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特表2024-507409ベンズイミダゾール系化合物又はその塩、その製造方法及び使用、並びに、殺虫・殺ダニ剤及びその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-19
(54)【発明の名称】ベンズイミダゾール系化合物又はその塩、その製造方法及び使用、並びに、殺虫・殺ダニ剤及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 235/18 20060101AFI20240209BHJP
   A01P 7/02 20060101ALI20240209BHJP
   A01P 7/04 20060101ALI20240209BHJP
   A01N 43/52 20060101ALI20240209BHJP
   A01N 47/02 20060101ALI20240209BHJP
【FI】
C07D235/18
A01P7/02
A01P7/04
A01N43/52
A01N47/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574749
(86)(22)【出願日】2022-02-22
(85)【翻訳文提出日】2023-10-18
(86)【国際出願番号】 CN2022077277
(87)【国際公開番号】W WO2022179501
(87)【国際公開日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】202110204832.5
(32)【優先日】2021-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523320478
【氏名又は名称】チンダオ カンチャオ ペスティサイズ アンド ケミカルズ グループ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO KANGQIAO PESTICIDES AND CHEMICALS GROUP CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 勇毅
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ライジュン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ユー
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ランジン
(72)【発明者】
【氏名】ツイ,インルイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ユーチー
(72)【発明者】
【氏名】ワン,シーリン
(72)【発明者】
【氏名】フォン,ルイジエ
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ,ジャンルー
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ,シンハオ
(72)【発明者】
【氏名】リー,ヤーフイ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥー,ヤオヤオ
(72)【発明者】
【氏名】ゴン,チェン
(72)【発明者】
【氏名】スン,ユンシャオ
(72)【発明者】
【氏名】ファン,シーエン
(72)【発明者】
【氏名】グオ,チャンチャン
(72)【発明者】
【氏名】グオ,ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ガオ,ジエ
(72)【発明者】
【氏名】リウ,インシュアイ
(72)【発明者】
【氏名】リー,ニン
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AC01
4H011AC04
4H011BB09
4H011BB11
(57)【要約】
【課題】式(I)で示されるベンズイミダゾール系化合物又はその塩、その製造方法、及び使用を提供する。
【解決手段】前記ベンズイミダゾール系化合物又はその塩は、優れた殺虫・殺ダニ効果を有し、特に低濃度含有量で使用するだけで、殺ダニ効果を示すことができる。
【化1】
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で示される構造を有する、ことを特徴とするベンズイミダゾール系化合物又はその塩。
【化1】
(式(I)中、
Rは、置換又は非置換のC~C10アルキル、置換又は非置換のC~C10シクロアルキル、置換又は非置換のC~C10アルケニル、置換又は非置換のC~C10アルキニルから選択され、かつ、任意に存在する置換基は、それぞれ独立に、ハロゲン、C~C10アルキル、ハロC~C10アルキル、C~C10シクロアルキル、ハロC~C10シクロアルキル、C~C10アルコキシ、ハロC~C10アルコキシ、C~C10シクロアルコキシ、ハロC~C10シクロアルコキシから選択される少なくとも1種であり、
、Y、Y、Y、Yは、それぞれ独立に、H、ハロゲン、CN、NO、ホルミル、置換又は非置換のC~C10アルキル、置換又は非置換のC~C10シクロアルキル、置換又は非置換のC~C10アルコキシ、置換又は非置換のC~C10アルキルチオ、置換又は非置換のC~C10アルキルスルフィニル、置換又は非置換のC~C10アルキルスルホニル、置換又は非置換のC~C10アルキルカルボニル、置換又は非置換のC~C10アルコキシカルボニル、置換又は非置換のアリールカルボニル、置換又は非置換のアリールオキシカルボニル、置換又は非置換のC~Cアルケニル、置換又は非置換のC~Cアルキニル、置換又は非置換のC~Cアルケニルオキシ、置換又は非置換のC~Cアルキニルオキシ、置換又は非置換のC~C10アルキルカルボニルオキシ、置換又は非置換のC~C10シアノアルキル、置換又は非置換のC~C10シアノアルコキシ、置換又は非置換のシリル、置換又は非置換のアミノ、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のアリールC~Cアルキル、置換又は非置換のアリールオキシ、置換又は非置換のアリールC~Cアルコキシ、置換又は非置換のアリールスルホニル、置換又は非置換のアリールスルフィニル、置換又は非置換のアリールチオ、置換又は非置換のアリールC~Cアルキルスルホニル、置換又は非置換のアリールC~Cアルキルスルフィニル、置換又は非置換のアリールC~Cアルキルチオ、置換又は非置換のヘテロシクリル、置換又は非置換のヘテロシクリルC~Cアルキル、置換又は非置換のヘテロシクリルオキシから選択され、かつ、任意に存在する置換基の各組は、独立に、ハロゲン、C~C10アルキル、ハロC~C10アルキル、C~C10シクロアルキル、ハロC~C10シクロアルキル、C~C10アルコキシ、ハロC~C10アルコキシ、C~C10シクロアルコキシ、ハロC~C10シクロアルコキシから選択される少なくとも1種であり、任意に、Y、Y、Y、Y、Yのうち任意の隣接する2つの基は1組とし、かつ、少なくとも1組は、少なくとも1つのヘテロ原子を介して又は介さずに、結合するベンゼン環と環化して少なくとも1つの3~8員環を形成し、
、Z、Z、Zは、それぞれ独立に、H、ハロゲン、CN、NO、ホルミル、置換又は非置換のC~C10アルキル、置換又は非置換のC~C10シクロアルキル、置換又は非置換のC~C10アルコキシ、置換又は非置換のC~C10アルキルチオ、置換又は非置換のC~C10アルキルスルフィニル、置換又は非置換のC~C10アルキルスルホニル、置換又は非置換のC~C10アルキルカルボニル、置換又は非置換のC~C10アルコキシカルボニル、置換又は非置換のアリールカルボニル、置換又は非置換のアリールオキシカルボニル、置換又は非置換のC~Cアルケニル、置換又は非置換のC~Cアルキニル、置換又は非置換のC~Cアルケニルオキシ、置換又は非置換のC~Cアルキニルオキシ、置換又は非置換のC~C10アルキルカルボニルオキシ、置換又は非置換のC~C10シアノアルキル、置換又は非置換のC~C10シアノアルコキシ、置換又は非置換のシリル、置換又は非置換のアミノ、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のアリールC~Cアルキル、置換又は非置換のアリールオキシ、置換又は非置換のアリールC~Cアルコキシ、置換又は非置換のアリールスルホニル、置換又は非置換のアリールスルフィニル、置換又は非置換のアリールチオ、置換又は非置換のアリールC~Cアルキルスルホニル、置換又は非置換のアリールC~Cアルキルスルフィニル、置換又は非置換のアリールC~Cアルキルチオ、置換又は非置換のヘテロシクリル、置換又は非置換のヘテロシクリルC~Cアルキル、置換又は非置換のヘテロシクリルオキシから選択され、かつ、任意に存在する置換基の各組は、独立に、ハロゲン、C~C10アルキル、ハロC~C10アルキル、C~C10シクロアルキル、ハロC~C10シクロアルキル、C~C10アルコキシ、ハロC~C10アルコキシ、C~C10シクロアルコキシ、ハロC~C10シクロアルコキシから選択される少なくとも1種であり、任意に、Z、Z、Z、Zのうち任意の隣接する2つの基は1組とし、かつ、少なくとも1組は、少なくとも1つのヘテロ原子を介して又は介さずに、結合するベンゼン環と環化して少なくとも1つの3~8員環を形成し、
かつ、Z、Z、Z、Z、Y、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、YはH、フッ素又は塩素ではなく、Z、Z、Z、Z、Y、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、Yはフッ素又は塩素ではなく、Z、Z、Z、Z、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、Y、Yは同時に塩素ではない。)
【請求項2】
式(I)中、
Rは、C~C10アルキル、ハロC~C10アルキル、C~C10シクロアルキル置換C~C10アルキル、ハロC~C10シクロアルキル置換C~C10アルキル、C~C10シクロアルキル置換ハロC~C10アルキル、C~C10アルコキシ置換C~C10アルキル、ハロC~C10アルコキシ置換C~C10アルキル、C~C10アルコキシ置換ハロC~C10アルキル、C~C10シクロアルコキシ置換C~C10アルキル、ハロC~C10シクロアルコキシ置換C~C10アルキル、C~C10シクロアルコキシ置換ハロC~C10アルキル、C~C10シクロアルキル、ハロC~C10シクロアルキル、C~C10アルキル置換C~C10シクロアルキル、ハロC~C10アルキル置換C~C10シクロアルキル、C~C10アルキル置換ハロC~C10シクロアルキル、C~C10アルコキシ置換C~C10シクロアルキル、ハロC~C10アルコキシ置換C~C10シクロアルキル、C~C10アルコキシ置換ハロC~C10シクロアルキル、C~C10シクロアルコキシ置換C~C10シクロアルキル、ハロC~C10シクロアルコキシ置換C~C10シクロアルキル、C~C10シクロアルコキシ置換ハロC~C10シクロアルキル、C~C10アルケニル、ハロC~C10アルケニル、C~C10アルキニル、ハロC~C10アルキニルから選択され、
、Y、Y、Y、Yは、それぞれ独立に、H、ハロゲン、CN、NO、C~C10アルキル、ハロC~C10アルキル、C~C10シクロアルキル置換C~C10アルキル、ハロC~C10シクロアルキル置換C~C10アルキル、C~C10シクロアルキル置換ハロC~C10アルキル、C~C10アルコキシ置換C~C10アルキル、ハロC~C10アルコキシ置換C~C10アルキル、C~C10アルコキシ置換ハロC~C10アルキル、C~C10シクロアルキル、ハロC~C10シクロアルキル、C~C10アルキル置換C~C10シクロアルキル、ハロC~C10アルキル置換C~C10シクロアルキル、C~C10アルキル置換ハロC~C10シクロアルキル、C~C10アルコキシ、ハロC~C10アルコキシ、C~C10アルキルチオ、ハロC~C10アルキルチオ、C~C10アルキルスルフィニル、ハロC~C10アルキルスルフィニル、C~C10アルキルスルホニル、ハロC~C10アルキルスルホニル、ホルミル、C~C10アルキルカルボニル、ハロC~C10アルキルカルボニル、C~C10アルコキシカルボニル、ハロC~C10アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、ハロC~Cアルケニル、ハロC~Cアルキニル、C~Cアルケニルオキシ、C~Cアルキニルオキシ、ハロC~Cアルケニルオキシ、ハロC~Cアルキニルオキシ、C~C10アルキルカルボニルオキシ、ハロC~C10アルキルカルボニルオキシ、C~C10シアノアルキル、C~C10シアノアルコキシ、C~C10アルキル置換シリル、置換又は非置換のアミノ、アリール、アリールC~Cアルキル、アリールオキシ、アリールC~Cアルコキシ、アリールスルホニル、アリールスルフィニル、アリールチオ、アリールC~Cアルキルスルホニル、アリールC~Cアルキルスルフィニル、アリールC~Cアルキルチオ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC~Cアルキル、ヘテロシクリルオキシから選択され、かつ、任意に存在する置換基の各組は、独立に、ハロゲン、C~C10アルキル、ハロC~C10アルキル、C~C10シクロアルキル、ハロC~C10シクロアルキル、C~C10アルコキシ、ハロC~C10アルコキシ、C~C10シクロアルコキシ、ハロC~C10シクロアルコキシから選択される少なくとも1種であり、任意に、Y、Y、Y、Y、Yのうち任意の隣接する2つの基は1組とし、かつ、少なくとも1組は、少なくとも1つのヘテロ原子を介して又は介さずに、結合するベンゼン環と環化して少なくとも1つの3~8員環を形成し、
、Z、Z、Zは、それぞれ独立に、H、ハロゲン、CN、NO、C~C10アルキル、ハロC~C10アルキル、C~C10シクロアルキル置換C~C10アルキル、ハロC~C10シクロアルキル置換C~C10アルキル、C~C10シクロアルキル置換ハロC~C10アルキル、C~C10アルコキシ置換C~C10アルキル、ハロC~C10アルコキシ置換C~C10アルキル、C~C10アルコキシ置換ハロC~C10アルキル、C~C10シクロアルキル、ハロC~C10シクロアルキル、C~C10アルキル置換C~C10シクロアルキル、ハロC~C10アルキル置換C~C10シクロアルキル、C~C10アルキル置換ハロC~C10シクロアルキル、C~C10アルコキシ、ハロC~C10アルコキシ、C~C10アルキルチオ、ハロC~C10アルキルチオ、C~C10アルキルスルフィニル、ハロC~C10アルキルスルフィニル、C~C10アルキルスルホニル、ハロC~C10アルキルスルホニル、ホルミル、C~C10アルキルカルボニル、ハロC~C10アルキルカルボニル、C~C10アルコキシカルボニル、ハロC~C10アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、ハロC~Cアルケニル、ハロC~Cアルキニル、C~Cアルケニルオキシ、C~Cアルキニルオキシ、ハロC~Cアルケニルオキシ、ハロC~Cアルキニルオキシ、C~C10アルキルカルボニルオキシ、ハロC~C10アルキルカルボニルオキシ、C~C10シアノアルキル、C~C10シアノアルコキシ、C~C10アルキル置換シリル、置換又は非置換のアミノ、アリール、アリールC~Cアルキル、アリールオキシ、アリールC~Cアルコキシ、アリールスルホニル、アリールスルフィニル、アリールチオ、アリールC~Cアルキルスルホニル、アリールC~Cアルキルスルフィニル、アリールC~Cアルキルチオ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC~Cアルキル、ヘテロシクリルオキシから選択され、かつ、任意に存在する置換基の各組は、独立に、ハロゲン、C~C10アルキル、ハロC~C10アルキル、C~C10シクロアルキル、ハロC~C10シクロアルキル、C~C10アルコキシ、ハロC~C10アルコキシ、C~C10シクロアルコキシ、ハロC~C10シクロアルコキシから選択される少なくとも1種であり、任意に、Z、Z、Z、Zのうち任意の隣接する2つの基は1組とし、かつ、少なくとも1組は、少なくとも1つのヘテロ原子を介して又は介さずに、結合するベンゼン環と環化して少なくとも1つの3~8員環を形成し、
かつ、Z、Z、Z、Z、Y、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、YはH、フッ素又は塩素ではなく、Z、Z、Z、Z、Y、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、Yはフッ素又は塩素ではなく、Z、Z、Z、Z、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、Y、Yは同時に塩素ではなく、
好ましくは、式(I)中、
Rは、C~Cアルキル、ハロC~Cアルキル、C~Cシクロアルキル置換C~Cアルキル、ハロC~Cシクロアルキル置換C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル置換ハロC~Cアルキル、C~Cアルコキシ置換C~Cアルキル、ハロC~Cアルコキシ置換C~Cアルキル、C~Cアルコキシ置換ハロC~Cアルキル、C~Cシクロアルコキシ置換C~Cアルキル、ハロC~Cシクロアルコキシ置換C~Cアルキル、C~Cシクロアルコキシ置換ハロC~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、ハロC~Cシクロアルキル、C~Cアルキル置換C~Cシクロアルキル、ハロC~Cアルキル置換C~Cシクロアルキル、C~Cアルキル置換ハロC~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ置換C~Cシクロアルキル、ハロC~Cアルコキシ置換C~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ置換ハロC~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルコキシ置換C~Cシクロアルキル、ハロC~Cシクロアルコキシ置換C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルコキシ置換ハロC~Cシクロアルキル、C~Cアルケニル、ハロC~Cアルケニル、C~Cアルキニル、ハロC~Cアルキニルから選択され、
、Y、Y、Y、Yは、それぞれ独立に、H、ハロゲン、CN、NO、C~Cアルキル、ハロC~Cアルキル、C~Cシクロアルキル置換C~Cアルキル、ハロC~Cシクロアルキル置換C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル置換ハロC~Cアルキル、C~Cアルコキシ置換C~Cアルキル、ハロC~Cアルコキシ置換C~Cアルキル、C~Cアルコキシ置換ハロC~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、ハロC~Cシクロアルキル、C~Cアルキル置換C~Cシクロアルキル、ハロC~Cアルキル置換C~Cシクロアルキル、C~Cアルキル置換ハロC~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、ハロC~Cアルコキシ、C~Cアルキルチオ、ハロC~Cアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、ハロC~Cアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、ハロC~Cアルキルスルホニルから選択され、
、Z、Z、Zは、それぞれ独立に、H、ハロゲン、CN、NO、C~Cアルキル、ハロC~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、ハロC~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、ハロC~Cアルコキシ、C~Cアルキルチオ、ハロC~Cアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、ハロC~Cアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、ハロC~Cアルキルスルホニルから選択され、
かつ、Z、Z、Z、Z、Y、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、YはH、フッ素又は塩素ではなく、Z、Z、Z、Z、Y、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、Yはフッ素又は塩素ではなく、Z、Z、Z、Z、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、Y、Yは同時に塩素ではない、請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項3】
式(I)中、
Rは、C~Cアルキル、ハロC~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、ハロC~Cシクロアルキル、C~Cアルケニル、ハロC~Cアルケニル、C~Cアルキニル、及びハロC~Cアルキニルから選択され、
、Y、Y、Y、Yは、それぞれ独立に、H、ハロゲン、CN、NO、C~Cアルキル、ハロC~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、ハロC~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、ハロC~Cアルコキシ、C~Cアルキルチオ、ハロC~Cアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、ハロC~Cアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、ハロC~Cアルキルスルホニルから選択され、
、Z、Z、Zは、それぞれ独立に、H、ハロゲン、CN、NO、C~Cアルキル、ハロC~Cアルキル、C~Cアルコキシ、ハロC~Cアルコキシ、C~Cアルキルチオ、ハロC~Cアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、ハロC~Cアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、ハロC~Cアルキルスルホニルから選択され、
かつ、Z、Z、Z、Z、Y、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、YはH、フッ素又は塩素ではなく、Z、Z、Z、Z、Y、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、Yはフッ素又は塩素ではなく、Z、Z、Z、Z、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、Y、Yは同時に塩素ではない、請求項1又は2に記載の化学物又はその塩。
【請求項4】
式(I)中、
Rは、C~Cアルキル、ハロC~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、ハロC~Cシクロアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニルから選択され、
、Y、Y、Y、Yは、それぞれ独立に、H、ハロゲン、CN、NO、C~Cアルキル、ハロC~Cアルキル、C~Cアルコキシ、ハロC~Cアルコキシから選択され、
、Z、Z、Zは、それぞれ独立に、H、ハロゲン、CN、NO、C~Cアルキル、ハロC~Cアルキル、C~Cアルコキシ、ハロC~Cアルコキシから選択され、
かつ、Z、Z、Z、Z、Y、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、YはH、フッ素又は塩素ではなく、Z、Z、Z、Z、Y、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、Yはフッ素又は塩素ではなく、Z、Z、Z、Z、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、Y、Yは同時に塩素ではなく、
好ましくは、式(I)中、
Rは、エチル、n-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、n-ブチル、s-ブチル、イソブチル、t-ブチル、アリル、プロパルギル、CFから選択され、
、Y、Y、Y、Yは、それぞれ独立に、H、F、Cl、Br、I、CN、NO、CH、CF、OCH、OCF、OCHCF、OCHCFCF、CFCl、CFCl、CClから選択され、
、Z、Z、Zは、それぞれ独立に、H、F、Cl、Br、I、CN、NO、CH、CF、OCF、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、s-ブチル、イソブチル、t-ブチルから選択され、
かつ、Z、Z、Z、Z、Y、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、YはH、フッ素又は塩素ではなく、Z、Z、Z、Z、Y、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、Yはフッ素又は塩素ではなく、Z、Z、Z、Z、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、Y、Yは同時に塩素ではなく、
より好ましくは、式(I)中、
Rは、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、s-ブチル、イソブチルから選択され、
、Y、Y、Y、Yは、それぞれ独立に、H、F、Cl、Br、CN、NO、OCF、CH、CF、OCH、OCHCF、OCHCFCFから選択され、
、Z、Z、Zは、それぞれ独立に、H、F、Cl、Br、CHから選択され、
かつ、Z、Z、Z、Z、Y、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、YはH、フッ素又は塩素ではなく、Z、Z、Z、Z、Y、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、Yはフッ素又は塩素ではなく、Z、Z、Z、Z、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、Y、Yは同時に塩素ではない、請求項1~3のいずれか1項に記載の化学物又はその塩。
【請求項5】
第1溶媒中で、第1アルカリ性物質及び縮合剤の存在下、化合物Vと化合物IVに第1反応を行い、化合物IIIを得るステップ(1)と、
第2溶媒中で、前記化合物IIIと酸性物質に第2反応を行い、化合物IIを得るステップ(2)と、
第3溶媒中で、第2アルカリ性物質の存在下、前記化合物IIとスルホニル含有化合物に第3反応を行い、ベンズイミダゾール系化合物を得るステップ(3)と、を含む、ベンズイミダゾール系化合物の製造方法であって、
前記化合物Vは式(V)で示される構造を有し、前記化合物IVは式(IV)で示される構造を有し、前記化合物IIIは式(III)で示される構造を有し、前記化合物IIは式(II)で示される構造を有し、前記ベンズイミダゾール系化合物は式(I)で示される構造を有し、前記スルホニル含有化合物は式(VI)で示される構造を有する、ことを特徴とするベンズイミダゾール系化合物の製造方法。
【化2】
(式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、式(V)、及び式(VI)中、R、Y、Y、Y、Y、Y、Z、Z、Z、Zの定義は請求項1~4のいずれか1項に記載の定義と同様であり、Xは、ハロゲンから選択される。)
【請求項6】
ステップ(1)では、前記第1反応条件は、温度が-10℃~150℃であること、反応時間が0.5~48hであることを含み、
好ましくは、前記化合物Vと前記化合物IVの使用量のモル比が0.5~2:1であり、
好ましくは、前記縮合剤は、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド又はその塩酸塩、カルボニルジイミダゾール、1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミド、シアノリン酸ジエチル、クロロカーボネート系化合物、2-クロロ-1-メチルピリジニウムヨージドから選択される少なくとも1種であり、
好ましくは、前記縮合剤と前記化合物IVの使用量のモル比が1~2:1であり、
好ましくは、前記第1アルカリ性物質は、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt-ブトキシド、カリウムt-ブトキシド、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンから選択される少なくとも1種であり、
好ましくは、前記第1アルカリ性物質と前記化合物IVの使用量のモル比が0.1~10:1である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
ステップ(2)では、前記第2反応条件は、温度が-10℃~300℃であること、反応時間が0.5~48hであることを含み、
好ましくは、前記酸性物質は、p-トルエンスルホン酸又はその水和物、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、塩酸、硫酸、硝酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、安息香酸、リン酸から選択される少なくとも1種であり、
好ましくは、前記酸性物質と前記化合物IVの使用量のモル比が0.01~10:1である、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(3)では、前記第3反応条件は、温度が-10℃~100℃であること、反応時間が0.5~48hであることを含み、
好ましくは、前記スルホニル含有化合物と前記化合物IIの使用量のモル比が、0.8~10:1であり、
好ましくは、前記第2アルカリ性物質は、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt-ブトキシド、カリウムt-ブトキシド、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンから選択される少なくとも1種であり、
好ましくは、前記第2アルカリ性物質と前記化合物IIの使用量のモル比が1~10:1である、請求項5~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
請求項5~8のいずれか1項に記載の方法で製造されるベンズイミダゾール系化合物。
【請求項10】
殺虫・殺ダニ剤の製造における請求項1~4及び9のいずれか1項に記載のベンズイミダゾール系化合物又はその塩の使用。
【請求項11】
請求項1~4及び9のいずれか1項に記載のベンズイミダゾール系化合物又はその塩から選択される少なくとも1種である活性成分を含有し、
好ましくは、前記殺虫・殺ダニ剤の総重量に対して、前記活性成分の含有量が1~99重量%、より好ましくは5~60重量%である、ことを特徴とする殺虫・殺ダニ剤。
【請求項12】
農業、林業、及び園芸の殺虫及び/又は殺ダニにおける請求項11に記載の殺虫・殺ダニ剤の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年02月23日に提出された中国特許出願202110204832.5の利益を主張しており、当該出願の内容は引用により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、殺虫剤の分野に関し、具体的には、ベンズイミダゾール系化合物又はその塩、その製造方法及び使用、並びに、殺虫・殺ダニ剤及びその使用に関する。
【背景技術】
【0003】
農園芸などの作物生産においては、害虫などによる被害が大きく、既存薬剤に耐性を有する害虫が出現しており、環境生物への影響や省力化等の観点から、新たな作用性を有し、天敵益虫への影響が少なく、浸透移行活性等を有する農園芸用殺虫・殺ダニ剤の開発が期待される。
【0004】
Advanced Materials Research Vols 236-238 (2011) pp2570-2573には、以下のベンズイミダゾール系化合物が報告されており、それらのうちの一部の化合物に抗炎症活性を有するが、殺虫・殺ダニ活性についての開示がなかった。
【0005】
【化1】
【0006】
現在、低濃度で使用する場合に高い殺虫・殺ダニ効果を有する化合物を提供することが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、従来のベンズイミダゾール系化合物に存在する、高濃度で使用する場合にしか殺虫・殺ダニ活性を有さず、畑の害虫ダニを防除するニーズを満たすことができないという欠陥を解決し、殺虫・殺ダニ剤の活性成分として使用することが期待され、低濃度(100ppm以下)で使用しても高い防除効果が得られる新規ベンズイミダゾール系化合物及びその塩を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成させるために、本発明の第1態様は、式(I)で示される構造を有するベンズイミダゾール系化合物又はその塩を提供する。
【0009】
【化2】
【0010】
(式(I)中、
Rは、置換又は非置換のC~C10アルキル、置換又は非置換のC~C10シクロアルキル、置換又は非置換のC~C10アルケニル、置換又は非置換のC~C10アルキニルから選択され、かつ、任意に存在する置換基は、それぞれ独立に、ハロゲン、C~C10アルキル、ハロC~C10アルキル、C~C10シクロアルキル、ハロC~C10シクロアルキル、C~C10アルコキシ、ハロC~C10アルコキシ、C~C10シクロアルコキシ、ハロC~C10シクロアルコキシから選択される少なくとも1種であり、
、Y、Y、Y、Yは、それぞれ独立に、H、ハロゲン、CN、NO、ホルミル、置換又は非置換のC~C10アルキル、置換又は非置換のC~C10シクロアルキル、置換又は非置換のC~C10アルコキシ、置換又は非置換のC~C10アルキルチオ、置換又は非置換のC~C10アルキルスルフィニル、置換又は非置換のC~C10アルキルスルホニル、置換又は非置換のC~C10アルキルカルボニル、置換又は非置換のC~C10アルコキシカルボニル、置換又は非置換のアリールカルボニル、置換又は非置換のアリールオキシカルボニル、置換又は非置換のC~Cアルケニル、置換又は非置換のC~Cアルキニル、置換又は非置換のC~Cアルケニルオキシ、置換又は非置換のC~Cアルキニルオキシ、置換又は非置換のC~C10アルキルカルボニルオキシ、置換又は非置換のC~C10シアノアルキル、置換又は非置換のC~C10シアノアルコキシ、置換又は非置換のシリル、置換又は非置換のアミノ、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のアリールC~Cアルキル、置換又は非置換のアリールオキシ、置換又は非置換のアリールC~Cアルコキシ、置換又は非置換のアリールスルホニル、置換又は非置換のアリールスルフィニル、置換又は非置換のアリールチオ、置換又は非置換のアリールC~Cアルキルスルホニル、置換又は非置換のアリールC~Cアルキルスルフィニル、置換又は非置換のアリールC~Cアルキルチオ、置換又は非置換のヘテロシクリル、置換又は非置換のヘテロシクリルC~Cアルキル、置換又は非置換のヘテロシクリルオキシから選択され、かつ、任意に存在する置換基の各組は、独立に、ハロゲン、C~C10アルキル、ハロC~C10アルキル、C~C10シクロアルキル、ハロC~C10シクロアルキル、C~C10アルコキシ、ハロC~C10アルコキシ、C~C10シクロアルコキシ、ハロC~C10シクロアルコキシから選択される少なくとも1種であり、任意に、Y、Y、Y、Y、Yのうち任意の隣接する2つの基は1組とし、かつ、少なくとも1組は、少なくとも1つのヘテロ原子を介して又は介さずに、結合するベンゼン環と環化して少なくとも1つの3~8員環を形成し、
、Z、Z、Zは、それぞれ独立に、H、ハロゲン、CN、NO、ホルミル、置換又は非置換のC~C10アルキル、置換又は非置換のC~C10シクロアルキル、置換又は非置換のC~C10アルコキシ、置換又は非置換のC~C10アルキルチオ、置換又は非置換のC~C10アルキルスルフィニル、置換又は非置換のC~C10アルキルスルホニル、置換又は非置換のC~C10アルキルカルボニル、置換又は非置換のC~C10アルコキシカルボニル、置換又は非置換のアリールカルボニル、置換又は非置換のアリールオキシカルボニル、置換又は非置換のC~Cアルケニル、置換又は非置換のC~Cアルキニル、置換又は非置換のC~Cアルケニルオキシ、置換又は非置換のC~Cアルキニルオキシ、置換又は非置換のC~C10アルキルカルボニルオキシ、置換又は非置換のC~C10シアノアルキル、置換又は非置換のC~C10シアノアルコキシ、置換又は非置換のシリル、置換又は非置換のアミノ、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のアリールC~Cアルキル、置換又は非置換のアリールオキシ、置換又は非置換のアリールC~Cアルコキシ、置換又は非置換のアリールスルホニル、置換又は非置換のアリールスルフィニル、置換又は非置換のアリールチオ、置換又は非置換のアリールC~Cアルキルスルホニル、置換又は非置換のアリールC~Cアルキルスルフィニル、置換の又は非置換のアリールC~Cアルキルチオ、置換又は非置換のヘテロシクリル、置換又は非置換のヘテロシクリルC~Cアルキル、置換又は非置換のヘテロシクリルオキシから選択され、かつ、任意に存在する置換基の各組は、独立に、ハロゲン、C~C10アルキル、ハロC~C10アルキル、C~C10シクロアルキル、ハロC~C10シクロアルキル、C~C10アルコキシ、ハロC~C10アルコキシ、C~C10シクロアルコキシ、ハロC~C10シクロアルコキシから選択される少なくとも1種であり、任意に、Z、Z、Z、Zのうち任意の隣接する2つの基は1組とし、かつ、少なくとも1組は、少なくとも1つのヘテロ原子を介して又は介さずに、結合するベンゼン環と環化して少なくとも1つの3~8員環を形成し、
かつ、Z、Z、Z、Z、Y、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、YはH、フッ素又は塩素ではなく、Z、Z、Z、Z、Y、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、Yはフッ素又は塩素ではなく、Z、Z、Z、Z、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、Y、Yは同時に塩素ではない。)
【0011】
本発明の第2態様は、
第1溶媒中で、第1アルカリ性物質及び縮合剤の存在下、化合物Vと化合物IVに第1反応を行い、化合物IIIを得るステップ(1)と、
第2溶媒中で、前記化合物IIIと酸性物質に第2反応を行い、化合物IIを得るステップ(2)と、
第3溶媒中で、第2アルカリ性物質の存在下、前記化合物IIとスルホニル含有化合物に第3反応を行い、前記ベンズイミダゾール系化合物を得るステップ(3)と、を含むベンズイミダゾール系化合物の製造方法であって、
前記化合物Vは式(V)で示される構造を有し、前記化合物IVは式(IV)で示される構造を有し、前記化合物IIIは式(III)で示される構造を有し、前記化合物IIは式(II)で示される構造を有し、前記ベンズイミダゾール系化合物は式(I)で示される構造を有し、前記スルホニル含有化合物は式(VI)で示される構造を有する、ベンズイミダゾール系化合物の製造方法を提供する。
【0012】
【化3】
【0013】
(式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、式(V)、及び式(VI)中、R、Y、Y、Y、Y、Y、Z、Z、Z、Zの定義は前述第1態様に記載の定義と同様であり、Xは、ハロゲンから選択される。)
【0014】
本発明の第3態様は、前述第2態様に記載の方法で製造されるベンズイミダゾール系化合物を提供する。
【0015】
本発明の第4態様は、殺虫剤及び殺ダニ剤の製造における前述第1態様又は第3態様に記載のベンズイミダゾール系化合物又はその塩の使用を提供する。
【0016】
本発明の第5態様は、前述第1態様又は第3態様に記載のベンズイミダゾール系化合物又はその塩から選択される少なくとも1種である活性成分を含有する殺虫・殺ダニ剤を提供する。
【0017】
本発明の第6態様は、農業、林業及び園芸における殺虫及び/又は殺ダニにおける前述殺虫・殺ダニ剤の使用を提供する。
【発明の効果】
【0018】
従来技術と比べて、本発明は、少なくとも下記の利点がある。
本発明によるベンズイミダゾール系化合物又はその塩は、活性成分として殺虫・殺ダニ剤に用いる場合、低濃度含有量で使用しても、優れた防除効果を有する。
本発明の他の特徴及び利点は、後述の発明を実施するための形態の部分に詳細に説明される。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書で開示される範囲の端点及び任意の値は、この正確な範囲又は値に限定されず、これらの範囲又は値に近い値を含むと理解されるべきである。数値範囲の場合、各範囲の端点値の間、各範囲の端点値と個々の点値の間、及び個々の点値の間は、互いに組み合わされて1つ又は複数の新しい数値範囲を得ることができ、これらの数値範囲は、本明細書で具体的に開示されるものとみなされるべきである。
【0020】
本発明で使用される用語について、以下のように説明する。
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を指す。
アルキルは、シクロアルキルを除く直鎖又は分岐鎖形態のアルキル基を指し、前記C~Cのアルキルとは、炭素数1~8のアルキル基を指し、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、n-ヘキシルなどを含むが、これらに限定されない。
【0021】
シクロアルキルとは、環状鎖を含有するアルキルを指し、前記C~Cのシクロアルキルとは、炭素数1~8のシクロアルキル基を指し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを含むが、これらに限定されない。
【0022】
アルケニルとは、直鎖又は分岐鎖アルケニルを指し、前記C~Cアルケニルとは、炭素数2~8のアルケニル基を指し、例えば、1-プロペニル、2-プロペニル及びさまざまなブテニル、ペンテニル、及びヘキセニル異性体を含むが、これらに限定されず、アルケニルは、1,2-プロパジエニルや2,4-ヘキサジエニルなどのポリエニルも含む。
【0023】
アルキニルとは、直鎖又は分岐鎖アルキニルを指し、前記C~Cアルキニルとは、炭素数2~8のアルキニル基を指し、例えば、1-プロピニル、2-プロピニル及び様々なブチニル、ペンチニル、及びヘキシニル異性体を含むが、これらに限定されず、アルキニルは、複数の三重結合を含有する基、例えば、2,5-ヘキサジイニルをさらに含む。
【0024】
アルコキシとは、直鎖又は分岐鎖形態のアルキル末端に酸素原子が連結された基を指し、前記C1~8のアルコキシとは、炭素数1~8のアルコキシ基を指し、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシなどの基を含むが、これらに限定されない。
【0025】
シクロアルコキシは、シクロアルキルに酸素原子を含有する基であり、前記C1~8のシクロアルコキシとは、炭素数1~8のシクロアルコキシ基を指し、例えば、シクロプロポキシ、シクロブトキシなどを含むが、これらに限定されない。
【0026】
アルキルチオとは、アルキルの末端に硫黄原子が連結された基を指し、例えば、メチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、イソプロピルチオ、t-ブチルチオなどの基を含むが、これらに限定されない。
【0027】
アルキルスルフィニルとは、アルキルの末端にスルフィニルが連結された基を指し、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、n-プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、t-ブチルスルフィニルなどの基を含むが、これらに限定されない。
【0028】
アルキルスルホニルとは、アルキルの末端にスルホニルが連結された基を指し、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n-プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、t-ブチルスルホニルなどの基を含むが、これらに限定されない。
【0029】
ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ハロシクロアルキル、ハロアルコキシ、ハロシクロアルコキシ、ハロアルキルチオ、ハロアルキルスルフィニル、ハロアルキルスルホニルは、それぞれ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニルの少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換されて形成された基を指し、ハロゲン原子が2つ以上である場合、ハロゲン原子は同じであっても、異なってもよい。
【0030】
本発明では、シクロアルキル置換アルキル、ハロシクロアルキル置換アルキル、シクロアルキル置換ハロアルキル、アルコキシ置換アルキル、ハロアルコキシ置換アルキル、アルコキシ置換ハロアルキル、シクロアルコキシ置換アルキル、ハロシクロアルコキシ置換アルキル、シクロアルコキシ置換ハロアルキルは、それぞれ、アルキルの少なくとも1つの水素原子がシクロアルキル、ハロシクロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、シクロアルコキシ、ハロシクロアルコキシで置換されたものを指す。
【0031】
本発明では、ヘテロ原子は、O、S、N原子を含むが、これらに限定されない。
他の基は上記と類似の定義を有し、置換基又は炭素数だけが異なるので、詳細に説明しない。
本発明における他の用語は、すべて当該分野の一般的な方式で説明され得る。
【0032】
前記のように、本発明の第1態様は、式(I)で示される構造を有するベンズイミダゾール系化合物又はその塩を提供する。
【0033】
【化4】
【0034】
(式(I)中、
Rは、置換又は非置換のC~C10アルキル、置換又は非置換のC~C10シクロアルキル、置換又は非置換のC~C10アルケニル、置換又は非置換のC~C10アルキニルから選択され、かつ、任意に存在する置換基は、それぞれ独立に、ハロゲン、C~C10アルキル、ハロC~C10アルキル、C~C10シクロアルキル、ハロC~C10シクロアルキル、C~C10アルコキシ、ハロC~C10アルコキシ、C~C10シクロアルコキシ、ハロC~C10シクロアルコキシから選択される少なくとも1種であり、
、Y、Y、Y、Yは、それぞれ独立に、H、ハロゲン、CN、NO、ホルミル、置換又は非置換のC~C10アルキル、置換又は非置換のC~C10シクロアルキル、置換又は非置換のC~C10アルコキシ、置換又は非置換のC~C10アルキルチオ、置換又は非置換のC~C10アルキルスルフィニル、置換又は非置換のC~C10アルキルスルホニル、置換又は非置換のC~C10アルキルカルボニル、置換又は非置換のC~C10アルコキシカルボニル、置換又は非置換のアリールカルボニル、置換又は非置換のアリールオキシカルボニル、置換又は非置換のC~Cアルケニル、置換又は非置換のC~Cアルキニル、置換又は非置換のC~Cアルケニルオキシ、置換又は非置換のC~Cアルキニルオキシ、置換又は非置換のC~C10アルキルカルボニルオキシ、置換又は非置換のC~C10シアノアルキル、置換又は非置換のC~C10シアノアルコキシ、置換又は非置換のシリル、置換又は非置換のアミノ、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のアリールC~Cアルキル、置換又は非置換のアリールオキシ、置換又は非置換のアリールC~Cアルコキシ、置換又は非置換のアリールスルホニル、置換又は非置換のアリールスルフィニル、置換又は非置換のアリールチオ、置換又は非置換のアリールC~Cアルキルスルホニル、置換又は非置換のアリールC~Cアルキルスルフィニル、置換又は非置換のアリールC~Cアルキルチオ、置換又は非置換のヘテロシクリル、置換又は非置換のヘテロシクリルC~Cアルキル、置換又は非置換のヘテロシクリルオキシから選択され、かつ、任意に存在する置換基の各組は、独立に、ハロゲン、C~C10アルキル、ハロC~C10アルキル、C~C10シクロアルキル、ハロC~C10シクロアルキル、C~C10アルコキシ、ハロC~C10アルコキシ、C~C10シクロアルコキシ、ハロC~C10シクロアルコキシから選択される少なくとも1種であり、任意に、Y、Y、Y、Y、Yのうち任意の隣接する2つの基は1組とし、かつ、少なくとも1組は、少なくとも1つのヘテロ原子を介して又は介さずに、結合するベンゼン環と環化して少なくとも1つの3~8員環を形成し、
、Z、Z、Zは、それぞれ独立に、H、ハロゲン、CN、NO、ホルミル、置換又は非置換のC~C10アルキル、置換又は非置換のC~C10シクロアルキル、置換又は非置換のC~C10アルコキシ、置換又は非置換のC~C10アルキルチオ、置換又は非置換のC~C10アルキルスルフィニル、置換又は非置換のC~C10アルキルスルホニル、置換又は非置換のC~C10アルキルカルボニル、置換又は非置換のC~C10アルコキシカルボニル、置換又は非置換のアリールカルボニル、置換又は非置換のアリールオキシカルボニル、置換又は非置換のC~Cアルケニル、置換又は非置換のC~Cアルキニル、置換又は非置換のC~Cアルケニルオキシ、置換又は非置換のC~Cアルキニルオキシ、置換又は非置換のC~C10アルキルカルボニルオキシ、置換又は非置換のC~C10シアノアルキル、置換又は非置換のC~C10シアノアルコキシ、置換又は非置換のシリル、置換又は非置換のアミノ、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のアリールC~Cアルキル、置換又は非置換のアリールオキシ、置換又は非置換のアリールC~Cアルコキシ、置換又は非置換のアリールスルホニル、置換又は非置換のアリールスルフィニル、置換又は非置換のアリールチオ、置換又は非置換のアリールC~Cアルキルスルホニル、置換又は非置換のアリールC~Cアルキルスルフィニル、置換又は非置換のアリールC~Cアルキルチオ、置換又は非置換のヘテロシクリル、置換又は非置換のヘテロシクリルC~Cアルキル、置換又は非置換のヘテロシクリルオキシから選択され、かつ、任意に存在する置換基の各組は、独立に、ハロゲン、C~C10アルキル、ハロC~C10アルキル、C~C10シクロアルキル、ハロC~C10シクロアルキル、C~C10アルコキシ、ハロC~C10アルコキシ、C~C10シクロアルコキシ、ハロC~C10シクロアルコキシから選択される少なくとも1種であり、任意に、Z、Z、Z、Zのうち任意の隣接する2つの基は1組とし、かつ、少なくとも1組は、少なくとも1つのヘテロ原子を介して又は介さずに、結合するベンゼン環と環化して少なくとも1つの3~8員環を形成し、
かつ、Z、Z、Z、Z、Y、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、YはH、フッ素又は塩素ではなく、Z、Z、Z、Z、Y、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、Yはフッ素又は塩素ではなく、Z、Z、Z、Z、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、Y、Yは同時に塩素ではない。)
本発明によれば、前記「任意に」は、多員環構造が存在しても、存在しなくてもよいことを意味する。
【0035】
本発明によれば、前記Y、Y、Y、Y、Yのうち任意の隣接する2つの基は1組とし、かつ、少なくとも1組は、少なくとも1つのヘテロ原子を介して又は介さずに、結合するベンゼン環と環化して少なくとも1つの3~8員環を形成するとは、YとY、YとY、YとY、YとYのうちの少なくとも1つの組み合わせが、少なくとも1つのヘテロ原子を介して又は介さずに、結合するベンゼン環と少なくとも1つの3~8員環を形成することを意味する。Z、Z、Z、Zは類似の定義を有するので、ここでは詳しく説明しない。
【0036】
好ましくは、式(I)中、
Rは、C~C10アルキル、ハロC~C10アルキル、C~C10シクロアルキル置換C~C10アルキル、ハロC~C10シクロアルキル置換C~C10アルキル、C~C10シクロアルキル置換ハロC~C10アルキル、C~C10アルコキシ置換C~C10アルキル、ハロC~C10アルコキシ置換C~C10アルキル、C~C10アルコキシ置換ハロC~C10アルキル、C~C10シクロアルコキシ置換C~C10アルキル、ハロC~C10シクロアルコキシ置換C~C10アルキル、C~C10シクロアルコキシ置換ハロC~C10アルキル、C~C10シクロアルキル、ハロC~C10シクロアルキル、C~C10アルキル置換C~C10シクロアルキル、ハロC~C10アルキル置換C~C10シクロアルキル、C~C10アルキル置換ハロC~C10シクロアルキル、C~C10アルコキシ置換C~C10シクロアルキル、ハロC~C10アルコキシ置換C~C10シクロアルキル、C~C10アルコキシ置換ハロC~C10シクロアルキル、C~C10シクロアルコキシ置換C~C10シクロアルキル、ハロC~C10シクロアルコキシ置換C~C10シクロアルキル、C~C10シクロアルコキシ置換ハロC~C10シクロアルキル、C~C10アルケニル、ハロC~C10アルケニル、C~C10アルキニル、ハロC~C10アルキニルから選択され、
、Y、Y、Y、Yは、それぞれ独立に、H、ハロゲン、CN、NO、C~C10アルキル、ハロC~C10アルキル、C~C10シクロアルキル置換C~C10アルキル、ハロC~C10シクロアルキル置換C~C10アルキル、C~C10シクロアルキル置換ハロC~C10アルキル、C~C10アルコキシ置換C~C10アルキル、ハロC~C10アルコキシ置換C~C10アルキル、C~C10アルコキシ置換ハロC~C10アルキル、C~C10シクロアルキル、ハロC~C10シクロアルキル、C~C10アルキル置換C~C10シクロアルキル、ハロC~C10アルキル置換C~C10シクロアルキル、C~C10アルキル置換ハロC~C10シクロアルキル、C~C10アルコキシ、ハロC~C10アルコキシ、C~C10アルキルチオ、ハロC~C10アルキルチオ、C~C10アルキルスルフィニル、ハロC~C10アルキルスルフィニル、C~C10アルキルスルホニル、ハロC~C10アルキルスルホニル、ホルミル、C~C10アルキルカルボニル、ハロC~C10アルキルカルボニル、C~C10アルコキシカルボニル、ハロC~C10アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、ハロC~Cアルケニル、ハロC~Cアルキニル、C~Cアルケニルオキシ、C~Cアルキニルオキシ、ハロC~Cアルケニルオキシ、ハロC~Cアルキニルオキシ、C~C10アルキルカルボニルオキシ、ハロC~C10アルキルカルボニルオキシ、C~C10シアノアルキル、C~C10シアノアルコキシ、C~C10アルキル置換シリル、置換又は非置換のアミノ、アリール、アリールC~Cアルキル、アリールオキシ、アリールC~Cアルコキシ、アリールスルホニル、アリールスルフィニル、アリールチオ、アリールC~Cアルキルスルホニル、アリールC~Cアルキルスルフィニル、アリールC~Cアルキルチオ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC~Cアルキル、ヘテロシクリルオキシから選択され、かつ、任意に存在する置換基の各組は、独立に、ハロゲン、C~C10アルキル、ハロC~C10アルキル、C~C10シクロアルキル、ハロC~C10シクロアルキル、C~C10アルコキシ、ハロC~C10アルコキシ、C~C10シクロアルコキシ、ハロC~C10シクロアルコキシから選択される少なくとも1種であり、任意に、Y、Y、Y、Y、Yのうち任意の隣接する2つの基は1組とし、かつ、少なくとも1組は、少なくとも1つのヘテロ原子を介して又は介さずに、結合するベンゼン環と環化して少なくとも1つの3~8員環を形成し、
、Z、Z、Zは、それぞれ独立に、H、ハロゲン、CN、NO、C~C10アルキル、ハロC~C10アルキル、C~C10シクロアルキル置換C~C10アルキル、ハロC~C10シクロアルキル置換C~C10アルキル、C~C10シクロアルキル置換ハロC~C10アルキル、C~C10アルコキシ置換C~C10アルキル、ハロC~C10アルコキシ置換C~C10アルキル、C~C10アルコキシ置換ハロC~C10アルキル、C~C10シクロアルキル、ハロC~C10シクロアルキル、C~C10アルキル置換C~C10シクロアルキル、ハロC~C10アルキル置換C~C10シクロアルキル、C~C10アルキル置換ハロC~C10シクロアルキル、C~C10アルコキシ、ハロC~C10アルコキシ、C~C10アルキルチオ、ハロC~C10アルキルチオ、C~C10アルキルスルフィニル、ハロC~C10アルキルスルフィニル、C~C10アルキルスルホニル、ハロC~C10アルキルスルホニル、ホルミル、C~C10アルキルカルボニル、ハロC~C10アルキルカルボニル、C~C10アルコキシカルボニル、ハロC~C10アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、ハロC~Cアルケニル、ハロC~Cアルキニル、C~Cアルケニルオキシ、C~Cアルキニルオキシ、ハロC~Cアルケニルオキシ、ハロC~Cアルキニルオキシ、C~C10アルキルカルボニルオキシ、ハロC~C10アルキルカルボニルオキシ、C~C10シアノアルキル、C~C10シアノアルコキシ、C~C10アルキル置換シリル、置換又は非置換のアミノ、アリール、アリールC~Cアルキル、アリールオキシ、アリールC~Cアルコキシ、アリールスルホニル、アリールスルフィニル、アリールチオ、アリールC~Cアルキルスルホニル、アリールC~Cアルキルスルフィニル、アリールC~Cアルキルチオ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC~Cアルキル、ヘテロシクリルオキシから選択され、かつ、任意に存在する置換基の各組は、独立に、ハロゲン、C~C10アルキル、ハロC~C10アルキル、C~C10シクロアルキル、ハロC~C10シクロアルキル、C~C10アルコキシ、ハロC~C10アルコキシ、C~C10シクロアルコキシ、ハロC~C10シクロアルコキシから選択される少なくとも1種であり、任意に、Z、Z、Z、Zのうち任意の隣接する2つの基は1組とし、かつ、少なくとも1組は、少なくとも1つのヘテロ原子を介して又は介さずに、結合するベンゼン環と環化して少なくとも1つの3~8員環を形成し、
かつ、Z、Z、Z、Z、Y、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、YはH、フッ素又は塩素ではなく、Z、Z、Z、Z、Y、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、Yはフッ素又は塩素ではなく、Z、Z、Z、Z、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、Y、Yは同時に塩素ではない。
【0037】
以下、本発明の前記ベンズイミダゾール系化合物のいくつかの特に好ましい特定実施形態を提供する。
特定実施形態1
Rは、C~Cアルキル、ハロC~Cアルキル、C~Cシクロアルキル置換C~Cアルキル、ハロC~Cシクロアルキル置換C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル置換ハロC~Cアルキル、C~Cアルコキシ置換C~Cアルキル、ハロC~Cアルコキシ置換C~Cアルキル、C~Cアルコキシ置換ハロC~Cアルキル、C~Cシクロアルコキシ置換C~Cアルキル、ハロC~Cシクロアルコキシ置換C~Cアルキル、C~Cシクロアルコキシ置換ハロC~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、ハロC~Cシクロアルキル、C~Cアルキル置換C~Cシクロアルキル、ハロC~Cアルキル置換C~Cシクロアルキル、C~Cアルキル置換ハロC~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ置換C~Cシクロアルキル、ハロC~Cアルコキシ置換C~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ置換ハロC~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルコキシ置換C~Cシクロアルキル、ハロC~Cシクロアルコキシ置換C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルコキシ置換ハロC~Cシクロアルキル、C~Cアルケニル、ハロC~Cアルケニル、C~Cアルキニル、ハロC~Cアルキニルから選択され、
、Y、Y、Y、Yは、それぞれ独立に、H、ハロゲン、CN、NO、C~Cアルキル、ハロC~Cアルキル、C~Cシクロアルキル置換C~Cアルキル、ハロC~Cシクロアルキル置換C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル置換ハロC~Cアルキル、C~Cアルコキシ置換C~Cアルキル、ハロC~Cアルコキシ置換C~Cアルキル、C~Cアルコキシ置換ハロC~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、ハロC~Cシクロアルキル、C~Cアルキル置換C~Cシクロアルキル、ハロC~Cアルキル置換C~Cシクロアルキル、C~Cアルキル置換ハロC~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、ハロC~Cアルコキシ、C~Cアルキルチオ、ハロC~Cアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、ハロC~Cアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、ハロC~Cアルキルスルホニルから選択され、
、Z、Z、Zは、それぞれ独立に、H、ハロゲン、CN、NO、C~Cアルキル、ハロC~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、ハロC~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、ハロC~Cアルコキシ、C~Cアルキルチオ、ハロC~Cアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、ハロC~Cアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、ハロC~Cアルキルスルホニルから選択され、
かつ、Z、Z、Z、Z、Y、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、YはH、フッ素又は塩素ではなく、Z、Z、Z、Z、Y、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、Yはフッ素又は塩素ではなく、Z、Z、Z、Z、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、Y、Yは同時に塩素ではない。
【0038】
特定実施形態2
式(I)中、
Rは、C~Cアルキル、ハロC~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、ハロC~Cシクロアルキル、C~Cアルケニル、ハロC~Cアルケニル、C~Cアルキニル、及びハロC~Cアルキニルから選択され、
、Y、Y、Y、Yは、それぞれ独立に、H、ハロゲン、CN、NO、C~Cアルキル、ハロC~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、ハロC~Cシクロアルキル、C~Cアルコキシ、ハロC~Cアルコキシ、C~Cアルキルチオ、ハロC~Cアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、ハロC~Cアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、ハロC~Cアルキルスルホニルから選択され、
、Z、Z、Zは、それぞれ独立に、H、ハロゲン、CN、NO、C~Cアルキル、ハロC~Cアルキル、C~Cアルコキシ、ハロC~Cアルコキシ、C~Cアルキルチオ、ハロC~Cアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、ハロC~Cアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、ハロC~Cアルキルスルホニルから選択され、
かつ、Z、Z、Z、Z、Y、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、YはH、フッ素又は塩素ではなく、Z、Z、Z、Z、Y、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、Yはフッ素又は塩素ではなく、Z、Z、Z、Z、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、Y、Yは同時に塩素ではない。
【0039】
特定実施形態3
式(I)中、
Rは、C~Cアルキル、ハロC~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、ハロC~Cシクロアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニルから選択され、
、Y、Y、Y、Yは、それぞれ独立に、H、ハロゲン、CN、NO、C~Cアルキル、ハロC~Cアルキル、C~Cアルコキシ、ハロC~Cアルコキシから選択され、
、Z、Z、Zは、それぞれ独立に、H、ハロゲン、CN、NO、C~Cアルキル、ハロC~Cアルキル、C~Cアルコキシ、ハロC~Cアルコキシから選択され、
かつ、Z、Z、Z、Z、Y、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、YはH、フッ素又は塩素ではなく、Z、Z、Z、Z、Y、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、Yはフッ素又は塩素ではなく、Z、Z、Z、Z、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、Y、Yは同時に塩素ではない。
【0040】
特定実施形態4
式(I)中、
Rは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、n-ブチル、s-ブチル、イソブチル、t-ブチル、アリル、プロパルギル、CFから選択され、
、Y、Y、Y、Yは、それぞれ独立に、H、F、Cl、Br、I、CN、NO、CH、CF、OCH、OCF、OCHCF、OCHCFCF、CFCl、CFCl、CClから選択され、
、Z、Z、Zは、それぞれ独立に、H、F、Cl、Br、I、CN、NO、CH、CF、OCF、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、s-ブチル、イソブチル、t-ブチルから選択され、
かつ、Z、Z、Z、Z、Y、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、YはH、フッ素又は塩素ではなく、Z、Z、Z、Z、Y、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、Yはフッ素又は塩素ではなく、Z、Z、Z、Z、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、Y、Yは同時に塩素ではない。
【0041】
特定実施形態5
式(I)中、
Rは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、s-ブチル、イソブチルから選択され、
、Y、Y、Y、Yは、それぞれ独立に、H、F、Cl、Br、CN、NO、OCF、CH、CF、OCH、OCHCF、OCHCFCFから選択され、
、Z、Z、Zは、それぞれ独立に、H、F、Cl、Br、CHから選択され、
かつ、Z、Z、Z、Z、Y、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、YはH、フッ素又は塩素ではなく、Z、Z、Z、Z、Y、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、Yはフッ素又は塩素ではなく、Z、Z、Z、Z、Y、Y、YがすべてHであり、かつRがエチルである場合、Y、Yは同時に塩素ではない。
【0042】
特定実施形態6
前記ベンズイミダゾール系化合物は、表1に示される化合物から選択される少なくとも1種である。
【0043】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【0044】
特定実施形態7
前記ベンズイミダゾール系化合物は、化合物1-25、化合物1-26、化合物1-27、化合物1-28、化合物1-29、化合物1-30、化合物1-31、化合物1-32、化合物1-33、化合物1-34、化合物1-37、化合物1-38、化合物1-40、化合物1-43、化合物1-47、化合物1-49、化合物1-50、化合物1-51、化合物1-52、化合物1-54、化合物1-55、化合物1-56、化合物1-57、化合物1-60、化合物1-61、化合物1-62、化合物1-68、化合物1-69、化合物1-72、化合物1-73、化合物1-75、化合物1-76、化合物1-81、化合物1-133、化合物1-174、化合物1-186、化合物1-213、化合物1-214、化合物1-218、化合物1-235、化合物1-239、化合物1-254、化合物1-255、化合物1-257、化合物1-261、化合物1-264、化合物1-265から選択される少なくとも1種である。
【0045】
特定実施形態8
前記ベンズイミダゾール系化合物は、化合物1-26、化合物1-27、化合物1-28、化合物1-29、化合物1-30、化合物1-31、化合物1-32、化合物1-34、化合物1-37、化合物1-38、化合物1-47、化合物1-49、化合物1-56、化合物1-57、化合物1-61、化合物1-68、化合物1-69、化合物1-73、化合物1-133、化合物1-174、化合物1-186、化合物1-213、化合物1-214、化合物1-218、化合物1-235、化合物1-239、化合物1-254、化合物1-255、化合物1-257、化合物1-261、化合物1-264、化合物1-265から選択される少なくとも1種である。
【0046】
特定実施形態9
前記ベンズイミダゾール系化合物は、化合物1-27、化合物1-28、化合物1-47、化合物1-56、化合物1-57、化合物1-133、化合物1-174、化合物1-186、化合物1-213、化合物1-214、化合物1-218、化合物1-235、化合物1-239、化合物1-254、化合物1-255、化合物1-257、化合物1-261、化合物1-264、化合物1-265から選択される少なくとも1種である。
【0047】
本発明の発明者らは、以上で提供した複数種の好ましい特定実施形態におけるベンズイミダゾール系化合物又はその塩は、より優れた殺虫・殺ダニ効果を有し、特に好ましい特定実施形態7~9におけるベンズイミダゾール系化合物又はその塩、一層好ましい特定実施形態9の化合物は、より優れた殺虫・殺ダニ効果を有し、低濃度含有量(例えば6.25mg/L)で使用した場合にも、優れた殺虫・殺ダニ効果を有する。
さらに、本発明は、一部の化合物の性能データ(核磁気)を表2に示す。
【0048】
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【0049】
本発明では、前記ベンズイミダゾール系化合物又はその塩における前記塩は、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などの無機塩類;及び酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩などの有機塩類を含む。
【0050】
前記のように、本発明の第2態様は、
第1溶媒中で、第1アルカリ性物質及び縮合剤の存在下、化合物Vと化合物IVに第1反応を行い、化合物IIIを得るステップ(1)と、
第2溶媒中で、前記化合物IIIと酸性物質に第2反応を行い、化合物IIを得るステップ(2)と、
第3溶媒中で、第2アルカリ性物質の存在下、前記化合物IIとスルホニル含有化合物に第3反応を行い、前記ベンズイミダゾール系化合物を得るステップ(3)と、を含むベンズイミダゾール系化合物の製造方法であって、
前記化合物Vは式(V)で示される構造を有し、前記化合物IVは式(IV)で示される構造を有し、前記化合物IIIは式(III)で示される構造を有し、前記化合物IIは式(II)で示される構造を有し、前記ベンズイミダゾール系化合物は式(I)で示される構造を有し、前記スルホニル含有化合物は式(VI)で示される構造を有する、ベンズイミダゾール系化合物の製造方法を提供する。
【0051】
【化5】
【0052】
(式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、式(V)、及び式(VI)中、R、Y、Y、Y、Y、Y、Z、Z、Z、Zの定義は前述第1態様に記載の前記定義と同様であり、Xは、ハロゲンから選択される。)
【0053】
本発明によれば、ステップ(1)では、前記第1反応は以下の通りである。
【0054】
【化6】
【0055】
好ましくは、ステップ(1)では、前記第1反応条件は、温度が-10℃~150℃であること、反応時間が0.5~48hであることを含む。
好ましくは、ステップ(1)では、前記化合物Vと前記化合物IVの使用量のモル比が0.5~2:1である。前記化合物V及び前記化合物IVは市販品として入手可能である。
【0056】
好ましくは、ステップ(1)では、前記縮合剤は、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)又はその塩酸塩(EDCI)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、シアノリン酸ジエチル(DEPC)、クロロカーボネート系化合物、2-クロロ-1-メチルピリジニウムヨージドから選択される少なくとも1種である。
好ましくは、ステップ(1)では、前記縮合剤と前記化合物IVの使用量のモル比が1~2:1である。
【0057】
好ましくは、ステップ(1)では、前記第1アルカリ性物質は、ピリジン、ジメチルアミノピリジン(DMAP)、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt-ブトキシド、カリウムt-ブトキシド、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンから選択される少なくとも1種である。
好ましくは、ステップ(1)では、前記第1アルカリ性物質と前記化合物IVの使用量のモル比が0.1~10:1である。
【0058】
好ましくは、ステップ(1)では、前記第1溶媒は、ピリジン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、エチルエーテル、メチルt-ブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA)、N-メチルピロリドン(NMP)、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルスルホキシド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンから選択される少なくとも1種である。
好ましくは、ステップ(1)では、前記化合物IV 1mmolに対して、前記第1溶媒の使用量は1~20mLである。
【0059】
本発明によれば、ステップ(1)では、前記第1溶媒及び前記第1アルカリ性物質は、同じであってもよく、例えば両方ともにピリジンであってもよい。なお、前記第1溶媒及び前記第1アルカリ性物質が同一物質である場合、両方は個別に計量する必要がある。
本発明によれば、ステップ(2)では、前記第2反応は以下の通りである。
【0060】
【化7】
【0061】
好ましくは、ステップ(2)では、前記第2反応条件は、温度が-10℃~300℃であること、反応時間が0.5~48hであることを含む。
好ましくは、ステップ(2)では、前記酸性物質は、p-トルエンスルホン酸又はその水和物、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、塩酸、硫酸、硝酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、安息香酸、リン酸から選択される少なくとも1種である。前記p-トルエンスルホン酸水和物は、好ましくは、p-トルエンスルホン酸一水和物である。
【0062】
好ましくは、ステップ(2)では、前記酸性物質と前記化合物IVの使用量のモル比が0.01~10:1である。
好ましくは、ステップ(2)では、前記第2溶媒は、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA)、N-メチルピロリドン(NMP)、エチルエーテル、メチルt-ブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンから選択される少なくとも1種である。
【0063】
好ましくは、ステップ(2)では、前記化合物III 1mmolに対して、前記第2溶媒の使用量は1~20mLである。
好ましくは、ステップ(2)は、第2反応後に、アルカリ溶液で系のpH値を7~10に調整することをさらに含み、前記アルカリ溶液は、例えば水酸化ナトリウム水溶液である。
本発明によれば、ステップ(3)では、前記第3反応は以下の通りである。
【0064】
【化8】
【0065】
好ましくは、ステップ(3)では、前記第3反応条件は、温度が-10℃~100℃であること、反応時間が0.5~48hであることを含む。
好ましくは、ステップ(3)では、前記スルホニル含有化合物と前記化合物IIの使用量のモル比が0.8~10:1である。
好ましくは、ステップ(3)では、前記スルホニル含有化合物は、メチルスルホニルクロリド、エチルスルホニルクロリド、n-プロピルスルホニルクロリド、及びn-ブチルスルホニルクロリドから選択される少なくとも1種、より好ましくはエチルスルホニルクロリドである。
【0066】
好ましくは、ステップ(3)では、前記第2アルカリ性物質は、ピリジン、ジメチルアミノピリジン(DMAP)、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt-ブトキシド、カリウムt-ブトキシド、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンから選択される少なくとも1種である。
好ましくは、ステップ(3)では、前記第2アルカリ性物質と前記化合物IIの使用量のモル比が1~10:1である。
【0067】
好ましくは、ステップ(3)では、前記第3溶媒は、エチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、2-メチルテトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA)、N-メチルピロリドン(NMP)、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンから選択される少なくとも1種である。
好ましくは、ステップ(3)では、前記化合物II 1mmolに対して、前記第3溶媒の使用量は1~20mLである。
【0068】
本発明の好ましい特定実施形態によれば、ステップ(3)は、第3溶媒中で、第2アルカリ性物質の存在下、前記化合物IIにまず第1段の第3反応を行い、次に、前記スルホニル含有化合物を加えて第2段の第3反応を行い、前記ベンズイミダゾール系化合物を得ることを含む。
好ましくは、前記第1段の第3反応の条件は、温度が-10℃~100℃であること、反応時間が10~120minであることを含む。
好ましくは、前記第2段の第3反応の条件は、温度が-10℃~100℃であること、反応時間が0.5~48hであることを含む。
【0069】
本発明によれば、前記方法は、抽出、洗浄、乾燥、吸引濾過、濃縮、分離精製など、当分野で従来使用された種々の後処理操作手段をさらに含んでもよく、本発明では、これについて特に限定せず、当分野の種々の従来の操作を用いて行うことができ、例えば、抽出には酢酸エチルを用い、乾燥には無水硫酸ナトリウム乾燥を用い、濃縮には減圧濃縮を用い、分離精製にはカラムクロマトグラフィーなどを用いる。
【0070】
前記のように、本発明の第3態様は、前述第2態様に記載の方法で製造されるベンズイミダゾール系化合物を提供する。
前記のように、本発明の第4態様は、殺虫・殺ダニ剤の製造における前述第1態様又は前述第3態様に記載のベンズイミダゾール系化合物又はその塩の使用を提供する。
好ましくは、前記ベンズイミダゾール系化合物又はその塩は、前記殺虫・殺ダニ剤において活性成分(即ち有効成分)として使用される。
【0071】
前記のように、本発明の第5態様は、前述第1態様又は前述第3態様に記載のベンズイミダゾール系化合物又はその塩から選択される少なくとも1種である活性成分を含有する殺虫・殺ダニ剤を提供する。
本発明の第5態様では、好ましくは、前記殺虫・殺ダニ剤の総重量に対して、前記活性成分の含有量は、1~99重量%、例えば、1重量%、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、95重量%、99重量%、及びこれらの点値のうちのいずれか2つからなる範囲内の任意の値である。より好ましくは、前記殺虫・殺ダニ剤の総重量に対して、前記活性成分の含有量は5~60重量%である。
【0072】
本発明の第5態様では、好ましくは、前記殺虫・殺ダニ剤は担体をさらに含有する。好ましくは、前記殺虫・殺ダニ剤の担体は、農業、林業及び園芸に許容され、かつ活性成分の施用に有利である物質である。特に好ましくは、前記担体は、液体担体及び/又は固体担体であり、前記固体担体は、好ましくは、粘土、天然又は合成ケイ酸塩、シリカ、樹脂、ワックス、固形肥料から選択される少なくとも1種の固体状の物質であり、前記液状の担体は、好ましくは、水、アルコール類、ケトン類、石油留分、芳香族化合物、塩素化炭化水素、液化石油ガスから選択される液状物質である。
【0073】
本発明の第5態様では、前記殺虫・殺ダニ剤は、界面活性剤、保護コロイド、接着剤、増粘剤、チキソトロピー剤、浸透剤、キレート剤、着色剤、ポリマー、及びこの分野で通常使用されるその他の補助成分を含んでもよく、本発明では、これについて特に限定しない。当業者は、実際の必要性に応じて合理的な組成及び使用量を選択することができる。
【0074】
本発明の第5態様では、好ましくは、前記殺虫・殺ダニ剤の剤形は、それぞれ独立には、湿潤性粉剤、可溶性粉剤、乳化性油剤、水性懸濁剤、分散性油懸濁剤、水性乳剤、懸濁性乳剤、マイクロエマルジョン剤、水性製剤、顆粒剤、マイクロカプセル剤、及び水分散性顆粒剤から選択される少なくとも1種であり、これにより、前記活性成分は、より溶解又は分散しやすく、殺虫、殺ダニ剤の活性物質として使用される場合により分散しやすく、施用効果を高める。
本発明の第5態様では、本発明では、前記殺虫・殺ダニ剤の製造方法について特に制限せず、当業者であれば、当該分野の従来の文献や基準における方法又は当該分野の従来方法を用いて製造し、所望の組成や剤形を有する試薬を得ることができる。
【0075】
前記のように、本発明の第6態様は、農業、林業及び園芸における殺虫及び/又は殺ダニにおける前述殺虫・殺ダニ剤の使用を提供する。
好ましくは、前記使用方式は、前記殺虫・殺ダニ剤を害虫及び/又は害虫ダニに施用し、又は前記殺虫・殺ダニ剤を害虫及び/又は害虫ダニが生存する媒体に施用することを含む。本発明によれば、前記生存する媒体は、例えば植物や土壤である。
【0076】
好ましくは、前記施用の有効量(即ち、活性成分の使用量)は、土壌1ヘクタール当たり10g~1000g、より好ましくは土壌1ヘクタール当たり20g~500gである。本発明によれば、前記施用の具体的な方式について特に限定はなく、当該分野の常法で行われてもよく、例えば、前記殺虫・殺ダニ剤を害虫及び/又は害虫ダニ、又は、害虫及び/又は害虫ダニの生存媒体にスプレーする。
【0077】
本発明によれば、農業、林業及び園芸における殺虫及び/又は殺ダニにおける前記殺虫・殺ダニ剤の使用においては、前記殺虫・殺ダニ剤は、当該分野の従来の殺菌剤、殺虫剤、除草剤、植物成長調整剤、植物肥料などの物質と配合して施用してもよく、このように配合すると相加的又は相乗的効果が生じ、より優れた効果が得られる。本発明では、これについて特に限定せず、本発明のベンズイミダゾール系化合物又はその塩を活性成分として含有する場合、当業者は、実際のニーズに合わせて、ベンズイミダゾール系化合物又はその塩を適量の物質と合理的に配合して使用してもよい。
【0078】
以下、例を通じて本発明について詳細に説明する。
以下の例では、特に断らない限り、使用される原料はすべて市販品である。
一部の原料の由来を表3に示す。
【0079】
【表3】
【0080】
以下の例では、特に断らない限り、室温とは25±2℃を指す。
実施例1 化合物1-27の製造
【0081】
【化9】
【0082】
製造工程は具体的には以下のとおりである。
(1)反応フラスコに第1溶媒(ピリジン、15mL)、縮合剤(EDCI、15mmol)と第1アルカリ性物質(DMAP、2mmol)、化合物V(V-1、10mmol)と化合物IV(IV-1、10mmol)を加え、室温で3h反応させることで第1反応を行った。その後、水、酢酸エチルを加えて抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引ろ過し、濾液を減圧濃縮させ、化合物IIIを得た。
【0083】
(2)得た化合物IIIを第2溶媒(NMP、15mL)に溶解し、酸性物質(p-トルエンスルホン酸一水和物、30mmol)を加え、160℃で4h反応させることで第2反応を行った。室温に冷却して、10wt%水酸化ナトリウム水溶液を加えて系のpH値を9に調整し、その後、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引ろ過し、濾液を減圧濃縮させ、化合物II(II-1、8mmol)を得た。
【0084】
(3)前記化合物IIを第3溶媒(THF、30mL)に溶解し、第2アルカリ性物質(鉱物油0.96gを被覆したNaH、NaH含有量60wt%、NaH 24mmol)を加え、室温で10min反応後、スルホニル含有化合物(エチルスルホニルクロリド、24mmol)を加え、室温で12h反応させた。飽和塩化アンモニウムを加えてクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引ろ過し、濾液を減圧濃縮させ、得たものをカラムクロマトグラフィーにより分離して精製し、化合物1-27(2.08g)を得た。
【0085】
実施例2 化合物1-28の製造
【0086】
【化10】
【0087】
製造工程は具体的には以下のとおりである。
(1)反応フラスコに第1溶媒(ピリジン、15mL)、縮合剤(EDCI、15mmol)と第1アルカリ性物質(DMAP、2mmol)、化合物V(V-1、10mmol)と化合物IV(IV-2、10mmol)を加え、室温で3h反応させることで第1反応を行った。その後、水、酢酸エチルを加えて抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引ろ過し、濾液を減圧濃縮させ、化合物IIIを得た。
【0088】
(2)得た化合物IIIを第2溶媒(NMP、15mL)に溶解し、酸性物質(p-トルエンスルホン酸一水和物、30mmol)を加え、160℃で4h反応させることで第2反応を行った。室温に冷却して、10wt%の水酸化ナトリウム水溶液を加えて系のpH値を10に調整し、その後、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引ろ過し、濾液を減圧濃縮させ、化合物II(II-2、8.2mmol)を得た。
【0089】
(3)前記化合物IIを第3溶媒(THF、30mL)に溶解し、第2アルカリ性物質(鉱物油0.98gを被覆したNaH、NaH含有量60wt%、NaH 24.6mmol)を加え、室温で10min反応後、スルホニル含有化合物(エチルスルホニルクロリド、24.6mmol)を加え、室温で12h反応させた。反応後、飽和塩化アンモニウムを加えてクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引ろ過し、濾液を減圧濃縮させ、得たものをカラムクロマトグラフィーにより分離して精製し、化合物1-28(2.10g)を得た。
【0090】
実施例3 化合物1-47の製造
【0091】
【化11】
【0092】
製造工程は具体的には以下のとおりである。
(1)反応フラスコに第1溶媒(ピリジン、15mL)、縮合剤(EDCI、15mmol)と第1アルカリ性物質(DMAP、2mmol)、化合物V(式V-1、10mmol)と化学物IV(IV-3、10mmol)を加え、室温で3h反応させることで第1反応を行った。その後、水、酢酸エチルを加えて抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引ろ過し、濾液を減圧濃縮させ、化合物IIIを得た。
【0093】
(2)得た化合物IIIを第2溶媒(NMP、15mL)に溶解し、酸性物質(p-トルエンスルホン酸一水和物、30mmol)を加え、160℃で4h反応させることで第2反応を行った。室温に冷却して、10wt%の水酸化ナトリウム水溶液を加えて系のpH値を10に調整し、その後、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引ろ過し、濾液を減圧濃縮させ、化合物II(II-3、8mmol)を得た。
【0094】
(3)前記化合物IIを第3溶媒(THF、30mL)に溶解し、第2アルカリ性物質(鉱物油0.96gを被覆したNaH、NaH含有量60wt%、NaH 24mmol)を加え、室温で10min反応後、スルホニル含有化合物(エチルスルホニルクロリド、24mmol)を加え、室温で12h反応させた。反応後、飽和塩化アンモニウムを加えてクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。吸引ろ過し、濾液を減圧濃縮させ、得たものをカラムクロマトグラフィーにより分離して精製し、化合物式1-47(2.53g)を得た。
【0095】
実施例4 化合物1-56の製造
【0096】
【化12】
【0097】
製造工程は具体的には以下のとおりである。
(1)反応フラスコに第1溶媒(ピリジン、15mL)、縮合剤(EDCI、15mmol)と第1アルカリ性物質(DMAP、2mmol)、化合物V(V-2、10mmol)と化合物IV(IV-1、10mmol)を加え、室温で3h反応させることで第1反応を行った。その後、水、酢酸エチルを加えて抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引ろ過し、濾液を減圧濃縮させ、化合物IIIを得た。
【0098】
(2)得た化合物IIIを第2溶媒(NMP、15mL)に溶解し、酸性物質(p-トルエンスルホン酸一水和物、30mmol)を加え、160℃で4h反応させることで第2反応を行った。室温に冷却して、10wt%の水酸化ナトリウム水溶液を加えて系のpH値を10に調整し、その後、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引ろ過し、濾液を減圧濃縮させ、化合物II(II-4、7.5mmol)を得た。
【0099】
(3)前記化合物IIを第3溶媒(THF、30mL)に溶解し、第2アルカリ性物質(鉱物油0.90gを被覆したNaH、NaH含有量60wt%、22.5mmol)を加え、室温で10min反応後、スルホニル含有化合物(エチルスルホニルクロリド、22.5mmol)を加え、さらに室温で12h反応させた。反応後、飽和塩化アンモニウムを加えてクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引ろ過し、濾液を減圧濃縮させ、得たものをカラムクロマトグラフィーにより分離して精製し、到化合物1-56(2.16g)を得た。
【0100】
実施例5 化合物1-57の製造
【0101】
【化13】
【0102】
製造工程は具体的には以下のとおりである。
(1)反応フラスコに第1溶媒(ピリジン15mL)、縮合剤(EDCI、15mmol)と第1アルカリ性物質(DMAP、2mmol)、化合物V(V-2、10mmol)と化合物IV(IV-2、10mmol)を加え、室温で3h反応させることで第1反応を行った。水、酢酸エチルを加えて抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引ろ過し、濾液を減圧濃縮させ、化合物IIIを得た。
【0103】
(2)得た化合物IIIを第2溶媒(NMP、15mL)に溶解し、酸性物質(p-トルエンスルホン酸一水和物、30mmol)を加え、160℃で4h反応させることで第2反応を行った。室温に冷却して、10wt%の水酸化ナトリウム水溶液を加えて系のpH値を9に調整し、その後、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引ろ過し、濾液を減圧濃縮させ、化合物II(II-5、7.23mmol)を得た。
【0104】
(3)前記化合物IIを第3溶媒(THF、30mL)に溶解し、第2アルカリ性物質(鉱物油0.86gを被覆したNaH、NaH含有量60wt%、NaH 21.6mmol)を加え、室温で10min反応後、スルホニル含有化合物(エチルスルホニルクロリド、21.6mmol)を加え、さらに室温で12h反応させた。反応後、飽和塩化アンモニウムを加えてクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引ろ過し、濾液を減圧濃縮させ、得たものをカラムクロマトグラフィーにより分離して精製し、化合物式1-57(2.12g)を得た。
【0105】
実施例6 化合物1-213の製造
【0106】
【化14】
【0107】
製造工程は具体的には以下のとおりである。
(1)反応フラスコに第1溶媒(ピリジン、15mL)、縮合剤(EDCI、15mmol)と第1アルカリ性物質(DMAP、2mmol)、化合物V(V-1、10mmol)と化合物IV(IV-4、10mmol)を加え、室温で3h反応させることで第1反応を行った。その後、水、酢酸エチルを加えて抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引ろ過し、濾液を減圧濃縮させ、化合物IIIを得た。
【0108】
(2)得た化合物IIIを第2溶媒(NMP、15mL)に溶解し、酸性物質(p-トルエンスルホン酸一水和物、30mmol)を加え、160℃で4h反応させることで第2反応を行った。室温に冷却して、10wt%の水酸化ナトリウム水溶液を加えて系のpH値を10に調整し、その後、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引ろ過し、濾液を減圧濃縮させ、化合物II(II-6、8.2mmol)を得た。
【0109】
(3)前記化合物IIを第3溶媒(THF、30mL)に溶解し、第2アルカリ性物質(鉱物油0.98gを被覆したNaH、NaH含有量60wt%、NaH 24.6mmol)を加え、室温で10min反応後、スルホニル含有化合物(エチルスルホニルクロリド、24.6mmol)を加え、室温で12h反応させた。反応後、飽和塩化アンモニウムを加えてクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引ろ過し、濾液を減圧濃縮させ、得たものをカラムクロマトグラフィーにより分離して精製し、化合物1-213(2.10g)を得た。
【0110】
残りの実施例
実施例1と類似の方式で下記の化合物を製造し、原料の種類及び/又は使用量が異なる以外、残りは実施例1と同様にし、化合物1-25、化合物1-26、化合物1-29、化合物1-30、化合物1-31、化合物1-32、化合物1-33、化合物1-34、化合物1-37、化合物1-38、化合物1-40、化合物1-43、化合物1-49、化合物1-50、化合物1-51、化合物1-52、化合物1-54、化合物1-55、化合物1-60、化合物1-61、化合物1-62、化合物1-68、化合物1-69、化合物1-72、化合物1-73、化合物1-75、化合物1-76、化合物1-81、化合物1-133、化合物1-174、化合物1-186、化合物1-214、化合物1-218、化合物1-235、化合物1-239、化合物1-254、化合物1-255、化合物1-257、化合物1-261、化合物1-264、化合物1-265をそれぞれ得た。
【0111】
生物学的活性の試験
本試験例では、上記で製造した化合物の殺ダニ活性、具体的にはテトラニクス・シナバリヌス(Tetranychus cinnabarinus)に対する殺ダニ活性を試験し、具体的な試験過程は以下の通りである。
(1)測定対象化合物をアセトンに溶解した後、0.1wt%トウェイン80水溶液で所望の濃度(具体的には下記の試験例1-A~1-Dを参照)に希釈し、アセトンの含有量が5wt%以下である薬剤を製造した。
【0112】
(2)真葉2枚まで成長した菜豆苗から真葉1枚を除去し、テトラニクス・シナバリヌス接種後(菜豆苗1株あたりのテトラニクス・シナバリヌス接種数は50~150匹)24時間で接種ダニの基数を調査し、3株の菜豆苗のそれぞれに(1)で製造した薬剤を手持ちスプレーで全株噴霧した後(1株あたりの噴霧量は0.5mL)、恒温観察室(25℃)で観察し、72時間後に生きているダニの数を調査し、致死率を計算した。
致死率(%)=(接種ダニの数-薬剤散布後の生きたダニの数)/接種ダニの数×100
【0113】
試験例1-A
化合物を濃度100mg/Lに希釈した後、上記のように試験を行い、該試験では、以下の化合物は、濃度100mg/Lでは、90%を超える致死率を示し、具体的な結果を表4に示す。
化合物1-25、化合物1-26、化合物1-27、化合物1-28、化合物1-29、化合物1-30、化合物1-31、化合物1-32、化合物1-33、化合物1-34、化合物1-37、化合物1-38、化合物1-40、化合物1-43、化合物1-47、化合物1-49、化合物1-50、化合物1-51、化合物1-52、化合物1-54、化合物1-55、化合物1-56、化合物1-57、化合物1-60、化合物1-61、化合物1-62、化合物1-68、化合物1-69、化合物1-72、化合物1-73、化合物1-75、化合物1-76、化合物1-81、化合物1-133、化合物1-174、化合物1-186、化合物1-213、化合物1-214、化合物1-218、化合物1-235、化合物1-239、化合物1-254、化合物1-255、化合物1-257、化合物1-261、化合物1-264、化合物1-265。
【0114】
試験例1-B
化合物を濃度25mg/Lに希釈した後、上記のように試験を行い、該試験では、以下の化合物は、濃度25mg/Lでは、90%を超える致死率を示し、具体的な結果を表4に示す。
化合物1-26、化合物1-27、化合物1-28、化合物1-29、化合物1-30、化合物1-31、化合物1-32、化合物1-34、化合物1-37、化合物1-38、化合物1-47、化合物1-49、化合物1-56、化合物1-57、化合物1-61、化合物1-68、化合物1-69、化合物1-73、化合物1-133、化合物1-174、化合物1-186、化合物1-213、化合物1-214、化合物1-218、化合物1-235、化合物1-239、化合物1-254、化合物1-255、化合物1-257、化合物1-261、化合物1-264、化合物1-265。
【0115】
試験例1-C
化合物を濃度6.25mg/Lに希釈した後、上記のように試験を行い、該試験では、以下の化合物は、6.25mg/Lでは、90%を超える致死率を示し、具体的な結果を表4に示す。
化合物1-27、化合物1-28、化合物1-47、化合物1-56、化合物1-57、化合物1-133、化合物1-174、化合物1-186、化合物1-213、化合物1-214、化合物1-218、化合物1-235、化合物1-239、化合物1-254、化合物1-255、化合物1-257、化合物1-261、化合物1-264、化合物1-265。
【0116】
【表4】
【0117】
比較試験例
本発明では、テトラニクス・シナバリヌスに対する以下の化合物の生物学的活性も以上のように試験し、試験結果を以下の表5に示す。
【0118】
【化15】
【0119】
【表5】
【0120】
上記の試験結果から分かるように、本発明によるベンズイミダゾール系化合物又はその塩は、優れた殺虫・殺ダニ効果を有し、殺虫・殺ダニ活性が既知の化合物よりもはるかに高く、特に、本発明のベンズイミダゾール系化合物を用いると、低濃度含有量(例えば6.25mg/L)で使用する場合にも、優れた殺虫・殺ダニ効果を示す。
【0121】
以上は本発明の好ましい実施形態を詳細に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明の技術的構想を逸脱することなく、各技術的特徴を任意の適切な方式で組み合わせることを含め、本発明の技術的解決手段について様々な変形を加えることができ、これらの簡単な変形及び組み合わせも本発明の開示内容とみなすべきであり、すべて本発明の特許範囲に含まれるものとする。
【国際調査報告】