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特表2024-507369乗り手の所望の乗車目標を達成するためのモータアシスト自転車の自動制御
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-19
(54)【発明の名称】乗り手の所望の乗車目標を達成するためのモータアシスト自転車の自動制御
(51)【国際特許分類】
   B62M 6/45 20100101AFI20240209BHJP
   B62K 25/00 20060101ALI20240209BHJP
   B62M 25/08 20060101ALI20240209BHJP
   B62J 45/00 20200101ALI20240209BHJP
【FI】
B62M6/45
B62K25/00
B62M25/08
B62J45/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550620
(86)(22)【出願日】2022-02-22
(85)【翻訳文提出日】2023-09-21
(86)【国際出願番号】 US2022017344
(87)【国際公開番号】W WO2022178434
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】63/152,225
(32)【優先日】2021-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512221120
【氏名又は名称】フォールブルック インテレクチュアル プロパティー カンパニー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100207217
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 智夫
(72)【発明者】
【氏名】ハンコック デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デン エンデ シー.エー.
(72)【発明者】
【氏名】クレイドラー ケビン
【テーマコード(参考)】
3D014
【Fターム(参考)】
3D014DD02
3D014DD03
(57)【要約】
乗車中に乗り手からの直接的な物理的入力を必要とせずに乗り手の所望の乗車目標に基づいて自動的且つ動的な乗車制御を達成するように構成される電動自転車(「e-bike」)が開示される。乗り手は、自身のモバイルデバイス又は電動自転車と一体化されたデバイスを介して、所望の乗車目標を表わす様々な入力パラメータを指定する。次いで、目標ベースの乗車制御アルゴリズムが実行されて、ペダルケイデンス、車両速度、現在の変速機位置、電気モータ出力、GPS位置、地形高度などの入力変数を示すセンサ情報に基づいて、指定された入力パラメータによって表わされるように、乗り手の所望の乗車目標をサポートするために、速度伝達比、モータアシストレベル、制動力、及び/又はサスペンション圧力などの制御変数における設定を決定する。したがって、乗り手は、乗車中に制御変数を直接に操作する必要なく所望の乗車体験を得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータアシスト自転車の目標ベースの乗車制御の方法において、
ユーザインタフェースを介して、ユーザの所望の乗車体験を示すユーザ入力を受信するステップであって、前記所望の乗車体験が入力パラメータのセットと関連付けられる、ステップと、
前記モータアシスト自転車の動作特性又は環境特性のうちの少なくとも一方を示すセンサ情報を受信するステップと、
前記モータアシスト自転車の1つ以上の動作構成要素のための制御変数設定のセットを決定するために、目標ベースの乗車制御アルゴリズム、前記入力パラメータのセット、及び前記センサ情報を使用するステップと、
前記ユーザの前記所望の乗車体験をサポートするために、前記制御変数設定のセットに基づいて前記モータアシスト自転車の前記1つ以上の動作構成要素を制御するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記入力パラメータのセットは、乗車体験パラメータ、フィットネスパラメータ、又は乗車属性パラメータのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記乗車体験パラメータは、前記ユーザが出発地と目的地との間の乗車のために費やすことを望む労力のレベルを示す、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記フィットネスパラメータは、出発地と目的地との間の乗車における前記ユーザの目標カロリー燃焼、又は前記乗車の少なくとも一部における心拍数ゾーンのうちの一方を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記乗車属性パラメータは、目的地に到達したときの前記モータアシスト自転車のバッテリの目標充電残量を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記制御変数設定のセットは、前記モータアシスト自転車の速度伝達比、前記速度伝達比に対する調整、前記モータアシスト自転車の電気モータによって出力されるトルク、又は前記トルク出力に対する調整のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記制御変数設定のセットは、前記モータアシスト自転車の制動機構によって加えられる制動力、前記制動力に対する調整、前記モータアシスト自転車のサスペンションシステムのサスペンション圧力、又は前記サスペンション圧力に対する調整のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記センサ情報は、前記モータアシスト自転車の位置を示す位置情報、前記モータアシスト自転車の位置における高さ、前記モータアシスト自転車のケイデンス速度、前記モータアシスト自転車の速度、前記モータアシスト自転車の電気モータの動力出力、前記電気モータへの入力電流、前記モータアシスト自転車の制動機構に加えられる制動力、又は前記モータアシスト自転車のサスペンションシステムのサスペンション圧力のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記センサ情報を受信するステップは、前記モータアシスト自転車に搭載された1つ以上のセンサから前記センサ情報を受信するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
目標ベースの乗車制御アルゴリズムを使用するステップは、
前記センサ情報を経時的に監視するステップと、
前記監視されたセンサ情報に基づいて前記モータアシスト自転車の動作モードを決定するステップと、
前記モータアシスト自転車の前記決定された動作モードに基づいて前記制御変数設定のセットを決定するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記モータアシスト自転車の動作モードを決定するステップは、地形傾斜の増大を示す特定のセンサ情報を検出するステップを含み、前記特定のセンサ情報は、少なくとも閾値期間にわたる前記モータアシスト自転車の速度の減少率、前記モータアシスト自転車の位置と前記モータアシスト自転車の進行方向との組み合せ、又は前記モータアシスト自転車の後部におけるサスペンショントラベルの減少と前記モータアシスト自転車の前部におけるサスペンショントラベルの増大との組み合せのうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記モータアシスト自転車の前記決定された動作モードに基づいて前記制御変数設定のセットを決定するステップは、前記モータアシスト自転車の速度伝達比をフルアンダードライブにより近い方へシフトさせるステップ、前記モータアシスト自転車の電気モータのトルク出力を増大させるステップ、前記モータアシスト自転車の後部における前記モータアシスト自転車のサスペンションシステムのサスペンション圧力を増大させるステップ、又は前記モータアシスト自転車の前部における前記モータアシスト自転車の前記サスペンションシステムのサスペンション圧力を減少させるステップのうちの1つ以上を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記入力パラメータのセットは、前記ユーザが第1の乗車のために消費することを望む第1の労力レベルと、前記ユーザが第2の乗車のために消費することを望む第2の労力レベルとを示す乗車体験パラメータを含み、前記第2の労力レベルが前記第1の労力レベルよりも大きく、前記速度伝達比のフルアンダードライブへのシフト又は前記電気モータの前記トルク出力の増大の少なくとも一方が、前記第2の乗車の場合よりも前記第1の乗車の場合の方が大きい、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記モータアシスト自転車の動作モードを決定するステップは、緊急制動動作を示す特定のセンサ情報を検出するステップを含み、前記特定のセンサ情報は、第1の閾値期間未満の閾値量を超える制動圧力の増大、第2の閾値期間未満の閾値量を超えるケイデンス速度の減少、又は前記モータアシスト自転車の後部におけるサスペンショントラベルの増大と前記モータアシスト自転車の前部におけるサスペンショントラベルの減少との組み合せのうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記モータアシスト自転車の前記決定された動作モードに基づいて前記制御変数設定のセットを決定するステップは、前記モータアシスト自転車の変速機への動力を停止するステップ、前記モータアシスト自転車の電気モータへの電力を停止するステップ、前記モータアシスト自転車の後部における前記モータアシスト自転車のサスペンションシステムのサスペンション圧力を減少させるステップ、前記モータアシスト自転車の前部における前記モータアシスト自転車の前記サスペンションシステムのサスペンション圧力を増大するステップ、又は前記モータアシスト自転車の自動制動動作を開始するステップのうちの1つ以上を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
モータアシスト自転車であって、
フレームと、
変速機と、
前記変速機に結合される電気モータと、
前記電気モータに電力を供給するための電源と、
クランクセットと、
1つ以上のセンサと、
前記1つ以上のセンサ、前記変速機、及び前記電気モータに通信可能に結合されるコントローラと、
を備え、前記コントローラは、
実行可能な命令を記憶するメモリと、
プロセッサと、
を備え、前記プロセッサは、前記メモリにアクセスし、前記命令を実行して、
ユーザインタフェースを介して、入力パラメータのセットと関連付けられるユーザの所望の乗車体験を示すユーザ入力を受信し、
前記モータアシスト自転車の動作特性又は環境特性のうちの少なくとも一方を示すセンサ情報を前記1つ以上のセンサから受信し、
目標ベースの乗車制御アルゴリズム、前記入力パラメータのセット、及び前記センサ情報を使用して、前記モータアシスト自転車の1つ以上の動作構成要素のための制御変数設定のセットを決定し、
前記制御変数設定のセットに基づいて前記モータアシスト自転車の前記1つ以上の動作構成要素を制御して、前記ユーザの前記所望の乗車体験をサポートする、ように構成される、モータアシスト自転車。
【請求項17】
前記電源がバッテリであり、前記入力パラメータのセットは、目的地に到達したときの前記バッテリの目標充電残量を含み、前記プロセッサは、前記命令を実行して、前記バッテリを制御し、前記電気モータに供給される電力量を減らすことにより、前記バッテリの充電を節約して前記目標充電残量を満たすように更に構成される、請求項16に記載のモータアシスト自転車。
【請求項18】
前記プロセッサは、前記命令を実行することによって前記目標ベースの乗車制御アルゴリズムを使用して、
センサ情報を経時的に監視し、
前記監視されたセンサ情報に基づいて前記モータアシスト自転車の動作モードを決定し、
前記モータアシスト自転車の前記決定された動作モードに基づいて前記制御変数設定のセットを決定する、ように構成される、請求項16に記載のモータアシスト自転車。
【請求項19】
前記制御変数設定のセットは、前記モータアシスト自転車の速度伝達比、前記速度伝達比に対する調整、前記電気モータによって出力されるトルク、又は前記トルク出力に対する調整のうちの少なくとも1つを含む、請求項16に記載のモータアシスト自転車。
【請求項20】
制動機構と、
サスペンションシステムと、を更に備え、
前記制御変数設定のセットは、前記制動機構によって加えられる制動力、前記制動力に対する調整、前記サスペンションシステムのサスペンション圧力、又は前記サスペンション圧力に対する調整のうちの少なくとも1つを含む、請求項16に記載のモータアシスト自転車。
【請求項21】
モータアシスト自転車の目標ベースの乗車制御のための非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記非一時的コンピュータ可読媒体は、処理回路によって読み取り可能であるとともに、方法が実行されるようにするための前記処理回路によって実行可能な命令を記憶し、前記方法は、
ユーザインタフェースを介して、入力パラメータのセットと関連付けられるユーザの所望の乗車体験を示すユーザ入力を受信するステップと、
前記モータアシスト自転車の動作特性又は環境特性のうちの少なくとも一方を示すセンサ情報を受信するステップと、
目標ベースの乗車制御アルゴリズム、前記入力パラメータのセット、及び前記センサ情報を使用して、前記モータアシスト自転車の1つ以上の動作構成要素のための制御変数設定のセットを決定するステップと、
前記制御変数設定のセットに基づいて前記モータアシスト自転車の前記1つ以上の動作構成要素を制御して、前記ユーザの前記所望の乗車体験をサポートするステップと、
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、モータアシスト車両に関し、より詳細には、乗り手の所望の乗車目標を達成するためのモータアシスト自転車の自動制御に関する。
【背景技術】
【0002】
モータアシスト車両は、車両推進を支援する一体型モータ又はエンジンを伴うモータアシスト車両である。電動自転車(「e-bike」)は、推進アシストが一体型電気モータによって与えられるモータアシスト自転車の一種である。電動自転車は、一般に、2つのカテゴリ、すなわち、1)乗り手のペダル動力を補助するもの、及び2)スロットルを追加し、したがってモペット型の機能を組み込むものに分類することができる。どちらのカテゴリの電動自転車も、乗り手が手動でペダルーティングを踏むことができる能力を保持している。
【0003】
電動自転車の電気モータは、車輪に更なるトルクを加えることによって推進力をもたらすべく電動自転車の車輪のハブ内に位置されるハブモータであってもよい。フロントハブモータが前輪に接続されて「引く」感覚を作り出す一方で、リアハブモータが後輪に接続されて「押す」感覚を作り出す。ハブモータの代替形態は、中間駆動モータである。中間駆動モータは、車輪の1つのハブに配置されるのではなく、一般に、クランクセットにおいて電動自転車のドライブトレインに動力をもたらす。電動自転車のクランクに直接動力を供給することにより、中間駆動モータは、電動自転車の既存のギアセットと緊密に協調して動作することができ、それによって、モータが与える機械的利点を増幅する。
【0004】
電動自転車の電気モータは、推進アシストを与えるために、電源(例えば、充電式バッテリ)及びドライブトレインと連携して動作する。ドライブトレインは、車両の車輪を回転させるのに必要な動力及びトルクを与えるシステムである。標準的な非電動自転車では、ドライブトレインは、クランクセット、チェーン、及び一般に後輪に取り付けられる何らかの種類のギアシステムから成る。場合によっては、ドライブトレインは、異なるサイズのギアと、ギアを横切ってバイクチェーンを機械的に移動させるように構成される変速装置とのセットを含む。他の場合には、歯車装置を収容する内歯付きハブ/変速機を設けることができる。
【0005】
特定のタイプの内歯付きハブは無段変速機(CVT)であり、このCVTは、固定ギア比を有さず、むしろ速度伝達比/ギア比の範囲にわたって実質的に無制限のシフトをもたらす。例示的な形態において、遊星CVTは、アイドラによって支持されてアイドラの中心軸の周りに位置される回転ボールのセットを含む。ボールは、ペダルを踏むことによって駆動されるスプロケットに相当する入力リングと、駆動されるべき車輪に対応する出力リングとに接触する。ボールの傾斜角度は、シフタ(ハンドルバーに設けられてもよい)を操作して制御ロッドを移動させ、それによってアイドラをその中心軸に沿って移動させることによって調整される。このようにボールの傾転軸を調整することにより、CVTの速度伝達比が調整される。アンダードライブにおいて、ボールは、入力リングを出力リングよりも速く回転させる傾斜軸を有し、一方、オーバードライブでは、ボールの傾斜軸は、出力リングを入力リングよりも速く回転させる。更に、幾つかの形態において、ボールと入力リング及び出力リングとの転がり接触の高い圧力は、回転するボールと入力リング及び出力リングとの間の微視的な空間を通過する流体の瞬間的な凝固を引き起こし、それによってトルク伝達が生じることができるようにする。
【0006】
電動自転車の電気モータの速度伝達比及びトルク出力は、例えば、スイッチ、レバー、ノブ、ジョイスティックなどを使用して、電動自転車に対する直接的な乗り手の入力によって制御され得る。乗り手は、所望の乗車体験を達成するために、乗車の間中にわたってこれらの直接的な入力を繰り返し操作する必要があり、これは面倒になる可能性がある。
【発明の概要】
【0007】
乗り手の所望の乗車目標をサポートするために乗車中にモータアシスト車両の制御変数設定を自動的に且つ動的に決定するためのモータアシスト車両及びシステム、方法、並びにコンピュータ可読媒体が開示される。本明細書に開示する技術の例示的な実施形態によれば、乗り手の乗車目標は、乗り手指定の入力パラメータのセットから決定され得る。入力パラメータは、例えば、乗り手が乗車体験ベースの乗車目標、フィットネスベースの乗車目標、又は乗車属性ベースの乗車目標を望むことを示すことができる。センサ情報は、1つ以上の車載センサから、及び任意選択的に、モータアシスト車両から離れた1つ以上のセンサから受信され得る。センサ情報は、車両の動作特性及び/又は環境特性と関連付けられ得る入力変数のセットに対応し得る。
【0008】
次いで、車両の1つ以上の動作構成要素を制御するための制御変数設定のセットを、目標ベースの乗車制御アルゴリズムe、センサ情報、及び入力パラメータのセットを使用して動的に決定することができる。車両の動作構成要素は、変速機、電気モータ、制動システム、サスペンションシステムなどを含むことができる。制御変数設定は、速度伝達比、速度伝達比に対する調整、モータアシストレベル/モータトルク出力、モータアシストレベル/モータトルク出力に対する調整、制動力/制動変調、制動力/制動変調に対する調整、サスペンション圧力、サスペンション圧力に対する調整などを含むことができる。制御変数設定は、乗り手の指定された乗車目標を満たすように試みるべく乗車中に自動的に且つ動的に決定されてもよい。このようにして、乗り手は、制御変数設定を制御するためにモータアシスト車両に直接に入力を与える必要なく所望の乗車目標を得る。
【0009】
例示的な実施形態では、モータアシスト自転車の目標ベースの乗車制御の方法が開示される。方法は、ユーザインタフェースを介して、ユーザの所望の乗車体験を示すユーザ入力を受信するステップであって、所望の乗車体験が入力パラメータのセットと関連付けられる、ステップと、モータアシスト自転車の動作特性又は環境特性のうちの少なくとも一方を示すセンサ情報を受信するステップと、モータアシスト自転車の1つ以上の動作構成要素のための制御変数設定のセットを決定するために、目標ベースの乗車制御アルゴリズム、入力パラメータのセット、及びセンサ情報を使用するステップと、ユーザの所望の乗車体験をサポートするために、制御設定のセットに基づいてモータアシスト自転車の1つ以上の動作構成要素を制御するステップと、を含む。
【0010】
例示的な実施形態において、入力パラメータのセットは、乗車体験パラメータ、フィットネスパラメータ、又は乗車属性パラメータのうちの少なくとも1つを含む。
【0011】
例示的な実施形態において、乗車体験パラメータは、ユーザが出発地と目的地との間の乗車のために費やすことを望む労力のレベルを示す。
【0012】
例示的な実施形態において、フィットネスパラメータは、出発地と目的地との間の乗車におけるユーザの目標カロリー燃焼、又は乗車の少なくとも一部における心拍数ゾーンのうちの一方を含む。
【0013】
例示的な実施形態において、乗車属性パラメータは、目的地に到達したときのモータアシスト自転車のバッテリの目標充電残量を含む。
【0014】
例示的な実施形態において、制御変数設定のセットは、モータアシスト自転車の速度伝達比、速度伝達比に対する調整、モータアシスト自転車の電気モータによって出力されるトルク、又はトルク出力に対する調整のうちの少なくとも1つを含む。
【0015】
例示的な実施形態において、制御変数設定のセットは、モータアシスト自転車の制動機構によって加えられる制動力、制動力に対する調整、モータアシスト自転車のサスペンションシステムのサスペンション圧力、又はサスペンション圧力に対する調整のうちの少なくとも1つを含む。
【0016】
例示的な実施形態において、センサ情報は、モータアシスト自転車の位置を示す位置情報、モータアシスト自転車の位置における高さ、モータアシスト自転車のケイデンス速度、モータアシスト自転車の速度、モータアシスト自転車の電気モータ動力出力、電気モータへの入力電流、モータアシスト自転車の制動機構に加えられる制動力、又はモータアシスト自転車のサスペンションシステムのサスペンション圧力のうちの少なくとも1つを含む。
【0017】
例示的な実施形態において、センサ情報を受信するステップは、モータアシスト自転車に搭載された1つ以上のセンサからセンサ情報を受信するステップを含む。
【0018】
例示的な実施形態において、目標ベースの乗車制御アルゴリズムを使用するステップは、センサ情報を経時的に監視するステップと、監視されたセンサ情報に基づいてモータアシスト自転車の動作モードを決定するステップと、モータアシスト自転車の決定された動作モードに基づいて制御変数設定のセットを決定するステップとを含む。
【0019】
例示的な実施形態において、モータアシスト自転車の動作モードを決定するステップは、地形傾斜の増大を示す特定のセンサ情報を検出するステップを含み、特定のセンサ情報は、少なくとも閾値期間にわたるモータアシスト自転車の速度の減少率、モータアシスト自転車の位置とモータアシスト自転車の進行方向との組み合せ、又はモータアシスト自転車の後部におけるサスペンショントラベルの減少とモータアシスト自転車の前部におけるサスペンショントラベルの増大との組み合せのうちの少なくとも1つを含む。
【0020】
例示的な実施形態において、モータアシスト自転車の決定された動作モードに基づいて制御変数設定のセットを決定するステップは、モータアシスト自転車の速度伝達比をフルアンダードライブにより近い方へシフトさせるステップ、モータアシスト自転車の電気モータのトルク出力を増大させるステップ、モータアシスト自転車の後部におけるモータアシスト自転車のサスペンションシステムのサスペンション圧力を増大させるステップ、又はモータアシスト自転車の前部におけるモータアシスト自転車のサスペンションシステムのサスペンション圧力を減少させるステップのうちの1つ以上を含む。
【0021】
例示的な実施形態において、入力パラメータのセットは、ユーザが第1の乗車のために消費することを望む第1の労力レベルと、ユーザが第2の乗車のために消費することを望む第2の労力レベルとを示す乗車体験パラメータを含み、第2の労力レベルが第1の労力レベルよりも大きく、速度伝達比のフルアンダードライブへのシフト又は電気モータのトルク出力の増大の少なくとも一方が、第2の乗車の場合よりも第1の乗車の場合の方が大きい。
【0022】
例示的な実施形態において、モータアシスト自転車の動作モードを決定するステップは、緊急制動動作を示す特定のセンサ情報を検出するステップを含み、特定のセンサ情報は、第1の閾値期間未満の閾値量を超える制動圧力の増大、第2の閾値期間未満の閾値量を超えるケイデンス速度の減少、又は前記モータアシスト自転車の後部におけるサスペンショントラベルの増大と前記モータアシスト自転車の前部におけるサスペンショントラベルの減少との組み合せのうちの少なくとも1つを含む。
【0023】
例示的な実施形態において、モータアシスト自転車の決定された動作モードに基づいて制御変数設定のセットを決定するステップは、モータアシスト自転車の変速機への動力を停止するステップ、モータアシスト自転車の電気モータへの電力を停止するステップ、モータアシスト自転車の後部におけるモータアシスト自転車のサスペンションシステムのサスペンション圧力を減少させるステップ、モータアシスト自転車の前部におけるモータアシスト自転車のサスペンションシステムのサスペンション圧力を増大するステップ、又はモータアシスト自転車の自動制動動作を開始するステップのうちの1つ以上を含む。
【0024】
例示的な実施形態では、モータアシスト自転車が開示される。モータアシスト自転車は、フレームと、変速機と、変速機に結合される電気モータと、電気モータに電力を供給するための電源と、クランクセットと、1つ以上のセンサと、1つ以上のセンサ、変速機、及び電気モータに通信可能に結合されるコントローラとを含む。コントローラは、実行可能命令を記憶するメモリと、メモリにアクセスして命令を実行することにより動作のセットを実行するように構成されるプロセッサとを含む。動作のセットは、ユーザインタフェースを介して、ユーザの所望の乗車体験を示すユーザ入力を受信するステップであって、所望の乗車体験が入力パラメータのセットと関連付けられる、ステップと、1つ以上のセンサからセンサ情報を受信するステップであって、センサ情報がモータアシスト自転車の動作特性又は環境特性のうちの少なくとも一方を示す、ステップと、モータアシスト自転車の1つ以上の動作構成要素のための制御変数設定のセットを決定するために、目標ベースの乗車制御アルゴリズム、入力パラメータのセット、及びセンサ情報を使用するステップと、ユーザの所望の乗車体験をサポートするために、制御設定のセットに基づいてモータアシスト自転車の1つ以上の動作構成要素を制御するステップとを含む。
【0025】
例示的な実施形態では、電源がバッテリであり、入力パラメータのセットは、目的地に到達したときのバッテリの目標充電残量を含み、プロセッサは、命令を実行して、バッテリを制御し、電気モータに供給される電力量を減らすことにより、バッテリの充電を節約して目標充電残量を満たすように更に構成される。
【0026】
例示的な実施形態において、プロセッサは、命令を実行することによって目標ベースの乗車制御アルゴリズムを使用して、センサ情報を経時的に監視し、監視されたセンサ情報に基づいてモータアシスト自転車の動作モードを決定し、モータアシスト自転車の決定された動作モードに基づいて制御変数設定のセットを決定するように構成される。
【0027】
例示的な実施形態において、制御変数設定のセットは、モータアシスト自転車の速度伝達比、速度伝達比に対する調整、電気モータによって出力されるトルク、又はトルク出力に対する調整のうちの少なくとも1つを含む。
【0028】
例示的な実施形態において、モータアシスト自転車は、制動機構と、サスペンションシステムとを更に含み、制御変数設定のセットは、制動機構によって加えられる制動力、制動力に対する調整、サスペンションシステムのサスペンション圧力、又はサスペンション圧力に対する調整のうちの少なくとも1つを含む。
【0029】
例示的な実施形態では、モータアシスト自転車の目標ベースの乗車制御のための非一時的コンピュータ可読媒体が開示される。非一時的コンピュータ可読媒体は、処理回路によって読み取り可能であり、方法が実行されるようにするための処理回路によって実行可能な命令を記憶する。方法は、ユーザインタフェースを介して、ユーザの所望の乗車体験を示すユーザ入力を受信するステップであって、所望の乗車体験が入力パラメータのセットと関連付けられる、ステップと、モータアシスト自転車の動作特性又は環境特性のうちの少なくとも一方を示すセンサ情報を受信するステップと、モータアシスト自転車の1つ以上の動作構成要素のための制御変数設定のセットを決定するために、目標ベースの乗車制御アルゴリズム、入力パラメータのセット、及びセンサ情報を使用するステップと、ユーザの所望の乗車体験をサポートするために、制御設定のセットに基づいてモータアシスト自転車の1つ以上の動作構成要素を制御するステップと、を含む。
【0030】
前述の方法、システム、及び/又は非一時的コンピュータ可読媒体の実施形態のいずれも、開示された技術の更なる実施形態を得るために任意の態様で組み合わせることができる。特に、任意の所与の実施形態の任意の特徴、構成要素、態様などは、開示された技術の他の実施形態を得るために、任意の他の実施形態の任意の他の特徴、構成要素、態様などと組み合わせることができる。
【0031】
本明細書で開示されるシステム、方法、及び非一時的コンピュータ可読媒体のこれら及び他の特徴、並びに構造の関連要素の動作方法及び機能、並びに部品の組み合せ及び製造の経済性は、添付図面を参照して以下の説明及び添付の特許請求の範囲を考慮するとより明らかになり、それらの全ては本明細書の一部を形成し、同様の参照番号は様々な図の対応する部分を示す。しかしながら、図面は例示及び説明のみを目的としており、本発明の限定の定義として意図されていないことを明確に理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
開示された技術の様々な実施形態の特定の特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されている。開示された技術の特徴及び利点のより良い理解は、本技術の原理が利用される例示的な実施形態を記載する以下の詳細な説明、及び添付図面を参照することによって得られる。
【0033】
図1】開示された技術の例示的な実施形態に係る電動自転車の概略図である。
【0034】
図2】開示された技術の例示的な実施形態に係る、乗り手の所望の乗車目標をサポートするための電動自転車の動作制御構成要素の自動制御を示す概略図である。
【0035】
図3】開示された技術の例示的な実施形態に係る、乗り手の所望の乗車目標をサポートするための候補設定の範囲に沿う電動自転車の制御変数設定の様々な組み合せの-直接的な乗り手の入力を必要としないー決定を示す概略図である。
【0036】
図4】開示された技術の例示的な実施形態に係る、センサ情報、電動自転車の決定された動作モード、及び電動自転車の乗り手の所望の乗車目標に基づく電動自転車における制御変数設定の決定を示す状態機械の概略図である。
【0037】
図5】開示された技術の例示的な実施形態に係る、センサ情報と乗車における乗り手の所望の目標を反映する入力パラメータのセットとに基づいて乗車中に制御変数設定のセットを自動的に且つ動的に決定するべく目標ベースの乗車制御アルゴリズムを実行するための例示的な方法のフローチャートである。
【0038】
図6】開示された技術の例示的な実施形態に係る、センサ情報、電動自転車の決定された動作モード、及び電動自転車の乗り手の所望の乗車目標に基づいて電動自転車における制御変数設定を決定するための例示的な方法のフローチャートである。
【0039】
図7】開示された技術の例示的な実施形態に係る、乗車体験入力パラメータに基づいて電動自転車乗車における乗車目標を指定するための例示的なユーザインタフェース702を示す。
【0040】
図8】開示された技術の例示的な実施形態に係る、選択された乗車体験入力パラメータにとって望ましい乗車体験タイプを指定するための例示的なユーザインタフェース802を示す。
【0041】
図9】開示された技術の例示的な実施形態に係る、選択された乗車体験タイプにおける地形に基づいて労力プロファイルを指定するための例示的なユーザインタフェース902を示す。
【0042】
図10】開示された技術の例示的な実施形態に係る、フィットネスベースの入力パラメータに基づいて電動自転車乗車における乗車目標を指定するための例示的なユーザインタフェース1002を示す。
【0043】
図11】開示された技術の例示的な実施形態に係る、選択されたカロリー燃焼フィットネスベースの乗車目標の一部として指定された目的地に基づいて燃焼させるべき所望のカロリー数を選択するための例示的なユーザインタフェースを示す。
【0044】
図12】開示された技術の例示的な実施形態に係る、選択された目標心臓ゾーンフィットネスベースの乗車目標に関連して目標心拍数ゾーンを指定するための例示的なユーザインタフェースを示す。
【0045】
図13】開示された技術の例示的な実施形態に係る、本明細書に開示された特徴を実装するために使用され得るコンピューティングデバイスの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
モータアシスト車両は、一体型モータ又はエンジンによって推進支援が与えられる車両である。電動自転車は、推進支援を与える一体型電気モータを伴うモータアシスト自転車である。一般に、ドライブトレイン(例えば、CVT)及び電気モータを含む電動自転車の様々な動作制御構成要素は、レバー、ノブ、スイッチ、ジョイスティックなどの電動自転車上の物理的構成要素を操作することによって制御される。より具体的には、乗り手は、前述の物理的制御器を使用して電動自転車に直接入力を与えることによって、電気モータの速度伝達比及びトルク出力などの電動自転車の制御変数設定を調整することができる。地形タイプ、地形傾斜、高度、交通状況などの変化などの環境条件の変化の結果として、及び/又は電動自転車の動作特性の変化(例えば、バッテリ充電の減少)に起因して、乗り手は、最終的に、所望の乗車体験を達成するために必要に応じて速度伝達比及び/又はモータアシストのレベルを調整するべく乗車中にこれらの制御器を繰り返し操作することになり得る。これは、乗り手にとって厄介になり、乗車体験を損なう可能性がある。
【0047】
本明細書では、乗り手の所望の乗車目標をサポートするために、乗車中にモータアシスト車両の制御変数設定のセットを自動的に且つ動的に決定することによって、従来のモータアシスト車両に関連する前述の技術的問題に対処する、モータアシスト車両(例えば、電動自転車)並びにシステム、方法、及びコンピュータ可読媒体が開示される。開示された技術の例示的な実施形態によれば、乗り手の乗車目標は、乗り手が指定する入力パラメータのセットから決定され得る。このとき、速度伝達比、モータトルク出力、制動力、及び/又はサスペンション圧力などの制御変数設定を動的に決定するために、1つ以上のセンサによって捕捉されるセンサ情報に基づいて、目標ベースの乗車制御アルゴリズムを実行することができる。次いで、乗り手の乗車目標をサポートするために、乗車中にモータアシスト車両の様々な動作構成要素(例えば、変速機、電気モータ、制動システム、及び/又はサスペンションシステム)をリアルタイムで制御することができる。このようにして、開示された技術は、乗り手に所望の乗車体験を与えると同時に、乗り手がモータアシスト車両に直接入力を与えて制御変数設定を設定/調整する必要性をなくす。更に、開示された技術の幾つかの実施形態によれば、目標ベースの乗車制御アルゴリズムは、乗車に関する乗り手フィードバックを利用して制御変数調整を精緻化し、将来の乗車が乗り手の乗車目標、体験、身体的スキル、乗車体験の解釈などをより良く満たすようにする自己学習機能を含む。
【0048】
乗り手の乗車目標をサポートするように制御変数設定を決定することは、乗車目標を達成する制御変数設定を決定すること、又は乗車目標を達成しようとする制御変数設定を決定すること(すなわち、所望の乗車目標の特定の許容範囲内で)を含むことができることを理解すべきである。更に、制御変数設定を決定して制御変数設定に基づいてモータアシスト車両の動作構成要素を制御することは、制御変数(例えば、速度伝達比)における設定を決定することと、その設定を確立するために対応する動作構成要素(例えば、送信)を制御すること、又は制御変数の現在の設定に対する調整(例えば、現在の速度伝達比への変更)を決定すること及び決定された調整に基づいて現在の設定を調整するために対応する動作構成要素(例えば、送信)を制御することを含み得ることを理解すべきである。
【0049】
図1は、開示された技術の例示的な実施形態に係る電動自転車100の概略図である。本明細書では、開示された技術の実施形態が、電動自転車100などの電動自転車に関連して記載される場合があるが、そのような実施形態は、限定を伴うことなく、モータアシスト三輪車、軽電気車両(LEV)、又は他のモータアシスト車輪付き車両を含む他のタイプのモータアシスト車両にも適用可能であることを理解すべきである。図示のように、電動自転車100は、前輪102、後輪104、フレーム106、及びペダル(図示せず)などの標準的な自転車構成要素を含むことができる。
【0050】
電動自転車100は、車輪にトルクアシストを与える装置(例えば、電気モータ)、ドライブトレイン、制動機構、サスペンションシステムなどを含む様々な動作制御構成要素108を更に含むことができる。電源が、電気モータに給電するために設けられてもよい。例えば、充電式バッテリ110が、電動自転車と一体化されてもよく、電気モータに入力電流を供給してもよい。電気モータは、入力電流に基づいて出力トルクを生成することができ、ドライブトレインと協調して動作してトルクを電動自転車100の車輪(例えば、後輪104)に伝達することができる。
【0051】
前述したように、動作制御構成要素108は、クランクセット、チェーン、及びギアシステムを含むことができるドライブトレインを含むことができる。幾つかの実施形態において、ドライブトレインは、ギアを横切ってバイクチェーンを機械的に移動させるように構成される異なるサイズのギア及び変速装置のセットを含むことができる。他の実施形態では、歯車装置を収容する内歯付きハブ/変速機を設けることができる。幾つかの実施形態では、CVT-固定ギア比を有さない特定のタイプの内歯付きハブ-を使用することができる。
【0052】
電動自転車100は、動作制御構成要素108に通信可能に結合される車載コントローラ112を更に含むことができる。図2に関連してより詳細に説明するように、コントローラ112は、目標ベースの乗車制御アルゴリズムの実行可能命令を記憶するメモリと、乗り手の所望の乗車目標をサポートするべく乗車中に制御変数設定を自動的に且つ動的に決定するためにメモリにアクセスして乗車制御アルゴリズムの命令を実行するように構成されるプロセッサとを含むことができる。例えば、コントローラ112は、速度伝達比及び/又はモータアシストレベル(例えば、電気モータの出力トルク)をそれぞれ設定/調整するために、電動自転車100のドライブトレイン及び電気モータに制御信号を送信するように構成され得る。更に、幾つかの実施形態において、コントローラ112は、制動機構及びサスペンションシステムなどの、電動自転車の他の動作構成要素108も制御するように構成されてもよい。例えば、コントローラ112は、制動システムによって加えられる制動力又はサスペンションシステムのサスペンション圧力を設定/調整するために制御信号を送信するように構成されてもよい。
【0053】
幾つかの実施形態では、コントローラ112がディスプレイに通信可能に結合されてもよく、該ディスプレイを介して、コントローラ112は、乗り手からのユーザ入力を受信するためのユーザインタフェース116(例えば、グラフィカルユーザインタフェース(GUI))を提示することができる。幾つかの実施形態では、ディスプレイが電動自転車100と一体化されてもよい。例えば、ディスプレイは、電動自転車100のハンドルバーに取り付けられてもよい。他の実施形態では、乗り手のスマートフォン、ウェアラブルデバイスなどを使用してユーザインタフェース116にアクセスすることができる。例えば、乗り手は、ブルートゥース(登録商標)、WiFiなどの無線通信プロトコルを使用して自分のデバイスをコントローラ112に接続することができ、コントローラ112は、接続が確立された後に乗り手のモバイルデバイス上にユーザインタフェース116を提示するように構成され得る。コントローラ112は、そのような無線接続を可能にするための無線ネットワークインタフェースを含むことができる。幾つかの実施形態において、乗り手は、自分のモバイルデバイスにおけるモバイルアプリケーションを介してユーザインタフェース116にアクセスすることができる。モバイルアプリケーションユーザインタフェース116を介して受信されるユーザ入力は、サーバ(例えば、クラウドベースのサーバ)に送信されてもよく、サーバはコントローラ112に情報を送信してもよい。幾つかの実施形態において、コントローラ112は、例えばV2X通信技術を使用して、道路上の他の車両、道路インフラ、又は他の車両搭乗者もしくは乗り手のモバイルデバイスと通信するように構成されてもよい。
【0054】
電動自転車100は、1つ以上のセンサ114を更に含んでもよい。センサ114は、電動自転車100と一体化されてもよく、コントローラ112に通信可能に結合されてもよい。コントローラ112は、指定されたサンプリングレートに従って定期的に、又はデータがリアルタイムで捕捉されるにつれて連続的に、センサ114からセンサデータを受信することができる。センサ114は、GPS位置データを取得するように構成された全地球測位システム(GPS)受信機、地形の傾斜を示すデータを捕捉するように構成された傾斜/傾きセンサ、電動自転車100における速度/速さデータを捕捉するように構成された速度センサ、電動自転車100における加速度、傾き、及び/又は振動データを捕捉するように構成された慣性センサ(例えば、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計など)、電動自転車100が横切る環境内の他の車両、歩行者などの物体/障害物を示すデータを捕捉するように構成されたレーダ及び/又はLiDAR、心拍数/脈拍数、乗り手における酸素飽和度レベルを示すパルスオキシメトリデータ、乗り手におけるVO2最大レベル(最大酸素消費量)など、電動自転車100の乗り手のバイオメトリックデータを捕捉するように構成されたバイオメトリックセンサ、乗り手を一意的に識別することができるとともに乗り手に関する対応する乗り手プロファイルにアクセスするために使用され得るデータを捕捉するように構成された指紋センサ、虹彩スキャナなどのバイオメトリックセンサなどを含むことができるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態において、コントローラ112は、外部センサ及び/又はサードパーティサービス/サーバからデータ(例えば、気象データ、建設データなど)を受信するように構成されてもよい。センサ情報は、電動自転車100の様々な状態及び/又は乗り手の様々な属性を決定するために使用され得る。
【0055】
図2は、開示された技術の例示的な実施形態に係る、乗り手の所望の乗車目標をサポートするための電動自転車100の動作制御構成要素108の自動制御のためのシステムを示す概略図である。図2では、車載コントローラ112が詳細に示される。例示的な実施形態において、コントローラ112は、メモリ212及びプロセッサ216を含む。目標ベースの乗車制御アルゴリズム214が、メモリ212にロードされているものとして図2に示される。乗車制御アルゴリズム214は、乗り手の乗車目標がサポートされるように、電動自転車100の乗車中に速度伝達比、モータアシストレベル、制動力、及び/又はサスペンション圧力などの制御変数設定を自動的に且つ動的に決定するために動作が実行されるようにするべくプロセッサ216によって実行可能なコンピュータ/機械実行可能命令を含むことができる。
【0056】
メモリ212は、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリ(電力が供給されるとその状態を維持するメモリ)及び/又はリードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、強誘電体RAM(FRAM(登録商標))などの不揮発性メモリ(電力が供給されない場合でもその状態を維持するメモリ)であってもよい。様々な実施態様において、メモリ212は、様々なタイプのスタティックRAM(SRAM)、様々なタイプのダイナミックRAM(DRAM)、様々なタイプの変更不能ROM、及び/又は電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリなどのROMの書き込み可能な変形など、複数の異なるタイプのメモリを含むことができる。メモリ212は、メインメモリ、並びに命令キャッシュ、データキャッシュ、変換ルックアサイドバッファ(TLB)などの様々な形態のキャッシュメモリを含むことができる。更に、データキャッシュなどのキャッシュメモリは、1つ以上のキャッシュレベル(L1、L2など)の階層として編成されたマルチレベルキャッシュとすることができる。
【0057】
プロセッサ216は、データを入力として受け入れて、データに対して記憶されたコンピュータ実行可能命令を実行することによって入力データを処理し、出力データを生成することができる任意の適切な処理ユニットを含むことができる。プロセッサ216としては、中央処理ユニット、マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピュータ(RISC)マイクロプロセッサ、複合命令セットコンピュータ(CISC)マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、システムオンチップ(SoC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)などを挙げることができるが、これらに限定されない。更に、プロセッサ216は、任意の適切なマイクロアーキテクチャ形態を有することができ、レジスタ、マルチプレクサ、算術論理演算ユニット、キャッシュメモリへの読み出し/書き込み動作を制御するためのキャッシュコントローラ、分岐予測子などの様々な種類の構成要素のいずれかを含むことができる。プロセッサ216のマイクロアーキテクチャ形態は、様々な命令セットのいずれかをサポートできるようにし得る。
【0058】
コントローラ112は、データ記憶装置208を更に含んでもよい。データ記憶装置208は、磁気記憶装置、光ディスク記憶装置、及び/又はテープ記憶装置を含むがこれらに限定されない取り外し可能な記憶装置及び/又は取り外し不可能な記憶装置を含むことができる。データ記憶装置208は、コンピュータ実行可能命令及び他のデータの不揮発性記憶装置を提供することができる。メモリ212及びデータ記憶装置208は、その用語又はその用語の変形が本明細書で使用されるような非一時的コンピュータ可読媒体の例である。データ記憶装置208は、メモリ212にロード可能であってプロセッサ216によって実行可能なコンピュータ実行可能コード、命令など(例えば、乗車制御アルゴリズム214)を記憶することができる。また、データ記憶装置208は、記憶された命令の実行中にプロセッサ216が使用するためにメモリ212にコピーされ得るデータを記憶することもできる。データ記憶装置208に記憶されているものとして例示的に示されている様々なタイプのデータは、本開示において後により詳細に説明される。
【0059】
例示的な実施形態において、乗り手は、ユーザインタフェース116を介してコントローラ112にユーザ入力を与えることができる。ユーザ入力は、1つ以上の入力パラメータ202の形態をとってもよい。幾つかの実施形態において、ユーザインタフェース116は、入力パラメータ202を表わす入力を与えるように乗り手を共に案内するユーザインタフェースの集合であってもよい。特に、図7図12の例示的なユーザインタフェースに関連して本開示において後により詳細に説明するように、乗り手に一連のプロンプトを提示することができ、プロンプトに対する乗り手の応答が入力パラメータ202を構成することができる。入力パラメータ202は、乗車における乗り手の全体的な乗車目標を反映することができる。
【0060】
入力パラメータ202は、例えば、乗車体験パラメータ204A、フィットネスパラメータ204B、及び乗車属性パラメータ204Cを含み得る。乗車体験パラメータ204Aは、乗り手が乗車を望む全体的な乗車体験/気分を示すことができる。例えば、乗車体験パラメータ204Aは、乗り手が乗車中に消費したい全体的な労力レベルを示すことができる。幾つかの実施形態において、乗車体験パラメータ204Aは、乗り手による様々なレベルの手動労力に対応する複数の個別の体験/気分タイプから選択することができる。非限定的な例として、乗車体験パラメータ204Aは、「リラックス」乗車体験パラメータ、「通常」乗車体験パラメータ、及び「スーパーヒーロー」乗車体験パラメータを含んでもよい。
【0061】
幾つかの実施形態では、「リラックス」乗車経験に対応する乗車体験パラメータ204Aが選択される場合、「通常」乗車経験と比較して、乗車中に提供されるモータアシストの累積量(及び/又は上り坂区間中などの乗車の特定の部分中に提供されるモータアシストの量)がより大きくなってもよく、及び/又は速度伝達比が乗車の大部分(及び/又は上り坂区間などの乗車の特定の部分中)にわたってフルアンダードライブに向けてよりシフトされてもよく、それにより、乗り手による全体的な手動労力をあまり必要としない乗車経験が提供される。これに対し、乗り手がより挑戦的な乗車体験を好むことを示す、「スーパーヒーロー」乗車体験に対応する乗車体験パラメータ204Aが指定される場合、「通常」乗車体験と比較して、乗車中(及び/又は上り坂区間などの特定の部分の間)に提供されるモータアシストの累積量を低減することができ、及び/又は速度伝達比を乗車のより大きな部分(及び/又は上り坂区間などの特定の部分の間)にわたってフルオーバードライブに向けてシフトすることができる。「通常」乗車体験は、乗車中(及び/又は乗車の特定の部分の間)に提供される累積モータアシスト及び/又は乗車中(及び/又は乗車の特定の部分の間)にシフトする速度伝達比が、「リラックス」及び「スーパーヒーロー」乗車体験と比較して、乗り手が消費した中程度の量の手動労力に変換される、デフォルト乗車体験に相当し得る。乗車体験パラメータ204Aの上記の例は、単なる例示であり、網羅的ではなく、また、任意の数の異なる乗車体験/気分に対応する任意の数の乗車体験パラメータ204Aを規定することができることを理解すべきである。
【0062】
入力パラメータ202は、フィットネスパラメータ204Bを更に含むことができる。フィットネスパラメータ204Bは、例えば、乗り手が乗車中に燃焼したいカロリー数を指定するカロリー燃焼パラメータを含むことができる。カロリー燃焼パラメータによって指定されたカロリーの数が増大するにつれて、乗車中(及び/又はその特定の部分の間)に提供される累積モータアシストレベルを減少させることができ、及び/又は乗車中(及び/又はその特定の部分の間)に速度伝達比をフルオーバードライブに向けてよりシフトさせて燃焼カロリーの数を増大させることができる。幾つかの実施形態では、乗り手の指定された出発地及び目的地と性別、体重、身長、体型などの乗り手の物理的属性とに基づいて様々なカロリー燃焼オプションを乗り手に提供することができる。
【0063】
フィットネスパラメータ204Bは、1つ以上の心拍数ゾーンに関して、乗り手が自分の心拍数が対応する心拍数ゾーン内に入ることを望む乗車持続時間のそれぞれの目標パーセンテージを指定する心拍数ゾーンパラメータを更に含むことができる。様々な目標心拍数ゾーンは、「心臓」ゾーン及び「脂肪燃焼」ゾーン、並びに乗り手によって指定されたカスタム定義ゾーンなどのフィットネスの背景において確立された定義を有するゾーンを含むことができる。各心拍数ゾーンは、特定の乗り手の性別、身長、体重、体型などに合わせて調整することができる心拍数のそれぞれの範囲に対応することができる。すなわち、脂肪燃焼ゾーン又は心臓ゾーンに対応する心拍数の特定の範囲は、例えば、個々の身体的属性に基づいて乗り手ごとに異なり得る。幾つかの実施形態において、心拍数ゾーンパラメータは、乗車中に超えてはならない最大心拍数及び/又は乗車中に少なくとも閾値期間にわたって乗り手がそれよりも上に留まることを望む最小心拍数を指定することができる。
【0064】
幾つかの実施形態において、フィットネスパラメータ204Bは、例えば、高強度及び低強度間隔の持続時間、並びにそれぞれの間隔ごとに及び/又は乗車の持続時間にわたって累積的に所望の目標心拍数/目標心拍数ゾーン及び/又はカロリー燃焼を含むHIIT乗車レジメンを指定することができる高強度間隔トレーニング(HIIT)入力パラメータを更に含むことができる。他の実施形態において、HIIT入力パラメータは、特定の乗車体験/気分(例えば、「スーパーヒーロー」乗車体験の変形例)に対応する乗車体験入力パラメータ204Aのタイプであってもよい。
【0065】
入力パラメータ202は、乗車属性パラメータ204Cを更に含んでもよい。乗車属性パラメータ204Cは、乗車の終了時の目標バッテリ充電残量、乗車における出発地及び目的地、出発地と目的地との間の所望のナビゲーション経路などを含むがこれに限定されない、乗車の特定の属性/特性に関するパラメータを含むことができる。
所望のナビゲーション経路に関して、乗り手は、乗り手が撮影したい特定の景色の良い経路(乗り手によってカスタム定義されてもよいし、候補の景色の良い経路のデフォルトセットから乗り手によって選択されてもよい)、上り坂及び/又は下り坂区間が多い/少ない経路、上り/下り/平坦区間の特定の組み合せ/持続時間を伴う経路、少なくとも閾値平均勾配/傾斜、少なくとも閾値平均高度登り、又は少なくとも閾値累積高度登りを伴う経路、汚れた路面、コンクリート路面等が多い/少ない特定の種類の地形を含む経路、少なくとも閾値数の充電ステーションが経路に沿って配置された経路などを示す乗車属性パラメータ204Cを指定することができる。
【0066】
前述したように、入力パラメータ202は、特定のタイプの乗車体験を有すること(例えば、「リラックス」乗車)、特定のフィットネス目標を満たすこと(例えば、乗車の特定の期間にわたって特定数のカロリーを燃焼させること又は目標心拍数ゾーン内の心拍数を維持すること)、又は別のタイプの乗車目標を達成すること(例えば、特定の種類の経路を移動すること、乗車の終了時に残っているバッテリ寿命の目標量を有することなど)など、乗り手における全体的な乗車目標を表わすことができる。ユーザインタフェース116を介して入力パラメータ202を受信すると、コントローラ112は、入力パラメータ202を乗車目標情報210Eとしてデータ記憶装置210Eに記憶することができる。乗車目標情報210Eは、乗車目標情報210Eによって表わされる乗車目標を満たそうと試みる乗車中の制御変数設定(例えば、速度伝達比、モータアシストレベル、制動力、サスペンション圧力)を少なくとも部分的に決定するために乗車制御アルゴリズム214によって使用され得る。
【0067】
データ記憶装置208は、乗車制御アルゴリズム214への入力変数を示す他のタイプの情報を更に記憶することができる。データ記憶装置208に記憶された情報のタイプのうちの1つ以上は、センサ114からセンサデータ206として取得することができる。特に、データ記憶装置208は、電動自転車100が現在横切っている地形の勾配/傾斜、横切っている地形のタイプ(例えば、路面のタイプ)などを示すことができる地形情報210Aを記憶することができる。地形情報210Aは、乗り手の指定された出発地と目的地との間の候補経路、候補経路における地形タイプなどに対応する地形における勾配/傾斜情報を更に含むことができる。幾つかの実施形態において、地形情報210Aは、センサ114の傾斜/傾きセンサ、慣性センサなどによって捕捉されてもよい。他の実施形態において、地形情報210Aは、GPS受信機によって捕捉されたGPSデータから決定されてもよい。
【0068】
また、データ記憶装置208は、経路情報210Bを記憶してもよい。経路情報210Bは、例えば、乗り手によって指定された出発地と目的地との間を横切ることができる様々な候補経路を含むことができる。経路情報210Bは、経路における景観等級、経路に沿ったランドマークの数、経路に沿った充電ステーションの数、経路に沿った予想される交通量レベルなどの候補経路の様々な属性を更に指定することができる。
【0069】
データ記憶装置208は、生体情報210Cを更に記憶してもよい。生体情報210Cは、乗り手における心拍数/脈拍数データ、乗り手における酸素飽和度レベルを示すパルスオキシメトリデータ、乗り手におけるVO2最大レベルなどを含むことができる。センサ114は、前述の生体情報を捕捉するための心拍数センサ、パルスオキシメータ、VO2メータなどを含んでもよい。幾つかの実施形態において、電動自転車100のシートは、乗り手の体重を捕捉するための体重センサを含むことができる。生体情報210Cは、指紋センサによって捕捉される指紋データ、虹彩スキャナによって捕捉される虹彩データなどを更に含むことができる。そのような生体情報は、乗り手を一意的に識別し、乗り手における対応する乗り手プロファイルにアクセスするために使用することができる。
【0070】
データ記憶装置208は、様々な乗り手における乗り手プロファイル情報210Dを更に記憶することができる。特定の乗り手における乗り手プロファイルとしては、例えば、以前の乗車に関連して乗り手によって指定された履歴入力パラメータ/乗車目標、乗り手におけるデフォルト/好ましい入力パラメータ/乗車目標(例えば、燃焼すべきカロリーの好ましい数、又は乗車における好ましい目標心拍数/目標心拍数ゾーン)、乗り手における物理的属性情報(例えば、身長、体重など)などを挙げることができる。
幾つかの実施形態では、乗り手プロファイル情報210Dにアクセスして、乗り手における履歴/好ましい入力パラメータ/乗車目標を識別するとともに、それらを乗り手に提示して、乗り手が既存の入力パラメータのセットを選択できるようにすることによって乗車目標設定プロセスを促進することができる。幾つかの実施形態において、乗り手は、電動自転車100から遠隔にある1つ以上のサーバでホストされるモバイルアプリケーションにアクセスすることができる。モバイルアプリケーションは、例えば、モバイルアプリケーションの1つ以上のユーザインタフェース116を介してコントローラ112に受信された乗り手入力を中継するためにコントローラ112と通信することができる。或いは、ユーザインタフェース116は、局所的に記憶され、電動自転車100でホストされてもよい。いずれの場合も、乗り手が初めてユーザインタフェース116に(例えば、自分のスマートフォン又は他のモバイルデバイス上の対応するモバイルアプリケーションに初めてアクセスすることの一部として)アクセスするとき、乗り手は、乗り手プロファイルを作成するように促され得る。乗り手プロファイルは、最初に乗り手における身体属性情報、乗り手における経歴情報、乗り手における初期乗車嗜好情報などを含むことができ、後続の各乗車で乗り手についてより多くの知識が得られるにつれて、前述の情報のいずれかを含むように経時的に更新され得る。
【0071】
データ記憶装置208は、電動自転車動作情報210Fを更に記憶することができる。電動自転車動作情報210Fは、電動自転車100の動作パラメータ/特性を反映する様々なデータを含むことができる。電動自転車動作情報210Fは、車両速度センサ、ペダルケイデンスセンサ、制動力センサ、サスペンション圧力センサ、電気モータセンサ、変速機センサなどのセンサ114のうちの1つ以上から捕捉することができる。電動自転車動作情報210Fは、ペダルケイデンス、車両速度/速さ、変速位置、モータ出力、モータ電流、制動力/圧力、サスペンション圧力などを含み得るが、これらに限定されない。
【0072】
例示的な実施形態では、データ記憶装置208に記憶されてセンサ114からセンサデータ206として潜在的に受信される情報のタイプのうちの1つ以上が、乗車制御アルゴリズム214に入力変数として与えられてもよい。例えば、経路情報210BからのGPS位置データ、地形情報210Aからの勾配/傾斜データ、生体情報210Cからの身長/体重データ、乗車目標情報210Eからの乗り手指定入力パラメータ202、及び電動自転車動作情報210Fからの電動自転車100の動作パラメータ/特性(例えば、ケイデンス速度、車両速度、変速機位置、モータ出力/入力電流など)を、乗車制御アルゴリズム214に入力として与えることができる。次いで、プロセッサ216は、乗車制御アルゴリズム214のコンピュータ実行可能命令を実行して、入力パラメータ202によって表わされるように乗り手の乗車目標をサポートするために乗車の過程にわたって様々な制御変数設定220を決定することができる。制御変数設定220は、例えば、電動自転車100の変速機228の速度伝達比、電動自転車100の駆動システム224(例えば、電気モータ)の出力トルク、電動自転車100の制動システム212によって加えられる制動力、制動システム222の制動変調、及び/又は電動自転車100のサスペンションシステム226のサスペンション圧力を含むことができる。
【0073】
例えば、乗り手が「リラックス」乗車体験/気分に対応する乗車体験パラメータ204Aを指定するシナリオの一例を考える。このシナリオの例において、アルゴリズム214は、「リラックス」乗車体験/気分と関連付けられた乗車目標をサポートする制御変数設定220を決定するための以下の制御方式を出力することができる。特に、アルゴリズム214は、乗り手が消費したい所望のレベルの手動労力に対応する設定されたペダルケイデンスを維持することを優先することができる。幾つかの実施形態において、アルゴリズム214は、地形/傾斜/高度の変化にもかかわらず、設定されたペダルケイデンスを維持しようとする場合がある。幾つかの実施形態において、アルゴリズム214によって採用される制御方式は、第1の優先順位として速度伝達比を調整することによって、及び2番目に、提供されるモータアシストの量を調整することによって、設定されたペダルケイデンスを維持しようとすることができる。アルゴリズム214は、バッテリ充電を節約するためにこの制御方式を採用することができる。次いで、アルゴリズム214は、例えば、バッテリ充電が閾値充電量(例えば、15%)を下回る場合、バッテリ節約モードに移行することができ、その場合、アルゴリズム214は、第1の優先としてモータアシストの量を減らし、ペダルケイデンスが目標ペダルケイデンスから閾値量(例えば、10%)だけ変化できるようにし得る。
【0074】
他の非限定的な例として、乗り手が「スーパーヒーロー」乗車体験/気分のHIIT変化に対応する乗車体験パラメータ204Aを指定するシナリオを考える。このシナリオの例において、アルゴリズム214は、「スーパーヒーロー」乗車体験/気分のHIIT変化に関連する乗車目標をサポートする制御変数設定220を決定するための以下の制御方式を出力することができる。特に、アルゴリズム214は、ピーク心拍数の間隔と減少した心拍数の間隔との間の維持及び交互を優先することができる。アルゴリズム214は、生体情報210Cの一部として心拍数データを連続的に(又は所定のサンプリング間隔で定期的に)受信することができる。幾つかの実施形態において、アルゴリズム214は、地形/傾斜/高度の変化にもかかわらず、ピーク心拍数と心拍数間隔の減少とを維持し、これらの間を交互に繰り返そうとすることができる。幾つかの実施形態において、アルゴリズム214は、ピーク心拍数間隔を横切っている経路の丘登り区間と一致させ、減少した心拍数間隔を平坦な区間又は下り坂区間と一致させようとすることができる。
【0075】
幾つかの実施形態において、アルゴリズム214によって採用される制御方式は、ピーク心拍数が達成されるまで、第2の優先順位としてのペダルケイデンスの増大と組み合わせて第1の優先順位としてモータアシストのレベルを減少させようとすることができる。アルゴリズム214は、モータアシストレベル及び/又は速度伝達比を調整し続けて、高強度間隔の持続時間にわたってピーク心拍数を維持することができる。その後、アルゴリズム214は、心拍数の回復、例えばピーク心拍数の65%への回復が達成されるまで、第1の優先順位としてモータアシストのレベルを増大させ、第2の優先順位としてペダルケイデンスを減少させることができる。アルゴリズム214は、モータアシストレベル及び/又は速度伝達比を調整し続けて、低強度間隔の持続時間にわたって回復した心拍数を維持することができる。アルゴリズム214は、高強度区間及び低強度区間にわたってこれらの制御方式を交互に繰り返してもよい。「リラックス」乗車体験と同様に、「スーパーヒーロー」乗車体験のHIIT変化では、アルゴリズム214は、例えば、バッテリ充電が閾値充電量(例えば、15%)を下回る場合、バッテリ節約モードに同様に移行することができる。
【0076】
更に別の非限定的な例として、乗り手が「スーパーヒーロー」乗車体験/気分の持久力変化に対応する乗車体験パラメータ204Aを指定するシナリオを考える。このシナリオの例において、アルゴリズム214は、「スーパーヒーロー」乗車体験/気分の持久力変化に関連する乗車目標をサポートする制御変数設定220を決定するための以下の制御方式を出力することができる。特に、アルゴリズム214は、高いが持続可能な心拍数を維持することを優先してもよい。アルゴリズム214は、生体情報210Cの一部として心拍数データを連続的に(又は所定のサンプリング間隔で定期的に)受信することができる。幾つかの実施形態において、アルゴリズム214は、地形/傾斜/高度の変化にもかかわらず、高い持続可能な心拍数を維持しようとすることができる。
【0077】
幾つかの実施形態において、アルゴリズム214によって採用される制御方式は、高い持続可能な心拍数(例えば、ピーク心拍数の75%)が達成されるまで、第2の優先順位としてのペダルケイデンスの増大と組み合わせて、第1の優先順位としてのモータアシストのレベルを減少させようとすることができる。アルゴリズム214は、モータアシストレベル及び/又は速度伝達比を調整し続けて、持久力心拍数を維持することができる。上記で詳述した他の例示的な乗車体験シナリオと同様に、「スーパーヒーロー」乗車体験の持久力変化において、アルゴリズム214は、例えば、バッテリ充電が閾値充電量(例えば、15%)を下回る場合、バッテリ節約モードに同様に移行することができる。
【0078】
上記で詳述した乗車体験シナリオは単なる例示であり、網羅的ではないことを理解すべきである。フィットネス入力パラメータ204B(例えば、乗車中に燃焼すべき所望のカロリー数)、乗車属性入力パラメータ204C(例えば、開始GPS位置及び終了GPS位置が規定されたバッテリ節約)などに基づく他の乗車目標も、開示された技術の範囲内である。幾つかの実施形態では、異なるタイプの入力パラメータ202に関してアルゴリズム214によって採用された制御方式間に重複があり得ることを更に理解すべきである。例えば、「スーパーヒーロー」乗車体験のHIIT又は持久力変化について前述した制御方式は、フィットネス入力パラメータ204Bと関連付けられた乗車目標を達成するために採用された制御方式と重複することができる。
【0079】
加えて、様々な実施形態において、モータアシストレベル(すなわち、電気モータの出力トルク)及び速度伝達比以外の制御変数220は、アルゴリズム214によって採用される制御方式の一部として設定/調整されてもよい。自動的に設定/調整され得る更なる制御変数220は、制動力、制動変調、及びサスペンション圧力を含むが、これらに限定されない。設定/調整可能な制御変数220として範囲に沿った電子制御制動を含むことは、特に下り坂乗車中の回生制動及びバッテリを再充電する能力、並びに、先と同様に特に下り坂乗車中に過剰な車両速度に達することなく設定されたペダルケイデンスを維持するための制御された制動を含む、幾つかの更なる利点をもたらすことができる。
【0080】
幾つかの実施形態において、アルゴリズム214は、乗り手からフィードバックデータを受けて様々な入力パラメータ202によって表わされる乗車目標をサポートするために採用された制御方式を精緻化する自己学習アルゴリズムであってもよい。例えば、乗り手は、乗車の終わりにユーザインタフェース116を介して質問のセットを尋ねられてもよい。質問は、例えば、乗り手が発揮しなければならなかった手動労力レベルが自分の所望の労力レベルと一致するかどうか、一致しない場合、必要とされる実際の労力が所望の労力量とどのように一致しなかったか、及び/又は乗り手のどの区間が所望の手動労力量より多い又は少ない労力量を必要としたかどうか、乗り手が変更したであろう乗車のより具体的な態様があったかどうか(例えば、特定の上り坂区間中により多くの/より少ないモータアシストを与える)などを乗り手に尋ねることができる。
【0081】
これに加えて又は代えて、乗り手は、乗車中にフィードバックを提供するように促されてもよい。すなわち、乗車自体の間に、乗り手は、乗り手が費やさなければならない手動労力のレベルが、乗り手が期待していたもの又は望んでいたものよりも大きいか小さいか、乗車の特定の現在の態様を変更したいかどうか(例えば、現在の速度伝達比、モータレベルの現在のレベルなど)などを尋ねられてもよい。幾つかの実施形態において、乗り手のフィードバックは、乗車中に周期的な間隔で、及び/又は乗り手の所望の乗車目標からの逸脱を引き起こす可能性がより高い特定の乗車条件に応じて(例えば、上り坂区間中に)求められてもよい。乗車中にリアルタイムで乗り手のフィードバックを受信することによって、制御アルゴリズム214は、乗り手の乗車目標とより良く合致するようにオンザフライでその制御方式を調整することができる。開示された技術の実施形態に係る制御変数設定の動的な自動制御は、電動自転車100への直接的な乗り手入力の必要性を排除するが、状況によっては、乗り手は、それにもかかわらず、例えば、現在の設定が自分の乗車目標と合致していないと感じる場合に、速度伝達比、モータアシストレベルなどを設定/調整するために直接的な入力を与えたい場合がある。したがって、幾つかの実施形態において、乗車中の乗り手フィードバックは、1つ以上の制御変数を設定/調整するための直接的な乗り手入力の形態をとることができる。
【0082】
乗り手のフィードバック応答は、潜在的に乗り手と関連付けられた乗り手プロファイル情報210Dの一部としてフィードバックデータとして記憶されるとともに、乗り手の乗車目標により良く一致する将来の乗車体験を提供するために乗り手における将来の乗車のためのアルゴリズムの制御方式を精緻化するべく乗車制御アルゴリズム214に供給されてもよい。幾つかの実施形態において、フィードバックデータは、特定の乗り手に固有のものであり、その特定の乗り手の将来の乗車に採用される制御方式を精緻化するために使用され得る。他の実施形態において、フィードバックデータは、複数の乗り手にわたって蓄積されるとともに、一般に特定の入力パラメータ202及び対応する乗車目標に関連する制御方式を精緻化するために使用されてもよい。
【0083】
幾つかの実施形態において、所与の乗車における乗り手の乗車目標は、協働して作用する複数の異なるタイプの入力パラメータ202の関数であってもよい。すなわち、幾つかの実施形態では、複数の異なる入力パラメータタイプ(例えば、乗車体験パラメータ204A及び乗車属性パラメータ204C;乗車体験パラメータ204A及びフィットネスパラメータ204Bなど)が乗車目標全体を協働してサポートすることができる。例えば、「リラックス」乗車体験に対応する乗車体験入力パラメータ204Aと、乗り手が乗車のために望む最小のカロリー燃焼を示すフィットネスベースのパラメータ204Bとを乗り手が指定したと仮定する。乗り手の全体的な乗車目標を満たすために、制御アルゴリズム214は、乗り手のカロリー燃焼を増大させて所望のカロリー燃焼を満たすが同時に乗り手の「リラックス」乗車体験を維持するために、最小のカロリー燃焼が指定されなかった場合に、そうでない場合よりも少ないモータアシスト及び/又は多いアンダードライブを経路の下り坂/平坦区間中に提供してもよい。他の非限定的な例として、制御アルゴリズム214は、「リラックス」乗車体験のみが指定されて最小のカロリー燃焼ではない場合に使用する制御変数を設定/調整するための制御方式を変更しなくてもよく、むしろ、所望の「リラックス」乗車体験及び所望のカロリー燃焼の両方に対応するために乗車時間を延長してもよい。
【0084】
幾つかの実施形態では、異なるタイプの複数の入力パラメータ間に競合が存在してもよい。例えば、この場合も先と同様に、「リラックス」乗車体験に対応する乗車体験入力パラメータ204Aと、乗り手が乗車のために望む最小のカロリー燃焼を示すフィットネスベースのパラメータ204Bとを乗り手が指定したと仮定する。更に、目標バッテリ充電量を示す乗車属性入力パラメータ204Cを乗車の最後に残すように乗り手が指定したと仮定する。幾つかのシナリオでは、特定の出発地及び目的地の位置を想定すると、制御アルゴリズム214は、指定された入力パラメータの全てに対応する乗車目標を満たすことができる制御方式を決定することができない場合がある。より具体的には、制御アルゴリズム214は、所望のカロリー数を燃焼させ、指定された目標バッテリ充電が乗車の終わりに維持されるようにもしつつ、出発地と目的地との間の経路と、所望の「リラックス」乗車体験を達成することができる対応する制御方式とが存在しないと決定することができる。
【0085】
そのようなシナリオの例において、制御アルゴリズム214は、乗車目標全体を満たすことができるように、指定された入力パラメータのうちの1つ以上を修正するように乗り手に促すことができる。例えば、制御アルゴリズム214は、例えば、目標バッテリ充電乗車属性入力パラメータ204Cを満たすことができるように、乗車にわたって及び/又は特定の区間(例えば、閾値レベルを超える勾配/傾斜を伴う上り坂区間)中に累積的により少ないモータアシストを提供することを伴う、僅かにより困難な/あまりリラックスしていない乗車体験を乗り手に受け入れるように促すことができる。他の非限定的な例として、制御アルゴリズム214は、カロリー燃焼要件を減少させ、乗車の終わりに僅かに少ない量のバッテリ残量を受け入れ、及び/又は出発地及び目的地の位置の少なくとも一方を変更するように乗り手に促してもよい。
【0086】
乗り手の全体的な乗車目標をサポートするための制御方式の開発に関連して異なるタイプの入力パラメータがどのように互いに協働又は競合することができるかの上記の例は例示的であり、網羅的ではないことを理解すべきである。更に、図7図12のユーザインタフェースの説明は、異なる乗車に関して異なる入力パラメータタイプが指定されることを想定しているが、所与の乗車に関して複数の異なる入力パラメータタイプを指定することができ、(前述したように)複数の異なる入力パラメータタイプに基づいて全体的な乗車目標を規定することができ、また、そのような機能を可能にしてサポートするために更なるユーザインタフェースを乗り手に提示することができることを理解すべきである。
【0087】
図3は、開示された技術の例示的な実施形態に係る、乗り手の所望の乗車目標をサポートするための候補設定の範囲に沿う電動自転車の制御変数設定の様々な組み合せの-直接的な乗り手の入力を必要としないー選択を示す概略図である。2つの例示的なタイプの制御変数、すなわち速度伝達比及びモータアシストが図3に示される。速度伝達比は、CVT又はモータアシスト車両の他のタイプの変速機(例えば、電動自転車100の変速機228)のギア比を指すことができる。モータアシストは、モータアシスト車両の駆動システム(例えば、電動自転車100の駆動システム224)(例えば、電気モータ)によって与えられる出力トルクの量を指すことができる。
【0088】
図3に示されるように、速度伝達比は、スペクトルの一端のフルアンダードライブからスペクトルの他端のフルオーバードライブまでの設定の範囲302にわたって選択可能/調整可能であり得る。同様に、モータアシストは、スペクトルの一端におけるモータアシスト無しからスペクトルの他端におけるフルモータアシストまでの設定の範囲304にわたって選択可能/調整可能であり得る。このようにして、速度伝達比及びモータアシストの任意の組み合せは、乗り手指定の入力パラメータのセットに対応する乗車目標を満たすために、地形、バッテリ充電などに基づいて乗車中の任意の所与の時点で選択され得る。速度伝達比とモータアシストとの例示的な組み合せ306,308は図3に示される。組み合せ306は、組み合せ308よりも低い速度伝達比及び低いモータアシストを有する。アルゴリズム214は、例えば、乗車中にバッテリ保存モードに入る場合、組み合せ308から組み合せ306に移行することができる。制動力及びサスペンション圧力などの他の制御変数もまた、乗り手の所望の乗車目標をサポートするための自動乗車制御の一部として、独立して及び/又は図3に示す制御変数と組み合わせて選択可能/調整可能であり得ることを理解すべきである。速度伝達比をフルアンダードライブ又はフルオーバードライブに向けてシフトする本明細書の説明は、いずれの場合であっても、速度伝達比を現在の値からフルアンダードライブ又はフルオーバードライブに近い値に移行させることを指すことができ、必ずしも(可能であるが)範囲302の終点までずっとシフトすることを含まなくてもよいことを更に理解すべきである。同様に、モータアシストレベルをフルモータアシストに向けて又はモータアシスト無しに向けて調整するという本明細書における説明は、モータアシストレベル(すなわち、モータ出力トルク)を、現在の設定から、フルモータアシストに近い又はモータアシスト無しのどちらの場合であっても新たな設定に移行することを指すことができるが、必ずしも(可能であるが)範囲304の終点までモータアシストレベルを移行させることを包含しない場合があることを更に理解すべきである。
【0089】
図4は、開示された技術の例示的な実施形態に係る、(1つ以上のセンサから捕捉されたセンサ情報に反映された)入力変数のセット、電動自転車の決定された動作モード、及び電動自転車の乗り手の所望の乗車目標に基づいて、電動自転車乗車中に制御変数設定の決定を支援するための状態機械を示す概略図である。目標ベースの乗車制御アルゴリズム214は、モード決定エンジン402を含むことができる。エンジン402は、電動自転車(例えば、電動自転車100)の動作モードを決定するためにプロセッサ216によって実行可能なコンピュータ実行可能命令を含むことができる。車両発進モード408A、惰行モード408B、システム較正モード408C、丘登りモード408D、加速(ペダル踏みを伴う)モード408E、加速(ペダル踏みを伴わない)モード408F(降坂シナリオなど)、制動モード408G、緊急制動モデル408H、交通停止モデル408I、ロスト牽引モード408J、リンプホーム(低バッテリ)モード408K、盗難事象モード408Lを含む様々な例示的な動作モードが図4に示される。これらのモードが単なる例示であって網羅的ではないことを理解すべきである。
【0090】
例示的な実施形態において、モード決定エンジン402は、入力変数404のセット(例えば、監視されて捕捉されたセンサデータ206)を監視するとともに、監視された入力変数404のセットに基づいて電動自転車100の現在の動作モード(又は新しい動作モードへの差し迫った移行)を決定することができる。入力変数404は、前述した入力変数の例示的なタイプのいずれかを含むことができる。電動自転車100の決定された動作モード及び入力変数404のセットに基づいて、アルゴリズム214は、乗り手指定の入力パラメータに対応する所望の乗車目標をサポートするための制御変数設定406を決定することができる。制御変数設定406のセットは、制御変数設定220に関連して前述した制御変数設定のタイプのいずれかを含むことができる。
【0091】
非限定的な例として、モード決定エンジン402は、監視された入力変数404のセットに対する様々な検出された変化に基づいて(例えば、センサデータ206に含まれる特定のセンサ情報に基づいて)、電動自転車100が丘登りモード408Dに入った又はまもなく丘登りモード408Dに入ると決定することができる。例えば、モード決定エンジン402は、以下、すなわち、車両速度の減少率、特定のGPS位置と地形の勾配/傾斜の増大を示す特定の進行方向との組み合せ、電動自転車100の後部におけるサスペンショントラベルの減少、及び/又は電動自転車100の前部におけるサスペンショントラベルの増大(丘上りに入るときに電動自転車100の後部に向かって移動する乗り手の重量に起因する)のうちの1つ以上を検出することに基づいて、電動自転車100が丘登りモード408Dに入った、又はこれから丘登りモード408Dに入ろうとしていると決定することができる。丘登りモード408Dを検出すると、アルゴリズム214は、以下の制御変数設定406、すなわち、地形傾斜の増大を見越してフルアンダードライブに向かって速度伝達比をシフトすること、モータアシストを増大させ(すなわち、モータの出力トルクを増大させ)て車両速度を維持する又は車両速度減少率を遅くすること、電動自転車100の後部におけるサスペンション圧力を増大させること、及び/又は電動自転車100の前部におけるサスペンション圧力を減少させることのうちの1つ以上を確立することができる。これらの制御変数設定406は、例えば、乗り手によって費やされる手動労力が丘登りモード408Dへの移行中及び移行後に比較的一定のままであるようにしようとするものである。
【0092】
他の非限定的な例として、モード決定エンジン402は、監視された入力変数404のセットに対する様々な検出された変化に基づいて(例えば、センサデータ206に含まれる特定のセンサ情報に基づいて)、電動自転車100が緊急制動モード408Hに入ったと決定することができる。例えば、モード決定エンジン402は、以下、すなわち、制動力/圧力の急速な(例えば、閾値期間未満内)及び有意な(例えば、閾値量を超えた)増大、車両速度の急速な(例えば、閾値期間未満内)及び有意な(例えば、閾値量を超える、潜在的に0まで減少する)減少、(緊急制動動作中に電動自転車100の前部に向かって移動する乗り手の重量に起因して)電動自転車100の後部におけるサスペンショントラベルの増大及び/又は電動自転車100の前部におけるサスペンショントラベルの減少、のうちの1つ以上を検出することに基づいて、電動自転車100が緊急制動モデル408Hに入ったと決定することができる。緊急制動モード408Hを検出すると、アルゴリズム214は、以下の制御変数設定406、すなわち、変速機への動力を停止させること、電気モータへの電力を停止させること、電動自転車100の後部におけるサスペンション圧力を減少させること及び/又は電動自転車100の前部におけるサスペンション圧力を増大させること、自動制動事象及び/又は急速制動変調を開始することのうちの1つ以上を確立することができる。これらの制御変数設定406は、例えば、緊急制動動作の補助を目的とする。
【0093】
更に他の非限定的な例として、惰行モード408Bを考慮する。モード決定エンジン402は、以下、すなわち、車両速度が非ゼロである間に車両加速度がゼロになること、ペダルケイデンスの急速な(例えば、閾値期間未満内)減少、地形の勾配/傾斜の減少のうちの1つ以上を検出することに基づいて、電動自転車100が惰行モード408Bに入ったと決定することができる。惰行モード408Bを検出すると、アルゴリズム214は、以下の制御変数設定406、すなわち、モータアシストを停止すること又は低減すること、バッテリを充電する回生制動機能を潜在的に与えるために自動制動事象を開始することのうちの1つ以上を確立することができる。
【0094】
図5は、入力変数のセットを表わすセンサ情報に基づいて、乗り手の所望の乗車目標をサポートする制御変数設定のセットを決定するべく目標ベースの乗車制御アルゴリズムを実行するための例示的な方法500のフローチャートであり、乗り手の乗車目標は、入力パラメータのセットによって表わされる。図5は、例示的な電動自転車100及び図2の実施態様に関連して以下に例示的に説明される。しかしながら、方法500は、電動自転車に限定されず、他のタイプのモータアシスト車両にも適用可能であることを理解すべきである。
【0095】
方法500のブロック502において、コントローラ112は、ユーザインタフェース116を介して、乗り手の所望の乗車目標を表わす入力パラメータ202のセットを示すユーザ入力を乗り手から受信することができる。入力パラメータ202は、乗車体験パラメータ204A(例えば、乗り手が乗車に関して望む全体的な「気分」であって、乗り手が乗車中に費やすことを望む手動労力のレベルに相関する全体的な「気分」)、フィットネスパラメータ204B(例えば、乗り手が乗車中に燃焼したい目標カロリー数;乗り手が自分の心拍数が乗車中に様々な心臓領域で維持されることを望む目標時間量(乗車持続時間の割合)など)、又は乗車属性パラメータ(例えば、乗り手が乗車の終わりに有したいバッテリ充電残量レベル、特定の景色の良い経路などの乗り手が乗車中に横切りたい特定の経路、少なくとも1つの充電ステーションを伴う経路など)のうちの1つ以上を含むことができる。
【0096】
方法500のブロック504において、コントローラ112は、1つ以上のセンサ114からセンサデータ206を受信することができる。センサデータ206は、GPS位置データ、地形勾配/傾斜データ、地形高度/標高データ、車両速度/速さデータ、車両加速度データ、車両方向データ、車両振動データ、車両温度データ、ドライブトレインセンサ、モータセンサ、制動システムセンサ、サスペンションシステムセンサ、ペダルセンサなどからの他の車両動作データ、レーダデータ、LiDARデータ、車両の乗り手の生体データなどを含むことができるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態において、コントローラ112は、外部センサ及び/又はサードパーティサービス/サーバからデータ(例えば、気象データ、建設データなど)を受信するように構成されてもよい。
【0097】
方法500のブロック506において、コントローラ112は、受信したセンサデータ206から、電動自転車100の1つ以上の動作特性及び/又は電動自転車が横切っている環境の1つ以上の特性を示す入力変数のセットを決定することができる。電動自転車動作特性は、例えば、ペダルケイデンス、車両速度/速さ、変速機位置、モータ出力、モータ電流、制動力/圧力、サスペンション圧力などを含むことができる。環境特性は、例えば、電動自転車100におけるGPS位置データ、地形傾斜、地形タイプ、地形高度/高度などを含むことができる。
【0098】
方法500のブロック508において、コントローラ112、又はより具体的には、プロセッサ216は、入力パラメータ202のセットによって表わされるように、乗り手の所望の乗車目標をサポートするために、決定された入力変数のセットに基づいて制御変数設定のセットを決定するべく、目標ベースの乗車制御アルゴリズム214のコンピュータ実行可能命令を実行することができる。前述のように、制御変数設定は、以下、すなわち、速度伝達比範囲のフルオーバードライブ端に向かう又はその範囲のフルアンダードライブ端に向かう速度伝達比の設定/調整、モータアシスト範囲のフルモータアシスト端に向かう、又はその範囲のモータアシスト無し端に向かうモータアシストレベルの設定/調整、制動力/制動変調に対する設定/調整、及びサスペンション圧力に対する設定/調整などのうちの1つ以上を含むことができる幾つかの実施形態において、プロセッサ216は、制御アルゴリズム214を実行して、乗車のための入力パラメータ202のセットによって規定されるように、乗り手の乗車目標を満たすことを試みるべく、1つ以上の制御変数設定220を動的に且つ自動的に決定する制御方式を生成及び実装することができる。
【0099】
方法500のブロック510において、コントローラ112は、決定された制御変数設定220に基づいて、電動自転車100の1つ以上の動作構成要素108を制御することができる。制御される電動自転車の動作構成要素は、例えば、電気モータ出力トルクを設定/調整するための駆動システム224、速度伝達比を設定/調整するための変速機228、サスペンション圧力を設定/調整するためのサスペンションシステム226、及び/又は制動力/制動変調を設定/調整するための制動システム222を含むことができる。コントローラ112は、乗車中にリアルタイムで制御変数設定を確立するように動作構成要素108を制御することができる。
【0100】
方法500のブロック512において、コントローラ112は、電動自転車の乗車の終了時(又は乗車中)にユーザインタフェース116を介してユーザフィードバックを受信することができ、その間に、電動自転車の動作構成要素108は、乗り手の乗車目標を満たすように調整された制御変数設定220に基づいて制御される。次いで、方法500のブロック514において、プロセッサ216は、ユーザフィードバックに基づいて制御アルゴリズム214を精緻化することができ、それにより、制御アルゴリズム214は、乗り手の乗車目標を満たすように更に良好に調整された将来の乗車のための制御方式を生成する。
【0101】
特に、幾つかの実施形態において、アルゴリズム214は、乗り手からフィードバックデータを受信して様々な入力パラメータ202によって表わされる乗車目標をサポートするために採用された制御方式を精緻化する自己学習アルゴリズムであってもよい。例えば、乗り手は、乗車の終わり及び/又は乗車中にユーザインタフェース116を介して質問のセットを尋ねられることができる。質問は、例えば、乗り手が乗車中に発揮しなければならなかった手動労力のレベルが、乗り手の所望の労力レベルと一致するかどうか、乗り手が乗車に関して変更したであろうより具体的なものがあるかどうか(例えば、上り坂区間中により多くの/より少ないモータアシストを提供する)などに関連し得る。乗り手の応答は、フィードバックデータとして記憶され、乗り手の乗車目標により良く一致する将来の乗車体験を提供するために、乗り手の将来の乗車のためのアルゴリズムの制御方式を精緻化するべく、乗車制御アルゴリズム214に供給され得る。幾つかの実施形態において、フィードバックデータは、特定の乗り手に固有のものであり、その特定の乗り手の将来の乗車に採用される制御方式を精緻化するために使用され得る。他の実施形態において、フィードバックデータは、複数の乗り手にわたって蓄積されるとともに、一般に特定の入力パラメータ202及び対応する乗車目標に関連する制御方式を精緻化するために使用されてもよい。
【0102】
図6は、開示された技術の例示的な実施形態に係る、入力変数のセット、電動自転車の決定された動作モード、及び電動自転車の乗り手の所望の乗車目標を示すセンサ情報に基づいて、電動自転車の制御変数設定を決定するための例示的な方法600のフローチャートである。図6は、例示的な電動自転車100並びに図2及び図3の実施態様に関連して以下に例示的に説明される。しかしながら、方法600は、電動自転車に限定されず、他のタイプのモータアシスト車両にも適用可能であることを理解すべきである。
【0103】
方法600のブロック602において、プロセッサ216は、乗車制御アルゴリズム214のコンピュータ実行可能命令を実行して、入力変数404のセットを監視することができる。入力変数404のセットは、前述した入力変数の例示的なタイプのいずれかを含むことができる。幾つかの実施形態では、入力変数のセットを監視することは、入力変数のセットを表わす監視されたセンサ情報を含むことができる。方法600のブロック604において、プロセッサ216は、制御アルゴリズム214を実行して、監視された入力変数のセット214に基づいて電動自転車100の動作モードを決定することができる。特に、幾つかの実施形態において、プロセッサ216は、動作モードを決定するためにモード決定エンジン402のコンピュータ実行可能命令を実行することができる。動作モードは、図4に示す例示的な種類のモードのいずれかであってもよい。
【0104】
方法600のブロック606において、プロセッサ216は、制御アルゴリズム214を実行して、ブロック604において決定された動作モードとユーザ選択の乗車目標とに基づき、電動自転車の乗車の開始前に乗り手によって指定された入力パラメータ202のセットによって表わされるように、制御変数設定406のセットを決定することができる。最後に、方法600のブロック608において、コントローラ112は、乗り手の乗車目標を満たすために、制御変数設定のセットに基づいて1つ以上の電動自転車の動作構成要素108を制御することができる。乗り手の乗車目標がサポート/満たされ続けるようにするべく、電動自転車100の動作モードが変化すると、制御変数設定が動的に変化し得ることを理解すべきである。
【0105】
図7は、開示された技術の例示的な実施形態に係る、乗車体験入力パラメータに基づいてモータアシスト車両乗車のための乗車目標を指定するための例示的なユーザインタフェース702を示す。ユーザインタフェース702は、表示装置700のディスプレイ上に提示されてもよく、表示装置は、モータアシスト車両(例えば、電動自転車100)の乗り手のモバイル装置又はモータアシスト車両と一体化された装置であってもよい。いずれの場合も、表示装置700は、コントローラ112に通信可能に結合されてもよい。図8図12のユーザインタフェース702及びユーザインタフェースは、例示的なモータアシスト車両としての電動自転車に関連して説明される。しかしながら、説明は、任意の適切なタイプのモータアシスト車両にも適用可能であることを理解すべきである。
【0106】
ユーザインタフェース704は、ユーザインタフェース704内の対応するグラフィカルアイコンによって表わされる特定の入力パラメータの選択を介して乗車目標を指定するように乗り手に促すテキスト704を含むことができる。代替的に、又はテキスト704に加えて、装置700は、装置700のスピーカ又は電動自転車と一体化された外部スピーカを介して乗り手にオーディオ/音声プロンプトを出力することができる。ユーザインタフェース702は、例えば、乗車体験入力パラメータを表わすグラフィカルアイコン706、フィットネス入力パラメータを表すグラフィカルアイコン708、及び乗車属性入力パラメータを表わすグラフィカルアイコン710を表示することができる。乗車体験入力パラメータアイコン706の例示的な選択712が図7に示されている。特に、アイコン706は、乗り手が所望する特定の種類の乗車体験(すなわち、乗り手の特定の「気分」)に基づく乗車目標に対応することができる。
【0107】
図8は、開示された技術の例示的な実施形態に係る、選択された乗車体験入力パラメータにとって望ましい乗車体験タイプを指定するための例示的なユーザインタフェース802を示す。図8では、図7のユーザインタフェース702から乗車体験入力パラメータのアイコン706が選択されたものとする。ユーザインタフェース802は、乗り手に乗車に望まれる特定のタイプの乗車体験を指定するように求めるテキストプロンプト804(及び/又は音声プロンプト)を含むことができる。ユーザインタフェース802は、例示的に、3つの異なる候補乗車体験に対応するグラフィカルアイコンを表示するものとして示されている。しかしながら、他の実施形態では、乗り手が定義することができるカスタム乗車体験を潜在的に含む更なる乗車体験の変形が規定され、ユーザインタフェース802から選択可能であり得ることを理解すべきである。
【0108】
ユーザインタフェース802は、「リラックス」乗車体験を表わす例示的なグラフィカルアイコン806と、「通常」乗車体験を表すグラフィカルアイコン808と、「スーパーヒーロー」乗車体験を表すグラフィカルアイコン810とを含む。アイコン806,808、及び810によって表わされる乗車体験はそれぞれ、乗り手が電動自転車乗車の過程で増大する量の手動ペダル踏み労力を消費することを徐々に必要とする乗車体験に対応することができる。このように、アイコン806,808、及びアイコン810によって表わされる乗車体験は、アイコン806からアイコン810に左から右に移動するとき、乗車体験に対応する乗車中に、速度伝達比範囲のフルオーバードライブ端に向かって徐々に大きく累積シフトすること、及び/又はモータアシストの累積使用が徐々に減少することに対応することができる。「リラックス」乗車体験に対応するグラフィカルアイコン806の例示的な選択812が図8に示されている。「リラックス」乗車体験の実施中、アルゴリズム112は、「通常」及び「スーパーヒーロー」乗車体験と比較して、モータアシストのより大きな使用及び/又はフルアンダードライブの方向にシフトする速度伝達比のより大きな量を含む制御方式を採用することができる。これは、特に、上り坂の地形が横断されている場合に当てはまり得る。
【0109】
図9は、開示された技術の例示的な実施形態に係る、選択された気分/乗車体験のための地形ベースの労力プロファイルを指定するための例示的なユーザインタフェース902を示す。ユーザインタフェース902は、「リラックス」乗車体験に対応するグラフィカルアイコン806が図8のユーザインタフェース802から選択されたと仮定する。ユーザインタフェース902は、乗り手が選択された乗車体験/気分タイプに対して地形ベースの労力プロファイルを指定することを要求するテキストプロンプト904(及び/又は音声プロンプト)を含むことができる。
【0110】
ユーザインタフェース902は、例示的に、3つの異なる地形ベースの労力プロファイルを示す。特に、ユーザインタフェース902は、地形ベースの労力プロファイルに対応するグラフィカルアイコン906を表示し、地形ベースの労力プロファイルに従って、ユーザは、上り坂を移動しながらより多くの手動労力を与え、下り坂を移動しながらより少ない労力を与えることを必要とされる(上り坂を移動しながらより多くのオーバードライブ及び/又はより少ないモータアシスト、及び/又は下り坂を移動しながらより多くのアンダードライブ及び/又はより多くのモータアシストに対応する)。ユーザインタフェース902は、全ての地形にわたって一貫した労力量に対応するグラフィカルアイコン908を更に表示することができる。更に、ユーザインタフェース902は、地形に基づく労力プロファイルに対応するグラフィカルアイコン910を表示することができ、地形に基づく労力プロファイルに従って、ユーザは、上り坂を移動している間はより少ない手動労力及び下り坂を移動している間はより多い労力を与える必要がある(上り坂を移動している間はより多いアンダードライブ及び/又はより多くのモータアシスト、及び/又は下り坂を移動している間はより少ないモータアシストに対応する)。
【0111】
図10は、開示された技術の例示的な実施形態に係る、フィットネス入力パラメータに基づいて電動自転車乗車のための乗車目標を指定するための例示的なユーザインタフェース1002を示す。ユーザインタフェース1002は、図7のユーザインタフェース702からの、フィットネス入力パラメータに基づく乗車目標の選択に対応するグラフィカルアイコン708の選択に応答して、表示装置700上に提示されてもよい。ユーザインタフェース1002は、乗り手が特定の種類のフィットネスベースの入力パラメータを選択することを要求するテキストプロンプト1004(及び/又は音声プロンプト)を提示することができる。
【0112】
ユーザインタフェース1002は、カロリー燃焼乗車目標に対応するグラフィカルアイコン1006、目標心拍数ゾーン乗車目標に対応するグラフィカルアイコン1008、及びこの例ではHIIT乗車目標である別のタイプのフィットネスベースの乗車目標に対応するグラフィカルアイコン1010を含むことができる。どのグラフィカルアイコンが選択されたかに応じて、アルゴリズム214は、選択されたアイコンに対応するフィットネスベースの乗車目標を満たすことを求める制御方式を採用することができる。特に、グラフィカルアイコン1006が選択された場合、アルゴリズム214は、乗り手の所望のカロリー数が乗車中に確実に燃焼されるように、1つ以上の制御変数を動的に調整するための制御方式を採用することができる。同様に、グラフィカルアイコン1008が選択された場合、アルゴリズム214は、乗り手の心拍数が乗車のそれぞれの目標持続時間にわたって様々な目標心拍数ゾーン内に維持されるようにするために、1つ以上の制御変数を動的に調整するための制御方式を採用することができる。また、グラフィカルアイコン1010が選択された場合、制御アルゴリズム214は、例えば、高間隔期間中の乗り手のピーク心拍数の特定の許容範囲内(例えば、10%の許容範囲内)にある心拍数と、乗り手のピーク心拍数の指定された減少された割合の特定の許容範囲内(例えば、乗り手のピーク心拍数の75%の10%以内)にある心拍数との間で乗り手の心拍数が交互に入れ替わるようにするために、1つ以上の制御変数を動的に調整するための制御方式を採用することができる。
【0113】
シナリオの一例では、乗り手がカロリー燃焼乗車目標に対応するグラフィカルアイコン1006の選択1012を行なうと仮定する。これに応答して、図11に示すユーザインタフェース1102を表示装置700上に提示することができる。乗り手は、ユーザインタフェース1102と対話して、指定された目的地に基づいて乗車中に燃焼するカロリーの所望の数を選択することができる。幾つかの実施形態では、ユーザインタフェース1102は、目的地の場所に入るために乗り手1108によって選択可能なフィールド1106を含むことができる。特に、乗り手は、自由形式の入力としてフィールド1106内の目的地の場所に入ることができる。幾つかの実施形態では、インテリジェント検索機能は、乗り手がフィールド1106に文字を入力し始めると、選択可能な候補出発地を識別して乗り手に提示することができる。幾つかの実施形態では、電動自転車の現在位置を囲む位置の地図をユーザインタフェース1102に提示することができ、乗り手は、地図上の特定の地点を選択することによって出発地を指定することができる。幾つかの実施形態では、出発地は、電動自転車の現在位置にデフォルト設定されてもよい。或いは、乗り手は、同じフィールド1106(例えば、目的地の場所に入る前に)又はユーザインタフェース1102に提示された別のフィールドに出発地を入力することができる。幾つかの実施形態では、出発地及び/又は目的地は、以前の履歴位置(例えば、最新の位置)にデフォルト設定されてもよく、お気に入り/過去の場所のリストから選択可能であってもよく、乗り手によって指定されないままにすることができ、その場合、制御アルゴリズム214は、それらを自動的に決定するか、又は指定された乗車入力パラメータに基づいて選択のための候補オプションを乗り手に提供することができる、などである。
【0114】
幾つかの実施形態では、乗車制御アルゴリズム214は、出発地と目的地との間の様々な候補経路を決定することができる。各候補経路は、経路の経過にわたって乗り手によって燃焼されると予想される対応するカロリー数に関連付けられてもよい。各経路に関連するカロリー燃焼は、地形(例えば、傾斜の変化、高度/標高の変化、地形タイプの変化など)などの経路の特性、並びに乗り手の性別、身長、体重、体型などの乗り手の物理的属性の関数であり得る。乗り手の身体属性情報は、生体情報210C及び/又は乗り手プロファイル情報210Dから決定されてもよい。幾つかの実施形態では、ユーザインタフェース1102は、乗り手が物理的属性情報を入力することができる1つ以上の選択可能なフィールドを含むことができる。幾つかの実施形態では、異なる候補カロリー燃焼オプションは、同じ経路に対応するが、経路中に乗り手が費やすことが予想される手動の労力のレベルは異なる。例えば、所与の経路におけるより大きなカロリーの燃焼は、同じ経路におけるより少ないカロリーの燃焼で起こり得るよりも、乗車中の累積的により少ない量のモータアシスト及び/又は累積的により多い量のフルオーバードライブへのシフトに対応し得る。
【0115】
ユーザインタフェース1102は、例示的に、3つのカロリー燃焼オプションを提示する。具体的には、ユーザインタフェース1102は、最も少ない候補消費カロリー数を表わすグラフィカルアイコン1110と、中間の候補消費カロリー数を表わすグラフィカルアイコン1112と、最も高い候補消費カロリー数を表わすグラフィカルアイコン1114とを含む。選択されたアイコンに基づいて、制御アルゴリズムは、乗り手が選択された数のカロリーを燃焼することができるようにするために、地形の変化、交通状況の変化、バッテリ充電の変化などの環境及び/又は動作条件の変化に基づいて、出発地と目的地との間の経路に沿って速度伝達比及びモータアシストレベルなどの制御変数を動的に設定/調整する制御方式を採用することができる。選択されたカロリー数が増大するにつれて、乗車中(及び/又はその特定の部分の間)に提供される累積モータアシストレベルを減少させることができ、及び/又は乗車中(及び/又はその特定の部分の間)に速度伝達比をよりフルオーバードライブに向かってシフトさせて、燃焼カロリー数を増大させることができる。或いは、異なるカロリー燃焼オプションは、乗車中の速度伝達比及び/又はモータアシストの同じ動的制御に対応することができるが、経路の固有の特性(例えば、地形の違い)に起因する横断困難性に関して異なる経路に対応することができる。
【0116】
再びユーザインタフェース1002を参照すると、代替の例示的なシナリオでは、乗り手が目標心拍数ゾーン乗車目標に対応するグラフィカルアイコン1008を選択した場合、図12のユーザインタフェース1202が乗り手に提示され得る。特に、図12は、開示された技術の例示的な実施形態に係る、選択された目標心拍数ゾーン乗車目標の目標パーセンテージを指定するためのユーザインタフェース1202を示す。ユーザインタフェース1202は、目的地の位置の指示、及び乗り手が自分の心拍数を1つ以上の目標心拍数ゾーンのそれぞれに維持したいと望む乗車率のそれぞれの指示などの追加情報を乗り手が提供するように要求するテキストプロンプト1204(及び/又はオーディオプロンプト)を含むことができる。
【0117】
特に、ユーザインタフェース1202は、目的地の場所に入るために乗り手によって選択可能なフィールド1206を含むことができる。ユーザインタフェース1102のフィールド1106と同様に、乗り手は、自由形式入力としてフィールド1206内の目的地の位置を入力することができ、幾つかの実施形態では、フィールド1206内に提供された入力と一致する選択候補の目的地の位置を決定して利用可能にするインテリジェント検索機能を提供することができる。更に、幾つかの実施形態では、電動自転車の現在位置を囲む位置の地図をユーザインタフェース1302に提示することができ、乗り手は、地図上の特定の地点を選択することによって目的地を指定することができる。幾つかの実施形態では、出発地は、電動自転車の現在位置にデフォルト設定されてもよいが、他の実施形態では、乗り手は、同じフィールド1206(例えば、目的地の場所に入る前に)又はユーザインタフェース1202に提示された別のフィールドに出発地を入力することができる。
【0118】
ユーザインタフェース1202は、例示的に、乗り手の年齢を入力するために乗り手によって選択可能なフィールド1208を含むものとして示されている。幾つかの実施形態では、フィールド1208は存在しなくてもよく、その場合、乗り手の年齢は、乗り手プロファイル情報210D及び/又は生体情報210Cから決定されてもよい。幾つかの実施形態では、乗り手が性別、体重、身長、体型(所定の体型のセットに対して選択可能であり得る)などの乗り手の追加の属性情報を入力することができる、1つ以上の追加の選択可能なフィールドをユーザインタフェース1202に提示することができる。或いは、そのような情報は、乗り手プロファイル情報210D及び/又は生体情報210Cから決定されてもよい。
【0119】
ユーザインタフェース1202は、様々な心拍数ゾーンにおける乗車率の目標パーセンテージを指定するためのグラフィック制御要素1210(例えば、スライダ)の集合を更に含むことができる。より具体的には、各スライダは特定の心拍数ゾーンに対応することができ、乗り手は、マーカを範囲に沿って所望のパーセンテージ値まで水平に移動させることによって、自分の心拍数を特定の心拍数ゾーンに維持したい乗車の所望のパーセンテージを指定することができる。幾つかの実施形態では、乗り手は、100%を超える全ての心拍数ゾーンの累積パーセンテージ合計を指定することを禁止されてもよい。スライダは、例示的なグラフィック制御要素として図12に示されているが、乗り手から目標心拍数ゾーン割合を受信するために任意の適切なユーザインタフェース機構を使用できることを理解すべきである。例えば、乗り手は、目標パーセンテージをそれぞれのフィールドに入力したり、ドロップダウンメニューから目標パーセンテージを選択したりすることができる。
【0120】
前述のように、心拍数ゾーンは、「心臓」ゾーン及び「脂肪燃焼」ゾーンなどのフィットネス背景において確立された規定を有するゾーンを含むことができる。各心拍数ゾーンは、乗り手の基準のためにユーザインタフェース1202に示され得る心拍数1212のそれぞれの範囲に対応することができる。各心拍数ゾーンは、特定の乗り手の性別、身長、体重、体型などに合わせて調整することができる。例えば、脂肪燃焼ゾーン(又は心臓ゾーン)に対応する心拍数の特定の範囲は、個々の身体的属性に基づいて乗り手ごとに異なり得る。例えば、脂肪燃焼心拍数ゾーンの境界が、少なくとも部分的に、ピーク心拍数の減少したパーセンテージ(例えば、ピーク心拍数の70%)によって規定される場合、これらの境界は、ピーク心拍数が年齢、フィットネスレベルなどに基づいて異なる可能性が高いため、異なる乗り手ごとに異なり得る。したがって、乗り手の身体属性情報を使用して、各心拍数ゾーンの心拍数範囲を計算することができる。乗り手の身体属性情報はまた、乗り手のピーク心拍数、したがってピーク心拍数を超える任意の心拍数に対応するピーク心拍数ゾーンを計算するために使用されてもよい。更に、幾つかの実施形態では、乗り手は、ユーザインタフェース1202のフィールド1214にカスタム心拍数範囲を入力することによって、カスタム心拍数ゾーンを規定する機能を提供されてもよい。更に、幾つかの実施形態では、乗り手には、乗車中のいかなる時点でも超えてはならない最大心拍数及び/又は乗り手が乗車中に少なくとも閾値期間にわたってその上に留まることを望む最小心拍数を指定する能力が提供されてもよい。
【0121】
再び図7を参照すると、乗り手が乗車属性パラメータに基づいて乗車目標に対応するグラフィカルアイコン710を選択すると、装置700上に1つ以上のユーザインタフェース(図示せず)を提示することができ、このユーザインタフェースを介して乗り手は所望の乗車属性パラメータを規定/指定することができる。乗車属性パラメータは、乗車の終わりに指定されたバッテリ充電量を節約すること、指定された経路を取ること(例えば、景色の良い経路、少なくとも充電ステーションが途中にある経路など)などを含むが、これらに限定されない、前述の乗車属性のタイプのいずれかに対応することができる。次いで、アルゴリズム214は、選択された乗車属性パラメータによって表わされる乗車目標を満たすように試みる制御方式を採用することができる。例えば、乗車属性パラメータがバッテリ充電節約である場合、アルゴリズムは、少なくとも所望のバッテリ充電量が乗車の終わりに残るように、使用されるモータアシストの総量を減少させるために、及び/又は速度伝達比をよりフルアンダードライブ又はフルオーバードライブのいずれかに向かってシフトするために、(特に惰行動作モード408B中及び/又は下り坂区間中に)速度伝達比及びモータアシストなどの制御変数を設定/調整することができる。
【0122】
本明細書で個別に説明される任意の実施形態は、開示された技術の更なる実施形態をもたらすために任意の方法で組み合わせることができることを理解すべきである。更に、任意の特定の実施形態の1つ以上の態様の本明細書における議論は、そのような態様が開示された技術の他の実施形態によっても共有されないことの承認として解釈されるべきではないことを理解すべきである。
【0123】
図13は、コンピューティングデバイス1302の一例の図を示す。幾つかの実施形態では、コンピューティングデバイス1302は、コントローラ112の特定の実装であってもよく、コントローラ112に関連して本明細書で説明される機能の一部又は全てを実行してもよい。他の実施形態では、コンピューティングデバイス1302は、コントローラ112の機能の一部又は全てを実行する、電動自転車100から離れたデバイス(例えば、クラウドベースのサーバ)であってもよい。コンピューティングデバイス1302は、プロセッサ1304と、メモリ1306と、記憶装置1308と、入力装置1310と、通信ネットワークインタフェース1312と、通信チャネル1316に通信可能に結合された出力装置1314とを備える。プロセッサ1304は、実行可能命令(例えば、プログラム)を実行するように構成される。幾つかの例示的な実施形態では、プロセッサ1304は、実行可能命令を処理することができる回路又は任意のプロセッサを含む。
【0124】
メモリ1306は、データを記憶する。メモリ1306の幾つかの例は、RAM、ROM、RAMキャッシュ、仮想メモリなどの記憶装置を含む。様々な実施形態において、作業データはメモリ1306内に記憶される。メモリ1306内のデータは、クリアされてもよく、又は最終的に記憶装置1308に転送されてもよい。
【0125】
記憶装置1308は、データを検索及び記憶するように構成された任意の記憶装置を含む。記憶装置1308の幾つかの例は、フラッシュドライブ、ハードドライブ、光学ドライブ、クラウドストレージ、及び/又は磁気テープを含む。メモリシステム1306及び記憶システム1308のそれぞれは、プロセッサ1304によって実行可能な命令又はプログラムを記憶するコンピュータ可読媒体を備える。
【0126】
入力装置1310は、データ(例えば、マウス及びキーボード)を入力する任意の装置である。出力装置1314は、データ(例えば、スピーカ又はディスプレイ)を出力する。記憶装置1308、入力装置1310、及び出力装置1314はオプションであってもよいことが理解される。例えば、ルータ/切替器は、プロセッサ1304及びメモリ1306、並びにデータ(例えば、通信ネットワークインタフェース1312及び/又は出力装置1314)を受信及び出力するためのデバイスを備えることができる。
【0127】
通信ネットワークインタフェース1312は、リンク1318を介してネットワークに結合することができる。通信ネットワークインタフェース1312は、イーサネット接続、シリアル接続、パラレル接続、及び/又はATA接続を介した通信をサポートすることができる。通信ネットワークインタフェース1312はまた、無線通信(例えば、802.11、WiMax、LTE、5G、WiFi)をサポートすることができる。通信ネットワークインタフェース1312が多くの有線及び無線規格をサポートし得ることは明らかである。
【0128】
コンピューティングデバイス1302のハードウェア要素は、図13に示すものに限定されないことが理解されよう。コンピューティングデバイス1302は、図示されたものより多い又は少ないハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウェア構成要素(例えば、ドライバ、オペレーティングシステム、タッチスクリーン、バイオメトリックアナライザなど)を備えることができる。更に、ハードウェア要素は、機能を共有し、依然として本明細書に記載の様々な実施形態内にあり得る。一例では、符号化及び/又は復号化は、GPU上に配置されたプロセッサ1104及び/又はコプロセッサによって実行され得る。
【0129】
「エンジン」、「システム」、「データストア」、及び/又は「データベース」は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、及び/又は回路を含むことができることが理解される。一例では、プロセッサによって実行可能な命令を含む1つ以上のソフトウェアプログラムは、本明細書に記載のエンジン、データストア、データベース、又はシステムの機能のうちの1つ以上を実行することができる。別の例では、回路は同じ又は同様の機能を実行することができる。代替的な実施形態は、より多くの、より少ない、又は機能的に同等のエンジン、システム、データストア、又はデータベースを含むことができ、依然として本実施形態の範囲内にある。例えば、様々なシステム、エンジン、データストア、及び/又はデータベースの機能は、異なる方法で組み合わせたり分割したりすることができる。データストア又はデータベースは、クラウドストレージを含むことができる。本明細書で使用される「又は」という用語は、包括的又は排他的な意味で解釈され得ることが更に理解され得る。更に、本明細書で単一の事例として説明されるリソース、動作、又は構造に対して複数の事例が与えられてもよい。本明細書に記載のデータストアは、任意の適切な構造(例えば、アクティブデータベース、リレーショナルデータベース、自己参照データベース、テーブル、マトリックス、アレイ、フラットファイル、ドキュメント指向ストレージシステム、非リレーショナルNo-SQLシステムなど)であってもよく、クラウドベース又はその他であってもよい。
【0130】
本明細書に記載のシステム、方法、エンジン、データストア、及び/又はデータベースは、少なくとも部分的にプロセッサ実装されてもよく、特定の1つ以上のプロセッサはハードウェアの一例である。例えば、方法の動作の少なくとも一部は、1つ以上のプロセッサ又はプロセッサ実装エンジンによって実行されてもよい。更に、1つ以上のプロセッサはまた、「クラウドコンピューティング」環境又は「サービスとしてのソフトウェア」(SaaS)として関連する動作の実行をサポートするように動作することができる。例えば、動作の少なくとも一部は、(プロセッサを含むマシンの例として)コンピュータのグループによって実行されてもよく、これらの動作は、ネットワーク(例えば、インターネット)及び1つ以上の適切なインタフェース(例えば、API)を介してアクセス可能である。
【0131】
特定の動作の性能は、単一のマシン内に存在するだけでなく、多数のマシンにわたって展開されたプロセッサ間で分散されてもよい。幾つかの例示的な実施形態では、プロセッサ又はプロセッサ実装エンジンは、単一の地理的位置(例えば、家庭環境、オフィス環境、又はサーバファーム内)に配置されてもよい。他の例示的な実施形態では、プロセッサ又はプロセッサ実装エンジンは、幾つかの地理的位置にわたって分散されてもよい。
【0132】
この明細書の全体にわたって、複数の事例は、単一の事例として説明された構成要素、動作、又は構造を実装することができる。1つ以上の方法の個々の動作は別個の動作として図示されて説明されるが、個々の動作のうちの1つ以上が同時に実行されてもよく、動作が例示された順序で実行されることを必要とするものはない。構成例において別個の構成要素として提示される構造及び機能は、組み合わされた構造又は構成要素として実装されてもよい。同様に、単一の構成要素として提示された構造及び機能は、別個の構成要素として実装されてもよい。これら及び他の変形、修正、追加、及び改良は、本明細書の主題の範囲内にある。
【0133】
以上、例示的な実施形態に関連して本発明が説明される。当業者に明らかなように、本発明のより広い範囲から逸脱することなく、様々な変更を行なうことができ、他の実施形態を使用することができる。したがって、例示的な実施形態のこれら及び他の変形形態は、本発明によって包含されることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】