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  • 特表-電位の流れを制御する電位治療装置 図1
  • 特表-電位の流れを制御する電位治療装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-20
(54)【発明の名称】電位の流れを制御する電位治療装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/40 20060101AFI20240213BHJP
【FI】
A61N1/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023551269
(86)(22)【出願日】2022-02-14
(85)【翻訳文提出日】2023-08-23
(86)【国際出願番号】 KR2022002148
(87)【国際公開番号】W WO2022182041
(87)【国際公開日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】10-2021-0024165
(32)【優先日】2021-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510059929
【氏名又は名称】セラジェム カンパニー、リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100179648
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 咲江
(74)【代理人】
【識別番号】100222885
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 康
(74)【代理人】
【識別番号】100140338
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100227695
【弁理士】
【氏名又は名称】有川 智章
(74)【代理人】
【識別番号】100170896
【弁理士】
【氏名又は名称】寺薗 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100219313
【弁理士】
【氏名又は名称】米口 麻子
(74)【代理人】
【識別番号】100161610
【弁理士】
【氏名又は名称】藤野 香子
(72)【発明者】
【氏名】イ ドンミョン
(72)【発明者】
【氏名】キム ギソン
(72)【発明者】
【氏名】キム ヨンヒ
(72)【発明者】
【氏名】キム ジェファ
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053BB02
4C053BB34
4C053LL05
4C053LL07
(57)【要約】
本発明は電位の流れを制御するための電位治療器に関するもので、本発明に係る電位治療器は高電圧の互いに異なる位相をパッドに印加して使用者の電位を0に近くして電撃を防止し、その他のパッドに低電圧を印加することによって使用者が望む多様な部位に治療効果を得ることができる長所がある。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源が入力される電源入力部;
前記電源入力部の入力電圧を高電圧に変換する第1変圧部;
前記電源入力部の入力電圧を前記第1変圧部の出力電圧と同一の電圧に変換するものの、前記第1変圧部の出力電圧と反対の位相を有する電圧に変換する第2変圧部;
前記電源入力部の入力電圧を前記第1変圧部の出力電圧より低い電圧に変換する第3変圧部;
前記第1、第2または第3変圧部と連結される複数のパッド;および
前記第1、第2または第3変圧部と前記複数のパッドの間の連結を制御するスイッチ部;を含む、電位の流れを制御するための電位治療装置。
【請求項2】
一つ以上のプロセッサおよびメモリを含む制御部;をさらに含み、
前記制御部は使用者の入力により前記スイッチ部の連結状態を制御することを特徴とする、請求項1に記載の電位の流れを制御するための電位治療装置。
【請求項3】
前記複数のパッドのうち一つのパッドは前記第1変圧部の出力タップに連結され、残りのパッドのうち一つのパッドは前記第2変圧部の出力タップに連結されるように前記スイッチ部が設定されることを特徴とする、請求項1に記載の電位の流れを制御するための電位治療装置。
【請求項4】
前記第1変圧部および第2変圧部に連結されたパッドを除いた残りのパッドのうち、使用者の治療が必要な部分に接触したパッドのみ前記第3変圧部の出力タップに連結されることを特徴とする、請求項3に記載の電位の流れを制御するための電位治療装置。
【請求項5】
前記第1変圧部および第2変圧部に連結されたパッドを除いた残りのパッドはいずれも前記第3変圧部の出力タップに連結されることを特徴とする、請求項3に記載の電位の流れを制御するための電位治療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電位治療装置に関し、特に電位治療装置の電位を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電位治療装置は人体の周囲に電界(Electric Field)を形成し、その電界によって人体を刺激することによって治療効果を得るための装置である。
【0003】
このために、電位治療装置は絶縁された人体にパッドを通じて高電圧を印加することになるが、人体周囲の室内の底や壁などは電位が0Vである大地(Earth)に近いので高電圧と大地である底や壁の間に電界が形成されるのである。
【0004】
従来の電位治療装置はパッドの位相差を固定にすることによって、電界が一方向にのみ形成された。したがって、身体の各部位に適切な刺激を与えて治療効果を得るのに限界があった。
【0005】
また、治療部位ごとに異なる電圧を使うことによって電圧が変わるたびに出力電流の量も変わるので、使用者が感じる電撃感も変わって使用者は心理的に不安を感じる問題点もあった。
【0006】
本発明の発明者らはこのような従来技術の電位治療装置の問題を解決するために研究努力してきた。電位治療装置の各パッドの位相および電位を調節して、身体の多様な部位に治療効果を伝達し電撃を防止できる電位治療装置を完成するために多くの努力の結果、本発明を完成するに至った。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は多数のパッドを含む電位治療装置で各パッドの位相および電圧を異ならせて設定することによって、身体の多様な部位に治療効果を伝達しながらも電撃を防止することを目的とする。
【0008】
一方、本発明の明示されていないさらに他の目的は、下記の詳細な説明およびその効果から容易に推論できる範囲内で追加的に考慮されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る電位治療装置は、交流電源が入力される電源入力部;前記電源入力部の入力電圧を高電圧に変換する第1変圧部;前記電源入力部の入力電圧を前記第1変圧部の出力電圧と同一の電圧に変換するものの、前記第1変圧部の出力電圧と反対の位相を有する電圧に変換する第2変圧部;前記電源入力部の入力電圧を前記第1変圧部の出力電圧より低い電圧に変換する第3変圧部;前記第1、第2または第3変圧部と連結される複数のパッド;および前記第1、第2または第3変圧部と前記複数のパッドの間の連結を制御するスイッチ部を含む。
【0010】
前記電位治療装置は一つ以上のプロセッサおよびメモリを含む制御部;をさらに含み、前記制御部は使用者の入力により前記スイッチ部の連結状態を制御することを特徴とする。
【0011】
前記複数のパッドのうち一つのパッドは前記第1変圧部の出力タップに連結され、残りのパッドのうち一つのパッドは前記第2変圧部の出力パッドに連結されるように前記スイッチ部が設定されることを特徴とする。
【0012】
前記第1変圧部および第2変圧部に連結されたパッドを除いた残りのパッドのうち、使用者の治療が必要な部分に接触したパッドのみ前記第3変圧部の出力タップに連結されることを特徴とする。
【0013】
前記第1変圧部および第2変圧部に連結されたパッドを除いた残りのパッドはいずれも前記第3変圧部の出力タップに連結されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、電位治療装置のパッドの電位および位相を調節することによって、使用者の身体の多様な部位に治療効果を最大化することができ、使わないパッドの電圧と位相を主電圧と反対にして電撃を防止できる効果がある。
【0015】
一方、ここで明示的に言及されていない効果であっても、本発明の技術的特徴によって期待される以下の明細書で記載された効果およびその暫定的な効果は本発明の明細書に記載されたもの同様に扱われることを付言する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の好ましい一実施例に係る電位の流れを制御するための電位治療装置の構造図である。
図2】本発明の好ましい他の実施例に係る電位の流れを制御するための電位治療装置の構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の多様な実施例が案内する本発明の構成とその構成から始まる効果について詳察する。本発明を説明するにおいて、関連した公知機能について、この分野の技術者に自明な事項であって、本発明の要旨を不要に曖昧にさせ得る恐れがあると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。
【0018】
「第1」、「第2」等の用語は多様な構成要素の説明に使われ得るが、前記構成要素は前記の用語によって限定されてはならない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使われ得る。例えば、本発明の権利範囲を逸脱することなく「第1構成要素」は「第2構成要素」と命名され得、同様に「第2構成要素」も「第1構成要素」と命名され得る。また、単数の表現は文脈上明白に異なって表現しない限り、複数の表現を含む。本発明の実施例で使われる用語は異なって定義されない限り、該当技術分野で通常の知識を有する者に通常的に知られている意味で解釈され得る。
【0019】
以下、図面を参照して本発明の多様な実施例が案内する本発明の構成とその構成から始まる効果について詳察する。
【0020】
図1は、本発明の好ましい一実施例に係る電位の流れを制御するための電位治療装置の構造図である。
【0021】
本発明に係る電位治療装置100は電源入力部110、変圧部120~124、出力抵抗130~134、スイッチ部141~145、151~155およびパッド部160~165を含む。
【0022】
電源入力部110は交流電源の入力を受けて変圧部に伝達する。
【0023】
変圧部120、122、124は電位治療のために交流電源の電圧と位相をそれぞれ変換する。
【0024】
第1変圧部120は電源入力部110の交流電源を高電圧に変換する。電圧は9000ボルト(9kV)以上であり得る。
【0025】
第2変圧部122も電源入力部110の交流電源を高電圧に変換する。電圧は第1変圧部120と同一であるが、位相は第1変圧部120と反対である。
【0026】
第1変圧部120と第2変圧部122は高電圧であって、電圧は同一であるが位相を反対にすることにより、被治療者である使用者の電位を0に近くすることができるので電撃を防止することができる。
【0027】
第3変圧部124は電源入力部110の交流電源を低電圧に変換する。低電圧は第1変圧部120や第2変圧部122より低い電圧であり、450ボルト(450V)以下であり得る。
【0028】
第3変圧部124は、第1変圧部120の出力電圧と位相は反対で電圧は低くすることによって、第1変圧部120に連結されたパッドと第3変圧部124に連結されたパッドの間に微細電流が流れるようにして望む部位に治療効果を得ることができる。
【0029】
出力抵抗130、132、134はパッド160~165に伝達される出力電流を調節する。
【0030】
スイッチ部は電圧選択スイッチ141~145と連結スイッチ151~155で構成される。
【0031】
電圧選択スイッチ141~145は各パッドがどの変圧部に連結されるかを選択するために使う。
【0032】
使用者は、治療をしないパッドは第2変圧部122に連結して第1変圧部120と反対の位相の高電圧を生成して電撃を防止することができる。
【0033】
治療のためのパッドは第3変圧部124に連結されるようにすることによって、第1変圧部120の出力とは反対の位相の低電圧を生成して電流が流れるようにして治療効果を得ることができる。
【0034】
連結スイッチ151~155は各パッドが変圧部に連結されるようにすることができる。使わないパッドは連結をしないことにより、使用者が望まない電流が流れないようにしたり電撃を防止することができるであろう。
【0035】
パッド部160~165は、高電圧プラス(+)位相の固定パッド160と高電圧マイナス(-)位相または低電圧マイナス位相に選択的に連結される可変パッド161~165で構成される。
【0036】
固定パッド160は一般的に使用者の頭部位に位置することによって使用者の身体に電界を形成することになる。
【0037】
可変パッド161~165はお尻、背中、腕、足などの電界を生成して治療をする部分に位置し、治療が必要な部位の可変パッドは第3変圧部124に連結され、使わない可変パッドは第2変圧部122に連結されて電撃を防止することになる。
【0038】
例えば、第1可変パッド161はお尻に位置し、第2可変パッド162は背中に位置し、第3可変パッド163は左腕、第4可変パッド164は右腕、第5可変パッド165は足に位置することができる。
【0039】
この時、背中にのみ治療効果を伝達したいのであれば、背中に位置した第2可変パッド162は第3変圧部124に連結されなければならない。したがって、第2電圧選択スイッチ142は第3変圧部124方向に連結され、第2連結スイッチ152はオンの状態でなければならない。
【0040】
使用者の電撃を防止するためには、使わない残りの可変パッドのうち一つは第1変圧部120の出力と反対の位相の高電圧を有する第2変圧部122に連結されなければならない。したがって、背中を除いた他の部位、例えばお尻に位置した第1可変パッド161を第2変圧部122に連結すれば良い。このために、第1電圧選択スイッチ141は第2変圧部122方向に連結され、第1連結スイッチ151はオンの状態でなければならない。
【0041】
使われない残りの第3、第4、第5可変パッド163、164、165は電源が連結される必要がないので、第3、第4、第5連結スイッチ153、154、155はオフの状態を維持する。
【0042】
複数の部位に治療効果を伝達したいのであれば、複数の可変パッドを治療のための低電圧に連結すれば良い。
【0043】
例えば腕と足にすべて治療を受けたいのであれば、該当する可変パッドである第3、第4、第5可変パッド163、164、165をすべて低電圧変圧部である第3変圧部124に連結しなければならない。したがって、第3、第4、第5電圧選択スイッチ143、144、145は第3変圧部124方向に連結され、第3、第4、第5連結スイッチ153、154、155もオンの状態に連結されなければならない。
【0044】
治療に使わないパッドである第1および第2可変パッド161、162のうち一つは、高電圧反対の位相である第2変圧部122に連結して電撃を防止しなければならない。したがって、第1または第2電圧選択スイッチ141、142を第2変圧部122に連結し、第1または第2連結スイッチ151、152のうち選択されたスイッチをオンの状態にすることができるであろう。
【0045】
図2は、本発明の好ましい他の実施例に係る電位の流れを制御するための電位治療装置の構造図である。
【0046】
本発明の他の実施例に係る電位治療装置200はスイッチを制御するための制御部270をさらに含むことができる。その他の構成は図1の例と同一に構成され得る。
【0047】
制御部270は使用者の設定によりスイッチ聞く制御するが、このために、一つ以上のプロセッサおよびメモリを含むことができる。プロセッサはスイッチ制御のためのプログラムや命令語を遂行でき、メモリはプロセッサ駆動のための命令語と必要なデータを保存することができる。
【0048】
制御部270は必要に応じて電圧選択スイッチ241~245を制御し、連結スイッチ251~255のオン/オフを制御する。
【0049】
このために、スイッチ部はFET(Field Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のスイッチング素子が使われ得る。このようなスイッチング素子は制御部270の制御によってスイッチングオン/オフが制御される。
【0050】
制御部270は使用者が選択した治療部位によって可変パッド261~265の連結を制御する。
【0051】
例えば、第1可変パッド261はお尻に位置し、第2可変パッド262は背中に位置し、第3可変パッド263は左腕、第4可変パッド264は右腕、第5可変パッド265は足に位置することができる。
【0052】
使用者が治療部位として左腕と右腕を選択したとすれば、制御部270は第3可変パッド263と第4可変パッド264が第3変圧部224に連結されるようにスイッチを制御する。したがって、制御部270は第3および第4電圧選択スイッチ243、244は第3変圧部224方向に連結し、第3および第4連結スイッチ253、254をオンの状態に制御する。
【0053】
制御部270は電位治療に使われない残りのパッドのうち一つを電撃防止用として第2変圧部222に連結することができる。左腕と右腕を除いた第1、第2および第5可変パッド261、262、265は治療に使われないので電撃防止用として使うのである。例えば、第5可変パッド265を電撃防止用として使うのであれば、制御部270は第5電圧選択スイッチ245を第2変圧部222方向に連結し、第5連結スイッチ255をオンの状態に制御することによって電撃を防止することができる。
【0054】
以上のような本発明の電位治療器によると、電位治療に使われるパッドの電圧と位相を調節することによって使用者が望む多様な部位に同時に治療効果を伝達できるだけでなく、使わないパッドに高電圧の反対の位相を印加することによって電撃を防止できる効果も得ることができる。
【0055】
本発明の保護範囲は以上で明示的に説明した実施例の記載と表現に制限されるものではない。また、本発明が属する技術分野で自明な変更や置換によって本発明の保護範囲が制限されてはならないことをもう一度付言する。
図1
図2
【国際調査報告】