(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-20
(54)【発明の名称】無線受電装置における電力伝送無効化スイッチ
(51)【国際特許分類】
H02J 50/80 20160101AFI20240213BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20240213BHJP
【FI】
H02J50/80
H02J50/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548804
(86)(22)【出願日】2022-02-14
(85)【翻訳文提出日】2023-10-10
(86)【国際出願番号】 US2022016343
(87)【国際公開番号】W WO2022177861
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】202111007255
(32)【優先日】2021-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】カナカサバイ, ヴィスワナタン
(72)【発明者】
【氏名】ガネーシュ, ジャヤンティ
(72)【発明者】
【氏名】タティコンダ, スバラオ
(57)【要約】
本開示は、無線受電装置の二次コイルにおける電力伝送を防止するためのシステム、方法、および装置を提供する。いくつかの実装形態は、一般に、1つまたは複数のスイッチの使用に関する。いくつかの実装形態では、1つまたは複数のスイッチは、二次コイルの一端または両端に直列に結合され得る。1つまたは複数のスイッチは、無線受電装置と対応する無線電力伝送装置との間のハンドシェイク通信に基づいて制御され得る。1つまたは複数のスイッチは、二次コイルを含む受電回路とは別個の無線通信インターフェースからのバイアス電力を使用して制御され得る。1つまたは複数のスイッチは、無線受電装置の1つまたは複数の構成要素を保護するために、または測定期間中に結合係数の測定を可能にするために、二次コイル内の電力伝送を無効にし得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線受電装置であって、
無線電力伝送装置の無線電力信号から電力を受電するように構成された二次コイルと、
前記受電電力を利用するように構成された受電回路と、
前記二次コイルと前記受電回路との間に配置された1つまたは複数のスイッチであって、前記無線受電装置と前記無線電力伝送装置との間のハンドシェイク通信に少なくとも部分的に基づいて、前記二次コイルと前記受電回路とを接続するように構成された1つまたは複数のスイッチと、を備える、無線受電装置。
【請求項2】
前記1つまたは複数のスイッチが、前記二次コイルの第1の端部と前記受電回路との間に直列に接続された第1のスイッチを含む、請求項1に記載の無線受電装置。
【請求項3】
前記1つまたは複数のスイッチが、前記二次コイルの第2の端部と前記受電回路との間に直列に接続された第2のスイッチを含む、請求項2に記載の無線受電装置。
【請求項4】
前記受電電力が交流(AC)電力であり、前記受電回路が、前記二次コイルからのAC電力を利用するように構成された負荷を含み、前記1つまたは複数のスイッチが、前記二次コイルの第1の端部と前記負荷との間に直列に接続されたスイッチを含む、請求項1に記載の無線受電装置。
【請求項5】
前記1つまたは複数のスイッチが、前記無線電力伝送装置からの前記ハンドシェイク通信がない場合、前記二次コイルを前記受電回路から切断するために常開である、請求項1~4のいずれか一項に記載の無線受電装置。
【請求項6】
前記1つまたは複数のスイッチが、前記無線電力伝送装置からの前記ハンドシェイク通信が無線充電プロトコルに準拠している場合、前記二次コイルと前記受電回路とを接続するように動作される、請求項1~5のいずれか一項に記載の無線受電装置。
【請求項7】
前記ハンドシェイク通信を前記無線電力伝送装置から受信するように構成された無線通信インターフェースと、
前記ハンドシェイク通信に少なくとも部分的に基づいて、前記1つまたは複数のスイッチを制御するように構成された受信機コントローラと、
をさらに備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の無線受電装置。
【請求項8】
前記1つまたは複数のスイッチが、少なくとも最初は、前記無線通信インターフェースの通信コイルによって取得されるバイアス電力を使用して動作される、請求項7に記載の無線受電装置。
【請求項9】
前記1つまたは複数のスイッチが前記二次コイルと前記受電回路とを接続した後、前記1つまたは複数のスイッチが前記受電電力を使用してその後動作される、請求項8に記載の無線受電装置。
【請求項10】
前記無線通信インターフェースの前記通信コイルが、前記二次コイルおよび前記受電回路から電気的に分離されている、請求項8~9のいずれか一項に記載の無線受電装置。
【請求項11】
前記無線通信インターフェースが、前記無線電力伝送装置の対応する無線通信インターフェースから無線通信信号を受信して処理するように構成された短距離無線周波数インターフェースである、請求項7~10のいずれか一項に記載の無線受電装置。
【請求項12】
前記1つまたは複数のスイッチが、前記二次コイルが無線電力伝送装置ではない誘導源の近くに配置されたときに前記受電回路を損傷から保護するように構成された保護スイッチを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の無線受電装置。
【請求項13】
前記1つまたは複数のスイッチが、前記二次コイルの両端部間に接続されたシャントスイッチを含み、前記シャントスイッチが、前記二次コイルが無線電力伝送装置ではない誘導源の近くに配置されたときに、前記二次コイルの誘導電圧が前記受電回路に到達するのを防止または低減するように構成されており、
前記シャントスイッチが、前記無線電力伝送装置から前記ハンドシェイク通信がない場合、前記誘導電圧が前記受電回路に到達することを防止または低減するために常閉とされる、
請求項1に記載の無線受電装置。
【請求項14】
前記受電回路が、前記二次コイルと負荷との間に整流器を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の無線受電装置。
【請求項15】
前記ハンドシェイク通信が、前記無線電力伝送装置から前記無線受電装置への第1の一対一通信を少なくとも含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の無線受電装置。
【請求項16】
無線受電装置であって、
無線電力伝送装置の無線電力信号から電力を受電するように構成された二次コイルと、
前記受電電力を利用するように構成された受電回路と、
前記二次コイルと前記受電回路との間に配置された1つまたは複数のスイッチであって、
結合係数(k係数)測定期間中において、前記二次コイルを前記受電回路から切断し、
電力伝送期間中において、前記二次コイルと前記受電回路とを接続する、ように構成された1つまたは複数のスイッチと、を備える、無線受電装置。
【請求項17】
前記k係数測定期間および前記電力伝送期間に少なくとも部分的に基づいて、前記1つまたは複数のスイッチを制御するように構成された受信機コントローラ
をさらに備える、請求項16に記載の無線受電装置。
【請求項18】
前記k係数測定期間が前記電力伝送期間に先行し、前記無線電力信号の動作点が、少なくとも部分的に、前記k係数測定期間中に決定された結合係数に基づく、請求項17に記載の無線受電装置。
【請求項19】
前記二次コイルが、無線電力伝送装置からk係数測定信号を受信するようにさらに構成され、
前記k係数測定期間が、前記二次コイルが前記受電回路から切断されている間に、前記k係数測定信号に基づいて前記二次コイルの電圧を測定することを可能にする、
請求項17~18のいずれか一項に記載の無線受電装置。
【請求項20】
前記無線電力伝送装置から通信を受信するように構成された無線通信インターフェース
をさらに備える、請求項16~19のいずれか一項に記載の無線受電装置。
【請求項21】
前記通信が、
前記k係数測定期間の開始または持続時間の指示、
前記k係数測定期間を開始する命令、
前記k係数測定期間を開始するために前記無線受電装置によって推測される通信、および
前記無線電力伝送装置が前記k係数測定期間を指定する無線電力伝送プロトコルをサポートするという指示、からなる群のうちの少なくとも1つのメンバを含む、請求項20に記載の無線受電装置。
【請求項22】
前記1つまたは複数のスイッチが、
前記二次コイルの第1の端部と前記受電回路との間に直列に接続されたスイッチ、
前記二次コイルの第2の端部と前記受電回路との間に直列に接続されたスイッチ、
前記二次コイルの少なくとも一端と前記受電電力の交流(AC)を利用するように構成された負荷との間に直列に接続されたスイッチ、および
前記二次コイルの両端部間に接続されたシャントスイッチ、からなる群のうちの少なくとも1つのメンバを含む、請求項16~19のいずれか一項に記載の無線受電装置。
【請求項23】
方法であって、
無線電力伝送装置と無線受電装置との間のハンドシェイク通信に少なくとも部分的に基づいて、無線受電装置の二次コイルと受電回路との間に配置された1つまたは複数のスイッチを制御することであって、前記二次コイルが、前記無線電力伝送装置の無線電力信号から電力を受電するように構成され、前記受電回路が、前記受電電力を利用するように構成されている、制御することを含む、方法。
【請求項24】
前記1つまたは複数のスイッチを制御することが、前記無線電力伝送装置からの前記ハンドシェイク通信がない場合、前記二次コイルを前記受電回路から切断することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記無線電力伝送装置からの前記ハンドシェイク通信が無線充電プロトコルに準拠している場合、前記1つまたは複数のスイッチを制御することが、前記二次コイルと前記受電回路とを接続することを含む、請求項23~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記無線受電装置の無線通信インターフェースを介して前記無線電力伝送装置から前記ハンドシェイク通信を受信することをさらに含む、請求項23~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記無線通信インターフェースの通信コイルを介してバイアス電力を収集することと、
少なくとも最初に前記バイアス電力を使用して前記1つまたは複数のスイッチを制御することと、
をさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記1つまたは複数のスイッチが前記二次コイルと前記受電回路とを接続した後に、前記受電電力を使用して前記1つまたは複数のスイッチをその後制御すること
をさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記無線通信インターフェースが、前記無線電力伝送装置の対応する無線通信インターフェースから無線通信信号を受信して処理するように構成された短距離無線周波数インターフェースである、請求項26~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記1つまたは複数のスイッチを制御することが、前記二次コイルが無線電力伝送装置ではない誘導源の近くに配置されたときに前記受電回路を損傷から保護するために前記1つまたは複数のスイッチを動作させることを含む、請求項23~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
方法であって、
結合係数(k係数)測定期間中において、無線受電装置の二次コイルと前記無線受電装置の受電回路との間に配置された1つまたは複数のスイッチを使用して、前記二次コイルを前記受電回路から切断することであって、前記二次コイルが、無線電力伝送装置の無線電力信号から電力を受電するように構成され、前記受電回路が、前記受電電力を利用するように構成されている、切断することと、
電力伝送期間中において、前記1つまたは複数のスイッチを使用して前記二次コイルを前記受電回路に接続することと、を含む、方法。
【請求項32】
受信機コントローラによって、前記k係数測定期間および前記電力伝送期間に少なくとも部分的に基づいて、前記1つまたは複数のスイッチを制御すること
をさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記二次コイルによって、前記k係数測定期間中に無線電力伝送装置からk係数測定信号を受信することと、
前記k係数測定期間中に前記二次コイルが前記受電回路から切断された状態で、前記k係数測定信号に基づいて前記二次コイルの電圧を測定することと、
をさらに含む、請求項31~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
無線通信インターフェースを介して、前記無線電力伝送装置から通信を受信すること
をさらに含む、請求項31~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記通信が、
前記k係数測定期間の開始または持続時間の指示、
前記k係数測定期間を開始する命令、
前記k係数測定期間を開始するために前記無線受電装置によって推測される通信、および
前記無線電力伝送装置が前記k係数測定期間を指定する無線電力伝送プロトコルをサポートするという指示、からなる群のうちの少なくとも1つのメンバを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記k係数測定期間中に測定された前記二次コイルの前記電圧に基づいて前記無線電力伝送装置にフィードバックを提供すること
をさらに含む、請求項33に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本特許出願は、「POWER TRANSFER DISABLEMENT SWITCH IN A WIRELESS POWER RECEPTION APPARATUS」と題する、2021年2月19日に出願され、本願の譲受人に譲受されるインド仮特許出願第202111007255号の優先権を主張するものである。先行出願の開示は、本特許出願の一部とみなされ、参照により本特許出願に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一般に、無線電力に関する。より具体的には、本特許出願は、無線受電装置における電力伝送無効化スイッチに関する。
【背景技術】
【0003】
無線電力伝送装置から無線受電装置への電力の無線伝送を可能とする技術が開発されている。無線受電装置の例は、他の例の中でも、いくつかの種類のモバイルデバイス、小型電子デバイス、コンピュータ、タブレット、ガジェット、機器(コードレスブレンダー、湯沸かし、ミキサーなど)、およびいくつかの種類の大型電子デバイスを含み得る。無線電力伝送は、非接触電力伝送または非接触電力伝送と呼ばれることがある。無線電力は、無線電力伝送装置の一次コイルと無線受電装置の二次コイルとの間の誘導結合または共振結合を使用して伝送され得る。例えば、無線電力伝送装置は、電磁場を発生させる一次コイルを含み得る。電磁場は、二次コイルが一次コイルに近接して配置されたときに、無線受電装置の二次コイルに起電力を誘導し得る。この構成では、電磁場は、無線で二次コイルに電力を伝送し得る。
【0004】
いくつかの従来の無線電力システムでは、一次コイルは、無線規格によって予め決められた定格まで無線エネルギーを二次コイルに伝送することができる。例えば、低電力無線電力信号は、5ワット(5W)、9W、12W、または15Wを伝送し得る。低電力無線電力システムは、多くの電子デバイスに適した最大15ワットのエネルギーを供給し得る。より高い電力を必要とする機器またはデバイスへの無線電力伝送をサポートするために、より高電力の無線システムが開発されている。例えば、高出力コードレスキッチン送信機は、2.2kWもの高出力を供給し得る。いくつかの誘導システムは、無線電力伝送以外の目的(誘導ベースの加熱など)のためにエネルギーを生成し得る。非意図的な電力伝送により、無線受電装置における電子機器を損傷させる可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
本開示のシステム、方法、および装置は、それぞれ、いくつかの革新的な態様を有し、そのうちの1つだけが本明細書に開示された望ましい属性を単独で担当することはない。
【0006】
本開示に記載された主題の1つの革新的な態様は、無線受電装置として実装されることができる。無線受電装置は、無線電力伝送装置の無線電力信号から電力を受電するように構成された二次コイルを含み得る。無線受電装置は、受電電力を利用するように構成された受電回路を含み得る。無線受電装置は、二次コイルと受電回路との間に配置された1つまたは複数のスイッチを含み得る。1つまたは複数のスイッチは、無線電力伝送装置からの通信に基づいて二次コイルと受電回路とを接続するように構成され得る。
【0007】
本開示に記載された主題の他の革新的な態様は、無線受電装置として実装されることができる。無線受電装置は、無線電力伝送装置の無線電力信号から電力を受電するように構成された二次コイルを含み得る。無線受電装置は、受電電力を利用するように構成された受電回路を含み得る。無線受電装置は、二次コイルと受電回路との間に配置された1つまたは複数のスイッチを含み得る。1つまたは複数のスイッチは、結合係数(k係数)測定期間中に二次コイルを受電回路から切断し、電力伝送期間中に二次コイルを受電回路に接続するように構成されている。
【0008】
本開示に記載された主題の別の革新的な態様は、方法として実装されることができる。本方法は、無線電力伝送装置からの通信に基づいて、無線受電装置の二次コイルと受電回路との間に配置された1つまたは複数のスイッチを制御することを含み得る。二次コイルは、無線電力伝送装置の無線電力信号から電力を受電するように構成され得る。受電回路は、受電電力を利用するように構成され得る。
【0009】
本開示に記載された主題の別の革新的な態様は、方法として実装されることができる。本方法は、結合係数(k係数)測定期間中に、二次コイルと受電回路との間に配置された1つまたは複数のスイッチを使用して、無線受電装置の二次コイルを無線受電装置の受電回路から切断することを含み得る。二次コイルは、無線電力伝送装置の無線電力信号から電力を受電するように構成され得る。受電回路は、受電電力を利用するように構成され得る。本方法は、電力伝送期間中に1つまたは複数のスイッチを使用して二次コイルを受電回路に接続することを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示に記載された主題の1つまたは複数の実装形態の詳細は、添付の図面および以下の明細書に記載されている。他の特徴、態様、および利点は、明細書、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。以下の図の相対寸法は、縮尺通りに描かれていない場合があることに留意されたい。
【0011】
【
図1】例示的な無線電力伝送システムのブロック図を示している。
【0012】
【
図2】例示的な無線電力伝送装置のブロック図を示している。
【0013】
【
図3】二次コイルと整流器との間に直列に接続されたスイッチを有する例示的な無線受電装置のブロック図を示している。
【0014】
【
図4】二次コイルと負荷との間に直列に接続されたスイッチを有する例示的な無線受電装置のブロック図を示している。
【0015】
【
図5】二次コイルと整流器との間に直列に接続された複数のスイッチを有する例示的な無線受電装置のブロック図を示している。
【0016】
【
図6】二次コイルの両端部間にシャントとして接続されたスイッチを有する例示的な無線受電装置のブロック図を示している。
【0017】
【
図7】結合係数を決定するための測定期間中に二次コイルの切断を可能にするスイッチを有する例示的な無線受電装置のブロック図を示している。
【0018】
【
図8】いくつかの実装形態にかかる例示的なプロセスのフローチャート図を示している。
【0019】
【
図9】いくつかの実装形態にかかる別の例示的なプロセスのフローチャート図を示している。
【0020】
【
図10】無線電力伝送システムにおいて使用するための例示的な装置のブロック図を示している。
【0021】
様々な図面における同様の参照番号および符号は、同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
無線電力伝送(WPT)システムは、無線電力伝送装置および無線受電装置を含み得る。無線電力伝送装置は、無線エネルギーを(無線電力信号として)無線受電装置内の1つまたは複数の対応する二次コイルに伝送する1つまたは複数の一次コイルを含み得る。一次コイルは、無線電力伝送装置における無線エネルギー(電磁場を生成する誘導または磁気共鳴エネルギーなど)の供給源を指す。無線受電装置に配置された二次コイルは、電磁場を介して無線エネルギーを受信し得る。
【0023】
いくつかの種類の無線受電装置(他の例の中でも、コードレスキッチン機器など)は、1つまたは複数の一次コイルによって構成された無線電力伝送面上で動作するように意図され得る。例として、キッチンカウンタトップまたはレンジ上面(クックトップまたはホブと呼ばれることもある)は、1つまたは複数の誘導コイルを含み得る。誘導コイルは、キッチンガジェットを加熱するためのバーナーとして動作されてもよく、またはコードレスキッチン機器への無線電力伝送のための一次コイルとして動作されてもよい。いくつかの誘導ホブは、異なる誘導コイルに対して異なる能力または能力の組み合わせを実装し得る。例えば、加熱専用の誘導コイルのサブセットおよび誘導コイルの別のサブセットは、加熱または無線電力伝送が可能であってもよい。従来の誘導ホブは、誘導加熱をサポートし得るが、無線電力伝送をサポートしないことがある。従来の誘導ボブの表面上に無線電力向けのコードレスキッチン機器を意図せずに配置すると、コードレスキッチン機器への意図しない電力伝送をもたらす可能性がある。これは、危険な安全上の懸念を引き起こす可能性があり、他の懸念の中でも、従来の誘導ホブまたはコードレスキッチン機器を損傷する可能性がある。さらにまた、誘導コイルによって生成された電力が(従来の無線充電と比較して)より高いレベルに到達すると、高電力は、コードレスキッチン機器の電気部品を損傷することがある。追加的または代替的に、二次コイル内の無線電力の誘導が望ましくない時間が存在し得る。
【0024】
本開示は、無線受電装置の二次コイルにおける電力伝送を防止するためのシステム、方法、および装置を提供する。いくつかの実装形態は、一般に、無線電力伝送をサポートしない従来の誘導ホブ上に配置されたときに二次コイルへの電力伝送を防止するために二次コイルに結合された1つまたは複数のスイッチの使用に関する。いくつかの実装形態では、1つまたは複数のスイッチは、二次コイルの一端または両端に直列に結合され得る。1つまたは複数のスイッチは、無線受電装置と対応する無線電力伝送装置との間の通信(デジタルハンドシェイクと呼ばれることもあるハンドシェイク通信など)に基づいて制御され得る。従来の誘導ホブは通信システムを有していないが、無線電力伝送装置は、無線電力プロトコルにしたがったハンドシェイク通信を必要とすることがある。したがって、本開示の技術は、無線受電装置が従来の誘導ホブによって不用意に電力供給されることを防止する。
【0025】
いくつかの実装形態では、1つまたは複数のスイッチは、二次コイルが受電回路から切断されるように常開であり得る。受電回路は、負荷、整流器、またはその双方を含み得る。無線電力伝送装置と一対一通信を確立した後、1つまたは複数のスイッチは、閉じられて二次コイルを介した電力伝送を可能にし得る。いくつかの実装形態では、1つまたは複数のスイッチは、無線通信インターフェースからのバイアス電力を使用して閉じられ得る。無線通信インターフェースは、二次コイルを含む受電回路とは別個であってもよい。いくつかの実装形態では、1つまたは複数のスイッチは、二次コイルと一次コイルとの結合を決定するための測定期間中、(二次コイルからの電力伝送を無効にするために)開かれたままにされ得る。
【0026】
いくつかの実装形態では、1つまたは複数のスイッチは、二次コイルの一方側または脚部に接続された第1の直列スイッチであり得る。代替的または追加的に、1つまたは複数のスイッチは、二次コイルの他方側または脚部に接続された第2の直列スイッチを含んでもよい。いくつかの実装形態では、1つまたは複数のスイッチは、スイッチが開かれているときに電圧を遮断することができる静的または電磁リレーまたは他の種類のスイッチを含み得る。1つまたは複数のスイッチは、スイッチが閉じられているときに二次コイルに交流(AC)電力が誘導されることができるように、正極性および負極性の双方において電気を伝導することができてもよい。いくつかの実装形態では、1つまたは複数のスイッチは、1つまたは複数の他の構成要素を保護するために、または測定期間中に二次コイルの2つの側面または脚部を短絡するシャントスイッチを含み得る。
【0027】
いくつかの実装形態では、無線通信インターフェース(他の例の中でも、Bluetooth(商標)または近距離無線通信(NFC)を使用する短距離無線周波数インターフェースなど)は、通信信号を介してバイアス電力を収集し得る。バイアス電力は、二次コイルに接続された1つまたは複数のスイッチを制御するために無線受電装置によって使用される。したがって、1つまたは複数のスイッチは、そうでなければ二次コイルを介して受信される無線電力信号とは無関係に動作され得る。
【0028】
いくつかの実装形態では、1つまたは複数のスイッチは、保護スイッチと呼ばれることがある。保護スイッチは、二次コイルと無線受電装置の1つまたは複数の他の構成要素との間に配置され得る。例えば、いくつかの実装形態では、保護スイッチは、二次コイルと無線受電装置の整流器との間に配置され得る。いくつかの実装形態では、保護スイッチは、二次コイルと無線受電装置に関連付けられた負荷との間に配置され得る。保護スイッチは、無線受電装置が互換性のない誘導コイル(無線電力伝送をサポートしておらず、むしろ誘導ベースの加熱に使用されるものなど)上に配置されている場合、開いたままであってもよい(したがって、二次コイルからの電力伝送を無効にする)。
【0029】
いくつかの実装形態では、1つまたは複数のスイッチは、結合係数測定を可能にし得る。結合係数(k係数と呼ばれることもある)は、二次コイルおよび一次コイルが無線電力がどれだけ良好に伝送されることができるかを示すものであり得る。例えば、k係数は、一次コイルと二次コイルとの間の無線電力伝送の潜在的な磁束結合の尺度であり得る。いくつかの実装形態では、k係数は、とりわけ、一次コイルの巻数(n1)、二次コイルの巻数(n2)、一次コイルによって伝送される電圧(v1)、および測定期間中に二次コイルに誘導される電圧(v2)に依存し得る。いくつかの実装形態では、k係数を決定するための測定期間中に無線受電装置の他の構成要素から二次コイルを切断することが望ましい。したがって、いくつかの実装形態では、本開示に記載の1つまたは複数のスイッチは、k係数測定期間中に二次コイルを1つまたは複数の他の構成要素(整流器、負荷、またはその双方など)から切断することを可能にし得る。
【0030】
本開示に記載された主題の特定の実装は、以下の潜在的な利点のうちの1つまたは複数を実現するために実装されることができる。1つまたは複数のスイッチは、無線受電装置が非互換の誘導コイル上に配置されたときに、無線受電装置の構成要素を保護し得る。例えば、1つまたは複数のスイッチは、無線電力伝送用に構成されていない誘導コイル上に不用意に配置される可能性があるコードレスキッチン機器の安全性を改善し得る。追加的または代替的に、1つまたは複数のスイッチは、k係数測定期間中に二次コイルを1つまたは複数の他の構成要素から切断することによって、k係数測定の精度を改善してもよい。
【0031】
以下の説明は、本開示の革新的な態様を説明する目的のための特定の実装形態に関する。しかしながら、当業者は、本明細書の教示が多数の異なる方法で適用されることができることを容易に認識するであろう。記載された実装形態は、無線電力伝送のための任意の手段、装置、システム、または方法において実装されることができる。
【0032】
図1は、例示的な無線電力伝送システム100のブロック図を示している。無線電力伝送システムは、無線電力伝送装置102および無線受電装置118を含み得る。無線電力伝送装置は、一次コイル110を含む。一次コイル110は、電力信号発生器106に関連付けられ得る。一次コイル110は、無線電力(無線エネルギーとも呼ばれる)を伝送するワイヤコイルであり得る。一次コイル110は、誘導または磁気共鳴場を使用して無線エネルギーを伝送し得る。電力信号発生器および一次コイルは、ともに、無線電力伝送中に一次磁場を生成し得る。電力信号発生器106は、一次コイル110に電力を供給して一次コイル110に無線電力信号155を生成させる構成要素(図示せず)を含み得る。例えば、電力信号発生器106は、1つまたは複数のスイッチ、ドライバ、直列コンデンサ、整流器または他の構成要素を含み得る。無線電力伝送装置102はまた、電力信号発生器106の構成要素を制御する伝送コントローラ108を含み得る。例えば、伝送コントローラ108は、動作点(電圧または電流など)を決定し、動作点にしたがって電力信号発生器106を制御し得る。
【0033】
いくつかの実装形態では、電力信号発生器106、伝送コントローラ108、および他の構成要素(図示せず)は、まとめて電力伝送回路と呼ばれることがある。電力伝送回路の一部または全ては、無線電力を制御して1つまたは複数の無線受電装置に送信するための本開示の特徴を実装する集積回路(IC)として具現化され得る。伝送コントローラ108は、マイクロコントローラ、専用プロセッサ、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、または任意の他の適切な電子デバイスとして実装されてもよい。
【0034】
電源112は、無線電力伝送装置102内の電力伝送回路に電力を供給し得る。電源112は、交流(AC)電力を直流(DC)電力に変換し得る。例えば、電源112は、外部電源(電源幹線など)からAC電力を受け取り、AC電力を電力信号発生器106によって使用されるDC電力に変換する変換器を含み得る。
【0035】
いくつかの実装形態では、無線電力信号155を介して通信を送信または受信するために、第1の通信ユニット142は、電力信号発生器106または一次コイル110の構成要素に結合され得る。第1の通信ユニット142は、無線電力信号155を介して通信信号を送信および受信させる1つまたは複数のスイッチおよび他の構成要素を制御するためのロジックを含み得る。例えば、第1の通信ユニット142は、情報を無線電力信号155に付加された変調信号に変換する変調器または復調器を含み得る。一例では、第1の通信ユニット142は、伝送コントローラ108からのデータを、無線電力伝送装置102から無線受電装置118への通信のために無線電力信号155と合成される周波数シフトキー(FSK)変調信号に変換し得る。別の例では、第1の通信ユニット142は、電力信号発生器106または一次コイル110からの負荷変調振幅シフトキー(ASK)信号を検知し、ASK信号を復調して、第1の通信ユニット142が伝送コントローラ108に供給するデータを取得してもよい。無線電力信号155を介して送信または受信される通信信号は、無線電力信号155を使用して搬送されるため、帯域内通信と呼ばれることがある。対照的に、帯域外通信は、無線電力信号155とは別個の異なる無線または有線通信チャネルを使用して無線通信信号175として搬送され得る。例えば、無線通信信号175は、短距離無線周波数通信(Bluetooth(商標)など)または近距離無線通信(NFC)を介した帯域外通信を含み得る。
【0036】
無線電力伝送装置102は、無線通信信号175を使用して無線受電装置118と通信するように構成された無線通信インターフェース114を含み得る。無線通信インターフェース114は、(他の例の中でも、コイルまたはループアンテナであり得る)第1の通信コイル116に接続され得る。無線通信インターフェース114は、第1の通信コイル116を介して無線通信信号を送信および受信させる1つまたは複数のスイッチおよび他の構成要素を制御するロジックを含み得る。いくつかの実装形態では、無線通信インターフェース114は、短距離無線周波数通信またはNFCをサポートし得る。NFCは、13.56MHzのキャリア周波数でデータ転送を行う技術である。無線通信インターフェース114はまた、任意の適切な通信プロトコルをサポートし得る。
【0037】
伝送コントローラ108は、無線受電装置118の存在または近接を検出し得る。いくつかの実装形態では、無線受電装置118の存在または近接は、電力信号発生器106および一次コイル110によって生成された周期的な低電力信号に応答する負荷変化に基づいて検出され得る。いくつかの実装形態では、無線受電装置118の存在または近接は、無線電力伝送装置102内の無線通信インターフェース114の周期的なpingプロセス中に起こり得る。代替的または追加的に、無線電力伝送装置102は、無線通信信号175を介した通信に基づいて、無線受電装置118の存在または近接を検出してもよい。例えば、無線電力伝送装置102は、無線通信信号175を介して通信またはポーリング信号を定期的または継続的に送信してもよい。いくつかの実装形態では、無線通信信号175は、無線受電装置118の無線通信インターフェース132に電力を供給するための少量の電力(通信バイアス電力またはバイアス電力と呼ばれることがある)を含み得る。無線電力伝送装置102は、無線通信信号175を介して無線受電装置118から応答を受信すると、無線受電装置118の互換性および電力要件を確認するためにさらなる通信を実行し得る。
【0038】
伝送コントローラ108は、無線電力伝送装置102が無線受電装置118に供給する無線電力の特性を制御し得る。無線受電装置118を検出した後、伝送コントローラ108は、(無線通信インターフェース114または第1の通信ユニット142のいずれかを介して)無線受電装置118から情報を受信し得る。例えば、伝送コントローラ108は、無線受電装置118とのハンドシェイク通信の一部として情報を受信し得る。ハンドシェイク通信(デジタルハンドシェイクと呼ばれることもある)は、無線受電装置118と無線電力伝送装置102との間の一対一通信を指す。ハンドシェイク通信中、無線電力伝送装置102は、第1の通信信号を送信し、無線受電装置118は、情報(他の例の中でも、電力定格、製造業者、モデル、または標準的な送信機で動作するときの受信機のパラメータなど)を送信することによって第1の通信信号に応答し得る。例えば、伝送コントローラ108および受信機コントローラ128は、それぞれの無線通信インターフェースを介して互いに情報を通信し得る。伝送コントローラ108は、受信機コントローラ128から受信した情報を使用して、無線受電装置118に供給する無線電力についての少なくとも1つの動作制御パラメータ(周波数、デューティサイクル、電圧など)を決定し得る。無線電力を構成するために、伝送コントローラ108は、電力信号発生器106の周波数、デューティサイクル、電圧、または任意の他の適切な特性を変更し得る。
【0039】
無線受電装置118は、二次コイル120と、受信機コントローラ128とを含み得る。いくつかの実装形態では、無線受電装置118は、整流器126を含み得る。無線受電装置は、負荷130を含み得るか、または負荷に接続され得る。いくつかの実装形態では、負荷130は、無線受電装置118の外部にあり、二次コイル120または整流器126(存在する場合)からの電線を介して結合され得る。整流器126、負荷130、またはその双方は、受電回路と呼ばれることがある。受電回路は、受電電力を利用するように構成され得る。二次コイル120は、無線電力信号155を介して(誘導電圧に基づいて)電力を受電するように構成されている。二次コイル120は、受電電力を受電回路に供給し得る。二次コイル120が一次コイル110に位置合わせされると、二次コイル120は、一次コイル110から受信した無線電力信号に基づいて誘導電圧を生成し得る。いくつかの実装形態では、コンデンサ(図示せず)は、二次コイル120と整流器126(存在する場合)または負荷130(整流器126が存在しない場合)との間に直列にあり得る。存在する場合、整流器126は、誘導電圧を整流し、整流電圧を負荷130に供給し得る。
【0040】
受信機コントローラ128は、無線受電装置118の1つまたは複数の構成要素を制御し得る。いくつかの実装形態では、受信機コントローラ128は、無線電力信号を介して帯域内通信のために第2の通信ユニット152に接続され得る。例えば、第2の通信ユニット152は、無線電力信号を介して通信を送信または受信するために二次コイル120または整流器126の構成要素に結合され得る。第2の通信ユニット152は、無線電力信号を介して通信信号を送信および受信させる1つまたは複数のスイッチ(図示せず)および他の構成要素を制御するためのロジックを含み得る。
【0041】
無線受電装置118は、無線通信インターフェース132を含み得る。無線通信インターフェース132は、第2の通信コイル134(他の例の中でも、コイルまたはループアンテナであり得る)を介して無線通信するための変調および復調回路を含み得る。したがって、受信機コントローラ128は、無線通信インターフェース132および無線通信信号175を介して、伝送コントローラ108と無線通信を行い得る。いくつかの実装形態では、無線通信インターフェース132は、NFCまたはBluetooth技術を使用して通信するように構成され得る。いくつかの実装形態では、無線通信インターフェース132は、無線通信信号85からエネルギーを収集することによって電力供給され得る。例えば、無線通信インターフェース132は、バイアス電力の形態で第2の通信コイル134を介して無線通信信号175からエネルギーを収集し得る。バイアス電力は、無線通信インターフェース132に電力を供給するのに十分であるが、負荷130に電力を供給するのに必要な量よりも少なくてもよい。いくつかの実装形態では、バイアス電力は、受信機コントローラ128などの無線受電装置118の他の構成要素によって使用され得る。二次コイル120と受電回路とが接続された後、それらは無線で伝送される電力の受電を開始し得る。いくつかの実装形態では、無線受電装置118が無線伝送された電力の受電を開始すると、バイアス電力は、無線伝送された電力から導出され得る。
【0042】
本明細書で説明するように、無線電力信号155は、二次コイル120内の起電力を使用して電力を無線で伝送するために使用され得る。起電力は、二次コイル120が無線受電装置118内の他の構成要素(整流器126または負荷130など)に接続されたときに、二次コイル120に電圧および電流を生成し得る。しかしながら、無線受電装置118が電力を使用する準備ができていない場合、または電力が無線受電装置118の他の構成要素を損傷する可能性がある場合があり得る。さらにまた、二次コイル120は、(無線電力伝送ではなく)加熱に使用される誘導コイルから予想外にエネルギーを受信することがある。他の構成要素の損傷を防止するために、または意図しない無線電力の伝送を無効にするために、スイッチ150が二次コイル120の一端または両端に接続され得る。このため、二次コイル120の近くに磁場が誘導された場合であっても、二次コイル120が受電回路から切断されているため、二次コイル120は電流を導通しない。したがって、スイッチ150は、二次コイル120を介して受電回路に誘導電圧が流れることを防止し得る。本開示は、スイッチ150の配置、構造、および動作のためのいくつかのオプションを含む。例えば、スイッチ150は、
図1に示すように、二次コイル120と整流器126(または負荷130)との間に直列に接続されたスイッチであり得る。スイッチ150の他の可能な構成は、本明細書に記載されている。
【0043】
スイッチ150はまた、k係数測定期間中に二次コイル120を受電回路(整流器126、負荷130、またはその双方など)から切断するために使用され得る。k係数測定期間は、電力伝送期間と異なっていてもよい。いくつかの実装形態では、k係数測定期間は、電力伝送期間に先行してもよい。代替的または追加的に、複数のk係数測定期間は、複数の電力伝送期間を交互パターンでインターリーブしてもよい。電力伝送期間は、二次コイル120によって受電された電力を使用して負荷130に電力を供給することを含み得る。対照的に、二次コイル120と一次コイル110との間の結合係数を測定するために、k係数測定期間が使用され得る。k係数測定期間中において、無線電力伝送装置102は、k係数測定信号を無線受電装置118に送信し得る。無線受電装置118は、k係数測定期間中において、k係数測定信号の電圧を測定し得る。k係数測定期間中において、受電回路がk係数測定信号と干渉するのを防止するために、または測定の精度を改善するために、受電回路を切断することが望ましい場合がある。受信機コントローラ128は、k係数測定期間中に二次コイル120から整流器126を切断するようにスイッチ150を制御し得る。受信機コントローラ128は、k係数測定期間中に取得された測定値に基づいて(無線通信インターフェース132を介してなど)無線電力伝送装置102にフィードバックを送信し得る。
【0044】
図2は、例示的な無線電力伝送装置102のブロック図を示している。無線電力伝送装置102は、電源112、電力信号発生器106、および一次コイル110を含み得る。電力信号発生器106は、電源112からのDC電力を一次コイル110に印加されるAC信号に変換するハーフブリッジ回路によって示されている。
図2には示されていないが、電源112は、AC幹線電力を電源112のDC電力に変換する変換ユニットを含んでもよい。さらにまた、電力信号発生器106は、一次コイル110にAC信号を供給することができる任意の種類の電力変換回路であり得る。例えば、電力信号発生器106は、
図2に示すように、並列コンデンサを有するハーフブリッジ回路を含み得る。あるいは、電力信号発生器106は、フルブリッジ回路を含んでもよい。
【0045】
無線電力伝送装置102はまた、
図1を参照して説明した無線通信インターフェース114および第1の通信コイル116を含み得る。無線通信インターフェース114は、第1の通信コイル116を介して通信信号を送信または受信するように構成され得る。無線通信インターフェース114は、BluetoothもしくはNFCプロトコル、または任意の他の種類の短距離無線周波数通信プロトコルを実装し得る。無線通信インターフェース114は、無線電力伝送装置102が無線電力伝送(WPT)プロトコルにしたがって構築されているため、無線電力伝送装置102に含まれてもよい。
【0046】
本明細書で説明するように、エネルギーを伝送するいくつかの誘導ベースのシステムは、無線電力伝送以外の目的のために誘導を使用してもよい。例えば、従来の誘導ホブの誘導ベースの加熱要素は、それぞれ、電源112、電力信号発生器106、および一次コイル110と非常に類似して動作する電源、電力信号発生器、および誘導コイルを含んでもよい。類似性のために、これらの誘導ベースのシステムは、無線受電装置の二次コイルに電圧を不用意に誘導する可能性がある。しかしながら、WPTプロトコルをサポートしていない従来の誘導ホブは、WPTプロトコルの技術規格によって要求される無線通信インターフェース114を含まなくてもよい。無線受電装置は、無線通信インターフェース114からのハンドシェイク通信の存在に基づいて、その二次コイルにおける誘導電圧がWPTプロトコルをサポートする無線電力伝送装置102からのものであるかどうかを決定し得る。ハンドシェイク通信がない場合、無線受電装置は、受電回路の損傷を防止するために、受電回路から二次コイルを切断してもよい。
【0047】
従来の誘導ベースのシステム(従来の誘導ホブなど)は、pingまたは「パン検出」信号を送信し得る。パンまたは非WPTデバイスがホブ上に配置されると、ホブは、インピーダンスの変化を測定して、パンまたは非WPTデバイスが誘導ベースの加熱素子の上に配置されていることを検出し得る。測定されたインピーダンスが許容限界内にある場合、ホブは、誘導を使用してエネルギーを伝送する誘導ベースの加熱モードに動作を変更する。したがって、パン検出は、パン/機器によって提供されるインピーダンスに基づく。無線受電装置(本明細書に記載のものなど)の場合、1つまたは複数のスイッチは、二次コイルのインピーダンスを許容限界外にさせ得る。例えば、(
図1、
図3、
図4、
図5、および
図7を参照して説明したような)直列スイッチは、従来の誘導ベースのホブによって測定されるインピーダンスを許容限界よりも高くさせ得る。(
図6を参照して説明したような)シャントスイッチは、従来の誘導ベースのホブによって測定されたインピーダンスを許容限界未満にさせ得る。したがって、従来の誘導ベースのホブは、誘導ベースの加熱モードに変化しない。
【0048】
図3は、二次コイル120と整流器126との間に直列に接続されたスイッチ350を有する例示的な無線受電装置300のブロック図を示している。無線受電装置300の構成要素は、
図1を参照して説明した無線受電装置118と同様の番号を有する構成要素を含み得る。無線受電装置300は、負荷130を含んでもよく、または負荷130は、無線受電装置300に接続された外部構成要素であってもよい。
図3に示す例示的な整流器126は、受電電力をAC信号から負荷130によって使用されるDC電力に変換するように構成されたフルブリッジ整流器である。いくつかの実装形態では、無線受電装置300は、整流器126を含まなくてもよい。他の種類の整流器または電力変換ユニットが様々な実装形態において使用されてもよい。さらにまた、無線受電装置300は、整流器126の2つの脚部間に接続された任意のコンデンサ226を示している。いくつかの実装形態では、無線受電装置300は、任意のコンデンサ226を含まなくてもよい。
図3はまた、二次コイル120の1つまたは複数の脚部に結合され得るコンデンサ162を示している。スイッチ350は、二次コイル120の一方の脚部と整流器126との間に直列に接続され得る。スイッチ350は、コンデンサ162がその脚部に存在するとき、コンデンサ162の前または後に接続されてもよい。
【0049】
無線受電装置300は、
図1を参照して説明したように、第2の通信コイル134と、無線通信インターフェース132と、受信機コントローラ128とを含む。無線通信インターフェース132は、無線電力伝送装置から通信信号を受信するように構成され得る。例えば、無線通信インターフェース132は、
図1および
図2を参照して説明したように、対応する無線通信インターフェース114から通信信号を受信し得る。受信機コントローラ128は、検知信号331を使用して負荷130の状態を検知し得る。受信機コントローラ128は、制御信号351を使用して(「S1」とラベル付けされた)スイッチ350を制御し得る。本開示の態様によれば、受信機コントローラ128は、ハンドシェイク通信の有無に基づいて、制御信号351を動作させ得る。例えば、受信機コントローラ128は、無線受電装置300とWPTプロトコルを実装する無線電力伝送装置との間でハンドシェイク通信が確立されている場合に、スイッチ350に二次コイル120を整流器126(または負荷130)に接続させ得る。代替的または追加的に、受信機コントローラ128は、ハンドシェイク通信がない場合、または無線通信インターフェース132が無線受電装置300と互換性のない通信信号を受信した場合、スイッチ350に、二次コイル120を整流器126(または負荷130)から切断させてもよい。
【0050】
いくつかの実装形態では、第2の通信コイル134は、無線通信インターフェース132および受信機コントローラ128に電力を供給するために通信信号からエネルギーを収集するように構成され得る。例えば、通信信号は、二次コイル120を介した電力伝送段階の前に、無線通信インターフェース132の起動および動作のためのバイアス電力を生成するのに十分なエネルギーを供給し得る。いくつかの実装形態では、バイアス電力が使用されてスイッチ350を動作させてもよい。いくつかの実装形態では、スイッチ350は、スイッチ350が閉じられるまで二次コイル120が整流器126から切断されるように、常開(NO)であってもよい。いくつかの実装形態では、スイッチ350は、無線通信インターフェース132から、または無線受電装置120に含まれるバッテリ(図示せず)から取得されたバイアス電力を使用して閉じられてもよい。
【0051】
いくつかの実装形態では、第2の通信コイル134(NFCコイルなど)は、従来の誘導ベースのホブからの誘導電圧を潜在的に有し得る。しかしながら、第2の通信コイル134によって引き起こされるインピーダンスは、従来の誘導ベースのホブの許容限界外であってもよい。さらにまた、第2の通信コイル134は、典型的には、誘導電圧の量を制限するより少ない巻数またはコイルを有する。したがって、第2の通信コイル134および無線通信インターフェース132は、従来の誘導ベースのホブからの過電圧または意図しない電力伝送の影響を受けにくい。
【0052】
図4は、二次コイル120と負荷430との間に直列に接続されたスイッチ450を有する例示的な無線受電装置400のブロック図を示している。無線受電装置400の構成要素は、
図1を参照して説明した無線受電装置118と同様の番号を有する構成要素を含み得る。しかしながら、無線受電装置400は、二次コイル120によって取得されるAC信号を使用して負荷430が動作するように構成されているため、整流器(図示せず)を含まなくてもよい。この例では、負荷430は、二次コイル120によって取得された電力を利用するように構成された受電回路であり得る。スイッチ450は、二次コイル120と負荷430との間に直列に接続されて、無線受電装置400が非WPT誘導ベースのシステムの近くに配置されている場合などに、二次コイル120に誘導された予想しない電圧によって負荷430が損傷するのを防止し得る。
図3を参照して説明した無線受電装置300と同様に、受信機コントローラ128は、無線通信インターフェース132によって取得された通信信号の有無に基づいてスイッチ450を管理するように構成され得る。
【0053】
図5は、二次コイル120と整流器126との間に直列に接続された複数のスイッチを有する例示的な無線受電装置500のブロック図を示している。無線受電装置500の構成要素は、
図3を参照して説明した無線受電装置300と同様の番号を有する構成要素を含み得る。単一の直列スイッチ(
図3を参照して説明したスイッチ350など)の代わりに、無線受電装置500は、二次コイル120の脚部と整流器126との間に接続された直列スイッチ551および552を含み得る。(「S1」とラベル付けされた)第1の直列スイッチ551は、二次コイル120の第1の脚部に直列に接続され得る。(「S2」とラベル付けされた)第2の直列スイッチ552は、二次コイル120の第2の脚部に直列に接続され得る。
【0054】
図6は、二次コイル120の両端部間にシャントとして接続されたスイッチ650を有する例示的な無線受電装置600のブロック図を示している。無線受電装置600の構成要素は、
図1を参照して説明した無線受電装置118と同様の番号を有する構成要素を含み得る。スイッチ650は、シャントスイッチと呼ばれることがある。スイッチ650は、二次コイル120の誘導電圧が整流器126に到達するのを防止または低減するために、二次コイル120の端部を短絡し得る。この例では、シャントスイッチ650は、対応する無線電力伝送装置からの通信信号がない場合、(二次コイル120を短絡させるために)常閉とされ得る。無線通信インターフェース132が対応する無線電力伝送装置から通信信号を受信すると、受信機コントローラ128は、スイッチ650を開いて二次コイル120から整流器126への電力の移動を許可し得る。
【0055】
図7は、結合係数を決定するための測定期間中に二次コイル120の切断を可能にするためのスイッチ750を有する例示的な無線受電装置700のブロック図を示している。無線受電装置700の構成要素は、それぞれ
図1および
図3を参照して説明した無線受電装置118および無線受電装置300と同様の番号を有する構成要素を含み得る。スイッチ750は、二次コイル120の一方の脚部上の直列スイッチとして示されていることに留意されたい。しかしながら、いくつかの実装形態では、スイッチ750は、それぞれ
図3、
図4、
図5、または
図6を参照して説明したスイッチ350、450、551、552、または650の任意の構成と同様であってもよい。
【0056】
無線受電装置700はまた、二次コイル120に結合された電圧センサ720を含み得る。受信機コントローラ128は、k係数測定期間中において、スイッチ750に、二次コイル120および電圧センサ720を受電回路(整流器126および負荷130など)から切断させ得る。受信機コントローラ128は、(k係数測定期間とは異なる)電力伝送期間中において、スイッチ750に二次コイル120を受電回路に接続させ得る。
【0057】
k係数測定期間中において、無線電力伝送装置(図示せず)は、k係数測定信号を無線受電装置に送信し得る。k係数測定信号は、電力伝送期間中に送信されるよりも低い電力であり得る。いくつかの実装形態では、k係数測定信号は、既知または所定の電圧(v1)および周波数(fp)を使用して送信され得る。電圧センサ720は、受信機コントローラ128がk係数測定期間中に二次コイル120の受信電圧(v2)を測定することを許可し得る。受信機コントローラ128は、無線通信インターフェース132を介して無線電力伝送装置にフィードバックを通信し得る。フィードバックは、k係数測定期間中に測定されたv2に基づき得る。無線電力伝送装置は、結合係数(k係数)を決定するためにフィードバックを利用し得る。k係数は、無線電力伝送装置が電力伝送期間中に送信する無線電力信号の動作点を決定するために無線電力伝送装置によって使用され得る。例えば、動作点は、v1とv2との間の比を考慮する計算に基づき得る。
【0058】
いくつかの実装形態では、無線電力伝送装置から無線受電装置への通信は、k係数測定信号に先行してもよい。例えば、無線通信インターフェース132は、無線電力伝送装置から通信を受信して、k係数測定信号を受信する前にk係数測定期間を設定してもよい。いくつかの実装形態では、通信は、k係数測定期間の開始または持続時間を示し得る。代替的または追加的に、通信は、k係数測定期間を開始する命令を含んでもよく、または無線電力伝送装置がk係数測定信号を送信していることを示してもよい。いくつかの実装形態では、通信(WPTプロトコルに基づくものなど)は、k係数測定信号が送信されることを推測し、無線受電装置にk係数測定期間を開始させ得る。代替的または追加的に、通信は、無線電力伝送装置がWPTプロトコルをサポートするという指示であってもよい。無線受電装置は、WPTプロトコルに基づいてk係数測定期間を決定してもよい。
【0059】
図8は、いくつかの実装形態にかかる例示的なプロセス800のフローチャート図を示している。プロセス800の動作は、本明細書に記載の無線受電装置によって実装され得る。例えば、プロセス800の動作は、それぞれ
図1、
図2、
図4、
図5、
図6、
図6、または
図7を参照して説明した無線受電装置118、300、400、500、600、または700のいずれかによって実装され得る。簡潔にするために、動作は、装置によって実行されるものとして説明される。ブロック810において、装置は、無線電力伝送装置からの通信に少なくとも部分的に基づいて、無線受電装置の二次コイルと受電回路との間に配置された1つまたは複数のスイッチを制御し得る。二次コイルは、無線電力伝送装置の無線電力信号から電力を受電するように構成され得る。受電回路は、受電電力を利用するように構成され得る。
【0060】
図9は、いくつかの実装形態にかかる別の例示的なプロセス900のフローチャート図を示している。プロセス900の動作は、本明細書に記載の無線受電装置によって実装され得る。例えば、プロセス900の動作は、それぞれ
図1、
図2、
図4、
図5、
図6、
図6、または
図7を参照して説明した無線受電装置119、300、400、500、600、または700のいずれかによって実装され得る。簡潔にするために、動作は、装置によって実行されるものとして説明される。ブロック910において、装置は、結合係数(k係数)測定期間中に二次コイルと受電回路との間に配置された1つまたは複数のスイッチを使用して、無線受電装置の受電回路から無線受電装置の二次コイルを切断し得る。二次コイルは、無線電力伝送装置の無線電力信号から電力を受電するように構成され得る。受電回路は、受電電力を利用するように構成され得る。ブロック920において、装置は、電力伝送期間中に1つまたは複数のスイッチを使用して二次コイルを受電回路に接続し得る。
【0061】
図10は、無線電力伝送システムにおいて使用するための例示的な装置1000のブロック図を示している。いくつかの実施形態では、装置1000は、本明細書に記載の無線受電装置のいずれかなどの無線受電装置であり得る。装置1000は、プロセッサ1002(場合によっては、複数のプロセッサ、複数のコア、複数のノード、またはマルチスレッディングなどを含む)を含むことができる。装置1000はまた、メモリ1006を含むことができる。メモリ1006は、システムメモリ、または本明細書に記載のコンピュータ可読媒体の可能な実現のいずれか1つ以上であり得る。装置1000はまた、バス1011(PCI、ISA、PCI-Express、HyperTransport(登録商標)、InfiniBand(登録商標)、NuBus(登録商標)、AHB、AXIなど)を含むことができる。
【0062】
装置1000は、1つまたは複数のスイッチ1064を管理するように構成された1つまたは複数のコントローラ1062を含み得る。1つまたは複数のスイッチ1064は、電力伝送コイル1066(二次コイルなど)を整流器または負荷(図示せず)に接続または切断し得る。いくつかの実装形態では、コントローラ1062は、プロセッサ1002、メモリ1006、およびバス1011内に分散されることができる。コントローラ1062は、本明細書に記載の動作の一部または全部を実行し得る。例えば、コントローラ1062は、本明細書に記載のドライバコントローラの特徴を実装し得る。
【0063】
メモリ1006は、
図1~
図9を参照して説明された実装形態の機能を実装するためにプロセッサ1002によって実行可能なコンピュータ命令を含むことができる。これらの機能のいずれかは、ハードウェアまたはプロセッサ1002に部分的に(または全体的に)実装されてもよい。例えば、機能は、特定用途向け集積回路、プロセッサ1002に実装されたロジック、周辺デバイスまたはカード上のコプロセッサなどによって実装されてもよい。さらに、実現は、
図10に示されていないより少ないまたは追加の構成要素を含んでもよい。プロセッサ1002、メモリ1006、およびコントローラ1062は、バス1011に結合されてもよい。バス1011に結合されているものとして示されているが、メモリ1006は、プロセッサ1002に結合されてもよい。
【0064】
図1~
図10および本明細書に記載の動作は、例示的な実装形態の理解を助けることを意図した例であり、潜在的な実装形態を限定したり、特許請求の範囲を限定したりするために使用されるべきではない。いくつかの実装形態は、追加の動作、より少ない動作、並列または異なる順序での動作、およびいくつかの異なる動作を実行し得る。
【0065】
前述の開示は、例示および説明を提供するが、網羅的であること、または開示された正確な形態に態様を限定することを意図するものではない。変更および変形は、上記の開示に照らして行われてもよく、または態様の実施から取得されてもよい。本開示の態様が様々な例に関して説明されてきたが、任意の例からの態様の任意の組み合わせも本開示の範囲内である。本開示の例は、教育目的のために提供される。あるいは、または本明細書に記載の他の例に加えて、例は、以下の実装オプション(参照のための条項として識別される)の任意の組み合わせを含む。
【0066】
条項
条項1.無線受電装置であって、無線電力伝送装置の無線電力信号から電力を受電するように構成された二次コイルと、受電電力を利用するように構成された受電回路と、二次コイルと受電回路との間に配置された1つまたは複数のスイッチであって、無線電力伝送装置からの通信に少なくとも部分的に基づいて、二次コイルと受電回路とを接続するように構成された1つまたは複数のスイッチと、を備える、無線受電装置。
【0067】
条項2.受電回路が整流器を含み、1つまたは複数のスイッチが、二次コイルの第1の端部と整流器との間に直列に接続された第1のスイッチを含む、条項1に記載の無線受電装置。
【0068】
条項3.1つまたは複数のスイッチが、二次コイルの第2の端部と整流器との間に直列に接続された第2のスイッチを含む、条項2に記載の無線受電装置。
【0069】
条項4.受電電力が交流(AC)電力であり、受電回路が、二次コイルからのAC電力を利用するように構成された負荷を含み、1つまたは複数のスイッチが、二次コイルの第1の端部と負荷との間に直列に接続されたスイッチを含む、条項1に記載の無線受電装置。
【0070】
条項5.1つまたは複数のスイッチが、二次コイルの第2の端部と負荷との間に直列に接続された第2のスイッチを含む、条項4に記載の無線受電装置。
【0071】
条項6.1つまたは複数のスイッチが、無線電力伝送装置からの通信がない場合、二次コイルを受電回路から切断するために常開である、条項1~5のいずれか一項に記載の無線受電装置。
【0072】
条項7.1つまたは複数のスイッチが、無線電力伝送装置からの通信が無線充電プロトコルに準拠している場合、二次コイルと受電回路とを接続するように動作される、条項1~6のいずれか一項に記載の無線受電装置。
【0073】
条項8.通信を無線電力伝送装置から受信するように構成された無線通信インターフェースと、通信に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数のスイッチを制御するように構成された受信機コントローラと、をさらに備える、条項1~6のいずれか一項に記載の無線受電装置。
【0074】
条項9.1つまたは複数のスイッチが、少なくとも最初は、無線通信インターフェースの通信コイルによって取得されるバイアス電力を使用して動作される、条項8に記載の無線受電装置。
【0075】
条項10.1つまたは複数のスイッチが二次コイルと受電回路とを接続した後、1つまたは複数のスイッチが受電電力を使用してその後動作される、条項9に記載の無線受電装置。
【0076】
条項11.無線通信インターフェースの通信コイルが、二次コイルおよび受電回路から電気的に分離されている、条項9~10のいずれか一項に記載の無線受電装置。
【0077】
条項12.無線通信インターフェースが、無線電力伝送装置の対応する無線通信インターフェースから無線通信信号を受信して処理するように構成された短距離無線周波数インターフェースである、条項8~11のいずれか一項に記載の無線受電装置。
【0078】
条項13.1つまたは複数のスイッチが、二次コイルが無線電力伝送装置ではない誘導源の近くに配置されたときに受電回路を損傷から保護するように構成された保護スイッチを含む、条項1~12のいずれか一項に記載の無線受電装置。
【0079】
条項14.1つまたは複数のスイッチが、二次コイルの両端部間に接続されたシャントスイッチを含み、シャントスイッチが、二次コイルが無線電力伝送装置ではない誘導源の近くに配置されたときに、二次コイル上の誘導電圧が受電回路に到達するのを防止または低減するように構成されている、条項1に記載の無線受電装置。
【0080】
条項15.無線電力伝送装置からの通信がない場合、誘導電圧が受電回路に到達するのを防止または低減するためにシャントスイッチが常閉とされる、条項14に記載の無線受電装置。
【0081】
条項16.無線受電装置であって、無線電力伝送装置の無線電力信号から電力を受電するように構成された二次コイルと、受電電力を利用するように構成された受電回路と、二次コイルと受電回路との間に配置された1つまたは複数のスイッチであって、結合係数(k係数)測定期間中において、二次コイルを受電回路から切断し、電力伝送期間中において、二次コイルと受電回路とを接続する、ように構成された1つまたは複数のスイッチと、を備える、無線受電装置。
【0082】
条項17.k係数測定期間および電力伝送期間に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数のスイッチを制御するように構成された受信機コントローラをさらに含む、条項16に記載の無線受電装置。
【0083】
条項18.k係数測定期間が電力伝送期間に先行し、無線電力信号の動作点が、少なくとも部分的に、k係数測定期間中に決定された結合係数に基づく、条項17に記載の無線受電装置。
【0084】
条項19.二次コイルが、無線電力伝送装置からk係数測定信号を受信するようにさらに構成され、k係数測定期間が、二次コイルが受電回路から切断されている間に、k係数測定信号に基づいて二次コイルの電圧を測定することを可能にする、条項17~18のいずれか一項に記載の無線受電装置。
【0085】
条項20.無線電力伝送装置から通信を受信するように構成された無線通信インターフェースをさらに備える、条項16~19のいずれか一項に記載の無線受電装置。
【0086】
条項21.通信が、k係数測定期間の開始または持続時間の指示、k係数測定期間を開始する命令、k係数測定期間を開始するために無線受電装置によって推測される通信、および無線電力伝送装置がk係数測定期間を指定する無線電力伝送プロトコルをサポートするという指示、からなる群のうちの少なくとも1つのメンバを含む、条項16~20のいずれか一項に記載の無線受電装置。
【0087】
条項22.1つまたは複数のスイッチが、二次コイルの第1の端部と受電回路との間に直列に接続されたスイッチ、二次コイルの第2の端部と受電回路との間に直列に接続されたスイッチ、二次コイルの少なくとも一端と受電電力の交流(AC)を利用するように構成された負荷との間に直列に接続されたスイッチ、および二次コイルの両端部間に接続されたシャントスイッチ、からなる群のうちの少なくとも1つのメンバを含む、条項16~19のいずれか一項に記載の無線受電装置。
【0088】
条項23.方法であって、無線電力伝送装置からの通信に少なくとも部分的に基づいて、無線受電装置の二次コイルと受電回路との間に配置された1つまたは複数のスイッチを制御することであって、二次コイルが、無線電力伝送装置の無線電力信号から電力を受電するように構成され、受電回路が、受電電力を利用するように構成されている、制御することを含む、方法。
【0089】
条項24.1つまたは複数のスイッチを制御することが、無線電力伝送装置からの通信がない場合、二次コイルを受電回路から切断することを含む、条項23に記載の方法。
【0090】
条項25.無線電力伝送装置からの通信が無線充電プロトコルに準拠している場合、1つまたは複数のスイッチを制御することが、二次コイルと受電回路とを接続することを含む、条項23~24のいずれか一項に記載の方法。
【0091】
条項26.無線受電装置の無線通信インターフェースを介して無線電力伝送装置から通信を受信することをさらに含む、条項23~25のいずれか一項に記載の方法。
【0092】
条項27.無線通信インターフェースの通信コイルを介してバイアス電力を収集することと、少なくとも最初にバイアス電力を使用して1つまたは複数のスイッチを制御することと、をさらに含む、条項26に記載の方法。
【0093】
条項28.1つまたは複数のスイッチが二次コイルと受電回路とを接続した後に、受電電力を使用して1つまたは複数のスイッチをその後制御することをさらに含む、条項27に記載の方法。
【0094】
条項29.無線通信インターフェースが、無線電力伝送装置の対応する無線通信インターフェースから無線通信信号を受信して処理するように構成された短距離無線周波数インターフェースである、条項26~28のいずれか一項に記載の方法。
【0095】
条項30.1つまたは複数のスイッチを制御することが、二次コイルが無線電力伝送装置ではない誘導源の近くに配置されたときに受電回路を損傷から保護するために1つまたは複数のスイッチを動作させることを含む、条項23~29のいずれか一項に記載の方法。
【0096】
条項31.方法であって、結合係数(k係数)測定期間中において、無線受電装置の二次コイルと無線受電装置の受電回路との間に配置された1つまたは複数のスイッチを使用して、二次コイルを受電回路から切断することであって、二次コイルが、無線電力伝送装置の無線電力信号から電力を受電するように構成され、受電回路が、受電電力を利用するように構成されている、切断することと、電力伝送期間中において、1つまたは複数のスイッチを使用して二次コイルを受電回路に接続することと、を含む、方法。
【0097】
条項32.受信機コントローラによって、k係数測定期間および電力伝送期間に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数のスイッチを制御することをさらに含む、条項31に記載の方法。
【0098】
条項33.二次コイルによって、k係数測定期間中に無線電力伝送装置からk係数測定信号を受信することと、k係数測定期間中に二次コイルが受電回路から切断された状態で、k係数測定信号に基づいて二次コイルの電圧を測定することと、をさらに含む、条項31~32のいずれか一項に記載の方法。
【0099】
条項34.無線通信インターフェースを介して、無線電力伝送装置から通信を受信することをさらに含む、条項31~33のいずれか一項に記載の方法。
【0100】
条項35.通信が、k係数測定期間の開始または持続時間の指示、k係数測定期間を開始する命令、k係数測定期間を開始するために無線受電装置によって推測される通信、および無線電力伝送装置がk係数測定期間を指定する無線電力伝送プロトコルをサポートするという指示、からなる群のうちの少なくとも1つのメンバを含む、条項31~34のいずれか一項に記載の方法。
【0101】
条項36.k係数測定期間中に測定された二次コイルの電圧に基づいて無線電力伝送装置にフィードバックを提供することをさらに含む、条項33に記載の方法。
【0102】
本明細書に記載の図、動作、および構成要素は、例示的な実装形態の理解を助けることを意図した例であり、潜在的な実装形態を限定したり、特許請求の範囲を限定したりするために使用されるべきではない。いくつかの実装形態は、追加の動作、より少ない動作、並列または異なる順序での動作、およびいくつかの異なる動作を実行し得る。
【0103】
本明細書で使用される場合、項目のリスト「のうちの少なくとも1つ」または「のうちの1つまたは複数」を指す語句は、単一の部材を含む、それらの項目の任意の組み合わせを指す。例えば、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、aのみ、bのみ、cのみ、aとbとの組み合わせ、aとcとの組み合わせ、bとcとの組み合わせ、およびaとbとcとの組み合わせの可能性を網羅することを意図している。
【0104】
本明細書に開示された実装形態に関連して説明された様々な例示的な構成要素、ロジック、ロジックブロック、モジュール、回路、動作およびアルゴリズムプロセスは、本明細書に開示された構造およびその構造的均等物を含む、電子ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはハードウェア、ファームウェアもしくはソフトウェアの組み合わせとして実装され得る。ハードウェア、ファームウェア、およびソフトウェアの互換性は、機能に関して一般的に説明されており、上述した様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびプロセスに示されている。そのような機能がハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェアのいずれで実装されるかは、特定のアプリケーションおよびシステム全体に課される設計制約に依存する。
【0105】
本明細書に開示された態様に関連して記載された様々な例示的な構成要素、ロジック、ロジックブロック、モジュール、および回路を実装するために使用されるハードウェアおよびデータ処理装置は、汎用シングルチップまたはマルチチッププロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)またはその他のプログラマブルロジックデバイス(PLD)、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア構成要素、または本明細書に記載された機能を実行するように設計されたこれら任意の組み合わせを用いて実装または実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、または任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装されてもよい。いくつかの実装形態では、特定のプロセス、動作、および方法は、所与の機能に固有の回路によって実行されてもよい。
【0106】
上述したように、本明細書に記載の主題のいくつかの態様では、ソフトウェアとして実装されることができる。例えば、本明細書に開示された構成要素の様々な機能、または本明細書に開示された方法、動作、プロセスまたはアルゴリズムの様々なブロックまたはステップは、1つまたは複数のコンピュータプログラムの1つまたは複数のモジュールとして実装されることができる。そのようなコンピュータプログラムは、本明細書に記載のデバイスの構成要素を含むデータ処理装置によって実行するために、またはその動作を制御するために、1つまたは複数の有形のプロセッサ可読またはコンピュータ可読記憶媒体上に符号化された非一時的なプロセッサ実行可能またはコンピュータ実行可能命令を含むことができる。限定ではなく例として、そのような記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMもしくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶デバイス、または命令もしくはデータ構造の形態でプログラムコードを記憶するために使用されることができる任意の他の媒体を含み得る。上記の組み合わせも記憶媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0107】
本開示に記載された実装形態に対する様々な変更は、当業者にとって容易に明らかとすることができ、本明細書で定義された一般的な原理は、本開示の範囲から逸脱することなく他の実装形態に適用され得る。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示される実装形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示される本開示、原理、および新規な特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【0108】
さらに、別個の実装形態の文脈で本明細書に記載されている様々な特徴は、単一の実装形態において組み合わせて実装されることもできる。逆に、単一の実装形態の文脈で説明されている様々な特徴は、複数の実装形態において別々に、または任意の適切なサブコンビネーションで実装されることもできる。このように、特徴は、特定の組み合わせで作用するものとして上述され、最初はそのように特許請求され得るが、特許請求された組み合わせからの1つまたは複数の特徴は、場合によっては、その組み合わせから削除されることができ、特許請求された組み合わせは、部分的な組み合わせまたは部分的な組み合わせの変形を対象とし得る。
【0109】
同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示された特定の順序で、または連続した順序で実行されること、または示された全ての動作が実行されることを必要とすると理解されるべきではない。さらに、図面は、1つまたは複数の例示的なプロセスをフローチャートまたはフロー図の形式で概略的に示し得る。しかしながら、図示されていない他の動作は、概略的に示されている例示的なプロセスに組み込まれることができる。例えば、1つまたは複数の追加の動作は、図示の動作のいずれかの前、後、同時に、またはその間に実行されることができる。状況によっては、マルチタスク処理および並列処理が有利な場合がある。さらに、上述した実装形態における様々なシステム構成要素の分離は、全ての実装形態においてそのような分離を必要とすると理解されるべきではなく、記載されたプログラム構成要素およびシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品に一緒に統合されるか、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化されることができることを理解されたい。
【国際調査報告】