(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-20
(54)【発明の名称】車両搭載型兵器システムのための俯仰装置の構成
(51)【国際特許分類】
F41A 27/24 20060101AFI20240213BHJP
【FI】
F41A27/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544422
(86)(22)【出願日】2022-02-25
(85)【翻訳文提出日】2023-09-14
(86)【国際出願番号】 SE2022050197
(87)【国際公開番号】W WO2022182282
(87)【国際公開日】2022-09-01
(32)【優先日】2021-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521503857
【氏名又は名称】ビーエーイー システムズ ハッグルンズ アクチエボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】エリクソン,クラース
(72)【発明者】
【氏名】グレンウォルド,ジョニー
(57)【要約】
本発明は、車両搭載型兵器システム(C)の俯仰装置(E)の構成に関する。兵器システム(C)は、兵器(20)と給弾シュートとを備える。前記俯仰装置(E)は、俯仰軸(Z)を中心とする兵器(20)の俯仰動作を可能にするように構成される。前記俯仰は、前記俯仰軸(Z)を中心とする前記俯仰装置(E)の側(E1、E2)に関連して行われる。前記給弾シュート(40)は、一方の側(E1)に関連して配置されるように構成される。前記構成は、前記俯仰を容易にするための軸受構造の円弧状セクター軸受装置(B1)を備える。前記軸受装置(B1)は、前記俯仰軸(Z)に関連して前記一方の側(E1)上に前記給弾シュート(40)のための空間を提供するように、前記俯仰軸(Z)から半径方向に距離をあけて前記一方の側(E1)において前部(30F)に関連して配置される。本発明はまた、本発明による構成を備えた車両に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両搭載型兵器システム(C)用の俯仰装置(E)の構成であって、前記兵器システム(C)は、砲身(22)を有する兵器(20)と、前記兵器(20)に弾薬を供給するための給弾シュート(40)とを備え、前記俯仰装置(E)は、俯仰軸(Z)を中心とする前記砲身(22)の俯仰動作を可能にするように構成され、前記俯仰装置(E)は、前記俯仰軸(Z)の前方の前部(30F)と、前記俯仰軸(Z)の後方の後部(30R)とを有し、前記俯仰装置(E)は、第1の側(E1)と、反対側の第2の側(E2)とを有し、前記兵器(20)は、前記側(E1、E2)の間を前記後部(30R)から前記前部(30F)まで延びる主延在部を有し、前記砲身(22)は、前記前部(30F)の前側(30c)を貫いて前方方向に突出し、前記俯仰は、前記兵器(20)の前記主延在部に対して横方向に延びる前記俯仰軸(Z)を中心として前記側(E1、E2)に関連して行われ、前記給弾シュート(40)は、前記第1の側(E1)に関連して配置されるように構成され、前記俯仰装置(E)は、前記俯仰軸(Z)を中心とする前記兵器(20)の前記俯仰を容易にするための軸受構造を備え、前記構成は、前記軸受構造の円弧状セクター軸受装置(B1)を備え、前記軸受装置(B1)は、前記俯仰軸(Z)に関連して前記第1の側(E1)に前記給弾シュート(40)のための空間を提供するように、前記俯仰軸(Z)から半径方向に距離をおいて前記第1の側(E1)で前記前部(30F)に関連して配置される、構成。
【請求項2】
前記セクター軸受装置(B1)が、円弧状の溝(G52)と、ローラ(70、80)のセットとを備え、前記ローラ(70、80)のセットは、前記溝(G52)内に配置されるように構成され、前記円弧状の溝(G52)及び前記ローラ(70、80)のセットは、前記ローラ(70、80)と前記溝(G52)との相対運動が俯仰動作に関連して提供されるように配置される、請求項1に記載の構成。
【請求項3】
前記セクター軸受装置(B1)が、円弧状の溝(G52)を有する軸受ハウジング(50)を備え、前記軸受ハウジング(50)は、前記俯仰装置(E)の固定部分を構成するように構成され、前記俯仰装置(E)の俯仰部材(30)に対して固定式に配置され、前記俯仰部材(30)は前記俯仰動作を提供し、前記セクター軸受装置(B1)はさらに、前記俯仰装置(E)の前記第1の側(E1)に関連して前記俯仰部材(30)に配置された軸受部材(60)と、前記軸受部材(60)に沿って配設され、前記軸受部材(60)に取り付けられたローラ(70、80)のセットを備え、前記軸受ハウジング(50)は、前記ローラ(70、80)のセットが前記円弧状の溝(G52)内に嵌合し、俯仰動作に関連して前記溝(G52)内で移動することが許容されるように、前記軸受部材(60)に関連して配置される、請求項1に記載の構成。
【請求項4】
前記俯仰装置(E)が、最大俯仰角(α1)と最小俯仰角(α2)との間で前記兵器(20)の俯仰を提供するように構成され、前記円弧状の溝(G52)は、前記最大俯仰角(α1)と前記最小俯仰角(α2)との間の範囲内で前記溝内での前記ローラ(70、80)のセットの移動を許容するように延在部を有する、請求項2又は3に記載の構成。
【請求項5】
前記円弧状の溝(G52)が、前方方向に向くように構成された内側(52c)を有する後壁部分(52R)と、後方方向に向くように構成された内側(52d)を有する前壁部分(52F)とを有し、前記後壁部分(52R)及び前記前壁部分(52F)は、前記内側(52c、52d)間に距離(D1)をあけて配置され、円弧状の延在部と平行に延びる、請求項2~4のいずれか一項に記載の構成。
【請求項6】
前記後壁部分(52R)及び前記前壁部分(52F)の前記内側(52c、52d)間の前記距離(D1)が、前記内側(52c、52d)のうちの1つの内側に対する前記ローラ(70、80)の転動を可能にするように、前記軸受部材(60)に沿って配設され、前記軸受部材(60)に取り付けられ、前記円弧状の溝内に受け入れられるように構成された前記ローラ(70、80)のセットのそれぞれのローラ(70、80)の直径(D2)よりもわずかに大きい、請求項5に記載の構成。
【請求項7】
前記ローラ(70、80)のセットが、前記兵器(20)の反動荷重を取り込むように前記後壁部分(52R)の前記内側(52c)に関連して配置されるように構成された反動ローラ(70)と、前記兵器(20)の戻り荷重を取り込むように前記前壁部分(52F)の前記内側(52d)に関連して配置されるように構成された戻りローラ(80)とを備える、請求項5又は6に記載の構成。
【請求項8】
前記円弧状の溝(G52)の前記内側(52c、52d)の一方に関連して配置されるように構成されたローラが、半径方向位置(P1)に関して固定式に配置されるように構成され、前記円弧状の溝(G52)の反対側の内側に配置されるように構成されたローラが、後方及び前方方向に望ましい隙間を提供することを容易にするように、半径方向位置(P2)に関して調整可能に配置される、請求項5~7のいずれか一項に記載の構成。
【請求項9】
前記円弧状の溝(G52)の前記後壁部分(52R)の前記内側(52c)に関連して配置されるように構成された前記反動ローラ(70)が、前記半径方向位置(P1)に関して固定式に配置されるように構成され、前記円弧状の溝(G52)の前記前壁部分(52F)の前記内側(52d)に関連して配置されるように構成された前記戻りローラ(80)が、後方及び前方方向において望ましい隙間を提供することを容易にするように、前記半径方向位置(P2)に関して調整可能に配置される、請求項5~8のいずれか一項に記載の構成。
【請求項10】
前記セクター軸受装置(B1)が、前記調整可能に配置されたローラの調整を容易にするように前記軸受部材(60)に関連して配置された調整構成(90)を備える、請求項8又は9に記載の構成。
【請求項11】
前記調整構成(90)が、前記軸受部材(60)の凹部(60R)によって提供される調整舌部(92)のセットを備え、前記調整可能に配置されたローラ(80)が、前記調整舌部(92)に取り付けられるように構成され、前記調整構成(90)は、ねじジョイント部材(94)のセットをさらに備え、前記ねじジョイント部材(94)のセットの各ねじジョイント部材(94)は、前記調整舌部(92)のセットの調整舌部(92)に関連して配置され、その結果、その調整舌部(92)に対してねじ力を与えることによって、このように取り付けられたローラ(80)の前記半径方向位置(P2)が前記円弧状の溝(G52)の内側に近づくように前記舌部(92)の調整が提供される、請求項10に記載の構成。
【請求項12】
前記調整可能なローラ(80)を有する前記調整舌部(92)のセットが、前記軸受部材(60)に沿って、互いに対向する対の形で配設され、前記固定ローラ(70)が、前記調整舌部(92)の対の端部に取り付けられるように構成される、請求項11に記載の構成。
【請求項13】
前記調整舌部(92)のセットが、後方及び前方方向における前記セクター軸受装置(B1)の本質的に等しい剛性の提供を促すように成形される、請求項11又は12に記載の構成。
【請求項14】
前記調整舌部(92)のセットが、前記調整ローラ(80)を取り付けるための取付部分(92a)と、前記調整のためのベース部分(92b)とを備え、前記ベース部分(92b)の厚さが、後方及び前方方向における本質的に等しい剛性の提供を促すように適合される、請求項11~13のいずれか一項に記載の構成。
【請求項15】
前記セクター軸受装置(B1)が、前記円弧状の溝(G52)に関連して配置されたシール装置(S56)であって、前記軸受ハウジング(50)と前記軸受部材(60)との間に低摩擦シールを提供し、俯仰動作に関連して前記軸受ハウジング(50)に対する前記軸受部材(60)の移動を可能にするように、前記軸受部材(60)の外側(60e)に面して配置されるように構成されたシール装置(S56)を備えるシール構成を備える、請求項3~14のいずれか一項に記載の構成。
【請求項16】
前記シール部材(S56)が、前記円弧状の溝(G52)に沿って延びるスロット(56)内に受け入れられるように構成され、前記シール部材(S56)は、前記スロット(56)の底部に配置され、ばね機能を提供する圧縮可能なストリップ部材(S56a)と、前記低摩擦シールのために、第1の側で前記軸受部材(60)の前記外側(60e)に対向して配置されるように構成され、反対の側で、前記軸受ハウジング(50)と前記軸受部材(60)との間の効率的なシールのための圧縮状態を提供するように前記圧縮可能なストリップ部材(S56a)を押すように構成された低摩擦シール部材(S56b)を備える、請求項15に記載の構成。
【請求項17】
前記構成を有する前記俯仰装置(E)が、前記構成が意図される車両搭載型兵器システム(C)の砲塔(10)内に配置されるように構成され、前記兵器システム(C)は、前記俯仰装置(E)を介して前記砲塔(10)に取り付けられた前記兵器(20)を備え、前記俯仰装置(E)は、前記軸受ハウジング(50)を介して前記砲塔(10)に固定式に取り付けられる、請求項4及び5が請求項2に従属する場合、請求項3~16のいずれか一項に記載の構成。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載の前記車両に搭載された兵器システム(C)のための俯仰装置(E)の構成を含む車両(V)。
【請求項19】
前記車両が装軌車両である、請求項18に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、車両搭載型兵器システムのための俯仰装置の構成に関する。
【0002】
本発明はまた、車両に関する。
【背景技術】
【0003】
背景技術
歩兵戦闘車又は戦車などの戦闘用車両は、砲塔に関連付けられた兵器システムを備える場合があり、兵器システムは、砲塔に取り付けられた兵器を備える。弾薬は、通常、弾薬マガジンから何らかの種類の給弾シュートを介して兵器に供給されるように構成される。このような兵器システムには、俯仰軸を中心とした砲身の俯仰動作を可能にするように配置された俯仰装置が設けられている。このような俯仰装置は、俯仰軸を中心とする前記兵器の前記俯仰を促すための軸受構造を備える。
【0004】
例えば、一定の空間を必要とする給弾シュートを含む兵器システムの部品を収容するように構成された砲塔に関連付けられた兵器システムの場合、兵器システムの俯仰装置に関連する兵器の空間及び構成が問題となることがある。
【0005】
したがって、兵器システムの兵器の空間及び構成を促す、車両搭載型兵器システム用の俯仰装置の構成を提供する必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明の目的
本発明の目的は、兵器システムの兵器の空間及び構成を促す、車両搭載型兵器システム用の俯仰装置の構成を提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、そのような構成を含む車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
概要
以下の記載から明らかなこれら及び他の目的は、添付の独立請求項に記載されるような車両搭載型兵器システム用俯仰装置の構成及び車両によって達成される。構成の好ましい実施形態は、添付の従属請求項に定義される。
【0009】
具体的には、本発明の目的は、車両搭載型兵器システム用の俯仰装置の構成によって達成される。前記兵器システムは、砲身を有する兵器と、前記兵器に弾薬を供給するための給弾シュートとを備える。前記俯仰装置は、俯仰軸を中心とする前記砲身の俯仰動作を可能にするように構成される。前記俯仰装置は、前記俯仰軸の前方の前部と、前記俯仰軸の後方の後部とを有する。前記俯仰装置は、第1の側と、その反対側の第2の側とを有し、前記兵器は、前記側の間を前記後部から前記前部まで延びる主延在部を有する。前記砲身は、前記前部の前側を貫いて前方方向に突出している。前記俯仰は、前記兵器の主延在部に対して横方向に延びる前記俯仰軸を中心として前記側に関連して行われる。前記給弾シュートは、前記第1の側に関連して配置されるように構成される。前記俯仰装置は、前記俯仰軸を中心とする前記兵器の前記俯仰を容易にするための軸受構造を備える。前記構成は、前記軸受構造の円弧状セクター軸受装置を備える。前記軸受装置は、前記俯仰軸に関連して前記第1の側に前記給弾シュートのための空間を提供するように、前記俯仰軸から半径方向に距離をおいて前記第1の側で前記前部に関連して配置される。したがって、前記俯仰軸は、前記兵器の主延在部に対して直交し且つ横方向であり、前記前部と前記後部との間に位置する。
【0010】
このようにして、前記俯仰軸から半径方向に距離をおいて前記第1の側において前記前部に関連してこのような円弧状セクター軸受装置を設けることによって、前記兵器を前記俯仰のために位置決めするための空間が提供され、この空間が提供されることによって、兵器への弾薬の効率的な供給のために前記俯仰軸に関連して給弾シュートを配置するための前記第1の側における空間が促される。本開示の一態様によれば、給弾シュートは、積み重ね構成で一緒に組み立てられた要素のセットを含む給弾シュートであり得、ここで、要素のセットは、俯仰軸に対して同心に配置されるように構成されたシャフトを中心として配置され、それにより、俯仰軸を中心とする兵器の俯仰動作に関連して、前記シャフトを中心とする要素のセットの個々の要素の動作を可能にする。
【0011】
前記構成の一実施形態によれば、前記セクター軸受装置は、円弧状の溝と、ローラのセットとを備え、前記ローラのセットは、前記溝内に配置されるように構成され、前記円弧状の溝及び前記ローラのセットは、前記ローラと前記溝との相対運動が俯仰動作に関連して提供されるように配置される。これにより、軸受における効率的なジャーナル結合が提供され、前記兵器の効率的な俯仰が促される。
【0012】
前記配置の一実施形態によれば、前記セクター軸受装置は、円弧状の溝を有する軸受ハウジングを備え、前記軸受ハウジングは、前記俯仰装置の固定部分を構成するように構成され、前記俯仰装置の俯仰部材に対して固定式に配置され、前記俯仰部材は前記俯仰動作を提供し、前記セクター軸受装置はさらに、前記俯仰装置の前記第1の側に関連して前記俯仰部材に配置された軸受部材と、前記軸受部材に沿って配設され、前記軸受部材に取り付けられたローラのセットとを備え、前記軸受ハウジングは、前記ローラのセットが前記円弧状の溝内に嵌合し、俯仰動作に関連して前記溝内で移動することが許容されるように、前記軸受部材に関連して配置される。これにより、軸受内の効率的なジャーナル結合が提供され、前記兵器の効率的な俯仰が促される。
【0013】
前記構成の一実施形態によれば、前記俯仰装置は、最大俯仰角と最小俯仰角との間で前記兵器の俯仰を提供するように構成され、前記円弧状の溝は、前記最大俯仰角と前記最小俯仰角との間の範囲内で前記溝内での前記ローラのセットの移動を許容するように延在部を有する。これにより、前記俯仰装置による前記兵器の効率的な俯仰が提供される。
【0014】
前記構成の一実施形態によれば、前記円弧状の溝は、前方方向に向くように構成された内側を有する後壁部分と、後方方向に向くように構成された内側を有する前壁部分とを有し、前記後壁部分及び前記前壁部分は、前記内側間に距離をあけて配置され、円弧状の延在部と平行に延びる。これにより、軸受における効率的なジャーナル結合が提供され、前記兵器の効率的な俯仰が促される。
【0015】
前記構成の一実施形態によれば、前記後壁部分及び前記前壁部分の前記内側間の距離は、前記内側のうちの1つの内側に対する前記ローラの転動を可能にするように、前記軸受部材に沿って配設され、前記軸受部材に取り付けられ、前記円弧状の溝内に受け入れられるように構成された前記ローラのセットのそれぞれのローラの直径よりもわずかに大きい。これにより、前記俯仰装置による前記兵器の効率的な俯仰は、前記ローラが前記兵器の俯仰動作に関連して効率的な方法で転動することを許容されるという点で、促される。
【0016】
前記構成の一実施形態によれば、前記ローラのセットは、前記兵器の反動荷重を取り込むように前記後壁部分の前記内側に関連して配置されるように構成された反動ローラと、前記兵器の戻り荷重を取り込むように前記前壁部分の前記内側に関連して配置されるように構成された戻りローラとを備える。このように反動ローラ及び戻りローラを設けて配置することにより、前記兵器の動作に関連して前記兵器の反動荷重及び戻り荷重の効率的な取り込みが提供され、前記反動ローラ及び戻りローラは、前記俯仰装置による前記兵器の前記効率的な俯仰をさらに提供する。
【0017】
前記構成の一実施形態によれば、前記円弧状の溝の前記内側の一方に関連して配置されるように構成されたローラは、半径方向位置に関して固定式に配置されるように構成され、前記円弧状の溝の反対側の内側に配置されるように構成されたローラは、後方及び前方方向に望ましい隙間を提供することを容易にするように、半径方向位置に関して調整可能に配置される。このように、前記円弧状の溝の前記内側の一方に関連して配置されるように構成されたローラは、その内側に対するそれぞれの半径方向位置に関して固定式に配置されるように構成され、前記円弧状の溝の前記内側の反対側の内側に配置されるように構成されたローラは、後方及び前方方向において望ましい隙間を提供することを容易にするように、その内側に対するそれぞれの半径方向位置に関して調整可能に配置される。これにより、後方及び前方方向における望ましい隙間が効率的に提供され得る。このように望ましい隙間を促すことによって、前記俯仰装置による前記円弧状の溝内での前記反動ローラ及び前記戻りローラの転動による前記兵器の効率的な俯仰が、これにより提供される。
【0018】
前記構成の一実施形態によれば、前記円弧状の溝の前記後壁部分の内側に関連して配置されるように構成された前記反動ローラは、半径方向位置に関して固定式に配置されるように構成され、前記円弧状の溝の前記前壁部分の前記内側に関連して配置されるように構成された前記戻りローラは、後方及び前方方向に望ましい隙間を提供することを容易にするように、半径方向位置に関して調整可能に配置される。したがって、前記円弧状の溝の前記後壁部分の前記内側に関連して配置されるように構成された前記反動ローラは、その内側に対するそれぞれの半径方向位置に関して固定式に配置されるように構成され、前記円弧状の溝の前記前壁部分の前記内側に関連して配置されるように構成された前記戻りローラは、後方及び前方方向に望ましい隙間を提供することを容易にするように、その内側に対する半径方向位置に関して調整可能に配置される。これにより、後方及び前方方向における望ましい隙間が効率的に提供され得る。このように望ましい隙間を促すことによって、前記俯仰装置による前記円弧状の溝内での前記反動ローラ及び前記戻りローラの転動による前記兵器の効率的な俯仰がここに提供される。
【0019】
前記構成の一実施形態によれば、前記セクター軸受装置は、前記調整可能に配置されたローラの調整を容易にするように、前記軸受部材に関連して配置された調整構成を備える。このように、前記軸受部材に関連して調整構成を配置することにより、前記調整可能に配置されたローラの効率的な調整が容易になる。
【0020】
前記構成の一実施形態によれば、前記調整構成は、前記軸受部材の凹部によって提供される調整舌部のセットを備え、前記調整可能に配置されたローラは、前記調整舌部に取り付けられるように構成され、前記調整構成は、ねじジョイント部材のセットをさらに備え、前記ねじジョイント部材のセットの各ねじジョイント部材は、前記調整舌部のセットの調整舌部に関連して配置され、その結果、その調整舌部に対してねじ力を与えることによって、このように取り付けられたローラの半径方向位置が前記円弧状の溝の前記内側に近づくように前記舌部の調整が提供される。これにより、前記調整可能に配置されたローラの効率的な調整が容易になる。
【0021】
前記構成の一実施形態によれば、前記調整可能なローラを有する前記調整舌部のセットは、前記軸受部材に沿って、互いに対向する対の形で配設されており、前記固定ローラは、前記調整舌部の対の端部に取り付けられるように構成されている。このように前記調整可能なローラ及び固定ローラを設けて配置することにより、前記兵器の操作に関連して、前記兵器の反動荷重及び戻り荷重の効率的な取り込みが提供されるとともに、前記俯仰装置による前記円弧状の溝内での前記ローラの転動による前記兵器の効率的な俯仰が提供される。
【0022】
前記構成の一実施形態によれば、前記調整舌部のセットは、後方及び前方方向における前記セクター軸受装置の本質的に等しい剛性の提供を促すように成形されている。これにより、兵器の反動及び戻り動作に関連する挙動の予測可能性が提供される。
【0023】
前記構成の一実施形態によれば、前記調整舌部のセットは、前記調整ローラを取り付けるための取付部分と、前記調整のためのベース部分とを備え、前記ベース部分の厚さは、後方及び前方方向において本質的に等しい剛性を提供することを容易にするように適合される。これにより、兵器の反動及び戻り動作に関連する挙動の予測可能性が提供される。
【0024】
前記構成の一実施形態によれば、前記セクター軸受装置は、前記円弧状の溝に関連して配置されたシール装置であって、前記軸受ハウジングと前記軸受部材との間に低摩擦シールを提供し、俯仰動作に関連して前記軸受ハウジングに対する前記軸受部材の移動を可能にするように、前記軸受部材の外側に面して配置されるように構成されたシール装置を含むシール構成を備える。これにより、前記軸受ハウジングと前記軸受部材との間の効率的なシールが促される。
【0025】
前記構成の一実施形態によれば、前記シール部材は、前記円弧状の溝に沿って延びるスロット内に受け入れられるように構成され、前記シール部材は、前記スロットの底部に配置され、ばね機能を提供する圧縮可能なストリップ部材と、前記低摩擦シールのために、第1の側で前記軸受部材の前記外側に対向して配置されるように構成され、反対の側で、前記軸受ハウジングと前記軸受部材との間の効率的なシールのための圧縮状態を提供するように前記圧縮可能なストリップ部材を押すように構成された低摩擦シール部材とを備える。これにより、前記軸受ハウジングと前記軸受部材との間の効率的なシールが促される。
【0026】
前記構成の一実施形態によれば、前記構成を有する俯仰装置は、前記構成が意図される車両搭載型兵器システムの砲塔内に配置されるように構成され、前記兵器システムは、前記俯仰装置を介して前記砲塔に取り付けられた兵器を備え、前記俯仰装置は、前記軸受ハウジングを介して前記砲塔に固定式に取り付けられる。
【0027】
具体的には、本発明の目的は、本明細書に記載されるような前記車両に搭載された兵器システムのための俯仰装置の構成を含む車両によって達成される。したがって、本発明の目的は、本明細書に記載されるような構成を有する俯仰装置を備えた兵器システムを備える車両によって達成される。
【0028】
一実施形態によれば、車両は装軌車両である。一実施形態によれば、車両は戦闘車両である。
【0029】
一態様によれば、本発明の目的は、ある構成を備える車両搭載型兵器システムのための俯仰装置によって達成され、前記俯仰装置は、本明細書に記載されるような構成を備える。
【0030】
図面の簡単な説明
本開示をより良く理解するために、添付の図面と併せて読まれる場合、以下の詳細な記載が参照され、ここで同様の参照文字はいくつかの図面を通して同様の部品を指す。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本開示の一実施形態による装軌車両の側面図を概略的に示す。
【
図2】本開示の一実施形態による兵器を有する兵器システムを備えた砲塔の側面図を概略的に示す。
【
図3a】本開示の一実施形態による、俯仰装置と、兵器の俯仰を可能にするように前記俯仰装置によって支持される兵器と、前記兵器に弾薬を供給するための給弾シュートとの斜視図を概略的に示す。
【
図3b】本開示の一実施形態による、
図3aの俯仰装置、兵器の一部、及び給弾シュートの別の斜視図を概略的に示す。
【
図4a】本開示の一実施形態による、
図3aの俯仰装置及び給弾シュートの斜視図を概略的に示す。
【
図4b】本開示の一実施形態による、
図4aの俯仰装置及び給弾シュートの側面図を概略的に示す。
【
図5a】本開示の一実施形態による、
図3aの俯仰装置の斜視図を概略的に示す。
【
図5b】本開示の一実施形態による、
図5aの俯仰装置の別の斜視図を概略的に示す。
【
図6】本開示の一実施形態による、俯仰装置のセクター軸受装置の軸受ハウジングの斜視図を概略的に示す。
【
図7】本開示の一実施形態による、前記軸受ハウジングの円弧状の溝に配置されたローラのセットを備える、
図6の軸受ハウジングの斜視図を概略的に示す。
【
図8】本開示の一実施形態による、前記セクター軸受装置の軸受部材を備え、反動ローラが前記軸受部材に接続されている、
図5aの俯仰装置の一部の斜視図を概略的に示す。
【
図9】本開示の一実施形態による、
図8の前記軸受部材を備え、戻りローラが前記軸受部材に接続されている、
図5aの俯仰装置の一部の斜視図を概略的に示す。
【
図10】本開示の一実施形態による、前記セクター軸受装置の一部の断面を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
詳細な記載
図1は、本開示の一態様による装軌車両Vの側面図を概略的に示している。例示された車両Vは、戦闘用車両によって構成される。装軌車両Vは、本開示の態様によれば車両Vのシャーシとボデーフレームとを備える車体VBを備える。
【0033】
装軌車両Vは、車体VBに懸架可能に接続された一対の軌道アセンブリTA1、TA2を備える。一対の軌道アセンブリは、車両を駆動するための右軌道アセンブリTA1と左軌道アセンブリTA2とを備え、各軌道アセンブリは、軌道アセンブリの車輪Wのセットの上を走行するように配置された駆動手段により駆動される無限軌道ETを備える。
【0034】
示された自動車両Vが装軌車両であっても、自動車両Vは、本発明の他の実施形態によれば、車輪の付いた車両によって構成されてもよい。
【0035】
車両Vは、砲塔10を備えている。砲塔10は、車両Vの上部に配置されている。砲塔10は、車両Vの長手方向の延在部に直交し、車両Vの横方向の延在部に直交する回転軸Yを中心に回転可能である。
【0036】
車両Vは、兵器20を有する兵器システムSを装備するように構成されている。兵器20は、砲塔10に取り付けられている。したがって、兵器システムSの兵器20は、軸Yを中心に砲塔10を回転させることによって回転することができる。
【0037】
兵器20は、本開示の一態様によれば、砲塔10に接続された、いわゆる兵器クレードルであり得るか、又は兵器クレードルを備え得る、俯仰装置Eに接続されるように構成されている。俯仰装置Eは、
図3a~b、
図4a~b及び
図5a~bに示される俯仰装置Eであり得る。兵器20は、俯仰装置Eによって、
図1及び
図2に示された俯仰軸Zを中心として上昇及び下降されるように、すなわち俯仰動作を提供するように構成されている。兵器20は砲身22を備える。兵器20の砲身22は、俯仰軸Zを中心として上昇及び下降されるように、すなわち俯仰動作を提供するように構成されている。
【0038】
前記兵器20は主延在部を有する。前記俯仰軸Zは、前記兵器20の主延在部に対して直交し且つ横方向である。前記俯仰軸Zは、前記兵器20の砲身22の主延在部に対して直交し且つ横方向である。兵器20は、弾薬が発射されるように配置される開口部を有する前側22Fを有する。兵器20の前記前側22Fは、兵器20の砲身22の前側である。前記兵器20は、前記前側22Fの反対側の反対後側22Rを有する。前記兵器は、その主方向において、前記後側22Rから前記前側22Fまで延びている。本明細書中、前方方向とは、兵器20の前側22Fに関連する兵器20の主延在部の方向を指し、後方方向とは、兵器の後側22Rに関連する兵器20の主延在部の方向を指す。前記兵器20を用いた弾薬の発射に関連して、兵器は、前方及び後方方向における兵器の特定の移動を引き起こす力を受ける場合がある。本開示の一態様によれば、後方及び前方方向における隙間に言及する場合、「後方及び前方方向」という文言は、本明細書において、兵器20の後方及び前方方向、すなわち兵器20の長手方向の延在部の方向を指す。
【0039】
図2は、本開示の一実施形態による兵器20を有する兵器システムSを備えた砲塔10の側面図を概略的に示している。
【0040】
図1を参照して上述したように、兵器20は、俯仰装置E、例えば
図3a~b、
図4a~b及び
図5a~bに示される俯仰装置Eに接続されるように構成される。兵器20は、俯仰装置Eによって、俯仰軸Zを中心として上昇及び下降されるように、すなわち俯仰動作を提供するように構成される。
【0041】
本開示の一態様によれば、兵器20は、俯仰角αの範囲内で上昇及び下降されるように構成され得る。本開示の一態様によれば、兵器20は、車両Vの長手方向の延在部に対応する位置、すなわち車両が水平位置にあるときの水平位置から角度α1だけ上昇されるように、及びその位置から角度α2だけ下降されるように構成される。
【0042】
図3aは、本開示の一実施形態による、俯仰装置Eと、前記兵器20の俯仰を可能にするように前記俯仰装置Eによって支持された兵器20と、兵器20に弾薬を供給するための給弾シュート40との斜視図を概略的に示す。
図3bは、
図3aの俯仰装置Eと、兵器20の一部と、給弾シュート40との別の斜視図を概略的に示し、
図4aは、
図3aの俯仰装置E及び給弾シュート40の斜視図を概略的に示し、
図4bは、
図4aの俯仰装置E及び給弾シュート40の別の斜視図を概略的に示す。
【0043】
図5aは、本開示の一実施形態による、
図3aの俯仰装置Eの斜視図を概略的に示し、
図5bは、
図5aの俯仰装置Eの側面図を概略的に示す。
【0044】
俯仰装置Eは、兵器の砲身22、例えば
図1及び
図2を参照して記載したような砲身の俯仰動作を可能にするように配置される。俯仰装置Eは、俯仰軸Z1を中心とする砲身の俯仰動作を可能にするように配置される。
【0045】
俯仰装置Eは、本開示の一態様によれば、砲塔、例えば
図1及び2による砲塔10に取り付けられるように構成されており、したがって、
図1及び
図2に示されているような軸Yを中心として砲塔と共に回転されるように構成される。
【0046】
本開示の一態様によれば、俯仰装置Eは、前記俯仰動作を提供するように構成された俯仰部材30を備える。本開示の一態様によれば、俯仰部材30は、したがって、前記兵器20の俯仰のための前記俯仰動作を提供する俯仰装置Eの部分を提供するように構成される。本開示の一態様によれば、前記兵器20は、したがって、前記俯仰部材30に組み付けられるように構成される。
【0047】
本開示の一態様によれば、俯仰装置Eは、前記砲身を支持するためのリング状支持部材32を備える。本開示の一態様によれば、リング状支持部材32は開口部Oを有し(例えば
図5bを参照)、この開口部Oを通して、砲身22が配置されるように意図されている(
図3a~bを参照)。本開示の一態様によれば、リング状支持部材32の開口部Oは、リング状支持部材32に関連して配置されるとき、例えば、リング状支持部材32に取り付けられるとき、砲身22の延在部に対応する延在部を有する。俯仰軸Zは、リング状支持部材32に関連して配置される。俯仰軸Zは、開口部Oの軸方向の延在部、ひいては砲身の軸方向の延在部に直交する。
【0048】
本開示の一態様によれば、開口部Oを有するリング状支持部材32を備える俯仰装置Eは、俯仰装置Eによって支持されたときに砲身22の俯仰のための軸Zを中心とする俯仰装置Eの回転を容易にするための軸受にジャーナル結合されるように構成されている。本開示の一態様によれば、前記俯仰装置Eは、俯仰軸Zを中心とする前記兵器20の前記俯仰を容易にするための軸受構造を備える。
【0049】
本開示の一態様によれば、俯仰装置Eは、前記俯仰を提供するために俯仰装置Eを動作させるための駆動装置(図示せず)を備えるか、又は駆動装置に動作可能に接続される。駆動装置は任意の適切な駆動装置であってよい。
【0050】
本開示の一態様によれば、俯仰装置Eは、本質的に水平な位置にある車両に組み付けられたとき、上側30a及び下側30bを有する(例えば
図5a~bを参照)。本開示の一態様によれば、俯仰装置Eの上側30aは、俯仰装置Eの俯仰部材30の上側30aを構成し、俯仰装置Eの下側30bは、俯仰部材30の下側30bを構成する。本開示の一態様によれば、上側30aは、兵器20が俯仰装置Eに組み付けられたときに、兵器20の一部の上に配置されるように構成された俯仰装置E及び俯仰部材30の側である。本開示の一態様によれば、下側30bは、兵器20が俯仰装置Eに組み付けられたときに、兵器20の一部の下に配置されるように構成された俯仰装置E及び俯仰部材30の側である。
【0051】
本開示の一態様によれば、俯仰装置Eは、本質的に水平な位置にある車両に組み付けられるとき、前側30cと、反対側の後側30dとを有する(例えば
図5a~bを参照)。本開示の一態様によれば、俯仰装置Eの前側30cは、俯仰装置Eの俯仰部材30の前側30cを構成し、俯仰装置Eの後側30dは、俯仰部材30の後側30dを構成する。前側30cは、兵器が俯仰装置Eに組み付けられたときに、兵器20ひいては砲身22が突出するように構成された俯仰装置E及び俯仰部材30の側である。
【0052】
本開示の一態様によれば、俯仰装置Eは、本質的に水平な位置にある車両に組み付けられるとき、第1の側E1と、反対側の第2の側E2とを有する(例えば
図5bを参照)。本開示の一態様によれば、俯仰装置Eの第1の側E1は、受入側E1を構成し、この側から兵器20に弾薬が供給されるように配置される。本開示の一態様によれば、給弾シュート40は、前記第1の側E1に関連して、すなわち前記受入側Eに関連して配置されるように構成される。本開示の一態様によれば、主延在部を有する兵器20は、前記側E1、E2の間に延びるように構成される。本開示の一態様によれば、俯仰部材30は、俯仰装置Eが本質的に水平な位置にある車両に組み付けられるとき、俯仰装置Eの前記第1の側E1に関連して配置され、その可動部分を構成する第1の側30eと、俯仰装置Eの前記第2の側E2に関連して配置され、その可動部分を構成する反対側の第2の側30fとを有する(例えば
図5a参照)。側E1、E2の可動部分を構成する前記俯仰部材30の前記第1の側30e及び反対側の第2の側30fは、兵器20の俯仰動作を提供するために、前記俯仰部材30の俯仰中に移動するように構成される。
【0053】
本開示の一態様によれば、主延在部を有する兵器20は、その主延在部において、前記後側30dから、前記第1の側E1と前記第2の側E2との間、及び前記上側30aと前記下側30bとの間に延び、そして、兵器の前記砲身22が突出している前記前側30cを通って延びるように構成される。兵器20は、その主延在部に対応する長手方向の延在部を有する。前記兵器20の前部20aは、前記俯仰部材30の前記支持部材32の前記開口部Oを通って突出している(例えば
図3a~bを参照)。前記兵器20の後部20bは、前記俯仰軸Zから後方方向に突出するように構成されている(例えば
図3a~bを参照)。本開示の一態様によれば、前記兵器20の前記前部20aは、前記兵器20の前記俯仰軸Zの前側の部分20aであり、前記兵器20の前記後部20bは、前記兵器20の前記俯仰軸Zの後側の部分20bである。
【0054】
本開示の一態様によれば、側30a、30b、30c、30d、30e及び30fは、俯仰装置Eが車両、例えば
図1による車両Vに配置され、兵器20が俯仰装置Eに取り付けられている場合のように参照される。
【0055】
俯仰装置の俯仰部材30による俯仰は、前記俯仰軸Zを中心として前記第1の側E1及び前記第2の側E2に関連して行われるように構成されており、前記俯仰軸は、前記兵器20の主延在部に対して横方向である。前記俯仰軸Zの前記方向は、前記側E1、E2の間を横方向に延びる。
【0056】
前記俯仰装置Eは、前記俯仰軸Zの前部30Fと、前記俯仰軸Zの後部30Rとを有する。本開示の一態様によれば、前記前側30cは、前記前部30Fの前側を構成し得る。本開示の一態様によれば、前記後側30dは、前記後部30Rの後側を構成し得る。前記兵器20は、主延在部において、前記側E1、E2の間を、前記俯仰装置の前記後部30Rから前記前部30Fまで延びるように構成されている。前記俯仰軸Zは、兵器20の主延在部に対して直交且つ横方向であり、前記部分30F、30Rの間に位置する。前記俯仰装置Eは、前記兵器20が前記後部30Rから前記前部30Fまで、及び前記前部30Fを貫いて延びるように配置される空間を備える。
【0057】
本開示の一態様によれば、車両搭載型兵器システムのこのような俯仰装置Eのための配置が提供され、これにより、兵器システムの前記兵器20の空間及び配置が促進される。
【0058】
前記俯仰装置Eは、前記俯仰軸Zを中心とした前記兵器20の前記俯仰を容易にするための軸受構造を備える。前記俯仰装置Eは、前記俯仰軸Zを中心とした前記兵器20の俯仰を容易にするように前記俯仰軸Zを中心とした前記俯仰装置Eの前記俯仰部材30の前記俯仰を容易にするための軸受構造を備える。
【0059】
本開示の一態様によれば、前記軸受構造は、前記俯仰装置Eの固定部分50、150に対する前記俯仰装置Eの前記俯仰部材30の前記俯仰軸Zを中心とした俯仰を容易にするための軸受のジャーナル結合を提供するように、前記側E1、E2に関連して配置されるように構成された軸受装置B1、B2を備える。
【0060】
本開示の一態様によれば、前記軸受構造は、前記俯仰装置Eの固定部分50、150に対する前記俯仰部材30の俯仰を容易にするための軸受におけるジャーナル結合を提供するように、前記第1の側E1に関連して配置されるように構成された第1の軸受装置B1と、前記第2の側E2に関連して配置されるように構成された第2の軸受装置B2とを備える。
【0061】
本開示の一態様によれば、前記俯仰装置Eの前記固定部分50、150は、前記第1の側E1に関連して配置されるように構成された第1の固定部分50と、前記第2の側E2に関連して配置されるように構成された第2の固定部分150とを備える。
【0062】
本開示の一態様によれば、前記第1の軸受装置B1は、前記第1の固定部分50又は前記第1の固定部分50の少なくとも一部を備える。本開示の一態様によれば、前記第2の軸受装置B2は、前記第2の固定部分150又は前記第2の固定部分150の少なくとも一部を備える。
【0063】
本開示の一態様によれば、前記第2の軸受装置B2は、前記第2の側E2に関連して前記俯仰軸Zを中心に配置されるように構成され、前記俯仰軸Zに関連して前記第2の側E2上の空間を本質的に占める従来の軸受装置B2を提供する。前記第2の軸受装置B2は、本質的にリング状の構成を提供するように構成される。本開示の一態様によれば、前記第2の固定部分150は、前記俯仰部材30に対して固定式に配置されるように構成された軸受ハウジング150を備えるか、又は構成する。本開示の一態様によれば、前記第2の軸受装置B2は、前記第2の側E2に関連して前記俯仰部材30に配置されるように構成された軸受部材160を備え、前記軸受部材160は、前記俯仰軸Zを中心として配置される。本開示の一態様によれば、前記固定部分150は、車両の砲塔、例えば
図1及び2を参照して記載したような砲塔10に固定式に配置され得る。本開示の一態様によれば、前記第2の軸受装置B2は、任意の適切な軸受装置であり得る。本開示の一態様によれば、前記第2の軸受装置B2は、本明細書に開示されるように、球面ころ軸受であり得る。前記第2の軸受装置B2については、本明細書では詳細に記載しない。
【0064】
車両搭載型兵器システムのための俯仰装置Eの前記配置は、前記軸受構造の第1の軸受装置B1を備える。前記第1の軸受装置B1は、円弧状セクター軸受装置B1である。前記第1の軸受装置B1は、本明細書では、円弧状セクター軸受装置B1又はセクター軸受装置B1又は軸受装置B1と表記する。
【0065】
前記円弧状セクター軸受装置B1は、前記俯仰軸Zから半径方向距離Rで前記第1の側E1において前部30Fに関連して配置されるように構成され(例えば
図4bを参照)、それにより、前記俯仰軸Zに関連して前記第1の側E1に空間S(例えば
図5bを参照)を提供するようにする。前記円弧状セクター軸受装置B1は、前記空間Sに関連して前記給弾シュート40を配置することを容易にするように、前記俯仰軸Zに関連して前記第1の側E1に前記空間Sが設けられるように、前記俯仰軸Zから前記半径方向距離Rで前記第1の側E1において前記前部30Fに関連して配置されるように構成される。前記円弧状セクター軸受装置B1は、前記俯仰装置Eに開口部が設けられるように、前記俯仰軸Zから前記半径方向距離Rで前記第1の側E1において前部30Fに関連して配置されるように構成される。
【0066】
前記給弾シュート40は、本開示の一態様によれば、前記俯仰装置Eの俯仰軸Zに対して同心に配置されたシャフト44の周囲に配置された、一緒に組み立てられた要素42のセットを含む給弾シュート40であり得、前記兵器20への弾薬の効率的な給弾のための、前記俯仰軸Zを中心とする前記俯仰装置Eの俯仰動作に関連した、前記シャフト44を中心とする要素42のセットの個々の要素の運動を可能にする。このような給弾シュート40は、
図3a~b及び
図4a~bに示され、以下に記載される。
【0067】
図6は、本開示の一態様による、俯仰装置Eの前記セクター軸受装置B1の軸受ハウジング50の斜視図を概略的に示し、
図7は、本開示の一態様による、前記軸受ハウジング50の円弧状の溝G52に配置されたローラ70のセットを有する、
図6の軸受ハウジングの斜視図を概略的に示す。
【0068】
図8は、前記セクター軸受装置B1の軸受部材60を備えた、俯仰装置Eの一部の斜視図を概略的に示し、
図9は、前記軸受部材60を備えた、俯仰装置Eの一部の斜視図を概略的に示す。
【0069】
図10は、本開示の一実施形態による、前記セクター軸受装置B1の一部の断面を概略的に示す。
【0070】
本開示の一態様によれば、前記第1の固定部分50は、前記セクター軸受装置B1の軸受ハウジング50を備えるか、又は構成する(
図6及び7、並びに
図3a~b、4a~b、5a~b及び10を参照)。前記軸受ハウジング50は、前記俯仰部材30に対して固定式に配置されるように構成される。本開示の一態様によれば、前記軸受ハウジング50は、車両の砲塔、例えば
図1及び2を参照して記載したような砲塔10に固定式に配置され得る。本開示の一態様によれば、前記セクター軸受装置B1の前記軸受ハウジング50は、前記俯仰軸Zに関連して前記俯仰装置Eの前記第1の側E1に前記空間ひいては開口部を設けることを容易にするための円弧状の構成を有する。
【0071】
本開示の一態様によれば、前記第1の軸受装置B1は、前記第1の側E1に関連して前記俯仰部材30に配置されるように構成された軸受部材60を備える。本開示の一態様によれば、前記セクター軸受装置B1の前記軸受部材60は、前記俯仰軸Zに関連して前記俯仰装置Eの前記第1の側E1に前記空間、したがって開口部を提供することを容易にするための円弧状の構成を有する。本開示の一態様によれば、前記セクター軸受装置B1の前記軸受部材60は、円弧状部分62を有する。
【0072】
前記軸受ハウジング50は円弧状部分を構成し、前記軸受部材60は円弧状部分を備え、前記軸受ハウジング50の前記円弧状部分は、前記軸受部材60の円弧状部分62の円弧形状に本質的に対応する円弧形状を有する。
【0073】
本開示の一態様によれば、前記セクター軸受装置B1は、円弧状の溝G52と、ローラ70、80のセットとを備え、前記ローラ70、80のセットは、前記溝G52内に配置されるように構成され、前記円弧状の溝G52及びローラ70、80のセットは、前記ローラ70、80と前記溝G52との相対運動が俯仰動作に関連して提供されるように配置される。
図6、7、及び10に詳述された軸受ハウジング50と、
図8、9、及び10に詳述された軸受部材とを備える、
図3a~b、4a~b、5a~bに示された前記俯仰装置Eは、本明細書に記載されるような車両搭載型兵器システム用の俯仰装置のそのような機能、したがって配置を提供するように構成された軸受装置の一実施形態を示す。
【0074】
本開示の一態様によれば、前記軸受ハウジング50は、前記俯仰装置Eの前記第1の側E1上に外側固定部分を提供するように構成される(例えば
図5a~bを参照)。
【0075】
本開示の一態様によれば、前記軸受ハウジング50は、前記俯仰部材30から離れる方向を向くように構成された外側50eを有する(例えば
図5a~bを参照)。本開示の一態様によれば、前記軸受ハウジング50は、前記外側50eの反対側の、前記俯仰部材30の方を向くように構成された内側50fを有する(例えば
図10を参照)。本開示の一態様によれば、前記軸受ハウジング50の前記内側50fは、前記軸受部材60に面するように構成される。
【0076】
本開示の一態様によれば、前記軸受ハウジング50は、上側50a及び反対側の下側50bを有する(例えば
図6を参照)。
【0077】
本開示の一態様によれば、前記軸受ハウジング50は、前方方向に面するように構成された前側50cと、後方方向に面するように構成された反対側の後側50dとを有する(例えば
図6を参照)。前記後側50dは、前記軸受ハウジング50の円弧状の後端を提供する円弧状の表面を提供する。
【0078】
本開示の一態様によれば、前記軸受部材60は、前記俯仰部材30から離れる方向に面するように構成された外側60eを有する(例えば
図5a及び10を参照)。本開示の一態様によれば、前記軸受部材60は、前記外側60eの反対側の、前記第1の側E1に関連して前記俯仰部材30の内側の一部を提供する内側60fを有する(例えば
図5a、及び10を参照)。本開示の一態様によれば、前記軸受部材60の前記外側60eは、前記軸受ハウジング50の前記内側50fに面するように構成される。
【0079】
本開示の一態様によれば、前記軸受部材60は、上側60a及び反対側の下側60bを有する(例えば
図8を参照)。
【0080】
本開示の一態様によれば、前記軸受部材60は、前方方向に面するように構成された前側60cと、後方方向に面するように構成された反対側の後側60dとを有する(例えば
図8参照)。前記後側60dは、前記軸受部材60の円弧形状の後端を提供する円弧状の表面を提供する。
【0081】
本開示の一態様によれば、前記軸受ハウジング50は、円弧状の溝G52を備える(例えば
図6及び7参照)。本開示の一態様によれば、前記円弧状の溝G52は、前記軸受ハウジング50の前記内側50fに配置されるように構成される。本開示の一態様によれば、前記円弧状の溝G52は、前記軸受部材60に面するように構成される。
【0082】
本開示の一態様によれば、前記セクター軸受装置B1は、前記溝G52内に移動可能に配置されるように構成されたローラ70、80のセットを備える。本開示の一態様によれば、前記ローラ70、80のセットは、前記軸受部材60に沿って配設され、前記軸受部材60に取り付けられるように構成される。本開示の一態様によれば、前記軸受ハウジング50は、前記軸受部材60に沿って配設され、前記軸受部材60に取り付けられた前記ローラ70、80のセットが、前記円弧状の溝G52内に嵌合し、俯仰動作に関連して前記溝G52内で移動することが許容されるように、前記軸受部材60に関連して配置されるように構成される。
【0083】
本開示の一態様によれば、前記円弧状の溝G52は、前方方向に向くように構成された内側52cを有する後壁部分52Rを有する。本開示の一態様によれば、前記円弧状の溝G52は、内側52dが後方方向を向くように構成された前壁部分52Fを有する。前記前壁部分52Fの前記内側52dは、前記円弧状の溝G52の前記後壁部分52Rの前記内側52cに面するように構成される。
図6を参照のこと。
【0084】
本開示の一態様によれば、前記後壁部分52R及び前記前壁部分52Fは、前記内側52c、52dの間に距離D1を有して配置され、円弧状の延在部と平行に延びる。したがって、前記円弧状の溝G52は、互いに対向する内側52c、52dを有し、所定距離で平行な壁部52R、52Fを有する円弧状の延在部を有する。
【0085】
本開示の一態様によれば、前記後壁部分52R及び前記前壁部分52Fの前記内側52c、52d間の距離D1は、前記内側52c、52dの内側に対して前記ローラ70、80の転動を可能にするように、前記軸受部材60に沿って配設され、前記軸受部材60に取り付けられ、前記円弧状の溝G52内に受容されるように構成された前記ローラ70、80のセットのそれぞれのローラ70、80の直径D2よりもわずかに大きい(例えば
図10参照)。
【0086】
本開示の一態様によれば、前記ローラ70、80のセットは、前記兵器20の反動荷重を受け止めるように前記後壁部分52Rの内側52cに関連して配置されるように構成された反動ローラ70を備える。本開示の一態様によれば、前記後壁部分52Rの内側52cに対して配置されるように構成された前記反動ローラ70は、このように、前記俯仰部材30の俯仰動作、ひいては前記俯仰軸を中心とする前記軸受部材60の運動に関連して、前記内壁52cに対して転動することが許容されるように、前記後壁部分52Rの前記内側52cに関連して配置される。
【0087】
本開示の一態様によれば、前記ローラ70、80のセットは、前記兵器20の戻り荷重を受け止めるように前記前壁部分52Fの内側52dに関連して配置されるように構成された戻りローラ80を備える。本開示の一態様によれば、前記前壁部分52Fの内側52dに対して配置されるように構成された前記戻りローラ80は、このように、前記俯仰部材30の俯仰動作、ひいては前記俯仰軸を中心とする前記軸受部材60の運動に関連して前記内壁52dに対して転動することが許容されるように、前記前壁部分52Fの前記内側52dに関連して配置される。
【0088】
本開示の一態様によれば、前記円弧状の溝G52の前記内側52c、52dの一方に関連して配置されるように構成されたローラは、半径方向位置P1に関して固定的に配置されるように構成され、前記円弧状の溝G52の反対側の内側に配置されるように構成されたローラは、後方及び前方方向に望ましい隙間を提供することを容易にするように、半径方向位置P2に関して調整可能に配置される。
【0089】
本開示の一態様によれば、半径方向位置に関して前記円弧状の溝G52の前記内側52c、52dの一方に関連して配置されるように構成されたローラに言及する場合、そのローラの中心から、そのローラが配置されるように構成された内側までの半径方向の最も近い距離を指す。ローラの中心は、軸心、すなわちローラが回転可能な軸である。
【0090】
したがって、本開示の一態様によれば、前記円弧状の溝G52の前記内側52c、52dの一方に関連して配置されるように構成されたローラは、その内側に対するそれぞれの半径方向位置P1に関して固定式に配置されるように構成され、前記円弧状の溝G52の反対側の内側に配置されるように構成されたローラは、後方及び前方方向に望ましい隙間を提供することを容易にするようにその内側に対するそれぞれの半径方向位置P2に関して調整可能に配置される。
【0091】
本開示の一態様によれば、前記円弧状の溝G52の前記後壁部分52Rの内側52cに関連して配置されるように構成された前記反動ローラ70は、半径方向位置P1に関して固定式に配置されるように構成される(
図8参照)。したがって、本開示の一態様によれば、前記円弧状の溝G52の前記後壁部分52Rの内側52cに関連して配置されるように構成された前記反動ローラ70は、前記後壁部分52Rの内側52cに対するそれぞれの半径方向位置P1に関して固定式に配置されるように構成される(
図8参照)。したがって、本開示の一態様によれば、前記反動ローラ70は、それぞれの反動ローラ70の中心から前記円弧状の溝G52の前記後壁部分52Rの内側52cまでの半径方向の最も近い距離が本質的に変化しないように、固定式に配置されるように構成される。
【0092】
本開示の一態様によれば、前記軸受部材60の前記円弧状部分62は、前記反動ローラ70を受け入れるための中央取付開口部62cのセットを備える。本開示の一態様によれば、前記中央取付開口部62cのセットは、前記中央取付開口部62cに取り付けられたときに、前記反動ローラ70が、半径方向位置P1、すなわちそれぞれの半径方向位置P1に関して固定式に配置されるように、前記円弧状の溝G52の前記後壁部分52Rの内側52cに関連して配置されるように、前記外側60eに中央凹部として配置される。反動ローラ70、すなわちそれぞれの反動ローラ70の半径方向位置P1は、反動ローラ70が前記円弧状の溝G52内に配置されたときの、前記後壁部分52Rの内側52cに対する、反動ローラ70の半径の位置、すなわち反動ローラ70の中心から反動ローラ70の外縁までの距離である。
【0093】
本開示の一態様によれば、前記反動ローラ70は、前記円弧状の溝G52の前記後壁部分52Rの内側52cに関連して配置されるように構成されたローラ部分70Rを備える。本開示の一態様によれば、前記ローラ部分70Rは、前記俯仰装置Eの俯仰動作に関連して、前記軸受ハウジング50の前記円弧状の溝G52の前記後壁部分52Rの内側52cに対して転動するように配置されるように構成される。
【0094】
本開示の一態様によれば、前記反動ローラ70は、前記中央取付開口部62cに受け入れられるように構成されたシャフト部分70Sを備える。
【0095】
本開示の一態様によれば、前記円弧状の溝G52の前記前壁部分52Fの内側52dに関連して配置されるように構成された前記戻りローラ80は、後方及び前方方向に望ましい隙間を提供することを容易にするように、半径方向位置P2に関して調整可能に配置される(
図9を参照)。したがって、本開示の一態様によれば、前記円弧状の溝G52の前記前壁部分52Fの内側52dに関連して配置されるように構成された前記戻りローラ80は、後方及び前方方向に望ましい隙間を提供することを容易にするように、前記前壁部分52Fの内側52dに対するそれぞれの半径方向位置P2に関して調整可能に配置される(
図9を参照)。したがって、本開示の一態様によれば、前記戻りローラ80は、それぞれの戻りローラ80の中心から前記円弧状の溝G52の前記前壁部分52Fの内側52dまでの半径方向の最も近い距離が調整可能、すなわち変化し得るように、調整可能に配置されるように構成される。
【0096】
本開示の一態様によれば、前記俯仰装置Eは、最大俯仰角α1と最小俯仰角α2との間で前記兵器20の俯仰を提供するように構成されている(例えば
図2を参照)。本開示の一態様によれば、前記円弧状の溝G52は、前記最大俯仰角α1と前記最小俯仰角α2との間の範囲内で、前記溝内における前記ローラ70、80のセットの移動を可能にするように延在部を有する。
【0097】
本開示の一態様によれば、前記セクター軸受装置B1は、前記調整可能に配置されたローラの調整を容易にするように、前記軸受部材60に関連して配置された調整配置90を備える。本開示の一態様によれば、前記調整配置90は、前記円弧状の溝G52の前記前壁部分52Fの内側52dに関連して配置された前記調整可能に配置された戻りローラ80の調整を容易にするように、前記軸受部材60に関連して配置される。
【0098】
本開示の一態様によれば、前記調整配置90は、前記軸受部材60の凹部60Rによって提供される調整舌部92のセットを備える(例えば
図8及び10を参照)。本開示の一態様によれば、前記凹部60Rは、前記軸受部材60の前記円弧状部分62に配置される。本開示の一態様によれば、前記凹部60Rは、前記軸受部材60の前記円弧状部分62に沿って配設される。本開示の一態様によれば、前記凹部60Rは、外側60eから内側60fに達しそれを貫通するように、前記軸受部材60の前記円弧状部分62を貫いて延びるように構成される。
【0099】
本開示の一態様によれば、前記の調整舌部92のセットは、前記軸受部材60に沿って配設される。本開示の一態様によれば、前記調整舌部92のセットは、前記軸受部材60に沿って、互いに対向する対で配設される。本開示の一態様によれば、前記調整舌部92のセットは、前記軸受部材60の前記円弧状部分62に沿って、互いに対向する対で配設される。例えば
図8を参照されたい。
【0100】
本開示の一態様によれば、前記戻りローラ80は、前記戻りローラ80の調整を容易にするように、前記調整舌部92に取り付けられるように構成される。
【0101】
本開示の一態様によれば、前記調整舌部92のセットは、前記調整ローラ80を取り付けるための取付部分92aと、前記調整のためのベース部分92bとを備える。本開示の一態様によれば、前記ベース部分92bの厚さT1は、完全なセクター軸受装置B1の後方方向及び前方方向における実質的に等しい剛性を提供することを容易にするように適合される(
図9を参照)。本開示の一態様によれば、前記戻りローラ80の取り付けを容易にするために、前記取付部分92aの厚さT2は、前記ベース部分92bの厚さよりも大きい。
【0102】
本開示の一態様によれば、前記調整舌部92のセットは、前記戻りローラ80を受け入れるための中央取付開口部92cを備える。
【0103】
本開示の一態様によれば、前記戻りローラ80は、前記円弧状の溝G52の前記前壁部分52Fの内側52dに関連して配置されるように構成されたローラ部分80Rを備える。本開示の一態様によれば、前記ローラ部分80Rは、前記俯仰装置Eの俯仰動作に関連して前記軸受ハウジング50の前記円弧状の溝G52の前記前壁部分52Fの内側52dに対して転動するように配置されるように構成される。
図10を参照されたい。
【0104】
本開示の一態様によれば、前記戻りローラ80は、前記中央取付開口部92cに受け入れられるように構成されたシャフト部分80Sを備える。
図10を参照されたい。
【0105】
本開示の一態様によれば、前記戻りローラ80は、軸Z1を中心に転動するように構成されている。前記軸Z1は、前記軸受部材60の前記外側60eから前記内側60fまで延びている。
【0106】
本開示の一態様によれば、前記調整舌部92は、完全なセクター軸受装置B1の剛性を、後方方向及び前方方向、すなわち反動力及び戻り力に関連する兵器の移動方向において本質的に等しくすることを容易にするように成形されている。
【0107】
本開示の一態様によれば、前記調整配置90は、ねじジョイント部材94のセットをさらに備える(例えば
図7及び8参照)。本開示の一態様によれば、前記ねじジョイント部材94のセットの各ねじジョイント部材94は、前記調整舌部92のセットの調整舌部92に関連して配置され、その結果、その調整舌部92に対してねじ力を与えることによって、そのように取り付けられた戻りローラ80の半径方向位置P2が前記円弧状の溝G52の前記前壁部分52Fの前記内側52dに近づくように前記舌部92の調整が行われる。戻りローラ80の半径方向位置P2は、戻りローラ80が前記円弧状の溝G52内に配置されたときの、前記前壁部分52Fの前記内側52dに対する、戻りローラの半径の位置、すなわち、戻りローラ80の中心から戻りローラ80の外縁までの距離である。
【0108】
本開示の一態様によれば、前記ねじジョイント部材94のセットの各ねじジョイント部材94は、前記調整舌部92のセットの調整舌部92に関連して配置され、その結果、その調整舌部92に対してねじ力を与えることによって、そのようにして取り付けられた戻りローラ80が前記円弧状の溝G52の前記前壁部分52Fの前記内側52dに近づくように前記舌部92の調整が行われる。
【0109】
本開示の一態様によれば、前記ねじジョイント部材94のセットの各ねじジョイント部材94は、ヘッド部分94aとシャンク部分94bとを備える。
【0110】
本開示の一態様によれば、前記ねじジョイント部材94のセットの各ねじジョイント部材94は、前記シャンク部分94bの端部が調整舌部92に当接するように、且つ前記ヘッド部分94aが調整のためにアクセス可能であるように、前記シャンク部分94bが前記円弧状部分62の一部を通って配置されるように、前記軸受部材60の前記円弧状部分62に関連して配置されるように構成される。
【0111】
本開示の一態様によれば、前記ねじジョイント部材94のセットの各ねじジョイント部材94は、前記シャンク部分94bの端部が調整舌部92に接触するように、前記シャンク部分94bが前記円弧状部分62の後側60dから導入されるように、前記軸受部材60の前記円弧状部分62に関連して配置されるように構成され、それにより、その調整舌部92に対してねじ力を与えるとき、そのようにして取り付けられた戻りローラ80が、前記円弧状の溝G52の前記前壁部分52Fの前記内側52dに近づくように、前記舌部92の調整が提供される。
【0112】
本開示の一態様によれば、前記ねじジョイント部材94のセットの各ねじジョイント部材94は、前記調整舌部92のセットの調整舌部92に関連して配置され、その結果、その調整舌部92に対するねじ力を減少させることによって、こうして取り付けられた戻りローラ80が前記円弧状の溝G52の前記前壁部分52Fの前記内側52dからさらに離れるように前記舌部92の調整が提供される。
【0113】
本開示の一態様によれば、前記反動ローラ70を受け入れるための前記中央取付開口部62cのセットは、一対の調整舌部92の端部に配置される。
【0114】
本開示の一態様によれば、前記軸受部材60の前記円弧状部分62に沿って配設された前記反動ローラ70のセットは、第1の反動ローラ71、第2の反動ローラ72、第3の反動ローラ73、第4の反動ローラ74、第5の反動ローラ75、及び第6の反動ローラ76を備える。本開示の一態様によれば、前記第1の反動ローラ71は、一対の調整舌部92の端部に端部反動ローラ71として配置される。本開示の一態様によれば、前記第2の反動ローラ72は、一対の調整舌部92の間に、したがって一対の調整舌部92の端部に配置される。本開示の一態様によれば、前記第3の反動ローラ73は、一対の調整舌部92の間に、したがって一対の調整舌部92の端部に配置される。本開示の一態様によれば、前記第4の反動ローラ74は、一対の調整舌部92の間に、したがって一対の調整舌部92の端部に配置される。本開示の一態様によれば、前記第5の反動ローラ75は、一対の調整舌部92の間に、したがって一対の調整舌部92の端部に配置される。本開示の一態様によれば、前記第6の反動ローラ76は、第1の反動ローラ71に対して反対側の端部で、一対の調整舌部92の端部に別の端部反動ローラ76として配置される。
図8を参照されたい。
【0115】
本開示の一態様によれば、前記軸受部材60の前記円弧状部分62に沿って配設された前記戻りローラ80のセットは、第1の戻りローラ81、第2の戻りローラ82、第3の戻りローラ83、第4の戻りローラ84、第5の戻りローラ85、第6の戻りローラ86、第7の戻りローラ87、及び第8の戻りローラ88を備え、戻りローラは調整舌部92に接続されている。
図9を参照されたい。
【0116】
本開示の一態様によれば、前記セクター軸受装置B1は、前記軸受ハウジング50と前記軸受部材60との間にシールを提供し、俯仰動作に関連して前記軸受ハウジング50に対する前記軸受部材60の移動を可能にするための、シール構成56、S56、S56a、S56bを備える(
図10参照)。
【0117】
本開示の一態様によれば、前記シール構成は、前記円弧状の溝G52に関連して配置され、前記軸受ハウジング50と前記軸受部材60との間に低摩擦シールを提供し、俯仰動作に関連して前記軸受ハウジング50に対する前記軸受部材60の移動を可能にするように、前記軸受部材60の前記外側60eに面し、それに対して配置されるように構成されたシール装置S56を備える。
【0118】
本開示の一態様によれば、前記シール構成は、前記シール装置S56を前記円弧状の溝G52に関連して配置することを容易にするように、前記円弧状の溝G52に沿って延びるスロット56を備える(例えば
図6及び
図10参照)。本開示の一態様によれば、前記スロット56は、前記軸受ハウジング50の前記円弧状の溝52の前記前壁部分52F及び前記後壁部分52Rに沿って、且つその周囲に延びる円弧状スロットである。本開示の一態様によれば、前記円弧状の溝52の前記前壁部分52F及び前記後壁部分52Rは、それぞれの端部において湾曲端部分G52E1、G52E2を提供する前記円弧状の溝のそれぞれの端部において互いに接続される。本開示の一態様によれば、前記スロット56は、前記前壁部分52F及び前記後壁部分52Rに沿って、且つその周囲に延びる円弧状の凹部である。
【0119】
本開示の一態様によれば、前記シール部材S56は、前記円弧状の溝G52に沿って延びる前記スロット56内に受け入れられるように構成される。
【0120】
本開示の一態様によれば、前記シール部材S56は、ばね機能を提供するように構成された前記スロット56の底部に配置された圧縮可能なストリップ部材S56aを備える。本開示の一態様によれば、前記シール部材S56は、前記低摩擦シールのために、第1の側で前記軸受部材60の前記外側60eに対向して配置されるように構成され、反対側の側で、前記軸受ハウジング50と前記軸受部材60との間の効率的なシールのための圧縮状態を提供するように前記圧縮可能なストリップ部材S56aを押すように構成された低摩擦シール部材S56bをさらに備える。
図10を参照されたい。
【0121】
図3a~b及び4a~bは、本開示の一態様による俯仰装置Eの前記第1の側E1に関連して配置される給弾シュート40を備える異なる図を概略的に示す。
【0122】
給弾シュート40は、積み重ね構成で一緒に組み立てられた要素42のセットを備える。要素42のセットの個々の要素は、リブ又はリブ要素とも表記され得る。
【0123】
要素42のセットは、俯仰装置Eの俯仰軸Zに対して同心に配置されるように構成されたシャフト44(例えば
図4a~bを参照)を中心として配置され、それにより、俯仰軸Zを中心とする兵器の俯仰動作に関連して前記シャフト44を中心とする要素42のセットの個々の要素の移動を可能にする。
【0124】
本開示の一態様によれば、給弾シュート40は、兵器に弾薬を供給するための配置で構成される。給弾シュート40は、一端が兵器20に接続されるように構成されている。兵器に接続されるように構成された給弾シュート40の端部は、前記第1の側E1に関連して俯仰装置Eの方に向けられる。本開示の一態様によれば、給弾シュート40は、シャフト44が俯仰軸Zに対して同軸となるように、俯仰装置Eに関連して配置される。
【0125】
本開示の一態様によれば、要素42のセットのそれぞれの個々の要素は、シャフト44の方向に対して本質的に垂直な延在部を有する。本開示の一態様によれば、要素42のセットのそれぞれの個々の要素は、給弾シュートが俯仰装置Eに関連して兵器に組み付けられるとき、シャフト44の方向、したがって俯仰軸Zの方向に対して本質的に垂直な回転平面を有する。
【0126】
本開示の一態様によれば、給弾シュート40は、シュート構成で構成される。
【0127】
本開示の一態様によれば、このようなシュート構成は、図示しない弾薬マガジンから給弾シュート40に弾薬を誘導するための、図示しない誘導シュートをさらに備え得る。弾薬マガジンは、弾薬を収容するための任意の適切な構成を有してもよい。
【0128】
本開示の一態様によれば、前記配置を有する俯仰装置Eは、俯仰装置Eのための配置が意図される車両搭載型兵器システムCの砲塔10内に配置されるように構成される。本開示の一態様によれば、前記兵器システムCは、前記俯仰装置Eを介して前記砲塔10に取り付けられた兵器20を備える。本開示の一態様によれば、前記俯仰装置Eは、前記第1の軸受ハウジング50及び前記第2の軸受ハウジング150を介して前記砲塔10に固定式に取り付けられるように構成されている。
【0129】
本発明の好ましい実施形態に関する前述の記載は、図示及び記載の目的で提供されたものである。これは、網羅的であること、又は本発明を開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。明らかに、多くの修正及び変形が当業者には明らかであろう。実施形態は、本発明の原理及びその実用的用途を最もよく説明するために選択され、記載されたものであり、それにより、当業者は、様々な実施形態に関して、及び企図される特定の用途に適するような様々な修正と共に、本発明を理解することができる。
【国際調査報告】