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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】電気機械式スピンドル駆動装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/06 20060101AFI20240208BHJP
   H02K 7/102 20060101ALI20240208BHJP
   H02K 7/08 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
H02K7/06 A
H02K7/102
H02K7/08 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550612
(86)(22)【出願日】2022-02-22
(85)【翻訳文提出日】2023-10-20
(86)【国際出願番号】 AT2022060049
(87)【国際公開番号】W WO2022178564
(87)【国際公開日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】A50123/2021
(32)【優先日】2021-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509296085
【氏名又は名称】トルンプ マシーネン オーストリア ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ステファノ スペツィアリ
【テーマコード(参考)】
5H607
【Fターム(参考)】
5H607BB07
5H607BB14
5H607CC01
5H607CC03
5H607CC05
5H607CC07
5H607DD02
5H607DD03
5H607DD08
5H607DD16
5H607DD19
5H607EE07
5H607EE10
5H607EE53
5H607FF01
5H607GG01
5H607GG02
5H607GG08
5H607HH01
(57)【要約】
本発明は、ハウジング(13)と、モーター(2)と、スピンドルナットの形態の回転要素(3)であって、モーター(2)によって回転軸線(4)を中心に回転する回転要素(3)と、回転要素(3)と協働するスピンドル(23)であって、スピンドル(23)のねじ山部は回転要素(3)の内部に配置され、スピンドル出口端(35)で回転要素(3)から出るスピンドル(23)と、回転要素(3)をハウジング(13)に対して回転可能に支持している軸受(37、38、39)と、を有する電気機械式スピンドル駆動装置(1)において、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つの軸受(37)が、回転要素(3)のスピンドル出口端(35)の領域に配置され、及び/又はラジアル軸受の形態で設けられていることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械式スピンドル駆動装置(1)であって、
ハウジング(13)と、
モーター(2)と、
スピンドルナットの形態の回転要素(3)であって、モーター(2)によって回転軸線(4)を中心に回転可能である、回転要素(3)と、
前記回転要素(3)と協働するスピンドル(23)であって、該スピンドル(23)のねじ山部は、前記回転要素(3)の内部に配置され、スピンドル出口端(35)で前記回転要素(3)から出る、スピンドル(23)と、
前記回転要素(3)を前記ハウジング(13)に対して回転可能に支持している軸受(37、38、39)と、
を有する電気機械式スピンドル駆動装置(1)において、
少なくとも1つ、好ましくは、少なくとも2つの軸受(37)が、前記回転要素(3)の前記スピンドル出口端(35)の領域に配置され、及び/又はラジアル軸受の形態で構成されている、ことを特徴とする電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項2】
前記回転要素(3)の前記スピンドル出口端(35)の領域に配置された前記少なくとも1つの軸受(37)は、前記回転要素(3)の内部に、好ましくは前記回転要素(3)の内側に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項3】
前記回転要素(3)の前記スピンドル出口端(35)の領域に配置された前記少なくとも1つの軸受(37)が、前記回転要素(3)の内側と前記回転要素(3)の内部に突出する軸受座(36)との間に配置され、該軸受座(36)は、好ましくは前記ハウジング(13)のハウジング部分(13c)に、好ましくは前面側のハウジングカバーに形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項4】
前記回転要素(3)の前記スピンドル出口端(35)の領域に配置された前記少なくとも1つの軸受(37)が、前記モーター(2)の固定子(2a)及び/又は回転子(2b)と軸方向に重なって配置され、及び/又は前記モーター(2)の前記固定子(2a)及び/又は前記回転子(2b)によって囲まれた領域内に配置されていることを特徴とする、請求項1~3の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項5】
前記回転要素(3)の前記スピンドル出口端(35)の領域に配置された前記少なくとも1つの軸受(37)が、転がり軸受、特に玉軸受であることを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項6】
前記軸受(39)の少なくとも1つ、好ましくはラジアル軸受が、前記回転要素(3)の前記スピンドル出口端(35)とは反対側の端部の領域に配置されていることを特徴とする、請求項1~5の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項7】
前記軸受(38)の少なくとも1つは、アキシャル軸受であり、好ましくは前記電気機械式スピンドル駆動装置(1)の前記モーター(2)と制動装置(5)との間の領域に配置されていることを特徴とする、請求項1~6の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項8】
前記モーター(2)の固定子(2a)は前記回転要素(3)を取り囲み、及び/又は前記モーター(2)の回転子(2b)は、好ましくは永久磁石の形態で前記回転要素(3)の外側に、好ましくは取り外し可能に取り付けられたポール要素を備え、及び/又は前記モーター(2)は同期モーターであることを特徴とする、請求項1~7の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項9】
前記電気機械式スピンドル駆動装置(1)は、特に球の形態の転動要素(45)が循環経路を案内されている転動スピンドル駆動装置であり、前記循環経路の第1の部分は前記回転要素(3)の雌ねじ部と前記スピンドル(23)の雄ねじ部との間に形成され、第2の部分は復路(44)によって形成され、該復路(44)は前記スピンドル(23)の内部に形成されていることを特徴とする、請求項1~8の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項10】
前記スピンドル出口端(35)とは反対側の前記回転要素(3)の端部で、取付要素(40)が前記回転要素(3)と接続され、好ましくは、前記取付要素(40)は、前記回転要素(3)の内部に位置する部分を有し、及び/又は前記スピンドル(23)のための停止部を形成することを特徴とする、請求項1~9の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項11】
前記回転要素(3)の外部にある前記取付要素(40)の部分(46)はピン状で形成され、ピン状の部分(46)の長手方向軸線は前記回転要素(3)の前記回転軸線(4)と一致し、
好ましくは前記回転要素(3)の内部に位置する前記取付要素(40)の部分の最大直径は、前記ピン状の部分(46)の直径の少なくとも3倍、好ましくは少なくとも4倍であることを特徴とする、請求項10に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項12】
前記電気機械式スピンドル駆動装置(1)はセンサー装置(47)を有し、前記回転要素(3)の外部にある前記取付要素(40)の部分(46)は前記センサー装置(47)の検出範囲内にあり、
好ましくは該センサー装置(47)は、前記取付要素(40)の回転を検出する回転センサーであることを特徴とする、請求項10又は11に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項13】
潤滑油通路(41)が前記回転要素(3)の内部に潤滑油を供給するために前記取付要素(40)内に設けられていることを特徴とする、請求項10~12何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項14】
前記潤滑油通路(41)の第1の部分(42)の進路は、前記回転要素(3)の前記回転軸線(4)と合致し、好ましくは前記潤滑油通路(41)の前記第1の部分(42)は、前記回転要素(3)の外部にある前記取付要素(40)の部分(46)を通ることを特徴とする、請求項13に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項15】
前記潤滑油通路(41)の第2の部分(43)の進路は、前記回転軸線(4)に対して半径方向の要素を有し、及び/又は前記回転軸線(4)に対して傾斜し、
好ましくは前記潤滑油通路(41)の第2の部分(43)は、前記回転要素(3)の内部に位置する前記取付要素(40)の部分を通り、及び/又は前記回転軸線(4)に対して前記取付要素(40)の周縁領域に配置された出口(48)で終了することを特徴とする、請求項13又は14に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項16】
前記取付要素(40)は、前記電気機械式スピンドル駆動装置(1)の制動装置(5)によって取り囲まれており、
好ましくは前記取付要素(40)は、前記制動装置(5)の制動ディスク(6)の中央凹部内にあり、及び/又は前記制動装置(5)の前記制動ディスク(6)のための好ましくは形状係合による収容部を形成することを特徴とする、請求項10~15の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項17】
冷却フィン(49)が、少なくとも前記モーター(2)の領域で、前記ハウジング(13)の外側に配置され、
好ましくは前記冷却フィン(49)は、ハウジング本体から取り外し可能であることを特徴とする、請求項1~16の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項18】
前記電気機械式スピンドル駆動装置(1)はモジュール式に構成されていることを特徴とする、請求項1~17の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項19】
前記電気機械式スピンドル駆動装置(1)は、制動位置と解除位置との間で操作可能な制動装置(5)を有し、
該制動装置(5)は前記回転要素(3)に作用し、
好ましくは前記制動装置(5)は、前記スピンドル出口端(35)とは反対側の前記回転要素(3)の端部の領域に配置されていることを特徴とする、請求項1~18の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項20】
制動装置(5)は、前記回転要素(3)と共に回転する制動ディスク(6)と、軸方向に調整可能で、制動位置で前記制動ディスク(6)に作用する制動要素(7)とを有することを特徴とする、請求項1~19の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項21】
制動ディスク(6)は、
内側領域(8)と、
前記制動ディスク(6)の第1の側に形成された第1の摩擦面(11)を有して、前記回転軸線(4)の周りに環状に延びている摩擦面領域(10)と、
前記摩擦面領域(10)と前記回転軸線(4)周りの前記内側領域(8)との間に延びる中間領域(9)と、を有し、
第1の対向面(17)が、制動要素(7)に形成され、前記第1の摩擦面(11)に面し、制動位置で前記第1の摩擦面(11)と協働することを特徴とする、請求項1~20の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項22】
前記制動ディスク(6)の前記中間領域(9)は、解除位置及び制動位置において、前記制動要素(7)との接触がなく、及び/又は前記制動位置において、前記制動要素(7)と前記制動ディスク(6)との接触が前記第1の摩擦面(11)に限定されていることを特徴とする、請求項21に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項23】
前記中間領域(9)は、前記制動要素(7)が前記制動ディスク(6)に作用することによって軸方向に弾性的に変形できる変形領域であり、
好ましくは貫通孔の形態の切り抜き部(19)、及び/又は材料の弱化部が、好ましくは前記変形領域に形成されていることを特徴とする、請求項21又は22に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項24】
前記摩擦面領域(10)は、前記制動ディスク(6)の第1の側とは反対側の第2の側に形成された第2の摩擦面(12)を有し、
前記制動ディスク(6)の前記摩擦面領域(10)は、前記第1の対向面(17)と、第2の摩擦面(12)に面し、制動位置で前記第2の摩擦面(12)と協働する第2の対向面(18)との間に配置されていることを特徴とする、請求項21~23の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項25】
請求項1~24の何れか一項に記載の複数の電気機械式スピンドル駆動装置(1)のための構成要素を含むスピンドル駆動装置構成要素セットであって、
前記スピンドル駆動装置構成要素セットが異なるタイプの複数の構成要素を含み、該複数の構成要素が該複数の構成要素を互いに接続するための接続インターフェースを有し、
同じタイプの複数の構成要素は異なるサイズを有し、同じタイプの異なるサイズの複数の構成要素の接続インターフェースが同じ寸法であることを特徴とする、スピンドル駆動装置構成要素セット。
【請求項26】
前記スピンドル駆動装置構成要素セットは、
長さ及び/又は幅の異なる第1のハウジング部分と、
長さ及び/又は幅の異なる第2のハウジング部分と、を含み、
前記第2のハウジング部分と接続するための前記第1のハウジング部分の前記接続インターフェースは、全ての前記第1のハウジング部分と全ての前記第2のハウジング部分で同じ寸法で設計されていることを特徴とする、請求項25に記載のスピンドル駆動装置構成要素セット。
【請求項27】
前記スピンドル駆動装置構成要素セットは、
長さ及び/又は幅の異なる複数の回転要素と、
長さ及び/又は幅の異なる複数のハウジング部分、及び/又は長さ及び/又は幅の異なる複数のモーターと、を含み、
前記複数のハウジング部分及び/又は前記複数のモーターと接続するための前記複数の回転要素の接続インターフェースは、全ての回転要素で同じ寸法であり、及び/又は、前記複数のハウジング部分及び/又は前記複数のモーターを前記複数の回転要素と接続するための前記接続インターフェースは、全てのハウジング部分及び/又は全てのモーターで同じ寸法であることを特徴とする、請求項25又は26に記載のスピンドル駆動装置構成要素セット。
【請求項28】
好ましくは板状の工作物(27)を成形するための成形機(20)、特に曲げ機械であって、
前記成形機(20)は、
少なくとも1つの電気機械式スピンドル駆動装置(1)と、
該電気機械式スピンドル駆動装置(1)によって作業動作が実行される少なくとも1つの成形工具(28)と、を含む成形機(20)において、
前記電気機械式スピンドル駆動装置(1)が、請求項1~24の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置であることを特徴とする成形機(20)。
【請求項29】
成形機(20)、特に曲げ機械を用いて、好ましくは板状の工作物(27)を成形する方法において、
前記成形機(20)は請求項28に記載の成形機であり、及び前記工作物(27)を成形するための電気機械式スピンドル駆動装置(1)のモーター(2)は制御装置(30)によって制御されることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部による電気機械式スピンドル駆動装置に関する。本発明はまた、スピンドル駆動装置構成要素セット、成形機、及び工作物の成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術より様々なタイプの成形機、特に曲げ機械が知られている。ほとんどの場合、油圧プレス駆動装置が使用され、これを操作することによって1つ以上の成形工具の作業動作が引き起こされる。制動装置は、機械の安全性を高める、特に作業員を保護するために設けられている。
【0003】
全く異なる分野で、特許文献1は、スピンドル駆動装置の形態の電気操作式リニアアクチュエーターに関連して、変速機を介して駆動装置ハウジング内のドライブシャフトを駆動するモーターを開示している。更に、軸方向に移動可能な第1のクラッチディスクと、ハブを介してドライブシャフトと協働する第2のクラッチディスクとを含む制動装置が設けられている。第1のクラッチディスクは、第2のクラッチディスクを第3のクラッチディスクに押し付ける。コイルを作動させることにより、第1のクラッチディスクは解除位置に移動して、第2のクラッチディスクはドライブシャフトと共に回転することができる。
【0004】
特許文献2も同様に、駆動源であるリニアアクチュエーターに関連して、モーターと、回転制動ディスク及び固定制動ディスクを備えた制動装置を開示しており、固定制動ディスクは回転制動ディスクに対して相対的に移動可能であり、摩擦によってドライブシャフトの制動を可能にする。
【0005】
従来技術から生じる短所は、特に、それらの中で開示されている駆動装置とその動作は、工作物の成形の用途、特に精密で再現可能に実施されなければならない成形工程には適していないことである。また、特定の用途に対して制動作用、特に制動トルク又は制動力が低すぎることも言及される。この場合、制動過程、即ち制動装置の操作から制動作用(例えば駆動装置の停止又は所望のレベルまでの制動)までに経過する時間が、しばしば長すぎる。
【0006】
従来技術により知られているスピンドル駆動装置の主要な短所は、必要な設置スペースが非常に大きいことである。それゆえ設置スペースが重要になる用途では、このようなスピンドル駆動装置は使用できないことが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1524455(A2)号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第2333380(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、従来技術の短所を克服して、信頼性が高く省スペースの設計が保証されるスピンドル駆動装置を提供することであった。特に、回転要素を介して力又は運動をスピンドルに確実に伝達されることを保証するものとする。
【0009】
変形例において、工作物を成形するための方法も提供し、本方法により、一方では工作物に対する成形工具の直接的で即効的な作用を達成し、他方では工作物成形の効率と精度を高めるものとする。更に、成形工具のそれぞれの作用を、特に加えられる力の大きさ及び/又は力の作用の持続時間に関して可能な限り明確にするものとする。また、特に成形工程が複数のサブステップからなる場合に、工作物の成形に必要な時間を短縮できるようにするものとする。好適な実施形態において、制動作用及び制動過程又は制動トルクの適用の効率も高めるものとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題は、冒頭に記載した種類のスピンドル駆動装置により、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つの軸受が、回転要素のスピンドル出口端の領域に配置され、及び/又はラジアル軸受の形態で構成されていることによって解決される。これらの方策により、回転要素の軸受支持が改善される。
【0011】
好適な実施形態は、回転要素のスピンドル出口端の領域に配置された少なくとも1つの軸受が、回転要素の内部に、好ましくは回転要素の内側に配置されていることを特徴とする。このような方策により、必要な設置スペース、特に回転軸線に対して垂直な寸法を大幅に縮小することができる。ここでは、回転要素の内部にもともと存在しているスペースが、軸受のために利用される。
【0012】
好適な実施形態は、回転要素のスピンドル出口端の領域に配置された少なくとも1つの軸受が、回転要素の内側と回転要素の内部に突出する軸受座との間に配置されており、軸受座は、好ましくはハウジングのハウジング部分に、好ましくは前面側のハウジングカバーに形成されていることを特徴とする。これにより軸受を確実に保持することが保証され、好適には軸受のためにハウジング部分を使用することができる。そうすることによって設置スペースと、重量も更に削減することができる。
【0013】
好適な実施形態は、回転要素のスピンドル出口端の領域に配置された少なくとも1つの軸受が、モーターの固定子及び/又は回転子と軸方向に重なって配置され、及び/又はモーターの固定子及び/又は回転子によって囲まれた領域内に配置されていることを特徴とする。この方策により、軸受が軸方向でモーターに隣接せず、これと軸方向に重なっているので、スピンドル駆動装置の軸方向寸法も縮小することができる。言い換えれば、軸受とモーター(固定子及び/又は回転子)は、少なくとも部分的に同じ軸方向高さに位置する。
【0014】
好適な実施形態は、回転要素のスピンドル出口端の領域に配置された少なくとも1つの軸受が、転がり軸受、特に玉軸受であることを特徴とする。
【0015】
好適な実施形態は、少なくとも1つの軸受、好ましくはラジアル軸受が、回転要素のスピンドル出口端とは反対側の端部の領域に配置されていることを特徴とする。
【0016】
好適な実施形態は、少なくとも1つの軸受はアキシャル軸受であり、好ましくは電気機械式スピンドル駆動装置のモーターと制動装置との間の領域に配置されていることを特徴とする。この方策により、アキシャル軸受はもともとスペースが利用できる領域に配置されるので、必要な設置スペースが削減される。
【0017】
好適な実施形態は、モーターの固定子が回転要素を取り囲んでいること、及び/又はモーターの回転子が、回転要素の外側に、好ましくは取り外し可能に取り付けられた、好ましくは永久磁石の形態のポール要素を取り囲み、及び/又はモーターが同期モーターであることを特徴とする。
【0018】
好適な実施形態は、スピンドル駆動装置は、特に球の形態の転動要素が循環経路を案内されている転動スピンドル駆動装置であり、循環経路の第1の部分は回転要素の雌ねじ部とスピンドルの雄ねじ部との間に形成され、第2の部分は復路によって形成されており、復路はスピンドルの内部に形成されていることを特徴とする。復路をスピンドル内に配置することによって、回転要素の壁(通常は復路を収容しなければならない)を薄くすることができるので、同様にスペースを節約できる。
【0019】
好適な実施形態は、回転要素のスピンドル出口端とは反対側の端部で、取付要素が回転要素と接続されており、取付要素は、好ましくは回転要素の内部に位置する部分を有し、及び/又はスピンドルのための停止部を形成することを特徴とする。取付要素は、回転要素と回転不能に(形状係合及び/又は摩擦係合により)、好ましくは剛性的に接続され、従って回転要素と共に回転する。取付要素は、必要に応じて、カバー、回転要素の内部へ潤滑油を供給するためのインターフェース、センサー装置へのリンクとしてなど、様々機能を果たすことができる。
【0020】
好適な実施形態は、取付要素の回転要素の外部にある部分がピンの形態で形成されており、ピンの長手方向軸線が回転要素の回転軸線と一致しており、好ましくは取付要素の回転要素の内部に位置する部分の最大直径は、ピンの直径の少なくとも3倍、好ましくは少なくとも4倍であることを特徴とする。ピンは、他の構造体及び/又は部品(センサー装置、制動装置など)を通って、例えば潤滑油接続部につながることができる。
【0021】
好適な実施形態は、スピンドル駆動装置がセンサー装置を有しており、取付要素の回転要素の外部にある部分がセンサー装置の検出範囲内にあり、好ましくはセンサー装置が取付要素の回転を検出する回転センサーであることを特徴とする。
【0022】
好適な実施形態は、潤滑油を回転要素の内部に供給するための潤滑油通路が、取付要素内に形成されていることを特徴とする。
【0023】
好適な実施形態は、潤滑油通路の第1の部分の進路は、回転要素の回転軸線と合致しており、好ましくは潤滑油通路の第1の部分が、取付要素の回転要素の外部にある部分を通ることを特徴とする。第1の部分は、(潤滑油)供給ライン又は供給装置に接続された潤滑油入口で終了することができる。
【0024】
好適な実施形態は、潤滑油通路の第2の部分の進路は、回転軸線に対して半径方向の要素を有し、及び/又は回転軸線に対して傾斜しており、好ましくは潤滑油通路の第2の部分が、取付要素の回転要素の内部に位置する部分を通り、及び/又は(回転要素の内部で)回転軸線に対して取付要素の周縁領域に配置された出口で終了することを特徴とする。潤滑油は、回転要素の雌ねじ部とスピンドルの雄ねじ部、及び場合によってはそれらの間に配置された転動要素を潤滑する役割を果たす。
【0025】
好適な実施形態は、取付要素が、スピンドル駆動装置の制動装置によって取り囲まれており、好ましくは取付要素が制動装置の制動ディスクの中央凹部内にあり、及び/又は制動装置の制動ディスクのための好ましくは形状係合による収容部を形成することを特徴とする。そのため取付要素は、制動ディスクのセンタリング及び/又は位置決めに使用することができる。
【0026】
好適な実施形態は、ハウジングの外側に、少なくともモーターの領域に冷却フィンが配置されており、好ましくは冷却フィンがハウジング本体から取り外し可能であることを特徴とする。
【0027】
好適な実施形態は、スピンドル駆動装置がモジュール式に構成されていることを特徴とする。
【0028】
スピンドル駆動装置が、制動位置と解除位置との間で操作可能な制動装置を有しており、制動装置が回転要素に作用し、好ましくは制動装置が回転要素のスピンドル出口端とは反対側の端部の領域に配置されていることを特徴とする。
【0029】
好適な実施形態は、制動装置は、回転要素と一緒に回転する制動ディスクと、制動位置で制動ディスクに作用する、軸方向に移動可能な制動要素とを有することを特徴とする。
【0030】
好適な実施形態は、制動ディスクが
内側領域と、
制動ディスクの第1の側に形成された第1の摩擦面を備える、回転軸線の周りに環状に延びている摩擦面領域と、
回転軸線を中心にして摩擦面領域と内側領域との間に延びる中間領域と、を有し、
第1の対向面は、制動要素に形成され、第1の摩擦面に面していて、制動位置で第1の摩擦面と協働することを特徴とする。
【0031】
制動要素は回転要素と一緒に回転しない。言い換えれば、制動要素は、回転要素又は回転要素と回転接続された制動ディスクの回転に対して静止している。制動要素は制動位置で制動ディスクとの摩擦係合によって制動作用を発揮する。本発明の実施形態によれば、摩擦面領域は内側領域の半径方向外部に、及びまた中間領域の外部にある。内側領域は(回転要素に固定するための)固定領域として働くことができるが、中間領域は好ましくは変形可能に形成されている。内側領域と中間領域が制動位置でも制動要素と接触しないと好適である。制動作用は周縁領域で最も高い。そこでは、一方では速度が最大であり、他方では最大の制動トルクを生成することができる。
【0032】
制動要素は、軸方向に解除位置から制動位置まで移動することができる。この移動により制動ギャップが減少して、最後に制動要素はその第1の対向面を制動ディスクの第1の摩擦面に押し付ける。
【0033】
半径方向で更に内側に位置する領域(内側領域と中間領域)を介して、制動トルクが回転要素に伝達される。
【0034】
制動ディスクはその内側領域で、回転要素に対して相対的に軸方向に固定することができる。制動要素は、制動位置では更に外側に位置する摩擦面領域を押圧し、それによって制動ディスクに変形力が加えられる。制動ディスクは軸方向に曲がろうとする。
【0035】
回転要素は、例えばドライブシャフト、(スピンドル駆動装置などの)ねじナット、(電気モーターの)回転子、又はドライブトレインのあらゆる回転要素であることができる。
【0036】
好適な実施形態は、制動ディスクの中間領域は、解除位置でも制動位置でも、制動要素との接触がないこと、及び/又は制動位置では制動要素と制動ディスクとの接触が第1の摩擦面に限定されていることを特徴とする。この方策により、摩擦係合は摩擦面の領域でのみ生じて、内側領域と中間領域は制動要素と直接接触することがない。こうして、特に中間領域は追加的な機能を果たすことができる。
【0037】
好適な実施形態は、中間領域が、制動要素が制動ディスクに作用することによって軸方向に弾性的に変形できる変形領域であることを特徴とする。公知の解決策とは異なり、ここでは制動ディスクは回転要素に軸方向に固定することができる。一般に、制動ディスクと回転要素との間に剛性的接続を設けることができる。これにより制動作用が増加し、特に制動力は回転要素に直接伝達される。
【0038】
好適な実施形態は、変形領域に、好ましくは貫通孔の形態の切り抜き部、及び/又は材料の弱化部が形成されていることを特徴とする。切り抜き部の数によって変形可能性の程度を決定でき、異なる適用領域に対して最適化することができる。代替として、変形領域は、内側領域及び/又は摩擦表面領域と比較して小さい材料厚を特徴とすることもできる。
【0039】
好適な実施形態は、変形領域において切り抜き部の総面積が、残りの材料が占める総面積と少なくとも同じ大きさであることを特徴とする。これにより、特に制動位置で摩擦面領域が第2の対向面に押し付けられる場合に、十分な変形が保証される。
【0040】
好適な実施形態は、摩擦面領域が、制動ディスクの第1の側とは反対側の第2の側に形成された第2の摩擦面を有すること、及び制動ディスクの摩擦面領域が、第1の対向面と、第2の摩擦面に面していて制動位置で第2の摩擦面と協働する第2の対向面との間に配置されていることを特徴とする。制動装置の解除位置では、それぞれの協働する面の間に制動ギャップが形成されている。変形可能な中間領域によって、制動ディスクの軸方向の変形により制動ギャップが全面的に閉じられることが、制動ディスクが回転要素に対して軸方向に変位可能であることの代替として保証される。
【0041】
好適な実施形態は、第1の対向面が環状であること、及び/又は第2の対向面が環状であることを特徴とする。
【0042】
好適な実施形態は、摩擦面領域が制動ディスクの周縁部に配置されており、好ましくは第1の摩擦面及び/又は第2の摩擦面が制動ディスクの外縁部に達していることを特徴とする。既に述べたように、制動作用は制動ディスクの最も外側の領域で最大である。
【0043】
好適な実施形態は、摩擦表面領域の外側半径と内側半径の差が、制動ディスクの外側半径の最大1/3、好ましくは最大1/4であることを特徴とする。
【0044】
好適な実施形態は、電気機械式駆動装置がハウジングを有していること、及び第2の対向面がハウジング部分に又はハウジング部分と固く接続された要素に形成されていることを特徴とする。この方策により、制動トルクを直接(静止した)ハウジング内に導入することができる。熱の形態で放出される制動エネルギーもハウジング内に移行でき、それによって直接ハウジングを通して熱を外に導出できるので、コストのかかる制動冷却を省くことができる。
【0045】
好適な実施形態は、制動ディスクの内側領域が、制動ディスクを回転要素に固定するための、少なくとも1つの、好ましくは複数の、好ましくは環状に配置された、好ましくは穴の形態の取り付けインターフェースを有しており、好ましくは取り付けインターフェースの数が10より大きく、及び/又は変形領域の切り抜き部の数より大きいことを特徴とする。ここでは制動ディスクと回転要素との間の剛性的接続が特に好ましく、これは例えば、ねじにより固定される。
【0046】
好適な実施形態は、制動装置の解除位置で第1の摩擦面と第1の対向面が平行位置から逸脱すること、及び/又は制動装置の解除位置で第2の摩擦面と第2の対向面が平行位置から逸脱することを特徴とする。この方策により、例えば摩擦面領域のより内側の部分で圧力を減少させることができる一方、より外側の部分で圧力を増加させることができる。これにより摩擦面又は対向面(又は制動ギャップ)を相応に寸法設計すれば、より均等な圧力分布が達成される。その結果、摩耗が少なくなり、寿命が延びる。これらの利点は、例えば以下の好適な実施形態によっても達成することができる。
【0047】
好適な実施形態は、
第1の摩擦面と第1の対向面との間の半径方向間隔が減少し、好ましくはこの間隔は第1の摩擦面の半径方向外側の縁部では、第1の摩擦面の半径方向内側の縁部よりも最大で1mm、好適には最大で0.2mmだけ小さく、
及び/又は、第2の摩擦面と第2の対向面との間の半径方向間隔が減少し、好ましくはこの間隔は第2の摩擦面の半径方向外側の縁部では、第2の摩擦面の半径方向内側の縁部よりも最大で1mm、好ましくは最大で0.2mm小さいことを特徴とする。
次に、制動位置では圧力は摩擦面領域のより内側に位置する部分で減少し、それに対してより外側に位置する部分で増加する。更に、それによって制動過程で軸方向に曲がる制動ディスクへの適応がある程度可能になる。
【0048】
好適な実施形態は、制動装置の解除位置で第1の摩擦面と第1の対向面が互いに傾いていること、及び/又は制動装置の解除位置で第2の摩擦面と第2の対向面が互いに傾いていることを特徴とする。
【0049】
好適な実施形態は、第1の摩擦面及び/又は第1の対向面が半径方向で湾曲した輪郭を有すること、及び/又は第2の摩擦面及び/又は第2の対向面が半径方向に湾曲した輪郭を有することを特徴とする。
【0050】
好適な実施形態は、制動ディスクの内側領域が回転要素に軸方向に固定されていること、及び/又は制動ディスクの内側領域が回転要素に、好ましくはねじを介して、剛性的に接続されていることを特徴とする。
【0051】
好適な実施形態は、制動ディスクの内側領域と回転要素との間に第1のスペーサーリングが配置されており、好ましくは制動ディスクの内側領域が第1のスペーサーリングと第2のスペーサーリングとの間に、好ましくはねじによって締め付けられていることを特徴とする。スペーサーリングは、摩擦面の対向面に対する相対位置を調整又は最適化するために使用することができる。更にスペーサーリングは均等な圧力分布をもたらす。
【0052】
好適な実施形態は、電気機械式駆動装置がスピンドル駆動装置であり、制動ディスクと接続されている回転要素が、スピンドル駆動装置のスピンドルと協働するねじナットの形態で形成されていることを特徴とする。
【0053】
好適な実施形態は、制動ディスクが円板状のベース本体を有すること、及び第1の摩擦面及び/又は第2の摩擦面が、好ましくは環状制動パッドによって形成され、制動パッドはベース本体に取り付けられ、及び/又はベース本体を越えて軸方向に突出していることを特徴とする。
【0054】
好適な実施形態は、制動要素が制動位置に向かって付勢されていることを特徴とする。したがって制動位置は、操作又は通電とは無関係に受動的(ばね)要素によって維持することができる。
【0055】
好適な実施形態は、制動要素が、環状に、好ましくは第1の対向面と重なって配置されている複数のばねによって、制動位置に向かって付勢されていることを特徴とする。
【0056】
好適な実施形態は、ばねが電気機械式駆動装置の取り外し可能なハウジング部分に挿入されていることを特徴とする。
【0057】
好適な実施形態は、制動装置が、好ましくは電磁石の形態の、制御装置によって制御可能なアクチュエーターを有しており、このアクチュエーターによって制動要素を解除位置及び/又は制動位置に入れることができ、好ましくはアクチュエーターが電気機械式駆動装置の取り外し可能なハウジング部分に挿入されていることを特徴とする。このような変形例は、停電又は制御エラーが生成した場合に、電磁石が非通電になり、制動装置が自動的に制動位置に入るという利点を有する。
【0058】
好適な実施形態は、制動装置が電気機械式駆動装置に統合されていること、及び/又はモーターと制動装置が共通のハウジングに収容されていることを特徴とする。これにより、直接モータートルクが生成する領域で制動が行われるので、制動作用の直接性が増す。
【0059】
本発明はまた、複数の本発明による電気機械式スピンドル駆動装置のための構成要素を含むスピンドル駆動装置構成要素セットに関し、構成要素セットは異なるタイプの構成要素を有し、構成要素は構成要素を互いに接続するための接続インターフェースを有していること、及び同じタイプの構成要素は異なるサイズを有しており、同じタイプの異なるサイズの構成要素の接続インターフェースは同じ寸法で設計されている。この方策により、スピンドル駆動装置は与えられた要件に容易に適合させることができる。この場合、サイズ、出力、力、(スピンドル)ストローク、重量、冷却能力は、所望の構成要素を選択して本発明によるスピンドル駆動装置に組み立てるための基準として適切に用いることができる。ここで、接続インターフェースは、ハウジング部分、回転要素、スピンドル、モーター部品(例えば回転要素に設けた可変数のポール要素)などのための機械的インターフェース(固定点又は固定機構)、例えばモーター、制動装置及び/又はセンサー装置のための電気的インターフェース及び制御関連インターフェース、油圧インターフェース又は流体供給インターフェース(潤滑油)であることができる。
【0060】
好適な実施形態は、構成要素セットが、
長さ及び/又は幅の異なる第1のハウジング部分と、
長さ及び/又は幅の異なる第2のハウジング部分と、を含み、
第1のハウジング部分を第2のハウジング部分と接続するための接続インターフェースは、すべての第1のハウジング部分とすべての第2のハウジング部分で同じ寸法で設計されていることを特徴とする。そうすることによって、ハウジング部分は、それらのサイズに関係なく、他のハウジング部分と接続することができる。
【0061】
好適な実施形態は、構成要素セットが、
長さ及び/又は幅の異なる回転要素と、
長さ及び/又は幅の異なるハウジング部分と長さ及び/又は幅の異なるモーターと、を含み、
ハウジング部分及び/又はモーターと接続するための回転要素の接続インターフェースは、すべての回転要素で同じ寸法で設計されており、
及び/又は、ハウジング部分及び/又はモーターを回転要素と接続するための接続インターフェースは、すべてのハウジング部分及び/又はモーターで同じ寸法で設計されていることを特徴とする。
【0062】
本発明はまた、好ましくは板状の工作物を成形するための成形機、特に曲げ機械にも関し、
成形機は、
少なくとも1つの電気機械式スピンドル駆動装置と、
電気機械式スピンドル駆動装置によって作業動作が実行される少なくとも1つの成形工具と、を含む。
【0063】
本発明はまた、本発明による成形機、特に曲げ機械を用いて、好ましくは板状の工作物を成形する方法にも関し、工作物を成形するための電気機械式スピンドル駆動装置のモーターが制御装置によって制御される。
【0064】
成形機、特に曲げ機械を用いて、好ましくは板状の工作物を成形する好適な方法において、成形機は、
電気駆動源(モーター)を備えた少なくとも1つの電気機械駆動装置(スピンドル駆動装置)と、
電気機械式駆動装置によって作業動作が引き起こされる少なくとも1つの成形工具と、
成形工具の作業動作を制動及び/又は阻止するために、解除位置と制動位置との間で操作可能な少なくとも1つの制動装置と、を有する。
そのような実施形態は、
成形工具の動作段階の前に、制動装置が制動位置にある間に電気駆動源が駆動トルクを生成し、その結果として制動装置の制動トルクが電気駆動源の駆動トルクに対抗して、制動装置が解除位置及び/又は制動トルクが減少した位置に移行することによって成形工具の動作段階が開始されること、及び/又は
成形工程中に成形工具の作業動作が間欠的に行われることを特徴とする。
【0065】
成形される工作物は、好ましくは金属製の板状工作物、特にシートである。したがって、成形機は、好ましくはシート成形機、例えば曲げプレス又はスイベル曲げ機械である。
【0066】
本方法は制御装置によって制御される。制御装置は、一方では電気駆動源を制御し、他方では制動装置を制御して、制御装置によって動作段階、特にその開始及び/又は順序を制御することができる。そのため制御装置は、本方法に従って電気駆動源と制動装置を作動させ、それにより(駆動源の)駆動トルクと(制動装置の)制動トルクを制御する。ここで、駆動源と制動装置は、成形工具に直接的又は間接的に作用する。
【0067】
例えば制御装置には、本方法に対応する動作モードを(例えば他の動作モードに加えて)保存することができる。
【0068】
この実施形態の方策により、成形工具の作業動作は個々の動作段階に分割することができ、個々の動作段階の間で成形工具は停止又は減速される。個々の動作段階への分割は、制動装置によって行われる。即ち、作業動作は制動装置によって制御することができる。
【0069】
この実施形態は、2つの重要な利点を有する。第1の変形例によれば、制動装置は動作段階を開始させる働きをする。これにより、制動装置は作業動作の制動又は停止(のみ)ではなく、動作の誘発又は解除に関係する制御機能を担う。この種の制御は、単一の動作段階だけでなく、特に複数の中断された動作段階を伴う間欠的な(例えばハンマリング)作業動作にも使用することができる。ここで、制動装置は動作段階の進行を制御する機能を担う。
【0070】
この着想の大きな利点は、動作段階の開始時(したがって工作物加工段階の開始時)に初めて駆動源の駆動トルクが形成されなければならないのではなく、既に利用可能であることである。制動装置が迅速に解除位置に移行することにより、すでに利用可能な駆動トルクが成形工具に、ひいては工作物に直接作用する。それによって定義された作業ステップが行われるが、これは更に時間と作用する力に関して定義された、常に正確に再現可能なパルス又は衝撃によって導入される。
【0071】
もう一つの利点は、電気駆動源と操作可能な制動装置との協働するによって、およそ初めて間欠作動における一連の動作段階が可能になることである。ここでも、本方法は制御装置によって制御される。制御装置は、一方では電気駆動源を制御し、他方では制動装置を制御して、間欠動作の動作段階、特にその開始及び/又は順序を制御装置で制御することができる。
【0072】
制動装置は、成形機の制御装置に接続されているアクチュエーターを含んでいる。制御装置は、アクチュエーターを制御することにより、制動装置を解除位置と制動位置との間で移動させる。
【0073】
制動装置は、好ましくは摩擦制動である。これにより、制動位置と解除位置との間で特に高速な移行を達成できる。そうすることにより、動作段階及び動作段階の間の段階はそれぞれ好ましくは1.5秒未満、より好ましくは1秒未満であることができる。
【0074】
好適な実施形態は、間欠的な作業動作の個々の動作段階において成形工具の移動方向が変化しないこと、及び/又は間欠的な作業動作の間に成形工具が移動した距離は、間欠的な作業動作の個々の動作段階の間に移動した距離部分から合成されることを特徴とする。これは、成形工具の漸進的移動である。この場合、例えば曲げ工程は、個々の部分工程によって達成できる。ここで、成形工具の(反復的な)衝撃動作が、必要とされる成形力を生成することができる。
【0075】
好適な実施形態は、成形工程中の成形工具の作業動作が、複数の、好ましくは少なくとも3つの動作段階を含んでおり、これらの動作段階は、成形工具が静止しているか又は動作段階よりも低速で移動する段階によって中断され、好ましくは個々の動作段階の長さは、それぞれ3秒未満、好適には1.5秒未満であり、及び/又は好ましくは成形工具が静止しているか又は動作段階よりも低速で移動する段階の長さは、それぞれ3秒未満、好適には1.5秒未満であることを特徴とする。
【0076】
好適な実施形態は、成形工具の間欠的な作業動作が、解除位置と制動位置との間の制動装置の間欠的操作によって引き起こされることを特徴とする。ここでは、制動装置が制御機能を担い、それによって工作物の精密で明確に定義された加工が保証される。
【0077】
好適な実施形態は、電気駆動源は、制動装置の間欠的操作で制動装置が制動位置にある段階の間も駆動トルクを生成することを特徴とする。ここで、駆動源は必ずしも新たに駆動トルクを生成する必要はなく、各動作段階の開始時に反復的な反応時間を伴うことになろう。
【0078】
好適な実施形態は、成形工具の間欠的な作業動作を伴う成形工程の間、モーターの駆動トルクが実質的に一定に保たれることを特徴とする。これにより、駆動源に対する制御コストが最小化される一方、制動装置を介して制御が行われる。
【0079】
好適な実施形態は、電気機械式駆動装置が回転要素を含み、制動装置が回転要素に作用し、好ましくは、電気駆動源は、回転要素に駆動トルクの作用を及ぼすモーターによって形成されていることを特徴とする。ここでは、摩擦制動のように単純で効率的な制動装置、及びモーターのように強力な駆動装置を使用することができる。
【0080】
好適な実施形態は、制動装置の間欠的操作で制動装置が制動位置にある段階の間、回転要素に作用する制動トルクが、回転要素に作用する駆動トルクよりも高いことを特徴とする。この方策により、個々の動作段階の間で成形工具の動作を停止させることができる。
【0081】
好適な実施形態は、電気機械式駆動装置が、回転要素の回転を成形工具に直接的又は間接的に作用する伝達要素の直線運動に変換する伝達機構、特にリニアギアを含むことを特徴とする。
【0082】
好適な実施形態は、制動装置が電気機械式駆動装置に組み込まれていること、及び/又は電気駆動源と制動装置が同じハウジングに収容されていることを特徴とする。
【0083】
本発明は、好ましくは板状の加工物を成形する成形機、特に曲げ機械にも関し、成形機は、
電気駆動源を備えた少なくとも1つの電気機械式駆動装置と、
電気機械式駆動装置によって作業動作が引き起こされる少なくとも1つの成形工具と、
成形工具の作業動作を制動及び/又は阻止するために解除位置と制動位置との間で操作可能な少なくとも1つの制動装置と、
電気駆動源と制動装置を制御するための制御装置と、を含む成形機において、
電気駆動源と制動装置を以下のように制御することができる動作モードが制御装置に保存されていること、
成形工具の動作段階の前に、制動装置が制動位置にある間に電気駆動源が駆動トルクを生成し、その結果として制動装置の制動トルクが電気駆動源の駆動トルクに対抗して、制動装置が解除位置及び/又は制動トルクが減少した位置に移行することによって成形工具の動作段階が開始されること、
及び/又は成形工程中に成形工具の作業動作が間欠的に行われることを特徴とする。
【0084】
成形機は好ましくは曲げ機械であり、例えば曲げプレス、特にプレス制動、又はスイベル曲げ機械として設計することができる。
【0085】
このような成形機は、第1の(例えば上側の)工具キャリアと、第2の(例えば下側の)工具キャリアを含むことができ。それらの相対運動が作業動作である。この場合、例えば一方の工具キャリアは静止しており、他方の工具キャリアが電気駆動装置によって可動であることができる。
【0086】
成形機の少なくとも1つの電気駆動装置は、工具キャリア、好ましくは上側の工具キャリアに作用する。成形工具は工具キャリアによって保持される。
【0087】
好適な実施形態は、電気機械式駆動装置が回転要素を含み、制動装置が回転要素に作用し、好ましくは、電気駆動源は、駆動トルクが回転要素に作用を及ぼすモーターによって形成されていることを特徴とする。
【0088】
以下の実施形態では、制動作用及び制動過程又は制動トルクの生成の効率も高めるものとする。それによって特に、作業員が危険領域で作業又は操作し、そのため特定の条件下では駆動装置を直ちに停止しなければならない用途で安全性を高める。制動装置を改良することによって、極めて多様な用途で電気機械式駆動装置の信頼性、性能、及び使用性を高める。
【0089】
成形装置の好適な実施形態は、動作モードを保存している制御装置が、電気駆動源と制動装置を制御することによって、本方法、特に上記の実施形態のいずれか1つに従って成型機を運転するように設定されていることを特徴とする。
【0090】
本方法の好適な実施形態は、成形機が本発明に従って、特に上述の実施形態のいずれか1つに従って設計されていることを特徴とする。
【0091】
上記の目的は、作業動作のための少なくとも1つの駆動装置、特にプレス駆動装置を備えた成形機、特に曲げ機械、好ましくは曲げプレスによっても達成され、この場合に少なくとも1つの駆動装置は電気機械式駆動装置である。このような成形機は、第1の(例えば上側の)工具キャリアと、第2の(例えば下側の)工具キャリアを含むことができ、それらの相対運動が作業動作である。上述した電気機械式駆動装置は、特に成形機での使用に適している。なぜなら、提案された制動装置は特に迅速に反応し、それによって特に作業員が確実に保護され(特に作業動作のシャットダウン又は停止/減速が安全性に重要である場合)、工作物も誤った又はエラーを伴う加工ルーチンから「保護」されるからである。
【0092】
本発明をよりよく理解するために、以下の図を参照してより詳細に説明する。
【0093】
図面は、それぞれ非常に単純化し、模式的に表現されている。
【図面の簡単な説明】
【0094】
図1図1は電気機械式駆動装置の断面図である。
図2図2は制動装置の部分の斜視図である。
図3図3は制動装置の断面図である。
図4図4は制動ディスクの断面図である。
図5図5は制動要素と制動ディスクの協働を示す図である。
図6図6は解除位置にある制動装置を示す図である。
図7図7は解除位置にある制動装置を示す図である。
図8図8は第2の制動面と対向面が解除位置にある制動装置を示す図である。
図9図9は第2の制動面と対向面が解除位置にある制動装置を示す図である。
図10図10は付勢された制動要素を有する制動装置を示す図である。
図11図11はばね収容部とアクチュエーター収容部を備えたハウジング部分を示す図である。
図12図12は電気機械式駆動装置を備えた曲げプレスの形態の成形機を示す図である。
図13図13は電気機械式駆動装置を備えた制御装置を示す図である。
図14図14は第1の実施形態において駆動源の駆動トルクと制動装置の制動トルクの時間的推移を示す図である。
図15図15は、第2の実施形態において間欠的作業動作中の駆動源の(実質的に一定の)駆動トルクと制動装置の(間欠的な)制動トルクの時間的推移を示す図である。
図16図16は第3の実施形態において間欠的作業動作中の(間欠的な)駆動トルクと(間欠的な)制動トルクの時間的推移を示す図である。
図17図17は成形工程の間に成形工具が移動した距離を示す図である。
図18図18は回転要素に対する取付要素を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0095】
最初に確認しておくと、記載された異なる実施形態において同じ要素には同じ参照符号又は同じ要素名称を付す。この場合、説明全体に含まれている開示内容は同じ参照符号又は同じ要素名称を有する同じ要素に準用できる。説明の中で選択された位置を表す言葉、例えば上、下、横なども直接説明されている表示された図を基準としており、これらの位置を表す言葉は位置が変化した場合には新しい位置に準用される。
【0096】
実施例は可能な実施態様を示すものであり、この箇所で注記しておくと、本発明は特別に図示された実施形態に制限されるものではなく、反対に個々の実施態様を互いに様々に組み合わせることも可能であり、この変形可能性は本発明による技術的行為に関する教示に基づき当該技術分野に従事する当業者の能力の範囲内にある。
【0097】
保護の範囲は請求項によって規定されている。しかしながら請求項を解釈するために詳細な説明と図面を援用する必要がある。図示及び説明された異なる実施例に記載された個々の特徴又は特徴の組み合せは、それ自体で独立した発明的解決をなすことができる。これらの独立した発明的解決の基礎にある課題は、本明細書から読み取ることができる。
【0098】
具体的な説明において値の範囲に関するすべての指示は、その指示に基づく任意のすべての部分範囲を含むものと理解すべきである。例えば1~10という指示には、下限の1から上限の10に至るまでのすべての部分範囲が含まれていると理解すべきである。即ち、すべての部分範囲は、例えば1~1.7又は3.2~8.1又は5.5~10のように、下限の1又はそれ以上から始まって上限の10又はそれ以下で終わる。
【0099】
最後に形式的に指摘しておくと、構造を理解しやすくするために、要素は一部縮尺通りではなく、及び/又は拡大して、及び/又は縮小して表現された。
【0100】
図1は、ハウジング13と、モーター2と、モーター2によって回転軸線4を中心に回転可能な回転要素3とを含む電気機械式スピンドル駆動装置1を示している。回転要素3はスピンドルナットの形態で設計されている。スピンドル23は回転要素3と協働する。スピンドル23のねじ部(雄ねじ部)は、回転要素3の内部に配置されており、そこで、好ましくは転動要素45を介して、スピンドルナットとして設計された回転要素3の雌ねじ部と協働する。スピンドル23は、スピンドル出口端35で回転要素3から進出している。
【0101】
モーター2は、例えばハウジング13の内側で支持されている(例えば巻線の形態の)固定子2aと、例えば回転要素3に接続され及び/又は直接的に回転要素3に配置されている(例えば永久磁石の形態の)回転子2bとを有する。モーター2の固定子2aが回転要素3を取り囲んでいると好適である。モーター2の回転子2bは、回転要素3の外側に、好ましくは取り外し可能に取り付けられた、好ましくは永久磁石の形態のポール要素を含むことができる。モーター2は同期モーターであることが好適である。
【0102】
スピンドル駆動装置1は、回転要素3をハウジング13に対して相対的に回転可能に支持する軸受37、38、39も有する。
【0103】
図1から分かるように、軸受37の少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つは、回転要素3のスピンドル出口端35の領域に配置され、及び/又はラジアル軸受の形態で設計されている。これは、好ましくは転がり軸受、特に玉軸受である。
【0104】
図1の好適な実施形態では、回転要素3のスピンドル出口端35の領域に配置された少なくとも1つの軸受37は、回転要素3の内部に、ここでは回転要素3の内側に配置されている。この軸受37は、回転要素3の内側と、ハウジング13のハウジング部分13c、好ましくは端面側ハウジングカバーに形成された、回転要素3の内部に突出する軸受座36との間に位置している。
【0105】
同様に図1から分かるように、回転要素3のスピンドル出口端35の領域に配置された少なくとも1つの軸受37が、モーター2の固定子2a及び/又は回転子2bと軸方向に重なって配置されている。言い換えれば、軸受37は、モーター2の固定子2a及び/又は回転子2bによって囲まれた領域内に配置されている。
【0106】
回転要素3のスピンドル出口端35とは反対側の端部には、ラジアル軸受39が配置されており、これにより回転要素はハウジング部分13aに相対的に支持されている。
【0107】
アキシャル軸受38も、好ましくはモーター2と制動装置5の間の領域に設けることができる。
【0108】
電気機械式スピンドル駆動装置1は、図示の実施形態では、更に制動位置と解除位置との間で操作可能な制動装置5を含んでおり、これは回転要素3のスピンドル出口端35とは反対側の端部の領域に配置されている。制動装置5は、回転要素3と共に回転する制動ディスク6と、制動位置で制動ディスク6に作用する、軸方向に移動可能な制動要素7とを含んでいる(図2及び図3も参照)。
【0109】
図4から分かるように、制動ディスク6は、
内側領域8と、
制動ディスク6の第1の側に形成された、第1の摩擦面11を備えた、回転軸線4の周りに環状に延びている摩擦面領域10と、
回転軸線4を中心にして摩擦面領域10と内側領域8との間を通る中間領域9と、
を有することができる。
【0110】
制動要素7には、第1の摩擦面11に面して、制動位置で第1の摩擦面11と協働する第1の対向面17が形成されている。
【0111】
モーター2と制動装置5が、共通のハウジング13に収容されていることが好適である。
【0112】
図示の好適な実施形態では、制動ディスク6の中間領域9は、解除位置でも制動位置でも、制動要素7と接触しない。制動位置では、制動要素7と制動ディスク6との接触は第1の摩擦面11に限定されている(図2図7及び図9参照)。例えば図5からも明らかなように、制動要素7の第1の対向面17に界接する領域は、対向面17の後方に後退することができる。
【0113】
図4に示す制動ディスク6の好適な実施形態では、中間領域9は、制動要素7の制動ディスク6への作用によって軸方向に弾性変形可能な変形領域である(図7及び図9参照)。
【0114】
変形領域には、図4に示すように、好ましくは貫通孔の形態の切り抜き部19、及び/又は材料の弱化部を形成することができる。変形領域において切り抜き部19の総面積が、残りの材料が占める総面積と少なくとも同じ大きさであると好適である。
【0115】
図5図7による実施形態は第1の摩擦面と対向面のみを有するが、図1図3並びに図8及び図9の変形例は、摩擦面領域10が制動ディスク6の第1の側とは反対側の第2の側に形成された第2の摩擦面12を有し得ることを示している。制動ディスク6の摩擦面領域10は、第1の対向面17と、第2の摩擦面12に面して、制動位置で第2の摩擦面12と協働するする第2の対向面18との間に配置されている。
【0116】
制動ディスク6は、円板状のベース本体24を有する。第1の摩擦面11又は第2の摩擦面12はそれぞれ、好ましくは環状の制動パッドによって形成されており、この制動パッドはベース本体24に取り付けられ、及び/又はベース本体26を越えて軸方向に突出している(図5図9)。
【0117】
第1の対向面17と第2の対向面18はそれぞれ環状に形成されている。複数の中断された、例えばセグメント状に配置された対向面領域も考えられる。
【0118】
図4に明らかに見られるように、摩擦面領域10は、好ましくは制動ディスク6の周縁部に配置されている。ここで、第1の摩擦面11及び/又は第2の摩擦面12は、制動ディスク6の外縁部に達することができる。摩擦面領域10の外側半径と内側半径との差は、好適には制動ディスク6の外側半径の最大1/3、好ましくは最大1/4である。
【0119】
図1及び図3は、電気機械式スピンドル駆動装置1が(複数の部分からなる)ハウジング13を有することを示している。ここで、第2の対向面18は、ハウジング部分13aに、又はハウジング部分13aと固く接続された要素に形成することができる。このようにして、制動トルクと、その際に生じる摩擦熱を直接ハウジングに導入することができる。
【0120】
図4に示す実施形態では、制動ディスク6の内側領域8は、制動ディスク6を回転要素3に固定するための、好ましくは穴の形態の、ここでは環状に配置された複数の取り付けインターフェース16を有する。この場合、好ましくは取り付けインターフェース16の数は、10より多く、及び/又は変形領域の切り抜き部19の数より多い。取り付けインターフェースの数が多いことにより、対向面に対して制動ディスクの特に正確な調整を行うことができる。
【0121】
図6図9の変形例では、制動装置5の解除位置で、第1の摩擦面11と第1の対向面17は平行位置から逸脱している。同様に、第2の摩擦面12と第2の対向面18も平行位置から逸脱することができよう。
【0122】
好適には、第1の摩擦面11と第1の対向面17との間の間隔は半径方向に減少し、好ましくはこの間隔は、第1の摩擦面11の半径方向外側の縁部では、第1の摩擦面11の半径方向内側の縁部よりも最大で1mm、好適には最大で0.2mm小さい。
【0123】
同様に、第2の摩擦面12と第2の対向面18との間の間隔は半径方向に減少することができ、好ましくはこの間隔は、第2の摩擦面12の半径方向外側の縁部では、第2の摩擦面12の半径方向内側の端部よりも最大で1mm、好適には最大で0.2mm小さい。
【0124】
摩擦面と対向面は互いに傾いていることができる。摩擦面と対向面は半径方向に湾曲させることもできる。
【0125】
特に図1図3から分かるように、制動ディスク6の内側領域8は、回転要素3に軸方向に固定することができる。図示の実施形態では、制動ディスク6の内側領域8は回転要素3と概して剛性的に接続されている。これは、穴(取り付けインターフェース16;図4参照)を貫通して制動ディスクを回転要素3に押し付けるねじによって行われる。
【0126】
図3の実施形態では、制動ディスク6の内側領域8と回転要素3との間に、第1のスペーサーリング14が配置されているのが見える。制動ディスク6の内側領域8も、第1のスペーサーリング14と第2のスペーサーリング15との間に挟み込まれている。これは、制動ディスク7を回転要素3と固く接続するする上述したのと同じねじで行われる。
【0127】
図示の好適な変形例では、電気機械式スピンドル駆動装置1はスピンドル駆動装置であり、制動ディスク6と接続されている回転要素3は、スピンドル駆動装置のスピンドル23と協働するねじナットの形態で設計されている。スピンドル23の下端部は、モーターを操作してねじナット(回転要素3)が回転すると、回転軸線4(図1)に沿って下方又は上方に直線的に移動する。
【0128】
制動要素7は制動位置の方向に付勢されることができる。最後に図10及び図11は、制動要素7が、好ましくは第1の対向面17と重なって環状に配置された複数のばね21によって制動位置の方向に付勢されていることを示している。
【0129】
ここで、ばね21は、電気機械式スピンドル駆動装置1の(例えばキャップ又は端面側カバーの形態の)取り外し可能なハウジング部分13bに挿入することができる。
【0130】
図1~3および図10に見られるように、制動装置5が、制動要素6を解除位置及び/又は制動位置に移動させることができる、好ましくは電磁石の形態のアクチュエーター22を含んでいる。アクチュエーター22は、ばね21と同様に、電気機械式スピンドル駆動装置1の取り外し可能なハウジング部分13bに挿入することができる。
【0131】
図1から分かるように、スピンドル駆動装置1は、特に球の形態の転動要素45が循環経路を案内されている転動スピンドル駆動装置であることができる。循環経路の第1の部分は回転要素3の雌ねじ部とスピンドル23の雄ねじ部との間に形成され、第2の部分は復路44によって形成されている。図示の実施形態では、復路44はスピンドル23の内部に形成されている。
【0132】
図1及び図18に示すように、回転要素3のスピンドル出口端35とは反対側の端部で、取付要素40は回転要素3と接続されていることができ、好ましくは、取付要素40は回転要素3の内部に位置する部分を有し、及び/又はスピンドル23に対するストッパーを形成する。取付要素40の回転要素3の外部に位置する部分46は、ピンの形態で形成されることができ、ピン状部分46の長手方向軸線は回転要素3の回転軸線4と一致する。取付要素40の回転要素3の内部に位置する部分の最大直径は、好適にはピン状部分46の直径の少なくとも3倍、好ましくは少なくとも4倍である。取付要素40の回転要素3の外部に位置する部分46は、好ましくは取付要素40の回転を検出する回転センサーであるセンサー装置47の検出範囲内にある。
【0133】
取付要素40には、回転要素3の内部に潤滑油を供給するための潤滑油通路41を形成することができる。潤滑油通路41の第1の部分42の進路は、好ましくは取付要素40の回転要素3の外部に位置する部分46において、回転要素3の回転軸線4と合致することができる。
【0134】
潤滑油通路41の第2の部分43の進路は、回転軸線4に対して半径方向の要素を有し、及び/又は回転軸線4に対して傾斜している(図1及び図18)。潤滑油通路41の第2の部分43は、取付要素40の回転要素3内に位置する部分を進み、又は回転軸線4を基準として取付要素40の周縁領域に配置されている出口48で終了する。
【0135】
図示の実施形態では、取付要素40は、スピンドル駆動装置1の制動装置5によって取り囲まれている。ここで、取付要素40は制動ディスク6の中央凹部内に位置することができ、更には制動ディスク6に対して好ましくは形状係合による収容部を形成し、それにより制動ディスクのセンタリング機能を果たす。
【0136】
ハウジング13の外側に、少なくともモーター2の領域に、(例えば取り外し可能な)冷却フィン49を配置することができる。
【0137】
スピンドル駆動装置1は、モジュール式に構成することができ、これによりスピンドル駆動装置の製造及び/又は調整のためにも、スピンドル駆動装置構成要素セットを提供することができる。このような構成要素セットは、複数の電気機械式スピンドル駆動装置1のための構成要素を含んでいる。それは異なるタイプの構成要素を含み、構成要素は、構成要素を互いに接続するための接続インターフェースを有する。同じタイプの構成要素は異なるサイズを有し、同じタイプの異なるサイズの構成要素の接続インターフェースは同じ寸法で設計されている。
【0138】
一例において、構成要素セットは、
長さ及び/又は幅の異なるハウジング部分と、
長さ及び/又は幅の異なるハウジング部分と、を含み、
第2のハウジング部分と接続するための第1のハウジング部分の接続インターフェースは、すべての第1のハウジング部分とすべての第2のハウジング部分で同じ寸法で設計されている。
【0139】
一例において、構成要素セットは、
長さ及び/又は幅の異なる回転要素と、
長さ及び/又は幅の異なるハウジング部分と長さ及び/又は幅の異なるモーターと、を含み、
ハウジング部分及び/又はモーターと接続するための回転要素の接続インターフェースは、すべての回転要素で同じ寸法で設計されており、及び/又はハウジング部分及び/又はモーターを回転要素と接続するための接続インターフェースは、すべてのハウジング部分及び/又はモーターで同じ寸法で設計されている。
【0140】
最後に、図12は、(成形工具の)作業動作のための少なくとも1つの駆動装置、特にプレス駆動装置を備えた、曲げプレスの形態の成形機20を示している。この又はこれらの駆動装置は、本発明による電気機械式スピンドル駆動装置1として設計されている。このような成形機は、(少なくとも1つの第1の成形工具28を保持するための)第1の(例えば上側の)工具キャリア25と、(少なくとも1つの第2の成形工具29を保持するための)第2の(例えば下側の)工具キャリア26とを含むことができ、それらの総体運動が作業動作である。ここで、図12に示すように、第2の工具キャリア26は静止していることができるのに対し、第1の工具キャリア25は駆動装置1によって可動である。上述した電気機械式スピンドル駆動装置は、特に曲げ機械での使用に適している。なぜなら、提案された制動装置は特に迅速に反応し、それによって特に作業員が確実に保護され(特に作業動作のシャットダウン又は停止/減速が安全性に重要である場合)、工作物も誤った又はエラーを伴う加工ルーチンから「保護」されるからである。
【0141】
図12は、好ましくは板状の工作物27を成形(曲げ加工)するための(曲げ機械の形態の)成形機を示している。成形機20は、電気駆動源2を有する少なくとも1つの電気機械式スピンドル駆動装置1を含んでおり、これは図12による実施形態ではプレス駆動装置を表している。
【0142】
成形機は、電気機械式スピンドル駆動装置1によって作業動作が引き起こされる少なくとも1つの成形工具28と、成形工具28の作業動作32を制動及び/又は阻止するための、解除位置と制動位置との間で操作可能な少なくとも1つの制動装置5とを含んでいる(図13参照)。
【0143】
好ましくは板状の工作物27を成形機20で成形する方法において、工作物27を成形するための電気機械式スピンドル駆動装置1のモーター2及び/又は制動装置5は、制御装置30によって制御される。
【0144】
さて、図14及び図15には、工作物17を成形するための好適な方法が概略的に示されている。図14では、成形工具28の動作段階33の前に、制動装置5が制動位置にある間に電気駆動源2が駆動トルクMを生成し、その結果として制動装置5の制動トルクBが電気駆動源2の駆動トルクMに対抗することが見て取れる。成形工具28の動作段階33の開始は、制動装置5を解除位置及び/又は制動トルクが減少した位置に移動させることによって誘発される。
【0145】
図15では更に、成形工程の間、成形工具28の作業動作32が間欠的に行われることが見て取れる。
【0146】
成形工具28の作業動作32の個々の動作段階33が、図17に概略的に示されている。間欠的な作業動作32の間に成形工具28が移動した距離は、間欠的な作業動作の個々の動作段階の間に移動した距離部分から合成される。ここで、間欠的な作業動作32の個々の動作段階33において、成形工具28の移動方向は変化しないままであり得ることも見て取れる。
【0147】
最後に、図16は、間欠的な作業動作を実現するために、電気駆動源2の駆動トルクMも間欠的に生成される変形例を示している。
【0148】
成形工具28の作業動作32は、1回の成形工程の間に、好ましくは複数の動作段階33を含んでおり、これらの動作段階33は、成形工具28が静止しているか又は動作段階33よりも低速で移動する段階34によって中断される。好適には個々の動作段階33の長さは、それぞれ3秒未満、好適には1.5秒未満である。好適には成形工具が静止しているか又は動作段階よりも低速で移動する段階の長さは、それぞれ3秒未満、好適には1.5秒未満である。このようにして、例えば工作物27に対する成形工具28の「ハンマリング」作用を達成することができる。
【0149】
図15による変形例から、成形工具28の間欠的な作業動作は、制動装置5を解除位置と制動位置との間で間欠的に操作することによって引き起こされることが見て取れる。回転要素3に作用する制動トルクBは、制動装置5の間欠的操作で制動装置5が制動位置にある段階の間、回転要素3に作用する駆動トルクMよりも高くなることができる。この場合に制動装置5の操作によって成形工具28は(短時間)停止する。
【0150】
電気駆動源2は、制動装置5の間欠的操作で制動装置5が制動位置にある段階の間も、駆動トルクMを生成することができる。例えば駆動トルクMは、成形工具28の間欠的な作業動作32を伴う成形工程の間、実質的に一定に保つことができる。
【0151】
図13から、及び後で詳細に説明する図1図9の好適な実施形態から、電気機械式スピンドル駆動装置1が回転要素3を含み、制動装置5が回転要素3に作用することが分かる。モーターで形成することができる電気駆動源2は、その駆動トルクMによっても回転要素3に作用する。
【0152】
電気モーターの場合、駆動源2は、例えばハウジング13と接続され及び/又はハウジング13に対して静止している固定子2aと、例えば回転要素3と接続され、又は直接的に回転要素3に配置されている回転子2bとを含むことができる。相応の供給ライン及び/又は制御ラインが、電気駆動源2に通じている。
【0153】
後でスピンドル駆動装置の例でより詳細に説明するように、電気機械式スピンドル駆動装置1は、回転要素3の回転を、成形工具28に直接的又は間接的に作用する伝達要素23の直線運動に変換する伝達機構、特にリニアギアを含むことができる。伝達要素23は、例えばスピンドル又は(回転歯車が作用する)ラックの形態で設計することができる。
【0154】
制動装置5は、図13に示すように、好ましくは電気機械式スピンドル駆動装置1に組み込まれている。電気駆動源2と制動装置5は、同じハウジング13に収容することができる。
【0155】
図13は、電気駆動源2と制動装置5を制御するための成形機20の制御装置30も示している。制御装置30には動作モード31が保存されており、これによって上述の方法を実施できるように電気駆動源2と制動装置5を制御することができる。駆動源2と制動装置5との間の協働は、既に上記で詳細に説明された。駆動トルクMと制動トルクBの(対抗する)作用は、本明細書の冒頭で述べた利点を可能にする。
【符号の説明】
【0156】
1 電気機械式スピンドル駆動装置
2 モーター
2a 固定子
2B 回転子
3 回転要素
4 回転軸線
5 制動装置
6 制動ディスク
7 制動要素
8 内側領域
9 中間領域
10 摩擦面領域
11 第1の摩擦面
12 第2の摩擦面
13 ハウジング
13a ハウジング部分
13b ハウジング部分
13c ハウジング部分
14 第1のスペーサーリング
15 第2のスペーサーリング
16 取り付けインターフェース
17 第1の対向面
18 第2の対向面
19 切り抜き部
20 成形機
21 ばね
22 アクチュエーター
23 スピンドル
24 ベース本体
25 第1の工具キャリア
26 第2の工具キャリア
27 工作物
28 成形工具
29 成形工具
30 制御装置
31 動作モード
32 作業動作
33 動作段階
34 段階
35 スピンドル出口端
36 軸受座
37 スピンドル出口端の領域内の軸受
38 アキシャル軸受
39 ラジアル軸受
40 取付要素
41 潤滑油通路
42 潤滑油通路の第1の部分
43 潤滑油通路の第2の部分
44 復路
45 転動要素
46 ピン状部分
47 センサー装置
48 出口
49 冷却フィン
B 制動トルク
M 駆動トルク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2023-12-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械式スピンドル駆動装置(1)であって、
ハウジング(13)と、
モーター(2)と、
スピンドルナットの形態の回転要素(3)であって、モーター(2)によって回転軸線(4)を中心に回転可能である、回転要素(3)と、
前記回転要素(3)と協働するスピンドル(23)であって、該スピンドル(23)のねじ山部は、前記回転要素(3)の内部に配置され、スピンドル出口端(35)で前記回転要素(3)から出る、スピンドル(23)と、
前記回転要素(3)を前記ハウジング(13)に対して回転可能に支持している軸受(37、38、39)と、
を有する電気機械式スピンドル駆動装置(1)において、
少なくとも1つ軸受(37)が、前記回転要素(3)の前記スピンドル出口端(35)の領域に配置され、及び/又はラジアル軸受の形態で構成されている、ことを特徴とする電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項2】
前記回転要素(3)の前記スピンドル出口端(35)の領域に配置された前記少なくとも1つの軸受(37)は、前記回転要素(3)の内部に置されていることを特徴とする、請求項1に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項3】
前記回転要素(3)の前記スピンドル出口端(35)の領域に配置された前記少なくとも1つの軸受(37)が、前記回転要素(3)の内側と前記回転要素(3)の内部に突出する軸受座(36)との間に配置されいることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項4】
前記軸受座(36)は、前記ハウジング(13)のハウジング部品(13c)に、又は前面側のハウジングカバーに形成されることを特徴とする、請求項3に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項5】
前記回転要素(3)の前記スピンドル出口端(35)の領域に配置された前記少なくとも1つの軸受(37)が、前記モーター(2)の固定子(2a)及び/又は回転子(2b)と軸方向に重なって配置され、及び/又は前記モーター(2)の前記固定子(2a)及び/又は前記回転子(2b)によって囲まれた領域内に配置されていることを特徴とする、請求項1~の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項6】
前記回転要素(3)の前記スピンドル出口端(35)の領域に配置された前記少なくとも1つの軸受(37)が、転がり軸受、又は玉軸受であることを特徴とする、請求項1~の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項7】
前記軸受(39)の少なくとも1つ、前記回転要素(3)の前記スピンドル出口端(35)とは反対側の端部の領域に配置されていることを特徴とする、請求項1~の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項8】
前記軸受(38)の少なくとも1つは、アキシャル軸受であり、記電気機械式スピンドル駆動装置(1)の前記モーター(2)と制動装置(5)との間の領域に配置されていることを特徴とする、請求項1~の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項9】
前記モーター(2)の固定子(2a)は前記回転要素(3)を取り囲み、及び/又は前記モーター(2)の回転子(2b)は記回転要素(3)の外側取り付けられたポール要素を備えことを特徴とする、請求項1~の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項10】
前記ポール要素は永久磁石の形態であることを特徴とする、請求項9に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項11】
前記ポール要素は取り外し可能に取り付けられていることを特徴とする、請求項9又は10に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項12】
前記モーター(2)は同期モーターであることを特徴とする、請求項9~11の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項13】
前記電気機械式スピンドル駆動装置(1)は、動要素(45)が循環経路を案内されている転動スピンドル駆動装置であり、前記循環経路の第1の部分は前記回転要素(3)の雌ねじ部と前記スピンドル(23)の雄ねじ部との間に形成され、第2の部分は復路(44)によって形成され、該復路(44)は前記スピンドル(23)の内部に形成されていることを特徴とする、請求項1~12の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項14】
前記転動要素(45)は球の形態であることを特徴とする、請求項13に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項15】
前記スピンドル出口端(35)とは反対側の前記回転要素(3)の端部で、取付要素(40)が前記回転要素(3)と接続されことを特徴とする、請求項1~14の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項16】
前記取付要素(40)は、前記回転要素(3)の内部に位置する部分を有し、及び/又は前記スピンドル(23)のための停止部を形成することを特徴とする、請求項15に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項17】
前記回転要素(3)の外部にある前記取付要素(40)の部分(46)はピン状で形成され、ピン状の部分(46)の長手方向軸線は前記回転要素(3)の前記回転軸線(4)と一致ることを特徴とする、請求項15又は16に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項18】
前記回転要素(3)の内部に位置する前記取付要素(40)の部分の最大直径は、前記ピン状の部分(46)の直径の少なくとも3倍、又は少なくとも4倍であることを特徴とする、請求項17に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項19】
前記電気機械式スピンドル駆動装置(1)はセンサー装置(47)を有し、前記回転要素(3)の外部にある前記取付要素(40)の部分(46)は前記センサー装置(47)の検出範囲内にることを特徴とする、請求項15~18の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項20】
前記センサー装置(47)は、前記取付要素(40)の回転を検出する回転センサーであることを特徴とする、請求項19に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項21】
潤滑油通路(41)が前記回転要素(3)の内部に潤滑油を供給するために前記取付要素(40)内に設けられていることを特徴とする、請求項15~20の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項22】
前記潤滑油通路(41)の第1の部分(42)の進路は、前記回転要素(3)の前記回転軸線(4)と合致ることを特徴とする、請求項21に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項23】
前記潤滑油通路(41)の前記第1の部分(42)は、前記回転要素(3)の外部にある前記取付要素(40)の部分(46)を通ることを特徴とする、請求項22に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項24】
前記潤滑油通路(41)の第2の部分(43)の進路は、前記回転軸線(4)に対して半径方向の要素を有し、及び/又は前記回転軸線(4)に対して傾斜ることを特徴とする、請求項21~23の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項25】
前記潤滑油通路(41)の第2の部分(43)は、前記回転要素(3)の内部に位置する前記取付要素(40)の部分を通り、及び/又は前記回転軸線(4)に対して前記取付要素(40)の周縁領域に配置された出口(48)で終了することを特徴とする、請求項24に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項26】
前記取付要素(40)は、前記電気機械式スピンドル駆動装置(1)の制動装置(5)によって取り囲まれてることを特徴とする、請求項15~25の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項27】
前記取付要素(40)は、前記制動装置(5)の制動ディスク(6)の中央凹部内にあり、及び/又は前記制動装置(5)の前記制動ディスク(6)のための収容部又は形状係合による収容部を形成することを特徴とする、請求項26に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項28】
冷却フィン(49)が、少なくとも前記モーター(2)の領域で、前記ハウジング(13)の外側に配置されていることを特徴とする、請求項1~27の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項29】
前記電気機械式スピンドル駆動装置(1)はモジュール式に構成されていることを特徴とする、請求項1~28の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項30】
前記電気機械式スピンドル駆動装置(1)は、制動位置と解除位置との間で操作可能な制動装置(5)を有し、
該制動装置(5)は前記回転要素(3)に作用し、
記制動装置(5)は、前記スピンドル出口端(35)とは反対側の前記回転要素(3)の端部の領域に配置されていることを特徴とする、請求項1~29の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項31】
制動装置(5)は、前記回転要素(3)と共に回転する制動ディスク(6)と、軸方向に調整可能で、制動位置で前記制動ディスク(6)に作用する制動要素(7)とを有することを特徴とする、請求項1~30の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項32】
制動ディスク(6)は、
内側領域(8)と、
前記制動ディスク(6)の第1の側に形成された第1の摩擦面(11)を有して、前記回転軸線(4)の周りに環状に延びている摩擦面領域(10)と、
前記摩擦面領域(10)と前記回転軸線(4)周りの前記内側領域(8)との間に延びる中間領域(9)と、を有し、
第1の対向面(17)が、制動要素(7)に形成され、前記第1の摩擦面(11)に面し、制動位置で前記第1の摩擦面(11)と協働することを特徴とする、請求項1~31の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項33】
前記制動ディスク(6)の前記中間領域(9)は、解除位置及び制動位置において、前記制動要素(7)との接触がなく、及び/又は前記制動位置において、前記制動要素(7)と前記制動ディスク(6)との接触が前記第1の摩擦面(11)に限定されていることを特徴とする、請求項32に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項34】
前記中間領域(9)は、前記制動要素(7)が前記制動ディスク(6)に作用することによって軸方向に弾性的に変形できる変形領域であり、
り抜き部(19)及び/又は材料の弱化部が記変形領域に形成されていることを特徴とする、請求項32又は33に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項35】
前記摩擦面領域(10)は、前記制動ディスク(6)の第1の側とは反対側の第2の側に形成された第2の摩擦面(12)を有し、
前記制動ディスク(6)の前記摩擦面領域(10)は、前記第1の対向面(17)と、第2の摩擦面(12)に面し、制動位置で前記第2の摩擦面(12)と協働する第2の対向面(18)との間に配置されていることを特徴とする、請求項3234の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置(1)。
【請求項36】
複数の電気機械式スピンドル駆動装置(1)のための構成要素を含むスピンドル駆動装置構成要素セットであって、前記複数の電気機械式スピンドル駆動装置(1)は、請求項1~35の何れか一項に記載の気機械式スピンドル駆動装置(1)である、スピンドル駆動装置構成要素セットにおいて
前記スピンドル駆動装置構成要素セットが異なるタイプの複数の構成要素を含み、該複数の構成要素が該複数の構成要素を互いに接続するための接続インターフェースを有し、
同じタイプの複数の構成要素は異なるサイズを有し、同じタイプの異なるサイズの複数の構成要素の接続インターフェースが同じ寸法であることを特徴とする、スピンドル駆動装置構成要素セット。
【請求項37】
前記スピンドル駆動装置構成要素セットは、
長さ及び/又は幅の異なる第1のハウジング部分と、
長さ及び/又は幅の異なる第2のハウジング部分と、を含み、
前記第2のハウジング部分と接続するための前記第1のハウジング部分の前記接続インターフェースは、全ての前記第1のハウジング部分と全ての前記第2のハウジング部分で同じ寸法で設計されていることを特徴とする、請求項36に記載のスピンドル駆動装置構成要素セット。
【請求項38】
前記スピンドル駆動装置構成要素セットは、
長さ及び/又は幅の異なる複数の回転要素と、
長さ及び/又は幅の異なる複数のハウジング部分、及び/又は長さ及び/又は幅の異なる複数のモーターと、を含み、
前記複数のハウジング部分及び/又は前記複数のモーターと接続するための前記複数の回転要素の接続インターフェースは、全ての回転要素で同じ寸法であり、及び/又は、前記複数のハウジング部分及び/又は前記複数のモーターを前記複数の回転要素と接続するための前記接続インターフェースは、全てのハウジング部分及び/又は全てのモーターで同じ寸法であることを特徴とする、請求項36又は37に記載のスピンドル駆動装置構成要素セット。
【請求項39】
作物(27)を成形するための成形機(20)あって、
前記成形機(20)は、
少なくとも1つの電気機械式スピンドル駆動装置(1)と、
該電気機械式スピンドル駆動装置(1)によって作業動作が実行される少なくとも1つの成形工具(28)と、を含む成形機(20)において、
前記電気機械式スピンドル駆動装置(1)が、請求項1~35の何れか一項に記載の電気機械式スピンドル駆動装置であることを特徴とする成形機(20)。
【請求項40】
成形機(20)用いて作物(27)を成形する方法において、
前記成形機(20)は請求項39に記載の成形機であり、及び前記工作物(27)を成形するための電気機械式スピンドル駆動装置(1)のモーター(2)は制御装置(30)によって制御されることを特徴とする方法。
【国際調査報告】