(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-20
(54)【発明の名称】P形電界効果トランジスタ(PFET)チャネルの圧縮を増加させるためにPFETソースおよびドレインにおけるゲルマニウム(Ge)を増加させるためのシリコンゲルマニウム(Ge)バッファ層上のPFETならびに作製方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/336 20060101AFI20240213BHJP
H01L 21/8238 20060101ALI20240213BHJP
【FI】
H01L29/78 301S
H01L29/78 301P
H01L27/092 E
H01L27/092 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548678
(86)(22)【出願日】2022-01-18
(85)【翻訳文提出日】2023-08-10
(86)【国際出願番号】 US2022012756
(87)【国際公開番号】W WO2022177683
(87)【国際公開日】2022-08-25
(32)【優先日】2021-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ビン
(72)【発明者】
【氏名】リー、シャー
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ハイニン
【テーマコード(参考)】
5F048
5F140
【Fターム(参考)】
5F048AA08
5F048AB03
5F048AC03
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5F048BA14
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5F140AA05
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5F140BH26
5F140BH27
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5F140BK18
5F140BK20
5F140CB04
5F140CC02
5F140CD06
(57)【要約】
シリコン(Si)ゲルマニウム(Ge)(SiGe)バッファ層上に作製され、Si基板界面において転位を引き起こすしきい値よりも高いGe割合を有するSiGeソース(211S)およびドレイン(211D)をもつ、例示的な高性能P形電界効果トランジスタ(PFET)が開示される。45%しきい値を上回るGe割合を含むソースおよびドレインが、PFETのより高い性能のために、チャネルにおいて、増加された圧縮ひずみを提供する。Si基板(216)の直上ではなく、SiGeバッファ層(214)上にPFET(200)を形成することによって、ソースおよびドレインの格子において転位が回避され、SiGeバッファ層は、ソースおよびドレインにおけるGeの割合よりも小さいGeの割合を有する。
一例では、バッファ層の格子は、バッファ層とSi基板との界面において転位を注入することと、バッファ層をアニールすることとによって、緩和される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン基板と、
前記シリコン基板上に配設されたバッファ層と、前記バッファ層が第1の割合のゲルマニウムを備える、
前記バッファ層上に配設されたトランジスタと
を備える、半導体デバイスであって、前記トランジスタが、
半導体材料を備えるチャネル領域と、
前記チャネル領域上に配設されたゲートと、
前記チャネル領域の第1の側に配設されたソースと、
前記チャネル領域の第2の側に配設されたドレインと
を備え、
ここにおいて、
前記ソースおよび前記ドレインが各々、第2の割合のゲルマニウムを備えるシリコンゲルマニウム(SiGe)複合物を備え、前記第2の割合が前記第1の割合よりも大きい、
半導体デバイス。
【請求項2】
ゲルマニウムの前記第2の割合が少なくとも46パーセントである、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
ゲルマニウムの前記第2の割合が60パーセントよりも大きい、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記ソースおよび前記ドレインが三価不純物でドープされる、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
ゲルマニウムの前記第1の割合が15パーセントである、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記バッファ層が少なくとも1ミクロンの厚さを備える、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記チャネル領域の前記半導体材料が、100~500オングストロームの厚さを備え、
前記ソースおよび前記ドレインが各々、前記チャネル領域の前記半導体材料の前記厚さに等しいかまたはそれよりも大きい厚さを備える、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記チャネル領域、前記ソース、および前記ドレインが、前記バッファ層の直上にある、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記バッファ層上に第2のトランジスタをさらに備え、前記第2のトランジスタが、
前記バッファ層上のシリコン層と、
前記シリコン層の第2のチャネル領域上に配設された第2のゲートと、
前記第2のゲートの一方の側に配設され、前記第2のゲートの前記一方の側の前記シリコン層に埋め込まれた第2のソースと、
前記第2のゲートの別の側に配設され、前記第2のゲートの前記別の側の前記シリコン層に埋め込まれた第2のドレインと
を備える、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記トランジスタが、P形電界効果トランジスタ(FET)(PFET)を備え、
前記第2のトランジスタが、N形FET(NFET)を備える、
請求項9に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
前記第2のトランジスタの前記第2のソースおよび前記第2のドレインが、シリコンとリンとを備える、
請求項9に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
無線周波数(RF)フロントエンドモジュールに組み込まれる、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項13】
セットトップボックスと、エンターテインメントユニットと、ナビゲーションデバイスと、通信デバイスと、固定ロケーションデータユニットと、モバイルロケーションデータユニットと、全地球測位システム(GPS)デバイスと、モバイルフォンと、セルラーフォンと、スマートフォンと、セッション開始プロトコル(SIP)フォンと、タブレットと、ファブレットと、サーバと、コンピュータと、ポータブルコンピュータと、モバイルコンピューティングデバイスと、ウェアラブルコンピューティングデバイスと、デスクトップコンピュータと、携帯情報端末(PDA)と、モニタと、コンピュータモニタと、テレビジョンと、チューナーと、無線機と、衛星無線機と、音楽プレーヤと、デジタル音楽プレーヤと、ポータブル音楽プレーヤと、デジタルビデオプレーヤと、ビデオプレーヤと、デジタルビデオディスク(DVD)プレーヤと、ポータブルデジタルビデオプレーヤと、自動車と、ビークル構成要素と、アビオニクスシステムと、ドローンと、マルチコプターとからなるグループから選択されたデバイスに組み込まれる、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項14】
半導体デバイスを作製する方法であって、前記方法は、
シリコン基板上にバッファ層を形成することと、前記バッファ層が、シリコンと第1の割合のゲルマニウムとを備える、
前記バッファ層におけるひずみを緩和することと、
前記バッファ層上に半導体層を形成することと、
前記半導体層上に第1のゲートを形成することと、
前記第1のゲートの第1の側に第1の凹部を形成し、前記第1のゲートの第2の側に第2の凹部を形成することと、前記第1の凹部および前記第2の凹部が各々、前記半導体層を通って前記バッファ層に延びる、
前記第1の凹部においておよび前記第2の凹部において、シリコンとゲルマニウムとの第1の複合物を形成することと、前記第1の複合物が、ゲルマニウムの前記第1の割合よりも高い第2の割合のゲルマニウムを備える、
を備える、方法。
【請求項15】
ゲルマニウムの前記第2の割合が少なくとも46パーセントである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ひずみを緩和することが、
前記バッファ層と前記シリコン基板との界面において前記バッファ層における欠陥を作成することと、
前記バッファ層をアニールすることと
をさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記半導体層を形成することが、前記半導体層を100オングストローム~500オングストロームの厚さに形成することをさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記バッファ層を形成することが、前記バッファ層を1ミクロンの厚さに形成することをさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記半導体層上に第2のゲートを形成することと、
前記第2のゲートの一方の側の前記半導体層において第3の凹部を形成することと、
前記第2のゲートの別の側の前記半導体層において第4の凹部を形成することと、
前記第3の凹部においておよび前記第4の凹部において、シリコンと別の元素との第2の複合物を形成することと、前記第2の複合物が、前記第2のゲートの下の前記半導体層の格子定数よりも小さい格子定数を備える、
をさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
シリコンと前記別の元素との前記第2の複合物が、前記半導体層の一部分によって前記バッファ層から離される、
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1のゲートと前記第2のゲートとの間に分離トレンチを形成すること、前記分離トレンチが、前記半導体層を通って前記バッファ層に延びる、
をさらに備える、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権出願
[0001] 本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2021年2月19日に出願された、「P-TYPE FIELD EFFECT TRANSISTOR (PFET) ON A SILICON GERMANIUM (GE) BUFFER LAYER TO INCREASE GE IN THE PFET SOURCE AND DRAIN TO INCREASE COMPRESSION OF THE PFET CHANNEL AND METHOD OF FABRICATION」と題する米国特許出願第17/180,219号の優先権を主張する。
【0002】
[0002] 本開示の分野は、一般に、半導体デバイス(semiconductor device)に関し、より詳細には、シリコン基板(silicon substrate)上に高性能トランジスタ(high performance transistor)を作製することに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] トランジスタは、電気信号を切り替え、増幅することができる電気デバイスである。トランジスタは、半導体材料(semiconductor material)から構成され、3つまたは4つの端子を有する。1つの端子に印加された電圧または電流が、他の端子間の電流フローを変化させることができる。電界効果トランジスタ(FET:field effect transistor)は、チャネル(channel)の両側に配設されたソース(source)およびドレイン(drain)と、ソースとドレインとの間の伝導率(conductivity)を変化させる電界を印加するためにチャネル上に配設された絶縁ゲートとからなるトランジスタのタイプである。ソース、ドレイン、およびチャネルの半導体材料は、一般に、半導体とは異なる数の、原子ごとの価電子を有する不純物でドープ(dope)された真性半導体材料である。不純物は、電気伝導率を増加させるために、複合格子構造における電子または正孔のいずれかの濃度を増加させるように選択される。ソースおよびドレインは第1のタイプのドーピングを有し、チャネルは反対のタイプでドープされる。
【0004】
[0004] 不純物の添加は、半導体格子構造のサイズを増加または減少させることもできる。このサイズ差は、チャネル上に引張応力(tensile stress)または圧縮ひずみ(compressive strain)を誘起するために、トランジスタにおいて採用され得る。半導体格子における引張応力は、原子を伸張し、価電子と核との間の間隔を増加させ、これは、格子構造における電子の移動度を増加させる。代替的に、格子構造上の圧縮ひずみは、正孔移動度(hole mobility)を増加させる。これらの効果は、それぞれ、N形FET(NFET)およびP形FET(PFET)において使用され得る。しかしながら、極度の応力(stress)またはひずみ(strain)は、格子構造における欠陥(defect)を作成することがあり、そのような欠陥は、トランジスタにおける電流漏れ(current leakage)についての経路になることがある。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 本明細書で開示される態様は、P形電界効果トランジスタ(PFET:P-type field-effect transistor)チャネルの圧縮を増加させるためにPFETソースおよびドレインにおけるゲルマニウム(Ge)を増加させるためのシリコン(Si:silicon)ゲルマニウム(Ge:germanium)(SiGe)バッファ層(buffer layer)上のPFETを含む。SiGeバッファ層上にPFETを作製する方法も開示される。PFETは、P形ソースおよびドレインと、正孔が多数キャリアであるN形チャネルとを含む。N形チャネルの分子格子に印加された圧縮ひずみが、N形チャネルにおける正孔移動度を増加させ、これは、チャネルにおける電流フローを増加させる。圧縮ひずみは、N形チャネルのSi格子よりも大きい格子定数(lattice constant)をもつSiGe格子から形成されたソースおよびドレインによって、チャネルの両方の端部から印加される。SiGe格子の格子定数は、SiにGeを添加することにより増加され、Ge割合が増加するにつれて大きくなる。ソースおよびドレインのSiGe格子におけるGeの割合がしきい値レベルに達し、したがって、SiGe格子定数がSi基板格子定数のものよりもはるかに大きいとき、Si基板上で成長したSiGe格子は、格子界面(lattice interface)において転位(dislocation)を生じる。転位は、ソースおよびドレインを通る電流漏れについての経路を提供する、格子(lattice)における欠陥であり、これは、PFETを通る電流フローが完全に遮断されるのを妨げる。
【0006】
[0006] Si基板界面において転位を引き起こすしきい値よりも高いGe割合を有するSiGeソースおよびドレインをもつ、例示的な高性能PFETが、SiGeバッファ層上に作製される。45%しきい値を上回るGe割合を含むソースおよびドレインが、PFETのより高い性能のために、チャネルにおいて、増加された圧縮ひずみを提供する。Si基板の直上ではなく、SiGeバッファ層上にPFETを形成することによって、ソースおよびドレインの格子において転位が回避され、SiGeバッファ層は、ソースおよびドレインにおけるGeの割合よりも小さいGeの割合を有する。一例では、バッファ層(buffer layer)の格子は、バッファ層とSi基板との界面(interface)において転位を形成するための注入(implantation)と、バッファ層をアニール(anneal)することとによって、緩和(relax)される。バッファ層格子が緩和された後に、Si基板界面における格子サイズにおける不整合は、バッファ層の上面において応力を作成しない。バッファ層のSiGe格子とソースおよびドレインのSiGe格子との間のサイズの差は、転位が発生することを引き起こさない。したがって、転位によって引き起こされる漏れ電流(leakage current)は、ソースおよびドレインのエピタキシャル層におけるGeのパーセントが少なくとも46パーセント(%)であるときでも回避され、緩和されたSiGeバッファ層上に形成されたPFETは、より高い性能を達成する。
【0007】
[0007] 例示的な態様では、シリコン基板とバッファ層とトランジスタとを備える半導体デバイスが開示される。バッファ層は、シリコン基板上に配設され、第1の割合のGeを備える。トランジスタは、バッファ層上に配設され、チャネル領域(channel region)とゲート(gate)とソースとドレインとを備える。チャネル領域は半導体材料を備える。ゲートはチャネル領域上に配設される。ソースはチャネル領域の第1の側に配設され、ドレインはチャネル領域の第2の側に配設される。ソースおよびドレインは各々、第1の割合よりも大きい第2の割合のGeを備えるSiGe複合物を備え、Geの第2の割合は少なくとも46パーセント(%)である。
【0008】
[0008] 別の例示的な態様では、半導体デバイスを作製する方法が開示される。本方法は、シリコン基板上にバッファ層を形成することを含み、バッファ層は、シリコンと第1の割合のGeとを備える。本方法は、バッファ層におけるひずみ(strain)を緩和することと、バッファ層上に半導体層(semiconductor layer)を形成することとをさらに備える。本方法は、半導体層上に第1のゲートを形成することを含む。本方法は、第1のゲートの第1の側に第1の凹部(first recess)を形成し、第1のゲートの第2の側に第2の凹部(second recess)を形成することを含み、第1の凹部および第2の凹部は各々、半導体層を通ってバッファ層に延びる。本方法は、第1の凹部においておよび第2の凹部において、SiとGeとの第1の複合物(first composite)を形成することを含み、第1の複合物は、ゲルマニウムの第1の割合よりも高い第2の割合のGeを備え、Geの第2の割合は少なくとも46パーセント(%)である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】[0009] シリコン基板上に形成されたP形電界効果トランジスタ(FET)(PFET)とN形FET(NFET)とを含む相補型金属酸化物半導体(MOS)(CMOS)デバイスの3次元斜視図。
【
図2】[0010] シリコン(Si)ゲルマニウム(Ge)(SiGe)複合物バッファ層上に形成され、増加された性能のためにPFETソースおよびドレインにおけるSiGe複合物中に45%よりも大きいGeを含む、PFETとNFETとを含む、CMOSデバイスの断面側面図。
【
図3】[0011]
図2に示されているバッファ層上に形成されたCMOSデバイスのPFETおよびNFETを作製する方法のフローチャート。
【
図4A】[0012]
図3中のフローチャートに示されている、
図2中のCMOSデバイスにおけるPFETおよびNFETを作製する方法における作製段階の図。
【
図4B】
図3中のフローチャートに示されている、
図2中のCMOSデバイスにおけるPFETおよびNFETを作製する方法における作製段階の図。
【
図4C】
図3中のフローチャートに示されている、
図2中のCMOSデバイスにおけるPFETおよびNFETを作製する方法における作製段階の図。
【
図4D】
図3中のフローチャートに示されている、
図2中のCMOSデバイスにおけるPFETおよびNFETを作製する方法における作製段階の図。
【
図4E】
図3中のフローチャートに示されている、
図2中のCMOSデバイスにおけるPFETおよびNFETを作製する方法における作製段階の図。
【
図4F】
図3中のフローチャートに示されている、
図2中のCMOSデバイスにおけるPFETおよびNFETを作製する方法における作製段階の図。
【
図4G】
図3中のフローチャートに示されている、
図2中のCMOSデバイスにおけるPFETおよびNFETを作製する方法における作製段階の図。
【
図4H】
図3中のフローチャートに示されている、
図2中のCMOSデバイスにおけるPFETおよびNFETを作製する方法における作製段階の図。
【
図4I】
図3中のフローチャートに示されている、
図2中のCMOSデバイスにおけるPFETおよびNFETを作製する方法における作製段階の図。
【
図5】[0013]
図2および
図4Iに示されているPFETとNFETとを含むCMOSデバイスを含む無線周波数(RF:radio-frequency)モジュールを含む例示的なワイヤレス通信デバイスのブロック図。
【
図6】[0014]
図2および
図4Iに示されている、ならびに本明細書で開示される態様のいずれかによる、SiGeバッファ層上に形成され、増加された性能のためにPFETソースおよびドレイン中に45%よりも大きいGeを含む、PFETとNFETとを含む、CMOSデバイスを含む例示的なICパッケージのブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0015] 次に図面を参照しながら、本開示のいくつかの例示的な態様が説明される。「例示的」という単語は、本明細書では「例、事例、または例示の働きをすること」を意味するために使用される。「例示的」として本明細書で説明されるいかなる態様も、必ずしも他の態様よりも好適または有利であると解釈されるべきであるとは限らない。
【0011】
[0016] 本明細書で開示される態様は、P形電界効果トランジスタ(PFET)チャネルの圧縮を増加させるためにPFETソースおよびドレインにおけるゲルマニウム(Ge)を増加させるためのシリコン(Si)ゲルマニウム(Ge)(SiGe)バッファ層上のPFETを含む。SiGeバッファ層上にPFETを作製する方法も開示される。PFETは、P形ソースおよびドレインと、正孔が多数キャリアであるN形チャネルとを含む。N形チャネルの分子格子に印加された圧縮ひずみが、N形チャネルにおける正孔移動度を増加させ、これは、チャネルにおける電流フローを増加させる。圧縮ひずみは、N形チャネルのSi格子よりも大きい格子定数をもつSiGe格子から形成されたソースおよびドレインによって、チャネルの両方の端部から印加される。SiGe格子の格子定数は、SiにGeを添加することにより増加され、Ge割合が増加するにつれて大きくなる。ソースおよびドレインのSiGe格子におけるGeの割合がしきい値レベルに達し、したがって、SiGe格子定数がSi基板格子定数のものよりもはるかに大きいとき、Si基板上で成長したSiGe格子は、格子界面において転位を生じる。転位は、ソースおよびドレインを通る電流漏れについての経路を提供する、格子における欠陥であり、これは、PFETを通る電流フローが完全に遮断されるのを妨げる。
【0012】
[0017] Si基板界面において転位を引き起こすしきい値よりも高いGe割合を有するSiGeソースおよびドレインをもつ、例示的な高性能PFETが、SiGeバッファ層上に作製される。45%しきい値を上回るGe割合を含むソースおよびドレインが、PFETのより高い性能のために、チャネルにおいて、増加された圧縮ひずみを提供する。Si基板の直上ではなく、SiGeバッファ層上にPFETを形成することによって、ソースおよびドレインの格子において転位が回避され、SiGeバッファ層は、ソースおよびドレインにおけるGeの割合よりも小さいGeの割合を有する。一例では、SiGeバッファ層のひずみは、SiGeバッファ層において転位を生成するための意図的な注入と、その後に続く、SiGeバッファ層を再結晶させるための高温アニール(high temperature anneal)とによって緩和される。これらの処理ステップの結果として、SiGeバッファ層において生成された転位は、SiGeバッファ層とSi基板との間の界面においてトラップ(trap)される。バッファ層格子が緩和された後に、Si基板界面における格子サイズにおける不整合は、バッファ層の上面において応力を作成しない。バッファ層のSiGe格子とソースおよびドレインのSiGe格子との間のサイズの差は、転位が発生することを引き起こさない。したがって、転位によって引き起こされる漏れ電流は、ソースおよびドレインのエピタキシャル層におけるGeのパーセントが少なくとも46パーセント(%)であるときでも回避され、緩和されたSiGeバッファ層上に形成されたPFETは、より高い性能を達成する。
【0013】
[0018]
図2中の相補型金属酸化物半導体(MOS)(CMOS)デバイス202における例示的なP形電界効果トランジスタ(FET)(PFET)200について説明する前に、従来のCMOSデバイス100の一例が
図1を参照しながら説明される。
図1は、シリコン(Si)基板104上に形成されたPFET102PとN形FET(NFET)102Nとを含むCMOSデバイス100の3次元斜視図である。CMOSデバイス100などのCMOSデバイスは、PFET102Pが、2値の「1」(たとえば、電源電圧V
DD)を通すためにより良く、NFET102Nが、「0」(たとえば、接地電圧V
SS)を通すためにより良いので、2値論理においてしばしば採用される。
【0014】
[0019] 構造的に、PFET102Pは、N形ウェル108の両側にP形ソース106SとP形ドレイン106Dとを含む。絶縁ゲート110がN形ウェル108上に配設される。NFET102Nは、P形ウェル114の両側にN形ソース112SとN形ドレイン112Dとを含む。絶縁ゲート116が、Si基板104中に形成されたP形ウェル114上に配設される。絶縁ゲート116は、金属または高導電性ポリシリコンであり得る。N形ウェル108は、Si基板104中に配設されたNウェル118中に形成される。
【0015】
[0020] PFET102PのP形ソース106Sおよびドレイン106Dは、絶縁ゲート110の両側にNウェル118においてトレンチ(trench)120をエッチング除去(etch out)し、トレンチ120においてP形半導体複合物122を成長させることによって作製される。P形半導体複合物122は、Siゲルマニウム(Ge)(SiGe)格子124として形成される。PFETの性能を向上させるための最良の方法のうちの1つは、Pチャネル125における正孔移動度を増加させることであり、これは、N形ウェル108の上面において誘起される。Pチャネル125がN形ウェル108中に形成されるので、N形ウェル108は、本明細書ではチャネル領域108とも呼ばれる。正孔移動度の増加は、N形ウェル108上に圧縮力を提供するためにP形ソース106SおよびP形ドレイン106NにおいてSiGe格子124を採用することによって達成され得る。
【0016】
[0021] SiGe格子構造は、より大きいGe原子とのより小さいSi原子の組合せであり、これは、真性Siよりも大きい格子を生じる。SiGe格子124は、Si格子126の格子定数A126よりも大きい格子定数A124を有する。P形半導体複合物122のSiGe格子124は、P形ソース106SおよびP形ドレイン106Dを形成するためにトレンチ120においてエピタキシーによって成長させられ、N形ウェル108の両側に圧縮ひずみを作成する。圧縮ひずみは、Pチャネル125における正孔移動度を増加させ、これは、N形ウェル108において誘起される。しかしながら、P形半導体複合物122におけるGeの割合がしきい値まで増加され、したがって、格子定数A124が格子定数A126よりもはるかに大きい場合、転位が、SiGe格子124とSi基板104のSi格子126との界面128において形を成す。本明細書で説明されるGeの割合は、総原子に対するGe原子の原子比率に基づく原子パーセントである。実際には、しきい値は、45%のGe割合である。CMOSデバイス100におけるP形ソース106SおよびP形ドレイン106Dによって提供される圧縮ひずみは、このGe割合しきい値によって限定される。
【0017】
[0022]
図2は、Si基板208上のバッファ層206を含む、PFET200とNFET204とを含む例示的なCMOSデバイス202の断面側面図である。PFET200の性能は、ソース211Sおよびドレイン211DによるN形ウェル210のより大きい圧縮が、その中の正孔移動度を増加させるので、
図1中のPFET102Pよりも改善される。N形ウェル210は、バッファ層206上に配設された半導体層212から形成される。半導体層212は、五価不純物でドープされて、N形ウェル210がそこから形成されるN形材料になる。N形ウェル210は、Pチャネル(図示せず)が、PFET200の動作中にN形ウェル210中に形成されるので、本明細書ではチャネル領域210とも呼ばれる。半導体層212は、N形ウェル210の両側から除去され、ソース211Sおよびドレイン211Dは、半導体層212が除去されたN形ウェル210の両側に形成される。ソース211Sおよびドレイン211Dは、転位を作成することなしに、
図1中のP形ソース106Sおよびドレイン106Dにおけるものよりも高い割合のGeをもつエピタキシャルSiGeから形成される。Geのより高い割合は、ソース211Sおよびドレイン211Dが、半導体層212の直上に形成されるのではなく、より低い割合のGeをもつSiGeから形成されるバッファ層206上に形成されるので、うまく採用され得る。
【0018】
[0023] 再び
図1を参照すると、転位は、SiGe格子124におけるGeの割合がGeしきい値(たとえば、45%Ge)に達したとき、SiGe格子124とSi基板104との界面128において作成される。このしきい値は、(たとえば、P形ソース106Sの)SiGe格子124のサイズとSi基板104のSi格子126のサイズとの間の差が、それぞれの格子の圧縮または拡大によって適応され得ない不整合を引き起こすポイントを示す。界面をなす(interfacing)格子の格子定数の差が大きくなりすぎるとき、転位が界面において発生する。したがって、
図1において、SiGe格子124の格子定数A
124が、Si格子126の格子定数A
126よりもはるかに大きくなるとき、不整合は適応され得ず、転位が形を成す。
【0019】
[0024] PFET200におけるGe割合しきい値を克服するために、ソース211Sおよびドレイン211Dは、バッファ層206上に形成される。ソース211Sおよびドレイン211Dは、格子定数A213をもつS/D格子213を含む。バッファ層206のBL格子214は格子定数A214を有し、格子定数A214は、Si基板208のSi格子216の格子定数A216よりも大きいが、S/D格子213の格子定数A213よりも小さい。Si格子216とS/D格子213との間のBL格子214を用いて、転位は、以下のように回避される。BL格子214の格子定数A214とS/D格子213の格子定数A213との間の差は、バッファ層206がソース211Sおよびドレイン211Dと交差する上部界面217において転位を引き起こすほど十分大きくない。同様に、BL格子214の格子定数A214とSi格子216の格子定数A216との間の差は、Si基板208とバッファ層206との下部界面218において転位を引き起こすほど十分大きくない。
【0020】
[0025] さらに詳細に、BL格子214は、ソース211Sおよびドレイン211DにおけるGeの第2の割合よりも小さい第1の割合のGeをもつSiGeから構成される。一例では、第1の割合は、12~18パーセント(たとえば、原子パーセント)Geの範囲内にある。一例では、BL格子214は15%Geである。格子定数A214をもつBL格子214は、Ge原子がSi原子よりも大きいので、格子定数A216をもつSi基板208のSi格子216よりも大きい。BL格子214は、Si基板208上に配設され、少なくとも1ミクロンの厚さ(thickness)T214にされ、これは、約100ミクロンのSi基板208の厚さT208よりもはるかに小さい。厚さT214よりもはるかに厚い、厚さT208のSi格子216は、厚さT214のBL格子214よりも、柔軟性がはるかに小さい。したがって、格子定数A214とA216との間の差は、より柔軟性のあるBL格子214が、Si格子216に順応するように下部界面218において圧縮されることを強制する。下部界面218におけるBL格子214に対する圧縮応力または力220は、厚さT214を通して、S/D格子213との上部界面217における上面222に伝えられ得る。BL格子214の上面222に伝達される圧縮力220は、上部界面217におけるBL格子214とより大きいS/D格子213との適応に影響を及ぼすであろう。そのような圧縮力220の影響は、Si格子216との不整合によって引き起こされるBL格子214上に加えられる圧縮力を軽減するために、下部界面218においてBL格子214に損傷を与えることによって欠陥224を意図的に作成することによって回避される。BL格子214は、BL格子がエピタキシー中に欠陥224に順応するにつれて、上面222において十分に緩和される(すなわち、最小圧縮または膨張応力を有する)。上面222において十分に緩和されているBL格子214は、Geのより高いパーセントのためにより大きいS/D格子213に、より良く適応することができる。欠陥を挿入することの一代替では、圧縮力は、SiとSiGeとの交互層を含む超格子構造(図示せず)によって軽減され得る。下部界面218における圧縮力220は、超格子構造の層間の界面を通して続かず、したがって、上部界面217に存在しない。
【0021】
[0026] この点について、バッファ層206は、Si基板208からS/D格子213をバッファ(buffer)し(たとえば、分離し)、S/D格子213の第2のGe割合が45%を超えることを可能にする。S/D格子213における第2のGe割合に対する限界は、S/D格子213の格子定数A213とBL格子214の格子定数A214との間の差に依存する。いくつかの例では、S/D格子213におけるGeの第2の割合は46%よりも大きい。いくつかの例では、S/D格子213におけるGeの第2の割合は60%よりも大きい。いくつかの例では、S/D格子におけるGeの第2の割合は、最高100%(すなわち、完全にGe)であり得る。Geの第2の割合を増加させることは、S/D格子213をより大きくし、これは、N形ウェル210の圧縮を増加させる。圧縮の増加は、N形ウェル210を通る伝導率C210を改善し、これは、PFET200の性能を増加させる。S/D格子213においてGeの割合を10%だけ増加させることは、PFET200の性能を5%だけ増加させることができる。
【0022】
[0027] PFET200の性能の増加を提供することに加えて、バッファ層206は、NFET204の性能に対する利益をも提供する。NFET204は、P形ウェル226の両側にソース228Sとドレイン228Dとを含む。P形ウェル226は、Nチャネル(図示せず)が、NFET204の動作中にその中に形成されるので、本明細書では「チャネル領域226」とも呼ばれる。P形ウェル226は、三価不純物(trivalent impurity)でドープされた半導体層212から形成される。半導体層212は、P形ウェル226の両側から除去され、ソース228Sおよびドレイン228Dは、半導体層212が除去されたP形ウェル226の両側に形成される。P形ウェル226(チャネル領域226)の電子移動度(electron mobility)は、引張(tensile)(引張り(pulling))応力とともに増加する。各側からP形ウェル226に引張応力を提供するために、NFET204のソース228Sおよびドレイン228Dは、Siと別の元素(element)232との複合物230から形成される。一例では、複合物230中の別の元素232は、リン(P:phosphorous)であり得る。複合物230は、シリコンリン(SiP)格子234を含む。元素232は、ソース228Sおよびドレイン228DにおけるSiP格子234の格子定数A234が、P形ウェル226におけるPウェル格子236の格子定数A236よりも小さくなるように選択される。したがって、ソース228Sおよびドレイン228DのSiP格子234は、P形ウェル226の各側で引っ張る。
【0023】
[0028] P形ウェル226のPウェル格子236は、Si格子216の格子定数A216に範囲が近い格子定数A236を有する。P形ウェル226は、バッファ層206上に配設され、100~500オングストローム(angstrom)の厚さT226にされる。BL格子214における15%Geにより、格子定数A214は、Pウェル格子236の格子定数A236よりも大きい。BL格子214が、Pウェル格子236よりもサイズが大きいことと、Pウェル格子236よりも大きい厚さT214を有することとにより、Pウェル格子236は、Pウェル格子236がBL格子214に適応するように拡大することを強制する追加の引張応力を受ける。バッファ層206によって加えられる追加の引張応力は、P形ウェル226における電子移動度をさらに増加させて、NFET204の性能を増加させる。したがって、PFET200とNFET204の両方の性能は、CMOSデバイス202にバッファ層206を組み込むことによって改善される。
【0024】
[0029]
図3は、増加された性能のためにバッファ層206上にPFET200とNFET204とを含むCMOSデバイス202を作製する方法300を示すフローチャートである。方法300は、
図4A~
図4I中の作製段階400A~400Iを参照しながら説明される。
図2中のCMOSデバイス202に対応する
図4A~
図4I中の特徴は、
図2の場合のように標示される。
図4Aに示されている第1の作製段階400Aは、
図2に示されているSi基板208を含む。この例におけるSi基板208は、約100ミクロンの厚さT
208を有するが、より薄いかまたはより厚いことがある。
【0025】
[0030]
図4Bに示されている第2の作製段階400Bを参照すると、方法300は、Si基板208上にバッファ層206を形成することを含み、バッファ層206は、Siと第1の割合のGeとを備える(ブロック302)。バッファ層206は、少なくとも1ミクロンの厚さT
214に形成される。いくつかの例では、厚さT
214は、0.9ミクロンから1.5ミクロンまでの範囲内にあるか、またはより大きくなり得る。Si基板208のSi格子216とバッファ層206のBL格子214との間の格子不整合により、Si格子216は、下部界面218においてBL格子214上に圧縮ひずみを誘起する。したがって、方法300は、バッファ層206におけるひずみを緩和することを含む(ブロック304)。一例では、バッファ層206におけるひずみを緩和することは、バッファ層206とSi基板208との下部界面218においてバッファ層206のBL格子214における欠陥224を作成することと、バッファ層206をアニールすること(すなわち、熱処理すること)とを含む。
【0026】
[0031] 方法300は、バッファ層206上に半導体層212を形成することをさらに含む(ブロック306)。一例では、半導体層212を形成することは、半導体層212を100オングストローム(A)~500Aの厚さT212に形成することを含む。別の例では、半導体層212を形成することは、半導体層212をドープすることをさらに含み得る。たとえば、PFET200(図示せず)が形成されるべきである半導体層212のエリア402Pにおいて、半導体層212は、五価不純物(たとえば、リン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)など)を添加することによってN形材料になるようにドープされ得る。NFET204(図示せず)が形成されるべきである半導体層212のエリア402Nにおいて、半導体層212は、三価不純物(たとえば、ホウ素(B)、ガリウム(G)、インジウム(In)など)を添加することによってP形半導体になるようにドープされ得る。
【0027】
[0032]
図4C中の第3の作製段階400Cの図に示されているように、方法300は、半導体層212上にゲート403を形成することを含む(ブロック308)。一例では、ゲート403は、半導体層212のエリア402P中に配設される。ゲート403を形成することは、側壁404を形成することと、誘電体層(dielectric layer)406を形成することと、導電性ゲート408を形成することとを含み得る。第3の作製段階400Cの図に示されているように、方法は、一例では、NFET204のためのエリア402Nにおいて半導体層212上にゲート409を形成することをさらに含み得る。方法300は、ゲート403とゲート409との間に分離トレンチ(isolation trench)410を形成することと、分離トレンチ410が、半導体層212を通ってバッファ層206に延びる、絶縁体(たとえば、シリコン酸化物)などのシャロートレンチ分離(STI:shallow trench isolation)材料で分離トレンチ410を充填することとをさらに含み得る。分離トレンチ410は、BL格子214の厚さT
214の一部分を通って延びる。
【0028】
[0033] 第4の作製段階400Dの
図4D中の図に示されているように、方法300は、ゲート403の第1の側に第1の凹部412Sを形成し、ゲート403の第2の側に第2の凹部412Dを形成することを含み、第1の凹部412Sおよび第2の凹部412Dは各々、半導体層212を通ってバッファ層206に延びる(ブロック310)。一例では、ゲート403の下の半導体層212の部分414は、
図2中のN形ウェル210である。第1の凹部(first recess)412Sおよび第2の凹部412Dは、たとえば、ウェットおよび/またはドライエッチングによって除去され得る。第1の凹部412Sおよび第2の凹部412Dを形成することは、バッファ層206の上面222を露出する。
【0029】
[0034] 第5の作製段階400Eの
図4E中の図は、方法300が、第1の凹部412Sおよび第2の凹部412Dにおいて、SiとGeとの複合物(composite)416を形成することをさらに含み、複合物416は、Geの第1の割合よりも大きい第2の割合のGeを備え、ここにおいて、第2の割合は少なくとも46%Geであることを示す(ブロック312)。一例では、複合物416は、N形ウェル210の第1の側の第1の凹部412Sと第2の側の第2の凹部412DとにおけるS/D格子213である。一例では、複合物416は、N形ウェル210と直接接触する。一例では、複合物416は、エピタキシーによって、半導体層212の少なくとも厚さT
212まで成長させられる。
【0030】
[0035] 第6の作製段階400Fの
図4F中の図に示されているように、方法300は、ゲート409の第1の側の半導体層212において第3の凹部(third recess)418Sを形成し、ゲート409の第2の側の半導体層212において第4の凹部(fourth recess)418Dを形成することをさらに含み得、第3の凹部418Sおよび第4の凹部418Dは各々、半導体層212に延びるが、半導体層212を通って延びない。言い換えれば、第3の凹部418Sおよび第4の凹部418Dは、半導体層212の厚さT
212をずっと通しては延びない。一例では、ゲート409の下の半導体層212の部分420は、
図2中のP形ウェル226である。第3の凹部418Sおよび第4の凹部418Dは、たとえば、ウェットおよび/またはドライエッチングによって除去され得る。第3の凹部418Sおよび第4の凹部418Dを形成した後に、半導体層212の厚さT
422が、バッファ層206の上面222上に残る。
【0031】
[0036] 第7の作製段階400Gの
図4G中の図は、方法300が、第3の凹部418Sおよび第4の凹部418Dにおいて、Siと別の元素232との複合物230を形成することをさらに含み得、複合物230が、半導体層212の格子定数A
212よりも小さい格子定数を備えることを示す。一例では、別の元素はリンであり、複合物230はSiとPとの複合物である。複合物230は、P形ウェル226の第1の側および第2の側に形成される。一例では、複合物230は、P形ウェル226と直接接触する。Siと別の元素232との複合物230は、半導体層212の厚さT
422だけバッファ層206から離される。
【0032】
[0037]
図4Hは、CMOSデバイス202を作製する方法300の第8の作製段階400Hの図である。この点について、方法は、エリア402Pおよびエリア402Nの上に誘電体層438を形成することと、誘電体層438を通る垂直コンタクト440を形成することとを含む。垂直コンタクト440は、ソース211S、ゲート403、ドレイン200D、ドレイン228D、ゲート409、およびソース228Sの各々に電気的接続を提供する。
【0033】
[0038] CMOSデバイス202を作製する方法の第9の作製状態400Iを示す
図4Iでは、PFET200およびNFET204の垂直コンタクト440を回路(図示せず)に相互接続するために、第2の誘電体層442を形成すること、および第2の誘電体層442において金属ルーティング(metal routing)444を形成すること。
【0034】
[0039]
図5は、1つまたは複数の集積回路(IC)502から形成された無線周波数(RF)構成要素(component)を含む例示的なワイヤレス通信デバイス500を示し、ここにおいて、IC502のいずれかは、
図2および
図4A~
図4Iに示されている、ならびに本明細書で開示される態様のいずれかによる、SiGe複合物バッファ層上に形成され、増加された性能のためにPFETソースおよびドレインにおけるSiGe複合物中に45%よりも大きいGeを含む、PFETとNFETとを含む、例示的なCMOSデバイスを含むことができる。ワイヤレス通信デバイス500は、例として、上記のデバイスのいずれかを含むか、または上記のデバイスのいずれかにおいて提供され得る。
図5に示されているように、ワイヤレス通信デバイス500は、トランシーバ504とデータプロセッサ506とを含む。データプロセッサ506は、データとプログラムコードとを記憶するためのメモリを含み得る。トランシーバ504は、双方向通信をサポートする送信機508と受信機510とを含む。概して、ワイヤレス通信デバイス500は、任意の数の通信システムと周波数帯域とのための任意の数の送信機508および/または受信機510を含み得る。トランシーバ504の全部または一部分は、1つまたは複数のアナログIC、RFIC、混合信号ICなどの上に実装され得る。
【0035】
[0040] 送信機508または受信機510は、スーパーヘテロダインアーキテクチャまたは直接変換アーキテクチャを用いて実装され得る。スーパーヘテロダインアーキテクチャでは、信号は、複数の段階においてRFとベースバンドとの間で周波数変換され、たとえば、ある段階においてRFから中間周波数(IF)に周波数変換され、次いで別の段階においてIFからベースバンドに周波数変換される。直接変換アーキテクチャでは、信号は、1つの段階においてRFとベースバンドとの間で周波数変換される。スーパーヘテロダインアーキテクチャおよび直接変換アーキテクチャは、異なる回路ブロックを使用し、および/または異なる要件を有し得る。
図5中のワイヤレス通信デバイス500では、送信機508および受信機510は、直接変換アーキテクチャを用いて実装される。
【0036】
[0041] 送信経路では、データプロセッサ506は、送信されるべきデータを処理し、送信機508にIおよびQアナログ出力信号を提供する。例示的なワイヤレス通信デバイス500では、データプロセッサ506は、さらなる処理のために、データプロセッサ506によって生成されたデジタル信号を、IおよびQアナログ出力信号、たとえば、IおよびQ出力電流に変換するためのデジタルアナログ変換器(DAC)512(1)、512(2)を含む。
【0037】
[0042] 送信機508内で、低域フィルタ514(1)、514(2)は、前のデジタルアナログ変換によって引き起こされた望ましくない信号を除去するために、それぞれ、IおよびQアナログ出力信号をフィルタ処理する。増幅器(AMP)516(1)、516(2)は、それぞれ、低域フィルタ514(1)、514(2)からの信号を増幅し、IおよびQベースバンド信号を提供する。アップコンバータ518は、アップコンバートされた信号524を提供するために、ミキサ520(1)、520(2)を通して、送信(TX)局部発振器(LO)信号生成器522からのIおよびQ TX LO信号を用いてIおよびQベースバンド信号をアップコンバートする。フィルタ526は、周波数アップコンバージョンによって引き起こされた望ましくない信号ならびに受信周波数帯域中の雑音を除去するために、アップコンバートされた信号524をフィルタ処理する。電力増幅器(PA)528は、所望の出力電力レベルを取得するためにフィルタ526からのアップコンバートされた信号524を増幅し、送信RF信号を提供する。送信RF信号は、デュプレクサまたはスイッチ530を通してルーティングされ、アンテナ532を介して送信される。
【0038】
[0043] 受信経路では、アンテナ532は、基地局によって送信された信号を受信し、受信RF信号を提供し、受信RF信号は、デュプレクサまたはスイッチ530を通してルーティングされ、低雑音増幅器(LNA)534に提供される。デュプレクサまたはスイッチ530は、受信(RX)信号がTX信号から分離されるように、特定のRX-TXデュプレクサ周波数分離(frequency separation)を用いて動作するように設計される。受信RF信号は、LNA534によって増幅され、所望のRF入力信号を取得するためにフィルタ536によってフィルタ処理される。ダウンコンバージョンミキサ538(1)、538(2)は、IおよびQベースバンド信号を生成するために、フィルタ536の出力を、RX LO信号生成器540からのIおよびQ RX LO信号(すなわち、LO_IおよびLO_Q)と混合する。IおよびQベースバンド信号は、データプロセッサ506に提供されるIおよびQアナログ入力信号を取得するために、AMP542(1)、542(2)によって増幅され、低域フィルタ544(1)、544(2)によってさらにフィルタ処理される。この例では、データプロセッサ506は、アナログ入力信号を、データプロセッサ506によってさらに処理されるべきデジタル信号に変換するためのアナログデジタル変換器(ADC)546(1)、546(2)を含む。
【0039】
[0044]
図5のワイヤレス通信デバイス500では、TX LO信号生成器522は、周波数アップコンバージョンのために使用されるIおよびQ TX LO信号を生成し、RX LO信号生成器540は、周波数ダウンコンバージョンのために使用されるIおよびQ RX LO信号を生成する。各LO信号は、特定の基本周波数をもつ周期信号である。TX位相ロックループ(PLL)回路548は、データプロセッサ506からタイミング情報を受信し、TX LO信号生成器522からのTX LO信号の周波数および/または位相を調整するために使用される制御信号を生成する。同様に、RX PLL回路550は、データプロセッサ506からタイミング情報を受信し、RX LO信号生成器540からのRX LO信号の周波数および/または位相を調整するために使用される制御信号を生成する。
【0040】
[0045]
図2および
図4A~
図4Iに示されている、ならびに本明細書で開示される態様のいずれかによる、SiGe複合物バッファ層上に形成され、増加された性能のためにPFETソースおよびドレインにおけるSiGe複合物中に45%よりも大きいGeを含む、PFETとNFETとを含む、例示的なCMOSデバイスを各々含むワイヤレス通信デバイス500は、任意のプロセッサベースデバイスにおいて提供されるか、またはそれに組み込まれ得る。例は、限定はしないが、セットトップボックスと、エンターテインメントユニットと、ナビゲーションデバイスと、通信デバイスと、固定ロケーションデータユニットと、モバイルロケーションデータユニットと、全地球測位システム(GPS)デバイスと、モバイルフォンと、セルラーフォンと、スマートフォンと、セッション開始プロトコル(SIP)フォンと、タブレットと、ファブレットと、サーバと、コンピュータと、ポータブルコンピュータと、モバイルコンピューティングデバイスと、ウェアラブルコンピューティングデバイス(たとえば、スマートウォッチ、ヘルストラッカーまたはフィットネストラッカー、アイウェアなど)と、デスクトップコンピュータと、携帯情報端末(PDA)と、モニタと、コンピュータモニタと、テレビジョンと、チューナーと、無線機と、衛星無線機と、音楽プレーヤと、デジタル音楽プレーヤと、ポータブル音楽プレーヤと、デジタルビデオプレーヤと、ビデオプレーヤと、デジタルビデオディスク(DVD)プレーヤと、ポータブルデジタルビデオプレーヤと、自動車と、ビークル構成要素と、アビオニクスシステムと、ドローンと、マルチコプターとを含む。
【0041】
[0046] この点について、
図6は、
図2および
図4A~
図4Iに示されている、ならびに本明細書で開示されるいずれかの態様による、SiGe複合物バッファ層上に形成され、増加された性能のためにPFETソースおよびドレインにおけるSiGe複合物中に45%よりも大きいGeを含む、PFETとNFETとを含む、例示的なCMOSデバイスを含むプロセッサベースシステム600の一例を示す。この例では、プロセッサベースシステム600は、各々が1つまたは複数のプロセッサ604を含む、CPUまたはプロセッサコアと呼ばれることもある、1つまたは複数の中央プロセッサユニット(CPU)602を含む。(1つまたは複数の)CPU602は、一時的に記憶されたデータへの高速アクセスのための、(1つまたは複数の)プロセッサ604に結合されたキャッシュメモリ606を有し得る。一例として、(1つまたは複数の)プロセッサ604は、
図2および
図4A~
図4Iに示されている、ならびに本明細書で開示されるいずれかの態様による、SiGe複合物バッファ層上に形成され、増加された性能のためにPFETソースおよびドレインにおけるSiGe複合物中に45%よりも大きいGeを含む、PFETとNFETとを含む、例示的なCMOSデバイスを含むことができる。(1つまたは複数の)CPU602は、システムバス608に結合され、プロセッサベースシステム600中に含まれるマスタデバイスとスレーブデバイスとを相互結合することができる。よく知られているように、(1つまたは複数の)CPU602は、システムバス608を介してアドレスと、制御と、データ情報とを交換することによって、これらの他のデバイスと通信する。たとえば、(1つまたは複数の)CPU602は、スレーブデバイスの一例としてのメモリコントローラ610にバストランザクション要求を通信することができる。
図6に示されていないが、複数のシステムバス608が提供され得、ここにおいて、各システムバス608は、異なるファブリック(fabric)を構成する。
【0042】
[0047] 他のマスタデバイスおよびスレーブデバイスが、システムバス608に接続され得る。
図6に示されているように、これらのデバイスは、例として、メモリコントローラ610と1つまたは複数のメモリアレイ614とを含むメモリシステム612と、1つまたは複数の入力デバイス616と、1つまたは複数の出力デバイス618と、1つまたは複数のネットワークインターフェースデバイス620と、1つまたは複数のディスプレイコントローラ622とを含むことができる。メモリシステム612、1つまたは複数の入力デバイス616、1つまたは複数の出力デバイス618、1つまたは複数のネットワークインターフェースデバイス620、および1つまたは複数のディスプレイコントローラ622の各々は、
図2および
図4A~
図4Iに示されている、ならびに本明細書で開示される態様のいずれかによる、SiGe複合物バッファ層上に形成され、増加された性能のためにPFETソースおよびドレインにおけるSiGe複合物中に45%よりも大きいGeを含む、PFETとNFETとを含む、例示的なCMOSデバイスを含むことができる。(1つまたは複数の)入力デバイス616は、限定はしないが、入力キー、スイッチ、音声プロセッサなどを含む、任意のタイプの入力デバイスを含むことができる。(1つまたは複数の)出力デバイス618は、限定はしないが、オーディオ、ビデオ、他の視覚インジケータなどを含む、任意のタイプの出力デバイスを含むことができる。(1つまたは複数の)ネットワークインターフェースデバイス620は、ネットワーク624との間のデータの交換を可能にするように構成された任意のデバイスであり得る。ネットワーク624は、限定はしないが、ワイヤードまたはワイヤレスネットワーク、プライベートまたは公衆ネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、BLUETOOTH(登録商標)ネットワーク、およびインターネットを含む、任意のタイプのネットワークであり得る。(1つまたは複数の)ネットワークインターフェースデバイス620は、所望される任意のタイプの通信プロトコルをサポートするように構成され得る。
【0043】
[0048] (1つまたは複数の)CPU602はまた、1つまたは複数のディスプレイ626に送られる情報を制御するために、システムバス608を介して(1つまたは複数の)ディスプレイコントローラ622にアクセスするように構成され得る。(1つまたは複数の)ディスプレイコントローラ622は、1つまたは複数のビデオプロセッサ628を介して表示されるべき情報を(1つまたは複数の)ディスプレイ626に送り、1つまたは複数のビデオプロセッサ628は、表示されるべき情報を(1つまたは複数の)ディスプレイ626に適したフォーマットに処理する。(1つまたは複数の)ディスプレイ626は、限定はしないが、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、発光ダイオード(LED)ディスプレイなどを含む、任意のタイプのディスプレイを含むことができる。(1つまたは複数の)ディスプレイコントローラ622、(1つまたは複数の)ディスプレイ626、および/または(1つまたは複数の)ビデオプロセッサ628は、
図4、
図8、および
図9のいずれかに示されている、ならびに本明細書で開示される態様のいずれかによる、改善された性能および信頼性のために均一性を増加させるための、読取りワード線回路を含むCIMビットセル回路物理的レイアウトの配向において配設されたCIMビットセル回路を含む例示的なCIMビットセルアレイ回路を含むことができる。
【0044】
[0049] 本明細書で開示される態様に関して説明される、様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムは、電子ハードウェアとして実装されるか、メモリまたは別のコンピュータ可読媒体に記憶され、プロセッサまたは他の処理デバイスによって実行される命令として実装されるか、あるいはその両方の組合せとして実装され得ることを当業者はさらに諒解されよう。本明細書で説明されるマスタデバイスおよびスレーブデバイスは、例として、任意の回路、ハードウェア構成要素、IC、またはICチップにおいて採用され得る。本明細書で開示されるメモリは、任意のタイプおよびサイズのメモリであり得、所望される任意のタイプの情報を記憶するように構成され得る。この互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、上記では概してそれらの機能に関して説明された。そのような機能がどのように実装されるかは、特定の適用例、設計選択、および/または全体的なシステムに課される設計制約に依存する。当業者は、説明された機能を特定の適用例ごとに様々な方法で実装し得るが、そのような実装の決定は、本開示の範囲からの逸脱を生じるものと解釈されるべきではない。
【0045】
[0050] 本明細書で開示される態様に関して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、あるいは本明細書で説明された機能を実施するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実施され得る。プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ(たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成)として実装され得る。
【0046】
[0051] 本明細書で開示される態様は、ハードウェアで実施され、および、ハードウェアに記憶され、たとえば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読取り専用メモリ(ROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM(登録商標))、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または当技術分野において知られている任意の他の形態のコンピュータ可読媒体中に存在し得る命令で実施され得る。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替として、記憶媒体はプロセッサと一体であり得る。プロセッサおよび記憶媒体はASIC中に存在し得る。ASICはリモート局中に存在し得る。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、個別構成要素としてリモート局、基地局、またはサーバ中に存在し得る。
【0047】
[0052] また、本明細書の例示的な態様のいずれかにおいて説明された動作ステップは、例および説明を与えるために説明されたことに留意されたい。説明された動作は、図示されたシーケンス以外の多数の異なるシーケンスで実施され得る。さらに、単一の動作ステップで説明された動作は、実際は、いくつかの異なるステップで実施され得る。さらに、例示的な態様において説明された1つまたは複数の動作ステップは組み合わせられ得る。フローチャート図に示された動作ステップは、当業者には容易に明らかになるように、多数の異なる修正を受け得ることを理解されたい。情報および信号が様々な異なる技術および技法のいずれかを使用して表され得ることも当業者は理解されよう。たとえば、上記の説明全体にわたって言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界または磁性粒子、光場または光学粒子、あるいはそれらの任意の組合せによって表され得る。
【0048】
[0053] 本開示についての以上の説明は、いかなる当業者も本開示を作成または使用することができるように与えられる。本開示への様々な修正は当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義された一般原理は他の変形形態に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書で説明された例および設計に限定されるものではなく、本明細書で開示された原理および新規の特徴に一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【0049】
[0054] 実装例が、以下の番号付けされた条項において説明される。
1. シリコン基板と、
シリコン基板上に配設されたバッファ層と、バッファ層が第1の割合のゲルマニウム(a first percentage of germanium)を備える、
バッファ層上に配設されたトランジスタと
を備える、半導体デバイスであって、トランジスタが、
半導体材料を備えるチャネル領域と、
チャネル領域上に配設されたゲートと、
チャネル領域の第1の側に配設されたソースと、
チャネル領域の第2の側に配設されたドレインと
を備え、
ここにおいて、
ソースおよびドレインが各々、第2の割合のゲルマニウム(a second percentage of germanium)を備えるシリコンゲルマニウム(SiGe)複合物を備え、第2の割合が第1の割合よりも大きい、
半導体デバイス。
2. ゲルマニウムの第2の割合が少なくとも46パーセントである、条項1に記載の半導体デバイス。
3. ゲルマニウムの第2の割合が60パーセントよりも大きい、条項1または2に記載の半導体デバイス。
4. ソースおよびドレインが三価不純物でドープされる、条項1から3のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
5. ゲルマニウムの第1の割合が15パーセントである、条項1から4のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
6. バッファ層が少なくとも1ミクロンの厚さを備える、条項1から5のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
7. チャネル領域の半導体材料が、100~500オングストロームの厚さを備え、
ソースおよびドレインが各々、チャネル領域の半導体材料の厚さに等しいかまたはそれよりも大きい厚さを備える、
条項1から6のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
8. チャネル領域、ソース、およびドレインが、バッファ層の直上にある、条項1から7のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
9. バッファ層上に第2のトランジスタをさらに備え、第2のトランジスタが、
バッファ層上のシリコン層と、
シリコン層の第2のチャネル領域上に配設された第2のゲートと、
第2のゲートの一方の側に配設され、第2のゲートの一方の側のシリコン層に埋め込まれた第2のソースと、
第2のゲートの別の側に配設され、第2のゲートの別の側のシリコン層に埋め込まれた第2のドレインと
を備える、条項1から8のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
10. トランジスタが、P形電界効果トランジスタ(FET)(PFET)を備え、
第2のトランジスタが、N形FET(NFET)を備える、
条項9に記載の半導体デバイス。
11. 第2のトランジスタの第2のソースおよび第2のドレインが、シリコンとリンとを備える、
条項9または10に記載の半導体デバイス。
12. 無線周波数(RF)フロントエンドモジュール(front end module)に組み込まれる、条項1から11のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
13. セットトップボックスと、エンターテインメントユニットと、ナビゲーションデバイスと、通信デバイスと、固定ロケーションデータユニットと、モバイルロケーションデータユニットと、全地球測位システム(GPS)デバイスと、モバイルフォンと、セルラーフォンと、スマートフォンと、セッション開始プロトコル(SIP)フォンと、タブレットと、ファブレットと、サーバと、コンピュータと、ポータブルコンピュータと、モバイルコンピューティングデバイスと、ウェアラブルコンピューティングデバイスと、デスクトップコンピュータと、携帯情報端末(PDA)と、モニタと、コンピュータモニタと、テレビジョンと、チューナーと、無線機と、衛星無線機と、音楽プレーヤと、デジタル音楽プレーヤと、ポータブル音楽プレーヤと、デジタルビデオプレーヤと、ビデオプレーヤと、デジタルビデオディスク(DVD)プレーヤと、ポータブルデジタルビデオプレーヤと、自動車と、ビークル構成要素と、アビオニクスシステムと、ドローンと、マルチコプターとからなるグループから選択されたデバイスに組み込まれる、条項1から12のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
14. 半導体デバイスを作製する方法であって、方法は、
シリコン基板上にバッファ層を形成することと、バッファ層が、シリコンと第1の割合のゲルマニウムとを備える、
バッファ層におけるひずみを緩和することと、
バッファ層上に半導体層を形成することと、
半導体層上に第1のゲートを形成することと、
第1のゲートの第1の側に第1の凹部を形成し、第1のゲートの第2の側に第2の凹部を形成することと、第1の凹部および第2の凹部が各々、半導体層を通ってバッファ層に延びる、
第1の凹部においておよび第2の凹部において、シリコンとゲルマニウムとの第1の複合物を形成することと、第1の複合物が、ゲルマニウムの第1の割合よりも高い第2の割合のゲルマニウムを備える、
を備える、方法。
15. ゲルマニウムの第2の割合が少なくとも46パーセントである、条項14に記載の方法。
16. ひずみを緩和することが、
バッファ層とシリコン基板との界面においてバッファ層における欠陥を作成することと、
バッファ層をアニールすることと
をさらに備える、条項14または15に記載の方法。
17. 半導体層を形成することが、半導体層を100オングストローム~500オングストロームの厚さに形成することをさらに備える、条項14から16のいずれか1つに記載の方法。
18. バッファ層を形成することが、バッファ層を1ミクロンの厚さに形成することをさらに備える、条項14から17のいずれか1つに記載の方法。
19. 半導体層上に第2のゲートを形成することと、
第2のゲートの一方の側の半導体層において第3の凹部を形成することと、
第2のゲートの別の側の半導体層において第4の凹部を形成することと、
第3の凹部においておよび第4の凹部において、シリコンと別の元素との第2の複合物(second composite)を形成することと、第2の複合物が、第2のゲートの下の半導体層の格子定数よりも小さい格子定数を備える、
をさらに備える、条項14から18のいずれか1つに記載の方法。
20. シリコンと別の元素との第2の複合物が、半導体層の一部分によってバッファ層から離される、
条項19に記載の方法。
21. 第1のゲートと第2のゲートとの間に分離トレンチを形成すること、分離トレンチが、半導体層を通ってバッファ層に延びる、
をさらに備える、条項19または20に記載の方法。
【国際調査報告】