(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-19
(54)【発明の名称】サンプル検体の検出のための構造体及び方法
(51)【国際特許分類】
G01N 33/543 20060101AFI20240209BHJP
G01N 37/00 20060101ALI20240209BHJP
【FI】
G01N33/543 501Z
G01N37/00 102
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023551150
(86)(22)【出願日】2022-02-22
(85)【翻訳文提出日】2023-10-18
(86)【国際出願番号】 US2022017281
(87)【国際公開番号】W WO2022182643
(87)【国際公開日】2022-09-01
(32)【優先日】2021-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505373306
【氏名又は名称】ソマロジック オペレーティング カンパニー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】ゴピナート アシュウィン
(72)【発明者】
【氏名】ロゼムンド ポール
(72)【発明者】
【氏名】シェティ リシャブ
(72)【発明者】
【氏名】ボーウェン シェーン
(72)【発明者】
【氏名】ガリミディ レイチェル
(57)【要約】
本明細書に提供するのは、サンプルに存在する1又は2以上の検体分子を検出するための構造体及び方法である。一部の実施形態では、1又は2以上の検体分子は、1又は2以上の超分子構造体を用いて検出される。一部の実施形態では、超分子構造体は、単一ディテクター分子の結合を容易にする。一部の実施形態では、安定状態超分子構造体は、検体分子検出及び定量化のための信号を提供するように構成される。一部の実施形態では、信号は、検体分子の検出及び定量化が検体分子の存在をDNA信号に変換する段階を備えるようにDNA信号と相関する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルに存在する検体分子を検出する方法であって、
基板上に又は多孔質母材内に不動化された超分子構造体のアレイを与える段階であって、前記アレイの超分子構造体が、
複数のコア分子を備えるコア構造体、及び
キャプチャーバーコードを通じて前記コア構造体にリンクされたキャプチャー分子、
を備える前記与える段階と、
前記検体分子が前記キャプチャー分子に結合するように、前記サンプルを前記アレイと接触させる段階と、
個々のディテクター分子アセンブリのディテクター分子が前記検体分子に結合して結合検出構造体を形成するように、前記キャプチャー分子に結合された前記検体分子をディテクター分子アセンブリと接触させる段階と、
前記結合検出構造体の前記個々のディテクター分子アセンブリによって発生された信号に基づいて、前記検体分子を検出する段階と、
検出された前記検体分子を前記キャプチャーバーコードのアイデンティティに基づいて前記超分子構造体に関連付ける段階と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記サンプルを前記アレイと接触させた後に、前記アレイの超分子構造体に結合されなかった前記サンプル内の付加的な検体分子を除去する段階を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記結合された検出構造体を形成した後に、前記アレイの超分子構造体に結合されなかったディテクター分子アセンブリを除去する段階を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記検体分子は、蛋白質、ペプチド、ペプチド断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、無機分子、その錯体、又はそのいずれかの組合せを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記アレイの前記超分子構造体は、ナノ構造体であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記コア構造体は、ナノ構造体であることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記コア構造体の複数のコア分子が、予め定められた形状に配置される及び/又は規定の分子量を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記予め定められた形状は、別の超分子構造体との交差反応性を制限する又は防止するように構成されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記コア構造体は、骨格デオキシリボ核酸(DNA)オリガミ、骨格リボ核酸(RNA)オリガミ、骨格ハイブリッドDNA:RNAオリガミ、単一ストランドDNAタイル構造体、多重ストランドDNAタイル構造体、単一ストランドRNAオリガミ、多重ストランドRNAタイル構造体、複数の骨格を有する階層構成DNA又はRNAオリガミ、ペプチド構造体、又はその組合せを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記キャプチャーバーコードは、第1のキャプチャーリンカーと、第2のキャプチャーリンカーと、前記第1及び第2のキャプチャーリンカー間に配置されたキャプチャーブリッジとを備え、
前記第1のキャプチャーリンカーは、前記コア構造体上の第1の場所に結合された第1のコアリンカーに結合され、
前記キャプチャー分子と前記第2のキャプチャーリンカーは、第3のキャプチャーリンカーに結合することを通して互いにリンクされる、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記個々の超分子構造体の前記キャプチャー分子は、前記検体分子に対する結合特異性を有し、
前記アレイの少なくとも1つの他の超分子構造体の第2のキャプチャー分子が、前記検体分子に対する結合特異性を持たない、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記アレイの前記超分子構造体のそれぞれのキャプチャー分子が、それぞれの異なる検体分子に対する異なる結合特異性を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ディテクター分子アセンブリの前記ディテクター分子は、前記検体分子に対する結合特異性を有し、
前記ディテクター分子アセンブリの他のディテクター分子が、前記検体分子に対する結合特異性を持たない、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記ディテクター分子アセンブリのディテクター分子が、それぞれの異なる検体分子に対する異なる結合特異性を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記ディテクター分子アセンブリのディテクター分子が、前記超分子構造体の前記キャプチャー分子に結合されたいずれの検体分子に対しても結合特異性を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記ディテクター分子アセンブリのディテクター分子が、前記超分子構造体に対する結合特異性を持たないことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記超分子構造体のアイデンティティを決定するために前記キャプチャーバーコードの核酸配列を決定する段階を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記超分子構造体の決定された前記核酸配列を前記アレイ上の場所に関連付ける段階を備えることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
検出された前記検体分子を前記キャプチャーバーコードの前記アイデンティティに基づいて前記超分子構造体に関連付ける段階は、前記信号の場所を前記核酸配列の前記アレイ上の前記場所に関連付ける段階を備えることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記信号は、前記ディテクター分子アセンブリの反応分子によって発生された光学的、磁気的、及び/又は電気的に検出可能な信号であることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記信号は、前記ディテクター分子アセンブリのディテクターバーコードの配列であることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項22】
サンプル内の1又は2以上の検体分子を検出するためのアレイであって、
基板と、
前記基板上に不動化された複数の超分子構造体であって、前記複数の超分子構造体の個々の超分子構造体が、
(a)複数のコア分子を備えるコア構造体であって、基板に結合された又はアンカー分子によって前記基板にリンクされた前記コア構造体と、
(b)キャプチャーバーコードであって、前記キャプチャーバーコードの第1の端部で前記コア構造体に直接的又は間接的に結合され、前記基板から全体的に離れるように延びる前記キャプチャーバーコードと、
(c)前記キャプチャーバーコードの第2の端部で当該キャプチャーバーコードに結合されたキャプチャー分子であって、検体分子に結合するように構成された前記キャプチャー分子と、
を備える前記複数の超分子構造体と、
を備えることを特徴とするアレイ。
【請求項23】
前記複数の超分子構造体の各コア構造体は、互いに同一であることを特徴とする請求項22に記載の基板。
【請求項24】
各超分子構造体は、固有キャプチャーバーコードを有することを特徴とする請求項22に記載の基板。
【請求項25】
前記基板は、中実構造体又は多孔質母材を備えることを特徴とする請求項22に記載の基板。
【請求項26】
各超分子構造体は、ナノ構造体であることを特徴とする請求項22に記載の基板。
【請求項27】
各コア構造体は、ナノ構造体であることを特徴とする請求項22に記載の基板。
【請求項28】
各コア構造体のための前記複数のコア分子は、予め定められた形状に配置される及び/又は規定の分子量を有することを特徴とする請求項22に記載の基板。
【請求項29】
前記コア構造体は、前記基板に直接的に結合されることを特徴とする請求項22に記載の基板。
【請求項30】
前記複数の超分子構造体のそれぞれの超分子構造体に結合された複数の検体分子を備えることを特徴とする請求項22に記載の基板。
【請求項31】
前記複数の検体分子のそれぞれの検体分子に結合された複数のディテクター分子アセンブリを備えることを特徴とする請求項30に記載の基板。
【請求項32】
各ディテクター分子アセンブリは、1又は2以上のリンカーを備えるディテクターバーコードに結合されたディテクター分子を備えることを特徴とする請求項31に記載の基板。
【請求項33】
各ディテクター分子アセンブリは、前記ディテクターバーコードによって前記ディテクター分子に結合されたコア構造体を備えることを特徴とする請求項33に記載の基板。
【請求項34】
前記基板は、多孔質母材を備えることを特徴とする請求項22に記載の基板。
【請求項35】
前記多孔質母材は、ヒドロゲルを備えることを特徴とする請求項34に記載の基板。
【請求項36】
前記基板は、平面基板を備えることを特徴とする請求項22に記載の基板。
【請求項37】
前記個々の超分子構造体は、ただ1つのキャプチャー分子を備えることを特徴とする請求項22に記載の基板。
【請求項38】
サンプル内の1又は2以上の検体分子を検出するための基板であって、
互いから離間した複数の結合サイトを備えるパターン付き基板と、
前記複数の結合サイトの各結合サイトに関連付けられた単一超分子構造体であって、
複数のコア分子を備えるコア構造体であって、基板に結合された又はアンカー分子によって前記基板にリンクされた前記コア構造体、
キャプチャーバーコードであって、前記キャプチャーバーコードの第1の端部で前記コア構造体に直接的又は間接的に結合され、前記基板から全体的に離れるように延びる前記キャプチャーバーコード、及び
前記キャプチャーバーコードの第2の端部で当該キャプチャーバーコードに結合されたキャプチャー分子であって、検体分子に結合するように構成された前記キャプチャー分子、
を含む前記単一超分子構造体と、
を備えることを特徴とする基板。
【請求項39】
前記パターン付き基板上に又は内に配置され、前記超分子構造体に関する場所情報を提供するために検出システムによって検出可能である1又は2以上の基準マーカーを備えることを特徴とする請求項38に記載の基板。
【請求項40】
前記複数の結合サイトを分離する前記パターン付き基板上の不動態領域を備えることを特徴とする請求項38に記載の基板。
【請求項41】
前記複数の結合サイトの各結合サイトが、前記単一超分子構造体を受け入れるようなサイズを有することを特徴とする請求項38に記載の基板。
【請求項42】
サンプル内の1又は2以上の検体分子を検出するためのアレイであって、
複数の結合サイトを備えるパターン付き基板と、
前記複数の結合サイトの各結合サイトに関連付けられた超分子構造体であって、
複数のコア分子を備えるコア構造体であって、基板に結合された又はアンカー分子によって前記基板にリンクされた前記コア構造体、
キャプチャーバーコードであって、前記キャプチャーバーコードの第1の端部で前記コア構造体に直接的又は間接的に結合され、前記基板から全体的に離れるように延びる前記キャプチャーバーコード、及び
前記キャプチャーバーコードの第2の端部で当該キャプチャーバーコードに結合されたキャプチャー分子であって、検体分子に結合するように構成された前記キャプチャー分子、
を含む前記超分子構造体と、
を備えることを特徴とするアレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンプル検体の検出のための構造体及び方法に関する。
〔関連出願への相互参照〕
本出願は、これにより本明細書に引用によってその開示が全体的に組み込まれる2021年2月23日出願の「サンプル検体の検出のための構造体及び方法(STRUCTURE AND METHODS FOR DETECTION OF SAMPLE ANALYTES)」という名称の米国仮特許出願第63/152,607号に対する優先権及びその利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
個人化されたヘルスケアの現状は、主として個人内に存在する遺伝子を定量化することに主眼を置いた圧倒的にゲノム中心的なものである。そのような手法は、非常に強力であることが見出されているが、個人の健康の全体像を臨床医に提供するわけではない。なぜならば、遺伝子は個人の「設計図」であり、それは、病気を発症する可能を単に伝えるだけだからである。個人の健康に対していずれかの効果を有するように、個人内でこれらの「設計図」は、最初にRNAに転写され、次に細胞内の実際の「アクター」である様々な蛋白質分子に翻訳される必要がある。
【0003】
蛋白質の濃度、蛋白質間の相互作用(蛋白質-蛋白質相互作用又はPPI)、並びに蛋白質と他の分子間の相互作用は、様々な臓器の健康、恒常性維持機構、及びこれらのシステムと外部環境との相互作用に複雑に結び付いている。従って、所与の時点での個人の健康の全体像を生成するために、並びに新たに出現するいずれかの健康問題を予想するために、蛋白質及びPPIのような蛋白質相互作用に関する定量的な情報が非常に重要である。例えば、心筋が受けるストレス量(例えば、心臓発作中)は、末梢血中に存在するトロポニンI/II及びミオシン軽鎖の濃度を測定することによって推量することができる。広範な臓器機能障害(例えば、肝臓疾患及び甲状腺異常)、特定の癌(例えば、結腸直腸癌又は前立腺癌)、及び感染性疾患(例えば、HIV及びジカウイルス)に関して類似の蛋白質バイオマーカーも識別され、検証され、導入展開されている。これらの蛋白質間の相互作用は、薬物開発に対しても不可欠であり、高度に求められるデータセットになっている。所与の体液サンプル内の蛋白質と他の分子との蛋白質相互作用とを検出して定量化する機能は、そのようなヘルスケア発展の不可欠な構成要素である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の開示は、一般的にサンプル内の検体分子の検出及び定量化のためのシステム、構造体、及び方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に提供するのは、一部の実施形態では、サンプルに存在する検体分子を検出する方法であり、本方法は、a)複数のコア分子を備えるコア構造体と、コア構造体に第1の場所でリンクされたキャプチャー分子とを備える超分子構造体を与える段階と、b)サンプルを超分子構造体に接触させる段階と、c)ディテクター分子アセンブリを与える段階と、d)ディテクター分子アセンブリによって提供された信号と超分子構造体によって提供された関連信号とに基づいて検体分子を検出する段階とを備える。
【0006】
一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法も、サンプル内の検体分子の濃度を定量化する段階を更に備える。一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法も、検出検体分子を識別する段階を更に備える。一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法も、検体分子が単一分子計数値又はそれよりも多くサンプルに存在する時に信号に基づいて検体分子を検出する段階を更に備える。一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に関しても、サンプルは複合生体サンプルを備え、本方法は、単一分子感度を与え、それによって複合生体サンプル内での様々な分子濃度のダイナミックレンジ及び定量的捕捉を増大する。一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に関しても、検体分子は、蛋白質、ペプチド、ペプチド断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、無機分子、その錯体、又はそのいずれかの組合せを備える。一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に関しても、各超分子構造体は、ナノ構造体である。
【0007】
一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に関しても、各コア構造体は、ナノ構造体である。一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に関しても、各コア構造体のための複数のコア分子は、予め定められた形状に配置される及び/又は規定の分子量を有する。一部の実施形態では、予め定められた形状は、別の超分子構造体との交差反応性を制限又は防止するように構成される。一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に関しても、各コア構造体のための複数のコア分子は、1又は2以上の核酸ストランド、1又は2以上の分枝核酸、1又は2以上のペプチド、1又は2以上の小分子、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に関しても、各コア構造体は、骨格デオキシリボ核酸(DNA)オリガミ、骨格リボ核酸(RNA)オリガミ、骨格ハイブリッドDNA:RNAオリガミ、単一ストランドDNAタイル構造体、多重ストランドDNAタイル構造体、単一ストランドRNAオリガミ、多重ストランドRNAタイル構造体、複数の骨格を有する階層構成DNAオリガミ又はRNAオリガミ、ペプチド構造体、又はその組合せを独立に備える。
【0008】
一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に関しても、それぞれの検体分子は、1)化学結合を通してそれぞれの超分子構造体のキャプチャー分子に結合され、及び/又は2)化学結合を通してディテクター分子アセンブリのディテクター分子に結合される。一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に関しても、キャプチャー分子とディテクター分子は、蛋白質、ペプチド、抗体、アプタマー(RNA及びDNA)、フルオロフォア、darpin、触媒、重合開始剤、PEGのようなポリマー、又はその組合せを独立に備える。一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に関しても、各超分子構造体に関して、a)キャプチャー分子は、キャプチャーバーコードを通してコア構造体にリンクされ、キャプチャーバーコードは、第1のキャプチャーリンカーと、第2のキャプチャーリンカーと、第1のキャプチャーリンカーと第2のキャプチャーリンカー間に配置されたキャプチャーブリッジとを備え、第1のキャプチャーリンカーは、コア構造体上の第1の場所に結合された第1のコアリンカーに結合され、キャプチャー分子と第2のキャプチャーリンカーは、第3のキャプチャーリンカーへの結合を通して互いにリンクされ、b)ディテクター分子アセンブリは、ディテクターバーコードを含み、ディテクターバーコードは、1又は2以上のリンカーを備える。一部の実施形態では、キャプチャーブリッジとディテクター分子アセンブリは、独立にポリマーコアを備える。一部の実施形態では、キャプチャーブリッジのポリマーコアとディテクター分子アセンブリのポリマーコアは、特定配列の核酸(DNA又はRNA)又はPEGのようなポリマーを独立に備える。
【0009】
一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に関しても、各超分子構造体は、コア構造体にリンクされたアンカー分子を更に備える。一部の実施形態では、アンカー分子は、アンカーバーコードを通してコア構造体にリンクされ、アンカーバーコードは、第1のアンカーリンカーと、第2のアンカーリンカーと、第1のアンカーリンカーと第2のアンカーリンカー間に配置されたアンカーブリッジとを備え、第1のアンカーリンカーは、コア構造体上の第3の場所に結合された第3のコアリンカーに結合され、アンカー分子は、第2のアンカーリンカーにリンクされる。一部の実施形態では、アンカー分子は、アミン、チオール、DBCO、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、NHSエステル、特定配列の単一ストランド核酸(RNA又はDNA)、PEGのような1又は2以上のポリマー、重合開始剤、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、アンカーブリッジは、ポリマーコアを備える。一部の実施形態では、アンカーブリッジのポリマーコアは、特定配列の核酸(DNA又はRNA)又はPEGのようなポリマーを備える。一部の実施形態では、第3のコアリンカーと、第1のアンカーリンカーと、第2のアンカーリンカーと、アンカー分子とは、独立にアンカー反応分子又はDNA配列ドメインを備える。一部の実施形態では、各アンカー反応分子は、アミン、チオール、DBCO、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、NHSエステル、特定配列の単一ストランド核酸(RNA又はDNA)、PEGのような1又は2以上のポリマー、重合開始剤、又はその組合せを独立に備える。一部の実施形態では、アンカー分子は、化学結合を通して第2のアンカーリンカーにリンクされる。一部の実施形態では、アンカー分子は、第2のアンカーリンカーに共有結合される。
【0010】
一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に関しても、信号は、ディテクター分子アセンブリに結合された検体に結合された超分子構造体に対応するディテクターバーコード、キャプチャーバーコード、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、各ディテクターバーコードは、ディテクター分子に対応するDNA信号を提供し、かつそれぞれのディテクター分子に結合された検体分子に対するディテクター分子の特異性を示す情報を提供する。一部の実施形態では、ディテクターバーコードは、遺伝子型決定、qPCR、配列分析、又はその組合せを用いて分析される。一部の実施形態では、サンプル内の複数の検体分子は、多重化によって同時に検出される。一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に関しても、各超分子構造体のためのキャプチャー分子及びディテクター分子は、1又は2以上の特定タイプの検体分子に結合するように構成される。
【0011】
一部の実施形態では、本明細書に開示する複数の超分子構造体を使用する段階を備えるいずれの方法に関しても、複数の超分子構造体の各コア構造体は、互いに同一である。一部の実施形態では、各超分子構造体は、複数の超分子構造体間の交差反応を低減するか又は排除するような規定の形状、サイズ、分子量、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、各超分子構造体は、複数のキャプチャー分子を備える。一部の実施形態では、各超分子構造体は、複数の超分子構造体間の交差反応を低減するか又は排除するようなキャプチャー分子とディテクター分子との規定の化学量論を備える。
【0012】
一部の実施形態では、1又は2以上の超分子構造体は、ヒドロゲル多孔質母材に付着される。一部の実施形態では、各超分子構造体は、対応する超分子構造体のそれぞれのコア構造体にリンクされた対応するアンカー分子を通してヒドロゲルと共重合される。一部の実施形態では、1又は2以上の超分子構造体は、ヒドロゲル内に埋め込まれる。一部の実施形態では、複数の超分子構造体は、成形基板又は平面基板のような基板上に配置され、基板は、複数の結合サイトを備え、各結合サイトは、対応する超分子構造体とリンクするように構成される。一部の実施形態では、複数の超分子構造体は、同じ検体分子を検出するように構成される。一部の実施形態では、基板を使用する段階を備えるいずれの方法に関しても、本方法は、ディテクター分子とリンクされた複数の信号送信要素を与える段階を備える。一部の実施形態では、各信号送信要素は、蛍光分子又はマイクロビーズ、蛍光ポリマー、高荷電のナノ粒子又はポリマーを備える。一部の実施形態では、複数の超分子構造体のうちの少なくとも1つの超分子構造体は、他の超分子構造体と異なる検体分子を検出するように構成される。
【0013】
一部の実施形態では、平面基板を使用する段階を備えるいずれの方法に関しても、本方法は、平面基板上の各超分子構造体の場所を識別するために各超分子構造体にバーコード付けする段階を更に備える。一部の実施形態では、平面基板を使用する段階を備えるいずれの方法に関しても、本方法は、ディテクター分子とリンクするように構成された本明細書で提供する複数の信号送信要素を与える段階を備える。
【0014】
一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に関しても、サンプルは、生体粒子又は生体分子を備える。一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に関しても、サンプルは、蛋白質、ペプチド、ペプチド断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、ウイルス粒子、エキソソーム、細胞小器官、又はこれらのいずれかの錯体を備える水溶液を備える。一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に関しても、サンプルは、組織生検材料、血液、血漿、尿、唾液、涙液、脳脊髄液、細胞外液、培養細胞、培養基、廃棄組織、植物体、合成蛋白質、プリオン、細菌及び/又はウイルスのサンプル、又は真菌組織、又はその組合せを備える。サンプルは、それを本明細書で提供する超分子構造体に接触させる前に細胞から検体を放出するか又は他に分析に向けてサンプルを調製するように処理することができる。サンプルは、廃水又は土サンプルのような環境サンプルとすることができる。サンプルは、非生体サンプルとすることができる。一部の実施形態では、サンプルは、化学処理段階からのサンプル、食物サンプル又は栄養成分、又はパッケージング成分とすることができる。
【0015】
本明細書に提供するのは、一部の実施形態では、サンプル内の1又は2以上の検体分子を検出するための基板であり、基板は、a)複数のコア分子を備えるコア構造体と、b)超分子コアにリンクされたキャプチャー分子とを各々が備える複数の超分子構造体を備える。
【0016】
一部の実施形態では、複数の超分子構造体の各コア構造体は、互いに同一である。一部の実施形態では、基板は、中実支持体、中実基板、ポリマー母材、又は分子凝縮物を備える。一部の実施形態では、サンプルは、複合生体サンプルを備え、本方法は、単一分子感度を与え、それによって複合生体サンプル内での様々な分子濃度のダイナミックレンジ及び定量的捕捉を増大する。一部の実施形態では、1又は2以上の検体分子は、蛋白質、ペプチド、ペプチド断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、無機分子、その錯体、又はそのいずれかの組合せを備える。一部の実施形態では、各超分子構造体は、ナノ構造体である。一部の実施形態では、各コア構造体は、ナノ構造体である。一部の実施形態では、各コア構造体のための複数のコア分子は、予め定められた形状に配置される及び/又は規定の分子量を有する。一部の実施形態では、予め定められた形状は、別の超分子構造体との交差反応性を制限又は防止するように構成される。一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に関しても、各コア構造体のための複数のコア分子は、1又は2以上の核酸ストランド、1又は2以上の分枝核酸、1又は2以上のペプチド、1又は2以上の小分子、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、各コア構造体は、骨格デオキシリボ核酸(DNA)オリガミ、骨格リボ核酸(RNA)オリガミ、骨格ハイブリッドDNA:RNAオリガミ、単一ストランドDNAタイル構造体、多重ストランドDNAタイル構造体、単一ストランドRNAオリガミ、多重ストランドRNAタイル構造体、複数の骨格を有する階層構成DNAオリガミ又はRNAオリガミ、ペプチド構造体、又はその組合せを独立に備える。一部の実施形態では、それぞれの検体分子は、1)化学結合を通してキャプチャー分子に結合され、及び/又は2)化学結合を通してディテクター分子に結合される。一部の実施形態では、キャプチャー分子とディテクター分子は、蛋白質、ペプチド、抗体、アプタマー(RNA及びDNA)、フルオロフォア、darpin、触媒、重合開始剤、PEGのようなポリマー、又はその組合せを独立に備える。
【0017】
一部の実施形態では、基板の各超分子構造体に関して、a)キャプチャー分子は、キャプチャーバーコードを通してコア構造体にリンクされ、キャプチャーバーコードは、第1のキャプチャーリンカーと、第2のコアリンカーと、第1のキャプチャーリンカーと第2のコアリンカー間に配置されたキャプチャーブリッジとを備え、第1のキャプチャーリンカーは、コア構造体上の第1の場所に結合された第1のコアリンカーに結合され、キャプチャー分子と第2のコアリンカーは、第3のキャプチャーリンカーへの結合を通して互いにリンクされる。キャプチャー分子は、ディテクター分子アセンブリのディテクター分子に結合する検体に結合する。一部の実施形態では、ディテクター分子アセンブリは、キャプチャー分子にリンクされず、かつ基板上に不動化されない個別の超分子構造体を備える。
【0018】
一部の実施形態では、キャプチャー分子を備える超分子構造体は、基板材料と直接的に相互作用して超分子構造体を基板上に不動化する。一部の実施形態では、キャプチャー分子を備える超分子構造体は、コア構造体にリンクされた本明細書で提供するアンカー分子を更に備え、アンカー分子は、基板にリンクされて超分子構造体を基板上に不動化する。
【0019】
一部の実施形態では、基板から読み取られるか又は検出される信号は、光センサ、磁気センサ、及び/又は電気センサを用いて分析することができるディテクターバーコード、キャプチャーバーコード、又はその組合せを備える。検出技術は、電気化学感知、遺伝子型決定、qPCR、配列分析、又はその組合せを含む。一部の実施形態では、1又は2以上の超分子構造体は、サンプルを多重化するように構成され、サンプル内の複数の検体分子が同時に検出される。一部の実施形態では、各超分子構造体のためのキャプチャー分子は、1又は2以上の特定タイプの検体分子に結合するように構成される。
【0020】
一部の実施形態では、サンプルは、複合生体サンプルを備え、本方法は、単一分子感度を与え、それによって複合生体サンプル内での様々な分子濃度のダイナミックレンジ及び定量的捕捉を増大する。一部の実施形態では、検体分子は、蛋白質、ペプチド、ペプチド断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、無機分子、その錯体、又はそのいずれかの組合せを備える。一部の実施形態では、超分子構造体は、ナノ構造体である。一部の実施形態では、コア構造体は、ナノ構造体である。一部の実施形態では、超分子構造体は、別の超分子構造体との交差反応を低減するか又は排除するような規定の形状、サイズ、分子量、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、超分子構造体は、複数のキャプチャー分子を備える。
【0021】
一部の実施形態では、コア構造体のための複数のコア分子は、予め定められた形状に配置される及び/又は規定の分子量を有する。一部の実施形態では、予め定められた形状は、別の超分子構造体との交差反応性を制限又は防止するように構成される。一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に関しても、各コア構造体のための複数のコア分子は、1又は2以上の核酸ストランド、1又は2以上の分枝核酸、1又は2以上のペプチド、1又は2以上の小分子、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、コア構造体は、骨格デオキシリボ核酸(DNA)オリガミ、骨格リボ核酸(RNA)オリガミ、骨格ハイブリッドDNA:RNAオリガミ、単一ストランドDNAタイル構造体、多重ストランドDNAタイル構造体、単一ストランドRNAオリガミ、多重ストランドRNAタイル構造体、複数の骨格を有する階層構成DNAオリガミ又はRNAオリガミ、ペプチド構造体、又はその組合せを独立に備える。
【0022】
ここで、本発明の開示のデバイス、送出システム、又は方法の特定の実施形態を図面を参照して以下に説明する。詳細説明のいずれも、いずれかを特定の構成要素、特徴、又は段階が本発明に対して不可欠であることを示唆するように意図したものではない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の開示の実施形態による超分子構造体及び関連の部分構成要素を示す図である。
【
図2】本発明の開示の実施形態による超分子構造体を関連の検体及びディテクター分子アセンブリと共に示す図である。
【
図3】本発明の開示の実施形態による
図1の超分子構造体を関連の検体及びディテクター分子アセンブリと共に示す図である。
【
図4】本発明の開示の実施形態によるディテクターコア構造体を備える超分子構造体を関連の検体及びディテクター分子アセンブリと共に示す図である。
【
図5】本発明の開示の実施形態による検体への超分子構造体及びディテクター分子アセンブリの特定結合を示す図である。
【
図6】本発明の開示の実施形態による超分子構造体への特定結合を示さない検体を示す図である。
【
図7】本発明の開示の実施形態による超分子構造体アレイへの検体及びディテクターの結合に関するワークフローを示す図である。
【
図8】本発明の開示の実施形態による検体検出と併用される例示的キャプチャー分子識別を示す図である。
【
図9】本発明の開示の実施形態による検体検出の例を示す図である。
【
図10】本発明の開示の実施形態による検体検出の例を示す図である。
【
図11】本発明の開示の実施形態による検体検出に使用することができる超分子構造体アレイの例を示す図である。
【
図12】本発明の開示の実施形態による検体検出に使用することができる超分子構造体アレイの例を示す図である。
【
図13】本発明の開示の実施形態による検体検出に使用することができる超分子構造体アレイの例を示す図である。
【
図14】本発明の開示の実施形態による抗原検出に使用することができる超分子構造体アレイの例を示す図である。
【
図15】本発明の開示の実施形態による検体検出に使用することができる例示的多孔質母材超分子構造体アレイを示す図である。
【
図16】本発明の開示の実施形態による例示的検体検出システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書に開示するのは、サンプルに存在する1又は2以上の検体分子を検出するための構造体及び方法である。一部の実施形態では、1又は2以上の検体分子は、1又は2以上の超分子構造体による捕捉に基づいて検出される。一部の実施形態では、1又は2以上の超分子構造体は、サンプルに存在する検体に特異的に結合するキャプチャー分子を備える又はそれにリンクされる。結合された検体は、次に、固有識別子(例えば、核酸配列、ペプチド、ポリサッカリド、アクリダイト)のような検出可能部分を有するディテクター分子アセンブリのディテクター分子と及び/又は検出することができる(例えば、光学的、電気的、磁気的に)他の分子を備えるそれと相互作用するか又はそれに接合するのに使用することができる分子と相互作用する。一部の実施形態では、ディテクター分子アセンブリは、DNA信号を発生させ、この場合に、キャプチャー分子への検体分子の結合の検出及び定量化は、超分子構造体の固有識別子の増幅によって検体分子の存在をDNA信号に変換する段階を備える。一部の実施形態では、ディテクター分子アセンブリは、基板を光学的に検出可能な信号に変換する酵素にリンクされる。一部の実施形態では、超分子構造体は、基板にリンクされた又はその上に不動化された核酸オリガミである。一部の実施形態では、超分子構造体は、キャプチャー分子に対する固有識別子を含んでキャプチャー分子を超分子構造体の骨格にリンクするバーコードを通してキャプチャー分子を保持する。
【0025】
一部の実施形態では、本発明の開示の技術は、超分子構造体と関連のキャプチャー分子が、キャプチャーエンティティとして作用し、ディテクター分子アセンブリが、検出信号を生成するのに使用される検出エンティティとして作用する(例えば、検出システムのセンサを用いて感知される適切な検出試薬と反応した時)単一分子酵素リンク免疫吸着アッセイ(ELISA)を可能にする。キャプチャーエンティティとしての超分子構造体の使用は、特異的識別を可能にし、かつ複数の実施形態では基板上に不動化された各個々のキャプチャー分子の場所マッピングを可能にする。更に、超分子構造体は、単一分子結合を可能にするために基板の上又は多孔質材料内で組織化されるように構成される。
【0026】
すなわち、本明細書に提供するように、複数の異なる検体から構成される検体プールの結合特性を特徴付けたアッセイ結果を生成するために、検出可能検体の結合を基板上の多くの異なるキャプチャー分子内の個々のキャプチャー分子に関連付けることができる。この関連付けにより、特性不明の検体組成を有するサンプルを特定の着目検体の存在及び/又は濃度に関して分析することを可能にする。例えば、ヒトサンプルを特徴付けて既知の感染性疾患抗原パネルに対応するような抗原キャプチャー分子のパネル内の一定の抗原への結合特異性を有する抗体の存在及び/又は濃度を決定することができる。このアッセイ結果は、特定の抗原に関する陽性結合結果を示すことができ、この結果は、サンプルを提供した被検者での抗体の存在を示している。別の実施形態では、サンプル内の検体のアイデンティティが少なくとも部分的に既知である場合があるが、特定のキャプチャー分子プールに対する結合親和性が特徴付けられていない場合がある。例えば、キャプチャー分子を薬物候補セットとすることができ、検体を人血中の分子とすることができる。そのような蛋白質への薬物候補の結合を用いて生体利用率又は潜在的なオフ-ターゲット結合を評価することができる。このアッセイ結果は、特定の薬物候補に関する陽性結合結果を示す場合があり、次に、この結果を特定の検体に対して特定のディテクターの結合の識別(例えば、当該検体に対して特定抗体を含むディテクター分子アセンブリ内のバーコードの識別による結合識別)に基づいてマップすることができる。
【0027】
従来のELISA実施手順は、検出抗体にリンクされた酵素が生成する検出可能蛍光信号を結合のインジケータとして備える場合があるが、本発明の開示の技術は、これに加えて又はこれに代えて、ディテクター分子アセンブリの固有識別子から増幅核酸信号を生成することができ、この信号から配列情報を決定することができ、又は増幅(例えば、固有識別子に対して特定プライマー/プローブセットを使用するqPCR)に対応する光学的に検出可能な信号が放出される。すなわち、ある一定の実施形態では、ディテクター分子アセンブリに関する固有識別情報は、結合された検体を通してキャプチャー分子にリンクされた特定のディテクター分子の特定識別を可能にする。しかし、実施形態では、ディテクター分子アセンブリは、固有識別子を保持しない場合がある。他の検出技術は、光学的、磁気的、及び/又は電気的な検出技術を含むことができる。
【0028】
サンプル
本発明の開示の実施形態は、検体が生体サンプルのようなサンプルに存在する場合の検体検出に関する。一部の実施形態では、サンプルは、蛋白質、ペプチド、ペプチド断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、無機分子、その錯体、又はそのいずれかの組合せを備える水溶液を備える。一部の実施形態では、サンプル内の検体分子は、蛋白質、ペプチド、ペプチド断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、無機分子、その錯体、又はそのいずれかの組合せを備える。一部の実施形態では、検体分子は、無傷の蛋白質、変性蛋白質、部分的又は完全に分解した蛋白質、ペプチド断片、変性核酸、分解した核酸断片、その錯体、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、サンプルは、組織、細胞、組織及び/又は細胞の環境、又はその組合せから得られる。一部の実施形態では、サンプルは、組織生検材料、血液、血漿、尿、唾液、涙液、脳脊髄液、細胞外液、培養細胞、培養基、廃棄組織、植物体、合成蛋白質、細菌サンプル、ウイルスサンプル、真菌組織、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、サンプルは、細胞、組織、体液(例えば、血液)、環境サンプル、又はその組合せのような主供給源から精製によって又はよらずに単離される。一部の実施形態では、細胞は、機械的処理又は他の細胞溶手法(例えば、溶解緩衝液)を用いて溶解される。一部の実施形態では、サンプルは、機械的処理(例えば、遠心分離)、ミクロン濾過、クロマトグラフィーコラム、他の濾過法、又はその組合せを用いて濾過される。一部の実施形態では、サンプルは、1又は2以上の核酸又は1又は2以上の蛋白質を取り出すために1又は2以上の酵素を用いて処理される。一部の実施形態では、サンプルは、無傷の蛋白質、変性蛋白質、部分的又は完全に分解した蛋白質、ペプチド断片、変性核酸、又は分解した核酸断片を備える。一部の実施形態では、サンプルは、1又は2以上の個人、1又は2以上の動物、1又は2以上の植物、又はその組合せから採取される。一部の実施形態では、サンプルは、感染性疾患、免疫異常、癌、遺伝子疾患、変性疾患、生活習慣疾患、損傷、希少疾患、加齢関連疾患、又はその組合せを備える疾患又は異常を有する個人、動物、及び/又は植物から採取される。
【0029】
超分子構造体
一部の実施形態では、超分子構造体は、分子を空間的に組織化することができるプログラム可能な構造体である。一部の実施形態では、超分子構造体は、互いにリンクされた複数の分子を備える。一部の実施形態では、超分子構造体の複数の分子は、互いの少なくとも一部と相互作用する。一部の実施形態では、超分子構造体は、特定の形状を備える。一部の実施形態では、超分子ナノ構造体は、その複数の分子に基づく規定の分子量を備える。一部の実施形態では、超分子構造体は、ナノ構造体である。一部の実施形態では、複数の分子は、結合、化学結合、物理的付着、又はその組合せによって互いにリンクされる。一部の実施形態では、超分子構造体は、互いに特異的に相互作用する明確な個数のより小さい分子から形成された特定の形状及び分子量を有する大きい分子エンティティを備える。一部の実施形態では、超分子構造体の構造的、化学的、及び物理的な性質は、明確に設計される。一部の実施形態では、超分子構造体は、規定距離に従って離間した複数の部分構成要素を備える。一部の実施形態では、超分子構造体の少なくとも一部分は、剛性を有する。一部の実施形態では、超分子構造体の少なくとも一部分は、可撓性を有する。
【0030】
図1は、コア構造体13と、キャプチャー分子2と、アンカー分子18とを備える超分子構造体40の例示的実施形態を提供している。一部の実施形態では、超分子構造体は、1又は2以上のキャプチャー分子2を備え、任意的に1又は2以上のアンカー分子18を備える。一部の実施形態では、超分子構造体は、アンカー分子を備えない。一部の実施形態では、超分子構造体は、ポリヌクレオチド構造体である。
【0031】
一部の実施形態では、コア構造体13は、互いにリンクされた1又は2以上のコア分子を備える。一部の実施形態では、1又は2以上のコア分子は、互いにリンクされた2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、20個、50個、100個、200個、又は500個の固有分子を備える。一部の実施形態では、1又は2以上のコア分子は、約2個から約1000個までの固有分子を備える。一部の実施形態では、1又は2以上のコア分子は、互いに相互作用して超分子構造体の特定形状を定める。一部の実施形態では、複数のコア分子は、可逆非共有相互作用によって互いに相互作用する。
【0032】
一部の実施形態では、コア構造体の特定形状は、3次元(3D)構成である。一部の実施形態では、1又は2以上のコア分子は、特定分子量を与える。一部の実施形態では、コア構造体13は、ナノ構造体である。一部の場合に、1又は2以上のコア分子は、1又は2以上の核酸ストランド(例えば、DNA、RNA、非天然核酸)、1又は2以上の分枝核酸、1又は2以上のペプチド、1又は2以上の小分子、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、コア構造体は、ポリヌクレオチド構造体を備える。一部の実施形態では、コア構造体の少なくとも一部分は剛性を有する。一部の実施形態では、コア構造体の少なくとも一部分は半剛性を有する。一部の実施形態では、コア構造体の少なくとも一部分は、可撓性を有する。一部の実施形態では、コア構造体は、骨格デオキシリボ核酸(DNA)オリガミ、骨格リボ核酸(RNA)オリガミ、骨格ハイブリッドDNA/RNAオリガミ、単一ストランドDNAタイル構造体、多重ストランドDNAタイル構造体、単一ストランドDNAオリガミ、単一ストランドRNAオリガミ、単一ストランドRNAタイル構造体、多重ストランドRNAタイル構造体、複数の骨格を有する階層構成DNAオリガミ又はRNAオリガミ、ペプチド構造体、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、DNAオリガミは骨格化される。一部の実施形態では、RNAオリガミは骨格化される。一部の実施形態では、ハイブリッドDNA:RNAオリガミは骨格化される。一部の実施形態では、DNAオリガミ、RNAオリガミ、又はハイブリッドDNA:RNAオリガミを備えるコア構造体は、規定の2次元(2D)形状又は3D形状を備える。
【0033】
実施形態では、核酸オリガミは、約50nmから約1μの間の横寸法を有する。一部の実施形態では、核酸オリガミは、一例として約50nmから約200nmまで、約50nmから約400nmまで、約50nmから約600nmまで、約50nmから約800nmまで、約100nmから約200nmまで、約100nmから約300nmまで、約100nmから約400nmまで、約100nmから約500nmまで、約200nmから約400nmの間の少なくとも1つの横寸法を有する。一部の実施形態では、核酸オリガミは、約50nmから約1μの間の第1の横寸法と、第1の寸法に直交する約50nmから約1μの間の第2の横寸法とを有する。一部の実施形態では、核酸オリガミは、約200nm2から約1μ2までの面積を有する平面フットプリントを有する。
【0034】
図1に示すように、一部の実施形態では、コア構造体13は、キャプチャー分子2、アンカー分子18、又はその組合せにリンクされるように構成される。一部の実施形態では、キャプチャー分子2及び/又はアンカー分子18は、コアナノ構造体13にリンクされた時に、それに対して不動化される。一部の実施形態では、いずれかの個数の1又は2以上のコア分子は、キャプチャー分子2及び/又はアンカー分子18とのリンクを形成するように構成された1又は2以上のコアリンカー12、14を備える。一部の実施形態では、いずれかの個数の1又は2以上のコア分子は、キャプチャー分子2及び/又はアンカー分子18とのリンクを形成するように構成された1又は2以上のリンカー12、14とリンクされるように構成される。一部の実施形態では、1又は2以上のリンカーは、化学結合を通して1又は2以上のコア分子にリンクされる。一部の実施形態では、1又は2以上のコアリンカーのうちの少なくとも1つは、コア反応分子を備える。一部の実施形態では、各コア反応分子は、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特定配列の単一ストランド核酸(例えば、RNA又はDNA)、又はポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)又は1又は2以上の重合開始剤)を独立に備える。一部の実施形態では、1又は2以上のコアリンカーのうちの少なくとも1つがDNA配列ドメインを備える。
【0035】
一部の実施形態では、コア構造体13は、1)コア構造体上の規定の場所でキャプチャー分子2にリンクされ、任意的に2)コア構造体上の規定の異なる場所でアンカー分子18にリンクされる。
【0036】
一部の実施形態では、コア構造体上の第1の場所に規定の第1のコアリンカー12が配置される。一部の実施形態では、第1の場所での1又は2以上のコア分子は、第1のコアリンカー12とのリンクを形成するように修正される。一部の実施形態では、第1のコアリンカー12は、コア構造体13の延長部である。
【0037】
一部の実施形態では、コア構造体13上の第3の場所に規定の第3のコアリンカー14が配置される。一部の実施形態では、第3の場所での1又は2以上のコア分子は、第3のコアリンカー14とのリンクを形成するように修正される。一部の実施形態では、第3のコアリンカー14は、コア構造体13の延長部である。一部の実施形態では、第1及び第2の場所は、コア構造体13の第1の側に配置され、任意的な第3の場所は、コア構造体13の第2の側に配置される。
【0038】
一部の実施形態では、キャプチャー分子2は、蛋白質、ペプチド、抗体、アプタマー(RNA及びDNA)、フルオロフォア、ナノ本体、darpin、触媒、重合開始剤、PEGのようなポリマー、有機分子、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、アンカー分子は反応分子を備える。一部の実施形態では、アンカー分子18は反応分子を備える。一部の実施形態では、アンカー分子18は、反応分子を備えるDNAストランドを備える。一部の実施形態では、アンカー分子18は、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特定配列の単一ストランド核酸(例えば、RNA又はDNA)、又はポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)又は1又は2以上の重合開始剤)を備える。一部の実施形態では、アンカー分子18は、蛋白質、ペプチド、抗体、アプタマー(RNA及びDNA)、フルオロフォア、ナノ本体、darpin、触媒、重合開始剤、PEGのようなポリマー、有機分子、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、単一キャプチャー分子2がコア構造体13にリンクされる。一部の実施形態では、複数のキャプチャー分子2がコア構造体13にリンクされる。一部の実施形態では、キャプチャー分子2の複数の対が、クロストークを最小にするために互いに離間している。例えば、同じコア構造体13上の異なるキャプチャー分子2は、同じ検体分子に対する異なる結合サイトに対応することができ、又は異なる検体分子に結合することができる。別の例では、複数の同じキャプチャー分子2がコア構造体13上に存在することができる。
【0039】
一部の実施形態では、超分子構造体の各構成要素を独立に修正又は調整することができる。一部の実施形態では、超分子構造体の構成要素のうちの1又は2以上を修正することにより、超分子構造体自体の2D又及び3Dの幾何学形状を修正することができる。一部の実施形態では、超分子構造体の構成要素のうちの1又は2以上を修正することにより、コア構造体の2D及び3Dの幾何学形状を修正することができる。一部の実施形態では、超分子ナノ構造体の構成要素を独立に修正するためのそのような機能は、固体面(例えば、平坦面又は微小粒子)上及び3D容積(例えば、ヒドロゲル母材中)での1又は2以上の超分子構造体の組織化に対する正確な制御を可能にする。
【0040】
キャプチャーバーコード
図1に示すように、一部の実施形態では、キャプチャー分子2は、キャプチャーバーコード20を通してコア構造体13にリンクされる。一部の実施形態では、キャプチャーバーコード20は、キャプチャー分子2とのリンクを形成し、かつコア構造体13とのリンクを形成する。一部の実施形態では、キャプチャーバーコード20は、第1のキャプチャーリンカー11と、第2のキャプチャーリンカー6と、キャプチャーブリッジ7とを備える。一部の実施形態では、第1のキャプチャーリンカー11は反応分子を備える。一部の実施形態では、第1のキャプチャーリンカー11は、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、マレイミド、アジド、アクリダイト、特定配列の単一ストランド核酸(例えば、RNA又はDNA)、又はポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)又は1又は2以上の重合開始剤)を備える反応分子を備える。一部の実施形態では、第1のキャプチャーリンカー11はDNA配列ドメインを備える。一部の実施形態では、第2のキャプチャーリンカー6は反応分子を備える。一部の実施形態では、第2のキャプチャーリンカー6は、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、ビオチン、マレイミド、アジド、アクリダイト、特定配列の単一ストランド核酸(例えば、RNA又はDNA)、又はポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)又は1又は2以上の重合開始剤)を備える反応分子を備える。一部の実施形態では、第2のキャプチャーリンカーはDNA配列ドメインを備える。一部の実施形態では、キャプチャーブリッジ7はポリマーを備える。一部の実施形態では、キャプチャーブリッジ7は、特定配列の核酸(例えば、DNA又はRNA)を備えるポリマーを備える。一部の実施形態では、キャプチャーブリッジ7は、PEGのようなポリマーを備える。一部の実施形態では、第1のキャプチャーリンカー11は、キャプチャーブリッジ7にその第1の末端で付着され、第2のキャプチャーリンカー6は、キャプチャーブリッジ7にその第2の末端で付着される。一部の実施形態では、第1のキャプチャーリンカー11は、化学結合を通してキャプチャーブリッジ7に付着される。一部の実施形態では、第2のキャプチャーリンカー6は、化学結合を通してキャプチャーブリッジ7に付着される。一部の実施形態では、第1のキャプチャーリンカー11は、物理的付着によってキャプチャーブリッジ7に付着される。一部の実施形態では、第2のキャプチャーリンカー6は、物理的付着によってキャプチャーブリッジ7に付着される。
【0041】
一部の実施形態では、キャプチャーバーコード20は、第1のキャプチャーリンカー11と第1のコアリンカー12との間のリンケージによってコア構造体13にリンクされる。一部の実施形態では、本明細書に説明するように、第1のコアリンカー12は、コア構造体13上の第1の場所に配置される。一部の実施形態では、第1のキャプチャーリンカー11と第1のコアリンカー12は、化学結合を通して互いにリンクされる。一部の実施形態では、第1のキャプチャーリンカー11と第1のコアリンカー12は、共有結合を通して互いにリンクされる。
【0042】
一部の実施形態では、キャプチャーバーコード20は、第2のキャプチャーリンカー6とキャプチャー分子2に結合された第3のキャプチャーリンカー5との間のリンケージによってキャプチャー分子2にリンクされる。一部の実施形態では、第3のキャプチャーリンカー5は反応分子を備える。一部の実施形態では、第3のキャプチャーリンカー5は、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特定配列の単一ストランド核酸(例えば、RNA又はDNA)、又はポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)又は1又は2以上の重合開始剤)を備える反応分子を備える。一部の実施形態では、第3のキャプチャーリンカー5は、DNA配列ドメインを備える。一部の実施形態では、キャプチャー分子2は、第3のキャプチャーリンカー5に化学結合を通して結合される。一部の実施形態では、キャプチャー分子2は、第3のキャプチャーリンカー5に共有結合を通して結合される。一部の実施形態では、第2のキャプチャーリンカー6と第3のキャプチャーリンカー5は、化学結合を通して互いにリンクされる。一部の実施形態では、第2のリンカー6と第3のキャプチャーリンカー5は、共有結合を通して互いにリンクされる。
【0043】
アンカーバーコード
図1に示すように、一部の実施形態では、アンカー分子18は、アンカーバーコードを通してコア構造体13にリンクされる。一部の実施形態では、アンカーバーコードは、アンカー分子18とのリンクを形成し、アンカーバーコードは、コア構造体13とのリンクを形成する。一部の実施形態では、アンカーバーコードは、第1のアンカーリンカー15と、第2のアンカーリンカー17と、アンカーブリッジ16とを備える。一部の実施形態では、第1のアンカーリンカー15は反応分子を備える。一部の実施形態では、第1のアンカーリンカー15は、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特定配列の単一ストランド核酸(例えば、RNA又はDNA)、又はポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)又は1又は2以上の重合開始剤)を備える反応分子を備える。一部の実施形態では、第1のアンカーリンカー15はDNA配列ドメインを備える。一部の実施形態では、第2のアンカーリンカー17は反応分子を備える。一部の実施形態では、第2のアンカーリンカー17は、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特定配列の単一ストランド核酸(例えば、RNA又はDNA)、又はポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)又は1又は2以上の重合開始剤)を備える反応分子を備える。一部の実施形態では、第2のアンカーリンカー17はDNA配列ドメインを備える。一部の実施形態では、アンカーブリッジ16はポリマーを備える。一部の実施形態では、アンカー架橋部16は、特定配列の核酸(DNA又はRNA)を備えるポリマーを備える。一部の実施形態では、アンカーブリッジ16は、PEGのようなポリマーを備える。一部の実施形態では、第1のアンカーリンカー15は、アンカーブリッジ16にその第1の末端で付着され、第2のアンカーリンカー17は、アンカーブリッジ16にその第2の末端で付着される。一部の実施形態では、第1のアンカーリンカー15は、化学結合を通してアンカーブリッジ16に付着される。一部の実施形態では、第2のアンカーリンカー17は、物理的付着によってアンカーブリッジ16に付着される。一部の実施形態では、第1のアンカーリンカー15は、化学結合を通してアンカーブリッジ16に付着される。一部の実施形態では、第2のアンカーリンカー17は、物理的付着によってアンカーブリッジ16に付着される。
【0044】
一部の実施形態では、アンカーバーコードは、第1のアンカーリンカー15と第3のコアリンカー14との間のリンケージによってコア構造体13にリンクされる。一部の実施形態では、本明細書に説明するように、第3のコアリンカー14は、コア構造体13上の第3の場所に配置される。一部の実施形態では、第1のアンカーリンカー15と第3のコアリンカー14は、化学結合を通して互いにリンクされる。一部の実施形態では、第1のアンカーリンカー15と第3のコアリンカー14は、共有結合を通して互いにリンクされる。
【0045】
一部の実施形態では、アンカーバーコードは、第2のアンカーリンカー17とアンカー分子18との間のリンケージによってアンカー分子18にリンクされる。本明細書に開示するように、一部の実施形態では、アンカー分子は、反応分子、反応分子、DNA配列ドメイン、反応分子を備えるDNA配列ドメイン、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、アンカー分子18は、第2のアンカーリンカー17に化学結合を通して結合される。一部の実施形態では、アンカー分子18は、第2のアンカーリンカー17に共有結合を通して結合される。
【0046】
図2は、キャプチャー分子2に対して結合特異性を有する対応する検体分子44に結合された超分子構造体40の概略図である。超分子構造体40は、それに関連付けられた特定のキャプチャー分子2の機能として1又は2以上の検体分子44に結合する機能を有する。更に、検体分子44は、ディテクター分子アセンブリ46に結合する機能を有する。ディテクター分子アセンブリ46は、検体分子44に特異性を用いて結合するディテクター分子1を備える。
図2は、キャプチャー分子2とディテクター分子1とが検体分子44上の異なるサイトに結合するサンドイッチ型結合配列を例示している。一部の実施形態では、ディテクター分子1は、蛋白質、ペプチド、抗体、アプタマー(RNA及びDNA)、フルオロフォア、ナノ本体、darpin、触媒、重合開始剤、PEGのようなポリマー、有機分子、又はその組合せを備える。
図2に示すように、一部の実施形態では、ディテクター分子1は、ディテクターバーコード21にリンクされる。一部の実施形態では、ディテクターバーコード21は、ディテクター分子1とのリンクを形成し、1又は2以上の介在構成要素を備えることができる。他の実施形態では、ディテクター分子1は、検出可能テール又はリンカーにリンクされるが、固有バーコード情報を保持しない。
【0047】
図3は、ディテクターバーコード21の例示的配列を例示している。一部の実施形態では、ディテクターバーコードは、第1のディテクターリンカー4を含む1又は2以上のディテクターリンカーを備える。ディテクターバーコード21は、検出を容易にするための付着サイト又は延長/増幅サイトとして機能するドック8を備えることができる。一部の実施形態では、リンカー4は、反応分子を備える。一部の実施形態では、リンカー4は、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特定配列の単一ストランド核酸(例えば、RNA又はDNA)、又はポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)又は1又は2以上の重合開始剤)を備える反応分子を備える。一部の実施形態では、リンカー4は、DNA配列ドメインを備える。一部の実施形態では、ドック8は、ポリマーを備える。一部の実施形態では、ドック8は、特定配列の核酸(DNA又はRNA)、例えば、単一ストランド又は二重ストランドの核酸を備えるポリマーを備える。一部の実施形態では、ドック8は、PEGのようなポリマーを備える。一部の実施形態では、リンカー4は、ドック8に、その末端で付着され、別のディテクターリンカー4は、ドック8にその第2の末端で付着される。付着は、化学結合又は物理的付着によるとすることができる。
【0048】
一部の実施形態では、ディテクターバーコード21は、この図にはディテクター分子1に結合されたディテクターリンカー4及び第2のディテクターリンカー3として示す複数のリンカー間のリンケージによってディテクター分子1にリンクされる。一部の実施形態では、第2のディテクターリンカー3は反応分子を備える。一部の実施形態では、第2のディテクターリンカー3は、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特定配列の単一ストランド核酸(例えば、RNA又はDNA)、又はポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)又は1又は2以上の重合開始剤)を備える反応分子を備える。一部の実施形態では、第2のディテクターリンカー3はDNA配列ドメインを備える。一部の実施形態では、ディテクター分子1は、第2のディテクターリンカー3に化学結合を通して結合される。一部の実施形態では、ディテクター分子1は、第2のディテクターリンカー3に共有結合を通して結合される。一部の実施形態では、第2のディテクターリンカー4と第2のディテクターリンカー3は、化学結合を通して互いに結合される。一部の実施形態では、第2のディテクターリンカー4と第2のディテクターリンカー3は、共有結合を通して互いに結合される。
【0049】
本明細書に提供するように、キャプチャー分子アセンブリは、キャプチャー分子1とコア構造体13とを有する超分子構造体40を備える。ある一定の実施形態では、ディテクター分子アセンブリ46は、コア構造体13にリンク又は結合され、従って、このディテクター分子アセンブリも、本明細書で提供する超分子構造体である。この場合に、
図4に示すように、キャプチャー分子アセンブリの超分子構造体40に関連付けられた捕捉検体分子44に結合するディテクター分子は、超分子構造体サンドイッチを生成する。一般的に、キャプチャー分子アセンブリ又はディテクター分子アセンブリ46の超分子構造体40は、キャプチャーエンティティ又は検出エンティティの流れを可能にするように不動化される。一部の実施形態では、キャプチャー分子アセンブリは、面上又は多孔質材料内に不動化される。
【0050】
超分子構造体40及び/又はディテクター分子アセンブリ46は、DNAオリガミを備えることができる。一部の実施形態では、超分子構造体40及び/又はディテクター分子アセンブリ46のコア構造体13の部分構成要素は、DNAオリガミ、並びに1又は2以上の延長核酸ストランドを備える。一部の実施形態では、超分子構造体40及び/又はディテクター分子アセンブリ46のコア構造体13は、「骨格」ストランドと呼ばれる円形のssDNA分子が、ssDNA「骨格」ストランドの特定サブセクションと相互作用する「ステープル」ストランドと呼ばれる2又は3以上の短いssDNAと相互作用することによって予め定められた2D形状又は3D形状に折り畳まれた骨格DNAオリガミを備える。
【0051】
本明細書に説明するように、一部の実施形態では、1又は2以上の超分子構造体は、サンプル内の1又は2以上の検体分子の検出を可能にする。
図5の概略図に示すように、超分子構造体40は、関連のキャプチャー分子と共に検体分子44及びディテクター分子アセンブリ46に露出される。個々の検体分子44と個々のキャプチャー分子2とが互いに対する結合特異性を有する時に、検体分子44は、キャプチャー分子2と関連付けられる。次に、検体分子44に対する結合特異性を有するディテクター分子アセンブリ46は、検体分子44と関連付けられて結合された検出構造体50を生成する。
【0052】
図6に示すように、キャプチャー分子2に対して結合特異性を持たない検体分子44は、超分子構造体40と関連付けられない。更に、ディテクター分子アセンブリ46も超分子構造体40と関連付けられず、結合された検出構造体50は達成されない。超分子構造体40の不動化アレイを備える基板では、サンプルがキャプチャー分子2に対する結合特異性を有する適切な検体分子44を備える時に、各個々のサイトが結合された検出構造体50を生成する結合反応を有することができる。
【0053】
描かれた実施形態は、1つの段階で超分子構造体40に接触させたディテクター分子アセンブリ46及び検体分子44を示すが、本明細書に提供するように、検体分子44とディテクター分子アセンブリ46とは個別の段階でディテクター分子アセンブリ46の付加の前にいずれかの未結合検体分子44が除去されるように追加することができることを理解しなければならない。
図7は、検体分子44のプールを超分子構造体40として実施されたキャプチャー分子アセンブリの群又はアレイに追加する例示的方法ワークフローを例示している。検体分子44は、プール内の異なる検体分子44が利用可能なキャプチャー分子2のアレイに対して異なる結合特異性の程度を有するようなサンプルに存在する異なる検体を表すことができる。
【0054】
これらの反応条件は、特定キャプチャー分子2への検体分子44の結合を可能にする。本明細書に提供するように、結合特異性は、これらの反応条件の下でかつ未結合試薬に対する洗浄段階又は除去段階の後に損なわれずに留まる検体分子44とキャプチャー分子2の間の相互作用を意味することができる。結合特異性は、共有又は非共有の結合、イオン結合、双極子相互作用、親水性又は疎水性の相互作用、相補的核酸結合のような情報を備えることができる。特定結合は、特定のキャプチャー分子2にのみ結合し、他のキャプチャー分子2には結合しない検体分子44への結合を意味することができる。従って、所与のサンプル内でアレイのある一定のキャプチャー分子2(例えば、キャプチャー分子2a)が検体分子44に結合され、それに対して他のキャプチャー分子(例えば、キャプチャー分子2b)は対応可能な結合相手を持たず、従って、特異性によっていずれの検体分子44にも結合しない。いずれの未結合検体も、本明細書に提供するように不動化されたキャプチャー分子アセンブリから除去することができる。
【0055】
ディテクター分子1と検体分子44は、同じく互いに対する結合特異性を有することができる。様々な実施形態に開示するように、アレイは、全てが同じか又は異なるとすることができるディテクター分子アセンブリ46と実質的に接触する。いずれの未結合ディテクター分子アセンブリ46も、例えば、洗浄によって除去される。これらのワークフロー段階の後に、それぞれの検体及びディテクター分子アセンブリ46に各々が結合された様々な結合されたディテクター構造体50がアレイ上に残り、検体を既知のキャプチャー分子2に関連の特定の超分子構造体のアイデンティティに関連付けるための様々な検出実施手順を受けることができる。すなわち、検出は、検体-キャプチャー分子結合の特徴付けを可能にする。
【0056】
図8は、特定のキャプチャーバーコードを結合事象に関連付けるために結合されたディテクター構造体50の様々な固有キャプチャーバーコード(20a、20b、20c、及び20d)を評価する例示的検出段階を例示している。一部の実施形態では、超分子構造体は、サンプル内の所与の検体分子の存在についての情報をDNA信号に変換する。一部の実施形態では、DNA信号は、キャプチャー分子とディテクター分子とが検体分子に同時にリンク(例えば、結合)された場合のキャプチャーバーコード及び/又はディテクターバーコードに関する配列データに対応する。
【0057】
一部の実施形態では、本明細書に説明する検体分子の存在を検出する段階は、サンプルからの検体分子の性質を識別するのに使用されることになる溶液の中に単一又は複数の固有核酸分子を制御可能に放出する段階を備える。一部の実施形態では、これらの固有核酸分子は、それぞれの超分子構造体のキャプチャーバーコード20によって与えられる。一部の実施形態では、本明細書に説明するように検体分子の存在を検出する段階は、状態変化に接続されて溶液中の検体分子の濃度を定量化するために計数することができる光学信号又は電気信号を生成する段階を備える。
【0058】
一部の実施形態では、サンプル内の複数の検体分子が多重化によって同時に検出され、複数の超分子構造体は、配列分析及び検体識別に向けて複数の信号(例えば、ディテクターバーコード、キャプチャーバーコード)を提供する。一部の実施形態では、本明細書に説明するサンプル内の検体を検出する方法は、複数の超分子構造体を使用することによって高収量及び高多重化の機能を与える。一部の実施形態では、高収量及び高多重化の機能は、検体分子の検出及び定量に対して高い精度を与える。一部の実施形態では、本明細書に説明するサンプル内の検体を検出する方法は、蛋白質分子を備える生体ポリマーを迅速に高い感度でかつ高い再現性で特徴付ける及び/又は識別するように構成される。一部の実施形態では、複数の超分子構造体は、交差反応性関係の誤差を制限するように構成される。一部の実施形態では、そのような交差反応性関係の誤差は、ある超分子構造体のキャプチャー分子及び/又はディテクター分子が別の超分子構造体のキャプチャー分子及び/又はディテクター分子と相互作用すること(例えば、分子間相互作用)を備える。一部の実施形態では、複数の超分子構造体の各コア構造体は、互いに同一である。一部の実施形態では、各タイプの超分子構造体の構造的、化学的、及び物理的な性質は、明確に設計される。一部の実施形態では、同一コア構造体は、超分子構造体間の交差反応性を制限するような規定の形状、サイズ、分子量、キャプチャー分子及びディテクター分子の規定個数、対応するキャプチャー分子とディテクター分子の間の予め決められた距離(本明細書に説明するような)、対応するキャプチャー分子とディテクター分子の間の規定化学量論、又はその組合せを有する。一部の実施形態では、全てのコア構造体の分子量は同一であり、最高でコア分子の純度まで正確である。一部の実施形態では、各コア構造体は、少なくとも1つのキャプチャー分子を有する。
【0059】
一部の実施形態では、複数の超分子構造体は、ある一定の部分構成要素間が同じことに起因して構造的類似点を共有する可能性があると考えられるが、サンプルからの検体分子と超分子構造体の間の相互作用は、対応するキャプチャー分子とディテクター分子によって予め定められる。一部の実施形態では、所与の結合された検出構造体50上で結合される各々のディテクター分子とキャプチャー分子は、サンプル内の特定の検体分子と特異的に相互作用することができる。一部の実施形態では、各超分子構造体は、関連のキャプチャー分子に対応する固有DNAバーコードを備える。一部の実施形態では、キャプチャー分子は、サンプル内にある1よりも多い検体分子と相互作用するように設計される。
【0060】
本明細書に提供するように、キャプチャーバーコード20を用いて個々の超分子構造体40を一意的に識別することができる。次に、キャプチャー分子2を例えば検体検出システム(
図16を参照されたい)のルックアップテーブルに格納されたキャプチャーバーコード20と関連付けることができるように各超分子構造体40が集められる。従って、キャプチャーバーコード20が識別された時に、キャプチャー分子2のアイデンティティにもアクセス可能である。
【0061】
一部の実施形態では、各超分子構造体は、典型的な複合生体サンプル内の広範囲にわたる分子濃度を定量的に捕捉するのに必要とされる可能な最も大きいダイナミックレンジを保証するために単一分子感度に対して構成される。一部の実施形態では、複数の超分子構造体は、非特定相互作用、並びにいずれかのユーザ誘起誤差を低減するのに必要とされるサンプル操作を制限又は排除する。
【0062】
図9は、異なるそれぞれのキャプチャー分子2を有する超分子構造体40の様々な場所を固有キャプチャーバーコード情報と共に使用して検体の結合を特徴付けることができる例示的検体検出技術を例示している。異なる検体分子44のプールを備えるサンプルは、異なるそれぞれのキャプチャー分子2を有する不動化超分子構造体40と接触する。互いに対する結合特異性を有する検体分子44とキャプチャー分子2は、相互作用が発生することを可能にする条件の下で接触する。ディテクター分子アセンブリ46は、超分子構造体に関連付けられた検体分子44に結合される。結合されたディテクター構造体は、1)キャプチャーバーコード20と、2)結合されたディテクター分子アセンブリが発生させて特定のキャプチャーバーコード20の場所マップに対応する信号とに基づいて特徴付けることができる。一部の実施形態では、検体の結合の前に超分子構造体40の場所をキャプチャーバーコード情報と共に決定することができる。すなわち、アレイに事前マッピングを提供することができ、又はマッピングは個別の段階とすることができる。マッピングは、光学的、電気的、及び/又は磁気的な固有パターンを検出する段階のような本明細書で全般的に提供するキャプチャーバーコードを検出する段階を備えることができる。一部の実施形態では、検出は、キャプチャーバーコードのヌクレオチド配列を配列分析する段階を備える。一部の実施形態では、検出は、増幅生成物の増幅及び定量化、例えば、プローブに関する信号のqPCRによる検出を備える。
【0063】
血清学的検査は、病原体による過去の感染を識別するために患者の血液中の抗体を探す。一例では、COVID-19血清学的アッセイは、スパイク蛋白質又はヌクレオカプシドに対するIgG抗体又はIgM抗体の存在を検出する。キャプチャー分子2は、患者のサンプル内にあり、ディテクター分子アセンブリ46が同じく結合した抗体検体44を引き留める。一部の実施形態では、ディテクター分子アセンブリ46は、全てが同じタイプとする及び/又は全てが同じディテクター分子1を有することができる。ディテクター分子1は、いずれかのヒト抗体に抗体-抗原特異性に関わらず結合する抗ヒト抗体とすることができる。従って、ディテクター分子1は、それぞれの抗原キャプチャー分子2に関連付けられた多様な異なる検体44を結合する機能を有する。ディテクター分子アセンブリ46からの検出可能信号によって陽性結合事象を示す検体44は、陽性抗体結果を識別するための特定のバーコード20に基づいて特定の超分子構造体40にリンクされたものとすることができる。本発明の開示の技術は、COVID-19、インフルエンザ、RSV、及び肺炎のような1又は2以上の感染性疾患に対するアッセイを生成するのに使用することができる。一部の実施形態では、キャプチャー分子2は、異なる感染性疾患の様々な抗原のプールを備え、それぞれ異なる超分子構造体40に関連付けられる。これに加えて又はこれに代えて、アッセイは、感染性疾患の複数のイソ型及び複数の潜在的な抗原、並びにインフルエンザ、RSV、及び肺炎を備えるがこれらに限定されない他の呼吸器病原体からの抗原を備えることができる。実施形態では、アッセイは、自然免疫とワクチン獲得免疫の間の区別をワクチン蛋白質ターゲットの特定の追加を通して可能にすることができる。アッセイはまた、IgG特異性とIgM特異性とIgA特異性の間の区別を含むことができる。このアッセイは、新しい感染症が発生する時に現在の病原体状況を適切に調べるために更新又は修正することができる。このアッセイによって現在のワークフローに行われる改善は、患者の体液性免疫システムに関するより高い洞察力を与え、かつワクチン開発に情報を与えることを助けることになる。例えば、様々な抗原候補に結合することに関して患者の抗体応答又は循環抗体集団を評価することができる。
【0064】
ディテクター分子アセンブリ46は、全て同じタイプとすることができ、又は同じ検出方式を用いて検出することができる。検出信号は、いずれの固有バーコード情報も備えない場合がある。一例では、ディテクターテールは、信号を生成する反応分子を含むことができる。一部の実施形態では、ディテクター分子アセンブリ46は、光学的に検出可能な生成物への基板の酵素変換に基づいて検出される。光学的検出は、超分子構造体40のアレイ上のスポットに関する。一部の実施形態では、ディテクター分子アセンブリ46の各々のディテクター分子1は、全て同じタイプとする及び/又は同じ結合特異性を有することができる。一例では、検出される検体分子44は全てヒト抗体であり、ディテクター分子は、抗原特異性に関係なく広範なヒト抗体に対して全般的な結合特異性を有する抗ヒト抗体である。他の実施形態も見込んでいる。例えば、検体分子44は、ストレプトアビジンディテクター分子1への結合を可能にするタグ付け又はタグ(例えば、ビオチン)を追加する処理段階を受けることができる。描かれた実施形態では、ディテクター分子アセンブリ46のプールが多様ではなく、ディテクター分子1及び関連のテール又はリンカーも全て同じタイプとすることができるので、ディテクター分子アセンブリ46を与える段階は、それほど複雑ではないとすることができる。更に、ディテクター側からはいずれの配列情報又はバーコード情報も得られないので、検出段階もそれほど複雑ではないとすることができる。従って、実施形態では、固有識別情報は、各キャプチャーバーコードに関する場所情報、及びディテクターが生成する信号の場所と共に使用されるキャプチャーバーコード20である。ディテクター信号と特定のバーコードの場所との相関性を用いて検体の結合が特徴付けられる。
図9の検体検出方法は、固有バーコードを有するディテクター分子アセンブリ、並びにディテクター信号を生成する反応分子を用いて実行することができることを理解しなければならない。
【0065】
図10は、
図9と同様の検体検出方法であるが、ディテクター分子アセンブリ46のプールが多様である実施形態を例示している。ディテクター分子アセンブリ46の多様なプールは、異なるそれぞれのディテクター分子1及びディテクターバーコード21(ディテクターバーコード21a、21b、21c、及び21dとして示す)を保持する。結合されたディテクター構造体50は、特定の検体分子44に特定キャプチャー分子2に関連付けられた固有キャプチャーバーコード20と、検体分子44に特定固有ディテクターバーコード21との両方を備える。検体の結合を特徴付けるために固有キャプチャーバーコード20又は固有ディテクターバーコード21の一方又は両方を評価することができる。固有ディテクターバーコード21の検出は、光学的、電気的、及び/又は磁気的な検出を備える固有キャプチャーバーコード20を参照して議論した技術を用いて実行することができる。検出は、固有ディテクターバーコード21の配列データ又は増幅データを生成する段階を備えることができる。
【0066】
一部の実施形態では、1又は2以上の検体を備えるサンプルは、1又は2以上の超分子構造体40と接触する。一部の実施形態では、本明細書に説明するように、1又は2以上の中実基板に付着された複数の超分子構造体が与えられる。
図11~
図14は、パターン付き中実基板に付着された超分子構造体の例を提供している。
図15は、多孔質ヒドロゲル母材の中に組み込まれた超分子構造体の例を例示している。本発明の開示の技術は、結合サイト上又はその内部に分散された結合サイトを備えるパターン付き基板に関して実行することができる。一部の実施形態では、各結合サイトは、差別的な化学作用を有する単一超分子構造体40を受け入れる。パターン付き基板は、リソグラフィ処理によって加工することができる。更に、本発明の開示の技術の実施形態は、新しい超分子構造体40を組み込むために結合されたディテクター構造体50又は「使用された」結合されたディテクター構造体50を基板から除去する1又は2以上の再生段階を備えることができる。
【0067】
図11は、サンプル内の検体の単一分子計数(すなわち、サンプル内の検体分子を単一分子分解能で検出する段階)に向けて本明細書に説明するように超分子構造体40を使用する面ベースのアッセイを用いてサンプル内の検体分子を検出する方法の例示的な図を提供している。一部の実施形態では、超分子構造体は、DNAオリガミコアを備えるコア構造体を備える。一部の実施形態では、(a)基板60上の全ての特徴部に対する基準座標として作用する基準マーカー62と、(b)個々のコア構造体(例えば、DNAオリガミ)を不動化することができる微小パターン配置の結合サイト66の予め定められたセットと、(c)基板60の面と超分子構造体(キャプチャー分子、コア構造体分子を備える)との間の相互作用を最小にするか又は防止する背景不動態部64とを備える平面基板60が与えられる。一部の実施形態では、基準マーカーは、面上に予め定められて基板上の他の特徴部に対する基準特徴部として使用されることになる幾何学的特徴部を備える。一部の実施形態では、基準マーカー62は、超分子構造体(例えば、DNAオリガミ)のコア構造体又は他の分子と相互作用しないポリマー又は自己集合単層で被覆される。一部の実施形態では、背景不動態部64は、基板60の面とサンプルの検体分子の間の相互作用を最小にするか又は防止する。一部の実施形態では、平面基板60は、結合サイト66の形成の前に予め定められるFET、リング共振器、光子結晶、又は微小電極のような光学デバイス又は電気デバイスを備える。一部の実施形態では、結合サイト66は、平面基板60上で微小パターン配置される。一部の実施形態では、面上の結合サイト66は、周期的パターンにある。一部の実施形態では、面上の結合サイト66は、非周期的(例えば、ランダム)パターンにある。一部の実施形態では、いずれか2つの結合サイト66の間で最小距離が規定される。一部の実施形態では、いずれか2つの結合サイト66の間の最小距離は、少なくとも約200nmである。一部の実施形態では、いずれか2つの結合サイト66の間の最小距離は、少なくとも約40nmから約5000nmである。一部の実施形態では、結合サイト66の形状は、円、正方形、三角形、又は他の多角形の形状を含む。一部の実施形態では、不動態部64に使用される化学基は、トリメチルシリル(TMS)のような中性荷電分子、PEGのような無荷電ポリマー、双性イオン性ポリマー、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、結合サイト66を定めるのに使用される化学基は、シラノール基、カルボキシル基、チオール、他の基、又はその組合せを備える。
【0068】
一部の実施形態では、単一超分子構造体40は、それぞれの結合サイト66に付着される(段階1)。参照文字70は、超分子構造体40の構成要素の図を個々にかつ平面基板上で組み立てられて配置された状態で提示している(構成要素は、本明細書で、例えば、
図1~
図4で説明したものである)。一部の実施形態では、超分子構造体40は、DNAオリガミを備えるコア構造体13を備え、DNAオリガミ配置技術を用いて結合サイトの各々の上に付着される(段階1)。一部の実施形態では、超分子構造体40は、それぞれの結合サイト66に付着される前に組み立てられる。一部の実施形態では、DNAオリガミは、DNAオリガミ配置技術を用いて結合サイトへの結合を容易にするような特異な形状及び寸法を備える。一部の実施形態では、DNAオリガミ配置は、個々のDNAオリガミ(例えば、コア構造体)を面(例えば、微小パターン付き面)上で組織化するための指向性自己集合技術を含む。一部の実施形態では、DNAオリガミ配置の代わりに、超分子ナノ構造体40の反応基が、結合サイトの上で事前組織化されたDNAオリガミに結合される。一部の実施形態では、超分子ナノ構造体を対応する結合サイトに結合するためのこれらの方法の両方は、微小パターン配置の結合サイトの上でDNAオリガミ配置技術を用いて1又は2以上の分子を組織化する機能に依存している。一部の実施形態では、平面基板は、この段階の後に清浄な環境内でかなりの期間にわたって保存することができると考えられる。
【0069】
図11の参照を続けると、一部の実施形態では、検体捕捉段階で、検体分子を備えるサンプル(本明細書に説明する)が平面基板と接触する(段階2)。一部の実施形態では、サンプルは、フローセルを用いて平面基板と接触する。一部の実施形態では、サンプルは、超分子構造体が結合サイト66に付着された平面基板上で培養される。一部の実施形態では、培養期間は、約30秒から約24時間までとすることができる。一部の実施形態では、培養期間は、約30秒から約1分まで、約1分から約5分まで、約5分から約30分まで、約30分から約1時間まで、約1時間から約5時間まで、約5時間から約12時間まで、約12時間から約24時間まで、約24時間から約48時間までとすることができる。
【0070】
一部の実施形態では、サンプル内の検体分子44は、平坦面60上の超分子構造体40と相互作用する。一部の実施形態では、特定検体分子44の単一複製物がキャプチャー分子に結合する。
図11の参照を続けると、段階3では、ディテクター分子アセンブリ46が、キャプチャー検体と接触する。段階4では、ディテクター分子アセンブリが検出されて検出可能信号が発生する。例えば、ディテクターバーコード21は、結合されたディテクター分子アセンブリ46と接触する信号送信要素76に対する結合サイトとして使用される。一部の実施形態では、信号送信要素76は、蛍光分子又はマイクロビーズ、蛍光ポリマー、高荷電のナノ粒子又はポリマーを備える。一部の実施形態では、1又は2以上の信号送信要素76は、平面構造体上の超分子構造体と相互作用するように放置される。一部の実施形態では、信号送信要素76は、平面基板を備えるフローセルの中に導入される。一部の実施形態では、描かれた実施形態に示すように、ディテクターバーコードが増幅される。例えば、ディテクターバーコードは、ローリングサークル増幅又はハイブリダイゼーション連鎖反応のような処理で高蛍光ポリマーの成長のための重合開始剤として使用される。一部の実施形態では、段階4で説明した検出可能信号は、全ての個々の検体捕捉事象の結果として信号送信要素76がそれぞれの検体の場所に存在する(キャプチャー分子及びディテクター分子とリンクされた)面をもたらす。
【0071】
一部の実施形態では、信号送信要素76は光学活性を有し、顕微鏡又は平面基板60内の組み込み光センサを用いて測定することができる。一部の実施形態では、信号送信要素は電気活性を有し、組み込み電気センサを用いて測定することができる。一部の実施形態では、信号送信要素76は磁気活性を有し、組み込み磁気センサを用いて測定することができる。一部の実施形態では、各信号事象は、同一の検体分子捕捉(同一の検体分子の単一複製物)に関するものであり、対応するディテクター分子及びキャプチャー分子によって決定され、従って、信号送信要素76が存在する場所の個数を計数する段階は、サンプル内の検体分子の定量化を与える。
【0072】
図12は、
図11の場合と類似の結合サイト66を有する平面基板60を有する配置を例示している。平面基板60は、それぞれの結合サイト66に不動化された(段階1)組み立てられた超分子構造体40を有する。検体捕捉(段階2)の後に、ディテクター分子アセンブリは、捕捉検体分子44と接触する。この場合に、各ディテクター分子アセンブリ46は、一体的な信号送信要素76として作動するDNAオリガミのような結合されたコア構造体(例えば、コア構造体13、
図1を参照されたい)を備える。
図13は、平面基板60(
図11に関して上述したように形成することができる)がそれぞれの結合サイト66に不動化された(段階1)組み立てられた超分子構造体40を有する配置を例示している。個別の処理は、検体44をそれぞれのディテクター分子アセンブリ46と関連付ける。一部の実施形態では、各ディテクター分子アセンブリ46は、超分子コア構造体のような信号要素76を保持する。関連の検体とディテクター分子アセンブリ46は、平面基板60及び不動化された超分子構造体40と共に培養される。関連の検体とディテクター分子アセンブリ46は、当該検体に対する結合特異性を有するキャプチャー分子を有する超分子構造体に結合され、結合された検体は、例えば、信号送信要素(ディテクター分子アセンブリ46の一部とすることができ、又は検体及びディテクター分子アセンブリ46とキャプチャー分子との関連付けの後に追加することができる)から発生した信号を検出することを通じて特徴付けることができる。
【0073】
図14では、複数の結合サイト66を有するパターン付き基板60は、個々の超分子構造体40で官能化するか又はそれにリンクすることができる。描かれた実施形態では、超分子構造体40は、段階80で組み立てられ、次に、抗原キャプチャー分子2がリンクされる前に基板60上に配置される。例えば、特定バーコードを備えるDNAオリガミ及び特定の抗原に対して特定キャプチャーストランドが基板60の上で流され、単一分子アレイ内、例えば、DNA結合特徴部上に配置される。抗原は、キャプチャー分子2として示す相補ストランドを含むように共役化され、段階82でそれを支持構造体のDNAオリガミバーコード20にアニール処理することができる。これに代えて、アセンブリ(段階80)中にキャプチャー分子が超分子構造体40に関連付けられ、超分子構造体40と共に基板60に付加される。各超分子構造体のバーコード20が、配列分析、増幅、又はハイブリダイゼーションアッセイのいずれかによって読み出される。基板60上に空間的な場所を有する抗原キャプチャー分子2のマップは、アッセイを実施する前に取得され、基板60の品質管理として実行することができる。マップは、本明細書に提供する検体検出システム(
図16を参照されたい)に格納され、陽性結合事象のレポートを生成して診断情報を与えるのに使用することができる。
【0074】
適切な阻害条件が追加され、次に、患者の抗体を含むサンプル(例えば、血清)が基板60に付加され、段階84で、サンプル内の抗体検体44が抗体-抗原錯体を形成するように培養される。次に、サンプルが洗浄され、段階86で、2次抗ヒト抗体であるディテクター分子1と検出のためのラベルとを備えるディテクター分子アセンブリ46が付加される。結合されたディテクター構造体50の検出(段階88)は、ローリングサークル増幅又はハイブリッド連鎖反応のいずれかによる増幅のためのDNAベースのものとすることができる抗体ラベルの検出に基づく場合があり、これに代えて、ラベルは、DNAナノ粒子又は蛍光ポリマーとすることができる。
【0075】
実施形態では、アッセイは、アデノウイルス、コロナウイルス229E、コロナウイルスHKU1、コロナウイルスB.1.1.7、コロナウイルスB.1.351、コロナウイルスP.1、コロナウイルスNL63、コロナウイルスOC43、ヒトメタニューモウイルス、ヒトライノウイルス/エンテロウイルス、インフルエンザA、その亜型2009H1N1、H1、H3、インフルエンザB、1型、2型、3型、及び4型のパラインフルエンザウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、肺炎クラミジア、肺炎マイコプラズマ、及び百日咳菌のうちの1又は2以上のものの抗原を含む。これに加えて、アッセイは、季節性インフルエンザに対するワクチンターゲット、並びに1又は2以上の市販のワクチン(Moderna、Pfizer、Astra Zeneca、Novavax、及びJohnson an◇d Johnson)に関するcovidワクチンターゲットを含むことができる。これらのワクチンターゲットの追加は、患者が自然感染からの免疫及び/又はワクチンからの獲得免疫のいずれを有するかを決定するための免疫の分類を可能にする。免疫の特異性を定めるために各病原体に関する複数の抗原が存在することができる。
【0076】
検出は、IgG、IgM、及び/又はIgAの決定のための特定抗体に対する抗種を含むことができる。亜型の特定検出は、免疫の成熟度を更に深く理解することを助ける。
【0077】
図15は、ヒドロゲルを形成するために1又は2以上のモノマー122と1又は2以上の架橋分子124とを組み合わせるのに加えて1又は2以上の超分子構造体40を導入するヒドロゲル母材100を形成するための例示的実施形態を提供している。一部の実施形態では、1又は2以上の超分子構造体40は、ヒドロゲル母材と共重合して母材120を形成する。一部の実施形態では、1又は2以上の超分子構造体40の各それぞれのアンカー分子18は、ヒドロゲル母材120と共重合する。一部の実施形態では、1又は2以上のモノマー122は、アクリルアミドを備える。一部の実施形態では、1又は2以上の架橋剤は、ビスアクリルアミドを備える。
【0078】
本発明の開示の実施形態は、開示の実施形態のある一定の方法を実行するように構成された1又は2以上のコンピュータ実装検出システムを含む。
図16は、コントローラ1001を含む検体検出システム1000を例示している。コントローラ1001は、プロセッサ1002と、それによって実行されるように構成された命令を格納するメモリ1004とを含む。コントローラ1001は、例えば、インターネット1010及び/又は無線又は有線ネットワーク上での通信を容易にするためのユーザインタフェース1006及び通信回路を含む。ユーザインタフェース1006は、本明細書に提供する検体検出結果の特徴付けとのユーザ対話を容易にする。
【0079】
プロセッサ1002は、検体検出データを受け入れ、検出検体を特徴付けるようにプログラムされる。一実施形態では、プロセッサは、超分子構造体のアレイを用いた培養及びディテクター分子アセンブリの検出の後にサンプル内の検出検体のレポートを生成する。レポートは、検出された検体結合事象に対応する様々な結合サイトでの発生光学信号のデータを含むことができる。レポートは、検出検体又は陽性/陰性結合結果のリストのような処理されたデータを含むことができる。レポートは、検体検出機能を示すアレイの利用可能なキャプチャー分子のリストを含むことができる。
【0080】
システム1000はまた、超分子構造体の1又は2以上の構成要素の検出によって検体の結合を検出するように作動する検体ディテクター1020を含む。検体ディテクター1020は、1又は2以上のセンサ1022を有する検出システムを含む。検体ディテクター1020はまた、サンプルの培養、並びに適切な時点での反応試薬及びディテクター分子アセンブリの適切な放出を制御する反応コントローラ1024を含むことができる。センサ1022は、光センサ(例えば、蛍光センサ、赤外線センサ)、画像センサ、電気センサ、又は磁気センサのうちの1又は2以上とすることができる。実施形態では、センサ102は、金属酸化物半導体撮像センサデバイスである。
【0081】
本明細書に本発明の好ましい実施形態を示して説明したが、そのような実施形態が単なる例として提供されたことは、当業者には明らかであろう。本発明から逸脱することなく多くの変形、変更、及び置換がここで当業者には想起されるであろう。本発明を実施するのに本明細書に説明した本発明の実施形態の様々な代替物を使用することができることを理解しなければならない。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定めること、及びそれによってこれらの特許請求の範囲及びそれらの均等物内の方法及び構造体が網羅されることを意図している。
【符号の説明】
【0082】
2 キャプチャー分子
13 コア構造体
20 キャプチャーバーコード
40 超分子構造体
44 捕捉検体分子
46 ディテクター分子アセンブリ
【手続補正書】
【提出日】2023-10-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル内の1又は2以上の検体分子を検出するためのアレイであって、
基板と、
前記基板上に不動化された複数の超分子構造体であって、前記複数の超分子構造体の個々の超分子構造体が、
(a)複数のコア分子を備えるコア構造体であって、基板に結合された又はアンカー分子によって前記基板にリンクされた前記コア構造体と、
(b)キャプチャーバーコードであって、前記キャプチャーバーコードの第1の端部で前記コア構造体に直接的又は間接的に結合され、前記基板から全体的に離れるように延びる前記キャプチャーバーコードと、
(c)前記キャプチャーバーコードの第2の端部で当該キャプチャーバーコードに結合されたキャプチャー分子であって、検体分子に結合するように構成された前記キャプチャー分子と、
(d)前記検体分子に結合するように構成され、ディテクターバーコードによって別のコア構造体に結合されたディテクター分子を含むディテクター分子アセンブリと、
を備える前記複数の超分子構造体と、
を備えることを特徴とするアレイ。
【請求項2】
前記複数の超分子構造体の各コア構造体は、互いに同一であることを特徴とする請求項
1に記載の
アレイ。
【請求項3】
各超分子構造体は、固有キャプチャーバーコードを有することを特徴とする請求項
1に記載の
アレイ。
【請求項4】
前記基板は、中実構造体又は多孔質母材を備えることを特徴とする請求項
1に記載の
アレイ。
【請求項5】
各超分子構造体は、ナノ構造体であることを特徴とする請求項
1に記載の
アレイ。
【請求項6】
各コア構造体は、ナノ構造体であることを特徴とする請求項
1に記載の
アレイ。
【請求項7】
各コア構造体のための前記複数のコア分子は、予め定められた形状に配置される及び/又は規定の分子量を有することを特徴とする請求項
1に記載の
アレイ。
【請求項8】
前記コア構造体は、前記基板に直接的に結合されることを特徴とする請求項
1に記載の
アレイ。
【請求項9】
前記複数の超分子構造体のそれぞれの超分子構造体に結合された複数の検体分子を備えることを特徴とする請求項
1に記載の
アレイ。
【請求項10】
前記複数の検体分子のそれぞれの検体分子に結合された複数のディテクター分子アセンブリを備えることを特徴とする請求項
9に記載の
アレイ。
【請求項11】
各ディテクター分子は、1又は2以上のリンカーを備えることを特徴とする請求項
10に記載の
アレイ。
【請求項12】
前記基板は、多孔質母材を備えることを特徴とする請求項
1に記載の
アレイ。
【請求項13】
前記多孔質母材は、ヒドロゲルを備えることを特徴とする請求項
12に記載の
アレイ。
【請求項14】
前記基板は、平面基板を備えることを特徴とする請求項
1に記載の
アレイ。
【請求項15】
前記個々の超分子構造体は、ただ1つのキャプチャー分子を備えることを特徴とする請求項
1に記載の
アレイ。
【国際調査報告】