(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-19
(54)【発明の名称】ウェアラブル装置
(51)【国際特許分類】
H04R 1/02 20060101AFI20240209BHJP
H04R 1/00 20060101ALI20240209BHJP
【FI】
H04R1/02 108
H04R1/02 107
H04R1/00 328Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023509424
(86)(22)【出願日】2022-01-14
(85)【翻訳文提出日】2023-02-08
(86)【国際出願番号】 CN2022072151
(87)【国際公開番号】W WO2023133846
(87)【国際公開日】2023-07-20
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521080118
【氏名又は名称】シェンツェン・ショックス・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】童 ▲ペイ▼耕
(72)【発明者】
【氏名】王 真
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 磊
(72)【発明者】
【氏名】▲齊▼ 心
【テーマコード(参考)】
5D017
【Fターム(参考)】
5D017BB16
5D017BC05
5D017BC18
(57)【要約】
本願は、ウェアラブル装置を提供する。該ウェアラブル装置は、導流構造であって、ユーザの頭部に装着されるように構成され、第1の接続セグメント、第2の接続セグメント及び下凹セグメントを含み、前記第1の接続セグメント、前記下凹セグメント及び前記第2の接続セグメントが順に接続され、前記下凹セグメントが前記導流構造に対して下方に凹んだ凹みを有する導流構造と、ユーザが話した音声信号を収集するように構成され、上記下凹セグメントに位置する第1のマイクロフォンと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導流構造であって、ユーザの頭部に装着されるように構成され、
第1の接続セグメント、第2の接続セグメント及び下凹セグメントを含み、前記第1の接続セグメント、前記下凹セグメント及び前記第2の接続セグメントが順に接続され、前記下凹セグメントが前記導流構造に対して下方に凹んだ凹みを有する導流構造と、
ユーザが話した音声信号を収集するように構成され、前記下凹セグメントに位置する第1のマイクロフォンと、を含む、ウェアラブル装置。
【請求項2】
前記第1のマイクロフォンは、前記下凹セグメントにおいて下方に凹んだ領域の底部に位置する、請求項1に記載のウェアラブル装置。
【請求項3】
前記第1の接続セグメントは、第1の端部及び第2の端部を含み、前記第2の端部は、前記下凹セグメントに接続され、前記下凹セグメントの底部に対する前記第1の端部の高さは、前記下凹セグメントの底部に対する前記第2の端部の高さ以下である、請求項1に記載のウェアラブル装置。
【請求項4】
前記第2の接続セグメントは、第3の端部及び第4の端部を含み、前記第3の端部は、前記下凹セグメントに接続され、前記下凹セグメントの底部に対する前記第3の端部の高さは、前記下凹セグメントの底部に対する前記第4の端部の高さ以上である、請求項3に記載のウェアラブル装置。
【請求項5】
前記下凹セグメントの底部に対する前記第2の端部の高さは、前記下凹セグメントの底部に対する前記第3の端部の高さ以上である、請求項4に記載のウェアラブル装置。
【請求項6】
前記下凹セグメントは、第1の接続部及び第2の接続部を含み、前記第1の接続部は、前記第1の接続セグメントと湾曲して接続され、下方に延在し、前記第2の接続部は、前記第2の接続セグメントと湾曲して接続され、下方に延在し、前記第1の接続部の前記第1の接続セグメントから離れた一端は、前記第2の接続部の前記第2の接続セグメントから離れた一端に接続される、請求項1に記載のウェアラブル装置。
【請求項7】
前記第1の接続部と前記第2の接続部との間隔は、前記下凹セグメントの凹み方向に沿って漸次縮小する、請求項6に記載のウェアラブル装置。
【請求項8】
外部音声を伝達する音声案内構造をさらに含み、前記音声案内構造は、前記下凹セグメントに接続され、内部が貫通する構造であり、一端が外部環境に連通し、前記第1のマイクロフォンが前記音声案内構造の他端に位置する、請求項1に記載のウェアラブル装置。
【請求項9】
前記音声案内構造の内部には、順に湾曲して連通する複数の音声案内チャネルが設置される、請求項8に記載のウェアラブル装置。
【請求項10】
前記音声案内構造は、連通孔を通して外部に連通するキャビティを含む、請求項8に記載のウェアラブル装置。
【請求項11】
前記音声案内構造は、前記音声案内構造の長さ方向に沿って間隔を隔てて分布する複数のキャビティを含み、隣接する前記キャビティの間は、連通孔を通して連通し、
音声案内構造の幅方向に沿った前記キャビティの寸法は、音声案内構造の幅方向に沿った前記連通孔の寸法より大きい、請求項8に記載のウェアラブル装置。
【請求項12】
前記第2の接続セグメントに第2のマイクロフォンが設置される、請求項1に記載のウェアラブル装置。
【請求項13】
ユーザが前記ウェアラブル装置を装着している場合、前記第1のマイクロフォンと前記第2のマイクロフォンの接続線は、ユーザの口の方向に指向する、請求項12に記載のウェアラブル装置。
【請求項14】
前記第1のマイクロフォンにおける振動膜の振動方向は、前記第2のマイクロフォンにおける振動膜の振動方向と基本的に垂直である、請求項12に記載のウェアラブル装置。
【請求項15】
前記第1のマイクロフォンと前記第2のマイクロフォンとの距離は、5mm~70mmである、請求項12に記載のウェアラブル装置。
【請求項16】
前記下凹セグメントに位置する音響出力ユニットをさらに含む、請求項15に記載のウェアラブル装置。
【請求項17】
前記第1のマイクロフォンの振動膜の振動方向は、前記音響出力ユニットの振動膜の振動方向と基本的に垂直である、請求項16に記載のウェアラブル装置。
【請求項18】
前記ウェアラブル装置の前記第1のマイクロフォン又は第2のマイクロフォンは、前記音響出力ユニットの音響ヌル領域に位置する、請求項16に記載のウェアラブル装置。
【請求項19】
前記導流構造は、それぞれユーザの左耳と右耳に架設される第1の導流構造と第2の導流構造を含む、請求項1に記載のウェアラブル装置。
【請求項20】
前記ウェアラブル装置は、前記第1の導流構造又は前記第2の導流構造の第1の接続セグメントに接続される可視部材をさらに含む、請求項19に記載のウェアラブル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、ウェアラブル装置の技術分野に関し、特にウェアラブル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子装置の発展に伴い、人々の生活との関連性がますます緊密になり、多くの人は屋外で活動するか又は運動する時にマイクロフォンを有する電子装置(例えば、イヤホン、携帯電話、スマートメガネなど)を装着する場合がある。しかしながら、ユーザがランニング、サイクリングなどの運動を行う時、又は屋外が強風の天気である時、電子装置におけるマイクロフォンの収音孔の位置で気流速度が大きく、通話中に非常に明らかな風雑音があり、通話音声をマスキングし、通話効果及びユーザ体験に深刻な影響を与える場合までもある。
【0003】
上記問題に基づいて、本願は、優れた装着体験及び高い風雑音低減効果を有するウェアラブル装置を提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願の実施例に係るウェアラブル装置は、導流構造であって、ユーザの頭部に装着されるように構成され、第1の接続セグメント、第2の接続セグメント及び下凹セグメントを含み、前記第1の接続セグメント、前記下凹セグメント及び前記第2の接続セグメントが順に接続され、前記下凹セグメントが前記導流構造に対して下方に凹んだ凹みを有する導流構造と、ユーザが話した音声信号を収集するように構成され、上記下凹セグメントに位置する第1のマイクロフォンと、を含む。
【0005】
いくつかの実施例において、上記第1のマイクロフォンは、上記下凹セグメントにおいて下方に凹んだ領域の底部に位置する。
【0006】
いくつかの実施例において、上記第1の接続セグメントは、第1の端部及び第2の端部を含み、上記第2の端部は、上記下凹セグメントに接続され、上記下凹セグメントの底部に対する上記第1の端部の高さは、上記下凹セグメントの底部に対する上記第2の端部の高さ以下である。
【0007】
いくつかの実施例において、上記第2の接続セグメントは、第3の端部及び第4の端部を含み、上記第3の端部は、上記下凹セグメントに接続され、上記下凹セグメントの底部に対する上記第3の端部の高さは、上記下凹セグメントの底部に対する上記第4の端部の高さ以上である。
【0008】
いくつかの実施例において、上記下凹セグメントの底部に対する上記第2の端部の高さは、上記下凹セグメントの底部に対する上記第3の端部の高さ以上である。
【0009】
いくつかの実施例において、上記下凹セグメントは、第1の接続部及び第2の接続部を含み、上記第1の接続部は、上記第1の接続セグメントと湾曲して接続され、下方に延在し、上記第2の接続部は、上記第2の接続セグメントと湾曲して接続され、下方に延在し、上記第1の接続部の上記第1の接続セグメントから離れた一端は、上記第2の接続部の上記第2の接続セグメントから離れた一端に接続される。
【0010】
いくつかの実施例において、上記第1の接続部と上記第2の接続部との間隔は、上記下凹セグメントの凹み方向に沿って漸次縮小する。
【0011】
いくつかの実施例において、外部音声を伝達する音声案内構造をさらに含み、上記音声案内構造は、上記下凹セグメントに接続され、内部が貫通する構造であり、一端が外部環境に連通し、上記第1のマイクロフォンが上記音声案内構造の他端に位置する。
【0012】
いくつかの実施例において、上記音声案内構造の内部には、順に湾曲して連通する複数の音声案内チャネルが設置される。
【0013】
いくつかの実施例において、上記音声案内構造は、連通孔を通して外部に連通するキャビティを含む。
【0014】
いくつかの実施例において、上記音声案内構造は、上記音声案内構造の長さ方向に沿って間隔を隔てて分布する複数のキャビティを含み、隣接する上記キャビティの間は、連通孔を通して連通し、音声案内構造の幅方向に沿った上記キャビティの寸法は、音声案内構造の幅方向に沿った上記連通孔の寸法より大きい。
【0015】
いくつかの実施例において、上記第2の接続セグメントに第2のマイクロフォンが設置される。
【0016】
いくつかの実施例において、ユーザが上記ウェアラブル装置を装着している場合、上記第1のマイクロフォンと上記第2のマイクロフォンの接続線は、ユーザの口の方向に指向する。
【0017】
いくつかの実施例において、上記第1のマイクロフォンにおける振動膜の振動方向は、上記第2のマイクロフォンにおける振動膜の振動方向と基本的に垂直である。
【0018】
いくつかの実施例において、上記第1のマイクロフォンと上記第2のマイクロフォンとの距離は、5mm~70mmである。
【0019】
いくつかの実施例において、上記下凹セグメントに位置する音響出力ユニットをさらに含む。
【0020】
いくつかの実施例において、上記第1のマイクロフォンの振動膜の振動方向は、上記音響出力ユニットの振動膜の振動方向と基本的に垂直である。
【0021】
いくつかの実施例において、上記ウェアラブル装置の上記第1のマイクロフォン又は第2のマイクロフォンは、上記音響出力ユニットの音響ヌル領域に位置する。
【0022】
いくつかの実施例において、上記導流構造は、それぞれユーザの左耳と右耳に架設される第1の導流構造と第2の導流構造を含む。
【0023】
いくつかの実施例において、上記ウェアラブル装置は、上記第1の導流構造又は上記第2の導流構造の第1の接続セグメントに接続される可視部材をさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本願のいくつかの実施例に係るウェアラブル装置の例示的なブロック図である。
【
図2】本願のいくつかの実施例に係るウェアラブル装置の概略構成図である。
【
図3】本願のいくつかの実施例に係る他のウェアラブル装置の概略構成図である。
【
図4】本願の明細書のいくつかの実施例に係る異なる気流方向の流れ場の図である。
【
図5】本願の明細書のいくつかの実施例に係る流速変化の曲線図である。
【
図6】本願の明細書のいくつかの実施例に係る導流構造の概略図である。
【
図7】本明細書のいくつかの実施例に係る導流構造の概略構成図である。
【
図8】本願の明細書のいくつかの実施例に係る異なる流れ方向の気流流れ場の図である。
【
図9】本願の明細書のいくつかの実施例に係る流速変化の曲線図である。
【
図10A】本願のいくつかの実施例に係る気流方向が平行である場合の3次元流れ場分布図である。
【
図10B】本願のいくつかの実施例に係る気流方向が平行である場合の凹み領域における異なる位置での気流速度分布図である。
【
図11A】本願のいくつかの実施例に係る気流方向が60°である場合の3次元流れ場分布図である。
【
図11B】本願のいくつかの実施例に係る気流方向が60°である場合の凹み領域における異なる位置での気流速度分布図である。
【
図12A】本願のいくつかの実施例に係る気流方向が90°である場合の3次元流れ場分布図である。
【
図12B】本願のいくつかの実施例に係る気流方向が90°である場合の凹み領域における異なる位置での気流速度分布図である。
【
図13】本明細書のいくつかの実施例に係る音声案内構造の概略構成図である。
【
図14】本明細書のいくつかの実施例に係る音声案内構造の概略構成図である。
【
図15】本明細書のいくつかの実施例に係るユーザがウェアラブル装置を装着している場合の概略図である。
【
図16】本明細書のいくつかの実施例に係る音響出力ユニットの音場放射図である。
【
図17】本明細書のいくつかの実施例に係る音響出力ユニットの他の音場放射図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本願の実施例の技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明における図面は、本願のいくつかの例示又は実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて本願を他の類似のシナリオに適用することができる。言語環境から明らかではないか又は明記されていない限り、図面において同じ符号は同じ構造又は操作を表す。
【0026】
本明細書で使用される「システム」、「装置」、「ユニット」及び/又は「モジュール」が、レベルの異なる様々なコンポーネント、素子、部材、部分又は組立体を区別する方法であることを理解されたい。しかしながら、他の用語が同じ目的を達成することができれば、上記用語の代わりに他の表現を用いることができる。
【0027】
本願及び特許請求の範囲で示されるように、文脈が明確に別段の指示をしない限り、「1つ」、「1個」、「1種」及び/又は「該」などの用語は、特に単数形を意味するものではなく、複数形を含んでもよい。一般的に、用語「含む」及び「含有」は、明確に特定されたステップ及び要素を含むことを提示するものに過ぎず、これらのステップ及び要素は、排他的な羅列ではなく、方法又は装置は、また他のステップ又は要素を含む可能性がある。
【0028】
本明細書の実施例において、ウェアラブル装置が説明される。いくつかの実施例において、該ウェアラブル装置は、ユーザの頭部に装着されるように構成された導流構造を含んでもよい。例えば、ウェアラブル装置がメガネである場合、導流構造は、テンプル又はその局所構造であってもよい。いくつかの実施例において、導流構造は、順に接続された第1の接続セグメント、下凹セグメント、及び第2の接続セグメントを含んでもよく、下凹セグメントは、第1の接続セグメントと第2の接続セグメントとの間に位置し、導流構造に対して下方に凹んだ凹みを有する。いくつかの実施例において、ウェアラブル装置は、ユーザが話した時に生成した音声信号を収集するように構成され、下凹セグメントに位置する第1のマイクロフォンをさらに含んでもよい。いくつかの実施例において、第1のマイクロフォンは、下凹セグメントの内部に位置し、下凹セグメントにおける音響入力孔により、ユーザが話した時の音声信号をピックアップしてもよい。いくつかの実施例において、ウェアラブル装置は、オーディオ機能を有する電子装置(例えば、メガネ、スマートヘルメットなど)であってもよく、ユーザがウェアラブル装置を装着して運動するか又は強風の天気状況にいる場合、導流構造は、気流の流れ方向を変更し、導流構造に対して下方に凹んだ下凹セグメントに低流速領域を形成することができ、第1のマイクロフォン又は音響入力孔を下凹セグメントに設置することで、外部気流によるマイクロフォンへの影響を顕著に低減し、第1のマイクロフォンがユーザが話した時の音声信号を収集する品質を保障し、ユーザ体験を向上させることができる。本明細書の実施例に係るウェアラブル装置中の導流構造は、高い風雑音防止効果を有し、例えば、二重空気伝導マイクロフォンのみを採用すれば、従来のマルチマイクロフォンアレイ又は骨伝導マイクロフォンの雑音低減効果を達成することができる。一方、本明細書の実施例に係るウェアラブル装置は、体積が小さく、ウェアラブル装置の局所構造(例えば、テンプル)を導流構造に類似する構造に調整すればよい。それ以外に、本明細書の実施例に係るウェアラブル装置は、物理的方法により風雑音を低減し、音声信号(例えば、ユーザが話した時の音声信号)への損害が小さく、後続のアルゴリズム処理に、より多くの可能性を残す。
【0029】
図1は、本願のいくつかの実施例に係るウェアラブル装置の例示的なブロック図である。
図1に示すように、ウェアラブル装置100は、導流構造110、可視部材120及びマイクロフォン130を含んでもよい。
【0030】
いくつかの実施例において、ウェアラブル装置100としては、メガネ、スマートブレスレット、イヤホン、補聴器、スマートヘルメット、スマートウォッチ、スマート衣類、スマートバックパック、スマートアクセサリなど又はそれらの任意の組み合わせが挙げられる。例えば、ウェアラブル装置100は、機能型の近視用メガネ、老眼鏡、サイクリング用グラス又はサングラスなどであってもよく、イヤホン機能を有するオーディオメガネなどのスマート化メガネであってもよく、該ウェアラブル装置100は、ヘルメット、拡張現実(Augmented Reality、AR)装置又は仮想現実(Virtual Reality、VR)装置などのヘッドマウント装置であってもよい。いくつかの実施例において、拡張現実装置又は仮想現実装置としては、仮想現実ヘルメット、仮想現実メガネ、拡張現実ヘルメット、拡張現実メガネなど又はそれらの任意の組み合わせが挙げられる。例えば、仮想現実装置及び/又は拡張現実装置は、Google Glass、Oculus Rift、Hololens、Gear VRなどを含んでもよい。
【0031】
導流構造110は、ユーザの頭部に装着される部材であってもよい。いくつかの実施例において、導流構造110は、テンプル又はヘッドバンドなどの部材であってもよい。例えば、導流構造110は、テンプルであり、該ウェアラブル装置100は、可視部材120と、それぞれ可視部材の両端に接続され、対応する左耳と右耳に架設される2つの導流構造110とを含んでもよい。また、例えば、導流構造110は、ヘッドバンド型部材であり、ヘッドバンド型部材を調整してユーザのヘッド型に適応させることができ、様々な機能部材が設置されてもよく、この場合、ウェアラブル装置100は、可視部材と、両端がそれぞれ可視部材の両端に接続された導流構造110と、を含む。なお、導流構造110の構造は、ウェアラブル装置100のタイプ又は具体的な適用シナリオに応じて適応的に調整することができる。いくつかの実施例において、導流構造110は、順に接続された第1の接続セグメント、下凹セグメント、及び第2の接続セグメントを含んでもよく、下凹セグメントは、第1の接続セグメントと第2の接続セグメントとの間に位置し、導流構造110に対して下方に凹んだ凹みを有する。導流構造110は、ウェアラブル装置100の導流構造としてもよく、ウェアラブル装置100は、該導流構造110によりユーザの頭部に装着されてもよい。一方、導流構造110は、気流の流れ方向を変更し、導流構造110に対して下方に凹んだ下凹セグメントに低流速領域を形成することができ、マイクロフォン130を下凹セグメントに設置することで、ユーザが話した時の音声信号に対する外部気流の影響を顕著に低減し、ユーザ体験を向上させることができる。
【0032】
いくつかの実施例において、ウェアラブル装置100は、可視部材120をさらに含んでもよい。可視部材120は、ユーザの身体のある部位、例えば、眼部などの位置に架設される。導流構造110は、可視部材120の一端又は両端に接続され、ウェアラブル装置100とユーザとの安定的な接触を保持してもよい。いくつかの実施例において、可視部材120は、レンズ、ディスプレイ又はレンズ作用を有するディスプレイであってもよい。いくつかの実施例において、可視部材120は、レンズ及びその補助部材又はディスプレイ及びその補助部材であってもよく、該補助部材は、メガネフレーム又はサポートフレームなどの部材であってもよい。いくつかの実施例において、可視部材120は、レンズ又はディスプレイを含まない補助部材であってもよい。
【0033】
マイクロフォン130は、音声信号を音声情報を含有する信号に変換してもよい。いくつかの実施例において、マイクロフォン130は、1つ又は複数の空気伝導マイクロフォンを含んでもよい。いくつかの実施例において、マイクロフォン130は、1つ又は複数の骨伝導マイクロフォンを含んでもよい。いくつかの実施例において、マイクロフォン130は、1つ又は複数の空気伝導マイクロフォンと1つ又は複数の骨伝導マイクロフォンとの組み合わせを同時に含んでもよい。いくつかの実施例において、マイクロフォン130の数が複数である場合、少なくとも1つのマイクロフォン(例えば、第1のマイクロフォン)が導流構造110の下凹セグメントに位置してもよく、或いはマイクロフォンに対応する音響入力孔が導流構造の下凹セグメントに位置してもよい。下凹セグメントは、低流速領域を提供することができる。マイクロフォン130が低流速領域に位置することで、ユーザが話した時の音声信号に対する外部気流の影響を顕著に低減し、ユーザ体験を向上させることができる。いくつかの実施例において、マイクロフォン130は、導流構造110の第2の接続セグメントなどの、導流構造110の他の位置に位置してもよい。いくつかの実施例において、マイクロフォン130は、導流構造110の外面又は導流構造110の内部に設置されてもよい。例えば、マイクロフォン130は、導流構造110の外面上のユーザの口に近接する位置に設置されてもよい。また、例えば、導流構造110は、マイクロフォン130を収容するキャビティを含んでもよく、キャビティは、音響入力孔により外部環境に連通し、マイクロフォン130の少なくとも一部がキャビティに収容されてもよく、マイクロフォン130は、音響入力孔により外部の音声信号をピックアップする。さらに、例えば、マイクロフォン130と導流構造110は、一体式構造である。いくつかの実施例において、マイクロフォン130の種類は、可動コイルマイクロフォン、コンデンサマイクロフォン、リボンマイクロフォン、圧電マイクロフォン、真空管マイクロフォンなどのうちの少なくとも1種を含んでもよい。
【0034】
いくつかの実施例において、ウェアラブル装置100は、音響出力ユニット(
図1には図示せず)をさらに含んでもよい。音響出力ユニットは、音声情報を含有する信号を音声信号に変換してもよい。いくつかの実施例において、音響出力ユニットは、1つ又は複数の空気伝導スピーカーを含んでもよい。いくつかの実施例において、音響出力ユニットは、1つ又は複数の骨伝導スピーカーを含んでもよい。いくつかの実施例において、音響出力ユニットは、1つ又は複数の骨伝導スピーカーと1つ又は複数の空気伝導スピーカーとの組み合わせを同時に含んでもよい。いくつかの実施例において、音響出力ユニットは、発された音声を容易にユーザに伝達するように、導流構造110に設置されてもよい。いくつかの実施例において、音響出力ユニットは、導流構造110の端部又は他の任意の位置に設置されてもよい。例えば、音響出力ユニットは、導流構造110の端部に設置され、導流構造110の他の位置には音響出力ユニットが設置されていなくてもよい。いくつかの実施例において、導流構造110の複数の位置に複数の音響出力ユニットが設置されてもよい。例えば、導流構造110の端部又は他の位置にいずれも少なくとも1つの音響出力ユニットが設置される。いくつかの実施例において、音響出力ユニットは、導流構造110の外面又は導流構造110の内部に設置されてもよい。例えば、音響出力ユニットは、導流構造110がユーザと接触する位置の近く(例えば、導流構造110上のこめかみから耳の近くまでの位置)に設置されてもよい。また、例えば、導流構造110は、音響出力ユニットを収容するキャビティを含んでもよく、音響出力ユニットの少なくとも一部は、キャビティに収容されてもよい。さらに、例えば、音響出力ユニットと導流構造110は、一体構造である。なお、音響出力ユニットが骨伝導スピーカーである場合、音響出力ユニットは、機械的振動(すなわち、骨伝導音波)を出力すると同時に、空気伝導音波を生成してもよい。上記変換の過程において、複数のタイプのエネルギーの共存及び変換が含まれる可能性がある。例えば、電気信号(すなわち、音声情報を含有する信号)は、音響出力ユニットの振動子により機械的振動に直接的に変換することができ、振動伝達素子により機械的振動を伝導して音波を伝達する。いくつかの実施例において、音響出力ユニットの種類は、可動コイル式、静電式、圧電式、可動鉄片式、空気圧式、電磁式などのうちの1種又は複数種を含んでもよい。
【0035】
なお、
図1に係るブロック図は、説明の目的のためのものにすぎず、本願の範囲を限定することを意図するものではない。当業者であれば、本願の教示の下で、様々な変形及び修正を行うことができる。これらの変形及び修正は、いずれも本願の保護範囲内にある。いくつかの実施例において、図に示す素子の数は、実際の状況に応じて調整してもよい。いくつかの実施例において、
図1に示す1つ又は複数の素子を省略してもよく、又は1つ又は複数の他の素子を追加又は削除してもよい。例えば、ウェアラブル装置100は、音響出力ユニットをさらに含んでもよい。いくつかの実施例において、1つの素子は、類似する機能を実現できる他の素子で置き換えられてもよい。いくつかの実施例において、1つの素子が複数のサブ素子に分割されてもよく、複数の素子が単一の素子に統合されてもよい。
【0036】
ウェアラブル装置をさらに説明するために、以下にウェアラブル装置を例示的に説明する。
図2は、本願のいくつかの実施例に係るウェアラブル装置の概略構成図である。
図2に示すウェアラブル装置200は、VR装置又はAR装置である。
図2に示すように、ウェアラブル装置200は、導流構造210、可視部材220及び第1のマイクロフォン230を含んでもよい。いくつかの実施例において、導流構造210は、ヘッドバンド型部材であり、弾性材料で製造された構造又は長さ調整可能な構造であってもよい。導流構造210の両端は、それぞれ可視部材220の両端に接続され、ユーザがウェアラブル装置200を装着している時、導流構造210及び可視部材220は、ユーザの頭部に回し、導流構造210及び可視部材220のユーザの頭部に対する圧力によりウェアラブル装置200の装着を実現する。いくつかの実施例において、導流構造210と可視部材220との接続方式は、回転可能な接続又は伸縮可能な接続などの可動接続を含むが、これらに限定されず、係止、螺着又は一体成形接続などの相対的に固定的な接続方式であってもよい。
【0037】
いくつかの実施例において、導流構造210は、順に接続された第1の接続セグメント211、下凹セグメント212及び第2の接続セグメント213を含んでもよい。第1の接続セグメント211は、一端が可視部材220に接続され、他端が下凹セグメント212に接続される。第2の接続セグメント213は、下凹セグメント212の可視部材220から離れた一端に接続される。なお、導流構造210がヘッドバンド型部材である場合、第2の接続セグメント213は、ユーザの頭部に回すヘッドバンドのような構造であってもよく、第2の接続セグメント213は、ヘッドバンドに対して独立した構造であってもよく、例えば、ヘッドバンドは、第2の接続セグメント213に対して取り外し可能に接続(例えば、係止、接着など)されてもよい。ユーザがウェアラブル装置200を装着している場合、下凹セグメント212は、ユーザの耳の近傍(例えば、前側、上側など)に位置してもよい。それにより、第1のマイクロフォン230がユーザの口に近接し、ユーザが話した時の音声信号を受信しやすくし、また、ウェアラブル装置200が音響出力ユニットを含む場合、ユーザの耳道口を塞がず、音響出力ユニットをユーザの耳に近い位置に位置させることができ、ユーザは音響出力ユニットから発した音声を聴取すると同時に、外部環境の音声を受信することもできる。
図2に示すように、下凹セグメント212の導流構造210に対して下方に凹んだ領域は、他の位置(例えば、第1の接続セグメント211、第2の接続セグメント213又は外部環境)に対して、該領域における気流速度が相対的に小さい。外部気流の第1のマイクロフォン230への影響を低減するために、いくつかの実施例において、第1のマイクロフォン230は、下凹セグメント212の内部に位置してもよく、凹み領域に対応する側壁に音響入力孔が形成され、第1のマイクロフォン230は、音響入力孔により外部の音声信号をピックアップする。例えば、下凹セグメント212の内部は、キャビティを有し、該キャビティは、音響入力孔により外部環境に連通し、第1のマイクロフォン230又はその素子(例えば、振動膜、エネルギー変換装置など)は、該キャビティに位置してもよい。この場合、下凹セグメント212を第1のマイクロフォンのハウジング構造と見なしてもよい。下凹セグメント212の下方に凹んだ領域において、導流構造210の頂部から遠く離れた位置ほど、気流速度が小さくなる。第1のマイクロフォン230が収集したユーザの話した時の音声信号の品質を向上させるために、いくつかの実施例において、音響入力孔は、下凹セグメント212における下方に凹んだ領域の底部に位置してもよい。いくつかの実施例において、第1のマイクロフォン230は、下凹セグメント212の外部領域に位置してもよい。例えば、第1のマイクロフォン230は、下凹セグメント212に対して相対的に独立した構造であってもよく、第1のマイクロフォン230のハウジング構造は、下凹セグメント212の側壁に接続される。いくつかの実施例において、第1のマイクロフォン230のハウジング構造に音響入力孔が形成されてもよく、それにより第1のマイクロフォン230の内部素子が外部音声信号をピックアップすることに役立つ。第1のマイクロフォン230のハウジング構造に形成された音響入力孔の位置は、上記下凹セグメント212の側壁上の音響入力孔の内容を参照してもよい。
【0038】
なお、第1のマイクロフォン230は、1つのマイクロフォンであってもよく、複数のマイクロフォンで構成されたマイクロフォンアレイであってもよい。また、ウェアラブル装置200において、第1のマイクロフォン230に限定されず、ウェアラブル装置200は、第2のマイクロフォン、第3のマイクロフォンなどの他のマイクロフォンを含んでもよい。他のマイクロフォンは、導流構造210の他の部位に位置してもよく、例えば、導流構造の第2の接続セグメント213に位置してもよい。ウェアラブル装置200にマルチマイクロフォン(例えば、二重マイクロフォン、三重マイクロフォン)を設置することにより通話雑音低減効果をさらに向上させることができる。
【0039】
図3は、本願のいくつかの実施例に係る他のウェアラブル装置の概略構成図である。
図3に示すウェアラブル装置300はメガネである。
図3に示すように、ウェアラブル装置300は、2つの導流構造310及び可視部材320(すなわち、メガネフレーム又はレンズ)並びに第1のマイクロフォン330を含んでもよい。いくつかの実施例において、導流構造310は、テンプル構造と見なされてもよい。導流構造310の一端(すなわち、第1の接続部材311)は、可視部材320の端部に接続され、2つの導流構造310の第2の接続セグメント313は、それぞれユーザの左耳と右耳にマッチングする。ユーザがウェアラブル装置300を装着している場合、導流構造310がユーザの耳に支えられ、可視部材320がユーザの鼻梁に支えられることで、ウェアラブル装置300の装着を実現する。いくつかの実施例において、導流構造310と可視部材320との接続方式は、回転可能な接続又は伸縮可能な接続などの可動接続を含むが、これらに限定されず、係止、螺着又は一体成形接続などの相対的に固定的な接続方式であってもよい。
図3に示す第1の接続セグメント311、下凹セグメント312、第1のマイクロフォン330の構造などは、
図2に示す第1の接続セグメント211、下凹セグメント212、第1のマイクロフォン230の構造などに類似し、ここでは説明を省略する。
【0040】
なお、上記ウェアラブル装置200及びウェアラブル装置300についての説明は、例示及び説明のためのものにすぎず、本明細書の適用範囲を限定するものではない。当業者であれば、本明細書の説明に基づいて、ウェアラブル装置200及びウェアラブル装置300に対して様々な修正及び変更を行うことができる。しかしながら、これらの修正及び変更は、依然として本明細書の範囲内にある。例えば、ウェアラブル装置200の導流構造210は、テンプル構造であってもよく、ウェアラブル装置300の導流構造310は、ヘッドバンド型部材であってもよい。
【0041】
導流構造が安定した低流速領域を提供できることをさらに説明するために、
図4~
図5を参照してそれをさらに説明する。
図4は、本願の明細書のいくつかの実施例に係る異なる気流方向の流れ場の図である。例示的な説明のみとして、
図4に示すように、いくつかの実施例において、導流構造410の長さ方向(
図4における図aにおける矢印xの方向)に沿って、導流構造410の高さが徐々に増大してから徐々に減少し、導流構造410中の高さが徐々に増大する平面(
図4における図aに示すA、以下に平面Aと略称する)の勾配は、高さが徐々に減少する平面(
図4における図aに示すB、以下に平面Bと略称する)の勾配未満である。導流構造410の高さとは、基準面411に対する導流構造410のz方向の高さを指す。勾配とは、基準面411に対する導流構造410の平面の高さと水平方向の距離との比の値を指す。
【0042】
図4における図aに示すように、導流構造410は気流の流動方向L1に沿って設置され、気流の流速は、10m/sである。導流構造410の長さ方向は、気流の流動方向L1と一致し、気流の流動方向L1と基準面411との夾角が0°であると理解してもよい。導流構造410は、気流の流動方向を変更することができる。この場合、気流は、まず突起構造412における高さが徐々に増大する部分の外面に沿って流れ、導流構造410における高さが徐々に増大する部分は、気流が相対的に安定して流れることを保証し、気流が渦流を起こすことによりさらなるノイズが引き起こされることを防止することができる。導流構造410における平面Bの勾配が平面Aの勾配より大きいため、気流が導流構造410の最高点を通過する時、導流構造410の高さが突然変化することにより、気流が導流構造410の平面Bに沿って流れず、導流構造410の長さ方向に沿って流れ、さらに導流構造410に低流速領域401を形成する。
図4における図aから分かるように、10m/sの気流速度の条件下で、導流構造410の長さ方向に沿って、高さ0.15mmの導流構造410は、その後の約1.5mmの領域の流速が2m/s未満であることを保証することができる。
【0043】
図4における図bに示すように、気流の流動方向L2と基準面411との夾角が60°である場合、導流構造410の長さ方向に沿って、導流構造410の後の約0.4mmの領域内に低流速領域402を形成する。ここで、低流速領域402の長さ範囲は、
図4における図aにおける低流速領域401の長さ範囲に対して明らかに縮小しており、その中に相対的に高速な還流領域が存在する可能性がある。
図4における図cに示すように、気流の流動方向L3と基準面411との夾角が90°である場合、導流構造410の長さ方向に沿って、導流構造410の後に低流速領域403を形成することができる。
【0044】
図5は、本願の明細書のいくつかの実施例に係る流速変化の曲線図である。
図5において、横軸(
図5に示す「x軸(mm)」)は、
図4における横軸に対応し、縦軸は、異なる位置に対する気流流速(m/s)を示す。曲線51(
図5において「0°気流」と注記した曲線)は、気流の流動方向と基準面411との夾角が0°である場合の各位置の流速変化曲線である。曲線52(
図5において「60°気流」と注記した曲線)は、気流の流動方向と基準面411との夾角が60°である場合の各位置の流速変化曲線である。曲線53(
図5において「90°気流」と注記した曲線)は、気流の流動方向と基準面411との夾角が90°である場合の各位置の流速変化曲線である。
図5に示すように、気流の流動方向(例えば、
図4における図aにおける気流の流動方向L1)と基準面411との夾角が0°である場合、横軸が0.8mm~1.8mmの範囲内に、低流速(例えば、2.2m/s未満である)を有し、x軸において0.8mm~0.85mm及び1.4~1.6mmの位置で気流流速の極小値を有する。気流の流動方向(例えば、
図4における図bにおける気流の流動方向L2)と基準面411との夾角が60°である場合、x軸において0.8mm~0.85mm及び1.1~1.2mmの位置で気流流速の極小値を有する。気流の流動方向と基準面411との夾角が90°である場合、x軸において0.8mm~0.85mm及び1.2~1.4mmの位置で気流流速の極小値を有する。
【0045】
図4及び
図5から分かるように、導流構造410は、異なる気流方向の気流に面する場合、いずれも対応する低流速領域を提供することができるが、低流速領域(例えば、2.2m/s)の位置は差異性を有する。いくつかの実施例において、ウェアラブル装置の異なる適用シナリオに応じて、マイクロフォンの取り付け位置又はマイクロフォンに対応する音響入力孔を適応的に調整してもよい。例えば、ユーザがウェアラブル装置を装着してランニングするか又はサイクリングする場合、外部の気流の流動方向は主にユーザの運動方向と逆の方向であり、この場合に導流構造410に対して特定の設定を行うことができ、例えば、導流構造の高さ方向(例えば、
図4における図aに示す矢印yの方向)をユーザの運動方向と垂直又はほぼ垂直にすることにより、マイクロフォンに対応する音響入力孔が低流速領域にあることを保証する。
【0046】
マイクロフォンが異なる気流方向でいずれも低流速領域にあることを保証するために、本明細書の実施例は、さらに導流構造を提供し、具体的には
図6~
図12及びその対応する内容を参照する。
【0047】
図6は、本願の明細書のいくつかの実施例に係る導流構造の概略図である。
図6に示すように、導流構造610は、順に接続された第1の接続セグメント611、下凹セグメント612及び第2の接続セグメント613を含み、下凹セグメント612は、導流構造610に対して下方に凹んだ凹みを有する。いくつかの実施例において、第1の接続セグメント611及び第2の接続セグメント613は、棒状構造であってもよい。第1の接続セグメント611は、第1の端部6111及び第2の端部6112を有する。第1の端部6111は、ウェアラブル装置の可視部材に接続され、第2の端部6112は、下凹セグメント612の第2の接続セグメント613から離れた一端に接続される。第2の接続セグメント613は、第3の端部6131及び第4の端部6132を有する。第3の端部6131は、下凹セグメント612の第1の接続セグメント611から離れた一端に接続される。いくつかの実施例において、下凹セグメント612は、第1の接続部6121及び第2の接続部6122を含んでもよい。第1の接続部6121は、第1の接続セグメント611の第2の端部6112と湾曲して接続され、下方に延在し、第2の接続部6122は、第2の接続セグメント613の第3の端部6131と湾曲して接続され、下方に延在し、第1の接続部6121の第1の接続セグメント611から離れた一端は、第2の接続部6122の第2の接続セグメント613から離れた一端に接続され、それにより、導流構造610に対して下方に凹んだ領域を形成する。下凹セグメント612の凹み領域がマイクロフォンに対応する音響入力孔に安定した低流速領域を提供できることを保証するために、いくつかの実施例において、第1の接続部6121と第2の接続部6122との間隔は、下凹セグメント612の凹み方向に沿って漸次縮小する。ここで、第1の接続部6121と第2の接続部6122との間隔とは、導流構造610の長さ方向に沿って、第1の接続部6121と第2の接続部6122における対向する側壁同士間の間隔(図中の「D」で示す)を指す。いくつかの実施例において、第1の接続部6121及び第2の接続部6122で形成された下凹セグメント612の形状は、円弧形、四角形(例えば、逆台形)、V字形などの他の形状であってもよい。なお、下凹セグメント612の形状は、上記形状に限定されず、任意の形状であってもよく、第1の接続部6121及び第2の接続部6122が導流構造610に対して下方に凹んだ領域を形成すればよい。下凹セグメント612の具体的な形状について、
図7及びその対応する内容を参照することができる。
【0048】
導流構造610において、第1の接続セグメント611、第2の接続セグメント613及び下凹セグメント612を設置することにより、導流構造610に対して下へ凹んだ1つ又は複数の凹み領域を形成することができる。該凹み領域は、特定の気体流動方向で安定した低流速領域を提供することができる。例えば、気体の流動方向が導流構造610の長さ方向と平行である場合、導流構造610の第1の接続セグメント611は、気体を導流構造610より高い位置に導くことにより、下凹セグメント612での凹み領域を低流速領域にすることができる。また、例えば、気体の流動方向が導流構造610の長さ方向と垂直である場合、下凹セグメント612の作用により、気流は、下凹セグメント612における、導流構造610の長さ方向に垂直な両側から流出し、下凹セグメント612における凹み領域の底部は、気流の滞留領域である。第1のマイクロフォンに対応する第1の音響入力孔630を該領域に設置することにより、外部気流の第1のマイクロフォンへの影響を低減することができる。いくつかの実施例において、第1のマイクロフォンは、下凹セグメント612の内部に位置してもよい。例えば、下凹セグメント612は、キャビティを有し、該キャビティは、第1の音響入力孔630を通して外部環境に連通し、第1のマイクロフォンの部材(例えば、振動膜、エネルギー変換装置など)は、該キャビティに位置してもよく、下凹セグメント612を第1のマイクロフォンのハウジングと見なしてもよい。いくつかの実施例において、第1のマイクロフォンは、下凹セグメント612に対して独立した部材であってもよい。例えば、第1のマイクロフォンは、ハウジングを含んでもよい。該ハウジングは、下凹セグメント612に接続され、第1のマイクロフォンの振動膜、エネルギー変換装置などの部材が該ハウジングに位置し、該ハウジングは、第1の音響入力孔630を含み、外部の音声は、該第1の音響入力孔630を通して第1のマイクロフォンの振動膜に作用してもよい。下凹セグメント612の凹み領域において、導流構造610の頂部から遠く離れた位置ほど、気流速度が小さくなる。第1のマイクロフォンが収集したユーザの話した時の音声信号の品質を向上させるために、いくつかの実施例において、第1のマイクロフォンに対応する第1の音響入力孔630は、該凹み領域に対応する側壁に位置してもよい。好ましくは、第1のマイクロフォンに対応する第1の音響入力孔630は、下凹セグメント612における凹み領域の底部に位置してもよい。いくつかの実施例において、第1の音響入力孔630の凹み領域の底部に対する高さを調整することにより、第1のマイクロフォンが外部気流から受ける影響を小さくすることができる。いくつかの実施例において、第1の音響入力孔630から凹み領域の底部までの間隔と第2の端部6112から凹み領域の底部までの間隔との比の値の範囲は、0~1であってもよい。好ましくは、第1の音響入力孔630から凹み領域の底部までの間隔と第2の端部6112から凹み領域の底部までの間隔との比の値の範囲は、0~0.8であってもよい。より好ましくは、第1の音響入力孔630から凹み領域の底部までの間隔と第2の端部6112から凹み領域の底部までの間隔との比の値の範囲は、0~0.5であってもよい。さらに好ましくは、第1の音響入力孔630から凹み領域の底部までの間隔と第2の端部6112から凹み領域の底部までの間隔との比の値の範囲は、0~0.2であってもよい。なお、第1の音響入力孔630から凹み領域の底部までの間隔とは、ユーザがウェアラブル装置を装着している時、第1の音響入力孔630から凹み領域の最底部が位置する平面までの最小距離を指す。第2の端部6112から凹み領域の底部までの間隔とは、ユーザがウェアラブル装置を装着している時、第2の端部6112の最高点から凹み領域の底部が位置する平面までの間隔を指す。なお、いくつかの実施例において、凹み領域の底部は、平面、凸面、凹面又は不規則な面であってもよい。凹み領域の底部が平面ではない場合、第1の接続部6121及び第2の接続部6122を凹み領域の底部の境界と接続して凹み領域の底部が位置する平面とすることができる。
【0049】
いくつかの実施例において、ウェアラブル装置は、1つ又は複数の第2のマイクロフォンを含んでもよい。第2のマイクロフォンに対応する第2の音響入力孔632は、第2の接続セグメント613に位置してもよい。いくつかの実施例において、第2のマイクロフォンに対応する第2の音響入力孔632は、下凹セグメント612の第2の接続部6122に位置してもよい。例えば、第2のマイクロフォンに対応する第2の音響入力孔632は、凹み領域に対応する第2の接続部6122の側壁に位置してもよい。また、例えば、第2のマイクロフォン623は、第2の接続部6122の凹み領域から離れた側に位置してもよい。
【0050】
図7は、本明細書のいくつかの実施例に係る導流構造の概略構成図である。
図7における図aに示す導流構造のように、下凹セグメント712aがほぼV字形の構造である。外部環境中の気流を下凹セグメント712aの凹み領域より高い位置に導くために、いくつかの実施例において、下凹セグメント712aの底部に対する第1の接続部711の第1の端部7111の高さは、下凹セグメント712aの底部に対する第2の端部7112の高さ以下である。下凹セグメント712aの底部に対する第1の端部7111の高さとは、第1の端部7111の上端面と下凹セグメント712aの底部が位置する平面との間隔D1を指す。下凹セグメント712aの底部に対する第2の端部7112の高さとは、第2の端部7112の上端面と下凹セグメント712aの底部が位置する平面との間隔D2を指す。ここで、下凹セグメント712aの底部が位置する平面(
図7aにおいて、点鎖線Oで示し、以下に平面Oと略称する)は、導流構造の長さ方向と平行であるか又はほぼ平行である。いくつかの実施例において、下凹セグメント712aの底部に対する第3の端部7131の高さは、下凹セグメント712aの底部に対する第4の端部7132の高さ以上である。下凹セグメント712aの底部に対する第3の端部7131の高さとは、第3の端部7131の上端面と下凹セグメント712aの底部が位置する平面(平面O)との間隔D3を指す。下凹セグメント712aの底部に対する第4の端部7132の高さとは、第4の端部7132の上端面と下凹セグメント712aの底部が位置する平面(平面O)との間隔D4を指す。外部気流が第2の端部7112を通過する場合、気流が第3の端部7131に遮断されて凹み領域に入ることを防止するために、いくつかの実施例において、下凹セグメント712aの底部に対する第2の端部7111の高さは、下凹セグメント712aの底部に対する第3の端部7131の高さ以上であり、つまち、間隔D2は、間隔D3以上である。
【0051】
図7における図b、c、dに示す導流構造は、
図7における図aにおける導流構造と略同じであり、相違点は、下凹セグメントの構造が異なることである。
図7における図bに示す導流構造において、下凹セグメント712bは、逆台形に類似する構造であり、下凹セグメント712bに逆台形領域に類似する低流速領域が形成する。
図7における図cに示す導流構造において、下凹セグメント712cは、円弧状構造であり、下凹セグメント712cに円弧状の低流速領域が形成する。
図7における図dに示す導流構造において、下凹セグメント712dは、W字形に類似する構造であり、下凹セグメント712dにW字形に類似する低流速領域が形成する。
図7b~
図7dにおける第1の接続セグメント、第2の接続セグメント及びその端部とベースとの間の高さについて、上記
図7における図aの説明を参照することができる。
【0052】
導流構造が様々な気流の流れ方向の場合に安定した低流速領域を提供できることをさらに説明するために、
図8~
図12を参照してそれをさらに説明する。
図8は、本願の明細書のいくつかの実施例に係る異なる流れ方向の気流流れ場の図である。ここで、下凹セグメントがV字形構造であることを例示的に説明する。
図8における図aに示すように、導流構造を気流の流動方向に沿って設置する。ここで、気流の流速は、10m/sである。導流構造の長さ方向は、気流の流動方向と一致する。導流構造の第1の接続セグメント811は、気流の流動方向を変更することができ、この場合に、気流の流れ方向は、第1の接続セグメント811の第1の端部の作用下で変更され、第1の接続セグメント811の第1の端部に作用した気流部分は、第1の接続セグメント811の上方の位置に沿って流れ、ここで、気流は、下凹セグメント812を通過する時、導流構造の長さ方向に沿って引き続き流れ、さらに下凹セグメント812の凹み領域に低流速領域814を形成する。
図8における図b及び図cに示すように、気流の流動方向と導流構造の長さ方向との夾角がそれぞれ60°と90°である場合、下凹セグメント812の作用により、気流は、下凹セグメント812における導流構造の長さ方向に垂直な両側から流出し、下凹セグメント812における凹み領域の底部は、気流の滞留領域(例えば、
図8における図bに示す領域815及び図cに示す領域816)となる。
【0053】
図9は、本願の明細書のいくつかの実施例に係る流速変化の曲線図である。
図9において、横軸は、長さ(mm)を表し、ここで、長さとは物体が(
図8に示す)第2の端部8112を起点とし、下凹セグメントの凹み領域に対応する側壁表面に沿って移動する経路の長さを指し、縦軸は、第2の端部からの異なる距離に対応する気流流速(m/s)を表す。曲線91(
図9において「平行気流」と注記した曲線)は、気流の流動方向が導流構造の長さ方向と平行である場合の各位置の流速変化曲線である。曲線92(
図9において「60°気流速度」と注記した曲線)は、気流の流動方向と導流構造の長さ方向との間の夾角が60°である場合の各位置の流速変化曲線である。曲線93(
図9において「90°気流速度」と注記した曲線)は、気流の流動方向と導流構造の長さ方向との夾角が90°である場合の各位置の流速変化曲線である。
図9に示すように、第1の接続セグメント811の第2の端部8112から右側に0mm~45mm離れた領域(すなわち、下凹セグメント812の凹み領域の範囲内)で、異なる気流方向の気流の速度は、いずれも1.5m/s未満であり、該領域の気流速度は、外部気流の速度(10m/s)よりはるかに小さい。また、第1の接続セグメント811の第2の端部8112から右側に23mm~27mm離れた領域(凹み領域の底部)で、異なる気流方向の気流速度は、極小値を有する。
【0054】
図8及び
図9から分かるように、導流構造における下凹セグメントの凹み領域は、異なる気流方向の気流に面する場合、いずれも特定の位置にある低流速領域を提供することができると同時に、導流構造は、異なる気流方向の気流に面する場合、異なる気流方向の気流速度の極小値も特定の領域内にある。外部気流の第1のマイクロフォンへの影響を減少し、第1のマイクロフォンが収集したユーザの話した時の音声信号の品質を保証するために、いくつかの実施例において、第1のマイクロフォンに対応する音響入力孔は、凹み領域の下凹セグメントに対応する側壁に位置してもよい。いくつかの実施例において、第2の端部を起点とし、下凹セグメントの凹み領域に対応する側壁(例えば、
図8における図aに示すV字形の輪郭)に沿って、第1のマイクロフォンに対応する音響入力孔は、第1の接続セグメントの第2の端部から0mm~45mm離れた位置に位置してもよい。好ましくは、第1のマイクロフォンに対応する音響入力孔は、第1の接続セグメントの第2の端部から5mm~42mm離れた位置に位置してもよい。より好ましくは、第1のマイクロフォンに対応する音響入力孔は、第1の接続セグメントの第2の端部から20mm~30mm離れた位置に位置してもよい。またさらに好ましくは、第1のマイクロフォンに対応する音響入力孔は、第1の接続セグメントの第2の端部から23mm~27mm離れた位置に位置してもよい。例示的な説明のみとして、第1のマイクロフォンに対応する音響入力孔は、第1の接続セグメントの第2の端部から25mm離れた位置に位置してもよい。なお、ここで、第1の接続セグメントの第2の端部から離れた範囲とは、物体が(
図8に示す)第2の端部8112を起点とし、下凹セグメントの凹み領域に対応する側壁表面に沿って移動する経路の長さを指す。いくつかの実施例において、第1のマイクロフォンに対応する音響入力孔から凹み領域の底部までの寸法と第1の接続部又は第2の接続部の長さとの比の値を調整することにより、外部気流の第1のマイクロフォンへの影響を減少してもよい。第1のマイクロフォンに対応する音響入力孔が第1の接続部の側壁にある場合、いくつかの実施例において、音響入力孔及び凹み領域の底部の寸法と第1の接続部の長さとの比の値の範囲は、0~1であってもよい。好ましくは、音響入力孔及び凹み領域の底部の寸法と第1の接続部の長さとの比の値の範囲は、0~0.5であってもよい。より好ましくは、音響入力孔及び凹み領域の底部の寸法と第1の接続部の長さとの比の値の範囲は、0~0.2であってもよい。第1のマイクロフォンに対応する音響入力孔が第2の接続部にある場合、音響入力孔及び凹み領域の底部の寸法と第2の接続部の長さとの比の値の範囲は、音響入力孔及び凹み領域の底部の寸法と第1の接続部の長さとの比の値の範囲を参照してもよい。なお、第1のマイクロフォンに対応する音響入力孔から凹み領域の底部までの寸法とは、物体が音響入力孔を起点とし、凹み領域の底部まで移動する経路の長さを指す。いくつかの実施例において、凹み領域に対応する第1の接続部又は第2の接続部の側壁は、平面又は曲面である。
【0055】
図10Aは、本願のいくつかの実施例に係る気流方向が平行である場合の3次元流れ場分布図であり、
図10Bは、本願のいくつかの実施例に係る気流方向が平行である場合の凹み領域における異なる位置での気流速度分布図である。
【0056】
図10Aにおいて、導流構造が気流の流動方向に沿って設置され、ここで、気流の流速は、10m/sであり、導流構造の長さ方向(
図10Aに示すX方向)は、気流の流動方向と一致し、導流構造における幅方向(
図10Aに示すY方向)に沿った一側は、壁面1010に接触し、導流構造における幅方向に沿った他側は、気流環境1020に露出し、ユーザがウェアラブル装置を装着している場合のシナリオをシミュレーションする。また、
図10Aに示すY方向は、導流構造の高さ方向を示す。
図10Aに示すように、ウェアラブル装置がユーザの頭部領域に装着されるため、壁面1010は無限に延在せず、壁面1010での気流は、下凹セグメントの幅方向に沿って気流環境1020に溢れ、下凹セグメントの凹み領域での気体の流れをもたらすが、下凹セグメントの第1の接続部1021及び第2の接続部1022に近接する領域は、依然として低流速領域(すなわち、
図10Aにおける凹み領域の階調が深い領域)を有する。
図10Bにおいて、
図10Bに注記した「長さ(mm)」軸は、下凹セグメントの長さ方向に沿った長さを示し、
図10Bに注記した「間隔(mm)」軸は、壁面1010との間隔を示し、
図10Bに注記した「速度(m/s)」軸は、下凹セグメントの異なる位置の気流速度を示す。
図10A及び
図10Bに示すように、第1の接続部1021に近接する表面、第2の接続部1022に近接する表面、及び凹み領域の底部に、依然として低流速領域1040を有し、壁面1010に近接するほど、気流の速度は小さい。また、第2の接続部1022の表面に2m/sを超えない気流速度の最大ピーク値を有する。
【0057】
図11Aは、本願のいくつかの実施例に係る気流方向が60°である場合の3次元流れ場分布図であり、
図11Bは、本願のいくつかの実施例に係る気流方向が60°である場合の凹み領域における異なる位置での気流速度分布図である。
【0058】
図11Aにおいて、気流の流速は、10m/sであり、導流構造の長さ方向(
図11Aに示すX方向)と気流の流動方向との夾角は60°であり、導流構造における幅方向(
図11Aに示すY方向)に沿った一側は、壁面1010に接触し、導流構造における幅方向に沿った他側は、気流環境1020に露出し、ユーザがウェアラブル装置を装着している場合のシナリオをシミュレーションする。また、
図11Aに示すY方向は、導流構造の高さ方向を示す。
図11Aに示すように、ウェアラブル装置がユーザの頭部領域に装着されるため、壁面1010は無限に延在せず、壁面1010での気流は、下凹セグメントの幅方向に沿って気流環境1020に溢れ、下凹セグメントの凹み領域での気体の流れをもたらすが、下凹セグメントの第1の接続部1021及び第2の接続部1022に近接する領域は、依然として低流速領域(すなわち、
図11Aにおける凹み領域の階調が深い領域)を有する。
図11Bにおいて、
図11Bに注記した「長さ(mm)」軸は、下凹セグメントの長さ方向に沿った長さを示し、
図11Bに注記した「間隔(mm)」軸は、壁面1010との間隔を示し、
図11Bに注記した「速度(m/s)」軸は、下凹セグメントの異なる位置の気流速度を示す。
図11A及び
図11Bに示すように、第1の接続部1021に近接する表面、第2の接続部1022に近接する表面、及び凹み領域の底部近傍に、依然として低流速領域1050を有し、壁面1010に近接するほど、気流の速度は小さい。また、第1の接続部1021の表面近傍の最大流速も3.5m/sを超えていない。
【0059】
図12Aは、本願のいくつかの実施例に係る気流方向が90°である場合の3次元流れ場分布図であり、
図12Bは、本願のいくつかの実施例に係る気流方向が90°である場合の凹み領域における異なる位置での気流速度分布図である。
【0060】
図12Aにおいて、気流の流速は、10m/sであり、導流構造の長さ方向(
図12Aに示すX方向)と気流の流動方向との夾角は90°であり、導流構造における幅方向(
図12Aに示すY方向)に沿った一側は、壁面1010に接触し、導流構造における幅方向に沿った他側は、気流環境1020に露出し、ユーザがウェアラブル装置を装着している場合のシナリオをシミュレーションする。また、
図12Aに示すY方向は、導流構造の高さ方向を示す。
図12Aに示すように、ウェアラブル装置がユーザの頭部領域に装着されるため、壁面1010は無限に延在せず、壁面1010での気流は、下凹セグメントの幅方向に沿って気流環境1020に溢れ、下凹セグメントの凹み領域での気体の流れをもたらすが、下凹セグメントの第1の接続部1021及び第2の接続部1022に近接する領域は、依然として低流速領域(すなわち、
図12Aにおける凹み領域の階調が深い領域)を有する。
図12Bにおいて、
図12Bに注記した「長さ(mm)」軸は、下凹セグメントの長さ方向に沿った長さを示し、
図12Bに注記した「間隔(mm)」軸は、壁面1010との間隔を示し、
図12Bに注記した「速度(m/s)」軸は、下凹セグメントの異なる位置の気流速度を示す。
図12A及び
図12Bに示すように、第1の接続部1021に近接する表面、第2の接続部1022に近接する表面、及び凹み領域の底部領域に、依然として低流速領域1210を有し、壁面1010に近接するほど、気流の速度は小さい。
【0061】
上記内容を合わせると、導流構造の下凹セグメントは、低流速領域を提供することができ、気流速度を低減する効果が高い。第1のマイクロフォンが収集した音声信号の品質を保証するために、いくつかの実施例において、第1のマイクロフォンに対応する音響入力孔は、凹み領域の下凹セグメントに対応する第1の接続部、第2の接続部又は凹み領域の底部に位置してもよい。ユーザがウェアラブル装置を装着している場合、下凹セグメントの一側がユーザの皮膚に近接するか又は密着し、以下第1の側部と略称し、下凹セグメントの他側がユーザの皮膚から離れ、以下第2の側部と略称する。第1のマイクロフォンが収集した音声信号の品質をさらに向上させるために、いくつかの実施例において、ユーザがウェアラブル装置を装着している場合、第1のマイクロフォンに対応する音響入力孔は、下凹セグメントの凹み領域の第1の側部に近接する位置に位置してもよい。例えば、第1のマイクロフォンに対応する音響入力孔は、凹み領域に対応する第1の接続部、第2の接続部又は凹み領域の底部の、第1の側部に近接する位置に位置してもよい。いくつかの実施例において、第1のマイクロフォンに対応する音響入力孔と第1の側部との間隔は、0mm~10mmであってもよい。好ましくは、第1のマイクロフォンに対応する音響入力孔と第1の側部との間隔は、0.2mm~7mmであってもよい。より好ましくは、第1のマイクロフォンに対応する音響入力孔と第1の側部との間隔は、0.3mm~5mmであってもよい。さらに好ましくは、第1のマイクロフォンに対応する音響入力孔と第1の側部との間隔は、0.3mm~3mmであってもよい。より好ましくは、第1のマイクロフォンに対応する音響入力孔と第1の側部との間隔は、0.5mm~1.5mmであってもよい。いくつかの実施例において、音響入力孔と第1の側部との間隔と、下凹セグメントのその幅方向での寸法との比の値を調整することにより、第1のマイクロフォンが収集した音声信号の品質を向上させてもよい。いくつかの実施例において、音響入力孔と第1の側部との間隔と、下凹セグメントのその幅方向での寸法との比の値は、0.01~0.9であってもよい。好ましくは、音響入力孔と第1の側部との間隔と、下凹セグメントのその幅方向での寸法との比の値は、0.02~0.7であってもよい。より好ましくは、音響入力孔と第1の側部との間隔と、下凹セグメントのその幅方向での寸法との比の値は、0.03~0.5であってもよい。さらに好ましくは、音響入力孔と第1の側部との間隔と、下凹セグメントのその幅方向での寸法との比の値は、0.04~0.3であってもよい。またさらに好ましくは、音響入力孔と第1の側部との間隔と、下凹セグメントのその幅方向での寸法との比の値は、0.05~0.2であってもよい。なお、上記音響入力孔と第1の側部との間隔とは、導流構造の幅方向(例えば、
図10AにおけるY方向)に沿った音響入力孔と第1の側部との距離を指す。
【0062】
外部気流の第1のマイクロフォンへの影響をさらに低減するために、ウェアラブル装置は、外部音声を伝達する音声案内構造をさらに含んでもよく、音声案内構造は、下凹セグメントに接続され、内部が貫通する構造であり、一端が外部環境に連通し、第1のマイクロフォンは、音声案内構造の他端に位置する。いくつかの実施例において、音声案内構造は、下凹セグメントに対して独立した部材であってもよい。例えば、下凹セグメントの凹み領域に対応する側壁に該音声案内構造のためのキャビティが形成され、音声案内構造は、該キャビティに位置する。いくつかの実施例において、音声案内構造は、下凹セグメントと一体構造であってもよい。例えば、下凹セグメントの凹み領域に対応する側壁に音案内キャビティが形成される。
【0063】
図13は、本明細書のいくつかの実施例に係る音声案内構造の概略構成図である。
図13に示すように、音声案内構造1300は、内部が貫通する構造であり、音声案内構造1300の内部には、順に湾曲して連通する複数の音声案内チャネルが設置される。音声案内構造1300の頂部に位置する音声案内チャネルは、外部環境に連通し、第1のマイクロフォンは、音声案内構造1300の底部の音声案内チャネルに位置する。外部の気流が音声案内構造1300に入る時、気流は、2つの音声案内チャネルが湾曲して接続する部分にあう時に渦流を形成し、この場合、気流の動力エネルギーが消費され、気流が第1のマイクロフォンに達する時、気流の速度が大幅に低下しており、それにより第1のマイクロフォンが収集した音声信号に対する外部気流の影響をさらに低減する。いくつかの実施例において、音声案内チャネル1310の形状は、円柱状、多角体状(例えば、直方体、三角柱状)、台形状等の規則的な形状であってもよい。いくつかの実施例において、音声案内チャネル1310は、ラッパ状などの非規則的な形状であってもよい。
【0064】
音声案内構造の風雑音低減効果を保証するために、音声案内構造1300における各音声案内チャネルの湾曲角度は、特定範囲の角度に設定される。例示的な説明のみとして、いくつかの実施例において、音声案内構造1300における各音声案内チャネルの湾曲角度は、65°~135°であってもよい。好ましくは、音声案内構造1300における各音声案内チャネルの湾曲角度は、70°~120°であってもよい。より好ましくは、音声案内構造1300における各音声案内チャネルの湾曲角度は、85°~95°であってもよい。またさらに好ましくは、音声案内構造1300における各音声案内チャネルの湾曲角度は、90°であってもよい。なお、各音声案内チャネル間の湾曲角度は、同じであっても異なってもよく、音声案内構造1300における各音声案内チャネルの湾曲角度は、上記範囲に限定されず、135°より大きいか又は65°未満であってもよい。いくつかの実施例において、音声案内チャネルの断面形状は、多角形(例えば、三角形、四角形、五角形など)、円形、半円形、楕円形、半楕円形などの形状であってもよい。いくつかの実施例において、音声案内チャネルの異なる位置の寸法は、同じであっても異なってもよい。例えば、音声案内チャネルは、各位置の半径が同じである円柱状チャネルであってもよい。また、例えば、音声案内チャネルは、半径が漸次増大するか又は漸次縮小するラッパ状であってもよい。いくつかの実施例において、複数の音声案内チャネルの形状は、同じであっても異なってもよい。また、気流が湾曲位置で乱流を形成するように、各音声案内チャネルの間の湾曲位置に対して面取り処理を行ってもよい。
【0065】
いくつかの実施例において、音声案内構造1300における音声案内チャネルの全長(各音声案内チャネルの長さの総和)を調整することにより、音声案内構造の風雑音低減効果を保証してもよい。例示的な説明のみとして、いくつかの実施例において、音声案内チャネルの全長は、10mmより大きくてもよい。好ましくは、音声案内チャネルの全長は、13mmより大きくてもよい。より好ましくは、音声案内チャネルの全長は、17mmより大きくてもよい。さらに好ましくは、音声案内チャネルの全長は、20mmより大きくてもよい。例えば、音声案内チャネルの全長は、20.4mmであってもよい。いくつかの実施例において、音声案内構造1300における音声案内チャネルの間の湾曲数を調整することにより、音声案内構造の風雑音低減効果を保証してもよい。例示的な説明のみとして、いくつかの実施例において、音声案内チャネルの間の湾曲数は、5つより多くてもよい。いくつかの実施例において、音声案内チャネルの間の湾曲数は、8個より多くてもよい。いくつかの実施例において、音声案内チャネルの間の湾曲数は、10個より多くてもよい。
【0066】
いくつかの実施例において、音声案内構造に異なる体積のチャネルを設置して、第1のマイクロフォンでの気流速度を低減してもよい。
図14は、本明細書のいくつかの実施例に係る音声案内構造の概略構成図である。
図14に示すように、いくつかの実施例において、音声案内構造1400は、連通孔1420を通して外部に連通するキャビティ1410を含んでもよい。いくつかの実施例において、キャビティ1410の数は、複数であってもよい。複数のキャビティ1410は、音声案内構造1400の長さ方向に沿って間隔を隔てて分布し、隣接するキャビティ1410の間は、連通孔1420を通して連通してもよい。いくつかの実施例において、キャビティ1410の音声案内構造1400の幅方向に沿った寸法は、連通孔1420の音声案内構造1400の幅方向に沿った寸法より大きく、外部の気流が音声案内構造1400に入る時、気流は、連通孔1420とキャビティ1410との接続部にあうと、体積が突然変化したため、気流が、渦系構造を形成することにより、気流の動力エネルギーが消費され、気流が第1のマイクロフォンに達する時、気流の速度が大幅に低下しており、それにより第1のマイクロフォンが収集した音声信号に対する外部気流の影響をさらに低減する。
【0067】
いくつかの実施例において、キャビティ又は連通孔の寸法(例えば、長さ、幅、体積又は表面積)を調整することにより、音声案内構造の風雑音低減効果を保証してもよい。いくつかの実施例において、単一キャビティ1410の体積は、4mm3より大きくてもよい。好ましくは、単一キャビティ1410の体積は、10mm3より大きくてもよい。より好ましくは、単一キャビティ1410の体積は、20mm3より大きくてもよい。さらに好ましくは、単一キャビティ1410の体積は、30mm3より大きくてもよい。またさらに好ましくは、単一キャビティ1410の体積は、40mm3より大きくてもよい。例えば、単一キャビティ1410の体積は、40mm3であってもよい。いくつかの実施例において、単一キャビティ1410に対応する表面積は、12mm2より大きくてもよい。好ましくは、単一キャビティ1410に対応する表面積は、30mm2より大きくてもよい。より好ましくは、単一キャビティ1410に対応する表面積は、60mm2より大きくてもよい。またさらに好ましくは、単一キャビティ1410に対応する表面積は、70mm2より大きくてもよい。例えば、単一キャビティ1410に対応する表面積は、72mm2より大きくてもよい。いくつかの実施例において、連通孔1420の直径は、0.2mm~2mmであって、連通孔1420の長さは、5mm未満であってもよい。いくつかの実施例において、連通孔1420の直径は、0.4mm~1.8mmであって、連通孔1420の長さは、3mm未満であってもよい。例えば、いくつかの実施例において、連通孔1420の直径は、1.1mmであって、連通孔1420の長さは、2mmであってもよい。いくつかの実施例において、キャビティ1410の断面形状は、多角形(例えば、三角形、四角形、五角形など)、円形、半円形、楕円形、半楕円形などの形状であってもよい。
【0068】
なお、
図13に示す音声案内構造1300及び
図14に示す音声案内構造1400は、第1のマイクロフォンに限定されず、第2のマイクロフォンなどの他のマイクロフォンに、音声案内構造1300又は音声案内構造1400を設置してもよい。いくつかの実施例において、音声案内構造は、
図13に示す音声案内構造1300と
図14に示す音声案内構造1400を組み合わせた構造であってもよい。いくつかの実施例において、音声案内構造(例えば、音声案内構造1300及び音声案内構造1400)の端部又は内部に網状構造(図示せず)を設置して、風雑音の第1のマイクロフォンへの影響をさらに低減してもよい。また、網状構造は、さらに外部の塵埃、粒子物がマイクロフォンに入ることを防止することができる。
【0069】
いくつかの実施例において、ウェアラブル装置は、第1のマイクロフォン及び第2のマイクロフォンを含んでもよい。ユーザがウェアラブル装置を装着している場合、第1のマイクロフォンと第2のマイクロフォンの接続線は、ユーザの口の方向に指向し、第1のマイクロフォンとユーザの口との距離は、第2のマイクロフォンと人体の口との距離未満である。この場合、第1のマイクロフォンは、主にユーザが話した時の音声信号をピックアップする機能を果たすことができ、第2のマイクロフォンもユーザが話した時の音声信号をピックアップすることができ、ウェアラブル装置のプロセッサは、アルゴリズムにより、第1のマイクロフォン及び第2のマイクロフォンのピックアップした音声信号におけるユーザが話した時の音声信号を決定することにより、他の音声信号(例えば、風雑音)に対してフィルタリング処理を行うことができる。いくつかの実施例において、第1のマイクロフォンと第2のマイクロフォンとの距離は、5mm~70mmであってもよい。好ましくは、第1のマイクロフォンと第2のマイクロフォンとの距離は、10mm~50mmであってもよい。さらに好ましくは、第1のマイクロフォンと第2のマイクロフォンとの距離は、25mm~30mmであってもよい。いくつかの実施例において、第1のマイクロフォンにおける振動膜の振動方向は、第2のマイクロフォンにおける振動膜の振動方向と基本的に垂直である。ここで、「基本的に垂直」とは、第1のマイクロフォンにおける振動膜の振動方向と第2のマイクロフォンにおける振動膜の振動方向が90°であるか、又は75°、80°、95°、100°などの90°に近い角度であることを指す。
図15に示すように、いくつかの実施例において、第1のマイクロフォンに対応する第1の音響入力孔153は、下凹セグメント1512における凹み領域に対応する側壁に位置してもよい。例えば、第1のマイクロフォンに対応する第1の音響入力孔153は、下凹セグメント1512の第1の接続部、第2の接続部又は両者の接続部に位置してもよい。第1のマイクロフォンに対応する第1の音響入力孔153が位置する位置での風雑音が小さく、第2のマイクロフォンに対応する第2の音響入力孔154が位置する位置での気流の速度が相対的に大きい可能性があり、マイクロフォンがピックアップした音声信号における風雑音をさらに決定するために、第1のマイクロフォンの振動膜の振動方向を第2のマイクロフォンの振動膜の振動方向と垂直又はほぼ垂直に設置することにより、アルゴリズムで、風雑音の関連性に基づいて、マイクロフォン(例えば、第1のマイクロフォン及び第2のマイクロフォン)がピックアップした風雑音をさらに処理することができる。いくつかの実施例において、第2のマイクロフォンに対応する第2の音響入力孔154は、ユーザがウェアラブル装置を装着している場合、第1のマイクロフォンに対応する第1の音響入力孔153と第2のマイクロフォンに対応する第2の音響入力孔154との接続線方向がユーザの口に指向するように、第2の接続セグメント1513に位置してもよい。いくつかの実施例において、第2の音響入力孔154は、下凹セグメント1512に位置してもよい。例えば、第2の音響入力孔154は、下凹セグメント1512の第2の接続部における、第1の音響入力孔153から離れた側に位置する。また、例えば、第2の音響入力孔154は、下凹セグメント1512の凹み領域に対応する第2の接続部の側壁に位置してもよい。音声案内構造の長さ方向及び幅方向をより明確に説明するために、ここでユーザがウェアラブル装置を装着しているシナリオに基づいて説明する。ユーザの頭部の任意の点を原点とし、x軸が水平面に平行であり、z軸が水平面に垂直であり、y軸がx軸及びz軸に垂直である3次元座標系を確立する。ここで、音声案内構造の長さ方向をx軸方向、音声案内構造の高さ方向をz軸方向、音声案内構造の幅方向をy軸方向と見なしてもよい。上記各図(例えば、
図4、
図8、
図10A~
図12D)に示す音声案内構造の長さ方向、幅方向又は高さ方向は、
図15におけるユーザがウェアラブル装置を装着している場合のシナリオを参照してもよい。
【0070】
いくつかの実施例において、ウェアラブル装置は、下凹セグメント1512に位置する音響出力ユニット155をさらに含んでもよい。いくつかの実施例において、音響出力ユニット155は、下凹セグメント1512の外面に位置してもよい。例えば、音響出力ユニット155が骨伝導スピーカーである場合、音響出力ユニット155は、下凹セグメント1512のユーザと接触する側面に位置してもよい。また、例えば、音響出力ユニット155が空気伝導スピーカーである場合、音響出力ユニット155は、下凹セグメント1512のユーザと接触しない側面に位置してもよい。いくつかの実施例において、音響出力ユニット155は、下凹セグメント1512の内部に位置してもよい。例えば、下凹セグメント1512の内部に音響出力ユニット155を配置する収容室(
図15には図示せず)を有し、音響出力ユニット155は、該収容室内に位置してもよい。音響出力ユニット155が該収容室に位置する場合、下凹セグメント1512を音響出力ユニット155のハウジングとしてもよく、音響出力ユニット155の他の部材(例えば、磁気回路構造、振動膜など)は、下凹セグメント1512内に位置してもよい。空気伝導スピーカーを音響出力ユニット155とする場合を例とし、いくつかの実施例において、音響出力ユニット155は、振動膜及び磁気回路構造(
図15には図示せず)を含んでもよく、振動膜は、ボイスコイルに接続され、ボイスコイルは、磁気回路構造の磁気ギャップに挿入され、磁気回路構造は、音響出力ユニット155のハウジング(又は下凹セグメント1512)に接続され、振動膜の磁気回路構造に背向する側は、音響出力ユニット155の正面を形成し、磁気回路構造の振動膜に背向する側は、音響出力ユニット155の背面を形成し、振動膜が振動することにより、音響出力ユニットはそれぞれその正面と背面から外部へ音声を放射する。いくつかの実施例において、音響出力ユニット155のハウジング(又は下凹セグメント1512)は、少なくとも2つの音声案内孔(
図15には図示せず)を含んでもよく、該音声案内孔は、第1の音声案内孔(出音口とも呼ばれる)及び第2の音声案内孔(圧抜き口とも呼ばれる)を含んでもよく、第1の音声案内孔は、音響出力ユニット155の正面が発した音声を出力し、第2の音声案内孔は、音響出力ユニット155の背面が発した音声を出力し、第1の音声案内孔から出力された音声の位相と第2の音声案内孔から出力された音声の位相は逆であると見なすことができ、それにより第1の音声案内孔から出力された音声及び第2の音声案内孔から出力された音声は、双極子を構築することができる。ユーザがウェアラブル装置を装着している場合、第1の音声案内孔がユーザの耳道口に近接し、第2の音声案内孔がユーザの耳道口に背向することにより、音響出力ユニット155は、優れた音響出力効果を有する。いくつかの実施例において、第1の音声案内孔及び第2の音声案内孔の数は、1つであっても複数であってもよい。いくつかの実施例において、第1の音声案内孔又は第2の音声案内孔の数、寸法、位置、音響抵抗などのパラメータを調整することにより、ウェアラブル装置の聴音効果及び音漏れ低減効果をさらに向上させることができる。
【0071】
ユーザが話した時の音声信号をピックアップする場合、第1のマイクロフォンは、主に音声ピックアップ機能を果たし、音響出力ユニットが発した音声の第1のマイクロフォンへの影響を低減するために、いくつかの実施例において、第1のマイクロフォンの振動膜の振動方向は、音響出力ユニットの振動膜の振動方向と垂直であるか又は基本的に垂直である。音響出力ユニットが発した音声のマイクロフォンへの影響をさらに低減するために、第1のマイクロフォン又は第2のマイクロフォンは、音響出力ユニットからの影響が最も小さい領域、例えば、音響出力ユニットの音響ヌル領域に位置する。
図16及び
図17は、本願のいくつかの実施例に係る音響出力ユニットの音場放射図であり、
図17は、
図16における矢印Mの視角から見た音場放射図である。
図16及び
図17に示すように、音響出力ユニット1601の音響ヌル領域は、図中の色が濃い領域(領域1610)である。音響出力ユニット1601のハウジングは、少なくとも2つの音声案内孔を含んでもよく、該音声案内孔は、第1の音声案内孔1602(出音口とも呼ばれる)及び第2の音声案内孔1603(圧抜き口とも呼ばれる)を含んでもよく、第1の音声案内孔1602は、音響出力ユニット1601の正面が発した音声を出力し、第2の音声案内孔1603は、音響出力ユニット1601の背面が発した音声を出力し、第1の音声案内孔1602から出力された音声の位相と第2の音声案内孔1603から出力された音声の位相は逆であると見なすことができ、それにより第1の音声案内孔1602から出力された音声及び第2の音声案内孔1603から出力された音声は、音響双極子を構築し、音響ヌル領域1610を形成することができる。いくつかの実施例において、音響出力ユニットの音響ヌル領域に基づいて、第1のマイクロフォン及び第2のマイクロフォンの位置を選択し決定することができる。
【0072】
なお、実施例によって、達成可能な作用効果が異なるが、異なる実施例において、達成可能な作用効果は、以上のいずれかの1種又は複数の組み合わせであってもよく、他の任意の達成可能な作用効果であってもよい。
【0073】
上記で基本概念を説明してきたが、当業者にとっては、上記詳細な開示は、単なる例として提示されているにすぎず、本願を限定するものではないことは明らかである。本明細書において明確に記載されていないが、当業者は、本願に対して様々な変更、改良及び修正を行うことができる。これらの変更、改良及び修正は、本願によって示唆されることが意図されているため、本願の例示的な実施例の趣旨及び範囲内にある。
【0074】
さらに、本願の実施例を説明するために、本願において特定の用語が使用されている。例えば、「1つの実施例」、「一実施例」、及び/又は「いくつかの実施例」は、本願の少なくとも1つの実施例に関連した特定の特徴、構造又は特性を意味する。したがって、本明細書の様々な部分における「一実施例」又は「1つの実施例」又は「1つの代替的な実施例」の2つ以上の言及は、必ずしもすべてが同一の実施例を指すとは限らないことを強調し、理解されたい。また、本願の1つ以上の実施例における特定の特徴、構造、又は特性は、適切に組み合わせられてもよい。
【0075】
さらに、特許請求の範囲に明確に記載されていない限り、本願に記載の処理要素及びシーケンスの列挙した順序、英数字の使用、又は他の名称の使用は、本願の手順及び方法の順序を限定するものではない。上記開示において、発明の様々な有用な実施例であると現在考えられるものを様々な例を通して説明しているが、そのような詳細は、単にその目的のためであり、添付の特許請求の範囲は、開示される実施例に限定されないが、反対に、本願の実施例の趣旨及び範囲内にある全ての修正及び等価な組み合わせをカバーするように意図されることが理解されよう。例えば、上述したシステムコンポーネントは、ハードウェアデバイスにより実装されてもよいが、ソフトウェアのみのソリューション、例えば、既存のサーバ又は移動装置に説明されたシステムをインストールすることにより実装されてもよい。
【0076】
同様に、本願の実施例の前述の説明では、本開示を簡略化して、1つ以上の発明の実施例への理解を助ける目的で、様々な特徴が1つの実施例、図面又はその説明にまとめられることがあることを理解されたい。しかしながら、このような開示方法は、特許請求される主題が各請求項で列挙されるより多くの特徴を必要とするという意図を反映するものと解釈すべきではない。実際に、実施例の特徴は、上記開示された単一の実施例のすべての特徴より少ない場合がある。
【0077】
いくつかの実施例において、成分及び属性の数を説明する数字が使用されており、このような実施例を説明するための数字は、いくつかの例において修飾語「約」、「ほぼ」又は「実質的」によって修飾されるものであることを理解されたい。特に明記しない限り、「約」、「ほぼ」又は「実質的」は、上記数字の±20%の変動が許容されることを意味する。よって、いくつかの実施例において、明細書及び特許請求の範囲に使用されている数値パラメータは、いずれも個別の実施例に必要な特性に応じて変化し得る近似値である。いくつかの実施例において、数値パラメータについては、規定された有効桁数を考慮すると共に、通常の丸め手法を適用するべきである。本願のいくつかの実施例において、その範囲を決定するための数値範囲及びパラメータは近似値であるが、具体的な実施例において、このような数値は可能な限り正確に設定される。
【0078】
本願において参照されているすべての特許、特許出願、公開特許公報、及び、論文、書籍、仕様書、刊行物、文書などの他の資料は、その全ての内容が参照により本願に組み込まれる。本願の内容と一致しないか又は矛盾する出願経過文書、及び(現在又は後に本願に関連する)本願の請求項の最も広い範囲に関して限定的な影響を有し得る文書を除いて、その全体が参照により本願に組み込まれる。なお、本願の添付資料における説明、定義、及び/又は用語の使用が本願に係る内容と一致しないか又は矛盾する場合、本願における説明、定義、及び/又は用語の使用を優先するものとする。
【0079】
最後に、本願に係る実施例は、単に本願の実施例の原理を説明するものであることを理解されたい。他の変形例も本願の範囲内にある可能性がある。したがって、限定するものではなく、例として、本願の実施例の代替構成は、本願の教示と一致するように見なされてもよい。よって、本願の実施例は、本願において明確に紹介して説明された実施例に限定されない。
【符号の説明】
【0080】
100、200、300 ウェアラブル装置
110、210、310、410、610 導流構造
120、220、320 可視部材
130 マイクロフォン
155、1601 音響出力ユニット
1602 第1の音声案内孔
1603 第2の音声案内孔
1610 音響ヌル領域
230、330 第1のマイクロフォン
211、311、611、811 第1の接続セグメント
212、312、512、612、712a、712b、812、1512 下凹セグメント
213、613、1513 第2の接続セグメント
401、402、403、814、1040、1050、1210 低流速領域
411 基準面
412 突起構造
6111、7111 第1の端部
6112、7112、8112 第2の端部
6121、711、1021 第1の接続部
6122、1022 第2の接続部
6131 第3の端部
6132 第4の端部
630、153 第1の音響入力孔
632、154 第2の音響入力孔
7131 第3の端部
7132 第4の端部
815、816 領域
1010 壁面
1020 気流環境
1300、1400 音声案内構造
1310 音声案内チャネル
1410 キャビティ
1420 連通孔
【手続補正書】
【提出日】2023-02-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導流構造であって、ユーザの頭部に装着されるように構成され、
第1の接続セグメント、第2の接続セグメント及び下凹セグメントを含み、前記第1の接続セグメント、前記下凹セグメント及び前記第2の接続セグメントが順に接続され、前記下凹セグメントが前記第1の接続セグメントおよび前記第2の接続セグメントに対して下方に凹んだ凹みを有する導流構造と、
ユーザが話した音声信号を収集するように構成され、前記下凹セグメントに位置する第1のマイクロフォンと、を含む、ウェアラブル装置。
【請求項2】
前記第1のマイクロフォンは、前記下凹セグメントにおいて下方に凹んだ領域の底部に位置する、請求項1に記載のウェアラブル装置。
【請求項3】
前記第1の接続セグメントは、第1の端部及び第2の端部を含み、前記第2の端部は、前記下凹セグメントに接続され、前記下凹セグメントの底部に対する前記第1の端部の高さは、前記下凹セグメントの底部に対する前記第2の端部の高さ以下である、請求項1又は2に記載のウェアラブル装置。
【請求項4】
前記第2の接続セグメントは、第3の端部及び第4の端部を含み、前記第3の端部は、前記下凹セグメントに接続され、前記下凹セグメントの底部に対する前記第3の端部の高さは、前記下凹セグメントの底部に対する前記第4の端部の高さ以上である、請求項3に記載のウェアラブル装置。
【請求項5】
前記下凹セグメントの底部に対する前記第2の端部の高さは、前記下凹セグメントの底部に対する前記第3の端部の高さ以上である、請求項4に記載のウェアラブル装置。
【請求項6】
前記下凹セグメントは、第1の接続部及び第2の接続部を含み、前記第1の接続部は、前記第1の接続セグメントと湾曲して接続され、下方に延在し、前記第2の接続部は、前記第2の接続セグメントと湾曲して接続され、下方に延在し、前記第1の接続部の前記第1の接続セグメントから離れた一端は、前記第2の接続部の前記第2の接続セグメントから離れた一端に接続される、請求項1に記載のウェアラブル装置。
【請求項7】
前記第1の接続部と前記第2の接続部との間隔は、前記下凹セグメントの凹み方向に沿って漸次縮小する、請求項6に記載のウェアラブル装置。
【請求項8】
外部音声を伝達する音声案内構造をさらに含み、前記音声案内構造は、前記下凹セグメントに接続され、内部が貫通する構造であり、一端が外部環境に連通し、前記第1のマイクロフォンが前記音声案内構造の他端に位置する、請求項1に記載のウェアラブル装置。
【請求項9】
前記音声案内構造の内部には、順に折り曲げて連通する複数の音声案内チャネルが設置される、請求項8に記載のウェアラブル装置。
【請求項10】
前記音声案内構造は、前記音声案内構造の長さ方向に沿って間隔を隔てて分布する複数のキャビティを含み、隣接する前記キャビティの間は、連通孔を通して連通し、
音声案内構造の幅方向に沿った前記キャビティの寸法は、音声案内構造の幅方向に沿った前記連通孔の寸法より大きい、請求項8に記載のウェアラブル装置。
【国際調査報告】