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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-20
(54)【発明の名称】プリント回路基板への光電子接続
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/46 20060101AFI20240213BHJP
   G02B 6/36 20060101ALI20240213BHJP
   G02B 6/40 20060101ALI20240213BHJP
   G02B 6/42 20060101ALI20240213BHJP
   G02B 6/26 20060101ALI20240213BHJP
【FI】
H01R13/46 D
G02B6/36
G02B6/40
G02B6/42
G02B6/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543323
(86)(22)【出願日】2022-02-11
(85)【翻訳文提出日】2023-07-19
(86)【国際出願番号】 US2022016076
(87)【国際公開番号】W WO2022174014
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】63/148,892
(32)【優先日】2021-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/178,794
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/179,180
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/180,549
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/234,533
(32)【優先日】2021-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/669,438
(32)【優先日】2022-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516183185
【氏名又は名称】センコー アドバンスド コンポーネンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100163991
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 慎司
(72)【発明者】
【氏名】二ノ宮 卓也
(72)【発明者】
【氏名】グニャデック,ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】王 焔
(72)【発明者】
【氏名】ロイヤー,テイラー
【テーマコード(参考)】
2H036
2H137
5E087
【Fターム(参考)】
2H036JA02
2H036QA03
2H036QA12
2H036QA43
2H036QA47
2H036QA49
2H036QA57
2H137AB01
2H137AB06
2H137BA15
2H137BB02
2H137CA15A
2H137CA49
2H137CC27
2H137CD13
2H137CD20
2H137CD33
2H137CD47
2H137DA07
2H137HA04
5E087EE11
5E087MM05
5E087PP06
5E087RR04
5E087RR36
(57)【要約】
光電子モジュール及び光電子コネクタアセンブリは、モジュールの外部の位置からモジュールへのレーザ源の解放可能な接続に使用することができる。光電子コネクタアセンブリの構造は、接続及び切断の両方で、光接続が切断される前にレーザの電源が切れるように、光接続の前に電気接点が切断されるようになっている。光電子接続アセンブリは、ブラインド嵌合機能を有している。一部のバージョンでは、光電子コネクタアセンブリ同士のラッチ又は機械的な相互接続が存在しない。スプリングは、スプリングの横方向の動きによってケーブルに受け止められる構造になっている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のコネクタアセンブリであって、第1の電気接点と、フェルールホルダと、前記フェルールホルダによって支持された第1のマルチファイバフェルールと、を含んでいる、第1のコネクタアセンブリと;
第2のコネクタアセンブリであって、前記第2のコネクタアセンブリへの接続のために前記第1のコネクタアセンブリと嵌合するように構成されたハウジングと、前記ハウジング内において前記第1のマルチファイバフェルールと光学的に接続するように構成された光ファイバと、前記第1及び第2のコネクタアセンブリの接続時において前記第1の電気接点と電気的に接続するように構成された第2の電気接点と、を含んでいる、第2のコネクタアセンブリと;
を具備し、
前記第1のマルチファイバフェルール及び前記第2のコネクタアセンブリの前記光ファイバは、前記第1のコネクタアセンブリと前記第2のコネクタアセンブリとの接続時に、前記第1のマルチファイバフェルールが、前記第1及び第2の電気接点が電気接続を行う前に、前記第2のコネクタアセンブリの前記光ファイバと光接続を行うようにして、前記第1及び第2の電気接点に相対して配置されている、光電子接続システム。
【請求項2】
前記第1のマルチファイバフェルール及び前記第2のコネクタアセンブリの前記光ファイバは、前記第1のコネクタアセンブリの前記第2のコネクタアセンブリからの切断時に、前記第1のマルチファイバフェルールと第2のコネクタアセンブリの前記光ファイバとが、前記第1及び第2の電気接点が電気接続を解除した後に、互いの光接続を解除するようにして、前記第1及び第2の電気接点に相対して配置されている、請求項1に記載の光電子接続システム。
【請求項3】
前記第2のコネクタアセンブリは、前記第2のコネクタアセンブリの前記光ファイバを終端する第2のマルチファイバフェルールを更に備え、
前記第1のコネクタアセンブリは、第3のマルチファイバフェルールを含み、前記第2のコネクタアセンブリは、第4のマルチファイバフェルールを含み、
前記第3及び第4のマルチファイバフェルールは、前記第1のコネクタアセンブリと前記第2のコネクタアセンブリとの接続時に、前記第3のマルチファイバフェルールが前記第4のマルチファイバフェルールと光接続するように配置されている、
請求項2に記載の光電子接続システム。
【請求項4】
前記第1のコネクタアセンブリは、開放された前端を有するハウジングと、回路基板と、を更に備え、前記第1の電気接点は、前記ハウジングの前記前端から凹んだ位置において、前記回路基板上に配置されている、請求項3に記載の光電子接続システム。
【請求項5】
前記第1のコネクタアセンブリは、ハウジングと、前記フェルールホルダを前記ハウジングの外に降伏可能に付勢するコイルスプリングと、を更に備えている、請求項1に記載の光電子接続システム。
【請求項6】
前記コイルスプリングは、前記ハウジングに対する前記第1のマルチファイバフェルールのある範囲に亘る移動を可能にする、請求項5に記載の光電子接続システム。
【請求項7】
前記ハウジングに対する前記第1のマルチファイバフェルールの移動の前記範囲は、1mmより大きい、請求項6に記載の光コネクタ。
【請求項8】
前記ハウジングに対する前記第1のマルチファイバフェルールの移動の前記範囲は、少なくとも約2mmである、請求項7に記載の光コネクタ。
【請求項9】
前記第1のマルチファイバフェルールの移動の前記範囲は、少なくとも約4mmである、請求項8に記載の光コネクタ。
【請求項10】
前記コイルスプリングは、長手方向軸の周りに延びる複数の巻き線で形成されているスプリングワイヤを備え、前記巻き線の各々は、前記長手方向軸の周りに360°延びる手前で停止し、スプリングの全長に亘って延びる長手方向ギャップを画定している、請求項5に記載の光電子接続システム。
【請求項11】
第1及び第2のメカニカルトランスファーフェルールと;
前記第1及び第2のメカニカルトランスファーフェルールを互いに横に並べて保持するために形成されているフェルールホルダであって、前記フェルールホルダは、前記第1及び第2のメカニカルトランスファーフェルールの各々について、光ファイバを含んだケーブルを前記フェルールホルダ内に受け入れるように構成されたフェルールホルダと;
を具備した、光コネクタ。
【請求項12】
前記フェルールホルダ内にスプリングを更に備えており、前記スプリングは、前記第1及び第2のメカニカルトランスファーフェルールの少なくとも一方と係合し、前記第1及び第2のメカニカルトランスファーフェルールの少なくとも一方が前記フェルールホルダに対してある範囲に亘って移動することを可能にする、請求項11に記載の光コネクタ。
【請求項13】
前記第1及び第2のメカニカルトランスファーフェルールの移動の前記範囲は、1mmより大きい、請求項12に記載の光コネクタ。
【請求項14】
前記第1及び第2のメカニカルトランスファーフェルールの移動の前記範囲は、少なくとも約2mmである、請求項13に記載の光コネクタ。
【請求項15】
前記第1及び第2のメカニカルトランスファーフェルールの移動の前記範囲は、少なくとも約4mmである、請求項14に記載の光コネクタ。
【請求項16】
内部及び外部を含んだハウジングであって、前記ハウジングの前記外部はプラグイン接続を受け入れるように構成されている、ハウジングと;
前記ハウジング内のプリント回路基板と;
前記回路基板に搭載された光学エンジンと;
前記ハウジングの前記内部の回路基板に取り付けられたレセプタクルコネクタアセンブリであって、前記ハウジングの前記外部から前記ハウジングの前記内部の中へと、レーザ光源への光プラグイン接続を行うように、及び、前記ハウジングの前記外部から前記レーザ光源への電気プラグイン接続を行うように構成されている、レセプタクルコネクタアセンブリと;
を具備した、光電子モジュール。
【請求項17】
前記レーザ光源の電磁放射を前記レセプタクルコネクタアセンブリから前記光学エンジンに運ぶように構成されている光ファイバを更に備え、前記光ファイバは、その全体が前記ハウジング内に配置されている、請求項16に記載の光電子モジュール。
【請求項18】
前記レーザ光源を含むプラグコネクタアセンブリを更に備え、前記プラグコネクタアセンブリは、前記ハウジングの前記外側の位置から前記レセプタクルコネクタアセンブリに接続されたプラグを解放可能に構成されている、請求項16に記載の光電子モジュール。
【請求項19】
内部にポートを有するハウジングと;
前記ハウジング内のプリント回路基板と;
前記ハウジング内の光学エンジンであって、前記ハウジングとの光電子通信を駆動するためにレーザ光を使用するように構成されている、光学エンジンと;
前記ハウジング内にあり、前記プリント回路基板に接続されているレセプタクルコネクタアセンブリであって、前記レセプタクルコネクタアセンブリは、前記ポートを介して接続するために露出されている、レセプタクルコネクタアセンブリと;
前記レセプタクルコネクタアセンブリへの接続によって前記プリント回路基板及び前記光学エンジンに光学的及び電気的に接続されるように構成されたレーザ源であって、前記レーザ源及び前記レセプタクルコネクタアセンブリは、レセプタクルコネクタへの前記レーザ源の接続を容易にするように構成されたブラインドメイト機能を有している、レーザ源と;
を具備した、光電子モジュール。
【請求項20】
前記レセプタクルコネクタアセンブリ及び前記レーザ源のうちの一方は、そこから突出するガイドアームを備えており、前記レセプタクルコネクタアセンブリの他方は、前記レーザ源を前記レセプタクルコネクタアセンブリアセンブリに位置合わせするために前記ガイドアームを受け入れるための通路を備えている、請求項19に記載の光電子モジュール。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この出願は、2022年2月11日に出願された米国出願第17/669,438号、2021年2月12日に出願された米国仮出願番号第63/148,892号、2021年8月18日に出願された米国仮出願番号第63/234,533号、2021年4月27日に出願された米国仮出願番号第63/180,549号、2021年4月23日に出願された米国仮出願第63/179,180号、及び、2021年4月23日に出願された米国仮出願第63/178,794号に対する優先権を主張し、それぞれの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
光データ伝送システムは、データの送受信のために、電子システムとのインタフェースを必要とする。更に、場所によっては、光源を提供する必要がある。典型的には、これは、レーザの形をとる。レーザは、比較的小さなフォーマットで提供することができる。しかしながら、光電子モジュールへのレーザの接続は、光通信回線に必要な貴重なスペースを占有する。モジュール内にレーザを配置することが知られているが、レーザを交換する必要がある場合には、モジュール全体を交換しなければならない。状況によっては、モジュールの外部にレーザを取り付けることが知られているが、2つの接続が必要であり、モジュールの外部に接続するために貴重なスペースを占有してしまう。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一側面では、光電子接続システムは、一般に、第1のコネクタアセンブリであって、第1の電気接点と、フェルールホルダと、前記フェルールホルダによって支持された第1のマルチファイバフェルールと、を含んでいる、第1のコネクタアセンブリを備えている。第2のコネクタアセンブリは、前記第2のコネクタアセンブリへの接続のために前記第1のコネクタアセンブリと嵌合するように構成されたハウジングを含んでいる。前記ハウジング内の光ファイバは、前記第1のマルチファイバフェルールと光学的に接続するように構成されている。第2の電気接点は、前記第1及び第2のコネクタアセンブリの接続時において前記第1の電気接点と電気的に接続するように構成されている。前記第1及び第2のマルチファイバフェルールは、前記第1のコネクタアセンブリと前記第2のコネクタアセンブリとの接続時に、前記第1のマルチファイバフェルールが、前記第1及び第2の電気接点が電気接続を行う前に、前記第2のコネクタアセンブリの前記光ファイバと光接続を行うようにして、前記第1及び第2の電気接点に相対して配置されている。
【0004】
本発明の別の側面では、光コネクタは、一般に、第1及び第2のメカニカルトランスファーフェルールを備えている。フェルールホルダは、前記第1及び第2のメカニカルトランスファーフェルールを互いに横に並べて保持するために形成されている。前記フェルールホルダは、前記第1及び第2のメカニカルトランスファーフェルールの各々について、光ファイバを含んだケーブルを前記フェルールホルダ内に受け入れるように構成されている。
【0005】
本発明の更に別の側面では、光電子モジュールは、一般に、内部及び外部を含んだハウジングであって、前記ハウジングの前記外部はプラグイン接続を受け入れるように構成されている、ハウジングを備えている。ハウジング内のプリント回路基板は、その上に搭載された光学エンジンを含んでいる。レセプタクルコネクタアセンブリは、前記ハウジングの前記内部の回路基板に取り付けられている。レセプタクルコネクタアセンブは、前記ハウジングの前記外部から前記ハウジングの前記内部の中へと、レーザ光源への光プラグイン接続を行うように、及び、前記ハウジングの前記外部から前記レーザ光源への電気プラグイン接続を行うように構成されている。
【0006】
本発明の更に別の側面では、光電子モジュールは、一般に、内部にポートを有するハウジングを備えている。プリント回路基板は、前記ハウジング内にある。前記ハウジング内の光学エンジンは、前記ハウジングとの光電子通信を駆動するためにレーザ光を使用するように構成されている。前記ハウジング内にあり、前記プリント回路基板に接続されているレセプタクルコネクタアセンブリは、前記ポートを介して接続するために露出されている。レーザ源は、前記レセプタクルコネクタアセンブリへの接続によって前記プリント回路基板及び前記光学エンジンに光学的及び電気的に接続されるように構成されている。前記レーザ源及び前記レセプタクルコネクタアセンブリは、レセプタクルコネクタへの前記レーザ源の接続を容易にするように構成されたブラインドメイト機能を有している。
【0007】
本発明の他の目的及び特徴は、ある部分では明らかであり、ある部分では以下で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、プラグ可能な外部レーザ源コネクタを含む光スイッチモジュールの概略断面図である。
【0009】
図2は、プラグ可能な外部レーザ光源コネクタの分解図である。
【0010】
図3は、プラグイン可能な外部レーザ光源コネクタのプラグインコネクタの斜視図である。
【0011】
図4は、電気接続部を分解した図3の斜視図である。
【0012】
図5は、プラグ可能な外部レーザ源コネクタの接続部への支持体の相互接続を示す、図3の斜視図の拡大部分図である。
【0013】
図6は、プラグ可能な外部レーザ源コネクタの部分的な背面斜視図である。
【0014】
図7は、プラグ可能な外部レーザ源コネクタの接続部の斜視図である。
【0015】
図8は、プラグ可能な外部レーザ源コネクタの分解斜視図である。
【0016】
図9は、保持カバーを分解したプラグインコネクタの斜視図である。
【0017】
図10は、保持カバーに接続されたプラグインコネクタの斜視図である。
【0018】
図11は、アダプタハウジングの前端の斜視図である。
【0019】
図12は、アダプタハウジングの後端の斜視図である。
【0020】
図13は、アダプタの分解斜視図である。
【0021】
図14は、プラグインコネクタとアダプタとの嵌合時における、プラグインコネクタとアダプタ26との初期接触を示す斜視図である。
【0022】
図15は、嵌合のさらなる進行、特にアダプタハウジングへのドータボード(daughterboard)の受容を示す、部品が取り外された状態における側面からの斜視図である。
【0023】
図16~18は、プラグインコネクタとアダプタとの確実な接続を生成するための、プラグインコネクタのガイドアームとアダプタのラッチアームとの相互作用を概略的に示す図である。
【0024】
図19及び20は、アダプタからのプラグインコネクタの取り外しを可能にするプラグインコネクタの解放機構の動作を概略的に示す図である。
【0025】
図21は、それぞれの光ファイバケーブルを終端する2つのMTフェルールの斜視図である。
【0026】
図22は、図21の斜視図であり、一方の光ファイバケーブルに適用される一方のスプリングと、他方の光ファイバケーブルに取り付ける前に他方のケーブルに隣接する他方のスプリングと、を示している。
【0027】
図23は、1つのスプリングの拡大端面図である。
【0028】
図24は、スプリングが取り付けられた2つのMTフェルールの斜視図である。
【0029】
図25は、図24の斜視図であるが、バックポストの追加を更に示している。
【0030】
図26は、バックポストのうちの1つの前端面図である。
【0031】
図27は、フロントハウジングと組み立てる直前に、その上にスプリング及びバックポストを取り付けて組み立てられた2つのMTフェルールの斜視図である。
【0032】
図28は、組み立てられたコネクタの斜視図である。
【0033】
図29は、プリント回路基板に接続されるように概略的に示されている光電子接続システムの斜視図である。
【0034】
図30は、図29の光電子接続システムの分解斜視図である。
【0035】
図31は、図29の光電子接続システムの第1のコネクタアセンブリの第1のキャリアの斜視図であるが、第1のフェルールキャリア及び第2のフェルールキャリアの詳細を示すためにクリップ及び光学部品が取り外されている。
【0036】
図32は、内部構造を示すために部品が除去され、接続のために配置された第1及び第2のコネクタアセンブリを備えた状態における、図29の光電子接続システムの斜視図である。
【0037】
図33は、デュアルフェルール光電子接続システムの部分斜視図である。
【0038】
図34は、内部構造を示すために側壁近くを除去した図33の光電子接続システムのプラグインコネクタアセンブリの拡大された断片的な斜視図である。
【0039】
図35は、プラグインコネクタアセンブリのフェルールホルダ及びフェルールの更に拡大した斜視図である。
【0040】
図36は、レセプタクルコネクタアセンブリのフェルールホルダ及びフェルールの拡大斜視図である。
【0041】
図37は、図34の光電子接続システムのプラグコネクタアセンブリ及びレセプタクルコネクタアセンブリを、部品を取り外して示す拡大部分斜視図である。
【0042】
図38は、図37に示すものと同じ接続位置にあるプラグコネクタアセンブリ及びレセプタクルコネクタアセンブリの上面図である。
【0043】
図39は、図37と同様の斜視図であるが、フェルールが嵌合する直前のプラグコネクタアセンブリ及びレセプタクルコネクタアセンブリを示している。
【0044】
図40は、図39と同様の斜視図であるが、フェルールが嵌合したプラグコネクタアセンブリ及びレセプタクルコネクタアセンブリを示している。
【0045】
図41は、図40と同様の斜視図であるが、図40に示す位置から更に移動してわずかに後退したレセプタクルコネクタアセンブリのフェルールの1つを示している。
【0046】
図42は、図41と同様の更に拡大した斜視図であるが、プラグコネクタアセンブリとレセプタクルコネクタアセンブリとの電気接続を示している。
【0047】
図43~45は、プラグコネクタアセンブリとレセプタクルコネクタとの切断(disconnection)を概略的に示す図である。
【0048】
図46は、別の実施形態のレセプタクルコネクタアセンブリの部分斜視図である。
【0049】
図47は、別の実施形態の光電子接続システムの部分斜視図である。
【0050】
図48は、内部構造を示すために一部が切り取られた、図47の光電子接続システムのプラグコネクタアセンブリの部分斜視図である。
【0051】
図49は、図47のプラグコネクタのフェルールホルダ及びフェルールの斜視図である。
【0052】
図50は、図47の光電子接続システムのレセプタクルコネクタアセンブリのフェルールホルダ及びフェルールの斜視図である。
【0053】
図51は、プラグコネクタアセンブリとレセプタクルコネクタアセンブリとが接続中に相互係合するときの、プラグコネクタアセンブリの一部を切り取った拡大部分斜視図である。
【0054】
図52は、更に別の実施形態の光電子接続システムの部分斜視図である。
【0055】
図53は、図52の光電子接続システムのプラグコネクタアセンブリのフェルールホルダ及びフェルールの拡大斜視図である。
【0056】
図54は、図52の光電子接続システムのレセプタクルコネクタアセンブリのフェルールホルダ及びフェルールの拡大斜視図である。
【0057】
幾つかの図面において、対応する参照符号は、対応する部品を示している。
【発明を実施するための形態】
【0058】
ここで図面を参照すると、一般的に10で示されている光スイッチモジュールは、プリント基板14を含むハウジング12と、回路基板上に搭載された(mounted)光学エンジン16と、を備えていることが示されている。光学エンジン16は、図1に示す外部レーザ源(ELS)18などの外部レーザ源によって電力を供給することができる。外部レーザ源は、光伝導体19 によって光学エンジンに接続されている。光スイッチモジュールの構造及び動作は、当業者にはよく理解されており、ここでは更に詳細には説明しない。更に、モジュールは、光スイッチモジュール以外のものであってもよく、ここに開示された接続システムは、プリント基板接続以外の状況にも応用されることが理解されるであろう。図示の実施形態では、外部レーザ源18は、光スイッチモジュール10中へとプラグ接続することができる。これにより、後述するように、リリース可能なプラグイン接続によるELSの交換が容易になる。
【0059】
図2~4に見られるように、一実施形態では、光電気接続システム22は、外部レーザ源18を含むプラグインコネクタ24を備えている。アダプタ26は、光スイッチモジュール10内のプリント回路基板14上に搭載され、プラグインコネクタ24とモジュールとの接続及び解放を行う。図3及び図4を参照すると、プラグインコネクタ24は、上部の光接続部28と、下部の電気接続部30と、を含んでいる。電気接続部は、光スイッチハウジング12内のプリント基板14と電気接続するための電気接点30Bを前端に有するドータボード30Aを含んでいる。ドータボード30Aは、電気接点30Bを含むドータボードの接続部30Dが細長支持体(elongate support)30Cから前方又は接続方向に突出するように、細長支持体30Cに取り付けられている。接続部30Dは、プラグインコネクタ24の略長手方向に延びる接続軸に沿って延びている。細長支持体30Cは、支持体の全長にわたって延びる底壁30Eと、支持体の後方領域においてドータボード30Aの反対側の底壁から上方に突出する対向する側壁30Fと、を含んでいる。細長支持体30Cは、側壁30Fの前端の前方に位置する一対のタブ30Gを更に含んでいる。各タブ30Gと隣接する側壁30Fの前端とは、光接続部28上の対応するタブ28Aを受容するようなサイズ及び形状の空間を画定するために、間隔を置いて配置されている。
【0060】
細長支持体30Cは、プラグインコネクタ24の接続部30Dに接続されており、それにより、後述するように、アダプタ26への接続を容易にする接続部に対して、支持体と支持体によって担持されるドータボード30Aとが浮く(float)ことを可能とする。上部の光接続部28は、カラー(collar)28Bの残りの部分の後方に突出するフロア28Cを有するカラー28Bを含んでいる。フロア28Cは、その後端において、フロアの横方向両側に、横方向に突出するタブ28Aを含んでいる。図5は、カラー28Bのフロア28Cのタブ28Aの1つがタブ30Gと細長支持体30Cの側壁30Fとの間の空間に受容されるプラグインコネクタ24の一領域の拡大図を示している。カラータブ28Aと支持タブ30Gとの間、及び、カラータブと細長支持体30Cの側壁30Fとの間には、隙間(gaps)がある。これにより、細長支持体30Cとカラー28Bとの間の接続軸に沿った前後方向のある程度の相対運動が可能となる。同様に、カラータブ28Aと細長支持体30Eの底壁30Eとの間、及び、カラータブと保持カバー32との間にも隙間がある(以下でより詳細に説明する)。図6に示すように、カラー28 Bは、接続軸に沿って細長支持体30Cの底壁30E上に乗るランナー(runners)28Dを有する逆U字型の部品を更に含んでいる。ランナー28Dは、ドータボード30Aと細長支持体のタブ30Gとの間の空間よりも薄い。これにより、光接続部28と電気接続部30との間の横方向の動きが許容される。電気接続部30のフロートの機能については後でより詳しく説明する。
【0061】
ここで図7及び図8を参照すると、プラグインコネクタ24は、フロントハウジング34と、バックハウジング(又は「バックポスト」)36と、リリース機構38と、を備えている。フロントハウジングは、プラグインコネクタ24をアダプタ26にガイドするために、また、アダプタとの解放可能な接続を行うべく使用するために形成及び配置された一対のガイドアーム34Aを含んでいる。各ガイドアーム34Aは、その遠位近くで細い先端(a narrow tip)34Bに向かって先細りしている(tapers)。各ガイドアーム34Aは、アームの横方向外側面にリリース部材(release member)チャネル34Cを含んでいる。チャネル34Cは、それぞれ、接続軸と平行に延びている。フロントハウジング34は、2つのメカニカルトランスファー(MT)フェルール40を横に並べて受け入れる内部通路34Eを画定するフェルールホルダ34Dを更に含んでいる。この説明では、メカニカルトランスファーフェルール40が開示され説明されているが、本発明の範囲内で他のタイプのフェルールも使用できることが理解されるであろう。図示の実施形態では、フェルール40は、横に並んだ関係で水平に配置されている。特に、フェルール40は、相互に略同一平面上にある。内部通路34Eは、フェルールホルダ34Dの前部で開口しており、MTフェルールの前部がフェルールホルダの前部から突出できるようにしている。フェルール40は、各々がフランジ40Aを含み、フェルールホルダ内の通路34Eの開放前端は各々がフランジよりも小さいため、フェルールは、フェルールホルダ34Dの前面を通って内部通路から完全に抜け出すことはできない。フェルール40は、それぞれ、フェルールに導かれた複数の光ファイバをそれぞれのリボンケーブル42として終端する。図示の実施形態では、フェルール40は、それぞれ、ピンホルダ40Cによって保持された一対のメカニカルトランスファーピン40Bを有する雄(male)フェルールである。ピン40Bは、図7に見られるように、フェルール40を通して受容され、フェルールから前方に突出する。図示の実施形態では、フェルール40のピン40Bは、互いに略同一平面上にある。同様に、両方のフェルール40の光ファイバ終端は、相互に略同一平面上にある。リボンケーブル42のそれぞれの周囲に配置された平坦化された(flattened)コイルスプリング44は、ピンホルダ40Cと係合して、MTフェルールを接続方向の前方に付勢する。バックハウジング36は、フェルールホルダ34Dの後端に受け入れられ、フェルールホルダ34Dに接続されるように構成されている。各スプリング44の後端は、バックハウジング36のそれぞれの前端と係合し、フェルール40を前方に付勢する圧縮力を提供する。本発明の範囲内で、バックハウジングが1つだけ、又は、3つ以上のバックハウジング(図示せず)があり得ることが理解されるであろう。
【0062】
リリース機構38は、カラー28Bと、カラーの横方向両側にあり、カラーから前方に突出するリリース部材38Aと、を備えている。カラー28Bは、フロア28Cと、バックハウジング36の実質的な部分を含むフェルールホルダ34Dの後部をスライド可能に受け入れる正方形の(square)レセプタクルをフロアと共に形成する周囲部(surround)28Eと、を含んでいる。フェルールホルダ34Dは、上面及び底面に、楔形止め具(wedge-shaped stops)34Fを有している。カラー28Bは、その上面及び底面に、フェルールホルダ34上の楔形止め具34Fのそれぞれと一般的に位置合わせされる長方形の(rectangular)開口部28Fを有している。カラー28Bがフェルールホルダ34Dに押し付けられると、楔形止め具34Fがカラー28Bの上壁及び底壁に(それぞれ)係合し、それらを接続軸から外側に変形させる。止め具34Fが長方形の開口部28Fと位置合わせされると、カラー28Bの上壁及び底壁は、元の形状にスナップバックする。その後、カラーをフェルールホルダから後方に移動させようとするあらゆる試みは、長方形の開口部28Fの縁部の上壁及び底壁と止め具34Fの実質的に垂直な表面との係合によって阻止される。しかしながら、フェルールホルダに対するカラーのかなりの範囲の動きが許容される。
【0063】
リリース部材38Aは、それぞれ、リリース部材の遠位端にあるランプ部38Bと、ランプ部をカラー28Bに接続するスライド38Cと、を含んでいる。スライド38Cは、略T字状の断面を有している。プラグインコネクタ24の組み立て中にカラー28Bがフェルールホルダ34D上に押し付けられると、リリース部材のランプ部38Bがガイドアーム34A上のチャネル34Cに入る。ランプ部38Bは、各ガイドアーム34Aの溝34Cから側方に突出している。スライド38Cがチャネル34Cに入るにつれて、スライドのより広い部分がガイドアーム34Aのアンダーカット部に入る。このようにして、リリース部材38Aは、ガイドアームに対する横方向の移動に抗して、ガイドアーム34Aによって保持される。カラー28Bの移動により、ガイドアームのチャネル34Cに沿ったランプ部38Bの移動が生じることが理解されるであろう。以下により詳細に説明するように、この移動によって、プラグインコネクタ24がアダプタ26から解放される。
【0064】
プラグインコネクタ24が組み立てられると、保持カバー32を適用して、事前に組み立てられたプラグインコネクタ構成要素を所定の位置に保持することができる(図9及び10を参照)。保持カバー32は、平坦なトップ部材32Aと、平坦なトップ部材の対向する縁から垂下する脚部(legs)32Bと、を含んでいる。脚部32Bは、その下部が細長支持体30Cの側壁30Fの空間30Hに嵌り込むような形状に形成されている。各脚は、保持カバーをプラグインコネクタ24に固定するための取り付けネジ(図示せず)を受け入れるための開口部32Cを有している。取り付けネジは、カバー32をプラグインコネクタ24の下部30に接続する。カバー32及び下部30は、上部28のタブ28Aを捕捉し、上部が下部から分離できないようにする。しかしながら、接続は、以下に説明するように、上部28と下部30との間のある程度の相対的な動きが許容され、電気部分の位置合わせとはある程度別に、光学部分の位置合わせを支援することができるようになっている。上部28と下部30とは、本発明の範囲内で、他の方法で互いに接続されてもよいことが理解されよう。
【0065】
図13に示すように、アダプタ26は、アダプタハウジング26Aと、(雌)MTフェルール46と、各フェルールのバックハウジング48と、を含んでいる。アダプタハウジング26Aは、後側に大きな開口部(図12)を有し、前側に小さな開口部(図11)を有する一対のフェルールレセプタクル26Bを画定している。フェルールレセプタクルは、それぞれ、アダプタフェルール46のうちの1つを受け入れる。アダプタフェルールは、フェルール46の前端で光接続を行うために、アダプタ26に接続された光ファイバを終端している。光ファイバは、それぞれのリボンケーブル50によって、各アダプタフェルール46に導かれる。フェルール46は、バックハウジング48によって、アダプタハウジング26A内に保持される。バックハウジングは、それぞれ、本体48Aと、本体の前方に突出する位置決めピン(locator pins)48Bと、を含んでいる。位置決めピン48Bは、フェルール46内の貫通通路中へと延びているが、バックハウジング48とそれぞれのフェルールとの間の位置合わせを達成するために、フェルール内に短い距離だけ延びている。バックハウジング48は、各側に、キャッチ48Cを含んでいる。図面にはキャッチ48Cが1つだけ示されている。各バックハウジング48がアダプタハウジング26Aに挿入されると、キャッチ48Cがアダプタハウジングに形成された外孔26C及び内孔26Dにはまり込む(図12参照)。各バックハウジング48の内側キャッチ48Cは、アダプタハウジング28Aの同じ内孔26Dの異なる側に受け入れられる。フェルール46は、フェルールの前部がフェルールレセプタクル26Bの前部開口部を通ってアダプタハウジングからわずかに突出するように、バックハウジング48によって所定の位置に保持される。図示では、アダプタ26はプリント回路基板14上に搭載されているが、プリント回路基板上に搭載された別の電気又は光学部品(図示せず)の上に搭載することもできる。
【0066】
アダプタハウジング26Aは、プラグインコネクタ24のドータボード30Aとの電気接続を行うことができるエッジカードレシーバ(図示せず)を保持するように構成された下部レセプタクル26Eを更に画定している。図11に示すように、下部レセプタクル26Eは、ドータボード30Aの接続部30Dを受け入れるための前方開口部を有している。アダプタハウジング26Aには、下部レセプタクル26Eの前方開口部の先端に、傾斜した上面26Fと傾斜した下面26Gとが形成されている。傾斜した上面26F及び下面26Gは、アダプタハウジング26A内に移動するにつれて互いに向かって傾斜し、下側レセプタクル26Eの前方開口部がその入口で最も広く、その後、下部レセプタクルに向かって漏斗状になっている。
【0067】
アダプタハウジング26Aは、プラグインコネクタ24のガイドアーム34Aのそれぞれを受け入れるように配置されたサイドスロット26Hを更に含んでいる。サイドスロット26Hの前端は、傾斜した上面26Iと傾斜した下面26Jとを含んでいる。傾斜した上面26I及び下面26Jは、ガイドアーム34Aをサイドスロット26H内に案内するために接続方向に移動するにつれて互いに向かって傾斜する。サイドスロットは、それぞれ、ガイドアーム34Aを横方向外側にサイドスロット26H内に向ける角度のついた内面も含んでいる。各サイドスロット26Hには、ラッチアーム26Lが設けられている。各ラッチアーム26Kは、一端でアダプタハウジング26Aに取り付けられ、サイドスロット26Hの前端に向かって突出している。ラッチアーム26Kは、それぞれ、プラグインコネクタ24の接続及び切断に使用するために、スロット26Hから横方向外側に曲がることができる。更に、各ラッチアーム26Kは、その遠位端に隣接して、プラグインコネクタ24とのラッチ接続を行う際に使用されるフック部26Mを含んでいる。
【0068】
次に、図14~18を参照して、プラグインコネクタ24とアダプタ26との嵌合(mating)について説明する。図14に見られるように、プラグインコネクタ24が図2に示す位置からアダプタ26に向かって更に移動すると、ガイドアーム34Aのテーパ状先端部(tapered tips)34Bが最初にアダプタハウジング26Aに係合する。より具体的には、テーパ状先端部34Bは、上部傾斜面26I、下部傾斜面26J、及び側部スロット26Hに通じる内面26Kの何れか又はそれらの複数と係合することができる。図14に示す時点では、ドータボード30Aの接続部30Dは、アダプタハウジング26Aと係合していない。サイドスロット26H内に受けられるガイドアーム34Aによって達成される位置合わせにより、プラグインコネクタ24のフェルール40のピン40Bがアダプタ26の(雌)フェルールの開口部と位置合わせできるようになる。図15は、ドータボード30Aの接続部30Dの前縁が下部レセプタクル26Eの前方開口部に受け入れられる様子を概略的に示している。図15に示す位置の直前では、ドータボード30Aの接続部30Dの先端がアダプタハウジング26Aの下部レセプタクル26Eの前方開口部と完全に位置合わせされていない可能性がある。しかしながら、下部レセプタクル26Eの正面入口における上側及び下側傾斜面26F、26Gの一方と前縁との係合によって、ドータボード30Aが下部レセプタクル内に案内される。プラグインコネクタ24の構造及び細長支持体30Cとの接続は、フロントハウジング34及びガイドアーム34A、並びに、ドータボード30A及び細長支持体30Cの間の相対移動を可能にするように動作する。このようにして、ガイドアーム34A及びドータボード30Aは、ある範囲内で互いに独立して位置合わせを達成することができる。ドータボード30Aの接続部30Dが下部レセプタクル26E内に更に移動すると、プラグインコネクタ24とアダプタ26との間に電気接続が生じる。
【0069】
図16~18もまた、プラグインコネクタ24とアダプタ26との接続も示しているが、これらの図は、特に、プラグインコネクタのアダプタに対するラッチングがどのように発生するかを示すために描かれている。図16では、ガイドアーム34Aがサイドスロット26H内に移動しており、ガイドアームの傾斜した横方向外向きの表面がラッチアーム26Lの傾斜した内面と係合している。細い先端(narrow tips)34Bにおけるガイドアーム34Aの横方向外向きの表面は、接続軸に向かって内向きに傾斜している。この特徴は、ガイドアーム34Aとサイドスロット26Hとの横方向の位置合わせを実現するのに役立ち、これにより、フェルール40のフェルールピン40Bとフェルール46の開口部との横方向の位置合わせが実現される。各ガイドアーム34Aの横方向外向きの表面の内向きに傾斜した部分は、ラッチアームと最初に係合する。細い先端34Bの形状及びラッチアーム26Lのフック部26Mの形状は、ガイドアーム34Aがサイドスロット26H内に更に前進した後、ラッチアームを図17に示す位置に押し込むのに役立つ。ガイドアーム34Aが更に前進すると、ラッチアーム26Lのフック部26Mが、細い先端34Bを越えて移動する。図18に示すように、フック部26Mは、ガイドアーム34Aのリリース部材チャネル34Cに到達し、リリース部材チャネル中へとスナップされる。この時点で、アダプタ26からプラグインコネクタ24が接続方向と反対の方向に移動するのは、ラッチアーム26Lのフック部26Mとガイドアーム34Aとの係合によって抵抗される。
【0070】
プラグインコネクタ24とアダプタ26とのラッチ接続を解除することにより、プラグインコネクタをアダプタから取り外し可能にすることができる。図19は、ラッチアーム26Lのフック部26Mがリリース部材チャネル34Cに受け入れられるとき、リリース部材38Aのランプ部38Bがラッチアーム26Lのフック部26Mに隣接していることを示している。カラー28Bをカラーの接続方向と反対の方向に引っ張ると、カラー及びリリース部材38Aが接続方向と反対の方向に移動する。まず、ラッチアーム26Lのフック部26Mとガイドアーム34Bとの係合により、ガイドアーム34A及びフロントハウジング34が定位置に保持される。しかしながら、図20に示すようにリリース機構38が後退すると、リリース部材38Aの傾斜部38Bがフック部26Mと係合し、ラッチアーム26Lを横方向外側に偏向させる。この偏向位置では、ラッチアーム26Lのフック部26Mは、ガイドアーム34Aとの係合から外される。この時点で、ガイドアーム34A及びフロントハウジング34は、アダプタ26との接続から引き抜かれる。本質的には、切断時のプラグインコネクタ24及びアダプタ26は、再び図2に示す相対位置をとる。リリース部材38Aのランプ部38Bは、前方及び後方のランプ面(ramp surfaces)38D、38Eを含んでいる。後方ランプ面38Eは、ラッチアーム26Lのフック部26Mと係合してラッチアームを外側に移動させ、プラグインコネクタ24とアダプタ26との接続を解除する。前方ランプ面38Dは、リリース後もラッチアーム26Lのフック部分26Mと係合し続け、ガイドアーム34A及びリリース部材38Aがアダプタ26から引き出され続けるにつれて、ラッチアームが元の位置に穏やかに戻ることを可能にする。
【0071】
ここで図21~28を参照すると、幾つかの例では、MTフェルールを、偏った後方移動(biased rearward movement)を許容するコネクタに組み込むことができることが望ましい。説明のこの部分で使用されているように、後方への移動とは、フェルールをコネクタ内に引き込む移動を意味している。フェルールをコネクタに対して移動させることにより、接続するフェルールの位置に正確な精度を必要とせずに、他のコネクタの対向するMTフェルール(図示せず)とフェルールの接触を維持することによって、良好な光接続を得ることができる。前方に偏った可動域を実現するために、フランジ端でフェルールを動作可能に係合させるスプリングが設けられている。しかしながら、図21に示すように、光ファイバケーブル110がフェルール112によって終端されている状況では、コイルスプリングをフェルール上でケーブル上へと滑らせることができない。したがって、2つのフェルール112のそれぞれで使用される本実施形態のスプリング114は、そのケーブルの光ファイバを終端するフェルールの背後にあるケーブル110にスプリングをスライドさせるために、スプリングの全長に沿って一方の側が完全に開いているように形成されている。スプリング114を構成するスプリングワイヤの第1の自由端から始まり、スプリングワイヤは半楕円形の(semi-oval)セグメントに形成される。図示の実施形態では、半楕円形セグメントは、第1の湾曲(「C字型」)セクション116と、直線セクション118と、第2の湾曲(「C字型」)セクション120と、を含んでいる。ただし、スプリングワイヤは、最初の自由端を越えてスプリングの2回転目を開始することはない(コイルスプリングの場合と同様である)。代わりに、スプリングワイヤは、U字型のスイッチバック セグメント122に沿って折り曲げられる。U字型セグメントから、スプリングワイヤは再び、最初の楕円セグメントに位置合わせされ、同じスプリングワイヤセクションを含む一般的な半楕円セグメントに形成される。ここでも、スプリングワイヤが楕円形のセグメントを完全に囲む前に、別のU字型セグメントに再び折り曲げられる。この構成は、スプリングワイヤの第2の自由端に到達するまで繰り返される。図示の実施形態では、スプリングワイヤの第1及び第2の端部は、スプリング114の同じ側にある。スプリング114の構造により、(図23に示すように)スプリングの上側に開口部(an opening)124が残り、スプリントの全長に亘って延びている。開口部123は、スプリングの内部へのケーブルの通路を提供し、スプリングをケーブルに横方向に取り付けることができるようにする。これにより、フェルール112をケーブルに取り付ける前ではなく、フェルール112をケーブルに取り付けた後に、スプリング114をケーブルに取り付けることが可能となる。従来のスプリングはフェルールに通すことができないため、典型的には、フェルールをケーブルに取り付ける前にスプリングをケーブルに取り付ける必要がある。図24は、スプリングが取り付けられたフェルール及びケーブルの両方を示している。
【0072】
組み立てられたコネクタ126(図28)内でスプリング114が適切に動作するためには、スプリングを圧縮するための何らかの構造が必要である。スプリング114と同様に、この構造は、一端からケーブル又はフェルールを軸方向にスライドさせることはできない。したがって、バックポスト128は、図25及び26に示すように、一般的に反転した(generally inverted)チャネル形状を有している。各バックポスト128は、略逆U字形の断面を有し、各バックポストの底部がその全長に沿って開口部130を画定している。したがって、各バックポスト128は、ケーブル110上に、ケーブルの上の位置(図25の向き)からスプリング114の後方のケーブル上に配置することができる。ケーブル110は、開口部130を横方向に通ってバックポスト128内に入る。これにより、フェルール112をケーブルに取り付ける前ではなく、フェルール112をケーブルに取り付けた後に、バックポスト128をケーブルに取り付けることが可能となる。従来のバックポストはフェルールに通すことができないため、典型的には、フェルールをケーブルに取り付ける前にバックポストをケーブルに取り付ける必要がある。各バックポストは、前方に突出する対向する一対の保持フィンガ132と、バックポスト128の上壁のキャッチ134と、キャッチの後方に間隔を置いて配置されたストップ136と、を含んでいる。図26に見られるように、保持フィンガ132は、湾曲した内部対向面138と、各保持フィンガの基部で前方を向いた反作用面(reaction surface)140と、を有している。保持フィンガ132の対向面138の曲率は、スプリング114の側面の曲率とほぼ一致している。スプリング114のうちの1つの端部は、保持フィンガ132の間に嵌合し、バックポスト128の反作用面140に当接している。保持フィンガ132は、バックポスト128に対する横方向の動きに対してスプリング114を保持する。図25に示すようにケーブル110に適用される場合、バックポスト128は、ケーブル、スプリング114、又はフェルール112に取り付けられていない(not attached)ことが理解されよう。固定は、後述するように、コネクタ126との組み立て時に行われる。
【0073】
図27に示すように、MTフェルール112、スプリング114、及びバックポスト128の事前に組み立てられた部品は、フロントハウジング142の開いた後端に向かって移動される。MTフェルール112は、フロントハウジング142内に移動し、フロントハウジングの前方開口部144を通って突出する。バックポスト128は、最終的に、フロントハウジング142の開放後端部に入る。キャッチ134は、それぞれ、開放後端部でフロントハウジング142の上壁に係合する。キャッチ134は後方への傾斜を有し、キャッチがフロントハウジング142内に入るように上壁を上方に偏向させる傾斜面として機能する。キャッチ134とフロントハウジング142の上壁との係合により、バックポスト128のキャッチと上壁とが下方に撓むこともあり得る。フロントハウジング142の上壁とバックポスト128の上壁との両方が撓むことも可能である。キャッチ134は、フロントハウジングの上壁に形成された2つの開口部146のそれぞれと整列するまで、フロントハウジング142内で前方に移動する。その時点で、フロントハウジング142(及び/又はバックポスト128)の上壁の材料の復元力によって移動が発生し、キャッチ134が開口部146に移動し、バックポストがフロントハウジングから後方に移動するのに抵抗するようになる。バックポスト128上のストップ136は、バックポストがフロントハウジング内に更に挿入されるのを防ぐために、開放後端部に隣り合うフロントハウジング142と係合可能である。
【0074】
MTフェルール112は、フロントハウジング142内の構造(図示せず)と係合して、ある点を超えて前方へ移動するのを防止するフランジ148を有している。フェルールフランジ148は、バックポスト128がフロントハウジング142に接続される前に、この構造に係合する。したがって、バックポスト128がフロントハウジング142内に移動すると、スプリング114が圧縮される。したがって、図28で完全に組み立てられているように、スプリング114は、MTフェルール112を前方に付勢する。しかしながら、フェルール112が他のフェルール(図には示されていない)や他の接続構造とかみ合うと、MTフェルールはスプリング114のバイアスに対して後方に移動することができ、これによりフェルールや光ファイバへの損傷を避けることができるが、MTフェルールと接続するフェルールとの間にしっかりとした接触を維持する。図22~28の構造を使用すると、予め終端されたケーブル及びフェルールをコネクタに後付けして、接続エンゲージメントの一部としてフェルールの移動を可能にすることができる。
プリント回路基板212との光学的接続及び電気的接続を行うための光電子接続システム210は、第1のコネクタアセンブリ214及び第2のコネクタアセンブリ216を備えるようにして、図29に示されている。第1のコネクタアセンブリ214は、プリント回路基板212に取り付けられた状態で示されている。プリント回路基板は、光又は光電子データ通信用の外部又は遠隔レーザ源を使用するモジュール(図示せず)の一部であってもよい。第1のコネクタアセンブリ214は、第1のメカニカルトランスファー(MT)フェルール220を収容する第1のフェルールキャリア218を含んでいる。第1のフェルールキャリア218は、プリント回路基板カード222上に搭載され、プリント回路基板カード222は、プリント回路基板212上に搭載されている。第2のキャリアは、第2の(嵌合)MTフェルール226を含む第2のフェルールキャリア224を備えている。第1及び第2のMTフェルール220、226は、図29に嵌合状態で示されている。
【0075】
図30に見られるように、第1のコネクタアセンブリ214は、組み立てられた状態で第1のフェルール220を第1のフェルールキャリア218から外側に付勢するように動作可能な第1のコイルスプリング228を更に含んでいる。第1のコネクタアセンブリ214は、ピンキーパ232に接続されたメカニカルトランスファーピン230を更に含んでいる。ピン230は、従来の方法で第1のフェルール220を通して受け入れられる。フェルールクリップ234は、第1のMTフェルール220を第1のフェルールキャリア内に保持するために、第1のフェルールキャリア218に接続するように構成されている。スプリングクリップ246は、第1のコイルスプリング228を第1のフェルールキャリア内に保持するために、第1のフェルールキャリア218に接続するように構成されている。第1のMTフェルール220は雄コネクタであり、第1のフェルールと組み立てられたときに第1のMTフェルール内の通路を通って延び、第1のMTフェルールの接続端から突出するメカニカルトランスファーピン230を含んでいる。メカニカルトランスファーピン230は、第1のMTフェルール220の光ファイバ接続側に位置するピンキーパ232によって相互に接続されている。組み立てられると、第1のコイルスプリング228はピンキーパ232と係合して、第1のMTフェルール220に力を付加する。第2のコネクタアセンブリ216は、組み立てられた状態で第2のMTフェルール226を第2のフェルールキャリア224から外側に付勢する第2のコイルスプリング238を更に含んでいる。フェルールクリップ240は、第2のフェルールキャリア224に接続して、第2のMTフェルール226を第2のフェルールキャリア内に保持するように構成されている。スプリングクリップ242は、第2フェルールキャリア内に第2コイルスプリング238を保持するために、第2フェルールキャリア224に接続するように構成されている。第2のMTフェルール226は、雌フェルールである。第2のMTフェルール226は、第1のMTフェルール220と同様に通路を有している。しかしながら、これらの通路は、第1のMTフェルール220のメカニカルトランスファーピン230の自由端を受け入れるように構築され、配置されている。第2のMTフェルール226は、ピンキーパ246に取り付けられた短い位置決めピン244を含んでいる。組み立てられると、位置決めピン244は、第2のMTフェルール226の通路内に短い距離だけ延びて、第2のMTフェルールをピンキーパ246に対して位置決めする。組み立てられると、第2のコイルスプリング238は、ピンキーパ246と係合して、第2のMTフェルール226に力を付加する。第1及び第2のコイルスプリング228、238は、断面が円形ではなく楕円形となるように若干平らにされている。コイルスプリングではないスプリングを含む、他のスプリング構成が使用されてもよい。
【0076】
ここで、特に図29、31、及び32を参照すると、第1のフェルールキャリア218は、上方の光学部218Aと、下方の電気部218Bと、を含んでいる。電気部は、プリント基板212に取り付けられたプリント基板カード222に搭載されている。プリント回路基板カード222は、第1のフェルールキャリア218及びプリント回路基板212から接続方向に突出し、第2のフェルールキャリア224によって受け入れられ、第1のフェルールキャリアの電気部218Bと第2のフェルールキャリア224の電気部224Bとの電気的な接続を行う。第1のフェルールキャリア218の光学部は、第1のフェルールキャリアの長さに亘って延在し、第1のキャリアの両端で開口する上向きに開口するチャネル248を含んでいる。チャネル248は、第1のMTフェルール220を受け入れる第1のフェルールキャリアの接続端にフェルールセクションを含んでいる。第1のフェルールキャリア218の反対側のケーブル接続端に向かって移動していくと、チャネル248は、保持セクション(a retainer section)を有している。保持セクションは、ピンキーパ232及び第1のMTフェルール220のフランジ220Aを受け入れ、第1のMTフェルールのフランジと係合してチャネルから前方に移動するのを防ぐようなサイズ及び形状の肩部(a shoulder)250を有している。肩部250は、フェルール部と保持部との境界に位置している。チャネルのスプリングセクションは、保持セクションと第1のフェルールキャリア218の光学部218Aのケーブル接続端との間に位置している。光学部の接続端のケーブル開口部は、スプリングセクションの隣にあり、光ファイバケーブル252がチャネル248に入るアクセスを提供する。スプリングセクションとケーブル開口部との間に位置する肩部254は、第1のコイルスプリング228と係合し、スプリングがケーブル開口部を通ってチャネル248から外に出ないように保持する。肩部254は、第1のコイルスプリング228に対する反作用面も提供し、スプリングが第1のMTフェルール220に力を加えて接続方向に付勢できるようにしている。
【0077】
第1のフェルールキャリア218の光学部218Aの各側面は、光学部の接続端に近いフロントキャッチ256と、光学部分のケーブル接続端に近いリアキャッチ258と、を含んでいる。フェルールクリップ234は、フェルールクリップを第1のフェルールキャリア218の光学部218Aに接続するために、フロントキャッチ256のそれぞれを受け入れる開口234Aを両側に有している。フェルールクリップ234は、弾性的に変形可能であり、フロントキャッチ256との最初の係合時に外側に偏向し、次にスナップバックして、フロントキャッチを開口234A内に捕捉する。フェルールクリップ234は、第1のMTフェルール220がチャネルの開放上部を通ってチャネル248から出るのを防止する。スプリングクリップ236は、スプリングクリップを第1のフェルールキャリア218の光学部218Aに接続するために、リアキャッチ258のそれぞれを受け入れる開口236Aを両側に有している。スプリングクリップ236は、弾性的に変形可能であり、リアキャッチ258との最初の係合時に外側に偏向し、次にスナップバックして、リアキャッチを開口236A内に捕捉する。スプリングクリップ236は、第1のコイルスプリング228がチャネルの開放上部を通ってチャネル248から出るのを防止する。ガイドフィンガ260は、第1のフェルールキャリア218の光学部218Aから接続方向に突き出ている。ガイドフィンガ260は、第1及び第2のMTフェルール220、226が係合する前に第2のコネクタアセンブリ216と相互作用して、第1のMTフェルールのピン230が第2のMTフェルールの内部通路で受け入れられるように、全体的な整列を実現する。ガイドフィンガ260は、第2のフェルールキャリア224の開口部262(図32)への進入を容易にするために、自由端に向かって先細になっている。
【0078】
第2のフェルールキャリア224は、上方の光学部224Aと下方の電気部224Bと、を含んでいる。電気部は、前方開口部224Cと、カード222の接続部222Aを受け入れて収容するために前方開口部から内側に延びる内部空洞と、を有している(図31参照)。空洞は、第1及び第2のコネクタアセンブリ214、216が互いに嵌合されるときにカード222の接続部22Aと電気接続を行うカードエッジ電気コネクタ(図示せず)も含んでいる。このようにして、第1のコネクタアセンブリ214と第2のコネクタアセンブリ216(及びプリント回路基板212)との間で、電気接続が行われる。
【0079】
第2のフェルールキャリア224の光学部218Aは、第2のキャリアの長さに亘って延在し、第2のキャリアの両端で開口する上向きに開口するチャネル264を含んでいる。チャネル264は、第2のMTフェルール226を受け入れる第2のフェルールキャリアの接続端にフェルールセクションを含んでいる。第2のフェルールキャリア224の反対側のケーブル接続端に向かって移動していくと、チャネル264は、保持セクションを有している。保持セクションは、ピンキーパ246及び第2のMTフェルール226のフランジ226Aを受け入れ、第2のMTフェルールのフランジと係合してチャネル264から接続方向前方に移動するのを防ぐようなサイズ及び形状の肩部266を有している。肩部266は、フェルール部と保持部との境界に位置している。チャネル264のスプリングセクションは、保持セクションと第2のフェルールキャリア224の光学部224Aのケーブル接続端との間に位置している。光学部の接続端のケーブル開口部は、スプリングセクションの隣にあり、光ファイバケーブル268がチャネル264に入るアクセスを提供する。スプリングセクションとケーブル開口部との間に位置する肩部270は、第2のコイルスプリング238と係合し、コイルスプリングがケーブル開口部を通ってチャネル264から外に出ないように保持する。肩部270は、第2のコイルスプリング238に対する反作用面も提供し、スプリングが第2のMTフェルール226に力を加えて接続方向に付勢できるようにしている。
【0080】
第2のフェルールキャリア224の光学部224Aの各側面は、光学部の接続端に近いフロントキャッチ272と、光学部分のケーブル接続端に近いリアキャッチ274と、を含んでいる。フェルールクリップ240は、フェルールクリップを第2のフェルールキャリア224の光学部224Aに接続するために、フロントキャッチ272のそれぞれを受け入れる開口240Aを両側に有している。フェルールクリップ240は、弾性的に変形可能であり、フロントキャッチ272との最初の係合時に外側に偏向し、次にスナップバックして、フロントキャッチを開口240A内に捕捉する。フェルールクリップ240は、第2のMTフェルール226がチャネルの開放上部を通ってチャネル264から出るのを防止する。第2のスプリングクリップ242は、スプリングクリップを第1のフェルールキャリア218の光学部218Aに接続するために、リアキャッチ258のそれぞれを受け入れる開口242Aを両側に有している。スプリングクリップ242は、弾性的に変形可能であり、リアキャッチ274との最初の係合時に外側に偏向し、次にスナップバックして、リアキャッチを開口242A内に捕捉する。スプリングクリップ242は、第2のコイルスプリング238がチャネルの開放上部を通ってチャネル264から出るのを防止する。第2のフェルールキャリア224の光学部224Aの前方の開口部262は、第1のフェルールキャリア218のガイドフィンガ260を受け入れるように位置決めされている。開口部262は、図31に見られるように、ガイドフィンガ260を受け入れるために、第2のフェルールキャリア224の光学部224A内に延びている。幾つかの実施形態(図示せず)では、開口部は、光学部の接続端で直径が外向きにフレアしている(flare outward)。開口部の幅広部分(wider portions)は、ガイドフィンガの先端に提示され、ガイドフィンガを開口部の主要部分に案内する。この移動は、ガイドフィンガ260の幅広の近位部分の開口部262への進入とともに、第1のMTフェルール220のピン230と第2のMTフェルール226の内部通路との位置合わせを実現し、光学的接続が達成される。
【0081】
幾つかの実施形態(図示せず)では、第1及び第2のフェルールキャリアのうちの1つは、スプリング部分を欠いたチャネルを有していてもよい。スプリング部分のないキャリアに受け入れられたフェルールは、接続方向に沿った実質的な動きに対して保持される。他のフェルールキャリアはスプリングを含み、他のフェルールの移動を可能にして、第1及び第2のフェルールが確実に適切に係合して信頼性の高い光通信を達成することができるようにされていてもよい。
【0082】
プラグコネクタアセンブリ312及びレセプタクルコネクタアセンブリ314を備えたブラインドメイトプラグイン光電子接続システム310が図33に示されている。プラグコネクタアセンブリ312は、2つの雌MTフェルール320を支持するフェルールホルダ318と、電気エッジ接続導体324を有するプリント回路基板322と、を含んだ外側ハウジング316を備えている(図34)。フェルールホルダ318は、一対の位置合わせ穴318Bを含んだ上部(upper portion)318Aを備えている。位置合わせ穴は、後述するように、プラグコネクタアセンブリ312とレセプタクルコネクタアセンブリ314とのブラインド接続を容易にするのに役立つ。位置合わせ穴318Bは、フェルールホルダ318の前方(接続)端で開いている。この位置では、傾斜面を設けてもよく、それにより、位置合わせ穴は、前端における断面積が大きく、穴のより小さな断面部分へと漏斗状になるように成形することができる。フェルールホルダ318は、フェルールホルダの両側にウイング318Cを有している(図35も参照)。
【0083】
フェルールホルダ318は、2つの雌型MTフェルール320のそれぞれを受け入れる2つのキャビティが形成された下部(lower portion)318Dを更に含んでいる。雌型MTフェルールは、それぞれ、フェルール本体322Bの両端で開口する一対の内部通路320Aを有している。雌型MTフェルール320のそれぞれは、2つのケーブル326のそれぞれからの光ファイバを終端させ、マルチファイバ光フェルールの場合と同様に、電気接続を行うために光ファイバの端を露出させる。プリント回路基板322は、図面に示すプラグコネクタアセンブリ312の向きにおいて、フェルールホルダ318の下方に位置している。プリント回路基板322は、外側ハウジング316の底壁316A上に位置し、それぞれが各雌型MTフェルール320の下に位置する2つの突出部322Aがあるように形成されている。突出部322Aは、フェルール320から接続方向前方に延在し、突出部322Aの間に細長い間隙(elongate gap)322Bを画定している。プリント回路基板322の前縁であるが、突出部322Aの両側である位置には、電気エッジ導体324を担持するプリント回路基板の凹部がある。フェルールホルダ318のウイング318Cは、電気エッジコネクタ324の上方に間隔を置いて配置され、プリント回路基板及び外側ハウジング316の側壁と共に、レセプタクルコネクタアセンブリ314との電気接続を行う際に使用するためのポート328を画定する。プリント回路基板の突出部は、プリント回路基板のそれぞれの側縁(図示せず)まで延在し得ることが理解されるであろう。その状況では、電気エッジ導体は、以下に説明する理由により、プリント回路基板の前端から凹む(recessed from)ことになるだろう。
【0084】
レセプタクルコネクタアセンブリ314は、外側ハウジングの前方、即ち外側ハウジングの接続端に向かって開口するキャビティを画定する外側ハウジング330を含んでいる(図33)。外側ハウジング330の中央キャビティの側面上の棚部(ledge portions)330Aは、外側ハウジングのキャビティ内でフェルールホルダ332を支持する。外側ハウジング330内のプリント回路基板334は、外側ハウジングの下壁に載置され、外側ハウジングのガイドレール336の両側に位置する部分を含んでいる。ガイドレール336は、その先端に内向きの面取り部(chamfers)336Aを有している。弾力性電気接触ワイヤ(resilient electrical contact wires)338は、プラグコネクタアセンブリ312の電気エッジ導体324と電気的に接触するために、プリント基板334の横側のエッジマージンに配置されている。フェルールホルダ332は、フェルールの前方に突出するピン340Aを有する2つの並んだ雄型MTフェルール340を保持している。各フェルール340は、フェルールホルダ332内で接続方向に沿って移動可能である。フェルール340の1つに関する図41に見られるように、フェルールを前方に押し当てて付勢するコイルスプリング342が各フェルールに存在するが、フェルールをフェルールホルダ332内へと短い距離だけ後退させることができる。幾つかの実施形態では、コイルスプリング342及びフェルール340は、プラグコネクタアセンブリ312及びレセプタクルコネクタアセンブリ314の最終接続位置までの少なくとも約4mmの移動に適応している。他の実施形態では、コイルスプリング342及びフェルール340は、フェルールホルダ332に対するフェルールの1mmを超える、2mmを超える、3mmを超える移動を可能にする。フェルールホルダ332は、フェルールピン340Aの範囲よりも更に長い距離だけ前方に突出する、間隔を置いて配置された一対のガイドフィンガ344を有している。ガイドフィンガ344の遠位端はそれぞれ、上部及び下部ベベル344A及び外側ベベル344Bを有している。ベベル344A、344Bにより、ガイドフィンガは、テーパ状の先端を有することになる。雄型及び雌型コンポーネントを記述する全ての実施形態において、プラグコネクタアセンブリ及びレセプタクルコネクタアセンブリ上の雄型及び雌型コンポーネントの位置は、ここに記載されているものとは逆になってもよいことが理解されるであろう。
【0085】
プラグコネクタアセンブリ312及びレセプタクルコネクタアセンブリ314は、コネクタアセンブリの正確なブラインド接続を可能にするように動作する。プラグコネクタアセンブリ312とレセプタクルコネクタアセンブリ314とが図33に示す位置から互いに向かって移動すると、プラグコネクタアセンブリの回路基板322の突出部322Aの間の隙間322Bがレセプタクルコネクタアセンブリのガイドレール336を受け入れる。コネクタアセンブリ312、314の横方向の位置ずれがある場合、プリント回路基板322の突出部322Aの1つがガイドレール336の面取り部336Aの1つと係合することになる。面取り部336Aの形状は、ガイドレール336をギャップ322B内に案内し、それによってプラグコネクタアセンブリ312とレセプタクルコネクタアセンブリ314との横方向の位置合わせをもたらす。ほぼ同時に、図37及び38を参照すると、ガイドフィンガ344の先細りの先端部(即ちベベル344A、344B)は、プラグコネクタアセンブリ312のフェルールホルダ318と相互作用する。より具体的には、各ガイドフィンガ344の先端は、プラグコネクタアセンブリ312のフェルールホルダ318の穴318Bのうちの1つの前端と係合する。ガイドフィンガ344の外側のベベル344Bは、フェルールホルダ318の位置合わせ穴318Bの側面の対応する表面と係合する。同様に、ガイドフィンガ344の上部及び底部上の上方及び下方ベベル344Aは、位置合わせ穴318Bの上部及び底部の表面と係合して、プラグコネクタアセンブリ312とレセプタクルコネクタアセンブリ314との垂直方向の位置合わせを達成することができる。
【0086】
図39では、プラグコネクタアセンブリ312とレセプタクルコネクタアセンブリ314との接続が進み、ガイドフィンガ344の最も広い部分が位置合わせ穴318Bの最も狭い部分に受け入れられ、最大限の位置合わせが行われる。図からわかるように、レセプタクルコネクタアセンブリ314の近位フェルール340のピン340Aは、プラグコネクタアセンブリ312の近位フェルール320の内部通路320Aと実質的に位置合わせされている。これにより、プラグコネクタアセンブリフェルール320の面に係合して光学的及び電気的接続の完了を妨げるよりはむしろ、ピン340Aが内部通路320Aに確実に入ることができる。
【0087】
プラグコネクタアセンブリ312とレセプタクルコネクタアセンブリ314との完全な光学的及び電気的接続に向けて更に進むと、プラグコネクタアセンブリのデュアルフェルール320は、レセプタクルコネクタアセンブリのデュアルフェルール340の対応するものと係合し、それによって光学的接続が確立される。しかしながら、電気接触ワイヤ338は、プラグコネクタアセンブリ312のプリント回路基板322のエッジ導電体324とは未だ係合していない。例えば光接続が行われるまでレーザの電源が入らないように、この方法で光接続と電気接続とを順序付けることが望ましい。図41に示すように更に進むと、レセプタクルコネクタアセンブリ314のフェルール340は、プラグコネクタアセンブリ312のフェルール320との継続的な係合によって、フェルールホルダ332内にいくらか後退させられる。この時点で、光学的及び電気的接続が完了する。図42に示すように、接触ワイヤ338は、プラグコネクタアセンブリ312のプリント回路基板322上に移動している。コンタクトワイヤ338は、まず、プリント回路基板322の前縁と係合することによって上方に押し込まれる。その後、コンタクトワイヤ338は、プリント回路基板332に沿って進み、エッジ導電体324と接触して、プラグコネクタアセンブリ312とレセプタクルコネクタアセンブリ314との電気接続を達成する。電気接点338のワイヤは、エッジ電気接点324との接触を保持するのに十分な弾性を有している。プラグコネクタアセンブリ312とレセプタクルコネクタアセンブリ314との接続が完了する。この実施形態では、プラグコネクタアセンブリ312とレセプタクルコネクタアセンブリ314との間にラッチング又は機械的接続は存在しない。プラグコネクタアセンブリ312とレセプタクルコネクタアセンブリ314とが切り離されると、電気接続は光接続に先立って切断される。したがって、光路が中断される前にレーザの電源を切ることができる。
【0088】
図43~45には、プラグコネクタアセンブリ312’とレセプタクルコネクタアセンブリ314’との切断が概略的に示されている。プラグコネクタアセンブリ312’及びレセプタクルコネクタアセンブリ314’は、図33~42のプラグコネクタアセンブリ312及びレセプタクルコネクタアセンブリ314と同様である。しかしながら、フェルールホルダ318’を付勢するスプリング342’は、図33~42で示されているようにレセプタクルアセンブリ314ではなく、プラグインコネクタアセンブリ312’に関連付けられている。図43~45の接続システムと図33~42の接続システム310とのそれぞれに相当する部分は、同じ参照番号にプライムを加えて示されている。図43は、完全に接続されたプラグコネクタアセンブリ312’及びレセプタクルコネクタアセンブリ314’を示しており、これは、両者の間に光接続及び電気接続の両方が存在することを意味している。切断が開始されたすぐ後に、電気接触ワイヤ338’は、プラグコネクタアセンブリ312’の電気エッジ導体324’から切断される。それゆえ、プラグコネクタアセンブリ312’内のレーザの電源が落とされる。フェルールホルダ318’は、プラグコネクタアセンブリ312’の外側ハウジング316’内に実質的に後退し、コイルスプリング342’を圧縮している。このとき、プラグコネクタアセンブリフェルールホルダ318’とレセプタクルコネクタアセンブリ314’のフェルールホルダ332’との接触によって示されてるように、光接続はもとのままで留まっている。プラグコネクタアセンブリ312’がレセプタクルコネクタアセンブリ314’から更に離れると、フェルールホルダ318’のフェルールホルダ332’からの分離によって示されているように、光接続が切断される。このようにして、レーザに電力が供給されている間に光接続を切断することでシステムに損傷を与える危険を冒すことなく、完全な切断が実現される。
【0089】
図33~41に示す実施形態の変形例であるレセプタクルコネクタアセンブリ348を、図46に一部図示する。レセプタクルコネクタアセンブリの外側ハウジング350には、上部キャビティ350A及び下部キャビティ350Bが形成されている。各キャビティが、フェルールホルダ332及びMTフェルール340を受け入れるので、レセプタクルコネクタアセンブリは合計4つのフェルールを有し、上述のプラグコネクタアセンブリ312と同じ構造を有するプラグコネクタアセンブリのうちの2つと接続することができる。図46の図では、下部キャビティ350Bにはフェルールホルダは存在していない。
【0090】
ここで図47~51を参照すると、図33~42の光電子接続システムによく似た光電子接続システムが一般的に410で示されている。光電子接続システム410の対応する部分は、図33~42の光電子接続システム310と同じ参照番号に「100」を加えて示されている。以下に記載する点を除いて、構造は実質的に同一である。したがって、よく似た部分については個別には説明しない。
【0091】
図48及び49に見られるように、フェルールホルダ318の位置合わせ穴318Bが単一の大まかにC字型の開口部419に置き換えられている点が、図33~42の実施例のプラグコネクタアセンブリ312と本実施例のプラグコネクタアセンブリ412との違いである。C字型の開口部は、図33~42の位置合わせ穴318Bと同様に、対向する側面上にある位置合わせ穴419Bによって構成されている。C字型開口部419は、位置合わせ穴419Bの間を横方向に延び、位置合わせ穴419Bを相互接続するブリッジ開口部419Aを更に含んでいる。ブリッジ開口部419Aは、位置合わせ穴419Bの間の隆起部421によって部分的に画定されている。隆起部421は、フェルールホルダ418の接続端の前縁421Aが、フェルールホルダの接続端でブリッジ開口部419Aの断面積が最大になるようにして傾斜しており、ブリッジ開口部の断面積がより小さい部分に相手部品を導くように構成されている。また、フェルールホルダ418は、接合部をブリッジ開口部419のより小さな断面積部分に送り込むことを容易にするために、隆起部421の上方に、接続端から内側に向かって傾斜する、傾斜表面419Cを有している(図51参照)。
【0092】
レセプタクルコネクタアセンブリ414のフェルールホルダ432は、図33~42のフェルールホルダ332と実質的に同じ構造を有している。しかしながら、フェルールホルダ432のガイドフィンガ444は、ブリッジ部423によって相互接続され、それにより、ガイドフィンガと共にC字形の位置合わせブレードを形成している(図50)。ブリッジ部423は、ガイドフィンガ444がプラグコネクタアセンブリ412のフェルールホルダ418の表面と係合する際に望ましくない弯曲をしないように、ガイドフィンガ444を剛性化している。ガイドフィンガ444の先端は、図33~42の実施形態に関して上で説明したものと同様のベベルを有している。プラグコネクタアセンブリ412とレセプタクルコネクタアセンブリ414との接続が、図51に示されている。図51に示される時点では、光学的接続も電気的接続も行われていない。しかしながら、C字形の位置合わせブレードは、プラグコネクタアセンブリ414のフェルールホルダ432のC字形の開口部419に入りつつあるところである。傾斜面419C、421Aは、図33~42の実施形態に関して実質的に説明したように、C字型位置合わせブレードをC字型開口部419中へと案内するように機能する。接続プロセスの残りの部分は、図37~42に関して説明したものと同様であり、ここでは繰り返さない。
【0093】
図52~54の光電子接続システム510は、図33~42の光電子接続システム310の別の変形例である。光電子接続アセンブリ510の対応する部分は、図33~42の光電子接続アセンブリ310と同じ参照番号に「200」を加えて示されている。以下に記載する点を除いて、構造は実質的に同一である。したがって、よく似た部分については個別には説明しない。図53に示すように、プラグコネクタアセンブリ512のフェルールホルダ518上のガイドフィンガ544は、ウイング518C上にあり、図33~42に示すバージョンのガイドフィンガ344よりも大きい。各ガイドフィンガ544の自由端は、上部及び下部にベベル544Aを有し、また、両横側にベベル544Bを有している。ガイドフィンガ344は、その内側にベベルを有していなかった。このように、各ガイドフィンガ544の先端は、角錐台の形状を有している。先と同様に、各ガイドフィンガ544の先端は、レセプタクルコネクタアセンブリ514のフェルールホルダ532との初期係合のために、より小さな断面積を呈する。レセプタクルコネクタアセンブリ514のフェルールホルダ532は、フェルールホルダのウイング532Bに対応する位置合わせ穴532Aを含んでいる。位置合わせ穴532Aは、プラグコネクタアセンブリフェルールホルダ518のガイドフィンガ544を受け入れるようなサイズ及び位置に設定されている。フェルールホルダ532の接続端における位置合わせ穴532Aの周縁は、ガイドフィンガ544を位置合わせ穴532内に案内するのに役立つ傾斜面を含んでいてもよい。プラグコネクタアセンブリ512とレセプタクルコネクタアセンブリ514との接続は、実質的に図33~42の実施例で説明したとおりである。この実施形態の場合、ガイドフィンガ544は、プラグコネクタアセンブリ512上にあり、位置合わせ穴は、レセプタクルアセンブリ518上にあることに留意されたい。これは、図33~42の実施形態の逆である。ガイドフィンガと受け入れる位置合わせ穴との位置は、本発明の全ての実施形態において、逆にすることができる。幾つかの実施形態では、図53に示す構造を有するガイドフィンガは、図50の実施形態に実質的に示すように、ブリッジ部(図示せず)によって互いに接続されていてもよい。その場合、相手側のフェルールホルダは、図48及び49に示すC字型の開口部419と同様のC字型の開口部を有するが、ブリッジ部に加えて、図53に示すようなサイズ及び位置を有するガイドピンを受け取るように、サイズ及び位置が決められている。
【0094】
本開示は、説明される特定のシステム、装置、及び方法に限定されず、これらは異なり得る。本明細書で使用される用語は、特定のバージョン又は実施形態のみを説明するためのものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。
【0095】
本開示は、様々な態様の例示として意図されており、本出願に記載される特定の実施形態に関して限定されるべきではない。当業者には明らかであるように、その精神及び範囲から逸脱することなく、多くの修正及び変更を行うことができる。本明細書に列挙されたものに加えて、本開示の範囲内の機能的に同等の方法及び装置は、前述の説明から当業者には明らかである。そのような修正及び変形は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されている。本開示は、添付の特許請求の範囲の条件によってのみ制限されるものであり、かかる特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲も含まれる。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、限定することを意図するものではない。
【0096】
本明細書における実質的に任意の複数形及び/又は単数形の使用に関して、当業者は、文脈及び/又は応用に適切なように、複数から単数へ及び/又は単数から複数へと翻訳することができる。本明細書では、明確にするために、様々な単数形/複数形の置換を明示的に説明することがある。更に、「上部(top)」、「底部(bottom)」、「側面(side)」などの方向に関する用語は、説明の便宜のために使用されており、記載されている物品の特定の方向を必要とするものではない。
発明の他の言明
【0097】
光コネクタであって、他の光学デバイスと選択的に接続して、前記光コネクタと前記他の光学デバイスとの間の光接続を実現し、前記光コネクタは、フェルールホルダと、前記フェルールホルダに収容されたフェルールと、他の光デバイスと光接続するために提供されるように、前記フェルール内で終端された光ファイバと、前記光ファイバの周囲に収容され、長手方向軸を有するスプリングと、を具備し、前記スプリングは、前記長手方向軸の周りに延びる複数の巻き線で形成されているスプリングワイヤを備え、前記巻き線の各々は、前記長手方向軸の周りに360°延びる手前で停止し、前記スプリングの全長に亘って延びる長手方向ギャップを画定しており、前記長手方向ギャップは、前記光ファイバが前記の前記長手方向ギャップを通って半径方向に通過することによって、前記スプリングを前記光ファイバに着脱させるように構成されている、光コネクタ。
【0098】
A1. 前記スプリングの前記長手方向ギャップは、前記スプリングの全長に亘って延びており、前記スプリングワイヤ及びいかなる点とも交差しない中心線を有している、請求項Aに記載の光コネクタ。
【0099】
A2. 前記スプリングワイヤは、対向する第1及び第2の自由端を備え、前記スプリングワイヤは、最初のターンにおいて、前記第1の自由端から、前記長手方向ギャップの反対側に位置するスイッチバックまで延在している、請求項Aに記載の光コネクタ。
【0100】
A3. 複数のスイッチバックを更に備え、前記スイッチバックの各々は、前記スプリングの隣り合う巻線の間に配置されている、請求項A2に記載の光コネクタ。
【0101】
A4. 前記スイッチバックは、前記長手方向ギャップの両側に位置している、請求項A3に記載の光コネクタ。
【0102】
A5. 前記スイッチバックの各々は、前記スプリングの長手方向軸に沿った方向において、前記長手方向ギャップの反対側で他のスイッチバックからオフセットされている、請求項A4に記載の光コネクタ。
【0103】
A6. 前記光ファイバ及び他の光ファイバを含むケーブルを更に備え、前記スプリングは、前記光ファイバが前記スプリングの長手方向ギャップを半径方向に通過することによって、前記ケーブルに着脱可能である、請求項Aに記載の光コネクタ。
【0104】
A7. 前記スプリングの端部に係合可能なバックポストであって、前記バックポストが前記フェルールホルダに接続されるときに前記スプリングを圧縮させるバックポストを更に備えている、請求項Aに記載の光コネクタ。
【0105】
A8. 前記バックポストは、長手方向開口部を含むチャネル形状を有しており、前記バックポストは、前記長手方向開口部を通して前記ケーブルを通過することによって前記ケーブルに着脱可能である、請求項A7に記載の光コネクタ。
【0106】
A9. 前記フェルールは、マルチファイバフェルールである、請求項Aに記載の光コネクタ。
【0107】
A10.前記フェルールは、メカニカルトランスファーフェルールである、請求項A9に記載の光コネクタ。
【0108】
A11.予めケーブルから光ファイバに接続されているフェルールを光コネクタに組み込む方法であって、前記フェルールは前記光コネクタのフェルールホルダに対して弾性的に移動可能であり、前記方法は、スプリングを前記ケーブルの長手方向の範囲に対して横方向に移動させることによって前記ケーブル上に前記スプリングを挿入し、前記ケーブルが前記スプリングの長手方向開口部を通過して前記ケーブル上の前記スプリングを受け入れる工程と;バックポストを前記ケーブルの前記長手方向の範囲に対して横方向に移動させることによって前記ケーブル上に前記バックポストを移動させて、前記ケーブルが前記バックポスト内の長手方向開口部を通過するようにする工程と;フェルール、スプリング、及びバックポストを、フェルールホルダの開いた後端を通して前記フェルールホルダに挿入する工程と;前記バックポストを前記フェルールホルダに取り付けて、前記フェルール及び前記スプリングを前記フェルールホルダに保持する工程と、を具備した方法。
【0109】
A12.前記バックポストを前記フェルールホルダに取り付ける工程は、前記バックポストが前記フェルールホルダにスナップ接続されるまで、前記バックポストを前記フェルールホルダに押し込むことを含んでいる、請求項A11に記載の方法。
【0110】
A13.前記フェルール、スプリング、及びバックポストを前記フェルールに挿入する工程は、前記フェルールの前部が前記フェルールホルダの前面で前記フェルールホルダの外に延在するように、前記フェルールホルダを通して前記フェルールを移動させることを含んでいる、請求項A11に記載の方法。
【0111】
B.光電子接続システムであって、第1の電気接点と、フェルールホルダと、前記フェルールホルダによって支持されるマルチファイバフェルールと、前記フェルールホルダから突出するガイドアームと、前記ガイドアームに関連付けられたラッチ解放機構と、を含んだ第1のコネクタアセンブリと;第2のコネクタアセンブリであって、前記第2のコネクタアセンブリに接続するために前記第1のコネクタアセンブリを受け入れるように構成されたハウジングと、第1及び第2のコネクタアセンブリの接続時に第1の電気接点と電気的に接続するように構成された第2の電気接点と、前記マルチファイバフェルールとの光学的接続のための光接続デバイスと、第1及び第2のコネクタアセンブリの接続時に前記ガイドアームを受け入れるために配置されたスロットと、前記第1のコネクタアセンブリとの接続時に前記第1のコネクタアセンブリにロック可能に係合するように構成されたラッチアームと、を含んでいる、第2のコネクタアセンブリと;を具備し、前記ラッチ解放機構は、前記第1のコネクタアセンブリの前記フェルールホルダに対して相対的に移動可能であり、前記第2のコネクタアセンブリの前記ラッチアームを変位させることによって、前記ラッチアームの前記第1のコネクタアセンブリとのロック係合を解除して、前記第1のコネクタアセンブリを前記第2のコネクタアセンブリから取り外し可能にする、光電子接続システム。
【0112】
B1.前記マルチファイバフェルールは、第1のマルチファイバフェルールであり、前記フェルールホルダは、前記第1のマルチファイバフェルールを保持すると共に、前記第1のマルチファイバフェルールと並列関係にある第2のマルチファイバフェルールを保持するように構成されている、請求項Bに記載の光電子接続システム。
【0113】
B2.前記第1及び第2のマルチファイバフェルールはメカニカルトランスファーフェルールである、請求項B1に記載の光電子接続システム。
【0114】
C.光電子接続システムであって、第1の電気接点と、フェルールホルダと、前記フェルールホルダによって支持されるマルチファイバフェルールと、前記フェルールホルダから突出するガイドアームと、前記ガイドアームに関連付けられたラッチ解放機構と、を含んだ第1のコネクタアセンブリと;第2のコネクタアセンブリであって、前記第2のコネクタアセンブリに接続するために前記第1のコネクタアセンブリを受け入れるように構成されたハウジングと、第1及び第2のコネクタアセンブリの接続時に第1の電気接点と電気的に接続するように構成された第2の電気接点と、前記マルチファイバフェルールとの光学的接続のための光接続デバイスと、第1及び第2のコネクタアセンブリの接続時に前記ガイドアームを受け入れるために配置されたスロットと、前記第1のコネクタアセンブリとの接続時に前記第1のコネクタアセンブリにロック可能に係合するように構成されたラッチアームと、を含んでいる、第2のコネクタアセンブリと;を具備し、前記ラッチ解放機構は、前記ガイドアーム及び前記ラッチアームに対して移動可能であり、前記ラッチアームに係合して前記第1コネクタアセンブリとのロック係合から偏向させることにより前記第1コネクタアセンブリの前記第2コネクタアセンブリからの切断を可能とする、光電子接続システム。

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【国際調査報告】