(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】連続折り畳み平面変圧器巻線
(51)【国際特許分類】
H01F 30/10 20060101AFI20240208BHJP
H01F 17/00 20060101ALI20240208BHJP
H01F 27/28 20060101ALI20240208BHJP
H02M 3/00 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
H01F30/10 D
H01F17/00 A
H01F27/28 104
H02M3/00 W
H02M3/00 Y
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550097
(86)(22)【出願日】2022-01-18
(85)【翻訳文提出日】2023-10-17
(86)【国際出願番号】 US2022012718
(87)【国際公開番号】W WO2022177679
(87)【国際公開日】2022-08-25
(32)【優先日】2021-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515186323
【氏名又は名称】エンフェーズ エナジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Enphase Energy, Inc.
【住所又は居所原語表記】1420 North McDowell Boulevard, Petaluma, California 94954, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】タイロン・デイヴィッド・ロウ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・マーク・ハンター
(72)【発明者】
【氏名】ライアン・ファン・デル・コルフ
【テーマコード(参考)】
5E043
5E070
5H730
【Fターム(参考)】
5E043AA08
5E043BA01
5E070AA11
5E070CB06
5E070CB14
5H730AA15
5H730AS01
(57)【要約】
本明細書では、平面変圧器巻線組立体の実施形態が提供される。例えば、変圧器巻線組立体は、複数の結合環状リングを備えるフレキシブル基板の上面に接続するように構成され第1の構成で複数の結合環状リングに沿って延びる、一次巻線と、フレキシブル基板の下面に接続するように構成され第1の構成とは異なる第2の構成で複数の結合環状リングに沿って延びる、二次巻線と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変圧器巻線組立体であって、
複数の結合環状リングを備えるフレキシブル基板の上面に接続するように構成され、第1の構成で前記複数の結合環状リングに沿って延びる、一次巻線と、
前記フレキシブル基板の下面に接続するように構成され、前記第1の構成とは異なる第2の構成で前記複数の結合環状リングに沿って延びる、二次巻線と、
を備える、変圧器巻線組立体。
【請求項2】
前記複数の結合環状リングの各リングが、前記変圧器巻線組立体が円筒形中央ポストを備える対応する平面変圧器コアとともに使用されるように構成されるように、同じ直径および同じサイズの中央穴を有する、請求項1に記載の変圧器巻線組立体。
【請求項3】
前記一次巻線が、同一の厚さおよび幅を有する連続的導電性フィルムであり、前記連続的導電性フィルムが、銅から作られる、請求項1に記載の変圧器巻線組立体。
【請求項4】
前記二次巻線が、同一の厚さおよび幅を有する連続的導電性トレースであり、前記連続的導電性トレースが、銅から作られる、請求項1に記載の変圧器巻線組立体。
【請求項5】
前記一次巻線および前記二次巻線がそれぞれ、前記複数の結合環状リングに沿って時計回り/反時計回り方向に交互に延びる、請求項1に記載の変圧器巻線組立体。
【請求項6】
前記フレキシブル基板が、折り畳み可能なフレキシブル回路基板である、請求項1に記載の変圧器巻線組立体。
【請求項7】
第2の環状リングが、第2の折り曲げ線および第3の折り曲げ線に沿って第1の環状リングおよび第3の環状リングにそれぞれ結合される、請求項1に記載の変圧器巻線組立体。
【請求項8】
第5の環状リングが、第5の折り曲げ線および第6の折り曲げ線に沿って第4の環状リングおよび第6の環状リングにそれぞれ結合される、請求項7に記載の変圧器巻線組立体。
【請求項9】
前記第1の環状リングおよび前記第6の環状リングが、第1のストリップによって接合され、一対のタブが、前記第1のストリップと同じ平面に沿って垂直に互いに対して180°に延在する、請求項8に記載の変圧器巻線組立体。
【請求項10】
前記第3の環状リングおよび前記第4の環状リングが、第2のストリップによって接合される、請求項9に記載の変圧器巻線組立体。
【請求項11】
第1の折り曲げ線および第4の折り曲げ線が、垂直軸に沿って、前記第1のストリップおよび前記第2のストリップの中心をそれぞれ通って延び、前記垂直軸が、前記フレキシブル基板と同じ平面に沿って延びる、請求項1から10のいずれか一項に記載の変圧器巻線組立体。
【請求項12】
フレキシブル基板であって、
複数の結合環状リングと、
上面、下面、および前記フレキシブル基板をそれらに沿って折り畳むことができるように構成された複数の折り曲げ線と、
変圧器巻線組立体であって、
前記上面に接続されており第1の構成で前記複数の結合環状リングに沿って延びる、一次巻線、および、
前記下面に接続されており前記第1の構成とは異なる第2の構成で前記複数の結合環状リングに沿って延びる、二次巻線
を含む、変圧器巻線組立体と、
を備える、フレキシブル基板。
【請求項13】
前記複数の結合環状リングの各リングが、前記変圧器巻線組立体が円筒形中央ポストを備える対応する平面変圧器コアとともに使用されるように構成されるように、同じ直径および同じサイズの中央穴を有する、請求項12に記載のフレキシブル基板。
【請求項14】
前記一次巻線が、同一の厚さおよび幅を有する連続的導電性フィルムであり、前記連続的導電性フィルムが、銅から作られる、請求項12に記載のフレキシブル基板。
【請求項15】
前記二次巻線が、同一の厚さおよび幅を有する連続的導電性トレースであり、前記連続的導電性トレースが、銅から作られる、請求項12に記載のフレキシブル基板。
【請求項16】
前記一次巻線および前記二次巻線がそれぞれ、前記複数の結合環状リングに沿って時計回り/反時計回り方向に交互に延びる、請求項12に記載のフレキシブル基板。
【請求項17】
前記フレキシブル基板が、折り畳み可能なフレキシブル回路基板である、請求項12に記載のフレキシブル基板。
【請求項18】
第2の環状リングが、第2の折り曲げ線および第3の折り曲げ線に沿って第1の環状リングおよび第3の環状リングにそれぞれ結合される、請求項12に記載のフレキシブル基板。
【請求項19】
第5の環状リングが、第5の折り曲げ線および第6の折り曲げ線に沿って第4の環状リングおよび第6の環状リングにそれぞれ結合される、請求項12から18のいずれか一項に記載のフレキシブル基板。
【請求項20】
電力変換のためのシステムであって、
フレキシブル基板を備える電力変換装置であって、
複数の結合環状リング、
上面、下面、および前記フレキシブル基板をそれらに沿って折り畳むことができるように構成された複数の折り曲げ線、ならびに、
変圧器巻線組立体であって、
前記上面に接続されており、第1の構成で前記複数の結合環状リングに沿って延びる、一次巻線、および、
前記下面に接続されており、前記第1の構成とは異なる第2の構成で前記複数の結合環状リングに沿って延びる、二次巻線
を含む変圧器巻線組立体、を含む、
電力変換装置と、
電力変換の間に前記電力変換装置の動作コントロールを提供するための、前記電力変換装置に通信可能に接続された、コントローラと、
を備える、電力変換のためのシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、変圧器巻線に関し、より詳細には、折り畳み可能平面変圧器巻線(foldable planar transformer winding)に関する。
【背景技術】
【0002】
平面変圧器は、当業界では周知であり、より小さい体積および重量での高い電力密度など、従来の巻線型変圧器に勝る利点を提供する。しかし、そのような変圧器には、いくつかの欠点もある。例えば、従来の巻線型変圧器は、典型的には、コアサイズの減少を可能にするために、一次巻線および二次巻線の両方に複数巻きの巻線を使用するように設計されている。加えて、複数巻線は、それらが層間ビアを必要とする、または、物理的に相互接続される必要がある複数の別個のPCBの積層を必要とするので、平面変圧器にとって課題がある。そのような技法は、結果的に、コストを増加させ、信頼性の問題にもなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、当業界において、改善された平面変圧器巻線が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施形態は、一般に、平面変圧器巻線組立体に関する。例えば、変圧器巻線組立体は、複数の結合環状リングを備えるフレキシブル基板の上面に接続するように構成され、第1の構成で複数の結合環状リングに沿って延びる、一次巻線と、フレキシブル基板の下面に接続するように構成され、第1の構成とは異なる第2の構成で複数の結合環状リングに沿って延びる、二次巻線とを備える。
【0005】
少なくともいくつかの実施形態によれば、フレキシブル基板は、複数の結合環状リングと、上面、下面、およびフレキシブル基板をそれらに沿って折り畳むことができるように構成された複数の折り曲げ線と、変圧器巻線組立体であり、上面に接続されており第1の構成で複数の結合環状リングに沿って延びる、一次巻線、および、下面に接続されており第1の構成とは異なる第2の構成で複数の結合環状リングに沿って延びる、二次巻線を含む、変圧器巻線組立体とを備える。
【0006】
少なくともいくつかの実施形態によれば、電力変換のためのシステムは、フレキシブル基板を備える電力変換装置を備える。フレキシブル基板は、複数の結合環状リングと、上面、下面、およびフレキシブル基板をそれらに沿って折り畳むことができるように構成された複数の折り曲げ線と、変圧器巻線組立体であり、上面に接続されており第1の構成で複数の結合環状リングに沿って延びる、一次巻線、および、下面に接続されており第1の構成とは異なる第2の構成で複数の結合環状リングに沿って延びる、二次巻線を含む、変圧器巻線組立体とを備える。電力変換のためのシステムはさらに、電力変換の間に電力変換装置の動作コントロールを提供するための、電力変換装置に通信可能に接続されたコントローラを備える。
【0007】
本開示の様々な利点、態様および新規の特徴ならびにその例示的な実施形態の詳細は、以下の説明および図面からより完全に理解されよう。
【0008】
本開示の上記で言及された特徴が詳細に理解され得るように、上記で簡潔に要約された本開示のより具体的な説明は、その一部が添付の図面に例示されている実施形態を参照することによって得られ得る。ただし、添付の図面はこの開示の典型的な実施形態を示したものに過ぎず、したがって、本開示は他の同等に効果的な実施形態を認め得るので、その範囲を限定するものと見なされるべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の1つまたは複数の実施形態による、広げられた連続折り畳み平面変圧器巻線組立体の平面図である。
【
図2】本開示の1つまたは複数の実施形態による、広げられた巻線組立体の下面の図である。
【
図3a】本開示の1つまたは複数の実施形態による、巻線組立体の折り畳みステップの図である。
【
図3b】本開示の1つまたは複数の実施形態による、巻線組立体の折り畳みステップの図である。
【
図3c】本開示の1つまたは複数の実施形態による、巻線組立体の折り畳みステップの図である。
【
図3d】本開示の1つまたは複数の実施形態による、巻線組立体の折り畳みステップの図である。
【
図4】本開示の1つまたは複数の実施形態による、異なる形状を有する、広げられた巻線組立体の図である。
【
図5】本開示の1つまたは複数の実施形態による、異なる形状を有する、広げられた巻線組立体の図である。
【
図6】本開示の1つまたは複数の実施形態を用いた電力変換のためのシステムのブロック線図である。
【
図7】本開示の1つまたは複数の実施形態を用いた電力変換のためのシステムのブロック線図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態は、一般に、薄いフレキシブル非導電性基板と、その基板の上面に施された導電性材料層と、その基板の下面に施された導電性材料層とを備える、平面変圧器巻線組立体に関する。基板は、対応する平面変圧器コアに適合するように特定の折り畳みパターンで折り畳むことができるようなサイズおよび形状になっている。導電性材料層は、折り畳まれた組立体が、単一連続構造から形成された多層巻線組立体となりしたがって層同士の間の導電性ビアまたは別個の接続部の必要性は否定されるように構成される。
【0011】
いくつかの実施形態では、変圧器巻線組立体は、必要な安全絶縁によって分離された2つの導電性材料層(すなわち、一次および二次巻線)が上に施された、例えばフレキシブル回路基板(FCB)などの非導電性フレキシブル基板を備える。広げられた(すなわち展開された)巻線組立体の全体形状は、最終的に必要な巻線形状の2の倍数であり、一次および二次巻線は、折り畳まれると完璧に挟み込まれた一次および二次巻線を有する完全かつコンパクトな変圧器巻線組立体を提供する一パターンに構成される。
【0012】
本明細書に記載の設計および折り畳みパターンによって、簡単に構成可能な形状、サイズおよび巻数比の、完璧に挟み込まれた一次および二次トレースが可能になる。巻線組立体の折り畳みパターンの結果、外層上(すなわち二次間、または一次間)だけに機能絶縁体(functional insulation)が必要となり得る。
【0013】
さらに、本明細書に記載の設計および技法は、層間ビアの必要性をなくし、さらには、同じ設置面積内において複数の構成を可能にする。
【0014】
図1は、本開示の1つまたは複数の実施形態による、巻線組立体(例えば、広げられた連続折り畳み平面変圧器)100の平面図である。
【0015】
本明細書では巻線組立体100と称される、連続折り畳み平面変圧器巻線組立体100は、(折り畳み可能な)フレキシブル回路基板(FCB)102の上面(本明細書ではトップ面側とも称され得る)に施されるように構成された一次巻線104を備える。他の実施形態では任意の適当なフレキシブル基板であってもよいFCB102は、複数の結合環状リング108-1~108-6(リング108と総称される)の形状に形成され、各リング108は、同じ直径ならびに同じサイズの中心穴を有する。リング108は、折り畳まれた巻線組立体100が、円筒形(cylindrical)中心ポストを有する対応する平面変圧器コアとともに使用されるように構成され得るようなサイズ(リング直径および中心穴直径)にされる。
【0016】
リング108-2(例えば、第2の環状リング)は、折り曲げ線106-2および106-3(例えば、第1の折り曲げ線および第3の折り曲げ線)にそれぞれ沿ってリング108-1と108-3(例えば、第1の環状リングおよび第3の環状リング)に結合され、リング108-5(例えば、第5の環状リング)は、折り曲げ線106-5および106-6(例えば、第5の折り曲げ線および第6の折り曲げ線)にそれぞれ沿ってリング108-4と108-6(例えば、第4の環状リングおよび第6の環状リング)に結合される。リング108-1および108-6は、ストリップ132(例えば、第1のストリップ)によって接合され、一対のタブ130は、ストリップ132と同じ平面に沿って垂直に延在する。タブ130は、互いに対して180°に延在する。リング108-3および108-4は、ストリップ134(例えば、第2のストリップ)によって接合される。折り曲げ線106-1および106-4(例えば、第1の折り曲げ線および第4の折り曲げ線)は、垂直軸110に沿ってストリップ132および134の中心をそれぞれ通って延びる。ここで、垂直軸110は、FCB102と同じ平面に沿ってある。
【0017】
図1に関連して述べられる実施形態では、完全に折り畳まれた巻線組立体100は、3:15円形巻線である。他の実施形態では、一次および/または二次の巻線の巻数は異なることもあり、いくつかの代替実施形態では、1つの巻線だけが存在することもある。一次巻線104は、同一の厚さおよび幅を有する、銅箔などの連続した導電性フィルムから形成される(だが、いくつかの代替実施では、厚さおよび/もしくは幅は可変である場合があり、ならびに/または、フィルムが連続的でない場合もある)。一次巻線104の第1の端部(一次巻線104の第1の終端とも称され得る)は、垂直軸110の、リング108-4がある(一次巻線始点120)側において、折り曲げ線106-4に近接してストリップ134に対して施される。一次巻線104は、FCB102の上面に沿って連続的に延び、各リング108の一部分に沿って時計回り/反時計回り方向に交互に延びる。
【0018】
図1に示されるように、一次巻線104は、その第1の終端からリング108-4の方に向けて、リング108-5と交差するところの折り曲げ線106-5に達するまで、時計回り方向に沿って一次巻線104周りに延びる。一次巻線は、リング108-6と交差するところの折り曲げ線106-6に達するまで、リング108-5の反時計回り方向に沿って延び続け、ストリップ132に達するまで、リング108-6に沿って時計回り方向に延びる。一次巻線104は、ストリップ132に沿って折り曲げ線106-1を越えてリング108-1の方に向けて延び続け、そこで、折り曲げ線106-2に達するまでリング108-1に沿って反時計回り方向に延びる。折り曲げ線106-2のところで、一次巻線104は、リング108-2と交差し、リング108-3と交差するところの折り曲げ線106-3に達するまでリング108-2に沿って時計回り方向に進む。一次巻線104は、ストリップ134に達するまでリング108-3に沿って反時計回り方向に延び続ける。一次巻線104は、ストリップ134に沿って延び、折り曲げ線106-4(一次巻線終点122)に達する前に、一次巻線104の第2の端部(一次巻線104の第2の終端とも称されることがある)において終端する。
【0019】
図2は、本開示の1つまたは複数の実施形態による広げられた巻線組立体100の下面の図である。
図2に示される眺めでは、
図1に示される巻線組立体100は、垂直軸110周りに180°回転されている。二次巻線204は、同一の厚さおよび幅を有する、銅トレースなどの導電性材料の連続トレース(連続的な導電性トレース)から形成される(だが、いくつかの代替実施形態では、厚さおよび/もしくは幅は可変である場合があり、ならびに/または、トレースは連続的でない場合もある)。二次巻線204の第1の端部(二次巻線204の第1の終端とも称されることがある)は、タブ130のうちの1つがストリップ132から外方に延在するところのストリップ132に対して施される(二次巻線始点220)。
【0020】
二次巻線204は、FCB102下面に沿って連続的に延び、各リング108を複数回にわたって横断して5つのパラレルトレースを作り出す。二次巻線204の(二次巻線204の第2の終端とも称されることがある)第2の端部は、タブ130のうちの1つがストリップ132から内方に延在するところのストリップ132上で終端する(二次巻線終点222)。二次巻線のパラレルトレースは、二次巻線204がFCB102によって隔てられる一次巻線104の下に延びるように、各リング108の一部分に沿って時計回り/反時計回り方向に交互に延びる。
【0021】
図3a~
図3dは、本開示の1つまたは複数の実施形態による巻線組立体100の折り畳みステップを示している。FCB102に対して施され上述のように構成された一次巻線104および二次巻線204は、本明細書に記載の特別なやり方で折り畳まれると、結果的に多重巻き多層変圧器巻線組立体になる、単一フレキシブル回路を形成する。
【0022】
図3aは、初期の折り畳み状態にある、巻線組立体100の上面斜視
図300aを示している。巻線組立体100は、折り曲げ線106-1および106-4に沿って折り紙式の山折りにそれ自体の方に向けて折り返される。リング108-1、108-2および108-3は、複合の折り畳みで折り畳まれ、そこにおいて、リング108-1および108-2は、折り曲げ線106-2に沿って折り紙式の谷折りに折り畳まれ、リング108-2および108-3は、折り曲げ線106-3に沿って山折りに折り畳まれる。リング108-4、108-5および108-6は、複合の折り畳みに類似的に折り畳まれ、そこにおいて、リング108-4および108-5は、折り曲げ線106-5に沿って山折りに折り畳まれ、リング108-5および108-6は、折り曲げ線106-6に沿って谷折りに折り畳まれる。
【0023】
図3bは、
図3aに関連して上述したような部分的に折り畳まれた状態の、巻線組立体100の底面斜視
図300bを示している。
図3cは、
図3aに関連して上述したような折り畳みステップを用いて半分折り畳まれた巻線組立体100の側面斜視
図300cを示している。
図3dは、(例えば、完全に折り畳まれた)巻線組立体100の平面
図300dを示している。完全に折り畳まれた巻線組立体100では、一次巻線104および二次巻線204は挟み込まれ、その結果、漏れインダクタンスが低くなり、層同士の接続部が導電性フィルム/トレースのパターンおよびその折り畳みに組み込まれ、それによって、任意の導電性ビアまたは層に対して施される他の接続部の必要がなくなる。
【0024】
さらに、折り紙のような折り畳みおよび計算された曲げ角度の結果として、二次巻線は、単一の連続的な銅片だけによる15巻きの銅トレースを実現する。
【0025】
図3dに示される完全に折り畳まれた巻線組立体100は、Eコア、PQコア、RMコアおよびポットコアなど、適当なサイズおよび形状の中央ポストを有する任意の適当な平面変圧器コアとともに用いられ得る。他の実施形態では、巻線組立体100の特徴は、任意の所望の平面変圧器のコア形状に対応できるようなサイズおよび形状にされ得る。
【0026】
図4、
図5および
図6は、本開示の1つまたは複数の実施形態による異なる形状を有する、それぞれ広げられた巻線組立体400、500および600を示している。広げられた巻線組立体400、500および600はそれぞれ、一次にそれぞれ2、3および4巻きを有する、平面変圧器のEコアとともに使用されるようなサイズおよび形状になっている。各巻線組立体400、500および600について、二次のスパイラル「レーン(lane)」の対応する数は、完全に折り畳まれた巻線組立体の最終比を決定することになる。
【0027】
図7は、本開示の1つまたは複数の実施形態を用いた電力変換のためのシステム700のブロック線図である。この線図は、本開示を用いることができる無数の可能なシステム構成およびデバイスのうちの1つのバリエーションの描写に過ぎない。本開示は、ある電力変換装置など、平面変圧器を用いる様々なシステムまたはデバイスにおいて利用され得る。
【0028】
システム700は、電力変換装置702と総称する、複数の電力変換装置702-1、702-2…702-Nと、電源704と総称する、複数の電源704-1、704-2…704-Nと、コントローラ706(例えば、ゲートウェイ)と、バス708と、ロードセンタ(load center)710とを備える。電源704は、先行の電力変換ステージからの出力、バッテリ、再生可能エネルギー源(例えば、ソーラーパネルもしくは光起電力(PV)モジュール、DC風力発電装置、整流(rectified)水力発電システム、または類似の再生可能エネルギー源)などの、DC電力を供給するための任意の適当なDC源であってよい。いくつかの実施形態では、電力変換装置702は、双方向変換装置であってもよく、電源704のうちの1つまたは複数は、対応する電力変換装置702から受けたエネルギーを貯蔵するおよび対応する電力変換装置702に貯蔵エネルギーを供給するエネルギー貯蔵/供給デバイスである。
【0029】
各電力変換装置702-1、702-2…702-Nは、一対一対応でそれぞれ電源704-1、704-2…704-Nに結合されているが、いくつかの代替実施形態では、電源704は、単一の電力変換装置702に結合されることもある。電力変換装置702は、バス708を介してコントローラ706に結合されている。
【0030】
コントローラ706は、電力変換装置702の動作コントロールを提供するためにワイヤレスおよび/または有線の通信技術(例えば、電力線通信)によって電力変換装置702と通信することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ706は、電力変換装置702からデータ(例えば性能データ)を受信し、そのデータおよび/または他の情報を、マスタコントローラ(図示せず)などのリモートデバイスまたはシステムに伝達するゲートウェイであることもある。加えて、または別法として、そのようなゲートウェイは、リモートデバイスまたはシステム(図示せず)から情報を受信し、その情報を電力変換装置702に伝達する、および/または、電力変換装置702に発行されるコントロールコマンドを生成するためにその情報を使用することもある。電力変換装置702はさらに、バス708を介してロードセンタ710に結合されている。
【0031】
電力変換装置702は、電源704(例えば、DC電源)からのDC電力をAC出力へと変換し、生成されたAC電力をバス708を介してロードセンタ710へ結合する。生成された電力は、次いで、使用のために例えば1つもしくは複数の器具へ分配され得る、および/または、例えばバッテリ使用、水の加熱、水のポンピング、H2Oから水素への変換など、後の使用のために貯蔵され得る。いくつかの実施形態では、電力変換装置702は、DC入力電力を、商用配電網(grid)に準拠したAC電力に変換し、そのAC電力をロードセンタ710を介して電力配電網に結合する。いくつかの他の実施形態では、電源704は、AC源(例えば、AC風力発電装置、水力発電源(hydroelectric source)などの再生可能AC源)であり、電力変換装置702は、電源704(例えば、AC源)からのAC入力を受け、その入力をAC出力に変換する、AC-AC変換装置(例えば、サイクロコンバータ)である。さらに他の実施形態では、電力変換装置702は、受け取ったACまたはDC電力からDC出力を生成するAC-DCまたはDC-DC変換装置であってもよく、そのような実施形態では、バス708は、DCバスであり、生成されたDCは、分配のためにバス708に結合される。
【0032】
各電力変換装置702は、電力変換の実施に使用される、巻線組立体100を有する対応する平面変圧器を備える。対応するパワーコンディショナ(power conditioner)702内の各巻線組立体100によって、主電力変換装置プリント回路基板(PCB)が、
図1に示される実施形態の場合、4つの薄層の比較的単純なままとなり得、その一方、変圧器内の多数巻きの複雑さは、専用の平面FCBによって達成され得る。
【0033】
上記では、本開示の実施形態を対象としたが、本開示の他の実施形態およびさらなる実施形態は、その基本的な範囲から逸脱することなく考案され得る。
【符号の説明】
【0034】
100 巻線組立体
102 フレキシブル回路基板
104 一次巻線
106、106-1~106-6 折り曲げ線
108、108-1~108-6 環状リング
110 垂直軸
120 一次巻線始点
122 一次巻線終点
130 タブ
132 ストリップ
134 ストリップ
204 二次巻線
220 二次巻線始点
222 二次巻線終点
300a 上面斜視図
300b 底面斜視図
300c 側面斜視図
300d 平面図
400 巻線組立体
500 巻線組立体
600 巻線組立体
700 システム
702-1、702-2…702-N 電力変換装置
704-1、704-2…704-N 電源
706 コントローラ
708 バス
710 ロードセンタ
【国際調査報告】