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特表2024-507390溶接装置とこの溶接装置に接続されている溶接要素とを有する溶接設備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-19
(54)【発明の名称】溶接装置とこの溶接装置に接続されている溶接要素とを有する溶接設備
(51)【国際特許分類】
   B23K 9/10 20060101AFI20240209BHJP
【FI】
B23K9/10 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023551790
(86)(22)【出願日】2022-02-28
(85)【翻訳文提出日】2023-08-24
(86)【国際出願番号】 EP2022054928
(87)【国際公開番号】W WO2022184613
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】21159979.0
(32)【優先日】2021-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504380611
【氏名又は名称】フロニウス・インテルナツィオナール・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】FRONIUS INTERNATIONAL GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【弁理士】
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】ホフマニンガー・フランツ
(72)【発明者】
【氏名】ラムザウアー・クリストフ
【テーマコード(参考)】
4E082
【Fターム(参考)】
4E082AA08
4E082GA05
4E082GA06
(57)【要約】
溶接設備1の溶接装置2と他の構成要素との間でデータ伝送するためのデータ線20を介した高周波点弧エネルギーの放出を減少させるため、電気絶縁装置35が設けられていて、この電気絶縁装置35では、データ線20の第1データ線区間20aが、第1結合要素21aに接続されていて、データ線20の第2データ線区間20bが、第2結合要素21bに接続されていることが提唱されている。この場合、第1結合要素21aと第2結合要素21bとが、データ線20を電気絶縁するために無線結合区間23を介して互いに接続されている。この場合、それぞれ1つの固有の給電部22a,22bが、第1結合要素21aと第2結合要素21bとごとに設けられていて、第1結合要素21aの給電部22aと第2結合要素21bの給電部22bとが、高周波点弧電圧uに起因するデータ線20上の高周波電圧に備えて互いに電気絶縁されて構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶接装置(2)と、この溶接装置(2)に接続されている溶接構成要素と、溶接のためにアークを高周波点弧するために高周波点弧電圧(u)を生成するための高周波点弧部(17)とを有する溶接設備であって、
データ線(20)が、前記溶接装置(2)と前記溶接構成要素との間に設けられていて、前記溶接装置(2)と前記溶接構成要素との間のデータ通信が、前記データ線(20)を介して実行される当該溶接設備において、
電気絶縁装置(35)が設けられていて、この電気絶縁装置(35)では、前記データ線(20)の第1データ線区間(20a)が、第1結合要素(21a)に接続されていて、前記データ線(20)の第2データ線区間(20b)が、第2結合要素(21b)に接続されていて、
前記第1結合要素(21a)と前記第2結合要素(21b)とが、前記データ線(20)を電気絶縁するために無線結合区間(23)を介して互いに接続されていること、及び
それぞれ1つの固有の給電部(22a,22b)が、前記第1結合要素(21a)と前記第2結合要素(21b)とごとに設けられていて、前記第1結合要素(21a)の給電部(22a)と前記第2結合要素(21b)の給電部(22b)とが、前記高周波点弧電圧(u)に起因する前記データ線(20)上の高周波電圧に備えて互いに電気絶縁されて構成されていることを特徴とする溶接設備。
【請求項2】
前記第1結合要素(21a)の給電部(22a)及び/又は前記第2結合要素(21b)の給電部(22b)は、バッテリ(28)として構成されていることを特徴とする請求項1に記載の溶接設備。
【請求項3】
供給電圧を供給する給電線(26)が、前記溶接設備(1)内に設けられていて、
前記給電線(26)上に発生する高周波電圧に備えるためにチョークコイル(27)の両側を分離するように構成されている前記チョークコイル(27)が、前記給電線(26)に配置されていること、及び
前記第1結合要素(21a)の給電部(22a)が、前記チョークコイル(27)の一方の側で前記供給電圧を受け取ることを特徴とする請求項1に記載の溶接設備。
【請求項4】
前記第2結合要素(21b)の給電部(22b)が、前記チョークコイル(27)の他方の側で前記供給電圧を受け取ることを特徴とする請求項3に記載の溶接設備。
【請求項5】
前記第1結合要素(21a)の給電部(22a)及び/又は前記第2結合要素(21b)の給電部(22b)が、光電池モジュール(32)として構成されていること、及び
光を前記光電池モジュール(32)に照射する光源(31)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の溶接設備。
【請求項6】
電力を前記光源(31)に供給するバッテリ(28)が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の溶接設備。
【請求項7】
電力が、前記第1結合要素(21a)の給電部(22a)から前記光源(31)に供給されていて、前記光電池モジュール(32)は、前記第2結合要素(21b)の給電部(22b)として設けられていることを特徴とする請求項5に記載の溶接設備。
【請求項8】
供給電圧を有する給電線(26)が、前記電気絶縁装置(35)を通して敷設されていて、前記給電線(26)は、前記第1結合要素(21a)の給電部(22a)として設けられていることを特徴とする請求項7に記載の溶接設備。
【請求項9】
前記電気絶縁装置(35)は、電気絶縁ボックス(30)形式の独立したユニットとして構成されていることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の溶接設備。
【請求項10】
データ線(20)をこのデータ線(20)上の高周波電圧から電気絶縁するための方法において、
データ(D)が、前記データ線(20)を介して溶接装置(2)とこの溶接装置(2)に接続されている溶接構成要素との間で交換され、前記溶接装置(2)による溶接のためにアークを高周波点弧するため、高周波点弧電圧(u)が、高周波点弧部(17)によって生成され、
前記高周波点弧電圧(u)は、前記データ線(20)上の高周波電圧を生成する当該方法において、
前記データ線(20)が、第1データ線区間(20a)と第2データ線区間(20b)とに電気絶縁され、前記第1データ線区間(20a)は、第1結合要素(21a)に接続され、前記第2データ線区間(20b)は、第2結合要素(21b)に接続され、
前記第1結合要素(21a)と前記第2結合要素(21b)とが、無線結合区間(23)を介して互いに接続されること、及び
前記第1結合要素(21a)と前記第2結合要素(21b)とはそれぞれ、固有の給電部(22a,22b)によって給電され、前記第1結合要素(21a)の給電部(22a)と前記第2結合要素(21b)の給電部(22b)とが、前記データ線(20)上の高周波電圧に備えて互いに電気絶縁されることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接装置と、この溶接装置に接続されている溶接構成要素と、溶接のためにアークを高周波点弧するために高周波点弧電圧を生成するための高周波点弧部とを有する溶接設備に関する。この場合、データ線が、当該溶接装置と当該溶接構成要素との間に設けられていて、当該溶接装置と当該溶接構成要素との間のデータ通信が、当該データ線を介して実行される。そして本発明は、当該データ線上の高周波電圧に備える電気絶縁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばMIG(金属不活性ガス)溶接、MAG(金属活性ガス)溶接、WIG(タングステン不活性ガス)溶接、MMA(手動金属アーク)溶接、WAAM(ワイヤアーク式金属積層造形/ワイヤー・アーク・アディティブマニュファクチャリング)溶接又はプラズマ溶接のような、様々なアーク溶融溶接方法が公知である。MIG溶接、MAG溶接、MMA溶接及びWAAM溶接の場合、同時に溶加材として使用される溶融電極が使用される。WAG溶接及びプラズマ溶接の場合、非溶融電極が使用され、溶加材が、溶接時にアークに必要に応じて別に供給される。同様に、溶接を開始するためにアークを点弧するための様々な方法が公知である。主に、接触点弧方式がある。当該接触点弧方式の場合、点弧のため、溶接電極と溶接すべきワークとが接触され、当該接触後に当該溶接電極を当該ワークから引き離すと、アークが、当該溶接電極に通電する電流によって点弧される。非接触式の点弧の場合、溶接電極とワークの表面との間のシールドガス空間をイオン化し、導電性にする結果として、発生するカスケード効果によって安定なアークを点弧するため、当該溶接電極が、溶接すべきワークに対して間隔をあけて維持され、高周波の高電圧が、当該溶接電極に印加される。この高周波点弧の場合、一般に、高電圧変圧器が使用される。(一般に、1kV~20kVの範囲内にある)高周波点弧電圧を1つの溶接ケーブル又は2つの溶接ケーブルの間に並列に入力するため、この高電圧変圧器の二次側が、例えば、当該溶接電極に接続されている1つの溶接ケーブルに配置されているか、又は2つの溶接ケーブルの間に並列に配置されている。様々な溶接方法及び様々な点弧方法が、手溶接及びロボット溶接で使用可能である。
【0003】
可能な限り安定な高周波点弧を保証するため、溶接電極とワークとの間の高周波アークの発生用の高周波アークエネルギーが、当該アークを点弧するために使用され、当該高周波アークエネルギーの全体又は一部が、漏れ電流として及び/又は漏洩電流として他の望まない導電性経路及び/又は通常は導電性でない経路を介して通電しないことが有益である。当該非常に高い高周波点弧電圧に起因して、それ自体非導電性の経路も導電性になり得て、漏れ電流又は漏洩電流が発生し得る。したがって、漏れ電流又は漏洩電流が発生し得る経路は、一般に電気漏洩経路(elektrische Leckagepfade)と呼ばれる。電気漏洩経路によって発生し得る損失を考慮するため、許容される高周波点弧エネルギー量は、安全性の理由から、例えばアーク点弧装置及び安定化装置用のEN60974-3のような標準規格によって制限されている。その結果、点弧エネルギーが任意に増大され得ない。それ故に、電気漏洩経路による高周波点弧エネルギーの放出を減少させるか又は無くすことが重要である。このため、例えば欧州特許第1704012号明細書に記載されているように、高周波点弧エネルギーの全体を溶接電極に伝達し、溶接ケーブルを介する溶接装置への高周波点弧エネルギーの放出を回避するため、チョークコイルを溶接装置の電源と高周波点弧電圧を発生させるための高周波発生器との間に配置することが既に公知である。しかしながら、このようなチョークコイルは、低周波の有効信号が通電する電気ケーブルだけで有益に使用可能である。何故なら、さもなければ、高周波の有効信号も、不本意に減衰又は完全に遮断されることになるからである。このような低周波の有効信号は、例えば溶接ケーブル(溶接電流)又は給電線で伝送することができる。
【0004】
最近の溶接トーチでは、供給電圧が溶接装置から給電線を介して供給される電子装置もしばしば使用されている。当該溶接トーチ内の電子装置が、例えば溶接工程を制御するために使用される。溶接工程を、例えば溶接パラメータを設定又は調整することによって制御するため、溶接者用の操作要素、例えば溶接者によって操作され得るキー、ボタン、コントロールノブ等が、当該溶接トーチに配置され得る。また、溶接又は溶接工程に関する情報を溶接者に表示するため、ディスプレイ、発光体等のような表示要素が、溶接トーチに設けられ得る。さらに、例えばアーク電圧又は溶接電流を測定するための測定要素が、溶接トーチ又はコントロールノブ内に設けられ得る。この場合、当該測定要素によって検出された測定値が、データ線を介して溶接装置に伝送される。アーク電圧は、例えば溶接ワイヤ(溶融電極又は別個の溶加材)の送給を能動的に制御するために必要になる。溶接装置内のアーク電圧を測定するため、測定ケーブルが、溶接トーチから溶接装置へ敷設されてもよい。この場合、本発明用のこのような測定ケーブルも、データ線とみなされ得る。したがって、当該データ線を介して、アナログデータ若しくはデジタルデータ又はアナログ信号若しくはデジタル信号が、操作要素若しくは表示要素から、又は溶接設備の別の部分からも伝送され得る。
【0005】
データ線のためには、特に1Mbit/s~数Gbit/sの高いデータ伝送速度と、安定なデータ伝送とが必要になる場合は、電気シールドを有する、特に撚り線を有する特別なデータ線が、溶接装置の周囲で使用されなければならない。何故なら、溶接電流が、高い変化率(例えば、急峻な溶接電流エッジ)を有することがあり、これが、電磁誘導障害又は電磁誘導結合を当該データ線上で引き起こし得るからである。しかし、一般に接地されているデータ線の電気シールドは、理想的な電気漏洩経路である。何故なら、高周波点弧電圧は、例えばホースパケット内ではデータ線のシールド中に静電容量性に入力し得るからである。シールドなしにデータ線を使用する場合、高周波結合が、当該データ線の複数の心線で発生し得る。これにより、同様に、高周波点弧エネルギーが、溶接電極から放出し得て、障害が、データ通信時に発生し得る。チョークコイルの使用が、測定ケーブルに対して、例えば欧州特許第1021269号明細書から既に公知である。この場合、高周波で点弧するため、測定ケーブルのチョークコイルが、高電圧変圧器の二次側に巻き付けられている。当該チョークコイルは、高周波の交流を減少させる。これにより、確かに高周波点弧エネルギーの放出は減少され得るが、同時に、当該チョークコイルの低域通過作用によって、測定ケーブルを介して可能な情報の伝送も、例えば減衰によって又は測定信号の周波数範囲の制限によって制限される。しかし、データ線による点弧エネルギーの放出を減少させるため、シールドされたデータ線又はシールドされていないデータ線をチョークコイルに巻き付けることが可能である。しかしながら、チョークコイルが、当該データ線にある場合、高周波エネルギーが、当該チョークコイルの必然的な高周波磁化によっても失われる。
【0006】
シールドされたデータ線における別の問題は、データ線のシールドと構造とに起因して、当該データ線の曲率半径が、シールドを破壊及び損傷させないように、製造メーカの仕様に基づいて所定の値を下回ってはならない点にある。しかし、その結果として、シールドされたデータ線を鉄心に巻き付けることによって、チョークコイルの寸法が大きくなる。当該チョークコイルの大きい寸法は、チョークコイルを扱いにくくし、コストを上昇させ、多くの場合に使用に適さない。したがって、より高周波の有効信号が発生するデータを伝送するためのシールドされたデータ線では、チョークコイルは、確かに基本的に同様に機能するが、当該チョークコイルは、シールドされたデータ線の最小曲率半径に起因して非常に急速に大容量になり、高価になり、重くなる。
【0007】
それ故に、チョークコイルを1つのデータ線用に(又は複数のデータ線に)使用することは、多くの理由からあまり有益でない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許第1704012号明細書
【特許文献2】欧州特許第1021269号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
それ故に、本発明の課題は、溶接装置と溶接設備の他の構成要素との間でデータ伝送するためのデータ線を介する高周波点弧エネルギーの放出を減少させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、独立請求項に記載の特徴によって解決される。
【0011】
データ線の可能なシールドの電気絶縁を伴う当該データ線の電気絶縁によって、当該データ線によって発生し得る高周波漏れ電流経路が形成されず、高周波点弧エネルギーの放出が回避され得る。結合要素の給電部による漏れ電流経路が形成されることを阻止するため、電力が、当該データ線上で発生する高周波電圧に備えて互いに電気絶縁されて構成されている別個の給電部から当該結合要素に供給されることが提唱されている。これにより、高周波点弧エネルギーが、当該給電部によっても放出できない。したがって、当該データ線上の強力な高周波絶縁が、当該データ線中のチョークコイルなしに実現され得る。
【0012】
好ましくは、当該第1結合要素の給電部及び/又は当該第2結合要素の給電部は、バッテリとして構成されている。放電経路の形成を阻止するため、別個の複数のバッテリが、例えばこれらのバッテリの複数の電極を空間的に十分に離間させることによって、高周波電圧に備えて簡単に電気絶縁されて構成され得る。
【0013】
特に好適な構成では、供給電圧を供給する給電線が、結合要素に給電するために使用される。このため、当該給電線上に発生する高周波電圧に備えるためにチョークコイルの両側を分離するように構成されている当該チョークコイルが、当該給電線に配置されている。当該第1結合要素の給電部が、当該チョークコイルの一方の側で当該供給電圧を受け取る。好ましくは、当該第2結合要素の給電部が、当該チョークコイルの他方の側で当該供給電圧を受け取る。
【0014】
同様に好適な構成では、光技術が、複数の給電部を電気絶縁するために利用される。このため、当該第1結合要素の給電部及び/又は当該第2結合要素の給電部が、光電池モジュールとして構成されていて、光を当該光電池モジュールに照射する光源が設けられている。この場合、電力が、当該第1結合要素の給電部から当該光源に供給されていて、当該光電池モジュールは、当該第2結合要素の給電部として設けられていることが有益である。したがって、これらの給電部が、高周波電圧に備える光路を介して電気絶縁されることが達成され得る。
【0015】
以下に、本発明を、例示的に、概略的に且つ限定しないで本発明の好適な構成を示す図1~7を参照して詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】高周波点弧部を有し、且つこの溶接装置とデータ線を介してこの溶接装置に接続されている溶接構成要素との間でデータ通信するための当該データ線を有する溶接設備を示す。
図2】本発明の電気絶縁装置を示す。
図3】結合要素の構成を示す。
図4】給電線を介して給電を実行する本発明の電気絶縁装置を示す。
図5】バッテリを有する結合要素の構成を示す。
図6】バッテリを有する結合要素の構成を示す。
図7】光路を介して電力を供給する高周波電気絶縁を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1には、WIG溶接のための溶接設備1が例示的に且つ概略的に示されている。溶接トーチ3にある溶接電極4が、電極ケーブル5を介して溶接装置2に接続されている。この場合には、非溶融電極式の溶接電極が、例えば電極電源コネクタ8を介して溶接装置2に接続されている。溶接すべきワーク7が、接地ケーブル6を介して溶接装置2に接続されている、例えば接地電源コネクタ9を介して溶接装置2に接続されている。溶接時に、アークが、溶接電極4とワーク7との間に発生し、溶接装置2内の電源部10によって生成される溶接電流が通電する。溶接工程を制御し監視する溶接制御部11が、溶接装置2内に設けられている。(図示されていない)ユーザインターフェースが、溶接装置2に設けられてもよい。ユーザが、当該ユーザインターフェースを介して溶接工程の溶接パラメータを選択、設定又は変更できる。溶接トーチ3が、溶接制御ケーブル12を介して溶接装置2に接続されている、例えば制御コネクタ13を介して溶接装置2に接続されている。溶接トーチ3にある操作要素14、例えばキー、ディスプレイ、コントロールノブ等が、溶接制御ケーブル12を介して溶接制御部11に接続され得る。これにより、溶接装置2と溶接トーチ3とが、データを単方向又は双方向に交換できる。同様に、溶接工程の溶接パラメータも、溶接トーチ3にあるこのような操作要素14を介して選択、設定又は変更され得て、及び/又は、設定された溶接パラメータが表示され得る。
【0018】
一般に、電極ケーブル5及び溶接制御ケーブル12は、共通の1つのホースパケット25内に配置されている。さらに配管、例えばシールドガス用の配管、トーチ冷却用の冷媒配管、溶接ワイヤ送給配管等が、このようなホースパケット25内によく知られている様式で配置されてもよい。
【0019】
図1に示された実施の形態では、溶接ワイヤ16を溶接位置へ送球する溶接ワイヤ送給装置15も設けられている。溶接ワイヤ送給装置15は、溶接装置2内に組み込まれ得るが、別個の装置として構成されてもよい。溶接ワイヤ送給装置15は、溶接工程を実行するためにワイヤ制御ケーブル18を介して溶接制御部11によって制御され得る。特に外部の溶接ワイヤ送給装置15の場合、ワイヤ制御ケーブル18は、溶接装置2にある同様に溶接制御部11に接続され得るワイヤ制御ケーブルコネクタ29内に差し込まれ得る。別の溶接設備では、溶接ワイヤが、ホースパケット25内に敷設されてもよく、溶融式の溶接電極として機能してもよい。
【0020】
溶接制御ケーブル12は、様々なケーブルを含み得る。電力を溶接トーチ3にある操作要素14に供給するため、例えば電力供給ケーブルが(多極式にも)設けられ得る。溶接装置2と溶接トーチ3との間でデータを伝送するため、(図1に示されていない)データ線20が、溶接制御ケーブル12に設けられてもよい。データ通信バスが、このデータ線20にわたって実装され得る。データが、このデータ通信バスを介して予め設定されている通信プロトコルによって伝送され得る。例えば、溶接電極4の電位を検出するため、又はアナログ信号を伝送するため、測定ケーブル又は信号ケーブルが、データ線として設けられてもよい。
【0021】
同様に、ワイヤ制御ケーブル18は、様々なケーブルを含み得る。電力を溶接ワイヤ送給装置15に溶接装置2によって供給するため、電力供給ケーブルが(多極式にも)設けられ得る。ワイヤ制御ケーブル18は、(図1に示されていない)データ線20も含み得る。データ通信バスが、このデータ線20にわたって実装され得る。溶接ワイヤの送給を開ループ制御及び/又は閉ループ制御するため、データが、このデータ通信バスを介して予め設定されている通信プロトコルによって単方向又は双方向に伝送され得る。
【0022】
溶接のためのアークを点弧(点弧は、再点弧も意味する)するため、必要に応じて存在する(図示されていない)無負荷電圧昇圧器(Leerlaufspannungserhoehung)と、必要に応じて存在する(図示されていない)補助電源とに加えて、高周波電圧源19が、高周波点弧部17内に設けられ得る。高周波点弧部17は、溶接ケーブル、一般に電極ケーブル5に入力される電圧振幅uを有する高周波点弧電圧uを、一般に点弧電圧インパルスとして生成する。図1による実施の形態では、高周波電圧源19が設けられている。この高周波電圧源19の出力電圧が、高周波変圧器によって高周波点弧電圧uに昇圧される。この実施の形態では、当該高周波変圧器の二次巻線が、電源部10と電極電源コネクタ8との間のケーブルに配置されていて、高周波点弧電圧uが、電極ケーブル5に入力される。しかし、高周波点弧電圧uは、電極ケーブル5と接地ケーブル6との間に印加されてもよい。高周波点弧部17は、必ずしも溶接装置2内に配置される必要はなくて、別個装置として溶接装置2の外側又は溶接ワイヤ送給装置15内に配置されてもよい。
【0023】
高周波点弧電圧uによって、ガスが、溶接電極4の周囲でイオン化され、アークが点弧される。当該ガスをイオン化するか又はガス区間をイオン化するためには、溶接電極4とワーク7との間の存在する距離に応じて、知られているように、1kV~20kVの範囲内の高電圧が、高周波点弧のために生成されなければならない。当該点弧のため、高周波点弧電圧uは、一般に100nsの範囲内の立ち上がり時間を伴う非常に急峻に立ち上がるエッジを有する高周波電圧インパルスとして生成される。安全上の理由により、許容される高周波点弧エネルギーは、例えば最大で4J/sによって制限されている。したがって、1秒当たりの高周波電圧インパルスの全エネルギーは、最大で4Jである。
【0024】
アークの点弧後に、さらに、高周波点弧電圧uが消失され、溶接工程が開始される。このような高周波点弧と、このような高周波点弧の可能な実施の形態とは周知である。
【0025】
(データ線20を有する)溶接制御ケーブル12と電極ケーブル5とが、例えばホースパケット25内又は溶接トーチ3内で空間的に近接しているので、高周波点弧電圧uを電極ケーブル5に印加したときに、クロストークが、電極ケーブル5と溶接制御ケーブル12の線路との間に(電磁誘導性に若しくは静電容量性に、又は放電経路若しくは漏れ電流経路にわたって)発生する。これにより、高周波点弧エネルギーが放出し、アークを点弧するための高周波点弧エネルギーが減少する。特に、溶接制御ケーブル12内のシールドされたデータ線20のシールド、例えばデータ通信用のシールドされたデータ線が、非常に顕著な高周波漏れ電流経路を形成することが分かっている。さらに、データ線20に対して平行に特定の経路にわたって延在する導電性の材料、例えばケーブル線又は接地ケーブルが、同様に顕著な高周波漏れ電流経路を形成する。
【0026】
しかし、高周波漏れ電流経路は、溶接ワイヤ16にわたっても発生し得る。アークを点弧させるためには、点弧アークが、溶接電極4からワーク7に向かって発生しなければならない。しかし、放電経路が、溶接電極4と溶接ワイヤ16との間に発生することが起こり得る。高周波点弧電圧uの高い電圧に起因して、及び急峻に立ち上がる電圧インパルスにも起因して、高周波点弧電圧uが、さらにワイヤ制御ケーブル18に向かって(電磁誘導性に、静電容量性に)クロストークし得る。ここでも、ワイヤ制御ケーブル18内のシールドされたデータ線20のシールド、例えばデータ通信用のシールドされたデータ線が、非常に顕著な高周波漏れ電流経路を形成する。したがって、高周波点弧エネルギーが、溶接ワイヤ16とワイヤ制御ケーブル18とによっても放出し得る。
【0027】
高周波漏れ電流経路を介して高周波電流が、高周波電圧に起因して通電し得ることは、高周波点弧電圧uによって引き起こされる。当然に、高周波電流及び高周波電圧は、高周波漏れ電流経路の種類にも依存する。高周波電圧は、高周波点弧電圧uと同程度であり得て、すなわち同様に当該高周波電圧の範囲内にあり得て、それどころか特定の場合には高周波点弧電圧uに一致し得る。
【0028】
高周波点弧エネルギーが、希望通りに上昇され得ない場合には、溶接ケーブル12及び/又はワイヤ制御ケーブル18若しくはワイヤ制御ケーブル18内に配置されたデータ線20を介した当該高周波点弧エネルギーのこのような放出は回避されなければならないか、又は少なくとも大幅に減少されなければならない。当該高周波点弧エネルギーの放出の回避又は大幅な減少を達成するため、以下で図2を参照して説明するように、データ線20上で発生し得る高周波電圧に備えるための電気絶縁装置35が設けられている。
【0029】
例えばワイヤ制御ケーブル18又は溶接制御ケーブル12内のデータ線20が、高周波電気絶縁装置35によって第1データ線区間20aと第2データ線区間20bとに電気絶縁される。この場合、データ線20の可能なシールドも同様に電気絶縁される。第1データ線区間20aは、第1結合要素21aに接続され、第2データ線区間20bは、第2結合要素21bに接続される。結合要素21aと結合要素21bとは、高周波電気絶縁装置35内で電気絶縁区間23を介して互いに接続されている。結合要素21a,21bは、データ線20上の電気信号Dを、無線送信器Sから無線結合区間23を介して無線受信器Eに伝送される無線伝送可能な送信信号Kに変換する。双方向に伝送するため、送信器Sと受信器Eとがそれぞれ、両結合要素21a,21bごとに設けられ得る。原理的には、個々のケーブルが双方向に稼働され得て、両端部に送信器S及び/又は受信器Eをそれぞれ有することも可能である。ここでは、「無線」は、送信器Sと受信器Eとの間の伝送区間としての導電体によらない伝送、すなわち電気絶縁伝送区間による伝送を意味する。無線結合区間23は、例えば空気、真空、非導電性の液体又は光ケーブルでもよいが、いずれにしても導電体ではない。空隙区間(Luftstrecken)及び漏れ電流経路(Kriechstrecken)が維持され得る限り、無線伝送可能な送信信号Kは、例えば、電磁波(光)として、又は(音響伝送のための)音波として、又は交番磁場(電磁誘導性伝送)として存在し得る。
【0030】
それぞれの結合要素21a,21bは、電気絶縁装置35内にこの電気絶縁装置35に実装された、データ線20上の電気信号Dを無線伝送可能な送信信号Kに変換するための変換器用の固有の給電部22a,22bを有する。結合要素21a,21b内の当該変換器は、コンバータ、データ変換器、無線通信器、トランシーバ又は信号変換器として構成され得る。給電部22aと給電部22bとの間には、高周波点弧電圧uを放出するための導電路がない。これは、例えば対応する構成又は構造によって保障され得る。
【0031】
変換器を有する結合要素21の可能な実施の形態が、図3に示されている。データ線20上の電気信号Dが、デジタル/デジタル変換器24内で適切に変換され、送信器Sを介して送信信号Kとして無線送信される。この実施の形態では、結合区間23は、光ファイバとして構成されている。反対に、受信器Eを介して無線受信された送信信号が、デジタル/デジタル変換器24によってデータ線20の電気信号Dに変換され得る。送信器S及び受信器Eと同様に、デジタル/デジタル変換器24が、データ線20のデータ通信プロトコルと結合区間23上の無線伝送の方式とに適合されていることが明らかである。給電部22の供給電圧を結合要素21の要求仕様に適合させるため、電圧変換器25、例えば図3に示されているようなDC/DC変換器が設けられてもよい。このため、当業者は、さらなる構成なしに結合要素21をその都度の使用状況に適切に適合させることができる。
【0032】
一般に、結合要素21の個々の構成要素は、電子素子として構成され得る。このため、一般に、当該電子回路は、当該電子回路の複数の部品が密に隣接しているプリント基板上に配置されている。数センチメートルの点弧間隔に打ち勝つように、高周波点弧電圧uが設計されている点に留意しなければならない。それ故に、高周波点弧電圧uと同程度であり得るデータ線20又はデータ線20のシールド上の高周波電圧が、例えば電磁誘導性又は静電容量性のクロストークによって又は形成されている放電経路又は漏れ電流経路によって、配線及び部品同士で狭い間隔を成すこのような電子回路内で簡単に伝送され得る。これは、何故、給電部22aと給電部22bとが(特に図2参照)、当該高周波電圧に備えて互いに電気絶縁されて構成されているのかの理由でもある。何故なら、さもなければ、当該高周波電圧は、給電部22aと給電部22bとをも介してさらに伝送され得るからである。
【0033】
データ線20に印加する高周波電圧、例えばデータ線20のシールドに印加する高周波電圧が、結合要素21a,21bと無線結合区間23とによって遮断され、第1データ線区間20aから第2データ線区間20bに伝送され得ず、又は第2データ線区間20bから第1データ線区間20aに伝送され得ない。給電部22aと給電部22bとが分離されているので、高周波漏れ電流経路が、これらの給電部22a,22bを介しても形成され得ず、高周波電流が通電し得ない。これにより、データ線20上の伝送すべき電気信号Dが悪影響を受けない。
【0034】
給電部22a,22bの好適な構成を、図4を参照して説明する。この図4では、結合要素21a,21bの構成が、上記のように、ここでは例えば結合区間23として光ファイバを有する。
【0035】
この場合、データ線20に加えて、給電線26も配置されている。電力が、溶接装置2から給電線26を介して所定の構成要素、例えば溶接ワイヤ送給装置15又は溶接トーチ3にある操作要素14に供給される。高周波を取り除くため、チョークコイル27が、公知のように給電線26に配置されている。チョークコイル27を構成するため、給電線26の心線が、公知のようにフェライトコア上に巻き付けられている。例えば減衰量を適合するため、インダクタンス、キャパシタンス及び/又は抵抗を有する別の配線が、チョークコイル27にさらに設けられてもよい。チョークコイル27は、高周波電圧が給電線26を介して伝送されることを回避する。したがって、高周波が、チョークコイル27の両側の給電線26で取り除かれている。これは、電力を結合要素21a,21bに供給するために利用され得る。両結合要素21a,21bのそれぞれの結合要素が、必要な電力をチョークコイル27の両側のうちの片側にある給電線26から電力を受け取る。これにより、高周波点弧電圧u用のこれらの給電部22a,22は互いに分離して構成されている。
【0036】
さらに、データネットワークの特別な実施の形態では、データ線20aが、第1デジタル/デジタル変換器24に給電するために使用され得て、データ線20bが、第2デジタル/デジタル変換器24に給電するために使用され得る。この場合、両給電は、適切に別々に実行される。
【0037】
給電部22a,22bは、図6のように別個のバッテリ28として構成されてもよく、図5のように追加のバッテリ28が設けられてもよい。さらに、バッテリ28が、簡単な手段によって交換され得ることもが提唱されてもよい。例えばリチウムイオンセルのような市販の再充電可能な蓄電池等も、バッテリ28として使用され得る。給電部22a,22bの再充電可能な複数のセルを、例えばUSBアダプタのような適切なアダプタを介してそれぞれ別々に充電することも考えられる。この場合、電気絶縁を維持しつつ、光電池モジュールが、当該電力を供給することも考えられる。光電池モジュールとしては、例えば光電効果に起因して光を電流に直接に変換する様々な素子、例えば光起電力素子が考えられる。純粋に受信器として機能する結合要素21内のバッテリの充電容量よりも大きい充電容量を有するバッテリ28が、送信器として機能する結合要素21に組み込むことも、当業者によって想到される。
【0038】
さらに、光技術、特にレーザ技術による結合要素21a,21bへの電力供給も、給電22として可能である。何故なら、当該技術は、同様に完全な電気絶縁を伴うからである。当該電極供給の実施の形態が、図7に例示されている。例えば、ここでは、光、例えばレーザ光が、光源31、例えばレーザから、例えば光ファイバ32を介して光電池モジュール32に集束され得る。電力が、(図7のように)給電線26から、又はバッテリ28から供給され得る。この給電線26又はバッテリ28は、第1結合要素21aの給電部22aとしても使用され得る。光電池モジュール32は、第2結合要素21b用の給電部22bとして使用される。しかし、光電池モジュール32は、(例えば、図5のように)内部バッテリ28も充電できる。図4のように、給電線26は、チョークコイル27を介して電気絶縁装置35を通るように敷設され得る。
【0039】
結合要素21に電圧を供給するために給電線26又は光電池モジュール32を使用する場合、図5に示されているように、さらにバッテリ28が設けられ得る。給電線26が不通電であるときでも、データ線20を介したデータ通信が、(図5に破線で示されているように)オプションとして給電線26を介しても充電され得るバッテリ28によって維持され得る。
【0040】
電気絶縁装置35の結合要素21a,21b、必要に応じて給電部22a,22b及びオプションのバッテリ28が、共通のハウジング内の特に電気絶縁ボックス30内に配置されている。これは、本発明によるデータ線20の高周波電気絶縁を、溶接設備のあらゆる任意の地点で提供することを可能にする。データ線20と給電線26のような別の配線とを対応するコネクタに接続するため、当該対応するコネクタが、電気絶縁ボックス30に設けられ得る。図1による溶接設備では、電気絶縁ボックス30は、例えば溶接装置2にある制御ケーブルコネクタ13の前方に配置され得るか、又は溶接装置2と溶接ワイヤ送給装置15との間のワイヤ制御ケーブル18に配置され得る。当然に、電気絶縁ボックス30は、必要に応じて溶接設備1の複数の地点に配置されてもよく、例えば上記の2つの地点に配置されてもよい。
【0041】
当然に、本発明の電気絶縁装置35は、高周波点弧が実行されないか又は使用されない溶接設備1でも使用され得る。
【0042】
同様に、データ線20上で発生し得る高周波電圧に備える電気絶縁装置35は、別の設備の機器と別の構成要素とを有する当該別の設備にも設けられ得る。データ線20が、当該機器と当該別の構成要素との間に設けられていて、当該機器と当該別の構成要素との間のデータ通信が、データ線20を介して実行される。例えば、当該設備は、機器としての制御装置と別の構成要素としての、電力を給電網に供給するための光電池インバータとを有する光電池システムでもよく、又は機器としての、電力を給電網に供給するための光電池インバータと別の構成要素としての光電池モジュールとを有する光電池システムでもよい。当該設備は、機器としての充電装置と別の構成要素としてのバッテリ又はバッテリ監視装置とを有するバッテリ充電システムでもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 溶接設備
2 溶接装置
3 溶接トーチ
4 溶接電極
5 電極ケーブル
6 接地ケーブル
7 ワーク
8 電極電源コネクタ
9 接地電源コネクタ
10 電源部
11 溶接制御部
12 溶接制御ケーブル
13 制御ケーブルコネクタ
14 操作要素
15 溶接ワイヤ送給装置
16 溶接ワイヤ
17 高周波点弧部
18 ワイヤ制御ケーブル
19 電圧源
20 データ線
20a 第1データ線区間
20b 第2データ線区間
21 結合要素
21a 第1結合要素
21b 第2結合要素
22 給電部、給電
22a 給電部、給電
22b 給電部、給電
23 電気絶縁区間、無線結合区間
24 デジタル/デジタル変換器
25 電圧変換器、ホースパケット
26 給電線
27 チョークコイル
28 バッテリ、内部バッテリ
29 ワイヤ制御ケーブルコネクタ
30 電気絶縁ボックス
31 光源
32 光電池モジュール
33 光ファイバ
35 高周波電気絶縁装置
D 電気信号
K 無線伝送可能な送信信号
S 無線送信器
E 無線受信器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】