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特表2024-507264メラトニンを含む多層ペレットの製剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】メラトニンを含む多層ペレットの製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4045 20060101AFI20240208BHJP
   A61K 9/16 20060101ALI20240208BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20240208BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20240208BHJP
   A61P 25/20 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
A61K31/4045
A61K9/16
A61K47/38
A61K47/10
A61P25/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550627
(86)(22)【出願日】2022-02-24
(85)【翻訳文提出日】2023-08-22
(86)【国際出願番号】 GB2022050505
(87)【国際公開番号】W WO2022180398
(87)【国際公開日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】2102636.4
(32)【優先日】2021-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521478430
【氏名又は名称】クローズド ループ メディスン リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CLOSED LOOP MEDICINE LTD
【住所又は居所原語表記】Babraham Research Campus,Babraham,Cambridge,CB22 3AT,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100174001
【弁理士】
【氏名又は名称】結城 仁美
(72)【発明者】
【氏名】モンクール スリウォンジャンヤ
(72)【発明者】
【氏名】リン ユー リャン
(72)【発明者】
【氏名】ポール ゴールドスミス
(72)【発明者】
【氏名】ブルース キャンベル
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA31
4C076AA54
4C076BB01
4C076CC01
4C076CC30
4C076DD28
4C076DD47K
4C076DD67
4C076EE23K
4C076EE31
4C076EE32
4C076EE32H
4C076EE32K
4C076EE33K
4C076EE48K
4C076FF04
4C076FF22
4C076FF31
4C076FF33
4C076GG13
4C076GG17
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA10
4C086BC13
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA37
4C086MA41
4C086MA52
4C086NA12
4C086ZA05
4C086ZC03
(57)【要約】
本発明は、メラトニンを含むペレット及び不眠症を治療する方法に関する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペレットであって、
a)メラトニンを含むコアと、
b)前記コアを包含する少なくとも1つのポリマーを含むコーティング層と、
c)前記コーティング層を包含するメラトニンを含む即時放出(IR)層と、を含む、ペレット。
【請求項2】
前記コアが、少なくとも1つの賦形剤を更に含む、請求項1に記載のペレット。
【請求項3】
前記少なくとも1つの賦形剤が、セルロース系ポリマー、ポリビニルピロリドンポリマー(PVP)、デンプン、糖、又は二酸化ケイ素、好ましくは、セルロース系ポリマー、より好ましくは、微結晶性セルロース又はヒドロキシプロピルメチルセルロース、より好ましくは、微結晶性セルロースである、請求項2に記載のペレット。
【請求項4】
前記コアが、少なくとも2つの賦形剤を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のペレット。
【請求項5】
前記少なくとも2つの賦形剤が、セルロース系ポリマー、ポリビニルピロリドンポリマー(PVP)、デンプン、糖、又は二酸化ケイ素、好ましくは、セルロース系ポリマーから選択され、より好ましくは、前記少なくとも2つの賦形剤が、微結晶性セルロース及びヒプロメロースである、請求項4に記載のペレット。
【請求項6】
前記ペレットが、前記コア中60~92%w/wの賦形剤、好ましくは、65~90%w/wの賦形剤、より好ましくは、70~88%w/wの賦形剤、最も好ましくは、75~85%w/wの賦形剤を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のペレット。
【請求項7】
前記ペレットが、前記コア中0.01~15%w/wのメラトニン、好ましくは、0.02~10%w/wのメラトニン、好ましくは、0.03~5%w/wのメラトニン、0.05~1%w/wのメラトニン、より好ましくは、0.08~3%w/wのメラトニン、更により好ましくは、0.1~0.8%w/wのメラトニン、なおより好ましくは、0.2~0.6%w/wのメラトニン、最も好ましくは、0.3~0.4%w/wのメラトニンを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のペレット。
【請求項8】
前記少なくとも1つのポリマーが、セルロース系ポリマー、エチルアクリレート及び/若しくはメチルメタクリレート及び/若しくはアンモニウムメタクリレートコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリメタクリレート又はそのコポリマー、好ましくは、セルロース系ポリマーである、請求項1~7のいずれか一項に記載のペレット。
【請求項9】
前記少なくとも1つのポリマーが、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、又は酢酸フタル酸セルロース、好ましくは、酢酸セルロース又はエチルセルロース、より好ましくは、酢酸セルロースから選択される、請求項8に記載のペレット。
【請求項10】
前記コーティング層が、細孔形成剤を更に含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のペレット。
【請求項11】
前記細孔形成剤が、ポロキサマー、ポリエチレン-プロピレングリコール(PEG)コポリマー、ポリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール若しくはそのブロックコポリマー、ポリグリコール、アクリル樹脂、ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンオキシド、カルボマー、ジオール、ポリオール、多価アルコール、ポリ(α-ω)アルキレンジオール、トリアセチン、クエン酸トリエチル若しくは糖アルコール、又はそれらの組み合わせから選択され、好ましくは、前記細孔形成剤が、PEGコポリマー又はポロキサマー、より好ましくは、ポロキサマーである、請求項10に記載のペレット。
【請求項12】
前記ペレットが、前記コーティング層中10~35%w/wのポリマー、好ましくは、11~30%w/wのポリマー、より好ましくは、12~25%w/wのポリマー、最も好ましくは、15~20%w/wのポリマーを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のペレット。
【請求項13】
前記ペレットが、前記コーティング層中0.1~10%w/wの細孔形成剤、好ましくは、0.3~5%w/wの細孔形成剤、より好ましくは、0.5~2%w/wの細孔形成剤を含む、請求項10~12のいずれか一項に記載のペレット。
【請求項14】
前記IR層が、少なくとも1つの賦形剤を更に含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のペレット。
【請求項15】
前記少なくとも1つの賦形剤が、セルロース系ポリマー又はポリビニルピロリドンポリマー(PVP)、好ましくは、セルロース系ポリマー、好ましくは、ヒドロキシプロピルセルロース又はヒドロキシプロピルメチルセルロース、より好ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項14に記載のペレット。
【請求項16】
前記ペレットが、前記IR層中0.0001~0.02%w/wの賦形剤、好ましくは、0.0005~0.015%w/wの賦形剤、より好ましくは、0.001~0.01%w/wの賦形剤、最も好ましくは、0.003~0.008%w/wの賦形剤を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載のペレット。
【請求項17】
前記IR層が、少なくとも1つの流動促進剤を更に含み、好ましくは、前記少なくとも1つの流動促進剤が、タルク、ステアリン酸マグネシウム、フュームドシリカ(コロイド状二酸化ケイ素)、及びデンプン、好ましくは、タルクから選択される、請求項1~16のいずれか一項に記載のペレット。
【請求項18】
前記ペレットが、前記IR層中0.01~0.9%w/wのメラトニン、好ましくは、0.03~0.7%w/wのメラトニン、より好ましくは、0.05~0.5%w/wのメラトニン、最も好ましくは、0.7~0.11%w/wのメラトニンを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載のペレット。
【請求項19】
前記コーティング層が、メラトニンを含まない、先行請求項のいずれか一項に記載のペレット。
【請求項20】
前記ペレットのサイズが、350μm~1000μm、好ましくは、400μm~950μm、より好ましくは、450μm~900μm、最も好ましくは、500μm~850μmである、先行請求項のいずれか一項に記載のペレット。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか一項に記載のペレットを含む、カプセル。
【請求項22】
前記メラトニンが、前記ペレット又はカプセルにおける唯一の活性薬剤である、請求項1~21のいずれか一項に記載のペレット又はカプセル。
【請求項23】
医薬としての使用のための、請求項1~22のいずれか一項に記載のペレット又はカプセル。
【請求項24】
不眠症の治療における、請求項23に記載の使用のためのペレット又はカプセル。
【請求項25】
前記ペレット又はカプセルが、経口投与される、請求項23又は24に記載の使用のためのペレット又はカプセル。
【請求項26】
前記ペレット又はカプセルが、有効用量で投与され、前記有効用量が、0.05~10mg、好ましくは、0.1~5mg、より好ましくは、0.25~3mg、なおより好ましくは、1~2mgのメラトニンである、請求項23~25のいずれか一項に記載の使用のためのペレット又はカプセル。
【請求項27】
前記ペレット又はカプセルが、治療の対象が就寝する0~2時間前、好ましくは、30~60分前に投与される、請求項23~26のいずれか一項に記載の使用のためのペレット又はカプセル。
【請求項28】
不眠症を治療する方法であって、対象に、請求項1~27のいずれか一項に記載のペレット又はカプセルを投与することを含む、方法。
【請求項29】
不眠症の治療のための医薬の製造における請求項1~27のいずれか一項に記載のペレット又はカプセルの、使用。
【請求項30】
請求項1~27のいずれか一項に記載のペレット又はカプセルを含む、デバイス。
【請求項31】
ペレットを調製するためのプロセスであって、
a)メラトニンを含むコア溶液、ポリマーを含むコーティング層溶液、及びメラトニンを含むIR層溶液を作製することと、
b)前記コア溶液をペレットに塗布し、次いで、好ましくは、前記ペレットが45℃以上の温度に達するまで、前記ペレットを乾燥させることと、
c)前記コーティング層溶液を前記ペレットに塗布し、続いて、前記ペレットにすすぎ溶液を噴霧することと、
d)任意選択で、前記ペレットを、好ましくは、2~6時間、例えば、3~5時間硬化させることと、
e)前記IR層溶液を前記ペレットに塗布し、次いで、前記ペレットを乾燥させることと、を含む、プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メラトニンを含む医薬製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
不眠症は、人々が睡眠に苦労する睡眠障害である。人口の3分の1は、1年の何らかの時点で、眠りにつくこと、眠ったままでいること、又は早く起きることにおけるいくらかの困難を有する。不眠症には、典型的には、日中の眠気、低エネルギー、易怒性、及び抑うつ気分が続く。未治療のままにした場合、それは、不安、うつ、自殺を導き得、多くの疾患に関連する。
【0003】
メラトニンは、睡眠-覚醒サイクルを調節する松果体によって放出される天然起源のホルモンである。以前の研究は、メラトニンの補充が、睡眠不足又は睡眠スケジュールの変化に苦しむ個体における総睡眠時間を増加させるのを助け得ることを示唆するが、これを支持する証拠は強くない。これは、少なくとも部分的には、不眠症の多くの異なるタイプの影響因子及び原因に起因し得、このことは、現在利用可能な標準的な治療及び投薬レジメンが、不眠症に苦しむ広範な様々な対象にわたって有効であることはなさそうであることを意味する。
【0004】
Circadinは、メラトニンを含む長期放出錠剤であり、不眠症に苦しむ患者における睡眠の質を改善するのを助けるために一般的に使用される医薬である。しかしながら、Circadinと関連したいくつかの問題及び制限が存在し、これは、主に、それが錠剤形態であること及びメラトニンの非常に短い半減期を有する可能性があることに起因する。例えば、患者が錠剤を噛むか又は割ると、それは所望の長期放出ではなく、即時放出となり、血漿レベルは迅速に減退する。更に、錠剤は、給餌状態と絶食状態との差異及び様々なタイプの食物によってより大きく影響を受けそうである。加えて、長期放出錠剤における投薬量は、患者に特異的な生物学的及び環境的因子並びにその不眠症の重症度に従って容易に変動され得ない。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、本明細書に記載されるメラトニン製剤についての記載された問題に対処する。本発明は、即時放出錠剤と比較して、夜間の内因性放出レベルに非常に近い状態で一致する放出プロファイルを達成する、メラトニンを含むペレット製剤を提供する。新規のペレット製剤は、即時の入眠のための負荷用量及び睡眠を維持するための持続放出部分を提供する。更に、製剤は、それが起床時間までにクリアされ、したがって、多くの他の制御放出調製物とは異なり、朝に浸出しない。これは、健常な内因性メラトニン放出プロファイルを模倣し、したがって、睡眠現象が日中にあふれ出ず(例えば、眠気又は他の神経内分泌現象)、日中の出来事が最適化される(身体及び脳は活動の準備ができている)ことを確実にするのを潜在的に助ける。ペレット製剤の更なる利点は、それが、カプセル中のペレットの数を変動させることによって使用者が投薬量を調節することを可能にすることを含み、これは、長期放出錠剤を割ることとは対照的に、放出特性を変化させない。それはまた、吸収に対する食物の影響の可能性を減少させる。これは、就寝前に食べないことが賢明であることを前提とすると重要な考慮すべき事項である。加えて、ペレット製剤は、嚥下を容易にするために、ジュース又は食物中にまかれ得、これは、小児、高齢者、(例えば、パーキンソン病、運動ニューロン疾患、胃食道閉塞からの)嚥下困難を有する患者に特に有用である。これは、現存するものよりもはるかに有効なメラトニンを含む製剤及び、結果として、療法をもたらす。
【0006】
したがって、本発明の第1の態様では、ペレットであって、
a)メラトニンを含むコアと、
b)コアを包含する少なくとも1つのポリマーを含むコーティング層と、
c)コーティング層を包含するメラトニンを含む即時放出(IR)層と、を含む、ペレットが提供される。
【0007】
第2の態様によれば、本発明のペレットを含むカプセルが提供される。
【0008】
第3の態様によれば、医薬としての使用のための本発明のペレット又はカプセルが提供される
【0009】
第4の態様によれば、不眠症を治療する方法であって、対象に、本発明のペレット又はカプセルを投与することを含む、方法が提供される。
【0010】
第5の態様によれば、不眠症の治療のための医薬の製造における本発明のペレット又はカプセルの使用が提供される。
【0011】
第6の態様によれば、本発明のペレット又はカプセルを含む、デバイスが提供される。
【0012】
第7の態様によれば、ペレットを調製するためのプロセスであって、
a)メラトニンを含むコア溶液、ポリマーを含むコーティング層溶液、及びメラトニンを含むIR層溶液を作製することと、
b)コア溶液をペレットに塗布し、次いで、好ましくは、ペレットが45℃以上の温度に達するまで、ペレットを乾燥させることと、
c)コーティング層溶液をペレットに塗布し、続いて、ペレットにすすぎ溶液を噴霧することと、
d)任意選択で、ペレットを、好ましくは、2~6時間、例えば、3~5時間硬化させることと、
e)IR層溶液をペレットに塗布し、次いで、ペレットを乾燥させることと、を含む、プロセスが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】比較錠剤Circadinに対する、実施例1の溶解プロファイルを示す(試験条件:0.1N HCl、500ml、パドル、50rpm)。
図2】最大9ヶ月の様々な期間後の25℃での実施例1の溶解プロファイルを示す。
図3】実施例7の溶解プロファイルを示す(試験条件:55℃、0.1N HCl、500ml、パドル、50rpm)。
図4】実施例15の溶解プロファイルを示す(試験条件:55℃、0.1N HCl、500ml、パドル、50rpm)。
図5】実施例16の溶解プロファイルを示す(試験条件:55℃、0.1N HCl、500ml、パドル、50rpm)。
図6】実施例17の溶解プロファイルを示す(試験条件:40℃、0.1N HCl、500ml、パドル、50rpm)。
図7】実施例18の溶解プロファイルを示す(試験条件:55℃、0.1N HCl、500ml、パドル、50rpm)。
図8】本発明のペレットの模式図を示す。当業者は、最も内側の「API」と標識された輪が、本発明による「コア」の一部とみなされることを理解する。「ER」と標識された輪は、「コーティング層」である。外側の「API」と標識された輪は、「IR層」である。8A;ペレットが3つの層を有する、一実施形態。8B;ペレットが5つの層を有し、そのうちの2つがシーリング層である、第2の実施形態。
図9】実施例1及びCircadinの投与後の平均ベースラインメラトニン血漿濃度対時間プロファイルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
「ペレット」は、医薬産業においてよく知られている。ペレットは、典型的には、小さな自由に流れる球状又は半球状の粒子(ペレット)の形成を導く、細かい粉末状の賦形剤及び活性医薬成分(API)の凝集によって形成される、多粒子固体剤形である。本発明において使用されるAPIは、メラトニンである。メラトニンは短い半減期を有するが、身体における天然起源のメラトニンの内因性放出プロファイルは、約4~5時間にピークを有して徐々に生じる。したがって、内因性放出プロファイルに一致する製剤を作製することは困難である。医薬産業において使用される典型的なペレット形態は、外側上での即時放出を有するか、又は遅延放出を提供するためにバリアの後ろに隠された即時放出を有する単一ペレットである。しかしながら、本発明は、いくらかの即時放出及びいくらかのより遅い放出のAPIを提供するための2つの形態の精密なバランスを有するペレットを提供する。
【0015】
「カプセル」は、医薬品を封入するために使用される安定なシェルである。カプセルの2つの主なタイプは、ハードシェル及びソフトシェルカプセルである。本発明のカプセルは、ハード又はソフトシェル、好ましくはハードシェルカプセルであり得る。本発明の好ましいカプセルシェルは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)カプセルである。本明細書で使用されるHPMCカプセルシェルは、より低い水分含量、一般に、10%w/w以下、典型的には、4~6%w/wを有し、したがって、吸湿性物質をカプセル化するのにより適している。本発明の好ましいカプセルシェルは、10%w/w以下の水分含量を有する。
【0016】
「治療」という用語は、疾患若しくは状態、又はその1つ若しくは複数の症状の寛解を含む。治療はまた、患者の医薬薬物に対する依存、又は行動の低下を含む。「寛解」は、患者の状態の改善、若しくは認知された改善、又はそれ、若しくは副作用を次第に耐容可能にする患者の状態の変化である。
【0017】
不眠症の治療は、様々なタイプの不眠症に関連し得る。例えば、不眠症は、睡眠開始不眠症、早朝覚醒不眠症、及び睡眠維持不眠症のうちのいずれかに関連し得る。加えて、睡眠開始不眠症は、睡眠相後退によって更に複雑になり得る。患者は1つより多いタイプの不眠症に苦しみ得る。睡眠相後退不眠症は、目標入眠時間とその実際の入眠時間との間の1時間を超える遅延、又はより重度の症例では2時間を超える遅延の、その不眠症に対する睡眠相コンポーネント後退を有する患者として定義され得る。
【0018】
「患者」及び「対象」は、互換的に使用され、ペレットを受ける対象を指す。好ましくは、対象は、ヒトである。
【0019】
「重量対重量(weight for weight)」又は「重量比(weight
by weight)」(%w/w)は、重量又は質量によって測定される、混合物内の特定の物質の割合を指す。
【0020】
コア
コアは、ペレットの中心にあり、活性医薬成分、メラトニンの大部分を含む。当業者は、コアが球体であることを理解する。
【0021】
本発明の一態様では、ペレットは、コア中0.01~15%w/wのメラトニン、好ま
しくは、0.02~10%w/wのメラトニン、好ましくは、0.03~5%w/wのメラトニン、0.05~1%w/wのメラトニン、より好ましくは、0.08~3%w/wのメラトニン、更により好ましくは、0.1~0.8%w/wのメラトニン、なおより好ましくは、0.2~0.6%w/wのメラトニン、最も好ましくは、0.3~0.4%w/wのメラトニンを含む。
【0022】
適切には、ペレットは、コア中0.01mg~20mgのメラトニン、好ましくは、0.05mg~15mgのメラトニン、より好ましくは、0.1mg~10mgのメラトニン、更により好ましくは、0.5mg~8mgのメラトニン、なおより好ましくは、0.8mg~5mgのメラトニン、最も好ましくは、1mg~3mgのメラトニン、例えば、1mg~2mgのメラトニンを含む。1つの特定の態様では、ペレットは、コア中0.14mg~1.7mgのメラトニンを含む。
【0023】
適切には、コアは、他の成分を含む。一態様では、コアは、少なくとも1つの賦形剤、好ましくは、少なくとも2つの賦形剤を更に含む。賦形剤は、医薬分野においてよく知られており、加工助剤、又は医薬剤形中にある活性医薬成分以外の任意の物質を含む。賦形剤は、所望の薬物放出プロファイルを達成し、剤形設計を容易にするのを助けることを含めて、ペレットの製剤化の助けとなる。
【0024】
好ましい賦形剤は、担体及び結合剤である。適切には、賦形剤は、セルロース系ポリマー、ポリビニルピロリドンポリマー(PVP)、デンプン、糖、又は二酸化ケイ素、好ましくは、セルロース系ポリマーである。適切には、セルロース系ポリマーは、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、好ましくは、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース又はヒドロキシプロピルメチルセルロース、なおより好ましくは、微結晶性セルロース又はヒドロキシプロピルメチルセルロース、最も好ましくは、微結晶性セルロースである。一態様では、コアは、(a)賦形剤を含む、適切には、賦形剤からなる球体と、(b)球体を包含するメラトニンとを含む。
【0025】
適切には、コアは、先行段落におけるもののうちのいずれかから選択される、少なくとも2つの賦形剤を含み、好ましくは、当該少なくとも2つの賦形剤は、微結晶性セルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0026】
本発明の一態様では、ペレットは、コア中60~92%w/wの賦形剤、好ましくは、65~90%w/wの賦形剤、より好ましくは、70~88%w/wの賦形剤、最も好ましくは、75~85%w/wの賦形剤を含む。
【0027】
適切には、ペレットは、コア中30mg~650mgの賦形剤、好ましくは、100mg~600mgの賦形剤、好ましくは、200mg~550mgの賦形剤、より好ましくは、250mg~500mgの賦形剤、なおより好ましくは、300mg~450mgの賦形剤、最も好ましくは、350mg~400mgの賦形剤を含む。
【0028】
コーティング層
コーティング層は、コアを取り囲む。コーティング層は、ポリマー及び、任意選択で、細孔形成剤を含む。適切には、コーティング層は、メラトニンを含まない。
【0029】
ポリマーは、コア中のメラトニンの周りにバリアを提供し、患者のペレット服用とメラトニンの放出との間の時間を増加させることによって、不眠症を有する患者を治療するのを助けるために必要とされる所望の放出プロファイルを達成するのを助ける。これは、活性物の、制御され、延長された放出を可能にする。放出プロファイルは、ポリマーの量を
変化させることによって改変され得る。細孔形成剤は、錠剤、ペレット又は粒子の不溶性コーティングを通して特定の量の拡散を作って、持続放出プロファイルを達成するために使用される。放出プロファイルは、細孔形成剤の組み込みによって、更には細孔形成剤に対するポリマーの比率を変化させることによって改変され得る。
【0030】
適切には、ポリマーは、セルロース系ポリマー、エチルアクリレート及び/若しくはメチルメタクリレート及び/若しくはアンモニウムメタクリレートコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリメタクリレート又はそのコポリマーである。適切には、セルロース系ポリマーは、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、又は酢酸フタル酸セルロースである。好ましくは、ポリマーは、酢酸セルロース又はエチルセルロース、より好ましくは、酢酸セルロースである。
【0031】
一実施形態では、コーティング層は、細孔形成剤を更に含む。適切には、細孔形成剤は、ポロキサマー、ポリエチレン-プロピレングリコール(PEG)コポリマー、ポリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、ポリプロピレングリコール若しくはそのブロックコポリマー、ポリグリコール、アクリル樹脂、ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンオキシド、カルボマー、ジオール、ポリオール、多価アルコール、ポリ(α-ω)アルキレンジオール、トリアセチン、クエン酸トリエチル若しくは糖アルコール、又はそれらの組み合わせである。適切な例示的な糖アルコールには、グルコース、フルクトース、マンニトール、マンノース、ガラクトース、ソルビトール、プルラン及びデキストランが含まれる。好ましくは、細孔形成剤は、PEGコポリマー又はポロキサマー、より好ましくは、ポロキサマーである。
【0032】
本発明の一態様では、ペレットは、コーティング層中10~35%w/wのポリマー、好ましくは、11~30%w/wのポリマー、より好ましくは、12~25%w/wのポリマー、最も好ましくは、15~20%w/wのポリマーを含む。
【0033】
本発明の一態様では、ペレットは、コーティング層中0.1~10%w/wの細孔形成剤、好ましくは、0.3~5%w/wの細孔形成剤、より好ましくは、0.5~2%w/wの細孔形成剤を含む。
【0034】
本発明の一態様では、ペレットは、コーティング層中10~35%w/wのポリマー及び細孔形成剤、好ましくは、11~30%w/wのポリマー及び細孔形成剤、より好ましくは、12~25%w/wのポリマー及び細孔形成剤、最も好ましくは、15~20%w/wのポリマー及び細孔形成剤を含む。
【0035】
適切には、ペレットは、コーティング層中10mg~200mgのポリマー、好ましくは、20mg~180mgのポリマー、より好ましくは、30mg~160mgのポリマー、なおより好ましくは、40mg~140mgのポリマー、更により好ましくは、50mg~120mgのポリマー、いっそうより好ましくは、60mg~100mgのポリマー、最も好ましくは、80mg~90mgのポリマーを含む。一実施形態では、ペレットは、コーティング層中35mg~85mgのポリマーを含む。
【0036】
適切には、ペレットは、コーティング層中0.1mg~15mgの細孔形成剤、好ましくは、0.5mg~10mgの細孔形成剤、より好ましくは、1mg~8mgの細孔形成剤、最も好ましくは、3mg~6mgの細孔形成剤を含む。
【0037】
適切には、ペレットは、コーティング層中10mg~200mgのポリマー及び細孔形成剤、好ましくは、20mg~180mgのポリマー及び細孔形成剤、より好ましくは、
30mg~160mgのポリマー及び細孔形成剤、なおより好ましくは、40mg~140mgのポリマー及び細孔形成剤、更により好ましくは、50mg~120mgのポリマー及び細孔形成剤、いっそうより好ましくは、60mg~100mgのポリマー及び細孔形成剤、最も好ましくは、80mg~90mgのポリマー及び細孔形成剤を含む。一実施形態では、ペレットは、コーティング層中35mg~90mgのポリマー及び細孔形成剤を含む。
【0038】
即時放出(IR)層
IR層は、図8に示されるように、ペレットの外層であり、コーティング層を取り囲む。IR層は、典型的にはコアよりも低い量であるが、メラトニンを含み、不眠症を有する患者を治療するのを助けるために必要とされる所望の放出プロファイルを達成するのを助ける。ペレットの外層中に少量のメラトニンを有することは、患者がペレットを投与された直後でのメラトニンの放出が少なくなることを可能にし、初期の迅速な入眠を提供するのを助ける。
【0039】
本発明の一態様では、ペレットは、IR層中0.01~0.9%w/wのメラトニン、好ましくは、0.03~0.7%w/wのメラトニン、より好ましくは、0.05~0.5%w/wのメラトニン、最も好ましくは、0.7~0.11%w/wのメラトニンを含む。
【0040】
適切には、ペレットは、IR層中0.01~5mgのメラトニン、好ましくは、0.05~3mgのメラトニン、より好ましくは、0.08~1mgのメラトニン、更により好ましくは、0.1~0.8mgのメラトニン、なおより好ましくは、0.3~0.5mgのメラトニンを含む。一実施形態では、ペレットは、IR層中0.04mg~0.5mgのメラトニンを含む。
【0041】
適切には、IR層は、他の成分を含む。一態様では、IR層は、少なくとも1つの賦形剤を更に含む。賦形剤は、医薬分野においてよく知られており、加工助剤、又は医薬剤形中にある活性医薬成分以外の任意の物質を含む。賦形剤は、所望の薬物放出プロファイルを達成し、剤形設計を容易にするのを助けることを含めて、ペレットの製剤化の助けとなる。
【0042】
好ましい賦形剤は、ペレットの水分レベルを最小化する水分バリアとして作用するものであり、これは次に、加水分解から形成され得る不純物を低下させるのを助ける。適切には、賦形剤は、セルロース系ポリマー又はポリビニルピロリドンポリマー(PVP)、好ましくは、セルロース系ポリマーである。好ましいセルロース系ポリマーは、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、好ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0043】
本発明の一態様では、ペレットは、IR層中0.0001~0.02%w/wの賦形剤、好ましくは、0.0005~0.015%w/wの賦形剤、より好ましくは、0.001~0.01%w/wの賦形剤、最も好ましくは、0.003~0.008%w/wの賦形剤を含む。
【0044】
適切には、ペレットは、IR層中0.001mg~1mgの賦形剤、好ましくは、0.005mg~0.5mgの賦形剤、より好ましくは、0.01mg~0.1mgの賦形剤、なおより好ましくは、0.015mg~0.05mgの賦形剤を含む。一実施形態では、ペレットは、IR層中0.002mg~0.03mgの賦形剤を含む。
【0045】
一態様では、IR層は、少なくとも1つの流動促進剤を更に含む。流動促進剤は、その
流動性を改善するために粉末に添加される物質である。したがって、流動促進剤の添加は、バイオアベイラビリティ、所望の薬物放出プロファイルを更に増強し、ペレットの剤形設計を容易にする。流動促進剤はまた、ペレットから静電気を除去して、カプセル化の容易さを増加させるために有用であり、この理由から、タルクが特に好ましい。
【0046】
本発明において使用され得る例示的な流動促進剤には、タルク、ステアリン酸マグネシウム、フュームドシリカ(コロイド状二酸化ケイ素)、及びデンプン、好ましくは、タルクが含まれる。
【0047】
本発明の一態様では、ペレットは、IR層中0.01~5%w/wの流動促進剤、好ましくは、0.05~3%w/wの流動促進剤、より好ましくは、0.08~1%w/wの流動促進剤、更により好ましくは、0.1~0.8%w/wの流動促進剤、なお最も好ましくは、0.3~0.5%w/wの流動促進剤を含む。
【0048】
適切には、ペレットは、IR層中0.01mg~20mgの流動促進剤、好ましくは、0.05mg~15mgの流動促進剤、より好ましくは、0.1mg~10mgの流動促進剤、なおより好ましくは、0.5mg~5mgの流動促進剤、最も好ましくは、1mg~3mgの流動促進剤を含む。一実施形態では、ペレットは、IR層中0.15mg~2mgの流動促進剤を含む。
【0049】
本発明の一態様では、ペレットの総質量は、40mg~700mg、好ましくは、250mg~675mg、好ましくは、300mg~650mg、より好ましくは、350mg~600mg、なおより好ましくは、400mg~550mg、最も好ましくは、450mg~500mgである。一実施形態では、ペレットの総質量は、40mg~500mg、例えば、75mg~500mg、例えば、100mg~500mg、例えば、150mg~500mgである。
【0050】
本発明の一態様では、ペレットのサイズは、350μm~1000μm、好ましくは、400μm~950μm、より好ましくは、450μm~900μm、最も好ましくは、500μm~850μmである。
【0051】
本発明のペレットは、安定であり、崩壊することなしに長期にわたって貯蔵され得る。適切には、ペレットは、少なくとも6ヶ月間、例えば、少なくとも8ヶ月間安定に貯蔵され得る。
【0052】
シーリング層
一実施形態では、ペレットは、1つ以上のシーリング層を更に含み得る。適切には、ペレットは、コアとコーティング層との間及び/又はコーティング層とIR層との間にシーリング層を含む。適切には、シーリング層は、メラトニンを含まない。
【0053】
シーリング層は、メラトニンを含む層の更なるカプセル化を提供して、貯蔵の間にメラトニンが層から外へ移動するのを防止する。シーリング層は当業者によく知られており、一般に、任意の不活性材料が機能するはずである。適切には、シーリング層は、セルロース系ポリマー、PVA系ポリマー、PVP又は水溶性ポリマーなどのポリマーを含み、かつ/あるいはシーリング層は、ラクトースなどの糖を含み、かつ/あるいはシーリング層は、マンニトールなどの糖アルコールを含み、好ましくは、シーリング層は、ポリマーを含む。好ましくは、ポリマーは、HPMC E5又はOpadry AMB IIである。
【0054】
本発明の一態様では、本発明のペレットを含むカプセルが提供され、ここで、ペレット
は、本開示を通して記載される特徴のうちの任意のものを有し得る。ペレットを含むカプセルを使用することの鍵となる利点は、それが、異なる数のペレットでのカプセルの可変性の充填を可能にして、各投薬について煩わしい方法で再製剤化し、試験を繰り返さなければならないことなしに、異なる投薬を達成することである。
【0055】
カプセルのサイズは、含有されるペレットの数に従って適応され得、したがって、カプセル中のペレットを取り囲む空の空気を最小化し、次に、空気及び水分が生成物の安定性に影響を与える可能性を最小化し得る。したがって、一実施形態では、カプセルの内側の体積の15%未満、好ましくは、10%未満、より好ましくは、5%未満が空気である。
【0056】
別の態様では、本発明のペレット又はカプセルを含むデバイスが提供され、ここで、ペレット又はカプセルは、本開示を通して記載される特徴のうちの任意のものを有し得る。そのようなデバイスは、特定の個体のための特定の投薬のための個別化された量の分配を可能にする。
【0057】
本発明の一実施形態では、メラトニンは、ペレット、カプセル又はデバイスにおける唯一の活性薬剤である。唯一の活性薬剤によって、ペレット、カプセル又はデバイスが、不眠症の治療において使用され得る他の成分を含有しないことが意味される。あるいは、ペレット、カプセル又はデバイスは、任意の他の状態又は疾患の治療において使用され得る他の成分を含有しない。
【0058】
あるいは、ペレット、カプセル又はデバイスは、第2の活性薬剤を更に含む。第2の活性薬剤は、睡眠の質を改善するのを助ける別の薬剤、例えば、ベンゾジアゼピン又はZ薬(例えば、テマゼパム若しくはゾピクロン)、天然生成物、例えば、バレリアン、ラベンダー、パッションフラワー又はイチョウ、睡眠促進アミノ酸、例えば、l-トリプトファン又はl-テアニン、マグネシウム、鎮静性抗ヒスタミン薬、ドキセピン、アミトリプチリン又はミルタザピン、あるいはOX1及びOX2又はその両方に対する活性を有するオレキシン化合物、例えば、スボレキサントであり得る。あるいは、第2の活性薬剤は、異なる疾患又は状態を治療する活性薬剤であり得る。これは、患者が、睡眠中断を引き起こす疾患、又は異なる疾患若しくは状態、並びに不眠症に苦しんでいるときに有用であり得る。なぜなら、それは、両方の活性薬剤が同じペレット又はカプセルを介して投与されることを可能にするからである。例示的な異なる疾患又は状態には、パーキンソン病、がん、うつ、激しい咳、激痛、又は閉経が含まれる。例示的な第2の活性薬剤には、抗うつ剤、鎮痛剤、鎮咳剤、抗がん剤、抗パーキンソン病剤、エストロゲン、プロゲステロン、コルチコステロイド、特に夜に服用される場合、例えば、改変放出製剤ヒドロコルチゾン微粒剤が含まれる。
【0059】
任意の適切な経路が、ペレット又はカプセルを投与するために使用され得る。好ましくは、投与経路は、経口、直腸、経皮、髄腔内又は非経口(皮下、筋肉内、静脈内及び皮内を含む)投与による。好ましくは、投与経路は、経口投与による。
【0060】
適切には、ペレット又はカプセルは、有効用量で投与され、ここで、有効用量は、0.05~10mg、好ましくは、0.1~5mg、より好ましくは、0.25~3mg、なおより好ましくは、1~2mgのメラトニンである。他の適切な用量は、0.1、0.15、次いで、0.25mgきざみで増加させて2mgまでである。特定の例では、有効用量は、例えば、0.1、0.2、0.5、0.7、0.9、1.0、1.2、1.4、1.5、1.7、1.9又は2.0mgのメラトニンを含む。当業者が本開示から理解するように、有効用量は、1つより多いペレットを又は1つより多いペレットを含むカプセルを投与することによって達成され得る。
【0061】
したがって、本発明は、不眠症を治療する方法であって、上記の実施形態のいずれかの本発明のペレット又はカプセルを、不眠症の治療を必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0062】
本発明はまた、対象の睡眠を支援する方法であって、上記の実施形態のいずれかの本発明のペレット又はカプセルを、睡眠の支援を必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。「睡眠」には、夜間の睡眠開始及び/若しくは睡眠維持並びに/又は早朝覚醒の回避が含まれる。早朝覚醒において、対象は、決して再度眠りに落ちず、ただ早すぎる、覚醒状態への完全移行の通常のプロセスを身体が経ることを表すという点で、睡眠維持とは異なると考えられ得る。一方、睡眠維持については、夜間の覚醒に変動が存在し、これは、そこから患者が最終的に睡眠に戻る長期の覚醒状態への移行を伴って通常生じることの誇張である。
【0063】
治療が進行するにつれて、上記の本発明の様々な態様による使用のための方法、ペレット及び/又はカプセルは、初期療法が患者に施され、次いで、治療が進行するにつれて、有効用量が、患者が治療に対してどのように応答しているかを反映して、改変された治療を提供するように変更される、反復性のプロセスの形態であり得る。これは、その動的な環境において特定の患者の不眠症の最適な治療を維持するのを助ける。
【0064】
使用のための方法、ペレット及び/又はカプセルの1つの特定の態様では、メラトニンの有効用量は増加され得る。これは、例えば、治療が患者に対して期待された又は所望の効果を有しない、すなわち、患者が、療法目標に従って、依然として眠りにつくこと又は睡眠を維持することができない場合に生じ得る。あるいは、別の態様では、メラトニンの有効用量は減少され得る。これは、例えば、治療が患者に対して期待された又は所望の効果を有する、すなわち、患者が、療法目標に従って眠りにつくこと又は睡眠を維持すること、並びに所望されるように目標とされた起床時間及び総睡眠時間を達成することができる場合に生じ得る。患者がこの規則正しい睡眠パターンを達成すると、患者はメラトニンを断ち切られ得る。例えば、メラトニンの1日の投薬量は、1日の投薬量が0mgになる、すなわち、患者が不眠症を治療するためにメラトニンを服用する必要がもはやなくなるときまで、各週(例えば、上記で先に記載される用量きざみで)低下させられ得る。
【0065】
適切には、ペレット又はカプセルは、就寝前に1日当たり1回又は2回、好ましくは、1日当たり1回、服用されるように投与される。
【0066】
適切には、ペレット又はカプセルは、治療の対象の好ましい入眠時間の0~2時間前、好ましくは、30~60分前に投与される。あるいは、患者の不眠症に対する睡眠相コンポーネント後退が存在する場合、治療の対象の好ましい入眠時間の1~2時間前である。
【0067】
典型的には、現在の制御放出メラトニン製剤、Circadinは、食物とともに服用されることを必要とする。対照的に、不眠症ガイドラインは、患者がその就寝前に食べないことを推奨する。しかしながら、本発明のペレットは、それを食物とともに服用することが不要であるような方法で製剤化されている。したがって、本発明の一実施形態では、上記の本発明の様々な態様による使用のための方法、ペレット又はカプセルは、対象に投与され得、ここで対象は、ほぼ同時に食物を食べることを必要とされない。好ましくは、対象は、ペレット又はカプセルが投与される少なくとも30分、好ましくは、少なくとも60分、例えば、少なくとも90分前又は後に食物を食べていない。
【0068】
上記の本発明の様々な態様による使用のための方法及びメラトニンは、本発明の他の態様についての説明において先に記載される好ましい特徴のうちの任意のものを有し得る。
【0069】
本発明はまた、上記のようなペレットを調製するためのプロセスであって、
a)メラトニンを含むコア溶液、ポリマーを含むコーティング層溶液、及びメラトニンを含むIR層溶液を作製することと、
b)コア溶液をペレットに塗布し、次いで、好ましくは、ペレットが45℃以上の温度に達するまで、ペレットを乾燥させることと、
c)コーティング層溶液をペレットに塗布し、続いて、ペレットにすすぎ溶液を噴霧することと、
d)任意選択で、ペレットを、好ましくは、2~6時間、例えば、3~5時間硬化させることと、
e)IR層溶液をペレットに塗布し、次いで、ペレットを乾燥させることと、を含む、プロセスを提供する。
【0070】
適切には、コア溶液及び/又はコーティング層溶液及び/又はIR層溶液の塗布は、噴霧によって行われる。
【0071】
適切には、方法は、水分試験のためにペレットを提出するステップを更に含み得る。「水分試験」によって、サンプルペレットの水分含量が3.0%を超える場合、ペレットがより長く、例えば、少なくとも1分間、例えば、5分間未満乾燥させられることを意味する。次いで、新たなペレットサンプルが収集され、その水分含量が試験される。これは、水分含量が3.0%以下になるまで繰り返される。水分試験ステップは、ステップb)の後及び/又はステップd)の後及び/又はステップe)の後に行われ得る。
【0072】
適切には、方法は、乾燥させられたペレットが多層ふるい振盪機スクリーンを通過させられるステップf)を更に含み得る。好ましくは、ふるいは、20メッシュ(850μm)~35メッシュ(500μm)の穴を有する。
【0073】
適切には、コア溶液は、上記の「コア」セクションに記載されるような賦形剤を更に含み得、かつ/又はコーティング層は、上記の「コーティング層」セクションに記載されるような細孔形成剤を更に含み得、かつ/又はIR層は、上記の「IR層」セクションに記載されるような賦形剤又は流動促進剤を更に含み得る。
【0074】
適切には、方法は、シーリング層をコア及び/又はコーティング層の周りに塗布するステップを更に含み得る。
【0075】
別の態様では、上記の本発明の態様において記載されるプロセスによって形成されたペレット、又は当該ペレットを含むカプセルが提供される。このプロセス又はペレット又はカプセルは、本出願において先に記載される特徴のうちの任意のものを有し得る。
【0076】
実験セクション
実施例ペレット
例示的なペレット製剤を以下の表に示す。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【0077】
実施例ペレット1を、以下のプロセスによって作製した。(残りのペレットを、同じプロセスを使用したが、適切な量及びそれに応じて調整した代替成分を用いて作製した)。
【0078】
材料:
メラトニン、BP、Flamma
微結晶性セルロース、NF/EP/JP/BP、Spheres500、Weissenborn(Germany)
ヒプロメロース2910/5 USP、Dow Chemical
酢酸セルロース、USP、CA398-10 NF/EP、Eastman
ポロキサマー、NF、Kolliphor P188、BASF(USA)
タルク、EP/BP/JP/USP、Emprove、Merck
エタノール95.5%、USP、Pharmco
アセトン、NF、Pharmco-AAPER
精製水
【0079】
溶液調製I-ポリマー溶液を含むコーティング
精製水(17.412kg)を、アセトン(156.712kg)を含有するミキサータンクに添加し、混合物を少なくとも5分間、80±5rpmで攪拌した。ポロキサマー(555.1g)をミキサータンクに添加し、少なくとも5分間、80±5rpmで攪拌した。次いで、酢酸セルロース(10.559kg)をミキサータンクに添加し、少なくとも10分間、80±5rpmで攪拌した。次いで、得られた混合物を、透明な溶液が得られるまで、40±5rpmで攪拌した。
【0080】
溶液調製II-コア溶液
精製水(15.210kg)を含有するステンレス鋼容器に、攪拌器を装備した。攪拌されたをオンにして、ボルテックスを達成し、混合しながら、ヒプロメロース(101.4g)を容器に添加した。一旦ヒプロメロースが均一に分散されると、気泡を回避するために速度を低下させた。溶液が透明になるまで混合を継続した。次いで、混合しながら、エタノール95.5%(5.070kg)をステンレス鋼容器に添加し、溶液がもう一度透明になるまで混合を継続した。混合しながら、メラトニン(202.8g)をステンレス鋼容器に添加し、得られた混合物をそれが透明になるまで攪拌した。
【0081】
溶液調製III-IR溶液
精製水(15.210kg)を含有するステンレス鋼容器に、攪拌器を装備した。攪拌器をオンにして、ボルテックスを達成し、次いで、混合しながら、ヒプロメロース(2.86g)を容器に添加した。一旦ヒプロメロースが均一に分散されると、気泡を回避するために混合速度を低下させた。溶液が透明になるまで混合を継続した。次いで、混合しながら、エタノール(5.070kg)を添加した。溶液が透明になった後、メラトニン(57.2g)を容器に添加し、溶液が透明になるまで攪拌を継続した。
【0082】
薬物層形成
流動床造粒機に微結晶性セルロース(50.310kg)を詰め、次いで、微結晶性セルロースを800m/時、72℃の空気流を使用して流動化した。セルロースペレットの温度をモニターし、それが34℃以上に達したときに、コア溶液(上記の溶液調製IIを参照)を段階的に噴霧した。まず、薬物層形成溶液の一部(3.0kg)をペレットに(噴霧速度300g/分、入口空気温度74℃、空気流900m/時)塗布し、続いて、第2の部分(7.0kg、噴霧速度400g/分、入口空気温度78℃、空気流1000m/時)を塗布した。次いで、溶液の残りを塗布した(以下のパラメータを用いて開始:噴霧速度500g/分、空気流1000m/時、入口空気温度82℃、注:入口空気温度を手動で77~87℃の範囲内で調整して、この最後の噴霧の段階の持続期間を通して31~37℃の生成物温度を維持した)。
【0083】
次いで、得られたペレットを、それが45℃以上の温度に達するまで乾燥させた。
【0084】
注:プロセスのこの段階で、サンプルを水分試験のために提出した。水分含量が3.0%を超える場合、乾燥を5分間以下再開し、次いで、新たなサンプルを収集し、水分試験のために提出する。これを、水分含量が3.0%以下になるまで繰り返す。
【0085】
ポリマーコーティング
ペレットを流動床造粒機中で流動化した(入口空気温度26℃、空気流1000m/時)。一旦ペレットの温度が32℃以下に達すると、ポリマーコーティング溶液(上記のコーティング溶液調製Iを参照)を段階的に噴霧した。まず、ポリマーコーティング溶液の一部(1.7kg)をペレットに(噴霧速度350g/分、空気流1000m/時空気、入口空気温度28℃)塗布し、続いて、第2の部分(4.5kg、噴霧速度450g/分、空気流1000m/時空気、入口空気温度31℃)、続いて、第3の部分(9.0kg、噴霧速度550g/分、空気流1100m/時空気、入口空気温度34℃)、続いて、第4の部分(17.5kg、噴霧速度:650g/分、空気流1100m/時空気、入口空気温度38℃)、続いて、第5の部分(30kg、噴霧速度:750g/分、空気流1200m/時空気、入口空気温度42℃)を塗布した。次いで、ポリマー溶液の残り(噴霧速度:750g/分、空気流1300m/時空気、入口空気温度42℃)を塗布した。一旦ポリマーコーティング溶液全体を塗布すると、ペレットにすすぎ溶液(アセトン(9kg)及び精製水(1kg)から作製した)を1~5分間直ちに噴霧した。
【0086】
硬化
次いで、ペレットの流動化を維持した(空気流1000m/時、生成物温度42~44℃)。ペレットを4時間硬化させた。
【0087】
注:プロセスのこの段階で、別のサンプルを水分試験のために提出した。水分含量が3.0%を超える場合、ペレットを5分間以下乾燥させ、次いで、新たなサンプルを収集し、水分試験のために提出する。これを、水分含量が3.0%以下になるまで繰り返す。
【0088】
IRコーティング
次いで、ペレットを流動床造粒機中で流動化した(空気流1200m/時、入口空気温度72℃)。一旦生成物温度が34℃以上に達すると、ペレットにIRコーティング溶液(上記のコーティング溶液調製IIIを参照)を段階的に噴霧した。まず、IR溶液の一部(3.0kg)を(噴霧速度300g/分、空気流1300m/時、入口空気温度74℃)、続いて、IR溶液の第2の部分(7.0kg、噴霧速度400g/分、空気流1300m/時、入口空気温度78℃)、続いて、溶液の残り(噴霧速度500g/分、空気流1300m/時、入口空気温度82℃、注:入口空気温度をこの段階の間77~87℃の範囲内で調整して、31~37℃の生成物温度を維持した)を噴霧した。
【0089】
次いで、ペレットを乾燥させ、ペレットが45℃以上の生成物温度に達するまで乾燥プロセスを継続した。
【0090】
注:プロセスのこの段階で、別のサンプルを水分試験のために提出した。水分含量が3.0%を超える場合、ペレットを5分間以下乾燥させ、次いで、新たなサンプルを収集し、水分試験のために提出する。これを、水分含量が3.0%以下になるまで繰り返す。
【0091】
次いで、ペレットを100L容器中に排出し、秤量した。
【0092】
次いで、乾燥させたペレットを、多層ふるい振盪機スクリーンを通過させた。認容可能なペレット(20メッシュ(850μm)~35メッシュ(500μm))を収集し、ステンレス鋼のビンブレンダーに添加した。
【0093】
タルク(ペレットが100%の収率で得られた場合は253.5g、そうでなければ、タルク量を、ペレット取得の収率に応じて調整しなければならない)を30メッシュのスクリーンを通してふるいにかけた。粉末を、すでにペレットを含有しているビンブレンダ
ーに添加した。混合物を3分間、11±1.1rpmでブレンドした。
【0094】
ペレットを排出し、分析のために提出した。
【0095】
溶解及び放出プロファイル試験
長期にわたって安定性の維持もしながら、メラトニンの内因性放出プロファイルを模倣する制御放出プロファイルを有するペレット製剤を作製することは困難である。例示的なペレットの安定性及び放出プロファイルを試験するために、以下の溶解試験を行った。
媒質:0.1N HCl
媒質体積:500mL
装置:シンカー付きパドル装置2、50rpm
サンプリング時間0.25、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8時間。各サンプリング時間で、放出されたメラトニンの%を記録した。
サンプリング期間(適切であれば):0、2、3、6及び9ヶ月。
【0096】
結果
図1に示されるように、実施例1は、市販の長期放出錠剤、Circadin(これは、メラトニン産生の内因性パターンを非常によく模倣し、不眠症に対する有効性を臨床的に示すと当該分野において認容されている)の放出プロファイルと一致するメラトニンの溶解放出プロファイルを有する。
【0097】
図2は、試験した各サンプリング期間の後、実施例1の放出プロファイルが、2、3、6及び9ヶ月で、それが0ヶ月であったのと実質的に同じであることを示し、これは、ペレットが少なくとも試験した9ヶ月の期間にわたって安定であることを示す。
【0098】
図3図7は、いくつかの他の実施例ペレットを使用した溶解試験結果を示す。これらを、0.5ヶ月の時点でのみであるが、安定性を試験するためのストレス条件(高温)下で行った。図において見られ得るように、放出プロファイルは、実施例1及びCircadinのものと一致している。
【0099】
結論
本発明のペレットは、高い安定性レベルを有し、少なくとも9ヶ月間貯蔵中に安定なままであり、メラトニンの内因性放出プロファイルに一致する放出プロファイルを有する。したがって、ペレットは、特に不眠症の治療において、医薬として有用である。
【0100】
実施例1の生物学的同等性研究
本研究の目的は、実施例1の安全性及び耐容性を評価し、実施例1とCircadin(RAD Neurim Pharmaceuticals EEC SARLから得た2mg長期放出錠剤、これは、メラトニン産生の内因性パターンを非常によく模倣し、不眠症に対する有効性を臨床的に示すと当該分野において認容されている)との間の生物学的同等性を実証することであった。
【0101】
研究を、46人の健常ヒト対象(男性及び女性の混合)を用いて行った。メラトニン血漿濃度を、タンデム質量分析(LC-MS/MS)分析方法とともに検証済みの液体クロマトグラフィーを使用して測定した。
【0102】
方法論
ベースラインメラトニンプロファイルを、期間1の前に24時間収集した。
治験薬(IMP)の用量を、7日間のウォッシュアウト間隔によって分離した。
【0103】
期間1:対象は、24時間のメラトニンプロファイルを収集するためのベースライン評価の少なくとも11時間前に臨床研究施設に入った(-1日目)。このベースライン評価が完了すると、対象に、1日目に実施例1又はCircadinを投与し、対象は、投与の24時間後、及び全ての投与後手順が完了したときにユニットから出た(2日目)。
期間2、期間3及び期間4:各研究期間において、対象を、1日目の実施例1又はCircadinの投与の少なくとも11時間前から閉じ込めた。対象は、投与の24時間後、全ての投与後手順が完了したときにユニットを出た(2日目)。
各期間において、メラトニンの薬物動態に影響を及ぼし得るいずれもの因子(光曝露を含む)に関して閉じ込め条件を標準化した。
ランダム化スキーマに従って、対象を以下の2つの治療シーケンスのうちの1つに割り当てた:1)T-R-T-R、又は2)R-T-R-T、ここで、「T」は、1つのメラトニン2mg長期放出カプセル(実施例1)からなり、「R」は、1つのCircadin
2mg長期放出錠剤からなる。
IMPを、朝に、経口で、240mLの水とともに、高脂肪高カロリー食事の開始の30分後に投与した。
【0104】
結果
実施例1及びCircadinの投与後の平均ベースラインメラトニン血漿濃度対時間プロファイルを図9に示す。主要な薬物動態パラメータ(Cmax及びAUC0-t)、試験対参照GMR(Test-to-Reference GMR)並びに対応する90%CIは全て、80.00~125.00%の認容範囲内であった。
【0105】
結論
実施例1生成物及びCircadin生成物は、同様に、臨床的に著しい有害事象なしに良好に耐容性を示した。
【0106】
実施例1生成物とCircadin生成物との間の生物学的同等性を評価するために使用した基準は満たされた。主要な薬物動態パラメータについては、全てが認容範囲内であった。したがって、実施例1は、Circadinと生物学的に同等であると考えられ得、したがって、これもまた、メラトニンの内因性パターンを非常によく模倣すると考えられ得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】