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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-20
(54)【発明の名称】流体チャネルを有する熱プレート
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20240213BHJP
   H01L 23/473 20060101ALI20240213BHJP
   H01L 23/36 20060101ALI20240213BHJP
【FI】
H05K7/20 N
H01L23/46 Z
H01L23/36 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550632
(86)(22)【出願日】2022-02-24
(85)【翻訳文提出日】2023-08-22
(86)【国際出願番号】 US2022017706
(87)【国際公開番号】W WO2022182877
(87)【国際公開日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】17/186,145
(32)【優先日】2021-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502391840
【氏名又は名称】テラダイン、 インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】トンプソン、 ジャック
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA07
5E322AA10
5E322DA04
5F136BC01
5F136CB06
5F136CB08
(57)【要約】
一例の装置は、デバイスに接触してデバイスの温度を変更するためのものである。装置は、デバイスに接触するように構成されたプレートと、入力口と出力口との間に流体を流せるようにするよう構成された、プレート内のチャネルとを含む。プレートは、デバイスと流体との間で熱を伝導させる熱伝導性材料を含む。チャネルは直列に配置される複数の島を備える。複数の島の間に、第1の側で流体を受けるための島が配置される。島は、流体を第1の流れ及び第2の流れに分割し、島の第1の側の下流にある島の第2の側において、第1の流れ及び第2の流れを合流させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスに接触して前記デバイスの温度を変更する装置であって、
前記デバイスに接触するように構成されるプレートと、
入力口と出力口との間に流体の流れを可能にするよう構成される、前記プレートの中のチャネルと
を備え、
前記プレートは、前記デバイスと前記流体との間で熱を伝導させる熱伝導性材料を含み、前記チャネルは直列に配置される複数の島を備え、
前記複数の島のうちの一の島が、第1の側で前記流体を受けるために配置され、
前記一の島は、前記流体を第1の流れ及び第2の流れに分割し、前記一の島の前記第1の側の下流にある前記一の島の第2の側において、前記第1の流れ及び前記第2の流れを合流させる、装置。
【請求項2】
前記一の島の前記第2の側は、前記第1の流れ及び前記第2の流れの各々を前記第2の側の中心に向けて90度を越えて曲げるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記一の島の前記第2の側は、前記第1の流れ及び前記第2の流れを前記一の島の前記第1の側の下流で衝突させるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記一の島の前記第2の側は、前記第1の流れ及び前記第2の流れを前記第2の側の中心で衝突させるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記一の島の前記第2の側は、少なくとも部分的に凹の形状を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記一の島の前記第2の側は、前記第1の側に向かって少なくとも部分的に、対称に内側に湾曲した形状を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記複数の島の各々が、第1の側で前記流体を受けるように配置され、前記流体の前記流れを別個の流体流に分割するように構成され、及び前記別個の流体流を下流で合流させるように構成され、
前記複数の島の各々は、前記別個の流れを島の中心に向けて90°を越えて曲げるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記複数の島は、前記チャネルを通る前記流体流のエネルギーを減じるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記複数の島は、前記チャネルを通る前記流体流の速度を上げることなく、前記チャネルを通る前記流体流のエネルギーを減じるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記チャネルは、前記チャネルに沿った複数のポイントに前記複数の島の複数セットを備え、
前記複数の島の複数セットはそれぞれが、非島特徴物によって前記チャネル上で隔てられ、
前記複数の島の複数セットは、前記プレートの異なる部分にわたり流体圧降下を分布させるように前記チャネルに配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記一の島の前記第2の側は、前記第1の流体流及び前記第2の流体流を前記一の島の前記第1の側の下流で衝突させ、それにより合流させて、前記複数の島の間の第2の島に向けて下流に移動させるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記島は、腎臓の形状に近似した形状を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記島は、ジェリービーンの形状に近似した形状を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記流体を受ける前記入力口と前記プレートから前記流体を移動させる前記出力口とを備えるクイック切断組立体を更に備える請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記デバイスは回路基板を備え、
前記流体は、前記回路基板から熱を奪う冷却材を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記流体は、前記デバイスの温度を上げるために加熱された液体を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記プレートと前記デバイスとの間に熱伝導性物質を更に含む請求項1に記載の装置。
【請求項18】
システムであって、
熱プレートを備えるテスト機器であって、前記熱プレートは、前記熱プレートを通る流体流によってテスト下のデバイスの温度を変更するように構成される、テスト機器と、
前記熱プレートを通る前記流体流を含む前記テスト機器の動作を制御するように構成される制御システムと、
を備え、
前記熱プレートは、入力口と出力口との間に前記流体流を可能にするように構成されるチャネルを前記熱プレートの中に備え、
前記熱プレートは、前記テスト下のデバイスと前記流体との間で熱を伝導する熱伝導性材料を含み、
前記チャネルは直列に配置される複数の島を備え、
前記複数の島のうちの一の島が、第1の側で前記流体を受けるように配置され、
前記一の島は、前記流体を第1の流れ及び第2の流れに分割し、前記一の島の前記第1の側の下流にある前記島の第2の側において、前記第1の流れ及び前記第2の流れを合流させる、システム。
【請求項19】
前記一の島の前記第2の側は、前記第1の流れ及び前記第2の流れの各々を前記第2の側の中心に向けて90度を越えて曲げるように構成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記一の島の前記第2の側は、前記第1の流れ及び前記第2の流れを前記一の島の前記第1の側の下流で衝突させるように構成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記テスト下のデバイスは回路基板を備え、
前記流体は、前記回路基板から熱を奪う液体又は気体冷却材を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
前記テスト機器は無線周波テスト機器を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項23】
前記チャネルは、前記チャネルに沿った複数のポイントに前記複数の島の複数セットを備え、
前記複数の島の複数セットはそれぞれが、非島特徴物によって前記チャネル上で隔てられ、
前記複数の島の複数セットは、前記プレートの異なる部分にわたり流体圧降下を分布させるように前記チャネルに配置される、請求項18に記載のシステム。
【請求項24】
前記一の島は、腎臓の形状に近似した形状を有する、請求項18に記載のシステム。
【請求項25】
前記一の島は、ジェリービーンの形状に近似した形状を有する、請求項18に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、流体流圧を変更するように構成された流体チャネルを有する熱プレートに関する。
【背景技術】
【0002】
電子回路は、動作中に熱を発生する。その熱はダメージを生じさせ又は他の悪影響を有する恐れがある。熱プレートを使用して、熱を電子回路からプレートに移すことにより、電子回路を冷却することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一例の装置は、デバイスに接触してデバイスの温度を変更するためのものである。装置は、デバイスに接触するように構成されたプレートと、入力口と出力口との間に流体を流せるようにするよう構成された、プレート内のチャネルとを含む。プレートは、デバイスと流体との間で熱を伝導させる熱伝導性材料を含む。チャネルは直列に配置される複数の島を備える。複数の島の間に、第1の側で流体を受けるための島が配置される。島は、流体を第1の流れ及び第2の流れに分割し、島の第1の側の下流にある島の第2の側において、第1の流れ及び第2の流れを合流させる。一例の装置は、以下の特徴の1つ又は複数を単独で又は組み合わせて含み得る。
【0004】
島の第2の側は、第1の流れ及び第2の流れの各々を第2の側の中心に向けて90度を越えて曲げるように構成し得る。島の第2の側は、第1の流れ及び第2の流れを島の第1の側の下流で衝突させるように構成し得る。島の第2の側は、第1の流れ及び第2の流れを第2の側の中心又はその近傍で衝突させるように構成し得る。島の第2の側は、少なくとも部分的に凹の形状を有し得る。島の第2の側は、第1の側に向かって少なくとも部分的に、対称に内側に湾曲した形状を有し得る。
【0005】
複数の島の各々は、第1の側で流体を受けるように配置し得、流体の流れを別個の流体流に分割するように構成し得、別個の流体流を下流で合流させるように構成し得る。複数の島の各々は、別個の流れを島の中心に向けて90°を越えて曲げるように構成し得る。複数の島は、チャネルを通る流体流のエネルギーを減じるように構成し得る。複数の島は、チャネルを通る流体流の速度を上げることなく、チャネルを通る流体流のエネルギーを減じるように構成し得る。チャネルは、チャネルに沿ったポイントに複数の島のセットを含み得る。複数の島の各セットは、非島特徴によりチャネル上で隔てられ得る。複数の島のセットは、プレートの異なる部分にわたり流体圧降下を分布させるようにチャネルに配置し得る。
【0006】
島の第2の側は、第1の流体流及び第2の流体流を島の第1の側の下流で衝突させ、それにより合流させて、複数の島の間の第2の島に向けて下流に移動させるように構成し得る。島は、概ね腎臓の形状の形状を有し得る。島は、概ねジェリービーンの形状の形状を有し得る。
【0007】
本装置は、流体を受ける入力口及びプレートから流体を移動させる出力口を備えたクイック切断組立体を更に含み得る。デバイスは回路基板を含み得る。流体は、回路基板から熱を奪う冷却材を含み得る。流体は、デバイスの温度を上げるために加熱された液体を含み得る。本装置は、プレートとデバイスとの間に熱伝導性物質を更に含み得る。
【0008】
一例のシステムは、熱プレートを通る流体流により、テスト下のデバイスの温度を変更するように構成された熱プレートを備えたテスト機器と、熱プレートを通る流体流を含むテスト機器の動作を制御するように構成された制御システムとを含む。熱プレートは、入力口と出力口との間に流体を流せるようにするよう構成されたチャネルを熱プレート内に含み得る。熱プレートは、テスト下のデバイスと流体との間で熱を伝導するための熱伝導性材料を含み得る。チャネルは直列に配置される複数の島を含み得る。複数の島の間に、第1の側で流体を受けるための島が配置し得る。島は、流体を第1の流れ及び第2の流れに分割し、島の第1の側の下流にある島の第2の側において、第1の流れ及び第2の流れを合流させ得る。一例のシステムは、以下の特徴の1つ又は複数を単独で又は組み合わせて含み得る。
【0009】
島の第2の側は、第1の流れ及び第2の流れの各々を第2の側の中心に向けて90度を越えて曲げるように構成し得る。島の第2の側は、第1の流れ及び第2の流れを島の第1の側の下流で衝突させるように構成し得る。テスト下のデバイスは回路基板を含み得る。流体は、回路基板から熱を奪う液体又は気体冷却材を含み得る。テスト機器は無線周波テスト機器を含み得る。
【0010】
チャネルは、チャネルに沿ったポイントに複数の島のセットを含み得る。複数の島の各セットは、非島特徴によりチャネル上で隔てられ得る。複数の島のセットは、プレートの異なる部分にわたり流体圧降下を分布させるようにチャネルに配置し得る。
【0011】
各島は、概ね腎臓の形状の形状を有し得る。各島は、概ねジェリービーンの形状の形状を有し得る。
【0012】
この概要セクションを含め、本明細書に記載される特徴の2つ以上は、組み合わせられて、本明細書に特に記載されていない実施態様を形成し得る。
【0013】
本明細書に記載のシステム及び技法の少なくとも一部は、1つ又は複数の処理デバイスで、1つ又は複数の非一時的機械可読記憶媒体に記憶された命令を実行することにより構成又は制御し得る。非一時的機械可読記憶媒体の例には、読み取り専用メモリ、光ディスクドライブ、及びランダムアクセスメモリがある。本明細書に記載のシステム及び技法の少なくとも一部は、1つ又は複数の処理デバイスと、1つ又は複数の処理デバイスにより実行可能であり、種々の制御動作を実行する命令を記憶したメモリとで構成される計算システムを使用して構成又は制御し得る。本明細書に記載のシステム及び技法、構成要素、並びにそれらの変形形態は、例えば、設計、構築、配置、配列、プログラミング、動作、アクティブ化、非アクティブ化、及び/又は制御を通して構成し得る。
【0014】
1つ又は複数の実施態様の詳細が添付図面及び以下の説明に記載される。他の特徴及び利点も、説明及び図面並びに特許請求の範囲から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】プリント回路基板(PCB)と接触した熱伝導性プレートの一例の斜視図である。
図2図1の熱伝導性プレートに含まれ得る流体チャネルの一例の切り欠き正面図である。
図3図2の流体チャネルに含まれ得る島のセットの一例の正面図である。
図4図3のセットからの島の2つの例の拡大正面図である。
図5図1のような熱伝導性プレートを含み得るテストシステムの一例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
様々な図における同様の参照番号は、同様の要素を示す。
【0017】
熱導電性プレート(「プレート」と呼ぶ)等の構造体を通る流体流は、プリント回路基板(PCB)及びPCB上の電子デバイス等の電子回路の温度を制御するのに使用し得る。例えば、冷水又は低温液体をプレート上の1つ又は複数のチャネルに強制的に通し得る。流体は熱を電子回路から奪い、その結果、流体の温度は上がる。流体がプレート内部の制限された特徴を通って流れる際、局所速度が上がる。速度が上がるにつれて、局所圧力は降下する。この局所圧力が流体の蒸気圧よりも下がる場合、流体は相を液体から気体に変え、蒸気気泡を形成させる。流体が制限された特徴を越えて移動するにつれて、流体速度は降下し、局所圧力は上がる。この局所圧力が流体の蒸気圧よりも上がるにつれて、流体は気相から液相に戻るため、気泡は瞬時に潰れる。各気泡が潰れると、衝撃波が生じ、プレートにノイズ及び振動を生み出す。ノイズ及び振動はPCB上の電子回路に伝達され、電子回路にダメージ又は悪影響を生じさせる恐れがある。
【0018】
本明細書に記載されるのは、電子回路の温度を制御するシステムの一例である。説明のために、システムは、電子デバイスが搭載されたPCBの温度を制御する状況で説明される。この構造体-電子デバイスが搭載されたPCB-は「デバイス基板」と呼ばれる。しかしながら、プレート及び本明細書に記載の関連する特徴は、デバイス基板又は他のPCBの温度制御に限定されない。むしろ、プレート及び関連する特徴は、構造体との物理的接触を通して構造体の温度を制御する任意の適切な状況で使用することができる。
【0019】
実施態様例は、動作前の間、動作中、又は動作後、デバイス基板の温度を変更及び/又は制御するように構成された装置を含む。装置は、デバイス基板と接触するように構成されたプレートと、入力口と出力口との間で流体を流せるようするよう構成された、プレート内のチャネルとを含む。チャネルは、プレートの少なくとも一部を通して流体を流せるようにするための通路、ダクト、又は導管を含む。プレートは、熱をデバイス基板と流体との間で伝導する熱伝導性材料で作られる。チャネルは、直列に配置された複数の島を含む。個々の島は、第1の側で流体を受け、流体を第1及び第2の流れに分割し、第1及び第2の流れを、島の第1の側の下流である島の第2の側で合流させるように構成及び配置される。例えば、第1の流れ及び第2の流れは、島の第2の側で衝突し得る。第1の流れ及び第2の流れのこの合流又は衝突は、流体流(「流れ」と呼ばれる)のエネルギーを減じ、チャネル内の流体がキャビテーション及びそれに伴う結果の影響を受けにくくすることができる。
【0020】
図1は、上述した等のプレート12を使用して、デバイス基板16の温度を変更-例えば冷却-するシステム10の一実施態様例を示す。この例では、システム10は、後述の自動テスト機器(ATE)等のテストシステムの一部である。しかしながら、プレート12は、ATEの状況外及びテスト全般の状況外で使用することも可能である。
【0021】
図1に示されるように、プレート12はデバイス基板16と接触するように構成され、PCB及びその上の電子デバイス(図示せず)の温度を含め、デバイス基板16の温度を変更するように構成される。幾つかの実施態様では、伝導性ゲル又は他の熱伝導性基板がプレートとデバイス基板との間に存在して、熱伝達をサポートし得る。一例では、プレート12は、デバイス基板16の温度よりも低い温度に維持し得、伝導を通してデバイス基板16を冷却し得、即ち、熱をデバイス基板16からプレート12及びチャネル内の流体に移す。この種の伝導性冷却又はより一般的に熱制御は、デバイス基板又は他の電子デバイスに対して実行されるテストの前、間、及び/又は後、行うことができる。これに関して、以下説明するように、幾つかの実施態様では、プレート12は、デバイス基板16の温度よりも高い温度に維持し得、伝導を通してデバイス基板を加熱し得、即ち、デバイス基板16は熱をプレート12からデバイス基板16に移し得る。
【0022】
プレート16は、デバイス基板16に機械的に接続可能であってもよく、又は単に、接続なしでデバイス基板に接触するように構成されてもよい。プレート16は任意の適切な幾何学的形状を有し得る。例えば、プレート16は、矩形、正方形、三角形、円形、又は六角形であり得る。図1の例では、プレート16は平坦であり、矩形を有する。プレート16は、内部容積18を囲む上面及び下面並びに側壁を含む。この内部容積は、熱伝導を通して温度を制御するための、冷却材等の材料を収容する。
【0023】
図1の例では、プレート12は、内部容積18内に1つ又は複数の流体流チャネル(又は単に「チャネル」)を含む。プレート12内の一例のチャネル20を図2に示す。1つのみのチャネル20が図2に示されているが、2つ以上のチャネルがプレート12等の単一のプレートに含まれ得る。例えば、複数のチャネルがプレート内の同じ又は異なる深さに含まれ得る。チャネル20は、任意の適切な構成を有し得、図2に示される構成に限定されない。例えば、チャネルは、示されているものと異なる、曲線又は長さの導管のセットを含み得、プレート内で三次元的に延在し得る-例えば、チャネルは水平(デカルトx次元)、垂直(デカルトy次元)、及び深さ方向(デカルトz次元)に延在し得る。
【0024】
この例では、チャネル20は、中心及び縁部領域を含め、プレート12全体にわたって冷却材を拡散させるように構成される。チャネル20は、この例では、入力21からプレート12を通って出力22に向かう単一の流体流路を含む。例えば、図1も参照すると、流体(矢印23で表される)は、入力21を介してプレート12に入り、チャネル20全体を通して矢印25(図2)の方向に流れ、矢印24で表される出力22を通してプレート12から出る。図1及び図2の例では、入力21は入力流体口を含む、出力22は出力流体口を含む。入力流体口及び出力流体口は、単一のクイック切断コネクタ組立体の一部であり得る。しかしながら、他のタイプの流体コネクタをクイック切断組立体の代わりに使用してもよい。
【0025】
上述したように、チャネル20は、流体流路に沿って直列に配置された島のセット28、29を含む。直列配置された島の2つのセット28及び29が図2に示されているが、島の任意の適切な数のセットを包含し得る。この例では、各セットは7つの島を含むが、単一の島の「セット」を含め、1セット当たり任意の適した数の島を包含し得る。1セット当たりの島の数は、プレート12のサイズ及び熱制御面積に基づき得る。島の各セット28、29は、直線又は曲線導管等の1つ又は複数の非島特徴によりチャネル20上で隔てられ得る。
【0026】
島のセットは、プレート12の様々な部分にわたり流体及び速度圧降下を分布させるように、チャネルにおいて構成及び配置し得る。例えば、図2に示されるように、島28及び29にわたり、プレート12を通る流体の速度、ひいてはエネルギーは低下し、流体圧を降下させる。流体圧のこれらの降下は、流体のキャビテーションを低下させ得、したがって、プレートと接触するデバイス基板で、蒸気気泡が潰れた結果として生じる振動を低下することができる。幾つかの実施態様では、島のセットはプレート12にわたり等しく分布して、圧力降下を均等に分布させ得る。一例では、均等な分布は、予め定義された圧力降下がプレートの同サイズの各エリアで生じることを含む。例えば、プレートの10の等しいエリアは各々、出力22において、流体の圧力がゼロであるように10%の圧力降下を含み得る。
【0027】
図3及び図4を参照すると、幾つかの実施態様では、島セット28内の島30等の各島は、上流側35において流体流33を受け、流体流33を2つの流れ-第1の流れ36及び第2の流れ37-に分割し、第1の流れ及び第2のローを衝突させ、島30の下流(第2の)側40の近傍のポイントで併合又は結合させるように構成及び配置される。本明細書に記載のように、流れ36と37との衝突は、流速及びエネルギーを減じ、それにより圧力が低下する。衝突及び合流に続き、合流した流れ41は次の島44に進み、又は現在の島が一連又はセット中の最後の島である場合、経路上のチャネルに沿って出力22に進む。これは、島の1つ又は複数の追加のセットの通過を含んでもよく、又は含まなくてもよい。
【0028】
流れ36及び37等の2つの流れの衝突を促進するために、島は特定の形状を有するように設計される。図2図4の例では、島30等の各島は同じ形状で構成され、島30の下流側40は曲がり、第1の流れ36及び第2の流れ37の各々を下流側40の中心に向けて90度を超えて曲げる。これは図4の島44に関しても示されている。より具体的には、幾つかの例では、初期の流れ方向48と島44の下流側46の中心46との間の角度49は、90°よりも大きい(角度45)。流体52の流れも同様に、下流側50での2つの流れ51と52との流れの衝突を促進するために、初期の流れ方向48に対して90°を越えて曲がり得る。これに関して、幾つかの場合、流れの曲がりが90度以下の場合、流れは幾らか衝突し得るが、結果として生じる衝突は、角度49が90度よりも大きい場合に生成される速度及び圧力の降下を生成しない可能性がある。その結果、流れが90°以下の角度45を進む場合に生成されるキャビテーション及び振動の低下は、角度49が90°よりも大きい場合よりも小さくなり得る-場合によっては相当に低くなり得る。幾つかの場合、流れが90°以下の角度45で進むとき、島の下流50での流れの衝突はあったとしてもごくわずかであり得る。その代わり、それらの流れは、場合によっては速度を上げて前方に進み得、本明細書に記載のキャビテーション及びそれに伴う振動に実際に寄与する恐れがある。
【0029】
したがって、述べたように、島44等の島の下流側55は、部個の第1の流れ51及び第2の流れ52を島の下流50で衝突させるように構成される。述べたように、衝突は、下流側の中心46に直交する線56又はその近傍-例えば線56から10%又は20%の逸脱以内-にあり得る。90°よりも大きい角度49での下流側での流れの衝突を達成するために、各島は少なくとも部分的に凹の形状を有し得る。例えば、下流側55は、上流側57に向かって内側に、中心において曲がるか又は湾曲する。曲率は、各流れ51、52が受ける曲率が同じであり得るという点で対称であり得る。したがって、島44の下流側55は、上流側57に向かって内側に少なくとも部分的に、対称に湾曲する形状を有する。別の言い方をすれば、島44等の各島は、入力流体流を別個の流体流51、52に分割するように構成され、別個の流体流51、52を下流で合流させるように構成される。各島は、初期の流体流方向48と曲がった流体流又は島の下流中心46との間の角度が90°よりも大きくなるように別個の流れ51、52の各々を島の中心に向けて曲げるために、上流側に向かって下流側で凸に湾曲し得る。
【0030】
幾つかの実施態様では、各島は、概ね腎臓の形状の形状を有する。幾つかの実施態様では、各島は、概ねジェリービーンの形状の形状を有する。他の適宜凸形状を使用してもよい。単一のプレート上の島は全て同じサイズであってもよく、又は島は異なるサイズを有してもよい。例えば、小さい島よりも大きい島ほど、流体の速度、圧力、及びエネルギーを大きく減じ得る。プレート上の島は全て同じ形状を有してもよく、又は島は異なる形状を有してもよい。例えば、90°よりもはるかに大きい角度49を有する島-例えば、より大きな又はより顕著な凹性を有する島-は、90°により近い角度49を有する島-例えば、凹性がより低い島-よりも大きく流体の速度及び圧力を減じ得る。更に、セット内の島は全て同じサイズを有してもよく、又は島は異なるサイズを有してもよく、セット内の島は全て同じ形状を有してもよく、又は島は異なる形状を有してもよい。
【0031】
図2に示されるように、島のセット28、29は、流体流路において隣り合った島を隔てる非島特徴を有する。非島特徴は、例えば、セット内の島を接続するとともに、島のセットをより大きなチャネルに接続する直線チャネル又は導管を含み得る。
【0032】
電子回路を冷却するためにチャネル20を通って流れる流体冷却材は、任意の適切な低温液体であり得る-例えば、摂氏0°(℃)近くであるが、0℃を越える水又は他の液体を使用することができる。幾つかの例では、液体窒素等の低温液体を使用し得る。電子回路を加熱するためにチャネル20を通る流体は、任意の適切な高温液体であり得る-例えば、所望の加熱量に応じて、100℃未満又は100℃近くの水又は他の液体を使用し得る。
【0033】
図5は、テスト前、テスト中、又はテスト後、冷却又は場合によっては加熱されるべき電子回路を保持するPCBを含み得るATE60の構成要素を示す。ここで、PCBはデバイスインタフェース基板(DIB)であり、その一例について後述する。ATE50はテストシステムの一部であり得る。図5において、破線は概念的に、テストシステムの構成要素間の潜在的な信号経路を表す。
【0034】
ATE60は、テストヘッド61及び制御システム62を含む。制御システムは、本明細書に記載のように、1つ又は複数のマイクロプロセッサ又は他の適切な処理デバイスを含む計算システムを含み得る。
【0035】
DIB64は、テストヘッド61に直接又は間接的に接続され、ATEによりテストされるか、又はATEによりテストされるべきテスト下の1つ又は複数のデバイス(DUT)への機械的及び電気的インタフェースを含むデバイス基板である。DIBは部位65を含み、部位65は、ピン、ボールグリッドアレイ(BGA)、導電トレース、又はDUTを接続し得る電気的及び機械的な他の接続点を含み得る。テスト信号、応答信号、電圧信号、及び他の信号は、DUTとテスト機器との間の部位を経由してテストチャネルを通過する。DIB64は、とりわけ、コネクタ、導電トレース、及び信号をテスト機器、部位65に接続されたDUTの間で信号をルーティングするための他の電子回路構成及び他の回路構成を含むこともできる。DUT及びDIBに存在する他の回路構成は、本明細書に記載のタイプの熱プレートを使用して熱的に制御し得る。
【0036】
一例では、図1図4に関して説明した等の特徴を有するプレート68は、示されるように、DIB64の下に配置し得る。プレート68のチャネル内外への冷却材の流れは、DIB上のDUBを含む電子回路を冷却するように制御し得る。温度制御は、60により実行されるテストの一環であり得る。例えば、DUTは、テストプロトコルの一環として異なる温度でテストし得る。幾つかの実施態様では、プレート68は、テスト中、DUTの温度を維持するのに使用されて、DUTが過熱しないように、テスト中、DUTから過度の熱を奪う。
【0037】
制御システム62は、テストヘッドの構成要素と通信してテストを制御する。例えば、制御システム62は、テストプログラムセットをダウンロードして、テストヘッドにおけるテスト機器70A~70Nをテストし得る。テスト機器は、1つ又は複数の処理デバイス及び他の回路構成を含み得るハードウェアデバイスを含む。テスト機器70A~70Nは、テストプログラムセットを実行して、テスト機器と通信するDUTをテストし得る。制御システム62は、テストヘッドにおけるテスト機器に、DIBとインタフェースされるDUTに対して適切なテストを実行するためにテスト機器により使用可能な命令、テストデータ、及び/又は他の情報を送信することもできる。テストは、異なる温度条件下であり得る。幾つかの実施態様では、この情報は、コンピュータ若しくは他のタイプのネットワークを介して又は直接電気経路を介して送信し得る。幾つかの実施態様では、この情報は、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を介して送信し得る。
【0038】
テストプログラムは、DUTに提供されるテストフロー(命令セット)を生成する。テストフローは、例えば、DUTから応答を引き出す信号を出力するように書かれる。テストフローは、無線周波(RF)又は他の無線信号を含む信号を出力し、DUTから、それらの信号への応答を受信し、応答を解析して、デバイスがテストに合格したかそれとも不合格であったかを判断するように書くことができる。
【0039】
制御システム62は、テストプログラムに従ってDUTの温度を制御するため又はそれらの温度及びDIB上の他の電子回路の温度を維持するために、プレート68を通る流体流を制御するようにも構成される。1つ又は複数の弁(図示せず)及びポンプ(図示せず)は、図2のチャネル20等のチャネルに流体を強制し、それにより、DIB65の温度及びDUTを含むがこれに限定されないDIB上の電子回路の温度を制御するように、制御システムにより制御することができる。幾つかの実施態様では、制御は適応的であり得る。例えば、DIB上の温度センサ(図示せず)は、温度を検出し、その情報を制御システム62に送信する(例えば無線で)。それに応答して、制御システム62はそれに従ってプレート68を通して流体を制御し得る。例えば、DIBが相当に加熱されている場合、追加の低温液体又は異なるタイプの低温液体がプレート68を通って移動して、DIBの温度を下げることができる。同様に、DIBの温度が一定のままである場合、変更が望まれるまで、プレート68を通る現在の流体流を維持し得る。
【0040】
述べたように、図5のATE60は複数のテスト機器70A~70Nを含み、テスト機器70A~70Nの各々は、テスト及び/又は他の機能の1つ又は複数を適宜実行するように構成し得る。4つのみのテスト機器が示されているが、システムは、テストヘッド61外にあるものを含め、任意の適切な数のテスト機器を含み得る。幾つかの実施態様では、1つ又は複数のテスト機器は、例えば、制御システムにより提供されるデータに基づいてDUTをテストするためにマイクロ波、RF、又はミリメートル波信号出力し、DUTから応答信号を受信するように構成し得る。異なるテスト機器は、異なるタイプのテストを実行するように構成されてよく、及び/又は異なるDUTをテストするように構成されてよい。受信信号は、テスト信号に基づいて応答信号及び/又はテスト信号によりプロンプトされない(例えば、テスト信号に応答したものではない)DUTを発端とする信号を含み得る。幾つかの実施態様では、テスト信号及び応答信号が送信される際に経由するDUT、DIB、及びテスト機器インタフェース間に同軸ケーブル及び/又は他の信号伝送線があり得る。
【0041】
信号は、複数のテストチャネルを経由してDUTに送信及びDUTから受信することができる。これらのテスト信号の各々は、1つ若しくは複数の信号伝送線又は他の有線若しくは無線伝送媒体を含み得る。幾つかの例では、テストチャネルは、信号がテスト機器からDUTに送信され、信号がDUTから受信される際に経由する1つ又は複数の物理的伝送媒体により定義し得る。幾つかの例では、テストチャネルは、信号が1つ又は複数の物理的伝送媒体を経由して伝送される周波数範囲により定義し得る。テストチャネルは、DIB上の導電トレースを含み得る。
【0042】
本明細書に記載のテストシステム及びプロセス並びにそれらの種々の変形形態の全て又は一部は、少なくとも部分的に、1つ又は複数の非一時的機械可読記憶媒体等の1つ又は複数の情報キャリアに有形に具現される1つ又は複数のコンピュータプログラムを使用して、制御システム36等の1つ又は複数のコンピュータにより構成又は制御し得る。コンピュータプログラムは、コンパイル型又はインタプリタ型言語を含め、任意の形態のプログラミング言語で書くことができ、スタンドアロンプログラムとして又は計算環境での使用に適したモジュール、部分、サブルーチン、若しくは他のユニットとしてを含め、任意の形態でデプロイすることができる。コンピュータプログラムは、1つの場所における1台若しくは複数のコンピュータで又は複数の場所にわたり分散し、ネットワークにより相互接続された複数のコンピュータで実行されるようにデプロイすることができる。
【0043】
本明細書に記載の電圧源、テストシステム、及びプロセスの構成又は制御と関連する動作は、1つ又は複数のコンピュータプログラムを実行して、上述したウェル形成動作の全て又は幾つかを制御する1つ又は複数のプログラマブルプロセッサにより実行することができる。テストシステム及びプロセスの全て又は一部は、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)及び/又はASIC(特定用途向け集積回路)等の専用論理回路構成により構成又は制御することができる。
【0044】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサには、例として、汎用マイクロプロセッサ及び専用マイクロプロセッサの両方並びに任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ又は複数のプロセッサがある。一般に、プロセッサは、命令及びデータを読み取り専用記憶領域、又はランダムアクセス記憶領域、又は両方から受信する。コンピュータの要素は、命令を実行するための1つ又は複数のプロセッサと、命令及びデータを記憶するための1つ又は複数の記憶領域デバイスとを含む。一般に、コンピュータはまた、磁気、磁気光学ディスク、又は光ディスク等のデータを記憶するための大容量記憶装置等の1つ若しくは複数の機械可読記憶媒体を含み、又は機械可読媒体からデータを受信、機械可読媒体にデータを送信、若しくはそれらの両方を行うように動作可能に結合される。コンピュータプログラム命令及びデータを具現するのに適した非一時的機械可読記憶媒体は、例としてEPROM(消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ)、EEPROM(電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ)、及びフラッシュ記憶領域デバイス等の半導体記憶領域デバイス;内部ハードディスク又はリムーバブルディスク等の磁気ディスク;磁気光学ディスク;及びCD-ROM(コンパクトディスク読み取り専用メモリ)及びDVD-ROM(デジタル多用途ディスク読み取り専用メモリ)を含め、全ての形態の不揮発性記憶領域を含む。
【0045】
記載された異なる実施態様の要素は組み合わせられて、特に上述されていない他の実施態様を形成することができる。要素は、上述したシステムの動作又はシステム全般の動作に悪影響を及ぼすことなく、上述したシステムから省くことが可能である。更に、種々の別個の要素を結合して、本明細書に記載の機能を実行する1つ又は複数の個々の要素にすることも可能である。
【0046】
本明細書に特に記載されていない他の実施態様も以下の特許請求の範囲内である。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】