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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-19
(54)【発明の名称】安定した殺真菌組成物
(51)【国際特許分類】
   A01N 43/653 20060101AFI20240209BHJP
   A01N 43/36 20060101ALI20240209BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20240209BHJP
【FI】
A01N43/653 Q
A01N43/653 C
A01N43/36 A
A01P3/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549059
(86)(22)【出願日】2022-02-15
(85)【翻訳文提出日】2023-10-10
(86)【国際出願番号】 GB2022050400
(87)【国際公開番号】W WO2022175649
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】2102142.3
(32)【優先日】2021-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520077872
【氏名又は名称】ユーピーエル コーポレーション リミテッド
【氏名又は名称原語表記】UPL CORPORATION LIMITED
(71)【出願人】
【識別番号】522073629
【氏名又は名称】ユーピーエル ヨーロッパ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】UPL Europe Ltd.
【住所又は居所原語表記】The Centre, 1st Floor, Birchwood Park, Warrington, Cheshire, United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カウル パルディープ
(72)【発明者】
【氏名】ムケルジー デヴ ヴァルタ
(72)【発明者】
【氏名】フラッド チャールズ
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AA03
4H011BA05
4H011BB09
4H011BC03
4H011BC07
4H011BC17
4H011DA14
4H011DC04
4H011DG11
(57)【要約】
少なくとも1種のコナゾール殺真菌剤および少なくとも1種のアニオン性界面活性剤を含む、安定した農芸化学的組成物が開示されている。農芸化学的組成物を調製する方法および農芸化学的組成物を用いて植物の真菌を防除する方法も開示されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
農芸化学的殺真菌組成物であって、
a)少なくとも1種のコナゾール殺真菌剤、その塩、エステル、または異性体と、
b)アニオン性界面活性剤と
を含む、農芸化学的殺真菌組成物。
【請求項2】
前記殺真菌組成物が液体組成物である、請求項1に記載の農芸化学的殺真菌組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1種のコナゾール殺真菌剤が、アザコナゾール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジクロブトラゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾール-M、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェンブコナゾール、フルコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、フルコナゾール、フルコナゾール-シス、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、イプフェントリフルコナゾール、メフェントリフルコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、キンコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、チアベンダゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾール、ウニコナゾール、ウニコナゾール-P、またはこれらの塩、エステル、異性体、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の農芸化学的殺真菌組成物。
【請求項4】
前記少なくとも1種のコナゾール殺真菌剤が、プロチオコナゾール、その塩、エステル、または異性体を含む、請求項1に記載の農芸化学的殺真菌組成物。
【請求項5】
前記少なくとも1種のコナゾール殺真菌剤が、トリチコナゾール、その塩、エステル、または異性体を含む、請求項1に記載の農芸化学的殺真菌組成物。
【請求項6】
前記アニオン性界面活性剤が、アルキルエーテルサルフェート、アルキルエーテルホスフェート、その塩、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の農芸化学的殺真菌組成物。
【請求項7】
前記アニオン性界面活性剤が、アルキルアリールエーテル硫酸塩、ポリアリールフェノールポリアルコキシエーテル硫酸塩、ポリアリールフェノールポリアルコキシエーテルホスフェート、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の農芸化学的殺真菌組成物。
【請求項8】
前記アニオン性界面活性剤が、アルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、アルキルホスフェート、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の農芸化学的殺真菌組成物。
【請求項9】
前記アルキルホスフェートが、カリウムイソトリデシルエーテルホスフェート、トリデシルアルコールエーテルホスフェートのカリウム塩、ポリオキシアルキレンアルキルホスフェート、ポリオキシアルキレンフェニルエーテルホスフェート、またはそれらの組合せを含む、請求項8に記載の農芸化学的殺真菌組成物。
【請求項10】
前記アニオン性界面活性剤が、20個のエチレンオキシド(EO)単位を有するエトキシ化ナトリウムイソトリデシルエーテルサルフェート、7個のEO単位を有するエトキシ化C1214エーテルサルフェート、カリウムイソトリデシルエーテルホスフェート、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の農芸化学的殺真菌組成物。
【請求項11】
前記組成物が、前記農芸化学的組成物の総重量の約0.1%~約50%w/wの前記コナゾール殺真菌剤を含む、請求項1に記載の農芸化学的殺真菌組成物。
【請求項12】
前記組成物が約0.1重量%~約99.9重量%の前記アニオン性界面活性剤を含む、請求項1に記載の農芸化学的殺真菌組成物。
【請求項13】
前記殺真菌組成物が、前記少なくとも1種のコナゾール殺真菌剤化合物とアニオン性界面活性剤とを約1:10~約10:1の重量比で含む、請求項1に記載の農芸化学的殺真菌組成物。
【請求項14】
追加の殺真菌剤をさらに含む、請求項1に記載の農芸化学的殺真菌組成物。
【請求項15】
農芸化学的殺真菌組成物を調製する方法であって、
少なくとも1種のコナゾール殺真菌剤、その塩、エステル、または異性体と、アニオン性界面活性剤と、任意選択で他のアジュバントとの混合物を得、
前記混合物を粉砕し、そして
粉砕した前記混合物を溶媒と組み合わせて前記農芸化学的組成物を取得する
ことを含み、前記農芸化学的組成物が、前記少なくとも1種のコナゾール殺真菌剤、その塩、エステル、または異性体と、前記アニオン性界面活性剤と、任意選択で他のアジュバントとを含む、方法。
【請求項16】
植物の真菌を防除する方法であって、前記植物、その繁殖材料、または前記植物が成長しているもしくは成長することが意図されている場所(locus)に、有効量の前記農芸化学的殺真菌組成物を施用することを含み、前記殺真菌組成物が、
a)少なくとも1種のコナゾール殺真菌剤、その塩、エステル、または異性体、および
b)アニオン性界面活性剤を含む、方法。
【請求項17】
前記繁殖材料が植物の種子を含む、請求項16に記載の真菌を防除する方法。
【請求項18】
前記農芸化学的殺真菌組成物が、前記種子の重量に基づいて約0.001ml/100kg~約1000ml/100kgの範囲の割合で施用される、請求項16に記載の真菌を防除する方法。
【請求項19】
植物有害生物を防除するための,農芸化学的組成物の使用であって、前記農芸化学的組成物が、
a)少なくとも1種のコナゾール殺真菌剤、その塩、エステル、または異性体、および
b)アニオン性界面活性剤
を含む、使用。
【請求項20】
有効量の前記農芸化学的殺真菌組成物を、植物、その繁殖材料、または前記植物が成長しているもしくは成長することが意図されている場所(locus)に施用する、請求項19に記載の植物有害生物を防除するための使用。
【請求項21】
前記農芸化学的殺真菌組成物が、前記種子の重量に基づいて約0.001ml/100kg~約1000ml/100kgの範囲の割合で施用される、請求項19に記載の植物有害生物を防除するための使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、殺真菌組成物に関し、特に、コナゾール化合物を含む液体殺真菌組成物に関する。殺真菌組成物を調製する方法および農芸化学的組成物を使用して植物の真菌を防除する方法も開示されている。
【背景技術】
【0002】
殺菌剤は、植物における真菌性病害を、その病害を引き起こす真菌を阻害または死滅させることによって防除するために、農業者が使用する不可欠かつ重要な手段である。
【0003】
殺真菌剤である1,2,4トリアゾールおよびその誘導体は、広範囲の活性を有する生物学的に活性なクラスの化合物を表す。これらのトリアゾール殺真菌剤は、コムギ、オオムギ、ダイズおよび果樹園の果実などの作物に広く使用されており、保護特性、治癒特性および根絶特性を有するので、経済的に重要な農業用化学物質である。コナゾールは、特に重要なトリアゾール殺真菌剤であり、その例は、プロチオコナゾール(2-[2-(1-クロロシクロプロピル)-3-(2-クロロフェン-イル)-2-ヒドロキシプロピル]-2,4-ジヒドロ-[1,2,4-]-トラゾール-3-チオン)である。プロチオコナゾールは、エルゴステロールの生合成経路を標的とするステロール脱メチル化阻害剤であり、農業施用における真菌の増殖を防除するために使用される。
【0004】
コナゾールを含む製剤は、選択の不適切な不活性成分のために、貯蔵中または施用中に水で希釈されると不安定になる。
【0005】
したがって、それらの貯蔵寿命の期間にわたって、および水で希釈した後の組成物を施用する間に安定したままであるコナゾール殺真菌化合物を含む液体組成物を開発する必要性が依然として存在する。
【0006】
本開示の目的:
本開示の目的は、コナゾール殺真菌剤と、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤とを含む、農芸化学的組成物を提供することである。
【0007】
本開示の目的は、コナゾール殺真菌剤と、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤とを含む、農芸化学的組成物を調製する方法を提供することである。
【0008】
本開示の別の目的は、コナゾール殺真菌剤と、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤とを含む、農芸化学的液体組成物を提供することである。
【0009】
本開示の別の目的は、コナゾール殺真菌剤と、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤を含む農芸化学的液体組成物を調製する方法を提供することである。
【0010】
本開示のさらに別の目的は、プロチオコナゾールと、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤とを含む、農芸化学的液体組成物を提供することである。
【0011】
本開示のさらに別の目的は、トリチコナゾールと、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤とを含む、農芸化学的液体組成物を提供することである。
【0012】
本開示のさらに別の目的は、植物または植物が成長しているもしくは成長することが意図されている場所(locus)または植物繁殖材料に、コナゾール殺真菌剤と少なくとも1種のアニオン性界面活性剤とを含む農芸化学的殺真菌組成物を施用することを含む、真菌を防除する方法を提供することである。
【0013】
本開示のさらに別の目的は、プロチオコナゾールおよび/またはトリチコナゾールと、少なくとも1種の追加の殺真菌剤と、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤とを含む農芸化学的液体組成物を提供することである。
【発明の概要】
【0014】
一態様では、本開示は、コナゾール殺真菌剤、その塩、エステル、または異性体と、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤とを含む、農芸化学的殺真菌組成物を提供する。
【0015】
一態様において、農芸化学的殺真菌組成物は液体組成物である。
【0016】
一態様において、本開示は、コナゾール殺真菌剤、その塩、エステル、または異性体と、追加の殺真菌剤と、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤とを含む農芸化学的殺真菌組成物を提供する。
【0017】
さらに別の態様において、本開示は、開示された農芸化学的殺真菌組成物を調製する方法を提供する。
【0018】
さらに別の態様では、本開示は、植物、その植物繁殖材料、または植物が成長しているもしくは成長することが意図されている場所(locus)に、コナゾール殺真菌剤とアニオン性界面活性剤とを含む農芸化学的殺真菌組成物を施用することを含む、植物における真菌を防除する方法を提供する。
【0019】
一実施形態では、植物繁殖材料は種子である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の詳細な説明の目的のために、本開示は、明示的に反対に指定されている場合を除いて、様々な代替の変形を想定し得ることを理解されたい。さらに、任意の実施例以外、または別段の指示がある場合を除き、例えば本明細書で使用される材料/成分の量を表すすべての数字は、すべての場合において「約」という用語によって修飾されていると理解されるべきである。
【0021】
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合には、定義を含め本文書が優先される。
【0022】
値の範囲の列挙は、本明細書に別段の指示がない限り、その範囲内に入る各々の別個の値を個別に参照する簡略的な方法として役立つことを意図しているにすぎず、各々の別個の値は、あたかもそれが本明細書に個別に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。すべての範囲の端点は、範囲内に含まれ、独立して組み合わせることができる。本明細書で使用される場合、すべての数値または数値範囲は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、そのような範囲内の整数および範囲内の数値または整数の端数を含む。したがって、例えば、90~100%の範囲への言及は、91%、92%、93%、94%、95%、95%、97%など、ならびに91.1%、91.2%、91.3%、91.4%、91.5%など、92.1%、92.2%、92.3%、92.4%、92.5%などを含む。本明細書に記載のすべての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、適切な順序で実行することができる。
【0023】
本明細書で使用される場合、「a」、「an」、「the」、および「at least one」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、量を限定することを示しておらず、単数および複数の両方を網羅することを意図している。例えば、「一要素」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、「少なくとも1種の要素」と同じ意味を有する。本明細書で使用される第1、第2などの用語は、いずれかの特定の順序を示すことを意味するのではなく、単に便宜上、複数の、例えば層を示すことを意味する。本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」、「含む(containing)」、「含む(involving)」などの用語は、オープンエンドである、すなわち、特に明記しない限り、「含む(including)」がこれに限定されないことを意味すると理解されるべきである。本明細書で使用される「約」または「およそ」は、記載された値を含み、問題の測定値および特定の量の測定に関連する誤差(すなわち、測定システムの限界)を考慮して、当業者によって判定される特定の値の許容可能な偏差範囲内を意味する。例えば、「約」は、1つ以上の標準偏差の範囲内、または記載された値の±10%もしくは±5%の範囲内を意味することができる。ありとあらゆる例または例示的な文言(例えば、「など」)の使用は、単に本発明をよりよく説明することを意図しており、別段の請求がない限り、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書のいかなる文言も、特許請求されていないいずれかの要素が本明細書で使用される本発明の実施に不可欠であることを示すものと解釈されるべきではない。
【0024】
本明細書で以下に記載される任意の態様または実施形態では、含むという語句は、「からなる」または「から本質的になる」または「から実質的になる」という語句で置き換えられ得る。これらの態様または実施形態では、記載される組成物は、その中に具体的に列挙されていない他の成分または賦形剤を除外して、その中に列挙されている特定の成分を含む(include)か、それを含む(comprise)か、それからなるか、本質的にそれからなるか、または実質的にそれからなる。
【0025】
例示的な実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができ、その要素を等価物で置き換えることができることが当業者には理解されよう。さらに、本発明の本質的な範囲から逸脱しなければ、特定の状況または材料を本発明の教示に適合させるために、多くの修正を行うことができる。したがって、本発明は、本発明を実施するために企図される最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されず、本発明は、添付の特許請求の範囲内に入るすべての実施形態を含むことが意図される。そのすべての可能な変形における上述の要素の任意の組み合わせは、本明細書で特に指示されない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、本発明に包含される。
【0026】
「アルキル」は、指定された数の炭素原子、具体的には1から12個の炭素原子、より具体的には1から6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖飽和脂肪族炭化水素を意味する。アルキル基には、例えば、1から50個の炭素原子を有する基(CからC50アルキル)が含まれる。
【0027】
「アリール」は、すべての環員が炭素であり、少なくとも1種の環が芳香族である環状部分であって、指定された数の炭素原子、具体的には6から24個の炭素原子、より具体的には6から12個の炭素原子を有する部分を意味する。2つ以上の環が存在してもよく、任意の追加の環は独立して芳香族、飽和または部分的に不飽和であってもよく、縮合、ペンダント、スピロ環式またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0028】
「アルキレン」は、直鎖または分枝鎖の飽和二価脂肪族炭化水素基(例えば、メチレン(-CH-)またはプロピレン(-(CH-))を意味する。
【0029】
本開示を通して使用される場合、コナゾール殺真菌剤または他の活性成分には、それらの塩、エステル、エーテル、異性体、ならびに溶媒和物および水和物を含む多形が含まれる。塩は、活性成分の生物学的有効性および特性を保持し、生物学的または他の点で望ましくないものではない塩を含み、親化合物がその無機および有機の非毒性の酸または塩基付加塩を作製することによって改変されている開示された化合物の誘導体を含む。塩は、従来の化学的方法によって親化合物から合成することができる。「溶媒和物」は、適切な溶媒の分子が結晶格子に組み込まれている殺真菌剤またはその薬学的に許容される塩を意味する。適切な溶媒は、投与される投与量で生理学的に許容される。適切な溶媒の例は、エタノール、水などである。水が溶媒である場合、その分子は「水和物」と称される。溶媒和物の形成は、化合物および溶媒和物に応じて変化する。一般に、溶媒和物は、化合物を適切な溶媒に溶解し、冷却または貧溶媒を使用して溶媒和物を単離することによって形成される。溶媒和物は、典型的には、周囲条件下で乾燥または共沸される。一態様では、溶媒和物は水和物である。
【0030】
「植物」という用語は、種子、実生、若木、根、塊茎、茎、柄、葉および果実を含む植物のすべての物理的部分を指す。植物という用語は、トランスジェニック植物および非トランスジェニック植物を含む。
【0031】
本明細書で使用される「場所(locus)」という用語は、植物が成長している近隣地、領域、または場所を指し、植物の植物繁殖材料が蒔かれ(例えば、土壌に入れられる)、および/または植物の植物繁殖材料が蒔かれる。
【0032】
「植物繁殖材料」という用語は、発芽後または土壌から出芽した後に移植される植物の生殖部分、例えば種子、栄養材料、例えば挿し穂または塊茎、根、果実、塊茎、球根、根茎、ならびに植物、発芽植物および/または苗木の他の部分を指す。これらの苗木は、移植前に、全浸漬処理/システムまたは部分浸漬処理/システムによって保護することができる。
【0033】
本明細書で使用される場合、「有効量」は、真菌に有害な作用を及ぼし、および/または植物の真菌性病害を予防する、開示された組み合わせなどの活性成分の量である。有害な作用には、真菌(殺真菌剤)の死滅、真菌の増殖の防止、生合成経路の遮断、またはそれらの組み合わせが含まれ得る。
【0034】
本明細書で使用される場合、「農業的に許容される塩」は、農業または園芸で使用する際に使用が公知であり、受け入れられている塩を意味する。
【0035】
「植物毒性」とは、植物の成長に対する毒性(負の)作用を指す。
【0036】
驚くべきことに、有利にも、アニオン性界面活性剤が、コナゾール殺真菌剤を含む組成物に安定性を付与することが発見された。
【0037】
貯蔵中に起こる液体殺真菌組成物の増粘は、殺真菌組成物を使用に適さないものするので、この問題を解決し、増粘しにくい液体農芸化学的殺真菌組成物を得る必要がある。農芸化学的殺真菌剤製剤を製造しようとする試みにおいて、アニオン性界面活性剤が、液体農芸化学的殺真菌組成物に関連する問題を解決する上での突破口を与えることが有利にも見出された。特に、本発明者らは、貯蔵時の安定性が改善され、特に、例えば54℃で2週間、50℃で1ヶ月および/または40℃で8週間後に顕著な粘度上昇を示さない殺真菌組成物を開発した。したがって、本開示は、貯蔵中に農芸化学的粘度を保持し、それによって改善された注入性を可能にする農芸化学的殺真菌製剤を提供する。
【0038】
本開示の一態様によれば、農芸化学的殺真菌組成物が提供され、
a)少なくとも1種のコナゾール殺真菌剤、その塩、エステル、または異性体、および
b)アニオン性界面活性剤を含む。
【0039】
本開示の一態様によれば、農芸化学的殺真菌組成物が提供され、
a) 少なくとも1種のコナゾール殺真菌剤、その塩、エステル、または異性体、
b) アニオン性界面活性剤、および
c)任意選択で、他のアジュバントを含む。
【0040】
一態様において、農芸化学的殺真菌組成物は液体農芸化学的殺真菌組成物である。
【0041】
一実施形態によれば、コナゾール殺真菌剤は、アザコナゾール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジクロブトラゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾール-M、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェンブコナゾール、フルコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、フルコナゾール、フルコナゾール-シス、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、イプフェントリフルコナゾール、メフェントリフルコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、キンコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、チアベンダゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾール、ウニコナゾール、ウニコナゾール-P、またはこれらの塩、エステル、異性体、またはこれらの組み合わせを含む。
【0042】
一態様によれば、コナゾール殺真菌剤は、プロチオコナゾール、その塩、エステル、または異性体を含む。
【0043】
一態様によれば、コナゾール殺真菌剤は、トリチコナゾール、その塩、エステル、または異性体を含む。
【0044】
一実施形態において、組成物は、殺真菌組成物の総重量に基づいて、約0.01%~約50%w/wのコナゾール殺真菌剤を含む。
【0045】
一実施形態において、組成物は、殺真菌組成物の総重量に基づいて、約0.01%~約30%w/wのコナゾール殺真菌剤を含む。
【0046】
一実施形態において、組成物は、殺真菌組成物の総重量に基づいて、約1%~約30%w/wのコナゾール殺真菌剤を含む。
【0047】
一実施形態では、アニオン性界面活性剤は、アルキルエーテルサルフェート、アルキルエーテルホスフェート、またはそれらの組み合わせなどのアルキルエーテル塩を含む。アルキルエーテル塩の例は、例えば、アルキルアリールエーテルサルフェート、ポリアリールフェノールポリアルコキシエーテルサルフェート、ポリアリールフェノールポリアルコキシエーテルホスフェート、またはこれらの組み合わせを含む。
【0048】
一実施形態では、アニオン性界面活性剤は、アルキルエーテルサルフェート、アルキルエーテルホスフェート、その塩、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、アニオン性界面活性剤は、C10~C20アルキルエーテルサルフェート、C10~C20アルキルエーテルホスフェート、またはそれらの組み合わせを含む。例としては、アルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、アルキルホスフェート、例えばカリウムイソトリデシルエーテルホスフェート、トリデシルアルコールエーテルホスフェートのカリウム塩、ポリオキシアルキレンアルキルホスフェート、ポリオキシアルキレンフェニルエーテルホスフェート、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0049】
一実施形態では、アニオン性界面活性剤は、20個のエチレンオキシド(EO)単位を有するイソトリデシルエーテル硫酸ナトリウム、7個のEO単位を有するC1214エーテル硫酸塩、イソトリデシルエーテルリン酸カリウム、またはそれらの組み合わせを含む。
【0050】
一実施形態において、組成物は、約0.1~約99.9重量%のアニオン性界面活性剤を含む。
【0051】
一実施形態において、組成物は、殺真菌組成物の総重量に基づいて、約0.1~約99.9重量%のアルキルエーテルサルフェートおよび/またはアルキルエーテルホスフェートを含む。
【0052】
一実施形態において、組成物は、殺真菌組成物の総重量に基づいて、約2~約70重量%のアルキルエーテルサルフェートおよび/またはアルキルエーテルホスフェートを含む。
【0053】
一実施形態において、組成物は、殺真菌組成物の総重量に基づいて、約5~約60重量%のアルキルエーテルサルフェートおよび/またはアルキルエーテルホスフェートを含む。
【0054】
本開示の一実施形態において、少なくとも1種のコナゾール殺真菌化合物のアニオン性界面活性剤に対する比は、約1:10~約10:1、または約1:1~約10:1、または約2:1~約5:1の範囲である。特に明記しない限り、本明細書で言及されるすべての比は重量比である。
【0055】
本開示の一実施形態において、少なくとも1種のコナゾール殺真菌化合物のアニオン性界面活性剤に対する比は、約1:1~約10:1の範囲である。特に明記しない限り、本明細書で言及されるすべての比は重量比である。
【0056】
本開示の一実施形態において、少なくとも1種のコナゾール殺真菌化合物のアニオン性界面活性剤に対する比は、約2:1~約5:1の範囲である。特に明記しない限り、本明細書で言及されるすべての比は重量比である。
【0057】
開示された殺真菌組成物は、植物繁殖材料の処理、特に種子の処理に特に有利である。特に、テブコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、トリチコナゾール、ヘキサコナゾール、トリフルミアゾール、メクトナゾール、トリシラゾール、プロチオコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホールおよびミコブタニルの少なくとも1種を含む殺真菌組成物は、植物繁殖材料に有益に施用することができる。
【0058】
一実施形態において、本農芸化学的殺真菌組成物は、
a)プロチオコナゾール、その塩、エステル、または異性体、および
b)アニオン性界面活性剤を含む。
【0059】
一実施形態において、本農芸化学的殺真菌組成物は、
a)トリチコナゾール、その塩、エステル、または異性体、および
b)アニオン性界面活性剤を含む。
【0060】
一実施形態では、アニオン性界面活性剤は、アルキルエーテルサルフェート、アルキルエーテルホスフェート、またはそれらの組み合わせを含む。
【0061】
一実施形態において、開示された農芸化学的殺真菌組成物は、少なくとも1種の農芸化学的に許容される賦形剤をさらに含む。
【0062】
一実施形態において、本農芸化学的殺真菌組成物は、
a)トリチコナゾール、および
b)アニオン性界面活性剤を含む。
【0063】
一実施形態において、本農芸化学的殺真菌組成物は、
a)トリチコナゾール、および
b)アルキルエーテルサルフェートまたはアルキルエーテルホスフェートから選択されるアニオン性界面活性剤を含む。
【0064】
本開示の一実施形態によれば、農芸化学的殺真菌組成物を調製する方法であって、少なくとも1種のコナゾール殺真菌剤、その塩、エステル、または異性体と、アニオン性界面活性剤と、任意選択で他のアジュバントとの混合物を得ること、混合物を粉砕すること、および粉砕した混合物を溶媒と組み合わせて農芸化学的組成物を取得することであって、農芸化学的組成物が、少なくとも1種のコナゾール殺真菌剤、その塩、エステル、または異性体、アニオン性界面活性剤、および任意選択で他のアジュバントを含む、取得すること、を含む、方法が提供される。
【0065】
一実施形態では、調製プロセスで使用される溶媒は水である。
【0066】
本開示の一実施形態によれば、農芸化学的殺真菌組成物を調製する方法であって、少なくとも1種のコナゾール殺真菌剤、その塩、エステル、または異性体、アニオン性界面活性剤、追加の殺真菌剤、および任意選択で他のアジュバントの混合物を得ること、混合物を粉砕すること、および粉砕した混合物を溶媒と組み合わせて農芸化学的組成物を取得することであって、農芸化学的組成物が、少なくとも1種のコナゾール殺真菌剤、その塩、エステル、または異性体、アニオン性界面活性剤、追加の殺真菌剤、および任意選択で他のアジュバントを含む、取得すること、を含む、方法が提供される。
【0067】
一実施形態では、調製プロセスで使用される溶媒は水である。
【0068】
一実施形態では、少なくとも1種のコナゾール殺真菌剤、その塩、エステル、または異性体と、アニオン性界面活性剤と、任意選択で他のアジュバントとの粉砕した混合物、及び溶媒の混合は、6000~8000rpmの速度で行われる。
【0069】
本開示の一実施形態によれば、農芸化学的殺真菌組成物を調製する方法であって、プロチオコナゾールと、アニオン性界面活性剤と、任意選択で他のアジュバントとの混合物を得、混合物を粉砕し、そして粉砕した混合物を溶媒と組み合わせて農芸化学的組成物を取得することを含み、農芸化学的組成物が、プロチオコナゾール、その塩、エステル、または異性体と、アニオン性界面活性剤と、任意選択で他のアジュバントとを含む、方法が提供される。
【0070】
本開示の一実施形態によれば、農芸化学的殺真菌組成物を調製する方法であって、プロチオコナゾールと、アニオン性界面活性剤と、フルジオキソニルと、任意選択で他のアジュバントとの混合物を得、混合物を粉砕し、そして粉砕した混合物を溶媒と組み合わせて農芸化学的組成物を取得することを含み、農芸化学的組成物が、プロチオコナゾール、その塩、エステル、または異性体と、アニオン性界面活性剤と、フルジオキソニルと、任意選択で他のアジュバントとを含む、方法が提供される。
【0071】
本開示の一実施形態によれば、農芸化学的殺真菌組成物を調製する方法であって、トリチコナゾールと、アニオン性界面活性剤と、任意選択で他のアジュバントとの混合物を得、混合物を粉砕し、そして粉砕した混合物を溶媒と組み合わせて農芸化学的組成物を取得することを含み、農芸化学的組成物が、トリチコナゾール、その塩、エステル、または異性体と、アニオン性界面活性剤と、任意選択で他のアジュバントとを含む、方法が提供される。
【0072】
本開示の一実施形態によれば、農芸化学的殺真菌組成物を調製する方法であって、トリチコナゾールと、アニオン性界面活性剤と、フルジオキソニルと、任意選択で他のアジュバントとの混合物を得、混合物を粉砕し、そして粉砕した混合物を溶媒と組み合わせて農芸化学的組成物を取得することを含み、農芸化学的組成物が、トリチコナゾール、その塩、エステル、または異性体と、アニオン性界面活性剤と、フルジオキソニルと、任意選択で他のアジュバントとを含む、方法が提供される。
【0073】
一実施形態において、開示された殺真菌組成物は、少なくとも1種の追加の殺真菌剤、および任意に農芸化学的に許容され得る賦形剤をさらに含む。
【0074】
したがって、一実施形態において、本開示は、農芸化学的殺真菌組成物を提供し、それは、
a)少なくとも1種のコナゾール殺真菌剤、
b)アニオン性界面活性剤、および
c)少なくとも1種の追加の殺真菌剤を含む。
【0075】
追加の殺真菌剤の非限定的な例は、ジチオカルバメート殺真菌剤、脱メチル化阻害剤、キノン外側阻害剤、コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤、キノン内側阻害剤、またはそれらの組み合わせを含む。
【0076】
一実施形態によれば、ストロビルリン殺真菌剤は、アゾキシストロビン、クレソキシムメチル、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、トリフロキシストロビン、またはそれらの組み合わせを含む。
【0077】
一実施形態では、ジチオカルバメート殺真菌剤は、アモバム、アゾメート、アジチラム、カルバモルフ、クフラネブ、キュプロバム、ジスルフィラム、ファーバム、メタム、ナバム、テコラム、チラム、ウルバシド、ジラム、ダゾメット、エテム、ミルネブ、マンカッパー、マンコゼブ、マネブ、メチラム、ポリカルバメート、プロピネブ、ジネブ、またはそれらの組み合わせを含む。
【0078】
一実施形態において、ジチオカルバメート殺真菌剤はマンコゼブを含む。
【0079】
一実施形態では、キノン外部阻害剤は、ストロビルリン殺真菌剤を含む。
【0080】
ストロビルリン殺真菌剤は、例えば、フルオキサストロビン、マンデストロビン、ピリベンカルブ;アゾキシストロビン、ビフユンジ、クモキシストロビン、エノキサストロビン、フルフェノキシストロビン、ジアキシアングンジ、ピコキシストロビンおよびピラオキシストロビンから選択されるメトキシアクリ割合ストロビルリン系殺菌剤;ピラクロストロビン、ピラメトストロビンおよびトリクロピリカルブから選択されるメトキシカルバニ割合ストロビルリン系殺菌剤、ジモキシストロビン、フェナミンストロビン、メトミノストロビンおよびオリサストロビンから選択されるメトキシイミノアセトアミドストロビルリン系殺菌剤;クレソキシムメチルおよびトリフロキシストロビンから選択されるメトキシイミノアセテートストロビルリン殺真菌剤;またはそれらの組み合わせを含む。
【0081】
一実施形態によれば、ストロビルリン殺真菌剤は、アゾキシストロビン、クレソキシムメチル、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、トリフロキシストロビン、またはそれらの組み合わせを含む。
【0082】
コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤は、例えば、ベノダニル、フルトラニル、メベニル、メプロニル、およびサリチルアニリド、テクロフタラムなどのベンズアニリド殺菌剤;ベンゾヒドロキサム酸、フルオピコリド、フルオピモミド、フルオピラム、チオキシミド、トリクラミド、ザリルアミド、ゾキサミドなどのベンズアミド系殺菌剤;カルボキシンおよびオキシカルボキシンなどのオキサチイン殺真菌剤;チアゾール系殺菌剤、例えば、ジクロベンチアゾクス、エタボキサム、フルオキサピプロリン、イソチアニル、メトスルホバクス、オクチリノン、オキサチアピプロリン、チアベンダゾールおよびチフルザミド;ベンゾビンジフルピル(benzovindiflupyr)、ビキサフェン(bixafen)、フルインダピル(fluindapyr)、フルキサピロキサド(fluxapyroxad)、フラメトピル(furametpyr)、イソピラザム(isopyrazam)、ペンフルフェン(penflufen)、ペンチオピラド(pentiopyrad)、ピジフルメトフェン(pydiflumetofen)、ピラプロポイン(pyrapropoyne)、セダキサン(sedaxane)、フルキサピロキサドイソピラザム(fluxapyroxaDisopyrazam)、およびボスカリド(boscalid)などのピラゾールカルボキサミド系殺菌剤;ベナラキシル、ベナラキシル-M、ビキサフェン、ボスカリド、カルボキシン、フェンヘキサミド、フルキサピロキサド、イソチアニル、メタラキシル、メタラキシル-M、メトスルホバクス、オフラース、オキサジキシル、オキシカルボキシン、ペンフルフェン、ピラカルボリド、ピラジフルミド、セダキサン、チフルザミド、チアジニル、およびバンガードなどのアニリド系殺菌剤;ベンゾビンジフルピル(benzovindiflupyr)、ビキサフェン(bixafen)、フルインダピル(fluindapyr)、フルキサピロキサド(fluxapyroxad)、フラメピル(furametpyr)、イソピラザム(isopyrazam)、ペンフルフェン(penflufen)、ペンチオピラド(pentiopyrad)、ピジフルメトフェン(pydiflumetofen)、ピラプロポイン(pyrapropoyne)、およびセダキサン(sedaxane)などのピラゾールカルボキサミド系殺菌剤;またはそれらの組み合わせを含む。
【0083】
一実施形態では、コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤は、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、フルキサピロキサド、フラメピル、イソピラザム、ペンフルフェン、ペンチオピラド、セダキサン、ボスカリド、チフルザミド、カルボキシン、オキシカルボキシン、フェンフラム、フルオピラム、イソフェタミド、ベノダニル、フルトラニルメプロニルまたはそれらの組み合わせを含む。
【0084】
一実施形態において、追加の殺真菌剤はフェニルピロール殺真菌剤を含む。
【0085】
フェニルピロール殺真菌剤は、フェンピクロニル、フルジオキソニルまたはそれらの組み合わせを含む。
【0086】
一実施形態では、追加の殺真菌剤は、メトラフェノン、アミスルブロム、イソチアニル、フルオピコリド、フェンピラザミン、バリフェナ割合、マンジプロパミド、ペンフルフェン、ビキサフェン、フルオピラム、フルキサピロキサド、イソピラザム、ペンチオピラド、ピリオフェノン、セダキサン、ピジフルメトフェン、ジクロベンチアゾクス、イソフルシプラム、フェンピコキサミド、フロリルピコキサミド、フルオキサピプロリン、メフェントリフルコナゾール、イプフェントリフルコナゾール、メチルテトラプロール、インピルフルキサム、キノフメリン、オキサチアピプロリン、フルインダピル、ジピメチトロン、ピリダクロメチル、ベンゾビンジフルピル、オリサストロビン、アメトクトトラジン、フルチアニル、ピラジフルミド、クモキシストロビン、ピリベンカルブ、テブフロキン、イソフェタミド、トルプロカルブ、マンデストロビン、ピカルブトラゾクスまたはそれらの組み合わせを含む。
【0087】
一実施形態では、追加の殺真菌剤は、アゾキシストロビン、ビファキセン、スピロキサミン、テブコナゾール、フルオキサストロビン、トリフロキシストロビン、メトミノストロビン、フルインダピルまたはそれらの組み合わせを含む。
【0088】
一実施形態では、組合せのための追加の殺真菌剤はフルジオキソニルを含む。
【0089】
一実施形態において、農芸化学的殺真菌組成物は、
a)プロチオコナゾール、その塩、エステル、または異性体、および
b)アニオン性界面活性剤を含む。
【0090】
一実施形態において、農芸化学的殺真菌組成物は、
a)プロチオコナゾール、その塩、エステル、または異性体、および
b)アニオン性界面活性剤、および
c)フルジオキソニルを含む。
【0091】
一実施形態では、組合せのための追加の殺真菌剤はフルジオキソニルを含む。
【0092】
一実施形態において、農芸化学的殺真菌組成物は、
a)トリチコナゾール、その塩、エステル、または異性体、および
b)アニオン性界面活性剤を含む。
【0093】
一実施形態では、組合せのための追加の殺真菌剤はフルジオキソニルを含む。
【0094】
一実施形態において、農芸化学的殺真菌組成物は、
a)トリチコナゾール、その塩、エステル、または異性体、
b)アニオン性界面活性剤、および
c)フルジオキソニルを含む。
【0095】
一実施形態では、アニオン性界面活性剤は、アルキルエーテルサルフェート、アルキルエーテルホスフェート、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態において、農芸化学的殺真菌組成物は、少なくとも1種の農芸化学的に許容される賦形剤をさらに含む。
【0096】
好ましい実施形態では、前記追加の殺真菌剤はアゾキシストロビンである。
【0097】
一実施形態において、農芸化学的殺真菌組成物は、
a)プロチオコナゾール、その塩、エステル、または異性体、
b)アルキルエーテルサルフェート、アルキルエーテルホスフェート、またはそれらの組み合わせを含むアニオン性界面活性剤、および
c)ストロビルリン殺真菌剤を含む。
【0098】
本開示の農芸化学的殺真菌組成物は、分散剤、湿潤剤、充填剤、界面活性剤、固化防止剤、pH調節剤、防腐剤、殺生物剤、消泡剤、着色剤、水および他の製剤助剤を含むがこれらに限定されないアジュバントの1つ以上をさらに含み得る。
【0099】
使用され得る適切な液体担体としては、水、水混和性溶媒、または有機溶媒が挙げられる。本明細書で使用される水混和性溶媒は、水と混和性である、すなわち水と溶媒が異なる層に分離しない溶媒を指す。適切な例は、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、およびトリプロピレングリコールなどのグリコール;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノールなどのアルコール類を含む。水混和性溶媒の組み合わせも使用され得る。一実施形態では、水混和性溶媒はグリコール、特に1,2-プロピレングリコールである。
【0100】
凍結防止剤としては、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、またはそれらの組み合わせが挙げられる。凍結防止剤は、組成物の総重量に基づいて、約0.5%~約10重量%の濃度で含まれる。
【0101】
本明細書に開示される殺真菌組成物の特性は、貯蔵中安定したままである。例えば、-10℃、25℃、および/または54℃の温度で貯蔵した後、殺真菌組成物において液相(シネレシス)および固相(沈降)の分離は実質的に存在しない。
【0102】
一実施形態において、殺真菌組成物のシネレシスは、54℃で2週間貯蔵した後、10%未満である。
【0103】
一実施形態において、殺真菌組成物のシネレシスは、54℃で2週間貯蔵した後、5%未満である。
【0104】
一実施形態において、殺真菌組成物のシネレシスは、54℃で2週間貯蔵した後、1%未満である。
【0105】
一実施形態において、殺真菌組成物のシネレシスは、54℃で2週間貯蔵した後、0%である(すなわち、シネレシスが存在しない)。
【0106】
一実施形態において、殺真菌組成物のシネレシスは、0℃または25℃で6ヶ月間、10%未満である。
【0107】
一実施形態において、殺真菌組成物のシネレシスは、0℃または25℃で6ヶ月間貯蔵した後、5%未満である。
【0108】
一実施形態において、殺真菌組成物のシネレシスは、0℃または25℃で6ヶ月間貯蔵した後、1%未満である。
【0109】
一実施形態において、殺真菌組成物のシネレシスは、0℃または25℃で6ヶ月間貯蔵した後、0%である(すなわち、シネレシスが存在しない)。
【0110】
一実施形態において、-10℃、25℃、および54℃で2週間貯蔵した後、殺真菌組成物の沈降は実質的に存在しない。
【0111】
一実施形態において、-10℃、25℃、および54℃で6ヶ月貯蔵した後、殺真菌組成物の沈降は実質的に存在しない。
【0112】
一実施形態において、-10℃、25℃、および54℃で12ヶ月貯蔵した後、殺真菌組成物の沈降は実質的に存在しない。
【0113】
一実施形態において、殺真菌組成物の沈降は、-10℃、25℃、および54℃で2週間貯蔵した後、0%である。
【0114】
一実施形態において、殺真菌組成物を希釈する前の殺真菌組成物のpHは、7.0から9.5である。
【0115】
一実施形態において、殺真菌組成物を希釈する前の殺真菌組成物のpHは、7.0から9.0である。
【0116】
一実施形態において、殺真菌組成物を希釈する前の殺真菌組成物のpHは、7.5から9.5である。
【0117】
一実施形態において、トリチコナゾールを含む殺真菌組成物を希釈する前の殺真菌組成物のpHは、7.0から9.0である。
【0118】
一実施形態において、トリチコナゾールを含む殺真菌組成物を希釈する前の殺真菌組成物のpHは、7.5から9.5である。
【0119】
一実施形態において、プロチオコナゾールを含む殺真菌組成物を希釈する前の殺真菌組成物のpHは、7.5から9.5である。
【0120】
一実施形態において、プロチオコナゾールを含む殺真菌組成物のpHは、7.0から9.0である。
【0121】
一実施形態において、殺真菌組成物は、ブルックフィールド粘度計を使用して6rpmで2分間測定した場合のCP52粘度が、約150センチポアズ(cP)~約400センチポアズ、または約200センチポアズ(cP)~約400センチポアズ、または約150センチポアズ~約350センチポアズである。
【0122】
一実施形態において、殺真菌組成物は、ブルックフィールド粘度計を使用して6rpmで2分間測定した場合のCP52粘度が約200センチポアズ(cP)~約400センチポアズである。
【0123】
一実施形態において、殺真菌組成物は、ブルックフィールド粘度計を使用して6rpmで2分間測定した場合のCP52粘度が約150センチポアズ(cP)~約350センチポアズである。
【0124】
一実施形態において、プロチオコナゾールを含む殺真菌組成物は、ブルックフィールド粘度計を使用して6rpmで2分間測定した場合のCP52粘度が約200cP~約400cPである。
【0125】
一実施形態において、トリチコナゾールを含む殺真菌組成物は、ブルックフィールド粘度計を使用して6rpmで2分間測定した場合のCP52粘度が約150cP~約350cPである。
【0126】
一実施形態において、殺真菌組成物は、ブルックフィールド粘度計を使用して60rpmで2分間測定した場合に、約40~約100センチポアズ、または約40~約80センチポアズ、または約50~約100センチポアズのCP52粘度を有する。
【0127】
一実施形態において、殺真菌組成物は、ブルックフィールド粘度計を使用して60rpmで2分間測定した場合に、約40~約80センチポアズのCP52粘度を有する。
【0128】
一実施形態において、殺真菌組成物は、ブルックフィールド粘度計を使用して60rpmで2分間測定した場合に、約50~約100センチポアズのCP52粘度を有する。
【0129】
一実施形態において、プロチオコナゾールを含む殺真菌組成物は、ブルックフィールド粘度計を使用して60rpmで2分間測定した場合に、約50センチポアズ~約100センチポアズ、または約40センチポアズ~約80センチポアズのCP52粘度を有する。
【0130】
一実施形態において、本明細書に開示される殺真菌組成物は、約3マイクロメートル(μm)以下のD50粒径を有する。
【0131】
一実施形態において、本明細書に開示される殺真菌組成物について、約10μm以下または7ミクロン以下のD90の粒径を有する。
【0132】
粘度の測定には、ブルックフィールド粘度計DV3Tのコーンプ割合アセンブリを使用した。測定に必要な試料のサイズは0.5mlであり、測定は20℃で行った。
【0133】
組成物の粒径の測定のために、Hydro LVを備えたmalvern mastersizer 3000装置、2400rpmの撹拌機速度を備えた分散付属品を使用した。
【0134】
組成物のシネレシスの測定のために、定規を使用して、存在するいずれかのブリード/シネレシスを測定し、それを最も近いmmにまるめた。これを、生成物の総量に対する百分率として計算し、最も近い整数の百分率とした。(例:42mmの生成物に対する7mmのブリードは、7/42×100%=16.66、すなわち17%のブリードである)。
【0135】
組成物の沈降物の測定のために、浸漬器具(スパチュラ)を容器の底部に挿入して沈降の存在を試験し、任意の知見を記録した(例えば、硬い粘着性の沈降物または柔らかな緩い沈降物)。
【0136】
組成物の適切なpHの測定のために、50mlの試料を100mlに移し、pH電極を液体に浸漬し、撹拌せずにpHを測定した。再び1分後にpHの値を記録する。この時間にpHの値の変化が0.1pH単位を超えた場合、電極の浸漬から10分後にpHを再び記録した。
【0137】
一実施形態において、開示された殺真菌組成物は、可溶性(液体)濃縮物、懸濁濃縮物(SC)、水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン、乳化性濃縮物(EC)、カプセル懸濁液(CS)、ZC製剤(例えば、水性相中のカプセル懸濁液と組み合わせたSCの微粒子の懸濁液)、油分散液、流動性懸濁液、または他の既知の製剤型の形態である。
【0138】
一実施形態において、開示される殺真菌組成物は、懸濁液濃縮物の形態で製剤化される。
【0139】
一実施形態では、適切な消泡剤または泡制止剤を使用して、懸濁濃縮物(SC)組成物の製造中にいずれの不要な泡の発生も防止することができる。消泡剤は、シリコーン系化合物、アルコール類、グリコールエーテル、ミネラルスピリット、アセチレンジオール、ポリシロキサン、オルガノシロキサン、シロキサングリコール、二酸化ケイ素とオルガノシロキサンポリマーとの反応生成物、ポリジメチルシロキサンもしくはポリアルキレングリコール、またはそれらの組み合わせを含む。
【0140】
一実施形態では、使用され得る増粘剤/粘度調整剤は、シリケート、例えば、ミールシリケート、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、キサンタンガム、ウェランガム、アラビアガム、モンモリロナイト、リグノスルホネート、ヒドロキシメチルセルロース、デキストリン、デンプン、またはそれらの組み合わせを含む。
【0141】
一実施形態において、開示される殺真菌組成物は、流動性懸濁液の形態で製剤化される。
【0142】
本開示の殺真菌組成物は、農芸化学的方法において使用され、比較的長期間貯蔵された場合でさえ、相分離を示さない。さらに、殺真菌組成物は、様々な温度で少なくとも2週間貯蔵した後に、高度の化学的安定性を有する。
【0143】
本開示の植物病害防除のための殺真菌組成物において、殺真菌活性化合物(例えば、コナゾール殺真菌剤)、その塩、エステル、または異性体の総量は、組成物の総重量に基づいて、約0.1%~約99重量%、または約0.2%~約90重量%、または約1%~約80重量%の範囲である。
【0144】
本開示の植物病害を防除するための殺真菌組成物は、圃場、湿田、乾田、芝生、果樹園などの農業用途を意図した地域(農業場所(locus))で使用することができる。殺真菌組成物は、農業用途を意図していない地域(非農耕地)でも使用され得る。
【0145】
本開示による殺真菌組成物は、植物病原体(真菌)によって引き起こされる植物病原性病害に対抗する、予防する、または防除するのに有用である。殺真菌組成物は、植物病原体、植物病原体を含む場所(locus)、植物病原体による攻撃を受けやすい植物、または植物病原体による攻撃を受けやすい植物の繁殖材料に適用され得る。
【0146】
一実施形態において、植物の真菌を防除する方法は、植物、その繁殖材料、または植物が成長しているかもしくは成長することが意図されている場所(locus)に、有効量の農芸化学的性殺真菌組成物を施用することを含む。
【0147】
別の実施形態では、
a)少なくとも1種のコナゾール殺真菌剤、その塩、エステル、または異性体、および
b)アニオン性界面活性剤を含む農芸化学的組成物の、植物有害生物を防除するための使用が提供される。
【0148】
別の実施形態では、農芸化学的組成物の、植物、その繁殖材料、または植物が成長しているかもしくは成長することが意図されている場所(locus)に、有効量の農芸化学的殺真菌組成物を施用するための使用が提供され、
a)少なくとも1種のコナゾール殺真菌剤、その塩、エステル、または異性体、および
b)植物有害生物を防除するためのアニオン性界面活性剤を含む。
【0149】
別の実施形態では、農芸化学的組成物の、植物、その繁殖材料、または植物が成長しているかもしくは成長することが意図されている場所(locus)に、有効量の農芸化学的殺真菌組成物を施用するための使用が提供され、
a)少なくとも1種のコナゾール殺真菌剤、その塩、エステル、または異性体、および
b)アニオン性界面活性剤であって、農芸化学的殺真菌組成物が種子の重量に基づいて約0.001ml/100kg~約1000ml/100kgの範囲の割合で施用される、アニオン性界面活性剤を含む。
【0150】
本開示の成分は、プレミックス組成物として販売されてもよい。あるいは、それらはキットの別個の部分として個別に提供されてもよく、噴霧前に一緒に混合されてもよい。別個の実施形態で、少なくとも1種のアジュバントがまたキットに含まれ、コナゾール殺真菌剤と一緒に混合され得る。
【0151】
本開示の組成物は、コナゾール殺真菌剤のタンクミックスまたは製剤として同時に施用され得、追加の殺真菌剤が順次施用され得る。あるいは、施用は、出芽後の施用であってもよい。施用は、植え付け前または植え付け後のいずれかで、植物の出芽前に土壌に行うことができる。施用は、出芽後早期または後期のいずれか1つまたは2つの施用で、作物が成長する間の異なるタイミングで、葉面散布として行われ得る。
【0152】
本開示による殺真菌組成物は、それらのそれぞれの植物病原体によって引き起こされる以下の植物病害を治療および/または予防するのに有効であり、それらには以下が含まれる。
【0153】
イネにおける病害、例えばブラスト(Pyricularia Oryzae)、ごま葉枯病(Cochliobolusmiyabeanus)、紋枯病(Rhizoctonia solani)、およびバカナエ病(Gibberella fujikuroi)。
【0154】
コムギにおける病害、例えばうどんこ病(Erysiphe graminis)、赤かび病(Fusarium graminearum、F.avenacerum、F.culmorum、Microdochium nivale)、さび病(Puccinia striiformis、P.graminis、P.recondita)、ピンク雪カビ病(Micronectriella nivale)、雪腐小粒菌核病(Typhula種)、ウスティラゴ・トリティシ(Ustilago tritici)、なまぐさ黒穂病(Tilletia caries)、コムギ眼紋病(Pseudocercosporella herpotrichoides)、葉枯病3h、(Mycosphaerella graminicola)、コムギいもち病(Stagonospora nodorum)、セプチリア、およびコムギ黄斑病(Pyrenophora tritici-repentis)。
【0155】
オオムギの病害、例えばうどんこ病(Erysiphe graminis)、赤かび病(Fusarium graminearum、F.avenacerum、F.culmorum、Microdochium nivale)、さび病(Puccinia striiformis、P.graminis、P.hordei)、軟黒穂病(Ustilago nuda)、雲形病(Rhynchosporium secalis)、網斑病(Pyrenophora teres)、斑点病(Cochliobolus sativus)、縞葉枯(Pyrenophora graminea)、リゾクトニア・ダンピングオフ(Rhizoctonia solani)。
【0156】
トウモロコシにおける病害、例えば黒穂病(Ustilago maydis)、斑点病(Cochliobolus heterostrophus)、カッパースポット(Gloeocercospora sorghi)、南方さび病(Puccinia polysora)、灰色斑点病(Cercospora zeae-maydis)、白色斑点病(Phaeosphaeriamydisおよび/またはPantoea ananatis)およびリゾクトニア・ダンピングオフ(Rhizoctonia solani)。
【0157】
柑橘類の病害、例えば黒点病(Diaporthe citri)、そうか病(Elsinoe fawcetti)、青緑かび病(Penicillium digitatum、P.italicum)および褐色腐朽(Phytophthora parasitica、Phytophthora citrophthora)。
【0158】
リンゴの病害、例えば、花芽枯れ病(Monilinia mali)、がん腫病(Valsa ceratosperma)、うどんこ病(Podosphaera leucotricha)、アルテルナリア・リーフスポット(リンゴ斑点落葉病菌)、黒星病(Venturia inaequalis)、うどんこ病、苦腐れ病(Colletotrichum acutatum)、根頸疫病(Phytophtora cactorum)、褐斑病(Diplocarponmali)、およびリンゴ輪紋病(Botlyosphaeria berengeriana)。
【0159】
ナシの病害、例えば黒星病(Venturia nashicola、V.pirina)、うどんこ病、黒点病(Alternaria alternata Japanese pear pathotype)、さび病(Gynosporangium 3h、haraeanum)、およびフィトフトラ果実腐れ病(Phytophtora cactorum)。
【0160】
モモの病害、例えば、褐色腐病(Monilinia fructicola)、うどんこ病、黒星病(Cladosporium carpophilum)、およびホモプシス腐病(Phomopsis種)。
【0161】
ブドウの病害、例えば炭疽病(Elsinoe ampelina)、熟腐病(Glomerella cingulata)、うどんこ病(Uncinula necator)、さび病(Phakopsora ampelopsidis)、黒腐病(Guignardia bidwellii)、灰色カビ病、およびべと病(Plasmopara viticola)。
【0162】
カキの病害、例えば炭疽病(Gloeosporiumkaki)、および葉枯病(Cercospora kaki、Cercosporakaki、Mycosphaerella nawae)。
【0163】
ウリ類の病害、例えば炭疽病(Colletotrichum lagenarium)、うどんこ病(Sphaerotheca fuliginea)、ニガウリつる枯病(Mycosphaerellamelonis)、フザリウム萎凋病(Fusarium oxysporum)、べと病(Pseudoperonospora cubensis)tAフィトフソラ病(Phytophthora種)、およびダンピングオフ(Pythium種)。
【0164】
トマトの病害、例えば初期疫病(Alternaria solani)、葉かび病(Cladosporium fulvum)および後期疫病(Phytophthora infestans)。
【0165】
ナスにおける病害、例えば褐斑病(Phomopsis vexans)、うどんこ病3(Erysiphe cichoracearum)。
【0166】
アブラナ科野菜の病害:アルテルナリア葉斑(Alternaria japonica)、白斑(Cercosporella brassicae)、根こぶ病(Plasmodiophora brassicae)、およびべと病(Peronospora parasitica)。
【0167】
タマネギの病害、例えばさび病(Puccinia allii)およびべと病(Peronospora destructor)。
【0168】
ダイズの病害、例えば、紫斑病(Cercosporakikuchii)、黒とう病(Elsinoe glycines)、鞘茎枯れ病(Diaporthe phaseolorum var. sojae)、セプトリア褐斑病(Septoriaglycines)、蛙斑病(Cercospora sojina)、さび病(Phakopsora pachyrhizi)、黄さび病、褐色茎腐れ病(Phytophthora sojae)、およびリゾクトニア・ダンピングオフ(Rhizoctonia solani)。
【0169】
インゲンマメの病害、例えば炭疽病(Colletotrichum lindemthianum)。
【0170】
ラッカセイの病害、例えば、斑点病(Cercospora personata)、褐色斑点葉病(Cercospora arachidicola)および白絹病(Sclerotium rolfsii)。
【0171】
園芸用エンドウ豆の病害、例えばウドンコ病(Erysiphe pisi)、根腐病(Fusarium solani f.sp.pisi)。
【0172】
ジャガイモの病害、例えば、初期疫病(Alternaria solani)、晩疫病(Phytophthora tA Infestans)、ピンク色腐敗病(Phytophthora erythroseptica)、および粉状黒星病(Spongospora subterranean f.sp.subterranea)。
【0173】
イチゴの病害、例えばウドンコ病(Sphaerotheca humuli)、炭疽病(Glomerella cingulata)。
【0174】
茶の病害、例えば網疱病(Exobasidium reticulatum)、白星病(Elsinoe 3 leucospila)、灰枯病(Pestalotiopsis種)、および炭疽病(Colletotrichumtheae sinensis)。
【0175】
タバコの病害、例えば褐斑病(Alternaria longipes)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、炭疽病(Colletotrichum tabacum)、べと病4h(Peronospora tabacina)、炭疽病(Phytophthora nicotianae)。
【0176】
ナタネの病害、例えば菌核腐病(Sclerotinia sclerotiorum)およびリゾクトニア・ダンピングオフ(Rhizoctonia solani)。
【0177】
綿の病害、例えばリゾクトニア・ダンピングオフ(Rhizoctonia solani)。
【0178】
テンサイの病害、例えばセルコスポラ斑点病(Cercospora beticola)、葉枯病(Thanatephorus cucumeris)、根腐れ病(Thanatephorus cucumeris)、およびテンサイ黒根病(Aphanomyces cochlioides)。
【0179】
バラの病害、例えば黒点病(Diplocarpon rosae)、うどんこ病(Sphaerotheca pannosa)、べと病(Peronospora sparsa)。
【0180】
キクおよびキク科植物の病害、例えばべと病(Bremia lactucae)、葉枯れ病(Septoria chrysanthemi-indici)、白さび病(Puccinia horiana)。
【0181】
様々な分類群の病害、例えばフィチウム種(Pythium aphanidermatum、Pythium debarianum、Pythium graminicola、Pythium irregulare、Pythium ultimum)によって引き起こされる病害、灰色かび病(Botrytis cinerea)および菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)。
【0182】
ダイコンの病害、例えばアルテルナリア斑点病(Alternaria brassicola)。
【0183】
芝草の病害、例えばダラースポット病(Sclerotinia homeocarpa)、ブラウンパッチおよびラージパッチ(Rhizoctonia solani)。
【0184】
バナナの病害、例えば黒シガトカ(Mycosphaerella fijiensis)、黄シガトカ4h(Mycosphaerellamusicola)。
【0185】
ヒマワリの病害、例えばべと病(Plasmopara halstedii)。
【0186】
種子の病害または様々な植物の成長初期段階の病害であって、例えば、アスペルギルス属(Aspergillus)種、ペニシリウム属(Penicillium)種、フザリウム属(Fusarium)種、ジベレラ属(Gibberella)種、トリコデルマ属(Tricoderma)種、チエラビオプシス属(Thielaviopsis)種、リゾプス属(Rhizopus)種、ムコール属(Mucor)種、コルティシウム属(Corticium)種、ホマ属(Phoma)種、リゾクトニア種(Rhizoctonia)種およびジプロジア種(Diplodia)種によって引き起こされるもの。
【0187】
Polymyxa種またはOlpidium種などによって引き起こされる様々な植物のウイルス性病害。
【0188】
開示される殺真菌組成物で処理することができる植物の例としては、アブラナ属、例えば、ブロッコリー、ハクサイ、芽キャベツ、カリフラワー、カバロブロッコリー、コルラビ、キャベツ、ハクサイおよびカラシナ;シラントロ;コリアンダー;トウモロコシ;ハヤトウリなどのウリ類;ワックスウリ、ユズメロン、キュウリ、ガーキン、ヒョウタン;マスクメロン、例えばカンタロープ、カサバ、クレンショーメロン、ゴールデンパーショーメロン、ハニーデューメロン、ハニーボール、マンゴーメロン、ペルシャメロン、パイナップルメロン、サンタクロースメロン、スネークメロン、およびスイカ;カボチャ、サマースカッシュ、ウィンタースカッシュなどのスカッシュ;乾燥豆およびエンドウ豆、例えばフィールドビーン、インゲンマメ、ライマメ、ピントビーン、ネイビービーン、テパリーンビーン、アズキマメ、ブラックアイドピー、キャットジャン、ササゲ、クラウダーピー、モスビーン、緑豆、米豆、サザンエンドウ、ケツルアズキ、ソラマメ、ひよこ豆、グアー、フジマメ属の豆、レンズ豆、フィールドピー、およびキマメ;ナス;レタス;ブロッコリー(broccoli raab)、チンゲン菜(bok choy)、コラード(collard)、ケール(kale)、ミズナ、カラシホウレンソウ、ナタネ(rape green)およびカブグリーン(turnip green)を含む葉の多いアブラナ/カブグリーン;オクラ;ペッパー;大豆;ホウレンソウ;多肉質エンドウ豆およびエンドウ豆、例えばエンドウ豆、ドワーフエンドウ、食用さやエンドウ、イングリッシュエンドウ、ガーデンエンドウ、グリーンピース、サヤエンドウ、シュガースナップエンドウ、ハトエンドウ、インゲン豆、ソラマメ、ライマメ、ランナービーン、スナップインゲン、ワックスビーン、アスパラガスビーン、ヤードロングビーン、ナタ豆、ソードビーン;タバコ;トマト;および塊茎および球茎野菜、例えばジャガイモ、サツマイモ、アラカチャ、クズウコン、チンゲンサイ、キクイモ、食用カンナ、キャッサバ、ハヤトウリ、チュファ、ダシーン、ショウガ、レーレン、タニエ、ターメル、ヤム豆、および真のヤム芋カスアーチチョーク、食用カンナ、キャッサバ、チャヨート、チュファ、ダッシェン、ショウガ、レン、タンニア、ターマー、ヤムビーン、および真ヤーンを含む。
【0189】
一実施形態では、植物繁殖材料は種子であり得る。
【0190】
一実施形態において、本開示は、植物が成長しているかまたは成長することが意図されている場所(locus)に殺真菌組成物を施用することを含む、真菌を防除する方法を提供する。
【0191】
一実施形態において、本開示は、処理を必要とする植物種子に殺真菌組成物を施用することを含む、植物種子の処理方法を提供する。
【0192】
一実施形態において、植物を処理する方法は、開示された殺真菌組成物で植物種子を処理することを含む。植物種子の処理において、殺真菌組成物の施用割合は、植物種子約0.001~約1000ml/100kg、または植物種子約0.1~約500ml/100kgの範囲である。施用割合に基づいて施用される活性成分の量は、一般に、種子100グラム当たり活性成分約0.005~約1000グラム(目安量のg/100kgの種子、または約0.1から約50gの目安量/種子100kgである。
【0193】
一実施形態において、本開示の殺真菌組成物は、既知の施用方法を使用して種子および/または他の植物繁殖材料または移植された苗に施用される。
【0194】
一実施形態において、本開示の殺真菌組成物は、植物が成長している間、1つまたは複数の場合に、植物の場所(locus)に施用され得る。それは、種子が播種される前、種子の播種中、植物の出芽前および/または植物の出芽後に、場所(locus)に施用することができる。殺真菌組成物は、植物が温室で成長している間に施用することもでき、移植後に再び1回または複数回施用することもできる。殺真菌組成物はまた、土壌伝染性病害を防除するために使用することができる。土壌は、例えば、直接、移植前、移植時および/または移植後に処理することができる。殺真菌組成物はまた、殺真菌組成物中の活性剤が土壌に浸透することを確実にする任意の適切な方法、例えば、苗床施用、畝間施用、土壌潅注、土壌注射、点滴灌漑、スプリンクラーまたは中心枢軸を介した施用、および土壌への組み込み(ブロードキャストまたはバンド)を介して施用することができる。
【0195】
植物および/または植物繁殖材料の殺真菌組成物による処理は、殺真菌組成物を植物または植物繁殖材料に直接施用することによって、または例えば浸漬、噴霧、微粒化、灌漑、蒸発、散粉、霧化、散布、発泡、塗装、展延、散水(潅注)および/または点滴灌漑などの慣用的な処理方法を使用して殺真菌組成物をその周囲、生息地または貯蔵空間に施用することによって行われる。植物繁殖材料の場合、特に植物の種子の場合、殺真菌組成物は、乾燥種子処理のための粉末、湿潤種子処理のための溶液、スラリー処理のための水溶性粉末として、および/または植物の種子を1つ以上の層で被覆するための付着によって施用することができる。
【0196】
さらに、殺真菌組成物を単独で、または追加の活性物質と組み合わせて、超低容量法によって、または土壌に直接注射することによって施用することが可能である。
【0197】
殺真菌組成物の施用割合および施用頻度は、広く変動し得、意図される用途、殺真菌組成物に含まれる特定の活性剤、土壌の性質、施用方法(出芽前または出芽後など)、植物および/または植物繁殖材料の種類、優勢な気候条件、ならびに施用方法、施用時間および標的植物によって支配される他の要因に依存し得る。
【0198】
一実施形態において、植物の保護に使用される場合、施用されるコナゾール殺真菌剤の量は、達成されるべき所望の効果に依存する。
【0199】
一実施形態において、施用されるコナゾール殺真菌剤の量は、約0.001~約10キログラム/ヘクタール(kg/ha)である。
【0200】
一実施形態において、施用されるコナゾール殺真菌剤の量は、約0.001~5kg/haである。
【0201】
一実施形態において、施用されるコナゾール殺真菌剤の量は、約0.001~約2kg/haである。
【0202】
一実施形態において、施用されるコナゾール殺真菌剤の量は、0.005~1kg/ha、または約0.005~0.5kg/haである。
【0203】
殺真菌組成物の施用割合は、処理される作物の種類、特定の活性成分(例えば、コナゾール殺真菌剤)、活性成分の数、および植物繁殖材料の種類に応じて変化し得るが、活性成分が所望の作用(病害または有害生物防除など)を提供するために有効量で施用され、それらの有効性が適切な試験によって測定され得るようなものである。
【0204】
一実施形態では、殺真菌組成物で処理された植物種子は、ダイズ、トウモロコシ、コットン、コムギ、オオムギ、ライムギ、ライコムギ、オートムギ、牧草またはそれらの組合せを含む。
【0205】
本開示のこれらおよび他の利点は、以下に記載される実施例からより明らかになり得る。これらの例は、単に本開示の例示として提供されており、その限定として解釈されることを意図していない。
【実施例
【0206】
実施例1(実施例)
表1の材料を使用して、殺真菌剤プロチオコナゾール(100g/l FS)を含む種子処理用の流動性濃縮物(FS)を調製した。
【0207】
【表1】
【0208】
方法:表1に示す材料を含む上記の製剤を、粉砕プロセスによって製造した。指定量のすべての成分を混合し、混合物を湿式ビーズミルで粉砕して、3マイクロメートル(μm)未満のD50の粒径および7μm未満のD90の粒径を得た。次いで、粉砕した混合物を高剪断下で水と合わせ(混合)、所望の製剤を得た。
【0209】
実施例2(実施例)
表2の材料を使用して、殺真菌剤プロチオコナゾール(100g/L)+フルジオキソニル(50g/L)を含む組成物を調製した。
【0210】
【表2】
【0211】
実施例2の組成物は、実施例1に記載の方法を使用して調製した。
【0212】
実施例3(実施例)
表3の材料を使用して、殺真菌剤プロチオコナゾール(100g/L)および+フルジオキソニル(50g/L)を含む組成物を調製した。
【0213】
【表3】
【0214】
実施例3の組成物は、実施例1に記載の方法を使用して調製した。
【0215】
実施例4(実施例)
表4の材料を用いて、殺真菌剤トリチコナゾール(50g/L FS)を含むFS組成物を調製した。
【0216】
【表4】
【0217】
実施例4の組成物を、実施例1に記載される方法を使用して調製した。
【0218】
実施例5(比較例)
表5の材料を使用して、殺真菌剤プロチオコナゾール(100g/L)を含む比較組成物を調製した。
【0219】
【表5】
【0220】
実施例5の組成物を、実施例1に記載される方法を使用して調製した。
【0221】
実施例6(比較例)
表6の材料を使用して、殺真菌剤プロチオコナゾール(100g/L)を含む比較組成物を調製した。
【0222】
【表6】
【0223】
実施例6の組成物を、実施例1に記載される方法を使用して調製した。
【0224】
安定性試験
実施例1~6の農芸化学的組成物を、活性成分の分散安定性、粒径、pH、外観、化学分析、顕微鏡外観、持続性の泡、懸濁性、注入性、粘度、および組成物の一般的安定性について試験した。結果を以下の表7~12に示す。
【0225】
以下に示すように、実施例は、周囲温度、低温(例えば、0℃または-10℃)および54℃の加速加熱の下で目視の観察を行うと、2週間から最長12ヶ月間安定している。
【0226】
【表7】
【0227】
【表8】
【0228】
製剤実施例3の組成物の安定性試験:
【表9】
【0229】
【表10】
【0230】
【表11】
【0231】
【表12】
【国際調査報告】