(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】タンポン、アプリケータ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
D04H 1/04 20120101AFI20240208BHJP
A61F 13/26 20060101ALI20240208BHJP
A61F 13/20 20060101ALI20240208BHJP
D04H 1/02 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
D04H1/04
A61F13/26
A61F13/20 260E
D04H1/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550206
(86)(22)【出願日】2022-02-17
(85)【翻訳文提出日】2023-10-20
(86)【国際出願番号】 US2022016753
(87)【国際公開番号】W WO2022178097
(87)【国際公開日】2022-08-25
(32)【優先日】2021-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】315017030
【氏名又は名称】エッジウェル パーソナル ケア ブランズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Edgewell Personal Care Brands, LLC
【住所又は居所原語表記】1350 Timberlake Manor Parkway, Chesterfield, MO 63017 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ガーサフナー ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】バート マイケル
(72)【発明者】
【氏名】オーケリー クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ニガム パンカジ
【テーマコード(参考)】
3B200
4L047
【Fターム(参考)】
3B200AA03
3B200AA15
3B200BA01
3B200BA14
3B200BB05
3B200CA17
3B200DB02
3B200DF13
4L047AA08
4L047AA12
4L047AA28
4L047BA03
4L047CA19
4L047CB07
4L047CC03
4L047EA02
4L047EA04
4L047EA14
4L047EA22
(57)【要約】
特有の形成プロセスを有するタンポン綿撒糸は、グラム/グラム吸収性を低下させることなく材料(重量)を低減し、随意的に吸収性を向上させることを可能にする。タンポン綿撒糸プラジェットは、特有のカーディング、クロスラッピング、ニードルパンチプロセスにより形成される。タンポン・アプリケータは、持続可能な材料と堆肥化可能な材料の少なくとも一方から1又は2以上の構成要素を有して形成される。タンポン・アプリケータ・プランジャーは、少なくとも1つの変形端部を有する。タンポン・アプリケータ・プランジャーは、改善された強度を有する。タンポン組立体は、改善された保持力を有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
約6gから約9gの間の吸収性を有する標準の綿撒糸であって、
前記綿撒糸は、約120gsmから約145gsmの間の坪量を有し、
グラム/グラム吸収性は、約5g/gから約6g/gの間である、
ことを特徴とする綿撒糸。
【請求項2】
前記綿撒糸は、繊維を含み、
前記繊維は、綿又はレーヨン又はそれらの組み合わせである、
請求項1に記載の綿撒糸。
【請求項3】
前記綿撒糸は、100%綿繊維を含む、
請求項2に記載の綿撒糸。
【請求項4】
前記綿撒糸は、少なくとも2つのパッドを有するクロスパッド構成を有し、
前記少なくとも2つのパッドの各々は、前記繊維を含み、
前記繊維は、少なくとも2つの層を形成するようにクロスラッピングを受けており、1平方センチメートル当たり約40パンチから1平方センチメートル当たり約80パンチでニードルパンチされている、
請求項2に記載の綿撒糸。
【請求項5】
前記少なくとも2つのパッドは、約7.6cmから約12.7cmの間の長さ、及び約2.54cmから約7.6cmの間の幅を有する、
請求項3に記載の綿撒糸。
【請求項6】
前記少なくとも2つのパッドの各々は、100%綿を含む、
請求項5に記載の綿撒糸。
【請求項7】
約9gから約12gの間の吸収性を有する超綿撒糸であって、
前記綿撒糸は、約160gsmから約190gsmの間の坪量を有し、
グラム/グラム吸収性は、約5g/gから約6g/gの間である、
ことを特徴とする超綿撒糸。
【請求項8】
前記綿撒糸は、繊維を含み、
前記繊維は、綿又はレーヨン又はそれらの組み合わせである、
請求項7に記載の綿撒糸。
【請求項9】
前記綿撒糸は、100%綿繊維を含む、
請求項8に記載の綿撒糸。
【請求項10】
前記綿撒糸は、少なくとも2つのパッドを有するクロスパッド構成を有し、
前記少なくとも2つのパッドの各々は、前記繊維を含み、
前記繊維は、少なくとも2つの層を形成するようにクロスラッピングを受けており、1平方インチ当たり少なくとも80パンチでニードルパンチされている、
請求項8に記載の綿撒糸。
【請求項11】
前記少なくとも2つのパッドは、約7.6cmから約12.7cmの間の長さ、及び約2.54cmから約7.6cmの間の幅を有する、
請求項7に記載の綿撒糸。
【請求項12】
前記少なくとも2つのパッドの各々は、100%綿を含む、
請求項11に記載の綿撒糸。
【請求項13】
挿入端部と、概して前記挿入端部の反対側の消費者側端部と、を有するタンポン・アプリケータのためのプランジャーであって、
前記プランジャーは、前記挿入端部と前記消費者側端部との間に本体部分を有し、
前記挿入端部は、概して円筒形形状から多角形形状に変形され、
前記多角形形状の外接円の直径は、約9.25mmから約10.25mmの間であり、
前記本体部分は、前記挿入端部が変形された後は、概して円筒形であり、
前記挿入端部の前記長さは、約0.5mmから約5mmの間である、
ことを特徴とするタンポン・アプリケータ用プランジャー。
【請求項14】
前記消費者側端部は、前記消費者側端部の厚さが前記本体部分の厚さより大きくなるように圧延され、
前記消費者側端部の厚さは、約0.5mmから約4mmの間である、
請求項13に記載のタンポン・アプリケータ用プランジャー。
【請求項15】
前記挿入端部は、少なくとも3つの頂点を有する、
請求項13に記載のタンポン・アプリケータ用プランジャー。
【請求項16】
前記少なくとも3つの頂点の各々は、約0.5mmから約1.5mmの曲率半径を有する、
請求項15に記載のタンポン・アプリケータ用プランジャー。
【請求項17】
プランジャーの端部を成形するための装置であって、
前記装置は、外径及び外側高さを有する外側円筒部分と、
前記外側高さよりも低い高さを有する凹形中間部分であって、前記凹形中間部分は、約0.5mmから約4mmの間の幅を有する、凹形中間部分と、
概して円筒形である中央部分であって、前記中央部分は、テーパ状に配向された端部を有し、前記中央部分は、前記外側高さよりも高い中央部分高さを有し、前記中央部分は、少なくとも3つの点を有する多角形形状を有するベース領域を有する、中央部分と、を備える、
ことを特徴とする装置。
【請求項18】
約6gから約9gの間の吸収性を有する標準の綿撒糸(10)であって、
前記綿撒糸(10)は、約120gsmから約145gsmの間の坪量を有し、
前記グラム/グラム吸収性は、約5g/gから約6g/gの間である、
請求項1ないし17のいずれか1項に記載の標準の綿撒糸(10)。
【請求項19】
前記綿撒糸(10)は、繊維を含み、
前記繊維は、綿(16)又はレーヨン(12、14)又はそれらの組み合わせである、
請求項1ないし18のいずれか1項に記載の綿撒糸(10)。
【請求項20】
前記綿撒糸(10)は、100%綿繊維(16)を含む、
請求項1ないし19のいずれか1項に記載の綿撒糸(10)。
【請求項21】
前記綿撒糸(10)は、少なくとも2つのパッド(52、54)を有するクロスパッド構成(53)を有し、
前記少なくとも2つのパッド(52、54)の各々は、前記繊維を含み、
前記繊維は、少なくとも2つの層を形成するようにクロスラッピングを受けており、1平方センチメートル当たり約40パンチから1平方センチメートル当たり約80パンチでニードルパンチされている、
請求項1ないし20のいずれか1項に記載の綿撒糸(10)。
【請求項22】
前記少なくとも2つのパッド(52、54)は、約7.6cmから約12.7cmの間の長さ(58)、及び約2.54cmから約7.6cmの間の幅(56)を有する、
請求項1ないし21のいずれか1項に記載の綿撒糸(10)。
【請求項23】
前記少なくとも2つのパッド(52、54)の各々は、100%綿(16)を含む、
請求項1ないし22のいずれか1項に記載の綿撒糸(10)。
【請求項24】
約9gから約12gの間の吸収性を有する超綿撒糸(10)であって、
前記綿撒糸(10)は、約160gsmから約190gsmの間の坪量を有し、
前記グラム/グラム吸収性は、約5g/gから約6g/gの間である、
請求項1ないし23のいずれか1項に記載の超綿撒糸(10)。
【請求項25】
前記綿撒糸(10)は、繊維を含み、
前記繊維は、綿(16)又はレーヨン(12、14)又はそれらの組み合わせである、
請求項1ないし24のいずれか1項に記載の綿撒糸(10)。
【請求項26】
前記綿撒糸(10)は、100%綿繊維(16)を含む、
請求項1ないし25のいずれか1項に記載の綿撒糸(10)。
【請求項27】
前記綿撒糸(10)が、少なくとも2つのパッド(52、54)を有するクロスパッド構成(53)を有し、
前記少なくとも2つのパッド(52、54)の各々は、前記繊維を含み、
前記繊維は、少なくとも2つの層を形成するようにクロスラッピングを受けており、1平方インチ当たり約40パンチから1平方インチ当たり約80パンチの間でニードルパンチされている、
請求項1ないし26のいずれか1項に記載の綿撒糸(10)。
【請求項28】
前記少なくとも2つのパッド(52、54)は、約7.6cmから約12.7cmの間の長さ(58)、及び約2.54cmから約7.6cmの間の幅(56)を有する、
請求項1ないし27のいずれか1項に記載の綿撒糸(10)。
【請求項29】
前記少なくとも2つのパッド(52,54)の各々は、100%綿(16)を含む、
請求項1ないし28のいずれか1項に記載の綿撒糸(10)。
【請求項30】
挿入端部(108)と、前記挿入端部(108)の概して反対側の消費者側端部(110)と、を有するタンポン・アプリケータ(120)用プランジャー(80)であって、
前記プランジャー(80)は、前記挿入端部(108)と前記消費者側端部(110)との間に本体部分(104)を有し、
前記挿入端部(108)は、多角形形状を有する変形プランジャー端部(112)であり、前記本体部分(104)は、概して円筒形であり、
前記多角形形状の外接円の直径(76)は、約9.25mmから約10.25mmの間であり、
前記挿入端部(108)の高さ(111)は、約0.5mmから約5mmの間である、
請求項1ないし29のいずれか1項に記載のタンポン・アプリケータ(120)用プランジャー(80)。
【請求項31】
前記消費者側端部(110)は、前記消費者側端部(110)の厚さが前記本体部分(104)の厚さよりも大きくなるように圧延されており、
前記消費者側端部(110)の厚さは、約0.5mmから約4mmの間である、
請求項1ないし30のいずれか1項に記載のタンポン・アプリケータ(120)用プランジャー(80)。
【請求項32】
前記挿入端部(108)は、少なくとも3つの頂点(74)を有する、
請求項1ないし31のいずれか1項に記載のタンポン・アプリケータ(120)用プランジャー(80)。
【請求項33】
前記少なくとも3つの頂点(74)の各々は、約0.5mmから約1.5mmの曲率半径(113)を有する、
請求項1ないし32のいずれか1項に記載のタンポン・アプリケータ(120)用プランジャー(80)。
【請求項34】
請求項1ないし33のいずれか1項に記載のプランジャー(80)の端部を成形するための装置であって、
外径(86)及び外側高さ(88)を有する外側円筒部分(84)と、
前記外側高さ(88)よりも低い高さ(92)を有する凹形中間部分(90)であって、前記凹形中間部分(90)は、約0.5mmから約4mmの間の幅(94)を有する、凹形中間部分(90)と、
概して円筒形である中央部分(96)であって、前記中央部分(96)は、テーパ状に配向された端部(98)を有し、前記中央部分(96)は、前記外側高さ(88)よりも高い中央部分高さ(100)を有し、前記中央部分(96)は、少なくとも3つの点を有する多角形形状を有するベース領域(102)を有する、中央部分(96)と、を備える、
ことを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2021年2月19日出願の米国仮特許出願番号第63/151,258号の優先権を主張し、その開示内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本開示は、個別に、そしてタンポン・アプリケータ組立体として共に機能する、タンポン綿撒糸及びタンポン・アプリケータに関する。
【背景技術】
【0003】
タンポン綿撒糸は、月経液を貯蔵するための吸収材料を提供する。吸収材料は、綿繊維及びレーヨン繊維を含み、レーヨン繊維は、歴史的に、より大きな吸収能力、すなわち、綿繊維よりも多量の液体を保持する能力を有している。レーヨン繊維は、処理が施されており、一部の消費者の目には、その化学組成により不安が生じる。そのため、レーヨンタンポン綿撒糸と同等の性能を持つ綿タンポン綿撒糸に対するニーズがある。そのために、吸収性を維持又は増加させるタンポン綿撒糸の製造及び形成のための改良された方法を作り出すことにより、レーヨン繊維の使用量を削減するニーズがある。
【0004】
タンポン・アプリケータは、従来からプラスチック又は厚紙から作られてきた。プラスチック製アプリケータは、一部の消費者により、快適性が改善されたと認識されており、従って、タンポン・アプリケータ製品の消費者の大多数は、プラスチック製アプリケータを利用している。それにもかかわらず、世界が、持続可能でない、リサイクル可能でない、生分解性でない及びコンポスト可能でない製品がもたらす害をさらに認識し、緩和することに熱心になるにつれて、より良い性能の天然ベースのアプリケータ及び一般的により環境に優しいアプリケータに対するさらなるニーズが存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一形態では、タンポン綿撒糸が提供される。タンポン綿撒糸は、レーヨン又は綿又はそれらの組み合わせなどの吸収性繊維を含む。タンポン綿撒糸は、ウェブ、解けた繊維、又はクロスパッド構成もしくはオフセット構成(しかしこれらに限定されない)のように互いに積み重ねられた複数のウェブから構成される。タンポン綿撒糸の材料(吸収性繊維)は、カーディングされ、クロスラップされ、ニードルパンチされた材料から構成される。吸収性繊維は、ニードルパンチされており、吸収材料の1平方センチメートル当たり5以上のニードル、又は1平方センチメートル当たり20以上のニードル、又は1平方センチメートル当たり30以上のニードル、又は1平方センチメートル当たり40以上のニードル、又は1平方センチメートル当たり70以上のニードル、又は1平方センチメートル当たり150までのニードル、又は1平方センチメートル当たり約5から1平方センチメートル当たり約150の間のニードル、又は1平方センチメートル当たり約40から1平方センチメートル当たり約140の間のニードル、又は1平方センチメートル当たり約70から1平方センチメートル当たり約130の間のニードル、又は1平方センチメートル当たり約80から1平方センチメートル当たり120の間のニードル、又は1平方センチメートル当たり約30から1平方センチメートル当たり約90の間のニードル、又は1平方センチメートル当たり約40のニードル、又は1平方センチメートル当たり約80のニードルが存在する。その後、タンポン綿撒糸は、軸方向圧縮及び/又は半径方向圧縮のいずれかによって吸収材料を圧縮して、随意的にテーパ状の先端を有する概して円筒形の形状を成形することによって形成される。綿撒糸の取外し端には、消費者がより簡単に取り外せるように紐が設けられている。
【0006】
本開示のタンポン綿撒糸は、所与の吸収性帯(例えば、標準タンポンは6グラムから9グラムの流体を吸収し、スーパータンポンは9グラムから12グラムの流体を吸収し、スーパー・プラス・タンポンは12グラムから15グラムの流体を吸収し、ウルトラ・タンポンは15グラムから18グラムの流体を吸収し、ライト・タンポンは最大6グラムの流体を吸収する)のそれぞれの既存のタンポンに対して低減された質量を有するが、その吸収性帯でそのように同様に分類されたタンポンと同じかそれ以上の流体を吸収することができる。特定の実施形態では、本開示によるタンポン綿撒糸は、より低い坪量を含みながら、それぞれの吸収性帯において既知のタンポンと比較して、10%以上、又は15%以上、又は18%以上の流体を吸収することができる。本開示の一実施形態では、本開示によるタンポン綿撒糸は、それぞれの吸収性帯において、現在入手可能なタンポンよりも低い密度を有する。本開示の一実施形態では、本開示によるタンポン綿撒糸は、それぞれの吸収性帯において現在入手可能なタンポン綿撒糸よりも少ない質量を含む。
【0007】
本開示の別の形態では、タンポン・アプリケータシステムが提供される。タンポン・アプリケータシステムは、堆肥化可能材料、生分解性材料、持続可能材料、天然材料、リサイクル材料及びリサイクル可能材料である材料を含む。一実施形態では、アプリケータバレルは、上述の材料のうちの1つである。一実施形態では、アプリケータ・プランジャーは、上述の材料のうちの1つである。一実施形態では、アプリケータバレル及びアプリケータ・プランジャーは、上述の材料のうちの1つである。一実施形態では、アプリケータバレル及びアプリケータ・プランジャーは、異なる材料である(しかし、上述の材料のうちの1つを含む)。
【0008】
本開示のさらなる形態では、タンポン・アプリケータシステム(タンポン綿撒糸を含む)は、堆肥化可能材料、生分解性材料、持続可能材料、天然材料、リサイクル材料及びリサイクル可能材料である。例えば、一実施形態では、綿タンポン綿撒糸が提供され(すなわち、天然材料)、バイオプラスチック製アプリケータバレルが提供され(すなわち、天然材料)、ボール紙プランジャーが提供される(すなわち、堆肥化可能材料)。他の実施形態では、再生プラスチック材料は、アプリケータシステム、アプリケータバレル又はアプリケータ・プランジャーのいずれか又は両方に使用される。
【0009】
本開示のさらなる形態では、プランジャーの挿入端部が提供される。プランジャーは、挿入端部と、挿入端部の実質的に反対側の消費者側端部と、挿入端部と消費者側端部とを分離し連結する中間部分と、を有する、概して円筒形である。挿入端部は、プランジャーの端部に少なくとも3つの頂点を形成する変形端部を有する。変形プランジャー端部は、最大10個の頂点を有する。変形プランジャー端部は多角形、例えば三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形などである。多角形の直径は、約9.25mmから約10.25mmの間、より好ましくは9.5mmから約10mm、又は約9.75mmである。
【0010】
タンポン・アプリケータ組立体は、さらなる好ましい特徴を有する。例えば、タンポン・アプリケータ組立体は、改善された放出力を有する(すなわち、アプリケータバレル内でプランジャーを内側に押し込み、それによって綿撒糸の離脱端部を押すために使用者がプランジャーの消費者側端部に加える必要がある力であり、プランジャーの挿入端部は、アプリケータバレルの挿入端部を通過し、プランジャーの全ストロークの移動によってアプリケータバレルから綿撒糸が放出されることを可能にする)。例えば、プランジャーは改善された柱強度を有する。例えば、変形した挿入端部を有するプランジャーは、先行技術のプランジャーよりも改善された保持力を有する。
【0011】
一部のタンポンは、タンポンの挿入を容易にするアプリケータを含む形式で入手可能である。利用可能なタンポン・アプリケータには様々な異なるタイプがある。例えば、いくつかのタイプのアプリケータは、バレル部分及びプランジャーを含む。使用前に、タンポンはバレルの内部空洞内に配置される。プランジャーは、挿入中にタンポンを放出するためにバレルに対して動くように作動可能である。プランジャーは、アプリケータバレルに挿入され、その後、プランジャーの端部が成形される。内側プランジャーと外側プランジャーの2つの部分を含む小型のプランジャーを有する実施形態では、内側プランジャーは、タンポン・アプリケータバレルに挿入される前に外側プランジャーに取り付けられる。その後、タンポンは挿入端部から挿入される。
【0012】
本発明の上述の形態は、本開示の形態を構築するための特有の装置を含む、本明細書でさらに企図される特有の製造及び組み立てを含む。
【0013】
本方法及びそれに関連する利点は、添付の図面を含む以下に提供される詳細な説明を考慮すれば、より容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】マルチローバルレーヨン繊維の断面写真である。
【
図2】シングルローブレーヨン繊維の断面写真である。
【
図5】綿繊維及びマルチローバルレーヨン繊維のタンポン綿撒糸吸収性データを示す図である。
【
図6】綿繊維及びマルチローバル繊維のグラム/グラム吸収性データを示す図である。
【
図7】本開示によるタンポン綿撒糸を製造するためのプロセス工程を説明する図である。
【
図8】本開示によるタンポン綿撒糸を製造するためのプロセス工程を説明する図である。
【
図9】本開示によるタンポン綿撒糸を製造するためのプロセス工程を説明する図である。
【
図10】本開示によるタンポン綿撒糸のための例示的なクロスパッドレイアップの概略図である。
【
図11】本開示による例示的なタンポン綿撒糸形成プロセスの概略図である。
【
図12】本開示によるタンポン綿撒糸形成プロセスを企図するプロセス図である。
【
図13】本開示によるタンポン・アプリケータ・プランジャーの端部の例示的な実施形態の斜視図である。
【
図14】本開示によるタンポン・アプリケータ・プランジャーの端部の例示的な実施形態の斜視図である。
【
図15】本開示によるタンポン・アプリケータ・プランジャーの端部の例示的な実施形態の斜視図である。
【
図16】本開示によるタンポン・アプリケータ・プランジャーの端部の例示的な実施形態の斜視図である。
【
図17】本開示によるタンポン・アプリケータ・プランジャーの端部の例示的な実施形態の斜視図である。
【
図18】本開示によるタンポン・アプリケータ・プランジャーの端部の例示的な実施形態の斜視図である。
【
図19】本開示によるタンポン・アプリケータ・プランジャーの端部の例示的な実施形態の斜視図である。
【
図20】本開示による形成プロセスを受ける前のタンポン・アプリケータ・プランジャーの写真である。
【
図21】本開示による形成プロセスを受けた後の例示的なタンポン・アプリケータ・プランジャーの写真である。
【
図22】本開示による例示的な成形ツール及び成形されたタンポン・アプリケータ・プランジャーの斜視図である
【
図23】本開示による例示的な成形ツールの斜視上面図である
【
図24】本開示による例示的な成形ツールの側面断面図である。
【
図25】本開示による例示的な成形ツールの概略図である。
【
図26】本開示による例示的な成形ツールの概略図である。
【
図27】本開示による例示的なタンポン・アプリケータ成形機の概略図である。
【
図28】本開示による例示的なタンポン・アプリケータ成形機の概略図である。
【
図29】本開示による例示的なタンポン・アプリケータ組立体の断面図である。
【
図30】本開示による例示的なタンポン・アプリケータ組立体の断面図である。
【
図31】本開示による例示的なタンポン・アプリケータ組立体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1ないし3に示されるように、種々の吸収性繊維は、タンポン綿撒糸10を形成する際に利用される。簡単のために、用語「綿撒糸」、「タンポン」10及び「タンポン綿撒糸」10は、本開示の目的のために互換的に使用することができ、一般に
図4に示されている。
図1ないし3は、走査型電子顕微鏡から得られた繊維の断面形状を示す。
図1は、ケルハイム(Kelheim)社からギャラクシー(GALAXY)(登録商標)の商品名で販売されているようなマルチローバルレーヨン繊維12を示している。
図2は、ケルハイム社又はレンチング(Lenzing)社から販売されているようなシングルローバル(又はステープル)レーヨン繊維14を示している。
図3は、バーンハート(Barnhardt)社から販売されているような綿繊維16を示している。
【0016】
一般に、マルチローバル繊維12は最大の表面積を有する傾向があり、従って最大の吸収可能性を有する。
図5及び6に示す表を含め、試験データはこのことを示唆している。実際には、「シミュレートされた綿撒糸吸収性(g)データの分布」(及び参照数字18として記す)と題する
図5は、マルチローバルレーヨン繊維22が、約6.0g(及び約4.7gから約6.7gの間)の吸収性を有する綿繊維20よりも、約7.5g(及び約6.2gから約8.3gの間)の高い理論上の標準綿撒糸吸収性を有することを示している。同様に、「グラム/グラム吸収性データの分布」と題する
図6(及び参照数字26として記す)は、繊維のグラム/グラムの吸収性の分布を記載しており、マルチローバルレーヨン繊維12は、4.0g/g弱(約3.3g/gから約4.3g/gの範囲)の平均吸収性を有するが、綿繊維16は、3.25g/g弱(約2.3g/gから約3.6g/gの範囲)の平均吸収性を有する。
【0017】
本開示全体を通しての吸収性データは、FDAの要件に従って決定されており、21CFRパート(Part)801.432(f)(2)の
図1及び2に従った実験セットアップ(シンジナ(syngyna)試験チャンバー)を使用する。吸収性試験では、米国材料試験協会(ASTM)D3492-97「ゴム製避妊具(男性用コンドーム)の標準仕様書」1の引張強さを測定するための手順(S.C.552(a)により参照により組み込まれる)に従って測定された引張強さが17メガパスカル(MPa)から30MPaの間の無潤滑コンドームが、ガラス製チャンバー(又は硬質透明プラスチック製チャンバー)の大端部に輪ゴムで取り付けられ(
図1参照)、滑らかな仕上げ棒を使ってチャンバーの小端部から押し通される。コンドームは、全てのたるみが除去されるまで引き寄せられる。コンドームの先端を切り落とし、コンドームの残りの端部をチューブの端部上に伸ばし、輪ゴムで固定する。あらかじめ計量しておいた(0.01グラム単位)タンポンをコンドームの膜の中に入れ、タンポンの重心がチャンバーの中心にくるようにする。注入針(14ゲージ)が、コンドームの先端によって生成された隔壁を通して、タンポンの端部に接触するまで挿入される。外側チャンバーは、温度制御された水浴からポンプ送給された水で満たされ、平均温度が27±1℃に保たれる。水は、
図2に示すように水浴に戻る。次に、シンジナ流体(塩化ナトリウム10グラム、認証試薬酸フスシン(Certified Reagent Acid Fushsin)0.5グラム、蒸留水1,000ミリリットル)を、1時間あたり50ミリリットルの速度で注入針を通してポンプ送給する。タンポンが飽和し、最初の液滴が装置から出た時点で試験を終了するものとする。(タンポンが飽和する前にコンドームの折り目(fold)から液体が検出された場合、試験結果は破棄されるものとする)。その後、水を排出し、タンポンを取り出し、直ちに0.01g単位まで計量する。タンポンの吸収性は、この値から乾燥重量を差し引くことによって決定される。コンドームは、10回のテスト後、又はコンドームをテストに使用した日の終わりのいずれか早い時点で交換するものとする。
【0018】
驚くことに、本開示の出願人は、より少ない繊維、従ってより少ない質量で、同等又は改善された綿撒糸吸収性を可能にするプロセス及び結果として得られるタンポン綿撒糸10を実現している。これは、多くの理由で好ましく、すなわち、より少ない繊維を使用し、結果として、廃棄物及び環境に対する付加的な影響(即ち、繊維を製造するためのエネルギー、繊維を輸送するためのエネルギー等)を低減する能力、より少ない添加物を有する又は無添加の吸収剤を使用する能力、又はより低い吸収可能性を補うために追加の天然繊維を追加することを回避する能力である。適切な大きさの吸収性をもたらすために、より多くの天然繊維が必要とされる場合、綿撒糸10は大きくなるか、又はより多くの吸収性繊維を有する綿撒糸10のサイズを維持するためにさらに圧縮する必要がある。繊維を追加するとコストが増大し、綿撒糸10のサイズを大きくすることができない場合、繊維を追加することは、過大な高密度化に起因して吸収に不利に作用する可能性があり、繊維が完全に膨張してその吸収潜在能力を発揮できないことにつながる。
【0019】
驚くことに、本開示のタンポン綿撒糸10のグラム/グラムの吸収性は、同等である(より少ない吸収性繊維の使用にもかかわらず)、又は改善されている(より少ない吸収性繊維、又はより少ない繊維の使用にもかかわらず)。グラム/グラムの吸収性は、タンポン綿撒糸10が吸収する流体の最大体積を(吸収前の)乾燥したタンポン綿撒糸10の質量で割ったものである。
【0020】
本開示の一形態では、綿撒糸10は、プレイテック・ジェントル・グライド(PLAYTEX GENTLE GLIDE)(登録商標)のブランドで販売されている既存のタンポン綿撒糸よりも少なくとも10%少ない質量、又は少なくとも15%少ない質量、又は少なくとも16%少ない質量、又は少なくとも18%少ない質量を有する。本開示の一形態では、綿14の綿撒糸10は、レーヨン繊維12、16から作られた綿撒糸10よりも少なくとも10%少ない質量、又はレーヨン繊維12、16から作られた綿撒糸10よりも少なくとも15%少ない質量、又はレーヨン繊維12、16から作られた綿撒糸10よりも少なくとも16%少ない質量を有する。
【0021】
本開示の一形態では、綿撒糸10は、プレイテック・ジェントル・グライド(登録商標)のブランドで販売されているタンポン綿撒糸よりも少なくとも10%より大きい吸収性、又は少なくとも15%より大きい吸収性、又は少なくとも16%より大きい吸収性、又は少なくとも18%より大きい吸収性を有する。本開示の一形態では、綿14の綿撒糸10は、レーヨン繊維12、16から作られた綿撒糸10よりも少なくとも10%以上の吸収性、又はレーヨン繊維12、16から作られた綿撒糸10よりも少なくとも15%以上の吸収性、又はレーヨン繊維12、16から作られた綿撒糸10よりも少なくとも16%以上の吸収性を有する。
【0022】
繊維は、約7ミクロンから約40ミクロン、又は約25ミクロンから約40ミクロン、又は約30ミクロンから約40ミクロンの繊維直径を有する。繊維は、約0.9インチ(約2.3cm)から約1.2インチ(約3cm)、又は約0.90インチ(約2.3cm)から約1.0インチ(2.54cm)の繊維長を有する。
【0023】
図12のプロセス図は、本開示の特有のプロセスを例示する。繊維は梱(bale)でもたらされ、梱から繊維を分離する工程を受ける(この工程は参照数字60で参照される)。解けた繊維はカーディング機に運ばれ、そこで繊維が略平行になるように整列される(この工程は参照数字62で参照される)。カーディング後、整列された繊維はウェビング機に搬送され、そこで繊維が繊維ウェブをそれ自体に重ねることによってクロスラッピングされる(この工程は参照数字64で参照される)。クロスラッピングは、繊維ウェブ層がすぐ隣の繊維ウェブ層と直交するように行われる。ウェビング後、繊維ウェブはニードルパンチされる(この工程は参照数字66で参照される)。ニードルパンチング工程66の間、ニードルパンチングダイ(図示せず)は、繊維ウェブに1平方センチメートル当たり約40のパンチから1平方センチメートル当たり約80のパンチを与える。これは、繊維ウェブに1平方センチメートル当たり4のパンチが与えられる従来のプロセスとは対照的である。
【0024】
いくつかの形成プロセスでは、
図10に例示されるクロスパッド綿撒糸構成53が提供される。タンポン10のためのクロスパッド構成53に関して、少なくとも2つのパッド52、54が使用され、少なくとも1つの上部パッド54は、少なくとも1つの下部パッド52の上に、一般に垂直に置かれる。少なくとも1つの上部パッド54及び少なくとも1つの下部パッド52は、クロスパッドレイアップ(又はクロスパッド構成)53を形成する。この構成53は、少なくとも1つの上部パッド54が少なくとも1つの下部パッド52に対して一般に垂直に配置されることを前提として、一般に「クロス」と呼ばれるが、他の構成も可能であり、それによってさらなる形状が作り出される。クロスパッドレイアップ53が提供されると、それは概して円筒形40を形成するために少なくとも2つのパッド52、54の中央の重なり領域55に関して圧縮される。そして、オーブンチューブ50及びラム47、48は、適切な形状及び構造をもたらすために使用される。挿入端部の付加的な形状形成は、ドーム形成部47aを含むラム47を利用することによって達成することができ、このようなドーム形成部47aを加熱することがさらに有用である。加熱されたドーム形成ツール47aを利用する実施形態では、ツールの温度は華氏約380度である。タンポン10の形成装置は、2つのシリンダーを含み、上部シリンダー(ラム47用)は、約65psiから約80psiの間の圧力を加え、下部シリンダー(ラム48用)は、約75psiから約90psiの間の圧力を加える。現在のクロスパッド構成の綿撒糸(本開示の出願時以前に存在したもの)は、市場ではプレイテック(PLAYTEX)(登録商標)スポーツ(SPORT)(登録商標)及びプレイテック(登録商標)ジェントル・グライド(GENTLE GLIDE)(登録商標)のブランドで知られている。他の形成プロセスでは、単一の繊維性パッド(図示せず)がロール状に巻かれ、その後圧縮されて概して円筒形の綿撒糸10となる。さらに別の形成プロセスでは、解けた繊維を圧縮してタンポン10の形にする。上述の何らかの形成プロセスでは、カバーストック(図示せず)は、熱、超音波、接着剤、又は他の公知の結合プロセスによって、それ自体に及び/又は綿撒糸10に適用して密封することができる。カバーストック(オーバーラップとしても知られている)は、綿撒糸10に付加的な構造を提供し、膨張又は液体の吸収又は保持を制御するのに有用である。
【0025】
本開示のタンポン綿撒糸10は、(本明細書にさらに記載されるオープニング工程(60)、カーディング工程(62)、クロスラッピング工程(64)及びパンチングプロセス工程(66)の後に)材料のウェブから形成され、ウェブは、パッド切断プロセス工程(68)で、材料のバット又はパッドを形成するように切断される。バット又はパッド52、54は、約1インチ(約2.5cm)から3インチ(約7.6cm)の間、又は約2インチ(約5.1cm)の幅56を有する。タンポン綿撒糸10の構造に応じて、クロスパッド構成53は、約3インチ(約7.6cm)から5インチ(約12.7cm)の間、又は約4インチ(約10.2cm)の最長寸法58(すなわち、クロスパッド構成53内にどのように配置されるかに応じて、長さ又は幅)を有する。次に、パッド切断工程(68)によって少なくとも1つのパッドを有するタンポン綿撒糸10は、以下にさらに記載されるように、プロセス工程(70)によって(例えばオーブンチューブによって)形成される。
【0026】
驚くことに、グラム/グラムの吸収性と綿撒糸10の密度との間には逆相関があることが分かっている。本開示の綿撒糸10は、形成されると、(特定の吸収性範囲の綿撒糸の間でそれぞれ比較すると)プレイテック(登録商標)ジェントル・グライド(登録商標)のブランドで現在販売されている密度よりも小さい密度を有する。
【0027】
次に、パッドレイアップは、例えば、パッド52及び54を加熱オーブンチューブ50(
図11)に差し込むことによって圧縮され、パッド52及び54の繊維は、概して円筒形40になるように軸Aに沿った横方向又は幅方向に半径方向に圧縮される。一実施形態では、オーブンチューブ50の内径は、超吸収タイプのタンポン10の場合、約0.407インチであり、目標加熱温度は華氏230度である。一実施形態では、円筒形構造40は、円筒形構造40の外周42においてオーブンチューブ50内で軸線Aに沿って半径方向に圧縮される。本発明の1つの形態に従って、円筒形構造41(まだ完全に形成されていないタンポン綿撒糸の)は、次にオーブンチューブ50内で垂直軸線Bに沿った方向に軸線方向に圧縮される。一実施形態では、円筒形構造40の挿入端部44及び下端46に圧力がかかると、円筒形構造40は垂直軸Bに沿って軸方向に圧縮される。一実施形態では、挿入端部44は、ラム47上の円錐形/半円錐形部分47aで軸方向に圧縮され、離脱端部46は、平坦な形状のラム48で軸方向に圧縮される。一実施形態では、端部44及び46の軸方向圧縮は、華氏約385度の温度で、約12秒の滞留時間にわたって行われる。
【0028】
本開示のタンポン綿撒糸10の製造プロセスのさらなる有利な形態では、水が不要である。水は、繊維に吸収されると繊維の吸収能力を本質的に低下させるので、水の使用を避けることは、最終製品の性能を向上させるのに有用である。
【0029】
図7ないし9に示すように、質量120gsmの新しいサンプルのタンポン10の吸収性、グラム/グラム吸収性は、対照プロセスで製造された他のサンプルの質量以下であるにもかかわらず、グラム/グラム吸収性が最も高かった。より直接的に比較するために、対照プロセスで水を使わずに処理した綿100%のタンポン綿撒糸10の試作を行った。対照プロセスから水を除去しても、新しいプロセスは、改良された対照プロセスのタンポン10を約半グラムの吸収性で上回るタンポン10をもたらした。
【0030】
明確にするために、
図7は、吸収性(g)36によってサンプルA、B、C及びDを比較する吸収性の区間プロット34を説明する。
図7は、報告された平均データに対する95%信頼区間でのデータを示す。サンプルAは、現在の対照プロセスによって形成された坪量120gsmの100%綿繊維を有し、サンプルBは、新しいプロセスによって形成された坪量120gsmの100%綿繊維を有し、サンプルCは、現在のプロセスによって形成された坪量143gsmの100%マルチローバルレーヨン繊維によって作られ、サンプルDは、現在のプロセスによって形成された坪量145gsmの100%綿繊維を有する。
図8は、グラム/グラム吸収性(49)としてのサンプルB、C、Dのグラム/グラム吸収性38の区間プロットである。両方のプロットに示されるように、新しいプロセスによって形成された坪量120gsmの100%綿繊維を有するサンプルによって例示される本開示のタンポン10は、より多くの吸収性繊維を有するもの及びより多くの繊維を有するもの(より高い坪量であることによる)であっても、現在のプロセスによって作製されたテスト綿撒糸を上回った。
【0031】
ベンチテストを迅速化するために、タンポン綿撒糸10の構造は、ウェビング工程64なしでテスト綿撒糸10を手作業で製造することによってシミュレートすることができる。以下の表1にさらに記載されているように、いくつかのサンプルには、バーンハート社から販売されているような綿繊維14が使用され、他のサンプルには、ケルハイム・ギャラクシー・ML・レーヨン(Kelheim Galaxy ML Rayon)16が使用された。サンプルを準備するために、テスト材料(綿14又はレーヨン12、16)を包装済みの梱から取り出し、手で開いて繊維を分離し、梱の圧縮の影響を除去した。約1.88gの繊維を計量し、プレイツクス(PLAYTX)(登録商標)スポーツ(SPORT)(登録商標)の標準吸収性タンポン綿撒糸10のオーブンチューブに手作業で押し込み、その後、ドーム形成部47aを有するラム47を介してプレイツクス(登録商標)スポーツ(登録商標)の標準吸収性タンポン綿撒糸10でさらに規定された形状に圧縮した。
【0032】
【0033】
タイトル「グラム/グラムプロット」(及び参照数字28として記す)の
図9は、本開示の追加の実施形態のグラム/グラム吸収性49を示す別のプロットである。図示のように、「標準対照ジェントル・グライド(登録商標)143gsm」とラベル付けされたサンプル1は、対照サンプルであり、143gsmの坪量のレーヨン繊維から作られた、標準吸収性を有する現行のジェントル・グライド(登録商標)であった。サンプル2ないし5は、本開示の新しいサンプルで、それぞれ坪量120gsm、120gsm、130gsm、145gsmの綿100%繊維を含む。サンプル2及びサンプル3は別々のロットである。「スーパー対照ジェントル・グライド217gsm」とラベル付けされたサンプル6は、対照サンプルであり、217gの坪量のレーヨン繊維から作られた、超吸収性を有する現行のジェントル・グライド(登録商標)であった。サンプル7ないし10は、本開示の新しいサンプルであり、それぞれ坪量160gsm、160gsm、175gsm、190gsmの綿100%繊維を含む。サンプル11は、100%ギャラクシー・トライローバル(trilobal)レーヨン繊維を用いた本開示のサンプルであり、190gsmの坪量を有する。図示されるように、本発明サンプルは、より低い坪量でもって約10gから約25gの間で(標準吸収性の場合)、及び約30gから約60gの間で(超吸収性の場合)対照サンプルを上回った。実際には、本開示のタンポンは、最小限でも約10gsmから約25gsmだけ低い坪量で;もしくは標準吸収性のタンポンの場合、約120gsmから約145gsmの間又は約120gsmから約140gsmの間又は約120gsmから約130gsmの間の坪量で、もしくは超吸収性のタンポンの場合、約160gsmから約190gsmの間又は約160gsmから約175gsmの間の坪量で、同等か又は優れたグラム/グラム吸収性を有することが可能である。
【0034】
上記の試験に基づいてデータを推定すると、本開示は(プレイテック(登録商標)ブランドの現在販売されている製品に対して)以下の改善された質量を提供すると考えられる。
【0035】
【0036】
本開示のさらなる形態は、タンポン・アプリケータ・プランジャー80を含むタンポン・アプリケータ120に関する。簡単にするために、用語「プランジャー」80は、「アプリケータ・プランジャー」80と互換的に使用され、また「タンポン・アプリケータ・プランジャー」80とも互換的に使用される。さらに簡単にするために、用語「アプリケータバレル」122は、タンポン・アプリケータ120の非プランジャー80の部分を指す。堆肥化可能材料、持続可能材料、天然材料、リサイクル材料、及びリサイクル可能材料のうちの少なくとも1つを使用するタンポン・アプリケータ120が提供される。いくつかの実施形態では、アプリケータバレル122は、持続可能材料、天然材料、及び/又は堆肥化可能材料である。いくつかの実施形態において、アプリケータ・プランジャー80は、持続可能材料及び/又は堆肥化可能な材料である。
【0037】
このような材料の例としては、バイオプラスチック、デンプン系材料、天然由来の繊維材料、セルロース系材料、バイオプラスチック、紙、板紙、厚紙、及びバイガス製品(bygasse product)を挙げることができる。サトウキビ、トウモロコシ、ジャガイモ、米、海藻、及びキノコ系の材料は、天然系、デンプン系、及び/又はセルロース系とすることができるものの例である。
【0038】
一実施形態では、アプリケータバレル122は、天然系材料を含み、これは随意的にデンプン系又はセルロースであり、さもなければバイオプラスチックとして分類される。一実施形態では、プランジャー80は、紙、板紙、又は厚紙材料のような堆肥化可能材料である。好ましくは、アプリケータ120の1又は2以上の構成要素は、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、及び/又はポリエステルのような従来の油性樹脂以外の材料を含む。
【0039】
図13ないし31は、本開示による特有のプランジャー80に焦点を当て、特有のプランジャー80の成形装置(
図22ないし28)、並びにアプリケータ組立体の一部としての特有のプランジャー80(
図29ないし31)を含む。本開示のプランジャー80は、使用中にアプリケータバレル122内でのプランジャー80の保持を容易にする変形挿入端部78を有する。変形挿入端部78は、突起(prong)、リング、又はフレアを使用する従来の保持特徴とは異なる。実際には、変形挿入端部は、成形ダイを利用して、プランジャー挿入端部を外向きに押し付けて、外接円を形成する少なくとも3つの頂点74を有する形状にする。これらの頂点74は、プランジャー80の本体部分104の最大直径又は最大寸法106よりも大きい、変形挿入端78の最大直径又は最大寸法を形成する。
【0040】
上述の頂点74を有する変形プランジャー端部78は、挿入端部108及び消費者側端部110の少なくとも一方に設けることができる。後者において、変形プランジャー端部112が少なくとも消費者側端部(又は指側端部)110上にある場合、これは、その周辺部を把持するための、又は指を消費者側端部110上に置くための指パッドとして、拡大された弾力性のある領域を提供する。
【0041】
図13ないし19に例示するように、変形プランジャー端部は、偶数の頂点74又は奇数の頂点を有する形状とすることができる。好ましくは、3から10の間の頂点74がある。頂点74が少なすぎると、アプリケータバレル122内にプランジャー80を適切に保持できないことにつながる可能性があり、又はプランジャー80の消費者側端部110が十分に大きくならない又は快適でなくなることにつながる可能性がある。頂点74が多すぎると、成形が困難であり、効果的に比較的連続的なフレア形状をもたらし、これは保持力の低下につながる可能性がある。さらに、変形プランジャー端部78(及び/又は112)の断面に沿った対称性に劣る(又は対称性がない)ように奇数の頂点74を有することが有利である可能性があり、それにより、柱強度(又は崩壊力)及び保持力の両方においてその弾力性が増大する(両特性及び関連試験については以下に詳細に説明する)。好ましくは、変形プランジャー端部78(及び/又は112)の断面形状は、三角形(ここで、正三角形とすることができる)、菱形、正方形、長方形、凧形、台形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形などの多角形である。一般に、そのような変形プランジャー端部78(及び/又は112)の内角は、約60度から約144度の間である。
【0042】
本開示のさらなる形態では、プランジャー80の挿入端部108が提供される。プランジャー80は概して円筒形である。挿入端部108は、プランジャー80の挿入端部108及び/又は消費者側端部110に少なくとも3つの頂点74を作り出す変形端部78を有する。変形プランジャー端部78(及び/又は112)は最大10個の頂点を有する。変形プランジャー端部78(及び/又は112)は、例えば、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形などの多角形である。第1の実施形態では、多角形に関する外接円(
図13ないし19に破線で示す)の直径76は、約9.25mmから約10.25mmの間、より好ましくは9.5mmから約10mm、又は約9.75mmである。別の実施形態では、多角形に関する外接円(
図13ないし19に破線で示す)の直径76は、約6mmから約7.25mmの間、より好ましくは約6.25mmから約7mm、又は約6.5mmから約6.9mmである。プランジャー80の挿入端部108及び/又は消費者側端部110を教示された範囲外で変形させると、不十分な保持力及び/又はプランジャー80の裂けにつながる可能性がある。
【0043】
変形プランジャー端部78(及び/又は112)の辺長72は、約1mmから約10mmの間、又は約3mmから約8mm、又は約4mmから約6mmである。変形プランジャー端部の全周は、約18mmから約30mmの間であり、これはプランジャーの非変形部分の円周と実質的に同様である。変形プランジャー端部78(及び/又は112)の高さ111は、最大約5mm、又は約0.5mmから約5mmの間、又は約0.5mmから約3mmの間、又は約2mmから約5mmの間である。プランジャー全長に対する変形プランジャー端部の長さの割合は、約0.2%から最大約1%の間である。変形プランジャー端部が嵌合するアプリケータバレルの内面の長さに対する変形プランジャー端部の長さの割合は、約50%から100%である。
【0044】
変形プランジャー端部78(及び/又は112)は、より良好な保持力をもたらす点で従来の形成端部よりも優れている(使用中にプランジャーがアプリケータバレル122から抜け出さないようになっており、抜け出ると、プランジャー80を通って紐を再挿入してプランジャー80をアプリケータバレル122に再挿入するという、イライラさせる不要な工程の原因になる可能性がある)。本開示のサンプルは、240gより大きい、又は245gより大きい、又は250gより大きい、又は275gより大きい、又は300gより大きい、又は最大約325g、又は約240gから約325gの間、又は約245gから約320gの間、又は約245gから約320gの間の保持力を示す。一実施形態では、プランジャー除去力は約247gである。別の実施形態では、プランジャー除去力は約318gである。対照的に、プレイテック(PLAYTEX)(登録商標)シンプル・ジェントル・グライド(SIMPLY GENTLE GLIDE)(登録商標)製品は、同じ方法で試験され、約238gの保持力を有する。
【0045】
強い保持力を有する必要性に加えて、十分な崩壊力を有することも望ましい。本開示のプランジャー80は、この点で先行技術のプランジャーよりも優れている。
【0046】
本開示のさらなる実施形態では、小型のプランジャー(図示せず)が提供され、小型のプランジャーは、伸縮式ツーピースプランジャー(プランジャー80を構成する)を含む。ツーピースプランジャーは、内側プランジャーと外側プランジャーとを含む。内側プランジャーは、典型的には、外側プランジャーの後方であり、及び/又は外側プランジャー内に(伸縮自在に)入れ子になっている。外側プランジャーは、典型的には、アプリケータバレルのグリップ領域、移行領域、及び/又はバレル領域の前方にあり、及び/又はその中に入れ子になっている。ツーピースプランジャーは、非展開構成及び展開構成に選択的に位置決め可能である。
【0047】
いくつかの実施形態では、内側プランジャー及び外側プランジャーの挿入端部の各々は、それによって保持を可能にするように変形される。随意的に、内側プランジャーの後方の指把持端部が変形される。使用者が内側プランジャーを後退させると(又は後方に引くと)、内側プランジャーは変形端部によって、摩擦嵌め及び/又は干渉嵌めによって外側プランジャー内の所定の位置にロックされる。同様に、外側プランジャーの変形挿入端部は、アプリケータバレルの内部(バレル領域、移行領域、及び/又はグリップ領域)に係合する。内側及び外側プランジャーが完全に展開され、ロックされると、使用者は、完全に組み立てられたプランジャーを握り、押すことができ、それによって、綿撒糸の遠位端に力が加わり、綿撒糸がアプリケータから放出される。
【0048】
アプリケータバレル122及びプランジャー80は、挿入端部130又はグリップ領域132のプランジャー端部128のいずれかを通してアプリケータバレル122にプランジャー80を挿入することにより組み立てられる。このような組み立ては、例えば、Hauni社製のHP400機械によって達成される。明確にするために、バレル122は形成されていない(すなわち、挿入端部130の花弁状部138は湾曲又はドーム状になっておらず、従って
図30のように直線状である)。明確にするために、タンポン10は、アプリケータバレル122にまだ挿入されていない。
図27は、アプリケータバレル122とプランジャー80を組み立てるために使用される装置の例示的な概略図であり、以下に説明されるドラムを含む。
図28は、再形成ツール82a及び82bを示す例示的な装置の詳細な概略図である。タンポン・アプリケータ組立体120は、ドラムのピッチ直径が約390mmである回転真空ドラム114を通って移送される。異なる寸法の他の真空ドラムも可能であるが、サイクル時間が変わることになる。アプリケータ組立体120が主回転真空ドラム114上に移送されると、主製品キャリッジ及び主再形成ツール82が前進し、消費者側端部(いくつかの実施形態では、ロール端部又は内向きロール端部である)とプランジャー80の挿入端部108(多角形形状に変形される)の両方を導く。その後、再形成ツール82は主キャリッジから独立して前進し、プランジャー80の挿入端部108に変形端部78を形成し、それによって保持を改善し、プランジャー80がアプリケータバレル122から誤って抜け出るのを防ぐ。随意的に、再形成ツール82は同時に、プランジャー80の消費者側端部110に変形端部、圧延端部、又は圧着端部のいずれかを提供する(一方、プランジャー80の挿入端部108に多角形の変形端部78を提供する)。このようにして、プランジャー80は、アプリケータバレル122内に伸縮自在に係合されながら変形(又は成形、又は圧延)される。このように、再形成ツール82は、アプリケータバレル122の内側幾何形状より小さい外側幾何形状を有する。ロール112の消費者側端110を採用する実施形態の場合、再形成ツール82は少なくとも華氏175度、より好ましくは華氏約180度以上に加熱する必要がある。プランジャー80の端部110を変形、成形、又は圧延するのに必要な時間は、おおよそ約半秒から約4秒の間であり、再形成ツール82の完全な内向きストロークに相当する。プランジャー80が完全に形成されるか、又は変形されるか、又は場合によってはその両方が行われると、再形成ツール82はアプリケータバレル122から完全に引っ込み、キャリッジはプランジャー80をロールツールから引き離すために外側に移動するので、プランジャー80は検査プロセスのために次の隣接するドラムに水平に移送することができる。検査プロセスが完了した後、タンポン・アプリケータには綿撒糸が装填され、アプリケータバレル122の挿入端部はアプリケータードーム形成ツールで閉じられる。
【0049】
本開示の一形態によれば、プランジャー80の挿入端部108及び/又は消費者側端部110を形成するための装置が提供され、再形成ツール82と呼ばれる。再形成ツール82は、概して、例示的な
図22-28によって示されている。
図25-26は、本開示による再形成ツールの例示的であるが非限定的な寸法を含む。再形成ツール82は、プランジャー80の挿入端部108及び/又は消費者側端部110を成形するための成形ダイを含む。特定の実施形態では、2つの再形成ツール82があり、第1の再形成ツール82aは、挿入端部108を、プランジャー80の初期の未形成の概して円筒形以外の形状に形成し、第2の再形成ツール82bは、消費者側端部110を、プランジャー80の初期の未形成の概して円筒形以外の形状に形成し、第1の挿入ダイと第2の挿入ダイは、異なる形状の端部を提供する(従って、第1のダイと第2のダイは異なる)。
【0050】
特定の実施形態では、単一の再形成ツール82は、2つの異なる形状の端部を提供する別個の構成を有する2つの端部を有する。再形成ツール(複数可)82に加えて、装置は、上述の機械及び回転真空ドラム114をさらに含む。再形成ツール82は、約12mmから約19mmの間、又は約14mmから約18mmの間、又は約15mmから約17mmの間の外径86と、約3mmから約6mmの間、又は約3mmから約5mmの間、又は約4.5mmから約5mの外側高さ88と、を有する外側円筒部84を有する。
【0051】
再形成ツール82は、外側円筒部分84に隣接し、その内側に、外側高さよりも低い高さ92を有する凹形中間部分90を有する。凹形中間部分90の高さ92は、約0.5mmから約4mmの間、又は約0.5mmから約1.5mmの間、又は約2.5mmから約3.5mmの間である。凹形中間部分90は、約1mmから約4mmの間の幅94を有する。凹形中間部分90は、随意的に、上端118が下端119よりも大きな幅を有するようなテーパ幾何形状を有する。下端119は、随意的に、約0.5mmから約1.5mm、又は約1.0mmの曲率半径116を有する。上端118とテーパ付き中間部分90との間のテーパ角度115は、約30度から約50度の間、約35度から約45度の間、又は約40度である。
【0052】
内側に及び凹形中間部分90に隣接して、概して円筒形である中央部分96があり、中央部分96は、テーパ状に配向された端部98を有する。中央部分96は、約3mmから約5mm、又は約3.25mmから約4mmの直径を有する上端面95を有する。中央部分96は、外側高さ88よりも高い中央部分高さ100を有し、中央部分96は、多角形形状を有するベース領域102を有する。多角形形状は、少なくとも3つの点105を有する。各点105は、約0.5mmから約1.5mmの曲率半径113を有する。プランジャー80が再形成ツール82に押し付けられると、点105はプランジャー端部78を、本体部分104の最大直径106よりも大きい直径76を有する多角形形状に変形させる。例示的な
図26に示されるようないくつかの実施形態では、リップ103は、ベース領域102の上方に約1mmから約3mm又は約1.5mmから約2mmである。リップ103は、消費者側端部110の形成面である。
【0053】
中央テーパ角度117は、ベース領域102の間の再形成ツール82の中心軸に平行な垂直投影の間の角度として定義される。中央テーパ角度117は、約5度から約30度の間、約10度から約20度の間、又は約15度である。上部テーパ角度109は、再形成ツール82の中心軸99に平行な垂直投影と上部傾斜面97との間の角度として定義され、プランジャーのためのさらなる挿入部(lead-in)を形成するために、テーパ角度117よりも大きい。上部テーパ角度109は、約30度から約60度の間、又は約40度から約50度、又は約45度50である。
【0054】
上記で言及したが、より詳細に説明すると、
図29-31に例示されるように、アプリケータバレル122は、プランジャー端部128と挿入端部130との間に延びる長さ136を有する。バレル122は、グリップ領域132と、移行領域134と、本体領域136と、複数の花弁状部138を有する挿入端領域137と、挿入端部130とプランジャー端部128との間に延びる内部空洞140とを含む。移行領域134は、長さ135を有し、本体領域136とグリップ領域132との間に配置される。花弁状部138は、挿入端部130と本体領域136との間に配置される。本体領域136は、花弁状部138から移行領域134まで延び、グリップ領域132は、プランジャー端部128から移行領域134まで延びる。
【0055】
いくつかの実施形態では、本体領域136は、一定の外径に配置された外面144と一定の内径に配置された内面146とを有する円周方向に延びる本体壁142によって画定され、例えば、壁142は、約0.5mmから約4mmの間の概して一定の厚さを有する。消費者側端部110は、約0.5mmから約4mmの間の壁厚を有する。いくつかの実施形態では、消費者側端部110は、特に消費者側端部110がロール端部112である場合、本体領域136の壁厚よりも大きい壁厚を有する。挿入端部108の壁厚は、好ましくは、約0.5mmから約4.0mmの間である。いくつかの実施形態では、挿入端部は、本体領域136とほぼ同じ壁厚を有する。本体壁142に沿って一定の内径を有する内面146は、使用者の体内へのタンポン10の一貫した放出を引き起こすのを助けることができる。換言すれば、概して一定の内径は、一体に配備されたプランジャー80がアプリケータ120のバレル122からタンポン10を押し出す際に、タンポン10が揺れるかもしれない場合(すなわち、タンポン10の外径が内径より小さい場合)を回避するのに役立つ。本体壁の内面146は、バレル122の内部空洞140の一部を画定する。いくつかの実施形態では、本体領域136は、テーパ状構成を有する本体壁142によって画定され、外面144は、移行領域134に隣接する第1の外径に配置されると共に花弁状部138の挿入端部130に隣接する第2の外径に配置され、第1の外径は第2の外径よりも大きい、例えば、本体領域136は、移行領域134から花弁状部138を有する挿入端部領域137に向かう方向に減少するテーパを有する、及び/又は、移行領域134がテーパを有する方向とは反対の方向に減少するテーパを有する(すなわち、移行領域134は、グリップ領域132に向かってテーパを有する)。外部幾何形状が変化する(すなわち、外面144に沿って変化する)バレル122は、製品がユーザの身体から使用される(すなわち、挿入及び/又は取り外される)際に、改善されたユーザ体験を提供することができる。
図29-31は、概して円形断面を有する本体領域136を示す。本開示は、円形断面形状を有する本体領域136に限定されない。
【0056】
グリップ領域132は、一定の内径に配置された内面150と外面152とを有する周方向に延びるグリップ壁148によって画定される。グリップ壁の内面150は、バレル22の内部空洞140の一部を画定する。グリップ領域132は、プランジャー端部128と移行領域134との間に延びる長さ154を有し、この長さ154は、全長バレル122にとって典型的である。いくつかの実施形態では、グリップ壁148の外面152は、一定の外径を有することができる。いくつかの実施形態では、グリップ壁の外面152は、例えば、使用者の装置の把持を容易にするために外面152から半径方向外向きに延びる突起153を含むことができる。いくつかの実施形態では、グリップ領域132は、プランジャー端部128に配置された外向きのフレアセクション156を含むことができ、例えば、外向きのフレアセクション156は、グリップ領域132の外径からプランジャー端部128と連続する第2の直径に移行することができ、この第2の直径は、グリップ領域132の外径よりも大きい。フレアセクション156の外径174は、グリップ領域136の凹部の直径170よりも少なくとも約0.050インチ(約1.3cm)大きい。好ましくは、フレアセクション56の外径174は、グリップ領域36の凹部の外径170よりも少なくとも約0.075インチ(約0.2cm)大きい。より好ましくは、フレアセクション56の外径174は、グリップ領域36の凹部の外径170よりも少なくとも約0.100インチ(約0.2cm)大きい。好ましい実施形態では、グリップ領域132の長さ154は、0.5インチ(12.7mm)より大きい。他の好ましい実施形態では、グリップ領域132の長さ154はまた、0.8インチ(20.3mm)未満である。さらに他の好ましい実施形態では、グリップ領域132は、内面150に沿って変化する内径及び/又は外面152に沿って変化する外径を有することができる。
【0057】
移行領域134は、外面160及び内面162を有する周方向に延びる移行壁158によって画定される。移行壁の内面162は、バレル122の内部空洞140の一部を画定する。外面160は、グリップ領域132から本体領域136へと変化する外径に配置される。例えば、グリップ領域132との界面における移行壁158の外径は、グリップ領域の外面152の外径と等しくすることができ、本体領域136の方向に外向きに直径が大きくなるテーパ状とすることができる。本体領域36との界面において、移行壁158の外径は、本体領域の外面144の外径に等しくすることができる。移行領域134は、概して約0.100インチ(約0.2cm)から約0.500インチ(約1.3cm)の長さ135を有する。
【0058】
複数の花弁状部138は、バレル122の本体領域136に一体的に取り付けることができる。本開示は、何らかの特定の数の花弁状部138又は何らかの特定の花弁状構成に限定されない。換言すれば、本開示のアプリケータは、タンポン10の所望の放出力及び/又は一体的に配備されたプランジャー80が提供し得る柱強度などの複数の要因に応じて、2、3、4、5、6、7、又は8以上の花弁状部138を有することができる。いくつかの実施形態では、花弁状部138及び/又は挿入端部領域144は、一般に、細長い形状又はテーパ形状を有することができ、それにより、快適な挿入を助長する。タンポンは、その離脱端部46の反対側の挿入端部44を有する。いくつかの実施形態では、タンポン10は、相補的なテーパ形状又は細長い形状を有する挿入端部44を有することができる。そのような形状は、楕円曲線、双曲線及び/又は放物線曲線を含むことができ、曲線は、花弁状部138又はタンポン挿入端部44の輪郭に沿っている。
【0059】
図29ないし31は、様々な寸法を有するアプリケータの例示的な実施形態であり、これらは全て、本開示全体を通して記載される寸法の範囲内に入る。バレル全長176は、約2.85インチ(約7.2cm)から約2.9インチ(約7.4cm)であり、グリップ領域132は、約0.5インチ(約1.2cm)から約0.8インチ(約2cm)の長さ154を有し、本体領域136は、約0.47インチ(約1.2cm)から約0.6インチ(約1.5cm)の移行領域138に隣接する外径172を有し、プランジャー端部128は、約0.47インチ(約1.2cm)から約0.65インチ(約1.7cm)の外径174を有する。
【0060】
随意的に、挿入端部領域137は、約0.3から約1.0のテーパ比に含まれる細長いテーパ状の花弁状部を有する。「テーパ比」は、花弁状部38の基部(すなわち、各花弁状部の端部と本体領域との間の切断部)における挿入端領域137の半径178を、挿入端部領域137の長さ180(すなわち、花弁状部の先端端179から花弁状部138の基部139までの長さ)で割ったものとして定義される。
【0061】
いくつかの実施形態では、タンポン10は、バレル設計における柔軟性を増大させるために、減少した全長を有することができ、1又は2以上の普通サイズのバレル構成要素(又は、少なくとも、公知の小型のアプリケータよりも普通サイズのアプリケータに近い特性を有する1又は2以上のバレル構成要素)は、小型のアプリケータの形態で利用することができるようになっている。タンポン10は、半径方向及び軸方向に圧縮され、小型のアプリケータとともに使用される公知のタンポンに対して減少した長さで形成することができる。タンポン10は、減少した長さを有するにもかかわらず、普通サイズのタンポン・アプリケータ組立体及び小型のアプリケータ組立体の両方において、既存のタンポンに匹敵する吸収性を達成する。
【0062】
当業者は、本開示の小型のアプリケータ組立体は、複数の材料及び審美性を備えることができることを理解する。詳細には、アプリケータシステムの構成要素の間の区別を生じさせるために審美性を使用することは有利な場合がある。例えば、一実施形態では、グリップ領域は、アプリケータバレルの残りの部分に関して、明瞭な審美性及び/又は触覚インジケータ(すなわち、材料、テクスチャ、色、トーン、陰影、光度、印刷、パターン、グラフィック又は他の視覚インジケータ)を有し、タンポン・アプリケータをどこでどのように保持するかを識別するときにユーザを助けることができる。別の実施形態では、アプリケータ組立体の1又は2以上の部分は、アプリケータの側面がどこにあるか(すなわち、タンポン10及び/又はタンポンスの紐がアプリケータ内のどこに位置するか、及び/又は、インナースリーブが展開構成に対して圧縮構成でどこに位置するか)を識別するときに使用者を助けるために、少なくとも部分的に半透明である。さらなる実施形態において、内側スリーブ及び外側スリーブは、異なる視覚的及び/又は触覚的インジケータを有することができる。
【0063】
本発明は、その詳細な実施形態に関して示して説明してきたが、本発明の思想及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細内容の様々な変更を行うことができることは、当業者には理解されるであろう。
【国際調査報告】