(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-20
(54)【発明の名称】ブーツや他のフットウェアの紐締め構成
(51)【国際特許分類】
A43B 5/04 20060101AFI20240213BHJP
【FI】
A43B5/04 F
A43B5/04 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550701
(86)(22)【出願日】2022-02-23
(85)【翻訳文提出日】2023-10-23
(86)【国際出願番号】 US2022017437
(87)【国際公開番号】W WO2022182705
(87)【国際公開日】2022-09-01
(32)【優先日】2021-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512279729
【氏名又は名称】ボア テクノロジー,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100137969
【氏名又は名称】岡部 憲昭
(74)【代理人】
【識別番号】100104824
【氏名又は名称】穐場 仁
(72)【発明者】
【氏名】ヴラディカ,ブレット
(72)【発明者】
【氏名】フィギュイレド,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ヴルム,カール
(72)【発明者】
【氏名】ワーリング,ブロック
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】サグイ,クリス
(72)【発明者】
【氏名】フィーニー,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】コッターマン,ジェシー
(72)【発明者】
【氏名】ニッケル,マイケル ジョゼフ
(72)【発明者】
【氏名】サンプル,ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】ホーン,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ディタロ,テイラー ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】ワンドリング,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】カーンズ,マーク
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050AA07
4F050BE01
4F050BE02
4F050BE09
4F050BE14
4F050BE21
4F050BE25
(57)【要約】
フットウェアクロージャーシステムは、上部、下部、および上部と下部との間に配置される中間部を有するブーツなどのフットウェアの物品を含む。フットウェアクロージャーシステムは、フットウェアと結合される複数のリール式クロージャー装置も含む。複数のリール式クロージャー装置は、フットウェアの上部、下部、および中間部の閉鎖または締め付けを行うために構成される。それぞれのリール式クロージャー装置は独立して動作可能であり、それぞれのリール式クロージャー装置は、上部、下部、中間部、またはそれらの組み合わせのうちの1つの閉鎖または締め付けを行う。
【選択図】
図7A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フットウェアであって、
着用者の脚の周りに配置可能な上部またはカフと、
着用者の足の上に配置可能な下部と、
着用者のかかとの周りに配置可能なかかと部と、
前記フットウェアと結合され、前記フットウェアの前記上部と前記下部との間に配置されるストラップと、を備える、フットウェアと、
第1のクロージャーシステムであって、
前記フットウェアと結合される第1のリール式クロージャー装置と、
前記第1のリール式クロージャー装置と動作可能に結合される第1の引張部材と、
前記フットウェアと結合され、前記フットウェアの前記上部またはカフに沿って前記第1の引張部材を案内または導くように構成された少なくとも1つの第1のガイド部材と、を備える、第1のクロージャーシステムと、
第2のクロージャーシステムであって、
前記フットウェアと結合される第2のリール式クロージャー装置と、
前記第2のリール式クロージャー装置と動作可能に結合される第2の引張部材と、
前記ストラップの遠位端と結合され、前記第2の引張部材を案内または導くように構成された第2のガイド部材と、を備える、第2のクロージャーシステムと、
第3のクロージャーシステムであって、
前記フットウェアと結合される第3のリール式クロージャー装置と、
前記第3のリール式クロージャー装置と動作可能に結合される第3の引張部材と、
前記フットウェアと結合され、前記フットウェアの前記下部に沿って前記第3の引張部材を案内または導くように構成された少なくとも1つの第3のガイド部材と、を備える、第3のクロージャーシステムと、を備え、
前記第1のリール式クロージャー装置は、前記第1の引張部材に動作可能に張力をかけ、それにより前記着用者の脚の周りの前記上部を閉じる、または締め付け、
前記第2のリール式クロージャー装置は、前記第2の引張部材に動作可能に張力をかけ、前記着用者のかかとを前記フットウェアの前記かかと部に固定するため、前記ストラップを前記着用者の足に対して下方および後方に引っ張り、
前記第3のリール式クロージャー装置は、前記第3の引張部材に動作可能に張力をかけ、それにより前記着用者の足の周りの前記下部を閉じる、または締めつけ、
前記第1リール式クロージャー装置、前記第2のリール式クロージャー装置、および前記第3のリール式クロージャー装置は、独立して動作可能である、
フットウェアクロージャーシステム。
【請求項2】
前記第1のリール式クロージャー装置、前記第2のリール式クロージャー装置、および前記第3のリール式クロージャー装置は、前記フットウェアの前記上部と結合される、請求項1に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項3】
前記上部、前記下部、および前記かかと部が前記フットウェアの外部シェルを形成または画定し、前記ストラップが前記外部シェルの下に配置される、請求項1に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項4】
前記ストラップの近位端は、前記フットウェアのソール近傍で前記フットウェアと結合され、前記ストラップは前記フットウェアの舌部の上に延びる、請求項3に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項5】
前記第1の引張部材、前記第2の引張部材、または前記第3の引張部材の少なくとも1つは、前記フットウェアに終端または固定される遠位端を有する、請求項1に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項6】
前記第1のリール式クロージャー装置は、前記第2のリール式クロージャー装置または前記第3のリール式クロージャー装置とは異なるトルク出力を有する、請求項1に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項7】
前記フットウェアはスノーボードブーツである、請求項1に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項8】
フットウェアであって、
上部と、
下部と、
前記上部と前記下部との間に配置される中間部と、を含む、フットウェアと、
前記フットウェアと結合され、第1のリール式クロージャー装置は、前記フットウェアの前記上部の閉鎖または締め付けを行うために動作可能である、第1のリール式クロージャー装置と、
前記フットウェアと結合され、第2のリール式クロージャー装置は、前記フットウェアの前記中間部の閉鎖または締め付けを行うために動作可能である、第2のリール式クロージャー装置と、
前記フットウェアと結合され、第3のリール式クロージャー装置は、前記フットウェアの前記下部の閉鎖または締め付けを行うために動作可能である、第3のリール式クロージャー装置と、を備え、
前記第1のリール式クロージャー装置、前記第2のリール式クロージャー装置、および前記第3のリール式クロージャー装置は、前記フットウェアのそれぞれの前記上部、前記下部、または前記中間部の差動閉鎖または締め付けを行うために独立して動作可能である、
フットウェアクロージャーシステム。
【請求項9】
前記第1のリール式クロージャー装置は、前記フットウェアの前記上部の開口部を少なくとも部分的に横切って延びるパネルと結合される、請求項8に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項10】
前記第2のリール式クロージャー装置は、張力をかけると、前記フットウェアの前記中間部の閉鎖または締め付けを行うストラップと結合された引張部材と動作可能に結合される、請求項8に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項11】
前記ストラップの少なくとも一部が前記フットウェアの外部シェルの下に配置される、請求項10に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項12】
前記第3のリール式クロージャー装置は、前記フットウェアの前記下部の開口部上に少なくとも部分的に延びるパネルと結合される引張部材と動作可能に結合される、請求項8に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項13】
前記第1のリール式クロージャー装置、前記第2のリール式クロージャー装置、および前記第3のリール式クロージャー装置は、前記フットウェアの前記上部と結合される、請求項8に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項14】
前記第1のリール式クロージャー装置は、第1の引張部材と動作可能に結合され、前記第2のリール式クロージャー装置は、第2の引張部材と動作可能に結合され、前記第3のリール式クロージャー装置は、第3の引張部材と動作可能に結合され、前記第1の引張部材、前記第2の引張部材、または前記第3の引張部材のうちの少なくとも1つは、前記フットウェアで終端または固定される遠位端を有する、請求項8に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項15】
前記フットウェアはスノーボードブーツである、請求項8に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項16】
上部と、
下部と、
を含む、フットウェアと、
前記フットウェアの前記上部と結合され、第1のリール式クロージャー装置は、前記フットウェアの第1のゾーンの閉鎖または締め付けを行うために動作可能である、第1のリール式クロージャー装置と、
前記フットウェアの前記上部と結合され、第2のリール式クロージャー装置は、前記フットウェアの第2のゾーンの閉鎖または締め付けを行うために動作可能である、第2のリール式クロージャー装置と、
前記フットウェアの前記上部と結合され、第3のリール式クロージャー装置は、前記フットウェアの第3のゾーンの閉鎖または締め付けを行うために動作可能である、第3のリール式クロージャー装置と、を備える、
フットウェアクロージャーシステム。
【請求項17】
前記第1のゾーンは、前記フットウェアの前記上部である、請求項16に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項18】
前記第1のリール式クロージャー装置は、前記フットウェアの前記上部の開口部を横切って案内され、または導かれる引張部材と動作可能に結合される、請求項17に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項19】
前記第2のゾーンは、前記上部と前記下部との間の前記フットウェアの中間部である、請求項16に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項20】
前記第2のリール式クロージャー装置は、張力をかけると、前記フットウェアの前記中間部の閉鎖または締め付けを行うストラップと結合された引張部材と動作可能に結合される、請求項19に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項21】
前記ストラップの少なくとも一部が前記フットウェアの外部シェルの下に配置される、請求項20に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項22】
前記第3ゾーンは、前記フットウェアの前記下部である、請求項16に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項23】
前記第3のリール式クロージャー装置は、前記フットウェアの前記下部の開口部を横切って案内され、または導かれる引張部材と動作可能に結合される、請求項22に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項24】
前記第1のリール式クロージャー装置は、第1の引張部材と動作可能に結合され、前記第2のリール式クロージャー装置は、第2の引張部材と動作可能に結合され、前記第3のリール式クロージャー装置は、第3の引張部材と動作可能に結合され、前記第1引張部材、前記第2の引張部材、または前記第3の引張部材のうちの少なくとも1つは、前記フットウェアで終端または固定される遠位端を有する、請求項16に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項25】
前記フットウェアはスノーボードブーツである、請求項16に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項26】
フットウェアであって、
上部と、
下部と、
前記上部と前記下部との間に配置される中間部と、を含む、フットウェアと、
前記フットウェアと結合される複数のリール式クロージャー装置であって、
前記複数のリール式クロージャー装置は、前記フットウェアの前記上部、前記下部、および前記中間部の閉鎖または締め付けを行うために構成され、
それぞれのリール式クロージャー装置は、独立して動作可能であり、
それぞれのリール式クロージャー装置は、前記上部、前記下部、前記中間部、またはそれらの組み合わせのうちの異なる1つの閉鎖または締め付けを行う、複数のリール式クロージャー装置と、を備える、
フットウェアクロージャーシステム。
【請求項27】
前記複数のリール式クロージャー装置は、第1のリール式クロージャー装置と第2のリール式クロージャー装置から構成される、請求項26に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項28】
前記第1のリール式クロージャー装置は、前記上部、前記下部、または前記中間部のうちの1つの閉鎖または締め付けを行うために構成され、前記第2のリール式クロージャー装置は、前記上部、前記下部、または前記中間部のうち他の2つの閉鎖または締め付けを行うために構成される、請求項27に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項29】
前記第1のリール式クロージャー装置および前記第2のリール式クロージャー装置は、前記フットウェアの前記上部と結合される、請求項27に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項30】
前記第1のリール式クロージャー装置は、第1の引張部材と動作可能に結合され、前記第2のリール式クロージャー装置は、第2の引張部材と動作可能に結合され、前記第1の引張部材および前記第2の引張部材の少なくとも1つは、前記フットウェアで終端または固定される遠位端を有する、請求項27に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項31】
前記第1のリール式クロージャー装置は、前記第2のリール式クロージャー装置とは異なるトルク出力を有する、請求項27に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項32】
前記複数のリール式クロージャー装置は、前記上部の閉鎖または締め付けを行うために構成された第1のリール式クロージャー装置と、前記中間部の閉鎖または締め付けを行うために構成された第2のリール式クロージャー装置と、前記下部の閉鎖または締め付けを行うために構成された第3のリール式クロージャー装置とを含む、請求項26に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項33】
前記フットウェアはスノーボードブーツである、請求項26に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項34】
フットウェアであって、
上部と、
下部と、
前記上部と前記下部との間に配置される中間部と、を含む、フットウェアと、
前記フットウェアと結合される少なくとも1つのリール式クロージャー装置であって、
前記少なくとも1つのリール式クロージャー装置は、前記フットウェアの前記上部、前記下部、および前記中間部の閉鎖または締め付けを行うために構成される、少なくとも1つのリール式クロージャー装置と、を備える、
フットウェアクロージャーシステム。
【請求項35】
前記少なくとも1つのリール式クロージャー装置は、単一のリール式クロージャー装置から構成される、請求項34に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項36】
前記単一のリール式クロージャー装置は、前記フットウェアの前記上部と結合される、請求項35に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項37】
前記単一のリール式クロージャー装置は、引張部材と動作可能に結合され、前記引張部材は、前記フットウェアの前記上部、前記中間部、または前記下部に配置される少なくとも1つのストラップと結合され、前記引張部材は、前記フットウェアの前記上部、前記中間部、または前記下部に配置される少なくとも1つのパネルとも結合される、請求項35に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項38】
前記少なくとも1つのリール式クロージャー装置は、第1のリール式クロージャー装置と第2のリール式クロージャー装置から構成される、請求項34に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項39】
前記第1のリール式クロージャー装置は、前記上部、前記下部、または前記中間部のうちの1つの閉鎖または締め付けを行うために構成され、前記第2のリール式クロージャー装置は、前記上部、前記下部、または前記中間部分うちの他の2つの閉鎖または締め付けを行うために構成される、請求項38に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【請求項40】
前記フットウェアはスノーボードブーツである、請求項34に記載のフットウェアクロージャーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
【0002】
[0001] 本出願は、2022年2月22日に出願された米国非仮特許出願第17/677,737号の優先権を主張する、2021年2月23日に出願された米国仮特許出願番号63/152,630の「ブーツおよび他のフットウェアの紐締め構成」の優先権を主張し、その開示全体が、本明細書に完全に記載されているかのように、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
[0002] 本開示は、スノーボードブーツ、ワークブーツ、ファッションブーツ、アスレチックブーツなどのフットウェアのより大きな物品を閉じる、および締め付けるために特に設計され、適している紐締めシステムに関する。通常、スノーボードブーツなどのフットウェアの物品は、着用者の足と脚の周りにフットウェアを配置し、足と脚の周りを閉じる、および締めつけることができるクロージャーシステムを含む。通常、クロージャーシステムは足と脚の周りのフットウェアを維持または固定するために使用される。従来のクロージャーシステムは、足と脚の周りのフットウェアを閉じて固定するために張力がかけられ、結ばれるレースまたはコードを含む。従来のクロージャーシステムは、足と脚の周りのフットウェアのフィット性および/または快適さを向上するために変更されてきた。例えば、バックルタイプの装置またはプルコード装置は、フットウェアのフィット性および/または快適さを向上するために、従来のレースまたはコードの代わりに使用されてきた。従来のクロージャーシステムも、フットウェアが足と脚の周りに閉じられ固定され得る時間を短縮するために変更されている。スノーボードブーツなどの一部のタイプのフットウェアの剛性および/または硬さを考えると、従来のクロージャーシステム、および変更されたシステムの多くでさえ、フットウェアの適切なフィット性および/または快適さを提供することには限界がある。
【発明の概要】
【0004】
[0003] 本明細書に記載される実施形態は、スノーボードブーツ、ワークブーツ、ファッションブーツ、アスレチックブーツなどのフットウェアのより大きな物品を閉じる、および締め付けるために特に設計され、適している紐締めシステムを提供する。本実施形態は、少なくとも1つのリール式クロージャー装置、およびしばしば複数のリール式クロージャー装置を用いて、フットウェアの複数のゾーンを閉鎖、および締め付けることができる。本実施形態は、フットウェアの物品にさらなるフィット性、快適さ、および/または性能を提供する。
【0005】
[0004] 一態様によると、フットウェアクロージャーシステムは、上部、下部、および上部と下部との間に配置される中間部とを有するフットウェアを含む。フットウェアクロージャーシステムは、フットウェアと結合される少なくとも1つのリール式クロージャー装置も含む。少なくとも1つのリール式クロージャー装置は、フットウェアの上部、下部、および中間部の閉鎖、または締め付けを行うために構成される。
【0006】
[0005] いくつかの例において、少なくとも1つのリール式クロージャー装置は、単一のリール式クロージャー装置から構成される。単一のリール式クロージャー装置は、フットウェアの上部と結合されてもよく、フットウェアの上部、中間部、または下部に配置される少なくとも1つのストラップと結合される引張部材と動作可能に結合されてもよい。引張部材は、フットウェアの上部、中間部、または下部に配置される少なくとも1つのパネルと結合されてもよい。
【0007】
[0006] 他の例において、少なくとも1つのリール式クロージャー装置は、第1のリール式クロージャー装置および第2のリール式クロージャー装置から構成される。そのような場合、第1のリール式クロージャー装置は、上部、下部、または中間部のうちの1つの閉鎖、または締め付けを行うために構成されてもよく、第2のリール式クロージャー装置は、上部、下部、または中間部のうちの他の2つの閉鎖、または締め付けを行うために構成されてもよい。通常、第1のリール式クロージャー装置および第2のリール式クロージャー装置は、フットウェアのゾーンの同じ部分を閉じる、またはフットウェアのゾーンの同じ部分に張力をかけることはない。具体的な例として、フットウェアはスノーボードブーツであってもよい。
【0008】
[0007] 別の態様によると、フットウェアクロージャーシステムは、上部、下部、および上部と下部との間に配置される中間部とを有するフットウェアを含む。フットウェアクロージャーシステムは、フットウェアと結合される複数のリール式クロージャー装置も含む。複数のリール式クロージャー装置は、フットウェアの上部、下部、および中間部の閉鎖、または締め付けを行うために構成される。それぞれのリール式クロージャー装置は独立して動作可能であり、それぞれのリール式クロージャー装置は、上部、下部、中間部、またはそれらの組み合わせのうちの異なる1つの閉鎖、または締め付けを行うために構成される。
【0009】
[0008] いくつかの例において、複数のリール式クロージャー装置は、第1のリール式クロージャー装置と第2のリール式クロージャー装置から構成される。そのような場合、第1のリール式クロージャー装置は、上部、下部、または中間部のうちの1つの閉鎖、または締め付けを行うために構成され、第2のリール式クロージャー装置は、上部、下部、または中間部のうちの他の2つの閉鎖、または締め付けを行うために構成される。通常、第1のリール式クロージャー装置および第2のリール式クロージャー装置は、フットウェアのゾーンの同じ部分を閉じる、またはフットウェアのゾーンの同じ部分に張力をかけることはない。
【0010】
[0009] 第1のリール式クロージャー装置および第2のリール式クロージャー装置は、フットウェアの上部と結合されるか、またはフットウェアの上部内に配置されてもよい。第1のリール式クロージャー装置は、第1の引張部材と動作可能に結合されてもよく、第2のリール式クロージャー装置は、第1の引張部材および/または第2の引張部材がフットウェアに終端するかまたはフットウェアに固定される遠位端を有する第2の引張部材と動作可能に結合されてもよい。第1のリール式クロージャー装置は、第2のリール式クロージャー装置とは異なるトルク出力を有してもよい。
【0011】
[0010] 他の例において、複数のリール式クロージャー装置は、上部の閉鎖、または締め付けを行うために構成された第1のリール式クロージャー装置と、中間部の閉鎖、または締め付けを行うために構成された第2のリール式クロージャー装置と、下部の閉鎖、または締め付けを行うために構成された第3のリール式クロージャー装置を含む。具体的な例として、フットウェアはスノーボードブーツである。
【0012】
[0011] 別の態様によると、フットウェアクロージャーシステムは、上部、下部、および上部と下部との間に配置される中間部とを有するフットウェアを含む。フットウェアクロージャーシステムは、第1のリール式クロージャー装置、第2のリール式クロージャー装置、および第3のリール式クロージャー装置も含むか、またはそれらから構成される。第1のリール式クロージャー装置は、フットウェアの上部の閉鎖、または締め付けを行うために動作可能であり、第2のリール式クロージャー装置は、フットウェアの中間部の閉鎖、または締め付けを行うために動作可能であり、第3のリール式クロージャー装置は、フットウェアの下部の閉鎖、または締め付けを行うために動作可能である。第1のリール式クロージャー装置、第2のリール式クロージャー装置、および第3のリール式クロージャー装置は、フットウェアのそれぞれの上部、下部、または中間部の差動閉鎖、または締め付を行うために独立して動作可能である。
【0013】
[0012] 第1のリール式クロージャー装置は、フットウェアの上部の開口部を少なくとも部分的に横切って延びるパネルと結合されてもよい。第2のリール式クロージャー装置は、張力をかけると、フットウェアの中間部の閉鎖、または締め付けを行うストラップと結合される引張部材と動作可能に結合されてもよい。ストラップの少なくとも一部は、フットウェアの外部シェルの下に配置されてもよい。第3のリール式クロージャー装置は、フットウェアの下部の開口部にわたって少なくとも部分的に延びるパネルと結合される引張部材と動作可能に結合されてもよい。第1のリール式クロージャー装置、第2のリール式クロージャー装置、および第3のリール式クロージャー装置は、フットウェアの上部と結合されるか、またはフットウェアの上部内に配置されてもよい。
【0014】
[0013] 第1のリール式クロージャー装置は、第1の引張部材と動作可能に結合されてもよく、第2のリール式クロージャー装置は、第2の引張部材と動作可能に結合されてもよく、第3のリール式クロージャー装置は、第3の引張部材と動作可能に結合されてもよい。第1の引張部材、第2の引張部材、および/または第3の引張部材は、フットウェアに終端または固定される遠位端を有してもよい。具体的な例として、フットウェアはスノーボードブーツであってもよい。
【0015】
[0014] 別の態様によると、フットウェアクロージャーシステムは、上部および下部を有するフットウェアを含む。フットウェアクロージャーシステムは、フットウェアの上部と結合される第1のリール式クロージャー装置、フットウェアの上部と結合される第2のリール式クロージャー装置、およびフットウェアの上部と結合される第3のリール式クロージャー装置も含む。第1のリール式クロージャー装置は、フットウェアの第1のゾーンの閉鎖、または締め付けを行うために動作可能であり、第2のリール式クロージャー装置は、フットウェアの第2のゾーンの閉鎖、または締め付けを行うために動作可能であり、そして、第3のリール式クロージャー装置は、フットウェアの第3のゾーンの閉鎖、または締め付けを行うために動作可能である。
【0016】
[0015] いくつかの例において、第1のゾーンは、フットウェアの上部であってもよい。そのような場合、第1のリール式クロージャー装置は、フットウェアの上部の開口部を横切って案内され、または導かれる引張部材と動作可能に結合され得る。第2のゾーンは、上部と下部との間に配置されるフットウェアの中間部であってもよい。第2のリール式クロージャー装置は、張力をかけると、フットウェアの中間部の閉鎖または締め付けを行うストラップと結合される引張部材と動作可能に結合され得る。少なくとも一部のストラップは、フットウェアの外部シェルの下に配置されてもよい。第3のゾーンは、フットウェアの下部であってもよい。第3のリール式クロージャー装置は、フットウェアの下部の開口部を横切って案内され、または導かれる引張部材と動作可能に結合されてもよい。
【0017】
[0016] 第1のリール式クロージャー装置は、第1の引張部材と動作可能に結合されてもよく、第2のリール式クロージャー装置は、第2の引張部材と動作可能に結合されてもよく、第3のリール式クロージャー装置は、第3の引張部材と動作可能に結合されてもよい。第1の引張部材、第2の引張部材、および/または第3の引張部材は、フットウェアに終端または固定される遠位端を有し得る。具体的な例として、フットウェアはスノーボードブーツである。
【0018】
[0017] 別の態様によると、フットウェアクロージャーシステムは、着用者の脚の周りに配置可能な上部またはカフ、着用者の足の上に配置可能な下部、着用者のかかとの周りに配置可能なかかと部分、およびフットウェアと結合されフットウェアの上部と下部との間に配置されるストラップを有する、フットウェアを含む。フットウェアクロージャーシステムは、第1のクロージャーシステム、第2のクロージャーシステム、および第3のクロージャーシステムも含まれる。第1のクロージャーシステムは、フットウェアと結合される第1のリール式クロージャー装置と、第1のリール式クロージャー装置と動作可能に結合される第1の引張部材と、フットウェアと結合され、フットウェアの上部またはカフに沿って第1の引張部材を案内または導くために構成される少なくとも1つの第1のガイド部材とを含む。第2のクロージャーシステムは、フットウェアと結合される第2のリール式クロージャー装置と、第2のリール式クロージャー装置と動作可能に結合される第2の引張部材と、ストラップの遠位端と結合され、第2の引張部材を案内または導くために構成される第2のガイド部材とを含む。第3のクロージャーシステムは、フットウェアと結合される第3のリール式クロージャー装置と、第3のリール式クロージャー装置と動作可能に結合される第3の引張部材と、フットウェアと結合され、フットウェアの下部に沿って第3の引張部材を案内また導くために構成される少なくとも1つの第3のガイド部材とを含む。第1のリール式クロージャー装置は、第1の引張部材に動作可能に張力をかけ、それによって着用者の脚の周りの上部を閉じる、または締めつけ、第2のリール式クロージャー装置は、第1の引張部材に張力をかけ、それによってストラップを着用者の足に対して下方および後方に引っ張り、着用者のかかと部分をフットウェアのかかと部分に固定し、第3のリール式クロージャー装置は、第3の引張部材に動作可能に張力をかけ、それによって着用者の足の周りの下部を閉じる、または締め付ける。第1のリール式クロージャー装置、第2のリール式クロージャー装置、および第3のリール式クロージャー装置は、独立して動作可能である。
【0019】
[0018] 第1のリール式クロージャー装置、第2のリール式クロージャー装置、および第3のリール式クロージャー装置は、フットウェアの上部と結合されるか、またはフットウェアの上部内に配置されてもよい。上部、下部、およびかかと部分は、フットウェアの外部シェルを形成または画定し得る。このような場合、ストラップは外部シェルの下に配置されてもよい。ストラップの近位端は、フットウェアのソールの近傍でフットウェアと結合されてもよく、ストラップはフットウェアの舌部分にわたって伸びてもよい。第1の引張部材、第2の引張部材、および/または第3の引張部材は、フットウェアに終端または固定される遠位端を有し得る。第1のリール式クロージャー装置は、第2のリール式クロージャー装置および/または第3のリール式クロージャー装置とは異なるトルク出力を有し得る。具体的な例として、フットウェアはスノーボードブーツであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
[0019] 本発明は、添付の図と併せて説明される。
【
図1A】スノーボードブーツを閉じる、および締め付けるために構成されるリール式クロージャー装置を含むスノーボードブーツの一実施形態を示す。
【
図1B】スノーボードブーツを閉じる、および締め付けるために構成されるリール式クロージャー装置を含むスノーボードブーツの一実施形態を示す。
【
図2A】スノーボードブーツを閉じる、および締め付けるために構成される複数のリール式クロージャー装置を含むスノーボードブーツの一実施形態を示す。
【
図2B】スノーボードブーツを閉じる、および締め付けるために構成される複数のリール式クロージャー装置を含むスノーボードブーツの一実施形態を示す。
【
図3A】着用者の脚の周りのライナーを収縮するために構成され、スノーボードビンディングを取り付けるかまたは結合するために構成されるスノーボードブーツの一実施形態を示す。
【
図3B】着用者の脚の周りのライナーを収縮するため構成され、スノーボードビンディングを取り付けるかまたは結合するために構成されるスノーボードブーツの一実施形態を示す。
【
図4A】容易な着脱を可能にし、着用者の脚および足の周りのブーツのフィット性を向上するために構成されるスノーボードブーツの一実施形態を示す。
【
図4B】容易な着脱を可能にし、着用者の脚および足の周りのブーツのフィット性を向上するために構成されるスノーボードブーツの一実施形態を示す。
【
図4C】容易な着脱を可能にし、着用者の脚および足の周りのブーツのフィット性を向上するために構成されるスノーボードブーツの一実施形態を示す。
【
図5】快適さおよびフィット性を向上するための3つのクロージャーゾーンを含むスノーボードブーツの一実施形態を示す。
【
図6】快適さおよびフィット性を向上するための3つのクロージャーゾーンを含むスノーボードブーツの別の実施形態を示す。
【
図7A】上部、下部、および中間部を含む、スノーボードブーツまたはフットウェアの物品、および、上部、下部、および中間部を閉じる、および/または締め付けるために構成される少なくとも1つのリール式クロージャー装置の一実施形態を示す。
【
図7B】上部、下部、および中間部を含む、スノーボードブーツまたはフットウェアの物品、および、上部、下部、および中間部を閉じる、および/または締め付けるために構成される少なくとも1つのリール式クロージャー装置の一実施形態を示す。
【
図7C】上部、下部、および中間部を含む、スノーボードブーツまたはフットウェアの物品、および、上部、下部、および中間部を閉じる、および/または締め付けるために構成される少なくとも1つのリール式クロージャー装置の一実施形態を示す。
【
図7D】上部、下部、および中間部を含む、スノーボードブーツまたはフットウェアの物品、および、上部、下部、および中間部を閉じる、および/または締め付けるために構成される少なくとも1つのリール式クロージャー装置の一実施形態を示す。
【
図7E】上部、下部、および中間部を含む、スノーボードブーツまたはフットウェアの物品、および、上部、下部、および中間部を閉じる、および/または締め付けるために構成される少なくとも1つのリール式クロージャー装置の一実施形態を示す。
【
図7F】上部、下部、および中間部を含む、スノーボードブーツまたはフットウェアの物品、および、上部、下部、および中間部を閉じる、および/または締め付けるために構成される少なくとも1つのリール式クロージャー装置の一実施形態を示す。
【
図7G】上部、下部、および中間部を含む、スノーボードブーツまたはフットウェアの物品、および、上部、下部、および中間部を閉じる、および/または締め付けるために構成される少なくとも1つのリール式クロージャー装置の一実施形態を示す。
【
図7H】上部、下部、および中間部を含む、スノーボードブーツまたはフットウェアの物品、および、上部、下部、および中間部を閉じる、および/または締め付けるために構成される少なくとも1つのリール式クロージャー装置の一実施形態を示す。
【
図7I】上部、下部、および中間部を含む、スノーボードブーツまたはフットウェアの物品、および、上部、下部、および中間部を閉じる、および/または締め付けるために構成される少なくとも1つのリール式クロージャー装置の一実施形態を示す。
【
図7J】上部、下部、および中間部を含む、スノーボードブーツまたはフットウェアの物品、および、上部、下部、および中間部を閉じる、および/または締め付けるために構成される少なくとも1つのリール式クロージャー装置の一実施形態を示す。
【
図7K】上部、下部、および中間部を含む、スノーボードブーツまたはフットウェアの物品、および、上部、下部、および中間部を閉じる、および/または締め付けるために構成される少なくとも1つのリール式クロージャー装置の一実施形態を示す。
【0021】
[0027] 添付の図において、類似部品および/または特徴は、同じ参照番号を有し得る。さらに、同タイプの様々な部品は、類似部品および/または特徴を区別する文字を参照番号の後に付けることによって区別され得る。はじめの参照番号のみが本明細書において使用されるならば、その記載は、接尾文字にかかわらず、同じはじめの参照番号を有する類似部品および/または特徴のいずれか1つに適用可能である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[0028] 後続の説明は、例示的な実施形態のみを提供し、開示の範囲、適用性または構成を限定することを意図しない。むしろ、例示的な実施形態の後続の説明は、当業者に1つまたは複数の例示的な実施形態を実施するための有効な説明を提供するであろう。添付の特許請求の範囲に記載される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、要素の機能および配置において様々な変更がなされ得ることが理解されよう。
【0023】
[0029] 本明細書に記載される実施形態は、フットウェアおよび物品のための紐締めシステムを提供する。本実施形態は、スノーボードブーツ、ワークブーツ、ファッションブーツ、アスレチックブーツなどのフットウェアのより大きな物品を閉じる、および締め付けるのに特に設計され、適している。本明細書の実施形態を容易に説明するために、本開示は主に、スノーボードブーツを閉じる、および締め付けるために使用される紐締めシステムについて参照するが、様々な他のブーツおよびフットウェアが同様のレース構成および/または部品を採用し得ることを理解されたい。
【0024】
[0030] 紐締めシステムは、着用者の下腿部の周りのスノーボードブーツを閉じる、および締め付けるために採用され得る独特のレース経路および構成を有する。通常、スノーボードブーツは、他の種類のフットウェアに比べて閉じたり締めたりすることが難しい、より硬い材料または他の材料で作られる。ただし、スノーボードブーツを適切に閉じて締めることは、着用者に望ましいレベルの快適さと性能を提供するために不可欠である。本明細書で提供される紐締めシステムは、着用者の脚および足の周りのスノーボードブーツに、より一定で均一な閉鎖を提供してもよく、着用者の脚および足の圧力点を最小化または排除してもよい。特に、脚の周りのブーツを締め付ける際のパワーおよび精度を向上することは、以下の概念によって達成されてもよく、その一部または全部は、本明細書に記載される実施形態において採用される。つまり、ヒールホールドの改善、ゾーンのカスタマイズ、フィット性から屈曲性を分離することである。ヒールホールドとは、かかとが靴の中で最小限の、あるいはわずかな滑りで保持または維持される度合いを示す。ゾーンのカスタマイズとは、ブーツの部分または領域に差動張力をかける紐締めシステムの機能を示す。フィット性から屈曲性を分離することとは、ブーツの屈曲能力に悪影響を与えることなく、目的のフィット性を達成、および/または維持する紐締めシステムの能力を示す。これらの利点を考慮すると、本明細書に記載される紐締めシステムは、スノーボードブーツを閉じる、および締め付ける際に現在採用されている紐締めシステムよりも好ましい場合がある。
【0025】
[0031] 本明細書に記載される紐締めシステムは、通常スノーボードブーツの外側に取り付けられるリール式クロージャー装置と共に使用することが理想的に適している。リール式クロージャー装置(以下、クロージャー装置またはシステム)は、プラスチックまたは他の材料で作られた剛性部品、または布地材料で作られた可撓性で柔らかい部品であり得る1つまたは複数のガイド部材を介して、ブーツの周りに導かれるレースまたは引張部材に張力をかけるように構成される。
【0026】
[0032] 通常、リール式装置はユーザによって把持され、回転され得るノブまたはダイヤルを含む。通常、ノブまたはダイヤルは、ノブまたはダイヤルの締め付け方向への回転に応じて引張部材またはレースが巻き取られるスプールと結合される。引張部材またはレースをスプールの周りで回転させると、引張部材またはレースに張力がかかり、スノーボードブーツが着用者の脚および足の周りに締め付けられる。例示的なリール式装置は、2017年6月5日に出願された米国特許出願第14/297,047号にさらに記載され、「一体化されたクロージャー装置部品および方法」と題され、2013年6月21日に出願された米国特許第9,259,056号に「リール式紐締めシステム」と題され、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0027】
[0033] 上記実施形態のいくつかの態様および特徴を説明したが、紐締めシステムのさらなる詳細は、本明細書中で以下に提供されるいくつかの図面の説明を参照して実現されるであろう。
【0028】
[0034]
図1A~Bを参照すると、内側パッドまたはクッション付きライナー202およびより硬いまたはより剛性のある外部シェルなどの従来の材料で作られたスノーボードブーツ200が示されている。スノーボードブーツは、当該技術分野において公知である任意の構成またはデザインを有し得る。スノーボードブーツは、着用者が従来の方法で足と脚を配置できるスロートまたは開口部を含む。ライナー202は、着用者がブーツ200の着脱をより容易にできるようにするため、舌部または可動部分を含み得る。具体的な実施形態において、ライナー202は、足と脚の後方進入を提供するためにファスナを閉める、およびファスナを開け得るジッパー210を含む。このような実施形態において、通常、ライナー202は舌部または他の可動部分を含まないであろう。
【0029】
[0035] 1つまたは複数のパネル204および206は、ブーツのシェルまたはライナー202の外側に配置される。1つまたは複数のパネル204および206は、ブーツ200の所望のフィット性および機能に応じて、ライナー202またはシェルのいずれかに配置されてもよい。通常、1つまたは複数のパネル204および206は、ライナー202上に配置され、その場合シェルは所望により省略されてもよい。
図1A~Bに示される実施形態は、2つのパネル、すなわち上部パネル204および下部パネル206を含むブーツを示す。いくつかの例において、単一のパネル(上部または下部)が使用されてもよく、またはライナー202の上部および下部との間の中間点の上または近傍などで、追加パネルが使用されてもよいことが理解されよう。
図1A~Bの実施形態を簡単に説明するために、ブーツ200は、2つのパネルを含むものとして説明される。
【0030】
[0036] パネル204および206は、ブーツ200の外側からブーツ200の内側までライナー202を取り囲む。上部パネル204は脚の上部の周りのライナー202の後部を取り囲む一方で、下部パネル206はブーツのつま先の先端および甲を取り囲む。パネル204および206は、1つまたは複数の点でライナー202と結合され得る。例えば、上部パネル204は、ジッパー210近傍のライナー202の裏面と結合されてもよく、一方、下部パネル206は、ソールに沿ってまたは近傍でライナー202と結合される。上部パネル204および下部パネル206は、ステッチング、接着剤結合、RFまたは超音波溶接、ラミネーション、または当技術分野で公知の任意の他の方法を介してライナー202と結合されてもよい。いくつかの実施形態において、上部パネル204および/または下部パネル206は、ライナー202と結合されなくてもよい。そのような場合、パネル204および206は、ライナー202上を比較的自由に浮遊または自由に移動してもよい。そのような場合、ライナー202の周りのパネル204および206の一般的な向きおよび配置を維持するため、パネル204および206は、通常何らかの最小限の方法でライナーに取り付けられる。
【0031】
[0037] リール式クロージャー装置102はライナー202の前部、通常、ブーツ200のスロートまたは開口部の近傍に取り付けられる。リール式クロージャー装置102は、1つまたは複数のレースまたは引張部材104および106と動作可能に結合される。ノブの締め付け方向への回転などのリール式クロージャー装置102の動作は、本明細書に参照として組み入れる用途に記載されるように、1つまたは複数の引張部材104および106に張力をかける。パネル204および206の対向する遠位端は、引張部材104および106に取り付けられるか、または結合される。具体的には、上部パネル204の対向する端部は上部引張部材104に取り付けられ、下部パネル206の対向する端部は下部引張部材106に取り付けられる。上部引張部材104および下部引張部材106は、それぞれのパネル204および206近傍のライナー202の上に露出または配置され得る。代替的に、引張部材104および106は、隠され、視界から見えなくなるようにライナー202の下に配置され得る。パネル204および206と結合される引張部材104および106の部分は、リール式クロージャー装置で使用される従来のレースに類似してもよく、または従来のリール式クロージャー装置のレースよりも厚く、より硬い材料であってもよい。
【0032】
[0038] それぞれのパネル、204および206と結合される引張部材104および106の部分は、半円形の形状または向きを有してもよく、これは、パネル204および206と、それぞれの引張部材104および106との取り付けに部分的に起因し得る。パネル204および206が引張部材104および106と結合できるように、ガイドはパネル204および206の対向する端部に形成されてもよい。他の実施形態において、パネル204および206の対向する端部が引張部材104および106と結合できるように、ガイド部材(図示せず)は、パネル204および206の対向する端部に取り付けられてもよい。具体的な実施形態において、パネルの対向する端部204および206は、折り畳まれてループを形成し、その中に引張部材104および106が配置される。1つまたは複数のループ状の端部は、パネル204および206の対向する端部に形成され得る。例えば、
図1A~Bは、3つのループ状端部を含むパネル204および206のそれぞれの対向する端部を示すが、パネル204および206内により多くのまたはより少ないループ状端部が形成されてもよい。引張部材104および106の張力により、引張部材がパネル204および206の内部およびパネル204および206に対してスライドするように、引張部材104および106は、パネル204および206の対向する端部内にスライド可能に配置される。
【0033】
[0039]
図1Bに示されるように、引張部材104および106に張力がかけられると、パネル204および206はライナー202に対して引っ張られ、ライナー202が着用者の足と脚との接触を高める。具体的には、上部引張部材104の張力により、引張部材がライナー202の前方に向かって移動し、これにより、上部パネル204がライナー202に対して前方に引っ張られるように上部引張部材104が構成される。上部パネル204のこの動きにより、ライナーの後部が着用者の脚の後部に大きく接触するように引っ張られ、それによりライナー202が着用者の脚の周りで収縮する。同様に、下部引張部材106の張力により、引張部材が着用者のかかとに向かって後方および下方に移動し、これにより、下部パネル206がライナー202に対して後方および下方に引っ張られるように、下部引張部材106が構成される。下部パネル206のこの動きにより、ライナー202の甲部が着用者の足に大きく接触するように引っ張られ、それにより着用者の足の周りでライナー202が収縮する。着用者の脚および足の周りでパネル204および206が収縮することで、完全な取り囲みと圧縮フィット性を提供し、圧点のない足首のコンプライアンスを提供する。パネル204および206の構成および動作が、脚および足の周りのブーツ200の改善されたフィット性を提供し、快適さの向上を提供する。
【0034】
[0040] パネル204および206は、スノーボードブーツ200の所望のフィット性、快適さ、および/または性能に基づいて様々な材料で作られてもよい。例えば、パネルがライナー202との接触を高めるために引っ張られる際に、パネルが伸張および屈曲するよう、パネル204および206は比較的柔軟な材料で作られてもよい。代替的に、パネル204および206は、着用者の脚および足の周りでライナー202が最大に収縮するように設計された比較的硬い布またはポリマー材料で作られてもよい。パネル204および206は、引張部材104および106との結合点または取り付け点近傍で最も狭くてもよい。換言すると、パネルがそれぞれの引張部材104および106から離れるにつれて、パネル204および206は拡張または拡大されてもよい。この構成は、パネルに取り付けられる引張部材の長さを最小化しながら、パネルがブーツ200のより広い領域に張力をかけることを可能にし得る。
【0035】
[0041]
図1A~Bに示されるように、単一のリール式クロージャー装置102は、上部引張部材104および下部引張部材106の両方に張力をかけるために使用され得る。他の実施形態において、別個のリール式クロージャー装置を使用して、上部引張部材104および下部引張部材106に差動的に張力をかけてもよい。別個のリール式クロージャー装置を使用することで、着用者が、特定の使用またはニーズに合うためのブーツ200のフィット性および感触をさらにカスタマイズすることができ得る。
図1Aは、上部引張部材104および下部引張部材106の一部が、ライナー202内に形成されたチューブまたはチャネルを介してライナー202の表面の下(破線で示される)に案内され得ることを示している。ライナー202の外面に配置される上部引張部材104および下部引張部材106は、図示されるように、ライナー202上の対向する開口部の間に延び得る。上部引張部材104および下部引張部材106は、リール式クロージャー装置102と対向する端部で取り付けられる単一レースであってもよく、または上部引張部材104および下部引張部材106は、ライナー202で、またはライナー202上で終端する別々のレースセグメントを含んでもよい。
【0036】
[0042]
図2A~Bを参照すると、ライナー302およびシェルを有するスノーボードブーツ300の別の実施形態が示されている。シェルは、前部320と、後部322と、甲部330とを含む。ライナー302は、シェルの前部320、後部322、および甲部330の間に配置される。シェルの前部320および/または後部322は、複数の相互接続セグメントから形成されてもよい。相互接続セグメントは、着用者の脚の動きに応じてシェルの屈曲を制御する方法で嵌合してもよい。例えば、着用者の脚が、閉鎖しシェル内のライナー302の移動範囲を制限するために移動すると、セグメントは一緒にロックされ得る。甲部330は、足の甲の上に嵌合される単一のパネル、または複数のパネルセグメントから形成され得る。甲部330は、前部320と結合されるか、または前部320の周りを比較的自由に浮遊または自由に移動してもよい。
【0037】
[0043] 1つまたは複数のリール式クロージャー装置がシェルに取り付けられ、ライナー302の周りのシェルを圧縮または収縮させるように動作可能である。図示の実施形態において、シェルは上部リール式クロージャー装置102および下部リール式クロージャー装置120を含む。上部リール式クロージャー装置102はシェルの前部320に取り付けられ、下部リール式クロージャー装置120はシェルの甲部330に取り付けられる。他の実施形態において、シェルは、所望に応じて単一のリール式クロージャー装置または追加のリール式クロージャー装置を含み得る。
【0038】
[0044] 上部リール式クロージャー装置102は、上部引張部材104と動作可能に結合され、一方、下部リール式クロージャー装置120は、下部引張部材124と動作可能に結合される。上部リール式クロージャー装置102または下部リール式クロージャー装置120の動作は、対応する引張部材に張力をかける。2つのリール式クロージャー装置102および120の使用することで、上部引張部材104および下部引張部材124が独立して張力をかけられることができる。
【0039】
[0045] シェルの前部320および後部322の対向する縁に形成される、または取り付けられるガイド部材324を介して、上部引張部材104はシェルの前部320と後部322との間の経路106に沿って案内される。通常、前部320および後部322の対向する縁の間に隙間が存在し、その中に上部引張部材104の経路106が形成される。
図2Bに示されるように、上部引張部材104の張力により、前部320および後部322が互いに向かって引っ張られ、着用者の脚の周りで前部320および後部322が収縮する。同様に、上部引張部材104において張力が解放されると、前部320および後部322は互いに離れて旋回することができ、これにより、着用者はライナー302から脚を取り外すことができ、またはシェルの間からライナー302が取り外されることが可能になる。
【0040】
[0046] 同様に、下部引張部材124は、ブーツ300のそれぞれの後部322およびソール340内に形成された、またはそうでなければ結合された1つまたは複数のガイド部材324を介して、甲部330からブーツ300のソール340、およびシェルの後部322へ案内される。甲部330は、ソール340に向かって下方に延びる前部タブ334と、水平線に対して30度と60度の間の角度で後部322に向かって延びる後部タブ332とを含み得る。通常、甲部330と後部322および/またはソール340との間に隙間が存在する。下部引張部材124は、ブーツ300の前記部分を接続するために隙間を横切って延びてもよい。
図2Bに示されるように、下部引張部材124の張力により、甲部330がライナー302の周りで下方および後方に引っ張られ、着用者の足の周りでライナーが収縮する。同様に、下部引張部材124において張力が解放されると、甲部330は上方へ移動し、後部322およびソール340から遠ざかることができ、これにより、着用者はライナー302から脚を取り外すことができ、または、シェルの間からライナー302が取り外されることが可能になる。
【0041】
[0047] 前部320、後部322、および/または甲部330は、布地またはポリマー材料などの硬質プラスチック材料または可撓性材料で作られてもよい。硬質材料により、部分がシェル内のライナー302の動きをロックおよび制限することを可能にし得、一方、より可撓性の高い材料により、より快適な方法で着用者の脚と足の圧縮または収縮を可能にし得る。いくつかの例において、部分は、硬質材料と可撓性材料のハイブリッドであってもよい。上部引張部材104および下部引張部材124の部分は、破線で示されるように、チューブまたはチャネルを介してシェルの下に案内されてもよく、引張部材を損傷または破損し得る外部物体から引張部材を隠して保護してもよい。本明細書に記載される実施形態のいずれかにおいて、引張部材の損傷または破損を最小化するために、引張部材をライナーまたはシェル外側の下に案内することが有利であり得る。
【0042】
[0048]
図2A~Bのスノーボードブーツ300は、スノーボードへのブーツ200のより良好な接続を可能にし得る。また、
図2A~Bのスノーボードブーツ300は、ハイバックの必要性を排除し得る。2つのリール式クロージャー装置を使用することで、着用者が甲および脚を所望のように差動的に締め付けることをさらに可能にし、ブーツ300の快適さおよび性能を向上させ得る。
【0043】
[0049] 次に
図3A~Bを参照すると、着用者の脚の周りにライナー415を収縮または圧縮するように構成され、スノーボードビンディングを取り付けるかまたは結合するように構成されるスノーボードブーツ400が示されている。ブーツ400は、ライナー415と、ライナー415が配置されるシェルを含む。シェルは、上部402と下部404を含む。上部402は、着用者の脚の前部の前に収まるようにライナー415の甲の上およびライナー415の前部の上に嵌合するように設計される。下部404は、ブーツのソールの一部であってもよく、またはブーツのソールに取り付けられてもよく、ライナー415の外側および内側の周りのソールから上方に延びてもよい。上部402が下部404の周りを下方および後方に移動できるように、上部402は下部404と結合される。いくつかの実施形態において、上部402のボスまたはピン410は、上部402の後方延長アームのスロットまたはチャネル412内にスライド可能に配置されてもよい。チャネル412内にピン410を配置することで、部品が互いに結合し、上部402が制御された様式で下部404に対して移動することができる。上部402は、ブーツ400のつま先の先端近傍の下部404と結合されてもよい。上部402は、下部404の上方延長アームと嵌合する2つの後方延長アームを含み得る。
【0044】
[0050] リール式クロージャー装置102は、着用者の脚の前に配置されるように、シェルの上部402と結合される。リール式クロージャー装置102は、上部に沿って案内され、上部402と下部404との間に案内される引張部材104と動作可能に結合される。引張部材104は、上部402に形成されたチューブまたはチャネルを介して上部(破線で示される)の下に案内され得る。引張部材104は、下部404と結合されるか、または下部404の内部に形成される1つまたは複数のガイド424を通って案内され得る。引張部材104は、リール式クロージャー装置102と結合された対向する端部を有する単一のレースセグメントであり得る。
【0045】
[0051] リール式クロージャー装置102の動作を介した張部材104の張力が、上部402が下部404に対し後方および下方に引っ張り、上部402および下部404との間のライナー415が圧縮または収縮する。上部402および下部404との間のライナー415が圧縮または収縮することで、ライナー415が着用者の足の甲および足首領域に対し圧縮する。上部402が下部404の周りで下方および後方にスライドする際に、ピン410はチャネル412内でスライドする。甲領域及び足首領域の圧縮の程度は、下部404および上部402の延長アームの構成に基づいて制御されてもよい。例えば、上部の延長アームが下方ではなく後方に向けられる度合いは、ライナー415内の着用者の足首の圧縮に影響を与えるであろう。
【0046】
[0052]
図3Aに示されるように、追加のリール式クロージャー装置は、上部402の上部後方延長アームと結合される。
図3Aは、ブーツ400が外側クロージャー装置120および内側クロージャー装置122を有し、これらの各々が後方延長アームで結合されていることが示されている。いくつかの実施形態において外側クロージャー装置120および内側クロージャー装置122は、単一のクロージャー装置に置き換えられてもよい。外側クロージャー装置120は、引張部材124と動作可能に結合され、次に解放可能なガイド130と結合される。同様に、内側クロージャー装置122は、引張部材126と動作可能に結合され、解放可能なガイド132とも結合される。
【0047】
[0053]
図3Bに示されるように、解放可能なガイド130および132により、ブーツ400とビンディングが結合できる。具体的には、解放可能なガイド130は、ビンディングの上部ビンディング部材444上の結合支柱446内で嵌合するように構成される。上部ビンディング部材444は、下部ビンディング部材442と旋回可能に結合され、次にスノーボード(図示せず)に取り付けられる。上部ビンディング部材444は、ヒンジ443を介して下部ビンディング部材442に取り付けられてもよく、これにより、上部ビンディング部材444が下部ビンディング部材442に対して旋回することができる。解放可能なガイド130および上部ビンディング部材444との結合は、ブーツ400をスノーボードビンディングおよびスノーボードに取り付けおよび固定するのに役立つ。
【0048】
[0054] 右側の図に示されるように、解放可能なガイド130が結合支柱446に取り付けられていない場合、上部ビンディング部材444は、下部ビンディング部材442に対して下方に旋回して「開放」する構成にしてもよい。開放構成において、着用者はブーツ400をビンディング内に配置してもよい。ブーツがビンディング内に配置された状態で、解放可能なガイド130が後方に引っ張られ、結合支柱446と結合されてもよい。解放可能なガイドおよび結合支柱の例示的な実施形態は、米国特許第9,259,056号に記載されており、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。次いで、外側クロージャー装置120は、引張部材124に張力をかけるように動作されてもよく、上部ビンディング部材444を前方に引っ張り、解放可能なガイド130および結合支柱446との結合を介してライナー415に接触させる。引張部材124は、上部402と上部ビンディング部材444との間でライナー415と着用者の脚とを圧縮または収縮させるため張力をかけられてもよい。このようにして、着用者の脚の周りのライナー415の所望のフィット性を達成することができる。
【0049】
[0055]
図3Bは、ブーツ400の外側とビンディングとの結合を示すが、同様の結合および張力プロセスがブーツの内側で起こりうることを認識すべきである。ブーツ400が外側クロージャー装置120および内側クロージャー装置122の両方を使用する場合、2つの装置は、上部402および上部ビンディング部材444を閉じる、および締め付けるために動作されるであろう。外側クロージャー装置120および内側クロージャー装置122が単一のクロージャー装置と置き換えられる場合、単一のクロージャー装置は、上部402および上部ビンディング部材444を閉じる、および締め付けるために動作されてもよい。いくつかの実施形態において、上部402は、甲近傍に配置され、
図3Bに示されるのと同様の方法で下部ビンディング部材442と結合する、追加のクロージャー装置(図示せず)を含んでもよい。
【0050】
[0056]
図3A~Bのブーツ400は、ブーツ400とビンディングとの間の冗長性を低減する。ブーツ400は、従来のスノーボードブーツと比較してより少ない部品を有し、ブーツ400の重量を軽減してもよく、それにより着用者が上り坂を登ることがより容易になる。また、上部402が上部ビンディング部材444と直接結合されていることを考慮すると、上部ビンディング部材444はブーツ400と共に前方に旋回することができ、それにより上り坂のスキーが可能になる。ブーツ400がビンディングに容易に取り付けられ、および取り外され得るので、ブーツ400およびビンディングの構成は、その間を容易に移行することができる「ウォーク」および「ライド」モードも提供する。
図3A~Bのブーツ400は、スノーボードへの直接接続をさらに提供する。
【0051】
[0057] 次に
図4A~Cを参照すると、ライナー515およびライナー515の上に配置されるシェルを有するブーツ500が示されている。ブーツ500は、容易な着脱を可能にし、着用者の脚および足の周りのブーツ500のフィット性を向上させるように設計される。容易な着脱を可能にするため、シェルは前部502と、前部502と旋回可能に結合される後部504を含む。内側リール式クロージャー装置122は、ブーツ500の内側の前部502と結合される。内側クロージャー装置122は、前部502と後部504との間の経路に沿って案内される引張部材126と動作可能に結合される。破線で示されるように、引張部材126を外部の物体および/または損傷から隠して保護するため、引張部材126はシェルの下に案内され得る。
図4Bは、前部502に対して旋回開放された後部504が示されている。後部を旋回開放した状態で、前後部との間の引張部材126の経路が見えてもよい。
【0052】
[0058] 引張部材126は、1つまたは複数のガイド127を介して、前部502および後部504の間に案内され得る。引張部材が前部502および後部504の間を実質的に平行な構成で案内されるように、引張部材126の経路が構成されてもよい。実質的に平行な構成を達成するために利用され得る例示的なレース経路は、米国特許第10,004,297号に記載されており、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図4Aに示されるように、引張部材126はブーツ500の内側から外側に案内され得る。このような実施形態において、ガイド127は前部502にのみ配置されてもよく、引張部材126は後部504を横切って上部に延びてもよい。引張部材126の対向する端部は、内側クロージャー装置122と結合されてもよい。
【0053】
[0059] 内側クロージャー装置122を介し引張部材126に張力がかけられると、後部504が前部502に向かって前方に旋回される。引張部材126の張力により、前部502と後部504との間のライナー515が圧縮または収縮し、ブーツ500内の着用者の脚が圧縮または収縮する。
【0054】
[0060] ブーツ500は、外側リール式クロージャー装置120も含み、これは、2つの引張部材124および125と動作可能に結合される。破線で示されるように、2つの引張部材124および125を隠して保護するため、2つの引張部材124および125は前部502の下方に案内され得る。2つの引張部材124および125の端部は、着用者の足の甲近傍のライナー515の上部に配置される甲部材520と結合される。引張部材125の一方は、ブーツの外側に沿って甲部材520の第1の端部まで案内され、他方の引張部材124は、ブーツ500の後部を回って甲部材520の第2の端部に案内される。2つの引張部材124、125の張力により、甲部材520がライナー515に対して下方および後方に引っ張られ、ライナー515が着用者の足との接触を増加させるために引っ張られる。甲部材520を使用することで、着用者の足に漸進的な張力を加えることができ、高張力および低張力シナリオにおいて一貫したフィット性を達成することができる。甲部材520を使用することで、着用者が足の周りのブーツ500のフィット性を微調整することができる。
【0055】
[0061] ブーツ500は、引張部材104と動作可能に結合されるフロントリール式クロージャー装置102も含み得る。他の引張部材と同様に、フロントクロージャー装置102と結合される引張部材104は、破線で示されるように前部502の下方に案内され得る。引張部材104は、つま先ストラップまたはパネル530と結合される。引張部材104の対向する端部は、フロントクロージャー装置102に取り付けられてもよい。フロントクロージャー装置102の動作を介した引張部材104の張力は、つま先パネル530をライナー515の周りで下方および/または後方に引っ張り、着用者のつま先の上および前の体積を減少させる。着用者のつま先の前の減少した体積が、スノーボードへの接続を作り、それにより着用者がスノーボードをより制御することができる。
【0056】
[0062]
図4Cに、甲部材520の一実施形態が示されている。2つの引張部材124および125を介して甲部材520に張力がかけられると、甲部材520は、屈曲および/または体積が増加するように設計された圧縮材料である。圧縮甲部材520は、一対の剛性部品522の間に配置された1つまたは複数の圧縮部品524を含み得る。甲部材520に張力がかけられると、圧縮部品524が圧迫され圧縮されてもよく、これにより、甲部材520が屈曲および湾曲することができる。圧縮部品524は、剛性部品522の間で圧縮されると体積が増加し得る。圧縮部品524および剛性部品522の配置は、張力をかけられた甲部材520において所望の湾曲または曲率を達成するように設計され得る。圧縮部品524は、ライナー515に接触して着用者の足を押し付けてもよく、着用者の足に対して追加レベルのクッション性またはパディング性を提供し得る。他の実施形態において、甲部材520は、ライナー515に対して引っ張られる布またはポリマーストラップであり得る。布またはポリマーストラップは、所望に応じて可撓性材料または非可撓性材料であり得る。
【0057】
[0063]
図5を参照すると、快適さおよびフィット性を向上させるための3つの閉鎖ゾーンを提供するスノーボードブーツ600が示されている。ブーツ600は、各々の閉鎖ゾーンのうちの1つを閉じる、および締め付けるようにそれぞれ設計される3つのリール式クロージャー装置を含み得るが、他の実施形態において、より多くのまたはより少ないクロージャー装置が採用されてもよい。ブーツは、第1のパネル602および第2のパネル604を介して閉じられる、および締め付けられる上部閉鎖ゾーン、甲ストラップ620を介して閉じられる、および締め付けられる中間閉鎖ゾーン、およびつま先パネル610を介して閉じられる、および締め付けられる下部閉鎖ゾーンを含む。
【0058】
[0064] フロントリール式クロージャー装置102は、着用者の脚の前に配置されるように第1のパネル602に取り付けられる。フロントクロージャー装置102は、第1のパネル602と第2のパネル604の間の経路に沿って案内される引張部材104と動作可能に結合される。引張部材104は、破線で示されるように、それぞれのパネルに形成されたチューブまたはチャネルを介して、第1のパネル602および/または第2のパネル604の下に案内され得る。
図5に示されるように、および本明細書に組み込まれる’297特許に記載されているように、引張部材は実質的に平行な構成で案内されてもよい。引張部材104は、パネルに取り付けられるか、またはパネルに形成される1つまたは複数のガイド127を介して、第1のパネル602および第2のパネル604の間の経路に沿って導かれてもよい。フロントクロージャー装置102の動作を介した引張部材104の張力により、第1のパネル602および第2のパネル604がブーツ600のライナー615の周りで収縮し、ブーツ600内の着用者の脚が収縮する。第1のパネル602は、ブーツ600の後方に隣接して第2のパネル604と結合されてもよい。このような例において、ライナー615の周りの第1のパネル602および第2のパネル604が収縮することで、着用者の脚の全周囲の圧縮または収縮フィットを提供し得る。上部ゾーンは、ブーツ600において所望の柔軟性を提供するために閉じられ、および締め付けられてもよい。
【0059】
[0065] 下部リール式クロージャー装置120および上部リール式クロージャー装置122は、通常ブーツ600の外側で第2のパネル604と結合される。上部クロージャー装置122は、第2のパネル604から第1のパネル602に案内される引張部材126と動作可能に結合される。破線で示されるように、通常、引張部材126はそれぞれのパネルに形成されたチューブまたはチャネルを介して、第1のパネル602および第2のパネル604の下に案内される。引張部材126はつま先パネル610に案内され、つま先パネル610の開口部128を横切って案内される。
図5に示されるように、引張部材126は1つまたは複数のガイド127を介して開口部128を横切って実質的に平行な構成で案内されてもよい。引張部材126の遠位端は、開口部128の遠位端で終端される。引張部材126の張力により、開口部の対向する縁または側面が互いに向かって引っ張られ、これにより、つま先パネル610がライナー615のつま先領域の周りで収縮する。次いで、ライナー615は、着用者のつま先との接触が増加するよう引っ張られ、これによりつま先より上の体積を減少させ、スノーボードへのブーツ600の感触およびフィット性が改善し得る。
【0060】
[0066] 下部クロージャー装置120は、ガイド127を介して甲ストラップ620の遠位端と次に結合される引張部材124と動作可能に結合される。甲ストラップ620の近位端は、第1のパネル602の下部と結合されたガイドまたはアンカー622に取り付けられる。図示されるように、第1のパネル602の下部および第2のパネル604の下部は、ブーツ600のソールと結合し得る。各パネル602および604の下部は、ソールに取り付ける一対の斜めに延びるアームを含み得る。
【0061】
[0067] 甲ストラップ620は、アンカー622からライナー615を横切り、ライナー615の上を通ってブーツ600の反対側まで延びる。甲ストラップ620は、ライナー615の甲領域近傍のライナー615の上部に配置される。甲ストラップ620の遠位端は、第2のパネル604に取り付けられたガイド624を通って案内される。ガイド624は、甲ストラップ620を下部クロージャー装置120に向け直す。下部クロージャー装置120を介した引張部材124の張力が、甲ストラップ620に張力をかけ、ライナー615の周りで甲ストラップを下方および後方に引っ張る。ライナー615は、次に着用者の足に対して引っ張られる。甲ストラップ620は、所望により可撓性または非可撓性の材料で形成され得る。中間閉鎖ゾーンは、所望の量の支持および/または自由を提供するために張力をかけられてもよい。
【0062】
[0068]
図6を参照すると、快適さおよびフィット性を増加させるために3つの閉鎖ゾーンを提供する他のスノーボードブーツ700が示されている。ブーツ700は、それぞれの閉鎖ゾーンのうちの1つまたは複数を閉じる、および締め付けるようにそれぞれが設計される複数のクロージャー装置を含む。
図6は、4つのクロージャー装置を含むブーツ700が示されているが、他の実施形態において、より多くのまたはより少ないクロージャー装置が採用され得る。ブーツ700は、上部パネル702および下部パネル704を介して閉じられ、および締め付けられる上部閉鎖ゾーンと、甲ストラップ720を介して閉じられ、および締め付けられる中間閉鎖ゾーンと、つま先パネル710を介して閉じられ、および締め付けられる下部閉鎖ゾーンとを含む。
【0063】
[0069] 第1の上部リール式クロージャー装置120aが上部パネル702に取り付けられ、第2の上部リール式クロージャー装置120bが下部パネル704に取り付けられる。上部パネル702および下部パネル704は、シェルの本体に形成されるセグメント、パネル、またはストラップであり得る。上部パネル702および下部パネル704は、ブーツの一方の側(例えば、内側)からブーツの他方の側(例えば、外側)までブーツ700を包み込んでもよい。第1の上部クロージャー装置120aは、ガイド127を介して上部パネル702からシェル後部706に案内される第1の引張部材124aと動作可能に結合される。同様に、第2の上部クロージャー装置120bは、ガイド127を介して下部パネル704からシェル後部706に案内される第2の引張部材124bと動作可能に結合される。第1の引張部材124aおよび第2の引張部材124bが通常案内される短い距離を考慮すると、通常、引張部材はブーツ700の上に案内されるが、いくつかの実施形態において、引張部材は所望に応じてシェルの下に案内され得る。
【0064】
[0070] 第1の上部クロージャー装置120aの動作を介した第1の引張部材124aの張力により、上部パネル702がシェル後部706に向かって後方に引っ張られ、着用者の脚の周りでライナー715が収縮または圧縮する。同様に、第2の上部クロージャー装置120bの動作を介した第2の引張部材124bの張力により、下部パネル704がシェル後部706に向かって後方に引っ張られ、着用者の脚の周りでライナー715が収縮または圧縮する。上部閉鎖ゾーンにおいて2つのクロージャー装置を使用することで、カスタマイズされたフィット性および/または制御された屈曲を向上させることができ、それによって着用者に向上した快適さとパフォーマンスを提供する。
【0065】
[0071] 後方リール式クロージャー装置102は、ブーツのシェル後部706と結合される。後方クロージャー装置102は、シェル後部706に沿って甲ストラップ720に案内される引張部材104と動作可能に結合される。通常、引張部材104は、破線で示されるようにシェル後部706に形成されたチューブまたはチャネルを介して、シェル後部706の下方に案内される。引張部材104は、ガイド127を介して甲ストラップ720の遠位端と結合される。甲ストラップ720の近位端は、2つのセグメントまたはストラップに分割される。甲ストラップ720の第1のセグメント722は、下方に延び、ブーツ700のソールと結合されるか、またはその近傍で結合される。甲ストラップ720の第2のセグメント724は、ブーツ700を横切ってほぼ水平に延び、ブーツ700のかかとで、またはその近傍で結合される。
【0066】
[0072] 甲ストラップ720は、第1のセグメント722および第2のセグメント724からライナー715を横切り、ライナー715の上部から、ブーツ700の反対側まで延びる。甲ストラップ720は、ライナー715の甲領域近傍のライナー715の上部に配置される。後方クロージャー装置102を介した引張部材104の張力は、甲ストラップ720に張力をかけ、ライナー715の周りで甲ストラップを下方および後方に引っ張る。ライナー715は、次に、着用者の足に対して引っ張られる。第1のセグメント722および第2のセグメント724の構成は、ライナー715の甲およびかかと領域を同時に包み込み、および締め付けを提供する甲ストラップ720をもたらす。具体的には、第1のセグメント722および第2のセグメント724は、第1のセグメント722に起因する下向きの力と、対角方向の力ベクトルを作成する第2のセグメント724に起因する水平方向の力をもたらす。かかとと甲の締め付けを同時に行うことで、足首の圧迫感が増加し、サポートとパワー伝達が向上する。甲ストラップ720は、所望により可撓性または非可撓性材料で形成されてもよい。
【0067】
[0073] 下部リール式クロージャー装置122は、つま先パネル710と結合される。下部クロージャー装置122は、1つまたは複数のガイド127を介して、つま先パネル710とブーツ700のソールまたは下部との間の開口部128を横切って案内される引張部材126と動作可能に結合される。通常、引張部材126は、破線に示されるように、つま先パネルに形成されたチューブまたはチャネルを介してつま先パネル710の下に案内される。
図6に示されるように、引張部材126は、1つまたは複数のガイド127を介して開口部128を横切って実質的に平行な構成で案内されてもよい。引張部材126の張力により、開口部128の対向する縁または側面が互いに向かって引っ張られ、これにより、つま先パネル710がライナー715のつま先領域の周りで収縮する。次に、ライナー715は、着用者のつま先との接触が増加するように引っ張られ、これによりつま先より上の体積を減少させ、スノーボードに対するブーツ700の感触およびフィット性が改善し得る。
【0068】
[0074] 次に
図7A~Iを参照すると、上部、下部、および上部と下部との間に位置する中間部とを含むフットウェアの物品が示されている。フットウェアは、フットウェアと結合される少なくとも1つのリール式クロージャー装置を含む。少なくとも1つのリール式クロージャー装置は、フットウェアの上部、下部、および中間部の閉鎖、または締め付けを行うために構成される。
図7A~Iに示されるように、フットウェアは、上部、下部、および中間部の閉鎖、および締め付けを行う1つのリール式クロージャー装置を含み得る。他の実施形態において、フットウェアは、上部、下部、および中間部の閉鎖、および締め付けを行う2つのリール式クロージャー装置を含み得る。このような実施形態において、リール式クロージャー装置のうちの1つは、上部、下部、または中間部のうちの1つを閉鎖、および締め付けを行ってもよく、他のクロージャー装置は、第1のリール式クロージャー装置によって閉鎖、および締め付けが行われないフットウェアの他のゾーン(すなわち、上部、下部、または中間部)の閉鎖、および締め付けを行ってもよい。さらに他の実施形態において、フットウェアは、3つのリール式クロージャー装置を含んでもよく、各リール式クロージャー装置は、フットウェアの上部、下部、または中間部のうちの特定の1つ専用とされる。2つおよび3つのリール式クロージャー装置の実施形態において、リール式クロージャー装置は、所望のフィット性、性能、および/または快適さのために、フットウェアの異なるゾーンまたは部分に差動的に張力をかけるように独立して動作可能である。
【0069】
[0075] 本明細書に記載される構成を採用し得るフットウェアの具体的なタイプとして、スノーボードブーツまたは他のタイプのブーツが挙げられる。スノーボードブーツなどのブーツは、多くの場合、硬い素材と柔らかい素材で作られたさまざまな領域またはゾーンを有する。さらに、フィット性、性能、および/または快適さの理由から、ブーツのさまざまな領域またはゾーンの張力または締め付けを変えることが望ましいことがよくある。例えば、かかとの周りの領域を締め付け、ブーツ内のヒールホールドを増加させることが望ましい場合がある。同様に、つま先でより緩いフィットを維持しながら、脚の周りの上部またはカフを締める付けることが好ましい場合がある。これらの理由やその他の理由から、特に単一のレースまたはブーツ全体に張力をかける複数のレースを採用するブーツにおいて、着用者の脚の周りのブーツを完全かつ適切に張力をかけ、または締め付けることは大抵困難である。
【0070】
[0076]
図7A~Iに記載される実施形態では、より適切で個別化されたフィット性が達成できる。これはブーツ内の複数の引張部材を戦略的に配置し、着用者がより簡単に所望のフィット性を達成できるようにするパネル、ストラップ、およびその他の紐締め構成を採用することによって、部分的に達成される。引張部材は、本明細書において以下に記載されるような1つまたは複数のリール式クロージャー装置を使用することで、張力をかけられてもよい。スノーボードブーツに関して、
図7A~Iで説明した構成で達成される利点のいくつかは、最小限のブーツ構造を標準のブーツ構造に置き換える強化された外骨格またはシェル設計を含み、それによって標準のブーツ設計と比較して材料の削減が可能になる。前足ストラップはつま先の先端から分離されてもよく、これにより、通常は硬い前足部でのフィット性と閉鎖を向上することができる。ブーツの屈曲性もフィット性から分離されてもよい。3つのリール式クロージャー装置の設計に関して、3つのリール式クロージャー装置が3つの異なるゾーンに張力をかけることで、着用者がブーツの屈曲、ヒールホールド、および前足の閉鎖を個別に調整できる。標準のスノーボードビンディングストラップとの干渉を避け、または妨げないようにしながら、使用者がより良好にアクセスできるように、リール式クロージャー装置がブーツの上部に配置されてもよい。ブーツの閉鎖は、上部カフまたは部分がブーツの外側から内側に向かって閉じられ、または張力がかけられてもよく、一方、甲および前足のストラップがブーツの内側から外側に向かって閉じられ、または張力がかけられる点で、非対称であってもよい。この非対称の閉鎖は、改善された内側および外側のサポートを提供してもよい。
【0071】
[0077] いくつかの実施形態において、ブーツの上部および/または外骨格/シェルにおける還元材料の使用のために必要となり得るガセットまたはシュラウドを、永遠物体または要素(例えば、雪、風など)からライナーおよび/またはフットを保護するために使用してもよい。いくつかの実施形態において、シュラウドはブーツから着脱可能であってもよい。リール式クロージャー装置は、本明細書に参照により組み込まれる用途においてより完全に説明されるように、徐々に緩められる、完全に緩められる、または徐々に緩められて完全に緩められるように構成され得る。いくつかの例において、フットウェアは、徐々に緩められる、完全に緩められる、または徐々に緩められて完全に緩められるように構成されたリール式クロージャー装置の組み合わせを含み得る。
【0072】
[0078]
図7A~Iを参照すると、快適さ、性能、および/またはフィット性の向上が達成されることを可能にする複数の閉鎖ゾーンを有するフットウェアが示されている。図示のフットウェアはスノーボードブーツ800である。以下、実施形態の説明を容易にするため、フットウェアをスノーボードブーツ800またはブーツ800と呼ぶ。ブーツ800は、ライナー808と、ライナー808の上に配置されるシェルまたは外骨格とを含む。ブーツ800の閉鎖ゾーンは、第1のゾーンまたは上部802、第2のゾーンまたは下部804、および第3のゾーンまたは中間部806を含む。脚および足の周りのブーツ800の所望のフィット性を達成するため、閉鎖ゾーンは着用者の脚および足の周りに差動的に張力をかけられ、または締め付けられてもよい。いくつかの実施形態において、上部ゾーン802は、1つまたは複数の上部パネル850を介して閉じられ、および締め付けられ、中間ゾーン806は、甲ストラップ830を介して閉じられ、および締め付けられ、下部ゾーン804は、1つまたは複数のつま先パネル840を介して閉じられ、および締め付けられる。
【0073】
[0079] ブーツ800は、少なくとも1つのリール式クロージャー装置、より一般的には複数のリール式クロージャー装置を含み、それぞれの閉鎖ゾーンのうちの1つまたは複数を閉じる、および締め付けるためにそれぞれ設計される。
図7A~Gは、第1のリール式クロージャー装置826、第2のリール式クロージャー装置824、および第3のリール式クロージャー装置822を含むブーツ800が示されている。図示の実施形態において、リール式クロージャー装置822、824、および826は、ブーツ800の上部に取り付けられる。リール式クロージャー装置822、824および826をブーツ800の上部ゾーン802に配置することで、使用者がリール式クロージャー装置822、824および826とスノーボードビンディングとの干渉を最小化または排除しながら、リール式クロージャー装置822、824および826へ簡単にアクセスできる。
【0074】
[0080]
図7B~Cを参照すると、リール式クロージャー装置826がパネル850の遠位縁または端部の近くに配置されるように、リール式クロージャー装置826が上部パネル850に取り付けられる。上部パネル850は、ブーツ800のシェルの本体に形成されるセグメント、パネル、またはストラップであり得る。上部パネル850は、本質的に1つのセクションを有してもよく、または、互いにある程度移動または調整することができる複数のセクションを有してもよい。例えば、図示の実施形態において、上部パネル850の遠位縁は、上部パネル850の下部がパネル850の上部に対して近位に凹んでいるように非線形である。下部が上部に接合または接続される領域は、下部および上部が互いにある程度湾曲、屈曲、または移動することを可能にする可撓性材料またはパターンで作られ得る。
【0075】
[0081] 第1のリール式クロージャー装置826は、ブーツ800の上部802内の開口部852を横切って案内される引張部材827と動作可能に結合される。開口部852は、ブーツ800のシェルまたは外骨格の切り離された部分によって形成され得る。引張部材827がシェルの切り離された部分の間に形成または画定された隙間にまたがるように、引張部材827は開口部852を横切って案内される。いくつかの例において、上部パネル850の遠位縁とは反対であるシェルの縁は、上部パネル850の遠位縁の形状または輪郭とは逆の形状または輪郭を有し得る。引張部材827は、上部パネル850およびブーツのシェルの対向する縁に取り付けられた1つまたは複数のガイド部材812を介して、開口部852を横切って案内される。引張部材827は、チューブ810の1つまたは複数のセグメントを介して、またはレースガイドを形成または画定する任意の他の部品または材料を介して、シェルの外側の下に案内され得る。引張部材827の遠位端は、終端ガイド814を介してブーツ800に結合、固定、または固着され得る。図示の実施形態において、終端ガイド814は上部パネル850上に配置されるが、終端ガイド814は所望に応じて他の場所に配置されてもよい。
【0076】
[0082] 引張部材827は、様々なレース経路構成を使用して、ブーツ800の上部の周りに案内され得る。図示の実施形態において、引張部材827は、リール式クロージャー装置826から直接、開口部852を横切って案内される。引張部材827は、チューブ810およびガイド部材812を介して、引張部材827が終端ガイド814で終端するまでらせん状のパターンで開口部852を横切って案内される。ブーツ800は、上部パネル850がブーツ800の外側からブーツの内側に向かってライナー808の周りを包み込むように構成される。引張部材827の張力がパネル850を内側に引っ張り、それによりライナー808に外側から内側への力を付与し、着用者の脚の周りのライナー808が収縮または圧縮する。いくつかの例において、ライナー808および着用者の脚に内側から外側の力を付与するために、パネル850の向きを逆にしてもよい。
【0077】
[0083] 第2のリール式クロージャー装置824は、ブーツ800の上部802に配置されるが、第1のリール式クロージャー装置826よりもブーツ800の外側により近傍に配置されてもよい。第2のリール式クロージャー装置824は、ブーツ800の外側に沿って甲ストラップ830に案内される引張部材825と動作可能に結合される。通常、引張部材825は
図7Bに示されるようにブーツ800のシェルまたは外骨格の下に案内される。ブーツ800のシェルの下に引張部材825を案内するため、チューブ810の1つまたは複数のセグメント、またはレースガイドを形成または画定する任意の他の部品または材料を介して使用されてもよい。引張部材825は、ガイド812を介して甲ストラップ830の遠位端と結合される。引張部材825の遠位端は、終端ガイド814を介してブーツ800に結合、固定、または固着され得る。いくつかの実施形態において、引張部材825の全長は、ブーツ800のシェルの下に配置されたままであってもよい。
【0078】
[0084] 甲ストラップ830の近位端は、2つのセグメントまたはストラップに分割される。甲ストラップ830の第1のセグメント834は、下方に延び、ブーツ800のソールと結合されるか、またはその近傍に結合される。甲ストラップ830の第2のセグメント832は、ブーツ800を横切ってほぼ水平に、または斜めに延び、ブーツ800のかかとで、またはその近傍に結合される。甲ストラップ830は、第1のセグメント834および第2のセグメント832から、ライナー808を横切り、ライナー808の上をブーツ800の反対側まで延びる。甲ストラップ830は、ライナー808の甲領域近傍のライナー808の上部に配置される。第2のクロージャー装置824を介した引張部材825の張力により、甲ストラップ830に張力がかかり、ライナー808の周りで甲ストラップを下方および後方に引っ張る。次に、ライナー808が着用者の足に対して引っ張られる。第1のセグメント834および第2のセグメント832の構成により、甲ストラップ830がライナー808の甲およびかかと領域の同時の包み込みおよび締め付けを提供する。具体的には、第1のセグメント834および第2のセグメント832は、第1のセグメント834に起因する下向きの力と、対角方向の力ベクトルを作成する第2のセグメント832に起因する水平方向の力とを付与する。かかとと甲の締め付けを同時に行うことで、足首の圧迫感が増し、サポートとパワー伝達が向上する。甲ストラップ830は、所望に応じて可撓性または非可撓性材料で形成されてもよい。甲ストラップ830は、ブーツ800の中間部806の閉鎖および締め付けを提供する。
【0079】
[0085] 甲ストラップ830は、ブーツ800の内側からブーツの外側に向かってライナー808の周りを包み込む。引張部材825の張力が、甲ストラップ830を外側に向かって引っ張り、着用者の足の甲に内側から外側の力を付与する。いくつかの例において、ブーツ800内およびライナー808の上部における甲ストラップ830の向きは、着用者の足の甲に外側から内側の力が付与されるように逆にされてもよい。
【0080】
[0086] 第3のリール式クロージャー装置822は、ブーツ800の上部802にも配置されるが、第1のリール式クロージャー装置826および第2のリール式クロージャー装置824よりもブーツ800の外側により近傍に配置されてもよい。第3のリール式クロージャー装置822は、ブーツ800の下部804内の開口部842を横切って案内される引張部材823と動作可能に結合される。開口部842は、シェルまたは外骨格の一部と、ブーツ800の下部804内の足の上部に延びる下部パネル840とによって形成または画定される。下部パネル840は、ブーツ800のシェルの本体に形成されるセグメント、パネル、またはストラップであり得る。下部パネル840は、本質的に1つのセクションを有してもよく、または、互いにある程度移動または調整することができる複数のセクションを有してもよい。例えば、下部パネル840は、別々の部分が湾曲、屈曲、またはある程度移動することを可能にする可撓性材料またはパターンで作られ得る。
【0081】
[0087] 引張部材823は、シェルと下部パネル840との間に形成または画定された隙間に引張部材823がまたがるように、開口部842を横切って案内される。引張部材823は、下部パネル840およびシェルに取り付けられた1つまたは複数のガイド部材812を介して開口部842を横切って案内される。引張部材823は、チューブ810の1つまたは複数のセグメントを介して、またはレースガイドを形成または画定する任意の他の部品または材料を介して、シェルの外側の下に案内され得る。引張部材823の遠位端は、終端ガイド814を介してブーツ800に結合、固定、または固着され得る。図示の実施形態において、終端ガイド814は、下部パネル840の遠位縁と反対側の縁に配置されるブーツ800のシェルの下に配置される。
【0082】
[0088] 引張部材823は、様々なレース経路構成を使用して、ブーツ800の下部の周りに案内され得る。図示の実施形態において、引張部材823は、リール式クロージャー装置822から開口部842を横切って案内される。引張部材823は、チューブ810およびガイド部材812を介して、引張部材823が終端ガイド814で終端するまでらせん状のパターンで開口部842を横切って案内される。ブーツ800は、下部パネル840がライナー808をブーツの内側から外側に向かって包み込むように構成される。引張部材823の張力により、開口部842の対向する縁または側面が互いに向かって引っ張られ、これにより下部パネル840が外側に引っ張られ、それにより、ライナー808に内側から外側への力を付与し、これにより、足およびつま先の上方でブーツ800の体積が減少し、ブーツ800のフィット性および感触が改善する。いくつかの例において、下部パネル840の向きは、外側から内側の力がライナー808および着用者の足に付与されるように逆にされてもよい。
【0083】
[0089] ブーツ800の閉鎖および締め付けは、ブーツ800の1つの部分に付与される力が、ブーツ800の別の部分に付与される力と異なるかまたは反対であるという点で非対称である。例えば、上部802に付与される締め付け力は外側から内側の力であり、中間部806および下部804に付与される力は内側から外側の力(すなわち、上部802に付与される力とは逆の力)である。ブーツ800の非対称閉鎖はブーツ800を補強し、締め付けられたときにブーツ800をより強くまたはより剛性にし、スノーボードにおける着用者を助け、ブーツ800を補強するために必要な材料を低減し得る。
【0084】
[0090]
図7B~Cにおけるリール式クロージャー装置822、824、および826の各々は、リール式クロージャー装置が引張部材の近位端を引っ張るかまたは張力をかけるように設計され、引張部材の遠位端が終端ガイド814を介してブーツ800に固定または固着される「シングルプル」装置である。シングルプルのリール式装置を使用することで、引張部材においてより大きな張力を達成することができ得る。この設計は、甲ストラップ830または上部パネル850などのブーツの一部を適切に閉じる、または締め付けるために必要な力を付与するために重要であり得る。他の例において、シングルプルのリール式装置の使用することで、必要な張力を提供しながら、より小さいまたはより低い張力誘導リール式装置を使用することが出来得る。
【0085】
[0091]
図7D~Eを参照すると、
図7B~Cの実施形態と本質的に同じ構成を有するブーツ800が示されている。しかしながら、
図7D~Eにおけるリール式クロージャー装置822、824、および826の各々は、リール式クロージャー装置が引張部材の近位端および遠位端の両方を引っ張るかまたは張力をかける「ダブルプル」装置として構成されている。例えば、第1のリール式クロージャー装置826は、引張部材827の近位端および遠位端の両方が、第1のリール式クロージャー装置826内に配置されるスプールの周りに巻き取り可能であるように、引張部材827と動作可能に結合される。引張部材827は、上部パネル850およびシェルの対向縁に配置される複数のガイド812を介して、ブーツ800の上部における開口部852を横切って案内される。先の実施形態とは異なり、上部は、引張部材827の遠位端に固着された終端ガイドを含まない。むしろ、引張部材827は、上部パネル850の上部に配置される第1のリール式クロージャー装置826から、上部パネル850の下部に配置されるガイド812に案内される。引張部材827は、そこから第1のリール式クロージャー装置826に戻るよう案内される。
【0086】
[0092] 同様に、第2のリール式クロージャー装置824は、引張部材825の近位端および遠位端の両方が、第2のリール式クロージャー装置のスプールの周りに巻き取り可能であるように、引張部材825と動作可能に結合される。引張部材825は、第2のリール式クロージャー装置824から甲ストラップ830の遠位端に配置されるガイド812に案内され、そこから第2のリール式クロージャー装置824に戻るよう案内される。第3のリール式クロージャー装置822は、引張部材823の近位端および遠位端の両方が、第3のリール式クロージャー装置のスプールの周りに巻き取り可能であるように、引張部材823と動作可能に結合される。引張部材823は、下部パネル840およびシェルの対向する縁に配置される複数のガイド812を介して、ブーツ800の下部における開口部842を横切って案内される。引張部材823は、第3のリール式クロージャー装置822から下部パネル840に案内され、そこから第3のリール式クロージャー装置822に戻るよう案内される。
【0087】
[0093] いくつかの実施形態において、引張部材のいずれかの遠位端は、それぞれのリール式クロージャー装置内に配置されるスプールの周りに巻き取り可能である代わりに、それぞれのリール式クロージャー装置で、またはそれぞれのリール式クロージャー装置上で終端し得る。このような実施形態において、引張部材のレース経路は、
図7D~Eに示される構成と同様であってもよく、一方、それぞれのリール式クロージャー装置は、シングルプル型装置として機能する。いくつかの実施形態において、ブーツ800は、
図7B~Eに示されるシングルプル装置とダブルプル装置の任意の組み合わせを含み得る。換言すると、第1のリール式クロージャー装置826、第2のリール式クロージャー装置824、および第3のリール式クロージャー装置822は、所望に応じてシングルプルまたはダブルプル装置になるように独立して選択され得る。シングルおよびダブルプル装置の組み合わせを含むブーツ800の例が、
図7F~Gに示されている。具体的には、
図7Fにおいて、第1のリール式クロージャー装置826はダブルプル装置である一方、第2のリール式クロージャー装置824および第3のリール式クロージャー装置822はシングルプル装置である。
図7Gにおいて、第1のリール式クロージャー装置826および第2のリール式クロージャー装置824はダブルプル装置である一方、第3のリール式クロージャー装置822はシングルプル装置である。
【0088】
[0094] 次に
図7H~Iを参照すると、ブーツが、ブーツ800の上部802、下部804、および中間部806の閉鎖または締め付けを行うために構成された複数のリール式クロージャー装置を含むブーツ800の他の実施形態が示されている。各リール式クロージャー装置は独立して動作可能であり、各リール式クロージャー装置は、ブーツ800の上部802、下部804、中間部806、またはそれらの部分のいずれか2つの組み合わせの異なる1つの閉鎖または締め付けを行う。リール式クロージャー装置は、ブーツ800と結合され、通常はブーツ800の上部802に配置されるが、リール式クロージャー装置は、所望に応じて他の場所に配置されてもよい。
【0089】
[0095]
図7H~Iに示されるように、いくつかの実施形態において、複数のリールベースのクロージャー装置は、第1のリールベースのクロージャー装置826および第2のリールベースのクロージャー装置824から構成され、これらは両方とも、着用者が容易にアクセスできるように、またスノーボードのビンディングを妨げないように、ブーツ800の上部802に配置される。第1のリール式クロージャー装置826は、上部802、下部804、または中間部806、またはそれらの部分のうちの2つの任意の組み合わせの閉鎖または締め付けを行なうように構成されてもよい。第2のリール式クロージャー装置824は、第1のリール式クロージャー装置826によって閉じられる、または締め付けられていない一部、または複数の部分の閉鎖または締め付けを行なうために構成されてもよい。例えば、第2のリール式クロージャー装置824は、上部802、下部804、もしくは中間部806、またはそれらの部分のうちの2つの任意の組み合わせの閉鎖または締め付けを行ってもよい。
【0090】
[0096] 図示される特定の実施形態において、第1のリール式クロージャー装置826は、複数のガイド812を介してブーツ800の上部802における開口部852を横切って案内される引張部材827と動作可能に結合される。ガイド812は、上部パネル850の上、および上部パネル850とは反対側の開口部852に配置される縁に配置される。引張部材827は、上部パネル850からブーツ800の外側に沿って、チューブ810を介して下部パネル840に導かれるかまたは向けられる。引張部材827は、下部パネル840上および下部パネル840と反対側に配置される開口部842の縁上に配置される複数のガイド812を介して、ブーツ800の下部804における開口部842を横切って案内される。
図7Hに示されるブーツ800のようないくつかの例において、引張部材827は、下部パネル840から第1のリール式クロージャー装置826に戻るよう案内される。そのような場合、第1のリール式クロージャー装置826は、ダブルプル装置として機能する。他の例において、終端ガイド(図示せず)は、下部パネル840の遠位端近傍の下部804に配置され得る。引張部材827は、終端ガイドに固定または固着されていてもよい。そのような場合、第1のリール式クロージャー装置826は、シングルプル装置として機能する。
【0091】
[0097] 第2のリール式クロージャー装置824は、第2のリール式クロージャー装置824から甲ストラップ830の遠位端に配置されるガイド812に案内される引張部材825と動作可能に結合される。そのような場合、第2のリール式クロージャー装置824は、
図7B~Gに示される第2のリール式クロージャー装置と同様に機能する。
図7Hにおいて、引張部材825は甲ストラップ830から、第2のリール式クロージャー装置824に戻るよう案内される。そのような場合、第2のリール式クロージャー装置824は、ダブルプル装置として機能する。
図7Iにおいて、引張部材825の遠位端は、甲ストラップ830のすぐ隣に配置される終端ガイド814で終端する。そのような場合、第2のリール式クロージャー装置824は、シングルプル装置として機能する。
【0092】
[0098]
図7H~Iは、第1のリール式クロージャー装置826が2つのゾーン(すなわち、上部802および下部804)を閉じる、または締め付けるように動作可能であり、第2のリール式クロージャー装置824が1つのゾーン(すなわち、中間部806)を閉じる、または締め付けるように動作可能であることを示しているが、他の実施形態において、第1のリール式クロージャー装置826が1つのゾーンを閉じる、または締め付け(すなわち、 上部802)、第2のリール式クロージャー装置824が、2つのゾーン(すなわち、中間部806および下部804)を閉じる、または締め付けるように構成を逆にしてもよい。第1のリール式クロージャー装置826および第2のリール式クロージャー装置824は、同様のトルク出力を有してもよく、または第1のリール式クロージャー装置826および第2のリール式クロージャー装置824のトルク出力は異なってもよい。例えば、第2のリール式クロージャー装置824は、第2のリール式クロージャー装置824が1つのゾーンを閉じる、または締め付ける場合において、第1のリール式クロージャー装置826よりも低いトルク出力を有し得る。
【0093】
[0099] 次に
図7J~Kを参照すると、ブーツ800の他の実施形態が示されており、ブーツは、ブーツ800の上部802、下部804、および中間部806の閉鎖または締め付けを行うために構成された少なくとも1つのリール式クロージャー装置を含む。図示の実施形態において、ブーツ800は、ブーツ800の上部802に配置される単一のリール式クロージャー装置826を含む。リール式クロージャー装置826は、上部802、中間部806、または下部804、またはそれらの部分のいずれかの組み合わせに配置される少なくとも1つのストラップと次いで動作可能に結合される引張部材827と動作可能に結合される。同様に、引張部材827は、上部802、中間部806、または下部804、またはそれらの部分のいずれかの組み合わせに配置される少なくとも1枚のパネルと動作可能に結合され得る。
【0094】
[0100] 図示される特定の実施形態において、引張部材827は、第1のリール式クロージャー装置826から、複数のガイド812を介してブーツ800の上部802の開口部852を横切って案内される。ガイド812は、上部パネル850上および上部パネル850とは反対側の開口部852に配置される縁の上に配置される。引張部材827は、上部パネル850からブーツ800の外側に沿って、チューブ810を介して甲ストラップ830に導かれるかまたは向けられる。引張部材827の1つのセグメントは、甲ストラップ830の遠位端に配置されるガイド812を介して甲ストラップ830と結合される。
【0095】
[0101] 引張部材827は、甲ストラップ830から下部パネル840に導かれるかまたは向けられる。引張部材827は、下部パネル840上および下部パネル840から開口部842の反対側に配置される縁上に配置された複数のガイド812を介して、ブーツ800の下部804の開口部842を横切って案内される。
図7J~Kに示されるブーツ800のようないくつかの例において、引張部材827は、下部パネル840から第1のリール式クロージャー装置826に戻るよう案内される。そのような場合、第1のリール式クロージャー装置826は、ダブルプル装置として機能する。他の例において、終端ガイド(図示せず)は、下部パネル840の遠位端近傍の下部804に配置されてもよい。引張部材827は、終端ガイドに固定または固着されていてもよい。そのような場合、第1のリール式クロージャー装置826は、シングルプル装置として機能する。第1のリール式クロージャー装置826の動作は、ブーツ800の上部802、下部804、および中間部806に同時に張力をかける。
【0096】
[0102] 様々な部品のいくつかの実施形態および配置が本明細書に記載されているが、様々な部品および/または様々な実施形態に記載される部品の組み合わせは、修正、再配置、変更、調整などされ得ることを理解されるべきである。例えば、記載された実施形態のいずれかにおける部品の配置は、調整または再配置されてもよく、および/または、様々な記載された部品は、それらが現在記載または採用されていない実施形態のいずれかにおいて採用され得る。そのように、様々な実施形態は、本明細書に記載される特定の配置および/または部品構造に限定されないことを認識されるべきである。
【0097】
[0103] 加えて、本明細書に開示される特徴および要素の任意の実行可能な組み合わせも開示されると考えられることを理解されたい。さらに、本開示の実施形態に関して特徴が論じられないときはいつでも、当業者は、本発明のいくつかの実施形態がそのような特徴を暗黙的かつ具体的に排除し得ることをここに通知し、それによって否定的なクレーム制限を提供する。
【0098】
[0104] いくつかの実施形態を説明したところで、本発明の精神を逸脱することなく、様々な変形、代替構成および均等物が使用され得ることが当業者には理解されよう。加えて、本発明を不必要に不明瞭化することを避けるために、いくつかの周知のプロセスおよび要素は記載されていない。したがって、上記説明は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきでない。
【0099】
[0105] 数値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間に入る各値が、下限の単位の10分の1まで(そうでないことを文脈が明らかに指図しない限り)、同じく具体的に開示されるということが理解されよう。述べられた範囲内の任意の述べられた値または間に入る値と、その述べられた範囲の任意の他の述べられた値または間に入る値との間のより小さな範囲それぞれが包含される。これらのより小さな範囲の上限および下限は、独立して、その範囲に含まれてもよく、またはその範囲から除外されてもよく、範囲のいずれかもしくは両方がより小さな範囲に含まれる各範囲も、その述べられた範囲内の任意の特別に除外された限界を条件として、本発明に包含される。述べられた範囲が限界の一方または両方を含む場合、それらの含まれる限界のいずれかまたは両方を除外する範囲もまた、含まれる。
【0100】
[0106] 本明細書および特許請求の範囲の中で使用される単数形「1つの」または「その」は、文脈がそうでないことを明らかに指図しない限り、複数の指示対象をも含む。したがって、たとえば、「ある1つのプロセス」の参照は、複数のそのようなプロセスをも含み、「その装置」の参照は、1つまたは複数の装置および当業者には公知のそれらの等価物の参照をも含む、などである。
【0101】
[0107] また、本明細書および特許請求の範囲の中で使用される語「含む(comprise)」、「含む(comprising)」、「含む(include)」および「含む(includes)」は、述べられた特徴、完全体、部品または工程の存在を指定することを意図したものであるが、一つまたは複数の他の特徴、完全体、部品、工程、動作または群の存在または追加を排除するものではない。
【国際調査報告】