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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-16
(54)【発明の名称】拡張可能バッテリーモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/289 20210101AFI20240208BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20240208BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240208BHJP
   H01M 10/643 20140101ALI20240208BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20240208BHJP
   H01M 10/627 20140101ALI20240208BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20240208BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20240208BHJP
   H01M 50/213 20210101ALI20240208BHJP
   H01M 50/512 20210101ALI20240208BHJP
   H01M 10/6561 20140101ALN20240208BHJP
【FI】
H01M50/289 101
H01M50/204 401H
H01M10/613
H01M10/643
H01M10/625
H01M10/627
H01M50/505
H01M50/291
H01M50/213
H01M50/512
H01M10/6561
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574303
(86)(22)【出願日】2022-02-16
(85)【翻訳文提出日】2023-10-03
(86)【国際出願番号】 US2022016576
(87)【国際公開番号】W WO2022177973
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】17/177,326
(32)【優先日】2021-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523311605
【氏名又は名称】イーマトリックス エナジー システムズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100188433
【弁理士】
【氏名又は名称】梅村 幸輔
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100214396
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(74)【代理人】
【識別番号】100221741
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 直子
(74)【代理人】
【識別番号】100114926
【弁理士】
【氏名又は名称】枝松 義恵
(72)【発明者】
【氏名】コベント イダン デイビッド
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H031AA01
5H031AA03
5H031AA09
5H031KK08
5H040AA03
5H040AA07
5H040AS01
5H040AS07
5H040AT01
5H040AT06
5H040AY05
5H040CC14
5H040CC16
5H040DD03
5H043AA01
5H043AA13
5H043AA15
5H043AA19
5H043CA03
5H043CA21
5H043FA04
5H043FA23
(57)【要約】
一般的な手工具を利用した効率的な組立てを容易にし、バッテリーの構成可能性および性能を向上させるための一体化された冷却機構を提供する、サブモジュール構成部品、すなわちブリックを含む、バッテリーモジュール。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の側面、第2の側面、第3の側面、第4の側面、上面および底面と、
複数のバッテリーセルの移動を制限するように構成された、複数のセルキャビティと、
複数の流通路と、
バスバー位置決め部材と、
水平嵌合部材と、
垂直嵌合部材と
を含む、バッテリーセルホルダ。
【請求項2】
垂直スペーサ固定具キャビティをさらに含む、請求項1記載のバッテリーセルホルダ。
【請求項3】
前記垂直スペーサ固定具キャビティが、バスバーの並列層端子へのアクセスを可能にするように構成された、請求項2記載のバッテリーセルホルダ。
【請求項4】
前記バッテリーセルホルダの前記第1の側面に第1の水平嵌合部材を、および前記第2の側面に第2の水平嵌合部材を含む、請求項3記載のバッテリーセルホルダ。
【請求項5】
前記第1の水平嵌合部材および前記第2の水平嵌合部材が、1つまたは複数のバッテリーセルホルダ間に水平結合手段を形成するように構成された、請求項4記載のバッテリーセルホルダ。
【請求項6】
前記上面に第1の垂直嵌合部材を、および前記底面に第2の垂直嵌合部材を含む、請求項5記載のバッテリーセルホルダ。
【請求項7】
前記第1の垂直嵌合部材および前記第2の垂直嵌合部材が、1つまたは複数のバッテリーセルホルダ間に垂直結合手段を形成するように構成された、請求項6記載のバッテリーセルホルダ。
【請求項8】
前記第1の水平嵌合部材が、第2のバッテリーセルホルダの第2の側面で第2の水平嵌合部材に結合するように構成された、請求項7記載のバッテリーセルホルダ。
【請求項9】
前記第1の水平嵌合部材がインターロックピンであり、前記第2の水平嵌合部材が、前記第2のバッテリーセルホルダからの対応するインターロックピンを受け入れるように構成されたスロットである、請求項8記載のバッテリーセルホルダ。
【請求項10】
前記垂直嵌合部材が、第2のセルホルダの垂直嵌合部材に対応するノッチをさらに含み、前記ノッチが、前記セルホルダ-前記第2のセルホルダ間の水平移動をさらに低減するように構成された、請求項9記載のバッテリーセルホルダ。
【請求項11】
第1の側面、第2の側面、第3の側面、第4の側面、上表面および底表面と、
バッテリーセルの移動を制限するように構成されたセルキャビティと、
前記セルキャビティに近接した複数の流通路と、
セルホルダの前記上表面でバスバーを位置合わせするように構成された、前記セルホルダの前記上面上の複数のバスバー位置決め部材と、
前記セルホルダを、複数の対応する水平嵌合部材を有する第2のセルホルダに結合するように構成された、前記セルホルダの1つまたは複数の側面に位置決めされた複数の水平嵌合部材であって、前記セルホルダと前記第2のセルホルダとが水平面に沿って結合される、複数の水平嵌合部材と、
前記セルホルダを、複数の対応する垂直嵌合部材を有する第3のセルホルダに結合するように構成された、前記上表面および前記底表面に位置決めされた複数の垂直嵌合部材であって、前記セルホルダと前記第2のセルホルダとが垂直面に沿って結合される、複数の垂直嵌合部材と
を含む、バッテリーセルホルダ。
【請求項12】
垂直スペーサ固定具キャビティをさらに含む、請求項11記載のバッテリーセルホルダ。
【請求項13】
前記垂直スペーサ固定具キャビティが、バスバーの並列層端子へのアクセスを可能にするように構成された、請求項12記載のバッテリーセルホルダ。
【請求項14】
前記バッテリーセルホルダの前記第1の側面に第1の水平嵌合部材を、および前記第2の側面に第2の水平嵌合部材を含む、請求項13記載のバッテリーセルホルダ。
【請求項15】
前記第1の水平嵌合部材および前記第2の水平嵌合部材が、1つまたは複数のバッテリーセルホルダ間に水平結合手段を形成するように構成された、請求項14記載のバッテリーセルホルダ。
【請求項16】
前記上面に第1の垂直嵌合部材を、および前記底面に第2の垂直嵌合部材を含む、請求項15記載のバッテリーセルホルダ。
【請求項17】
前記第1の垂直嵌合部材および前記第2の垂直嵌合部材が、1つまたは複数のバッテリーセルホルダ間に垂直結合手段を形成するように構成された、請求項16記載のバッテリーセルホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年2月5日に出願された米国非仮出願第15/016,359号の継続出願である、2018年11月28日に出願された米国非仮出願第16/202,620号の一部継続出願である、2021年2月17日に出願された米国特許出願第17/177,326号の継続出願であり、その開示は本出願の開示の一部とみなされ、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
発明の分野
本発明は概して、拡張可能バッテリーモジュールに関し、特に、物理的および電気的接続性を容易にする物理的特徴を有する拡張可能バッテリーモジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
電子機器業界では、エネルギーを貯蔵し、その後に電気システムに供給するために、バッテリーパックを使用することが知られている。従来の用途では、バッテリーは特定の用途に合わせてカスタマイズされるか、または複数のバッテリーが所望の電気的特性を提供するようなやり方で組み合わされる。通常、複数のバッテリーを組み合わせるには、ジャンパタブ、はんだ配線、または溶接などの外部接続が必要である。一般に、バッテリー組立体は、高レベルの制御および再現性を通常は必要とする自動化プロセスを使用して形成され、これには頻繁な較正も必要である。
【0004】
バッテリーシステムは、多種多様な用途において電力を供給するために使用され得る。可搬式用途の例には、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインHEV、および電気自動車(EV)が含まれる。固定式用途の例には、電気通信システム用のバックアップ電源、無停電電源装置(UPS)、および分散型発電用途が含まれる。
【0005】
使用されるバッテリーの種類の例には、ニッケル水素(NiMH)バッテリー、鉛酸バッテリー、リチウムバッテリー、リチウムイオンバッテリー、および円筒形フォームファクタの他の種類のバッテリーが含まれる。バッテリーモジュールは、直列、並列、または直列と並列との組み合わせで接続された複数のセルを含む。完全なバッテリーパックを形成する際に、モジュール自体が直列、並列、または直列と並列との組み合わせで接続される場合もある。
【0006】
バッテリーシステムの一体化は、様々な領域において複数の課題を提起する。バッテリーシステムのコストの大部分はバッテリーセルにある。しかしながら、例えば、溶接部の位置ずれなどの組立て不良は、セルを再利用する機会のない高くつくリコールをもたらす可能性がある。また、バッテリーパックの大生産者および大消費者であり得る低コスト製造市場では、バッテリーシステムは、その製造技術が手作業による組立てプロセスに大きく依存するため、品質問題を起こしやすい。容易に自動化することができるエラープルーフ型の手作業による組立て設計が、生産を成功させるための鍵である。
【0007】
バスバーをバッテリーセルに接続するために締結具が使用される場合、大型のバッテリーパックでは締結具が結果的に数千個になる可能性があり、それらすべてを正しいトルク値までトルクダウンしなければならず、これには短絡を引き起こす可能性がある金属締結具を緩める振動のリスクを伴う。
【0008】
モジュールは、バスバーまたはケーブルによって外部接続されることが多く、ケーブルはより安価な選択肢である。しかしながら、ケーブルは、締結具の緩みおよびバッテリーシステムの他の部分に対するケーブルの擦れを防止するために拘束しなければならない。ケーブルをモジュールに接続するラグ端子のところで拘束するために、2穴ラグ端子が一般に使用される。すべてのモジュールを同じに保つために、これにはすべてのモジュール接続バスバーがやはり2穴式であることが必要であり、そのため、バッテリーパックに使用される締結具の量が倍増し、使用されるバスバーにさらなる複雑さが導入される。本発明は、余分な締結具を省く、組み込みラグ端子拘束具を提供する。
【0009】
バッテリーモジュールの製造業者は、小型で高度に構成可能なモジュールを製造するか、大型で十分に一体化されたモジュールを製造するかのジレンマに常に直面している。より小型のモジュールは、より多くのパッケージング選択肢を提供し、より多様な市場需要を満たすことができる。しかし、より大型のモジュールはより高度に一体化されており、締結具、取り付けブラケットおよびケーブルまたは複雑なバスバーの数を部分的に削減することによって、全体の出力対質量/体積比およびエネルギー対質量/体積比を増加させる。制約のあるパッケージングは別として、大型モジュールの他方の問題は、通常モジュール全体が交換されることによる交換コストである。
【0010】
本発明は、上記のような問題のうちの1つまたは複数を克服することを対象とする。
【発明の概要】
【0011】
発明の簡単な概要
一局面では、本開示は、第1の側面、第2の側面、第3の側面、第4の側面、上面および底面を有するバッテリーセルホルダを提供する。バッテリーセルホルダは、複数のバッテリーセルの移動を制限するように構成された複数のセルキャビティを含むことができる。セルホルダは、空気または液体の流れが1つまたは複数のバッテリーセルまたはバッテリーパックの冷却を助けることを可能にするように構成された複数の流通路を含むことができる。バスバー位置決め部材は、セルホルダの表面に位置決めすることができる。加えて、セルホルダは、1つまたは複数の水平嵌合部材および1つまたは複数の垂直嵌合部材を含むことができる。
【0012】
別の局面では、本開示は、第1の側面、第2の側面、第3の側面、第4の側面、上表面および底表面を有するバッテリーセルホルダを提供する。セルホルダは、バッテリーセルの移動を制限するように構成された1つまたは複数のセルキャビティを含むことができる。複数の流通路を、セルキャビティの周囲に、および/またはセルキャビティに近接して配置することができる。セルホルダの上面に複数のバスバー位置決め部材を位置決めすることができ、バスバー位置決め部材は、セルホルダの上表面でバスバーを位置合わせするように構成される。複数の水平嵌合部材が、セルホルダの1つまたは複数の側面に位置決めされる。水平嵌合部材は、セルホルダを、水平面に沿って、複数の対応する水平嵌合部材を有する第2のセルホルダに結合するように構成することができる。上表面および底表面に位置決めされた複数の垂直嵌合部材は、セルホルダを、垂直面に沿って、複数の対応する垂直嵌合部材を有する第3のセルホルダに結合するように構成することができる。
【0013】
次に本発明を、添付の図面を参照して以下においてより十分に説明し、添付の図面は、この概要、詳細な説明、ならびに具体的に考察されるかまたはそれ以外に開示される任意の好ましい態様および/または特定の態様と併せて読まれることを意図されている。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載される態様に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの態様は例示としてのみ、本開示が、詳細で、完全であり、当業者に本発明の完全な範囲を十分に伝えるように提供されている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】並列層端子[2]、ラグ端子制限チャネル[3]、ディスペンサ[4]、収集器[5]、流れ入口点[6]、流れ出口点[7]およびブリック対ブリック接続ペグ穴[8]を示すバッテリーブリック[1]の等角図である。
図2】ブリック対ブリック接続ペグ穴[8]、ブリック対ブリックインターロックキャビティ[9]、ブリック対ブリックインターロックピン[10]およびプラスチック対プラスチック締結穴[11]を例示するディスペンサ[4]の上面図である。
図3】並列層端子[2]、ラグ端子制限チャネル[3]、流れ入口点[6]、流れ出口点[7]およびねじ付きスペーサ[26]を例示するバッテリーブリック[1]の正面図である。
図4】ラグ端子制限チャネル[3]、ディスペンサ[4]、収集器[5]、並列セル層[12]、バッテリーセル[13]、プラスチックホルダ[15]およびバスバー[16]を例示する(図3に示される)切断面A-Aである。
図5】ディスペンサ[4]、収集器[5]、バッテリーセル[13]、プラスチックホルダ[15]およびバスバー[16]および外部筐体[17]を例示するバッテリーブリック[1]の分解図である。
図6】流れ出口点[7]、ブリック対ブリックインターロックキャビティ[9]、プラスチック対プラスチック締結穴[11]および段付きカバー[14]を例示する収集器[5]の等角図である。
図7】マニホールド一次流路[21]およびマニホールド二次流路[22]を例示する収集器[5]の上面図またはディスペンサ[4]の底面図である。
図8】プラスチック対プラスチック締結穴[11]、ホルダを通る流通路[18]、サンドイッチロケータ[19]およびセルキャビティ[20]を例示するプラスチックホルダ[15]の等角図である。
図9】並列層端子[2]、バスバーを通る流通路[23]およびサンドイッチロケータ穴[24]を例示するバスバー[16]の等角図である。
図10】端子スロット[25]を例示する外部筐体[17]の等角図である。
図11】ブリック対ブリックインターロックキャビティ[9]、ブリック対ブリックインターロックピン[10]および端子スロット[25]を例示する外部筐体[17]の上面図である。
図12】ねじ付きスペーサ[26]の等角図である。
図13】ブリック[1]の組立体を例示するバッテリーモジュールの等角図である。
図14A】複数の水平嵌合部材[51]および垂直嵌合部材[53]、ホルダを通る流通路[18]、サンドイッチロケータ[19]、セルキャビティ[20]、ならびに垂直スペーサ固定具キャビティ[55]を例示するセルホルダ[15]の等角上面図である。
図14B】複数の水平嵌合部材[51]および垂直嵌合部材[53]、ホルダを通る流通路[18]、サンドイッチロケータ[19]、セルキャビティ[20]、ならびに垂直スペーサ固定具キャビティ[55]を例示するセルホルダ[15]の等角底面図である。
図15】複数の水平嵌合部材[51]および垂直嵌合部材[53]、ホルダを通る流通路[18]、サンドイッチロケータ[19]、セルキャビティ[20]、ならびに垂直スペーサ固定具キャビティ[55]を例示するセルホルダ[15]の上面図である。
図16】複数の水平嵌合部材[51]および垂直嵌合部材[53]、ホルダを通る流通路[18]、サンドイッチロケータ[19]、セルキャビティ[20]、ならびに垂直スペーサ固定具キャビティ[55]を例示するセルホルダ[15]の側面図である。
図17】複数の水平嵌合部材[51]および垂直嵌合部材[53]、ホルダを通る流通路[18]、サンドイッチロケータ[19]、セルキャビティ[20]、ならびに垂直スペーサ固定具キャビティ[55]を例示する2つのセルホルダ[15a、15b]の等角図である。
図18】第1のセルホルダ[15a]および第2のセルホルダ[15b]の水平嵌合部材を利用して互いに結合された、ホルダを通る流通路[18]、サンドイッチロケータ[19]、セルキャビティ[20]、および垂直スペーサ固定具キャビティ[55]を有する2つのセルホルダ[15]の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
詳細な説明
以下の詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する添付の図面の参照を含む。図面は、例示として、本発明が実施され得る特定の態様を示す。これらの態様は、本明細書では「例」とも呼ばれ、当業者が本発明を実施することを可能にするのに十分詳細に説明されている。本発明の範囲から逸脱することなく、態様が組み合わされてもよいし、他の態様が利用されてもよいし、構造的論理的変更がなされてもよい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。
【0016】
しかしながら、本開示の本発明をそのように詳細に説明する前に、本発明は記載される特定の変形例に限定されず、当然ながら多様であり得ることを理解されたい。本発明の真の趣旨および範囲から逸脱することなく、記載される発明に対して様々な変更がなされてもよく、均等物で代用されてもよい。加えて、特定の状況、材料、物質の組成、プロセス、(1つもしくは複数の)プロセス動作または(1つもしくは複数の)ステップを本発明の(1つもしくは複数の)目的、趣旨または範囲に適合させるために、多くの修正がなされてもよい。そのようなすべての修正は、本明細書でなされる開示の範囲内にあることを意図されている。
【0017】
別段の指示がない限り、本明細書に提示される語句は、当業者にとっての通常の意味を有する。そのような通常の意味は、当技術分野におけるそれらの語句の使用を参照することによって、また一般的辞書および科学的辞書を参照することによって得ることができる。
【0018】
本明細書で「一態様」という場合それは、記載される態様が特定の特徴、構造、または特性を含み得ることを指示するが、すべての態様が必ずしもその特定の特徴、構造、または特性を含むとは限らない。さらに、そのような句は、必ずしも同じ態様を指しているとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が一態様に関連して記載されている場合、明示的に記載されているか否かにかかわらず、他の態様に関連してそのような特徴、構造、または特性に影響を及ぼすことは当業者の知識の範囲内であると考えられる。
【0019】
特定の用語の以下の説明は、網羅的ではなく例示的であることを意図している。これらの用語は、当技術分野での使用によって与えられる通常の意味を有し、以下の説明をさらに含む。
【0020】
本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、この用語が関連付けられる項目のうちのいずれか1つ、項目の任意の組み合わせ、またはすべての項目を指す。
【0021】
本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈上明らかに他の意味に解すべきでない限り、複数の言及を含む。
【0022】
本明細書で使用される場合、「含む」、「例えば」、「など」のような用語は、例示的に使用され、本発明を限定することを意図するものではない。
【0023】
本明細書で使用される場合、「好ましい」および「好ましくは」という用語は、特定の状況下で特定の利益を得る可能性のある本発明の態様を指す。しかしながら、同じかまたは他の状況下で、他の態様もまた好ましい場合がある。
【0024】
さらに、1つまたは複数の好ましい態様の列挙は、他の態様が有用ではないことを示唆するものではなく、他の態様を本発明の範囲から除外することを意図するものではない。
【0025】
本明細書で使用される場合、この説明における「前」、「後(back)」、「後(rear)」、「上」、「下」、「右」、および「左」という用語は、単に、様々な要素が図において方向づけられているときにそれらの要素を識別するために使用され、「前」、「後(back)」、および「後(rear)」は装置に対するものである。これらの用語は、用語が記述する要素を、様々な要素が様々な用途において異なって方向づけられ得るときに限定することを意図するものではない。
【0026】
本明細書で使用される場合、「結合された」という用語は、2つの部材を互いに直接的または間接的に接合することを意味する。そのような接合は、固定的な性質であっても、可動的な性質であってもよい。そのような接合は、2つの部材または2つの部材と任意の追加の中間部材とが互いに単一の一体物として一体的に形成されることによって達成されても、2つの部材または2つの部材と任意の追加の中間部材とが互いに取り付けられることによって達成されてもよい。そのような接合は、恒久的な性質であってもよいし、あるいは、取り外し可能または解放可能な性質であってもよい。同様に、結合されたとは、2つの部材または要素が通信可能に結合されていることを指すこともでき、2つの要素は、金属ワイヤ、無線ネットワーク、光ファイバ、または他の媒体および方法などの様々な手段を介して電子的にであってもよい。
【0027】
本明細書では、様々な要素を説明するために第1、第2などの用語が使用される場合があるが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことが理解されよう。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するために使用されているにすぎない。例えば、本開示の教示から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶこともでき、同様に、第2の要素を第1の要素と呼ぶこともできる。
【0028】
本開示は、自動化された電気的および機械的接合プロセスの必要性を除去する一体型嵌合部材を利用した、より小型のバッテリーサブモジュールまたはブリックからの、バッテリーモジュールの完全な手作業による組立てを可能にする、バッテリーモジュール設計を対象とする。従来、自動化プロセスは、手作業による組立てよりも良好な品質管理を有すると認識されてきたが、本明細書に開示されるバッテリーモジュール設計は、ロバストな機械的および電気的接続部を有する最終バッテリー組立体の一貫した品質を達成する。このバッテリー組立体は、いかなる溶接も他の高精度自動化プロセスも必要としない。本発明は、いかなる溶接もいかなる高精度自動化プロセスも必要としない。バッテリーモジュールは、一体型ラグ端子拘束具をさらに含み、それにより、最終的なバッテリーシステムで使用される締結具の数を削減する。
【0029】
本開示の別の目的は、第1の側面、第2の側面、第3の側面、第4の側面、上面および底面を含むことができるバッテリーセルホルダに関連する。バッテリーセルホルダは、1つまたは複数のバッテリーセルの移動を制限するように構成された1つまたは複数のセルキャビティをさらに含むことができる。セルホルダは、空気または冷却液の移動を可能にするための複数の流通路をさらに含むことができる。セルホルダは、いくつかの態様ではバッテリーブリック組立体のバスバーに対応するように構成することができる、バスバー位置決め部材を含むことができる。セルホルダの1つまたは複数の側面には、1つまたは複数の水平嵌合部材を含むことができる。水平嵌合部材は、水平面に沿って1つまたは複数のセルホルダを結合するために使用することができる。同様に、セルホルダの上面および底面には、1つまたは複数の垂直嵌合部材を含むことができる。垂直嵌合部材は、垂直面に沿って1つまたは複数のセルホルダを結合するために使用することができる。垂直嵌合部材は、限定されないが、雄ピン部材および雌開口部材を含む任意の適切な手段を含むことができる。いくつかの例示的な態様では、セルホルダの上表面はピン垂直嵌合部材を含むことができ、セルホルダの底表面は、第2のセルホルダのピン嵌合部材を受け入れるための対応する開口垂直嵌合部材を含むことができる。あるいは、垂直嵌合部材を上表面と底表面との間で取り換えることもできるし、垂直面でもう1つのセルホルダを結合するときに第1のセルホルダと第2のセルホルダとの間で他の同様の嵌合部材を利用することもできる。
【0030】
バッテリーサブモジュールは、ブリックと呼ばれる小型の自己完結型モジュールであり、隣接するブリックへの接続機構を含む。ブリックは、必要最小限の締結具を有する平坦な矩形のバスバーを使用して直列または並列に電気的に接続され得る。その場合、バッテリーモジュールは複数のブリックの組立体であり、個々のブリックのものと非常に類似した出力:質量、出力:体積、エネルギー:質量、エネルギー:体積を有する。
【0031】
各ブリックは、他のブリックと共通の設計および構造であり、唯一の違いは、バッテリーモジュールの底部カバーおよび上部カバーに関するものである。底部カバーは、底部カバーとバッテリーセルを固定するプラスチックスペーサとに挟まれた最終負極バスバーを固定する。セル層がプラスチックスペーサの穴において配向され、バッテリーブリックは、後続のスペーサ・バスバー・スペーサ層を、さらなるバッテリーセル層と交互配置することによって、形成される。上部カバーおよび底部カバーは、接着剤を使用して外部筐体に接着されてもよい。
【0032】
上述のような交互の層を有するそのような構造は、直接の手作業による組立てを容易にする。プラスチックホルダの底部と上部は、バスバーを定位置にロックするための適合するピンと穴とを有する。外周にある穴により、手ではめるスナップリベットを使用して2つのプラスチックホルダを互いにロックすることが可能になる。スペーサおよびバスバーを通る流路は、冷却または加熱のための空気流路を可能にする。ホルダはまた、薄いバスバーの構造的剛性にも寄与する。
【0033】
バスバーは、上部カバーおよび底部カバーから層を介して加えられる圧縮圧力によってセルに接続される。バスバーの一方の側は、セルの正極端子との接触を維持するためのばねを有する。これらのばねの撓みは、ホルダ間に位置決めされたプラスチックスペーサによって制限される。スペーサはまた、外部接続のためのバスバータブおよびその接続で使用される締結具のためのねじ山の支持も提供する。
【0034】
図13は、複数のバッテリーブリック[1]から構築されたバッテリーモジュールを例示している。ブリックは、ブリックの側面にあるインターロックピン[10]およびキャビティ[9]を使用して互いに機械的にインターロックされる。電気的並列接続が必要な場合、4つすべての並列層端子[2]が、ラグ端子制限チャネル[3]を通る平坦な矩形バスバーを介してブリック間で接続される。電気的直列接続が必要な場合、ブリックは上部並列層端子および下部並列層端子のみを介して接続される。この局面では、第1のブリックは、正極端子が上を向くように配向されたセルを有し、第2のブリックは、負極端子が上を向くように配向されたセルを有し、後続の層は、バッテリーセルの正極端子と負極端子とが互いに嵌合するように交互配置される。
【0035】
任意の一態様では、異なるモジュールまたは構成部品にケーブル接続が必要とされる場合、単穴ラグ端子が使用され、ラグ端子幅は、ラグ端子の回転を防止するためにラグ端子制限チャネル[3]に嵌合するようなサイズとする。一態様では、すべての並列層端子接続が、例えばボルトなどの機械的締結具を利用する。この態様では、機械的締結具のねじ山が、ねじ付きスペーサ[26]内のねじ穴に嵌合される。
【0036】
ブリックはまた、互いに重ねて組み立てられてもよい。この局面では、ディスペンサ[4]の上部のブリック対ブリック接続ペグ穴[8]にペグが設置され、上部のモジュールの収集器[5]は、両方のモジュールを水平面内で互いにロックするための適合する穴[8]を有する。底部ブリックは、バッテリーパックボックスの床面に位置決めされた同様のペグによってバッテリーパックボックスにロックされる。垂直移動を防止するために、バッテリーパックボックスカバーによって上部ブリックに下向きの圧力を加えることができる。バッテリーパックボックスの床面で適合するインターロック機構が使用される場合、ブリックを側面に取り付けることもできる。
【0037】
バッテリーブリックの上部カバーと底部カバーとは、同じ内部設計を有する。上部カバーは、ブリック用のディスペンサ[4]、入口マニホールドとしても使用される。流れ入口点[6]は、冷却媒体がバッテリーモジュールに入り、一次流路[21]を通って流れることを可能にし、そこで冷却媒体は異なる二次流路[22]に分かれる。二次流路は、すべての流路にわたる等しい圧力を保証するために異なる断面を有する。次いで、冷却媒体は、バスバー流通路[23]およびプラスチックホルダ流通路[18]を通過する。冷却媒体は、第1のセル層[12]と平行に流れ続ける。次いで、冷却媒体は、プラスチックホルダ・バスバー・プラスチックホルダのサンドイッチ、別のセル層、別のサンドイッチ、および別の層内の流通路を通過する。第3の層の底部で、冷却媒体は、最下部バスバー内の流通路[23]を通って流れ、冷却媒体収集器[5]で収集される。底部カバーはまた、任意で、ブリックの排出マニホールド内で、冷却媒体収集器[5]として使用されてもよい。冷却媒体は、二次流路[22]を介して一次流路[21]に収集されてもよく、流れ出口点[7]で冷却媒体収集器[5]を出る。例示的な冷却流路が、図4図6および図7に例示されている。
【0038】
バッテリーセルとバスバーとの交互の層を有する本明細書に開示されるような構造は、バスバー[16]を損傷から保護し、バスバー端子に対してセル[13]を固定し、それらの間に所望の間隔距離を維持する。間隔距離は、1つのセルから次のセルへの熱損傷の伝播を防止するために必要である。ブリック内の底部サンドイッチは、収集器[5]・バスバー[16]・プラスチックセルホルダ[15]の層からなる。ブリック内の上部サンドイッチは、ディスペンサ[4]・バスバー[16]・プラスチックセルホルダ[15]の層を含む。内層は、セルホルダ[15]・バスバー[16]・セルホルダ[15]の交互の層を含む。プラスチック構造部品の上部は、正しい配置を確実にするバスバー内のロケータ穴[24]を通るロケータピン[19]を含んでもよい。プラスチック部品の底部は、ロケータピンの位置と一致するロケータ穴をさらに含む。次いで、ピンがロケータ穴に配置されて、プラスチック構成部品、バスバー、およびセルの配置を完了し、これらは次いで、外部締結具、例えば、プラスチックセルホルダ[15]内のプラスチック対プラスチック締結穴[11]を通る、手ではめるプラスチックスナップリベットなどを使用して互いにロックされる。締結穴[11]と同様に、1つまたは複数のセルホルダ[15]を位置決めして結合するために1つまたは複数の垂直嵌合部材を使用することもできる。いくつかの態様では、締結穴[11]と垂直嵌合部材とは交換可能である。
【0039】
いくつかの例示的な態様では、本開示のセルホルダ[15]は、プラスチックやポリマーなどの任意の適切な材料から構成することができる。図14Aに例示するように、セルホルダ[15]は、ブリック対ブリックインターロックキャビティ[9]、ブリック対ブリックインターロックピン[10]および端子スロット[25]を含む外部筐体[17]と同様であり、各セルホルダ[15]は、1つまたは複数の水平面嵌合部材[51a、51b]および1つまたは複数の垂直面嵌合部材[53a、53b]を含むことができる。セルホルダは、1つまたは複数のロケータピン[19]をさらに含むことができる。いくつかの例示的な態様では、セルホルダ[15]は、第1の水平嵌合部材[51a]および第2の水平嵌合部材[51b]を有することができる。第1の水平嵌合部材[51a]をセルホルダ[15]の第1の側面に、第2の水平嵌合部材[51d]をセルホルダ[15]の第2の側面に位置決めすることができる。水平嵌合部材は、セルホルダ[15]の対応する側に互いに向かい合って配置することができる。いくつかの例示的な態様では、垂直嵌合部材[53]のうちの1つまたは複数は、垂直嵌合部材[53]から垂直に延びるノッチ[57]をさらに含むことができる。ノッチ[57]は、第2のセルホルダ[15]の底部の対応する垂直嵌合部材[53]と接合し、2つのセルホルダ[15]間の水平方向の移動をさらに制限するように構成することができる。いくつかの例示的な態様では、第2のセルホルダ[15]の底部の垂直嵌合部材[53]は、対応するノッチ溝[59]を含むことができる。セルホルダ[15]は、上表面と底表面の1つもしくは複数または両方の垂直嵌合部材を有することができる。図14Aは、本開示の例示的な態様を例示しており、垂直嵌合部材[53]は、ピン部材の形態で、セルホルダ[15]の上表面から垂直に延びることができる。セルホルダ[15]の底面は、第2のセルホルダ[15]の上面の垂直嵌合部材に対応するように、対応する垂直嵌合部材[53]を含むことができる。
【0040】
図14Bに示すように、セルホルダ[15]の底表面は、対応する垂直嵌合部材[53]を含むことができる。いくつかの例示的な態様では、セルホルダ[15]の第1の表面は垂直嵌合部材[53]を含むことができ、セルホルダ[15]の第2の表面は対応する垂直嵌合部材を含むことができる。図14A図14Bに示すように、本開示の例示的な一態様は、セルホルダ[15]のどちらの表面にも、対応する垂直嵌合部材を含むことができ、第1の垂直嵌合部材は、図14Aに示す1つまたは複数のピン部材[53a、53b]の形態とすることができる。第2の表面上の対応する垂直嵌合部材は、第2のセルホルダ[15]のピン部材を捕捉するための開口[53c、53d]とすることができる。いくつかの態様では、底表面もまた、第2のセルホルダ[15]の表面上に位置決めされたサンドイッチロケータ用の開口[60]を含むことができる。ピンの形態をとる垂直嵌合部材[53]は、サンドイッチロケータ[19]と同様にセルホルダ[15]の表面から垂直に延びることができる。垂直嵌合部材ピンは、図16に示すように、サンドイッチロケータ[19]よりも、セルホルダ[15]の表面からより長い距離だけ延びることができる。
【0041】
いくつかの例示的な態様では、第1の水平嵌合部材は、セルホルダ[15]の第1の側面から延出する雄突出嵌合部材とすることができる。第2の水平嵌合部材は、図18に示すように、第2のセルホルダ[15]からの第1の水平嵌合部材を受け入れるように構成された雌溝部材とすることができる。図15に示すように、いくつかの例示的な態様、各セルホルダは、セルホルダ[15]の第1の側面に複数の水平嵌合部材[51a、51b、51c]を、セルホルダ[15]の第2の側面に複数の水平嵌合部材[51d、51e、51f]を有することができる。加えて、第3の側面および第4の側面は、1つまたは複数の垂直スペース固定具キャビティ[55a、55b]を含むことができる。
【0042】
図14図18に示すように、セルホルダ[15]は、1つまたは複数のロケータピン[19]をさらに含むことができ、ロケータピン[19]は、バスバー[16]の正しい配置を確実にするバスバー[16]内のロケータ穴[24]に対応するように構成される。いくつかの例示的な態様では、セルホルダ[15]は、垂直スペース固定具キャビティ[55]をさらに含むことができる。図15に示すように、固定具キャビティは、セルホルダ[15]のどちらかまたは両方の端部に形成することができる。垂直スペーサ固定具キャビティ[55]は、1つまたは複数のバッテリーブリックまたはバッテリーブリックの層を通信可能に結合するときに、バスバーの並列層端子[2]へのより容易なアクセスを可能にするように構成することができる。同様に、垂直スペース固定具キャビティ[55]は、トレッド付きスペーサ[26]およびまたは並列層端子[2]を可能にするように外部筐体[17]の端子スロット[25]に対応することができる。
【0043】
図17に示すように、垂直嵌合部材[53]を使用して、第1のセルホルダ[15a]と第2のセルホルダ[15b]とを垂直関係に結合することができ、いくつかのバッテリーセルを並列に保持し、接続することができる。いくつかの例示的な態様では、第1および第2のセルホルダ[15]間にバスバー[16]を配置することができる。同様に、セルホルダ[15]を使用して、バッテリーセルの層を機械的に嵌合してバッテリーブリック組立体を形成することもできる。図18は、第1のセルホルダの少なくとも1つの第1の水平嵌合部材および第2のセルホルダの第1の水平嵌合部材を使用して水平面で互いに結合された第1のセルホルダ[15a]および第2のセルホルダ[15b]を例示している。いくつかの態様では、セルホルダは、セルキャビティ内のバッテリーセルの移動を制限するように構成された機械的嵌合部材として働くことができる。加えて、セルホルダは、図13に示すように、1つまたは複数のバッテリーブリック組立体を互いに結合するための機械的嵌合部材として働くこともできる。
【0044】
ブリック[1]の組立体は、図5に最もよく例示されている。上述の底部サンドイッチは、ブリックのベースである。外部筐体[17]は、段付き底部カバー[14]に結合される。セル[13]は、並列層[12]を形成するようにセルホルダ[15]の各キャビティに設置される。ねじ付きスペーサ[26]は、端子スロットを通って摺動する。別のスペーサがブリック[1]の第2の端部上へ摺動して、セル[13]と外部筐体[17]との間の隙間を埋める。スペーサ[26]は、バスバーセルタブの撓みを制限し、上方の層からのセルの重量が所与の層に応力を加えないことを保証する。スロット側[25]のねじ付きスペーサ[26]は、外部バスバーまたはラグ端子を並列層の端子[2]に接続するために使用される締結具を受ける。セルの層[12]の上部に設置された内部サンドイッチ、並列層端子[2]は端子スロット[25]を通って摺動する。第2の組のスペーサ[26]も設置され得る。第2のセル層は、第2のセル層に近接した第2の内部サンドイッチと共に設置され得る。さらに、第3のセル層[13]およびスペーサ[26]が、ブリックを閉じる上部サンドイッチと共に設置される。段付き上部カバー[14]が外部筐体に結合され、セルとバスバーとの必要な機械的接触を形成するために内部部品に必要な圧力を与える。セルが位置ずれしているか、または層間に汚染物が存在する場合、上部カバーと外部筐体との間に隙間が存在することになる。この隙間は、組立て不良のしるしである。
【0045】
図17に示すように、垂直嵌合部材[55]を利用して複数のセルホルダを互いに結合することができる。いくつかの例示的な態様では、図18に示すように、1つまたは複数のセルホルダ[15a、15b]を、それぞれのセルホルダ[15a、15b]の水平嵌合部材[51]のうちの1つまたは複数を使用して水平面に沿って互いに嵌合することができる。
【0046】
本開示のセルホルダ[15]の例示的な一態様は、1つまたは複数の水平嵌合部材[51a、51b、51c]を有する第1の側面と、1つまたは複数の対応する水平嵌合部材[51d、51e、51f]を有する第2の側面とを含むことができる。いくつかの態様では、水平嵌合部材[51a、51b、51c]の第1の側面はピンとして形成することができる。ピンは、ピンの端部から垂直に延びる1つまたは複数の追加の延長部を有するt字形ピンなどの任意の形態をとることができる。第2の側面上の嵌合部材[51d、51e、51f]は、セルホルダ[15]の第1の側面上のピンの形状を受け入れるための凹部または対応する開口を含むことができる。これにより、複数のセルホルダ[15]を水平面に沿って互いに結合させることができる。第3の側面は、垂直スペーサ固定具キャビティ[55a]を有することができる。いくつかの態様では、第4の側面もまた、垂直スペーサ固定具キャビティ[55b]を含むことができる。セルホルダの上表面/上面は、バスバー16をセルホルダ[15]上に位置決めするために使用することができる1つまたは複数のサンドイッチロケータピン[19]を含むことができる。
【0047】
セルホルダ[15]の表面は、1つまたは複数のサンドイッチロケータ[19]を有することができる。図16に示すように、いくつかの例示的な態様は、6つのサンドイッチロケータ[19]を有することができる。いくつかの態様では、セルホルダは、少なくとも2つのサンドイッチロケータ[19]を含んでもよく、1つのサンドイッチロケータ[19a]はセルホルダ[15]の第1の側面に近接し、第2のサンドイッチロケータ[19]はセルホルダ[15]の第2の側面に近接している。セルホルダ[15]は、バッテリーセルを保持するための複数のセルキャビティ[20]をさらに含むことができる。セルキャビティ[20]は、1つまたは複数の流通路[18]によって取り囲むことができる。流通路は、バッテリーセルおよびバッテリーパックのより良好な冷却を可能にするために、セル間で液体または空気の移動を生じさせることができる。
【0048】
加えて、上表面は、1つまたは複数の垂直嵌合部材[53a、53b]を含むことができる。垂直嵌合部材[53]は、任意の適切な位置に位置決めすることができる。いくつかの例示的な態様では、セルホルダ[15]は、セルホルダ[15]の上表面に第3の側面に近接して垂直嵌合部材[53a]を有することができる。任意で、第2の垂直嵌合部材[53b]を、セルホルダ[15]の上表面の第4の側面に近接して位置決めすることができる。セルホルダ[15]は、セルホルダ[15]の底表面/底面に1つまたは複数の対応する垂直嵌合部材[53]をさらに含むことができる。図14Bに示すように、底表面は、対応する垂直嵌合部材[53c、53d]を有することができる。垂直嵌合部材は、任意の適切な形態をとることができ、例示に示すピンと開口の形態を含むことができる。いくつかの例示的な態様では、1つまたは複数の垂直嵌合部材[53]は、図16に示すように、垂直嵌合部材ピンの表面から垂直に延びるノッチ[57]をさらに含んでもよい。
【0049】
バッテリーブリックは、その長さに沿ってスライダをインターロックすることによって、隣り合わせに互いに嵌合されてもよい。各層を接続する平坦なバスバーは、より高い構造的剛性を与える。
【0050】
水平嵌合部材および垂直嵌合部材は、底部カバーおよび上部カバーの機械的嵌合部材と同様とすることができる。
【0051】
モジュールは、外部接続のみに使用される締結具で完全に手で組み立てられてもよく、溶接は不要である。接着剤は、特殊な高導電性または高温の接着剤が必要とされることなしに、プラスチック片の間にのみ塗布される。
【0052】
モジュールは、実質的に無制限の並列構成および直列構成を得るために必要に応じて拡張され得る。新しい層を追加して直列要素の数を増やすことができ、新しいブリックを隣り合わせに取り付けて並列要素または直列要素の数を増やすことができる。
【0053】
本開示のモジュール設計が液体冷却を含むシステム設計で使用される場合、液体冷却媒体は、バスバーに接触するときに電気絶縁性でなければならない。
【0054】
バッテリーモジュールを冷却する場合、冷却媒体を支持するために追加の構造または材料が必要である。ブリックは、冷却流路およびマニホールドを一体化するように設計され、モジュール設計における追加の要素必要性を低減する。各ブリックは、それ自体の冷却媒体入口および出口を有し、モジュールシステム全体は、空気流を様々なブリックに分配するためのマニホールドを組み込んでもよい。
【0055】
封止が必要な場合、漏れの可能性が最も高い点は並列層端子である。これらの端子に通じるバスバー部分の周囲にゴムシールを施すことができる。端末のスロットに沿って接着シールを施すことができる。
【0056】
電気的絶縁のためにプラスチック構造が使用され、断熱をもたらし、それによって熱イベントの伝播を抑制する。高熱伝導性プラスチックが使用されてもよい。外部筐体は、アルミニウムなどの金属で作られてもよい。
【0057】
より一体化された設計が必要でありかつパックのパッケージングが許容する場合、すべての並列要素を単一のブリックに含めるようにブリック設計を変更することは容易である。直列要素、すなわち層の数は、パックの高さ限界および冷却媒体を層に押し通すのに必要な圧力によって制限される。理論的には、パック全体を単一のブリックに組み込むことができる。
【0058】
本発明を特定の態様に関して上述したが、本発明はこれらの開示の態様に限定されないことを理解されたい。本開示の教示を読めば、本発明が関係する技術分野の当業者には、本発明の多くの修正例および他の態様が想起され、それらは、本開示と添付の特許請求の範囲の両方であることが意図されており、それらの両方によって包含される。本発明の範囲は、本明細書および添付の図面の開示に依拠して当業者によって理解されるように、添付の特許請求の範囲およびそれらの法的均等物の適切な解釈および構築によって決定されるべきであることが実際に意図されている。
【0059】
要素のリスト
[1]バッテリーブリック
[2]並列層端子
[3]ラグ端子制限チャネル
[4]ディスペンサ
[5]収集器
[6]流れ入口点
[7]流れ出口点
[8]ブリック対ブリック接続ペグ穴
[9]ブリック対ブリックインターロックキャビティ
[10]ブリック対ブリックインターロックピン
[11]プラスチック対プラスチック締結穴
[12]並列セル層
[13]バッテリーセル
[14]段付きカバー
[15]プラスチックホルダ
[16]バスバー
[17]外部筐体
[18]ホルダを通る流通路
[19]サンドイッチロケータ
[20]セルキャビティ
[21]マニホールド一次流路
[22]マニホールド二次流路
[23]バスバーを通る流通路
[24]サンドイッチロケータ穴
[25]端子スロット
[26]ねじ付きスペーサ
[51]水平嵌合部材
[53]垂直嵌合部材
[55]垂直スペーサ固定具キャビティ
[57]ノッチ部材
[59]ノッチ開口
[60]サンドイッチロケータ開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15
図16
図17
図18
【国際調査報告】