(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-19
(54)【発明の名称】家庭用空気処理デバイス
(51)【国際特許分類】
F24F 6/12 20060101AFI20240209BHJP
F24F 6/00 20060101ALI20240209BHJP
【FI】
F24F6/12 101Z
F24F6/00 B
F24F6/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575491
(86)(22)【出願日】2022-02-22
(85)【翻訳文提出日】2023-10-23
(86)【国際出願番号】 NL2022050100
(87)【国際公開番号】W WO2022177441
(87)【国際公開日】2022-08-25
(32)【優先日】2021-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523319357
【氏名又は名称】デュクス ホールデイング ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】アンジェネント マーク
【テーマコード(参考)】
3L055
【Fターム(参考)】
3L055BB13
3L055DA02
3L055DA05
(57)【要約】
本発明は、空気湿度を適合させるための家庭用空気処理デバイスであって、
空気置換デバイスと、電力源と、空気入口及び空気出口を備えたベースユニット空気ダクトと、を備えたベースユニットであって、当該空気置換デバイスが、当該ベースユニット空気ダクトを介して当該空気入口から当該空気出口への空気流を提供するために配置されている、ベースユニットと、
当該ベースユニットの当該電力源に取り外し可能に結合されたパワー入力と、液体入口であって、動作中に、当該液体入口からの液体を超音波振動に暴露するために流体配置された、液体入口と、当該ベースユニット空気出口に流体結合されているとともに、当該空気流を、当該超音波振動に暴露されたときの当該液体に接触させるために配置された、空気入口と、を備えた超音波ユニットと、
当該超音波ユニット液体入口に流体結合された液体出口を備えた液体貯槽と、
を備え、
当該貯水槽が、当該空気処理デバイスから別個に撤去可能であり、当該超音波ユニットが、当該空気処理デバイスから別個に撤去可能である、
家庭用空気処理デバイス、を提供する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気湿度を適合させるための家庭用空気処理デバイスであって、
空気置換デバイスと、電力源と、空気入口及び空気出口を備えたベースユニット空気ダクトと、を備えたベースユニットであって、前記空気置換デバイスが、前記ベースユニット空気ダクトを介して前記空気入口から前記空気出口への空気流を提供するために配置されている、ベースユニットと、
前記ベースユニットの前記電力源に取り外し可能に結合されたパワー入力と、液体入口であって、動作中に、前記液体入口からの液体を超音波振動に暴露するために配置された、液体入口と、前記ベースユニット空気出口に流体結合されているとともに、前記空気流を、前記超音波振動に暴露されたときの前記液体に接触させるために配置された、空気入口と、を備えた超音波ユニットと、
前記超音波ユニット液体入口に流体結合された液体出口を備えた液体貯槽と、
を備え、
前記貯水槽が、前記空気処理デバイスから別個に撤去可能であり、前記超音波ユニットが、前記空気処理デバイスから別個に撤去可能である、
家庭用空気処理デバイス。
【請求項2】
前記貯水槽及び前記ベースユニットが、前記超音波を囲い込んでいる、請求項1に記載の家庭用空気処理デバイス。
【請求項3】
前記超音波ユニットが、前記ベースユニット上へ撤去可能に取り付けられており、
前記液体貯槽が、前記ベースユニットに撤去可能に取り付けられた下端を有し、前記ベースユニットと前記液体貯槽との間に前記撤去可能な超音波ユニットが存在し、特に、前記液体貯槽の前記下端が、前記ベースユニット空気出口を前記超音波ユニット空気入口に結合する空気ダクトを備える、
請求項1又は2に記載の家庭用空気処理デバイス。
【請求項4】
前記撤去可能な超音波ユニットが、前記液体入口を備える湿気チャンバを備えた超音波基部部品を備えている、請求項1、2、又は、3に記載の家庭用空気処理デバイス。
【請求項5】
前記撤去可能な超音波ユニットが、前記湿気チャンバの端において超音波デバイスを備え、前記超音波デバイスが、前記湿気チャンバに超音波結合されており、前記湿気チャンバが、前記湿気チャンバから距離をあけて出口を有する蒸気案内ダクトに接続している、請求項4に記載の家庭用空気処理デバイス。
【請求項6】
前記蒸気案内ダクトが、前記液体貯槽を介して伸びており、前記液体貯槽の頂端付近に出現している、請求項5に記載の家庭用空気処理デバイス。
【請求項7】
前記湿気チャンバが、前記超音波デバイスに液密の様態で封止結合された開放下端を有する、請求項5又は6に記載の家庭用空気処理デバイス。
【請求項8】
前記超音波デバイスが、前記湿気チャンバの閉鎖面を提供する振動表面を有する、請求項7に記載の家庭用空気処理デバイス。
【請求項9】
前記超音波デバイスが、前記超音波基部部品上の対応する結合部品に、撤去可能な方式で結合するための結合部品を備えている、請求項7又は8に記載の家庭用空気処理デバイス。
【請求項10】
前記湿気チャンバが、前記超音波デバイスに液密の様態で封止結合された開放下端を有し、前記超音波デバイスが、前記超音波デバイス上の対応する結合部品に、撤去可能な方式で結合するための結合部品を備えた超音波振動子を備えている、請求項5又は6に記載の家庭用空気処理デバイス。
【請求項11】
前記超音波デバイスが、前記湿気チャンバの閉鎖壁体を提供する振動表面を有する、請求項10に記載の家庭用空気処理デバイス。
【請求項12】
前記超音波ユニットが、前記湿気チャンバを備え、前記湿気チャンバが、開放端及び底部を有してカップ形状であり、前記底部には、超音波デバイスが設けられており、前記開放端が、前記空気入口、前記液体入口、及び、前記湿気出口を提供している、請求項1から11のいずれか1項に記載の家庭用空気処理デバイス。
【請求項13】
前記ベースユニットが、筐体と、前記筐体の内部とは別個の受容空間と、を備え、前記超音波ユニットが、前記受容空間内に嵌合するように形成されている、請求項1から12のいずれか1項に記載の家庭用空気処理デバイス。
【請求項14】
前記超音波ユニットから生成された湿気を受容するための蒸気案内ダクトに結合された前記超音波ユニットを備えている、請求項1から13のいずれか1項に記載の家庭用空気処理デバイス。
【請求項15】
前記超音波ユニットから生成された湿気を受容するための蒸気案内ダクトに結合された前記超音波ユニットを備え、前記蒸気案内ダクトが、前記貯水槽を介して伸びている、請求項1から14のいずれか1項に記載の家庭用空気処理デバイス。
【請求項16】
超音波デバイスに超音波結合された端部を備えているとともに、蒸気案内ダクトに結合された湿気チャンバ出口を有する、湿気チャンバを備えた、前記超音波ユニットを備え、前記蒸気案内ダクトが、前記貯水槽を介して伸びている、請求項1から15のいずれか1項に記載の家庭用空気処理デバイス。
【請求項17】
特に請求項1から16のいずれか1項に記載の、空気湿度を適合させるための家庭用空気処理デバイスであって、超音波デバイスに超音波結合された端部を備える湿気チャンバであって、蒸気案内ダクトに結合された湿気チャンバ出口を有する、湿気チャンバを備えた、超音波ユニットを備え、前記蒸気案内ダクトが、前記湿気チャンバ内へ延びているとともに前記超音波デバイスから液体小滴を受容するために位置決めされた漏斗入口端を備えた、ベンチュリ管を備え、前記漏斗端が、狭まってベンチュリダクトになっており、前記ベンチュリダクトが、前記出口ダクトを介して伸びているとともに、その出口を前記蒸気案内ダクトの端付近に有する、家庭用空気処理デバイス。
【請求項18】
前記湿気チャンバが、湿気チャンバ空気入口と、前記蒸気案内ダクトに結合された湿気チャンバ空気出口と、前記超音波デバイスに液体を提供するための液体入口と、を備える、請求項14に記載の家庭用空気処理デバイス。
【請求項19】
前記液体貯槽が、前記超音波ユニットに水を提供する貯水槽であり、前記提供が、動作中に、前記水を蒸発させて空気を加湿するために行われる、請求項1から18のいずれか1項に記載の家庭用空気処理デバイス。
【請求項20】
前記液体貯槽が、0.5から10リットルの間の容積を有し、及び/又は、前記家庭用空気処理デバイスが、10×10×20cmから30×30×50cmの間の寸法を有し、及び/又は、前記空気置換デバイスを備えているとき、動作中における前記空気置換デバイスが、前記家庭用空気処理デバイスから、毎時100m
3まで、特に毎時50m
3まで、より特に毎時20m
3まで、の空気流の提供が可能である、請求項1から19のいずれか1項に記載の家庭用空気処理デバイス。
【請求項21】
請求項1から20のいずれか1項に記載の家庭用空気処理デバイスのための超音波デバイス。
【請求項22】
請求項1から21のいずれか1項に記載の家庭用空気処理デバイスのための超音波デバイスのための超音波基部部品。
【請求項23】
請求項1から22のいずれか1項に記載の家庭用空気処理デバイスの超音波ユニットを交換するための方法であって、前記液体貯槽を前記空気処理デバイスから持ち上げることと、その後、前記超音波ユニットを前記ベースユニットから持ち上げて、前記パワー入力を、前記ベースユニットの前記電力源から取り外すことと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、空気湿度を適合させるための家庭用空気処理デバイスに関する。特に、本発明は、水を空気中に蒸発させることによる空気加湿に関する。
【0002】
[発明の背景]
US2021003303は、その要約書において次のように述べている。「本開示の実施形態は、加湿器と、該加湿器を使用する環境において湿度を調整するための方法と、を提供する。例示的な加湿器は、水の供給物を貯蔵するように構成された水タンクと、当該水タンクと流体連通しているチャンバと、を含み得る。チャンバは、水の供給物を受容するように構成され得る。加湿器は、チャンバ内に配設されているとともに水の供給物から水の小滴のミストを生成するように構成された、ミスト生成器も含み得る。加湿器は、チャンバと流体連通しているとともに水の小滴のミストをチャンバから加湿器の出口を介して外部空間へ流れるように仕向ける、管も含み得る。加湿器はさらに、当該出口の近傍に配設されているとともに強制空気流を生成して水の小滴のミストが当該出口から流れ出ることを加速するように構成された、ミスト加速器を含み得る。」
【0003】
US20140264963は、その要約書において次のように述べている。「加湿器といった動作ユニットのための貯槽システムは、当該動作ユニットに水を提供するように構成された、撤去可能な水タンクを含んでいる。撤去可能な水タンクは、水を保持するための主貯槽を含み、撤去可能な水タンクにおける開口部が当該主貯槽を動作ユニット内の副貯槽に流体工学的に接続している。当該開口部には、プランジャーが摺動可能に配設されており、当該プランジャーは、開口部が主貯槽を副貯槽に流体工学的に接続する開放位置と、開口部を封止して主貯槽を副貯槽から流体工学的に接続解除する閉鎖位置と、の間で可動である。副貯槽内のフロート部材は、浮揚性本体を含み、プランジャーに対して力を生成して、プランジャーを、副貯槽内の水の高さに従って開放位置へ付勢する、ように構成されている。」
【0004】
EP3722688は、その要約書において次のように述べている。「容易に分解及び清掃を行うことが可能な超音波加湿器を開示する。この超音波加湿器は、霧化されるべき水を収容するように構成されたタンクと、タンクに収容された水に浮かぶように構成されたフロートユニットと、フロートユニット内に配設された超音波振動子と、超音波振動子にパワーを供給するためのパワー供給手段と、を含んでいる。パワー供給手段は、フロートユニット内に配設されているとともに、当該水の水表面よりも上に常に位置付けられるように構成された、一対の摺動接点と、当該一対の摺動接点に常に摺動接触しているように構成されるとともに、当該水の水表面よりも上に常に位置付けられるように構成された、一対の電極Aと、を含んでいる。電極Aの各々は、フロートユニットの外側に配設されているとともにパワー供給装置に接続されており、パワー供給装置からのパワーが、電極A及び摺動接点を介して超音波振動子に供給される。」
【0005】
EP3022496は、その要約書において次のように述べている。「フローティングタイプの加湿器、より詳細には、中空タイプのフローティングユニットを使用することで水に浮かびながら、外部の水源を使用することによって屋内エリアを加湿することが可能なフローティングタイプの加湿器、であって、フローティングタイプの加湿器がフローティング状態で水の小滴又は蒸気を放出する、フローティングタイプの加湿器、を提供する。このフローティングタイプの加湿器は、中空部と、下側部分において水入口穴と、を有する浮遊体であって、当該水入口穴を介して水が外側から導入され、それによって浮遊体が水容器内で浮かんでいる、フローティング体;当該フローティング体の水入口穴内に挿入されて、水容器から導入された水を水の粒子又は蒸気へと変化させる超音波振動子;超音波振動子により生成された水の粒子又は蒸気を外側へ案内するようにフローティング体の水入口穴の上端部分に結合されるとともに、側方表面にガイド穴を有するパイプのように形成された、ガイド;及び、水の粒子又は蒸気をガイドからガイド穴へ案内して、且つ、水の粒子又は蒸気を外側に放出するために、フローティング体の上であって且つガイド穴の下に設けられた放出ユニット;を含む。」
【0006】
WO2008/060089は、その要約書において次のように述べている。「本発明は、超音波加湿器に関する。これまでの超音波加湿器は、清掃が非常に不便であり、消費者は、超音波加湿器を頻繁に清掃することができなかった。したがって、超音波加湿器を長期間使用すると、菌類及び細菌の増殖により深刻な汚染が生じていた。この問題を解決するために、抗生物質の注入、及び、水の加熱による無菌化、といった、いくつかの方式が存在していたが、これらの方式は、追加コストを発生させ、一方で汚染の原因を解消することができない、という点で、その効果は限定的であった。本発明の主な目的は、超音波加湿器の清掃を容易にすることにより、追加コストを伴わずに汚染の原因を根絶することである。この目的を達成するために、本発明の超音波加湿器は、単体に形成されているとともに、加湿用の水を貯蔵する水タンクと、外部空気を加湿する加湿チャンバと、を備えた、加湿ユニット(200);並びに、加湿用に十分な水が検知されると当該加湿ユニットに電気及び外部空気を供給するベースユニット(100);を備え、当該加湿ユニット及び当該ベースユニットは、分離可能であり、加湿ユニットは、水タンクと加湿チャンバとを分けている隔壁の下側部分に、水給送穴又は水給送路を有しており、当該水タンクは、その底部に入口ポートを有している。」
【0007】
[発明の概要]
先行技術の不利益な点は、要素が故障すると全デバイスを処分することになる点である。
【0008】
よって、本発明の一態様は、上記の欠点のうちの1つ以上について、好ましくはさらに少なくとも部分的に未然に防止する代替的デバイスを提供することである。
【0009】
空気湿度を適合させるための家庭用空気処理デバイスであって、
空気置換デバイスと、電力源と、空気入口及び空気出口を備えたベースユニット空気ダクトと、を備えたベースユニットであって、当該空気置換デバイスが、当該ベースユニット空気ダクトを介して当該空気入口から当該空気出口への空気流を提供するために配置されている、ベースユニット、
当該ベースユニットの当該電力源に取り外し可能に結合されたパワー入力と、液体入口であって、動作中に、当該液体入口からの液体を超音波振動に暴露するために流体配置された、液体入口と、当該ベースユニット空気出口に流体結合されているとともに、当該空気流を、当該超音波振動に暴露されたときの当該液体に接触させるために配置された、空気入口と、を備えた超音波ユニット、並びに、
当該超音波ユニット液体入口に流体結合された液体出口を備えた液体貯槽、
を備え、
当該貯水槽が、当該空気処理デバイスから別個に撤去可能であり、当該超音波ユニットが、当該空気処理デバイスから別個に撤去可能である、
家庭用空気処理デバイス、を提供する。
【0010】
空気湿度を適合させるための家庭用空気処理デバイスであって、超音波デバイスに超音波結合された端部を備えているとともに、蒸気案内ダクトに結合された湿気チャンバ出口を有する、湿気チャンバを備えた、超音波ユニットを備え、当該蒸気案内ダクトが、当該湿気チャンバ内へ延びているとともに、当該超音波デバイスから液体小滴を受容するために位置決めされた、漏斗入口端を備えた、ベンチュリ管を備え、当該漏斗端が、狭まってベンチュリダクトになっており、当該ベンチュリダクトが、当該出口ダクトを介して伸びているとともに、その出口を当該蒸気案内ダクトの端付近に有する、家庭用空気処理デバイス、をさらに提供する。
【0011】
一実施形態における当空気処理デバイスは、モジュラーデバイスを提供する。本発明において、当該空気処理デバイスは、液体貯槽、ベースユニット、及び、超音波ユニット、に分割されるとともに、それらを備えている。これらのモジュールは、互いに機能的に結合されている。これにより、部品の清掃、メンテナンス、及び、交換さえもが、全デバイスを見限るか又は廃棄する必要なく、可能になる。この大局的原理は、現在市場に出回っている、Fairphoneデバイスのようないくつかのモバイルフォンにおいて、使用されている。この大局的原理の、他のデバイスへの適用は、機能性、デバイスにおいて実施される様々な機能、を考慮して、デバイスの再設計を必要とする。障害点及び安全性等の解析である。
【0012】
空気処理デバイスを当モジュールへと解体することで、機能性、ユーザフレンドリ性、及び、ユーザサービス性、の追加において、追加的な利点がもたらされることが判明した。
【0013】
実際には、超音波ユニットが、空気処理デバイスのうちで最も頻繁に壊れる部品であることが判明した。ユーザ/消費者による簡単な交換を可能にすることで、全デバイスを処分する必要性が回避される。
【0014】
当デバイスの文脈において、「超音波」という文言について言及する。この文言は、その最も広い範囲において、特に、液体ミスト、特に水ミスト、を生成するための超音波の、一般に公知の意味を指す。特に、水の湿気を提供するための超音波は、500kHzから3MHzの間の振動数に関する。超音波ユニットは、1~3MHzの範囲内の振動を生じることが多い。様々なデバイスが、2.4MHz前後の周波数で振動する。当家庭用デバイスにおいて、出力は、2.4MHzにおいては350~450ml/h、1.7MHzについては600~800ml/hであることが可能である。適正な動作のためには、超音波振動源よりも25から45mmの間だけ上における水高が、効率的な湿気付与に望ましいことが判明した。特に、30~40mmの水高が、より一層効率的な湿気付与をもたらす。
【0015】
当説明における、撤去可能に、は、液体貯槽及び超音波ユニットのような部品であって、空気処理デバイスのそれ以外の部分から撤去することが可能な部品、を指す。この点に関し、撤去可能な、は、固定された、と対照的に使用される。特に、部品は、例えば、接着剤、溶接、又は、摩擦圧接、を使用することにより、例えば、永続的に固定され得る。特に、部品は、工具を使用せずに撤去可能であり得る。例えば、液体貯槽は、取り外し可能であることが可能である。一実施形態においては、その後、超音波ユニットが取り外し可能である。一実施形態において、貯槽は、さらなる空気処理デバイス上において、位置決め又は設置を行うことが可能である。貯槽は、さらなるデバイス上へスナップ嵌めされ得る。一実施形態においては、適正な設置を確保するために、位置決め要素が設けられ得る。一実施形態における超音波ユニットは、さらなる空気処理デバイス上へ嵌合されている。超音波振動は、スナップ嵌合による、バヨネットによる、又は、他の非永続的な、固定を必要とし得る。
【0016】
パワー源について言及する。これは、必要とされるパワーを提供するバッテリデバイスであることが可能である。このようなバッテリデバイスは、バッテリを備えることが可能である。バッテリデバイスには、さらに、外部充電デバイス、又は、例えば、ワイヤレス充電用の装備、に結合されることが可能な充電リードを設けることが可能である。バッテリデバイスは、超音波ユニットのような様々な付随的デバイス用の駆動回路を備え得る。他の実施形態において、超音波ユニットは、駆動回路を保持し得る。代替的に、パワー源は、様々な付随的デバイス及び/又はユニットのためのパワーを提供する駆動回路素子を備え得る。この回路素子は、ACパワーにより、又は、DCパワーにより、給電が可能である。代替的に、簡単な一実施形態において、パワー源は、ベースユニットに入るとともに、付随的デバイス及び/又はユニットへの電力の結合及び提供を可能にする、リード又はワイヤを備えている。
【0017】
一般的な意味合いにおけるベンチュリは、狭窄を介して流体が流れるときに流体圧力の低減を結果的に生じさせる、狭窄された断面(断面積の低減)、に関する。実際に、流体の流速の増大が結果的に圧力の低減を生じる旨を述べるベルヌーイの原理を使用したセットアップが提供されている。本発明においてベンチュリについて言及するとき、一実施形態では、実際に、管が、別の管内に実質的に同心に設置されている。これらの同心管の端においては、空気がまず、当該同心管内へ入るよう強制され、この空気は、下流の対向端において流れ出て膨張することが可能である。このことは、例えば、流れパターンの設計用に使用することが可能であり、例えば、中心管の下流端において圧力減少を生じることが可能である。一実施形態においては、同心管と同心管との間の経路が、実際に、ベンチュリの狭窄をもたらしている。
【0018】
一実施形態において、当該超音波ユニットは、当該ベースユニット上へ撤去可能に取り付けられている。当該液体貯槽は、当該ベースユニットに撤去可能に取り付けられた下端を有し、当該ベースユニットと当該液体貯槽との間に当該撤去可能な超音波ユニットが存在している。さらなる一実施形態において、当該液体貯槽の当該下端は、当該ベースユニット空気出口を当該超音波ユニット空気入口に結合する空気ダクトを備えている。この点に関し、貯水槽は、工具を使用せずに撤去することが可能である。通常、貯水槽は、設置時において定位置にスナップ嵌めされ、例えば、補充用に、また、超音波ユニットへのアクセスの提供用にも、ベースユニットから持ち上げることが可能である。一実施形態において、超音波ユニットは、ベースユニット上へスナップ嵌合されている。一実施形態において、超音波ユニットは、工具を使用せずに撤去することが可能である。
【0019】
一実施形態において、当該撤去可能な超音波ユニットは、当該液体入口を備えた湿気チャンバを備えた超音波基部部品を備えている。
【0020】
一実施形態において、当該撤去可能な超音波ユニットは、当該湿気チャンバの端において超音波デバイスを備え、当該超音波デバイスは、当該湿気チャンバに超音波結合されており、当該湿気チャンバは、当該湿気チャンバから距離をあけて出口を有する蒸気案内ダクトに接続している。
【0021】
一実施形態において、当該蒸気案内ダクトは、当該液体貯槽を介して伸びており、当該液体貯槽の頂端付近に出現している。
【0022】
一実施形態において、当該湿気チャンバは、当該超音波デバイスに液密の様態で封止結合された開放下端を有する。
【0023】
一実施形態において、当該超音波デバイスは、当該湿気チャンバの閉鎖面を提供する振動表面を有する。代替的に、湿気チャンバは、超音波デバイスの振動を伝達する可撓性壁体を備えている。この壁体として、例えば、いくつかの熱可塑性材料を提供することが可能である。
【0024】
一実施形態において、当該超音波デバイスは、当該超音波基部部品上の対応する結合部品に、撤去可能な方式で結合するための結合部品を備えている。
【0025】
一実施形態において、当該湿気チャンバは、当該超音波デバイスに液密の様態で封止結合された開放下端を有し、当該超音波デバイスは、当該超音波デバイス上の対応する結合部品に、撤去可能な方式で結合するための結合部品を備えた超音波振動子を備えている。
【0026】
一実施形態において、当該超音波デバイスは、当該湿気チャンバの閉鎖壁体を提供する振動表面を有する。
【0027】
一実施形態において、当該超音波ユニットは、当該湿気チャンバを備え、当該湿気チャンバは、開放端及び底部を有してカップ形状であり、当該底部には、超音波デバイスが設けられており、当該開放端は、当該空気入口、当該液体入口、及び、当該湿気出口を提供している。
【0028】
一実施形態において、当該ベースユニットは、筐体と、当該筐体の内部とは別個の受容空間と、を備え、当該超音波ユニットは、当該受容空間内に嵌合するように形成されている。
【0029】
一実施形態において、家庭用空気処理デバイスはさらに、超音波デバイスに超音波結合された端部を備えているとともに、蒸気案内ダクトに結合された湿気チャンバ出口を有する、湿気チャンバを備えた、超音波ユニットを備え、当該蒸気案内ダクトは、当該湿気チャンバ内へ延びているとともに、当該超音波デバイスから液体小滴を受容するために位置決めされた、漏斗入口端を備えた、ベンチュリ管を備え、当該漏斗端は、狭まってベンチュリダクトになっており、当該ベンチュリダクトは、当該出口ダクトを介して伸びているとともに、その出口を当該蒸気案内ダクトの端付近に有する。
【0030】
一実施形態において、当該湿気チャンバは、湿気チャンバ空気入口と、当該蒸気案内ダクトに結合された湿気チャンバ空気出口と、当該超音波デバイスに液体を提供するための液体入口と、を備えている。
【0031】
一実施形態において、当該液体貯槽は、当該超音波ユニットに水を提供する貯水槽であり、当該提供は、動作中に、当該水を蒸発させて空気を加湿するために行われる。
【0032】
一実施形態において、当該液体貯槽は、0.5から10リットルの間の容積を有し、及び/又は、当該家庭用空気処理デバイスは、10×10×20cmから30×30×50cmの間の寸法を有し、及び/又は、当該空気置換デバイスを備えているとき、動作中における当該空気置換デバイスは、当該家庭用空気処理デバイスから、毎時100m3まで、特に毎時50m3まで、より特に毎時20m3まで、の空気流の提供が可能である。
【0033】
上記の家庭用空気処理デバイスのための超音波デバイスを、追加的に提供する。
【0034】
先行する請求項のうちのいずれか1項に記載の家庭用空気処理デバイスのための超音波デバイスのための超音波基部部品を、追加的に提供する。
【0035】
記載したような家庭用空気処理デバイスの超音波ユニットを交換するための方法であって、当該液体貯槽を当該空気処理デバイスから持ち上げることと、その後、当該超音波ユニットを当該ベースユニットから持ち上げて、当該パワー入力を、当該ベースユニットの当該電力源から取り外すことと、を含む、方法、をさらに提供する。
【0036】
上記で解説したように、一実施形態における当空気処理デバイスは、モジュラーデバイスを提供する。
【0037】
一実施形態において、(デバイスが使用のために位置決めされた状態での)モジュールの順序は、下から上へ、ベースユニットと、当該ベースユニット上に設置される超音波ユニットと、当該ベースユニット上に設置されるとともに当該超音波ユニットを「挟んでいる」液体貯槽と、である。この方式で、重力の影響下において、液体を超音波ユニットに供給することが可能である。このことは、簡単な構築を生じる。
【0038】
「上流」及び「下流」という用語は、デバイスを介した空気の流れに対する、品目又は特徴の配置に関しており、空気入口及び空気出口に対し、空気入口により近接した第2の位置が「上流」であり、空気出口と第2の位置との間の第3の位置が、第2の位置を基準として相対的に「下流」である。
【0039】
「実質的に~からなる」におけるような、本明細書における「実質的に」という用語は、当業者により理解されるであろう。「実質的に」という用語は、「完全に」、「全面的に」、「全て」等を有する実施形態も含み得る。よって、実施形態において、実質的に、という形容詞は削除されてもよい。「実質的に」という用語は、該当する場合、95%以上、特に99%以上、より一層特に99.5%以上、といった、90%以上にも関し得るものであり、100%を含む。「備える」という用語について、「備える」という用語が「からなる」を意味する実施形態も含む。
【0040】
「機能的に」という用語は、当業者により理解されるであろうし、且つ、当業者にとって明らかであろう。「実質的に」に加え「機能的に」という用語も、「完全に」、「全面的に」、「全て」等を含む実施形態も含み得る。よって、実施形態において、機能的に、という形容詞は削除されてもよい。例えば「機能的に平行な」において使用されているとき、当業者は、この「機能的に」という形容詞が、上記で解説したような、実質的に、という用語を包含することを理解するであろう。機能的に、は特に、「機能的に」という形容詞が存在しないかのように特徴が機能することが可能になる、これらの特徴の構成を包含するものと理解されるべきである。「機能的に」という用語は、それが指す特徴の変形例をカバーすることが意図されており、当該変形例とは、当該特徴を、可能性として本発明中に該特徴が関連する他の特徴と組み合わせて、機能的に使用する際に、該特徴の組み合わせが、動作又は機能することが可能であるようなものをいう。例えば、アンテナが、通信デバイスと機能的に結合されているか又は機能的に接続されている場合、当該アンテナが受信した受信電磁信号は、通信デバイスによる使用が可能である。例えば、「機能的に平行な」において使用されているような「機能的に」という語は、厳密に平行であることをカバーするだけではなく、上記で解説した「実質的に」という語によりカバーされる実施形態をもカバーするように使用されている。例えば、「機能的に平行な」とは、動作中に、部品同士が例えば平行であるかのように機能する実施形態に関する。このことは、部品同士が、その意図される使用分野内において、平行であるかのように動作することが当業者にとっては明らかである実施形態、をカバーする。
【0041】
さらに、この説明及び請求項における、第1の、第2の、及び、第3の、等という用語は、同様の要素を区別するために使用されており、必ずしも、順次的な又は時系列の順序を記述するために使用されている訳ではない。理解されるべきこととして、このように使用される用語は、適切な状況下で相互に交換可能であり、且つ、本明細書に記載された本発明の実施形態は、本明細書に記載又は例示された順番以外の順番で動作することが可能である。
【0042】
本明細書におけるデバイス又は装置は、とりわけ、動作中において説明されている。当業者にとって明らかであるように、本発明は、動作の方法又は動作中のデバイスに限定されない。
【0043】
留意されるべきこととして、上述の実施形態は、本発明を限定するよりもむしろ例示するものであり、当業者は、多くの代替的一実施形態を、添付の特許請求の範囲、の範囲から逸脱することなく設計することが可能であろう。請求項においては、括弧内に置かれたいかなる参照符合も、請求項を限定するものと解釈してはならない。「備える(comprise)」という動詞及びその活用形の使用は、請求項に述べられた要素又はステップ以外の要素又はステップが存在することを排除しない。要素に先行する「1つの(a)」又は「1つの(an)」という冠詞は、このような要素が複数存在することを排除しない。本発明は、いくつかの特質的な要素を備えたハードウェアという手段により実装され得、好適にプログラミングされたコンピュータを備え得る。いくつかの手段を列挙しているデバイス又は装置の請求項内において、これらの手段のうちのいくつかは、全く同一のハードウェアにより具現化され得る。或る特定の方策が互いに異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの方策の組み合わせを効果的に使用することが不可能である旨を示している訳ではない。
【0044】
本発明はさらに、この説明に記載された、及び/又は、添付の図面に示された、特徴的な特徴のうちの1つ以上を備えた装置又はデバイスに適用される。本発明はさらに、この説明に記載された、及び/又は、添付の図面に示された、特徴的な特徴のうちの1つ以上を備えた方法又はプロセスに関係する。
【0045】
本特許において論じられている様々な態様は、追加的利点をもたらすために組み合わせることが可能である。さらに、特徴のうちのいくつかは、1つ以上の分割出願の基礎を成すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
次に、添付の模式的図面を参照しながら、例示のみを目的として、本発明の実施形態について説明する。図面においては、対応する参照記号が対応する部分を示している。
【0047】
【
図1】下から見た(
図1)、及び、上から見た(
図2)、例示的な加湿器の分解組立図を示している。
【
図2】下から見た(
図1)、及び、上から見た(
図2)、例示的な加湿器の分解組立図を示している。
【
図3A】4つのオプションの交換オプションの斜視図を示している。
【
図3B】4つのオプションの交換オプションの斜視図を示している。
【
図3C】4つのオプションの交換オプションの斜視図を示している。
【
図3D】4つのオプションの交換オプションの斜視図を示している。
【
図6】
図1~
図5の加湿器に追加されたベンチュリを示している。
【
図7】ベンチュリ管を備えた加湿器を断面図で示している。
【
図8A】代替的一実施形態の分解組立図を示している。
【
図8B】代替的一実施形態の分解組立図を示している。
【0048】
これらの図面は、必ずしも寸法比率が正しい訳ではない。
【発明を実施するための形態】
【0049】
[好ましい実施形態の説明]
図1及び
図2は、下から及び上から見た、空気湿度を適合させるための家庭用空気処理デバイスの一実施形態としての、加湿器1の分解組立図を示している。本実施形態において、加湿器は、丸くされた角部を備えた、ブロック形状を有する。加湿器は、筒状、特に円筒状、であることも可能である。これは、工業意匠の事柄である。この事柄は、技術的効果も有し得る。
【0050】
加湿器1の主たる部品は、上から下へ、ディフューザカバー2、貯槽カバー3、液体貯槽4、超音波ユニット5、基部底部7により被覆されたベースユニット6、及び、本実施形態においては、スタンド8、である。
【0051】
ベースユニット6は、当実施形態において、制御電子機器と、パワー供給装置と、空気置換デバイスとも称される、空気置換をもたらすためのアクチュエータと、を格納している。
図1~
図8において、パワー供給装置及び空気置換デバイスは、描かれていない。多くの実施形態において、このような空気置換デバイスは、電気モータを備えた換気装置であるか、当該換気装置を備えている。空気置換デバイスは、電気モータにより作動するファンを備え得る。空気置換デバイスの、この実装及び他の実装は、当該技術において、そのようなものとして公知である。ベースユニット6は、ベースユニット空気入口31と、ベースユニット空気入口31を空気置換デバイスを介してベースユニット空気出口に結合するベースユニット空気ダクト30と、を有する。
【0052】
当実施形態における超音波ユニット5は、ベースユニット6上に設置されており、超音波ユニット5の、ベースユニット6上への適正な設置を確実にする、リム、カム、及び、ノッチ、のような装備が設けられることが可能である。より詳細に以下に解説するように、超音波ユニット5は、消費者によって容易に、特定の一実施形態においては工具を使用すらせずに、ベースユニット6からの取り外しが可能であるような方式で、ベースユニット6上に設けられている。
図1及び
図2の実施形態において、ベースユニット6は開放しており、超音波ユニット5は、ベースユニット6に対する閉鎖物を提供している。特に、超音波基部部品11は、ベースユニット6の開口部上への、例えば、設置又はスナップ嵌めが可能な蓋を提供している。
【0053】
液体貯槽4は、下端を有しており、当該下端は、当実施形態において、液体貯槽4の当該下端をベースユニット6に結合するための結合装備を備えている。特に、一実施形態において、結合装備は、液体貯槽がベースユニット6に向けて引っ張られるような方式で引張力を提供し、液体貯槽4を超音波ユニット5に押し付ける。このことは、液体貯槽4の下端を超音波ユニット5に封止押圧する。別の実施形態では、液体貯槽4が、実質的にベースユニット6上に自由に立っており、例えば充填を行うために、液体貯槽4を容易に持ち上げることを可能にする。このような一実施形態における液体貯槽4及びベースユニット6は、互いに係合して液体貯槽4をベースユニット6上へ積み重ねた状態に保つための係合部品を備えている。係合部品は、液体貯槽4がベースユニット6から摺動して外れることを防止する。一実施形態では、液体貯槽4及びベースユニット6のうちの一方が、カムを備え、他方のユニットが、合致するノッチを備えている。代替的には、貯槽4及びベースユニット6のうちの一方が、ベースユニット6及び貯槽4のうちの他方の上における溝又は段に嵌合するカラー又はフランジを備えている。係合部品は、液体貯槽4及びベースユニット6を、互いに位置決めした状態に、ここでは、ベースユニット6の上に貯槽4がある状態に、保つために提供されている。
図1~
図5の、描かれた実施形態において、液体貯槽4の下端は、ベースユニット6の穴内へ嵌合する支柱12を有する。加えて、貯槽4の下端は、周縁を有しており、ベースユニット6は、合致する周縁を有しており、超音波ユニット5の超音波基部部品11及びカラーは、ベースユニット縁の周りに嵌合して、貯槽周縁に嵌合する外側縁を提供している。
図5の断面は、このことを例示している。
【0054】
液体貯槽4は、液体を保持するための容器空間を備え、その下端において、液体貯槽液体出口15を有する。液体貯槽4の下端がベースユニット6上に存在している、液体貯槽4の結合位置において、液体貯槽出口15は、超音波ユニット5の液体入口に流体結合している。貯槽4の撤去、充填、及び、交換、を可能にするために、液体貯槽液体出口15には、弁という止め具を設けることが可能である。一実施形態においては、フロート弁が設けられている。一実施形態において、フロート弁40(
図8A、
図8B、
図9)は、液体出口15を封止するための弁部品と、フロート体と、を有する。貯槽4が取り外されるとき、弁部品が液体出口15を閉鎖する。フロート体は、弁部品に結合されており、超音波ユニット5内の/超音波ユニット5における、液体の量を調整する。
【0055】
当実施形態における液体貯槽4はさらに、液体貯槽4内へ組み込まれた蒸気案内ダクト16を備えている。当実施形態において、蒸気案内ダクト16は、液体貯槽4の下端から液体貯槽4の対向(使用時には上側)端まで、途切れずに伸びている。本実施形態において、蒸気案内ダクト16は、以下にさらに解説するように、別個のパイプである。代替的一実施形態では、液体貯槽4の外側壁体が、蒸気案内ダクト16の一部を提供し得る。
【0056】
通常、ディフューザカバー2、貯槽カバー3、液体貯槽4、超音波ユニット5の部品、ベースユニット6の筐体、基部底部7、及び、スタンド8、のような、筐体及び部品のほとんどの部分は、射出成形され得る。これらの部分は、ABS、PE、PP、ポリエステル、又は、当該技術で使用される他の公知のポリマー、といった熱可塑性材料のような、プラスチックを原料とし得る。
【0057】
上記で述べたように、一実施形態における加湿器1は、家庭での使用のためのものである。このような用途において、液体貯槽は、0.5から10リットルの間の容積を有することが可能である。一実施形態において、家庭用空気処理デバイスは、10×10×20cmから30×30×50cmの間の寸法(長さ×幅×高さ)を有する。デバイスを、特に家庭での使用のための、及び、空気置換デバイスを備えているときの、加湿器として規定する別の方式、動作中における空気置換デバイスは、毎時100m3未満の空気流の提供が可能である。特に、使用時の空気流は、毎時50m3未満である。具体的には、空気流は、毎時20m3未満である。加湿器としての用途において、液体は、水であり、この水は、超音波ユニット5によりミストとなり、該ミストはその後、蒸気案内ダクト16を介して空気処理デバイス1から取り出される。
【0058】
図3A~
図3Dには、超音波ユニット5のいくつかの実施形態を例示する。当該図は、交換性及び修理のための異なるオプションを例示している。示される実施形態は、上記で例示されたベースユニット6内へ/上へ嵌合するために形作られている。そのベースユニット6の一実施形態において、ベースユニット6は、ベースユニット6の内部を液密に封止する上側封止部品を備えている。このような封止部品は、ベースユニット6内において空気ダクトと結合された空気出口を備えているであろう。一実施形態において、上側封止部品又はベースユニット封止カバーの外側形状は、超音波ユニット5を受容するように形作られている。一実施形態において、当該上側封止部品又はベースユニット封止カバーは、超音波ユニット5の超音波ユニット基部部品11を、嵌合する態様で又は形状嵌合する態様で受容するように形作られており、超音波ユニット5を、ベースユニット6上の定位置に保持している。この方式で、超音波ユニット基部部品11の壁体厚さが低減され得、交換可能性に対してより有利にする。代替的に、超音波基部部品11は、可撓性材料を、或いは、ゴム又はシリコン材料さえも、原料にすることがあり得、容易な清掃を可能にする。
【0059】
図3A~
図3Dに一実施形態において例示された超音波ユニット5は、超音波基部部品11を有する。超音波基部部品11は、ベースユニット6上へ嵌合するように形作られている。さらに、超音波基部部品11は、本実施形態において、液体貯槽4の下端上へ封止(封止する様態で)嵌合するように形作られている。特に(例示せず)、超音波基部部品11は、液体貯槽の下端の液体出口に液密に嵌合する液体入口を備え得る。1つの実施形態において、超音波基部部品11は、液体貯槽4の下端になっている空気ダクト14内へ延びる空気出口22を有する。超音波基部部品11は、液体貯槽4の空気ダクト14の空気入口端上へ、液密の態様でも、特に気密の態様でも、封止嵌合し得る。
【0060】
1つの実施形態において、超音波基部部品11は、ベースユニット6の空気出口上へ封止嵌合する空気入口を有する。別の又は組み合わされた実施形態において、超音波基部部品空気入口は、少なくとも部分的に液体貯槽4の下端になっている空気ダクト14を介して結合されている。
【0061】
図3Aの実施形態において、全超音波ユニット5は、超音波基部プレート11と、超音波基部プレート11に取り付けられた超音波デバイス9と、超音波デバイス9に結合されているとともに超音波デバイス9の一部であり、超音波基部プレート11に取り付けられた、超音波振動子11と、を備えている。これらの部品は、超音波基部プレート11に、ねじを介して取り付けられること、接着されること、又は、共成形(co-moulded)さえもされること、があり得る。よって、本実施形態において、全超音波ユニット5は、破損又は故障した場合においても、消費者により交換されるであろう。一実施形態において、超音波デバイス9及びベースユニット6は、互いに相補的なプラグ及びソケットを備え、超音波ユニット5とベースユニット6との間のパワー結合を可能にする。一実施形態において、超音波デバイス9は、プラグを備えたリードを備え、ベースユニット6は、当該プラグ用のソケットを備えている。
【0062】
図3Bにおいて、超音波デバイス9は、超音波基部部品11に撤去可能に取り付け可能である。超音波デバイス9は、例えば、バヨネット嵌合、形状嵌合を介して、又は、スナップ嵌合を介して、取り付けられている。これにより、消費者は、追加的な工具を使用せずに、超音波デバイス9を超音波基部部品11から容易に撤去することが可能になる。本実施形態において、振動子10は、超音波デバイス9に取り付けられているとともに、超音波デバイス9の一部である。振動子10は、超音波デバイス9のそれ以外の部分上へ、一連のねじを介して取り付けられること、共成形されること、接着されること、があり得る。一実施形態において、湿気チャンバ13は、湿気チャンバ超音波ユニット結合部品20を備え、超音波デバイス9は、超音波ユニット結合部品21を備え、超音波ユニット結合部品20、ここでは、湿気チャンバ13の一部、と協働する。それにより、消費者が、超音波ユニット5を容易に清掃すること、及び、超音波デバイス9が破損したか又は壊れたときに超音波デバイス9を交換すること、を可能にする。
図3Dは、
図3Bの実施形態を他方の側面から示している。描かれた実施形態において、超音波デバイス9は、超音波基部部品11のカラー21内へ嵌合するカラー20を有する。一実施形態において、湿気チャンバ13の底部は、湿気チャンバ基部部品11との共形成(co-formed)が可能である。このような一実施形態において、全超音波デバイスは、湿気チャンバ内への設置が可能である。代替的に、超音波デバイス9は、湿気チャンバ13の底部に超音波結合されている。動作中に、このことは、底部を超音波振動させる。
【0063】
図3Cにおいては、超音波ユニット5の別の実施形態を例示している。本実施形態では、超音波基部部品11と、超音波振動子10を除いた超音波デバイス9と、が1つの部品に一体化されている。本実施形態における超音波デバイス9は、超音波基部部品11上への接着又は溶接が可能である。代替的に、超音波デバイス9は、超音波基部部品11内へ/上への共成形が可能である。また別の代替例において、超音波デバイス9は、例えば、ねじを介した取り付けが可能である。このことは、理論的には、工具を使用するものの、交換を可能にすることがあり得、交換後に良好な封止を必要とする。
【0064】
本実施形態における振動子10は、消費者により交換可能である。一実施形態において、振動子10は、工具を使用せずに交換可能である。このことは、例えば、バヨネット、スナップ嵌合、又は、形状嵌合、による結合を介した取り付けを含み得る。さらに、振動子10は、さらなる超音波デバイス9上のソケットに嵌合するプラグを備えたパワーリードを備え得る。
【0065】
超音波ユニット5は、湿気チャンバ13を備えている。湿気チャンバ13は、液体入口17と、空気入口19と、超音波デバイス9に超音波結合している下側壁体と、を備えている。
図3A~
図3Dに描かれた実施形態において、湿気チャンバは、超音波基部部品11になっている。その実施形態において、湿気チャンバは、例示されるように、開放している下端を有することが可能である。本実施形態において、超音波デバイス9及び/又は振動子10は、超音波振動する壁体25を提供する。
【0066】
図4は、液体貯槽4の下端をいくらかより詳細に示しており、
図5は、先に論じた実施形態の断面図を示している。本実施形態において、加湿器1は、液体貯槽4を介して伸びる蒸気案内ダクト16を備えている。蒸気案内ダクト16は、湿気チャンバ13から湿気の小滴/蒸気を受容するように配置された入口端35を備えている。ここでの蒸気案内ダクト16は、真直管の、一部、片体、又は、端である。入口端35は、ここで、液体貯槽4の下端に、又は、下端付近に、配置されている。蒸気案内ダクト16は、液体貯槽4の対向端に、又は、対向端付近に、出口端36を備えている。本実施形態において、蒸気案内ダクト16の出口端36は、貯槽カバー3の出口片体に接続している。液体貯槽カバー3はさらに、カバー2を備え、カバー2は、本実施形態において、周囲流路を残している。
【0067】
図6及び
図7では、加湿器のさらなる一実施形態を開示しており、例えば、既に論じた実施形態に追加することが可能な拡張部品を提供している。これは、改正されたカバー2のみを、必要とするであろう/必要とし得る。本実施形態は、蒸気案内ダクト16内へ挿入することが可能なベンチュリ管36を備えている。ベンチュリ管26は、漏斗入口端27を備え、漏斗状に狭まってベンチュリダクト28となっている。漏斗入口端27は、終端してベンチュリ入口となっている。明らかに、ベンチュリ入口の断面積は、ベンチュリダクト28の断面積よりも大きい。ベンチュリ入口断面積の、ベンチュリダクト断面積に対する比率は、1.5~5の間であることが可能である。ほとんどの実施形態において、当該比率は、2から4の間である。
【0068】
ベンチュリ入口は、超音波振動子の、又は、当該振動子に超音波結合された湿気チャンバ壁体の、近傍に位置決めされる。ほとんどの用途において、ベンチュリ入口は、超音波振動から1mmから1cmまでの間に存在している。
【0069】
一実施形態におけるベンチュリ管26は、蒸気案内ダクト16と同軸である。このことにより、ベンチュリダクト28と蒸気案内ダクト16との間に空気経路が設けられる。その、結果的に生じた空気経路内において、相対的に高速で流れる空気は、ベンチュリダクト28の端29において圧力の低下を生じ、ベンチュリダクト28内において液体小滴を加速させる。このことは、湿気が付与された空気の、より強力な流れを生じる。ベンチュリダクト28を蒸気案内ダクト16内に位置決めするために、ベンチュリダクトの外側には、蒸気案内ダクト16の内側表面に係合するために、又は、蒸気案内ダクト16の内側表面における対応する係合部材上に静止するために、センタリング端32が設けられている。この方式により、ベンチュリ管26は撤去可能であり得る。本実施形態において、カバー2は、蒸気案内ダクト。16の周囲を充填するための開口部34又は穴を有する。本実施形態における液体貯槽カバー3もまた、蒸気案内ダクトを通過させて延ばすために、変更されている。本実施形態では、実際に、ベンチュリ管と蒸気案内ダクト16との間の経路が、ベンチュリの狭窄をもたらしている。該ベンチュリを介して、湿気又は蒸気のための経路が設けられている。
【0070】
図8A、
図8B、及び、
図9は、加湿器1の代替的一実施形態を示している。当該実施形態もまた、意匠保護の余地があり得る意匠態様を有する。丸い又は楕円形の断面を有する、該意匠において、蒸気案内ダクト16は、液体貯槽4を介して中心に位置決めされている。
図6及び
図7を参照して論じた、撤去可能なベンチュリ管26が、該意匠に含まれている。ベンチュリ管26は、交換可能であり、ユーザによる自在な据え付けが可能である。
【0071】
本実施形態は、湿気チャンバ13の内側に嵌合するとともに、液体貯槽4の液体出口15を閉鎖するための閉鎖部品として機能する、機械的浮き部品又は浮き弁40も示している。浮き弁40は、液体貯槽4を出て湿気チャンバ13に入る液体の量を操作することも可能である。
【0072】
図8A、
図8B、及び、
図9の実施形態において、ベースユニット6は、ベースユニット6を封止するための蓋42を備えている。本実施形態において、蓋42は、本実施形態において底部を有する受容空間を有しており、当該底部は、ベースユニット6の底部に接して静止している。この方式で、実際には、ベースユニット6のドーナツ形状の全空間(又は部分)が、ベースユニット空気ダクト30である。
【0073】
本実施形態において、超音波ユニット5、特に、超音波ユニット基部部品11は、空気ダクトを備えておらず、空気ダクトを設けていない。
【0074】
本実施形態において、ベースユニット蓋42は、超音波ユニット5のための受容空間を備えている。本実施形態における超音波ユニット基部部品11が、事実上は、超音波デバイス9を備えた底部を有するカップとして形成された湿気空間13である。超音波ユニット基部部品11は、自身のカップ縁のあたりに、ベースユニット蓋42の受容空間の周囲におけるカラーに嵌合するリムを有する。描かれた実施形態において、超音波ユニット基部部品11は、深絞り加工又は真空成形のプロセスにおいて、材料のシートから形成することが可能である。これにより、交換部品としての、該部品の生産が容易になる。
【0075】
貯槽出口15は、デバイス1から、実際にはベースユニット6から、貯槽4が撤去されたときに出口15を閉鎖するフロート弁40により、閉鎖される。フロート弁40のフロート体は、湿気チャンバ13内に嵌合している。例示された実施形態において、フロート弁40は、超音波デバイス9から蒸気用の通路を設ける開口部を備えている。フロート弁40は、湿気チャンバ13内の液体の量を制御するように設計することが可能である。一実施形態において、フロート弁40は以下の通りである。出口15は、貯槽4が空気処理デバイスから撤去されたときに閉鎖位置にある弁を備えている。フロート弁40はさらに、湿気チャンバ13内に位置決めされたフロート体を備えている。フロート体又は浮きは、湿気チャンバ13内において液体が利用可能ではないときに弁を開放する作動端を備えている。フロート体は、湿気チャンバ内の液体に浮かび始めると、湿気チャンバ13内における所望の液位が得られるまで、弁の閉鎖を増大させる。通常、超音波デバイス9の上方において、湿気チャンバ13内には、25~35mmの水が維持されている。
【0076】
図10においては、加湿器の、また別の実施形態を断面で例示している。本実施形態において、超音波ユニット5は、超音波基部部品11及び超音波振動子10を含んでいる。超音波基部部品10は、今度は、湿気チャンバ13を提供する、相対的に簡単なカップである。湿気チャンバ13内においては、動作中水位Wを示している。ここでもまた、液体貯槽底部45は、湿気チャンバ13の一部を閉鎖している。貯槽空気ダクト14は、貯水槽底部45の膨らみである。ベースユニット空気出口43は、湿気チャンバ空気入口19に流体結合されている。蒸気案内ダクト19は、貯槽4を介して伸びている。実際に、本実施形態及び
図9の実施形態において、ダクトは、液体貯槽4と共成形されている。
【0077】
超音波デバイス9は、湿気チャンバ13内の水位Wが最低位よりも低いかどうかを検出するための水センサを備えている。
【0078】
当用途における、超音波ユニットを備えた空気処理デバイスについて言及する。特に、液体が、空気流中の小滴へと転化される。この効果は、液体を細かいミストに転化する、一般には噴霧器を使用しても、達成することが可能である。この目的のために、例えば、ノズルの使用が可能である。超音波ユニット5は、ミストを提供する、簡単であって且つ効率的な方式をもたらす。
【0079】
上記の説明及び図面が、本発明のいくつかの実施形態を例示するために含まれており、保護の範囲を限定するために含まれていないこと、も明らかになるであろう。本開示から始まって、一層多くの実施形態が、当業者には明白になるであろう。これらの実施形態は、保護の範囲内及び本発明の本質内にあり、先行技術における技術と、本特許の本開示と、の自明の組み合わせである。
【符号の説明】
【0080】
[参照番号]
1…加湿器、2…カバー、3…貯槽カバー、4…液体貯槽、5…超音波ユニット、6…ベースユニット、7…基部プレート、8…スタンド、9…超音波デバイス、10…超音波振動子、11…超音波基部部品、12…貯槽結合端、13…湿気チャンバ、14…貯槽空気ダクト、15…貯槽液体出口、16…蒸気案内ダクト、17…湿気チャンバ液体入口、18…湿気チャンバ蒸気出口、19…湿気チャンバ空気入口、20…湿気チャンバ超音波ユニット結合部品、21…部品と協働する、超音波ユニット結合部品、22…超音波ユニット空気ダクト、23…超音波ユニット空気ダクト出口、24…超音波ユニット空気ダクト入口、25…超音波表面、26…ベンチュリ管、27…ベンチュリ漏斗入口、28…ベンチュリダクト、29…ベンチュリ出口、30…ベースユニット空気ダクト、31…ベースユニット空気入口、32…ベンチュリ蒸気案内ダクト係合端、33…液体貯槽充填開口部、34…カバー蒸気ダクト開口部、35…蒸気案内ダクト入口、36…蒸気案内ダクト出口、40…フロート弁、41…空気置換デバイス、42…ベースユニット蓋、43…ベースユニット空気出口、44…水センサ、45…貯水槽底部、W…水位。
【国際調査報告】