(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-20
(54)【発明の名称】ルアー・ロック静脈注射コネクタ
(51)【国際特許分類】
A61M 39/10 20060101AFI20240213BHJP
【FI】
A61M39/10 110
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023551675
(86)(22)【出願日】2022-02-01
(85)【翻訳文提出日】2023-10-19
(86)【国際出願番号】 US2022014759
(87)【国際公開番号】W WO2022182482
(87)【国際公開日】2022-09-01
(32)【優先日】2021-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トーマス、マーク スティーブン
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD01
4C066EE06
4C066EE12
4C066JJ03
4C066JJ05
4C066JJ10
(57)【要約】
対向するルアー・ロック・コネクタの内側部分と噛み合うようにサイズが決められ成形された、硬質な材料の内側コアと、内側コアの外面上に配設された、柔軟な材料の外側層と、外側層の外面上に配設された複数の把持機構であって、複数の把持機構は、滑り抵抗把持面を提供するように構成される、複数の把持機構とを含むルアー・ロック・コネクタが提供される。注入セット及び注入セット・ルアー・ロック・コネクタも提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬質な材料を有し、対向するルアー・ロック・コネクタの内側部分と噛み合うようにサイズが決められ成形された内側コアと、
前記内側コアの外面上に配設され、柔軟な材料を有する外側層と、
前記外側層の外面上に配設された複数の把持機構であって、前記複数の把持機構は、滑り抵抗把持面を提供するように構成される、複数の把持機構とを備えるルアー・ロック・コネクタ。
【請求項2】
前記内側コアは、ポリカーボネート、ナイロン及びポリエチレンのうちの少なくとも1つを含む硬質な材料から形成される、請求項1に記載のルアー・ロック・コネクタ。
【請求項3】
前記内側コアは、前記対向するルアー・ロック・コネクタの雌部分と密閉式に噛み合うように構成された雄噛み合い部分を備える、請求項1に記載のルアー・ロック・コネクタ。
【請求項4】
前記内側コアは、前記対向するルアー・ロック・コネクタの雄部分と密閉式に噛み合うように構成された雌噛み合い部分を備える、請求項1に記載のルアー・ロック・コネクタ。
【請求項5】
前記外側層は、シリコーン、ポリウレタン及びラテックス・フリーのシリコーン・ゴムのうちの少なくとも1つを含む柔軟な材料から形成される、請求項1に記載のルアー・ロック・コネクタ。
【請求項6】
前記外側層はラテックス・フリーである、請求項1に記載のルアー・ロック・コネクタ。
【請求項7】
前記外側層は、ガス滅菌に耐えるように構成される、請求項1に記載のルアー・ロック・コネクタ。
【請求項8】
前記外側層は、ガンマ線滅菌に耐えるように構成される、請求項1に記載のルアー・ロック・コネクタ。
【請求項9】
前記複数の把持機構は、隆起機構を備える、請求項1に記載のルアー・ロック・コネクタ。
【請求項10】
前記隆起機構は、出っ張りを備える、請求項9に記載のルアー・ロック・コネクタ。
【請求項11】
前記隆起機構は、細長い隆起を備える、請求項9に記載のルアー・ロック・コネクタ。
【請求項12】
前記複数の把持機構は、くぼんだ機構を備える、請求項1に記載のルアー・ロック・コネクタ。
【請求項13】
前記くぼんだ機構は、刻み目を備える、請求項12に記載のルアー・ロック・コネクタ。
【請求項14】
前記くぼんだ機構は、チャネルを備える、請求項12に記載のルアー・ロック・コネクタ。
【請求項15】
前記複数の把持機構は、隆起機構とくぼんだ機構の組み合わせを備える、請求項1に記載のルアー・ロック・コネクタ。
【請求項16】
前記外側層は、前記内側コアの上にオーバーモールドされる、請求項1に記載のルアー・ロック・コネクタ。
【請求項17】
注入セット構成要素と、
ルアー・ロック・コネクタであって、
ポリカーボネート、ナイロン及びポリエチレンのうちの少なくとも1つを含む硬質な材料から形成された内側コアと、
前記内側コアの外面上に配設され、シリコーン、ポリウレタン及びラテックス・フリーのシリコーン・ゴムのうちの少なくとも1つを含む柔軟な材料から形成された外側層と、
前記外側層の上に配設され、滑り抵抗把持面を提供するように構成された複数の把持機構とを備える、ルアー・ロック・コネクタとを備える注入セット。
【請求項18】
前記外側層はラテックス・フリーであり、ガス滅菌及びガンマ線滅菌に耐えるように構成される、請求項17に記載の注入セット。
【請求項19】
前記把持機構は、隆起機構及びくぼんだ機構のうちの1つを備える、請求項17に記載の注入セット。
【請求項20】
ポリカーボネート、ナイロン及びポリエチレンのうちの少なくとも1つを含む硬質な材料から形成され、反対の性別のルアー・ロック・コネクタの受け入れ部分と噛み合うようにサイズが決められ成形された内側コアと
前記内側コアの外面上に配設され、シリコーン、ポリウレタン及びラテックス・フリーのシリコーン・ゴムのうちの少なくとも1つを含む柔軟な材料から形成された外側層と、
前記外側層の上に配設され、複数の隆起機構及び複数のくぼんだ機構のうちの少なくとも1つを備える複数の把持機構であって、前記把持機構は、滑り抵抗把持面を提供するように構成される、複数の把持機構とを備える、注入セット・ルアー・ロック・コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条の下で、2021年2月24日に提出された「LUER LOCK INTRAVENOUS CONNECTOR」という標題の米国仮特許出願番号63/153,281号に対して優先権の利益を主張しており、その特許の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は一般に、注入セット静脈注射(IV)コネクタに関し、より詳細にはルアー・ロックIVコネクタに関する。
【背景技術】
【0003】
典型的な注入セット又は静脈注射(IV)セットは、ポリマ配管セグメントをポリマ構成要素に接合することによって構築され、その多くはルアー・ロック・コネクタを使用する。これらのIVセットはその後、患者などのユーザに流体を提供するために注入ポンプ又は重力システムと共に使用される。しかしながら典型的なルアー・ロック・コネクタは、コネクタが濡れているとき、又はユーザの手が濡れているときに滑りやすい硬質なプラスチックで作成されており、これによりIV構成要素又はIVセットを取り替えるときにコネクタを把持し元に戻すことが困難になる。加えて、典型的なコネクタの硬さは、コネクタが長い期間にわたって患者の皮膚に押しつけられるとき、皮膚の引き裂きを生じさせ、傷口を押す可能性がある。
【0004】
この問題に対処するために、一部の典型的な解決策は、IV構成要素又はIVセットを切り離したり接続したりするために、コネクタを強制的に把持するためにペンチ又は鉗子を使用することである。しかしながら、このような解決策は、コネクタを損傷させる可能性があり、ユーザがペンチ又は鉗子を手元に置く必要がある。加えて、コネクタを切り離すのに必要とされる大きな力によって、カテーテルが患者の外に引っ張り出されたり、破り取られたりする場合もある。他の解決策は、コットン・ガーゼの中にコネクタをくるみ、テープで留めることで、コネクタと患者の皮膚との間に何らかのタイプの詰め物を形成するのを助けることであった。この解決策は、IV構成要素又はIVセットを接続し準備するためにユーザから追加の時間を必要とし、また、コネクタ毎に追加のガーゼ及びテープ材料のためにコストも増大する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらの理由のために、把持しやすく、衝撃が和らげられているIV構成要素及びIVセットを共に使用するためのルアー・ロック・コネクタを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つ又は複数の実施例では、ルアー・ロック・コネクタは、硬質な材料を有し、対向するルアー・ロック・コネクタの内側部分と噛み合うようにサイズが決められ成形された内側コアと、内側コアの外面上に配設され、柔軟な材料を有する外側層と、外側層の外面上に配設された複数の把持機構であって、複数の把持機構は、滑り抵抗把持面を提供するように構成される、複数の把持機構とを含む。
【0007】
1つ又は複数の実施例では、注入セットは、注入セット構成要素及びルアー・ロック・コネクタを含む。ルアー・ロック・コネクタは、ポリカーボネート、ナイロン及びポリエチレンのうちの少なくとも1つを含む硬質な材料から形成された内側コアと、内側コアの外面上に配設され、シリコーン、ポリウレタン及びラテックス・フリーのシリコーン・ゴムのうちの少なくとも1つを含む柔軟な材料から形成された外側層と、外側層の上に配設され、滑り抵抗把持面を提供するように構成された複数の把持機構とを含む。
【0008】
1つ又は複数の実施例では、注入セット・ルアー・ロック・コネクタは、ポリカーボネート、ナイロン及びポリエチレンのうちの少なくとも1つを含む硬質な材料から形成され、反対の性別のルアー・ロック・コネクタの受け入れ部分と噛み合うようにサイズが決められ成形された内側コアと、内側コアの外面上に配設され、シリコーン、ポリウレタン及びラテックス・フリーのシリコーン・ゴムのうちの少なくとも1つを含む柔軟な材料から形成された外側層と、外側層の上に配設され、複数の隆起機構及び複数のくぼんだ機構のうちの少なくとも1つを備える複数の把持機構とを含み、把持機構は、滑り抵抗把持面を提供するように構成される。
【0009】
添付の図面は、開示のさらなる理解を提供するために含まれ、この明細書に組み込まれ、その一部を構成しており、開示の実施例を例示し、説明と共に開示の原理を説明する機能を果たしている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】4つの流体注入ポンプを有し、その各々が患者に流体補給品の内容物を汲み上げるためにそれぞれの流体補給品に接続された、一例の患者ケア・システムの斜視図である。
【
図2A】典型的な組み立て後のIV注入セットと、典型的なIV伸張ラインの上面図である。
【
図2B】典型的な組み立て後のIV注入セットと、典型的なIV伸張ラインの上面図である。
【
図2C】典型的な組み立て後のIV注入セットと、典型的なIV伸張ラインの上面図である。
【
図3】開示の態様による、ルアー・ロックIVコネクタの前面図である。
【
図4】開示の態様による、ルアー・ロックIVコネクタの外側層の前面図である。
【
図5】開示の態様による、ルアー・ロックIVコネクタの外側層の前面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に記載される詳細な説明は、主題の技術の種々の構成を記載しており、主題の技術が実施され得る構成のみを表現することは意図されていない。詳細な説明は、主題の技術の完全な理解を提供する目的のための特有の詳細を含む。したがって、寸法は、非制限的例として特定の態様に関して提供される。しかしながら、主題の技術は、これらの特有の詳細なしで実施され得ることは当業者に明らかであろう。一部の例では、よく知られた構造及び構成要素は、主題の技術の概念を曖昧にすることを回避するために、ブロック図の形態で示される。
【0012】
本開示は、主題の技術の実例を含み、添付の特許請求の範囲を限定していないことを理解されたい。主題の技術の種々の態様は、特定の、但し非制限的例に従ってここで開示される。本開示に記載される種々の実施例は、異なる方法及び変形形態で、並びに所望の用途又は実装形態に従って実施される場合もある。
【0013】
複数の図面の中で同様の参照番号が同様の又は対応する要素を指す図面を次により詳細に参照すると、4つの注入ポンプ22、24、26及び28を有し、その各々が、上流流体ライン30、32、34及び36とそれぞれ流体接続されている、患者ケア・システム20が
図1に示されている。4つの注入ポンプ22、24、26及び28の各々はまた、下流流体ライン31、33、35及び37ともそれぞれ流体接続されている。流体ラインは、IV投与セットなど任意のタイプの流体導管であってよく、その中を通って流体が流れることができる。注射器ポンプを含め、多様なポンプ機構のいずれも使用することができることを理解されたい。
【0014】
流体補給品38、40、42及び44は、種々の形態を採り得るが、この場合には、ボトルとして示されており、逆さにされて、ポンプより上に吊り下げられている。流体補給品はまた、バッグ又は注射器を含む他のタイプの容器の形態を採る場合もある。患者ケア・システム20及び流体補給品38、40、42及び44は共に、ローラ・スタンド、IVポール46、テーブルの上などに設置される。
【0015】
別個の注入ポンプ22、24、26及び28が、流体補給品の流体の各々を患者に注入するために使用される。注入ポンプは、それぞれの流体ラインに対して作用して、流体補給品からの流体を流体ラインを通って患者48まで移動させる流れ制御デバイスである。個別のポンプが使用されることから、各々が、それぞれの流体補給品からの特定の医療流体を、医者によってその流体に関して定められた特定の割合で患者に注入するのに必要な汲み上げパラメータ又は動作パラメータを個別に設定することができる。そのような医療流体は、薬剤又は栄養剤又は他の流体を含んでよい。注入ポンプ22、24、26及び28は、ポンプ制御ユニット60によって制御される。
【0016】
流体補給品38、40、42及び44は各々、電子データ・タグ81、83、85及び87にそれぞれ結合される、又は電子送信機に結合される。注入システムと対応付けられた任意のデバイス又は構成要素が、電子データ・タグ、リーダ又は送信機を装備してもよい。
【0017】
典型的な注入セットはまた、注入ポンプの使用を必要としない重力セットであってもよい。例えば、流体補給品38、40、42及び44のいずれかが、重力IVセットを介して患者48に直接接続されてもよく、その場合、ポンプの助けを借りることなく、重力が流体を注入セットを通り、患者48の中に流れるようにさせる。
【0018】
典型的には、医療流体投与セットは、
図2A~
図2Cに示されるものなど、
図1に示されるものより多くの部品を有する。注入セットは、注入構成要素及び配管の任意の組み合わせから形成されてよい。典型的には、注入構成要素及び配管は、一度使用され、その後排気される使い捨て製品である。注入構成要素及び配管は、任意の好適な材料(例えばプラスチック、シリコーン、ゴム)から形成されてよく、その多く、又はその全ては、内部の流体流れ又は流体レベルを見ることができるように透明又は半透明である。
【0019】
図2Aに示されるように、注入セット120は、配管160によって一緒に接続されたドリップ・チャンバ130、チェック弁140、及びローラ・クランプ150を含んでよい。注入セット120はまた、ニードルレス・コネクタ175並びにルアー・ロック・コネクタ180を注入セット120の端部に有するY字形状の接合部を有するY字箇所170を含んでもよい。ルアー・ロック・コネクタ180は、例えば患者の体内に挿入されたカテーテルへの接続のために使用されてよい。注入セット120は、追加の注入構成要素を含んでもよく、構成要素及び配管160の任意の組み合わせで形成されてよい。
【0020】
図2Bに示されるように、IV伸張セット120aが、IVセット、注入ポンプ、注射器ポンプなど任意の2つの注入構成要素又はデバイスを接続するのに使用されてよい。IV伸張セット120aは、ルアー・ロック・コネクタ180aと、流れコントローラ155aとを含む。同様に
図2Cに示されるように、別のIV伸張セット120bは、ルアー・ロック・コネクタ180bと、流れコントローラ155bとを含む。
【0021】
図3に示されるように、本開示の態様に従ってルアー・ロック・コネクタ200が提供される。ルアー・ロック・コネクタ200は、ポリカーボネート、ナイロン、ポリエチレンなどの硬質な材料から形成された内側コア210を有する。内側コア210は、ルアー・ロック・コネクタと接続するように構成された、注入セット・デバイス又は注入セット構成要素の標準的な受け口(例えばニードル・フリー・ポート、カテーテル・セット、ポンプ・ポート)と噛み合うことができる。
【0022】
外側層220が、内側コア210の周りに配設され、外側層220は、柔軟で衝撃を和らげる材料で形成されている。例えば、外側層220は、シリコーン、ポリウレタン及びラテックス・フリーのシリコーン・ゴムなど、又はその任意の組み合わせの任意の好適な材料で形成されてよい。外側層220の柔軟な衝撃を和らげる特性によって、皮膚の引き裂きを生じさせたり傷口を押したりすることなく、長い期間にわたってルアー・ロック・コネクタ200を患者の皮膚に押し当てることが可能になる。
【0023】
外側層220は、ラテックス・フリーであってもよく、患者の皮膚とラテックス接触を禁止するものを含めた(例えば患者がラテックス・アレルギーである)、広範な医療用途での使用を提供する。外側層220は、濡れたときに滑り抵抗性であってよく、ルアー・ロック・コネクタ200が緩められる、又は締められるときに改善された把持を提供するために織り目加工されてよい、及び/又は輪郭が付けられてもよい。外側層220は、ガス滅菌及びガンマ線滅菌に持ちこたえるように形成されてもよい。
【0024】
図4に示されるように、外側層220は、示されるような出っ張りなどの隆起機構222を含んでよく、これは、滑り止め特性及び/又は容易な把持特性のための表面加工を提供してよい。隆起機構222は、例えば細長い隆起又は他の隆起した領域など任意の好適な機構であってよい。同様に、
図5に示されるように外側層220は、示される刻み目などのくぼんだ機構224を含んでもよく、これは、滑り止め特性及び/又は容易な把持特性のための表面加工を提供してよい。くぼんだ機構224は、例えばチャネル又は谷などの任意の好適な機構であってよい。外側層220は、隆起機構222、くぼんだ機構224及び滑り止め又は滑りにくい把持並びに容易で快適な把持を提供する任意の他の好適な機構の任意の組み合わせを含んでもよい。
【0025】
開示の態様では、ルアー・ロック・コネクタ200は、任意の好適な方式で形成されてよい。例えば、外側層材料は、柔軟で滑らない、容易に掴める外側層220でルアー・ロック・コネクタ200を形成するために、標準的なルアー・ロック・コネクタ(例えばコネクタ180、180a、180b)上にオーバーモールドされてよい。ここで、ルアー・ロック・コネクタ200は、標準的なルアー・ロック・コネクタよりも大きなサイズ及び/又は標準的なルアー・ロック・コネクタよりも大きな形状であってもよい。
【0026】
別の実例として、標準的なルアー・ロック・コネクタ(例えばコネクタ180、180a、180b)は、トリミングされる、剥がされる、削り落とされる、又は標準的なルアー・ロック・コネクタ本体の外側部分を除去する任意の他の方式であってよく、その後、新しい外側層材料が、トリミングされた標準的なルアー・ロック・コネクタ上にオーバーモールドされて、柔軟で滑らない、容易に掴める外側層220でルアー・ロック・コネクタ200を形成してよい。外側層220は、標準的なルアー・ロック・コネクタの除去された外側部分に等しくなるようにサイズが決められてよく、その結果新しく形成されたルアー・ロック・コネクタ200は、元々の標準的なルアー・ロック・コネクタと同じサイズ及び同じ形状を有することになる。
【0027】
さらに別の実例として、外側層材料は、柔軟で滑らない、容易に掴める外側層220でルアー・ロック・コネクタ200を形成するために、内側コア210上にオーバーモールドされてもよい。内側コア210は、標準的なルアー・ロック・コネクタの内側部分がそうであるように、同じ標準的な受け口と噛み合うようにサイズが決められ成形されてよく、外側層220は、ルアー・ロック・コネクタ200が元々の標準的なルアー・ロック・コネクタと同じサイズ及び同じ形状を有するようにサイズが決められてよい。開示の態様では、内側コア210及び外側層220は、標準的なルアー・ロック・コネクタより小さな設置面積で、及び/又は標準的なルアー・ロック・コネクタより小さい外形でルアー・ロック・コネクタ200を提供するようにサイズが決められ成形されてよい。
【0028】
1つ又は複数の実施例では、ルアー・ロック・コネクタは、硬質な材料を有し、対向するルアー・ロック・コネクタの内側部分と噛み合うようにサイズが決められ成形された内側コアと、内側コアの外面上に配設され、柔軟な材料を有する外側層と、外側層の外面上に配設された複数の把持機構であって、複数の把持機構は、滑り抵抗把持面を提供するように構成される、複数の把持機構とを備える。
【0029】
開示の態様では、内側コアは、ポリカーボネート、ナイロン及びポリエチレンのうちの少なくとも1つを含む硬質な材料から形成される。開示の態様では、内側コアは、対向するルアー・ロック・コネクタの雌部分と密閉式に噛み合うように構成された雄噛み合い部分を備える。開示の態様では、内側コアは、対向するルアー・ロック・コネクタの雄部分と密閉式に噛み合うように構成された雌噛み合い部分を備える。開示の態様では、外側層は、シリコーン、ポリウレタン及びラテックス・フリーのシリコーン・ゴムのうちの少なくとも1つを含む柔軟な材料から形成される。開示の態様では、外側層はラテックス・フリーである。開示の態様では、外側層は、ガス滅菌に耐えるように構成される。開示の態様では、外側層は、ガンマ線滅菌に耐えるように構成される
【0030】
開示の態様では、複数の把持機構は、隆起機構を備える。開示の態様では、隆起機構は、出っ張りを備える。開示の態様では、隆起機構は細長い隆起を備える。開示の態様では、複数の把持機構は、くぼんだ機構を備える。開示の態様では、くぼんだ機構は、刻み目を備える。開示の態様では、くぼんだ機構はチャネルを備える。開示の態様では、複数の把持機構は、隆起機構とくぼんだ機構の組み合わせを備える。開示の態様では、外側層が内側コアの上にオーバーモールドされる。
【0031】
1つ又は複数の実施例では、注入セットは、注入セット構成要素及びルアー・ロック・コネクタを備える。ルアー・ロック・コネクタは、ポリカーボネート、ナイロン及びポリエチレンのうちの少なくとも1つを含む硬質な材料から形成された内側コアと、内側コアの外面上に配設され、シリコーン、ポリウレタン及びラテックス・フリーのシリコーン・ゴムのうちの少なくとも1つを含む柔軟な材料から形成された外側層と、外側層の上に配設され、滑り抵抗把持面を提供するように構成された複数の把持機構とを備える。
【0032】
開示の態様では、外側層はラテックス・フリーであり、ガス滅菌及びガンマ線滅菌に耐えるように構成される。開示の態様では、把持機構は、隆起機構及びくぼんだ機構のうちの1つを備える。
【0033】
1つ又は複数の実施例では、注入セット・ルアー・ロック・コネクタは、ポリカーボネート、ナイロン及びポリエチレンのうちの少なくとも1つを含む硬質な材料から形成され、反対の性別のルアー・ロック・コネクタの受け入れ部分と噛み合うようにサイズが決められ成形された内側コアと、内側コアの外面上に配設され、シリコーン、ポリウレタン及びラテックス・フリーのシリコーン・ゴムのうちの少なくとも1つを含む柔軟な材料から形成された外側層と、外側層の上に配設され、複数の隆起機構及び複数のくぼんだ機構のうちの少なくとも1つを備える複数の把持機構であって、複数の把持機構は、滑り抵抗把持面を提供するように構成される、複数の把持機構とを備える。
【0034】
開示されるプロセスの方法における任意の特有の順序又は階層は、実例の手法の例示であることを理解されたい。設計又は実装の好みに基づいて、プロセスにおける特有の順序又は階層は、再構成されてもよい、又はその全ての例示されるブロックが行われてもよいことを理解されたい。一部の実装形態では、ブロックのいずれかが同時に行われてもよい。
【0035】
本開示は、当業者が本明細書に記載される種々の態様を実施することを可能にするために提供される。開示は、主題の技術の種々の実例を提供し、主題の技術は、これらの実例に限定されるものではない。これらの態様に対する種々の修正形態が、当業者には容易に明らかであり、本明細書に規定される包括的な原理は、他の態様に適用されてもよい。
【0036】
単数の要素に対する言及は、具体的にそうであることが記述されていなければ「1つ及び1つのみ」を意味することが意図されているのではなく、むしろ「1つ又は複数」を意味することが意図されている。具体的にそうでないことが記述されていなければ、用語「いくつかの」は、1つ又は複数を指す。男性の代名詞(例えば彼)は、女性及び中性(例えば彼女及びその)も含み、その逆もまた同様である。見出し及びサブ見出しは、あるとすれば、単に簡便にするために使用されており、発明を限定するものではない。
【0037】
用語「代表的な」は、本明細書では、「一例又は例示として機能」することを意味するために使用される。「代表的」として本明細書に記載されるいずれの態様又は設計も、他の態様又は設計に対して好ましい、又は有利であるように必ずしも解釈されるべきではない。一態様において、本明細書に記載される種々の代替構成又は動作は、少なくとも等価であるようにみなされてよい。
【0038】
本明細書で使用されるとき、項目の一部を分けるために、用語「又は」と共に、一連の項目に先行する「少なくとも1つの」という表現は、リストの各項目ではなく、リストを全体として修正する。「少なくとも1つの」という表現は、少なくとも1つの項目の選択を必要とするのではなく、むしろ、その表現は、項目のいずれか1つのうちの少なくとも1つ、及び/又は項目の任意の組み合わせのうちの少なくとも1つ、及び/又は項目の各々のうちの少なくとも1つを含む意味を可能にする。一例として、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」という表現は、Aのみ、Bのみ、又はCのみ、或いはA、B及びCの任意の組み合わせを指してよい。
【0039】
「態様」などの表現は、そのような態様が主題の技術に必須であること、又はそのような態様が主題の技術の全ての構成に適用されることは示唆していない。一態様に関する開示は、全ての構成に適用されてよい、或いは1つ又は複数の構成に適用されてもよい。一態様は、1つ又は複数の実例を提供してよい。一態様などの表現は、1つ又は複数の態様を指してもよく、その逆もまた同様である。「実施例」などの表現は、そのような実施例が主題の技術に必須であること、又はそのような実施例が主題の技術の全ての構成に適用されることは示唆していない。一実施例に関する開示は、全ての実施例に適用されてよい、或いは1つ又は複数の実施例に適用されてもよい。一実施例は、1つ又は複数の実例を提供してよい。一実施例などの表現は、1つ又は複数の実施例を指してもよく、その逆もまた同様である。「構成」などの表現は、そのような構成が主題の技術に必須であること、又はそのような構成が主題の技術の全ての構成に適用されることは示唆していない。構成に関する開示は、全ての構成に適用されてよい、或いは1つ又は複数の構成に適用されてもよい。構成は1つ又は複数の実例を提供してよい。一構成などの表現は、1つ又は複数の構成を指してもよく、その逆もまた同様である。
【0040】
本明細書で使用されるとき、用語「決定する」又は「決定すること」は、広範な行動を包含する。例えば、「決定すること」は、ユーザの介入なしでハードウェア要素を介して、計算すること、算出すること、処理すること、抽出すること、生成すること、獲得すること、検索すること(例えば表、データベース又は別のデータ構造を検索すること)、確認することなどを含んでよい。また、「決定すること」は、ユーザの介入なしでハードウェア要素を介して、受信すること(例えば情報を受信すること)、アクセスすること(例えば、メモリ内のデータにアクセスすること)などを含んでよい。「決定すること」は、ユーザの介入なしでハードウェア要素を介して、解決すること、選択すること、選ぶこと、確立することなどを含んでよい。
【0041】
本明細書で使用されるとき、用語「提供する」又は「提供すること」は、広範な行動を包含する。例えば「提供すること」は、その後の抽出のために記憶デバイスのある場所に値を記憶すること、少なくとも1つの有線又は無線通信媒体を介して受信者に直接値を送信すること、値に対する参照値を送信すること、又は記憶することなどを含んでよい。「提供すること」はまた、ハードウェア要素を介して、符号化すること、復号すること、暗号化すること、暗号解読すること、実証すること、検証すること、挿入することなどを含んでもよい。
【0042】
一態様では、そうでないことが記述されなければ、全ての測定値、値、定格、位置、大きさ、サイズ、及び次に続く特許請求の範囲内を含めたこの明細書に記載される他の仕様は、おおよそであって、正確ではない。一態様では、それらは、それらが関連する機能と一致し、それらが属する分野において慣例であるものと一致する、妥当な範囲を有することが意図されている。
【0043】
開示されるステップ、動作又はプロセスの特有の順序又は階層は、一例の手法の例示であることを理解されたい。設計の好みに基づいて、ステップ、動作又はプロセスの特有の順序又は階層は、再構成されてもよいことを理解されたい。ステップ、動作又はプロセスの一部は、同時に行われてもよい。ステップ、動作又はプロセスの一部又は全ては、ユーザの介入なしで自動的に行われてもよい。添付の方法クレームは、存在するのであれば、サンプル順序での種々のステップ、動作又はプロセスの要素を提示しており、提示された特有の順序又は階層に限定されることは意味していない。
【0044】
当業者に知られる、又は後に知られるべき、本開示を通して記載される種々の態様の要素に対する全ての構造及び機能的等価物は、参照により本明細書に明白に組み込まれており、特許請求の範囲によって包含されることが意図されている。さらに、本明細書に開示されるいずれも、そのような開示が特許請求の範囲において明示的に列挙されているかどうかにかかわらず、公共に捧げられることが意図されている。いずれのクレーム要素も、「~のための手段」という表現を使用して明白に列挙されるのでなければ、又は方法クレームの場合、その要素が「~のためのステップ」という表現を使用して列挙されているのでなければ、米国特許法第112条(f)の規定の下に解釈されるべきではない。さらに、「含む」「有する」などの用語が使用される範囲で、そのような用語は、「備える」が特許請求の範囲において移行語として利用されるときに解釈されるように、用語「備える」と同様のやり方で包括的であることが意図されている。
【0045】
タイトル、背景、概要、図面の簡単な説明及び開示の要約はこれにより、開示に組み込まれており、制限的な説明としてではなく、開示の例示の実例として提供されている。それらは特許請求の範囲又は意味を限定するために使用されるのではないことの理解と共に提示されている。加えて、詳細な説明において、説明は、例示の実例を提供し、種々の特徴は、開示を合理化する目的のために種々の実施例において一緒にグループ化されることを見ることができる。開示のこの方法は、請求される主題は、各請求項において明白に列挙されるものを超える特徴を必要とする意図を反映するように解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、本発明の主題は、単一の開示される構成又は動作の全ての特徴より少ない状態である。以下の特許請求の範囲はこれにより詳細な説明に組み込まれており、その各請求項は、個別に請求される主題として独立している。
【0046】
特許請求の範囲は、本明細書に記載される態様に限定されることは意図されていないが、その言語の特許請求の範囲と一致する全ての範囲と一致すべきであり、全ての法的等価物を包含するべきである。それにも関わらず、特許請求の範囲のいずれも、米国特許法第101条、102条又は103条の要件を満たさない主題を含むことは意図されていないし、それらは、そのような方法で解釈されるべきでもない。
【国際調査報告】