(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-20
(54)【発明の名称】軸受電食を防止するためのシャフトグラウンドリング
(51)【国際特許分類】
F16C 41/00 20060101AFI20240213BHJP
F16C 19/00 20060101ALI20240213BHJP
F16C 33/74 20060101ALI20240213BHJP
F16C 33/76 20060101ALI20240213BHJP
F16C 17/00 20060101ALI20240213BHJP
H02K 11/40 20160101ALI20240213BHJP
【FI】
F16C41/00
F16C19/00
F16C33/74 Z
F16C33/76 Z
F16C17/00
H02K11/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543119
(86)(22)【出願日】2022-01-27
(85)【翻訳文提出日】2023-07-24
(86)【国際出願番号】 KR2022001463
(87)【国際公開番号】W WO2023145998
(87)【国際公開日】2023-08-03
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523269719
【氏名又は名称】エイチジェイ トンサン カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】523269720
【氏名又は名称】ハンジン トレーディング アンド エンジニアリング カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003801
【氏名又は名称】KEY弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム ミンフン
(72)【発明者】
【氏名】ハン スンヨプ
【テーマコード(参考)】
3J011
3J216
3J217
3J701
5H611
【Fターム(参考)】
3J011AA20
3J011EA10
3J216AA01
3J216AA05
3J216AB29
3J216BA19
3J216EA02
3J217JA02
3J217JA03
3J217JB70
3J217JC07
3J701AA01
3J701AA52
3J701AA62
3J701BA80
3J701FA11
5H611BB01
5H611UA08
(57)【要約】
シャフトグラウンドリングおよびこの組立体が開示される。本発明によると、電気モータのシャフトに締結されて漏洩電流による電食を防止するためのもので、シャフトの外周面を囲むように延長形成されたリングボディ;およびリングボディの内周面に突出形成されてシャフトの外周面に接触し、複数個が前記リングボディに沿って所定のギャップを有して離隔配置された接地突起;を含むシャフトグラウンドリングが提供される。本発明は、油冷環境で適切な接地状態を維持して高容量の電気モータでも適切に機能することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気モータのシャフト(10)に締結されて漏洩電流による電食を防止するためのものであって、
前記シャフト(10)の外周面を囲むように延長形成されたリングボディ(121);および
前記リングボディ(121)の内周面に突出形成されて前記シャフト(10)の外周面に接触し、複数個が前記リングボディ(121)に沿って所定のギャップ(G1)を有して離隔配置された接地突起(122);を含む、シャフトグラウンドリング。
【請求項2】
前記ギャップ(G1)は、
前記シャフト(10)の外周面で前後方向の流路を形成する、請求項1に記載のシャフトグラウンドリング。
【請求項3】
前記接地突起(122)は、
前記シャフト(10)の外周面に接触する複数の接触点(122a~122d);および
前記複数の接触点(122a~122d)の間で前後方向または前記リングボディ(121)の円周方向に延びた一つ以上の流路(122e、122f);を含む、請求項1に記載のシャフトグラウンドリング。
【請求項4】
前記複数の接触点(122a~122d)は、
前記シャフト(10)の外周面の一側に接触する第1接触点(122a);
前記第1接触点(122a)から前後方向に離隔配置された第2接触点(122b);
前記第2接触点(122b)から円周方向に離隔配置された第3接触点(122c);および
前記第1接触点(122a)に対応するように前記第3接触点(122c)から前後方向に離隔配置された第4接触点(122d);を含む、請求項3に記載のシャフトグラウンドリング。
【請求項5】
前記流路(122e、122f)は、
前記第1、4接触点(122a、122d)と前記第2、3接触点(122b、122c)の間で円周方向に延びた第1流路(122f);および
前記第1、2接触点(122a、122b)と前記第3、4接触点(122c、122d)の間で前後方向に延びた第2流路(122e);を含む、請求項4に記載のシャフトグラウンドリング。
【請求項6】
前記接地突起(122)は、
前記リングボディ(121)から前記シャフト(10)に向かって延びた縦方向延長部(122g);および
前記縦方向延長部(122g)の端部から前方または後方に延びるものの、前記シャフト(10)に接触していない初期状態で、前記シャフト(10)の中心軸(S1)に向かって接近するように傾斜して延長形成された横方向延長部(122h);を含む、請求項1に記載のシャフトグラウンドリング。
【請求項7】
前記横方向延長部(122h)は、
前記シャフト(10)の外周面の一側に接触する第1接触点(122a);
前記第1接触点(122a)から前後方向に離隔配置された第2接触点(122b);および
前記シャフト(10)への設置により、前記横方向延長部(122h)が弾性変形されて前記第1接触点(122a)と前記第2接触点(122b)の間で円周方向に形成される第1流路(122f);を含む、請求項6に記載のシャフトグラウンドリング。
【請求項8】
前記接地突起(122)は、
前記リングボディ(121)と前記縦方向延長部(122g)の間で第1曲率(m1)を有して凹むように引っ込んで、前記縦方向延長部(122g)の弾性変形を誘導する第1ガイド溝(122i);および
前記縦方向延長部(122g)と前記横方向延長部(122h)の間で前記第1曲率(m1)より小さい第2曲率(m2)を有して凹むように引っ込んで、前記横方向延長部(122h)の弾性変形を誘導する第2ガイド溝(122j);を含む、請求項6に記載のシャフトグラウンドリング。
【請求項9】
前記リングボディ(121)および前記接地突起(122)は、
一体に形成され、一部又は全部が導電性プラスチックを材質として形成された、請求項1に記載のシャフトグラウンドリング。
【請求項10】
前記接地突起は、
複数個の第1接地突起(223);および
前記複数個の第1接地突起(223)と交互に繰り返し配置された複数個の第2接地突起(224);を含み、
前記第1接地突起(223)は、
前記リングボディから延びた第1縦方向延長部(223a);および
前記第1縦方向延長部(223a)の端部から前方に延びた第1横方向延長部(223b);を含み、
前記第2接地突起(224)は、
前記リングボディから延びた第2縦方向延長部(224a);および
前記第2縦方向延長部(224a)の端部から後方に延びた第2横方向延長部(224b);を含む、請求項1に記載のシャフトグラウンドリング。
【請求項11】
前記接地突起は、
前記シャフトの円周方向に離隔し、それぞれ前記シャフトの外周面に接触してそれらの間に前後方向の第2流路(322e)を形成する第1接触点(322a)および第4接触点(322d);および
前記リングボディとの連結部位で前面および後面が凹むように引っ込んで形成され、前記シャフトへの挿入締結時に前方または後方への弾性変形を誘導するガイド溝(322i、322i′);を含む、請求項1に記載のシャフトグラウンドリング。
【請求項12】
請求項1に記載されたシャフトグラウンドリング(120);および
前記シャフトグラウンドリング(120)を内部に収容するように締結されたハウジング(110);を含む、シャフトグラウンドリング組立体。
【請求項13】
前記ハウジング(110)は、
所定の横断面を有して円周方向に延長形成されたハウジング本体(111);および
前記ハウジング本体(111)に締結されて前記シャフトグラウンドリング(120)の離脱を制限するハウジングカバー(112);を含み、
前記ハウジング本体(111)は、
前記シャフトグラウンドリング(120)の外周面を接触支持するリング支持面(111a);および
前記リング支持面(111a)の後方に形成され、後方に行くほど前記シャフト(10)の中心軸(S1)に向かって接近するように傾斜するように延び、前記ハウジングカバー(112)の後方離脱を制限するスウェージング(111b);を含む、請求項12に記載のシャフトグラウンドリング組立体。
【請求項14】
電気モータのシャフトに締結されて漏洩電流による電食を防止するためのシャフトグラウンドリング(420);および
前記シャフトに締結されて前記シャフトグラウンドリング(420)を前記シャフトの外周部位で支持するハウジング(410);を含み、
前記シャフトグラウンドリング(420)は、
前記シャフトグラウンドリング(420)の外周面に突出形成され、複数個が所定のギャップを有して円周方向に離隔配置された接地突起(422)を含む、シャフトグラウンドリング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、漏洩電流による軸受の電食を防止するシャフトグラウンドリング(SHAFT GROUND RING)に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の電動化により既存の内燃機関は電気モータに代替されている。電気モータが主(main)駆動源となることによって軸受電食(electrical erosion)による問題が浮び上がっている。軸受電食は、電気モータの漏洩電流がシャフトに沿って流れてスパークを発生させて軸受表面を損傷させる現象をいう。軸受電食は、軸受自体の損傷や寿命の低下を発生させ得、ひいては軸受の破損による電気モータ、減速機などの損傷につながり得る。特に電気モータが主駆動源となることによって、性能向上のために使用電圧は持続的に高くなりつつあり、これは軸受電食をより促進する要因となっている。
【0003】
軸受電食を防止するための手段の一つとして、シャフトグラウンドリング(shaft ground ring)が知られている。シャフトグラウンドリングは、シャフトに沿って流れる電流をハウジングを通じて外部に流して軸受電食を低減させる手段である。
【0004】
乾式環境で使われるシャフトグラウンドリングは、カーボンを主成分とするパッドタイプやブラシ(brush)タイプが知られている。一例として、韓国登録特許第10-2314718号公報は、ブラシタイプの「軸受電食防止装置」を開示している。
【0005】
ただし、乾式環境を対象とする従来のシャフトグラウンドリングは、次第に高出力化される車両用電気モータで適切に機能し難い側面がある。具体的には、乾式環境で使われるパッドタイプは、電気モータのアンバランシング(unbalancing)に対応するためにシャフトに密接に接触しなければならないが、これによって接触部位で相対的に大きな摩擦が発生し得、摩擦による摩耗の問題もある。これにより、主駆動源として使われる大容量の電気モータでは適していない側面がある。また、パッドタイプは、単一の地点で接触するため、接触不良に対する対応が難しいという短所もある。
【0006】
カーボン繊維を使うブラシタイプは、前記のようなパッドタイプが有する摩擦や接触不良の問題を解決するために開発された。ただし、ブラシタイプは、乾式環境では適切に機能することができるが、油冷(oil cooling)方式を使う大容量の電気モータでは、オイルによってブラシ繊維がコーティングされて絶縁性能が低下する問題がある。
【0007】
一方、最近では、車両の駆動源として使われる電気モータは、高い使用電圧に起因してオイルを冷却媒体として使う油冷方式を採用している。これにより、従来の乾式環境を対象とするシャフトグラウンドリングは多様な方式で補完されている。一例として、韓国公開特許第10-2019-0050559号公報は、冷却オイルを使う「駆動モータの接地リング装着構造」を開示している。前記の公開特許は、シャフトの両終端に流れていくオイルが接地リング(シャフトグラウンドリング)に流入して接地リングの接地性能を低下させる問題に着眼して、ブロッキングユニットを通じて接地リングへのオイルの流入を阻止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国登録特許第10-2314718号公報
【特許文献2】韓国公開特許第10-2019-0050559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の実施例は、漏洩電流による軸受の電食を防止できるシャフトグラウンドリングおよびこの組立体を提供しようとする。
【0010】
また、本発明の実施例は、油冷環境で適切な接地状態を維持して高容量の電気モータでも適切に機能できるシャフトグラウンドリングおよびこの組立体を提供しようとする。
【0011】
ただし、本発明の実施例が達成しようとする技術的課題は必ずしも前記で言及した技術的課題に制限されない。言及されていない他の技術的課題は、詳細な説明などの明細書の他の記載から本発明の実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解され得るであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1側面によると、電気モータのシャフトに締結されて漏洩電流による電食を防止するためのものであって、前記シャフトの外周面を囲むように延長形成されたリングボディ;および前記リングボディの内周面に突出形成されて前記シャフトの外周面に接触し、複数個が前記リングボディに沿って所定のギャップを有して離隔配置された接地突起;を含むシャフトグラウンドリングが提供され得る。
【0013】
本発明の第2側面によると、前記シャフトグラウンドリング;および前記シャフトグラウンドリングを内部に収容するように締結されたハウジング;を含むシャフトグラウンドリング組立体が提供され得る。
【0014】
本発明の第3側面によると、電気モータのシャフトに締結されて漏洩電流による電食を防止するためのシャフトグラウンドリング;および前記シャフトに締結されて前記シャフトグラウンドリングを前記シャフトの外周部位で支持するハウジング;を含み、前記シャフトグラウンドリングは、前記シャフトグラウンドリングの外周面に突出形成され、複数個が所定のギャップを有して円周方向に離隔配置された接地突起を含むシャフトグラウンドリングが提供され得る。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施例に係るシャフトグラウンドリングおよびこの組立体は、接地突起がシャフトに接触してシャフトに沿って流れる漏洩電流を外部に排出させることができる。これによって、軸受の電食が防止され得る。
【0016】
また、本発明の実施例に係るシャフトグラウンドリングおよびこの組立体は、複数の接触点が接触を維持した状態で前後方向または左右方向の流路が形成され得る。円周方向への第1流路は、ギャップを通じてシャフトの外周面に連結されており、前後方向への第2流路は、直接シャフトの外周面に連結されている。したがって、冷却のためのオイルなどが迅速に外部に排出されて、オイルによる絶縁性能の低下が効果的に防止され得る。
【0017】
また、本発明の実施例に係るシャフトグラウンドリングおよびこの組立体は、複数の接触点がシャフトに接触する方式を使って、組立時の整列不良やシャフトの不均衡などに、より適切に対応することができる。
【0018】
また、本発明の実施例に係るシャフトグラウンドリングおよびこの組立体は、前記のような特性により、オイルを冷却媒体として使う油冷環境においても適切な接地状態を維持し、高容量の電気モータにおいても適合するように適用され得る。
【0019】
ただし、本発明の実施例を通じて得られる技術的効果は必ずしも前記で言及した効果に制限されない。言及されていない他の技術的効果は、詳細な説明などの明細書の他の記載から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解され得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第1実施例に係るシャフトグラウンドリング組立体の前方斜視図である。
【
図2】
図1に図示されたシャフトグラウンドリング組立体の後方斜視図である。
【
図3】
図1に図示されたシャフトグラウンドリング組立体の断面図である。
【
図4】
図3に図示されたハウジングの第1~3変形例である。
【
図5】
図1に図示されたシャフトグラウンドリングの背面図である。
【
図7】
図5に図示された接地突起を他の方向から見た拡大図である。
【
図8】
図6に図示された接地突起の第1断面図である。
【
図9】
図6に図示された接地突起の第2断面図である。
【
図10】
図9に図示された接地突起の設置状態図である。
【
図11】本発明の第2実施例に係るシャフトグラウンドリングの前方斜視図である。
【
図12】
図11に図示されたシャフトグラウンドリングの拡大図である。
【
図13】本発明の第3実施例に係るシャフトグラウンドリングの部分断面斜視図である。
【
図14】本発明の第4実施例に係るシャフトグラウンドリング組立体の正面図である。
【
図15】
図14に図示されたシャフトグラウンドリングの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施例を添付された図面を参照して説明する。以下の実施例は該当技術分野で通常の知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供され得る。ただし、以下の実施例は本発明の理解を助けるために提供されるものであり、本発明の技術的思想は必ずしも以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明の技術的要旨を不明にするか、または公知である構成に対しては詳細な説明を省略することにする。
【0022】
図1は、本発明の一実施例に係るシャフトグラウンドリング組立体の前方斜視図である。
図2は、
図1に図示されたシャフトグラウンドリング組立体の後方斜視図である。
【0023】
図1および
図2を参照すると、本実施例のシャフトグラウンドリング組立体100(以下、「組立体100」という)は、漏洩電流による軸受の電食を防止するために使われ得る。本実施例の組立体100は、オイルを冷却媒体として使う油冷方式においてより適切に機能することができる。ただし、本実施例の組立体100は、必ずしも油冷方式に制限的に使用可能なものではない。
【0024】
本実施例の組立体100は、ハウジング110およびシャフトグラウンドリング120を含むことができる。
【0025】
ハウジング110およびシャフトグラウンドリング120は、シャフト10の外周面を囲むように円周方向に延長形成され得る。例示されたところによると、ハウジング110およびシャフトグラウンドリング120は、概ね円環の形をなしている。
【0026】
シャフト10は長さ方向に延長形成され得る。本説明では、シャフト10の長さ方向を前後方向と指称することにする。本実施例の組立体100は、車両用電気モータに使われ得、この場合、シャフト10は、電気モータの回転軸で構成され得る。ただし、必ずしもこれに限定されはしない。一例として、本実施例の組立体100は、電気モータと類似する構造を有する車両用発電機に使われ得、この場合、シャフト10は発電機の回転軸で構成され得る。
【0027】
シャフトグラウンドリング120は、ハウジング110の内周部位に締結され得る。シャフトグラウンドリング120は、所定の結合構造を通じてハウジング110に支持され得る。
【0028】
シャフトグラウンドリング120は、シャフト10の中心軸S1に向かって配置された内側端部を具備することができる。シャフトグラウンドリング120の内側端部は、シャフト10の外面に接触支持され得る。これにより、シャフト10に沿って流れていた漏洩電流は、シャフトグラウンドリング120を通じてハウジングなどの外部に排出され得る。
【0029】
シャフトグラウンドリング120は、複数個の接地突起122を具備することができる。
【0030】
接地突起122は、シャフトグラウンドリング120の内周部位から中心軸S1に向かって所定の程度延長形成され得る。接地突起122は、シャフト10の外面に直接的に接触するよう意図される部分である。
【0031】
接地突起122は複数個が備えられ得る。複数個の接地突起122は、シャフトグラウンドリング120の内周部位に沿って円周方向に配置され得る。円周方向に隣接するように配置された接地突起122の間には、所定のギャップG1が形成され得る。
【0032】
シャフトグラウンドリング120は、複数個の接地突起122が備えられた一体の部品で形成され得る。すなわち、複数個の接地突起122は、シャフトグラウンドリング120に一体に形成され得る。
【0033】
シャフトグラウンドリング120は、一部又は全部がプラスチック材質で形成され得る。好ましくは、シャフトグラウンドリング120は、全部がプラスチック材質で形成され得る。またはシャフトグラウンドリング120は、一部又は全部が導電性プラスチック材質で形成され得る。好ましくは、シャフトグラウンドリング120は、全部が導電性プラスチック材質で形成され得る。一例として、シャフトグラウンドリング120は、一部又は全部に、金属またはカーボンブラック(carbon black)、炭素繊維(carbon fiber)、カーボンナノチューブ(carbon nano tube)等の炭素系フィラーを含む導電性プラスチック材質で形成され得る。
【0034】
図3は、
図1に図示されたシャフトグラウンドリング組立体の断面図である。
図3は、
図1に表示されたC1-C1線に沿う断面を図示する。
【0035】
図3を参照すると、本実施例のハウジング110は、ハウジング本体111を含むことができる。
【0036】
ハウジング本体111は、所定の横断面を有し、シャフト10の外周面に対応するように円周方向に延長形成され得る。
【0037】
ハウジング本体111は、シャフト10に向かった内側面にリング支持面111aを具備することができる。リング支持面111aには、シャフトグラウンドリング120および後述するハウジングカバー112が接触支持され得る。リング支持面111aは、シャフトグラウンドリング120およびハウジングカバー112の厚さに対応するように、前後方向に所定幅延長され得る。
【0038】
リング支持面111aの後方には、スウェージング111b(swaging)が形成され得る。スウェージング111bは、後方に行くほどシャフト10の中心軸S1に向かって接近するように傾斜して形成され得る。スウェージング111bは、ハウジングカバー112の後方離脱を支持することができる。これにより、シャフトグラウンドリング120は、ハウジング本体111とハウジングカバー112の間で適切に支持され得る。
【0039】
スウェージング111bを含んだハウジング110の一部又は全部は、弾性材質で形成され得る。これにより、ハウジングカバー112は、ハウジング110またはスウェージング111bの適切な弾性変形を通じてリング支持面111aに組立または分離され得る。
【0040】
一方、本実施例のハウジング110は、ハウジングカバー112を含むことができる。
【0041】
ハウジングカバー112は、ハウジング本体111に対応するように円周方向に延長形成され得る。ハウジングカバー112は、概ね円環の形を有することができる。
【0042】
ハウジングカバー112は、半径方向の外側の外周面がリング支持面111aに締結され得る。ハウジングカバー112は、シャフトグラウンドリング120の後面とスウェージング111bの間で適切に固定され得る。
【0043】
図4は、
図3に図示されたハウジングの第1~3変形例である。
【0044】
図4の(a)は、第1変形例に係るハウジング110-1を図示する。
【0045】
図4の(a)を参照すると、本変形例のハウジング110-1は、ハウジング本体111-1を含むことができる。
【0046】
ハウジング本体111-1は、前述した実施例のハウジング本体111に対応する。本変形例のハウジング本体111-1は、前述した実施例のハウジング本体111と概ね類似するように形成され得る。すなわち、ハウジング本体111-1は、シャフトグラウンドリング120が接触支持されるリング支持面111a-1を具備することができる。
【0047】
ただし、本変形例のハウジング本体111-1は、前述した実施例のスウェージング111bが省略され得る。本変形例で、スウェージング111bは、締結部材111c-1によって代替され得る。
【0048】
具体的には、ハウジング本体111-1、シャフトグラウンドリング120、およびハウジングカバー112-1には、それぞれ前後方向の締結ホールが貫通形成され得る。締結部材111c-1は、ハウジングカバー112-1側から挿入されてシャフトグラウンドリング120を通ってハウジング本体111-1の締結ホールに挿入締結され得る。シャフトグラウンドリング120は、ハウジングカバー112-1とハウジング本体111-1の間で締結部材111c-1により固定設置され得る。
【0049】
締結部材111c-1は、公知の多様な形態の締結手段を含むことができる。一例として、締結部材111c-1は、締結ホールに螺合されるボルトで構成され得る。
【0050】
一方、本変形例のハウジング110-1は、ハウジングカバー112-1を含むことができる。
【0051】
ハウジングカバー112-1は、締結部材111c-1の締結のための締結ホールを除けば、前述した実施例のハウジングカバー112と概ね同一または類似するように形成され得る。
【0052】
図4の(b)は、第2変形例に係るハウジング110-2を図示する。
【0053】
図4の(b)を参照すると、本変形例のハウジング110-2は、ハウジング本体111-2およびハウジングカバー112-2を含むことができ、ハウジング本体111-2およびハウジングカバー112-2は、シャフトグラウンドリング120を挟んで締結部材112c-2によって締め付けられることができる。本変形例は、前述した第1変形例と比較して、締結部材111c-2の形態に一部の差がある。
【0054】
図4の(c)は、第3変形例に係るハウジング110-3を図示する。
【0055】
図4の(c)を参照すると、本変形例のハウジング100-3は、ハウジング本体111-3を含むことができる。ハウジング本体111-3には、締結部材111c-3の締結のための締結ホールが形成され得る。本変形例のハウジング本体111-3は、前述した変形例と概ね同一または類似するように形成され得る。
【0056】
ただし、本変形例の場合、前述した変形例のハウジングカバー112-1、112-2が省略され得る。本変形例で、ハウジングカバー112-1、112-2の機能は、締結部材111c-3により代替され得る。
【0057】
一方、本変形例のハウジング110-3は、締結部材111c-3を具備することができる。締結部材111c-3は、シャフトグラウンドリング120およびハウジング本体111-3に締結されてシャフトグラウンドリング120をハウジング本体111-3に固定させることができる。
【0058】
本変形例において、締結部材111c-3は、前述した変形例のハウジングカバー112-1、112-2の機能をともに有することができる。具体的には、締結部材111c-3は、一端がハウジング本体111-3に接触支持され、反対側の端部がシャフトグラウンドリング120に接触支持され、ハウジング本体111-3とシャフトグラウンドリング120を圧迫固定する形態で形成され得る。一例として、本変形例の締結部材111c-3は、両端にヘッド(head)を有するリベットで構成され得る。
【0059】
図5は、
図1に図示されたシャフトグラウンドリングの背面図である。
【0060】
図5を参照すると、シャフトグラウンドリング120は、概ね円環の形で形成され得る。シャフトグラウンドリング120は、前述したハウジング本体111とハウジングカバー112の間に配置されてハウジング110に固定され得る。
【0061】
本実施例のシャフトグラウンドリング120は、リングボディ121を含むことができる。
【0062】
リングボディ121は、所定の横断面形状を有し、円環の形に延長形成され得る。本実施例で、リングボディ121は、略長方形形態の横断面を有するものと仮定している(
図3参照)。
【0063】
一方、本実施例のシャフトグラウンドリング120は、複数個の接地突起122を含むことができる。
【0064】
接地突起122は、リングボディ121の内周部位からシャフト10に向かって突出形成され得る。接地突起122の端部は、シャフト10の外面に接触配置され得る。
【0065】
接地突起122は、複数個が備えられ得、複数個の接地突起122は、リングボディ121の内周部位から円周方向に所定間隔離隔配置され得る。すなわち、複数個の接地突起122が、前後方向の中心軸S1を基準として円周方向に離隔配置され得る。これにより、シャフト10は、円周方向の全域で適切に接地突起122に接触し得る。
【0066】
円周方向に隣接した接地突起122の間には、ギャップG1が形成され得る。ギャップG1は、円周方向に隣接した接地突起122間の空いた空間と定義され得る。ギャップG1は、円周方向に隣接した接地突起122の間で前後方向の流路を提供することができる。これにより、シャフト10の外面に存在するオイルなどは、ギャップG1を通じて前後に流動され得る。
【0067】
本実施例の場合、接地突起122は総計16個が例示されており、ギャップG1は、概ね接地突起122の円周方向幅より所定の程度小さく形成されたものとして例示されている。ただし、接地突起122の個数やギャップG1の幅などは、必ずしも例示されたものに限定されるものではない。
【0068】
一方、シャフトグラウンドリング120は、シャフト10の外周部位に締結され得る。具体的には、シャフトグラウンドリング120は、複数個の接地突起122がシャフト10の外周面に接触する形態でシャフト10と締結され得る。
【0069】
初期状態で、複数個の接地突起122がなす第1半径R1は、シャフト10の外周面になす第2半径R2より若干小さく形成され得る。ここで、前記初期状態は、シャフトグラウンドリング120がシャフト10に設置される前であって、別途の外力が加えられていない状態を意味する。また、第1半径R1は、中心軸S1に向かった各接地突起122の端部をつなぐ仮想の円がなす半径を意味する。
【0070】
前記のような場合、複数個の接地突起122は、第1半径R1を有する初期状態で、所定の程度弾性変形されながら第2半径R2を有するシャフト10に締結され得る。
【0071】
【0072】
図6を参照すると、接地突起122は、リングボディ121から中心軸S1に向かって突出するように延長形成され得る。
【0073】
ここで、中心軸S1に向かう接地突起122の端部には、第1~4接触点122a~122dが形成され得る。
【0074】
具体的には、接地突起122は、円周方向の一側(図面上における右側)に配置された第1、2接触点122a、122bと、その反対側(図面上における左側)に配置された第3、4接触点122c、122dを具備することができる。
図5では明確に図示していないが、第1、2接触点122a、122bは、中心軸S1の方向に沿って前後に離隔配置され得る。また、第3、4接触点122c、122dは、中心軸S1の方向に沿って前後に離隔配置され得る(
図7参照)。
【0075】
第1~4接触点122a~122dは、それぞれ接地突起122の端部から中心軸S1に向かって所定の程度突出形成され得る。理想的な設置状態において、第1~4接触点122a~122dは、シャフト10の外周面に接触するように意図される。すなわち、本実施例の接地突起122は、理想的な設置状態において第1~4接触点122a~122dの4ヶ所でシャフト10と接触するように意図される。
【0076】
一方、接地突起122は、第2流路122eを含むことができる。
【0077】
第2流路122eは、第1、2接触点122a、122bと、第3、4接触点122c、122dの間に形成され得る。すなわち、第1~4接触点122a~122dが各位置で所定の形状で突出することにより、第1、2接触点122a、122bと第3、4接触点122c、122dの間には凹んでいる形態の第2流路122eが形成され得る。第2流路122eは、中心軸S1により前後方向に延長形成され得る。
【0078】
図7は、
図5に図示された接地突起を他の方向から見た拡大図である。
図7は、
図5に表示されたC2方向から接地突起を見た姿を図示する。
【0079】
図7を参照すると、第1、2接触点122a、122bと第3、4接触点122c、122dは、円周方向に沿って所定間隔離隔配置され得る。また、第1、4接触点122a、122dは、第2、3接触点122b、122cと中心軸S1方向に沿って前後に所定間隔離隔配置され得る。すなわち、円周方向の一側(図面上における右側)で第1接触点122aと第2接触点122bが前後に所定間隔離隔配置され得、反対側(図面上における左側)で第3接触点122cと第4接触点122dが前後に所定間隔離隔配置され得る。
【0080】
因みに、本説明では、便宜上、第1接触点122aを基準として時計方向に沿って順次各接触点122b~122dを第2~4接触点122b~122dと命名している。
【0081】
前述した第2流路122eは、第1接触点122aと第4接触点122dの間、第2接触点122bと第3接触点122cの間で前後に延長形成され得る。
【0082】
また、接地突起122は、第1流路122fを含むことができる。
【0083】
第1流路122fは、第1、4接触点122a、122dと第2、3接触点122b、122cの間に形成され得る。すなわち、第1~4接触点122a~122dが各位置で所定の形状で突出することにより、第1、4接触点122a、122dと第2、3接触点122b、122cの間には凹んでいる形態の第1流路122fが形成され得る。第1流路122fは、接地突起122の端部で円周方向に沿って延長形成され得る。
【0084】
第1流路122fは、前述した第2流路122eと交差して「十」字状の流路を形成することができる。これにより、接地突起122の端部には、第1~4接触点122a~122dによって円周方向への第1流路122fと、前後方向への第2流路122eが形成され得る。このような第1、2流路122f、122eは、冷却オイルがシャフト10の前後または左右に流動できる流動経路を提供することができる。
【0085】
一方、第1~4接触点122a~122dは、シャフト10との接触部位がゆるやかな曲面の形状で形成され得る。また、第1~4接触点122a~122dは、一種の点(point)接触、またはこれに相応する狭い面積での面(surface)接触形態でシャフト10に接触し得る。これは、シャフト10との摩擦を減らし、冷却オイルの円滑な流動を誘導するためである。
【0086】
図8は、
図6に図示された接地突起の第1断面図である。
図9は、
図6に図示された接地突起の第2断面図である。
図8は、
図6に表示されたC3-C3線に沿う断面を図示する。
図9は、
図6に表示されたC4-C4線に沿う断面を図示する。
【0087】
図8および
図9を参照すると、接地突起122は、リングボディ121から延びた縦方向延長部122gと、縦方向延長部122gの端部からさらに横方向に延びた横方向延長部122hを具備することができる。
【0088】
縦方向延長部122gは、リングボディ121から中心軸S1に向かって半径方向の内側に所定の程度延長形成され得る。シャフト10の回転や表面の形状に、より適切に対応できるように、縦方向延長部122gの上端の第1幅W1対する下端の第2幅W2の比が、所定の程度小さく形成され得る。また、縦方向延長部122gは、第1幅W1から第2幅W2に行くにつれて概ね幅が減る形状を有することができる。
【0089】
縦方向延長部122gには、一つ以上のガイド溝122i、122jが形成され得る。ガイド溝122i、122jは、シャフト10に対応した接地突起122の適切な弾性変形を誘導することができる。
【0090】
好ましくは、縦方向延長部122gには、第1ガイド溝122iと第2ガイド溝122jが形成され得る。第1、2ガイド溝122i、122jは、縦方向延長部122gの長さ方向に沿って所定間隔離隔配置され得る。
【0091】
より好ましくは、第1ガイド溝122iは、リングボディ121に隣接した縦方向延長部122gの一側(図面上における上側)に配置されてリングボディ121に対する縦方向延長部122gの弾性変形を誘導することができる。また、第2ガイド溝122jは、横方向延長部122hに隣接した縦方向延長部122gの他側(図面上における下側)に配置されて縦方向延長部122gに対する横方向延長部122hの弾性変形を誘導することができる。
【0092】
第1ガイド溝122iは、リングボディ121に隣接した縦方向延長部122gの一側で所定の程度凹むように引っ込んで形成され得る。また、第2ガイド溝122jは、横方向延長部122hに隣接した縦方向延長部122gの他側で所定の程度凹むように引っ込んで形成され得る。
【0093】
必要に応じて、前記で第1ガイド溝122iは、第2ガイド溝122jと比べて所定の程度大きい曲率m1を有して凹むように引っ込んで形成され得る。すなわち、第1ガイド溝122iは、第1曲率m1を有して凹むように引っ込んで形成され得、第2ガイド溝122jは、第1曲率m1より所定の程度小さい第2曲率m2を有して凹むように引っ込んで形成され得る。このような第1、2ガイド溝122i、122jは、シャフト10への適切な密着力を確保しつつ、シャフト10の表面に対応した弾性変形を誘導することができる。
【0094】
一方、横方向延長部122hは、縦方向延長部122gの端部から後方に向かって延長形成され得る。シャフト10に接触していない初期状態で、横方向延長部122hは、中心軸S1に向かって接近するように傾斜して延長形成され得る。これは、横方向延長部122hの後端の第2、3接触点122b、122cがシャフト10に適切な弾性を有して密着され得るようにする。
【0095】
因みに、
図9は、接地突起122がシャフト10に接触する前の初期状態を図示している。初期状態で、第1、4接触点122a、122dおよび第1流路122fは、概ね対応する平面を形成して配置され得る。第1、4接触点122a、122dと第2、3接触点122b、122cの間の第1流路122fは、シャフト10への接触により横方向延長部122hが弾性変形されてより明確に形成され得る。
【0096】
図10は、
図9に図示された接地突起の設置状態図である。
図10は、接地突起の理想的な設置状態を図示している。
【0097】
図10を参照すると、
図9のような状態の接地突起122は、シャフト10の外周面に接触して
図10のような形態に所定の程度弾性変形され得る。接地突起122の弾性変形により第2、3接触点122b、122cがシャフト10の外周面に弾性接触し、これから前方に所定間隔離隔した位置で第1、4接触点122a、122dがシャフト10の外周面に弾性接触し得る。
【0098】
前記のような接触形態により、第1、4接触点122a、122dと第2、3接触点122b、122cの間には、第1流路122fが形成され得る。第1流路122fは、シャフトグラウンドリング120の円周方向に延長され得る(
図7参照)。
【0099】
以上のような本実施例の組立体100は、接地突起122がシャフト10に接触してシャフト10に沿って流れる漏洩電流を外部に排出させることができる。これによって、軸受の電食が防止され得る。
【0100】
また、本実施例の組立体100は、複数の接触点122a~122dが接触を維持した状態で、前後方向または左右方向(円周方向)の流路122f、122eが形成され得る。円周方向への第1流路122fは、ギャップG1を通じてシャフト10の外周面に連結されており、前後方向への第2流路122eは、直接シャフト10の外周面に連結されている。したがって、冷却のためのオイルなどが迅速に外部に排出されてオイルによる絶縁性能の低下が効果的に防止され得る。
【0101】
また、本実施例の組立体100は、複数の接触点122a~122dがシャフト10に接触する方式を使って組立時の整列不良やシャフト10の不均衡などに、より適切に対応することができる。
【0102】
また、本実施例の組立体100は、前記のような特性によりオイルを冷却媒体として使う油冷環境においても適切な接地状態を維持し、高容量の電気モータにおいても適合するように適用され得る。
【0103】
図11は、本発明の他の実施例に係るシャフトグラウンドリングの前方斜視図である。
図12は、
図11に図示されたシャフトグラウンドリングの拡大図である。
【0104】
図11および
図12は、前述したシャフトグラウンドリング120の他の実施例を図示する。具体的には、本実施例のシャフトグラウンドリング220は、リングボディ221と、リングボディ221に形成された複数個の接地突起222を含むことができる。これは前述した実施例と類似している。
【0105】
ここで、本実施例に係る接地突起222は、第1接地突起223と第2接地突起224を含むことができる。
【0106】
第1、2接地突起223、224は、相互に類似するように形成されるものの、その方向を異にすることができる。すなわち、第1接地突起223は前方に向かって形成され得、第2接地突起224は後方に向かって形成され得る。
【0107】
具体的には、第1接地突起223は、リングボディ221から延びた第1縦方向延長部223aと、第1縦方向延長部223aの端部から前方に延びた第1横方向延長部223bを具備することができる。第1縦方向延長部223aの前面には、前述した実施例の接地突起122と類似するように第1、2ガイド溝223c、223dが形成され得る。また、第2接地突起224は、リングボディ221から延びた第2縦方向延長部224aと、第2縦方向延長部224aの端部から後方に延びた第2横方向延長部224bを具備することができる。第2縦方向延長部224aの後面には、前述した実施例の接地突起122と類似するように第1、2ガイド溝224c、224dが形成され得る。
【0108】
一方、前記のような第1、2接地突起223、224は、それぞれ複数個が備えられ得る。また、複数個の第1、2接地突起223、224は、円周方向に沿って一つ以上の複数個が互いに交互に繰り返し配置され得る。本実施例では第1、2接地突起223、224が一つずつ交互に繰り返し配置された場合を図示している。他の例として、第1、2接地突起223、224がそれぞれ2個ずつ交互に繰り返し配置されるか、第1接地突起223が2個、第2接地突起224が3個のように、それぞれ異なる個数が交互に繰り返し配置される場合などが考慮され得る。
【0109】
前記のような実施例のシャフトグラウンドリング220は、前後の組立方向が特定されないという利点を有することができる。すなわち、前方または後方に延びた第1、2接地突起223、224が一つのリングボディ221に備えられているため、特定の組立方向に制限されずにシャフトグラウンドリング220の組立がなされ得る。
【0110】
図13は、本発明の第3実施例に係るシャフトグラウンドリングの部分断面斜視図である。
【0111】
図13を参照すると、本実施例のシャフトグラウンドリング320は、リングボディ321と、リングボディ321に形成された複数個の接地突起322を含むことができる。これは前述した実施例と類似している。
【0112】
本実施例のシャフトグラウンドリング320は、接地突起322の形状において差を有することができる。
【0113】
具体的には、本実施例で、接地突起322は、リングボディ321から中心軸S1に向かって突出形成され得る。接地突起322は、複数個が備えられ得、複数個の接地突起322は、リングボディ321の内周に沿って所定間隔G1を有して離隔配置され得る。
【0114】
ここで、本実施例の接地突起322は、前述した実施例とは異なり、前後方向の方向性を有さない。すなわち、接地突起322は、リングボディ321と概ね同一の平面をなし、中央の中心軸S1に向かって延長形成され得る。換言すると、接地突起322は、中心軸S1と概ね直交する方向に延長形成され得る。
【0115】
前記により、本実施例のシャフトグラウンドリング320は、前後の組立方向が特定されずにシャフト10に組み立てられ得る。これは、前述した第2実施例と類似している。
【0116】
また、本実施例の接地突起322は、リングボディ321から延びる基端部位にガイド溝322i、322i’が形成され得る。本実施例で、ガイド溝322i、322i’は、リングボディ321に概ね隣接した接地突起322の半径方向の外側部位に形成され得る。
【0117】
ガイド溝322i、322i’は、接地突起322の厚さ方向の内側に所定の程度凹むように引っ込んで形成され得る。また、本実施例で、ガイド溝322i、322i’は、接地突起322の前面および後面の双方にすべて形成され得る。これにより、接地突起322は、リングボディ321と連結された基端部位で他の部位と比べて相対的に薄い厚さを有することができる。
【0118】
ガイド溝322i、322i’は、接地突起322の弾性変形を誘導して接地突起322がシャフト10に適切に密着され得るようにする。
【0119】
ここで、本実施例のガイド溝322i、322i’は、前面および後面に一対が形成されてシャフトグラウンドリング320の前後の組立方向に適切に対応することができる。すなわち、図示された状態で、シャフトグラウンドリング320が前方に向かってシャフト10に挿入されると、後方のガイド溝322i’により接地突起322の弾性変形が誘導されて適切に組立がなされ得る。その反対に、シャフトグラウンドリング320が後方に向かってシャフト10に挿入されると、前方のガイド溝322iにより接地突起322の弾性変形が誘導されて適切に組立がなされ得る。
【0120】
一方、本実施例の接地突起322は、シャフト10に向かう端部に第1接触点322aおよび第4接触点322dが形成され得る。
【0121】
本実施例の接地突起322は、前述した実施例と対比するとき、第2接触点122bおよび第3接触点122cが省略されている。第1接触点322aおよび第4接触点322dは、円周方向に所定間隔離隔配置され得、それらの間には第2流路322eが設けられ得る。第2流路322eは、前後方向に流路を提供することができる。本実施例で、円周方向の第1流路122fは省略され得る。
【0122】
図14は、本発明の第4実施例に係るシャフトグラウンドリング組立体の正面図である。
図15は、
図14に図示されたシャフトグラウンドリングの断面図である。
図15は、
図14に表示されたC4-C4線に沿った断面図である。
【0123】
図14および
図15を参照すると、本実施例のシャフトグラウンドリング組立体400はハウジング410およびシャフトグラウンドリング420を含むことができる。
【0124】
ここで、本実施例は、シャフトグラウンドリング420の接地突起422がシャフトグラウンドリング420の外周部位に形成された点において、前述した各実施例と差がある。
【0125】
具体的には、本実施例のハウジング410は、ハウジング本体411およびハウジングカバー412を具備することができ、シャフトグラウンドリング420は、ハウジング本体411とハウジングカバー412の間で支持され得る。
【0126】
ここで、ハウジング410は、シャフトに設置され得る。すなわち、本実施例は、ハウジング410がシャフトに締結されて直接接地される形態を有することができる。シャフトは、ハウジング410に圧入締結され得る。また、シャフトグラウンドリング420は、ハウジング410に締結されてハウジング410およびシャフトグラウンドリング420がシャフトとともに回転され得る。
【0127】
また、シャフトグラウンドリング420は、半径方向の外側に接地突起422が形成され得る。接地突起422は、複数個が形成され得、複数個の接地突起422は所定のギャップを有してシャフトグラウンドリング420の外周に沿って離隔配置され得る。各接地突起422は、前述した各実施例と概ね類似するように形成されるが、配置方向が半径方向の外側に向かうように反対に配置され得る。本実施例は、相対的な回転主体が反対に変更されるだけであって、前述した各実施例と概ね同一または類似するように機能することができる。
【0128】
以上、本発明の実施例について説明したが、該当技術分野で通常の知識を有する者であれば特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で構成要素の付加、変更、削除または追加などによって本発明を多様に修正または変更させることができるであろうし、これもまた本発明の権利範囲に含まれると言える。
【国際調査報告】