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特表2024-507420電池の筐体、電池、電力消費装置、電池の製造方法及び装置
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  • 特表-電池の筐体、電池、電力消費装置、電池の製造方法及び装置 図1
  • 特表-電池の筐体、電池、電力消費装置、電池の製造方法及び装置 図2
  • 特表-電池の筐体、電池、電力消費装置、電池の製造方法及び装置 図3
  • 特表-電池の筐体、電池、電力消費装置、電池の製造方法及び装置 図4
  • 特表-電池の筐体、電池、電力消費装置、電池の製造方法及び装置 図5
  • 特表-電池の筐体、電池、電力消費装置、電池の製造方法及び装置 図6
  • 特表-電池の筐体、電池、電力消費装置、電池の製造方法及び装置 図7
  • 特表-電池の筐体、電池、電力消費装置、電池の製造方法及び装置 図8
  • 特表-電池の筐体、電池、電力消費装置、電池の製造方法及び装置 図9
  • 特表-電池の筐体、電池、電力消費装置、電池の製造方法及び装置 図10
  • 特表-電池の筐体、電池、電力消費装置、電池の製造方法及び装置 図11
  • 特表-電池の筐体、電池、電力消費装置、電池の製造方法及び装置 図12
  • 特表-電池の筐体、電池、電力消費装置、電池の製造方法及び装置 図13
  • 特表-電池の筐体、電池、電力消費装置、電池の製造方法及び装置 図14
  • 特表-電池の筐体、電池、電力消費装置、電池の製造方法及び装置 図15
  • 特表-電池の筐体、電池、電力消費装置、電池の製造方法及び装置 図16
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-20
(54)【発明の名称】電池の筐体、電池、電力消費装置、電池の製造方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/383 20210101AFI20240213BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240213BHJP
   H01M 10/615 20140101ALI20240213BHJP
   H01M 10/6554 20140101ALI20240213BHJP
   H01M 10/6561 20140101ALI20240213BHJP
   H01M 10/6567 20140101ALI20240213BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20240213BHJP
   H01M 50/342 20210101ALI20240213BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20240213BHJP
   H01M 50/375 20210101ALI20240213BHJP
   H01M 50/202 20210101ALI20240213BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20240213BHJP
   H01M 50/548 20210101ALI20240213BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20240213BHJP
   H01M 50/367 20210101ALI20240213BHJP
【FI】
H01M50/383
H01M10/613
H01M10/615
H01M10/6554
H01M10/6561
H01M10/6567
H01M10/625
H01M50/342 101
H01M50/204 401H
H01M50/375
H01M50/202 401H
H01M50/55 101
H01M50/548 101
H01M50/291
H01M50/367
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022534433
(86)(22)【出願日】2022-01-12
(85)【翻訳文提出日】2022-06-07
(86)【国際出願番号】 CN2022071536
(87)【国際公開番号】W WO2023133722
(87)【国際公開日】2023-07-20
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【弁理士】
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】▲顧▼ 明光
(72)【発明者】
【氏名】金 秋
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 小波
(72)【発明者】
【氏名】李 耀
【テーマコード(参考)】
5H012
5H031
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H012AA07
5H012BB01
5H031AA09
5H031KK01
5H040AA28
5H040AA29
5H040AA37
5H040AS04
5H040AT06
5H040AY04
5H040AY08
5H040JJ01
5H040JJ10
5H043AA04
5H043AA13
5H043BA04
5H043BA17
5H043DA08
5H043LA21D
(57)【要約】
本願の実施例は電池の筐体、電池、電力消費装置、電池の製造方法及び装置を提供する。前記筐体は、電池セルを収容するための電気キャビティであって、前記電池セルの第1壁に放圧機構が設置され、前記放圧機構は前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達するときに作動することで前記内部圧力を解放することに用いられる電気キャビティと、前記放圧機構が作動するときに前記電池セルからの排出物を収集することに用いられ、前記電気キャビティと隔離する収集キャビティと、流体を収容することで前記電池セルに対して温度調節を行うことに用いられ、前記電池セルの前記第1壁とは異なる第2壁に装着される第1熱管理部材と、を含む。本願の実施例の技術的解決手段は、電池の安全性を高めることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池の筐体であって、
電池セルを収容するための電気キャビティであって、前記電池セルの第1壁に放圧機構が設置され、前記放圧機構は前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達するときに作動することで前記内部圧力を解放することに用いられる電気キャビティと、
前記放圧機構が作動するときに前記電池セルからの排出物を収集するための収集キャビティと、
流体を収容することで前記電池セルに対して温度調節を行うことに用いられ、前記電池セルの前記第1壁とは異なる第2壁に装着される第1熱管理部材と、を含むことを特徴とする電池の筐体。
【請求項2】
前記電池セルの第3壁に電極端子が設置され、前記第3壁は前記第1壁とは異なり、且つ前記第3壁は前記第2壁とは異なる請求項1に記載の筐体。
【請求項3】
前記第3壁の第1領域に前記電極端子が設置され、
前記筐体は、流体を収容することで前記電池セルに対して温度調節を行うことに用いられ、前記第3壁の前記第1領域とは異なる第2領域に装着される第2熱管理部材をさらに含む請求項2に記載の筐体。
【請求項4】
前記第2領域には前記電池セルの内部から離れる方向に突出する突出部が設置され、前記第2熱管理部材は前記突出部に装着される請求項3に記載の筐体。
【請求項5】
前記第3壁と前記第1壁は対向して設置され、前記第2壁は前記第3壁と前記第1壁を接続し、又は
前記第2壁と前記第1壁は対向して設置され、前記第3壁は前記第2壁と前記第1壁を接続する請求項2~4のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項6】
前記第2壁に電極端子が設置される請求項1に記載の筐体。
【請求項7】
前記筐体は、前記電気キャビティと前記収集キャビティを隔離することに用いられ、前記第1壁に装着される隔離部材を含む請求項1~6のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項8】
前記隔離部材に弱い領域が設置され、前記弱い領域は、前記放圧機構が作動するときに破壊されて、前記排出物が前記弱い領域を通過して前記収集キャビティに入ることに用いられる請求項7に記載の筐体。
【請求項9】
前記弱い領域と前記放圧機構は対向して設置される請求項8に記載の筐体。
【請求項10】
前記隔離部材に貫通穴が設置され、前記貫通穴は、前記放圧機構が作動するときに前記排出物が前記貫通穴を通過して前記収集キャビティに入ることに用いられる請求項7に記載の筐体。
【請求項11】
前記貫通穴は前記放圧機構と対向して設置される請求項10に記載の筐体。
【請求項12】
電池であって、
複数の電池セルであって、前記電池セルの第1壁に放圧機構が設置され、前記放圧機構は前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達するときに作動することで前記内部圧力を解放することに用いられる複数の電池セルと、
請求項1~11のいずれか一項に記載の筐体であって、前記複数の電池セルが前記筐体に収容される筐体と、を含むことを特徴とする電池。
【請求項13】
電力消費装置であって、請求項12に記載の電池を含み、前記電池は前記電力消費装置に電気エネルギーを提供することに用いられることを特徴とする電力消費装置。
【請求項14】
電池の製造方法であって、
複数の電池セルを提供するステップであって、前記電池セルの第1壁に放圧機構が設置され、前記放圧機構は前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達するときに作動することで前記内部圧力を解放することに用いられるステップと、
電気キャビティ、収集キャビティ及び第1熱管理部材を含む筐体を提供するステップと、
前記複数の電池セルを前記電気キャビティ内に収容するステップと、を含み、前記収集キャビティは前記放圧機構が作動するときに前記電池セルからの排出物を収集することに用いられ、前記第1熱管理部材は流体を収容することで前記電池セルに対して温度調節を行うことに用いられ、前記第1熱管理部材は前記電池セルの第2壁に装着され、前記第2壁は前記第1壁とは異なることを特徴とする電池の製造方法。
【請求項15】
電池の製造装置であって、
複数の電池セルを提供することであって、前記電池セルの第1壁に放圧機構が設置され、前記放圧機構は前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達するときに作動することで前記内部圧力を解放することに用いられることと、
電気キャビティ、収集キャビティ及び第1熱管理部材を含む筐体を提供することと、に用いられる提供モジュールと、
前記複数の電池セルを前記電気キャビティ内に収容することに用いられる取付モジュールと、を含み、前記収集キャビティは前記放圧機構が作動するときに前記電池セルからの排出物を収集することに用いられ、前記第1熱管理部材は流体を収容することで前記電池セルに対して温度調節を行うことに用いられ、前記第1熱管理部材は前記電池セルの第2壁に装着され、前記第2壁は前記第1壁とは異なることを特徴とする電池の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は電池の技術分野に関し、特に、電池の筐体、電池、電力消費装置、電池の製造方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネ及び排出削減は自動車産業の持続可能な発展の重要なポイントである。この場合、電動車両は、省エネであり、環境に優しいという優位性のため、自動車産業の持続可能な発展の重要な部分となっている。電動車両にとって、電池技術はその発展の重要な要素である。
【0003】
電池技術の発展において、電池の性能の向上に加えて、安全上の問題も無視できない問題である。電池の安全を確保できなければ、該電池は使用できない。従って、如何に電池の安全性を高めるかは、電池技術において解決すべき技術的問題である。
【発明の概要】
【0004】
本願は電池の筐体、電池、電力消費機器、電池の製造方法及び装置を提供し、電池の安全性を高めることができる。
【0005】
第1態様では、電池の筐体を提供し、電池セルを収容するための電気キャビティであって、前記電池セルの第1壁に放圧機構が設置され、前記放圧機構は前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達するときに作動することで前記内部圧力を解放することに用いられる電気キャビティと、前記放圧機構が作動するときに前記電池セルからの排出物を収集するための収集キャビティと、流体を収容することで前記電池セルに対して温度調節を行うことに用いられ、前記電池セルの前記第1壁とは異なる第2壁に装着される第1熱管理部材と、を含む。
【0006】
本願の実施例の技術的解決手段は、第1熱管理部材を電池セルの放圧機構が設置されていない第2壁に装着し、このように、第1熱管理部材と電池セルとの接触面積が大きく、電池セルが正常に動作する場合、電池セルに対する温度調節効果は著しい。また、第1熱管理部材が装着された第2壁は電池セルの放圧機構が設置された第1壁ではないため、このように、電池セルに熱暴走が発生するときに、放圧機構を通して排出される電池セルの排出物は該第1熱管理部材から離れる方向に排出され、従って、排出物は該第1熱管理部材を破らず、危険性を低下させ、電池の安全性を高める。
【0007】
いくつかの実施例では、前記電池セルの第3壁に電極端子が設置され、前記第3壁は前記第1壁とは異なり、且つ前記第3壁は前記第2壁とは異なる。
【0008】
放圧機構が位置する壁、電極端子が位置する壁及び第1熱管理部材が装着される壁は電池セルの3つの異なる壁である。このように、放圧機構が作動するときに、放圧機構を通して排出される電池セルの排出物は該第1熱管理部材及び電極端子から離れる方向に排出され、従って、排出物は該第1熱管理部材を破らない。同時に、排出物による電極端子への影響を減少させることができ、高圧による点火リスクを回避し、その危険性を低下させ、それにより電池の安全性を高めることができる。
【0009】
いくつかの実施例では、前記第3壁の第1領域に前記電極端子が設置され、前記筐体は、流体を収容することで前記電池セルに対して温度調節を行うことに用いられ、前記第3壁の前記第1領域とは異なる第2領域に装着される第2熱管理部材をさらに含む。
【0010】
第3壁の電極端子が設置されていない領域に第2熱管理部材がさらに装着して設置されてもよく、このように、熱管理部材と電池セルとの接触面積をさらに増加し、電池セルが正常に動作する場合、電池セルに対する温度調節効果はより著しい。また、第2熱管理部材が装着された第3壁は電池セルの放圧機構が設置された第1壁ではないため、このように、電池セルに熱暴走が発生するときに、放圧機構を通して排出される電池セルの排出物は該第2熱管理部材及び電極端子から離れる方向に排出され、従って、排出物は該第2熱管理部材を破らず、同時に、排出物による電極端子への影響を減少させることができ、高圧による点火リスクを回避し、その危険性を低下させ、それにより電池の安全性を高めることができる。
【0011】
いくつかの実施例では、前記第2領域には前記電池セルの内部から離れる方向に突出する突出部が設置され、前記第2熱管理部材は前記突出部に装着される。
【0012】
第2領域には電池セルの内部から離れる方向に突出する突出部を設置し、第2熱管理部材を該突出部に装着することで、さらに第2熱管理部材を電池セルに装着しやすくすることができる。
【0013】
いくつかの実施例では、前記第3壁と前記第1壁は対向して設置され、前記第2壁は前記第3壁と前記第1壁を接続する。
【0014】
電池セルの対向する2つの壁のうちの一方の壁に電極端子が設置され、他方の壁に放圧機構が設置され、このように、放圧機構が作動するときに、放圧機構を通して排出される電池セルの排出物は該電極端子から離れる方向に排出され、従って、さらに排出物による電極端子への影響を減少させることができ、高圧による点火リスクを回避し、その危険性を低下させ、それにより電池の安全性を高めることができる。
【0015】
いくつかの実施例では、前記第2壁と前記第1壁は対向して設置され、前記第3壁は前記第2壁と前記第1壁を接続する。
【0016】
いくつかの実施例では、前記第2壁に電極端子が設置される。
【0017】
いくつかの実施例では、前記筐体は、前記電気キャビティと前記収集キャビティを隔離することに用いられ、前記第1壁に装着される隔離部材を含む。
【0018】
隔離部材を利用して電池セルを収容する電気キャビティと排出物を収集する収集キャビティとを分離し、放圧機構が作動するときに、電池セルの排出物が収集キャビティに入り、電気キャビティに入らず、又は少量で電気キャビティに入り、それにより電気キャビティ内の電気的接続に影響を与えず、従って、電池の安全性を高めることができる。
【0019】
いくつかの実施例では、前記隔離部材に弱い領域が設置され、前記弱い領域は、前記放圧機構が作動するときに破壊されて、前記排出物が前記弱い領域を通過して前記収集キャビティに入ることに用いられる。
【0020】
隔離部材に弱い領域を設置することによって、一方では、放圧機構が作動するときに排出物は弱い領域を通過して収集キャビティに入ることができ、排出物が電気キャビティに入ることを回避し、他方では、放圧機構が作動しないときに電気キャビティと収集キャビティとの間の隔離を確保することができ、収集キャビティ内の物質が電気キャビティに入ることを回避する。
【0021】
いくつかの実施例では、前記弱い領域と前記放圧機構は対向して設置される。このように、放圧機構が作動するときに、排出物は直接弱い領域を突撃して弱い領域を開くことができる。
【0022】
いくつかの実施例では、前記隔離部材に貫通穴が設置され、前記貫通穴は、前記放圧機構が作動するときに前記排出物が前記貫通穴を通過して前記収集キャビティに入ることに用いられる。
【0023】
いくつかの実施例では、前記貫通穴は前記放圧機構と対向して設置される。
【0024】
第2態様では、電池を提供し、複数の電池セルであって、前記電池セルの第1壁に放圧機構が設置され、前記放圧機構は前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達するときに作動することで前記内部圧力を解放することに用いられる複数の電池セルと、第1態様のいずれか一項に記載の筐体であって、前記複数の電池セルが前記筐体に収容される筐体と、を含む。
【0025】
第3態様では、電力消費装置を提供し、第2態様に記載の電池を含み、前記電池は前記電力消費装置に電気エネルギーを提供することに用いられる。
【0026】
第4態様では、電池の製造方法を提供し、複数の電池セルを提供するステップであって、前記電池セルの第1壁に放圧機構が設置され、前記放圧機構は前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達するときに作動することで前記内部圧力を解放することに用いられるステップと、電気キャビティ、収集キャビティ及び第1熱管理部材を含む筐体を提供するステップと、前記複数の電池セルを前記電気キャビティ内に収容するステップと、を含み、前記収集キャビティは前記放圧機構が作動するときに前記電池セルからの排出物を収集することに用いられ、前記第1熱管理部材は流体を収容することで前記電池セルに対して温度調節を行うことに用いられ、前記第1熱管理部材は前記電池セルの第2壁に装着され、前記第2壁は前記第1壁とは異なる。
【0027】
第5態様では、電池の製造装置を提供し、複数の電池セルを提供することであって、前記電池セルの第1壁に放圧機構が設置され、前記放圧機構は前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達するときに作動することで前記内部圧力を解放することに用いられることと、電気キャビティ、収集キャビティ及び第1熱管理部材を含む筐体を提供することと、に用いられる提供モジュールと、前記複数の電池セルを前記電気キャビティ内に収容することに用いられる取付モジュールと、を含み、前記収集キャビティは前記放圧機構が作動するときに前記電池セルからの排出物を収集することに用いられ、前記第1熱管理部材は流体を収容することで前記電池セルに対して温度調節を行うことに用いられ、前記第1熱管理部材は前記電池セルの第2壁に装着され、前記第2壁は前記第1壁とは異なる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、本願の実施例に使用される必要がある図面を簡単に紹介し、明らかなように、以下に説明される図面は単に本願のいくつかの実施例であり、当業者にとって、創造的な労働を必要とせずに、図面に基づいて他の図面を取得することができる。
図1】本願の一実施例に開示される車両の構造模式図である。
図2】本願の一実施例に開示される電池の構造模式図である。
図3】本願の一実施例に開示される電池モジュールの構造模式図である。
図4】本願の一実施例に開示される電池セルの分解図である。
図5】本願の一実施例に開示される電池セルの分解図である。
図6】本願の一実施例に開示される電池の筐体構造の断面模式図である。
図7図6に示される筐体のA部分の拡大模式図である。
図8】本願の別の実施例に開示される電池の筐体構造の断面模式図である。
図9】本願の別の実施例に開示される電池の筐体構造の断面模式図である。
図10】本願の別の実施例に開示される電池の筐体構造の断面模式図である。
図11】本願の別の実施例に開示される電池の筐体構造の断面模式図である。
図12】本願の別の実施例に開示される電池の筐体構造の断面模式図である。
図13】本願の別の実施例に開示される電池の筐体構造の断面模式図である。
図14】本願の一実施例に開示される電池の構造模式図である。
図15】本願の一実施例に開示される電池の製造方法の模式的なフローチャートである。
図16】本願の一実施例に開示される電池の製造装置の模式的なブロック図である。 図面では、図面は実際の縮尺で描かれていない。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面及び実施例を参照して本願の実施形態をさらに詳細に説明する。以下の実施例の詳細な説明及び図面は本願の原理を例示的に説明するためのものであるが、本願の範囲を制限するためのものではなく、即ち、本願は説明される実施例に限定されない。
【0030】
本願の説明では、説明する必要がある点としては、特に説明しない限り、「複数」の意味は2つ以上であり、「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」等の用語が指示する方位又は位置関係は、装置又は素子が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構造及び操作することを指示又は暗示せず、本願を容易に説明し及び説明を簡略化させるために用いられ、従って、本願を制限するものであると理解してはならない。また、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は説明のためだけに用いられるものであり、相対的な重要性を指示又は暗示するものであると理解してはならない。「垂直」は厳密な意味での垂直ではなく、誤差許可範囲内にある。「平行」は厳密な意味での平行ではなく、誤差許可範囲内にある。
【0031】
下記の説明に記載の方位詞はいずれも図面に示される方向であり、本願の具体的な構造を限定するためのものではない。本願の説明では、さらに説明する必要がある点としては、明確に規定及び限定されない限り、「取り付ける」、「連結」、「接続」、及び「装着」という用語は広い意味を持つべきである。例えば、固定して接続されてもよく、取り外し可能に接続され、又は一体的に接続されてもよい。直接接続されてもよく、中間媒体を介して間接的に接続されてもよい。当業者にとって、具体的な状況に基づいて上記用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0032】
本願の「及び/又は」という用語は、関連対象を説明する関連関係に過ぎず、3つの関係が存在することを示す。例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在すること、AとBが同時に存在すること、及びBが単独で存在することの3つの状況を示すことができる。また、本願の文字「/」は一般的に前後の関連対象が「又は」の関係であることを示す。
【0033】
本願に記載の「複数」とは2つ以上(2つを含む)を指し、同様に、「複数グループ」とは2グループ以上(2グループを含む)を指し、「複数枚」とは2枚以上(2枚を含む)を指す。
【0034】
本願では、電池セルは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池等を含んでもよく、本願の実施例はこれを限定しない。電池セルは円筒体、偏平体、直方体又は他の形状等であってもよく、本願の実施例はこれも限定しない。電池セルは包装方法に応じて、一般的に円筒形電池セル、角形電池セル及びソフトパック電池セルの3種類に分けられ、本願の実施例はこれも限定しない。
【0035】
本願の実施例に記載の電池とは、1つ又は複数の電池セルを含むことでより高い電圧及び容量を提供する単一の物理モジュールを指す。例えば、本願に記載の電池は電池モジュール又は電池パック等を含んでもよい。電池は一般的に、1つ又は複数の電池セルを包装するための筐体を含む。筐体は液体又は他の異物が電池セルの充電又は放電に影響を与えることを回避することができる。
【0036】
電池セルは電極組立体及び電解液を含み、電極組立体は正極板、負極板及びセパレータからなる。電池セルは主に金属イオンが正極板と負極板との間で移動することによって動作する。正極板は正極集電体及び正極活物質層を含み、正極活物質層は正極集電体の表面に塗布され、正極活物質層が塗布されていない集電体は正極活物質層が塗布された集電体から突出し、正極活物質層が塗布されていない集電体は正極タブとされる。リチウムイオン電池を例として、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質はコバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元系リチウム又はマンガン酸リチウム等であってもよい。負極板は負極集電体及び負極活物質層を含み、負極活物質層は負極集電体の表面に塗布し、負極活物質層が塗布されていない集電体は負極活物質層が塗布された集電体から突出し、負極活物質層が塗布されていない集電体は負極タブとされる。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質はカーボン又はシリコン等であってもよい。大電流が流れても溶断しないことを確保するために、正極タブは複数あり且つ一体に積層され、負極タブは複数あり且つ一体に積層される。セパレータの材質はPP又はPE等であってもよい。また、電極組立体は巻回型構造であってもよく、積層型構造であってもよく、本願の実施例はこれに制限されない。
【0037】
電池技術の発展は、様々な設計要素、例えば、エネルギー密度、サイクル寿命、放電容量、充放電レート等の性能パラメータを同時に考慮する必要があり、また、電池の安全性を考慮する必要もある。
【0038】
電池セルにとって、主な安全上の危険は充電及び放電過程からであり、同時に適切な環境温度の設計は重要であり、不要な損失を効果的に回避するために、電池セルに対して、一般的に、少なくとも3つの保護対策がある。具体的に、保護対策は少なくともスイッチ素子、適当なセパレータ材料の選択、及び放圧機構を含む。スイッチ素子とは、電池セル内の温度又は抵抗が所定の閾値に達するときに電池の充電又は放電を停止させることができる素子を指す。セパレータは正極板と負極板を隔離することに用いられ、温度が所定の数値に上昇するときに、それに付着したミクロンレベル(ひいてはナノレベル)の微細孔を自動的に溶解でき、それにより金属イオンがセパレータを通過できず、電池セルの内部反応を終了する。
【0039】
放圧機構とは電池セルの内部圧力又は温度が所定の閾値に達するときに作動することで内部圧力又は温度を解放する素子又は部材を指す。該閾値設計は異なる設計ニーズに応じて異なる。前記閾値は電池セルの正極板、負極板、電解液及びセパレータのうちの1つ又は複数の材料により決まる可能性がある。放圧機構については、例えば防爆弁、空気弁、リリーフ弁又は安全弁等の形態を用いることができ、具体的に感圧又は感温の素子又は構造を用いることができ、即ち、電池セルの内部圧力又は温度が所定の閾値に達するときに、放圧機構が作動し又は放圧機構に設けられた弱い構造が破壊され、それにより内部圧力又は温度を解放するための開口又は通路が形成される。
【0040】
本願に記載の「作動」とは放圧機構が動作し又は所定の状態にアクティブ化されることを指し、それにより電池セルの内部圧力及び温度を解放する。放圧機構の動作は、放圧機構の少なくとも一部が破損し、破砕し、引き裂かれ又は開くこと等を含んでもよいが、それらに制限されない。放圧機構が作動するときに、電池セルの内部の高温高圧物質は排出物として作動部位から外へ排出される。この方式によって圧力又は温度が制御可能な状況下で電池セルに放圧及び温度解放を発生させることができ、それにより、潜んでいるより深刻な事故を回避する。
【0041】
本願に記載の電池セルからの排出物は、電解液、溶解又は分割された正負極板、セパレータの破片、反応に生じた高温高圧気体、炎等を含むが、それらに制限されない。
【0042】
電池セルの放圧機構は電池の安全性に重要な影響を与える。例えば、短絡、過充電等の現象が発生するときに、電池セルの内部に熱暴走が発生して圧力又は温度が急に上昇するおそれがある。この場合、放圧機構の作動によって内部圧力及び温度を外へ解放することができ、それによって、電池セルの爆発及び発火を防止する。
【0043】
現在、電池の組み立て解決手段では、通常、熱管理部材を電池セルの放圧機構が設置された壁に装着する。このように、電池セルが正常に動作するときに、熱管理部材は電池セルに対して温度調節を行うことができる。しかし、放圧機構が一般的に電池セルの面積が小さい壁に設置されるため、電池セルが正常に動作する場合、電池セルに対する温度調節効果が著しくない。また、電池セルに熱暴走が発生するときに、例えば、電池セルの放圧機構が作動するときに、放圧機構を通して排出される電池セルの排出物の威力及び破壊力は強い可能性があり、ひいては、該方向における熱管理部材を破るのに十分である可能性があり、安全上の問題をもたらす。
【0044】
これに鑑みて、本願は1つの技術的解決手段を提供し、熱管理部材を電池セルの放圧機構が設置されていない壁に装着し、このように、熱管理部材と電池セルとの接触面積が大きいため、電池セルが正常に動作する場合、電池セルに対する温度調節効果は著しい。また、熱管理部材が装着された壁が電池セルの放圧機構が設置された壁ではないため、このように、電池セルに熱暴走が発生するときに、放圧機構を通して排出される電池セルの排出物は該熱管理部材から離れる方向に排出され、従って、排出物は該熱管理部材を破らず、電池の安全性を高める。
【0045】
熱管理部材は流体を収容することで複数の電池セルに対して温度調節を行うことに用いられる。ここでの流体は液体又はガスであってもよく、温度調節とは複数の電池セルを加熱又は冷却することを指す。電池セルを冷却又は降温する場合、該熱管理部材は冷却流体を収容して複数の電池セルの温度を下げることに用いられ、このとき、熱管理部材は冷却部材、冷却システム又は冷却板等と呼ばれてもよく、それに収容される流体は冷却媒体又は冷却流体と呼ばれてもよく、より具体的に、クーラント又は冷却ガスと呼ばれてもよい。また、熱管理部材は加熱して複数の電池セルを昇温することに用いられてもよく、本願の実施例はこれを限定しない。選択的に、前記流体は循環するものであってもよく、それによって、よりよい温度調節効果を達成する。選択的に、流体は水、水とエチレングリコールの混合液又は空気等であってもよい。
【0046】
本願の実施例で説明される技術的解決手段はいずれも、電池を使用する様々な装置、例えば、携帯電話、ポータブル機器、ノートパソコン、電気自動車、電動玩具、電動工具、電動車両、船舶及び宇宙船等に適用でき、例えば、宇宙船は飛行機、ロケット、スペースシャトル及びスペースシップ等を含む。
【0047】
理解されるように、本願の実施例で説明される技術的解決手段は、上記に説明された機器に適用できるだけでなく、電池を使用するすべての機器にも適用でき、しかし、説明を簡潔にするために、下記の実施例はいずれも電動車両を例として説明する。
【0048】
例えば、図1に示すように、本願の一実施例に開示される車両1の構造模式図であり、車両1は燃料自動車、ガス車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は純電気自動車、ハイブリッド自動車又は航続距離延長型電気自動車等であってもよい。車両1の内部にモータ40、コントローラ30及び電池10が設置されてもよく、コントローラ30は電池10がモータ40へ給電することを制御することに用いられる。例えば、車両1の底部又は車両の前部又は後部に電池10が設置されてもよい。電池10は車両1の給電に用いることができ、例えば、電池10は車両1の操作電源として機能でき、車両1の回路システムに用いられ、例えば、車両1のブート、ナビゲーション及び運転時の動作電気ニーズに用いられる。本願の別の実施例では、電池10は車両1の操作電源だけでなく、車両1の駆動電源として機能でき、燃料又は天然ガスを替代し又は部分的に替代して車両1に駆動動力を提供する。
【0049】
異なる電気使用ニーズを満たすために、電池は複数の電池セルを含んでもよく、複数の電池セルの間は直列接続又は並列接続又は直並列接続されてもよく、直並列接続とは直列接続と並列接続の混合を指す。電池は電池パックと呼ばれてもよい。選択的に、先ず、複数の電池セルは直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池モジュールを構成し、次に、複数の電池モジュールは直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池を構成するようにしてもよい。つまり、複数の電池セルは直接電池を構成してもよく、先ず電池モジュールを構成し、次に電池モジュールが電池を構成するようにしてもよい。
【0050】
例えば、図2に示すように、本願の一実施例に開示される電池10の構造模式図であり、電池10は複数の電池セル20を含んでもよい。電池10は筐体(又はキャップと呼ばれる)をさらに含んでもよく、筐体の内部は中空構造であり、複数の電池セル20は筐体内に収容される。図2に示すように、筐体は2つの部分を含んでもよく、ここで、それぞれ第1部分111及び第2部分112と呼ばれ、第1部分111と第2部分112は一体に係合される。第1部分111及び第2部分112の形状は複数の電池セル20の組み合わせの形状によって決定でき、第1部分111及び第2部分112はいずれも1つの開口を有してもよい。例えば、第1部分111及び第2部分112はいずれも中空の直方体であってもよく且つそれぞれは1つのみの面が開口面であり、第1部分111の開口と第2部分112の開口とは対向して設置され、且つ第1部分111と第2部分112は互いに係合して密閉チャンバを有する筐体を形成する。複数の電池セル20は、互いに並列接続又は直列接続又は直並列接続して組み合わせられた後に、第1部分111と第2部分112を係合して形成した筐体内に置かれる。
【0051】
選択的に、電池10は他の構造をさらに含んでもよく、ここで繰り返して説明しない。例えば、該電池10はバスバーをさらに含んでもよく、バスバーは複数の電池セル20間の電気的接続、例えば、並列接続又は直列接続又は直並列接続を実現することに用いられる。具体的に、バスバーは電池セル20の電極端子を接続することによって電池セル20間の電気的接続を実現することができる。さらに、バスバーは溶接によって電池セル20の電極端子に固定されてもよい。複数の電池セル20の電気エネルギーはさらに導電性機構を介して筐体を通して引き出すことができる。選択的に、導電性機構はバスバーに属してもよい。
【0052】
異なる電力ニーズに応じて、電池セル20の数は任意の数値に設定されてもよい。複数の電池セル20は直列接続、並列接続又は直並列接続の方式で接続することで大きい容量又はパワーを実現することができる。各電池10に含まれる電池セル20の数が多い可能性があるため、取り付けやすくするために、電池セル20をグループ化して設置することができ、各グループの電池セル20は電池モジュールを構成する。電池モジュールに含まれる電池セル20の数は制限されず、ニーズに応じて設定されてもよい。例えば、図3は電池モジュールの1つの例である。電池は複数の電池モジュールを含んでもよく、これらの電池モジュールは直列接続、並列接続又は直並列接続の方式で接続することができる。図4に示すように、本願の一実施例に係る電池セル20の構造模式図であり、電池セル20は1つ又は複数の電極組立体22、ケース211及びカバープレート212を含む。図4に示される座標系は図3のものと同じである。ケース211及びカバープレート212はハウジング又は電池ボックス21を形成する。ケース211の壁及びカバープレート212はいずれも電池セル20の壁と呼ばれる。ケース211の形状は1つ又は複数の電極組立体22を組み合わせた後の形状によって決定され、例えば、ケース211は中空の直方体又は立方体又は円筒体であってもよく、ケース211の1つの面は開口を有し、それによって1つ又は複数の電極組立体22をケース211内に置くことができる。例えば、ケース211が中空の直方体又は立方体であるときに、ケース211の1つの平面は開口面であり、即ち該平面は壁体を有さず、ケース211の内外を連通する。ケース211が中空の円筒体であるときに、ケース211の端面は開口面であり、即ち該端面は壁体を有さず、ケース211の内外を連通する。カバープレート212は開口を被覆してケース211に接続することで、電極組立体22を置く密閉キャビティを形成する。ケース211内に電解質、例えば電解液が充填されている。
【0053】
該電池セル20は2つの電極端子214をさらに含んでもよく、2つの電極端子214はカバープレート212に設置されてもよい。カバープレート212は通常、平板形状であり、2つの電極端子214はカバープレート212の平板面に固定され、2つの電極端子214はそれぞれ第1電極端子214a及び第2電極端子214bである。第1電極端子214aと第2電極端子214bの極性は反対である。例えば、第1電極端子214aは正電極端子であるときに、第2電極端子214bは負電極端子である。各電極端子214のそれぞれに1つの接続部材23が対応して設置され、又は集電部材23と呼ばれてもよく、それはカバープレート212と電極組立体22との間に位置し、電極組立体22と電極端子214の電気的接続を実現することに用いられる。
【0054】
図4に示すように、各電極組立体22は第1タブ221a及び第2タブ222aを有する。第1タブ221aと第2タブ222aの極性は反対である。例えば、第1タブ221aは正極タブであるときに、第2タブ222aは負極タブである。1つ又は複数の電極組立体22の第1タブ221aは一方の接続部材23を介して一方の電極端子に接続され、1つ又は複数の電極組立体22の第2タブ222aは他方の接続部材23を介して他方の電極端子に接続される。例えば、正電極端子は一方の接続部材23を介して正極タブに接続され、負電極端子は他方の接続部材23を介して負極タブに接続される。
【0055】
該電池セル20では、実際の使用ニーズに応じて、電極組立体22は1つ又は複数設置されてもよく、図4に示すように、電池セル20内に4つの独立した電極組立体22が設置される。
【0056】
図5に示すように、本願の別の実施例の放圧機構213を含む電池セル20の構造模式図である。
【0057】
図5のケース211、カバープレート212、電極組立体22及び接続部材23は図4のケース211、カバープレート212、電極組立体22及び接続部材23と一致し、簡潔のために、ここで繰り返して説明しない。
【0058】
電池セル20の1つの壁、例えば図5に示される第1壁21aに放圧機構213がさらに設置されてもよい。容易に示すために、図5では第1壁21aとケース211を分離するが、ケース211の底側に開口を有することを限定しない。放圧機構213は電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達するときに作動することで内部圧力又は温度を解放することに用いられる。
【0059】
該放圧機構213は第1壁21aの一部であってもよく、第1壁21aとはスプリット式構造であってもよく、例えば、溶接の方式で第1壁21aに固定される。放圧機構213が第1壁21aの一部であるときに、例えば、放圧機構213は第1壁21aにスコアを設置する方式で形成されてもよく、該スコアに対応する第1壁21aの厚さは放圧機構213のスコアを除く他の領域の厚さよりも小さい。スコアは放圧機構213の最も弱い位置である。電池セル20に生じたガスが多すぎてケース211の内部圧力が高くなって閾値に達し又は電池セル20の内部反応が熱量を発生させて電池セル20の内部温度が高くなって閾値に達するときに、放圧機構213はスコアで破裂でき、ケース211の内外を連通し、ガス圧力及び温度は放圧機構213の破裂によって外へ解放され、さらに電池セル20の爆発を回避する。
【0060】
選択的に、本願の一実施例では、図5に示すように、放圧機構213が電池セル20の第1壁21aに設置される場合、電池セル20の第3壁に電極端子214が設置され、第3壁は第1壁21aとは異なる。
【0061】
選択的に、第3壁と第1壁21aは対向して設置される。例えば、第1壁21aは電池セル20の底壁であってもよく、第3壁は電池セル20の頂壁、即ちカバープレート212であってもよい。
【0062】
選択的に、図5に示すように、該電池セル20はスペーサー24をさらに含んでもよく、該スペーサー24は電極組立体22とケース211の底壁との間に位置し、電極組立体22に対して支持役割を果たすことができ、さらに、電極組立体22とケース211の底壁四周のフィレットとの干渉を効果的に防止することができる。また、該スペーサー24に1つ又は複数の貫通穴が設置されてもよく、例えば、均一に配列される複数の貫通穴が設置されてもよく、又は、放圧機構213がケース211の底壁に設置されるときに、該放圧機構213に対応する位置に貫通穴が設置されてもよく、それによって導液及び導気を容易にし、具体的に、このようにスペーサー24の上下面の空間を連通でき、電池セル20の内部に生じたガス及び電解液はスペーサー24を自在に貫通できる。
【0063】
放圧機構213と電極端子214を電池セル20の異なる壁に設置することで、放圧機構213が作動するときに、電池セル20の排出物はさらに電極端子214から離れ、それにより排出物による電極端子214及びバスバーへの影響を減少させ、従って、電池の安全性を高めることができる。
【0064】
さらに、電極端子214を電池セル20のカバープレート212に設置するときに、放圧機構213を電池セル20の底壁に設置することで、放圧機構213が作動するときに、電池セル20の排出物は電池10の底部に排出される。電池10の底部は、通常、ユーザから離れ、それによりユーザの被害を減らすことができる。
【0065】
放圧機構213は様々な可能な放圧構造であってもよく、本願の実施例はこれを限定しない。例えば、放圧機構213は感温放圧機構であってもよく、感温放圧機構は放圧機構213が設けられた電池セル20の内部温度が閾値に達するときに熔融できるように構成され、及び/又は、放圧機構213は感圧放圧機構であってもよく、感圧放圧機構は放圧機構213が設けられた電池セル20の内部気圧が閾値に達するときに破裂できるように構成される。
【0066】
図6図14は本願の実施例に開示される電池の筐体11の模式図である。図7図6に示される筐体11のA部分の拡大模式図である。
【0067】
例えば、図6図14に示すように、筐体11は電気キャビティ11a、収集キャビティ11b及び第1熱管理部材12aを含む。電気キャビティ11aは電池セル20を収容することに用いられ、電池セル20の第1壁21aに放圧機構213が設置され、放圧機構213は電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達するときに作動することで該内部圧力を解放することに用いられる。収集キャビティ11bは、放圧機構213が作動するときに電池セル20からの排出物を収集することに用いられる。第1熱管理部材12aは流体を収容することで電池セル20に対して温度調節を行うことに用いられ、第1熱管理部材12aは電池セル20の第2壁21bに装着され、第2壁21bは第1壁21aとは異なる。
【0068】
本願の実施例は電気キャビティ11a内に収容される電池セル20の個数を限定しない。なお、図6図10及び図13は電池セル20の個数が2つであることを例に説明し、図8図9図11、及び図12は電池セル20の個数が1つであることを例に説明するが、本願を制限するべきではない。
【0069】
電気キャビティ11aはシール又は非シールのものであってもよく、本願の実施例はこれを限定しない。
【0070】
電気キャビティ11aは電池セル20の取付空間を提供する。いくつかの実施例では、電気キャビティ11aには電池セル20を固定するための構造がさらに設置されてもよい。電気キャビティ11aの形状は収容される電池セル20によって決定できる。
【0071】
いくつかの実施例では、電気キャビティ11aは角形であってもよく、6つの壁を有する。電気キャビティ11a内の電池セル20が電気的接続によって高い電圧出力を形成するため、電気キャビティは「高圧キャビティ」と呼ばれてもよい。
【0072】
収集キャビティ11bは排出物を収集することに用いられ、シール又は非シールのものであってもよく、本願の実施例はこれを限定しない。
【0073】
いくつかの実施例では、収集キャビティ11b内に空気、又は他のガスが含まれてもよい。収集キャビティ11b内には電圧出力に接続される電気的接続がなく、「高圧キャビティ」に対応して、収集キャビティ11bは「低圧キャビティ」と呼ばれてもよい。
【0074】
選択的に、又は付加的に、収集キャビティ11b内には、冷却媒体等の液体が含まれてもよく、又は、該液体を収容する部材が設置されてもよく、それによって、収集キャビティ11bに入った排出物をさらに降温させる。さらに選択的に、収集キャビティ11b内のガス又は液体は循環するものである。
【0075】
本願の実施例は第2壁21bの個数を限定しない。
【0076】
例示的に、電池セル20が直方体形状である場合、例えば、図6図10及び図13に示すように、第2壁21bは筐体11の内壁と隣接する壁を含む。また例えば、第2壁21bは筐体11の内壁と隣接する壁、及び2つの電池セル20の間の隣接する壁を含む。また例えば、第2壁21bは電池セル20の第1壁21a以外の壁を含む。
【0077】
選択的に、いくつかの実施例では、第1熱管理部材12aと電池セル20との接触面積を増加することで、第1熱管理部材12aによる電池セル20に対する温度調節効果をより著しくするために、該第2壁21bは電池セル20の第1壁21a以外の壁のうち面積が最大である壁であってもよく、又は、該第1壁21aは電池セル20のすべての壁のうち面積が最小である壁であってもよく、即ち、第2壁21bは電池セル20の面積が最小である壁ではないことに相当する。
【0078】
電池セル20を降温させる場合、該第1熱管理部材12aは冷却媒体を収容することで電池セル20に対して温度調節を行うようにしてもよく、このとき、第1熱管理部材12aは冷却部材、冷却システム又は冷却板等と呼ばれてもよい。
【0079】
また、選択的に、第1熱管理部材12aは加熱することに用いられてもよく、本願の実施例はこれを限定しない。
【0080】
選択的に、第1熱管理部材12aに収容される流体は循環するものであってもよく、それによって、よりよい温度調節効果を達成する。
【0081】
本願の実施例は第1熱管理部材12aと電池セル20との接続方式を限定しない。例えば、粘着剤によって第1熱管理部材12aと電池セル20を固定して接続してもよい。
【0082】
本願の実施例では、第1熱管理部材12aを電池セル20の放圧機構213が設置されていない第2壁21bに装着し、このように、第1熱管理部材12aと電池セル20との接触面積が大きいため、電池セル20が正常に動作する場合、電池セル20に対する温度調節効果は著しい。
【0083】
また、第1熱管理部材12aが装着された第2壁21bは電池セル20の放圧機構213が設置された第1壁21aではないため、このように、電池セル20に熱暴走が発生するときに、放圧機構213を通して排出される電池セルの排出物は該第1熱管理部材12aから離れる方向に排出され、従って、排出物は該第1熱管理部材12aを破らず、電池の安全性を高める。
【0084】
選択的に、いくつかの実施例では、電池セル20の第3壁21cに電極端子214が設置される。第3壁21cは第1壁21aとは異なり、且つ第3壁21cは第2壁21bとは異なる。つまり、放圧機構213が位置する壁、電極端子214が位置する壁及び第1熱管理部材12aが装着される壁は電池セル20の3つの異なる壁である。このように、放圧機構213が作動するときに、放圧機構213を通して排出される電池セル20の排出物は該第1熱管理部材12a及び電極端子214から離れる方向に排出され、従って、排出物は該第1熱管理部材12aを破らない。同時に、排出物による電極端子214への影響を減少させることができ、高圧による点火リスクを回避し、その危険性を低下させ、それにより電池の安全性を高めることができる。
【0085】
本願の実施例は第3壁21cの個数を限定しない。
【0086】
本願の実施例は第3壁21cに設置される電極端子214の個数を限定しない。
【0087】
第3壁21cの個数が1つである場合、第3壁21cに2つの電極端子214が設置されてもよく、且つこの2つの電極端子214の極性は反対である。
【0088】
例えば、図8図10に示すように、第3壁21cに第1電極端子214a及び第2電極端子214bが設置され、且つ第1電極端子214aと第2電極端子214bの極性は反対である。例えば、第1電極端子214aは正電極端子であるときに、第2電極端子214bは負電極端子である。
【0089】
第3壁21cの個数が2つである場合、各第3壁21cに1つの電極端子214が設置され、且つこの2つの第3壁21cに設置された電極端子214の極性は反対である。
【0090】
例えば、図11及び図12に示すように、左側の第3壁21cに電極端子214が設置され、右側の第3壁21cに電極端子214が設置され、且つ左側の第3壁21cに設置された電極端子214と右側の第3壁21cに設置された電極端子214の極性は反対である。
【0091】
説明する必要がある点としては、第3壁21cの個数が2つである場合、本願の実施例は2つの第3壁21cの位置関係を限定しない。例えば、2つの第3壁21cは隣接して設置されてもよく、又は、図11及び図12に示すように、2つの第3壁21cは対向して設置されてもよい。
【0092】
本願の実施例は第1壁21a、第2壁21b及び第3壁21cの位置関係を限定しない。
【0093】
例示的に、いくつかの実施例では、図6図8図10及び図14に示すように、第3壁21cと第1壁21aは対向して設置され、第2壁21bは第3壁21cと第1壁21aを接続し、即ち、第2壁21bは第1壁21a及び第3壁21cの両方と隣接して設置される。このように、放圧機構213が作動するときに、放圧機構213を通して排出される電池セル20の排出物は該電極端子214から離れる方向に排出され、従って、排出物による電極端子214への影響をさらに減少させることができ、高圧による点火リスクを回避し、その危険性を低下させ、それにより電池の安全性を高めることができる。
【0094】
さらに、選択的に、いくつかの実施例では、図8に示すように、電池セル20は対向して設置された2つの第2壁21bを含み、2つの第2壁21bはそれぞれ第3壁21c及び第1壁21aの両端に接続される。
【0095】
例示的に、別のいくつかの実施例では、図9図11及び図12に示すように、第2壁21bと第1壁21aは対向して設置され、第3壁21cは第2壁21bと第1壁21aを接続する。
【0096】
さらに、選択的に、いくつかの実施例では、図9に示すように、電池セル20は2つの第2壁21bを含み、一方の第2壁21bは第3壁21cと対向して設置され、他方の第2壁21bは第1壁21aと対向して設置される。
【0097】
選択的に、いくつかの実施例では、熱管理部材を加工しやすくするために、該2つの第2壁21bに設置される2つの第1熱管理部材12aは一体成形されてもよい。当然ながら、該2つの第1熱管理部材12aは別体成形されてもよく、本願の実施例はこれを限定しない。
【0098】
選択的に、該2つの第1熱管理部材12aは一体成形される場合、該2つの第1熱管理部材12aに収容される流体は相互に連通できる。
【0099】
選択的に、いくつかの実施例では、図6図14に示すように、第3壁21cの第1領域21c-1に電極端子214が設置される。さらに、図10及び図12に示すように、筐体11は第2熱管理部材12bをさらに含む。第2熱管理部材12bは流体を収容することで電池セル20に対して温度調節を行うことに用いられ、第2熱管理部材12bは第3壁21cの第2領域21c-2に装着され、第2領域21c-2は第1領域21c-1とは異なる。つまり、第3壁21cの電極端子214が設置されていない領域に第2熱管理部材12bが設置される。このように、熱管理部材と電池セル20との接触面積をさらに増加し、電池セルが正常に動作する場合、電池セル20に対する温度調節効果はより著しい。また、第2熱管理部材12bが装着された第3壁21cは電池セル20の放圧機構213が設置された第1壁21aではないため、このように、電池セル20に熱暴走が発生するときに、放圧機構213を通して排出される電池セル20の排出物は該第2熱管理部材12b及び電極端子214から離れる方向に排出され、従って、排出物は該第2熱管理部材12bを破らず、同時に、排出物による電極端子214への影響を減少させることができ、高圧による点火リスクを回避し、その危険性を低下させ、それにより電池の安全性を高めることができる。
【0100】
選択的に、第3壁21cと第2壁21bが隣接する場合、熱管理部材を加工しやすくするために、第2熱管理部材12bと第1熱管理部材12aは一体成形されてもよい。当然ながら、第2熱管理部材12bと第1熱管理部材12aは別体成形されてもよく、本願の実施例はこれを限定しない。
【0101】
選択的に、第2熱管理部材12bと第1熱管理部材12aが一体成形される場合、第2熱管理部材12bに収容される流体と第1熱管理部材12aに収容される流体は相互に連通できる。
【0102】
説明する必要がある点としては、電極端子214と第1領域21c-1の数は同じである。図6図10に示すように、第3壁21cに第1電極端子214a及び第2電極端子214bが設置され、第1電極端子214aは1つの第1領域21c-1に対応し、第2電極端子214bは1つの第1領域21c-1に対応する。
【0103】
本願の実施例は第2領域21c-2の個数を限定しない。
【0104】
選択的に、いくつかの実施例では、図10に示すように、第2熱管理部材12bを電池セル20に装着しやすくするために、第2領域21c-2には電池セル20の内部から離れる方向に突出する突出部21c-3が設置され、第2熱管理部材12bは突出部21c-3に装着される。
【0105】
選択的に、いくつかの実施例では、第2壁21bに電極端子214が設置される。
【0106】
本願の実施例は第2壁21bに設置される電極端子214の個数を限定しない。
【0107】
一例では、第2壁21bに1つの電極端子214が設置されてもよい。このとき、別の電極端子214は電池セル20の第2壁21b以外の壁に設置されてもよく、又は、別の電極端子214は電池セル20の第2壁21b及び第1壁21a以外の壁に設置されてもよい。
【0108】
別の例では、第2壁21bに2つの電極端子214が設置されてもよい。
【0109】
選択的に、いくつかの実施例では、第2壁21bの第3領域に電極端子214が設置されてもよい。さらに、筐体11は上記の第2熱管理部材12bをさらに含む。第2熱管理部材12bは流体を収容することで電池セル20に対して温度調節を行うことに用いられ、第2熱管理部材12bは第2壁21bの第4領域に装着され、第3領域と第4領域は異なる。つまり、第2壁21bの電極端子214が設置されていない領域に第2熱管理部材12bが設置される。
【0110】
説明する必要がある点としては、電極端子214と第3領域の数は同じである。
【0111】
さらに、選択的に、いくつかの実施例では、第4領域には電池セル20の内部から離れる方向に突出する突出部が設置され、第2熱管理部材12bは突出部に装着される。
【0112】
本願の実施例は第4領域の個数を限定しない。
【0113】
選択的に、いくつかの実施例では、例えば、図6図13に示すように、筐体11は隔離部材13をさらに含み、隔離部材13は第1壁21aに装着される。
【0114】
いくつかの実施例では、例えば、図6図12に示すように、隔離部材13は筐体11の底壁として機能でき、即ち、隔離部材13は電気キャビティ11aと収集キャビティ11bを隔離することに用いられる。このように、放圧機構213が作動するときに、電池セル20の排出物が収集キャビティ11bに入り、電気キャビティに入らず、又は少量で電気キャビティ11aに入り、それにより電気キャビティ11a内の電気的接続に影響を与えず、従って、電池の安全性を高めることができる。
【0115】
別のいくつかの実施例では、例えば、図13に示すように、隔離部材13と筐体11の底壁1121は独立して設置され、即ち、隔離部材13の一方の面は第1壁21aに装着され、他方の面は筐体11の底壁1121に装着される。即ち、隔離部材13を設置することによって、電池セル20の第1壁21aと筐体11の底壁1121との間に隙間を有させ、該隙間は放圧機構213の作動に十分な空間を提供することができる。
【0116】
選択的に、いくつかの実施例では、隔離部材13に弱い領域が設置され、該弱い領域は、放圧機構213が作動するときに破壊されて、排出物が弱い領域を通過して収集キャビティ11bに入ることに用いられる。このように、放圧機構213が作動するときに、排出物は直接弱い領域を突撃して弱い領域を開き、収集キャビティ11bに入ることができる。
【0117】
選択的に、いくつかの実施例では、弱い領域と放圧機構213は対向して設置される。このように、放圧機構213が作動するときに、排出物は直接弱い領域を突撃して弱い領域を開くことができる。
【0118】
ここで、所謂「隔離」とは分離を指し、シールされなくてもよい。例えば、別のいくつかの実施例では、図6図13に示すように、隔離部材13に貫通穴131が設置されてもよい。貫通穴131は放圧機構213が作動するときに排出物が貫通穴131を通過して収集キャビティ11bに入ることに用いられる。このとき、電気キャビティ11aと収集キャビティ11bは該貫通穴131を介して連通する。隔離部材13の作用は同様に電気キャビティ11aと収集キャビティ11bを隔離することに用いられる。
【0119】
選択的に、いくつかの実施例では、貫通穴131と放圧機構213は対向して設置される。このように、放圧機構213が作動するときに、排出物は直接貫通穴131を通過して収集キャビティ11bに入ることができる。
【0120】
選択的に、いくつかの実施例では、図6図13に示すように、筐体11は防護部材14をさらに含む。該防護部材14は隔離部材13を防護することに用いられ、防護部材14と隔離部材13は収集キャビティ11bを形成する。防護部材14と隔離部材13により形成された収集キャビティ11bは、排出物を効果的に収集及び緩衝し、その危険性を低減させることができる。
【0121】
本願の実施例は隔離部材13と電池セル20との接続方式を限定しない。例えば、粘着剤によって隔離部材13と電池セル20を固定して接続してもよい。
【0122】
図14は本願の一実施例に提供される電池の構造模式図である。
【0123】
図14に示すように、電池10は複数の電池セル20及び上記の筐体11を含む。複数の電池セル20は筐体11に収容される。電池セル20は図6図13に記載の電池セル20であってもよい。
【0124】
筐体11及び電池セル20についての関連説明は、上記の説明を参照すればよく、ここで繰り返して説明しない。
【0125】
選択的に、いくつかの実施例では、電池10はバスバー15をさらに含む。バスバー15は複数の電池セル20の電気的接続を実現することに用いられる。
【0126】
選択的に、第1熱管理部材12a及び/又は第2熱管理部材12bはさらにバスバー15の温度を調節することに用いることができる(主に冷却である)。
【0127】
本願の実施例は電力消費装置をさらに提供し、該電力消費装置は上記各実施例の電池10を含んでもよい。選択的に、電力消費装置は車両1、船舶又は宇宙船であってもよい。
【0128】
上記は本願の実施例に係る電池10及び電力消費装置を説明し、以下、本願の実施例に係る電池の製造方法及び装置を説明し、詳細に説明していない部分は上記の各実施例を参照すればよい。
【0129】
図15は本願の一実施例に係る電池の製造方法300の模式的なフローチャートを示す。図15に示すように、該方法300は以下のS310~S330を含んでもよい。
【0130】
S310:複数の電池セル20を提供し、前記電池セル20の第1壁21aに放圧機構213が設置され、前記放圧機構213は、前記電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達するときに作動することで前記内部圧力を解放することに用いられる。
【0131】
S320:筐体11を提供し、前記筐体11は電気キャビティ11a、収集キャビティ11b及び第1熱管理部材12aを含む。
【0132】
S330:前記複数の電池セル20を前記電気キャビティ11a内に収容し、前記収集キャビティ11bは前記放圧機構213が作動するときに前記電池セル20からの排出物を収集することに用いられ、前記第1熱管理部材12aは流体を収容することで前記電池セル20に対して温度調節を行うことに用いられ、前記第1熱管理部材12aは前記電池セル20の第2壁21bに装着され、前記第2壁21bは前記第1壁21aとは異なる。
【0133】
図16は本願の一実施例に係る電池の製造装置400の模式的なブロック図を示す。図16に示すように、電池の製造装置400は提供モジュール410及び取付モジュール420を含んでもよい。
【0134】
提供モジュール410は、複数の電池セル20を提供することであって、前記電池セル20の第1壁21aに放圧機構213が設置され、前記放圧機構213は前記電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達するときに作動することで前記内部圧力を解放することに用いられることと、電気キャビティ11a、収集キャビティ11b及び第1熱管理部材12aを含む筐体11を提供することと、に用いられる。
【0135】
取付モジュール420は、前記複数の電池セル20を前記電気キャビティ11a内に収容することに用いられ、前記収集キャビティ11bは前記放圧機構213が作動するときに前記電池セル20からの排出物を収集することに用いられ、前記第1熱管理部材12aは流体を収容することで前記電池セル20に対して温度調節を行うことに用いられ、前記第1熱管理部材12aは前記電池セル20の第2壁21bに装着され、前記第2壁21bは前記第1壁21aとは異なる。
【0136】
好適な実施例を参照して本願を説明したが、本願の範囲から逸脱することなく、それに対して様々な改良を行うことができ、等価なものでその中の部材を交換することができる。特に、構造上の矛盾がない限り、各実施例に記載の各技術的特徴を任意の方式で組み合わせることができる。本願は明細書に開示されている特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲内に属するすべての技術的解決手段を含む。
【符号の説明】
【0137】
10 電池
11 筐体
11a 電気キャビティ
11b 収集キャビティ
12a 第1熱管理部材
20 電池セル
213 放圧機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2022-06-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は電池の技術分野に関し、特に、電池の筐体、電池、電力消費装置、電池の製造方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネ及び排出削減は自動車産業の持続可能な発展の重要なポイントである。この場合、電動車両は、省エネであり、環境に優しいという優位性のため、自動車産業の持続可能な発展の重要な部分となっている。電動車両にとって、電池技術はその発展の重要な要素である。
【0003】
電池技術の発展において、電池の性能の向上に加えて、安全上の問題も無視できない問題である。電池の安全を確保できなければ、該電池は使用できない。従って、如何に電池の安全性を高めるかは、電池技術において解決すべき技術的問題である。
【発明の概要】
【0004】
本願は電池の筐体、電池、電力消費装置、電池の製造方法及び装置を提供し、電池の安全性を高めることができる。
【0005】
第1態様では、電池の筐体を提供し、電池セルを収容するための電気キャビティであって、前記電池セルの第1壁に放圧機構が設置され、前記放圧機構は前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達するときに作動することで前記内部圧力を解放することに用いられる電気キャビティと、前記放圧機構が作動するときに前記電池セルからの排出物を収集するための収集キャビティと、流体を収容することで前記電池セルに対して温度調節を行うことに用いられ、前記電池セルの前記第1壁とは異なる第2壁に装着される第1熱管理部材と、を含む。
【0006】
本願の実施例の技術的解決手段は、第1熱管理部材を電池セルの放圧機構が設置されていない第2壁に装着し、このように、第1熱管理部材と電池セルとの接触面積が大きく、電池セルが正常に動作する場合、電池セルに対する温度調節効果は著しい。また、第1熱管理部材が装着された第2壁は電池セルの放圧機構が設置された第1壁ではないため、このように、電池セルに熱暴走が発生するときに、放圧機構を通して排出される電池セルの排出物は該第1熱管理部材から離れる方向に排出され、従って、排出物は該第1熱管理部材を破らず、危険性を低下させ、電池の安全性を高める。
【0007】
いくつかの実施例では、前記電池セルの第3壁に電極端子が設置され、前記第3壁は前記第1壁とは異なり、且つ前記第3壁は前記第2壁とは異なる。
【0008】
放圧機構が位置する壁、電極端子が位置する壁及び第1熱管理部材が装着される壁は電池セルの3つの異なる壁である。このように、放圧機構が作動するときに、放圧機構を通して排出される電池セルの排出物は該第1熱管理部材及び電極端子から離れる方向に排出され、従って、排出物は該第1熱管理部材を破らない。同時に、排出物による電極端子への影響を減少させることができ、高圧による点火リスクを回避し、その危険性を低下させ、それにより電池の安全性を高めることができる。
【0009】
いくつかの実施例では、前記第3壁の第1領域に前記電極端子が設置され、前記筐体は、流体を収容することで前記電池セルに対して温度調節を行うことに用いられ、前記第3壁の前記第1領域とは異なる第2領域に装着される第2熱管理部材をさらに含む。
【0010】
第3壁の電極端子が設置されていない領域に第2熱管理部材がさらに装着して設置されてもよく、このように、熱管理部材と電池セルとの接触面積をさらに増加し、電池セルが正常に動作する場合、電池セルに対する温度調節効果はより著しい。また、第2熱管理部材が装着された第3壁は電池セルの放圧機構が設置された第1壁ではないため、このように、電池セルに熱暴走が発生するときに、放圧機構を通して排出される電池セルの排出物は該第2熱管理部材及び電極端子から離れる方向に排出され、従って、排出物は該第2熱管理部材を破らず、同時に、排出物による電極端子への影響を減少させることができ、高圧による点火リスクを回避し、その危険性を低下させ、それにより電池の安全性を高めることができる。
【0011】
いくつかの実施例では、前記第2領域には前記電池セルの内部から離れる方向に突出する突出部が設置され、前記第2熱管理部材は前記突出部に装着される。
【0012】
第2領域には電池セルの内部から離れる方向に突出する突出部を設置し、第2熱管理部材を該突出部に装着することで、さらに第2熱管理部材を電池セルに装着しやすくすることができる。
【0013】
いくつかの実施例では、前記第3壁と前記第1壁は対向して設置され、前記第2壁は前記第3壁と前記第1壁を接続する。
【0014】
電池セルの対向する2つの壁のうちの一方の壁に電極端子が設置され、他方の壁に放圧機構が設置され、このように、放圧機構が作動するときに、放圧機構を通して排出される電池セルの排出物は該電極端子から離れる方向に排出され、従って、さらに排出物による電極端子への影響を減少させることができ、高圧による点火リスクを回避し、その危険性を低下させ、それにより電池の安全性を高めることができる。
【0015】
いくつかの実施例では、前記第2壁と前記第1壁は対向して設置され、前記第3壁は前記第2壁と前記第1壁を接続する。
【0016】
いくつかの実施例では、前記第2壁に電極端子が設置される。
【0017】
いくつかの実施例では、前記筐体は、前記電気キャビティと前記収集キャビティを隔離することに用いられ、前記第1壁に装着される隔離部材を含む。
【0018】
隔離部材を利用して電池セルを収容する電気キャビティと排出物を収集する収集キャビティとを分離し、放圧機構が作動するときに、電池セルの排出物が収集キャビティに入り、電気キャビティに入らず、又は少量で電気キャビティに入り、それにより電気キャビティ内の電気的接続に影響を与えず、従って、電池の安全性を高めることができる。
【0019】
いくつかの実施例では、前記隔離部材に弱い領域が設置され、前記弱い領域は、前記放圧機構が作動するときに破壊されて、前記排出物が前記弱い領域を通過して前記収集キャビティに入ることに用いられる。
【0020】
隔離部材に弱い領域を設置することによって、一方では、放圧機構が作動するときに排出物は弱い領域を通過して収集キャビティに入ることができ、排出物が電気キャビティに入ることを回避し、他方では、放圧機構が作動しないときに電気キャビティと収集キャビティとの間の隔離を確保することができ、収集キャビティ内の物質が電気キャビティに入ることを回避する。
【0021】
いくつかの実施例では、前記弱い領域と前記放圧機構は対向して設置される。このように、放圧機構が作動するときに、排出物は直接弱い領域を突撃して弱い領域を開くことができる。
【0022】
いくつかの実施例では、前記隔離部材に貫通穴が設置され、前記貫通穴は、前記放圧機構が作動するときに前記排出物が前記貫通穴を通過して前記収集キャビティに入ることに用いられる。
【0023】
いくつかの実施例では、前記貫通穴は前記放圧機構と対向して設置される。
【0024】
第2態様では、電池を提供し、複数の電池セルであって、前記電池セルの第1壁に放圧機構が設置され、前記放圧機構は前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達するときに作動することで前記内部圧力を解放することに用いられる複数の電池セルと、第1態様のいずれか1項に記載の筐体であって、前記複数の電池セルが前記筐体に収容される筐体と、を含む。
【0025】
第3態様では、電力消費装置を提供し、第2態様に記載の電池を含み、前記電池は前記電力消費装置に電気エネルギーを提供することに用いられる。
【0026】
第4態様では、電池の製造方法を提供し、複数の電池セルを提供するステップであって、前記電池セルの第1壁に放圧機構が設置され、前記放圧機構は前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達するときに作動することで前記内部圧力を解放することに用いられるステップと、電気キャビティ、収集キャビティ及び第1熱管理部材を含む筐体を提供するステップと、前記複数の電池セルを前記電気キャビティ内に収容するステップと、を含み、前記収集キャビティは前記放圧機構が作動するときに前記電池セルからの排出物を収集することに用いられ、前記第1熱管理部材は流体を収容することで前記電池セルに対して温度調節を行うことに用いられ、前記第1熱管理部材は前記電池セルの第2壁に装着され、前記第2壁は前記第1壁とは異なる。
【0027】
第5態様では、電池の製造装置を提供し、複数の電池セルを提供することであって、前記電池セルの第1壁に放圧機構が設置され、前記放圧機構は前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達するときに作動することで前記内部圧力を解放することに用いられることと、電気キャビティ、収集キャビティ及び第1熱管理部材を含む筐体を提供することと、に用いられる提供モジュールと、前記複数の電池セルを前記電気キャビティ内に収容することに用いられる取付モジュールと、を含み、前記収集キャビティは前記放圧機構が作動するときに前記電池セルからの排出物を収集することに用いられ、前記第1熱管理部材は流体を収容することで前記電池セルに対して温度調節を行うことに用いられ、前記第1熱管理部材は前記電池セルの第2壁に装着され、前記第2壁は前記第1壁とは異なる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、本願の実施例に使用される必要がある図面を簡単に紹介し、明らかなように、以下に説明される図面は単に本願のいくつかの実施例であり、当業者にとって、創造的な労働を必要とせずに、図面に基づいて他の図面を取得することができる。
図1】本願の一実施例に開示される車両の構造模式図である。
図2】本願の一実施例に開示される電池の構造模式図である。
図3】本願の一実施例に開示される電池モジュールの構造模式図である。
図4】本願の一実施例に開示される電池セルの分解図である。
図5】本願の一実施例に開示される電池セルの分解図である。
図6】本願の一実施例に開示される電池の筐体構造の断面模式図である。
図7図6に示される筐体のA部分の拡大模式図である。
図8】本願の別の実施例に開示される電池の筐体構造の断面模式図である。
図9】本願の別の実施例に開示される電池の筐体構造の断面模式図である。
図10】本願の別の実施例に開示される電池の筐体構造の断面模式図である。
図11】本願の別の実施例に開示される電池の筐体構造の断面模式図である。
図12】本願の別の実施例に開示される電池の筐体構造の断面模式図である。
図13】本願の別の実施例に開示される電池の筐体構造の断面模式図である。
図14】本願の一実施例に開示される電池の構造模式図である。
図15】本願の一実施例に開示される電池の製造方法の模式的なフローチャートである。
図16】本願の一実施例に開示される電池の製造装置の模式的なブロック図である。 図面では、図面は実際の縮尺で描かれていない。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面及び実施例を参照して本願の実施形態をさらに詳細に説明する。以下の実施例の詳細な説明及び図面は本願の原理を例示的に説明するためのものであるが、本願の範囲を制限するためのものではなく、即ち、本願は説明される実施例に限定されない。
【0030】
本願の説明では、説明する必要がある点としては、特に説明しない限り、「複数」の意味は2つ以上であり、「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」等の用語が指示する方位又は位置関係は、装置又は素子が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構造及び操作することを指示又は暗示せず、本願を容易に説明し及び説明を簡略化させるために用いられ、従って、本願を制限するものであると理解してはならない。また、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は説明のためだけに用いられるものであり、相対的な重要性を指示又は暗示するものであると理解してはならない。「垂直」は厳密な意味での垂直ではなく、誤差許可範囲内にある。「平行」は厳密な意味での平行ではなく、誤差許可範囲内にある。
【0031】
下記の説明に記載の方位詞はいずれも図面に示される方向であり、本願の具体的な構造を限定するためのものではない。本願の説明では、さらに説明する必要がある点としては、明確に規定及び限定されない限り、「取り付ける」、「連結」、「接続」、及び「装着」という用語は広い意味を持つべきである。例えば、固定して接続されてもよく、取り外し可能に接続され、又は一体的に接続されてもよい。直接接続されてもよく、中間媒体を介して間接的に接続されてもよい。当業者にとって、具体的な状況に基づいて上記用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0032】
本願の「及び/又は」という用語は、関連対象を説明する関連関係に過ぎず、3つの関係が存在することを示す。例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在すること、AとBが同時に存在すること、及びBが単独で存在することの3つの状況を示すことができる。また、本願の文字「/」は一般的に前後の関連対象が「又は」の関係であることを示す。
【0033】
本願に記載の「複数」とは2つ以上(2つを含む)を指し、同様に、「複数グループ」とは2グループ以上(2グループを含む)を指し、「複数枚」とは2枚以上(2枚を含む)を指す。
【0034】
本願では、電池セルは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池等を含んでもよく、本願の実施例はこれを限定しない。電池セルは円筒体、偏平体、直方体又は他の形状等であってもよく、本願の実施例はこれも限定しない。電池セルは包装方法に応じて、一般的に円筒形電池セル、角形電池セル及びソフトパック電池セルの3種類に分けられ、本願の実施例はこれも限定しない。
【0035】
本願の実施例に記載の電池とは、1つ又は複数の電池セルを含むことでより高い電圧及び容量を提供する単一の物理モジュールを指す。例えば、本願に記載の電池は電池モジュール又は電池パック等を含んでもよい。電池は一般的に、1つ又は複数の電池セルを包装するための筐体を含む。筐体は液体又は他の異物が電池セルの充電又は放電に影響を与えることを回避することができる。
【0036】
電池セルは電極組立体及び電解液を含み、電極組立体は正極板、負極板及びセパレータからなる。電池セルは主に金属イオンが正極板と負極板との間で移動することによって動作する。正極板は正極集電体及び正極活物質層を含み、正極活物質層は正極集電体の表面に塗布され、正極活物質層が塗布されていない集電体は正極活物質層が塗布された集電体から突出し、正極活物質層が塗布されていない集電体は正極タブとされる。リチウムイオン電池を例として、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質はコバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元系リチウム又はマンガン酸リチウム等であってもよい。負極板は負極集電体及び負極活物質層を含み、負極活物質層は負極集電体の表面に塗布し、負極活物質層が塗布されていない集電体は負極活物質層が塗布された集電体から突出し、負極活物質層が塗布されていない集電体は負極タブとされる。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質はカーボン又はシリコン等であってもよい。大電流が流れても溶断しないことを確保するために、正極タブは複数あり且つ一体に積層され、負極タブは複数あり且つ一体に積層される。セパレータの材質はPP又はPE等であってもよい。また、電極組立体は巻回型構造であってもよく、積層型構造であってもよく、本願の実施例はこれに制限されない。
【0037】
電池技術の発展は、様々な設計要素、例えば、エネルギー密度、サイクル寿命、放電容量、充放電レート等の性能パラメータを同時に考慮する必要があり、また、電池の安全性を考慮する必要もある。
【0038】
電池セルにとって、主な安全上の危険は充電及び放電過程からであり、同時に適切な環境温度の設計は重要であり、不要な損失を効果的に回避するために、電池セルに対して、一般的に、少なくとも3つの保護対策がある。具体的に、保護対策は少なくともスイッチ素子、適当なセパレータ材料の選択、及び放圧機構を含む。スイッチ素子とは、電池セル内の温度又は抵抗が所定の閾値に達するときに電池の充電又は放電を停止させることができる素子を指す。セパレータは正極板と負極板を隔離することに用いられ、温度が所定の数値に上昇するときに、それに付着したミクロンレベル(ひいてはナノレベル)の微細孔を自動的に溶解でき、それにより金属イオンがセパレータを通過できず、電池セルの内部反応を終了する。
【0039】
放圧機構とは電池セルの内部圧力又は温度が所定の閾値に達するときに作動することで内部圧力又は温度を解放する素子又は部材を指す。該閾値設計は異なる設計ニーズに応じて異なる。前記閾値は電池セルの正極板、負極板、電解液及びセパレータのうちの1つ又は複数の材料により決まる可能性がある。放圧機構については、例えば防爆弁、空気弁、リリーフ弁又は安全弁等の形態を用いることができ、具体的に感圧又は感温の素子又は構造を用いることができ、即ち、電池セルの内部圧力又は温度が所定の閾値に達するときに、放圧機構が作動し又は放圧機構に設けられた弱い構造が破壊され、それにより内部圧力又は温度を解放するための開口又は通路が形成される。
【0040】
本願に記載の「作動」とは放圧機構が動作し又は所定の状態にアクティブ化されることを指し、それにより電池セルの内部圧力及び温度を解放する。放圧機構の動作は、放圧機構の少なくとも一部が破損し、破砕し、引き裂かれ又は開くこと等を含んでもよいが、それらに制限されない。放圧機構が作動するときに、電池セルの内部の高温高圧物質は排出物として作動部位から外へ排出される。この方式によって圧力又は温度が制御可能な状況下で電池セルに放圧及び温度解放を発生させることができ、それにより、潜んでいるより深刻な事故を回避する。
【0041】
本願に記載の電池セルからの排出物は、電解液、溶解又は分割された正負極板、セパレータの破片、反応に生じた高温高圧気体、炎等を含むが、それらに制限されない。
【0042】
電池セルの放圧機構は電池の安全性に重要な影響を与える。例えば、短絡、過充電等の現象が発生するときに、電池セルの内部に熱暴走が発生して圧力又は温度が急に上昇するおそれがある。この場合、放圧機構の作動によって内部圧力及び温度を外へ解放することができ、それによって、電池セルの爆発及び発火を防止する。
【0043】
現在、電池の組み立て解決手段では、通常、熱管理部材を電池セルの放圧機構が設置された壁に装着する。このように、電池セルが正常に動作するときに、熱管理部材は電池セルに対して温度調節を行うことができる。しかし、放圧機構が一般的に電池セルの面積が小さい壁に設置されるため、電池セルが正常に動作する場合、電池セルに対する温度調節効果が著しくない。また、電池セルに熱暴走が発生するときに、例えば、電池セルの放圧機構が作動するときに、放圧機構を通して排出される電池セルの排出物の威力及び破壊力は強い可能性があり、ひいては、該方向における熱管理部材を破るのに十分である可能性があり、安全上の問題をもたらす。
【0044】
これに鑑みて、本願は1つの技術的解決手段を提供し、熱管理部材を電池セルの放圧機構が設置されていない壁に装着し、このように、熱管理部材と電池セルとの接触面積が大きいため、電池セルが正常に動作する場合、電池セルに対する温度調節効果は著しい。また、熱管理部材が装着された壁が電池セルの放圧機構が設置された壁ではないため、このように、電池セルに熱暴走が発生するときに、放圧機構を通して排出される電池セルの排出物は該熱管理部材から離れる方向に排出され、従って、排出物は該熱管理部材を破らず、電池の安全性を高める。
【0045】
熱管理部材は流体を収容することで複数の電池セルに対して温度調節を行うことに用いられる。ここでの流体は液体又はガスであってもよく、温度調節とは複数の電池セルを加熱又は冷却することを指す。電池セルを冷却又は降温する場合、該熱管理部材は冷却流体を収容して複数の電池セルの温度を下げることに用いられ、このとき、熱管理部材は冷却部材、冷却システム又は冷却板等と呼ばれてもよく、それに収容される流体は冷却媒体又は冷却流体と呼ばれてもよく、より具体的に、クーラント又は冷却ガスと呼ばれてもよい。また、熱管理部材は加熱して複数の電池セルを昇温することに用いられてもよく、本願の実施例はこれを限定しない。選択的に、前記流体は循環するものであってもよく、それによって、よりよい温度調節効果を達成する。選択的に、流体は水、水とエチレングリコールの混合液又は空気等であってもよい。
【0046】
本願の実施例で説明される技術的解決手段はいずれも、電池を使用する様々な装置、例えば、携帯電話、ポータブル機器、ノートパソコン、電気自動車、電動玩具、電動工具、電動車両、船舶及び宇宙船等に適用でき、例えば、宇宙船は飛行機、ロケット、スペースシャトル及びスペースシップ等を含む。
【0047】
理解されるように、本願の実施例で説明される技術的解決手段は、上記に説明された機器に適用できるだけでなく、電池を使用するすべての機器にも適用でき、しかし、説明を簡潔にするために、下記の実施例はいずれも電動車両を例として説明する。
【0048】
例えば、図1に示すように、本願の一実施例に開示される車両1の構造模式図であり、車両1は燃料自動車、ガス車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は純電気自動車、ハイブリッド自動車又は航続距離延長型電気自動車等であってもよい。車両1の内部にモータ40、コントローラ30及び電池10が設置されてもよく、コントローラ30は電池10がモータ40へ給電することを制御することに用いられる。例えば、車両1の底部又は車両の前部又は後部に電池10が設置されてもよい。電池10は車両1の給電に用いることができ、例えば、電池10は車両1の操作電源として機能でき、車両1の回路システムに用いられ、例えば、車両1のブート、ナビゲーション及び運転時の動作電気ニーズに用いられる。本願の別の実施例では、電池10は車両1の操作電源だけでなく、車両1の駆動電源として機能でき、燃料又は天然ガスを替代し又は部分的に替代して車両1に駆動動力を提供する。
【0049】
異なる電気使用ニーズを満たすために、電池は複数の電池セルを含んでもよく、複数の電池セルの間は直列接続又は並列接続又は直並列接続されてもよく、直並列接続とは直列接続と並列接続の混合を指す。電池は電池パックと呼ばれてもよい。選択的に、先ず、複数の電池セルは直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池モジュールを構成し、次に、複数の電池モジュールは直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池を構成するようにしてもよい。つまり、複数の電池セルは直接電池を構成してもよく、先ず電池モジュールを構成し、次に電池モジュールが電池を構成するようにしてもよい。
【0050】
例えば、図2に示すように、本願の一実施例に開示される電池10の構造模式図であり、電池10は複数の電池セル20を含んでもよい。電池10は筐体(又はキャップと呼ばれる)をさらに含んでもよく、筐体の内部は中空構造であり、複数の電池セル20は筐体内に収容される。図2に示すように、筐体は2つの部分を含んでもよく、ここで、それぞれ第1部分111及び第2部分112と呼ばれ、第1部分111と第2部分112は一体に係合される。第1部分111及び第2部分112の形状は複数の電池セル20の組み合わせの形状によって決定でき、第1部分111及び第2部分112はいずれも1つの開口を有してもよい。例えば、第1部分111及び第2部分112はいずれも中空の直方体であってもよく且つそれぞれは1つのみの面が開口面であり、第1部分111の開口と第2部分112の開口とは対向して設置され、且つ第1部分111と第2部分112は互いに係合して密閉チャンバを有する筐体を形成する。複数の電池セル20は、互いに並列接続又は直列接続又は直並列接続して組み合わせられた後に、第1部分111と第2部分112を係合して形成した筐体内に置かれる。
【0051】
選択的に、電池10は他の構造をさらに含んでもよく、ここで繰り返して説明しない。例えば、該電池10はバスバーをさらに含んでもよく、バスバーは複数の電池セル20間の電気的接続、例えば、並列接続又は直列接続又は直並列接続を実現することに用いられる。具体的に、バスバーは電池セル20の電極端子を接続することによって電池セル20間の電気的接続を実現することができる。さらに、バスバーは溶接によって電池セル20の電極端子に固定されてもよい。複数の電池セル20の電気エネルギーはさらに導電性機構を介して筐体を通して引き出すことができる。選択的に、導電性機構はバスバーに属してもよい。
【0052】
異なる電力ニーズに応じて、電池セル20の数は任意の数値に設定されてもよい。複数の電池セル20は直列接続、並列接続又は直並列接続の方式で接続することで大きい容量又はパワーを実現することができる。各電池10に含まれる電池セル20の数が多い可能性があるため、取り付けやすくするために、電池セル20をグループ化して設置することができ、各グループの電池セル20は電池モジュールを構成する。電池モジュールに含まれる電池セル20の数は制限されず、ニーズに応じて設定されてもよい。例えば、図3は電池モジュールの1つの例である。電池は複数の電池モジュールを含んでもよく、これらの電池モジュールは直列接続、並列接続又は直並列接続の方式で接続することができる。図4に示すように、本願の一実施例に係る電池セル20の構造模式図であり、電池セル20は1つ又は複数の電極組立体22、ケース211及びカバープレート212を含む。図4に示される座標系は図3のものと同じである。ケース211及びカバープレート212はハウジング又は電池ボックス21を形成する。ケース211の壁及びカバープレート212はいずれも電池セル20の壁と呼ばれる。ケース211の形状は1つ又は複数の電極組立体22を組み合わせた後の形状によって決定され、例えば、ケース211は中空の直方体又は立方体又は円筒体であってもよく、ケース211の1つの面は開口を有し、それによって1つ又は複数の電極組立体22をケース211内に置くことができる。例えば、ケース211が中空の直方体又は立方体であるときに、ケース211の1つの平面は開口面であり、即ち該平面は壁体を有さず、ケース211の内外を連通する。ケース211が中空の円筒体であるときに、ケース211の端面は開口面であり、即ち該端面は壁体を有さず、ケース211の内外を連通する。カバープレート212は開口を被覆してケース211に接続することで、電極組立体22を置く密閉キャビティを形成する。ケース211内に電解質、例えば電解液が充填されている。
【0053】
該電池セル20は2つの電極端子214をさらに含んでもよく、2つの電極端子214はカバープレート212に設置されてもよい。カバープレート212は通常、平板形状であり、2つの電極端子214はカバープレート212の平板面に固定され、2つの電極端子214はそれぞれ第1電極端子214a及び第2電極端子214bである。第1電極端子214aと第2電極端子214bの極性は反対である。例えば、第1電極端子214aは正電極端子であるときに、第2電極端子214bは負電極端子である。各電極端子214のそれぞれに1つの接続部材23が対応して設置され、又は集電部材23と呼ばれてもよく、それはカバープレート212と電極組立体22との間に位置し、電極組立体22と電極端子214の電気的接続を実現することに用いられる。
【0054】
図4に示すように、各電極組立体22は第1タブ221a及び第2タブ222aを有する。第1タブ221aと第2タブ222aの極性は反対である。例えば、第1タブ221aは正極タブであるときに、第2タブ222aは負極タブである。1つ又は複数の電極組立体22の第1タブ221aは一方の接続部材23を介して一方の電極端子に接続され、1つ又は複数の電極組立体22の第2タブ222aは他方の接続部材23を介して他方の電極端子に接続される。例えば、正電極端子は一方の接続部材23を介して正極タブに接続され、負電極端子は他方の接続部材23を介して負極タブに接続される。
【0055】
該電池セル20では、実際の使用ニーズに応じて、電極組立体22は1つ又は複数設置されてもよく、図4に示すように、電池セル20内に4つの独立した電極組立体22が設置される。
【0056】
図5に示すように、本願の別の実施例の放圧機構213を含む電池セル20の構造模式図である。
【0057】
図5のケース211、カバープレート212、電極組立体22及び接続部材23は図4のケース211、カバープレート212、電極組立体22及び接続部材23と一致し、簡潔のために、ここで繰り返して説明しない。
【0058】
電池セル20の1つの壁、例えば図5に示される第1壁21aに放圧機構213がさらに設置されてもよい。容易に示すために、図5では第1壁21aとケース211を分離するが、ケース211の底側に開口を有することを限定しない。放圧機構213は電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達するときに作動することで内部圧力又は温度を解放することに用いられる。
【0059】
該放圧機構213は第1壁21aの一部であってもよく、第1壁21aとはスプリット式構造であってもよく、例えば、溶接の方式で第1壁21aに固定される。放圧機構213が第1壁21aの一部であるときに、例えば、放圧機構213は第1壁21aにスコアを設置する方式で形成されてもよく、該スコアに対応する第1壁21aの厚さは放圧機構213のスコアを除く他の領域の厚さよりも小さい。スコアは放圧機構213の最も弱い位置である。電池セル20に生じたガスが多すぎてケース211の内部圧力が高くなって閾値に達し又は電池セル20の内部反応が熱量を発生させて電池セル20の内部温度が高くなって閾値に達するときに、放圧機構213はスコアで破裂でき、ケース211の内外を連通し、ガス圧力及び温度は放圧機構213の破裂によって外へ解放され、さらに電池セル20の爆発を回避する。
【0060】
選択的に、本願の一実施例では、図5に示すように、放圧機構213が電池セル20の第1壁21aに設置される場合、電池セル20の第3壁に電極端子214が設置され、第3壁は第1壁21aとは異なる。
【0061】
選択的に、第3壁と第1壁21aは対向して設置される。例えば、第1壁21aは電池セル20の底壁であってもよく、第3壁は電池セル20の頂壁、即ちカバープレート212であってもよい。
【0062】
選択的に、図5に示すように、該電池セル20はスペーサー24をさらに含んでもよく、該スペーサー24は電極組立体22とケース211の底壁との間に位置し、電極組立体22に対して支持役割を果たすことができ、さらに、電極組立体22とケース211の底壁四周のフィレットとの干渉を効果的に防止することができる。また、該スペーサー24に1つ又は複数の貫通穴が設置されてもよく、例えば、均一に配列される複数の貫通穴が設置されてもよく、又は、放圧機構213がケース211の底壁に設置されるときに、該放圧機構213に対応する位置に貫通穴が設置されてもよく、それによって導液及び導気を容易にし、具体的に、このようにスペーサー24の上下面の空間を連通でき、電池セル20の内部に生じたガス及び電解液はスペーサー24を自在に貫通できる。
【0063】
放圧機構213と電極端子214を電池セル20の異なる壁に設置することで、放圧機構213が作動するときに、電池セル20の排出物はさらに電極端子214から離れ、それにより排出物による電極端子214及びバスバーへの影響を減少させ、従って、電池の安全性を高めることができる。
【0064】
さらに、電極端子214を電池セル20のカバープレート212に設置するときに、放圧機構213を電池セル20の底壁に設置することで、放圧機構213が作動するときに、電池セル20の排出物は電池10の底部に排出される。電池10の底部は、通常、ユーザから離れ、それによりユーザの被害を減らすことができる。
【0065】
放圧機構213は様々な可能な放圧構造であってもよく、本願の実施例はこれを限定しない。例えば、放圧機構213は感温放圧機構であってもよく、感温放圧機構は放圧機構213が設けられた電池セル20の内部温度が閾値に達するときに熔融できるように構成され、及び/又は、放圧機構213は感圧放圧機構であってもよく、感圧放圧機構は放圧機構213が設けられた電池セル20の内部気圧が閾値に達するときに破裂できるように構成される。
【0066】
図6図14は本願の実施例に開示される電池の筐体11の模式図である。図7図6に示される筐体11のA部分の拡大模式図である。
【0067】
例えば、図6図14に示すように、筐体11は電気キャビティ11a、収集キャビティ11b及び第1熱管理部材12aを含む。電気キャビティ11aは電池セル20を収容することに用いられ、電池セル20の第1壁21aに放圧機構213が設置され、放圧機構213は電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達するときに作動することで該内部圧力を解放することに用いられる。収集キャビティ11bは、放圧機構213が作動するときに電池セル20からの排出物を収集することに用いられる。第1熱管理部材12aは流体を収容することで電池セル20に対して温度調節を行うことに用いられ、第1熱管理部材12aは電池セル20の第2壁21bに装着され、第2壁21bは第1壁21aとは異なる。
【0068】
本願の実施例は電気キャビティ11a内に収容される電池セル20の個数を限定しない。なお、図6図10及び図13は電池セル20の個数が2つであることを例に説明し、図8図9図11、及び図12は電池セル20の個数が1つであることを例に説明するが、本願を制限するべきではない。
【0069】
電気キャビティ11aはシール又は非シールのものであってもよく、本願の実施例はこれを限定しない。
【0070】
電気キャビティ11aは電池セル20の取付空間を提供する。いくつかの実施例では、電気キャビティ11aには電池セル20を固定するための構造がさらに設置されてもよい。電気キャビティ11aの形状は収容される電池セル20によって決定できる。
【0071】
いくつかの実施例では、電気キャビティ11aは角形であってもよく、6つの壁を有する。電気キャビティ11a内の電池セル20が電気的接続によって高い電圧出力を形成するため、電気キャビティは「高圧キャビティ」と呼ばれてもよい。
【0072】
収集キャビティ11bは排出物を収集することに用いられ、シール又は非シールのものであってもよく、本願の実施例はこれを限定しない。
【0073】
いくつかの実施例では、収集キャビティ11b内に空気、又は他のガスが含まれてもよい。収集キャビティ11b内には電圧出力に接続される電気的接続がなく、「高圧キャビティ」に対応して、収集キャビティ11bは「低圧キャビティ」と呼ばれてもよい。
【0074】
選択的に、又は付加的に、収集キャビティ11b内には、冷却媒体等の液体が含まれてもよく、又は、該液体を収容する部材が設置されてもよく、それによって、収集キャビティ11bに入った排出物をさらに降温させる。さらに選択的に、収集キャビティ11b内のガス又は液体は循環するものである。
【0075】
本願の実施例は第2壁21bの個数を限定しない。
【0076】
例示的に、電池セル20が直方体形状である場合、例えば、図6図10及び図13に示すように、第2壁21bは筐体11の内壁と隣接する壁を含む。また例えば、第2壁21bは筐体11の内壁と隣接する壁、及び2つの電池セル20の間の隣接する壁を含む。また例えば、第2壁21bは電池セル20の第1壁21a以外の壁を含む。
【0077】
選択的に、いくつかの実施例では、第1熱管理部材12aと電池セル20との接触面積を増加することで、第1熱管理部材12aによる電池セル20に対する温度調節効果をより著しくするために、該第2壁21bは電池セル20の第1壁21a以外の壁のうち面積が最大である壁であってもよく、又は、該第1壁21aは電池セル20のすべての壁のうち面積が最小である壁であってもよく、即ち、第2壁21bは電池セル20の面積が最小である壁ではないことに相当する。
【0078】
電池セル20を降温させる場合、該第1熱管理部材12aは冷却媒体を収容することで電池セル20に対して温度調節を行うようにしてもよく、このとき、第1熱管理部材12aは冷却部材、冷却システム又は冷却板等と呼ばれてもよい。
【0079】
また、選択的に、第1熱管理部材12aは加熱することに用いられてもよく、本願の実施例はこれを限定しない。
【0080】
選択的に、第1熱管理部材12aに収容される流体は循環するものであってもよく、それによって、よりよい温度調節効果を達成する。
【0081】
本願の実施例は第1熱管理部材12aと電池セル20との接続方式を限定しない。例えば、粘着剤によって第1熱管理部材12aと電池セル20を固定して接続してもよい。
【0082】
本願の実施例では、第1熱管理部材12aを電池セル20の放圧機構213が設置されていない第2壁21bに装着し、このように、第1熱管理部材12aと電池セル20との接触面積が大きいため、電池セル20が正常に動作する場合、電池セル20に対する温度調節効果は著しい。
【0083】
また、第1熱管理部材12aが装着された第2壁21bは電池セル20の放圧機構213が設置された第1壁21aではないため、このように、電池セル20に熱暴走が発生するときに、放圧機構213を通して排出される電池セルの排出物は該第1熱管理部材12aから離れる方向に排出され、従って、排出物は該第1熱管理部材12aを破らず、電池の安全性を高める。
【0084】
選択的に、いくつかの実施例では、電池セル20の第3壁21cに電極端子214が設置される。第3壁21cは第1壁21aとは異なり、且つ第3壁21cは第2壁21bとは異なる。つまり、放圧機構213が位置する壁、電極端子214が位置する壁及び第1熱管理部材12aが装着される壁は電池セル20の3つの異なる壁である。このように、放圧機構213が作動するときに、放圧機構213を通して排出される電池セル20の排出物は該第1熱管理部材12a及び電極端子214から離れる方向に排出され、従って、排出物は該第1熱管理部材12aを破らない。同時に、排出物による電極端子214への影響を減少させることができ、高圧による点火リスクを回避し、その危険性を低下させ、それにより電池の安全性を高めることができる。
【0085】
本願の実施例は第3壁21cの個数を限定しない。
【0086】
本願の実施例は第3壁21cに設置される電極端子214の個数を限定しない。
【0087】
第3壁21cの個数が1つである場合、第3壁21cに2つの電極端子214が設置されてもよく、且つこの2つの電極端子214の極性は反対である。
【0088】
例えば、図8図10に示すように、第3壁21cに第1電極端子214a及び第2電極端子214bが設置され、且つ第1電極端子214aと第2電極端子214bの極性は反対である。例えば、第1電極端子214aは正電極端子であるときに、第2電極端子214bは負電極端子である。
【0089】
第3壁21cの個数が2つである場合、各第3壁21cに1つの電極端子214が設置され、且つこの2つの第3壁21cに設置された電極端子214の極性は反対である。
【0090】
例えば、図11及び図12に示すように、左側の第3壁21cに電極端子214が設置され、右側の第3壁21cに電極端子214が設置され、且つ左側の第3壁21cに設置された電極端子214と右側の第3壁21cに設置された電極端子214の極性は反対である。
【0091】
説明する必要がある点としては、第3壁21cの個数が2つである場合、本願の実施例は2つの第3壁21cの位置関係を限定しない。例えば、2つの第3壁21cは隣接して設置されてもよく、又は、図11及び図12に示すように、2つの第3壁21cは対向して設置されてもよい。
【0092】
本願の実施例は第1壁21a、第2壁21b及び第3壁21cの位置関係を限定しない。
【0093】
例示的に、いくつかの実施例では、図6図8図10及び図14に示すように、第3壁21cと第1壁21aは対向して設置され、第2壁21bは第3壁21cと第1壁21aを接続し、即ち、第2壁21bは第1壁21a及び第3壁21cの両方と隣接して設置される。このように、放圧機構213が作動するときに、放圧機構213を通して排出される電池セル20の排出物は該電極端子214から離れる方向に排出され、従って、排出物による電極端子214への影響をさらに減少させることができ、高圧による点火リスクを回避し、その危険性を低下させ、それにより電池の安全性を高めることができる。
【0094】
さらに、選択的に、いくつかの実施例では、図8に示すように、電池セル20は対向して設置された2つの第2壁21bを含み、2つの第2壁21bはそれぞれ第3壁21c及び第1壁21aの両端に接続される。
【0095】
例示的に、別のいくつかの実施例では、図9図11及び図12に示すように、第2壁21bと第1壁21aは対向して設置され、第3壁21cは第2壁21bと第1壁21aを接続する。
【0096】
さらに、選択的に、いくつかの実施例では、図9に示すように、電池セル20は2つの第2壁21bを含み、一方の第2壁21bは第3壁21cと対向して設置され、他方の第2壁21bは第1壁21aと対向して設置される。
【0097】
選択的に、いくつかの実施例では、熱管理部材を加工しやすくするために、該2つの第2壁21bに設置される2つの第1熱管理部材12aは一体成形されてもよい。当然ながら、該2つの第1熱管理部材12aは別体成形されてもよく、本願の実施例はこれを限定しない。
【0098】
選択的に、該2つの第1熱管理部材12aは一体成形される場合、該2つの第1熱管理部材12aに収容される流体は相互に連通できる。
【0099】
選択的に、いくつかの実施例では、図6図14に示すように、第3壁21cの第1領域21c-1に電極端子214が設置される。さらに、図10及び図12に示すように、筐体11は第2熱管理部材12bをさらに含む。第2熱管理部材12bは流体を収容することで電池セル20に対して温度調節を行うことに用いられ、第2熱管理部材12bは第3壁21cの第2領域21c-2に装着され、第2領域21c-2は第1領域21c-1とは異なる。つまり、第3壁21cの電極端子214が設置されていない領域に第2熱管理部材12bが設置される。このように、熱管理部材と電池セル20との接触面積をさらに増加し、電池セルが正常に動作する場合、電池セル20に対する温度調節効果はより著しい。また、第2熱管理部材12bが装着された第3壁21cは電池セル20の放圧機構213が設置された第1壁21aではないため、このように、電池セル20に熱暴走が発生するときに、放圧機構213を通して排出される電池セル20の排出物は該第2熱管理部材12b及び電極端子214から離れる方向に排出され、従って、排出物は該第2熱管理部材12bを破らず、同時に、排出物による電極端子214への影響を減少させることができ、高圧による点火リスクを回避し、その危険性を低下させ、それにより電池の安全性を高めることができる。
【0100】
選択的に、第3壁21cと第2壁21bが隣接する場合、熱管理部材を加工しやすくするために、第2熱管理部材12bと第1熱管理部材12aは一体成形されてもよい。当然ながら、第2熱管理部材12bと第1熱管理部材12aは別体成形されてもよく、本願の実施例はこれを限定しない。
【0101】
選択的に、第2熱管理部材12bと第1熱管理部材12aが一体成形される場合、第2熱管理部材12bに収容される流体と第1熱管理部材12aに収容される流体は相互に連通できる。
【0102】
説明する必要がある点としては、電極端子214と第1領域21c-1の数は同じである。図6図10に示すように、第3壁21cに第1電極端子214a及び第2電極端子214bが設置され、第1電極端子214aは1つの第1領域21c-1に対応し、第2電極端子214bは1つの第1領域21c-1に対応する。
【0103】
本願の実施例は第2領域21c-2の個数を限定しない。
【0104】
選択的に、いくつかの実施例では、図10に示すように、第2熱管理部材12bを電池セル20に装着しやすくするために、第2領域21c-2には電池セル20の内部から離れる方向に突出する突出部21c-3が設置され、第2熱管理部材12bは突出部21c-3に装着される。
【0105】
選択的に、いくつかの実施例では、第2壁21bに電極端子214が設置される。
【0106】
本願の実施例は第2壁21bに設置される電極端子214の個数を限定しない。
【0107】
一例では、第2壁21bに1つの電極端子214が設置されてもよい。このとき、別の電極端子214は電池セル20の第2壁21b以外の壁に設置されてもよく、又は、別の電極端子214は電池セル20の第2壁21b及び第1壁21a以外の壁に設置されてもよい。
【0108】
別の例では、第2壁21bに2つの電極端子214が設置されてもよい。
【0109】
選択的に、いくつかの実施例では、第2壁21bの第3領域に電極端子214が設置されてもよい。さらに、筐体11は上記の第2熱管理部材12bをさらに含む。第2熱管理部材12bは流体を収容することで電池セル20に対して温度調節を行うことに用いられ、第2熱管理部材12bは第2壁21bの第4領域に装着され、第3領域と第4領域は異なる。つまり、第2壁21bの電極端子214が設置されていない領域に第2熱管理部材12bが設置される。
【0110】
説明する必要がある点としては、電極端子214と第3領域の数は同じである。
【0111】
さらに、選択的に、いくつかの実施例では、第4領域には電池セル20の内部から離れる方向に突出する突出部が設置され、第2熱管理部材12bは突出部に装着される。
【0112】
本願の実施例は第4領域の個数を限定しない。
【0113】
選択的に、いくつかの実施例では、例えば、図6図13に示すように、筐体11は隔離部材13をさらに含み、隔離部材13は第1壁21aに装着される。
【0114】
いくつかの実施例では、例えば、図6図12に示すように、隔離部材13は筐体11の底壁として機能でき、即ち、隔離部材13は電気キャビティ11aと収集キャビティ11bを隔離することに用いられる。このように、放圧機構213が作動するときに、電池セル20の排出物が収集キャビティ11bに入り、電気キャビティに入らず、又は少量で電気キャビティ11aに入り、それにより電気キャビティ11a内の電気的接続に影響を与えず、従って、電池の安全性を高めることができる。
【0115】
別のいくつかの実施例では、例えば、図13に示すように、隔離部材13と筐体11の底壁1121は独立して設置され、即ち、隔離部材13の一方の面は第1壁21aに装着され、他方の面は筐体11の底壁1121に装着される。即ち、隔離部材13を設置することによって、電池セル20の第1壁21aと筐体11の底壁1121との間に隙間を有させ、該隙間は放圧機構213の作動に十分な空間を提供することができる。
【0116】
選択的に、いくつかの実施例では、隔離部材13に弱い領域が設置され、該弱い領域は、放圧機構213が作動するときに破壊されて、排出物が弱い領域を通過して収集キャビティ11bに入ることに用いられる。このように、放圧機構213が作動するときに、排出物は直接弱い領域を突撃して弱い領域を開き、収集キャビティ11bに入ることができる。
【0117】
選択的に、いくつかの実施例では、弱い領域と放圧機構213は対向して設置される。このように、放圧機構213が作動するときに、排出物は直接弱い領域を突撃して弱い領域を開くことができる。
【0118】
ここで、所謂「隔離」とは分離を指し、シールされなくてもよい。例えば、別のいくつかの実施例では、図6図13に示すように、隔離部材13に貫通穴131が設置されてもよい。貫通穴131は放圧機構213が作動するときに排出物が貫通穴131を通過して収集キャビティ11bに入ることに用いられる。このとき、電気キャビティ11aと収集キャビティ11bは該貫通穴131を介して連通する。隔離部材13の作用は同様に電気キャビティ11aと収集キャビティ11bを隔離することに用いられる。
【0119】
選択的に、いくつかの実施例では、貫通穴131と放圧機構213は対向して設置される。このように、放圧機構213が作動するときに、排出物は直接貫通穴131を通過して収集キャビティ11bに入ることができる。
【0120】
選択的に、いくつかの実施例では、図6図13に示すように、筐体11は防護部材14をさらに含む。該防護部材14は隔離部材13を防護することに用いられ、防護部材14と隔離部材13は収集キャビティ11bを形成する。防護部材14と隔離部材13により形成された収集キャビティ11bは、排出物を効果的に収集及び緩衝し、その危険性を低減させることができる。
【0121】
本願の実施例は隔離部材13と電池セル20との接続方式を限定しない。例えば、粘着剤によって隔離部材13と電池セル20を固定して接続してもよい。
【0122】
図14は本願の一実施例に提供される電池の構造模式図である。
【0123】
図14に示すように、電池10は複数の電池セル20及び上記の筐体11を含む。複数の電池セル20は筐体11に収容される。電池セル20は図6図13に記載の電池セル20であってもよい。
【0124】
筐体11及び電池セル20についての関連説明は、上記の説明を参照すればよく、ここで繰り返して説明しない。
【0125】
選択的に、いくつかの実施例では、電池10はバスバー15をさらに含む。バスバー15は複数の電池セル20の電気的接続を実現することに用いられる。
【0126】
選択的に、第1熱管理部材12a及び/又は第2熱管理部材12bはさらにバスバー15の温度を調節することに用いることができる(主に冷却である)。
【0127】
本願の実施例は電力消費装置をさらに提供し、該電力消費装置は上記各実施例の電池10を含んでもよい。選択的に、電力消費装置は車両1、船舶又は宇宙船であってもよい。
【0128】
上記は本願の実施例に係る電池10及び電力消費装置を説明し、以下、本願の実施例に係る電池の製造方法及び装置を説明し、詳細に説明していない部分は上記の各実施例を参照すればよい。
【0129】
図15は本願の一実施例に係る電池の製造方法300の模式的なフローチャートを示す。図15に示すように、該方法300は以下のS310~S330を含んでもよい。
【0130】
S310:複数の電池セル20を提供し、前記電池セル20の第1壁21aに放圧機構213が設置され、前記放圧機構213は、前記電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達するときに作動することで前記内部圧力を解放することに用いられる。
【0131】
S320:筐体11を提供し、前記筐体11は電気キャビティ11a、収集キャビティ11b及び第1熱管理部材12aを含む。
【0132】
S330:前記複数の電池セル20を前記電気キャビティ11a内に収容し、前記収集キャビティ11bは前記放圧機構213が作動するときに前記電池セル20からの排出物を収集することに用いられ、前記第1熱管理部材12aは流体を収容することで前記電池セル20に対して温度調節を行うことに用いられ、前記第1熱管理部材12aは前記電池セル20の第2壁21bに装着され、前記第2壁21bは前記第1壁21aとは異なる。
【0133】
図16は本願の一実施例に係る電池の製造装置400の模式的なブロック図を示す。図16に示すように、電池の製造装置400は提供モジュール410及び取付モジュール420を含んでもよい。
【0134】
提供モジュール410は、複数の電池セル20を提供することであって、前記電池セル20の第1壁21aに放圧機構213が設置され、前記放圧機構213は前記電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達するときに作動することで前記内部圧力を解放することに用いられることと、電気キャビティ11a、収集キャビティ11b及び第1熱管理部材12aを含む筐体11を提供することと、に用いられる。
【0135】
取付モジュール420は、前記複数の電池セル20を前記電気キャビティ11a内に収容することに用いられ、前記収集キャビティ11bは前記放圧機構213が作動するときに前記電池セル20からの排出物を収集することに用いられ、前記第1熱管理部材12aは流体を収容することで前記電池セル20に対して温度調節を行うことに用いられ、前記第1熱管理部材12aは前記電池セル20の第2壁21bに装着され、前記第2壁21bは前記第1壁21aとは異なる。
【0136】
好適な実施例を参照して本願を説明したが、本願の範囲から逸脱することなく、それに対して様々な改良を行うことができ、等価なものでその中の部材を交換することができる。特に、構造上の矛盾がない限り、各実施例に記載の各技術的特徴を任意の方式で組み合わせることができる。本願は明細書に開示されている特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲内に属するすべての技術的解決手段を含む。
【符号の説明】
【0137】
10 電池
11 筐体
11a 電気キャビティ
11b 収集キャビティ
12a 第1熱管理部材
20 電池セル
213 放圧機構
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池の筐体であって、
電池セルを収容するための電気キャビティであって、前記電池セルの第1壁に放圧機構が設置され、前記放圧機構は前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達するときに作動することで前記内部圧力を解放することに用いられる電気キャビティと、
前記放圧機構が作動するときに前記電池セルからの排出物を収集するための収集キャビティと、
流体を収容することで前記電池セルに対して温度調節を行うことに用いられ、前記電池セルの前記第1壁とは異なる第2壁に装着される第1熱管理部材と、を含む電池の筐体。
【請求項2】
前記電池セルの第3壁に電極端子が設置され、前記第3壁は前記第1壁とは異なり、且つ前記第3壁は前記第2壁とは異なる請求項1に記載の筐体。
【請求項3】
前記第3壁の第1領域に前記電極端子が設置され、
前記筐体は、流体を収容することで前記電池セルに対して温度調節を行うことに用いられ、前記第3壁の前記第1領域とは異なる第2領域に装着される第2熱管理部材をさらに含む請求項2に記載の筐体。
【請求項4】
前記第2領域には前記電池セルの内部から離れる方向に突出する突出部が設置され、前記第2熱管理部材は前記突出部に装着される請求項3に記載の筐体。
【請求項5】
前記第3壁と前記第1壁は対向して設置され、前記第2壁は前記第3壁と前記第1壁を接続し、又は
前記第2壁と前記第1壁は対向して設置され、前記第3壁は前記第2壁と前記第1壁を接続する請求項2~4のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項6】
前記第2壁に電極端子が設置される請求項1に記載の筐体。
【請求項7】
前記筐体は、前記電気キャビティと前記収集キャビティを隔離することに用いられ、前記第1壁に装着される隔離部材を含む請求項1~6のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項8】
前記隔離部材に弱い領域が設置され、前記弱い領域は、前記放圧機構が作動するときに破壊されて、前記排出物が前記弱い領域を通過して前記収集キャビティに入ることに用いられる請求項7に記載の筐体。
【請求項9】
前記弱い領域と前記放圧機構は対向して設置される請求項8に記載の筐体。
【請求項10】
前記隔離部材に貫通穴が設置され、前記貫通穴は、前記放圧機構が作動するときに前記排出物が前記貫通穴を通過して前記収集キャビティに入ることに用いられる請求項7に記載の筐体。
【請求項11】
前記貫通穴は前記放圧機構と対向して設置される請求項10に記載の筐体。
【請求項12】
電池であって、
複数の電池セルであって、前記電池セルの第1壁に放圧機構が設置され、前記放圧機構は前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達するときに作動することで前記内部圧力を解放することに用いられる複数の電池セルと、
請求項1~11のいずれか一項に記載の筐体であって、前記複数の電池セルが前記筐体に収容される筐体と、
を含む電池。
【請求項13】
電力消費装置であって、請求項12に記載の電池を含み、前記電池は前記電力消費装置に電気エネルギーを提供することに用いられる電力消費装置。
【請求項14】
電池の製造方法であって、
複数の電池セルを提供するステップであって、前記電池セルの第1壁に放圧機構が設置され、前記放圧機構は前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達するときに作動することで前記内部圧力を解放することに用いられるステップと、
電気キャビティ、収集キャビティ及び第1熱管理部材を含む筐体を提供するステップと、
前記複数の電池セルを前記電気キャビティ内に収容するステップと、を含み、前記収集キャビティは前記放圧機構が作動するときに前記電池セルからの排出物を収集することに用いられ、前記第1熱管理部材は流体を収容することで前記電池セルに対して温度調節を行うことに用いられ、前記第1熱管理部材は前記電池セルの第2壁に装着され、前記第2壁は前記第1壁とは異なる電池の製造方法。
【請求項15】
電池の製造装置であって、
複数の電池セルを提供することであって、前記電池セルの第1壁に放圧機構が設置され、前記放圧機構は前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達するときに作動することで前記内部圧力を解放することに用いられることと、
電気キャビティ、収集キャビティ及び第1熱管理部材を含む筐体を提供することと、に用いられる提供モジュールと、
前記複数の電池セルを前記電気キャビティ内に収容することに用いられる取付モジュールと、を含み、前記収集キャビティは前記放圧機構が作動するときに前記電池セルからの排出物を収集することに用いられ、前記第1熱管理部材は流体を収容することで前記電池セルに対して温度調節を行うことに用いられ、前記第1熱管理部材は前記電池セルの第2壁に装着され、前記第2壁は前記第1壁とは異なる電池の製造装置。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】