IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ハプトゥーユーの特許一覧

特表2024-507276押圧力の強さを測定するためのタッチセンシティブインターフェース
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】押圧力の強さを測定するためのタッチセンシティブインターフェース
(51)【国際特許分類】
   G01L 1/10 20060101AFI20240208BHJP
   G01L 5/00 20060101ALI20240208BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
G01L1/10
G01L5/00 Z
G06F3/01 560
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023551193
(86)(22)【出願日】2022-02-22
(85)【翻訳文提出日】2023-10-20
(86)【国際出願番号】 EP2022054421
(87)【国際公開番号】W WO2022189142
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】2101798
(32)【優先日】2021-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519236125
【氏名又は名称】ハプトゥーユー
【氏名又は名称原語表記】HAP2U
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ハラジ マキシム
(72)【発明者】
【氏名】ルパン マシュー
(72)【発明者】
【氏名】モレロン ミゲル
【テーマコード(参考)】
2F051
5E555
【Fターム(参考)】
2F051AA21
2F051AB04
2F051BA07
5E555AA08
5E555BA01
5E555BA23
5E555BB01
5E555BB23
5E555BC01
5E555CA12
5E555CB12
5E555CB32
5E555CB59
5E555CC01
5E555DA01
5E555DA24
5E555DB20
5E555DC09
5E555DC84
5E555DD07
5E555EA07
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
押す力の強さを測定するためのタッチセンシティブインターフェース。
以下を含むタッチインターフェース:
外部体によって触れることを意図した接触面(10)を規定するプレート(10);
作動信号の関数としてプレート(10)を振動させるように構成された少なくとも一つの作動トランスデューサ(12);
プレートの振動の振幅を検出し、検出された振動振幅に依存する検出信号(Vin)を生成するように構成された少なくとも一つの検出器(11);
入力(21)と出力(22)の間に延び、入力は検出器に連結され、出力は作動トランスデューサに連結される増幅回路(20);
以下のように構成された処理ユニット(30)を含むことを特徴とするインターフェース:
・外部体によって接触面(10)に加えられる押圧力(F)の強度を推定する;
・力の推定強度に応じて、力信号を生成する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含むユーザインタフェース(1)であって、
指又はスタイラスタイプの外部体(9)によって触れることを意図した接触面(10)を規定するプレート(10)と、
作動信号(Vout)の関数として前記プレート(10)を振動させるように構成された少なくとも一つの作動トランスデューサ(12)と、
前記プレートの振動の振幅を検出する、又は検出信号(V)を生成するように構成された少なくとも一つの検出器(11)であって、前記検出信号は検出された振動振幅に依存する前記振動振幅に従って振動し、
入力(21)と出力(22)の間に延在し、前記入力が前記検出器に連結され、前記出力が前記作動トランスデューサに連結される増幅回路(20)と、を備え、
前記インターフェースは以下で特徴付けられ、
前記増幅回路(20)は、入力信号(Vin(t))によって電力供給されるように構成され、前記入力信号は、前記検出信号から確立された発振信号であり、
前記増幅回路は、前記作動トランスデューサ(12)の前記作動信号を形成する出力信号(Vout(t))と、前記作動トランスデューサへの前記出力信号と、増幅された前記入力信号に対応する前記出力信号とをアドレス指定するために増幅ゲイン(g(t))を印加することによって前記入力信号(Vin(t))を増幅するように構成された増幅器(23)を含み、
前記増幅ゲイン(g(t))は、前記入力信号に非線形に依存し、
各検出器(11)、各作動トランスデューサ(12)、及び前記増幅回路(20)は、フィードバックループを形成し、
前記プレート及び前記フィードバックループは、自立発振器を形成し、
前記インターフェースは、処理信号(Sproc(t))、前記入力信号(Vin(t))に依存する前記処理信号、又は前記検出信号(V)により駆動される処理ユニット(30)を含み、
前記処理ユニットは、以下のように構成される。
・前記処理信号(Sproc(t))を基準信号(Sref)と比較し、
・前記比較に基づいて力信号(V)を生成し、前記力信号は、前記プレートの前記接触面に接触する前記外部体によって前記プレートに加えられる押圧力(F)の強度を表す。
【請求項2】
前記基準信号は、前記外部体によって前記プレートに加えられる力がない場合の前記処理信号(Sproc(t))に対応する、請求項1に記載のインターフェース。
【請求項3】
前記処理信号(Sproc(t))は、以下から確立される、請求項1又は2に記載のインターフェース。
・前記入力信号の量特性(V in(t))、前記入力信号の発振振幅を定量化する特性量(Vin(t))、及び/又は
・前記入力信号(Vin(t))の発振周波数(f(Vin))。
【請求項4】
前記増幅ゲインは、前記入力信号(Vin(t))の前記発振振幅を定量化する特性量である前記入力信号の特性量(V in(t))に依存する、請求項1~3のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項5】
前記増幅ゲイン(g(t))は、前記入力信号の前記特性量(V in(t))の関数として減少する、請求項4に記載のインターフェース。
【請求項6】
前記増幅ゲイン(g(t))は、前記入力信号の前記特性量(V in(t))が高いときに前記増幅ゲインがすべて低くなるように、減速項([1-(V in(t)/V max])で重み付けされた最大ゲイン(Gα)を含む、請求項4又は5に記載のインターフェース。
【請求項7】
前記増幅ゲイン(g(t))は、前記入力信号の前記特性量(V in(t))が所定の最小値に達したときに最大となる、請求項4~6のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項8】
前記増幅ゲイン(g(t))は、前記入力信号の前記特性量(V in(t))が閾値(V max)以上の値に達したときに最小となる、請求項4~7のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項9】
前記プレート(10)にスクリーン(15)が取り付けられ、前記プレートの全部又は一部が透明である、請求項1~8のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項10】
前記プレートが20kHz~200kHzの共振振動周波数を示す、請求項1~9のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項11】
少なくとも1つの作動トランスデューサ(12)は、圧電トランスデューサであり、及び/又は
少なくとも一つの検出器(11)は圧電トランスデューサである、請求項1~10のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項12】
制御ユニット(40)を含み、前記制御ユニットは、前記力信号(V)の関数として、前記インターフェースに連結されたデバイス(50)への制御信号をアドレス指定するように構成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項13】
前記外部体と前記プレートとの間の接触点の位置を決定するように構成された位置決め回路を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項14】
前記検出器(11)と前記増幅回路(20)との間に配置されたフィルタ(13)を含み、前記フィルタは、前記増幅回路(20)にアドレス指定された前記入力信号の周波数帯域幅を定義するように構成される、請求項1~13のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項15】
前記プレートは、前記作動トランスデューサ(12)とは異なる少なくとも一つの補助トランスデューサ(14)に連結され、前記補助トランスデューサは、補助電源(18)に連結され、前記補助トランスデューサは、前記プレート(10)を、設定された所定のセットポイント振動振幅に従って、かつ、触覚フィードバック効果を生じるように超音波振動周波数に従って振動させるように構成されている。
前記インターフェースは、前記力信号(V)が所定の閾値を越えるときに、前記補助トランスデューサ又は各補助トランスデューサを作動させるように構成されている、
請求項1~14のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項16】
前記作動トランスデューサ(12)は、スイッチ(16)に連結されており、前記スイッチは、
前記作動トランスデューサ(12)を前記増幅回路(20)に接続して、前記プレートに加えられた力を測定し、又は、
前記作動トランスデューサ(12)を前記補助電源(18)に接続して、前記補助電源がセットポイント信号を前記作動トランスデューサに印加して、所定のセットポイント振動振幅に従って、超音波振動周波数に従って、プレートを振動させ、触覚フィードバック効果を生じるようにする、
請求項1~15のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載のインターフェースのプレートに作用する力を推定する方法であって、前記方法は、
a)前記プレートに押圧力を作用させることにより、前記外部体(9)を前記プレートに適用し、前記外部体は、指又はスタイラス型であり、
b)前記処理ユニット(30)を使用して、前記外部体によって前記プレートに加えられる押圧力の強度を推定する。
【請求項18】
請求項1~16のいずれか一項に記載のインターフェース(1)を使用して、少なくとも1つの作動パラメータ(P)によってパラメータ化される前記デバイス(50)を制御する方法であって、前記方法は、
前記プレートに押圧力を加えることによる前記プレートへの前記外部体(9)を適用し、
前記インターフェースの前記処理ユニット(30)による前記力(F)の強度の決定し、
前記力(F)の前記強度に基づいて、前記インターフェースを介して前記制御信号を生成し、前記デバイスの作動パラメータの値を調整する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターフェースの接触面に接触する外部体によって加えられる押圧力を測定するように構成されたユーザインタフェースである。
【背景技術】
【0002】
現在市販されている多くのデバイスはタッチインターフェースで制御されている。この種のインターフェースは一般的にタッチ面を含み、デバイスを簡単かつインタラクティブに制御できる。当該デバイスは、携帯電話、家庭用電化製品、自動車のデバイス、又は業務用ツールである。
【0003】
現在のタッチスクリーンの殆どは、静電容量効果により指の接触を検出できるセンサを含んでいる。そのために、これらのスクリーンは、透明導電性メッシュに静電容量結合された接触面を含んでいる。これにより、ユーザの指で触れたスクリーンのゾーンを特定できる。接触の位置の特定は、指の位置やスクリーンに沿った指の軌道、又は速度や加速度などの指の移動の動的パラメータによってもデバイスを駆動するのに十分効率的である。しかし、静電容量検出は、スクリーンの接触面上の指の接触の特定には効率的だが、指によって加えられる力を定量化することはできない。接触検出は、オールオアナッシング型の検出であり、指の接触又は非接触のみを判定する。
【0004】
米国特許第10860107号には、振動するタッチインターフェースに加えられる押圧力の強度を推定することを可能にするタッチインターフェース及び方法が記載されている。タッチインターフェースは剛性プレートを含み、後者は作動トランスデューサによって振動させられる。作動トランスデューサは、予め設定された振幅レベルのセットポイント振幅に従ってプレートの振動を発生させるようにパラメータ化される。プレート上での指の押圧は、セットポイント振幅に対する振動振幅の変化につながり、これにより押圧を検出し、プレート上での押圧によって及ぼす力を定量化することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第10860107号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者らは、本特許に記載されたアプローチが信頼できることを見出した。しかしながら、いくつかの用途は、有意な測定ダイナミックレンジ、言い換えれば測定範囲の拡張が要求される。例えば、デバイスの作動パラメータの値を決定し、この値が拡張された範囲内で変化することが要求される用途である。本発明者らは、タッチインターフェースに加えられる押圧力の強度を推定することを可能にするタッチインターフェースを設計しており、これは、強化された測定ダイナミックレンジを示すものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の主題は、以下を含むインターフェースである。
外部体によって触れることを意図した接触面を規定するプレートと、
作動信号の関数として前記プレートを振動させるように構成された少なくとも一つの作動トランスデューサと、
前記プレートの振動の振幅を検出する、及び検出信号を生成するように構成された少なくとも一つの検出器であって、前記検出信号は検出された振動振幅に依存する前記振動振幅に従って振動し、
入力と出力の間に延在し、前記入力が前記検出器に連結され、前記出力が前記作動トランスデューサに連結される増幅回路と、を備え、
前記インターフェースは以下で特徴付けられ、
前記増幅回路は、入力信号によって電力供給されるように構成され、前記入力信号は、前記検出信号から確立された発振信号であり、
前記増幅回路は、前記作動トランスデューサの前記作動信号を形成する出力信号と、前記作動トランスデューサへの前記出力信号と、増幅された前記入力信号に対応する前記出力信号とをアドレス指定するために増幅ゲインを印加することによって前記入力信号を増幅するように構成された増幅器を含み、
各検出器、各作動トランスデューサ、及び前記増幅回路は、フィードバックループを形成し、
前記インターフェースは、処理信号、前記入力信号に依存する前記処理信号、又は前記検出信号により駆動される処理ユニットを含み、
前記処理ユニットは、以下のように構成される。
・前記処理信号を基準信号と比較し、
・前記比較に基づいて力信号を生成し、前記力信号は、前記プレートの前記接触面に接触する前記外部体によって前記プレートに加えられる押圧力の強度を表す。
【0008】
好ましくは、前記増幅ゲインは、前記入力信号に非線形に依存する。
【0009】
従って、前記プレート及び前記フィードバックループは、自立発振器を形成することができる。
【0010】
一実施形態によれば、前記基準信号は、前記外部体によって前記プレートに加えられる力がない場合の前記処理信号に対応する。
【0011】
処理信号は、以下から確立することができる。
入力信号の特性量、即ち入力信号の発振振幅を定量化する特性量;
及び/又は入力信号の発振周波数。
【0012】
前記処理信号は、以下から確立される。
前記入力信号の量特性、前記入力信号の発振振幅を定量化する特性量、及び/又は
前記入力信号の発振周波数)。
【0013】
一実施形態によれば、前記増幅ゲインは、前記入力信号の前記発振振幅を定量化する特性量である前記入力信号の特性量に依存する。前記増幅ゲインは、前記入力信号の前記特性量の関数として減少することができる。
【0014】
前記増幅ゲインは、前記入力信号の前記特性量が高いときに前記増幅ゲインがすべて低くなるように、減速項で重み付けされた最大ゲインを含むことができる。
【0015】
前記増幅ゲインは、前記入力信号の前記特性量が所定の最小値に達したときに最大となることができる。
【0016】
前記増幅ゲインは、前記入力信号の前記特性量が閾値以上の値に達したときに最小となることができる。
【0017】
一実施形態によれば、前記プレートにスクリーンが取り付けられ、前記プレートの全部又は一部が透明である。
【0018】
前記プレートが20kHz~200kHzの共振振動周波数を示すことができる。
【0019】
少なくとも1つの作動トランスデューサは、圧電トランスデューサとすることができる。少なくとも一つの検出器は圧電トランスデューサとすることができる。
【0020】
インターフェースは、制御ユニットを含むことができ、前記制御ユニットは、前記力信号の関数として、前記インターフェースに連結されたデバイスへの制御信号をアドレス指定するように構成されている。
【0021】
インターフェースは、前記外部体と前記プレートとの間の接触点の位置を決定するように構成された位置決め回路を含むことができる。
【0022】
インターフェースは、前記検出器と前記増幅回路との間に配置されたフィルタを含むことができ、前記フィルタは、前記増幅回路にアドレス指定された前記入力信号の周波数帯域幅を定義するように構成される。したがって、入力信号は、検出信号のフィルタリングから得られる。
【0023】
一実施形態によれば、
前記プレートは、前記作動トランスデューサとは異なる少なくとも一つの補助トランスデューサに連結され、前記補助トランスデューサは、補助電源に連結され、前記補助トランスデューサは、前記プレートを、設定された所定のセットポイント振動振幅に従って、かつ、触覚フィードバック効果を生じるように超音波振動周波数に従って振動させるように構成されている。
前記インターフェースは、前記力信号が所定の閾値を越えるときに、前記補助トランスデューサ又は各補助トランスデューサを作動させるように構成されている。
【0024】
一実施形態によれば、前記作動トランスデューサは、スイッチに連結されており、前記スイッチは、
前記作動トランスデューサを前記増幅回路に接続して、前記プレートに加えられた力を測定し、又は、
前記作動トランスデューサを前記補助電源に接続して、前記補助電源がセットポイント信号を前記作動トランスデューサに印加して、所定のセットポイント振動振幅に従って、超音波振動周波数に従って、プレートを振動させ、触覚フィードバック効果を生じるようにする。
【0025】
本発明の第2の課題は、本発明の第1の課題に係るインターフェースのプレートに作用する力を推定する方法であって、前記方法は、
a)前記プレートに押圧力を作用させることにより、前記外部体を前記プレートに適用し、
b)前記処理ユニットを使用して、前記外部体によって前記プレートに加えられる押圧力の強度を推定する。
【0026】
本発明の第3の主題は、本発明の第1の主題によるインターフェースを使用して、少なくとも1つの作動パラメータによってパラメータ化される前記デバイスを制御する方法であって、前記方法は、
前記プレートに押圧力を加えることによる前記プレートへの前記外部体を適用し、
前記インターフェースの前記処理ユニットによる前記力の強度の決定し、
前記力の前記強度に基づいて、前記インターフェースを介して前記制御信号を生成し、前記デバイスの作動パラメータの値を調整する。
【0027】
インターフェースは、特にタッチインターフェースであることができる。
【0028】
外部体は、指又はスタイラスであることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、以下に列挙された図に関連して、以下の説明で提示される例示的な実施形態の説明を読むことによってよりよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1A】タッチインターフェースの第1の実施形態を示す。
図1B】タッチインターフェースの第1の実施形態を示す。
図1C】タッチインターフェースの第1の実施形態を示す。
図1D】タッチインターフェースの第1の実施形態を示す。
図1E】タッチインターフェースの第1の実施形態を示す。
図2A】本発明によるインターフェースを実装することによって力の強度を推定する方法の主要なステップを概略的に示す。
図2B】フィードバックループに結合されたプレート上での持続自己振動領域の確立を示す。
図2C図2Bの詳細である。
図2D図2Dは、上部と下部を含む。上部2Dsupは、インターフェースに加えられた押圧力(単位:ニュートンN)の経時的な傾向をガウス形式で表す。下部2Dinfは、図2Dsupにプロットされた時間傾向に従うことにより、異なる印加力強度について、時間(x軸)の関数として、本発明によるタッチインターフェース(y軸)によって生成された異なる力信号を示す。各力信号は、時間の関数として印加された力の強度を表す。
図2E】増幅回路の入力信号の二乗平均平方根値の関数として、増幅ゲインの減速項の傾向を示す。
図2F】線形挙動(曲線a)と非線形挙動(曲線b)の場合に、振動振幅の関数として、プレートの振動の減衰を模式的に示す。
図3A】実験試験を実行するために使用されるインターフェースを模式的に示す。
図3B】実験試験中に時間の関数としてインターフェースに加えられる異なる力強度を示す。
図3C】加えられる力の強度の関数として異なる処理信号を示す。処理信号は、入力信号の有効振幅である。
図3D】加えられる力の強度の関数として異なる処理信号を示す。処理信号は、増幅ゲインである。
図3E】加えられる力の強度の関数として異なる処理信号を示す。処理信号は、入力信号の周波数である。
図3F】インターフェースに加えられた力の強度の関数として測定された種々の力信号を表している。図の各点は力強度と力信号の対に対応する。図3Fでは、力信号はパラメータnでパラメータ化された3つの異なる増幅ゲインを考慮して決定された。また、従来技術の構成を実施することによって得られた力信号も示される。
図3G】指数調整関数を考慮して、図3Fの点群の雲の調整曲線を示す。
図4A】タッチインターフェースの第2の実施形態を示し、タッチインターフェースは静電容量式スクリーンを含む。
図4B】タッチインターフェースの第2の実施形態を示し、タッチインターフェースは静電容量式スクリーンを含む。
図4C図4Aに関連して説明されるタッチインターフェースの実施例を示す。
図4D図4Bに関連して説明されるタッチインターフェースの実施例を示す。
図5A】インターフェースから触覚フィードバックを誘導することを可能にする作動トランスデューサを含むインターフェースの実施例を概略的に示す。
図5B図5Aに関連して説明される実施例の変形である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1A図1Eは、本発明によるインターフェース1の一例を示す。インターフェースは、外部体9によって接触されるように意図されたプレート10を含む。この用途で示される例では、外部体9は指であり、想定される殆どの用途に対応する。又は、外部体9は、スタイラス、又はプレート10上で作動することを可能にする任意の手段であってもよい。
【0032】
インターフェースは、デバイス50に連結される。デバイス50は、非限定的に、通信デバイス、コンピューティングデバイス、機械、家庭用電気デバイス、又は車両のダッシュボードとすることができる。デバイス50の作動は、少なくとも一つの作動パラメータによって制御される。タッチインターフェース1は、デバイス50の作動パラメータの値を設定するためのものである。
【0033】
プレート10は、設定ゾーン10’を備え、指9による押圧の影響下でパラメータを設定するためのものである。種々の用途が可能であり、
インターフェースを押して、特定の力の強さを超えると、インターフェースはインタラクティブメニュー又は仮想設定ボタンを表示でき、
インターフェースを押す力の特定のしきい値を超えると、インターフェースの仮想ボタンが作動可能になり、パラメータを設定でき、
インターフェースを押す力の特定のしきい値を超えると、インターフェースはクリック効果などの触覚フィードバックを生成できる。
【0034】
別の可能な用途では、設定ゾーンで指がプレートを押すと、パラメータの値が徐々に増加する。デバイスは、例えば、車両のマルチメディアシステムである。パラメータは、例えば、マルチメディアシステムの音量である。圧力が大きいほど、音量は大きくなる。
【0035】
プレート10は剛性である。外面10と内面10との間に延在する。外面10は、指9によって接触されることを意図した接触面を形成する。内面10と外面10は、好ましくは互いに平行に延在する。外面10と内面10との間の距離は、プレートの厚さeを規定する。プレートの厚さeは、好ましくは超音波振動周波数に従って、プレート10の振動を可能にするように寸法決定される。プレート10の厚さeは、好ましくは10mm未満、さらには5mm未満である。厚さeは、材料の性質及びその機械的性質(剛性、硬さ)の関数として調整される。例えば、ガラス又はプレキシガラスのような材料の場合、1~5mmである。
【0036】
示される例では、内面10及び外面10は平坦であり、これは製造が最も簡単な構成に対応する。プレートは、横軸Xに平行に幅lだけ延在し、縦軸Yに平行に長さLだけ延在する。長さL及び幅lは、5cmから数十cmの間、例えば30cm、又はそれ以上であってもよい。横軸X及び縦軸Yは、主平面PXYを規定する。他の例では、内側面10及び/又は外側面10は湾曲してもよい。プレート10の表面積は、好ましくは1cmより大きく、10cm又は50cmであってもよい。
【0037】
プレート10は、ガラス、ポリマー、木材、金属、又は半導体、例えばシリコンなどの硬質材料によって形成される。プレート10は、透明又は不透明でもよい。プレート10は、不透明部分及び透明部分を含むことができる。
【0038】
この例では、プレート10は、横軸Xに従って、第一横方向境界10及び第二横方向境界10によって区切られる。
【0039】
プレートは、以下に述べるように、特に自発振動に従って、自立的に振動するように意図されている。自発振動とは、作動システム、特に振幅及び/又は周波数セットポイントにアドレス指定されたセットポイントの関数として最初に規定されていない振動を意味すると理解される。第一横方向境界10の近傍において、プレート10は、一つ以上の検出器11に連結される。「近傍」とは、好ましくは2cm未満の距離にあることを意味すると理解される。この例では、各検出器11は、センサとして使用される圧電トランスデューサである。各検出器11は、プレート10上でモータ作動を持たないが、サンプリング周波数に従ってプレートの振動振幅の検出を可能にする。サンプリング周波数は、例えば、数kHz、数十kHz、又は数百kHzに等しい。
【0040】
第二横方向境界10の近傍では、一つ以上の作動トランスデューサ12がプレート10に連結される。
【0041】
作動トランスデューサ12は、電気的作動信号によって作動されるように構成される。作動信号の影響下で、作動トランスデューサは、プレート10に圧力を加え、プレートの局所的な変形、例えばプレートに対して直角の方向に生じるようにする。作動信号が周期的である場合、プレート10の変形は周期的であり、振動19が形成される。振動は、例えば、プレートを介して形成される曲げ波によって発生することができる。曲げ波は、定在波又は進行波でもよい。他の可能性では、振動は、曲げ波以外の波、例えば圧縮波であることができる。振動19の一例を図1C及び図1Dに概略的に示す。
【0042】
検出器11及び作動トランスデューサ12のプレート10の境界における配置は、必要条件ではない。検出器又はトランスデューサは、例えば、列の形態、プレートの中央、マトリックスの形態、又は定在波の場合の振動アンチノードとして有利に選択される位置等の他の構成に従って配置することができる。振動アンチノードの位置は、シミュレーション又は事前の実験的特性評価によって決定することができる。
【0043】
各検出器11及び/又は各作動トランスデューサ12は、二つの電極間に配置された圧電材料、例えばAlN、ZnO又はPZTを含む圧電タイプのトランスデューサとすることができる。例えば、基準PZT406とすることができる。検出器11又は作動トランスデューサ12は、圧電材料が、一つ以上の薄い層の形で、偏光電極間に堆積されるようにすることができる。
【0044】
あるいは、検出器又は作動トランスデューサは、例えば、MEMS(微小電気機械システム)型又は電気制限型若しくは磁気制限型の電気機械共振器とすることができる。
【0045】
インターフェース1は、少なくとも一つの検出器11及び作動トランスデューサ12に連結された増幅電子回路20を含む。増幅電子回路の機能は、図1Bから図1Eに関連して説明される。この例では、増幅電子回路20は、プレート10の下に配置される。
【0046】
タッチインターフェース1は、外部体9によるプレート10への押圧力を推定する処理ユニット30を備えている。処理ユニット30の機能を図1B図1Eに関連して説明する。
【0047】
タッチインターフェース1は、インターフェースによって駆動されるデバイス50を駆動するための制御ユニット40を含む。この例では、制御ユニット40は、プレート上の指9の作動によって得られる作動パラメータの値をデバイス50に送信する。制御ユニット40は、処理ユニット30から生じる力レベルの関数として制御信号を確立できるように、マイクロプロセッサを含むことができる。
【0048】
図1Bは、タッチインターフェースの断面図を示す。増幅回路20は、入力21と出力22との間に延在する。増幅回路の入力は、少なくとも一つの検出器11に連結される。増幅回路の出力22は、少なくとも一つの作動トランスデューサ12に連結される。増幅回路20は、ある瞬間tにおいて検出器11によって供給される入力信号Vin(t)を増幅し、次の瞬間t+dtにおいて以下のような出力信号Vout(t+dt)を確立することを意図した増幅器23を含む。
ここで、g(t)は増幅ゲインに対応し、dtはサンプリング周波数に依存する。より具体的には、dtはサンプリング周波数の逆数である。
【0049】
増幅回路20からの出力信号Vout(t+dt)は、瞬間t+dtにおける作動トランスデューサ12の作動信号を形成する。
【0050】
増幅ゲインは、例えば、次のようなものである。
ここで、
g(t)=Gα[1-(V in(t)/V max]は、増幅ゲインであり、
Gは、「臨界ゲイン」と呼ばれるゲインであり、
αは、厳密に1より大きい正の実数であり、最大ゲインGαの値を調整することができ、最大ゲインは正であり、
nは、厳密に正の実数であり、
in(t)は、Vin(t)の正の特性量であり、
in(t)は、例えばVin(t)の二乗平均平方根(RMS)値の推定、又はVin(t)の振動振幅の推定であり、
in(t)は、Vin(t)から1周期または数周期、例えば10~100周期を考慮してから計算することができる。
あるいは、V in(t)は、|Vin(t)|と等しくすることもできる。
より一般的に、特性量は、周期信号の振動振幅を定量化できる量と理解される。
maxは、g(t)=0を超えるV in(t)の最大しきい値であり、
[1-(V in(t)/V max]は減速項であり、その増幅ゲインに対する影響を以下に述べる。
【0051】
残りの説明では、非限定的な方法でV in(t)はVin(t)の2乗平均平方根値である。
【0052】
信号VinとVoutは、プレートの振動のため、交互信号(即ち振動)であり、量Vin(t)とVout(t)は、各瞬間tの瞬間信号に対応する。入力信号Vinは、検出器11からの検出信号Vから形成される。この例では、入力信号Vinが検出信号Voutに対応し、即ち、Vin=Vである。他の可能性によれば、入力信号Vinは検出信号Voutから確立される。例えば、以下に説明するように、フィルタリングされた検出信号とすることができる。パラメータα、n、V maxは、増幅ゲインg(t)、即ち、Vin(t)の関数としてのVout(t+dt)の変動範囲を調整することを可能にする。
【0053】
パラメータαとnは、力測定システムの応答、即ち、図3F及び3Gに関連して以下に説明する応答を調整することを可能にする。
【0054】
in(t)が低くなるほど、増幅ゲインg(t)は最大ゲインGαに近づく傾向がある。最大ゲインに達するのは、V in(t)が所定の値(この例では0)に達したときである。V in(t)がVmaxに向かうとき、増幅ゲインg(t)=Gα[1-(V in(t)/V max]は減少し、ここでは0に等しい最小値に向かう。したがって、増幅ゲインg(t)はV in(t)の減少関数である。
【0055】
本発明の重要な側面は、当該(又は各)検出器11、増幅回路20及び当該(又は各)トランスデューサ12が、プレート10に連結されたフィードバックループを形成することである。検出器11がプレートの振動を検出すると、検出信号V(t)が生成され、そこから増幅回路20の入力信号Vin(t)が形成され、RMS値が入力信号V in(t)は増幅回路20によって増幅される。入力信号Vin(t)は、V in(t)<V maxであることを条件として、増幅回路20によって増幅される。増幅回路20は、出力信号Vout(t+dt)=g(t)Vin(t)を確立し、後者は作動トランスデューサ12に送られる。その後、プレート10とフィードバックループは自立発振器として作動し、振動は安定化された振幅に従って維持される。プレートでのエネルギー損失(振動の減衰)又はプレート/検出器又はプレート/トランスデューサのインターフェースでのエネルギー損失は、増幅回路20によって補償され、後者は外部電源によって電力供給される。従来技術で説明したインターフェースとは反対に、プレートは所定のセットポイント振幅又は周波数に従って振動するわけではないことに留意されたい。力の強度を測定することを目的とする場合、プレートの作動トランスデューサは、プレートをセットポイント振幅又は周波数に従って振動させるようには制御されない。プレートは、プレートとフィードバックループによって形成された発振器によって自己維持される振動から生じる自発振幅に従って振動する。
【0056】
他の機械システムと同様に、プレートには固有の振動モード(共振周波数と振幅)がある。プレートは、材料、プレートの寸法、当該(又は各)作動トランスデューサ12及び各検出器11の位置、ならびにフィードバックループを形成する電気回路に依存して、共振周波数に従って自発的に振動に入る。プレートの共振周波数は、超音波であることが好ましい。これにより、ユーザがインターフェース又はプレートに触れても振動が聞こえなくなる。共振周波数は20kHz~200kHzが好ましい。
【0057】
あるいは、プレートは、一つ以上の作動トランスデューサ12のプライミングによって振動に入ることができる。この代替案によれば、振動を開始するように、例えば正弦波のような短いプライミング信号がアドレス指定される。後者はその後、フィードバックループの作用により自己維持される。プライミング信号は、増幅回路20によって生成することができる。プライミング信号の周波数は、プレートの振動の周波数に関するモデリング又は先験的に基づいて、事前に定義されることが好ましい。
【0058】
1つの可能性によれば、既存の電子回路との統合の容易さの理由から、振動周波数を課すことができる。
【0059】
臨界ゲインGの値は、実験的フィードバック又は試験に基づいて決定することができる。これは、式(2’)に関連して記述されているように、一定の(即ち、Vin(t)に依存しない)増幅ゲインglinを使用することによって、信号Vin(t)が一定の時間窓にわたって安定した振幅を有する値に対応する。一定の増幅ゲインを実装することによって、Vout(t+dt)とVin(t)との間の関係は線形である。
【0060】
つまり、Gは、線形増幅ゲインglinを実装するシステムが発振されるglinの最小値を指定できる。
【0061】
テスト段階では、(2’)で説明した線形関係を使用して、プレートとフィードバックループによって形成されるシステムが発振器として作動するように、臨界ゲインGの値を決定できる。信号Vin(t)の振幅はゼロではない値に達し、時間ウィンドウにわたって一定で安定する。この臨界ゲインGの値は、(2)で説明した増幅ゲインg(t)に使用できる。
【0062】
あるいは、式2で説明した増幅ゲインg(t)に基づいて振動系を直接使用し、α=1で振動するGの最小値を探索することにより、臨界ゲインGの値を試験に基づいて決定することができる。
【0063】
あるいは、信号Vin(t)が一定であり、一定の時間窓にわたって安定したゼロ以外の振幅に達するまで、異なる値のGαを連続して試験することもできる。この場合、ゲインg(t)は臨界ゲインGに向かう傾向がある。
【0064】
発振器が自己発振領域で作動する場合、(2)で説明した増幅ゲインg(t)を考慮すると、g(t)がGに向かう傾向がある。
【0065】
自己持続的な自己発振領域では、振動の機械的エネルギーは、プレート内で散逸し、増幅回路によって注入される電気エネルギーによって補償されます。後者は、振動を維持するために必要なエネルギーを提供する。
【0066】
式(2)では、パラメータαは乗算係数に対応しており、最大ゲインGαが、システムがまだ振動するための臨界ゲインGよりも十分に大きい。パラメータαは、例えば1から10の間にあることができる。
【0067】
式(2)では、項[1-(V in(t)/V max]は減速項であり、増幅ゲインg(t)をV in(t)の値の関数として調整することができる。減速項は一般的に0と1の間にある。V in(t)の値が高いと、それはすべて低くなる。減速項は、自己持続振動と呼ばれる自己振動の安定性を得ることを可能にする。自己持続振動は、外乱が存在しない場合、振幅が統計的変動の範囲内で安定である、又はそのように考えられる振動を意味すると理解される。自己持続振動の例は、以下に説明する図2Cに示される。
【0068】
したがって、増幅ゲインg(t)は、振動を誘発する最大ゲインGαと、時間的に安定な振動を得ることを可能にする減速項[1-(V in(t)/V max]からなる。
【0069】
式(2)で説明したものとは異なる解析形態を示す増幅ゲインも得られる。例えば、好ましくはV in(t)に関して非線形な別の増幅ゲインg(t)を使用することが可能である。一般的に、増幅ゲインg(t)は、V in(t)に関して非線形であり、V in(t)の関数として減少する、正の増幅項、この場合は最大ゲインGα及び減速項[1-(V in(t)/V max]を含むことが好ましい。これにより、プレートに歪みが加えられていない場合に、自己持続的な振動、即ち、時間的に安定な振幅の振動を得ることが可能となる。
【0070】
外部体がプレート10に押圧力を加えると、プレートの自己振動が乱される。その結果、検出器11によって検出信号V(t)の変化が検出される。その結果は、入力信号の変化が検出信号に依存する。検出信号V(t)又は入力信号Vin(t)の変動は、処理ユニット30によって利用される。処理ユニット30は、入力31及び出力32を含む。処理ユニットは、処理信号Sproc(t)によって電力供給される。一般的に、処理ユニットにアドレス指定された処理信号は、入力信号Vin(t)又は検出信号V(t)に依存する。この例(図1B、1C、1D)では、処理信号Sproc(t)は入力信号Vin(t)の特性量V in(t)であり、特性量は、例えばRMS値であり、Sproc(t)=V in(t)である。
【0071】
また、処理信号Sproc(t)は、出力信号Vout(t+dt)の特性量V out(t+dt)であってもよく、後者は増幅された入力信号に対応する。また、処理信号Sproc(t)は、増幅ゲインg(t)であってもよい。また、処理信号Sproc(t)は、入力信号の周波数であってもよい。一般的に、処理信号Sproc(t)は、Vin(t)から決定され、例えば、Vin(t)の特性量V in(t)から決定される。V in(t)は、一般的に、印加された力の強度Fの単調関数である事実が利用される。1つの可能性によると、Sproc(t)は、Vin(t)の周波数に依存する。加えられた力の強度の関数として、Vin(t)の周波数が特に単調関数に従って変化する可能性があるという事実が使用される。
【0072】
処理ユニット30は、処理信号Sproc(t)と基準値Srefとの間の比較を可能にするコンパレータ33を含む。この例では、比較は、比Sproc(t)/Srefであり、差であってもよい。コンパレータ33は、Sproc(t)とSrefとの比較を表す力信号Vを生成する。力信号Vは、Sproc(t)/Srefに等しいか比例し、プレート10上の指9によって加えられる力を表す。好ましくは、必要条件ではないが、力信号Vと押圧力の強度Fとの間の関係は線形である。
【0073】
図1Cは、基準構成におけるプレート10を示す。プレートに力は加えられていない。この表現では、振動19の振幅が誇張されている。実際には、プレートの振動の振幅は数μm又は数十μmであり、典型的には0.1μmから50μmの間である。初期振動に続いて、プレートとフィードバックループによって形成された発振器がバランスをとり、プレートは自由で自立した安定な振動モードに入る。自立振動のトリガーは、インターフェース1の移動に伴うプレートの制御されない振動とすることができる。また、フィードバックループを形成する電子回路内の電子ノイズによって誘発される振動であってもよい。次いで、電子ノイズの効果は増幅器によって増幅され、これは作動トランスデューサ12の作動及びプレートの振動につながる。
【0074】
基準構成では、プレートは、徐々に自発的に振動の振幅及び周波数によって特徴づけられる安定化及び自立化された基準作動領域に達する。そして、検出器11から生じる信号Vin(t)のRMS値は、処理ユニット30に記憶される基準値Srefに達する。したがって、基準値Srefは、ユーザがインターフェースを押さない場合の、プレートが自発的に振動することによって生じる。これは所定の値ではない。したがって、一般的にSrefは、プレートに押圧が加えられていない場合のSproc(t)の値に対応する。
【0075】
図1Dは、指9がプレート10を押す測定構成を示す。指によって加えられた押圧力は、プレート10の振動振幅19の減衰によって反映される。これは、検出器11から生じる信号のRMS値V in(t)の減少につながる。指との接触は、作動トランスデューサ、プレート及びセンサシステムの伝達関数を変更する。フィードバックループの影響下で、発振器は新しい作動点で安定化される。その結果、指の押圧によって修正された発振器に対応する新しいRMS値V in(t)である。比較Sproc(t)/Sref=V in(t)/Srefは、プレート上の指によって加えられた押圧力の強度を定量化することを可能にする。
【0076】
本発明の重要な側面は、プレートとフィードバックループが自立発振器を形成することである。V in(t)が減少した場合、プレートに加えられた押圧の影響下で、増幅回路20は、検出器11によって測定可能な振動を維持することを可能にする。発振器は、プレートに加えられた押圧が高い場合に、低レベルを含めて測定可能な値V in(t)を得ることを可能にする。増幅回路20によって維持される振動は、広いダイナミックレンジに従って力の強度を測定することを可能にする。本発明の非常に有利な側面の一つは、図3F及び3Gに関連して以下に説明するように、測定ダイナミックレンジ又は感度を優先するように、パラメータnがデバイスの応答を調整することを可能にすることである。
【0077】
一つの可能性によれば、フィルタ13は、当該センサ(又は各センサ)と増幅回路20との間に配置される。これは、許容可能な振動周波数の帯域幅を定義するためのバンドパスフィルタとすることができる。このようなフィルタを使用することにより、フィルタの帯域幅外の周波数における自己発振の確立を回避することが可能となる。図1C及び図1Dには、任意のフィルタ13が示されている。次に、入力信号Vin(t)はフィルタリングされた検出信号V(t)に対応する。
【0078】
図1Eに示される変形例によれば、処理ユニット30は増幅電子回路20から生じる信号Vout(t+dt)によって電力供給される。この場合、処理ユニット30は、Sproc(t+dt)=V out(t+dt)のRMS値と基準値Srefとの比較を行う。コンパレータ33は、Sproc(t+dt)とSrefとの比較を表す力信号Vを生成する。先に説明したものと同様の方法で、プレートに加えられた力を表す力信号Vは、Sproc(t)/Srefと等しい又は比例する。
【0079】
実施形態にかかわらず、基準値Srefは、プレートに力が加えられていない場合の処理信号Sproc(t)に対応することができ、後者は安定な自己振動領域に従って振動する。
【0080】
図2Aは、プレートに加えられた力を推定する方法の主なステップを示す。
【0081】
ステップ100:検出器11によって瞬時tに検出された信号V(t)からの入力信号Vin(t)の瞬時値を測定する。
【0082】
ステップ110:増幅回路による値Vout(t+dt)=g(t)Vin(t)を計算する。
【0083】
ステップ120:信号Vout(t+dt)を使用して作動トランスデューサに電力を供給し、その後、ステップ100から120を繰り返す。
【0084】
ステップ100~120をプレートに押圧なしに実行される場合、前述の自立振動の影響を受けてRMS値V in(t)は自然に安定した基準値Vrefに達する。この基準値Vrefは、処理ユニット30にて記憶することができる。前述したように、ステップ110は、入力信号Vin(t)のRMS値V in(t)の計算を想定することができる。あるいは、増幅ゲインg(t)は、RMS値とは異なる入力信号Vin(t)の特性量を使用することができる。それは、例えば、Vin(t)の振動振幅又はVin(t)の絶対値とすることができる。
【0085】
図2Bは、自立振動モードにおける作動レジームの準瞬時に設定される様子を示している。x軸は時間(秒単位)であり、y軸は検出器(ボルト単位)によって測定された振動の振幅に対応する。t=0の瞬間から、電子ノイズの影響下で、プレートとフィードバックループによって形成された発振器は、安定な、又は安定とみなすことができる振幅Vrefに従って、自己振動領域に入る。図2Cは、短い時間範囲による図2Bの詳細である。
【0086】
ステップ130:処理信号Sproc(t)を形成する。前述したように、処理信号Sproc(t)は、Vin(t)から確立される。これは、Vin(t)の特徴量V in(t)又はVin(t)の周波数から顕著に確立することができる。「特性量」という用語は、周期信号の振動の振幅を定量化する量を意味することに留意されたい。この例では、処理信号Sproc(t)は入力信号のRMS値V in(t)である。他の可能性としては、最大値にすることもできる。あるいは、ステップ130の間に、出力信号Vout(t+dt)の特性量V out(t+dt)から処理信号Sproc(t)を確立する。
【0087】
ステップ140:押圧力の強度を推定する。
【0088】
ステップ140は、処理ユニット30によって実行され、処理ユニットは、ステップ130及びから生じる特性量Srefの関数として力信号Vを計算する。力信号Vは、プレートに加えられる押圧力の強度Fを表す。VとFとの間の変換は、較正によって得ることができる。力信号Vは、Vin(t)(又はVout(t+dt))又は他の特性量(例えば、最大値)のRMS値から確立することができる。この例では、処理信号Sproc(t)は、入力信号V in(t)のRMS値である。力信号Vは、処理信号Sproc(t)と基準信号Srefとの比較から生じ、後者は基準値Vrefに等しく、基準値は、プレートに力が加えられていない場合のV in(t)の値に対応する。
【0089】
ステップ150:(任意)デバイス50の作動パラメータの値を決定する。
【0090】
ステップ150は、制御ユニット40によって実行される。加えられた力に基づいて、インターフェース1によって制御されるデバイス50の作動パラメータを設定することができる。作動パラメータは、関連する力強度を有する値の範囲で決定することができる。作動パラメータは、例えば、押圧がない場合は0、特定のしきい値を超える押圧がある場合は1、のような2つの可能な値のみで構成することができる。
【0091】
図2Dは、長さ100mm、幅10mm、厚さ1mmのアルミニウム板上で、α=1.5とn=3を考慮して、前述の増幅ゲインg(t)の実装のシミュレーションを示している。押圧は、ガウス分布のピークにてニュートン(N)単位で測定され、0N(0ニュートン-押圧がない)と8Nの間にある異なる最大力強度Fに従って、t=0.125sを中心とするガウスの形を取ってシミュレーションされた。図2Dsupは、プレートに加えられた力の経時的な傾向を示している。図2Dinfは、力信号V(t)(y軸)の、x軸(単位:秒)に対応する時間の経時的な傾向を示している。強度の増加する力の適用は、力信号Vの減少をもたらし、到達した最小値は0.5に等しいことが観察される。図2Dは、拡大された範囲に従って押圧力の強度の正確な定量化を確立する本発明の能力を示している。
【0092】
図2Eは、V in(t)(x軸-ボルト)の関数としての減速項[1-(V in(t)/V max](y軸)の変化を示しており、V max=9V及びn=3を考慮する。前述のように、減速項はV in(t)の減少関数を形成する。これは、増幅回路の入力信号で増幅ゲインg(t)を調整することを可能にし、入力信号が高いときにゲインはすべて低くなる。
【0093】
先述の例では、V in(t)に関する増幅ゲインg(t)の非線形性は、減速項[1-(V in(t)/V max]によって誘起される。非線形性の別の原因は、振動の振幅の減衰をもたらす散逸によるプレート10の挙動であり、振幅が増加するにつれて減衰がより顕著になる。図2Fは、プレート10が線形挙動(曲線a)と非線形挙動(曲線b)を示すときに、プレート10によって誘起される振動の減衰を模式的に表している。図2Fは、減衰(y軸)を振動の振幅(x軸)の関数として表している。したがって、発振器の非線形増幅は、プレートによって部分的又は全体的に誘起される。したがって、プレートが強い非線形挙動を示す場合、即ち、減衰が振動の振幅の関数として急速に増加する場合に、安定した自己振動を得るために、増幅器20は、増幅ゲインg(t)が一定である線形増幅を実施することができる。
【0094】
しかしながら、非線形でパラメータ化可能な増幅ゲインを使用することは、印加される力の強度に関して力信号のダイナミックレンジ又は感度又は線形性のいずれを優先するかに応じて、必要に応じてシステムの応答を調整することが可能になるため、有利である。
【実施例
【0095】
実験測定は、厚さ1mm、寸法15cm×20cmのガラス板からなるインターフェースを用いて実施した。図3Aはそのセットアップを模式的に表している。プレート10はCeramtec PZT406型の11個の圧電トランスデューサを含んでいた。トランスデューサは、プレートの同じ境界10に沿って規則的に分布していた。10個のトランスデューサは作動トランスデューサ12として作動し、一方、境界の端に位置する一つのトランスデューサは検出器11として作動した。プレート10は、100ヘルツのサンプリング周波数に従って、時間にわたって加えられた力を測定するために、天秤2上に配置された。支持体1は、プレートと天秤との間のインターフェースに設けられた。力は、プレートの所定の点で局所的に加えられた。増幅回路20は、式(2)で説明した増幅ゲインg(t)を実装した。ゲインg(t)のパラメータは、α=2、G=0.15、V max=2V、n=2であった。力F(t)は、時間とともに強度を変えて加えられた。Vin(t)のRMS値V in(t)、ゲインg(t)、Vin(t)の振動周波数、力F(t)を異なる瞬間tで測定した。
【0096】
図3Bは、試験中にプレートに加えられた力の経時的傾向を示す。力は約1秒の周期で周期的に加えられた。異なる瞬間に、処理信号Sproc(t)が測定され、後者は以下のいずれかである。
in(t)のRMS値V in(t):図3C参照、
増幅ゲインg(t):図3D参照、
in(t)の発振周波数:図3E参照。
【0097】
図3C、3D、3Eでは、x軸が加えられた力の強度(ニュートン単位N)に対応し、y軸が処理信号Sproc(t)の値に対応する。図3C~3Eは、加えられた力の強度に対する各処理信号の依存性を示しています。
【0098】
一連の試験では、米国特許第10860107号に記載されている力の強度の推定値と、式(2)で説明されている増幅ゲインを使用して、α=2、G=0.15、V max=2Vで、n=0.5、n=1、n=2を連続して考慮して、本発明を実施して得られた力の強度の推定値とを比較した。試験は、図3Bから図3Eに関連して記載されているように実施された。図3Fは、力信号V(y軸)を加える力の強度(x軸)の関数として表したものである。図3Gは、各構成について、力信号の指数関数的な調整を加える力の強度の関数として表す。
【0099】
米国特許第10860107号に記載された方法の第1の実施形態を実施する場合、力信号は、検出器の端子で測定された電圧のRMS値と、プレートに押圧されていない状態で測定された電圧のRMS値の比に相当した。結果を図3F(曲線AA)に示す。本発明を実施する場合、力信号は、V=V in(t)/Srefである。
【0100】
プレートが押圧されていない場合、力信号Vは1に等しい。プレートに力Fが加えられると、力信号Vは減少する。
【0101】
力の測定の感度は、入力信号(即ち、F(t))の変動に対する出力信号(即ち、V)の変動に対応する。これは、図3F及び3Gで表される曲線の局所的な傾きに対応する。本発明を実施することにより、n値を明敏に選択することで、高ダイナミクスに応じて比較的一定の感度が得られることが観察される。ダイナミックレンジという用語は、測定範囲を意味すると理解される。これは、n=1又はn=2の場合に特に顕著である。また、n=1又はn=2の場合、加えられた力に対する力信号Vの傾向は、線形関係(一定感度)に近く、広いダイナミックレンジ(0Nから15Nの間)にわたることが観察される。
【0102】
n=0.5の場合、感度は高くなるが、減少したダイナミックレンジ(0Nから10N)に従う。実際、10Nを超えると、図3Gの曲線は平坦になる。
【0103】
本発明の利点の一つは、ダイナミックレンジ(この例ではn=1又はn=2)、又は減少した測定範囲(n=0.5)内の感度のいずれかを優先するように、増幅ゲインをパラメータ化できることである。もう1つの利点は、加えられた力の強度に関して直線的に変化する力信号を得られることである。
【0104】
図3F及び図3Gは、本発明が従来技術よりも広い測定範囲でより良い感度を得ることを可能にしていることを示している。実際に、従来技術を代表する曲線は、本発明を実施するよりも早い段階、即ち、より低い力強度から生じる平坦化効果を示す。
【0105】
図4A及び図4Bは、中間部品15が検出器11、作動トランスデューサ12及びプレート10の間に延在する別の実施形態を示している。この例では、中間部品はスクリーン15であり、透明なプレート10を通して画像の表示を可能にする。この実施形態によれば、検出器及び作動トランスデューサはプレート10と接触して配置されない。これらは、スクリーン15を介してプレート10に機械的に結合される。後者は、一方のプレート10と他方の作動トランスデューサ12及び検出器11との間で振動を伝達するのに十分な剛性を有する。
【0106】
一つの可能性によれば、通常「ブースター」と呼ばれる機械的増幅器を作動トランスデューサとプレートとの間に介在させることができる。このような増幅器は、プレートの振動振幅を増幅することを可能にする部品である。そのような機械的増幅器は、国際公開第2020/141264号に記載されている。
【0107】
スクリーン15は、設定ゾーン10’を表示することができ、調整したい作動パラメータの値を表示することができる。図4Cは、設定ゾーン10’がスクリーン15上でアウトライン15によって区切られるインターフェース構成の一例を示す。スクリーンは、最小値minと最大値maxの間に広がるゲージ15も示す。指が設定ゾーン10’に加える力が大きいほど、ゲージ内のグレーゾーンが最大レベルに近づく。
【0108】
スクリーン15は、プレート10を介してスクリーン15上の指の押圧を位置決めすることを可能にする位置決め回路、例えば容量回路を備えることができる。図4Dにおいて、プレートの6つの設定ゾーンは、スクリーン上でそれぞれ、アウトライン15’、15’、15’、15’、15’及び15’によって区切られて表される。各設定ゾーンは、それぞれ、作動パラメータP、P、P、P、P及びPの設定専用である。指が設定ゾーンに接触したとき、押圧点の位置によって、ユーザが設定したい作動パラメータを識別することができる。図4Dに示す例では、値P4minと値P4maxの間の作動パラメータPの設定を表す。このスクリーンでは、ゲージ15’を表示して、調整したい作動パラメータの設定を見ることができる。本実施形態によれば、制御ユニット40は、処理ユニット30による力レベルの関数として、また、位置決め回路による押圧点の位置の関数として、制御信号を確立する。
【0109】
図5Aに示す一実施形態によれば、プレートの超音波振動を誘発するように、補助トランスデューサ14によってプレートを振動させることができる。作動トランスデューサ12とは対照的に、補助トランスデューサは、振動の振幅及び周波数を規定するセットポイント作動信号によって駆動される。超音波振動は、検出された押圧力Fの強度の関数として、インターフェースに接触する指に触覚効果、即ち、特にテクスチャの感覚又はクリック感覚を誘発することができる。したがって、触覚フィードバックという用語は、所定の時間振動シーケンスに従って、及び超音波周波数に従って、プレートに接触する外部体によってプレートのテクスチャリングの感覚を駆動するように構成される時間周波数に従って、プレートを振動させることを意味すると理解される。当業者に知られているように、振動は、外部体とプレートの間の摩擦の修正をもたらし、テクスチャリングの知覚を誘発する。触覚フィードバックは、例えば数十又は数百msの短い時間、所定のセットポイント振幅に従ってプレートを振動させることで構成することができる。前述のように、発振器モードによる作動とは異なり、触覚効果を得たい場合には、所定の振動振幅に従ってプレートを振動させる。
【0110】
本実施形態によれば、押圧力が閾値に達すると、プレートを振動させて指で感じる触覚効果を得ることができる。触覚効果は、インターフェースの触覚フィードバックを形成する。また、ステップ140に続く図2Aを参照すると、触覚フィードバックを生成することを目的として、ステップ160を実施することができる。
【0111】
あるいは、図5Bに示す別の実施形態では、作動トランスデューサ12又は各作動トランスデューサがスイッチ16に連結される。各スイッチ16は、作動トランスデューサと以下のいずれかを連結するように構成される。
増幅回路20:プレートは、自発的な、自己持続的な振動領域に従って振動し、デバイスは、次に、押圧力の推定を可能にし、
補助電源18:セットポイント周波数及びセットポイント振動振幅に従ってセットポイント信号を印加し、デバイスは、次に、従来の超音波触覚インターフェースに従って作動する。
次に、作動トランスデューサ12は、補助トランスデューサ14として作動する。
【0112】
スイッチ16は、二つのモードを切り替えることを可能にする。
押圧力を測定するために、作動トランスデューサが増幅回路20に連結されている場合には、自立振動モードと、
触覚フィードバックを誘導するために、セットポイント周波数及び振幅に従って強制振動モードのいずれか。
次に、作動トランスデューサは補助トランスデューサを形成する。
【0113】
本発明は、例えば家庭用電化製品又は車両ダッシュボードの分野において、例えば消費者デバイスのようなデバイスの制御インターフェースを形成するために適用することができる。また、業務用デバイスインターフェースにも適用することができる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
【手続補正書】
【提出日】2023-10-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含むユーザインタフェース(1)であって、
指又はスタイラスタイプの外部体(9)によって触れることを意図した接触面(10)を規定するプレート(10)と、
作動信号(Vout)の関数として前記プレート(10)を振動させるように構成された少なくとも一つの作動トランスデューサ(12)と、
前記プレートの振動の振幅を検出する、又は検出信号(V)を生成するように構成された少なくとも一つの検出器(11)であって、前記検出信号は検出された振動振幅に依存する前記振動振幅に従って振動し、
入力(21)と出力(22)の間に延在し、前記入力が前記検出器に接続され、前記出力が前記作動トランスデューサに接続される増幅回路(20)と、を備え
記増幅回路(20)は、入力信号(Vin(t))によって電力供給されるように構成され、前記入力信号は、前記検出信号から確立された発振信号であり、
前記増幅回路は、前記作動トランスデューサ(12)の前記作動信号を形成する出力信号(Vout(t))と、前記作動トランスデューサへの前記出力信号と、増幅された前記入力信号に対応する前記出力信号とをアドレス指定するために増幅ゲイン(g(t))を印加することによって前記入力信号(Vin(t))を増幅するように構成された増幅器(23)を含み、
前記増幅ゲイン(g(t))は、前記入力信号に非線形に依存し、
少なくとも一つの前記検出器(11)、少なくとも一つの前記作動トランスデューサ(12)、及び前記増幅回路(20)は、フィードバックループを形成し、
前記プレート及び前記フィードバックループは、自立発振器を形成し、
前記ユーザインターフェースは、処理信号(Sproc(t))、前記入力信号(Vin(t))に依存する前記処理信号、又は前記検出信号(V)により駆動される処理ユニット(30)を含み、
前記処理ユニットは
前記処理信号(Sproc(t))を基準信号(Sref)と比較し、
・前記比較に基づいて力信号(V)を生成し、前記力信号は、前記プレートの前記接触面に接触する前記外部体によって前記プレートに加えられる押圧力(F)の強度を表す
ユーザインターフェース
【請求項2】
前記基準信号は、前記外部体によって前記プレートに加えられる力がない場合の前記処理信号(Sproc(t))に対応する、請求項1に記載のユーザインターフェース。
【請求項3】
前記処理信号(Sproc(t))は、以下から確立される、請求項1又は2に記載のユーザインターフェース。
・前記入力信号の量特性(V in(t))、前記入力信号の発振振幅を定量化する特性量(Vin(t))、及び/又は
・前記入力信号(Vin(t))の発振周波数(f(Vin))。
【請求項4】
前記増幅ゲインは、前記入力信号(Vin(t))の前記発振振幅を定量化する特性量である前記入力信号の特性量(V in(t))に依存する、請求項に記載のユーザインターフェース。
【請求項5】
前記増幅ゲイン(g(t))は、前記入力信号の前記特性量(V in(t))の関数として減少する、請求項4に記載のユーザインターフェース。
【請求項6】
前記増幅ゲイン(g(t))は、前記入力信号の前記特性量(V in(t))が高いときに前記増幅ゲインがすべて低くなるように、減速項([1-(V in(t)/V max])で重み付けされた最大ゲイン(Gα)を含む、請求項4又は5に記載のユーザインターフェース。
【請求項7】
前記増幅ゲイン(g(t))は、前記入力信号の前記特性量(V in(t))が所定の最小値に達したときに最大となる、請求項4~6のいずれか一項に記載のユーザインターフェース。
【請求項8】
前記増幅ゲイン(g(t))は、前記入力信号の前記特性量(V in(t))が閾値(V max)以上の値に達したときに最小となる、請求項4~7のいずれか一項に記載のユーザインターフェース。
【請求項9】
前記プレート(10)にスクリーン(15)が取り付けられ、前記プレートの全部又は一部が透明である、請求項1~8のいずれか一項に記載のユーザインターフェース。
【請求項10】
前記プレートが20kHz~200kHzの共振振動周波数を示す、請求項1~9のいずれか一項に記載のユーザインターフェース。
【請求項11】
少なくともつの前記作動トランスデューサ(12)は、圧電トランスデューサであり、及び/又は
少なくとも一つの前記検出器(11)は圧電トランスデューサである、請求項1~10のいずれか一項に記載のユーザインターフェース。
【請求項12】
さらに、制御ユニット(40)を含み、前記制御ユニットは、前記力信号(V)の関数として、前記ユーザインターフェースに接続されたデバイス(50)への制御信号をアドレス指定するように構成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載のユーザインターフェース。
【請求項13】
さらに、前記外部体と前記プレートとの間の接触点の位置を決定するように構成された位置決め回路を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のユーザインターフェース。
【請求項14】
さらに、前記検出器(11)と前記増幅回路(20)との間に配置されたフィルタ(13)を含み、前記フィルタは、前記増幅回路(20)にアドレス指定された前記入力信号の周波数帯域幅を定義するように構成される、請求項1~13のいずれか一項に記載のユーザインターフェース。
【請求項15】
前記プレートは、前記作動トランスデューサ(12)とは異なる少なくとも一つの補助トランスデューサ(14)に接続され、前記補助トランスデューサは、補助電源(18)に接続され、前記補助トランスデューサは、前記プレート(10)を、設定された所定のセットポイント振動振幅に従って、かつ、触覚フィードバック効果を生じるように超音波振動周波数に従って振動させるように構成されている。
前記ユーザインターフェースは、前記力信号(V)が所定の閾値を越えるときに、前記補助トランスデューサ又は各補助トランスデューサを作動させるように構成されている、
請求項1~14のいずれか一項に記載のユーザインターフェース。
【請求項16】
前記作動トランスデューサ(12)は、スイッチ(16)に接続されており、前記スイッチは、
前記作動トランスデューサ(12)を前記増幅回路(20)に接続して、前記プレートに加えられた力を測定し、又は、
前記作動トランスデューサ(12)を前記補助電源(18)に接続して、前記補助電源がセットポイント信号を前記作動トランスデューサに印加して、所定のセットポイント振動振幅に従って、超音波振動周波数に従って、前記プレートを振動させ、触覚フィードバック効果を生じるようにする、
請求項15に記載のユーザインターフェース。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載のユーザインターフェースのプレートに作用する力を推定する方法であって、前記方法は、
a)前記プレートに押圧力を作用させることにより、前記外部体(9)を前記プレートに適用し、前記外部体は、指又はスタイラス型であり、
b)前記処理ユニット(30)を使用して、前記外部体によって前記プレートに加えられる押圧力の強度を推定する。
【請求項18】
請求項1~16のいずれか一項に記載のユーザインターフェース(1)を使用して、少なくとも1つの作動パラメータ(P)によってパラメータ化されるデバイス(50)を制御する方法であって、前記方法は、
前記プレートに押圧力を加えることによる前記プレートへの前記外部体(9)を適用し、
前記ユーザインターフェースの前記処理ユニット(30)による前記押圧力(F)の強度の決定し、
前記押圧力(F)の前記強度に基づいて、前記ユーザインターフェースを介して制御信号を生成し、前記デバイスの作動パラメータの値を調整する。
【国際調査報告】