなることを許容しない)、結合係数及び特性インピーダンスが変化しない(あるいは時間の経過とともに変化が大きくなることを許容しない)であろう、誤差が発生しにくい組み立てを容易にする改良された設計が引き続き必要とされている。本開示は、上述の問題に対する解決策を提供し、加えられた力(例えば、軸方向の力及び半径方向の力)が実際に中心導体Aと絶縁体層Bとの間の嵌合の緊密さが増大し得る実施形態を提供する。
【0006】
背景技術は本発明の理解を助けるために提供されるものであり、背景技術の部分のいかなる内容も、本明細書に記載の発明に関連して従来技術を受け入れるものとして解釈されないことを理解されたい。
【発明の概要】
【0007】
一実施形態では、電磁界センサが、内部を貫通する開口部を備えるハウジングと、第1の内部空間を有する第1の区分及び第2の内部空間を有する第2の区分を備える誘電体素子であって、ハウジングの開口部内に位置決めされる誘電体素子と、誘電体素子の第1の内部空間及び第2の内部空間の内部に配置され、第1の内部空間及び前記第2の内部空間に近接する導体と、を備える場合がある。導体は、第1の錐台形状を形成する第1の部分と、第2の錐台形状を形成する第2の部分とを備え、第1の内部空間は、導体の第1の部分を受容し、第2の内部空間は、導体の第2の部分を受容する。
【0008】
本開示のこれまでに挙げた態様をはじめとする態様について、添付の図面を参照して以下でさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、従来技術によるEMFセンサの分解断面図である。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【
図6】
図6は、本開示のセンサを含むアセンブリの分解図を示す。
【0018】
【0019】
【
図8】
図8は、本開示の実施形態による整合ネットワークの概略図である。
【0020】
【
図9】
図9は、本開示の実施形態によるプラズマ処理装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示のさまざまな実施形態及び態様について、添付の図面を参照して説明する。以下の説明及び図面は、本開示を例示するものであり、本開示を限定するものとして解釈されるべきではない。本開示のさまざまな実施形態の完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細を説明する。しかし、特定の状況では、本開示の実施形態の簡潔な考察を提供するために、周知の詳細又は従来の詳細を説明することはない。図面を提供する際の標準的なことであるが、図面は必ずしも相互に対して一定の縮尺ではなく、異なる図面でも類似の要素には同一の参照番号が付与されている。
【0022】
図3A~
図5Bは、電磁界センサ100のさまざまな斜視図、断面図及び分解断面図を示す。センサ100を、例えば、高周波(RF)を含む任意の電磁界に使用してもよい。センサ100は、整合ネットワーク(
図8を参照して以下で考察する一例)で使用され得るか、RF発生器のコントローラに接続され得る電磁界感知装置である。例えば、センサ100は、整合ネットワーク(
図8を参照)にRF電力を供給する(図示しない)RF電力発生器に電気的に結合されてもよい。(図示しない)コントローラを、RF電力発生器を制御するように構成することができる。センサ100は、コントローラとRF電力発生器との間に接続することができる。
【0023】
ここで
図4A~
図4Bを参照すると、センサ100が組み立てられるとき、センサ100の一部を、センサ100の構成要素の組み立て中に共に結合される複数の区分を含むハウジング内に構成してもよい。一対の電気結合器と磁気結合器、EM結合器(プリント回路基板「PCB」の形態であるか、他の方法で構築される可能性もあるピックアップ構造)を、センサ100の機能層として固定してもよい。次に、EM結合器(この例では、上部結合器はリング108を形成する導電板であり、下部結合器はリング110を形成する導電板である(
図5A~
図5Bも参照))はそれぞれ、電気入力に電気的に結合されてもよい。電気入力は、整合ネットワークの(図示しない)電源に結合されてもよい(
図8を参照)。完全に組み立てられた状態では、第1の誘電体116Aと第2の誘電体116Bは、互いに結合されて、単一の誘電体素子の第1及び第2の区分をそれぞれ形成してもよい。単一の誘電体素子は、ハウジング及びその中の他の構成要素によって形成される内部空間内で固定され、移動することが防止される。
【0024】
中心導体114は、垂直に延びる軸y130に沿って配置されてもよい。
図5Aに示すように、軸y130は、第1のハウジング区分102内に形成された孔102a、中間ハウジング区分104内に形成された孔104a及び第2のハウジング区分106内に形成された孔106aを通って延びる。孔102a、104a及び106aのそれぞれの中心は、垂直に延びる軸y130に沿って位置合わせされる。このため、第1、中間及び第2のハウジング区分(それぞれ102、104及び106)を含む3つの層状ハウジング区分が存在する。
【0025】
図5Aに示すように、中心導体114が、第1の誘電体116A及び第2の誘電体116Bそれぞれの内部空間115A及び115Bを形成する表面に密着して配置されように、中心導体114の第1の部分114Aを、第1の誘電体116Aの内部空間115A内に受容してもよく、中心導体114の第2の部分114Bを、第2の誘電体116Bの内部空間115B内に受容してもよい。中心導体114の第1の部分114Aは、第1の誘電体116Aの内部空間115A内に摩擦篏合されてもよい。さらに、内部空間115Bは、表面717E及び717F(
図7を参照)に対応する中心導体114の表面と係合して、中心導体114を第2の誘電体116Bの内部空間115B内に維持してもよい。
【0026】
センサ100の組み立て方法を、
図5A~
図5Bを参照して説明する。
図5Bの分解図を参照すると、リング110が第2の区分106に取り付けられている。リング110は、Y軸130に直交する断面の法線ベクトルを有するワイヤのループを含む磁場ピックアップ構造であってもよい。次に、凹状区分を有するリング108を第1の区分102内に取り付ける。リング108は、電界ピックアップ構造であってもよい。
図5Aからわかるように、表面108Aを、第1の誘電体116Aを介して中心導体114に露出し、それによって容量性構造を形成する。その結果、中心導体114への容量結合により、リング108が電界を感知することができるようになる。
【0027】
第2の誘電体116Bは、第2の区分106内に嵌入されてもよい(即ち、孔106A内に位置合わせされて挿入されてもよい)。次に、中間区分104を第2の区分106に取り付けてもよい。次に、中心導体114を第2の誘電体116B内に設置してもよい。第1の誘電体116Aを、中心導体114の上部に設置してもよい。最後に、(内部にリング108が取り付けられている)第1区分102を中間区分104上に設置してもよい。このようにして、
図5A~
図5Bに示す構成要素は層状にして連結されて、
図3A~
図3Bに示すセンサ100を形成してもよい。
【0028】
完全に組み立てられると、第1の誘電体116Aと第2の誘電体116Bは、第1の誘電体116Aの表面116X(
図5Bを参照)と第2の誘電体116Bの表面116Y(
図5Aを参照)が互いに近接するように、位置合わせされる。このほか、異なる構成要素の形状は、組み立てられたセンサ100の隣接部分に対して相補的に傾斜した側面を有するため、半径方向及び軸方向の力が、時間の経過とともに(例えば、使用中)、隣接する構成要素を互いに「押す」傾向がある可能性がある。上述したように、異なる構成要素を緊密に位置合わせすることにより、センサ100の精度を長期間にわたって維持することが可能になる可能性がある。
【0029】
図6は、本開示を通じて考察するセンサ100の別の図及び実装を示すセンサアセンブリ600の分解図を示す。センサアセンブリ600に示すように、センサ部品605が、誘電体116(センサ部品605の外側部分)及び内部導体114(センサ部品605の内側部分)の別の例を示す。ここに示すように、センサ部品605は、操作可能となるピックアップを含むハウジング内に収容されてもよい。センサアセンブリ600は、センサ100がどのように密閉されるかの一例にすぎず、他の実装も可能である。
【0030】
センサアセンブリ600の例では、上部ハウジング610、中間ハウジング615及び下部ハウジング620がある。この例では、上部ハウジング610は、上記で考察した第1区分102の一例であり、中間ハウジング615は、上記で考察した中間区分104の一例であり、下部ハウジング620は、上記で考察した第2区分106の一例である。
【0031】
センサアセンブリ600にはこのほか、一対の電気結合器と磁気結合器がある。この例では、上部結合器は導電板630であり、上記で考察したリング108と同じように機能する。このほか、この例では、下部結合器は導電板640であり、上記で考察したリング110と同じように機能する。一般に、EM結合器は「ピックアップ」構造であってもよい。この構造は、プリント回路基板「PCB」ベースのものであるか、他の方法で作成されたものである可能がある。導電板630及び640のそれぞれを、全体構造の層として固定してもよい。次いで、EM結合器はそれぞれ、導電板630の電気入力631及び導電板640の電気入力641などのそれぞれの入力に電気的に結合されてもよい。使用中、入力は(図示しない)電源に結合されてもよい。完全に組み立てられると、
図6の分解図とは対照的に、構造全体の層状構成要素は、
図4Aに示すそれぞれの対応する構成要素と同じように、互いに近接してもよい。
【0032】
本明細書で使用する場合、錐台形状とは、円錐台の特徴を概ね有する構造を指す。円錐台とは、円錐を底面に平行な平面で2つの部分に分割したときの頂点のない部分のことである。円錐台の別名は切頂錐体(truncated cone)である。錐台形状は、(上部錐台と下部錐台から作成された)中心導体114について示すように中実であっても、第1の誘電体116A及びその反転させた第2の誘電体116Bについて示すように(アイスクリームコーンのように)中空であってもよい。2つの逆錐台形状は、
図7に示すような台形の2次元外形を形成するであろう。本開示の図示の実施形態では、上部錐台と下部錐台のそれぞれが大径寸法を共有し、その縁部で交わる(
図7の角度f及びcを参照)。しかし、大径寸法は共有されない可能性があることが想定される。上部錐台と下部錐台の大径が異なる場合、2つの逆錐台が接する表面に「出っ張り」又は「張り出し」が存在するであろう。このほか、大径寸法が異なる場合、第1の誘電体116A及び第2の誘電体116Bの内部に形成された内部空洞は、その中に挿入される中心導体114のそれぞれの部分の形状に適合するように変更されるであろう。
【0033】
図7は、上記で考察した中心導体114と同じ機能を提供し得る中心導体714の形状を示す概略図である。
図7は、それぞれの大径に対して互いに隣接して位置決めされた一対の逆錐台形状の2次元表現であることに留意されたい。このため、中心導体714は、この図では2次元の台形として表される。この2次元表現は、考察を目的としたものであり、開示した中心導体114の実際の実装を反映することを意図したものではない。図示のように、本開示の全体的な範囲から逸脱することなく変更し得るさまざまな線分の長さ及び角度が存在する。要素714A~714Bは、上記で考察した中心導体114の要素114A~114Bに関連していることに留意されたい。
【0034】
中心導体714の断面図を示す
図7に示すように、中心導体714の第1の部分714Aは、(上記では上部錐台と称した)第1の錐台形状を概ね形成する。同時に、中心導体714の第2の部分714Bは、(上記で下部錐台と称した)第2の錐台形状を概ね形成する。第1及び第2の錐台形状はそれぞれ互いに対して反転しているため、(それぞれの対応する錐体形状の底面を表す)それぞれの大径によって規定される表面を共有することに留意されたい。
【0035】
第1の部分714Aの第1の錐台形状は、(線分X1によって概ね識別される)第1の小径を有する第1の表面717Aを形成し、第2の部分714Bの第2の錐台形状は、(線分X2によって概ね識別される)第2の小径を有する第2の表面717Bを形成する。いくつかの実施形態では、第1及び第2の小径(X1及びX2)は等しくてもよい。しかし、他の実施形態では、第1の小径(X1)が第2の小径(X2)より大きくても、第1の小径(X1)が第2の小径(X2)より小さくてもよい。
【0036】
中心導体714は、中心導体714の長さに沿って延びるy軸130に沿った垂直高さを形成する。第1の部分714Aは、実装ごとに異なる中心導体714の長さに沿った垂直高さを有してもよい。例えば、第1の部分714A及び第2の部分714Bが中心導体714のちょうど半分を表す必要はない。場合によっては、第1の部分714Aの高さは、中心導体の全高の50%、60%、70%、80%又は90%、あるいはその間の任意の中間値(+/-5%)のうちの1つであり、第2の部分714Bは、全高100%の残りである。
【0037】
第1の部分714Aの第1の錐台形状はこのほか、それぞれがそれぞれの(長さが等しい線分Y1及びY2によって概ね識別された)傾斜長さを有する側面717C及び717Dを有する。第1の表面717Aと第2の表面717Bは、第1の錐台形状と第2の錐台形状がその接合部で共通の大径を共有するように、互いに対向している。
【0038】
第2の部分714Bの第2の錐台形状は、それぞれがそれぞれの(ここでも長さが等しい線分Z1及びZ2によって概ね識別された)傾斜長さを有する側面717E及び717Fを有する。中心導体714のそれぞれの表面の間(側面が交わる場所)には、角度Aから角度Fとして角度が特定されている。異なる実施形態に対する第1及び第2の錐台形状の特定の寸法は、中心導体114の相対移動を抑制するように最適化されてもよい。具体的には、使用中に受ける可能性のある所定の軸方向及び半径方向の力に対して、第1及び第2の誘電体116A、116Bに対する中心導体114の移動を最小限に抑えてもよい。使用中に予想される力の種類と量に応じて、異なる角度が望ましい場合がある。
【0039】
完全に組み立てられたセンサ100では、第1の誘電体116Aの内部空間115Aは、第1の部分714A(又は上記の114A)の錐台形状に近似し、対応する形状を有し、第2の誘電体116Bの内部空間115bは、第2の部分714B(又は上記の114B)の錐台形状に近似し、対応する形状を有する。中心導体714(上記の114)の角張った形状と、第1及び第2の錐台形状の表面に対して整列するそれぞれの誘電体116A、116Bの内面115A、115Bとにより、中心導体714(上記の114)が、それぞれの対応する表面と密に配置され、自動位置合わせされることになる。具体的には、第1の誘電体116Aの内面115Aは、
図7の717C及び717Dに関連付けられた表面に当接することになる。このほか、第2の誘電体116Bの内面115Bは、
図7の717E及び717Fに関連付けられた表面に当接することになる。
【0040】
従来技術とは対照的に、(従来技術の
図1、
図2A、
図2Bに示すように)中心導体及び絶縁材料の全表面が互いに平行であった場合、部品の半径方向公差が必要とされるであろう。上記で説明したように、半径方向公差は、中心導体(
図1のA)及び対応する誘電体(
図1のB)のそれぞれの表面の間に間隙が形成されるのを防ぐために必要となるであろう。このような懸念は、センサ100の開示した実施形態には存在しない。
【0041】
有利なことに、中心導体114が配置される第1及び第2の誘電体116A及び116Bのそれぞれの内面115a、115bに関して中心導体114に軸方向又は半径方向の力が加えられ得る場合、上述したような中心導体114の独特の形状により、内面115a、115bに対する中心導体の相互作用がさらに密接かつ緊密になる。これは、導体Aが円筒形状を形成し、絶縁材料Bの対応する内部形状内に配置される前述のセンサSよりも有利であり、導体Aと絶縁材料Bとの間の軸方向及び/又は半径方向の力により、(例えば、おそらく空隙によって引き起こされる)不均一な誘電体が形成されることになるであろう。上記で説明したように、実効誘電体の変化又は絶縁材料とセンサの導体要素の位置ずれが、誤った読み取り値又は測定値をもたらすであろう。
【0042】
この開示では、中心導体114と誘電材料116A、116Bの相対的な軸方向及び/又は半径方向の力が提供され、実際に嵌合の緊密さが増大する。このほか、嵌合は「自己締め付け」であるため、センサ100は組み立て中に適切に位置合わせされ、その寿命全体にわたってその精度と較正を維持することができる。
【0043】
図8を参照すると、本開示の実施形態による、本明細書で考察するセンサ100の実装を組み込み得る整合ネットワークの概略図を示している。この実施形態では、上述したような整合ネットワーク800を、整合分岐805及びスプリッタ分岐810を有する状態で示している。整合分岐805は、入力815から高周波電力を受け取る。整合分岐805の第1の可変コンデンサ820が、入力815から高周波電力を受け取る。第1の可変コンデンサ820は、定格が約10~2000pFのコンデンサを含んでもよい。このほか、上記で考察するセンサ100などのセンサを入力815に位置決めしてもよい。
【0044】
第1の可変コンデンサ820は第2のコンデンサ825に接続され、第2のコンデンサ825は接地830に接続される。第2のコンデンサ825はこのほか、第3の可変コンデンサ835に接続される。第3の可変コンデンサ835は、定格が約10~2000pFのコンデンサを含んでもよい。第3の可変コンデンサ835はこのほか、インダクタ840に接続され、インダクタ840はスプリッタ分岐810にさらに接続される。
【0045】
スプリッタ分岐810は、整合分岐805から高周波電力を受け取る。整合分岐805は、受け取った高周波電力を第4の可変コンデンサ845と第5の可変コンデンサ850との間で分割する。第4の可変コンデンサ845の定格は約10~2000pFであってもよいのに対し、第5の可変コンデンサ850の定格は約10~2000pFであってもよい。
【0046】
第5の可変コンデンサ850は内側コイル855に接続される。第5の可変コンデンサ845と内側コイル855との間に、1つ又は複数のセンサ860を配置してもよい。(センサ100を使用して実装し得る)センサ860を使用して、例えば、第5の可変コンデンサ850と接地875との間の電圧を測定してもよい。同じように、第4の可変コンデンサ845は外側コイル865に接続される。第4の可変コンデンサ845と外側コイル865との間に、1つ又は複数のセンサ870を配置してもよい。(同じようにセンサ100を使用して実装し得る)センサ870を使用して、例えば、第4の可変コンデンサ845と接地890との間の電圧を測定してもよい。
【0047】
内側コイル855を接地875にさらに接続してもよく、外側コイル865を、(同じようにセンサ100を使用して実装し得る)センサ880及び第6のコンデンサ885を含む回路に接続してもよい。センサ880は、例えば、外側コイル865と接地890との間の電圧を測定するために使用されてもよい。内側コイル855及び外側コイル865は、オフセットボックス895によって示すように、整合ネットワーク800回路の外側に位置づけられてもよい。
【0048】
図8に示す回路は、第1の可変コンデンサ820、第3の可変コンデンサ835、第4の可変コンデンサ845及び第5の可変コンデンサ850を調整するために使用されてもよい。第1の可変コンデンサ820、第3の可変コンデンサ835、第4の可変コンデンサ845及び第5の可変コンデンサ850を調整することによって、内側コイル855及び外側コイル865に供給される電力を調整してもよい。
【0049】
一実施形態で電流分割比整合ネットワークとしての整合ネットワーク800内にて採用され得る回路は、整合ネットワーク800内に配置されても、整合ネットワーク800に接続されてもよい(図示しない)プログラマブル論理コントローラを使用して制御されてもよい。適切なプログラマブル論理コントローラには、多くの異なるタイプの(プロセッサと呼ばれることもある)プリント回路基板(PCB)コントローラが含まれる。
【0050】
他の実施形態では、整合ネットワーク800の回路にて、構成要素を減らしても、追加してもよく、回路の向きは異なっていてもよい。例えば、数を減らすか多くした可変コンデンサ、インダクタ、センサなどが存在してもよい。さらに、特定の実施形態では、異なる向きのコイル、アンテナなどを使用して、調整された高周波電力を(
図8には示していない)反応チャンバに供給してもよい。本明細書に開示したシステム及び方法を、誘導結合プラズマ(「ICP」)、容量結合プラズマ(「CCP」)、ヘリコン波源(「HWS」)又は任意の他のプラズマ処理装置に使用してもよい。
【0051】
図9を参照すると、本開示の実施形態による高周波プラズマ処理装置900の概略図を示している。この実施形態では、高周波プラズマ処理装置900は高周波発生器905を備える。高周波発生器905は、反応チャンバ910に電力を供給するように構成される。高周波発生器905は、約400KHzから約150MHzの間の高周波で電力を供給してもよい。特定の実施形態では、このほか、(図示しない)第2の高周波発生器が高周波プラズマ処理装置900内に存在してもよく、高周波発生器905と同じか、それより低いか、それより高い高周波で電力を供給してもよい。
【0052】
反応チャンバ910は、半導体産業に関連する構成要素など、製造作業の処理を可能にするさまざまな構成要素を備えてもよい。反応チャンバ910は、反応チャンバ910内で生じる特定の特性を測定するための(図示しない)1つ又は複数のセンサを備えてもよい。反応チャンバ910はこのほか、(これも図示しない)台座であって、その上に製造される基板を動作中に置き得る台座を備えてもよい。反応チャンバ910はこのほか、シャワーヘッドなどと同じように、上記で考察したコイルなどの(個別には示していない)コイルを備えるか、そうでなければコイルに接続されてもよい。
【0053】
高周波プラズマ処理装置900はこのほか、整合ネットワーク915を備えてもよい(整合ネットワーク800の一例を上記で図示し、考察している)。整合ネットワーク915は、高周波発生器905と反応チャンバ910との間に位置づけられてもよい。整合ネットワーク915は、(図示しない)可変コンデンサのほか、上記でさらに詳細に考察したように、高周波発生器905と反応チャンバ910との間のインピーダンスの均衡をとるための他の構成要素を備えてもよい。整合ネットワークは、動作中、整合インピーダンスを提供するために、例えば、コンデンサの位置を調整することによって、調整されてもよい。
【0054】
動作中、電力が高周波発生器905から反応チャンバ910内の(図示しない)プラズマに供給されると、電力が反応チャンバ910から反射される可能性があるなどの状況が発生する可能性がある。そのような反射電力は、非効率な処理、基板の損傷、高周波プラズマ処理装置900の構成要素の損傷などをもたらす望ましくない状態を引き起こす可能性がある。この状態を解決し、高周波処理装置900の操作性を改善するために、同調モジュール937には、コンデンサの位置を調整するためにコマンドを整合ネットワーク915に提供し得るプログラマブル論理コントローラ935が含まれ、それによって反射電力を最小限に抑える整合インピーダンスを提供する。プログラマブル論理コントローラ935は、動作中に取得されたこのようなコマンド又はデータを記憶するために記憶装置940に接続されてもよい。
【0055】
プログラマブル論理コントローラ935は、動作中、整合ネットワーク915内のコンデンサを識別してもよい。識別は自動的に実施されても、オペレータによって制御されてもよい。コンデンサを識別すると同時に、整合ネットワーク全体のインピーダンスを測定してもよい。(例えば、整合ネットワーク全体に分散された1つ又は複数のセンサ100を使用することによって)整合ネットワーク915全体のインピーダンスを測定することは、整合ネットワーク915内の1つ又は複数のコンデンサ及び/又は他の構成要素についての複数のインピーダンス値を測定することを含んでもよい。次に、コンデンサは、その使用可能な範囲内の最小静電容量の点を表すゼロの段階値から、これより高い段階値まで駆動されて、その静電容量を増大させ、それによってネットワークを調整してもよい(例えば、電力反射を低減してもよい)。
【0056】
本開示は、そのさまざまな実施形態を参照して図示し説明しているが、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって定義された本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細にさまざまな変更を施すことが可能であることが当業者には理解されよう。即ち、本明細書及び図面に開示したさまざまな例示的実施形態は、本開示のさまざまな態様の理解を容易にするための具体的な実施形態に過ぎず、本発明の範囲を限定することを目的とするものではない。例えば、ステップの特定の順序は、本開示の範囲及び精神から逸脱することなく修正されても、変更されてもよい。このため、本開示の範囲は、本開示の詳細な説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって定められ、範囲内の相違点はいずれも本開示に含まれるものと解釈されるべきである。
【国際調査報告】