IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フリードマン エレクトロニクス プロプライアタリー リミティドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】ワイヤレスマイク用アンテナ
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/22 20060101AFI20240208BHJP
   H01Q 9/26 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
H01Q1/22 Z
H01Q9/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550539
(86)(22)【出願日】2022-02-08
(85)【翻訳文提出日】2023-10-18
(86)【国際出願番号】 AU2022050074
(87)【国際公開番号】W WO2022178571
(87)【国際公開日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】17/183,173
(32)【優先日】2021-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513025819
【氏名又は名称】フリードマン エレクトロニクス プロプライアタリー リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】シルベークス,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】テル ラーク,ジュースト
【テーマコード(参考)】
5J047
【Fターム(参考)】
5J047AB07
5J047EF05
(57)【要約】
本発明は、概して、ワイヤレスマイクシステムのアンテナに関する。特に、ワイヤレスマイクシステムは、ダイポールアンテナを介してオーディオを送信するように構成され得る。ダイポールアンテナは、折り返され、回路基板の両側に配置される導電性素子を含み得る。有利には、ダイポールアンテナは、ワイヤレスマイクシステムのデバイスを効果的にリンクすることを容易にし、広い送信範囲を提供することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレスマイクロホンのアンテナアレイであって、前記アンテナアレイは、
接地面を含む回路基板と、
前記回路基板に動作可能に結合される折り返しダイポールアンテナと、
を備え、
前記接地面は、第1の辺と、第2の辺と、を含み、
前記アンテナは、前記接地面の前記第1の辺から所定の距離だけ離間している第1の導電性素子の1つの脚部と、前記接地面の前記第2の辺から所定の距離だけ離間している第2の導電性素子の1つの脚部と、を有する、
アンテナアレイ。
【請求項2】
請求項1に記載のアンテナアレイであって、
前記導電性素子の各々は、L字型であり、約30ミリメートル未満の長さを有する脚部を含む、
アンテナアレイ。
【請求項3】
請求項2に記載のアンテナアレイであって、
約10ミリメートル未満の長さを有する別の脚部が提供される、
アンテナアレイ。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のアンテナアレイであって、
前記第1の導電性素子の前記1つの脚部は、前記接地面から約2~10ミリメートル離間している、
アンテナアレイ。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のアンテナアレイであって、
前記第2の導電性素子の前記1つの脚部は、前記接地面から約1~2ミリメートル離間している、
アンテナアレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2021年2月23日に出願された米国実用新案出願第17/183,173号に関連し、その優先権の利益を主張するものであり、参照によりその全体が組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、ワイヤレスマイクシステム及び方法に関し、より詳細には、ワイヤレスマイクシステムのアンテナに関する。
【背景技術】
【0003】
一部のアプリケーションでは、リモートデバイスにオーディオを送信するためにワイヤレスシステムが使用される。例えば、ワイヤレスマイクシステムは、映画、ニュース取材、及びゲームにおいて一般的に使用されている。
【0004】
従来のワイヤレスマイクシステムは、1つ以上のワイヤレス送信機からオーディオデータを受信するオーディオ受信機を含むことが多い。オーディオデータの送信を容易にするために、様々な形式のアナログ-デジタル変換及びデータ圧縮が知られている。通常、ワイヤレスアプリケーションは、数分、数時間、数日、数ヶ月にわたる長期間の運用を必要とし、大量のデータを迅速かつ信頼性の高い方法で処理する必要がある。
【0005】
オーディオデータの高速送信、すなわち、リアルタイムに近い(低レイテンシ)送信は、特にオーディオとビデオの同期をとるために望ましいが、これまで実現が困難であり、いくつかの典型的なシステム及び方法では事実上不可能であった。
【0006】
さらに、他の制限の中でも、送信機は、典型的にはバッテリ駆動式であるため、ポータブルシステムで望ましいサイズと重量を、長期動作において良好な性能とともに提供することが困難である場合がしばしばある。
【0007】
米国特許第9,336,307号公報に開示されているようなシステムは、専門的な映像製作活動において成功を収めているが、RF電力を含む電力要件、複雑さ、及びコストにより、多くのユーザにとって実用的ではない場合がある。
【0008】
本出願人によって開発、製造、販売されているRode Wireless Goシステムは、そのコンパクトなサイズ、低電力、及び使いやすさのために、ホビイストにもプロにも人気があるが、送信範囲が限られているなどの一定の制限を有する。
【0009】
後者のシステムとともに販売されているアクセサリの1つは、送信機を風雑音から保護するためのDeadCat合成毛皮ウインドシールドである。そのウインドシールドは非常に人気があり、多くの模造品が生まれたが、多くのユーザはウインドシールドをしっかりと取り付けること、すなわち、送信機から落下しないようにすることに苦労していた。
【0010】
さらに、従来のマイクシステムでは、干渉による信号のドロップが発生することがよくある。ドロップアウトを低減させ、改善するための努力がなされてきたが、それらは完全には成功しておらず、過度に複雑になる傾向があった。受信機と送信機の間におけるオーディオ送信の範囲と処理の改善は、ユーザに様々な利点を提供するであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、オーディオを動的に記録及び送信することを容易にするコンパクトなワイヤレスマイクシステムが必要とされている。本発明は、この必要性を満たすものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、概して、ワイヤレスマイクシステム及び方法に関し、より詳細には、オーディオを動的に記録及び送信するためのコンパクトなワイヤレスマイクシステムに関する。
【0013】
一態様では、システムは、1つ以上のコネクタポートを介してオーディオを出力するように構成される受信機を含む。受信器は、1つ以上の送信機にリンクされ得る。各送信機は、アンテナと、コントローラを含む回路基板と、を含み得る。コントローラは、例えば、送信機の入力ポートを介して接続された内蔵マイク又は有線マイクからオーディオデータを取得するように構成され得る。さらに、ウインドシールドは、風雑音を減衰させるために、バヨネット固定具を介して送信機の筐体に固定され得る。
【0014】
オーディオが受信されると、コントローラは、処理経路に従ってオーディオデータを記録し得る。第1の処理経路は、生のオーディオデータを記録することを含み得る。第2の処理経路は、エンコーダを介して、オーディオデータを圧縮し、圧縮されたオーディオデータを記録することを含み得る。同時に、コントローラは、圧縮されたオーディオを受信機ユニットに送信し得る。
【0015】
コントローラは、さらに、送信機と受信機の間のワイヤレスリンクを監視するように動作可能であり得る。切断された接続の検出に応答して、コントローラは、自動的に又はユーザ入力に応答して、記録されたオーディオにタグ付け又はマーク付けして、ドロップアウトを示し得る。さらに、コントローラは、ピークオーディオファイルを記録するように構成され得、当該ピークオーディオファイルは、記録されたデータに対応する波形を表示するために使用される低解像度信号であり得る。波形は、ディスプレイ上にオーディオファイルの映像を出力するために使用され得る。オーディオ波形全体を出力することにより、オーディオデータ及び任意の対応するマーキングをより効率的に編集することができる。
【0016】
オーディオの送信は、送信機ユニットの1つ以上のアンテナを介して行われ得る。1つ以上のアンテナは、逆F型アンテナ及び/又は折り返しダイポールアンテナであり得る。折り返しダイポールアンテナは、垂直偏波アンテナアレイに結合された水平偏波アンテナアレイを含み得る。さらに、アンテナは、回路基板の接地面から所定の距離だけ持ち上げられ、より広い通信範囲を提供することができる。回路基板内のスリットは、アンテナの一部を受け入れることができ、当該アンテナの一部は、回路基板のコネクタ素子にはんだ付けされ得る。
【0017】
本発明は、様々な変更及び代替形態にすることができるが、その具体的な例示的実施形態を図面に例示的に示し、本明細書で詳細に説明した。しかしながら、本発明を開示された特定の実施形態に限定する意図はなく、逆に、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に包まれる全ての変更、均等物、及び代替物を対象とする意図があることを理解されたい。
【0018】
本発明の一態様によれば、ワイヤレスマイクのアンテナアレイが提供され、前記アンテナアレイは、
接地面を含む回路基板と、
前記回路基板に動作可能に結合される折り返しダイポールアンテナと、
を備え、
前記接地面は、第1の辺と、第2の辺と、を含み、
前記アンテナは、前記接地面の前記第1の辺から所定の距離だけ離間している第1の導電性素子の1つの脚部と、前記接地面の前記第2の辺から所定の距離だけ離間している第2の導電性素子の1つの脚部と、を有する、
アンテナアレイである。
【0019】
一実施形態では、前記導電性素子の各々は、L字型であり、好ましくは約30ミリメートル未満の長さを有する脚部を含む。
【0020】
一実施形態では、約10ミリメートル未満の長さを有する別の脚部が提供される。
【0021】
一実施形態では、前記第1の導電性素子の前記1つの脚部は、前記接地面から約2~10ミリメートル離間している。
【0022】
一実施形態では、前記第2の導電性素子の前記1つの脚部は、前記接地面から約1~2ミリメートル離間している。
【0023】
本技術の一態様によれば、ワイヤレスシステムが提供され、前記ワイヤレスシステムは、
1つ以上のコネクタポートを介してオーディオを出力するように構成される受信機と、
前記受信機にワイヤレスでリンクされる1つ以上の送信機と、
を備え、
各送信機は、
アンテナと、
メモリ及び前記アンテナに動作可能に結合される回路基板と、
を含み、
前記回路基板は、コントローラを含み、前記コントローラは、
オーディオデータを取得し、
処理経路に従って前記オーディオデータを記録し、
前記アンテナを介して、圧縮されたオーディオデータを前記受信機に送信する
ように動作可能であり、
前記オーディオデータは、生のオーディオを含み、
第1の処理経路は、前記生のオーディオを記録し、第2の処理経路は、エンコーダを介して、前記オーディオデータを圧縮し、前記圧縮されたオーディオデータを記録する、
ワイヤレスシステムである。
【0024】
一実施形態では、各送信機は、さらに、前記第1の処理経路又は前記第2の処理経路に従って前記オーディオデータを記憶するように構成される不揮発性の非一時的メモリを含む。
【0025】
一実施形態では、各送信機は、さらに、前記記録されたオーディオデータに日付及び時刻の少なくとも1つをタグ付けするように構成されるリアルタイムクロックを含む。
【0026】
一実施形態では、前記コントローラは、さらに、ピークオーディオファイルを記録するように動作可能であり、前記ピークオーディオファイルは、前記記録されたオーディオデータに対応する波形を表示するために使用される低解像度信号である。
【0027】
一実施形態では、前記コントローラは、さらに、前記受信機への前記ワイヤレスリンクを監視するように動作可能である。
【0028】
一実施形態では、前記コントローラは、さらに、前記受信機への前記ワイヤレスリンクが切断されていることを検出することに応答して、前記記録されたオーディオデータの一部をマーク付けするように動作可能である。
【0029】
一実施形態では、前記アンテナは、折り返しダイポールアンテナである。
【0030】
一実施形態では、前記アンテナは、前記回路基板の接地面からある高さに配置される。
【0031】
本技術の別の態様によれば、オーディオを送信及び記録するためのデバイスが提供され、前記デバイスは、
筐体と、
接地面を含む回路基板と、
前記回路基板に接続される内蔵マイクと、
音響ライナを含むマイクウインドシールドと、
を含み、
前記回路基板は、前記筐体内に取り付けられ、
前記内蔵マイクは、前記筐体の開口部から突出し、
前記マイクウインドシールドは、バヨネット式の取り付け部を有するコネクタを含み、前記コネクタは、前記筐体上の対応するバヨネット取り付け部に接続するためのものである、
デバイス。
【0032】
一実施形態では、前記筐体は、さらに、ユーザの衣服に固定するように構成される固定具を含む。
【0033】
一実施形態では、前記固定具は、前記ユーザの衣服にクリップ留めするためのクリップである。
【0034】
一実施形態では、前記筐体は、さらに、1つ以上の外部デバイスと連動するための1つ以上のポートを含む。
【0035】
一実施形態では、前記筐体内に配置されるアンテナがさらに提供され、前記アンテナは、前記接地面から切り離されている。
【図面の簡単な説明】
【0036】
実施形態は、限定ではなく例として、添付図面の図に示されており、同様の参照符号は、同様の要素を示す。
図1A図1Aは、送信機ユニットと、受信機ユニットと、を備える例示的なワイヤレスマイクシステムを示し;
図1B図1Bは、図1Aの例示的なワイヤレスマイクシステムを示し;
図2A図2Aは、図1の送信機ユニットの上面図を示し;
図2B図2Bは、図1の送信機ユニットの底面図を示し;
図2C図2Cは、図1の送信機ユニットの上面図を示し;
図3図3は、ウインドシールドを接続するための、図1の送信機ユニットの固定機構を示し;
図4A図4Aは、図1の送信機ユニットの回路基板及びアンテナを示し;
図4B図4Bは、送信機ユニットの折り返しダイポールアンテナを示し;
図4C図4Cは、送信機ユニットの回路基板及びダイポールアンテナを示し;
図5図5は、図1の送信機ユニットの筐体内に回路基板及びアンテナを取り付ける様子を示し;
図6A図6Aは、図1の受信機ユニットの上面図を示し;
図6B図6Bは、図1の受信機ユニットの底面図を示し;
図6C図6Cは、図1の受信機ユニットの上面図を示し;
図7図7は、受信機ユニットの外部デバイスへの例示的な接続を示す図であり;
図8A図8Aは、図1の受信機ユニットの回路基板及びアンテナを示す図であり;
図8B図8Bは、受信機ユニットのダイポールアンテナを示し;
図8C図8Cは、受信機ユニットの回路基板及びダイポールアンテナを示す図であり;
図9図9は、図1の受信機ユニットの筐体内に回路基板及びアンテナを取り付けることを示す図であり;
図10】送信機ユニットの一部を示すブロック図であり;
図11】受信機ユニットの一部を示すブロック図であり;
図12】送信機ユニット及び受信機ユニットの一部を示すブロック図であり;
図13図13は、オーディオを動的に記録して送信するための例示的な動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明は、概して、ワイヤレスマイクシステム及び方法に関し、より詳細には、オーディオを動的に記録及び送信するためのシステム及び方法に関する。
【0038】
次に、同様の数字が同様の構成要素を表す図面を参照すると、図1A及び図1Bは、例示的なワイヤレスマイクシステム100を示す。図示のように、ワイヤレスマイクシステム100は、少なくとも1つの送信機ユニット200と、受信機ユニット300と、を含む。図1Bに示すように、ワイヤレスマイクシステム100の構成要素は、ポーチ104内などで容易に輸送及び保管できるようにコンパクトである。
【0039】
1つ以上の送信機ユニット200は、ワイヤレスリンク102を介して受信機ユニット300と通信し得る。ワイヤレスリンク102は、ワイヤレス媒体、例えば、Wi-Fi(IEEE802.21規格群)、Bluetooth(登録商標)(BluetoothSIG,Inc.により公布された規格群)、128ビット暗号化2.4GHzワイヤレスプロトコル、又はワイヤレスデータ通信のための他のプロトコルなどを介して、データ通信を容易にすることができる。ワイヤレスリンク102は、ハードウェア(例えば、ドライバ回路、アンテナ、変調器/復調器、エンコーダ/デコーダ、並びに他のアナログ及び/又はデジタル信号処理回路)及びソフトウェア構成要素の組み合わせを使用して実装することができる。いくつかの実施形態では、ワイヤレスリンク102は、例えば、ISO/IEC18092規格などを実装する近距離無線通信(「NFC」)機能を含むことができ、NFCは、非常に短い範囲(例えば、20センチメートル以下)にわたってデバイス間のワイヤレスデータ交換をサポートすることができる。複数の異なるワイヤレス通信プロトコル及び関連するハードウェアを送信機ユニット200と受信機ユニット300に組み込むことができる。
【0040】
1.0 例示的な送信機ユニット200
図1Aに図示すように、送信機ユニット200は、筐体202と、マイク204と、入力ポート206と、コネクタインターフェース208と、を含み得る。さらに、送信機ユニット200は、リンクインジケータ210と、バッテリインジケータ212と、を含み得、これらの各々は、発光ダイオード(LED)であり得る。筐体202は、炭素含有量のより少ない、あるいは実質的に炭素含有量のないポリカーボネート-ABSなどの熱可塑性材料で作製され得る。
【0041】
送信機ユニット200は、立方体構造を有するウェアラブルデバイスであり得る。他の構造も考えられるため、可能なウェアラブルデバイスは、指輪、腕時計(「スマートウォッチ」とも呼ばれる)、衣服に取り付けるためのピンを含み得るボタン若しくはブローチ、又は、シャツ若しくはブラウスなどの衣服に縫い付ける(sewn to, or into, clothing)パッチなどを含み得る。ウェアラブルデバイスの他の例としては、ブレスレット、ベルトバックルなどを含み得る。
【0042】
送信機ユニット200は、長さが約30ミリメートルから約60ミリメートルまで、好ましくは約40ミリメートルと50ミリメートルの間の範囲であり得る。一実施形態では、送信機ユニット200は、おおよそ約44ミリメートルの長さを有する。
【0043】
送信機ユニット200の高さは、約30ミリメートルから約60ミリメートルまで、好ましくは約40ミリメートルと50ミリメートルの間の範囲であり得る。換言すれば、高さが60ミリメートル未満であることが好ましく、高さが50ミリメートル未満であることがさらに好ましい。一実施形態では、送信機ユニット200は、おおよそ約45ミリメートルの高さを有する。
【0044】
送信機ユニット200は、幅が約10から約25ミリメートルまで、好ましくは約15ミリメートルと20ミリメートルの間の範囲であり得る。換言すれば、幅が25ミリメートル未満であることが好ましく、幅が20ミリメートル未満であることがさらに好ましい。一実施形態では、送信機ユニット200は、おおよそ約18.5ミリメートルの幅を有する。
【0045】
送信機ユニット200の重量は、約20グラムから約40グラムまで、好ましくは約25グラムと35グラムの間の範囲であり得る。換言すれば、重量は、40グラム未満であることが好ましく、35グラム未満であることがさらに好ましい。一実施形態では、送信機ユニット200は、おおよそ約30グラムの重量を有する。
【0046】
1.1 送信機ユニット200の外部構成要素
図2A図2Cは、前面216、背面218、上面220、底面222、及び側面224を含む送信機ユニット200の様々な図を示す。図2Aは、送信機ユニット200の上面図を示す。マイク204は、筐体202の上面220から突出している。筐体202の他端において、送信機ユニット200の底面222は、電源ボタン226を含み得る。
【0047】
図2B図2Cに示すように、送信機ユニットの背面218は、クリップ214を含み得る。クリップ214は、例えば、シャツなどの衣服、又は車両のサンバイザに固定するためのワニ口クリップであり得る。クリップが図示されているが、そのような物品に固定するために、他の解放可能なコネクタタイプも考えられる。
【0048】
図2Cに示すように、側面224は、コネクタインターフェース208を含む。コネクタインターフェース208は、例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB:Universal Serial Bus)、汎用非同期送受信機(UART:universal asynchronous receiver/transmitter)、又は有線データ通信のための他のプロトコルなどを使用して、有線通信経路を介して様々なホストデバイスと通信し得る。このような接続は、送信機ユニット200に関連するさらなる高度な機能(例えば、オーディオの再生、オーディオの最適化、記録のエクスポート又は削除、モノラルとステレオの切り替え、きめ細かなゲイン制御モードのアクティブ化など)を提供し得る。いくつかの実施形態では、コネクタインターフェース208は、送信機ユニット200が電力を受電し、例えば、3.8Vリチウムイオンバッテリなどの内蔵バッテリを充電できるように電力ポートを提供することができる。
【0049】
コネクタインターフェース208は、ミニUSBコネクタ又はカスタムコネクタなどのコネクタ、並びにサポート回路を含むことができる。いくつかの実施形態では、コネクタは、専用の電源接点及び接地接点、並びに異なる通信技術を平行して実施するために用いられるデジタルデータ接点を提供するカスタムコネクタとすることができる。例えば、2本のピンは、USBデータピン(D+及びD-)として割り当てることができ、2本の他のピンは、(例えば、UARTインターフェースを実施する)直列送信/受信ピンとして割り当てることができる。特定の通信技術へのピンの割当ては、実配線されるか、接続が確立されている間にネゴシエートされることができる。いくつかの実施形態では、コネクタはまた、オーディオ信号及び/又はビデオ信号のための接続を提供することができ、これらの信号は、アナログ及び/又はデジタル形式で外部デバイス(図示せず)との間で送信され得る。
【0050】
ある実施形態では、コネクタインターフェース208は、USBデバイススタックを含み得る。USBデバイススタックは、列挙シーケンスのヒューリスティック分析によってUSBホストOS検出を実行するように構成され得る。これにより、異なるオペレーティングシステムに異なる機能と構成を提供することが可能になり得る。例えば、システムは、iOS(登録商標)専用インターフェースを公開することを回避するように構成され得、そうしないと、Windows(登録商標)デバイスにドライバを欠くものとして表示される可能性がある。さらに、USBデバイススタックは、USBコントローラ内の限られたエンドポイントリソースを、特定のオペレーティングシステムに関連するインターフェースに再割当てすることを容易にし得る。
【0051】
さらに、コネクタインターフェース208は、USBオーディオスタックを含み得る。USBオーディオスタックは、例えば、入力専用USBデバイスがAndroid(登録商標)システムオーディオスタックで動作することを妨げる特定のAndroid(登録商標)実装の固有の制限を回避するために、ファントム端末記述子(phantom terminal descriptor)を採用し得る。
【0052】
1.2 送信機ユニット200のマイク204
図3に示すように、送信機ユニット200は、上面220の開口部221から突出するマイク204を含み得る。マイク204の例としては、全方向性マイク、単一指向性マイク、又は超単一指向性マイクが挙げられ得る。
【0053】
全方向性マイクは、360°の範囲全体にわたって、全ての方向からの音に対して均等又は同等の応答感度を有するマイクである。したがって、全方向性マイクの指向性応答パターンは、マイクに対する位置の関数として、一様なレベルであり、図式的には完全な円である。単一指向性マイクは、前方方向の感度が最大で、マイクの長手方向軸に対して側方又は後方方向から到来する音に対して感度が低下するという点で、全方向性マイクより改善されている。超単一指向性マイクは、単一指向性方向応答パターンよりも側方から到来する音に対して減衰された指向性応答パターンを有する。
【0054】
図示のように、送信機ユニット200は、入力ポート206を含み得る。入力ポート206は、アナログオーディオ信号を受信するための3.5mmTRS(チップ、リング、スリーブ)コネクタであり得る。入力ポートは、形状が円筒形であり得、複数のチャンネルを提供し得る。例えば、入力ポート206は、モノラル(3導体)又はステレオ(4導体)サウンド及びマイク入力を提供するために、2.5mm若しくは3.5mmの3導体又は4導体バージョンを含み得る。送信機ユニット200は、開示及び説明されたシステムとアプリケーションに適している限り、コネクタのタイプ、サイズ、又は構成に必ずしも限定されないことに留意されたい。
【0055】
1.3 ウインドシールド228
図3は、さらに、送信機ユニット200に取り付けられ得るウインドシールド228を示す。特に、ウインドシールド228は、風雑音を減衰させるために、マイク204の周囲に取り外し可能に取り付けられ得る。ウインドシールド228は、第1の層と、第2の層と、を含み得る。第1の層は、発泡体又はウィンドガード材料で作製され得、ウインドシールド228の内部を充填するために使用することができる。第2の層は、第1の層を包含してもよく、音響透過性を保ちつつ、比較的長く柔軟な繊維を有する、人工、合成、模造毛皮、又は他の適切な材料で作製され得、それらの材料は、音波が容易に通過するように薄くて開放材料であり得る任意の裏打ち材料又は織物を含む。模造毛皮は、風が毛皮に接触すると毛皮が動き、風のエネルギーの一部を吸収ように、柔らかく、吸収性と可動性のある表面を提供し、模造毛皮が有する多くの柔らかい毛皮のストランドは、毛皮が面しているデバイス表面に比べて、10倍以上の表面積を有し、はるかに柔軟である。これらの毛皮のストランドは、微小乱流を生成し、マイクから離れたところで静かにエネルギーを吸収する。
【0056】
本明細書で開示されるシステムでは、繊維は、長さが約1mmから約50mmまで、好ましくは約1mmから約30mmまでの範囲であり得、ストランドの長さは、外側ほど短く、ウインドシールドの中心に向かって長くなっている。模造毛皮は、当業者には理解されるように、ポリマーなどの任意の許容可能な組成物から作製され得、当該ポリマーの例としては、ポリエステル、アクリルなど(ブレンドを含む)上述の特性を有するものが挙げられる。
【0057】
さらに、ウインドシールド228は、ウインドシールド228とマイク204の間に気密シールを形成するために、シリコン材料又は任意の他の適切な材料で作製された固定具230を含み得る。
【0058】
図示のように、固定具230は、2つ以上の弧状隆起部231と、2つ以上のL字型雌スロット232と、を含む、バヨネット固定具であり得る。弧状隆起部231は、筐体202の上面220から延在する対応するボールロック233を受容するように適合され得る。動作中、弧状隆起部231は、ボールロック233に対して真下に下げられ、ボールロック233が弧状隆起部231と係合するように回転させられる。
【0059】
雌スロット232は、筐体202上の対応する2つ以上のバヨネットピン234を受容するように適合され得る。動作中、雌スロット232は、ピン234に対して真下に下げられ、ピン234がスロット232に係合するように回転させられる。
【0060】
スロット232は、約10ミリメートルと約数ミリメートルの間の直径を有する開口部221を横切って離間され得、一実施形態では、約16ミリメートルの直径を有し得る。各スロット232の長さは、約5ミリメートルと約10ミリメートルの間であり、一実施形態では、約7ミリメートルの長さを有し得る。ピン234は、長さが約2mmと約7ミリメートルの間であり得、一実施形態では、約4ミリメートルの長さを有し得る。他の実施形態では、ウインドシールドがピンを有し得、筐体がスロットを有し得ることも考えられる。
【0061】
1.4 送信機ユニット200の内部構成要素
図4A図4C、及び図5は、送信機ユニット200の回路基板236を示す。回路基板236は、約0.5ミリメートルと2ミリメートルの間の範囲の厚さを有し得、好ましくは約1ミリメートルであり得る。換言すれば、回路基板236は、好ましくは2ミリメートル未満の厚さを有し得る。
【0062】
回路基板236は、接地面238を含む。回路基板236は、プリント回路基板(PCB)又はフレキシブルPCBであり得る。フレキシブルPCBは、全体がフレキシブルであるか、フレキシブル領域とリジッド領域の両方を含むことができ、リジッド領域は、PCB全体のフレキシブル部分への接続を有する標準的なリジッドPCB材料で作製することができる。
【0063】
フレキシブル基板は、フレキシブル基板の一方又は両方の主表面上に、電気トレース、電気接続、及び/又は電気パッドを提供することができる。回路基板236の1つ以上の通信バス又は信号線を介して通信し得る構成要素の例としては、(任意選択的に、1つ以上のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含む)メモリ、メモリコントローラ、1つ以上の処理ユニット、周辺機器インターフェース、RF回路、オーディオ回路、マイク、入出力(I/O)サブシステム、他の入力又は制御デバイス、及び外部ポートが挙げられ得る。
【0064】
回路基板236は、角が丸みを帯びた矩形であってもよく、後述するように、アンテナ242用の切り欠き部241を含んでもよい。一実施形態では、回路基板236は、実質的に正方形である。回路基板236の各直線寸法は、長さが約20ミリメートルから約60ミリメートルまで、好ましくは約30ミリメートルと約50ミリメートルの間の範囲であり得、より好ましくは約40ミリメートルである。換言すれば、各直線寸法は、好ましくは約60ミリメートル未満であり、さらに好ましくは約50ミリメートル未満である。回路基板236の各直線寸法は、筐体202の対応する直線寸法に対応し、実質的に満たし得る。したがって、回路基板236は、筐体202の対応する内部直線寸法の少なくとも約90%を満たし得る。
【0065】
1.5 送信機ユニット200のアンテナ
送信機ユニット200は、例えば、オーディオ信号を受信機ユニット300に送信するように構成される1つ以上のアンテナを含み得る。送信機ユニット200のアンテナは、炭素含有量のより少ない、あるいは実質的に炭素含有量のないポリ塩化ビニル(PVC)などの銅及び/又は熱可塑性材料で作製され得る。
【0066】
1つ以上のアンテナは、モノポールアンテナ240及び折り返しダイポールアンテナ242であり得る。アンテナ240、242は、送信機ユニット200の物理的配向によって性能を失うことなく適応するために、異なる偏波(水平/垂直)のものであり得る。システムは、最も強い信号を受信し、2.4GHz帯域などの最も輻輳の少ない周波数帯域内で動作するアンテナを能動的にスキャン及び選択するため、多様なアンテナアプローチを使用することができる。
【0067】
モノポールアンテナ240は、接地面238に対して平行に延び、一端が接地された逆F型アンテナであり得る。モノポールアンテナ240の偏波は、垂直であり得、放射パターンは、略トーラス又はドーナツ状であり得る。
【0068】
図示のように、回路基板236は、ダイポールアンテナ242を受容するためのスリット244を含み得る。より具体的には、ダイポールアンテナ242は、回路基板236内に形成されたスリット244内に嵌合するように構成され得る。ダイポールアンテナ242は、例えば、回路基板236の両側の対応する領域にはんだ付けされるコネクタ部246を含み得ることも考えられる。
【0069】
ダイポールアンテナ242は、送信機ユニット200のコネクタポートに実質的に対向して、回路基板236の縁部上に配置され得る。
【0070】
図4Bに示すように、折り返しダイポールアンテナ242は、カプラ247によって接続される第1の導電性素子243及び第2の導電性素子245を備え得る。
【0071】
図4A図4Cに示すように、ダイポールアンテナ242は、L字型導電性素子243、245が接地面238の両側に配置されるように折り返すことができ、それによって、アンテナサイズを最大化しながら、送信機ユニット200内の空間を節約することができる。
【0072】
各導電性素子243、245は、L字型であってもよく、テーパ状端部を含んでもよい。図示のように、テーパ状端部の幅(Wとして示す)は、約3ミリメートルと約5ミリメートルの間、好ましくは約3.5ミリメートルと4ミリメートルの間の範囲であり得、一実施形態では、約3.7ミリメートルであり得る。
【0073】
図4Bに示すように、折り返しダイポールアンテナ242の各導電性素子243、245の脚部243a、245aは、約10ミリメートルと約30ミリメートルの間、好ましくは約15ミリメートルと20ミリメートルの間の範囲の長さ(Lとして示す)を有し得る。一実施形態では、長さLは、約17ミリメートルである。各脚部243a、245aは、接地面238に対して実質的に平行に配置されてもよく、それぞれ、接地面238の上方又は下方に所定の距離だけ離間していてもよい。
【0074】
脚部243aと脚部245aの間の距離は、折り返されて接地面238に対して配置されるとき、約5ミリメートルと約15ミリメートルの間の範囲であり得、好ましくは約10ミリメートルであり得る。切り欠き部241は、脚部243a、245a間の回路基板材料を排除し、それによって、干渉を低減し得る。
【0075】
図4Bに示すように、折り返しダイポールアンテナ242の各導電性素子243、245の別の脚部243b、245bは、約5ミリメートルと15ミリメートルの間、好ましくは約7ミリメートルと10ミリメートルの間の範囲の長さ(Lとして示す)を有し得る。一実施形態では、長さLは、約8.5ミリメートルである。各脚部243b、245bは、接地面238に対して実質的に垂直に配置され、接地面238から所定の距離だけ延在する。
【0076】
折り返しダイポールアンテナ242は、偏波アンテナアレイであり得る。アンテナ242は、垂直偏波アンテナアレイに結合された複数の水平偏波アンテナアレイを含み得ることも考えられる。垂直偏波アンテナアレイは、水平偏波アンテナアレイのうちの1つによって生成される放射パターンに対して実質的に垂直な放射パターンを生成し得る。
【0077】
ダイポールアンテナ242のこのような構成は、全ての方向における良好なリンクと、実質的に250フィート(約75メートル)を超える広い通信範囲とを提供し、ある実施形態では、例えば、見通し線条件では、約650フィート(約200メートル)の範囲を実質的に超える通信範囲を提供する。換言すれば、折り返しダイポールアンテナ242及びシステム100によって提供される送信の範囲は、好ましくは約100フィート(約30メートル)と約1500フィート(約460メートル)の間であり、さらに好ましくは約250フィート(約75メートル)と約1,000フィート(約300メートル)の間である。
【0078】
図4Cに図示すように、送信機ユニット200内の折り返しダイポールアンテナ242は、接地面238の両側から切り離され(すなわち、ある高さに配置され)得る。ダイポールアンテナ242と接地面238の間の距離は、約1ミリメートルと10ミリメートルの間の範囲であり得る。一実施形態では、折り返しダイポールアンテナ242は、ダイポールアンテナ242の第1の導電性素子243が、接地面238から約1ミリメートルと約2ミリメートルの間、一実施形態では、約1.5ミリメートルの距離(Dとして示す)にあり、ダイポールアンテナ242の第2の導電性素子245が、接地面238から約7ミリメートルと約8ミリメートルの間、一実施形態では約7.5ミリメートルの距離(Dとして示す)にあるように、回路基板236上に配置され得る。接地面238からの分離は、信号損失を減少させ、それによって、ドロップアウトエラー率を低下させ得る。
【0079】
1.6 送信機ユニット200の電力システム
図5に示すように、電力システム248は、送信機ユニット200の筐体202内に取り付けられる。電力システム248は、送信機ユニット200の様々な構成要素に電力を供給するために使用され得る。電力システム248は、電力管理システム、1つ以上の電源(例えば、バッテリ、交流(AC))、再充電システム、停電検出回路、電力コンバータ又はインバータ、電力状態インジケータ(例えば、発光ダイオード(LED))、並びに送信機ユニット200内の電力の生成、管理、及び分配に関連する任意の他の構成要素を含み得る。
【0080】
送信機ユニット200のバッテリ250は、リチウムイオンポリマー充電式バッテリであり得る。ある実施形態では、バッテリ250は、3.8V350mAh1.33WhTenergyModel34363Tバッテリである。
【0081】
バッテリ250の高さは、約15ミリメートルと30ミリメートルの間、好ましくは約20ミリメートルと25ミリメートルの間の範囲であり得る。一実施形態では、バッテリ250の高さは、約22ミリメートルである。
【0082】
バッテリ250の長さは、約10ミリメートルと25ミリメートルの間、好ましくは約15ミリメートルと20ミリメートルの間の範囲であり得る。一実施形態では、バッテリ250の高さは、約18ミリメートルである。
【0083】
2.0 例示的な受信機ユニット300
図1に戻って参照すると、ワイヤレスマイクシステム100は、受信機300を含む。受信機300は、筐体302と、ディスプレイ304と、出力ポート306と、コネクタインターフェース308と、を含み得る。受信機ユニット300は、送信機ユニット200のようなウェアラブルデバイスであってもよいし、以下に詳述するように、外部デバイスに取り付ける構造であってもよい。筐体302は、炭素含有量のより少ない、あるいは実質的に炭素含有量のないポリカーボネート-ABSなどの熱可塑性材料で作製され得る。
【0084】
受信機ユニット300は、長さが約30ミリメートルから約60ミリメートルまで、好ましくは約40ミリメートルと50ミリメートルの間の範囲であり得る。一実施形態では、受信機ユニット300は、おおよそ約44ミリメートルの長さを有する。換言すれば、受信機ユニット300は、60ミリメートル未満の長さを有し得、好ましくは50ミリメートル未満である。
【0085】
受信機ユニット300の高さは、長さが約30ミリメートルから約60ミリメートルまで、好ましくは約40ミリメートルと50ミリメートルの間の範囲であり得る。一実施形態では、受信機ユニット300は、おおよそ約46ミリメートルの高さを有する。
【0086】
受信機ユニット300は、幅が約10から約25ミリメートルまで、好ましくは約15ミリメートルと20ミリメートルの間の範囲であり得る。換言すれば、受信機ユニット300は、25ミリメートル未満の幅を有し得、好ましくは20ミリメートル未満である。一実施形態では、受信機ユニット300は、おおよそ約18.5ミリメートルの幅を有する。
【0087】
受信機ユニット300の重量は、約20グラムから約40グラムまで、好ましくは約25グラムと35グラムの間の範囲であり得る。換言すれば、重量は40グラム未満であり得、好ましくは35グラム未満である。一実施形態では、受信機ユニット300は、おおよそ約30グラムの重量を有する。
【0088】
2.1 受信機ユニット300の外部構成要素
図6A図6Cは、前面310、背面312、上面314、底面316、及び側面318を含む受信機ユニット300の様々な図を示す。
【0089】
図6Aは、受信機ユニット300の上面図を示す。図示のように、前面332は、ディスプレイ304を含む。ディスプレイ304は、液晶ディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ、電気泳動ディスプレイ、エレクトロウェッティングディスプレイ、又は任意の他の適切なタイプのディスプレイであり得る。ディスプレイ304は、タッチスクリーンディスプレイ(例えば、タッチセンサを組み込んだディスプレイ)であってもよいし、タッチに反応しなくてもよい。
【0090】
ディスプレイ304は、画像、動画、テキストなどの様々な種類のコンテンツを出力し得る。図1に示すように、ディスプレイ304は、バッテリレベル、信号強度、オーディオ入力レベル、オーディオチャンネルなどを含むがこれらに限定されない、送信機ユニット200及び受信機ユニット300に関連する特定の情報を出力するように構成され得る。
【0091】
さらに、受信機ユニット300は、システム100の機能に関連する様々な選択可能なボタンを含む。上面314は、受信機ユニット300をオン/オフにするための電源ボタン320を含む。
【0092】
受信機ユニット300の底面316は、制御ボタン322と、リンクボタン324と、を含む。制御ボタン322は、受信機ユニット300から外部デバイスへのデシベル出力を低減し得る。例えば、ユーザは、制御ボタン322を押して-24dBパッドに係合させることができ、次いで、2回目に押すと、減衰をちょうど-12dBパッド(-24dBと0dBの間の中間)まで減らすことができ、次いで、再度押すと、0dB設定で最大出力レベル(減衰なし)に戻すことができる。
【0093】
さらに、ユーザは、例えば、0dBから-30dBまで、-3dB刻みで調整することを含み得る、さらなるきめ細かなゲイン制御のためにアドバンスモードをアクティブ化することができる。これは、制御ボタン322を使用することにより、利用可能な全てのゲインステップを循環させるラウンドロビン方式で動作してもよい。他の実施形態では、ゲインの調整は、1dB刻みで達成され得、及び/又は、「+」ボタン及び「-」ボタン(図示せず)などの制御ボタンの付加的若しくは代替的選択肢を含み得る。
【0094】
さらに、受信機ユニット300は、モノオーディオモードで記録するときに安全チャンネルを含み得る。安全チャンネルは、より低いレベルの1つ以上の送信機からのモノオーディオ信号のコピーを作成するために使用され得る。ある実施形態では、安全チャンネルは、特定の送信機ユニットからより低いデシベルレベルでオーディオ信号を作成する選択を容易にし得る。
【0095】
ユーザは、リンクボタン324を係合させて、受信機ユニット300と送信機ユニット200の間で、採用される無線技術に応じて、ペアリング手順又は接続手順を開始することができる。
【0096】
図6Bに示すように、送信機ユニットの背面312は、クリップ312を含み得る。クリップ312は、外部デバイスに固定するための、ホットシュークリップ又はコールドシュークリップなどのシュークリップであり得る。例えば、図7に示すように、クリップ322は、カメラ330のシューマウント328に固定するために使用され得る。受信機ユニットが接続し得る追加の外部デバイスには、スマートフォン、テーブル、ラップトップなどが含まれる。クリップが図示されているが、他の接続も考えられる。
【0097】
図6Cに示すように、側面318は、コネクタインターフェース314を含む。コネクタインターフェース314は、例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB:Universal Serial Bus)、汎用非同期送受信機(UART:universal asynchronous receiver/transmitter)、又は有線データ通信のための他のプロトコルなどを使用して、有線通信経路を介して様々なホストデバイスと通信する。いくつかの実施形態では、コネクタインターフェース314は、電力ポートを提供することができ、受信機ユニット300が、例えば、内蔵バッテリを充電するために、電力を受電することを可能にする。
【0098】
コネクタインターフェース314は、3.5mmTRS(チップ、リング、スリーブ)又はTRRS(チップ、リング、リングスリーブ)コネクタ、USBコネクタ、ミニUSBコネクタ又はカスタムコネクタなどのコネクタ、並びにサポート回路を含むことができる。いくつかの実施形態では、コネクタは、専用の電源接点及び接地接点、並びに異なる通信技術を平行して実施するために用いられるデジタルデータ接点を提供するカスタムコネクタとすることができる。例えば、2本のピンは、USBデータピン(D+及びD-)として割り当てることができ、2本の他のピンは、(例えば、UARTインターフェースを実施する)直列送信/受信ピンとして割り当てることができる。特定の通信技術へのピンの割当ては、実配線されるか、接続が確立されている間にネゴシエートされることができる。図7に示すように、コネクタインターフェース308は、オーディオ及び/又はビデオ信号のための接続を提供し得、これらの信号は、アナログ及び/又はデジタル形式で、カメラ330などの外部デバイスとの間で送信され得る。
【0099】
ある実施形態では、コネクタインターフェース314は、USBデバイススタックを含み得る。USBデバイススタックは、列挙シーケンスのヒューリスティック分析によってUSBホストOS検出を実行するように構成され得る。これにより、異なるオペレーティングシステムに異なる機能と構成を提供することが可能になり得る。例えば、システムは、iOS(登録商標)専用インターフェースを公開することを回避するように構成され得、そうしないと、Windows(登録商標)デバイスにドライバを欠くものとして表示される可能性がある。さらに、USBデバイススタックは、USBコントローラ内の限られたエンドポイントリソースを、特定のオペレーティングシステムに関連するインターフェースに再割当てすることを容易にし得る。
【0100】
さらに、コネクタインターフェース314は、USBオーディオスタックを含み得る。USBオーディオスタックは、例えば、入力専用USBデバイスがAndroid(登録商標)システムオーディオスタックで動作することを妨げる特定のAndroid(登録商標)実装の固有の制限を回避するために、ファントム端末記述子(phantom terminal descriptor)を採用し得る。
【0101】
2.2 受信機ユニット300の内部構成要素
図8A図8C、及び図9は、受信機ユニット300の回路基板332を示す。回路基板332は、接地面334を含む。回路基板332は、約0.5ミリメートルと2ミリメートルの間の範囲の厚さを有し得、好ましくは約1ミリメートルであり得る。
【0102】
回路基板332は、プリント回路基板(PCB)又はフレキシブルPCBであり得る。フレキシブルPCBは、全体がフレキシブルであるか、フレキシブル領域とリジッド領域の両方を含むことができ、リジッド領域は、PCB全体のフレキシブル部分への接続を有する標準的なリジッドPCB材料で作製することができる。
【0103】
フレキシブル基板は、フレキシブル基板の一方又は両方の主表面上に、電気トレース、電気接続、及び/又は電気パッドを提供することができる。回路基板332の1つ以上の通信バス又は信号線を介して通信し得る構成要素の例としては、(任意選択的に1つ以上のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含む)メモリ、メモリコントローラ、1つ以上の処理ユニット、周辺機器インターフェース、RF回路、オーディオ回路、マイク、入出力(I/O)サブシステム、他の入力又は制御デバイス、及び外部ポートが挙げられ得る。
【0104】
回路基板332は、角が丸みを帯びた矩形であってもよく、後述するように、アンテナ338用の切り欠き部335を含んでもよい。一実施形態では、回路基板332は、実質的に正方形である。回路基板332の各直線寸法は、長さが約20ミリメートルから約60ミリメートルまで、好ましくは約30ミリメートルと約50ミリメートルの間の範囲であり得、より好ましくは約40ミリメートルである。換言すれば、各直線寸法は、好ましくは約60ミリメートル未満であり、さらに好ましくは約50ミリメートル未満である。回路基板332の各直線寸法は、筐体302の対応する直線寸法に対応し、実質的に満たし得る。したがって、回路基板332は、筐体302の対応する内部直線寸法の少なくとも約90%を満たし得る。
【0105】
2.3 受信機ユニット300のアンテナ
受信機ユニット300は、例えば、送信機ユニット200からオーディオ信号を受信するように構成される1つ以上のアンテナを含み得る。受信機ユニット300のアンテナは、炭素含有量のより少ない、あるいは実質的に炭素含有量のないポリ塩化ビニル(PVC)などの銅及び/又は熱可塑性材料で作製され得る。
【0106】
1つ以上のアンテナは、モノポールアンテナ336及び折り返しダイポールアンテナ338であり得る。アンテナ336、338は、受信機ユニット300の物理的配向によって性能を失うことなく適応するために、異なる偏波(水平/垂直)のものであり得る。システムは、最も強い信号を受信し、2.4GHz帯域などの最も輻輳の少ない周波数帯域内で動作するアンテナを能動的にスキャン及び選択するため、多様なアンテナアプローチを使用することができる。
【0107】
モノポールアンテナ336は、接地面334に対して平行に延び、一端が接地された逆F型アンテナであり得る。モノポールアンテナ336の偏波は、垂直であり得、放射パターンは、略トーラス又はドーナツ状であり得る。
【0108】
図示のように、回路基板332は、折り返しダイポールアンテナ338を受容するためのスリット340を含み得る。より具体的には、折り返しダイポールアンテナ338は、回路基板332内に形成されたスリット340内に嵌合するように構成されているコネクタ部348を含み得る。折り返しダイポールアンテナ338は、例えば、回路基板332の両側の対応する領域にはんだ付けされたコネクタ部342を含み得ることも考えられる。
【0109】
ダイポールアンテナ338は、受信機ユニット300のコネクタポートに実質的に対向して、回路基板332の縁部上に配置され得る。
【0110】
図8Bに示すように、折り返しダイポールアンテナ338は、カプラ343によって接続される第1の導電性素子339及び第2の導電性素子341を備え得る。各導電性素子339、341間の距離は、約5ミリメートルと約15ミリメートルの間の範囲であり得、好ましくは約10ミリメートルであり得る。
【0111】
図8A図8Cに示すように、ダイポールアンテナ338は、L字型導電性素子339、341が接地面334の両側に配置されるように折り返すことができ、それによって、アンテナサイズを最大化しながら、受信機ユニット300内の空間を節約することができる。
【0112】
各導電性素子339、341は、L字型であってもよく、テーパ状端部を含んでもよい。図示のように、テーパ状端部の幅(Wとして示す)は、約3ミリメートルと約5ミリメートルの間、好ましくは約3.5ミリメートルと4ミリメートルの間の範囲であり得、一実施形態では、約3.7ミリメートルであり得る。
【0113】
図8Bに示すように、折り返しダイポールアンテナ338の各導電性素子339、341の脚部339a、341aは、約10ミリメートルと約30ミリメートルの間、好ましくは約15ミリメートルと20ミリメートルの間の範囲の長さ(Lとして示す)を有し得る。一実施形態では、長さLは、約17ミリメートルである。各脚部339a、341aは、接地面334に対して実質的に平行に配置されてもよく、それぞれ、接地面334の上方又は下方に所定の距離だけ離間していてもよい。
【0114】
脚部339aと脚部341aの間の距離は、折り返されて接地面334に対して配置されるとき、約5ミリメートルと約15ミリメートルの間の範囲であり得、好ましくは約10ミリメートルであり得る。切り欠き部335は、脚部339a、341a間の回路基板材料を排除し、それによって、干渉を低減し得る。
【0115】
図8Bに示すように、折り返しダイポールアンテナ338の各導電性素子339、341の別の脚部339b、341bは、約5ミリメートルと15ミリメートルの間、好ましくは約7ミリメートルと10ミリメートルの間の範囲の長さ(Lとして示す)を有し得る。一実施形態では、長さLは、約8.5ミリメートルである。各脚部339b、341bは、接地面334に対して実質的に垂直に配置され、接地面334から所定の距離だけ延在する。
【0116】
ダイポールアンテナ338は、偏波アンテナアレイであり得る。ダイポールアンテナ338は、垂直偏波アンテナアレイに結合された複数の水平偏波アンテナアレイを含み得ることも考えられる。垂直偏波アンテナアレイは、水平偏波アンテナアレイのうちの1つによって生成される放射パターンに対して実質的に垂直な放射パターンを生成し得る。
【0117】
図8Cに図示すように、受信機ユニット300内の折り返しダイポールアンテナ338は、接地面334の両側から切り離され得る(すなわち、ある高さに配置され得る)。ダイポールアンテナ338と接地面334の間の距離は、約1ミリメートルと10ミリメートルの間の範囲であり得る。一実施形態では、折り返しダイポールアンテナ338は、ダイポールアンテナ338の第1の導電性素子339が、接地面334から約1ミリメートルと約2ミリメートルの間の距離(Dとして示す)にあり、ダイポールアンテナ338の第2の導電性素子341が、接地面334から約7ミリメートルと約8ミリメートルの間の距離(Dとして示す)にあるように、回路基板332上に配置され得る。接地面334からの分離は、信号損失を減少させ、それによって、ドロップアウトエラー率を低下させ得る。
【0118】
2.4 受信機ユニット300の電力システム
図9に示すように、電力システム344は、受信機ユニット300の筐体202内に取り付けられる。電力システム344は、受信機ユニット300の様々な構成要素に電力を供給するために使用され得る。電力システム344は、電力管理システム、1つ以上の電源(例えば、バッテリ、交流(AC))、再充電システム、停電検出回路、電力コンバータ又はインバータ、電力状態インジケータ(例えば、発光ダイオード(LED))、並びに受信機ユニット300内の電力の生成、管理、及び分配に関連する任意の他の構成要素を含み得る。
【0119】
受信機ユニット300のバッテリ346は、リチウムイオンポリマー充電式バッテリであり得る。ある実施形態では、バッテリ346は、3.8V350mAh1.33WhTenergyModel34363Rバッテリである。
【0120】
バッテリ346の高さは、約15ミリメートルと30ミリメートルの間、好ましくは約20ミリメートルと25ミリメートルの間の範囲であり得る。一実施形態では、バッテリ346の高さは、約22ミリメートルである。
【0121】
バッテリ346の長さは、約10ミリメートルと25ミリメートルの間、好ましくは約15ミリメートルと20ミリメートルの間の範囲であり得る。一実施形態では、バッテリ346の高さは、約18ミリメートルである。
【0122】
3.0 例示的なブロック図
図10は、送信機ユニット200のブロック図400である。図11は、受信機ユニット300のブロック図500である。図12は、例示的なワイヤレスマイクシステムのブロック図600である。
【0123】
3.1 送信機200の例示的なブロック図400
図10に示すように、送信機ユニット200は、マイクプリアンプ402と、アナログ-デジタル変換器(ADC)404と、オーディオデジタル信号プロセッサ(DSP)406と、コントローラ408と、ラジオモジュール410と、を含み得る。
【0124】
マイクプリアンプ402は、低電圧動作の低雑音アンプであり得る。マイクプリアンプ402は、電界効果トランジスタ及び/又はPNPトランジスタなどのバイポーラ接合トランジスタで形成され得る。オーディオの増幅は、必要とされる最適入力まで実行され得る。マイクプリアンプの可変抵抗は、ゲイン調整を容易にし得る。
【0125】
ADC404は、プリアンプ402から出力される前置増幅されたアナログオーディオ信号401を受信し得る。ADC404は、その入力において受信した前置増幅されたアナログオーディオ信号を、アナログオーディオ信号を表すデジタル信号に変換するように構成される任意の適切なシステムデバイス又は装置を含み得る。ADC404は、デルタ-シグマ変調器及びデシメータを含む1つ以上の構成要素を含み得るが、これらに限定されない。
【0126】
一旦変換されたデジタル信号は、同じ距離のアナログ送信と比較して、雑音の影響を受けることなく、大幅に長い距離にわたって送信され得る。
【0127】
DSP406は、デジタルオーディオシステムで使用するためにデジタル化された信号を処理するように構成される任意の適切なシステム、デバイス、又は装置を含み得る。例えば、DSP406は、プログラム命令を解釈及び/若しくは実行し、並びに/又はデータを処理するように構成され得る。
【0128】
コントローラ408は、DSP406からデジタル化されたオーディオ信号を受信し得る。コントローラ408は、エンコーダ414と、レコーダ416と、リアルタイムクロック418と、を含み得る。エンコーダ414は、オーディオ信号を圧縮するように構成され得る。例えば、信号は、対数圧縮を使用して半分以下に圧縮され得る。
【0129】
レコーダ416は、送信機ユニット200のスイッチング構成を介して、処理経路に従ってオーディオ信号を記録するように構成され得る。第1の処理経路は、圧縮前に生のオーディオ信号を記録することを含む。第2の処理経路は、エンコーダ414を介して、オーディオ信号を圧縮し、圧縮されたオーディオ信号を記録することを含む。
【0130】
さらに、レコーダ416は、ピークオーディオファイルを記録し得る。ピークオーディオファイルは、例えば、システムのソフトウェアコンポーネントを介して波形の表示を支援するために、オーディオ波形の形状をインデックス付けする低解像度信号を含み得る。換言すれば、ピークオーディオファイルは、ディスプレイ上にオーディオファイルの映像を出力するために使用され得る。オーディオ波形全体を出力することにより、オーディオをより効率的に編集することができる。
【0131】
次いで、記録は、第1の処理経路又は第2の処理経路のいずれかに従って、リアルタイムクロック418に基づいてタグ付けされ得る。特に、リアルタイムクロック418は、記録が開始及び停止された曜日、日付、時間、分、及び秒などの時間情報を監視し得る。次いで、その情報は、オーディオ信号及び/又はピークファイルにタグ付けするために使用される。例えば、システムは、自動的に、又はユーザ入力に応答して、オーディオファイルの一部をマーク付けして、オーディオドロップアウトを識別し得る。
【0132】
次いで、タグ付けされたオーディオ記録は、メモリ420に記憶され得る。メモリ420は、高速ランダムアクセスメモリ、例えば、DRAM、SRAM、DDR RAM、又は他のランダムアクセ固体メモリデバイスなどの、任意の適切な不揮発性の非一時的メモリであり得、そして、任意選択的に、1つ以上の磁気ディスク記憶デバイス、光ディスク記憶デバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性固体記憶デバイスなどの、不揮発性メモリを含む。
【0133】
図10に示すように、送信機ユニット200は、ラジオアンテナ410を介した記録及び送信の両方のために、同じオーディオデータ、圧縮オーディオ、又は生のオーディオを利用し得、これらについては、以下でさらに詳述する。
【0134】
3.2 受信機300の例示的なブロック図500
図11に示すように、受信機ユニット300は、ラジオモジュール502と、デコーダ504と、オーディオデータのチャンネルに対応するDSP506、508と、デジタル―アナログ変換器(DAC)510、512と、デジタル出力回路514と、を含み得る。
【0135】
ラジオアンテナ502は、以下に詳述するように、送信機200からデジタル化されたオーディオデータを受信するように構成される。デコーダ504は、オーディオデータを受信し、エンコーダ414に対応するオーディオ圧縮コーデックをデコードするように構成され得る。
【0136】
図示のように、オーディオデータは、次いで、記録のチャンネル、例えば、オーディオが受信された送信機ユニットに対応するDSP506、508に向けられ得る。DSP508は、チャンネル2に対応し、受信機ユニットが第2の送信機ユニットにリンクされているときに使用され得る。第2の送信機ユニットがリンクされている場合、オーディオは、左右のチャンネルから別々に受信されてもよく、モノラルでミックスされてもよい。モノラルにミックスされる場合、安全チャンネルは、右チャンネルで利用可能であり得る。出力は、例えば、TRSアナログ出力からの左及び右、又はUSBデジタルオーディオ出力のチャンネル1及び2であり得る(USBデジタル出力はDACを通過しない)。DSP506、508は、出力のためにオーディオデータを処理するように構成される任意の適切なシステム、デバイス、又は装置を含み得る。例えば、DSPは、イコライゼーション、圧縮などを提供するために、リアルタイムでオーディオを処理することを容易にし得る。
【0137】
DAC510、512は、対応するDSP506、508からデジタル化されたオーディオを受信し得る。DAC510、512は、受信したデジタル化されたオーディオを外部デバイスへの出力516のためのアナログ形式に変換するように構成される任意の適切なシステムデバイス又は装置を含み得る。
【0138】
デジタル出力回路514は、他のデバイスに直接的に、又はネットワーク(例えば、インターネット、無線LANなど)を介して間接的に結合するように適合され得る。いくつかの実施形態では、外部ポートは、Android(登録商標)やiOS(登録商標)デバイス、及び対応するアクセサリケーブルなどの様々なデバイスと同じであるか、類似している、及び/若しくは互換性のあるマルチピン(例えば、30ピン)コネクタ又はUSBCコネクタである。デジタル出力回路514は、デジタル形式でオーディオ516を出力し得る。
【0139】
3.3 ワイヤレスマイクシステム100の例示的なブロック図600
図12に示すように、送信機ユニット200のラジオモジュール410は、ワイヤレスリンクを介して受信機ユニット300のラジオモジュール502と通信し得る。上記で詳述したように、データ通信は、ワイヤレス媒体、例えば、128ビット暗号化2.4GHzワイヤレスプロトコル、Wi-Fi(IEEE802.21規格群)、Bluetooth(登録商標)(BluetoothSIG,Inc.により公布された規格群)、又はワイヤレスデータ通信のための他のプロトコルなどを介して実装され得る。ある実施形態では、送信機ユニットは、同じオーディオパックを8回送信し、約10mW以下の最大出力RF電力を有し得る。
【0140】
ラジオモジュール410、502は、例えば、オーディオ、制御、並びにリンクステータス、オーディオレベル情報、バッテリ健全性、及び充電ステータスなどのステータスを処理するように構成されるロジック602、604を含み得る。ロジック602、604は、単一の構成要素からなるものであってもよいし、DSP、ASIC、FPGA、実行可能命令を実行するCPU、実行可能命令を実行するGPU、ハードワイヤード回路、状態機械などの任意の組み合わせとして実装されてもよいが、これらに限定されない。したがって、一例として、ロジックは、ASIC又はFPGAを使用して実装され得る。別の例では、ロジックは、プロセッサなどによって実行されるハードウェア及びソフトウェア又はファームウェアの組み合わせであり得る。
【0141】
さらに、ラジオモジュール410、502は、低電力オーディオ信号を増幅するように構成されるパワーアンプ606、608を含み得る。他の考えられる構成要素は、チューナ、及び1つ以上の発振器を含み得る。
【0142】
ラジオモジュール410は、さらに、送信機ユニット200のレコーダ416に動作可能に結合されるリンクモニタ610を含む。リンクモニタ610は、送信機ユニット200と受信機ユニット300の間のワイヤレスリンク接続を監視するように動作可能である。リンクモニタ610による接続のドロップの検出に応答して、レコーダ416などのレコーダは、上記で詳述したように、ピークオーディオファイルをマーク付けするように構成され得る。
【0143】
4.0 例示的な送信機ユニットのフローチャート700
図13は、ワイヤレスマイクシステムの例示的な送信機ユニットのフローチャート700を示す。動作方法が開始され、ステップ702において、送信機ユニットがオーディオを受信する。オーディオは、送信機ユニットの内蔵マイクを介して、又は送信機ユニットに配線された外部マイクを介して取得され得る。
【0144】
ステップ704で、送信機ユニットは、例えば、エンコーダを介して受信されたオーディオを圧縮し得る。決定ステップ706で、送信機ユニットは、オーディオを記録するかどうかを判定し得る。「はい」の場合、決定ステップ708で、送信機ユニットは、オーディオを圧縮された形式で記録するかどうかを判定し得る。決定ステップ708において、送信機ユニットが、圧縮されたオーディオを記録すべきであると判定した場合、ステップ710において、圧縮されたオーディオが記録される。決定ステップ708において、送信機ユニットが、生のオーディオを記録すべきであると判定した場合、ステップ710において、生のオーディオが記録される。
【0145】
決定ステップ706において、送信機ユニットが、オーディオを記録すべきでないと判定した場合、又はオーディオが選択された形式で記録された後、決定ステップ714で、送信機ユニットは、オーディオを送信するかどうかを判定する。「はい」の場合、決定ステップ716で、送信機ユニットは、受信機ユニットが利用可能であるかどうかを判定する。決定ステップ716において、送信機ユニットが、受信機ユニットが利用可能であると判定した場合、ステップ718で、2つのデバイスがペアリングされ得る。ステップ720で、送信機ユニットは、圧縮されたオーディオを受信機ユニットに送信する。
【0146】
決定ステップ722で、送信機ユニットは、送信機ユニットと受信機ユニットの間の接続リンクが切断されたかどうかを判定する。決定ステップ722において、送信機ユニットが、リンクが切断されていないと判定した場合、決定ステップ724で、送信機ユニットは、記録されている場合、オーディオファイル及び/又はピークオーディオファイルにマーカでタグ付けするための入力が受信されたかどうかを判定する。
【0147】
決定ステップ722において、送信機ユニットが、通信リンクが切断されていると判定した場合、ステップ724で、送信機ユニットは、記録されている場合、オーディオファイル及び/又はピークオーディオファイルに、切断された接続に対応するマーカでタグ付けする。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】