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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-19
(54)【発明の名称】静脈注射セット・タイマ・デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/14 20060101AFI20240209BHJP
   A61M 5/168 20060101ALI20240209BHJP
   A61M 5/172 20060101ALI20240209BHJP
【FI】
A61M5/14 500
A61M5/168 540
A61M5/168 550
A61M5/172
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023551179
(86)(22)【出願日】2022-02-02
(85)【翻訳文提出日】2023-10-19
(86)【国際出願番号】 US2022014946
(87)【国際公開番号】W WO2022182487
(87)【国際公開日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】63/153,283
(32)【優先日】2021-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤミン、レイラ
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA07
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD01
4C066EE10
4C066FF01
4C066QQ15
4C066QQ76
4C066QQ77
4C066QQ78
(57)【要約】
作動されると1つ又は複数の所定の時間に色を変化させるように構成されたインジケータ部分と、インジケータ部分の色と特有の時間周期との関係性を規定する表示部分と、インジケータ部分上に配設されたとき、空気に対するインジケータ部分の露出を防ぐように構成された取り外し可能保護カバーとを含み、インジケータ部分は、取り外し可能保護カバーがインジケータ部分から取り外されたときに作動されるように構成される、静脈注射セット・タイマ・デバイスが提供される。静脈注射セット及び静脈注射セット・タイマ・デバイスを備えた静脈注射セットを作成する方法も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動されると1つ又は複数の所定の時間に色を変化させるように構成されたインジケータ部分と、
前記インジケータ部分の色と特有の時間周期との関係性を規定する表示部分と、
前記インジケータ部分上に配設されたとき、空気に対する前記インジケータ部分の露出を防ぐように構成された取り外し可能保護カバーとを備える、静脈注射セット・タイマ・デバイスであって、
前記インジケータ部分は、前記取り外し可能保護カバーが前記インジケータ部分から取り外されたときに作動されるように構成される、静脈注射セット・タイマ・デバイス。
【請求項2】
前記インジケータ部分は円であり、前記表示部分は、前記円の外周の一部を囲むように配設される、請求項1に記載の静脈注射セット・タイマ・デバイス。
【請求項3】
前記表示部分は、複数の部分を備え、各部分は、前記所定の時間の1つにおいて前記インジケータ部分の色に一致する色である、請求項2に記載の静脈注射セット・タイマ・デバイス。
【請求項4】
各表示色と対応付けられた前記時間周期を記述するプリントされた言語表示をさらに備える、請求項3に記載の静脈注射セット・タイマ・デバイス。
【請求項5】
前記円の前記外周の一部を囲むように配設された命令部分をさらに備え、前記命令部分は、所定の終了時間に前記インジケータ部分の色に一致する色である、請求項2に記載の静脈注射セット・タイマ・デバイス。
【請求項6】
前記インジケータ部分が前記命令部分の色に一致するように変化するときに取るべき行動を記述するプリントされた言語命令をさらに備える、請求項5に記載の静脈注射セット・タイマ・デバイス。
【請求項7】
前記取り外し可能保護カバーは、前記インジケータ部分の外面に配設された剥ぎ取りラベルを備える、請求項1に記載の静脈注射セット・タイマ・デバイス。
【請求項8】
前記取り外し可能保護カバーは、前記静脈注射セット・タイマ・デバイスを中に含む気密性の包装及び真空密閉された包装のうちの1つを備える、請求項1に記載の静脈注射セット・タイマ・デバイス。
【請求項9】
前記静脈注射セット・タイマ・デバイスの係合面に配設された接着性コーティングをさらに備え、前記接着性コーティングは、前記静脈注射セット・タイマ・デバイスを静脈注射セット構成要素に装着するように構成される、請求項1に記載の静脈注射セット・タイマ・デバイス。
【請求項10】
前記静脈注射セット・タイマ・デバイスは、静脈注射セット構成要素と一体式に形成されるように構成される、請求項1に記載の静脈注射セット・タイマ・デバイス。
【請求項11】
複数の接続された静脈注射セット構成要素と、
作動されると1つ又は複数の所定の時間に色を変化させるように構成されたインジケータ部分と、
前記インジケータ部分の色と特有の時間周期との関係性を規定する表示部分と、
前記インジケータ部分上に配設されるとき、空気に対する前記インジケータ部分の露出を防ぐように構成された取り外し可能保護カバーとを備え、
前記インジケータ部分は、前記取り外し可能保護カバーが前記インジケータ部分から取り外されたときに作動されるように構成される、
静脈注射セット・タイマ・デバイスとを備える静脈注射セット。
【請求項12】
前記インジケータ部分は円であり、前記表示部分は、前記円の外周の一部を囲むように配設される、請求項11に記載の静脈注射セット。
【請求項13】
前記表示部分は、複数の部分を備え、各部分は、前記所定の時間の1つにおいて前記インジケータ部分の色に一致する色である、請求項12に記載の静脈注射セット・タイマ・デバイス。
【請求項14】
各表示色と対応付けられた前記時間周期を記述するプリントされた言語表示をさらに備える、請求項13に記載の静脈注射セット・タイマ・デバイス。
【請求項15】
前記円の前記外周の一部を囲むように配設された命令部分であって、所定の終了時間に前記インジケータ部分の色に一致する色である、命令部分と、
前記インジケータ部分が前記命令部分の色に一致するように変化するときに取るべき行動を記述するプリントされた言語命令とをさらに備える、請求項12に記載の静脈注射セット・タイマ・デバイス。
【請求項16】
前記取り外し可能保護カバーは、
前記インジケータ部分の外面に配設された剥ぎ取りラベル、
前記静脈注射セット・タイマ・デバイスを中に含む気密性の包装、及び
前記静脈注射セット・タイマ・デバイスを中に含む真空密閉された包装のうちの1つを備える、請求項11に記載の静脈注射セット・タイマ・デバイス。
【請求項17】
前記静脈注射セットは、静脈注射配管を含み、前記静脈注射セット・タイマ・デバイスは、前記静脈注射配管に装着される、請求項11に記載の静脈注射セット・タイマ・デバイス。
【請求項18】
前記静脈注射セットは、ドリップ・チャンバを含み、前記静脈注射セット・タイマ・デバイスは、前記ドリップ・チャンバ上に配設される、請求項11に記載の静脈注射セット・タイマ・デバイス。
【請求項19】
前記静脈注射セット・タイマ・デバイスは、前記複数の静脈注射セット構成要素のうちの1つと一体式に形成される、請求項11に記載の静脈注射セット・タイマ・デバイス。
【請求項20】
静脈注射セット・タイマ・デバイスを備えた静脈注射セットを作成する方法であって、
前記静脈注射セット・タイマ・デバイスを静脈注射セット構成要素に装着するステップであって、前記静脈注射セット・タイマ・デバイスは、作動されると1つ又は複数の所定の時間に色を変化させるように構成されたインジケータ部分と、前記インジケータ部分の色と特有の時間周期との関係性を規定する表示部分と、前記インジケータ部分上に配設されるとき、空気に対する前記インジケータ部分の露出を防ぐように構成された取り外し可能保護カバーとを備え、前記インジケータ部分は、前記取り外し可能保護カバーが前記インジケータ部分から取り外されたときに作動されるように構成される、ステップと、
前記静脈注射セット・タイマ・デバイスが装着された前記静脈注射セット構成要素を含む複数の静脈注射セット構成要素を組み立てられた静脈注射セットに組み立てるステップと、
前記組み立てられた静脈注射セットを包装するステップとを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条の下で、2021年2月24日に提出された「INTRAVENOUS SET TIMER DEVICE」という標題の米国仮特許出願番号63/153,283号に対して優先権の利益を主張しており、その特許の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は一般に、静脈注射(IV)セット・デバイスに関し、より詳細にはIVセット・タイマ・デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
典型的な注入セット又は静脈注射(IV)セットは、多数の半透明のポリマ配管セグメントを、その多くもまた半透明である多数のポリマ構成要素に接合することによって構築される。これらのIVセットはその後、患者などのユーザに流体を提供するために注入ポンプ又は重力システムと共に使用される。しかしながらIVセットは典型的には、所定の保管寿命(例えば3~5年の貯蔵時間)と、所定の使用寿命(例えば、24時間、72時間、96時間、7日)の両方を有する。とりわけ、IVセットがひとたびその包装から取り出され、使用する状態にされると、IVセットは、使用寿命までの時間の長さの間しか使用されず、その時間の後はIVセットを取り替えなければならない。使用の時間は、健康管理のための規則、IVセットを通して注入されている薬剤、薬物又は物質のタイプ、及びIVセットを作成するために使用された材料のタイプによって決定されてよい。
【0004】
現在のところ、IVラインを取り替えるべきである、又は取り替える必要がある場合に臨床医に警告するための優れた方法は存在していない。典型的には、IVセットが使用する状態にされるとき、IVセットの使用の開始時間を記録したり書き留めたりするのは臨床医の責任である。しかしながら、一部の医療環境の逼迫した環境では、臨床医に、開始時間を記録したり書き留めたりする時間がない場合がある。加えて、使用中の特定のIVセットが必要とする使用寿命の時間周期が明確でない場合がある。さらに、臨床医が、IVセットの取り替えが必要であると判断した場合、IVセットを取り替える行為は、時間と労力がかかり、セットを位置決めし、セットによって提供されている薬物を判定し、IVラインを手動でラベル付けする必要がある。患者が、集中治療室(ICU)などいくつかのIVラインを有する場合、正確なIVセットを見つけてこれを交換する作業は、時間を消耗する場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらの理由のために、対応付けられたIVセットの寿命がどのくらい残っているかを視覚的に示す、内蔵式タイマを備えたIVセットを提供し、これにより臨床医が任意のIVセットの残りの使用寿命を決定できるようにし、臨床医がIVセットの取り替えの準備を行うための十分な時間を提供するデバイス及び方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つ又は複数の実施例では、静脈注射セット・タイマ・デバイスは、作動されると1つ又は複数の所定の時間に色を変化させるように構成されたインジケータ部分と、インジケータ部分の色と特有の時間周期との関係性を規定する表示部分と、インジケータ部分上に配設されたとき、空気に対するインジケータ部分の露出を防ぐように構成された取り外し可能保護カバーとを含み、インジケータ部分は、取り外し可能保護カバーがインジケータ部分から取り外されたときに作動されるように構成される。
【0007】
1つ又は複数の実施例では、静脈注射セットは、複数の接続された静脈注射セット構成要素と、静脈注射セット・タイマ・デバイスとを含む。静脈注射セット・タイマ・デバイスは、作動されると1つ又は複数の所定の時間に色を変化させるように構成されたインジケータ部分と、インジケータ部分の色と特有の時間周期との関係性を規定する表示部分と、インジケータ部分上に配設されたとき、空気に対するインジケータ部分の露出を防ぐように構成された取り外し可能保護カバーとを含み、インジケータ部分は、取り外し可能保護カバーがインジケータ部分から取り外されたときに作動されるように構成される。
【0008】
1つ又は複数の実施例では、静脈注射セット・タイマ・デバイスを備えた静脈注射セットを作成する方法は、静脈注射セット・タイマ・デバイスを静脈注射セット構成要素に装着するステップであって、静脈注射セット・タイマ・デバイスは、作動されると1つ又は複数の所定の時間に色を変化させるように構成されたインジケータ部分と、インジケータ部分の色と特有の時間周期との関係性を規定する表示部分と、インジケータ部分上に配設されるとき、空気に対するインジケータ部分の露出を防ぐように構成された取り外し可能保護カバーとを備え、インジケータ部分は、取り外し可能保護カバーがインジケータ部分から取り外されたときに作動されるように構成される、ステップを含む。方法はまた、静脈注射セット・タイマ・デバイスが装着された静脈注射セット構成要素を含む複数の静脈注射セット構成要素を、組み立てられた静脈注射セットに組み立てるステップと、組み立てられた静脈注射セットを包装するステップとを含む。
【0009】
添付の図面は、開示のさらなる理解を提供するために含まれ、この明細書に組み込まれ、その一部を構成しており、開示の実施例を例示し、説明と共に開示の原理を説明する機能を果たしている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】4つの流体注入ポンプを有し、その各々が患者に流体補給品の内容物を汲み上げるためにそれぞれの流体補給品に接続された、一例の患者ケア・システムの斜視図である。
図2A】一例のIVセットと伸張セットの上面図である。
図2B】一例のIVセットと伸張セットの上面図である。
図2C】一例のIVセットと伸張セットの上面図である。
図3】開示の態様による、IVセット・タイマ・デバイスの前面図である。
図4】開示の態様による、タイマ・デバイスを備えたIVセットの斜視図である。
図5】開示の態様による、タイマ・デバイスを備えたIVセットの斜視図である。
図6】開示の態様による、タイマ・デバイスを備えたIVセットの斜視図である。
図7】開示の態様による、タイマ・デバイスを備えたIVセットの斜視図である。
図8】開示の態様による、IVセット・タイマ・デバイスを備えたIVセットを作成する方法の図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に記載される詳細な説明は、主題の技術の種々の構成を記載しており、主題の技術が実施され得る構成のみを表現することは意図されていない。詳細な説明は、主題の技術の完全な理解を提供する目的のための特有の詳細を含む。したがって、寸法は、非制限的例として特定の態様に関して提供される。しかしながら、主題の技術は、これらの特有の詳細なしで実施され得ることは当業者に明らかであろう。一部の例では、よく知られた構造及び構成要素は、主題の技術の概念を曖昧にすることを回避するために、ブロック図の形態で示される。
【0012】
本開示は、主題の技術の実例を含み、添付の特許請求の範囲を限定していないことを理解されたい。主題の技術の種々の態様は、特定の、但し非制限的例に従ってここで開示される。本開示に記載される種々の実施例は、異なる方法及び変形形態で、並びに所望の用途又は実装形態に従って実施される場合もある。
【0013】
複数の図面の中で同様の参照番号が同様の又は対応する要素を指す図面を次により詳細に参照すると、4つの注入ポンプ22、24、26及び28を有し、その各々が、上流流体ライン30、32、34及び36とそれぞれ流体接続されている、患者ケア・システム20が図1に示されている。4つの注入ポンプ22、24、26及び28の各々はまた、下流流体ライン31、33、35及び37ともそれぞれ流体接続されている。流体ラインは、IV投与セットなど任意のタイプの流体導管であってよく、その中を通って流体が流れることができる。注射器ポンプを含め、多様なポンプ機構のいずれも使用することができることを理解されたい。
【0014】
流体補給品38、40、42及び44は、種々の形態を採り得るが、この場合には、ボトルとして示されており、逆さにされて、ポンプより上に吊り下げられている。流体補給品はまた、バッグ又は注射器を含む他のタイプの容器の形態を採る場合もある。患者ケア・システム20及び流体補給品38、40、42及び44は共に、ローラ・スタンド、IVポール46、テーブルの上などに設置される。
【0015】
別個の注入ポンプ22、24、26及び28が、流体補給品の流体の各々を患者に注入するために使用される。注入ポンプは、それぞれの流体ラインに対して作用して、流体補給品からの流体を流体ラインを通って患者48まで移動させる流れ制御デバイスである。個別のポンプが使用されることから、各々が、それぞれの流体補給品からの特定の医療流体を、医者によってその流体に関して定められた特定の割合で患者に注入するのに必要な汲み上げパラメータ又は動作パラメータを個別に設定することができる。そのような医療流体は、薬剤又は栄養剤又は他の流体を含んでよい。注入ポンプ22、24、26及び28は、ポンプ制御ユニット60によって制御される。
【0016】
流体補給品38、40、42及び44は各々、電子データ・タグ81、83、85及び87にそれぞれ結合される、又は電子送信機に結合される。注入システムと対応付けられた任意のデバイス又は構成要素が、電子データ・タグ、リーダ又は送信機を装備してもよい。
【0017】
典型的な注入セットはまた、注入ポンプの使用を必要としない重力セットであってもよい。例えば、流体補給品38、40、42及び44のいずれかが、重力IVセットを介して患者48に直接接続されてもよく、その場合、ポンプの助けを借りることなく、重力が流体を注入セットを通り、患者48の中に流れるようにさせる。
【0018】
典型的には、医療流体投与セットは、図2A図2Cに示されるものなど、図1に示されるものより多くの部品を有する。注入セットは、注入構成要素及び配管の任意の組み合わせから形成されてよい。典型的には、注入構成要素及び配管は、一度使用され、その後排気される使い捨て製品である。注入構成要素及び配管は、任意の好適な材料(例えばプラスチック、シリコーン、ゴム)から形成されてよく、その多く、又はその全ては、内部の流体流れ又は流体レベルを見ることができるように透明又は半透明である。
【0019】
図2Aに示されるように、注入セット120は、ドリップ・チャンバ130、チェック弁140、流れコントローラ150(例えばローラ・クランプ)及び配管160によって一緒に接続されたポンプ・セグメント165を含んでよい。注入セット120はまた、ニードルレス・ポート175並びにルアー・ロック・コネクタ180を注入セット120の端部に有するY字形状の接合部を有するY字箇所170を含んでもよい。ルアー・ロック・コネクタ180は、例えば患者の体内に挿入されたカテーテルへの接続のために使用されてよい。注入セット120は、追加の注入構成要素を含んでもよく、構成要素及び配管160の任意の組み合わせで形成されてよい。例えば、注入セット120のポンプ・セグメント165のための配管160の長さを置き換えることで、注入セット120をポンプIVセットから重力IVセットに変更することができる。
【0020】
図2Bに示されるように、IV伸張セット120aが、IVセット、注入ポンプ、注射器ポンプなど任意の2つの注入構成要素又はデバイスを接続するのに使用されてよい。IV伸張セット120aは、ルアー・ロック・コネクタ180aと、流れコントローラ150aとを含む。同様に図2Cに示されるように、別のIV伸張セット120bは、ルアー・ロック・コネクタ180bと、流れコントローラ150bとを含む。
【0021】
開示の態様では、主題の技術は、IVセットの一部としてタイマ・デバイスを提供する。例えば、IVセットは、IVセットの残りの使用寿命を視覚的に示す内蔵式タイマ・インジケータを有してもよい。これは、IVセットの正確な使用を実現し、IVセットの頻度の高すぎる取り替え(例えば、臨床医は、いつIVセットの使用寿命が終わるかについて確信が持てず、IVセットをあまりに頻繁に取り替えてしまい、交換したIVセットの残りの使用寿命の時間を浪費する)及びIVセットの使用寿命を過ぎてIVセットを酷使する(例えば、臨床医はいつIVセットの使用寿命が終わるかについて確信が持てず、IVセットを取り替える頻度があまりに低く、医療、投与及び法律上の問題を引き起こす可能性がある)ことの両方をなくす。
【0022】
図3に示されるように、IVセット・タイマ・デバイス200が提供される。IVセット・タイマ・デバイス200は、IVセットが使用されている周辺空気中のCOなど、二酸化炭素(CO)に曝されたとき、色を変化させる構造を有するラベル又はタグであってよい。例えば、IVセット・タイマ・デバイス200は、IVセット・タイマ・デバイス200が対応付けられるIVセットがその包装(例えば真空密閉された)から取り出され、これによりIVセット・タイマ・デバイス200が空気中のCOに曝されるタイミングで開始する。別の実例では、IVセット・タイマ・デバイス200は、カバーが取り外され(例えば剥がされ)、IVセット・タイマ・デバイス200が空気中のCOに再び曝されるタイミングで開始してもよい。
【0023】
さらに別の実例として、IVセット・タイマ・デバイス200は、温度変化に曝されたとき色を変化させる構造を有してもよい。例えば、IVセット・タイマ・デバイス200は、IVセットが使用する状態にされたとき、注入セット構成要素に進入する注入流体の温度に基づいて温度が変化する注入セット構成要素上に配設されてもよい。
【0024】
図3に示されるように、IVセット・タイマ・デバイス200は、インジケータ部分210、表示部分220、タイミング表示230、命令部分240及び命令表示250を含む。図3に示されるようなインジケータ部分210は、中心円形部分であり、これは、IVセットの使用寿命を通して色を変化させる。例えば、貯蔵中であり、使用より前には、インジケータ部分210は、それを覆い、インジケータ部分210が空気中のCOに曝されないように保護する剥ぎ取りラベルを有してよい。したがってIVセットが使用する状態にされたとき、剥ぎ取りラベルが取り外され、空気中のCOへのその後の露出が、IVセット・タイマ・デバイス200のタイマ機能を開始する。
【0025】
図3に示される表示部分220は、インジケータ部分210の大半を囲む外周である。表示部分220は、各々が特定の時間周期に対応付けられた異なる色付け部分(例えばオレンジ部分、赤の部分、明るい茶色の部分、焦げ茶の部分)を含む。対応付けられた時間周期は、その時間周期の言語記述(例えば1日目、2日目、3日目、4日目)などの、タイミング表示230によって示される。例えば、インジケータ部分210が、空気中のCOへの露出によって作動されたとき、インジケータ部分210は、最初の時間周期の間、表示部分220の色(例えば1日目に対応付けられたオレンジ色)に一致するように既に一致している、又は既に変わっていてもよい。各時間周期が終了すると、インジケータ部分210は、次の時間周期の色(例えば2日目に対応付けられた赤色)に一致するように色を変化させる。
【0026】
図3に示される命令部分240は、インジケータ部分210を囲む外周の残りの部分であり、表示部分220のいずれとも異なる色付け部分(例えば黄色の部分)を含む。対応付けられた命令表示250は、IVセットの使用時間が終わったときに行うべきものについての命令(例えばIVセットを交換する)に基づいて言語及び/又は絵であってよい。例えば、最終の時間周期が終わったとき、インジケータ部分210は、命令部分240の色に一致するように色を変化させる。
【0027】
よって、使用中のIVセットについてIVセット・タイマ・デバイス200のインジケータ部分210を迅速にちらりと見ることで、臨床医は、IVセットについての使用寿命がどのくらい残っているかを容易に且つ迅速に判断することができる。例えば図3に示されるインジケータ部分210が焦げ茶色である場合、臨床医は、そのIVセットがその使用寿命の最終日にあることを判断し、その24時間の期間内にIVセットを交換するための準備をすることができる。ここで、臨床医は、IVセットの交換をオーダーし、その部屋の、又は特定の場所の在庫品をチェックして交換IVセットが手元にあることを確認し、IVセットをまもなく交換する必要があるシフトの変更のため、及び必要であり得る任意の他の準備のための命令を入力することができる。開示の態様では、インジケータ部分210は、臨床医が、デバイスがIVセットの寿命を超過する注入治療を開始する前に、十分な使用時間が残されているかどうか知ることを可能にする。このケースでは、臨床医は、IV治療を開始する前にIVセットを取り替えることで、IVセットを交換するために治療を中断する必要を回避することができる。
【0028】
開示の態様では、IVセット・タイマ・デバイスは、任意の好適な形態又は形式を有してよい。例えば、IVセット・タイマ・デバイス200に示される円形形態の変わりに、IVセット・タイマ・デバイスは、ストリップの連続する部分が経時的に色を変化させる線形ストリップであってもよい。別の実例として、IVセット・タイマ・デバイスは、ストリップ、円形パッチ、正方形パッチ、又はストリップ全体若しくはパッチ全体が一様に経時的に色を変化させる任意の他の幾何学的に成形されたパッチであってもよい。例えば、幾何学的パッチは、その中心のある地点から色を変化させ始め、色の変化は、経時的に幾何学形状の周辺に対して外向きに放射状に広がり、この場合、周辺に到達する色の変化は、IVセット又はIVセット構成要素の使用寿命が終わったことを示す。別の実例は、色の変化が一端で始まり、経時的に他端に向かって移動し、色の変化がストリップ上の端部ラインに達したとき、同様に使用寿命の時間周期の終わりを示す。
【0029】
開示の態様では、表示及び/又は命令は、IVセット・タイマ・デバイスの任意の好適な部分に配設されてもよい。例えば、表示及び/又は命令は、色の変化が表示/命令の真下で、及び/又はその周りで生じるインジケータ部分の頂部にプリントされてもよい、インジケータ部分のその部分が色を変化させるときに表示/命令を見ることができるようになるように、インジケータ部分の一部としてインジケータ部分以外の外側部分に(例えば周辺又は端部ラインを超えて)プリントされてもよい、又は任意の他の好適な形態であってもよい。
【0030】
図4及び図5は、小型の注入構成要素とIV配管160の異なる組み合わせを有する一例のIV伸張セット300、310を示す。例えば、伸張セット300は、Y字型箇所170、スパイク190、ルアー・ロック・コネクタ180、IV配管160及び流れコントローラ150を含むのに対して、伸張セット310は、ニードルレス・ポート195、流れコントローラ150、ルアー・ロック・コネクタ180及びIV配管160を含む。両方のIV伸張セット300、310とも、ラベルとしてIV配管160に貼り付けられたIVセット・タイマ・デバイス200を含み、各IVセット・タイマ・デバイス200は、作動された後、経時的に色を変化させるインジケータ部分210を有する。ここで、IVセット・タイマ・デバイス200は、IVセット・タイマ・デバイス200を含むのに適した(例えば十分に大きい、部分的に隠されることが許される)注入構成要素がIV伸張セット300、310の中に全くない場合、ラベルとしてIV配管160に貼り付けられてよい。
【0031】
開示の態様によると、IV伸張セット300、310が真空密閉された包装又は気密性の包装から取り出されるとき、インジケータ部分210は、周辺空気に曝されたときに自動的に作動され、そのタイミング機能を開始してよい。開示の態様によると、IV伸張セット300、310が使用する状態にされたとき、剥ぎ取りラベル又は覆いがインジケータ部分210から剥がされてよく(例えば取り外されてよく)、インジケータ部分210はその後、周辺空気に曝されたときに作動され、そのタイミング機能を開始してよい。
【0032】
図6及び図7は、注入構成要素とIV配管160の異なる組み合わせを有する一例のIVセット400、410を示す。例えば、IVセット400は、ドリップ・チャンバ130、カテーテル185、IV配管160、流れコントローラ150及びハンガー192を含むのに対して、IVセット410は、スパイク190を備えたドリップ・チャンバ130、流れコントローラ150、ニードルレス・ポート175を備えたY字型箇所170、ルアー・ロック・コネクタ180及びIV配管160を含む。両方のIV伸張セット400、410ともラベルとしてドリップ・チャンバ130に配設されたIVセット・タイマ・デバイス200を含み、各IVセット・タイマ・デバイス200は、作動された後、経時的に色を変化させるインジケータ部分210を有する。ここで、IVセット・タイマ・デバイス200は、ドリップ・チャンバ130がIVセット・タイマ・デバイス200を含むのに適しているため(例えば十分に大きい、部分的に隠されることが許される)、ドリップ・チャンバ130上に配設されてよい。
【0033】
開示の態様では、IVセット・タイマ・デバイスは、IVセット構成要素と一体式であってよい。例えば、図6及び図7に示されるIVセット・タイマ・デバイス200は、ドリップ・チャンバ130自体の一部として形成されてよい、及び/又はドリップ・チャンバ130の全体がシー・スルーの本体が、ドリップ・チャンバ130内への視認性を維持しつつ、経時的に本体の色を変化させるタイマ・デバイス材料を含んでもよい。同様に、IV配管160の一部又はIV配管160の全長が、IV配管160内への視認性を維持しつつ、経時的にIV配管160の色を変化させるタイマ・デバイス材料を含んでもよい。
【0034】
開示の態様では、任意のIVセット構成要素が、ドリップ・チャンバ130、チェック弁140、流れコントローラ150、配管160、Y字型箇所170、ルアー・ロック・コネクタ180、カテーテル185、スパイク190など、タイマ・デバイス材料の一体式に形成された部分を含んでもよい。上記のいずれにおいても、IVセット構成要素のIVセット・タイマ材料部分は、カバー又はラベルを剥ぎ取ることによって、気密性の包装又は真空密閉された包装から取り出されることによって、温度変化に内部及び/又は外部が曝されることによって、或いは任意の他の好適な作動プロセスによって作動されてよい。
【0035】
開示の態様では、IVセット・タイマ・デバイス200は、IVセットの製造中及び包装中にIVセット構成要素に加えられてよい。開示の態様では、IVセット・タイマ・デバイス200は、ロール上、シート上、個別の包装の中、又は任意の他の好適な貯蔵デバイスの中に別々に設けられてよく、この場合、臨床医又はユーザは、IVセットが使用する状態にされたとき、IVセットの一部の部分にIVセット・タイマ・デバイス200を貼り付ける。
【0036】
例えば、カバー・ラベルを備えたIVセット・タイマ・デバイスのロール又はシートが医療処置領域内で手元にあってよい。ここで、新しいIVセット又はさらには新しい単一のIVセット構成要素が使用する状態にされたとき、臨床医は、IVセット・タイマ・デバイス200をロール又はシートから取り外し、これにより接着性の裏面を露出させ、接着性の面をIVセット構成要素に貼り付け、その後、前面カバー・ラベルを剥ぎ取ってIVセット・タイマ・デバイス200を作動させる。
【0037】
別の実例として、IVセット・タイマ・デバイス200は、気密性の包装又は真空密閉された個々の包装内に密閉されてもよい。ここで、新しいIVセット又は新しい単一のIVセット構成要素が使用する状態にされたとき、臨床医は、IVセット・タイマ・デバイス200を密閉された個々の包装から取り出し、インジケータ部分210を空気に曝してIVセット・タイマ・デバイス200を作動させ、カバーを剥ぎ取って接着性の裏面を露出させ、接着性の面をIVセット構成要素に貼り付ける。
【0038】
開示の態様では、IVセット・タイマ・デバイス200は、アプリケータ・デバイス(例えばアプリケータ・ガン)によって貼り付けられてもよい。例えば、手持ち式アプリケータ・デバイス(例えば、テープ・ガン又はラベル・アプリケータ)が、必要に応じてIVセット・タイマ・デバイス200をIVセット構成要素に貼り付けるために臨床医によって使用されてもよい。ここで、アプリケータ・デバイスは、IVセット・タイマ・デバイス200を支持体ロールから持ち上げて、IVセット・タイマ・デバイス200の接着性の面を露出させ、アプリケータ・デバイスからIVセット構成要素に貼り付けたとき、カバー・ラベルをインジケータ部分210から剥ぎ取ってIVセット・タイマ・デバイス200を作動させてよい。別の実例として、アプリケータ・デバイスは、製造システム又は組み立てシステムのロボット部分又はマシン部分であってもよく、この場合、IVセット・タイマ・デバイス200は、IVセットの製造中、組み立て中又は包装中に、IVセット構成要素に自動的に貼り付けられる。
【0039】
開示の一部の態様によると、IVセット・タイマ・デバイスを備えたIVセットを作成する方法500が図8に示される。ステップ510において、IVセット・タイマ・デバイス(例えばIVセット・タイマ・デバイス200)が、IVセット構成要素(例えばドリップ・チャンバ130、IV配管160)上に配設される、又は装着される。開示の態様では、IVセット・タイマ・デバイスは、IVセット構成要素に装着される(例えばくっつけられる)接着ラベル又はタグであってよい。開示の態様では、IVセット・タイマ・デバイスは、IVセット構成要素と一体式に形成されてよい。
【0040】
IVセットがステップ520において組み立てられる。例えば、種々のIVセット構成要素が完全なIVセット(例えばIVセット400、410)に組み立てられてよい。開示の態様では、IVセットは、ステップ520において最初に組み立てられ、その後、IVセット・タイマ・デバイスがIVセット構成要素上に配設される。開示の態様では、IVセット・タイマ・デバイスは、IVセット構成要素上に配設され、その後IVセットが組み立てられる。
【0041】
ステップ530において、IVセット・タイマ・デバイスを備えたIVセットが包装される。例えば、IVセット・タイマ・デバイスを備えたIVセットは、気密性バッグに挿入されてよく、バッグ内の空気が抜き取られる。別の実例として、IVセット・タイマ・デバイスを備えたIVセットは、バッグ内又は他の包装形態に真空密閉されてもよい。さらに別の実例では、IVセット・タイマ・デバイスを備えたIVセットは、非気密の又は非真空密閉のバッグ或いは非気密の又は非真空密閉の包装に挿入されてもよい。
【0042】
1つ又は複数の実施例では、静脈注射セット・タイマ・デバイスは、作動されると1つ又は複数の所定の時間に色を変化させるように構成されたインジケータ部分と、インジケータ部分の色と特有の時間周期との関係性を規定する表示部分と、インジケータ部分上に配設されるとき、空気に対するインジケータ部分の露出を防ぐように構成された取り外し可能保護カバーとを備え、インジケータ部分は、取り外し可能保護カバーがインジケータ部分から取り外されたときに作動されるように構成される。
【0043】
開示の態様では、インジケータ部分は円であり、表示部分は、円の外周の一部を囲むように配設される。開示の態様では、表示部分は、複数の部分を備え、各部分は、所定の時間の1つにおいてインジケータ部分の色に一致する色である。開示の態様では、プリントされた言語表示は、各表示色と対応付けられた時間周期を記述する。開示の態様では、命令部分が、円の外周の一部を囲むように配設され、命令部分は、所定の終了時間にインジケータ部分の色に一致する色である。開示の態様では、プリントされた言語命令は、インジケータ部分が命令部分の色に一致するように変化するときに取るべき行動を記述する。
【0044】
開示の態様では、取り外し可能保護カバーは、インジケータ部分の外面上に配設された剥ぎ取りラベルを備える。開示の態様では、取り外し可能保護カバーは、静脈注射セット・タイマ・デバイスを中に含む気密包装及び真空密閉包装のうちの1つを備える。開示の態様では、接着性コーティングが静脈注射セット・タイマ・デバイスの係合面に配設され、接着性コーティングは、静脈注射セット・タイマ・デバイスを静脈注射セット構成要素に装着するように構成される。開示の態様では、静脈注射セット・タイマ・デバイスは、静脈注射セット構成要素と一体式に形成されるように構成される。
【0045】
1つ又は複数の実施例では、静脈注射セットは、複数の接続された静脈注射セット構成要素と、静脈注射セット・タイマ・デバイスとを備える。静脈注射セット・タイマ・デバイスは、作動されると1つ又は複数の所定の時間に色を変化させるように構成されたインジケータ部分と、インジケータ部分の色と特有の時間周期との関係性を規定する表示部分と、インジケータ部分上に配設されるとき、空気に対するインジケータ部分の露出を防ぐように構成された取り外し可能保護カバーとを備え、インジケータ部分は、取り外し可能保護カバーがインジケータ部分から取り外されたときに作動されるように構成される。
【0046】
開示の態様では、インジケータ部分は円であり、表示部分は、円の外周の一部を囲むように配設される。開示の態様では、表示部分は、複数の部分を備え、各部分は、所定の時間の1つにおいてインジケータ部分の色に一致する色である。開示の態様では、プリントされた言語表示は、各表示色と対応付けられた時間周期を記述する。開示の態様では、命令部分が、円の外周の一部を囲むように配設され、命令部分は、所定の終了時間にインジケータ部分の色に一致する色であり、プリントされた言語命令は、インジケータ部分が命令部分の色に一致するように変化するときに取るべき行動を記述する。
【0047】
開示の態様では、取り外し可能保護カバーは、インジケータ部分の外面に配設された剥ぎ取りラベル、静脈注射セット・タイマ・デバイスを中に含む気密包装及び静脈注射セット・タイマ・デバイスを中に含む真空密閉包装のうちの1つを備える。開示の態様では、静脈注射セットは、静脈注射配管を含み、静脈注射セット・タイマ・デバイスは、静脈注射配管に装着される。開示の態様では、静脈注射セットは、ドリップ・チャンバを含み、静脈注射セット・タイマ・デバイスは、ドリップ・チャンバ上に配設される。開示の態様では、静脈注射セット・タイマ・デバイスは、複数の静脈注射セット構成要素のうちの1つと一体式に形成される。
【0048】
1つ又は複数の実施例では、静脈注射セット・タイマ・デバイスを備えた静脈注射セットを作成する方法は、静脈注射セット・タイマ・デバイスを静脈注射セット構成要素に装着するステップであって、静脈注射セット・タイマ・デバイスは、作動されると1つ又は複数の所定の時間に色を変化させるように構成されたインジケータ部分と、インジケータ部分の色と特有の時間周期との関係性を規定する表示部分と、インジケータ部分上に配設されるとき、空気に対するインジケータ部分の露出を防ぐように構成された取り外し可能保護カバーとを備え、インジケータ部分は、取り外し可能保護カバーがインジケータ部分から取り外されたときに作動されるように構成される、ステップと、静脈注射セット・タイマ・デバイスが装着された静脈注射セット構成要素を含む複数の静脈注射セット構成要素を組み立てられた静脈注射セットに組み立てるステップと、組み立てられた静脈注射セットを包装するステップとを含む。
【0049】
開示されるプロセスの方法における任意の特有の順序又は階層は、実例の手法の例示であることを理解されたい。設計又は実装の好みに基づいて、プロセスにおける特有の順序又は階層は、再構成されてもよい、又はその全ての例示されるブロックが行われてもよいことを理解されたい。一部の実装形態では、ブロックのいずれかが同時に行われてもよい。
【0050】
本開示は、当業者が本明細書に記載される種々の態様を実施することを可能にするために提供される。開示は、主題の技術の種々の実例を提供し、主題の技術は、これらの実例に限定されるものではない。これらの態様に対する種々の修正形態が、当業者には容易に明らかであり、本明細書に規定される包括的な原理は、他の態様に適用されてもよい。
【0051】
単数の要素に対する言及は、具体的にそうであることが記述されていなければ「1つ及び1つのみ」を意味することが意図されているのではなく、むしろ「1つ又は複数」を意味することが意図されている。具体的にそうでないことが記述されていなければ、用語「いくつかの」は、1つ又は複数を指す。男性の代名詞(例えば彼)は、女性及び中性(例えば彼女及びその)も含み、その逆もまた同様である。見出し及びサブ見出しは、あるとすれば、単に簡便にするために使用されており、発明を限定するものではない。
【0052】
用語「代表的な」は、本明細書では、「一例又は例示として機能」することを意味するために使用される。「代表的」として本明細書に記載されるいずれの態様又は設計も、他の態様又は設計に対して好ましい、又は有利であるように必ずしも解釈されるべきではない。一態様において、本明細書に記載される種々の代替構成又は動作は、少なくとも等価であるようにみなされてよい。
【0053】
本明細書で使用されるとき、項目の一部を分けるために、用語「又は」と共に、一連の項目に先行する「少なくとも1つの」という表現は、リストの各項目ではなく、リストを全体として修正する。「少なくとも1つの」という表現は、少なくとも1つの項目の選択を必要とするのではなく、むしろ、その表現は、項目のいずれか1つのうちの少なくとも1つ、及び/又は項目の任意の組み合わせのうちの少なくとも1つ、及び/又は項目の各々のうちの少なくとも1つを含む意味を可能にする。一例として、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」という表現は、Aのみ、Bのみ、又はCのみ、或いはA、B及びCの任意の組み合わせを指してよい。
【0054】
「態様」などの表現は、そのような態様が主題の技術に必須であること、又はそのような態様が主題の技術の全ての構成に適用されることは示唆していない。一態様に関する開示は、全ての構成に適用されてよい、或いは1つ又は複数の構成に適用されてもよい。一態様は、1つ又は複数の実例を提供してよい。一態様などの表現は、1つ又は複数の態様を指してもよく、その逆もまた同様である。「実施例」などの表現は、そのような実施例が主題の技術に必須であること、又はそのような実施例が主題の技術の全ての構成に適用されることは示唆していない。一実施例に関する開示は、全ての実施例に適用されてよい、或いは1つ又は複数の実施例に適用されてもよい。一実施例は、1つ又は複数の実例を提供してよい。一実施例などの表現は、1つ又は複数の実施例を指してもよく、その逆もまた同様である。「構成」などの表現は、そのような構成が主題の技術に必須であること、又はそのような構成が主題の技術の全ての構成に適用されることは示唆していない。構成に関する開示は、全ての構成に適用されてよい、或いは1つ又は複数の構成に適用されてもよい。構成は1つ又は複数の実例を提供してよい。一構成などの表現は、1つ又は複数の構成を指してもよく、その逆もまた同様である。
【0055】
本明細書で使用されるとき、用語「決定する」又は「決定すること」は、広範な行動を包含する。例えば、「決定すること」は、ユーザの介入なしでハードウェア要素を介して、計算すること、算出すること、処理すること、抽出すること、生成すること、獲得すること、検索すること(例えば表、データベース又は別のデータ構造を検索すること)、確認することなどを含んでよい。また、「決定すること」は、ユーザの介入なしでハードウェア要素を介して、受信すること(例えば情報を受信すること)、アクセスすること(例えば、メモリ内のデータにアクセスすること)などを含んでよい。「決定すること」は、ユーザの介入なしでハードウェア要素を介して、解決すること、選択すること、選ぶこと、確立することなどを含んでよい。
【0056】
本明細書で使用されるとき、用語「提供する」又は「提供すること」は、広範な行動を包含する。例えば「提供すること」は、その後の抽出のために記憶デバイスのある場所に値を記憶すること、少なくとも1つの有線又は無線通信媒体を介して受信者に直接値を送信すること、値に対する参照値を送信すること、又は記憶することなどを含んでよい。「提供すること」はまた、ハードウェア要素を介して、符号化すること、復号すること、暗号化すること、暗号解読すること、実証すること、検証すること、挿入することなどを含んでもよい。
【0057】
一態様では、そうでないことが記述されなければ、全ての測定値、値、定格、位置、大きさ、サイズ、及び次に続く特許請求の範囲内を含めたこの明細書に記載される他の仕様は、おおよそであって、正確ではない。一態様では、それらは、それらが関連する機能と一致し、それらが属する分野において慣例であるものと一致する、妥当な範囲を有することが意図されている。
【0058】
開示されるステップ、動作又はプロセスの特有の順序又は階層は、一例の手法の例示であることを理解されたい。設計の好みに基づいて、ステップ、動作又はプロセスの特有の順序又は階層は、再構成されてもよいことを理解されたい。ステップ、動作又はプロセスの一部は、同時に行われてもよい。ステップ、動作又はプロセスの一部又は全ては、ユーザの介入なしで自動的に行われてもよい。添付の方法クレームは、存在するのであれば、サンプル順序での種々のステップ、動作又はプロセスの要素を提示しており、提示された特有の順序又は階層に限定されることは意味していない。
【0059】
当業者に知られる、又は後に知られるべき、本開示を通して記載される種々の態様の要素に対する全ての構造及び機能的等価物は、参照により本明細書に明白に組み込まれており、特許請求の範囲によって包含されることが意図されている。さらに、本明細書に開示されるいずれも、そのような開示が特許請求の範囲において明示的に列挙されているかどうかにかかわらず、公共に捧げられることが意図されている。いずれのクレーム要素も、「~のための手段」という表現を使用して明白に列挙されるのでなければ、又は方法クレームの場合、その要素が「~のためのステップ」という表現を使用して列挙されているのでなければ、米国特許法第112条(f)の規定の下に解釈されるべきではない。さらに、「含む」「有する」などの用語が使用される範囲で、そのような用語は、「備える」が特許請求の範囲において移行語として利用されるときに解釈されるように、用語「備える」と同様のやり方で包括的であることが意図されている。
【0060】
タイトル、背景、概要、図面の簡単な説明及び開示の要約はこれにより、開示に組み込まれており、制限的な説明としてではなく、開示の例示の実例として提供されている。それらは特許請求の範囲又は意味を限定するために使用されるのではないことの理解と共に提示されている。加えて、詳細な説明において、説明は、例示の実例を提供し、種々の特徴は、開示を合理化する目的のために種々の実施例において一緒にグループ化されることを見ることができる。開示のこの方法は、請求される主題は、各請求項において明白に列挙されるものを超える特徴を必要とする意図を反映するように解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、本発明の主題は、単一の開示される構成又は動作の全ての特徴より少ない状態である。以下の特許請求の範囲はこれにより詳細な説明に組み込まれており、その各請求項は、個別に請求される主題として独立している。
【0061】
特許請求の範囲は、本明細書に記載される態様に限定されることは意図されていないが、その言語の特許請求の範囲と一致する全ての範囲と一致すべきであり、全ての法的等価物を包含するべきである。それにも関わらず、特許請求の範囲のいずれも、米国特許法第101条、102条又は103条の要件を満たさない主題を含むことは意図されていないし、それらは、そのような方法で解釈されるべきでもない。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】