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特表2024-507315全波形反転を使用した反射超音波断層撮影画像化
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-19
(54)【発明の名称】全波形反転を使用した反射超音波断層撮影画像化
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/08 20060101AFI20240209BHJP
【FI】
A61B8/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530932
(86)(22)【出願日】2022-01-18
(85)【翻訳文提出日】2023-05-20
(86)【国際出願番号】 IB2022050383
(87)【国際公開番号】W WO2022175760
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】17/177,227
(32)【優先日】2021-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523188650
【氏名又は名称】ヴォルテックス イメージング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100086461
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 和則
(72)【発明者】
【氏名】タル、ウーリ
(72)【発明者】
【氏名】ベン デイヴィッド、トマー
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601DD19
4C601DD20
4C601DD21
4C601EE04
4C601EE11
4C601GB06
4C601JB31
(57)【要約】
医療用超音波(US)画像化システム(10)は超音波(US)プローブ(30)とプロセッサ(48)を有する。超音波(US)プローブは反射幾何学的に配置された変換器(401,402)のアレイ(50)を備え、超音波(US)プローブは、超音波を放射し、患者の身体部分から反射された反射超音波を受信するように構成される。プロセッサは、放射および反射された超音波に逆モデルを適用することによって、患者の身体部分の画像を生成するように構成される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用超音波(US)画像化システムであって:
反射幾何学的に配置された変換器のアレイを備える超音波プローブであって、前記プローブは、超音波を放射し、患者の身体部分から反射された反射超音波を受信するように構成される、超音波プローブと; 及び
放射および反射された前記超音波に逆モデルを適用することによって、前記患者の身体部分の画像を生成するように構成される、プロセッサと;
を有することを特徴とする、医療用超音波(US)画像化システム。
【請求項2】
前記逆モデルを使用して前記画像を生成する際に、前記プロセッサが、(i)生理学的組織パラメータ、および(ii)組織の境界、のうちの1つまたは複数を推定し、画像内に示すように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載の医療用超音波画像化システム。
【請求項3】
前記生理学的組織パラメータは、前記身体部分の局所密度、局所音速、および局所エネルギー減衰のうちの1つを有する、ことを特徴とする請求項2に記載の医療用超音波画像化システム。
【請求項4】
前記逆モデルは全波形反転(FWI)である、ことを特徴とする請求項1に記載の医療用超音波画像化システム。
【請求項5】
前記逆モデルは、リバースタイムマイグレーション(RTM)である、ことを特徴とする請求項1に記載の医療用超音波画像化システム。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記プローブの前記身体部分に対する複数の異なる位置で放射および反射された超音波に、一緒に前記逆モデルを適用するように構成される、ことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の医療用超音波画像化システム。
【請求項7】
前記プロセッサは、一連の取得において前記超音波を送受信するように前記プローブを制御するように構成され、各前記取得において、1つまたは複数の前記変換器のそれぞれのサブセットは超音波を放射し、1つまたは複数の他の前記変換器は反射された超音波を受信する、ことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の医療用超音波画像化システム。
【請求項8】
前記変換器のサブセットは、所定の閾値を超える信号対雑音比(SNR)値をもたらすように選択される、ことを特徴とする請求項7に記載の医療用超音波画像化システム。
【請求項9】
前記一連の取得において選択された前記変換器のサブセットは、二次元マルチスタティック基底を形成する、ことを特徴とする請求項7に記載の医療用超音波画像化システム。
【請求項10】
前記一連の取得において選択された前記変換器のサブセットは、二次元アダマール基底を形成する、ことを特徴とする請求項7に記載の医療用超音波画像化システム。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記反射超音波にローパスフィルタリングを適用し、前記ローパスフィルタリングされた反射超音波を使用して前記患者の身体部分の初期画像を生成し、そしてその後の逆モデル計算で前記初期画像を使用して前記画像を生成する、ように構成される、ことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の医療用超音波画像化システム。
【請求項12】
前記変換器のアレイは二次元である、ことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の医療用超音波画像化システム。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記プローブから遠隔に配置される、ことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の医療用超音波画像化システム。
【請求項14】
医療用超音波(US)画像化の方法であって、
反射幾何学的に配置された変換器のアレイを備える超音波プローブを使用して、超音波を放射し、そして患者の身体部分から反射された反射超音波を受信するするステップと;そして
放射および反射された超音波に逆モデルを適用することにより、前記患者の身体部分の画像を生成するステップと;
を有することを特徴とする医療用超音波(US)画像化の方法。
【請求項15】
前記画像を生成するステップは、(i)生理学的組織パラメータおよび(ii)組織境界、のうちの1つまたは複数を推定し、画像内に表示するステップを有する、ことを特徴とする請求項14に記載の医療用超音波画像化の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの生理的組織パラメータは、前記身体部分の局所密度、局所音速、および局所エネルギー減衰のうちの1つを有する、ことを特徴とする請求項15に記載の医療用超音波画像化の方法。
【請求項17】
前記逆モデルは、全波形反転(FWI)であることを特徴とする請求項14に記載の医療用超音波画像化の方法。
【請求項18】
前記逆モデルは、リバースタイムマイグレーション(RTM)であることを特徴とする請求項14に記載の医療用超音波画像化の方法。
【請求項19】
前記逆モデルを適用するステップは、前記プローブの前記身体部分に対する複数の異なる位置で放射および反射された超音波に、一緒に前記逆モデルを適用するステップを有する、ことを特徴とする請求項14~18のいずれかに記載の医療用超音波画像化の方法。
【請求項20】
前記超音波を発信および受信するステップは、一連の取得を実行し、そして各前記取得において、1つまたは複数の前記変換器のそれぞれのサブセットにより超音波を放射し、そして1つまたは複数の他の前記変換器により反射された超音波を受信するステップを有する、ことを特徴とする請求項14~18のいずれかに記載の医療用超音波画像化の方法。
【請求項21】
所定の閾値を超える信号対雑音比(SNR)値をもたらすように前記変換器のサブセットを選択するステップを有する、ことを特徴とする請求項20に記載の医療用超音波画像化の方法。
【請求項22】
前記一連の取得において選択された前記変換器のサブセットは、二次元マルチスタティック基底を形成する、ことを特徴とする請求項20に記載の医療用超音波画像化の方法。
【請求項23】
前記一連の取得において選択された前記変換器のサブセットは、二次元アダマール基底を形成する、ことを特徴とする請求項20に記載の医療用超音波画像化の方法。
【請求項24】
前記逆モデルを適用するステップは、前記反射超音波にローパスフィルタリングを適用し、前記ローパスフィルタリングされた反射超音波を使用して前記患者の身体部分の初期画像を生成し、そしてその後の逆モデル計算で前記初期画像を使用して前記画像を生成するステップを有する、ことを特徴とする請求項14~18のいずれかに記載の医療用超音波画像化の方法。
【請求項25】
前記変換器のアレイは二次元である、ことを特徴とする請求項15に記載の医療用超音波画像化の方法。
【請求項26】
前記画像を生成するステップは、前記プローブから遠隔的に行われることを特徴とする請求項15に記載の医療用超音波画像化の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に医療画像化に関し、特に定量的超音波(US)画像化に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献や科学出版物では、医療用超音波画像化のさまざまな方法が検討されている。例えば、米国特許出願公開第2020/0008779号(特許文献1)には、超音波を送受信するための超音波変換器とプロセッサとを備える医療用超音波システムが記載されている。超音波変換器はプロセッサに電気的に接続されており、プロセッサは、超音波変換器によって放射され、調査対象の組織によって散乱および/または反射された超音波に応答して、超音波変換器によって受信された超音波に基づく超音波ベースの断層撮影画像を決定するように構成されている。
【0003】
別の例として、R.Prattによる論文「医療超音波断層撮影:探査地球物理学からの教訓」、2017年11月1~3日、ドイツのシュパイヤーで開催された医療超音波断層撮影に関する国際ワークショップの議事録(非特許文献1) では、全波形反転(FWI)に基づく医療超音波透過断層撮影における潜在的な改善について説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2020/0008779号
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】R.Prattによる論文「医療超音波断層撮影:探査地球物理学からの教訓」、2017年11月1~3日、ドイツのシュパイヤーで開催された医療超音波断層撮影に関する国際ワークショップの議事録
【発明の概要】
【0006】
以下に説明する本発明の実施形態は、USプローブとプロセッサを有する医療用超音波(US)画像化システムを提供する。USプローブは反射幾何学的に配置された変換器のアレイを備え、プローブは、超音波を放射し、患者の身体部分から反射された反射超音波を受信するように構成される。プロセッサは、放射および反射された超音波に逆モデルを適用することによって、患者の身体部分の画像を生成するように構成される。
【0007】
いくつかの実施形態では、逆モデルを使用して画像を生成する際に、プロセッサが、(i)生理学的組織パラメータ、および(ii)組織の境界、のうちの1つまたは複数を推定し、画像内に示すように構成される。
【0008】
いくつかの実施形態では、生理学的組織パラメータは、身体部分内の局所密度、局所音速、および局所エネルギー減衰のうちの1つを含む。
一実施形態では、逆モデルは全波形反転(FWI)である。 別の実施形態では、逆モデルは、リバースタイムマイグレーション(RTM)である。
いくつかの実施形態では、プロセッサは、プローブの身体部分に対する複数の異なる位置で放射および反射された超音波に、一緒に逆モデルを適用するように構成される。
【0009】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、一連の取得において超音波を送受信するようにプローブを制御するように構成され、各取得において、1つまたは複数の変換器のそれぞれのサブセットは超音波を放射し、1つまたは複数の他の変換器は反射された超音波を受信する。
一実施形態では、変換器のサブセットは、所定の閾値を超える信号対雑音比(SNR)値をもたらすように選択される。
別の実施形態では、一連の取得において選択された変換器のサブセットは、二次元マルチスタティック基底を形成する。
【0010】
さらに別の実施形態では、一連の取得において選択された変換器のサブセットは、二次元アダマール基底を形成する。
いくつかの実施形態では、プロセッサは、反射超音波にローパスフィルタリングを適用し、ローパスフィルタリングされた反射超音波を使用して患者の身体部分の初期画像を生成し、そしてその後の逆モデル計算で初期画像を使用して画像を生成する、ように構成される。
いくつかの実施形態では、変換器のアレイは二次元である。
いくつかの実施形態では、プロセッサは、プローブから遠隔に配置される。
【0011】
本発明の別の実施形態によれば、追加的に医療用超音波(US)画像化の方法であって、反射幾何学的に配置された変換器のアレイを備える超音波プローブを使用して、超音波を放射し、そして患者の身体部分から反射された反射超音波を受信するステップを有する方法が提供される。患者の身体部分の画像は放射および反射された超音波に逆モデルを適用することにより生成される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明は以下の図を参照した実施形態の詳細な説明からより完全に理解されよう:
図1】本発明の一実施形態による、平面検出器アレイを備えるUSプローブを有する医療用超音波(US)反射型断層撮影システムの絵画的概略図である。
図2】本発明の一実施形態による、図1の超音波反射型断層撮影画像化システムによって使用される反射幾何学的配置の概略図である。
図3】本発明の一実施形態による、図1のシステムによって取得されたデータと、図2で定義された反射幾何学に従って適用される全波形反転(FWI)再構成アルゴリズムとを使用するUS画像FWI再構成の反復プロセスを概略的に説明するブロック図である。
図4A-4B】本発明の一実施形態による、図1のシステムによって放射される駆動信号スペクトルおよび結果として生じるUS波のシミュレートされたスペクトルをそれぞれ示すグラフである。
図5】本発明の一実施形態による、図1のUSプローブで使用されるマルチスタティック収集モードの概略上面図である。
図6】本発明の一実施形態による、図1のシステムによって取得されたデータおよび図3のFWI再構成アルゴリズムを使用するUS画像FWI再構成の方法を概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(概要)
CT や MRI などの断層撮影画像診断手段とは異なり、超音波(US) 画像は通常、本質的に示唆的なものに過ぎません。US画像セッションの臨床的有用性は、意味のある画像を取得するのに十分なUSシステムを適用するユーザの専門知識と、取得したUS画像を解釈する訓練を受けた放射線科医の能力に大きく依存する。
【0014】
超音波画像のこの品質の根本原因は、ソナーの方法に似た、そのような画像の取得と再構成の方法に由来する。その結果、撮影される実際の解剖学的構造を大部分表すプロトコルベースのT および MRI 検査とは異なり、US画像はアドホックかつ手動で取得され、主に示唆的なものになります。US透過断層撮影画像化システムによって生成される乳房US画像など、US画像が CT や MRI などの診断手段の品質を満たすのは、非常に特殊な場合のみである。しかし、重要な情報を運ぶ超音波を取得しても、送信ジオメトリは扱いにくく、腹部や胴体などの体のより大きな部分を画像化するには非現実的であることがよくある。
【0015】
以下に説明する本発明の実施形態は、反射幾何学を使用した人体の断層US画像化のためのシステム、方法、およびアルゴリズムを提供する。この方法で画像化できる身体の部分には、たとえば、腹部、骨盤、心臓などがある。 開示された実施形態のいくつかでは、手持ち式USプローブは、開示された再構成アルゴリズムのため、および画像取得のプロトコルベースのアプローチで使用するためにUS波を生成および検出するように最適化される。
【0016】
いくつかの実施形態では、反射幾何学的形状に配置された変換器のアレイを備えるUSプローブを含むUS反射断層撮影画像化システムが提供され、プローブは、超音波を放射し、患者の身体部分から反射される反射超音波を受信するように構成される。このシステムはさらに、放射および反射された超音波に逆モデルを適用することによって、患者の身体部分の画像を生成するように構成されたプロセッサを含む。
【0017】
一実施形態では、画像は、放射および反射された超音波に全波形反転(FWI)を適用することによって生成される、少なくとも1つの生理学的組織パラメータを含む。 別の実施形態では、プロセッサは、放射および反射された超音波に逆時間移動(RTM)モデルを適用することによって身体部分の画像を生成するように構成される。
【0018】
この文脈では、「反射幾何学」という用語は、以下の図2に示すように、画像化された物体の伝播中に、放射されたUS波に対して少なくとも90度方向を変えるUS波のみを考慮した幾何学を意味する。このような特性を持つ受信ビームは、本明細書では「反射半球」に属するものとみなする。 従来のUSプローブの2次元変換器アレイは、通常、そのような反射半球のごく一部のみを捕捉する(たとえば、2πよりもかなり小さい狭い立体角をカバーする)。 したがって、反射ジオメトリにより、反射半球のかなりの部分から超音波を捕捉するプローブの使用が可能になる。開示された反射断層撮影画像化システムは、USデータを取得し、取得したデータからFWIを使用して画像を再構成するために、この反射US波を使用することができる。
【0019】
プローブ設計の経験則として、反射逆法を使用した画像化の深さは、プローブの変換器 アレイの開口部に比例する。 比例係数は通常 2 ~ 0.5 の間で変化するため、2次元アレイの少なくとも1つの次元では、臨床用途に応じて通常 5 ~ 15cm の範囲の大きな開口が必要となる。アレイが1つの次元で長い場合(たとえば、長方形アレイのように)、二次元変換器レイは長軸と短軸を有すると呼ばれる。
【0020】
「逆モデル」という用語は、FWI や RTM などの形式的な逆モデルのクラスを指す。これには、媒質の境界における圧力波場の一部、たとえば境界条件として機能する(プローブでの)発信波と受信波の測定値を使用して、音圧波の波動方程式が与えられた場合に、媒体パラメータおよび/または媒体境界を見つけることが含まれる。一般に、FWI を使用すると、US 信号の波長の半分の分解能を達成できるが、これは標準的な方法では達成できない。
【0021】
いくつかの開示された実施形態では、プロセッサは、波動方程式を解き、解かれた波面データを波面データの実際の測定値と比較する手順を繰り返し適用することによって、FWIアルゴリズムを適用して媒体パラメータ(密度、音速、弾性など)を計算する。各反復において、この比較により媒体パラメータに小さな修正が加えられ、最終的には解かれた波面と実際に測定された波面との間の残留誤差がゼロに近くなる。この時点で、見つかった媒体パラメータは測定された波面データをよく説明しており、開示された実施形態では、定量的US画像を生成するか、またはBモードUS画像などの定性的US画像の画質を向上させるために使用することができる。
【0022】
本発明の様々な実施形態では、プロセッサは、反射されたUS信号を使用して、様々な生理学的組織パラメータを推定し、ユーザに対して視覚化する。その例には、局所的な組織密度、局所的な音速、局所的なエネルギー減衰、弾性などが含まれる。
【0023】
一実施形態では、超音波プローブは、従来の最新のUSシステムで使用されるものよりも少なくとも一桁低い平均周波数(例えば、250KHz対2.5MHz以上)の広帯域US波を生成し、検出するように構成される。ローパスフィルターを使用して、プローブによって取得されたUS信号のスペクトルの低周波数テール(たとえば、100KHz 未満の周波数のテール が抽出され、分析される。プロセッサは、FWIアルゴリズムでUS信号の低周波テールを使用して、患者の身体部分の初期画像を生成する。初期画像に基づいて、プロセッサは FWIアルゴリズムでより高いUS周波数を使用し、FWIアルゴリズムの堅牢かつ正確な収束で完全なUS画像を実現する。
【0024】
他の開示された実施形態では、プロセッサは、RTMモデルを適用して、ソース波動場 Ps の波動方程式を解く(波動場は、空間および時間のあらゆる点における圧力であり、ソースとは、ソースエミッタから放射されたパルスを意味する)。RTMモデルには、(実際のプローブから)測定されたセンサデータを取得し、受信機を送信機として使用して、受信信号を計算によって時間的に逆方向に伝播することが含まれる。この波面は Pr と呼ばれる。(数学的には、この演算では波動方程式の随伴演算子を使用して信号を「時間的に逆方向」に計算する。)最後に、プロセッサは Ps と Pr を(時間軸に沿って)相互相関させ、時間-オフセット =0 で相互相関を取得する。この画像は定量的ではない可能性があり、主に媒体の鋭いエッジが生じる可能性がある (b モード US と同様の特性であるが、精度はかなり優れている)。 RTM 法は、媒体内の音速が適切に推定されている場合に特に正確な結果をもたらす。この点でも、RTM 法はすべてのデータを使用し、複雑な波動現象を考慮に入れることを除いて、b モードに似ている。超音波 b モードは、地球物理学のキルヒホッフ移動に似ており、開示された技術で使用できる別のアルゴリズムである。
【0025】
別の実施形態では、開示されたプローブは、従来の現代の超音波システムで一般的な周波数範囲(例えば、数MHz以上)で動作する。アルゴリズム手法を使用することで、プロセッサは FWI アルゴリズムの堅牢かつ正確な収束により完全なUS画像を実現することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、プローブがユーザによって移動される位置など、プローブの異なる位置からの取得が組み合わされる。このように、FWI 再構成アルゴリズムを使用すると、画像の本体奥行き、空間解像度、および視野(FOV) を向上させることができる。
【0027】
入射US波(すなわち、プローブが放射するUSビーム)を身体の特定の位置に向けるためにビームフォーミング技術を使用する従来のUSシステムとは異なり、開示された技術は、広い視野を同時にカバーするUS波を放射する。この目的のために、いくつかの実施形態では、開示された技術は、マルチスタティック取得モードで超音波プローブアレイを使用する。マルチスタティック取得モードの最も単純な形式では、1つの変換器が放射し、アレイの残りの変換器が反射信号を受信する。代替実施形態では、開示された技術は、プローブが十分な範囲の異なる角度および距離にわたって標的体積を照射する限り、ビーム形成された信号のセットに加えて使用することができる。
【0028】
あるいは、アダマールシーケンスで取得を実行する、より高い信号対雑音比(SNR)を生み出すことができる、マルチスタティック取得モードと同等のモードを使用することもできる。(つまり、発信変換器のアダマール基底で作られたシーケンスで US 放射を適用するなど)。アルゴリズムを使用して、プロセッサはアダマールシークエンス (またはその他の適切なシークエンス)をより単純なマルチ静的シークエンスにマッピングできる。一実施形態では、シーケンスは、臨床画像を生成するのに十分であるとみなされる所定の閾値を上回るSNR値をもたらすように選択される。
【0029】
反射幾何学的形状で定量的なUS画像を生成できるUSシステムと方法を提供することにより、限られたリソースで高品質で信頼性の高い医用画像を実現でき、その画像品質は、はるかに面倒な画像モダリティ(CT や MRI)および関連するワークフローによって得られる画像品質に匹敵する。
【0030】
(システムの説明)
図1は、本発明の一実施形態による、平面検出器アレイ50を備える手持ち式超音波(US)プローブ30を備える医療用超音波(US)反射断層撮影システム10の概略絵画図である。
【0031】
US画像化システム10は、USプローブ30がケーブル44によって接続されるインターフェース46を備えるUSコンソール40を備える。コンソール40はさらに、システムプロセッサ48を備える。
【0032】
インターフェース46は、ケーブル44を介して、USプローブ30に含まれ、挿入図25に示されている圧電US変換器100のアレイ50に電気エネルギーを通過させるように構成されている。US変換器100は、前述のUS画像の反射FWI再構成を可能にするために、低周波数成分(たとえば、<250 kHz)を有するUS信号を生成および検出するように寸法設定されている。しかしながら、一例として、500KHzまたは1MHz以上の中心周波数を有するUS信号を生成および検出するサイズの変換器を使用することを含む、他の変換器設計が使用されてもよい。
【0033】
信号の高周波成分も、たとえば空間解像度を高めるために使用される場合がある。さらに、インターフェース46は、プロセッサによって制御されて、前述のマルチスタティックまたはマルチスタティックと同等の他の(例えば、アダマール)取得モード(同じ形成基準)でプローブの1つまたは複数の変換器に電気エネルギーを渡すことができるが、SNRが高くなる。
【0034】
アレイ50は、駆動エネルギーに応答して、USビームを生成し、結果として生じるUSエコーを検出し、次いで、結果として生じる電気信号をケーブル44およびインターフェース46を介してプロセッサ48に送信するように構成されている。プロセッサ48は、全波形反転(FWI)再構成を適用することにより、定量的US画像を生成し、それをモニタ49上に表示するように構成される。
【0035】
図示の実施形態では、アレイ50は、角が切り取られた正方形の形状を有し、単に一例として、376個のUS変換器100を備え、各変換器は、50 ~ 100 kHz 帯域の周波数における重要なUSエネルギーを放射および検出を含む、250kHzの中心周波数を有するUS波を放射および検出するように構成されている。図から分かるように、プローブ30は、すべての横方向にほぼ同じアレイの開口部を有する。
【0036】
片側プローブ(前述の反射幾何学的形状を有するプローブ)からのデータのみを使用して定量的画像を取得するという課題を考慮すると、開示された反復再構成は、反復再構成の収束を支援するために可能な限り低い周波数から開始される。
【0037】
通常、プロセッサ48は、本明細書に記載の機能を実行するようにソフトウェアでプログラムされた汎用コンピュータを含む。いくつかの実施形態では、プロセッサ48は、一組のGPUなどの追加の処理リソースを含む。プロセッサ48 は、メモリ49から、図2に記載されるような」US画像FWI再構成アルゴリズムアップロードするように構成されている。
【0038】
アレイ50の構成は一例として示されている。アレイ50の他の構成も可能である。この例では、アレイ50は平面的であり、すなわち変換器100は単一の平面内にある。US変換器100は、11×20の長方形のレイアウトで配置される。一例では、各US変換器100のサイズは6mm×6mmである。隣接する変換器の中心間の距離(水平方向または垂直方向)は 7 mmである。 別の例では、376個のUS変換器の各要素は、例えばそのような要素の製造を容易にするために複数のサブ変換器(例えば、2×2または3×3)で作られ、所与の変換器のサブ変換器は、共通の配線を使用して同じドライブに接続できる。
【0039】
したがって、アレイの全体の開口サイズは 14cm である。代替実施形態では、アレイ50は、体表面に適合するようにわずかに湾曲していてもよく、または柔軟な材料で作られていてもよい。アレイ50は、他の任意の適切な形状、例えば、長方形、円形、または楕円形、および任意の適切なレイアウトの任意の適切な数の変換器を有し得る。
【0040】
一実施形態では、個々の変換器100の寸法は、アレイ50の検出能力を最適化するために、例えば、非常に低い周波数(例えば、<50kHz)を含む、より少ないUSパワーを放射および検出する能力を追加するために、アレイ50にわたって変化し得る。すなわち、プローブの感度を高めるため、および/または放射されるUS信号の帯域幅をより高い周波数(例えば、>1MHz)まで広げるためである。
【0041】
図1はシステムレイアウトの一例を示しているが、開示された発明の実施形態は他の方法で実現されてもよい。例えば、一実施形態では、システム全体(例えば、プローブ、ケーブル、およびプロセッサ)がすべて1つのハンドヘルドデバイスに組み込まれる。他の実施形態では、プロセッサ48は、例えばネットワークを介して、プローブから遠隔に配置される。プロセッサは、再構成を実行し、再構成された画像を所定の受信者に送信する(例えば、超音波手術の場所で見るためにディスプレイ49に戻す)クラウドコンピューティングネットワークまたは何らかのオフプレミスコンピューティングリソース内で実現され得る。
【0042】
(超音波断層撮影用の反射幾何学的形状)
図2は、本発明の一実施形態による、図1の超音波反射断層撮影撮像システム10によって少なくとも部分的に使用される反射幾何学的形状の概略絵画図である。 上述したように、反射幾何学に基づくFWI処理により、開示された反射断層撮影撮像システムがUS信号を取得するために適用できる反射半球68のかなりの部分を捕捉するプローブの使用が可能になる。
【0043】
図2は、一例として、プローブによって方向62(x軸を定義できる)に放射される1つのビームを示す。 開示された実施形態、特に使用されるFWIアルゴリズムは、反射半球に属するプローブによって受信されたビームのみを考慮する。このようなビーム(例えばビーム64)は90度以下の補角66、 θ を形成し、これは反射されたUS波が入射方向に対して少なくとも90度方向を変えたことを意味する。そうでない場合、そのようなビーム方向は透過半球70内に入る。透過半球70内に入るビームは、通常、開示されたFWIアルゴリズムでは考慮されない。
【0044】
上で述べたように、従来のUSプローブの2次元変換器アレイは、通常、反射半球の一部のみを捕捉する。したがって、図2の定義は、開示されたFWIベースのUS反射断層撮影法で使用するためのより多くの可能なプローブ設計を網羅している。
【0045】
(全波形反転(FWI)再構成を使用した反射超音波断層撮影画像化)
開示されたセクションは、US反射データから人体の一部の断層撮影画像を再構成するためのFWI反復アルゴリズムを提供する。このような画像を正確に再構成するために、身体は損失媒体としてモデル化され、音響吸収は α(ω)= αω の形式の周波数べき乗則に従う。ここで、α≧ 0 は吸収比例係数であり、ω は時間周波数、y はべき乗則指数で、場合によっては定数で 1.5 に等しいと想定できる。
【0046】
有限吸収の追加は、異なる組織タイプの音響インピーダンスの違いなど、反射信号と散乱信号を生成する音響コントラスト特性のみに基づいて画像を再構成するため、全波形反転(FWI)モデル機能に追加される。ただし、場合によっては、 α= 0 と仮定することで、モデル内で媒体の吸収を無視できる場合もある。
【0047】
開示されたモデルは、透過US断層撮影のモデリングについて議論している、M.Perez-Liva ら著の論文、「全波形反転を使用した超音波コンピュータ断層撮影における音速と減衰の時間領域再構成」2017年3月出版、 The Journal of the Acoustical Society of America、141(3)、p.1595に準拠している。
【0048】
この媒体における音波の線形伝播は、位置 r と時間 t の関数としての音圧力波 p(r,t) の分数ラプラシアン波動方程式によって説明できる:
【数1】
ここで、S(r,t) はソース項 (つまり、プローブからのUS放射)であり、 c は媒体内の音速であり、通常は平均 1530 m/秒である。 最後の2つの項は音響吸収と分散を説明する。ここで、τ と τ は、
τ=-2αy-1,τ=2αtan(πy/2)
で与えられる。 前述の式では、 c と α は空間位置 r の関数として変化する可能性がある。
【0049】
図3は、本発明の一実施形態による、図1のシステム10によって取得されたデータと、図2で定義された反射幾何学に従って適用される全波形反転(FWI)再構成アルゴリズム200とを使用する、US画像FWI再構成の反復プロセスを概略的に説明するブロック図である。通常、プロセッサ48は、メモリ49からアルゴリズム200をアップロードし、US手順中にアルゴリズム200を実行して、式1を反復的に解き、US反射データ(散乱を含む)から身体の一部の定量的断層撮影画像を生成する。定量的断層撮影画像は、局所密度、局所音速、および局所エネルギー減衰画像のうちの1つまたは複数であり得る。
【0050】
図3に見られるように、アレイ50などのUSプローブアレイへの反射から取得された測定センサデータ202は、選択肢として前処理され(ステップ201)、FWI反復アルゴリズム200に入力される。
【0051】
アルゴリズムを実行するプロセッサは、測定されたセンサデータ(202)をモデル化されたセンサデータ206と比較する(ステップ204)。停止基準が満たされる場合(ステップ205で)、例えば、データ間の差異が、Lメトリックに規定されることにより、または到着時間の不適合レベルにより、または他の適切なメトリックによって定義される所与の閾値を下回る場合、プロセスは停止し、現在の画像214が最終出力画像216となる。停止基準が満たされない場合、モデル化された媒体パラメータ(例えば、減衰、音速)を更新し、そしてる新しい画像214を生成するために、反復計算はデータ間の差異を逆投影するステップ212で継続され、その新しい画像214から音響モデル208は式1を使用して、新しいモデル化されたデータセット206を生成する。
【0052】
図3に示される特定の実施形態に示されるように、反復計算の開始時には、モデル208には、均質な媒体(例えば、水)による均一な値などの自明な画像データ(210)が供給される。
【0053】
図3に示されている例示的な図は、単に概念的な明瞭さのために選択されている。図3は、本発明の実施形態に関係する部分のみを示している。たとえば、簡略化するために、キャリブレーションなどの詳細な手順は省略されている。
【0054】
場合によっては、アルゴリズム200は、たとえばリモート再構成および画像処理コンソールによってオフラインで実行される。
【0055】
他の実施形態では、開示された技術は、定量的画像を提示することに加えて、FWIで計算された媒体の特性に基づいて、より高品質で高解像度の定性的画像(超音波bモードのような)を生成するために使用される。
【0056】
図4Aおよび4Bは、本発明の一実施形態による、それぞれ、図1のシステムによって放射される結果として生じるUS波の駆動信号スペクトル65およびシミュレートされたスペクトル75を示すグラフである。
【0057】
図3Aに見られるように、図2の反復FWIモデルは、より低い周波数からのデータを使用し、再構築の繰り返しの間データ周波数を徐々に増加させることによってよりよく収束するため、駆動信号スペクトルは広くなる(たとえば、0.5MHz を超える範囲)。具体的には、周波数が低いと、FWIモデルがグローバル最小値近くに迅速に収束することができる。周波数が高くなると、再構成された画像の空間解像度が向上する。
【0058】
図3B、特に挿入図45は、放射されたUS波のピークスペクトル密度が250KHzにあり、波のエネルギーのかなりの部分が200KHz以下と300KHz以上の尾部にあることを示している。プローブ30のUS変換器100は、そのようなUS放射および検出プロファイルを達成するように設計されている。特に、変換器要素の厚さおよび複合材料、およびそれらを取り囲むマッチング層は、この目的のために最適化されている。
【0059】
(マルチスタティック取得)
図5は、本発明の一実施形態による、図1のUSプローブで使用されるマルチスタティック取得モードの概略上面図である。 図示の実施形態では、任意の取得時間窓において、アレイ50のUS変換器のうちの1つ、例えば変換器401が発信し、残りの変換器、例えば変換器402が結果として得られる信号を受信する。このプロセスは、アレイ50の各変換器が送信機として動作して繰り返される。この例では、アレイ50が376個の変換器を有しており、受信信号はテンソルとして配置することができる。受信信号テンソルのサイズは通常、
S x R x TS である。ここで、S はソースエミッタの数、R はレシーバの数、TS は A/Dサンプリングされたタイムステップの数である。たとえば、SNRを高めるために、各変換器ごとに放射が複数回(N 回) 行われる場合、N 個のテンソルのセットが取得される。たとえば、取得デバイス内のチャネルの数が制限されている場合、スキャンを反復的に行うことができる。つまり、同じ放射を複数回(たとえば、N 回)実行する。そのたびに、プロセッサは、すべての要素から受信信号を収集するため、受信チャネルのマルチプレクサ設定を変更して、データを収集する。
【0060】
一般に、図5で説明したマルチスタティック収集モードと同等の収集モードが存在する可能性がある。たとえば所定の収集において、1つまたは複数の変換器((たとえばすべての行または列の変換器、または任意の適切な変換器のサブセット)がUS波を放射することができる。同時に、1つまたは複数の他の変換器(例えば、残りのすべての変換器)は受信モードになる。ただし、短いパルスの放射を終了した直後に放射要素を受信機にすることに制限がないため、通常はすべての変換器が使用される。変換器の前述のアダマール基底を適用するなど、複数の変換器を同時に使用することを伴う他のシーケンスも考慮することができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、アレイ50の変換器は、アレイ50が広範囲の方向にわたってより多くの電力を媒体に送達できるように励起される。たとえば、アレイはマルチスタティックレイアウトで励起される場合がある。別の例として、アレイは2次元アダマール基底または別の2次元基底(Haar など)を使用して励起され、最終的にはより高いSNRで提供されるマルチスタティック等価電力を達成する。それにもかかわらず、上で述べたように、プローブが十分に異なる角度および距離にわたってターゲットボリュームを照射する限り、ビーム形成信号のセットに加えて開示の技術によるFWIを使用することに制限はない。
【0062】
例えば、システム10のプロセッサは、所与の放射およびそれぞれの取得シーケンスで動作するようにプローブ30を制御するように構成することができ、プロセッサはさらに、所与の放射および反射US波のシーケンスを使用して、取得シーケンスをマルチスタティック取得モードに変換するように構成される。マルチスタティック取得モードでは、1つ以上の変換器がUS波を放射するようにモデル化され、そしてすべての変換器が反射されたUS波を取得するようにモデル化される。(通常、波を送信した変換器は(送信パルスを終了した直後に)受信機になることができる)。マルチスタティック取得モードを使用して、プロセッサは患者の身体部分の画像を生成する。特に、所与の放射およびそれぞれの取得シーケンスは、二次元アダマール基底によって定義することができる。
【0063】
開示された取得モードは、FWI再構成に特に有用であり、拡張されたFOVおよび撮像深度を提供することができる。
【0064】
(反射における超音波画像FWI再構築の方法)
図6は、本発明の一実施形態による、図1のシステムによって取得されたデータおよび図3のFWI再構成アルゴリズムを使用するUS画像FWI再構成の方法を概略的に示すフローチャートである。このプロセスは、測定データ受信ステップ302において、プロセッサ48が患者の身体部分から反射された超音波プローブ30からの反射超音波を受信することから始まる。
【0065】
次に、US画像生成ステップ304で、プロセッサ48は、放射および反射された超音波に全波形反転を適用することによって、患者の身体部分の画像を生成し、この画像は少なくとも1つの生理学的組織パラメータを含む。ステップ304は、校正などの前処理ステップを含むことができる。
【0066】
最後に、画像提示ステップ306で、プロセッサは、少なくとも1つの生理学的組織パラメータの1つまたは複数の定量的US画像を提示する。このような画像には、身体部分内の局所的な密度、局所的な音速、および局所的なエネルギー減衰が含まれる場合がある。
【0067】
図6に示すフローチャートの例は、単に概念的を明確にするために選択したものである。特に、画像の取得と再構成に関連する多くのサブステップは、表示を簡単にするために省略されている。
【0068】
本明細書に記載の実施形態は主に反射医療用超音波を取り扱っているが、本明細書に記載の方法およびシステムは非破壊検査などの他の用途にも使用できる。
【0069】
したがって、上述の実施形態は例として引用したものであり、本発明は特に上に図示し説明したものに限定されないことが理解されるであろう。むしろ、本発明の範囲には、上記の様々な特徴の組合わせおよびサブ組合せの両方、ならびに上記の説明を読んだ当業者に想起される、従来技術には開示されていないそれらの変形および修正が含まれる。本特許出願に参照により組み込まれた文書は、本出願の不可欠な部分とみなされる。本明細書において明示的または黙示的に行われた定義とこれらの組み込まれた文書内で定義された用語が矛盾するばあいは、本明細書の定義を考慮する必要がある。
図1
図2
図3
図4A-4B】
図5
図6
【国際調査報告】