(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-20
(54)【発明の名称】信号線構造、信号線駆動方法及び信号線回路
(51)【国際特許分類】
H03K 19/0175 20060101AFI20240213BHJP
H04L 25/02 20060101ALI20240213BHJP
【FI】
H03K19/0175 230
H04L25/02 J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022543705
(86)(22)【出願日】2022-04-18
(85)【翻訳文提出日】2022-07-19
(86)【国際出願番号】 CN2022087463
(87)【国際公開番号】W WO2023134045
(87)【国際公開日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】202210028112.2
(32)【優先日】2022-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522246670
【氏名又は名称】チャンシン メモリー テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CHANGXIN MEMORY TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【氏名又は名称】岡部 英隆
(72)【発明者】
【氏名】冀 康霊
【テーマコード(参考)】
5J056
5K029
【Fターム(参考)】
5J056AA05
5J056BB34
5J056BB51
5J056DD13
5J056DD29
5J056FF07
5J056FF09
5J056GG06
5J056KK01
5K029DD23
5K029GG07
(57)【要約】
信号線構造、信号線駆動方法及び信号線回路である。信号線構造は、複数本の平行な信号線を備え、各前記信号線は任意時刻においても駆動状態を維持する。本開示の実施例は、信号を高速で安定的に伝送すると共に、配線及び関連回路の素子と面積を省くことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号線構造であって、
複数本の平行な信号線を備え、各前記信号線は任意時刻においても駆動状態を維持する、信号線構造。
【請求項2】
各前記信号線は、両端がそれぞれ第1ドライバと第2ドライバに接続され、同一時刻において同一の前記信号線の前記第1ドライバと前記第2ドライバのうち、唯一の一方が駆動状態を維持する
請求項1に記載の信号線構造。
【請求項3】
前記第1ドライバは、第1イネーブル信号が第1レベルである時に駆動状態を維持し、前記第1イネーブル信号が第2レベルである時に高抵抗状態を維持し、前記第2ドライバは、第2イネーブル信号が前記第1レベルである時に駆動状態を維持し、前記第2イネーブル信号が前記第2レベルである時に高抵抗状態を維持する
請求項2に記載の信号線構造。
【請求項4】
前記第1レベルは、ハイレベルであり、前記第2レベルは、ローレベルである
請求項3に記載の信号線構造。
【請求項5】
前記第2イネーブル信号は、前記第1イネーブル信号をインバータによって反転して得られる
請求項3に記載の信号線構造。
【請求項6】
前記第1ドライバ又は前記第2ドライバは、少なくとも1つのゲートインバータを備え、前記ゲートインバータは、入力端子に入力信号が電気的に接続され、イネーブル端子に前記第1イネーブル信号又は前記第2イネーブル信号が接続され、出力端子に前記信号線が電気的に接続される
請求項3~5のいずれか一項に記載の信号線構造。
【請求項7】
前記複数本の平行な信号線は、入り交じって設置された奇データ線と偶データ線を備え、前記奇データ線は、奇クロックによりサンプリングして得られた奇信号を伝送するためのものであり、前記偶データ線は、偶クロックによりサンプリングして得られた偶信号を伝送するためのものであり、前記奇クロックと前記偶クロックは、位相差が180度であり、前記奇データ線に対応する前記第1イネーブル信号と前記偶データ線に対応する前記第1イネーブル信号は、位相が異なり、前記奇データ線に対応する前記第2イネーブル信号と前記偶データ線に対応する前記第2イネーブル信号は、位相が異なる
請求項3に記載の信号線構造。
【請求項8】
前記奇データ線に対応する前記第1イネーブル信号と前記偶データ線に対応する前記第1イネーブル信号は、位相差が180度であり、前記奇データ線に対応する前記第2イネーブル信号と前記偶データ線に対応する前記第2イネーブル信号は、位相差が180度である
請求項7に記載の信号線構造。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の信号線構造に適用される信号線駆動方法であって、
平行に設置された複数本の信号線に任意時刻においても駆動状態を維持させるように制御するステップを含む、信号線駆動方法。
【請求項10】
各前記信号線の両端にそれぞれ第1ドライバと第2ドライバが設置されており、平行に設置された前記信号線に任意時刻においても駆動状態を維持させるように制御するステップは、
同一時刻において同一の前記信号線の前記第1ドライバと前記第2ドライバのうち、唯一の一方に駆動状態を維持させるように制御するステップを含む
請求項9に記載の信号線駆動方法。
【請求項11】
前記第1ドライバ又は前記第2ドライバは、少なくとも1つのゲートインバータを備え、前記ゲートインバータは、入力端子に入力信号が電気的に接続され、イネーブル端子に第1イネーブル信号又は第2イネーブル信号が接続され、出力端子に前記信号線が電気的に接続され、前記同一時刻において同一の前記信号線の前記第1ドライバと前記第2ドライバのうち、唯一の一方に駆動状態を維持させるように制御するステップは、
同一時刻において前記第1ドライバのイネーブル端子に第1レベルの第1イネーブル信号を入力して前記第1ドライバに駆動状態を維持させ、前記第2ドライバのイネーブル端子に第2レベルの第2イネーブル信号を入力して前記第2ドライバに高抵抗状態を維持させ、又は、同一時刻において前記第1ドライバのイネーブル端子に第2レベルの第1イネーブル信号を入力して前記第1ドライバに高抵抗状態を維持させ、前記第2ドライバのイネーブル端子に第1レベルの第2イネーブル信号を入力して前記第2ドライバに駆動状態を維持させるステップを含む
請求項10に記載の信号線駆動方法。
【請求項12】
前記第1ドライバは、入力端子が第1入力信号を受信するためのものであり、イネーブル端子が第1ノードに接続され、出力端子が前記信号線に接続され、前記第2ドライバは、入力端子が第2入力信号を受信するためのものであり、イネーブル端子が第2ノードに接続され、出力端子が前記信号線に接続され、前記第1ノードは、ドライバイネーブル信号を受信するためのものであり、前記第2ノードと前記第1ノードとの間は、奇数のインバータによって接続され、前記同一時刻において前記第1ドライバと前記第2ドライバのうち、唯一の一方に駆動状態を維持させるように制御するステップは、
第1入力信号到達メッセージに応えて、前記ドライバイネーブル信号を第1レベルに設定して、前記第1ドライバに駆動状態を維持させ、前記第2ドライバに高抵抗状態を維持させるステップと、
第2入力信号到達メッセージに応えて、前記ドライバイネーブル信号を第2レベルに設定して、前記第2ドライバに駆動状態を維持させ、前記第1ドライバに高抵抗状態を維持させるステップと、を含む
請求項10に記載の信号線駆動方法。
【請求項13】
前記第1レベルは、ハイレベルであり、前記第2レベルは、ローレベルである
請求項11又は12に記載の信号線駆動方法。
【請求項14】
各前記信号線の両端にそれぞれ第1ドライバと第2ドライバが設置されており、前記複数本の信号線は、奇データ線と偶データ線を備え、平行に設置された前記信号線に任意時刻においても駆動状態を維持させるように制御するステップは、
同一の前記奇データ線の第1ドライバに第1レベルの第1イネーブル信号を入力し、且つ第2ドライバに第2レベルの第2イネーブル信号を入力して、前記奇データ線に駆動状態を維持させ、又は、同一の前記奇データ線の第1ドライバに第2レベルの第1イネーブル信号を入力し、且つ第2ドライバに第1レベルの第2イネーブル信号を入力して、前記奇データ線に駆動状態を維持させるステップと、
同一の前記偶データ線の第1ドライバに第1レベルの第1イネーブル信号を入力し、且つ第2ドライバに第2レベルの第2イネーブル信号を入力して、前記偶データ線に駆動状態を維持させ、又は、同一の前記偶データ線の第1ドライバに第2レベルの第1イネーブル信号を入力し、且つ第2ドライバに第1レベルの第2イネーブル信号を入力して、前記偶データ線に駆動状態を維持させるステップと、を含み、
前記奇データ線に対応する前記第1イネーブル信号と前記偶データ線に対応する前記第1イネーブル信号は、位相が異なり、前記奇データ線に対応する前記第2イネーブル信号と前記偶データ線に対応する前記第2イネーブル信号は、位相が異なる
請求項9に記載の信号線駆動方法。
【請求項15】
信号線回路であって
入力端子が第1入力信号を受信するためのものであり、イネーブル端子が第1ノードに接続され、出力端子が信号線に接続される第1ドライバと、
入力端子が第2入力信号を受信するためのものであり、イネーブル端子が第2ノードに接続され、出力端子が前記信号線に接続される第2ドライバと、
入力端子が前記第1ノードに接続され、出力端子が前記第2ノードに接続されるインバータであって、前記第1ノードはドライバイネーブル信号を受信するためのものであり、前記ドライバイネーブル信号は第1レベルと第2レベルを含み、前記第1レベルは前記第1ドライバに駆動状態を維持させ、前記第2ドライバに高抵抗状態を維持させるように制御するためのものであり、前記第2レベルは前記第2ドライバに駆動状態を維持させ、前記第1ドライバに高抵抗状態を維持させるように制御するためのものであるインバータとを備える、信号線回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、2022年1月11日に出願された、出願番号が202210028112.2であり、出願名称が「信号線構造、信号線駆動方法及び信号線回路」である中国特許出願の優先権を主張し、当該中国特許出願の内容全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、集積回路製造の技術分野に関し、具体的には、信号線構造、信号線駆動方法及び信号線回路に関するものである。
【背景技術】
【0003】
通常のデータパスにおいて、データホッピングの方向がランダムであるので、平行に隣接した異なる信号線間にクロストークがあって、データ時系列に影響を与える。データホッピングの時の時系列一致性を確保するために、接地された配線を挿入して仕切りを設ける場合があり、また、信号線間のクロストーク影響を低減するように更に状態保持器(keeper)を設置する必要があることがある。仕切るための配線及び状態保持器は、いずれも別の通路とレイアウト面積を占めることになって、信号線レイアウト面積が大きくなってしまう。
【0004】
説明すべきこととして、上記の背景技術部分で開示された情報は、ただ本開示の背景に対する理解を強化するためのものであり、当業者にとって既知の従来技術の情報を含むことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、少なくとも信号線における信号品質をある程度改善し、平行信号線のレイアウト面積を省くための信号線構造、信号線駆動方法及び信号線回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1態様は信号線構造を提供し、複数本の平行な信号線を備え、各前記信号線は任意時刻においても駆動状態を維持する。
【0007】
本開示の第2態様は、信号線駆動方法を提供し、上記のいずれか一項に記載の信号線構造に適用され、平行に設置された複数本の信号線に任意時刻においても駆動状態を維持させるように制御するステップを含む。
【0008】
本開示の第3態様は、信号線回路を提供し、入力端子が第1入力信号を受信するためのものであり、イネーブル端子が第1ノードに接続され、出力端子が信号線に接続される第1ドライバと、入力端子が第2入力信号を受信するためのものであり、イネーブル端子が第2ノードに接続され、出力端子が前記信号線に接続される第2ドライバと、入力端子が前記第1ノードに接続され、出力端子が前記第2ノードに接続されるインバータであって、前記第1ノードはドライバイネーブル信号を受信するためのものであり、前記ドライバイネーブル信号は第1レベルと第2レベルを含み、前記第1レベルは前記第1ドライバに駆動状態を維持させ、前記第2ドライバに高抵抗状態を維持させるように制御するためのものであり、前記第2レベルは前記第2ドライバに駆動状態を維持させ、前記第1ドライバに高抵抗状態を維持させるように制御するためのものであるインバータとを備える。
【0009】
本開示の実施例は、信号線をいずれも駆動状態を維持させるように設定することによって、複数本の信号線が並んで設置された時に、信号線間のクロストークによって伝送データに誤りが発生することを回避でき、且つ仕切るための配線と状態保持器を設けることが不要であり、信号線のレイアウト占用面積を極めて大幅に省くことができる。
【0010】
以上の一般説明と以下の詳細説明は解釈するための例示的なものに過ぎず、本開示を制限できない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の例示的実施例における信号線構造の模式図である。
【
図2】本開示の一実施例における信号線の駆動方式の模式図である。
【
図3A】関連技術における隣接する2本の信号線間のクロストークの模式図である。
【
図3B】本開示の実施例における隣接する2本の信号線間のクロストークの模式図である。
【
図4】本開示の一実施例における信号線の第1ドライバと第2ドライバの回路の模式図である。
【
図5】本開示の一実施例における
図4に示す第1イネーブル信号と第2イネーブル信号の接続関係の模式図である。
【
図6】本開示の一実施例における信号線の設置の模式図である。
【
図7】
図6に示す信号線設置方式に対応する信号時系列図である。
【
図8】本開示の実施例における一信号線駆動方法の模式図である。
【
図9】本開示の例示的実施例に係る信号線回路の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここの図面は明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成し、本開示に合致する実施例を示し、明細書と共に本開示の原理を説明するために用いられる。当然ながら、以上に記載する図面は単に本開示の一部の実施例であり、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面に想到し得る。
【0013】
以下、図面を参照しながら例示的実施形態をより全面的に説明する。しかし、例示的実施形態は、多種の形態で実施でき、ここに記載の例に限定されると理解してはならなく、逆に、これらの実施形態を提供することで、本開示をより全面的且つ完璧にして、例示的実施形態の構想を全面的に当業者に伝えることになる。説明される特徴や構造、特性はいかなる適切な方式で1つ又はより多い実施形態に組み合わせられる。下記の説明では、本開示の実施形態を十分に理解させるために、具体的な詳細が多く提供される。しかし、当業者であれば、前記特定の詳細の1つ又は複数を省略して本開示の技術手段を実施でき、又は他の方法、コンポーネント、装置、ステップ等を採用して本開示の技術手段を実施できることを意識できる。他の場合に、主客転倒して本開示の各側面が曖昧になることを回避するために、周知されている技術手段を詳しく示したり、説明したりしない。
【0014】
また、添付図面はただ本開示を模式的に図解するものであり、図における同じ図面符号が同じ又は類似的な部分を表すので、それらについて繰り返す説明を省略する。図面に示す一部のブロック図は機能実体であり、必ず物理的又は論理的に独立した実体に対応するというわけではない。ソフトウェアの方式でこれらの機能実体を実現するか、或いは1つ又は複数のハードウェアモジュール又は集積回路においてこれらの機能実体を実現するか、或いは異なるネットワーク及び/又はプロセッサ装置及び/又はマイクロコントローラ装置においてこれらの機能実体を実現することができる。
【0015】
以下、添付図面を参照しながら本開示の例示的実施形態を詳細に説明する。
【0016】
図1は本開示の例示的実施例における信号線構造の模式図である。
【0017】
図1を参照し、信号線構造100は、複数本の平行な信号線S1~Snを備えてもよく、各前記信号線は任意時刻においても駆動状態を維持する。
【0018】
関連技術と比べると、複数本の平行な信号線S1~Snの間に仕切るための通路を設ける必要がなく、信号伝送後に状態保持器(keeper)を設ける必要もなく、配線面積を有効に省くことができる。各信号線が任意時刻においても駆動状態を維持しており、平行信号線間のクロストークによる信号線の信号反転がないので、信号安定度を有効に高めて、高密度配線によるクロストーク増大、信号線における信号反転、誤った伝送を回避することができる。従って、本開示の実施例は、高密度配線面積を低減すると共に、信号安定性を高めることができる。
【0019】
各信号線に任意時刻においても駆動状態を維持させるように制御する方式は多種あってもよく、以下、添付図面によって一部の実施例を説明する。
【0020】
図2は本開示の一実施例における信号線の駆動方式の模式図である。
【0021】
図2を参照し、本開示の例示的な一実施例では、信号線S1は、両端がそれぞれ第1ドライバ11と第2ドライバ12に接続され、同一時刻において信号線S1の第1ドライバ11と第2ドライバ12のうち、唯一の一方が駆動状態を維持する。信号線S2は、信号線S1に平行に隣接し、両端がそれぞれ第1ドライバ21と第2ドライバ22に接続され、同一時刻において信号線S2の第1ドライバ21と第2ドライバ22のうち、唯一の一方が駆動状態を維持する。
【0022】
図2を参照し続けると、一実施例では、信号線S1の第1ドライバ11は、第1イネーブル信号EN11が第1レベルである時に駆動状態を維持し、第1イネーブル信号EN11が第2レベルである時に高抵抗状態を維持し、第2ドライバ12は、第2イネーブル信号EN12が第1レベルである時に駆動状態を維持し、第2イネーブル信号EN12が第2レベルである時に高抵抗状態を維持する。第1イネーブル信号EN11と第2イネーブル信号EN12が2つのレベルによって制御される時に、第1レベルは、例えば、ハイレベルであり、第2レベルは、例えば、ローレベルである。又は、第1レベルは、例えば、ローレベルであり、第2レベルは、例えば、ハイレベルである。ハイレベルは、例えば、電源電圧以上の状態であり、ローレベルは、例えば、接地電圧以下の状態である。ここで、ハイレベルとローレベルは相対的なものであり、含まれる具体的な電圧範囲は、具体的な素子に応じて決定される必要がある。例えば、N型電界効果トランジスタにおいては、ハイレベルとはそれを導通することができるゲート電圧範囲であり、ローレベルとはそれを遮断することができるゲート電圧範囲である。P型電界効果トランジスタにおいては、ローレベルとはそれを導通することができるゲート電圧範囲であり、ハイレベルとはそれを遮断することができるゲート電圧範囲である。
【0023】
対応的に、信号線S2の第1ドライバ21は、第1イネーブル信号EN21が第1レベルである時に駆動状態を維持し、第1イネーブル信号EN21が第2レベルである時に高抵抗状態を維持し、第2ドライバ22は、第2イネーブル信号EN22が第1レベルである時に駆動状態を維持し、第2イネーブル信号EN22が第2レベルである時に高抵抗状態を維持する。
【0024】
図3Aは関連技術における隣接する2本の信号線間のクロストークの模式図である。
【0025】
図3Bは本開示の実施例における隣接する2本の信号線間のクロストークの模式図である。
【0026】
図3Aと
図3Bでは、信号線S1と信号線S2は平行に隣接する2本の信号線である。信号線S1に対応する第1イネーブル信号がEN11であり、第2イネーブル信号がEN12であり、信号線S2に対応する第1イネーブル信号がEN21であり、第2イネーブル信号がEN22である。
【0027】
図3Aを参照し、関連技術では、第1時刻T1において、信号線S1に対応する第1イネーブル信号EN11にハイレベルパルスが発生し、信号線S1は第1ドライバ11に駆動されて信号Aを発生し、それと同時に、信号線S1に隣接する平行な信号線S2の両端の第1ドライバ21と第2ドライバ22はいずれも高抵抗状態にあって、信号線S2に対して駆動能力がなく、信号Aの影響を受けて、信号線S2においてクロストークエラーEAが発生する。第2時刻T2において、信号線S2に対応する第1イネーブル信号EN21にハイレベルパルスが発生し、信号線S2は第1ドライバ21に駆動されて信号Bを発生し、それと同時に、信号線S2に隣接する平行な信号線S1の両端の第1ドライバ11と第2ドライバ12はいずれも高抵抗状態にあって、信号線S1に対して駆動能力がなく、信号Bの影響を受けて、信号線S1においてクロストークエラーEBが発生する。
【0028】
同じ理由で、第3時刻T3において、信号線S1に対応する第2イネーブル信号EN12にハイレベルパルスが発生すると、信号線S1は第2ドライバ12に駆動されて信号反転(信号C)が発生して、信号線S2における信号Bの状態に影響を与えて、信号線S2においてクロストークエラーECが発生する。第4時刻T4において、信号線S2に対応する第2イネーブル信号EN22にハイレベルパルスが発生すると、信号線S2は第2ドライバ22に駆動されて信号反転が発生して、信号線S1における信号Cの状態に影響を与えて、同様にクロストークエラーが発生する。
【0029】
従って、関連技術において、平行に隣接する2本の信号線間にはクロストークが発生しやすくて、データ伝送を誤ってしまう。
【0030】
図3Bを参照し、本開示の実施例では、信号線S1の第1イネーブル信号EN11と第2イネーブル信号EN12は、同一時刻において唯一の一方がハイレベルであり、信号線S2の第1イネーブル信号EN21と第2イネーブル信号EN22は、同一時刻において唯一の一方がハイレベルである。
【0031】
第2時刻T2において、信号線S2の第1イネーブル信号EN21がハイレベルに変わり、信号線S2の第1ドライバ21が駆動状態に変わり、信号線S2においてデータ反転が発生し、この時に信号線S1の第1イネーブル信号EN11もハイレベルであり、信号線S1の第1ドライバ11も駆動状態であるので、信号線S1におけるデータ信号の受けるクロストーク影響が小さい(D点)。第3時刻T3において、信号線S1の第2イネーブル信号EN12がハイレベルに変わり、信号線S1の第2ドライバ12が駆動状態に変わり、信号線S2においてデータ反転が発生し、この時に信号線S2の第1イネーブル信号EN21もハイレベルであり、信号線S2の第1ドライバ21も駆動状態であるので、信号線S2におけるデータ信号の受けるクロストーク影響が小さい(E点)。同じ理由から判断できるように、第1時刻T1と第4時刻T4において、信号線S1と信号線S2におけるデータ信号の受けるクロストーク影響も小さい。
【0032】
従って、任意時刻において信号線両端のドライバのうち、唯一の一方に駆動状態を維持させるようにすることで、信号線における信号が受ける、平行に隣接する信号線のデータ反転によるクロストーク影響を低減して、信号の安定性を維持することができる。即ち、本開示の実施例に係る方法を用いて信号線のドライバを制御すれば、信号線間に仕切るための通路と状態維持器を設ける必要がなく、信号安定性を保持でき、配線面積を極めて大幅に省くことができる。
【0033】
図4は本開示の一実施例における信号線の第1ドライバと第2ドライバの回路の模式図である。
【0034】
図4を参照し、本開示の一実施例では、信号線S1の第1ドライバ11又は第2ドライバ12は、少なくとも1つのゲートインバータを備える。
【0035】
図4に示す実施例では、第1ドライバ11における第1ゲートインバータ111は、入力端子に第1入力信号IN11が電気的に接続され、イネーブル端子に第1イネーブル信号EN11が接続され、出力端子に信号線S1が電気的に接続される。第2ドライバ12における第2ゲートインバータ121は、入力端子に第2入力信号IN12が電気的に接続され、イネーブル端子に第2イネーブル信号EN12が接続され、出力端子に信号線S1が電気的に接続される。
【0036】
第1ゲートインバータ111は、順次通過され接続された第1トランジスタM1、第2トランジスタM2、第3トランジスタM3、第4トランジスタM4を備え、その中で、第1トランジスタM1と第2トランジスタM2は、いずれもP型トランジスタであり、第1トランジスタM1のソースが電源電圧Vccに接続され、第3トランジスタM3と第4トランジスタM4は、いずれもN型トランジスタであり、第4トランジスタM4のソースが接地する。第1トランジスタM1と第4トランジスタM4のゲートが接続されて第1ゲートインバータ111の入力端子となり、第1入力信号IN1に電気的に接続される。第2トランジスタM2のゲートがインバータINV1の出力端子に接続され、インバータINV1の入力端子が第3トランジスタM3のゲートに接続され、第3トランジスタM3のゲートが第1ゲートインバータ111のイネーブル端子となって第1イネーブル信号EN11に接続される。
【0037】
第2ゲートインバータ121は、順次通過され接続された第5トランジスタM5、第6トランジスタM6、第7トランジスタM7、第8トランジスタM8を備え、その中で、第5トランジスタM5と第6トランジスタM6は、いずれもP型トランジスタであり、第5トランジスタM5のソースが電源電圧Vccに接続され、第7トランジスタM7と第8トランジスタM8は、いずれもN型トランジスタであり、第8トランジスタM8のソースが接地する。第5トランジスタM5と第8トランジスタM8のゲートが接続されて第2ゲートインバータ121の入力端子となり、第1入力信号IN1に電気的に接続される。第6トランジスタM6のゲートがインバータINV2の出力端子に接続され、インバータINV2の入力端子が第7トランジスタM7のゲートに接続され、第7トランジスタM7のゲートが第2ゲートインバータ121のイネーブル端子となって第2イネーブル信号EN12に接続される。
【0038】
第1イネーブル信号EN11がハイレベルである時に、第1ゲートインバータ111における第2トランジスタM2と第3トランジスタM3がいずれも導通され、第1ゲートインバータ111が駆動状態となり、信号線S1における信号が第1入力信号IN11に伴って変わり、第1イネーブル信号EN11がローレベルである時に、第1ゲートインバータ111における第2トランジスタM2と第3トランジスタM3がいずれも遮断され、第1ゲートインバータ111が高抵抗状態となり、信号線S1における信号が第1入力信号IN11に伴って変わらない。
【0039】
同じ理由で、第2イネーブル信号EN12がハイレベルである時に、第2ゲートインバータ121における第6トランジスタM6と第7トランジスタM7がいずれも導通され、第2ゲートインバータ121が駆動状態となり、信号線S1における信号が第2入力信号IN12に伴って変わり、第2イネーブル信号EN12がローレベルである時に、第2ゲートインバータ121における第6トランジスタM6と第7トランジスタM7がいずれも遮断され、第2ゲートインバータ121が高抵抗状態となり、信号線S1における信号が第2入力信号IN12に伴って変わらない。
【0040】
同一時刻において第1ドライバ11と第2ドライバ12のうち、唯一の一方が駆動状態を維持するように設定する時に、
図3Bに示すように、同一時刻において第1イネーブル信号EN11と第2イネーブル信号EN12のうち、唯一の一方がハイレベルであるように設定してもよい。本開示の例示的な一実施例では、第2イネーブル信号EN12は第1イネーブル信号EN11をインバータによって反転して得られてもよい。
【0041】
第1ドライバ11と第2ドライバ12におけるゲートインバータの数量はいずれも1つ又は複数であってもよく、
図4はただ例示するものであり、本開示はこれについて特に限定しない。
【0042】
図5は本開示の一実施例における
図4に示す第1イネーブル信号と第2イネーブル信号の接続関係の模式図である。
【0043】
図5を参照し、本開示の例示的な一実施例では、第1ドライバ11は、入力端子が第1入力信号IN11を受信するためのものであり、イネーブル端子が第1ノードN1に接続され、出力端子が信号線S1に接続され、第2ドライバ12は、入力端子が第2入力信号IN12を受信するためのものであり、イネーブル端子が第2ノードN2に接続され、出力端子が信号線S1に接続され、第1ノードN1は、ドライバイネーブル信号DRVを受信するためのものであり、第2ノードN2と第1ノードN1との間は、奇数のインバータINV0(
図5で1つのみを示す)によって接続される。
【0044】
図5に示す実施例では、ドライバイネーブル信号DRVは、ハイレベル状態又はローレベル状態のいずれの時にも、同一時刻において第1ドライバ11と第2ドライバ12のうち、唯一の一方に駆動状態を維持させるように制御できる。
【0045】
図6は本開示の一実施例における信号線の設置の模式図である。
【0046】
図6を参照し、本開示の例示的な一実施例では、複数本の平行な信号線は、入り交じって設置された奇データ線61と偶データ線62を備え、奇データ線61は、奇クロックによりサンプリングして得られた奇信号を伝送するためのものであり、偶データ線62は、偶クロックによりサンプリングして得られた偶信号を伝送するためのものであり、奇クロックと偶クロックは、位相差が180度である。奇データ線61に対応する第1イネーブル信号EN11と偶データ線62に対応する第1イネーブル信号EN21は、位相が異なり、奇データ線61に対応する第2イネーブル信号EN12と偶データ線62に対応する第2イネーブル信号EN22は、位相が異なる。
【0047】
図7は
図6に示す信号線設置方式に対応する信号時系列図である。
【0048】
図7を参照し、本開示の例示的な一実施例では、奇データと偶データは、伝送周期がいずれもTであり、伝送間隔がT/2であり、即ち、奇データと偶データは、位相差が180度である。
【0049】
第1時刻T1において、奇データ線61に対応する第1イネーブル信号EN11に立ち上りエッジが発生した時に、奇データ線61に対応する第2イネーブル信号EN12に立下りエッジが発生し、奇データ線61に対応する第1ドライバ11が駆動状態に変わり、第2ドライバ12が高抵抗状態に変わり、奇データ線61における信号が第1ドライバ11の入力信号に制御されることになる。第3時刻T3において、奇データ線61に対応する第2イネーブル信号EN12に立ち上りエッジが発生した時に、奇データ線61に対応する第1イネーブル信号EN11に立下りエッジが発生し、奇データ線61に対応する第2ドライバ12が駆動状態に変わり、第1ドライバ11が高抵抗状態に変わり、奇データ線61における信号が第2ドライバ12の入力信号に制御されることになる。第2時刻T2において、偶データ線62に対応する第1イネーブル信号EN21に立ち上りエッジが発生した時に、偶データ線62に対応する第2イネーブル信号EN22に立下りエッジが発生し、偶データ線62に対応する第1ドライバ21が駆動状態に変わり、第2ドライバ22が高抵抗状態に変わり、偶データ線62における信号が第1ドライバ21の入力信号に制御されることになる。第4時刻T4において、偶データ線62に対応する第2イネーブル信号EN22に立ち上りエッジが発生した時に、偶データ線62に対応する第1イネーブル信号EN21に立下りエッジが発生し、偶データ線62に対応する第2ドライバ22が駆動状態に変わり、第1ドライバ21が高抵抗状態に変わり、偶データ線62における信号が第2ドライバ22の入力信号に制御されることになる。
【0050】
奇データ線61に対応する第1イネーブル信号EN11と偶データ線62に対応する第1イネーブル信号EN21は、位相差が180度(T/2)であり、奇データ線61に対応する第2イネーブル信号EN12と偶データ線62に対応する第2イネーブル信号EN22は、位相差が180度(T/2)である。同一時刻において、奇データ線61に対応する第1イネーブル信号EN11と第2イネーブル信号EN12のうち、唯一の一方がハイレベルを維持しており、偶データ線62に対応する第1イネーブル信号EN21と第2イネーブル信号EN22のうち、唯一の一方がハイレベルを維持する。
【0051】
奇データ線61と偶データ線62に任意時刻においても駆動状態を維持させるように制御することで、交替で伝送される奇データと偶データとの間の相互影響を回避して、データ信頼性を高めることができる。
【0052】
図8は本開示の実施例における一信号線駆動方法の模式図である。
【0053】
信号線駆動方法800は、上記のいずれか1つの実施例に示された信号線構造に適用可能である。
【0054】
図8を参照し、信号線駆動方法800は、平行に設置された複数本の信号線に任意時刻においても駆動状態を維持させるように制御するステップS10を含んでもよい。
【0055】
本開示の例示的な一実施例では、各信号線の両端にそれぞれ第1ドライバと第2ドライバが設置されており、平行に設置された信号線に任意時刻においても駆動状態を維持させるように制御するステップは、同一時刻において同一信号線の第1ドライバと第2ドライバのうち、唯一の一方に駆動状態を維持させるように制御するステップを含む。
【0056】
本開示の例示的な一実施例では、第1ドライバ又は第2ドライバは、少なくとも1つのゲートインバータを備え、ゲートインバータは、入力端子に入力信号が電気的に接続され、イネーブル端子に第1イネーブル信号又は第2イネーブル信号が接続され、出力端子に信号線が電気的に接続され、同一時刻において同一信号線の第1ドライバと第2ドライバのうち、唯一の一方に駆動状態を維持させるように制御するステップは、同一時刻において第1ドライバのイネーブル端子に第1レベルの第1イネーブル信号を入力して第1ドライバに駆動状態を維持させ、第2ドライバのイネーブル端子に第2レベルの第2イネーブル信号を入力して第2ドライバに高抵抗状態を維持させ、又は、同一時刻において第1ドライバのイネーブル端子に第2レベルの第1イネーブル信号を入力して第1ドライバに高抵抗状態を維持させ、第2ドライバのイネーブル端子に第1レベルの第2イネーブル信号を入力して第2ドライバに駆動状態を維持させるステップを含む。
【0057】
本開示の例示的な一実施例では、第1ドライバは、入力端子が第1入力信号を受信するためのものであり、イネーブル端子が第1ノードに接続され、出力端子が信号線に接続され、第2ドライバは、入力端子が第2入力信号を受信するためのものであり、イネーブル端子が第2ノードに接続され、出力端子が信号線に接続され、第1ノードは、ドライバイネーブル信号を受信するためのものであり、第2ノードと第1ノードとの間は、奇数のインバータによって接続され、同一時刻において第1ドライバと第2ドライバのうち、唯一の一方に駆動状態を維持させるように制御するステップは、第1入力信号到達メッセージに応えて、ドライバイネーブル信号を第1レベルに設定して、第1ドライバに駆動状態を維持させ、第2ドライバに高抵抗状態を維持させるステップと、第2入力信号到達メッセージに応えて、ドライバイネーブル信号を第2レベルに設定して、第2ドライバに駆動状態を維持させ、第1ドライバに高抵抗状態を維持させるステップと、を含む。本開示の例示的な一実施例では、第1レベルは、ハイレベルであり、第2レベルは、ローレベルである。
【0058】
本開示の例示的な一実施例では、各信号線の両端にそれぞれ第1ドライバと第2ドライバが設置されており、複数本の信号線は、奇データ線と偶データ線を備え、平行に設置された信号線に任意時刻においても駆動状態を維持させるように制御するステップは、同一の前記奇データ線の第1ドライバに第1レベルの第1イネーブル信号を入力し、且つ第2ドライバに第2レベルの第2イネーブル信号を入力して、前記奇データ線に駆動状態を維持させ、又は、同一の前記奇データ線の第1ドライバに第2レベルの第1イネーブル信号を入力し、且つ第2ドライバに第1レベルの第2イネーブル信号を入力して、前記奇データ線に駆動状態を維持させるステップと、同一の前記偶データ線の第1ドライバに第1レベルの第1イネーブル信号を入力し、且つ第2ドライバに第2レベルの第2イネーブル信号を入力して、前記偶データ線に駆動状態を維持させ、又は、同一の前記偶データ線の第1ドライバに第2レベルの第1イネーブル信号を入力し、且つ第2ドライバに第1レベルの第2イネーブル信号を入力して、前記偶データ線に駆動状態を維持させるステップと、を含み、前記奇データ線に対応する前記第1イネーブル信号と前記偶データ線に対応する前記第1イネーブル信号は、位相が異なり、前記奇データ線に対応する前記第2イネーブル信号と前記偶データ線に対応する前記第2イネーブル信号は、位相が異なる。
【0059】
信号駆動方法800の関連原理については
図1~
図7に示す実施例で解釈したため、本開示はここで詳細な説明を省略する。
【0060】
図9は本開示の例示的実施例に係る信号線回路の模式図である。
【0061】
図9を参照し、信号線回路900は、
入力端子が第1入力信号IN11を受信するためのものであり、イネーブル端子が第1ノードN1に接続され、出力端子が信号線90に接続される第1ドライバ91と、
入力端子が第2入力信号IN12を受信するためのものであり、イネーブル端子が第2ノードN2に接続され、出力端子が信号線90に接続される第2ドライバ92と、
入力端子が第1ノードN1に接続され、出力端子が第2ノードN2に接続されるインバータINVであって、第1ノードはドライバイネーブル信号DRVを受信するためのものであり、ドライバイネーブル信号DRVは第1レベルと第2レベルを含み、第1レベルは、第1ドライバ11に駆動状態を維持させ、第2ドライバ12に高抵抗状態を維持させるように制御するためのものであり、第2レベルは、第2ドライバ12に駆動状態を維持させ、第1ドライバ11に高抵抗状態を維持させるように制御するためのものであるインバータINVと、を備える。
【0062】
図9に示される信号線回路900は、ドライバイネーブル信号DRVがハイレベル状態又はローレベル状態で、いずれも第1ドライバ91と第2ドライバ92のうち、唯一の一方に駆動状態を維持させることを確保できる。そのため、信号線90に仕切るための通路と状態維持器を設けなくても、信号線90が平行に隣接する信号線でのレベル反転による影響を受けることを回避できる。そのため、信号線回路900は小さい配線面積を有するようになる。
【0063】
以上の詳細な説明においては動作実行のためのデバイスの若干のモジュール又はユニットが言及されたが、強制的にこのように区分しなければならないというわけではないことに注意すべきである。実際には、本開示の実施形態によれば、上述した2つ又はより多いモジュール又はユニットの特徴と機能は、1つのモジュール又はユニットで具現化できる。逆に、上述した1つのモジュール又はユニットの特徴と機能は、更に複数のモジュール又はユニットに分けて具現化できる。
【0064】
本開示の他の実施形態は、本明細書の考察とここで開示された発明の実施により、当業者には自明であろう。本願は本開示のあらゆる変形、用途又は適応的な変化を包含することを意図し、これらの変形、用途又は適応的な変化は、本開示の一般原理に従い本開示に掲示されていない当技術分野での公知常識又は慣用されている技術手段を含む。明細書及び実施例は単に例示的なものとみなされ、本開示の真の範囲及び構想は請求項によって示される。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本開示の実施例は、信号線をいずれも駆動状態を維持させるように設定することによって、複数本の信号線が並んで設置された時に、信号線間のクロストークによって伝送データに誤りが発生することを回避でき、且つ仕切るための配線と状態保持器を設けることが不要であり、信号線のレイアウト占用面積を極めて大幅に省くことができる。
【手続補正書】
【提出日】2022-07-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号線構造であって、
複数本の平行な信号線を備え、各前記信号線は任意時刻においても駆動状態を維持する、信号線構造。
【請求項2】
各前記信号線は、両端がそれぞれ第1ドライバと第2ドライバに接続され、同一時刻において同一の前記信号線の前記第1ドライバと前記第2ドライバのうち、唯一の一方が駆動状態を維持する
請求項1に記載の信号線構造。
【請求項3】
前記第1ドライバは、第1イネーブル信号が第1レベルである時に駆動状態を維持し、前記第1イネーブル信号が第2レベルである時に高抵抗状態を維持し、前記第2ドライバは、第2イネーブル信号が前記第1レベルである時に駆動状態を維持し、前記第2イネーブル信号が前記第2レベルである時に高抵抗状態を維持する
請求項2に記載の信号線構造。
【請求項4】
前記第1レベルは、ハイレベルであり、前記第2レベルは、ローレベルである
請求項3に記載の信号線構造。
【請求項5】
前記第2イネーブル信号は、前記第1イネーブル信号をインバータによって反転して得られる
請求項3に記載の信号線構造。
【請求項6】
前記第1ドライバ又は前記第2ドライバは、少なくとも1つのゲートインバータを備え、前記ゲートインバータは、入力端子に入力信号が電気的に接続され、イネーブル端子に前記第1イネーブル信号又は前記第2イネーブル信号が接続され、出力端子に前記信号線が電気的に接続される
請求項
3に記載の信号線構造。
【請求項7】
前記複数本の平行な信号線は、入り交じって設置された奇データ線と偶データ線を備え、前記奇データ線は、奇クロックによりサンプリングして得られた奇信号を伝送するためのものであり、前記偶データ線は、偶クロックによりサンプリングして得られた偶信号を伝送するためのものであり、前記奇クロックと前記偶クロックは、位相差が180度であり、前記奇データ線に対応する前記第1イネーブル信号と前記偶データ線に対応する前記第1イネーブル信号は、位相が異なり、前記奇データ線に対応する前記第2イネーブル信号と前記偶データ線に対応する前記第2イネーブル信号は、位相が異なる
請求項3に記載の信号線構造。
【請求項8】
前記奇データ線に対応する前記第1イネーブル信号と前記偶データ線に対応する前記第1イネーブル信号は、位相差が180度であり、前記奇データ線に対応する前記第2イネーブル信号と前記偶データ線に対応する前記第2イネーブル信号は、位相差が180度である
請求項7に記載の信号線構造。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の信号線構造に適用される信号線駆動方法であって、
平行に設置された複数本の信号線に任意時刻においても駆動状態を維持させるように制御するステップを含む、信号線駆動方法。
【請求項10】
各前記信号線の両端にそれぞれ第1ドライバと第2ドライバが設置されており、平行に設置された前記信号線に任意時刻においても駆動状態を維持させるように制御するステップは、
同一時刻において同一の前記信号線の前記第1ドライバと前記第2ドライバのうち、唯一の一方に駆動状態を維持させるように制御するステップを含む
請求項9に記載の信号線駆動方法。
【請求項11】
前記第1ドライバ又は前記第2ドライバは、少なくとも1つのゲートインバータを備え、前記ゲートインバータは、入力端子に入力信号が電気的に接続され、イネーブル端子に第1イネーブル信号又は第2イネーブル信号が接続され、出力端子に前記信号線が電気的に接続され、前記同一時刻において同一の前記信号線の前記第1ドライバと前記第2ドライバのうち、唯一の一方に駆動状態を維持させるように制御するステップは、
同一時刻において前記第1ドライバのイネーブル端子に第1レベルの第1イネーブル信号を入力して前記第1ドライバに駆動状態を維持させ、前記第2ドライバのイネーブル端子に第2レベルの第2イネーブル信号を入力して前記第2ドライバに高抵抗状態を維持させ、又は、同一時刻において前記第1ドライバのイネーブル端子に第2レベルの第1イネーブル信号を入力して前記第1ドライバに高抵抗状態を維持させ、前記第2ドライバのイネーブル端子に第1レベルの第2イネーブル信号を入力して前記第2ドライバに駆動状態を維持させるステップを含む
請求項10に記載の信号線駆動方法。
【請求項12】
前記第1ドライバは、入力端子が第1入力信号を受信するためのものであり、イネーブル端子が第1ノードに接続され、出力端子が前記信号線に接続され、前記第2ドライバは、入力端子が第2入力信号を受信するためのものであり、イネーブル端子が第2ノードに接続され、出力端子が前記信号線に接続され、前記第1ノードは、ドライバイネーブル信号を受信するためのものであり、前記第2ノードと前記第1ノードとの間は、奇数のインバータによって接続され、前記同一時刻において前記第1ドライバと前記第2ドライバのうち、唯一の一方に駆動状態を維持させるように制御するステップは、
第1入力信号到達メッセージに応えて、前記ドライバイネーブル信号を第1レベルに設定して、前記第1ドライバに駆動状態を維持させ、前記第2ドライバに高抵抗状態を維持させるステップと、
第2入力信号到達メッセージに応えて、前記ドライバイネーブル信号を第2レベルに設定して、前記第2ドライバに駆動状態を維持させ、前記第1ドライバに高抵抗状態を維持させるステップと、を含む
請求項10に記載の信号線駆動方法。
【請求項13】
前記第1レベルは、ハイレベルであり、前記第2レベルは、ローレベルである
請求項
11に記載の信号線駆動方法。
【請求項14】
各前記信号線の両端にそれぞれ第1ドライバと第2ドライバが設置されており、前記複数本の信号線は、奇データ線と偶データ線を備え、平行に設置された前記信号線に任意時刻においても駆動状態を維持させるように制御するステップは、
同一の前記奇データ線の第1ドライバに第1レベルの第1イネーブル信号を入力し、且つ第2ドライバに第2レベルの第2イネーブル信号を入力して、前記奇データ線に駆動状態を維持させ、又は、同一の前記奇データ線の第1ドライバに第2レベルの第1イネーブル信号を入力し、且つ第2ドライバに第1レベルの第2イネーブル信号を入力して、前記奇データ線に駆動状態を維持させるステップと、
同一の前記偶データ線の第1ドライバに第1レベルの第1イネーブル信号を入力し、且つ第2ドライバに第2レベルの第2イネーブル信号を入力して、前記偶データ線に駆動状態を維持させ、又は、同一の前記偶データ線の第1ドライバに第2レベルの第1イネーブル信号を入力し、且つ第2ドライバに第1レベルの第2イネーブル信号を入力して、前記偶データ線に駆動状態を維持させるステップと、を含み、
前記奇データ線に対応する前記第1イネーブル信号と前記偶データ線に対応する前記第1イネーブル信号は、位相が異なり、前記奇データ線に対応する前記第2イネーブル信号と前記偶データ線に対応する前記第2イネーブル信号は、位相が異なる
請求項9に記載の信号線駆動方法。
【請求項15】
信号線回路であって
入力端子が第1入力信号を受信するためのものであり、イネーブル端子が第1ノードに接続され、出力端子が信号線に接続される第1ドライバと、
入力端子が第2入力信号を受信するためのものであり、イネーブル端子が第2ノードに接続され、出力端子が前記信号線に接続される第2ドライバと、
入力端子が前記第1ノードに接続され、出力端子が前記第2ノードに接続されるインバータであって、前記第1ノードはドライバイネーブル信号を受信するためのものであり、前記ドライバイネーブル信号は第1レベルと第2レベルを含み、前記第1レベルは前記第1ドライバに駆動状態を維持させ、前記第2ドライバに高抵抗状態を維持させるように制御するためのものであり、前記第2レベルは前記第2ドライバに駆動状態を維持させ、前記第1ドライバに高抵抗状態を維持させるように制御するためのものであるインバータとを備える、信号線回路。
【国際調査報告】