(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】インテリジェントなセルラチャネル管理
(51)【国際特許分類】
H04W 4/14 20090101AFI20240208BHJP
H04W 88/18 20090101ALI20240208BHJP
H04W 28/26 20090101ALI20240208BHJP
【FI】
H04W4/14
H04W88/18
H04W28/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550197
(86)(22)【出願日】2022-02-15
(85)【翻訳文提出日】2023-08-21
(86)【国際出願番号】 US2022016419
(87)【国際公開番号】W WO2022177887
(87)【国際公開日】2022-08-25
(32)【優先日】2021-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521478407
【氏名又は名称】ディッシュ ワイヤレス エル.エル.シー.
【氏名又は名称原語表記】DISH WIRELESS L.L.C.
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】バンサル アシシュ
(72)【発明者】
【氏名】ケヌモル シッダールタ
(72)【発明者】
【氏名】アラスティ メディ
(72)【発明者】
【氏名】レイモンド ポール-アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】バシール カジ
(72)【発明者】
【氏名】ズーフォール デビッド
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA14
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
5K067FF05
(57)【要約】
インテリジェントなセルラチャネル管理を実施するための様々な構成が本明細書に提示される。物理セルラ通信チャネルは、UEからのセルラサービスリクエストに応答してショートメッセージサービス(SMS)メッセージを送信するために、ユーザ機器(UE)とセルラネットワークとの間に確立され得る。UE、SMSメッセージ、又はそれらの両方の1つ以上の特性が分析され得る。物理セルラ通信チャネルがアクティブに保たれる継続時間は、分析された1つ以上の特性に基づき得る。物理セルラ通信チャネルがアクティブに保たれる継続時間を調整するとセルラネットワークメッセージングコントローラが判定することに基づいて物理セルラ通信チャネルをアクティブに保つためのチャネル維持命令が送信され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インテリジェントなセルラチャネル管理を実施するセルラネットワークシステムであって、
セルラコアネットワークと、
前記セルラコアネットワークの一部として機能するショートメッセージサービスセンタ(SMSC)と、
前記セルラコアネットワークと通信するセルラ基地局であって、前記セルラ基地局(BS)は、セルラ無線アクセス技術(RAT)を使用してユーザ機器(UE)と無線通信し、前記セルラBSは、
前記UEからのセルラサービスリクエストに応答して前記SMSCを介してショートメッセージサービス(SMS)メッセージを送信するために、前記UEと前記セルラネットワークシステムの集約ユニット(CU)との間に物理セルラ通信チャネルを確立する
ように構成される、前記セルラBSと、
前記CUと通信するセルラネットワークメッセージングコントローラであって、前記セルラネットワークメッセージングコントローラは、
前記UEの使用の1つ以上の特性を分析することと、
前記UEの使用の分析された前記1つ以上の特性に基づいて、前記物理セルラ通信チャネルがアクティブに保たれる継続時間を判定することと、
前記物理セルラ通信チャネルがアクティブに保たれる継続時間を調整すると前記セルラネットワークメッセージングコントローラが判定することに基づいて、前記物理セルラ通信チャネルをアクティブに保つためのチャネル維持命令を前記CUへ送信することであって、
前記チャネル維持命令に応答して、前記物理セルラ通信チャネルはアクティブに保たれること
をするように構成される、前記セルラネットワークメッセージングコントローラと
を含む、セルラネットワークシステム。
【請求項2】
前記物理セルラ通信チャネルを介して前記SMSメッセージを送信することと、
前記UEの使用の前記1つ以上の特性を前記セルラBSへ送信すること
をするように構成された前記UEを更に含む、請求項1に記載のセルラネットワークシステム。
【請求項3】
前記UEは、SMSメッセージングアプリケーションが前記UE上でオープンであることを指し示す第1の特性を送信するように構成される、請求項2に記載のセルラネットワークシステム。
【請求項4】
前記UEは、ユーザが前記UE上でタイピングしていることを指し示す第2の特性を送信するように構成される、請求項3に記載のセルラネットワークシステム。
【請求項5】
前記SMSCは、前記物理セルラ通信チャネルを介して前記UEによって送信された前記SMSメッセージを受信し、前記SMSメッセージを宛先へ送信するように構成される、請求項2に記載のセルラネットワークシステム。
【請求項6】
前記物理セルラ通信チャネルは、アクティブである間、前記セルラBSと前記UEとの間での使用のためにリザーブされている無線リソースを含む、請求項1に記載のセルラネットワークシステム。
【請求項7】
前記チャネル維持命令は、前記セルラコアネットワークにチャネルタイマの継続時間を増加させ、前記チャネルタイマが満了した場合、前記物理セルラ通信チャネルはアイドルに設定される、請求項1に記載のセルラネットワークシステム。
【請求項8】
前記セルラコアネットワークは、前記チャネル維持命令を受信した後に、前記物理セルラ通信チャネルをアイドルに設定する、請求項1に記載のセルラネットワークシステム。
【請求項9】
前記セルラネットワークメッセージングコントローラは、前記UEの使用の前記1つ以上の特性を分析するために機械学習プロセスを実施し、前記UEの使用の前記1つ以上の特性は、前記UEによって送信されたSMSメッセージ特性である、請求項1に記載のセルラネットワークシステム。
【請求項10】
前記機械学習プロセスは、前記SMSメッセージの長さ、前記SMSメッセージが送信された時間、前記SMSメッセージが送信された前記UEの位置、及びSMSコードからなる群から選択される少なくとも1つの特性を分析することを含む、請求項9に記載のセルラネットワークシステム。
【請求項11】
前記セルラコアネットワークはネイティブ5Gニューラジオ(NR)であり、前記セルラ基地局はgNodeBである、請求項1に記載のセルラネットワークシステム。
【請求項12】
インテリジェントなセルラチャネル管理を実施するための方法であって、
ユーザ機器(UE)からのセルラサービスリクエストに応答してショートメッセージサービス(SMS)メッセージを送信するために、前記UEとセルラネットワークの集約ユニット(CU)との間に物理セルラ通信チャネルを確立することと、
前記UE、前記SMSメッセージ、又はそれらの両方の1つ以上の特性を分析することと、
分析された前記1つ以上の特性に基づいて、前記物理セルラ通信チャネルがアクティブに保たれる継続時間を判定することと、
前記物理セルラ通信チャネルがアクティブに保たれる継続時間を調整すると前記セルラネットワークメッセージングコントローラが判定することに基づいて、前記物理セルラ通信チャネルをアクティブに保つためのチャネル維持命令を前記CUへ送信することであって、
前記チャネル維持命令に応答して、前記CUは前記物理セルラ通信チャネルをアクティブに保つこと
を含む、方法。
【請求項13】
前記物理セルラ通信チャネルを介して前記SMSメッセージを前記UEによって送信することと、
前記UEの使用の特性を前記セルラBSへ前記UEによって送信すること
を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記特性は、SMSメッセージングアプリケーションが前記UE上でオープンであることを指し示す、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ユーザがテキストを前記UEに入力していることを指し示す第2の特性を前記UEによって送信すること
を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記物理セルラ通信チャネルを介して前記UEによって送信された前記SMSメッセージを前記セルラネットワークのSMSCによって受信することと、
前記SMSメッセージを宛先にルーティングさせること
を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記物理セルラ通信チャネルは、アクティブである間、前記セルラBSと前記UEとの間での使用のためにリザーブされている無線リソースを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記チャネル維持命令に応答してチャネルタイマの継続時間を前記CUによって増加させることであって、前記チャネルタイマが満了した場合、前記物理セルラ通信チャネルはアイドルに設定されること
を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記チャネル維持命令に基づいて前記物理セルラ通信チャネルをアイドルに前記CUによって設定すること
を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記UEの使用の前記1つ以上の特性を分析するために機械学習プロセスを前記セルラネットワークメッセージングコントローラによって実施することであって、前記UEの使用の前記1つ以上の特性は、前記UEによってUEによって送信されたSMSメッセージ特性であること
を更に含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願へのクロスリファレンス]
本出願は、2021年2月22日に出願された“INTELLIGENT CELLULAR CHANNEL MANAGEMENT”と題する米国特許出願第17/181,815号に対する優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ユーザ機器(UE)とセルラネットワークとの間でデータを交換するためには、UEとセルラコアネットワークとの間に通信チャネルを確立する必要がある。この通信チャネルの確立には、処理及びシグナリングのオーバーヘッドを伴う。チャネルが一旦確立されると、チャネルはタイマに基づいて一定期間維持され得る。タイマが満了する前に、UEとセルラネットワークとの間で追加のデータを交換する必要がある場合、チャネルは再利用され得る。しかしながら、タイマの満了後にUEとセルラネットワークとの間で追加のデータを交換する必要がある場合、以前のチャネルは“破棄”され、アイドルに設定され、又はタイマの満了でクローズされているので、新たなチャネルを創出する必要があり得、これには、必要なオーバーヘッドが伴う。
【発明の概要】
【0003】
インテリジェントなセルラチャネル管理を実施するセルラネットワークシステムに関して様々な実施形態が説明される。幾つかの実施形態では、インテリジェントなセルラチャネル管理を実施するセルラネットワークシステムが説明される。システムは、セルラコアネットワークを含み得る。システムは、セルラコアネットワークの一部として機能するショートメッセージサービスセンタ(SMSC)を含み得る。システムは、セルラコアネットワークと通信するセルラ基地局を含み得る。セルラ基地局(BS)は、セルラ無線アクセス技術(RAT)を使用してユーザ機器(UE)と無線通信し得る。セルラBSは、UEからのセルラサービスリクエストに応答してSMSCを介してショートメッセージサービス(SMS)メッセージを送信するために、UEとセルラネットワークシステムの集約ユニット(CU)との間に物理セルラ通信チャネルを確立するように構成され得る。システムは、CUと通信するセルラネットワークメッセージングコントローラを含み得る。セルラネットワークメッセージングコントローラは、UEの使用の1つ以上の特性を分析するように構成され得る。セルラネットワークメッセージングコントローラは、UEの使用の分析された1つ以上の特性に基づいて、物理セルラ通信チャネルがアクティブに保たれ得る継続時間を判定するように構成され得る。セルラネットワークメッセージングコントローラは、物理セルラ通信チャネルがアクティブに保たれ得る継続時間を調整するとセルラネットワークメッセージングコントローラが判定することに基づいて、物理セルラ通信チャネルをアクティブに保つためのチャネル維持命令をCUへ送信するように構成され得る。チャネル維持命令に応答して、物理セルラ通信チャネルはアクティブに保たれ得る。
【0004】
こうしたシステムの実施形態は、以下の特徴の内の1つ以上を含み得、UEは、物理セルラ通信チャネルを介してSMSメッセージを送信するように構成され得る。UEは、UEの使用の1つ以上の特性をセルラBSへ送信するように構成され得る。UEは、SMSメッセージングアプリケーションがUE上でオープンであり得ることを指し示す第1の特性を送信するように構成され得る。UEは、ユーザがUE上でタイピングしていることがあることを指し示す第2の特性を送信するように構成され得る。SMSCは、物理セルラ通信チャネルを介してUEによって送信されたSMSメッセージを受信し、SMSメッセージを宛先へ送信するように構成され得る。物理セルラ通信チャネルは、アクティブである間、セルラBSとUEの間での使用のためにリザーブされている無線リソースを含み得る。チャネル維持命令により、セルラコアネットワークはチャネルタイマの継続時間を増加させ得る。チャネルタイマが満了した場合、物理セルラ通信チャネルはアイドルに設定され得る。セルラコアネットワークは、チャネル維持命令を受信した後、物理セルラ通信チャネルをアイドルに設定し得る。セルラネットワークメッセージングコントローラは、UEの使用の1つ以上の特性を分析するために機械学習プロセスを実施し得る。UEの使用の1つ以上の特性は、UEによって送信されたSMSメッセージ特性であり得る。機械学習プロセスは、SMSメッセージの長さ、SMSメッセージが送信された時間、SMSメッセージが送信されたUEの位置、及びSMSコードからなる群から選択される少なくとも1つの特性を分析することを含み得る。セルラコアネットワークはネイティブ5Gニューラジオ(NR)であり得、セルラ基地局はgNodeBであり得る。
【0005】
幾つかの実施形態では、インテリジェントなセルラチャネル管理を実施するための方法が説明される。方法は、UEからのセルラサービスリクエストに応答してショートメッセージサービス(SMS)メッセージを送信するために、ユーザ機器(UE)とセルラネットワークの集約ユニット(CU)との間に物理セルラ通信チャネルを確立することを含み得る。方法は、UE、SMSメッセージ、又はそれらの両方の1つ以上の特性を分析することを含み得る。方法は、分析された1つ以上の特性に基づいて、物理セルラ通信チャネルがアクティブに保たれ得る継続時間を判定することを含み得る。方法は、物理セルラ通信チャネルがアクティブに保たれ得る継続時間を調整するとセルラネットワークメッセージングコントローラが判定することに基づいて、物理セルラ通信チャネルをアクティブに保つためのチャネル維持命令をCUへ送信することを含み得る。チャネル維持命令に応答して、CUは物理セルラ通信チャネルをアクティブに保ち得る。方法は、物理セルラ通信チャネルを介してSMSメッセージをUEによって送信することを更に含み得る。方法はUEの使用の特性をセルラBSへUEによって送信することを更に含み得る。特性は、SMSメッセージングアプリケーションがUE上でオープンであり得ることを指し示し得る。方法は、ユーザがUEにテキストを入力していることがあることを指し示す第2の特性をUEによって送信することを更に含み得る。方法は、物理セルラ通信チャネルを介してUEによって送信されたSMSメッセージをセルラネットワークのSMSCによって受信することを更に含み得る。方法は、SMSメッセージを宛先にルーティングさせることを更に含み得る。物理セルラ通信チャネルは、アクティブである間、セルラBSとUEの間での使用のためにリザーブされている無線リソースを含み得る。方法は、チャネル維持命令に応答してチャネルタイマの継続時間をCUによって増加させることを更に含み得る。チャネルタイマが満了した場合、物理セルラ通信チャネルはアイドルに設定され得る。方法は、チャネル維持命令に基づいて物理セルラ通信チャネルをアイドルにCUによって設定することを更に含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
様々な実施形態の性質及び利点の更なる理解は、以下の図を参照することによって更に達せられ得る。添付の図では、同様のコンポーネント又は機構は同じ参照符号を有し得る。更に、同じ種類の様々なコンポーネントは、参照符号の後にダッシュと類似のコンポーネント間を区別する第2の符号を続けることによって区別され得る。本明細書において第1の参照符号のみが使用される場合、説明は、第2の参照符号に関係なく、同じ第1の参照符号を有する同様のコンポーネントの何れか1つに適用可能である。
【0007】
【
図1】インテリジェントなセルラチャネル管理を実施するセルラネットワークシステムの一実施形態を説明する。
【
図2】インテリジェントセルラチャネル管理を実施するセルラネットワークシステムの一部として機能するユーザ機器の一実施形態を説明する。
【
図3】インテリジェントなセルラチャネル管理を実施する、UEとセルラネットワークシステムのセルラコアネットワークとの間の通信のスイムダイアグラムを説明する。
【
図4】インテリジェントなセルラチャネル管理を実施するための方法の一実施形態を説明する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書で詳述する実施形態は、UEと基地局(BS)との間の通信のために確立されるチャネルの継続時間を、送信されるメッセージの特性、監視されるUEの特性、又はそれらの両方に基づいてインテリジェントに変更させる。(例えば、セルラネットワークの全てのユーザに対して)固定の継続時間を使用するタイマが、非アクティブに起因してチャネルがいつアイドルに設定されるべきかを判定するために使用されるのではなく、チャネルの継続時間はネットワークメッセージングコントローラシステム(NMCS)によって変更されるか、又はチャネルがアイドルであるべきとNMCSが判定するまでチャネルはオープンに維持される。
【0009】
NMCSは、UEの特性、ネットワーク特性、RF特性、及び/又はUEによって(又はUEへ)送信されたメッセージを監視し得る。規則に基づいて、NMCSは、チャネルをオープンに保つためにタイマが設定され得る時間を判定する様々な規則を適用し得る。タイマが経過し始めた後、タイマの継続時間はUEの特性に基づいて調整され得る。他の実施形態では、タイマが存在しなくてもよい。むしろ、NMCSは、特性を分析し得、規則(又は機械学習モデル)を適用し得、及び、チャネルの状態を制御するタイマを設定/調整し得るか、又は通信チャネルの状態(例えば、アイドルに設定されているか否か)を制御するコマンドを送信し得る。
【0010】
幾つかの実施形態では、規則のセットを適用するのではなく、人工知能(AI)構成がNMCSの一部として組み込まれる。例えば、同じチャネルを使用して、将来送信される可能性のあるメッセージのために、どのくらいの間チャネルがオープンに維持されるべきかを判定するために、NMCSは機械学習を用い得る。機械学習モデルは、最初に送信されたメッセージの特性、UEの特性、又はそれらの両方に基づいてトレーニングされ得る。
【0011】
規則ベース、機械学習ベース、又はハイブリッド構成の何れであっても、こうした実装は、ページング又は通信チャネルのセットアップを保留してキューイングされる必要があるメッセージが少ないことに起因して、UEとセルラネットワークとの間の通信のレイテンシを短縮することを可能にし得る。こうした実装は、スケジューリング及び無線チャネルのリソースがユーザの挙動及びアプリケーションの状態データ等の高レベルのデータを使用して管理されるため、より効率的な無線の最適化を可能にし得る。更に、通信チャネルの状態がより効率的に管理されるため、UEのバッテリ寿命は、シグナリングが減少することに起因して改善され得る。
【0012】
こうした実施形態及び追加の実施形態に関する更なる詳細は、図に関連して提示される。
図1は、インテリジェントなセルラチャネル管理を実施するセルラネットワークシステム100の一実施形態を説明する。セルラネットワークシステム100は、UE110(UE110-1、UE110-2、UE110-3)と、基地局115と、無線ユニット(RU)120と、分散ユニット(DU)127、集約ユニット(CU)129、及び国内データセンタ(NDC)130を含み得るセルラネットワーク125と、NMCS140と、データアプリケーション145と、オーバーザトップ(OTT)メッセージングアプリ150とを含み得る。
【0013】
UE110は、セルラネットワークを介して通信する様々な形態のデバイスを表し得る。UE110はスマートフォン、携帯電話、セルラモデム、セルラアクセスポイント(AP)、モノのインターネット(IoT)デバイス、固定無線デバイス等を含み得る。説明するように、3つのUE110が説明されている。UEのこの数は単なる例である。UE及びセルラネットワークは、1つ以上の無線アクセス技術(RAT)に従って機能し得る。例えば、UE及び基地局115は、5Gニューラジオ(NR)セルラ通信プロトコルに従って通信し得る。4G Long Term Evolution(LTE)、GSM、3G等のその他のRATが可能であり、6G等のまだ開発又は配備されていないRATも可能である。
【0014】
UE110は基地局115と通信する。5G NRセルラネットワークの場合、用語、基地局及びgNodeBは相互に交換可能に使用され得る。基地局115は、1つ以上のアンテナ及びRU120を含み得る。RU120は、無線通信とセルラネットワーク125との間のインターフェースとして機能する。セルラネットワーク125は、ネイティブ5G NRであり得る。他の実施形態では、セルラネットワーク125は、何らかの他の規格に従って機能し得る。セルラネットワーク125は、セルラネットワーク125内のコンポーネントの機能が、専用のファームウェア又はソフトウェアを実行する汎用コンピュータサーバを使用して全体的又は大部分が実装されるように、オープン無線アクセスネットワーク(O-RAN)規格に従って実装され得る。
【0015】
セルラネットワーク125は、DU127、CU129、1つ以上の地域データセンタ(図示せず)、及びNDC130を含み得る。簡略化のために、RU120、DU127、及びCU129の単一のインスタンスのみが説明されているが、セルラネットワークの実際の実装は、地理的に広い地域に渡って実装されている多くの同様のコンポーネントを含み得る。5G NRベースのネットワークでは、gNodeB(gNB)は、1つ以上のRU、1つ以上のDU、及びCUを含む。異なるシステムアーキテクチャでは、特定の機能がDU又はCUの何れかに割り当てられ得る。NDC130は、ショートメッセージサービス(SMS)メッセージング等のメッセージングに特有の機能を実施し得る。この文書内で詳述される実施形態は、SMSメッセージングに焦点を当てているが、通信チャネルがSMSメッセージングに対してオープンに維持されるべきであるか否かを判定するために適用される原理は、通信チャネルがUEとRU120との間のその他の形式の通信に対してオープンに維持されるべきか否かを判定することにも適用され得る。
【0016】
NDC130は、ショートメッセージサービス機能(SMSF)132、ショートメッセージサービスセンタ(SMSC)134、インターネットプロトコル-ショートメッセージ-ゲートウェイ(IP-SM-GW)/ショートメッセージサービスゲートウェイ(SMS-GW)136(以下“GW136”)、IPマルチメディアサブシステム(IMS)138、及び5G Cの機能を実施し得る。SMSF132は、SMSテキストの送信元及び/又は宛先と関連付けられたサブスクリプション又はパーミッションを分析することを含む機能を実施し得る。SMSF132は、送信及び/又は受信UEに割り当てられたサブスクリプション又はパーミッションに従っている場合にのみ、SMSの完了を許可し得る。SMSF132は、許可されたSMSメッセージをSMSC134へ転送する役割を果たし得る。GW136は、セルラネットワークプロバイダ間及びその他の形態のネットワークとのSMS送信(例えば、GW136と通信するためにインターネットを使用するコンピュータシステムからのSMSメッセージの送信)を容易にし得る。SMSC134は、セルラネットワーク対するSMSメッセージを格納、転送、変換、及び配信する役割を果たし得る。IMS138は、SMSメッセージをIPを介して配信することを可能にする。IMS138は、SMSメッセージをユーザプレーンを通じてルーティングし、SMSをSMSC134へ送信するためにIMSを使用する。SMSがIMS138を介してルーティングされるか、それとも制御プレーン及びSMSF132を介してルーティングされるかに関係なく、この文書で提示する実施形態は適用可能である。
【0017】
5Gコア139は様々な機能を実施し得る。5Gコア139は、認証サーバー機能(AUSF)、コアアクセス及びモビリティ管理機能(AMF)、他の様々なネットワークへのアクセスを提供し得るデータネットワーク(DN)、構造化データストレージネットワーク機能(SDSF)、並びに非構造化データストレージネットワーク機能(UDSF)を含み得る。
【0018】
SMSメッセージがUE110-1等のUEからSMSC134若しくはIMS138へ送信される場合、又はSMSC134若しくはIMS138からUE110-1へ送信される場合、夫々コントロールプレーン又はユーザプレーン上にあるUE110-1とCU129との間に通信チャネルが創出される。通信チャネルは、UE110-1とCU129との間の通信のためにリザーブされている、特定の周波数及び/又は期間等の無線リソースを含み得る。セルラ通信プロトコルスタックでは、通信チャネルは、スタックの物理層を表し得、UEとRUとの間の無線通信のための時間及び/又は周波数リソースのリザベーションを含む。通信チャネルの確立は、UE110-1、RU120、DU127、及び/又はCU129の間で発生する、ある量のシグナリングを含む。より具体的には、この通信チャネルは、UE110-1とセルラネットワークのgNB(DU及びCU)との間に確立されている無線リソース制御(RRC)接続の形式であり得る。RRC接続は、アイドルモード(接続が存在しない)、専用チャネル、(UEからgNBへの)順方向アクセスチャネル、セルページングチャネル、及びURAページングチャネルを含む幾つかのモードで存在し得る。これらの状態の各々は、UEとgNBとの間の異なる量のシグナリング、gNB、RU、及びUEによって使用されているある量の通信/処理リソース、並びにUEによる異なる量の消費電力を含む。通信チャネルの確立、状態、及びクローズについての情報は、UEとgNBとの間に存在するセルラ無線プロトコルスタックの機能層である非アクセスストラタム(NAS)上で発生し得る。
【0019】
UE110-1とgNBとの間で通信チャネルがアクティブ(すなわち、アイドル以外の任意のモード)である場合、通信チャネルが維持されるべき状態を判定するために、gNBによって複数のタイマが維持され得る。例えば、第1のタイマ(T1)は、専用チャネルから順方向アクセスチャネルへの遷移がいつ発生するかを判定し得、第2のタイマ(T2)は、順方向アクセスチャネルからページングチャネルへの遷移がいつ発生するかを制御し得、第3のタイマ(T3)は、ページングチャネルからアイドルへの遷移がいつ発生するかを制御し得る。これらのタイマの継続時間はネットワークオペレータによって設定され得る。従来、タイマは全てのUEに対して静的である。タイマがアクティブである間に通信チャネルが利用された場合、時間はリセットされ得る。通信チャネルが再び利用される前にタイマが満了した場合、遷移が発生し得る。
【0020】
セルラネットワークシステム100は、NMCS140を含み、NMCS140は、NDC130と通信し得、又はDU127及び/若しくはCU129等の1つ以上のgNBコンポーネントと直接通信し得る。NMCS140は、チャネル維持命令をgNBへ送信することによって、UEとgNBとの間の通信チャネルの状態を制御し得る。NMCS140は、タイマT300等のタイマの継続時間を設定又は修正するためにチャネル維持命令を使用し、又はNMCS140からgNBへコマンドが送信されることに応じて通信チャネル上で遷移を行うことによって、こうしたタイマを置き換え又は取り換え得る。
【0021】
NMCS140は、複数の情報源に基づいて、通信チャネルタイマの継続時間、又は通信チャネルが維持されるべき状態についての決定を行い得る。第1の情報源は、UEによってgNBへ送信される特性であり得、セルラネットワーク125によってNMCS140へ転送され得る。こうした特性の詳細は、
図2に関連して提供される。追加的又は代替的に、NMCSは、SMSメッセージ自体の特性に基づいて、通信チャネルタイマの継続時間、又は通信チャネルが維持されるべき状態についての決定を行い得る。DU127及びCU129を含み得るgNB、又はSMSC134は、SMSメッセージ自体をNMCS140へ送信し得、又は分析のためにSMSメッセージの特性をNMCS140へ送信し得る。こうした特性は、SMSが送信された時間、SMSメッセージが送信された日付、SMSメッセージが送信された地理的位置、SMSメッセージの送信元のアイデンティティ、SMSメッセージの受信者のアイデンティティ、受信者が所在する地理的位置、SMSメッセージを送信したアプリケーション、SMSメッセージの長さ、SMSメッセージ内に存在した特定の文字列、SMSメッセージを発信したUEのタイプ若しくはクラス、送信者が使用したセルラネットワークスライス、受信者が使用するセルラネットワークスライス、規定された期間内にUEによって送信されたSMSメッセージの数、及び/又は使用されたSMSコード(例えば、GSMコード、USC2コード)を含み得る。
【0022】
SMSメッセージ及びUEの特性に加えて、又はそれに代えて、NMCS140はセルラネットワークの特性を分析し得る。NMCS140は、RU120とUE110との間の無線リソースの使用量の特性を受信し得る。NMCS140は、セルラネットワーク125の特定のコンポーネントの処理又は通信リソースの使用量等のその他のネットワーク情報を受信し得る。分析される特性は、UEのRF状態、UEの電力消費(例えば、gNBへ送信された信号がより低い電力である場合、UEの電力消費はより低い)、ネットワーク負荷、SINR、干渉状態、時刻、曜日等を追加的に又は代替的に含み得る。
【0023】
NMCS140は様々な方法で機能し得る。幾つかの実施形態では、NMCS140は、UEの特性、SMSメッセージの特性、及び/又はセルラネットワークの特性に基づいて従う様々な規則を有する。これらの規則は、T300クラスのタイマ等のタイマの継続時間を設定又は更新するために使用され得る。或いは、これらの規則は、通信チャネルが特定のアクティブ状態に維持されるべきこと、又はアイドルに設定されるべきことを指し示すコマンドをgNBへ送信するために使用され得る。表1は、タイマの継続時間を調整するために使用され得る可能な規則の例を指し示す。
【0024】
【0025】
幾つかの実施形態では、規定された規則を使用するのではなく、機械学習モデル144を使用する等、AIベースのアプローチがNMCS140によって使用され得る。機械学習は、使用されるべきタイマの継続時間、及び/又は通信チャネルの状態をアイドルに切り替えるためのコマンドを送信すべき時期を判定するために機械学習モデル144をトレーニングすることを含み得る。トレーニングするデータのセットは、多数のSMSメッセージと、SMSメッセージが送信/受信されるべきUEについての特性を、UEが利用可能な通信チャネルを次に必要とする時期についてのデータと共に含み得る。例えば、考えられる機械学習の実装の1つは、これらの特性の内の幾つか又は全てに基づいて、ニューラルネットワークがトレーニングされることを含み得る。これらの特性は、ニューラルネットワークへの入力機構として機能し得る。ニューラルネットワークは、事前定義されたタイマ継続時間又は継続時間クラスを選択するために、該機構に基づいて分類をその後実施し得る。他の実施形態では、タイマを設定するために、及び/又は通信チャネルの状態を変更するためのコマンドをいつ送信すべきかを判定するために使用され得る特定の時間を計算するために、その他の形式の機械学習が使用され得る。
【0026】
幾つかの実施形態では、NMCS140は、以前に設定されたタイマを修正し得る。実例として、変化したUEの特性に基づいて、タイマの継続時間を変更することは効率的であり得る。例えば、タイマが満了するように設定され、その結果、通信チャネルがアイドルに設定されるであろうが、ユーザがSMSアプリケーションをオープンにしたことを指し示すUEについての特性情報をNMCS140が受信した場合、NMCS140は、タイマの継続時間を増加させ得る。同様に、タイマが一定時間の間満了するように設定されていないが、ユーザがSMSアプリケーションをクローズしたことを指し示すUEについての特性情報をNMCS140が受信した場合、NMCS140は、タイマの継続時間を短縮し得、又は通信チャネルがアイドルに設定されることを指し示すコマンドをgNBへ送信し得る。こうした修正は、規則又は機械学習モデルを使用してNMCS140によって管理され得る。
【0027】
幾つかの実施形態では、UE及び/又はSMSメッセージの特性を使用することに加えて、又はその代わりに、1つ以上の他のソースからデータを取得され得る。例えば、別個のデータアプリケーション145は、通信チャネルが設定されるべき状態(又はタイマがどのように調整されるべきか)を判定するために使用され得る情報をNMCS140に提供し得る。例として、ストリーミングビデオカメラからデータを受信するシステムは、ユーザがUEを置いて立ち去り、したがって、ユーザが近い将来、SMSテキストメッセージを送信する可能性は低いと判定し得る。別の例として、OTTメッセージングアプリケーション150は、別のSMSメッセージが送信される可能性があるか否かについてのデータを提供し得るサードパーティメッセージングアプリケーションであり得る。実例として、OTTメッセージングアプリケーション150は、OTTメッセージングアプリケーション150が特定の期間内にSMSを送信するつもりであること、又はOTTメッセージングアプリケーション150が特定の期間内にUEが応答することを期待していることを指し示す情報をNMCS140に提供し得る。この情報は、タイマの継続時間、又は通信チャネルが設定されるべき特定の状態を判定するために、NMCS140によって使用され得る。
【0028】
図2は、インテリジェントなセルラチャネル管理を実施するセルラネットワークシステムの一部として機能するUE200の一実施形態を説明する。UE200は、例えば、UE110-1、UE110-2、UE、110-3等として機能し得る。UE200は、処理システム210及び無線コンポーネント220を含み得る。無線コンポーネント220は、5G NR及び4G LTE等の1つ以上のRATを介してUE200が通信することを可能にし得る。無線コンポーネント220は、処理システム210とデータを交換し得る。
【0029】
処理システム210は、1つ以上の専用プロセッサ又は汎用プロセッサを含み得る。こうした専用プロセッサは、本明細書で詳述する機能を実施するように特別に設計されたプロセッサを含み得る。こうした専用プロセッサは、本明細書で詳述する機能を実施するように物理的及び電気的に構成された汎用コンポーネントであるASIC又はFPGAであり得る。こうした汎用プロセッサは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ(HDD)、又はソリッドステートドライブ(SSD)等の1つ以上の非一時的プロセッサ可読媒体を使用して格納された専用ソフトウェアを実行し得る。処理システム210は、UEオペレーティングシステム(OS)212、メッセージングアプリケーション214、アプリケーション216、及びファームウェア、ソフトウェア、又は専用ハードウェアの形態を問わないチャネルコントローラ218の機能を実施し得る。
【0030】
UE OS212を実行することに加えて、メッセージングアプリケーション214が処理システム210によって実行され得る。メッセージングアプリケーション214は、SMSテキストメッセージを送信及び受信するために使用され得る。マルチメディアメッセージングサービス(MMS)メッセージ等のその他の形式のメッセージも、メッセージングアプリケーション214を介して送信又は受信され得る。チャネルコントローラ218は、処理システム210によって実行され得る。チャネルコントローラ218は、ユーザが直接インタラクトしないバックグラウンドプロセスであり得る。むしろ、チャネルコントローラ218は、メッセージングアプリケーション214、アプリケーション216によって取られているアクション、及び/又はユーザがUE200とどのようにインタラクトしているかに基づいて、UE200の特性を監視し得る。チャネルコントローラ218は、定期的又は時折、UEの特性をNMCSへ送信させ得る。こうした特性は、ユーザがUE上でタイピングしているか(又は音声入力を提供しているか)否か、UEがどのような速度でどの方向に移動しているか否か、UEの向き、どのアプリケーションが現在アクティブであるか、(例えば、SMSベースの認証プロセスを実施している)アプリケーションの状態、SMSアプリケーションがアクティブであるか否か、オーディオ/ビデオがUEによって出力されているか否か、及びUEがロックされているか否かを含み得る。UEの特性は、チャネルが既にオープンにされている間に送信され得、予測され得、及び/又はパケット接続を介する等、代替の経路を介してセルラネットワークへ送信され得る。
【0031】
こうした特性の指標は、セルラネットワークへ時折送信され得、NMCS140へ転送され得る。NMCS140は、チャネルの状態がアイドル状態等にいつ変更されるべきかのためのタイマを設定するためにこのデータを使用し得、又は状態を変更するためにコマンドをgNBへいつ送信すべきかを判定するために使用され得る。
【0032】
図3は、インテリジェントなセルラチャネル管理を実施する、UEとセルラネットワークシステムのセルラコアネットワークとの間の通信のスイムダイアグラムを説明する。
図3において、UE、gNB、AMF(5Gコアアクセス及びモビリティ機能)、SMSF、及びSMSC間のインタラクションが説明されている。AMFは、セルラネットワーク125のNDC130によって実施される機能として理解され得る。AMFは、UEから接続及びセッション関連情報を受信し、接続及びモビリティ管理関連タスクの処理を担当し得る。
【0033】
サービスリクエスト310は、UEがセルラネットワークに送信されるSMSメッセージを有する場合に発生する。サービスリクエストがUEに存在する時間に、UEは、アイドルモードでその通信チャネルを有し得る。アイドルモードから通信チャネルを確立するために、2ステップのRACH(ランダムアクセスチャネル)プロセス320(又は3G等のその他のプロセス)がUEによって開始され得る。RACHは、gNBとスケジューリングされていない通信を実施するために複数のUEによって使用される共有チャネルである。RACHに使用される物理層チャネルはPRACHと称される。2ステップのRACHでは、送信される第1のSMSテキストを含み得る、RA(ランダムアクセス)プリアンブル及びメッセージを含む第1のトランスミッションがUEからgNBへ送信される。正常に受信された第1トランスミッションに応答して、gNBは、RAレスポンス及びメッセージを含む第2のトランスミッションでUEに応答する。RAレスポンスは、第1のトランスミッションから検出されたプリアンブルID、タイムアドバンスコマンド、及びUEからgNBへの将来の第3のトランスミッションをスケジューリングするためのアップリンクグラントを含み得る。
【0034】
2ステップのRACHに続いて、通信チャネル(RRCチャネル)がUEに対して確立され、通信チャネルはアイドルモードではなく、UEは、メッセージをgNBへ送信するためのリザーブされた幾つかの数のリソースブロック(タイムスロット及び周波数)を有する。ブロック330及び340において、UEは、将来のSMSメッセージを送信するために、通信チャネルがアクティブである(すなわち、アイドル状態ではない)間に、これらのリザーブされたタイムスロットを使用し得る。こうしたメッセージは、gNBによって受信され得、ブロック335及び345において処理され得る。
【0035】
この時点で、UEとgNBの間の通信チャネルは非アイドルである。NMCSは、通信チャネルをいつアイドル状態にするかを決定するであろうgNBに対して、タイマがgNBでどのように調整されるべきか(又はコマンドがいつ送信されるべきか)を判定するために、UE及び/又はSMSメッセージの特性に基づいてその分析を実施している。一旦アイドルになると、2ステップのRACHプロセスは繰り返される必要があるであろう。
【0036】
SMSがアイドルのUEから発信され、NAS経由で送信される場合、UEはドメイン選択を実施し、UE及びネットワークは、AMFへのNASシグナリング接続を確立するためにUEトリガのサービスリクエスト手順を実施する。UEは、送信されるSMSメッセージを構築し得る。SMSメッセージは、NASメッセージがSMS転送用であることを指し示す指標と共にNASメッセージ内にカプセル化される。UEは、ブロック340の一部として、NASメッセージをAMFへ送信する。AMFは、現在のUE位置情報及びローカルタイムゾーン等の情報を追加し得、ブロック350において、SMSメッセージ及びUEアイデンティティをUEにサービスを提供するSMSFへ転送し得る。SMSFは、SMS確認応答メッセージをAMFへ送信し得る。AMFは、ダウンリンクユニットデータメッセージを使用して、SMS確認応答メッセージをSMSFからUEへ転送する。SMSFは、SMS管理サブスクリプションデータをチェックし得る。SMSFは、ブロック355においてSMSメッセージをSMSCへ転送し得、ブロック360及び365においてダウンリンクNASトランスポートを介してUEへ転送されるサブミットレポートをAMFへその後転送し得る。非アイドルモードにあるときにSMSがUEから発信された場合、サービスリクエストプロセスは実施される必要がないことがある。
【0037】
SMSがNAS経由でUEにおいて発信されて終了し、UEがアイドルモードにある場合、SMSCは、UE宛てのSMSメッセージをSMSFへ送信し得る。SMSFは、SMS管理サブスクリプションデータをチェックし得る。SMS配信が(例えば、UEにマッピングされたサブスクリプションに従って)許可された場合、SMSFはAMFにコンタクトし得、AMFはUEをページングし得る。UEは、サービスリクエスト手順でページングにその後応答し得る。SMSFは、AMFへ送信されるSMSメッセージを転送し得る。AMFは、SMSメッセージをUEへ転送し得る。UEは、AMFを通じたSMSFへのSMSメッセージの受信を確認応答し得る。AMFは、現在のUE位置情報とローカルタイムゾーンとを含む情報を追加し得る。UEは、配信レポートを返し得る。配信レポートは、NASメッセージ内にカプセル化され得、SMSFへ転送され得るAMFへ送信され得る。SMSFは、UEへの配信レポートの受信を確認応答し得る。AMFは、UEへのNASメッセージを介してSMSメッセージをカプセル化する。UEが既に非アイドルモードにある場合、AMFがUEのページングを実施する必要がないことがあり得ることを除いて、プロセスは同じままであり得、SMSFがSMSをUEへ送信することを可能にするために、SMSFへのメッセージをすぐに続行し得る。
【0038】
図4は、インテリジェントなセルラチャネル管理を実施するための方法400の一実施形態を説明する。方法400は、
図1及び
図2に関連して詳述したシステム及びデバイスを使用して実施され得る。ブロック405において、UEは、最初に、BS(例えば、gNB)とアクティブであるアクティブな物理層通信チャネル(例えば、RRC通信チャネル)を有していないことがある。それ故、BS、より具体的にはgNBへデータを送信するために、UEは、最初にランダムアクセスチャネルを使用して通信する必要があり得、これにはある程度のシグナリングオーバーヘッドを伴い得る。ブロック410において、UEは、gNBに送信するためのデータを受信している。方法400では、受信されるデータは、ユーザからのSMSメッセージである。他の実施形態では、SMSメッセージ以外のデータが送信される必要があり得る。一例として、方法400は、MMSメッセージ又は何らかのその他の形態のデータ送信、例えば、セルラネットワークとIoTデバイスとの間で交換されるデータに適用され得る。
【0039】
送信するためのメッセージの受信に応答して、UEは、ブロック415においてBSとのランダムアクセス交換を実施し得る。例えば、
図3に関連して詳述したように、2ステップのRACHプロセスが実施され得、これは、SMSメッセージの第1の部分がRA交換の一部として送信されることを含み得る。この交換は、少なくとも1つのRAメッセージがUEによってBSへ送信されること、BSが衝突解決として機能し得る応答を送信すること、RAメッセージに関する確認が正常に受信されること、及びUE用の通信チャネルをリザーブすることを含む。他の実施形態では、4ステップのRACHプロセス又は何らかのその他の形式のRAプロセスが実施され得る。
【0040】
ブロック420において、SMSの長さが十分である場合、SMSメッセージの追加部分は送信を保留したままであり得る。SMSメッセージの追加部分は、現在アクティブな通信チャネルを使用してブロック425において送信され得る。ブロック420及び425は、SMSメッセージ全体が送信されるまで繰り返され得る。
【0041】
ブロック430において、最初のSMSメッセージが送信されている。SMSメッセージ、UE、又はサードパーティソースからの情報の1つ以上のプロパティは、タイマ(例えば、T300クラスのタイマ)の初期値、タイマの調整(増加又は減少)値、及び/又は通信チャネルがアクティブに保たれるべきか、アイドルに設定されるべきか、若しくは通信チャネルが維持されるべき特定のモードに関してgNBへ送信するためのコマンドを判定するためにNMCSによって分析され得る。ブロック435において、チャネル維持命令がNMCSによってgNBへ送信され得る。チャネル維持命令は、タイマ(例えば、T300タイマ)に使用する値、タイマのデフォルト値の調整、又は通信チャネルを特定のモードに設定するためのコマンドをgNBに提供し得る。
【0042】
ブロック440、450、及び455は、通信チャネルが依然としてアクティブである間に発生し得る。ブロック450において別のSMSメッセージが送信される場合、通信チャネルは、UEとBSとの間の通信用にリザーブされている少なくともある程度の量の物理通信リソースを含むため、RAプロセスを実施する必要はない。ブロック450において受信された次のSMSメッセージは、NMCSによってアクティブとして維持された通信チャネルを使用してブロック455において送信される。方法400はブロック420に戻ってもよく、SMSメッセージ全体が送信されてもよく、NMCSは、UE、SMSメッセージの特性、及び通信チャネルがいつアイドルに設定されるべきかを判定するためのその他の特性ソースを評価し続けてもよい。
【0043】
ブロック440に戻って、評価された特性に基づいて、通信チャネルがアイドルにされるべきであるとNMCSが判定した場合、又は次のSMSメッセージが送信される前に通信チャネルがアイドルに設定される結果となる値にT300クラスのタイマをNMCSが設定した場合、方法400はブロック445に進み得る。ブロック445において、通信チャネルはアイドルに設定される。方法400は、ここでブロック405に戻る。UEは、将来何らかのデータ変更がUEとBSとの間で実施されるまで、アイドルモードのままであり得る。UEがセルラネットワークにアクセスする必要がある場合、UEとBSとの間の通信用に現在リザーブされている物理リソースがないため、UEは、ここでRAプロセスを繰り返す必要があり得る。
【0044】
上で論じた方法、システム、及びデバイスは一例である。様々な構成は、必要に応じて、様々な手順又はコンポーネントを省略、置換、又は追加してもよい。実例として、代替の構成では、方法は、説明された順序とは異なる順序で実施されてもよく、並びに/又は様々な段階が追加、省略、及び/若しくは組み合わせられてもよい。また、幾つかの構成に関して説明した機構は、他の様々な構成で組み合わされてもよい。構成の異なる態様及び要素は、同様の方法で組み合わされてもよい。また、技術は進化するため、要素の多くは例であり、開示又は特許請求の範囲を限定しない。
【0045】
例示的な構成(実装を含む)の完全な理解を提供するための具体的詳細が説明に与えられている。しかしながら、構成はこれらの具体的詳細なしに実践され得る。例えば、周知の回路、プロセス、アルゴリズム、構造、及び技術は、構成を分かりにくくすることを避けるために、不必要な詳細なしに示されている。この説明は、例示的な構成を提供するだけであり、特許請求の範囲、適用可能性、又は構成を限定しない。むしろ、構成の前述の説明は、記載された技術を実装するための有効な説明を当業者に提供するであろう。開示の精神又は範囲から逸脱することなく、要素の機能及び配置に様々な変更が加えられ得る。
【0046】
また、構成は、フロー図又はブロック図として描写されたプロセスとして説明され得る。各々は順次プロセスとして動作を説明し得るが、動作の多くは並列又は同時に実施され得る。また、動作の順序は並べ替えられ得る。プロセスは、図に含まれていない追加のステップを有し得る。更に、方法の例は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、又はそれらの任意の組み合わせによって実装され得る。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、又はマイクロコードで実装される場合、必要なタスクを実行するためのプログラムコード又はコードセグメントは、ストレージ媒体等の非一時的コンピュータ可読媒体内に格納され得る。プロセッサは、説明したタスクを実施し得る。
【0047】
幾つかの例示的な構成を説明してきたが、開示の精神から逸脱することなく、様々な修正物、代替的構築物、及び均等物が使用され得る。例えば、上記の要素は、より大きなシステムのコンポーネントであり得、他の規則が発明の適用よりも優先され得、さもなければ発明の適用を変更し得る。また、上記の要素を検討する前、間、又は後に、幾つかのステップが着手され得る。
【国際調査報告】